くにさくロゴ
1970/03/03 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 物価問題等に関する特別委員会 第6号
姉妹サイト
 
1970/03/03 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 物価問題等に関する特別委員会 第6号

#1
第065回国会 物価問題等に関する特別委員会 第6号
昭和四十六年三月三日(水曜日)
    午前十時三十六分開議
 出席委員
   委員長 小林  進君
   理事 青木 正久君 理事 砂田 重民君
   理事 登坂重次郎君 理事 松山千惠子君
   理事 武藤 嘉文君 理事 渡部 通子君
   理事 和田 耕作君
      上村千一郎君    小坂徳三郎君
      笹山茂太郎君    正示啓次郎君
      向山 一人君    粟山 ひで君
      山下 元利君    田中 恒利君
      戸叶 里子君    松浦 利尚君
      有島 重武君    谷口善太郎君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局取引部景
        品表示課長   中村 雄一君
        経済企画庁国民
        生活局参事官  山下 一郎君
        通商産業省重工
        業局次長    山形 栄治君
        参  考  人
        (電子機械工業
        会会長)    大久保 謙君
        参  考  人
        (電子機械工業
        会副会長)   平賀 潤二君
        参  考  人
        (全国電機卸売
        商組合連合会会
        長)      角田 照永君
        参  考  人
        (まや商会取締 山崎 信雄君
        役社長)
        参  考  人
        (全国電器小売
        商業組合連合会
        理事長)   馬生天都之助君
        参  考  人
        (横浜国立大学
        経営学部教授) 久保村隆祐君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 物価問題等に関する件(電器製品の価格問題)
     ――――◇―――――
#2
○小林委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 この際、おはかりいたします。
 本日は、特に電器製品の価格問題について、電子機械工業会会長大久保謙君、電子機械工業会副会長平賀潤二君、全国電機卸売商組合連合会会長角田照永君、まや商会取締役社長山崎信雄君、全国電器小売商業組合連合会理事長馬生天都之助君、横浜国立大学経営学部教授久保村隆祐君、以上六名の方々を参考人として、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。
#4
○小林委員長 この際、簡単にごあいさつを申し上げます。
 参考人の方々には、御多忙中にも一かかわらず本委員会に御出席をいただき、まことにありがとうございました。
 カラーテレビ等の電器製品の価格問題につきましては、当委員会におきましても、昨年来調査を重ねてまいったのでありますが、特に、この問題に関係の深い方々から忌憚のない御意見を承わり、調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 なお、議事の進め方につきましては、まず、生産者の立場を代表して大久保参考人、卸売り商の立場から角田参考人、小売り商の立場から山崎参考人及び馬生参考人、第三者の立場から横浜国立大学教授久保村参考人の順序で、お一人十分以内で御意見を述べていただき、次に、各委員からの御質疑にお答えいただきたいと存じます。
 それでは、大久保参考人にお願いいたします。
#5
○大久保参考人 電器界を代表いたしまして、電子機械工業会の会長でございますが、大久保が御説明申し上げたいと存じます。
 ただいまの委員長のお話によりまして、電器製品と申しますといろいろございますが、そのうち主たるものとして、カラーテレビについて申し上げたいと存じます。
 カラーテレビにつきましては、すでに皆さま御承知のとおり、輸出カラーテレビにつきまして、アメリカで、ダンピングのおそれありということでいろいろ調査されておりますが、この件につきまして、われわれは、決してダンピングではないということを主張してまいったのでございますが、昨年の八月二十六日に、決して国内価格とアメリカへ輸出しているものとの間に差がないんだということを、モデル価格を発表いたしまして主張したわけでございますが、たまたま国内におきまして、二重価格の問題ということが問題になっておりまして、このモデル価格を発表したことが一つの契機となりまして、二重価格の問題が非常にやかましく取り上げられるという状態になったのでございます。
 消費者五団体の方から九月十六日、この国内のカラーテレビについてもモデル価格を発表せい、また、二重価格というものを早く解消してしまえ、それから、メーカーの出荷価格というものをはっきりせい、こういう御要求がございました。
 しかしながら、この件につきましては、われわれメーカーだけでなく、流通段階の方々の御意見もありますことですし、このやり方を間違えますと非常な混乱を起こし、また、流通段階の方に大きな迷惑をおかけするということで、寄り寄り研究しておった次第でございます。なかなか早急に御希望のような状態にはなりません。御協議も申し上げて、いろいろ研究もしてまいったのでございます。
 ところが、手ぬるいということでございましょう。十月の十七日になりまして、消費者五団体の方々から、買い控え運動をやるというお話がございました。これはまことにやむを得ないのでございますが、われわれは、その買い控え運動ということは非常に困るんでございますが、われわれの姿勢を早く正して、何とか御協力願えるようにもっていきたいということで、いろいろ研究してまいりました。流通段階の方も非常にお困りになる面もございますし、われわれも率直に言いまして、蔵出し価格等を簡単に発表し、また、その内容を御説明することは非常に問題なんでございまして、いろいろ協議した結果、通産省の行政指導も仰ぎまして、また公正取引委員会の御意見も伺いまして、十一月六日、われわれとして一つの打開策を発表いたしたわけでございます。
 それは、まず現行機種につきましては、現金正価というものをはずしてしまう、そして実売価格によっていろいろ取引をしていただくという方法でございます。それに付帯しまして、製造年月日を示すとかなんとかいろいろありましたですが、おもなるものは現金正価を撤廃する。したがって、二重価格という問題はなくなるわけでございますが、しかし、今後、そのあとの新しい製品についてはどうするか。これは現金正価を撤廃いたしますと、お客さんのほうで、よりどころがなくて非常に困る、何か標準価格らしいものがほしいという声もございまして、われわれといたしましては、新しく発売するものにつきましては、いわゆる現金正価に相当するもの、現在標準価格といっておりますが――現金正価ということばは適当でないから使わぬようにせいという御注意もありました。現在、標準価格という名前にいたしておりますが、これを実売価格に近づけまして設定するということを、われわれ決意をいたしまして実施したわけでございます。
 もとの現金正価と実売価格との間には二〇%あるいはそれ以上の差がある、けしからぬというおしかりを受けたわけでございますが、極端に、ある種のものにつきましては二〇%以上も差があるという調査が出ておりますが、今回私どもが制定いたしました標準価格は、もとの現金正価というものに比べますと、大体一〇%から二〇%ぐらい価格を下げた数字でございます。したがいまして、現在、現金正価と実売価格との間には、大体四、五%からせいぜい多くて一〇%程度の差しかございません。大体は数%の差で現在取引されている模様でございます。
 この現金正価に相当するわれわれの標準価格というものを決定するにあたりましては、これはいろいろメーカーの経費を節減するとか、宣伝費を少しかげんするとか、そういうことで、メーカーも数%の蔵出し価格の低下を行なっております。また、流通段階において非常に複雑でありましたリベートというものを整理いたしまして、これも多少下げていただくというような方法によりまして、一〇ないし一五%、従来の現金正価らしいものに比べまして、その程度低い標準価格を設定したわけでございます。これによりまして、消費者五団体からいろいろ要求のございました点はまずまず解消したんじゃないか。われわれは、今後やはり一生懸命勉強して、いい品物を安く供給することは努力しなければならぬということは十分心得ておりますが、ひとまずこの線で御了解を願いたいというふうに考えている次第でございます。
 さて、それじゃ今後どうなるんだ、これからどんどん下がっていくのかという御質問があるかと存じますが、これにつきましては非常に問題が多うございまして、実は現在、私どものやり方が悪かったという点もありますが、つくり過ぎたという点をわれわれ反省いたしております。また、世の中の不景気ということも影響しておりましょうし、買い控え運動というものも影響いたしておりますと思いますが、私どもは現在、三〇%ないしは四〇%の減産を行なわざるを得ない状況に立ち至っております。メーカーもそうでございますが、部品をつくる部品製作者も、同じく三〇%ないし四〇%の減産を余儀なくされておる。またメーカーの下請工場も、仕事が減りまして、非常に苦労しているという状況でございます。また流通段階におきましても、ある種の店に至りますと、前年同期に比べまして、やはり四〇%から五〇%ぐらい商売が減ってしまったというようなことがございますので、これらの困難を克服しながら、どんどん値段を下げていくということは非常に困難であろうと存じますが、われわれといたしましては、とにかく努力していきたいというふうに考えておる次第でございます。
 ただいま申し上げましたように、いろいろと二重価格の解消、それから、標準価格と実売価格との接近というようなことにつきましては、われわれメーカーばかりでなく、流通段階の御理解ある協力を得てここまでまいったのでございまして、価格の問題は、この辺でひとつ終止符を打っていただきたいというふうに考えます。
 なお、ただいまの状況が長く続きますと、これは非常に重大な問題になってくるんじゃないか。できるだけ早く何とか現在の在庫もはかし、また、われわれの減産、したがって労務者の帰休というような状態がなくなるようにわれわれも努力したいと思いますが、一般の消費者の方にも御理解をいただいて、現在の困難な状況から早く回復して立ち上がりたいというふうに考えている次第でございます。どうぞ御理解をいただきたいと存じます。
 以上をもちまして私の御説明を終わらしていただきます。
#6
○小林委員長 次に、角田参考人にお願いをいたします。
#7
○角田参考人 私は、ただいま御紹介いただきました、全国家電関係の卸の組合の連合会の会長をいたしております角田でございます。
 ただいまメーカー側のサイドで、大久保会長からいろいろとお話がありましたので、重複を避けまして、このたびのカラーテレビ等の買い控え問題といいますか、昨年の八月以後に行なわれましたモデルの発表に伴う業界の混乱状態を、われわれ卸の窓口から見た実際について申し上げたいと存じます。
 すでにもう御承知のように、現在の家電の卸は、特定のメーカーさんの専売の販売会社組織になっております。これは一つのメーカーさんの商品を一定の地域内におきまして、その地域にある販売店に卸をするということでございます。
#8
○小林委員長 角田参考人に申し上げますが、うしろが聞こえないそうですから、ちょっとひとつ大きな声を出して、決して遠慮要りませんから、みんなに聞こえるようにやっていただきたいと思います。
#9
○角田参考人 ちょうど三十九年、オリンピックのあとに、白黒テレビの普及率が八十何%という高度な普及率に達しておりまして、現在のよう左非常に不況のときがまいりまして、その当時、傘下の小売り店は非常に倒産が多かったのでございます。そういうしわを卸段階におきましてもろに受けまして、非常に苦しんだのでございますけれども、メーカーさんの資本の導入、あるいはまた、ただいま申し上げましたような地域制による一つの新販売体制といいますか、そういうこと、あるいはまた細分化といいますか、仕事の面の細分化によりまして、われわれが商品の配送あるいは倉庫を担当する。そういうことから、メーカーさんの工場からじかに商品を受けまして、そして販売店に供給する。販売店も、あまり在庫をたくさん持たなくても、注文がありましたら直ちにお届けできる、というような体制をしいたわけでございます。
 そういうような合理化した体制によりまして、業績も非常によくなってまいりました。ちょうど昭和四十一年ごろに、一人当たりの年商が約千九百万程度だったと思いますけれども、それが、われわれの東京の卸の組合で、毎年企業分析アンケートをやっておるわけですけれども、昨年四十五年度の調査によりますと、約三千万、五十何%の上昇率でございますけれども、そういうように生産性も非常に上がってまいったわけでございます。
