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1970/02/17 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号
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1970/02/17 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号

#1
第065回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号
昭和四十六年二月十七日(水曜日)
    午前十時四十六分開議
 出席委員
   委員長 吉田 重延君
   理事 奧野 誠亮君 理事 鍛冶 良作君
   理事 久野 忠治君 理事 堀  昌雄君
   理事 二見 伸明君 理事 門司  亮君
      赤澤 正道君    小島 徹三君
      白浜 仁吉君    田中伊三次君
      阿部 昭吾君    西宮  弘君
      山本 幸一君    岡沢 完治君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 秋田 大助君
 出席政府委員
        自治省行政局選
        挙部長     中村 啓一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)
     ――――◇―――――
#2
○吉田委員長 これより会議を開きます。
 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 この際、本案について政府から補足説明を求められております。これを許します。中村選挙部長。
#3
○中村(啓)政府委員 お手元に配付されております法律案の関係資料の二つ目の青い紙の次に、今回お願いをいたしております国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案につきましての要綱を掲記をいたしております。これにつきまして、若干数字につきまして、補足的に御説明を申し上げたいと存じます。
 要綱で五点あげておりますが、今回改正をお願いいたしたいと考えております実態的な点は、一から四までの四点でございます。
 第一点は、基準法は、四十三年に改正をお願いいたしまして以来、実質的に四年度間据え置いてまいったわけでございますので、その間におきまする公務員の給与改定等がございまして、選挙事務に従事をいたします地方公共団体の職員の超過勤務の単価等に手直しをお願いをいたす必要が出てまいったわけでございまして、今回その改定として従来の単価の約四割の引き上げをお願いを申し上げております。これによります増加所要経費は約七億六千万円でございます。
 第二点にお願いをしておりますのは、選挙の際に臨時に使います人夫賃につきまして、最近の実情に見合った単価の改定をお願いをいたしたいと存じておるところでございまして、大体従来の三割アップをお願いをしております。これによりまして従来よりも約一億九千万円見当の経費の引き上げをお願いしなければいけないということになるわけでございます。
 それから第三番目にお願いをしております点は、投票管理者、開票管理者また投票立会人、開票立会人等の費用弁償につきましての単価の改定でございます。これにつきましては若干上げ幅が大きくて恐縮をいたしておりますが、六割強の引き上げをお願いしたいと思っております。投票立会人等につきましては、従来千二百円ということでございましたが、二千円に、投票管理者等は、千九百円でありましたものを二千五百円というふうに引き上げをお願いしたいと思っております。これは大体政府全体のこういう委員的なお仕事をお願いする方々につきましての費用弁償の単価を、生体をにらみ合わせてこの際調整をしていただきたいということで、事務的に関係方面とお話し合いをいたしました結果に基づくものでございますが、上げ幅が若干大きくて恐縮をいたしますが、六割強の改定をお願いしたいと思っております。これに要する所要経費も約一億九千万円増加いたすわけであります。
