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1947/11/11 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第24号
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1947/11/11 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第24号

#1
第001回国会 厚生委員会 第24号
  付託事件
○教員の恩給増額に関する請願(第六
 号)
○食肉統制價格撤廃に関する陳情(第
 二号)
○聖靈生命眞理療法保護法規の制定及
 名譽回復に関する陳情(第四号)
○兒童の福祉増進に関する法令制定の
 陳情(第七号)
○恩給法の改正に関する陳情(第十二
 号)
○都市官公廳職員の生活安定に関する
 陳情(第三十八号)
○戰死戰災遺家族並びに傷病者の更生
 に関する陳情(第五十号)
○恩給法の改正に関する陳情(第六十
 四号)
○國民健康保險組合制度を改革するこ
 とに関する陳情(第六十六号)
○國民健康保險金に対する國庫補助金
 の増額等に関する陳情(第九十八
 号)
○青少年禁酒法案(小杉イ子君発議)
○恩給増額に関する請願(第三十九
 号)
○兒童福祉法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第五十八号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第七十一号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第七十三号)
○恩給法の改正に関する陳情(第百五
 十三号)
○國民健康保險組合の振作促進に関す
 る陳情(第百五十五号)
○國民健康保險制度の更生に関する請
 願(第八十二号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第八十七号)
○恩給増額に関する陳情(第百九十三
 号)
○最低生活の保証に関する陳情(第二
 百十八号)
○國際電氣通信株式会社等の社員で公
 務員となつた者の在職年の計算に関
 する恩給法の特例等に関する法律案
 (内閣送付)
○恩給増額に関する請願(第百十一
 号)
○戰死者遺族の更生対策に関する請願
 (第百十六号)
○生活協同組合法の制定に関する請願
 (第百四十三号)
○青少年禁酒法制定に関する請願(第
 百四十六号)
○青少年禁酒法制定に関する請願(第
 百五十一号)
○住宅営團経営の住宅を國営とするこ
 とに関する請願(第百六十九号)
○東京帝國大学演習林拂下げに関する
 請願(第百七十二号)
○教員恩給増額に関する請願(第百七
 十八号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第百七十九号)
○生活協同組合法の制定に関する陳情
 (第二百七十五号)
○教員恩給増額に関する陳情(第二百
 九十八号)
○傷痍者更生援護に関する請願(第百
 九十九号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第二百一号)
○拂下げミシンに関する請願(第二百
 十号)
○結婚問題に関する請願(第二百二十
 号)
○恩給増額に関する請願(第二百二十
 三号)
○社会保險制度の一元化に関する陳情
 (第三百三号)
○教員恩給増額に関する陳情(第三百
 十二号)
○結核医療施設を市営に復元すること
 に関する陳情(第三百二十一号)
○教員恩給増額に関する陳情(第三百
 四十六号)
○生活保護法による生活保護費を全額
 國庫負担とすることに関する陳情
 (第三百五十五号)
○恩給増額に関する請願(第二百二十
 九号)
○教員恩給増額に関する請願(第二百
 四十二号)
○教員恩給増額に関する請願(第二百
 五十一号)
○恩給法の一部を改正する法律案(内
 閣送付)
○傷痍者保護に関する請願(第二百八
 十五号)
○結核医療施設を市営に復元すること
 に関する陳情(第三百五十九号)
○教員勤務地手当増額等に関する陳情
 (第三百六十四号)
○炭鉱労務者福利厚生施設拡充に関す
 る陳情(第三百七十号)
○生活協同組合法案に関する陳情(第
 三百八十三号)
○結核医療施設を市営に復元すること
 に関する陳情(第三百九十四号)
○生活協同組合法制定反対に関する陳
 情(第三百九十五号)
○優生保護法案(衆議院送付)
○乳肉衞生行政を農林省に一元化する
 ことに関する請願(第二百九十九
 号)
○産兒制限に関する陳情(第四百三
 号)
○教員恩給増額に関する請願(第三百
 四十二号)
○産兒調節に関する請願(第三百五十
 号)
○職業補導特別施設の整備強化に関す
 る請願(第三百六十一号)
○生活保護法の普及と同法の一部改正
 に関する請願(第三百六十三号)
○教員恩給増額に関する請願(第三百
 八十二号)
○丸山トンネル爆発による被害者救助
 に関する陳情(第四百四十三号)
○國民健康保險組合制度を改革するこ
 とに関する陳情(第四百四十六号)
○國立療養所高山莊の完備並びに運営
 に関する陳情(第四百六十六号)
○生活協同組合法制定反対に関する陳
 情(第四百七十四号)
○恩給増額に関する請願(第三百九十
 六号)
○教員恩給増額に関する請願(第三百
 九十七号)
○教員恩給増額に関する請願(第四百
 九号)
○恩給増額に関する請願(第四百十七
 号)
○教員恩給増額に関する請願(第四百
 十八号)
○生活協同組合法制定反対に関する陳
 情(第五百十二号)
○星塚敬愛園入園患者生活擁護に関す
 る陳情(第五百十八号)
○赤十字の標章及び名称等の使用の制
 限に関する法律案(内閣送付)
○鍼灸医法制定に関する請願(第四百
 三十三号)
○遊休公共建造物の即時開放等に関す
 る請願(第四百三十八号)
○國立遺傳学研究所設立に関する請願
 (第四百四十三号)
○恩給増額に関する請願(第四百四十
 七号)
○治療師の開業試驗等に関する陳情
 (第五百三十一号)
○恩給増額に関する請願(第四百五十
 一号)
○盲人の鍼灸術を存続することに関す
 る請願(第四百七十号)
昭和二十二年十一月十一日(火曜日)
   午前十一時四分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○兒童福祉法案
  ―――――――――――――
#2
○委員会(塚本重藏君) それでは開会いたします。前回に引続き残余の質疑を続行いたします。
#3
○谷口弥三郎君 お伺いいたしたいと思います。今回できました兒童福祉司と申しますのは、有給の者を主として採用するというお話もありましたが、これには学識経驗などを入れる場合におきまして、有給でなくて無給でも、無給ならば入れて頂きたいというのが可なりあるだろうと思います。又この本質から申しましても、学識経驗者を採るという上においては、有給でなくてもよいのではなかろうかと思いますが、これは嘱託というようなふうにすることができるものでございましようか、どうでございましようか。
#4
○委員長(塚本重藏君) ちよつとお伺いいたしますが、中川さんは説明員ですが、発言を許可して差支えありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり」〕
#5
○委員長(塚本重藏君) それではどうぞ……
#6
○説明員(中川薫治君) 只今の御質問に対してお答えいたします。兒童問題を直接お世話する制度に、有給の制度と名誉職の制度と両方を法案で考えておるのであります。その両者がそれぞれ特徴があるのでありますが、その内有給の方を特に兒童福祉司と、こういう名称を用いたのであります。從いまして名誉職の方で、吏員になられない方で、この問題に特に熱意のある方は、十二條の名誉職の兒童委員で考える、こういうふうに理解するのが法案の建前であろうと考えます。
#7
○谷口弥三郎君 それではもう一度お伺いしたいと思いますが、聞きますところによると、少年保護司などにおきましては、無給で嘱託制が採用せられておるというようなことも聞くのでございますが、兒童委員でありまするというと、現在兒童委員でない方は、早速これに採用することもできますが、数ヶ月後にならなければ、又その時期も参りませんので、兒童福祉司に嘱託ということは、この法文ではできないのですか。
#8
○説明員(中川薫治君) 少年保護司に嘱託の制度がありますことは、少年法にその旨の規定があるのでありますが、この法案では、名誉職の方につきましては、恐く十二條で考える、こういうふうに相成つておりますので、兒童委員でお話のような点は考えたいと思うのであります。成る程この法案の附則におきましては、この十二條施行後三ヶ月を経た後に兒童委員の全体の選考が行はれるのでありますが、それ以前におきましても、全然できないという理由はありませんので、この法案施行直後におきましても、そういう名誉職の方で特に熱心な方は、十二條の兒童委員で是非考えたいと思つておるのであります。
#9
○谷口弥三郎君 もう一つ重ねて伺いたいのですが、民生委員令による民生委員になつた方と申しますというと、單純な兒童委員だけの仕事を專任するというわけには行かずに、民生委員の仕事も両方一緒にやるようになりますが、そこはどうなりますか。
#10
○説明員(中川薫治君) お話のように、十二條では、民生委員と兒童委員とが一本建になつております関係上、そういう只今お示しのような事案につきましては、民生委員に御委嘱申上げると同時に兒童委員になる、こういうことに相成りまするので、両方の権限が附與せられるわけであります。併しながら両方の権限が附與されるといたしましても、それぞれ特定の方が兒童問題を特におやりになる、特定の方が特に兒童委員以外の民生委員の方の関係のことをおやりになるということは、こういうことは実際問題として沢山あらうと思いますが、建前といたしましては、両者の権限を同時に持つておることが、子供の問題と民生問題の円滑なる遂行上適当だろうと考えられる次第であります。
#11
○谷口弥三郎君 それでは只今のはそのままにおきまして、次にこの前に、これは大臣のお答えを頂いたけれどはつきりいたしませんでしたが、この兒童福祉法を徹底的にやるという上においては、助産婦を特にこれに用いんければならん、ところが保健婦あたりに対しましては、公衆保健局保健課において主として指導されておるのでありますが、助産婦に対しては、現在助産婦の補習教育などを主として世話しておる厚生省のはつきりした係りがないように思いますので、この前は兒童局の中のどこかでそういう方面にまでお世話が願えるものかということをお尋ねいたしましたら、大体そういうことは考えておる、お考えになつておるということでありましたけれども、はつきりいたしませんので、これは助産婦の補習教育などを指導する上におきましては、兒童局の母子衞生課などが最も適当な指導所じやなかろうかと思いまするが、いかがなものでありましようか、その点をはつきり御説明願いたい。
#12
○説明員(中川薫治君) 母子衞生の問題の進展を図るためには、助産婦の方々の御盡力を得なければならない、特にその資質の向上につきましては、政府も特に関心を強く持たなけれをならん。こういう見地におきまして厚生省全体といたしましても、助産婦の資質の向上について特に意を用いておるのでありますが、母子問題を直接担当しておりますところの兒童局、特に母子衞生課におきましては、その見地から十分やつて参りたい。こういうふうに考えておる次第であります。
#13
○谷口弥三郎君 有難うございました。そこがはつきりいたしまして、助産婦を向上させる上において余程都合がいいと思います。
 次に、これは附帶決議で出したいと思つておりましたけれども、先日の委員長会合などのお話では、附帶決議は成るべく少い方がいいというようなお話ですが、ここをはつきりしておけば附帶決議の必要もなくなりますのでお尋ねいたしたいと思います。
 今回この法案を作つて、第一條にありますように、健やかに、心身ともに健やかな子供を生れさせるということが目的となつて参りました以上は、優生結婚相談所を各地に設置する必要があると思いますので、すでに厚生省においても、東京などにはありますけれども、全國的に各地方にありませんので、是非共この際、或いは將來においてでも結構でありますが、優生結婚相談所を作りまして、そこの中には医学者ばかりでなしに、心理学者も一緒に入れて優生結婚の相談をさせるということが是非必要と思いますので、そういうようなものを地方に作らせるというようなお心持がありますでしようか、どうですか、その点をお伺いしたいと思います。
#14
○政府委員(葛西嘉資君) 医師或いは心理学者というようなものを含めた優生結婚相談所というようなものを作る、その趣旨は、根本的に遡つて、良い子供を健やかに育てられるという御趣旨の点は誠に御同感に存ずるのでありますが、現在國費が相当多端であります際に、これを全國にこの法の施行の際、或いは近い機会において直くやるということは、ちよつと申上げかねると思います。私共としては、只今お述べになりましたように、御指摘に相成りましたように、元に遡つてのことでありまして、やはりそこまで行かなければ、本当に健やかに子供が次の時代を背負つて行くというところまで徹底できないという御趣旨は誠に御同感でありますので、できるだけそういうふうに努力をしたいということを申上げさして頂きたいと思います。
#15
○谷口弥三郎君 どうぞ只今の御答弁のように、直ちにできませんでも、今後その方面に特別の御関心を持つて、できるだけ早くそういうことが実行されるようにお願いいたしたいと思います。これで私の質問を終ります。
#16
○政府委員(葛西嘉資君) 先程お尋ねのありました中に、有給の者で兒童福祉司にならない兒童委員というふうなものの取扱についてのお話がございましたが、中川説明員がお話申上げた通りでございますが、民生委員の中に、御承知のように、地域を担当いたしまする民生委員がございます。地域を担当しない民生委員というものも現在あるわけであります。兒童福祉法が施行になり、この方面の仕事がうんと地方の第一線に重く重つて参りました場合には、無給の民生委員たる兒童委員を專門委員的に置くという必要が相当起きて來るだろうと思います。私共中央といたしましても、地方廳に兒童福祉法の施行の機会におきましては、そういうふうな趣旨で民生委員は大体町村單位にございますが、そういうふうな所には兒童のことを専門にいたします民生委員というふうなものをおいて、只今御指摘になりましたような目的が達せられるように指導をして参りたいというふうに存じておりますことを併せて申上げて置きます。
#17
○中平常太郎君 第十一條の兒童福祉司は、修正されたといたしましての問題でありますが「兒童及び妊産婦の保護、保健その他福祉に関する事項については、相談に應じ、必要な注意を與える等これらの者の福祉増進に努める。」とありますが、この「必要な注意を與える」ということにつきまして、私はこの前に山下委員の修正されんとするところの希望意見は、私も実際賛成しておつた一人でありますが、指導という文字がないのであります。注意ということは或る意味から申しますなれば、その相手方に対して意を注がしめるというだけでございますが、指導というのは、もつと具体的な方面にまで立入る親切を持つ意味を含んでおるのでありますが、これは参衆両院の打合会その他において、委員長におかれましては、この「注意を與える」という所へ指導という文字を入れることを、これは「注意」という字を除いて「指導」というふうに山下さんは言われたように思いますけれども、「注意」と「指導」と両方あつていいと私は思うのでありますが、どちらにいたしましても、この文字がなくともいい、「指導」という文字がなくてもいい、「注意」で十分だというふうに打合會ではなつたのでありますか、乃至はこれは問題にならなかつたのでございますか、「指導」という文字につきましての御質問を申上げます。
#18
○委員長(塚本重藏君) これは打合会の時のことを、ちよつと私からお答えいたして置きます。六日の打合会でも一應皆さんにお話申上げたのですが、六日の打合会に御出席にならなかつたお方もありまして、十分そのことが徹底していないようでありますが、重ねて申しますと、「必要な注意を與える等これらの者の福祉増進に努める」という所に、指導をなすという言葉を姫井委員から入れて貰いたいと、こういう御要求があつたのでありますが、衆議院におきましてもそのことは論議せられたのでありますが、後に政府委員を加えまして更に檢討いたしましたところ、「注意を與え」のその次の文句の「等これらの者の福祉増進に努める」ということに非常な意味が含まれておるので、兒童等も勿論ここに入つておるわけであるから、その文字を挿入しなくても「等これらの者の福祉増進に努める」というこで、十分ではなかろう、かというような話合いもありまして、ここは修正しないことになつたのであります。
#19
○小川友三君 この兒童福祉法案の立法の精神は親心で、あると思つております。絶対の親心を発揮したいというのが、この立法の大精神であるのでありますが、その親心として第一條、第二條、第三條は兒童の福祉を向上する原理というものを発表しております。原理ということは、これは政府が使うからには極めて大きな責任を持つておられると固く信じて敬意を表するものでりあます。原理という言葉は物質不減の法則も原理であり、万有引力も原理であります。そうした立派な原理であるこの法案に対しまして、我々が最高立法府の議員として本案を完全なものに仕上げなければならない重大なるところの責任を持つておるのであります。今この兒童福祉法案が不完全なものをこのまま通してしまつたならば、幾百萬の兒童が親心でないところの法律のために苦しむ状態になるのでありまして、特に委員長のお手許まで修正案を提出してある次第であります。第十九條につきまして御説明を加えますから御清聽頂きたいと思います。
#20
○委員長(塚本重藏君) ちよつと小川委員の修正案についてはあとで討論の時に……。
#21
○小川友三君 そうしますと、質問としまして十九條について申上げます。十九條の第三項の末尾の方に「その費用を代つて負担する措置をとらなければならない」。費用を代わつて負担するということが書いてあります。何でもかでも政府当局は金さえ出せば物を買えるという解釈を持つておりますからこの惡性インフレーションになり、千八百円のベースも守り切れないという状態に轉落してしまつたのであります。物を生産しないで、物の裏付けをしないで、やたらに金さえ出せばそれで何とかなるという根本的な錯覚がこうしたいわゆる十九條の第三項の末尾の費用を代わつて負担する措置をとり、何でもかまわず紙切れさえ出せば解決するというところに誤りがあるのでありまして、乳兒を育てるのに紙切だけでは駄目であります。國家が國営の收場を作つて、そうして政府当局の、三十五萬石前後足りないであろうという牛乳を乳兒に配給してやらなければ、乳兒の生命線であるところの主食でありますから、それを補給することはできないのであります。小さなこの設備に欠けておるところのこの法案に対しましては修正したいという意見を持つておりまして、これを三十五万石取るにはどうしたらいいかと申しますと、僅かに一万五千頭の牛を飼えばよろしいのであります。一万五千頭の牛を用意して、そうして兒童福祉法を仕上げるというところに物の裏付けのある、絶対の親心の法律ができ上るということになるのであります。
 三十八條につきましても、政府の御意見を承わりますが、兒童福祉施設という項目があります。これはこればかりでなく一切兒童を虐待するのを取締るとかどうのこうのというような、物の裏付けをしないで母子手帳をやる。まるきり物の裏付けをしないで、通り一遍のお座なり主義のまま親が子を育てるような法律でありまして、兒童の福祉厚生施設として遊ぶ所を拵えるのだというような、町内会のような簡單な考を以て兒童の遊園地を造るとか、そういうことは無論幾らかは必要でありますけれども、厚生施設といつたならば、必ずそこには大きな牧場が要る。乳兒というものを入れるからには、そこに牧場がどつかと第一番に据えられまして、そうして牛乳は三十五万石前後あるのだ、それはこうした裏付けによつてやるというような施設をして貰いたいということにつきまして御答弁を願いたいと思つております。
#22
○説明員(中川薫治君) 只今の御質問に対しましてお答申上げます。子供の保護には物の裏付けがなくちやならない、こういう御意見に対しましては深く敬意を表するのでありますが、物のことに関しましては、法律のみでは目的を達せられませんので、いろいろ経済施策 産業復興の施策と相待つて、この物の生産に大いに努力する、こういうことが問題の要点であろうと考えておる次第であります。併しながら今日ミルクにいたしましても、その他の兒童用必需物資にいたしましても非常な不足を來たしておりまして、子供の保護に欠くる所が多いのでありますが、そういつた点につきましては、いろいろ産業復興、経済再建等の各般の施策と相俟ちまして、それを子供の面に推進して行くためにおきまして、第二節の兒童福祉委員会等でそういつた方向に持つて行く、こういう狙いを持つておるのであります。お尋ねの十九條第四項につきまして、費用を代つて負担するだけでは目的を達せられない、こういう御意見でありますが、これ亦非常に御尤もな御意見であるのでありますが、保健指導の制度というものにつきましては、現在の公の医療施設竝びに開業医制度の十分なる御協力を得まして保健指導をやつて参る。併しながらその保健指導をするために、どうしても費用を出すことができない兒童の保護者に対しまして、公の都道府縣知事が代つて費用を負担する、こういうふうな措置でありますので、金だけで物を解決して行こう、こういう趣旨ではないのでございます。それから政府原案の第三十八條の兒童厚生施設でありますが、この兒童厚生施設につきましては、子供に明るい遊びを與えよう、健全なる遊びを與えよう、情操を豊かにしよう。こういう趣旨でこの施設の振興を図つて参ろう。こういう念願から規定いたしたのでありまして、お話の牧場の点につきましては十分大いにやらねばならん事項であるのでありますが、今日その牧場の家畜並びにその飼料につきまして非常に隘路が御案内の通り多いのでありますが、その隘路克服につきましては、全面的に政府機関もいろいろ関係機関も大いに努力して、そういつた方面が兒童の問題で段々関心が深くなつ行こう。こういう狙いにつきましては、兒童福祉委員会等で十分討議して行こう、こういう構想で物の問題をお考えておるのであります。從いまして、法律の第一條、第二條、第三條の趣旨の具現もこの法律だけでなしに、すべての法律と相携えて、兒童の福祉の増進を図つて参ろう、こういう趣旨が第三條の末尾に書いてある趣旨でございすので、御了承を願いたいと思うのであります。
#23
○小川友三君 政府委員の御答弁では、牛乳員が足りない場合は兒童福祉委員会でそれをやるというような意味が含まれておつたように思いますので、そう思つてちよつとお伺いいたします。一万五千頭の乳牛を養成しますのにどのくらいの金が掛かるか、政府は想像像ができるかどうか、想像していらつしやるかどうか、少くとも十五億万円以上の費用が掛かるのであります。それを兒童福祉委員会という、田舎の或いは町村の、或いは縣のお座なり的な人が集まつて來ても、十五億の牛を買うだけの金は絶対に集まらんのです。これはどうしても我々國会で予算を可決してやらなければ、断じてできないことであります。その他に牧場及び建築物がありますので、少くとも三十億ぐらいの費用が最低限度掛かります。これで牧場ができ、一万五千頭の牛が飼えて、三十五万石の牛乳が出るようになるのでありまして、一万円や二万円の端た金で作るのでありませんからして、とても児童福祉委員会にできないことであるということをよく御研究を願いたいのであります。それから牛を飼うのに牧草、飼料がないと一言に言われましたことにつきまして、ちよつと詳しくお伺いいたします。一万五千頭の乳牛を飼いますのに、この國内に一万五千頭ぐらいの牛を飼う飼料がないとは実に奇怪千万であります。一万五千頭の……あれは草食です。ですから草を食う動物でありますので、牧草は一万五千頭の牛を飼うのに余りある程あります。ただそれは採取しないで野山に枯らしているという休たらくでありまして、一万五千頭ぐらいの牛を飼うのに、牧草は日本に十分ありますから、安心して牧場経営に本腰を政府御当局は入れて貰いたいのであります。この点につきまして牧草の調査をしているかいないか。それからこの法案は金でないところの、物の裏付もあるようなお話もありましたが、その物の裏付というのは、具体的にいうならば乳兒に対してどれだけの脱脂綿、ガーゼ、着物、衣類、どれだけの牛乳、砂糖があるかということを具体的に言うて貰わないと、縣の方にあるようなお話ですが、縣当局にはない筈であります。ないのをあるように誤報されるのは、我々國会議員として甚だ困るわけでありまするからして、あるならばどのくらい、どの府縣にどのくらいづつ、兒童福祉の繊維資料があるか、或いは砂糖があるか、物資があるかということを詳細に御報告を願つて、足りないのはどのくらいで、どのくらいが間に合うということを科学的に説明して貰つて、それからお伺いいたしたいと思いますので、質問を保留いたします。
#24
○説明員(中川薫治君) 只今私が説明いたしましたことにつきまして、ちよつと私の説明がまずかつたものですから小川委員のお叱りを受けたのですが、ちよつと申上げて置きたいと思います。その物の問題は非常に重要なんで、我々子供の問題で、物の裏付があるように是非ありたい。こういう念願を持つておるのでありますが、御承知の通りなかなか思うように意に委せぬのが今日の実情でありまして、そういつた点につきましては、隘路の点はできるだけ打開して行くように最善の努力を盡しているのであります。只今牧場の問題でございますが、これも最善の努力を盡すのでありまするけれども、全体の産業計画、その家畜計画というような計画ということの中で、全体の枠、全体の資源というものに限られて、いろいろ隘路が少くない。こういつた点につきましては、この法律だけでなしに他の経済施策と相俟つて趣旨の実現を図つて参りたい。それから私の説明がちよつとまずかつた関係で、お叱りを承わつたのでありますが、兒童福祉委員会が物を作るのでありませんで、兒童福祉委員会は、子供の問題の重要な点につきまして十分調査審議いたしまして、そういつた関係方面等の御協力を得るために、そういつた調査審議を中心にして推進して行く、こういう趣旨でありますので、兒童福祉委員会が金を持つておるわけでありませんので、そういう各方面の連絡調整に当りまして、子供の福祉ということを、この機関を中心にして推進して参りたい、こういう趣旨でありますので、ちよつと釈明させて頂きます。
#25
○服部教一君 先程から兒童の牛乳のことについていろいろ論議されております。これは誠に兒童のために結構なことであると思うのであります。私は一つここで当局のお方にお伺いしたいと思うことは、多年玄米食の運動が日本に余程行われておるのでありまして、二木謙三博士や或いは矢追秀武博士だとか、まあその外沢山な特殊な研究者が研究いたしまして、又廣く実行されておるのであります。日本の医学博士会においても、その有効を決議されておるのであります。その説によると、子供は牛乳の代りに玄米の重湯を拵えて飲ませ、又やや長じた子供には玄米の粥、それから玄米の摺粉を飲ませれば、牛乳はなくとも完全に発育するということを主張されて、これを廣く実行されておるのであります。私がかく申すのは牛乳を排斥するという意味じやないのです。私はそれ程の科学者でありませんから、まだ牛乳を廃していいというようなことは全く知りません。併し私のここ十年余り研究しておるところ、又見聞するところによりますれば、又多くの人の研究したところによれば、今申しました玄米の重湯、摺粉、粥というようなものが、非常に兒童の発育にはいいということは、私はこれを実驗して知つておるのであります。然るに今日その知識が普及せぬがために、私の親戚においても、知り合いの所においても、母親が乳が出ませんので、重湯を拵えております。何の重湯かというと、白米の重湯を飲ませております。私はそれに対して、そういうことをされておつたら、きつとこの子供が死にますよ。直接その母親の前で言うたのです。いやこの頃肥つて参りました。大変肥つて参りまして、よく育ちます。こういうことをその母親が答えました。私が研究するところによれば、それは肥つたかも知れないけれども、その子供の発育はよく行かないので、それは多くの学者の説、書いた物を読み、その講習を聽き、又多くの所で実驗されたところによると、白米の重湯では、子供が育たないということになつておるということを、その時言うたのであります。ところがそれから一年程経つて行つて見ましたら、やつぱりその子供は死んでいる。私は実に可哀そうに思うのです。そういう知識を厚生省あたりが、もつと科学的に研究して、なぜ全國に普及されないのであるか。私はまだいま忙しいから、一々厚生省に行つて、そういう研究について詳しいことは伺つておりませんけれども、実に不愉快に思つたのです。追い追いこれからその点は盡力するつもりです。今外に忙しいところがあつて、そういうところに向つての議論をし、お伺いする時間がないために、誠に申訳ない、怠つてはおりますが、今丁度兒童福祉について牛乳の話が出ましたから、その点を親切に答えて貰いたい。私は当局者を攻撃するつもりでない。これだけ忙しい時に、これだけの委員の人が此処に來ておるのです。これを厚生省が利用して貰いたいのです。厚生省でも何百人もの專門家を置くわけもなし、そんな金もないのですから、共々に厚生省の專門の方と、又我々がこの忙しいところを費やして、こういう委員会を作つておつて、共々に御相談するのでありますから、知らんことは知らんと言い、それから研究がないことはないと言い、あることはあると言い、今日答えられなければ今日答えんでもいいのであります。お互に一つになつて、この日本の兒童の福祉のために盡したいと思うのです。それだから一つこれを、私は厚生省に行つて聞きたいと思いますが、丁度見えておりますから、伺うのであります。それでここにその專門のお方がいなければ、帰つてよく調べるとか、ただ議論をするだけの問題ではない。これを実行して、日本の兒童を助けなければならん、こう思つておるのですから、そういうふうにして、無論私がこういうことを要求せんでも、皆さん方はそのお考えは勿論のことであると思いますけれども、ややもすると、これまで議会における政府との間にただあら拾いをしてやる、一方はいい加減なごまかしをして、ずつと議会を通つておるというようなことが多いと思うのです。そういうことのないように厚生委員会の方においてはやりたい。こう私は思つておるのですから、余計なことではありますけれども、ちよつとついでに申上げて置きます。今の点についてはつきりと、どの程度まで科学的に、そういうことが研究されておるとか、まだそこには着手しておらんということをはつきりして、それからまたその專門家が、皆さんも御承知の通り民間にも沢山あるのですから、それを一つ研究して貰いたいのです。ちよつとこの点をお尋ねいたします。
#26
○政府委員(葛西嘉資君) 只今玄米食の問題について、大変御熱心なお話を伺い、殊に乳幼兒の牛乳のお話に関連しまして、牛乳の非常に不足しておる際に、玄米の練り粉と申しますか、これを使うということが、非常にいいという、実際のお話を承わつたわけでございますが、玄米食の問題は御承知のように、多年我が國の学者の間に議論のある問題でありまして、以前國立の榮養研究所におきまして、当時佐伯博士が榮養研究所長をしております時は、玄米の利害得失をいろいろ研究されたのであります。御承知のように、これは申上げるまでもないことでありますけれども、玄米の表皮の部分にはいろいろ貴重な榮養素が含まれておるということについては、これは事実で議論のないところであります。ビタミンの問題、或いは若干の植物性脂肪というようなものがあり、中に行きますと、非常に榮養分がなくなるというようなことで、そういう利益の点があります。ところが國立榮養研究所の研究の結果によりますと、玄米の表皮には若干消化の惡い部分もあるというようなことも紹介をせられております。そういうようなところから純白に精白をする以外に、そういうものを残した精白のやり方をするというようなことで、佐伯博士の主張されました國立榮養研究所の結果としましては、七分搗の米が先ずいいのではないか、殊に今米の問題は、純然たる榮養分だけを試驗管の中でやる以外に、國民の嗜好も若干考えなければならんということも、七分搗を決めるについては若干の要素になつたように。拜承しております。そのような意味で國立榮養研究所としては、只今お述べになりましたように、玄米まで一足飛びに行かずに、先ず七分搗くらいのところで行くというようなことで、いろいろ指導をしておつたのは、御承知の通りであります。ところが戰時中いろいろ米の量、ボリュームの問題から、玄米食の問題が起り、当時政府部内でもそういうような問題がいろいろ研究されたのであります。若干の基礎資料等も厚生省には用意をいたしております。ところが御承知のようなことになつておるわけでもございますが、今後ともそういうふうな國民の非常に大事な榮養の問題でありまするので、厚生省のこの方面の部局におきましては、研究所を動員いたしまして、十分研究をして行かなければならん大切な問題のように承知をいたしております。
 乳兒の問題については、私まだ、これは或いはあるかも知れませんが、私の承知しておるところでは、乳兒に玄米の摺り粉をやるということが、どういうふうになるかというような点は、正確な調査がまだ実はないのじやないか、ありましたらこれはお詫び申上げ、あとで訂正をさせて頂きますが、現在のところにおきましては、乳兒に玄米の摺り粉をやつて、そうしていろいろ養分の関係等が果して適当であるかどうかという点については、正確な万人の納得するような調査が、実はまだできておらんのじやないかというふうに想像いたしております。これも今お述べになりましたように、殊に小川委員からお述べになりましたように、牛乳というものが非常に不足であつて、相当の牛を用意するのでなければ、母乳の出ない乳兒に対して、子供の主食であります牛乳が用意できないという実情であります。それをどう代用して行くか。或いは豆の粉等を利用いたして、そうして子供の牛乳代用というか、そういうものもやつております。いろいろやつておるのでありますが、今お述べになりました玄米を摺り粉にしてやるというのも、一つの研究として、よければ又やつて行くというように、これはやつて行かなければならんことのように思います。関係のそういうふうな研究の方面にも、私共の方からお願いをしまして、速かに結論を得てやつて参りたいというふうに存じております。
#27
○服部教一君 序でですから……今の小さい赤ん坊には、摺り粉をやるより、玄米の重湯であります。それから私は、今ちよつと注意をして置きたいのでありますが、そういうことの係りは、厚生省のどこでやつておられるのか、それもはつきり知らんのでありますが、今牛乳の話、それから玄米の重湯の話が出ましたから、一つお願いをして置きたいのでありますが、どの程度まで研究されておるのか、誰がこれを研究しておるのか、その点を、研究資料があれば見せて頂くだけでもいいのであります。私は今度玄米食について、徹底的にこれをやりたいと思うから、大臣にも先日も申上げてあるのでありますが、どの程度まで、どういう資料が、どういう科学的の研究が今日までなされておるのか。先程、玄米の糖の部分には、養分があるけれども、消化もされないような部分もあるというような話でありましたが、もつとこれを研究した人に、はつきりと科学的の説明を聽きたい。その印刷物を得たい。まだなければ、研究して貰いたい。何人の人を使い、どういうふうにしてやるか。(「進行」、「本論に入つて下さい」と呼ぶ者あり)この大問題を、うつちやられておるように思う。日本が玄米食になれば、米の問題は解決するということさえも言われておる大問題です。それでその点をはつきりと一つお調べを願つて御報告を得たいのであります。
#28
○政府委員(葛西嘉資君) 今重ねてのお尋ねでございましたが、所管は公衆保健局の榮養課でありまして、課長は有本博士であります。それから兒童の問題の榮養になりますると、兒童局の中に母子衞生課というのがございまして、そこと一緒に研究をすべきことになつております。それから今までのいろいろな資料は、國立の榮養試驗所等に若干のものがございますので、機会を以て或いはそつちの方の係から出すことにいたしたいと思います。
#29
○草葉隆圓君 兒童福祉法案の質疑につきましては、予備審査以來熱心に、且つ実地調査までいたしまして進んで参りましたので、大体終了いたしたと存じますが、今囘の衆議院で修正された新らしい提案等の関係で二、三の点をこの機会に御質問申上げて置きたいと存じます。
 第一は、兒童福祉司と兒童福祉委員のことが、はつきりと今囘改正法案において出て参りましたので、以前よりも余程十分なる機能を発揮することができると存じますが、その兒童福祉司は、その配置或いは人選、或いはこれの俸給、いわゆる待遇等についての御腹案がありましたら伺つて置きたいと存じます。更に兒童委員は全部民生委員だけに付けた名前に相成つたのでありまして、而も改正第六十四條になりますと、本法施行後三ヶ月を過ぎますと全員総改選ということに相成りまして、誠に適任者を得るにおいては絶好の機会と存じます。併し從來ややともいたしますと、いろいろ批評されておつた民生委員の改選に当りまして、單に形式的に流れて数だけをおいたために、むしろその結果において妥当でないような状態が生じて來たのが、現在拡充された民生委員に対する一つの不評ともなつて來たかと存じますが、今囘の兒童福祉法の施行を契機といたしまして、民生員の改選に対する選考標準、或いはその数、或いは民生委員に対する待遇等についての御腹案がありましたら伺いたいと存じます。尚改正法によります十二條の民生委員はこれに協力するもの、いわゆる兒童委員は兒童福祉司に協力をするということになつておりますが、その外二、三事務的なことが條項に挙つておりますけれども、協力をするという概念はこの兒童福祉司とも仕事の上において相当違つた考え方になると思うのでありますが、この具体的な考え方において兒童福祉司と兒童委員との関連をお伺いしたいと思います。
 次に、從來の規定の四十二條、いわゆる少年教護関係でありますが、我々は從來からこの年齢が十八歳であるために、少年司法保護と今回の兒童福祉法による從來の少年教護との関係が、むしろ混乱しはしないかということを憂いまして、一方これとは違つて兒童院等の綜合的な兒童保護の行政機構を確立するにおいては、年齢を從來通りにした方が却つてよいのじやないかというようなことが、相当本委員会での論議となりまして、從つてそれによる兒童福祉法の提案の改正を考えておつたのでありますが、政府におきましては今回修正して提案になつております。いわゆる年齢十八歳を以て、いわゆる厚生省の兒童福祉と、それから從來の司法省の少年保護とが混乱せずに不良行爲をなし又はなす虞れのあるものと、犯罪行爲をなし、又はなす虞れあるものとの、実際に事務的に円滑に連絡が十分やつて行かれるような手配をお取り願うかどうかという点を一つお尋ねを申したいと思います。
 それからもう一つ元の改正前の四十六條に少年教護施設において学科を卒えたる者は直ちに修了証書を與えて課程を修了したものと認定をするということに相成つているのでありまするが、これは從來はその施設から正当に退院する、場合において、その院長が認定をいたしておつたので、在院中であつて、学科を修了しておるが、まだ性行が直らない者に対しては、性行が直つてから課程を修了したものといたしておつたのでありまするが、今回はその性行の如何に拘わらず、学科は学科として課程を修了した者を認定するというこに変つたのでありまするから、実際上の運営については相当これはいろいろ問題がある場合があろうと存じますが、この現行法と、改正されております兒童福祉法の四十六條の運営については、できるだけ実際の教護院長等の立場を十分阻害せずにやれるようになつて頂けるかどうか、この点も伺つて置きたいと思います。
 もう一つ政府の最初の案の四十一條の次に、私は精神病的な子供を各養護施設、いわゆる福祉施設には精神病的な兒童の取扱いが欠けているから、これをどこかに入れたらという問題を、関係方面からの御意見等も拜聽して持つておつたのであります。併しこの精神病兒という言華は妥当でありません。精神病的な子供でありまするから、場合によりますと精神薄弱兒を廣く解釈して、その中に包含をしながら、從來の意味の精神薄弱兒、更に廣義にもつと廣く解釈して、精神病的な子供をここに加えるということになりますと、別に一條を設けんでもいいと存じますが、精神薄弱兒を左様な解釈の下にお取扱いになることができるかどうか、これも伺つて置きたいと思います。
 それからもう一つは、改正前の第四十五條の兒童福祉施設の長は入つた者に対して必要がある場合には親権を行う。これは余りに親権を行なつて、例えば保育所等において親権を行なつて、從つて保育所においていろいろ危害を受けたり、或いはいろいろな場合において、親権者であるから、それに対する処罰等も何ら受けんで済むというような惡意に解釈される場合があることを虞れまして、そうして親権というものを最小限度の、例えば教護院等に限るとか、或いは孤兒院等に限るというような最小限度の親権でいいじやないかということが私共の主張であるわけでございますが、これはさような意味においての実際の取扱いができるような処置を、この提案の原文においてもお採りになる御意思であるかどうか、この点をお尋ね申し上げて置きます。
 それからもう一つは三十九條、今度の新らしい修正の三十八條において、母子寮が加えられ、且つ三十九條において、從來の三十七條でありますが、保育所というのがあるのでありまするが、この母子寮と保育所との関係は誠に相密接なる関係を持つておるのでありまして、從つて母子寮の機能を幸いにここで取上げて進めます以上、保育所の第三十九條、元の三十七條、この保育所というものに対して、僅か一條でありまするが、これが実際の取扱い、或いは内容等について少くとも一方教育法でいう從來の幼稚園等に匹敵するだけの内容と権威とを持たせるように、今後指導するということが最も必要でありはしないか。いわゆる兒童福祉の上においては、一方保育所の完全なる発展ということを期することが最も大事ではないか、かように考えるのであります。日本の現在の勞働関係から申しましても、あらゆる観点から申しましても、保育所の完全なる設置と発展とを期するために、取府は十分なる方策をこの機会にお立てになることについてのお心持を一つ伺つて置きたい。同時に母子寮に対して、更に現在の母子寮以上に政府は相当の方法を以てこの母子寮をお建てになり、或いはその奨励をなさる御意思があるかどうか、殊に最近最も困難な情勢にある問題は、子供を持つておる未亡人の問題であります。これは実際塗炭の苦しみに悩んでおるのでありますから、幸いに今回修正されました兒童福祉法案に母子寮が入りましたので、これも十分なる方策を一つこの機会にお取りになることを私共は冀つて止まないのでありまするから、この点につきまして政府の御所信を伺つて置きたいと存じます。以上であります。
