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1970/02/10 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 石炭対策特別委員会 第2号
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1970/02/10 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 石炭対策特別委員会 第2号

#1
第065回国会 石炭対策特別委員会 第2号
昭和四十六年二月十日(水曜日)
    午後零時四十二分開議
 出席委員
   委員長 鬼木 勝利君
   理事 大坪 保雄君 理事 神田  博君
   理事 相沢 武彦君
      鹿野 彦吉君    進藤 一馬君
      菅波  茂君    三池  信君
      山崎平八郎君    川俣健二郎君
      細谷 治嘉君    松本 七郎君
      田畑 金光君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  宮澤 喜一君
        労 働 大 臣 野原 正勝君
 出席政府委員
        通商産業省公害
        保安局長    莊   清君
        通商産業省鉱山
        石炭局長    本田 早苗君
        通商産業省鉱山
        石炭局石炭部長 阿部  茂君
        労働省職業安定
        局失業対策部長 遠藤 政夫君
    ―――――――――――――
一月三十日
 産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出第一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出第一号)
 石炭対策に関する件(石炭対策の基本施策)
     ――――◇―――――
#2
○鬼木委員長 これより会議を開きます。
 この際、委員長より一言御報告を申し上げます。
 現下の石炭鉱業をめぐる諸情勢は、まことにきびしい事態を迎えておりまして、私どもといたしましても黙過できないものがあります。去る三日理事懇談会を開きまして、通商産業省当局から、当面の状況報告を聴取するとともに、かかる事態にあたり、関係当局が十分の措置を行なうよう要請することといたしまして、お手元に配付いたしました意見書を提出することにいたしました。すでに通商産業大臣、労働大臣及び自治大臣並びに関係審議会等に送付いたしております。本日の委員会開会にあたりまして、とりあえず御了承のほどをお願い申し上げ、一言御報告を申し上げる次第でございます。
     ――――◇―――――
#3
○鬼木委員長 石炭対策に関する件について調査を進めます。
 この際、石炭対策の基本施策について、宮澤通商産業大臣及び野原労働大臣から、それぞれ説明を聴取いたします。
 まず宮澤通商産業大臣。
#4
○宮澤国務大臣 石炭対策特別委員会の開会に際しまして、所管大臣として一言ごあいさつ申し上げ、当面の石炭対策に関し所信の一端を申し上げます。
 御高承のとおり、政府におきましては、石炭鉱業の不況に対処して、現在、昭和四十四年度から昭和四十八年度までの五カ年を計画期間とする、いわゆる第四次石炭対策を推進しており、本年度がその第二年度となっております。
 第四次石炭対策は、一方において石炭企業の経営改善のための措置を講じつつ、石炭鉱業の合理化、近代化を促進することによって、石炭鉱業の再建を財政の許す限り援助する措置を講ずるとともに、他方、不況の進行により、やむを得ず発生する閉山について、これが可及的円滑な処理を行ない、その他、鉱害復旧、産炭地域振興、離職者対策等、石炭鉱業の長期不況がもたらす経済的、社会的影響を緩和する措置の充実をはかることを内容として発足したものであります。政府におきましては、これまで、石炭施策の運営において、かかる第四次対策の基本精神にのっとり、対策の趣旨の実現に最大限の努力を払ってまいった次第でございます。合理化面におきましては、機械化が進み、能率の向上が著しい等、対策の効果があがっております。また閉山につきましても、関係制度の運用により、社会的混乱を可及的に回避しつつ、円滑な処理を行ない得たものと考えております。
 しかしながら、このような国の対策の実施と並行して、石炭鉱業をめぐる情勢は、第四次対策発足後も不断に変化を遂げております。特に、一方において、国際的な需給の逼迫状況を背景として、国内原料炭に対する評価が高まり、その供給の確保を必要とする声が強くなった反面、コストの上昇、採炭条件の悪化、労務者確保の困難、公害規制の強化等、石炭鉱業を取り巻く環境は、ここ二年の間にも全般的にきびしさを増しております。
 このため、政府におきましては、昨年四月以降七カ月にわたって、石炭鉱業審議会体制委員会の場で、このような情勢の変化に対応して必要とされる当面緊急の措置について、審議、検討を行ないました。その結果は、同審議会の中間答申として昨年十一月に報告され、同年十二月十六日の本委員会においても、内容を御説明申し上げたところでございます。
 今後の石炭対策の推進につきましては、政府といたしましては、当面、右の審議会答申を基本として、そこに盛られました当面緊急に必要な諸対策について、昭和四十六年度においてその実行につとめたいと考えております。すなわち、四十六年度石炭対策特別会計予算案の作成にあたりましては、生産の合理化、近代化を一そう推進し、あわせて保安の確保をはかる見地から、坑内骨格構造の整備拡充に対する補助金を増額するとともに、坑内骨格構造の整備拡充、近代化機械の貸与、新鉱の開発等に対する無利子融資の財源として、石炭鉱業合理化事業団に対する出資を増額することといたしました。さらに、四十六年度から、右の骨格構造整備拡充等補助金の運用にあたり、わが国生産構造のうちにあって逐年その重要性を高めつつある、海底炭田における炭層探査を促進することによって、炭量の先行把握と新区域への転換を助成したいと考えております。なお、審議会の答申において強調されているとおり、安定的供給源としてのわが国原料炭に対する評価が高まっており、政府といたしましても、右の生産合理化に関する諸制度の運用にあたり、この点を十分考慮してまいりたいと考えております。
 また、保安の確保につきましては、保安の確保が人命の尊重に直接つながることから、石炭鉱業の不況のしわ寄せが、いやしくも保安面に生ずることのないよう、従来に引き続き監督の強化をはかるとともに、必要な予算についても、これを十分に確保することとしております。なお、昨年十二月に、砂川炭鉱におきまして犠牲者十九名の災害事故の発生を見ましたことは、所管大臣としてまことに遺憾に存じております。保安面で今後一そうの努力を払う決意を、ここにあらためて表明する次第でございます。
 次に閉山対策につきましては、特別閉山交付金制度が本年度をもって終了することに伴い、同制度が、一定の要件に該当する閉山について、特に手厚い対策を講ずることとした考え方を、一般閉山交付金制度の適用において、一部取り入れる方向で、事務的検討を行なっております。
 鉱害対策につきましては、通商産業省及び石炭鉱害事業団において、昭和四十二年度から三年間にわたって、全国鉱害量調査を行ないましたが、その結果、昭和四十四年度末現在において、全国の鉱害量は、約一千三百億円にのぼることが判明しております。これが急速かつ計画的復旧のためには、今後、鉱害対策予算の拡充が必要であり、昭和四十六年度予算案におきましても、所要の増額を行なっております。
 最後に、産炭地域振興対策について申し上げます。産炭地域振興対策は、昭和三十六年十一月に産炭地域振興臨時措置法が成立して以来、すでに十年の歴史を持つに至りました。その間政府におきましては、同法を基本として、産炭地域における産業基盤の整備、企業の誘致、地方財政の援助、産炭地域振興事業団事業の実施など、各般にわたる施策を展開しており、炭鉱の閉山がもたらす産炭地域の経済的、社会的疲弊の回復に、成果をあげ得たものと信じております。
 しかしながら、産炭地域は、比較的立地条件に恵まれた一部の地域を除き、全体として見れば、なお著しい疲弊状態から脱却するに至っておりません。このため政府といたしましては、四十六年度において産炭地域振興事業の一そうの拡充をはかるべく、予算案の作成において、対策額の増額を行なうとともに、別途本日より委員会において御審議をいただくとおり、産炭地域振興臨時措置法の期限を、この際十年延長することとして、法案を提出させていただいた次第であります。
 なお、産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法律案には、同法の延長のほか、電力用炭販売株式会社法の廃止期限の延長及び臨時石炭対策本部等の存置期限の延長が含まれておりますが、これらにつきましては、後刻法案の提案理由の御説明において、述べさせていただきます。
 以上、四十六年度の石炭対策の推進について、その基本的考え方を申し述べました。石炭鉱業をめぐる情勢は、最近、大手炭鉱の閉山問題が起きておりますように、今後とも流動的であることが予想され、事態の推移は決して楽観を許さないものがございますが、政府におきましては、情勢の進展に即応して、施策の適時適切な運営に、今後とも努力してまいる所存であります。
 終わりに臨みまして、本委員会が、従来政府の石炭対策の推進に関し、種々御鞭撻、御協力を賜わっておりますことについて、厚く御礼申し上げ、今後とも一そうの御支援をお願いいたしまして、ごあいさつといたしたいと存じます。(拍手)
#5
○鬼木委員長 次に野原労働大臣。
#6
○野原国務大臣 石炭鉱業に関する当面の労働諸問題について一言所信を申し述べ、各位の御理解と御協力を得たいと思います。
 今後の石炭対策のあり方につきましては、昨年十一月の石炭鉱業審議会の中間答申の趣旨に沿って石炭鉱業労働者の労働条件と福祉の向上を促進することによって、労働力の確保とその雇用の安定をはかってまいる所存であります。
 今後も、石炭政策の進行により相当数の離職者の発生が予想されますが、これらの炭鉱離職者の再就職対策につきましては、これら離職者の前職経験を生かして、存続する炭鉱への再就職を促進することとしており、特に、来年度から、炭鉱から炭鉱へ再就職する場合にも雇用奨励金が支給できるよう措置いたしました。また、他産業への再就職を希望する人々に対しましては、従来の経験を十分生かして援護対策を推進し、その再就職に万全を期する所存であります。
 次に、石炭鉱山における労働災害の防止については、労働省としても、労働者保護の見地から重大な関心を寄せ、鉱山保安行政を所掌する通商産業省に対し、必要に応じ勧告を行なってきたところであり、今後も、通商産業省と密接な連携を保ちつつ、石炭鉱山における労働者の安全衛生の確保につとめてまいります。また、石炭災害による一酸化炭素中毒症に関する特別措置法につきましても、今後さらに法施行の遺憾なきを期してまいる所存であります。
 以上、石炭鉱業における当面の労働諸問題について所信の一端を申し上げました。今後とも各位の御意見を十分拝聴して、行政の推進に力を尽くしてまいります。何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#7
○鬼木委員長 去る一月三十日に付託されました内閣提出の産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。宮澤通商産業大臣。
    ―――――――――――――
#8
○宮澤国務大臣 産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 本法律案は三つの部分に分かれており、第一に産炭地域振興臨時措置法の一部改正、第二に電力用炭販売株式会社法の一部改正、第三に通商産業省設置法の一部改正がその内容でございます。いずれも石炭対策を目的とする法律、制度で、その有効期間等の終期が本年中に到来するものにつき、これを所要の期間延長することを内容とするものでございます。
 まず、産炭地域振興臨時措置法の一部改正でありますが、同法は、石炭鉱業の不況の進行がもたらす産炭地域の経済的、社会的疲弊を回復するため、同地域における鉱工業等の急速かつ計画的な発展等をはかることを目的として、昭和三十六年十一月に制定されたものであり、その後昭和四十一年に五年間の期間延長が行なわれ、現在、昭和四十六年十一月十二日をもってその効力を失うこととなっております。産炭地域につきましては、政府及び地方公共団体において、本法を基礎として、産業基盤の整備、企業の誘致、地方財政の援助等、各般にわたる施策を展開しており、同地域の経済的、社会的回復に成果をあげておりますが、石炭鉱業を取り巻く情勢の進展に伴い、産炭地域の疲弊の状態は、一部の地域を除いて、全体としてなお著しいものがあり、本法に基づく産炭地域振興の諸施策については、今後なお相当の間、これを継続することを必要とする状況にござ
 います。
 次に、電力用炭販売株式会社法の一部改正でありますが、同法は、昭和三十八年七月に制定された電力用炭代金精算株式会社法をその前身としており、同法について昭和四十年に改正が行なわれ、今日の形となっているものであります。同法は、電力用炭販売株式会社の業務を通じて、電力用炭の価格の安定、石炭の供給の円滑化及び流通の合理化に重要な役割りを果たしておりますが、同法の成立当時においては、電力用炭の長期引き取り体制の確保について昭和四十五年度を一応の目途としていたことから、同年度末をもって、この廃止期限としております。しかしながら、石炭特に一般炭需要の大宗を占める電力用炭の価格と引き取りの安定をはかる等の必要性は、石炭鉱業の現状にかんがみれば、今後なお継続するものであり、このための法の延長が石炭対策上重要となっております。
 最後に、通商産業省設置法の一部改正でございますが、その内容の一つは、最初に申し上げました産炭地域振興臨時措置法の有効期間の延長に合わせて、産炭地域振興審議会の存置期限の延長を行なうことであり、他の一つは、九州地方の産炭地域において生ずる、石炭問題に関する対策の迅速かつ適確な実施を推進する機関として、通商産業省本省の付属機関として、福岡市に置かれております臨時石炭対策本部について、その存置期限の延長を行なうことであります。臨時石炭対策本部は、昭和三十八年度に設置され、その後昭和四十二年の法改正により、当時行なわれていた、いわゆる第三次石炭対策の目標年度に合わせて、昭和四十五年度までがその存置期限となっておりますが、産炭地域における石炭対策の実施に関し、同木部の果たす役割りが大なることにかんがみ、引き続き同本部の存置期限を延長することがこの際必要であると考えております。
 本法律案は、以上のような考え方に基づき、産炭地域振興臨時措置法の有効期間並びにこれに付随して同法に基づく地方債の利子補給の期間及び産炭地域振興審議会の存置期限を、それぞれ十年延長するとともに、電力用炭販売株式会社法の廃止期限及び臨時石炭対策本部の存置期限を、現在政府が実施しているいわゆる第四次石炭対策の計画期限たる昭和四十八年度末まで延長することを、その内容とするものでございます。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
#9
○鬼木委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。
     ――――◇―――――
#10
○鬼木委員長 次に、昭和四十六年度通商産業省所管の石炭関係予算の概要について、政府から説明を聴取いたします。本田鉱山石炭局長。
#11
○本田政府委員 お手元に差し上げております「昭和四十六年度石炭対策予算案について」によりまして、別表で予定額総表を差し上げておりますが、御説明させていただきます。
 昭和四十六年度石炭対策予算予定額は、特別会計が千六十億七千八百万円で、一般会計が五千五百五十七万二千円となっております。
 石炭対策特別会計は、四十六年度の予定額といたしまして、総額千六十億七千八百万円で、四十五年度予算額に比べて八十九億六千四百万円の増額となっております。
 その内訳は、通商産業省所管分が九百十三億三千九百万円、四十五年度の八百六十五億七千三百万円に対しまして、四十七億六千六百万円の増でございます。労働省所管分が九十五億三千九百万円で、四十五年度の八十五億五千三百万円に対し九億八千六百万円の増となっております。予備費は三十五億円で、四十五年度の十三億円に対し、二十二億円の増と相なっております。
 予算案の作成にあたりましては、昨年の十一月二十日の石炭鉱業審議会の中間答申「石炭鉱業の体制に関する当面の諸対策」の内容を十分尊重し、その趣旨の実現につとめてまいりまして、答申の意図をほぼ盛り込み得たと考えております。
 その主要内容について御説明申し上げますと、歳入では、石炭対策特別会計法附則第七項の規定によりまして、昭和四十四、四十五年の両年度に限り設けられておりました長期借り入れ金制度が、四十六年度からなくなることに伴いまして、歳入財源は原重油関税収入のみとなります。
 長期借り入れ金制度が四十四、四十五の両年度に限って置かれましたのは、現在実施中の、第四次石炭対策の計画期間であります四十四年度から四十八年度までの五カ年間におきまして、当初二年間は、対策に必要な歳入が原重油関税収入のみでは不足であるということにかんがみ、長期借り入れ金をもって不足財源に充てることとされたものでございます。
 借り入れ金の返済は、借り入れを行なったときから三年以内に行なうこととなっておりますが、既借り入れ分については、昭和四十七、四十八の両年度において、その返済を行なう予定でございます。
 なお、原重油関税につきましては、現在、従価一〇%相当、原油の場合キロリットル当たり五百三十円の基本税率に対しまして、一二%相当、原油の場合キロリットル当たり六百四十円の暫定税率が設けられております。
 この暫定税率は、関税暫定措置法の規定上、本年度末をもって期限切れとなることになっておりますが、暫定税率の維持が石炭対策財源の確保のため必要であることにかんがみまして、これを四十八年度末まで延長することにつきまして、他の関税改正とあわせて、今国会に改正法案が提出されております。
 歳出につきまして項目別に御説明申し上げます。
 炭鉱整理促進費補助金、これは四十六年度におきましては百八十億七千四百万円を予定しておりまして、四十六年度の新規閉山規模を三百五十万トンと見込んで算定したものでございます。
 閉山交付金は、現在一般方式と特別方式とがありまして、後者の特別方式と称するもの、石炭鉱山整理促進特別交付金制度は、石炭鉱業合理化臨時措置法第三十五条の六の規定によりまして、四十四、四十五の両年度中に会社の解散を行なった閉山についてのみ適用されることとなっており、四十六年度以降は、一般方式のみが存続することとなっております。
 この本年度予算予定額には、四十五年度以前に行なわれました特別閉山に対する交付金も含まれております。
 なお、特別方式の期限切れに伴いまして、従来特別方式が適用されていたような条件の閉山につきましては、特別方式の考え方を一部取り入れる方向で、一般方式の手直しを行なうことを検討しており、予算案でも、その旨措置済みでございます。
 また、四十六年度中の閉山が右の三百五十万トンの予想を万が一上回って発生した場合は、予備費の使用等により対処することといたしております。
 次に、坑内骨格構造整備拡充等補助金でございますが、本年度までは坑道掘進費等補助金と称されていたものでございます。
 石炭鉱山における坑内骨格構造の整備、機械化の促進は、能率の向上、出炭の安定及び保安の確保の見地から、きわめて重要でありまして、今回の審議会答申でも、特に対策の充実が望まれているところであります。このため、四十六年度予算案では、名称を目的に即応して改めるとともに、対策額を、四十五年度の三十九億三千六百万円に対しまして、五億四百万円増の四十四億四千万円に引き上げることといたしております。
 なお、四十六年度からは、本件補助金の運用において、わが国生産構造において逐年その重要性を高めつつある海底炭田の探査を促進するための補助をも、あわせて行なうことといたしております。
 石炭鉱業合理化事業団出資金でございますが、同事業団が炭鉱に対し行なう設備近代化、新鉱開発等に対する無利子融資及び近代化機械の貸与等の原資に充てるためのものであります。
 四十四、四十五年の両年度における出資は、各百三億六千万円でありましたが、四十六年度においては、炭鉱の近代化を促進し、特に原料炭新鉱の開発のための資金を確保する見地から、本年度に対し、一億四千万円増の百五億円を出資することといたしております。
 石炭鉱業経理改善対策費でございますが、石炭企業の累積債務についてのいわゆる第一次肩がわり、石炭鉱業元利補給金でございますが、総額一千億円、四十六年度予算予定額百五億六千八百万円、及び第二次肩がわり、石炭鉱業再建交付金でございますが、総額八百五十億円、四十六年度予算予定定額六十六億六百万円、並びに石炭企業に対し、生産トン数に応じて一定の単価により交付する石炭鉱業安定補給金、四十六年度予算予定額百四億四千百万円等からなっております。
 四十五年度予算に比べて、元利補給金は五億八千三百万円、再建交付金は四億七千三百万円、安定補給金は十一億九千四百万円の、それぞれ減額となっておりますが、これは、前二者については対象企業の閉山による減少でございます。安定補給金については、生産量の減少によるものでございまして、算定方式、単価は従前どおりでございます。
 石炭増加引取交付金でございますが、四十六年度は電力分二十一億五千五百万円、鉄鋼分二十八億三千五百万円で、合計四十九億九千万円と相なりまして、本年度に比べて九億九千百万円の増額となっております。増額の理由は、四十五年度における電力用炭価格の引き上げに伴う、本件交付金制度の改正によるものであります。
 石炭鉱業保安確保対策費は、その重要性にかんがみまして、四十六年度予算予定額は、合計十九億八千五百万円と、四十五年度に比べて一億五千六百万円の増額となっておりますが、後ほど公害保安局長から御説明申し上げたいと存じます。
 鉱害対策費でございますが、石炭鉱業による鉱害は、昨年九月に通商産業省において取りまとめた全国鉱害量調査の結果、四十四年度末現在で約千三百億円の鉱害が存在するものと見積もられ、これが計画的復旧が重要となっております。
 このため、石炭鉱業事業団が行なう復旧事業に対する補助等からなります鉱害対策費につきましては、四十六年度は、本年度比十六億八千二百万円増の百三十九億九千四百万円を予定しております。
 産炭地域振興対策費は、本対策が産炭地域について産業基盤の整備、企業の誘致、地方財政の援助、産炭地域振興事業団事業の実施等を通じて、石炭鉱業の閉山がもたらす、地域経済の疲弊を可及的に回復することをねらいとして実施されております。四十六年度においては、本件対策の重要性にかんがみ、合計七十九億九千万円、本年度に比べ十五億七百万円増額の予算を予定しております。