 第四点といたしましては、運賃の改正がありましたり、物価の変動がございまして、旅費でありますとか、燃料費でありますとか、あるいはポスター掲示場でありますとかいら点の単価の改定、あるいは入場券の送付等の関係の経費、これにつきまして従来若干実情に合わない面もあったように感じましたので、それらの手直し等をお願いをいたしたいと思っております。その関係の経費は全体で三億二千万見当の増額であります。
 合わせまして、全体として約十五億、正確には十四億六千百万円という額がいままでの基準経費の上に割り増しになることになるわけでございまして、大体、総体として二九%の引き上げということになると存じておるわけでございます。したがって、改定後の今度の参議院選挙、六月に予定をされておる参議院通常選挙の所要経費は、この執行経費の対象になります。地方公共団体に委託をする総額といたしましては六十六億三千三百万円ということでございまして、申し上げましたように、従来約五十億前後ということでありましたが、今回十五億程度の引き上げをお願いをするということに基準の改定をお願いをいたしておるところであります。
 この法律は、公布の日から施行をさしていただきたいと存じておりまして、たいへん恐縮に存じますが、もとよりこれは国会議員の選挙の経費でありますので、具体的にこの法律が適用になりますのは、衆参両院の選挙、さしあたってことしは、まず参議院通常選挙からではございますが、御案内のように、三月に入りますと地方統一選挙が始まるわけでございまして、地方側の希望といたしましては、できるだけ早く法律の御決定を賜われば、それに従って、地方のやります地方選挙につきましても、これを一つのめどにして予算その他の措置を配慮したいという希望を全国の選挙関係者持っておるところでございますので、たいへん恐縮をいたしますが、できるだけすみやかに御決定を賜われば、全国の関係者としてはたいへんありがたいところだと存じておる次第であります。
 以上、今回提案をしております基準法の改定につきまして、数字的に若干補足を申し上げた次第でございます。よろしくお願いいたします。
#4
○吉田委員長 大臣が出席するはずでございますから、しばらくお待ちください。
 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#5
○吉田委員長 速記を始めて。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。堀昌雄君。
#6
○堀委員 ただいま補足説明がありまして、昭和四十三年に改定をしてから、三年間ですか、そのまま放置をされて、その間には実は衆議院選挙も行なわれておるわけでありますけれども、ただいまの引き上げで、大体十五億円ということになっておるようですが、この間実は毎年費用は上がってきておる。これは地方自治体としては、前の基準で行なっておるわけでしょうから、問題が二つあると思うのですが、一つは基準ですね、基準と実際の支出との差額というのは全国で大体――まあこの間の選挙というのは、四十四年の暮れの総選挙が主たるもので、あとは補欠選挙その他もあったと思いますけれども、この四十四年の暮れの総選挙の際における地方自治体のこの関連の支出とこれまでの基準との差額、要するに、地方自治体が、当然引き上げられるべきものが引き上げられていなかったためにこうむった損失といいますか、これはどのくらいになりますか。
#7
○中村(啓)政府委員 お話のございましたように、四十三年以来引き上げが行なわれないままに四十四年末の総選挙等を迎えたわけでございますが、主として問題になりますのは、その間におきまする公務員の給与改定に伴います超勤等の単価が論点になろうかと思っております。それらにつきましては、従来、いずれにしても総選挙の際には予定をされない種類の性質でございますので、総額を予備費で措置をいたしてまいったところでございますが、その具体的な予備費による予算措置の際に、いわゆる調整費という形で、必要な超勤等の増額分については法律に基づく単価に加えまして調整的な配慮をいたしてまいってはおります。そういう点で、大体四十四年十二月にやりました総選挙の際におきまして、地方団体にたいへん窮屈な思いをさしたという点はないような配慮は尽くしたつもりでございます。
#8
