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1970/01/27 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
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1970/01/27 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号

#1
第065回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号
昭和四十六年一月二十七日(水曜日)
    午後四時十分開議
 出席委員
   委員長 吉田 重延君
   理事 大西 正男君 理事 奧野 誠亮君
   理事 鍛冶 良作君 理事 堀  昌雄君
   理事 二見 伸明君 理事 門司  亮君
      赤澤 正道君    小島 徹三君
      田中伊三次君    松浦周太郎君
      阿部 昭吾君    西宮  弘君
      伏木 和雄君    林  百郎君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 秋田 大助君
 委員外の出席者
        自治省行政局選
        挙部長     中村 啓一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法改正に関する件
     ――――◇―――――
#2
○吉田委員長 これより会議を開きます。
 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。
 この際、中村選挙部長から、昭和四十五年上半期における政治資金の収支について発言を求められておりますので、これを許します。中村選挙部長。
#3
○中村説明員 旧臘二十六日の官報によりまして、四十五年上半期におきます政治資金の収支につきまして、政治資金規正法に基づいて公表をいたしたところでございますが、今回公表にかかります分のごく骨子につきまして、この機会に御報告を申し上げたいと存じます。
 四十五年上半期におきまする政治団体の収支の総額は、収入額が百七十三億五百万円でございます。支出のほうが百七十七億五千五百万円という額になっております。今回公表をいたしました額なりをめぐります特色といたしまして、私ども事務的に理解をいたしております点は、三点ぐらいあるかと思います。
 その第一点は、収支の額がたいへんに増加をしておるということでございまして、百七十億ということになりますと、大体四十四年の額に匹敵をするような額でございまして、非常に収支の額が増加をいたしておるように存じます。これは、一つには政党活動、政治活動というのが非常に活発に行なわれるようになってきて、したがって収支もそれだけふえたという点もあろうかと思いますし、あとで申し上げますが、政治団体の届け出の数が従来よりもかなりふえてまいったということも関連をしておるかと存じております。
 それから第二点の特色は、この百七十三億に占めます寄付の率でございますが、今回は収入総額の中で四四%が寄付ということになっております。したがいまして、たとえば前年の四十四年は二八%、その前の四十三年が三九%というような率でございましたので、ある程度収入額に占めます寄付の比率は高まってまいっております。そういう意味では、収支の報告につきまして、透明度がよくなってきたという見方もあるいはできる面もあろうかと思っております。
 それから第三点の特色は、報告をしてもらいました政治団体の数が七百四十五ということでございまして、これは四十四年が五百九十余り、四十三年が五百二十余りということから見ますと、届け出の団体数はかなりふえてまいっております。ただ、現在時点で全国的に活動する団体として報告がありまして台帳に載っております政治団体が千四百九十五団体でございますので、七百四十五団体の励行率といいますと五割という程度にとどまるわけでございます。しかし、私どものほうで何回も何回も各政治団体と連絡をとって、それぞれの団体の状況把握につとめたところでありますが、私どものいまの時点で承知をしておりますところでは、千四百九十五団体ございますが、実際活動をいたしておりますものは八百八十程度であって、約六百団体程度というのは事実上は活動をやめておるというような状態にあるのではないだろうかというふうに思われます。そういう意味では、形の上の届け出の励行率は四九・八%という程度でございますけれども、実際活動をされておられる団体の励行率ということになりますと八割強というような程度に考えておるところでございます。
 大体今回の特色はそういうことで三点程度考えておりますが、なお五大政党なりの動きにつきまして若干申し上げますと、五大政党の総額は全体の百七十三億という収入額の中で九十三億という形でございまして、五割強、五四%というのが五大政党の収入になっております。支出のほうも大体同様でございまして、五三、四%が全体の政治団体の中で五大政党が占められておるところであります。この五三、四%という比率は大体年を追って少しずつウェートが高まってまいっておる傾向にございます。
 それから五大政党の内訳につきまして申し上げますと、収支の額が一番大きいのは自民党でございまして五十三億、次が共産党でございまして二十億、その次が公明党でございまして十五億、その次が社会党でございまして、三億、最後が民社党で八千万円という形であります。自民、共産、公明、社会、それぞれ前年よりもかなりふえております。前年同期に対比をいたしまして、一番ふえておりますのが自民党でありますが、その次が公明党であり、その次が共産党というような順序でふえておるところでありますが、ただ総額においてわずかでありますけれども民社党は減っておるというような形になっておるわけであります。
 それから、この五つの政党を含めまして大きい政治団体三十団体について見ますと、この三十団体で全体の収支の約八割から八割五分程度を占めております。この傾向も大体従来と同様でありまして、全体の政治団体のうちで、上位の五大政党を含めた三十団体で八割から八割五分程度収支が行なわれておるという実情でございます。
 なお、五大政党につきまして民社党を除いて非常に収支がふえましたその支出の点につきましての特色は、いわゆる広報宣伝費でありますとか、あるいは、各党によって名称は若干違っておりますが、いわゆる情報活動ということに従来と対比をして非常に支出額がふえております。そういうことが先ほど申しました総額の増にもあるいは通じておるのではないだろうかと存じております。
 それから寄付の面につきましては、五百万円以上の寄付をいたしましたものが、全体で団体、会社、個人を含めまして七十四件ございます。個々に見まして、一番大きいのは鉄鋼関係の二億円というようなものになっておりますが、それらを含めまして五百万円以上の寄付というのは、七十四団体ないしは個人になっておるという状況でございます。
 四十五年上半期におきまする収支のごく概要は、いま申し上げたようなところでございますが、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、なおそれぞれの政治団体の実情を十分把握いたしまして、ほんとうに活動をやめておられるような団体につきましては解散の届け出をやっていただくというようなことにいたしまして、いたずらに数が多い、したがって励行率が悪いというような印象を与えないような形に各団体と連絡をとって対処してまいりたいと思っております。また、現に政治活動をおやりになり、収支をおやりになっている団体で、届け出が励行されておらない団体につきましての御連絡、励行督促という点につきましては、なお今後とも十分配慮をいたして、現在の政治資金規正法が十分に守られておるという形に持っていかれるように相つとめたいと存じておる次第でございます。
 以上、概要を御報告申し上げます。
#4
○吉田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
#5
○堀委員 自治大臣にお伺いをいたします。
 私が、この四十三年の参議院の通常選挙が終わりましたあとの衆議院の特別国会におきまして、この前の参議院選挙における参議院議員の地方区の定数が非常にアンバランスであるという問題を本会議で取り上げまして、佐藤総理もこれに対して、全くもっともである、次の通常選挙までにはこれを改めたい、ついては第六次の審議会をすみやかに発足させてこの問題の処理をしたいという答弁がありました。それをもとにして第六次の審議会も発足し、第六次審議会は、御承知のように定数是正の答申をいたしておるわけでありますが、新聞紙の伝え見るところによれば、自民党政府は、今回は定数是正は見送りと決定したもののように伝えておるのでありますけれども、この間について自治大臣の見解を承りたいと思います。
#6
○秋田国務大臣 結論から申し上げたいと存じます。
 新聞にもしそういう伝えがあるといたしますならば、私はまだ読んでおりませんが、それは誤りでありまして、まだ決定はいたしておりません。しかし、この間のことについての感じを話せという御趣旨に受け取れましたが、御承知のとおり、答申当時と四十五年十月一日実施されました国調の概数の報告されました結果とは、人口別、県別の配列等において違いがございます。答申そのものをそのまま採用することは、これはいささかナンセンスであるという点が考えられる。したがって、どうしたら答申の趣旨を尊重したことになるのであろうか、いろいろの案が考えられますが、この点について苦慮をいたしておりました。しかし御承知のとおり、参議院の選挙期日も逼迫をいたしておりますので、早々に最後の決断を下さなければならぬということはよく承知をいたしております。最終段階になっておることは、もちろん自覚をいたしまして、これが最後の検討段階に入っておる次第でございます。
#7
○堀委員 確かに新しい国勢調査が四十五年に実施をされて、四十年の国勢調査の実績と相違があることは客観的事実でありますから、これはだれも否定をしないことでありますけれども、少なくともこれまでの経緯から見ますと、私はもう何回も実はこの問題を、時間的なタイムテーブルも含めて、当時の赤澤自治大臣以来ずっとこの問題について論議して今日に至っておるのでありますが、たとえば概数がわかりました時点で――実は昨年の暮れには、御承知のように第七次選挙制度審議会が発足をしているわけでありますから、少なくとも政府が、そういう客観的事実が著しく変わったという時点において、政府だけの責任において答申を尊重しようといっても尊重のしようがないわけであります。きわめて具体的な問題でありますから。第七次審議会のほうに、実は第六次で答申をいただいたけれども、客観的な事実がこれまでと非常に違ってきておりますので、新たな客観的事実を添えて、ひとつこの問題について早急に小委員会等を開いて、再答申といいますか、これは何も筋を曲げるわけではないのであって、客観的な事実の相違に基づく修正を第七次審議会に求めるだけの時間的な余裕は十分にある、こういう判断を私はいましているわけであります。この問題は、少なくとも国民全体としてやはりいまの状態がアンバランスがあることをはっきり認識しているし、それについては、選挙制度審議会の皆さんもそういう認識をしておられるし、われわれもそういう認識をしており、政府も佐藤総理以下そういう認識の上に立ち、あなたも定数是正は当然だ、こう言っておられるわけでありますから、問題は手続上の問題であります。ところが、われわれ新聞を拝見しておりますと、手続上の問題ではない、何か自由民主党の利害にかかわる問題が前に出ているのではないか、こういう感じもいたすのでありますけれども、その点については自治大臣はいかがですか。党との関係では、この問題についてあなたが積極的にやられることについては自由民主党はどう考えておられるのか、そこらをちょっとお答えいただきたいと思うのであります。
#8
○秋田国務大臣 問題は二点あったと思います。審議会との関係、党との関係。
