くにさくロゴ
1970/03/26 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 産業公害対策特別委員会 第8号
姉妹サイト
 
1970/03/26 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 産業公害対策特別委員会 第8号

#1
第065回国会 産業公害対策特別委員会 第8号
昭和四十六年三月二十六日(金曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 島本 虎三君
   理事 始関 伊平君 理事 古川 丈吉君
   理事 山本 幸雄君 理事 渡辺 栄一君
   理事 岡本 富夫君
      木部 佳昭君    久保田円次君
      中島源太郎君    葉梨 信行君
      林  義郎君    松本 十郎君
      阿部未喜男君    古寺  宏君
      西田 八郎君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  宮澤 喜一君
 出席政府委員
        経済企画庁審議
        官       西川  喬君
        厚生省環境衛生
        局長      浦田 純一君
        厚生省環境衛生
        局公害部長   曾根田郁夫君
        厚生省薬務局長 武藤g一郎君
        農林大臣官房技
        術審議官    加賀山國雄君
        農林省農政局長 中野 和仁君
        水産庁次長   藤村 弘毅君
        通商産業省公害
        保安局長    莊   清君
        通商産業省化学
        工業局長    山下 英明君
        海上保安庁長官 手塚 良成君
 委員外の出席者
        議     員 阿部未喜男君
        厚生省環境衛生
        局公害部公害課
        長       山本 宣正君
        農林省農地局参
        事官      住吉 勇三君
        農林省農地局計
        画部資源課長  佐々木 実君
        農林省畜産局参
        事官      斎藤 吉郎君
        労働省労働基準
        局安全衛生部長 北川 俊夫君
        建設省都市局下
        水道課長    久保  赳君
        建設省河川局河
        川計画課長   宮崎  明君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十六日
 辞任         補欠選任
  村上信二郎君     中島源太郎君
    ―――――――――――――
三月十九日
 特定工場における公害防止組織の整備に関する
 法律案(内閣提出第一〇一号)
 公害に係る被害の救済に関する特別措置法案
 (細谷治嘉君外八名提出、衆法第一二号)
 公害紛争処理法案(細谷治嘉君外八名提出、衆
 法第一三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 特定工場における公害防止組織の整備に関する
 法律案(内閣提出第一〇一号)
 環境保全基本法案(細谷治嘉君外七名提出、衆
 法第二号)
 公害に係る被害の救済に関する特別措置法案
 (細谷治嘉君外八名提出、衆法第一二号)
 公害紛争処理法案(細谷治嘉君外八名提出、衆
 法第一三号)
 産業公害対策に関する件(水質汚濁及び土壌汚
 染対策等)
     ――――◇―――――
#2
○島本委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が所用のため、その指定によりまして本日は私が委員長の職務を行ないます。よろしくお願いいたします。
 この際、細谷治嘉君外七名提出の環境保全基本法案、並びに細谷治嘉君外八名提出の公害に係る被害の救済に関する特別措置法案、及び公害紛争処理法案を議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。阿部未喜男君。
    ―――――――――――――
#3
○阿部(未)議員 ただいま議題となりました環境保全基本法案、公害に係る被害の救済に関する特別措置法案、並びに公害紛争処理法案、以上の三件を一括いたしまして日本社会党、公明党、民社党の三党を代表して、提案の理由とその内容の概要を説明申し上げます。
 今日まで、わが国は、高い経済成長を遂げてまいりましたが、その反面で、広範かつ深刻な公害の発生をもたらしたことは、すでに御承知のとおりでございます。さればこそ、昨年末の臨時国会におきまして、十四件の公害関連の法律が成立をいたしました。
 もとよりこれは、社会党、公明党、民社党の野党三党の共同提案による環境保全基本法案の精神に比べますならば、まだまだ不十分であるといわざるを得ませんが、それらの法律がなかったころと比べますならば、一歩前進したと評価すべきでありましょう。
 しかし、公害対策の万全を期するためには、さらに抜本的改正もしくは新規立法の措置をとらなければならない幾つかの問題が指摘されます。
 その一つが、国民の基本的な権利として、健康で文化的生活を営むため、良好かつ快適な生活の環境を、すべての国民に保障しなければならないということでございましょう。
 今日、わが国における公害の惨禍は、一部の地方、地域にとどまるものでないことは明らかであります。水俣、四日市、神通川、阿賀野川、安中など、企業の私害ともいうべき公害をはじめ、東京、大阪など太平洋ベルト地帯の水や空気が許容の限度を越えて汚染され、太平洋の沿岸は、もはや漁場としての価値がなくなるほど国民生活の環境は破壊され、加えて陸上においては、プラスチック等、膨大な量の産業廃棄物が処理の見通しもつかぬまま捨てられており、さらに農薬その他による土壌の汚染は、年ごとに悪化している情勢にあります。
 こうした事実は、われわれがやむを得ぬこととして放置し、または、生産と企業利益が優先するなどとして軽視することの許されない問題であります。
 すでに国民の体内には、BHC、鉛、水銀、カドミウム等の有害物質が蓄積されつつあり、気管支障害や肺ガンの患者が増大し、異常児の出生さえその数を増しているなど、環境の汚染は、国民に大きい恐怖を与えているといわなければなりません。
 ここに提案をいたしました環境保全基本法案は、かかる環境から国民を守るため、国の施策の基本姿勢を明らかにし、環境の保全を人類が取り組む最大の課題として、われわれとわれわれの子孫に対する責務を明らかにしようとするものであります。
 以下法案の概要について説明を申し上げます。
 まず、前文及び目的は、基本理念といたしまして、この法律が単に公害の対策にあるのではたく、国民が健康で文化的生活を営むために必要九自然環境及び資源の確保、すぐれた自然的景観、十分な公共施設の整備、さらに文化財の保全等を含む良好な環境を守ることにあります。
 したがって、人と財産への被害を防止するだけでなく、自然環境の汚染や、人と自然との調和の破壊を防止することを明らかにしているのであります。
 特に第四条以降では、国及び地方公共団体は、かかる良好な環境を確保するため、総合的な計画を立て、さらに年度別の計画によってこれを実施するよう義務づけているのであります。
 第二章におきましては、政府は、自然環境基準、施設環境基準ざらに公害防止環境基準を、学識経験者によって構成する環境保全会議の議を経て、類型別に設定し、都道府県は、その地域の状況に応じて類型の中から環境基準を適用することとしております。
 第三章におきましては、国、地方公共団体はすべての産業政策、企業利益に優先して公害の防止を行なうこと、また事業者は公害防止の責務があると同時に、産業廃棄物の処理、さらには製品の使用に伴う公害の発生がないよう必要な措置を講ずる責務があることを明確にしております。
 また、地方公共団体は、認定した公害防止環境基準を維持するため、排出物等の規制を行ない、国は公害防止のために必要な施設等の改善命令、操業の停止などの制度を確立し、あわせて、製品の審査制度、品質の改善命令、販売の規制を実施するよう明示したのであります。
 さらに、公害防止のために、調査、監視、試験制度を総合的に整備しなければならないことを義務づけるとともに、公害防止に必要な科学技術の振興、専門技術職員の確保を行なうよう義務づけておるのであります。
 特に事業者に対しては、公害防止に関する統轄責任者を置くこと、被害に係る紛争や、損害賠償等の裁定制度の確立、生活保障を含めた被害者救済制度、無過失損害賠償制度等の確立をそれぞれ定めておるのであります。
 第四章は、良好な環境を確保するため、国土の開発整備に関する計画、土地利用の規制、自然環境の確保に関する施策を明らかにし、日照の保護を明文化するとともに、地方公共団体に対する財政措置及び環境保全に対する教育などによって国民の理解を促し、国際協力を押し進めることなどを定めたのであります。
 第五章は、環境保全省及び環境保全会議、環境保全研究所に関し、所要の定めを行なったのであります。
 次に、公害に係る被害の救済に関する特別措置法案について、御説明申し上げます。
 今日、公害による被害者は、政府の認定したものだけでも七地域、約二千三百名となっております。また自治体が受けた公害苦情件数は、昭和四十四年度で四万件以上にのぼっています。ことに熊本、新潟の水俣病、富山のイタイイタイ病、四日市、川崎、大阪、尼崎のぜんそくなど、公害患者の悲惨な実態を見るとき、現在の公害被害者救済の立ちおくれを指摘せざるを得ません。ことに被害者及び家族の生活費については、全く配慮を欠いているといわなければなりません。
 昨年末の臨時国会におきまして、十四件の公害関連法が成立しましたが、被害者の救済については従来のままであり、被害者はもとより、公害予防の見地からも、一刻も早く救済の内容を充実しなければなりません。
 まず、この法律の目的でありますが、公害に係る健康の被害に関して、医療費、医療手当、生活援護手当、埋葬料を支給し、また物の被害による収入の減少には特別手当を支給する措置を講じようとするものであります。
 第二章におきましては、都道府県知事に対し、公害に係る健康についての被害が生じ、または生じるおそれのあると認められる地域の住民について健康診断を行なうことを義務づけ、第三章で、知事は環境保全大臣の指定する公害病患者の認定を行ない、公害者手帳を交付し、被害者に対する救済として医療費、医療手当、介護手当、生活保護手当、埋葬料等の支給を行なうこととしたのであります。また医療費をはじめとする救済金額の算定等についても、本章において明らかにしておる次第であります。
 第四章は、物に係る被害の救済でありますが、都道府県知事は、環境保全大臣の指定する地域において農産物その他公害による被害が生じた場合、収入の減少による生計費の不足を補てんするため、特別手当を支給することとしています。
 第五章は、都道府県に公害被害者の認定を行なう機関として公害医療審査会を置くよう定めたものであり、その他、この法律で定める公害に係る被害者の救済に要する費用は、当該都道府県が支弁した上、国がその全額を都道府県に交付し、国はまた支給した金額の限度内において公害の加害者に対し損害賠償の請求権を取得するものと規定したのであります。
 次に、公害紛争処理法案について御説明いたします。
 現行の公害紛争処理法では、中央審査委員会は独立した行政委員会でないため、弱体であることは否定できません。その上、仲裁制度についても、事実上は加害者の選択にまかされ、そのためにこの制度の機能を十分にはたしているとは言い得ないのであります。
 今日の公害裁判は、時間と金のかかる民事訴訟で行なわれ、この間被害者は全く悲惨な生活の中に放置せられています。したがって、本法案は、準司法的権限を持つ紛争処理機関を設置し、迅速かつ科学的に裁定を行なうこととしたのであります。
 その内容は、第一に、公害紛争については、和解の仲裁及び調停の制度並びに裁定の制度を設けて解決をはかることといたしております。特に当事者の一方のみの申し立てがあった場合にも、直ちに和解や裁定等の機能が発揮できるよう、これまた準司法的裁定制度を設けることといたしました。
 第二に、機構としては、中央に行政組織法による公害審査委員会を置き、都道府県に公害紛争調停仲介委員会を設けることにしております。
 第三に、中央の公害審査委員会に公害専門調査会を設けました。これは自然科学者によって科学上の判断を行ない、裁定はその意見に基づいて裁定委員会が行なうよう、公害紛争の困難な事案の解決をはかる方途を明らかにしたのであります。
 第四は、裁定と訴訟との関係を明確にし、民事上の訴訟についても、裁定を経た後でなければ訴訟を提起できないよう、一部の規制を行ない、裁定の権威を高めるよう措置したのであります。
 第五に、裁定の効力について、裁定書の送達を受けた日から三カ月以内に訴えの提起がなかったときは、裁定の内容について当事者間に合意が成立したものとみなし、紛争の処理を迅速に行なうことといたしたのであります。
 以上、三件の法律案につきまして、提案理由及びその概要を御説明申し上げましたが、これらの法案はいずれも国民の健康を守り、快適な生活の環境を保証し、また不幸にして公害の被害者となった人たちを一日も早く救済しなければならないという政治家に課せられた至上の命題を解決するための法律案でございますから、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されますようお願いを申し上げ、提案を終わります。(拍手)
#4
○島本委員長代理 以上で提案理由の説明は終わりました。
 各案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
     ――――◇―――――
#5
○島本委員長代理 産業公害対策に関する調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。中島源太郎君。
#6
○中島(源)委員 私は、渡良瀬川に関します公害問題について御質問をいたしたいと思うのですが、数ある公害の中で、渡良瀬の鉱毒問題、これを歴史的にさかのぼりますと、一八〇〇年代からの問題でございますし、そのもとをただせば慶長年間に足尾銅山が発見されまして、一六六二年から年間四十万キロの銅を産出した。その時点からの根の深い歴史を持っておりまして、言うなれば三百年公害といえるものでございます。そこで、この問題の根の深さにおいてあるいは範囲の広さにおいて、他に比肩して、いますぐにでもこの原因の究明と対策に取り組まなければならない最重要の問題であると私は考えるわけです。そこで、
 こういう問題は現在の現状から原因を究明いたしまして、さらに、その対策に対して討議をいたし、実行に移していかなければならないわけです。この問題を論じますと、非常に各省にわたります。農林、厚生、経済企画、建設、通産にわたるわけでございますが、現状から逐次御質問を申し上げますから、担当の方から端的にお答えをいただきたいと思うのです。
  〔島本委員長代理退席、始関委員長代理着席〕
 現状でございますが、この渡良瀬公害はおもに銅鉱害でございまして、銅による汚染地区は五千三百ヘクタールに及んでおる。その耕作面積は八千ヘクタールをこしておる。しかも、四十五年度の検査におきまして、さらにカドミウムが玄米中から検出をされたわけであります。その玄米中のカドミウムが最高〇・九三PPM、平均をいたしまして〇・四PPM、その面積は百六ヘクタールに及んでおる。土壌中のカドミウムにおきましては、最高四・七八PPM、平均をいたしまして一・九七PPMである。これが現状であると思うわけですが、これに関しまして新たなるデータがあればお聞かせいただきたいし、同時に、現状におきまして人体への影響が見られるかどうか、健康診断その他はどの程度進んでおるか、この点についてまずお聞かせをいただきたいと思います。
#7
○中野政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまお述べになりましたデータ、これは去年の調査によりますデータでございまして、そのとおりでございます。
#8
○中島(源)委員 続いて人体の影響を……。
#9
○浦田政府委員 米のカドミウムの安全基準の設定でございますが、これは昨年七月に食品衛生調査会の先生方に諮問いたしましてきめたものでございます。
 結論から申しますと、この安全基準は、白米につきましては〇・九PPM未満、玄米につきましては一・〇PPM未満であれば安全である。それ以上については保障がないということでございまして、これを設定するにあたりましては、米以外の食品及び飲料水から摂取されるカドミウム量についても、汚染地域の実態調査によりますと、最高値、これを見込んできめてございます。しかも、一生この量を続けて摂取しても安全であるということについて検討したものでございますので、御指摘の地域における米のカドミウムの含有量につきましては安全であると申すことができると思います。
 それから、当該地区の健康診断の件でございますが、県がこの三月、もうすぐでございますが、まだ結論が出ておりませんけれども、この三月にこの地域の健康調査を実施している最中であると承知しております。
#10
○中島(源)委員 いまのお答えでは、玄米中一PPM以内であれば心配はない。それから健康診断についてはいま県で三月から調査中であるということでありますが、現在のところ健康診断は続行中であると思いますが、いままでの所見その他で、この地方――この地方と申しますのは、銅並びにカドミの汚染地区でありますが、この地方で健康上異常がある特に顕著な例をいまお持ちであるかどうか、重ねてちょっと伺わせてください。
#11
○浦田政府委員 現在までのところまだ報告は受けておりませんので、承知いたしておりません。
#12
○中島(源)委員 ぜひ健康診断は続行していただいて、報告がまだないそうでありますが、万一その中にカドミウムの中毒症のようなものが所見されました場合は、鑑別を要するものが出てくるかもしれません。これはわかりません。その場合は、国の委託によります鑑別診断研究班、これによってひとつ取り上げていただくように御要望しておきます。よろしいですね。
#13
○浦田政府委員 御要望のとおりにしてまいりたいと思っております。
#14
○中島(源)委員 そういたしますと、現在のところは、健康上のことはこれからの問題であるということですが、公害対策基本法にもございますように、人体の影響と同時に、生活環境の保全というものが大きく叫ばれておるわけです。もちろん生活環境ということになれば、財産あるいは動植物の育成に阻害があれば、この対策を立てなければならぬということであります。この地方におきましては三百年間の銅鉱害がございますため、農作物の減収というものが明らかにあらわれておるはずであります。このデータは手元にもございますが、水稲におきまして、減収率は重度のところで一四から一七%、麦におきましては二五%、これを金額に直せば水稲だけで年間一億五千万円をこえる。全農作物にもし換算いたしますと、相当な減収による負担をこの地方は負いながら生活を続けてきており、現在も生活をされており、今後もその中でそういった過度の負担を負いながら生活をしていかなければならぬという状態であるわけです。これを主体に手を打たなければならぬと私は思うのです。
 そこで、なぜそうなるかというと、これはもちろん土壌の問題であります。よごれた土をきれいなものに取り戻したいという国民的な願望は、さっそく手をつけていかなければならぬ問題だと思うのですが、そこに入る前に一つだけ伺っておきます。
 米において一PPM以内ならば危険はない、こういう御答弁であります。玄米中に〇・四PPM以上のカドミウムが検出されました場合に、希望があればこの米を交換をして差し上げる、これはすでに実施されておるわけであります。次に関連がありますので、念のために伺っておきます。この〇・四PPM以上が玄米中に検出されました場合には、希望があれば米を取りかえるという理由を端的にひとつここで聞かしていただきたいわけです。
#15
○中野政府委員 直接食糧庁からお答えすべきかと思いますが、われわれ聞いているところによりますと、先ほどもお話がありましたように、一PPM以上が人の健康をそこなうということになっておりますが、〇・四PPMというのが要観察地域の指定をする前提としましての調査に入るめどだということになっておるものですから、かなり不安があったということと、それに対しまして、現在米の需給事情がこういう状況で、非常に余っておりますので、そういう不安を解消するために食糧庁のほうで交換をするということにいたしたというふうに聞いておるわけでございます。
#16
○中島(源)委員 そこで、そういうお答えであればちょっとはっきりさしていただきたいのですが、かなり不安がある、こう言われますと、これはよかれと思った善政も結果的には悪政になりかねないところです。一PPM以内であれば心配ないという先ほどの御答弁、これは国民の方々の頭にも入っておるかもしれません。しかし、一方において〇・四以上であればかなり心配があるから、米の需給状態もありましょうけれども、取りかえるということになりますと、現実問題にはどういう被害が出てくるかと申しますと、よかれと思って〇・四以上の米を取りかえていただいた。そうしますと、そこに住んでいる人が心配で取りかえるような米をつくっているところからできた農産物は、当然心配な農産物であるというので、米以外の野菜その他、現在ハウスでキュウリ、トマトなどをつくっておりますが、こういうものが実際に市場で買いたたかれる。実際に三分の一ぐらいに買いたたかれる。これは需給事情でありますが、買い手がなければ当然値は下がります。あるいは売れ残る。これはそこの住民の方には全く何の責任がないにもかかわらず、この生活環境というもの、一生懸命汗水たらしてつくった農作物は、これは危険であるか安全であるかの判定もないままに買いたたかれておるとすれば、そこに住んで働いておられる人の生活は、何をもって守ることができるのか。これははっきりと公害だと私は思うのです。何公害であるか。善政と思っても結果的には悪政となるのであれば、これは行政公害といわざるを得ない。
 そこで、そのようなそごを来たさないようにはっきりと伺っておきたいのです。
 その要点は、玄米中の一PPMという規定に関しましてもいろいろな御説明がありますが、一日の摂取量からの逆算ではないのかという――私は錯覚かもしれませんが、そのように受け取っております。一日に〇・三ミリグラム以下であればよろしい。それで一PPMの玄米を三百グラム食べたとしてよろしい。主食と副食との比率を見れば十対二ぐらいであるから、玄米中のカドミウムを一に押えておけばよかろうというところで、玄米の一PPMであります、はっきり言って、それじゃその地方でできておる米以外の農作物について、安心でありますと言えるか、あるいは危険であるといわざるを得ないのか。これはやはり基準も出して、そしてそこの住民の方々並びにその農作物を摂取していかれる国民の方々に、わかりやすい回答を出していただかないと混乱を来たします。そこで御説明でなく回答をひとつはっきり伺いたいと思うのです。
#17
○浦田政府委員 米に含まれております、カドミウムの含有量につきましての先ほどの御指摘でございますが、確かに一つの考え方の根拠といたしましては、一日のカドミウムの摂取量というものを考慮したことは事実でございます。しかしながら、単にそれだけでなくて、労働衛生上のいままでの研究の成果及び動物実験の成果、その三点からこれを検討いたしまして、一・〇PPM以下であれば安全であるということで、単なる摂取量からの逆算ではないわけでございます。
 それから、米の摂取量を三百グラムとおっしゃいましたが、五百グラムの記憶違いかと存じます。
 それから、野菜その他でございますが、これらにつきましては、その摂取量から考えまして、いまの米の安全基準が一応最高の汚染値をとっておるということで、安全であるというふうに考えておりますが、なお麦その他主食としてとるおそれのあるものにつきましては、同様やはり安全基準を設ける方向で検討中でございます。
#18
○中島(源)委員 それは早急にやっていただきたいと思うわけです。同時に、主食に準ずるものとおっしゃいますが、実際には野菜その他が買いたたかれておるのですから、これはそんな心配をする必要はないのだとおっしゃっても、事実そういう現実がある。私は現状のお話をしておるわけです。だからこれは行政上心配がないというのであれば、やはり行政措置をとっていただかないと、実際にはその被害が出ておるのですから、この点は努力をするとおっしゃる以上に、もう一言、現状がありすから、麦もけっこうですが、その他についてはこういうような方法で不安を解消するとおっしゃるのであれば、その方法を端的に、具体的なものをお聞かせ願いたいと思います。
#19
○浦田政府委員 お答えいたします。
 現状におきまして野菜の摂取量あるいはこれは季節的な関係もございまして、健康に影響はないものというふうに考えております。しかしながら、なおよく実態を調べまして、慎重に検討してまいりたいと思っておりますが、とりあえずこれらのことに関するいわばガイドラインと申しますか、そういった考え方について、十分に住民の方にも徹底するようにはかっていきたいと思います。
#20
○中島(源)委員 それでは早急にひとつお願いをいたします。国民的な要望から、少しでも不安があるものは取り除くべきが行政の取り上げるべき方向だと思いますので、強く要望をいたしておきます。
 そこで、さて先ほどの問題でありますが、この地方は、そういう行政上の措置以外に、長年銅の鉱毒によりまして減収のあることは事実であります。そうなりますと、この土壌改良という問題が前面に出てまいります。これは金額に換算するのはむずかしいと思いますが、先ほど言ったように水稲で激甚地一四・五%ほどの減収があり、麦におきましては二五・七%の減収、これを負いながら生活されておる。これは明らかに土がよごれておる。土のよごれはどのくらいかというと、土壌中のカドミは先ほど申したように最高四・七八、平均して一・九七であります。ところが六十四国会におきまして農林省から参考資料として出されたものを見ますと、全国平均は〇・五PPM、こう書かれておる。そうしますと、この地方はカドミにおきましても約四倍、最高値をとれば約十倍の汚染地域である。銅においてはこれは言うをまたないわけでありまして、全国平均五・二を大幅に上回っておることは事実であります。このように土地がよごれておることは事実なんです。この現在の対策からすれば土をきれいにしなければならない。これにはいろいろな方法があろうと思いますが、制度上と技術上の対策を端的に示していただきたい。
#21
○中野政府委員 昨年の臨時国会で成立いたしました土壌汚染防止法に基づきまして、その実行といたしまして、まず政令でいま御指摘のカドミウムを指定をいたします。そしてその指定がありますと、今度は土壌汚染対策地域の指定をやるわけでございますが、その前提といたしまして、どういう地域を定めるかという政令で要件を定めることになっております。その要件が定まりますと、直ちに知事は土壌汚染対策計画というのを樹立いたしまして、その中でただいまの渡良瀬の場合でありますと、おそらく農用地の土壌がカドミウムによって汚染されておりますので、それを除去するための客土その他の事業の具体的な計画を立てるというふうに制度的にはなるわけであります。技術的には農地局のほうから申し上げたほうがいいと思います。
#22
○住吉説明員 お答えいたします。
 農地局といたしましては昭和四十二年から現地に約二・八ヘクタールの展示圃場を設けまして、公害防止対策の検討を進めるとともに、関係農民にその効果を展示する両方の役割りで調査、実験を続けておるわけでございます。また四十四年の一月から水質基準が適用になりましたので、四十四年から四十五年に引き続きまして利水地点の水質の調査ということもあわせて行なっております。ただいま申し上げましたように現在展示圃場におきましていろいろな対策の実験をやっておるわけでございますが、その効果を申し上げますと、これは当然のことでございますが、圃場に入ってまいります水口の付近がやはり被害が一番多いようでございまして、水口から遠くにいくほど被害は少ないというようなことになっておりますが、たとえば二十センチメートルの排土をしまして客土をするというようなことをやりますと、水口から五メートルの地点では、増収の累加率が三・八倍になっておるというようなことで、排土、客土をやった地区というのは非常に効果があるのではないかというように考えております。
#23
○中島(源)委員 現在、土地改良あるいは土壌改良の問題、これはおそらく県のほうでも計画を持っておると思うわけであります。
 そこで、まず技術的な問題から伺いましょう。その技術的な問題で展示圃場、試験圃場といってもいいわけですが、二・八ヘクタールのところで展示というか、試験をなさっておるわけです。この渡良瀬の水を使っておる農耕地は八千四百ヘクタールあるわけです。そのうち、現在すぐやらなければならぬというところでも五千三百ヘクタールという広大な地域にわたっておるわけです。これに対して、たとえば土をきれいにするという場合に、水口部では二十センチ排土、客土をする。これは非常にきれいになる。たとえば、水口から五メートル離れたその他の地域は十センチ排土、客土していいのかどうか。つまりそういった技術上の具体的な方法で、これならばよろしいという技術的な解決策を現在つかんでおられて、あとはそれをどうやるかという問題なのか。技術的な問題ですね。たとえば排土、客土をこの地域ではどのくらいでやればよろしい。そのどのくらいでやればよろしいというのを事こまかく伺う必要はありません。その対策としての基本計画はもうつかんでおられるかどうか、それだけ伺いたい。
#24
○住吉説明員 先ほどお答えしました、ただいまやっております実験で、非常に効果の大きかった事例を申し上げたわけでございますが、ただいまの御質問に対しまして、排土、客土以外に、土壌改良剤をあわせて使うというような点もございますので、最終的に、経済的に最も効果のいい客土量はどのくらいだ、改良剤はどのくらい入れたらいいかという要件は、ただいま実験中で、結論は得ておりません。
#25
○中島(源)委員 この地方の五千三百ヘクタールにわたります土壌改良の計画について御存じかどうか。たとえば県のほうでこの五千三百ヘクタールのうち激甚地は約千ヘクタールである。中程度のところは千四百ヘクタールである。軽微なるところは二千五百ヘクタールである。それについて激甚地の水口部は十センチ排土、客土でいこうというような計画を総合いたしまして、約二十四億という計画を持っておるようであります。これについてちょっと所見を――所見というかいまおっしゃったのは試験圃場では二十センチの排土、客土、こうおっしゃったものですから、いま研究中なのか、あるいはそういう五千三百ヘクタールの二十四億というものを認められて、今後推進すべきとお思いになるのかどうか、その食い違いを、ちょっとあらためて伺っておきたいと思います。
#26
○住吉説明員 対策事業といたしましては、ただいまの実験圃場の結果等を勘案いたしまして、県のほうでいろんな対策を検討しておられるということは、私ども伺っております。しかし、最終的には、どういう事業、どのくらいの事業対策費用かというような点は、県のほうで検討しておられる、いろいろな技術的な指導はこちらでやるわけであります。
#27
○中島(源)委員 これからですか。
#28
○住吉説明員 はい。
#29
○中島(源)委員 これはぜひ進めていただくわけですが、さて、そういった技術上の問題が解決したら取りかかるかどうかということにつきましては、先ほどの制度上の問題ですが、制度というものは、いままでも土地改良あるいは土壌改良その他の問題で事実進めてきておる。しかし、それを一歩進めるために土壌汚染防止法なるものが昨年きまりました。六月から施行されるわけです。こういった制度あるいは立法の精神というものは、よごれた土をいち早く、より的確にきれいにするためのこれは立法精神だ。そのためには、おくらしてしまっては立法の精神は踏みにじられるわけです。そこで、おそらくこの土壌汚染防止法ができたということによってより解決の道が早くなり、それから解決の根本策が的確になるであろうと期待するのは当然なんです。
 今度は技術ではなくて制度上の問題でひとつこれまた明確なるお答えをいただきたいのです。この地方というか、こういった鉱毒でよごれたる土地は、全国に相当あります。これをどういう方法で、いつ取りかかり――国民の方々は、制度ができたということで喜ばれるのではないのです。自分たちの先祖伝来の土地が美しければ喜び、よごれておれば、それが一日も早くきれいになったときに喜ばれるわけですから、この点を、技術上のことはわかりましたから、それは御指導いただくとして、制度上の問題をもう一度ちょっと聞かしてください。
#30
○中野政府委員 先ほど申し上げましたように、地域指定の基準をきめるために、まずこの法律が施行になると同時に土壌汚染対策審議会を開きます。そこで具体的な地域指定の基準をきめます。そういたしますと、すでに渡良瀬川もそうでございますが、その他幾つかの地域がございます。こういう地域につきましては、農林省といたしましては、農政局、農地局両方でいろいろな調査をすでに四十五年からやっております。それから四十六年度予算につきましても、全国一斉点検という意味での調査のほかに、こういう汚染地域と思われるところにつきましては、再調査をするという予算も組んでおります。早急にそういう調査をやります。すでにあるものは、もちろんそれを使うわけです。そしてなるべく早くカドミウムにつきましては地域指定をやる、そして、そこで具体的な計画を立てるということになるわけでございますが、若干つけ加えさせていただきますと、この対策計画は、この法律の五条にもございますように、いろいろ、指定地域の全体の計画でございます。具体的にいまの排土、客土等をやるのは、土地改良法に基づいて具体的にやるというふうな手続になるわけでございます。
#31
○中島(源)委員 一つ念を押しておきたいのですが、いろいろな意味で土地はよごれるわけです。現在カドミウムというものが人体に影響があるということですが、何年から調査しておられるか、いま回答があったわけですが、実質三百年間よごれたところで生活してこられた方がある。これは、おもに銅とカドミであったかもしれません。カドミの検出が最近でございますから、百年前にカドミがあったかどうかは、残念ながらデータがないわけですが、実質的によごれているという点におきましては、銅なら銅あるいはそのほか重金属としてはカドミウム、あるいは亜鉛、鉛、砒素というものが取り上げられるわけですが、全国的に見ても、あるいは地域別に見ても、歴史上ある特定の重金属によってよごされているということがわかっている場合、これは当然その対象要素に含めて考えるべきであると私は思いますが、たとえば銅なら銅を重要物質に含めて考えるべきが当然だと思いますが、ちょっと御意見を伺っておきたい。
#32
○中野政府委員 土壌汚染防止法にございますように、人体に影響するものと、それから生育阻害両方を取り上げておりますが、銅は当然その指定になるわけでございます。
#33
○中島(源)委員 これは実際には土地改良法によって行なわれるというお答えでございましたが、これは、いろいろな方法がありましょうけれども、土地改良法という現実にやられていろ方法では、費用負担の問題が当然出てくる。パーセンテージははっきり言えませんが、いろいろな状態がございますから。たとえば国が半分負担する、それから地方公共団体が二五%、あるいは地元負担がその残額というようなこともあり得るわけですね。そこで、たとえば原因者負担の問題が討議されなければならぬと思いますが、いずれにしましても行政に当たる立場からすれば、これは単に一つの原因者を究明し、それにおっかぶせれば事足れりという問題では公害というものは解決しないと思うのです。国も負担すべきところは負担し、地方公共団体も負担すべきところは負担し、企業も必要あれば進んでそれを負担して、住民の方々に望ましい生活環境を取り戻すということが、われわれのやらなければならない問題であります。その地元の方々はどうかと申しますと、これは数百年間負担を甘んじて受けてこられた。そこの農作物に対しましても、数十%の減収を肩に負いながら生活を続けてこられたとすれば、このよごれた土地というものをきれいにすべき段階では、当然数百年間負担に耐えてこられた地元の方方に、新たにまた負担をさせながら土地をきれいにするということは、これは国民的な行政上からも許さるべきではない。そこで、制度上からいきましても、その地域別の重金属を重点的に対象として取り上げると同時に、この土地をきれいにするという具体的な方法につきましては、地元負担ということは考えられない。あらゆる方法でこれは早急に解決しなければなりませんが、企業なら企業、国なら国が相互補完しながらこれに当たるべきである、これが基本精神であると考えますが、これは当然のことでありますが念のために伺っておきます。
#34
○中野政府委員 先般の国会で成立いたしました費用負担法に基づきまして、原因者が明確な場合は、これはこまかくは政令でこれから総理府のほうでお詰めになるわけでございますが、そこできまってきますればその部分は企業が負担をすることになるわけでございますが、どこの場合でも、特に渡良瀬のように、三百年の歴史もあるということになりますと、それが全部企業の負担であるかどうかということについて問題になってくると思います。その残りにつきましてはできるだけこれは国なり地分公共団体が持つべきだろうということで、いろいろ前国会でも御議論のあったところでございます。山中長官なり私のほうの大臣からも、できるだけ国のほうで持つような努力をいたしたいということをお答えになっておるわけでございまして、基本的にはいま先生のお話のとおりじゃないかと思います。
#35
○中島(源)委員 大臣の御答弁もさきにあったことも記憶しておりますので、これはぜひその方向で万全を期して土地をきれいにしていただきたいと要望しておきます。
 同時に一つここで伺いますが、土壌と、それからそこの作物の中に含まれる、カドミと限定して伺いますが、この相関関係というものは、データ上、研究上、はっきりつかんでおられますか。
#36
○加賀山政府委員 お答えいたします。
 カドミウムと作物の関係というのは非常に複雑でございまして、土壌のタイプによりまして非常に吸収率等が違うわけでございます。また稲作等をやります場合に、稲の品種あるいは作期等も関係いたしてきまして、なかなか両者の相関関係がこれまでのところむずかしいわけでございますが、公害基本法で土壌汚染というのは典型公害になっておりますので、早い時期に環境基準をきめるという問題もございまして、現在これまでの試験等のデータをそろえるとともに、引き続き研究いたしておりまして、早急にその相関関係を明らかにいたしたい、そのように考えております。
#37
○中島(源)委員 おっしゃるように、土壌中のカドミウムと農作物の中に包含されるカドミウムというものは、土質によっても違いましょうし、粘土質の場合あるいは砂質の場合、いろいろ違ってくるわけなんです。御指摘のとおりです。これの相関関係を明らかにしてできるだけ早く確立していただきたい。また土壌改良、つまり排土、客土に対しましても、単にこれは作物中の重金属量あるいは土壌の重金属量、これだけで安易に判定することなく、住民の方、国民の身になって心配を払拭するということを根本精神に置いて、先ほどおっしゃったように、地元負担はない、大臣も答弁されているように、その方向で努力されるということをあらためて伺ったわけですが、これはぜひその方向で実現していただきたいと思います。
 そこで、次に、何らかの方法では土はきれいになるということはわかったのであります。ところが問題は、土はきれいになったといたしまして、そこに流れ込んでくる水は、今後も渡良瀬の水は流れてくるわけです。最後に私は水質の問題に入りますが、現在水質は、銅の基準でありますが、高津戸橋でお話をいたします。現在銅の基準が〇・〇六PPMというふうに規定されておる。これにはもちろん御存じのように一つの歴史がありまして、三十三年に水質保全法が制定されたわけですが、三十八年の第一回水質審議会から引き続き検討いただきまして、私の記憶する範囲では、この水質調査は四十年の三月から九月までの平均値をとられて対策を練られたというふうに伺っておるわけですが、当時高津戸橋で〇・九PPMあった。この時点で鉱山、つまり足尾銅山の排出水はパー・リットルで二・八ミリグラム、これが四十四年には高津戸橋地点で〇・〇八PPMに落とし、さらに四十五年からですか〇・〇六PPMという基準になった。これが現状であろうと思いますが、ふしぎなことに当時、というのは四十五年当時であろうと思いますが、農林省さんからはこの基準を――この基準をと申しますのは、一年間のかんがい期平均ですから五月から九月までですか、その平均を〇・〇四PPMを御要望なさった。しかし、実際には〇・〇六に基準がきまった。そこで〇・〇六に基準がきまった歴史は私も存じておりますから、当時農林省さんが〇・〇四を主張なさったという根拠をここで伺っておきたいのです。
#38
○佐々木説明員 お答え申し上げます。
 従来の試験結果におきまして、土壌中に三〇PPM銅がございますと、水稲に被害が発生するというデータをもとにいたしまして計算をいたしますと、水田の普通の要水量が大体三十ミリくらいでございますけれども、土壌中の要水量は三十ミリと仮定いたしまして、一年間に〇・〇四PPMの銅含量の水が入りますと、大体四十年くらいで被害が発生する状態になる、そういうことで要望したわけでございます。
#39
○中島(源)委員 現在のデータがありますか。この地方は銅の土壌中の含有量はどのくらいですか。
#40
○佐々木説明員 これは私どものほうで正確に調査したものではございませんが、県農試の報告によりますと、平均しまして九〇〇PPMくらいという数字が出ております。
#41
○中島(源)委員 ミリグラムとPPMと、よくわからぬが、合わせてください。
#42
○佐々木説明員 同じに読んでいただいてけっこうです。
#43
○中島(源)委員 そうすると、三〇あると水稲に被害が出てくる、それがいま九〇〇あるのですか。
#44
○佐々木説明員 はい。
#45
○中島(源)委員 これは相当膨大な数字ですね。
#46
○佐々木説明員 はい。
#47
○中島(源)委員 わかりました。
 そのように非常によごれておるということであります。これはたいへんなことであります。
 ところがこれは、一回きれいにしたとして、〇・〇四PPMの水が流れておると、四十年でまた水稲に被害を及ぼすところまできてしまう。ましてや、これはいま〇・〇六ですね。何年でよごれるのですか。二十年か二十五年ですか。
#48
○佐々木説明員 二十五年ないし二十六年ぐらいと見ております。
#49
○中島(源)委員 そうなりますとこれは、先ほど来土をきれいにしようということで、一生懸命国民的な要望で御質問している。きれいになったとして、いまの〇・〇六ですと、膨大な費用をかけても、二十五年たつやたたずでもとどおりよごれてしまう。二十五年で突然よごれるわけではありませんから、もう十五年か、二十年たたぬうちに、その住民の方々が先祖伝来の土地を美しくしょうしようとして、御自分方では何の責任もないのによごれてしまう。そのような水質基準を認めておるというのは、仏つくって魂入れずで、幾ら土壌を排土、客土できれいにいたしましても――そのような水質基準を現在認めておるというのは、これはおかしいんじゃないでしょうか、どうですか。
#50
○西川政府委員 お答え申し上げます。
 渡良瀬川の水質につきましては、農林省のほうから、〇・〇四PPMを目標水質といたしまして四十年客土という線が審議の途中に出されたことは事実でございます。
 ただ、渡良瀬川の銅の排出源でございますが、これは、現在操業しております古河鉱業の足尾銅山が出すばかりではございません。自然の流出がございます。この自然の流出が約三分の一以上ございます。これにつきましては、いわゆる排出規制という形では処理ができないわけでございます。これはいわゆる自然汚濁ということで、どうにも手がつかないという問題でございます。
 その問題とからみまして、鉱山のほうの規制とあわせまして、自然流出はどうにもならない、人為的な流出をどれだけ規制できるか、減少できるかということと兼ね合いましていろいろ検討いたしました。それとあわせまして、結局どういたしましても、現状におきましては、この自然流出がある限り〇・〇四PPMという目標水質の確保は困難であるということがはっきりいたしまして、その結果、やむを得ず客土の周期を二十五年に減らす、四十年を二十五年に短縮するということで、〇・〇六という目標水質を定めたようなわけでございます。
 それで、いま農林省のほうからもお答えがございましたように、三十ミリグラムになると被害が生ずるわけでございますから、二十五年周期で客土を行なっている限りにおいては被害は全然起こらない。被害の限度額でございます。それを越しますと被害が起きてくるということで、一ぺん客土いたしましたら、逐次堆積していくわけでございますけれども、その間には被害は生じない。二十五年たちますと、計算上被害が起こる量にまで高まってくるということでございますから、二十五年目までの間には、次の客土を行なうことによりまして、一応水稲被害のほうは永久に、二十五年客土を繰り返している限りは起きないということになるわけでございます。
 そのような観点から、理想的な数値から遠いわけでございますけれども、現実の実態上やむを得ないということで、〇・〇六PPMというものを目標水質にきめたようなわけでございます。
#51
○中島(源)委員 農民にとりまして、土というものは自分の血と同じように、耕し、そして先祖から受け継いだものはよりよい土にしたい、そういう意欲を持って働いておられるわけです。それを、一生懸命耕したものを、二十五年でそれを取ってしまってまた新しい土を入れるとか、これだけでも、意識の上では、心情的にはやはり一つの負担であると私は思うのです。
 そこで、〇・〇六がやむを得ないのであればやむを得ないでいいのですが、これを理想に近づけるという努力は――やむを得なければやむを得ないでしかたがないというのは私の間違いですが、現在そうであっても、これを理想に近づける努力はしなければならぬ。
 そこで、いま伺ってみますと、企業からの排出水と同時に、自然汚濁があるということでございますので、端的に伺いますが、企業のほう、先ほど言った鉱山の排出水二・八、現在一・五ですが、これがもうリミットだ。この一・五がリミットというのはあれですが、これについて、どのような対策をとられ、今後どういう対策をお立てになっておるか。限られた時間ですから、簡単でけっこうですから……。
#52
○莊政府委員 お答えいたします。
 鉱山からの排出でございますが、処理場から出てまいる排水につきましては、お話のございましたように、基準をかなり下回る水準に現在までの改善工事でこぎつけておるところでございます。沈でん池に入れまして石灰で処理をしていく。これでカドミウム、銅、同時に沈降させまして処理をしておるわけでございますが、現在の技術では、それなら石灰を大量に入れさえすれば問題が解決するかと申しますと、非常に困ったことに、逆にPHのほうでアルカリ性が今度は強くなり過ぎても困るというふうな技術上の問題もあろうかと存じます。
 ただ、あと堆積場が、この鉱山は古い鉱山でございますから、多数ございますので、特にいま鉱山側でも努力をして改善につとめておりますところでございますが、堆積場の覆土あるいは堰堤のかさ上げ、あるいは不時の大量出水がありましたときの対策、こういう方面に努力をいたしておりますが、さらに今後こういう方面を含めまして、山全体としてやはり総合的に検討し、少しでも鉱山からの排水を改良するという線で私どももおりますし、鉱山にも要請いたしてやっておるところでございます。
#53
○中島(源)委員 時間も迫ってまいりましたから簡単に伺いますが、いまおっしゃるところによると、両々相まって対策は立てていきたいということでありますが、鉱山側も現在やっておるから、そしてその努力は認めますけれども、おそろしいことに渡良瀬というのは、水量がふえると汚濁するわけです。これは川底に沈でんした重金属が攪拌される場合もありましょうし、山のもとにある、つまり堆積物あるいは鉱物そのものが流れてくる場合もある。非常に原因が複雑でありますが、だからといって、いま現在やっておるからといって三百年来――三百年とは申しませんが、百年公害の責任をのがれるというものでもない。これは企業側としても今後非常に急速度な完ぺきな対策を立てていただくように私は要望いたします。
 同時に、あと三分の一ですか、約三六%は自然汚濁であるということになれば、やはりこれは国をあげてこの対策に没頭して、実行に移さなければならない。そこで、こういう問題を国が取り上げる場合の担当はどこでございますか。
#54
○西川政府委員 公共用水域の水質保全の問題といたしましては、現在経済企画庁が所管いたしております。これは近く環境庁へ移ることになるかと思いますが、ここにおきまして一応水質の問題につきましては現在環境基準、これはいわゆる規制基準ではごいません。排水の規制ではございませんで、環境基準というものを行政目標として国が定めることになっております。これを私どもが所管いたしておりまして、この環境基準を定めまして、それを達成するための施策、これにつきましてはいろいろな施策があるわけでございます。排水規制もむろん重要な一環になります。社会資本の整備もあります。立地規制のようなものもございます。それから社会資本の整備の一環といたしましての、いまのような農業の土壌汚染の防止の方策、客土とかいうような方策、そのようなものもあるわけでございます。それぞれの事業につきましては、それぞれの所管省がやることになるわけでございますけれども、目標といたします環境基準を設定いたしますのは私どものほうで所管いたしておりますので、一応責任といたしましては、現在におきましては経済企画庁、近い将来におきまして環境庁がその責任は持っておる、このようになろうかと思います。
#55
○中島(源)委員 何の責任ですか。
#56
○西川政府委員 水質保全に対しまして全般の総合的施策をまとめて、それぞれの実施は関係各省に移りますが、そういう施策を総合的にまとめる責任は、現在は経済企画庁、将来は環境庁ということになろうかと存じます。
#57
○中島(源)委員 非常に多岐にわたるものでございますから、近く環境庁ということになるのだと思いますが、自然汚濁が相当あるわけですから、これに浄化貯水池をつくるのか、あるいはこれに石灰で中和させるのか。あるいは石灰を入れ過ぎるとPHのほうで問題があるというので、これはへたをして三者三すくみにならないように、責任を明確に、現在経済企画庁はそこまでいかぬ、結局環境庁に移らなければはっきりできないと思いますが、近い将来でありますから、それを含めて私は要望しておきます。
 それから同時に、いま銅の問題で伺ったわけですが、水田の中にはカドミも多少あるわけですから、カドミについては新たなる原因があるのかないのか。というのは、この水域に第一次か第二次か知らぬが、たとえばメッキ工場、あるいは顔料の中にもカドミが含まれておるのでしょうし、当然ブラウン管にも含まれておる。いろいろな工場群がもしあるとすれば、そこも調べて、対策としてはその面もやはり対策を立てなければ――いまどうでございますか、カドミにつきましてはこの三百年公害と同一基準内のカドミもあるでしょうし、そのほかのものもあるかもしれません。これはひとつ時間がありませんから、通産あたりでこのデータ、資料がそろいましたら、私のほうに示していただきたいと思います。
 時間が参りましたので、いまおもに行政の立場それから土壌汚染、同時に仏つくって魂入れずになっては困りますので、水質をよりきれいにするというところに総力をあげる、それぞれの御決意を伺ったわけですが、今後さらにそれを進めていただきたい。地元の方は何と言っておるか。自分たちは健康で働ければ一番よろしい。朝から夜まで農民の方々は一生懸命働いております。その責任に何ら関係なく土がよごれ、水がよごれましたから、そのきれいなものを取り戻したいという意欲は国民共通のものであります。ひとつこの精神を体しまして、今後行政の実をあげていただくように、心から要望いたして質問を終わりますが、これに対しまして、御決意のほどをひとつ。環境庁がないから困るのですが、どなたか代表でどうですか。お一人、お一人聞きたいのですが、決意のほどを伺っておかないと、質問の最後の締めくくりになりません。国民に納得のいくような決意の披瀝をしていただきたいと思います。
#58
○西川政府委員 渡良瀬川の問題は、先生もおっしゃいましたように非常に歴史の長い問題でございましたが、やっと昭和四十三年に一応の水質基準ができましたのは、完全なとはいえませんが、一歩前進したとはいえるのではないかと思います。今後私どもといたしましても、いろいろな施策というものを総合的に合わせて、さらに改善に努力してまいりたい、このように考えております。
#59
○中島(源)委員 終わります。
#60
○始関委員長代理 島本虎三君。
#61
○島本委員 さっそくでありますが、経済企画庁はじめ全部に関係しますから、なるべくならばそのままおっておいていただきたいと思います。
 公害は企業の責任であるという、いわば自己批判をすでに生産性本部が宣言しております。なかなかいいことばでございまして、人間の福祉を無視した企業の繁栄や利潤は、一時的な幻想である。企業は公害をみずからの社会的責任として自覚して、みずからの責任で有効な措置を講ずる。こういうような一つの宣言をしたようであります。企業みずからもその辺まで到達したという現実の上に立って、私は次の点を質問してまいりたいと思います。
 それは一月の二十九日に社会党の石橋書記長から、予算委員会での質問で四日市の問題を取り上げました。そしてそのよって来たるところは企業癒着であり、べったりである。この姿勢について政府はここに改善を求められたはずであります。その後政府としては、これに対する的確な対処を見届けたかどうか、まずこの点について質問いたします。
#62
○莊政府委員 いわゆる石原産業四日市工場の問題につきましては、国会の予算委員会で御審議がありました。私ども通産省といたしましては、本格的な調査は法務当局の手にゆだねまして、厳正な調査を現在実施していただいておるところでございます。
 企業につきましては、厳重に注意をいたしまして、今後再びかかる違反のないよう厳重に指導いたしますとともに、ほかの工場、事業場につきましても同様、法令に定められた手続の違反等遺憾な事態がありはしないかという点にかんがみまして、関係各省と協議の上、各都道府県知事に対しまして、一斉にこの際、法規上の所定の手続を厳守させるよう、そうしてそういうものについては立ち入り検査を行ない、悪質なものについては法の定める処分を講ずるように、この事件の直後通達を出しまして、現在全国的にそれを進めておるというところでございます。
#63
○島本委員 それなら全国的な汚染の調査が、水の面、空気の面、それぞれできておりますか、水は経済企画庁、空気は厚生省……。
#64
○西川政府委員 お答え申し上げます。
 水質につきましては、現在指定水域制度をとっておりますものですから、指定水域にしたいというところにつきましての調査、これは基準設定のための事前の調査でございます。それから指定水域になりましたあとのアフターケア、これは指定水域になりましたところについては全部やっております。これだけのいわゆる限られた水域調査、データは持っておりますが、全国一律的に全般的に行ないましたデータというのは持っておりません。特に微量重金属関係につきましては昨年から非常に問題になりましたものですから、いわゆる総点検と称しまして、おそれのある水域につきまして、全国百十五水域でございますが、これにつきまして昨年特に別途予算をいただきまして調査を実施いたしましたが、まだ現在その結果は最終的にまとまっておりませんが、四十五年度の緊急調査といたして実施いたしたようなわけであります。
#65
○曾根田政府委員 大気汚染のいろいろのデータにつきましては、こちらに観測測定網が設置されておりますので、その実態につきましては私ども把握いたしておりますし、年に一度その状況については公表いたしております。
#66
○島本委員 水というのは表面、それから空気というのは空気ですから、呼吸しておりますから、これは大気であります。そうすると、その汚染地帯の海底はどこが調査することになっておりますか、またその汚染地帯といわれているその個所の海底の調査は十分してございますか、そういうようなデータもあるでしょう。
#67
○西川政府委員 海底につきましては、現在のところ所管も正直なところはっきりしておりません。経済企画庁におきましては、基準設定のための調査をいたしますときに、それとの関連におきまして、底質の調査も一応いたしてございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、基準設定のための限られた水域の調査でございまして、全国的に底質の調査というものはいたしたことはございません。それ以外におきましては、河川管理者なり港湾管理者、それぞれの公物管理者があるわけであります。そういう公物管理者のほうで部分的に調査しているようなところもあるわけでございますが、残念ながら全般的な問題として底質の問題を取り上げたところはないわけであります。
 さきの公害対策基本法の改正におきまして、底質の悪化というものも典型公害の中に入ってきたわけでございますので、今後これに対する調査あるいは対策というようなものにつきましては、公害対策本部を中心といたしまして今後の体制を整備してまいりたい、こういうふうにわれわれとしては考えておるわけでございます。
#68
○島本委員 そうすると、空気と水はわかりましたが、今後海底の汚染、集積されたヘドロ、またそのほかに有機水銀を含むところの微量重金属、こういうようなものも全部集積される、その海底土の所管はどこなのか。当然また所管争いにあらざる所管逃げをやるわけです。今度海底はどこだということははっきりしておりますか。
#69
○西川政府委員 先ほど申し上げましたように、水域指定が新たに公害の対象に入ってきたわけでありますが、現益底質の悪化につきまして、調査その他の問題は、先ほど申し上げましたように、対策本部を中心としまして今後の対策をきめたい。ただヘドロの処置の対策につきましては、それぞれの公物管理者があるわけでございます。河川につきましては河川管理者、港湾につきましては港湾管理者、それから一般の海につきましては海上保安庁というものがおりまして、有害な底質にたまりましたヘドロの処理につきましては、それぞれの管理者が現在でも行ない得る体制があるわけでありまして、そういうところで行なうというふうに、公害対策基本法の改正のときに、われわれの所管の間の話し合いはそういうふうな形で一応しておるわけでございます。
#70
○島本委員 では海上保安庁、昭和四十六年一月十一日午前九時から十二時までかけて水質と海底の調査を四日市市がやったようでありますけれども、この報告を受けておりますか、またこの内容等十分知っておりますか。こういうような点を県庁から――これはどこになりますか、通産省になりますか、これは報告を受けているかどうか。この点重大であります。
#71
○手塚政府委員 四日市海上保安部からはまだ私どもの手元に報告は届いておりません。
#72
○莊政府委員 通産省にも同様公式の報告は来ておりませんが、地元の新聞に一部市が発表されたという情報は、現地から最近得ております。
#73
○島本委員 その内容を知っておりますか。
#74
○莊政府委員 新聞見ておりませんので、正確には存じておりません。
#75
○島本委員 四日市で出たというのは知っていて、その内容を知らないというのはどういうわけですか。
#76
○莊政府委員 最近現地の通産局を経由いたしまして、速報的な情報を私入手した、これが正直なところでございます。
#77
○島本委員 通産省のほうでは、けさほどから県庁からの中間報告を受けているはずです。四日市市からはないようであります。私の言うのは四日市市の調査ですから、これはないかもしれません。ただ、県庁から皆さんのほうへこの中間報告ということで資料が来ているはずでありますが、この点の内容はつまびらかにできますか。
#78
○莊政府委員 県庁からの報告というのは、私は現在存じておりません。
#79
○島本委員 存じておるはずですから、これはすぐ手配してください、もう来ているはずですから。それを知らないというのはちょっと困る。公害関係者はそれを調べてください。
#80
○山本説明員 私どものほうで新聞記事に出ました内容につきまして、その後詳細を聞きたいということで、県庁に連絡したわけでございます。私ども新聞記事の内容で伺いましたところでは、三月十三日付の新聞に出ておりました内容は、港で一月十一日に採水をいたしまして、CODをはかっております。
#81
○島本委員 三月何日ですか。
#82
○山本説明員 三月十三日の新聞記事と聞いております。十二日に市が発表したものということでございます。調査、採水あるいは採泥をいたしましたのは一月十一日ということでございます。電話連絡でございますので、非常に不確かでございますが、CODをはかっております。それから泥土、泥質中の全水銀をはかっております。それかPHも測定しております。おおよそのところを申し上げますと、CODにつきましては最高が六三・三五、それからどろにつきましての全水銀が最高で二〇・九PPMというような数値でございます。PHにつきましては、七・四から八・一ということでございます。そのほか、市といたしまして、いわゆる有機溶剤による可溶性の物質を取り出して分析をするというようなことを研究的な態度でやっておるということを聞いております。
#83
○島本委員 これは、そうするとその程度の資料ですか。新聞記事にあらわれたのはその程度ですか。
#84
○山本説明員 県を通じまして、私のほうで新聞記事に出ましたのから……。市から県を通じて聞いたのは大体そういったことでございます。
#85
○島本委員 これは全く驚くべき報告が握りつぶされているのです。新聞に発表されたのはほんの一部分ではありませんか。それもわりあいに社会が容認してくれると思われるような数値の出たところだけ発表しておる。もしそれがほんとうだとすると――なぜ、こういうようなものが出た場合には、はっきりしたデータを皆さんのほうにおとりにならぬのですか。これはやはり、企業がそういうような態度で一生懸命やる、今後は企業べったりと思われないように、通産省とべったりにならないようにやる、こういうような態度を出していたら、今度は行政庁が逆にそれをカバーするようなことをしたらだめだ。何もならぬですよ。これは重大なんですから、あえてこれは資料を要求せざるを得ません。しかし、資料が出ない以上――もう私の手元にあるのです。私のところにあって皆さんが知らないということはどういうわけです。職務怠慢ですよ、これは。まあその中身はそれしかないとすれば、これはとんでもないことが隠されてあります。水と、それから泥土、これに分けられているようです。
 それから、そこでこれは水銀の量が水俣病の熊本県の不知火のどろで五〇〇PPM、阿賀野川の昭電の鹿瀬工場の排水口直下のどろで六〇〇PPM、これに比べてまことに高いような数値がここにあらわれているのです。そしてまた、そこのどろの中にはクロム酸塩、これも相当の数量がもう検出されているのです。これは発ガン作用があるものであります。これももうすでに「職業病と労働災害」という、こういうような著書にまでこれがはっきり出されているような状態なんです。これはもう単にそのままにしておいて排出している。こういうような企業に対しては、労働省自身も認定する業務上の疾病にも重大な影響のあるものであります。クロムによるかいよう、こういうようなものも予想されていると、こうはっきりなっているしろものであります。
 また水のほうになりますと、今度アクリロニトリルやアセトン、こういうようなものも検出されているのです。おそらく、こういうような状態では、皆さんのほうではほとんど知らないと言っているけれども、これはそのままにしておいたら、今後また新しい公害発生のおそれがある要素じゃありませんか。総揮発物が一四七七PPM、これだけ検出されているといって、ちゃんとデータに出ているのです。不利だからこういうようなものを発表しない。そうしてわりあいにいいところだけ発表して、それでもって全部これはいいものだ、こう考えさせられている。これを指導したのが通産省であるのか、厚生省であるのか、または自主的にこういう発表をしたのか、まさか海上保安庁が指導するわけはなかろうと思うのであります。これは私はちょっと重要だと思います。これは、即刻にこの点に対しては調べていただきたい。
 それと同時に労働災害にも、これは重大な影響のある問題であるということが、あとからその結果によって証明されてきているのです。これはちょっと私どもとしてはいますぐでも手をつけなければならない問題の一つなんです。総揮発物が一四七七PPM、これは有機溶剤取り締まり規則の中に入るやつです。吸入するということで労働省では規制しているはずですから。そうして水の中には有機物であるベンゼン、これが二五八・八PPM検出されている。これも肝臓に重大な影響があるということはみんな知っている。そのほかに今度は神経として大脳を侵す、こういうようなものです。血液毒で、貧血だけじゃなくて、発ガン作用を持っている、これは白血病を引き起こす、こういうようなものである、こういうようなことさえも言われているベンゼン、こういうようなものも蓄積してある。あえてこれに対しては進んで証人になってもいいという人さえいる。これは一度体内へ侵入するともう出てこないというしろものですから、こういうようなものはすぐなんとかしないと困るしろものじゃありませんか。そのほかにまたブタノールも検出されています。ベンゼンをはじめこういうようなものは体内で分解されないで、蓄積してしまうから、肝臓やじん臓、こういうものが侵されるのであります。それだけじゃなくて、魚に蓄積されたら、それを食べた人は口を通してまたこういうような病気になる可能性、これさえはっきりしているのです。アクリロニトリル、こういうようなものに対しては、もう合成ゴムのプラントの工場がありますから、その原料としてこれは流している、こういうようなことも想像できます。これは堆積基準にして三七・二PPM、こういうようなものを検出されている。それからまたアセトン、これは一一〇・四PPM、これも検出されている。肝臓と大脳を侵す。精神異常を来たす。精神異常が多いので、したがって、これは職業病としてはもう認められているという、こういうようなものもやっておるから、必ずどこかから流しているはずです。どうも、こういうような状態にしておいて――こういうようなのもはっきり新聞に出ているならば、それでよろしい。こういうような肝心なやつが隠されておる、こういうようなことでは、ちょっと了解に苦しむわけなんです。そしてなるほど底のどろ、これの中に水銀は二〇・九PPM、これはもう存在しております。これでも、阿賀野川の昭和電工の鹿瀬の直下のどろでは六〇〇PPMです。河口のどろで一PPM。これがいわゆる第三地点というところでは二〇・九PPM検出されているのです。第三地点というのは、これは化学工場の排水が流入するほか、大井の川総合排水溝の排水などが流れることによって、四日市港から港外へ、また逆の方向への通路になっている場所、これが指定されて第三の地点になっているわけです。ここでは二〇・九PPM検出されている。四日市の魚はくさくて食えない、こういうようなことが往々にしてわかるわけでありますけれども、魚がそこだけに停留しているわけじゃ決してない。伊勢湾一帯に遊泳する。こういうような立場に立つならば、その辺から出るものが魚全体を通して人間に危害を加える、こういうようなこともはっきりするじゃありませんか。こういうようなものに対しても、あえてその内容等を詳しく発表していない。これは重大であります。こういうようなことに対して、そのままにしておいていいのかどうか。こういうような結果がいままでわからなかったのかどうか。一月二十九日に少なくとも予算委員会でああいう質問があったならば、すぐその場でそれぞれの官庁で手分けして調べるのが皆さんの仕事じゃありませんか。あとから発表するのは一部分だけ、それもかぼそくそれを調べたのであって、調べたんじゃない、知っているだけだ。知っているのじゃない、肝心なことは隠されているんだ。こういうような状態ではほんとうに困る。海上保安庁もこういうのは思い切って取り締まらなければならない問題ではなかろうかと思うのです。通産省、厚生省、海上保安庁、これをはたして全然知らなかったのかどうか。こういうデータが一月十一日にはっきり出されたということを、新聞に出た以上、その内容は皆さん知っていなければならないはずなんです。なぜ知る努力をし、これをはっきり把握しなかったのか。行政的怠慢じゃないですか。ちょっと伺います。
#86
○曾根田政府委員 四日市港周辺の海水汚濁につきましては、私どもかねがね非常に関心を寄せておりまして、従来、県等が行なった調査については、その調査結果等も承知いたしております。今回、御指摘の、市の行ないました調査の結果につきましては、先ほども申し上げましたように、市が独自でやったものでございますので、私ども結果の入手がおそくなって申しわけないところでありますけれども、これから十分地元ともまた連絡をして、こういうことがないようにしていくつもりであります。
#87
○山下政府委員 御指摘の市の調査につきましては、ごく最近になりまして間接的に聞きまして、あらためてまた私どものほうで各関係の工場に資料を取り、なお進めておるところでございますが、あの地域には、御承知のように石油化学工場が大きいのだけでも三、四社ございますし、合成ゴム、オクタノール、ブタノール等のファインケミカルズをつくっておる工場もございまして、御指摘のベンゼン系の油分、それからクロム、水銀等の重金属が、それぞれ生産工程によって違いますが、微量なりとも出る可能性のある工場が多々ございます。
 水銀につきましては、昨年以来通産省みずから調査しておりまして、排出口においては基準以下になっておることもまた確認しております。排水溝の指導はせっかくいま努力中でございまして、御指摘のヘドロ、底質につきましては、まだ十分な施策が及んでいないのであります。
#88
○手塚政府委員 四日市公害問題につきましては、海上保安庁の所掌に関しまして、先般来の一般の公害世論にもかんがみまして厳重な措置をとるように、また海上保安庁の勢力、仕事の範囲内で重点をこの公害問題にただいま移行いたしまして、現地を督励をいたしておる最中でございます。
 四日市問題については、すでに御承知の事件もあったような次第で、いま御指摘の点につきまして今後調査その他において具体的な事実、法令違反等の問題等が起こりませば、それに即応した厳重かつ適切な措置をとることにいたしたいと考えております。
#89
○島本委員 ことに、これだけじゃないという事実です。それは第三調査――いままで六カ所でやったものを十カ所にふやしてやった。そのふやしてやったその個所から、またとんでもない結果が発生しているわけであります。その場所は、いま言った化学工業の工場の排水が流入するほかに、大井の川やまた総合排水溝の排水がここに流れることによって、四日市港から港外へ、また逆の方向へのちょうど通路になっている、こういうような場所が一つ、これが三の地点、もう一つは第八の地点として、海蔵川河口によって石油化学工場、火力発電所の排水口がある場所、この両方ではクロムが検出されているのです。それの数値が高くて五二三・四PPM、これが一二の地点。八の地点では七九八・五PPM。クロム酸塩はもちろんこれは発ガン作用がある物質ですが、こういうものがそのまま平気で出されておった。労働省にしても、こういうような場合には業務上疾病、これはクロムによるかいようがもう指定されていますから、こういうようなことで、そういうようなおそれのある工場に対しては、敢然とこれはもう何か処置をしておかないとだめなはずなんです。やっているのかどうか。これも重要です。それがまたガンに結びつくのですから。魚にこれが蓄積されて人間の体内へ侵入してくる、こういうような経路もまたたどるわけであります。そしてこれもまた完全にこれを使っているわけです。石油精製、石油化学プラントで冷却水――これはもう稀薄して、バクテリアが繁殖して熱交換器をよごしてしまうのを防ぐために、冷却水の中にクロムを添加しているのです。これを進んで添加しているのです。こういうようなことを知っていますか。やっているのです。そのほかに防蝕効果としてクロムを添加しています。また化学工場がこの化学反応を促進するための物質として触媒に使っていることで、こういうようなのが流れる。こういうようなことにもなっているわけであります。現にこういう工場があるのです。そのほかにまた問題の石原産業の、これはチタン鉱石にもクロムが含有していますから、そういうようなことも容易にわかるわけであります。ちょうどその地点であります。メッキ排水のおそれのある工場もその辺にたくさんある。こういうようなことになってくると、労働省のほうでも当然、この業務上疾病のおそれもあるからこの点では十分従業員に対する健康診断もしていなければならないはずであります。その点、十分しておりますか。
#90
○北川説明員 四日市の労働基準監督署内におきましてクロムを扱っておる事業所は、昨年の九月総点検をいたしました結果では、八事業所ございます。クロムにつきましては、われわれのほうとしましては、扱っておりますと、業務上の鼻炎あるいは鼻中隔せん孔、唐皮炎等を起こすということで、有害業務ということで特殊健康診断を命じております。これら八事業所につきまして特殊健康診断の実施状況を調べましたところ、一応実施はいたしておるようでございます。
 なお、クロ人につきましてはいまの安全衛生規則では規定のしかたが具体的でございませんので、先般労働基準審議会に有害物四十物質ほどの具体的な取り締まりの方法について諮問をいたしておりますが、近々その答申が出される予定でございまして、クロムにつきましても抑制濃度あるいは健康診断のしかた、そういうものを明確にする内容で出ることになっております。
#91
○島本委員 いま急いでそういうようなことをするということ、これは前に何人かそれによって被害を受けていることも知らないで過ごしていたということにつながるのです。おそくともやらないよりはいいですから、これは急いでやるように特に要請しておきたいと思うが、企画庁のほうでは、これをなぜいままでの基準の中に入れてちゃんと規制しなかったのか、する必要がないと思っていたのか、これに対して科学的な調査は全然していないのかどうか、こういうような点についてもちょっと伺っておかなければなりません。
#92
○西川政府委員 クロムのうち毒性の強い六価クロムにつきましては環境基準項目の八項目の中に入っております。現在全公共用水域に環境基準として適用されておりますし、また、排水基準も全水域にかかっております。トータルクロムにつきましては、六価クロムを処理しますのに三価クロムに還元処理しているような問題もございます。それからその毒性等の点につきましてまだ必ずしも最終的な、トータルクロムにつきましてはっきりした明確な線が疫学的な専門のほうから出てまいりませんので、現在環境基準項目といたしましても検討項目ということになっておりまして、最終的にまだトータルクロムの数値は決定いたしておりません。ただ排水のほうの規制といたしましては、現在特になめし等の問題でいわゆる六価クロムの危険が全然ないところの分は、ちょっと数字が高うございますが、一般的にトータルクロムといたしまして二PPMというものを大体排水規制の全国一律的な標準の数値としてすでに規制はかけているわけでございます。
#93
○島本委員 三価クロム、六価クロム、これは六価クロムがやっと三価になり水に溶けないものになるんだ、こういうようなことをいろいろいわれてはいるのですが、そういうふうにして規制をちゃんとしているのになぜこれだけ多量のものが検出されるのか、こういった点、やはり何か癒着があったのではありませんか。いまやっている、やっているといえば、いままでの皆さんのやっていることは怠慢だということになるのですよ。せめてこれからやるというのは、いままでのやつを許してくれということになるんですよ。企画庁のほうでそうまでしてちゃんとしているのに、なぜこれだけの数値が検出されるのですか、これはいけません、そんなこと。ましてこれだけのデータが出ているのに全然その一部分も知っていない、これじゃ全然だめであります。そして魚に蓄積される、こういうようなことについてのおそれもあるわけであります。それから職場に働く労働者、ことにクロムを扱っている、こういう労働者の安全衛生上の見地もあるわけであります。それを伊勢湾全体の魚が回遊しておる場合には、これは当然今後の魚をとる者の立場としても、水産庁もこの問題に対しては十分関心を払わなければならないはずであります。ましてこれは知多半島、あの方面の調査はしているのかどうかというような点もやはり心配になってくるわけであります。この際はっきり聞いておきますが、伊勢湾全体の魚の汚染の度合いだとかまたは知多半島、この方面にまで及んでいま十分調査してあるかどうか。そうして魚にこういうものが含まれて濃縮されて、いわゆる水俣病といわれるような状態になっておるものでないということをはっきりここで証明しておかなければならないのであって、この点まで考えておるだろうかどうか、いないとするならば、これからどうするのか、この際国民のためにはっきりしておいてもらいたいと思うわけです。
#94
○藤村政府委員 水産庁といたしましては、昭和四十四年から三カ年計画で、伊勢湾全体につきまして三重県と愛知県に委託いたしまして、漁場環境基礎調査というのをやっております。これでは海底の底質と水質について調査をいたしております。ただいま御指摘のありました魚に蓄積するという面につきましては、現在のところはまだやっておりません。そういう危険があるとすれば、私どもとしてはこれからその点について検討をいたしたい、こういうふうに考えております。
#95
○島本委員 同時に、港内の海底の取り締まりは保安庁であるということであります。そうなりますと、保安庁のほうでも、この取り締まり等については今後も十分気をつけなければなりませんし、いままでやったその努力はまさに画期的なものであって、かつてないほど保安庁としては努力とともに社会的な評価は高くなったものである、これは私も称賛を与えるのにやぶさかではないわけでありますが、今後もやはりそういうような状態で、表面の水また回遊している水まではいいが、底のほうになっていままで蓄積されているものは、陰に陽に今後国民の健康を阻害するような状態を現出させてはなりませんので、その方面の取り締まり等についても今後十分配慮してやらなければならない、こういうふうに思います。そうして汚染された海の底、こういうものがいまやどういうふうに変化しつつあるのか、何でもないところは何でもなくていい、もうすでに汚染されているところ、これに対してははっきりこれから対処しておかないと、これから次から次とそれをもとにして発するところのいろいろな被害があっては困るわけであります。その点を十分今後保安庁としても配慮しておくべきだ、こう思います。
 また、被害が出るまでに五年、十年これはかかるのでありますから、五年、十年かかって出てからまたその原因を探索して、裁判にかけてまた十年ということになると、もうすでに死んでしまう年になるのですから、これはまた十分その点も行政的に考えないといけないです。クロムの被害、公害病ではない、こういうようなことになっておっても、被害が出てきておるわけでありますから、そういうふうになると、これは野放しにしておけた問題ではありません。全国的にこれは調査してみる必要があろうと思います。これは厚生省、全国的にこの点を調査してもらいたいし、資料があるならばこの資料を私はほしい。要求いたします。
 同時に、こういうような問題に対して、やはり通産省のほうでは山下化学工業局長、これはどうもこの辺がガンではないかと思うのです。あの臼杵の問題でも、埋め立ての問題でいろいろ物議をかもした、そういうふうなのもやはり山下化学工業局長の所管にかかる問題だったわけです。そうして、いまこういうふうにして四日市の場合を見ても、これは過去の集積であるにしても、こういうようなことをやらしておったという実態が残るわけであります。やはりこういうようなことは、いまにしてわかったならばここにメスを入れなければならないのであります。これに対してはっきり対処する態勢を示してもらいたい。
#96
○山下政府委員 クロムの排出につきましては、化学工場としても重視しておる次第でございますが、ある会社の例を申し上げますと、昭和四十二年ごろからクロムの排出を減らすための施設を研究かつ設置してまいりましたが、実際にこれが成功して効果があがりましたのは、去年の九月設置しましたクロムの除去装置、これを設置した以降でございます。したがいまして、御指摘のように、大ざっぱに申し上げて去年秋まではクロムの排出が行なわれておった。その防除につきまして、私どもが二度、三度、その後の排出口での検出資料を調査しておりますが、現在では六価クロムにおきまして、基準である〇・五PPM以下におさまっておりますし、先ほど御説明のありました全クロムの場合でも、基準よりも以下におさまっておるわけでございます。四日市周辺にほかの化学工場もございますが、私どものほうで順次クロムの排出を調べておりますけれども、いままでのところでは、基準をこえるものをまだ見ておりません。全般として化学工場がこの種の重金属類にも関係いたしますことは御指摘のとおりでございまして、今後とも鋭意これの除去につとめたい、こう思っております。
#97
○曾根田政府委員 厚生省としましては、昨年の東京湾のヘドロ汚染問題等以降、全国的に海域調査、汚染調査を実施する必要があると考えまして、とりあえず昨年から、東京湾以外の瀬戸内海あるいは伊勢湾等について、底質、海水、魚介類等を含めた総合的な汚染調査を実は実施中でございまして、本年度の分は目下分析中でございますけれども、これは今後とも継続して行ないたいと思っております。
 それからまた、対象物質につきましても、従来のカドミウム、水銀等だけにとどまらず、広く物質を拡大していきたいと考えております。本年度伊勢湾で行なっておりますのは、実は四日市海域ではございませんので、場合によれば、来年度四日市海域等について、クロム等を含む総合的な汚染調査を実施する考えでございます。
#98
○手塚政府委員 先ほど申し上げましたように、公害問題の重要性にかんがみまして、関係行政機関とも十分なる協力、協議をいたしまして、なお一そう勉強、かつ適切な措置をとるように努力をいたしたいと思います。
#99
○島本委員 大体私なりに理解できた点だけでもそのとおりであります。もしこれが化学的な素養、そういうような一つの見識を持ってこれをやったならば、もっともっとひどい現実がここに明らかにされる、こう思うわけです。したがって、私はいまここに、一月十一日に出したといわれる資料、四十六年、ことしです。一月十一日九時から十二時まで調べたこの水質の資料並びに同時刻に調べた底の汚泥の問題底質、この両方の資料をぜひ取り寄せるように、そうして、あわせてそれに対する各省の対策を具体的に立てて、そうして次回までに、次回までは相当長うございますから、次回までにこの点は十分対処し、この場所に報告するように、資料とともにこれを要求しておきたい、こういうふうに思います。委員長においてお取り計らい願います。
#100
○小林委員長 よろしいですか。
#101
○西川政府委員 早急にまとめまして準備いたします。
#102
○島本委員 では最後に、この問題については、一応次の結果を待って、もう一度皆さんの意見を聞いた上で具体的に対処していきたい、こう思っております。
 なお、方々でこれから予想される工場の進出に伴う産業廃棄物、この産業廃棄物の中で、やはり漁業関係で紛争を起こすおそれがあると思われる、いままで六〇年代のヘドロにかわって、今度発生するおそれのある赤どろ、日軽金がおもにこれを出すようでありますが、方々でこの問題に対してもまたトラブルがあるようであります。水産庁では、これは安直に海上投棄を、黙っていると認めることになるんです。黙っていれば認めることになってしまうんです。いままで海上投棄をしてトラブルを起こしている、こういうふうなのは許可を得たのかというと、自分らが申請しても、水産庁から何ら悪いともいいとも言ってこないから、自分らはやっているんだ、これが日本国じゅうの海洋投棄をしているこういうふうな業者の言い分なんです。これは水産庁は、したがって保安庁もそうでありますけれども、そういうようなものに対しては十分今後留意しなければならない問題点です。ことに漁業資源の、また魚族を繁殖させるためにも、こういう問題は慎重に扱って、少なくとも一たん来たならば、返事を出さないでおくなんという、こういうような怠慢なことをしてはいけません。こういうようなことを厳重に私から、この場所を通じてひとつ要請をしておきたいと思う。もし何か上がってきたならば、参考意見でも、はっきり出しておくべきです。これがいま直接の原因になっております。また紛争の原因にもなっております。いままたいろいろ日軽金の赤どろの問題も方々で問題になろうとしております。これに対しても水産庁ははっきりした態度をきめないといけません。ことに厚生省、通産省、産業廃棄物の場合には、これは新しい法律ができて、これはもう厚生省に行った。しかし、あくまでもこれは産業廃棄物なんです。この産業廃棄物を安直にそういうふうにして処理させる、こういうふうな一つの行政指導はすべきじゃない。あくまでも出てきた液状のあの赤どろに対しては、これはやはりはっきりした処理の方法の開発を促進してやるか、それでなければこれに対して業者処理をはっきり命ずるか、それでなければ、都道府県がかわってその処理を、費用は業者持ちでやるようにして、安直に、海洋へただ投棄すればいいんだというような考え方は、もう前世紀の遺物として、こういうようなことはさせないように指導すべきである。いまやったならば、新しく今度は、ヘドロに対して赤どろの問題が問題になろうとする、これは重大な問題であります。産業廃棄物の立場からも、水産庁をはじめとして、水産資源のためにも、これはもう重要な問題であり、今後やはり取り締まろうとすると、保安庁のほうの問題にもなるわけであります。いろいろな問題をはらんでおりますので、この際重大な決意をもってこれに当たってもらいたいと思います。各省それぞれ、ひとつ赤どろに対して、産業廃棄物に対して、今後のはっきりした方針をここで出してください。
#103
○藤村政府委員 水産庁といたしましては、産業廃棄物を海洋に投棄することに、原則といたしまして反対でございます。いままでも、そういう話がございましたときには、私どもとしては反対をいたしております。また、今度海洋汚染防止法ができまして、原則として投棄は禁止されるようになりますが、政令等で定めますときにも、運輸省と十分相談の末、水産資源保護に当たりたいと思っております。
#104
○手塚政府委員 ただいま水産庁からもお答えがありましたように、新しくできます海洋汚染防止法、この第十条におきまして、原則的に海洋投棄というものは禁止されることになりまして、投棄を許されるものは政令できめる、また、投棄の許される場所あるいは投棄する方法等も政令できめることになります。この原則あるいは海洋投棄の趣旨等を十分勘案をいたしまして、かつ関係各省と十分御相談をした上で、先生御指摘の問題についても処理をいたしたい、かように考えております。
#105
○浦田政府委員 先生御案内のとおりに、前国会で成立いたしました廃棄物の処理及び清掃に関する法律が、ただいまその政令並びに省令を制定する作業にかかっておるところでございます。その法律では、先ほど御指摘のようなものにつきましては、これはいわゆる排出者責任という原則をはっきり打ち出しておりますので、当然工場側のほうでもってこの辺の処理ははっきりしていただく、処理施設もつくっていただくということになろうかと思います。また先ほど海上保安庁のほうからもお話がございましたように、万一海洋汚染防止法によりまして、例外的な取り扱いとして廃棄するという場合にも、これはその基準その他につきまして、十分関係各省と相談いたしまして、遺憾のないように処置してまいりたいと考えております。
#106
○莊政府委員 産業廃棄物の中でも、御指摘のアルミの赤どろとか、その他活性汚泥法に伴いますいろいろなビルジが継続的に出てまいりますが、こういうものの適切な処理の方法につきましては、いま御答弁がありましたように、関係各省と十分私どもも御連絡いたしまして、適切な措置が可能になるように努力をいたしたいと思います。
#107
○島本委員 これで私の質問は終わります。
 なお、資料の要求とその対策をはっきり出した上で、またこの問題については指摘し、これを検討していきたいと思いますから、この問題全部終わったことではなく、資料を出された点で再びこの問題に対して私も質問することをここにはっきり留保して、これで私の質問を終わります。
     ――――◇―――――
#108
○始関委員長代理 この際、内閣提出の特定工場における公害防止組織の整備に関する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。宮澤通商産業大臣。
#109
○宮澤国務大臣 特定工場における公害防止組織の整備に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年におけるわが国経済の高度成長は、国民生活の著しい向上をもたらした反面、産業活動の飛躍的拡大、人口の都市集中などに伴って大気汚染、水質汚濁、騒音等各種の公害問題を発生せしめ、国民の健康や生活環境に重大な影響を与えるに至っております。
 このような事態に対処して、政府といたしましては、さきの臨時国会において、公害対策基本法の改正、大気汚染防止法の改正、水質汚濁防止法の制定等公害関係十四法律の成立をはかり、公害対策の強化拡充につとめているところであります。
 しかしながら、産業公害の防止に万全を期するためには、各種の規制措置の強化とともに、これに対応して、事業者による工場内の有効適切な公害防止体制が確立されることが必要であります。
 このため、今回、工場における公害防止組織の整備をはかり、もって公害の防止に資するため所要の措置を講ずることを目的として本法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。
 第一は、この法律案の適用対象となる特定工場についてであります。
 この法律は、工場ごとに公害防止統括者、公害防止管理者等の選任を義務づけることとしておりますが、その選任が義務づけられる工場は、ばい煙発生施設、汚水等排出施設、騒音発生施設または粉じん発生施設を設置する工場で政令で定める要件に該当する特定工場としております。
 第二に、特定工場におきましては、事業者は、工場の事業の実施を統括管理するいわゆる工場長を公害防止統括者として選任し、公害発生施設の使用方法の監視、公害防止施設の維持等工場における公害防止に必要な業務の統括管理を行なわせなければならないこととしております。
 なお、政令で定める要件に該当する小規模の事業者については、公害防止統括者の選任義務を免除することとしております。
 第三に、特定工場におきましては、事業者は、さらに公害防止管理者を公害発生施設の区分ごとに選任し、公害発生施設において使用する燃料または原材料の検査、ばい煙量等の測定の実施など公害防止に関する技術的事項の管理を行なわせることとしております。このほか、大規模なばい煙発生施設と汚水等排出施設が併置されている大工場については、公害防止管理者を指揮して公害防止統括者を補佐する公害防止主任管理者を選任させることとしております。
 第四に、これらの公害防止管理者や公害防止主任管理者には、国家試験に合格した者その他政令で定める資格を有する者をもって充てなければならないこととしておりますが、このため、国及び地方公共団体は、公害防止管理者及び公害防止主任管理者として必要な知識及び技能を習得させるため必要な指導その他の措置を講ずるようつとめるものとしております。
 第五に、都道府県知事は、公害防止統括者等が公害関係諸法令に違反したときは、事業者に対し、これらの者の解任を命ずることができることとしております。
 このほか、都道府県知事の権限の市町村長への委任、立ち入り検査等につき、所要の規定を設けております。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨でございます。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#110
○始関委員長代理 以上で提案理由の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
     ――――◇―――――
#111
○始関委員長代理 産業公害対策に関する件について質疑を続行いたします。岡本富夫君。
#112
○岡本委員 私は、予算委員会におきまして、本年の二月二日渡部通子委員が質問いたしましたその問題から質問いたしますけれども、特にこの中で次の国を背負うところの幼児、このお子たちの牛乳について、このときに内田厚生大臣は、このBHCについては、農薬の残留が入っているからこういうことが起こってくるのだということで、BHCは今日国内では使っていけないはずになっている、こういうように言っております。
  〔始関委員長代理退席、島本委員長代理着席〕
そこで、厚生省の環境衛生局長から四十六年三月四日に通達が出ておりますけれども、この牛乳の残留BHCの毒性は、やはり農薬からくるのであるというようでございますが、これについて使用禁止を現在行なっているのか行なっていないのか。これについて大臣は、こういうように国内では使っていないはずになっているというように答えておりますが、それについてひとつお答え願いたい。これは環境衛生局長から……。
#113
○浦田政府委員 牛乳中の残留農薬の減少対策につきましては、厚生省といたしましては、非常に重要な問題として取り組んできているところでございます。関係各省、ことに農林省に対しましては、根本的には農薬の使用を禁止する、また使用のいろいろな規制をしていただくということでお願いしてまいっているところでございます。これに対しまして、この国会の予算委員会のときに大臣が、先ほどおっしゃったような趣旨の姿勢、決意を示されたわけでございますが、この前後に私どもは、農林省のほうに特に申し入れました結果、二月二十七日付でもって農林省の農政局長、畜産局長、蚕糸園芸局長及び林野庁長官の連名でもって「有機塩素系殺虫剤の使用および使用不能農薬の処分について」ということでもって通知していることを、私どもは連絡を受けたところでございます。また、先ほど御指摘の三月四日の環境衛生局長名の通知でもって一段ときびしく検査体制を強化するということを指示したところでござ
 いますが、ことに有機塩素系農薬の使用の規制と
 いうことにつきましては、担当の農政局長もお見えでございますので、そちらのほうからこの実態について詳しくお聞きいただくことがいかがかと思います。
