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1970/03/04 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 石炭対策特別委員会 第5号
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1970/03/04 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 石炭対策特別委員会 第5号

#1
第065回国会 石炭対策特別委員会 第5号
昭和四十六年三月四日(木曜日)
    午前十一時三十六分開議
 出席委員
   委員長 鬼木 勝利君
   理事 大坪 保雄君 理事 神田  博君
   理事 田中 六助君 理事 岡田 利春君
   理事 相沢 武彦君 理事 池田 禎治君
      有馬 元治君    山崎平八郎君
      川俣健二郎君    細谷 治嘉君
      田畑 金光君    田代 文久君
 出席政府委員
        北海道開発庁総
        務監理官    新保 實生君
        北海道開発庁主
        幹       村山  進君
        厚生省環境衛生
        局長      浦田 純一君
        通商産業省公害
        保安局長    莊   清君
        通商産業省鉱山
        石炭局長    本田 早苗君
        通商産業省鉱山
        石炭局石炭部長 阿部  茂君
        労働省職業安定
        局失業対策部長 遠藤 政夫君
        自治大臣官房長 岸   昌君
 委員外の出席者
        大蔵省主税局税
        制第一課長   山内  宏君
        文部省初等中等
        教育局審議官  井内慶次郎君
        通商産業省鉱山
        石炭局石炭部炭
        政課長     左近友三郎君
        通商産業省鉱山
        石炭局石炭部計
        画課長     斎藤 光雄君
        通商産業省鉱山
        石炭局石炭部産
        炭地域振興課長 中井 富男君
        建設省道路局次
        長       吉田 泰夫君
        自治省財政局財
        政課長     森岡  敞君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出第一号)
     ――――◇―――――
#2
○鬼木委員長 これより会議を開きます。
 産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。田中六助君。
#3
○田中(六)委員 産炭地振興ということは非常に重大なことで、しかしこれは大幅な仕事でございますし、今回も約十年の延長ということですが、なかなか労多くして実りが少なく、産炭地関係に非常に迷惑もかけ、政府並びに所属する地方自治団体も、それぞれ負担金などもあってたいへんでございますけれども、この法案が十年延びるということにつきましては、私ども全面的に賛成でございます。
 ただ、まずお聞きしたいのは、非常に気になることでございますが、石炭対策、つまり石炭特別会計そのものが石炭プロパーにだけ関係があるんだという考え方をしている人が、少なくとも炭鉱関係、特に経営者には多い。たとえば安定補給金とか坑道掘進費、その他そういう関係にこの特別会計の資金を集中すべきだという考え方が現実にあるわけですが、四十六年度も御承知のように千六十億という特別会計のトータルが計上されておるわけでございます。この特別会計法の一条を見ますと、「石炭鉱業の現状及びその動向がもたらす国民経済的影響にかんがみ、石炭鉱業の合理化及び安定、これに関連する雇用の安定、産炭地域の振興並びに石炭鉱害の復旧のためにとられる総合的な施策に関する財政上の措置」というふうにいっているわけでして、前半では確かに石炭プロパーでございますが、後半に明らかにこの特別会計の目的を、鉱害とか産炭地域の振興あるいはこれに関する総合的な施策に関する財政上の措置というふうにうたっているわけで、一部の石炭プロパー、石炭を掘る関連のものだという考え方に対する是正をしておかなければ、将来の石炭対策というものが、非常に片ちんばになっていくおそれがありますので、そういう観点につきまして、政府の事務当局はどういうふうにお考えかお聞きしたいと思います。
#4
○本田政府委員 お答えいたします。
 御指摘のように、特別会計法の一条でも、産炭地域の振興というものが特別会計の目的の一つの柱であるというふうに明記されておりますが、われわれといたしましても、現在の四次策の基本的な考え方としましては、石炭鉱業の経営の安定化と並行いたしまして、終閉山が生じた際に、これを円滑に行なうという考え方をとっておるわけでございます。しかも石炭鉱業におきましては、資源産業という特殊性から、地域社会ときわめて密接な結びつきを持っておるわけでございまして、したがいまして、もし閉山が起こりますと、炭鉱の離職者問題あるいは住宅問題あるいは水道問題等、その地域社会に対してきわめて広範、深刻な影響を及ぼす、こういうことに相なるわけでございます。したがいまして、一面石炭対策としまして、石炭鉱業の安定のために、できる限りの助成策を講ずると同時に、閉山が生じました際には、産炭地域の疲弊を早急に回復いたしまして、経済的、社会的水準を旧に復して、新しい地域社会としての条件を具備するようにすべきだというふうに考える意味におきまして、石炭対策の重要な一環として、産炭地域振興を考えるべきだというふうに考えておる次第でございます。
#5
○田中(六)委員 そういう基本方針は、これはあくまで守らなければなりませんし、そういう方針で貫いてほしいと思います。
 そういう観点からしますと、この振興対策の中にいろいろございまして、ボタ山の処理事業、こういうものにつきましても、現地のボタ山は非常に危険なところも多いし、はたしてこれに使われている予算がどれだけかということは、私が聞かなくても皆さん十分御承知でしょうが……。それから鉱害の復旧の状態、閉山水道の進め方、またこういうものに関連しまして失対事業、そういうものの継続及び促進、研修とか、そういうような問題が非常に多くて、産炭地に大きな問題を提起しているわけでございまして、これらのどの一つをとってみても、それぞれの地方には大きな問題でございます。したがって、いま私が述べましたような点につきましても、十分の配慮をしてもらいたいのです。
 これは通産省になるのか自治省のほうになるのか、あるいは労働省のほうになるのかちょっとわかりませんが、どなたでもいいのですが、私の選挙区のことを申し上げて恐縮でございますが、これは一つの例でございますので、お聞き願いたいのです。
 炭鉱が閉山になりまして、いま私どもの地方で非常に問題になっておるのは、炭住の問題があるのです。この炭住対策がとられていないために、スラム化しておりまして、これも恥ずかしい話ですけれども、私の選挙区の中に、スリの部落があるとか、あるいは少なくとも二・八軒に一軒は生活保護の家があるとかいう町が幾つもあるわけです。それで、福岡県の炭住の戸数を見ますと、概算でございますが、四万三千五百戸あるのです。この中で、田川市、田川郡を含めまして六千五百七十七戸ある。そうすると、国の補助金が御承知のように三分の二で、市の負担分が、田川市が三分の一ですが、この計算でいきますと、田川市の炭住改良では少なくとも七十億要るのです。そうすると七十億のうち田川市の負担分が二十三億円です。この二十三億円というのは、口では簡単でございますが、いまの市の財政事情からいうと非常に大きな負担でございます。産炭地振興とからんで、そういうところに一つのしわ寄せがきておるというのは、これは田川市だけではなくて、産炭地関係の市町村の財政には、大なり小なりこれと同じような問題があると思いますが、こういうことにつきまして政府はどういうふうにお考えですか。
#6
○中井説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のように、炭鉱が閉山いたしましたあとの地域につきましては、いろいろと生活環境その他改善しなければいけない点があるわけでございまして、そういう点につきまして、市町村の負担をできるだけ軽減いたしますように、現在建設省等におきまして、たとえば先ほど御質問のございました住宅の問題につきましては、住宅地区改良法等によりまして、いろいろな手段が講ぜられているわけでございますが、それに重ねまして、通産省におきましても産炭地域振興臨時交付金によりまして、そのうちの加算額制度でございますが、炭住改良に要します市町村の超過負担分、一戸当たり十万円近くを補助いたしておるわけでございます。
 そういうことで、これからもなお閉山地域におきます生活環境の整備は、ますます重要な問題と心得ておりますので、今後とも市町村財政援助につきまして、総合的に考えながら援助をいたしてまいりたい、かように考えております。
#7
○田中(六)委員 いま課長が言ったように、住宅地区改良法とかその他市町村単位当たりの交付金とかいろいろあって、多少の潤いはできておるのですが、根本的な財政負担というものにかなり響いておりますので、今後の対策を十分――しかもこれは具体化しなければ何にもならぬので、具体化ということは金とつながらなければいかぬ、つまり財政資金とつながらなければいかぬことでございますので、十分の配慮を願いたいと思います。
 それから、電力用炭販売株式会社法もこれは延期になるわけですが、これに関連して二、三質問を私の時間の許されている限りしたいと思います。
 原料炭、原料炭といわれますが、原料炭という定義を大体どこに置いているのですか。一般炭と原料炭を分けて、そう仕分けがはっきりできるわけではないが、原料炭というのはどういうふうにお考えか、政府当局の考えをお聞きしたいと思います。
#8
○斎藤説明員 お答え申し上げます。
 私の承知する限りでは、世界各国で若干ずつの定義の差があろうかと思います。
 わが国の場合、特に大きな指標となるものについては、第一は粘結度でございます。具体的にはコークスにしました場合の壊裂強度を測定いたします。第二は揮発分でございます。揮発分があまり高いものになりますと壊裂強度は低くなります。したがいまして大体二、三〇%の揮発分。最後が灰分でございます。数%でございます。
 以上でございます。
#9
○田中(六)委員 現在の時点でけっこうなんですが、日本で産出できる原料炭というのは、大体どの程度ありますか。あなたがいま定義づけた原料炭の三つの要素を備えたものですね。
#10
○斎藤説明員 現在時点で千三百万トン弱でございます。
#11
○田中(六)委員 そうすると、鉄鋼、銑鉄、コークスその他数業種、あるいはこまかく分ければ数十業種あるのでしょうが、そういうところに、日本の原料炭の必要量のどの程度のパーセントがあるか。
#12
○斎藤説明員 日本の現在の内外炭の配合比は大体四対一でございます。日本の――製鉄所によって若干ずつ相違がございますが、二〇%前後と御理解いただいてよろしいかと思います。
 なお、ちなみに日本の原料炭は、正確に申しますと、ほとんどすべてがいわゆる弱粘結炭でございます。先ほど御説明申しました中で、揮発分が高い特性がございまして、大体三〇%前後でございます。これに対して、世界的に最も有名なアメリカのたとえばイットマンとかキーストンというような代表的な銘柄で申し上げますと、揮発分が数%でございます。これを強粘結炭といっておりますが、正確に申し上げますと、日本の四対一という一の部分については弱粘結炭でございます。
#13
○田中(六)委員 昭和五十年度になると、少なくとも原料炭は一千万トン、鉄鉱石その他いろいろの観点から、幾らいま鉄鋼関係が不況で、生産の操短をやっておるといわれても、そういう程度要るというふうに計算されておるわけですが、これを輸入する、あるいはわれわれ国会で決議しましたように、原料炭の産出については、これから配慮していかなければいけないのですが、OPHCの今度の値上げなどもあったのですけれども、そういうことがからんでも、多少近視眼的に見れば波はありましても、長期ビジョンからすると、この原料炭の確保ということは、あくまで政策的に、政策エネルギーとして確立していかなければいかぬという見解を私は持っておるわけでございます。この原料炭問題とからんで、電力用炭販売株式会社ということとも関連するわけですが、電力用炭販売株式会社法の第一条は、要するに「電力用炭の価格の安定に資するためその購入及び販売に関する事業を行ない、あわせて石炭の供給の円滑化及び流通の合理化に資する事業」なんですが、原料炭をどうしても日本は必要なんだという見解をとるならば、しかも、長期のビジョンから見ても、まだまだ要るというようなことを考えますときに、やはり何か原料炭に関する電力用炭販売株式会社みたいな一つのシステムといいますか、そういう組織があったほうが都合がいいじゃないかというような気もするわけですが、こういうことに対する考えが何かあるのか。あるいはそういうことはどういうふうに考えるのかというようなことにつきまして、もしも御見解がありましたならば、どうぞ答えてもらいたいと思います。
#14
○阿部政府委員 お答え申し上げます。
 電力用炭販売株式会社は、ただいま先生が御指摘のとおり、電力用炭のみを目下扱っておるわけでございますが、しからば、原料炭は、これをかような会社が取り扱うというようなことはまず考えられないか、こういう問題が一つあろうかと思いますけれども、原料炭というものは、かなり需要の実態が電力用炭とは違っておるのが現状でございまして、一応いまの電力用炭販売株式会社法では、原料炭は対象としていない、こういうわけでございます。
 その事情は、電力用炭は需要者、電力会社九社、それは八電力と電発でございますが、これらが石炭を販売する販売業者、現在約二百三十社に及ぶのでございますが、原料炭の場合は、需要家であります鉄鋼、ガス、コークスの業者、企業。石炭供給の側は大手、御存じのとおり三井以下七社程度でございまして、きわめて数が限られ下おります。したがいまして、需要者と供給者との間には非常に密接な結びつきがございまして、流通のルート等も一従来から特別の密接な関係のもとに、言うなればすっきりした状態になっております。したがいまして、中間機関を設けて、あえて流通の合理化をはかるというような必要がいままでなかった、こういうのが現在の実態でございます。
 また、価格面、炭価の面から申しますと、電力用炭はおおむねカロリーに比例して価格がきまるのが原則でございます。したがいまして、炭価をある程度統一的にきめることが可能でございますけれども、原料炭は用途、品質に対します需要家側の評価がきわめてまちまちでございまして、統一炭価の設定が技術的に困難というような状態でございます。したがいまして、現在の時点から申しますと、いま田中先生が御指摘のように、何か電力用炭販売株式会社を通すなり、あるいはそれと想を同じくするような制度を、原料炭についてもとれないかという御意見につきましては、現在はまだ事務当局としてはさような検討を行なっていない、こういう実情でございます。
#15
○田中(六)委員 最近は未来学がはやっておりますし、未来を先取りするというようなことになりますといろいろ問題もありますが、原料炭が非常に問題になっておるさなかでございますので、そういう流通面からあるいはそういう機構面から、何か考えがあったら十分考えてほしいということをつけ加えまして、私の質問を終わりたいと思います。
#16
○鬼木委員長 川俣健二郎君。
#17
○川俣委員 石炭対策特別委員二十五名おられるようですが、ほかの委員の方々は石炭そのものに長年経験、貢献されてきた方々でございまして、私はこのとおり一年生でございまして、これから与えられた三十分の質問に対してお答えいただく前に、まずあらかじめお答えいただく人方に、私の頭の中の感じをちょっと申し上げておきますと、石炭というと古い老いぼれた、そうして疲れてしまった、こういうような感じを抱く人方が多い、そういう中で、政界では若い、いわゆる若年の私たちの感じでは、一体そうだろうか、石炭の時代はもう終わっただろうかという感じがします。しかしながら、たとえばきょうのような雰囲気の場合でも、これは通例かもしれませんが、通産大臣はこういう重大な時期に見えない。政務次官も見えない。二十五人中十人足らずの委員がぼつぼつ並んでいる。むしろ傍聴者のほうが真剣に数多く聞いておる、こういう感じがしたわけでございます。
 そこで、もうエネルギーの価値は石炭にはないだろうかということから、一体いまの日本の国家予算というのが、一トン当たり、そして炭鉱に働く従業員の一人頭に何ぼずつ使われておるだろうか、こういうようなことも考えました。また、先輩各位がいままで石炭政策に努力してきた結果、ついには野たれ死にをする運命にあるものだろうかというようにも感じました。私は、そうではないと思う。なぜかというと、私も石炭ではないのですが、メタルのほうに従事して二十年、まあ炭が枯渇してしまったというのならまだ話がわかる。そうではない。小規模で小資本で無資力だということであればいたし方ないが、そうでもない。むしろ大企業がどんどんやめようじゃないかという考えなんだ。あるいはまた、人手がどうしても集まらないから、もう炭の世の中は終わったかということなのか、そうでもなさそうなのだ。石炭というのはメタル同様、明治以後財閥の中心になり、財閥とともに生きてきた。一体財閥というのは、この石炭に対してどう考えておるだろうかということまで感じました。非常に財閥内で、コンツェルンの中で、石炭そのものに対してうんと冷たいのか、ずるいのか、ははあ、これは閉山すると国家予算という救済策をもらえるから、そういう方便をとるのかというようにも感じました。日炭高松がやめて、常磐に続いて今度はもしも、これは考えられないことですが、住友でも閉山なんというのろしをあげたのでは、あげるようなことはないと思いますけれども、もしそういうような気配でもあったとすれば、これは世に石炭というのは、私が冒頭言ったように、古い、疲れた、老いぼれた、もういよいよ終わりだ。自分たちはけっこう力もあるし、エネルギーはまだ価値があるんだけれども、世の中の人方は石炭というものはだめなんだということを、これは真相じゃなくて、単なるPRが逆にされておるような感じがしております。
 そこで、いままで関係各位がせっかく努力されてきたものを、私ももう少しがんばってみようじゃないかと思いまして、せっかく今回提案された、臨時措置法の一部改正といいましても問題は延長でございましょうから、これは何ら異議の差しはさむところじゃないでしょうけれども、一応私なりに質問してみたいと思います。
 そこで、時間が制約されておりますから、質問をたたんで具体的に申し上げますと、この法律案は、これからどんどん離職者が出るから、その離職者対策の法律なんだというのにウエートを置いたのか。それとも、二つ目は、倒れていくであろう企業というものの救済策にウエートを置いて考えられたのか。それから三つ目は、炭住のみでなくて、石炭町なんというのは、鉱山などと同じように、企業とともに繁栄するわけですから、あるいは衰微するわけですから、そういう地域住民を守るための保護政策としてこの法律というのはできたものなのか。その歴史的な背景というものを、この初めての委員に対して御説明願いたいと思います。
 もちろん、三者が一体の法律だよ、こういうお答えになるかもしれませんが、それにしてもやはり何らかのきっかけというか、ウエートというものがあるかと思いまして、あえてお伺いしたいと思います。
#18
○本田政府委員 お答えいたします。
 御承知のように、今回の法案は、内容としましては二つの法律の期限の延長でございます。
 一つは、産炭地域の振興の臨時措置法の延長でございますが、この産炭地域の振興の趣旨と申しますのは、ただいま御指摘のありましたように、石炭産業は資源産業でございまして、地域ときわめて密接な関係のもとに経営がされておるという産業でございます。これが閉山という事態におちいるということが起こってまいっておりまして、そのために、その当該地域が経済的、社会的に急激に疲弊するという事態に相なっておりますので、この不況に基づいて疲弊した産炭地域に、鉱工業等を急速かつ計画的に発展をはかりまして、当該地域の再生、発展をはかろう、こういうことを意図するものでございます。
 それからもう一つの、電力用炭販売株式会社法の延長の問題でございますが、これは、一般炭の中で主力を占めます電力用炭につきまして、需要の確保と価格の安定とをはかろうという目的のめにつくられておるものでございます。
#19
○川俣委員 それでは、これは具体的に伺う時間がありませんから、局長の抽象的な感想でけっこうですが、この法律ができたあと、局長が考えておられるような実が実っただろうか。ということは、局長が言わんとすることは、資源産業であるだけに、地域の衰微、発展とともにということからすると、企業誘致ということもかなり考えられて具体策を考えてきたと思います。その企業誘致一つ取り上げた場合に、思いどおりに実ってきただろうか。それともなかなかいかぬものだというような感じを持っておるのかどうか。これは数字も要りませんし、具体的な例も要りませんから、感じだけでけっこうでございます。
#20
○本田政府委員 産炭地域振興につきましては、この臨時措置法ができて約十年になるわけでございます。この間に約八百企業の進出がございまして、その出荷額も一おおむね目標に達して、八割程度の実績を四十三年において達成いたしておりまして、目標が四十七年度でございますので、それはそれなりに一応の効果をあげてまいっておるしいうふうに存じますけれども、御高承のとおりの石炭鉱業の閉山状況からまいりますと、閉山の累積がやはり進んでおることのために、こうした施策の効果が必ずしも、まだ十分あらわれない。むしろ疲弊の度が深まったという地域もある、こういう状況でございますので、さらに十年延長して、その成果のあがるようにいたしたい、こういう状況に相なっておると存じます。
#21
○川俣委員 それでは、二つ目の質問のセクションに入りますが、一体この石炭というのは、総合エネルギー的に考えた場合に、私が感じたように――私が感じたというよりも、世にいわれるように、石炭から石油、そしてやがて原子力というように、もう時代の趨勢ということのあきらめてわれわれは考えていいものなのか。
 もう一つは、特にこのごろ石油資源の危機、資源戦争というまでにいわれてくるようになりました。日本の場合は、まあ局長のほうでしょうが、第二日竜といって四十億、五十億というものをかけて、日本海で海底油田までやる。民間では島根沖でオテコというものも同じようにこれからやろうとする。そういう場合に、もう一度石炭というのをエネルギーとして見直してみる必要があるのじゃないかというような感じがします。それに対して局長はどのようにお考えか。
 それから石炭といいましても、一般炭と原料炭というのは、一般人はなかなかわからないわけでしょうが、原料炭というのは、昨年ですか、審議会の中間答申にもあるように、「最近における内外原料炭需給の逼迫を背景としてわが国の原料炭に対する評価が高まっているということである。」云々、「わが国の原料炭の流動性特質に対する評価とあいまって、安定供給源としての国内原料炭に対する期待は今日強まっている。」こうなっております。
