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1970/07/07 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 運輸委員会 第22号
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1970/07/07 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 運輸委員会 第22号

#1
第065回国会 運輸委員会 第22号
昭和四十六年七月七日(水曜日)
    午前十時三十四分開議
 出席委員
   委員長 福井  勇君
   理事 宇田 國榮君 理事 加藤 六月君
   理事 徳安 實藏君 理事 箕輪  登君
   理事 村山 達雄君 理事 斉藤 正男君
   理事 松本 忠助君 理事 河村  勝君
     小此木彦三郎君    唐沢俊二郎君
      佐藤 孝行君    菅波  茂君
      砂田 重民君    關谷 勝利君
      谷垣 專一君    古屋  亨君
      増田甲子七君    井岡 大治君
      金丸 徳重君    久保 三郎君
      内藤 良平君    田中 昭二君
      田代 文久君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 丹羽喬四郎君
 委員外の出席者
        外務省国際連合
        局外務参事官  黒田 瑞夫君
        運輸省航空局長 内村 信行君
        運輸省航空局監
        理部長     住田 正二君
        運輸委員会調査
        室長      鎌瀬 正己君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月五日
 辞任         補欠選任
  西村 英一君     根本龍太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 航空に関する件(東亜国内航空機遭難事故に関
 する問題)
     ――――◇―――――
#2
○福井委員長 これより会議を開きます。
 航空に関する件について調査を進めます。
 すでに委員各位も御承知のとおり、去る三日、東亜国内航空機遭難事故で六十八名の方々がおなくなりになりました。委員会といたしまして深く哀悼の意を表し、御冥福を祈り、黙祷をささげたいと思います。全員御起立願います。
  〔総員起立、黙祷〕
#3
○福井委員長 黙祷を終わります。御着席を願います。
 この際、東亜国内航空機遭難事故について、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許しますが、同時に、大臣としての委員会初めての出席ですから、ごあいさつも兼ねてお願いします。丹羽運輸大臣。
#4
○丹羽国務大臣 このたび運輸大臣に就任いたしました丹羽喬四郎でございます。
 初めに、今回の東亜国内航空機の事故によりまして多くの人命が失われ、国民に多大の御心配をかけましたことを、深くおわびを申し上げる次第でございます。
 この重要なる時期に運輸行政を担当することになり、責任の重大なることを痛感いたしますとともに、当面、事故の原因の徹底的な究明を期しまして、また、御遺族の方々に対しまして、補償等に関し遺憾のないように指導してまいる考えでございます。
 運輸行政の根幹は、申すまでもなく輸送の安全の確保、事故の未然防止にある次第でございまして、このため今後全力を尽くす覚悟でございます。
 運輸行政の範囲は広く、かつ、当面解決すべき問題が多くありますが、委員会の皆さまの格別の御協力をいただきまして、国民の期待にこたえる行政を推進してまいりたいと存じますので、今後とも一そうの御指導と御鞭撻をいただくようにお願いをする次第でございます。
 今回の事故につきましては、航空局長から御報告いたしますが、これをもちまして、とりあえず私の就任のごあいさつとする次第でございます。(拍手)
#5
○福井委員長 次に内村航空局長。
#6
○内村説明員 今回の事故につきましては、最初に、私ども航空行政をあずかる者といたしまして、たいへん申しわけないと存じます。この機会を拝借いたしまして深くおわび申し上げます。
 それでは、今回の東亜国内航空YS11A型機の事故についての概況を御報告申し上げます。
 お手元に資料を差し上げてございますけれども、まず、東亜国内航空所属のYS11A型機「ばんだい号」、登録番号がJA八七六四号でございますが、これは機長の寺田英世以下四名の乗員が乗り組み、乗客六十四名を乗せまして、七月三日の十七時三十一分、函館に向けて丘珠飛行場を飛び立ったわけでございます。
 同機は、計器飛行方式によりまして、航空路白2、巡航高度一万フィートで飛行しました後に、十八時五分ごろ函館NDB上空、高度六千フィート、ハイコーンに入ったならばその通知をいたしますというふうな通報をいたしました後に消息を断ったわけでございます。
 そこで、運輸省といたしましては、十八時三十八分、所定の手続に従いまして通信捜索を開始いたしました。それとともに海上保安庁、警察、防衛庁に捜索を依頼したわけでございます。十九時四十分、海上保安庁及び防衛庁所属の航空機二機及び艦艇二十四隻が捜索救難活動に入りました。
 政府は、三日の夜閣議決定をもちまして、総理府に、運輸大臣を長といたします東亜国内航空機事故対策本部を設けまして、四日の九時三十分に第一回の会議を行ないました。その結果、総理府の湊総務副長官及び運輸省の山村政務次官を同日直ちに現地に派遣したわけでございます。
 捜索救難活動は四日も引き続き大規模に展開されまして、航空機延べ五十九機、艦船が延べ四十隻、地上捜索員約三千名が動員されてございます。
 四日の十七時二十五分、自衛隊のヘリコプターによりまして、函館北方約十七キロの地点、横津岳の中腹で、事故機の機体が発見されたわけでございます。
 なお、四日の夜開催されました第二回の事故対策本部会議におきまして、運輸省に東亜国内航空YS11A型機事故調査委員会を設置することが決定されまして、運輸省といたしましては、五日の午後第一回の調査委員会を開催したわけでございます。
 それから、この資料にございませんけれども、その後の機体発見後の措置につきまして、若干御説明申し上げたいと思います。
 七月五日の午前四時から、自衛隊員が四百名、警察署員が二百名、それから地元の消防団員等によりまして、遺体の収容作業が開始されたわけでございまして、引き続きまして午前十一時二十分、現場から遺体の搬出が開始されました。十三時四十分には六十八遺体全部の確認が行なわれました。その後七飯町の社会福祉センターにおきまして検視を行なった後、正覚寺におきまして待機する御遺族により身元確認が行なわれました。七月の六日午前一時までに遺体全部の身元の確認が終了いたしました。身元の確認の終わった御遺体は、函館市内の大森町にある慰霊堂に移されまして荼毘に付された後に仮法要を済ませ、御遺族とともに会社側の用意いたしました特別機等によりまして御帰宅されつつあるわけでございますが、全部終了するのは、七月六日の夜半になるものもあり、一部の御遺族につきましては帰宅が七月七日になるものもおありになるというふうな予定でございます。また、仮法要には前運輸大臣及び運輸政務次官も参加しております。
 なお、会社側といたしましては七月六日におきまして、とりあえず葬祭料と見舞い金といたしまして死亡された乗客一名当たり百万円を払うことといたしました。すでに函館におきまして香典二十万円をお支払い申し上げ、残りの葬祭料三十万円及び見舞い金五十万円につきましては、現在弔問を行ないつつお支払いを申し上げておるというふうな段階でございます。
 大体、以上概略御説明申し上げました。
    ―――――――――――――
#7
○福井委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。宇田國榮君。
#8
○宇田委員 「ばんだい号」のこの惨事は、国民に対して大きなショックを与え、またもかと戦慄さえ感ずる次第であります。かかる大惨事に際しまして、故人になられた霊に深く哀悼の意を表するとともに、また遺族の方々に対しても心より私らはお慰めする次第であります。ただいま委員長の御提唱によって、われわれ全員黙祷いたしましてこの霊に哀悼の意をささげた次第であります。
 さて、新大臣は人間的にも、いわゆる洗練された重厚なる人格者であり、また非常な努力家であられます。われわれは新大臣を迎えて運輸行政の業績が高度的にその成績をあげるように、また運輸行政の円滑化を心より期待を申し上げる次第であります。
 つきましては、新大臣なり航空局長に対して二、三の質問をいたします。
 この原因はいろいろいわれておりますが、悪天候で函館空港への接近コースを誤ったとか、あるいはパイロットのミスではないかとか、あるいは計器類の故障、静電気の異常作用による位置の誤認、あるいは自動方向探知機の狂いで飛行コースの高度を誤り、そうしてついにかかる惨事を起こしたということもいわれておるのでありますが、なかんずく航空局長にお尋ねしたいことは、国内線においては、いわゆるわが国出身のパイロットが地勢、環境、沿革、これらをよく知っておるのでありますから、これを優先すべきであると思うのであります。私は、その離陸当時、はたしてだれが操縦しておったかということさえも知らないのでありますが、この点をまず伺いますが、もしそれ外人の操縦士がこれを操縦しておった、しかも新しいコースであったというようなことであるならば、いわゆるこれは重大なる過失といわなければならぬ。ことに、この国内航空と東亜航空が合併するさなかにおいて人的配置、そういうことが非常に問題になっておった。ことにこのパイロットの問題等、あるいは会社との間に非常な闘争が行なわれ、そういう人的和において、配置の上において欠けたものがなかったか、こういうこともお尋ねする次第であります。ことに私がふしぎに思うのは、三日午前九時の天気図を手に入れて、その後八時間も経過してから飛び立っているのに、午前九時後の天候を考慮に入れなかったということを私は聞いているのでありますが、その点がどうであるか。
 いずれにいたしましても、現在調査班によってこの事故原因を探求、調査しつつあるのでありますけれども、現段階において、運輸大臣並びに航空局長が入手された事故原因の大体のラインでもようございますが、御答弁を願いたい。
#9
○内村説明員 ただいま先生御質問ございました、事故原因の概要でもわかればというふうなお話でございましたが、御承知のとおり、ただいまその事故調査委員会が現地に参りましていろいろ調査をいたしておりますので、ただいまこの席ではっきり、これが原因だということは申し上げられないのがまことに残念でございますが、いずれその調査の進捗と相まちましてはっきりしてまいると思います。
 ただ、その原因がいずれにあるにいたしましても、やはりいま先生のおっしゃいましたような、外人パイロットの問題はどうであるかというふうな問題も一つの問題でございましょうし、あるいは気象の問題も問題かと思います。
 ただ、気象の問題につきまして私ども承知いたしておるところにおきましては、丘珠を出る際に函館の気象状況を、函館のほうから、十七時現在及び十八時現在の気象情報を聴取いたしました。それによって出発しておるというふうに聞いております。
 それから、新聞にも伝えておりますように、外人パイロットが機長席で操縦していたのではないかというふうなことがいわれております。これはまだはっきりといたしておりませんけれども、かりにこういうふうなことがあった場合にどうであるかというふうなことが一つの問題かと思います。ただ、私どもの航空法におきましてはコーパイロット、これはだんだんパイロットになるべくトレーニングを受けるものでございまして、そういった関係から、機長がそばにおります場合に、副操縦士が機長席に着きましてそうして操縦をいたしてまいるということは許されております。ただこの場合に、当然機長というものはそれを見守りまして、よくその操縦方法その他につきまして細心の注意を払っていく、場合によっては自分がかわって操縦をまたやるというふうなこともやりながら進めてまいるというふうなことになっております。こういうふうなことをたてまえといたしましてこういうことが認められておりますので、その限りにおいては適法な行為であると存じますが、はたしてその際に機長がどういうふうな行動をとっておったか、その辺がちょっとわかりかねますので、そういうふうな行為の結果かどうかということにつきましては、まだはっきり御返答申し上げられないわけでございますが、そういうふうな状況でございます。
#10
○宇田委員 ただいまの答弁では満足しないのでありますが、現在調査探求中でありますけれども、これだけはぜひひとつ航空局長は各航空会社に示唆あるいは通達する必要があるのではないか。というのは、国際線は外人のパイロットでいいけれども、国内線はいわゆる日本人でなければならぬという、法令化するわけにはまいらぬが、原則的にそういうようなことを考えないと、その位置、方向あるいは気象、その他気流、そういうことなどが外人ではわからぬ。私といたしましては、そうした外人のパイロットを雇わなければならぬというようなみじめなわが日本のパイロットであってはならぬ、今後すみやかに、いわゆるわが国の出身のパイロット養成ということに特段と力を入れるようにお願いをしたい。
 もう一つは、いま航空局長は私の質問に対して具体的ではなかったが、もう新聞はすでに先行して、マスコミのほうではいろいろ事故の原因を探求して発表いたしておるのであります。でありますから監督官庁であるところの航空局長、運輸省は先べんをもって、いってもイニシアチブをとってやるような形でないと、マスコミのほうが先にいって、そうして監督庁がおくれたようなことでは断じてならぬのであります。今後御留意を願いたい。
 そこで、新大臣は五日に任命された、事故は三日である。そのときの橋本運輸大臣、山村政務次官の措置はまあまあであった。それでありますから、新任早々丹羽大臣が新聞記者に対して発表された、まず飛行場のローカル線の整備、これなどは急がなければならぬということは大いに私は了とするところであるが、新大臣はこれらに対して、その対策は現在当局と研究調査中ではあるだろうけれども、あなたの率直な意見として、現在どういうその対策の考え方を持っておいでになるか、御答弁を願いたいのであります。
#11
○丹羽国務大臣 ただいま宇田委員からの御質問でございますが、先ほども就任のごあいさつを申し上げましたときに、まずもっておわびを申し上げた次第でございますが、私ども運輸行政を担当している者といたしましては、何と申しましても行政は国民に対するサービスが一番根本でございます。そのサービスの一番のもとはやはり人間尊重、人命の尊重でございます。いかにスピードアップされたり、あるいはまた輸送の大量化が効率的に行なわれましても、あのショッキングな、一発のああいうふうなことでとうとい人命を失いましたならば、いままでの皆さまに対するこのサービスという点につきまする評価が一ぺんに飛んでしまうことでございまして、まことに、重ねて申し上げますが、遺憾千万のことでございます。
 それで、先ほど宇田先生からお話しのとおり、事故発生とともに運輸省としては航空局の技術部長、事故調査課長を直ちに現場に派遣いたしました。それから山村政務次官、それから飛行場部長ですか、これが直ちに参りました。それから引き続きまして橋本前運輸大臣が、政府の使節として海上保安庁長官を引き連れて参りまして、そして遺体の捜索、機体の捜索、その他につきまして、まあおくれたあとのあと始末で申しわけないわけでございますが、徹底的に督励をいたしまして、それで遺体の捜索も、機体も一昼夜で見つかり、遺体の確認も一昼夜半でこれを確認することができた、こういうことを承っている次第でございます。
 いま宇田先生から外人航空士の問題、それからまた天気予想図の入手の時期が早いのだけじゃなかったか、こういうような問題、いろいろ私もそれを見るたびに、現地から帰った者につきまして報告を受けておりますが、いまやはり調査中でございまして、確認の段階でございます。しかし、やはり事故撲滅につきましては徹底的に原因を究明して、真相をとらえることが一番ということでございますので、以後ずっと係員を督励いたしまして、必ず早急に原因を究明しよう、こう思っている次第でございますから、一そうのひとつ御鞭撻をお願いする次第でございます。
#12
○宇田委員 新大臣としては答弁は上々であると思うけれども、しかしながら、この問題は実に重大でありますから、そこで、すみやかに航空会社の首脳部を航空局長とともに集められて、今後かかる事態がないように、そういう申し入れを即刻すべきである。それをやられたかどうであるか、ちょっと航空局長にお願い申し上げる。
#13
○内村説明員 現在のところは、まだ各航空会社を集めて話をするということはいたしておりませんが、これは先生のおっしゃるとおりでございまして、私どももさっそく首脳部を集めまして、厳重注意をしたいというふうに考えております。
#14
○宇田委員 いま、つゆどきが終わったといい、まださ中であるともいうが、気象関係は必ずしもよくない。しかも台風時期を控えておる。かかる重大なる時期でありますから、事故がまた再発するかもしれないのであって、万全の策を講じていただきたい。
 最後に、この遺族の方々に対して十分なる弔慰金を会社は出すということを言っているが、どのくらいの限度で、また政府はこれに対して補助対策あるいは協力する意思があるかないか、航空局長より答弁を願いたい。
#15
○内村説明員 御遺族に対する補償の問題でございます。これは先生おっしゃいましたように、御遺族の方々、たいへんお気の毒でございまして、その意味におきまして、運送約款には一応六百万円というふうに書いてございますけれども、必ずしもそういうふうな約款に拘泥することなく、会社としてできる限りのことをして差し上げるようにというふうに考えております。ただ、その額につきましては、どのくらいとまではっきり申し上げかねますが、できる限りのことをしていただきたいというふうに考えております。
#16
○宇田委員 私はもう質問を終わりたいのだけれども、もう一言ひとつお願いしておきたい。
 というのは、いま現在、各航空会社がエゴイズム的な、利己的な考え方を持っておるのが、非常に円滑化を欠いておるような点がある。であるから、十分新大臣はこの点を留意されて、まず、いわゆるこの航空会社のハーモニーというか、調和というか、そういう点を中心として、自己のなわ張りに終始せないように、今後は最善の努力をされんことをお願い申し上げて、私の質問を終わる次第であります。
#17
○福井委員長 次に箕輪登君。
#18
○箕輪委員 今回の「ばんだい号」の事件は、新大臣もまことに遺憾のきわみであるという御表現をされました。私も同様に考えますし、なくなられた六十八人の搭乗員、乗客の方々、またその遺族に対して、まずもって深甚なる弔意を表したいと存ずる次第であります。
 こういう事件が二度と起きないために、二、三質問を申し上げたいと存じます。
 ただいま宇田委員からも最後にお話がありました、民間航空会社がややもすれば利益の追求に走って、安全性を忘れてしまうというようなことがあってはならないと思いますし、また、そういう声が国民の中や国会議員のあとからの質問にも出てくるのではないかと思いますけれども、私もその点についてお尋ねを申し上げたいと思います。
 しかし、調べてみますと、そういうことは万々ないような仕組みになっているように私は思うのです。たとえば飛行計画書を作成いたします。それを今回の場合は、札幌航空交通管制部に出すわけでありますが、その飛行計画書の作成にあたって、機長並びに運航管理者がそれぞれ計画書をつくって、そしてこれを照らし合わして相談いたします。ところが、この機長、運航管理者というものがフライトプランをつくるわけでしょうけれども、いずれもがこれは民間航空会社の方であります。だからこれだけであれば、民間航空会社だけがつくる飛行プランを航空交通管制部に出すのですから、これは利益優先というふうにいわれてもしかたないのでありまするけれども、仕組み上うまいことになっておりまして、機長、運航管理者でフライトプランをつくり、それを運輸省の出先機関である空港事務所の航務課がチェックすることになって、それから航空交通管制部に出すわけでありますから、少なくとも運輸省の出先機関が、このフライトプランがいいかどうか、これが許可できるかどうかチェックすることになっているので、企業優先、経済優先の考え方はここで必ずチェックされるだろうと私は思いまして、機構上はこれは何のこともないわけであります。
 そこでお尋ねを申し上げたいことは、先ほども宇田先生からお話がありましたように、今回のフライトプランをつくるのにあたって、午前九時の天気図だけを参考にしておる。あとで聞きますと、そうではなくて、函館空港からテレタイプで一時間ごとに状況を把握しておった、こういうのであります。しかし、同じ時間に着陸を計画されておった東京――函館間の全日空は二便欠航いたしております。欠航の理由は、気象状況が悪かったというだけではなしに、東京と函館でありますから二時間幾らかかりますから、代替空港が見つからなかった、こういうことが主たる原因のようであります。しかし、丘珠から函館はわずか三十分でありますから、新聞報道によっても八時五十分まで燃料を積んでいるのでありますから、六時五分もし着陸できなくてもバックできるという状態のもとにフライトプランをつくったものと思うのです。思いますが、天気図を午前九時だけです。ところが全日空のほうは、午前六時、午前九時、十二時、午後三時、三時間おきに四回とっております。これを私、調べましたが、そういうこともあるわけであります。
 ですから、私の申し上げたいことは、機長や運航管理者だけ、いわゆる会社側だけでもってフライトプランを立てるのだけれども、それを運輸省の出先である空港事務所の航務課がチェックするときに、どうしてその天気図だけしかとらなかったのか。午後三時の天気図はどうした、十二時はどうしたということが言えるのではないだろうかと思うのです。しかし、そういうことはなしにでもライセンスを与えることができるのだ、そういう仕組みになっているのだというならば、これはおかしいのです。ほんとうに安全運航ということを第一に考えていくならば、やはりフライトの時間に一番近い天気図もとらなければならないと私は思うのです。現に全日空は、ただいま申し上げたように午前六時から九時、十二時、三時、四回とっているのです。こういうところに航空行政のミスがあったとするならば、今後飛行計画書をつくる場合には必ずやはり天気図も、たとえば午後の五時にフライトするならば、九時、十二時、三時は必ずとらなければだめだ。それを見ますと、確かにこれは異常な気象であるということがわかるのです。この点についてだれか、航空局長、あなたでもいいし、住田さんでもだれでもいいですよ、御答弁いただきたいと思います。
#19
○住田説明員 機長とディスパッチャーが相談いたしましてフライトプランをつくるわけでございますが、その際には、気象条件というものを十分考慮いたしましてフライトプランをつくるというたてまえになっております。実は、機長とディスパッチャーがどのような相談をしたか、現在まだ調査ができておりません。しかし、私どものほうで調べました範囲内では、函館の測候所のほうが十七時の気象を発表いたしておりますし、ディスパッチャーの業務からいいまして、そのフライトに関連する気象につきましては、十分調査した上でフライトプランをきめたというふうに考えております。しかしその点、まだ調査いたしておりませんので、今後ディスパッチャーを呼びまして、どのような判断でフライトプランをつくったか調査いたしたいと思っております。
#20
○箕輪委員 私が聞いているのはそうじゃないのです。
  〔委員長退席、宇田委員長代理着席〕
一方の全日空は二回欠航しているわけですね。その全日空は、さっきから何回も言っているように、午前六時、午前九時、十二時、午後三時の天気図をとっているのです。とったほうがいいと思うのですよ。ところが、こっちのほうは午前九時しかとってないのです。しかも、あなたの言う運航管理者と機長がきめるだけじゃなしに、それを運輸省の空港事務所、運輸省の出先、運輸省の役人、航務課がそれをまた見なければならないことになっているのですが、運輸省の方針として、そういうふうに気象台から発表になる天気図を正確に三時間おきにとっておいたほうがいいのか。私はいいと思うのですよ。ところが、こっちは一回しかとっていないのです。しかも、運輸省の航務課がちゃんとそれを見ているわけですよ。だから、十二時、三時のものをとってなくてもこれを許可しているわけですよ。フライトを許可しているわけですよ。その点について運輸省、これでいいのかということを尋ねているのです。だから、その運航管理者がどういう相談をしたかということは、まだ聞いてないという答弁ではおかしいわけですよ。これから安全運航ということを考えていくならば、やはり正確に発表になるのですから、それをとったらいかがですか、また、とるように航空行政をしっかりやっていかなければいけないのじゃないか、こういうふうに思うから質問しているわけです。ですから、その点についてお答えをいただきたいのです。
#21
○住田説明員 航空会社が気象情報をとりまして天気図をつくるというのは、当然のことだと思います。東亜国内航空の場合に、まだ調査は十分できておりませんけれども、九時の天気図をつくった、そのあと十二時にもつくっておるというようなことがいわれておりますけれども、まだ調査は十分できておりませんので確認はできないわけでございます。当然三時もつくるべきであるということは、先生のおっしゃるとおりだと思います。
 実は、気象の問題と運輸省の権限と申しますか、先ほど御指摘のありました航務課がどのような審査をするとか、あるいは管制官がどのような指示をするという点につきましては、ちょっと問題がございまして、従来のたてまえでは、気象問題については運輸省はタッチしないというたてまえで運用されております。気象問題でこの飛行が安全であるかどうかということは、あくまでディスパッチャーと機長の判断にまかすというたてまえになっております。したがいまして、航務課のほうで気象問題をチェックしてないという点については、従来そういうようなしきたりで運用されておるということでございます。
#22
○箕輪委員 そこで、私はそのことは知っているのです。調べたのです。従来はそうなっておるのですよ。しかしこういう事件が起きた。反省してみて、やはり一方の全日空のほうは、正確に六時、九時、十二時、三時ととっているのに、そうしてまたやめたのにもかかわらず、こっちのほうは午前九時の天気図だけをとっておった。これではやっぱりおかしいのであって、しかも、会社側の機長や運航管理者がつくったその計画書を運輸省の航務課が見るわけですから、これからの航空行政の進め方として、航務課でチェックする場合に、いままでと違って、これはおかしいぞ、天気図が入ってないぞ、午前九時しか入ってないぞ、午後三時のやつまでずうっとやはりとらなければだめだぞというような指導方針に変えていかなければ、事故を未然に防ぐということはできないし、安全性をこれから高めていくということもできないのではないか。これからのことを尋ねているのです。ですから、これからはそういうふうにするというのであれば、私の質問は、この問題に関してはやめたいと思うのです。いかがですか。
#23
○内村説明員 ただいまの先生の御質問の点、確かにそのような点もあるかと思います。ただ現状を申し上げますと、先ほど来監理部長も御説明申し上げましたように、航空局のほうで受け付けるフライトプラン、これにつきましては、気象条件がどうであるかというふうなことについては判断の対象にいたしておらない。むしろ気象をどういうふうに見るか、当該気象においてどういうふうに責任をもって行動をするかということにつきましては、機長がディスパッチャーと相談をしてきめるということが現在のたてまえになっております。
 しからば、気象情報ということを無視してもいいかということになりますと、これは航空法上に規定がございまして、必要な気象情報を入手しまして、当該情報が航空機の航行に支障がないということを確認した後でなければ、飛行機を出発させてはならないという義務づけを機長側に与えているわけであります。したがいまして、当該の場合における気象情報の入手状態、それによる判断、これがどうであったかという問題につきましては、この条文からの問題になりまして、その判断が悪ければ、これは罰則が働いてくるというかっこうになっております。ただ、先生がおっしゃいますように、そういうふうな規定があって、機長ないしディスパッチャーだけの責任にしていることがいいかどうか、さらにもう一つそこに網をかぶせまして、航務課なりあるいは管制部においてクリアランスを与える場合に、その面ももう一ぺん見なければいかぬかどうかということにつきましては、確かに先生の御趣旨もございますので、もう少しテクニカルな研究をいたしてみたい、こういうふうに考えております。
#24
○箕輪委員 大臣、ちょっとお尋ねしたいのです。いまの問題ですが、何回しゃべっても時間だけ過ぎてしょうがないので、大臣に最後に締めくくりにこの問題についてお尋ねしたいのですが、いま申し上げたように、全日空のほうは、やはりいまの航空局長のお話でもないけれども、必要な気象条件を全部調べてみて、そうしてフライトに支障がないということで初めて飛び立つ計画書ができるんだというお話なんですよ。必要な計画書の中身は、天気図も必要なんでしょう、きっと。だから、やはり天気図を午前九時のやつだけはとったんですよ。全日空のほうはずうっと全部とっているわけですよ。だから、天気図をとらなかったことについて私は言及するわけですけれども、今後は、やはりちゃんと全部とったほうと、八時間前の天気図だけをとったものとどっちがいいかということなんですよ。やはり全部とったほうがいいに違いないと思うのです、比較をしますと。だから、これから全部とるようにする、検討すると、そう言えばそれで質問は終わっちゃうんですよ。大臣、どうですか。
#25
○丹羽国務大臣 いまの御質問でございますが、私も実はほんとうに運輸行政はしろうとなものですから、その点は私も疑問を持ちまして、事務当局に尋ねた次第です、それが出ておりましたから。ところが、気象台のほうの話ですと、天気図をもらってくるのではなくて、自分のほうで書いてくると言うんですな。だからその後の午後三時のも書いていったかどうか、何か人のいないところに書いてあるらしいですね。だからそれはわからぬと、こう言うのです。ですから、それも含めまして、もう少し徹底的に調べさせるとともに、それはできるだけあらゆる措置を講じて、これならだいじょうぶ、だいじょうぶと、二重、三重の手間もかけても、それはもう何と申しましても人命が一番大切ですから、箕輪委員の御意見を十分尊重いたしまして、至急検討いたさせます。
#26
○箕輪委員 どうぞそのようにひとつお取り計らい願えるように、今後の対策としてお考えいただくことを望んでやみません。
 昨日の初閣議の大臣の御発言で、今後安全対策を最重点にして空港の整備に、第二次空港整備計画の中にあります整備費の五千億円を繰り上げて使用したい、こういうことを大臣が御発議されたそうでありまして、まことに適切な処置だと私どもは喜んでいるわけでございます。私も、今度の事故を顧みまして考えますが、やはり函館空港にNDBだけじゃなしに、せめてVOR、あるいはレーダー、ILS、こういった地上の機械があれば、今回の事件は起きなかったであろうと考えるものであり、また、その道の専門家の方々も、これをはなはだ遺憾だと言っております。したがって、いままでの空港整備計画は、たとえば函館の場合、千二百メートルのランウエーを二千メートルに拡張するんだ、三十メートルの幅を四十五メートルに拡張するんだ、そういうことに重点が置かれてまいりました。だから航空会社は、スピードアップ、飛行機の大型化の時代に入ってまいりました。そのためにランウエーを広げたり、あるいは延ばしたりすることのみやってきたような感じがする。そういう点から、利益追求ということをいまいわれるようになってきた理由の一つは、私はそこにもあると思うのです。私は、千二百メートルでもいいと思います。まず、拡張するよりも、先にこういう安全のための設備をしなければならない。そういう設備ができて、それから拡張ということにならなければ何の意味もないと思うのです。飛行機会社の飛行機が大きくなった、お客さまを喜ばせるためにスピード化されてきた、それに対応するために飛行場の拡張だけをやっているのでは、私は、やっぱりこういう事件がまた二度と起きないとはいえないと思うのです。どうぞ大臣の昨日の閣議における、安全性を最重点と考えて五千億円を繰り上げて使わしてほしい、まあ、大蔵当局との詰めも終わってないだろうと思いますけれども、いま私が申し上げたような趣旨でどうかひとつ、まず設備を完備させるという方向でやっていただきたい。これに対する大臣のお考えを御表明いただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#27
○丹羽国務大臣 ただいま箕輪先生からの御指摘の点、私もことごとく同感でございまして、何と申しましても安全性確保ということが運輸行政、ことに航空行政の一番の根本であるということで、あとはそれがある程度備わってからの問題である、こういうふうに私は考えております。それを直ちに運輸当局に十分に私は指示をしておる次第でございますので、ひとつ具体的な問題で、一そうの御鞭撻をお願いする次第であります。
#28
○箕輪委員 最後に、同じくきのうの閣議で、これは総理がおっしゃったんでしょうか、米国のように航空機事故の原因を究明する常設の事故調査機関、これを設ける必要がある、こういうふうに言っておられますので、この点についても、やはり私も総理のおっしゃるとおりだと思いますし、大臣もそのように考えていると思いますが、どうかひとつこの点も、常設の機関をつくっていただく、しかも中立的な常設の機関をつくっていただく、これをひとつお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
#29
○宇田委員長代理 久保三郎君。
#30
○久保委員 限られた時間でありますのでまとめて質問をいたしますので、必要があればメモをとっていただきたい。
 まず一つは、大臣がかわられたので、もちろん御勉強なさっておいでだと思うのでありますが、質問をするほうからするとたいへんやりにくいのであります。一日か二日の相違で、実はあなたの前任者である橋本さんがおられれば、質問の時間も半分で済むのじゃなかろうかと思うのでありますが、特に事故を起こした東亜国内航空会社については、私は異常な関心をもって今日まできました。もちろん私はかかる事態が起きることを予想はしておりませんでしたが、はたしてこれが航空政策であろうかという疑念を持っていまでもいるのです。不幸にしてこれが的中したことを、私はあなたに聞いていただかなきゃならぬと思うのです。
 御承知かもしれませんが、以前、古いことは別にして、昭和四十一年には、御承知のように国内航空あるいは東亜航空について、航空再編成ということで、日航と国内航空が将来合併することを前提にして一元的な運営に入ろう、東亜は全日空と合併ということで進んでまいったわけであります。ところが、四十五年のたしか十一月でありますか、四十六年にこの方針が実現する一年、というよりは約半年かそこら前に、急遽この方針は変更をされました。そこで、現実にあるように東亜と国内航空が合併して、全日空あるいは日航との合併、一元化は、これは御破算になったわけであります。しかも、この五月十七日にたしか発足したと思うのでありますが、この会社は、特に国内航空は、政府出資の会社である日本航空から特別な援護を受けてまいりました。この清算については、もちろん国民の血税を使っているのでありますから、きらんと清算してもらおうというのが一つの要点でもあります。と同時に、新しい会社は非常に脆弱であるから、これはどうしても広く民間資本を集中してやれというのが方針であります。ところが、いずれもこれはけじめをつけないまま五月十七日に合併したのであります。
 しかも、こまかいことは別にして、四十一年の再編成は、御承知のように安全性の問題が中心でありました。その前後に大きな航空事故が御承知のように引き続きありました。そこで、企業性はもちろん考えなければなりませんけれども、安全第一ということで再編成が政府の決定としてなったのであります。その後、いま言ったように、今度は航空需要の激増といういわゆる大義名分でこれは再々編成になったわけですね。こういうものはおそらく、いままでもそうでありますが、いままでの歴代内閣の、というよりは自民党内閣の航空政策は、これは悪口でいえばからの政策、何にもない政策だといわれております。ネコの目の変わるように変わってきたのが実はこれであります。その結果としてこの事故ができたと私は思うのであります。もちろん、直接的な原因はこれからの技術的な調査にまつ以外にないと思うのでありますが、遠くはこの航空政策の誤りが今日の結果を招来したと私は思うのだが、これについてはどういうふうな反省をしておられるのか。
 さらに、これを裏づけるためには、御承知かもしれませんが、すでにこの合併直後、事務次官通達がこの会社に出ています。これは安全性を確保せいということで、特別な異例な通達であります。そうしますというと、安全性が第一であるべき航空企業に対して、合併して新しい会社発足直後において政府がかかる厳重な通達を出すということは、政府自体に新しい会社に対しての信頼性がなかったということであります。決定的な信頼性がなかった、大きな疑惑に包まれたまま新しい会社を発足させた責任はだれがとってくれるのかと言いたくなる。これは新しい大臣にはたいへん酷な質問でありますが、なくなった方はもちろん、日本国民全体としてやはりそのけじめをつけてもらうのがまず第一だと私は思っています。自分が不安であるものを発足させた責任はだれが負うのか。しかも、安全性を確保せいという異例な通達を出さざるを得ないような会社をなぜ発足させたか。しかも、数年ならずして航空の大方針を変更してまでこれをやった会社であります。ますます疑惑を持つ。これが第一点であります。でありますから、私は新しい会社をこの機会に、というよりは航空企業のあり方について、航空全体の問題としてやはり航空政策をきちっと整備する必要がある。だから、いまの航空政策は言うならば誤りであるから、これは再検討すべしというのが私の考えであります。
  〔宇田委員長代理退席、委員長着席〕
 それから次に、先ほど箕輪委員からもお話がありましたが、当日函館の気象条件はよくなかったということであります。全日空は、そのためにでありましょうが、再三飛行を中止したということです。しかるにこの東亜国内は飛び立っていった。これはなるほどフライトプラン、そのときの気象条件等をとらなかったということも原因の一つにあるかもしれません。しかし私は、先ほどの航空政策あるいはこの会社の実態からいって――大体この会社の資本というのは、ある特定の私鉄会社の資本が大半を占めております。しかも、申し上げたように、日本航空には公称三十億に近いものを返済せねばならぬということ、合併直前において乗員等の問題でトラブルがあったということ、そういうさなかにおいてまず第一になさねばならぬことは何か。もう一つあります。全日空とローカル線においてダブルトラックをやらなければならぬという使命がある。しかも持っている機体は何かというと、YS11その他。しかも727は三機日本航空に預けてあるのです。こういう企業からいって、いま目の前で何をやるかといったら、当然金をどうしたらもうけるかという問題になると思うのです。私は、丘珠を飛び立った大きな原因というものは、この企業性からきているものと追及せざるを得ない。そういうことを度外視して、機長やその他のいわゆる責任を追及しても、これは原因の全体の把握にはならぬと私は思うのです。しかも乗っていた旅客の大半は団体の旅客だ、こう聞いております。最近エックとかルックとかいうことでたいへんはやっております。団体旅行は決してきらうべきものではありません。しかしながら、ここでまず第一考えねばならぬのは、たとえばこのフライトを中止した場合にこの企業はどうなるかという問題を、おそらく企業のサイドでは考えたのだろうと思うのであります。団体とこの輸送機関である企業、おそらくそういうことを考えたのだろうと思います。これはたいへんな損害だということが先にきやしないか。これが一人一人のお客ならばこの問題はあまり起こらなかったかもしらぬ。団体旅客、これはどの程度割り引いているのか知りませんけれども、そういうものが二つ重なって丘珠飛行場を飛び立ったのではなかろうかと私は思うのであります。これは厳重に追及していくことと同時に、そういう政策に対してどうけじめをつけていくかが、この際のやはり二つ目の大きな問題だと私は思うのです。
 それから次に、やはり問題でありますが、なるほど丘珠空港なり函館空港のいわゆる地上誘導装置というか安全装置というか、そういうものはもう指摘するまでもなくお粗末であります。しかし、お粗末であるから飛行機に搭載する機器、いわゆる通信機器その他計器、こういうものまでお粗末であっていいというはずはないのであります。聞きますれば、当然つけておけば何かになった器材が載っていなかったのじゃないですか。しかも、私は寡聞にして知りませんが、この航空機に搭載すべき器材、計器、こういうもののいわゆる基準というものをきちんと義務づけているとは聞いていないのです。これは義務づけているかどうか。義務づけているとするならば、これはやはり運輸省の責任である。そういう器材を積ませなかった。当然積んでおけば――二百万かそこらで載るようなものもあるそうであります。そういうものも積まぬで飛ばせておくところに政府の責任があると私は思うのです。もしもそういうものを義務づけていないとするならば、これは怠慢のそしりを免れない。また企業も当然であります。政府ばかりじゃなくて、企業は自分の企業を大事にするからには、やはり安全第一であります。そうだとするならば、飛行場の施設が悪ければ、これに応じてもっと安全を確保できるものを飛行機に搭載して万全を期すべき筋合いじゃないか。それをいままで、飛行場がこれだから、合わないからやめておこう、あるいは金がかかるから、飛行場が誘導装置をもっとつくってくれるまで待っていようという気がまえが企業の中にあるとするならば、これは間違いであります。こういうふうに思う。
 まず、第一、この三点について、ひとつ大臣からお答えをいただきたい。事務当局の御答弁はあとからでいい。これは原則ですから。
#31
○丹羽国務大臣 ただいま非常に御専門家の久保先生からの御指摘でございましたが、実はこの事故が発生をいたしまして、私、就任をいたしまして、新しい佐藤内閣の発足を終えたあとの初閣議におきまして、私の報告に対しまして、佐藤総理からも、交通の安全を確保することが、これがまず第一である、これがためには、あらゆる施策に先行してこれをやろうじゃないかということで、強い発言がございました。それに対して、各関係大臣みなこれに賛成いたしました。さらに、運輸大臣の言を了承したということではなくて、政府の方針としてこの問題をひとつ最優先に取り上げて、これをひとつやろうじゃないかということになった次第でございまして、これは、まあ当然のことでございますが、新聞その他でも、もうすでに久保先生御存じのことだと思う次第でございます。そういうことで、私どもは何と申しましても人命尊重、これを政治の一番の中心としてやろうという心がまえでこれからもやってまいりたい、こう思っている次第でございます。
 東亜航空、国内航空の合併の経緯その他につきましては、私まだ勉強足りませんで、全然知りませんで、いま初めて日本航空とか全日空と合併をしようとしたというような御意見を承った次第で、これからいろいろまた教えていただきたいと思う次第でございますが、そういうことは存じませんが、たとえば次官通牒、私もちょっとそれを確認いたしました。合併のときどうしたかということになりますと、やはり安全性を強調しまして、航空安全性の確保ということをまず次官が通牒で強くうたっております。これは、私はこれからもあると思うのですが、安全性確保はあらゆる場合に強調しなければいかぬ問題で、いついかなる場合でもやる問題で、決してこの東亜国内航空の合併がどうも不合理じゃないか、それだから不安のために強調した、まあそういう見方も一つでございましょうが、私は、これはもうあらゆる場合におきまして、何かあれば、安全性を確保する、その強調をする、これは皆さまにもひとつ御指摘をいただきまして、こういう点で落ち度はないか、こういう点でないかということを、ひとつやっていかなければならぬ問題だと思う次第でございます。私は、ことにしろうとでわかりませんから、先般運輸省で就任あいさつを省員の皆さまにやりました際も、私は、これからこの大責任を負った以上は、毎日、きょうは事故がなくてよかったということを祈る気持ちで、ひとつ私はこれだけやっていきたい。ほかのことは能力ないけれども、これだけはひとつやっていきたい。だから、省員の皆さんもぜひその気持ちになってこれからの行政に当たっていただきたい。これが現場の操縦士その他、それから管理者その他にも、やはりみんなの気持ちはここだぞ、これはほんとうに国民の皆さん気持ちはそれですから、それでやっていただきたいということを、私はただそれだけ言った次第でございます。
 私はそういうつもりでやってまいりまして、いろいろ御指摘の点につきましては、佐藤政府といたしましても、運輸省といたしましても、責任をもってこれからいろいろ真相を追求してまいりまして、それでこれからの事なきを期したい、こういうふうに思っている次第でございますから、御了解を願いたいと思います。
#32
○内村説明員 ただいま大臣から御説明ございましたけれども、私からも若干補足して御説明いたしたいと思います。
 三点ばかり御指摘があったかと存じますが、まず第一点は、今度の合併、これはある意味においては無理な合併であって、これがこういった事故の原因なんではないのかというふうな御質問、端的に申し上げましてそういう御趣旨かと思います。ただ、これにつきましては私どもはそうは考えておりません。と申しますのは、合併の再々編成の必要性につきましては、先ほど先生から御指摘ございましたけれども、一つは客観的情勢の非常に違い、つまり需要の非常な違いということが大きな原因でございました。それから、それならば何も新しい合併をしなくても、日航と国内航空との合併、それをすればいいじゃないか、こういうような御質問当然出るかと思います。ただ、それに対しましては、そういたしました暁には、国際線から国内幹線及び国内ローカルまで全部日航がやるというふうな、ある意味においては、日航という会社の本質から見まして、いささか変則的形態にならざるを得ないというふうな問題もございます。それから、東亜と全日空との合併が必ずしもうまく進捗しなかった、こういうふうなもろもろの客観情勢をとらえまして、合併ということは必要、というのは、大きな需要を迎えまして、やはり企業基盤を大きくしていく、そしてしっかりした企業基盤でやっていくことが、これは安全性の上から見ても望ましいというふうな観点に立ちまして再々編成を行なったということでございまして、これは大きな目で見れば、やはり安全性にも貢献することではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それから、それではなぜ次官通達を出したのであるか、こういうふうな御質問かと思いますが、これについては、先ほど先生御指摘ございましたように、いわゆる乗員のトラブルといったようなものが直接出てきたといったようなことも確かに一つ原因でございます。と同時に、私どもといたしましては、二つの会社が合併するということになりますと、これは普通の商事会社と異なりまして、航空というふうなそれぞれ特殊な技術を持った会社でございますから、そういったいままで違った技術を持ってそれぞれやっているものが一本になる場合には、それのすり合わせにはよほど用心しなければならぬということは考えておりました。それから、今回こういうふうな結果になって非常に残念でございますが、私が就任いたしましてから、航空行政で一番必要なことは安全の確保であるというふうに考えておったわけでございます。こういう事態になりましてからそういうことを申し上げるのははなはだ残念なんでございますが……。したがいまして、あらゆる機会において安全性ということは強調していきたい。したがいまして安全性ということ、事故の防止ということは、どれほど言ったって言い過ぎることはないのだというふうな信念に基づきまして、あらゆる機会をとらえましてその安全性を強調いたしたいということが、この次官通達にもあらわれているというふうにも私は考えておる次第でございます。
 したがいまして、以上総合して申し上げますと、この合併というものは、決して今回の事故の原因にはなっておらないと私は考えるわけでございます。
 それから次に、気象条件の問題からお話がございまして、要するにこれは企業性の追求というものが結果としてこういうふうな事故を生んだのではないかというふうな御質問かと思います。これにつきましては、企業性の追求、えてしてしろうとの方が航空というものをおやりになりますと、そういうふうなことにもなりかねないというふうなことは一般論としては言えるかと思います。ただ、今度の会社の社長になられましたのは、日航におられました技術の方面の特にエキスパートでございまして、安全性については特に重大な関心と申しますか、重大に考えておられる方でございまして、そういった意味から、もし事故があったら、これは企業性から見てもえらいことになるのだということは、当然前から考えておられましたし、私どももかねがねそれを指摘しておったわけでございます。したがいまして、いかなる場合におきましても、安全性というものを無視して企業性に走る、安全性を無視することイコール企業性であるというふうなことは、これは絶対なかっただろうというふうに私は考えておるわけでございます。
 それから三番目の御指摘、これは航空保安施設というものは地上に施設があるが、機内の施設もちゃんとしていなければいかぬじゃないか、こういうお話でございます。これにつきまして、搭載機器の問題でございますが、これは国内線を飛行するに必要な機器は積んでおりまして、この不備はなかったというふうに考えております。また、飛行前点検の結果もともに異常はなかったというふうに聞いております。
 そこで先生のおっしゃるのは、おそらくフライトレコーダーあるいはボイスレコーダーのことであろうかと存じます。このフライトレコーダー及びボイスレコーダーと申しますのは、これは航空機の航跡をレコードしておく、あるいは航空機の中の会話をレコードしておく、こういうふうなものでございまして、これはむしろその飛行機自体の安全性を確保するというよりは、トラブルのあった場合にその原因を追跡するのに役に立つといった性質のものでございます。したがいまして、これはもちろん事故を望むことは当然ないわけでございまして、事故があることは困るわけでございますが、かりに何らかのトラブル、小さなトラブルでもあった場合には、その原因を究明して今後の事故防止に役立てようという趣旨のものでございます。これは当然私どもといたしましてもこれをつけるべく慫慂しておったわけでございます。ただ、ジェット機につきましては全部ついておりますが、YSにつきましては、本来の構造上必ずしもこれがすぐつくというふうになっておりません。したがいまして、オーバーホールの時期にこれを取りつけていくということで計画的に取りつけを開始しておったわけでございます。そこで、その結果、全日空につきましても四十七年七月には全部つく、それから東亜国内航空につきましても大体四十八年の一月までには全部つくという予定でつけておるわけでございます。したがいまして、今回の事故機につきましてはまだついておらなかったのが非常に残念でございますが、そういうふうな経緯でございますので御説明申し上げておきます。
#33
○久保委員 それぞれお話ありましたが、どうも満足した御答弁いただけないのであります。新大臣は、これからいろいろお調べになってというのでありますが、私が申し上げているのは、やはり航空政策をもう一ぺん新しい目で見直す必要がある。特に東亜国内航空の誕生については幾多の疑問がある。しかも航空局長から、需要の急増というか、いわゆるそういう客観的な情勢がそうさせた、こうおっしゃるが、客観的にはいろいろございまして、政治的な客観的情勢というのもございます。われわれはそういう話も聞いております、もちろん新大臣は御存じないことだと思うのでありますが。そういうことで、航空政策というのは、大体私が国会に来てから見ておりますと、どうもそういう手でくるりくるりと一転、二転、三転しているように私は残念ながら見ております。もしもそうでないということならば、はっきり今回はけじめをつけてもらいたいと私は思うのであります。
 それから、もう一つは企業性の問題でありますが、なるほど社長さんは日航から行ったりっぱな技術者でありますから、安全サイドでおやりになっておると思うのです。しかし、さっきも申し上げたように、この会社を牛耳るものはいわゆる特定の私鉄資本が牛耳っているわけです。おわかりですね。そういうものの権力、これは大きな権力ですから、社長さんだけではいかない面があるのじゃないですか。私は、そういうふうに見たくありませんけれども、そう見る。
 それから、いつのときでも安全性を確保するということはあたりまえだから通達を出している。何であたりまえの通達を出すのか。あたりまえの通達というのは、それではしょっちゅう安全性確保をいっていれば、何か神さまのお札みたいに効力でもあるのかと言いたくなるのですよ。これは異例の通達ですよ。いままでありませんよ、こんなこと。いままでだって合併しているのです。国内航空も合併の所産ですよ。その直後に安全性を確保せいと通達が出たことはいまだ私は聞いておりません、はっきり言って。航空局長としては、いままでの政策なり新しい会社を誕生されたことについて、間違いがあったという答弁はもちろんできないでしょう。しかしながら、結果として間違いがあったということを私は証明したいのです。
 時間がありませんから先に進みますが、いずれにしてもそういうことを十分考えていかない限りは、事故の原因と責任はどうあるべきかという大きな問題にぶち当たった場合に、これから事故調査団が調べた原因だけで、その責任をだれかに押しつけたりどこかに持っていくということについては、この問題に限って誤りだ。少なくとも政策の誤りをまず第一にだれが正すのか。これはもちろん国会がやることだと思うし、新大臣がやっぱりおやりになることだと私は思うので、これはぜひ期待します。
 時間がありませんから、そのほかに搭載すべき機器の話でありますが、ずいぶんゆっくりした話をしていらっしゃる。いままで事故がないから四十七年とか四十八年には載りますということだと思うのでありますが、オーバーホールのときにYS11にはくっつけるとかいうお話ですが、私は専門家じゃないので、技術屋じゃないので、どういう機器が必要かよくわかりません。しかし、われわれ専門家の話を聞いてみると、あなたが答弁したようなものでなくて、もっと違うものも載せられるはずだということであります。いずれにしても、四十七年に載せます、四十八年に載せます、オーバーホールのときにやりますというようなことでわれわれが納得していると思ったらば、事違うということだけは最後にお話をしておきます。これはいずれにしても繰り上げて実施させる、そういうものに耐え得られない企業は政府において何か処置するということで強い態度で臨んでもらいたい、こう思うのです。
 次に、三点ほどありますからこれも申し上げます。
 遺族補償について、総理及び運輸大臣もそうでありましたが、積極的な態度で臨もうということで会社にもお話をしたようでありますが、会社自体は御案内のとおりの会社であります。無配の会社であり、これは借金というかそういうものもあるようですね、日航に対して。そういう会社でありますから、ただ要望しただけでは、これは遺族補償の万全を期することは私は不可能だと思うのです。ついては、政府は前向きでどういう用意があるのか、お聞かせをいただきたい。
 それから、次に空港整備の問題であります。先ほどもお話がありましたが、第二次五カ年計画も、五千六百億の大半は新国際空港の二千八百億、あとの残りがその他ということだと思うのであります。これはなるほど国際空港も問題としては取り上げねばならぬかもしれません。しかし、国民生活からいくならば、国内における地方空港の整備がやはり先決であります。よってもってこの際、単に予算の繰り上げや不要経費の充当などというこそくな手段じゃなくて、もう少し抜本的な、第二次五カ年計画は国内空港整備に力点を置いた再検討をすべきだと思うが、これはどうですか。
 それから次に、最後でありますが、事故調査の常設機関の設置については、私は昨年の予算委員会のこの席で総理に質問をいたしました。要望しまして総理は検討しましょうと言ったのです。一年たって事故が起きて初めてこれはおやりになるのでありますが、やらぬよりはいいです。これは先ほどお話があったとおり独立機関にすべきであって、単に航空機だけじゃなくて、重大な交通事故の調査の独立機関を設けるべきだということであります、私の主張は。おやりになるなら、どうか陸海空全体を含めた事故調査の独立機関を設けて万全を期されるよう私は要望するのでありますが、そのお考えがあるかどうか。
 以上であります。
#34
○丹羽国務大臣 いま御指摘がございましたが、安全性のために企業にどういう機械が必要であるか、私も久保先生よりなおさら知識がございません。わかりません。しかし、安全性確保のために必要なものであれば、これを搭載しないで飛行するということは非常にこれは危険でございます。まず、先ほどから申しましたとおり、安全性確保を第一にするという趣旨から申しまして、そういうものを必ず備えつけさせるということを先にしたい、こういうふうに思っておる次第であります。
 それから事故の原因究明、そうしてまた防止の常設委員会、これは先般閣議におきまして佐藤総理から話があった次第でありますが、私もその前から、事故発生とともにそのことを考えて事務当局にも話をいたしました。アメリカに何かそういったような交通安全委員会というのがあるそうです。これらの組織がいいかどうかということも早急に検討をして、そして予算時期も迫っておりますから、来年の予算にはこれの要求をする、こういうつもりでやっている次第であります。
 それからまた、いまの空港整備の五カ年計画五千六百億円の中でございますが、ことに御指摘のような地方空港の整備、これをぜひ、安全確保の問題につきまして先にやっていかなくちゃいかぬということを私は強く事務当局に指示をしております。具体的にどの程度いくか、それと、またやはり閣議でも話がございましたが、今度二千六百億ですか八百億の財投のあれも出る。これらのものも使えるものは使おうじゃないかということで、いま前向きに検討しておりますから御了承願いたい、こう思う次第でございます。
#35
○久保委員 遺族補償の問題でどういうふうに……。
#36
○丹羽国務大臣 遺族補償の問題は、これは先般も橋本前大臣が、向こうでとりあえずお見舞い金といたしまして会社から百万円出させた次第でございます。それから次の補償につきましては、できるだけひとつ遺族の皆さまに御納得のいくように、すでに会社のほうに指示をしておるそうでございます。これは、これから遺族の皆さまと会社側といろいろと御交渉はあると思いますが、その推移を見まして、私どもできるだけひとつ会社に、とうとい人命、これは金銭にかえられないわけでございますが、できるだけ遺族の方が納得されるように指導してまいりたい、そのためにあらゆる施策をこれからも研究してみる、こう思っておる次第でございます。
#37
○福井委員長 次に松本忠助君。
#38
○松本(忠)委員 北海道の函館北方におきますところのYS11の事故につきましては、なくなられた乗客のお方、乗務員の方々の御冥福を祈るとともに、御遺族の方々に心からお悔やみ申し上げる次第でございます。
 そこで、まず大臣にお伺いしたいのでございますが、私は昨年、四十五年度中に前後五回にわたりまして、ボーイング727の羽田沖の事故について国会において質疑をいたしました。それというのも、727の事故の原因が、いわゆる原因不明という何とも割り切れない結論が出ました。ここに疑問を感じましてやったわけでございます。その質疑を通じまして、今後の航空機の事故に対して幾多の改善すべき点が判明いたしました。それに対しまして政府側の答弁もありました。しかし、依然としてそれが実現しないうちに今回のYS11の事故になってしまったわけでございまして、はなはだ遺憾とせざるを得ないわけでございます。
 それで、昨日の閣議におきましても御検討があったようでございますが、事故再発防止のための基本的対策を講ずる、またローカル線を中心とした計器類あるいは空港設備の充実を、大蔵、運輸両省を中心として早急に協議することをきめた。これは大臣も御出席になっておったから御承知と思う。そのあとでまたさらに総理から、水田大蔵大臣それから運輸大臣の丹羽さんに対しまして、地方空港設備を整備するための予算措置を検討するように指示した。これは先ほど御答弁があった金額で了承できます。そこでそのあとに運輸大臣から、米国のように航空機事故の調査機関を常設のものとするよう検討中である、こういうお答えが出たわけでございます。このことに対しまして、私が先ほど申し上げました前後五回にわたる727の質疑の中で再々申し上げました一刻も早くつくれ、それに対して橋本前運輸大臣も、常設に向かっては前向きで検討する、こういうお答えがあったわけでございます。それが今回は大臣から、この調査機関を常設のものとする方向で検討中だ。しかし、これではいつになってもだめだと思うんですね。もうこれは絶対に自信を持って大臣やっていただきたい。橋本運輸大臣もこの常設の機関については、必ず前向きで検討すると言われておった。そしてそのことを引き継がれている大臣として、常設のものとする方向で検討中なんということじゃもうなまぬるいと私は思う。これはどうしても検討検討の段階でなくて、もう実現を、いつまでに実現しよう、それをひとつきめていただきたい。ここではっきりと大臣から言っていただきたい。これが一つでございます。
 それからもう一点は、最初に申し上げましたように、事故再発防止のための基本的対策を講ずるということを大臣が言った。この基本的対策というものは一体何なのか。この二点について簡単でけっこうでございますから、いつまでに常設の機関をつくるのか、そのめどをはっきり言っていただきたい。いつまでもいつまでも検討中では済まされないものだ。どうかお願いしたい。
#39
○丹羽国務大臣 ただいまのはほんとうに適切な御質問でございますが、私もこの常設事故防止調査機関は早急に、いかなる機構が適切であるかということを検討しまして、それで少なくともそれの骨組みが――しかし来年度予算は、もう七月になっていますから、それまでに間に合うかどうかわかりませんが、少なくともそれの機構を樹立するための調査費は必ず予算に請求しまして、これはとりまして、何年までにつくるというめどをつけたい、こういうふうに思っておる次第でございます。このことは、この間閣議でも予解済みでございます。
 それからもう一つの問題、事故防止の基本対策としましては、これはいろいろ問題がございます。具体的問題になりますと、たとえばいまいろいろ御指摘がございましたが、いろいろの設備を拡充するとか空港を整備するとか、それから管制官をふやすとかいろいろのことがございますが、まず第一に現在としては、安全でなければ運航をさせぬということを基本問題としまして、安全ということをまず第一番にいたしまして、それにのっとって、それを先にいたしまして整備をしていきたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
#40
○松本(忠)委員 大臣、伺いたい問題は要するに常設の調査機関、これをことしは予算がきまってしまったんだからだめだ、新年度の予算で考えるんだ、こういうようなことでなくて、こういう問題は少なくとも補正の中に織り込んでもやろうというぐらいの熱意がなければ私はいかぬと思うのですね。来年の予算でその中に予算は組み込みます、そういう問題で済まされる問題じゃないと思う。こういうものは少なくともことしの秋までに発足させますぐらいの、どうですか、その辺の御意向をひとつ勇断をもってやられたら……。
#41
○丹羽国務大臣 これはおっしゃるとおりでございます。私も早急にこれをやりたいと思っておりますが、ただいま航空審議会で審議中だそうでございます。少なくともそれはやはり審議をしておる。これは促進をすることは可能でございますが、その答申を待たなければならぬ、こう思っておる次第でございます。
#42
○松本(忠)委員 何でも政府は審議会にかけて、審議会の答申が出なければやらぬ。審議会は隠れみのです。私はこういうことではいかぬと思うのですね。これは絶対に大臣早いところ、審議会とか何とかということではなくて、総理と相談して常設の機関をつくります、それぐらいの熱意を示して、早急になんてぼかさないで……。早急というのは一体いつまでのことなんですか。具体的に何月ということを明示できませんか。
#43
○丹羽国務大臣 これは実は私もまだ就任早々でございまして、どういう機構にするか、どういう機構をつくるためにどのくらいの研究をするか、研究期間がどのくらいか、実は私ははっきりしないのです。まだあれしませんで。しかし政府としては、必ずこれをつくるということはもうすでに決定している次第ですから、その点でひとつ御了解願います。
#44
○松本(忠)委員 それでは了承します。その常置の調査委員会についての人選、それからメンバー、そういう点についてもわれわれはいろいろと考え方、構想を持っておるわけでありますけれども、大臣がいまそこまで責任を持つと言われることでございますので、私も了承いたします。
 それから、これは確かに基本的対策としては安全第一だ、ごもっともでございます。しかし、それに対して空港、地方ローカル空港の、要するに整備が非常に不十分だ。そういうものに対しても十分これから、予算も獲得できたし、人員の配置もする、こう言っていますけれども、実際問題として、第二次のいわゆる整備計画、これは五十年ですよ。そうでしょう。それを予算をつけてやる。五千六百億ですか、それでやろうというわけでしょう。そういうことになったとしても、はたして人間が間に合うかという問題ですよ。これは一朝一夕にできる問題ではないと思うのです。みんな技術屋さんなんだ。しかも、われわれの計算ですと約二千人は要るのじゃないかと思う。そういう二千人という人間の養成について、確たる自信があるかということですよ。これは、どうですか局長。
#45
○内村説明員 ただいま先生御指摘のとおり、空港の保安施設、滑走路を含めまして、そういったものにつきましては、おっしゃったように、金はとれても人がとれぬのじゃないかということはお説のとおりでございます。特に、いまの行政機構の中では定員を確保するということが非常にむずかしい。これが一つ。それから現実に人を確保するのがむずかしい。この二つの理由によって、非常に人の問題は困難であるかと思います。
 そこで、私どもいま考えておりますのは、そういった大幅な保安施設等の拡充を目ざし、それについての人の問題を解決するためには、やはりいままでと同じような発想法ではむずかしいのではないか。したがいまして、相当民間にメンテナンスというものを委譲するとか、そういうふうな民間を活用していくということを考えないと、実際問題としてできないということを考えておりますので、それをいま鋭意検討している状況でございます。
#46
○松本(忠)委員 次に問題を移しまして、きょういただきました東亜国内航空のYS11A型の事故調査委員会委員名簿というのがあります。これを拝見いたしました。私はいままでの委員会、いわゆる事故が起きると委員会を発足させるというこの方向ですね、これに対してもしばしば私は、こういう方向じゃいかぬから常置機関をつくれと言ってきたわけです。これはできなかったのだからやむを得ません。そこで今回の調査委員、これについて私、少し聞いてみたい点があるのです。
 これは局長、お伺いしますけれども、この調査団というものに関しては法律的な責任があるのでしょうか、ないのでしょうか。いままでしばしば、お名前を申し上げては失礼でございますけれども、727の調査団の団長の木村さんの放言は大きな問題になっているわけですよ。ああいう放言、無責任な放言、こういうものがあるということは、罰則規定がないのじゃないか、だからかってなことを言っているのじゃないか、こういうふうに私は思うのですけれども、一体この調査団には法律的な責任があるのかないのか、この辺をひとつ伺いたい。
#47
○内村説明員 法律的な責任はないと思います。
#48
○松本(忠)委員 そこで、この点については私は一考も二考も要する問題があると思います。しかもこの調査委員会、この審議の内容についていままでは非公開だ、公開しない、こういうことです。737のことについても四十本からのテープがとってあるわけです。それを私は公開しなさい、その中で、要するに被害者のプライベートに関する問題、これは当然抜くべきだ、しかし技術的な問題についてはやはりこれは公開すべきである、そして発言した人が、あるいはその発言の内容がその方に損害を与えるようなことになってはいかぬから、A氏が何を言った、B氏が何を言ったというような、仮称でもけっこうだからその内容について発表すべきじゃないか、こう言ったけれども、とうとうこの問題は発表せないということで終わっているわけです。しかし、現に運輸省航空局の金庫の中には四十本のテープが残っているわけでしょう。そういうことから考えまして、私は今回のいわゆる調査団につきましては公開を原則とすべきじゃないかと思うのです。国民のわれわれはその内容を知る権利があると思うのです。御承知のように、ニューヨーク・タイムズあるいはワシントン・ポストがベトナムの秘密文書を公開にしたその問題に対して、アメリカで大論争がありましたけれども、これは公開することがいいのだということになったわけですね。そういう点から考えまして、私は今度の調査団はすべからく公開主義でいくべきじゃないか、こういうふうに考えます。その点についてどのように思われるか。それが一点。
 それから、いろいろの証拠の物件がございます。これは山中にぶつかっちゃって飛散しておりますから、完全に収集できるかどうかこれは疑問だとは思いますけれども、遺族の方々に対しては一切こういうものは見せない、これを原則としている。また見たところで遺族のほうじゃそれはわからぬでしょう。しかし、遺族のほうから要求があって、遺族の代理として、技術をよくマスターしている者が、この人を遺族が代理として見せてほしいというときには、私は見せるべきじゃないか。いままでのように、何でもかんでも秘密のべールの中にしまっておくというのはいかぬのじゃないかと思うのです。これは証拠物件などについて遺族団に公開すべきだ、この点が二点。
 それから、今回のメンバーです。このメンバーについて私、十分な調べができておりませんけれども、運輸省の発表などによりますと、要するにこの設計のメンバーをはずすというようなこともいわれている。それからいろいろ利害の関係者、こういう者ははずすというのが、これは常道じゃないかと思うのです。
 そこで、私この調査団の内容を調べてみましたところが、守屋先生はこれは私はもう尊敬しております。ほんとうにこの方のBOACあるいはカナダ太平洋航空機の事故原因の調査については私は敬服しておりますが、お名前を申し上げて失礼でございますけれども、佐貫さんですね、佐貫さんは少なくとも羽田の問題にも関係しているわけです。松山の事故にも関係しているわけですよ。いずれもこれは原因不明といって終わっちゃっている問題、これの中の一員なのです。こういう人を私は加えるべきじゃないと思うのです。ましてやこの佐貫さんはYS11の設計の一員ですよ。そういうことを私は調べておりますけれども、それはどうですか。ですからこういう方は、参考人として意見を聞く分にはかまわないけれども、少なくとも調査団の一員に加えるべきじゃないのじゃなかろうか。それから江島さんや長野さん、こういう方は全日空あるいは日航の実際上の営業にタッチし、運航にタッチされている方ですね。こういう人がいわゆる調査団のナインになって調査をしている間に、会社のほうの自分本来の仕事は一体どうなるのかということです。そして全日空やあるいは日航にまた事故が起きたら一体どうなるのか。自分の本来の仕事を留守にしておいて調査団に加わっている、こういうことも私はあまり賛成できないし、しかもこれはやはり利害に関係があるのです。大きい航空会社という点から考えるならば利害に関係がある。だれだって自分のほうの同業者を悪く言う人はないわけです。この点も考えてみなければいけないのじゃないかと思う。それから横堀さん、この方も松山の事故に関係のある方、それから堀越さんはYS11の設計メンバーの一人だと私は思うのです。こういう横堀さんなり堀越さんという方は、参考人として御意見を聞くのはけっこうであるけれども、調査団の団員からはずして、そしてこれにかわる新たな人を充足すべきじゃないか、私はこう思います。
 以上、三点について簡単に答えてください。
#49
○内村説明員 初めの点は、まず事故調査を公開したらどうであろうか、こういうお話でございます。これについてはしばしば先生そういう趣旨で御質問ございますし、しばしば私もお答えしておりますけれども、やはり非公開にするのを原則としたいというふうな考え方でございます。と申しますのは、やはりだれがどう言ったこう言ったというふうなことになりますと、結局かえってその発言を制約されるというふうなこともございまして、守屋委員長の御判断でもそうでございますし、またアメリカのNTSBあたりでも非公開を原則としておりますので、これにつきましては非公開を原則といたしたいと考えます。
 ただ、その証拠物件なんかについて公開したらどうか。これはやはり先生のおっしゃるとおりでございまして、なるほど、なるべくガラス張りの中でやるということをたてまえとして、どうしてもそうじゃないものについてはやむを得ないということがものの考え方であろうと思います。そこで、証拠物件等につきましては調査終了後公開いたしまして、いろいろ御要望がございますれば、御遺族の方々、あるいはその依頼する専門家の方々、こういう方々に御検討をいただく機会をつくりたいというふうに考えております。ただ、司法機関に関連する証拠物件につきましては、そういった機関の同意が要ること、これはまた当然でございます。
 それから、その次の点はメンバーの問題でございますが、メンバーの問題につきましては、先生おっしゃるとおりなこともあるかと思います。ただ、私どもといたしましても思想的には、申し上げましたとおり中立でほかにあまりかかわりのない人というふうなことを考えて選定いたしたつもりでございますけれども、結果におきまして、ややいままでの事故調査にも関係のあった方もいらっしゃらないわけではございません。これにつきましては、実は委員長になっていただきます守屋先生といろいろ御相談したわけでございますが、佐貫先生は確かに前の事故調査にタッチしておられました。佐貫先生がその事故調査の中でどういうふうなお説を持っておられましたか、私も詳しくはわかりませんが、とにかく佐貫先生は装備関係の権威でございまして、今度の調査の中には、装備関係についてはどうしても佐貫先生に入っていただいたほうがいいだろうというふうなことでございます。なおその他、装備関係には岡田実先生もおいでになりますけれども、佐貫先生もやはりお入り願いたいということでございます。それから運航関係に江島三郎さん、長野英麿さん、この二人をお願いしておりますが、これは、運航関係についてどうしてもだれか能力、識見のある人が要るということは当然でございます。これにつきましていろいろ考えていますけれども、民間航空で使用しております飛行機についての運航、そういったものについてのエキスパートと申しますか、そういう人はなかなかほかに見当たらないわけでございます。そこで、先生のおっしゃったような点もいろいろございますけれども、どうしてもほかに適当な人がございませんので、こういった方々に御委嘱を申し上げたというふうなことが一つでございます。それから横堀先生も防衛庁の医学の実験隊長でいらっしゃいまして、航空医学についてはどうしてもこの方にお願いをいたしたいというふうなことでございます。それから、佐貫先生につきましてはYSの設計にはタッチしておられないと私は承っております。それから堀越先生は、先生おっしゃったように確かにYSの設計にタッチされた方でございます。その点につきましては確かに先生おっしゃられた点があったのでございますけれども、守屋先生の御意見では、守屋先生も機体、堀越先生も機体でございますけれども、どうしてもこの方にお入り願ったほうがいいというふうなこともございまして、お願い申し上げたというふうなことが経緯でございます。
#50
○松本(忠)委員 時間がありませんから深く追及しませんけれども、いまの点について、江島さん、長野さんあたりは、それにかわる人材はたくさんいるわけです。運航の問題は、江島さん、長野さんでなければだめなんだということでなくて他の人でも十分できるわけですから、これはひとつ十分考えてもらいたい、こう思います。
 それから黒田さんにお伺いしたいわけでありますけれども、遺族の補償の問題でございます。この遺族の補償の問題についてはしばしばお話がございまして、遺族の方々に納得のいく金額が支払われるであろうことは当然だと私は思いますけれども、御承知のようにワルソー条約、さらにへーグ条約、こういうものによっていまのところ六百万ということで最高額がきめられているわけですね。そこで、ことしの二月九日から三月八日までの間にグアテマラでこの改正会議が持たれたわけです。これで条約ができたけれどもまだ調印もされてない、こういうことでございますね。ここではへ−グ条約を改正して、いわゆる十万ドル、日本の金に直しますと三千六百万円ということを一応きめられた。日本もこれには参加したわけですね。
 そこで、いま陸上の交通事故などでも一千万という線が出ている。そういう点から考えまして、私はグァテマラのいわゆる十万ドルの線は日本でも実施すべきではないか、こう思うわけです。そういう点の外務省のほうの御意向を聞いてみますと、何かアメリカにおぶさって、アメリカさんが批准をしたれば日本もやるのだ、こういうふうな考えのようなんですね。これはどうもいかぬことじゃないかと思うのですね。いつもいつも佐藤内閣の悪いところはアメリカの追随外交、こういう点を考えましたときに、外務省は少し弱腰過ぎるんじゃないかと思うのです。一応口では人間尊重とか人命尊重だとか言ってますよ。言ってますけれども、こういう具体的な問題に対して真剣に前向きでもって取り組もうとしない。そこが要するに外務省の弱腰だと私は言いたい。ハイジャックの防止法の問題につきましても、これはちょうど時期も時期でございましたし、日本でも急いでこれに加盟した。そういう点から考えれば、当然このいわゆるグアテマラの会議の内容、これはアメリカの出方を待つんでなくて、日本でも独自にこれの推進をかけるというぐらいの熱意があってしかるべきではないか、私はこう思いますので、その点をひとつ黒田さんにお伺いをしておきたい。
#51
○黒田説明員 御説明申し上げます。
 私は、実はこのグアテマラ条約の準備会議の一つが、去年モントリオールで開かれましたときに出席いたした経験を持っておりますので、ある程度具体的にお答え申し上げることができると存じます。ワルソー条約及びワルソー条約を改定するへーグ議定書で定められました金額が、それぞれ三百万円及び六百万円という少額であったものでございますから、アメリカがこれを非常に不満といたしまして、ワルソー条約を廃棄する動きを示したのでございます。それで、アメリカが国際航空運送上占める重要な位置にかんがみまして、アメリカがこれらの条約から脱退いたしますと、国際航空における損害賠償の制度が危殆に瀕するような状況になりましたので、とりあえずモントリオール協定というアメリカの国内及びアメリカへ飛行する国際航空会社が協定を結びまして、その際に七万五千ドルまでの賠償金を最高限度といたしまして、無過失責任の場合も払うという、これは民間の契約でございますけれども、こういうものをつくったわけでございます。アメリカはなおこれを不満といたしまして、十万ドルでも不満だけれどもということで、結局グアテマラ条約を結ぶような会議を持たれたのでございます。
 それで、実はアメリカがこのグアテマラ条約をつくり出す原動力になったものでございますから、もしアメリカがこの条約を批准しないとアメリカはすでにこの条約を署名したわけでございます。その署名した二十一カ国の一つでございますけれども、もしもアメリカがこの条約を批准しないとなりますと、この条約を結んだ効果がなくなるものでございますので、わが国といたしましてはアメリカの批准の動きを見きわめながら署名及び批准に持っていきたい、こういうぐあいな考え方でございまして、アメリカの意向を気にしているというわけではございません。そういう実質的な理由からでございます。
#52
○松本(忠)委員 時間がございませんので以上で終わりますが、なおこの問題に対しては大臣も前向きでひとつ取り組んでいただいて、事故の絶滅、再発防止の点についても十分の御検討をお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
#53
○福井委員長 次に河村勝君。
#54
○河村委員 今度の事件はほんとうに残念な事件でございます。これの原因の究明については、これからいろいろな角度から技術的に研究されて、おそらくは操縦の、ミスとか機械の不備とかあるいは原因不明とか、そういったような結論が出るんだろうと思いますが、しかしそういうことは別にして、今度の事件の本質的な原因というのは二つに尽きると思います。
 その一つは、言うまでもなくローカル空港の保安設備の非常に不完全なことというのが一つであって、いま一つは、これはすでにさっきからいろいろな議論が出ておりますように企業性と安全性の問題。安全第一にいろいろ指導しているというお話であるけれども、現実はどうもそう思われない。非常な悪天候をおかして無理に就航をしたというところに原因があるんだ。この二つに尽きると思います。
 そこで、あとに申し上げた安全の問題ですね。これは箕輪委員あるいは久保委員からいろいろな議論がありましたが、これは非常に重大な問題で、気象状況を勘案してフライトプランを最終的に決定する責任者、一体これがだれであるかということはほんとうに大事なことなんですが、先ほどから伺っておりましても、フライトプランの作成、決定は機長とディスバッチャーとが相談をしてきめるというようなことを言っておりますが、一体相談をしてきめるというのは責任者はだれなんでありますか。およそ相談してきめるなんということはあり得べからざることであって、必ず決定権者がなければならない。いかがでございますか。
#55
○内村説明員 最終的にはディスパッチャーでございます。運航管理者でございます。
#56
○河村委員 そうすると、実際に運航して、危険をおかして飛んでいくのは機長ですね、これは旅客はもちろんですけれども。旅客の安全を全部一身にしょって、しかも事故が起これば自分が犠牲にならなければならないそういう人が、ディスパッチャーがきめればそれに対する拒否権はない、こういうことになるわけですか。
#57
○内村説明員 この場合に、機長の同意がなければディスパッチャーは強制することはできません。
#58
○河村委員 そうすると、決定権者は運航管理者であるけれども、機長は拒否権を持つ、こういうことですか。
#59
○内村説明員 そういうことになると思います。
#60
○河村委員 間違いありませんね、それは。
 それから運輸省の権限ですけれども、先ほどフライトプランの作成、決定には運輸省はノータッチであるというたてまえだという説明でありましたね。そうすると運輸省としては、出先の運輸省の機関が、気象に関してどのような気象条件であっても、それをチェックする権限というものはない、そういうことですか。
#61
○内村説明員 ちょっと管制官の権限を御説明させていただきます。
#62
○河村委員 この点だけでいいです。
#63
○内村説明員 いまの点につきましては、気象についてはチェックする権限はないと聞いております。
#64
○河村委員 そうすると、将来保安設備が完備して計器飛行がやれるようになった段階では、それは航空会社にまかせていってもいいかもしれない。だけれどいまのような空港が未整備の状態ですね、函館空港の場合なんか特に。しかもその函館空港は運輸省が管理をしておる。そういうところに着陸するときにほとんどの事故が起こっている。それにもかかわらず、気象と空港との関係ですが、気象といったって気象独自じゃなしに、一体そこに着陸できるかどうかというところにポイントがあるわけですね。それに対して運輸省というものは責任を持たない。それでよろしいのか。
#65
○内村説明員 特定飛行場にどういう気象条件のときに着けるかという問題でございますが、これにつきましては、フライトプランの作成以前に飛行場ごとに気象最低条件と申しますか、ウエザーミニマムというものがきめられております。たとえば視程がどのくらいである、雲の高さはどのくらいまで、このときはどういう計器をつけているものについては着けてよろしいとか、そういうものがない場合にはどこまでよろしいとかいうことが、各飛行場ごとにきまっております。したがいまして、そのきめられた状況よりも悪い場合には、その飛行場には着けないというたてまえになっております。
#66
○河村委員 そうであれば、運輸省はタッチしないというのでなしに、その一種の安全基準、そういうものがあるのですね。その基準に適合しないものは、飛行を許さないということができるわけですね。
#67
○内村説明員 その点はそのとおりでございます。ただ、フライトプランを作成しますときには当然そういったことは前提といたしまして作成されますので、その許容された範囲内のことにつきましては、なおかつ気象についてどうこうということはいたさないということでございます。
#68
○河村委員 それなら具体的に伺いますが、今度のこの飛行機が飛ぶ際の気象条件、これはその安全基準にかなったものだったのですか。
#69
○内村説明員 ウエザーミニマムの範囲内でございました。
#70
○河村委員 どうもそれがさっき箕輪委員の質問で、実際フライトプランを作成した場合の気象図というもの、天気図は、午前九時のものであってそれ以後のものの天気図というものはなかった、そういう調査でありましたね。そうであれば、実際就航するときの安全基準というものは、運輸省として何も確認してなかった、そういうことになるわけですね。
#71
○内村説明員 七月三日の気象状況を申し上げますと、十七時の観測によりますと、雲高が千五百フィート、視程が十キロ、風向七十度、それから風速六ノット、雨。それから同日の十八時の観測によりますと、雲高千二百フィート、視程八キロメートル、風向五十度、風速二ノット、霧雨ということでございますから、その状況においては、ウェザーミニマムの範囲内でございます。
#72
○河村委員 これは担当は航務課ですか。航務課がチェックするときに、この十八時の観測というものはまだないのでしょう、十七時の天気図も。ですから確認はしてないのでしょう。たまたまあとで調べたらどうやら合っておったからここに持ってきたというので、実際は確認はしてないのじゃないですか。
#73
○内村説明員 それはあらかじめ通信でもって丘珠にも入れております。十八時の情報は丘珠に入れております。それから十七時の情報も発表いたしております。ですから、それは当然聞いてから出ておるであろうというふうに考えております。丘珠のほうは――ちょっと交代いたします。
#74
○住田説明員 十八時の気象情報は、函館の空港事務所から機長のほうに直接連絡いたしております。十七時の気象情報につきましてはまだ確認しておりませんが、従来の手続からいえば、当然飛行機が飛ぶ前に、函館のほうから丘珠のほうへ連絡して、それに基づいてフライトプランをつくるということになっておると思います。これは確認いたしておりませんけれども、通常の場合は、当然函館の気象情報をとってフライトプランをつくる。そのあと飛行機が飛んでおりますから、十八時の分は、あの事故の直前でございますけれども、私どもの交信記録を調べましたところ、函館の空港事務所から機長のほうに連絡いたしております。
#75
○河村委員 さっき航空局長の答弁を聞いておりますと、気象条件に関しては運輸省はタッチをしないたてまえである、そういう最初の答弁でしたね。そういうところに、いま一応答弁はつじつまは合ったような答弁ですけれども、私は非常に不安があるのですよ。
 大臣、この点、いまこれ以上申しませんけれども、やはり何といいましても交通機関の使命というのは安全ですね。疑わしいときには安全な道をとれということは、交通機関の安全の鉄則なんですね。どうもそれが今度の場合でも私は非常にあいまいだと思うのです。この点を大臣としてぜひとももう一ぺん、きょうの答弁だけで終わらせないで、それの責任体制を確立してもらいたいと思いますが、いかがですか。
#76
○丹羽国務大臣 専門家の河村委員にはなはだ恐縮でございますが、私もその点を疑問に思いまして、事故発生直後にその点を問いただした次第です。いま航空局長からお話をしましたのは、やはりそのフライトが可能であるという範囲内で飛ぶ自由、選択を機長にまかすということであったものですから、私も了解をした次第です。いま先生おっしゃった安全第一ということが何よりもあれでございますから、私はその点は厳重に、これからの事故原因究明の点でもあらゆる問題でも、それを第一として施策を講じさせていきたい、こう思っております。
#77
○河村委員 それから、もう一つの原因であるローカル空港の整備について、先ほどから大臣、五千億の五カ年計画の予算を繰り上げてでもやりたいというような非常に意欲的なお話で、ぜひそうお願いしたいものだと思います。しかし、幾らあってもなかなか金は足りないものです。そこで大臣、考え方としまして、国際空港については外国の飛行機との競合があるから、これは少し問題があるかもしれませんが、しかしローカル空港の場合には、受益者負担をもっと考えてしかるべきじゃないか。鉄道を例にとれば、国鉄でも私鉄でも、保安設備は全部自分のところでつくっているわけですね。飛行機だけが全部国が整備しなければならぬという理屈はないのですね。ですから、そのやり方はいろいろありましょうけれども、空港使用料でまかなってもよかろうし、いろんな税金でやる方法もあるでしょうし、いろいろな方法があると思うのですが、思い切ってその受益者負担を取り入れて、それで五カ年を二カ年に繰り上げてやってしまうとか、一年に繰り上げてやってしまうという方法をおとりになったらどうか。少なくとも整備を終わるまではそのくらいのことでやることが望ましいと思いますが、いかがでございますか。
#78
○丹羽国務大臣 いま河村先生おっしゃるとおりだと私も思うのです。それで事務当局も、聞きましたら、その受益者負担、これは十分考えているようです。それで相当現実に使う金はいつでもできる、こういうふうなことでございますが、実際問題とすると、レーダーの基地といいますか、それをどこにするかということに相当かかるということですが、具体的のプランをもう持っているようですから、できるだけ早く実施さしたい、こう思っている次第でございます。
#79
○河村委員 積極的におやりになるのはもちろんけっこうなんですが、それについていま私が申し上げているのは、なかなか国の財政事情があって、五千億を繰り上げるといっても、それができればけっこう、できてもまだ足りない。そこで、思い切って受益者負担の原則を取り入れて、要するに航空会社に負担させろということなんです。鉄道だって自分のところでもってみんな保安設備をつくってやって、それで安全を守っているのでしょう。飛行機が全部国におんぶするということは、公正競争という立場からいったって理屈に合わないのですね。もしそういうことをやったために飛行機の運賃が上がるなら上がっても、公正競争の原理に従って上がるのだから、それはしかたがないのですね。そういうふうにあるべきものだと思うのですが、いかがですか。
#80
○丹羽国務大臣 河村委員のおっしゃっているとおりだと思います。それで受益者負担はできるだけ多くするように、またすでにそういう計画で進んでいるようでございます。それから実際金がかかる、確かにそうでございますが、すでに政府の方針として決定した次第で、早急に施設をする。それから、聞きますと、五千六百億の五カ年計画も、予備金がそのうちの五百万もあるそうですから、それらのほうの流用も考えられる、こう思っている次第でございます。
#81
○内村説明員 ただいまの受益者負担について補足説明さしていただきます。
 先生のおっしゃるとおりでして、鉄道なんかに比べまして、従来航空というものは、やはり一般会計からの金が相当入っておったということでございますが、それでは空港整備というものもなかなか思うとおりにいかないということもございますし、またイコールフッティングの議論もございます。そこでこの四十六年度から、六、七、八、九、十の新しい第二次の空港整備五カ年計画をつくったわけでございますが、これにつきましては、完全なる受益者負担というのがその思想でございます。したがいましてその五千六百億、これは国際空港も入っておりますけれども、特にその中の一般空港等については、完全な受益者負担というふうなことでございます。したがいまして、着陸料ももっと値上げをしなくてはいけません。それから現にこの八月から航行援助施設利用料というものを取りまして、それによって航行援助施設というふうなものをつくってまいろうという考え方でございます。
 したがいまして、そういうような制度で先生のおっしゃるとおりにいたしまして、その結果本年度につきましては、前年度に比べまして格段の事業計画であるということでございます。そういうようにいたしたいと思います。
#82
○河村委員 最後に一つだけ伺います。
 先般、羽田沖の事故のあとの交通安全の特別委員会で私は航空局長に、先ほどから議論になっております事故調査の常設機関、これは望ましいけれども、そこに至る前であっても、そのつど人間を選ぶんじゃなしに、常時しかるべき人をリストアップしておいて、その人には絶えずいろんな情報を提供して、半常置的な人をつくって、いつでもやれるように準備しておくべきじゃないかという意見を述べました。そのときには航空局長は、これはたいへんごもっともだからやりますと言いましたが、今回のこの場合までの間にそれをやっておったかどうか、それを伺います。
#83
○内村説明員 河村先生御指摘のとおりのことでございました。そこで私どもといたしましても、やはり本格的には一つの常設のものをつくるとかいうことを制度化すべきだとは存じましたけれども、その以前にも、やはりそういったものを実効上何かつくる必要があるのではないかというようなことは考えておりました。そこで、事務当局といたしましてもそういったものを考えると同時に、航空審議会のほうにこれを諮問いたしまして、恒久的なものと暫定的なものとこの二つを考えていただきたいということを目下考えておりまして、その段取りをしておったわけでございます。したがいまして、まだ現実にはそういうものができておりませんでしたけれども、不幸にして今回の事故がその段階で発生したわけでございますが、そういうことは心がけておりましたが、現実にはまだできていなかったというのが、正直申しまして実情でございます。
#84
○河村委員 国会答弁は、その場をごまかせばいいというのではなしに、ほんとうにやるべきだと思ったら――私の言っていることは別段そんなに金のかかることでもなし、実現可能なことを言っているのですから、そういう適当な答弁で済ませないようにしてもらいたい。そういうことでは、今後常設機関をつくるなんていったってできっこないですね。国会だからというのではなしに、ぜひほんとうに真剣に取り組んでほしいと思います。
 これで質問を終わります。
#85
○福井委員長 次に田代文久君。
#86
○田代委員 時間がありませんので、三点だけ簡潔に御答弁願いたいと思います。
 私どもは、この事件がわれわれ国民としては、人命上の問題からいいましても、実にたいへんな問題だということで、これが報道されると同時に、党としても調査に参りました。そして現実の問題は、六十八人の犠牲者が出ている、これはもう動かすことのできない事実ですね。こういう犠牲者が出ている問題について私どもは重大な責任を感ずるわけですが、大体この責任はだれがとるのであるか。端的に申しますと、私どもは、これは政府並びに企業がとるべきであるということは、もうはっきりしていると考えます。
 しかし、本日の大臣並びに運輸省当局の答弁の中では、この責任の所在についての明確な、これは自分たちに責任があるのだ、だからこの責任を痛感して、今後こういう方策をとりますというような答弁になっておらないのですね。なお言えば、これはもう大臣の答弁でも人命尊重第一主義、これはあたりまえのことですね。それからさっき内村局長は、自分は就任以来安全確保第一でとにかくやってきている、こういうような御答弁なんですね。その安全確保第一で実際においてやっておられる、ところがその中で現実にいま六十八人の犠牲者が出ている。私どもは六十八人の命というのは、これはなくならないでよかったのだと思います。これは明らかに政策の貧困、間違いからきた犠牲であると私たちは思わざるを得ません。ですから、これはこの責任なり、それから実際の原因というものは、これは科学的な調査資料が最後的には結論を出しますけれども、少なくともわれわれの政治的な責任、現段階において六十八人というような現実の死者、死なぬでもいい命をとにかく殺しているという問題についての責任はどこにあるのか。内村局長は、さっき何か人ごとのように、安全確保第一で私は就任以来やっておりますと言われております。それならば、ここに八十六人もの命が奪われたということに対してどういう責任をとろうとするのか。少なくともこういう重大な事態を起こしたことについては、こういう方針でやったからこういう事態ができたということについて責任をとられるならば、私はこの責任をとってやめます……。橋本運輸大臣が現在おられれば、私は橋本さんに、こういう問題を起こしてやめるのかやめられないのかということを追及したい。しかし、幸か不幸か橋本運輸大臣はやめましたからこれはしませんけれども、私は当然そこまでいかなければならぬと思うのですよ。しかし大臣が、事故が起こって後に人間尊重とか安全第一主義とか言っても、国民は納得しません。遺族の方を納得させることができるかというのです。またそれをもとにして、今後またと再び絶対にこういうことを起こさないという保証を国民に与えることができるかどうか。ですから、まず第一番に、そういうもっと具体的な責任をどこがとるのか。政府がとるのか、企業がとるのか。私は当然これは二つがとるべきだと思うのです。
 基本的な政策のあらわれとして、われわれが調査に行った現地でも、函館の飛行場というのは全くお粗末ですね。管制官もおらぬ、ペンペングサが生えておるというような状態で、かってにやらせるからこういうことになるのです。これは明らかに政策上の不備なり、いわゆるつぎ込むべき予算をつぎ込んでおらないとか、人命尊重では全然ない反対の政策のもとに、全くの企業のその場限りの営利主義のやり方がこういう結果を生み出していると考えざるを得ないのです。ですから第一点は、私はこの基本的責任は政府がとらなければならぬ、運輸大臣がとらなければならぬ、あるいはまた局長がとらなければならないと思うのですが、この責任について御答弁願いたいと思います。
 時間がありませんから、三点だけ述べますが、一括して御答弁願います。
 第二の点は、これは各同僚委員がいろいろ質問されました。私もこれはもっともだと思いましたが、どの同僚委員の質問も大体帰するところは一致しているようなんです。それで抽象的には大臣も、とにかくこういうあれについて総理もこう言った、だから今後こういうふうにしたい、第二次五カ年計画についても、その点ではもう少し考慮する必要があるのではないかというような御答弁です。当然それはそうさるべきだと思うのですが、具体的にこれをやられるかやられぬかということを質問したいのです。
 大体専門家の意見などを聞きましても、全方向式の無線標識それから距離測定の装置、VORあるいはMED、こういう装置がちゃんとあって、そうしてまた飛行機自身にもこれを受信する装置があったということになれば、これは当然避け得たのだ。しかも、当然これは初歩的にやられるべきことである。これがされてないというところにこういうことが起きているのです。ですからこういう簡単な装置、したがってもし人命尊重とか安全第一であるならば、こういう装置をまず第一番に整備してその上で飛行機を飛ばせる。ところが、飛行機を飛ばせるということ、そしてそこでどんな利益をあげるかということが第一にされて、そして飛行場の滑走路が長くなれば、もうすぐそのあとからジェットが来る、ジャンボが来るというようなことで、そういう基本的な人命尊重、安全第一の設備というものが放置された上でそういうことがじゃんじゃんやられるから、こういう政策がいいかげんにやられるなら、第二、第三のこういう事件というものは避けることはできないのじゃないかと私は思うのです。そこで、いま申しますように、そういうVORとかあるいはMEDとか、こういう装置を設置されるかどうか、そしてまたするについては、法的な規制をする必要があると思いますが、その法的な対策を講ぜられるかどうかということをはっきり御答弁願いたい。
 それから、これは政府の一貫した定員法とか合理化とかというようなことに基づいて、当然とにかくそこに管制官なんかおらねばならないのに、一万回以上発着した場合においては初めてそこに管制官を置く、それ以下の場合においては置かないというようなことによって、すでにいままであった管制官も廃止するというようなことでやるとか、それからまたその管制官の通信員も二人しか置かずに、一人がたとえば休養で休んだとかまた事故でおられぬという場合には、一人で何もかもやらなければならぬ。こういう航空なんというのは、一刻を争うような場合もたくさんあるのですね。そういう場合に、二人にとにかく定員を減らしたりあるいは通信員を減らすとかいうようなことで、人間の安全が保たれるかどうか。そういう点は私は全く疑問を持つ。保たれないというふうに考えざるを得ないのです。ですから、そういう点ではそういう形での、ただ人を減らせばいいということでなくて、逆に今度の教訓に学んで、そういう意味での有資格者の最低限の優先配置、またそれの養成というようなことをやられるかどうか、はっきり答弁願いたいと思います。
 それから会社の運航基準というものが、きょうの答弁、質問を聞きましてもいいかげんであることがわかるのですが、会社の運航基準というのをはっきり改めさせるというようなことをやられるかどうか。以上が第二点です。
 それから第三点は、こういう大事件については、今後またと再び起こさないということをやるためには、ほんとうに科学的な客観的な冷静な態度で臨んで、調査をできるだけ早くやる必要がある。その場合に、さっきの御答弁では、さっきの松本委員の質問を私はもっともだと思うのですけれども、調査の審議過程なり、そういう資料ですね、いわゆる原因究明のための資料というものは公開すべきであるということに対しては、いややらない、非公開がいいんだということを言われましたけれども、ヨーロッパでは全部公開を原則にしておるのですね。なぜ公開原則でやらないのか。私どもはこれはどんどん公開して、さっきいろいろ、だれが発言したから個人にどうとかというようなことを言われましたけれども、そういうことは考えられぬわけでもありません。しかし、それかといって問題は人命なんですから、自分が間違った意見を吐いて、国民からああいう意見は調査官がやってくれたんでは困るというような意見が出れば、甘受すべきであると思うのです。問題は、そういう衆目の見るところだれが見ても、こういう原因の調査というのは、全く公正で正しいし、科学的であるし冷厳な事実に基づいての判断であるということになるかどうかということが一切の根本なんですから、当然私は、そういうことをするためには公開の原則というのを、とにかくもしまだやらないと思っているならばやるべきである、やらなければならない。こういう点では、たくさんの人が見てたくさんの人が調査することによって初めてこれは内容も明らかになりますし、それからまた責任を感じてやると思うのです。しかし秘密でやって、そうして自分が何を言ったかわからぬということになれば、結局うやむやになる。
 その際問題にしなければならぬのは、さっき思想に関係があるとかないとかおっしゃいましたけれども、何でそういうことをおっしゃるのか私はわからない。これは科学ですからね。技術とか科学でしょう。真理でしょう。真理と科学を、そうしてこれはとにかくこういう欠陥があったとかなんとかいうことを調査するのに、何で第一義的に響くようなそういう言い方をされるのか。とにかく在野各界のそういう専門家、練達の士は十分積極的に参加させて、あるいは協力体制をつくる。そうしてさっき言いました常設事故調査機関、これは当然強力なものをつくるということをやらなければ、これはやはり秘密主義、ごまかし主義、くさいものにはふたをせいということになる危険がある。そういう点で在野の各界の人士を十分参加させ、協力体制をつくってそうして公開制にする。その場合に、たとえば遺族にとりましてはたまりませんから、遺族が、あの調査官だったら、あの学者だったら十分調査していただけるかもしれぬというようなこともあり得ますから、遺族の意見も聞くとかいうようなことを民主的に十分やるべきであると思います。
 いろいろお尋ねしたいことがたくさんありますけれども、時間の関係上以上三点を質問しまして、各点について御答弁いただきたいと思うのです。大臣から、第一点の責任の問題をはっきりしください。
#87
○丹羽国務大臣 ただいま行政官庁に責任があるのか、会社にあるのかという話でございますが、これはやはり私は、監督で行き届かない点がございましたならば、監督責任は行政官庁が負わなければならぬと思います。しかしながら事故でございますから、事故が起こりましたら、これは事故の行為をした人並びにその会社というものがやはり責任を負うべきものだ、こう思う次第です。しかし、これは正確な調査の結果に待たなければいかぬと思っている次第でございます。私といたしましては運輸行政の円満な遂行、国民にサービスということを第一の念願としておりますから、そういう点で精神的には非常に責任を感じる次第でございます。
#88
○内村説明員 次に、第二次五カ年計画その他においてVOR、DMEの整備をはかれというお話でございます。それはそのとおりでございまして、私どもといたしましても極力VOR、DMEの整備をはかってまいりたいというふうに考えております。
 それから、滑走路延長ばかりすると大きな飛行機が来てあぶなくて困るじゃないかというふうなことをあるいは言われたのかと思いますけれども、滑走路延長というふうなことは、やはり私どもといたしましては、大型機を飛ばせることもありますけれども、安全にも大いに寄与する目的に考えておるわけでございます。と申しますのは、たとえばILSというふうな手段がございますけれども、これは悪天候のときにも、つまりウェザーミニマムが低くても進入できるというふうな質のものでございまして、ILSをつけるためには、やはり滑走路の幅を広くするとかあるいは滑走路を延長してまいりませんと、実際にウエザーミニマムが下がってまいりません。したがいまして、そういったことのためにも、やはり滑走路を延長するなりあるいは幅を広げる必要がございます。
 それから、かつて松山の事故がありました際に、大体国内のYS用の飛行場は千二百メートルぐらいでございましたけれども、これは千二百でもちろん離陸、着陸はできるわけでございますが、なおさら念を入れまして安全のためには滑走路を延長すべきであるというふうな議論がございまして、そういった議論も踏まえまして、千五百メートルにできるだけ物理的に可能な場合には延長していくというふうな方向を考えておるわけでございます。したがいまして、いま申し上げたいことは、滑走路の延長ないし拡幅というふうなことも、やはり安全性につながるものであるということを申し上げたいことでございます。
 それから、管制官と管制通信官の問題でございますが、函館におきましては管制通信官だけで管制官がいないではないかというふうなことでございますが、これは私ども基準を設けまして、年間に一万回以上のところには管制官をつくる、それ以下のところは管制通信官でよろしいというふうに考えております。と申しますのは、管制官の職務というものを一応いまあげてみますと、空港及びその周辺を飛行する航空機に対しまして離発着の許可を与え、また指示を与えるということが一つ。それから、計器飛行状態におきまして管制部の発する管制承認、指示、許可、こういったものを中継する、この仕事。それから飛行場の保安施設、それから気象、航空交通等の情報を提供する、この三つが管制官の仕事でございます。その中で管制通信官はどうかと申しますと、管制通信官は一番の離発着の許可、指示ということはできません。しかし二番目、三番目の、いわゆる情報の提供あるいは管制部で行なう許可なり何なりの中継ということは、管制通信官でできるわけでございます。そこで、先ほど申し上げましたように、ウエザーミニマムというもの以上の、管制官が気象条件のためにこれは着いていいとか悪いとかいう判断は、管制官もいたしておりませんので、やはり管制官のおもな、発着の許可なり指示なりをする場合の判断の基準は、上空が混雑しておって間隔が非常に近まってまいる、それを広げて整理していくということがおもな仕事でございます。したがいまして、ある一定以上の交通量がふえてこない場合には、いわゆる情報提供だけをすればつとまるというふうなことから、そういう趣旨で函館には管制官は置いていない。一般的に申しましても、交通量の少ないところには管制官を置いていないで、管制通信官を置きまして、情報の提供をいたしておるということが実情でございますので、この点につきましては、管制官がいないからあぶないのであるということは、私どもは考えていないわけでございます。
 それから最後の点、常設調査機関をつくって、この調査内容を公開したらいかがか、こういう御意見でございますが、これは常設機関をつくることが望ましいことは、先ほど大臣からも答弁ございましたように、その方向で進めてまいりたいと思います。ただ、その調査内容の公開ということは、先ほども申し上げましたように、やはり一々発言内容を公開するということは望ましくないということでございまして、これはアメリカにおいても非公開でございますし、イギリスにおいても非公開というふうに聞いております。そのほかのところにつきましては、私ただいま手元に資料がございませんが、そういうふうなことも参考にいたしまして、一応非公開というふうに考えておるわけでございます。
 それから、思想的にどうこうということは、これは私ども全然考えてはおりません。もっぱらおっしゃるとおりに技術の問題でございますから、技術について識見、能力のある方については御参加願いましてお願いしたいというふうに考えておるわけでございます。いずれにしましても客観的、中立なものをつくりまして、ほんとうに技術的、科学的に原因を究明していただきたいというふうに考えておるわけでございます。
#89
○田代委員 一言だけ。いまの大臣の御答弁、それから局長の答弁にしましても、これは納得できない。特に、責任問題についての大臣の御答弁ですね。調査結果に基づくと言われて、これは言われることはどういう点を言われているかは、これはわかりますけれども、しかし、これは調査結果が出なくても、現実に六十八人死んでいるんだ。それに対しては、明らかにこれは政治の問題だという点を、どうしても私たちは政府としてはまず第一にとらえなければならぬと思う。これを無視して、この原因の基本的な根本問題をかれこれ言ったって、これは解決しないと思うのです。単なるこれは技術上の問題ではないと思うのです。どういう姿勢でどういう政策で、ほんとうに人間尊重が第一義になっているか、そういう点についての答弁がこれは納得できません。その他のいまの局長の答弁も、これは方向違いの答弁もされている点があるし、その点でもいろいろ言いたいことはたくさんありますけれども、時間がございませんから、一応これで質問を終わります。
#90
○福井委員長 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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