#30
○政府委員(葛西嘉資君) 草葉委員にお答えいたします。御了解頂きたいと存じますが、私最近兒童局長も併せて任命せられましたので、若し間違つたことを申し上げるといけませんので、條文等につきましては中川説明員から申上げさせて頂きたいと思います。第二に御質問になりました四月の兒童福祉法の全面的施行と共に、民生委員の総改選を行うことについての御質問でございました。從來数のみに囚われて、そうして民生委員の本当の適当な人が出ていないじやないかというふうな御意見については、私共残念ながら若干そういうふうな実感があつたのではないかというふうに心配をいたしておる次第でございます。改選に際しましては、まだ日もあることでございますし、十分今まで過去一年有余の経驗を参考にいたしまして、そうして本当に兒童福祉の線にも沿うような有給の兒童福祉司以外の人は、兒童委員は全部民生委員が当るわけであります。從いまして、この民生委員そのものの職務が大事であり、又生活保護法等も大事であると同時に、又非常に大きな部分を兒童福祉法の施行という大變大事な責任を負わされてやつております。かような趣旨からいたしまして、良い人を選ぶと共に、兒童福祉というような面から、又民生委員の選考にも十分考慮をして頂きまして、本当に適当な方が得られるようにやつて参りたいというふうに考えております。選考についてそういうふうに考えておりますと同時に、その数等につきましても若干全國の状態等を見まするというと、或る縣におきましては非常に沢山出て、或る縣はもう少し足らんのじやないかというふうに思われる点もございます。大体この民生委員等が第一線のいろいろな仕事を願いますには、それぞれ相当数の方を得なければできないわけでありまして、從いまして、そんなような点についても改選の機会には十分都道府縣にお願いをいたしまして、数等も調整をして参りたいというふうに考えております。ただ併し数を集めることに急にして適当な人がないというふうな場合には、そこらに又無理をしていい加減な人が入るというようなことでは困るというようなことも考えまして、それらの点を十分縣廳とも打合せをして、今度はそういうことのないようにやつて参りたいというふうに考えております。それから待遇の問題につきましても、若干この民生委員なり、或いは兒童委員としていろいろお働きを願います場合の実費辨償とでも申しましようか、そういうふうな費用につきましては、過般財務当局とも折衝をいたしまして、若干の交通費とか、そういうふうなものの増額をいたした次第でございます。今後とも機会ある毎に、いろいろ本当に任意的に奉仕を頂いておりまするこういう方々でありまするので、できるだけやつて参りたいというふうに存じております。
 それから母子寮と保育所との関係についてでございまするが、保育所並びに母子寮の非常に重要であります点について草葉委員から非常に詳しくお述べ頂いたのでありますが、私共全く同樣に考えております。保育所を大いに今後活用して行かなけばならんという点について十分な努力をいたしたいというふうに考えております。兒童福祉法関係の予算等を國会において御議決を頂きました曉におきましては、兒童局の中に保育課とでもいうような課を一課新設をいたしまして、これら保育所の関係、或いは母子寮の関係というようなものを努力するようなふうな態勢を作つて参りたいというふうに考えております。殊に母子寮につきましては草葉委員お述べの通り、未亡人保護対策とでも申しましようか、非常に段段深刻になつて來ておる問題であるように承知いたしておるのであります。これらの点についても、機会ある毎に予算を頂き、資材の配給等をいたしまして、でき得る限りの努力をして参りたいというふうに思つております。衆議院におきまして母子寮等を特に掲記をいたし、保育所等に、いろいろ草葉委員のお述べになつておりますように、國会の御意思等も私共十分体しまして、御鞭撻頂きましたような趣旨に努力いたしたいということを強く申上げて置きたいと思います。爾余の点につきましては中川説明員から説明いたさせたいと思います。
#31
○説明員(中川薫治君) 兒童福祉司の配置の関係は本年度におきましては三百七十三名を考えております。その配置は今日の情勢で考えまして、都市に重点を置いて配置して参りたい、こういうふうに考えておるのであります。待遇は二級官を以てするというふうに考えております。
 十二條の協力の関係でありますが、福祉委員と兒童委員の関係でありますが、これは本当に車の両輪のごとく、本当に協力関係がないと本当にうまく参りませんので、兒童福祉委員と兒童委員とは車の両輪のごとく、有給の長所とするところは、有給でその長所を大いに発揮して行く。名譽職でなければならんところは、大いに名譽職で長所を発揮して、両々相助けて参りたいと考えております。
 それから四十一條関係でありますが、政府原案の四十條、四十一條修正案によれば、四十二條、四十三條関係でありますが、お話の精神病的な子供につきましては、精神薄弱兒を廣い意味に解しまして、この法律案にいう精神薄弱兒に包含する、こう政府原案では考えておる次第であります。
 それから政府原案の四十二條修正案によれば、四十四條の「教護院は、不良行爲をなし、又はなす虞のある兒童を入院させる」と、こういう考えでありますが、お尋ねの少年法との関係につきましては、從來と変更ないと、こういうことになるのであります。結論におきましては……。と申しますのは現行法におきましては、その入れた子供の内容につきましては少年審判所から出て來る面につきましては、例外措置が講ぜられておりますので、現行法と変らない、こういう趣旨でございます。混淆しない要点は、政府原案の二十四條、修正案の二十五條の但書によりまして、この但書に該当する者は、特別法たる少年法によつて処置する、こういうわけであります。これは概して申しますと、「不良行爲をなし、又はなす虞のある兒童」の中の犯罪者に関してのみでありまして、こういう建前になつておりますので、從來通り円滑に密接な連絡によつて、処置して参りたい、こういうふうに考えておる次第であります。
 それから政府原案の四十五條、修正案の四十七條の親権を行うことの規定でありますが、原案によりましても「必要があると認めるときは」これは客観的な必要でありまして、嚴にその濫用を戒めたいと、御質問のように、心配のないように運用して参りたい、こういうように考えておる次第であります。
 それから政府原案の四十六條、修正案四十八條の第二項でありますが、「教護院の長は、在院中、学校教育法の規定による小学校又は中学校に準ずる教科を修めた者に対し」という意味の内容には、不良性の点も十分勘案いたしまして、現場の少年教護院長等が困るようなことがないと、こういう方面において十分執行の上において考えて見たい、こう思うのであります。
#32
○草葉隆圓君 この保育所と母子寮の関係につきまして、近く保育課を作つてその万全を期して行こうという兒童局長の御答弁は誠に私共満足といたす次第でございまして、どうぞ速かにこの保育並びに母子寮の関係が全國的に完備いたしますような方策をお取り願いますと同時に、先程申上げました未亡人の問題についての対策がない。労働省の設置によつて、もう向うに行くかのごとき観を呈しておりましたが、併し母子寮の法案に規定され、更に保育課に移管になつて、そちらの方でおやりになるという点に対しまして、誠に適切と存ずる次第でありまして、殆んど手を付けてありません未亡人の問題につきまして、どうぞ先ず全國の未亡人の調査から、その動向から、これが救済等につきまして速かに併せて方策をお立てになり、その方策を最も具体的なものとして、母子寮の設置を成るべく速かにお進め願ひ、具つ保育所の増設等の御計画を願いますようお願いを申上げて止まない次第でございます。
 尚民生委員の選考につきましては先程の御答弁で了承いたしましたのが、將來選考標準等ができて、実際具体的にお進みになりますような場合におきまして、別に固苦しくかれこれ言う意味ではなく、本委員会等におきましても、一應御内意等を伺う機会ができたら大変有難いと存じております。
#33
○小杉イ子君 議事進行上何も申すまいと控えておりましたが、先程牛乳不足対策が論じられました。これに対して非常にいいことを聽いて頂きたいと思うのでございます。私も牛乳と摺粉で子供を大変いい成績で育てたものでございますが、体質によりまして乳の出る人がございますが、その人が出なくなることがございます。その出る方法でございます。これも大きな問題であろうと思います。それは乳母の食べ物、お米が不足があるためにお乳が出なくなつた、何とかして出して貰いたいとせがまれたことがよくございますが、それはお米をよく食べること、御飯を沢山食べます。普通で出しつけておる人で五、六合、七合八合も食べます。そのお米を食べたらよく出ます。特に餅などを頂きますとたちどころでございます。これはよく聽いて頂きたいと思います。そうして魚は「さば」とか「いわし」とか「ぶり」のようなものよりも、「あぢ」とか「かます」、これなどを頂きましたときはてきめんでございます。こういうことをもう少し研究なさいまして、今お米はございませんけれども、なんとか怱ちにこれが出んものか、不足の対策も考えなければなりませんが、この乳母から出すという方法、出すという研究をすることが大事なことであるということを申上げさして頂きます。
#34
○姫井伊介君 この八日でありましたか、この委員会の席上で司法大臣が出られました時に、かねて私共一同の希望の中心であるところの兒童院設置の問題について、各立場からいろいろのお尋ねをいたしたのであります。この兒童保護、兒童福祉等不良兒の処分等については、一元的に、綜合的にやつて行くように、時恰も司法省の改組もありまして、いろいろ述べたのでありますが、司法大臣は、皆さんもお聽きの通りに司法上の取扱いの観点からいたしまして、どうも我々の意見と一致されないような空氣もその答弁にあつたのであります。厚生省としてはこの問題につきまして、どういうふうにお考えになりますか、私共も或る点まではどうしてもこの問題は押し通して行きたい考えを持つておるのであります。從つて厚生省としての構想といいますか、こうしたらこうなるといつたような、我々の希望が容れられるようなお考えがありますかどうか、その点をこの機会にお伺いして置きたいと思います。
#35
○政府委員(葛西嘉資君) 先程草葉委員からも関連しての御意見がありましたが、只今姫井委員からも兒童院というようなことで一元的にやつて行くというようなことにつきましては、厚生省としてはちよつとこういう所で申すのはどうかと思うのでございますが、卒直に申上げさして頂きますというと、やはり一元的に取扱う方が便利であるという点はお考えの通りだと私共も承知いたしております。それで兒童福祉法をいろいろ委員会で審議いたしました経過を考えて見ましても、いろいろ経緯がございまして、できれば一本にした方がいいというようなことで案を作つたような次第もございましたわけでございます。ただいろいろその後実際の模様、或いは又いろいろな折衝等をいたしました結論は、政府としては現在のような原案でやつて参るという結論に到達したような次第でございます。私共といたしましては望ましいことは望ましいと思いますけれども、いろいろ各委員の中にも或いは御審議の中に御参加頂いたような委員も沢山お出でになりますので、いろいろ御承知のことと思いますが、結局現在のようなことでやつて参る。そうしてその間実は的近では非常にこの司法保護関係、或いはこつちの方の兒童保護関係に中央におきましては勿論のこと、地方とも十分連絡を取るように命じておりますから、今後ますますその点を強化して参らねばならんのでありますが、こういうことでやつて参るようなことに只今のところでは相成つた次第であります。大変訳の分らんようなことを申上げましたが……。
#36
○委員長(塚本重藏君) お諮りいたします。大分質疑も細に入り徹に亙り盡きたかのように思うのでありますが、質疑を打切ることに御賛成願えましようか。
#37
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。ではこの委員会で兒童福祉法案に対する質疑を終了いたします。なお引続いて討論に入りましようか、次回に延ばしましようか。
#38
○小林勝馬君 もう時間も大分経過しておりますし、一應この次にして頂きたいと思います。
#39
○姫井伊介君 序にやつてしまつたらどうです。もう十分くらいですから……。
#40
○委員長(塚本重藏君) 速記を止めて。
#41
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて。それでは本日はこれを以て散会いたします。次回に討論並びに採決をいたします。
   午後零時二十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           今泉 政喜君
           谷口弥三郎君
           宮城タマヨ君
   委員
           内村 清次君
           河崎 ナツ君
           中平常太郎君
           三木 治朗君
           草葉 隆圓君
           中山 壽彦君
           安達 良助君
           小林 勝馬君
           藤森 眞治君
           井上なつゑ君
           小川 友三君
           小杉 イ子君
           波田野林一君
           服部 教一君
           姫井 伊介君
           穗積眞六郎君
           千田  正君
  政府委員
   厚生事務官
   (社会局長兼兒
   童局長)    葛西 嘉資君
  説明員
   厚生事務官
   (兒童局企画課
   長)      中川 薫治君
ソース: 国立国会図書館
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