 それから、それにちなんで昨年あたりから、空前の鉄鋼ブームということから、製鉄にはなくてはならないコークス、これはほとんどアメリカにのみ求めようとする姿勢があるので、われわれとして見れば、これはほかにもあるのじゃないだろうかというような感じがする。そうすると、一方民間の大きな製鉄会社でも叫んでおるように、もう少し運賃の安い、たとえば例のオーストラリアのようなところから安くて豊富な――運賃も比較的安く、アメリカ側がハドルでこっちは四ドルから五ドルくらいの運賃でまかなえるではないか、むしろそういったものをもう少し考えるべきではないか、特にこういうような資源なんというのは、一カ所に集中的に考えるよりも、資源戦争といわれる世の中であるだけに、供給源というものをもっと範囲を広げて考えておったほうがいいのではないか、そういうこともいわれております。そういうものに対して、どのようにお考えか、一応お伺いしたいと思います。
#22
○本田政府委員 お答えいたします。
 最初に、エネルギー資源としての石炭の評価でございますが、御指摘のように、鉄鋼生産の伸びということとも関連いたしまして、原料炭需要は相当なテンポで伸びるというふうに考えられております。昭和四十二年に考えました際の石炭に対する需要の見込みは、最近におきましては変更いたしまして、石炭に対する需要は当時よりもさらに大きく見込まざるを得ない、こういう状況に相なっております。したがいまして、やはり一次エネルギーとしての原料炭の評価というものは、従来に増して高まっておるというふうに考えられる次第でございます。その際、輸入炭の比率というものがおいおい上がってまいりますが、輸入の安定確保ということのためにも、国内原料炭の生産を一定水準確保することが、きわめて適切であるということと相まち、また先ほど御指摘の流動性の問題ともからみまして、国内原料炭の評価は、従来に増して上がってまいっておる、こういうふうに考える次第でございます。
 さらに御指摘の、原料炭につきまして、米国依存の体制では不適当ではないかという点でございますが、その点確かに不適当であるということで、最近におきましては、豪州、カナダ等の原料炭開発を進めておるわけでございます。ことに、米国に特に依存する強粘結炭につきましても、豪州からの供給を期待しよう、こういう体制をおいおい進めておる状況でございます。
#23
○川俣委員 次に労働省に伺いたいと思いますが、かつて最高に、それ掘れ石炭というように、世をあげての石炭増産政策のころは、二十数万人を数えたことだと思います。その当時の平均年齢はどのくらいだっただろうか。現在五万人になってしまった。平均四十歳何ぼ、こういうことになった。それから次は、大体でけっこうですから、もしあれでしたらあとで資料でもけっこうですが、二十数万人が五万人になった、いままで年間に何人くらい離職したのか。その場合に、やめた人の頭数一人に対して、国家予算はどのくらい使われてきたのか。
 それから、私はいま社会労働委員でございますけれども、いまの世の中は仕事をさがし求めておるのだろうか、人をさがし求めておるのだろうか、就職難だろうか求人難だろうかという質問に対して、通産大臣、労働大臣、建設大臣、だれしもずばり何とも言えない、こういうお答えでした。そこで炭鉱離職者は、いま世に人手不足だといわれるものに対して、対応しておると考えていいだろうか。それから次は、再就職をだいぶ当局がお世話していただいて、炭労と話し合いながらやっておられると思いますが、これが業種別というか地域別――たとえば私は秋田ですが、秋田なんというものは石炭はありませんから、一体九州からどちらのほうに、こういうような方向でもけっこうですから……。
 それから、少しさっきの話に戻りますけれども、石炭斜陽化だとかいうものを、国家予算を獲得するためにあまりにも喧伝され過ぎて、世に逆にPRされてしまったではないか。したがって、この答申案というか、当局の分析にも書いてあるのだが、やはり人手不足というか、新しい生きのいいのが炭鉱山に来なくなった。これは少し、石炭はだめになるという、私から言わせると言い過ぎの宣伝にひっかかっていると思います。最後の質問は、これは数字じゃないので、感想でけっこうですから、こういったところを労働省にお伺いしたいと思います。
#24
○遠藤政府委員 お答え申し上げます。
 炭鉱最盛期の炭鉱労働者の平均年齢がどのくらいだったかという御質問でございますが、いつの時点でこれをとらえてお答え申し上げればよろしいのか、ちょっと私もお答えに困りますが、現在の平均年齢は、大体四十一歳くらいだと思っておりますが、三十七、八年ごろの石炭合理化政策が進められた当時から見ますと、かなり平均年齢は高くなっておるのではないか、こういうふうに考えております。
 それから、いままでの炭鉱閉山に伴います離職者の総数は、三十四年から昨年の十二月末までの、新規に離職した人たちの総数が十七万八千でございます。そのうち再就職いたしましたものが、十七万二千、九六%でございます。少し中身を申し上げますと、そのうちで安定所の紹介によりまして就職いたしましたものが、十一万四千と・いうような状況になっておりまして、その産業別の内訳を申し上げますと、そのほとんど大部分が第二次産業でございまして、製造業が七三%、建設業が八%それから三次産業が一六%、一次産業、農林水産業に就職した者はきわめて少数でございまして〇・二%、こういう状況になっております。
 それから、それを地域別に見ますると、先般の当委員会でも御指摘ございましたが、過去におきましては、たとえば北九州・筑豊炭田地帯のように、大量の離職者が出ました場合には、こういった人たちの再就職をできるだけ促進するというような観点から流動化を促進する。他の地域へ移転就職を主眼といたしまして、就職あっせんをいたした時代もございましたが、全体的に考えてみますと、県内地元と、県外他地域への再就職の状況はおおむね半々でございます。県内就職が四七%、県外に就職しました者が五三%、こういうことになっておりまして、安定所紹介者の中で、先ほど申し上げました約十一万の中で、県外に就職いたしました者のうち、おもな地域は東京、神奈川、関東地区、それから静岡、愛知地区、大阪、こういったところがやはりその大部分を占めております。
 それから、こういった離職者対策について、一人当たりどれくらいの経費になっているかということでございますが、これは私ただいま数字を手元に持っておりませんので、お答え申し上げかねますが、必ずしも、先生御指摘のように、就職難ということを声を大にすることによって、予算を獲得しようというようなことを考えておるわけでもありませんし、労働省のこの離職者対策の実績をごらんいただきますとおわかりいただけると思いますが、たとえば離職者の援護対策費にいたしましても、雇用促進事業団で主としてこの事業をやっておりますが、一番多いときは、三十八、九年当時、年間三十億くらい離職者対策援護費を計上いたしておりましたが、現在は十億そこそこでございます。そのときそのときの離職者の状況に応じて、必要にして十分な経費を計上するという考え方でございまして、必ずしも御指摘のようなことは私ども全く考えておりません。数字につきまして御入用でございますれば、いずれ後刻調製いたしまして、差し上げたいと思っております。
 以上でございます。
#25
○川俣委員 関連質問があるようでございますから、私の時間内におやりになっていただきますが、法案の内容で二点くらい伺います。
 一つは、昭和三十五年ごろには五千五百万トン、現在は第四次計画で三千九百万トンですか、そこで今後は、四十八年ごろからは三千六百万トンでいこうという見通しを立てておられる、一体だいじょうぶだろうか、これが一つ。三千六百万トンだいじょうぶかというのは、出炭できるかという意味じゃなくて、三千六百万トンの需要があると見ていいのかどうかです。
 それからいまの第四次計画の中で、この法律というのは昭和三十六年にでき上がって五年で四十一年、四十一年を自動的に延ばして四十六年、この三月三十一日だ、これじゃいかぬからもう少し延ばそうという提案が今度は十年だ。五年、五年でやってきたところが今度十年だといわれる、こういうところをもう少しお聞かせ願いたいと思います。小刻みじゃだめだといっても五年ごとでやってきた。ところが、石炭はこれから下り坂だと世に宣明しながら、それでもここで十年に一ぺんに延ばそうというのか。五年ごとでもいいじゃないかという感じがするだけにお伺いするわけです。それだけです。
#26
○阿部政府委員 お答えいたします。
 御質問は二点ございましたが、第一点のほうは、一応第四次計画では四十八年度の生産の見通しというものを三千六百万トンとしておるが、これに対する需要というものはあるかどうかという御質問だったと思いますが、現在の時点で考えますと、一般炭と原料炭に分けて考えてみる必要があろうかと思うのでございますが、原料炭のほうは、先ほど来御質疑にも出ておりましたように、現在おおむね千三百万トン弱という数字で、若干の動きはございますが、この数年ずっと安定的に生産が行なわれ、かつ、需要も鉄鋼を主体といたしまして、ガス、コークスの三業種に比較的安定的に需要されておるというのが実態でございます。ところが、一般炭のほうは、主体は圧倒的に電力用炭でございますが、これが御存じのように、昨今公害規制の問題が強くなりまして、特にサルファの含有量が問題になってまいりました。したがいまして、最近の日本炭礦あるいは常磐炭礦の例が最も適切に示しておりますように、生産の面から申しますと、まだまだ炭量もございますし、掘って掘れない状況ではないわけでございますが、何ぶんにも、火力発電でこれをたきます場合の公害という問題が、かなりの程度に予想されまして、やむを得ず需要が極度に落ちてまいった、かような状況でございます。そのほか、たとえば一般炭のそれに次ぐ需要といたしましては、北海道を中心とする暖房炭でございますとか、その他一般工業に従来とも若干使われておった、工業用の一般炭もあるわけでございますが、いずれも石油にだんだんとその需要の場を奪われてまいっているような現状でございまして、原料炭と違ってだんだんと市場が狭まってまいっているというのが実情でございます。ただ一般炭の中でも、特に北海道方面にございますサルファの低い炭につきましては、いまなお電力用炭を中心として、京浜地区におきましても一需要は非常に旺盛でございます。
 大体さようなのが需要の内容でございまして、したがって、これをトータルとして考えます場合には、目標といたしております数字より若干下回ってまいるんではないか、かように見通しておる次第でございます。
 次に、第二の御質問でございますが、いままで産炭地域振興法は、五年、五年と二度にわたって延長してまいったが、今回に限って十年延長するというのはどういう理由であるか、こういう御質問かと思うのでございますが、大体産炭地域の振興の問題は、閉山と関連して出てくるわけでございまして、時間的には閉山が終わったところから産炭地域振興問題がスタートする、こういう仕組みになっておるわけでございます。しかも、閉山の実態は、特に昭和四十四年度で当初三百九十万トン程度と想定したものが、八百五十万トンをこすというような、きわめて大規模な閉山に相なっているわけでございまして、四十五年度におきましても、なおかつ、当初の予想を上回る閉山規模が進んでおる、かようなことを考えますときに、今後この産炭地域振興の問題は、従前にも増して大きな重要性を持ってまいる、かように考えております。したがいまして、民心の安定の問題が第一にございますし、さらに第二といたしましても、産炭地振興のいろいろな計画を立てます場合に、なるべく長期的視野に立って、長期的、計画的な振興計画をつくって、これを確実に実施してまいるというのがやはり理想でございまして、さような観点から、産炭地振興審議会の委員会におかれましても、現地調査を九州、北海道にまで行なわれた結果、現地の実態及び民心等も十分勘案されて、十年延長が最も妥当である、かような答申をいただいたわけでございまして、政府側におきましても全く同感でございまして、今回法案を十年延長ということにさせていただいた次第でございます。
#27
○川俣委員 どうもありがとうございました。
#28
○鬼木委員長 細谷治嘉君。
#29
○細谷委員 関連で一、二お尋ねしたいと思うのですけれども、この審議会の答申で十年延長をしろ、そのためにはこれこれこういうことをしなさい、こういう点で六点ばかりあげております。
 そこで、いろいろと詳しくお尋ねしたいのでありますけれども、まず最初にお尋ねしたいことは、いまも質問がありましたし、先ほど田中委員からも質問があったのでありますけれども、今度大幅に十年延長するわけでありますから、過去につくられました産炭地域振興のための基本計画なり、実施計画は、つくり直すおつもりかどうかこれをお尋ねします。
#30
○本田政府委員 お答えいたします。
 今回、この法案が御審議を得て成立いたしました場合には、基本計画、実施計画はつくり直すことにいたしたいと考えております。
#31
○細谷委員 その基本計画、実施計画をつくり直すのは、たとえば今年度一ぱいにつくり上げる、こういうことですか。
#32
○中井説明員 お答え申し上げます。
 基本計画と実施計画につきましては、四月以降の時点におきまして、できるだけ早い機会に産炭地域振興審議会にはかりまして、現在いろいろと市町村の実態等を調査をしておるわけでございますが、そういった調査等をもとにいたしまして策定する予定でございます。今年じゅうくらいには新しい基本計画、実施計画をつくりたいと思っております。
#33
○細谷委員 今度大幅に、前例がない十年間の延長というからには、私は、もうこの法律案を審議する段階で、基本計画の骨組みなりあるいは実施計画なりというのは、過去十年間の経験があるわけでありますから、当然この特別委員会に出してしかるべきではないか、こういうふうに思うのであります。端的に申し上げますと、ただ簡単に、十年間延長しろというから延長したにすぎない、まあこういうふうに言っても差しつかえないのではないか、こう思います。そこで、その点はまことに残念でありますが、できるだけ早く基本計画、ともかく実施計画、過去の経験があるわけでありますから、それを生かして、そして従来の欠陥を克服して、真に法律の目的が達成できるようにしていただかなければならぬ、こう私は思うので、一日も早い計画の作成を要望しておきたいと思う。
 それに関連して、この計画をつくる場合に、従来も批判がありましたけれども、この産炭地の振興も同様でありますが、基本計画、実施計画を通じて、北海道でも九州でもみな同じような型の、いまはやりの開発計画的なものになっているわけですね。結核の産炭地なんでありますから、それをどう健康体に戻すかというのが産炭地の特徴でありまして、これからひとつ地域開発をやろう、発展させていこうという、前向きの問題じゃないのでありますから、画一的な計画はおつくりになっても意味がない、こう思いますから、ひとつ実情に合った計画を作成していただきたいということを特に要望しておきたいと思います。
 そこで、後ほどまた機会を見て、この1から6まで、いわゆる十年間延長するための前提的な条件というのが、審議会で答申の中に織り込まれておるわけでありますが、時間がありませんから後ほどまた詳しく質問することにして、一点だけ質問しておきたい。
 この三番目の「地方財政援助の強化」というのがございます。これによりますと、「産炭地域振興臨時交付金のより一層の活用を図るとともに、」、まあことしは十四億ですか、十億から始まって十二億、十四億と、二割程度の伸びを示してきた。これを活用することは当然でありますけれども、「地方財政援助措置の改善充実その他産炭地域地方公共団体に対する財源措置の強化についての配慮が望まれる。」こう言っておるわけですね。これは十一月十八日に答申されたわけでありますから、予算の中で、一つの例でありますが、3の問題が具現化しておらなければならぬと思うのでありますけれども、具現化しているのかどうか、しているとすれば、どこが具現化したのか、これを御説明いただきたいと思います。
#34
○中井説明員 地方財政対策につきましては、それまでも産炭地域振興施策の一環といたしまして、特別交付税での配慮、これは自治省にお願いいたしております。それから、産炭地域道県に対します地方債の利子補給、これは石炭対策特別会計で行なっております。それから市町村に対する補助率の引き上げ、これにつきましても産炭法の十一条で行なっております。さらには先ほど御指摘のございました産炭地域振興臨時措置法あるいは法六条によりますところの、進出企業に対する固定資産税、不動産取得税等の減免補てん、こういったいろいろな措置がございます。産炭地振興は、御承知のとおり、各省にまたがる非常に範囲の広い仕事でございまして、必ずしも石特会計だけでまかなわれておるわけではございませんで、たとえば特別交付税等の配慮につきまして、現在自治省のほうでいろいろ市町村配分を御検討中でございまして、そういった関係につきまして、御配慮をお願いしているわけでございます。なお、道県の起債等につきましても、昨年度より増額をいたしております。それから補助率の引き上げにつきましては、これはいろいろと議論があったわけでございますが、過去におきまして、産炭地域臨時交付金の活用でもって、ある程度閉山後の緊急対策をやろうではないかというようなことになっておりまして、なお、今後とも補助率の引き上げにつきまして、さらに一そうの検討を加えたいと思っておりますが、総合的に財政援助対策として、審議会等にはかりながら検討してまいりたいと思っております。
#35
○細谷委員 いまお話を聞きますと、五年前に言ったこととちっとも変わってないのですよ。こんな態度で十年間延長しても、ただ結核患者を寝かしておくようなものじゃないですか。これから十年やるには、ふんどしを締め直してやらなければならぬわけですよ。あなたがいまおっしゃった、交付税は自治省におまかせします、振興法の六条指定地域、この間の参考人も一、六条地域ということについてはたいへん深刻だと言っておりましたでしょう。ですから、この後にも六条地域に傾斜的にやるんだ、そう言っているかと思うと、広域行政の推進が大切だ、いささか矛盾しているんですよ。これは、やはり広域的なマスタープランでやらなければならぬと私も思いますけれども、何も進んでおらぬじゃないですか。ふんどしを締め直しておらぬですよ。そして、これから十年やるといったって、これはばからしい話ですよ。いまこの法律が、振興法における六条地域等について、その後法律が修正されまして、十条、十一条の規定、事業に対して県が地方債を起こした場合の利子補給、それからこの十一条のかさ上げ方式、変な数式を使ってやる。これは開発区域の方式を、そのままこの病気である産炭地域に適用したところにそもそもの誤りがある。でありますから、その後にできる法律、たとえば昨年の国会でできました過疎地域対策緊急措置法を見てごらんなさい、ちゃんと補助率がぴしゃっといっている。そして過疎地域に対するものについては、交付税で五七%元利を補給しよう、今度はそれを七〇にしようというんです。その次には八〇にしようというんですよ、低開発地域と同じように。そういう過疎の立法もできているんですよ。最近は、公害地に対して近く自治省から出るものでも、きわめて不十分でありますけれども、それでも補助金を三分の一、四分の一のものは二分の一にしよう、三分の二にすべきものは三分の二にしよう、こういう形で補助率の引き上げをやっているわけですよ。いまの振興法の十一条なんて補助率の引き上げじゃないんですよ。事業をやれば、上積みの部分についてこの補助のかさ上げをやろうというのでありますから、補助率の引き上げじゃないんですよ。そんな法律を、病人である産炭地に適用しようなんていったら、六条に傾斜しようがないですよ。六条は事業をやれないのですから、からだが財政的に健康じゃありませんから、そういう法律の体系をそのまま守りながら、これから十年間やろうなんていうことじゃだめです。実施計画はなくとも基本はこうなんだ、ですから、過疎立法もなされた、公害対策の立法もなされた、こういう段階で、産炭地をこれから十年やるにはふんどしを締め直してやる。そのふんどしを締め直す具体的なものは、たとえば地方財政強化に対してはこうなんだ、こういうものを示していただかなければ、ただ単に慰めに十年間寝ておれ、こんなようなことでは意味がない。しかも、今日関税問題について、これを石炭会計に入れること自体については、公害問題等いろいろ問題が起きているでしょう。そういう段階で、簡単にそのまま寝かしておこうなんということではいかぬのであって、やるからにはやるだけの体制というものをつくって、ほんとうに実効が上がるように、産炭地の民心が安定するように、産炭地の市町村が、新しい産業へと取り組む具体的な基盤ができるようなことにしなければならぬと私は思うのです。時間がありませんからこれだけ言います。そして、どういう基本的な考えか明らかにしていただかぬと、私は十年延長することについても賛成できぬ、こう思う。
#36
○阿部政府委員 お答えいたします。
 ただいま細谷先生から、産炭地域に対する地方財政の援助の面が一向に進展していないじゃないか、こういう御指摘をいただいたのでございますが、まことに遺憾でございますが、方式等の強化については、現在御指摘のとおりでございます。実は、昨年十一月の審議会の御答申をいただいた以後、事務当局としては鋭意、さような御指摘の諸点につきまして、実現方について種々努力をしてまいったのでございますが、今回の法案提出の時期までに間に合わなかったという実情でございます。
 ただ、この産炭地関係の予算というものをごらんいただきます場合には、飛躍的にと申しては少し言い過ぎかと思いますが、毎年増強に増強を重ねてまいっておりまして、特にさような御指摘のような弱い面もございましたので、昭和四十四」年度から産炭地域臨時交付金制度というものを、財政当局との間に折衝の結果、新しく設けていただいたようなわけでございまして、これも逐年増額を重ねてまいってきておりまして、御指摘のような点の、いうならばつなぎというような役目を、この臨時交付金が目下果たしつつあるような現状でございます。したがいまして、御指摘の点につきましては、この法案を御審議いただきますと同時に、引き続き事務当局もこの問題について鋭意取り組んでまいりたいと思います。
#37
○細谷委員 もう終わりますが、ひとつ資料を出していただきたい。
 交付金について、この制度が始まって以来の交付の方式、具体的に各市町村単位で交付がどういう形で行なわれたか、その詳細な資料をひとついただきたい。
 それから、十条の措置、十一条の措置、これが制度が行なわれて今日まで、どういう形で十条は利子補給されていったのか、十一条はどういう形で補助率のかさ上げが行なわれてきたのか、その金額、これもひとつ自治体ごとに明らかにする資料を提出していただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。
#38
○鬼木委員長 この際、一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時四十八分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時開議
#39
○鬼木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続けます。相沢武彦君。
#40
○相沢委員 私は、まず最初に、電力用炭販売株式会社法の一部改正のほうから御質問をしていきたいと思います。
