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1970/05/21 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 産業公害対策特別委員会 第18号
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1970/05/21 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 産業公害対策特別委員会 第18号

#1
第065回国会 産業公害対策特別委員会 第18号
昭和四十六年五月二十一日(金曜日)
    午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 小林 信一君
   理事 小山 省二君 理事 始関 伊平君
   理事 山本 幸雄君 理事 渡辺 栄一君
   理事 島本 虎三君 理事 岡本 富夫君
   理事 寒川 喜一君
      木部 佳昭君    葉梨 信行君
      林  義郎君    松本 十郎君
      加藤 清二君    土井たか子君
      古寺  宏君    西田 八郎君
 出席政府委員
        経済企画庁審議
        官       西川  喬君
        大蔵大臣官房日
        本専売公社監理
        官       大塚 俊二君
        厚生省公衆衛生
        局長      滝沢  正君
        厚生省環境衛生
        局長      浦田 純一君
        水産庁次長   藤村 弘毅君
        通商産業省公害
        保安局公害部長 森口 八郎君
        海上保安庁長官 手塚 良成君
        建設省都市局長 吉兼 三郎君
 委員外の出席者
        内閣官房内閣審
        議官      植松 守雄君
        内閣官房内閣審
        議官      竹谷喜久雄君
        厚生省薬務局薬
        事課長     山高 章夫君
        農林省農政局植
        物防疫課長   福田 秀夫君
        運輸省港湾局技
        術参事官    竹内 良夫君
        運輸省航空局飛
        行場部管理課長 大塚 正名君
        日本専売公社理
        事       稲川  徹君
        日本国有鉄道施
        設局長     北岡寛太郎君
        参  考  人
        (東京都衛生研
        究所長)    辺野喜正夫君
        参  考  人
        (日本鉄道建設
        公団総裁)   篠原 武司君
        参  考  人
        (日本鉄道建設
        公団理事)   杉  知也君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 閉会中審査に関する件
 産業公害対策に関する件(水質汚濁及び騒音対
 策等)
 請 願
 一 公害防止対策に関する請願(田中武夫君紹
   介)(第六九五号)
 二 公害対策基本法改正に関する請願(加藤清
   二君紹介)(第七八五号)
 三 姫路第一機関区のばい煙による公害解消に
   関する請願(新井彬之君紹介)(第一四九
   四号)
     ――――◇―――――
#2
○小林委員長 これより会議を開きます。
 産業公害対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。土井たか子君。
#3
○土井委員 それではただいまから質問を開始したいと思います。
 まず最初に、無過失損害賠償責任の、かの問題の法案についてお尋ねをいたしたいと存じます。
  〔委員長退席、島本委員長代理着席〕
中央公害対策審議会に諮問をいたしまして答申を受けながら、無過失損害賠償責任の立法をこの国会でついに見送ることになってしまったということは、国民の立場から考えますとまことに承服できないことでございます。その不当性は、与党の議員の方々もひとしくお認めになるところであろうと私は確信をするのであります。
 と申しますのは、いきさつから申し上げますと、昨年の九月に佐藤首相が宇都宮で開かれました一日内閣で、この無過失損害賠償責任の問題は早急に検討したいということを公約されておりますし、さらには、すみやかに立法化するということも約束されているわけであります。本会議での答弁を私たち伺っております限りでも、同趣旨の答弁を繰り返し述べられていられるわけでありますが、――委員長、まだ総理府は来ていないそうですから、しばらく時間をおかしください。総理府がお見えにならなければ、質問をする意味がないと思いますから。
#4
○島本委員長代理 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#5
○島本委員長代理 速記を始めて。
 植松審議官に、今後時間におくれないように、要請されたとおり来るように強く要請いたします。土井たか子君。
#6
○土井委員 それでは、無過失損害賠償責任の問題について質問を申し上げたいと思います。
 さきに、中央公害対策審議会に諮問をして答申を受けながら、無過失損害賠償責任の立法を今国会では見送ったといういきさつが、すでにございます。この問題については、国民の立場に立って考えますと、もはや承服できることではございません。この不当性というのは、与党の議員の方々もひとしくお認めにならなければならない問題だと私は思うのです。
 と申しますのは、いきさつからいいますと、佐藤首相が昨年の九月に宇都宮で開かれました一日内閣の席上、この無過失損害賠償責任の問題は早急に検討したいというふうに公約をされておりますし、さらに、すみやかに立法化するという約束もされております。本会議でも同趣旨の答弁が繰り返し行なわれているわけでありますが、どうも公害部会ではかなり積極的に、与党の内部でも、この立法化を促進するという空気があったやに私たちは漏れ承っているのですが、商工部会や政調会や総務会の審議の過程で、うやむやにされたというふうないきさつが巷間伝えられているのです。これは私は、問題はそうこまかいことじゃないので、やはり大きく見た場合の公害行政に対する基本姿勢の問題だというふうにも思います。この節国民の立場に立って考えましたら、かの佐藤首相の発言というのは、食言になるのじゃないかというふうな趣さえしてくるわけでございまして、なぜ、今国会ですみやかに立法化するという約束があったにもかかわらず、うやむやにされて見送りになってしまったか。考えてみますと、今国会でも一応取り上げられて、しかも、大骨は大事にするけれども、この節は、小骨も一本も抜かないというふうな約束から遠く離れて、小骨どころか、大骨も抜かれてしまいました政治資金規正法や医療保険制度の抜本改正と並んで、この節、無過失損害賠償責任の立法化が見送られたという世の批判というものは、これから大きく動くということを覚悟しておかなければならないだろうと思うのです。
 こういうふうな点から考えまして、今後この無過失損害賠償責任の問題は、一体どのように取り扱われる御予定でいらっしゃるのか、具体的に言うと、次の国会では必ず法案を提案される用意があるかどうか、しかといまのこの委員会でお答えを賜わりたいと思います。いかがですか。
#7
○植松説明員 この無過失賠償の問題につきましては、われわれといたしましては前国会以来の懸案としまして、この国会にぜひ提案をいたしたいということで準備を進めてまいったわけでございます。
  〔島本委員長代理退席、委員長着席〕
 問題は、民法の基本問題にからむということで、法務省との協議に予想以上に時間がかかったのも事実でございます。またへその中で、新聞等でも伝えられておりますように、硫黄酸化物の取り扱いをめぐって非常に大きな論議があったわけでございます。たとえば与党との論議の過程におきましても、硫黄酸化物を除いて出すということについてのいろいろ批判もございまして、やはりこれについては立法上、たとえば民法七百十九条の問題でございますが、それについてどのように対処すべきかということについて、もう少しべーシックな検討を続けた上で成案を得べきではないかという御議論もあったのでございまして、地方選挙等もいろいろからみまして、時間的には一カ月ぐらいのブランクがあいたわけでございますが、ともかく中央公害対策審議会にかけましたような案をわれわれとしてはまとめたわけでございまして、前国会来の懸案でもございますから、ああいう形ではあれ、われわれとしてはこの国会にぜひ提出したいということで、最後まで党との間の調整に努力をしたわけでございます。もちろんこれは政治的に大きな問題になっておる問題でございますし、この国会におきましてはもう日程もあとわずかしかございませんので、この期に及んで出すということはむずかしいという党のほうの判断がございまして、それでも、きのうも山中大臣は、きょうの新聞にも伝えられておりますが、総務会に二回ばかり出まして、ぜひ出したいという最後の努力をしたのでございますけれども、今国会はむずかしい。しかし、党の方面でも、私が山中大臣から伺ったところでは、この問題を積極的に取り上げるということの公約をされるそうでございまして、ぜひ私は、この次の国会がどういう日程になるのかよく知りませんけれども、出し得る一番早い時期に提案すべきものと考えております。
#8
○土井委員 いつもそういう御答弁なんです、今国会は残り日が少ないとか時間がないとか。しかし、国会開会に先立って、会期というものはあらかじめ何日というのがわかっておるわけですから、残りが少ないとか、あと時間がないとかいうふうな答弁、あるいはそういう言いわけというものが通用することは、私は認められない。これは昨年のいわゆる公害国会からの積み残しです。あの公害国会の中でも、無過失損害賠償責任の問題が取り上げられて、早急に、これは可及的すみやかにという表現があったと私は思うのですが、これは可及的すみやかに立法化する必要があるということを山中長官も再々ほのめかされてきたわけです。可及的すみやかにということであるならば、今国会でぜひとも取り上げるという熱意さえあるなら、このきめられた会期の中に出てしかるべき問題であったと私は思うのです。この期に及んで、まさしくこの期に及んで、あと会期が少ないということを繰り返して言われるということは、私は理由になるというようには思いません。したがって、いましかと来会期には必ずこの問題を取り上げるというふうな御答弁であったように私は承りますけれども、これは確約していただけますね。もう一度お答えいただきます。
#9
○植松説明員 来会期にそういう法案の審議の場があるのかないのか私よくわかりません。こういう法案が出せるようなチャンスの際にはこれは国会に出したいというように、事務当局としてはもちろんそういうつもりでおるわけでございます。
#10
○土井委員 これは事務当局のみならずやはり関係当局の責任者の方に、ぜひともこの委員会にはお出ましをいただいて、この点は強く要求すると同時に、確認を実はこの場で取りつけておくべき問題だと私は思っていたのですが、残念ながらきょうはそういう責任の立場にいらっしゃる方には御出席を願うことができなかったわけですから、あらためてこういう問題についてはさらに強く強く要求したいと思うわけです。
 さて、答申案に対しまして、今回政府の部内では無過失損害賠償責任を立法化するのについて、どのような点が一応問題になったかという点について御説明を賜わりたいと思います。
#11
○植松説明員 前国会以来問題になりましたように、一口に公害にかかる被害について無過失賠償を認めるといっても、公害による被害にはいろいろな態様があります。そこで、それについて民法の法秩序との調整を考えながら、どういう被害が無過失賠償になじむのであるかということについての選択が必要であるということ、これが基本的に一番むずかしい問題であったことは土井先生御承知のとおりでございます。
 そこで、われわれ考えましたのは、これは基本的には野党案がこの問題について提案されておるわけでございますが、それと異なるところはないと思っておりますけれども、水質と大気を通ずる被害、これが健康被害という観点から考えた場合には、ほとんど全部のチャネルといっていいかと思います。ちなみに申し上げますと、土壌汚染につきましてもやはり結局は大気と水を通ずる汚染でございますから、それも入るという意味を含めて大気と水と私申し上げておるわけでございます。
 それから、健康被害に限るという問題につきましては、いろいろ論議があったわけでございますけれども、もしこれを物的被害にまで広げますと、単純なる無過失賠償という形で処理できるかできないかについて非常に大きな論議があったわけでございます。つまり、たとえば保険の問題とか、あるいは最高限度を画する問題であるとか、こういうような問題をあわせて検討しないと、単純な無過失という形だけでは処理できないのではないかという論議がございまして、いま何といっても一番深刻な問題、われわれが最も力を注いでこの防止に当たらなければならないのは、人の健康の保護でありますから、そういう意味においてわれわれも野党案と同じように、健康被害についてこの無過失賠償を適用していくという形にしよう、こう考えたわけでございます。
 それから最後に、いわゆる有害物質の問題がございます。無過失賠償と申しましても、単純なる結果責任ではない。やはり企業に対して強くその管理責任を要求する。その極限において、いわば厳格責任と申しますか、無過失責任があるわけでございますから、ただ結果的に被害が起こって、何らの予見、可能性がない場合にもその責任を負わせるということは、必ずしも無過失責任の趣旨ではないのではないか。そういう観点から、有害物質をあらかじめ法定をしておくという考え方が妥当ではないかと考えたわけでございます。この点も野党案と本質的には変わっておりません。
 そこで問題は、しからば有害物質をいかようにして選ぶかという問題が次に直面した大きな問題でございます。結局、それにつきましては、われわれ各規制法で規制されておる物質を選ぶのが最も合理的ではないか、かように考えたわけでございます。何となれば、無過失賠償と申しましても、本来の公害立法のねらいというのはそういう被害なからしめること、被害を未然に防止するということでございますから、そういう観点から各規制法において、規制対象になる物質が選ばれておるわけであります。万一それにもかかわらずそれについて被害が起こった場合には、かりに規制基準を守っておっても無過失賠償の責任を負うのだという形にしておけば、これまた一つの大きな抑制の効果として働くだろうと思います。
 それで、そういう意味においてどういう有害物質を選ぶかということについて論議があったのですけれども、結局規制法における規制物質をとらえるのが一番いいのではないか。そうしますと、大気の場合いわゆる有害物質として現在法律で例示されておる物質が四物質、さらに十七条の政令で指定すべく予定されておりますのがいま二十八物質ございます。水のほうは御承知のようにいま八物質あるわけでございます。それらのものを中心に規制していくのが一番合理的ではないか、こう考えたわけでございます。もう一つの問題として、そこで最も問題になりますのは硫黄酸化物でございまして、この取り扱いをめぐって、政府部内においても、また与党との協議の場においても、一番繰り返し論議があったわけでございます。何といってもこれは古くからの規制物質でございますし、われわれとしてもこれはぜひ取り入れたいという気持ちでおったのですけれども、その場合に、最も法律的に問題になったのは民法の七百十九条の共同不法行為関係でございます。共同不法行為は、御承知のように七百十九条前段と後段というのがあるのですけれども、ことに論議になったのは後段の規定でございまして、後段の規定と申しますと、共同の不法行為によってある被害が発生しておる場合に、だれが加害者であるということがわからない場合についても、その共同不法行為者のだれかを選んで、いわゆる不真正連帯債務として全額の賠償の請求をすることができる、こういう規定になっておるわけでございます。本来民法は古典的な市民法でございますから、現在のような複合汚染、こういうはなはだ複雑な近代的な現象に対してどういう形で適用されるかということについては、いろいろな論議があるかと思います。つまり複合汚染と申しまして、多数の発生源から硫黄酸化物が排出されている。それが大気中で複合されて被害をもたらしているという場合に、確かにどの工場から出たばい煙が、どの程度その被害に寄与しておるかわからない。しかし、民法七百十九条そのまま読みますと、だれが加害者であるか必ずしも明白でない場合にも適用されるということになっておるわけでありますから、そういう共同加害者の一人として、確かにある工場のばい煙が、風向きの関係で、被害を受けた住民の方の住居地に落ちているというようなことがたとえば立証された場合には、およそその硫黄酸化物とぜんそくとの間の疫学的な因果関係ということは、すでに公知の事実でございますから、そのうちの特定の企業について、それが共同不法行為者の一人であるということがわかれば、その者に七百十九条が適用され得るのではないか、こういう論議が実はあったわけでございます。ところが、先ほど私、申しましたように、いずれかの企業がかりにねらい撃ちを受けるというような形になったとき、これは俗なことばで申し上げるわけなんですけれども、どれかの企業がその損害賠償の請求を受けた場合に、それではそれを他の共同行為者であるところの企業に対して求償できなければ、ほんとうは公平な負担の分担にはならないわけでございますけれども、それが実際可能であるかどうかという問題でございます。これがもし特定少数の場合であれば、当然当事者の間の求償関係にゆだねていいわけでありますけれども、それが多数に及んだ場合には、必ずしもそれが期待できないのではないか。そういう場合にまで一体民法の七百十九条は適用されるのか、されないのかという論議がございまして、ある学者の説によりますと、それは一種の特定少数の場合に限るのだというような説もございます。しかし、法務省は、これは相当広義に読むという解釈でございまして、そういたしますとやはり七百十九条自体について、何か立法的な手当てでも考えないと、現状のままで、いわば法律適用が不安定な状態において、その故意、過失という不法行為の成立要件の重要な柱をはずしてしまった場合には、その辺の法律関係は非常に不安定になってくるのではないか、かように考えまして、その硫黄酸化物の取り扱いについては、なお、法律技術的な検討を十分詰めるべきであるという結論に政府部内でなったわけでございます。大体の経過としてはそんな程度のことでございます。
#12
○土井委員 たいへん行き届いた説明を承って、その御説明の限りではわかるわけですが、しかし、いま御説明にございました民法七百十九条一つ取り上げましても、学者の間で解釈はいろいろございます。百家争鳴というような状態でございます。例をあげますと昨年に比べて二カ月余り早く例の光化学スモッグらしい現象が東京都内に起きました。おそらくこれは例のオキシダントのなせるわざであろうということになっておりますが、あのオキシダントという例で申し上げても、環状七号線の自動車全体に責任を負わせることは可能だという学者の立場すらあるわけであります。要はそういう解釈論であるとか、いまの民法について問題をさらに論及して、それとのかね合いを考えるという側面ももちろんございましょうけれども、しかし、問題はその辺にはないと私は思うのです。解釈がむずかしいとか、立法が困難だからといって見送られてはならない問題がございます。何かと申しますと、言うまでもありません。被害に現にあえいでいる住民の立場でございますし、公害病患者として現に訴訟に訴え出ながら、半ば泣き寝入りのような形で、その日その日をたいへん不安な状況で送っている国民があるという現実でございます。
 そういう点から考えていきますと、典型的な公害病というふうに私たち考えております例の水俣にしろ、あるいはイタイイタイ病にしろ、あるいは四日市ぜんそくの問題にしろ、それぞれを考えていった場合には、現実の問題として泣き寝入りをさせておいてよいはずはない。何とかしてこういうふうな問題について解決をするという案として、いま考えられてよいのは、やはり民法七百十九条の問題について、どういうふうに現実面に対処をすることが可能であるかという論及じゃなかろうかと私は思うのです。そういう点から考えますと、先ほど私はオキシダントの例をあげましたから、ついでながら自動車の問題だけについて申し上げても、自賠法のような立法をいたしまして、事業者が保険加入の義務を、あるいは自動車を運転する人たちは、これに対して保険加入の義務を負う。保険会社から被害者へ賠償が支払われるというふうな立場で、その保険会社というのは国、政府というふうに置きかえて考えることも私は可能だと思うのですが、こういう問題が一つございます。それから、さらには共同責任というふうなことからいえば、特定の加害者についてだけ因果関係が立証された際に、その責めに任ずるということでは不公平になりはしないかという論議が、先ほど御説明のとおり民法七百十九条についてはあるわけでありますが、これについても加害者擬制ということを民事訴訟法に取り入れまして、自分の健康被害が起こるというだけの一定地域あるいは一定数の工場を測定をして、それを加害者である被告に認定できるように持っていくという方式だって私はあると思う。そういういろいろな方法についてどのようにいままで考慮を払われ、また努力を払われてきたか、その点についてひとつお尋ねをいたします。
#13
○植松説明員 いまおっしゃったようなことを、まさしくわれわれも書物で読み、学者と討議をしたわけでございまして、そういう問題についても十分論議をし尽くしたとまでは必ずしもまいりませんけれども、相当の議論はしたつもりでございます。いま申されましたような保険の問題でございますけれども、保険という場合に、その保険数理として具体的にどんな形のものを考えていくかという問題が非常にむずかしい問題でございます。のみならず、現在御承知のようにいわゆる公害病の認定を受けた患者に対して、一つの基金から、これについて、医療費中心でございますから十分なものではございませんけれども、一種の補償が行なわれております。そういう補償との調整を一体どう考えていくのか。保険といわないまでも、一つのファンドとして、現在すでに制度があるわけでございますから、その発展において考えるという問題が一つあろうかと思います。
 それから、いま申されましたところの、ある被害者の周辺にある工場について、一定の範囲の加害者群というものをとらえて、それに無過失賠償を求めるという問題、これにつきまして確かに私もそれは一つの考え方ではないかと思ったわけでございます。先ほど、ある企業が俗にいわばねらい撃ちを受けて、民法七百十九条によって損害賠償の責任を負う、その結果、それが求償するにも求償のしようがない。それは加害者たる立場ではあるにせよ、企業にとって問題でありますから、その辺のすっきりした立法解決をしなければならないということを申し上げたのですけれども、そういういわば恣意性を避けるために、おっしゃるように一つの企業群をとらえて、その全体を共同被告にして訴えるというやり方、しかも、その訴訟の過程において、それぞれの分担割合もその訴訟において解決するといったことができるとすれば、一番合理的な負担の分担が可能ではないか、こういう考え方も立てたわけでございます。しかし、それに対して一番の難点は、法律専門家の話によりますと、やはり企業者相互の間の負担割合で非常にもめてきて、かえって被害者救済という訴訟の目的からいって、その訴訟が長引いてしまうのではないかということ、また集まった企業全体の排出した排出物が、その企業が排出した排出物だけでその被害が起こる程度のものを相手にしなければならないということになりますから、そうしますと、今度は、自分はその全体として被害が起こる程度の排出物を出してないという立証に努力するだろう。そこでまた訴訟がもめるだろう。もしその立法が行なわれれば、その訴訟は棄却されるという形になりましょうから、また別の手段を考えないと、解決にはならないのではないかといったような、訴訟法上の疑義が出てまいりまして、それも簡単にはいかないということでございました。