 審議会との関係につきましては、昨年末、第七次審議会の発足をお願いいたしました第一回の総会におきまして、この問題が論議になりまして、私から非常に苦慮している旨を率直に申し上げた次第でございます。しかし、とにかく答申をいただいているわけでありますので、私としましては、尊重する立場において苦慮しているということを率直に申し上げたのであります。これに対しまして御意見は二途に出たようでございます。それは簡単な問題じゃないかというような御意見もありまして、問い返すまでもないというような御意向と、はっきりはわかりませんが、やはり相当問題ではなかろうかという見地に立った御意見の発表もあったように思われまして、私もその問いろいろ考慮しておったわけでありますが、第二回の会議が今月ございましたが、たまたま臨時閣議等がございまして、私は十分御意見等を拝聴できなかったし、私の意見を申し述べる時間的余裕がまことに遺憾ながらなかったままで今日に至っている、こういう次第でございます。
 党の点につきましては、これまた私も党員でございますが、また関係方面の御意見も十分拝聴すべきでございましたが、党の選挙制度調査会の日は、何でございましたか用務にさえぎられまして、どうしても出ることができませんでしたが、これは、あとからその間の事情は聞きまして承知をいたしておりますが、党は党の事情、私ども政府としましては政府の立場でこれが検討をしなければならぬ、こう考えている次第でございます。
#9
○堀委員 いまのお話、前段のほうは、もちろん一応答申が出ておるのでありますから、それをどうするかの判断は、まことに自治大臣、あなたの判断に待つところだと思います。審議会で二つの御意見があった、それは当然だろうと思いますが、ただ、そういう客観的事実についてきわめて具体的な答申を求めている以上は、その客観的事実が著しく違うときには、これは差し戻して御検討いただくというほうが筋道ではなかろうか、私はこう思うのであります。その判断をいずれになさるかは少なくとも今日にはもうおきめをいただいておるのでなければ、この問題を前へ進めようというのならばまず問題が残る。やめようというのならばいいですけれども、久日の時点では、あなた御自身の判断は、審議会にもう一ぺん再検討を依頼するのか、もう自治省自身でそれが処理をきめるのか、この二つのうちの一つでなければならぬと思いますが、どちらでございましょうか。
#10
○秋田国務大臣 この問題は、やはり十分考慮をいたしまして、慎重に結論を下さなければならないと考えております。したがいまして、多方面の関係者の御意見等もできるだけ承りたい、こう考えておりますが、長く延引を許さない時期になっておることもよく承知をしております。したがいまして、今日この場において皆さんの御意見を伺うこともその考慮の中に入るわけでありまして、これらの点を十分踏まえまして、なるべく早く最終的な結論をいずれにしてもきめたい、こう考えております。
#11
○堀委員 どうもあなたの御答弁、率直に言って非常にすっきりしないのですね。時間が非常に迫ってきておることですし、私は、率直にお答えいただければ、それはそれなりのこととして考えたいと思うのですが、いつまでたってもどちらでもないようなお話では問題の解決にならないと思いますし、もう一つ、皆さんのほうの自由民主党はこの際見送るということを新聞の伝、えるところによるとどうやらきめたようですね。自由民主党がそういうことをきめておって、あなたもさっき自由民主党の党員だとおっしゃるのですけれども、政党内閣の場合はどうなんですか、党が見送りをきめていてもあなたはおやりになるという決意があるのかどうか。ただここではっきりした答弁をしないということが、私は、自治大臣として適当だということにならないと思うのですよ。国民が聞いておるわけでして、私個人が聞いておるわけじゃないのでして、長い経過のあることでありまして、きょうは通常国会最初の委員会でありますから、少なくとも出す方向で努力をするということなのか、努力をするけれども、いまはきわめて困難だからちょっと見込みがないというのか、そこらあたりははっきり御答弁いただかなければ、私もこのままで、はい、そうですがといって引き下がるわけにいかない。どうでしょうか。
#12
○秋田国務大臣 その辺がなかなかむずかしいところでありまして、おことばを返すわけではございませんが、また、堀先生の御意向にすっきり合致しないきらいがありましてまことに申しわけございませんが、それらを含めましてひとつ間違いのない結論を出したいといろいろ苦慮をいたしておるところでございます。
#13
○堀委員 どうも時間がたつだけで、何時間やってみてもしかたがないのですけれども、やはり自治大臣、私は各大臣の答弁を伺っていてそう思うのですけれども、その場を回避することは実は私は何でもないと思うのです。しかしやはり政治家に求められておる最大の問題は決断の問題です。だから何も私はここで、やります、やりませんということばでは聞いていませんけれども、やる方向で努力をするというのか、非常に困難なので、努力はしておるけれどもどうも無理だと思うというのか、せめて角度ぐらいはあなた答弁しなければ、自治大臣としての資格に欠けるところがあるんじゃないか。私は政治家としてのあなたの答弁を求めたいと思っているのですよ。だからあなたは、自治大臣という単なる官職にあるということでなくて、秋田さんという政治家がいま自治大臣という立場で、国民が期待をしておるこの重要な問題、特に参議院選挙を前に控えて、一体どちらになるのかということは非常に重大な問題でありますから、この際ちょっとお答えをいただかなければ、何時間でも私は伺いたい。
#14
○秋田国務大臣 決してこの場をのがれるために一時の言いのがれをいたしておるつもりはございません。政治家として重要な問題であって、もうたいした時間をかけずに最終の結論を出さなければならない段階に立ち至っておりますので、いま最後の決断を下すべくいろいろ考慮をしておるところだ、しかしその時間はたいしてかかりませんから、しばらくお待ちを願いたい、こういう趣旨でございます。
#15
○堀委員 そうすると、そのしばらく待てというのは何月何日まで待てばいいのでしょうか。それをひとつお答えいただきたいと思います。
#16
○秋田国務大臣 何月何日と時間を限ることはできませんが、決してそれは時間と申しましても相当長くかかるような問題ではございません。もう短時日のうちに決定しなければならない、かく私は承知をいたしております。
#17
○堀委員 短時日というのは、三日以内とか、一週間以内とか、十日以内とか、大体そこらが短時日ですね。二週間となればもう短時日とは言いませんからね。三日以内ですか、どうですか。イエスかノーかでお答えください。
#18
○秋田国務大臣 三日以内かと限られましても困りますが、大体先生がおっしゃったその日数あたりの中にはきめたいと思います。
#19
○堀委員 私が言ったのは、一番長いのは十日以内ですからね。そうすると十日以内は間違いない、こういうことですね。
#20
○秋田国務大臣 まあその辺のうちにはきめたいと考えておるわけであります。
#21
○堀委員 委員長にお願いをいたします。
 さっき理事会で三週間くらい先ということにしましたが、事きわめて重大でございますので、ともかくひとつ十日以内、一週間くらいのところでもう一辺、時間は夜になってもけっこうですから、委員会を開いていただくことをまず強く要望いたしておきます。非常に重大な国民の権利と関係のある問題をいたずらに遷延して日を送っていては困りますので、その点を特に委員長に申し上げておきます。
#22
○吉田委員長 堀先生のいまの御要請にお答えいたします。
 この問題は、もちろん重要な問題でございますので、理事会にはかりまして、そして決定することにいたします。
#23
○堀委員 次は政治資金規正法案の問題であります。
 実は自治大臣は、この間の第七次審議会の最初の総会に御出席をされて、こういうふうにあいさつをしておられるのであります。「先般の第六次の審議会に至るまで、委員各位の御熱心な御審議を得まして、この間、選挙人名簿制度の改善に関する報告、政治資金の規制等の改善に関する答申並びに衆議院及び参議院の選挙区制その他選挙制度の改善に関する答申、報告等をいただき、逐次改善の実を挙げることができました。しかしながら、当審議会の御熱意と御労苦にもかかわらず、また、政府としてもできるだけの努力はいたしたのでありますが、いまだ、実現を見るに至っていないものがあることはまことに遺憾に存じますとともに、今後とも御趣旨に沿って実現のための努力を続けてまいる所存であります。」こうあなたはおっしゃっておりますね。
 そこで私はちょっと伺いたいのでありますが、「また、政府としてもできるだけの努力はいたしたのでありますが、」こういうふうにおっしゃっておるのですね。政治資金規制についてはなるほど答申が出まして、その次の国会、それからその次の国会、要するに通常国会二回にわたって政府は提案をされました。それ以来通常国会、この前も今度も政府提案を実はしてないのですよ。これであなたのおっしゃる政府としてもできるだけの努力をしたということになっているのでしょうか。できるだけの努力をしたというのは、毎年の通常国会にいろいろな状態で努力をした案を出された、しかしそれは国会で通らなかったというのなら、これは私は、政府はできるだけの努力をしたと評価いたしますけれども、あなたのおっしゃっておることは事実と相違しておるのじゃないでしょうか。あなたはどういうお気持ちでこういうふうにごあいさつになったのでしょうか、ちょっとお答えいただきたいのです。
#24
○秋田国務大臣 なるほどこの一年間提案をいたしておりません。その限りにおきましては形にあらわれた努力をしていないということは当たっておるかと存じます。しかしながら、内部におきましては、関係者の間においていろいろ、こういうものはどうだろうかというようなことは、審議を内部的にはいたしておるわけであります。また結論といたしまして、結局、三回通らなかった経験にかんがみまして、政党あるいは個人の政治活動、選挙活動につきまして改善を加え、あるいはこれに関するある程度のコンセンサスを求めた上において適正な処置を講ずべきではなかろうかというように考えるに至りましたので、第七次選挙制度審議会の発足等につきましても、その点の考慮をいたしまして、鋭意これが準備につとめた次第でありまして、形の上にはあらわれておりませんけれども、気持ち及び内部におきましては、これが成案の決定等の方向に向かいまして政府といたしましては努力をいたしてまいった次第でございまして、その点を申し述べたような次第で、どうぞ御了承を願いたいと存ずる次第でございます。
#25
○堀委員 選挙部長に伺いますが、いま自治大臣は、内部でいろいろ努力したという話ですが、どういう努力をしたのか、少し具体的に事務的に報告してもらいたい。
#26
○秋田国務大臣 選挙部長は途中でかわられましたので、あるいは十分御承知ないかもしれませんが、私といたしまして、前の選挙部長等を招致いたしまして、関係者の間に議論をいたしまして、部長が来られてからはあったかなかったか、その点少し私も記憶が十分ではございません。
#27
○堀委員 きわめて重大な問題でありますから、自治大臣が前の選挙部長に指示をしておられたことならば当然選挙部長は引き継ぎがあってしかるべきだ。いま選挙部にとって、この政治資金規制の問題は定数是正の問題とともに最大の重要案件だと心得ておりますから、おそらく事務引き継ぎもあったかと思いますので、あったかなかったかを含めて、選挙部長から事務的な御報告を求めます。
#28
○中村説明員 政治資金規正法の改正の件につきましては、堀先生の仰せのように、私どもとしても事務的にもたいへん大事な問題だと存じておりますし、大臣からの御指示も、特に新しく昨年選挙部長となります際にもございましたし、事務の引き継ぎの際におきましても、従来の経緯等は最も重点を置いて話し合ったところでございます。
 政治資金規正法の各般の問題点があるわけでございます。一つは、現在の規定の中で、技術的な面で検討を要する面が若干ございます。それらの点につきましては、私どもとして、ある程度幾つかの案をつくってみております。
 それからやはり基本的には会社なりあるいは個人の政治献金いわゆる寄付の額の制限というような点がございます。これにつきまして、過去三回つくりました案にさらに現在時点で何らかの、いまよりは前進できる案があるかというような面につきましても、私どもとしては検討を進めておるところでございます。私どもは、申し上げましたような技術的な側面並びに資金の流れにかかわる寄付額の制限の問題と、主として二つの点について現在研究をいたしておるところでございます。
#29
○堀委員 次回の委員会に、今日まで研究された、いまおっしゃった技術的な面については数案があるということでありますから、その数案をひとつ御提出をいただきたいと思います。さらにその献金額の流れについての御研究もされておるということでありますから、いま自治省として研究をしておられる段階における報告でけっこうでありますから、当委員会に文書でひとつ御提出いただきたいと思います。委員長、よろしいですね。