 昭和三十八年に電力用炭代金精算株式会社法として公布され、また四十年には、これが現在の電力用炭販売株式会社法に改正されてきたわけでありますが、この法律ができた当時、また改正された四十年の時点と今日では、石炭をめぐる情勢というものはさらに激しく変動しておりますし、当時とは比較のしようがないほど条件が違う、こう思うわけであります。
 そこで、今回この法律を三年間延長するということで出されているわけでありますが、単に法律の延長だけをすればよいというお考えではないと思いますが、この改正にあたって、基本的に、当局としてはどのようなお考えでこれを提出されているのか。
#41
○阿部政府委員 お答え申し上げます。
 電力用炭販売株式会社の一番主要な使命は、一般炭のうちでその大宗を占めます、電力用炭の需給関係を円滑にすると同時に、非常に弱い地位に置かれがちな一般炭の立場を、これによって価格面からささえていくというような使命、その需給上の面と、価格上の面の二つが主要な使命ではないかと思うのでございます。そのほかにも、石炭の実際上の流通輸送面の合理化等をはかることも、あわせこの会社の使命になっておるわけでございます。
 前回この法律が改正延長になった当時におきましては、一応四十五年度一ぱいをもって、おおむねその目標を達するのではないか、かように想定されていたわけでございますが、先生も御存じのように、その後の石炭情勢、特に一般炭の情勢は、きわめて苦しい状況にますますなってまいっております。したがいまして、第四次政策の一応の当面の目標時点と申しますのは、御存じのように昭和四十八年度末ということになっておりますので、この際、石炭の中でも最も苦しい一般炭、しかもその大宗をなす電力用炭のそういった需給、価格等の面を通じて、さらにこの会社を少なくとも今後三年間は存続させておく必要がある、かように考えまして、昨年、御存じの石炭鉱業審議会の体制部会におかれましても、その点について中間答申の中で、さらに三年間は存続する必要がある、こういうことを御指摘になっているわけでございまして、政府側もその御答申を尊重して、そのような法律の延長を考えた次第でございます。
#42
○相沢委員 いま石炭部長がおっしゃったように、この法律が、電力用炭の炭価の安定、または購入及び販売に関する円滑な事業の運営、また石炭の供給の円滑化並びに流通の合理化に対しまして、大きな役割りを果たしてきたということは私も認めます。
 今回のこの法律改正にあたりまして、疑問点の一つなんですが、それは、十七条に「通商産業大臣は、災害の発生等により特定の地域において電力用炭の供給が著しく不足した場合その他電力用炭の供給が円滑を欠いていると認められる場合には、会社に対し、その供給の円滑化を図るため必要な措置を講ずるよう指示するものとする。」ここに、会社に対して需給調整の指示権発動ができる旨が規定されておるわけであります。電炭社が供給すべき電力用炭の供給ができない石炭事情のときは、この規定が生かされると思いますが、現在は、需要はあっても供給すべき電力用炭がだんだん減少している。四十四年度も、北海道電力を除いて、ほぼ各電力会社へ納入未達が生じているということが、この事業概要にも出ておるわけでありますが、そうしますと、この法の第十七条の規定に対する四十年当時と現時点の法的解釈というものは、合わなくなっていると思うのですが、その点はどのようにお考えですか。
#43
○阿部政府委員 お答え申し上げます。
 相沢先生の御指摘の、電力用炭販売株式会社法第十七条に規定されております、非常災害の場合の、通産大臣の電力用炭の供給の円滑化のための指示権の問題でございますが、第十七条の規定は、元来の趣旨は、電力用炭の供給が非常災害等によりまして、地域的に著しく不足を来たした場合などのことを想定をしているのでございまして、会社は、できる限りの努力をして石炭の販売業者、いわゆるディーラー等から電力用炭の購入を行ない、電気事業者の必要とする石炭の供給を確保すべきでございますが、同社の購入販売の権能も、法律十四条に規定しておりますように、実際的には石炭販売業者と電気事業者との間の取引商談を受けて、これを代行するというようなのがおおむねの実態になっておりまして、ただいまのような、第十七条の趣旨は、非常災害の場合をのみ想定しておりますので、いま御指摘の、確かに四、五年前と最近の、特に一般炭の供給の面で、閉山等が相次いで、その力が非常に減少してまいっているということは事実でございます。さればというて、この十七条の災害時における指示権を発動するというようなことは、この法律の意図した趣旨が少し違うのではないか、かように考えておる次第でございます。
#44
○相沢委員 電力用の一般炭が閉山に伴ってだんだん減少している。また高サルファの炭は、公害等の問題で引き取らなくなるということで、国内でもって電力用一般炭の供給ということはだんだんむずかしくなってきている。そうした場合に、国内において電力用炭の供給量確保ができないときには、今後海外から多少輸入してでも、需給のバランスをはかるという、積極的な経営責任を電炭社に負わせるというような、法的解釈の条項が今後必要ではないか。その点についてはどう考えますか。
#45
○阿部政府委員 お答えいたします。
 この法律は、元来、国内炭の需給の安定を念頭に置いてつくられたものでございます。したがいまして、いわゆる国内炭の供給力が非常に少なくなってきました場合に、緊急輸入という意味で外国炭を輸入すべきではないか、こういう御指摘、御質問かと思うのでございますが、直接に当会社が輸入をするということは、先ほど申しましたいわゆる国内炭の需給安定が趣旨であります当会社の性格からいって、いささか問題があるのではなかろうか、かように考えるわけでございますが、先生の御質問の趣旨を念頭に置いてあえて考えますと、たとえば、どうしても外国から一般炭等の緊急輸入をする必要があるというような場合に、いわゆる石炭の販売業者をして輸入等を行なわせまして、その上で電炭公社がこれを買って、いろいろ国内需給上の役に立つというようなことは、今後検討の余地があるかもしれない、かように考えております。しかし、この点は、いままでにもあまり想定しなかった問題でございますし、相当慎重にいろいろな場合を想定して検討する必要があろうかと思います。
#46
○相沢委員 これまでは想定しなくてもやってこれたわけでありますが、現在の事情を考えますと、やはりどうしても直面してくる問題じゃないかと考えますので、事務当局において、いろいろな場合を想定して、準備を進められるべきではないかと思いますので申し上げました。
 それから、電炭社の経営態度または意欲という点でお尋ねをしたいのですが、一応この電力用炭販売株式会社法にのっとってできた会社でありますから、株式会社の形態をとっているわけでありまして、やはり株式会社の形態をとる以上は、利潤を多少なりともあげて、そして適正な運営がなされていくようでなければならぬと思うわけであります。一部に、電炭社のこれまでの事業内容というものは、単なるペーパーワークといいますか、ペーパー操作だけの仕事で利潤を得ている安易な形態だ。そういう点で、何というか、外から見ていて非常に歯がゆいというか、もう少し需要を拡大して、さらに効率のあがる経営をしていくべきではないかという声もあるのですが、その点についてはどのようにお考えですか。
#47
○阿部政府委員 お答えいたします。
 電力用炭販売株式会社は確かに株式会社でございますから、株式会社としての利益もあげていくというのは一つの考え方かもしれませんが、この会社が特殊法人という性格を持って、先ほど申し上げたような使命を持っているという点からいたしますと、利潤をあげるということは、いわゆる普通の営利会社とは違いまして第一義の目的ではないと思うのでございます。ところが、御存じのとおり、この会社は発足以来、四十三年度以後の石炭の取り扱い数量を見ますと、たとえば四十三年度は二千三百万トン、四十四年度は二千万トン、それから四十五年度は千七百万トン弱になる見込みでございまして、かように取り扱い数量がだんだんと減るような状態でございまして、片方で専用船を運航しておりますので、この手数料等含めて、遺憾ながら、四十三年度においてなおかつ六百万円強、それから四十四年度で三千万円強、四十五年度で見込みとして二千万円強の赤字が出るかと思っておるのでございますが、それらが、営業外の収入を含めて、おおむね損益はゼロというようなかっこうになろうかと思うのでございます。
 したがいまして、こういった今後の取り扱い数量の漸減に対する対処の方法といたしましては、当然のことながら、経費の節減をはかるように要請されるわけでございまして、特に最近のその数量の実情に合わせまして、人員の合理化、削減、機構の簡素化等を、今後の課題として検討してまいる必要があろうかと思っておる次第でございます。
 なお、御指摘の、会社の営業活動の熱心さとか、士気の高揚の問題等につきましては、私どもも監督官庁の立場にありますので、重々配慮して、能率の落ちることのないようにしてまいりたいと思う次第でございます。
#48
○相沢委員 いま、昭和四十三年以降の取引トン数、あるいは営業利益金などの推移をお述べになったわけでありますが、明らかになりましたように、年々減少傾向を示しているわけですね。結局、この電炭社の業務縮小といいますか、ジリ貧状態というか、非常に経営等むずかしくなると思うわけですけれども、政府としてこの法律を通して延長する以上、この電力用炭販売株式会社の活用方法を、さらに積極的に考えていかなければならぬのじゃないかと思います。特に、四十九年以降については本格答申も出ておりませんし、一体石炭産業はどうなるのかという長期の見通しは、全く立っていないわけでございまして、先ほども田中委員から質問があったわけですけれども、この法律のたてまえからは、原料炭は扱い品目のほかに置かれておるわけでございますけれども、将来、この電炭社が、原料炭の取り扱いについても、購入、販売の事業をすることを明示しておく必要があるのじゃないか。いまの時点ではいろいろ問題があるかと思いますけれども、やはり今後鉄鋼業界の原料炭の需要等、また世界的な石炭の逼迫、またいろいろな点から考えまして、新しい会社を興すことも考えられるでしょうけれども、この電炭社に、そういった業務をさせる余地を残しておく、つくっておくということも必要ではないかと思いますが、もう一回、その点御答弁願います。
#49
○阿部政府委員 お答えいたします。
 午前中の御審議におきましても、田中委員から同様の御質問を賜わったのでございますが、その際御答弁申し上げましたように、原料炭は一般炭と違いまして、需給の結びつきの態様、及び価格の形成のされ方等におきまして、非常に個別性が強うございます。したがいまして、これを非常に個別性のない、大量取引ということで、ほとんど差異のない、電力用炭と同様な見地でこれを処理するということには、いろいろ支障があろうかと思うのでございます。特に原料炭につきましては、先刻来お話に出ておりますように、国内の原料炭の評価というものはかなり安定しておるわけでございまして、かつ、ユーザーであられる鉄鋼業、ガス事業、コークス業等と、大手の七社の原料炭石炭会社との間には、長い間のそれぞれの結びつきというものが現実にあるわけでございまして、それらの、長年にわたる実際の商業上の取引というものを尊重していくほうがむしろいいんではないか、かように考えておる次第でございます。
#50
○相沢委員 話が前へ戻るようなんですが、電炭社の経営意欲、態度という点に関連して、もう一回お尋ねしますけれども、電炭社の資本金は資料にありますように、政府出資が一億五千万、石炭業界から二億五千万出ているわけで、資金的には石炭業界に大きく負うてできてきた特殊法人だ。こうしたところから電炭社が自主性といいますか、こういう苦境の中にありながら、もう少し事業拡大、あるいはこういう面でこういうような働きもしたいという計画を考え、行動しようとする場合、どうしてもやはり石炭業界の了承というか承諾というか、そういうものがなければ、思い切って踏み切れないということもありましょうし、また、今後のあり方として、どうしても石炭業界の顔色を伺いながらでなければ何事もできないというようなことで、現在以上に効率をあげることができないようならば、かえって合理化事業団に吸収したほうがいいんではないかというような声もあるのですが、その点についての政府の見解、また今後電力用炭販売株式会社に対して、さらに効率をあげていく方法というか、それに対する指導をどういうふうにお考えになっているのか、その点を承りたいと思う。
#51
○阿部政府委員 お答えいたします。
 電力用炭販売株式会社を石炭鉱業合理化事業団と一体化してはどうだろうか、こういう御意見かと存じますが、電力用炭販売株式会社は、先ほど来申しましたような特異な業務を持ってやってまいっておるところでございまして、特に石炭の購入、販売ということを主軸としておりますし、かつ、石炭の現物の輸送その他流通の合理化、こういうような、いうなれば石炭鉱業の営業活動にかなり密着した仕事をしておるわけでございます、片や石炭鉱業合理化事業団というものは、特に当面の第一の仕事は、閉山事務を円滑に政府の政策に沿って処理していく、こういうことが第一点でございます。かつ、ビルド炭鉱等には近代化資金等の金融、こういうようなことでございまして、やはり両者の間には、仕事の性格の相違がはっきり出ておるわけでございます。したがいまして、この際、単に機構の簡素化という見地だけでこの両者を一体化するということには、なお現時点ではいろいろ問題が多かろうと思いますので、私どもといたしましては、当面は従前のとおりの機構で、かつそれぞれの機構がその法律で与えられた目的、使命を十分達成するように今後ともみずから努力してまいる、監督官庁としてもこれを十分行政指導してまいる、かような姿勢でまいりたいと思っております。
#52
○相沢委員 私は、電力用炭販売株式会社が、かえって合理化事業団と一緒になったほうがいいという意見のほうを強く持っているものではなくて、現在以上にさらに効率のあがる、そういう事業形態にしていくべきではないかという意見を申し上げたわけであります。
 電炭社の業務は、以前は需要確保のほうが表向きの最大の仕事になっていたと思うのでありますが、これからは、やはり供給確保のほうが主体にならなければならない時期にきていると思うのです。これはいまお話ししたとおりであります。
 そこで、従来の銘柄販売を続けていくということは、やはり業務上非常な支障を伴うというか、困難さが伴うのではないかと思いますので、やはり銘柄販売を規格販売に変えていくことが現実的なやり方ではないか、こう思うわけです。施行規則の第十一条に、法第十四条の通産省令で定める取引条件が一から五まで書かれておりますが、この銘柄を規格にするということに省令で変えていく、そういうお考えはないか。
#53
○左近説明員 お答え申し上げます。
 ただいまの御質問は、施行規則の第十一条の銘柄というものを、規格というふうに改めてはどうかというお話であるというように思いますが、この点につきましては、従来の石炭の取引が銘柄を中心にやっておりまして、しかしまた、その銘柄が多種類ございますので、従来取引上も、これを合理化するというふうなこともいわれておりまして、その意味において、実は電炭会社法の七条の二号にも、「銘柄の整理」というふうなことが電炭会社の業務にもなっておるわけでございます。そういうことでございますので、これをもう少しすっきりする、規格本位にするという御提案、まことにごもっともだと思いますが、やはり従来の商慣習その他もございますので、われわれのほうも今後十分検討してまいりたいと思います。一挙にそこまでというのは、やはりいまは時期尚早ではないかというふうに考えておりますが、いまの御意見は、十分参考にさせていただきまして、検討いたしたいと思います。
#54
○相沢委員 やはり原則に即したやり方をしなければいけないと思いますので、段階的でもけっこうですから一規格販売に変わっていくように指導を強化していただきたいと思うわけです。
 それから、今回、日炭若松鉱業所あるいは常磐炭砿の閉山に伴いまして、特に予想以上に一般炭の需給のバランスというものがくずれているわけでありますが、電力会社の中でも、特に西日本関係の電力会社は、全面的に電力用炭は逼迫していくと思うわけであります。
 そこでお尋ねしたいのですが、高サルファの一般炭は、いま電力用不適性炭としてきらわれており、引き取りがないということですが、その電力用不適性炭の利用方法というものは、いま当局としてはお考えになっておりましょうか。あるとすれば、どういう種類に使われるか、またどれくらいの需要があるか。
#55
○阿部政府委員 お答え申し上げます。
 電力用炭のうち、高サルファ炭の状況はどうであるか、それに対する対策はどうか、こういう御質問と思いますが、率直に申しまして、公害規制の進展が意外に早く、きびしく進んでおりまして、したがいまして、高硫黄炭の処理は非常にむずかしくなってまいります。このために当然貯炭も累増いたしまして、これがまた石炭企業の経理を大きく圧迫しておる次第でございます。特に硫黄の含有分の高い、九州地区の一部及び常磐地区の一部の石炭につきまして、その貯炭の推移を見ますと、四十五年三月末で三十万トン程度でありましたものが、四十五年の十一月末には百万トン程度に増大いたしております。これらの高硫黄炭も、できることなら、いま石炭企業がたいへん経理的にも資金的にも苦しくなっておる実情からいたしまして、何とか高品化して、これが会社の経理を少しでも楽にするようにしたいのは、私どもも全くさように思っておる次第でございますが、それにもおのずから限界がございまして、この場合考えられることといたしましては、需要家側にも石炭業者のほうからよくお話をいたしまして、たとえば低硫黄の重油あるいは低硫黄の石炭という、相手方をうまく手に入れることによって、それらとの混焼により、全体としての硫黄分が低くなるような措置などをいろいろと需要家にもお願いいたして、かつ、地域住民の方々にも無用の摩擦を起こさないように、いろいろとその間の準備をいたしまして、そしてできる範囲において、この高硫黄炭が商品として使用されていく、かようなことが望ましい、こう思っておる次第でございます。かつまた、この高硫黄炭の貯炭の中で非常に高い数字は、三井の三池の炭があるわけでございますが、このほうは、昨年来非常に選炭機の拡充強化につとめてまいりまして、おかげさまで計画どおりに非常に着実に進展しておりまして、それをできるだけ原料炭化する、こういうかっこうになってまいっておりまして、そしてもうどうしてもだめなものは、これは商品として使えないので、ボタ同様に最終的にはこれはもう廃棄する、こういうようなことで、原料炭比率の向上、こういうかっこうに努力しておる次第でございます。
#56
○相沢委員 いま部長がいろいろおっしゃいましたが、やはりなかなか商品化はむずかしいというお話です。北海道ならば、まだまだ家庭用暖房炭としての需要はかなりあるわけでありますが、まさか九州の炭を北海道まで暖房炭として運んでいくということもなかなかできないことでしょうし、いまおっしゃったように、どうしても低硫黄の重油あるいは低硫黄の石炭と混焼していくという方法、これが一番消費するには多大な量になると思うわけです。そこで、もしか混焼するにしても、国内で低硫黄の石炭を混焼用の分として確保がむずかしい場合、この場合、たとえば三井鉱山がいまカナダへ進出しておりますが、向こうのほうでは、一般炭は日本に比べて利用度は低いというように聞いておるのですが、もしか非常に安い価格で低サルファの一般炭を持ってくることができるならば、日本で低サルファの石炭の確保がむずかしいというならば、そういった海外のものが安く手に入るならば、低サルファの一般炭を持ってきて混焼する、電力会社に引き取らせる、そういう方法も行なう計画があるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
#57
○阿部政府委員 お答えいたします。
 相沢先生御提案の、高サルファ炭の対策として、低サルファ炭の外国一般炭を輸入して、そして混焼させ、国内の高サルファ炭をもっと使うように努力してはどうか、こういう御意見と存じますが、まことに御指摘のとおり、御卓見と思うのでございますけれども、従来、政府といたしましては、むしろ石炭の需給を圧迫しないように、もっと端的に申せば、国内石炭企業というものを保護する意味合いから、国内に不足している原料炭と一部無煙炭の輸入は認めてまいったのでございますが、一般炭については、従来から全くその輸入を認めない方針で今日に至っておる次第でございます。そうこうしておるうちに、実は一般炭の需要が、油との関係において非常に急速に減ってまいったということが片方にございますし、片方、また先ほど来何度も申すように、公害規制の強化という、石炭企業にとっては非常にきびしいほうの条件ばかりが次々とあらわれてまいっておる次第でございまして、いま直ちにさような外国炭の輸入による混焼ということが、考え方としてはいろいろな関係方面からも再三提案されておるのでございますけれども、需要家側のいわゆるものの考え方というものが、すなおにそういった考え方に順応してくるかどうかということが、この問題の一つのきめ手ではないかと思うのでございます。したがいまして、先生御提案のような件は、今後ともひとつ事務当局としても業界の実態等を見ながら、重々よく検討してまいりたいと思うのでございます。
#58
○相沢委員 イギリスにしてもアメリカにしても、電力用としては国内の石炭をかなり消費させているわけですね。いま九州方面もだんだん原料炭の得率を高めていく、どうしようもない高サルファ炭は、ボタ同然に捨てる以外にないというわけですが、その捨てる場合に、多少なりとも海外から持ってきても混焼して、そうして高サルファの一般炭も電力に引き取らせる。それによって多少なりとも国内の石炭業界が息をつく、どちらがメリットがあるかという比較になってくると思うのですが、いろんな点から検討してみて作業を進めていただきたい、こう思うわけです。
 それからもう一つは、最近にわかに原料炭が脚光を浴びて、中間答申でも石炭産業を見直すということで、特に原料炭の逼迫ということがあげられて、国内また海外からの原料炭の開発も進めようということですが、原料炭の得率を幾ら上げるにしても、やはり同時に一般炭があわせて出てくるということでありまして、その一般炭の中にも、いま言ったように、電力用炭に使えるものと、それから高サルファのために引き取ってもらえないものと、こうあるわけですね。それで、原料炭を確保するにしても、やはりそれにあわせて出てくる一般炭のほうの炭価の問題、これを考えあわせなければ、どうしても石炭産業としては経営的に経理的にまいってくるということかと思うのです。そこで、現在原料炭と一般炭とかなり炭価の差もありますし、また安定補給金にも差があります。先ほど住友石炭鉱業の件で資料をいただきましたが、たとえば四十五年度の生産見込み、合計でいきましても、赤平、歌志内、奔別、いずれも原料炭が約六割くらい、あとの残りが一般炭ということです。ここの場合はほとんど電力用炭に引き取れる炭ですね。ちょっとお答え願います。
#59
○阿部政府委員 お答えいたします。
 いま住友石炭鉱業の例を引かれましたが、住友を例にとりますと、御指摘のとおり約六割弱が四十六年度においては原料炭になる見通しを持っておりますが、残りの一般炭は、北海道の炭は非常に低サルファ炭でございます。でございますので、電力用炭に大宗を向けられると同時に、北海道の暖房炭としてはきわめて貴重な資源でございまして、そのほうにも向けられることになっております。