 そういうことによって、われわれが、モデル価格発表のときに発表されましたように、八%の運営費をいただきまして営業をやっておるわけでございますけれども、そのうちの大半、約三・五ないし四%近くの人件費を払っているわけでございます。そういう、ほとんどが人件費にとられるというようなわれわれの段階でございますけれども、この人件費がまた御承知のように、四十一年と四十五年と比べますと、約二一一%になっているそうでございます。これからまだどんどん上昇していくその人件費を吸収いたしまして、さらに販売店さんも非常に人手不足で悩んでおられますので、こういう人たちの応援をしながら、これからわれわれが、先ほど申し上げましたように、メーカーさんの営業部といいますか営業所制を廃止して、販売会社に移行した卸部門の機能を発揮していかなくちゃならないわけでございます。
 ところが今度、先ほどお話ありましたように、新価格というものを打ち出すために、流通段階におけるマージンの圧縮といいますか、そういうことが行なわれまして、われわれの卸段階におきましても八%のうち一%を減らせということになったわけでございます。これは一%といいますと非常に少ないようでございますけれども、八%に対する一%でございます。それからまた、価格そのものも、先ほど大久保会長からお話ありましたように、一五ないし二〇%も新価格がダウンされております。そういうことから、売り上げもさらに二〇%ぐらいは減るのじゃないか。そうなりますと、われわれの影響するところは、三〇%ぐらいの減益になるのじゃないか。そういうような非常に苦しい立場にあるわけでございますけれども、しかしながら、一般の消費者の皆さんのこのカラーに対する非常な要望といいますか、需要といいますか、非常に強いのでございまして、われわれもできるだけ勉強して御期待に沿いたいということで、販売店さんにも犠牲を払っていただきまして、われわれは協力いたしておるわけでございます。
 なお、これはよけいなことでございますけれども、現在は、カラーも非常に種類が多くなっております。四十年ごろには、十九インチ一種類二十万円ぐらいの定価でございましたけれども、現在は十三インチまでつくられまして、しかも八万円台と、非常に下がってまいっております。そういうことから考えまして、メーカーさんも流通段階も、非常な犠牲を払っておられると私は思うのであります。
 それから、現在、あとでお話あると思いますけれども、馬生さんの傘下におられます販売店さんは、すべて専門的な技術を全部習得されまして、非常なサービスをモットーに山間僻地に至るまで努力されておりますので、この販売店さんのこの値下げに伴う今後の売れ行きの不振が、消費者の方々からいただいております不信感が続いて、いつまでも不安定左形で続きますと、非常な窮地におちいるのじゃ左いかと案じておるわけでございます。一日も早く安心される信頼を回復いたしまして、明朗な、しかも活動的な営業ができますように念願いたしているわけでございますので、どうぞ、国会の諸先生方の御援助と御指導をお願いいたしまして、発言を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。
#10
○小林委員長 次に、山崎参考人にお願いいたします。
#11
○山崎参考人 まや商会の社長、山崎でございます。
 本日お招きを受けましたのは、たぶん、安売りの親玉であろうといったようなことで、メーカーサイドの御四方、そして全く立場の違います安売り屋の代表としての身分、皆さんによくお聞き届けの上さらに御検討願いたいと思うのでございます。
 家庭電気器具市場、これには、大きく分けまして二つの流通のパイプがございます。こまかく分けますと三つ、四つとも考えられるのですが、この二つの流通のパイプ、その一つは系列制度、そしてもう一つは自由市場でございます。
 この系列市場、これは御存じのように、生産者資本に隷属した販売店の方々で、この業者の方たちは、取引時において生産者の資本運営による販売会社との契約、これは連帯保証人を二名立てさせられております。そして半ば業者の方たちは、土地、担保などを根抵当に取られる。そして取引方法は約束手形といったような仕組みになっております。一方、自由販売市場は、これは取引はすべて現金決済、したがって、その取引価格の基準になりますものは、これは取引を通じて自然にそこに形成されるところの相場が成り立っております。この相場に準拠した形で取引が行なわれている。そういうような取引を行ないます業者は、現在ではデパートもしかり、スーパーもまたしかり。それからまた神田、秋葉原市場、大阪一日本橋市場の安売り業者の方々、それから全国に散在する安売り業者の方々の取引は、現金決済の形をとっておる。それはすべて相場に準拠する。自由経済の体制のもとにおいて商品価格のあり方、需要と供給の関係から、当然そこに相場といったようなものが形成される。その相場に経営費、利潤、それを個々の業者が適当にきめて消費者価格とするという、これは本来の姿であります。
 その相場業者の販売量が、昭和四十二、三年ごろから急速に増大してまいりました。そして四十四年、四十五年には、系列の販売量を追い越してしまった。現在時、自由市場で扱われます販売量は、全製品の五五%を占めているのではなかろうかといったようにいわれております。
 本日御出席の平賀さんの東芝の、自由市場と系列市場の出荷の比率表、これなども用意されておりますが、これは後ほどということにいたしまして、そんなふうにこの自由市場の扱いが非常に多くなってくると、そこに、系列市場でお売りする業者の方々の価格と、自由市場で薄利多売を打ち出される業者の方々の価格との間に、大きな乖離を生じてきたのであります。はなはだしい場合には、青森県の系列業者は十七万五千円でカラーテレビを売った。そしたら、秋葉原ではこれは八万円で売られておったといったように、また都内、近郊の価格差にしましても、四万円、五万円というものはもうざらに出てきたといったように、そこに、現金正価と実売価格の間にたいへん大きな価格差を生じてきました。消費者の不信を買うこと、これはあたりまえのことです。
 そこで、昨年下期からの一連の混乱、そして、とどのつまりは通産省の行政指導といったようなことで、価格の混乱、そういうようなことに何とかうまい方法はないだろうか、皆さんいろいろ協議をなさったようでございます。そして通産省のお肝いりで、いままでのものは現金正価を撤廃してしまえ、のっぺらぼうにして、まあ売ってしまえばいいだろう。そして、これからつくり出すところのいわゆる新型品は、現金正価を廃止してしまったんですから、消費者に何かの目安になるようなものがなければいけないんではなかろうか。これは当然そうです。工業商品の場合に、加工度が非常に高いものを、消費者の皆さんは何を基準にお求めになっていいかわからない。そこで当然一つの基準、標準、目安になるというような一つの指示価格がつけられるということは、そうあっていいと思うのですが、これは消費者の方々にもっと親切丁寧な表示価格をお考えになるべきで、大体メーカーさんの間で統一を見たその消費者に対する指示価格の呼称、標準価格といったような形で新製品を売り出す。そしてこの新製品価格は、いままでの価格から一割五分なり二割を下げた。そして、これは実勢価格にさや寄せしたものであるといったような御見解のもとにあるようですが、この価格を見ますと、これは実勢価格を反映しておりません。これは通産省お肝いりによる現金正価の一割五分、二割を引き下げなければならなくされたといったようなことで、新しく立てられた現金正価といったようなニュアンスのものに共通する面が見受けられるように思います。
 一、二の例を申し上げますと、ナショナルさんのような販売力が非常に活発で、また、宣伝その他による消費者ブランドが非常に高い、そういうようなメーカー、これは十六万五千円の標準価格をつけておられます。それからまたゼネラルさん、これなどはやはり同じく十六万五千円の標準価格をつけられておりますけれども、市場性の相違を全く無視して、皆さんお手々つないで十六万円台の標準価格をおつけになっても、これは二重価格解消には絶対になりません。市場性の違いということは、これは当然なんです。当然そこに市場性の相違がある。それを一向考えてはいないといったような形でナショナルのようなメーカー、ソニーのようなメーカー――ソニーさんの場合は、まだ標準価格商品は発売なさっておられないようですが、ゼネラル、NEC、それからまたコロンビア、市場性に弱いメーカーさんまでが、みなお手々つないで十六万円台であるといっても、これはとてもとても、これによって二重価格制を廃止するといったようなことは考えられませんし、近い将来、必ずここにまたまた二重格差の問題が表面化してくるというふうに、はっきり申し上げることができます。
 時間が参ったようで、まだいろいろ申し上げたいと思うのですが、あとは、委員の方の御質問にお答えする形でお話を進めてまいります。
#12
○小林委員長 次に、馬生参考人にお願いをいたします。
#13
○馬生参考人 全国電商連の馬生でございます。
 私のほうは、全国の都道府県に県単位に単組を持っておりまして、全小売り商の組合員数は大体二万六千名でございます。したがって、日本の国内における家電流通部門のその販売シェアは、私どもは七〇%以上を占めておるという調査の自信を持っております。したがいまして、私どもの運動の趣旨は、消費者の皆さま方に、どこの場所で買われましても、大体合理的な格差において、公平な値段で買われることをモットーとした運動をいたしております。特に家電製品は、商品を買ってもらいましてから、これが耐用年数のある限り、その機器が快適にその機能を発揮してこそその値段の価値があるということを前提にしまして、そういうような技術方面の指導なりサービスにも重点を置いております。したがいまして、私どもの中には、さっきも山崎社長から言われましたように、系列店もあれば非系列店もあるわけであります。しかし、系列店といえども、決して隷属はいたしておりません。私どもの運動方針は、商人というものば自主独自でやるべきである。したがって、われわれは発展するためには、まず消費者に愛される店にならなければいけないということを前提にしてやっております。中には、経営不振のためにその系列から援助を受けることもありますけれども、ほとんどは自主独立でやっております。また仕入れの面におきましても、手形もありまするけれども、ほとんど今日の状態では体質の改善をはかりまして、現金取引において安く仕入れて、消費者に安くものを提供するという方向に進んでおります。したがいまして、家電商品の価値観というものは一体どこに置かれるのかというところに、私どもはいろいろと疑問を持っておるわけでございます。
 その問題は、価格の問題になりますと非常に複雑になりますので、また御質問のときにお答えするといたしまして、昨年の八月いわゆるカラーテレビ問題が起きまして以来、私どもは、そういうような一つの既定の路線を持ちまして、何とかして消費者に安心してものが買ってもらえる状態に回復したいということで、消費者団体ともお会いし、また官庁関係にも連絡をとり、また、メーカー関係にも消費者団体の意向を伝えまして、以来回復に一生懸命に努力しておるわけでございます。幸いにいたしましてある程度の成果を得てきたわけでございます。これには業界あげての協力、あるいはまた指導官庁等の指導のよろしきを得たというように私は思っております。
 しかし、商況におきましては、買い控えが起きました当時より、八月に起きまして、自来毎月落ち込みまして、十二月には、特別の事情がありましてある程度横ばいの商況を保ちましたけれども、一月、二月というような本年度は、昨年度の実績の大体六〇%程度に落ち込んだわけでありまして、私ども傘下の販売店の経営の苦しさというものはもうたいへんでございます。いわゆる物価の高騰、人件費の高騰、収益率の低下等で非常に苦しい状態でございます。
 しかも、いま言われましたように、市場は一時混乱いたしておりまして、その混乱の原因はいわゆる鮮度の問題でございます。商品の鮮度の問題、新製品と旧製品とがごったになって市場にあらわれる。また、流通過程におけるいわゆるメーカー、販売会社というルート以外のところから流れてくる金融商品、手形が落ちないために換金するために落ちてくる商品というような、あらゆるものがごっちゃになりまして末端市場にあらわれまして、いわゆる価格の不当な格差が生まれまして、消費者の皆さん方に非常に御迷惑をかけたわけでございます。
 したがいまして、今後は、メーカーも姿勢を直してもらうと同時に、販売会社も姿勢を直してもらい、また流通業者も、みずから経営の近代化を推進し、したがって合理化しまして、できるだけ消費者の皆さん方に低廉でよいものをお買い求め願えるという方向に進んでおります。また、努力いたしております。私どもの見通しでは、大体こういうような問題が起きまして、それぞれの皆さん方から格別の御支援をいただきまして、少なくとも本年の五月ごろまでには、この問題は終止符が打てるのではないか。また、その後に起きてまいりますいろいろな問題につきましては、あらためて業界あげて、みずからの力で反省し、改善すべきであるというように考えております。
 家電業界の内蔵問題は、私ども専門家でも非常に苦しむわけでございます、ふくそういたしておりますから。わずかの時間をちょうだいいたしましても、皆さま方に十分御説明をでき得ないと私は思うわけでございますが、また何か御質問がありましたなれば、自分の知った範囲を率直に御披瀝申し上げまして、諸先生方の御協力をちょうだいしたい、かように思うわけでございます。
 以上でございます。
#14
○小林委員長 次に、久保村参考人にお願いいたします。
#15
○久保村参考人 横浜国立大学経営学部の久保村でございます。
 業界の内部の実態は私よくわからないのでございますけれども、第三者として、主として最近のカラーテレビの二重価格問題について、私の考えておるところを申し上げてみたいと思います。実態をよく存じない面がございますので、あるいは私の考えが間違っておりますならば、あとでほかの参考人の方から御訂正をいただきたいと思います。