 そこで、最も端的にいえば、たとえば民法七百十九条の古典的民法の姿に返って、特定少数の場合に限るといったような立法をすれば一番簡単なわけですけれども、それもいまの判例の動向から、だんだんそれが拡大される方向にあるので、そこで、いま潮の流れにさからうような立法もできないではないかという議論もございまして、これはともかく、いまおっしゃいました各種の論議も受けまして、そういうことを十分に織り込んだところで、専門家を交えてじっくり検討しなければ、ちょっとにわかに結論を出すわけにいかぬというのがわれわれのこれまでの結論であったわけでございます。
#14
○土井委員 現行法に違反しさえしなければそれでよいという感覚は、もはや公害問題に対しては私は通用しないことだと思っています。常に私たちは、現行法について不十分な点、至らない点、なおかつその点が欠けている点ということを現実の問題からとらえて、それに対して住民の立場から前進発展させる。事は、公害問題については、もうすでに被害を受けて、泣き寝入り同然のようなかっこうになっている国民があるという現実から目を横に向けて、現在の現行法について問題にするということは、もはや私は許されることじゃないと思うのです。そういう点から考えますと、民法の七百十九条から考えて、これは企業の立場で問題にするのではなくて、やはりあくまで被害者の立場、住民の立場からひとつ十分徹底して取り組むという姿勢でもって私は考えていただきたい、そういうふうに申し上げます。
 さて、この七百十九条それ自身の問題とやはり関連があるのですが、複合汚染を、今回政府の舞台でいろいろ論議される対象から除外されたということについては理由はいかがでございましたか。どの辺に複合汚染を対象からはずすという理由があるわけでございますか、お聞かせいただきます。
#15
○植松説明員 七百十九条の法律解釈が、現段階においてどういう形になるのかはっきりしない、それが不安定である。その辺について今後七百十九条を複合汚染にどう適用するかについて、適切な立法措置を考えなければならない、それがいま急の間に合わなかったということだけでございます。
#16
○土井委員 急の間に合わないということでございますか。
#17
○植松説明員 現段階までの検討では、残念ながらそれについて一般を納得させるだけの立法措置が、十分成案を得られなかったということでございます。
#18
○土井委員 いまの御答弁では非常に抽象的で、わかりません。具体的にどういうことであったかということをひとつ御説明賜わります。
#19
○植松説明員 先ほど申しましたように、土井先生もお認めいただけると思いますが、七百十九条の解釈自体が、先ほど百家争鳴と申されましたが、確かにいろいろな説があるわけでございます。それで現在の説において、複合汚染に対して七百十九条がどう適用されるかについては説が非常に分かれておる。その意味において法律の適用関係がどうなるか、非常に不安定であるという状況でございます。
 そこで、もちろん立法の府における議論でございますから、現在の解釈がそうであるからといって、それをそのまま傍観しておいてよいというわけではございませんので、やはりこれについてしかるべき立法措置を考えた上で、もしそれが不安定で不合理であるというならば、適切な立法措置を考えた上で、複合汚染にちゃんと適用できるような法律関係を創造すべきだと思います。それが、われわれのこれまでの検討の段階では、どういう形でそれに対処していけばいいのか、十分一般を納得せしむるだけの成案を得られなかったということでございます。
 そこで問題は、もう少しまた別の角度から御説明いたしますと、確かに複合汚染の問題は、一つは因果関係の問題でございます。因果関係の問題というのは、故意、過失の問題とは全然別個の問題ではないか。ここでは故意、過失という不法行為の成立の要件の一つを取りはずすということだけであるから、因果関係の問題とこんがらかってはならないというお考えがあるのではないかと思うわけでございます。確かにそれはそうだと思います。ただし、七百十九条というこの共同不法行為の規定が適用される限りにおいては、そこに非常に不安定な法律関係が出てまいる。つまり、先ほどもちょっと触れたのでございますけれども、現在亜硫酸ガスと、たとえばぜんそくとの間には、疫学的な意味での因果関係というのはあるといって差しつかえないと思います。そういたしますと、この因果関係を一般的に特別に立証することは要らないのではないか。もちろん個々の企業と、それから被害者との間の因果関係というものは、立証が必要であります。しかし、共同不法行為という規定がございますから、そのうちいずれかの企業が、風向き等の関係で、その被害者の住居地付近にばい煙を降り注いでおるというようなことのその系列さえ一つでも立証できれば、七百十九条を適用することによって、全被害に対しての損害賠償がその企業にできるではないか。しからばその場合に、その企業が、それに対して求償して調整をするのですけれども、その辺の調整がなかなかむずかしいではないかということでございます。
 そこで、そういう状態においてもし故意、過失という要件をかりに取りはずしてまいりますと、いま言った程度の立証でどの企業にでもかかっていけるというような形の法律解釈が、七百十九条の解釈いかんによってはとり得るのではないか。この辺をやはりもう少ししっかりした立法解決とあわせて考えていかないと、その辺が非常に不安定な形になるのではないかということでございます。
#20
○土井委員 先ほど無過失損害賠償責任の問題については、特に健康被害ということに対して重点を置いて検討を進めたという趣旨の御説明がございました。したがって、物質被害であるとか、財産被害というものについては、後に譲るというふうな御趣旨の説明でもございました。
 そこで、健康被害ということから問題にしてまいります場合に、複合汚染によって現に被害を受けている自治体が随所にございます。たとえば、先ほど来何回か私は例としてあげております光化学スモッグによる健康被害というものは、現に起こっているわけでございますが、これはかなりきつい被害というふうに申し上げなければいけないでしょう。こういう健康被害に対する救済措置というのは、実際この無過失損害賠償責任に対しての立法化が進められるまでの措置として、それならばどういうことが具体化にいま考えられておりますか。ひとつお教えいただきたいと思うのです。
#21
○植松説明員 現在いわゆる公害病の認定制度というものがございまして、それでこの公害病の認定を受けた方に対して、医療費を中心とするところの救済措置があることは、御承知のとおりでございます。
 この措置については、全体としていろいろその医療救済についても、公害病の認定そのものとか、あるいは公害病の範囲が狭いとか、あるいは地域が限定されているとか、あるいは支給条件がいろいろ制限があって十分ではないとか、あるいはそれが医療費中心に片寄っていて、それ以外の生業補償的なものまで及んでいない、いろいろな御批判があるわけでございます。これは政府といたしましても、だんだんそれを拡大する方向に努力はいたしておるつもりでございますけれども、それがまだ十分でないという御批判だと思います。その辺が現在の健康被害の特別措置法というものを中心に、それを順次拡大をしていくというような形で考えて当面はいかなければならないのではないか。しかし、その複合被害に対するアプローチというものは、もちろんそれだけではございませんで、何よりも基本的には排出基準を強化していくということが基本でなければならない。そうするためには、御承知のように例の低硫黄燃料の確保ということに何よりも努力しなければならない。そのための技術開発につとめなければならない、そういった問題につながってまいりますし、それから民法関係における無過失損害賠償の問題についても、複合被害に対しては適用はむずかしいということは、いまるる申し上げたのですけれども、それだけでは答えにならないのでありまして、それについてのべーシックな研究をさらに十分続けなければならない、こういう全体の施策と相まっていかなければならないというふうに考えております。
#22
○土井委員 現に、五月十二日の衆議院の内閣委員会で、山中長官は複合汚染を除いたことで大穴があいたという批判もやむを得ないと思うという御発言があるんです。これを御存じでいらっしゃいますね。こういう点からしますと、やはりこの節私たちが避けて通ることのできない、正面から取り組んで問題にしていかなければならないという相手は、物質の中でもこの複合汚染ということをやはり具体的にここで取り上げて、どうしてもこれを対象としなければならないということに現実はなってきております。したがって、こういうふうな問題につきましては、暫定措置とか、一部こういう健康被害に対する救済措置について現行法の手直しとかいうふうなことが片や進められることは、これは言うまでもなく忘れられてはならない大事なことだと思いますけれども、やはり私は無過失損害賠償責任ということを問題にする節に、この複合汚染ということを抜いてはやはり問題になりやしない。物質に対して、これは特定化をする、あるいは一般化するということとは別に、複合汚染ということを具体化することは、忘れてはならない問題だということを特に強調して申し上げたいと思うのです。大どろぼうを逃がして、こそどろばかりを追っかけるという批判というものは、いままでに公害対策については繰り返し、繰り返し何度も私たちは聞かされてきているところですから、この無過失損害賠償責任を問題にする節は、ああよくやった、今度は何だかしっぽをつかまえて引きずって犬どろぼうというものをつかまえようという気一ぱいでいるなというところを十分に見せていただきたい。そうでなければ、わざわざ今国会でこれほどすったもんだの大騒ぎをやった、そしてとうとう見送りになってしまったということに対して、さらに国民の不信を招くことにもなってまいりますから、どうしてもやはり信頼にこたえるためには、この節、思い切ってこの複合汚染に対して、徹底して取り組むという姿勢を忘れていただいては困ると思います。そういうことを重ねて申し上げたいと思うのです。
 さらに、ちょっと横道にそれるようでございますけれども、これに関連してお伺いしたいことがあるのです。
 いままでにサリドマイドによる奇形児であるとか、それから一部学説では異説もあるようでございますが、キノホルムによるといわれているスモン病であるとか、あるいはカネミのライスオイルの後遺症の患者であるとか、あるいは森永乳業のかのドライミルクの中毒患者の問題であるとか、公害による被害者に準じて医療救済や諸手当の対象にすべきであると私自身は考えているわけですが、この点などはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか、お聞かせいただきたいと思います。
#23
○植松説明員 その問題も野党の案にもございましたし、政府部内においても、当然この無過失賠償の問題あるいは救済その他の、広い意味での救済措置を含めての問題でございましょうが、もちろん公害に限った問題ではない、人の健康を保護するという観点から考えた場合に、他に隣接する分野で当然考えなければならない問題が幾つかあるわけでございます。
 それで、それらの問題についてもこの際結論を出さなければならないということで、とりあえず食品の問題と医薬品の問題につきましては、厚生省に、できればこの国会にわれわれと同じに法案を出せないかということで呼びかけたわけでございます。厚生省のほうは厚生省固有の行政でございますので、別途特別の研究班をつくって研究をしておる、この国会には間に合いそうにないけれども、しかし、できるだけ努力をするという形で、われわれとの間にそういう関係で進んできておるということでございます。
#24
○土井委員 そういう意味で、現に食品衛生法あるいは現行薬事法に対しての総点検に従ってのいろいろな規制基準のあり方、あるいは規制対策そのもののあり方というふうなことに対する再検討を進めるということが必要かと思われるのですが、この点どういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
#25
○植松説明員 そのとおりと思います。いま厚生省見えているのかどうか、ちょっと私わかりませんが、(土井委員「いらっしゃっています」と呼ぶ)この前、法務委員会で私同席しておりましたときにも、厚生省の責任者はそういうことを答弁いたしておりました。
#26
○土井委員 それでは、厚生省のほうからじかに、現行薬事法あるいはさらに食品衛生法の総点検あるいは改正すべき点がありやなしやという問題について、少しお聞かせをいただきたいと思います。
#27
○山高説明員 御答弁申し上げます。
 薬事法について総点検する必要ありやいなやというお話でございますが、御承知のように、薬事法は保健衛生の見地から医薬品を規制しているわけでございます。現在、薬事法の各種の基準がございますが、これらはいずれも保健衛生の点から見て必要最小限の基準を定めているというのが現状でございます。そういう点をただいまの先生のお話からも十分に再検討する必要がある。特に政令、省令、告示、法律の運用で基準をやっておりますが、そういう点について、まずさしあたり点検をいたしまして、それでもなおかつ不十分である場合については、薬事法について十分必要な検討をいたす所存でございます。
#28
○土井委員 食品衛生法のほうはいかがでございますか。厚生大臣の規格、基準について、これは一応この前の法務委員会でお伺いした限りでは、一般的禁止ということを大前提として、禁止解除というふうな意味を持つというふうな御趣旨の御説明がございました。したがってこれは、安全性の確保ということがそういう意味ではなされていると思うのですが、特にこの食品添加物について、そういう許された、定められた基準、規格内で製造業者が製造して、なおかつ結果としては健康被害を引き起こしたというときの責任の所在がどの辺にあるかということなども、あわせてひとつお伺いしたいと思います。
#29
○浦田政府委員 食品に起因します被害につきましては、いわゆる食品公害といったようなことばでいわれている場合もございますが、これは土井先生もすでに食品衛生法で御案内のとおりに、まず食品製造業者が必要な注意義務を果たすということが大前提であろうと思います。
 元来、食品衛生法は、安全を確保することが第一義でございまして、過失ということは本来許されないきびしいものであると考えております。したがいまして、無過失責任主義を導入するということにつきましても、営業者の責任の強化、あるいは事故処理手続の明確化、さらに御指摘の被害者の救済等について、食品衛生法の本来の趣旨に基づきましていろいろと強化拡充していくということでもって対応できるのではないかと考えておりますが、目下これらの観点につきまして、厚生大臣の諮問機関でございます食品問題等懇談会の御意見も聞きまして、改正点についていろいろと具体的な御意見を取りそろえ、近くまとめの御答申がいただける段階でございます。
#30
○土井委員 そうしますと、食品衛生法並びに薬事法についても総点検をして早急に改正すべき点があるというふうな御趣旨の御答弁をいま承ったというように私は理解をするわけですが、私は法の改正なり新たな立法なりを考えます場合には、いまある現行法に対しての点検は言うまでもなく、公害について問題にする節はそれのみならず、関係法令に対してさらに手直しを進める。さらに関係法令のみならず、それで十全を期しがたい場合には、新しく立法化を進めるという全体の総合的な対策というものが、この節どうしても忘れられてはならない段階にもはや来ていると思うのです。
 したがって、この指定地域外の健康被害に対する救済対策につきましても、いままで十分でないという点もあわせ考えまして、問題は、健康被害ということだけに限定をして考えを進めました場合におきましても、いまの食品問題あるいは医薬品問題、それなども無過失損害賠償責任というものが立法化される節には、この対象として考えてみるという余地が十分にあるし、また十全を期そうとする努力というのは、どれほどやったってやり過ぎではないわけでございます。そういう点からしますと、これはぜひとも考えてみなければならない対象としてあるというふうにも私は思うわけでございます。
 片や現行法の改正だけで事を済ませるというのは、全体総合的な立場から見ました場合にはそれはそれなりに大事でございます。忘れられてはなりませんけれども、しかし、さらに公害対策を前進させる、予防措置というものを十分にとっていくという立場に立って考えました節には、いま申し上げましたようなことも、無過失損害賠償責任というふうなものを問題にする節の忘れられてはならない一つのポイントとしてあるように思います。
 したがいまして、今国会で無過失損害賠償責任というものがなぜ見送られたかといういきさつと同時に、やがて次期の国会では必ずこれを立法化することに最大の尽力をしたいというふうな確約を、特にきょうここでいただいたようにはっきり私は承ったつもりでおりますから、その節、こういう問題につきましては、十分に努力の積み重ねというものを生かすということで、悔いのない取り組み方をしていただきたいというふうに重ねて申し上げたいと思います。
 ただ、先ほどからお伺いした限りでは、努力の積み重ねということを部内ではなるほど言っておありになったように私承りますのに、政府の姿勢がそれから見るとずいぶん低いところにあるようでございまして、たいへんちぐはぐであるということを実感として感じさせられたわけでございますので、この節私たちが大臣に追及しなければならないのは、公害行政に対する基本姿勢のあり方であろうということを再確認したわけでございます。仏つくって魂入れずというふうなことばもございますし、口約束、から手形の乱発ということで、行政それ自身は画竜点睛を欠くというそしりを受けるということが昨今たいへんに多うございますので、そういうふうなことからいたしますと、この節無過失損害賠償責任を今国会で見送る責任を十分に感じていただいて、次期国会では、ぜひとも国民の期待に十分こたえるだけの内容を持った立法をどうしても実現させるという努力について、私は再度要求をしておきたいと思います。
 時間がきたようですが、私はあと飛行機の騒音公害の問題について質問を予定しておりましたので、もし質問者全部が終わりまして時間の余裕がございましたら、しばらくの間時間をいただきたいと思います。
#31
○小林委員長 ちょっと待ってください。
  〔速記中止〕
#32
○小林委員長 速記を始めてください。
#33
○土井委員 それでは飛行機の騒音公害の問題について少し承っておきたいと思います。
 現在、この飛行機の騒音公害につきましては、あるものについては、現行法では、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律、またあるものにつきましては、防衛施設周辺の整備等に関する法律によって損失の補償の道が講じられているということでございますが、しかし、これとても十分というわけにはまいりません。これに対しましてはいろいろ要求なり批判なりが現実あるところでございます。
 そこで今回、新聞にも一部発表されたわけでございますけれども、いろいろ公害ある中でも、特に飛行機の騒音公害で静かな生活が現に送れないという立場に立たされている住民の側から、静かな個人生活をする権利というものを一応静穏権というふうに名づけまして――静穏権という表現が適確であるか適確でないかということは別に議論があろうかと思いますけれども、かりに静穏権というふうに名づけまして、航空機騒音を発生源で規制をするということに対して、いろいろな意見が出されてきております。この意見を出してまいりましたのは航空法調査研究会と称する民間団体でございますが、ここから出てきておりますいろいろな意見を私見ておりまして、現実にいろいろ対処する場合に、参考となる意見と思われる節々がございます。たとえば航空機の騒音規制法について、これを具体的な法律として立法をするという動きが国際民間航空機関、御承知のとおりICAOでございますが、ICAOや米連邦航空局なんかでもそういう動きがございます。そういうことに対しまして、いま政府部内でこういう航空機騒音規制法という立法をおやりになる心づもりがあるかどうか、この辺をまずお伺いしたいと思うのです。
#34
○大塚説明員 お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘のございましたように、五月十九日、朝日新聞の朝刊に記事が出まして、「くらしに「静穏権」 騒音規制新たな提案」という記事が載ったわけでございまして、私どもこれによって初めてこういった問題の所在を知ったわけでございますが、記事によりますと、この提言は、いずれ政府に対して正式に提案があるというふうになっておりまして、当運輸省のほうにも参ることであろうと存じます。
 その際に、具体的に内容を拝見いたしまして検討を加えたいというふうに考えておりますが、ただいま先生の御質問にございましたように、新聞の記事によります範囲内においてお答えいたしますと、まず、航空機騒音規制法の立法の問題でございますが、御存じのように私ども昭和四十二年八月に公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律を制定しておりまして、いろいろ御不満のある内容かと存じますけれども、これによって一応レールに乗った騒音対策を講じているわけでございまして、それに関連いたしましてただいま御指摘の発生源における規制、言いかえるならば、飛行機のエンジン部分における騒音源の措置というふうに考えられますが、これはここにもございますように、それぞれの機関において現在国際的に慎重な検討が行なわれているようでございまして、たとえば騒音証明制度というものにつきましてはICAOのほうで基準が出ました際、当然国内的な影響を受けるわけでございまして、運輸省といたしましても、出ましたものに基づきまして国内立法化の措置がとられるというふうに考えていただいてけっこうであろうと存じます。
#35
○土井委員 時間の制約があるようですからちょっと先を急ぎますが、いまお答えの限りで承りますと、そういうふうな立法化に対する動きというふうなものが現に航空局のほうでもお考えであるようでございますが、具体的に、どういうふうにそれに対するいろいろなお仕事といいますか、工作が進んでおりますか。
#36
○大塚説明員 いま御指摘のICAOで騒音証明制度の委員会が先ごろ行なわれまして、それぞれ基準化の問題を検討中だというように聞いておりますが、私どもといたしましてはその結論が出ました場合には、航空法という法体系の中で、たとえばそれぞれの国の発行する騒音証明書、そういったものを所持しない航空機の日本国内への乗り入れを制限するというような形になろうかと存じますが、まだ具体的にはこまかい詰めに入っておりませんので、残念ながら詳しいお答えができないことを御了承いただきたいと思います。
#37