#60
○相沢委員 現在年々電力用炭の供給が減ってきているということで、一般炭の中でも低サルファの電力用炭に使用できる炭は、やはり必要度からいくと原料炭と同じようなメリットがあるという考えに立っていいんじゃないか。前にも、岡田委員から何回もこの点お話がございましたけれども、やはりこの一般炭の中においても基準を設けて、低サルファの炭については原料炭とあまり変わりないだけの――炭価はまた需要者のほうのユーザーとの話し合いがありますので無理かと思いますけれども、安定補給金であまり差をつけない、同額にしていくという方向へ考え方を改めていくべきじゃないか。現在の比較を見ますと、再建交付金を受けている大手で原料炭が三百五十円、一般炭で百五十円、中小だと原料炭が四百円に対して一般炭が二百円。再建交付金を受けていないもので、大手が原料炭五百円に対して一般炭三百円、中小の場合には原料炭六百円に対して一般炭四百円という、大体倍の差がついているわけですが、これを同じようにしていくと、かなりまた石炭産業界も息をつくのじゃないかというふうに思われますが、この点についてはどのようにお考えになっていますか。
#61
○阿部政府委員 お答えいたします。
 安定補給金につきましては、原料炭と一般炭につきまして、それぞれの同じ業者の中でトン当たり二百円の差をつけておりますのは御指摘のとおりでございます。しかし、この安定補給金と申しますものは第四次政策の検討に際しまして、当時としては採炭条件の差というものをむしろ考慮してつけられたもののように伺っております。したがいまして、評価という面だけでこの安定補給金の問題を論ずるのは、当時の経緯から申しますと必ずしも当たっていないかと思うのでございますが、何ぶんにも御指摘のとおり、石炭業界から見ればきわめて重要な問題でございますので、将来、政策の全般的なあるいは基本的な見直しを行なうなような時期がかりにまいるとすれば、そのうちの一環として、かような問題も検討してまいる必要があろうかと思うのでございます。
#62
○相沢委員 確かに、設けたときの考え方としては、原料炭はだんだん深部に移行するということで、採炭条件その他採炭のための費用ということで、差をつけようということだと思うのですが、先ほど話したように原料炭を深部に行って採炭するにしても、一般炭も同時にやはり取られるわけですね。条件も費用もほとんど変わらないということで、ただ深部に行かないところで取れる一般炭の山もありますが、そういった点の格差を一律に二百円ということでなくて、もっと段階をつけてもいいんじゃないか、その辺にもう少し弾力的な考えを持っていく時期が来たのではないか、こう思いましてお話ししたわけでありますから、検討していただきたいと思います。
 次に、電炭社の効率運営ということに関連して、石炭専用船の問題についてお伺いしたいのですが、昭和三十七年の第一次の建造船三隻がございますが、石炭運送の機能上から、船の老朽化、また構造的な不備ということによって、デメリットが大き過ぎるというお話を聞いております。最近の建造船では乗務員が二十名内外で足りる。さらにこの二十人を減員して、合理化をはかる方向にあるということでありますが、この第一次建造船の場合は、一船当たり三十三名でなければ作業ができないというようなことで、現在非常に情勢のきびしい石炭産業界の流通のコストを軽減させていく、そういう立場にあっては、この辺で新しい専用船を建造して、それを石炭専用船に補充していく、古い三隻の分は、別途の使用を考えていくというように考えてはどうかと思うのですが、その辺の御見解を承りたいと思うのです。
#63
○左近説明員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘になりましたように、三十七年度に建造いたしました三隻につきましては、乗員が三十三名ということでございましたが、ただ、その後五年たちましたあとで、運賃の更改をやりましたときのベースにいたしました人員は、これはやはり船員の配置を合理化いたしまして、二十六名というふうに切り下げたわけであります。しかしながら、ただいま御指摘のように、四十三年度にできました船などは二十名、さらにそれももう少し合理化をして、人を減らそうという時代でございますので、確かに人員配置上の不合理というものも目立ってまいりますし、全体として老朽化してきたという点は、御指摘のとおりだと思います。今後の輸送量との関係もございますので、この老朽化いたしました船をどう扱うかにつきましては、まだ事務的に検討いたしておりませんけれども、今後の輸送をどう持っていくかということとの関連におきまして、この船の更新、その他については検討いたしたいというふうに考えております。
#64
○相沢委員 次に、産炭地振興のことにつきましてお伺いしますが、石炭鉱業の合理化の推移に伴いまして、産炭地域振興というのは、いよいよその意義というものが高まっているし、重要性を増しているわけであります。現在産炭地域振興事業というものは、産炭地域振興事業団を中心に行なわれて、ようやくそれが軌道に乗りつつあるというところであろうと認識をしております。比較的立地条件のよい地域では、振興事業の諸施策の成果が着実に実りつつある面もありますが、まだまだ今後の努力が必要だ、こう思うわけであります。産炭地域の振興については、産炭地域振興事業団のほかに、地域開発あるいはまた鉱害復旧等、それぞれの立場で進められているわけでありますけれども、計画やあるいは事業、事務の重複、これは国策として非常に不効率だ、こう思うわけであります。当局としても、総合的な見地から、これらの地域開発や振興事業の総括的な運営ということは、当然お考えになっているとは思うのですが、具体的にどういう点から着手をするのか伺っておきたいと思います。
#65
○阿部政府委員 お答えいたします。産炭地域振興計画と他の地域開発計画との調和は、どういうふうに具体的にはかっていくか、そのような御質問と伺っておるのでございますが、産炭地振興は、石炭鉱業に対する産業政策の重要な一翼をになっている、私どもはかように考えておるわけでございます。したがって、産業政策の関連施策、こういう観点からこの問題をとらえております。石炭鉱業は、急速かつ大規模な閉山を次々と行なっているというのが現状でございまして、そのあとに残った産炭地域の疲弊の解消は、きわめて緊急を要する性格のものでございまして、まず第一点の特性、緊急に事後処理をしなければならぬという点が、他の一般地域開発とは違う点かと思います。
 それから、もう一つの、他の地域開発計画等との違いの特色は、産炭地というのはともかく明治以降、日本の産業近代化の過程においてエネルギーの大宗を供給してきた、過去においては最も輝かしき産業であった、こういう経歴を持っております。したがいまして、それ相応の人材あるいは物的施設、さらには技術能力というものの蓄積は、いまなお相当のものがあろうかと私どもは考えております。したがいまして、石炭鉱業が、やむを得ず資源の枯渇等で閉山していきましても、なおそのあとには人材あるいは技術力、あるいは相当の物的施設が幸いに残っておりますので、今後他の近代工業に転換していく場合にも、これをうまく活用することによって、非常にその地域の再興ということがうまく、かつ早くいく潜在力を持っておる、かように私どもは考えておりまして、この点が、これまたいわゆる単なる過疎地域の振興とか、山村振興とか離島振興とは、大きな性格の相違ではないかと思っております。したがいまして、そういった点から、私どもは産炭地振興というものに、特別の保護政策と助成をはかって今日に及んでおり、かつ今回も、十年先までの法律延長をお願いしておるわけでございますが、しかし片面、やはり地域開発にもいろいろな諸立法があり、諸計画がございますので、今後とも、こういった国のその他のいろいろな計画、道あるいは関係県等がおつくりになっておる種々の地域開発計画、こういったものと総合的にうまくやることによって、調整することによって、同じ産炭地計画がもっともっと能率よく、むだなく計画が達成できる、こういうことをこいねがいまして、今後とも関係諸機関と常に密接な連絡を保って、そして調和をはかってやってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#66
○相沢委員 関係各省と常に密接な連携を保ちたいというおことばですし、またこの答申にも「産炭地域振興施策の広域的展開と関係各省庁間の協力体制の緊密化」ということが出ておりますが、どうか活字や答弁のことばだけに終わらないで、それが実際に実りある結果としてあらわれるようにやっていただきたいと思いますし、また問題が起きてからあわてて各省庁の事務担当者が集まって協議をするというのでなくて、定期的といいますか、あるいは必要に応じというか、やはり一年間に何回か、それぞれの地域の実際の事務担当者が集まって会を開いて、より具体的な対策を立てていく、そういう方向まで一歩進めるべきではないかと思うのですが、その点についてどうでしょう。
#67
○中井説明員 お答え申し上げます。
 先生お示しのとおり、産炭地域振興、まさに地域振興という観点から申しまして、各省庁の協力体制は非常に大切なことでございます。われわれといたしましても、単に閉山があるときだけではございませんで、常に各省庁の連絡体制を緊密にする、こういった意味合いから各省連絡会、これは通産省が幹事役でございますが、ほとんどの省を網羅いたしておりまして、そういう各省連絡会を随時開催いたしまして、産炭地域のいろいろな施策についての御相談を申し上げておるわけでございます。
 その実績を申し上げますと、四十四年度におきましては、中央地方を通じまして約十回開いております。それから四十五年度におきましても、十二月末現在でございますけれども、中央地方を通じまして五回、その後、年が明けましてからも常磐問題その他で数回開いております。こういう経過になっております。今後とも、産炭地の各省連絡につきましては、ひとつ十分意を用いていきたいと考えております。
#68
○相沢委員 産炭地域の振興策が推進されるにつれまして、事業団の業務というものは年々激増していくと思うわけです。それに対応して、組織の拡大と人員の拡充がはかられなければならないと思うのですが、これに対する基本的なお考えをまず伺いたい。
#69
○中井説明員 産炭地域振興事業団につきましては、お示しのとおり、産炭地域振興の中核的な機関でございまして、現在の組織といたしましては、東京に本部を置いておりまして、北海道、九州に支部、常磐、宇部に支所をそれぞれ設置いたしております。人員の合計が二百七名でございます。他方、事業団の事業規模につきましては、御存じのとおり、閉山の進展と、それに伴います産炭地域振興対策の重要性にかんがみまして、四十四年度が百十六億、四十五年度が百五十九億、さらに四十六年度におきましては、現在予定されております金額が約二百億と、逐年増加をいたしておるわけでございます。こういった状況に応じまして、事業団の組織なり定員につきましても、事業規模の拡大に伴います管理機能の強化、あるいは土地の造成、設備資金融資等の事業の拡大、さらに、最近におきましては公害問題に対処いたしますために、その担当事務を増強するとか、あるいは企業誘致に関する情報提供とサービス機能の充実、こういったいろいろな面からの拡充が今後ますます必要になってまいります。そういうことで、四十六年度以降におきましても、引き続きまして機構なり定員の拡充強化につとめまして、産炭地振興対策に十全を期してまいりたい、かように考えているわけでございます。
#70
○相沢委員 常磐のほうは、かねてから支所から支部への昇格あるいは人員の増加ということをいわれていたようでありますが、今回閉山に踏み切りまして、特に事務が急増して、現状の人員や機構では限界に来ているのではないかと思いますが、常磐についてはどのようになっておりますか。
#71
○中井説明員 お答え申し上げます。
 産炭地域事業団の常磐支所の問題でございまが、事業団の現在の常磐支所は支所長以下七名でございまして、土地の造成、融資等、こういった事業を実施しているわけでございます。常磐支所につきましては、このたびの常磐炭艦の磐城鉱業所の閉山に伴いまして、業務量がこれから非常に増大すると考えられております。したがいまして、四十六年度におきましては、定員等につきまして特に配慮をいたしたい、かように考えているわけでございます。ただ、常磐支所につきましては、東京からかなり近距離にございますので、そういった点で、本部との連絡を特に密接に行ない、そういうことで単に現地だけではございませんで、本部が十分に協力を行なう、そういった流動的な体制でもって、たとえば必要に応じまして本部職員を派遣いたします等、こういったことを行ないまして、今後の閉山対策に遺憾のないようにしたいと思っております。
#72
○相沢委員 産炭地進出企業に対する事業団融資の件でお伺いしたいのですが、原則では二年据え置き、三年目から償還、十年以内に償還を完了するということになっておりまして、特例は三年据え置きの四年目からの償還、このように伺っております。先日全国産炭地域進出企業連合会の田坂会長さんからお話を承ったのですが、進出企業は大体八百五十社あると聞いておりますが、このうち特例を受けているのは何社くらいあるのか、おわかりでしたら……。
#73
○中井説明員 ただいまちょっと手元に資料を持ち合わせておりませんのでわかりませんが、後ほど調査いたしましてお答え申し上げたいと思います。
#74
○相沢委員 八百五十社のうち、約一〇%の企業が倒産もしくは会社更生法の適用を受けているというのですが、その倒産のおもな原因として、一つには資本力が弱いこと、二番目には情勢判断が甘かった、三番目は経営者自身の熱意ということをあげられておりましたが、経済界一般の通念として、また実例としても、操業開始後大体二年目、三年目くらいが非常に苦しい時期にぶつかるといわれておりますし、まして諸条件の悪い産炭地域に進出した企業については、企業の安定は普通五年は必要ではないか、こう言われておりますし、それが実情のようであります。
 そこで、今後の考え方として、原則として三年据え置き、四年目から償還というような考え方にできないかどうか。その点はいかがですか。
#75
○中井説明員 お答え申し上げます。
 確かに産炭地域に立地いたしました企業は、先日の参考人の御説明でもありましたように、当初の段階におきましては、比較的中小企業が多うございまして、そういった点で資本力が弱体であるとか、あるいは計画がかなりずさんであったとか、いろいろな事情があったようでございます。ただ、最近におきましては、かなり中核企業が進出しておりまして、また計画等につきましても、産炭地域振興事業団におきまして、融資の段階でかなり科学的な指導等もいたしておりますので、そういった点で、最近はそういう問題はかなり少なくなったのではないかと思っております。
 ただ、何と申しましても、産炭地域はある意味では後進地域でございますので、そういった地域に立地した企業の苦しさ、これを救いますためには、やはり融資の条件その他において、弾力的に、その地域、地域に応じて考えざるを得ないのではなかろうかということでございまして、おっしゃいますように、その据え置き期間の問題、償還の問題、そういった問題につきまして、私どもといたしましてもその地域の特性に応じまして、あるいは進出いたします企業の体質等に応じまして、弾力的に今後とも考えてまいりたい、かように考えております。
#76
○相沢委員 北海道に進出した企業は、冬季間の積雪による操業能率の低下や経費の増大等で、実情は非常に苦しいようであります。事前に、ある程度の経費増や生産低下を見越して計画を立ててきているのでしょうけれども、実際に北海道の現地に来て操業してみると、予想しなかったような種々の問題にぶつかる、そういうわけで、北海道の場合、六条地域の進出企業のうち、特定の企業は現行法の償還を猶予するという弾力条項というのですか、これに基づいて償還期限を十五年まで延長を認める運用を行なっているようであります。しかし、これもある程度の設備投資額と雇用規模を持った企業に限られておりまして、適用されている企業は非常に限定されているわけですね。そこで、北海道の中でも、特に積雪量の多い地帯に進出した企業については、もらと弾力的に運用を拡大すべきではないかと思いますが、この点に対する検討はどのようになっておりますか。
#77
○中井説明員 お示しのとおり、北海道の産炭地域の気候条件あるいは土地柄等から申しまして、工業の立地地点としましては、かなりの問題があるわけでございます。したがいまして、企業誘致もなかなか困難であるというところは御指摘のとおりでございます。そういった地域に立地いたします企業のために、われわれといたしましては、従来からそういった企業の困難性に対して、できるだけ融資比率の引き上げ、あるいは団地を造成いたしましてそれを譲渡いたします場合には、そういった造成団地の譲渡価格の引き下げ、こういったことで、企業負担をできるだけ軽減をいたしたいというふうに考えまして、従来から努力してまいっております。
 ただ、今後こういった企業融資以外に、いろいろと事業団で行なっております出資事業でございますとか、あるいは中小企業協同組合で共同して工場、建物を建設される場合に、事業団が建設いたしまして、それを割賦で譲渡するというような制度もございまして、そういった土地、建物の譲渡制度、こういったものを有機的総合的に活用いたしまして、北海道に進出いたしました企業が、全体として実質的に金利水準の引き下げになり、あるいは償還期限が長くなる、こういった措置を講じて、北海道の地域的特殊性あるいは企業の経営難等、こういったものを弾力的に軽減してまいりたいというふうに考えております。
#78
○相沢委員 事業団の今後の運営のあり方の一つとして、造成土地の総合的活用等によって、施策の効率的、弾力的展開につとめることが必要であるということが答申に出ております。
 そこで、工業団地造成について、六条指定地域に立地条件のよいところがない場合には、隣接の二条地域、十条地域で立地条件のよい場所があれば、そちらのほうに優先して団地造成を行なうこともあり得るのかどうか。
#79
○中井説明員 産炭地域振興事業団は、立地条件に恵まれない地域におきましては、閉山が発生いたしました場合に、そういった地域において、もしほんとうにその地域が鉱工業を振興する可能性が少ないというような場合におきましては、かなり広域的に、その閉山炭鉱の周辺だけではございませんで、むしろ周囲の二条地域も含めました広域的な視野に立って、いろいろな事業を行なっておるわけでございます。このために、事業団におきましてほ、従来までも二条地域につきまして、必要に応じて土地造成を実施した実績もございます。また融資事業におきましても、閉山炭鉱の離職者の雇用に資するような、周辺二条地域の進出企業、これにつきましては、融資比率等につきまして特別な配慮を行なっております。
#80
○相沢委員 九州方面で、六条指定地域よりも隣接二条地域のほうに立地条件のよいところがあって、そちらのほうに優先して団地をつくったという例はございますか。
#81
○中井説明員 お答え申し上げます。
 実は、立地条件のいいところに優先して団地をつくったということはございませんが、ただ炭鉱の閉山が、博多周辺等の、どちらかといいますと比較的立地条件に恵まれたところに初期の閉山が集中した、それの対策といたしまして、事業団の初期の事業といたしましては、そういった閉山対策として団地をつくったことはございます。
#82
○相沢委員 北海道の場合は、炭鉱地帯は非常に狭い山峡が多いので、今後工業団地の造成については、六条地域よりも近接の二条地域のほうがより立地条件のいいところが多くなると思うわけであります。そうした場合に、二条指定地域であっても、運用面においては六条指定地域と同様な取り扱いをやっていくようなお考えがあるかどうか、その点を承りたいと思います。
#83
○中井説明員 お答え申し上げます。
 閉山が起こりました場合に、その閉山の影響の度合いなり、あるいは閉山後の振興施策のあり方等を慎重に検討いたしまして、必要がある場合には、当然二条地域を含めた広域的な観点から、団地造成なり企業融資なり、そういった施策について、弾力的な運用をやってまいりたいと思っております。
#84
○相沢委員 北海道の砂川の場合を例にとりますと、ここは産炭地である歌志内、上砂川町及び奈井江町と非常に近接しておりますし、もともと元来が同一の行政区域に属しておりますし、現在、中空知として、広域市町村圏のブロックになっておりまして、共同の広域的な発展を目ざしてやっておりますし、また、交通の面からいっても非常に交通の便もいいし、また隣接の産炭地域から砂川市に通ってくる、そういう人たちもかなり多いということでありまして、これまで砂川市自体が、産炭地の不振に伴う、いろいろな大きな影響を受けているわけでありまして、今後団地造成等が考えられた場合は、先ほどお話ししましたように、たとえば二条と十条の指定地域であろうとも、六条指定地域と同じような弾力的な運用をぜひはかっていただきたい、この際重ねて要望しておきます。
 最後に、自治省の方にお尋ねをいたしますが、先日の委員会で、産炭地域振興臨時交付金のより一そうの活用ということでお尋ねをしましたが、今回は過疎立法の適用範囲の拡張という点でお尋ねしたいと思います。
 現在、適用範囲は、財政力指数四〇未満となっておりますね。それから、人口減一〇%だということですが、これを五〇未満まで適用するようにしてはどうかと思うわけであります。昨年の国勢調査でかなり変わってきたとは思いますが、これまでの調査では、北海道の産炭地市町村の場合は、美唄市だけが適用されて、ほかの都市はかなり財政的に苦しい状態でありながら、また財政力指数が四一ないし四三、若干該当しないということで、恩典をこうむっていなかったわけでありますが、答申にも、地方財政援助措置の改善充実ということがうたわれておりますので、この過疎立法の適用範囲をこの際拡張すべきだと思うのですが、この点についての御見解を承りたいと思います。
#85
○岸政府委員 過疎地域の要件といたしまして、昭和四十一年度から昭和四十三年度までの財政力指数の平均が〇・四以下であるということが定められておるわけでございますが、これは、この法律が制定されましたときを基準といたしまして、過去三年間におきます、全市町村の財政力指数の単純平均が〇・三九六七でございましたので、平均以下の市町村を過疎地域対策緊急措置法の対象としていこう、こういう考え方で制定されたものでございます。その後に国勢調査が行なわれます場合には、国勢調査の結果が公表されました日の属する年度前、三カ年の財政力指数をとることになっておるわけでありますが、最近の財政力指数はだんだんに減ってまいる傾向にございますので、いま直ちに、この〇・四をたとえば〇・五に引き上げるとかいうことは、実情に適さないものである、かように考えておるわけでございます。
 ただ御参考までに申し上げますと、ただいま御指摘のありました北海道の産炭地域の夕張その他六市でございますが、昭和四十三年度から四十五年度までの財政力指数を、私どもにおきまして試算をいたしておるわけでございますが、これは夕張が〇・三七五、芦別が〇・三七六というふうに、いずれも〇・四を割るような情勢になっておる次第でございます。したがいまして、昨年行なわれました国勢調査の結果の公表が、四十六年、ことしの四月一日以降に行なわれます場合には、これらの市はいずれも過疎地域の要件に該当することになりますことを、御参考までに申し上げておきます。
#86
○相沢委員 以上で終わります。