○堀委員 つもりでございますということらしいのですけれども、私どもの聞いておる範囲では、大体国の選挙が行なわれると、地方自治体はかなり持ち出しになると聞いているのですよ。いろいろな点で非常に持ち出しになる。大体いまの基準額そのものが、それは確かに人件費その他については多少調整ができておるかもしれませんけれども、まあこの経費の中には、立会演説会の経費とか、いろいろなものが入っておりますね。いろいろなそういう諸経費を見ると、どうも実情と皆さんの基準との間に、常に差があるように私は地方選管で聞いておるのですけれども、その点はどうでしょうか。
#9
○中村(啓)政府委員 堀先生のお話しの点は、国の選挙でございますので、地方団体はそれをある意味では請け負ってやっているわけですから、かかった経費は、当然に全部出さなければいけないというのは、本質的にはあるいはそのとおりかと思いますし、そういう意味では基準法だということで、何と申しますか、国の側の利益のために一定のワクをはめて押え込むなんという考え方自体がおかしいという論議もあるかとも思います。私どもも、いわゆる地方団体の側に立ちますと、そういう論議もあり得るところかとは思いますが、といいまして、やはりいかに国の選挙であっても、十人で済むところを二十人も三十人も人を投入をしてやるということになりまして、スタンダードがないということも困るであろうということで、こういう基準をやって――特に基準法が妙味を発揮しますのは衆議院議員選挙のような場合でございまして、いつ選挙があるのかわからない、なった場合に、直ちに地方団体としても予算上の措置をしなければいけない、そういう場合の配慮も考えて、こういう基準法をお願いをいたしておるところでございます。
 具体的に、それでは堀先生のお話しのように、選挙のつど、地方団体が国の選挙のために持ち出しをどれだけやっているかという点になりますと、私どもときどきその声は聞きます。実はできるだけ実態の把握をして、地方団体に不当にと申しますか、持ち出しをしいるような結果になってはいけないということで常に配慮はいたしておるところでございますが、現に私どもの調べたところでも、これだけ持ち出したというところ、全部ではありませんが、中には申し出ておるところもあります。
 ところが、同じような規模の団体で調べますと、そういう団体は一応基準の中でまかなっておるというような事例がかなりございまして、一つはそれぞれの団体におきまする選挙のしかたなのだろうと思っております。そこで非常にここで持ち出しであるとかないとかの議論でめんどうになりますのは、二十日間なり二十三日間の選挙の際に、もとよりいろいろな計算機でありますとか、いろいろな複写機でありますとかいう、そういう機材が必要であります。その機材を選挙の際に選挙費で買う。ところでその機材費は、それぞれ耐用期間が五年なり六年なりあるというようなことで、どうもそれぞれの団体の経理のしかたなり、また事務のしかたによって、超過負担であるのかないのかというところが非常に微妙な議論のあるところでございます。
 そこで、正直に申しますと、いままで超過負担があるあるといわれながら、厳密にこれだということをつかみ得るには要素がたいへん困難でございまして、明確にこれだけの差額があったということはちょっと言いかねるのでございます。言いかねるのでございますが、しかし、私どもとしては、やはり少なくとも基準自体は三年間据え置かれ、現状とはたいへん離れてきておりますので、そのつどの調整費による調整では限度もありますし、今回のお願いは、そういう意味でいままでの三年間かなり論議されましたものをそれぞれ調べ上げて改定することに運びが進んだというふうに理解をしております。
 したがって、たいへん長くしゃべって恐縮をいたしましたが、堀先生のお話しの、従来の実績による基準と実支出の差額はどうかということにつきましては、的確に、これこれの団体でこれこれの額でございますというふうにはちょっと申し上げかねる面がありますことを御了承賜わりたいと思います。
#10
○堀委員 これは皆さんのほうには資料がないからおそらくそういうことになると思うので、この際、次の参議院選挙にあたって、ひとつ全国的にサンプルをきめて、大都市、中都市、小都市、町部、村部といいますか、そういう形で、少なくとも全体に対するカバレージが二〇%なり三〇%なりになるような形にして、ひとつ当委員会に、実際に施行した経費と、その基準額によって地方自治体が受け取った経費と、これらの経費の実情について、いまおっしゃるように確かに処理のしかたには多少いろいろの差があると思いますけれども、やはり二、三の特別の例をもって話をされても、これは地方自治体全体の問題になるわけですからね、どうかひとつその点は来たる通常選挙の際にあらかじめ事前にそのことについて連絡をし、そうしてその後に直ちに調査をしますということで、ひとつ調査報告を当委員会に出してもらいたいと思う。