#114
○岡本委員 厚生省から出された先ほどの環乳第二十四号という通達の中で、牛乳中の残留BHCの検査成績がずっと出ておりますけれども、その中で山形、群馬、新潟、石川、福井、静岡、愛知、三重、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、その他何県かマルをつけたところがありますが、これは月一回検査を行なうようにしなさいということであります。ということは、まだ残留BHCの危険というものが見込まれるのである、こういうように私は理解するのでありますけれども、この予算委員会のときには、厚生大臣は〇・〇五PPMぐらいの基準じゃないかというように言っておりますけれども、この基準もまだはっきりしてないわけであります。このときに渡部通子さんから、大阪府は〇・一六八、それから岡山では〇・二一一、佐賀に至っては〇・三五、長崎では〇・三八、宮崎では〇・二一、こういうようになっておる。いまこうした表をもらいますと、だいぶ減っておるわけでありますけれども、こうした残留BHCが少なくなったという原因はどこにあると環境衛生局長は思いますか。
#115
○浦田政府委員 これは、BHCが牛乳中に残留していることの事実が明らかになりまして、それ以来関係各省にBHCの使用の規制等についてお願いした、その効果というものが大きかった。お願いした結果、農林省で農薬の使用の規制あるいは禁止ということをやられた、これが大きく影響したというふうに承知いたしております。
#116
○岡本委員 そうですね。結局BHCの農薬を使用しないというところにこうした結果が出てきておると私は思うのです。したがって、またこれを使用すると、またふえてくる、こういうことになろうかと思うのです。
 そこで、この問題にタッチしているのは農政局ですね。このBHC、特に牛乳の問題を取り上げておりますので、BHCの農薬を全面的に使用しないように通達を出しておるのか、それに対して詳しく対策をお聞きしたいのであります。
#117
○中野政府委員 先ほど環境衛生局長が若干お触れになりましたけれども、若干経過を申し上げますと、一昨年牛乳にBHCが含まれていて問題になったわけでございます。そこで農林省といたしましては、まだ当時の農薬取締法では法的措置がとれなかったわけでございますが、行政指導でメーカーのほうにBHCの製造中止を要請しました。メーカーがそれを引き受けまして、まず原体の製造をとめたわけです。
 それから、対農家の問題といたしましては、昨年穂ばらみ期以後の稲にはBHCを使うなという指導をしたわけであります。そして、それ以後、米にもBHCの許容量等がきまりました。今後は、稲には一切BHCは使うなということにいたしました。
 それから公害国会になりまして、農薬取締法が改正になりまして、そういう対公害の問題でいろいろ規制ができる法的措置ができたわけでございます。そこで、四月一日に改正法が施行になりますので、それを機会にBHCその他有機塩素系農薬を中心にしまして、先生御承知のように法律に指定農薬制度がございます。この制度によりまして指定する農薬につきましては用途をきめて、その使用基準をきめる、その用途以外のものについては使ってはいけないということになるわけですが、その準備をただいまやっておりまして、いまもう大体できておるわけでございますが、その間に先ほど仰せになりました通達を、農家に対する普及という意味で事前に出したわけでございます。それによりますと、先ほどもお話がありましたように、稲及び乳牛等、家畜の飼料にする作物についてはBHCは使用しない。それからアルドリンあるいはディルドリンにつきましては、これは土壌に残留いたしまして、次に植えます作物に、厚生省がおきめになりました許容量をこえるようなものが出てまいりますので、そういう圃場には使わないように。それからなお、牛乳にBHCが出る場合に、それは稲だけでなくて、野菜も西日本ではかなり慣行的にあるものですから、そこで野菜くずなりイモづる等を家畜の飼料にする場合にはBHCを使うな。それからまた、そういうものを使ったと思われるものについては家畜に食わせるなという指示をしまして、それをいま都道府県から末端に徹底しております。それを前提として、今度四月一日に指定農薬制度を発足させ、それに基づきます使用基準をきめまして、いまの予定では五月一日から実際の施行に入りたい、こういう経過になっております。
#118
○岡本委員 たくさんの農薬がありますが、その中で私は特にこの牛乳問題を取り上げております。BHCはいままで年間どのくらい使われておったわけですか。
#119
○中野政府委員 一昨年までは大体九万トンぐらいでございます。水稲が大体そのうちの九割を占めておったわけであります。
#120
○岡本委員 そこでお聞きしたいのですが、あなたのほうの指導通達の中に、「有機塩素系殺虫剤で今後使用しないものについては、化学的処理によって処分することが困難なので病害虫防除員等(当該農薬が毒物または劇物である場合には毒物劇物取扱責任者)の指導を受け、小規模な単位で埋没等の処分を行なうよう指導に努めること。」こういう通達がありますけれども、これはどういうようにしなさい、――おそらく毒物及び劇物取締法の施行令の四十条の五号に基づいた処理の方法であろうと思うのですけれども、こういうことははたして末端において行なうことができるのかどうか、農家あるいはまた農協においてこういうことができるかどうか。これについての検討はなさったのでございますか。
#121
○中野政府委員 ただいまおっしゃいましたような通達を出しまして、現在地方農政局、都道府県を通じて末端にそれを守るように知らせておるところでございますが、これは先ほどお読みになりましたように、地下一メートル以上のところに、しかも、地下水に影響のないようなところに埋めるということでございます。農家に徹底いたしますれば、できるというふうに考えております。
#122
○岡本委員 農家におきまして、地下水がどういう流動をしておるか、どういうように地下水が流れて、そして浄水場あるいはまた井戸水に流れていくかというようなこまかいところの計算、あるいはまた調査はできましょうか。
#123
○中野政府委員 学問的にやるような地下水の調査というのは、もちろん私も無理だと思いますけれども、現場現場で農家も大体においては承知しておるのではないかというふうに、まず前提として思います。
 もう一つは、指導する病害虫防除員、これは大体各村に三人くらいおりますし、それから農業改良普及員にもこの趣旨を徹底しまして、普及員も指導するということで、十分農家の相談に乗ってやるということでやっていきたいと考えております。
#124
○岡本委員 それはあなた、実情を把握していないと私は思うのです。農業改良普及員あるいはまたそうした指導員というものは、こういう作物を植えたらいいとか、あるいはこういう病害虫にはこういう薬がいいとか、あるいは農耕についてのそうした指導はできます。私は現実に当たってまいりましたけれども、どこの地下水がどういうように流れて、どういう影響があるというような計算は全然できません。したがって、こういう指示をいただきましても、どうやっていいかわからないというのが現状なんです。ですから、もう少し親切なあなたのほうの通達でなければ、私は毒物、劇物の類の毒物、毒性を持ったところのBHC、この処分について、そうしたいいかげんなことをやっておりますと、二次公害、あるいはまた別のわけのわからないところの病気が出てくる。したがって、もっと適切な完全な方法をとらなければならない。おそらくこのままでいきますと、使っちゃえ、あとは大体七千トンから八千トンくらいのものだから使っちゃえというようなことにならざるを得ない、こういうように私は思うわけですが、また現実に私はずっと歩いて聞いてみると、この農林省通達ではどうしようもない、こう言っておる。これであなたのほうは完全にいけるという、農政局長、確信はありますか。現地に当たってごらんになったのですか、それについて。
#125
○中野政府委員 全国あちこちでそういう問題が、起きまして、そうして何ともしようがないから何とかしょうという話につきましては、まだ県なり、地方農政局から農林省に参っておりません。ただ、いまの通達だけで確信が持てるかと言われますと、それはこのままほっておくだけでは、私もいいとは考えておりません。いまのような御注意もございましたので、なお、もっと具体的にどうやればいいかということも考えまして、いずれ四月になりますと、新しい改正法が施行になりますので、もう少し注意ができますれば、できるようなことを考えてまいりたいと思います。
#126
○岡本委員 あなた、現在このBHCの入った農薬が各県でどういうようになっておるかということを御存じですか。
#127
○中野政府委員 先般改正法の普及といいましょうか、そういうことをやりますために、全国で植物防疫の協議会というものをやりました。その際にBHC、DDTについて都道府県のとっておる措置を全部聴取したわけでございますが、県によりまして若干取り扱い方が違っております。
 安全使用基準を徹底させるということを当時きめておりました県が三県、それから県で大体防除基準をつくっておりますところが、全国みなそうでございますが、その中で防除基準の中からBHCを使わないほうがいいということで削除した県が十八県、それから販売店に販売を自粛することを要請した県が六県、それから販売店から県経済連に回収しました――と言いましても、これは県庁所在地に全部集めたというわけではございませんが、各単協に集めておりますのが十一県、それから農家の手持ちまで回収しましたのが四県、こういう実情になっております。
#128
○岡本委員 この有機塩素系の農薬、特にBHCの入った農薬について、厚生省の薬務局はどういう処分をしたらよいのか、これらについて、ひとつ答弁をいただきたい。
#129
○武藤政府委員 先生が先ほどお話しになりましたように、政令の四十条で廃棄の方法が一号から五号まで書いてあります。この方法によって処理すべきだと思いますが、具体的には、先生があげられました埋没方法等も一つの方法であろうかと考えております。
#130
○岡本委員 そこで武藤さん、埋没しますと、地下水に影響いたしまして、そして井戸水にこういう毒性が流れてくるのですよ。だから、結論としては、この条文から見ましても、どうやっていいかということがはっきりしていないのですね。要するに、このあとの毒性の問題を考え、それから影響することを――地下水に流れて、そしてその付近に汚染が起こるということを考えない、こうしたところのあなたのほうのいまの言い分だと私は思うのです。
 そこで、農政局長さん、こういった通達だけではほんとうに当を得ていない、どうしていいかわからない、先ほど言いましたように。しかも、各県の状態というものは、あなたは少し聞いているような状態ですけれども、兵庫県なんかをぼくが調べますと、全部BHCの農薬はメーカーに引き取らしてあるのです。九十一トンあるのです。昨年全部これを引き取らしたのですけれども、そういうこともできるわけです。あぶない、こんな非常に健康に有害な、そういうものを土壌に埋めて、あるいはかってに処分しなさいというようなことでは、これはほんとうに国のやることではないと思うのですよ。
 もう一つ、聞くところによると、このBHCの使用については、一年間許可するというような報道が出ているわけですね。まあ一年間で使ってしまえというような考えじゃないか。しかも、こういうふうにBHCについては認めるのじゃないかというような報道が出ておるわけですが、こういうことを二十六日の閣議で正式決定をしようというような報道があるのです。これは間違いですか。
#131
○中野政府委員 もしそういう報道があるとしますれば、これは全く間違いでございます。昨日閣議で政令をきめましたのは、先ほど申し上げました指定農薬、指定の薬をきめたわけでございます。その中にBHCをきめております。それと同時に、そのきめましたBHCを何に使うかということを農林省令できめるわけでございますが、その点につきましては、先般資材審議会に諮問をいたしまして、その使い方等の御意見をいただいたわけでございますが、代替農薬のあるものはすぐにやめろ、それから代替農薬がないものについては至急それを開発して、すぐにでもできれば――すぐといいますのはちょっとあれでございますが、でき次第早く中止をしろ、こういう御答申をいただきました。その結果、農林省としていま腹づもりをいたしておりますのは、林業のスギタマバエとマツクイムシについて、いまBHCを使いませんと駆除ができません。しかも、片一方では林野庁のほうを中心にしまして、代替農薬をいま開発中で、もう少ししたらめどがつくわけでございます。そこで先般農林大臣は、予算委員会におきまして、そのめどは大体半年かそこらではないかと思うということを申されたわけでございまして、五月から施行いたします今度の基準によりますと、林業についてのみ暫定的にBHCを使うということにしたいということでございます。
 なお、その使い方といたしましては、酪農地帯なり、あるいは人家の密集地帯は使わせないようにするということの条件までつけました上で暫定的に使う、こういうことでございまして、全般についてもう一年延ばすということは絶対ございません。
#132
○岡本委員 そうしますと、あなたのいまお答えになったのと、それからこの通達、「小規模な単位で埋没等の処分を行なうよう指導に努めること。」ということと、意見が違うのです。あなたの通達では、そういうものは全部小規模な単位でどんどん埋めていけ、しかも地下一メートルくらいのところへ埋めろ、こういう通達なんです。これは四十六年二月二十七日にあなたが出しているのですよ。これは農政局長と畜産局長と蚕糸園芸局長と林野庁長官で出している。この通達の五のところ、片一方では埋めてしまえというようなこと、それから片一方では、いまのあなたの答弁によると、マツクイムシなんか使うんだ、こういう話です。そうすると私はちょっとこの通達が納得できない。
 そこで、それを一々言うてもしかたがないから、農家にあるのを一ところに、農協あるいはそういうところに集めなければならぬじゃないか。そして林野に使うんだったらそれを林野に回すとか、各農家にあるやつを林野に使うということは、なかなかむずかしいですよ。あるんだから使ってしまえということになるにきまっている。そうするといつまでたっても牛乳の被害者は厚生省ですよ。私はあれから牛乳を飲まぬのですよ、どうも気持ちが悪くて。ですから、もっとはっきりした通達を出すとか、あるいはまたはっきりしたところの使用というものを出さなければならぬ。もう一ぺん言いますけれども、こういう通達を出したあとで、今度はもう一ぺんきめて、また使用基準を、要するに野菜やあるいは稲には使わないのだといっても、それはちょっとおかしいのじゃないかと私は思うのですけれども、その点について……。
#133
○中野政府委員 ちょっとおことばを返して恐縮ですけれども、この通達全般といたしましては、この二月二十七日の通達では稲と野菜に使うな、それから林地、果樹につきましては、こういうものを使う場合は、家畜や家畜の飼料作物が汚染されないよう十分注意をするというようなことを書いておりまして、五番目には、「今後使用しないものについては、」ということを書いておるわけでございます。いま先生のおっしゃいますように、この五だけお読みいただきましても、「今後使用しないもの」、特に今度のBHCについては稲専用のBHCの製剤がありまして、これはほかには使えませんので、そういう今後使用しないものについては地中に埋めろということをいたしたわけでございまして、通達としては矛盾はないというふうに私は思っておるわけでございます。
#134
○岡本委員 そうすると、稲専用と野菜専用と二つあるというのでしょうけれども、私は大体同じものを使っていると思うのです。だから、野菜の分とそれから稲の分と、これはぼくは行ってみましたら分けては別に使ってないですよ。小規模なものを埋没してしまえというのであれば、その小規模なところから二次公害が起こるわけですから、それは一ところに、農協なら農協に集めてしまう。確かに農家で山を持っている、林業もやっている、それから農業もやっている、こういうのなら使い分けはできますよ。ところが水田、こういうものと野菜だけしかつくっていなかったら、林業に回せといったってどうして回しますか、現実のところをいいますと。そうしたきめのこまかい配慮ができていない、ぼくはこういうふうに言っているのです。ですから、個々の農家にあるものを使われては困るんだから、それを農協に引き取るとか、あるいはまたどこかに保管するような方法をきめて、そしてこれは林業に使うなら林業に使うとか、こういうようにしなければ、使用してはならない、使用してはならないとあっても、置いてあれば使うにきまっているじゃありませんか。地下に埋没せい、埋没すると二次公害が起こる、そうした配慮がこの通達から見てはっきりしていないと私は思うのですが、この点について……。
#135
○中野政府委員 文面そのものは、あるいは簡単なものですからそういう誤解があるかと思いますけれども、こういう基本的な考え方で末端のその場その場で具体的な指導をしてもらうというのがこの趣旨でございます。ただ、いまお話をるる伺っておりまして、私、先ほど申し上げましたように、今度法改正の施行と同時に、もう一度この点についてはもう少し詳しく調べまして、どういうふうに取り扱うかということは具体的な指示をしたいと思います。
#136
○岡本委員 そこで、もしも地中に埋めるならば、コンクリートのますをつくるとか、そういうような完全なことをしなければならない。そうすることは、なかなか農家ではできない。そうであるならば、これは埋めるというようなことをやめて、私の提案したいことは、埋めるということをやめて、そして林業に回すなら林業に回せるようなルートに乗せるような配慮が必要ではないか、こういうように思うのですが、どうですか。
#137
○中野政府委員 先ほど申し上げましたように、基本的にはBHCは全面禁止をしたいと考えておりますが、先ほど申し上げたマツクイムシ等にきく薬がいまありませんので、若干の間使うということにしております。林業で使うのは林野庁の調べによりますと約三百トン程度です。それ以外はもう使わない、要らないということになるわけでございますので、回収して林業に回すというほどの量でもございません。そこでこれは化学的に焼いてしまって、何とか無毒化できれば一番よろしいわけですが、まだそういう方法がないわけです。そういう段階で村のものを全部一カ所に集めましても、これは大きな穴を掘って埋めなければならぬという問題も起こってきましょうし、私の考えでは、個々の農家やあるいは部落単位で、そういう小規模な単位で埋めたほうが一番いいのではないかと考えます。
 なお、先ほどコンクリート等を地中にということをおっしゃいましたが、ただいままでのわれわれのデータによりますと、BHCはなかなか水に溶けにくいわけでございまして、土壌中で大体微生物によって分解をされるということになっております。過去の調査によりましても、またことしになりまして、去年林野にBHCをまいたところの水を収集して農薬検査所でも検査したわけでございますが、それほど残留はしておりませんので、地中に埋めるということで、特に地下水にどんどん流れてしまうようなところを避ければ、大体私たちはだいじょうぶじゃないかというふうに考えております。
#138
○岡本委員 だから、結局マツクイムシなんかに使うのは三百トンですよ。残っているのが七千五百トンくらい残っているのです。それをあちこちどんどん埋めたら、これはもういまでもこうやって農薬に使われたらいろいろな公害が起こっているのに、やはり何とかこれを集めて――私は学者の意見もよく聞きました。そういうところに埋めるというのは非常に危険だ、こういうように言っております。これは必要なところはどこかといいますと、一つは南方あるいは後進国でマラリアの多いところ、そういうような蚊のおるところ、東南アジアあたりまだ使えるわけです。今度政府がこれから五年後にGNPの一%すなわち金額にすると一兆四千億ですよ。こんな大きな何といいますか、経済援助をするのですから、そういうところにでも回すように外務省とも相談をするくらいのやり方をやらなければならぬと私は思うのです。いまあるところのこの農薬、要するにBHCその他含めて大体七千五百トンとして六億円、これに対して、一億くらいかけても、こうした国民の健康を守るという配慮をすれば使うところは何とかできてくるのです。いまのような、簡単にきめてしまって、そして国民にその被害を及ぼして知らぬ顔しているという、農林省のその基本的な態度、これに私は国民とともに憤りを感ぜざるを得ない。これについてひとつあなたのほうでもう少しはっきりした態度をとってもらいたい。それについていかがですか。
#139
○中野政府委員 輸出の問題でございますけれども、一昨年の暮れにもう製造を中止しておりますので、そんなに大々的に輸出するということはございません。それからアメリカあるいはフランス、ドイツ、日本も今回そうでございますが、大体禁止の方向にいっておるものですから、それを東南アジアその他に輸出するということはいかがかという気も私はいたしますけれども、これは政府が輸出するわけではございませんので、実態を調べてみますと、最近はほとんど輸出はとまっております。
#140
○岡本委員 ぼくの提案というより、これは学者の意見ですけれども、そうすると、しかたがないからあちこちに埋めて、そして地下水をよごす、そして井戸水を飲んだその付近の農家の方が、それによって被害を受けてもかまわない、そういうような考え方ですか。それについて、いいかげんに考えていますけれども、牛乳にもこれだけ出てきておる。まだ地下水にどれだけ入ってくるかわからない。そういうことを考えると、ほんとうに完全な手を打たなければならぬと私は思うのですがね。まだ厚生省の薬務局でも、はっきりした処分方法はきまっていない。早急に両省で検討して、そしてはっきりした態度をとる、こういうように考えられますか。それともいいかげんにやっておいて、いまの通達でしまいだというように考えておるのか、この点について最後に。
#141
○中野政府委員 農林省といたしまして、いいかげんにやっておくつもりはございません。先ほどからるる申し上げておりますように、地中に埋めるという場合にも地下水の影響をなるべく避けるようにいたさせまして、それをもう少し具体的に、どういうふうにして指導を徹底させるかということは、先ほども何度も繰り返しましたように、今度の指示によりまして十分にやってみたいと思っております。
#142
○武藤政府委員 厚生省といたしましても、国民の保健衛生上の見地から、多量の危険な農薬につきまして処理をするにつきましては、農林省と十分打ち合わせて問題のないようにいたしたい、かように考えます。
#143
○岡本委員 この問題は、ほんとうはメーカーに引き取らして、もう一ぺんやり直すとかすればいいのですよ。ところが、なかなかメーカーのほうから――要するに先ほども話があったが企業癒着、そういうように考えざるを得ない。そういうことでなければ、ひとつはっきりした処分方法を指示していく、実験もする、こういうようなところのはっきりした、末端において迷わないところのやり方をしなければならぬ。こういうように私は指摘、要求をしておきます。
 そこで、あまり時間がありませんから先に進みます。先般私どもは大阪湾の汚染調査をいたしました。そうしますと神崎川の河口におきましては、ヘドロをとって調べてみますと、総水銀が四六九PPM、それから鉛が九四・一PPM、カドミウムが六・三PPM、総クロムが、これは一八〇PPM、こういうような大きな結果が出たわけです。この神崎川の両岸には御承知のように大阪と、それから兵庫県、この両方に会社があって、そしてどんどんきたないものを流しているわけです。しかも、悪臭が非常にきつい。また強酸がすごく出ておる。また硫化水素が非常に発生しておる。いよいよ悪臭防止法が出されておるわけでありますが、この大阪湾をきれいにするためには、どうしてもこうした河川をきれいにしなければならぬ。それについての対策は、河川管理者であるところの建設省のほうからひとつお答え願いたい。
#144
○宮崎説明員 お答えいたします。河川管理者といたしましては、やはり非常に有機物質の多い汚泥物質が堆積しておりますので、下流部につきまして昭和三十四年から汚泥のしゅんせつを実施してまいっております。現在もずっと実施しておりまして、現在までに約百四十万立方メートルの汚泥しゅんせつを実施しております。一通りは終わりましたのですけれども、再調査いたしまして、また引き続き実施していくように予定しております。これによってかなり悪臭の発生はなくなるのじゃないかというふうに期待しております。
#145
○岡本委員 この両岸の主婦たちは、もう黙っておられないというわけで、自分たちでこの工場周辺の廃液をとったり、あるいはリトマス試験紙を浸してまつ赤になって変色を来たしておるものを訴えたり、非常に市民運動が起こりつつあるわけです。三十四年から実施しているということは私もわかっておりますけれども、非常にテンポがのろいというのか、あるいはまた適切でないのか。あるいはもう一つは河川管理者として、たしか二十九条でしたか、ありましたように、両岸の排出してくるところの汚水対策に対するところの強力な意見を述べないのか。いつまでたってもこれは解決しないわけですよ。もう少し年次計画を立て、通産省あるいはまた厚生省にも――御承知のようにこの両岸には製薬工場があり、あるいはいろいろな工場があるわけですから、これは各省にまたがっているわけです。それに対してもっと強力にやらなければならぬ。それから各工場の排出物の出ているところのいろいろの試験をあなたのほうでやっているのかどうか。出口をとめなければ、何ぼ河川を改修したところでいつまでたってもきれいにならない。それがひいては大阪湾の大きな汚染を来たしておる。もう少し事の重大性を考えて、ひとつ手を打ってもらわなければならぬと私は思うのですが、いかがですか。
#146
○宮崎説明員 御承知のように、私ども河川法を所管する立場からですと、いまの排水規制につきましては、川の立場から勧告なり要請する立場でございます。直接排水のほうの基準は、それぞれの所管のほうで実施しているわけです。それで私どもとしましては、二年前に大阪、兵庫県のほうの要請もありまして、近畿地方建設局が中心になりまして、神崎川の汚濁防止対策協議会を設置しまして、その対策を調査し、どういう対策を実施するか、そこが中心になっていままで対策を立ててきている。それでそれに基づいていまの汚泥しゅんせつなり規制なりを、計画的に実施してきているという段階でございます。
#147
○岡本委員 どうもしかし手ぬるい。それは所管が違うからといって――あなたのほうは河川管理者で、よごされるのは被害者みたいなものだけれども、硫化水素が出ているところはどこの工場ですか。そういうところまで調べておりますか。
#148
○宮崎説明員 ちょっといまのところデータを持ち合わせておりませんので、よく存じておりません。調べればすぐわかるものでございますが……。
#149
○岡本委員 そうやって、一つ一つ押えて点検をして――大阪湾に流れている川で一番きたない川になっているのです。しかもぼくらはこの中へもぐってみた。そうすると中はものすごいヘドロで一ぱい、こういうやつがどんどん大阪湾をよごしているわけですよ。きょうは時間もありませんから、ひとつがっちりした浄化対策、これを要求しておきます。あとどういうようにしてこれをきれいにしていくかということをぼくのほうに報告をもらいたい。これをひとつ要求しておきます。
 もう時間がありませんが、次に同じく大阪湾の汚染の一つの原因になっておりますのが西宮市の六湛寺川、久寿川、この河口もデータを見ますと、一つ一つ言っておればあれですから、言いませんが、この二つの改修計画について、どういうように四十六年度から実施するようにするか、建設省の久保下水道課長に伺いたい。
  〔島本委員長代理退席、始関委員長代理着席〕
#150
○久保説明員 お答えいたします。
 西宮地域にございます先生御指摘の六湛寺川及び久寿川、二つの排水路でございますが、これにつきましては、西宮市のほうから四十六年度の新規事業として都市下水路の改修をしたいという要望が建設省のほうに出ておりますが、これにつきましては、現在その採択について検討中でございまして、これは市のほうの都市計画事業として実施をするものでございますので、都市計画の諸手続を済まして実施する方向で検討しておるところでございます。
#151
○岡本委員 建設省としては一応計画の中に入れようというので検討しておる、こういうように考えていいわけですね。
#152
○久保説明員 そのとおりでございます。
#153
○岡本委員 あと古寺さんがいますので、私は最後にもう一点だけ、農林省がちょうど来ておりますから、兵庫県の淡路島に大日川ダムという農林省の農業かんがい用のダムがあるわけです。このダムをつくるときには町も四分の一の負担金を出しておるわけです。この農業用水はいま全然使われていない。こういうものを飲料水不足、あるいはまたここはよく病気の起きるところでありますから、いい飲料水を送ってやらないと住民の健康に問題がある、こういうふうに考えております。こういう農業用のかんがい用水のダムは全国にたくさんある。群馬県にもありました。これを飲料水に使う、こういうことをやるためにはどういうような処置をしなければならないのか。またこれは可能なのかどうか。これについて農林省の住吉参事官から伺いたい。
#154
○住吉説明員 農業目的で築造いたしましたダムでございましても、ただいまお話のございましたように、社会経済事情の変化に応じまして余剰水ができてまいりました場合には、本来の農業用水を確保するということが第一でございますが、農業用の施設の本来の使用目的に妨げがないという限度におきまして、地元受益者との協議がととのいました場合には、水資源の効率的な活用という面から多目的に使用することは差しつかえないものと一般的に考えております。
#155
○岡本委員 最後に、厚生省のほうにはこの話が来ておりますか。それからどういうようにこれを農林省のほうに交渉をし使用することができるようにするか、それについてひとつお答え願いたいと思います。
#156
○浦田政府委員 農業用のダムでございましても、その使途を変更して上水道水源として使うことは可能でございます。これは水道法の認可をとるという手続は必要でございますが、必要な手続をとりました上は、財政的な措置についても十分配慮してまいりたいと思っております。
 なお、農林省とは横の事務的な連絡で足りるかと思っております。
#157
○岡本委員 私が各所を回りまして、群馬県にもこういうものがありました。あっちにもこっちにもある。農業用のかんがい用水のためにつくったダムだからこれは使えないのだといって遊ばしておくところがずいぶんあった。これは厚生省と農林省と両方で協議して、こうして減反問題も起きてきたわけですから、水不足のおりからいい水はどんどん飲料水にも使っていけるようなやり方をとっていただきたい。お互いになわ張り争いでやっておっては住民が困る、私はこういうことを申し添えて要求しておきます。終わります。
#158
○始関委員長代理 古寺君。
#159
○古寺委員 最初に厚生省にお尋ねいたしますが、BHCの残留許容量の基準の設定の見通しについてお答えを願いたいと思います。
#160
○浦田政府委員 牛乳中の残留BHCの許容量あるいは安全基準と申しますか、これの設定の作業につきましては、目下国立衛生試験所で最後の詰めをやっておる段階でございます。顕微鏡的な検索を各臓器につきまして受けておる、その取りまとめをしておる段階でございます。したがいまして、あとの事務手続きその他考えますと、おおむね五月――多少作業がおくれておるわけでございますが、本年五月を目標として設定いたしたいというふうに考えております。
#161
○古寺委員 その場合に、何PPMくらいを考えているか、それからベータBHCについてはどういうふうに考えているか、お答えを願いたいと思います。
#162
○浦田政府委員 何PPMにするかという点につきましては、私ども、いまのところ、特にどのようにといったような特定の前もっての考え方は持っておりません。あくまでも国立衛生試験所におきます試験の結果、また専門家の意見を尊重いたしまして考えていくべきものと考えております。またいわゆるBHC全部についての許容量という考えにするか、あるいは問題になっておりますベータあるいはガンマというふうに各異性体別にきめていくかということにつきましても、いまのところ事務当局として方針を持っておるわけではございません。
#163
○古寺委員 国連のFAOとWHOの合同委員会の勧告が出ております。これによりますと、ガンマBHCで〇・〇〇四になっておりますね。こういうような一定の水準というのはございますが、これよりも低い基準をきめるおつもりですか。それとも高い基準をきめるおつもりですか。
#164
○浦田政府委員 御指摘のガンマBHCに対するWHOで一応示されております数値は、たしか〇・〇〇八であると記憶しております。これは一応の基準ということで、正式にWHOがこれを採択して勧告しているというものではございません。
 またベータBHCにつきましては、まだ世界的に基準が設定されていない。これはおそらくは日本のBHC使用の状況あるいはBHCの性状というものに関連がございまして、日本だけとは申しませんが、日本で特に重要な問題になっておるわけでございまして、この点について日本はどうしても独自の立場からベータBHCの安全許容量をきめる必要があるということで、先ほどお答えいたしましたように、目下その準備を国立衛生試験所で進めているところでございます。
 これと、先ほど申しましたWHOあるいはFAOの〇・〇〇八というものをどのように解釈するかということもあわせまして、いずれ衛生試験所の検査成績を、専門家の意見も聞きまして、その上で設定するべきものであるというふうに考えます。
#165
○古寺委員 一九六八年の国連のFAOとWHOの合同委員会の勧告した牛乳の実用残留限界というものは、ガンマBHCは〇・〇〇四PPM、DDTが〇・〇五PPM、ディルドリンが〇・〇〇五PPMになっておりますが、どうですか。
  〔始関委員長代理退席、岡本委員長代理着席〕
#166
○浦田政府委員 お答えいたします。
 それは時点が違っておりまして、一九七〇年の四月、ローマにおきまする第七回のFAO及びWHOの合同食品規格委員会で採択されたところによりますと、私が先ほど申しましたように、牛乳中のBHCの量、残存限度といたしまして示されている数字が〇・〇〇八ということでございまして、食い違いがあるわけではないと考えております。
#167
○古寺委員 私が申し上げているのは実用残留限界を申し上げているわけですから、そういう限界に基づいた基準の設定のしかたというものを考えていかなければならないと思うのです。それは当然厚生省はそういうことを考えるべきだと私は思うので、いま申し上げているわけでございます。
 それから現在各地で母乳から、おかあさんのおっぱいからBHCがたくさん検出をされております。WHOの基準を越えているものもあります。そういう場合に、厚生省は母乳に対する対策はどういうふうにお考えですか。
#168
○浦田政府委員 これは児童家庭局のほうの所管になっていることでございますが、いずれにいたしましても母乳中にBHCが残存しておる、あるいは検出されたということは重大問題でございますので、目下児童家庭局におきましては、そのような実態の調査を進めるとともに、万一そのような事実が発見されました場合には、適宜母乳の保育を中止させて安全な内容の栄養、たとえば調整粉乳その他に切りかえるといったような指導並びに調査を現在実施中であると承知しております。
#169
○古寺委員 一年間に百八十万人も赤ちゃんが生まれるわけですね。百八十万人のおかあさんがいらっしゃる。東京の北区で調べたデータによっても、こういうふうにみな基準を上回っているわけです。そういうことに対して厚生省は一体どういう措置をいたしておりますか。
#170
○浦田政府委員 所管でございませんので、いさいは承知いたしておりませんが、先ほどお答えいたしましたように、実態調査並びにそういったような事実が発見された場合には、母乳による保育を中止させるといったような指導並びに調査を実施しておるというふうに承知しております。
#171
○古寺委員 きょうは大臣がいらっしゃらないので、大臣がいらっしゃればいいのですが、そういうおかあさんのおっぱいの分析というのは、なかなか自分から進んでやる方というのはいらっしゃらない。しかも、その百八十万人のおかあさんのおっぱいの分析なんというのは、容易なことではございません。そういうことについて、やはり厚生省はもっと積極的に検討して考えなければいけないのじゃないか、こういうふうに私は思いますので、担当の局のほうにその旨をひとつお話ししていただきたい。
#172
○浦田政府委員 いままでも、私どもも局長会議その他で、この問題について児童家庭局を中心として、真剣に取り組んでいくということにつきましては承知しておりますが、いまなお、今後一そうその点についての強化拡充をはかるように、担当の局長、大臣に御報告しておきます。
#173
○古寺委員 厚生省は、BHC牛乳の受乳拒否の通達というものを出しておりますね。これは、内容はどういうふうになっておりますか。
#174
○浦田政府委員 さきに三月四日付をもちまして、環境衛生局長名でもって、都道府県及び指定都市、知事並びに市長あてで通知をいたしておりますが、その中身は、BHCの牛乳中における残存量が、昨年その減少方を指導してまいりました後、かなり効果をあげまして、減っておるのではございますが、なお一部に依然として残存が認められ、また地域的にもかなりの格差があるということで、さらに減少方を促進するべく通知したものでございます。
 その中身といたしましては、まず牛乳検査を強化する。これは特に問題のあります府県においては少なくとも月一回牛乳検査をしてその結果を報告しろ。それから、ただ単に生乳についてだけでなくて、直接消費者が接触する牛乳、いわゆる市乳につきましても、これを調査の対象として検査を強化しろ。
 また、いわゆる自主検査と申しまして、牛乳処理業者などに対しまして、その生乳あるいは製品等の自主的な検査を励行させる、そしていわばそういった処理業者の立場から残留量の減少しないものは受け入れを拒否するといったような措置をとることによって、さらに農家の、あるいは牛を飼育している方々へのこの問題に対する関心を高め、さらに農薬の使用について十分に御留意願うということをねらったわけであります。
 また、生産者等末端への指導を徹底する。ただ単に、役所の机の上だけで終わらせるということではこういった問題は徹底いたしませんので、第一線において十分に農家の方々、あるいは関係者の方々にこの趣旨が徹底するように格段の努力をするように、保健所あるいは農林局との情報の交換、連絡ということを指導して、具体的な効果があがるように通知したものでございます。
#175
○古寺委員 その場合に、この受乳拒否がたくさん起こりますというと、北海道あるいは青森、東北、こういうような酪農が盛んな地域は経営上支障を来たすのではないか、こういうふうに思うわけですが、それに対する対策を農林省はどういうふうにお考えでしょうか。
#176
○加賀山政府委員 担当局の局長あるいは参事官を呼んでおりますが、まだ参っておりませんので、私が概括的にお答えいたしますが……
#177
○古寺委員 それじゃ、おいでになってからでけっこうです。
 では農林省にお伺いしますが、今度のこの農薬の規制の中には有機燐系の農薬は入っておりませんが、これはどういうわけですか。
#178
○中野政府委員 ただいまのわれわれの認識では、有機燐系は残留性の問題はあまりないということで、今度の指定には入れておりません。
#179
○古寺委員 残留性がないという証拠がどこにありますか、どういう試験を農林省はやっておりますか。
#180
○中野政府委員 残留性の問題につきましては、農林省のほうの農林水産技術会議のほうで四十二年から四十五年度まで相当な作物につきまして調査をしておりますけれども、作物に残留いたしましてその有機燐系の農薬が食品衛生法にひっかかるような許容量を越えるというようなことはないわけでございます。それから厚生省のほうの食品衛生法に基づきます許容量もまだきまっておりませんので、ただいま申し上げたように、現在ではそういう認識をしておるということでございます。
#181
○古寺委員 実際問題として、外国の文献を見ても、はっきり残留性というもののデータが出ているわけですね。こういう事実がありながら、許容基準がきまっていないからというので、これを除外しておく。そうしますと、こういうBHCの問題のように、取り返しのつかないような事態にならないうちはその規制をしないことになるわけです。現実にもう目が見えなくなるとか、いろいろなそういう患者が全国的に発生しているわけでしょう。そういう有機燐に対してなぜ規制しようとしないのか、その点についてもう一ぺんお伺いします。
  〔岡本委員長代理退席、島本委員長代理着席〕
#182
○中野政府委員 ただいまも申し上げましたように、今度の農薬取締法の改正によりますと、作物残留性のものにつきましては食品衛生法で定められる許容量を越える場合は、これは人畜に被害があるわけでございますので、その許容量の範囲内にとめるためにいろいろ指定農薬制度を設けたわけでございます。まだ有機燐系についてはそういう許容量もありませんし、われわれも残留性についてはいろいろ追及しておりますが、それが人畜にどういうふうに被害があるかということは、これは農林省専管ではなかなかわかりません。厚生省等の御意見を伺った上で、そういう農薬の登録をするなり、指定をするわけでございますが、ただいまのところ、そういう具体的に指定しなければというところまで考えていないわけでございます。今後の研究、検討にまたなければならない問題だと考えております。
#183
○古寺委員 それでは、厚生省の見解を承ります。
#184
○浦田政府委員 有機燐剤等の、ことに野菜等に対しまする残留量の調査を実施しておりまして、逐次それの基準量をきめていくという作業がただいま続行中でございます。
 それから、BHCの残留許容量の問題と現在の農家の生乳の残留量の関係でございますが、非常に作業がおくれておりまして、許容量の決定の結論はもうしばらく時間がほしいわけでございますが、現在までは農林省ともこの点十分に協議し、連絡いたしまして、実態もつかみ、指導でもってその減少対策を進めてきているところでございまして、私どもは現在まである程度はその指導の効果はあがっているというふうに考えております。
#185
○古寺委員 厚生省にお伺いしますが、チップとか、パラチオンとか、メチルパラチオンというのは昭和四十四年の十二月で廃止をされておりますが、メチルジメトンあるいはエチルチオメトン、こういう毒性が非常に強いものがまだ廃止になっておりません。これはどういう理由でございますか。
#186
○武藤政府委員 二月の政令改正のときに、先生の御指摘の点は全部政令から削除いたしました。
#187
○古寺委員 そこで、農林省にもう一回お尋ねするのですが、わが国の農薬の使用量というものは、諸外国に比べて非常にばく大な量になっております。この使用量を外国並みに引き下げる、そういう指導を今後おやりになる考えをお持ちでございますか。
#188
○中野政府委員 ただいまお話しのように、日本は集約農業をやってございますので、世界的に見ましても農薬の使用量は多いわけでございます。アメリカの七倍程度にもなっておりまして、ヘクタール当たり十二キロということになっております。これは基本的にはやはり零細農業経営というものを規模を拡大しまして、もう少し農薬も少なくても済むような農業ということは当然前提として考えなければなりませんけれども、やはりすでに日本の農業では、農薬というものが農業生産のためには欠くべからざる資材になっておるということでございますので、これをほとんどなくしてしまうということは私はむずかしいのではないかと思います。
 そこで、今度の農薬取締法の改正を機会といたしまして、農業生産の安定と同時に人の健康、生活環境の保全ということも考えまして、むしろ後者のほうに重点を置いた取り締まり法という考え方でこれから厳正な実施をはかりたいということを考えておるわけでございます。
#189
○古寺委員 畜産局長さんいらっしゃいますか。――先ほどの質問の要旨はおわかりでございますか。――それじゃ御答弁をお願いします。
#190
○斎藤説明員 局長が来られませんので、私でもってごかんべんいただきます。
 先生御質問の、もし今後BHCの程度の高いものが生産者から出ました場合に、メーカー等でもって受乳拒否というようなことが起こるのではないかということに対してどう考えておるかというお話でございますが、御案内のとおり、昨年来私ども、厚生省のほうの御意見も承って、それなりに努力を払ってまいりました。漸次BHCの濃度というものも下がってまいっておるわけでございます。さらにBHCの全体の製造の中止というようなことがございまして、さらに今回の農薬取締法の改正等に伴いまして、従来私ども一応稲わらというものが汚染源だということで、これを重点にしていたわけでございますが、それ以外の野菜等につきましてもこれから規制をしていくという形になっておりますので、これは仮定の問題で、あるいはおしかりを受けるかもしれませんが、非常に濃度の高いものというものはまず今後は一般的には出てこないということで、これらに対しまして受乳拒否というような実際の事態が起こることは、まずあまりないというぐあいに私どもとしては期待をしておるわけでございまして、特にその辺のところにつきましては、検査体制その他のいろいろな問題がございます。これらの整備とあわせまして、さらに慎重に検討いたしまして誤りないようにしていきたい、こう考えております。
#191
○古寺委員 どうも農林省の考え方は、私は甘いと思うのです。分解するのに大体十二年もかかるのでしょう。農薬がたくさん残留しておるわけでしょう。しかも、今度のあなた方の考え方をお聞きしますと、林業に関しては使用するわけです。そうしますと、牧草その他は全部汚染されますよ。それでも減少いたしますか。そういう受乳拒否が起きて日本の酪農がだめになって、外国から乳製品をたくさん輸入しようという考え方じゃないのですか。どうですか。
#192
○斎藤説明員 ただいまの林野については、一応当面の間は確かにBHCの使用、特別のものがございまして、BHCが人体に害がないというものについてはやむを得ないということで時期を限り、かつ区域をなるべく限定をいたしましてまくということでございまして、ただいま先生おっしゃいました、乳牛等のえさになるようなものの牧草その他等々と近接したところでは、絶対にこれを使用しないということでやられるということでございますので、林野の関係から私どものほうへそういうようなものが流れてくるということはこれからは皆無になるというぐあいに了解しております。
 さらに、そういうことで汚染が非常にひどくなってくれば、日本の牛乳が全部そういうことで飲用にたえないということになって外国から入れるのではないか、こういうお話でございますけれども、そういうことは全くございませんで、先生御案内のとおり、私どもといたしましては、いわゆる総合農政の中で牛乳政策というものに重点を一つ置いておるわけでございまして、さらに米作の転換ということからくる生産調整の中でも、畜産、ことに牛乳、酪農というものを中心に組み込んでおるわけでございまして、現在そういう考え方は全くございません。
#193
○古寺委員 考えようによっては、そういう事態が発生しないとも限らないわけです。おかあさんのおっぱいからは農薬がどんどん検出される。もうおっぱいはいけないんで、牛乳を飲ませなければならぬ。牛乳はみんな農薬で汚染されている。しかも、あっちこっちでは奇形児が生まれる。目の見えない人が出てくる。もういろいろな問題が発生してきますよ。その原因はどこにあるかといったら、農林省の農薬行政でしょう。それが非常に考え方が甘いのです。そういうことで、今度は一方では三頭か四頭の乳牛を飼って、借金ぐるみで働いている零細農家がみんなつぶれていくではありませんか。一方では国民をモルモットがわりにして、一方では農家をつぶしていく。あなたこういう農業政策がございますか。今後こういう点に対してどういう方向で農林省は進んでいくのか、もう一ぺん農政局長から御答弁願います。
#194
○中野政府委員 はなはだきついおしかりをこうむっておるわけでございますが、従来食糧増産の時代には、確かに薬効を中心にした農薬行政だったと思います。しかし、ここ数年の広い意味の公害問題として、農薬の問題が取り上げられてから、われわれ行政的にはいろいろな指導をとってきたわけでございますが、特に昨年暮れの公害国会におきます農薬取締法の改正によりまして、登録の際に、残留性その他で問題になるのは登録しない。それからすでに登録したものにつきましても、登録取り消し要件による農林大臣の登録の取り消しをやるということにいたしております。それに伴いまして、販売の制限、禁止もいたします。また先ほどから何度か申し上げましたように、指定農薬制度をとりまして、用途を限り、使用基準をきめて使用させるけれども、それ以外は農家に罰則までかけて使用を禁止するということ等も講じておりますので、そういう観点から厳正な実施をしますれば、先ほど御心配になりましたようなことは解消するんじゃないかと私は考えておるわけでございます。
#195
○古寺委員 時間がないので次に移りますが、農林省は全国の鉱山関係あるいはそういう製錬所等の公害、重金属による汚染、そういうものの調査は昭和四十五年度におきましては何カ所ぐらいやっておられますか。
#196
○加賀山政府委員 ただいまのお尋ねでございますけれども、重金属関係の全国の鉱山、製錬所の調査は、農林省といたしましては四十五年度に二十三カ所、それから四十六年度に行なわるべき約二十カ所について、急ぎまして予備調査ということで、四十五年度内に着手いたしておりますので、両方を加えますと四十三ということに相なります。ただ、四十六年度分の二十カ所につきましては、さらに四十六年度におきましてその本調査に入る、そういうようになっております。
#197
○古寺委員 厚生省は、指定重金属汚染河川については、何カ所何カ所調査をやっておりますか。
#198
○曾根田政府委員 ただいま具体的な手持ちの資料を持っておりませんので、個所数ははっきり承知しておりませんが、水銀あるいはカドミウム等につきまして、本年度も総点検としていろいろ調査を実施したところでありますが、特に水銀につきましては、河川調査、これはずっと継続的にやってまいる予定でございまして、来年度におきましても引き続き調査を進める考えでございます。
#199
○古寺委員 農林省は、この二十三カ所の調査をしたデータはいつ発表するのですか。
#200
○加賀山政府委員 お答えいたします。
 二十三カ所の調査結果につきましては、できるだけ早い時期に発表いたしたいと思っておりますが、内容が米と土壌と水という関係になっておりますので、できればそれがみんなそろってからというふうに考えておりますことが一つございます。それからばらばらと発表いたしますと、いろいろ問題がございますし、ただいま御質問のございました厚生省のほうでも総点検的な健康調査と相なっておりますので、公害対策本部を中心にいたしまして、連絡をしながら近い将来発表いたしたいと思っております。
#201
○古寺委員 どうもそういうやり方はおかしいと思うのですよ。もう分析の結果が出ているわけでしょう。それを早く地元の人に教えてあげませんと、地元の人は不安で困るのです。そういう不安を解消してあげようという気持ちが毛頭ないじゃありませんか。山形県の米沢市に八谷鉱山というものがあります。この小樽川流域というところに私は行きまして、お米や土壌を三十点持ってきました。そして分析しました。そうしたら玄米で最高が一・二七PPM出ているのですよ。〇・四PPM以上のものが十三点ある。ですから、三十点取ったうちで半分が〇・四PPM以上ということなんです。しかも私はそこの住民の尿もいただいてきて分析しました。カドミウムが出ているじゃないですか。そういうふうに住民が被害を受け、また今後の農作にいろいろ関係がある問題について、そういう調査の結果が出ているにもかかわらず、まとめてからごっそり発表します、それでは何のために調査しているのかわからないです。私は十一月に行ったんです。農林省でも十一月の四日に行っているのです。厚生省も十一月四日に行っているのです。国の機関が、われわれみたいなしろうとが行って、ちゃんと分析して結果が出ているのに、なぜいままで発表しないのか。きょうおたくのほうで分析した結果を発表してくださいよ、厚生省も農林省も。
#202
○曾根田政府委員 本年度の総点検の結果につきましては、実は私どものほうの調査の集計が一番おくれておりまして、そういうことでたいへん申しわけなく思っておりますが、ただ、実はこの調査は昨年の十月に各都道府県に指示をいたしまして、年内つまり昨年内に調査を全部終え、そして本年二月末までに本省に結果を報告するという手続でございましたところ、かなり規模の大きい調査でございました関係で、現在のところまだ全体の半分以下しか私どものほうに届けられておりません。しかし、先生いま御指摘のように、現実に結果が出ておる県もあるわけでございますし、これ以上あまりおくらせてもいかがかと思いまして、私どものほうの調査は現在までに集計されておる部分だけをとりあえず中間報告の形で、他省庁の報告と合わせてできるだけ早く発表いたしたいと考えておりますので、もうしばらく時間をかしていただきたいと思います。
#203
○加賀山政府委員 ただいま厚生省のほうからお答えございましたけれども、私のほうも決してその発表を故意におくらせているわけではありません。かなり集まってまいってはおりますけれども、私のほうは水というものと、どろというものと関係いたしますし、特に米とどろとの相関性も土壌汚染防止法の運営上必要でございますので、できればそういうものがまとまったところでと思っておりましたが、ただいま御指摘のように、非常に重大な問題でございますので、厚生省とも連絡をいたしまして、できるだけ早い時期に発表をいたしたいと思っております。
#204
○古寺委員 それでは、もう一回お尋ねしますが、農林省は青森県ではどことどこを調査したか、それから厚生省では青森県のどことどこを調査しているか、それをお尋ねします。
#205
○加賀山政府委員 ただいま手元にその一覧表がございませんので、必要でございますれば後ほど青森県の調査いたしました鉱山につきまして、資料を提出したいと思います。
#206
○曾根田政府委員 青森県につきましては、大坪川流域の上北鉱山でございますが、岩木川流域の尾太鉱山、八戸地域は八戸製錬所を調査対象にいたしております。
#207
○古寺委員 こういう重大な問題を、こちらが発表しないうちは絶対発表せぬ、こういうのがいままでの態度でございますね。だから今後はこういう問題についてはできるだけ早く地元の人に教えてあげて、そうして安心していただくなり、あるいは今後のいろいろな問題を検討しなければいけないと思うのです。現実に病人が出て苦しんでおられる、そういうものを放置しておくということは非常にいけないことですので、今後そういう点には十二分に留意をして、わかり次第データは発表していただきたいと思うのです。
 そこで、通産省にお尋ねしますが、こういうふうに汚染の問題が起きている鉱山に対しては、どういう指導、規制をやっておりますか。
#208
○莊政府委員 重金属関係の鉱山は全国で多数ございますが、その中で特にカドミに縁の深い亜鉛鉱山等が約五十五ございます。これと亜鉛及び銅の製錬所が二十五程度ございます。これらには特に重点を置きまして、鉱山保安法に基づきまして年大体四回平均の割合で立ち入り検査及び改善命令の発動というふうなことに特に力を入れてやっておるところでございます。
#209
○古寺委員 その排水の状態はどうでございますか。
#210
○莊政府委員 全般的に近年非常に改善されてきたものと私どもは見ております。排出基準、環境基準ともに水の関係では重金属関係は基準を相当に下回る状態に最近至っております。お尋ねのございました尾富鉱業の八谷鉱山、これにつきましても、粉じん検査をいたしております。現在のところ、基準をかなり下回る成績をあげておる状況でございます。
#211
○古寺委員 どうもこれも基準を下回る、下回ると言いますけれども、私どもが実際に水をとってやってみると、基準をオーバーしているわけです。特に農林省なんかでもよくこの調査をなさいますが、土地改良をやって、新しくなったたんぼから土壌をとって分析しているのですよ。私たちは何十年も汚染されたところを選んでやるわけです。数値が違います。そうしますと、公明党がやっているのは、あれはうそだなんて言っている、とんでもない話です。ですから、この的確な調査というものをやって、そして住民の立場に立った対策というものを今後講じていただきたい、こういうふうに要望いたしまして、きょうの質問を終わります。趣。島本委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後二時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト