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1970/03/19 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 運輸委員会 第13号
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1970/03/19 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 運輸委員会 第13号

#1
第065回国会 運輸委員会 第13号
昭和四十六年三月十九日(金曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 福井  勇君
   理事 宇田 國榮君 理事 加藤 六月君
   理事 徳安 實藏君 理事 箕輪  登君
   理事 村山 達雄君 理事 斉藤 正男君
   理事 松本 忠助君 理事 河村  勝君
      唐沢俊二郎君    佐藤 孝行君
      菅波  茂君    砂田 重民君
      關谷 勝利君    中山 正暉君
      西村 英一君    古屋  亨君
      村田敬次郎君    井岡 大治君
      内藤 良平君    田中 昭二君
      宮井 泰良君    和田 春生君
      田代 文久君
 出席国務大臣
       運 輸 大 臣 橋本登美三郎君
 出席政府委員
        運輸大臣官房観
        光部長     住田 俊一君
 委員外の出席者
        運輸委員会調査
        室長      鎌瀬 正己君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十九日
 辞任         補欠選任
 小此木彦三郎君     中山 正暉君
  中馬 辰猪君     村田敬次郎君
  久保 三郎君     河野  密君
同日
 辞任         補欠選任
  中山 正暉君    小此木彦三郎君
  村田敬次郎君     中馬 辰猪君
  河野  密君     久保 三郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 旅行あっ旋業法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第八九号)
     ――――◇―――――
#2
○福井委員長 これより会議を開きます。
 旅行あっ旋業法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。河村勝君。
#3
○河村委員 もうすでに説明があったと思いますけれども、現行旅行あつ旋業法における登録業者数は何人ありますか。
#4
○住田政府委員 お答え申し上げます。
 現在の旅行あっせん業者の数についてでございますが、一般旅行あっせん業者は、昭和四十六年の三月四日現在で百二十七社でございます。それから邦人旅行あっせん業者は、昭和四十五年の七月末現在で三千五百九十一ございます。それから代理店の数は、昭和四十五年の十二月末現在で三百五十六ございます。
#5
○河村委員 今度、旅行者保護の見地から新しく法改正する際に、その中で整理に値する、整理すべき業者というのは、一体何人ぐらいありますか。
#6
○住田政府委員 お答え申し上げます。
 正確な数字はまだはっきりわかりませんが、私どもの推定によりますれば、現在二割程度でございますね、二割程度は、現在看板を上げておって実際に仕事をしていないというのもございます。したがいまして、今度本法ができた暁には、そういった問題がすっきり整理されるのじゃないか、かように考えております。
#7
○河村委員 看板を上げて仕事をやらないというのは、別段旅行者に被害を与えているわけではないわけですね。もともとやる能力がないと、そういうことですか。
#8
○住田政府委員 お答え申し上げます。
 確かに看板を掲げておりますが、実際にやっておるのは年に一、二回とか数回でございまして、あとはほとんど仕事をしていない、そういうのが実情でございます。
#9
○河村委員 いままで旅行者に被害を与えた実例それは一体この四千くらいの業者の中で、どのくらいがそういう実際に被害を与えた実例があるのですか。
#10
○住田政府委員 お答え申し上げます。
 いろいろと現在の旅行エージェントがトラブルを起こしておる例は、相当私どものほうにも苦情が来ております。大体私どものほうで取り扱う苦情といたしましては、週に二、三回来ておりますが、実際いわゆる営業保証金の還付ですね、そういったような実例が出たのは、私どもの統計では非常に少のうございまして、東京都で六件、全国で年間わずかに十数件、こういう実情であります。どのくらいの数かといいますと、まだはっきりした数字はつかんでおりませんが、いままでの苦情から見ますると、そういった苦情を起こしたような業者は相当数あると思いますが、いまお話ししましたように、還付を受けたような例は年間十数件、こういうところでございます。
#11
○河村委員 そういう場合に、現行法でも登録取り消しの規定があるわけですね。実際それで登録取り消しをやった例はありますか。
#12
○住田政府委員 いままで私どもの調べたところによりますと、登録を取り消したのは東京都で二件ございます。それから、更新登録の際に取り消したのが、年間十数件ございます。
#13
○河村委員 一件当たりの被害金額というか、要するに旅行者に被害を与えた金額ですね、それは一体どのくらいの幅ですか。
#14
○住田政府委員 いままで私どもへ来ておりますいろいろな報告によりますと、金額の問題よりはむしろ苦情が非常に多いわけでございます。たとえば、違約金がもらえなかったとか、高かったとか、あるいは一流ホテルが二流になった、こういう例がございます。
 それから、御質問の金額でございますが、これは平均いたしまして、いままで二十万円前後でございます。こういうふうになっております。
#15
○河村委員 今度、営業保証金の最高限度を上げるわけですね。その際、いままでの説明だと、一般旅行業者が二百万、それから国内が七十万ですか。そうしますと、いままでの被害金額から見ると、それほど上げる必要がないように思われる、が、その点はどうなんですか。
#16
○住田政府委員 ただいま私、二十万円と申しましたけれども、平均が二十万円でございまして、今後いろいろと海外旅行のパッケージなんかふえますと、相当な額になります。そこで、私どものほうではいろいろと計算しまして、七十万円というのが一応平均した数字じゃないかというふうに考えたわけでございます。今後、実態から見ますると、いままでのような七万円ではとてもこれは保証できない、こういう感じで上げたわけでございます。
#17
○河村委員 七万円でできないことはわかりますが、しかし、実際の被害の実績が二十万程度であるというのに、一挙に営業保証金を二百万とか七十万とかいうように上げるのは、少し異常じゃありませんか。いかがですか。
#18
○住田政府委員 いまお話をいたしましたように、今後の賠償額というものが非常にふえてくることは、可能性が予想されるわけでございます。そこで、やはり私どもでは最低限度七十万円、こういったことでないとなかなかむずかしいのじゃないか。
 たとえば、こういった例を御紹介いたします。私どもこの額を算定いたしましたのは、次のような根拠もあるわけでございます。かりに香港とか台湾のバルク運賃の旅行の場合ですね、運賃が六万円で最低旅客数が三十五名、こういった場合に、この主催旅行がもし失敗した場合は、二百万円ぐらいの損害になるということをまず根拠に置いたわけでございます。それから、国内旅行の場合は、大体貸し切りバスを想定いたしまして、現在一旅行当たり四十名ないし五十名行く、そういうことを想定いたしますると、大体七十万円程度の損害を与えるだろう。こういうようなことをいろいろ勘案いたしまして一応七十万円、こういう数字が出たわけでございます。
#19
○河村委員 その計算の根拠は一応わかりますけれども、実際具体的にそれほどの被害はないのに、相当大幅な金額を最高限度としてつくるわけですから、それなら、やはり法律に最高限度はきめるのがほんとうじゃないですか。
#20
○住田政府委員 この問題について、いろいろと私どもこの法律の審議にあたって、先生のおっしゅる点も十分審議したわけでございますが、御承知のように、旅行業界というのは時代の趨勢に従って非常に変化が激しい業界でございます。それで、特にいまお話ししましたように、パッケージツアーとかいろいろな新しい旅行形態ができております。そういったような情勢に即応するには、むしろ省令によってきめたほうが実態に即し得るんじゃないかという点が第一点。
 それから第二点は、さればといって行政庁たる運輸省が、恣意的に自由にこれを変更するということはできない。と申しますのは、先生お手持ちのこの法律の十一条の中で、営業保証金の額は各営業所ごとについて、「一般旅行業及び国内旅行業の別に、旅行業務に関する取引に係る債務の額」、それから「弁済の状況その他旅行業務に関する取引の実情」、それから「旅行業務に関する取引の相手方の保護を考慮して、」こういった限定があるわけですね。ですから、私どもが省令をきめるという場合にも、当然十一条の法律の趣旨をそんたくしてやることになります。したがいまして、そういった恣意的あるいは独善的にやるというようなことはなく、また、私どもこれをきめる場合には、もちろん業界その他関係方面と十分に連絡して遺漏のないようにしたい、かように考えておる次第でございます。
#21
○河村委員 次に、旅行業務取扱主任者のことで伺いますが、この選任された旅行業務取扱主任者というのは、法律的に何らか責任と義務を持つものですか。
#22
○住田政府委員 お答え申し上げます。
 この取扱主任につきましては、本文の十一条の三に書いてございますが、旅行業者は各営業所にこういった主任者を選任いたしまして、旅行業務に関して、「取引に係る旅行に関するサービスの提供の確実性、」だとか、あるいは「取引条件の明確性その他取引の公正を確保するため必要な管理及び監督に関する事務を行なわせなければならない。」こういう規定がございます。この本条をそもそも設けた理由は、責任の問題ということもさりながら、むしろ取引の明確化、お客さまに対して取引をはっきりさせるということ、そして取引の確実性というものを担保する、こういうことで全体に業界のレベルアップをはかろう、これがねらいでございます。
 また、この取扱主任者は、あくまでも当該旅行エージェントの職員ということになりまして、これがもし事故が起きた場合においては、あくまでもAならAという旅行業者の責任ということになります。いまお話ししましたように、むしろこの法律のねらいは旅客者保護でございますので、そういった旅客の保護をはかるために、いろいろと取引についてトラブルがないように、あるいはそういった明確性というものを期する、こういった意味で本条を置いた、こういうことでございます。
#23
○河村委員 そうすると、安全管理者とか衛生管理者とかという式の、法律的な義務と責任はない、そういうものですね。
#24
○住田政府委員 ございません。
#25
○河村委員 これは、営業所単位に最低一人置けばいいわけですね。それなら、営業所の所長とかなんとか、そこの責任者に対して試験制度か何かつくって責任ある者にするというほうがむしろほんとうで、こういう取扱主任者というものを別につくる意味というものは、あまりないのじゃないですか。
#26
○住田政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、所長さんが取扱主任者を兼ねてもいいと思いますし、あるいは各営業所でその実態も違いますから、必ずしも所長がしなくてもいい。要は、そういった責任のある方を置くことによって、お客さんに安心感を与えるといいますか、あるいはまたそういった取引についてトラブルを起こさない、その実態をはっきりさせる、こういったところに意味があるわけでございまして、場合によっては、先生御指摘のように所長が兼ねるという場合もありますが、それは、各社のいろんな規模その他によっても変わってくると思います。
#27
○河村委員 所長がもし取扱主任者としての資格を持たない、それだけの能力を持たないという者であって、他にそういう主任者をきめるというのであれば、その主任者に対しては、何らか法律的な責任なり義務なりを課さなければ、これを別にわざわざ法律でつくる意味がないでしょう。そうじゃないですか。
#28
○住田政府委員 先生のお説ごもっともでございますが、この取扱主任者なりそういったような問題は、いま私がお話ししましたように、あくまでも当該会社の職員として取り扱うわけでございますから、その対外的責任はすべてその会社の責任になる。そしてその場合に、所長なりあるいは主任者の配置問題というものは、これは社内のいろんな社内規則によって解決すべき問題ではないか、かように考えておるわけでございます。
#29
○河村委員 この取扱主任者は試験を原則として、それ以外に、知識及び能力の認定によって試験を免除する場合がありますね。そうすると、そのあとに、講習をやって試験の一部を免除する者の中に、「講習会の課程を修了した者又は運輸省令で定める資格を有する者」というのがありますね。この前段の知識と能力によって運輸大臣が認定する者と、運輸省令で定める資格を有するという者と、わざわざ別につくったというのはどういう意味ですか。
#30
○住田政府委員 前のほうは経験を主として考え、あとのほうは講習その他によって認定する。たとえば、十一条の四の三項にあります「運輸省令で定める資格を有する者」というのはどういう者かと申しますと、たとえば大学の観光講座、こういったところで資格を受けた者、こういうような者をここで見ているわけであります。
#31
○河村委員 しかし、前の運輸大臣が認定する者は経験とは書いていないで、「知識及び能力」と書いてあるわけですね。あとのほうは、「運輸省令で定める資格」ということになれば、それはやはり知識と能力でしょう。やはり同じことじゃないのですか。わざわざ区別するのはおかしいので、むしろ一本化するのがほんとうじゃないのですか。
#32
○住田政府委員 前のほうは知識と能力を必要といたします。あとのほうは知識だけを必要とする、こういうことでございます。
#33
○河村委員 だけれども、知識だけあって能力がない者に、試験の一部を免除するというのはどういうわけですか。
#34
○住田政府委員 もうちょっと、御説明させていただきますと、一号のほうはいわゆる知識と能力を主とするものでございまして、三項のほうは講習会によりまして、業界のレベルアップをはかっていくというのがねらいでございまして、その中に、たとえばいまお話しましたように、講習会の課程を修了した者とかあるいは大学でそういった講座の資格を受けた者、こういった者でございまして、その点ちょっと違うわけでございます。それは試験の一部を免除するということになっておりまして、全免除ではないわけであります。
#35
○河村委員 それはわかるのだけれども、「運輸大臣が認定した者」というのが前にあって、あとで「運輸省令で定める資格を有する者」というのがあるでしょう。こんなものをわざわざ二つつくる意味はないじゃないですか。どっちか一本にしぼって、全部または一部を免除するということにするほうがむしろ公平であって、片一方は知識と能力がある者であって、片一方は知識はあるけれども能力がない者というのは、理屈に合わぬじゃないですか。
#36
○住田政府委員 講習だけで認定するというのは非常に危険じゃないか。やはり経験というものも十分に考えなくちゃいけないのじゃないか。そこで、三項のあとのほうにおきまして一部免除ということにしたわけでございます。
#37
○河村委員 そうじゃないのだ。講習会の課程を修了した者と運輸省令で定める者とは別なんだ。だから、講習会だけじゃ心配だから試験を一部やるというのじゃなしに、運輸省令で定める者というのは、これは講習会をやらぬでいいわけですよ。それは知識と能力があるから講習会をやらなくてもいいことにするわけでしょう。それなら、前の運輸大臣が認定する知識と能力のある者と区別する理由がないのじゃないか。
#38
○住田政府委員 前のほうは、あくまでも経験、能力というものを主眼にして考えたわけでございます。そこで、こういった認定という規定を置いたわけでございます。あとのほうは、いまお話ししましたように、全体の業界のレベルアップということと、それから、そういった講習を受けた者だけについては一部免除するということで、実務経験は見なければならぬ、こういうことになるわけです。
#39
○河村委員 こんなところにひっかかっているのはばかばかしいからあまりやりたくないのだが、知識と経験ならわかるけれども、経験、能力なんという日本語は、いまだかつてぼくは聞いたことがない。まあいいでしょう。
 約款のことですけれども、約款の中には料金は書かないのですか。
#40
○住田政府委員 料金につきましては、前回御説明しましたように、十二条で運輸大臣に届け出る、こういうたてまえになっております。そこで、約款は認可制になっておりますが、料金につきましては、十二条の二の二項の中に、「金銭の収受及び払いもどしに関する事項」こういう規定がございまして、料金はあくまでも運輸大臣への届け出によって、それでもしそれがいろいろと不都合である場合には、第十二条の二項で、たとえば「特定の者に対して不当な差別的取扱をする」というような場合におきまして、運輸大臣が変更命令をする、こういうたてまえになっております。したがいまして、約款と料金とは別建てになっております、
#41
○河村委員 それもおかしいでしょう。運輸大臣に届けるというのは一つの手続ですね。約款というのは、掲示をして旅行者に見せるわけでしょう。その約款の、一種の運送契約の中に、一番主たる条件である料金を書かないというのはおかしいのじゃないですか。
#42
○住田政府委員 料金につきまして、特にお客様と旅行エージェントの関係でどういう手数料を取るか、こういったようなものにつきましては、この本文にございますように、たとえば十二条の三の「取引態様の明示」だとか、あるいは十二条の四の「取引条件の説明」、あるいは十二条の五の「書面の交付」、こういったところで、実際の取り扱い手数料が幾らになるかといったようなことをお客に知らせたほうがいいじゃないかということで、そっちのほうで担保できる、こういう考えでおります。
#43
○河村委員 たとえば運送約款の場合なんか、やはり約款の基礎になっているものは運賃料金その他の条件ですよね。運賃料金というのは、やはり約款の基礎になっているのは運賃料金その他の条件ですよね。運賃料金というのは、やはり約款の中の一番主体になるべきものです。それをわざわざ除いてしまって、収受のやり方だけ約款に入れればよろしいというのは理屈に合わないのじゃないですか。
#44
○住田政府委員 この点についても、われわれいろいろと審議の過程で議論になったのでございますが、御承知のように、旅行業界の料金というのは非常に幅が広いわけです。お客さんとの関係のみならず、宿泊施設あるいは輸送機関、レストラン、おみやげ店、こういったことで手数料の対象も非常に広いということ、それから実際の商慣習その他によっていろいろと取りきめるのを、これを一様にきめることもなかなかむずかしい、そういうことで、料金につきましは届け出で一つチェックする、そうして先ほどお話ししましたように、二項のほうで不当な場合には運輸大臣がこれに対して変更を命ずる、こういう規定になるわけでございます。
 それから約款のほうは、いまお話ししましたように、基本的な事項といたしまして、たとえば金銭に関するものでは、前払いにするかあと払いにするか、あるいは違約金をどうするかこういったような基本的な事項をきめるというふうにして実態に合わせました。それで、いまお話ししましたように、手数料が幾らになるかということは、書面の交付だとか、そういったところで担保できるのじゃないかというふうに考えた次第でございます。
#45
○河村委員 商慣習によって複雑多岐だ、そこまではいい。だから運輸大臣に届けさせて、運輸大臣は知っておるけれども、約款には書いてないから旅行者にはわからぬ、それでは何のことかわからぬでしょう。
#46
○住田政府委員 ですから、いまお話ししましたように、十二条の五に書面の交付というのがございますね。この書面の交付の中で、そういったものをはっきりとお客さんに明示するということで担保できるのじゃないか、かように考えておる次第でございます。
#47
○河村委員 そうがんばらぬで、約款の中に料金というのは書くべきものですよ。そんな、条件を明示するのだからそれでよろしいなんというものじゃなしに、肝心な料金ぐらいは約款に書くのがほんとうだと、あなたは思いませんか。
#48
○住田政府委員 いまお話ししましたように、書面の交付ということで十分に担保できるのではないか、私どもはかように考えておる次第でございます。
#49
○河村委員 時間の催促もあるので、約束したからこれでやめますけれども、旅行業協会のことで一つだけ聞いておきます。
 一体、この旅行業協会というのは、これから旅行業者が自主的につくるものですね。これは、運輸省としては数の制限をするつもりですか。
#50
○住田政府委員 この協会につきましては、前回御説明しましたように、運輸大臣が社団法人を指定する、こういうたてまえになっております。
 具体的に申しますと、現在ある国際旅行業者協会、JATAというのがございます。それから全国旅行業協会、そういったような社団法人を運輸大臣が指定する、こういうたてまえになっておりまして、そして具体的には、しからばこれを一本化していくかあるいは複数化していくかということにつきましては、前回御説明いたしましたように、今後この協会の実際の動きなりあるいは関係方面とも十分に連絡してその結論を出していきたい、かように考えておる次第でございまして、まだ具体的に、これを一体化するか二本化するかということは、いまここではきめかねる状況でございます。
#51
○河村委員 それじゃ確認をしますが、あくまでも旅行業者が自主的につくったものであるから、適正なる条件を備えているものであれば制限をする意思はない、それでよろしいですか。
#52
○住田政府委員 二十二条の二にある指定になる社団法人というものは、この法律に書いてございますように、業務の全部について適正な計画を持っているということと、それから、確実にその業務を行なうことができると運輸大臣が認めるときということがたてまえになっております。したがいまして、ある団体をつくったから、それがそのまますぐ認められるということにはいかないと思います。十分にその内容をチェックして、そして、はたしてそれが担保できるかどうか、十分に実行できるかどうかということを私どものほうで確認いたしますから、したがってそう急に、その団体をつくったからといってそれを指定するというわけにはなかなかいかないと思われます。やはりここに書いてございます法律の趣旨に沿って、その実行能力とかあるいは内容というものはチェックせざるを得ない、かように考えております。
#53
○河村委員 私は、だから何でもかんでも認めろと言っているんじゃない。適正な条件を備えておれば認めるのか、無理に制限する意思はないのだろうかということを確認しているんで、すなおに返事をしてもらえばそれでいいのです。
#54
○住田政府委員 そのとおりでございます。
#55
○河村委員 ではこれで終わります。
#56
○福井委員長 次に田代文久君。
#57
○田代委員 まず、営業保証金の性格ですね、これは大体どういう性格を持っているか。
 それで第一は、この金額を法定事項から省令事項になぜしたかという問題、これはいろいろ質問に出たと思いますけれども、非常に重要なことですから、明確な御答弁をお願いしたい。それでこのことは、いよいよ今日はこの観光事業が全般的に大きくなって非常に発展するというような状況のもとで、国会におけるわれわれの審議権が、これは非常に薄められるというようなことになるんじゃないかということをおそれるわけであります。したがって、この営業保証金の法定をなぜはずして省令にしたかという点、この点をまず明らかにしていただきたい。
#58
○住田政府委員 お答え申し上げます。
 先ほどちょっとお話し申し上げましたけれども、最近の海外旅行あるいはその他の動向を見ますと、旅行形態が非常に変わってきております。たとえば、パッケージツアーであるとかそういったようなこと、あるいは観光の、旅行のパターンというか、そういったものが非常に大型化してきているということ、あるいは海外旅行の伸びが年間三〇%以上伸びている、こういったようなことで、情勢が非常に変動的というか、流動的でございます。そこで、そういう情勢に即応するように、実態に即するためには、運輸省令で定めるということが適当ではないかと考えたのが一つであります。
 それから、さればといって、そういったような非常に官庁の独善的あるいは恣意的といった御批判を受けてはならないわけでございまして、これにつきましては、先生のお手持ちの本法案の十一条に書いてございますように、「旅行業務に関する取引の実情並びに旅行業務に関する取引の相手方の保護を考慮して、運輸省令で定める」こういうようになっております。したがいまして、私どものほうといたしましても、そういうことを十分に考慮いたすと同時に、また、この決定につきましては、関係業界その他と十分に慎重に審議してきめたい、かように考えておる次第でございます。