 やはり私どもとしては、国の選挙についてはできるだけ地方自治体に持ち出しがないことが望ましいのであって、地方自治体の選挙は地方自治体一がやるのでありますから、これは当然でありますけれども、せっかく国がこうやって執行経費の基準をきめている以上は、基準そのものが少なくとも超過負担をしいるようなことにならないようにしておく必要があると思いますので、その問題を特に要望しておきたいと思います。
 二点目は、この資料を拝見しておりますと、区と市と町村と、こう分かれておるわけですね。区と市の間に実はかなりの開きがあるのですけれども、これはいまの地方行政上の一つの何かルールがあるのかもしれませんが、もう区と市を区別する理由は私はないと思うんですね。私ども尼崎市に住んでおりますけれども、大阪市の西淀川区というのと隣接しておりますが、一体区と市に何の差があるのだろうか。ところが、これを見ると、全部区と市の間に差額が設けられておるわけですね。これは廃止するわけにはいかぬですか、実情に応じてですね。これは地方行政の何かのルールはあるのかもしれないけれども、これなどはいまの話からいっても、実情に即して費用を出すというのに、こんな差が実情としてあろうなどとは私は考えられないのですけれども、なぜこんな区と市に差別があるのですか。
#11
○中村(啓)政府委員 お話しの点もごもっともだと思いますが、こういうふうに差別を区、市、町村で設けておりますおもなる理由は、職員の給与単価の違いがかなり統計上あるものですから、それを基礎にいたしまして超勤等の補正をするというのがおもなねらいで区、市を分けておるのでございます。厳密に言いますれば、おそらく地方公共団体の給与のあり方というのは国に準じておるということでありますので、ある意味では、こういう区別を設けることについて、たてまえ論議としては異論が堀先生のお話しのようにあるところかもしれません。しかし、給与実態調査等を見ますと、区の存する地域あるいは区の存する地域を含む府県とその他の府県との間に、給与上の格差が実態問題としてはあるのでございます。そういう意味で、主として超勤の補正ということでこういう三段階にいたしておるわけでございますが、お話しのように、だんだんと区と市の間の開きはそれほど大きくなっていない、むしろ縮んでくる傾向にもございますので、ただいま堀先生のお話のありましたような点も頭に入れまして、今後の検討の際にはなお一つの課題として考えていきたいと思いますが、現状におきましては、給与実態からくる差をやはり実情に合わして反映させざるを得まいというふうに考えまして区と市を分けておる次第でございます。
#12
○堀委員 いまそういうお話だったのですが、私どもの付近で言いますと尼崎市、西宮市、伊丹市というような、大阪市に隣接しておる市、あるいは大阪市の周辺に枚方市なりいろいろな市が周辺にありますね。これらの市の給与は大阪市とちっとも変わらないんですね。自治省御承知だと思うのです。いまのお話で、なるほど給与に差があるのならこれは当然だと思うのですが、現実に給与に差がないにもかかわらず基準が下回るときには、これはどうなるのですか。要するに、縮まっていると言われるけれども、これを見るとかなり差がありますよ。ですからこれほど差があるということは、私はどうもいまの実態からいうと納得ができない。おそらく関東でも、東京都と周辺の市は、地方公務員の給与についてそんなに差があろうと思われないわけですね。だからその点は、いま私が言っているのは、こういう経費は実情に即して出さなければ、一方的に国がこういう基準をきめても、そこに差額ができては困るぞということを私はいま取り上げておるのですからね。全体の問題としてもそうだし、区と市というようなことの縦のアンバランスの中にも問題がありますよと、こういう問題提起をしておるのですが、これは過去にはそうであったかもしれない。