#30
○吉田委員長 政府のほう、よろしゅうございますか。自治省、どうですか。
#31
○中村説明員 研究いたしております事項等につきまして御連絡申し上げることはけっこうかと存じますが、項目のこまかい案の内容にまでわたることが可能かどうかにつきましては、私どものほうにもうちょっと検討させていただきたいと存じます。研究をいたしております項目につきましては、御連絡を申し上げたいと存じます。
#32
○堀委員 私がいま聞いておりますのは、こういうことを研究していますなんて、項目なんて実は必要ないのです。ここで自治大臣が、「政府としてもできるだけの努力はいたしたのでありますが、」と、いたしたいと思うのでありますがというなら、私はいやらしいこんな質問をしたくないのですが、「いたしたのでありますが、」とはっきり言い切ってあるのですよ。「いたしたのでありますが、」というなら、何かいたしてあるはずだから、いたしてあるものをひとつ出してもらいたいということなんです。私は、いま自治大臣に伺ったら、やっておりますという話だから、やっておるならやっておることを一ぺん出してもらいたい。それをもって政府がここでできるだけの努力をいたしましたのかどうかをわれわれとしては判断をさしてもらいたい。こういうことでありますので、単に項目を並べてもらったって、何も私はそのことが問題ではなくて、自治省事務当局としては、もしこれを提案するためには、どこにどういう問題がある、それについてはこうしたら国会の賛成が得られるのではないかとか、答申後現実の時間もたっておりますから、そういう点についてはどうなのかとか、いろいろあなた方としても、さっき話があったように、技術的な面についても数案検討したというお話であるから、その数案というのは、項目だけでは数案ということにならないと私は思いますので、中身を含めてひとつ御報告をいただきたいと思います。
 時間がありませんから最後の問題に触れますが、実は私が第六次の選挙制度委員会の委員をしておりますときに、何さま選挙制度の問題というのはたいへん複雑でありまして、委員会の委員の任期が一年ということでは問題の結末がなかなかつけにくい、ついてはひとつ審議会の委員の任期を二年にしたらどうだろうかという問題を第六次審議会で提案をして、そのときには、たまたま自民党の選挙調査会の松野さんも同席をしておられて、どうですかといって事前に聞いたら、それはいいだろうということで私は提案をしたのですが、残念ながら今日までこの問題が解決されておりません。これは政府がお出しにならなくとも、各党が一致をすれば、ただちに議員立法で処置のできることでもありますから、この通常国会においてひとつ議員立法の処置をしたいと思うのですが、政府としては出す意思があるのかないのか。それが一点。
 二点目は、われわれが議員立法で出すことについては別に異論がないということなのかどうなのか。その二点についてちょっとお答えをいただきたいと思います。
#33
○秋田国務大臣 その点につきましての私の個人的な考えはかねがね申しておりまして、その後各方面御関係者の間から任期二年説が相当強うございます。最近自治省内におきましていろいろ検討をいたして、自治省としても、皆さまの大勢がそういうことなら異議はないということに意見の一致を見ております。しこうして、これが改正の手続等につきましては、また御関係者とよく御相談の上取り計らいたいと考えております。
#34
○堀委員 以上で私の質問は、時間がございませんし、おそいので終わりますけれども、自治大臣に特にお願いをしておきたいことは、いまの定数是正にしましても、政治資金規制の問題にいたしましても、あなた方がこのあいさつのところの後段で「わが国、民主政治の一そうの発展に寄与する最善の結論が得られますよう重ねて」云々と、こう言っておられるわけですが、何といっても民主政治の根幹にかかわる問題だと思っておるわけです。いま私、大臣の御答弁を聞いておりまして、どうもぬるま湯に入っているようで、これは何か湯から上がったらかぜを引きそうな感じがしますので、もう少し適度な温度のふろにしていただいて、さっと気持ちよくふろから出て爽快な気分になれるように、自治省としてもせっかくひとつ、自治大臣にももう少し真剣な御努力をお願いをしておいて、私の質問を終わります。
#35
○吉田委員長 西宮弘君。
#36
○西宮委員 最近新聞にちょいちょい出るのでありますが、ことしの春の地方選挙を前にいたしまして、いろいろ現在の選挙法に違反をした、そういうケースが各地で見られておるわけであります。その問題について、私が新聞で見ておりますのはごくわずかでありますので、一応私が見た点を申し上げたいと思います。さらに、同じようなケースがまだまだたくさんあるのではないかと思うので、そういう点をまず政府のほうから知らしていただきたいと思います。
 たとえば一つは、千葉県で行なわれる市長あるいは市会議員の選挙に際しまして市長が市民との対話集会を開いておる。団地に出かけていって対話集会を開いておる。その対話集会の席上で、一緒に同行した三人の市会議員の候補者を紹介して、この人たちは市長に協力をしてくれる人たちだ、私に協力してくれる人に皆さんもぜひ投票してもらいたい、こういうあいさつを述べたという記事であります。あるいはまた青森県の十和田でありますが、ここでは暴力団の親分が開いた新年会に、現在の市長あるいはまた県会議員、こういう人が出て、そこでまた選挙の応援について、その暴力団の新年会の席上でそういうあいさつをしている、こういう記事であります。あるいは栃木県の足利で、市長の後援会に加入をしろ、こういう会員の加入方について勧誘を自治会長がやっておる。あるいは自治会が回覧板を回したり、その他それぞれそういう方法でとにかく自治会という末端の行政機関がその仕事をやっている、こういうようなことであります。あるいはまた変わったところでは、鳴門市でありますが、市会議員の候補者になる人を部落の総会を開いてそこで推薦をする。しかもその推薦の形式は、ちょうど選挙をやるのと全く同じように、普通の公職選挙法に基づく選挙と同じような形でもって、みんなに一票ずつ投票をしてもらう、そういう形で部落推薦の候補者をきめる、こういうやり方をやっている、こういうようなことが伝えられております。あるいはこれまたいささか変わっていますけれども、栃木県の鹿沼では、現在行なわれている知事選挙に際して、その立ち会い演説会に制服の警察官が二人、ちょうど戦争中あるいはそれ以前の臨監よろしく演説会場に厳としてがんばっている。そういう警察官の席を設けて、そこで警察官が何といいますか、いわば監視をしている、こういう状況だというのが報道されているわけです。
 こういうふうに、地方選挙が近づくにつれていろいろな問題が地方で起こっていることが新聞に散見をするわけですが、まずそういう事実、どういう問題が出ているかを、自治省で把握をしているところを御披露願いたいと思います。
#37
○中村説明員 西宮先生からお話のありました、地方選挙あるいは参議院通常選挙を控えましてのいろいろな運動につきまして問題があります点につきましては、御指摘のように私どもも大いに気をつかって実情の把握につとめておるところでございます。個々の一つ一つの内容の案件につきまして、ただいま西宮先生が御指摘になりました点につきまして、さらにそれを詳細に申し上げるというのは、あるいは時間の関係もありますので省略をいたしますが、西宮先生の御指摘になりました六つの事例はいずれも事実のようでございます。
 そこで、私ども基本的にこういう動きに対処をしてまいりますために考えておりますことは、二つの側面があるのでございます。
 一つは、確かに今度の統一地方選挙あるいは参議院通常選挙を控えまして、各地の選挙民がこれからの政治のことを考えて大いに政治的な論議をなさる、あるいは政策的なお考えをそれぞれ交換をなさる、そのこと自体は政治論としてはきわめて好ましいことで、政治論といいますか、政策をめぐる論議が活発であってはならないとは毛頭考えておりません。むしろ政策をめぐる論議というものはうんと活発に行なわれるのが、これからの政治のあり方としては好ましいと思っております。しかし、その行なわれ方が、やはり当然に公職選挙法という法制のあります以上は、選挙法に従って、ルールに従ってやられるべきであるというふうに存じております。そういうことで私ども基本的に考えております点は、政策論議は大いに活発に行なってほしいけれども、しかし、あくまでも公職選挙法というルールを守って、そこで、そのワクの中でやっていただきたいということでございまして、そういう意味で西宮先生御指摘のように、ともすればあるいは政策論議に熱中をして、ルールをはずして選挙運動にまで踏み込むおそれのあるような事例もかなり出てまいっております。私どもはこの二つの側面が正しく行なわれますようにぜひ徹底をしたいというふうに存じまして、私どもとしては、いまお話のありましたような事例等も含めまして、全国でこういう問題点がある、参議院選挙あるいは地方統一選挙を控えて十分にルールを守った正しい意味の政策論議が展開をされていくようにということで、必要な通達等を近く用意をいたしたいというふうに存じておるわけでございます。
#38
○西宮委員 いわゆる政策論議はまことにけっこうでありますが、いま私が指摘をした点、つまり新聞で報道されている点、そういう点はいずれも事前運動に類する行為、事前運動のおそれが十分にある行為、そういう問題なのでありますが、そういう点については自治省という立場は一体どういうことになるのか。これはあくまでも地方の選管にまかせておって、地方の選管がしかるべく指導するなり、あるいはまたチェックするなりということをやるのか。自治省はこういう問題についてはどれだけの責任を持つのかということが伺いたい点です。したがって、もし自治省がこれに対しても指導、監督の権限なり義務なりを持っておるということであれば、当然現地に出向いて調査をするとか、そういうことがなされねばならないと思うのだけれども、その点についてはどうですか。
#39
○中村説明員 自治省といたしましては、ぜひ選挙法を守っていただきますようなことに全国各地がなってまいりますようにつとめなければいけないと存じております。そこで、全国の都道府県、あるいは都道府県を通じて全国の市町村の選挙管理当局と緊密に連絡をいたしまして、選挙法が守られるようにすべての面で配慮をし、対応していかなければいけないと思っております。さしあたりましては、西宮先生のお話しのような、こういう問題点が各地であるので、こういうことはあるいは事前運動の問題になるというような点を、事こまかに私どもとしては例をあげて各地に連絡をとりまして、全国で選挙法が守られるような形に努力をいたしたいというふうに存じております。
#40
○西宮委員 自治省はいままでそういう問題についてはどういう指導をしてきたのですか。実績はどうですか。
#41
○中村説明員 自治省といたしましても、事あるごとに、選挙法が守られるように、必要な啓発その他にはつとめてまいっておりますが、やはりこういう点につきましては、それぞれ適当なタイミングをつかまえまして、全国の関係者にお集まりをいただいて思想統一をやるとか、あるいは適切な事例をまとめて連絡するとかいうことをやってきておるわけでございまして、御指摘のように、いま通常選挙、統一地方選挙を控えまして、ここで最近の事例あるいは最近の反省すべき問題点というものを全国に連絡すべきタイミングであると思っておりますので、近くそういう通達を出したいと思っております。
#42
○西宮委員 事前運動に類する、あるいはそのおそれのある行為、これは当然に警察当局が取り締まりをする、こういう案件でありましょうから、警察ももちろんこういう問題について十分な関心を持ってもらわねばならぬと思いますが、自治省はいまお話しのようなやり方で大いに啓蒙してもらいたいと思います。
 それから、私が読み上げた、つまり新聞に報道されておりますのは、そういう本人、あるいはまた本人にごく親しい人、その人が事前運動をしているというのと、もう一つはいわば第三者のやっております特殊な行為、さっき申し上げた鳴門で、部落で、ちょうど公職選挙法による選挙と同じような形で投票して、部落推薦の候補者を決定する、こういうやり方とか、あるいはさっき申し上げた知事選挙に警察官が出て監視をしている、そういうやり方とか、今度自分で選挙をやりたいという人が、それをより有利にするために、事前運動をするというケースと、それからもう一つは、いわば第三者のやるやり方に、ややもすると選挙法違反になるのではないかというようなことが懸念される事案があるわけですが、その後段のほうについて――前段のほうは、これは事前運動けしからぬというのはあまりにも当然だと思う。その後者のほうについて自治省としてはどういう考えを持っておりますか。