○土井委員 時間の制約がございますから、私詳しくその間の事情についていろいろとお尋ねするということができないのはたいへん残念に存じますが、現に新空港を建設される際に、地元民がそれに対して反対をするというのは、これはためにする反対じゃございませんで、やはり私は航空機にまつわる公害に対する不安からの反対だと一言で言うことができると思うのです。そういう点からしますと、やはり今後あっちこっちに新空港を建設するということに対してたいへん御熱心でいらっしゃる航空局でいらっしゃるのですが、この航空機の公害に対する対策に対して、それ以上にひとつ熱意を見せていただかなければ、新しい空港建設に対して住民が納得するということはあり得ないだろうと私は思うのです。
 現に、これは私の地元のことになってたいへん恐縮なんですけれども、関西のほうに新国際空港が建設されるやでございまして、その地点はいずれであるかということを、まだ調査の段階ではございませんから発表されておりませんので、地元民が、どこにつくられるかという不安も手伝いまして、神戸沖であろうか、阪神沖であろうかというふうなうわさがしきりでございます。そうして神戸沖であった場合にはどうか、阪神沖であった場合にはどうか、そのことに対する調査や研究を地元のほうが非常に熱心に、しかも、具体的に進めておりまして、そしてもしもこういうふうな地点に新空港がこういう規模でつくられた場合には、どういうふうな生活破壊、環境破壊というものが現にそれに伴って起こる可能性があるのかということを、具体的に住民の立場で考えているわけなんです。
 したがいまして、いまついでのようなことで申し上げますけれども、やはり個人の住宅に対する補償などを考えました場合も、現在は公共用共同施設に限られております防音工事なんかの工事費の助成について、これを個人住宅にも大幅に広げるというふうな努力というものがなされなければいけないのじゃないか。さらに、防音工事でも個人の、憲法二十五条に言う健康で文化的な生活を営む権利というふうなものが阻害されるようなときには、建物の移転補償あるいは土地買収というものが、国の積極的な対策によって講じられるべきじゃないか。そしてその基準としては、現在発着コースに沿った部分的な補償対象区域というものに限られているということに一応なっておりますけれども、やはり騒音分布図をつくる際には、住民の側に騒音に対する意識調査を積極的に加えまして、現にある空港周辺に対する騒音対策に取り組むということが具体的に一つあると思うのです。
 そういうふうな具体的に現にある空港周辺の騒音に対しての取り組みというものが、いまだ積極的でないために、いま関西新国際空港建設に対しても、これは近くに大阪国際空港、伊丹空港があるわけですし、その空港周辺の事情をよく知っている芦屋であるとか、西宮であるとか、神戸の市民の中には、この新空港に対する不安を持っておりまして、いろいろ意識調査をやってみると、それは具体的に出てくるのです。
 たとえば一つの例を示しますと、これは先ごろ統一地方選挙のさなか、関西新国際空港建設に対しまして、芦屋のほうであるグループが、市長をはじめ各候補者に対してアンケートをとってみたのです。アンケートの結果、御参考になると思いますから私申し上げておきますが、かりに政府筋によって、公害がないという見解がなされたとき、それを信頼なさいますかというアンケートに対しまして、全部が全部、信頼しない、疑問に思うというふうに答えております。信頼すると答えた人は、与野党の候補こぞって一人もございません。市長はじめ候補者全員が、信頼するとは答えていない。
 さらには、公害の有無について、神戸沖のとき、阪神沖のときというのを具体的に聞いておりますけれども、こういうことについても率直な住民感情として――これに対してやはり科学的なデータあるいは科学的な知識というふうなものに対しては、それはなるほどいろいろ御説明を賜わった場合には乏しい点もありましょうし、不十分な点もありましょうけれども、要は住民感情として、やはり私たちとしては公害というものは予期しておかなければならないのじゃないか、公害が全然ないとは思わない、かなり大きい公害があると答えている人たちが非常に多いのです。それからさらに、少しあると思うという人を加えまして、すべての人が、全然ないとは答えてないのです。
 こういうふうな実態からしますと、やはり現にある空港、これから新しく建設される空港じゃございません、現にある空港の周辺にあるところの騒音公害、あるいは騒音公害のみならず飛行機の巻き起こしておるところの環境破壊、そういう問題に対しては、これから先、これはもう一つの大きな課題だと思うのです。航空局とされましては、新空港建設の問題に対して熱心なよりも、むしろこの点に対して熱心であってほしいと私は思います。そういうことのほうが先じゃないかということを、私はここで声を大にして申し上げまして、そうして質問の時間が切れてしまいましたからきょうはこれで終わりたいと思います。
 これは序盤戦でございまして、航空機の騒音公害については追ってまた続々とこれから質問戦を展開いたしますから、よろしくお願いいたします。
 終わります。
    ―――――――――――――
#38
○小林委員長 この際、参考人出頭要求についておはかりいたします。
 産業公害対策に関する件について、本日参考人として、日本鉄道建設公団総裁篠原武司君、同公団理事杉知也君及び東京都衛生研究所長辺野喜正夫君から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○小林委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#40
○小林委員長 島本虎三君。
#41
○島本委員 きょうは、公害関係のうちでも、水に関連していままでの締めくくりをつけておきたいと思います。
 公害対策委員会では、前回では加藤名委員長のもとに、今回また小林名委員長のもとに、具体的な問題をとらまえながらその解決に努力してまいりました。しかし、公害の問題は、ことに原則と現実のズレ、これだけはどうしても是正しなければならないのであります。前提としてまずきれいな水、きれいな空気、したたるような緑、これは自然が人間に生きるために与えてくれた何人といえども侵すことのできない権利、いわゆる環境権なのであります。この環境権の問題を中心にして、現実と原則のズレがほうぼうにあるのであります。これを是正しなければならない立場に立って、きょうは水の問題にしぼってお伺いいたします。
 内田厚生大臣が、廃棄物の処理清掃法の作成作業の最中に、瀬戸内海への屎尿の投棄を全面禁止する、このような発言をしたのであります。しかし、厚生省事務当局では、いますぐは無理だけれども、せめて投棄場所をどんどん沖へ移していく、こういうような発言をしておる。ところが、現地のほうでは、政府が何といってもできないものはしようがないのだ、こういうような態度であります。昨年、私どもは四国へ行き、帰りに、瀬戸内海を船で見てまいりましたが、いまだに小豆島の沖付近では屎尿の海洋投棄がされておるままであります。そういうような状態からしても、これは現実の問題としては、汚物の投棄をまず禁止しておるところのいわゆるカキの養殖、その付近、こういうようなところでは、もうすでにアメリカのほうから、食品医薬品局ですか、この調査員が毎年来て、水質や施設の衛生状態を厳重にチェックし始めておるようであります。ほとんど日本の産業そのものに公害がつきまとっている。ことに、水の問題では、現実離れしたような行政がまだ行なわれている。これは最も重大な問題だと思います。禁止をするということ、禁止はできないということ、同時にそれが日本の産業に重大影響を与えているというような、この現実の問題からして、瀬戸内海の屎尿の投棄はどうなっているのですか、これをまずお伺いいたします。
#42
○浦田政府委員 瀬戸内海におきまする屎尿の海洋投棄につきましては、御指摘のとおり、ただいまも一定の制限区域内に限って認められているところでございます。厚生省といたしまして、この屎尿の海洋投棄、ことに内海といったところに海洋投棄をすることについて、どのような態度でおるかと申しますと、現在のところは、やむを得ないものとして法規でもって認めておるわけでございますが、本来好ましくないことでございますので、早期の解消をはかりたいということで、大臣もおっしゃったように、全面的な禁止という方向で考えているわけでございます。
 具体的な計画は、最終案という形では決定はいたしておりませんけれども、昭和五十年を最終年次といたしまして、長期計画をもって、ただ単に、瀬戸内海ということだけでなくて、全国的に屎尿の海洋投棄ということは禁止したい。全部陸上の施設で処理できるようにいたしたい。ことに瀬戸内海海洋区域につきましては、ほかの海域とも違いますので、五カ年計画とはいいますけれども、できるだけ早い機会にこれが完了できるように努力いたしたいということで作業を進めておるところでございます。
#43
○島本委員 まさにこれは、原則と現実のズレがこの点では一番多いのであります。あの瀬戸内海は、国立公園地帯にだんだんこれはまた臨海工業地帯をつくっていって、そしてその廃液はこの方面へ遠慮なしに流しておる実態を、去年の時点ではっきり指摘してまいりました。それから屎尿の投棄、これさえも全面禁止すると言いながらも、おそらく五年でやるというのならば、その計画を立てなければ、やるなんということは言えない。計画は立っておりますか。
#44
○浦田政府委員 この計画は、最終的にはまだ成案として、厚生省の案としてまとまっておりません。しかしながら、すでに過去におきまして、これらの問題も含めまして、先生御案内のように、清掃施設、処理施設の整備につきましては、長期計画をもって進めているところでございます。現在第二次五カ年計画として、最終年次が四十六年ということで進んでおる段階でございますが、今度の第三次の屎尿処理に関しまする長期計画については、ひとつピリオドを打ってしまう。最終的に、全部屎尿処理が衛生的にできるようにしてしまうということを目標にしておりますので、最終案につきましてはしばらくの御猶予を願いたいと思っております。
#45
○島本委員 環境庁ができるのを前にして、いわば公害の発生源の大もとを指導しなければならない厚生省が、まだそういうような態度ではなまぬるい。現実とたてまえの、原則と現実のズレ、一番多いのはこれは通産省と厚生省、こういうようなことではだめだ。建設省にもある。この屎尿処理には下水道方式と屎尿の処理方式、これは両方があるようです。しかし、最終的には全部下水道方式になる。これは自治体自身の財政的な力、それから下水道整備の緊急性、こういうようなものからして、これは同じ処理をするにもなかなか困難な情勢に逢着しているようです。そして四十二年度からの第二次の公共下水道整備計画も、計画の四年目で予算の執行率は計画の六八・四%にすぎないような状態。こういうような点から見ても、やはり公害に関しての行政には原則と現実のズレ、これがあまりにも多過ぎる。これではだめだ。五年計画でやるとするならば、もっとはっきりとした青写真を出さなければだめです。これは資料として提出してもらいたい、これをまず要求しておきますが、いかがですか。
#46
○吉兼政府委員 ただいま御質問の資料関係につきましては後刻提出をさせていただきたいと思いますが、それに関連いたしましていまお答えできますことは、確かに先生御指摘のように、下水道の第二次五カ年計画の進捗率ははかばかしくまいってきておりません。これはいろいろ理由があろうかと思います。くどくど取り上げるつもりはございませんが、非常に人口の都市集中というようなものが予想以上に激しく、当初、計画を立てましたときのいわゆる市街化区域、下水道を整備しなければならないところの市街地面積というものが、計画の後期に至りましてかなり食い違いを生じてまいったというようなことも大きな原因、その他物価、労賃等の値上がりというようなこともあったかと思いますが、私どもはこの新たな事態に対処いたしまして、先般来いろいろ国会で御審議いただきました結果、下水道整備緊急措置法を改正していただきまして、四十六年から第三次の五カ年計画を発足させることにいたしてあります。これは法律に基づきまして、本年内にすみやかに閣議決定をいたす予定でございますが、この計画によりますと、昭和五十年には二兆六千億円の総投資額でございますが、これによりまして五十年時点におきますところの要下水道整備区域内の人口におきまして、三八%の下水道の普及率を確保したい。長期的には昭和六十年にはおよそ都市市域全域におきまして下水道を一〇〇%普及したい、こういう超長期の見通しのもとに第三次の五カ年計画を、いま申し上げましたような計画で発足させてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#47
○島本委員 第三次の計画の発足と、その意気込みはよろしいのであります。二兆六千億のこれはぜひ狂わないように実施させなければなりません。これをあえて言うのも、原則と現実のズレが意外に多いのが目立っておる。ですからこれは第二次の点に見ます場合にも、四十五年までに現在建設省が下水整備を計画しておるのは二百五十都市です。そして普及率は全国の二二・八%にすぎない。こういうような第二次の状態をそのままにして、第三次のほうにまでかかっていって、一〇〇%の効率を発揮できるだろうか、ちょっと心配があるが、私どものほうとしてもそういうような状態ですから、十分それを考えて、ほんとうに今度だけは五十年までにりっぱな下水道の普及率を示してもらいたい。そして終年度においては一つもたれ流しの状態がないという状態まで持っていってもらいたい。しかしながら、いままでの状態では、これはやはり執行率のほうが計画よりはるかに下回る。これでは困る。社会情勢はまた変化していっています。それに対応するように、いつでも東京都にならえというのじゃありませんが、計画を転換し変更しながら十全の策を講じなければならないと思っているのです。これは責めるのじゃありません。現実と計画のズレを完全に是正してもらいたい。この熱意を込めた、ある場合には激励なんです。これはいままでの状態があまりにも違いますので、これを含めて今後それのないように実際をやってもらいたい。こういうことです。確信を伺います。
#48
○吉兼政府委員 ただいまの点につきましては、本国会におきましてたびたび大臣等もお答え申し上げましたところでございますが、私どもは非常なる決意をもちまして、この第三次五カ年計画の達成に全力を傾注してまいりたい。当面私どもの現在の試算で二兆六千億の投資が確保できますならば、その投資額に見合う事業量を確保することによりまして、現在二二%の普及率を三八%まで高めたい。さらに引き続いて第四次の五カ年計画というふうな拡大改定をお願いいたしまして、おそくとも六十年までに一〇〇%の普及率を達成したいというかたい決意でこの執行に当たってまいりたい、かように考えております。
#49
○島本委員 また同時に、現実とのズレであります。東京都の水道源になっている江戸川、多摩川、この支流の川底には、まだ依然としてヘドロ以上の有害重金属で汚染されている、こういうようなことが報道されています。これは都民の生命に関する大きい問題であります。都内全域のほとんどの川底からカドミウム、水銀、鉛、クロム、こういうような有害物質が異常に高い率で検出されている。汚染の発生源になっている工場、こういうのが、たび重なるいろいろな調査や指導にもかかわらず依然として、現在の行政そのものは、通産省がどのように指導しているのか知らぬけれども、たれ流しが多い。いかに環境庁ができて指導しようとしても、それぞれの権限を持っている通産なり厚生なりあるいは建設省なりが、依然として企業側に立って、企業サイドの行政を実施することによって、原則と現実のズレ、こういうものは埋めることができないわけであります。いまの東京都の場合、特にそういうふうな場合には、たれ流しをしている企業、これに対する指導をどのようにしているのか。これは大きい問題であります。下水道とあわして、中小零細企業がこういうような水を汚染して、たれ流ししている現状に対する指導、これはやはり適確に行なわなければならないのであります。これをあまり範囲を広めてやっても困りますから、三つだけ例を引いてこれに対する対策を伺います。一つ隅田川、一つ洞海湾、一つ北海道の石狩川、これに対してどのような浄化対策の計画をもって進めておるか、これを伺います。あわして中小企業のたれ流しの状態を隅田川ではどういうふうにしてこれを防ぐようにしているか、通産省の計画も伺います。
#50
○西川政府委員 最初に、お話のございました微量重金属関係の汚染関係の問題、これは御承知のように、指定水域につきましては、もう全域について規制がかかっているわけでございます。現在新聞に報道されております家庭に堆積しております分につきましては、かつての排出の結果というような問題がございまして、これに対しての処置あるいはその危険性の問題等につきましては、実はまだ最終的な結論が出ておりません。早急に家庭堆積土の危険性の問題、人体に対する影響あるいは魚類等に対する影響、そのようなものについて詰めたい、このように考えております。現在排出規制は全部にかかっているわけでございますので、それらについてどのような具体的な指導をしているか、これは後ほど通産省のほうから御答弁することになろうかと思います。
 その次の、第二点の問題でございますが、水質全般の改善計画というものにつきまして、具体的な水域を先生おあげになったわけでございますが、これらにつきましては現在すでに三水域とも全部環境基準に当てはめを終わりまして、それに対して計画的な改善をはかっていこうということになっております。
 具体的に申し上げますと、まず第一点の隅田川でございますが、これは現在非常に汚濁いたしておりますが、かつてよりもだいぶよくなってきております。水質は、かつてはBODで代表して申し上げますと二〇PPM以上、三〇とか四〇とかいう数字になったこともあったわけでございますけれども、現在はだいぶ改善されてまいりまして二〇PPM以下になっております。
 隅田川につきましては、今後の一番大きな問題となりますのは都市排水と申しますか、人口があれだけ集中いたしておりまして、下水道の整備にかかっているということになっております。下水道の整備につきましては、現在隅田川に直接入る区域につきましての下水道は、ほとんど一〇〇%近く整備されております。今後は、隅田川に流入してきます支川といたしましての神田川、あるいは石神井川等の流域の下水道を整備していかなければいけないということになっております。
 現在隅田川流域といたしまして、下水道が整備されておりますのが、概数でございますが、約二方ヘクタールという面積になっております。これを昭和五十年におきましては約三方、それからさらに環境基準達成の最終の目標年次といたしております昭和五十四年ごろにおきましては約四万、ですから二万から三万に上がりますのが現在の二兆六千億の第三次緊急整備計画の対象の隅田川関係の数字になるわけでございます。それからそのあとの五十年以降の分は、次の第四次計画に該当する分になるわけでございますが、区部内といたしましてこの程度の整備を進めたい。現在の二万を約四万ヘクタール、さらにこの区部外の分がございます。石神井川等につきまして田無、保谷等のほうの分がございます。この分につきましては現在流域下水道計画というものを建設省のほうで進めている段階でございます。以上のような施策を講じまして、目標といたしましては現在平均いたしまして一八PPMといいますのを昭和五十年、五年後には一二PPMというところまで下げたい。さらに昭和五十四年には一〇PPM以下、いわゆる環境基準で一番程度の悪いところではございますけれども、悪臭の出ない程度の一〇PPM以下にいたしたい、このように考えているわけでございます。これはもっぱら、現在排水規制のほうにつきましては、都市河川方式によりまして、下水道と同じ基準にまでしなければいけないということになっておりますので、これ以上のきびしい規制はできないという状況になっております。ですから、あとは下水道の整備促進をはかることによりまして、このような数値に持っていきたい。それ以外といたしまして、これはいままでの結果によりますとBODに対しまして直接的な効果はございませんが、悪臭あるいは外観等におきまして、非常に効果がございますしゅんせつでございます。これをすでに、正確な年次はちょっと失念いたしておりますが、たしか昭和三十三年ごろから実は隅田川のしゅんせつをずっと実施してきているわけでございますが、一応全部一ぺんはさらえた。さらに、やはりある程度その間に逐次またたまってまいりますので、現在二回目のしゅんせつをやっているわけでございますが、このしゅんせつにつきましても、これは建設省のほうにおきまして河川環境整備の事業として今後ともずっと継続していく、隅田川本川だけではなしに、内部河川のほうにつきましても継続してずっと実施していく。これは水質汚濁に対しまして付帯的効果を有する事業でございます。
 以上のような目標をもちまして、現在隅田川につきましては改善方策を進めているところでございます。
 その次に、石狩川につきましては、これは環境基準といたしましては、一番最上流部は国立公園でありますし、自然環境保全のAA類型というものを規定いたしております。それから旭川市に入ります前の本川並びに忠別川の旭川の上水道の取水口でございますが、これから上流はA類型というふうに考えております。この間のAA類型、A類型、これは現状におきましてもその基準が満足されております。今後これをこれ以上よごさない、現在AA、Aで満足されておりますこの類型を維持していくように努力してまいりたい。すでに排出規制も一部にはかかっておりますし、今後そういう大きな規制のあれするような企業が立地するということは当面は考えられないかもしれませんが、一応新しい水質汚濁防止法によりまして、全国一律基準もかかることでございますから、今後この基準は維持されるだろう、このように考えております。
 それから旭川市に入りましては、先生も御承知かと思いますが、大きな汚濁源のパルプ工場がございます。現在このパルプ工場につきましては、すでに排出規制がかけられておるわけでございますが、今回この区域の環境基準がC類型というふうにきめられてございます。現在の排出基準をもちましては、その後の旭川市の発展その他も合わせて考えますと、現行の基準ではどうもこのC類型は確保できないのではないかという見通しになっております。現在昭和四十六年度におきまして、この排水基準の見直し調査ということを行なっております。その調査を実施いたしまして、その結果によりまして、四十七年度におきましてはこの排出基準を改定したい。これは新しい新法によりまして上乗せ基準ということになりますから、道のほうが行なうことになるわけでございますが、道のほうも指導いたしまして、排出基準の強化というものを行ないたいというふうにわれわれとしては考えております。これを強化することによりまして、現在BODは七PPM程度でございますが、約三〇%程度強化いたしますと、数といたしますと、五PPMになるということでございます。この排出規制の強化よりまして、C類型の五PPMを確保するようにいたしたいというふうに考えておるわけでございます。それは四十七年度で大体新しい基準に移行できるだろう、このような考えを持っております。ただ、やはり旭川市としての一般家庭の排水がございます。これの汚濁のほうのあれも、やはり都市の発展と並行してふえてきておりますので、あわせまして旭川の公共下水道の整備もはからなければいけないということで、一応このC類型の達成目標といたしましてはやはり五年、公共下水道の整備と合わせまして五年というふうに考えておるわけでございます。
 それから、雨竜川の合流点から下の中流、下流、これは現在指定水域で申しますと、石狩川の乙、丙水域でございますが、この水域につきましては現在の排出規制を現状以上に強化する必要はないのじゃないだろうか。現在三・七PPM程度、これはB類型として考えております。旭川周辺のC類型よりもよくなりましてB類型と考えておりますが、三・七PPMということで約二割程度オーバーしておるわけであります。これは旭川の地域をC類型を確保することによりまして、現状よりも約一割程度カットされるということになるわけでございます。さらにそれに加えまして、札幌、旭川等のこういう市街地の公共下水道の整備ということによりまして、三・七PPMを三PPM以下にすることができるであろう。これで目標年次といたしましては、五十年というふうに考えておるわけでございます。
 公共下水道の整備計画といたしましては、現在この周辺、主として札幌並びに旭川でございますが、これは三千七百ヘクタールという整備面積でございます。これを約九千ヘクタールまで五十年までに上げたいというふうに現在建設省のほうの計画ではなっております。それによりましてわれわれといたしましては、昭和五十年時点には、現在の三・七PPMが三PPMに確保される、このように考えております。
 最後に、洞海湾でございます。洞海湾につきましては非常な汚染で問題になったわけでございますけれども、現在環境基準といたしましては、洞海湾の外側につきましては、もう響灘に入ってしまいますと完全にA類型、洞海湾口のところ、一部若戸大橋から湾口にかけましてはB類型、これは海域のB類型でございます。それから若戸大橋の奥をC類型ということを目標にいたしてございます。これにつきましてはすでに指定水域となりまして、排水基準が設定されまして告示になっております。これが最終的には一番最後のきびしい基準が適用になりますのは昭和四十八年でございます。それで一応現況におきましての計算上では希釈、拡散を計算して推定いたしているわけでございますが、これによりますと、四十四年当時から見まして大体汚濁量は四分の一以下になるということによりまして、数値的には奥洞海の一番奥のところの一部を除きまして、この環境基準は達成できるということが計算結果といたしては出ております。でございますから、排出規制の実施によりまして、ごくはんの一部を除きまして環境基準は達成し得るということになってございますが、やはりここにも御承知のようにヘドロの堆積が相当ございます。そのような問題もございます。それから海域の計算といいますのは、あと実際の結果によってトレースいたしませんと、必ずしも計算どおりになるか。これは現実を見ながら常に監視してまいりませんと、その後の状況ははっきり確信をもっては申せません。そのようなことがございますので、私どもといたしましては一応達成期間を、計算上は四十八年に排出規制が達成されるということになりますが、一応五年と考えまして、その間におきまして汚泥のしゅんせつあるいは浄化用水の導入、そのようなことにつきましても今後調査、検討を進めてまいりたい、このように考えております。
 以上でございます。
#51
○島本委員 田子の浦のヘドロ、これも相当ひどくて、しゅんせつしなければならないような状態になり、県の計画その他で、大量のヘドロを河川敷のほうへ持っていってやろうとしている。しかし、それでもその処理そのものにまた問題が残ったりして、一たんこれをやってしまうととんでもないことになってしまう。それでいっでも原則と現実のズレがあるということを申し述べてまいりましたけれども、依然として水の点では、いま言ったような隅田川、石狩川、洞海湾、これにしても、まだ計画はそうであっても現実は相当ずれている。いま言った努力は私は高く評価するのです。けれども、たとえば石狩川にしてみれば、あれはサケがのぼっておった川です。いまやってこのサケがどの辺までのぼっていけるか。これはB水域だったらいいわけですから、おそらくもう旭川までのぼっていけることになる。ところが、ほとんどのぼっておらない。またその途中においても手を抜いている場所がありますから、入り口からめくらになっちゃうような状態です。現実と原則のズレ、これがないようにこれから適確にやってもらわないといけない。それは隅田川にしてもそのとおり、もう一つ言うと、いまの田子の浦のヘドロの問題は、ここまで県の態度がきまっても、国のほうでは県にお預けで、あとは県のほうでやってくださいという態度。依然として幾らしゅんせつしてもこの処理というものは残るのです。残ったものに対しては、今後の一つの大きい課題として残されてしまうのです。公害の対策にはならないのですから、十全を期するためには、どうしてもこういうような問題に対しては取っ組まなければだめなんですが、これはまことに遺憾だ、こういわざるを得ません。
 それともう一つは、常に水を監視する体制が整っているのかどうか、これは重大な問題です。海上保安庁もきょう来ていると思います。おそらく海上保安庁のほうに対しても――まあ先般は観閲式なるものを見せてもらいまして、私も実際は驚いたわけです。海洋の汚染の監視体制、油の場合にはオイルフェンスをちゃんと使ってやるようになっている。四キロもあれをつなぎ合わせることによって、東京湾はいいだろう。こういうようなことです。しかし、それは大量に発生した場合であって、個々に発生する帯状の油、こういうようなものに対してはもうほとんど手を打てない、こういうような状態のようであります。海洋の汚染状態の監視体制、これをどのように確立して実際は行なっているのか。本年度は監視体制整備のために千二百四十九万円ほど計上されておるんじゃなかったかと思います。これに対して公害対策はどういうような点に重点を置いて指導しているのか。
 あわせて、ほとんどのたれ流しは、夜行なった場合には手つけようがないのであります。工場は、昼は何でもない。ためておいて夜流す。夜は暗いから、黒い水を流してもわからない。こういうようなことを繰り返しておる。これを今度は海域全体について保安庁も重大な使命を負ったわけであります。おそらくは海の公害と戦う保安庁、保安官のつとめも、その点においてはいまや世界の第一線に立った、こう言わざるを得ないと思います。この監視器具、夜たれ流しの状態の取り締まり、それとあわせて油の分析関係をどのようにしているのか、公害関係の技術者、こういうようなものに対しては万全なのかどうか、これは今後大いに問題点であります。保安庁のほうにお伺いいたします。
#52
○手塚政府委員 先般、海洋汚染防止法が成立いたしまして、この法律に基づきまして、海洋の常時監視取り締まりというのが、海上保安庁の新しい使命ということに相なりました。従前、この法律以前におきましても、港則法の具体的な法令違反というたてまえにおきましては一部実施をやってまいりましたが、今回新しい法律で、なお一そう具体化された使命を果たすということになったわけでございます。まだ法律が一〇〇%施行には相なりませんけれども、私どもでは、現在、その体制の準備と、一般の油廃棄に対する罪悪感というものを早期に植えつけたいということで、目下懸命に努力をいたしております。
 ただいま具体的な監視取り締まりの要領といたしましては、東京、大阪、名古屋、瀬戸内というのを公害多発地域というふうに私どもで指定をいたしました。この中で特に厳重に行なう、それに付属します一定のエリアをそれに続くものと考え、それ以外の全国の港湾等におきまして、さらにまた別途な措置を講ずるということで、当面とにかくこの多発地域を厳重にやるということで、空と船というものの一体的な体制をとりまして、一定の時間をきめまして必ずパトロールをやる。
 たとえば、東京湾で申し上げますと、午前午後必ずヘリコプターをもちまして空からパトロールをやる。これで違反を発見いたしますと、カメラで写し、巡視艇が行って措置をする。こういうようなことを、他の先ほど申し上げたエリアで実施をいたしております。
 いま御指摘のありました、こういった体制の夜間におきます監視体制、これは私ども端的に申し上げて、きわめて不徹底であるし、有効なるものがまだ見つからないということを申し上げなければならぬのはたいへん残念だと思います。夜間におきます船艇自体の行動も非常に不自由でございますし、またヘリコプターという一番有効な発見機材でありますこの航空機も、なかなか行動が思うようにまいりません。まして、海に流れております油を、そういった暗やみの中で発見するということ自体が非常に困難でございます。現在は、まあ言うなれば夜間にも巡視艇を配置をいたしまして、いわゆる取り締まりをやっておるということに基づく抑止効果を私どもは考えながらやっておるつもりでございます。将来やはりこれを有効適切なものにしなければならぬと考えておりまして、そのためにはやはり新しい機器の開発を必要と考えます。たとえば飛行機から発見いたします場合に、赤外線を応用いたしますと、夜間におけるそういった油の発見なども可能だといわれており、現在、一部そういったものが、別な用途に使われておるものがすでに開発もされております。
 そこで私どもは、そういうものをベースにいたしまして、現在一つのプロジェクトチームをつくり、具体的にその促進、開発に力を入れたいということですでにスタートをして、私どものスケジュールによりますと、今年じゅうには、そういったものの何がしかめどの立ったものをつくり上げる、こういう意気込みでやっております。
 なお、また、それでも不徹底、不十分であろうと思いますし、かたがた、船のほうにおきまして、どういった点でこの油の流出を防止していくかという、これもやはり一つの機械器具が必要ではなかろうか。具体的に申し上げますと、油の排出に伴う自動記録装置というようなものを各船舶に装置を義務づけたい。そうして、できればそういった器具を封印などしておきますと、随時適切な臨検指導によりまして違法なる油の排出が発見できる、こういうことにも相なるかと思います。そういったものにつきましても、これは非常に緊急必要性がございますので、民間の団体と私どもと協力をいたしまして、その開発についてもいま取り進め中でございます。一定のスケジュールのもとにめどをつけたいというふうに考えております。
 さらに、第三点の御質問でございますが、取り締まり監視に当たります保安官の教育、公害に対する教育一般。私どもも、昨年来そういう点を非常に重視をいたしまして、いままでそういった面についてはゼロでございました。新しい定員等につきましても、少のうはございますけれども、専門的な要員をことしの予算におきましても二十七名いただきましたので、これらをわれわれの一万一千名の職員の中の核にする考え方で、この人間にできるだけの研修でそういった知識を付与する。さらに、私どもの保安官養成機関として海上保安大学校あるいは保安学校というのがございますが、この海上における公害という問題を保安官の一般常識にある程度したいということで、先般、この四月から実施に移しましたが、講座の中に海洋公害という講座を設け、またその専門の先生も手当てをいたしまして、そういった面に措置をしていくというふうなことを考えております。なお不十分でございますので、今後あらゆる機会をつかまえて、この核の人間、また、それを中心にした一般職員に、そういった知識を与えていくということを急速にかつ徹底してやりたい、かように考えております。
 具体的な監視取り締まりに当たります機械器具等も、ことしの予算千二百万という先生の御指摘のとおりで、決して十分ではございません。しかし、与えられた範囲で私どもは最善の努力をやりたい、かように考えておりますし、これに伴う船艇、航空機等も決して十分とは思いませんが、これも年次計画その他でできるだけの措置をとり、また現状の中をあらゆるくふうをしながら、法律の趣旨に合うような実施活動をとりたい、かように考えております。
#53
○島本委員 今後はやはり徹底してその問題と保安庁は取り組むことが海上保安庁としての一つの行く道でありますから、これを強力に実施されるように心から期待いたします。
 それと同時に、廃棄物を海洋処分する場合に、海洋汚染防止法によると、廃棄物処理及び清掃法の定めに従うとされておって、廃棄物処理及び清掃法によれば、海洋汚染防止法の定めに従うように規定が置かれておるわけでありますが、これはきわめて責任の所在を不明確にするようなやり方じゃないかと思います。この際、実際の処理は政令できめることになりますが、その政令そのものは、海洋へ投入処分できる廃棄物や、投入処分のできる場所や、処分できる方法なんかについてもどのように規定するのか。これはやはり明らかにしておかなければならない問題であります。またあわせていまいろいろ廃油処理施設、これが操業中のものでも十四港、二十一カ所、工事中のものも十一港、十三カ所、計画中のものも十五港、二十一カ所となっているようであります。しかし四十七年末までの整備計画、これが完成すれば日本の港湾の廃油処理施設は完全に整備される、こういうことになるのかどうか、これも問題であります。
 それと同時に、現在処理施設ができておる個所にあっても、たとえば川崎のように三割程度より使われておらない、こういうような実際面の矛盾もまた露呈されておるのであります。これならば計画は進めてもこれを使わないような行政措置が実際上行なわれる、こういうことになってしまうと思うわけであります。こういうような点からしてもやはりその問題を解決することが一番大事でありまするけれども、保安庁が一斉取り締まりをやると急に廃油処理場が今度忙しくなって処理し切れないようになる、黙っておけばかんこ鳥が鳴くような状態である。合計すると三割程度よりももう利用されないという結果しか出ないということであります。これは一体料金が高くてできないのか、またはもうその施設が選好性があってやれるものとやれないものがあって、その問題に対する手だてがあるのか、また処理能力が不十分なのか、これあたりは重大だと思います。こういうような問題についてひとつこの際明らかにしておいてもらいたい、こういうふうに思うわけです。水の点でも油の問題と違いましてこれは大事な点でありますので、これは運輸省それから厚生省それと海上保安庁、こういうふうなことになろうと思いますが、いまの答弁を、時間がたってしようがありませんので、的確に願います。
#54
○竹内説明員 廃油処理施設の面について、私お答えいたします。
 四十八年三月になりますと、一応港湾に一とおりの整備ができまして、その際になりますと、重要地点におきますところは日本全体のそれに対しての処理ができるようになります。その際の計画の容量は、大体昭和五十年くらいの目標に対しまして、昭和四十八年三月にはできるという体制で現在整備を進めております。
#55
○浦田政府委員 海洋あるいは内陸水面に対しまする廃棄物の投棄ということは、昨年末の清掃法の改正によりまして、原則として全面的に禁止されることになったわけでございます。そのうち、ことに海洋に投棄するという問題につきましては、廃棄物処理及び清掃に関する法律の施行に伴いまして政省令の段階でやむを得ず投棄する場合の対象とする物及びその投棄の前のいろいろな必要な処理の方法等の基準を、目下専門家を集めまして意見を聞きながら、その具体的な内容について作業を進めているところでございます。先ほど先生も抽象的に申されましたが、原則として本来海洋に投棄することによって海洋の汚染が生じないこと、また本来的には海洋中に含まれて、海洋中で容易に分解されるといったようなことを考えながら、また御指摘の廃油につきましては海洋処分は原則としては認めないという方向でもって、関係の各省とも最終的には調整をはかりながら対処してまいりたいと考えておるところでございます。
#56
○手塚政府委員 私どもで、油の全国的な取り締まりを昨年の夏以来三回ばかり行ないましたが、その結果は先生のおっしゃいますように、平生使われる場合の三倍ないし場所によりましては五割以上、どっと処理施設を使うというような現状になっておりますので、平生の場合においてはまだまだ使われなければならぬと思うものが使ってないというふうに思います。この面につきましては、私どもは先ほど来申し上げたような組織でできるだけ強力な監視、取り締まりを実施していきたいと思いますが、やはり処理施設自体にもいろいろ問題がある、私ども取り締まりの現場においていろいろ気がついた問題につきましては、省内のことでもありますので、しかるべきルートでいろいろ関係部局と連絡をとりまして、その管理のしかたあるいは設備の推進等についてお願いを申し上げておるような次第でございます。今後そういった式のことをさらに私どもで具体的に問題をつかみまして、強力に推進してもらうように続けていきたい、かように考えております。
#57
○島本委員 いま三方面から必要によって答弁してもらいましたが、それぞれみんなやっておると言いながらも、いまのようにしてすっかりもう現実とその原則がずれておるじゃありませんか。みんなりっぱにやっておる。なぜこれを使われないのですか。運輸省の話によると、もうこれはちゃんと四十七年末で整備計画が終わってしまう。終わっても使われなければどうにもならぬのです。そうしてこれは政令、省令によって油は投棄しないんだということを厚生省でやろうとしておる。それは原則として正しい。しかし、ほとんどが海に投げ捨てておるじゃありませんか。ほとんど海はもう油の帯になっておる。こういうような状態が現実なんです。保安庁のほうで幾ら取り締まろうといっても夜はできないという。これも赤外線ですか、紫外線ですか、そういう機械を使って今後はやろうとする、その立場はいいのです。いまの答弁を見たら、ふだんは一番悪いと思われている、勉強してないと思われている海上保安庁が、一番勉強しておるではないか。きょうは保安庁は甲の上です。他の官庁はさっぱりだめじゃないか。丙の下だ。こういうような状態ではだめです。運輸省はせっかくこれをやりながら、使われないような状態では行政指導をどうしてするのですか。なぜ川崎は使われないのですか。これは料金が高いからか、それとも施設能力がないからか、それとも何かほかに指向性があって、この油はだめで、この油はいいというようなことをやったから、使わない船ができて海洋にたれ流しにするのか、これを聞いておるのに一つも言わない。厚生省のほうはただ投げさせないだけだ、投げさせないといってもとんでもないことになっておるのですよ。これは調査によると、つい最近襟裳岬の沖合いの稚魚採取網に重油や廃油のかたまりが黒潮に乗って本州の南岸の工業地帯から運ばれてくるのです。北海道までもう行っておるのです。こういうような状態です。そうしてプラスチックの製品が目立っておる。このままでは漁業資源は衰滅するよりしようがないんだ。この調査は北海道沿岸資源調査船の北辰丸で北海道立の釧路水産試験場の漁業資源部員の調査によってはっきりしておるのです。北海道までもう本州の油が流れておるという状態じゃありませんか。
 そうしてそれについても、いまのようにして廃油処理施設ができておるといっても、重要港湾でつくるのに、予定の三分の一つくってこれを実施しようとする港湾がもうあるのですよ。北海道の函館、これはもう予定を下げておる。なぜかというと、利用されないからだというじゃありませんか。その前例はどこだ。川崎。川崎ではもう三割しか利用されておらないというのです。こういうような行政指導ありますか。油を全然投げないという厚生省の指導。しかし一定の条件を満たせば沖合いへ投棄できる、こういうような抜け穴がいまの海洋汚染防止法の中にあるでしょう。こういうような点を、はっきり心配がないというところまで法令措置をしないとだめなんです。おそらく法律ができても、こういうようにして海上投棄をまた認めるような政令、省令にするならば、抜け穴が幾らもできるということになる。幾ら施設をつくっても利用されないということになる。これじゃだめです。これは時間がないのは、まことにきょう残念なんですよ。もう少しこれは追及しておかないとだめなんです。施設をつくっても利用されないのだ。その原因はどこにあるかと言っても、さっぱり皆さん知っていないんだ。料金が高いからかと言っても、そうだと言う人がいないんだ。その能力がないからかと言っても、そうだと言う人もいないんだ。それなのに施設をつくらせる。だれが利用するのですか。しないままに大洋にこれを投棄するよりしようがないようになっている。それはそのままにしておいて、いつの日にか大洋がきれいになるのですか。水に関してはだめです、これは。企画庁はじめもう全部これじゃ落第点です。環境庁ができるというのに何ですか、これは。水の点ではもっともっと言いたいところがあるけれども、この次に楽しみに残しておきますから十分勉強しておいてもらいたい。
 もう時間が来て、きょうはまことに残念なんですが、これでやめておきますが、最後に通産省として、こういうような汚染源は通産省にありますから、通産省に決意のほどを承って私は終わります。
#58
○森口政府委員 近く水質保全法が施行されまして、全国的に水質基準が施行されることになります。通産省としましては、こういう水質基準ができました場合に、当然この取り締まりは都道府県のほうで厳格におやりになるということで、都道府県にその実施の励行をお願いをいたしたいというように考えるわけでございますが、産業を所管する通産省といたしましては、単に府県が取り締まりの面でこういう水質基準を励行させるというだけではなしに、企業者の側が、こういう水質基準を励行することが絶対に必要なんだというような、むしろ企業側からこれを守るという精神がありませんと、結局規制が実際上実効があがらないというようなことになるわけでございます。先ほどいろいろ公害管理者等の法案におきまして、屡次御説明申し上げましたが、通産省としては主要な業界団体内に公害に関する委員会等を設けまして、こういう公害意識の高揚ないしは公害規制の励行というようなことをさらに推進をしてまいりたいというように考えております。
 ただ中小企業の側面につきましては、単にそういうことを言うだけではだめでございます。さらにもう少しきめのこまかい指導が必要だというように考えておりまして、通産省といたしましても、各地の商工会議所に、公害に関する相談所を設けまして、中小企業者が公害防止の実をあげられるようないろいろな公害相談を受け付けることといたしておりますが、こういうような商工会議所等を通じます指導ないしは特に水等で問題を起こしておりますメッキ業界等におきましては、公害に関する意識の高揚ないしは公害の防除の方法ということにつきまして、零細な業者はあまり知識もございませんので、業界団体を中心にいたしまして、パンフレットあるいは講演会等を通じまして、そういう意識の高揚をはかってまいりたいというように考えております。
 なお、特に中小企業者につきましては、いろいろな公害防止を実行いたします上におきまして、所要資金のあっせんの充実をはかることは申すまでもないことでございまして、中小企業対策をはじめといたしまして、公害防止事業団資金の充実に今後ともつとめてまいりたいというように考えております。
#59
○小林委員長 岡本富夫君。
#60
○岡本委員 きょうは、今国会の本委員会の最後の日でございますが、五月十八日各紙が報ずるところによりますと、たばこに農薬汚染がされておる、煙にそっくりDDTが残留しておるというような報道がされておりますけれども、それについて専売公社は、無害説をいっておるというような反論があるだけで、この点がはっきりしない。
 そこで、まず私は専売公社に、東京都の衛生研究所の所長さんもきょうは来ていただいておりますけれども、この発表されたデータをお認めになるのか、またどういうわけで無害なのか、これについてひとつお聞かせを願いたい。
#61
○稲川説明員 お答え申し上げます。