しかし、私が承知しておる範囲では、われわれの周辺は、すでにもう十五年来給与の問題については大阪市とちっとも変わらないのですね。場合によったら少し阪神間のほうが高いかもしれない。このくらい給与水準の高いところがあるのです。しかし、それは市なんですよ。大阪市なり神戸市になれば、区になるのですね。そこのところは、たとえばこの間から問題になっている川崎市の問題一つをとってみても、川崎市は市である間は安いのだ、区になったらとたんに高いのだ。しかし、別に市から区になったからといって、そのときに給与が上がると思われないのですがね。どうもこういう考え方というのはどこかで少し整理したらどうかと思うのです。あるいは給与水準に基づいて、給与がどこからどこまでの範囲のものはどうするとか、給与に関係するものを、区と市だけで機械的に分けておるというのは問題があるのですがね。特に、地方公務員の場合には国と違うのですから、これは地方によってきまっておるわけであって、一律になっていないのですから、それは一律になっているかどうかは、区や市であるということによって給与がきまるのでないということが背景にありながら、基準を区や市に置いておるというのは問題があると思うのですが、これはどうでしょう。
#13
○中村(啓)政府委員 いまお話しの点はごもっともな点があります。実はこの基準法で一番頭が痛いのは、給与の単価がかなり高い団体がある、その団体につきましては、どうしても超過勤務手当がしたがって高いということで、基準をこえるのではないかということになりますので、先ほど一番初めにお話しになりました超過負担論議というのは、大体超勤の経費ということになるわけでございます。しかし、高い団体をそのまま実額をというわけにもなかなかまいりませんものですから、そこで一定のスタンダードを設けておりまして、従来傾向として区と市におきまする給与の格差、これはむろん給与だけではございませんので、人夫賃その他のものも、統計上出てまいる差も計算には入れて全体の経費を算定はいたしておるところではありますが、ウェートとしては職員給与が高いところでありまして、そこで基本的に区と市の区分が適当かどうかという点につきましては、今後の給与の水準の調査の積み重ねにもよりますし、先ほどお話しになりました、今回の通常選挙の実績等も勘案をいたしまして、手直しを要すると考えられますれば、私どもは直ちに所要のお願いをいたしたいと存じておりますわけですが、現状においては、従来の統計上の数値に基づいての区分でやっております。
 ただ、お話しのように、区という銘柄がつかないけれども、区と同じような高い団体があって、その団体は、したがって、かなり極端な超過負担にならざるを得ないというところが出てまいりますが、それにつきましては、もとより全額とはいきませんけれども、ある程度は調整費でもって考慮するということでもって措置をいたしておるところでございます。
 いずれにしましても、御指摘をいただきました問題点については、なお今後研究をさしていただきたいと思います。
#14
○堀委員 選挙部長、自治省のお役人だから自治省の実態を御存じないわけではないと思うのですが、ちょっと一例をあげて伺いたいのですけれども、鹿児島市の給与水準と尼崎市の給与水準というのはどのくらい差があるでしょうか。同じ市ですよ。市の中にずいぶん格差がある。
#15
○中村(啓)政府委員 恐縮ですが、尼崎と鹿児島というのは、ずばりここに統計を持っておらないのですけれども、いわゆる東京二十三区の特別区と、それから行政区を持っております六大市を合わせましたところの平均給与月額が五万四千五百六十一円になっております。それを除きました市は四万七千五百三十六円ということになっております。
#16
○堀委員 それでちょっと聞きますけれども、私はいまの区の中でも大体格差があるのじゃないかと思うのです。区の中でも格差がある。この区の中の格差と、場合によったら市の中でもうんと格差があると思うのですよ。その中の市の上のほうは、場合によったら区のより上に上がっているところがあるのじゃないかと思うし、これはいま法案が出ていますからあれですが、やはりものは経済の問題でして、私いまあなたの答弁を聞きながらちょっと気になるのは自治省的発想で、要するにこれは国の選挙をやらせるために補完をするのでしょう。給与の問題を考えているわけじゃないのでしょう。