#87
○鬼木委員長 田畑金光君。
#88
○田畑委員 今度の法律改正について、その内容を見ますと、電力用炭販売株式会社法の延長三年間、臨時石炭対策本部の存置期間を三年間延長するとうことですが、これは第四次石炭政策の年度と合わしたのかとも思いますが、これに対して、産炭地域振興臨時措置法の十年の延長、さらに産炭地域振興審議会の存置期間を十年延ばしたということについて、この種法律の場合は、おおむね五年というのが普通でございますが、これを十年延長したというのは何をねらっておるのか、まずお尋ねします。
#89
○本田政府委員 お答えいたします。
 従来、産炭地域振興臨時措置法は、成立の当初は五年でございまして、二回目の延長も五年であったわけでございます。しかしながら、この十年間の産炭地域振興の実績を見てまいりますと、一部地域で立地条件のいいところは、この十年間の産炭地域振興施策の成果があがって、かなり経済力の回復が見られたわけでございますが、大半の地域につきましては、事後の引き続いた閉山の影響の累積等によりまして、必ずしも振興の効果が十分でなかったということ。こうした経験からまいりますと、団地の造成をし、その団地に企業誘致し、そしてその誘致した企業が成果をあげてまいるということにつきましては、かなりの長期間を要するという実情でございます。しかも、一面、御指摘を受けておりますように、石炭鉱業をめぐる条件は、必ずしも楽観を許さないという情勢でございまして、産炭地域住民の方々の気持ちとしても、長期にわたって計画を立て、産炭地域の振興を着実にはかっていかねばならないという気持ちが非常に強いというような実情、また先ほども部長から話を申し上げましたけれども、産炭地域の方々と直接会いまして、産炭地域振興審議会の各委員の方々に対する御意見も、長いものでは、十五年の延長を必要とするのではないかという御意見もございましたが、少なくも十年の延長が必要だ、こういう非常に強い要請も受けておる次第でございますので、今回、延長にあたりましては、従来の五年ごとということでは、必ずしも十分でないという実情にかんがみまして、十年の延長を御審議願うことにいたした次第でございます。
#90
○田畑委員 産炭地域振興事業の推進機関である事業団でございますが、この事業団のやる仕事については法律に明示されておるわけです。工業用地の造成、融資事業、工業用水の確保など。そこで、十年を延長するという必要性については、いまの答弁で理解いたしますが、今後産炭地域振興事業を具体的に進める上において、この十年の経験に照らして、何か目新しいもの、あるいはもっと中身のあるもの、あるいはまた地域の実情に即したもの、新味をどういうところに出すか、こういうところにこの延長法案の大事なポイントがあると考えますが、この点についてはどのようにお考えになっておるのか、方針なり方向などについて説明願いたいと思います。
#91
○本田政府委員 お答えいたします。
 今回、十年の延長を御審議いただくにあたりまして、先ほど細谷先生から、少なくともこの際、基本計画あるいは実施計画を新たに立てるとすれば、その内容についてもこの際御説明申し上げて、審議の対象とすべきではないかという御指摘を受けたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、本年度中に基本計画並びに実施計画を作成いたしたいということで、産炭地域振興審議会に御諮問申し上げる予定にいたしておるわけでございます。ただ、その際に、今後十年延長するにあたりましては、一つは、産炭地域の振興の課題というものを、従来からもいわれておりますが、広域的な視点から処理いたしたいということと、また、先ほどから御説明申し上げておりますように、新全国総合開発計画、あるいは道、県においてそれぞれ開発の構想をお持ちでございますが、これらとの調和をはかってまいりたい。したがって、そういう意味では、地域ごとの振興の方向を明示するようにいたしたい。この点は、先ほど細谷先生からも、地域ごとの考慮を払えという御指摘がございましたが、地域ごとの振興の方向を明示することを検討いたしたいと思います。また、六条地域には施策の重点を指向するようにいたしたいというふうに存じますし、さきの参考人の御意見にもございましたが、地域住民の生活向上と、企業誘致との調和をもはかることを、一つの着眼点として考慮いたしたいと思います。また、従来からいわれておりますが、基本でございます産業基盤の整備についても、その強化をはかることを内容といたしまして、それぞれの地域の実施計画を考えられるように考慮いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#92
○田畑委員 将来の構想、計画についてほお話で理解できますが、問題は、それを現実に適用した場合、どう展開するか、こういうことだと思いますが、そういう問題については、ひとつ今後審議会が具体的な作業を進めるに応じて、また、そのつど委員会等への報告を願いたいと考えます。
 そこで、いまのお話にもありましたように、特に民生安定という面から見ました場合に、鉱害復旧事業の問題は、これはまた産炭地域振興とうらはらの関係だと、こう思うわけです。先日の天日参考人のお話によれば、これはあなたのほうの調査の結果でございまするが、四十四年度の全国の鉱害量調査を見れば、千三百八億の残存鉱害量がある。一体、いま毎年の鉱害対策予算で、何年計画で、すでに表面に出ておるこの膨大な鉱害量の復旧事業ができるのか、この点についてはどのように見ておいでですか。
#93
○阿部政府委員 お答えいたします。
 御指摘のとおり、昭和四十四年度末におきまする全国鉱害量調査におきましては、千三百億余の残存鉱害を発見しておる次第でございます。政府といたしましては、石炭鉱業審議会の鉱害部会の委員方にも、その点をいろいろと何度か会合を持っていただきまして御審議いただいておりますが、おおむね十年程度でこれを処理していくように、こういう、大体の皆さんの大かたの意見の一致を見ておる次第でございまして、今後いろいろ物価の変動等の問題もございますが、いまの物価でまいりまして、四十六年度に百四十五億の予算化を見ておりまして、これでおおむね千三百億に対する十年間処理こういう基調でまいるつもりでおる次第でございます。
#94
○田畑委員 今後、年百四十億程度の予算をもってすれば、およそ十年ぐらいで仕事は復旧するであろう。しかし、算術計算によればそういうことであると思いますが、そこで、この臨時石炭鉱害復旧法、昭和二十七年の法律は、昭和四十七年七月三十一日までに廃止するということになっておるし、また、石炭鉱害賠償等臨時措置法についても、同じく昭和四十七年七月三十一日までに廃止をする、こうなっておりますが、いまの説明にもありますように、これから十年先まで鉱害復旧事業、いな、それ以上、もちろん私は新しい鉱害が出てきますると、もっともっと復旧に時間を必要とする、こう見ておりますが、この二つの法律の延長については、この国会で出さなかったというのでございますが、どのようにお考えになっておるのか。
#95
○阿部政府委員 お答えいたします。
 御指摘のとおり、鉱害二法は、四十七年度において途中で失効いたしますので、当然四十六年度に入りましたら、なるべく早目にこれの全面的な検討に入ってまいり、来年の通常国会を目途に、この法案の改正、延長ということについて鋭意検討を続けてまいる所存でおります。なお、御指摘のとおり、千三百億を約十年にわたって処理してまいる基本的な考え方から申しますと、法律の延長も、おおむね十年ということを目途にしていくのではなかろうかと思うのでございますが、これらについては、当然のことながら石炭鉱業審議会におはかりして、各位の十分な御意見を承ってまいる所存でおります。
#96
○田畑委員 現在進められておる第四次の石炭政策、これをこのまま進めてまいりますると、一般炭が壁にぶつかるということはもう必至だと見ております。常磐炭礦の磐城礦業所の大幅な閉山、あるいは日炭高松の閉山、これらは確かに高硫黄炭の産出炭鉱であり、公害問題との関連で、このように予期以上の早い時期に閉山ということになったと思いますが、これらの二つの山が閉山するに至った大きな理由は、昨年の十一月二十日の例の石炭鉱業審議会の答申、これは一般炭の将来に何ら希望を与えるものではない。したがいまして、そういう心理的な不安というものが、この一般炭の閉山に拍車をかけておる、私はこう見ておるわけです。また政策面から見ましても、安定補給金等の原料炭と一般炭との格差の問題、あるいは昨年の炭価値上げにおける原料炭と一般炭の格差の問題、こういうことを見てみますると、一般炭の将来というものは実に暗たんとした見方になってくるわけで、一般炭の先行きの不安というものは、同時にまた原料炭の足を引っぱるという事態になってきょうと見ておるわけであります。そういうことを考えてみますると、石炭特別会計で石炭政策についていろいろ手を打っていらっしゃるが、今後の石炭政策というものは、前向きの問題よりも、むしろうしろ向きと申しますか、休閉山のあとをどうするか、こういうところにだんだん比重が移ってくるんじゃないかな、という感じで見るわけなんです。したがいまして、そういう意味で、この法律を十年延長するということは、私は、将来の方向はそういうことかなということを強く印象を受けるわけであります。したがいまして、大事なことは、今後の特別会計の運用にあたっては前向きの面とともに、産炭地域振興といううしろ向きというよりも、将来の産炭地地帯を立て直すという、いうならば前向きの姿勢、こういう面に予算も重点を置かなければならぬのかなという感じもするわけでありますが、こういう点について、事務当局としてはどういうお考えなのか。
#97
○本田政府委員 御指摘のように、一般炭問題につきましては、中間答申では、原料炭のように明確に意見は出しておりませんが、しかしながら全体をお読み願いますと、坑道掘進とか諸施策を推進するという内容は、全部一般炭にも通ずる施策でございまして、われわれとしても一般炭の確保ということについては、今後も十分考慮を要するというふうに考えておる次第でございます。
 それから、先ほども申し上げましたが、産炭地域振興について十年延ばすということにつきましては、なお四次対策としては、六、七、八と三年度あるわけでございますし、産炭地域振興の事業というものが、少なくとも着工してから成果を見るに至るまでには五年はかかる、そういう点を考慮しますと、この際十年程度の延長はして、そうして御指摘のように、石炭施策の一つの重要な項目として、予算の面その他におきましてこれを強力に推進して、石炭の閉山に伴う地域の疲弊をできるだけすみやかに、計画的に回復するということを進めていくべきだと考えております。
#98
○田畑委員 いまの御答弁で、前段は私は異議があるのです。後段の答弁はそのとおりだと思うのです。前段の、一般炭についても原料炭並みに考慮しておるというような向きのお話がありましたが、これは現実がそうでないということを立証しておるのですから、あまり無理な答弁はなさらんでいいと思うのです。しかし、その問題はその程度にとどめて、それからこの間もいろいろ参考人からのお話も承りましたが、特に事業団の倉持参考人から、いろいろお話を承りましたが、いまの局長の答弁の中にもありました、そしてまた、昨年十一月の産炭地域振興審議会の答申にもあります、その六条地域に対する傾斜措置ですね。一体これは具体的に何を考えておるのかという問題です。その点ひとつ初めに承ります。
#99
○阿部政府委員 お答えいたします。
 六条地域へ産炭地域振興施策の重点を置いてまいりたいということを、たびたび申し上げておるわけでございますが、具体的には産炭地域振興事業団の行ないます土地造成あるいは企業に対する融資というものを中核としてやってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#100
○田畑委員 その融資の面で、融資基準というのが地域ごとに異なっておるわけですね。ある地域は必要資金ワクの四〇%以内である、ある地域は五〇%まで貸す、これは六条地域の場合ですね。さらにまた地域によっては、六〇%まで引き上げて貸す場合もあり得るわけでありまするが、そのように融資の基準に差がある。その根拠は、何を基準にして融資率などにそのような差等を設けておるのか、この点について承りたいと思います。
 さらに、私は今回の常磐の閉山、したがっていわき市の問題とか、白炭高松閉山に伴う水巻町の問題等々、こういう突発的なというか、大きな閉山にあたって今後企業が進出する、あるいは既存の企業に融資をする、こういう場合等についてはどれに当たるのか、どの程度まで融資基準を引き上げるのか、この点もあわせてひとつ御答弁を願いたいと思うのです。
#101
○中井説明員 お答え申し上げます。
 産炭地域振興事業団の融資につきましては、御指摘のように二条地域、六条地域といった地域指定に従って、画一的に融資基準をきめているわけではございませんで、その地域地域の特性に応じまして、たとえば閉山等が起こりました場合には、それに応じて弾力的に融資率を引き上げ、あるいは償還期間等についても配慮する、こういうかっこうで従来から運用いたしております。
 したがいまして、第二の御質問とも関連するわけでございますけれども、常磐等の大型閉山が起こりました場合には、たとえその地域が二条地域でございましても、閉山の影響等を考慮いたしまして、従来よりはさらに比率を高めて融資を行なう、こういった面でいろいろと配慮をするつもりでございます。
#102
○田畑委員 いままで各地域に大きな閉山などがございましたし、またそれぞれの地域に土地造成をやり、企業の誘致をやり、融資もやっておるわけでありまするが、最高どの程度まで必要金額に対して融資をなさっておるのか、この点。
 それから、いま私が申し上げたように、大型の閉山のあったような地域については、この際新しく法律を延長し、また新しい姿勢で、六条地域については傾斜方式をとっていこう、こういうことでこの法律改正を出され、いま審議を進めておるわけでありまするから、今後の産炭地域振興については、そういう意味で前向きに、しかも特色のある行政措置が当然とられてしかるべきだと考えるわけでありまするが、この点について考えを聞かしてもらいたいと思うのです。
#103
○中井説明員 まず最初の御質問の、最高どのくらいまで貸しておるかという点でございます。融資比率いろいろございますけれども、大体いままでの経験にかんがみまして、六〇%程度が最高になっております。
 それから、先ほどの御説明で申し忘れましたけれども、企業の分布状態を見てまいりますと、二条地域といわれておりますところは、土地柄等から考えまして、比較的企業誘致がしやすいところ、あるいは比較的恵まれた地域、そういった地域が多うございまして、六条地域につきましては、炭鉱の所在地であり、あるいは土地柄等から考えまして非常に企業誘致のむずかしいところ、そういった土地柄でございますので、大まかに分けますと六条地域のほうが二条地域よりも誘致企業に対する融資比率が上がっている、こういうことがいえようかと思いますが、ただ、六条地域だからどうこうというようなかっこうでの、融資比率のきめ方はいたしていないわけでございます。
#104
○田畑委員 もう一つ、それに関連して。いまの臨時措置法によれば、いろんな市町村合併のいきさつからそうなっておるわけでありますが、たとえばいわき市のごときを見ますと、同じ市の中で六条地域あり二条地域あり、こういう問題があるわけですね。しかも、その指定地域に応じて、行政上いろんな政策上の援助、あるいは補助金その他の措置において異なった取り扱いがなされておる。こういう矛盾した姿というものは、この際この法律の改正とともに、指定についても見直すことが必要である、こう思っておりますが、当局としてはそういう用意があるかどうか、これを承りたいと思うのです。
#105
○中井説明員 お答え申し上げます。
 いわき市は、先生も先ほど御指摘になりましたように、昭和四十一年の十月に旧平市、常磐市、内郷市等々十四市町村が合併したものでございまして、ただ、今回閉山が予定されております常磐炭礦の磐城礦業所、これは旧常磐市にございます。また炭鉱住宅等の施設につきましては、旧内郷市等の六条地域にあるわけでございます。こういうことで、今回の閉山に伴います関係施設等は、すべて六条地域にございます。そういった関係もございまして、現在いわき市全体につきまして、その全域を六条地域にするということにつきましては、直ちに必要かどうかという点、問題がないでもないわけでございますが、われわれといたしましては、旧磐城市等の二条地域、こういったものにおきましても、今回の閉山対策上どうしても必要があるという場合には、当然、産炭地域振興事業団の融資等の実施におきまして、十分弾力的に対処をし、諸般の産炭地域振興施策の実効があがるように、そういうかっこうで運用してまいりたいと思っております。
#106
○田畑委員 それから工業用地の造成について、これが何といっても事業団の大きな仕事でありますが、特に工業用地の造成というものは、この間も参考人がお述べになっておりましたが、現在二十二の団地、千四百五十万平方メートルでしたかの着工中である、こういうことですね。そうしますと、四十六年度の事業団の総事業規模は二百億、こういうことですね。そうしますと、新規に土地の造成ができるというのは一〇%あるいは一四%にすぎない、こういう状況ですね。
 そこで、たとえば、御承知のごとく土地はできるだけ早く手を打たぬと、時間がたてばたつほど上がっていくわけです。ところが、事業団の仕事ということになってきますと、調査から測量から計画を立て、そうしてまた実施計画をつくり、さらに大臣の承認を得るまでにはやはり相当時間がかかるわけですね。こういうような場合に、県やあるいは市が、それぞれの開発公社等を通じて土地を先行取得する。やがて事業団が大臣の決裁を受けて仕事を着工する、そういうような場合の肩がわりとして認められるかどうか、こういうことについてはそのような先例があるかどうか、あるいはそのようなことも事業団の運営としてはやってもよろしい、当然それはやっても肩がわりできるんだ、このようなことになるのかどうか、ひとつお答えを願いたいと思います。
#107
○阿部政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま田畑先生から、御質問ないし御要望の出ている点につきましては、先般も常磐地区の市町村長さん方が参られまして、ただいまの御意見と同じような意味の陳情がございました。私どもさような大事な問題でございますので、目下鋭意検討中でございますが、一応の考え方といたしまして、土地の最近の値上がり問題等も、いろいろ時間の経過とともになかなか大幅なことも予想されますので、なるべく早い機会に、安い値段で土地が入手できるということならば非常にけっこうなことだ、こう思いまして、そういったことを地域の団体等におかれまして早目に手を打たれる、それを、現在の事業団の性格からいいまして、完成した土地を肩がわりするということは困難のようでございますが、その前の段階において、事業団の今後の土地造成のいわば素材として、これを肩がわるということは一応可能ではなかろうか、かように考える次第でございまして、問題は、それが不当に高価の土地であったりしますと、いろいろ今後に問題を残すわけでございますので、ひとつ事前に関係機関の間で十分な連絡をとって、要は、そういった大型閉山のあとの、産炭地振興というものの成果があがるということが大事なことでございますので、さように弾力的に、よく関係機関の間の意思の疎通をはかって善処してまいるように今後も検討を続けたい、かように考えている次第でございます。
#108
○田畑委員 答申によれば、地方財政の面にできるだけ配慮すべし、こういうことになっておりますが、産炭地域振興臨時交付金という予算措置、援助措置、昨年は十二億、四十六年は十四億とこうなっておりますが、この予算が国庫から出たということは、審議会の答申によって出したわけでありますが、十二億であれ、十四億というのは、何を根拠にしてこのような予算措置が講じられたのか。
#109
○中井説明員 お答え申し上げます。
 現在の産炭地域振興臨時措置法の十一条におきまして、疲弊した産炭地域の市町村に財政援助を行なう規定がございますが、あの規定によりますと、御承知のとおり、一定規模の事業を行なった後でなければ補助は受けられないという規定でございます。そういった不備を補いますために、閉山直後の市町村の疲弊、これに対しまして、産炭地域振興臨時交付金制度を設けて、交付するということになったわけでございます。
 考え方といたしましては、もちろん閉山いたしますと、市町村の鉱産税収入その他鉱業関連収入が減ってまいります。それから他方、閉山に伴いまして、いろんな市町村の財政需要が増加してまいりますので、そういったものを過去の経験に徴して算定いたしまして、トン当たり六十五円が敵当であるということで、閉山トン数に比例して交付することになっているわけでございます。それが基準額でございまして、それ以外に本年度から加算額といたしまして、これは北海道等のような集落ぐるみの移転があるようなところ、あるいは地形、気候等によりまして人が住めなくなる、そういった市町村に対しましては、さらに基準額に加えて加算額を交付する。もう一つのアイテムといたしまして、加算額の中で、生活環境の整備ということで、炭鉱住宅の改良事業につきましても市町村財政の補いをつける、そういう意味での加算額を交付いたしております。大体そういう考え方で産炭地振興臨時交付金を算定いたしております。
#110
○田畑委員 そういうことによって、十二億あるいは十四億つけたというわけでありますが、実際産炭地域の振興をはかるためには、石炭特別会計のこのような支出項目だけでできるわけではないと思うんです。答申の中にもありますように、工業団地を造成したが、道路の問題等について、たとえば幹線道路の問題とかあるいは工業用水の確保の問題、こういうようなことになってきますと、やはり建設省がそれなりの予算措置を考えなければならぬと思うし、また、いまの御答弁の中にありました炭鉱住宅の改良などについても、これは建設省がやっておるわけでありまするから、特に産炭地域について、建設省として、予算上あるいは具体的な仕事の上でどうやっておるのか、こういう点もこの際あわせて承っておきたいと思うのです。
 同時に、たとえば地方財政の面から見ますならば、この臨時措置法の十条、十一条の問題、たとえば起債についての利子補給の問題あるいは各種特定公共事業に対する補助金のかさ上げの問題等々、これは当然自治省としても産炭地域についてやっておるわけでありまするが、こういう面について、予算の面、実際の仕事の面から、どういうような状況になっておるのか。
 さらにまた、いつも問題になりますのは、これは厚生省の関係になりますが、たとえば閉山した場合、炭鉱の住宅の水道の問題これに対する補助金なりあるいは整備について、厚生省としては従来どのようなことをやってきたのか。これは二、三の地域の事例をあげて説明を願いたい、こう思うのです。
 また、文部省関係については、いろいろ学校の統廃合の問題、あるいは教職員の定数確保の問題、あるいは児童、生徒のいろいろ生活環境の変化からくる補導の問題、また、閉山地域の児童等に対して、いろいろ日本育英会等から奨励金支出の措置なども講じられておりまするが、現在まで、文部省関係で、この産炭地域についてどういうことをやってきておるのか、この際ひとつそれぞれの関係者から説明を願いたい、こう思うのです。
#111
○森岡説明員 お答え申し上げます。