#43
○中村説明員 初めにお話しのありましたように、自治省としては、選挙法をぜひ守っていただくように関係者に訴えるということがおもな任務かと思っております。したがいまして、警察と十分連携をとりまして、最近の、違反ではないかということで警察が警告をしたような事例、これはかなり多岐にわたっておりますが、それらを類別的にまとめて、ぜひ近く連絡をいたしたいと思っております。そういうことで、お話のありましたように、いわゆる事前運動という点につきましては、事前におきましてはぜひ正当なる政策活動にとどまっていただくことを強く注意を喚起いたすようにいたしたいと思っております。
 それから第二のお話の、たとえば部落推薦というような形で候補者あるいは候補者の関係の人がおやりになるのとは違って、第三者がいろいろな動きをするという面につきましての問題でありますが、これにつきましては、それぞれの地域、それぞれの地方によって非常にニュアンスも違いましょうし、あるいは政治の風土と申しますか、ものの見方、考え方もローカルな面があるかと思います。したがって、画一的に中央で何かものを言うというようなことは非常に危険な場合が多いかと思っております。しかし、いわゆる部落推薦ということが、従来の古いしきたりというようなものに基づいて、あるいは従来の惰性に基づいて行なわれておるというような場合があるとしますと、それはあるべき選挙の姿から見て好ましくないことだと思っております。しかし、最近はいろいろな面でそれぞれの地域に、あるいは市民運動といいますか市民意識というものがそれぞれ出てきておる面もございますので、そういう新しい選挙なり政治への見方の芽ばえというものをしいて圧殺をするような形に持っていくべきでもないと思っております。そういう意味で、地域団体あるいは第三者団体あるいはその他のいろいろな集団が、選挙について何らかのアピールをしたいという場合の動きにつきましては、私どもはやはり慎重な立場に立って、画一的ではなしに、しかもほんとうに正しい意味で政治を見る目が市民の間に育っていく、そういう形になりますようなことで個々の事案に対応していきたいというふうに存じておるわけでございます。
#44
○西宮委員 最後に大臣のお答えをいただいて私の質問を終わりにいたしますが、いままで問答しておりましたことをお聞きのとおり、最近こういうケースが非常に多いわけです。おそらく新聞に報道されているのは、実際世の中にある事件のうちのごく一部だ、さらにその新聞の中で私どもの目に触れる新聞記事を特に注意して見ているという者はさらにまたそのうちの一部分であると思う。したがって、全国的にはこういうケースが非常に多いのではないか。地方選挙が迫るに従って非常に多いのではないかという感じがするわけです。そこで、私どもは、たとえば衆議院なり参議院なり、そういう国の選挙、こういう選挙についてやかましく議論いたしますが、しかし地方の選挙もきわめて重要で、それは地方にとって重要であるばかりじゃなしに、やがて国の政治に大きく反映してくる、影響を与えてくる、こういう問題であるわけであります。あるいはこの地方選挙において行なわれておることが、それがよきにつけあしきにつけ衆議院の選挙、参議院の選挙等にもいろいろ慣例として影響を与えてくる、こういう問題が多いので、私どもはその地方の選挙をただ単に地方の問題としてだけ見のがすわけにはいかない。そこで大臣、いま私があげましたのは、先ほど選挙部長も答えたように、二つに分かれると思うのですね。本人の、ないしは本人のかわりをなすような人の事前運動と、第二は、そういう部落組織なりあるいは市民組織なり、そういう人の行なう選挙活動ということになろうと思うのです。第一段の点については、これはもう事前運動でありますから、それがいけないことは議論の余地がないと思う。第二の問題は、いま選挙部長が非常に慎重な答弁をしておったが、まさにそのとおりだと思う。しかし、これは一歩を誤ると自由な候補者の進出をはばむ、そういう結果にもなりかねない。部落のボスがそのボス的な勢力を駆使して、ある特定の者に候補者をしぼってしまって、ほかに出たいという人の自由を阻害する、こういうことも起こり得る問題であります。したがって、そういう点についてはあくまでもそういう実態を十分究明して、ほんとうに市民が政治に目を開いていく、そういう性質のものであるのかどうか、こういう点あくまでも慎重に実態を究明しないと、将来非常にたいへんな悪い結果を残していくというおそれがありますから、そういう点も十分判断をしながら、自治省としては指導よろしきを得てもらいたいと思う。
 繰り返して申しますが、地方の選挙は国の大きな政治にとって重大な関連があり、影響がある問題ですから、自治大臣も十分にこれに関心を払ってもらいたい。これに対する自治大臣の考え方をお聞きして終わりにいたします。
#45
○秋田国務大臣 お説のとおり、地方の選挙と申しましても、やはり国家全体の政治に大きな関係を持つ大事な選挙でございまして、これが適正にかつ不適当でないように実行されることは当然自治省として念願しなければならないところであります。御趣旨に従いまして、今後適正な、そして不適当でない選挙活動、またそれが候補者あるいはそれにかわる人のものにしろ、あるいは第三者的なものにしろ、適正を期するよう啓蒙、啓発の点につきましては、この際十分注意をして、また適正に行なってまいりたいと考えます。
#46
○吉田委員長 二見伸明君。
#47
○二見委員 最初に自治大臣に、先ほど堀委員に対して、十日以内に参議院の定数是正については大臣としての公式の見解を出す、こういう御答弁がございましたので、そのとおりやっていただけるかどうか、まず最初に確認の意味を含めてお尋ねいたします。
#48
○秋田国務大臣 そのとおり実行いたしてまいりたいと考えております。
#49
○二見委員 選挙部長にお尋ねしますけれども、参議院の定数是正という問題については、選挙部長はもちろん賛成でございますね。
#50
○中村説明員 私どもは選挙制度審議会の事務局も兼ねておるわけでございまして、選挙制度審議会の答申の実現ということには当然積極的でなければならないと思っております。
#51
○二見委員 そういたしますと、ことしの六月には参議院の選挙があるわけですけれども、定数是正をやる場合、事務当局として、これは公選法を改正しなければなりませんけれども、その作業というのは非常にむずかしい作業なんでしょうか、それとも簡単な作業なんでしょうか。
#52
○中村説明員 たいへんむずかしいお尋ねなのでございますが、法律の法文化作業というような点につきましては、これはむずかしいとは言えないと思っております。しかし、問題は、もっぱらそういう法文形式にあるのではないのであろう、そういう意味では非常にまためんどうな問題をかかえておるところではないかというふうに存じます。
#53
○二見委員 そのめんどうな問題というのは、たとえば減らされる地域にとってみれば、減らされちゃたまらないというので圧力がかかってくるだろう。ふやすほうにとってみれば、これは非常に楽になるからむしろ積極的にくるだろう。そういういわば政治的な圧力があるためにむずかしいということになるわけですか。
#54
○中村説明員 むずかしい面の第一は、私どもはぜひ審議会の答申を尊重いたすべきだと存じておるわけでありますが、今回の参議院定数の是正にあたりましては、答申のありました際に用いられました基礎人口が変わってまいったというところに非常に困難な問題があるというふうに存じておるわけでございます。また当然、二見委員の御指摘になりましたように、あるいは政治家であられる二見先生が一番御案内かと思いますが、議員定数の減という面につきまして、事実問題をめぐっての困難な要因があることも事実かと思っております。
#55
○二見委員 基礎人口が違うから作業がむずかしいとおっしゃいますけれども、結論的にはプラスとマイナスの作業でしょう。定数是正というのは、片方を足して片方を減らすだけの話でしょう。マイナスになった結果、あるどこかの県がゼロになってしまうということになったら問題かもしれませんけれども、そんなこともありませんし、単にプラスとマイナスの作業でしょう。もし自治大臣が定数は是正するという腹をきめた場合は、事務当局としてこの作業は非常に簡単に進みますね。
#56
○中村説明員 事務当局といたしましては、大臣の命令はどういう命令でも消化をするつもりでおります。
#57
○二見委員 ということになりますと、大臣、参議院の定数是正は事務当局で作業がむずかしいからできないというよりも、大臣のほうでやるとおきめになれば、これはできる問題である。いまの選挙部長の答弁からもそれは明らかになるわけです。それがむずかしいというのは、むしろ法律案をつくることがむずかしいのじゃなくて、いわば減らされるところのよけいな政治的な圧力があることがむずかしい。大臣がもし定数是正の根本的な立場に立ち返ってみるならば、そういった一切の圧力を排してこれはやる、こういう方向で私はおきめになるべきじゃないかと思うのです。先ほどの堀委員との質疑のやりとりを聞いておりましても、最初は、出さないとは決定しない。じゃ出すのか、それもわからない。いわばぬるま湯につかったようでさっぱりしないというふうに堀先生は申しておりましたけれども、われわれも聞いてそのとおりです。決して事務当局の作業がむずかしくてできないのじゃない。私は大臣の決断一つでその問題はきまると思うのです。そういう点で、私は大臣の政治的な判断といいますか決断というものが非常に重要なウェートを持ってくると思う。その点、大臣いかがでしょうか。
#58
○秋田国務大臣 もちろん決断は重要でございまして、どういう決定をするかはたいへん重要だろう。したがって、慎重に考慮をいたしておるところでございます。
#59
○二見委員 今後十日以内の大臣の御決定を私たちは待ちたいと思いますけれども、その場合、参議院の定数是正は答申の方向でやってもらいたい。選挙民にとってもそのほうがプラスになると私は思うし、日本の民主政治にとっても議会政治にとっても非常にプラスになる。そういう大局的な判断でもって決断を下していただきたいと思います。
#60
○吉田委員長 関連質問を許します。伏木君。
#61
○伏木委員 せっかく堀委員の質問によって、十日以内に政府の態度をきめる、こういうことでございますが、そのあと、やるようにはきめたけれども、ずるずる今度事務手続きで当局として時間がかかるというようなことがあっては、せっかくの努力も何にもならないと思います。そこで、私歯どめという意味もあると思いますが、実際六月に選挙が行なわれるわけです。この法律案はいつまでに通れば今回の通常選挙に間に合うのか。実際地方の選管も準備があると思います。ですから自治省としては、いつまでに上げれば、地方に混乱なく今回の統一選挙に新たな定数是正で選挙が行なえるか。地方の選管に混乱があるようなことがあってはならないと思いますので、その辺の見通しのほどをお聞かせ願いたいと思います。
#62
○中村説明員 伏木先生のお話のタイムリミットという点になりますと、必ずしもきちっとしたスタンダードというものがあるとは言いかねると存じます。しかし私どもとしては、こういう問題は選挙管理の面からどうこうということは控えるべきではないだろうか。もとより、ほんとうに準備に間に合わない期間になっては困りますけれども、選挙管理の面からいたしますれば、国会でおきめになったことについてそれを消化をするということで、それぞれの立場で努力をしたいという考え方でおります。しかし願わくは、こういう点については切迫をしないで御決定をいただきたいというふうに存じております。
#63
○伏木委員 ですから、その事務当局として切迫しない時点ですね、これは大体いつまでに上がれば選挙管理上混乱なくスムーズに行なえるかという点をお伺いしているわけです。
#64
○中村説明員 先ほども申し上げましたように、選挙管理面からいたしますれば、かなり弾力的な対応のしかたは全く不可能とは言い切れません。しかし、この種の問題は単に管理面だけの都合から云々ということもいかがかと存じております。同じことを申し上げて恐縮でございますが、きちっとこれでなければ困るという時点はございませんが、ぜひ早目に御決定を賜わりたいと思います。
#65
○伏木委員 その早目に御決定ということですが、われわれ立法の立場とすれば、事務当局はいつまでにこれを成立させなければ実際事務上困るのか。実際困るものを間ぎわになって、かりに六月上旬の公示に対して六月一日にこれが上がって、さあ新しい法律でやれということは、これは立法するほうが無理なことですから、したがって事務当局がその限界というものをどこに置いてもらいたいか。これだけはもう、これ以上はどうしようもありませんということになれば、それはそれでまた審議のしかたは変わってくると思います。したがってその点は明らかにしておかないと、実際選挙管理を行なうほうが迷惑をすることになります。したがってこれは明らかにしておいていただかないと、われわれとしても今後の審議上困る問題ですから、ひとつ当局としてもはっきりとしておいていただきたいと思う。
#66
○中村説明員 伏木先生から選挙管理の面でたいへん御理解のあるお話をいただいておるわけでありますが、私どもはいつも、衆議院の解散ということで臨機応変のかまえを常にとらなければいけないということに立たされておりますので、そういう意味合いにおきましては、ある程度弾力的な余地は残しております。しかしこの問題は、やはり選挙管理ということ以上の重要なことにかかわる問題かと思いますし、それを思いますと、御決定につきましては、先ほど来御論議のありましたように、遠からない時期におきめをいただきたいというふうに存ずる次第でございます。
#67
○伏木委員 これ以上言っても、そういう答弁ではわれわれ実際話にならない。事務当局としてあまりにも不明快であるし、こういうことがまた地方の選管の意欲を喪失させるもとにもなると思います。たとえば衆議院の選挙にいたしましても、解散以後何日以内というある程度の期間がございます、選挙をやるにはですね。そういった関係もありますし、解散になったあくる日選挙をやるというようなことは決してないわけです。しかも解散ということはある程度前々から予測がつくわけです。地方の選管等もそれに即応した予備的な準備を行なっておく。こういうことで、解散になってから数十日の間に選挙をやっても支障がないということになるわけです。しかし、今回のように定数がいきなり変わったということになれば、これは衆議院の解散とは比較にならない混乱が起きるのではないか。また一方、選挙するほうの立場にしましても、今回の選挙で何名どういう候補者が立つということを予備的にも知っておかなければならない、こういう定数の大事な問題でございます。また候補者にいたしましても、衆議院よりはるかに広い選挙地盤になります。たとえば東京都であれば、選挙区は十区にまたがっております。神奈川県でも三区にまたがっている。選挙区域が衆議院とははるかに異なります。こういったところに徹底するという上からも、衆議院の例は当てはまらないのではないか。
 こういうことから、さらに重ねてお伺いするのですが、すみやかにということですね。せっかく大臣が十日以内に結論を出しても、また今後は事務手続でずるずるして、それであと期日が間に合いません、いまきまったのでは地方が混乱いたします、というようなことになっては、せっかくの努力が実らないことになってくるのではないか、こう思うわけですが、そういう意味からも、そのすみやかというのは、たとえば二月一ぱいならあと三カ月ございます。二月一ばいとか、おそくとも三月中旬とか、というある程度のめどは当局として立てなければ、今度立法上、作業上また支障があると思います。重ねて伺っておきたいと思います。
#68
○中村説明員 選挙管理の面にたいへん御理解をいただきまして、重ねて御礼を申し上げます。
 先ほども申し上げましたが、この問題は管理面の都合だけを言うことはいかがかとは思いますけれども、先生のお話のように、あるいは六月早々に参議院選挙が公示になるであろう、六月一ぱいには行なわれるであろうということでございますので、その前三カ月程度の余裕があるということは、選挙管理の面からもあるいは当然かと思いますが、それ以上に当然に、少なくともこの六月の選挙のことでございますから、きめられてあるべきだと存じます。そういう意味では私は伏木先生のお話のような、少なくとも二月にはきめておかなければいけないのではないかという御趣旨の点については、十分に理解できると存じておる次第でございます。
#69
○伏木委員 けっこうです。
#70
○二見委員 政治資金についてですけれども、産業問題研究会で、政治資金のあり方を再検討し、国民協会を手直しすべきだという申し合わせがあったという新聞のニュースを私は見ました。また、去年の暮れに発表されました四十五年上半期の政治資金収支報告書ですね、これを私ずっと見てまいりまして非常に感じたことは、四十四年と違うことは、国民協会に対する献金に企業がずらりと名前を連ねているということと、しかもその企業の中に、私ちょっと計算しただけでも、公害発生企業が七億円ぐらいたしかあったと思います。これについては当日の新聞でもかなり大きく報道されて批判もされておりましたので、その点について私これ以上申し上げませんけれども、そういった問題から、政治資金というもの、政治献金というものをやはり手直ししなければいけないという世論がまた高まりつつあるのじゃないかと私は思います。大臣も政治資金規正法の改正案については出すべく懸命の努力をされている模様でございますので、その努力はこれからも重ねてお願いしたいのですけれども、私きょうここで一点だけお尋ねしたいのは、先ほど、いろいろ努力をしているけれどもなかなか成案には至らなかったという御答弁もございました。どういう点でいままで政治資金規正法が成案に至らなかったのか、こういう点に問題があった、ああいう点に問題があったと、具体的にこまかくきょうお示しいただきたい。こういう事情があって、こういう問題があってだめだった、こういう問題があってできなかった、こういう問題があってまとまらなかったということを、きょうはひとつ詳しく大臣のほうから明らかにしていただきたい。この一点だけお願いしたいと思うのです。いかがでしょう。
#71
○秋田国務大臣 いろいろ詳しくということになりますと、従来の政治資金規正法改正案の諸点に全部触れなければならないという感じがいたしますが、要は、政治にはある程度の金の要することはまあ当然でございますが、不当な、過大に大きな金のかからないようにする、そうしてまたそのルートが常識上適正で適当であるべきであるという観点からこれが改正が企図されているわけですが、いろいろ個人にわたりあるいは政党にわたり、献金の量あるいは献金の先、その態様等を考えてまいりました際に、結局、金のかからない政党本位な選挙、これに関連する政治活動、こういうようなもののある程度の体制、それに関する一般のコンセンサスと申しますか合意と申しますか、大体容認されるようないろいろの諸点、こういうものができ上がることが必要じゃないか。そこがまたどっちが先かということが問題にはなりますけれども、過去のやはり経験に徴しまして、その点のひとつ条件整備をはかりつつ、ある程度機の熟したところ、合意のあるところという点において従来問題になっておる諸点の成文化ができるのじゃなかろうかと、まあこういうようなことを考え、また論じておったわけでございます。
#72
○二見委員 どうもただいまの御答弁、よくわからないのですけれども、何かそうすると選挙民のほうにも責任があるような感じに受けとめられるわけです。しかし政治資金を規制する、明朗にするというのは、いわばこれは政党の問題でございまして、選挙民には関係がないわけです。政党のほうで、いままで世論でいろいろ批判もあるから政治資金というものをきびしく規制をして明らかにしていこうと、この姿勢さえ示せば、それは政党でできることなんです。選挙民のコンセンサスは私は一向に要らないと思いますし、むしろ選挙民のほうはそれを望んでいるのじゃないでしょうか。自分の政党のほうが姿勢を正すことによって金のかからない選挙もできてくるのじゃないか。私は、成案に至らなかったというのは、いまよく大臣の話わかりませんけれども、むしろ何か別にあるんじゃないかという感じがするわけですよ。四十二年に初めて改正案が出されたときのあの線についても、自民党内部では、あれでは反対なのか、賛成なのか、あれではきびし過ぎるという意見が多いのか、あれでは甘いからもっときびしい案にせよという案が多いのか、政府部内ではどうなのか、そこら辺だけきょうははっきりしていただきたいと思います。その点よろしくお願いいたします。
#73
○秋田国務大臣 過去の経緯については私つまびらかにいたしませんが、私は選挙民のほうにコンセンサスを求めるというようなことを考えておるわけじゃございません。主として問題は、政党間にあると承知をいたしておりますが、政党の活動と関連いたしまして、政党の、また候補者個人の選挙活動等につきまして、政党本位の金のかからない選挙に関する体制及びこれに関連するやはり日常の政治活動というようなものは、いま少し体制づけられることが、やはりこの問題解決のポイントになりはしないだろうかという点を考慮しておるわけでございます。
#74
○二見委員 この議論を始めますと、また時間が長くかかりますし、もう五時半を回っておりますので、私はこれでやめますけれども、大臣としては今国会に何とか出したいという気持ちはあるのでしょうか。それはいろいろ党内の事情もあるでしょうし、政府部内のいろいろな事情もあるでしょうけれども、大臣としては、政治資金規正法は命にかけても出したいという、そういう御決意があるのかどうか、一点だけ伺ってきょうは終わりにします。
#75
○秋田国務大臣 従来から申し上げておりますとおり、何とかして成案を得たいと思っております。しかしながら、この会期中に必ずできるというようなことは、やはりただいま申し上げましたような点につきまして懸命の努力を払い、これについての大体の見通しが得られれば自然成案を得られるという段階になろうと思います。それについての努力を払うことにはもちろんでございますが、なかなか、いろいろむずかしい点もありますので、必ずしもそうなるということは私ここで断言をいたしかねますが、誠意をもってこれが成案に当たりたいと考えておることは従来といささかも変わりはございません。
#76
○吉田委員長 門司亮君。
#77
○門司委員 ごく簡単に二、三の問題だけ聞いておきますが、一つは、参議院の定数是正の問題はいまいろいろお話がございましたが、きわめて不安定なような気がいたしますけれども、一応預けておいてもよろしいかと思います。これと同じように、並行して次の問題は、衆議院の定数是正の問題が当然出てくるのですね。御承知のように、法律には、国勢調査の結果これを是正することを例とする、こう書いてあって、しかもこれは議員立法というわけにはまいらぬのですね。法律事項ですから、やはり政府が責任を負うべきです。ところが、政府が責任を負わないで、今日まで何もしなかったものだから、参議院の定数是正が問題になり、衆議院の非常に大きなアンバランスが出てくるということ、あげてこれは政府の責任なんですね。したがって、それに対して一応選挙制度審議会が定数を是正すべしとして出した時限においてなぜこれができなかったかということですね。そしていま自民党内というとあまりうがち過ぎたことで、あなたからおこられるかもしれませんが、反対の理由の一つとしては、国勢調査はすでに行なわれておる、その結果を見ると、選挙制度審議会の答申よりもまた変わった結論が出るんじゃないかというような議論がある、したがって、選挙制度審議会の答申をそのまま受け入れるのはどうだかというのが偽らざる自民党内部の本音じゃないのですか、実際は。そういうことでこの問題に対していま是正することを渋っておる、こういうことになってまいりますと、つけ加えて申し上げておきますけれども、選挙制度審議会のせっかくの答申というものが、時代が変わったからそれはだめだということになる。またこのあと政府が是正しないで怠っておると、いつもそんな問題を繰り返して、選挙制度審議会自身の権威というものも非常に大きく傷つけることになる。こういう意味で、私がいま申し上げたように、自民党内部にはそういういろいろな意見はあろうかと思います。また事務屋さんのほうでも、どうも是正してみたところで、もっと変なものがほかにもあるのだから、そっちから問題が出れば、というような偽らざる意見があろうと思います。しかし、そういうものについて惑わされない、やはり審議会の答申は忠実に行なうんだという一応例を示してもらいたい。そうして今度の参議院の改選はことしですから、これは前年答申のときに一応答申されたものを踏襲する。あとの参議院選挙は、あと三年ありますから、その間に是正するものは是正すればよろしいのであって、私は法律を忠実に守るということがやはり選挙法の一番大事なところだと思うのです。これを守っていないところにいろいろな問題がある。そういう問題について大臣どうお考えになりますか。これは二つからんでおりますが、大臣のいまのお話は何といっても選挙制度審議会の答申を尊重しての結論だと私は解釈してよろしゅうございますか。