そうしたところは、特に高いところはまるまるやるのは問題があるから、調整費でその何分の一かを調整するという話も、私これは問題があると思うのです。何か自治省というところは給与水準を押えるためにはあらゆる手段をつくって、それに関係のないものまでそういうことをやろうなんという発想は、この際私はやめてもらいたいと思うのです。自治省が行政局としてそういうことをやっているのは、これは議論があっても別問題ですが、選挙経費で国の経費を負担させるのに、おまえのところはちょっと給与が高過ぎるから、調整するにしても全部は見られぬぞなんという発想はこの際やめてもらわなかったら、私はちょっとこの法案を簡単に通すわけにいかぬと思う。発想からちょっと変えてもらって、私が最初に申し上げておるように、国の選挙を地方自治体に委託して行なうのだから、その限りにおいては、その実情のいかんを問わず、国の選挙によって要した費用、さっきあなたが言ったように、そのときに計算機を買ったというようなことは例外でありますが、給与費の差額などということはもうきわめて明瞭なものなのですね。その給与費の差額までも地方自治体に持たせなければいかぬようなやり方は、私は問題があると思うのですよ。発想として問題がある。
 どうでしょうか、大臣、ひとつこの発想の点は、今後こういう国の選挙を行なうための執行経費の問題は、実情に即して調整費をもって満度に見る、ただしいまの例外は別ですよ。給与の点は例外にならないのだから、非常にはっきりしているのだから、こういうようなことは当然行なうべきだと思うので、今回の法案はもうすでに出されておるし、あとの選挙の関係もありましょうから、直ちにこれを全部書きかえろということはできないから、次回から実際に要した費用をひとつ調整費をもって満度に見る、こういうことにしてもらいたいのです。どうですか、大臣。
#17
○秋田国務大臣 私も堀先生の御意見に賛成でございます。今後はそういう気持ちで、またそのつもりで検討をして、直すべきものは直していく、こう考えます。
#18
○中村(啓)政府委員 たいへん恐縮でございますが、堀先生おっしゃる点、私どもは全面的に同調をし、共感をしておるところでございまして、自治省的な発想ということになりますと、あるいは地方団体の給与は一本であるべきだという形で、たとえばあんまりこういうことを言うとおしかりを受けるかもしれませんが、大体において地方団体の給与は一本という考え方でやっておりますけれども、私どもは、やはりこれは国の選挙をやっていただくのだから、実際要った費用に近づけてやるべきだ、こういう発想でこの区、市の区分なんかもやってきておるわけでございます。したがって、発想のしかた自体は、堀先生のおしかりを受けないような、むしろ逆に堀先生の御支持を受けるような発想のしかたでやっておるのではございますが、お話のように、それでは完全に区というタイトルの中で区に準ずるようなものを含んでおるかと申しますと、問題は潜在しておりますので、そういう点の手直しはぜひ今後やらしていただきますが、発想自体はぜひ御理解をいただきたいと思います。
#19
○堀委員 発想はいいですが、私はそれよりも、実際に超過負担にならぬ、国の選挙については実情に即して、ということだけは大臣もきょうは確認をしていただきましたから、次回はそういうことでひとつ法案を出していただいて、少なくとも国の選挙について地方がやったらまた赤字が出るなどというような不安がなくなることが、私は日本の政治を前進させるためでもあるし、民主主義の根幹にかかわる問題でありますから、どうかひとつその点は、調整費は十分に取って――基準は基準ですから、これは基準でよろしい、しばらく次に改めるまでは……。しかし、調整費を十分に取って、その調整費の中で、さっきのあなたの発言のような、ちょっと高過ぎるから、そこはちょっと加減をしてというようなことのないように、高過ぎようが高過ぎまいが、これは地方行政プロパーの問題で、これは角度が違うのだから、国の委託だから、その点については、そういうことがないということをひとつ十分考えてもらいたいということで私の質問を終わります。
#20
○吉田委員長 二見伸明君。
#21