#59
○福井委員長 答弁はなるべく簡単に、丁寧にしてください。
#60
○住田政府委員 御参考までに申し上げますと、保証金の額を法律で定めていない例といたしまして、現在保険業法あるいは鉱業法、こういったような立法例もございます。
#61
○田代委員 そうしますと、この法律による業界は保証金を供託するというのですけれども、第三者が受けるかもしれない損害というようなとき、担保能力というのはこれには基準がないわけですね。いわゆる保証金とは関係なく、もっと大きな損害があるという場合に、大体これはどうして解決するようにするかという問題はどうですか。業界組織がこの保証金を限度としてしか支払いはいたしません、できませんということにはならないのですか。
#62
○住田政府委員 お答え申し上げます。
 この協会のたてまえは、先ほどお話ししましたように、この営業保証金の額以上の額で弁済業務規約で定める額の範囲内において補償する、こういうことになります。たとえば、七十万円の保証金であれば、もし問題がありますれば七十万円まで補償いたします。しかし、それ以上につきましては、それはいろいろとその会社との間において、民商法の理論によって解決されるわけであります。
#63
○田代委員 そうしますと、損害が保証金をオーバーしている場合ですね、そういう場合には、被害者がその損害分を自分で泣かねばならないということには絶対ならないという保証にはなっているわけですね。
#64
○住田政府委員 その場合は、あくまでも旅行業者との間の民商法上の問題になってくると思います。
#65
○田代委員 では次に、私たちが非常におそれるのは、一応はわかるのですけれども、大きな企業へ一元化するというような、そういう方向があるのじゃないかということが非常に危惧されるわけです。大手企業に市場を独占させるというふうなことになるのじゃないか。そうなると、いままでやってきているような非常に誠意のある業者が、結局そういう大手業者の方向に集中され、あるいは系列化されるということになって、いわゆる業界の再編というものが、そういう弱い者いじめという形で、資金のあるところあるいはその他の有力なところに集中してしまうのではないかという問題ですが、これについてはどのような対策を講じておられるか。
#66
○住田政府委員 お答え申し上げます。
 もともと旅行業界の形態というものは、一つの労務集約型といいますか、そういったような特殊な形態を持っております。そうして、特にこの特徴といたしましては、サービスというものを非常に主眼としております。したがいまして、実態を見ておりますと、顧客層というものは町内会だとかあるいは地元の自治会といいますか、そういうようなところとか、大規様企業ではなかなか個々にタッチできないようなところを非常につかんでおります。つまり、きめのこまかいサービスといいますか、そういったところはむしろ中小企業のほうが非常に得意である、こういうような実態が見られております。もとより、先ほどお話ししましたようなパッケージツアーとか、あるいは海外の大型ツアー、こういったものはもちろん大企業がいまやっておりますが、実際の国内の中小企業の実態を見ますと、むしろそういった規様の大きさじゃなくて、そういう小さいところのほうがそのお得意さんをいろいろとっかんでいる。単にカウンターに立っておって仕事をしているのじゃなくて、現地に出て、そしてそれぞれの町内会とか、そういったようなところのお客さんをつかんでいるというのが実態でございます。
 したがいまして、中小企業だからといってこれは非常にあぶないということは――もちろんその会社自体が、企業として近代化とかそういったことをはかることはもちろんでございますが、営業政策から見ますと、むしろ中小企業のほうがきめのこまかいサービスをしている、こういう評判も聞いておりますので、そういった点は、さほど私は懸念がないのじゃないか、かように考えておる次第であります。
#67
○田代委員 その点、よく納得できないです。
 次に、この法律ができまして、この協会の指定の問題になるのですけれども、国内、国外向けの業者組織は、指定するという内諾みたいなものがあるかどうかという問題です。たとえば、全国旅行業協会あるいはJATAというようないま大きなものがありますが、この二つに限るのかどうか。また、ほかにもそういう運動が起きて、あるいはそういうことがされる場合に、これを認めるかどうかという問題ですね。もし運輸省がそれを認めるというようなことをするならば、大体いままでどういう活動をやってきておるか。また、その関係業界の組織率というのは、大体どういうふうになっているか。特に、最初申しましたように、全国旅行業協会あるいは国際的なJATA、これはとにかくこの法律によって当然認めるようになっているのだ、そのほかのやつは認めません、こういうことになっているのか、また、こういうことについて、今後どのような見通しを持っておられるか、御答弁願いたいと思います。
#68
○住田政府委員 お答え申し上げます。
 この指定につきましては、私がお話ししましたように国際旅行業者協会、つまりJATAとか、全国旅行業会、こういったものはいま社団法人になっておりますが、この法律に書いてございますように、これが適正な計画を持っておるということと、確実にその業務を行なうかどうかということが条件であるわけです。ですから、まだこの二つを指定するかどうかは、今後の内容を見てからきめるようになります。
 それから、先生がおっしゃいますように、もしほかのところでこの種の団体が出たらどうかということでございますが、それも同様でございまして私どものほうでほんとうにその団体が適正な計画を持っているかどうか、あるいは確実にその業務を遂行するかどうか、こういうことの内容によって指定せざるを得ないと思います。ですから、そのものが出てから私どものほうで、これを指定するかどうかということはきめるということになっております。
#69
○田代委員 そうしますと、いま申しました二つのあれについては、この法律との関係で大体内諾を与えて、こうなるよというようなことは、政府のほうでやってはおられないということ。それから、事業内容なり、これを指定するとすれば、こういう欠陥がある、またこういう点は非常に好ましい点があるというような点についての調査とか、そういうことはすでに始めておられるわけですか。そういう点どうです。
#70
○住田政府委員 この法律もまだできていませんので、そういう具体的なことはまだしておりません。
#71
○田代委員 それでは最後に、どうも私どもが一番懸念しますのは、これまでの運輸省の監督行政ですね、これから言うなら業界一任主義、業界にまかしてしまう、そういうふうになるんじゃないか。そうなるというと、やはりいろいろ弊害が起きてくるし、運輸省なり政府自身が、やはり厳格な監督の立場をとらなければならぬじゃないか。だから、そういう点は十分されるかどうかという問題ですね。
 それから、営業保証金にかかわる会計が赤字になったというような場合、そういった場合に、結局はまた値上げというようなことになって、省令事項にしておくと、これまた運輸省がそれを認めるというようなことになっていかざるを得ないというように思うわけなんですが、そういう場合における政府の、いわゆる監督権というものがいままでより薄められる、そうして、先ほど申しましたような、いわゆるそういうある種の行政権に委任されるというような形になるわけなんですから、そういう点からくる弊害というようなものは考えられないかどうか。その歯どめは大体どうするのだ、どうなるのだという点について、御答弁願いたいわけです。
#72
○住田政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生が御指摘のように、協会というものがある意味において非常に力を持ち、そうして中小企業その他に圧迫を加えるのじゃないか、また、そういった弊害も出てくるのじゃないか、そういう御質問でございましたけれども、私どもといたしましては、この協会はあくまでもお客を保護するというたてまえから、こういう弁済業務制度を設けたわけでございますが、なおこの協会につきましては、二十二条の二十にございますように、「運輸大臣は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、旅行業協会に対し、監督上必要な命令をすることができる。」こういう規定がございます。したがいまして、私どもはこういった協会の運営については十分に監視し、また、そういった協会の一つの方向といいますか、弊害につきましては十分これをチェックし、そうしてあくまでも旅客の保護をはかるということについて一段の注意を払っていきたい、かように考えておる次第であります。
 また、もう一つ営業保証金の問題がございましたけれども、先ほど、そういった変更の場合は、決して私どものほうは一方的にそれを変更するということでなくて、十分にこの法律の趣旨を生かし、またそのような場合には関係方面と事前に十分な連絡をはかって遺漏のないようにしていきたい、かように考えておる次第であります。
#73
○田代委員 では最後に、先ほど来申していますように政府の監督ですね、そういう弊害を起こさせない、また中小企業を圧迫するということについては十分考慮するというような形での、そういういままで持っていた監督権あるいは監督行政ですね、これが薄められて、そうしてそういう寡占化、独占化、大企業化に移行することによって弊害が起こらないような、そういう措置は十分できておる、また、いままで持っておる監督権というのは、法律的にも十分それは薄められることはない、保証されておる、これははっきり言えるわけですね。その点、ひとつ説明していただいて質問を終わります。
#74
○住田政府委員 ただいま先生が御指摘のように、中小企業の圧迫にならないように、あるいはお客の弊害にならないように、こういったところについては、再三私が申し上げておりますように、十分に考慮いたしまして、行政の面において遺漏のないようにしていきたい、かように考えておる次第であります。
#75
○田代委員 終わります。
#76
○福井委員長 次に内藤良平君。
#77
○内藤委員 これは、まとめて大臣にお答え願って終わりたいと思いますので、私、四点ほど申し上げます。
 第一点は、旅行業のモデル約款の作成にあたっては、旅行者、旅行業者及び関係団体等広く意見を求めること。
 第二点は、旅行業の責任範囲を、旅行約款において明確にすること。
 第三点は、添乗員問題については、今後そのサービス内容、労働基準及び料率の制度化を促進すること。
 四番目は、旅行業会の任務の重要性にかんがみ、その組織及び業務運営、特に苦情処理の公正確保と弁済事務の迅速適正な処理について、旅行業協会に対し適切な行政指導を行なうこと。
 以上四点を、今度の法案審議のまとめとして、社会党、公明党、民社党の三党の考えを、御質問という形で申し上げて終わりたいと思うわけであります。大臣からの、要約した簡単なお答えでけっこうですから、お願いします。
#78
○橋本国務大臣 旅行あつ旋業法の一部改正については、皆さんから熱心な御注意、かつまた、各条に関しての御検討がありまして、心から御礼を申し上げます。
 ただいま御質問の点でありますが、モデル約款等については、役所といたしましても、役所だけの独断専行は避けまして、旅行者あるいは旅行業者、関係団体等の意見を広く徴してきめたいと存じます。
 また、第二の旅行業の責任範囲を約款にという点ですが、ただいま御審議いただきました法律の中で、十二条の二の二項二号に旅行業者の責任範囲が明確に定めておりますけれども、これらの問題は机上の議論だけでなく、実際的によくこれを注意し、チェックして、十分その目的を明らかにいたしたい、かように考えております。
 添乗員問題につきましては、これは外国に行くことでもありますから、日本の恥になるようなことがあっては好ましくありませんので、この養成及び質的向上、あるいはサービスの内容、また労働基準法等の関係もありますから、労働基準に関し、あるいは料率の公正な制度化、こういう問題につきましては、十分にこれは行政指導の面でやってまいりたい、かように考えておる次第であります。
 なお最後に、旅行業協会の件でありますが、新しい仕事でありますだけに、まだまだ不十分な点があるようにわれわれも見受けます。したがって、組織、業務の運営につきましては、十分にこれは指導していきたい。特に、苦情処理の公正あるいは弁済業務の迅速適正な処理、また、先ほども御質問がありましたが、保証金額をオーバーする場合における措置、これらの点も含めまして積極的な措置を講じてまいりたい、かように考えておる次第であります。
#79
○内藤委員 終わります。
#80
○福井委員長 ほかに質疑はありませんか。――なければ、本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。
    ―――――――――――――
#81
○福井委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので直ちに採決いたします。
 旅行あつ旋業法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#82
○福井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○福井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
  〔報告書は附録に掲載〕
#84
○福井委員長 この際、橋本運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。橋本運輸大臣。
#85
○橋本国務大臣 ただいまは御採決をいただきまして、心から御礼申し上げます。
 委員会において質疑されました条項につきましては、十分これを尊重して、万遺憾なきを期したいと存じます。心から今回の採決に対して御礼を申し上げます。
 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#86
○福井委員長 この際、参考人の出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 ただいま本委員会において審査中の船舶職員法の一部を改正する法律案について、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○福井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、参考人の出頭日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○福井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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