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1970/03/29 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 本会議 第9号
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1970/03/29 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 本会議 第9号

#1
第065回国会 本会議 第9号
昭和四十六年三月二十九日(月曜日)
   午後一時三分開議
    ―――――――――――――
#2
○議事日程 第九号
  昭和四十六年三月二十九日
   午後一時開議
 第一 航空機の不法な奪取の防止に関する条約
  の締結について承認を求めるの件(衆議院送
  付)
 第二 コンテナーに関する通関条約の締結につ
  いて承認を求めるの件(衆議院送付)
 第三 国際道路運送手帳による担保の下で行な
  う貨物の国際運送に関する通関条約(TIR
  条約)の締結について承認を求めるの件(衆議
  院送付)
 第四 最低賃金決定制度の創設に関する条約
  (第二十六号)の締結について承認を求めるの
  件(衆議院送付)
 第五 開発途上にある国を特に考慮した最低賃
  金の決定に関する条約(第百三十一号)の締結
  について承認を求めるの件(衆議院送付)
 第六 国際労働機関の総会がその第三十二回ま
  での会期において採択した諸条約の一部改正
  で条約の運用に関する報告の国際労働機関の
  理事会による作成に関する規定の統一を目的
  とするものに関する条約(第百十六号)の締結
  について承認を求めるの件(衆議院送付)
 第七 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ
  合衆国との間の条約の締結について承認を求
  めるの件
 第八 交通安全施設等整備事業に関する緊急措
  置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
 第九 国立学校設置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第一〇 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨
  時措置法の一部を改正する法律案(衆議院提
  出)
 第一一 下水道整備緊急措置法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第一二 道路法等の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第一三 旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改
  定に関する法律の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第一四 民事訴訟費用等に関する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第一五 刑事訴訟費用等に関する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第一六 民事訴訟費用等に関する法律及び刑事
  訴訟費用等に関する法律施行法案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第一七 地方交付税法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第一八 放送法第三十七条第二項の規定に基づ
  き、承認を求めるの件(衆議院送付)
 第一九 卸売市場法案(第六十三回国会内閣提
  出、第六十五回国会衆議院送付)
 第二〇 国有農地等の売払いに関する特別措置
  法案(衆議院提出)
 第二一 農林漁業金融公庫法の一部を改正する
  法律案(衆議院提出)
 第二二 漁業協同組合合併助成法の一部を改正
  する法律案(衆議院提出)
 第二三 中小企業特恵対策臨時措置法案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第二四 関税定率法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第二五 所得税法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第二六 法人税法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第二七 租税特別措置法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第二八 塩業の整備及び近代化の促進に関する
  臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)
 第二九 引揚者等に対する特別交付金の支給に
  関する法律の一部を改正する法律案(衆議院
  提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 一、昭和四十六年度一般会計予算
 一、昭和四十六年度特別会計予算
 一、昭和四十六年度政府関係機関予算
 一、日程第一より第二九まで
 一、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する
 法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
    ―――――――――――――
#3
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#4
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 昭和四十六年度一般会計予算。
 昭和四十六年度特別会計予算。
 昭和四十六年度政府関係機関予算。
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長古池信三君。
   〔古池信三君登壇、拍手〕
#6
○古池信三君 ただいま議題となりました昭和四十六年度予算三案につきまして、予算委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 政府の説明によりますと、昭和四十六年度において、わが国経済の安定成長路線の確実な定着をはかることによって、将来にわたって均衡のとれた繁栄を期することが最大の課題となっております。このような観点に立って、昭和四十六年度予算は、まず、経済の動向に即応した財政運営を行なうため、その規模を適正なものとするとともに、弾力的運用の措置を講じ、所得税等平年度二千八百億円の減税を行ない、財源の適正かつ効率的な配分につとめ、国民生活の充実向上をはかるための諸施策を着実に推進することとして編成されたものとされております。
 かくて一般会計予算の総額は歳入歳出とも九兆四千百四十三億円であり、前年度当初予算に比べ一兆四千六百四十五億円の増加となっており、財政投融資計画の総額は四兆二千八百四億円でありまして、前年度当初計画に比べ七千五億円の増加となっております。
 その他の内容の詳細につきましては、すでに大蔵大臣の財政演説において説明されておりますので、これを省略いたします。
 これら予算三案は去る一月二十二日国会に提出せられ、委員会におきましては一月二十八日大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、三月一日衆議院からの送付を待ち、翌二日より審査に入りました。委員会を開くこと十九回、その間さらに二日間にわたり公聴会を、また四日間にわたって分科会を開くなど、終始慎重審議を重ねてまいったのであります。
 以下、委員会におきますおもなる質疑の概要を申し上げます。
 まず、外交問題につきまして、「七〇年代のわが国外交の最大の課題である中国問題に取り組むにあたって政府は何らかの決断をすべき時期に到達したのではないか。日中国交の正常化を促進するための前提条件として中華人民共和国政府が要求している諸原則をどう思うか、また、昨年秋の国連総会における国際世論の潮流にかんがみ、今年の国連総会における中国代表権問題の取り扱い、さらに、日中覚書貿易の減少傾向の原因は何か」など、主として日中問題が質疑されました。これに対し、佐藤内閣総理大臣及び愛知外務大臣等から、「中国問題については、正統政府を主張する二つの政権が存在するという事実の上に立って、この種の問題は本来当事者間の話し合いできめてもらいたい筋合いの問題である。そして決着がついたならば政府はこれを尊重し、それに従うという方針を従来から一貫してとっており、この考え方に何らの変更はない。さらに、今日、この中国問題をめぐって世界各国はいろいろと微妙な動きをしている段階であり、それらの帰趨を見きわめながら慎重に検討を加えないと結論を出せない。中華人民共和国政府の主張する政治三原則、政経不可分の原則の解釈は広範なもので不明確な点も少なくない。日中間の接触については、双方が内政不干渉、相互の立場尊重という二大原則のもとに、閣僚級会談をも含め人事交流を積極化することによって相互理解を深めたいと考えている。中国代表権問題については、現在検討中で結論を得ておらず、慎重に考究したい。ただ、国連を結成した当初からの原加盟国であり、さらに常任理事国として忠実にその義務を果たしてきた国を追放するというようなことは、国連の精神からいっても軽々に取り扱うべきものではないと考えている。日中覚書貿易については、全体の日中貿易が年間八億ドル程度にまで伸びてきている中で、覚書貿易の比率が年々減る傾向にある。その理由は、取引対象になる商品や数量が制約されていることと、相互貿易であるために、往復をバランスさせようとする向きがあるためと考えられるが、今日の日中貿易の状況から見て、覚書貿易のパイプが引き続きできるだけ太くなることが望ましいと考えている」旨の答弁がありました。
 次に、防衛問題につきましては、「防衛庁長官の、日本固有の防衛体系の確立とは何か、新防衛力整備計画はすでに政府の言う専守防衛の域を越えているのではないか、防衛費の増加傾向から見て将来の防衛費はどうなるのか」などの質疑がありました。これに対し、佐藤内閣総理大臣、中曽根防衛庁長官等より、「国の安全感、国民生活との調和、外国に脅威を与えないという諸原則と憲法上の諸制約、あるいは佐藤内閣のとっている非核三原則などの政治的諸原則、さらに日米安保体制下における日本側の機能とを調和させ、日本独特の防衛戦略体系をつくっていきたい。新防衛整備計画は専守防衛構想で貫かれており、憲法、諸法律の制限並びに防衛政策としても通常兵器による局地限定戦に対応する方針に基づき策定され、外国への侵略的要素はない。計画の費用は防衛庁試算として約五兆八千億円であるが、国際情勢に変化がない限り、防衛力を格段にふやすことは好ましくないので、国の各施策とのバランスをとりながら、将来とも社会保障費の約半分ぐらいの比率がいいと考えている」との答弁がありました。
 また、軍国主義との関係につきまして、「日本の軍国主義復活が、中華人民共和国はもとより、アジアの友邦諸国からも懸念されているが、これら諸国の警戒心を一掃し、理解を得るためにも、わが国の防衛力の限界を明らかにすべきではないか」との質疑に対し、佐藤内閣総理大臣、中曽根防衛庁長官より、「日本が海外派兵をせず、専守防衛に徹していることは、アジアの友好関係諸国はよく理解している。ただ、諸国民の一部には、過去の歴史において経済大国即軍事大国であったので、将来、日本も外国で得た権益が危険になったとき軍事的救済手段をとるのではないかとの疑念を持ちやすいのではないかと思う。しかし、日本が軍国主義化しないという政府の態度を国民も十分に理解し、確信を持って行動することが大切だと思う。防衛力の限界については、第一に攻撃的兵器を持たない憲法的限界、第二に非核三原則を維持するという政治的限界、第三に本土防衛に限定し、必要かつ十分なだけの防衛措置という運用上の限界、第四に爆撃機などの侵略兵器は持たないという装備体系における限界がある。そしてこれら四つの限界を維持するため、世界に例のない厳重な文民統制がしかれている」との答弁がありました。なお、このほか新防衛力整備計画の発足を四十七年度に控え、国防基本方針改定の意図、新防衛力整備計画の具体的内容、自衛隊の性格、予備自衛官制度の拡充、産軍複合体の実態等、多岐にわたる論議がかわされました。
 次に、財政経済問題につきまして申し上げます。
 まず、佐藤内閣の経済運営の基本姿勢について、「総理は六年前、安定成長を経済政策の目標に掲げたにもかかわらず、その後の実績は超高度成長の道を歩み、安定成長どころか物価の上昇、公害の発生、交通事故の激増など、国民の生活環境は一段と悪化している。これは民間設備投資主導型の経済成長を是認し、政府が社会開発や物価の安定に積極的に取り組まなかったためではないか」との質疑に対し、佐藤内閣総理大臣はじめ関係大臣から、「四十年代の日本経済が予想に反し異常な速度で拡大したため、当初目標としていた安定成長が実現しなかったことについては反省している。しかしながら、比較的長期にわたって高度成長を維持し、その間に経済成長と国際収支の均衡が両立する体制が実現したことは、わが国経済にとって画期的なできごとである。他方、物価上昇や公害発生という経済成長に伴うマイナス面については、社会資本の充実強化を今後も施策の中心に据え、社会開発のおくれを取り戻すと同時に、民間設備投資も適度なものに押えることによって、適正な経済成長が維持されるようつとめたい」旨の答弁がありました。
 また、四十六年度予算編成の段階で、「食管、健保、国鉄のいわゆる三K赤字対策が大きな問題となったが、そのいずれもが長期的なビジョンを持たず、その対策は当面を糊塗するもので税金のむだ使いに終わるおそれがある」などの質疑があり、これに対し、福田大蔵大臣並びに関係大臣より、「食管の赤字対策としては、各年度の生産と消費のバランスを回復することを当面最大の課題にして、大体五カ年間に五十一万九千ヘクタールの水田を休耕、転作することにしている。さらに、米の生産調整が定着するように、四十五年度は一律であった補助金を休耕、転作等、転換の態様に応じて区別を設けることにしたほか、飼料作物、野菜、果樹、畜産等、今後需要の伸びが期待される作物への転作を計画的に推進することにしている。過剰米については四年間で処理することとし、その赤字は今後七年間で解消する計画を立てている。健康保険の赤字問題については、被保険者並びに患者負担の若干の引き上げを行なうことによって、単年度赤字の解消をはかることとしたほか、過去の累積赤字はたな上げするとともに、従来、定額であった国庫補助を定率補助に改めるなどの措置を講ずることとした。医療保険の抜本改正は困難な状況にあるが、健保の赤字はとれ以上放置することは許されない事態なので、将来の医療保険の抜本改正への第一段階という考え方に立って今回の対策を取り上げた。国鉄の赤字解消のためには、前提として総合交通体系の確立が不可欠であるが、四十六年度の予算作成までに間に合わなかったので、やむなく暫定措置として財政援助を大幅にふやすことで対処した。本年九月ごろにまとまる総合交通体系を待って、四十七年度予算で国鉄財政の抜本的な再建対策に取り組みたい」との答弁がありました。
 さらにまた、自動車重量税の創設と税負担のあり方については、「自動車新税の創設は税制調査会でも総合交通体系ビジョンの確立を待って実施すべしとの意向であったにもかかわらず、総合交通体系もないまま新税創設に踏み切った理由は何か。現在すでに自動車には数種類の税が課税されているのに、さらにその上新規課税を行なうことは、税は取りやすいところから取るという安易な考え方に立っている。税負担に対する政府の基本方針は何か」との質疑に対し、福田大蔵大臣より、「新税の創設は慎重でなければならないが、四十五年度に発足した新道路整備五カ年計画の財源が三千億円以上不足しており、さらに道路整備については、自動車による道路の損壊に着目して新税を創設した。課税の基本原則は公平で、負担能力に応じ、かつ負担感を伴わないことが大切で、わが国の税負担は直接税が全体の六五%も占めておる結果、負担感がきつく感じられる。したがって、今後は間接税を強化して、所得税を中心に直接税の減税を進め、直接税偏重の税体系を改めていきたい。自動車新税の創設もそうした観点に立って理解してほしい」旨の答弁がありました。
 次に、物価問題に関し、「政府は四十六年度の物価上昇を五・五%に押えることを目標にしているが、一方では金融緩和や積極財政による不況対策がとられており、物価安定と景気対策の両立は困難ではないか、また、日本経済への国際的影響、ことにベトナム戦争、低金利政策、景気刺激対策を実施しておるアメリカのインフレが輸入され、その被害を受けることになる。政府は米国にその財政経済政策を改めるよう警告すべきではないか」などの質疑がありました。これに対し政府側から、「四十六年度は実質一〇%程度の経済成長を目途にしており、いままでの実質一三%前後の成長から見ると、成長率はかなり落ちることになる。要は安定成長を徹底することによって物価安定と景気対策がそごを来たさないようにしたい。また、四十六年度の年間物価上昇許容率は三%で、例年になくゆとりを持っているので、五・五%の範囲内に押えることは十分可能である。輸入インフレについては、米国のベトナム戦費調達も漸減の傾向が見られ、ドル減価という最も困難な問題は解消の方向に向かっていると思われる。しかし、アメリカがキーカレンシー国としての責任を自覚し、みずからの姿勢を正すことが必要で、米国のインフレがおさまってくれることを期待しておる」旨の答弁がありました。
 また、「物価と賃金の関係をどう見るのか、政府は所得政策の採用を考えているか」との質疑に対し、「賃金の引き上げが物価に転嫁されるという事実を見過ごすことはできないが、政府は経済を安定成長の路線に乗せることによって、賃金もまた全体のバランスの中で成長に見合ってきめられるのが望ましいと考えている。賃金は本来企業と労働組合の間で自主的に決定さるべきもので、いわゆる所得政策を採用する考えは持っていない」との答弁がありました。
 次に、農業問題について申し上げます。まず、米につきまして、「政府は昨年の約二倍の二百三十万トンの生産調整を決定しているが、農民や農業団体の態度から見て実現は困難ではないか。もし豊作などにより政府の予約買い入れ限度の七百六十万トンをこえて過剰米が発生した場合、政府はどう処置するのか。また、消費者米価を物価統制令の適用から除外することにしたが、これは米価の値上がりを招くのではないか」との質疑に対し、倉石農林大臣より、「現在、農業団体や県知事会などが参加している生産対策協議会が四十六年度以降の米対策に取り組んでいる。すでに二百三十万トンの生産調整量は各県別に配分し、三十七道府県では個別農家におろす段階まで進み、円満に行なわれている。政府の予約米数量は過去三年の平均収量及び米の生産調整量を基礎に七百六十万トンときめたもので、過剰米は出ないものと見込んでいる。しかも、限度数量を越えた米は、たてまえとして政府は買い上げず、農業団体が保管し売却することになっている。それでもなお余った場合には、そのときの状況に応じ、生産者とも相談して措置をとる考えである。物価統制令の適用廃止については、米価値上がりの心配はない。すなわち米の流通段階の各種の規制を緩和し、競争原理を導入することにしており、さらに政府手持ち米も十分あるので、状況を見ながら売り渡しを操作するなど万全の措置を講ずるつもりである」との答弁がありました。また、「政府は今回、農村地域工業導入促進法を提案しているが、工業の農村進出は兼業農家を増加させ、自立農家育成を柱とする総合農政と矛盾するのではないか」との質疑に対し、倉石農林大臣から、「総合農政は規模の大きい自立経営農家を育成するのが眼目ではあるが、現実には所得の半分を農外所得に依存し、兼業を希望する多数の農家があり、また、過疎過密解消のため離農者が太平洋メガロポリス地帯に集中することは望ましくないと考えておるので、今後はいわゆる農工両全方式を採用することが、地方住民にとってはもちろん、国全体にとっても必要であると思う」との答弁がありました。
 次に、社会保障の問題につきまして、「わが国の社会保障は先進国に比べ立ちおくれているので、長期計画を策定し、充実強化をはかる考えはないか。特に年金部門は立ちおくれが目立つ中で、物価上昇により年金給付額が減価しており、この調整に要する費用は国が全額負担すべきではないか」。また、「財政投融資の年金還元融資比率を現在の二五%からせめて三分の一程度に引き上げるとともに、その運用については労働者、農民代表を入れ、その意見を反映させてはどうか」との質疑がありました。これに対し内田厚生大臣等より、「長期計画についてはすでに新経済社会発展計画の中に社会保障給付費の割合が六カ年計画で概定され、また、社会福祉施設については四十六年度から緊急整備五カ年計画を立てており、これらを基礎に今後発展させていきたい。わが国の年金制度は発足が諸外国に比べおくれたので、現在までのところ完全な年金受給者が少なく、制度自体が未成熟なため立ちおくれている。給付の改善には支払い財源との関係もあってその前進をはばんでいるが、内容を整備し一日も早く先進国並みのものにしたい。経済の変動に伴う年金価値の減価については物価スライド制の採用は困難だが、実質価値の維持について最大の努力を払い、毎年度予算等で調整措置を講ずる方針である。還元融資比率の引き上げは財投の機能である景気対策に支障を来たすおそれがあるので好ましくない。資金運用については、現在学識経験者七名の参加を得て審議決定しており、現在のところ支障はない」との答弁がありました。
 最後に、公害問題につきましては、大気、土壌、水質、海洋、農薬、放射性廃棄物汚染問題、PCBによる被害及び地下水乱掘による地盤沈下等の原因、実状、対策について質疑が行なわれました。
 以上のほか、質疑は沖繩返還に関連する諸問題、インドシナ情勢、今後の景気動向、円切り上げ問題、繊維の対米輸出自主規制とその補償、FM東京放送免許の経緯、教育、文化、技術に重点を置いた国際協力問題、資源開発問題、大震災対策、航空業界の再編成、新東京国際空港問題、妻に対する税制上の優遇措置、大学入試不正事件等、その他広範多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 かくて、本日をもちまして質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して吉田委員が反対、自由民主党を代表して林田委員が賛成、公明党を代表して三木委員が反対、民社党を代表して向井委員が反対、日本共産党を代表して岩間委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、昭和四十六年度予算三案は、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#7
○議長(重宗雄三君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。吉田忠三郎君。
    〔吉田忠三郎君登壇、拍手〕
#8
○吉田忠三郎君 私は、日本社会党を代表して、昭和四十六年度予算三案に対し、反対の意思を表明いたします。
 佐藤内閣は、政権の座にあることすでに六年有余の長きに及んでおります。その政権の長さと反比例して、国民の不満はますます増大しているのであります。その理由は、佐藤内閣の公約が少しも実現されていないからであります。佐藤内閣は、池田内閣の経済政策を生産第一主義の高度成長政策であると批判し、経済の安定成長によるひずみの是正、人間尊重の政治と社会開発を進めることを最大の公約とし、昭和三十九年に政権を担当して以来、この問題を提起をいたしておったのであります。しかし、その後の実績は、公約とはうらはらに、池田内閣時代を上回る生産第一主義、超高度成長の経済政策となっているのであります。経済のひずみは是正されるどころか、かえって拡大し、消費者物価は上昇率を高め、公害は日本国中至るところで発生しており、国民はいまや、インフレと公害に対する政府の無策ぶりに不満を通り越して憤りをさえ感じているのであります。人口の都市集中によって交通事故は年々ふえるばかり一であります。交通事故による死傷者の数は、昭和四十年以降、昨年までで実に四百四十五万人にも達しているのであります。これではたして経済の安定成長によるひずみの是正が実現されたのでありましょうか。人間尊重の政治が実現されたと言えるのでありましょうか。佐藤総理は、委員会においてわが党委員の質疑に答え、事志と反したと述べておりますが、そのいなかは別として、基本的な路線は、佐藤内閣の政策によって方向づけられてきたことはまぎれもない事実であります。
 また、社会開発はどうでありましょうか。民間企業の設備投資が年々三〇%近い伸びを示したのに対し、政府投資支出や個人消費支出の伸びはその半ばに近い伸びにとどまっているのであります。特に社会資本の立ちおくれははなはだしく、下水道の普及率のごときは、人口普及率でわずか二〇%で、米国の六八%、英国の九〇%、西独の六〇%などに比べ最低の普及率であります。また、住宅難世帯の数はいまなお三百六十万世帯にも及び、さらに高い家賃や居住面積の狭さなどから、住宅に不満を訴えるものの数を加えれば九百万世帯にも達すると言われているのであります。また、老人や身体障害者等、恵まれない人たちに対する社会保障の立ちおくれ、農政や中小企業対策の失敗、税制の不公平等々、生活面における政策の不在は、今日ほどはなはだしいときはないと言っても過言ではないのであります。
 佐藤総理は、最近になって初めて、「福祉なくして成長なし」と言われるようになりましたが、これまでは、毎国会の施政方針演説において、GNPが自由世界第二位になったことを誇らかに強調してきたのであります。これは佐藤内閣の経済政策がGNP至上主義の経済政策であったことを端的に示すものであります。佐藤内閣の政治姿勢、経済政策こそが、今日のような物価や公害をはじめとする各種のひずみを招いた根本の原因であります。七〇年代の経済政策の目標は、もはや国民総生産ではなくして、国民総福祉でなければならないとわれわれは考えるものであります。
 この意味において、今日ほど財政金融政策をはじめとするあらゆる経済政策が、成長優先から福祉優先の政策へ、産業優先から生活優先へと政策転換を要求されているときはないと考えるのであります。昭和四十六年度予算は、七〇年代の第二年度目の予算として、真に人間尊重の政策、生活優先の政策実現に向かってさらに一歩を進めるべき重要な予算であるにもかかわらず、何らその政策に前進が見られないのであります。わが党が昭和四十六年度予算案に反対する基本的な理由は、この予算が政府の言うような中立機動型の予算ではなくして、財政民主主義に逆行した経済成長優先の景気刺激型の予算であり、高福祉高負担ならぬ高物価高負担の低福祉予算であるからであります。
 以下、おもなる事項についてその理由を申し述べます。
 その第一は、四十六年度予算と景気見通しとの関連であります。政府は、四十六年度の経済を、過熱もなく大きな落ち込みもない安定成長の路線に乗せるため、予算を経済に対し中立的な性格のものとし、経済情勢の変化に機動的に対処できるように中立機動型の予算であるとしておりますが、一般会計予算の伸び率は一八・四%、財政投融資計画の伸び率は一九・六%と、いずれもGNPの名目成長率を上回っております。殊に一般会計予算の伸び率は、戦後最大の不況といわれた四十年不況克服のため公債政策まで導入して編成された四十一年度予算の伸び率を上回るばかりでなく、三十八年度以降の最大の伸び率であります。また、政府がこれまで、予算が経済に対し刺激的であるか抑制的であるかを判断する場合の論拠としてあげてきた国民経済計算上の政府財貨サービス購入の伸び率とGNPの名目成長率との関係を見ましても、四十六年度は、政府の財貨サービス購入の伸び率は一五・四%で、GNPの名目成長率を上回っており、中立的予算どころか、近来にない景気刺激的な予算となっているのであります。ことに、四十六年度はGNPの実質成長率が一〇・一%と見込まれており、政府みずからが経済社会発展計画で安定成長のめどとして示した年率一〇%台の成長が見込まれているにもかかわらず、実質成長率が五%という低さであった四十年不況克服のため編成された四十一年度予算の伸び率を上回る予算を組んだことは、経済に対して中立的な性格とするという政府の予算編成方針に反するばかりではなく、すでに実施済みの二次にわたる日銀公定歩合の引き下げ、財政投融資の三次にわたる追加、その追加額は二千百四十
 一億円で、四十年不況の際の千九百八十八億円を上回っていることと相まって、これまでの超高度成長によってインフレ的な体質になっている日本経済のインフレ化を一そう促進する以外の何ものでもないのであります。四十六年度予算は、物価の安定より経済の成長を、生活より産業を優先させた予算であることは明白であると言わなくてはなりません。さらに問題なのは、経済情勢の変化に即応して財政を機動的に運用するためといって、一般会計の予備費や使途を特定しない国庫債務負担行為の額をふやし、公庫、公団等の債券や借入金の限度額を七千百三十八億円も拡大し得る措置を講じていることであります。もしこの弾力条項をフルに発動いたしますならば、財政投融資の伸び率は実に三九・五%にも達するものであります。このような多額の財政資金を行政府限りの判断で支出し得る措置を講ずることは、使途を明示して国会の議決を求める予算原則に反するばかりではなく、財政民主主義に逆行する措置と言わなくてはなりません。もとより、われわれは、不況時における財政措置の必要性を否定するものではなく、そのやり方を問題にしているのであります。不況対策として財政措置が必要ならば、なぜ補正予算を組まないのでありましょうか。政府は、四十三年度予算以来、総合予算主義の名のもとに、補正予算を組むことを避ける方針をとってきておりますが、いままた財政の機動的運営の名のもとに、弾力条項を拡大し、行政府限りで財政支出を行ない得るワクを七千億円も拡大しようとしております。これは、まさに財政民主主義を事実上空洞化するものであり、国会軽視もはなはだしい行為と言わなくてはなりません。
 その第二は、税制の改正であります。政府は、四十六年度において、初年度千六百六十六億円の所得税の減税を行なうこととしておりますが、その反面、社会資本整備の財源に充てるためと称して自動車重量税の創設を行なっておりますので、実質減税の額は千三百八十七億円にすぎず、租税の自然増収に対する減税の割合はわずかに九・三%で、実質減税ゼロと言われた四十三年度を除けば、過去十年来の最低の減税額と言わなくてはなりません。特に所得税の減税は基礎控除、配偶者控除、扶養控除の各一万円引き上げを中心とした課税最低限の引き上げであり、税率の緩和や大企業、資産所得者、医師等に対する優遇措置のため四千三百九十四億円もの減収になっている租税特別措置には、ほとんど手がつけられておらないのであります。まさに負担の不公平は、是正されているどころか、かえって拡大しているのであります。また、自動車重量税の創設は、当然、総合交通体系の確立を待って行なうべきであるにもかかわらず、予算の編成の直前になってその新設をきめたことは、高福祉、高負担の名のもとに高負担だけを先行せしめるものであり、物価高にあえぐ国民生活の実情を無視するもはなはだしい税制改正と言わなければなりません。
 その第三は、物価対策であります。佐藤内閣は、新経済社会発展計画において、最終年度までに消費者物価の上昇率を三%台に下げると約束をしておりますが、新経済社会発展計画の発足した初年度である四十五年度で、すでに七・三%の上昇が見込まれているのであります。政府は、四十六年度予算の編成にあたっては、物価の安定には格段の配慮をしたと言っておりますが、不況対策を第一にした景気刺激予算を組み、物価対策の基本である総需要の抑制を無視した政策をとっております。また、物価対策関連予算を一般会計、特別会計を合わせて前年度より千六百五十億円増額をしたと説明しておりますが、物価対策に関係のある予算を集計したにすぎないこのような予算の額を示しただけでは、現在の物価情勢に対処できないことは、昨年度の例を見ても明らかであります。昨年度の物価対策関連予算は千百九十七億円増額されておりますが、物価は七・三%も上昇しているのであります。また、公共料金を厳に抑制すると言いながら、財政体質の改善を理由に、郵便料金や電報料金の値上げ、健康保険の保険料の値上げを行ない、また、消費者米価に対する物統令の適用を廃止し、公営、公庫、公団等、政府施策、住宅の家賃まで値上げが予定されているのであります。しかも、最も問題になっている生鮮食料品対策の予算は、わずかに三十八億円増額されたにすぎず、管理価格や再販価格維持制度、地価対策等について何ら前進した対策は見られないのであります。これでは、政府見通しの五・五%にとどめることが困難であることは火を見るより明らかであります。まさに物価政策不在の予算と言わなくてはなりません。
 その第四は、公害対策であります。公害対策については、政府は、物価対策とともに最重点を置いたと説明しておりますが、四十六年度の公害対策予算は、一般会計、特別会計を通じて九百三十億円で、増加額はわずかに二百六十四億円にすぎないのであります。しかも、その七割は下水道事業費であり、公害被害者の救済、監視員の増員、公害倒産の多い中小企業の公害防止施設に対する援助等の経費はきわめて不十分であります。また、年間五千九百万トンにものぼるといわれる産業廃棄物処理施設に対する補助のごときはわずかに一億円であります。四十六年度予算は、さきの臨時国会で成立した十四の公害立法を財政的に裏づける重要な意味を持つ予算であったにもかかわらず、ほとんどが地方公共団体まかせの予算になっているのであります。大蔵大臣は、本委員会における答弁で、四十六年度予算で、気持ちの上で最も力を入れたのは物価と公害であると述べておりますが、まさに気持ちだけであると言わなくてはなりません。もとより公害対策は、予算をつけるばかりが対策ではなく、経済政策、エネルギー政策、都市政策等、その政策の根本にさかのぼって対策を講じなければならぬことは言うまでもありません。しかし、それらの政策についても何ら前進したものは見られないのであります。
 その第五は、社会資本の整備についてであります。四十六年度予算では、公共事業費は一九・七%と一般会計全体の伸び率一八・四%を上回る高い伸び率を示しておりますが、予算額の半分以上は、道路や港湾等産業関係の輸送の隘路打開のための投資であり、住宅対策費や生活環境施設整備費は、わずかに一二・八%を占めるにすぎません。また、四十六年度から住宅、下水道、港湾、交通安全施設等の五つの五カ年計画を発足させることとしておりますが、膨大な事業規模を示しただけで、用地確保や財源対策は何ら示していないのであります。特に、住宅については、今後五カ年間に九百五十万戸の住宅を建設することとしておりますが、建設戸数の六割は民間の自力建設に依存しており、計画達成に必要といわれる七万五千ヘクタールに及ぶ宅地開発や資金対策は何ら示されていないのであります。都内で坪十万円以下で買える土地がほとんどないというような政策不在の地価対策、国有農地を坪二円六十銭でそのまま売り戻そうとするような土地政策のもとで、三百六十万世帯といわれる住宅難世帯の解消が、はたしてできるものかどうか、疑問とせざるを得ないのであります。また、国鉄についても、道路や航空等他の交通機関との関係を考えた総合的な交通体系を確立した上で、真に利用者の立場を考えた再建計画を立てるべきであるにもかかわらず、これまで工事勘定に充ててあった財政再建債を損益勘定に繰り入れて収支を合わせるという、全くその易しのぎの対策にとどまっているのであります。
 その第六は、社会保障についてであります。公共事業費は四十年度予算以来最高の伸びを示しているのに対し、社会保障関係費はわずかに一七・八%の伸びにとどまっており、前年度予算の伸び率二〇%をさえ下回っているのであります。また、その内容を見ても厚生年金や福祉年金の引き上げ、生活扶助基準の引き上げ等、物価上昇に伴う当然の措置と、形ばかりの児童手当を実施するにとどまっているのであります。特に、児童手当については、その実施時期を四十七年一月からとし、四十六、七年度は五歳未満までとした結果、四十六、七年度に実際に支給される人員は、この制度を完全実施した場合の対象人員二百四十七万人のわずか三八%に当たる九十三万人にすぎないのであります。また、公共事業関係の五ヵ年計画はすべて認めているのに対し、老人福祉施設や身体障害児の収容施設、保育所などを緊急に整備しようという社会福祉施設整備五ヵ年計画は見送られております。また、健保の再建対策については、保険料の引き上げや国庫負担の定額制から定率制への切りかえなどにより、単年度の収支を均衡させるような措置がとられておりますが、医療保険制度改革の車の両輪とされている診療報酬体系の適正化には、何ら手をつけていないのであります。現在の診療報酬体系は、主として薬や注射の使用量によって支払われ、乱診乱療や医療費を急増させている最大の原因であります。国民の総医療費は四十五年度で二兆五千億円といわれ、年々の医療費の増加額の四〇%は、投薬や注射代だといわれているのであります。今回の再建対策は、これまで政府が表明してきた抜本対策の公約に反するばかりでなく、財政再建に名をかりて一方的に被保険者や患者に負担を転嫁するもので、断じて許すことはできません。
 第七は、農業及び中小企業対策であります。政府は、今年度予算で、食管赤字と過剰米の増加を理由に、二百三十万トンにのぼる米の生産調整を行なうとともに、政府の買い入れ量を五百八十万トンに制限し、消費者米価に対する物統令の適用を廃止することとしております。これは、これまで政府が約束してきた食管制度堅持の公約に反するばかりでなく、自立経営農家の育成を目標として進めてきた基本法農政の失敗を農民と消費者に転嫁するものであります。また、生産調整を今後五カ年間続けるとしておりますが、それまで他作物に転換し得る具体策は何ら示していないのであります。また、中小企業は、景気の転換期と経済の国際化の中で、経営は一そう困難の度を加えているのに、中小企業対策費は前年度予算の伸び率を下回っております。政府のいう福祉社会建設のための諸施策は、いずれも不徹底に終わっているのであります。これに対し、防衛関係費は、三次防の最終年度の予算とはいえ、前年度予算に対する伸び率は一七・八%と、文教及び科学振興費の伸び率一六・五%を上回り、自衛隊発足以来、最高の伸び率を示しております。特に四十六年度は六千七百九億円の歳出予算とともに新たに艦船や航空機を調達するため、国庫債務負担行為及び継続費で二千五百六十四億円の後年度負担を約束しております。五兆七、八千億円といわれる四次防の計画規模と相まって、内政費の大きな圧迫要因となろうとしております。このような防衛予算の計上は、日本軍国主義復活に対する諸外国の疑惑を一そう深めさせるものであり、国民の納得を得ることはできません。
 以上述べましたように、四十六年度予算は、財政民主主義に逆行した経済成長優先の景気刺激予算であり、高物価、高負担の低福祉予算であります。日本社会党は、このような予算に絶対賛成できません。
 以上をもって私の討論を終わります。(拍手)
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#9
○議長(重宗雄三君) 森八三一君。
   〔森八三一君登壇、拍手〕
#10
○森八三一君 私は、参議院自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和四十六年度予算三案に対しまして賛成の討論をいたします。
 いまここに昭和四十六年度予算が、委員長の報告にもございましたように、慎重審議を遂げ、なおかつ、審議期間を余しまして昼間のうちに採決の運びになりました。このことは先例のない未曽有のことかと思います。ここに新しい記録ができたわけでありまして、私は、こういう記録が将来本院のあらゆる審議に定着いたしますることを心から期待をし、院をあげて努力を誓いたいと思うのであります。
 私が予算三案に対しまして賛成いたしまする理由を一口で申し述べますれば、本案が流動する内外の経済情勢に対処して、経済の安定成長を求めて、中立的性格を基調として編成されておること、わが党があらゆる機会を通じまして世に訴えてまいりました重要な党の公約が実現をはかられており、国民各層各界絶対の信頼にこたえておるものであると確信するからであります。
 以下、重要な数点をあげまして、具体的に、その理由を明らかにいたしたいと思います。
 最近におけるわが国の経済情勢を見まするに、昭和四十五年の不況を脱出して以来、実に五年という史上例を見ません息の長い成長拡大を遂げてまいりました。いまや国民総生産は八十四兆余、外貨準備高は五十億ドルというすばらしい活力と蓄積を記録いたしました。このことは、わが自由民主党が一貫して政局を担当し、適時適切な政策を遂行してきた成果と、国民各位の御努力、御協力のたまものでありまして感激のほかはありません。しかしながら、そこに、物価問題や公害問題などいろいろのひずみを生じてまいりました。これらのひずみは、すみやかに解消しなければなりません当面の最大課題であります。そのためには、まず、経済の節度ある成長をはかりますることが最も肝要であると思います。
 政府は、昭和四十四年九月から景気の行き過ぎを調整するために金融措置を実施してまいりました。近時、その効果が金融面から経済面へと浸透し、景気はかなり鎮静の方向を示すに至っております。ただ、ここで留意しなければなりませんことは、景気の鎮静が過度の不況に落ち込まぬよう配慮いたしますとともに、超高度成長へと逆戻りをして過熱を来たさないよう、安定成長路線を確立することであります。昭和四十六年度予算はここに深く思いをはぜ、総理の政治理念であります「福祉なくして成長なし」という方針に基づきまして、きめこまかく配慮されて編成されておることであります。
 すなわち、一般会計予算の規模は九兆四千百四十三億円で対前年比一八・四%の増、財政投融資計画の規模は四兆二千八百億円対前年比一九・六%の増となっております。また、国債の発行額は四千三百億円、政府保証債の発行額は三千億円と前年当初予算と同額に据え置かれており、国債の依存度が五・四%から四・六%に低下されております。このように、わが国経済の安定的成長を確保するため、財政規模を適正なものとしております。さらに、今後の経済情勢の推移に応じて、機動的に運営するため、政府保証債の発行限度等を弾力化できるよう予算総則に規定が加えられておりまするほか、使途を特定しない国庫債務負担行為の増額及び不測の財政需要の発生に応ずるため予備費の増額が行なわれております。まさに、昭和四十六年度予算は、今後のわが国経済の動きに対し、機動的に対処し得る中立的性格を持ち、均衡のとれた画期的な政策を織り込んだ、まことに妥当適切なものであると思うのであります。一部に、九兆円予算は景気刺激型の予算であって中立性を失っているとの批判がありますが、衆議院における共同組みかえ案も、その規模は九兆円であることを見まするとき、まさに予算規模は適正であると思うのであります。
 第二は、租税負担の軽減、合理化をはかったことであります。得所税につきましては、昭和四十四年、四十五年、両年度における大型減税により、すでに課税最低限度はイギリス、西ドイツの水準を上回っておるのであります。さらに、昭和四十六年度の税制改正では、課税最低限は約一〇%の引き上げを行なっておりまして、勤労者に対する負担軽減について特段の配慮が講ぜられております。この結果、所得税における減税は、平年度約二千億円となり、ここに、昭和四十三年の税制調査会の長期税制答申が完全実施を見ることになるのでありまして、政府の措置を多とするものであります。その他妻の座に対する優遇措置として、贈与税及び相続税の配偶者控除が引き上げられております。
 第三は、予算及び財政投融資計画を通じ、限りある財源を、国民生活の充実向上のための重要施策に適切かつ効果的に配分して、均衡と調和のとれた予算編成が行なわれておることであります。
 その第一は、公害対策の拡充強化であります。公害を克服して、快適な人間環境を整備いたしますることは、七〇年代の重要課題でありまして、この公害対策の推進をはかるため、環境庁が新設されることになっておりまするほか、公害防止の中心である下水道につきまして、昭和四十六年度を初年度とする総額二兆六千億円の第三次下水道整備五カ年計画を策定して、その強力な実施を行なおうとしております。新年度予算における公害対策費は、一般会計、特別会計を通じまして、対前年比約四〇%増の九百三十一億円が、また、財政投融資計画におきましては、対前年比約五〇%増の千七百二億円が計上されております。公害撲滅に真剣に取り組む政治姿勢をあらわしておるものでございまして、私どもの是とするところであります。
 その二は、物価対策の推進であります。最近、金融引き締めによる総需要の抑制効果がようやくあらわれまして、物価情勢は最悪事態を脱したというような見方も一部にありまするが、物価高騰の国民生活に及ぼす見地から、これが対策の充実は急務であります。新年度における物価対策としては、まず、予算及び財政投融資の規模を経済とバランスのとれた中立的な性格のものとして編成し、財政の面から、景気を過度に刺激することのないように配慮されておりまするほか、予算上の措置として、物価安定のための各般の施策を一段と充実することとし、総額八千百七十五億円を計上して、政府あげてこの解決につとめておられます。しかしながら、物価は、国民経済の集約的な帰結でありまして、政府の直接規制し得る範囲は、ごく限られており、物価問題の根本的解決をはかりまするためには、政府、国民ともどもあげて協力しなければ、なかなかその効果を期することは困難であろうと思うのであります。
 次は、社会資本の充実であります。わが国経済の均衡ある発展と国民生活の質的向上を期しまするため、四十六年度予算においては、各種の社会資本の充実がはかられております。特に、昭和四十六年度を初年度とする住宅、下水道、港湾、空港、交通安全施設の五つの五カ年計画が同時にスタートすることになっておりまするほか、公共事業費総額一兆五千九百二十七億円が計上されておりまして、その飛躍的な充実が期待されるのであります。
 次は、社会保障の整備であります。
 昭和四十六年度における新たな社会保障の施策として、生活保護費における扶助基準の引き上げが行なわれておりまするほか、社会福祉施設の整備や施設職員の処遇改善に対する配慮並びに児童、母子、老人、身体障害者に対するきめこまかい対策がなされております。また、懸案でございました児童手当の新設、厚生年金が再計算期を待たずに一〇%引き上げられることなど、福祉社会実現のための各般にわたる社会保障の整備が行なわれておりまして、政府の措置はきわめて適切であると存じます。
 次は、農林漁業の近代化対策の推進であります。今後における農政の課題は、一億をこす国民に安定的に食料を供給して、豊かな食生活の実現をはかりまするとともに、農業従事者が他産業従事者に劣らない所得を確保するための、生産性の高い近代的な農家経営を確立することにあります。新年度は、前年度に引き続きまして農業基盤の整備、構造改善の推進、農林漁業金融の充実、流通改善の推進、農村工業の導入等各般の施策が講ぜられておりまして、総合農政の強力な展開が期待されるのであります。しかし、当面の農政の中心は、米の恒常的生産過剰に対する対策であります。四十五年度における生産調整につきましては、農業関係者の御協力によりまして目標数量を大幅に上回りましたことは、感謝にたえぬところでありまするが、なお、米の潜在生産力は非常に大きいものがあり、米の生産過剰を抜本的に解決いたしまするために、稲作転換を総合的かつ計画的に推進をはかることが肝要であります。わが党及び政府は、かかる事態を考慮し、生産調整と稲作転換対策をまとめたのであります。すなわち、生産調整は、四十六年度から五カ年間実施することとし、四十六年産米の政府買い入れ数量を七百六十万トンにとどめ、このため、休耕、転作等生産調整の態様に応じた奨励措置を講じ、二百三十万トンの生産調整を行なうものであります。現在の米の需給の均衡をはかるため、やむを得ぬ措置であると思うのであります。生産者並びに生産者団体の御理解と御協力を切望する次第であります。要は、今後の稲作転換の円滑な実施と農家所得確保のために、政府においては、農民が米作に生きがいと誇りを持つよう、正しい農政の誘導とその助成措置に万遺憾なきを期せられたいと思うのであります。
 その他、中小企業対策、文教と科学技術の振興、沖繩復帰対策、防衛力の整備、経済協力の推進、貿易の振興、地方財政対策等各般にわたる重要施策に対し、適正な予算配分が行なわれております。
 以上、四十六年度予算は、当面する経済の動向を考慮して、現在の国民的命題にこたえるとともに、将来の国力発展と民生向上の展望に立った予算であると同時に、わが自由民主党の基本的重要政策を織り込んだ公約実行の予算として、満腔の賛意を表するものであります。
 これをもって、四十六年度予算三件に対する私の賛成討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(重宗雄三君) 山田徹一君。
   〔山田徹一君登壇、拍手〕
#12
○山田徹一君 私は公明党を代表いたしまして、昭和四十六年度予算三案に対し、反対の討論を行なうものであります。
 昭和四十年十一月以来、約五年間好況を続けてまいりました日本経済は、昨年の後半から景気後退の局面を迎えておりますが、その中にあって、消費者物価だけは依然として上昇を続けております。しかも、財政支出にあっては、米国、鉄、健保など、いわゆる三K体質の硬直化が一段と深刻化し、これ以上放置は許されないというのが現状であります。四十六年度予算は、景気の回復と物価の安定、そして、財政の体質改善を当然講じなくてはならないのであります。
 以下、特に重要な諸点について指摘いたすものであります。
 第一に、本予算は財政の体質改善を無視した予算であるということであります。昭和四十六年度の一般会計予算九兆四千億余円、さらに財政投融資計画は四兆二千億円にのぼり、例年にない高い伸び率を示しているのであります。すなわち、一般会計は三十七年以来九年ぶり、財投は四十一年以来五年ぶりの高い伸び率を示しており、また、一般会計や政府財貨サービス購入の伸び率は、政府の四十六年度経済見通しの名目成長率一五・一%を上回り、さらに一般会計、財投を通じて、景気を刺激する公共事業の著るしい伸び率が特徴的であります。しかも、一般及び政府関係機関の各予算総則には、いわゆる弾力条項、すなわち、予見しがたい経済事情の変動に対処するために、巨額の政府保証債の発行や借り入れ金の増額ができる仕組みが取り入れられて、景気の状況に応じて、公共事業の規模の拡大をはかるためのしかけが用意されているのであります。この弾力条項は、財政法二十九条に、緊急となった経費の支出または債務の負担の場合は補正予算を組むという規定に明らかに違反している疑いがあるのであります。このような超大型予算のおおばんぶるまいは、財政支出の増加による安定市場の拡大を期待する産業界、財界の要望と、地方選挙、参議院選挙を控え、公共事業費を中心とする票田対策として、予算のぶんどりをねらった与党と財界の共通の利害に沿ったものであることは、これまた衆目の一致するところであります。一方、予算編成の中で解決を迫られた当然増経費については、四十六年度予算で一兆三百億円にも達し、まさに財政硬直化の度を増しており、これに対しては、四十二年以来、打開をはかると強調してきながらかけ声だけで何らの対策も打たれておりません。そのため、当然増経費だけで一般会計の増加分一兆四千六百億円の七割以上を占め、新規政策費分はわずか四千三百億円、さらにここから三K赤字処理分約一千億円を差し引くと、三千三百億円しか残らず、九兆四千億円の予算規模に対する比率はわずか四%に満たないのであります。これでは七十年代にふさわしい政策の実施は望むべくもありません。
 第二は、重点政策と言われる物価と公害対策についてであります。
 政府は、四十六年度予算の目玉商品として、物価と公害対策をあげ、これを新年度の最重要施策だと宣伝しております。物価、関連予算は前年度より二割増加の千二百五十億円でありますが、大半の一千億円以上は公営住宅建設予算や、地下鉄工事費など、直接物価対策と関連があるかどうか、疑問なものばかりで占められており、わずかな残りも、農業、中小企業など、低生産部門の生産性向上や、流通機構の整備として、一件当たり百万円から数千万円の零細補助金を主としてばらまくにすぎません。特に、物価上昇率の最大要因と政府自身が認め、その解決が最も緊急を要する野菜、生鮮食料品対策のための予算は、わずか五十億円足らずで、米の年間取引額二兆円に対し、財政負担は、四分の一の五千億円に近いというのに比べ、年間取引八千億円の野菜に対しては一%に満たぬ五十億円しか予算措置がないというのは、あまりにも不均衡であり、農政のひずみ、物価対策の貧困さに言うべきことばもないほどであります。政府は、四十六年度の消費者物価の上昇を五・五%と見込み、各種の物価安定対策によってその範囲内にとどめると繰り返して言明しておりますが、昨年度においても、年度初めには消費者物価の上昇を四・八%と見込みながら、結局は、七・三%に改定せざるを得なくなったことは周知のとおりであり、その政治責任については一言も触れていないのであります。そればかりか、四十六年度予算では、公共料金の抑制を強調しているものの、すでに郵便、電報料金の値上げや、消費者米価の物統令の適用撤廃を決定し、値上がり必至となっていることはみずからの言明を裏切っているのであります。また、物価対策上欠くことのできない管理価格対策については、ことさらに避けて、大企業の利益擁護をはかっているのであります。さらに、政府は、これらの物価対策失敗の責任を回避する一方、物価上昇の原因をコストインフレにすりかえて、賃上げの自粛を強調し、あるいは生産者米価の三年来の据え置きなど、労働者、農民、中小企業、などに責任を転嫁し、所得政策を物価対策のきめ手として打ち出そうと画策しているのであります。このような政府の姿勢のもとで、わずかばかりの低生産性部門対策がとられたところで、決して真の物価安定の道につながらないのは明らかであります。
 また、公害対策につきましても、一般会計の公害対策費の総額は九百二十三億円で、前年度比三八・六%の増で、これは予算規模のわずか一%にすぎません。しかも、公害対策予算の中身を見ると、対策費の七割を占める六百六十五億円は下水道整備費であり、純粋の公害対策費は三百億円に満たない額であります。この下水道整備にしても、四十六年を初年度とする五カ年計画が達成された時点での下水道普及率は、現在の一八%から三八%程度に上昇するにすぎません。現在、英国やオランダの九〇%、米国、西独の六〇%以上という普及率に比べて、足元にも及ばず、その立ちおくれのひどさが目立つばかりであります。これが社会開発を旗じるしに六年間政権を担当してきた佐藤内閣の実態なのであります。また、公害対策上、さらに強く指摘しなければならないことは、公害の被害者である国民生活の保護、あるいはそのための地方公共団体の体制の強化をはかるということよりも、産業界向け、企業優先の立場を貫いている政府の姿勢が問題であります。すなわち、厚生省が最も力を入れて要求し、地方でも期待していた自動車排気ガス、水質汚染、騒音等について、それぞれ全国的に監視網を整備するための補助金等は半額以下に値切られ、また、公害被害者の救済のため、寝たぎり公害患者への付き添い人の手当は据え置きとされているのであります。その反面、通産当局の要求した電気自動車の開発費は要求どおり認め、また、財投面での公害防止事業団、日本開発銀行などの貸し付け規模の拡大、あるいは関税面での低額費化推進のための減税、さらには租税特別措置による公害防止施設の範囲の拡大、特別償却率の引き上げなどに見られるように、本来、企業の責任と負担によってまかなうべきものを、国民の税金と負担によって肩がわりされているのであります。
 第三は、社会保障の不備についてであります。
 一般会計での社会保障関係費総額は一兆三千四百億円、前年度に対する伸び率は一七・八%、社会保障予算を一兆円の大台に乗せた四十五年度の伸び率二〇・一%をはるかに下回り、一般会計全体の伸び率にも達していない実情であります。これでは、西欧諸国の国民所得に対する社会保障の給付割合が一四ないし二〇%に達しているのに、わが国は六%弱という極端な低さを解消するととは困難なばかりか、むしろこれらの諸国との格差は拡大するばかりであります。懸案だった児童手当は、ようやく日の目をみることになったものの、実施は四十七年一月からで、四十六年度分としてはわずか三カ月分しか支給されません。しかも、十八歳未満の児童が三人以上いる場合、義務教育終了前の第三子以降の児童が対象とされ、四十六年度は、このうち五歳未満に限って支給、年収二百万円未満の家庭というきびしい制限つきであり、このため、四歳児で十人のうち一人しか該当しないのであります。また、生活保護費の引き上げも一四%で、前年度並みであり、支給額は一般勤労世帯の半分程度を保障するにすぎません。その他、老人福祉年金の三百円引き上げなど、スズメの涙ほどであり、特に老人の切なる願いであった医療の無料化も無視され、福祉対策は高物価の荒波の中で全く取り残されたままであります。その上、政府は何回となく公約してきた医療保険制度の抜本的改正を行なわないばかりか、政管健保の赤字再建策として、保険料率、初診料の引き上げ、再診料の復活など、被保険者の負担でまかなうという安易な大衆負担への転嫁は国民の絶対に容認できないものであります。
 第四に、少ない減税についてであります。
 四十六年度の税制改正で見込んでいる所得税減税は千六百億円で、本年度より大幅な後退を示し、その減税割合は自然増収見込み額一兆五千億円の一割にしか当たらず、しかも、物価上昇率を本年度並みの七%と見るならば、この物価調整分だけで、減税額千六百億円のうち、その大半の九百億円となり、実質減税は七百億円にすぎないという、みじめな結果となるのであります。また、課税最低限が引き上げられ、英国や西独のそれを上回ったというものの、住宅の深刻な不足、社会保障費の低さを見ると、実感としての減税は国民の生活を潤すに至らないのであります。また、住民税減税も行なわれているものの、所得税との課税最低限の開き約三十万円は一向に解決されず、さらに妻の座を優遇、青色申告の優遇、サラリーマン減税などうたわれてはおりますが、肝心の税制全体の不公平是正には全く手がつけられておりません。さらに、改廃を強く要請されてきた租税特別措置についても、四十五年度の減免税総額六千億円に対し、四十六年度も輸出優遇税制の改正、交際費課税の若干の強化などでお茶をにごしたにすぎず、縮小どころか、逆に公害対策の特例等、大企業優先の特別措置がふえております。政府の財政演説では、重点施策の第一に税制の改正をあげ、また、四十六年度予算の特色として、租税の負担の軽減、合理化をうたい上げておりますが、その内容は、まさに羊頭狗肉と言わざるを得ないのであります。
 以上、政府の掲げる重点政策を見ただけでも、予算面で国民生活への配慮ははなはだ貧困であり、また、高福祉とはほど遠いのが実態であります。しかも、これら貧弱施策の理由として財源難をあげるとするならば、それは全く理由にならぬことであります。すなわち、防衛費の支出は、毎年聖域扱いを受けておりますが、その予算の伸び率も、昭和二十八年以来、史上最高の伸びを示し、しかも、防衛費は単年度で片づくものはほとんどなく、四十六年度の場合も国庫債務負担行為による次年度以降の契約が二千七百億円近くも予定されており、戦車、護衛艦、次期主力戦闘機ファントムの本格的生産への着手など、第四次防へのつなぎや対策は十分はかられ、膨大化しているのであります。
 最後に、予算編成と政府の政治姿勢についてであります。一閣僚の発言にも見られたごとく、政府の姿勢は財政民主主義に全く反するものであり、このような政府の思い上がった傲慢不遜な態度が、国民感情を著しくそこない、政治不信、国会軽視につながっていることもまた事実であります。この際、政府与党は、多数権力の座に安逸をむさぼることなく、みずから反省し、謙虚に国民の声を聞き、予算編成にあたってはマンネリ化を脱却し、旧来の慣習を改め、与野党党首を交え、その時点における最重要施策と、それに伴う財政措置を選択する機会を設けるなどの措置をとることが肝要だと存じます。したがって、ともすればおちいりやすい党利党略の弊害から、真の国民のための予算編成に立ち返るべきことを強調して、私の反対討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(重宗雄三君) 萩原幽香子君。
   〔萩原幽香子君登壇、拍手〕
#14
○萩原幽香子君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和四十六年度予算三案に対し、五つの点より反対の理由を表明いたします。
 まず、第一点は、本予算案はまことに総花的で、重要施策に対する配慮が見られない点でございます。「福祉なくして成長なし」と力説された総理のおことばから、私は、一般会計九兆四千百四十三億、前年度に比し一八・四%というかつて類例を見ない大幅増額は、おそらく国民待望の福祉国家にふさわしい予算案が組まれていることと期待をしていたのでございます。ところが、ふたをあけてみますと、最重要課題であったはずの社会保障、教育、公害、物価などに格段のくふうも配慮も見られず、相も変わらぬ従来どおりの総花式予算案でございます。声を大にして叫ぶことも訴えることも、そのすべを知らない老人や子供、病人、そうして身障者など、弱者に対しての措置はまことにお粗末にすぎ、また、教育貧乏といわれるほど家計を苦しめている教育費についても、当然、国でまかなうべきものまで父兄に負担させている状態であり、総理のおことばとは、まことにうらはらな施策と言わざるを得ません。予算膨張の前提は、国民大多数の幸福がはっきり約束されるべきであり、そのためのビジョンが打ち出されなければならないはずでございます。本予算案は、どのように政府が自画自賛なさろうとも、各項目に平均一律十数%の伸び率を示すにとどまり、膨張の目立つものといえば、圧力団体に屈したと思わせられるものだけというのでは、どうしても納得できません。
 反対の第二点は、このたびの税制改正が、国民の悲願にこたえていないということでございます。私たちは、現在の税制に常に解決を求め続けた四項目がございました。しかし、それらはほとんど認められておりません。四項目とは、一、所得税、住民税の大幅減税、二、交際費課税をはじめとする租税特別措置などの不合理是正、三、妻の座確立のための現行法の改正、四、法人税の引き上げなど能力に応じた負担などを行なうことでございました。それらが無視されただけではなく、庶民生活を圧迫する自動車新税の創設をはかろうとするなど、全く国民の願いを踏みにじったものと言わざるを得ません。特に所得税減税について検討してみますと、昭和四十六年度は自然増収に対し一一・一%の減税にとどまり、四十五年度の一七・九%、四十四年度の一二・六%をはるかに下回っているわけでございます。今日の大幅な物価上昇にかんがみ、いかに明年度は景気鎮静化が予測されるといっても、スタグフレーションの現段階において政府の見込む上昇率ではおさまるはずはないと考えるのが妥当でございましょう。したがって、この程度の減税では物価調整にも満たないことを危惧するものでございます。いかに政府が勤労所得者を冷遇しておられるか、この一事でも明らかだと存じます。
 反対の第三点は、消費者物価安定策が具体化されていないことでございます。私たちは、ここ数年とどまるところを知らぬ物価上昇に苦しみながら、その対策の具現化を訴え続けてまいりましたが、その期待は毎年はずされてきたわけでございます。そして、ことしこそはと願った望みもまたすっかり裏切られてしまいました。たとえば、公共料金の抑制を誓いながら、郵便、電報などの料金値上げを行ない、また、野菜対策費として四十五年度の四〇%も増加したと政府は御自慢になりますが、その額はわずか二十二億円で、実に米対策の〇・四%ではございませんか。佐藤内閣の農政における失政は、この米の生産調整奨励金の千七百十億にも見られるところであります。もし、その失政がなければ、せめてその半分を生鮮食料品の安定対策費に計上することができたのではなかったでしょうか。ところで、これだけ米対策に力を入れられましたが、はたしてこれで生産者も消費者も納得のいく米価になり得るとお考えでしょうか。明年度から米価を物統令からはずすことになりましたが、現在の米の販売機構をそのままにしておいて物統令をはずすことは、値上がりの危険を強く消費者に感じさせ、不安と不満をつのらせる結果になっておりますことを御存じでしょうか。全く消費者の心を心としない政策と言うべきでございましょう。
 反対の第四は、公害対策費があまりにも貧弱過ぎる点でございます。昨年度末の国会では実に十四の公害法案が成立いたしましたことは、いまだ記憶に新たなところでございます。そして、その公害対策に必要な財源措置は今国会に持ち込まれたこともよもやお忘れではございますまい。ところが、一般会計での公害予算は何と九百二十二億、過日発表された東京都の千二百億にははるかに及ばない状態でございます。そのうち水質汚濁関係費六百七十七億はまずまずと喜んだのは私の見当違い、その中には、従来からの継続施策であった下水道整備費六百六十五億が含まれており、純粋の水質汚濁対策費はわずか十二億足らずというに至っては、全く情けない話ではございませんか。さらに、その他の二百六億も、基地周辺の騒音対策費に百三十三億も取られているありさまでございます。また、昨年の公害国会で公害規制方式が全国一律となったほか、規制権限が地方にゆだねられた点もあり、必然的に地方自治体は仕事の量がふえ、多額の財源が必要になったのでございます。したがって、これに対する国の補助は大幅に強化されるべきであるのに、今回の予算案では、その点ほとんど改善されておりません。これでは、人間優先の七〇年代を先取りする自然を含む環境保全対策は望むべくもないと存じます。
 反対の第五の理由は、防衛関係費が六千七百九億と最高の伸びを示している点でございます。すなわち、第四次防衛計画の基本は何であるのか、自主防衛についての基本的な理解も心がまえもなしに千十三億もの膨張を続けることは、まことに理解に苦しむところでございます。特に中国問題に関連して、佐藤内閣は二つの政権と言われましたが、一つの政権  中国側から話し相手として拒否されている姿勢のままで、このような防衛関係費の増額をはかることは、いたずらにアジアの緊張の激化をもたらす役割りを果たす結果になることをおそれるものでございます。
 以上、私は五つの点から予算案に反対の理由を申し述べてまいりましたが、最後に、佐藤総理に一言希望を申し上げたいと存じます。
 佐藤総理が総理として政権を担当されて、すでに六年余の歳月が流れ去りました。その間、総理として、事志と違ったこともございましたでしょう。残る幾ばくかの在任中に何をなすべきかお考えのことでございましょう。願わくば総理、最長記録の総理として、国民の胸の中に、実生活の上にあたたかく生きるものを残して、有終の美を飾られんことを心から祈るものでございます。この私の願いを十分御勘案いただき、その具現化の御努力を強く要望いたしまして、本予算案の討論を終わります。(拍手)
#15
○議長(重宗雄三君) 須藤五郎君。
   〔須藤五郎君登壇、拍手〕
#16
○須藤五郎君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十六年度予算三案に対し、反対の討論を行ないます。
 今日、国民の大多数が切実に要求していることは、第一に、公害、交通事故、物価高、低賃金、重税、住宅難などから国民の命と暮らしを守り、住みよい国、住みよい都市と農村をつくるという問題であります。第二は、沖繩の核隠し基地つき返還による日米安保条約の事実上の改定、本土の沖繩化ではなく、核も基地もない全面返還であり、また、わが国の安全と平和のために、日米軍事同盟と手を切って、わが国の中立化をはかる問題であります。第三には、国民主権の原則に基づいて、憲法の民主的諸条項の完全実施、議会制民主主義の確立、教育の民主化、地方自治と国民の権利を守るという問題であります。ところが、本予算案に示された佐藤内閣の諸政策は、これらの国民的要求にさからい、一そう国民を苦しめるものであると言わなくてはならないのであります。
 すなわち、その反対理由の第一は、第四次防への橋渡しとなる六千七百億円をこえる防衛費の問題であります。すでに本院の予算審議の中でも明らかにされましたが、海上自衛隊は日米共同作戦演習を常時実施しており、また、アメリカの原子力潜水艦はわが国の沿海を演習場として使用しております。自衛隊航空部隊に至っては、周知のように、在日米軍との緊密な共同作戦体制のもとにあって、領空、領海を越えての攻撃作戦から、さらにわが国の存亡の危機ということを口実に、相手国の基地をたたくことができるとさえしているのであります。このように攻撃的性格を持つ自衛隊がどうして専守防御と言えましょうか。これこそ日米共同声明とアジア人をアジア人と戦わせるニクソン・ドクトリンを実現するものといわなくてはなりません。愛知外相は、中国と台湾との武力衝突を国際紛争と解釈し、わが国の自衛権発動と関連させる意図を示したのでありますが、このような危険きわまる外交・軍事政策のための防衛費をわれわれは断じて認めることはできないのであります。
 さらに、経済協力費、海外経済協力基金等は、ドル危機に苦しむアメリカのアジア侵略政策を補強、肩がわりし、アジアの反共同盟を強めるとともに、経済援助の口実でわが国の大企業の海外進出を推し進めるものであります。
 反対の第二の理由は、軍事費などの大膨張とともに、大企業のために産業基盤の整備の名目で公共事業費の大部分が支出され、そのため国民の生活と福祉のための経費が極度に圧縮されている点であります。一兆六千億円に達する公共事業費の大部分は、新全国総合開発計画による巨大工業基地の建設をささえる高速道路、産業道路、港湾、空港、工業用水など、大企業のために充てられるのであります。他方、公害対策費は、東京都の千二百八十六億円に対し、それをはるかに下回る九百三十億円でしかなく、公害被害者の救済費は、手当をわずかに増額しただけであります。
 物価問題については、実効のある何らの対策もありません。反対に、郵便・電報料など公共料金の引き上げ、さらには、消費者米価に対する物価統制令の適用除外をきめるなど、政府みずから物価引き上げの先頭を切っております。わが党がかねてから主張してきた独占物価の規制は、今国会の審議を通じて、物価問題解決の一つの重要なかぎであることが明らかとなりましたが、政府は依然として有効な対策を講じようとせず、大企業擁護の立場を露骨に示しているのであります。
 社会保障についても、健康保険の赤字が、歴代自民党政府の高度成長政策のもとで、労働条件と生活条件の悪化による患者の増加によるものであるにもかかわらず、政府と資本家の責任を全く省みず、これを加入者と患者に転嫁しているのであります。
 また、失業事業の廃止などの冷酷きわまる政策を進めようとしております。さらに、東京都をはじめ幾つかの自治体がすでに実施している老人医療費の無料化さえ実施しようとはしておりません。佐藤総理の言う「福祉なくして成長なし」は一体どこへ忘れたのでしょうか。高負担、高福祉は事実上高負担、ゼロ福祉であり、美しいことばで国民を欺くものであります。
 沖繩対策費についても、四半世紀にわたる異民族支配に苦しめられてきた県民に報ゆるどころか、琉球政府の要求額の半額程度を支出するにすぎないのであります。これでは、県民の生活の安定向上、経済復興とはとうてい言い得ないものであります。
 反対の第三の理由は、国民の税負担がますます増大するのに対して、大企業への租税特別措置による税の減免がさらに増加している点であります。税の自然増収一兆五千億円に対し、減税はわずかに一千六百八十億円にすぎません。しかも所得税の免税点が四人世帯で九十六万円では、勤労国民はインフレのために、名目所得が増加すると実際には増税となるのであります。その上に、政府は自動車新税を創設し、さらに付加価値税などによって大衆課税をますます強めようとしているのであります。他方、大企業に対する租税特別措置による税の減免額は、政府の数字でも三千億円、専門家は国税だけでも二兆二千億円に達すると推定しております。租税体系はいまこそ負担公平の原則に基づいて抜本的に改めなければならないところにきているのであります。
 なお、この予算案に関連して内閣の広報費等が、憲法改悪宣伝のために支出されていた事実は、自民党が今年末をめどに憲法改正要綱案を作成するとしている点、愛知外相が自衛隊の違憲論議がなくなるよう憲法上はっきりさせると言明している点などとあわせて、まさに軍国主義復活の方向を目ざしていることを示すものであり、断じて見のがすことのできないところであります。
 わが党は、以上の理由から政府提出予算三案に反対するものであります。(拍手)
#17
○議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより採決をいたします。
 三案全部を問題に供します。
 表決は記名投票をもって行ないます。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#18
○議長(重宗雄三君) 植竹春彦君から、歩行困難のため、投票を参事に委託したいとの申し出がございました。これを許可いたします。
 投票漏れはございませんか。投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#19
○議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場の開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#20
○議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        百八十二票
  白色票           百六票
  青色票          七十六票
 よって、三案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百六名
      鬼丸 勝之君    伊藤 五郎君
      後藤 義隆君    梶原 茂嘉君
      小山邦太郎君    植竹 春彦君
      山本敬三郎君    初村滝一郎君
      星野 重次君    嶋崎  均君
      渡辺一太郎君    増田  盛君
      長屋  茂君    永野 鎮雄君
      中山 太郎君    西村 尚治君
      平泉  渉君    山崎 竜男君
      佐藤  隆君    高橋雄之助君
      高橋文五郎君    和田 鶴一君
      田村 賢作君    船田  譲君
      温水 三郎君    大竹平八郎君
      柴田  栄君    堀本 宜実君
      津島 文治君    植木 光教君
      栗原 祐幸君    青柳 秀夫君
      小枝 一雄君    徳永 正利君
      山下 春江君    前田佳都男君
      平島 敏夫君    森 八三一君
      鍋島 直紹君    木内 四郎君
      新谷寅三郎君    井野 碩哉君
      河野 謙三君    上原 正吉君
      古池 信三君    杉原 荒太君
      安井  謙君    菅野 儀作君
      土屋 義彦君    若林 正武君
      玉置 猛夫君    大松 博文君
      小林 国司君    高田 浩運君
      安田 隆明君    佐田 一郎君
      山崎 五郎君    林田悠紀夫君
      中村喜四郎君    岩動 道行君
      河口 陽一君    長谷川 仁君
      源田  実君    鹿島 俊雄君
      丸茂 重貞君    木村 睦男君
      井川 伊平君    金丸 冨夫君
      櫻井 志郎君    田中 茂穂君
      江藤  智君    剱木 亨弘君
      白井  勇君    山本 利壽君
      八木 一郎君    田口長治郎君
      三木與吉郎君    平井 太郎君
      吉武 恵市君    松平 勇雄君
      郡  祐一君    青木 一男君
      鹿島守之助君    重政 庸徳君
      高橋  衛君    迫水 久常君
      宮崎 正雄君    久次米健太郎君
      亀井 善彰君    石原慎太郎君
      上田  稔君    長田 裕二君
      二木 謙吾君    熊谷太三郎君
      川上 為治君    園田 清充君
      谷口 慶吉君    米田 正文君
      木島 義夫君    佐藤 一郎君
      西田 信一君    小林 武治君
      塚田十一郎君    斎藤  昇君
      塩見 俊二君    赤間 文三君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      七十六名
      原田  立君    峯山 昭範君
      喜屋武眞榮君    山田  勇君
      青島 幸男君    塩出 啓典君
      藤原 房雄君    萩原幽香子君
      市川 房枝君    三木 忠雄君
      内田 善利君    中尾 辰義君
      中沢伊登子君    矢追 秀彦君
      阿部 憲一君    浅井  亨君
      上林繁次郎君    田代富士男君
      多田 省吾君    田渕 哲也君
      片山 武夫君    沢田  実君
      渋谷 邦彦君    鈴木 一弘君
      向井 長年君    高山 恒雄君
      山田 徹一君    北條  浩君
      白木義一郎君    小平 芳平君
      中村 正雄君    村尾 重雄君
      松本 英一君    安永 英雄君
      竹田 四郎君    杉原 一雄君
      森  勝治君    西村 関一君
      鶴園 哲夫君    鈴木  強君
      占部 秀男君    森 元治郎君
      瀬谷 英行君    近藤 信一君
      大和 与一君    阿具根 登君
      須藤 五郎君    春日 正一君
      河田 賢治君    岩間 正男君
      達田 龍彦君    戸田 菊雄君
      竹田 現照君    村田 秀三君
      川村 清一君    田中寿美子君
      松井  誠君    吉田忠三郎君
      松本 賢一君    佐野 芳雄君
      松永 忠二君    小柳  勇君
      北村  暢君    横川 正市君
      矢山 有作君    久保  等君
      岡  三郎君    永岡 光治君
      藤田  進君    亀田 得治君
      松澤 兼人君    大矢  正君
      田中  一君    木村禧八郎君
      加藤シヅエ君    羽生 三七君
     ─────・─────
#21
○議長(重宗雄三君) 日程第一、航空機の不法な奪取の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件。
 日程第二、コンテナーに関する通関条約の締結について承認を求めるの件。
 日程第三、国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の締結について承認を求めるの件。
 日程第四、最低賃金決定制度の創設に関する条約(第二十六号)の締結について承認を求めるの件。
 日程第五、開発途上にある国を特に考慮した最低賃金の決定に関する条約(第百三十一号)の締結について承認を求めるの件。
 日程第六、国際労働機関の総会がその第三十二回までの会期において採択した諸条約の一部改正で条約の運用に関する報告の国際労働機関の理事会による作成に関する規定の統一を目的とするものに関する条約(第百十六号)の締結について承認を求めるの件。
  (いずれも衆議院送付)
 日程第七、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の締結について承認を求めるの件。
 以上七件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長松平勇雄君。
   〔松平勇雄君登壇、拍手〕
#23
○松平勇雄君 ただいま議題となりました条約七件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告申し上げます。
   〔議長退席、副議長着席〕
 まず、航空機の不法な奪取の防止に関する条約は、近年いわゆるハイジャック事件が続発している事実にかんがみ、これを防止するための法制的措置として、昨年の国際会議において作成されたものでありまして、航空機の不法な奪取等を犯罪と定め、これに重い刑罰を科し得るようにすることを約束するとともに、犯人を引き渡すか、または引き渡さない場合には、訴追のため自国の権限ある当局に事件を付託すること等を定めたものであります。
    ―――――――――――――
 次に、コンテナーに関する通関条約及びTIR条約は、本年中にわが国の欧州向けコンテナー船の就航が予定されていることにかんがみて加入しようとするものでありまして、コンテナーに関する通関条約により、再輸出を条件とするコンテナーの免税一時輸入、及び一定の技術的条件を満たすコンテナーによる貨物の保税運送が認められることとなり、また、TIR条約によりまして、国際道路運送手帳による担保のもとで道路走行車両またはコンテナーにより運送される貨物につき、一定の条件が満たされる場合に、経由国において、輸出入税の納付、税関検査等の免除が認められることとなります。
    ―――――――――――――
 次に、国際労働機関の第二十六号条約は、労働協約等による賃金規制制度がなく、かつ、賃金が例外的に低い産業分野の労働者のために、最低賃金決定制度を創設し、または維持すべきこと、及び最低賃金決定制度に関する基本原則を規定したものであります。
    ―――――――――――――
 また、第百三十一号条約は、第二十六号条約等を補足するものであり、開発途上国の事情を特に考慮しつつ、一般的にも適用されるものでありまして、最低賃金制度を設けるべき範囲をさらに広げるとともに、最低賃金決定制度の諸原則に加え、最低賃金の水準の決定にあたって考慮すべき要素についても規定したものであります。
 わが国におきましては、主として最低賃金法により、これら二つの条約にいう最低賃金制度は確立されており、また、諸原則もすべて充足されておるところであります。
    ―――――――――――――
 次に、第百十六号条約は、国際労働機関の総会が採択した諸条約の一部を改正し、これら諸条約の運用についての理事会の報告及び条約の改正問題に関する規定を統一することを目的としたものであります。
    ―――――――――――――
 最後に、二重課税の回避のための米国との条約は、昭和二十九年に署名されました現行条約を全面的に改正するものでありまして、特に、事業利得に対する相手国の課税基準、船舶、航空機の運航益に対する相互免税、所得の源泉に関する規定等に改善が加えられております。
 以上七件に関する委員会の審議の詳細は会議録によって御承知願います。
 採決の結果、航空機不法奪取防止条約、コンテナー通関条約、TIR条約及び国際労働機関の三条約はいずれも全会一致をもって、また、日米二重課税防止条約は多数をもって、それぞれ承認すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#24
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、航空機の不法な奪取の防止に関する条約の締結について承認を求めるの件、コンテナーに関する通関条約の締結について承認を求めるの件、国際道路運送手帳による担保の下で行なう貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の締結について承認を求めるの件、最低賃金決定制度の創設に関する条約(第二十六号)の締結について承認を求めるの件、開発途上にある国を特に考慮した最低賃金の決定に関する条約(第百三十一号)の締結について承認を求めるの件及び国際労働機関の総会がその第三十二回までの会期において採択した諸条約の一部改正で条約の運用に関する報告の国際労働機関の理事会による作成に関する規定の統一を目的とするものに関する条約(第百十六号)の締結について承認を求めるの件全部を問題に供します。六件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#25
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、六件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#26
○副議長(安井謙君) 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とアメリカ合衆国との間の条約の締結について承認を求めるの件全部を問題に供します。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#27
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本件は承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#28
○副議長(安井謙君) 日程第八、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、専門委員の報告を求めます。交通安全対策特別委員長鈴木強君。
   〔鈴木強君登壇、拍手〕
#29
○鈴木強君 ただいま議題となりました法律案は、最近における交通事故発生の状況にかんがみ、現行の交通安全施設等整備事業三カ年計画を拡大改定し、新たに昭和四十六年度を初年度とする五カ年計画を作成し、国及び地方公共団体が、総合的な計画のもとに一体となって緊急に交通安全施設等の整備を進めようとするものであります。
 委員会におきましては、交通安全施設の整備をめぐる諸問題について熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと思います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決しました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#30
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#31
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
    ―――――・―――――
#32
○副議長(安井謙君) 日程第九、国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。文教委員長高橋文五郎君。
   〔高橋文五郎君登壇、拍手〕
#33
○高橋文五郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、大学院、医療技術短期大学部、電波工業高等専門学校並びに高エネルギー物理学研究所等を設置しようとするものであります。
 委員会におきましては、高エネルギー物理学研究所のあり方等について、きわめて熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終わり、討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次いで、高エネルギー物理学研究所は学術研究の自由を尊重して運営されるべきである等を旨とする各派共同提案にかかる附帯決議案が、全会一致をもって可決せられました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#34
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#35
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#36
○副議長(安井謙君) 日程第十、特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案(衆議院提出)。
 日程第十一、下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案。
 日程第十二、道路法等の一部を改正する法律案。
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長田中一君。
   〔田中一君登壇、拍手〕
#38
○田中一君 ただいま議題となりました三法案について、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
 まず、三法案の内容について申し上げます。
 第一に、特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案は、衆議院建設委員長提出にかかわるもので、特殊土壌地帯における災害防除及び農業振興の対策事業を実施するため、有効期間が、昭和四十七年三月三十一日となっておりますのを、さらに五カ年延長しようとするものであります。
    ―――――――――――――
 第二に、下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案は、新たに昭和四十六年度を初年度とする下水道整備五カ年計画を定め、下水道の計画的な整備をはかろうとするものであります。
    ―――――――――――――
 第三に、道路法等の一部を改正する法律案は、最近における交通事故の発生状況にかんがみ、事故の防止と交通の安全をはかるため、車両の通行に関する規制措置を強化し、あわせて自転車専用道路等の規定を整備するとともに、道路管理者と都道府県公安委員会との緊密な連係をはかる等の措置を講ずるものであります。
 本委員会における質疑の内容は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終了、別に討論もなく、採決の結果、三法案はいずれも全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#39
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#40
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、三案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#41
○副議長(安井謙君) 日程第十三、旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法律の一部を改正する法律案。
 日程第十四、民事訴訟費用等に関する法律案。
 日程第十五、刑事訴訟費用等に関する法律案。
 日程第十六、民事訴訟費用等に関する法律及び刑事訴訟費用等に関する法律施行法案。
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長阿部憲一君。
   〔阿部憲一君登壇、拍手〕
#43
○阿部憲一君 ただいま議題となりました四法律案について、法務委員会における審査の経過と結果を一括して御報告いたします。
 まず、旧執達吏規則に基づく恩給の年額の改定に関する法律の一部を改正する法律案は、一般の公務員の恩給の増額が行なわれた場合には、これに伴いまして執行官の恩給も増額することとし、今後、一般の公務員の恩給の年額が改定される場合には、別段の措置を講ずることなく、執行官の恩給の年額もこれに準じて当然に改定されることとなるようにしようとするものであります。
 当委員会におきましては、熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、民事訴訟費用等に関する法律案、刑事訴訟費用等に関する法律案及びこれら二法律の施行法案は、現行の民事訴訟費用法、刑事訴訟費用法等、訴訟費用関係の五つの法律を廃止して、民事訴訟費用及び刑事訴訟費用のそれぞれについて必要な事項を体系的に整備しようとするものであります。
 当委員会におきましては、熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、いずれも全会一致をもって三法律案は原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#44
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 四案全部を問題に供します。四案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#45
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、四案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#46
○副議長(安井謙君) 日程第十七、地方交付税の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長若林正武君。
   〔若林正武君登壇、拍手〕
#47
○若林正武君 ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 本法律案は、地方財政の現状にかんがみ、長期的見地から社会資本の整備をはかることとし、市町村道、下水道、清掃施設等各種公共施設の計画的な整備を促進するとともに、公害、交通安全等の対策に要する経費を充実し、さらに人口急増地域及び過疎地域等における財政需要に対処するとともに、広域市町村圏の整備の引き続き促進する等のため、地方交付税について関係費目の単位費用を改定する等の改正を行なおうとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して和田委員より反対、自由民主党を代表して山崎委員より賛成、公明党を代表して原田委員より反対の意見がそれぞれ述べられ、採決の結果、本法律案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、各会派共同提案による附帯決議を付することに決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#48
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#49
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#50
○副議長(安井謙君) 日程第十八、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長横川正市君
   〔横川正市君登壇、拍手〕
#51
○横川正市君 ただいま議題となりました案件は、日本放送協会の昭和四十六年度収支予算、事業計画及び資金計画について、国会の承認を求めようとするものであります。
 その概要を申し上げますと、収支予算の規模は事業収支で一千九億八千万円、資本収支で三百三十三億九千万円となっております。
 また、事業計画は、その重点を放送の全国普及をはかるためのテレビ・ラジオ両放送網の建設、放送番組の刷新充実、カラー放送の拡充等に置いております。
 逓信委員会におきましては、慎重な審議を重ねましたが、特にテレビ難視の総合改善対策、放送法制の整備問題、沖繩の復帰に伴う放送対策等の諸点について、熱心な質疑が行なわれました。質疑を終わり、討論採決の結果、全会一致をもってこれを承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#52
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本件を問題に供します。本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#53
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
#54
○副議長(安井謙君) 日程第十九、卸売市場法案(第六十一二回国会内閣提出、第六十五回国会衆議院送付)。
 日程第二十、国有農地等の売払いに関する特別措置法案。
 日程第二十一、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案。
 日程第二十二、漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案。
  (いずれも衆議院提出)
 以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長河口陽一君。
   〔河口陽一君登壇、拍手〕
#56
○河口陽一君 ただいま議題となりました四法案について御報告いたします。
 まず、卸売市場法案は、最近における生鮮食料品等の生産、流通及び消費の状況等にかんがみ、中央卸売市場及びその他の卸売市場について統一的、計画的にその整備を促進するための諸措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、整備基本方針の早期樹立、整備計画の促進、生鮮食料品の需給及び価格安定の実効性、卸売市場における取引の改善合理化対策、適正な葉分荷及び価格形成機能等の推進、水産物産地市場に対する援助措置等について熱心な質疑が行なわれました。
 質疑を終了し、討論採決の結果、衆議院送付案どおり、賛成多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
 続いて村田委員より、自民、社会、公明、民社四党共同の附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、国有農地等の売払いに関する特別措置法案は、国が自作農創設等のため買収した農地等で、買収の目的に供しないことを相当とするものを買収前の所有者等に売り払う場合の対価は適正な価額とするとともに、これらの農地などの公共用、または公用への転用を促進するため、行政上、税制上の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、質疑の後、討論もなく、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案は、乳業資金融通措置の五年延長等を行なおうとするものであります。
 また、漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案は、従前の例により昭和五十一年三月末までの合併について、税法上の特例措置等を行なおうとするものであります。
 両法案につきましては、質疑、討論もなく、順次採決の結果、両法案はいずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#57
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、卸売市場法案及び国有農地等の売払いに関する特別措置法案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#58
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、両案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#59
○副議長(安井謙君) 次に、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#60
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#61
○副議長(安井謙君) 次に、漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#62
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
#63
○副議長(安井謙君) 日程第二十三、中小企業特恵対策臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長川上為治君。
   〔川上為治君登壇、拍手〕
#64
○川上為治君 ただいま議題となりました法律案は、特恵供与に伴って生ずる影響に対処して、中小企業者が行なう事業の転換を円滑化することを主たる内容とするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#65
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#66
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#67
○副議長(安井謙君) 日程第二十四、関税定率法等の一部を改正する法律案。
 日程第二十五、所得税法の一部を改正する法律案。
 日程第二十六、法人税法の一部を改正する法律案。
 日程第二十七、租税特別措置法の一部を改正する法律案。
 日程第二十八、塩業の整備及び近代化の促進に関する臨時措置法案。
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 日程第二十九、引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)。
 以上六案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長柴田栄君。

   〔柴田栄君登壇、拍手〕
#69
○柴田栄君 ただいま議題となりました六法律案について申し上げます。
 まず、関税定率法等の一部を改正する法律案は、物価対策、輸入自由化対策等に伴う関税率の調整を行なうとともに、開発途上国に対する特恵関税制度を新設するほか、公害対策として脱硫重油製造用原油の減税制度を拡充する等、関税の減免、還付制度等についての規定の整備をはかるため、関税定率法、関税暫定措置法及び関税法について、それぞれ所要の改正を行なおうとするものであります。
    ―――――――――――――
 次に、所得税法の一部を改正する法律案は、次の二法律案とともに、税制調査会の答申に基づき、昭和四十六年度税制改正の一環として、初年度約千六百六十六億円となる所得減税を行なおうとするものであります。
 その内容は、第一に、基礎控除、配偶者控除、扶養控除及び給与所得控除の控除額を引き上げ、これらの改正によりまして、夫婦子三人の給与所得者の場合、課税最低限は、現行の約百三万円から約百十三万円に引き上げられております。
 第二に、障害者、老年者、寡婦、勤労学生控除等各種所得控除額を引き上げるとともに、配偶者控除の適用を受けることができる配偶者の所得限度額を引き上げようとするものであります。
    ―――――――――――――
 次に、法人税法の一部を改正する法律案は、完成工事補償引当金を製品保証等引当金制度に改め、対象事業の範囲拡大をはかっております。
    ―――――――――――――
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案は、当面の経済社会情勢の推移に即応して、公害対策に資するため、公害防止施設の特別償却制度の拡充、資源開発に資するための準備金制度の改組拡充、勤労者財産形成促進のための利子所得の非課税、中小企業対策として青色事業主の特別経費準備金制度の創設等を行なうとともに、輸出振興税制の縮減合理化及び交際費課税の強化をはかる等の措置を講じようとするものであります。
    ―――――――――――――
 次に、塩業の整備及び近代化の促進に関する臨時措置法案は、従来の塩田製塩からイオン交換膜利用による製塩方式への転換に伴い、整理される塩田等の転廃業者及び従業員に対する助成措置として、日本専売公社が塩業整理交付金を支給するとともに、残存業者に対し、事業近代化計画に基づき、企業の合理化を行なわせる等の措置を講じようとするものであります。
    ―――――――――――――
 次に、引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律の一部を改正する法律案は、衆議院内閣委員長提出によるものでありまして、引揚者等に対する特別交付金の請求期限を明年度末まで一年間延長しようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人の意見を聴取するとともに、佐藤内閣総理大臣をはじめ政府に対し、質疑を行ないましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、関税定率法等の一部を改正する法律案、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の四法律案に対し、日本社会党を代表して戸田委員より、四法律案に反対、自由民主党を代表して中山委員より、四法律案に賛成、公明党を代表して鈴木委員より、四法律案に反対、民社党を代表して向井委員より、関税定率法等の一部を改正する法律案については賛成、他の三法律案については反対、日本共産党を代表して渡辺委員より、四法律案に反対の意見がそれぞれ述べられました。
 次いで六法律案について、順次採決の結果、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、関税定率法等の一部を改正する法律案及び所得税法の一部を改正する法律案に対し、玉置猛夫委員より、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党の四党共同の附帯決議案が提出され、いずれも全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#70
○副議長(安井謙君) 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。戸田菊雄君。
   〔戸田菊雄君登壇、拍手〕
#71
○戸田菊雄君 私は、日本社会党を代表して、所得、法人、租税特別措置等、租税三法案について、反対の立場で討論を行なおうとするものであります。
 まず、初めに、現在の税制の基本的骨格がシャウプ勧告にあることは言を待たないところであります。今日の税制はシャウプ税制時の資本蓄積促進の性格をさらに強め、一言で言えば、全く混乱と不公平拡大の税制度となってきているのであります。その最たるものは、おびただしい租税特別措置の制定による総合所得課税方式からの逸脱であり、また、地方財源拡大に逆行する地方交付税交付金方式の導入であったことは申すまでもありません。佐藤内閣の高度経済成長政策は、今日財政が有効に対処しなければならない数多くの社会的ひずみを生み出しております。社会保障の拡大、生活環境の整備と充実、中小零細企業、農政問題、物価上昇への対策、さらには公害、交通問題がそれであります。この財政が果たすべき課題に対しましては、一向に政策らしい政策がとられぬままに、軍事化大企業の産業基盤整備のために財政規模が拡大され、そして、その財源調達はもっぱら一方的に低所得者と勤労者への課税拡大によってのみ財政運営が行なわれているのが現状なのであります。まさに国民は権力で強制的に重税を課せられておるのであります。今年度の租税及び印紙収入は八兆八千二百七十五億円、専売納付金も含めてで、国民一人当たり何と八万八千二百七十五円の税金であります。また、前年度比較で一九・四%強で、これは予算の伸び率を上回る増収となっており、約二〇%近い増収を見込んでおります。国民の実質的税負担はいよいよ重く、ことに低所得者層の税負担は一そう過重となり、生活はさらに苦しくなること必定であります。
 以下、具体的に反対の理由を申し上げます。
 第一に、所得税についてであります。税法のたてまえは、生活費には課税しないことが大前提であり、国民の要求もそこにあります。所得税の問題点は、大別して二つあります。その一つは、所得課税はいかなる基準によるものなのか。たとえば、戦前との比較や国際との比較あるいは生活水準などをとってみても、著しく低所得者層に拡大してきていることであります。いま一つは、所得の種類によって課税の公平が著しく害されていることであります。初めの低所得課税は、何といっても課税最低限の低さと低所得層での税累進度の高いことであります。すなわち、課税最低限の問題点は、税制度上いかなる水準の所得から税金を取るのか、また、低所得者に課税が広まっている実態を税制上いかに考えるかという点で、政府の政策判断がきわめてあいまいであるということであります。課税最低限が年々上げられてはおりますが、低所得者層の納税人員が拡大されておる事実は、相対的に課税最低限が逆に切り下げられておることを証明するものであります。また、税の累進性は、所得に応じて税負担を行なうという応能原則の効果よりも、低所得者層への課税強化の機能を果たす結果になっているということであります。このことは、高所得者にさまざまの特別措置による脱税政策を認め、かつ資産所得の分離政策等を見れば明白であります。
 次に、負担公平の原則が破られておることについてであります。所得税という所得そのものの考え方が明白でありません。年間の資産の増減により課税する考え方だと政府は言っていながら、株式譲渡所得は非課税であり、総合所得課税という方法をとりながら、利子所得、山林所得などは分離課税であり、配当所得の一部にも分離課税の道が開かれているのであります。また、所得税の徴収方法も、申告制と源泉徴収の二本立てをとっており、その結果、給与所得、退職所得などは、所得のほぼすべてが捕捉される仕組みであります。ことに、給与所得には全く冷酷なほど過酷な税金を課せられるようになっておるのであります。所得税のこの不合理を、まず抜本的に改善すべきであります。
 今年度の所得減税額は、一つは、所得税の人的控除をそれぞれ一万円ずつ引き上げる、一つは、給与所得者控除を三万円引き上げる、一つは、配偶者控除及び扶養親族の給与収入が三十一万七千五百円以下の場合は配偶者控除、扶養控除を適用する、一つは、給与所得者の給与所得以外の所得が十万円以下――現行五万円――の場合は、確定申告を要しない、ほかにも幾つかありますが、等々の減税措置をとったのでありますが、総額千三百八十七億円で、これは自然増収一兆四千九百六十五億円のわずかに九・三%であり、基本的控除の減税額計は七百七十二億円で、四十四年の八百五十七億円、四十五年の一千二十三億円よりも大幅に下回っているのでありますq各種報道機関が一斉に伝えましたように、まさにミニミニ減税であり、かりに賃金上昇率が四十五年同様の一八%程度とすれば、減税はおろか、実質増税のそしりを免れることはできないのであります。加えて、直接税の比率は六六・六%と、税理史上最高を示し、所得納税人員は三千七十万人と、これまた開聞以来の最高の数字を示すに至っているのであります。第四次防衛力整備計画に見られますように、膨大な歳出をはじめ、産業経済への下ざさえ、すなわち、大企業への財政面からのてこ入れ等、給与所得者をはじめ、国民一般の増税路線でまかなおうとする政府の態度は許されないことであります。
 第二は、租税特別措置についてであります。
 本措置については、いままでも何回か論及してまいったのでありますが、一向に改善のあとが見られないのであります。現在、大企業への減免措置は、独立の特別措置法によるもののほか、さまざまな方法が幾つか存在し、また、企業会計処理による方法での数多くの優遇措置があるのであります。大蔵大臣は、答弁の中で、交際費課税強化を約束をいたしました。四十四年度九千百五十五億円で、前年比一八%増であります。今年度の交際費は一兆円をこすと予想されておりますが、これの強化策は即刻行なうべきであります。租税特別措置法ほど国民の不評を買っているものはないはずであります。まさに合法脱税であり、税制の民主化と公平の原則を根底から破壊しているのであります。この措置を廃止すれば、即座に今年度減収総額四千三百九十四億円の増収が可能なのであります。今年度においても、公害防止施設に対する特別償却の拡大や、海外投資提出準備金制度の拡充等、大企業優遇のため一貫して本措置制度の強化の方向にあるととは全く遺憾なことであります。直ちに本措置を撤廃すべきであり、今後、税制全般について抜本的改善策をはかるべきことを強く要請して、私の討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#72
○副議長(安井謙君) 多田省吾君。
   〔多田省吾君登壇、拍手〕
#73
○多田省吾君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となっております租税三法案に対しまして反対の意を表明するものであります。
 公明党が実施しております税制総点検によっても、すでに明らかなごとく、サラリーマンが税制に対して持つ意識は、不合理、不公平に対する不満ということであります。わが党は、審議を通じ、四十六年度の税制改正を詳細にわたって検討を加えてまいりましたが、依然として高負担の感はぬぐい去れないのであります。すなわち、所得税改正法を見ますと、実質減税規模がきわめて少ない。初年度千六百六十億円の減税は、約一兆五千億円の自然増収分の約一一%程度であります。過去の十年間を見ましても、四十三年度の五・八%に次ぐ低い減税になっております。しかも、物価上昇率を本年度並みの七%と低く見積もりましても、この物価上昇分だけでほとんど九百億円が消え去り、実質減税は七百億円足らずという、全く小幅な減税になるわけであります。また、政府では、わが国の租税負担率が諸外国と比べて低い位置にあるとうたい上げておりますが、諸外国に比べて極端に立ちおくれている社会保障あるいは物価上昇、そして住宅問題等の生活水準を考慮して申されたほうがよかろうと思うのであります。物価問題の具体的な一例をあげますと、一九七〇年上期、一月から六月までの対前年比率を見ても、アメリカ五・九%、イギリス六・〇%、西ドイツ三・五%、日本は諸外国に比べても非常に高率であり、七・九%という姿になっており、四十六年度の所得減税の前提になっております物価上昇見込み五・五%を上回りますと、物価調整分の七百億円は焼け石に水となるのであります。租税負担率の比較のみでは決して優劣は定まらないのであります。また、所得控除の一例をあげますと、夫婦子供二人の場合、昭和四十五年に百十万円の給与収入がある人が、昭和四十六年に一八%のベースアップがあって百三十万円になった場合の所得税は、四十五年が一万六千七百九十四円でありましたが、四十六年は二万七千百七十七円になるわけであります。つまり、収入のほうは一八%ふえましても、税金は一万円の増加になり、結局六二%もふえることになるわけで、減税効果は実質的には全くないのであります。
 このように、税負担の公平は著しくそこなわれているのであります。また、各種所得控除の若干の手直しをしておりますが、寡婦、老人等に対する控除は依然として冷たく、これもまた、欧米諸外国とはけた違いの格差があり、優遇されておらないのであります。また、資産所得や給与所得を見ましても、配当所得課税最低限三百十三万円余に対して給与所得は百十三万円余と、その所得の間には大きな不公平が見られ、これらを放置したまま、直間比率の是正を名分とした大衆課税の強化を行なおうとし、逆進性の強い税負担を強行する態度は、高負担が先行していると断ぜざるを得ないのであります。
 次に、法人税の改正であります。今回の改正では、税率の手直しを見送っておりますが、四十五年度においては、大蔵省では二%引き上げを内定していたにもかかわらず、一・七五%にとどめ、保留分については五%を増税し、三六・七五%と付加税を課したわけでありますが、社会資本充実を掲げる本年度こそ、その財源を確保するためにも、負担公平の原則から改正を行なうべきであったと思うわけでございます。すなわち、現在一億円以上の資本金を持つ大企業の占める割合がわずか〇・七%、残りの九九・三%が一億円以下の中小法人であることを考えますと、資本金一億円以下は二八%の軽減税率が適用されているわけでありますが、三十九年以来、三百万円に据え置かれているわけであります。これなどは当然、現在の経済規模をかんがみ、五百万円以上に引き上げるべきであったと考えるのであります。
 次に、同族会社の社内留保金課税についてであります。超過額については、一般の法人税のほか、さらに一〇%から二〇%までの留保金に対する累進的な加算税が課せられておりますが、配当性向及び内部留保率は、中小法人と大法人を比較いたしますと、配当性向は中小法人が低く、内部留保が高くなっているのでありまして、中小法人が配当を不当に低くして、所得税の累進課税を回避しようとする傾向がなきにしもあらずであり、自己資本率が大法人に比べ四・八%の差があり、低い状況にあるわけであります。したがって、四十六年度こそ、留保金課税を廃止すべきであったろうと思うのであります。
 次に、昨年創設されました完成工事補償引当金制度を拡大して、製品保証引当金制度に改め、さらに対象事業の範囲を拡大しておりますが、これは将来発生する可能性のある費用を引当金とし、これによる利潤の隠蔽、利益金の費用化等の傾向を一そう促進させる結果となると思うのであります。
 さらに、租税特別措置についてでありますが、国税だけでも百四十三種類あるといわれておる悪名高い利子・配当所得の特例、輸出振興に名を借りた四種類の特別措置、医師の社会保険診療収入、さらに金融機関を初めとする貸し倒れ引当金等々の中でも、最も多くの問題をはらむのは、現在の社用消費の実態を勘案して、交際費に対する課税が非常に甘い点であります。その大部分は大企業を対象としたものであります。租税特別措置による減収額約四千五百億円、これは国税総額の五%を占めるというその量といい、その質といい、これほど幅広いものは国際的にもその類例がなく、多くの学者も、「大企業優先のため特別措置を積み重ねた、極端にゆがめられた今日の日本税制である」と述べております。言うまでもなく、租税特別措置は、国家経済再建のため資本蓄積増強の手段としての措置であるわけであります。しかしながら、GNP世界第二位まで伸びた今日の国家経済に、外国に類例のない特別措置で保護する必要はないのであります。税調の答申とは反対に整理改廃は一向に進まず、総合課税、累進課税制度の趣旨を後退させているものであります。
 ともあれ、今回の改正案につきましては若干の手直しが行なわれておりますが、肝心の税負担公平の原則から大きく逸脱したものとなっているのであります。ますます国民不在の政治の認識を強くせざるを得ません。
 以上反対の趣旨を述べまして、私の反対討論を終わります。(拍手)
#74
○副議長(安井謙君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより採決をいたします。
 関税定率法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#75
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#76
○副議長(安井謙君) 次に、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#77
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、三案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#78
○副議長(安井謙君) 次に、塩業の整備及び近代化の促進に関する臨時措置法案並びに引揚者等に対する特別交付金の支給に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#79
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、両案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#80
○副議長(安井謙君) この際、日程に追加して、
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員会理事船田譲君。
   〔船田譲君登壇、拍手〕
#82
○船田譲君 ただいま議題となりました法律案の内容は、国会議員が受ける通信交通費を、現行の月額十八万円から二十三万円に改定しようとするものでありまして、本法の施行は、本年四月一日からと相なっております。
 委員会におきましては、審査の結果、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#83
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#84
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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