 産炭地域振興臨時措置法十一条に基づきます国庫補助負担率の引き上げ、これは御承知のように、市町村の特定公共事業でございますが、四十五年度で約十一億四千七百万円程度のかさ上げが行なわれております。なお、府県分の公共事業につきましては、地方債の充当率を引き上げ、それについて三分五厘をこえる部分につき利子補給を行なう、こういう措置が行なわれておるわけでございますが、率直に申しまして、この程度の措置で産炭地域の振興が十分であるとは私ども考えておりません。
 私どもといたしましては、地方交付税、地方債を通じまして、地方負担分につきまして、できる限りの措置を講ずるということでいままで進めてまいりました。
 大きく分けますと、まず、終閉山に伴いまして、生活保護、失業対策事業、こういうたぐいの事業が非常にふえてまいります。それにつきましては、一定の基準で普通交付税で計算をしておりますが、これは画一的な算定でございますので、現実の需要がそれをはるかにこえます。こえる部分につきましては、特別交付税でもちまして、全部が充足し得るように財源措置を講じております。
 次に、鉱産税その他の税の減収が多大に生じてまいります。これにつきましては、これまた一定の基準によりまして、特別交付税で補てん措置を講じてまいっております。
 第三に、先ほどお話のございました鉱害復旧事業、あるいは、新たな事業といたしまして炭鉱離職者の緊急就労事業あるいは開発就労事業がございますが、それらにつきましては地方債を充当し、残りの部分については特別交付税で措置をする。なお、地方債の元利償還金につきましても、特別交付税で措置をしてまいる、こういう措置をとっております。
 第四番目に、その他前向きの産業基盤の整備、あるいは生活環境の充実という問題がございます。これにつきましては、それぞれの市町村の実態に応じまして、特別交付税によりまして適切な措置を講じていくということで、従来からやってまいっておりますが、今後、大規模閉山が出ました場合には、さらにその措置の内容を拡充するように努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
#112
○浦田政府委員 閉山に伴います水道の問題でございますが、当該地区住民の飲料水を確保することは非常に重要な問題でございますので、当該市町村のほうで引き継いで経営をさせていただくということで、それらの整備事業につきましては、昭和三十八年度から、簡易水道施設整備費補助金、この予算のワク内で国庫補助を行なっておるところでございます。いつもこういった問題は突如起こりまして、年度途中でいろいろと緊急な問題として出てくることがございますが、そのような場合にも、優先的にこれらについて配慮してきているところでございます。
 ちなみに、四十五年度におきましては、このような該当の施設が二十三施設ございました。四十六年度中につきましては、ただいま県のほうから、それらの計画を聞いておる最中でございます。
#113
○井内説明員 産炭地域に関します、文教関係の現在やっておりまする仕事の状況等につきまして御説明申し上げます。
 文教関係の問題といたしましては、教員の問題、施設等の問題、子供の問題等各般に文教関係の問題が現に存し、かつ発生してまいるわけでございますが、まず第一点の教員の問題につきましては、現在、小中学校の教員の定数につきましては、義務教育費国庫負担金におきまして給与費を負担するという形で、負担の限度をどこに置くかということで、標準法という法律をつくりまして、国庫負担をいたしておりますが、その算定のしかたは、子供の数が増減いたしますと学級数が増減いたします。学級数の増減に応じまして教員数が算定されるようになるわけでありますが、産炭地域におきましては離職者等の子供が多うございまして、子供の数が減り、かつ学級数が減る、定数が減ってくる、こういった問題がまず第一に出てまいるわけでございます。
 そこで、現在の標準法におきまして定数の面で措置をいたしておりますのは、特に産炭地域等におきましては、教本畠山難な事情にある地域というふうにとらえまして、そういう地域におきまして、要保護、準要保護の子供の数が三〇%以上、四十人以上の学校に教員を加配するという措置をとります。なお、福島県のように、たとえば全県的に子供が減っておるという地域等におきましては、そのような措置をとりましても、子供の数が総体として減る、学級数が減るということで、県全体の定数が減るということに相なりますので、これに対します措置といたしましては、どのように学級数が減りましても、前年度国が負担しております教員定数の九八・五%という最低保障は必ずするということで、教員定数につきましての措置をいたしておるところでございます。
 第二の問題といたしまして、子供の数が減り、学級の数が減りますと、学校規模が小さくなってまいりまして、教育効果の上などから申しまして、これは関係地域と十分の御相談をしなければなかなかできないことでございますが、学校統合という問題等が発生してまいります。こういったときに、公立文教施設の補助金におきまして負担率のかさ上げをすることは当然でございますが、なお、子供の問題がその際に発生いたしてまいります。この問題に対しましては、第一に、寄宿舎を設置するという際、特に補助金を出してまいろう、かつ寄宿舎の居住費の補助金、さらに寄宿舎を維持運営していく場合に必要な経費に対する財源措置、こういったことを現在やっております。
 なお、寄宿舎設置という形をとらないで、子供たちの通学距離が延びることに相なる場合がございますので、その場合におきましては、遠距離通学費に対します国庫補助の対策を講じておりまして、本年度予算単価を若干手直しをいたしまして、平均一人当たり九千二百八十円の遠距離通学費の国庫補助を行ないます。
 なお、その通学に必要な交通の確保といたしまして、スクールバス、ボートの購入費を必要といたします場合には、スクールバス、ボートの購入についての補助と、その維持、運営に対する財源措置を講ずるという施策を行なっておるところでございます。
 なお、産炭地域で、特に閉山等が生じましたときに起こってまいります教育上の非常に困難な問題といたしまして、子供たちの家庭生活等におきますいろいろとむずかしい問題が正直出てまいりまして、産炭地域における児童、生徒の指導と申しますか、生活指導といいますか、こういった問題が一つ悩みとしてございますので、このことにつきましては、産炭地域における児童、生徒の指導を担当する指導主事を各県に特に配置していく。福島県で申しますと、いま三名配置いたしております。この種の子供たちに対する指導といたしましては、学校の教師も、他の地域よりもどうしても家庭訪問の機会が多くなるとか、いろいろ指導上の問題がございますので、そういった関係の講習会等も計画として持っておるところでございます。
 なお、特に閉山によって直ちに起こる問題といたしまして、義務教育の場合でございますと、他地域への転入学が容易でございますし、また問題なく行なわれますが、高等学校の場合に、他地域に参りました場合、転入学問題というむずかしい問題がございます。この点につきましては、関係県の教育委員会と十分な連絡をとりまして、関係県から関係府県に依頼文を出し、文部省からも全国的にその受け入れにつきまして、各府県教育委員会等の協力を得るという措置をとっておるところでございます。
 以上、教員、施設、子供、そういった面の施策を総合的に従来やってまいりましたが、今後も引き続きただいま申し上げましたような施策を、十分効果が出てまいりますように、十二分に努力を継続してやってまいりたい、かように存じております。
#114
○吉田説明員 市町村道の改築工事につきましては、他の一般の地域におきます国庫補助率三分の二を、最高八割になるような措置が認められておるわけでございまして、このほかには、特別に国庫補助率を引き上げるということにつきましては考えておりません。
#115
○田畑委員 時間が過ぎましたからこれで終わりますが、ただ、いままでの質問を通じて感じたことは、今度の法律改正で、振興法そのものの十年の期限延長、審議会の十年の期限延長、これについては、局長の答弁で、およそねらっておる内容というものは理解できたわけでありますが、ただ、十年も延長されるにあたって、今日までの十年間の実際の経験に照らして、もっと新味のあるものがあるかなと期待しておりましたが、あまり新しいものは期待できなかったわけです。
 希望したいことは、やはり何といっても産炭地域振興事業の推進は事業団であると考えますが、事業団の仕事の充実強化については、一そうくふうをこらして努力を願いたいと思うのです。お話しになりましたように、地域開発や新全国総合開発計画等々の関連で、産炭地域振興も進めていくということは当然でありましょうが、やはり産炭地域という特殊な事情に応じて、もっときめこまかな施策が必要である、こういう感じを受けましたので、その点ひとつ特に希望申し上げたいと思います。なおまた、産炭地域振興は、単に石炭特別会計だけで云々ということでもこれは期待できぬわけで、各省のそれぞれからいろいろな話がございましたが、通産省が中心となって、各省との横の連携をとりながら、また各省においてもそれぞれの予算措置を通じ、公共事業等を通じ、産炭地域振興のために、一そう努力することを強く希望したいと思います。
 以上をもって私の質問を終わります。
#116
○鬼木委員長 田代文久君。
#117
○田代委員 時間がありませんから、簡潔に御答弁を願いたいと思います。
 まず、この法案が、十年間延長されるということにきまりますと、特別会計がどうなるかという問題です。というのは、原油の値上がりですね。これの関税でこれがまかなわれてきておる、これが一部では関税を値下げしなければならない、そうなってくると、石炭の特別会計に回される資金がなくなるのじゃないかというような問題も起きて、もしこれが実際において延長されるということになっても、重油なり石油の値上がり、たとえば関税の切り下げというようなことがはね返ってきますと、実際に十年延長された特別会計がどのように、とにかくこれが続けられるかという見通し、これは大臣のほうで御答弁願うのがあれですけれども、一応こういう問題が起こっている以上は、またこの法案をどうしても通さなければならないという現状においては、そこに何らかの見通しなりあったと思うのですから、その見通しを簡単に御説明願いたいと思います。
#118
○本田政府委員 お答えいたします。
 御指摘のように、現在原重油関税のうち、原油につきましては十二分の十に相当するものをこの石炭特別会計の財源として入れておりまして、この財源の存続については、四十五年度で終わるということになっておりましたが、これは少なくとも延長すべきであるという当委員会の御意見もいただいておりまして、現在四十八年度までは存続することを関税審議会で結論を出しまして、本国会で御審議願っておるわけでございます。関税審議会で御審議願った際も、本来原重油というのはかけるべきではないのだが、石炭については今後の財源はどうだという御指摘を受けました際に、鉱害問題の復旧あるいは産炭地域の振興というような事業は、四十八年度で終わるものではございませんので、これは引き続き必要だと考えております。しからばその財源はどうするのか、四十八年度まで関税を延ばしたのだが、その以降も延ばすということかという御指摘も受けたわけでございますが、これらの事業についての財源につきましては、特定財源でいくか一般財源でいくかはともかくとしまして、石炭対策を進めるためには、どうしても要る財源であるという判断のもとに、関税審議会においても説明を申し上げましたが、われわれとしてもそう考えておりますので、十年の延長と財源の問題は直接関係なく、財源を調達してこの事業を進めなければならない、こういうふうに考えておる次第でございます。
#119
○田代委員 大体わかりました。
 では次に、産炭地に対しては過疎地域対策の緊急措置法を適用しておるわけですね。したがって、また大量的な閉山の中で起こる産炭地の疲弊というのは、これは非常に特殊な性格を持っているわけですね。こういうところにおける地域に対して、一般の過疎地域対策の緊急措置法を適用するという理由はどこにあるのかという点をお伺いしたいと思います。
#120
○中井説明員 お答え申し上げます。
 産炭地域問題の共通性かとも存じますが、過疎の一面と同時に、産炭地域特有のいろいろな問題がございます。産炭地域としての性格にからみます問題は、産炭地域振興臨時措置法におきまして、かなりの分野をカバーしているわけでございますが、ただそれ以外に、純粋の過疎現象等も随伴して起こってまいるわけでございます。そういう点につきましては、過疎法の体系によりまして、現在産炭地域と重複指定をいたしまして、そういう過疎対策の面も強化しているわけでございます。
 以上でございます。
#121
○田代委員 そうしますと、産炭地域はそうい、特殊事情があるから、より手厚いそういう保護政策、援助政策をとらなければならない、こういう姿勢、政策で進んでおられるということに理解していいわけですか。
#122
○中井説明員 産炭地域振興政策につきましては、閉山に伴います地域の疲弊を救うこと、まさに緊急対策として当然必要なことでございますが、それ以外に、工場団地を造成いたしまして企業を誘致する、そういったかっこうでその地域の経済社会の再建をはかっていく、こういったような積極的な面も兼ね備えておりまして、そういった体系になっておるわけでございます。
 他方、過疎対策のほうは、人口減少に伴う急激な地域社会の崩壊というか、その一面だけをとらえていろいろな対策が打たれておる。したがいまして、産炭地域の場合に、両面を備えておる地域につきましては、重複指定によりまして、両方の施策が同時に受けられる、そういうかっこうになっております。
#123
○田代委員 そういう基本的な観点から、当然産炭地の自治体に対しては、地方交付税、こういうものについての基準なり率にしましても、これは特別に考慮する必要があると思うのですが、先ほど少し説明されておったようですが、何か十分納得できない点がありましたので、地方交付税は、もう少し産炭地域に対しては、別途に手厚く対処すべきであるというふうに考えるわけですが、その点の御説明を願いたいと思うのです。
#124
○森岡説明員 先ほども御説明いたしましたとおり、地方交付税は御承知のように、普通交付税と特別交付税とに分けて算定をいたしておりますが、普通交付税は人口でありますとかあるいは面積でありますとか、そういういわば客観的な資料を用いまして、画一的に算定をいたしております。画一的に算定いたしますので、どういたしましても終閉山、特に大規模な終閉山がありました場合のような、特殊な地域の特殊な財政需要というものに随時対応していくということは困難であります。そこで、特別交付税によりまして、必要な財政需要を的確に捕捉していく、こういうやり一方をしておるわけでございます。
 総額で申しますと、四十四年度の特別交付税でございますが、産炭地域関係の地方公共団体に交付いたしました産炭地域振興対策関係の経費、これが約五十五億円でございます。その内容は、先ほど申し上げましたように、一つは、先活保護なりあるいは失業対策事業が、普通の市町村の財政負担よりもかなり大きくこえますので、そのこえる部分について完全に補てんをする。第二が税の減収を補てんしていく。第三が鉱害復旧事業でありますとか、あるいは緊急就労事業あるいは開発就労事業、こういう離職者対策の経費につきまして、国庫補助金がございますが、地方負担がそれに伴いますので、地方負担について地方債を充当し、その残部についてさらに特別交付税を充当していく、こういう形で、実態に即するような財政措置を講じておる、こういうことでございます。
#125
○田代委員 私ども実際に産炭地の疲弊しておる情景を見ますと、いままでのそういう補助率では非常に低い、もっとこれは大幅に拡大してもらう必要があると思うわけなんですけれども、特殊事業というものをやっておりますね。そういう場合に離島、過疎法というものでやっておる補助がありますね。少なくともそれ並みの補助をすべきではないかと思うのです。つまり、産炭地域における異常なそういう疲弊、破壊状態に対しては、特にこれを考慮するという観点から、そういういままでの一般の補助をこえた離島、過疎法並みの補助をなすべきではないかと思うのですが、これに対する御見解はどうですか。
#126
○森岡説明員 補助率ないしは負担率の引き上げ、かさ上げの問題でございますが、現在、御承知のように、産炭地域振興臨時措置法に定められておりますし、またその所管は通産省でございますが、私どもといたしまして、地方財政を担当いたします者としての考え方を申し上げてみたいと思います。
 地域開発あるいはその他の観点からの補助率のかさ上げには、いま御指摘のありました辺地、離島あるいはその他にもございますが、事業量に関係なく、一定の高率補助なり高率負担をするという方式と、いまの産炭地域振興臨時措置法で定められておりますように、一定の基準事業量を定めまして、その基準事業量を越える多くの地方負担があります場合には、その越える部分について、負担が過大であるからということで補助率のかさ上げをする、こういう方式、二つあると思います。いまの御指摘は、事業量に関係なく、根っこから補助率を上げるという方式をとれないのか、こういう御指摘であろうかと思います。確かに立法例としても二つあるわけでございますが、それぞれ利害得失もあろうかと思います。私どもといたしても、かねがね通産省といろいろお打ち合わせをしておりますけれども、引き続き産炭地域振興のために、どういう国庫補助、負担率のかさ上げ、ないしは充実が最も効果的であるかということにつきまして、御相談を続けてまいりたいというふうに考えておるわけであります。
#127
○田代委員 次に、鉱害復旧についてお尋ねしますが、残存鉱害が、いままでの御説明では大体千三百億ちょっとこえておるというようなことですけれども、これはたとえば、福岡県なら福岡県なんかの場合を見ましても、実際にこれをオーバーしているようなあれがあるのですね。ですから、残存鉱害に対する評価に幾らか食い違いがあるようですけれども、とにかくかりに千三百億円の鉱害が残っているとしまして、その中で無資力鉱害というのがその半分近く、六百五十億くらいあるというのですね。十年間今度この法律を延長して、一千三百億で、しかも無資力がその半分くらいあるという中で、鉱害は十分初期の目的を達して、復旧が完了する、こういう見通しになっておりますか。その点どうですか。
#128
○本田政府委員 御指摘のように、残存鉱害量は千三百億強ということに相なっておりますが、これは四十四年度末ということになっておりまして、今後十年でやる際に、人件費その他の値上がり等もございましょうから、十年を通じた復旧の総額としては二千数百億になるだろう、こういうふうに考えておるわけでございます。そして、この復旧は、一本調子で復旧をしていくか、あるいは中間年度をやや高くして、ピークをつくって復旧していくか等につきましては、現在長期計画を検討いたしておるわけでございまして、さしあたり本年度の約百四十億の復旧予算でいけば、そうした線の上には乗っておるというふうに考えておる次第でございます。
#129
○田代委員 これは、当然、国なりあるいは加害者炭鉱が負担すべき性格のものですが、実際問題としては、非常に鉱害が残って被害を受けている地域、自治体、あるいは農民あるいは市町村民の苦しみというものは、政府でも何回も調査においでになったと思いますけれども、たいへんなものなんですね。特に水道の問題は先ほどお話がございましたが、農地の中にある家屋というようなものは、これは復旧される場合には、いわゆる農地の復旧と同時にこれがされるようになっているわけですね。ところが、その対象になっておる農地からはずれた地域、たとえば道路一つを隔ててそのほうからはずれておるという家屋は、実際もう戸障子も立たない、床の底には穴があいておる、水が入ってくる。こういうようなところでも復旧が放置されておるというような事態が幾カ所もある。こういう問題をどういうふうに解決されるのかということですね。また、どういうふうにこれは解決方法として考えておられるのか。実際に絶えず苦情が出っぱなしになって、しかもなお、その被害補償も、あるいは復旧も十分でないという問題について、いままでどのように対処し、また実際に苦情が出ないように、この法律が通ることによってできるかどうかという点について、御答弁を願いたいと思うのです。
#130
○阿部政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘のように、家屋の被害が、農地に次いで鉱害の中ではきわめて大きいウエートを持っておるわけでございますが、何ぶんにも日常の生活に供するものでございますし、その復旧は、きわめて緊急かつ重要なことだということを十分認識しておるわけでございます、かような観点から、従前より家屋復旧予算につきましては、家屋鉱害の全鉱害量に占める割合に見合うものを計上して、その復旧に努力してまいりました。現在、なお相当量の鉱害が残存しておりまして、加えて、御指摘のとおり、近年無資力炭鉱が増大しておりますので、被害住民の民生安定のためにも、公共施設及び農地とのバランスを考慮しながら、今後一そう鉱害家屋の復旧の促進をはかる所存でございます。
 なお、鉱害が一体どのくらいの比率を占めるかということを御参考までに申し上げますと、先ほど来お話しに出ております四十四年度末全国残存鉱害量計千三百八億に対しまして、家屋鉱害が二百六十四億、ちょうど二〇%を占めておるわけでございますが、最近における年度別の復旧は、しからばどのようになっておるかということを御参考までに申し上げますと、四十四年度では総復旧費百十億に対して二十四億で二二%、それから四十五年度は一部推定を含みますが、百二十五億に対して二十七億の二二%、次の四十六年度におきましても、一応総額百四十六億のうち三十一億で二一、二%ということを予定しておりまして、残存鉱害量に対する家屋鉱害に占める地位二〇%に対しては、きわめてわずかの数字ではございますが、ウエートとしては、それを上回る鉱害復旧を現在続けておるわけでございます。ただし、先生御指摘のとおり、地域によって非常にアンバランスがあるのではないか、たとえば、鉱害農地の中にあるのは、農地復旧とともに比較的すみやかになされるが、それから離れた単独の家屋鉱害についてはとかくおくれがちではないか、こういう御指摘でございますが、これらにつきましては、確かに筑豊方面の数多くの中には、そのようなところも時に見られるようでございまして、いろいろ陳情等もまいっておりますが、私どもといたしましては、できるだけかようなものが早く復旧されますように、年の初めの基本計画ないし実施計画の際にも、現地鉱害事業団の出先機関ないし通産局に対しまして、十分事前調査をやるようにかねがね指導してまいっておりまして、今後ともさように努力してまいりたいと思う次第でございます。
#131
○田代委員 その問題について再度確かめておきたいのですが、そうしますと、農地などの復旧と、あるいは農地からはずれたような家屋の復旧とは、それを復旧するということについて順位をつける、まず農地は優先的にやって、それからその他の家屋はその次にやる、こういう処置はとらない、どちらも同じ順位において、領域においてされる、こういうことに理解してよいのですか。
#132
○阿部政府委員 お答えいたします。
 お説のとおりでございまして、農地と家屋の間に優劣の、あるいは先後の順位などは意識的につけておるわけではございません。いずれも、それぞれの立場で公平な観点から行なうようにしております。
#133
○田代委員 時間がありませんから、最後に一点だけお尋ねします。
 それは、この産炭地域の開発就労事業についてですけれども、この産炭地域の開発就労事業というものは、いままでやってこられたのですが、これを起こされた、この事業を始められた理由ですね。どういう理由でこれをしているか。それからまた、いつまでこれを続けられるのか。事実、これは福岡県などの例を申しますと、事業量が現在非常に少ない。したがって、いわゆる開就事業で働きたいという希望者が、たとえば福岡県などの場合、八千六百三十五人もとにかく四十五年度あったのに、実際の就労者というのは二千七百九十人で、その中で失業保険を受けているのがわずか千六百六十九人、こういうふうですね。ですから、希望者は八千六百人もあるにもかかわらず、実際においては二千七百人か八百人くらいしか就労ができないという、この産炭地域の仕事を奪われた非常に困っておられる人たちに対する、生活と仕事を安定させるという政府の就労事業が、いかに貧弱であるかということになっているのです。
 それから、予算面から見ましても、一カ月二十四日就労させるというようなことになっておるかもしれませんけれども、実際は二十二日ぐらいしか就労できない。しかも、二十二日就労で計算しても、事業量なり予算というものは、大体工事が九月半ばで終わってしまって、あとはとにかく仕事がないんだ、こういうことで非常に貧弱な実態なんですね。もう少しこの事業のワクをふやしてもらいたい、働かしてほしいという希望が出るのも、当然な結果なわけなんですが、そういう問題について、国庫補助あるいは予算にどのようにこれを計上してふやしてもらえるかというような問題。
 それから、その際、この開就事業の賃金が非常に安いわけですね、実際に。いわゆる緊就といわれているそれよりも、もっと安い。これがむしろ地域の低賃金の基礎になっているのじゃないかと思うのですが、北九州などでこの開就で働いておるのは、男で千六百円から千八百円、女は九百四、五十円ということですね。あるいは郡部へいきますと、鞍手郡などでは男が千四百円、女が千二十五円。こういうような、現状の物価高に合わない低賃金なわけですね。仕事がない上に、しかもそういう低賃金でやっておられるということですね。公共事業の全国的なそういう単価によりましても、たとえば大阪なんかでは四十五年度に二千百四十円、兵庫では二千百四十円となっておるのですね。福岡では千六百十円と、実に大きな開きが、八百円も開きがあるのですね。こういう低賃金の状態になっている。しかも、こういう非常に不幸な労働者の方に対して、日雇保険制度が適用されていないのですね。なぜ日雇保険制度を適用しないかという問題ですね。もしそれであれば、当然これは適用するように対処していただきたいということを要求したいと思うのです。
 そういう点でいろいろ申し上げましたが、就労日数をもう少しふやすということ、それから、少なくとも一カ月二十二日以上働けるようなことにするということ、それからいま言った低賃金をもっと上げるように保障して、賃金差別をなくしてもらいたいというような問題、こういう点について、いままでとってこられた実際の仕事の反省の上からも、それから実情の上からも、いままでどういう政策をとってこられたか、また、今後その反省の上に立ってどのようにこれを改善しようとしておられるか、また、私がいろいろ希望を述べました、それについての所見を伺いたいと思います。
#134
○遠藤政府委員 産炭地域につきましては、炭鉱の閉山に伴います離職者は、御承知のように炭鉱離職者臨時措置法によって再就職のあっせんをいたしております。この適用を受けないその他の関連企業の離職者あるいは従前の失業者等につきましては、緊急就労対策事業、その他一般失業対策事業等で従来その就労を確保してまいったわけでございます。御承知のように、一昨年、四十四年度から産炭地域開発就労事業というのを新しく始めまして、こういった従来の各種諸制度によって、就職あっせんなり就労の確保できない人たちに対しまして、地域の開発と就労の確保という観点から、こういう新しい事業を開始いたしたわけでございます。この就労ワクは全体で三千二百人で、四十五年度も同じでございますが、御承知のように、この事業は、いま先生のお話しのように、九月でなくなるというような性質のものではございませんで、こういった対象者が、年間を通じて十分就労できるような計画を組んで事業を実施してまいっております。賃金につきましても、確かに御指摘のように、福岡県の場合は男子千六百九十円から千八百円程度でございますが、これは一般公共事業と全く同額、同程度でございまして、一般の民間賃金よりも低いというような事実はございません。来年度につきましても、この事業の実施に必要な資材費の値上がり、あるいは賃金の上昇等に必要な程度の単価の増額を見込んで計上いたしたつもりでございます。
 それから、こういった事業に就労しております人たちの失業保険の適用につきましては、大部分が一般失業保険の適用を受けておりますが、実情に応じまして、日雇失業保険の適用も受け得るようになっております。
#135
○田代委員 終わります。
#136
○鬼木委員長 岡田利春君。
#137
○岡田委員 時間もありませんから、重複を避けて重点的に質問をいたします。あと残ったところは、質問を留保しておきたいと思うのです。
 まず第一点は、電炭会社法の単純期限延長という法律案が出されておるわけですね。実は、おととい参考人からの意見も聞いたわけですけれども、いわば委託されて運用調整をしておる。マル近船の最近の動向は原料炭のウエートが非常に高まってきておる。もちろん産炭構造としても、近い将来は一般炭と原料炭が逆転するであろう。このことは想像することができるわけです。ですから、この法律は単純延長ではなくして、いわゆる電力用炭販売株式会社法ではなくして、もうこの時点では、石炭販売株式会社法にする必要があるのではないのか、こう私は思っておるわけです。もちろん、原料炭についても電力用炭と同じようにそれぞれ契約をしておるわけですから、原料炭の場合にもユーザーと炭鉱が契約をして、少なくとも、この取り扱いを石炭販売株式会社がやるというくらいに、もう一歩飛躍した考えでこの法案を出すべきではなかったのか、こう私は思うわけです。先ほど、本年の夏には原料炭の貯炭も増加する、貯炭融資等について非常に問題が出てくる可能性すら出てきている、こういう現状認識からしても、もうここまできている石炭は、電力用炭だ、原料炭だというのではなくして、むしろこれを一元的にとらまえる、こうあることが正しい、私はこう思うわけです。そういう意味では、本法はむしろ改正をして、石炭販売株式会社法にすべきだ、こういう意見を持っているわけですが、見解を承っておきたいと思います。
#138
○本田政府委員 お答え申し上げます。
 電力用炭販売株式会社法の単純延長につきまして、この機会に原料炭の買い取り、販売もできるように改正すべきではないか、かような御意見を、けさほど来二度承ったように思うのでございますが、その節申し上げましたように、私どもといたしましては、原料炭の、いわゆる炭の需給関係におきます特殊性から申しまして、これを一括買い取り、そして一括販売ということは、なお現在の需要家の考え方、あるいは従来長年にわたってきた流通機構の実態等々から考えますと、電力用炭と同様な扱い方をすることには、はたして所期の効果があがるであろうかどうか、なお疑問に思っておる次第でございます。したがいまして、今回の法案の延長に際しましても、原料炭を取り入れて石炭販売株式会社に機構拡充する、業務拡大する、かようなことはとらなかった次第でございます。
#139
○岡田委員 いま部長の答弁を聞いておりますと、答弁にならぬわけですね。六千万トンの原料炭を輸入して、原料炭は優先取引をさせるというのが政府の方針でしょう。一般炭の場合だって、これは電力用炭に割り当てをして政策需要をつける、全く同じですよ。何か違いがあるのですか。何も違いがないわけですよ。複雑だなんて何が複雑なのか。むしろ一般炭の場合よりも、これは八電力あるわけですから、ユーザーを見ましても、鉄鋼あるいはガス、ほとんど限定されるわけですから、問題はやる気があるかないかということですよ。私はそう判断するわけです。しかし、そうしますということにはならぬでしょうが、やはり石炭の問題というものを従来の惰性ではなくして、やはり情勢が煮詰まってきたなら、それに対応するというぐらいに考えていくべきだという意見を、とにかく時間がありませんから申し上げておきたいと思います。
 第二に、一般炭に対する認識ですけれども、原料炭は五百円ことし上がるわけですが、予算はいま審議されておりますけれども、一般炭、しかも大型閉山が続き、大手で見ればもう上位一般炭の炭鉱は、残るのは常磐炭礦と太平洋炭礦だけですよ。あとは全部原料炭が併産される炭鉱です。そして北炭、住友のような主力大手四社の原料炭を産出しておる会社が、三割ないし四割一般炭を併産しているという状況から考えれば、あるいはまた、今度の炭価値上がりに対する鉄鋼側のユーザーの希望等をも考える場合、また、昨年に続き、いまC重油が大体五百円程度上がるではないかというような中で、炭価の引き上げということは非常に困難な面があるでしょうけれども、少なくとも政策的に見れば、もう一般炭と原料炭の政策格差は解消すべきではないのか、同じ炭層を掘って、同じ条件で石炭を掘って、たまたま選別をして原料炭と一般炭になるわけですから、しかも、純一般炭の炭鉱というのはずっとウエートが低い、あるいは極端なローサルファの一般炭の炭鉱という現状から考えれば、政策格差をつける必要はないじゃないか。あるいは条件の問題で言うならば、日本最大の炭鉱である三池炭鉱の条件は最もいいといわなければならないわけです。しかも歩どまりは九八%である。こういう好条件で、ではなぜそういうところに政策を厚くつけなければならぬか、こういう矛盾した議論も出てくるわけです。そういう意味において、いますぐどうのこうの結論が出る問題ではないでしょうけれども、そういう客観的な情勢、あるいは大型閉山等の背景を考える場合に、少なくとも事務当局は、この一般炭のささえる面については慎重に検討をしていくべきだ、こう思うのですが、少なくとも検討する意思があるかないかだけをきょう承っておきます。
#140
○本田政府委員 お答えいたします。昨年来、一般炭問題につきましては、しばしば本委員会で御指摘を受けておるところでございまして、先ほども、安定補給金における格差の問題についても御指摘を受けたわけでございます。この前、体制委員会で、中間答申につきまして、稲葉委員から安定補給金の問題が出ました際にも、非常に広いエネルギー全体の問題として考慮する必要があるというような点の御説明もございました。われわれといたしましては、一般炭が今後の石炭鉱業の中できびしい条件のもとで生産を続けざるを得ない。しかもまた、需要の面におきまして、高硫黄炭あるいは低品位炭等につきまして、公害問題のからみで需要の確保が困難になるという事情があること等を考えますと、御指摘のような原料炭炭価の引き上げが続く中で、一般炭についてどう考えるかという問題は、きわめて重要な問題だというふうに存ずる次第でございます。しかしながら、一面、先ほど御指摘がありましたように、今回の産油国の原油値上げ等々とからみまして、重油に対する影響がどうなるかというような問題も出てまいったわけでございまして、これらの問題を総合的に考えて考慮する必要があるというふうに考えておる次第でございます。
#141
○岡田委員 設置法で、九州の臨石本部、これまた期限延長されて設置をされていくわけですが、去年の例で見ますと、閉山は九州よりも北海道のほうが多いわけです。半分以上占めておるわけです。そういう情勢の中で、この九州の臨石本部を延長するのに、なぜ北海道に臨石本部をつくらないのか。そしてまた、九州と北海道の違いというのは公害だけですよ。公害は、九州の場合はああいう地域条件でありますから非常に多い。それ以外の政策上の面から言えば、これは閉山の規模からいっても変わらないわけです。もちろん政府は、いま総定員法などというワクで縛っておりますけれども、しかし延長するなら北海道もつくるべきじゃないですか。つくらないとすれば、臨石本部と同じような運用をする気持ちがあるのか。そうなれば当然それに対して、そういう方向というものがある程度具体化されなければならない、最低そう思うわけでありますけれども、この点について承っておきたいと思います。
#142
○阿部政府委員 お答えいたします。
 今回の法改正にあたりまして、臨時石炭対策本部を従来どおり九州のみに置くことといたし、北海道には設けないことといたしましたのは、石炭対策上の諸問題が、御指摘のとおり公害の問題が特に大きうございますが、北海道よりも九州のウエートのほうが大きい、こういう事情に従来ともございましたが、なお、今後におきましても、向こう三年を考えた場合に、この事情には大きな変化がないと考えられまして、かつ片方で、ただいま御指摘の中にもございましたが、政府における行政機構簡素化の方針もございまして、一応九州だけということで、単純延長の方針をとった次第でございます。しかしながら、最近北海道につきましても、閉山に関連する諸対策や、産炭地域振興対策を総合的に推進する必要が増大いたしておりますのは、御指摘のとおりでございまして、従来すでに、産炭地域振興策につきましては、関係各省の出先機関及び地方公共団体の関係職員からなる産炭地域振興関係各省連絡会が、現地に置かれておりまして、活動を行なっておる次第でございまして、その他の対策につきましても、私どもの出先であります札幌の通商産業局におきまして、必要に応じて関係各機関と連絡、協力して、対策の実施を行なっております。法律上特段の機構が今度北海道に設けられないわけでございますが、運用により、十分これをカバーしてまいるつもりでございます。しかし、今後の北海道におきます問題の重要性等にかんがみ、実質的な関係機関の連絡会等につきましては、さらにこれを強力に行なってまいれるように、いろいろと検討を続けてまいりたいと思う次第でございます。
#143
○岡田委員 最近の閉山動向に考えて、産炭地域振興臨時措置法のいわば二条指定と六条指定地域があるわけです。もちろんこの六条指定の場合には、いわゆる生活保護、財政力指数、あるいは失業者、こういう要件を備えて、この法律発足当時六条指定を行なったわけです。しかし、産炭地というのは、極端なものの言い方をすれば、ある日突然炭鉱が閉山をする、そして崩壊をする。環境の例を見れば、地域がもう短期間の間に、完全に空襲にでもあったような状態になるわけですね。そういう動向、あるいは最近の閉山は全然大型化しております。昨年、一昨年ですか、大体二十万トン規模をこえているでしょう。ことしになりますと、これからさらに閉山の規模が倍、倍になっていくわけですね。そういう点から考えますと、やはり炭鉱があるうちに、産業構造的に極端な疲弊にならないような努力を、地方自治体はしなければならぬのではないか。そういたしますと、結局この二条の中でも、現に稼行中の中核炭鉱が存在している自治体、地域。あるいは四次政策以降炭鉱が閉山されて、なおかつ二条地域である、こういう地域。これはもう炭鉱閉山の独特なあれなんですから、四年くらい待って、またこれを基準に合わせて変更するなどという、ゆうちょうな問題ではないわけです。そういう炭鉱閉山の特殊な、他の法律では考えられないような状況が出てまいるわけでありますから、むしろ日常的にそういう構造改良に努力をしておいて、ぽんとなくなっても、すぐそれが六条の恩恵に浴されるように考えるべきではないのか。こういう意味で、炭鉱が現に存在しておる、あるいは四次政策以降も、炭鉱が閉山になって二条になっているというものは、ある一項を加えて六条指定とすべきだ、こういう意見を私は持っているのですが、いかがでしょうか。
#144
○中井説明員 お答えを申し上げます。現在の六条地域の指定につきましては、先ほど先生からもお話のございましたように一定の基準を設けまして、その基準に合致したものを指定したわけでございます。現在の六条地域以外の二条地域につきまして、そういった基準等適合してまいりますと、いまの段階では、なお六条地域に追加することはきわめて困難であろうかと考える次第でございますが、ただ二条地域のうちにおきまして、疲弊の著しい地域につきましては、今後とも産炭地域振興施策を一そう重点的に行ないまして、産炭地振興の実効をあげるように、運用上でカバーをいたしてまいりたいと考えております。
 それから、なお将来閉山が発生いたしまして、その影響が地域としてきわめて甚大であるという場合には、時期を逸せず六条地域として指定し、対策の傾斜的な展開をはかる、こういうことにつきましても、そういった事態に即応いたしまして、検討を加えることにいたしたいと思っております。
#145
○岡田委員 新産業都市の指定を受ければ税の減免の恩典があるわけですよ。新産都でさえあるわけですよ。基準と言うけれども、炭鉱のすでにあるところは、やはり恒常的に対策を考えるべきであって、そういう意味では実態論からいけば、これは普通の地域開発や新産都、そういう法律等とは違うわけですから、もう少し実態論に即応して対処すべきだと私は思うわけです。きょうは自治省も来ておるようでありますけれども、もう経験を重ねているわけですし、十分その点、ほかの立法とは違う実態論に立って対処してほしい。これは法律でありませんから、検討すればできることですから、その点特に強く要望しておきます。
 第二点は、特別立法で、辺地あるいは過疎立法では、それぞれ辺地債その他地方債を出すことができるわけですが、六条地域に指定されておる市町村の場合でも、産炭地振興債の発行を認めてはどうか。十年たってもなかなか困難な面がある。そしてまた、地方としてもいろいろなやらなければならないことがある。そういう意味で、辺地、過疎法と同様な制度を取り入れてはどうか。そして元利償還については、基準財政需要額に算入していく、そのくらいのことをやらなければならないのではないか。もうこれだけ大型化閉山、大なだれ閉山になって養ますと、そのくらいの措置をとっていいのではないか。過疎や辺地と全く同質ではないのか。過疎なんかはじわっとくるわけですよ。産炭地の場合はその社会が崩壊してしまうわけなんですから、そういう意味では、むしろこの産炭地振興法にそういう制度をすべきでないのか。そういう点で、単純延長について、私は非常に疑問を持っているわけですが、この点ひとつ今後の問題として検討されるか、見解を承っておきたいと思います。
 なお、時間の関係がありますから、もう一つは、これも自治省と関連ありますけれども、第十一条の先ほど来問題になっている点であります。先ほど自治省から数字を言われましたように、四十三年で見ますと十一億程度ですかある。総額は七十八億五千二百七十八万円ですよ。その六十九の適用町村のうち、六条指定は、四十三年で見ますと四十四あるわけです。そして六条の恩恵に浴したのは二億五千八百十六万ですか、ですから率にしますと三二・九%です。六十九のうち四十四が六条指定ですよ。そして、総額から六条がどのくらいの比率になっておるか、金額的に見ますと、四十年から四十三年を見ましても、例年大体三三、四ということなんですね。だから六条に傾斜するといっても、事業をやるわけですから、かさ上げでは解決しないわけですよ。いままでもしばしば問題になってきたのですけれども、今度の法律の改正でもこれが出ていないという点について、私はできれば多くの議員の賛同を得て、議員修正をしたいという意欲を持っておるわけです。そういう意味で過疎法等の関係も考慮して、高率適用等について考える、あるいは補助率を上げる、基準について再検討するということは、この数字からいって一つどうしても必要じゃないでしょうか。この二点について見解を承っておきたい。
#146
○森岡説明員 お答えいたします。
 確かに御指摘のように、現在の産炭地域振興臨時措置法による国の産炭地域振興に関する措置については、なおなお改善すべき点が十分あると思うのでございます。まず第一に、過疎法なり辺地に関する法律で定めております特別措置のようなものを、産炭地域振興の中に取り入れてくれないか、こういう問題でございますが、過疎法で国庫補助負担率を引き上げておりますのは、御承知のとおり、かなり限られた事業でございまして、学校統合とか保育所とか、あるいは消防施設、それくらいでございます。そのかわり、補助率は三分の二ということで、一律に引き上げております。それから辺地のほうは、これは補助負担率の引き上げはしないで、地方債を特別に認めて、元利償還費を交付税の基準財政需要額に八割算入する、こういう措置を講じておりますので、したがって、私どもは、第二点の産炭地域振興臨時措置法に基づきます、財政措置の改善の問題として考えます場合には、やはり国の補助負担率の内容の改善、これをまず中心に私どもとしては考えるべきではないかと思うのでございます。現在は御承知のように、先ほど申し上げましたように、一定の基準事業量というふうなものを用いまして、それをこえる部分について、補助負担率の引き上げをしていくということになっておりますが、そういう仕組みでございますために、かえって特例高率負担の適用が受けにくいというふうな実例もあるように見受けます。反面、またしかし、過疎法のように補助負担率の引き上げの対象事業をしぼりませんで、かなり広範になっているという利点はあるわけでございますが、そういう点をいろいろ考え合わせながら、今後さらに所管省でございます通産省と、私どもとしましては補助負担率の内容の改善について、十分検討を進めるよう努力してまいりたいと思います。
 なお、地方債の元利償還費を基準財政需要額に算入することにつきましては、先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、現在むしろ特別交付税のほうでその措置を講じておりますので、その内容をさらに充実していくことによって、その措置が実効を確保できるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#147
○岡田委員 議論している時間がございませんが、いずれにしても、この法の運用目的からいって矛盾ですよ。そういう結果としてこういう数字が出るわけですから、やはりこれは矛盾、矛盾はすみやかに是正すべきだと単純に言えるのだと思うのです。しかし、私は、できればここはどうしても修正案を国会で成立させたいというくらいの気持ちを持っている点でありますので、若干まだ時間がございますから、特にこの点について、十分ひとつ実態を――こういう法律は実態を見て、それに適合するように改めていくということが必要ではないかと思います。
 次は、産炭地振興事業団の用地取得にかかわる譲渡所得税についてですが、租税特別措置法の第三十三条の四もしくは第三十四条、三十三条の四の適用ということになれば、土地収用を前提とするという問題がありますから、せめて三十四条を適用してはどうか、こう私は思うのでありますけれども、この点はどうかという点と、それから進出企業の工場、機械等の特別償却制度、これは延長するのかしないのか、延長はするだろうと思うのですけれども、この点明確になっておりませんから、はっきりお答え願っておきたいと思います。
#148