#78
○秋田国務大臣 御質問の趣旨を私が取り違えておるかもしれませんが、二点にわたっておったように思います。衆議院の定数是正のお話が初めにあり、そして今回の参議院の地方区の定数是正の処置の問題、こうお話しがあったように受け取ったわけです。
 それで、衆議院の定員につきましては、国勢調査の結果によって更正するのを例とするということがございますので、これが過度な定員と人口とのアンバランスにつきましては、当然今回の第七次選挙制度審議会で御論議をされるでありましょうし、またその結果を私どもとしては期待もいたしておるわけであります。
 しこうして参議院の今回の地方区の定数是正につきましては、これをこのまま忠実に実行したらいいじゃないか、これが必要だ、こういうお話でございますが、忠実に文字どおり実行することがはたしてどうかという点は私としては非常に疑問がある。それはおまえがいろいろの措置を怠ったために、またこういう状態になったんじゃないかというおしかりもまた御批判もあろうかと存じますが、しかし、やはり四十年国調を踏まえての改正でございますから、それがわかっておるのにそれを待たずしていくというわけにはまいりません。しこうして人口の県別の多寡の配列がイレギュラーな、予想に反した結果になりましたために、今回は特別にこの点苦慮をいたす事情になったわけでございまして、この間の事情はもちろんおわかりであろうと思います。したがって、これを忠実にただ実行するのがいいかどうかということでありますが、私は、やはり実情に即して、現状に即して考えなければならない、こう考えますので、事態こうなりましてまことに苦慮いたしておりますが、ここまでになったやむを得ない事情ということは御了承願えると思います。そのいきさつを踏まえまして、この時点にどうしたらいいか。私はことばを繰り返しますが、忠実に答申のとおりやることが必ずしも答申の趣旨に沿うゆえんであるかどうか。むしろ事態を混乱をさせ、そして人口と定員とのアンバランスは依然として直っていないという実情、こういう点を考えますと、ただ答申のとおりやることが私は答申の趣旨に沿うゆえんであるとは考えられない。しからばどういうふうに変えたらいいかということにつきましては、いろいろの考え方があるわけでございまして、その点をいま苦慮しておる、こういうわけでございます。
#79
○門司委員 それがわからぬのです。まだはっきりした結論が出ておりませんが、大体の人口は十二月中ぐらいに出ているはずであって、そうなってくると、どうも大臣が十日以内と言われても、是正しようという腹はなさそうですね。実際はむずかしそうですね。せっかく選挙制度審議会が長い間時間をかけて答申した。その答申の実施のできないうちに、情勢が変わったからその答申はだめだ、これから新しく考え直すんだということになると、これは近いうちに結論を出されるという話ですけれども、その結論というのは大体わかったような気がする。私が衆議院のことを申し上げましたのは、衆議院は実際はいつ解散するかわからぬのです。そうでしょう。いまの任期が七二年十二月まであるといたしましても、その間にいつ解散されるかわからない。したがって、衆議院の定数是正なんというものは、わかったらすぐこれを改正するということでなければ、これはますます混乱してくる。そのくらいのことはおわかりだと思うのです。参議院のほうはきまっておるから、その時限に合わせるようにすればあるいはよろしいかもしれない。いまからでも決しておそくはない。参議院の選挙に間に合うように変えられればいい。しかし衆議院というのは、不測の事態があれば、あす解散されるか、あさって解散されるかわからないのです。したがって、人口の配分の結論が出れば、これはすぐ改正に着手しておかないと、えらいことになってしまう。それをやらないでおいたから今日のような状態になったのです。私はそれを心配するから最初にまとめて聞いたわけでありまして、別に二つをこんがらかして聞いたわけじゃございません。
 そうすると、参議院のほうはどうなるかわからぬし、衆議院のほうも定数是正はどうなるかわからぬということになると、実際は非常に迷惑するのです。審議会の答申だと言っていますけれども、法律事項を見てごらんなさい。審議会の答申といっても政府の責任事項でしょう。法律事項でしょう。だから、審議会の答申のあるなしにかかわらず、政府の責任をもってやるということが当然である。私は、これを審議会に何とか変な心配をすることははなはだ好まないのです。法律にないことであって、これをどう改正しようか、あるいは法律自身をどう改正しようかというようないろいろの意見ならよろしいが、法律にちゃんと書いてある。それを実行しないだけであって、だから、どう考えても、そういう大臣の御答弁ではどうも安心ができませんが、しかし、これを押し問答していると長くなります。
 私は、その次にもう一つだけこの際聞いておきたいと思いますが、御承知のように、選挙に関してはいろいろの問題がございますが、日本の憲法の七条と、同時に日本の憲法の七十三条の問題を検討いたしますと、事選挙に関することがいささか出てくるわけであります。私が聞きたいと思いますことは、選挙がだんだん悪くなった、これにはいろいろな原因はございますが、その中の一つとして、日本の国民のものの考え方の中に、選挙というものは普通の事項と違うんだ、いわゆる政治犯罪というような考え方がひそんでおるのであります。これは選挙に対しては非常に重大なことであります。御承知のように、選挙法というのは憲法付属の大典でありまして、ほかの法律とは全然その性格を異にしておる。御承知のように、憲法を改正することができると憲法には書いてある。その憲法を改正する基本は何かというと、衆議院において三分の二以上の賛成を得て、初めてこれを国民に提示することができると書いてある。その三分の二の議員を得ることは何であるかというと選挙法なんです。したがって、日本國憲法と選挙法というのは非常に大きな関連性を持っておるのであります。言い方によっては、憲法を左右することのできる法律的根拠というのは、私は選挙法だと思う。これほど重要性を持っておる選挙法が、ややともすればその犯罪というものが何か政治犯のような形において国民の間に行なわれてきている。しかもその最も大きな例というのは、これも天皇事項になっておりまするいわゆる七条の恩赦、大赦の関係、これを受けたのが七十三条の内閣の権限であります。そうすると、恩赦、大赦は天皇の行為ではあるが、しかし内閣がこれを決定するものであることが憲法には明確に書いてある。そうなってまいりますと、この憲法事項でありまする選挙法に対する犯罪というものが、一体どう取り扱われるかということ。これの内容、これの是非ということは、ここでは議論をいたしません。私が求めたいのは、いままで、古い昔は別にいたしまして、この憲法が実施されて以来でありますから、ほんとうにいえば昭和二十二年の五月三日になりますか、それ以来、選挙犯罪にして恩赦、大赦に浴した者がどのくらいあるか、その中で選挙に際して悪質犯罪といわれておりまする買収、供応等の犯罪行為が大赦、恩赦にどのくらい浴しているか、それからこのあとの形式犯もそうでありますが、これらの分類をひとつ出してもらいたいと思うのです。
 私は、こういう時期こそほんとうに選挙法については根底から一応考え直す必要があるのじゃないか、何か選挙が民主主義の根底をなすものであるということだけはみんな言うのだけれども、さてそれの犯罪行為というものが、恩赦や特赦によってこれからのがれることができるというのが通例でありまして、したがって、選挙犯罪なんというのは平気でやる、というとおこられるかもしれませんが、かりに今度の参議院の選挙がありましても、心得違いの諸君は、どうせ沖繩が返ってくれば恩赦があるだろうから、そのときには、なんということで選挙犯罪を平気でやるということになると、たいへんなことになりますからね。だから私は、この憲法で規定いたしておりまする天皇の行為に対する七十三条の内閣の責任というものをこの際明らかにすると同時に、その内容を明らかにしたいと、こう考えておりますので、この資料をひとつできるだけ早く出していただきたいということをお願いを申し上げておきます。これは法務省に聞けばわかると思いますが、しかし、あなたのほうが係だから、一応選挙法の審議の過程においてこれを出していただくことのほうが順序かと思いますので、これだけを要求いたしまして、おそくなっておりますので、きょうは私の質問は終わります。
#80
○吉田委員長 林百郎君。
#81
○林(百)委員 時間がだいぶおそくなりましたので、要点だけをお聞きしたいのですが、自治大臣に、第七次選挙制度審議会の佐藤首相の発言が、意味がよくわからないので、それをあなたも同席されたと思いますからお尋ねしたいのです。
 これは議事録を見ますと、「区一人制また三人以下の選挙区にしたらというような意見のあることも伺っている。三人区程度で比例代表を加味するというのも意見としてはあるのではなかろうか。こういう問題と政治資金、啓発活動、すべてがからみ合っている問題であり、これらの点について意見を十分かわし結論を出していただきたい。」こう言っているわけなんです。それで、私のほうの党の不破議員が代表質問で佐藤総理に聞いたところが、審議会の意見としてこれがあったのではないかということを言ったまでで、他意はないとも言っているのです。そこで伺いたいのですが、いままでの審議会でこのような意見があったのでしょうか。いままでの審議会の選挙区制に関する意見の中で、三人区程度で、しかも比例代表を加味するという意見があったのでしょうか。佐藤総理のこの真意はどういうことだったのですか。あなたはどうそばで聞いて解釈されたのですか。
#82
○秋田国務大臣 私も当時そばにいまして、総理のああいう発言をされました意図というものは那辺にあるか、私にもよく了解がつかなかった。しこうして昨日でございましたか、不破先生の御質問に対して総理が、審議会においてもそういう説があったのじゃないか、いろいろ考え方があり得るということを言うたまでであって、別段そのほか他意はない、こう言われたので、私もそのとおりに受け取っておるのでございまして、ただいま事務当局に聞きますと、まあ中選挙区比例代表制というようなことを言われた審議会委員も過去にあられたということをただいま承知したわけでございます。したがって、そういう点を指摘、羅列を総理はされたのだ、こういうことに相なろうと、きのうの答弁のまま私も受け取っておるわけでございます。
#83
○林(百)委員 事務当局にお尋ねしますが、一区一人制また三人以下の選挙区にしたらよいというような意見のあることも伺っている。そうすると、佐藤総理としては、一区一人制も審議してもらいたい、また三人以下の選挙区で比例代表制を加味した中選挙区比例代表制も審議してもらいたい、こういうような意見を述べた、こういうように解釈していいのですか。で、これは財界の代表で構成する産業問題研究会に小選挙区制と比例代表制の併用による選挙法という意見が出ておるわけなんですけれども、こういう小選挙区制と比例代表制の併用、こういうことなんですか。それとも中選挙区比例代表制ということなんですか。あるいは一区一人制というのもある。これは小選挙区制ですね。だからどういうことなんですか。あなたがここで総理の言ったことばをはっきり解釈してください。
#84
○中村説明員 選挙区制につきましての議論といたしましては、第一次審議会以来いろいろ重なって論議されてまいっておりますし、さらにその前の選挙制度調査会時代からのいろいろな意見もございます。大体いままで出ております議論は、区制のあり方としては二つのタイプがあるように存じております。一つは、一区一人制にすべきではないかという意見でございます。それから二つには、比例代表制にすべきではないかという意見でございます。それらはいずれも政党本位の選挙ということに立脚をしての立論のように承知をしております。そこで、小選挙区制かあるいは比例代表制かというどちらか一方に偏するということも問題があるので、両方の併用制をとったらどうかという案も第三の案として出ておるようであります。さらに、いま直ちに一人一区制あるいは比例代表制オンリーに切りかえることが無理であるとすれば、中選挙区という仕組みはいまのままにしながら比例代表の要素を加味したらどうか、いわゆる中選挙区比例代表制という提案もございます。ということで、従来審議会におきましては、大きく言いまして三つのタイプにつきましての区制論議がございまして、現在までどれが最も妥当かという結論にまでは至っておりません。
#85
○林(百)委員 三つというけれども――ちょっと速記をとめさせてください。
#86
○吉田委員長 速記をとめて。
    〔速記中止〕
#87
○吉田委員長 速記を始めて。
#88
○林(百)委員 そうすると、総理としては、まあ三つの案のいずれということはないが、三つの案がいままで出ている、それをいずれも検討してみてくれ、こういう意味で言ったのですね。それでその三つというのは、一人一区制、それから全国一律比例代表制、それから小選挙区または中選挙区と比例代表制を加味するもの、この三つのいずれをも審議してもらいたい、こう言ったのですか。
#89
○中村説明員 総理の発言に対します理解のしかたにつきましては、特に総理が非常に論理的に突き詰めておっしゃったようには理解しておりませんので、コンクリートにこうでありますということは若干申し上げかねる面がありますが、私の受け取っております感じ方としては、区制論議について従来バラエティーのある論議があるのであって、そういう中の一つには中選挙区のままで比例代表という論議もあるように聞いておる、いずれにしても、たくさんの論議がある中で現在これがいいと自分が言うということは差し控えるべきであって、審議会で慎重なる検討を求めたいという御趣旨で、そういう一つの引例として三人区程度の比例代表という意見もあるということを言われたにとどまるのではないだろうか、というふうに理解をいたしております。
#90
○林(百)委員 そうすると、一区一人制も、これはもう論議からはずすということじゃなくて、一区一人制も論議してもよろしいということは当然その中へ含まれるわけですね。
#91
○中村説明員 私としてはさように考えております。
#92
○林(百)委員 中選挙区比例代表制については、これは新聞の社説にもありますけれども、どうも概念がはっきりしないわけなんです。たとえば朝日新聞の一月八日付の社説では、「政党本位の選挙という点に徹底するならば、比例代表法を採用するのが、もっとも単純で効果のあることだ。」と指摘して、「政党本位を念願としながら、」しかも「比例代表法について真剣な検討を怠るのはおかしい。」だから政党本位を念願しながら、比例代表法について真剣な検討を怠たらずに、中選挙区あるいは小選挙区へ比例代表制を加味するという、その比例代表制というものを中選挙区または小選挙区に加味するということは、これは本来矛盾していることなんだ、こういう意見があるのですけれども、あなたのいう中選挙区比例代表制というのは、具体的にはどういうことになるわけなんですか。たとえばいまは中選挙区としますね、これへ比例代表制を加味するというのはどういうことなんですか。
#93
○中村説明員 小選挙区制あるいは比例代表制の考え方等々につきましては、まあたいへん長い論議が要るのかと存じますが、中選挙区のままで比例代表制を入れるのも現状よりは一歩を進める案として現実的ではないかという意見はかなりございまして、たとえば本日御出席の堀特別委員も、審議会で中選挙区比例代表制案というものを御提案になっております。あるいはその他島田武夫委員でありますとか小島憲委員等いろいろ言われておりますが、さらにもっとずっと昔から、中選挙区のままでも、比例の要因を加味をすることによって、いまよりは前進をはかれるのではないかという提案がございます。論者によってニュアンスは違いますけれども、大体の基調は、中選挙区のままの定員にしておいて選挙をやり、選挙の結果の当選人の決定につきましては、それぞれの選挙区ごとに、中選挙区の選挙区単位に、政党の得票比に応じてその定員を配分をすることにしてはどうだろうか、こういうことでありまして、たとえば一つの提案の中には、五人区なら五人区について各党が五人ずつ候補者を出して選挙をやる、その五人が得票されるわけでありますが、それをそれぞれ党派得票として五人の候補者の得票を集計をして、その集計の結果に基づいて五人の議席を各党に配分をする、その配当をされた議席についてだれが当選人になるかという点については、個個の候補者の得票順による案でありますとか、あるいは政党があらかじめきめたリストの順番による案とか、いろいろな案がある。そういうことで、こまかいニュアンスの差は論者によって違いますけれども、一般的に中選挙区比例代表制という考え方の骨子は、いま申し上げたような内容の提案が多いようであります。
#94
○林(百)委員 堀昌雄さんが社会党を代表して中選挙区制へ比例代表制を加味してもいいという意見を提案したというのは、第何次選挙制度審議会ですか。
#95
○中村説明員 第四次及び第五次審議会の当時であったかと承知しております。
#96
○林(百)委員 これも朝日新聞の社説ですけれども、首相のいう三人以下比例代表制というのを批判して、「比例代表法という制度は、安直に他の区制に「加味」すべきものでもなく、できるものでもない。」比例代表制というのはすべての票を生かすためにやるので、全国一選挙区比例代表制というのがほんとうの民主主義的な選挙制度であって、それを小選挙区とか中選挙区へ比例代表制を持ってくるということは、落ちた自民党なら自民党の議員を浮かばせるための制度になるんじゃないですか。結局票を合計するんだから。ほんとうなら、たとえば四人なら四人区で自民党の人が一人落ちた、しかし総合計すると自民党の票が多いから、本来一人ずついけば各党で四人当選するのが、だれか四人目の人が落ちて、そして本来いまの中選挙区でいけば落っこちた自民党の――自民党と言ってはなにですが、自民党が浮かび上がる、こういう制度になって、これは一区一人制に、むしろそちらのほうへ近づく制度じゃないですか。これは何も民主主義的な方向へ前進する制度でないと私は思うのですけれども、どうですか。
#97
○中村説明員 比例代表の理想は、選挙民の意思が機械的に正確に国会の議席に反映をするというところにあると存じますので、そういう意味合いの理想を追求するといたしますと、比例代表の区域は大きいほどいい、一番好ましいのは全国を単位にすることであるという提案がありますことは、御指摘のとおりでございます。しかし、いまの日本の選挙の一番問題は、同じ選挙区で同じ党派が相争うというところに難点があるとすれば、それを一歩でも、あるいは少しでも解消をしていくという意味合いで、あるいは選挙区の広さはそれほど広くなくても、比例代表の要因を導入することによって、個人本位の仕組みから政党本位の方向に脱皮し得るという議論のあることも事実でございます。
#98
○林(百)委員 そうすると、中選挙区ばかりではなくて、小選挙区制について比例代表制を加味するということも考えられるわけですね。そうですか。
#99
○中村説明員 小選挙区制と比例代表制のかみ合わせ方につきましても、いろんな立法例も外国にございますし、また日本の従来の審議会の論議の中にも幾つもの考え方がございます。
#100
○林(百)委員 そういうことも第七次選挙制度審議会では論議されてもよろしいという意味を含んだことを佐藤総理も言われたわけですね。もちろん佐藤総理はそれをはずすと言ったわけじゃないのですね。そうでしょう。
#101
○中村説明員 総理は、選挙区制を含めて、いわゆる政党本位の選挙にどう持っていったらいいか、それらの点について審議会の自由な審議に期待をしたいというのが、もっぱら訴えられたところであったかと思います。総理が、このあり方にぜひ限定をするというか制限をするというニュアンスで発言をされたとは全然考えておりません。また、審議会としては、審議会は独自な立場を持っておりますので、区制の最もあるべき姿というものは、おそらく審議会が十分に審議会の立場で判断をし、議論をし、審議をして結論を出していくものだというふうに理解をしております。
#102
○林(百)委員 それはもちろんそうですけれども、総理の発言というのは、これはもう諮問にひとしい重要な発言ですから私が聞いているわけなんで、結局総理の言うのは、「一区一人制また三人以下の」――以下ですよ。三人以下の選挙区にしたらというような意見のあることも伺っている。三人区程度で比例代表制を加味するというのも意見としてはあるのではなかろうか。」というのだから、一区一人制、また三人以下の選挙区にしたらどうかという意見、それから三人区に比例代表制を加味するという意見、こういう意見がある。こういう意見があるということは、こういう意見も十分審議してもらいたい、こういうことじゃないですか。だから実質的には佐藤総理の諮問と同じウェートを持ってくるのじゃないですか。こういうことを佐藤総理が言っているということは、全国一律比例代表制なんてことは言っていないですよ。そうじゃないですか。
#103
○秋田国務大臣 私、当時おりまして、率直に申して、あの発言があったそのせつなは、どこに総理の真意があるのか十分わからなかったと申し上げたとおりでございます。しかし総理は、これはいろいろこういうことがいわれておるという例示に軽く出されたのであって、区制についてはいろいろの点につき考えられるが、自由に御検討を願いたいのだ、こういう点に本旨があったのだ、別に他意はなかったのだ、その具体的に例示された三つに拘泥をするように解釈することは、いささかとらわれ過ぎているのではなかろうかという気持ちも当時持っておったのですが、昨日の総理の御答弁で、大体そう三つの例示にとらわれることはない、こういうことも聞いておる、ひとつ自由にやってください、こういう意味に私は解釈いたしておるような次第でございます。
#104
○林(百)委員 しかし大臣、総理が一番先言っているのは一区一人制ですよ。一番最初に出ているのだから、総理の一番念頭にあったのは一区一人制。それからその次は三人以下の選挙区、これは小選挙区ですよ。それからまた三人区に比例代表制を加味する、これはどういうことかよくわかりませんし、違和感を持つ両制度を一致させるということはあり得ない。まじめに比例代表制を考えるならば、全国比例代表制を考えるべきだということは最初に申し上げたとおりですからね。あなたの言うようにそう軽い意味で佐藤総理が言ったのではなくて、これは非常に重要な意味を持った、一つの諮問にもひとしい発言だというように評価してよろしいと私は思う。また財界でも、小選挙区制と比例代表制の併用による選挙というものを、財界代表で構成する産業問題研究会が言っているところでありますから、これはいまの中選挙区よりはさらに小選挙区制のほうに向いた方向へ総理が諮問をしたのではないか、私はそう解釈しておりますが、この問題はこれは一応おきます。
 その次に詰めておきたい問題は、これはもう各同僚委員が言ったのですけれども、参議院の定数是正の問題です。これもひとつ大臣に思い起こしていただきたいのですけれども、私が当委員会でこの問題を質問いたしましたのに答えて、次の通常国会、本国会に出せば問に合うので、検討しているというように答えているわけですね。それから参議院の岩間議員の質問に対しても、あなたは、次の通常国会に出せば間に合うので検討している。それは準備中か。準備中だと答えているわけですね。また佐藤総理も岩間議員に対して、定数是正は絶対必要でございます、こう言っているわけですね。さらに岩間議員はあなたに対して、定数是正を今国会にかけないときはどういう政治責任をとるかと言ったのに対して、あなたは、十分事情を検討いたしました結果で考えます、ここまで言って、責任をとるという問題までが出ているわけですね。速記録をよく読んでみますと、こういう質問が繰り返されているのですよ。だからあなたは、少なくとも六十四臨時国会までは、定数是正をする、それは数字のいろいろの異動があるにしても。たとえば東京は、この前の地方区の参議院選で六十三万九千でわが党の米原候補が落選している。ところが佐賀県では十三万三千票で当選している。どう考えたって、定員一人当たり二百万、百七十九万というような東京、大阪、神奈川、それは他のところに若干の数字の異動があったにしても、ここを是正するのは常識ですよ。だからあなたもこういうふうに、次の国会に間に合えば十分ですから検討中です、準備中です、こう言っているわけでしょう。だから、先ほどあなたが同僚議員堀さんやあるいは公明党の二見さんに答弁されました十日以内に出すという結論は、これは定数を是正するという方向で結論を出すということなんですか。どういう意味なんですか。それをはっきり、私はこれはどうしても詰めなければいかぬと思うのですね。
#105
○秋田国務大臣 ただいま林先生お読み上げの従来のいきさつは、私よく記憶いたしております。同時に、おのおのの質疑のありました時点に多少の時間的差異があろうかと存じます。四十五年十月の国調の概数結果が世間に発表されたのは、たしか十二月三日の朝刊だったと思います。その時点以後は、非常に事情が変更されたので困っておる。(林(百)委員「それはわかっておる。十日のあなたの回答はどういう回答を出すつもりかということを聞いておるのですよ」と呼ぶ)そういう事情がありますから、あらゆる時点を踏まえまして、また、あらゆる事情を踏まえまして、慎重に最後の結論を出さなければならぬと考えております。
#106
○林(百)委員 だいぶ踏まえるようですけれども、これは、大臣、委員会だから、率直にお聞きしたいんだが、堀さんだって、あなたの答弁を聞いていて、これは積極的な態度で回答が出るとお思いになっていると思うのですよ。二見さんも、そういうようにお考えになって、その立場で質問しているわけですが、どうもはっきりしないのですね。結局、努力はするが、必ずしも是正するという結論は十日後に、十日目ですか、出るということはここで約束できないということなんですか。それとも、そういう積極的な前向きの姿勢で十日後には結論を出しまして、私のいままで申し上げました責任を果たします、こういう意味なんですか。それとも、逃げ口上で、十日後には、出さないという結論もあり得ますよ、ということなんですか。定数是正をするという結論を出さないということもあり得るという意味での十日ですか。自治大臣が十日以内に出すという結論は、要するに、定数是正をするという結論を出す方向で努力したが、むずかしい問題があって出せなかった、そういう結論をも含み得るということなんですか、十日たったら返事をするということは。それとも、いま林さんの心配されるようなことはございません、私も前々から、この国会にかければ間に合う、出せば間に合うと言っておりますから、定数是正という方向で結論を出したいと思いますが、もう十日だけお待ち願いたい、十日ぐらいたてばいろいろの問題が処理されるから、回答を出します、そういう意味なんですか。そこをはっきり詰めたいと思うのですが、どうでしょうか。
#107
○秋田国務大臣 何回も繰り返すようでございますが、こうだときめておれば、何も十日以内待たずに言えるわけでございます。出すかどうか、どういうものが、出すとすれば出せるか、これらを含めて、あと十日検討の御猶予を願いたい、こう言っておるわけです。
#108
○林(百)委員 それから、もう時間がありませんから、あと二問で……。
 朝日新聞の報道によりますと、自民党の選挙調査会で、何か、立ち会い演説会を衆参地方区の選挙で行なってきたけれども、これを廃止して、そのかわりにテレビを利用するという方針をきめたというのですが、こういう方針はあるのですか。これは、この前のビラの規制と同様重要な問題なんでして、そういうことを考えられておられますか。
#109
○秋田国務大臣 前回の公職選挙法一部改正の論議の際に、今後公営でテレビを一そう利用することについての方法は検討したいということを私が申し上げたのでございまして、そのほかに、いまお読みになったような、かつて新聞紙上に報ぜられたような内容のものについて、党の選挙調査会で論議をされたということは、私、聞いておりません。また自治省でも、そのような具体的な内容について検討をしたこともございません。
#110
○林(百)委員 それでは、あと一問で終わります。
 これももう同僚委員から聞きましたから、結論だけやっていきますけれども、政治資金規制の問題ですけれども、私のほうの調査と先ほどの選挙部長のお話によりますと、自治省が二十五日発表した四十五年上半期の政治資金収支報告書によりますと、自民党が財界、大きな企業、いわゆる独占資本からこの期間に受けた献金は五十一億にのぼる。しかも大口献金をした大企業のうちには、公害発生の企業や、運賃値上げで自民党に圧力をかけた私鉄大手や、またカラーテレビなど二重価格で問題になっている大手電機メーカーなどが軒並みにあって、大きな企業と自民党の政治資金の癒着ぶりがあるわけですが、これは私のほうで計算してみますと、自民党の収入は五十三億五千三百万円という――これは主として国民協会ですが、前年同期の十九億五千五百万円の二・七倍に一挙にふえて、それは総選挙のあった一昨年下期の収入も含めた一昨年一年間の総収入の五十二億九千万円をも上回っている。一昨年一年間の総収入、これは選挙があったのですけれども、その年の五十二億九千万円を上回ったものが昨年の上半期に献金があった、こういうようになっているわけです。それで、この五十一億五百万円は国民協会から寄付金として入っておるわけなんですけれども、これはこういう数字になりますか。
#111
○中村説明員 林先生の御指摘のとおりでございます。
#112
○林(百)委員 それで個別的に見ますと、自民党への寄付金の大半を占める国民協会が寄付を仰いでおるおもな大企業を拾ってみますと、これはこういう団体がありますかどうか、まず公害発生の元凶の一つである電力会社の連合体の電気事業連合会、それから製鉄メーカー、これはいずれも亜硫酸ガスを出す。製鉄メーカーの団体である日本鉄鋼連盟がともに二億円という多額な寄付をしておる。これは亜硫酸ガスを出すので、地方へその規制権を譲らずに通産省が握っていたという問題になったいずれも大企業ですが、それと、交通事故と一酸化炭素をまき散らすということでいま問題になっている自動車メーカーの団体である日本自動車工業会の一億七千七百万円、鉛や亜硫酸ガスの張本人石油連盟が五千万円、昭和電工が三千万円、ヘドロの発生源といわれる大昭和製紙が二千四百万円、これもみんな公害企業の大口寄付がメジロ押しなんですね。また、十月初めの私鉄値上げで、私たちから見ると、自民党に圧力をかけたと見られる私鉄大手の近鉄、東武、東急、阪急の四社がともに五百万円、小田急、京成、阪神、京浜急行など七社がそれぞれ三百万円となっている。このほか、各派閥への寄付を含めると、近鉄は八百万円、京成は四百万円にのぼっている。赤字だから運賃を上げてもらいたいと言っていた私鉄が、こういう膨大な資金を自民党に流しておる。また、カラーテレビの二重価格で消費者の批判を受けている家庭電器業界の場合も、国民協会への寄付が、一昨年は松下電器、先ほどの話にもありました松下電器の三千万円だけでしたが、昨年は上半期で日立製作所の三千万円をはじめ、松下電器、三菱電機、三洋電機など大手メーカーが大口の寄付をしている。これはあなたのほうの発表から拾い上げた。これは間違いないですね。どうですか。
#113
○中村説明員 林先生のあげられました数字は、官報に公表したものでございます。
#114
○林(百)委員 そこで自治大臣、お聞きしますが、こういういま問題になっている公害の大企業、それから運賃値上げの私鉄の企業、それから二重価格で問題になっているカラーテレビの家庭電器業界、こういうところからどんどんどんどん金が入る。そして、公害に対する諸立法はしり抜け、ざる法、あるいは無過失責任制度の立法はどこかへ行ってしまった。こういうようなことがこのまま許されているということは、これはもう政治に対する重大な不信を国民に抱かせることになりますし、それから、こういう大企業からの総収入が九五%資金として自民党に入っているという事態もあるわけですけれども、こういう事態を考えると、これは先ほど同僚の伏木さんのお話にもありましたけれども、政治資金規正法を至急立法してとめていかなければならないわけなんですけれども、きょうも参議院で、私のほうの野坂議員が総理に聞きましたら、これは法律に許されている範囲で献金している、順法精神に基づいてやっているのだから何も問題ないと言うんだが、しかし、政治資金規正法でこういう大企業からの、ことにいま政府との特別な関係のある大企業からの寄付を禁止するという立法をすれば、これはとめることができるわけです。佐藤総理のきょうの答弁のように、順法精神に基づいて献金しているということもなくなるわけですね。このことについて、政治資金規制について、この国会へ改正案を立案して出す意思が一体おありになるのかどうか、その点をはっきりひとつ答弁してくださいませんか、責任ある答弁を。
#115
○秋田国務大臣 いわゆる公害発生原因をなしておる法人、これと政治献金とそして立法との関係、これにつきましての見解、御批評は自由でございますけれども、私は、こういうところの献金によって公害に関する一連の立法が曲げられておる、しり抜けになっておる、いわゆる無過失責任論をないがしろにしている、こうは考えておらないわけであります。しかし、これについていろいろの御批評があることは御自由でございます。したがって、いろいろ政治献金は法人から受けるべきでない、個人にすべしというような一般論も出ておるわけでございます。で、これらの点につきましていろいろ見解が分かれまして、なかなか国会としての合意に達せないというのが過去の事例でございます。この点につきましては、しばしば申し上げましたとおり、政治の実態につきまして十分御検討を願い、これらの点に関するある程度の合意を求めて、その条件の成熟を待ってひとつこれらの改正の成案を得たい、こういうふうな考え方をいたしておるのでありまして、その点を十分考えずしてやりましても、また過去の繰り返しになりはしないかという点もおそれるわけでございます。したがって、改正の点につきましてその必要を認めておりますが、これが必ず今次の国会において成案を得て、御提案をして御審議をお願いするということになるんだという点については、ただいまのところいまだ確言的な発言をいたすわけにはまいらない点をひとつ御了承願いたいと思います。しかしながら、十分誠意をもってこれに当たっておるのでございます。
#116
○林(百)委員 これで終わりますが、たとえば、亜硫酸ガスを出して一番光化学スモッグの原因にもなっている電力会社、それから製鉄メーカーから、それぞれ二億という金を政治献金に出されて、これは人情として、それに義理を果たさない、二億は二億だ、やることはやるんだなんということは、ちょっとこれは、秋田自治大臣渋い顔をしてにらんでおりますけれども、それは無理じゃないでしょうか。やっぱりそういうことは、とめる道を立法すべきじゃないかというように思うんですがね。それからヘドロを出している大昭和から二千四百万もの金が出ていれば、考えるのが人情じゃないでしょうか。
 だから、ここでもはっきりお尋ねしますが、いまも同僚の堀さんもおっしゃっておりますが、この国会では政治資金規制の政府からの立法は無理だ、大体そう見ていいかどうか。それならそれで、野党のほうは野党のほうで独自の提案権があるわけですから、そういうことも考えなければなりませんので、大体無理と見ていいのか、はっきり正直に言ってくださいよ。秋田さん、そんな思わせぶりなことを言わないで、こっちも作戦があるわけですから。
 それから、自民党の中で何が一体問題になっているのですか、正直に言ってください。ここの資金源が途絶すれば、自民党は資金源が途絶されてしまうから、政党としての財政的な根拠がなくなってしまうので、これはどうもとめるわけにいかぬというところに問題があるのか。
 要するに三つですね。どこに問題があるのか、大体この国会では無理だというように理解していいのか。そして何億というような金をいま公害で問題になっている企業から献金を受けて、そしてそれはそれ、これはこれで厳正にやっていきますといっても、国民は納得しないと思うがどうか。この三つの質問で、時間がたいへんおそくなりましたけれども、私の質問を終わります。大臣の答弁を求めます。
#117
○秋田国務大臣 人情論がございましたが、公害立法、電気ガス事業に対する公害関係の規制の法規の内容を見て、またいま思い返してみますと、妥当な線を行っておるのでございまして、金銭によって左右されたという実情ではないと私思いますが、それはそれといたしまして、要するに、政治にやはり常識的にあまり金のかからないことが望ましい、そういう実情をつくっておいて、そして立法に着手するという方向が必要ではなかろうか、こう考えております。したがって、その点の条件が成熟できますれば、それは合意が国会内関係者等において大体の方向がまとまりましょうから、この国会においても御提案申し上げるわけにいくかもわかりませんが、この点はいろいろむずかしい点があるというふうに考えられます。
#118
○林(百)委員 無理だということですね――終わります。
#119
○吉田委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後六時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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