 先般の都の衛生研究所の御発表につきましては、私どもはこういうふうにとらえております。分析のデータそのものは、私どもが先年来やってまいりました有機塩素剤の残留分析の結果とほとんど合っております。両方のデータはほとんど一致しております。ただ、私どもが新聞論調ほどの害はないのではないかというふうに申し上げておりますのは、実はこういう経緯でございます。少し詳しく申し上げますと、たばこという商品から出る煙は、食品等と違いまして、健康上のスタンダードが非常にとらえにくいものでございます。したがいまして、的確なスタンダードがどこを見回してもいまのところないのが実情でございます。そこで私どもは、やむを得ず、都衛研でもお使いになりました、アメリカにございます労働環境上のスタンダードと、それからもう一つは食品に使いますADIと申します食品の許容量のスタンダードとこの二つをにらみまして、データの解析をいたしたのがいままでの経緯でございます。そういう目で、私どもは分析データを従来はこのように見ております。
 アメリカのスタンダードを用いまして、一日にたとえば二十本のたばこを吸うことを考えますと、たばこの煙と申しますのは、煙が全部肺の中へ入るわけではございませんが、そこの分布がどうなるかという点は非常に技術的にむずかしくてとらえにくいことがございますので、一応安全を見まして、煙が全部肺の中に入るんだというたてまえで計算をいたしまして、一日に二十本のたばこを相当深く吸うという場合を考えますと、アメリカの環境基準によるスタンダードと比較をいたしますと、私どもの計算では、千分の一のオーダーになるように考えております。したがいまして、有機塩素があること自体はいいことではございませんが、そういう観点から、いま直ちに非常に危険な状態であるというふうには、従来考えておらなかったわけでございます。
 そこで、実は私どもうかつであったのでありますが、都衛研さんのほうで、この種のことの御研究をいただいているということを知らなかったものでございますから、あの御発表がありまして以来、技術者同士の意見の交換を始めております。それを通じまして、私どもの考えに誤った点があればもちろん訂正するにやぶさかでございませんが、いまの段階では、従来の考え方がいま申しましたようなことでございますので、大きな危険はないであろうというふうに考えてきたわけでございます。
 なお、有機塩素の問題は、たばこのみならず、食品その他からわれわれのからだを襲っている大事な問題でございますので、少しでも減らすことがわれわれの分野としての義務であろうということで、有機塩素剤の耕作面による使用は相当早く禁止をいたしまして、少なくとも今年度は全面的に使えない形をとっております。
 ただ、先生方も御承知のように、たばこの製造工程は、収穫をいたしましてから原料の葉たばこを二年間熟成のために貯蔵いたします。そういった貯蔵の原料があるわけでございます。これについても、先ほど来申し上げますように、特にいま直ちに非常に危険だという観点に立っておりませんので、チェックはいたしておりますが、もちろん異常なものが発見されれば、それなりにケース・バイ・ケースに処置をしていくという態度で現在まで至っておるわけでございます。
 たびたび申し上げますように、都衛研さんのほうの御研究の結果並びに御意見は、今後十分拝聴をして技術的な討論を加えていきたい、このように考えております。
 以上でございます。
#62
○岡本委員 いまのあなたの説明によると、一日二十本というようなお話でありますけれども、ぼくなんかもよく吸うほうで、大体五十本、六十本と吸ってしまうのですが、そういうことになりますと、やはり体内に入るところの残留塩素というものは相当大きくなるのではないか。そういうことを考えますと、全然無害であるというようなことは言えないと私は思うのです。
 そこで、東京都の衛研の所長さんにお聞きしたいのでございます。いま説明がありましたけれども、それに対してまたさらに御意見なりあるいはまた御研究のあとがございましたらお知らせいただきたい、こう思います。
#63
○辺野喜参考人 私どもの衛生研究所で調査研究してまいりましたデータが、新聞報道なされました。それにつきましては、私どもも都の議会の委員会において、その結果について御報告申し上げたのでございます。
 参考人といたしまして、ただいまの御質問につきましてお答えする前に、大ざっぱに私どもでやりました結果についてお話をしたいと思います。
 すでに新聞などでごらんになって御承知かとは存じますけれども、国産のたばこにつきましては十七銘柄、二十一種類、それからアメリカ産は十四銘柄、英国産が四銘柄、ドイツ及びオーストラリアが各一銘柄の二十種類について、合計三十七銘柄、四十一種類につきまして、塩素系農薬の定性及び定量を行なったわけでございます。
 分析にあたりましては、日常たばこをお吸いになる方の平均的な数が大体二十本ぐらいであるというようなことから、スモーキングマシンという機械を使いまして、普通われわれがたばこを吸うような状態でたばこを二十本吸わせまして、その中に含まれるBHC、DDT等の量を測定したわけであります。なお、参考にするために、たばこの葉そのものの残留農薬の量も同時に測定したわけであります。
 その結果は、国産のたばこの場合は、二十本当たりの総BHCの量は、葉の中では二・〇六マイクログラムで、煙の中からは〇・四二マイクログラム、それからDDTは、これはパラパラダッシュDDTを主体にする異性体を含めての総DDTでございますが、これは葉の中に百三十一・一マイクログラムで、煙の中からは十三・三八マイクログラムというような数値が出てまいりました。それから外国産の場合の平均は、総BHCの場合は、葉の中から一・〇九マイクログラム、煙の中からは〇・二〇マイクログラム、それから総DDTにつきましては、葉の中から三百五マイクログラム、煙の中からは三十一・二九マイクログラム、そういったような数値が出てまいりました。
 そこで、この数値につきましての評価をどうするかということをいろいろ検討したわけでございますけれども、たばこについての基準その他は全く現在のところありませんし、その数値がどういう意味を持つかということについてもいろいろ考えたのですけれども、結局参考になると考えられるのは、先ほどのお話のアメリカの労働衛生の関係の基準に照らしてみたら、その吸っているたばこの、いわゆる空気の中に含まれるたばこのその程度の量が、どんな程度のものであるかということをはかる場合のものさしに多少はなり得るのではないかということから、そこで先ほどのスモーキングマシンを使う場合に、二十本を吸うに必要な空気の量と、それからその中に含まれた農薬の量から換算いたしまして、そして一立方メートルの中のそれぞれの量を出してみたわけであります。
 その結果、BHCの場合はかなり微量であるということがわかったわけでありますが、国産ではBHCの場合は、こまかいことは省略しますが、総BHCは一立方メートルについて〇・〇八八ミリグラム、外国産の場合は〇・〇三六ミリグラムでございます。それからDDTの量は、国産の場合が総DDTで二・六九ミリグラムでございます。外国品の場合は五・八五ミリグラム。したがいまして、外国産のたばこのほうが国産よりも高濃度である、かなり濃度が高いということがわかりました。
 そこで、そういうようなアメリカの基準に照らしまして、環境の中の空気に含まれる労働衛生上の基準の量が許される範囲の一番最高の量であると仮定するならば、先ほどの実験でやりました国産品は、その中の約三〇%がその基準の量よりはオーバーするような悪い空気である、外国品の場合は約七〇%がその基準をオーバーするような好ましくない空気の状態であるというふうなことがわかったわけでございます。労働衛生上のそういったような環境とたばこの中のそれを同一視して考えるということには、学問的にも当然問題はあると思うのです。ただ、一応その空気の状態がどの程度のものであるかということを比較するための一つの便宜的な方法としてそれを採用したわけであります。
 そこで、問題になりますのは、先ほども話がございましたが、WHOあたりのいわゆる一日の総摂取量の許容濃度というものに比べると、いまの煙の中の農薬、特にDDTなどはきわめて微量であるということは、そのとおりでございますが、WHOできめられているその基準というものは、口から入っていくいわゆる食べものを一応考えたものでありまして、たばこの場合には、全く別のルートで直接肺の中に入っていく。しかも、たばこの中のいろいろな有害性の物質等の影響を受けまして、肺の中の器官あるいは肺胞などを通じまして、たとえば繊毛運動などが低下するというような事実も指摘されておるわけですけれども、そういう悪条件の状態の中で煙の中にあるものが入っていって、しかも、たばこという非常に習慣性のある、長年月にわたって吸い続ける、そういう物資が、絶えず肺の器官及び細胞を刺激していった場合に心配はないだろうかということと、それからDDT等の蓄積性の問題がございまして、微量のものであっても、だんだんと蓄積されていく、肺の器官あるいは細胞のところで蓄積をされたものがどういう作用を及ぼすか、特にDDTにつきましては動物実験の結果ではすでに、そう多数の研究があるわけじゃありませんが、発ガン性があるということが指摘されております。ただし、人間の場合にこれが発ガン性を確かに持つかどうかという証拠は現在のところはないというわけでありますけれども、そういう動物実験の結果、発ガン性のあるようなものが長期間にわたって肺に入っていった場合に、それは一応危険性があるものとして考えておく必要があるのじゃないか、そういうことでございます
 それから、たばこの発ガン性の問題につきましてはすでに御承知のことと存じますけれども、ベンズピレンという物資がたばこの煙の中にできてまいりまして、これがかなり強烈な発ガン性を持っておるということは、動物実験の結果でも、それから幾つかの人体実験の結果でも、発ガン性があるというふうな学問的な報告があるわけでございますが、そういうベンズピレンに加えて、そういう農薬の作用がさらにプラスされた場合に心配はないかというようなことが考えられるわけであります。そうして、こういったような農薬がもちろんたばこの葉の中に存在し得るということは、だれしも考え得ることでございますけれども、たばこが燃えたあとのそういう状態の中の煙の中にそういう農薬が存在したという事実、これがやはり一般のたばこをのむ人たちにも知ってもらわなければならぬ事実であるということでございます。そうして、われわれのからだの中には、たばこはむしろごく一部でありまして、多数の食品を通じまして農薬が毎日摂取されているわけでありますけれども、たばこの場合は、先ほども申し上げましたように、直接肺の中に入ってくる、特殊な経路をとるというような事実と、それからたばこの害についてはすでにもういろいろな点で指摘されておりまして、少なくとも衛生上の観点から見れば、害があって益はないというふうなことはもう常識になっているわけでありますが、そういう点から、たばこにつきましては個人の努力によりまして、われわれのからだの中に入ってくる農薬を防ぐことができる。ほかの食品につきましては、なかなか個人の努力によっては防御できない面があるのであります。しかし、たばこに関する限りは、本人の意思と努力に、あるいは理解によりまして、その害を減らすことができる、あるいは全く除くことができるというのが、私ども都民の健康を守る立場、働いている者としての立場であろう、そういうふうに考えまして、先般発表したわけでございます。
 以上のような点を御考察くださいまして、どういうような考え方に立っているかということは御了察できるんじゃないか、こういうふうに思っております。
 なお、今後たばこの中の農薬がどういうふうになっていくかということにつきましては、私ども多大の関心を持っていますので、今後ともこれをチェックしていって、そしてこの種のものがだんだんと、あるいは全くなくなっていくことを期待しながら見守っていきたい、こういうふうに思っておりまして、そういう点では技術上の問題その他についても、専売公社とも御協力をして、いろいろ検討していくことは決してやぶさかではございません。その点追加しておきたいと思います。
 以上でございます。
#64
○岡本委員 御高説いただきまして、たいへんありがとうございました。
 そこで、確かに食品のように、胃の中に直接入るものと、それから非常に弱い肺のようなところに入るのとは、これはやはり相当害の差というものがあると思うのです。私もそれは非常に、そうだと思っておったのです。
 そこで、専売公社にお聞きしたいのですけれども、当委員会におきまして、坂井委員が専売公社に対してお聞きしたことがありますのは、水銀が入っておるという発表があった。これはたしか愛知県かどこかで調べたのではないかと思うのですけれども、そのときに、たばこの葉のほうは私のほうで管理しておりませんのでこれはわかりませんと言って、そのときにぼくは横で聞いていたが、逃げちゃったわけです。逃げたというとおかしいですけれども、そういうことがあったわけでありますから、たばこをつくる前の葉の残留した農薬を調査しておるのかどうか、これが一点と、それからハイライトなんか見ますと、BHCの濃度が非常に高いわけでありますが、その濃度に非常にフレがあるのではないかと思うのですね。あるいは少ないのもあるかもしれぬ。しかし、さらにまた多いのがあるかもわからない。東京都の衛研さんで、こうして検査されたのはたまたまこれだったけれども、しかし、ほかのを抜いてみますと、相当フレがあるのではないか。おそらく農薬というものは、もうきしっとどこへかかったのもみなパーセンテージが同じだとはいえないと思うのですね。そういう点についての管理と申しますか、その点についてひとつお聞かせいただきたい。
#65
○稲川説明員 いま御質問の第一点の水銀の問題でございますが、前の委員会、私ちょっと記憶がございませんが、私の関係いたしました記憶では、たしか阪大の薬学部の先生が、たばこについて、水銀の分析をなさって発表になった時期が、ことしの三月ごろだったと思います。そのときにも、どの委員会でございましたか、ちょっと記憶がはっきりいたしませんが、お答え申し上げたのでございますが、この場合にも同じことが起こったわけでございます。
  〔委員長退席、小山(省)委員長代理着席〕
と申しますのは、いま申し上げますように、煙を肺へ吸い込むというスタイルの、人体に対するスタンダードみたいなとり方が非常にむずかしいということでございます。私どもは、先ほどDDTの問題について申し上げましたような、やや違ったスタンダードだけれども、それを基準にするよりしかたがないということで、それをとって検討をしているわけでございます。その限りにおいては、従来の私どものあれではだいじょうぶだという見解できたわけでございます。
 そこで、たまたま前の阪大の御発表がありましたときに、今回と同様な御議論があったわけでございますが、一応その後いろいろな専門の先生とも討議をいたしました結果は、私の感じでは、たとえば東京医科歯科大学の先生、衛生学の権威の方だったと思いますが、公式な御発表もございましたように、一応、特に心配するほどの量ではないという御見解もいただいたように思います。その時期に新聞等にもそのことが発表されまして、新聞の論調もその時期に変化したというふうに私はとらえております。
 それからもう少し、原料の問題についての御質問がございましたので、その点にもちょっと触れておきたいと思いますが、水銀につきましては、たばこ耕作については、ちょっと年代は覚えておりませんが、たしか昭和四十年から四十一年ごろだと思いますが、その時期からとめております。したがいまして、いまの製品に水銀が出てくるのは一体なぜだということがあるわけでございますが、私どもの検討した結果では、他作物に使われたものが土壌中に残留いたしまして、それをたばこの葉が吸ったのではないかというふうに想像いたしております。その点につきましては、特に的確につかまえたわけではございませんが、特に水田地帯にたばこを耕作することがございます。そういう地帯のものに、若干水銀が全体のレベルより多いのではないかという傾向が見られます。その辺も事実をつかまえましたので、あとの耕作等については相当の注意を払ってきておるつもりでございます。
 それから、いまの原料の問題につきまして、DDTの問題も御質問の中にあったのではないかと思いますが、これも先ほど来煙の話だけを申し上げましたが、原料のほうももちろんここ数年注目をして検討いたしております。そこで得られました感じを申し上げますと、もう一つの御質問である、銘柄別の差異の問題、あるいは同一銘柄の差異の問題とも関連いたしますが、先生も御指摘ありましたように、農産加工品でありますので、どうもそういった農薬の分布の状態というのは、葉っぱ一枚一枚によって相当のフレがあるようでございます。これは当然想像されることでございますが、そのわりあいに、たばこそのものはいろいろな種類の葉っぱをブレンドしてつくりますので、かえってその段階でその幅が縮まっているような傾向がございます。しかしながら、私どもの見解では、いま都の衛生研のほうで御発表になりました日本のたばこのコンテントと外国のたばこのコンテントの数字で見ますと、倍・半分になっております。日本の場合のほうが少ないように出ております。しかし、この程度の差というものは、有意な差とは私ども考えておりません。と申しますのは、倍・半分という感じでは非常に大きい幅でございますけれども、マイクログラム単位でというとらえ方を私どもはいたしております。その程度のフレはあるように思います。
 どうも先生の御質問にぴたりと答えているかどうかわかりませんけれども、さらに何か御質問、御疑問がございましたらお答え申し上げます。
#66
○岡本委員 これはやはり農作物ですから、相当濃度にフレがあると思うのですよ。ですから、あなた安全だ安全だと言っていますけれども、先ほど都の衛研の所長さんのお話があったように、やはり何もかも安全ではないわけですね。そこでやはり個人の努力が必要だという話がありました。
 これは大蔵省にお聞きしますけれども、外国では全然無害でないとはいわないわけですね。だから、どうしても有害だという表示をしているわけです。そうすると、わが国だけがあんまり変わらないのに無害であるという要するに表示をしないということは、どうも私は納得がいかない。それによってやはり個人は努力ができるのではないか。ましてこれは一般商品ではないわけです。政府機関が専売をやっているわけですから、たくさん売ってそれでもうけるというのではなくて、やはりこうした外国と同じような有害の表示、たとえば二十本で計算をする。六十木、八十本のんだらものすごいわけですね。では、これ以上量をのんではいけませんとか、望ましいとか、そういうような何かの表示というものも、外国がやっているのですからやはり必要ではないか。これについて大蔵省ひとつ……。
#67
○大塚政府委員 たばこの健康に対する影響の問題につきましては、御承知のように、昨年のWHOの総会のあと、厚生省のほうにWHOの事務局から勧告と申しますか、総会の決議に基づく勧告がございまして、これに基づきまして大蔵省といたしましては、専売公社としてどういうふうに対応するかということにつきまして、大蔵大臣の諮問機関でございます専売事業審議会に諮問をいたしたわけでございます。去る三月二日にこの専売事業審議会から「喫煙と健康の問題に関連する日本専売公社の業務の運営について」という答申がなされたわけでございますが、いろいろな事項についての答申がなされております。ただいま先生御質問の表示問題につきましては、現段階ではたばこの包装に有害表示というものは行なわずに、ニコチン、タールの量を表示するのが適当であるという趣旨の答申がなされてございます。
 実は、この答申のただいま申し上げましたような意見の背景になっております点は、この問題は非常に特殊な問題でございますので、専売事業審議会の従来の委員の方々だけでなくて、専門の医学関係の方、あるいは心理学の先生、こういった権威ある人たちを、特別委員ということでこの審議会の審議に参加をしていただいたわけでございます。これらの専門の方々がいろいろ検討されまして、審議会に対して、「喫煙の健康への影響についての考え方」という報告をお出しいただいたわけでございます。実はその報告の内容では、疫学的な事実、いわゆる統計上重喫煙者と申しますか、たばこをたくさん吸う人に肺ガンの死亡者が多いとか、心臓病でなくなる方が多い、こういった事実は確かにあるけれども、病理学的にたばこの煙というものがそういった疾患とどう関連するのか。たばこの煙が人間の気管の中に入りまして、どういう形でこれらの病気と結びついていくのか、直接的な因果関係と申しますか、そういうものはまだ実ははっきりしておらないということで、このたばこと健康の問題というのは、そういう意味では非常にむずかしい問題であるので、慎重に今後検討を続ける必要があるというような趣旨の報告が出ておりまして、専売事業審議会のほうでは、こういった専門の方々の御意見を受けました上での判断で、いまの段階で、アメリカ式の有害であるという表示をするのはまあ時期尚早とでも申しますか、まだそこまでやらずに、しかし、一般に非常にたばこの健康への影響という問題につきましては世間の関心も高こうございます。そういった意味で消費者に判断材料を提供すると申しますか、この段階ではまだ残留農薬というような話はございませんでしたので、もっぱらニコチン、タールというものを前提にしての審議でございますが、そういう意味でニコチン、タールの量を包装ごとに表示するのが適当であろう、こういった答申がなされたわけでございます。
 それで、この答申を受けまして、大蔵省といたしまして専売公社に対してどのような指示をするかということで、実は二カ月あまり経過いたしておりますが、いまだ専売公社に対して大蔵省から指示をしていない現状でございます。
 と申しますのは、この答申が出ましたあと、国会の各委員会におきましても、いろいろ先生方から御意見をいただいておりますし、たまたまそういう状況にありますうちに、この五月の二日からジュネーブで二十四回のWHOの総会が開催されております。本年も前年に引き続きまして、この喫煙と健康の問題がWHOの総会で現在審議をされつつあるわけでございますが、そういう状況にございますので、そのWHOの総会の経緯とでも申しますか、そういうものも見ながら最終的に大蔵省としても態度をきめたい、こういうことで、現在まで公社に対して何らの指示をしていないという状況でございます。
#68
○岡本委員 あまり時間がありませんからあれですが、その点がぼくはおかしいと思うのです。答申をして、まあこれは残留農薬ですけれども、残留農薬を入れた答申はしてない点が一つ。それから答申でニコチン、タールの量を表示するのが望ましいと言ったけれども、それもしてない。こういうことになれば答申というのは隠れみので、何もしないでもいいというような答申が出てきたら、一番ありがたいという考え方ではないかとも考えられる。したがって、あなたのほうで諮問をした、そうして答えが出てきた、それをさらに今度はほかのほうでゆがめようという考え方を持っているように私は考える。したがって、もう一ぺんこの農薬汚染を含めたもので諮問をする。それからニコチン、タールの件については、これは直ちにその答申とおり――大蔵省は専売公社の友だちじゃない、監督官庁なんです。指示したけれどもまだ何も言ってきません、もう三カ月にもなりますけれども、あとは国会の審議を待ってどんなことを言うか、なるべくならやめておこう、いまでもぼくはそういう心証を受けた。したがって、大蔵省は金さえもうけたらいいということかもわからぬけれども、国民としてはやはり何としても健康を守ってもらいたい。そういういまの態度ではけしからぬと思うのですよ。それについてひとつもう一ぺん……。
#69
○大塚政府委員 いま先生おっしゃるようにおとりになりましたのは、私の答弁が非常にまずかったわけでありますが、そういう先生おっしゃるような意味でこの指示がおくれておるということではございません。専売事業審議会の答申は、ニコチン、タールの数値を包装に表示するという答申でございましたが、その後、世論の動向あるいは国会の先生方の御意見をお聞かせ願っておる段階でも、それでは少しなまぬるいじゃないか。まあアメリカ式とでも申しますか、喫煙はあなたの健康に障害を及ぼすとか、あるいはおそれがあるとか、少なくともそういうことを書くべきではないかという御意見が非常に多いわけでございます。大蔵省がいままでおくれてまいりました理由とでも申しますか、専売事業審議会の答申のとおりニコチン、タールの数値表示だけでこの問題をおさめて済むものであろうかどうか、もう一歩、もう少し先といいますか、進めて考えるべきかどうかということで実はおくれておるような状況でございまして、決してほうっておいて何もしないで済ませればいいということで考えておるわけではございません。
#70
○岡本委員 時間がありませんからね、それならそれで先ほどあなたそういう答弁をすればいいのですよ。先ほどはぼくがこの表示、要するに有害の表示をしたらどうだ。そういう意見も出ているんだ。先ほど、これは個人努力によって防ぐことができるんだというならば、外国と同じように有害の表示をしたらどうですか。こういう意見はどうだと言えば、今度答申にはニコチンとタールだけなんだ。これだけを、その数値を表示したらどうだ、こういうことだった。話が違うんじゃないですか、それだったら。大体やる気がないのですよ。日本はたばこの消費量は世界で第二位なんですよ。人口から見たら少ない。それで世界第二位なんです。衛研の所長さんが非常に心配されて、いろいろと研究してくだすったことは、都民のためとおっしゃったのですけれども、国民のためですよ、これは。
 そこで、まず、ニコチン、タールだけでも表示をするという答申が出ているんだから、それに従う考えはあるかどうか、あとの問題はあとの問題ですよ。
#71
○大塚政府委員 答申は十分尊重する意思でございます。
#72
○岡本委員 そうすると、それだけでも先に専売公社に言って表示させる、そういうように受け取ってよろしいですね。
#73
○大塚政府委員 それで世間が納得といいますか、それが得られるならば、もちろんそれでそういう指示をいたすことはやぶさかではございません。
 ただ、たばこの包装を全部そういう印刷にするということが時間的に若干日時がかかりますことと、またすぐあとで、それだけでは足りないから、こうするというようなことになりましても、非常に手数がかかると申しますか、いろいろな面でロスがございますので、できればかっちりした態度、形をきめて、問題の解決に資したいという気持ちがございます。そういうことで、このニコチン、タールの数値表示だけでなくて、もう一歩進んだ形のものを考えるか、それを現在検討している段階でございます。
#74
○岡本委員 あなたも、いますぐには答えにくいでしょうけれども、要約すると、ニコチン、タールの表示以上に、それだけでは国見は納得しないだろうから、さらに外国のように、こういうところが有害だということを表示しようということをいま検討しているわけですね。そう受け取っていいわけですね。――では、首を振ったから、そうしておきます。
 それで、もう時間がありませんが、厚生省の局長、来ていますね。こういうように、外国にはたばこの中の残留塩素、こういうものの許容基準と申しますか、これがないからといって、私は捨てておくわけにはいかないと思うのです。これについて厚生省は、やはりそうした基準をきめて、そしてやらなきゃならない。また、そうなってくると、本数にも問題があろうと思いますけれども、やはり国民に、的確な、健康を守るための基準というものを設けなくてはならぬと私は思うのです。いまあるのは食品のです。食品と、肺に直接くるのとではだいぶ違うわけですね、気体になっているのと……。そういうことを考えると、厚生省は、この標準をきめるについての考え方、あるいはまた今後どういうふうにするか、これについて、ひとつその方向を明示してもらいたい。
#75
○滝沢政府委員 先ほど来東京都のお考えあるいは専売公社のお考え、われわれもその東京都のデータ等を手にいたしまして、厚生省の立場といたしましてもその内容等を検討いたしたわけでございますが、きょう専売公社のほうからおっしゃいましたように、かりにアメリカの採用しておる環境基準を適用した場合、実際にたばこを吸うという個人に入る量に換算しますと、きわめて少ないという見解もごもっともでございますし、また東京都のほうでは、微量であっても長期にわたる場合あるいは発ガン性等の御見解がございまして、これもわれわれとしては適切な判断であるというふうに思うわけであります。先生御指摘のタールやニコチンについて、いろいろ議論されていますが、新たに起こりました残留の塩素等の基準がきまってないために、きょうのようにいろいろな論議になったので、厚生省としては、健康の立場から、広い意味の公害的な立場から、従来やっておりますような基準を考えたらどうか、こういう御指摘でございます。
 この点につきまして私、率直に申し上げますので、その点はいろいろ御意見がございましたら、またさらに御検討の上、していただきたいと思いますが、まずたばこ本来のタール、ニコチンをゼロにすることは、たばこそのものの意義が実際なくなりますので、これを低タール、低ニコチンにする努力は、専売公社もしておることは聞いておりますが、これにたまたま外部から付加されました残留農薬につきましては、私はこれはゼロになる方向が望ましいものであるというふうに考えるのでございます。
 しかしながら、すでにたばこの葉が二年間貯蔵されておるという問題あるいは先ほど公社のほうから御答弁がございましたように、少なくとも塩素系農薬は四十六年以降使わないようにする、こういうものでございますが、しかし、たばこの殺虫に、何らかの形の薬品を使うということは考えられますので、これらの変動していく対応策として基準を設けるということの技術的の困難さ、現実的な困難さといいますか、そういう問題について、私は率直に、まずむずかしさを感ずるということが一点でございます。
 しかしながら、いずれにしても何らか虫を殺すという薬品を使うということが、将来ともたばこの問題に基本的にあるならば、これらの基準の設定ということはさておいても、ニコチン、タール以外に、たばこというものを総合的な健康に関するものとしてとらえるということは、今後きわめて重要な問題でございます。特に、たばこの煙を吸った結果、空気中の一酸化炭素の問題が、実はわれわれ生活の中ではきわめて重要な問題でございまして、これはニコチン、タールとは別の意味であまり問題にされておりませんけれども、実際に会議あるいは個人の生活等におきましても、密閉された部屋等で喫煙が行なわれる場合の空気の汚染の問題の中で一番重要なのは、CO、一酸化炭素の問題であるというふうに、保健の立場からは私は考えております。
 そういうようなことを総合いたしまして、先生のおっしゃるような個々の問題の基準設定というものには非常な困難性がございますけれども、全般としてたばこの有害というよりは、われわれの立場は、三十九年アメリカにこの問題が起こって以来、都道府県に通知を出しまして、一般的には長期多量の喫煙ないしは青少年、妊産婦等の喫煙が特に健康に悪い影響を与えることがあるので、これらに対する今後の指導について重点的にいろいろの対策、啓蒙、パンフレットの作成等を通知いたしたわけでございます。したがいまして、このようにたばこをめぐる諸般の有害性の論議が起こりまして、また、喫煙の結果のガンの問題あるいは高血圧の問題等の研究対策についても、従来厚生省といたしましてもこれを実施しておりますけれども、その成果を具体的に、たとえば病理学と疫学との結びつきが十分にできていない等の専売審議会の御指摘の穴を埋めていくという努力が、われわれに課せられた厚生省としての重要な課題であるというふうにも思っております。たばこが全然益のないものではなく、精神的な安定等を含めまして、個人個人にとりましてはそれぞれに一また全然メリットしない面もございますけれども、個人の努力によってやめられますけれども、個人にとりましての生活の面でたばこの存在というものは、専売であるか民間企業であるかは別として、生活にかなり密着した重要なものであるだけに、保健衛生の面からの正しいたばこの問題の理解ということは、われわれ厚生省も今後各方面と密接に連絡しながら、これに対する努力をしていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。
 先生の御質問よりもさらに周辺の問題をお答えいたしまして、恐縮でございますが、以上のような見解を持っております。
#76
○岡本委員 どうも参考人の方、長時間ありがとうございました。
 あと最後に要求しておきますけれども、大蔵省も専売局も厚生省も、この問題はさらに明確な研究をして、国民の健康を守らなければならぬ、こういうことですから、それを要求して、きょうは終わります。
#77
○小山(省)委員長代理 午後三時再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後一時五十五分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時八分開議
#78
○小林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。西田八郎君。
#79
○西田委員 私は、本日、おもに振動についてお伺いをいたしたいと思うわけであります。
 公害対策基本法第二条には、大気汚染、水質汚濁、騒音その他公害源をいろいろとらまえられて、その対策基本法に基づいてまた特別立法があって、規制もしくは対策がなされておるわけでありますが、その中で、振動については、まだそうした規制、対策というものが十分なされていないように思うわけでありますが、公害対策本部からお見えになっております方から、ひとつ振動についてどう考えておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#80
○竹谷説明員 ただいま御質問ありましたように、振動につきましては現在のところ規制する法律はございませんです。と申しますのは、振動は非常に測定の方法とか、それから、どのくらい動いたら被害が生ずるかとか、そういった問題が非常に複雑でございますので、ただいま規制はしておりませんが、今後各研究機関等通じまして、極力検討してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#81
○西田委員 じゃ、研究は続けておられるのですね。
#82
○竹谷説明員 国鉄のほうにおかれましても、鉄道に伴う振動につきましては検討をやっておるようでございますし、それから、建設省の建築研究所あたりでも、これは主として地震のほうの問題でございますけれども、一種の振動の研究をやっておるようでございます。
#83
○西田委員 けさ、朝日新聞でありますけれども、全国小中学校公害対策研究会という会で、朝日新聞社と共同で、東京都全域を含む七大都市と、それから公害指定都市になっております川崎、四日市、尼崎三市の小学校の生徒の五年生を対象にして、公害に対する調査がこの二月から行なわれておって、その集計をされたものがここに掲載をされております。
 この報道によりますと、児童の公害に対するワーストテンといわれる中に、車の振動というものが第五位を占めておるわけでございます。七大都市におきましては五位、公害三市におきましては四位、自動車の振動がいかに子供たちに悪影響を及ぼしておるかということは、子供の実感として出てきておるわけであります。そのほか、最近は重工業等における機械設備等が非常に発達をしてまいりまして、プレス等もかなりな大型なものが出てきておるわけであります。その振動による周囲の民家の生活に及ぼす影響というものは非常に大きなものがあると思います。
 そこで、いまお話のあった国鉄の振動もまた見のがすことのできない大きなものがあると思います。旧来線には、各線におきましてもかなりな振動が昔から感じられていたわけでありますけれども、とにかく国有鉄道のことであるからということで、泣き寝入りをしておった地域の住民が非常にたくさんいるのではないか。特に、いま世界の粋といわれる新幹線、これの振動が非常に激しいものがあるといわれておるわけであります。したがって、こうした問題がかなり子供たちの意見の中からも出てきておるし、そしてまた地域においては、かなりの被害を受けておるわけなんです。そういうものに対して、今日のような公害問題が大きくいわれるときにおいて、なおかつそれが十分研究ができていない、あるいは測定方法も定まらないというようなことで、はたして公害対策といえるのかどうか、私は非常にそれに対して疑問を持つわけであります。
 したがって、いまのような木で鼻をくくったような答弁ではなしに、どの程度公害に対する調査そして研究あるいは測定するなら測定方法等についてあるのか、ひとつわかる範囲でお答えをいただきたい。
#84
○竹谷説明員 はなはだ申しわけございませんけれども、公害対策本部といたしまして、直接研究とか、専門家もおりませんものですから、はたしてどの程度の研究がなされるかということについて、はなはだ遺憾でございますが、具体的にお答え申すわけにはまいらない次第でございます。
#85
○西田委員 これは心外ですよ。そんなことでいいのですか。第一、公害対策基本法ができたのは何年ですか。その第二条にはっきり「振動」ということばが入っているのですよ。入っていなければ別ですけれども、入っているのに、そしてしかも公害国会が開かれて、政府はいろいろな形で法律の整備をはかってきたというておられるわけです。にもかかわらず、今日この時点においてまだ調査も研究も進んでいない。そんなことで済まされるのですか。私はこれは政府の怠慢だというよりほかにないと思うのですがね。審議官、あなたを責めたってしかたがないわけですけれども、これはもっと政府は真剣に考えてもらわなければいかぬと思うのです。山中総務長官でもおられれば、私は政府をずいぶん追及したいと思うのですけれども、ここにおられないのですから、せっかくここに出ておられる審議官、帰ったら副本部長に十分伝えていただきたいと思うのです。
 委員長、早急に振動に対する調査あるいは対策の方法あるいは計測方式等について、この委員会に提示されるように要求をいたします。
#86
○小林委員長 ちょっと速記をやめてください。
  〔速記中止〕
#87
○小林委員長 速記を始めてください。
#88
○西田委員 政府のほうでそういう態度であるとするならば、私は何をか言わんやで、全国で振動に悩んでいる国民は、一番それについて困っているのではなかろうかというふうに思うわけであります。
 そこで私は、きょうは、国鉄、特に新幹線の振動についてお伺いをいたしたいわけでありますが、国鉄当局として、現在その沿線に起こっておるところの振動について、何らか具体的に調査をされた事実があるかないか、そのことからお伺いをいたしたいと思います。
#89
○北岡説明員 東海道新幹線が開通いたしまして、その直後に沿線の方々から、振動、もう一つは騒音もございましたけれども、両方について、いろいろな苦情が出てまいりましたことは事実でございます。それは一応全部受け付けておりまして、現在時点までに全部で百八件、これは騒音、振動、両方入っておりますけれども、百八件ございます。
 これらにつきましては、国鉄といたしましては全部それは調査にあがらせていただいて、現実に振動で、たとえば壁にひびが入ったとか、あるいは建具が締まらなくなったとか、いろいろのお話がございますので、そういうことを実は現実に調査をさせていただきまして、その結果、現在までに国鉄の費用で十三件の補償をしております。
 これがいままでの実績でございまして、その後は実はその話はあまりございませんので、それで一応私どもとしてはおさまったものではないかというぐあいに感じておりますが、現在時点までのところでは、その後追いかけて出てくるということはございません。
 新幹線は、二百キロということで、相当の振動が出るのではないかということはあらかじめ想像できたわけでございまして、技術的に申しましても、振動を極力減らすということは、これはもちろん沿線の方々に御迷惑をかけるという問題もございますし、鉄道自体の問題といたしましても、振動を極力避けないと、やはり二百キロ運転ということは非常にむずかしいということもございますので、振動を取るということは、技術的にいろいろな考慮もしております。たとえば一つはロングレールを使っておりまして、従来の鉄道でございますと、継ぎ目のところで音も出しますし、あるいは非常に大きな振動源になっておったわけでございますけれども、そういうものを取る。それから、レールとまくら木の間にゴムパッドを敷きまして、これは振動の吸収材でございますが、そういうものを使うとか、そういう点の考慮は相当やっておりますし、もう一つ、車のほうで申しますと、空気バネというものを使っておりますが、これは従来のバネと比べまして振動は、中のお客さまの乗りごこちも格段によくなりますけれども、外に出ます振動についても格段によくなるということで、当時の技術といたしましては最大のものを使って、そういう振動の除去についてはつとめたわけでございますけれども、何せ地盤の悪いところその他で、若干その後苦情が出たことは先ほど申し上げたとおりでございますが、それらにつきましても、先ほども申し上げましたとおりの処置をさせていただいております。
#90
○西田委員 それでは、振動を含む百八件からの苦情のうち、十三件だけが処理されて、一割強ですが、あとの九割近い苦情が処理されていないということですか。
#91
○北岡説明員 百八件と申しますのは、振動、騒音、両方含めてのことでございまして、こまかく申しますと、そのうち約五十八件でございますか、振動のことが入ってきております。それで、これを全部調べることは全部調べました。ただ、実害が出ておるということの判定につきましては、これは技術的になかなか判定のむずかしい点もございますので、住んでおられる方々の立ち会いのもとで、これは明らかに新幹線の振動による実害である、いや、これはそうじゃないというぐあいに判定をさせていただいた中で、十三件を処置させていただきましたので、そのあとのものについては、その後別にお申し出も何もないものですから、一応私どもとしては処置ができておるもの、あるいは御了解を得たものというぐあいに考えております。
#92
○西田委員 新幹線の管理というものはどういうふうになっているのですか。大阪から名古屋、あるいは名古屋から静岡、静岡から東京というふうに、いわゆる各鉄道局で管理が行なわれておりますね、国有鉄道全般にわたって。新幹線もそういう形において管理しておられるのですか。
#93
○北岡説明員 新幹線の組織は在来線とちょっと違いまして、東京に新幹線総局というものがございます。新幹線は在来線とは別個の組織を、新幹線はいま新大阪まででございますけれどもその間に持っておりまして、特にこういう振動とか騒音というものについて、直接的に見るところは、保線所というのがございまして、そこで見ております。ただ、在来線と並行しておりますので、たとえば建築の問題だとか一部の問題につきましては、在来線とダブって人を配置するということについてもむだがあるというようなことで、お互いに相談をしながら仕事をラップさせてやる、在来の、たとえば名古屋の管理局の人が名古屋付近の新幹線の問題を見るというようなことは、ものによってはございます。しかし、原則としては、組織的には、在来線とは別の組織を新幹線は持っておるというのが現状でございます。
#94
○西田委員 そうすると、いまお申し出になった苦情その他については、全部調査をして、そうして問題があったところはそれぞれ対策をしたという御答弁でありましたが、私の聞いているのでは、幾ら新幹線の駅に言っても、どうしても調査にも来てくれない、だから何とかしてくれという苦情が二件入ってきているわけですよ。こういうところですから、具体的に言うのははばかりますけれども、新幹線沿線の、米原から京都までの間であります。その間で二カ所、非常に振動の激しいところがあって、たなに置いてある茶わんが落ちて割れたり、あるいは戸のたてつけが狂ったり、あるいは電波障害があって、テレビなんかはほとんど見られない、こういうようなことで、もうどうにもならぬ。一週間会社を休んで病気療養したけれども、振動と騒音のために、寝ておったって病気の療養にならない。それでいよいよ思い余って、二回目の陳情に行ったけれども、何の音さたもありません、こういう人が現実におられるわけです。ですからそういう問題についても、やはりもう調査が終わったといわれるのですか。
#95
○北岡説明員 特に、新幹線開業直後には、そういう問題が沿線に全般的に出てまいりました。一般にもいろいろたくさん苦情をいただいております。それらにつきましては、在来線の駅に申し出られる方もございますし、それから新幹線の組織のほうに直接言ってこられる方もございますし、いろいろケースはございます。これらを全部、管理局も含めまして、申し出のものは、東京にございます新幹線総局で受け付けておりまして、開業以来のものを全部リストアップしてあるわけでございます。ただ、その中にもないのだ、途中で消えてしまっておるのだということがもしあるとすれば、はなはだ申しわけないことなので、早急に調べさせていただきたいと思いますが、ただ私どもは、受け付けたものを途中でとめるということは絶対ないように指導しておるつもりでございまして、これは何かの間違いじゃないかと思いますが、もし具体的にお知らせいただければ、具体的に処置したいと思いますし、もしそういうことがございましたならば、いままでの例でもありましたように、直接伺って調べさせていただくということをさせていただきたい、こう思っております。
#96
○西田委員 私は、ただそうした地域的な問題をここで取り上げてどうしようということを申し上げたくないわけです、ここはやはり国政を審査する場所でありますから。しかし、新幹線がこれから山陽に延び、さらにまた成田線も新しく考慮され、さらに全国新幹線網というものが考えられているときに、そうした振動に対する研究なりあるいは調査というものがしさいに行なわれて、そして世界の最高レベルで走る列車があるということについては、私自身国民として誇りであるけれども、そのために犠牲にならなければならない国民の方がおられては、私は申しわけないと思うのであります。したがって、それに対する具体的な対策、それから具体的な調査、それに対する批判、こういうものを私はやはりこの場所で取り上げたいと考えておるのが私の趣旨でありますから、誤解のないようにしていただきたいと思いますけれども、そういうことについて、これから延びていく新幹線網に対して、国鉄当局が、振動に対する研究あるいは調査、そういうものがどの程度行なわれておるのか、お伺いしたいわけであります。
#97
○北岡説明員 ただいま御指摘ございましたように、これから全国新幹線網という問題も出てまいります。新幹線を敷設するにつきましては、当然用地買収その他の問題で地元の各位のたいへんな御協力をいただかなければならぬ問題があります。新幹線ができたために、振動なり騒音でたいへん迷惑がかかるということでは、その後の新幹線の建設についても、私どもとしても非常に困る事態になるものですから、国鉄といたしましても、技術的に、あげてその問題には取り組んでおることでございます。でき上がったもののあと始末ということよりも、振動を極力少なくすること、もう一つは、騒音の問題も非常にやかましい問題でございますから、これらにつきましても国鉄の技術研究所をあげて、それから本社の問題として取り上げて、特に騒音につきましては、研究会のようなものを設けまして、直接取り組んでおるのであります。ただ、問題がなかなかむずかしい問題でございますから、そう簡単に割り切れる問題ではありませんけれども、そういう意味で、全社をあげて取り組んでおるつもりでありますので、御宥恕をいただきたいと思います。