○山内説明員 まず最初の点でございますが、産炭地域内において振興事業団が土地を買い上げた場合に、譲渡所得に対して特別控除を認めたらどうかという点でございます。御承知のとおり、現在土地を譲渡いたしました場合には、ごく特定の場合には、おっしゃいますような形の譲渡所得の特別控除、たとえば収用によって買い上げられた場合には、一千二百万を控除するとかいったような、大きな金額の特別控除をやっておりますが、通常の土地の譲渡所得の場合には百万円を控除するわけでございます。そういうふうな状態でございまして、産炭地域の点について考えます場合に、はたして、当該地域内の土地を譲渡いたすということ、つまりその土地を買い上げるということ自身について、どの程度の政策的な重要性を考えるかということに関連しようと思うわけでございますけれども、少なくとも、たとえば収用によって道路をつくる、その道路をつくるために、その土地がどうしても公共のために必要だというような形で、特別にその問題のその場所そのものを、国として、あるいは地方公共団体として取り上げたいという考え方の政策とは、いまおっしゃる点は全然違うのではなかろうかと思います。そういった場合に、はたしていかなる形で措置をするかということでございますけれども、現在の体制といたしましては、そういったふうにして土地を売りに出させるというのを促進するというような政策はとっておりませんで、むしろそういった産炭地域以外の地域から、いかにして工場を誘致して、それによって、当該地域全体の工業水準を引き上げていくかということに力点が置かれておるように考えられます。そういう意味合いからいたしまして、われわれといたしましては、現在のところ特別控除額について手当てをするというつもりはございません。
 その点は、第二の御質問と関連をいたすわけでございますけれども、そういう意味合いで、われわれ産炭地域の振興といたしましては、土地の譲渡を促進させるというのではなくて、むしろ外部からその産炭地域へいかにして工業設備なりその他の産業施設を持ってきて、当該地域の産業水準を引き上げるかということに関連して、特別措置を考えておるわけでございまして、その一環といたしまして、いま御指摘のような特別償却の制度が現在あるわけです。この制度につきましては、すでに制度施行以来、十年間指定をいたしまして、引き続きやってまいっておるわけでございますが、特別措置の性格といたしましては、本来十年間というのはかなり長い期間の特別措置にはなろうと思いますけれども、なお、現下の産炭地振興の重要性にかんがみて、若干延長の方向でこの際は考えざるを得ないかと現在検討中でございます。いずれにいたしましても、この点は政令改正でございますので、なお少し検討の結果、結論を出したいというふうに考えております。
#149
○岡田委員 ちょっと議論したいのですけれども、これまた時間がありませんから次に移ります。
 団地造成に関連して、地方公共団体の行なう道路の整備ですが、先ほど若干答弁がありましたけれども、少なくとも離島あるいは北海道、北海道は四分の三です。一般は三分の二ですか、先ほど離島の例を出されましたけれども、北海道、離島は四分の三の率になっておる。産炭地の特に団地なんかの道路、極端に崩壊してしまった場合の道路については、やはり四分の三まで上げてしかるべきじゃないのか、こう思うのです。先ほどちょっと答弁されておるようでありますけれども、重ねてひとつお聞きしたい。特に北海道は特例でそうなっておるし、最大の産炭地は北海道、九州、そして常磐、山口県ということでありますから、ごく限定されておる地域ですし、ぜひひとつ四分の三まで上げてほしいという期待を込めて質問して、見解を承っておきたいと思います。
#150
○吉田説明員 北海道、離島の道路の事業につきまして、一般の場合に三分の二の補助率が四分の三となる特例が開かれておるわけでございますが、私どもといたしましては、この産炭地域の補助率のかさ上げ方式は、他の北海道や離島とはやはり角度の違った、すなわち財政力等とのにらみから、一定の方式によって、苦しいところに引き上げがいくような、そういう制度が適当ではないかと考えておりまして、そういう道は、この法律におきましても、先ほども御答弁申し上げましたとおり、最高が八割まででございますが、開かれておりますので、これによってやっていきたいと考えている次第でございます。
#151
○岡田委員 建設省の場合にも、地方公共団体の財政力指数の動向というものはよく見られていると思うのですが、六条地域で、昭和三十五年度六二・四から四十四年度には三六・七に低下してしる。しかも全国平均は四十四年度で六二・〇である。このくらい違うわけですね。六二と三六・七ですよ。ですから離島、北海道と限られた産炭地でいえばそれよりまだ下ですね。平均より下なんですから、この実態からいえば。こういう点については他にもそういう離島等に適用しているわけですから。時間がないから議論しておってもしようがないのですが、ぜひひとつ検討していただきたいと思うのです。自治省なんか捨っていくとわかるわけですから、いかがでしょう。
#152
○吉田説明員 おことばでございますが、先ほど申したような観点から、現行制度のほかに、最初から補助率を引き上げるということについては考えておらない次第でございますが、昭和四十五年度の実績を見ますと、全国で四十四億七千三百万円程度の事業費に対しまして、二億六千百万円程度の補助率差額が交付されることになりまして、その率は六%弱に相当いたします。したがいまして、三分の二に加算いたしますと、七二・五%というような率になっておりまして、法制上は八割までいけるということでございますので、現行制度で処理させていただきたいと考えております。
#153
○岡田委員 これから道路整備の計画も検討されていくのでしょうから、十分ひとっこれらの問題について念頭に含めて、ずいぶん壁が厚いようですから、十分ひとつそういう実情を含んで検討してもらいたいということを私は希望いたしておきます。
 次に、閉山後の当該指定地区、炭鉱のあった地域−市町村単位なんという考え方は私はないわけなんですけれども、直撃的に産炭地振興をやるという考え方です。したがって、もちろん資本金あるいは離職者子弟採用の基準等設けてけっこうだと思うのですが、ある程度中くらいの、そういう緊急企業誘致、これに協力をした企業に対しては、設備資金はいま事業団の業務方法書で六分五厘でありますけれども、特定金利をもって優遇するというようなことを考えてしかるべきではないのか、あるいは特定金利がだめならば、二・五%程度の利子補給をするような措置は考えられないか。それと、事業団業務方法書によれば四千万円、あるいは六条の場合は四割以内という原則が定まっているわけですが、貸し付け限度、特にそういう直撃的に来る企業に対しては七〇%、いずれかこういうものを組み合わせれば、なおけっこうなんですけれども、こういう制度を考えてはどうか。時間を限られておるわけですから、二年後、三年後にできる企業に対してという意味ではないわけですから。そして大型閉山がこれから進んでいくわけですから、どうしてもそういう従来の感覚を変えなければならないと思うのですね。そういう点についてお考えはないか、お聞きしておきたいと思います。
 それと関連をいたしまして、閉山によって電気、水道、学校が閉鎖されて、当該地域より住宅もろとも、あるいは店舗もろとも撤去せざるを得ないというものに対しては、特別交付金もあるわけですから、見舞い金制度をやはりとるべきではないのか、こう考えるわけですが、この点についてどういうお考え方があるか、お聞きいたしたいと思います。
#154
○中井説明員 お答え申し上げます。
 産炭地域振興事業団の融資事業につきましてほ、産炭地域振興が、先生も御指摘のように、非常に緊急を要するという点にかんがみまして、他の政府関係金融機関、たとえば北東公庫でございますとか、あるいは中小企業金融公庫こういったいろいろな政府関係金融機関に比較いたしまして、かなり低い六・五%という金利を採用しているわけでございまして、企業誘致のために、償還期限等につきましても特別の優遇措置を講じております。しかしながら、先ほどのお話にもございましたように、大規模閉山地域におきます場合、いま申しましたような優遇措置、これをさらに強化する必要があることは御指摘のとおりでございます。融資の申し込みの優先的な採択、あるいは融資比率の引き上げ、通常は大体四〇%くらいでございますが、それを六〇%くらいに引き上げるとか、あるいは企業の実情を考慮いたしまして、償還期限を延長するとか、そういった面につきまして十分な、特段の配慮をいたしてまいりたいと考えております。
 なお、これとあわせまして、単に事業団の融資事業だけにとどまらず、事業団がいま持っておりますいろいろな制度、たとえば出資制度でございますとか工場建物譲渡等、こういったいろいろの制度を活用いたしまして、大規模閉山地域への企業進出を一そう促進するようにつとめてまいりたいと思っております。
 それから、第二点のお尋ねの件でございますが、従来石炭鉱業が維持管理してまいりました電気、水道、住宅、こういったいろいろな生活環境施設、これが石炭鉱業の終閉山によりまして、特に僻地で発生いたしました場合には、集落ぐるみ市町村に移管されて、集落ぐるみそれが撤去される、こういうケースも多くなってきているわけでございます。こういった市町村の財政上の負担、これを救いますために、通産省といたしましては、昭和四十四年度から新しく制度としてつくりました、産炭地域振興臨時交付金制度によりまして、この問題に対処いたしております。御指摘の集落ぐるみ移転を伴うような、そういった大型の閉山に対しましては、その実態に応じまして、四十五年度、本年度からでございますが、産炭地域振興臨時交付金制度の中に加算額制度を設けまして、市町村の過重な財政負担を少しでも軽減するようにということで対処しておるわけでございます。今後、なお産炭地域振興臨時交付金制度につきましては、一そうの改善充実をはかりまして、御指摘のような事態に対処してまいりたいと思っております。それ以外に、また地方財政を担当されております自治省とも十分連絡をいたしまして、遺憾のないように措置いたしたいと考えております。よろしく御了承お願いいたします。
#155
○岡田委員 昨年から実施された交付金の上のせ分ですね、一応これは、やはり基礎と同じように出炭当たり五十円ですか、そういう方向で処理されているわけですが、私の提案にもなりますけれども、やはりこの上のせの場合は、単に出炭で見るのではなくて、たとえば住居、店舗の転出をしなければならない数とかあるいは出炭総額とか、あるいは撤去に伴って緊急に簡易住宅をつくる、そうした市町村の負担分があるわけですね。あるいは緊急な工事をたてるとか、水道の維持をはかるとか、いろいろな問題が出ると思うのですが、幾つかのそういうものを、ある程度勘案してやるほうが理想ではないのかという点。それから自治体に対する特別交付金の場合、現在は初年度一〇〇、次は七五、二五%ずつ下がって終わるという逓減方式をとっているわけですが、これらについても、機械的に逓減するのではなくて、もう少し弾力的に考えてはどうか。できれば最低を、最後は五〇くらいに押えられないのか。逓減のスロー化をはかると同時に、最低を五〇くらいにとどめるような点について、予算総額との関連もありますけれども、この点検討願えないか。あるいはまた、閉山のなだれ現象で、予想を大きく上回る現状を憂慮しているわけです。たとえば、当初三百五十万トンの閉山で交付金は十億なら十億ときめるわけです。ところが八百四十万トンも閉山した。また去年もことしも大型閉山、来年もまた大型閉山。いわゆる予算の立て方としては、三百五十万トンの閉山に対して十億なら本年度は十四億、こう立てているわけですが、その前提が倍以上になったら、当然交付金もその点に見合って多くしなければいかぬのじゃないか。これは補正等にもなるでしょうが、そういう点は弾力的に対処できるのかどうか。前二項は、特に私の意見を含めて申し上げたわけですが、端的にひとつお聞きいたしておきたいと思います。
#156
○阿部政府委員 お答えいたします。
 臨時交付金制度の運用につきましては、四十四年度に初めて本制度が予算上実施に移されたわけでございまして、何かとなお今後実態をよく見ながら、改善していくべき点が多々あると思います。ただいま岡田先生が御指摘のようないろいろな諸要因をもっと複合的に勘案して、その配分等を考える必要はないかという点、さらにまた、そもそも臨時交付金制度のもととなっております閉山規模が、予算当初と比べて、たとえば四十四年度が二倍強発生したとか、四十五年度もこれまたかなり上回るであろう、こういう事実等から見ましても、その総額におきましても、確かにおっしやるとおり不足が出てまいるわけでございます。現に四十四年度におきましては、当初十億でございましたが、結果的には、雄別炭礦の閉山の実態に合わせまして、財政当局の御理解も得まして、十一億になったような次第でございまして、今後予算の許す範囲において、たとえば流用等ができれば、それらも十分勘案し、財政当局とよく連絡して、御期待に沿うよう改善してまいりたいと思います。
#157
○岡田委員 この機会に北海道開発庁に伺っておきたいのですが、北海道総合開発の第三期計画が、今年度発足いたすわけです。ここには、石炭の位置づけがされて、大体十年間に二千万トン程度、こういう位置、つけがなされているわけですが、今年四十六年度、大体二千万トンを切るだろう、こう見るわけですから、北海道開発から見れば、石炭の落ち込みということは非常に狂いが当初から出てくるわけです。そういう最近の動向からして、特に北海道にウエートを占めている石炭産業という面で、これにどう対処していく考え方を持っているのか。引き続き産炭地振興について、特にこれは第三期計画に私も参加いたしましたけれども、位置づけをいたしているわけです。特に団地の整備という点について位置づけをいたしているわけですが、再開発の場合、北海道は特に鉱工業にとらわれるのではなくして、農業、畜産のウエート、あるいはまた、ある部面においては水産養殖業という面が、北海道の場合はどうしても取り入れられなければならない。こういうような面がやはり出てまいるわけです。そういう点について、開発庁としてはどう対処されようとしているのか。
 それと同時に、北海道庁、北海道開発庁、通産省というように、全く行政ポジションが同じように北海道に重なっているわけです。そういう意味で、先ほど質問しましたように、九州には臨石本部がございますけれども、北海道にはないというような面で、特に三者を中心とする総合的な調整機能の充実ということが最も大事ではないか、こういうふうに思うのですが、そういう面についてどう対処されていくか、方針を聞きたいと思います。
 それとつけ加えて、産炭地振興基本計画、あるいは実施計画、これは北海道に限ってはやはり私は第三期計画――第三期計画というのは今年が初年度です。十カ年です。そうすると法律が少しずれるわけです。大体北海道の場合は、三期計画がすべてを網羅している計画ですから、産炭地計画については、北海道については、大体第三期計画に年度的には合わして対処するという方向のほうがより効率的であり、望ましいのではないかと思うのですが、その点について見解を承っておきたいと思います。
#158
○新保政府委員 お答え申し上げます。
 ちょうどもう一年ほど前になるのでございますが、北海道の総合開発計画、第三期の開発計画を、岡田先生その他の方々の御指導のもとに策定をいたしたわけでございます。その際に、北海道の石炭問題をどういうふうに扱うか、位置づけるかということが問題になりまして、当初私どもの原案には、石炭の問題は軽く扱われておったわけでございますけれども、特に一本の柱を立てまして、石炭鉱業の安定あるいは産炭地域の振興という中柱を立てた次第でございます。
 北海道の第三計画におきましては、現在北海道の出炭量は二千百万トン程度でございますが、第三期の十年先、五十五年度においては、二千万トンの線を維持するという想定のもとに、積み上げを行なっておるわけでございまして、今後もわれわれはそこを目標に置いて努力をしていきたいと思っております。
 内容的には、石炭の原料炭が逼迫いたしてまいっておりますので、北海道といたしましては、原料炭を中心にいたしまして長期の安定をはかっていく、そのための各般の施策を講じてまいりたい、かように考えておるわけでございます。もちろん、そのことのためには、関係各省の御協力をいただかなければならないと考えております。
 それから産炭地域の振興でございますが、これはそれぞれの地域の特性に応じて、私ども開発庁の役所といたしましては、産業基盤の整備をはかっていく、そして、工業その他の代替産業の導入あるいは育成ということにつとめてまいりたいと考えております。産炭地域振興の実施計画の策定に際しましては、所管省であられる通商産業省とも十分御連絡、御協力を申し上げ、これに基づく各種の事業がございますが、それにつきましては、工業団地の造成時期などに対応いたしまして、道路、河川など、基盤の整備を進めていく所存でございます。いままでの北海道の産炭地における、たとえば道路整備等の状況を見ますと、北海道全道の道路の改良率あるいは舗装率は、産炭地のほうが若干よくなっておるようでございますが、近々、四十六年度予算に基づく道路の実施計画を策定するわけでございまして、その際にも、産炭地の道路整備ということにつきましては、特に配慮を加えてまいりたいと考えております。また、いろいろ工業団地ができますと工業用水が必要になってくる。いままで治水ダムとして調査、計画を進めておるというものにつきましても、そういう事態の変動に応じまして、工業用水が必要になるということでございますれば、それも取り入れた、新しい事態に応じた計画を策定していく、そういうふうに弾力的に対応していくつもりでございます。あるいは工業団地に対する取りつけ道路、あるいは産炭地振興に役立つような道路整備、また振興開発に関連いたしまして必要な産業開発道路の新設、そういうようなことにつきまして、いままで以上に前向きに対処してまいりたいと考えております。
 それから工業の導入でございますが、これは私どもとしましては、この第三期におきましては工業の導入を大いにはかってまいりたいと考えておるわけでございますが、そのための調査費もいろいろ計上して、立地条件等の調査も進めておりますし、あるいはそこに進出いたします民間企業に対する設備資金の融資、北海道東北開発公庫の財政資金等の運用によりまして、そういうこともやりやすくなるように配慮してまいりたいと考えております。
 先ほど、通商産業局あるいは北海道庁と、私どもの役所との連絡関係の機構問題についてお尋ねがございました。実は、私ちょっと途中から入りましたので、よく御趣旨がわからないのでございますが、産炭地振興、あるいは離職者対策等に関するそういう関係各省の連絡機関ということにつきましては、実態をよく調べまして、いままで以上にその連絡を密にするように、開発庁サイドからも心がけてまいりたいと考えております。
 それから第三期計画は、ちょうど御指摘のように、四十六年度から十カ年でございまして、まさにタイミングも時期も一致するわけでございますので、三期の計画の推進にあたりましては、産炭地振興というような点から、なおいままでより一そう留意をして、御趣旨に沿うように努力してまいりたいと考えております。
#159
○岡田委員 時間がありませんが、最後に、事業団業務方法書の二十六条の六に「出資の対象」、出資業務があるわけですが、私は、この法律を立てるときには非常に期待したのですけれども、いま軽量骨材だけで、あとは無煙燃料、活性炭についても企業化されていないという現状なわけです。この当時は、こういう意欲あるいはまた政府機関関係の中核的な企業を誘致するというようなことを閣議で決定されたり、総理からも説明があったわけですけれども、いま考えてみますと一カ所だけ、ただ一つよりないわけですね。
 私は、これは一つの提案になるわけですが、「当該地域の資源の活用に資する等当該地域の立地条件に適合した新技術の企業化を目的とした」事業、こうあるわけですが、ここはあまりこだわらなくてもいいのではないかということが一つと、資本金一億以上という点につきましても、昨今の産炭地振興の急速を要するという現状から考えれば、中小企業投資育成会社方式、そして安定してくるとその資本は民間に移譲するわけですね。むしろあの方式のほうが、あれに準じたような方式のほうが、最近の現状では最も適合しているのではなかろうか、こう私は思うわけです。これは事業団法の改正をしなければできないわけですけれども、十年間延長するわけですから、現行法を十年間そのままにしておくという気持ちもないのでしょうから、この点については昨今の状況から見て、研究課題として検討してもらってはどうか、もう少し研究してもらってはどうかという気持ちがございますので、これが第一点。
 それから第二点は、事業団の組織でありますけれども、中央は三部十課、それから九州は八課ですか、北海道は一支所三課という体制にあるわけです。これからの北海道の産炭地振興を考える場合にこの体制はどうなのか、北海道の充実をはからなければならないのではないのか。たとえば九州にあるように、それぞれの課の充実についても北海道支所の場合には考えなければいけないのではないか、こう思うわけですが、この組織はこのまま行くお考え方なのか、私が指摘をしておりますように充実をするお考え方があるのか、この二点あわせてお聞きしておきたいと思います。
#160
○阿部政府委員 お答え申し上げます。
 御質問の第一点でございますが、産炭地域振興事業団の出資事業の対象が、資本金一億円以上の企業を対象とする、こういうふうになっているが、これをさらにもっと引き下げていくべきではないか、また新技術の企業化等の出資条件を緩和する考えはないか、こういうのが第一点の御質問かと思うのでございますが、確かに岡田先生の御指摘の点は、北海道の特殊性等考えますと、重要な問題と思います。いま直ちにこの点を是正するというふうにはまいっておりませんけれども、御指摘の点につきましては、十分地域の特殊性を考えて検討を加えてみたいと思います。
 それから、第二の御質問の点でございますが、産炭地事業団の組織につきまして、北海道の今後の重要性から見て、もっと組織の強化拡充の必要はないか、こういう御指摘でございますが、確かに最近北海道の閉山は規模も大きく、かつ、数も非常に出ておりまして、中には地域ぐるみの、集落ぐるみの移転のやむなきに至るようなケースもございまして、御指摘のとおり、一そう強化拡充の必要性は高まっていると認識しておる次第でございます。このために、事業団の北海道におきます組織につきましては、従来支所でございましたものを昭和四十四年度におきまして支部に昇格させまして、かつ、定員を増加し、組織を強化いたし、さらに四十五年度になりましては釧路、白糠団地等の土地造成事業の拡大に対処するために、担当課といたしまして事業課を新設いたし、かつ、定員を四名でございますが、増加をはかる等逐年充実につとめてまいっておる次第でござい侵す。
 なお今後も、北海道におきます産炭地振興事業に万全を期するために、必要な組織の充実につきましては、今後の北海道におきます石炭鉱業の推移状況等を十分見ながら、そして御指摘のような点につきましても、慎重にかつ重点を置いて検討を続けてまいりたいと思うのでございます。
#161
○岡田委員 時間がありませんから、はしょった質問になってあれなんですが、あとは保留しておきまして、きょうは終わりたいと思います。
#162
○鬼木委員長 次回は、来たる十一日、木曜日、午前十時理事会、午前十一時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後五時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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