 その内訳は、産炭地域振興臨時交付金十四億円、二億円の増、産炭地域振興事業団出資金五十七億六千万円、十二億六千万円増、等であります。
 なお、産炭地域振興事業団の事業に対しては、このほか、財投から四十六年度において八十六億円の融資が予定されております。
 労働省所管予算は、石炭対策特別会計におきまして、炭鉱離職者援護対策費及び産炭地域開発雇用対策費で、四十六年度の予定額は、それぞれ六十億三千三百万円及び三十五億六百万円となっておりますが、後ほど労働省のほうから内容について御説明願うことになっております。
 予備費は、従来四十四、四十五両年度ともおのおの十三億円となっておりますが、四十六年度は、これまでの使用の経験にかんがみまして、二十二億円増の三十五億円といたしております。
 以上、石炭の特別会計でございますが、石炭関係の一般会計予算につきましては、四十六年度におきまして五千五百五十七万二千円でございまして、四十五年度に比べ六百二万一千円の増額となっております。
 そのおもなるものは、一つは海外原料炭開発株式会社に対する補助金でございます。
 海外原料炭開発株式会社は、石炭業界が鉄鋼業界の協力を得て、共同出資によって設立したものでございますが、海外の原料炭資源に関する資料、情報の収集及び基礎的予備調査を行なっております。
 本件補助金は、現在、鉄鋼用原料炭の確保が重要な課題となっていることにかんがみ、昭和四十六年度で千九百七十六万六千円を予定しており、四十五年度に比べまして四百五十八万一千円の増額でございます。
 次に、亜炭鉱業の生産体制改善に必要な経費といたしまして、亜炭鉱業における炭層探査を促進し、合理的な坑道掘進を行ない、生産体制を改善するための費用の一部を補助するものといたしまして、四十六年度予算は前年度と同額の千三百七十九万八千円といたしております。
 最後に、亜炭鉱業整備共済事業補助に必要な経費でございますが、昭和四十五年度から全国亜炭鉱業協会において、亜炭鉱山の閉山の円滑化をはかることを目的として、亜炭鉱業整備共済事業を行なっておりますが、本件補助金は、同事業に要する費用の三分の二を補助するもので、昭和四十六年度の予算予定額は、前年度と同額の千三百三十六万七千円でございます。
 以上が石炭関係の特別会計並びに一般会計の予算案の内容でございます。
#12
○鬼木委員長 引き続き公害保安局関係予算の概要について説明を聴取いたします。荘公害保安局長。
#13
○莊政府委員 昭和四十六年度石炭対策特別会計予算のうちで、保安関係の予算について御説明を申し上げます。
 保安局所管の予算といたしましては、表一ページの下から二行目(6)のところに記載してございますとおり、四十五年度の十八億二千九百万円に対しまして、四十六年度は十九億八千五百万円と一億五千六百万円の増となっております。
 内容といたしましては、第一がぼた山災害防止工事費補助金でございますが、これは鉱業権が消滅した無資力危険ボタ山であって、県が民生安定の立場から危険を防止する工事に対しまして、国が三分の二の補助を行なうもので、四十六年度は二億五百万円と前年度比千六百万円の増になっております。
 その内訳は、ボタ山の数で申し上げますと、継続工事が十、新規工事が三、合計十三。県別には、佐賀県が七、うち新規が一でございます。長崎が二で、全部新規でございます。それから福岡県が四で、これは全部継続となっております。以上合計で十三ボタ山となっておるわけでございます。
 次いで、二ページの最上段にございますが、鉱山保安確保事業費補助金でございます。これは炭鉱の保安の確保をはかるため、保安専用機器の導入、ガス抜き工事、密閉工事及び充てん工事の工事費に対しまして、その三分の二を炭鉱へ補助しようとするものでありまして、四十六年度は保安専用機器に新たに集中監視装置を取り上げ、この分が一億一千四百万円増のほか、他の工事は四十五年度と大差ございませんで、全体としては四十五年度の十五億五千万円に対しまして四十六年度は十六億八千百万円と、一億三千百万円の増になっております。
 集中監視装置につきましては、四十六年度から三カ年計画をもちまして、危険度の高い炭鉱より順次導入せしめる予定にいたしております。
 その他の項目は、四十五年度の九千万円に対して四十六年度は九千九百万円、九百万円の増となっております。内訳は、主要内容の項に記載してあるとおりでございます。
 まず鉱山保安技術調査委託費でございます。これは災害及び鉱害の予知、予防対策を確立するために必要な課題につきまして、現場適応試験を石炭技術研究所に委託するものでございまして、四十六年度は、ガス突出対策及び鉱害の社会問題化に対処するための坑廃水の処理対策について、二千四百万円で調査を委託する予定でございます。
