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1970/04/13 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 産業公害対策特別委員会 第9号
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1970/04/13 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 産業公害対策特別委員会 第9号

#1
第065回国会 産業公害対策特別委員会 第9号
昭和四十六年四月十三日(火曜日)
    午前十一時二分開議
 出席委員
   委員長 小林 信一君
   理事 始関 伊平君 理事 古川 丈吉君
   理事 山本 幸雄君 理事 島本 虎三君
   理事 岡本 富夫君
      木部 佳昭君    中島源太郎君
      葉梨 信行君    浜田 幸一君
      林  義郎君    松本 十郎君
      阿部未喜男君    古寺  宏君
      西田 八郎君    米原  昶君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 内田 常雄君
 出席政府委員
        内閣官房内閣審
        議官      城戸 謙次君
        経済企画庁審議
        官       西川  喬君
        厚生省環境衛生
        局長      浦田 純一君
        厚生省環境衛生
        局公害部長   曾根田郁夫君
        厚生省薬務局長 武藤g一郎君
        農林省畜産局長 増田  久君
        通商産業省公害
        保安局長    莊   清君
 委員外の出席者
        水産庁長官官房
        調査官     竹原 幸吉君
        労働省労働基準
        局安全衛生部長 北川 俊夫君
        建設省河川局次
        長       角田 正経君
    ―――――――――――――
三月三十一日
 公害に係る健康被害の救済に関する陳情書(近
 畿二府六県議会議長会代表京都府議会議長檀嘉
 次外七名)(第一三九号)
 東京都多摩地区のカドミウム公害対策に関する
 陳情書(カドミウム公害対策連絡協議会長府中
 市議会議長市川次郎)(第一八〇号)
 産業公害防止対策の拡充強化に関する陳情書
 (大竹市議会議長大井清蔵)(第一八一号)
 自然保護基本法の早期制定に関する陳情書(宮
 崎県市議会議長会長宮崎市議会議長鈴木荒利)
 (第一八二号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 悪臭防止法案(内閣提出第九〇号)
     ――――◇―――――
#2
○小林委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の悪臭防止法案、及び特定工場における公害防止組織の整備に関する法律案、細谷治嘉君外七名提出の環境保全基本法案、細谷治嘉君外八名提出の公害に係る被害の救済に関する特別措置法案、及び公害紛争処理法案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。林義郎君。
#3
○林(義)委員 本日、たくさんの法案が議題になっております。私は、先ほどの理事会の決定に従いまして、悪臭防止法案につきまして質疑をいたしたいと思います。
 私は、まず悪臭防止法案に入る前に、厚生大臣来ておられますのでお尋ねをしたいと思うのですが、公害関係立法十四法案が昨年の十二月の臨時国会で成立いたしました。本来ならば、この悪臭防止法案も、そのときにおいて審議されるべきような性格の法案だと私は思うのでございますが、この法案がおくれた点につきまして、どういうふうな形でおくれたのか、その点について厚生大臣でもけっこうでございますし、また事務当局でもけっこうでございますから、御説明をいただきたいと思います。
#4
○内田国務大臣 大体、三つほどあるように私は考えております。
 一つは、この前の臨時国会にはたくさんの公害関係法律案を出しました関係上、法案の準備能力というものに限界がございまして、この法律案を出そうとしたときには臨時国会の会期の関係その他で時間的に十分な御審議をいただく余裕がなかった、こういうことが一つでございます。
 それからもう一つは、それに先立って、そもそも悪臭というようなものは大気汚染とか水質汚濁などとともに、もう公害対策基本法できめられた典型公害の一つでございますから、昨年の臨時国会を待つまでもなく、できたならばさらにさきに出すべきであったというふうに私ども考えてもおりましたけれども、悪臭防止についての基準の設定というようなこと、あるいは防止に関する技術的な問題というようなものが片づいていない。そこまでこの問題に対する技術の進歩が見られていないというような環境のもとに法律だけを無理に出しましても、法律の執行がなかなかできないのではないかという良心的な面も実はございまして、これの着手もそもそもおくれておったのが第二の理由だと思います。
 それから第三点は、これは今国会に出すことになりましてからも問題として残ったところでございますけれども、この悪臭の規制の主体を、悪臭発生源等が存在する地域を管轄する市町村の責任、市町村の仕事にすべきか、あるいはまたさらに一段高い見地から都道府県知事にすべきかというような点につきましても議論がございまして、それらの調整にも手間取る問題がございましたので今国会に譲った、こういうふうに私は考えております。
#5
○林(義)委員 もう一つ、この議論に入る前に基本的にお尋ねしたいのですが、こういった悪臭防止法案につきましても、最後のところを見ますと、いろいろと罰則の規定が書いてある。大気汚染防止法につきましてもそうでございますし、水質汚濁防止法につきましても罰則の規定がある。実は、どこまでが罰則がかかり、どこまでが罰則がかからないという問題につきましては、これは都道府県知事がいろいろ規制基準をきめる、また総理府令、厚生省令というようなかっこうでいろいろと基準をきめられる、その基準をきめられたところに基づいてやるということでございます。私は、その法律のたてまえの問題としまして、立法政策の問題として一つ考えていかなくちゃいかぬのは、こういった行政府にまかされたようなこの基準に基づいて罰則がかかり、また罰則がかからないというような問題というのは、立法論の問題としてはやはり非常に問題があるのではないだろうか。罰則をかけるということであるならば、やはり相当具体的にその基準内容というものを書いておかなくちゃいけない。それをきめるのが国会の仕事だろうと私は思うのです。
 そういった意味におきまして、これは先国会十四法案が出まして、私もそのときにいろいろと考えてみたのですが、当面の問題としては、何といったところで公害防止対策というものを緊急に進めていく必要がある。何としてでもそういういろいろな対策を立てる、いろいろな公害排除施設をつくっていく、また基準をつくっていくということが第一であろうということで、緊急的な問題としては私はいいだろうと思うのです。純粋に法律論的に考えていくということも、私はやはり問題があるのではないだろうかと思っておる。こういった形でこの悪臭防止法案ができてまいりますと、その次にやらなければならないのはおそらく無過失賠償責任の問題だろうと思います。こういったような問題をいろいろとやっていくにあたりまして、やはりもう一ぺん将来の段階において、法律体系を全般的にもっと見直すような機会をつくっていかなくちゃいかぬのじゃないだろうかという私は気がするのです。この辺につきまして内田厚生大臣、一体どういうふうにお考えになっておられるか、聞きたいと思います。
#6
○内田国務大臣 まことにごもっともな御意見であると存じます。ここ数年の間に、公害に対する国民の意識、また政治の意識が非常に高揚されてまいったのに相対応いたしまして、各種の公害源に対処し、あるいは公害物質をとらえまして、いわば歴史的、経過的にいろいろの法律がつくられた、あるいはまた改正された面がございますこと、御指摘のとおりでございますし、また無過失責任に関する法体系につきましても、なお検討の分野が残されておりますことも御承知のとおりでございます。幸いこの国会に環境庁の設置法案を提案をさしていただいておりますが、この環境庁というものは、ひとり厚生省的見地ばかりでなしに、また公害発生源を担当する各省の見地ばかりでなしに、より高い、より広い、より総合的な見地から公害問題についての政策をきめ、調整もいたすことを目的とする役所になりますので、こういうものができたのを機会といたしまして、いままでの公害関係の法律、制度その他基準などの取り扱い、また処理についての国、地方公共団体等との関係につきましても、さらに縦、横総合的に見直す機会が当然与えられることになりますし、そのようにいたしたいと考えております。
#7
○林(義)委員 若干厚生大臣のお話は遠回しのお話でございます。私は、将来におきまして、やはり全般の体系は、もう一ぺん再検討していくという余地があるのだというふうに了解いたしたいのでございますが、それはそれにいたしまして、この法案につきまして少し聞いてみたいと思います。
 まず、簡単なことですが、二条の定義のところで「政令で定めるもの」というのがあります。この辺につきましてどういう物質を考えているわけですか、お尋ねしたいと思います。
#8
○曾根田政府委員 第二条の「悪臭物質」といたしましてただいま考えておりますのは、一応この法律では、例示といたしましてアンモニア、メチルメルカプタンを書いてございますが、大体私ども関係各省と事務的に話し合いまして、全部で十三の物質を一応考えております。
 これを大きく分けますと硫黄系の化合物、それから窒素系の化合物、それから炭化水素、脂肪族化合物、大体その四つになろうかと思います。
 硫黄系の化合物について申し上げますと、ここにございますメチルメルカプタンのほかに、エチルメルカプタン、それからジメチルサルファイド、ジエチルサルファイド、それから硫化水素、大体この五つを考えております。
 それから窒素系の化合物につきましては、この例示のアンモニアのほかにメチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、全部で四つ考えております。
 炭化水素の系統といたしましては、一応ブチレンを考えております。
 それから脂肪族化合物といたしましては酪酸、アセトン、アクロレイン、この三つで、全部で十三種類でございます。
#9
○林(義)委員 いまそういうふうに非常にむずかしいトリメチルアミンとか、ブチレンとか、非常にたくさん名前が出ました。私はやはりこれは政令で書くのですから、物質を非常にはっきりしなければいかぬ。ところが一般の国民、私たちも含めてそうですけれども、ジメチルサルファイドがどんなものかどうかということは、はっきりわからないというのが私は実情だと思うのです。確かに政令で書くのですから、いかめしい形で書かなければいかぬのだけれども、やはり国民に広く言うときにはもう少しわかりやすい名前で説明をしていただきたい。たとえばシメチルサルファイドは腐ったキャベツのにおいであるとかというふうに言えば、あああのにおいかということがわかるわけでありますから、政令で書くときには、あるいは腐ったキャベツのにおいと書くわけにはいかぬだろうと思うのですが、やはり一般に説明するときにはそういうふうな形をぜひとっていただきたい。先ほど申しましたように、この法律のたてまえとして行政府にまかしてある、行政府が何をやっているのか国民にはさっぱりわからない。あるときに行政府に行けばこう言われた、あるときにはこうだったということがないようにすることが、私一つの行政の国民に与えるところの親切だと思うのです。そういう親切な行政というものをほんとうにやっていかなければならぬ。公害の問題というものは、私は、そういった水の中でいろいろなものがある、それから大気の中で亜硫酸ガスが発生する云々という問題ももちろんたいへんなことでございますけれども、一つにはやはり国民がほんとうに満足するかどうかというところに一番大きな問題があるだろうと思うのです。そういった点をぜひ考えてひとつやっていただきたい、またそういった形でのいろいろな指導もぜひやっていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 ところで、この第三条に(規制地域)というのがございます。(規制地域)の中で「住居が集合している地域」というふうな表現があるのです。この定義の問題でございますけれども、「住居の集合」ということばは、どのくらいのことをいうのか。二軒であっても住居の集合ということになるであろうし、そういった形で解釈をするのかどうか。この「集合」ということばをどういうふうにとらえたらいいか、その辺、御説明をいただきたいと思います。
#10
○曾根田政府委員 これは騒音規制法でも同じような地域のとらえ方をしておるのでございますが、具体的にどの程度、たとえばおおむね何軒程度住居が集合しておるかということについて、私ども具体的にこれ以上でなければならぬ――やはり社会通念上、ある程度の人の集団的生活がそこにおいて営まれ、そしてやはり地域的な公害が問題になるに足りるような集団生活が営まれておればという程度の意味でございまして、そういう具体的な指定は、そういったことから知事が市町村長の意見を聞いて指定するということでございます。あくまでそこにおける集団生活で地域的な悪臭というふうなものが当該地域の問題として意識される程度の広がりであればいいのではないかというふうに考えております。
#11
○林(義)委員 そういたしますと、集合というこの概念は、前に書いてあるところの「生活環境を保全するため悪臭を防止する必要がある」というところの範囲によっていろいろ変わってくる。したがって、たとえば五軒の家があって、非常にひどいにおいがあるという場合にも、これはやはり集合という形の概念の中に入るのだ、こういうことでもあるし、また逆なことを言いますと、千軒の家がある、ところがにおいの程度が非常に薄いということであればこの中には入らない、こういうふうな運用をされるということでございますか。その辺を知事にまかせるということになっても、知事としても、お隣の県ではこうだったけれどもどうだこうだということになると、非常にやりにくいだろうと私は思うのです。やはりある程度何か知事に対する指示とかなんとかいうことをされないと、法律の解釈論としても非常に困った問題になるのじゃないかと思うのです。
#12
○曾根田政府委員 先生がおっしゃいましたように、市町村の具体的な自然的条件等によって多少の指定にあたっての差が生ずることもあるいはやむを得ないし、またそれが実情に合っていると考えられることもあろうかと思います。ただ全くの野放しでは、都道府県知事が実際に指定するにあたって非常に困るではないかという点はごもっともでございますので、私どもやはり法律施行の際に十分その辺は指導してまいりたいと思いますけれども、ここで具体的に何軒程度でなければならぬということより、むしろもっと弾力的に考えまして、知事さんが生活環境を守る上において、この程度の地域的広がりと申しますか、住居の集合状況ということで自由に判断できる、たてまえとしてはそういうふうに運用することが適当ではないかというふうに考えております。
#13
○林(義)委員 私はむしろ、「住居が集合している地域」云々という概念がここに書いてあるのですけれども、やはり悪臭に対してどの程度まで住民一般が不快感を持っているか、たとえば千人の人のうち、九百人までが不快感を持っているというときにはやらなければならぬでしょうし、千人の中で、たとえば二十人ぐらいしか不快感を持っていない、あとの人はいいのだというときには、むしろやらなくてもいいというような運用をされるのか。その辺は全く知事にまかせるといったって、知事さんとしては、法律にこういうふうに書いてあれば、やはり地域として指定しなければならぬのじゃないかという理屈になってくると思うのです。その辺は、私はあとでにおいの問題で質問したいと思うのですけれども、においというのは、わりと主観的な要素というものが私はあるのだろうと思うのです。そういった点からしまして、その辺の運用というものをどういうふうにしてやっていかれるのかということを、むしろお尋ねしたいということであります。
#14
○曾根田政府委員 ただいま御指摘のように、悪臭というのは非常に感覚的なものでございますし、またそういう意味で非常に地域性の強い公害でございますから、たとえば漁港地帯において、一般の地域よりも魚臭についての感覚がにぶいといいますか、そういったものについての悪臭のとらえ方が多少違うということも指摘されておりますけれども、そういう意味で、ある地域では公害として意識されない、したがって、地域指定は行なわれないけれども、ある地域ではそれが公害として非常に問題になる、当然指定の対象になる、そういう地域的な差異があらわれるのは、この公害の性格からいってあるいは当然であろうかとも考えます。
#15
○林(義)委員 それではお尋ねします。
 四条に、規制基準をつくる、こういうことで書いてございます。規制基準のやり方は大気の問題と同じような「当該事業場の敷地の境界線の地表における規制基準」というものをつくって、その次に「排出口における規制基準」というものをつくり、さらには水の中における規制基準というものをつくる、こういうふうなたてまえになっておりますが、「総理府令で定める範囲内において」、こう書いてあるのです。一体この総理府令で定める範囲というのはどういうふうな総理府令というものをいま案として考えておられるのか、その辺について御説明いただきたいと思います。
#16
○曾根田政府委員 感覚に訴えるにおいの強さ、臭気度とも申しますけれども、これにつきましては諸外国等ですでに労働衛生上の臭気度あるいは一般環境上の臭気度、たとえば五段階あるいは六段階、そういう学説もございまして、私どもそういったものを参考にするわけでございますけれども、一応いま考えておりますのは、そういう臭気度、たとえば全然におわないという零度から、かすかににおう、それを一度としてとらえ、それで非常に健康にも影響を及ぼすような頭痛なり吐きけなり、そういった耐えられない不快というものを五度あるいは六度というふうにとらえるわけでございますけれども、その臭気度で、たとえば臭気度の二から臭気度の四とか、あるいは臭気度の一・五から臭気度の三、そういうふうにいわば上限と下限といいますか、騒音なんかでやっておりますような手法にならいまして、そういう範囲を一応定めまして、その臭気度一・五あるいは二、それから臭気度の四、範囲内で具体的にこの臭気度に見合った濃度というものを具体的な規制基準にするわけでございますけれども、その選択は各地方の実情にまかせる、そういう考え方でございます。ですから、一応ワクを総理府令できめて、その中における具体的な規制基準の数値の選択は当該地方の実態にまかせる、そういう考えでございます。
#17
○林(義)委員 いま臭気度の一から五まで、一から六までというお話がございましたけれども、そこをはかるところの基準の機械か何かあるのですか、それともそういったものにつきまして――なかなかこれはむずかしいと思うのです。曽根田公害部長さんが、これは非常にくさいと思っても、私がかいだらくさくないということがあるだろうと思うのです。私も、実は地元に漁港があるのです。漁港のところですから非常にくさいにおいを出しておる。そこのところに行きましてまわりの人に聞きますと、工場のすぐ近くの人に聞くと、全然においは感じません、ときどきはにおいを感じますと言うのですけれども、私たちが行ったらくさくてしょうがない。だから近所にいる人は、においに対してほとんど問題がない。ときどき風がさっと吹いてくると、平生においを感じていないようなところの人はたいへんくさいにおいでたまらぬということですね。そのときには、風の向きによって市役所にものすごく苦情が殺到する。市役所の保健所のほうではたいへんな苦情で電話にかかりっきりで応対にいとまがない、そういう実情になっておるわけです。においというものは、そういった個人的なものがある程度まであるだろうと思いますけれども、いま一から五まで、あるいは一から六までというお話がございましたが、そういったものを総理府令で定めるときに、もう少し具体的に定められるのかどうか、その辺を人によらないで機械か何かで定められるのかどうか、その辺を御説明いただきたいと思います。
#18
○曾根田政府委員 最終的な規制基準は、ここにも書いてございますように、濃度で、ですからPPBあるいはPPMという単位であらわすのでございますけれども、その前の臭気度につきまして、確かに先生おっしゃるように、においの感じ方が非常に主観的でございますから、人によって非常に強く不快と感ずる人と、それほど感じない人とあります。その点につきましては、平均的な臭気度といいますか、日本人の大体平均的な感じ方として、かすかなにおいとして感ずる臭気度が一である。それからこれはもうたまらないというのが四とか五とかいうふうにきめるわけでございまして、この場合は機械――臭気度そのものは機械ではなくて、あくまで人の臭覚にたよるわけでございますから、総理府令を定めるにあたりまして、そういう表をつくる際には、全国的にモニターを使いまして、その平均的なところで臭気度をつくるわけでございます。そして、それで臭気度が定められますと、その臭気度における悪臭物質の濃度というものは機械ではかるわけでございまして、これはもうすでにガスクロマトグラフィーその他の機器が開発されて、各おもな府県にもかなり整備されてございますので、臭気度の表ができますと、それぞれの臭気度に見合った悪臭物質の具体的な濃度は全部機械ではかる。そしてそれを総理府令で、濃度として何PPMから何PPMまでの範囲で具体的に規制基準を地方に選ばせる、そういうことになるわけでございます。物質によりましてはPPB単位になるものもあろうと思いますけれども、いずれにしてもその濃度は機械で測定し、それを規制値としてあらわすということであります。
#19
○林(義)委員 そういたしますと、総理府令できめるのはPPBまたはPPMで、たとえば先ほどお話がありましたメチルメルカプタンですか、それから、そのほかいろいろな物質について、濃度がこれこれであるというのを総理府令できめる。その中で六つくらいの単位をつくっていって、たとえばメチルメルカプタンであるならばPPM〇・一なら〇・一という形できめられて、それが一番目に当たります。それは非常にかすかな悪臭であるとかなんとかいうかっこうでの定め方をして、その上で今度実際に規制をするのは都道府県知事がやる、こういう形できめられるわけでございますか。
#20
○曾根田政府委員 御指摘のとおりでございます。
#21
○林(義)委員 そういたしますと、いまお話がありましたガスクロマトグラフィーの機械の問題でございます。一体この機械につきましてはどの程度までの誤差があるのですか。
#22
○曾根田政府委員 数%の誤差はやはり避けられないようでございます。
#23
○林(義)委員 数%の誤差というのは、上下数%ということでしょうけれども、五、六%……。そうしますと、PPBにいたしますと一〇PPBですか、一〇〇PPBくらいのものが出てくる、こういうことだろうと思うのです。そういたしますと、一〇から一〇〇の単位のPPBが出てくるということになると、そういった機械でやるならば、むしろPPBで定めるところの場合におきましては非常にむずかしい問題が出てくるのじゃないだろうか。機械というものはやはりPPMではかる場合の機械と、PPBではかる場合の機械と、これは機械としてはPPMではかる場合とPPBではかる場合と同じ誤差という形にいかないのじゃないかと思うのです。あるいは曽根田さんは事務屋ですから、どなたか技術屋さんの方がおられましたら、その辺を説明員の方でけっこうですから御説明いただきたいと思います。
#24
○曾根田政府委員 悪臭の濃度の測定は、先生ただいま御指摘のように、他の大気とかなんとかと違いまして、非常に低濃度で悪臭を発するという関係で、低濃度で測定するというむずかしさがあるわけでございますけれども、サンプルの大気、水を持ってきてはかるわけでございますけれども、最近そういったものを濃縮する技術が非常に進んでまいりまして、そういう濃縮あるいは希釈、そういった方向によりまして、非常に低濃度のものにつきましてもガスクロマトグラフィーで十分はかれるということになっておりますので、いま御懸念のようなことはあまり実際問題としてはないのではないか。まあ何がしかの誤差がございますけれども、中央で基準をつくります際には、それは十分何回も測定を重ねて万全を期してまいりたいと考えておりますので、その点は、少なくとも規制基準をつくる段階においてはそう心配はないのではないかというふうに考えております。
#25
○林(義)委員 いや、規制基準をつくる場合には私はいいと思うのです、総理府令や何かでつくる場合には。実際にはかるときに、そんなことでやはり非常に誤差というものが出てくるのではないか。特にこれを各県でおやりになる、そうすると、やはりそのガスクロマトグラフィーでも、なかなか実際の機械の運用ということになれば、機械のいじり方によっても私は相当な誤差が出てくるのではないだろうかという気がするのです。その辺で、私はその機械をどんな会社がつくっているのか知りませんけれども、機械の精度の問題もありますし、それからまた、実際にやるところの技術者の熟練度にもよるだろうと思うのです。その辺につきましても、やはりこれからいろいろと訓練をしていかなければならぬ。またそういった機械についても習熟もしていかなければならぬだろうと思うのです。ところが、残念なことを言いますと、実際はたして各都道府県に一人とか二人とかそういった形の専門家がおられるかどうか。私は正直なことを申しまして、それはノーと言ったほうが早いのではないかと思うのです。やはりそういった点につきましては、全国的な何か測定官みたいなものがあって、全国を回って歩くというようなことを考えていかないと、実際問題としてできないのではないか、こういうふうな気がいたしますが、その辺につきましてどういうふうに考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。
#26
○浦田政府委員 御指摘のように、ごく微量の物質を測定するということは、非常に技術的に困難な面が多かろうと思います。したがいまして、普通われわれがそういったものを測定する場合には、ただ一回の測定で終わるということはやっておりません。少なくとも十回あるいは二十回測定を重ねまして、それでその中から平均値を出していく。またそれに伴ってのいわゆる標準偏差、標準誤差というものを出しまして万全を期しておるわけであります。しかしながら、もちろん先生もおわかりのように、十回の測定が十回とも全部ぴたりと合うはずはございません。また一つは機械の問題もございます。機械は近ごろはかなり開発が進みまして、これは全国的に見た場合に、標準の機械を用いればほとんど問題はなかろうかと思います。問題は、むしろそういった測定基準なりあるいは方法だろうと思います。したがいまして、これらにつきましては、私どもとして、いまガスクロマトグラフィーその他の高度の測定機器は各県に少なくとも一台以上、またそれ以上増強するように各都道府県知事あてに要請もいたしておるところでございますし、機器の整備については補助金あるいは委託費その他でもってはかってきておるところでございますが、現在の測定技術者、これはやはり個々の物質、新しい問題が起こるたびにそれに伴う最新の測定技術、知識というものをあらためて与える、つまり中央に集めて講習会をするなり、あるいは地方に出ていって実地に指導するということが必要であろうと思うのです。これらにつきましては従来もやってきておりますけれども、今後もそれは強めていきたいと思います。また、相互の測定技術の練摩のために、お互いにサンプルを交換し合いまして、いわゆるクロスチェックをしていって、その後の技術の改善、標準化というものをやっていくというようなこともやっております。悪臭の問題につきましても、従来の経験からすれば、現在都道府県の衛生研究所を中心とする研究者の方々の技術を練摩していくと申しますか、新たにそういったものについて知識を与えていくことによって対処できるのではないかと思います。
#27
○林(義)委員 この着地濃度と申しますか、そういったところの濃度でございますと、いろいろはかるときに、たとえば具体的に、魚のかすを処分している工場があります。そういったところでも、やはりその日その日の大気の状態、気候の状態、大体私の地元では、魚かすを処理しているのは海岸の近所にあるのです。海岸の近所にありますから、海からの風の吹き方によっても相当違ってくるし、天気のかげんによってもだいぶ違ってくるのじゃないだろうか。そういったことがないのかあるのかどうもよくわかりませんけれども、いまお話がありましたように、十回とか二十回とか、そういたしますと、そのときの十回、二十回というのは、ある一日のある一時点をとって十回、二十回とおやりになるということなのか、あるいは一週間なら一週間ずっととって、雨の日とか曇りの日とか晴れの日をずっととっておやりになるのか、そういった点はどういうふうにして実際にやられるのか、この辺を御説明いただきたいと思います。
#28
○浦田政府委員 御指摘の点は、いわゆるサンプルのとり方だと思います。これらにつきましては専門家の意見も聞いて、標準的なものをきめていきたいと思います。
#29
○林(義)委員 専門家の意見を聞いて標準的なものをきめなければいけない、まさにそうでございますけれども、やはりその辺につきましては、全国一律の基準というものをはっきりつくっていただきたい。いまいろいろな公害問題でこちらのある研究所からこういうふうなものが出てくる。私も先般の公害委員会で御質問したことがあるのですけれども、いろいろな形でいろいろな試験結果をぱっぱっと発表されるということは、私は非常に住民を不安におとしいれるもとだと思うのです。やはり権威あるところの、公正な、また中立的な機関にそれを判断してもらわないといかぬのじゃないか。とかく非常に低い数字が出ると、何かおかしな検査をしたのじゃないか、おかしな日だけをとったのじゃないかという話がございますから、その辺についてはぜひはっきりした基準をつくっていただいて、そこだけについては介入の余地がないような基準というものをつくることがどうしても必要だと思うのです。そうでないと、いたずらに不平を招く、不満を招くということになるだろうと思うのです。たとえば大体曇りの日になりますと、においというものはずっと伝わってくるようでございます。大体人の感じとしても、何かそういった曇りの日というものは、わりと不快感を感じやすいのじゃないか。きょうのような晴れた日には、気分も爽快になって、臭気を感じないということがあるようでございます。そういった点をつかまえて、晴れの日だけやったのではしようがない、また曇りの日だけやったのでも私はいかぬだろうと思います。そういった点につきましてこまかな指導をしていただかなければいかぬだろうと思うのです。
 もう一つ申し上げるならば、そういったことまで実はしなければいかぬのが公害対策の一番大きな問題である。ところが大臣、そんなことはこの法律の中には一つも書いてないわけですね。一番大切なのは、先ほど申しましたように、そういったことを実際にはかるときにどうするのか、また実際にこの機械がどうだということがほんとうにはっきりするのが一番大切なことだと思うのです。この法律の中にこういう基本的な大ざっぱなことを書くよりも、実は現実に悪臭を感じている住民にとっては、そのことが一番大切だと思うのです。そういったことにつきましてもはっきりした基準というものをこれからつくっていかなければならぬ、これはやはり公害対策として非常に大きな問題だろうと私は考えているのでございます。そういったことをこれからぜひ積極的にやっていただきたい。近々環境庁も、国会で法案が可決されました場合にはできると思います。ぜひそういった点について精力的な御努力をしていただきたいと考えております。
 それから、実は五条に(市町村長の意見の聴取)という規定がございます。これは「市町村長の意見をきかなければならない。」ということでございますが、都道府県知事に対しては、この辺は聞かなければならない――これについて特別に、大体十分に尊重してやるということにしろとか、大体言ってきたならばそのとおりにやることにするのがあれだというような形での何か通達でも流されるのかどうか、その辺についてお尋ねしたいと思います。
#30
○曾根田政府委員 この点は、騒音規制法にも全く同文の規定がございまして、やはりこの悪臭公害につきまして、直接関係があり、また、実情を一番よく知っておるのが地元の市町村長でございますので、一応意見聴取を義務づけておるわけでございます。ですから、例外なくすべて地域指定、基準の設定の際は、市町村長に意見を聞かなければならないということでございます。
#31
○林(義)委員 市町村長はやる必要がない、――都道府県知事としては、どうもやる必要があるというような意見というのも出てくるだろうと思うのです。そのときにどうするかということですが、この辺は、意見を聞くだけであるのか、やはり実際には市町村長と協議をして話をしろというような形でやるのか、その辺につきまして御回答いただきたいと思います。
#32
○曾根田政府委員 この規定の趣旨は、あくまで当面第一線の責任者である市町村長の意見を尊重するようにという趣旨でございますので、当然市町村長の意見が原則的に尊重されるということになろうかと思います。
#33
○林(義)委員 八条に、(改善勧告及び改善命令)というのがございます。また、たびたび地元のことを出して恐縮でございますが、漁港でいろいろな魚を揚げる、魚を処理する、また、魚をいろいろなところに配送する、こういったのが漁港のいろいろな仕事でございますが、やはりその頭であるとか、あるいははらわたであるとかいうのを取り除いてやるということは、どうしても絶対必要な仕事だと思うのです。それをまた集めて再生加工する、魚かすにするとか、飼料にいたしますというようなことをやっていく産業というものは必要だろうと思います。ところが、それから悪臭が発生するというところで問題が出てくるわけでございますが、ここに書いています(改善勧告及び改善命令)の中には「施設の運用の改善、悪臭物質の排出防止設備の改良その他悪臭物質の排出を減少させるための措置をとるべきことを勧告することができる。」ということばがございますが、実はもうそういった工場は、魚かす工場、魚粉工場というものは、どこか遠くへ行ってくれという意見も住民の中から出ております。これはどこか移ったらいいではないか、移転費をあれしましょうというような話も実は出ておるのでございますが、その辺につきまして、改善勧告なり改善命令というような形の対象になるのかどうか。書いてありますのは、いまあるところの工場においてどうしろということでございまして、向こうへ行ってくれとかというような話についてはなるのかならないのか、その点は法律論としてはっきりしておいていただきたいと思います。
#34
○曾根田政府委員 法律論として申し上げますと、そこまでこの改善勧告は考えておりません。
#35
○林(義)委員 そういたしますと、そういった問題は、あとは都道府県知事なり市町村なりが、実際の行政運営として、また、話し合いの問題としてやるということで考えればよろしいということだと思いますが……。
#36
○曾根田政府委員 行政指導でいろいろお願いしなければならぬと思いますけれども、先生御指摘のこの魚腸骨処理場等につきましては、やはり基本的には、実態として非常に零細なものが多いわけでございますので、どうしても協業、集約化、そういった方向で、そのかわり十分な悪臭防除、除去設備等を備えさせるということではなかろうかと思います。で、最近公害防止事業団等に対しましても、そういう協業化のための融資の申し込みが、あるいは、事業団の直轄工事等の要請が非常に多くなっております。ですから、私どもも、事業団の業務内容を今後一そう強化することによって、そういった要請にこたえ、地元の悪臭問題の解決をはかってまいりたいというふうに考えております。
#37
○林(義)委員 もう一つ、これは逆の立場に立ってお話しを聞きたいのですが、実は悪臭の問題というのは、先ほどお話がありましたように、非常に薄いものであります。やっているほうの工場の方から言うと、なかなかそういったものを完全になくすための機械、技術、設備というものは実は開発されていない。装置としては非常に簡単な装置でありますが、非常に高い金がかかる。何かスウェーデンに何とかという機械があって、これはごく最近に東京かどっかでやはり魚かすの工場においてやっているけれども、実はあまりうまくいっていないという話も私は聞いておるのです。そういった点におきまして、いまの機械、設備の技術の観点からして、はたしてできるのかどうか。実際に悪臭をゼロなり非常にかすかな程度まで押えることが技術的にできるのかどうか。これはもう技術的にできるかどうかということ。それはもちろん、アポロを飛ばすようなことでやれば、これはアポロの中でやれば全部のものができる。ところが、そんなアポロを飛ばすほどの非常に高いものをやったのでは、これは実際問題として経済的にできない。経済的にできるような範囲において、しかも、そういったような機械、設備というものが現在のところあるのかどうか、その辺について御説明していただきたいのと、それから、やはりそういった点について政府が直接積極的に技術援助というものかあるいは研究開発についてやっていかなくちゃいかぬだろうと思うのです。これは特に零細企業者が非常に多いということでございまして、なかなかやろうと思ってもできないのが実情だろうと思うのです。やはりこういった法案を出して悪臭を防止していこうということであるならば、それができるような施設なりまた設備なりの開発というものを非常に急速にやっていくことがぜひとも必要だと思うのです。そういう点についてどういうふうになっているか、御説明いただきたいと思います。
#38
○曾根田政府委員 先生御指摘のように、悪臭のむずかしさというものは、他の大気等の汚染物質と違いまして、濃度でかりに五〇%カットしても、においが感覚に訴える強さが半分にならない。したがって、ほとんどもう九九%濃度の面ではカットしないと、実際問題として悪臭の解決にならないというところに基本的なむずかしさがあるわけでございます。ですから、悪臭の場合ももう完全除去といいますか、そういったことで考えなければいかぬ。その場合に、では、既存のプラントなりその他が十分開発されておるかというお尋ねでございますが、先ほどの魚腸骨の処理場等の過去の例から見ましても、率直にいいまして、失敗した例もございます。ただ、現在、東京都内で墨田区のほうに共同処理施設を建設中でございまして、これはかなり高度な機械も導入いたしまして、完全密閉のような方法で大いに期待されておるわけでございますけれども、問題は、それが資金的にも十分中小企業等の負担にたえ得るかどうかということだろうと思います。まあいますべての発生源について、完全な悪臭防止の設備が完成して確立されていないということは、まことに遺憾ながら認めざるを得ないのでございますけれども、この法律施行までにまだ時日もございますし、また、本法では、十六条、十七条等で国のそういった技術的な援助あるいは資金のあっせん等についての積極的な姿勢も示しておりますので、関係各省とも十分連絡をとりながら、そういった問題の開発、研究推進に努力いたしてまいりたいというふうに考えております。
#39
○林(義)委員 一方において法律では悪臭の防止のこういうふうな規制をいたします。ところが、工場はなかなかすぐできない。零細である。しかも、工場がやろうと思ったところで、実際に設備を持ってこようと思っても、なかなか実際に設備がないのだということになると、じゃ、一体何をしたらよろしいかということになるだろうと私は思います。大臣、やはりその点についてはこの法律は、一年施行は延びております。それからまた、従来あるところのものにつきましては、さらに一年間ほど勧告命令を出すというのがおくらしてあるわけです。いうならば、二年間というものは実際に改善命令を出すとか何とかというところまではいかない。それまでにいろいろやっていこうという御趣旨だろうと思うのです。しかしながら、そういう形でそれじゃあ二年間たったなら、はたしてできるかどうかということ、これはやはりやらなくちゃいかぬと思うのですね。私は実際問題としてたいへんなことだと思うのですけれども、確かにこういった法律をばっとつくって網をかけた。住民のほうとしては、その網があるからこうやっていかなければならぬ。一方の業者のほうとしてはどうするんだ。金は貸してもらえるかもしれぬけれども、金は貸してもらったけれども返済というものが非常にむずかしくなる。また、実際に機械を入れてみたところが、はたしてうまくいくかどうかわからぬ。こういうようなことでは、その業者としてはどうにもならないだろうと思うのですね。やはり体系としましては、ここにも小規模事業者につきましては特に配慮をするということを書いてありますけれども、基本的な考え方としてはやはり悪臭というものは除いていくという考え方だろうと思うのです。やはりそれにつきましては、小規模事業者について配慮するというだけのことでありまして、基本的な考え方としては悪臭を防止していくというのが基本的な考え方だろうと思うのです。防止していくためには、法律でもって規制をするというだけでは足りない。防止、除くような施設なり機械というものをぜひつくっていかなければならぬ、これはたいへんなことだと思うのです。なかなかいまできないという話でございます。大臣、一体これはどういうふうにされるおつもりですか。
#40
○内田国務大臣 私もおっしゃるとおりだろうと思います。でございますから、公害対策基本法には早くから典型公害の一つとして悪臭を、これも順序からいうと一番あとのほうにうたってはございますけれども、その具体的立法がなかなか技術的の自信も得られないというようなことでおくらしてきたということは、冒頭に申し上げたとおりでございますが、しかし、現実の公害問題としては、私どもは聞くところによりますと悪臭に対する住民の苦情というものが公害の課題のうちで一番数が多い、こういう次第でございます。しかし、またこの苦情は、大気汚染や水質汚濁とはやや趣きが違いまして、地域性が非常に濃厚でありますことも他の公害とは違った特性があるわけでございますが、そういう状況を見まするときに、この段階で悪臭については諸般の設備、防止措置等についての開発が十分進んでいないからということで、何らの法体系もつくらないで野放しにしておくということは、これまた適当ではないと存じます。
 この今回の法案を通じて、これはごく簡単な法律でございますが、ごらんいただけばわかりますように、たとえば基準違反に対しても直罰主義というようなことにはなっておりません。大気汚染、悪臭につきましては、先般の改正で、基準違反があれば勧告を待たずして基準違反の事実をとらえて直ちに罰則もかかりますが、これは勧告をして、勧告をきかない場合には改善命令を出して、それでもきかない場合に初めて罰則がかかるというような仕組み。しかも、その施行につきましては、二年なり一年なりというようなそこにアローアンスを置いておりまして、したがって、この法体系の苦心のあるところを示すわけでございます。ことにまた、中小企業に対する特別配慮規定でありますとか、またその間における国、その他の関係機関の協力、援助、技術の開発というようなことも、特に当然行政措置でやれば済むことを法律事項としてうたってありますのも、林さんが御指摘のようなこの間の事情を承知の上でこの法律案の中に取り入れておるわけでございますので、したがって、できないことを無理してやらせるわけにももちろんまいりませんけれども、法律の猶予期間の間には、少なくとも新しくそういう悪臭を発するような施設につきましては、手放しで設置するようなことはこれは押えてまいる効果もございましょうし、既存のものにつきましても、いま申し上げましたようないろいろのアローアンスの間におきまして、十分な措置をも講じまして対応策をとらざるを得ないという面が実は多多あることは申し上げるまでもございません。この法律ができましたとたんに、いまの悪臭の施設を直ちに他に転じてしまうとか、あるいは撲滅してしまえばいいんだということにはならない。そこに多少のもどかしさもあるわけでありますけれども、一つの方向を示しながら、地方団体も知事も、また業者も政府も、ともどもにこの法律の目的とする事項の達成に協力し努力してまいる、こういうことでございますから、ある意味におきましては倫理的な規定、訓示的な規定というようなものも随所に見られる、こういうわけでございますが、しかし、やはりこの程度のものでもあったほうがよろしい、この段階においてはあったほうがよろしい、こういうことで提出に踏み切った、こういう面がございます。運用におきましても、それらを含んで適切な運用をいたしてまいるほかないと私は思っております。
#41
○林(義)委員 においが出ますのは、魚の問題のほかにやはり鶏舎であるとか、豚小屋であるとかいうようなところにおいて出てきている、これは全く困る問題だろうと私は思うんですよ。住民からすると非常にけしからぬ。そういうやってない人からすると困る。ところが、鶏舎なり豚小屋をやっている人というようなことになると、これはほかに方法がなければ自分の生業をやめなくちゃならぬのじゃないか、こういうことにもなってくるわけでございます。そういう点の調整というのは、やはり大臣のお話で相協力してやるということですが、これはやはりどういうふうな形でか、これからルールづくりをしていかなければならぬのだろうと思う、はっきり申し上げて。ここまではやってもらいましょう、ここまではお互いにがまんしていきましょうというような話を具体的にしていかなければならぬのだろうと思う。それは各都道府県の情勢があるいは違うかもしれません。また市町村によって情勢が違うかもしれません。その辺は、やはり鶏舎がだいぶできてきているだろうと思いますから、二年間ほどございますから、その間にじっくりなにをして、いい指導方針とかなんとかいうものをつくっていかなければならぬ。これをこのままにしておいたり、県知事適当にやりなさいといわれても、県知事としても非常に困るのではないかと思いますが、大臣どうでしょう。
#42
○内田国務大臣 おっしゃるとおりでございます。でございますから、地方にまかせっぱなしということでもいけません。また、一面公害の問題は、中央だけが権限を握ったり基準をつくったりして、それを地方に押しつけるということも適当ではない。むしろ、地方即応の措置がとれるようにして、悪臭ばかりでなくて、既存の法体系においても権限の地方委譲等を行なうべきだという議論がありますので、それに即応した先般の改正をいたしましたこともすでに御承知のとおりでございますので、この悪臭防止法案のたてまえは市町村、都道府県、それから国、こういうことで積み上げてやってまいりますが、国は決して責任を地方に押しつけてよしとするものではございませんので、附則の改正にもございますように、環境庁の仕事の中にも取り入れますとともに、また地方には生活環境審議会でございますとか、あるいは地方公害審議会でございますとか、いまお話のような問題を取り上げて検討をいたしてまいる関係方面の識者を集めた機関もありますので、そういうところも活用いたしますし、地方におきましては、先般の改正で、公害対策基本法において地方公害審議会というようなものが市町村の段階まで必置制にもなりましたので、そういうところでもこの法律の趣旨を生かしてまいるようなことを今後一両年にわたりまして検討していただく面が多多あると私は思います。
 先ほど来申しますように、これで完ぺきで悪臭退治ができたというわけではございません。一つの考え方、方向を示しながら努力をいたしていくべき問題がたくさん残されていることは御説のとおりでございますので、そういうところを今後さらに努力してその問題に対処いたしてまいりたいと思います。
#43
○林(義)委員 いまもお話がありましたけれども、私はやはり地方の公害対策協議会、いろいろな審議会で話が実際問題として、たとえばこの鶏舎についてどういうふうな問題があって、どういうふうな形で処理をしていくかというケースがいろいろ出てくると思うのです。やはりそのケースをお互い同士ずっと知らして問題の解決を講ずるのだ。大体こういった行政というものは、ぴしゃっと書いてあって、役所がつうっと通達を出すという形ですから、私ははっきり申し上げて公害問題というものはなかなか解決できない。やはり判例法的な積み上げ、ケース・ケースの積み上げというものをやっていって、それで大体のルールというものができてくるのが大勢じゃないかと私は思うのです。特に悪臭の問題につきましては、そういった方法を考えられて、たとえば私のところの山口県下関市においてこういった工場があって、どういった程度のにおいがある、住民のほうからこういう反響があって、具体的にはこうした。あるいは今度は委員長の山梨県で、そういった問題でやはり鶏小屋についてこういうふうな処理をいたしました。こういったいろいろなケースがたくさんあるだろうと思うのです。やはりそれは住民感情もありますし、長年のいろいろな感情もありますから、はっきり申し上げて一がいにぴしゃっときめて一から十まではいかぬ、それから十一から上はいいとかいうようなものでないと私は思うのです。そこで、やっていくのは判例法的な積み上げをやっていくのが一番現実的な方法ではないだろうかと思いますが、そういった形で何か新しい方式の行政運営というものを少し考えていかないと、実際に住民に満足を与えるようなことにならない。単に、規則に書いてある、厚生省通達に書いてあるからいかぬとか、いいとか、厚生省通達に書いてあるからどうだとかといっても、これは始まらない話だと思うのです。そういった点のお互いの常識というか、そういったものを信頼してやっていくところに落ちつくのではないかと思います。そういった点の運用をぜひやっていただくことが必要ではないかと私は思います。あまり全部規則ずくめで書いていって、この場合はこうである、ああであるとかいう方法にはなり得ないのがこの悪臭の問題ではないだろうかという気が私はするのです。
 特に、先ほど来申し上げておりますように、ルールができてないということからいいますと、現実の処理の問題としてはそういうことになると思うのです。
 最後に、私は予定の時間が参りましたのでお尋ねしておきますが、第八条の第五項に、「小規模の事業者」に対しても「配慮する」という規定がございますが、この「小規模の事業者」というのはどの範囲のことをいうのかということと、それから「配慮する」というのは、どういう点につきましての配慮をするのかという点について御説明いただきたいと思います。
#44
○曾根田政府委員 「小規模の事業者」は、法文でも同じとらえ方をしておりますけれども、従業員何名以下等について実は具体的な数字による定義づけを特に考えてはおりません。中小企業の基本法によりますと、小規模事業として従業員二十人以下というような定義もございますけれども、これが一つの目安にはなろうかと思いますけれども、この辺はやはり当該事業の実態に応じまして弾力的な運用をはかってまいりたいというふうに考えております。
 それから「配慮」というものの具体的な中身でございますけれども、これは大きく言いますと二つあろうかと思います。一つは第一項または第二項の措置の内容について配慮すること、それからそれに伴うたとえば融資とか資金等の裏づけ、そういったものとの関連の配慮、大体その二つを考えておるわけでございます。
#45
○林(義)委員 そういたしますと、二十人以下の企業ではなくて、少なくとももう少し大きなところまでは考える、こういうことだということと、それから規制基準についても若干の甘いものをやるし、それから資金的な援助もいたしますし、こういうことだと思いますが、資金的な援助ということになりますと公害防止事業団、中小企業振興事業団その他のところからやると思いますが、そういったところから金を貸す場合について、なかなかむずかしい問題があります。実際に借りようと思ったところでなかなか借りられないというような問題が、地元ではたくさん出てきておりますから、その辺について十分な配慮をしていただきたい。それでないと、この法案をつくって、いたずらに紛争を招くだけのために法律をつくったというような形になってもいけませんし、私が先ほど申し上げていますように、いろいろな判例の積み上げをやっていくことも必要であるし、お互いの良識をもって問題を解決していくということを前提にして法律の運用というものはしていかなくちゃいけない。そういったときに中小企業振興事業団が、何か担保がないとどうであるとか、これはどうだとかいうことにつきましても、やはりその辺についてこそ十分な配慮をしていかなくちゃいかぬだろうと私は思うのです。その辺について、これはもちろん国の援助というようなかっこうのもので書いてありますけれども、きめこまかな対策というものをぜひやっていただきたい。これは大臣からぜひひとつ、そういった点について十分な配慮をいたしますし、政府としてこれをやるのだということを言っていただきたい。
#46
○内田国務大臣 条文にもせっかく載せておりますのは、林さんの要望されるようなことを、行政の具体的な面でも考えるべきだということで載せたわけでございますので、その趣旨が生きるように運用をいたさせたいと思います。
#47
○林(義)委員 最後にお尋ねいたしますけれども、この十二条、十三条に、(水路等における悪臭の防止)、(悪臭が生ずる物の焼却の禁止)ということが書いてあります。これは罰則がないわけですね。罰則がないものをわざわざこんなふうに麗々しく書くというのも、法律の体系としては何か非常におもしろい体系だと私は感じておったのです。これではいかぬということですが、具体的に非常に悪いということになると軽犯罪法か何かでひっかかるのか。法律上書いておいても何もひっかからぬぞということだと、相当ずうずうしいのは幾らでもやる、こういうことになるだろうと思うのです。こういった点は軽犯罪法、警察官のほうでどういうふうな取り扱いになるのか、その辺について御説明いただきたいと思います。
#48
○曾根田政府委員 ちょっと軽犯罪法の条文が手元にございませんので、おそらくならないのではないかと考えますが、その点は確認して後ほど御報告いたします。
 それから十二条、十三条の訓示規定でございますけれども、こういったことを設けましたことにつきましては、御指摘のような御意見もあろうかと思いますけれども、実はこの十二条、十三条でいっております「悪臭」は、定義いたしております「悪臭物質」とは関係なく、もっと広い意味で悪臭一般をとらえておるわけでございます。悪臭防止法といういわば悪臭に関する統一的立法化の際に、特定の悪臭物質の規制のみならず、悪臭全般についてそういった立場からこのような規定を置くのも、一つ意味があるのではないかという趣旨で実は規定したものでございます。
#49
○林(義)委員 その辺は、こういう規定があると、何か軽犯罪法の何条でしたか条文の規定で、それの具体的な案文ということでこれが出るように私は思ったのです。それがはっきりとその条文の解釈ということにはならないかもしれないけれども、具体的には、こういったことがあれば、警察のほうでも注意をするとかなんとかいうようなことになるのではないだろうかというふうに私はいままで解釈しておったのですが、違いますか。
#50
○曾根田政府委員 軽犯罪法で、たとえば公共の利益に反してみだりにごみ等を捨てた者というような規定はございますが、悪臭を発するようなものを焼却するというような規定はないようでございます。
#51
○林(義)委員 この辺を、せっかくこういうふうな条文を悪臭防止法の中に書いておるのですが、書いただけでは十分ではないのですから、書いてあってもなくても同じことだというようなことでは私はならないと思いますし、具体的な指導をされるときに、こういった点についても十分なことをやっていただきたいということをお願いいたしまして、先ほど来私申し上げておりますように、これは非常にむずかしい問題がたくさんございます。今後の運用につきましては十分配慮をしていただいて、やはり住民福祉ということを最重点に置いて考えていただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#52
○小林委員長 午後一時再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時十六分開議
#53
○小林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。島本虎三君。
#54
○島本委員 午前中の林委員の質問に大臣は答弁されて、この悪臭防止法の提案のおくれた三つの理由を大体申されたようであります。私もそれを初めに聞いておきたいと思っておったところなんですが、いわゆる公害国会といわれた昨年の十二月のあの国会で、十四法案が整備されて出されて、みんな成立した。当初、政府が悪臭防止法を含めて十五の法案を準備していたはずなんです。いわゆる昨年の十二月の公害国会に、どうしてこの悪臭防止法を提出しなかったのか、おくれた理由じゃない、おくれた理由はわかっておる、提出しなかった理由をちょっと聞きたい。
#55
○内田国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、正直に申し上げますと、三つの理由があることを申し述べました。
 一つは実質的、技術的な理由で、御承知のように悪臭の測定なりあるいは防止技術というものが従来十分開発されておらなかったということのために、悪臭公害というものは地域住民が非常に悩まされておる事案であるにもかかわらず、私どもが法律を出すまでの段階になかなかきていなかった、こういう実体的な関係がございました。
 それから形式的には、会期の期間が限られた臨時国会に悪臭防止法を出す準備というものが、法制上の準備がおくれてまいりまして、無理に国会に出しましても十分御審査もいただき得ないような、そういうような状態でございました。
 それから三番目になりますか、これもそのままを申し上げますと、一体防止の主体を市町村に置くべきか、あるいは都道府県に置くべきかというようなことにつきましても、さらに十分議論をすべきであるという問題も残されております。
 これは本来から申しまして、悪臭というものはおおむね一定の工場等の周辺に限られた非常に地域性の強い作用でございますために、騒音防止法などもこれに似ておるわけでありますが、その主体を地方公共団体に置くべき性質のものでありますことは論をまたないと思いますけれども、その場合に、市町村にすべきか、あるいは都道府県にすべきかということにつきましては議論がございまして、したがって、今度一応の主体は都道府県知事に置きながら、市町村長の要請権というようなものを認めたり、あるいは都道府県知事が市町村長に対していろいろな事項の委任を行ない得るというようなこと、また、常に都道府県知事がこの法律に基づく措置を行なう場合には市町村長の意見を聞く、こういうような密接なつながりの二人三脚的な形ということで今回落ちつきました。
 この法律案を出すまでの間にそういう経過がございまして、一国会見送って今国会に提案した、こういうわけであります。
#56
○島本委員 その規制権限の市町村長または都道府県知事、これの理由をもう少し深く聞きたいが、この次にします。
 それで、悪臭防止法、これはいわゆる公害国会に提出されなかったのですけれども、あの理由は、いまあなたいろいろおっしゃったが、もう法律としてできていた。できていた法律を、これをこのまま通すならば出してもいい、通さないならばこの次だとあなたたちは脅迫を国会に行なったのだ。いま言った理由はその内容かもしれない。しかし実際は、そのとき法律案はできていた。できていたけれども、これをこのまま通すならば出しましょう、これを出した理由によってほかの法律をまた延ばされたり、会期を延長させられたり、こんなことじゃ困る。したがって、これははっきり約束を取りつけないと出さない、こういうふうにおっしゃったのがあなたのほうです。これを目玉商品にして国会を脅迫した。それを覚えていますか。いまいろいろな理由を言ったのは、林君に言った答弁でも、その点では十分私ども了解している。ただその陰には、いわゆる悪臭防止法、国民が要望しているこういうようなものに対しては、最後になって、これを出すなら通してくれ、会期は延長するな、必ず通すことを条件にしてならばこれを出しましょう、こういうふうに言ったのにこれがおくれた理由がある。われわれのほうは審議するからのせなさい、他と差別しないで審議する、公害防止に関係する法律案なんか、世論によっても早く成立させるということをみんな言っている。厚生大臣もその点はちゃんと見抜いていないとだめなんだ。そういうようなのを目玉商品みたいにして、脅迫の材料にするなんということは、これはどうも厚生大臣らしからぬ考え方です。その点では、おそくなっていま出された、このことに対しては――前に出されてもうすでに通っておった法律だった。それをいまごろ出してきておる。私は、おそくなったということに対してはまことに不可解千万である、こうはっきり言っておきます。
 それと、この法案の閣議決定、これはもう十二月の上旬に行なわれておりましたはずです。閣議決定が行なわれて、それを出さないでいま出してきた、こういうふうに思うのです。閣議決定は大体十二月の上旬に行なわれたと思いますが、その点はどうですか。
#57
○内田国務大臣 前国会に提出に至らなかった事情につきましては、島本さんからお小言をいただいたような事情でも実はございません。むしろ次の国会に見送っても、自信のあるものにもう少し検討を加えたいという正直な私どもの良心的の気持ちもあったわけでございます。しかし、どこまでまいりましても、事柄の性質上他の公害対策とは違う点がございますので、その点はそれといたしまして、前回で一応準備をいたしましたものにさらに検討を加えたものを今回提案をいたしたわけであります。
 閣議決定を十二月にはいたしませんで、おおむね通常国会に提案する法律の案件名、大体の要綱というようなものの一覧表的なもので閣議に出したわけでございまして、法律といたしまして国会に提出するようなものにしたものは、ずっとおくれました。この法律案を出した直前に閣議決定をいたしたわけでございます。ことさらに私どもがこれをおくらせておるというようなことでは毛頭ございませんので、その辺は御理解をいただきたいと思います。
#58
○島本委員 十二月段階で出すと言ったときには、それじゃ、閣議決定されていないやつを出そうとしたのですか。そんなことはあり得ないはずだ。もう少しこの点ははっきりしないといけませんよ。それは間違いじゃないですか。
#59
○内田国務大臣 いや、間違いじゃございませんで、次の国会にどういうものを出すかという案件名、また、そのうち予算関連法案がどれとどれというようなことは、一覧表的なものとして閣議に報告をいたします。また、提出期限のようなものも、予算関係法案についてはいつまでというようなことをきめてまいりますし、その他の法律案に
 つきましては、若干余裕を置いた日取りをきめるわけでございます。ことに、これは私どもの内輪のことになりますが、そういう国会に提案をする法律の件名等をきめました後におきましても、これは政党内閣、国会内閣でございますために、党との調整がございまして、この法律案をこの形にいたしますまでには、十二月以降党との調整もございまして、閣議で正式にきめましたものは、党との調整後のものを閣議できめましたので、十二月ではございませんで、かなりあとになってからでございます。
#60
○島本委員 念のために、それじゃ十二月の上旬にこれは閣議決定して、われわれは法案として出してもよろしい、ただこれが時期が間に合わないといって、十五日ですから、それまでに間に合わなくてもこれは出すのだが、それを理由にして会期を延長しないように、また、これは必ず成立させるというような約束があるならばこれを出してもよろしい、こういうようなことを私はこの委員会の理事として承っている。それは閣議決定も何もないときに、それを大臣は、もうすでに法案として出してもいいということを言った、こういうようなことになりますが、そういうふうに理解すべきなんですか。
#61
○内田国務大臣 閣議決定というものは、会合でございますので、必ずしも一発勝負で閣議決定をするわけでございませんで、いま申し上げましたように、提出する予定の各法律案のおおむねの内容、提出期限等をまず初めに閣議で相談をいたしておきまして、最後に閣議決定いたしますのは、法制局の審査、それから党との調整の済んだものを法律案要綱として閣議できめるわけでございます。したがって、国会のほうには、十二月の終わりの段階で、次の国会にはこういうものを出す予定である、こういうことで、私どもの所属政党の理事の方あるいは国会対策委員会等のほうから各党のほうに御連絡を申し上げているかもしれません。しかし、それは決して出すつもりもないものを相談を持ち込んでいるわけでもございませんし、さればといって、最終的に法制局の審査を経たものでもございませんことは……
#62
○島本委員 それはおかしい。それだとすると、これは議運の問題にもなり、各党の国会対策の問題になり、当然私どもはそれを了知していた。そのとき、これをもとにして会期の延長をしないということ、これをすんなり通してくれるならばすぐ出しますと言ったのは、それじゃ何も了解もされていないものをそういうふうに言ったということになったら、とんでもないじゃありませんか。その辺あまり大臣ごまかしちゃだめだよ。
#63
○内田国務大臣 いまお話しになっているのは、前の臨時国会のことですか。――私は今度の国会のことだと誤解をいたしておりましたが、今度の国会について申しますと、この国会に出しました直前に私どもは閣議決定を正式にいたしました。昨年の十二月の段階では、とにかく、私のほうの記憶によりますと公害国会ということでありますから、できるならば悪臭防止法までもまとめ上げて国会に出そうという了解を閣議で遂げておりました。しかし、法制局の法制整備の技術的な能力もありまして、だんだん詰まってまいりましたし、また実質的な内容におきましても、さっきも申しましたように、市町村を主体とすべきか、都道府県を主体とすべきかということについても煮詰まっておりませんし、さらにまた、その測定とか防止技術なんかにつきましても、必ずしも十分な自信が得られる段階にも昨年中はなかったわけでございます。したがって、私は、少なくとも厚生大臣としては、無理をしてこの臨時国会にこれを最終的にすべり込みで持ち込んで、十分な国会の御審議もいただかないで通すことがいいとも思っておりませんので、したがって、次の国会に回すことで私ども引き下がって、今度すなおにさらに再検討の上国会に出した、こういうふうに御了解をいただきとうございます。
#64
○島本委員 じゃ、昨年の十二月上旬に行なわれたこの決定された原案、それと、今回また、いまの答弁によると、本年に入ってからあらためて閣議決定の上で国会に出されたと思いますけれども、これとの内容の違いというのは、先ほど答弁したこの三つですか。それとも以前出そうとしたもの、それから現在出したもの、この違いはどの点ですか。
#65
○内田国務大臣 三つというか、三つのうちの二つでございます。私が三つ最初にあげましたのは、臨時国会で十分の議論もするような期日が残されていないときに無理に出さないほうがいいと考えられたということが一つの点でございます。したがって、今度の法律案が前の法律案と違います点は、二つになると思います。
 その一つは、前の法律案で考えておりましたのは、市町村を規制の主体としていく、こういうことでございましたが、今回の法律案では都道府県知事を規制の行政措置の主として主体にして取り上げてまいってきております。その点が一点。
 それから、あるいはこの法律に全面的に表には出ておらないかもしれませんが、測定とかあるいは規制の基準などにつきまして、その間におきましても厚生省が開発をしてきた技術の中身が自信の持てるようになったり、また厚生省外におけるこの方面の技術の開発もよけい進んでまいりましたので、そういう客観的な事項をも頭の中に織り込んで、前の法律によい意味で修正を加えて出しておるはずでございます。
#66
○島本委員 これは騒音防止法に似ているのでということで、いま悪臭の規制権限を市町村ではなく都道府県知事に持たせるようにした、こういうようなことのようですけれども、騒音の場合には、飛行機なんかはあっという間に行ってしまうのです。それから鉄道、いわゆる列車なんかというもの、最近の新幹線になったら、一つの県だけでこれをやってもだめなんだということでもって、ああいうふうな一つの規制の主体ができた。今度のにおいもそれと同じだというと、においは日本全国流れるようなにおいなんですか。一つの発生源を持っているそういうような完全自治体のほうで規制できないほど、これは異常な速度で流れるのですか。それともやはり県単位でなければならないほど悪臭というものは千里を走るものなんですか。これは騒音防止法と同じだということになれば、騒音の場合には規制の権限がそういうようなことで主体を移しているんです。それと同じだというなら、においもそれほど早いということになってしまう。これはちょっといただけませんな。
#67
○内田国務大臣 大体悪臭というのは、悪臭発生の施設の周辺、風の流れなんかで変わる場合ももちろんございましょうけれども、スポットの悪臭、それが悪臭の本質であります。川の流れのように、上から汚染物質が下流まで流れてくる間にますます汚濁がひどくなる、こういうようなものとは事情が違いますので、私どもが昨年の段階で考えましたのは、市町村を主とした規制を考えましたことは、先ほど来述べましたとおり、そういう性質のものですが、しかし、測定とかあるいは規制とかいうことになりますと、今日の市町村のこういう問題に対する研究の発展の段階におきましては非常な無理があろう。そこへいきますと府県のほうは衛生の研究所その他の研究の施設も、市町村よりは十分な組織、機能を持っておりますので、やはり都道府県が主体になって、しかも都道府県がかってにやるのではなしに、市町村の意見を聞いたり、また申し入れを受けたりして都道府県がやるということが実際的だ、こういう再考慮がございまして、今度の法律案では都道府県を主体といたしておるわけであります。昔流にいきますと、何でも国がきめてということでありますが、昨年来これは私どももいろいろ感じたところが多うございますけれども、やはり公害の権限とか、これに対する対応策というものは、地方の実情に即した措置が必要で、国はその権限を留保して地方はついてこい、こういうことだけでは公害対策としては必ずしも適当でない場合が多い。ことに悪臭の場合などそういうふうに思います。ただ国が一定のワクといいますか、基準をきめて、
 一つのものさしのようなものは国が都道府県知事に示しておいたほうがいいというような点は、政令でそういうものさしのようなものをきめる点は国に残っておりますけれども、その他の点は、都道府県を主として、市町村との連携において措置をさしていくということがよかろうと私は思うわけでございますので、こういう形をとっております。
#68
○島本委員 国が直接やろうとしたら、範囲が広過ぎる。だから、権限委譲も今度の十四の法律案全部にわたってこれが行なわれるようになって、都道府県知事を主体にして、今後特別政令によるところの政令市といわれる百万以上の都市にもこれは行き渡るようになるだろうと思うのです。そうなってみると、国ではだめだ、下のほうが一番いい、その中間にただおろしてやればいい、ばく然とそういう考えでは実効があがらない。もし地方公共団体でいままでずっと受理した地域住民の苦情、こういうようなものは、厚生省全体ではもうつかんでいるはずだ。ですから、この苦情や陳情の総件数、昭和四十三年度で二万八千九百七十件、四十四年度では四万八百五十四件、前年度に比べて一万一千八百八十四件の増、こういうようなことになっている。そしてこの増加の内訳、これは第一位は騒音振動、これが五千六百七十六件の増加になっておる。それから第二位は悪臭で、これは二千三百六十一件の増加だ、こういうデータがちゃんと出ている。これは厚生省のほうでちゃんと示しているのだから間違いない。この悪臭に関する苦情や陳情の増加という点から見ても、これはもう地域住民の身近な公害であって、都内はもちろんですけれども、これはもうほんとうに地域住民の身近の公害ということで、はっきり苦情、陳情になって出されておるものですから、悪臭に関する規制、これは地域住民に密着している市町村、完全自治体がこの権限の行使をするということのほうが、一番具体的で内容的にも的確じゃないか、こういうような見解も当然出るじゃありませんか。国のほうがやってもだめだ、都道府県に権限をおろした。都道府県に権限をおろしてそろえたから、また下のほうもそこまで上げなければならないというような形式的な考えじゃなくて、これほどまでに強く苦情や陳情が出てきている、それはもう、完全自治体である市町村、その方面に対する処理を要望しているわけですよ。ですから、そういうような点からしても、地域住民に密着している完全自治体の長である市町村長に権限を持たしたほうが、一番これは的確な処理ができる道じゃないか、こういうふうにも考えられるのですが、どうも大臣の答弁と少しすれ違っている。この点、明確にしておいてもらいたい。
#69
○内田国務大臣 島本さんのようなお考えもあるわけであります。でありまするから、私どものほうも、当初はそういう市町村を主体として規制もしていこうということでありましたが、先ほど来申し述べますように、これはやはり技術上の問題が伴う措置でございまして、市町村に衛生研究所というものを持っておらぬというような段階、技術行政水準というようなものがそこまできていないという段階におきましては、やはり都道府県の技術上の水準というものを活用することが適切であるということと、それから、これは悪臭でありまして、さっきも申しますように、大体スポット、地域的なものですが、やはり隣接市町村等にも影響がございますので、それらの隣接市町村等の措置というようなことを考えますときには、長崎県のある地域における悪臭措置を北海道の知事がやるということですと、これはもうもちろん気持ちが通じないし、実情に即さないわけでありますけれども、長崎県の当該事業場の所在する市町村を管轄する知事が、その当該市町村、また、場合によれば、隣接市町村と協議をして、地域指定なりあるいはまた規制基準なりというものをきめていく。さらにまた、必要があれば、都道府県が持っておる権限はこの法律の中のしまいのほうにございますが、いつでも市町村長に委任をする。たとえば立ち入り検査、そういうようなことも委任ができますしということで、市町村段階に限らないほうがよかろう、むしろ、都道府県知事が市町村と一体になってということで、こういうことになったわけです。島本さんのような御意見、もちろんあるわけでございますが、いろいろ研究いたしました結果、今度のほうが一番現実に即するだろう、こういう考え方でございます。
#70
○島本委員 妙にこだわるわけじゃないけれども、悪臭の場合は二県、三県にわたって悪臭をふりまくとかと、こういうような点、たくさんあるんですか。不明にして私どもは、市町村、またあっても一県程度でこれは規制できるものが悪臭といわれるにおいの一つの範囲じゃなかろうか。二県、三県にわたっても、強力な毒ガスのようにこれをぐっとまき散らしていくなんという悪臭はやはりあるのですか。これから予想されるのですか。これはその辺の考え方が、私はやはり小さいところで、発生源対策としてきちっとやったならば、これは押えられる。それをやらないで、そして中途はんぱなような権限の委譲をする、都道府県知事のところにやったならば、それはまたゆるくなってしまう。これをゆるくすることに大臣は賛成なすった。これが厚生大臣ということであったら、私はやはりその点納得できないわけですね。ですから、この点は少ししつこく聞いているわけなんですが、これなんか二、三県にわたって流れるような悪臭というのは、どんな悪臭がありますか。
#71
○内田国務大臣 これは、県と県との間のことはあまり考えておりません。たいがい市町村段階で悪臭は御承知のとおり起こっておりますが、しかし、先ほども触れておきましたように、風の流れの関係で隣接市町村に悪臭がいく場合とか、あるいは悪臭発生工場というようなものをなるべく自分の町村のはずれにつくるというようなことも現実にはありますために、隣りの市町村のほうも当然影響を受けるということで、隣接市町村との間の問題になっていますことは、これは現実でございます。そういう際には、やはり両市町村の上に乗っておる知事が、両市町村の意向を反映した措置を講ずるということが現実的である。山梨県の悪臭について長野県の知事が口を出す必要はいまのところないわけでありますけれども、しかし、山梨県下の市町村における悪臭問題には、知事が乗り出していろいろやらないとどうしても片づかないというような、そういう現実もございまして、私は実は山梨県でございますが、かようなことを考えますときに、やはり知事にこの問題の処理責任というものを一枚かんでもらうことが現実的だろう、かように考えておるわけでございます。
#72
○島本委員 私はやはり国なり中間自治体よりも、固有の事務を持って直接これを行政指導している完全自治体である市町村のほうが、やはり完全に規制するという立場からしたら、住民の立場に立ってこれを行ない得るものである、こういうふうな考えを持っておるわけであります。それを厚生省は当然やらすべきじゃなかったかといまだに思っておる。ただ、厚生大臣は、少しこのごろあなたは態度が弱くなってきた。もう少しあなたの場合はすっきりしないと、いろいろな問題でだめなんです。たとえば厚生省で、米の問題でも、一つの調査をする。国民の立場に立ってやる。しかし、農林省なり通産省なり、それぞれが行なう。同じような調査をして、同じ国民のためにやるデータが一体どうなんだ。公害対策のためにやるというのと、公害対策に対する対策としてやるというのとそれぞれ違うから、それをいま、環境庁ができるまでの間、厚生省、厚生大臣、あなたのほうでがりっとやらないと、これはだめなんです。ですけれども、この点も少し態度が弱くなってきたり何かすると、せっかくできてきた悪臭防止法も、これは悪臭ふんぷんたる法律にならぬとも限らぬから、この辺の姿勢もまず大事だ、こう思ってこれは強く要請したわけなんです。ですが、この点は意見の一致を見ません。私は、大臣の言うことを全部そうですかと聞くわけにいかない。ことに、態度の弱い点はもっと強くならなければだめですよ、大臣は。
 それで、先ほどのあなたの答弁の中で、悪臭に関してはすべて発生源に対して規制できないのはやむを得ない、こういう答弁をしているのですが、これなんか、態度の弱い最たるものだ。これとあわして、じゃ、答弁伺いましょう。
#73
○内田国務大臣 公害を論じます場合に、厚生省の立場というものは、いわば被害者代表の立場だと私は厚生大臣として常に思っておるわけであります。発生源のほうを管轄する官庁には、これは企業を管轄する官庁が多いわけでございます。あるいは自動車等の交通機関を管轄する役所もございましょうが、それらの官庁の管理下にある企業が公害発生源としてまき散らす。その影響を受けるのは国民でありますから、その国民を代表して、公害に対して一番よけい口を出さなければならないのは厚生省、すなわち、私の責任であると考えますので、私は弱くなるつもりはないので、もう強くなる一方でございます。私のいろいろな発言が、これが起爆になりまして、いろいろな公害対策基本法の改正その他昨年の公害対策一連の法律の改正案もできたと私はむしろ自負をいたしておりますし、また、その責任も大いに痛感をいたしておるわけであります。
 ところで、この悪臭に対する措置も、市町村に権限をまかしておけば取り締まりが強くなり、都道府県にまかせると取り締まりが弱くなるというようなことでは決してないので、厚生省の立場が弱いから都道府県を悪臭防止措置の主体にしたわけではございません。これはもうことばに語弊があるかもしれませんけれども、先ほど来も申しますように、市町村ではまだ悪臭防止に対応する十分な技術的なあるいは技術行政的なレベルが低い。衛生研究所的なものも府県のように持っておりませんし、また、自分の町村のことですと流されやすい場合も出てくることもございますので、むしろその一級上の公共団体でありますところの都道府県知事をして行政主体としたほうが、よりその地域住民の利益が守られる場合も多い、こういうふうに実は私どもも考える面もございます。しかし、これはあくまでも、島本さんが言われるような市町村にまかせるほうがいいんだという考え方もないではございませんで、ずいぶん議論もいたしました結果が、ここに提案しましたような形の都道府県と市町村が二人三脚でやるということが一番的確な悪臭防止対策が目下の段階ではできる、こういうことになりましたわけで、私どもは、態度が弱いためにこうしたわけでもございませんし、また一党一派の考え方からこうしたわけでもございませんので、むしろ国民的立場からこれがいい、こういうふうに私はほんとうに考えるものであります。
#74
○島本委員 ことにいま言ったようにして、発生源対策は私は一番大事だと思う。いま都道府県知事に権限を委譲した。委譲される以前においてでも、田子の浦のヘドロの岳南排水路、終末処理もないままに、企業に対してそこへ流せばいいのだ。その流し口は港である。港のほうに流しても、これは港則法できめられているみだりにということは、許可しているからやっても罪にも何にもならない。一つの慣例になってしまっている。こういうようなことで、その指導いかんによってはとんでもないことになるという前例が、もう田子の浦にすでにあった。だから、今後はもうそういうことがあっては絶対だめだから、発生源対策が何よりも必要だ。この発生源対策を一番規制できるのは、現地の完全自治体の、固有の事務を扱う市町村なんだ。この点だけは、やはり何といったってほんとうなんだからしょうがない。
 それで、通産省が来ているようですから、はっきり聞くのですが、現在公害発生源対策が必要だということは、いままで何回も言っているし、聞いておりますけれども、こういうような悪臭に対して、今度は、点検した上でその工場の許可、認可、こういうようなものは当然するようにすべきじゃなかろうか、こう私は思っておりますけれども、基準以上に排出する悪臭の工場をつくりたいというときに、一般的にこれは不許可の扱いができるものですか。やはり出された場合には、これは許可せざるを得ないのですか、いずれですか。
#75
○曾根田政府委員 今回のこの法案は、他の公害諸立法と異なりまして、発生源の工場、事業場等について事前に届け出あるいは許可、そういった手続規定を法律上は設けておりません。これは大きく分けて二つ理由があろうかと思いますが、一つは、この発生源が、たとえば大気、水質の場合と異なりまして、客観的に把握しやすい。悪臭の発生源、こういうものは、悪臭としてある、当然悪臭が発生する施設であるということが、容易に外部からあるいは施設の性格自体から確認されるということが一つでございます。
 それからもう一つ、事前の許可、届け出等の手続は当然これに伴う事前指導がねらいでございます。この場合に、悪臭につきまして、いますべての地方公共団体を通じて十分可能な事前の指導の体制というものが必ずしも期待できない。これはむしろそれぞれの地方の実情によって事前指導を行なったほうがいいんではないかということから、先ほど言いましたように、法律としましては、事前の届け出、許可等の手続をいたしておりませんけれども、これはこの法律の十九条にもございますように、基本的には、地方の判断によって、地方の条例にまかせるという考えでございます。もちろん、それじゃ国は一体何もしないで、全部もう市町村あるいは都道府県にまかせ切りなのかということにつきましては、この法律の施行にあたりまして、十分関係各省とも打ち合わせの上指導してまいるつもりでございますけれども、基本的にはそういう考え方で、具体的な届け出なり許可をとるか、あるいは届け出にするか、許可にするか、そういったことは実は条例にゆだねるということでございます。
#76
○島本委員 条例にゆだねてあると言ったって、それは何条でゆだねてありますか。
#77
○曾根田政府委員 十九条であります。
#78
○島本委員 十九条は、「妨げるものではない。」でしょう。これは、そうだったらゆだねるということにはっきりきめろということをいったらいいじゃないですか。「地方公共団体が、この法律に規定するもののほか、悪臭の原因となる物質の排出に関し条例で必要な規制を定めることを妨げるものではない。」これでも消極的じゃないですか。ほんとうにそうなったら、妨げるものではない、あたりまえだ、こんなことは。きめなさいということを、はっきりきめておけばいい。だから、発生源対策というようなものは全然考えないで、これまたできたものに対して行政指導を手ぬるくして、そして一つ上の段階で軽く取り締まろうとするような意図ですよ。こんなことで悪臭対策になりませんよ。だめなんです。ですから、基準をきめて、それを守らないような工場をまず通産省につくらせないようにやらぬとだめじゃありませんか。そこが抜けているのだ。やってしまってから、あとからやりなさい、改善しなさい、勧告だけでしょう。公害はまずまっ先に手をつけなければならぬのは発生源対策ですよ。それをやらないから、もう企業と癒着しているといわれるのですよ。これだって一番あとに出て、去年の十二月に出て、不完全だった。ことしになってから完全にした。直して完全にして出したといわれるこの悪臭防止法だって、不完全じゃないですか。だめですよ、こんなものは。通産省はどうしてこういうようなものに対してはっきり指導をなさらぬのですか。莊さん、これはやるのですか。
#79
○莊政府委員 今回の悪臭防止法でございますけれども、この附則の規定にもございますように、将来の実際の施行事務は新設予定の環境庁を主務官庁といたしまして、全国の都道府県、市町村三者一体となって強力にやっていくということになっておるわけでございますが、通産省の関係でも、御案内のように紙パルプとか、石油化学の関係とか石油精製とか、大きな悪臭発生源といわれる工場あるいはコンビナート等があるわけであります。通産省でもこの悪臭防止法の制定問題が昨年来クローズアップしてまいりましたので、大きな発生源といわれる企業については、私ども四十六年度におきまして十分な調査を行ないたいということで、実は大蔵省のほうに予算要求をいたしまして約七百万円程度の、調査費としてはこれは相当大きな金額だろうと思いますが、そういう予算も四十六年度分として予算化を見ております。こういうことでございますので、われわれこういう発生源についてはよく調査をし、それから悪臭防止法の精神に基づきまして今後規制値等も具体的にできてくるわけでございますけれども、企業からも、これは新しい工場あり古い工場ありで、発生の実態なり対策なりもそれぞれに応じて具体的に講じていくということが非常に必要なようでございますので、企業のほうにもよく検討させ、防止計画というものを十分練らして、われわれのほうで検討もし、将来環境庁とも十分に御連絡をして指導につとめたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 これに伴いまして、技術的にも現在完ぺきな防止技術があるかというと、残念ながらそうは言い切れない事情にあることを率直に申し上げざるを得ないわけでございまして、われわれは四十七年度以降の予算においても、従来ややもすれば弱体でございましたこういう悪臭防止のための技術というものの国の研究機関におきます研究を、うんと強化するということで格段の努力をしなくちゃならぬ、こういうふうに前向きに考えておる次第でございます。
#80
○島本委員 第三条で規制地域がきめられております。これでもなお許可を受けなければならないような状態でもない。八条では勧告と改善命令、これらがはっきりきめられてあります。これを聞かない場合には罰則が適用される。適用される罰則そのものは両罰規定によるものである。そうなると、事業者は、現場の労働者なのか、そしてそれを排出した個人なのか。この規制を受ける対象はどういうふうになるのですか。
#81
○曾根田政府委員 第七条、第八条に書いてございます規制措置の対象になる者は、ここにもございますように「事業場を設置している者」ということでございまして、これは現実にそこで事業を行なっておる者、ですから、建物の所有者名義は他人であって、それを借りて現実に事業を行なっておる者であれば、その者がこの対象になるわけでございます。
#82
○島本委員 これは両罰規定ですか。
#83
○曾根田政府委員 二十二条に両罰規定がございまして、その場合には、その事業を行なっている者、経営者、使用人、そういった者について両罰規定が置かれておるわけでございます。
#84
○島本委員 これは「行為者を罰するほか、」とあるが、「行為者」というのは労働者じゃありませんか。
#85
○曾根田政府委員 二十二条の「行為者」は、現実にその悪臭発生の行為をした者という意味でございまして、場合によって労働者が入ることも態様によってはあり得るということでございます。
#86
○島本委員 これは、「行為者を罰するほか、その法人又は人に対して」というのは何ですか。行為者は人ですよ。「法人又は人に対して」というのは、これはどういうような意味ですか。
#87
○曾根田政府委員 「法人又は人」云々の「人」は、個人経営の場合でございます。法人経営と個人経営のそれぞれの経営者ということでございます。
#88
○島本委員 いまのような状態で、八条の勧告または改善命令を聞かない場合の罰則、これは具体的にだれとだれがどういうふうにしてやられるのですか。
#89
○曾根田政府委員 改善勧告、改善命令でございますが、そこにございますように、当該事業場を設置している者に対して都道府県知事が発動するわけでございますが、その具体的中身は、施設の運用の改善あるいは排出防止設備の改良、その他悪臭物質排出の減少措置というようなことがございます。たとえば当該施設が適正に維持管理されるよう、あるいは使用時間等がオーバーにならないよう、それからまたこれを減少させるための措置としましては、これはいろいろあるわけでございますけれども、たとえば化製場等において、適正規模に見合う以上に処理能力をこえるような原材料を仕入れる。それは結局、貯蔵期間等が長くなるわけでございますから、そういったことを具体的にここで考えておるわけでございます。
#90
○島本委員 結局、罰せられるのは労働者である。「法人又は人」の企業に対しては、本来の罰金だけですね。両罰規定といいながらも、労働者のほうは厳罰に処して、「法人又は人」に対しては罰金刑だけで軽量で済ませる。これはどういう意味ですか。
#91
○曾根田政府委員 労働者と経営者と直接分けたつもりではございません。実際問題としまして、二十二条の両罰規定で労働者等が罰則の対象になりますのは、事業経営に伴う悪臭の発生ということではなく、むしろ二十二条の前の二十一条等で、事実上検査を拒否するというような、現場における違反行為が主ではないか。違反自体は、やはり当該事業場の設備とか、そういった基本的な事柄の違反が多いと考えられますので、そういう場合には、実際に罰則の対象になるのは法人なり個人の事業主ということではなかろうかというふうに考えます。
#92
○島本委員 念のためにもう一回。二十一条、二十二条をあわせて見て、そういうような原因者と思われる人は、これは「行為者」といっているけれども、労働者、従業員なんです。その人が罰せられるんでしょう。だけれども、これは両罰規定だから、「法人又は人」に対しても罰するんでしょう。その場合に、こっちのほうは罰金刑だけでしょう。片や、命令によって、やれと言われてやった労働者のほうには厳罰で、言っているほうには罰金刑だけ、これでは罪の軽重が少しおかしくないかと言っているのですよ。そこを明確にしてください。
#93
○曾根田政府委員 この両罰規定の法人に対する罰則でございますけれども、これは抽象的な人格の法人でございますので、その法人に科する罰則としては罰金刑以外には事実上あり得ませんので、このような制限をしておるということでございます。
#94
○島本委員 この問題は、残念ながら昨年の暮れに出た公害立法の一貫した体系なんです。あなたが幾ら言ったって、これはその体系の中の一つなんです。それを無理やりに合わせている。これは
 「人」というんだから、人だったら、経営している人が命令してやらしたら、その命令を受けた人よりも厳罰に処せられなければならない。法人はたとえそうであっても、これは人があるじゃないですか。経営者にはゆるく、罪を犯させられた本人にはきつくということなんですから、こういうものは基本的にしり抜けなんです。
 それから、悪臭発生の事業体の労働衛生管理は一体どういうふうに見ておりますか。従業員に対する健康上の配慮、こういうようなものも今度新法ができてやるとしたら当然配慮してしかるべきじゃないかと思いますが、労働省のほうではこの点十分配慮して、本法律案に対して関与をしていますか。
#95
○北川説明員 ただいまの安全衛生規則で、先ほど通産省からもお話がございましたように、悪臭防止の基準あるいはその技術的な事項についての研究が不十分でございますので、現行の安全衛生規則で、悪臭に関しましては、悪臭の出るようなところあるいはそのものにつきましてはそこの清掃、あるいはどうしてもそういうことで防げない場合にはおおうというような規定をいたしております。ただ、これでははなはだ不十分でございますので、今回労働基準審議会の答申を得まして有害物四十二品目について規制をいたしております。悪臭を発しますものにつきましては、大体のものが健康上有害である、そういう対象とダブリますので、その観点から空気中の抑制濃度をきめまして、これを五月一日から規制することにいたしております。たとえて申しますと、アクロレインあるいは硫化水素、そういうものにつきましては具体的な許容濃度をきめることにいたしております。
#96
○島本委員 労働省、ことに基準局の中でも安全衛生の所管になっている部分、これを完全にやったら公害は出ないんだよ。直接それを握っているのは労働省なんだ。労働省のほうでは人が不足だ、またはいろいろな関係なんかで、それを完全に点検もしていないし、完全に指導もしていない。この手抜かりのこれをもって、通産省がとろいものだから、そこでもって今度完全に公害が排出されているのがいままでの現象でしょう。この上を大謀の網をかけるように厚生省が法律を持ってきたって、ただ単にこういう形式的な法律なんだ。案外基本的なこの規制の根源を突くと、労働省の指導と労働省自身のこれに対する取り組む姿勢がはっきりしない以上、これは今後の公害対策にはならないと思う。それで労働省では、この問題に対する一斉の点検を開始したようです。それから今後規制、こういうようなものの範囲も各方面から意見を聞いた上で広げるようになっているようです。
 それと同時に今度は、悪臭は直接害にならない、こういうことですけれども、法律で規制される以上、やはりこれも中に働いている労働者にもこれまた影響があるというような立場から、これをもう一回検討し直さないとだめなんじゃないか、当然そう思うわけです。そうでないとこれは企業中心にまたやってしまって、あとからまた安全衛生が追っかけていく。そうなった場合には、これはまた労働省と今度逆に通産省の許認可の問題、この問題に対しては、許認可は通産省もどこもないのですから、そうなった場合はどこだといえば労働省だ、網を張ってやっているのは。そういうようにして漏れるような網でしかないこの法律案では、厚生省はあってもこの規制にはたいした役に立たない。こういうようなことで、そういってみるとやはり労働省のほうでがっしりやらないと困るし、これ自身もいろいろな、中に働いている労働者の安全衛生、こういうような見地から、もっともっと公害問題に対して深くメスを入れて規制の対象を強化していく、そして指導するのでなければならないと思う。常に私はそういうふうに主張はしてきましたが、これは異議はないようですが、労働省の指導、監督、これはどうも不十分じゃないか、こう思うのです。まずひとつこれだけやってもらいたい。この法律をつくるときにも規制の対象は悪臭の規制、こういうようなことに対して、厚生省のほうや通産省のほうと十分連絡をとって成案されたものであるかどうか、あなたたちは意見を十分出したのかどうか。これは労働省と通産省のほうから意見を聞いておきたいと思います。
#97
○北川説明員 先生御指摘のように、事業場内の労働者が、健康に有害である、その点を取り締まりますれば、結果的にかなり公害の防止ができる、こう考えております。したがいまして、先般の国会あるいは今国会に出されております公害関係の諸立法につきましては、それぞれ各省から労働省にも協議がございましたし、本悪臭防止法案につきましても、今後基準をきめる場合においては厚生省とも協議をいたすことに申し合わせをいたしております。
#98
○莊政府委員 悪臭防止法案の作成につきましてはもちろんでございますけれども、いま労働省から御答弁ありましたように、労働基準法に基づく危険物質の排出の規制という点についても、通産省としては、厚生省なり労働省から常時緊密な御連絡をいただいて御協力を申し上げつつ進めておるという次第でございます。
#99
○島本委員 やはり基準法の四十三条と安全衛生規則の百九十三条、百九十四条、これによってでもこの問題に対して今後は的確に指導、監督もしなければならないし、すべきである、こう思いますので、これは強く労働省に要請しておきます。
 なおまた、労働省のほうにも、大臣のほうにも、この点について今後の公害のいわば発生源対策の一つとして、これは一番実務に当たっている労働者をかかえている労働省のほうで重要ですから、この点を特に強力に要請しておきたいと思います。
 それと、いま通産省のほうでは、いろいろ申されましたけれども、悪臭に関してはではどのように指導していますか。
#100
○莊政府委員 通産省関係の事業場で悪臭で問題が多い業種といいますのは、先ほども申し上げましたが、クラフトパルプの関係とか、石油精製、石油化学あるいはアンモニア系の窒素肥料の工場、こういうふうなところでございます。こういうところにつきましては、最近公害問題が非常に大きな問題になってまいりますし、特に悪臭問題というのは地域でも苦情件数等も近年非常にふえてきておるというようなことで、パルプ工場等でも新設の工場はもちろんのこと、古い工場でも新しい生産設備をふやすというふうな場合には、排気とか排水と並びまして、悪臭を無限に発生させて地域の生活環境を阻害するというふうなことは当然許されない状況になってまいってきておりましたので、企業自身も新営の設備をする場合には、悪臭の防止が可能になるように、工場とか機械の装置の構造自体も悪臭をみだりに発散させないような構造のものに初めからするということが大切だということで通産省としても指導し、漸次そういう方向に向かいつつあると考えております。ただ古い工場の場合でございますと、建物の構造とか、装置それ自体から、どうしても臭気のある物質がある程度漏れるというような問題が現在でも実はございます。今後はこういうようなものについても構造を改善するし、それから最近は悪臭物質の除去の方法も、いろいろな方法が漸次開発され、装置等も生産が始まっておりますので、こういうものは備えるように従来からもやっておったわけでありますけれども、この法案の制定を機に、ちょっと先ほども申し上げましたように、全体の様子もよく調査を新しい時点でやりまして、各企業にそれぞれ特殊事情がございますので、それとマッチした悪臭防止計画を企業自体責任を持って考えさせて、なるべく早い機会に通産省としてもそういうものをよく検討いたしまして関係官庁に御協力申し上げる形で指導したい、そういうものに対する金融上の措置等についても今後はやはり十分に力を入れて、従来は必ずしも十分でございませんので、悪臭という問題を大気、水等と並んだ新しい問題として十分注意をしまして施策を十分やっていきたい、こういう気持ちでおります。
#101
○島本委員 大臣、いまいろいろ答弁があった中で、やはり悪臭に関してこれまた指導が各省庁でまちまちなんです。先ほど林委員のほうから出された魚のかすだとか内臓、この悪臭に対して、それを特別協業化して、その処理のために一つの事業体としてこういうようなものを指導しておるのは水産庁です。それをする工場、それにはもう多額の融資までさせて、そうして中小企業のめんどうを見る、こういうようなことで、内臓を集めてきてそれを流したりすると悪臭を発しますから、それをまた企業化して、そして飼料なり肥料なりをその中からとるように指導してやっておるそうです。ところが、いわゆるソリュブル工場というものですが、この工場からの悪臭のほうがまた耐えがたい。水産庁が指導してやっておる工場、そうしてまた融資などに対してもあっせんしてやっておるこのソリュブル工場が、これは各地にあるのですが、この悪臭というものが最近また大きい問題になってきておるのですが、水産庁のほうでは、こういうような悪臭をちゃんと見きわめた上で指導しておるのですか。その臓物から、それをただ投げ捨てたりしてはもったいないから、飼料や肥料をとるための企業として、悪臭なんか全然考えないで指導しておるのですか。こういうようなことになると、通産省のほうは通産省のほうでまた別の指導をしておる、また、農林省のほうは農林省のほうで別な指導をしておる、そうしてその指導のもとに、水産庁がいまのように悪臭を発しながらソリュブル工場を持ってきて、また住民に迷惑を与えている。これを監督指導するのは一体どこなんだ、厚生省なのかといえば、どういうわけか厚生省はもう腰が弱い、こういうようなことで、さっぱり実があがらないわけです。このソリュブル工場に対して、現在行なわれている操業、こういうものによる悪臭、こういうものに対するいろいろな苦情並びにいろいろな陳情、こういうようなものはほとんどないのかあるのか。場所によっては、そこから出る廃液をわざわざパイプを持っていって港の中に捨てさせている。これはちょうど田子の浦のヘドロみたいなもので、岳南排水路を使ってそのまま港の中に流させているのと同じケースだ。これを水産庁が指導してやっている。こういうようなばかなことをやってはだめですよ。現にある。どうも行政がまちまちで、法律を出しておきながら、こういうふうに実態はまちまちに運行されている。せっかく悪臭防止なんていっても、悪臭発生について各省庁でばらばらにやっている。こういうようなことではだめです。このソリュブル工場の運営やその他について、水産庁はどういうふうにしておやりになっているのか、その経過と結果を聞かしてもらいたいと思います。
#102
○竹原説明員 水産加工業の中で悪臭を発生いたしまして、地域住民からいろいろと苦情等の出てまいっておりますのは、ただいま先生の御指摘になりましたフィッシュソリュブル工場であるとか、あるいは魚かすの工場、そういったものが主体でございます。水産庁といたしましては、これらの悪臭の防止対策といたしまして、中小企業の工場等につきましては、悪臭を防止するための施設といたしまして、中小企業の近代化資金のほうから融資をもらえるような道を開いております。
 なお、これらの悪臭工場の移転であるとか、あるいは加工団地の形成であるとか、そういったものに伴います共同処理化の方向も進めておりまして、これらにつきましては、公害防止事業団のほうからの手当てでもって、現在四カ所につきまして事業実施の段取りになっておるわけでございます。
 なお、水産庁におきましては、本年度から水産物の産地流通加工センターの形成事業を実施いたすことになりました。この中におきましても、加工場の団地化であるとか共同処理化を進めまして、悪臭防止であるとか排水によりますところの水質汚濁の防止等をやってまいりたい、そういう構想で進めております。
#103
○島本委員 そのとおり行なわれているかどうかの点検は、どういうふうにしてやっていますか。
#104
○竹原説明員 この点検につきましては、四十六年度におきまして、農林省の関係各種工場事業場につきまして、調査をいたす予定でございます。
#105
○島本委員 ほとんどなされておらないじゃないですか。そして権限がないいわゆる保健所あたりが行って、いろいろやっているけれども、保健所あたりの権限ではどうしようもない。四十六年度からこれをやるなんていうのは、まさにこれはどうものん気過ぎるにもほどがあるような気がするのです。これが問題になっているのは、もうすでに四十四年度あたりから問題になっているわけです。これをただもう聞きっぱなしにしておいて、何ら措置も講じない、点検一つやっていないで、これをやりっぱなしにしておる。これは企業体ですからもうける。一つの利潤追求行為になるのですが、そういうようなことをしても、あえてだれも行って指導していない。これでは困る。融資もしてやったり、それぞれ指導した以上は、この点検ぐらいはして、規定どおりにいっているかどうか、きちっと見ないとだめだと思うのです。今度この新しい法律ができた場合においては、こういうような点検か何かを総合的に厚生省もしなければならないんじゃないかと思うのですが、いまのような問題とそれから製紙会社の悪臭、こういうようなものを含めて、今後それをどのように厚生省では点検し、指導していくのですか。
#106
○内田国務大臣 この法律のたてまえが、お読みいただいておりますように、上から天下り的に通産省なりあるいは農林省なりが、その発生源と思われる工場を指導するということも、もちろん私はやっていただきたいと思いますが、しかし、この法律のたてまえは、それと同時に当該悪臭を発する事業施設が所在する市町村長が、それでは困ると思えば、都道府県知事に対して、わが町村のこういう区域を悪臭防止指定区域にしてもらいたいという申し出をする、あるいはまた都道府県知事自身が、常に悪臭の存在地域を測定しなければならないと義務づけられておりますので、測定の結果、これは規制したほうがいいという考えを都道府県知事が持った場合には、所在の市町村長の意見を聞いた上で規制区域というものを、地方自身の状況に即した考え方で防止地域というものを指定する、指定をしますと、今度はその指定地域につきましては、国があらかじめ設けております一定の範囲、率がありますが、その中において規制基準というものを都道府県知事が設けて告示をする、こういうことになります。しかし、これは自治体でありますので、都道府県知事は、規制基準をきめるためにも、所在の市町村長の意見を聞くこと、さきに述べたと同じでありますが、それらの意見も聞きながら規制基準を設けて規制をする、その規制基準違反の行為につきましては改善勧告をする、それも聞かなければ改善命令を発する、それも聞かなければ罰則の適用、こういうことになるわけでございますので、これは私ども厚生省としましてはもちろん、通産省にも、あるいは農林省にも、また私ども自体の中にも悪臭を発生するような施設の管理権なきにしもあらずでありますが、こういうものにつきましては、国も初めからそれについて指導的な考え方を持って指導するし、繰り返しますように、地方自身がこの法律によっていろいろな措置ができる、こういうたてまえでございますので、私は市町村長にも、知事にも、その状況に応じてこの法律をしっかりと活用していただくことによって悪臭防止が地域に即してできる、こういうふうに考えております。
#107
○島本委員 これは、やはり大臣がしっかりしなければだめだ。たとえば私、いま具体的な例だけれども、将来のだめに名前はあげないが、ソリュブル工場を持ってきて、中小企業の一つの育成ということで共同体ということで持ってきて、それをやるように指導したのが、その市町村の長だ。そしてその排水が出るから、その排水を前浜に投げると、その辺の沿岸がいたむからだめだと漁民の反対を受けて、わざわざトンネルを通していって、漁港にそれぞれパイプでもって水を運ぶように指導したのが、そこの市町村の長だ。だから岳南排水路と同じケースがあると言っている。そして自分の港、漁港のほうをよごしている。その辺から悪臭がうんと立っている。これはトンネルがありますから、そのトンネルの中に入ったら嘔吐を催す。そういうようなことでも、そこの市長が指導してやっておりますから、知事に言うわけがないじゃありませんか。知事がどうして権限行使ができますか、言うわけがないのだから。それを現に指導しているのが水産庁ですから、水産庁のほうでいろいろ融資のあっせんや何かをやっているのですから、またその点検が不完全だ、そういうふうになった場合は、やはりもうあなたのほうで法律の実施者として、その点なんかを強力に実施をさせる、こういう指導をする以外にはないんですよ。もうそれも市町村長まかせだといったら、市町村長が自分で指導してやっていたら、もう全然上に上がりません。こういうようなところに抜け道がある。それで現行のものに対しては、もうとても抜けている。これからつくるものについて、基準以上排出する工場をつくろうとした場合には不許可にできるのかと言ったらこれもできない、新たなものもできない。既成のものは、そういうようないままでの経過からして、この規制を市町村長はしない、こういうことになったら、いたずらに住民が困るだけですよ。そういうことになったら、住民の側に立つ大臣のあなたが、そういうような実態によって県なり市町村なりはっきりそれを申し入れてやらせる以外にないですよ。そこにやはり住民の側に立つ厚生大臣の存在価値があるということになるんじゃありませんか。あなたは、全部まかせたんだからやらなくてもいい、こういうような考えでは、法ができても実施の面において画竜天晴を欠くおそれがある。それが心配だ。具体的な例を申し述べましたが、この点どうしますか。
#108
○内田国務大臣 島本さんに反発するわけではありませんが、(島本委員「反発してもいいですよ」と呼ぶ)島本さんは、この法律の権限は市町村長にまかせるべきである、それが悪臭発生工場の実態に沿うので、その上の都道府県知事まで持ってきたというのはゆるふんだというお話でございますけれども、いまのお話を聞いておると、市町村長がだめである、こういうお話で、まずその点に矛盾がある。反発してもよろしいとおっしゃるから反発しますが、そこで私は、市町村長にまかせておいたのでは、そういうことをやる市町村もあるだろうし、また市町村長に事実上の指導能力もないから、市町村長を疎外するわけではないけれども、もう一段上の、その地域を管轄する都道府県知事にこの法律はいろいろの権限を与えている。たとえば第十一条に「都道府県知事は、住民の生活環境を保全するため、規制地域における大気中の悪臭物質の濃度について必要な測定を行なわなければならない。」こういう規定を置きまして、都道府県知事がその地域住民の生活環境保全のためにこういう測定をして、それが今度は前のほうに戻って第三条で、都道府県知事はそういう測定の結果に基づいて、必要がある場合にはその規制地域の指定もみずからするし、また市町村長が良識があって、ああいうのは困るということで、やってくれという申し入れを都道府県知事にすれば、その申し入れに基づいて都道府県知事が規制地域の指定なりあるいは排出規制基準というものを設定して告示を出す。場合によれば、その市町村は知らぬ顔をしておっても、隣の市町村が、わがほうの隣の市町村でああいう施設があって困るということであれば、隣の市町村長も都道府県知事に申し出ることができるという仕組みにこの法律ではたしかなっておるわけでございます。国が、厚生大臣が責任を逃げるつもりは毛頭ございませんけれども、悪臭のような地域性の強い事柄につきましてはいまお話がございましたようなことがあっても困るし、当該市町村長がダラ幹で一向かまわないということでやらしておったのでは困るわけでありますから、この法律で、市町村長もそういう姿勢をしてもらいたいし、知事にもしっかりしてもらわなければならないし、この法律は厚生省だけがつくった法律ではございませんで、各省が協議をしてつくったことでございますし、またすでにお気づきのように、この法令に基づく政令などは厚生省令と書かないで総理府令と書きましたのは、環境庁が、この法律が動き出すときにはもうすでに国会の御承認のもとにでき上がっていることを想定いたしまして総理府令と書いたわけでありまして、ここには各省からの職員が集まりまして、総合的見地に立ちましてこの悪臭防止法を動かしますので、中央官庁のそのまた中央的な機能として、環境庁方面でも、みずからそういう悪臭を放つような工場を地方につくらせることを平気で指導するというようなことがあってはならない、かように考え、またそれだけの気がまえを私どもは持って環境庁というものに動いてもらいたい、こういうふうに私は考えておる次第でございます。
#109
○島本委員 一般論と具体的な事例と相反するような事態であるから、一般論ではこうすべきだと言ったのがいままでの議論、ところが現に水産庁が指導してやっている中にこういうような一つの特殊な事例もあるから、この事例に対しての規制をはっきり指導するのはあなただと言っている。全部ごっちゃにするなんてあなた少しおかしいよ、だめだよ。そういうようなことですから、緩急自在をはっきりあなたはわきまえて答弁してもらわないと、せっかくあなた、名答弁していながらだめじゃないですか。
 違反者に対する直罰主義をとらなかった理由はどういうことですか。
#110
○曾根田政府委員 悪臭は、他の大気汚染あるいは水質汚濁等と異なりまして、これのいわば影響といいますか、人体、健康等に及ぼす影響も直接的なものではございませんで、むしろ多分に心理的、感覚的なものでもございます。もちろん非常に悪臭の程度がひどければ頭痛、嘔吐等を伴うものでございますけれども、主としてはいわば第二次的な影響のものでございます。一方また、発生源に零細企業等も非常に多い。それからまた、必ずしもすべての施設について完全な防止施設等の開発も行なわれていないということから、直ちに直罰方式を導入するということは実態から見ていかがなものであろうか。むしろ改善勧告、改善命令等のステップを経て、その上で必要な規制を行なうということが実際的ではないかということで直罰方式を導入しなかったのでございます。
#111
○島本委員 聞けば聞くほど、だんだんと抜けている法律だということがわかってくるのです。
 附則第一条のほうに入りますけれども、「公布の日から起算して一年をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。」こうなっておりますね。この施行期日はいつを予定していらっしゃるのですか。
#112
○曾根田政府委員 この法律が公布になりましてからいろいろと準備がございますけれども、一番問題になりますのは第四条の規制基準の基礎になる総理府令の作成でございまして、これにつきましては、全国的に各地の代表の方々にいわば公害悪臭モニターになっていただきまして、従来一部の学者によってはいろいろ言われております臭気度、幾つかの段階の臭気度の表がございますけれども、これは外国で、外国の学者によって発表されたものでございますので、日本の国情に合ったといいますか、日本人向けの臭気度表とでもいいますか、そういうものをつくらなければいかぬ。そして今度はそれぞれの臭気度に応じたそれぞれの悪臭物質ごとの濃度を測定いたす必要がございます。そういったことを考えますと、やはりどうしても一年近くの準備期間は要るのではないかというようなことでございまして、ただいまのところはやはり公布後一年程度たってから施行せざるを得ないのではないかというふうに考えております。
#113
○島本委員 そうしますと、この法律が施行されても、都道府県知事の改善命令に関する権限は施行後さらに二年間は行使できないということを附則第一条のただし書きの中で規定しておる。したがって、この法律は公布されても三年間は単に行政指導だけで、実質的な悪臭の規制はできないということにはっきりなるということですか。
#114
○曾根田政府委員 罰則を伴う改善命令の実施は、御指摘のように公布の日から向こう三年は発動しないわけでございますけれども、それについては当然いろいろ御批判もあろうかと思いますけれども、やはり現実の悪臭防止関係の研究開発の段階では、あるいはまた一方発生源に特に零細企業が多いという現実を考えますと、実情に合った規制を行なうのにはどうしてもこの程度の期間が必要だという判断を加えたのでございます。
#115
○島本委員 三年間は行政指導だけで、実質的な悪臭の規制はできないということがわかりました。それで違反にあたっても直罰主義をとらないでゆるやかなやり方をとるというような点もわかりました。それで結局のところはこういうふうにしておいて、行政指導という点になるとだれがするのですか、どこがするのですか。厚生省ですか、通産省ですか、農林省ですか、総理府ですか、この点をまず聞いておきたいと思います。
#116
○曾根田政府委員 行政指導は、それぞれの発生源に関係あります関係各省が、都道府県知事に対して行なうということになろうかと思いますけれども、たとえば厚生省の場合で申し上げますと、この悪臭発生源のうち相当部分は私どもの所管しております法律の規制対象に実はなっておるわけでございまして、先ほどお話のございましたフィッシュソリュブル等につきましてはへい獣処理場等に関する法律の準用施設になっております。この法律では、たとえば施設等につきましていろいろ構造、設備、管理等の基準を設けておりますけれども、御指摘のように悪臭関係のそういった面の規制はいわば抽象的な規制にとどまっております。しかしながら、この法律が現実に施行され、規制基準が具体的に働くことになりますと、当然規制基準の内容いかんによっては、へい獣処理場等に関する法律に基づく構造、設備の基準あるいはその他廃棄物処理法に基づく清掃施設等の基準もそれに応じて当然に強化することになるわけでございまして、行政指導と申しましても、具体的に、場合によれば法律あるいはこれに基づく政省令の改正ということは当然予想されるわけでございます。そういったことで、法律による規制を必要とするものはその強化の形において、その他のものにつきましても規制基準に見合った行政指導によりまして、十分具体的に悪臭の発生の防止ということに努力してまいる考えでございます。
#117
○島本委員 第二条のこの「悪臭物質」といわれるもの、これは先ほどいろいろ答弁がございまして大体わかりましたけれども、政令できめようとする内容、これは硫黄化合物、窒素化合物、炭化水素、それから脂肪族化合物、これら十三の物質、こういうことになるわけですか。この点、間違いありませんか。
#118
○曾根田政府委員 一応法案作成の段階において関係各省と事務的に話し合って、おおむねこの程度は政令の中に取り込めるのではないかということになりましたのが、御指摘の十三程度の種類のものでございます。これをアンモニアならアンモニアというふうに、具体的に物質名として政令に規定するわけでございます。
#119
○島本委員 このいわゆる悪臭発生源、こういうような点についても、いま言ったこの範囲はわかりましたが、これ以上のものは考えられないのですか。
#120
○曾根田政府委員 発生源と申しますのは……
#121
○島本委員 物質……。
#122
○曾根田政府委員 実は悪臭物質と称されるものは、学者によっていろいろ異なりますけれども、非常に多数あるわけでございまして、大体において関係ある物質は二十万とも四十万とも称されておるのでございますけれども、もちろん中にはいいにおいに関係あるものもございますが、大部分は悪臭に関係するということでございます。ただ、実際問題としまして、その中でも現実にいわゆる人の生活環境に影響を与える悪臭とされるものはおのずからしぼられるわけでございまして、私どもが一応事務的に考えておりますのがその最も代表的なものでございますので、こういったものを規制の対象にすれば、通常の生活環境上の悪臭問題というものは、大体は解決されるのではないかというふうに考えております。
#123
○島本委員 なるほど、これはおっしゃったように四十万、二百種類、これほどもあるようですな。しかしここでは十三の悪臭物質というふうになっておる。そうなったら、やはり成分不明の悪臭というのも当然今後あり得るわけだ。そういうようなものに対しては対策として十分余裕を持ってこれを考えていますか。
#124
○曾根田政府委員 私どももこの法案作成の時点で、やはり専門家の方の意見ももう一度聞いておきたいということで、各方面の悪臭の専門家の意見も聞いたのでございますけれども、その場合に、たとえば悪臭というのは、実際には幾つかの悪臭物質が複合して混在しておる状態のにおいが多いわけでございまして、単一の悪臭物質から悪臭を発するというのは通常の生活形態ではむしろまれなわけでございます。ところが、実際には悪臭としてではなくて、悪臭物質としてとらえますから、たとえばこういった悪臭物質を消してもほかにどういうものがまた残るか、あるいは中途はんぱな消し方をした場合に、他の悪臭物質に転換といいますか、変わるおそれはないのかというようなことについても、実はいろいろ御議論をいただきました。いまの悪臭に関する化学の現状において、一〇〇%これでだいじょうぶだということは言えないということではございましたけれども、しかし、少なくとも現段階における研究の成果から見て、悪臭規制を行なうとすれば、この法律で考えておるような、またこういう例示の物質の規制で現状においてはやむを得ないのではないかということで踏み切ったわけでございます。
#125
○島本委員 この悪臭防止技術の開発、こういうようなものは、なかなかいまのところでは遅々としておるようです。それから意見も、いま伺ったところによると相当あるようであります。しかし、やはり現実の問題として、法律が出て、政令も出されることによってこれが実施に移されるわけです。そうなりますと、政令による指定をおくらせることによって不当にこの実施が遅延される、こういうようなことがあり得るわけです。現に河川法は、法律はできていたけれども、河川法の政令は各省庁に及ぶということで三年以上も投げられて、河川法はできてもその法の実施ができないままにこれがうっちゃられてあった、そういうような事態もあるのです。いまこの法律ができても、悪臭防止技術の開発のおくれ、こういうようなものの理由をたてにして、政令による指定を不当におくらせるようなことがあっては困ると思う。硫化水素だとか、脂肪族、アミンですか、それとサルファイド、こういうようなものを規制対象にして実施する時期はどう考えていますか。
#126
○曾根田政府委員 政令で規定する物質につきましては、関係各省とも事務的に一応の話し合いがついておりますので、いまの段階では法律施行の際政令で指定する考えでございます。もちろんその際には、当然それぞれの物質についての規制基準の内容というものが同時に固まっていなければなりませんので、いまここで間違いなく十三種類すべてを施行の際全部取り入れるというお約束はいたしかねますけれども、少なくとも防止技術のほうができてないから規制の対象から落とすということだけはいまのところ考えておりません。
#127
○島本委員 総理府令で定める予定になっている規制基準の範囲とその内容を、少し具体的に言ってください。
#128
○曾根田政府委員 このにおいにつきましては、悪臭の人の感覚に訴える強さといいますか、臭気度、これが実際に不快感を与えるわけでございますけれども、その強さと、それからその際における悪臭物質の濃度と二つあるわけでございまして、においの強さのほうは、これは感覚に訴えるものでございますから、結局人の臭覚にたよらざるを得ないということでございます。このにおいの強さにつきましては、いろいろと臭気度表というものが学者によって発表されておりまして、あるいは五段階説あるいは六段階説というふうなものがございますけれども、たとえば労働衛生の分野でよく使われる六段階表というのがございますけれども、これは臭気度ゼロが、これは当然のことでございますが、においがない状態、臭気度一になりますとやっとかすかに感じる、それでだんだん強くなりまして、一番強い五度の段階は鼻をそむけたくなるほど強いにおいというようなことになっております。しかし、先ほど言いましたように、発表されております臭気度表示法というのは外国の学者の発表したものでございまして、日本人の生活実態にそのまま即するかどうかについてやはりそれを再検討する必要がございます。よく言われることでございますけれども、外国人は魚のにおいには弱いけれども、日本人は強いというような国情の違いもございますので、この臭気度表をつくる作業を、先ほど言いましたように、全国各ブロックごとに代表の方を選んでモニターになっていただきまして、結局鼻さきの仕事をしていただくわけでございます。それで、大体日本における強いにおい、臭気度四としての強いにおいというものはこの程度のにおいだということを確かめまして、その強さの状態における悪臭物質の濃度を、そのサンプルを機器ではかりまして出す、そういうことにいたすわけでございます。ですから、基準といたしましては最終的には濃度の形で何PPM、あるいはものによっては何PPBという単位で表示されて、それがたとえば臭気度二から臭気度四までを総理府令できめようとすると、その臭気度二の状態における物質の濃度、何PPMから臭気度の四に見合った濃度何PPM、そういう範囲を総理府令で示すということになるわけでございます。そういったものを悪臭物質の種類のすべてについてそれぞれに規定するということでございます。
#129
○島本委員 これは改善勧告及び改善命令の点になりますけれども、改善勧告は、どうなんですか、これは八条ではっきり例示されていますが、「規制基準に適合しないことによりその事業場の周辺地域における住民の生活環境がそこなわれていると認めるとき」こう長ったらしくなっている。規制基準に適合しないとき改善勧告を当然する、というのが常識じゃないかと思うのですが、そのあとに、いわゆる環境との調和みたいな意味のこういうような長ったらしいのが入ってきて、いかにも規制基準に適合しなくても、その事業場の周辺地域における住民の生活環境がそこなわれていると認めなければやらなくてもいいということになる。この辺少し――調和条項として産業との調和、経済との調和、こういうものは全然入っていないという精神で貫かれている。しかし、いまのこの文句でいってみますと、結局改善勧告そのものは、この規制基準に適合しないということ、まずこれが一つ。したがって、規制基準に適合しないときに改善勧告をするというのが普通の常識なんです。ところが、これによると、しないことによって事業場の周辺地域における住民の生活環境がそこなわれると認めるとき、というのと二つになっている。認めなければだめだ。それと同時に、事業場の周辺の地域における住民の生活環境がそこなわれる、こういうものでなければだめだ。そうだったら、産業との調和と同じように、排出していてもその辺の人が黙ってがまんしていると、幾ら出してもいいということになる。それと同時に、認めなければあたりの人が何を言ってもいいということになる。したがって、これは当然、規制基準に適合しないときに改善勧告をする、なぜこういうふうにわかりやすくぴたっとやらないで、長ったらしくこれをつけたのだ。これは、少し通産省の圧力ではないですか。
#130
○曾根田政府委員 これは別に他省庁との間でどうこうという問題でございませんで、先生の御指摘もまことにもっともな点もございますけれども、実はこれが悪臭の特異性でもございまして、感覚公害である悪臭でございますので、実は一応その当該地域における規制規準をつくりましても、基準を少しでも越えたから直ちに当該地域住民に不快を及ぼすかどうかというのは、当日の風向きあるいは湿度等、そういう気象条件、それからまた、まあ変な話ですけれども、そのときにおける当該地域住民の生活態様にも多少関係があるかもしれませんけれども、そういうことが実はしばしばあるわけでございます。形式的には基準を越えておるのだけれども、そのことによって何ら生活上の不快なにおいとしてはとらえないで、地域住民も実はそれを看過しておるというような事態もございます。したがいまして、基準オーバーがイコール行政措置の対象にならないという整理をしたのでございまして、それは決して別にそれによって規制の発動をどうこうするという気持ちではございませんで、むしろ悪臭という公害の性格からくる一つの特異性であるというふうに私ども考えるわけでございます。現実問題としまして、あ、やはりきょうのにおいはおかしいということであれば、そしてまたその際に基準を違反しておれば、当然に行政措置が発動されるわけでございますし、それを意識的に押えようというようなことは毛頭考えておりません。
  〔「島本さん、そろそろ時間だ」と呼ぶ者あり〕
#131
○島本委員 いるのは次官ではなくて大臣だから、心配要らない。
 この事故のときの措置、これはもう「すみやかに復旧するように努めなければならない。」と十条ではっきりいってありますが、すみやかに努めなければどうなるのですか。
#132
○曾根田政府委員 もし復旧努力を怠りまして――ということは、基準違反の状態、しかも形式的違反でなくて、住民に不快感を与える悪臭の発生が当然考えられるわけでございますから、そういった事態であれば、事故時であるといなとを問わず、先ほどの改善勧告、改善命令の発動があり得るわけでございますから、そういったことによって規制するという考え方でございます。
#133
○島本委員 その場合、事故時の場合には、「復旧するように努めなければならない。」この義務規定だけなんです。こういうようなことだけでは十分かどうかという点を考えましたか。おそらく、宣言規定、義務規定、これに対して中にクッションを二つか三つ置いて、行政指導によって、聞かなければ、やってやるのだ、こういうようなことになっている。しかし、公害行政をやっている中でこの辺がしり抜けになっているということは十分知っているはずだ。大臣は、これは去年の暮れの国会に出さないで、十分これを練って完全なものにして出したと言いながら、やってみればやってみるだけだんだん、これはどうも――私どもとしては、厚生省としてはこんなのでほんとうに悪臭防止のために法律を先頭に立てて、そして国民のいい環境を守るための、これは一つのチャンピオンになれるだろうか、こういうような気さえする状態であります。私は審議してみて、これはもっとりっぱなものだと思っていたら、意外にこれはまだまだ不備不足、こういうようなところが多い。それに去年から十分審議したといいながら、やればやるほど不可解である。こういうような点では、私はこのまま、はい、わかりましたと言って引き下がるわけにはまいりませんで、この点等についてはいままでの答弁は全部不十分。全部に対して再質問する機会だけは留保して、私はこれでやめます。
#134
○小林委員長 岡本富夫君。
#135
○岡本委員 最初に、先臨時国会にこの法案を提出することになっておりましたが、できなかった。その理由としていろいろありましたが、それからこの法案が変わった。その中に、変わった理由として、測定器及び技術開発が非常に進んだ、そういうことによって変わったのだというお話がありましたが、まず、それについてもう少し詳しくお答えをいただきたいと思います。
#136
○内田国務大臣 私は、厚生省をおあずかりいたすことになりましたので、公害対策につきましては、世論の向きもございまして、非常に深い関、心をもってこの一年余りやってまいりましたが、公害になっておりながら悪臭防止につきましては法律制度も整っておらないということに対しまして、むしろ私自身不審の念を持ちましたので、当局にただしましたところが、法律をつくりましても、測定なりあるいは悪臭のとらえ方、総合的にこれをにおいとしてとらえていくのか、あるいは悪臭の原因を物資ごとに分析をして、その物資ごとについて、原因たる物質の濃度でとらえていくのかというような点がはっきりしておらないし、いわんや測定がかりにできたとしても、悪臭の排除についての措置などがなかなか現実の問題としてはやり得ない、個別の法律がつくり得ないのだ、困っておるのだ、実はこういう説明でございまして、まことにやむを得ないことのようにも考えておりました。しかし、先ほども述べましたように、公害のうちで一番苦情が多いのは騒音とこの悪臭でございまして、課題は地域的な課題ではございますけれども、とうてい放置はできないということでございますので、私は厚生省内部におけるこの方面の技術的な開発につきましても督励をいたしますとともに、厚生省外の学界、技術界等に対しましても、この面の研究を委嘱するようなことに努力をいたしてまいったわけであります。正直に申しまして、昨年の公害国会にははたしてそういうものが出せるのか出せないのか、悪臭防止法という形で出せるのか出せないのかという限界点にありまして、したがって、基本法でありますとか、大気汚染防止法の改正でありますとかいうのと肩を並べて冒頭から出せるというような状況ではございませんでした。しかし、そのために出すこともおくれ、一国会見送ったようなことも先ほど来申し上げたとおりでございますが、この法律を出すことによりまして、いま申しましたような技術の面の開発を督励するという二次的効果も期待されますし、また、その間悪臭のとらえ方につきましても、総合的にとらえないで、各種の悪臭の中における物資別にとらえ得るというような、そういうめどもついてまいりましたので、今回は前のときよりもかなり腰を据えてこの法律案を出し得た、こういう変化もありますことは事実でございます。したがって、これが施行されます間の年間におきましては、一そうこの面の技術的開発の進むことを私は期待をいたしております。
#137
○岡本委員 じゃ私の聞き違いだったか知りませんけれども、先ほど島本君の質問に対して、都道府県知事に権限というよりも市町村に対して権限をというのが変わった、大体大まかに変わったのはそれだけですから、その中で、当初はそういう技術開発あるいは測定器の開発がなかったから今度変えたのだというので、ぼくは非常に矛盾を感じたわけですけれども、それはいまのあれで了解しておきましょう。そういうことはないと思うのです。
 そこで大臣、いまの話を聞いてみますと、悪臭については早くやりたいという非常に熱心なお考えだった。当局にだいぶやかましく言ったけれども、なかなか確信がなかった。やっとめどがついたから今度出したのだという話でありますけれども、それでは英国、米国、あるいは西独、フランス、こういうところでは悪臭防止についてはどういうようにやっているか、これについて御研究なさったことございますか。
#138
○内田国務大臣 外国に、お手本にすべきようなこうした法律体系が、国としてはでき上がっておらないそうでございます。アメリカでも一部の州において悪臭の規制対策の法制がありますし、フランスにおきましても、地方の公共団体の一部の条例類似のもので規制があるそうでございますが、国としてまとまった規制の法制ができておるところはなさそうだ、こういうふうに聞いております。
#139
○岡本委員 私の調べたところによりますと、西ドイツを例にとったわけですけれども、その他も大体大気汚染防止法の中でこれを防止している。すでに東京都におきましても、そういう計画を条例の中に入れているわけであります。したがって、悪臭防止法でなくても、ほんとうにやろうとすれば、大気汚染防止法の中に取り締まる悪臭を入れればできないわけはないと思うのです。ですから、大臣、さいぜんから答弁なさったのが若干矛盾点があると思われるのはそこが一点なんですが、先ほどからいろいろ話がありましたように、一年おいて政令をつくって、それから二年たって勧告というのでは、これは三年かかる。とてもそれまで待っておれないというようなことを考えます。ただし、中小企業といいますか、小企業、こういうところにおいては、また相当いろいろな問題があるわけですけれども、まず私、富士市あるいはまた兵庫県の神戸もそうですけれども、非常にくさいところを見ますと、大きな製紙工場あるいはまた製鉄工場、コークス工場、こういうところが相当すごいにおいを出してあたりに充満しているということになれば、大臣がほんとうにやる気になってすれば、私は大気汚染防止法の中に入れてもできるのではないかということを感じておったわけです。だから、本気になってやる気にならないと、この法案の性質として非常に心配なのは、この法案を出せば悪臭の防止をやろうというような気持ちになるのじゃないだろうかというような、何というのですか、取り締まるほうじゃなしに、若干そういう気分にしていこうというように先ほどから答弁を聞いておりますと感ずるわけなんですが、住民はそこまで待てぬわけです。先ほどのたくさんの苦情にしましても、できないところもありますけれども、こういった大企業なんかは、やろうと思えばいろいろなガスの漏出するものをとめたりということはずいぶんできるわけなんですが、いまその規制がないために、ほうってあるという面もだいぶあるわけですから、その点について段階を分けなければいかぬと思うのです。大企業はできるところはすぐにやらす、それからどうしてもできないところもありましょうから、それはまた考えなければならぬということでありますが、それを一律に、これから一年の後に省令ができて、それから、二年たってと、そんなことではこれは非常に手ぬるい、むしろこの法案ができたために、近所からやかましく言われても、住民からやかましく言われても、いや法律はこうなっていますと、これをたてにとってしまうんじゃないかというような懸念もあるわけなんですけれども、そういった面に対するところの大臣の指導と申しますか、あるいは行政に対するところの、どういうふうにやるかということをひとつはっきりしていただきたいと思います。
#140
○内田国務大臣 先ほど私がお答え申し上げましたこととも関連いたすのですが、悪臭防止についての特別の規制法の体系がどうしてないかということを、私は厚生省に参りまして担当に尋ねたときに、先ほど申したとおりのことのほかに、悪臭の発生する原因には大気汚染、それからさらに水質汚濁等から来るものもあるので、大気汚染、水質汚濁についての規制によってかなりの分は悪臭対策ができるのです。それはたとえばSOとか、あるいはまた炭化水素とか、あるいは硫化水素とかいうようなもの、つまり石油精製業とか石油化学とかいうような化学工業の面から発生する悪臭につきましては、大気汚染防止法あるいは水質汚濁防止法等の規制によってかなり悪臭対策もできるのだと、こういう説明を私自身も受けておりました。
 ところが、いまのそれ以外に悪臭になる原因物質というものはたくさんの要素がありまして、それらに対する対応策を立てていかないことには、たとえば養豚場の臭気一つ考えましても、先ほど来皆さまからお話が出てまいりました水産加工場などの悪臭にいたしましても、そういうものの対応策にはならないわけでございますので、メチルメルカプタンでありますとか、アンモニアとかいったような、その他幾つかの物質別の規制をやらないと、きめこまかな悪臭対策はできない。そこで二本立てでまいります。お説のとおり一方は先般改正されることになりました大気汚染、水質汚濁防止法によりましても、これは主として大企業関係が多うございましょうが、それはそれで進めてまいりますし、また今度の法律によるこまかい措置は措置で進めてまいる。
 それから、なおお尋ねにありましたように、この法律ができましたときには、他の公害関係立法はおおむね六カ月以内に実施をすることになっておるわけでありますが、これについてはやや長い実施の余裕を見ましたのは、お話のございましたように中小企業も多いこと、それに悪臭を押えるにも、それをほんとうに押え切るだけの十分な技術開発なり、あるいはそういう企業をほんとうにやめさせてしまって、それで人間の集団生活がにわかにできない面もございますので、それらに対する準備、用意というようなことも考えざるを得ない種類のケースが多うございますので、そのように余裕期間をとってある、またその間未完成の技術開発にもつとめてまいっております面があることを考慮した結果でございます。
#141
○岡本委員 そうすると硫化水素、こういう製紙工場から出るやつですね。これは非常にくさいわけですが、こういうものは大気汚染の中にはっきりと入れて、そしてまずそれでもって取り締まることのできる悪臭は先に取り締まる、こういうように理解してよろしゅうございますね。
#142
○内田国務大臣 その硫化水素は、大気汚染防止法でいいますと、特定有害物質という中に入るわけでございまして、特定有害物質につきましては、硫化水素もあればいろいろなものがありますので、それらの準備を整えて政令で指定して、大気汚染防止法の適用対象となる有害物質ということになるはずでございます。したがって、そのほうはそのほうの順序、段階で、硫化水素がどの程度のところにどういう段階で位置づけられておるかは、これは私からはいまここで直ちにはお答えできませんけれども、考え方としては私が申したとおり、また岡本委員がお尋ねになったとおりでございます。
#143
○岡本委員 次に悪臭物質の規定と範囲についてでありますけれども、この法律の目的は「生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする。」わけでありますから、悪臭物質という化学成分だけでなくして、やはり住民の主観が大切だろうと思うのですね。ですから、正常な人たちが多数不快なにおい、こういうことを感ずるものは、悪臭物質の特定の成分に限らず、このにおいをやはり対象にしなければならぬじゃないか、こういうふうに私は思うのですが、その点についていかがですか。
#144
○内田国務大臣 これは、においというのは総合杓なものであって、においを大ざっぱに分けても、たしか八種類ぐらいのにおいの範疇があるそうでございますが、しかし、それらはいずれもいまお説のとおり、主観的な要素もありますし、またなれといいますか、その生活環境に染まってきたかどうかというような要素もありまして、必ずしも客観的な基準というものは総合的には得られないと私は説明を受けております。しかし、それを分析してみますると、そのにおいの中ににおいを形成する幾つかの化学物質がございまして、それらが一定量をこえて集合するところにいろいろのにおいが発生するので、むしろ客観的ににおいの構成要素である物質の許容限度というものを測定をして規制することが、この悪臭防止に対応する技術的な可能性の手段である、こういうことに帰着をいたしたようでございます。
 そこで、たしかこの法律でも、悪臭とは何かということを定義づけないで、悪臭を構成する悪臭物質といいますか、悪臭物質につきまして政令で幾つかをきめてまいって、それの許容限度をきめてまいる、こういう仕組みにこの法制がなっておりますのも、いま私が御説明したような角度からであると私は説明を受けております。
#145
○岡本委員 そうしますと、いま政令できめられておるところのもので全部含まるということはないと思うのですね。同時に、住民サイドから見ましても、やはりこのにおいが、たとえばアンモニアなんかだとよくわかりますけれども、いろいろな仕分けというものがなかなかできないと思うのですよね。それからもう一つはやはり積算されると思うのです。たとえば許容限度をここの工場からは何ぼだと、ここは許容限度はこれだけ出ておりますと、こっちもこうだと、こういうことになってきますと、これは積算される。そうすると各工場では、うちはもう基準範囲に入っていますと、こういうことになりますれば、あるいはまあピーク時ですね、このときに非常に、われわれ住民としては住んでいますと非常によくわかるわけですが、くさいところにおりますからね。そういう面のときにはどうするのか、この点がひとつ私ははっきりしないと思うのですね。
#146
○曾根田政府委員 この法律の規制基準につきましては、個々の事業場ごとに基準をつくるわけでございますので、一応個々の工場、事業場の規制で足りると思いますけれども、御指摘のように、集合しているような場合に、基準の定め方いかんでは、個々の事業場ではあっても、地域全体に及ぼす影響が非常に不快を与えるというようなこともあるいは考えられる場合もあろうかと思います。そういうような地域では、むしろそういう前提で個々の規制基準値をきめる、そういうこともあり得るということも考えて、個々の規制値をきめるということになろうかと思います。
#147
○岡本委員 そうすると、集合しているところは非常に、各排出基準といいますか、そういうものを低くきめる、こういう考えだ、わかりましたが、そうしますと、そこに新しく今度は工場が入ってくる、こういうことになった場合はどうするか。みんなまたほかの分も落とすのか。それで、非常にこうした事業で困るのは、たとえば、あなたのところは何PPMです、わかりました。そういう設備をする。そうしてまた次の工場ができてきたから、もう少し強くしてください。このたびにものすごい設備費がかかるのですよ。できない。たとえばメッキ工場なんかそうです。新しくできてくるたびに、前の設備を全部取りかえてやらなければならない。だから、一つはやはり新しく入ってくる工場に対しては許可制にしなければならぬと私は思うのですよ。そうでないと、もうほかのものが迷惑する。できないからそのままほっておく。したがって、一つは、環境基準をきめなければいけないと私は思うのです。その範囲に入るならばこれはよろしいですけれども。その点についてどういうように考えていらっしゃるのです。
#148
○曾根田政府委員 御指摘のようなケースの場合は、理論的には新規の企業についての、まあ大気汚染防止法でいいますと特別排出基準といいますか、そういうようなことがあるいは考えられるのではないかと思いますが、ただ、一般的に申しますと、悪臭という公害の特性からいいまして、すでに一定の事業活動で悪臭が発生している。そこへ新たな発生源が加わって、排出物の量が倍になった。量が倍になるから、においの不快感が倍になるという関係ではございませんで、それが悪臭の特性なんでございますけれども、非常に極端に量がふえ、濃度がふえませんと、不快感つまり臭覚に訴える悪臭の影響というのはほとんどないわけでございます。ですから、理論的にはおっしゃるように特別排出基準的な考えでいくことになると思いますけれども、実際問題として、ある程度悪臭が発生しておるところへ同じ悪臭の発生源が来ても、生活環境に及ぼす影響というものは、悪臭の特性からいうとあまり影響がないというふうに考えてよろしいかと思います。
#149
○岡本委員 それは現実のことを見てないからだと思うのですね。私、ぼくのほうのところをずっと調べまして、この法案を審議するためにずいぶん回ってみたのですよ。そうすると、いままであったところへもう一つ来ると、やはりそれだけ積算されるわけですよ。だから、なかなか希釈はしにくいのです、これは。しかし、積算されることは間違いないのです。同じ住居におりまして、夜になったらものすごく出てくる。これはもうほんとうにくさいですよ。このごろ変なにおいがしたな、とまた別のやつが来ているのですね。そうなって、風の向きなんかで、集合して入ってくるのですよ。だから、窓を締めなければいかぬ。これが夏になったらたいへんだというところもあるのですね。ですから、もう少し現実を調べてもらって、そしてやはりある程度の環境基準というものをきめなければならぬと思うのです。そして工場も、入ってくるときには規制しなければいかぬ。ただ、いまみたいに野放しみたいにやったら、これはほんとうにぐあいが悪いと思います。今度、田子の浦のヘドロを見にいきましたが、こんなところに工場があったか、知らぬ間に建っているのです。だから、よけいそれがミックスされて非常に多くなっているわけです。あれは堆積されるわけですけれども、悪臭のほうは消えるような状態ですけれども、やはりある程度の環境基準というものをきめて、そして工場の入ってくるものに対しては、やはり多いところは規制しないと、もうその付近には全然住めなくなる、こういう現実があるわけですから、やはり環境基準をきめなければいかぬと思うのです。その点についてもう一ぺん考えてもらいたいと思うのですが、どうですか。
#150
○曾根田政府委員 公害対策基本法でいいます環境基準、これは基本法におきましても、環境基準の対象としては悪臭は取り上げてないわけでございますが、実質的には法案の第四条にございます規制基準が、「次の各号」ということで、一号、二号、三号とございますが、この一号が実質的にはその環境基準に見合う基準の実は考えでございます。ここにもございますように、一号の基準は、悪臭を発生する事業場がある場合に、その敷地境界線の地表における規制基準をつくることになっておりますけれども、これがいわゆる環境基準的な基準でございまして、二号と三号にはさらに具体的に排出口から出る場合、あるいは排水水に含まれる場合の基準という押え方をしておりますので、この二号と三号の規制基準がいわば環境基準達成のための排出基準といいますか、規制基準、大体そういう考え方でございます。ですから実質的にはこの一号の基準をつくることによって、当該地域における環境基準的な働きが期待できるということになろうかと思います。
#151
○岡本委員 次に、第三条の規制地域、これは今度大気汚染防止法はそういう地域をはずしたわけですから、やはり規制地域というのは、もう日本の国土の現状といたしまして、山の中に一つあるというようなものはこれは別ですけれども、住宅がやはりそこに密集するわけです。いまは工場一つしかないというけれども、あとからどんどんどんどん住宅が建っていくわけです。ですから、国情に合わせるということになれば、やはりこれは初めからそうした全国一律な基準をきめておけば、そのときになってから、君らあとから来たじゃないか、やかましゅう言うな。もう最近ではそれがきかなくなった、住民運動が非常に激しいですから。それを考えてもらいたいことが一つ。
 もう一つは、この規制地域の指定を行なうときに、市町村長の意見を聞く。第五条です。第三条と第五条について質問しますけれども、この五条の、意見を聞かなければならぬ。これは、いままで実は水質保全法で経企庁でよくやっておりましたけれども、経企庁で水質保全法を適用するとすると、都道府県知事から意見を聞かなければならない。都道府県知事がやめておいてくれということになったのです。たとえば愛媛県、もう三十七年ごろに一ぺん試験しておるのですけれども、県知事からやめてくれと言われて、そうして去年までほうってあった。そういうように逆用される。要するに、市町村のほうで、この企業はいてもらわなければ困る――企業の圧力が非常に強い、その場合は、住民に反対した逆の意見を言う場合があるわけですね。ですから、意見を聞かなければならぬけれども、規制に対しては、今度は都道府県知事のほうでこれは必要だと認めた場合はやるべきである。この二点について、ひとつはっきりしておいてもらいたい。
#152
○曾根田政府委員 第五条の趣旨から見まして、市町村長がどうしても規制対象として地域の指定あるいは基準の設定を望む場合には、当然その意見が尊重されるべきものと考えております。それからまた、都道府県知事のほうで判断した場合も、市町村の意見を聞いた上で、そのような方向で規制を行なうべきである。現実問題として、この両者の意見が食い違うということは、最近における悪臭公害に対する国民の関心の度合いから見まして、意見が合わない、あるいは一方の意見が無視されるということは、いまのところほとんど考えられないと思いますけれども、しかしそのような場合には、私どものほうでも十分配慮いたしまして指導いたしてまいりたいと思います。
#153
○岡本委員 これは、五条は一歩下がってですけれども、三条の規制地域、これについて、これは全国一律にしたほうがいいのではないか、ぼくはそういう意見なんです。こんな地域なんかつくらなくてもいい、全部一緒だ。その中で、山奥に一軒あるなんというのは別ですけれども、最近は地域開発が非常に進んでおりますし、住居が不足ですから、どんどん建っているわけですけれども、この点をひとつちゃんとしておいたほうがいいのではないか、私はそう思う。
 なぜ大気汚染防止法のほうもはずしたか。これは、一つは諸外国から相当、特にEECやスウェーデンからも、日本は公害のたれ流し国だ、たとえば大気汚染防止法だって地域だけになっている、こういうような声が非常にあったわけですね。ですから一つははずしたのだと思いますけれども、やはりこれも、いまからそんな規制地域の指定なんかやらずに、全国一律、こういうふうにしておいたほうがいいのではないかと私は思うのですが、厚生大臣、これに対してどうですか。
#154
○内田国務大臣 あなたのおっしゃることはごもっともで、したがって、全くのところは私はたいへん答えにくい。答えにくいが、騒音とか悪臭とかいうものは、いままで私どもの観念では、大気汚染や水質と違いまして、スポットというか、局地的のものとしてとらえられてまいりました。したがって、この法律は、その観念が現在のところではまだ抜け切っておらないところのその産物であって、これはいま、拡散の問題について、あとであなたの御質問があるという話でありますから、いろいろ議論が出るかもしれませんが、COやSOといささか悪臭の原因物質等の状況が違う、また騒音についても一過性のものであるというようなことで、蓄積性はないというようなことも私どもの頭に残っておるものでございまして、地域指定といいますか、市町村指定というようなことをやっておりますが、しかし、この地域指定をやめろというのは、大気汚染や水質保全につきましても、実は私が厚生大臣に就任しました直後から言ってまいってきたところでございますので、岡本さんのいまのお話を聞いておりますと、たいへん私は考え直さなければならぬ点があると思いますので、これはひとつ今後の研究課題にさせていただきたいと思います。
#155
○岡本委員 研究課題ということですから、しばらく研究しておってください。それで修正をすればけっこうでございますから……。
 それで、やはり大臣いまおっしゃったように、これは確かにいまからしておいたほうがいい。それでないと、非常に悪臭がある、やかましく言ったところで、ここはもう規制地域と違いますのや、それから、これは基準に入りませんから、法案に入っておりませんから、もう法律がないのだからしかたがない、こういうように突っぱってしまうわけですね。特に小さな、要するに中小企業あるいは零細企業ですと、これはもうそこのうちで、やいやい言われるんですね。だから何とかしなければならぬ。しかし、大企業になりますと、門の前に行って守衛に言ってみたところで、ほうり出されるわけですね。この間ぼくも鹿島へ行きましたけれども、夜中にものすごい爆発をした。ところが、守衛にやかましく言ったところで、うちと違いますということで、中へ入れてくれない。こういうようなことでは、悪臭防止法というても、悪名高いものになってしまうわけです。だからその点は――まあ大臣がもう一度検討し直すということですから了承しておきます。
 次に第七条、これは先ほどから島本委員や皆さんが言っておりましたけれども、直罰主義を導入しなければ完全なものではないということでありましたが、確かにぼくもそうだと思うのです。ただし、零細企業とかいうようなところになりますと、これはまたいろいろ考えてやらなければいけませんけれども。
 悪臭が人体にすぐ影響があるのではないというようなお話ですけれども、悪臭の多いところは、いろいろな面でまだ人体に対しての調査ができていないのではないか、だからわからないだけであって、騒音のほうはだいぶ今度調査してわかってきたけれども、やはり学童あるいはまた病人あるいはお年寄り、こういう人たちにはこの悪臭は相当被害があるのではないか、こういうように私は思うのですが、大臣どうですか、思い切って悪臭による人体被害調査、こういうのを一ぺんやってみる必要があると思うのですが、これが一点。
 それから、それによって直罰主義の導入もしなければならぬ、この二点についてお答え願いたいと思います。
#156
○内田国務大臣 大体悪臭の被害というものは心理的、感覚的なものであって、健康には直接的には影響はないという考え方がされてきましたが、しかし私どもも、それが累積した場合には、たとえば、いらいらはもちろんのこと、高血圧症を起こす場合もございましょうし、健康に及ぼす影響があるということは考えなければならない問題と思います。
 そこで、これはお説のように、健康に及ぼす影響を私どもの課題として調査を始める予定でおります。
 それから直罰主義でございますが、これも今後の研究課題にさせていただきたいと思います。と申しますのは、この悪臭防止法というものが、規制法がつくれるものであるかどうかということが、この法律が最後に出されたことからも御判断いただけますように、私どもも最終的にこれでいけるというところに達していない面も正直に申しましてございます。したがって、施行期日さえもかなりのアローアンスを置いておるところからも御判断いただけるところと思いますが、幾つかの研究課題がありますので、とにかく厚生省ばかりじゃなしに、悪臭発生企業を管理監督せられる各省が、足並みをそろえてここまできたというところに大きな進歩を認めていただきまして、あとの実施上の諸問題につきましては、これは技術の問題もございますが、今後さらに改善検討をいただかなければならないものを私どもは幾つか持っておりますので、そういう意味で御理解をいただきたいと思います。これはもう私は逃げも隠れもいたすものじゃありませんが、そうしないと、地方におきましても、お互いの社会生活におきましても、いま急にお説のようなことをやりまして、社会的な混乱を起こさないで済むか、またそのための指導原理が十分私どものほうで技術的にもでき上がっているかというような問題もございますので、そのように御理解いただきたいと思います。
#157
○岡本委員 それで、そういうことをするためには、本法の第八条の一項または二項の規定によってそういう措置をするためには、事業に及ぼす影響について配慮しなければならないというようにありますけれども、この八条の第五項の、特に小規模事業者に対する配慮というのはどういう配慮をするつもりなのか、ひとつこれを明確にしておいてもらいたいと思います。
#158
○曾根田政府委員 同条の第一項、第二項で改善勧告、改善命令の規定がございますけれども、たとえば改善勧告等について申し上げますと、相当の期限を定めて、その事態を除去するために必要な限度で具体的な勧告の内容が書いてございますけれども、どういう期間を定めるか、それからまた具体的に施設の運用の改善なり設備の改良等の具体的な勧告をなす場合に、その内容について中小企業の事情を十分考えて、勧告、命令の内容を考えてもらいたいというのが一つでございますし、また同時に、勧告によって相当きびしいといいますか、設備等の改善を命ずる場合には、当然その裏打ちとなります資金面の配慮とか、そういったことも考えなければならぬ。大体大きく分けてそういった二つの面の配慮を考えておるわけでございます。
#159
○岡本委員 その配慮はどういうことなのか。たとえば養豚場がある、あるいは養鶏場がある、あるいはまた小規模のそうした発生源の工場もある。これに対するところの配慮というのですか。その配慮は金を貸すのかあるいはまたそういった金を貸して集団の団地をつくる、そういうようなことをするのか。そういったはっきりしたものをやはり出しておきませんと、ただ都道府県知事に配慮せい、配慮せいというだけでは、同時にまたその配慮するについての用地あるいは施設あるいは移転の補償、あるいはまた移転あと地の買収、こういったこまかいところの配慮をしてほんとうに悪臭を防止しようとするのか、その点についてひとつはっきりしてもらいたいと思います。
#160
○曾根田政府委員 具体的な国等の資金面あるいは税制やその他の国庫補助等の助成につきましては、農林省の方おいででありますので、畜産関係についてはすでにいろいろ助成が行なわれておるようでございますから、そちらから御答弁いただくことにいたしまして、全般的にそういう国庫補助あるいは税制上の措置あるいは金融上の措置、そういったものを総合的に考えて悪臭防止の実をあげていくという基本的考え方でございます。
#161
○増田(久)政府委員 畜産の公害につきましては先生御指摘のとおりでございまして、現在私たちの調査いたしましたところでは、悪臭問題を起こしておりますのが全国で約三千カ所をこしているというような実態があるわけでございます。そういうことでございまして、農林省といたしまして、基本的にはすみやかに、たとえばふん尿を処理するというようなこと、処理施設をつくらせる。あるいはまたそれでなければ移転をしてもらう、こういうことで、四十五年から移転につきましては公共事業によりまして畜産団地造成事業ということで、四十五年三億円、四十六年九億三千万円ということで、四十五年は二十五カ所、四十六年は新しく四十カ所ということで移転事業をいたしているわけでございます。これと同時に公庫資金で、これは五戸以上の方が集団的に移転する場合の助成でございますが、その場合に個人で移転する方が当然あるわけでございます。そういう方には、移転資金というものを公庫資金で、畜産経営移転施設資金というものを今年度十八億円用意いたしておりまして、これに公庫から貸し付けをする、こういうことをいたしているわけでございます。ただ先ほど先生がおっしゃいましたとおり、この事業をやってまいりますと、一番問題になりますのが先に土地をどう見つけるかという問題が実は現実問題で非常に起きてきている。何かふん尿処理施設がそのまま移転していくような意識がありまして、それからもう一つは、移転してくるとそこの地価が下がってしまうというような反対があったりいたしまして、非常にむずかしい問題が発生をしております。そういうことで、私どもでは県と市町村と協力いたしまして、その敷地のあっせん、それから先ほどおっしゃいましたあと地を売ること、財産の処理と申しますか、そういうことについては地方団体と協力してその仕事を進めているわけでございます。
 その他われわれとしては、処理施設といたしまして総合施設資金あるいは農業構造改善事業推進資金、あるいは豚鶏資金というような公庫の金のほかに、御存じだと思いますが、系統資金で農業近代化資金というのがございますが、これにおきましても処理施設に対する融資をしているわけでございます。農業近代化資金につきましては、従来畜舎などに総合的に貸すということであったわけでございますが、今度近く政令を改正いたしまして、処理施設だけでも融資できるという改正をこの十六日付でやる予定にいたしております。
 その他農業改良資金というのがございまして、これは技術的には新しい処理施設が見つかった場合に無利子の金を貸すということの制度でございますが、これによりましても、これは現在のところ鶏のふんの処理だけの問題になっておりますが、これも範囲を広げまして、この農業改良資金を貸していくというような方法を現在やっているわけでございます。
 以上でございます。
#162
○岡本委員 この問題は、これは過密都市の中の酪農ということで一つの例ですが、兵庫県尼崎の東北部の住宅街ですが、ここに下水道というのがあるわけですけれども、そこにどんどん上流から流れてくる。あるいはまた大阪府下の農家が投棄場所に困って夜中の間に流したり、非常にこれはやかましく市役所あるいは県庁に言ってもどうしようもないというのが出ているわけです。おそらくこれはここだけでなしに、ほかにもあると思うのですね。ぼくは、回ってみたら神戸にもありました。これはひとつ、こういう資金があります、こういうことがありますといま並べられたけれども、もう少し適切な、農家の方もなかなかそこまでわからぬわけですから、適切な指導も必要ではないかと思うのですね。そして悪臭防止につとめなければ、これはもうこの法案ができてもどうしようもないと思うのです。これを見ますと、下水道の三分の二ぐらい埋まっておるらしいですね。畜産局長はこういうのを全国に三千というような話をしていましたけれども、ぼくの見たのではもっと多いのじゃないかと思うのですね、数は全部点検しておりませんけれども。やれば出てきますが……。そうすると資金的にそのくらいでこれができるのだろうかという面ももう一度検討して、そして完全に手を打っていかなければならぬということを言っておきます。
 そこでこれは、第八条第五項がこの法案が通って運用されることによって、そういったものが手を打たれるのか、あるいはまたいま現在でもどんどんそれができていくのか。これは一番ぼくらの関心事なんですが、それについてひとつお答えを願いたいと思います。
#163
○増田(久)政府委員 先ほどお答えいたしましたとおり、私のほうはこの法律のいかんを問わずということはちょっと語弊があると思いますけれども、公害問題として現実に発生をいたしておるわけでございますので、助成というものも、あるいは融資の拡充強化ということは従来もやってまいりましたし、今後もさらに整備してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#164
○岡本委員 そうしますと、この法案が通って第八条第五項が適用されると、いまよりももっと強力にできるということなんですね。
#165
○増田(久)政府委員 先ほどお答えいたしましたとおり、たとえば農業近代化資金につきまして、ただ処理施設単独では従来は融資できなかったわけでございますが、これを今度改正いたしまして、それだけでも貸せるというふうに制度を改めたわけでございます。そういう意味で、公害問題でございますから、私のほうはこの法律のいかんを問わず、私はこのいまの制度を整備拡充し、改めるべきは改め、強化すべきところは強化してまいる、かように考えておるわけでございます。
#166
○岡本委員 そういったものの今度は技術指導、これはだれがやるわけですか。実は加古川でこういう問題があったわけですけれども、加古川の水をきれいにせいということになりますと、今度は排出されるところの工場、そういう染色工場があったわけですが、これがなかなかきれいになるところの設備がないわけです。何年もかかってやっとテストケースでやるとうまくいくのですが、実際につけるとできないということで、相当長い間かかって今度完成したわけですが、そういったやはりこまかいところの配慮をしてやらないと、ただきれいにしなさい、金も貸してあげましょうといって、技術指導ができなかったらできないわけですが、それはどういうようなあれでやるのか、これをひとつ……。
#167
○増田(久)政府委員 技術的な問題の点について、現在の処理方法につきましては率直に申し上げましてまだまだ開発しなければならない点がたくさん残っております。そういう意味で技術指導はいま現在民間の協力を得まして、私のほうの畜産試験場が中心になりまして処理施設の開発ということに力をいたしておるわけでございますが、さらに技術指導につきましては団体の協力を得まして、たとえば中央畜産会におけるコンサルタント事業あるいは県の畜産関係の普及員、そういった技術関係を動員いたしまして、そういう個別的な具体的な問題につきまして県、市町村と協力を
 いたしまして、その技術指導に当たっているというのが現状でございます。
#168
○岡本委員 農林省ではそういった一つのところにしぼってやっているわけですが、ほかの通産省も厚生省も一緒ですけれども、排水をきれいにするところの技術革新というものが非常におくれている。鹿島に行ってみても、あれだけの設備をやりながら結局最後の水はやはりくさいということで、農林省のほうではそういった技術を開発するために、いま各メーカーやいろいろなところでやってもらっているというような話ですが、何かがっちりした試験場か何かで、全部いろいろなものを――まあ何といいますか畜産関係ですから、別にそんな変わった化学的なものが流れてくるのじゃないのだから、これで完全なものだというような機器、要するに浄化槽ですか、こういうものもつくって、そして指示をしなければ、いまのようにとにかくお金は貸してやるさかいそっちで考えてやってくれというような態度では、いつまでたってもきれいにならない、またこの悪臭はなくならない、こういうふうに私は思うのですが、それについてもう少し強力な対策を考えてもらわなければならぬのですが、いかがですか。
#169
○増田(久)政府委員 先生の御指摘のとおりでございまして、率直に申し上げまして金さえかければ完全にきれいなものが現段階の技術ではできるわけでございますけれども、御承知のとおりその経済ベースにどう乗せてやれるかというところに実は非常に悩んでいる問題があるわけでございます。それで実はいまの畜産試験場において施設をつくって実験をいたしておりますほかに、野外試験といたしまして約六千万円の金をかけまして六カ所でそういう実験をいま鋭意進めているわけでございますが、率直に申し上げまして、いまの途中の中間報告によりますと、やはり相当施設費が高くかかりそうである。それで施設費がかからないでやる方法は、現実にはたとえば畜舎の構造そのものから直していかないと、ほんとうの経済的な処理方法はできないのではないかというような中間報告すらあるような現状でございます。
 たとえば豚というものはその習性がございまして、ふんをするときには暗いところでふんをします。それから小便をするときには水を飲みながらするとか、あるいは他の豚と顔を合わせたときに尿をたれる、こういうような習性を利用いたしまして、尿とふんとを別々にさせる。そういうことによって、たとえばふんと尿とを畜舎の段階で分離してしまう、そういうことでやれば機械にかける負荷が非常に軽く済むわけでございますので、そういう畜舎の構造等も含めましてここ一年のうらにとにかく早急に結論を出さざるを得ないということで、現在畜産試験場を中心にして最大限の馬力をかけておる、またこれの解決なくして私のほうでは畜産の振興はない、かように考えておりますので、いましばらく時間をかしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
#170
○岡本委員 次に、第十一条で定めるところの「大気中の悪臭物質の濃度について必要な測定」、これは科学的に実施することが可能なのかどうか。かりにその測定ができたといたしましても、測定点あるいはまた測定器、こういうものを全国的に統一しなければ、いろいろな機械ではかったのでは違うわけです。西ドイツは何々の何というはかる機械をきめているわけですよ。測定点もちゃんと何ぼかに碁盤の目のようにしてきちっときめておるからはっきりしたものが出てくるわけです。そうでないと、ここの測定は何ぼでございますといいましても、測定器が違うとうんと誤差があるわけです。中には、これは尼崎市のことでしたが、亜硫酸ガスの濃度があまり強くなってくるとぐあいが悪いからというので、測定点を低いところに変えて、低くなったように見せている。そういうことも一つのごまかしみたいなものですから、一つのケースというものをきちっと指示する人を私は都道府県知事にする必要があると思うが、これについていかがですか。