○二見委員 ただいま堀委員の御質問の中で、実情に合わない点について自治大臣は前向きの御答弁をなされましたので、私もその点は了解したいと思いますけれども、先ほど中村さんのお話ですと、市、区、町村間の格差は多少是正されつつある、たしかそういうお話があったように思いますけれども、私はあまりまだ格差は是正されてないんじゃないかという感じがするのです。これは、私の数字が違っていたらまことに申しわけないのですけれども、超過勤務手当が、たとえば区、市、町村で見ると、区の場合が三百二十二円九十二銭、市の場合が二百八十一円三十三銭、今度の改定ですと、町村の場合が二百二十三円七十九銭という数字が出ておるわけですね。数字が違っていたら御訂正いただきたいのですけれども、むしろこれは、いままでよりも多少この差というものは開いているんじゃないか、こういう気がするわけですけれども、その点いかがでしょうか。
#22
○中村(啓)政府委員 二見先生のお話にございましたように、超過勤務手当の一時間当たりの単価につきましては、市町村全体としては二百六十二円という単価でございますが、それは全国の平均といたしまして、指定都市と特別区については、給与の実態を全国平均と対比をいたしまして、その割りだけ割り増しをして見ております。その結果の額が三百二十二円ということでございます。同じようなやり方でその他の市が二百八十一円、それから町村が二百二十三円、二見先生の御指摘のとおりの数字でございます。この点は、従来の給与実態調査によります数字をそのままとったところでございまして、私どもとしては、率自体は従来よりもやや縮まったように思っておりますけれども、むろん実額は伸びておりますので、あるいは御指摘のような点があるかと思いますが、率自体は若干縮まってきたような感じで計算をしておったところであります。
#23
○二見委員 この差も、先ほどの堀先生の御質問ではありませんけれども、給与の実態が、確かに区の場合、市の場合、格差が出るところもあるし、ないところもある。関東近県ですと、たしか二十三区よりも高い市があるはずです。埼玉県の川口市あたりはかなり高いはずです。そういう実態に即していない点は、たとえば超過勤務手当一つ取り上げてみても、こういう差が出てくるのではないだろうか。これは実情に合わせるように、この次の改正のときにはしていただきたい。これは超過勤務手当だけではないと思いますが、その点お願いしたいと思います。
 それから、人夫賃というのがあるでしょう。これだって、やはり区、市、町村の格差というのはあるんですよ。区の場合が千百四十円で、市の場合が八百七十円で、町村の場合が八百円、これも率というか絶対額の開きというのは、前回よりもかなり高い。これなども、かなり実情に合っていないのではないだろうか。場合によれば、これも地方のほうの持ち出しになるケースもあるのではないかと思います。そういう苦情も聞いておりますが、そういう点は今後いかがでしょうか。
#24
○中村(啓)政府委員 二見先生のお話の第一点の、ほんとうに基準を実施市の実態に合うように研究し、今回の通常選挙等での適切な結果の分析等をやっていくべしという点につきましては、先ほど堀先生にも申し上げましたが、ぜひそうやりたいと思います。いままでも何回かやりましたが、どうもうまく分析ができかねたきらいがありました。ここで御指摘をいただきまして、一生懸命研究をして、適切にやっていきたいと思います。
 それから人夫賃の件でございますが、この点は、御指摘がありましたように、今回の改定で町村が八百円、市が八百七十円、区部が千百四十円ということになりました。そういう意味で、伸び率自体は別にしまして、伸び額は従来よりも区部のほうが重く伸びていることは事実であります。これは労働省等といろいろ御相談をいたしまして、労働省の統計に基づいてやってみたところでございますが、そういう意味では、できるだけ地方団体一本というよりも、実情に即そう即そうというつもりでやった結果ではございます。二見先生のお話は、総額の問題もあるだろうし、特に現在の労働状況から見て、この額で十分なのかという御心配もあるわけでありますが、私どもは、これだけ改定をしていただければ、少なくとも最低必要な額としてはまず足りるのではないだろうかというふうに存じてはおりますが、この点も第一点と同様に、実態に合わせるという意味で、今後これで満足をするというようなことのないように十分努力をいたしたいと思います。
#25
○二見委員 実際、地方に行って聞いてみますと、人夫というのがいないのですよ実情は。人夫が集まらないで、市の職員が臨時にやったりしているケースがほとんどだと思うのです。というのは、結局人夫賃が、たとえば千百四十円という額では来手がないのじゃないか、これが実情だと思います。市の職員を臨時に人夫ということにしてやれば、それはそれでもいいですけれども、実際の純粋な臨時雇いということになると、この額では来ない。労働問題としては当然これは来ないだろうと思うのです。アルバイトにしても、三千円も四千円もとる時代ですから、そういう点から考えると、労働条件という面から見ても、たとえば人夫賃というのは実情に即さないのじゃないか。その点はやはり自治省としてもそういうふうに感じておられるわけですか。それとも先ほどの御答弁ですと、これならば確保できるのじゃないかというお話ですけれども、これは実情とちょっと離れている感じがするのですが、いかがでしょうか。
#26
○中村(啓)政府委員 それぞれの地域の実情は、二見先生が一番御案内のところでありますので、私どもの立場で、いまこの額で足りるかどうかという点について、一般的なことしか申し上げかねますのはたいへんどうも恐縮に存じますが、とにかく今度の改定額で千百四十円というので、一般的にアルバイトとして雇う額としてはまずまずであろうということに財政当局との話はまとめたところであります。ただ私どもも、これで非常に満足をしておるというのではございませんで、実は先生のお話のように、いまそう簡単に二十日間とか二十五日間だけアルバイトに来ましょうというような人で非常に役立つ人というのはほとんど求めがたいのが実情であります。そういう意味では私どもは、これもやはり選挙経費につきましても人夫賃でまかなうものもかなりありますが、もう少し人夫賃のウエートを下げて、職員の超過勤務を充実をしていくという形で解決をいたしていきませんと、天下の実情に合わないのではないかという点は問題点として考えておるところでございます。
#27
○二見委員 選挙ばかりではなくて、ほかの事業もそうなんですよ。国の事業を地方が請け負うと大体損することになっているらしいのです。基準額が全部実情に合わないということで、地方としては持ち出しになる経費が非常に多いわけです。私は選挙ばかりじゃないと思います。ほかのことも、そういう実情を聞いておりますし、これは自治大臣も、選挙のことをも含めて、そういう点の是正をこれからお願いしたい。こういう点も十分配慮していただきたいと思います。この点については大臣、いかがでございますか。
#28
○秋田国務大臣 もちろんでございまして、超過負担につきましては、これを実質に合わせるよう、過重な負担を地方公共団体にかぶせざるよう十分今後も注意してまいりたいと存じます。
#29
○二見委員 最後にもう一点ですけれども、選挙をやるためにいろいろな金がかかるわけですけれども、これからの方向としては、たとえばいろいろな報酬にしても、これは実情に合わせるという御答弁、そのとおりお願いしたいと思いますし、もう一つは、やはり常時啓発といいますか、あるいは選挙の公営、そういうほうにむしろこれからはかなり多額の金というものを支出していく必要があるのじゃないだろうか。これは、ことし参議院の選挙があるから、地方統一選挙があるからということでなしに、常時啓発ということについてはいままでもやってはおりましたけれども、実情は決してそのとおりではない。と同時に、地方の選管の事務体制も決して満足のいく事務体制ではない。職員も満足にいない。専従職員も少ないというのが地方の選管の実情でございますので、そういう点もこれからは改善する方向で、是正する方向でこれからがんばっていただきたい、こう思うわけでありますが、その点だけお伺いして質問を終わりたいと思います。
#30
○秋田国務大臣 従来そのつもりで、毎年予算措置等につきまして常時啓発の予算を要望いたし、かつまた選挙庁等の機構改革をも心がけておる次第でございますが、諸般の事情でわれわれの理想の実現に至っておりません。今後努力を重ねて御趣旨に沿いたいと存じております。
#31
○二見委員 終わります。
#32
○吉田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午前十一時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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