 次に炭鉱保安専用機器開発費補助金でございますが、これは保安専用機器開発のため、石炭技術研究所及び弱小メーカーが行なう開発に対しまして、二分の一の補助を行なうものでありまして、四十六年度は一千七百万円をもってさく溝機等四機種の開発を予定いたしております。
 鉱山保安センター事業費補助金でございますが、四十五年度までは、鉱業労働災害防止協会に所属する鉱山保安センターが実施する救護隊訓練に対しまして、定額の補助を行なっておりましたが、四十六年度は、このほか新技術教育にも助成して、保安教育を一そう充実することとし、四千九百万円の定額補助を行なう計画にいたしております。
 以上のほか、放置された坑口に人が墜落する事故を未然に防止するために、県が実施する坑口閉塞工事に対しまして三分の二の補助を行なうことといたしております。
 二ページの4の事務処理費でございますが、このうち保安関係は八千六百万円でございまして、炭鉱の減少に伴い、監督検査費は減額となっておりますが、鉱害関係の検査費等の増額によりまして、全体としては前年度より若干の減少にとどまっております。
 以上、公害保安局所管の予算について御説明申し上げましたが、鉱山石炭局所管の予算のうち、保安に関係するものといたしましては、1の2の坑内骨格構造整備拡充等補助金と、その下にございます一の(3)の石炭鉱業合理化事業団出資金とがございます。この補助金は、先ほど鉱山石炭局長から説明がございましたとおり、坑道掘進を促進して、保安確保の基本的要件である坑内骨格構造を整備拡充し、災害防止をはかろうとするものでありまして、四十六年度は四十四億円と前年より五億円増となっておりますが、炭鉱の減少を考慮いたしますと、実質的には約八億円程度の増と考えられる次第でございます。坑道掘進に対しましては、当補助金のほか、石炭鉱業合理化事業団からの無利子の近代化資金が融資されておりますので、四十六年度から三カ年計画で骨格構造を整備し、保安に万全を期そうとする目的をほぼ達成できるのではないかと考えておる次第でございます。また近代化資金の融資制度は、坑道掘進のほか、坑道の仕繰り拡大と保安機器の整備拡充をその対象といたしております。
 以上によりまして、四十六年度におきましては予算のより効率的な使用をはかるとともに、監督の強化と相まちまして、保安の確保のために万全の努力をいたしていく所存でございます。
#14
○鬼木委員長 次に、昭和四十六年度労働省所管の石炭関係予算の概要について説明を聴取いたします。遠藤失業対策部長。
#15
○遠藤政府委員 昭和四十六年度石炭対策特別会計予算案のうち、労働省所管分について御説明申し上げます。
 労働省分は、お手元の資料の5と6のほうでございまして、5の炭鉱離職者援護対策費が六十億三千三百万円、6の産炭地域開発雇用対策費が三十五億六百万円、合計九十五億三千九百万円に相なっております。本年度に対しまして九億八千六百万円の増でございます。5の炭鉱離職者援護対策費のおもなものは、まず第一に、炭鉱離職者緊急就労対策事業費の補助金でございます。これが三十一億四千百万円で、本年度に対しまして千三百万円の増。その内訳は、吸収人員が本年度より四百人減の三千九百人、事業費単価が一人当たり一〇・七%増の三千百円でございます。
 第二は、炭鉱離者援護事業費の補助金でございますが、その内容は、炭鉱離職者の移住資金、雇用奨励金、住宅確保奨励金等に必要な経費で、雇用促進事業団に対する補助金でございます。この中には、炭鉱離職者が他の炭鉱へ就職いたします際に、従来適用されておりませんでした雇用奨励金を支給するという制度を新しく追加いたしまして、その費用がこの中に含まれております。
 それから第三は、炭鉱離職者の就職促進手当の経費でございます。これが十億三百万円でございます。本年度に対しまして三億四百万円の増でございます。これは失業保険金等の増額に伴いまして単価が一四・六%増の一日当たり九百四十円に相なっております。
 それから6のほうの産炭地域開発雇用対策費でございますが、これは来年度三十五億六百万円、本年度に対しまして三億五千百万円の増になっております。これは、吸収人員は本年度と同様三千二百人、事業費の単価は一二%増の五千円に相なっております。
 以上、労働省所管分についての御説明を申し上げました。
 以上でございます。
#16
○鬼木委員長 本日はこの程度といたしまして、これにて散会いたします。
    午後一時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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