 最初に、カラーテレビの現在までの成長過程を見てみますと、カラーテレビが最初に売り出されましたのは、三十五年の七月でございますが、十社が一斉発売をしております。当時17型が四十万円から四十五万円、21型が五十万円から五十二万円、そういう値段で売り出されているわけでございます。それ以来四十年の末ごろまで、いわゆるメーカーの苦難時代だったのではないかと思います。商品の寿命と申しますか、ライフサイクルということを申しますけれども、そのライフサイクルの導入期であったのだろうと思います。たとえば三十六年の十一月ごろには、月産が十社で二百台、在庫が五千台ということもあったかに、これは新聞の記事でございますけれども、聞いております。これが、四十一年から急激に事情が変わってきております。カラーテレビに対する需要がふえてきたわけでございますけれども、成長期に入りますと急激にふえるわけでございますが、この年は予測が常に下回っております。年初の予想が三十万台であったようでございますけれども、実績は五十二万台まで伸びております。これからあと急激に伸び出しまして、四十三年ごろは、メーカーの最も重点商品、ドル箱に在ったわけでございます。それが四十五年になりますと、先ほどもいろいろお話が出ましたけれども、需要が伸び悩みで、少し様相が変わってきております。四十一年から四十三、四年までが、ライフサイクルで申しますと成長期、そして現在、競争の激しい競争期に入っていると思うのでございます。
 二重価格問題は、最初から出ております。三十六、七年ごろも二重価格は非常に大きくなりまして、問題になっております。あるいは四十年前後にも問題になっておりますけれども、当時の二重価格問題と現在の二重価格問題は、性格が違っていると私は考えております。現在は、先ほど申しましたように、カラーテレビに関しましては市場開拓の戦国時代といってよろしいかと思います。この段階でメーカーが後手をとりますと、やがて需要が飽和状態になってくるわけでございますが、その段階で非常に不利な地位に立つことになります。極端な例でございますけれども、アメリカの白黒テレビでございます。競争期には百社が激しい競争をしております。市場開拓の戦国時代に競争にも在れまして、残りましたものは三十五社、そしてその後、そのうちの三分の一に、マーケットシェアの七五%から八〇%まで集まっております。これは極端な例でございますけれども、一般に商品のライフサイクルの進行に伴いまして、そういう傾向をあらわしがちでございますが、そのために現在各メーカーは、いわば必死の競争をやっているものと私は考えております。
 そうなりますと、そこで行き過ぎた政策も出てくるわけでございますが、その行き過ぎた政策の一つは、過度の販売割当だろうと思います。現在の生産体制のもとでは、販売割当をしますことは、これは避けられないわけでございますが、その販売割当が過度になりますと、いろいろ弊害が出てまいります。その弊害の一つは、生まれました商品で、先ほどちょっとお話が出ましたけれども、手形決済期に売り込み販売が終わりませんで、換金ものとして自由マーケットに出てくる、そういうものもあるわけでございますが、そういうことで、現在各メーカーは、強引と思われるマーケッティング政策をとっているのではないかと私は思います。しかし、これはカラーテレビだけではございませんで、ほかの商品すべてについて、いわゆる競争期といわれます段階には、そういう政策、戦略がどうしてもとられるわけでございまして、これは例外でございません。
 やがて、このような過度の競争が需要飽和期になりまして、成熟期と申しますけれども、そこまで継続いたしますと、これは非常に大きな問題になってまいります。そこになるまでに、メーカーの良識によって過度の競争を次第に平静な競争に戻していかなければいけないと思うのでございますが、そういうわけで、現在過度の競争のために、値くずれをメーカー自身がつくり出している。そうなりますと、小売り段階では価格競争に非常に弱いわけでございますけれども、価格遡及は、消費者に対して非常にアピールすることが強いわけでございますが、一たん価格がくずれ出しますと、極端な表現でございますけれどもどろ沼状態になりまして、破滅的な競争にもなりかねないわけでございますが、そういうことに、現在の二重価格性の一番大きな原因があるものと思われます。
 そのほか、これも先ほど生鮮度とおっしゃられましたけれども、現段階で生産技術が高度化しまして、次々に新製品が出ております。当然旧製品をさばかなくちゃいけないのでございますけれども、その場合に、メーカーとしては定価を下げないでさばきたいわけでございます。申すまでもございませんが、定価を下げますと、それを買いました従来の消費者に対する配慮がございますし、流通段階のストックに対する配慮もあるわけでございますが、そういうことで定価はそのままにしてさばきたい、当然そこでまたリベートが多く出されるということにもなろうかと思います。
 通産省で調査されました値引き率を見てみますと、発売年度別で、四十二年度のものが三四・〇%という数字が出ておりますが、四十五年度ものは一七・三%でございます。これは昨年の十月十二日から二十日まで、モニター五百七十五人、台数八千五百四十三台について調べられたもののようでございます。ここにも出ておりますが、古いものは三十数%、新しいものは一七、八%という値引き率になっておることからもわかりますように、古い機種を何とかさばこうとして、それがまた小売り市場を大きく撹乱をしていく、そういうことがございます。
 なおそのほかに、現在の二重価格の原因としましては、この段階でカラーテレビをおとり商品として使うことが多いわけでございますが、その面からの価格の開きも出てくるものと思われます。これが現状の大ざっぱなところだと思うのでございます。
 結局、こういう事態を生じます定価制度を一体廃止すべきかどうか、望ましいかどうか、この辺が問題になろうかと思います。定価制度については一応こういうふうに考えてよろしいと思うのでございます。
 それは、現在多くの工業製品について、製品差別化による独占的競争が行衣われております。自分の商品に特徴をつけまして、それに自分で標準価格をつけ、商標をつけ、そうして広告などで消費者に印象づけていく方法でございますが、これを行ないます事情としましては、おもなものは二つございまして、一つは生産体制でございます。生産技術が高度化してまいりますと、当然市場の確保が必要になってまいりまして、そのためにはこういう行き方が必要である。いま一つは、経済の成長に伴います所得水準の上昇、それによるいわゆる消費欲求の高級化ということがあるわけでございますが、それに対応しますメーカーの行き方としましては、製品差別化による独占的競争が必要になってくるわけでございますが、そのもとでは、原則として定価をつけることが必要になってまいります。
 そういうふうに、定価をつけますことは、小売り段階にとっても望ましいことであるのではないかと思うのでございますが、それは、価格の基準がそれによって示されることになります。もしもメーカーの定価がございませんと――この定価は、決して定価を維持するという意味ではございません。標準価格という意味でございます。メーカーの標準価格がございませんと、消費者自身で適当な価格を探索することになるわけでございますが、これは非常にわずらわしいことにもなってまいります。同時に、その場合に選択されます小売り業は、主としてストアイメージの高いところ、ビッグストアそのほか大規模な小売り業者が選ばれがちである、そういうことにもなろうかと思います。
 そういうふうに考えますと、定価そのものを否定する理由はないと思いますが、ただ、定価制度にはいろいろ弊害がございます。
 一つに、プライスリーダーシップが行なわれやすいということでございます。先ほどのお話で、各メーカーさんすべて同じような価格をおつけになっている。これはプライスリーダーシップの結果かどうかわかりませんけれども、そういうことになってまいりました。これは事実でございます。そこで問題になりますのは、そのプライスリーダーシップが行なわれてつきます価格が、はたしてどういう水準にきまるかということでございます。
 そこで特に問題になってまいりますのは、メーカーの独占度ということになってまいります。メーカー段階だけですと、場合によるとプライスリーダーシップの悪い面が出てまいりますけれども、流通段階でそれに対する対抗力がございますと、そのプライスリーダーシップが暴走することがむずかしくなります。先ほど自由市場のお話が出ましたけれども、この自由市場などはそれに対抗する力でございます。それからまた、それが進みますと、昨年末から六万円のカラーテレビで新聞をだいぶにぎわしましたけれども、あのようなプライベートブランドも出てまいります。これも対抗力でございます。それから、消費者運動が盛んでございますけれども、そういう消費者の意思の積極的な表明も、対抗力と考えてよろしいわけでございますが、そういう対抗力がございます場合には、プライスリーダーシップはそれほど暴走することがないのではないか、そういうふうに思われます。
 それからもう一つ、その点が一番大きい点でございますけれども、価格が硬直的に在る。定価制によりますと、どうしても、先ほど申しましたように、それを下げにくいわけでございますから、価格が硬直的になりやすいわけでございます。これは定価制をやめました場合には、流通段階でやはり、その辺の価格変動の責任を負うことになってまいります。
 こういうふうに考えてみますと、定価制はデメリットはございますけれども、しかしやはり必要な制度でございますから、ぜひそれが必要な場合にはメーカーがつけていくような制度にしておかなければいけないのじゃないか。そうしまして、その定価制が弊害を生じません一番重要な点は、やはりメーカー、流通段階、消費者、この意思の疎通、信頼関係かと存じます。その点、いろいろ問題ございますけれども、時間が参りましたので、一応ここで終わらしていただきます。
#16
○小林委員長 以上で、参考人の方々の御意見の御開陳は終わりました。
#17
○小林委員長 これより政府並びに参考人に対し質疑を行ないます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。砂田重民君。
#18
○砂田委員 参考人の皆さんからたいへん貴重な御意見を伺うことができまして、いろいろ伺いたいことがあるのですけれども、またしても時間の制約を受けておりますので、ひとつ端的に伺いたいと思いますのは、それぞれの参考人の皆さんから、価格のことでいろいろなことばが出てまいりましたね。現金正価、標準価格、実売価格、いろいろなお話が出てまいったのでありますけれども、私も消費者の立場でございますから、やはり一番気になるのが、私どもが幾らで買えるようになったのか。実売価格がどう変わったのか、あるいは変わらないのか。実売価格が下がったとも、横ばいであるとも、上がったとも、御意見は承ることができなかったわけでありますから、率直にこれを伺いたいと思うのです。
 馬生さんにお伺いをしたいと思いますのは、いわゆる二重価格問題が起こります前と今日と比べて、小売り屋さんのあなた方のところの実売価格というものは、下がったのか、横ばいなのか、上がったのか。もしも下がったのだとするならば、仕入れ価格も下がったのか、小売り屋さんのマージンを吐き出して下げておられるのか、その両方であるのか、端的にそれをお答えをいただきたいと思うのです。
 それから角田さんにも、もしも実売価格が下がったと卸のほうで見ておられるならば、その下がった理由は、メーカーからの出荷価格が下がっているのか。卸の皆さんの流通経費の削減なんということは、この短期間ではおそらく、なかなかできているわけがないと思うのです。したがって、卸の段階でも、ある程度マージンを吐き出して小売りに渡しておられるのか。
 また大久保さんからも、メーカーの側からごらんになって、実売価格が下がったと見ておられるかどうか。出荷価格をいわゆる標準価格という名前で新しく出しておられる新機種については、二重価格問題が起こります前の十九インチあるいは二十インチの二十万そこそこの定価の時代の出荷価格と比べて、どういうことになっておりますか、伺いたいと思うのです。
 それから山崎さんは、おそらく仕入れの方法が非常に多種多様、多岐でむずかしいことになっておると思いますけれども、山崎さんなんかの同業者の方々で、やはり実売価格が下がっておるのか下がってないのか、簡単に端的に、それぞれお答えをいただきたいと思います。
#19
○小林委員長 参考人の方に申し上げますが、発言をなさるときには、委員長の許可を得て御発言を願いたいと思います。
#20
○馬生参考人 ただいまのお尋ねの件でございますが、さっきも申し上げましたように、商品の鮮度によっても幾らか違うわけでございます。したがって、現行商品を基準にいたしますと、いわゆる五%程度の値下がりになっておる。ひどいものは一〇%のものもあります。それも買うときの状況によって違うわけでございまして、現金で買う場合あるいは長期の月賦で買う場合、長期の月賦の場合なんかは相当下がっております。これは月賦制度が改正になりまして、いわゆるローン制度になりまして、日歩制度になってまいりまして制度が変わりましたので、これなんかもずいぶん下がっております。これは私の大ざっぱな観察でございますけれども、一応下がっておる。
 したがって、仕入れのほうも、いわゆるいままでのような、たとえば地域によって幾らか仕入れ値段が違ったわけですけれども、最近は町の専門店も、消費者の支持を受けまして安くなってまいりまして、現在では、いわゆる特殊地域と申しますグループの仕入れと、正規の商品においては、その格差は三%か四%程度になっておる。その三%、四%の格差というものは、いわゆる配送の合理化であるとかあるいは事務の合理化であるとか、あるいは現金で買うか手形で買うかの金利のリベート等の格差を入れましても、一応五、六%の格差にとどまっておるのではないかというように考えております。