#98
○西田委員 それは取り組んでいただかなければならぬ問題ですが、いまおっしゃったように、起こっておる問題をどう解決するかという問題よりも、事前の予防をするための研究を進めていく、これはそうでなければならぬと思います。ぜひともその研究をやってもらいたいと思うのですけれども、やはり同時に、現在起こっている問題は問題として、私は処理していただかなければならぬと思うのです。したがって、開業当時とおっしゃったんですが、新幹線が開通してからもう八年になるわけです。八年も前にあった苦情、その後土地の構造が変わってきておるわけです。沿線の構造が変わってきておるわけであります。だから私は、新しい苦情が、新しい地域から生まれてきておるんではないかと思うのです。したがって、そういうものに対して、当局としてもう一度調査をするとか、あるいは苦情を受け付けるとかいうような意思があるかないか。
#99
○北岡説明員 もう一回受け付けると申しますか、現在もしそういう御不満がたいへんあるようでございましたら、もう一回私どもに教えていただきまして、それに対して積極的に取り組みたいという意思は十分ございますし、それから現在、実は山陽新幹線は建設中でございます。その山陽新幹線の沿線の方々も、東海道新幹線のほうはいろいろ見ておられるので、われわれとしても、山陽新幹線のときには、東海道新幹線よりももっと進んだやり方を考える、たとえば構造物の根を深く入れて振動を全般的に防ぐとか、あるいは山陽新幹線の場合には、東海道新幹線と比べますと、線路の横に道がつくってあるところがたくさんございます。こういうのも振動の影響の範囲を極力減らそうという一つの努力でございまして、そういうことは、東海道新幹線で経験いたしましたことは極力山陽新幹線で利用さしていただいておる、また利用さしていただかないと、地元の方の御納得を得られないというのが現状でございますので、そういうことで精一ぱいやっているつもりでございますので御了承いただきたいと思います。
#100
○西田委員 精一ぱいの努力だといわれますけれども、国鉄の中で一番もうかっているのは新幹線ですよ。そして新幹線自体は、自然に起こる地震に対する耐震装置として、東京――大阪間二十五カ所ですか、地震計を備えつけて、震度三以上を観測すれば直ちに新幹線そのものがとまるようになっておるわけですね。そこまで対策を立てられておるわけですから、当然自分の起こす振動については、私はそれに対する対策があってしかるべきだというふうに思うわけであります。しかも、これから延びていくのですから、現在起こっておる問題をやはり具体的に調査すべきだと思うのです。教えていただいて、というような消極的な姿勢でなしに、もう一度調査をしてやはりきめこまかい対策というものを考える。私はその中から、当然振動の中には地層、地盤との関係も出てくると思うのです。同じ新幹線の沿線でも、十メートル離れたところではほとんど感じない振動が、片一方の地点においては非常にひどく感ずる、こういうことは実際にあると思うのです。ですから、そうした点を十分研究する意味でも、現在起こっている問題を、そうした被害を、当局側からいえば問題だろうと思うし、沿線の住民にすれば被害なんです。その被害を綿密に全線にわたって調査をなされて、現在起こっている問題についてはそれをどうするかという対策と、それからそこにはどうしてこういう振動が起きてくるかという研究の材料、それをもって次の建設に参考にしていく、こういうことでなければならぬと思うのです。
 ですから、苦情が出たら対策するというのじゃなしに、私はもう一回重ねてお伺いしますが、ぜひ国鉄当局でそれを調べていただきたいと思うのです。お願いをしたいのですが、どうでしょう。
#101
○北岡説明員 国鉄として、積極的に取り組む気持ちであるということは申し上げたとおりでございまして、いま御指摘のようなことがあるということをただいまお伺いしたわけですので、これは極力調べさせていただきたいと思います。
 ただ、振動というのは、先ほどから先生もおっしゃいますように、地震のことにつきましてずいぶん勉強いたしておりまして、地盤のよしあしということにつきましても、ある程度の調査は実はすでに済んでおるわけでございますが、それらを利用いたしまして、それで調べさせていただきたい、このように考えております。
#102
○西田委員 政府の振動に対するもう少し具体的な答弁がいただけると思っておったわけですけれども、いま竹谷審議官のほうからおっしゃったような状態で、私もきわめて遺憾でありましたけれども、先ほども要求いたしましたように、ぜひともひとつ早急にそうした研究の過程での中間発表といいますか、あるいは政府の基本的な考え方、そういうものもお出しいただくことにいたしまして、時間前でありますけれども質問を終わります。
#103
○小林委員長 古寺宏君。
#104
○古寺委員 最初に、経済企画庁にお尋ねいたしますが、先日鹿島で起こったシアンによる魚の斃死の問題がございますが、これはどういう原因によるものか、またその後の措置はどうなっているか、さらにまた、水質基準はどういうふうになっているかお尋ねしたいと思うのです。
#105
○西川政府委員 お答え申し上げます。
 鹿島地先水域につきましては、昨年の十二月二十一日に指定水域並びに水質基準の告示をいたしました。これが実際適用になりますのは今年の六月二十二日からでございます。ただし、シアンにつきましてはこれは健康項目でございますので、告示の日から直ちに適用ということになって、ございます。
 それが先般新聞にも報道されましたように、海域におきまして環境基準が守られてない。排水基準は守られておると思いますが、環境基準は守られていない、このような報道がありまして、排水基準がゆるいのではないか、問題があるのではないかという報道があったわけでございます。実は私どものほうにおきまして、その後、基準を設定いたしましたときの検討におきましては、絶対そういうことは、非常に防波堤のそばで悪いところではございますが、そういうことはないということで検討して決定したわけでございますので、県のほうにさっそく実情を全部調べさせましたところ、実は県のほうも非常に大きな指導の間違いをやっていたようでございまして、実は基準におきましてコークスの製造のほうの実際の会社は住金化工、子会社でございますけれども、そちらのほうでコークスを製造している。そちらのほうからシアンが出てくる。そちらのほうの排水量は二万トンでございます。それから一般の住金のほうから出てまいりますものといたしましては、冷却水その他の水を合わせまして七十二万トンの水が出てくるわけでございます。私どもが水質基準をきめましたときには、シアンを含む排水のほうの二万トンにつきまして一PPMというものを守れ、こういう考え方で基準を決定いたしたわけでございます。ところが、県のほうにおきましては七十二万トンと合わせました口のところで一PPM、このような考え方を持っておったようでございます。新聞にも報道されましたように、現在〇・九九PPMで基準は守っておるというような数字が出ておるわけでございますが、これは七十二万トンで〇・九九PPMというのはとんでもない話でございまして、それは基準の解釈が違うということで、実はこの鹿島水域の基準につきましては、従来、現行の水質保全法におきましては工場から出てまいります基準につきまして加重平均、口が幾つかありますときにはこれを加重平均した値で考えるというような方針をとってきたわけでございますが、新しい水質汚濁防止法におきましては、基準が全部の排水口の一つ一つにかかるということになっております。そのつなぎを考えまして、最近決定いたしました水域につきましては口が二つ、三つある場合に加重平均、きれいな水、いわゆるクリーン排水と、ダーティ排水を合わせた加重平均の基準をつくらずに、クリーン排水のところはクリーン排水の基準をつくる、ダーティ排水のところはダーティ排水の基準をつくるという、個々の口に適用しても差しつかえないような基準をつくるように最近はしておるわけでございます。それで新しい水質汚濁防止法への移り変わりの経過規定をうまくいくように考えておるわけでございます。それの一番最初のケースがこの鹿島だったわけであります。そのようなために、口を分けまして、排水基準を設定いたしたというようなことが何らかそのような混乱を起こしたもとではないだろうか、こう推測されるわけでございますけれども、はっきり申しましてこちらの考えておりました設定基準と勘違いがあったようでございますので、直ちに県のほうにはそういうことではいけないんだ、二万トンの排水につきまして一PPMを守るように改善命令を出せということで、現在県のほうにそういう状況で改善するように指導いたしております。
#106
○古寺委員 そうしますと、水質基準を見ますと、製鋼業の場合には排水処理施設を有する排水口と排水処理施設を有しない排水口ではシアンの基準が違います。前のほうが一、片一方のほうは検出せず、こうなっております。そうしますと、鹿島の場合は、住友金属から出ておる排水路と、それから住金化工から排出されて合流する地点とございますが、その鹿島の場合でいうならば、どういうようにこの基準は適用になるわけですか。
#107
○西川政府委員 ただいま申し上げましたように、これを厳密に解釈いたしますと、排水処理施設を有するものとしての基準は一PPM、住金化工のシアンの二万トンにつきまして排水処理施設をつくりましたら、これは二万トンにつきまして一PPM、ただしそれを薄めて流しておる場合には排水処理施設を有しないその他の排水口ということになりますから、検出されないことということが本来であるということで、県のほうにおきまして、〇・九九PPMであるから基準の一PPM以内であるということは間違いである。二万トンと七十二万トンを合わせた七十四万トンにつきまして〇・九九PPMといっておりましたのは間違いであるというふうに考えております。
#108
○古寺委員 今回たまたま現地で蜷死した魚を食べた人はまだ異常がないようですが、小諸で青酸イワシによる中毒と思われる重症患者が六人出ております。それは、東海村で蜷死したイワシをおみやげに持っていってそれを食べたところが、急性中毒を起こして現在重態である。それはおそらく鹿島の沖合いに流れ出たシアンが原因ではないか、こういうふうにいわれて、いま衛研で分析いたしております。こういうような事態が現在起きておる。にもかかわらず、いまの経企庁の話を聞きますと、県のほうの基準の見方と私のほうの基準のきめ方は全然違っておったんだ、こういうお話をしていらっしゃる。現在の基準というものは当然排水口から検出してはならない基準になっております。そうなりますと、現在の〇・九九というのは、〇・一という基準を九倍以上上回るシアンが放出をされておる。また住金化工のほうから出ている排出口のほうは、常時五OPPM以上のシアンが排出されているわけです。これでは全くたれ流しどころではない、たいへんな問題だと思うのです。
 それではそれに対して通産省は一体どういう指導をしたのですか。
#109
○森口政府委員 お答え申し上げます。
 実は若干解釈の不統一がありまして、私のほう自体も、実は住友化工の排水につきまして一PPMを適用すべきであるか、〇・一PPMを適用すべきであるか、よくわからなかったというのが実情でございます。企画庁と打ち合わせをいたしまして住友化工の水については検出せずという基準を適用すべきであるというような解釈に到達したわけでございます。私のほう自体といたしましては、当然住友金属のほうで何らかのシアンの除去装置をつくるように指導してきたところでございます。ただ、シアン除去装置の建設には若干時日も要しますので、少なくとも工場建設一年半後にはシアンの完全な除去装置をつくる。つまり活性汚泥装置を建設するというような指導を従前からしてきたところでございます。
 なお、排出基準自体には直接必ずしも関係はないわけでございますけれども、現在の住友金属ないしは住友化工の排出口の位置は北防波堤に非常に近接をいたしておりまして、近接をいたしておりますために排水口から流れ出ます水の拡散効果が悪い。したがって、拡散が悪いために害を生ずる可能性があるということで、住友金属工業並びに住友化工に対しましては、排水口の位置を北防波堤の現在位置よりもさらに北側にできるだけ早期に移動して害を防ぐようにすべきであるということを、従前からずっと指導してまいったわけでございますが、処置がおくれまして、こういうような状態になったということにつきましては、非常に遺憾に存ずるわけでございます。
#110
○古寺委員 これは遺憾に存ずるということで済まない問題です。北防波堤から北の方にさらに排水口を移しても、現在と変わりがありませんよ。しかも、通産省に対して四十一年十二月に工場の設置届け出が出ておる。どういうシアンが出るかということはきちっとわかっております。しかも、この処理方法については、希釈法によるのだ、工場側ではこういうように書いておる。さらに四十六年一月に茨城県に対して届け出をした場合においても、同じような――ただここで変わっているのは、その処理効果を、一五PPMのシアンを住友金属の排水によって希釈して流す。そして〇・九九PPMで海域に放出するようになっている一これでは全然この基準に合わない。あなたのほうは、そういうものを受理して営業させているのです。全然指導監督していないじゃないですか。それで通産省のほうに聞けば、権限を委譲したから私のほうには責任がないというような話をしている。これは一体だれが責任を負うのですか。現在まだ水質保全法なりあるいは工排法は生きているわけですから、当然これは操業を一時停止するなり処理施設をつくってから放出させるようなことを考えなければ、いつまでたってもこういう被害は絶えないですよ。通産省は、これに対してどういうふうにお考えですか。
#111
○森口政府委員 先ほど先生がおっしゃいましたように、工場排水の監督につきましては、当該案件に関しては茨城県が実施しておるところでございます。事件が起こりましたので、当方でも、住友金属工業あるいは茨城県その他からも事情を聴取したところでございます。
 とにもかくにも今後被害が起こらないように措置を講じなければいけないわけでございまして、そのための応急的な対策、恒久的な対策を直ちに講じなければいけない段階になっておるというように考えております。現在茨城県のほうで応急的な対策といたしまして、まずとりあえず排水口の入口にコンクリートブロックを積み重ねまして、できるだけ拡散効果が出ますような処置をいたしますとともに、排水口の近所に魚が近寄らないようにネットを数百メートルの範囲にわたって張りめぐらすというようなことを考えておりますが、シアンの中和を当然はからなければいけないわけでございまして、シアンを減少させるための措置といたしましては、コークス工場からの排水を鉱石ヤードのノロの冷却用に散水として使うといことを考えております。ノロに散水として使いますと、当然水の中にあるシアンが熱分解いたしますので、排水中におけるシアンの負荷量は八、九割程度減少するというように当然所期されるわけでございます。ただ、こういうのは応急的な措置でございまして、やはり恒久的には排水口の位置を、先ほど申し上げましたように、北のほうに移すということをまずやらなければいけませんので、九月までに排水口の位置をさらに北側に移動をさせるというような措置を考えております。
 なお、基本的には、シアンを除去いたしますためには、出ました排水を活性汚泥装置にかけることが必要でございます。先ほど申し上げましたように、工場建設後一年半というようなことで活性汚泥装置を建設する予定をいたしておりましたが、活性汚泥装置を四十六年じゅうに完成をするというように繰り上げることによりまして恒久的な対策といたしたい。活性汚泥装置が完成いたしますれば、所定の排水基準を満たすことはもちろん、さらにそれ以上のシアンの除去効果はあるものというように期待をいたしております。対策が後手に回ってまことに遺憾に存じておるわけでございますけれども、現在茨城県のほうは、以上の対策を含んだ改善命令を住友金属工業について行なうということで準備をしておるというように聞いております。
#112
○古寺委員 いまあなたの答弁を聞いていますと、それは対策ではないのですよ。ごまかしなんです。住友金属から出てくるところの排水に、住金化工から来る排水が一緒になる場所がございますね。そこの地点でもって一PPM以下にしなければいかぬ。あなたは、それは全くそのままにしておいて五〇から一五OPPMもシアンを含んだ水を、北側のほうへ出口を移して、そして海の水で希釈をして何とかしよう、こういう答弁なんです。水島では川崎製鉄が八月に活性汚泥方式で処理することになっております。鹿島は無公害開発、こういうふうにあなた方が宣伝してやった地区ですよ。それが全然規制をしないでたれ流しをさしておいて、そして今後の応急対策としてはそれをごまかすような対策をして、何とかします、それに対して死んだ魚を食べた人がばたばた倒れていったらどうなるのですか。だれが責任を負うのですか。もう一回答弁してくだざい。
#113
○森口政府委員 お答え申し上げます。
 排水口の位置を北の方面に移動させるということは、水の拡散効果を防ぐ上において確かに重要な方策であるというように私どもは考えております。
 ただし、これはおっしゃいますとおり、排水基準の順守という点とは何らかかわり合いはございません。したがって、排水基準の順守という点からは、先ほど申し上げましたとおり、現在の排水を鉱石ヤードのノロの冷却用に使う――ノロの冷却用に使うということは、ノロは熱を持っておりますので、そのノロを通しました排水の中におけるシアンは熱分解されるということでございます。したがいまして、こういう熱分解をされました結果、排水中のシアンは八、九割程度カットをされるということを申し上げたわけでございます。これは現実に、ぼぼ排水基準に近いような数値のシアン濃度になるということを意味しております。
 ただ、方法といたしまして、ノロにかけて熱分解をするというのはあくまでも応急措置でございますので、最終的には当然活性汚泥装置にかけてシアンを除去しなければならない。しかし、活性汚泥装置を建設いたしますためには時間がかかりますので、四十六年じゅうにこれを建設して自後問題のないようにいたしたいということを申し上げたわけでございます。
#114
○古寺委員 今度のこの問題について、水産庁はどういう調査をいたしたかお尋ねしたいと思うのです。
 いろいろな地区のあれがございますが、福島県のいわき市の場合も、シアンが二OPPMぐらい放出されておって、沿岸漁業が全滅をいたしております。今度の鹿島の場合は、一日に一トン近いシアンを毎日海へ流している。これによって漁業が被害を受けないわけがない。しかも、こういうふうに現実にイワシを食べた人が中毒を起こしている。これについて水産庁はどういう調査をなさったか、御答弁願います。
#115
○藤村政府委員 水産庁直接はいたしておりませんが、県の水産試験場を通じまして、県が五月七日と十二日に調査いたしました報告を受けております。
#116
○古寺委員 水産庁がそういうことじゃいけないと思うのですよ。県から電話を受けて、県の報告だけ聞いてあとは知らぬ顔をしている。そうじゃなくて、水産庁自体がもっと積極的に調査をしなければたいへんな事態になると思う。いつあなたにお尋ねしましても、現地のほうから聞いておりますとか、現地の報告を受けております、それじゃいつまでたっても同じです。いま通産省のほうでは、こういう対策を講じますと言いました。しかし、活性汚泥方式による処理場をつくるためには、少なくともこれから一年なり一年半を要するわけです。その間、毎日一トンも青酸カリをどんどん流していく。そういう事態に対して水産庁はどういう対策を考えるのですか、どういう指導を県に対してするのですか、もう一回お願いします。
#117
○藤村政府委員 私どもとしては通産省と打ち合わせまして、そういう事態をできるだけ早くなくすることを考えておりますが、茨城県でございますので、東海区水研と十分打ち合わせて、県の水試に対して東海区水研のほうから指導をさせたいというふうに考えております。
#118
○古寺委員 時間がないので、鹿島の問題はきょうはここでおいておきますけれども、次は青森県と北海道を結ぶ青函トンネルの問題について、鉄道建設公団のほうにお伺いしたいと思います。
 現在、青函トンネルの調査工事をおやりになっているようでございますが、近いうちに本工事が始まる、こういうふうに承っておりますけれども、大体その見通しはいつごろになっているでしょうか。
#119
○篠原参考人 青函トンネルにつきましては、長らく調査をやってまいりました。四十五年度末に百三十七億ぐらいの工費を使いまして調査をいたしたわけでございますが、これは本工事の一部を調査という名目で仕事をしてまいりまして、大体調査も完了いたしましたので、報告書を提出いたしまして、運輸大臣から、四月一日から本工事にするようにということで、しかも、新幹線規格で工事をしろという御命令をいただきましたので、四月一日から調査費を工事費に変えて現在仕事をしております。これはあくまでも本工事の一部でございます。
 いまお尋ねになりました本工事というのは、たぶん本トンネルと申しますか、列車が通る本トンネルの工事にいつ着手するかということだろうと思いますので、それについて申し上げますが、実は本トンネルを掘るにつきましては、本トンネルの先に先進導坑と申しますか、パイロットトンネルを掘っていかなければならないのでありますが、実はパイロットに相当するトンネルといたしまして、北海道側、それから本州側、斜坑、水平坑、補助坑と三つの名前で呼んでおりますが、合わせまして、五月十日現在で六キロ九百メートルばかりの延長をすでに掘っているわけでございます。したがいまして、この本トンネルをやりますには、工事実施計画というのをいまつくりまして、国鉄に協議しまして、その協議が近く済むと思いますので、それを運輸大臣に工事実施計画を申請いたしまして、その認可を待ちましていわゆる本トンネルにかかることになっております。
 そういうことで、まだいつということをはっきり申し上げられませんが、なるべく早く、できたら本年内に本工事に着手したいというふうに考えているわけでございます。
#120
○古寺委員 本トンネルの工事実施計画を国鉄さんと協議をなすっているというお話でございますが、この実施計画の中には、公害の防止計画というものは含まれておりますか。
#121
○篠原参考人 公害の問題につきましては、調査工事でも同じような問題がございまして、実はトンネル・ボーリング・マシンというトンネルを掘さくする大型の機械でございますが、これを北海道側には補助坑に一基と水平坑に一基入れておりますが、これによりまして、粉じんがだいぶ出まして、水がだいぶ濁ってくることになっておりますので、これをどうしても防がなければならぬ、地元にいろいろ御迷惑をかけるといけないということで、現在北海道側には、坑内排水の処理装置というものをつくりまして、それによりまして、中に含まれておりますいろいろな粉じんなどを処理いたしまして、きれいな水にして海へ流すというようなことをいたしております。しかし、本州側につきましては、まだそのトンネル・ボーリング・マシンを入れる段階になっておりませんので、トンネル・ボーリング・マシンを入れる時期までにはこういう装置をつくりまして、海に濁った水を流さないようにしたいということで、準備を進めている次第でございます。
#122
○古寺委員 総裁は竜飛の、現在やっている青森側の現地の排出口をごらんになったことがございますか。
#123
○篠原参考人 現地の排水口を見たことはございます。
#124
