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1970/02/26 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 建設委員会 第7号
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1970/02/26 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 建設委員会 第7号

#1
第065回国会 建設委員会 第7号
昭和四十六年二月二十六日(金曜日)
    午前十一時五分開議
 出席委員
   委員長 金丸  信君
   理事 天野 光晴君 理事 大村 襄治君
   理事 正示啓次郎君 理事 渡辺 栄一君
   理事 阿部 昭吾君 理事 小川新一郎君
      小沢 一郎君    金子 一平君
      砂原  格君    丹羽喬四郎君
      野中 英二君    浜田 幸一君
      廣瀬 正雄君    藤波 孝生君
      古内 広雄君    松永  光君
      箕輪  登君    森下 國雄君
      山本 幸雄君  早稻田柳右エ門君
      井上 普方君    佐野 憲治君
      松浦 利尚君    柳田 秀一君
      新井 彬之君    北側 義一君
      吉田 之久君    青柳 盛雄君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 根本龍太郎君
 出席政府委員
        通商産業省化学
        工業局長    山下 英明君
        建設政務次官  田村 良平君
        建設大臣官房長 大津留 温君
        建設省計画局長 高橋 弘篤君
        建設省計画局宅
        地部長     朝日 邦夫君
        建設省都市局長 吉兼 三郎君
        建設省住宅局長 多治見高雄君
 委員外の出席者
        農林省農地局計
        画部長     櫻井 重平君
        工業技術院標準
        部材料規格課長 原野 律郎君
        建設委員会調査
        室長      曾田  忠君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十六日
 辞任         補欠選任
  砂原  格君     野中 英二君
  葉梨 信行君     小沢 一郎君
  藤枝 泉介君     箕輪  登君
早稻田柳右エ門君     松永  光君
  渡辺 武三君     吉田 之久君
  浦井  洋君     青柳 盛雄君
同日
 辞任         補欠選任
  小沢 一郎君     葉梨 信行君
  野中 英二君     砂原  格君
  松永  光君   早稻田柳右エ門君
  箕輪  登君     藤枝 泉介君
  吉田 之久君     渡辺 武三君
  青柳 盛雄君     浦井  洋君
    ―――――――――――――
二月二十四日
 岡山市西大寺の公営住宅払下げに関する請願(
 黒田寿男君紹介)(第一一七〇号)
 消費者保護を目的とする宅地建物取引業法の改
 正に関する請願(赤松勇君紹介)(第二七二
 号)
 同(楢崎弥之助君紹介)(第一一七三号)
 同(有田喜一君紹介)(第一二一〇号)
 同(小島徹三君紹介)(第一二一一号)
 同(中澤茂一君紹介)(第一二一二号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第一二四〇号)
 同(新井彬之君紹介)(第一二六二号)
 同(鬼木勝利君紹介)(第一二六三号)
 同(神田博君紹介)(第一二六四号)
 同(渡海元三郎君紹介)(第一二六五号)
 同(山崎平八郎君紹介)(第一二六六号)
 同(土井たか子君紹介)(第一三三〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措
 置法案(内閣提出第三八号)
     ――――◇―――――
#2
○金丸委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上普方君。
#3
○井上委員 官房長お見えでございますのでお尋ねいたしますが、官房長と申しますと、これは建設省の高位高官の地位におられると思うのですが、プライバシーにわたってまことに申しわけないのですが、あなたのこのごろの給与と、現時点においておやめになったときの退職金は大体幾らくらいになりますか。プライベートな話でまことに恐縮なんですが、ひとつ許せる範囲でお話し願いたいと思います。
#4
○大津留政府委員 給与法の改正をしていただきまして、給与もたいへん上げていただきまして、いま月に三十万いただいております。退職金はまだその必要性を感じていないものですから計算していただいておりませんけれども、おそらく八百万くらいになるのじゃないかと期待しております。
#5
○井上委員 私は建設省の高位高官に非常に失礼なことをお聞きしたのですが、実は、官房長と申しますと局長より上であり、かつ次官、技監の下でございますが、最高に近い給与をとられておる方であります。
 そこで八百万円くらいとおっしゃいますが、これは職務としてお伺いいたしますが、八百万で家は建ちましょうか、どうでございますか。どれくらいのうちが建つとお考えでありますか。
#6
○大津留政府委員 これは家の規模なり質にもよると思います。また、土地をどこに求めるかにもよると思いますが、相当都心から離れた場所になろうかと思いますけれども、何とかささやかな住宅は建つのではないかと期待しております。
    〔委員長退席、天野(光)委員長代理着席〕
#7
○井上委員 官房長の退職金が八百万円。あなたは昭和十八年の採用でありましょう。そうしますと二十八年おつとめになるわけですね。二十八年おつとめになって、しかも役人の最高峰に近い地位にあり、給与もそれにある。しかし、その最高峰にある方がおやめになって、そうして相当都心から離れたところに、しかもささやかなとおっしゃいますが、まさにささやかでございましょう。それしか家が建たない。この実態について私はお考え願いたいと思うのでありますが、これは建設大臣がお見えになってからひとつお伺いいたしたいと思います。
 もう一つ官房長に伺いますが、これまたプライベートな話でまことに恐縮なんですが、あなたは二十八年間おつとめになったようでございますが、その間、公団、公社等々へ出向なさった期間はどのくらいでございますか。そういう経験はございますか。
#8
○大津留政府委員 私は公団、公庫に出た経験はございません。
#9
○井上委員 建設省のここにおられる局長の方々も、おそらく一回や二回は公団、公社に出向せられたと思うのです。公団、公社の場合は休職になっていくのでございましたね。どうでございますか。どなたからでもけっこうです。
#10
○多治見政府委員 私個人の経歴から申しますと、住宅公団が創立しましたときに、住宅公団の課長で出向いたしました。そのときには役人をやめまして、退職して公団のほうに参りました。
#11
○井上委員 そういたしますと、局長あたりになりますと、一たん退職しておるから、また入ってくるということで、これは退職金も、退職される場合にはかなり官房長と違った給与体系になってくると思うのです。そういう計算になってくると思うのです。かなり低いんじゃないですか。といいますのは、建設省の役人が公団、公社に出向し、一時退職あるいは一時休職しますから、途中で年限が切れる。そのために、退職金におきましても、他の一般行政官庁と比べまして非常に低い実態になると思うのであります。したがいまして、この際公団、公社に参りましたら一時サラリーはいいかもしれませんが、しかし、準政府機関である公団、特に道路公団であるとか住宅公団なんというのは、純然たる機関ではございませんけれども、政府機関の一つと考えますときに、出向する職員につきましては何らか考える必要があるんじゃなかろうか、このように考えるのですが、政務次官どうでございますか。あなたの部下でございますよ。
#12
○天野(光)委員長代理 官房長でいいじゃないですか。
#13
○井上委員 これは政治家として見なければいかぬから、ひとつ政務次官にお願いいたします。
#14
○田村政府委員 お答えいたします。
 ある機関に出向した場合に、退職金その他で非常に給与上不利になるということでは、たいへん当該本人にも気の毒でもありますので、できますならば、そういった格差のないように、当然の給与体系に入るように、私どもも努力いたしたいと考えております。
#15
○井上委員 特に私がこういうことを申し上げるのは、いまはいいかもしれませんけれども、定年近くになってくるとか、あるいはまた子供さんが大きくなってきたら一体どうするかということを心配するからです。やはり優秀な役人は民間から相当このごろ引っぱられておるようでありまして、建設省のお役人なんというのは、技術者も含めて引く手あまただろうと思うのです。その中で、がんばって行政職をやられておる方々に対して、私は相当報いなければならないと思うのです。したがいまして、公団へ出向するときには退職するというようなことになりますと、いまの法律では一たん切れてしまいますから、給与の点で、退職金の年限からいたしましても、総金額が実は非常に低くなるのではないだろうか、このように心配するわけです。いま申しましたのは官房長という非常に高級職員の人でありますが、しかし、一般の建設省の職員、あるいは建設省のみならず政府機関職員、行政官僚等公務員の給与というものが将来が保障せられていない。こういうことに対しまして、将来の退職金にいたしましても、ささやかな退職金で家が建つか建たないか。おそらく二十八年勤続いたしましても、普通公務員でありましたならば、これはその半分近いあるいはそれ以下というケースになろうかと思うのです。したがいまして、こういうような公務員の現在の給与体系そのものにももちろん私どもは大きな疑問を持つ。同時に、退職しても老後に自分の家が建たない。この住宅政策に対しまして、私どもはこれを直さなければならない、こう考えるのですが、政務次官どうでございますか。
#16
○田村政府委員 長い間国家公務員あるいは地方公務員として勤務せられて、退職したが宅地を入手するほどの退職金もない、また家の一軒も建てられないというようなことでは、公務員としても励みがないと思います。特に、お話のように最近のようなこういう都市化の急激な進展に伴っていろいろな困難な経済状態がございますので、できるだけ、公務員が退職後において生活に不安のないような方向に、お話のような給与体系の全面的な検討もしなければならぬ、かように考えております。
#17
○井上委員 これは給与体系全体で、公務員だけじゃございません。現在の日本の勤労者のサラリーがこれによって見られるように非常に安い。そうして将来も老後を楽しむ家さえも建たないという実態があるわけであります。これは公務員のみならず、一般勤労者全体を通じて言えることでございますが、ともかくこのような実態のもとにおいて、新五カ年計画を策定せられたわけであります。そこで、新五カ年計画のうち政府関係住宅と申しますか、それが三百八十万戸、あとは民間自力に期待するような計画になっておりますが、その民間自力建設に期待する国民各層の収入というものを階層別にひとつ御指摘願いたいのであります。
#18
○多治見政府委員 お答えいたします。
 先生よく御承知の数字だと思いますけれども、第二期計画を策定いたしました基礎といたしまして、収入階層、それからそれに対しますみずからの力で住宅を確保できる条件等を精密に分析いたしまして、その結果はじき出しました数字が、御存じのような九百五十万戸と公的資金の援助による三百八十万戸という数字でございますが、大ざっぱに申し上げますと、いまのお話にございましたように年収百二十六万円までの……(井上委員「月にしてどれくらいになっていますか。」と呼ぶ)約十万円でございます。(井上委員「低収入ですか」と呼ぶ)低収入の階層に対しましては、公営住宅で公的な資金によって建てた住宅を供給していく。それからこれをこしまして年収が百九十三万円までの方につきましては、公団住宅、公庫住宅という方式で住宅を供給していく必要のある階層でございますので、これにつきましては、公団住宅、公庫住宅という手法で公的な資金によって住宅を供給していく。それの上の階層につきましては、自力で適正な住宅を確保できる階層であるということで、民間自力で建設していただくという計画でございます。
#19
○井上委員 あなたのお話は統計上非常に問題があると思うのです。といいますのは、私は、ここに統計局から出ています「全国消費実態調査」の、CPIで、「現金実収入五分位階級別一世帯あたり一カ月間の収入と支出」というところを開いておるのですが、あなたのおっしゃるところによりますと、総理府統計局が出しておりますこれの第何階層に当たりますか。
#20
○多治見政府委員 いまお示しの総理府の統計によりますと、これはお話しのように第五分位まで分類してございますが、その第四分位までは公的資金による住宅を供給する必要があるというふうにわれわれとしては考えております。
#21
○井上委員 第四分位までの世帯数と第五階層との比率はどうなっておりますか。一、二、三、四、五でずっと言っていただきたい。
#22
○多治見政府委員 御質問の趣旨のお答えになっているかどうかよくわかりませんが、同じ比率で五つに分けておりますので、四分位までということは、五分の四までというふうに考えます。
#23
○井上委員 私が聞いておるのは、これは調査したのが約二万八千世帯であるということであって、国民階層のうちで、この五分割した各分割の比率をお示し願いたいと私は言っているのです。
#24
○多治見政府委員 調査いたしました階層について五等分して、同じ比率で五つの分位に分けたというふうに考えております。
#25
○井上委員 それは統計のとり方からいってもちょっとおかしいと思います。当然、第一階層が国民の幾らの比率を占めているか、あるいは第五階層が幾らの比率にあるかということを示さなければ、正確な数字は出てこないと思う。
 もう一つ、第五階層は五分の一とおっしゃいます。いま住宅を必要としておる人口からいたしますと、五カ年計画で九百五十万戸つくるといいますけれども、そのうち民間自力住宅が大体六割を占めておるのですね。そういたしますと、第五階層の数字とそれと合わないじゃないですか。
#26
○多治見政府委員 数字的に必ずしも正確に合うというふうにはわれわれも考えておりません。いろいろな住宅調査、特に昭和四十三年の住宅統計調査、これがわれわれの第二期五カ年計画を策定いたす場合の一番基礎的な調査になっておるわけでございまして、その後の住宅調査については、悉皆調査ではございませんけれども、意識調査その他いろいろな調査を加味して、そういった分析要素も加えて第二期計画を策定した。基本は四十三年の住宅統計調査によるということでございます。
#27
○井上委員 あえてお伺いしますが、その昭和四十三年の住宅調査でもよろしゅうございます。第五階層に属する世帯数は幾らあるのですか。
#28
○多治見政府委員 正確な数字はわかりませんが、大体五百万戸程度というふうに考えております。
#29
○井上委員 五百万戸のうち、第二次の五カ年計画では民間自力を何戸期待しておりますか。
#30
○多治見政府委員 公的資金によります住宅供給と、第五階層の五百万戸というものにつきましては直接の結びつきはございませんけれども、われわれといたしましては、九百五十万戸のうちの五百七十万戸は自力で建設をしていただきたいということで策定しているわけでございまして、第五階層のうちの何戸が自力、何戸が公的供給という精密な結びつきはないわけでございます。
#31
○井上委員 あなたのいまのお話と先ほどのお話とはここで違ってきておると思うのです。あなたの民間自力の階層というのは一体どの層を考えるんだと私は質問しました。その際に、年収百九十三万円以上の階層を考えるんですとおっしゃいましたね。その階層は一体全国で幾らあるんだと言ったら、五百万戸とおっしゃった。ところが、民間自力に期待する第二次五カ年計画としては五百七十万戸とおっしゃるのです。しかもこの第五階層というものは、もうすでに持ち家を持っている方々が非常に多いのです。こういうことを考えるならば、民間自力建設の五百七十万戸というものは大幅に減らなければならないと思うのです。過大な期待をかけておるんじゃございませんか。その階層は全国で五百万戸しかないのですよ。これは一体どういうことなんです。
#32
○多治見政府委員 五カ年計画は、今後の五カ年間におきまして建設の必要な戸数ということで、民間自力の建設五百七十万戸というふうに数字をあげておりますが、これは必ずしも全部新築というわけではございませんで、五カ年の期間におきまして、自分で持っておられるうちが老朽化して建てかえる必要がある。したがいまして、その場合に、自分の力でこれを建てかえる能力といいますか、そういう収入階層の方は自分でお建てかえになる。そういう戸数も含んでおります。建てかえ需要も含めて五百七十万戸ということで計算しておりますので、その間の数字の食い違いは直接の結びつきはございません。建てかえ需要等も含めて五百七十万戸ということで考えております。
#33
○井上委員 建てかえ分を幾ら考えておるのですか。
#34
○多治見政府委員 ただいま手元に精密な数字は持っておりませんが、民間自力建設のうちの半数程度は建てかえ需要というふうに考えております。
#35
○井上委員 半数は建てかえとおっしゃいますけれども、私はどうもこの数字は納得できないのです。これはひとつ正確な数字をお示し願いたい。といいますのは、先般も、阿部、小川両委員の質問に対しまして、第二次五カ年計画によって、昭和五十年には大体国民には住宅には不足させないという御答弁があったから私はあえて聞いておるのです。第五階層、すなわち年収百九十三万円以上の世帯数は五百万世帯しかないのですよ。
 あなたのお話を半分にしましょう。五百七十万戸を民間自力に期待するのだ、そのうちの半分を改造するのだ、あるいは建てかえるのだ、こういたしましても二百八十五万戸。二百八十五万戸がともかく新築することになる。それだけの人が新築するのですか。どうなんです。百九十三万円以上の所得がある人五百万世帯のうちの二百八十五万世帯が新しい家を建てる。これは新築ですから、土地も買って家も建てるのでしょう。あなたの言う改造というのとは別なんだからね。考えられますか。どうなんです。
#36
○多治見政府委員 非常にむずかしい住宅事情の分析の問題でございますので、大体いまお話しのように、新築需要につきまして半数を見込んでいるわけでございます。われわれが現在直面しております住宅難の問題で、大都市の問題が住宅問題としては一番ポイントでございます。その条件から申し上げますと、いまの数字、非常にむずかしいような感じを受けます。ただ、五カ年計画は全国規模で考えておりますので、大都会以外の地方の都市の地価の条件その他考えますと、その程度の新築は可能であるというふうにわれわれは推定しているわけでございます。
#37
○井上委員 はしなくもあなたは達成するかしないかは土地問題にあることをおっしゃった。この問題はあとにしましょう。
 しかし、一言触れさせていただくならば、この問題は、いなかの都市の現在の土地の指数でもすでにあらわれております。ここに持っておりますけれども、中都市の土地の値上がりの比率というものは現在ものすごく高いのです。年間二五%近い値上がり率を示しておる。このときに、全国的に、また東京の周辺においても、通勤一時間半というような圏内においても年間二〇%から二五%の上昇率を示しておる。しかも、一番必要な住宅が不足しておるのはこの大都会の周辺である。しねもそこらは二〇%から二五%、いなかの中都市におきましても毎年大体二五%程度の値上がり率を示しておる。この中において、百九十三万円以上の所得階層五百万世帯のうち二百八十五万世帯として、半分以上ですね。六割になりますか。六割近いものが新築する。こう考えることは無謀じゃございませんか。どうです。
#38
○多治見政府委員 ただいまお話しのように、今後の五カ年計画の実施にあたりまして、非常に問題のポイントであるというふうにわれわれも考えております地価の値上がりその他、いろいろな今後の計画実施上の問題点があることはわれわれも十分認識しております。特に、いまお話しのように、土地の値上がりの問題で、大都市に限らず、中小都市における土地の値上がりというものも、確かに今後住宅建設の計画を計画的に実施していく上の一番大きな難点であるというふうにわれわれは感じております。ただ、そういった全体の数字といたしましては、全国的に見て、地価の値上がりその他については、大都市、それから人口急増地帯、それからそうでない一般的な都市というふうに全部分析いたしまして、それを総合してそれくらいの住宅は建てられるということで策定いたしているわけであります。中都市の人口急増地帯につきましては、確かにお話のような地価の値上がりがございますので、その点につきましては、施策の実施上今後特段の地価の抑制についての配慮が必要であるということはわれわれも十分考えております。
#39
○井上委員 第二次五カ年計画で九百五十万戸建てる、これはまことにけっこうな話だといって国民の皆さんは期待しておった。ところが、この九百五十万戸のうちの五百七十万戸は民間自力だ、しかも民間自力五百七十万戸のうちの半数は改築するものだ、新しく新築するのは二百八十五万世帯である。それも国民の一部である富裕階級といいますか、百九十三万円以上の階層である。そういたしますと、これではサラリーマンあるいは勤労者は自分の住宅は建たない、こう言っても過言にならないと思います。建設省の役人の中で申しましょう。あなた方の課長さんにいたしましても、おそらく百九十三万円の所得はないでしょう。――あるかな。百九十三万円といいますと、大体月給十三、四万円ですか、ボーナスを加えまして十六カ月分。そうしますとこの階層というものは非常に少ない。あなたは五百万世帯とおっしゃいますけれども、少ないのじゃないか。特に勤労者向けの住宅政策でないということはここではっきりしてくると思うのです。政府施策住宅というのがずんずん少なくなってきている。この実態の中では、どうもこの計画自体民間自力に期待するのがあまりにも大き過ぎることが一つ。そして政府施策住宅というものの数が少ない。だから、あなたのおっしゃるような、五年後には国民の皆さん方には住宅に不足は来たさせませんこういうことは無謀であり、かつまた羊頭を掲げて狗肉を売るという政策と申されても過言でないと思います。(「勤労者財産形成だ」と呼ぶ者あり)その財産形成も、実はいま出ておるようです。社会労働委員会にかかっておりますが、しかし、これとても非常な不合理がある。こういうようなことを考えますと、一体このままでこの五カ年計画そのものが達成されるのか。われわれは達成させたいと思うし、この九百五十万戸をつくらなければならない。そうするならば、政府施策住宅というものをうんと多くしなければならない、こう思うのですが、どうですか。政務次官、先ほどからくたびれたような顔つきをしておりますが、政治家としてひとつ御答弁願いたい。
#40
○田村政府委員 先ほどからの質疑応答の中において考えますことは、多いにこしたことはないと思いますが、せっかく住宅局でいろいろ検討した結果割り出したものがこのたびの五カ年計画でございます。内容につきましては局長から御答弁もいたしますが、やはりできるだけ多くの住宅を円滑に供給するということが責任でありますから、御趣旨の点は私も全く同感でございますが、ただいま御提案申し上げておりますこの問題については、ひとつ具体的な御審議をお願いして、今後の住宅政策にも大きく取り入れていくべき要素があれば、さらに取り入れていきたいと考えます。
#41
○多治見政府委員 九百五十万戸のうちの政府施策住宅と民間自力建設、これの割合の問題でございますが、お話のように民間自力六割というふうになっておりますが、ただいま政務次官が御答弁申し上げましたように、公的援助による住宅が多ければ多いほどいいというお話がございましたけれども、確かにそのとおりでございまして、家賃の安い公的住宅をあらゆる国民の方が自由に使える、これは理想であろうかと存じます。ただ、われわれ五カ年計画を策定いたします前提条件といたしまして、現在の国の財政条件を前提といたしまして、現在の経済条件で、自力で自分の住宅を、適正な住宅を確保できる階層をつかまなければいかぬということで、この分析に非常に力を入れたわけでございますが、その結果、大体結果的に六割、四割という数になりましたけれども、いまの経済条件その他から考えまして、先ほどお話のございましたように、たとえば建設省の高官が退職いたしました場合に、その退職金で直らに都心部に自分でほんとうに希望しているような住宅を確保できるかということになりますと、確かにそれはむずかしい。先ほど官房長からお答えいたしましたように、遠い地点で何とかささやかな自分の家が確保できるというのが実態であろうかと考えます。ただ、現在の経済条件から申し、また国の財政条件から見まして、現在われわれが考えております水準の住宅を確保できる方はできるだけ自力で確保していただきたい。
    〔天野(光)委員長代理退席、正示委員長代理着席〕
確保できない方につきましては、国が何らかの形で公的な援助をして住宅を供給するということで策定いたしましたのが第二期計画でございまして、それが結果的に四割、六割というような比率になっているというのが実態でございます。
#42
○井上委員 あなたのおっしゃることは、私はどうもわからない。民間自力に期待するこの五百万所帯、その中でこの人たちが新築するのは二百八十五万戸、こういう数字ですね。この階層の五割五分ちょっとですよ。そうしますと、現在東京ででも起こっている状況がさらにひどくなると思うのです。といいますのは、セカンドハウスが現在非常に多くなってきている。郊外に週末あるいは休暇のときに家族と一緒に過ごす、
    〔正示委員長代理退席、委員長着席〕
あるいは、自分は東京においてマンションをかまえるというような生活が、一部富裕階級においてと申しますか、何か非常に多くなってきつつある現状です。これはお認めになりますね。そういたしますと、この二百八十五万戸の中にそれも含まれている。これを幾らと見ていましたか。セカンドハウスを幾ら見ているか。現在そういう趨勢に向かいつつある。だから、セカンドハウスは幾らに見ていますか。
#43
○多治見政府委員 非常にむずかしい問題で、われわれただいまの住宅政策を遂行する立場から申し上げますと、非常に副次的と申しますか、二次的、そういった現象が起きていること自体はわれわれは十分認識しておりまして、積算の中にもそういった現象で必要となるセカンドハウス的なものが約十万戸ぐらい出てくるであろうという、これはほんとうの大ざっぱな数字でございますが、そういった推定で一応住宅事情の分析をいたしておりますが、住宅政策の本質から離れました――離れたといいますか、その前にもっと解決すべき問題があるということで考えておりますが、現実の社会経済条件の進展に応じまして、そういった面からの住宅需要というのが出てくるというのは当然分析の中に出てまいりまして、ごく大ざっぱにいって十万戸程度は考えざるを得ないんじゃないかというふうに考えております。
#44
○井上委員 それをあなた方十万戸と言う。年間二万戸、これを想定した理由はどこにありますか。現在では、そんな数じゃないと思うのです。
 私はこの夏チェコへ行ってみましたが、あそこでもセカンドハウス、アパート群がプラハの町には非常にたくさんある。勤労者で、年間収入が日本円に直しまして大体百二、三十万の家庭がセカンドハウスをどんどん持っておる。これは山小屋といっておりますけれども、実際は三十坪ぐらいの家を持っておる。この東京の生活にあき、騒音あるいは排気ガス、大気汚染というような公害をのがれて週末にどんどん出ていっておる人たちは十万世帯ぐらいの数字ではないと私は思うのです。現に私どもが東京で自動車に乗りましても、月曜日の午前中もしくは月曜日一日、東京は非常に混雑します。土曜日の午後は、出ていくのに混雑します。日曜日は交通事情は非常にゆるやかです。これはもちろんレクリエーションで遊びに行く人も多いと思う。単に一泊旅行に行っている人も多いと思いますけれども、それだけではないのです。かなりの数の方々がセカンドハウスを持って、そこへ家族ぐるみで週末に行かれておるのだと思う。あなたは昭和四十三年の実態調査が新しいとおっしゃいますけれども、このときにセカンドハウスを一体どれくらいと見ましたか。調査の結果あらわれてきましたか。
#45
○多治見政府委員 プラハのお話ございましたが、現在の都市生活の条件から考えまして、日常の事業活動について、都市内に一つの拠点としての住宅を持ち、週末の休養その他の目的のために第二の家を持つ、これは確かに理想だというふうにわれわれも考えております。したがって、確かに、そういった状況を目標にして今後の住宅政策は進めていくべきであるとは考えますが、ただ、現実の問題といたしまして、日本の現状におきましては、とにかく四十三年の住宅統計調査で三百六十万戸という住宅難世帯というものが現実に存するわけでございまして、われわれとしてもこれの解消ということをまず当面緊急の問題というふうに考えて、その面に力を入れているわけでございます。ただ、経済条件が、御承知のように、われわれが第一期計画を想定いたしましたときよりも非常に高度の成長をして、いまお話しのように、現実にセカンドハウスをお持ちになって、プラハの生活に近いような生活をされておられる階級も出てきておるわけであります。したがいまして、われわれの第二期計画の策定にあたりましては、当面の三百六十万戸という昭和四十三年度の住宅の状態を解決する、そして第二期計画の初期にあたりましては三百万戸ぐらいになるというふうにわれわれは想定いたしておりますけれども、これの解決にまず緊急の手を打つべきである、ただ、その計画の策定にあたっては、いまお話しのありましたような、経済条件の変化に伴いますセカンドハウスの需要等も住宅需要の中には一応算定する、こういうことで算定をいたしておりまして、
    〔委員長退席、大村委員長代理着席〕いまお話しの数字といたしましては、昭和四十三年の調査では、大体全体の〇・七%、それから五十年の想定といたしましては全体の一・一%程度のセカンドハウスの需要が出てくるだろう、実数で申し上げますと、三十万戸程度のそういった需要があるだろうということも、もちろん住宅需要の積み上げの積算の中には加えております。
#46
○井上委員 大臣、これはあなたの政治的判断になりますが、実は第二次計画の九百五十万戸のうちの民間自力の戸数です。これが五百七十万戸ある。ところが、その民間自力の住宅を建てる階層は、全国で五百万世帯しかないのです。第二次計画で民間自力の五百七十万戸を実は期待しておる。これもけっこうでしょう。そして、五百万世帯のうちで二百八十五万戸を建てるとおっしゃるのですが、ここに問題がありませんかと私は申すのです。いかにも、昭和四十三年の計画当時におきましては、これは九百五十万戸困っておる、だから家を建てるんだ、これはまことにけっこうです。ところが、この九百五十万戸建てるにいたしましても、政府施策の住宅は幾らですか。三百八十万です。ところが、民間自力によるものは五百万世帯です、対象にしておるのは。そのうちの約五五%が新築する、こういう計画なんですね。しかもその約五五%の中には、これはいまも住宅局長と論争しておったのですが、セカンドハウスが大体いま十万戸とおっしゃるし、三十万戸とおっしゃる。とするならば、あなたのこの第二次五カ年計画が達成せられたならば、国民の住宅不足は大体解消するとおっしゃって――私、大臣の所信表明は聞いておらぬのですけれども、こういう御説明があったけれども、これではならぬじゃありませんか。五百万世帯のうちの二百八十五万世帯がともかくこれを新築するのだそうですから。これじゃ私はできないと思うのですが、どうでございます。
#47
○根本国務大臣 実務的なことは住宅局長から説明いたさせますけれども、御承知のように、最近の傾向を見ますと、サラリーマンの方々もみんなやはり持ち家を持ちたいという傾向が強いし、またそれの可能性も相当出てきておる。そういうことを踏まえてわれわれは考えているのでございます。そうして政府施策住宅の三百八十万戸というものは、税制上あるいは金融上のいろいろの施策をしても、低所得者あるいは都市勤労者でなおかつ現実に政府の手を借りなければできないという方々を重点として三百八十万戸を予定しておるわけです。
 それから一般民間の中には、先ほど事務当局から御説明申し上げたと思いますけれども、現実に家は持っておる、けれども非常に老朽化している、あるいはもう少し質を向上したいというようなものも相当あるわけでございます。そうしたものを含めますれば、御指摘のように五百九十万戸になっておるわけでございますから、こういうことをやりますれば、現在当面しておる住宅の非常に困っておる問題は大体片づくだろう。
    〔大村委員長代理退席、委員長着席〕
しかし、人間はいつでも欲望がどんどん向上していくし、家屋もまたどんどん老朽化していくのも事実でございますから、この新五カ年計画をやれば日本にもう住宅問題は全然ない、そういうことではございません。これはもう常に新たなる問題が出てくるということは事実だと思います。少なくとも現在三百五十万戸程度の住宅――非常に困窮しておるという方々の問題はこれで相当程度解消できるだろう、こういうことでございまして、今日までの実績から見ましても、改定する前の現在のあれも、むしろ民間のほうは一〇四%程度までいっておる。それから政府施策のほうが九五%程度というような状況から見て、さらに最近は御承知のように勤労者持ち家政策も財産形成の問題でも出しておりますし、最近ではまた、各企業が持ち家政策をやる一つの動きが出てきている。さらにまた郵便貯金による政策も出てやるということで、住宅政策というものは一つの手で全部解決するということではなくて、いろいろの手を尽くしてやっていく。しかも、その主体はできるだけ民間で持てるようなものにしていきたいと思う次第でございます。
#48
○井上委員 大臣、あなたのおっしゃる持ち家政策は、建設省のこの五カ年計画の、国民の所得階層のどの階層に属するかということをお伺いしたのですよ。そうしますと、年間収入百九十三万以上の階層に五百七十万戸期待しておるわけなんです。それ以外の世帯は政府施策住宅と考えられるわけです。対象にしておるのは、ですね。それは違うのですか、どうですか。
#49
○多治見政府委員 先ほど申し上げましたのは、公的資金によります住宅供給の対象の収入階層を申し上げたわけでございまして、実際の供給の態様といたしましては、先ほど申し上げましたように百二十六万円未満の年収の方につきましては公営住宅で住宅供給をする。百二十六万円以上百九十三万円までの方につきましては、これは需要の態様に応じまして、借家で供給するかあるいは持ち家で供給するかという二つの態様があるわけでございますが、百九十三万円未満の年収の方につきましても、借家あるいは給与住宅で供給しなければいけないような住宅需要階層と、持ち家として住宅金融公庫の融資等によりまして、公的資金の何らかの援助があれば自分で家を建てられる階層というふうに両方ございますので、そういった分析をした結果、一応百二十六万円未満の方につきましては、借家、給与住宅で供給していく、百二十六万円と百九十三万円の間につきましては、住宅需要の実態、需要動向等を調査いたしまして、借家、給与住宅、いわゆる賃貸住宅で供給する必要がある戸数、それから持ち家として供給する必要のある戸数というふうに分けて積算したわけでございます。
#50
○井上委員 それでは、百二十六万以下の所得の世帯数はどれくらいありますか。そして百二十六万と百九十三万との世帯数は幾らあるのですか。
#51
○根本国務大臣 私からちょっと申し上げたいのですけれども、公団とか公社の住宅はみんな家賃が一応の限定がありますので、それに対応するにはどれほどの所得ということになりますけれども、どれだけの所得がなければ持ち家を持ってはならないということはないので、かなりの財産を持っている人も、子供もありますし、単なる所得に基づいて、これは持ち家を持つとか持たないとかということの限定は機械的にはいかないと私は思うのです。そういうことから見まして、いま事務当局が言ったことは、一応公的な施策住宅のうち、いま申し上げましたように、賃貸に入るという人と、それから何らかの資金的なめんどうを見てもらえば持ち家が持てるというのも、これは必ずしも所得階層によって限定されないと思うのです。そういう点で少しダブっておる点があると思いますけれども、その点はひとつ御了承していただきたいと思います。
#52
○井上委員 私はそれはダブるのは当然だと思うのです。しかし、一応計画を策定した際に、この持ち象五百七十万戸はどの階層からを希望しておるのか、これは計算をする上において当然考えなければなりません。そうしますと、百九十三万円以上の世帯ということになる。それがともかく持ち象をつくるんだ、その五百万世帯のうちの二百八十五万戸が新築をするんだ、それは計算上そうなるんだと言う。しかし、それは計算上からいうとおかしいんじゃないか。期待が大き過ぎるんじゃないか。しかも、民間自力建設が第二次五カ年計画では六割を占めておるのです。
    〔委員長退席、渡辺(栄)委員長代理着席〕
したがって、この政府施策住宅が少な過ぎるんじゃないか、しかも、百九十三万円以下の世帯というものが全国民の五分の四を占めるということになれば、さらにこれは考えなければならない問題だ、いま事実困っておる世帯のおもなるものは、何といっても百九十三万円以下の階層だから、これについてもう少し政策として打ち出すべきじゃないか、また、政府施策住宅というのを多く建てるべきじゃないか、こういうことを私はお伺いしておるのです。それは人間社会ですから、びっしり線は引けません。引けないことはわかり切っておりながら、しかし、計算する上において、どれほど必要であろうかということを考える上においては、やはり一応の機械的な線を入れなければ科学的な数字というものは出てこない。そこで私がお伺いしたところがこういう数字になるから、これじゃおかしいと言うのです。政府施策住宅で対象にしておるのが百九十三万円以下、これが大多数を占めておる。この実態からするならば、政府施策住宅のほうにもつと力を入れるべきであるし、かつまた九百五十万戸という、これはあまりにも民間に――ここで大臣にひとつ私は提言したいのですが、第二次計画は政府施策住宅だけに限定して発表なされたほうがいいんじゃないかと私は思います。といいますのは、国民にあまりにも幻想を持たせ過ぎる。第二次五カ年計画を過ぎるともう住宅はかなりよくなるんだと言う。かなりじゃなしに、住宅局長のお話によると、五カ年計画が済んだら絶対に住宅難というものは見通しがつきますというようなお話を先般も阿部議員並びに小川議員にしていましたが、それはおかしい。しかも、これだけ民間自力のほうに重きを置いておる以上はむずかしいんじゃないか。数字の上からいいますと、こう私はいわざるを得ないのです。だから、政府施策住宅は幾らだということを御発表になるほうが国民にはより実態に即した期待を持たせることができると思うのですが、いかがでございますか。
#53
○根本国務大臣 建設省は、住宅は公的住宅だけやっているのではございません。住宅政策全部をやるのです。そして、現在の日本の住宅の不足は公的なものだけで処理するというたてまえではいっていないわけでございまして、そういう意味において、全体を計画して、その上に明確に政府施策住宅はこれだけだと発表する。これで私は誤解はないと思うのでございます。公的なことだけは政府で発表して、あとの住宅政策はほうっておいていいということではないと思います。だから、住宅政策は全体として、これは税制上の措置も講じなければなりません。あるいはその他、民間の持ち家を持つためのいろいろの誘導政策ということも住宅政策の一つだと思います。したがいまして、単に政府の資金でやるものだけが政府施策住宅であって、あとのほうは関係なくてもいいのではないかということにならないし、そこではっきりと、政府施策住宅はこれこれで、民間のほうはこれこれのものを誘導するのだというように、そういうものが実現ができるいろいろの基礎条件をつくっていく、これで一向差しつかえないような気がするわけであります。今日までそれでやってきております。
#54
○井上委員 今日まで、国民からすれば、政府が第一次五カ年計画を立てる際にも、実は住宅難はこれで解消するんだということで期待を持っておった。ところが第二次計画を立てざるを得ないような事態になってきておる。先般も住宅局長の話を聞いてみますと、核家族化が進行したということをおっしゃいましたが、そういうことは五年前に予測できたはずであります。何も新しい突然変異が起こったわけじゃない。こういう核家族化が進行していけば当然住宅が不足することはわかり切っておりながら、いま第二次計画をなぜやらなければならないかと言いますと、そういうことをおっしゃる。しかも、この第二次五カ年計画が策定せられる現在においても、やはり将来も住宅不足があるんだということは国民の皆さん方に知っていただかなければならぬ。しかも民間自力の建設戸数が六割を占めるというこの実態、このことを国民の皆さんに考えてもらわなければならぬ。それは大臣のおっしゃるように、政府は住宅政策全部をやっているんだとおっしゃるのは、政府の政策にすればみんなそうでしょう。道路政策をやれば住宅も建ちましょう。あるいは上水道をやれば住宅も建ちましょう。しかしそうじゃなくて、政府住宅は明確に――特に庶民は、民間自力というのは一体何だろうという疑問を抱いておると思うのです。そう私自身も思いました。そこで私はこういう御質問を申し上げているのです。ようやく私はわかったわけであります。したがって、この民間自力建設は、低所得者層にはあまり大きな期待を持たせてはいけないものだと思います。
 この問題は終わりといたしまして、続いて農住法関係に移りますが、農住法の家賃は、先般も、二万二千円から一万八千円の大体一割ないし二割くらい高くなるというお話でございましたが、そういうようなことばを住宅局長が使われるのは、私にははなはだどうも合点がいきかねるのであります。といいますのは、この法律にも適正な家賃ということを明確に打ち出しております。そこで、適正家賃とは何ぞやということをひとつお伺いいたしたいのです。
#55
○多治見政府委員 適正な家賃という問題でございますが、これは住宅政策の基本でございまして、非常にむずかしい問題でございますが、先般御説明申し上げましたように、この制度で対象といたします階層は、大体住宅公団の中層住宅に対応するような住宅を対象としているわけでございます。したがいまして、収入と対比いたしまして適正な家賃ということになりますと、大体収入の二〇%前後ということで考えたいというふうに現在考えております。
#56
○井上委員 私はそれは考え方がおかしいと思うのです。適正な家賃というものは、これは原価計算をして――住宅金融公庫の中層住宅は何から出てきているのでしょう。原価計算上出ている数字じゃございませんか。その家賃じゃございませんか。あなたの言うように、収入の二〇%が適正な家賃だということでは、これはちょっと見方が違ってくると思うのです。そういたしますと、いま勤労者の平均が――これはあとにしましょう。この住宅の場合、原価計算上出てくるのじゃございませんか。
#57
○多治見政府委員 私、御質問の趣旨をちょっと取り違えたかと思います。適正な家賃水準が収入と比較してどれくらいを考えるのかというふうな御質問かと思いましたので、いまみたいなお答えをいたしましたが、もちろん、この制度で考えておりますのは、建築費から計算いたしました家賃を規制いたしまして適正な家賃を取るということでございます。
#58
○井上委員 それで、原価計算の構成をひとつお示し願いたいと思います。
#59
○多治見政府委員 この制度で考えております賃貸住宅の家賃の構成は、ただいままでたびたびお答えいたしましたように、公庫でやっております土地担保賃貸住宅、それに準じた家賃ということで考えております。項目で申し上げますと、家賃計算の基礎といたしましては、事業主が金融機関から借り入れます借り入れ金の償却、それからこの賃貸住宅を維持管理いたしますための費用、それからこの建物と土地につきましての公租公課、損害保険、それから損害引き当て金、地代相当額、こういった項目で考えておりますが、それぞれの計算のしかたといたしましては、借り入れ金の償却につきましては、借り入れ条件に従いまして年利率五・五%、二十五年間、元利均等償還ということで計算して家賃に算入するというふうに考えております。
 それから次に、住宅の維持費でございますが、これは先ほど申し上げましたように、土地担保賃貸住宅に準じまして、年間千分の一・四ということで計算する予定でございます。
 それから公租公課、損害保険料等につきましては、実費で計算するというたてまえで家賃の積算をするつもりでございます。
 それから引き当て金につきましては、いま申し上げましたいろいろの経費の額全体について百分の二程度の引き当て金を認めたいというふうに考えております。
 それから地代相当額でございますが、これは地価の百分の五を上限として計算いたしたいというふうに考えております。
#60
○井上委員 一番大きい問題は、地代相当額が一体どれくらいになるかということだろうと思うのです。あなたは、標準的に、モデルケースとして考えられたのがどれくらいと考えられていますか。
#61
○多治見政府委員 確かに、お話しのように、家賃算定の際に、特にこの制度では農地所有者が賃貸住宅を建てて安定的な経営をするということを目的といたしておりますので、この地代相当額の算定が一番問題であろう、農家の経営主体といたしましては一番ポイントであろうと考えますので、一応百分の五ということで 地価はそれぞれの条件に応じまして変わってまいりますので、一がいには申し上げられませんが、一応の試算といたしまして、坪五万円程度の場所におきましては実額約四千円。したがいまして、地価が上がるにつれてその額は上がるわけでございますが、坪十万円程度までならば実額八千円ぐらいまでには上がるというふうに考えております。ただ、現実の従来の住宅金融公庫の土地担保賃貸住宅の実例で考えますと、住宅の需要供給の関係といいますか、家賃と需要との関係で大体規制されております百分の五、目一ぱい家賃に積算させるという例は少ないようでございまして、これをこの規制額以下に押えて、家賃を下げて、それで需要者に供給しているというのが実態のようでございます。したがいまして、この制度が発足いたしました場合は、やはり規制されました地代相当額以下の計算で家賃が積算されるのではないかというふうに想像しております。
    〔渡辺(栄)委員長代理退席、委員長着席〕
#62
○井上委員 私は、地代相当額というのは当然公租公課にもはね返ってくる、かなり大きい比重を占めると思うのです。そこで、政令にゆだねておる事項を第二条第二項第一号で定めておるのでありますが、そういたしますと、これはいろいろの団地の種類があろうかと思うのです。しかし、モデルケースとしてどれくらいのものを考えていますか。団地の中で、一戸当たりの土地はどれくらいになるか。中高層でございますから、当然中高層一むねに対して土地の面積がきまりましょうが、そうなりますと、一戸当たりの土地は大体平均どれくらいに相当しますか。
#63
○多治見政府委員 二戸当たりの土地の面積でございますが、これは御承知のように地域によっていろいろ事情が違いますので、簡単には平均を出せないという気持ちがいたしますが、われわれの試算といたしましては、六十ないし八十平米を一戸当たりの敷地というふうに考えております。
#64
○井上委員 六十ないし八十といいますと――私の言っているのは土地ですよ。そんな数字になりますか。もっと大きくなるんじゃ、ございませんか。六十ないし八十平米といったら小さ過ぎるように思うんですがね。
#65
○多治見政府委員 中層の建築を建てた場合の一戸当たりの敷地面積でございます。
#66
○井上委員 そういうような数字でありましたならば、それで一体家賃はどれくらいになりますか。坪当たり五万円あるいは十万円、この二つの場合を想定して、家賃はどれくらいになりますか。
#67
○多治見政府委員 御承知のように、それぞれの地域によりまして条件が非常に違いますので、われわれの現在試算いたしております数字では、大体坪当たり五万円という土地で、この制度で住宅を建てました場合、中層四階という条件で建てました場合に、家賃は大体二万二千円ないし二万三千円程度、坪当たり十万円の土地にこの制度で中層四階を建てました場合には、大体二万七千円から二万八千円程度の家賃になるというふうな試算をいたしております。
#68
○井上委員 その場合に、一戸当たりの面積を聞かなかったのですが、どれくらいと計算しておりますか。
#69
○多治見政府委員 規制といたしましては、この制度の対象といたします住宅の規模の最低限は三十平米で押さえたいというふうに考えておりますが、この試算をいたしました基礎は、三十平米と五十平米の間の大体四十平米ということで一応の試算をしております。
#70
○井上委員 ちょっとお伺いするのですが、四十平米といいますと、一戸当たり十三坪ですね。その中に共用部分が含まれるのですね。そうしますというと、これは公営住宅の第二種より小さいのじゃございませんか。
#71
○多治見政府委員 私の申し上げておりますのは専用部分の面積でございまして、共用部分を入れますと平均五十平米ということで、ベッドルーム三つとキチンの三K程度というように考えております。
#72
○井上委員 そうなりますと、これはやはり住宅としますと高いように思うのですね。公団住宅よりもかなり高いように思いますが、どうでございますか。
#73
○多治見政府委員 これはあくまで試算で、標準的なものの計算の数値として考えたわけでございまして、公団より高いかあるいは低いかという問題でございますが、われわれとしては、大体公団並みの中層耐火構造ということで考えております。三Kとか、二DKとか、二LKとかいうバラエティーはございますけれども、大体公団並みの規模を考えております。
#74
○井上委員 私はこれはちょっとおかしいと思うのですよ。公団はかなり人件費も要りますし、あるいは維持管理費も要る。ところが、この場合に、金利も公団が借りておるのより安いでしょう。同じですか。
#75
○多治見政府委員 高いです。
#76
○井上委員 公団より高いですか。五・五%で。そうなりますと、私はふしぎに思われてならないのです。ここで私は、統計局がこの一月に出した実態調査で「住宅類型別一世帯あたり一カ月間の収入と支出(勤労者世帯)」を見てみますと、「持家」「民営借家(設備専用)」「民営借家(設備共用)」「公営借家」「公団・公社借家」「給与住宅」「借間」「持家」というふうにずっと分かれているのですが、「公団・公社借家」の場合を見てみますと、収入では、「勤め先収入」というのが、平均が大体八万三千円ですね。そうして「住居費」が一万一千六十四円になっていますね。そういたしますと、これと比較いたしますと、新しい制度であるがゆえに、新しく建てるのですから、高くつくように思うのですが、その点はどうでございますか。公団の平均と比べますとはるかに高いのじゃございませんか。
#77
○多治見政府委員 先般の委員会でもお答えいたしましたように、公団の家賃に比較いたしますと若干商い。約一割程度高くなるというふうに想定いたしております。ただ、先ほど申し上げましたように、地代相当額を地価の百分の五ということで算定いたしておりますが、これは、この制度の趣旨にかんがみまして、農地所有者の賃貸住宅の経営による安定的な収入の確保という要請もございますので、一応土地担保賃貸住宅の例にならいまして、百分の五程度の地代を取れるという家賃の算出基礎になっております。ただ、建物の立地条件その他から、現実にこの規制の額一ぱいに家賃が取れるかどうかということは個々のケースによって算定せざるを得ないということになります。先ほど申し上げましたように、土地担保賃貸住宅の例に見ましても、これを一ぱい一ぱい取っていないというのが実態でございまして、現実の家賃といたしましては、公団の家賃よりも若干高い額で規制額の上限がきまると思いますけれども、大体公団住宅並みの家賃で落ちつくのじゃないかというふうに――これは希望的観測かもしれませんけれども、一応規制条件一ぱいに取れば公団の家賃よりも若干高目になるということになっております。
#78
○井上委員 そうすると、先ほどあなたのほうから減価償却から見た適正家賃というのが算出せられてきておるわけです。そこでひっくり返して考えると、先ほどあなたがはからずも申されましたが、収入の二〇%が給与所得者の家賃として払える適正な限度だと申されるのですが、そこらあたりにもどうもひっかかる。あなたが所得の二〇%までが給与から考えて適正な家賃だと考える根拠は一体どこにあるのですか。
#79
○多治見政府委員 収入の何%が住居費として支払わるべき適正なパーセンテージかということ、これは御承知のように住宅政策の一番基本の問題であります。私が先ほど申し上げました二〇%と申しますのは、この制度を考えました場合に、現在日本の置かれております経済条件、それから住宅の建設の客観的な条件等を考慮して、この制度では二〇%程度の家賃負担をしていただくのが適正ではないかというふうに考えたということでございまして、住宅政策の一番基本としての、国民として収入の大体何%を住居費として支払うのが適正であるかというのは、いまの私の申し上げました二〇%の数字とはまた別個に基本的な議論として残るかと存じますが、この制度でねらう場合に、収入の二〇%程度の住居費をお払いになっていただくというのが適当でないかということで二〇%ということを申し上げたわけでございます。
#80
○井上委員 この二〇%がいいか、あるいは一〇%が適正なものか、これは非常に問題があると思うのですが、公務員住宅は一体給与の何%になっていますか。
#81
○多治見政府委員 現実の収入と家賃の比較で申し上げますと、公務員住宅は大体収入の四ないし六%が家賃ということになっております。
#82
○井上委員 私は、公務員の給与が一般民間より低いことは知っている。こういうような面からして、先ほども申しましたように、公務員に対してはある程度優遇といいますか、住宅補助をやってもいいと思う。しょっちゅうあちこち変わるのですから、一応ある程度はそういう面において考えられてよかろうと思うのです。しかし、公務員住宅と公団、公社の家賃との間にはどうも大きな隔たりがある。ただ、これは平均しますと、ここに出ておりますのは給与住宅になっておりますが、民間でもそういう社宅に入っておる人の住居費が大体六千百円という数字になっていますね。ところが、片方においては、一般人が入っておる公団、公社で、これもいまの住宅事情からいいますと恵まれた立場にある人なんですが、それで大体五千円高い。――公営借家は安いのですけれども。こういうように見ていきますと、あなた方事務局に給与の何%が適切だと聞くのは私は酷だと思います。これはやはり政策を立案しておる方々、政策を実行しようとしておる方々に聞くのが当然だと私は思うのです。大臣、こういうことは事務当局に言わせるのは無理だと思うのです。大体収入の何%が適切か、あなたはこういうことを建設大臣として考えられたことはありますか。なければないでけっこうです。
#83
○根本国務大臣 一般的にいって、いわゆる公的施設の家賃がどれくらいであるかということと、いまの国民一般の生活から見て、所得の中に占める家賃はどれが適切か、これは二つあると思います。公務員住宅は別個に、その官庁の態様等によって変わってくると思います。先ほど井上さんも御指摘になりましたように、官吏は、自己の都合によるよりも、官庁の都合によっていつでも転勤等がある。それからまた、職場の関係である一定のところにおらなければならぬという住居の制限制度もあるということのために若干安くなっていることはございます。いずれの国でもこれは同様だと思います。
 ところで、一般国民の所得の中に占めるところの住宅費がいずれが適当かということはにわかに判定できないと思うのです。それぞれのその人の個人の考え方で、住宅費はなるべく減らして食うほうにやりたいという人もおるし、あるいはまたレジャーのほうに使いたいという人もおると思いますけれども、一般的には、機能的にいえば一つの統計的なものが出てくると思うのです。その平均値が、大体このあたりが適当というか、むしろこれが一つの標準だということは言えると思います。ただ、何%が適正かということの議論はなかなかむずかしいと思うのです。ところで、以前におきましては、国民の所得に占めるところの住宅費というものは必ずしも高くなかったと思います。戦前においては特にそうだったと思います。ところが、戦後におきましては、地価の上昇と、それからまた居住地の一つの社会的な変化と申しますか、やはり都心に来たいということになってくると、従前に比べれば生活費の中に占める住宅費がどうしても相対的に増大してくる。これは生活程度が高くなりますればなるほど、どうもそういうふうな傾向が都市においては著しいと思うのでございまして、ここでいまあなたの御質問に適切に答え得ないことにはまことに残念でありますが、そういうふうに感じますので、これは一がいに画一的にはお示しすることが困難だと思います。
#84
○井上委員 戦前における話は別にしまして、局長、世界において、家賃の平均は総収入の大体どれくらいになっておりますか。これは調べておけと言ったはずです。
#85
○多治見政府委員 お話によりまして、調べました結果の数字だけ申し上げますと、アメリカでは一四・八%、イギリスでは八・九%、西ドイツ七・三%、フランス七・一%、イタリア八・〇%ということになっております。
#86
○井上委員 そこで、昭和四十三年の実態調査でどうなっておりますか。
#87
○多治見政府委員 日本の場合の平均的な統計の結果出ました数字は二二・四でございまして、アメリカの一四・八よりも一・四低いということになっております。
#88
○井上委員 アメリカの場合と一がいに比較はできない。といいますのは、アメリカは持ち家政策が非常に発達しておりまして、大きい別荘であろうが大邸宅であろうが貸家になっております。日本ではちょっとこういうケースは少ない。それが大きく響いてきておるのだろうと思う。これは、うなずいておられるからそうでしょうな。
#89
○多治見政府委員 アメリカとの比較を申し上げましたけれども、先ほどお尋ねのイタリアと比較いたしますと五%ばかり高いということになっております。
#90
○井上委員 そこで、私は、最近出ました「消費者物価、指数」、内閣統計局から出ておる数字を見ておるのでありますが、大臣、住居費と収入との比率を見てきますと、戦前はそのとおり低いのです。ところが、戦後になりますとものすごく高くなってきておる。そこで、先ほどお話しの全世界の様子を見ましても、大体一〇%前後であります。標準給与の中で住居費が占めるのは平均これくらいが妥当な線じゃなかろうかと思うのです。ところが、日本におきましては、この一月の統計資料「家計収支速報」を見ても、また二月二十四日、四、五日前に出されたものを見ましても、やはりサラリーマン世帯においては非常に高くなってきておる。特にこれは民間住宅に重きを置いているからです。したがって、やはり低サラリーマンにつきましては政府施策住宅というものを大幅にやらなければならないのじゃないか。これはこちらの面からいたしましても出てくるわけです。こういうようなことがございますので、ひとつ御注意になっていただきたいと思うわけであります。
 続いてお伺いしたいのですが、農住法のこれは、一体需要層の所得階層をどこに求めておるのですか。やはり百九十万円前後と考えておるのでございますか。どうでございますか。
#91
○多治見政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、公庫の土地担保賃貸住宅、それから公団の中層耐火構造による賃貸住宅、これは大体同じ階層を対象にして考えておりまして、年収百二十六万から百九十三万円までの間の階層を考えております。
#92
○井上委員 あなたはそうおっしゃいますが、それは統計局の階層によりますと、その階層は三つに分かれているのですね。百二十六万、その次は幾らになりますか、階層として見た場合。
#93
○多治見政府委員 統計局の階層の分け方は、全体の調査対象を五等分したということになっておりますので、われわれが収入階層別に分けております階層とは多少食い違っておりますが、先ほど申し上げましたように、住宅事情の分析の結果、五等分した階層の中のどの階層にどういう住宅が必要であるということにつきましては、その統計とあわせて分析いたしております。
#94
○井上委員 そうしますと、百二十六万円の二十四万円といいますと、やはり二〇%近くなりますね。あるいは百九十三万円にしますと一二、三%ですか、そういう数字になりますね。これはかなり高いように思われます。先ほど、実際にはもっと低くなってくるだろうというお話ではございますけれども、大都市におきましては、こういう土地はもうなかなか見つかりにくいと思うのです。したがいまして、通勤時間が一時間ぐらいというところへ分散するんじゃないか、こう思うのですがね。私らのくにのことを申しますと、市街化区域の中に入りましても、かなりはずれのほうになってくると思われるわけです。
 そこで、先般来問題になっておりますように、公営住宅におきましても、家賃が高いから大企業が補助金を出して、その会社の社宅的な使われ方をしてくるのではなかろうか、こういう見方も出てくるわけです。これに対して、一般公募をするんだからかまわないという見方もありますけれども、しかし、大企業側につきましては、産住法という法律もありまして、手厚い手当ては行なわれております。これは勤労者を含め、一般に住宅に困っている人々に充てるためにもう少し厳格な線を引くべきじゃなかろうか、このように思うのですが、どうでございますか。
#95
○多治見政府委員 先般の委員会でもお答えいたしましたように、みずから居住するために住宅を必要とする人に適正な家賃で住宅を供給したいということがこの制度の目的でございますので、供給されました住宅に、この制度で規制されます家賃の額の中で居住できれば目的は達成されるわけでございまして、入居される方が大企業であるか中小企業であるかということについては、一応、この制度の規制としては考慮に入れていないわけでございまして、この制度で考えておりまする年五分五厘の金利で融資を受けた建設資金で建てられました住宅として、適正な家賃を支払えば入居できるという条件さえ満たされれば、この目的は達成されるというふうに考えております。
    〔委員長退席、天野(光)委員長代理着席〕
#96
○井上委員 そこに、先日来、北側さんにしましても、あるいは卜部さんにしましても指摘したように、大企業が事業主に対して補助金的に一部を負担して家を建てるというようなことが行なわれ、社宅的な使われ方をされるおそれがなきにしもあらずというふうに思うのです。あなたは、どんな建て方をしても、入る人が金さえ払えばいい、こんな感覚で言われますけれども、これは住宅政策の上からいって、単に住宅に困っておる人たちのためにつくるんじゃございません。そういたしますと、社宅的な使われ方をすることに対してはやはり規制しなければならない。現に公営住宅におきましても、市町村が企業の誘致をしたら、その近辺に建てた公営住宅に入っておる九五%までがその社員だったというようなことが先日来問題になっておるでしょう。こういうようなことが行なわれやしないか。特に、このごろのように、用途地域の工場地帯に工場が建てられるということになると、それに近い市街化区域の中にこれが建てられて、一般にそういう大企業の利便に供するような方向に使われるおそれなしとしないのです。こういうことが考えられますが、おたくはこれの規制は考えないですか。どうでございますか。
#97
○多治見政府委員 実は、この制度を考えました場合に、大企業、中小企業という企業の規模については全考慮を払っておりません。ただ、企業の従業員が適正な家賃でこの制度の対象としてできました家に入れるようにという配慮をいたしておるわけでございまして、企業に対してこの制度でできました住宅を貸します場合には、その企業が従業員に貸すわけでございますが、その場合に、その条件が、この制度で規制しております条件と同じかあるいはそれ以下の条件で貸すということを規制するわけでございます。
#98
○井上委員 わかりました。そうすると、おたくのほうは、規制するのは家賃だけだ、これのみだと考えていると考えていいわけですね。
#99
○多治見政府委員 建設に際します用途地域、都市計画等の問題は別にいたしまして、一応適正な家賃で入居者に貸すということになれば、それで目的は達成されたというふうに考えております。
#100
○井上委員 私は、この問題につきましては、やはり社宅用に使われることに対しては大きな抵抗を感ぜざるを得ない。このことをまず申し上げておきたいと思うのです。
 本年度の予算におきましては、一体幾ら予算額を出しておるのか。それから第五条の第二項で、利子補給率を三・五%以下と規定していますが、本年度予算におきましては、これはどうも三%としておるようであります。したがいまして、この三・五%と三%の相違は一体どこから出てきたのか、ここらあたりを明確にお示し願いたいと思います。
#101
○多治見政府委員 この制度の全体の目的といたしまして、三%の利子補給をして、実際に建設される方が五・五%の融資を受けられるということを法律でもはっきり規定しているわけでございますが、実際の金融機関との折衝その他いままでの過程を申し上げますと、単位農協につきましては、大体八・五%で貸すというのは無理なようでございます。これは九%程度の金利以下に下げることは無理だというお話でございます。ただ、それに対応いたしまして、現段階の信連、この資金は八%程度で貸せるというふうにいままでの交渉で話がついておりますので、この八%と九%の両方の金融機関の融資を合わせまして、薄めて八・五%ということで、それに対しまして三%の利子補給をして五・五%に持っていきたいというのがねらいでございます。来年度予算は一応三%ということで積算してございますが、それについての見込みは、農林省当局その他関係当局と十分打ち合わせをいたしまして、信連段階の金融は八%、単位農協は九%、両方で五分五分で融資して八・五%の融資をするということで話し合いがついております。
#102
○井上委員 そうしますと、あくまでも五・五%の金利、これに合わすわけですね。
#103
○多治見政府委員 法律に書いてございますように、そのとおりでございます。
#104
○井上委員 それからもう一つ。利子補給方式をとり、また県の知事にある程度権限委任をしておるようでございます。そういたしますと、私は、どうもこれをすることにかなりまた人が要ってくるのではないかと思いますが、どのくらい考えておられますか。
#105
○多治見政府委員 当面、発足当初は国が直接利子補給をやるということで考えておりますが、できるだけ早い機会に、その地域の実情に精通している知事に契約まで委任したいということで、この委任を実現するつもりでございます。そのために必要な事務費、人件費等については別途考慮いたしたいというふうに考えております。
#106
○井上委員 建設省直接でやる、将来は知事権限にまで落としていくというのですが、それより、こういうようなことは住宅金融公庫に窓口を一本にしぼって、補給金をこちらから出していくという方式がむしろ簡明直截でいいんじゃございませんか。
#107
○根本国務大臣 これは初めての試みでございますので、公庫にやらしたり県にやらせることも、これは農林省の関係、農協等の関係でいろいろ複雑な点がありますのでこうやっておりますが、現実に実施してみた結果、あなたの御提案のほうがより実際的だ、農民の方々も、あるいはまた農協自身もそのほうがいいということになりますれば、それは考えていいと思います。問題は、そこの手を経なければ絶対にいけないというようなことでなく、一番効果のあがる、みんなに一番喜ばれる方法でいいと思いますので、今後前向きに検討したいと思います。
    〔天野(光)委員長代理退席、委員長着席〕
#108
○井上委員 いろいろと質問いたしましたが、時間もかなりたっておりますので、まだあと実は二十五問用意しておるのでございますが、きょうはこの程度におきまして、なお時間がありましたらひとつ質問さしていただきます。
#109
○金丸委員長 松浦利尚君。
#110
○松浦(利)委員 本会議がもう間もなくですから、皆さんの御要望で簡潔に質問をして、簡単に御答弁いただきたいと存じます。
 住宅問題については、大臣の所信表明に対する一般質問、さらに物特の連合審査のときに、大臣のほうからいろいろと御答弁をいただいたわけでございますが、さらにそれを発展させまして、実は住宅産業の将来という問題で、日本経済研究センターの資料によりますと、大体五十年を過ぎたころには住宅産業に投資される金は約二十兆になるのではないか、それに関連をして住宅需要に対するその他もろもろのものを計算すると約五十兆という大きなものになるのではないか、こういうふうにいわれておるわけであります。だとしますと、今日この住宅産業というのは非常に中小企業の分野に広がっているわけでありますが、将来この住宅産業は寡占化に入るという可能性を持った産業であるのかどうか。住宅産業というものがそういった方向に進むと思われるか。それとも現状のまま推移すると判断をされるのか。その点をひとつ大臣からお聞かせいただきたいと思うのです。
#111
○根本国務大臣 これは寡占化になるとか、あるいは現状のままというふうに、一がいに二者択一的な判断を下すことは困難だと思います。御承知のように、先般来いろいろとあなたとも討論し、またいろいろの方とも話し合ったのでございますが、いま建築業界において、特に住宅建築の中で一番問題なのは、建築労務者並びに技術者の非常な不足です。これを補っていくためにはやはり工業化ということです。これが当然出てきます。工業化ということになりますれば、必然的にこれは施設産業が相当入ってくる。相当の施設をしなければならないということで、その方面ではかなりの大きな資本と施設が必要になってくると思う。ところが、これらはしからば組み立てなり何なり全部やるかとなると、なかなかそうはいきません。全部部品化しますから。そうしますと、それを受けていろいろの組み立てをしたりいろいろの規格のものをつくるというものが当然出てきます。そうなりますれば、これをやるものとして、中小企業がその面においては相当大きな分野を占める、そういうふうに考えますので、いわゆる工業生産化する面においては相当の大きいものが出てくるけれども、これを活用して建築そのものをやるというものはかなり中小企業の分野が広がってくる、こう私は考えます。
#112
○松浦(利)委員 委員長の要望で、本会議十五分前に私の質問を終われということですから、簡単に質問します。
 御承知のように、住宅建築材、住宅そのものの値上がりは、約一四・四%ぐらいずつずっと毎年上がってきておりますね。住宅建築費というものを、今度の第二次五カ年計画では六%ないし七%に押えなければ、第二次五カ年計画の数字的な目標は達成できないのです。根底からくずれるのです。だとするなら、これを安定的に供給するための方向というものが当然計算されてくるのではないかというふうに私は思うのです。
 そこでお尋ねをしたいのは、実はそれの花形として登場してきておるのがプレハブ住宅だというふうに理解をしておるわけであります。ところが、このプレハブについては、コストが下がるということでプレハブをつくる人が多いのですが、逆にプレハブそのもののコストが上がっておる。いまコストが実質的に高いプレハブ住宅というものが出てきておるのですが、しかも、そのプレハブ住宅に対して規格がない、JISがない、こういう状態が現在出てきておるわけですね。そこで通産省の局長にお尋ねをするのですが、このプレハブに対してのJIS規格といったものを早くきめないと、私は不良品がどんどん出回ると思うのです。そういう意味で、一体いつごろプレハブに対する規格、JISの決定がなされるのか、それをお答えいただきたいと思います。
#113
○山下政府委員 御承知のように、二年前から五年計画でせっかくやっておりますが、それでは実際に間に合いませんので、一番基本になります基準寸法について、ついせんだって建設省と御相談の上提案した次第でございます。その基準寸法が大かた受け入れられれば、その線に沿ってこれを促進して、種類によりますが、二年ないし三年以内に順次きめていきたい、こう思っております。
#114
○松浦(利)委員 いま建設省の住宅局のほうと打ち合わせ中だというふうに理解をするのですが、具体的にもうこれほど建築業者がプレハブをどんどんつくり出したのですね。やはりそういう規格ができるまでに何らかの規制措置をしておかないと、規格ができたときにはもう不良材で自分の家が建てられておった、それで欠陥が出てきたということでは――先ほど、第二次五カ年計画でだいぶ井上委員からいろいろな議論がありましたけれども、やはり民間でプレハブをつくるということは非常に進んでくると思うのですね。そうしたときに、規格ができた、前のものは不良で欠陥がどんどん、ぽろぽろ出てきたということでは、私はたいへんな行政上の失態だと思うのです。そういう意味で、規格、JISが決定するまでの暫定措置としてはどういうようなことを具体的に考えておられるのか、その点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#115
○山下政府委員 私どもは、来年度予算でございますが、建材等の品質管理を工場に立ち入ってやっていく制度もいま考えておりまして、規格そのものは、法律に基づいて一度きめましたらその後何年も使えますので、急ぎましても二、三年かかりますから、その間は、いま先生のおっしゃる面は、実際の品質管理、また基準、寸法に沿った設備投資に政府の金融をつけていくというようなことで、できる面からやっていきたい、こう考えております。
#116
○松浦(利)委員 先ほど第二次五カ年計画で住宅局長からいろいろとお話があったのですが、実際にこれから終戦前、終戦直後の住宅をどんどん大量に改築していくということが、四十六年からずっとピークに向かって非常に急激にふえてくるだろうということが想像できるのです。そうすると、そういう人たちができるだけコストの安いものということで、いまはプレハブは高いのですけれども、やはりこれが規格化されてきた場合におきましては、このプレハブというものにどんどん移行していくと思うのですね。そういった場合に、いま言われたような措置というものが具体的に行政指導の面で出てこないと、せっかく改築してみたけれども規格が間違っておった、あるいは欠陥があったということになる。現に私の友人がプレハブでつくったところが、屋根が飛んじゃったのですね。屋根が、ばらばらなんてものじゃないのです。屋根そのものが吹き飛んで、そのままその屋根が向こうに飛んでいるのですよ。これは明らかに工法上の欠陥である。そのプレハブ会社の名前を私はここで言うつもりはありませんけれども、そういった問題というのが出てくると思うのですね。そういう点について、住宅の所管大臣である建設大臣から、このプレハブについて――いま局長もお話になりましたですが、いま困っておる国民に対してきちっとした行政指導がなされるのかどうか、業者に対してぴしっと指導がいくかどうかをお答えいただきたいと思います。
#117
○根本国務大臣 昨年の国会においても、特に万博に関連してにわかづくりのプレハブが出て、それが非常に迷惑をかけたという事態がありましたので、あれはいわゆるほんとうの意味の仮設的なものが多かったようですから、それを全部総点検させまして、適当ならざるものは全部行政指導をして、相当改善したと思っております。実務的なことですから、どの程度までこれに対して手当てをしたかは事務当局から御答弁させたいと思います。
#118
○多治見政府委員 お話の要点、幾つかございますが、規格化については確かにお話のように標準寸法の採用を現在提案しておりますが、これが全面的に採用されました場合には、プレハブの相当な工業化が進展するというふうに、先ほど化学工業局からもお話がございましたが、われわれもそれを期待しております。ただ、先ほどお話しのように、それが実現いたしますまでの当面の間、われわれとしては住宅生産の合理化という面でできるだけいろいろな手を打ちたいということでやっておりますが、当面考えられますのは、とにかく、公共的な住宅につきまして、とりあえずこれを規格化あるいは標準化いたしまして、それに民間の一つの手本といいますか、規範といいますか、基準といいますか、そういった役割りを果たさせまして、公営公団等についてこの規格化を進めていきたいということで、これは従来から非常に努力しておりますが、最近相当成果があがっておるというふうに考えております。この使用が一般の民間の建築に取り入れられました場合は、そういった規格化、基準化について相当な効果があがるというふうに考えております。
#119
○松浦(利)委員 住宅のコストを下げていく。もちろん土地の問題も大切ですが、住宅もそのもののコストを下げていくということで、これからやはり規格化という問題が当然出てくると思うのですね。そういう問題について、通産省のほうでは、どういうことをいま具体的にコストを下げるための方法として検討をされておるのか、簡単でいいですから御説明をいただきたいということが一点です。
 それからもう一つは、これは私はちょっと新聞で拝見をしたのですけれども、住宅部品その他の流通センターが十億円の資本で板橋のほうに発足をしたということです。そういうところが発足したというだけで、どういう場所でどういうことをするかというのはまだ具体的にきまっておらないようでありますが、いずれにしても、そういう物流センターというか、流通センターといいますか、そういうものがプレハブに対しては東京にでき上がってきておる。それは東京だけにそういうものができたのですが、これを全国的にブロックごとに指導していく方針というものを現在通産省で考えておられるのかどうか。
 この二点について簡単に伺いたい。
#120
○山下政府委員 第一点でございますが、御承知のように、産業構造審議会の答申を受けまして、通産省としては、プレハブ関係の値段を三割五分五十五年には安くしたいという目標でやっておりますが、規格の作業は、現在、居室を中心に全国六地区で実態調査を行ないまして、大学あるいは設計技術者によって、住宅の基本設計、構造設計を行ないまして、また、パネル等につきましても、試作、性能試験、また輸送、建て方に関する調査研究を終えまして、台所、浴室、便所等のいわゆるユニットに関する調査をいま実施しております。来年度にはハードユニットの設計、試作も居室の地震荷重試験をいたしまして、はりとか床等の寸法の詳細も調査して、集合住宅用の付帯設備の案をつくっていきたい、こういう段階でございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、最後にでき上がるまではもう二、三年おかしいただきたいというのが実情でございます。
 第二点の物流センターでございますが、これは幸い民間の協力を得まして十億円の資本が集まりましたので、株式会社として、東京の板橋に、建設省さんともお話しして土地をきめて、ただいま初めてそこにビルを建てる段階でございます。会社はでき上がりましたが、ビルの設計にいま入っております。私どもとしましては、これが成功のめどがつきましたら、全国に次々と拠点を選びまして拡充していきたい、こう考えております。
#121
○松浦(利)委員 全国的にその物流センターというものができていく、コストダウンをはかっていくということで大体わかったわけでありますけれども、問題は、土地価格を押えることと同時に、その住宅費というものを押えなければならぬわけでありますから、住宅資材のほうも押えなければいけないわけであります。通産省のほうで、いま言われたことをぜひ早急に国民のために実施をしていただいて、安くてしかも良質なものを国民が建てることができるように、そして入ることができるようにしていただきたいということを通産省の方に希望として申し上げておきます。
 これで通産省のほうの質問を終わらせていただきます。
 続いて大臣に、これは世間に非常に不安を与えておることですからひとつお尋ねをしておきたいと思うのですが、あのロサンゼルスの地震で、現在の日本の工法では、六階以下の現在の鉄筋工法では非常に問題があるのではないかということが実は新聞に出ておるのです。これは実際に具体的に地震が起こったのではもうおそいわけですからね。そういう建築基準の技術基準の改正という問題をどういうふうに考えておられるのか。中高層のこの問題について大臣のほうの御所見を承っておきたいと思います。非常に国民に不安を与えていますから。
#122
○根本国務大臣 ロサンゼルスにこれは調査にやりまして、その結果に基づいていま御指摘のような点は点検させようと思っています。いままでの事務当局並びに研究機関の報告によりますと、日本においては、大部分の建物は、東京近辺は震災後につくったのであり、また、建設基準法も東京震災を一番の下のリミットとしてやっているからだいじょうぶだとはいっています。しかしながら、いま御指摘のように、国民の不安があるといけませんから、ロサンゼルスに行ってきた後それを解析して、その結果、日本の現在の基準法で、これでいいならば、なぜだいじょうぶかということを公表させる。もしこれが非常にあぶないものがあるというならば、これは今後基準法の改正を必要とするならば改正もさせますし、また、現状のままで建物自身を改善する必要があればそれをさせる。こう思っています。
#123
○松浦(利)委員 続いてこれはぜひお尋ねしておかなければならない問題の一つですが、この前も物特で大臣とやりとりいたしましたが、確かにどんどん建つのですね。第一次、第二次五カ年計画でどんどん建つ。ところが、東京都内の木賃アパート、共同便所、共同炊事場というスラムのようなところがあるわけですね。これを建てかえさせなければどうしても国民の住宅難というのは解消されてこないと思うのです。こういうものに対してどういう方向で指導しようとするのか。融資といったことも、こういう木賃アパートに対する融資その他については全く閉ざされていますね。だから都市再開発という問題も含めての一つの構想ですが、そういった住宅に住んでおる家主さんたちと話をして、できるかできないかは別にして、それをこわして――破壊からの建設ですから、一応こわして、そして今度新たなところに住宅を移す。こういったことで、中心部にある木賃アパートのあとは緑地にするとか、あるいはその他の子供のチビッコ広場にするとか、ちょうど建てかえ時期に来ておるそういう木賃アパートに対しての関連させた施策というものがあるのかないのか、具体的にお聞かせいただきたいと思う。簡単でけっこうです。
#124
○多治見政府委員 簡単というお話なので簡単に申し上げますが、確かに、お話のように、現在木賃アパートは住宅政策の一つのウイークポイントでございます。これに対する政策をどうするかということをわれわれ日夜いろいろ考えておるわけでございますが、問題は、あの木賃アパートの一つ一つのロットが非常に小さいことでございます。先ほど、現在何にもしていないのではないかというお話がございましたが、公庫の融資で、融資対象として、土地担保賃貸住宅等で、鉄筋アパートとしてあれを建て直すという制度はあるわけでございます。ただ、その制度が適用されないのは、やはり一つ一つのロットが非常に小さいということ、これが一番大きな難関でございます。
 それから、お話のように、どこか別に公的な住宅を建てまして、あすこに入っておられる方を移して、そのあと地を利用するということが考えられるわけでございますが、御承知のように、木賃アパートに現在お入りになっている方々は、立地制限型といいますか、収入条件その他からいいますともっと良好な住宅に入れる余裕のある方も相当入っております。ただ、その場所におりたいということで劣悪な条件を甘受して入っておられるという方も相当あるわけでございます。そういった条件がございますので、いろいろな複雑な問題がございますけれども、これは申し上げますと時間がかかりますので……。ただ、われわれといたしましても、その問題の解決につきましてはこれから真剣に検討しなければいかぬということで考えていることだけは申し上げておきます。
#125
○松浦(利)委員 局長、そういう環境に甘んじておる、そこにおりたがっておる、そういうことじゃないと思うのですよ。やはりスラムのようなところにおるよりもりっぱなところをつくる、そういった方向で指導していくということが住宅行政として必要だと私は思うのですよ。そうしないと住宅の二重構造ができ上がってしまうと私は思うのです。だから、その住宅の二重構造をなくすための手段として、いま言ったような考え方でなくて、抜本的に問題を検討して二重構造をなくしていくという方向にぜひ努力してもらいたいと私は思うのです。その点を、これはもうさっき答弁をいただきましたから、そういうことではいかぬということで、希望として意見を申し上げて私のいまの質問は終わらしていただきます。
 続いて、具体的にこの農住法案の内容に入りたいのですけれども、実は、この内容でいきますと、来年度二千戸つくるというのですね。五万戸のうちの二千戸です。ですから四カ年に四万八千戸つくるのですね。そろばん勘定はそうなんですね。ところが、具体的に四十六年度二千戸ですね。いますぐ実際二千戸をこの農住構想のもとでつくれるのかどうか。そのことについて局長、どうですか、つくれますか。自信がありますか。
#126
○多治見政府委員 五年間で五万戸建設するという計画で、初年度二千戸、はなはだ平仄の合わない数字というふうにおとりの向きが多いようでございます。われわれといたしましては、二千戸は確かに少ないわけでございますが、ただ、制度が発足いたしましてこの制度に乗ってくるまでの準備期間というのがある程度ございますので、初年度は一応融資、利子補給できる段階まで進めるのが二千戸、ただ、準備といたしましてはこれの五倍ないし十倍程度の計画は進めていくということで、四十六年度に利子補給契約までこぎつけられるほど熟した計画の戸数が二千戸というふうに考えておりますので、この戸数は絶対達成できるというふうに考えております。
#127
○松浦(利)委員 それで、いま利子補給するものとして二千戸ですね。その利子補給は十年間でしょう。そうすると融資期間は二十五年間で、残りの十五年間は利子補給を打ち切るわけですね。そうすると、その十年間たったところで家賃がぽっと高くなるのじゃないですか。提供した地主さんはもう家賃をもらって生活する以外にないわけです。そうでしょう。そうすると、いまは利子補給をしてくれるから、五・五%までなるように三・五%のワクで利子補給してくれるから、十年間はいい。ところが、十年先になったらその分も自分で負担しなければならないという現実ができますね。そうするとどうしても家賃を値上げしなければならぬ。その地主さんはほかに収入がないのですからね。そうすると、これは十年先には家賃は上がりますぞという農住構想だというふうに理解していいですね。どうですか。
#128
○多治見政府委員 この制度で考えております基本的な考え方は、十年間は五・五%の利子で融資を受けられる。それによって住宅を建設いたしまして入居者に貸す。ただ、その家賃の計算は、二十五年間五・五%の利子補給で元利均等で償還するという計算で家賃をきめて、それで入居者に貸すということを考えておるわけであります。二十五年間は、五・五%の利子で建てた住宅と同じ家賃で入れるというのをわれわれとしては希望しているわけでございます。ただ、利子補給が打ち切られますので、利子補給をやめました十年以降につきましては、政府としては家賃の規制を全然しておりません。したがいまして、そのときの一般的な融資条件その他で上がる可能性もあるわけでございます。ただ、今後十年たちました場合には、勤労者の所得も向上いたしますし、市中の金融条件も変わってまいりますので、五・五%の金利で十年間の融資を受けられれば、十年後は一般的な市中金利で家主が金融を受けて、その受けた金融条件で計算した家賃で入居者に貸しても経営はできるだろう、特に立地条件その他がだんだんよくなってくるわけでございますので、そういった条件で家賃を計算して貸しても十分採算はとれるであろうということを想定しているわけでございます。
#129
○松浦(利)委員 大臣、これは発想としては非常にいい構想だと私は思うのです。何か、閣議の最終になって大臣が提案されてばたばたときまったというように私はお聞きしておるわけですけれども、しかし問題は、これが十年たったあとはどうなるかです。建設省が利子補給しておる間、国が利子補給しておる間はこの住宅はある程度公営に準ずるような形のコントロールがきくのですよ。しかし、それ以降は全く民間と同じような野放しの状態になる可能性があるのですね。しかも上がらないことを希望するということでありますが、そうじゃなくて、むしろ利子補給というのはもっと長期にわたってやるべきではなかったか、かように私は思うのですが、いまはもう法案が提案されておるわけでありますから、将来の問題として大臣の考え方をひとつ述べていただきたいと思います。
#130
○根本国務大臣 これはあなたのような発想もあるのです。けれども、これはまず端的に言いますと、とにかく大蔵省はなかなかこれに踏み切れなかったのです。けれども、いまの農地の転換の問題と、それから現実に都市近郊における住宅難ということからこれはやったわけでありまして、いろいろと欲を言えばまだまだ私もやりたいことがあります。しかし、まずこれでやってみて、そうしてとにかく十年間やればかなりのプラス、マイナスの面がはっきりしてくると私は思います。その時点において再検討してもよろしいという意味でこれをやっておるわけでありまして、もう固定的にこれ以外に全然変えないというようなことでもないし、十年間の成果を見てさらに利子補給してやるべきか、あるいはまたさらに法的な規制をやるべきか、あるいはまたこれを他の方法で、たとえば金融面で別個にまためんどうを見る、利子補給しないで低利資金そのものを今度は貸してやるというような方法もありゃしないか、いろいろそういう点は弾力的に考えて今後に処したいと思っている次第であります。
#131
○松浦(利)委員 よくわかりました。将来に向かってぜひ改善できるように、せっかく入った人の家賃が上がることのないように、前向きに御協力と指導をお願いしたいと思うのです。
 それから次に、この法案の政令できめる部分ですね。私はこれは非常にむずかしいと思うのです。極端に言うと、一団地の面積が二ヘクタール以上、それから水田の面積が二分の一、住宅戸数は大体二百五十戸以上、こういうふうに規制されておりますね。そうすると、実際に水田が二分の一なければならないというきびしい規制があると、大臣、こういう住宅団地というのはなかなか構成されてこぬのじゃないか。逆に言いますと、ばらばらばらばら、おれのところはよろしい、おれのところはよろしいと、これだけの大きな面積の中で、希望する地主があちこち点在しております。一部分が、いや、おれのところはいやだというと、なかなか住宅団地として土地が集まらないのですね。そういうことについてはどういう指導をされようとしておるのかということが一つ。
 それからもう一つは、私は近郊農協を調べてみたら、これは八王子農協ですが、農協がアパート等に貸す場合は大体建築費の七〇%しか金を貸さぬのですね。そうすると、建築費の七〇%しか貸さぬのだから、三〇%は自分で出さなければいかぬですね。利子補給はしてくれるが、三〇%は自己資金で出さなければいかぬ。だから、これを建設省が農協のほうに指導して、こういった農住構想については金を貸せ、こういうふうに指導なさるのかどうかというのが二点。
 そうすると、農協は担保物件を取らなければ金を貸さないのですよ。その土地に対して担保として貸すということになれば、その土地の担保としての能力、内容によって金の貸し方が変わってくると思うのですね。そういった問題をどのように農協側と話し合いをしようとしておられるのか、その点をはっきりしていただきたいと思います。また、そういう面についての何かの規制をしようとするのかどうか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
#132
○多治見政府委員 第一点のお話でございますが、この制度で一応二ヘクタール以上または二百五十戸以上の団地ということでやっておりますので、市街化区域内でこの事業を実施いたします場合には開発許可をとる。あるいはもう少し大きくなりますと当然区画整理でやるということになっておりますので、都市計画決定に従いましてこの事業を実施する以外にはないわけでございまして、その面の解決は都市計画の決定者でございます知事の段階で調整できるというふうに考えております。
 それからもう一つ、次のそれぞれの単位農協におきまして、融資率の内規といいますか、規定を現在確かにいたしておるようでございまして、それぞれの農協によって違うようでございますけれども、大体七割というのが普通のようでございます。したがいまして、われわれは現在建築資金の一〇〇%を貸せということで交渉いたしておりますが、それはもちろん法的に強制する根拠はございません。ただ、農林省その他関係当局との打ち合わせ、それから今後の指導によって一〇〇%を貸してもらいたいということで強力に要請いたしております。現在までのわれわれの希望的な感じもあるかもしれませんが、大体一〇〇%貸していただけるのじゃないかということで、いまのところは一〇〇%ということで話を進めております。
#133
○松浦(利)委員 一〇〇%貸すということでなければ――これは建設省住宅局が調査したもので、ここの調査室からもらったものですが、四十四年十月の「東京近郊農家の住宅経営についての意識調査結果」を見ますと、確かに、いま言われた構想に従ってやりたいけれども――この構想が出る前のことですが、住宅をつくって提供したいけれども、自己資金がないのだ、自己資金を出すのは反対だという農民が非常に多いというのですから、一〇〇%金を貸さぬということになれば、私は、あまり期待できないのじゃないか、地主さんがあまり乗り気になってこぬのじゃないかと思います。頭から一〇〇%出すということでぴしっと農協との間にひもをつけて――ひもと言ったら悪いけれども、そういう約束ごとをぴしっとしてもらいたいというふうに私は思うのです。
 それから、今度の問題は、農協が土地に対して融資するのでしょう。金を融資して家が建つのでしょう。そうすると、農協自体が担保権としてその家を握るということになりますね。そうした場合に、極端に言うと、農協に対する返済金が滞った場合、たとえば十年の利子補給期間中はすっといったけれども、今度は急に上がって利子をよけい払わなければいかぬことになった場合、入っておる者は家賃を上げるなということで、そうするとだんだん家主さんが困る。そして農協に返済できなくなったときに、その家というものは農協が担保権を設定しておるのだから取り上げるということになりますね。結果的に農協がその家を取り上げて農協の所有住宅ということになる。こういう点についてはどのように規制を加えようと考えておられるのか。また、それでいいのか。もうそれはしかたがないというふうに思っておられるのかどうか。その点をはっきりさせてもらいたい。
#134
○多治見政府委員 確かに、事業者は金融機関から融資を受けて建設するわけでございますので、その融資に対する返済ができなくなった場合は抵当権の行使という事態も考えられるわけでございます。これは一般の金融常識としてやむを得ないというふうに考えております。ただ、この事業の性質上、特に家賃規制をいたしまして、家賃の収入で融資が償還できるという計算になっておりますので、金融機関といたしましても、この返済についてはほとんど心配はないということで融資をするわけでございます。また、事業の実態も、返済が滞るとかあるいは返済が不能になるということはほとんど考えられないわけでございまして、特殊な例外として、不良な入居者がおって家賃を払わぬという場合に、家主が償還金に困るというような場合も考えられます。したがって、御質問のように、融資金の返済が滞って融資機関が抵当権を行使するということも考えられるわけでございますが、ただ、その場合は、これはあくまで融資機関と事業者との関係でございまして、抵当権を行使して融資機関がかりに所有権を取得したという場合におきましても、入居者につきましては借家法の保護の規定がございますので、借家法の保護の規定によりますと、入居者は従来の賃貸借の条件で新しい家主に対抗できるというふうになっております。入居者の保護という面につきましては、その点は心配ない。法的な規制としてはそういうことになっております。
 また、実際問題といたしましても、当初の入居条件について、もとの家主と入居者の間に契約があるわけでございますが、融資機関といいますと大体農協系統の金融機関でございますので、こういった金融機関がそうあこぎな家賃の値上げ要求をするようなことは考えられないということで、入居者の保護については特に御心配は要らないのではないかというふうに考えております。
#135
○松浦(利)委員 利子補給契約の内容ですね。結局、金融機関との間で、第五条で「政府は、利子補給契約を結ぶ場合には、」云々というのがあります。この利子補給契約という内容に具体的にそういったことは記載するという。入居者の保護の問題とか、あるいはそういった場合の問題、そういったことを利子補給契約を結ぶ場合に考えておられるのかどうか。どういう契約内容なのか、できればひな型を一ぺん本委員会に出していただくといいと思うのですが、その点についてちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#136
○多治見政府委員 実は、ひな型をお示しできればよかったのでございますが、そこまで準備はまだ進んでおりませんが、利子補給契約の内容といたしましては、これは当然の話でございますが、事業主体、それから対象融資の目的とする賃貸用住宅の特定、それと対象融資の予定額、幾ら貸すかということ、それからそれに対します利子補給の率、それから利子補給期間――十年間でございますが、その間において補給金として支給される限度額、これは法律に規定がございますのでどうしても書かなければいけない内容でございます。それから融資機関の責めに帰すべき事由で利子補給を打ち切られた場合、これについては、利子補給契約の中で、融資機関のほうの責めで利子補給が打ち切られた場合は、打ち切られてもなお十年間は五・五%の利子で融資を受けるということは利子補給の契約の内容としてはっきり規定いたしたいというふうに考えております。
#137
○松浦(利)委員 いまの利子補給の内容のことで、大体理解ができましたけれども、ここに農林省の櫻井計画部長が御出席のようですが、もう一つの問題は、都市近郊の、五十万都市というふうにいま指定されておるわけですが、たとえば東京なら東京近郊に、農住構想に従って住宅地として供給できるような農地というものは一体どれくらいあるのですか。具体的に言うと、二ヘクタール以上の用地でこういった構想に従ってやれるようなところがどれくらいあるのか。その点、農林省の計画部長が来ておられるのでひとつ御説明いただきたいと思うのです。
#138
○櫻井説明員 首都圏内で二万五千ヘクタール程度見込まれております。
#139
○松浦(利)委員 首都圏内でいま二万五千ヘクタールということですが、そこでちょっと具体的にお尋ねをいたしますが、農地でありながら区画整理をするということがあるんですか。宅地にするために区画整理を始めるということが農地の場合可能なんですか。計画部長、その点はどうですか。
#140
○櫻井説明員 土地改良法による区画整理は農地に使うものだけに限っております。
#141
○松浦(利)委員 計画部長に調べて報告してもらいたいのですが、江戸川区の堀江町に高射砲陣地があるのです。これはいま問題の二円五十三銭で払い下げる云々という国有地がたくさんあるところなんです。そこを区画整理をどんどんやっている。堀江町区画整理組合というのができて区画整理を始めて、これは三井不動産という不動産会社もすでに区画整理に参加している。国有地も初めて区画整理の対象になっている。計画部長、ひとつそのことを調べて、本委員会のほうに、私のほうでけっこうですから、調べた結果を御報告いただきたいと思います。そういったものもこの農住構想の対象になり得るのかどうか、その点をはっきりしてください。
#142
○多治見政府委員 区画整理を実施いたしまして、この制度の対象になり得る土地がある場合は、当然この制度の対象として考えたいと思っております。
#143
○松浦(利)委員 水田でなくともいいわけですね。
#144
○多治見政府委員 先ほど申し上げましたように、この制度の対象となり得るといいますのは、水田が五〇%以上あるという条件があればということでございます。
#145
○松浦(利)委員 そういった国有地で、水田でなかったけれども、相当広範囲なところで区画整理が行なわれておる。そういうところもこの農住構想の対象にしてやれば、国有地も含めておるわけですから、江戸川区で東西線の駅もできたし、そういう意味では住民にとってなかなかいいんじゃないかと思うのです。ですから、あまり水田だ、水田だというところだけに拘束されると、計画がせっかくここにあるのに、水田の二分の一ということにこだわって、わざわざ遠くのほうにつくらざるを得ない。手前を飛び越えて遠いところにこの農住構想に従った団地ができ上がると、その周辺がスプロール化されて、そこに今度はまただんだん民間デベロッパーが入ってきて、極端に言うと民間デベロッパーがそういったところを押えてしまう。地価の高騰を呼ぶ。こういった呼び水になるということを非常におそれるのです。そういう点についてどういうふうに考えておられるのか。これは大臣からお聞きしておいたほうがいいので、大臣からお聞かせいただきたいと思います。
#146
○根本国務大臣 この農住構想は、いまの法律の規定しておることを変えて運用することはできません。ただし、いまの国有農地等のものは別途に活用すべきでありまして、これと農住構想とを無理に結びつけることはちょっとむずかしいと思います。これは別個に活用するように配慮したいと思います。
#147
○松浦(利)委員 それからもう一つ。せっかく地主が提供した土地に入るのですから、この農住構想に従って地主が土地を提供する場合は、事前にこういったところに入りたい人はおりませんかといって公募して、そして、地主と入ろうとする人との間の話し合いによって、一つの規格に従った住宅というものがつくられていく。この農住構想がせっかくできるわけでありますから、考え方としてそういう行政指導というものはなし得ないのか。いままでは、つくって、さあ来いですけれども、つくる前に入ろうとする住民との間に意思疎通して、それに沿ったものをつくっていく。そうすると、家賃の問題とかなんとかいう問題も事前に解消していくのではないかと思うのですが、そういう点についてどういうふうにお考えになりますか。
#148
○多治見政府委員 確かに、お話しのようにそれは一つのアイデアでございます。この法案ではそこまでは規定しておりませんが、公募のしかたいかんによっては、お話しのようなアイデアを生かして、事前に入居者と話し合いのできる段階で話し合いをして、その入居者の希望に応じたような賃貸住宅を建てていくということもこの制度では可能であると考えております。
#149
○松浦(利)委員 それからもう一つお願いをしておきたいのですが、地主の人たちは、お百姓さんは、先ほど言いましたように、一〇〇%農協が貸してくれれば建設費は自己資金で出さなくてもいいわけですね。ところが、今度は取りつけ道路をつくらなければならない。あるいは学校施設とか、幼稚園とか、子供の緑地帯とか、そういった区画整理による減歩をしなければいかぬわけですね。そういった問題について何らかの――税的な措置というのはたくさんあるのです。いろいろな形で税制措置はありますが、さらにそれに対して、税制措置によって、そういう農民の人たちが進んで法の構想に従えるような方法というものは考えられないのかどうか、その点について大臣どうでしょう。
#150
○多治見政府委員 事務的には、先ほどお話ししましたように、この事業を実施する場合に、区画整理の事業の一環として実施するというケースが多いと思います。そういった問題については、区画整理全体の問題として都市計画で考えていくということで解決したいというふうに考えております。
#151
○松浦(利)委員 約束の時間が来ましたから、私の質問はこれで終わらせていただきますが、確かに、この農住構想そのものが、国民に期待を与える、都市近郊の勤労者に期待を与える法案であるということは私は率直に認めます。ただ、しかし、それにさらにもう少し分析、検討を加えていただいて、これが住宅不足に悩んでおる都市周辺の勤労者にほんとうの意味の住宅を与えるということになるように、また、土地を提供する地主、農家も進んで土地を提供するというような方向にぜひ指導していただきたいことと、将来に向かっての法案の整備ということを最後にお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#152
○金丸委員長 阿部昭吾君。
#153
○阿部(昭)委員 時間がないようでありますから簡潔に伺います。
 いま松浦委員がお尋ねをいたしましたが、都市周辺の「水田の宅地化に資すること」ということを本法の第一条で明らかにしておるわけであります。都市周辺の水田というのは、農地としては、ある意味でいえば平たん地であり、優良農地ということになろうと思います。かりに、水田としての農地利用でなくて、野菜をやるにいたしましても、何をやるにいたしましても、優良農地ということになろうかと思うのであります。したがって、現在法律では市街化区域の中に限定をして今回の農地所有者等の賃貸住宅を構想しておるわけですが、この考え方が、「水田の宅地化に資すること」という考え方でだんだんだんだんワク組みをはずして広げていくということになると、これは農地サイド、農民の側の立場からいいますると、それなりにまた新たな問題が出てくるんじゃないかという心配もあるのであります。こういう面について農林省は一体どういうふうに考えておるのかということを、今後のため、念のためにこの機会にお聞かせをいただきたい。
#154
○櫻井説明員 先生のおっしゃいますとおりに、この賃貸住宅は市街化区域内に限って行なわれるということになっております。が、御承知のように、市街化区域の決定にあたりましては、建設大臣と農林大臣が十分協議をいたしまして、農業上の土地利用と調整をはかるということになっております。この調整をはかる際に、今後とも農業上の土地利用をはかっていくべきものということで、集団的優良農地等はこの市街化区域に含めておりませんので、御心配になるような、無制限に優良農地がつぶれるということはないと考えております。
#155
○阿部(昭)委員 終わります。
#156
○金丸委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#157
○金丸委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 内閣提出、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#158
○金丸委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#159
○金丸委員長 ただいま議決いたしました本案に対しまして、天野光晴君、阿部昭吾君、小川新一郎君、吉田之久君及び青柳盛雄君から附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者天野光晴君から趣旨の説明を求めます。天野光晴君。
#160
○天野(光)委員 ただいま議題となりました農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党を代表して、その趣旨を申し上げます。
 御承知のごとく、昭和四十六年度は第二期住宅建設五カ年計画の初年度に当たります。現在、大都市及びその周辺都市は深刻な住宅難となっており、われわれはその解決に重大な関心を持っておるのであります。ただいま議決されました法案は、住宅不足の著しい地域において農地所有者等がその農地を転用し、居住環境が良好で家賃が適正な賃貸住宅の建設を行なうため必要とする資金の融通について政府が利子補給をしようとするもので、まさに時宜に適したものと考える次第であります。しかし、これらの内容をさらに実効あるものにするため、政府は、法の施行にあたり、次の諸点につきまして必要な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきことを強く要望してやまないものであります。
 すなわち、その第一点は、特定賃貸住宅は都市計画に適合した公共施設、生活利便施設の整備された、環境の良好な一団地として建設するよう指導し、かつ、国または地方公共団体は必要な援助を考慮すること。第二点は、適用地域は、実情に応じ、地方都市にまで拡大するよう配慮すること。第三点は、特定賃貸住宅が建設される一団地に占める水田の面積の割合については、本制度の趣旨に即しつつ弾力的な運用ができるよう検討すること。第四点は、家賃に占める地代相当額はできる限り低額とするよう指導し、家賃の低廉化をはかること。第五点は、利子補給の契約が終了した後、家賃その他賃貸条件に急激な変動がなされないよう適切な指導を行なうこと。
 以上が農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案に対する附帯決議案の趣旨でありますが、委員各位の御賛成をお願いいたしまして、説明を終わります。
    ―――――――――――――
   農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案に対する附帯決議(案)
 住宅不足の著しい地域における農地の所有者が、その農地を転用して建設する一団地の住宅建設を促進するために、政府は、本法の施行に当たつて左の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一 特定賃貸住宅は、都市計画に適合した公共施設・生活利便施設の整備された環境の良好な一団地として建設するよう指導し、かつ、国又は地方公共団体は必要な援助を考慮すること。
二 適用地域は、実情に応じ、地方都市にまで拡大するよう配慮すること。
三 特定賃貸住宅が建設される一団地に占める水田の面積の割合については、本制度の趣旨に即しつつ弾力的な運用ができるよう検討するこ
 と。
四 家賃に占める地代相当額はできる限り低額とするよう指導し、家賃の低れん化を図ること。五 利子補給の契約が終了した後、家賃その他賃貸条件に急激な変動がなされないよう適切な指導を行なうこと。
  右決議する。
    ―――――――――――――
#161
○金丸委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 本動議に対し、別に発言の申し出もありませんので、これより採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#162
○金丸委員長 起立総員。よって、天野光晴君外四名提出のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、根本建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。根本建設大臣。
#163
○根本国務大臣 委員各位の連日御熱意ある御審議に対しまして、まず心から感謝の意を申し上げます。
 ただいま御決議のございました農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案に対する附帯決議につきましては、政府といたしましても、御趣旨を尊重し、その運用に遺憾のないように措置してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#164
○金丸委員長 ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#165
○金丸委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#166
○金丸委員長 次回は、来たる三月十日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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