#171
○曾根田政府委員 御指摘のとおり測定個所、測定方法、測定機器等についてばらばらにならないように統一する考えでございますが、具体的に、第四条で「総理府令で定める」云々というのがございますけれども、その総理府令をつくる際に、そのようなことについてはっきりと規定いたしたいと考えております。
#172
○岡本委員 次いで監視ですね、測定。常時というのは非常にあいまいですから、毎月なのか、毎週なのか、毎日なのか、この点もひとつはっきりする必要があると思うのですが、いかがですか。
#173
○曾根田政府委員 実は第十一条の悪臭測定は、常時測定ではございませんで、「必要な測定」という書き方をいたしております。悪臭につきましては、悪臭の生活環境に及ぼす影響につきまして、具体的に住民その他の訴えでそういう事態の発生は比較的容易に承知することができますので、測定につきましても現段階の行政能力その他の問題を考えまして、常時測定ではなしに必要に応じ随時測定する、そういう考え方をとっておるわけでございます。
#174
○岡本委員 そうなれば、たとえば住民から測定してもらいたいという申し入れがあれば、たとえば三人以上あるいはそういう申し出があれば直ちに測定する、こういうことになるわけですね。間はしないということですね、そうすると。
#175
○曾根田政府委員 少なくとも相当数の住民からそのような申し出があれば、当然十一条に基づく測定が行なわれるというふうに考えております。
#176
○岡本委員 そこのところをはっきりしておいてもらいませんと、相当大ぜいの人ということになりますと、また署名運動をしなければ測定してくれない。相当数というところに問題がある。だから三人以上とか、それをはっきりしておかないとなかなかやらないのですよ。ですから、くさいくさいと言ったって、そのうちに、測定しないとわかりませんというようなところで、全部逃げてしまう。その点、もう少しはっきりしてもらいたい。
#177
○曾根田政府委員 この十一条の測定等につきましては、場合によって市町村の権限にあるいは委任することも考えられると思いますけれども、たとえばそのような場合、市町村としては、市町村すべてが測定機器を持っているわけではございませんから、市町村としては当該地域のサンプルを採取して、それを県の衛生試験所に分析、測定を頼むというようなケースが比較的多いのではないか。そういうことであれば、サンプルの採取自体はそう手間のかかることでございませんから、住民の要請があればすぐ出ていってサンプルを採取して、そしてその測定、分析等につきましては、市町村段階でできなければ都道府県の衛生試験所等で行なってもらう、そういうことが比較的多かろうというふうに考えております。
#178
○岡本委員 どうもこれはぴんときませんな。やはり都道府県段階では、どこに悪臭があってどうということは大体今日ではわかっているわけですね。だから、訴えがなければやらないというようなことでなくして、これを見ますと「規制地域における」ということですから、規制地域でないところはしないというのじゃなくして、やはり県下のあらゆるところ全部出して、むしろ住民からやかましゅうくる前にきちっとしていくというような、先手を打つような公害対策でなければならぬとぼくは思うのですが、その点についてどう考えますか。
#179
○曾根田政府委員 御指摘のように測定点そのものは、規制地域ということで限られておるわけでございますから、たてまえはそうでございますけれども、やはり御指摘のような問題もございますので、たとえば気象条件、季節等勘案いたしまして、少なくともこういった程度の気象条件の場合はどうとか、あるいは場合によって季節的に最小限度どうとか、そういったことも同時にやはり検討いたしたいというふうに考えております。
#180
○岡本委員 次に、十二条ですね。下水溝、河川あるいはまた池とか、沼とか、港湾とか、この中で河川管理者ですね。これが非常に悪臭物質の排出なんかを絶えず検討しなければならぬ管理の責任を持っているわけですが、この権限がいまのところ非常に少ないのではないか。またほんとうに河川管理をやっているのかどうか。この権限についてどういうように考え、またいまのところどういうふうにしておるか、これをひとつはっきりしてください。
#181
○角田説明員 先生の御指摘のように河川の環境をよくいたしまして、水質、水量ともに適正な河川を利用していくというふうな形にいたしますためには、当然水質の問題もからみまして、それから悪臭を発生いたしますものにつきましても管理していかなければならないわけです。特に問題になりますような河川につきましては、汚泥しゅんせつをいたしまして、それによりまして悪臭の発生する物質を早急に取り払うというふうなことをいま浄化対策事業といたしまして実施しておるわけでございます。
#182
○岡本委員 河川法二十九条によると、河川管理者は政令に基づいていろいろとやっているということでありますけれども、ほんとうに河川の清潔を保持するためにもう少し権限を持ってやらなければいかぬのではないかということを、ぼくはあちこち回って特に感ずるわけです。したがって、この河川管理者に対して悪臭物質排出についての禁止権限、こういうものを付与しなければ河川はきれいにならないのじゃないか、こういうように私は思うのですが、厚生大臣いかがですか、その点について。
#183
○角田説明員 先に法令関係を御説明いたしますと、先生御指摘の河川法の施行令の十六条の四というのを、昨年の十一月から実施するようなことになっておりますが、これは先ほど島本先生からも御指摘ございましたように、だいぶ各省関係いろいろ問題がございましておくれた政令でございますが、あくまでも河川法の領域におきます取り締まりということになっておりますから、河川法の対象になります河川の区域につきまして投棄をするような場合は、直接私どものほうで取り締まるようなことになっておりますけれども、河川の区域外から河川に流れ込んでまいります場合につきましては、河川管理者としては直接規制ができないというところで、先生御指摘のように私どものほうの立場としては非常に悩んでいるということでございます。
#184
○岡本委員 厚生大臣、そうなっているのですよ。だから河川管理者は、流れてくるそのもとをどうしようもないわけですね。それで河川だけ管理している。管理しているけれども、流されたらどうしようもない。いまぼくはあっちこっち点検しまして、河川の管理者の非常に悩んでいるところ、また住民の困っているところはそこにあるわけですがね。これについて、この法案の中にやはりそうした悪臭物資排出についての禁止権限というようなものを付与できるような状態にしておけば、これはぼくは完全にいけると思うのですがね。それについてお考えはいかがですか。
#185
○内田国務大臣 お答えにならないかもしれませんが、第四条の第三号で、事業場からの悪臭物質の排出水に関する基準が一応きめられておりますので、指定地域になった区域にある事業場につきましては、河川に悪臭物質が流されないような規制が行なわれているはずであるということと、それからもう一つ、河川法ではありませんけれども、廃棄物処理法で河川その他の区域に、これは悪臭ということばはございませんけれども、不清潔な原因になるような廃棄物の廃棄は何人もこれをやってはいけないというような規定はあるわけでございますので、そういう管理監督を、都道府県知事なり市町村長なりあるいは河川管理者が、この法律並びにそういう廃棄物処理法等をたてに取り締まりの処理をしていただけるかどうか。いずれにいたしましてもこの十二条は、最初に出てまいりますような、この法律が直接規制の対象とする悪臭物質だけの規定から難れまして、総合的な意味において、いわゆるおはぐろどぶ式のようなものができないようにと、こういうことを十三条とともに念のために心得書きのような形で規定をしてある。これを置かぬでも法律の体系としてはいいのかもしれませんけれども、せっかく悪臭防止法があるわけでありますので、それぞれの管理者が他の法律を援用し得るものをできる限り援用して、そして十二条、十三条等の趣旨を守っていただく、こういう趣旨でこれを入れておるものと心得ております。
#186
○岡本委員 だから、悪臭防止についてはいままでの廃棄物の処理では抜けておるのですよ。だから、悪臭防止については、やはりこの法案の中に、悪臭防止のための担保規定としてそういうものを置かなければ、ほんとうの悪臭防止にはならない、こういうように私は言っているわけです。産業廃棄物のあれはわかっています。またみだりに投棄しちゃいかぬということはわかっていますけれども、悪臭防止については、いままでの法案の中には悪臭防止というのは抜けているわけですから、これはここに入れなかったら、悪臭防止というものだけは全部これからしり抜けになっていく、こういうところに、ぼくは調査した結果が出てきたわけですが、この点についてもう一ぺんひとつ、検討してあるかどうか……。
#187
○内田国務大臣 いろいろ法律が重なることになりますが、さきの四条の規定によってそういう悪臭物質は事業場からの排水の中に含まれないような基準を設けられておることが一つと、それから廃棄物処理法では、悪臭という字はございませんけれども、みだりに廃棄物を放棄することによってそういうものが腐食して河川が詰まったりきたなくなったり、したがってまた悪臭の原因になるわけでございますので、そっちのほうからも、法源としては、要するに河川がよごれ、悪臭を発することを防ぎ得るわけではなかろうかと思いますが、ここでは、いずれにしても、この法律の中に十二条を担保する規定は御承知のとおりありません。全く管理上の心得規定のような形になっておるということは、これで完全な姿であるとは私も考えませんけれども、アクセサリーというわけでもないのですが、あの手この手で悪臭の原因を起こさないようにすべての人々が気をつけてまいりたい、こういう趣旨で入れたわけでございます。
#188
○岡本委員 要するにあれでしょう、住民の住居が複合しているわけですね、そこが規制地域。それから、流してくるところの工場は、これは規制地域に入っていない。流れてくるところは住宅の集合したところである。ここでくさい。たとえば東京のあの綾瀬川でしたか、昔アユがおったところも、たいへんくさい。卒倒しそうですよ。鼻がみな、嗅覚がなくなって子供たちが非常に困っているということがあるわけですね。そういうことを見ますと、やはりこうしたものをきちんとしなければ――特に河川の場合ですね、見ますれば、こういったものを置かなければ、ほんとうの悪臭防止にはならないのじゃないか、こういうように私は思うのですがね。その点について考慮する考えがあるのかどうか、もう一ぺん……。
#189
○内田国務大臣 お話はよくわかりました。ことに規制区域外に工場、事業場があります場合には、私が指摘しました四条の第三号というものは働かないわけでありますから、お説のとおりになるわけでございます。あるいはそのほかにもまだ、この悪臭に関連しては、たとえば屎尿のくみ取り車とか、あるいはじんあい車というようなものは、私どもの近所をも走り回りましてたいへん悪臭をまき散らしているようなこともあるわけでありますが、ああいうこともここには規定がしてありませんので、私自身が、あれはどうだということを係に実は指摘したことがございます。そうしたらば、あれは廃棄物処理法の、これは話が違って恐縮でありますが、運搬に関する基準というようなものを設けることによって取り締まるということをもって対処しておるので、ここには入れなかったというような説明も担当者からございましたが、そういうこととも関連をいたしまして、今後この悪臭対策につきましては、やはり御指摘の点は検討事項の一つであろうと思います。
#190
○岡本委員 だからやはりこれは産業廃棄物処理法ではどうしようもない問題です。ですから、ひとつもう一度検討をして、いま法案審議の最中ですから検討していただきたい。
 そこで、次にもう一つ、最後ですが、臭気を発生するこうした物質を屋外に放置されておる、そういうものの取り締まりについてはこの法案の中に入ってないわけですが、その点についてはいかがでございましょう。
#191
○曾根田政府委員 工場、事業場の事業活動の一環として貯蔵されておる物質から悪臭が発生する場合には、当然規制の対象になるわけであります。
#192
○岡本委員 屋外に放置してあるやつは、だれが持ってきたかわからぬ場合がずいぶんあるんですね。だから、それは追及していけばわかるわけですけれども、それはこの規定の中に入るわけですね。それが一点と、それからもう一つは、たとえば都道府県知事が一歩下がってこの規制地域をつくったとしますね。つくったけれども、発生源が川向かいのたとえば兵庫県の場合なら大阪です。そこからすごい悪臭を出す肥料工場があったのですが、こういう場合はどういうようにするのか、この二点についてひとつ……。
#193
○曾根田政府委員 最初のほうのお尋ねにつきましては、事業活動に伴う貯蔵等の施設については先ほどお答えしたとおりでございますけれども、それ以外に一般的には産業廃棄物として先般の臨時国会で成立しました廃棄物処理法の規制の対象になる場合も多いのではないかというふうに考えます。
 それから、第二点の隣の府県の発生源からの悪臭問題につきましては、実は第九条の規定がございまして、「市町村長は、必要があると認めるときは、関係都道府県知事に対し、」指定等の要請をすることができるとございまして、この「関係都道府県知事」は、当該市町村の所在する都道府県のみならず、隣接の都道府県も含めてございます。したがいまして、御指摘のような問題についてはこの規定の適用によって要請できるということになるわけでございます。
#194
○岡本委員 だから、関係都道府県知事、要するに隣の知事ですね、それに要請をすることができる。しない場合、向こうが、おれのところは野原で一つしか工場がないんだからしないという場合は、厚生省あるいはこっちの政府のほうからどういう手を打つのか、これをひとつ聞かしてください。
#195
○曾根田政府委員 お尋ねのような事態はあまりないと思いますけれども、万一そのようなことがございました場合は、関係省とも十分相談して、遺漏のないように行政指導いたしたいと思います。
#196
○岡本委員 最後に、浮遊粉じんの環境基準の決定がまだできていなかったのですが、これはいつごろできるか。
 それからもう一つは、たばこの中に水銀が入っておるということがあったのですが、この前ちょっと聞くのを忘れたのですが、これが非常にわれわれのたばこの害になっておる。厚生大臣として、これは大蔵省ですけれども、安全たばこの開発ですね、こういうものをはっきりと大蔵省に申し入れるかどうか、この二点だけ最後に聞いておきたいと思います。
#197
○内田国務大臣 浮遊粉じんと騒音の環境基準は、生活環境審議会のそれぞれの専門委員会で準備が進んでおりまして、結論がほとんど出ておりますので、私が報告を受けておりますところは、浮遊粉じんについては本年の六月ぐらいには結論に達する、こういうことになるはずでございます。なお督励をいたしてまいりたいと存じます。
 たばこのことにつきましては、ニコチンとタールの含有が肺ガンのみならず、循還器系統にも障害があるという報告を関係の国際機関からも受けておりまして、主としてそれにつきまして、大蔵省に厚生省の意見や態度を述べてまいりましたが、水銀のことにつきましては実は私はよく存じません。しかし、水銀があろうがなかろうが、もうそれはタールとニコチンで十分でありますので、その辺のことは大蔵省も国民の健康を考えつつ国際的な世論に従ってもらわなければならない、こういう厚生省の態度をくずしておらないわけでございます。
#198
○岡本委員 じゃ、言うておきますからね。厚生大臣変なことを言ってはだめですよ。厚生省から、たばこの中に水銀がハイライトは二・二PPM、ルナは二・〇PPM、エポックは〇・九八、ホープは〇・三八、こういうようなのが、原因はどうやら水銀農薬らしいというようなことを発表しておるわけですが、やはり人の命を大切にするのが厚生省の役目ですからね。これは申し入れて、そしてはっきりさせることが一つ、それからもう一つは、たばこにそうした表示をさせることをあなたのほうから申し入れなければ、もう外国ではやっておるわけですからね。だから悪いことは見習わぬでもいいから、いいことは見習って、そして国民の健康を守ってもらいたい、これをひとつ要求しておきます。
 これで終わります。
#199
○小林委員長 西田八郎君。
#200
○西田委員 最初に、においの定義といいますか、「不快なにおい」ということばが法律で使われておるわけですね。その「不快なにおい」とは、一体、ここに書いてある「アンモニア、メチルメルカプタンその他」ということになっておるわけですけれども、大体においは有機物質、無機物質を含めて何か十万くらいある。その中の五分の一が発臭作用を持っておるといわれておるわけで、その五分の一といえば二万になるわけですね、数からいけば。そのうちの一体不快なにおいというものはどれくらいを考えておられるのか。その辺から定義をお聞かせをいただきたい。
#201
○曾根田政府委員 御指摘のように、何らかにおいに関係のある物質が四十万程度ということもいわれておりますが、この中には、もちろんいいにおいもございますけれども、それは約一割程度であって、残りの九割は、多少なりともやはり悪臭の部類に入るということがいわれております。ただ、においというのは非常に感覚的で、極端な場合で申しますと、ある人にとっていいにおいであるものが、ある人には悪臭ととられるということもございまして、非常にむずかしいのでございますけれども、ここで不快なにおいというのは、きわめて常識的な意味で、大部分の人が文字どおり悪臭と感ずるものである、そういう程度の定義でございます。
#202
○西田委員 いまおっしゃるように、個人差があるわけですね。そうすると、先ほども相当多数ということばが出たわけですけれども、しかし、個人差というのは、一体どの程度のものがあるのか、たとえば〇・〇一PPMで不快と感ずる人もあれば、あるいは〇・一PPMまであっても不快と感じない人もおると思うのですが、その幅というものをどの程度に押えて、そして多数をきめられるのか。その辺のところは常識であろうけれども、非常にむずかしい問題じゃないか。自動車の排気ガスの問題でも、排気ガスそのものによって非常に不快な感情となり、かつまたそのことが呼吸器官を通じて影響をし、自動車酔いだとか吐きけを催す人もおれば、とにかくその排気ガスのにおいが好きでたまらぬという人もおるわけです。それは極端な例ですけれども、そういう幅をどういうふうに求めて、そしてその多数ということをきめられるのか。ここのところ非常にむずかしい測定だと思うのですけれども、その辺の測定方法といいますか、幅というものをどう思っておるのか。
#203
○曾根田政府委員 においというものは非常に主観的なもので、個人差があるということをいわれておりますが、ある学者の発表によりますと、この個人差の一つのあらわれとして、音に音痴があるように、においにも臭痴というのがあるそうでございますが、その学者の報告によりますと、青酸のにおいで実験した結果がありますが、これですと、白人の男子で約一八・二%、女子で四・四六%にいわゆる臭痴といいますか、異常を認められる。日本人のデータもありますが、これによりますと、中学生で男子が一八%、女子が五・五%の臭覚異常があるというふうにいわれております。これで見ますと、一般的に男子よりも女子のほうがにおいについては比較的、何といいますか異常が少ないというようなデータがあるようでございます。
#204
○西田委員 そうしますと、それだけ幅の広い、いわゆるにおいといいますか、臭覚差というか、そういうものを認定する場合、非常にむずかしい認定になってくると私は思います。ですから、その場合の認定というものを一体測定機器というものにたよるのか、あるいは人の臭覚というものにたよるのか。この認定というものは私は非常にむずかしくなると思います。認定する場合に、測定をしなければならぬ。その測定方法というものは非常にむずかしくなってくる。したがって、ここに悪臭公害に関する研究会の報告書が配付されておりますが、それによりますと、機器による測定はまだまだ十分な域に達していない、したがって、当分は人間の臭覚にたよらざるを得ないというような報告がなされておるわけです。配られました資料の一二ページでしたか、その点、この中間報告は去年の三月ですね。ですから約一年あるわけですが、その間にもっと高度な測定器というものが開発されているのですか、その二点について……。
#205
○曾根田政府委員 最初にお尋ねの測定方法等でございますが、これは御指摘のように、最終的な基準値は濃度であらわしますが、その基礎といいますか、その濃度をはかる状態、人の感覚に訴える不快さの程度につきましては、結局臭覚にたよらざるを得ないので、モニターによる測定を行なうわけでございます。その場合に、においには個人差があるから、モニターの選び方等について性別、年齢別にいろいろ問題があるという御指摘もありますけれども、ただいま申し上げました程度の誤差であれば、むしろ平均的な日本人のにおいの感じ方ということで考えれば、かなりの幅を持ったモニターに測定をやってもらえば、特別、モニターの選別その他にそうこまかい気を配る必要もないのではないかと考えております。
 それから、先生御指摘の中間報告でございますが、それは引き続き研究をやっておりまして、四十五年度の研究結果につきましては近々提出される運びでございますが、機器等の開発につきましては、もちろんその後開発がいろいろ進められ、また相当程度普及いたしております。特にいま私どもが考えておりますガスクロマトグラフィーの機器につきましては、昨年の総点検の際に、大部分の府県単位にはほとんど整備を終わっておりますので、最小限度の準備体制はまず心配ないのではないかと考えております。
#206
○西田委員 そこで、そういう非常にむずかしい測定、認定ということになってくるわけですが、都道府県知事が地域を指定するということになっております。その地域の指定というのは、先ほど、多数の人の申告だというような御答弁があったようですけれども、申告がなければしなくてもいいのかということになるわけですが、この地域は悪臭地域だ、したがって、この地域は指定するというようなことを知事だけできめるのか。それとも、新しくできました地方の公害審査委員会ですか、そういう委員会を通じてやるのか。一体どういう機関を通じて指定するのか。また、その指定してほしい場合の手続等はどう考えておるか。
#207
○曾根田政府委員 法律上は都道府県知事が指定権者でございますけれども、その際都道府県知事は、市町村長の意見を必ず聞かなければならぬということになっておりますので、やはり第一線の実情を一番よく承知しておる市町村長の申し出によって、都道府県知事が指定の手続をとるというのが実際の手続ではなかろうかというふうに考えております。
#208
○西田委員 市町村がかりに知事に申し出をする場合、市町村長が何をもとにしてその申し出をするかということですね。
#209
○曾根田政府委員 いまのところ、市町村段階での手続について特別な規制は考えておりませんけれども、実際には市町村段階における発生源というものははっきりしておりますし、そこがおもな発生源であれば、当然当該地域で悪臭の問題が問題になっておるわけでございますから、結局地元の実情をよく見きわめた上で地域の確定の案をつくるということになろうかと思いますけれども、必要があれば、市町村段階でも、公害対策審議会等もございますし、またそういうものとは別に、昨今ではいろいろな公害についての連絡会、事業上のそういった組織体もございますので、そういったものの意見を聞くということも実際上の問題としてはあろうかと考えております。
#210
○西田委員 それと、その地域に居住する住民の立場というものは非常に弱いわけですね。自分たちの環境が破壊というか汚染されておる。これをひとつ指定してほしいという運動がかりに起こった場合に、たとえばA市ならA市の屎尿処理場がB村に最も近いところにあったとする場合、B村の住民からそれを何とかしてくれという苦情が出てきた場合、B村としては手がつけられませんね、A市の中の地域内に入ってくるから。そういう場合に知事に申請しようとしても、市長と村長ということになってくると、かなり政治的なウエートの違いがあるのじゃないですか。そういう場合に、はたして知事というものがどこでどう権限を発動するかの問題があると思うのです。特に地方自治体がやる屎尿処理場あるいはじんあい処理場は、どうしても広域行政の中で外へ出そう外へ出そうという各市町村の言うなればエゴイズムがあるわけです。そういうものを処理する場合、市町村の良心というわけにいかない。そうするとその地域に住む住民は自分の環境汚染から守る自由さえ許されないということになるのじゃないですか。その辺のところはどうお考えですか。特に臭気というものは風によって流されますからね。ですから、時期によっても違う。西風の強く吹く時期と、東風の吹く時期、南風、北風とそれぞれ風の吹く時期によって、多少地域では固定はしていますけれども、しかし、その時期によって違う。そういうことも含めて、一体そういう地域住民が自分の環境を守るための権利というのはどこでどう発動したらいいのか、そしてまた逆にいえば、どう保護されるのかということですね。
#211
○曾根田政府委員 ただいま御指摘のような点につきましては、一応法律上は第九条で、都道府県知事に対する市町村長の要請という形で規定が置いてございます。この要請があった場合に、知事に隣のB町からA市の規制について要請があった場合に、A市との間に、またA市と知事の間に問題がいろいろ起こるということが全くないとは言いきれないと思いますけれども、悪臭公害についての最近の国民的な認識の現状から見て、実際問題としてそのようなことは非常にむずかしいのではないか。また私どもとしましても、現実に規制の必要がある場合には、できるだけそのようなことのないように行政指導をいたしてまいりたいというふうに考えます。
#212
○西田委員 先ほどからも行政指導、行政指導ということばがよく出るのですが、実際に行政指導できるのですか。ということは、悪臭防止法でないからかもわかりませんけれども、琵琶湖に廃棄される産業廃棄物、いわゆる田子の浦で問題になっております製紙工場の繊維かすですね、これがヘドロという状態になって、夏になれば臭気をぷんぷんと立てるわけですよ。したがって、知事もほんとうにやかましくこれを何とかしろというのですけれども、そこの経営者のいわくには、その処理をする措置をするためには、二千万ないし三千万の経費を必要とする。わが社の資本金一億円の五分の一の投資をして公害対策なんかやっておられぬ。もともとこれは県も市も承認されてやったものだから、そんな責任はない。気になるならおまえら住居を移せというような暴言を吐いた専務もおるわけですよ。だから、そういう点からいくと、やはり行政指導だけでは何もできぬような気がするわけです。ここでは改善命令というのがありますけれども、二千万円の金を投ずるなら、改善命令で罰金を払っていったら十万払ったって何べん払えますか。二百回くらい払えるのじゃないですか。だからそういう点からいけば行政指導だけではできないように思うのですが、その点は完全にやってみせるというお約束がしていただけるのかどうか、大臣どうです。
#213
○内田国務大臣 これは、そういう権限を都道府県知事に与えているわけであります。しからば、今度はそれじゃ、国が都道府県知事に権限を与えるかわりに、みずからさような権限をもって法律上の措置をしたらどうかということになりますと、昨年来御議論がございますように、国がそんな権限を持つのは適当でない、権限を地方委譲すべきである。地方にやらせるならばもっとうまいことやるし、もっときつい規制基準もつくるのだ、こういうようなことがしばしば述べられております。これは大気とかあるいは水のように、非常に広域共通圏を持つ場合におきましては、国が法律上の権限を持ち、必要に応じて都道府県知事にそれを委任するという形もいい場合もありますが、騒音とか悪臭というものは、地域的な場合、あるいは一過性のものが多うございますので、やはり都道府県知事なり、あるいは最初の案では、これは西田さんも御存じと思いますが、当該市町村長にさような規制権限を持たせるという考えさえもあったわけでございますので、やはり都道府県知事がその地方の最大関心事として、この法律によってそれをさばいてもらうことがいいと思うわけであります。ただ、国もこれに対しまして、あとに幾つかの条文がございますが、国その他の関係行政機関は、都道府県知事のこの法律に基づく行政措置に対して協力をする、あるいはまた当該企業に対しては資金的援助等もしていくというようなことをあわせましてやっていくのが一番いい、こういう行政の問題でありますから、実際の問題として法律を使ったり、あるいは誘導したりして、あるいはまた盛り上がる国民の公害反対意識というような背景のうちに事を処理することが私はできると思います。
#214
○西田委員 それは、首相はよく人間尊重、人間優先生言われるわけですね。そして公害関係法案というものは、すべて人間の環境を保全するという意味でつくられておるわけです。そういうことになれば、人間の環境を保全するためにそういう悪質な、いま私が申し上げたのは一例でありますけれども、悪質な事業場というものは、改善命令だけではなしに操業中止、停止なり何らかの方法をとるだけの権限をもってでも私は臨むべきじゃないかと思うのです。ここでは改善命令で、改善を勧告し、かつ従わないときには命令を出すだけで、そのあとはわずかな罰金で済むということでしょう。そういうことで、はたしていまの公害意識の低い事業が、ほんとうに公害防止というようなことに本腰を入れるかどうか。そして、かりに地域住民がそういう運動を展開すると、その住民が何かその地域で白眼視される場合も起こり得るわけです。ということは、大気汚染とか、水質汚濁のように、その地域のかなり多数の人に影響を及ぼす場合は、これは住民運動として、全体の運動として広がります。しかし、悪臭ということになってくると、距離を経ると空気中に濃度が低くなってくるから、拡散されるでしょう。希釈されてくると遠くの地域はそう影響しないから、たとえば一つの市なら市の中でも、一つの限られた地域ということになってくるわけです。そうすると、そこでの住民運動というのは非常にやりにくくなってくるわけです。それがたとえばカドミウムであるとか、水銀であるとか、あるいは亜硫酸ガスだとかいうことで、直ちに人体に影響を及ぼしてくる場合は別です。しかし、不快なにおいということになってくると、これは先ほども非常に限界がむずかしいということを提案者自身が言っておられるのですね。政府自身がそういうことを言っておられるわけです。そういう関係になってくると、特に事業主のほうが強くなってくる。そして事業主の、その工場を持ってきた、誘致のいろいろな条件もあるわけです。ですから市町村にしてみれば、どうぞ来てくださいということでお願いをして呼んできた企業、そこが悪臭を放つから今度は、ということになってくると、法律が変わりましたからと言ってみたところで、市町村長としては勧告あるいは命令等では処置ができない。これは法律でそういう悪質な業者については何回か勧告命令を出し、なおかつ何日間の期間あるいは何カ月間の期間の間に改善をしないものについては操業を停止させるとかなんとかいう、もっと強い規定がなければいかぬと私は思うのですが、その点についていかがですか。
#215
○内田国務大臣 いま西田さんが問題にされるような場合には、この悪臭防止法も有効に働くかもしれませんが、それよりも大気汚染防止法等で化学工場でありますとか、大規模の事業、工場でありますとか、そういうものについてはそちらのほうの法律で、亜硫酸ガスとかあるいは硫化水素の有害物質として排出を規制するとかいうことで、あのきつい法律の体系でかなりいく面があると思います。操短命令を出すとか、あるいは改善命令を出す、あるいは直罰主義も御承知のとおりとってありますが、問題は、個々の条文の中に入れざるを得なかったように、中小企業等で、それがないことにはその地域の社会生活が行き詰まってしまう。たとえば魚の頭からはらわたから、そういうものの処理、加工をするとか、あるいは動物の骨とか皮とかいうものを処理するようなもので、それを禁止してしまうと、その地域の魚市場から、あるいは肉屋さんから出てくるそういうものをどう処理するかという問題があって、どこでもなくても困るし、あっても困るので、やはりその施設が悪臭を発しないような施設に改善をさせる。そのための資金のめんどうも見てやるというようなことを伴いながらやる以外にないような場合も相当多いところに、悪臭防止法の対象というものが多くあると思いますので、やはり都道府県なり市町村なりという地域の行政を、公共団体として担当する機関を主として現実の問題としてさばいていかなければならない点があると私は考えます。ただ法律の規制できつくすればそれで済むというものと違っている点を考慮いたすものでありますから、かなり隔靴掻痒のような規定になっておるところもあると私は思うわけでありますので、こういう法律で万事片づくわけではございませんけれども、一歩も二歩も前進をして、都道府県も市町村もやりやすくなりますし、また中小企業といえども事態に即応するような姿勢をとってもらいやすくなるというところに、この法律の今度の提案の意味があると私は考えるわけであります。
#216
○西田委員 私の質問が悪いのかもしれませんが、ちょっと質問の趣旨と答弁が食い違っているように思います。いまおっしゃるようなへい獣処理場であるとか、あるいはその地域全体で協同組合をつくって養鶏をやる、養豚をやる場合の悪臭というものと地域住民との関連というものじゃないのです。要するに、一つの企業が誘致をされてきて、そしてその誘致をするときにはどういう排出物を出すかということまではわからなかった。ただ、水質なり大気については、硫黄酸化物というようなものはない、あるいは水銀とかカドミウムというものがない。あるいは水質基準は十分守るので、BODその他についても影響がないというような調査の結果で連れてきたところが、その事業場そのものから出る悪臭ではなしに、それを原因にして、先ほども質問があったけれども、排水口からきて排出されて水がたまりますね、そのたまったものが相乗作用を起こして臭気を発するというような場合、その物質を取り除けば、そこでは腐敗もないし、相乗作用も起こらないからにおいもしない、こういうようなことが起こりますね。そうすると、そのにおいというものは大気汚染防止法でやるといったって、大気汚染防止法の中にはいわゆるにおいの規定される物質というものは含まれないわけです。におい源、臭源となるもの、発臭源というのですか、どう言ったらいいのかわかりませんが、発臭源となるものの物質規定というものはないわけです。したがって、悪臭防止法でその物質を規定をして、それを制限しようということに私はなるんじゃないかと思います。そうしますと、大気汚染防止法にはひっかからない、今度は悪臭防止法ができたので、適用されるとようやくひっかかるようになってくるわけです。
 ところが、その適用がこういう市町村の勧告あるいは改善命令程度で、いままでのそこの立地条件、工場の立地条件等からいって、はたして市町村の勧告権、命令がきかれるかどうか。だからそれを行政指導でやる、企業の良識にまつと言われるけれども、企業の良識というものは信ずることができないんです。ここにも資料がありますが、昨年一年じゅうですが、化学工業で使った交際費等の例が出ていますが、化学工業で昨年一年間に使った交際費は全体で八百十億。ところが公害防止のための設備投資は百一億円だ。わずか八分の一しか投資していないということですよ、交際費に比べて。こういう事業者の企業意識で、改善命令程度のことではたしてそういうことが守れるかどうか。それならもう十万円ずつの罰金を払ったほうがましだ。三万円の罰金で済むならそれでいいじゃないかということになるという心配がある。そういう悪質な業者がいるわけです。改善命令を出し、勧告を出し、聞くならそれでいい。それからさらに、改善命令でそれはしかたがないということでやるならいいですよ。それも聞かぬというような悪質な者をどうするかということです。それは行政指導でできるかどうかです。その点を聞いておる。
#217
○曾根田政府委員 先生御指摘のように、大気汚染防止法による常時規制の対象物質と、今度の悪臭防止法案で予定しておる規制対象物質とは一致しないわけでございますけれども、しかし、大気汚染防止法、水質汚濁防止法で排出規制、排水規制を行なうこと自体が、やはり全体として悪臭の防止にも役立っておるわけでございますので、そちらのほうの規制はいずれにしても引き続き強化しなければならない。その上に、悪臭防止法による悪臭に着目して、きめこまかな規制が行なわれるということになろうかと思うのでございます。
 御指摘のような特に大企業等の悪質な企業についての規制が、大気なり水質の規制とのバランスにおいてややなまぬるいんじゃないかという御指摘も、なるほどもっともな点もございますけれども、しかし、たとえばこの法律の第八条で改善勧告、改善命令がございまして、その内容として具体的にはいわゆる操業短縮等はこの措置の内容にはなっておりませんけれども、しかし、施設の運用改善とか、あるいは排出設備の改良、そういった面の強化によって当該施設の操業の一部停止というようなことが結果として必要になってくるというようなことも十分考えられるわけでございまして、その点は特に悪質なそういった工場、事業場に対する行政措置の内容については、十分私どものほうも配慮してまいりたいというふうに考えております。
#218
○西田委員 そこで、関連をしてくるわけですが、大企業にはそういうふうにひとつ強硬に臨むということでありますが、今度は小規模については八条の五項で「その者の事業活動に及ぼす影響についても配慮しなければならない。」というのですね。これはいわゆる悪臭を出す者に対する措置、そういうことで小規模に対する規制になってくると、逆に今度は大目に見てやるということに解釈してもいいんじゃないかと思うのです。その場合、小規模が大がかりな脱臭装置等をしようとする場合にはかなりな費用が要る。そういうような費用というものがどこからどういうふうに出されてくるのか、こういうこととの関連においてひとつお答えをいただきたい。
#219
○曾根田政府委員 中小零細企業等に対する規制の内容については、ここにもございますように、十分考えなければいけませんし、特に問題になりますのは悪臭の防止施設等の整備に要する資金面等の助成でございます。これにつきましては、農林省等においてすでに助成の措置もとられておりますし、また公害防止事業団においても、悪臭の防止設備について助成が行なわれているわけでございますけれども、まだ、現状を見ますと、たとえば公害防止事業団等の場合、中小企業等に対する金利その他の取り扱いが必ずしも中小企業関係の要望どおりにいっているかどうかについては、なお不十分な点もございます。この法律ができることによって、そういった助成は当然国の責務として一そう重要になってまいるわけでございますので、今後各種の政府関係資金あるいは融資等の助成については、一段と努力いたしてまいりたいと考えます。
#220
○西田委員 特に厚生省の管轄に入る同和地区はへい獣処理等について非常に数が多いわけです。いま同和の特別措置法ですかできまして、特別の対策がなされておるわけでありますけれども、その資金だけではとても普通の事業を開発し、そこで青少年教育だとか、いろいろな事業が幾つか分かれておりますが、やるのについて十分でないといわれておるわけです。そこへもってきて、そうしたへい獣処理場等の悪臭防止のための装置をするとかあるいは移転をするとかということになってくると、相当な費用が要るわけです。したがって、農林金庫の金とおっしゃるけれども、農林金庫の金ではたしてそれがスムーズにできるのかどうか。そうなると、公害防止事業団の金とおっしゃるけれども、一体公害防止事業団の金がどれだけあって、簡単に貸してもらえるのかどうか。これは政府がこういうことを提案されるときには、そういう基金があるとか、資金があるとかおっしゃるけれども、地方でさあ金を借りるということになったらたいへんで、中小企業金融公庫の金にしたって、貸し付け条件がものすごくきびしい。そして返済の取り立てもはなはだきびしい。だから、もうそんな金ならということで、借りない場合が非常に多いといわれているわけです。そういう措置がほんとうにとってもらえるのかどうか、これは死活にかかわる問題ですから、はっきりしておいてもらわないと困ると思います。
#221
○内田国務大臣 あの手この手で中小企業の悪臭関係事業施設の改善につきましては協力をするという趣旨で、いろいろな条文を置いております。ことに附則で、中小企業近代化資金等助成法の規定までも改正する旨の規定も置いておりますし、その他資金のあっせん等についての協力規定もあるわけでございます。しかし、これはみな貸す金、借りる金ということになりますと、かりに金利を安くしてもらったところで返さなければならないということになりますと、償却その他から採算がとれないという場合も現実の問題としてあるわけでございまして、なかなか当該企業が、幾らあっせんしても金を借りて設備改善をするという気持ちにならないので、どうにも困っているような場合を私どもは知っております。だからといって、しかしそういう悪臭公害を出す企業を放置することもできませんために、県等が中に入りまして、県がその施設を買い取って、いわば県が一種の事業団のようなものをつくって、そのものがなければならない施設を県が引き受けるというような場合さえもあるわけでありまして、国がそういう場合には起債のお世話をするというようなことでしりは見ることになります。
 そんな場合もございましょうし、またいまの同和関係の事業につきましては、あちらの特別措置法との結びつきでできるだけ心配もしていくという前提のもとに、悪臭企業の改善もやらなければならないと思うわけでありまして、決して私どもも、ここに条文を書いたからといってそういう企業が直ちに金が借りられたり、またみずから金を借りる気持ちを起こして設備の改善をする方向に向くとも思いませんが、こういう法律をささえにいたしまして、そういう社会環境や事業、施設の改善を極力熱心にいたしてまいる一つのよりどころといたしたい、こういう考えでございます。
#222
○西田委員 厚生大臣としては、そういう答弁しかしかたがないと思います。しかし、それは厚生大臣のほうから関係省庁にも、特に関係大臣にも私は強く要請しておいてもらいたいと思います。これは悪臭防止だけではなくて、水質汚濁、大気汚染も含めて、そういうことのためにやむを得ず工場閉鎖をしなければならぬというようなところも実際は出てきておる。業種転換といっても、適当な業種転換がないという場合には、私は、その企業はそれでいいと思うのです。しかし、ほんとうに迷惑をこうむるのはそこに働く人たちなんです。だから、そういう点を十分ひとつ考慮をしていただいて、関係各省庁がそうしたことの認定に対してもっと的確に、迅速に、しかも寛大にとは言いませんが、実情に即して融資をしていくというようなことでなければならぬのではないかと思いますので、その点は強く要請をしておきたいと思います。
 次に、これは地域の規制ということになっておることですからお伺いするのですが、魚の臓物だとか、そういうものを運搬する場合の悪臭ですよ。当然悪臭を発生するということがわかっていながらそれを積み込んで運ぶ場合、これはこの規制の対象にならないのですね。
#223
○曾根田政府委員 この法律は工場、事業場という固定発生源をとらえておりますので、移動発生源は対象外ということであります。
#224
○西田委員 そうすると、移動発生をするための処置はもうしょうがないのですか。何か方法はあるのですか。
#225
○曾根田政府委員 御指摘の魚腸骨処理場等からの運搬の規制、そういうものにつきましては、これは産業廃棄物でございますので、先般成立しました産業廃棄物の処理運搬等の基準の一環として現在政令を検討中でございますけれども、その中で悪臭等の問題についても十分配慮した基準をできるだけつくってまいりたいと考えます。
#226
○西田委員 それは廃棄物じゃないのです。廃棄物になるかわりに原料になるものもあるわけです。そういうものは廃棄物とは言えないですね。
#227
○曾根田政府委員 魚腸骨の場合に、処理場まで持っていきますのは、実際にはそれぞれの魚屋から持ってくるわけでございますので、それ自体もやはり一つの産業廃棄物になろうかと思いますので、規制の対象として考えております。
#228
○西田委員 次に、こういうことが起こるかどうか、これを私はお伺いしたいわけです。
 Aという工場から甲という物質を排出した。そのもの自体は全然においがないということですね。無臭ではないけれども、においはしんぼうできる程度のにおいです。ところが、Bという工場から乙という物質が出てきて、そこで化学反応を起こす。相乗をしてにおいが起こる。こういう場合はありますか。
#229
○曾根田政府委員 においの悪臭物質による相乗作用というものは、指摘されておるところでございます。
#230
○西田委員 そうすると、その場合の発生源はどこに置かれるわけですか。双方ですか。私の言った例からいけば、Aという工場は全然発生源でないわけですね。ところが、Bという工場があとから来て乙というものを排出したために、相乗作用が起こって悪臭が発生したという場合の発生源というものは、双方をとらえるのか、あとから来たほうをとらえるのか。その辺、どういうふうにお考えになりますか。
#231
○曾根田政府委員 御指摘のようなことも一応考えられるところでございまして、いま私ども実は具体的にそこまで考えておりませんが、それは当然考えられることでございます。物質としまして当面十三種類を考えておりますけれども、これで足りるものではございませんし、相乗作用等の研究がまだ十分進んでいない点もございますので、研究の成果等を待ちまして、逐次対象の拡大、あるいはそれに応じたただいま御指摘のような規制の方法の拡大といいますか、検討を続けたいというふうに考えます。
#232
○西田委員 それはいわゆる公害事業等の、公害防止対策の費用の負担の関係も出てくるわけですね。かりに水だとすれば下水をつくって、そしてその下水を通じて処理をするという場合に、私のところは全然関係なかったけれども、おまえのところが来たというようなことで、この問題はほんとうにもめると思うのです。ですから、これはひとつ早急に、いまおっしゃって、何とかということですけれども、やはり基準というか、そうしたものを定めてやらないと問題が起こってくると思います。
 ことに、私の関係しておる繊維関係の排水ですね、染色関係の排水、これなんかには、いろいろ化学薬品が含まれている。そこに通常ブリーチといわれる漂白剤が含まれている。そのにおいはかなりきびしい。それは相乗をしてにおいを消す場合もあれば、そういった密集団地に行きますと、さらににおいを強くする場合もある。その場合等は非常に困ると思うのです。したがって、そうした面についての配慮といいますか、指導というものをよほど適切にやっていかないと、そのために地域的な混乱も起こってくるのではないかというふうに私は思うわけであります。特にその点は、今後の指導あるいは政令等を定められる場合に、御配慮をいただきたいと思うわけです。
 次に、臭気の人体に及ぼす影響ということなんですが、先ほど無害だという御答弁だったように思うのですけれども、間違っておれば訂正をしていただきたいと思うのです。どの程度人体に影響を及ぼすか。この報告書によりますと、かなり人によってこれも個人差があるようですけれども、影響はないとは言えないということのようなんですが……。
#233
○曾根田政府委員 私どもも、その中間報告にもございますように、影響がないとは決して考えておりませんで、ただ従来の大気、水等のような直接的な被害といいますか、そういったことについてはどうも趣を異にしておるのではないか。もちろん非常に強度の臭気でございますと、当然頭痛、吐きけ、あるいは目まい、そういった現象が起こりますし、そこまで至らなくても、やはり長期間の暴露によって二次的な被害といいますか、いらいらするとか、あるいは睡眠に影響があるとか、そういったことも指摘されております。何ぶん異臭の問題は、いままで特に医学面でも非常に研究がおくれておったという分野でございますので、先ほど大臣から申し上げましたように、そういった問題も含めましてこれから研究を続けて、できるだけ早く結論を出したいというふうに考えております。
#234
○西田委員 最後に、幾つかの大気、水、その他排出物に対する規制が出てきたわけですけれども、それに対する企業の公害意識というものは、私はまだまだ不十分じゃないかと思うのです。付近の住民から文句を言われなければ、そうそれに対して設備をしようとしない。また県知事等にしても、ある程度調査をして、こういうものが含まれておるということがわかっても、それを地域の住民に公表することによって混乱を来たすというふうに解釈されるのか知らないけれども、公表されない場合が非常に多いわけであります。そして、そうした配慮というのか。あるいはそれを隠蔽しようというのか、そういうことのために、非常に処置、対策がおくれて重大なことを引き起こしておるという例が少なくないわけであります。したがって、企業の公害に対する意識というもの、公害というよりこんなのは企業害であって、企業さえ気をつけておればこんな問題は起こらなかったというふうに思うのです。そうした点についての公害意識を高揚するというような処置をどういうふうにとっておられるか。あまり聞かないように思うのです。地域住民から、それ公害だ、それカドミウムだ、それ水銀だと言われるから、あわてふためいているというのが実態である。実際にそういうものを排出するということはいけないのだという意識というものは、私はないと思います。できるならば穏便にというような考え方で進んで、それを防止しようという姿勢というのは非常に少ないと思うのです。その点について啓蒙を
 しておられるのかどうか。
#235
○内田国務大臣 これは、私から申し上げたほうがいいと思いますが、私は西田さんとはかなり違った感じ方もいたしております。それはもう最近公害に関する国民、政府はもちろんのこと、非常に意識が高まってまいりまして、先般も公害臨時国会というようなことで、幾つかの法律の前向きの改正さえもいたしておりますが、しかしこれは国民、市民、政府だけでなしに、企業の側でも最近におきましては、公害を発生しないで付加価値を上げるということが企業の本質である。いかに付加価値だけ上げても、公害を残すということになると、これはもう付加価値ではなしに、低減価値になるのだというような考え方を科学的にも持ってきておるように思います。企業そのものの団体、たとえば生産性本部なども、みずから公害克服のための企業自体の努力的な目標、手段等もうたい上げておる等のこともありますので、よほどの時代おくれの企業でない限り、私は西田さんの述べられたような時代おくれな企業は少ないようにも思うわけであります。そういう状況のもとにおいては、もう御承知と思いますが、通産省等でも、今度今国会に、各企業の施設の中に企業の公害管理担当責任者というようなものを設置する義務を課したり、またその者が不適当な場合には、その者の交代について指図をするというようなことさえも、たしかそういうきつい条文さえも入れたような法律が出せるような時代になってまいったということは、政府の態度が前向きである、また国会を通じての世論もきびしいことのほかに、企業自身もそれの受け入れ体制ができてきておるのではないかと私は思うわけでありまして、私は企業をかばうつもりはありませんけれども、企業征伐ということばかりではなしに、企業にも一そうそういう公害マインド、公害対策意識というものを助長するような考え方を植えつけていけば、公害問題というものは、企業の側の努力をもさらに前進せしめることができる、私はこういう気持ちでおるわけであります。私は、人がよ過ぎるのかもしれませんけれども、そういうふうに思って努力をいたします。
#236
○西田委員 私は、大臣はきわめて寛大な見方をしておられると思います。そんなものではないのですよ。それはやかましく被害者から問題が起こってくるからやるのであって、みずから進んでそれを除去しようという姿勢というのはないと思うのです。それがあるとするならば、私は脱硫装置であるとか、あるいは浮遊粉じんの問題であるとか、あるいは微量重金属の問題は、もっと早く解決しておると思うのです。最近になって高まってきたというのは、それは地域住民からの突き上げがあり、被害者からの要求があるからやっているのであって、私は、企業そのものは、やはりできるだけごしんぼういただいてもうけさしていただきたい、こういう姿勢だと思う。現に、アメリカへ送る自動車については、ちゃんと一酸化炭素ですか何かのアダプターがついておるわけでしょう。ところが、日本の場合にはつけない。なぜか。それのために何万円か高くなる、高くなれば売りにくくなるからというような姿勢で臨んできたのじゃないですか。それをやかましく言われるようになって、何とかということに変わってきておるわけですよ。だから、それが企業の本質だと思う。やはりそれが利潤を追求する、営利を目的とする企業の本質でなければならぬと私は思う。だから、そういうものに対して、やはり啓蒙をするということ、生産というものが、単に物の利潤を追求されるだけの手段ではない。生産を行なうということは、生産活動そのものは、やはり人間の生活環境のいわゆる整備、さらには、豊かな人間の生活の向上、こういうために私は生産が行なわれるのだと思う。したがって、そういう、いわゆる企業の公共性といいますか、社会性というものは、当然企業が持たなければならぬ。ところが、そういう企業意識を持っている企業というものはきわめて少ない。口では言いますよ。日経連の理事だって、あるいは有名な会社の社長だって、私は名前を言いませんけれども、皆さんそうおっしゃいます。おっしゃるけれども、その会社に公害がないか、発生源になってないかといえば、そういうところに発生源があることは、いままでの事例がこれを示しておるわけです。そういう点では、もっともっとやはり――これは厚生大臣の仕事でないかもわからない、通産省の仕事であるかもしれないけれども、しかし、少なくとも政府そのものがそういう姿勢で臨まなければ私はできないと思う。だから、無過失損害賠償法の提出についても、私どもは重圧がかかったと見ておるわけですけれども、政府はそれが認定しがたいからということで考えておられるようであります。事実経過からながめれば、経団連ないし日経連が反対をいえば、その法案も提出を見合わすというような状態にあるわけです。そんな姿勢では私はほんとうに公害というものは除去できないと思う。もっと住民の側に立ち、被害者の側に立った態度で指導をしていただきたい。これを特に要望しておくわけですが、ひとつ大臣から決意といいますか、聞かしていただきたい。
#237
○内田国務大臣 厚生省という役所は、公害の被害者の立場を代表して、公害から国民の健康と生活環境を守るのが役目の役所でございますので、公害排除につきましては、私は勇敢に対処をいたしてまいりましたし、また今後もそういう姿勢をくずすつもりはございません。ただ、企業は常に敵であるという考え方でおるのがいいのか。最近の公害意識というものは、企業やまた企業で働く労働組合の中にまでも、私は公害排除の意識が高揚され、定着し始めてきておることを、いまの段階においては認める点もございますので、いいことは大いに激励をし、また改まらざるところは大いに各省にもお願いをして改めていただく、こういうことで、要するに一億の国民が健康でいい生活が送れるようなそういう環境をつくり出すために厚生大臣として努力をいたしてまいりたいと思います。
#238
○西田委員 大臣がそういう姿勢で臨まれるということは、私どもは野党という立場を離れて応援します。ほんとうに強く出ていただきたい。しかし、ほんとうは私は大臣がおっしゃるようなことになっていないから、したがって残念なんです。私は企業がつぶれていいとは決して考えていません。しかし、つぶれざるを得ないような企業があると思うのです。だから、その点をやっぱり被害者の立場に立って強く政府部内へ反映していただきたい。以上の要望をしておきまして終わります。
#239
○小林委員長 次回は、明十四日午後一時より委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。
   午後五時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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