○古寺委員 どういうふうにお感じになったでしょうか。
#125
○篠原参考人 排水口のところでは、いまのところまだ排水処理装置ができておりませんので、まだだいぶ濁っております。
#126
○古寺委員 昨日でしたか一昨日でしたか、臼杵のセメント工場の誘致の問題でいろいろ九州で問題がありまして、その反対運動がいま起きているわけですね。ところが、この竜飛の先にいる三厩村の漁民というのは、お上がやることだから何とかしてくれるだろう、こういうように言って、今日まで何にも言わぬできたわけです。しかし、あの竜飛の排出口から流れている水は、牛乳と同じです。その成分はセメントです。あるいは砕石です。海底はもうヘドロと同じ状態になっている。アワビもだめになる。海草もタコもだめになる。しかも、それが下北半島の大間とかあるいは佐井のほうのコンブやいろいろなものにも被害を与えているわけです。北海道のほうは、たまたま吉岡の海岸でアワビが死んだりいろいろな問題があって、こういうような坑内排水処理施設というものをつくりました。ところが、青森のほうは、一分間の排水量が北海道よりも多い。今後いわゆる本トンネル工事が始まった場合には、どれだけ大きい被害がこれから起こるかわからぬというので、沿岸漁民はみな不安を持っているわけです。それに対して公団側としてはどういうような基礎調査をし、どういう公害防止計画を立て、どういうふうにいままでの漁業被害に対する補償を考え、また住民の不安というものを取り除いていくお考えであるか、もう一ぺん御答弁をお願いします。
#127
○篠原参考人 実は工事をいたしますにつきましては、海水にいろいろ悪い影響を与えるんじゃないかということを非常に心配しまして、調査工事の始まった直後、北海道大学の教授にお願いいたしまして、毎年金を相当計上いたしまして、海水の状況を調べてきております。しかし、いま御指摘のように、竜飛のほうでは、まだ排水処理装置ができておりませんので、なるべく早くこれをつくりまして、地元の方に御迷惑のかからぬようにしたいということで、いま計画を立てているわけでございます。
#128
○古寺委員 そこで、水産庁は、この海底トンネル工事に伴って発生している沿岸漁業に対する被害の実態というものを、どういうふうに把握しておりますか。
#129
○藤村政府委員 これも県からの報告をとっているだけでありますが、現在のところ、濁りに含まれております微粒子が海草に付着して、海草の生育を阻害している、それからにおいがつきまして、食品として不適になっているというようなことが発生しておるので、これをなくするようにつとめたいといっておりますが、これの被害額等については、まだ十分に調査が行なわれていないというふうに県から聞いております。
#130
○古寺委員 水産庁もこういうものについてはやはり事前に指導し、調査をすべきであったと思うのです。これから大きな工事が始まりますので、こういう点については十分住民の立場というものを考えてやっていただきたいと思うのです。
 そこで、公団のほうにお願いと、またお尋ねしたいことは、あのいままでの調査線の工事に伴いまして、青森県の上磯地方の道路が非常に交通の混雑を来たしまして、たくさんの交通事故による犠牲者を出しました。今後この工事が進展するに従って、資材の輸送等で相当交通量も激増すると考えられます。そういう道路の問題もございます。また、先ほどから申し上げました漁業被害の問題もございます。
 そこで、いままで起きている漁業の被害について、まずこれを調査して補償をするお考えがあるかどうかということをお尋ねしたいと思います。
#131
○篠原参考人 最初にお話しのありました道路の問題でございますが、工事をやる場合には、非常にトラックその他、道路を使用する度合いがふえてまいりますので、公団ができまして、青函トンネルを始めるようになりましてから、いままでありました狭い曲がりくねった道路を、建設省と相談いたしまして、費用を分担してすぐこれを修理して、いまのような道路に一応したのでございますけれども、本格的な工事が大々的に始まりますと、とてもこれだけでは間に合わない。したがいまして、別に新しく道路をつくりまして、資材輸送もそれを使っていこうということで、計画を進めておりますので、本年度からそういう手当てをすることにしております。
 それから水質が汚濁した場合に、どういうふうに地元に御迷惑をかけるか、その程度を十分今後調査いたしまして、補償その他の問題もあわせまして慎重に処理したいというふうに考えております。
#132
○古寺委員 いま総裁からお話がございました道路につきましては、おそらくこの三厩の増川から現地までの道路のことをお話しになったのだと思います。しかしながら、今後の工事に伴いまして、当然この三厩以南、いわゆる今別あるいは蟹田町、この付近までの道路というものが非常に狭隘でございます。そういう道路につきましても、これはやはり相当に拡幅その他を行ないませんというと、今後の交通量を緩和することはできないし、さらにまた沿岸漁業にいたしましても、三厩だけではなしに、今別あるいは平館等の隣接の町村にも被害が今度及んでくるものと考えられます。そういう点についてはどういうふうに対策をお考えでしょうか。
#133
○杉参考人 ただいま先生のおっしゃいましたように、新しく道路をつくるのは三厩から現地まででございます。それからあと、いろいろあそこに道路がございますけれども、特に一番たいへんなのが砂でございまして、砂を岩木川から持ってこなければいけないということで、この持ってくる道路につきましては、これからこれを拡幅あるいは改良してというようなことを考えております。
 それから、今別の町の中が一番たいへんだという気がいたしますが、これについても十分これから考えたい、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。
#134
○古寺委員 このトンネルは、世紀の大事業でもございますけれども、ひとつこういう公害の問題については、特に地域住民の立場というものも十分にお考えになって、今後はあたたかい配慮をしていただきたいし、また工事に伴う交通その他の問題についても、公団のほうからひとつ積極的に、いまから対策を考えていただきたいと思います。
 それから、次は最後に農薬の問題でございますが、農林省いらっしゃいますか。――農林省にお伺いしますが、先ほどわが党の岡本委員から、いろいろとたばこの農薬による汚染の問題について質疑がございました。
 そこでお尋ねしたいのですが、農林省としては、このたばこの農薬汚染について、どういう対策をお考えになっていらっしゃるか、承りたいと思います。
#135
○福田説明員 農林省といたしましては、たばこに限らずいろいろ農作物、食品その他を汚染する危険のある農薬の規制を行なってきたわけでございますが、今回改正されました農薬取締法の規定に基づきまして、DDTとかBHCなど有機塩素系殺虫剤、これを中心に規制を強めたわけであります。すなわちBHCなどを作物残留性農薬に指定いたしまして、ごく限られた範囲の使用目的以外には使ってはならないというようなことに、今回いたしましたし、DDTはまた全面的に使用を禁止したわけでございます。そういたしまして使用できないような形の農薬のすべての登録を抹消し、その販売を禁止する処置をとっております。したがいまして、今後DDTとかBHCというものがたばこ等に使われることはないわけでございますので、この趣旨の徹底に目下全力をあげているところでございます。
#136
○古寺委員 いままでたばこの作付をいたしておりましたところの畑の土壌汚染ですね、この問題についてはどういう対策をお考えですか。
#137
○福田説明員 今回たばこから検出されておりますのはDDT並びにBHCが検出されておるようでございますが、もともとDDTは土壌にまくという薬でもございませんので、作物のたばこの葉っぱにかけて害虫防除をやっていたものでございますので、直接土壌の害虫を防除するために土壌にまいておりましたアルドリンなどと比べると、土壌を汚染している程度は少ないかと思います。
 従来土壌を主として汚染する農薬としましては、アルドリン等があげられておりますので、そのアルドリン等の汚染の実態についてはかなり調査をやっておりますが、DDTにつきましては、そのアルドリンをやりますときに感じた感じとしましては、汚染はきわめて軽いというふうに見ております。今後アルドリン等による汚染の実態がわかりました圃場につきましては、また作物によりまして、そういうふうに土壌の中にあります農薬を吸い上げる吸い上げ方が非常に違っていることがわかってまいりましたので、適当な作物等の作付指導を進めているところでございます。
#138
○古寺委員 いま、いかにも農林省は土壌汚染の調査を十分おやりになっているようなお話がございましたので、全国のいままでたばこの作付をやった土壌に対する分析の結果、調査の結果を、あとで資料として提出をしていただきたいと思います。委員長によろしくお願い申し上げます。
 そこで、次にお尋ねしたいのは、たばこが外国からわが国に輸入をされております。一年間に二〇%近くも輸入されております。ところが、われわれ東北のほう、青森県なんかへ行きますというと、たばこの作付面積をふやしてもらえぬか、こういう現地の農民の訴えがあるわけなんですが、この点についてはどういうふうになっているのか。これは専売公社のほうですか、あるいは農林省のほうですか、お尋ねしたいと思います。
#139
○稲川説明員 実は私が直接の担当でありませんが、知っている範囲でお答え申し上げます。
 毎年のたばこの作付面積につきましては、前年度に耕作者の代表を加えました審議会でその面積を審議いたしまして決定いたしております。それに従いまして許可を取り扱っているように思います。
#140
○古寺委員 年々わが国の国産のたばこの作付面積というものは、減少してきているわけです。外国から、DDTやBHCで日本のたばこより汚染をされたたばこを、どんどん輸入しているのです。片一方では米の減反、休耕に伴って、何とかたばこの作付をふやしてもらいたいという農民がいるのです。その辺の関係が非常にはっきりしないのですが、なぜ外国から、こういうふうに農薬によって日本のたばこより汚染されたものを、わざわざ輸入をして、そして日本の、作付面積を減らして、一生懸命つくりたいという人につくらせないのか、その辺の事情を説明していただきたいと思います。
#141
○稲川説明員 どうも担当でないのでしっかりした御返事になりませんが、先ほど当委員会でもお話し申し上げましたように、外国の葉たばこが、日本の葉たばこよりも平均的に汚染がひどいというふうには私どもは受け取っておりません。その点が第一点。先ほど申し上げましたように、分析値そのものは差が出ておりますけれども、全体的な有意の差と認めるまでには至っていないと私は思います。
 それから、外国から輸入するか、あるいは日本の葉たばこを使うかという点でございますが、葉たばこは御承知のようにいろいろな種類がございます。産地によってもいろいろ性質が異なっております。そういうことと、それから日本の生産費の問題、それから外国の生産費の問題、そういうこともからんでおります。
 なお、東北地方につきましては、バーレー種というたばこがございますが、この分につきましては、本年度は昨年度よりも作付面積がふえているというふうに私は承知しております。
#142
○古寺委員 先ほどのあなたの御答弁によりますと、東京都の衛研で分析をした結果と、専売公社がおやりになっている結果は、ほとんど同じである、符合しておる、こういうお話がありました。そういう点からいけば、もちろん輸入したたばこにはアメリカとかいろいろ入ってくる国がたくさんございます。それぞれの国によって違うでしょう。しかしながら、一応あの衛研のデータによりますと、日本のたばこよりも外国のたばこのほうが汚染されている、そういうデータが出ているわけです。こういうものはやはりすなおに認めてもらわなければ困ると思います。
 それから有害表示の問題でございますが、専売事業審議会の答申だけに基づいて有害表示をするとかしないとかいう、あるいは成分表示するとかしないとかいう問題をきめるのは、非常に私は根拠が薄弱ではないかと思うのです。というのは、この有害表示をする以上は、やはり厚生省なりそういうところと連携をとりまして、たばこの健康に対する害毒、健康との関係、あるいは環境との関係、そういう関連性のある問題を審議する審議会というものをつくるなり、あるいはそういうような専門家に意見を聞くなりして、やはり表示というものをしていかなければならないのじゃないか、こういうふうに思うわけなんですが、そういう点については専売公社はもう専売事業審議会の答申が絶対のものである、こういうふうにお考えでしょうか。
#143
○稲川説明員 御承知だと思いますが、専売事業審議会と申しますのは大蔵大臣の諮問機関でございます。私どものこの問題に対する考えは、たまたま専売事業審議会の御答申が大蔵大臣に提出されたのが三月でございますし、その後大蔵省からの御指示があるものと思って実は待っておる段階にございますので、大蔵省の御意思が決定するまで、私どもの意見を特にこの席で申し上げるのを差し控えたいと思います。
#144
○古寺委員 それでは与えられた時間が経過いたしましたので、これで終わります。
#145
○小林委員長 速記をやめてください。
  〔速記中止〕
#146
○小林委員長 速記を始めて。島本虎三君。
#147
○島本委員 ただいま古寺委員の質問に対する答弁で、ちょっと解決しておかなければならない重大な問題がございますので、若干時間をかりてその疑念だけは解明しておきたい、こういうように思います。
 まず、新幹線形式で掘った青函トンネルで、排水の処理が青森側と北海道側とそれぞれ異なった方法をとっておる。一体これはどうしたわけなのか。漁業被害に対する考え方はどのような考えだったのか。これに対して水産庁の意見もあわせてお伺いしたいのであります。
 少なくとも青函トンネルは、北海道と本州は青森でありますから、両方とも漁業被害または排水処理あたりに差をつけてはならないはずであります。それが、いまの古寺委員の質問に対するお答えは、何か北海道側のほうは排水処理がわりあいによくいっておるようであるけれども、青森側のほうではむちゃくちゃである、こういうような印象を受けたのであります。これはどういうような方法でこういうことになったのか、これをはっきりさせてもらいたいと思います。
#148
○篠原参考人 先ほど申し上げたつもりだったのですが、御理解いただけなかったように思いますので、もう一ぺん繰り返しますと、北海道側は本州側よりも先に調査工事を始めたのでございますが、トンネル・ボーリング・マシンを補助坑と、それから水平坑と、両方に使っておりまして、機械でこれを掘さくしております関係で、粉じんが非常にたくさん出ます。粉じんの影響が非常に大きいものですから、北海道側に先に坑内排水処理装置をつくったわけでございますが、本州側はまだ機械を入れて掘さくする段階になっておりません。そのうちに機械を使うようになるのでございますので、それまでにはぜひ坑内排水処理装置を本州側にもつくりまして、地元の方々に御迷惑をかけないようにしたいということで準備を進めているわけでございまして、本州側と北海道側と区別したというようなことは全然ございません。仕事の順序でそうなったということを御理解いただきたいと思います。
#149
○島本委員 水産庁、ちょっと待ってください。そうすると、いま古寺委員が質問した、青森側にはこういうような汚水を出したというのはうそだということになりますか。
#150
○篠原参考人 現在出ていることは事実でございますが、それは北海道大学の先生にお願いしまして、水質の状況をいろいろ調査しておりまして、北海道でもそういう段階があったのでございます。しかし、本トンネルにかかる前はもちろん当然でございますが、水平坑であってもボーリング・マシンを入れてやるという段階になるまでには、ぜひこれを完成したいというふうに考えております。
#151
○島本委員 ボーリング・マシンを入れる段階ではよくなる、その前までは何を出してもいいという考え方ですか。
#152
○篠原参考人 これは何を出してもいいなんて当然考えておりません。その被害の状況をわれわれでもしょっちゅう調べておりますけれども、なお今回そういうような御注意もありましたので、さっそく十分調査いたしまして、そういうような処置をすぐとる必要があるならばすぐとるということを考えております。
#153
○島本委員 すぐとる必要があるならばということは、とらないということもあり得るということでそういう答弁をなさるのですか。幾ら国が出資してやったからといって、住民を犠牲にして青函トンネルだけ掘ればいいという考え方は、いまや場に合わないのですよ。その考えは官僚制度をそのまま先行させているような考えで、私は納得できない。なぜ完全にしてやらぬのですか。やれないならしようがない、ちゃんとやればやれるのにやらないで、そういうような排水を、漁業被害を及ぼすほどまでやっておりながら、ボーリング・マシンを正式にやる場合には機械粉じんは出るけれども、ちゃんと完全にやるのだ。じゃこれを出さないようにやったらどうですか。できるじゃありませんか。それとも、被害がないという認定の上に立ってやったのですか。これは水産庁だって知っていなさるはずなんですが、両方被害がないのだ、これでよろしいのだ、これならば納得できるのです。被害があって、それに対する補償さえ訴えられておる。どうもその辺、あいまいじゃありませんか。これはちょっと納得できないのですが……。
#154
○篠原参考人 青函トンネルは世紀の大工事ということで、地元の人の非常な御協力をいただいておりまして、私どもに、そういう被害があるというふうに耳に入ったのは今回が初めてでございまして、私、そういう情報を得るあれが非常にまずかったということはあるかもしれませんが、そういう意味で、被害があるならそういうことをすぐ処置いたすということは、私ども申し上げていいと思います。
#155
○藤村政府委員 私どもといたしましては、県の水産課を通じまして、県の水産課が中に入りまして、地元の組合、すなわち三厩と、竜飛の組合と、公団の三者でもって話し合いを進めているところでございます。
#156
○島本委員 その話し合いを進めさせているところだったら、被害が出ているじゃありませんか。世紀の大工事だからみながまんせいという考えがあるようですが、そういうような考えは困りますよ。トンネル・ボーリング・マシンを使ったならばいいのだ、それを使うまでの間にはもう北海道にもこういうことがあったのだ、北海道は黙っているじゃないか、青森も黙っていなさい、こういう考えのように聞こえたんですが、どうもこういう考えは横柄です。公害にはこういう考えは許されないのだ。前世紀的な考えですよ。これは総裁、だめだ。水産庁もちょっととろいじゃありませんか。こういうような問題に対して、水産庁は、水産資源を守り、漁業者を守る立場でなければならないはずなのに、あなたたちは何かこの辺おかしい。ここだけではない。東京湾あたりでもそうです。清水の日軽金から出ている赤どろ、これも漁業被害があるのかないのか、これはまだはっきりしないまま海洋投棄を行なっている。また、漁民は漁民で立ち上がっている。しかし、これもいまだに結論が出ない。水産庁、一体どうしているのですか。こういうような問題は、漁民のためにもはっきりさせなければならない問題です。いまのトンネル・ボーリング・マシン、これを使ってからの被害云々の問題ではなしに別の観点からも、こういうような被害はあなたのほうで早く解決しなければならないはずです。どうもこの点では水産庁のほうはとろい。
 それからどうも青函トンネル側、事業者のほうでは、これは世紀の大事業だから何でもがまんせい、こういう気持ちでおるようだが、これはまさに間違いであります。こういう気持ちだけはもう払拭して、全部に喜ばれるような工事なんですから、その間少しでもこういうような恨まれるようなことをしてはならない。十分配慮すべきです。これ、ひとつ両方からお答え願いたい。
#157
○篠原参考人 ただいま、世紀の大工事だから地元のものはがまんしろなんて、そういう意味で申し上げたのではなくて、いままでわれわれにそういう声が聞こえてこなかった、それについておわびしているわけなんで、もちろん被害があってはいけないですから、万全の処置をとるつもりでおります。
#158
○藤村政府委員 私どももごく最近この話を聞いた次第でございまして、事前にこれを予測できなかった不明は申しわけないと思っておりますが、この点について、いま現在といたしましては、県が中へ入って三者で話し合うというのが一番いい方法ではないかというふうに考えております。
 それから二番目の御指摘の赤どろでございますけれども、これは清水の日軽金が三宅島の東側のほうに赤どろを捨てているという話は聞いておりますが、これについての漁業被害が起きているという話はまだ聞いておりません。北海道で、十二月か十一月か、去年の暮れから操業を開始して赤どろが出るということでございますので、これについても十分研究をいたしまして、海洋汚染防止法の適用等を検討したいと考えております。
#159
○島本委員 終わります。
     ――――◇―――――
#160
○小林委員長 本日の請願日程の請願全部を議題とし、審査に入ります。
 本日の請願日程に掲載されております請願は、公害防止対策に関する請願、公害対策基本法改正に関する請願、姫路第一機関区のばい煙による公害解消に関する請願、以上三件であります。
 各請願の内容につきましては、請願文書表等によりましてすでに御承知のことと存じますが、さらに先刻の理事会において慎重に御検討いただきましたので、各請願についての紹介議員よりの説明等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○小林委員長 御異議なしと認め、直ちに採決いたします。
 日程第一及び第三の両請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#162
○小林委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#163
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#164
○小林委員長 この際、御報告申し上げます。
 本委員会に参考のため送付されました陳情書は、自然保護基本法の早期制定に関する陳情書外六件でございます。念のため御報告申し上げます。
     ――――◇―――――
#165
○小林委員長 次に、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。
 細谷治嘉君外七名提出の環境保全基本法案、細谷治嘉君外八名提出の公害に係る被害の救済に関する特別措置法案及び公害紛争処理法案並びに産業公害対策に関する件、以上各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#166
○小林委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 次に、委員派遣承認申請の件についておはかりいたします。
 閉会中審査案件が本委員会に付託され、委員派遣の必要が生じました場合には、派遣委員の人数、氏名、派遣地、期間及び承認申請の手続等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#167
○小林委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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