 以上でございます。
#21
○角田参考人 御質問の件は、事実、仕切り価格は下がっております。それから、仕入れ値段も下がっております。小売り価格が下がりました分に比例して、全部下がっております。それ以上に、先ほど申し上げましたように、卸のマージンの圧縮とか小売り店のマージンの圧縮とか、リベートですね、そういうことで、それは全部含まれておりますから、正規の商品であるならば非常に安くなっております。
#22
○平賀参考人 前のお二方と同じことでありますが、標準価格をきめました機種は、それぞれ実売価格において下がっております。五%といいあるいは一〇%といい、それぞれの幅はございますけれども、下がりました。
 その下がりました原因は、メーカーのほうと流通過程のほうとで、約半々くらいに負担をして協力をした、こういうふうにお考えいただいてけっこうと思います。メーカーのほうの側では、基本的な経費の節約とか設計上のこまかい問題あるいは生産七分問題等を詰めまして、そういう協力をいたしたわけでございます。
 以上でございます。
#23
○山崎参考人 具体例をもってお話し申し上げます。
 新標準価格品ナショナルの8800D型の標準価格十六万五千円、これは現在の相場は十一万九千円でございます。これと全く同じ製品で、当時の現金正価の値段は十九万五千円、これの仲値は十一万七千円。したがって二千円の値上がりを見ております。それから神田・秋葉原市場、これは安売り市場でございますが、この辺でお売りする価格は十五万五千円と、たいへん上がっております。この製品は、当時十三万五千円ぐらいで売られておりました。
 したがって、新標準価格品を打ち出すについて、ある種の価格調整行為と申し上げておいたほうがよろしいのでしょうが――価格を協定しているというような事実はなかなかつかめません。実は、安売り市場の業者に対してまでも、すでにそのような価格協定といったような工作が行なわれたんではないか、ある種の会合などを持ったというふうなことを仄聞しておりますが、安売り屋さんの方々にまで、十六万五千円の価格は一五%以上下がるとたいへんだ、したがって価格の維持に協力してほしいといったようなことでの要請が、そしてやむを得ない場合は五%引きぐらいまでにしてほしい一まあ何らかの拘束条件が考えられますが、その辺のところは徐々にわかってくると思います。現在時、神田の安売り屋さんのほうにまで手が回って、大体五%引きであるという。したがって売り値が十五万五千円。当時売られていた値段は十三万五千円である。大幅な値上がりを見ております。
 以上でございます。
#24
○砂田委員 安売り市場では値上がりをしているんですね。馬生さんの傘下の小売り屋さんで買ったほうがかえって安く買えるような印象を受けるように、いまお話を承ったのですが、価格協定の疑いがあるとか、公正取引委員会の委員長のような御発言もありましたが、これはきょうはおきます。
 もう一点だけ、ひとつメーカーサイドの方に伺っておきたいと思うのですが、従来の現金正価と月賦販売のときの正価、私はどうもあれに疑念を持っておりまして、いまこれが改善されたというふうに伺ったのですが、どういうふうに改善をされたのか。メーカーさんで改善をなさって、おそらく小売り屋さんまでその方式をとっておられるのだと思いますけれども、どういうことに改善をはかったのか、伺っておきたいと思います。
#25
○平賀参考人 月賦定価につきましては、メーカーによって二種類の制度が行なわれておりました。大部分のメーカーは、実売価格に手数料及び金利を加えて移動をするように、実情に合わせて行なわれておりましたが、あるメーカーは定価をきめてやっておりましたから、実売価格と必ずしも連動しないというのがありました。今回の問題とは多少違うのですけれども、いわゆる二重価格解消その他の意味におきまして、全部のメーカーが、最初に申し上げたような制度に変わりましたわけであります。したがって、実売価格と絶えず連動をして、ある合理的な手数料及び金利がそれに加わっていくということに変わっております。
#26
○砂田委員 終わります。
#27
○小林委員長 松浦利尚君。
#28
○松浦(利)委員 まず、山崎参考人にお尋ねいたしますが、いま砂田委員の質問で、実際に今度の新機種そのものも前よりも高くなったんだ、決して安くはなっておらない、こういうお話でしたが、具体的な問題として、今度新しくナショナルが出しました8800Dですね、これと古い型だといわれておるナショナルの7700Dというものとの相違点があるのかないのか、その点を少し簡単に教えていただきたいと思います。
#29
○山崎参考人 全くございません。
#30
○松浦(利)委員 全くありませんですね。
#31
○山崎参考人 いま全くと申し上げましたが、それの微妙な差といっても、コストの面においてどうのこうのといったような差はないということを申し上げられます。
#32
○松浦(利)委員 そのことについて全国電器小売商業組合連合会理事長の馬生さんにお尋ねいたしますが、いまの問題で私が秋葉原で調査した範囲内では、デザインが、前のほうに四つこうあるのが新機種では二本になっただけで、内容は全然変わっておらない、こういうふうに理解をしたのですが、あなたもそう思われますか。
#33
○馬生参考人 これは全国に販売店が四万軒ほど――まあ四万軒もないでしょうけれども、大体三万二、三千軒はあると思うのです。だから、どの店もそうなっておるかということになりますと、私はちょっと問題があると思うのです。それで、秋葉原の場合は、私どもからいいますと特殊地域ということになっておりますから、秋葉原の実態がどういうふうになっておるかということについては、私は関知いたしません。しかし、小売り商のほうでは、仕入れ価格にスライドしまして、自分のところの経費なりいろいろなものを加えまして値段をつけております。したがいまして、そこから正価をつけて自分のところの売り値をつけた店があるかもわかりませんが、大体はいま一応一重表示になっております。仕入れから自分のところの必要な経費を乗せて、そして実売価格に一重表示になっております。これは全部とは言いませんけれども。
#34
○小林委員長 馬生参考人に申し上げますが、質問者の問いに対する答えになっていないようでございます。質問者の問いに正確にお答えいただくように、ひとつお願いいたします。
#35
○松浦(利)委員 私の質問が悪かったと思うのですが、デザインそのものが変わっておりますか、こういう質問です。
#36
○馬生参考人 変わっております。
#37
○松浦(利)委員 どこが変わっておりますか。
#38
○馬生参考人 それは全体を見ていただきますと、キャビネットの形とか――私は内容ははっきり知りませんが、変わっております。
#39
○松浦(利)委員 私が調べた範囲内では、山崎参考人が言われたように、7700Dは前のほうが四本だったのが、今度ナショナルが出した新型では二本になっておる。しかも、足はプラスチックになっているのですね。前は木製だったのですよ。ところが、今度の8800Dはプラスチックになっておるということを、私は秋葉原で発見をしたのです。そのことについてあなたはどう思われますか。事実ですか。
#40
○馬生参考人 それは事実だと思います。あなたの言われたとおりだと思います。
#41
○松浦(利)委員 それでは、久保村先生にお尋ねをするのですが、実は今度の二重価格問題が起こりまして、確かに通産省が一五%ないし二〇%の問題を出されて、そして価格の指導をいたしましたが、行政が介入したために、結果的に、いままでの実勢価格よりも高いものを消費者は買わされるよう左形になってしまった。特に安売り市場、秋葉原なら秋葉原で安く買えておったものが買えずに、むしろ高くなってきた。いままでは安かったけれども、今度は同じ製品を一万円ないし二万円高く買わなければならない。こういう結果が今度の標準正価という中に出てきたわけですけれども、これは明らかに通産省なら通産省の指導というもの、政府が介入したその介入のしかたに問題があったと思うのでありますが、先生の御感想なり御批判を賜わりたいと思います。
#42
○久保村参考人 テレビの価格は、先ほど申し上げましたように、現段階で次第に値下がりする傾向にあるわけでございます。競争期といいますのは、その競争によって値下げが行なわれるわけですけれども、特にそれに対して、先ほど申し上げましたプライベートブランドが出てまいりますと、値下がりいたします。したがって、通産省の行政指導がございませんでも、メーカーの良識によって下がるところに来ていたんだと思うのです。それについて、通産省でいろいろ参考意見を出されたんだと思いますけれども、そのためにむしろ高くなったとか、そういう問題は、私は関係がないような気がいたします。
#43
○松浦(利)委員 それでは先生にお尋ねしますが、先生がいまそういうふうに言われた意見と逆に、実際には高くなってきておる。安売り市場ですら高くなってきておる。それは山崎参考人が説明した内容でおわかりになると思うのです。なぜそこではそういうふうになったかということについて、先生の意見をちょっと聞かせてください。先生の意に反して逆に上がったというのはどこに原因があるのか。
#44
○久保村参考人 その点、私、事情がよくわかりませんが、いろいろの市場事情によってそういうふうになっているんじゃないかと思われますけれども……。
#45
○松浦(利)委員 それでは、ちょっと卸売商組合の角田さんにお尋ねをいたしますが、8800Dのナショナルですね、これの販売店の仕切り値が十二万八千円、それから現金リベート三%、台数リベート、特別名目援助費、そういったリベートを引いて現金決済をいたしますと、十二万八千円のテレビが十一万七千円で小売りに渡る、この点について間違いありませんか。
#46
○角田参考人 先ほどからナショナルの新型について御質問がありましたけれども、これは松下さんでなければ、技術的なことはわからないのじゃないかと思います。ただ、外観において製品が同じだとかなんとかおっしゃっておられますけれども、事実は相当技術的に進歩しています。
 それから、いまの御質問の価格は、おっしゃったとおりでございます。
#47
○松浦(利)委員 それでは、その十一万七千円で現金決済した人が、アンテナ代を七千円、自分のところの利潤を一万二千円で見積もりまして十二万六千円で売ることは、あなた自身、間違っておると思われますか。どう思われますか。
#48
○角田参考人 これは間違っているとは思いませんけれども、こういうのは、いわゆるおとり商売といいますか、目玉商売だと思います。これは全部の製品をそういう売り方をしたら、経営は成り立ちません。しかし、たとえば全売り上げの何%かをそういう方法でやることはできると思います。
#49
○松浦(利)委員 いま私が申し上げたのは、実は二月二十七日に、ナショナルの8800Dの新製品を二二%値引きして売った店があるわけですね。そのことで私はいろいろと調査をしてみたら、そういう事実が実は出てきたわけですね。ところが、これに対して、これはここにおられる方に関係はありませんが、いま警察で取り調べておる暴力事件というものが起こったのです。二人の店員が、暗やみに連れていかれて暴力をふるわれたのです。
 そこで、山崎参考人にお尋ねをするのですが、あなたが安売りをしようとしたときに、こういう暴力を受た経験はございますか。
#50
○山崎参考人 私はもう、これは数限りがない。もうめちゃくちゃな妨害を、ここに御列席の方々の署名入りで、私に対し迫害、妨害を加えた事実もございます。
 まあそれは別としまして、十一万七千円で仕切っているという製品を、しかるべき利益を見て競争価格が出ることはあたりまえのことなんです。これを何か奥歯にものがはさまったような言い方をなさるということ、これはまことに不都合千万で、価格の面での競争、しかも公正を欠かない――そこのお店にしまして考えますと、十一万七千円に一割もうけて売った、一割で十分経営が成り立つ。三割も五割ももうけなければならないというふうな経営のあり方は、当然競争市場から脱落していってよろしいものであって、それを擁護するというふうなおことばは、少々おかしい、そんなふうに思います。
#51
○松浦(利)委員 それで、電子機械工業会の大久保会長さん、もし会長さんでなければ副会長さんにお尋ねするのですが、私が知っておる範囲内では、いまナショナルだけを例にあげましたけれども、販売店が仕切り値を出して、そして今度の8800Dの場合、これはうわさかどらかわかりませんが、十五万五千円以下では売ってはいけませんよといってお回りになりましたね。十五万五千円以下では売ってはなりませんよといって小売り店を回る、こういうような行為は正しい行為であるのかどうかということが一点。
 もう一点は、要するにその小売り店自身がもらかるのであれば安く売ってもいいんだ、それとも、一定水準以下で売っては困るのだ、そういうふうな、どちらのお考えに立つのか、その二点についてお尋ねいたしておきたいと思います。
#52
○平賀参考人 実際の値段については、工業会としても、またメーカーの考え方としても、値段を幾らで売ってもらいたいという拘束は、する意思はありませんし、やってもできません。原則的にそういうふうに考えております。
#53
○松浦(利)委員 それでは角田さん、同じ質問ですが、あなたはどう思われますか。
#54
○角田参考人 そういうはっきりしたことはやっていないと思います。ただ、大体の基準販売価格というものは、お互いに話し合いは行なわれると思います。新しい製品を売り出すときには、これは定価が幾らで、卸が幾らで、ネットが幾らですということを言っていくわけですから、それと同じことだと思います。
 それから、ちょっと先ほどの十一万七千円というのは、訂正させていただきたいのです。そういう値段では実際にまだ買っていられないのじゃないかと思います。まだ出したばかりでありますし、計算上最高のランクをとった場合の計算だと思いますので、この点、ちょっと私もわかりませんので、訂正させていただきます。
#55
○松浦(利)委員 私が調べた範囲内でもう一度申し上げておきます。
 8800Dのナショナルは十六万五千円の標準価格です。それが卸売り店から出る仕切り値が十二万八千円、それを現金決済した場合には十一万七千円です。それに自分のところの利潤とアンテナ代を入れて十三万六千円で売られておる、これが現実なんです。現にそのことは、二月二十七日の新聞紙上等に発表されておるのです。そのことを、卸売り商の会長さんですから、ぜひ検討してみてください。
 ここで私は、非常にふしぎなことがあるので、同じく電子機械工業会長さんにお尋ねしておくのですが、ある製品で、全く同じ洗濯機が二種類つくられる。しかもその符号が違う。一つの洗濯機、これは東芝の副社長さんおられますから、東芝の例を出して恐縮ですが、洗濯機でVH7710というのがありますね。それとVH7730というのがあるのです。製造のあれは全く一緒。ところが、VH7730は神田市場向けの製品で、ほかには全然出ないのです。そういうふうに、今日すでに同じ製品で、同じ洗濯機で、番号を違えて二つのものをつくる。一つは神田市場に、一つは一般市場に流す。しかも、その現金正価を見ますと、一般市場に流す現金正価は三万二千五百円、神田に出す価格は三万三千円。五百円、神田のほうが高いのです。ところが、実際に売られる実勢価格を中心とする仕切り値というのは、神田に出すものは一万五千五百円、一般に出すものは一万八千百円、逆に一般に出すほうが高くなっているのですね。なぜこういうことが具体的な問題として起こるのか。ナショナルでもそうです。ナショナルの洗濯機でも、2800という洗濯機と2850という洗濯機は、全く一緒ですね。ところが、2850は神田市場へ、2800というのは一般の市場へと、こう初めから神田市場と一般の市場と分けて製品がつくられておる。こういうことがいままでなされておる。これからするかどうか別ですけれども、そういうような事実。小売り商の方もそう言われたし、現地で見てもそういう判断をしたわけですが、そういう行為というものが現実的にあったのかなかったのか、その点をお尋ねしておきたいことが一つです。
 それからもう一つは、これはやはり電子機械工業会の会長さんにお尋ねしたほうがいいと思うのですが、シャープとナショナルの電気釜というのは、シャープという名前が入っておるけれども、実際はナショナルでつくってシャープという名前をつけただけの製品である。それから、サンヨーのオールトランジスタの20型の十一万五千円、富士電機の同じく20型のオールトランジスタが九万五千円。ところが、この富士の製品というのは実はサンヨーでつくられておるのですね。サンヨーでつくって富士の名前で出して九万五千円、同じ製品がサンヨーで十一万五千円。実はこういう事実が出てきておるのですね。メーカー相互間でお互いに製品をつくり合って、相手の名前で出して価格が違う、こういうことが現実の姿としてあったわけですね。こういう問題がかりにあったとすれば改めなければ、私は、業界自身がみずから自分の首を締めるような結果になると思うのですが、そういう点について電子機械工業会の皆さんの、事実があったのかどうか、また、あったとすれば今後どういうふうにされるのか、ひとつ御返事をいただきたいと思います。
#56
○平賀参考人 個々の会社についてはちょっと避けますけれども、量販のお店に売りますものについて、売り方が違いますために原価が違ってくる――原価といいますか、仕切り値が違うということはあることであります。一般のお店に売ります場合には、広告宣伝費等をメーカーが持ち、配送の費用というようなものもありますし、そういうことがありますから、お得意さまによって、似たような品物が違った値段で仕切られるということはあります。今度の場合にも、御質問の点は、それは値段がちょっとからんでおりますので逆のような値段になっておりますが、この値段の問題は、メーカーのほうではちょっとわかりません。販売のほうの方の腕もあろうと思います。
 それから、電気釜やあるいはオールトラの下請関係といいますか、お話がありましたが、これは世界じゅうあることであると思っております。ただ、その値段がどうであるという問題については、ちょっとまた問題が別になると思います。
#57
○松浦(利)委員 いろいろ具体的なことは、会長さんですから、おわかりにならないと思いますので、一応私の質問はそこまでにとめておきたいと思います。
 会長さんでできることを、消費者の立場からお願いしたいと思うのです。
 いま言ったようなことは、これからこの委員会でいろいろ調査を進めるつもりですが、ぜひこの際――この前モテル標準価格を出しましたね。あのときに国内のモデル価格も対比して出されたわけですけれども、あれが、そもそも消費者の不信感を買った最大の原因なんですね。ですから、この際蔵出し価格というものをはっきり消費者に知らすべきではないか。御承知のように、二月一日以前は物品税が、現金正価の六八%に対して、これを一つのみなし蔵出し価格ということで課税しておりましたね。二月一日からは、蔵出し価格にどんずばり課税されるのですよ。みなし蔵出し価格じゃなくなったのですね。だとするなら、皆さん方が、いや蔵出し価格は企業の秘密だと言われてみても、課税対象そのものが、どんずばり蔵出し価格に課税ということになってくれば、消費者は知る権利があるのですよ。そういう意味で、蔵出し価格そのものずばりの価格を、この際、混乱している電機工業界あるいは家電業界を立ち直らせるために、消費者のサイドに立ってお考えになる気持ちはないのか、これが一つです。
 もう一点は、先ほど皆さんから御指示がありましたように、古い型、新しい型、いろいろな形が出ていますね。オールトランジスタもあれば、真空管が一部あるのもあれば、オール真空管のもある。だから、消費者の立場に立って、これは何年製の何型ですよという表示をぴしっとする御意思はあるのかないのか。
 それからもう一つは、私たちは自動自動ということばを聞きますと、手を触れなくてもカラーが完全に自動調整できる、これが自動だと思うのです。ところが、これに完全自動と自動と二通りあるのですよ。完全自動と自動とどう違うのか、消費者は非常に惑うのですね。こういうことを改めて、ある程度の規格というものをつくる必要があるのではないかと思うのです。
 それからもう一つ、ある生協が消費者のサイドに立って、神田市場と同じように安いカラーテレビを消費者に供給するために契約をする。一万台なら一万台、五万台なら五万台契約をする。そういったことに対して、業界からの非常な圧力がかかる、あるいは卸商からの圧力がかかるという話を実は聞いておるわけでありますけれども、そういうものについては積極的に契約をする、ある大きな生協が契約をした場合にはそのブランドを認める、こういったことをお考えにならないかどうか、この点について工業会のほうからお願いいたします。
#58
○平賀参考人 非常に深い問題と具体的な問題と両方御質問がありましたので、順番にお答えいたします。
 今度の二重価格の問題で、メーカーも事前審査といいますか、消費者と生産との間の関係というものは非常に重要だという問題について、あらためて考え直してきているということが言えると思うのです。われわれの工業会といたしましても、そういう点は相互信頼感の出るような状態でないと、業界もうまくいかないし、消費者にもよくない。さっき先生がおっしゃった点でありましたが、それをひとつ実現したいものだと私どもも考えております。
 ただ、いまここに原価の公表という問題にお触れになっておるわけでありますけれども、この辺には信頼感にも限界がありまして、嫁をもらいますときに、裸にして身体検査をしないと嫁にもらわぬ、こういう議論も成り立つわけですけれども、そういうのは、いまの自由経済の制度の中では限界にあるのではないかと私は思うのです。いまのところ、原価を公表したら何でもかんでもうまくいくのか、おさまるのか、あるいは信頼感を得られるのかというようなことについては、もっと慎重に考えなければいけない段階にあるのじゃないかと私は思っております。したがって工業会で、自分のメンバーの会社に原価をはっきりしてみろとかりに言いましても、それを出させる力は工業会にはありません。これが私は、現在の自由経済体制の中の大勢になっているのではないか、こういうふうに考えております。
 次に、製造年月日の問題は、通産省の御指導もありまして、七〇年なら七〇年の前半につくったものである。あるいは後半につくったものである、A、Bに分けて表示しまして、七〇年Aというものをわかるように表示することにしてあります。そういうことで実行していきます。
 それから、完全自動とか自動とかいうようなことにつきましては、私どもも原則的に申し上げるならば、そういうものを消費者の混乱を生じさせることのないように、あるいは必要以上にいいものであるような感じではないように、十分気をつけて表示するようにいたします。
 以上です。
#59
○松浦(利)委員 質問がもう一つあるのです。例の生協や何かと特別に契約してつくるものですね。
#60
○平賀参考人 現在は販売のルートといいますか、先ほどお話がありましたが、なかなか単純ではありませんで、いろいろな現象が起きて、流通段階のいわば革命状態といいますか変革状態にあって、非常に流動的であります。いまおっしゃいますようなものを系列店以外の自由市場に対しても、つくるほうから申しますと、これを無視してつくっておるというわけにはいかない状態になっておりますので、いまお話のありましたような生協の関係等についても、各社のそれぞれの考え方はありましょうけれども、原則として差別的な考え方をするというような考え方は、工業会としてはございませんです。
#61
○松浦(利)委員 私の質問は以上で終わりますが、ただ、ここで業界の方、それから卸売り商の方にぜひ御理解いただきたいのは、率直に言って、新機種にもう二重価格が出ておる。新聞で見られるように、二二%引いておる店も出てきて、もう新しい二重価格として出てきておる。しかも消費者サイドから見るなら、今度の標準正価というものは一つも値下がりしておらない。むしろ、山崎さんが言ったように値上がりしておる。実勢価格よりも上に標準正価というものがつけられておる。こういった実感を持っておる消費者が非常に多いのです。ですから、こういったものを改めさせるためにさらに努力をしていただきたいということを、最後に希望として申し上げて、参考人の皆さん方に心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
#62
○小林委員長 この際、電子機械工業会会長大久保さんに申し上げますが、先ほどの松浦君の質問の中で、同じ製品が、番号だけを変えて神田向けと一般向けに出て、それが販売価格並びに蔵出し価格もそれぞれ違っているという具体的な事例をつけての御質問に対して、具体的な答えがございませんでした。これは後日書面をもって、明確にひとつ当委員会にお出しをいただきたいと思います。
 有島重武君。
#63
○有島委員 問題になっております一連のカラーテレビ問題、二重価格の問題につきまして、いまお話を聞いております範囲でも、かえって下ざさえが強固になっておる、そういった傾向が見えておる、ほんとうの二重価格の問題解決というのは今後の問題ではないか、そういうふうに私は思います。
 もう一つ、消費者運動といたしましても、いままでは価格の問題を一番中心に考えておるわけでございますけれども、価格と品質とのかね合い、そうしたことによってほんとうによい買いものができていくのだということが、これが消費者の願いであります。それからまた、これが産業の健全な発達であると思うわけでございます。
 いまたくさん質問がございましたので、私はなるべく重ならないようにしたいと思いますけれども、前に質問のありましたことで、一つだけ最初にはっきりしておいていただきたいと思いますのは、公正競争規約のことです。いま生産年のA、Bと、そういうふうにつけるというふうなお話がございましたね。それから品質、機種の特性、そういったことが卸や小売りの段階でもよくわかっておらぬ。ましてや消費者にはよくわからない。それで、全く同じようなものが価格が違って出てきておるというようなことが、非常に消費者としては心配なわけなんです。通産省の指導によって作業も始めておるというお話でございますけれども、公正競争規約、これはいつごろまでになさいますか。それを工業会のほうに伺いたいと思います。
#64
○平賀参考人 ちょっと担当に相談をさせてください。――公正競争規約の内容についてはっきりしませんでしたが、いまのところわれわれの業種に、このカラーテレビ等について公正競争規約をつくる考え方はございませんです。
#65
○有島委員 従来は、こういったことは公正取引委員会のほうが推進役になっていたんだと思うのですけれども、いままでのお話ございましたですね、むしろ業界が自主的に公正競争規約をつくって推進なさるべきじゃないか、いままでのお話の内容は、大体そういった方向でございますね。ですから、その方向を御検討なさり、作業をお始めになるべきじゃないかと私は思うのですけれども、いかがですか。
#66
○平賀参考人 公正競争規約というものは、やはりそれぞれの手続を経て公取に出してやるものでありますけれども、実質上そういうふうなことを私どもは実行をしておりまして、これでいけるのではないかと思っておりますが、なお御注意の点を十分考えるようにいたします。
#67
○有島委員 この問題の一応の解決となりました公正取引委員会からの通達第一号について、私は、この処置がまだまだ再検討さるべきではないかという意見を強く持っているわけなんです。この点、久保村先生に伺っておきたいと思うのですけれども、通達第一号は、御承知かと思いますけれども、まず第一項に、ある商品を希望小売り価格から一五%以上の値引きをして販売している小売り店が、全国の小売り店の三分の二以上に達した場合、あるいは、ある商品を希望価格から二〇%以上値引きして販売している小売り店が、全国に過半数をこえたときには、不当表示に該当するおそれがある、そういうような内容がございます。
 それで、この全国ということについて、私は、この全国ということが非常にうまくないことじゃないか、そういう意見を持っているのです。その一つの理由は、全国の小売り店の状況を全部把握するということはたいへんな手間がかかることである。それが第一番です。
 もう一つは、価格の変動、この場合には実質的に安くなるということでございますけれども、そういったことは地域的に起こってくるんじゃないか。ケース.バィ.ケースでしょうけれども、トータルで見れば地域的に起こる。ですから、東京なら東京という一つのエリアで、あるいは大阪というようなところでそういった現象が起これば、直ちにこの通達のような処置に入る。そうすれば、それが全国的にどんどん波及していく。その効果を望むためにも、ある地域を限って、ある一定の条件が出ればそこに一つの処置をしていく、そういった方向が望ましいんじゃないか。それで、望ましい値下げの変動が起こったとしても、これが全国に及ばない間は処置をしないというようなふうにとられますと、これは結局、下ざさえを助長するという結果になるのじゃないか。従来の通産省のやりましたことが結果としては、先ほど来論じられておりますように、下ざさえになっております。今後の問題として、またさらに追い打ちをかけて下ざさえを強めるようなことはまずいのじゃないかと、私なんか思っておるわけなんですけれども、先生の御意見を承っておきたいと思います。
#68
○久保村参考人 確かに有島先生のおっしゃるとおりだと思います。ただ、その点非常にデリケートな問題も含まれようかと思うのですけれども……
 と申しますのは、おとり商品政策が行なわれます場合に、いわゆる後進性と伝染性と申しますか、程度はどんどん高まってまいります。そして、その地域一円に広まってくるわけでございますが、そういう特別のおとり商品政策で起こった場合に、どこでとらまえるかという具体的な問題が何か――私、実務にはちょっと暗いのでございますが、気がするのでございます。考え方としては、確かにいま先生のおっしゃるとおりでございますが、さて、具体的にその地域を把握する、あるいは、その実勢価格との違いが大きくなった場合の具体的なとらまえ方ということで、何か実務的、実際的な問題がありそうな気がいたします。
 それでお答えになりましたでしょうか。確かに先生おっしゃるとおりだと思うのですけれども、そういう問題があると思うのでございますが……。
#69
○有島委員 実際に捕捉する実務について、全国でとらえるのと、それから東京なら東京という一定のエリアでもってとらえるのと、どちらがとらえやすいかという問題、これは自明なことだと思うのです、いまの後段のお話でも。どうもありがとうございました。御意見はわかりました。
 それから、小売りの方に伺いたいのでございますけれども、まや商会の社長さんと、それから馬生さんのお二人に伺っておきたいのですけれども、こういう状態になっておりますときに、小売りとしては、メーカーサイドにどういうふうにしてもらいたいのか、御注文があれば、この場でもって承っておきたいと思います。
#70
○馬生参考人 小売りとしますれば、いわゆる合理的な取引における値段の差はやむを得ないけれども、不当な格差はなくしてほしいという一点に尽きるわけでございます。したがいまして、取引で大量に買う、運送コストが安くつく、その分だけ安くなる。あるいは現金と手形買いの差がつくということは、私はいいと思うのです。したがいまして、合理的な格差以外のものは裸値にしてほしいという希望を持っております。
#71
○山崎参考人 メーカーにお願いする。今日の電器商品の価格の混乱、それはどこに原因があるかというふうなことなどからも考えまして、系列販売制度のあり方、その辺にひとつ徹底的な再検討、というより改革を断行してほしい。それから、自由市場の存在意義、これなども十分再確認してほしいと思うのでございます。自由市場業者、それからまた系列の方々も――自主独立をといったようなことを先ほど馬生さんからお聞きいたしましたが、一点買いでありましても、現金で購入いたしますれば、正価十六万五千円のオールトランジスタのカラーテレビが八万二千円で仕入れられるのです。これはメーカーの仕切り伝票でございます。そんなふうに、自由市場には半値以下でメーカーさんはお出しになっている。その自由市場へどんどんこれから出荷をしていただく。生協はもとより、スーパーさんにも、それからまた神田市場にも、あるいは系列の市場の方々の自主独立を目ざすそういうような方々に、どんどん相場を公表してほしい。現金相場は私が作成してよろしい。ために御協力を願いたいと思います。
#72
○有島委員 時間がございませんので、最後に、もう一点工業会のほうに伺いたいと思います。
 ただいまの山崎参考人からのお答えについてどういうふうにお考えになるか、それが一つです。
 それから、先ほど持ち出しました、全国の販売店に関してというような今度の公正取引委員会の通達でございますけれども、それについて、全国ということをとっては困るという何か理由があるかどうか、とってもかまわぬとおっしゃるかですね、その点。それから、同じくこの通達の中で第三項に、製造業者らが生産を中止して一定期間を経過した機種については、この旨を一般消費者が了知できるような処置をとること、そういったことが含まれております。その際に、この生産を中止しての一定期間というものをどのくらいの幅に考えていらっしゃるか。まさか一年たってからということじゃないと思いますけれども、これは生産中止したということを、最高長くても大体三カ月以内にはできるとか、あるいは一カ月で発表できるとか、そこら辺の期間の問題ですね。
 それから三番目には、生産やや過剰になっておるということでございますけれども、その生産過剰を、今後一体具体的にはどうなさるおつもりなのか、その点を最後に承っておきたいと思います。
#73
○平賀参考人 第一の問題につきましては、系列グループと自由市場というふうにお話が、非常に割り切ったお話が出ておりました。系列市場は全部縛り上げられているような印象を受けがちでありましたが、馬生さんがおっしゃったように、自由に自主的にやりておられるのが大部分でありまして、そういう場合も生じるかもしれませんけれども、メーカーが援助をするというような場合も生じるでありましょうけれども、大体は、今日メーカーが小売り店さんをコントロールするというような意思もありませんし、そういうことは不可能であります。したがって、ここに自由市場と系列市場というものにつきましての双方が――パーセンテージには多少のいろいろ議論もありましょうが、あります場合に、これが両方とも、二重価格がさらに発生していくというような、そういう例外的なケースはいろいろあるのでありまして、たとえばある小売り店が――今日のような状態ですと、小売り店さんの中にも倒産をするような状態があらわれてまいりましたが、そういうものの金融的に処分をするというような特殊なケースも出てき始めておりまするし、こういうものは、普通の値段ではない特別なルートというふうに考えなければならぬと思います。それから、中には目玉商品としてあらゆる経費を省いて、特にこれをおとりにしてほかの商売をふやしていくというような商略のものもございます。
 そういうふうなものが今日いろいろ混在しております中に、やはり正常な取引が安定して販売業界において維持されるというようなことをみんなで協力することが必要であろうと思っておりまして、私どもの工業会におきましても、メーカーのほうが販売業界とともに車の両輪のごとくに動くように、また、それに消費者の方々も加えて、これがまた車の両輪のごとく動くように、安定した業界というものを一刻も早くこの際現出する必要がある状態に差し迫ってきていると思います。
 ストックの御質問がありましたが、それについでにお答えいたしますけれども、このストックを消化していきますのに、数カ月あるいはまあ五、六カ月というようなものがかかると思います。が、こういう状態の中にあまり多くの混乱のないように、例外的な混乱によって全部が混乱するようなことのないように業界が動いていくことを、私どもは希望をいたしているのでありまして、特別なルートの、例外的なようなものの現金相場というようなものを公表するようなことがいい方法であるかどうかは、たいへん疑問に思っています。
 いま一つ、先ほど御質問がありました、全国的に云々というお話については、もう私どももちっとも、全国的にそういうことで動いていただいてけっこうだと思います。
#74
○有島委員 逆です。全国的でなくて、地域的にしたほうがいいのじゃないかということ、全国的でなければ困るかということです。
#75
○平賀参考人 どちらで困るということはありません。
#76
○有島委員 いまのお答えでもって、メーカーは小売りをコントロールすることはしない、そういうことですね。
#77
○平賀参考人 はい。
#78
○有島委員 それで、目玉、おとりのことについても、これはずいぶん言われておりますけれども、実際にどの程度の弊害がどういうふうに起こっているのかということを、もう一ぺん考え直してみなければならない問題だと私は思っております。これも小売り店が自主的にやっていることでございまして、それに対しても、制限は、メーカー側としては何ら加えないことでありますね。
#79
○平賀参考人 はい。
#80
○有島委員 それで、いまの、ちょっと答弁漏れじゃ左いかと思うのですけれども、生産が終わってから一定期間という問題でございますね、それをお答えいただきます。
#81
○平賀参考人 正確な期間を定めてはおりません。どれが旧機種であるということについて、正確な基準はいまのところはありません。ただ、一つの目安というものは、大体実情に応じて出てくる問題でありますので、何年ぐらいが旧機種ということはちょっと申し上げられませんが、先ほど申し上げましたように、製造年月日をつけますことによって自然にそういう判定は、二年くらいのものがこれは旧であるか、あるいはこういう品物は一年たったらもう古いのか、そういうものはすでに出てくると思います。実情に応じてやっていきたいと思っております。
#82
○有島委員 ここには、生産を停止した機種に対してだというお話しだったものですから……。
 それから、停止してから一定期間というようなことが公正取引委員会から出ているわけです。いまのお話ですと、そういうようなものに該当することはほとんどないみたいなので、これは空文になってしまうのか。実際にこの項目が何か効力をあらわすものなのか、私は非常に疑問だと思ったものですから聞いたのですけれども、その点いかがですか。
#83
○平賀参考人 生産停止品につきましては、そのまま旧品とは言えますまいけれども、私どもの考えは、停止したものは旧製品だというふうに考えていただいてけっこうですが、マーケットで御判断をいただけると思っております。
#84
○有島委員 ここには「製造業者らが生産を中止して一定期間を経過した機種については、その旨を一般消費者が了知できるような措置をとることをもってと、そういうふうに明記してあるわけなんですね。それは御判断にまかせるというのでは、これはだいぶ違うと思うのですね。これはまあこんなところが――では、もう見のがすというお話なのか……
#85
○平賀参考人 いや、わかりました。見のがすのではありません。それは周知徹底させます。直ちにその商品について、これは生産停止品であるということがわかるようにいたします。
#86
○有島委員 私がお聞きしているのは、直ちにとおっしゃった、その直ちにが、大体半年かかって直ちになのか、一カ月が直ちになのか。一定期間と書いてございますので、それを、メーカーさんとしては大体どのくらいの期間をお考えになっておるのか、それだけ聞きたかったわけです。それはいまここでお答えいただけますか。
#87
○平賀参考人 ものによりますけれども、六カ月ぐらいの間にはそういうふうなことは発表されるというのが、大体常識的なところではないかと思います。
#88
○有島委員 参考人の方、どうもありがとうございました。
#89
○小林委員長 渡部通子君。
#90
○渡部(通)委員 関連でございますので、ちょっと二点ほど簡単にお聞きをしたいと思います。
 最初、久保村参考人にでございますが、先ほどメーカーさんのお話もありましたように、いまつくり過ぎを反省しているというのがカラーテレビの実情だそうでございまして、そうなると、当然下がってもいいんじゃないかというのが私たちの率直な気持ちでございます。しかし、先ほど大久保参考人も、安くなるであろう、そのはずだ、しかし安くならない要因があるというような御発言がございましたけれども、もし安くならないというのでございましたならば、どういう根拠でそれをおっしゃったのか。ひとつ率直な見通しを第三者としてお願いしたいと思います。
#91
○久保村参考人 趨勢としては、次第に安くなるものと思っております。それが製品の寿命の間の、寿命の経過とともにとる自然の成り行きなんですけれども、いろいろの事情と申しますのは、たとえばこんなこともあろうかと思います。いまの段階で価格をそのままにしておいて、あるいは、もちろん少し下げるのですが、その下げる程度をそのままにして、いわゆる非価格競争的な、価格以外で競争していくのがいいかどうか、いま市場開拓の戦国時代でございますから、その辺の多少のゆとりは見なければいけないのじゃないか、こういう感じがするのですけれども、やがて飽和状態に達すればそういう戦国状態は終わりますから、そのときのコストそのほかに従ってやっていけばよろしいのですけれども、という感じが私はしております。
#92
○大久保参考人 私が先ほど、今後も値を下げるような努力はしたい、しかしはなはだ見込み薄であるということを申し上げておるのですが、それは、御承知のように物価がどんどん上がっておりますし、材料費も上がりますし、また人件費もどんどん上がっておりますので、われわれが企業努力によって値引きするほどやれるかどうか、物価賃金の上昇をわれわれの努力で吸収してしまって、そしてなお品物の値段を下げるということを努力はするが、どうも見込み薄だ、そういう
 ことを申し上げたわけなんです。
#93
○渡部(通)委員 その問題はそれにとめます。
 それで、山崎参考人に伺いたいのですが、先ほど、私たちが最も心配する御発言をなすった。というのは、将来また再び二重価格の問題が再発するであろう、そういう騒ぎが起こるのではないかというお話でございましたけれども、それについてもう少し詳しい見通しと、それから防ぐ手だては何かという点の御意見を承りたいと思います。
#94
○山崎参考人 新しくつくられる製品を、それぞれのメーカーさんは標準価格といったような形で現金正価に取ってかわる、消費者大衆皆さんのための一つの指示価格、これは工業商品には当然あっていいといったふうに考えられますが、この表示価格の一覧表を見ますと、それぞれの企業の力関係、そういうようなものは全く評価基準になっておりません。ただ現金正価を一割五分、二割下げた、下げざるを得なくなったので下げた。そして再びここに標準価格といったような形で、お手々つないで十六万円台を打ち出されておるのですが、旧現金正価当時の各社の商品価格の比率、これなどから、将来の標準価格品が大量に出回るであろうと思われるその格差率を当ててみますと、これは予測でございますが、東芝さんの場合には、十六万四千円でお出しになられましても、これは市中ではたぶん十三万三千円ぐらいで売られるであろう。また三菱さんの場合には、十六万円五千円という標準価格をおつけになられましても、いままでの比率から考えますと、たぶん十三万三千円ぐらいで売られるであろう。それからまた、もっと力の弱いメーカー、NECさんなどを見ますと、これは十六万一千円といったような標準価格を打ち出されますが、これはおそらく十万円そこそこで売られるであろう。あるいはまたゼネラルさんの場合には、十六万五千円といったような標準価格を打ち出されるわけですが、これとて、やはり十万円そこそこの価格で売られるであろう。これは消費者価格です。
 そんなふうに、土台が腐っておったわけです。現金正価そのものは全く腐ってしまって、その腐った土台の上に標準価格といったような、私どもがちょっと解せないものを持ってきた。ですから、この標準価格をさらに公取委さんは、不当表示の判定基準とでもいいますか、一五%引きで売られるような業者が三分の二以上になった場合、または二〇%以上値引きする業者が市場の半分をこえた場合、これは不当表示として排除命令を出すといったようにおっしゃっておられますが、これはもう見えすいております。とてもナショナルやらソニーといった販売力の強い、そしてまた、宣伝には全くお金をかける、そういうような企業の市場性の相違、そういうようなものがここでは無視されております。そして、標準価格といった、どういう形でお話し合いをなさったんだか、おそらくこの七、八社の方々ですね、およそ適正位を維持することができない、そういうようなメーカーさんのこれからの標準価格で売り出す、そしてその価格の維持をはかる――不当表示に問われるのですから、はからなければなりませんね。だとすると、これは引っ込み思案になるのは当然なことだと思います。そこで、いまもってこれが出されない。三月中旬にはおそらく各社足並みがそろうだろうなどと、最初のうちは申されていましたが、おそらくこれはもう値引きされることは明らかです。全くその標準価格なるものが腐敗してしまって、皆さんにだらしのない姿をさらけ出した。それを一割五分、二割下げたといった、そんな形でごまかしがつくものではありません。
 市場性の相違というのは、実際それぞれのメーカーの力関係によって、市場ではいろいろな形で販売されている。あるメーカーは半値以下の仕切り。これはごく最近の二、三日前の仕切り書です。きょうは東芝さん、三菱さんのもお持ちしようと思いましたが、これは遠慮しました。NECのメーカーの仕切り書です。半値以下である。そういうような大きな価格差があるのですから、当然これは維持されない。
 それでは、今後私どもはどうしていくかといいますと、この実態を消費者の皆さんにはっきり知っていただくという意味におきまして、自由市場で形成される相場、これが本来の姿なんだ、その本来の姿をはっきりとさせていく。先ほど蔵出し価格についてはストリップだ、―――――は見せられない、まことに卑屈な表現をもっておっしゃられましたけれども、そうじゃない。私どもにしましても、相場の公表は素っ裸になるんです。ですから、こんなふうに、価格自身の問題で皆さんに御迷惑をかけた、そういう意味から言いましても――企業の秘密は考えられます。ただし、消費者の当然の要求、知る権利、これをじゅうりんするがごときお考えはこの際反省していただきたい。私どもは、相場の公表制を早々に打ち出します。それによってのメリットは、消費者皆さんが購入時に、なるほどこの業者はこれだけもうけているんだなということを知っていただく。それからまた、安売り業者の中にも、生産者の誘いを受けて価格維持してはならない。価格の協定行為、こういうようなものではないかと思われる販売方法、そういうようなことは避けなければならない。それの突き上げ、突きくずし。同時に、そう申しては、たいへん生産者のこれからの御方針にさからうことになりますが、流通面の管理体制がだいぶ強化されてきています。それからまた、生産者にしてみれば、系列販売制度は価格維持のためのたいへん強固なとりでになっている。このとりで業者の方たちに販売促進策、これを考えていらっしゃるようです。ですから、自由市場に対しては出荷を制限し、そしてこのとりで市場に対しては販売を促進させるといったようなお考えが、そろそろ非常にあらわれてきております。そうあってはならないのです。むしろ、ここまで来た以上、東芝の平賀さんのお考えなどはたいへん進んでいるようにお聞きしておるのですが、自由市場における相場、それによって皆さんがお考えのいわゆる管理価格、これがどこまで打倒できるか。いましばらく時をおいてくだされば、その成果は皆さんに知っていただくことができると思っております。
#95
○渡部(通)委員 もう一点、実は伺いたいのですが、新製品といわれるものの実態というのが、消費者にはよくわかりません。先ほどからいろいろ御議論もありましたけれども、いまだにわかりません。それで、今度また20型というのが出ておりますけれども、従来の19型というのに対して20型はどう違うのかということを、ひとつ簡単に山崎さんにお聞きしたいと思うのです。
 私、この間ちょっと小売り店でその点を聞きましたら、小売り店の店主さんが、新製品のほうがキャビネットはモダンになりましたけれども、中身はむしろ悪いんじゃないですか、大体半年たつと新製品となりますから、こういう話が耳に残っておりまして、非常に気になることでございます。
 先ほど平賀さんの御説明ですと、新旧の表示は七〇年前半、後半に分けてA、Bとなさる、製造年月日をそういう形でおつけになるとおっしゃいましたけれども、そういう形でつけられたのでは、消費者にはわからないわけですね。
 そういったことも含めまして、これからは価格とあわせて、製品内容というものが消費者には非常にわかりたい問題でございますので、新製品という実態を、形、性能において20型をどうお進めなさるか、これをひとつ山崎さんから簡単にお話し願いたいと思います。
#96
○山崎参考人 標準価格という呼称に変わりました。前は現金正価というふうな呼称であったわけです。先ほど8800D、これはナショナルの製品ですが、これは前につくられておった7700Dのモデルをちょこっといじったというようなことで、内容は変わっておりません。これは、私のほうの技術部で調査済みでございます。それからまた東芝の製品十七万二千円、これは20型ですが、これは前にD3T、同じく現金正価二十万五千円、これが標準価格十七万二千円になったわけです。それからまた日立の場合、その他全現金正価、当時出されたものが、ささいなところを変えまして、これは大体キャビネットのていさいを変えたといった、そういうような変わり方です。
 それでは内容を落としたのではないかというふうなことのお尋ねですが、メーカーとして一応やはり技術面での競争、そういったような形のもとで、技術面を落とすといったようなことは考えられません。メーカーがそういうような技術面で材質を落とすといったようなこと、直接品質にかかわり合いのないところの合理化は行なわれるかもしれないのですが、ある重要部分での手を抜いてというような形跡は、いまのところ見当たりません。ですから、ときにモデルチェンジ――これは、こういうふうな価格改定しなければならないといったようなことでモデルチェンジが行なわれる場合もあり、ときにはまた、東芝さんがいま御計画なさっていられるIC化、こういうふうな技術開発といったような形でモデルチェンジが行なわれる場合などもあるわけです。全く同じ品物が、これはモデルが変わって出てきたではないかといったようなことが往々にして見受けられますが、その理由の大きなものは、そういうようなところが原因するんだろうと思っております。
#97
○渡部(通)委員 終わります。
#98
○小林委員長 谷口善太郎君。
#99
○谷口委員 参考人の皆さん、きょうはどうも御苦労さまでございます。私、二十分予定しておりますので、二、三のお尋ねをしたいと思いますが、この問題は、今後も続けて国会では、物価問題の一つとして、政府との間にいろいろ審議を続けていかなければならぬ問題だと思います。だから、きょう皆さんからいろいろ、非常に有益な御意見を承りまして参考になりましたが、いろいろ伺って決着をつけるような御質問を申し上げることはできないと思うのです。今後政府と審議を続けていく上に必要な点だと思われる点を、ぽんぽんと二、三お尋ねしますから、ありのままを簡単にお答え願いたいと思います。
 最初に、大久保会長に伺いたいのですが、各メーカーはそれぞれ販売会社というものを持っていられるように、われわれ消費者は思っているわけなんです。メーカー自身の子会社といいますか、たとえばナショナルさんでいえば東京ナショナル機器販売株式会社、これはナショナルの資本が一〇〇%、東芝の場合は南東芝販売株式会社、これも東芝資本一〇〇%、三洋でいえば三桜三洋電機販売株式会社、日立の場合は八洲家庭電器販売株式会社、シャープの場合は城西シャープ販売株式会社、ビクターもあるようであります。これだけじゃないと思いますが、つまり大メーカーは、大体各地にこういう直接の、資本の系統から見ますと全部その会社を支配できるような状態の販売会社を持っていらっしゃるように思いますが、これはどういうふうになっているのでしょうか。
#100
○平賀参考人 そのとおりでありまして、卸店段階は今日系列化を大部分いたしまして、電機業界、ことに家電業界の場合なんですが、昭和の二十五年から十五年ぐらいの間に、非常な急成長を遂げました……
#101
○谷口委員 事由はけっこうなんです。事実だけおっしゃってください。
#102
○平賀参考人 そのとおりです。
#103
○谷口委員 山崎さんにお尋ねしたいと思いますが、先ほど、家電業界の流通過程に二つのタイプがある。一つは系列市場、一つは自由市場。この自由市場の場合は、現金取引でやりますから、非常に安く消費者の手に渡る。必ずしも系列市場全部がそうじゃないかもしれませんけれども、この場合は、系列化の中で必ずしも自由市場のような公正な価格形成はできていないのじゃないか、高く売られるのじゃないかというようなお話がございましたが、私どもしろうとは、いま大久保さんのお話がございましたように、系列化いたしますと非常に合理化されまして、したがって、むしろ安く消費者の手に渡るべきだと思うのです。ところが、それがそうでないという状況があるようなんでありまして、そこが問題になっているということだと思うのです。
 そこで、私伺いたいのは、ひょっとしたら、これは非常に複雑ですから、ここでお答えいただけないかもしれませんから、もしそういう場合には、あらためて文書かなんかで御提出いただいたら非常にけっこうだと思うことが一つございます。
 さっきお話しの中にございましたメーカー直営の販売会社、そういうところを相手にやりますから、そこで、たとえばいろいろな担保、根掛当、約束手形決済でありますからそういうものがあるというようなお話がございました。それから久保村教授の話でも、手形決済ができない場合には安売りするというようなことで、安売りというような問題も出てくるというお話がございました。それから馬生さんのお話では、営業不振のときにはメーカーから援助を受けるが、独立性を持っているというお話がございました。系列化の中でいろいろ経済的な諸関係、支配、非支配の関係があるように思うのですが、ここらの関係がわれわれにとりまして非常に重大な問題になっているわけです。そういう資金関係あるいは手形決済の関係等々で、いわばかなり重大な意味を持った、抵当権をつくるとかなんかそういうような条件があるようなんで、そこの実情がわかったら非常にけっこうだと思うのですが、冒頭に申しましたとおり、これは非常にいろいろなケースがあるようでありますから、全部のお話を伺うことはできないと思いますが、簡単に典型的なことだけでもお話を伺いたいと思います。
#104
○山崎参考人 これは系列業者の方々、おそらく一〇〇%近い業者の方々は、当然そこには商契約上iこれが信用取引、生産者の信用供与の形において行なわれています関係上、これはメーカーにいたしましても当然のことではないかとも思えますが、連帯保証人を二名立てさせていく。連帯保証人の資産内容なども、かなり調査を克明になさるようです。それからまた相当数の業者、これは半ばをこえていると思うのですが、この業者らは、土地建物、根担保設定ですね、そのワク内において販売会社は商品を供給する。ですから、約束手形である以上、そこには当然その債権保全といったような形で、そういうようなところに進んでいるはずです。これは業者の方々からお聞きすればよくわかることでもあり、御出席のほかの参考人の方々にもお尋ねいただきたいところでございますが、したがって、メーカーと系列の業者との間は、これは正常な取引とはいえない。非常に拘束力を持った担保権者であり、片や被担保権者、したがって一方的な価格建てを認めざるを得ない。
 私ども現金決済市場においては、そういうばかなことは絶対にありません。これは私どもの考えるところの相場、これに準じたものであれば、いまもまた引っぱり出しましたが、大メーカーさんからも購入いたします。東芝さんからも購入いたします。ただし、値段が相場より高いといった場合には、どんなうまいことを言われても買い受けるようなことはいたしません。そんなふうに取引は全く対等の立場において行なわれていない。これは自由業者のほうはあくまで対等です。
 それから、正常ルート云々、先ほど生産者の方から出されましたが、正常取引というのはこういう形が正常取引なんです。手形で縛りつけておいて、手形での商取引、そして根担保設定させておく。そして生産者の一方的建て値で押し切ろうとする、これは正常ではありません。ですから、正常と非正常――ナショナルさんは、かつてたいへん悪質左もぐり再販摘発を受けられた。そのときには、こういうルートを不正ルートといいます。どっちが不正だとお尋ねしたい。相手方の意思には全く無関係な、強制力を持ったそういう形で価格建てをなさるのか、それとも相手方業者と対等の立場で、相手が承諾しなければその商品は納めることができないといった――メーカーと販売業者があくまで対等な資格でなければならぬはずです。それを膨大な資本力によって系列の業者らを拘束下に置く。そしていろいろな内部での規則ごとをつくる。その規則を何とか実行させようとし、そしてそれを強化するといったようなことが、これが独禁法上いろいろな違反行為というふうな問題を起こす要因になっているわけです。
 ですから、系列販売店制度の中には、とてもお話にならない、腐敗堕落したそういうようなもの――かつては、これはある段階においての進歩意義があったかもしれません。ただし、今日の段階になりますと、これは生産者にとってみましてもたいへんなマイナス、経費負担、これはばく大なものがあるはずです。そういうような面でどうしても価格をつり上げなければならない。自由市場のほうはどうかといいますと、これはどんどん現金回収ができるのですから、こんなふうに、大メーカーさんでも半値以下で自由販売市場に供給している事実。そして一方、これが系列店となりますと、とんでもないつり上げ価格で手形を取り上げる。そして手形の決済がつかなければ、当然この小売り業者は苦しむでしょう。そういうような商売のあり方、こういう例は世界ではあまりないのです。アメリカさんのダンピングの問題から、日本の商慣行を知ってほしいと、むちゃなことを言っておられますが、こんな非常識な、おのれの販売シェアを拡大しようという野望、マーケット支配の野望、それが系列販売制度の姿である、十分反省していただきたい。
 また、メーカーには、すでにこの系列販売制度を打ち切ったところもあります。こう方たちは、しごく合理的にそういうような大口需要筋に――大口需要筋といいますのは生協関係あるいは全購連関係、そういうようなところへどんどん相場価格をもって出荷をしているのです。
 ですから、この半ば崩壊しかけた系列販売制度をさらに再建補強、それの確立といったような、そういうお考えで今後販売対策をお立てになる、これは消費者利益にまっこうから挑戦するといったふうに考えられることでもあるわけです。
 以上です。
#105
○谷口委員 これは御議論を伺っているのじゃなくて、その事実を伺ったのですが、これはまた別にあなたのところへでも教わりにいきたいと思いますが、私ども、流通過程におけるこういう状況は、おっしゃるとおりに、メーカーさんの側からいえば、やはり債権確保というようなことでいろいろ手当てをされるのは当然だという理由があると同時に、それが実際上どういうふうに価格形成の上で影響するかという問題もございますので、これらをもう少し具体的に知りたいと思っているところであります。
 次に移ります。
 先ほど馬生さんが、新製品と旧製品の鮮度の問題、鮮度というおことばを使われましたが、鮮度というのは、つまり新しいか古いかという意味の鮮度だと思うのですが、私ども生鮮食料品などには、鮮度の問題を非常にやかましく言います。そういうような意味の鮮度、まあ野菜の場合は半日たったらしおれてしまうという、そういう意味の――そんなものではないと思いますけれども、しかし、半年たてば、それは新品であってももはや古くなって、テレビとして間に合わない、あるいは非常に品質が劣る、そういうようになるような、そういう意味のことでしたか。それとも、古い、新しいというだけのことでしょうか。つまり言いかえれば、古いものは、新しいものから見たらテレビとしての品質が劣っているという意味があるのかどうか。そこらは両面あると思いますが、この点どうでしょう。
#106
○馬生参考人 鮮度ということばは悪うございましたが、古い商品と新しい商品とは、おのずから市場性が違うわけでございます。これはもうどうしても、古くなれば、自然に消費者から旧型であるというようなことで、だんだんと市場性が、価値が下がっていくわけです。それから新製品でも、メーカーは見込み生産でありますので、たとえば五万台つくった、ところが、それが非常に大衆受けが悪くて二万台しか売れない、あとの三万台は処分しなければいかぬということになりますと、これは新製品でも非常に商品価値がない、鮮度が悪いというようなことで、この価値判断の問題については、幾とおりも私考えられると思うのです。
 私どもは、いわゆるメーカーが製造中止した以後の商品は、一応、鮮度のいい悪いにかかわらず旧製品であるというように考えております。それからまた新製品でも、そういうことで非常に受けの悪い商品というものは、メーカーはほうるわけにいきませんから、値段を半値にしてでも出してくるわけでございます。これが特殊市場に流れる場合もあるわけでございます。この市場性の価値の問題は、私あらためて御検討をちょうだいしたい、かように思います。
 それから、ちょっと言わしていただきますと、さっきから系列問題が非常に出ておりますので……。
#107
○谷口委員 系列問題は、あとでお聞きいたします。
 そうしますと、テレビとしての性能に関係のないおことばなんですか。テレビとしての性能は、古い製品は性能としても悪いという意味ではないというのですか。
#108
○馬生参考人 そういうことです。たとえばテレビでも、真空管式とトランジスタ式と比べた場合に、画像が映る性能がいいか悪いかということになりますと、これは専門家でも私はむずかしいと思うのです。それぞれメリットもあればデメリットもあるわけでございます。しかし、消費者から見れば、真空管式は旧型だ、値が安いものだというようにらく印を押される。したがって市場価値は下がる、こういうことでございます。
#109
○谷口委員 もう時間がございませんが、私がこれを伺ったのは、実際論議を進めていくとしますとこういうことです。
 この間、秋葉原へ、実はこの委員会として調査に行きました。この記録もございますが、そこで私ども、しろうとのことだからわかりませんけれども、調査の範囲では、たとえば新しく売り出されました17卓上型、これはいわゆる標準価格十二万五千円、これは一円もまけるなという指示がメーカーからおりている。まけてもせいぜい五%ぐらい。ところが、それと同じ型のもので、いわゆる鮮度の悪い、古い型、しかし内容は、私ども同じと思います。テレビとしての性能は同じだと思いますが、これが八万円から十万円前後で売られているわけであります。これは事実であります。われわれ全部の委員が見た。だから、先ほどから参考人の方のお話を伺ったり何かしているだけでなくて、われわれ自身が見てきた事実であります。
 そうしますと、今度の二重価格を撤廃したという結果は値段が上がったという事実は、動かすことができないと思うのですね。少なくとも先ほどの山崎さんのおっしゃる、いわゆる自由市場の場所においては上がったということをいわざるを得ないと思うのですが、メーカーの方としては、この事実はお認めになりましょうか。
#110
○平賀参考人 どうも具体的な品物についてのお話のようでありまして、私どもは、新しい機種を定価を下げて出しましたものについて、いままでよりも値が上がったというような事実は、実売価格においてはないと考えております。
#111
○谷口委員 だから私、古い、新しいでのテレビの中身の問題、性能の問題でさっき伺ったわけですが、まあけっこうです。
 モデルチェンジでかっこうが見やすくなったとかなんとかいうのは、これはほんとうは――もちろん消費者の場合の好みなんかございますから、新しいものをみんな好むということはあり得ると思うのです。しかし、テレビのようなものは耐久消費財でありますから、そこのところは、それはネクタイのようなことじゃないのですね、そういうものだと思うので伺っているのです。確かに同じ性能を持った同じ型のものが、事実上値上がりしている。新しいものは値上がりしておらぬとおっしゃった、それは当然であります。
 それで、次の問題に移りますが、安売りする小売り店に対してメーカーが、安売りしているということから、従来の取引を変えて、そうして安く売らない、そういうことをやることはありますか。これは大久保会長に伺います。
#112
○平賀参考人 谷口さん、御質問の点をもう一度おっしゃってください。
#113
○谷口委員 それでは内容で申します。
 これはある商店の請求内訳書、これは販売会社から出ているものです。これはテレビじゃございません、ガスレンジです。いままでここの店がガスレンジを仕入れてくる場合には、ガスレンジの現金正価が七千九百八十円、仕切り値といっているのが五千九百八十五円、これを現金で買いますからいろいろ値引き値引きいたしまして、リベート割引というのだそうですが、五千二百六十六円で仕入れてきて売っておった。ところが、これを現金正価より若干引いて売ったために、昭和四十五年十月二十三日以後は割引はやらない、値引きして売らない。普通にきまっておる仕切り値の五千九百八十五円、これでしか売らないという、そういう請求書であります。つまり安売りした結果、いままで値引きして仕入れ値段を安くしておったものを、安くしないということなんですね。小売り商にとりましては一大打撃だということになりますが、そういうやり方をおやりになっているのかどうか、あるいは一般的なのかどうか、こういう点をお伺いしたい。
#114
○平賀参考人 原則的には、こまかい売り方についてメーカーが販売店を拘束するということはいたしておりません。いまのような場合が、いろいろな複雑な事情で生じている例であるかもしれませんけれども、原則的には、先ほど何度か申し上げていますように、メーカーは販売店に対しては、その自由意志で、その責任においてやっていただく、こういうたてまえになっております。
#115
○谷口委員 もう時間が過ぎましたから、まだ一問ありましたがやめますが、メーカーの方々は、何か小売り商が安く売ることについて、支配するとかあるいは統制するとかというお気持ちは持っていらっしゃらないと私ども思う。しかし、事実上いままで安く仕入れてきて、それで消費者に対してはいわゆる正価よりは若干値引きして売れたという、そういう営業をなさっておったものが、今度から、そのことが一つの理由になって、安く仕入れることができなくなったという経済的事情そのものは、メーカーさんのお気持ちはどうであろうと、結果においては、市場においては高いものを消費者は買わなければならぬという事態を生むわけでありまして、そういう必然的な現象を生みます。いまそういう点で伺ったわけでありますが、もちろん私どもは、小売りひとりではございません。
 大体のことはわかりました。どうもありがとうございました。
#116
○小林委員長 山崎参考人の発言を許します。
#117
○山崎参考人 先ほど私の答弁の際に、━━━━━と申し上げまして、これはどうも穏当じゃなさそうで、別に適当でないようにも考えませんが、そのことばにつきまして取り消しいたします。
#118
○小林委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり、特に昼食の時間をもさいていだだいて、貴重な御意見をお述べいただきまして、ありがとうございました。本問題の今後の調査にきわめて参考になりました。ここに委員会を代表して、委員長より厚く御礼を申し上げます。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会をいたします。
   午後一時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト