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1970/04/28 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 商工委員会 第18号
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1970/04/28 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 商工委員会 第18号

#1
第065回国会 商工委員会 第18号
昭和四十六年四月二十八日(水曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 八田 貞義君
   理事 浦野 幸男君 理事 鴨田 宗一君
   理事 進藤 一馬君 理事 橋口  隆君
   理事 武藤 嘉文君 理事 中村 重光君
   理事 岡本 富夫君
      石井  一君    小川 平二君
      神田  博君    左藤  恵君
      坂本三十次君    塩崎  潤君
      松永  光君    石川 次夫君
      岡田 利春君    加藤 清二君
      近江巳記夫君    松尾 信人君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        委員長     谷村  裕君
        通商産業大臣官
        房長      高橋 淑郎君
        通商産業省企業
        局長      両角 良彦君
        通商産業省重工
        業局長     赤澤 璋一君
        通商産業省繊維
        雑貨局長    楠岡  豪君
        通商産業省鉱山
        石炭局長    本田 早苗君
 委員外の出席者
        経済企画庁国民
        生活局参事官  山下 一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 通商産業の基本施策に関する件
 私的独占の禁止及び公正取引に関する件
     ――――◇―――――
#2
○八田委員長 これより会議を開きます。
 通商産業の基本施策に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出があります。これを許します。近江巳記夫君。
#3
○近江委員 最近アメリカにおきましては、数千億円にものぼる国家資金を投入してきたSSTの開発を中止し、さきには英国のロールスロイスが倒産するというように、世界の航空機産業が非常に大きく流動化しておるわけですが、通産省としてはかねてから、わが国の航空機産業を育成振興するためにYSに次いでYX開発を進めておる、このように聞いておるわけですが、世界の航空機産業がこのように非常にゆれ動いておる、こういう現状を見ますと、航空機産業の確立ということが非常に容易でないように思われるわけです。その点、通産省としては、このような世界的な動きをどのように判断しておられるか、まず初めにこの点についてお聞きしたいと思います。
#4
○赤澤政府委員 ただいま御指摘にもございましたように、世界の航空機産業は、ロールスロイスの倒産ということと、それからアメリカにおきますSST計画の中止ということで、非常に大きく動いております。この両方の問題は、戦後の世界の航空機産業にとっていわば二大事件と申しますか、非常に大きな事件であるように思われます。
 ロールスロイスにつきましては、御存じのように、この二月の四日に事実上倒産をいたしまして、二月の五日には、イギリスのコーンフィールド航空産業大臣が国有化の方針を表明をいたしております。ロールスロイスは非常にすぐれたエンジンメーカーでございまして、いわば世界の三つのエンジンメーカーの一つであり、長年英国が誇りにしてきた航空機エンジンの会社でございますが、ロッキードのL1011という航空機に搭載をする予定でありました、RB211という非常に大型のジェットエンジンの開発費が膨大になってきたというようなことを直接の原因といたしまして、財政上困難におちいり今日の倒産をするというようなことになったわけでございます。
 これに関連をいたしまして、わが国にもいろいろな影響があろうかと思いますが、まず第一に考えられますことは、現在、日本が生産、販売をいたしておりますYS11のエンジンは、御承知のようにロールスロイス社製でございます。このエンジンにつきましては、計画されております百八十機に見合うエンジンの購入がすでに行なわれておりますので、この面の影響はさして大きくないと申しますか、まずないと思います。問題は、むしろXT−2といっております航空自衛隊用のジェット練習機、これに搭載をいたしますアドーアというエンジンがございますが、これがロールスロイスのエンジンでございまして、今後このエンジンがどういうふうに製造を続けられていくかということが非常に問題になっております。この点につきましては、防衛庁のほうからも調査団が参りましていろいろ調査もしたようでありますが、結論的には、この生産は続行するけれども、ただ当初見込んでおりました価格に比べますと、相当程度高い価格にこれがなるのじゃないかというようなことが報告をされておりまして、こういったた点から、今後、防衛庁用の超音速のジェット練習機、これの生産についていろいろ問題を投げかけてくるのではないかと思っております。
 また間接的には、このロッキードの、先ほど申し上げました1011という大型機が、もしこのエンジンの生産が続行されないといたしますと、事実上量産ができませんので、そうなってまいりますと、これに見合っておりますような、たとえばダグラスのDC10でございますとか、あるいはボーイングの747という例のジャンボでございますが、こういったものの生産が非常に変わってくる。こういった意味からも、世界の大型の旅客機、これの今後の生産というものに大きな影響をもってくるのではないかと思われます。
 ただ、こういった点につきましては、今後RB211というエンジンを引き続き生産をするか、あるいは生産をする場合にもどうするかということで、これはイギリス、アメリカ両政府間でも討議が行なわれておりまして、まだこれをやめるという結論にはなっておりません。方向としては、引き続きこれを生産をしていくという方向で現在討議が行なわれているというふうに承知をいたしております。
 SSTにつきましては、これはもう御存じのとおりでございまして、全体といたしまして約六千二百億円という膨大な開発費を予定し、そのうちで政府のほうも約四千七百億円という予算を組んでおったものが、すでに官民合わせて四千億の支出をした段階で中止ということにきまりましたので、これはボーイングに与える影響はもとよりでありますが、今後の世界のSST計画、こういったものに与える影響、相当多かろうと思います。ソ連ではもう現にこういったものが完成をされており、ヨーロッパでは、御存じのようにコンコルドという計画が英仏で進められております。こういったものにこれがどう影響してくるか、今後の問題であろうと思います。
 こういったような大きな波の中で、私ども航空機工業というものを日本で育てていこうということでございますので、当然こういった動きをよくにらみながらわが国の航空機工業を確立してまいる必要があるわけでございます。特に、私どもが心から念願をいたしておりますような、わが国の航空機工業を民間の旅客機を中心に育成していこうということでございますと、いまのこの二大事件は、今後の少なくとも大型の旅客機の開発というものには重大な影響があろうかと思います。こういった点からも、海外のこういう事情を十分踏まえながら今後の旅客機開発に慎重に対処をしていく必要がある、こう考えておるところでございます。
#5
○近江委員 前に分科会で私が次期YXの開発についてお聞きしたところ、国際共同開発ということで推進していきたい、そういう答弁があったように思いますが、その相手方の候補として、このアメリカのSST計画を引き受けておったボーイング等の名前があがっておるわけですが、しかしこの現状において、その相手方たる海外の航空機産業、これが非常にゆれておるということでありまして、こういう事態に際して、通産省としては国際共同開発を主張しておられるわけですが、この点どのように問題を考えておられるか。その辺のところどうなんですか。
#6
○赤澤政府委員 いま御指摘もございましたように、私ども、次期の民間輸送機の開発につきましては、やはり国際共同開発でやるのがいいのではないかというような考え方を持っておりまして、この点は、現在も開かれております航空機工業審議会の議論におきましても、ほぼその方向が確立したと考えてよろしいかと思います。
 ただ、こういったような国際共同開発と申しますのは、近江先生もこの前の御質問で十分御指摘がございましたが、何と申しましても、一つには大型の輸送機の開発というものには多額の費用がかかります。こういった面から、そのリスクというものをできるだけ国際的にも分散をしておいたほうがいいのではないか、こういう考え方が一つ。それから第二に、このほうが実は重要な要因かと思いまするが、同じような型の飛行機を各国がつくりますと、一定の仕様の中でたいへん激烈な競争になりますので、こういったことではなかなか開発費を取り戻して採算が合うというところまでまいらない、こういったことから、できるだけ共同開発をすることによって市場を確保し、そしてその飛行機の採算性を高めていこう、こういうのが主たる目的であろうと思います。現にYS11につきましても、これができ上がりましたときにおきましては、すでにフォッカーのフレンドシップでございますとか、その他一、二の同じような飛行機が出ておりまして、非常にこの市場確保と申しますか、世界の市場の中では激烈な競争をせざるを得なかったというような事情もあるわけでございます。こういったことから、実は国際共同開発ということが大きな動きとして出てまいりまして、先ほども申し上げましたようなヨーロッパのコンコード計画、あるいは欧州のエアバス計画等等におきましては、二カ国、三カ国あるいは四カ国といった国々がそれぞれ共同で開発するということになっておるわけであります。こういった観点から私どもも、次期の輸送機でございますYXにつきましては、国際共同開発をやることが望ましいのではないかというような考え方を持っておりますが、この相手方といたしまして、昨年来オランダのフォッカー社、またアメリカのボーイング社から、日本に対しまして共同開発をやらないかという呼びかけがあったのでございます。
 こういったような呼びかけを受けて、私どもも、審議会等にはかりながら慎重に検討いたしておりまするが、何ぶん、いま申し上げましたような国際情勢が非常に大きくゆれ動いておるところでもあり、いまのSSTの計画自身がボーイング社にどういう影響を与えるか、こういった点もあり、またエンジンの面でも、ロールスロイスの倒産が、われわれが適当と考えておりますような、二百席あるいは二百二、三十席くらいの大きさのジェット旅客機に見合ういいエンジンがはたして手に入るかどうか、こういった点等もございまするので、私どもとしては、航空機審議会の場で十分国際共同開発についての基本的な方向をまず固めておいて、その上で各具体的な相手会社との間に折衝を開始していったらどうか、こういうことでいま審議を進めていただいておるところでございます。おそらく来月の二十日前後には、この国際共同開発を軸にいたしました今後の輸送機を開発するにあたっての骨組みと申しますか、ワク組みと申しますか、そういったことについての答申が航空機工業審議会から出てまいりますので、それを受けまして具体的な相手方との折衝の細部を詰めていく、そういう作業の段取りに進んでまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#7
○近江委員 世界の航空機産業が非常に大きく流動化しておる。航空機産業については容易ならざるものを感じるわけですが、わが国の航空機産業界もいままでYS11をやってきたわけですが、国会でも非常に問題になったのですが、大幅な赤字問題をかかえているわけです。こういう問題について、昨日、日航製造の経営改善専門委員会の検討結果が報告されたようでありますけれども、その内容を簡単にお聞きしたいということと、また、これを受けた通産省としては、この赤字を今後いかに処理をしていかれるのか、簡潔、明確にひとつお答え願いたいと思うのです。
#8
○赤澤政府委員 ただいま御指摘のように、昨日の航空機工業審議会の製作小委員会におきまして、その製作小委員会の中に設けられました経営改善専門委員会から、日本航空機製造の経営改善に関する報告書が提出をいたされました。
 この報告書の内容をごくかいつまんで申し上げますと、まず、こういう赤字を生じた背景なり原因なりは何かということの究明が行なわれておりまして、その点につきましては、やはり第一には、初めての国産民間輸送機でありますために、こういったものの開発、量産、販売それぞれの段階で経験が非常に皆無であった、そういったことからくる経営上のいろいろなそごがあったということ。また、先ほども触れましたように、YS11の出現当時、非常に競争機がございまして、こういったものとの競争上、販売面で非常に不利な状態に立たされたというようなこと。また、この量産を始めます場合に、先ほど申し上げましたような、全く経験のない世界でもございましたので、官民両面、全体からいたしまして、これに対する十分なる準備が不足であったというような点。また、これはあとの問題にも関連するかと思いまするが、日本航空機製造といういわば官民の共同で出資をいたしました株式会社形態、こういったものが適宜、適切に資金を運用しながら、いま申し上げたような販売戦線の中で十分有利な活動をすることがどうもできなかった、いわば非常に機動性を欠いた経営運営があったというような点等が指摘をされておるわけであります。現状におきましてはこれはまた来月の末に株主総会で明らかになると思いまするが、昨日報告されましたところを簡単に申し上げますと、今期、四十五年度におきましては、従来のいわば不良資産と申しますか、こういったものを一挙に表面化してしまおうということから、約五十億円の特別損出を計上するということで、この五十億円の特別損出を含めまして、四十五年度の赤字が約七十億円ということになるわけであります。四十四年度末で約七十六億円余の赤字を計上いたしておりまするので、これを合計いたしますと、四十五年度末の累積赤字は約百五十億円前後になるものと思われるわけであります。
 こういったような現状を踏まえまして、今後どういうふうになるかということでございまするが、現在百五十一機販売をいたしておりまして、計画どおりでまいりますと約二十九機がまだ未販売でございますが、そのうちほぼ十機程度は大体成約済み、もしくはほぼ成約の確実なものということになっておりまするので、残りの十九機というものの販売を四十六年度、七年度を通じまして行なってまいるということが第一点でございます。したがって、この百八十機が四十七年度末に製造、販売が終了いたしますれば、日本航空機製造といたしましては、この段階で一応そういった事業を中止をし、以後は部品の補給と債権の回収に当たるという性格を持った会社にこれがなっていくわけであります。そういった段階におきまして、一応量産販売の終了する四十七年度までとってみますと、やはり四十六年、七年引き続いてある程度の赤字が見込まれるのではないか、こういった予想が立てられております。この委員会といたしましては、四十七年度末におきまして、ほぼ確定数字をもとにして従来までの赤字を一応ここで区切りをつけるのがいいのではないか。そのために、四十六、七年度を通じてできるだけ早い機会に、この赤字処理についての対策を打ち出すべきである、こういうことが示唆をされております。
 私どもこれを受けまして、さらに航空機工業審議会で最終的な赤字処理についての方向が打ち出されると思いますので、こういった答申を得次第、私どもはさらに日本航空機製造の中身をもう一回精査をし、財政当局とも相談をいたしますが、この答申にございますように、できるだけ早い機会にこの赤字処理についての抜本策を講じておく必要がある。そういたしませんと、時期がおくれればおくれるほど、実は金利が雪だるま式にふえてまいりまして赤字をさらに累増するということでございますので、若干その点、財政的にも問題があろうかと思いますが、私どもとしては、この答申を受け次第、財政当局とも話を煮詰めまして、できるだけ早い機会にこの赤字処理についての基本的な財政的処理を固めておく必要がある、こう考えておる次第でございます。
#9
○近江委員 百五十億という膨大な赤字でございますが、いろいろとお話があったように、答申を受け、早い機会にやる、こういうことでございますが、国民の皆さんもこの点については非常に心配しておりますし、十分なる回収方法等も考えていただきたいと思うのです。
 それから、きょうは時間もありませんので、簡単にずっとお聞きしていきますが、いずれにしても、航空機事業の困難さをさらに克服して今後前進をしていかなければならぬ、私もこのように考えておりますが、それについていま、基本的なそういう構想、その考え方、どういうものを持ってこれに取り組もうとしておるか、またその開発主体、資金調達等についてどのように考えていらっしゃるか、最後にまとめとしてこの点をお聞きしたいと思うのです。
#10
○赤澤政府委員 かねてからこの委員会でも御指摘がございましたように、航空機産業といいますのは、やはり非常に技術集約的な産業であり、また一国の機械工業というものをリードしていくためには、どうしてもこれを振興、育成していかなければならぬ、そういう筋合いの産業であろうと私ども思います。しかし、反面におきまして、先ほど来申し上げておりますように、非常にリスクの大きいものでございますし、また開発費も膨大なものがかかってまいるということでございますので、その辺については、当然また別途の角度からも検討してもらわなければならぬということであろうと思います。しかし、いずれにいたしましても、今後の航空機の需要と申しますものは、いわばモータリゼーションの域を出まして、われわれの交通の足と申しますか、一般の人が常にこれを使っていくということから、今後、膨大な航空機需要が望まれておりますが、こういったものを全部外国にまかせてしまうということは、日本の産業面からいたしましても、また国全体の航空政策からいたしましても適当でないという考えを、私は強く持っておる次第でございます。こういったことから、今後の航空機工業というものを、自衛隊用といいますか、防衛庁用のもの一辺倒にすることなく、やはり民間の国民生活に結びついた、同時にまた、産業、輸出の面に結びついた輸送機というものに大きく比重をかけてこれを持っていかなければならぬ、こういうことを基本的な考え方として強く持っております。
 こういったことを実現してまいります軸になりますのは、やはり今後のYX計画、非常に広い意味で次期民間ジェット旅客機、こう申し上げたほうがいいと思いまするが、これがやはり中核になってまいります。この中核になってまいります次期輸送機につきましては、先ほど来申し上げておりますように、やはり国際共同開発を方針として、いまのように非常に激動しておる国際航空機産業状態ではありますが、この中にうまく地歩を占めて、そしてかつ日本の航空機工業としての自主性を十分確保しながら前進をしていきたい、こう考えております。
 こういった自主性の確保の問題につきましても、当然いろいろな角度から具体的なプロジェクトに当たって検討してまいる必要がございまするし、また航空機工業界自身も、こういったものについて、十分これを遂行するに足るだけの体制が必要であろうと思います。また開発あるいは生産の段階で、現在YS11を日本航空機製造が担当いたしておりまするが、これはこれといたしまして、新規のこういったような新しく大きなプロジェクトにつきましては、やはり新しい皮袋にこれを盛って遂行する必要があると思います。こういった点からも、私ども、この航空機工業審議会におきまして、今後の民間ジェット旅客機の製造を遂行するに足るだけの組織、体制はいかにあるべきかということで目下審議をしていただいておる最中でございます。必ずしもいまの日本航空機製造の発展的な解消ということだけにとどまらず、飛躍的な考え方も、いろいろな委員の方からも意見が出ております。こういった意見を踏まえまして、来月の下旬に答申が出されると思いまするので、私どもその答申を受けて、いま申し上げましたような基本的な理念を踏まえながら、今後これの振興に進んでまいりたい、こういうのが私どもの基本的な考え方でございます。
#11
○近江委員 繊維問題は、後日いろいろ詳しく聞きたいと思いますが、二、三点だけお聞きしておきます。
 対米輸出規制を業界において準備中、このように聞いておるのですが、いつから実施できる見通しであるかということが一点。それから、対米規制に伴い業界においては相当の困難が予想されるわけですが、これに対する救済措置はどのように考えておるか、これが二点です。三点目は、新聞報道によりますと、八百五十億程度を与党としては考えておられるように見たわけですが、事務当局はこれについて十分と思われるかどうか。まずこの三点を簡潔にお答え願いたいと思います。
#12
○楠岡政府委員 第一点の、いつから実施できるかという御質問につきましては、ただいま業界では、七月一日から規制が実施できますように、鋭意準備中でございます。業界の内部にはいろいろ立場の相違もございますけれども、業界としてはやはり自主規制宣言を守らなければならないという決意でございまして、いろいろ問題はございましょうが、とにかく七月一日には規制が実施できるという体制でいま臨んでおるところでございます。政府としても、できるだけこれに協力してまいりたいと存じております。
 それから第二点の救済措置の問題でございますが、これは御指摘のとおり、対米繊維輸出規制を行ないますと、業界に対しましては相当の影響があると考えられます。まず、需給面からの困難を緩和しますために、織物業その他につきまして、事業の廃止あるいは規模の縮小に伴って生じます過剰の設備を買い上げるということを第一に考えております。それから第二番目には、規制に伴いまして、滞貨を生ずるとか、あるいは資金繰りが苦しくなるということも考えられますので、そういう影響を緩和しますために、長期低利の運転資金を供給するということを考えております。
 それで第三点の、新聞報道等にございます八百五十億程度でどうかというお話でございますが、ただいま、大筋といたしましてさきの二点、つまり設備の買い上げと長期低利の運転資金の供給という大きな柱につきましては、大体の考え方が固まりつつあるわけでございますけれども、金額につきましてはまだ検討中でございます。ただ事務当局といたしましては、過剰設備を解消するための買い上げでございますから、あまり規模が小さくては実効があがらないのではないか。また買い上げの単価も、あまり単価が低いと設備を売ろうという人がなくなるわけでございますから、台数あるいは単価につきましても、できるだけの配慮を行ないまして、過剰設備の解消というものの実効があがりますような金額をできるだけ確保したい、かように考えるわけでございます。運転資金につきましても、業界が非常に多方面にわたりましてその需要も多いことと思いますので、長期低利で、しかも金額も業界の需要を満たすに足るだけということで、私どもとしては、できるだけ実効のあがる対策が確保できるように最善の努力をはかりたいと考えております。
#13
○近江委員 特に実効のあがるような対策を考えたいという御答弁でございますが、与党のほうは八百五十億くらいということをおっしゃっておるのですが、谷口日本繊維産業連盟の会長は、大体千二、三百億くらいの救済資金を要請しておるわけです。その点、あなたのおっしゃる、実効のあがるようなということは、谷口会長がおっしゃっているくらいの金額にしていきたい、こういうことですね。
#14
○楠岡政府委員 業界からは各団体からの数字がございますけれども、各団体と私どもとの間ではまだ十分な詰めが行なわれておりませんので、正直に申しまして、ただいまの千二百億程度の数字がそのまま実効のあがる数字かどうか、これはさらに検討さしていただきたいと思います。
#15
○近江委員 これ以上数字の点を言っても、あなたは同じ答弁ばかりだと思います。いずれにしても、繊維は非常に大きな問題でありますし、関連を入れますと非常に多くの人の生活がかかっておるわけです。政府としても、ひとつ真剣に実効のあがるそれをやっていただきたいと思うのです。形だけのことであってはならぬと思うのです。あなたも、そこではっきりおっしゃったわけですから、その点は十分実効のあがるようにしてもらいたい、これを強く要望します。
 それから、この対米規制を行なう以上は、輸出振興のために中共、ソ連貿易に特に努力すべきである、このように私は考えるのですが、いまその実情はどうなっておるか、それを簡単に要点を答えていただいて、今後、政府としてはいかなる対策をもって中共なりあるいはソ連貿易をやっていくか、その対策についてお聞きしたいと思うのです。
#16
○楠岡政府委員 対米自主規制に伴いまして、繊維の輸出を振興します場合に市場を多様化しなければならないということは、私どもも当然のことと考えております。したがいまして、ただいま御指摘のソ連、中共に対します輸出を伸ばしますことも、今後ますます必要になってくると存じます
 実情を簡単に数字で申しますと、ソ連への輸出は、一九六八年には六千万ドル足らずでございましたが、昨年は一億ドルの大台を越えております本年になりましてからも、まだ二月までの数字しか出ておりませんけれども、昨年の一、二月の七百万ドルに対しまして、千三百万ドル近くになっております。アイテムとして大きいものは毛糸、それから二次製品が非常に大きゅうございます。
 それから、中華人民共和国でございますけれども、これに対します輸出は、まだ比較的額は小さいのでございますけれども、一昨年は千七百万ドル台でございましたのが、昨年は約二千百万ドルということで、伸びる傾向があるわけでございます。ただ、本年に入りまして、一、二月の数字は二百四十万ドルということで昨年よりは多少減っておりますけれども、業界として今後の輸出を大いに期待しておるところでございます。おもな品目は、スフ綿とか合繊綿、合繊の糸、合繊の織物などでございます。
 今後、輸出を伸ばすためにどうするかということでございますけれども、繊維品につきましては、別に政府が輸出を規制しておるものはございませんので、民間で自由に輸出ができるわけでございますけれども、私どもとしましては、こういう地域についての、たとえば情報の不足とか、それから調査団の派遣、そういった市場開発面につきまして、もし業界から要望がございますれば、できるだけの援助をいたしまして、市場への接近を容易ならしめるよう努力いたしたいと存じます。
#17
○近江委員 いま中国なりソ連なりの共産圏諸国をお聞きしたのですが、世界全体で考えて、対米輸出がこのように規制されてくるということにななってきますと、もっと大幅な伸びを考えていかなければならぬ。そういう点でいけば、全世界を対象として今後どのようにそれを進めていくかということになるのですが、他の地域について大幅にそれを進めていくためには、どういう対策をとっておられますか。特に重点的には、ほかにどこを考えておりますか。
#18
○楠岡政府委員 今後、重要な市場としましては、ヨーロッパだろうと思います。東南アジアにつきましては、これらの諸国におきましてすでに自給化の方向が進んでおります。ヨーロッパにつきましては、日本の繊維製品に対します輸入規制が行なわれているところもまだございますけれども、従来、日本の繊維品の進出がおくれたところでございます。ただ、ヨーロッパに対しまして繊維を伸ばします場合、繊維品の高級化というのが必要でございまして、この点、国内におきましても製品の向上をいたしますとともに、ヨーロッパ市場のいわゆるマーケットリサーチに力を入れる必要があると存じます。
 ただ、ヨーロッパ市場は非常に保守的な市場でございまして、一度にたくさん輸出を伸ばすということになりますと、ヨーロッパのそれぞれの国内におきまして、不要の摩擦を起こすおそれがありますので、秩序正しく伸ばすという配慮が必要かと存じます。これにつきましても、やはりヨーロッパ国内の実情というのを把握することが必要でございますし、それから需要に応じた製品を伸ばすことが必要でございます。この意味におきまして、ジェトロ等の調査機関を使うというのが一つの手でございますし、それからヨーロッパ市場に対します調査団の派遣というのもございます。また、ヨーロッパ市場において高級な繊維品の展示を行なうという計画もございます。そういう市場調査あるいは市場開発という手段を用いまして、秩序立てて輸出を伸ばしていくということがヨーロッパについては必要だと存じます。
 なお、これとは別に、国のベースといたしましては、ヨーロッパの対日輸入規制をできるだけ緩和させる、あるいはなくさせるという努力を要することは申すまでもないことと存じます。
#19
○近江委員 それから織布の進捗状況ですけれども、昨年度を終わってまだ半ばに達した程度である、このように聞いておるのですが、紡績についても特恵問題等で中小紡績業はすこぶる困難な地位にあるのじゃないか、このように考えるのですしかるに、特定繊維工業構造改善臨時措置法の紡績及び織布に関する部分は、来年の六月末で廃止することになっているのじゃないか、このように聞いておるのですが、この点、実情がなかなか芳しくない。こういう点からいきまして、これは非常に大きい問題じゃないかと思うのですが、その辺について政府としてはどう考えていますか。
#20
○楠岡政府委員 織布の構造改善の進行がおくれておりますことは御指摘のとおりでございまして、これが本年度末におきましても、まだ七五%程度にとどまると予想されます。しかるに、繊維をめぐる内外の情勢は、特定繊維工業構造改善臨時措置法が成立いたしました当時と比べまして、輸入がふえてまいりました。特に発展途上国からの製品の国内への流入というのがふえてまいりましたし、輸出の環境もきびしくなりましたので、この構造改善を、五年計画ではございますけれども、所期の目的を達成しますために二年延ばすということはどうしても必要になってくると存じます。この点に関しましては、産業構造審議会、それから繊維工業審議会の答申がございまして、構造改善の実施期間を二年延ばすべきだということになっておりますので、今度の通常国会におきまして改正法案を御審議いただきたいと存じておる次第でございます。
 それから中小紡績でございますが、紡績の構造改善は、過剰設備の廃棄とか、たとえば、三交代の導入とか、一コリ当たりの所要労働量とか、そういった点から見ますと、全般的にはほぼ目的を達成したようでございますけれども、御指摘のように中小紡の近代化というのは非常におくれております。そして私ども心配いたしておりますのは、発展途上国からの輸入がふえてまいります際に、一番この中小紡績に対しまして影響が大きいのではないかと存じます。したがいまして、ただいま、中小紡を中心としまして、紡績の構造改善の実施をさらに延長すべきかどうか、鋭意検討中でございます。事務的な結論が出ましたら、先ほど申し上げました二つの審議会の御審議を経まして、それで成案を得た際には、あらためてまた法案の改正ということを検討いたしたいと存じます。いずれにしましても、私どもは、中小紡は現在非常な困難に逢着しておりますので、これをどうしたらいいかという点については、今後真剣に検討いたしまして、できるだけ早く結論を得たいと存じておる次第でございます。
#21
○近江委員 もう時間ですから、これで終わります。
#22
○八田委員長 中村重光君。
#23
○中村(重)委員 公取委員長に再販の問題でお尋ねします。
 四十五年十二月十五日付で「再販行為の弊害規制について」というパンフレットをお出しになったのですが、これは基本的な考え方ということであろうと思うのですが、それについて、具体的な運用基準というのか、ガイドラインを近く決定をするのだ、そういう御方針を伺っているわけですが、その後、作業は完了したやに新聞報道等なされているわけですが、その点どうなっているのか、一応伺ってみたいと思います。
#24
○谷村政府委員 御指摘のとおり、四十五年の十二月十五日に「再販行為の弊害規制について」という文書が出ております。これは当時、独占禁止懇話会というところで再販問題についていろいろ御議論を願っておりましたわけでございますが、その独占禁止懇話会に御議論を願ういわばたたき台として、事務局が、弊害規制をするとすればこういう問題があります、という形で提示したものでございまして、それが一般に新聞にも発表され、また参考資料として当委員会等の御参考にも供されているものと思います。私どもは、大体そういうところを中心として、独占禁止懇話会で議論されたところも参考とし、またその後各方面からの御意見等も伺って、私ども公正取引委員会としての、正式のこういった問題についての考え方をきめていくというふうに考えていたわけでございました。それが、先般四月の十五日でございますかに発表されました、当面再販制度というものが法律としてあり、それが現存している場合に、それを適正に運用していくとすればこういう考え方でやる、そういうことをきめた文書になるわけでございます。したがって、この二つの文書の関係は、第一の「再販行為の弊害規制について」として去年の十二月に出されましたものは、いわば事務局が独禁懇のほうに御議論の種として出した素材である、そして四月十五日に私どもが一つの態度、考え方としてきめましたものが、正式に公正取引委員会としてきめたものである、かように御承知いただきたいと存じます。
#25
○中村(重)委員 物価対策特別委員会との連合審査がございましたね。あの際にも、再販行為の弊害規制というのを中心に質問もし、議論もしてきたわけです。近く具体的な弊害規制に対する考え方をまとめるのだということでしたが、いまのお答えでは、この十二月十五日のは、どちらかというと、独禁懇のほうにお出しになった素材ではあったが、まあ一つの基本的な考え方である。したがって、四月十五日付のものは具体的な運用基準というように見なすべきかどうかということですが、それだとしたら、この十二月十五日にお出しになったのと、四十六年四月十五日にあなたのほうの考え方という形でまとめてお出しになったこの運用基準というものは、内容的にほとんど変わらないのですね。具体性というものに欠けていると言っていいのかどうか、具体的でないわけですよ。非常に抽象的で考え方がわからないのですが、その点ひとつ、具体的な考え方がございましたら、お聞かせいただけませんでしょうか。
#26
○谷村政府委員 お説のとおり、もし十二月に出しました独禁懇での検討資料というものが基本的な考え方であり、そうしてそれを具体化するものが四月十五日の文書であるといたしますならば、まさに一つも具体的ではないではないかという御指摘が当たると思います。
 先ほど申し上げましたとおり、四月十五日に出しましたものは、私ども公正取引委員会としてのこういう問題についての態度を明らかにしたという点が一つと、それから、それに基づいてわれわれは進んでいくわけでございますが、その進んでいきますときの考え方がやはりある程度書いてあるわけでございます。そしてたとえば、御指摘のとおり十二月のときの文書では、「このような観点から、再販商品についての過大なマージン(実質的にマージンとみられるリベートを含む。)を規制することとし、その運用の基準を明確にする。」と、こういうことが書かれているわけでございます。しかし、それは独禁懇にそういう形で出しまして、その独禁懇での議論としては、いろいろ雑多な品物があるときに――回転率も違おうし、たとえばその扱う物の態様も違うだろうし、そういうときに一体、具体的に一本の線とかなんとか、そんなものが出るのか、そういういろいろな議論がございました。そういうことも踏まえまして、私ども委員会として内部で議論しましたときには、何か統制経済のように、ちょうど私は昔、物価統制をやっておりましたが、利潤率は一〇%乗せとか、リベート等を含んで小売りマージンは二割までとかいうふうな、そういうものを一律的にきめていくということは、むしろ非常に妥当性を欠くのではないか。品物により、その売られている状況等によって、適正な域を越えるのを、そのつどそのことに当たって処理していくというような考え方がやはりいいのではないか、そういう考え方になりまして、しかし一般的には、たとえばこの前の四月十五日のものに書いてございますとおり、「原則として、同種または類似の日用商品の通常の販売利益の程度」、それ以上あまり越えてどんどんあれしてはいけないというふうな、そういうものの書き方にここでいたした、そういうことでございまして、御指摘のように違っておりますところがございますが、違っているのがある意味では当然であろうかと思うわけでございます。
 あとは御質問によりまして、じゃおまえ一体具体的にどういうふうにするつもりだというふうなお話があれば、またそのようにお答え申し上げます。
#27
○中村(重)委員 率直に私の感触を言わしていただきますと、これは弊害規制というのを、何か業界または個別企業の自粛といいますか、それにまつのではないかというように感じられているわけです。このガイドラインの(1)に書いてありますね。これを見ますと、「同種または類似の日用商品の通常の販売利益」、あるいは「累進度の高いもの」、これでは非常に抽象的で実はわからないのですね。そのつどとおっしゃったんだけれども、そのつども、これはいいじゃないか、これはいけないじゃないかというようなことになってくると、混乱するのじゃないでしょうか。やはり基準をおきめにならなければいけないのじゃないかと思うのですよ。たとえば、リベートの問題にいたしましても、マージンにいたしましても、そのつど、そのつど変えるわけじゃないのですね。そのメーカーと卸、小売りとの関係ということは、そう一年だとか二年だとかいうのではなく、ほとんど変わってないのですね。ですから、そのつど、そのつどということになってくると、どういうことか。あとでお尋ねいたしますけれども、テレビのチャンネルをひねってみて、化粧品の広告をずっと見ておって、これは非常に過当な広告だな、これはひとつ注意しなきゃいかぬな、そういうこともあるでしょう。それは、一つの基準をお示しになる、その基準に基づいて、具体的な問題を、そのつど、これを規制をするとか、注意をするとか、勧告するとか、いろいろなことがあるだろう。そういうそのつど、そのつどというものの必要は全くないのだということは、私は申しません。申しませんけれども、やはりこれほど大きく問題になりました再販問題ですよ。それがあなたのほうでは、独禁懇のほうに、廃止するのではなくて弊害規制で一応いこう、いくようにする、そうしたらば、この再販というようなものに対しても、メリットというようなものが大きく出るであろうからということだろうと思うのですね。それでなければ、これは世論というものは納得しないわけですから。そういうことで、弊害規制だけでこれを存続するという方針をおきめになったのだから、それならば、そのつど、そのつどということではなくて、
 マージンの問題あるいはリベートの問題、その他取引条件の問題等々、やはり一つの基準をお示しになるということでなければいけないのじゃないでしょうか。
#28
○谷村政府委員 ただいまの御発言に対して二つお答え申し上げておきます。
 第一番目に再販問題についての基本的な考え方は、当面、弊害規制という問題として私どもは考えておりますが、たとえば、おとり廉売防止等のため、あるいは商標権保護等のために、いまのような再販制度という形でいいのかどうかという基本的な問題は、これはやはり問題として別途検討を進めていきたい問題であると、かように考えておりますのが第一点でございます。
 それから第二点で、もっと何か具体的にそういうものがなければいかぬのじゃないか。お示しのとおりのことだと思います。しかし、行政のやり方といたしまして、たとえば不当景品類及び不当表示防止法というのができましたときに、不当な景品とは何であるか、あるいは不当な行き過ぎた表示とは何であるかということを、個別的に何か一つの基準をつくるということはなかなかむずかしいことでありましたのと同様に、いわば過大なマージン、リベートであるとか、おまえのところはどうも出荷価格が高過ぎて、もうけ過ぎたりしておるのじゃないかとか、あるいはどうも広告の割合が大き過ぎるのじゃないかというふうなことを、行政の手で、しかも自由主義経済を前提としております際に行政の手でやりますのは、実はある意味で言うとこれが初めてであると申してもいいかもしれないのでございます。そういう意味で、やはり一つの積み重ねというものが、ある程度一方では必要ではなかろうかと思います。そして具体的な一つ一つのそういうケース、ケースにあいまして、そのケース、ケースに即して指導をしていくというところから、やがてだんだんと全体に一つの基準なり考え方なりというものが出てくる。何せ業者も多うございますし、品数も多うございますが、それに対してすべてに一度にやるというわけにまいりませんので、俗に申しますスポット的にやってまいって、それでやがて全体の一つのルールなり考え方なりに持っていく。それが、やがてというのじゃまだるっこい、確かにおっしゃるとおりでございます。そういう意味では、そういつまでもそんなことをしているということではございませんが、いまからのやってまいります問題としましては、やはりあるケース、あるケースをつかまえて、それの当否をお互いに、向こうの言い分も聞き、私どもの考え方も述べるというふうにして指導してまいりたい。もっとぴしっとしたことができぬのかというふうなお気持ちが、あるいはおありかもしれませんが、何か自粛自粛と書いてあるじゃないかというふうにおっしゃる意味はいわばいきなり最初からびたんとたたくというふうなやり方でなしに、具体的な問題に即して話を詰めていくような指導のしかたをしていくということを、いまちょっと考えているわけでございます。
#29
○中村(重)委員 大山鳴動してネズミ一匹ということばがあるのだけれども、これから再販制度というものが発足していくんだということであればわかります。おっしゃるとおりですね。確かにそのケース、ケースによって注意もしていく、指導もしていく、それは私は当然なことだと思います。ですけれども、この再販問題、これは大きな問題である、廃止すべきである、これは寡占体制というものをつくりだす一つの原動力にもなっているのだということで、たいへん問題になったわけですね。国会でもこれは問題になってまいりました。しかも、いまではなくて相当前からこれは問題になっておるわけですね。この制度が発足した当時も、これは将来大きな禍根を残すぞというのでずいぶん議論があったところです。確かにそういうことになってきたわけですね。それで主婦連なんというものが立ち上がって再販商品のボイコット運動というものまで起こる。まだそういう運動を続けられているわけでしょう。それであなたのほうでも、であるからこの再販問題について取り組んできた。そしていろいろ調査をされた。そこで独禁懇に対しても、再販行為の弊害規制ということについての一つの素材をお出しになった。そして今度はそれに基づいて具体的な方針、基準をおつくりになるわけだから、それならば、やはり問題になった点、これは弊害だと思われる点は、具体的にこれはこう直しなさいということまで入らなければ、何をしたのだということになるのですよ。でなければ、先ほど私が申し上げた、これはたいへんな騒ぎになったのだけれども、まあ、これからのケース、ケースに基づいてチェックしていきましょうということでは、私はいかがなものであろうかと思いますよ。あなたのほうで、これはあとでお尋ねしていきますけれども、たくさん問題点を指摘しておられるのですから、それなわば、これはこうしなさいということにならなければいけないんじゃないでしょうか。
 やはり一番注目されたのは、価格が高い、しかも高い原因というのは広告の問題がある。その他いろいろあるわけですが、マージンだとかリベートだとかというものも、これは大きな問題になってまいりました。それから、再販の上にあぐらをかいて過剰利益をメーカーがあげてきたといった点等々、いろいろあるのですよ。公取としては、いまの独禁法の中では入るのに限界があるのですね。それは理解しておるのですよ。だから私どもは、本日の本会議に、寡占価格の規制の問題についての提案を実はやるわけです。あなたのほうの仕事がしやすいように、その目的が十分達成できるような法律案をきょう本会議で提案する、そしてこの委員会に付託をすることに実はなるわけですが、現行法のもとにおいての限界があるのはわかりますが、しかし現行法のもとにおいても、景表法を含めて、あなたのほうとしてはもっとチェックできる点があるのではないか。これからのケース、ケースに基づいて指導するというようなことでは、私は適当でないと思います。
 ですから、具体的にお尋ねいたしますが、たとえばマージンであるとか、リベートであるとか、これは問題となりましたが、お調べになって高いとお考えになっているのか。いや、そうじゃない、大体この程度はやむを得ないんではないかというようにお考えになっていらっしゃるのか。ここらあたりの、調査結果に基づいた一つの考え方、それに基づいてどうこれを是正をするのかというようなことでなければ、弊害規制ということにならないんじゃないでしょうか。
#30
○谷村政府委員 私の答弁のしかたが若干へただったことを自分で後悔しておるわけでございますが、決して受けて立つという意味ではございません。ケース、ケースに出てきたらとっつかまえるというよりも、むしろ私どもとしては、積極的にいま突っ込んでまいりたいと思っておるわけでございます。ただ、突っ込んでまいる際に、全部にやってみるというわけにもいきませんし、それだけの事務的な能力も足りませんから、そういう意味でスポット的にやるというふうに申し上げましたので、その意味では、弊害規制に必要な現状把握、まず何をやっておるかということを、過去においてもリベート等についてはつかまえました。今回は、そういったリベート等、価格体系の問題だけにとどまらず、さらにたとえば、再販拘束をやっておりますメーカーの行き過ぎがそこにないかというふうな、拘束の実態でありますとか、あるいはまたそのリベートならリベートも、単に量的なものではなくして、質的にどんな拘束をしておるかというふうなこととか、あるいはさらに、メーカーの出荷価格等についてもう少し立ち入って、私どもが積極的に調査を進めて、そこから引き出してきて、行き過ぎているものがあればそれを直させていくというふうにする、そういう気持ちが一つございます。
 それから第二に、同種の同じくらいのものを越えてはいかぬというふうな話がございますけれども、再販商品にいたしましても、石けん一洗剤等のようなものは、大体卸、小売りのマージン全部ひっくるめても、私どもの調査によれば、二〇%ちょっと出たところで、二五%までいっていない現状でございます。歯みがきあたりが大体二五%ちょっと出て、三〇%にはいっていなかったかと思います。一部医薬品の中には、去年も資料を提出いたしましたが、ある時期にべらぼうに現品添付をいたしましたり、過大なリベートを出したりして大きくなっておるものもございますが、平均的にいって大体四〇%前後であったかと思います。化粧品等についても大体しかり。さように、個々に再販品について見ましても、二割から四割、あるいは四割五分ぐらいまでの間にそれぞれ散らばっておりまして、いわんや個々の品目になってみると、そこにはその品物の回転率等によってかなり差がある。
 そこで私どもが、大体平均的にはどういうものが類似して日用商品として売られており、かつそれがどのくらいあるかということを、実は先般、三月の末に中小企業庁がお出しになる数字を待っていたわけでございますが、その数字などで見まして、たとえば商品回転率が大体同じくらいのところのもので見てみると、まあ流通段階、卸、小売り等を入れまして、たとえば、身の回り品でありますとか、はきものでありますとか、陶磁器でありますとか、いろいろな洋品類でありますとか、そんなようなものについての卸、小売りの平均的なマージンを見てみると、これはリベート等をある程度含んでおりますが、やはり三五から四〇くらい、四〇前後といってよろしゅうございます。その辺になっているというのも、一つのあれになっております。やはり行き過ぎたことはよろしくございませんし、それから商品として現にやっております流通の体系が、たとえば卸を幾つ通ってくるかとか、全国的な販社があってどうだとか、地域的な販社があってどうだとか、いろいろの、先生もうよくおわかりのような流通形態がございますので、そういうものにも合わせてやはり具体的に見ていかないといけない。
 そういうことで、私ども基準を全然持たないかというと、ある程度の心がまえといいますか、腹がまえを持っておりますが、それを具体的な問題にぶつけましてやりますときには、やはりその個個のものを見てまいる、どうしてもそういうことにある程度ならざるを得ない、そうしてそこからだんだん積み上げられていく、かようなことになるんじゃないかと思います。そうして私どもは、それをまさしくこれからやるつもりでおります。積極的に出ていくつもりでおります。
#31
○中村(重)委員 おっしゃるように、マージンとかリベートの量だけでなくて、質の問題というものもある。質のうちに入るんだろうと思うんですが、取引条件というものがありますね。マージンは非常に大きいように見える、量的にだけ見ると。しかしながら、取引条件によってそれは相当チェックされて、この前私がこの委員会で指摘をいたしてまいりましたが、一年の初めに、ことし小売り店に入れる額は幾らであるとばんときめる、そして組み合わせばメーカーが一方的にやってどんどん送り込んでくる。そのメーカーで生産する全商品を送り込んでくるわけですから、そのために売れないものだってある。いわゆる不向きなものがある。それから量的にも売れないものがある。これは返品できない、ストックしなければならないというようなことが起こってくる。そうすると、マージンはいかにも大きいようだけれども、実はそういうことで相当マイナスという形になってまいりますから、差し引きの純益というものは非常に少ないものになるといったようなことがありますから、マージンとかリベートといったようなものの量的なものだけで判断できないという点があるだろう。してみると、この取引条件といったようなものも、やはり改善をしていくのでなければならないということになっていくんだと私は考えるわけです。それらの点等々を調査をされて、そして現在の、いまあなたがお答えになりました一〇%ないし四〇%というようなものが、量的、質的に見てこの程度はやむを得ないのではないか。そういうものをひっくるめて見ると、「同種または類似の日用商品の通常の販売利益」というものと大体見合っているというような判断なのかどうか。そこらあたりはいかがでございましょう。
#32
○谷村政府委員 個別的にはむずかしいのでございますが、大体いまおっしゃったようなことになると思います。
#33
○中村(重)委員 では、まず妥当である、そういうことですか。「同種または類似の日用商品の通常の販売利益」、量的、質的にそういうものをひっくるめて考えてみると、大体似通っているんだ。ただこれは、特に過大なマージンとかリベートではないというように判断をしておられるのですか。お答えはそういう意味ですか。
#34
○谷村政府委員 それはいま申し上げましたように、本来、具体的、個別的に見ていくべき問題だと思いますが、かりに一般論としていえば、その辺ならば妥当であり、かつ消費者も、ある品物を自分の選択によって入手しようとするときに、流通段階に対して、その程度のものはサービス費として支弁しても、これは別に消費者の利益を不当に侵害していることになるということにはならないというふうに、一般的に、あるいは原則的には言えるのであろう、そういうふうに私どもは考えておるわけでございます。
  〔委員長退席、進藤委員長代理着席〕
#35
○中村(重)委員 私は、いまのあなたのお答えに対して、同感し得ないものがある。なぜかといえば、そういった、量的、質的に見て同種または類似の日用商品の通常の販売利益というものと大体似通っているから、したがってこれは消費者の利益を不当に害するものではないというふうに判断をしておる、こうおっしゃるのだけれども、化粧品だけで私は申し上げておりますが、何としてもいまの化粧品メーカーと小売り店との取引条件というものは不当であると私は考える。売れないものを無理に押しつけるというのは、これは公正取引ではありません。不公正取引です。しかも全商品を小売りに押しつける。新製品ができたらこれまた押しつけていく。そして品物を、こういうものを注文せよというようなことで、個別商品について、いわゆる受注をするのではなくて、一切年の初めにおいて額だけをきめておいて、組み合わせばメーカーが一方的に押しつけていく。そして売れなければ返品もできないで、そのまま小売り店が出さなければならない。こんなばかげた、ふざけた、不当な取引条件というものがあってもいいのか。これはあくまでも、メーカーが再販制度の上にあぐらをかいた、優越的地位を利用した小売り店圧迫であると私は信じている。これを説得するということになってまいりますならば、マージンやリベートの額というものをもっと押えることは可能であるし、また小売り価格を引き下げることだってできるだろうと私は思う。これをおやりにならないで、ただ現在のマージン、リベートであるとか、取引条件とか、いろいろ量的、質的に見て、他の同種または類似の日用商品の通常の販売利益と大体似通っているから、これはやむを得ないのだ、消費者の利益を不当に害するものではないのだという公取の判断が、私は納得できないのです。まず私が、いつもくどいように指摘をいたしております取引条件というものを、委員長、変えるべきじゃありませんか。これからメスを入れていくべきだと私は思いますよ。でなければ、メーカーだけがこの制度において恩恵を受けている。端的にいえば苦しめられているのは消費者である。被害者は消費者であり、またそうした優越的地位によって苦しめられているのは小売り店であると私は申し上げたい。
 そういうように困っているが、小売り店も、再販制度というものを存続をしてもらわなければどうにもならないということで、目の色を変えてこの存続に必死になっているということです。もちろんこれは、おとり販売の問題もありますけれども、いろいろな制約条件というものが小売り店をしてそうさせられているんじゃありますまいか。いかがでありますか。
#36
○谷村政府委員 先ほどの御質問が、一般的に過大なマージン、リベートのお話として承っておりましたので、私は留保をつけながら、一般的な原則論としてお答えを申し上げました。そしていまのお話は、まさしく再販行為の一つを形成しておりますところの取引条件、あるいはメーカーの販売業者に対する拘束の実態の問題になってくると思います。そうしてそれはまさに、自由な営業活動と公正な営業活動とのどこに接点があるかという非常にむずかしい問題でございますが、行き過ぎがあれば、当然、御指摘のとおり、不公正な取引方法、優越的地位の乱用の問題として私どもは考えなければならない。御指摘のとおりでありますし、従来ややもすれば、そういう問題について私どもの目が行き届かなかったこともございますので、今回は、そういったことを含めまして、再販のいわば流れの中における力関係というものを見てまいりたい、それがいわば正当な行為についても実態をよく見ていく。再販拘束というものが許されているが、それが許された範囲を逸脱していないかどうかということを見ていくということを、一項目うたいあげているポイントでございまして、御指摘のような点については、私は一般論として、ただいまのようなお話については、同感の意を表したいと思います。
#37
○中村(重)委員 一般論として同感だとおっしゃったわけですが、これはだれでも同感するだろうと私は思うのです。ところが、いま私が指摘した問題は、この委員会だけでもおそらく四、五回ぐらい取り上げているんじゃないでしょうか。また、二年前ぐらいからこの問題を指摘してきていると思います。何ぼ予算の面あるいは人的に限られた制約があるとは申しながら、いま私が申し上げましたようなことは、具体的な問題として調査をしておられるのではないか。そうして弊害規制という形において当然これをチェックしていくということでなければならないのではないか。だから、一般論ということでは同感だとおっしゃったんだけれども、やはりよくない、これはひとつ直させるようにしたいという、明確なお答えぐらいあってしかるべきだと私は思うのですが、いかがですか。
#38
○谷村政府委員 どうも私の申し上げ方が、舌足らずで申しわけないのですが、個別のケースを見ないと具体的な措置はできないという意味で一般論というふうに申し上げましたので、方向として私どもが現実にいま考えておりますことは、そういうことも含めて調査をし、かつその行き過ぎた点を是正させていくようにする、こういう方針でございます。
#39
○中村(重)委員 私が言っているのは、そうではないわけですよ。これからということよりも、もう現に私の指摘に対しては、再販問題の中でリベートの問題を御調査になっておられるのだから。そうして先ほど来お答えになりましたように、二〇%から四〇%という数字までおあげになったわけです。ですから、取引条件というような問題について、私が申し上げるような取引条件であるのかどうかということは、当然、リベートの額の問題というようなこととあわせて御調査になっておられるのであろうと、こう思うのです。私は単なる想像とか推量でもってこれを指摘しているのではないのです。個別に調査をして、この問題を権威あるものとして取り上げているわけですよ。ですから私は、一般論ということよりも、あなたのほうでもう調査をしておられて、確かにそういう点がある、だからこれは直さなければならぬといったような前向きの答弁というものがあることを期待をしているわけです。ですからそのことが、マージンとかリベートとかいう問題にも関係をしてまいります。消費者の利益を不当に害するとか害しないとかいう問題との関連も出てくるわけです。端的に言えば、取引条件というものを変えて、これは常識的に判断できるような取引条件に改善をしていくならば、価格だって私はもっと引き下げることが可能であると思う。メーカーの利益というものは、ある程度減額されてくることはやむを得ません。それは当然です。メーカーというものが再販制度の上にあぐらをかいて、あまりにも過大な利益をあげているのだから、私は単的に言うならは、もっとほどほどにもうけなさい、小売り業者というものをあまり拘束しないようにしなさい、そうして小売り価格というものをもっと引き下げるようにしなさい、こう言いたいのです。この再販制度というものを存続させるならば、そういうことをやってもらいたい。当然なことだと思いますよ。いかがですか。
#40
○谷村政府委員 さっき申し上げましたとおり、私が事務局から聞いておりますところでは、従来、再販の流れの中でメーカーが小売りをどのように拘束し、またその拘束の行き過ぎが――これは広い意味で取引条件等について過酷なものがあるかというふうなことについて、必ずしも現状の把握が十分にできているとは私は聞いておらないのでございます。これはある意味では私どもの怠慢であったかとも存じます。したがって、御指摘のような点を含めまして、今後早急にそういう問題を調査し、そしてまた、われわれとしての態度を具体的な問題に即して明らかにしていきたい、こういうのがいまの考え方でございます。
 なお、いま御指摘になりました、メーカーが現実にどのようないわば経理状態になっているかということについても、私どもとしては、一般論ではなくて具体的な問題として調査を直ちに進めていくようにしたい、かように考えておるところでございます。
#41
○中村(重)委員 わかりました。先ほど、一般論としては私の指摘したことには同感であるとおっしゃった。ですから、これから調査をなさると具体的にそれが出てまいりますが、一般論として同感である以上は、具体的な問題に対してはこれを是正するということは十分判断できるわけですし、またあなたも同意されたわけです。そういう方向でできるだけ早く是正をしていただきたいと思います。それでなければ、再販制度を存続されたということについて、公取に対する期待が大きく裏切られたということで、むしろ非難の声が非常に高まってくるであろう。私は公取のためにこれを惜しむのです。それだけではなくて、公正取引委員会というものは、むしろ公正な競争条件のもとに経済の安定をはかっていくという役割りを果たしていくわけですから、それらの点について抵抗するものがあることはおかしいと私は考えているくらいですから、ひとつ権威と自信を持って取り組んでいただきたい。この点は強く要望しておきたいと思います。
 それから、いろいろお尋ねしたいことがあるのではしょっていきますが、法二十四条の二の第一項では、再販価格を決定しこれを維持するためにする正当な行為については適用除外をするということが規定されているわけですね。この点について、あなたのほうの指摘事項の中で、流通支配の手段になっているものの規制について述べているのです。述べているのは法文のままで、これはいかがなものであろうかと思うのですが、ただ注目されることは、流通支配の手段とされているということを見ておられるということと、それから、本来、再販制度が認められている趣旨を逸脱して販売業者の事業活動を必要以上に拘束していると認められる点がある、こう言っているのです。それはどういう点でございましょうか。類型的に具体的な基準を明らかにしていくということでなければいかがなものであろうか、私はこう思うのですが、これもこれから具体的にやっていくのだとおっしゃるのですから、それなりに理解できますけれども、特にここで指摘していらっしゃいますからね。その点はどういった点でしょうか。
#42
○谷村政府委員 率直に申しまして、二十四条の二で認められておる再販売価格維持契約というもの、その内容といたしておりますところの、小売り業者に対する拘束、これが正当な範囲を出ているか出ていないかというふうなことについて、いままで突っ込んだ議論をしたことがあまりなかったのでございます。そこで私どもは、今後それを取り上げまして、先ほどお触れになりました取引条件一般にもこれが及ぶわけでありますが、それが自由な営業活動の範囲を越えて、いわゆる不公正取引の問題にまでなってきているかいないか、それをつかまえようというわけでございます。
 そこで、いま御指摘になりましたように、一口に流通支配の手段になっているかいないかといいましても、まあ、いわば近代的な商法の様式になるわけでございますから、いろいろな形があるわけでございます。そして、それがどこまで流通支配になり、また、その支配になっていることそれ自体はいいとしても、それが今度は逆に弊害をもたらしているかどうかというふうなことは、いま申し上げましたように、私どもとしてまだ十分に把握しておりませんので、今後、先ほど申し上げました調査を進めて、その実態の把握に乗り出すということでございます。
 私どもは実態をつかんでおりませんが、よくいわれますノルマ制、これはいま中村委員が御指摘になりました。あるいは割り当て制、抱き合わせ、一店一帳合制、販売地域の限定、組み合わせたものをくくりつけて、それでやれといったような話、ここらの問題をどういうふうにわれわれが――これは再販だけではございませんで、その他の面でも、新しい流通の問題との関連においていろいろ出てきている問題であろうかと思います。そういうふうな意味で、率直に申しまして、従来その辺の把握が足りなかったということを反省し、今後はその点に力を入れて、具体的に個々の問題について当たってみたい、そしてそれの当否を明らかにしていきたい、こう考えておるわけでございます。
#43
○中村(重)委員 私はいま、あなたのほうで、慎重に検討した結果ということで四月十五日にお出しになった資料、これに書いてあることをお尋ねしたわけです。いま申し上げたように、本来、再販制度が認められている趣旨を逸脱して販売業者の事業活動を必要以上に拘束していると認められる点がある、こう書いてあるのです。ですから、それはどういう点ですかとお尋ねしたわけです。いまあなたから、私の指摘した点を含めて、一つの問題点としてお答えがあったわけです。それから、メーカーが定めた価格、それ以下に全く下げてはいけない、そういうきびしい規制といったようなものも、一つの拘束という形にとっていらっしゃるのかどうか。そこらも実はわからなかったので、お尋ねをしたわけです。そういった点をひっくるめて今後取り組んでいこうとおっしゃるわけですから、私はそれなりに理解をしていきたいと思います。
 それから、上位企業のシェアの高いものとして、浴用化粧品とか化粧紙とかいうものをはずしておられるわけですね。五つぐらいはずしておられるのですが、四〇%以上の商品は削除しようという消費者団体の強い意見があるのですが、この意見については検討されたんでしょうか。
#44
○谷村政府委員 別に消費者団体の意見ということでなくて、ことしの初めから三月の末ぐらいまでにかけて、特に自由な競争が行なわれているという観点から、指定に該当するかしないかという問題を委員会で議論しておりましたときに、どの程度のものならば、一体自由な競争が行なわれているとかいないとかいえるものであろうか、という議論はいたしました。
#45
○中村(重)委員 それから、衆議院の物価問題等連合審査会から要求があって、あなたのほうで資料をお出しになっているのですが、これを見ると、相当量の商品があって、しかも値上げ率というのは非常に高いのですね。これはあなたのほうで出された資料ですから、おわかりだろうと思うのですが、この点についてどうお考えになっておられますか。一般の商品との値上げの比較というものから見まして、再販商品というものはこんなに高率な値上がりを示しているということについては、私は問題を感じているのですが、いかがでしょう。
#46
○谷村政府委員 衆議院の連合審査のほうで御要求になられましたときの内容が、昭和四十五年なら四十五年中に上がった再販商品というふうな形でございますので、したがって、たとえばその商品が、それより前に何年ぐらい値上げになっていなくて、たまたまその調査期間中に上がることになったか、そういう問題に実はこの調査が全面的に触れておりませんものでございますから、たまたまその期間中に上がったものがここに集まってきているというふうな姿でございます。そして確かに高く上がっているものもございます。あるいはそれほどの大きな値上がりでないものもございましょう。そしてそれは、一般に他の日用品等の値上がりの状況がどうであるかというふうなこととの比較、また、その値上げの頻度あるいはインターバルと申しますか、値上げの間隔、そういったことにもよって見なければならないのだろうと思います。御質問の趣旨にお答えになるかどうかわかりませんが、この表だけで、他に比べて非常に高く上がっているのではないかというふうに、直ちにいえるかどうかけ、そのもう一つうしろのものを見てみなければわからないのではないかと私は思います。
#47
○中村(重)委員 問題は再販商品であるということですよ。価格というものが一方的にメーカーによって定められている。それから小売り店というようなものもメーカーの拘束の中にあるというような点等々、この再販制度というものによってメーカーが非常に恩恵を受けているという点から考えてみると、値上げ率というものも、一般商品と比較をすると、私はむしろ抑制ぎみでなければならないと考えている。しかも、値上げだけではなくて、量的にも相当減量されているということを見ると、価格だけで見ることはできないというような点は、むしろそこらにもあるのではないか。容器は非常に大きくなったように見えるけれども、分厚くなって、中に入っている量は非常に少ないというものが、最近の傾向なんです。してみると、ただ値上げの額ということだけで見られないというような点は、むしろきびしく見なければならないというふうにすら、私は考えるわけです。これらの点も、今後十分調査をして規制をされるでしょうから、それを期待したいと思います。
 まだいろいろお尋ねしたいのですが、時間の関係もありますからはしょります。
 最後に、再販制度、この存廃をめぐって、このことも議論が相当続くであろうと私は考えます。そこで、公取委員長が存続を必要とされたその所見について、この際伺っておきたいと思います。
 どういう状態になれば再販制度というものはやめてもよろしいとお考えになっておられるか。現段階においては、再販制度というものは、弊害規制という形にしておいて、これを存続させるという形に落ちつかせようとしておられるわけでありますから、あなたのほうが、再販制度を存続をすべきだというように考えられた所見、それをひとつ伺いたい。これは通産省も、それから経済企画庁も、いろいろと協議をされて結論に達しただろうと思うのでございますから、通産省並びに経済企画庁も、公取委員長のお答えのあとで、それぞれ考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#48
○谷村政府委員 四月十五日に公正取引委員会として正式にその態度をきめましたものの冒頭に、これは法律のことばどおりじゃないかと言われればそれまででございますが、再販価格維持行為は、おとり廉売等の不公正な取引方法からメーカーのブランドの信用を守り、小売り業者の利益を保護するのに役立つものとして、一定の条件のもとで適用除外にしているこの現実、そしてそれは、一定の条件のもとにそれが適正に運用されるならば、そういう法益のものとして役に立つものであるとして国会で御議決になった法律として現にいまあるわけでございますから、それをいかに適正に運用していくかということがまず第一の段階である、かように私どもは考えたのでございます。
 しかしながら、そうはいいましても、実際、法律で考えておりました法目的というものが現実の経済とうまくマッチしていくのかどうなのかという点については、やはり私どもは常に考えなければならないのでございまして、その意味では、たとえばおとり廉売の防止ということを一つだけつかまえていってもよろしいかと私は思いますが、そういう問題についての一つの考え方、あるいは対応策と申しますか、対策というものがとられますならば、必ずしもこういった再販売価格維持契約を適用除外として認めなければならないという法制ではなくてもよろしいのではないかという議論もできるであろうと私は思います。そういう意味で、現在、おとり廉売防止についての対策と申しますか、あるいは処置と申しますか、そういったことについての法制、あるいは私どものやり方、あるいは現実の行政の妥当な適用、そういったことが必ずしも十分でない現状において、私は、現在の法制のもとでそれを適正に運用していくことが私どものいまのつとめである、かように考えたわけでございます。
#49
○両角政府委員 私どもといたしましては、再販の制度それ自体につきましては、日常もより品の流通販売の秩序の中で、それなりの意義を持ち、また役割りを果たし得るものと考えております。しかしながら、それには幾つかの前提が同時に満たされなければならないということは、るる御指摘のとおりでございまして、特に、消費者の利益の保護、あるいは自由競争の維持、その他もろもろの条件が同時に果たされてまいるということが、適切な再販制度の運用の上で必要不可欠であるというふうに考えております。したがいまして、これらの点につきまして、公正取引委員会が、ただいま委員長のお話のごとく、今後積極的な指導をなさっていかれる反面、通産省といたしましても、家庭用品品質表示法その他所管物質に関する各種の行政指導を通じまして、再販制度が本来の趣旨に即して実施され、運用されてまいりまするよう協力をし、かつ努力をしてまいりたい。それが当面の物価問題等に対するわれわれなりの要請される努力であろう、かように考えておる次第であります。
#50
○山下説明員 経済企画庁といたしましては、公正取引委員会のほうで、ただいま御議論になっておりますような再販制度の弊害を除去するための具体案を作成されまして、これに基づく調査、規制を行なっていかれることになっておりますので、私どもといたしましても、この方向で必要に応じて協力もしてまいりたい、このように考えております。
#51
○中村(重)委員 それぞれのお答えがありましたが、経済構造が大きく変化をする、管理価格の問題が大きな政治問題となっておる今日、いまのお答えに対しましては、私は必ずしも同感をし得ない点があるわけです。いろいろと意見もありますけれども、社会、公明、民社三党共同提案の、独占価格、管理価格体制のもとにおけるところの規制に関する法律案が、きょう本会議で提案され、先ほども申し上げましたように、当委員会に付託をされることになります。その中で大いにひとつ議論をしてまいりたい、こう思いますから、きょうはこの程度で一応留保しておきたいと思います。
 次に、持ち株会社の問題についてお尋ねをしたいのですが、四月十四日付で日経、二十二日付で毎日新聞に、石油開発に関連して持ち株会社構想というものが出でおるわけです。これは財界であるとか通産省などから持ち上がっているようでありますが、この構想の具体的内容と基本的な考え方ということについて、ひとつ局長のほうからお聞かせをいただきたいと思います。
#52
○本田政府委員 お答えいたします。
 先般来のOPECの問題で、石油開発がきわめて重要だということが指摘されておるわけでございますが、現在のエネルギー事情から申しまして、石油開発の推進が非常に重要になっておるわけでございます。現在の石油開発の体制というものは、よく指摘されますように、一プロジェクト一企業ということで、現在二十一企業が各自で石油開発を行なおうとしておるわけでございますが、こういう形の石油開発体制では必ずしも十分な成果をあげ得ないのではないかという点が、しばしは指摘されておりますし、われわれとしても、現体制が石油開発体制として好ましい効果のある体制だというふうには考えがたい実情でございます。そのために、現在の石油開発企業の集約化をはかることが必要であるという点は、各方面の意見も一致したところでございますが、この石油開発体制の集約化の形の一つとして、大部分が共通する出資者のもとにおいて石油関発を行なおうとしておる数企業について、これを集約化するための一つの方法として、数企業を通ずる出資者の出資を一つのものに集めて、これが数企業の石油開発企業を統括するという形で石油開発を進めるのは、今後の石油開発体制の効果的な方向ではないかということで考えられておるようでございます。現在のところは、まだ具体的な内容として十分固まったものでもございませんようですし、われわれといたしましても、まだ固まった内容として理解いたしておりません。ただ問題としては、独占禁止法との関連の問題もございますので、企画者のほうの意見も聞いて十分検討いたしたいと考えておる次第でございます。
#53
○中村(重)委員 これは、通産省といろいろ議論したあとで、公正取引委員会の委員長にお尋ねしようと思ったわけだけれども、一つの考え方がいま固まってはいないがということで、いま谷村委員長お聞きのとおりお答えがあったわけですが、公取委員長としては、その構想についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
#54
○谷村政府委員 まだどのようにも考えておりません。
#55
○中村(重)委員 一般論としては言えるのでしょう。持ち株会社というものについてのあなたの考え方は、石川委員との質疑の中でございましたが、一応の考え方を伺っておるわけですが。
 そこで、いま本田局長のほうから、いわゆる石油の集約化、数企業集めてそれを統括するものとして持ち株会社が必要であるというような考え方である、しかしこれは固まっていない、独禁法の関係等もあるからということです。いずれにしても石油資源の開発というものは重要ではあるのだけれども、しかし、持ち株会社というものは独禁法九条に基づいて禁止されているわけだから、それらの点等々勘案してみる場合に、持ち株会社というものがどうなのかということについてはお答えはできるであろう、こう私は思うのですが、いかがですか。
#56
○谷村政府委員 中村委員から、こういう商工委員会の席である程度具体的な問題について聞かれますと、公正取引委員会の委員長として、それにはたしてどういう形でお答えするのが一番いいかということをちょっと迷うわけでございます。
 実は新聞記者諸君から、先般そういう意味の質問を受けたわけでございます。その際に私が答弁いたしましたことは、個別的な、具体的な問題になれば、それなりにひとつ検討しなければならないし、そこから必ずしもイエスという答えが出るかどうか、そういうことはわからないけれども、一般論、原則論として言うことは、およそ持ち株会社というものは、こんりんざい悪であり、絶対に一歩も引けず、譲ってはならないということになるかどうかというような点については、私自身としては、そういうことが国全体の立場から見て必要なことであり、かつそれを認めるとしても、独禁法第一条の精神というもの、あるいはさらに、その後における独禁法の、当初考えておりましたようなりっぱな運用というものに支障を来たすものでないということであれば、絶対にいけないと言ってがんばらなければならないという問題は、法律の問題としては必ずしもスティックせぬでもいいのではないか、私はこういうことを一般論として申したことがございます。これはいま中村委員の御指摘のように、昨年、石川委員の御質問に対しても、私はそのようにお答えを申し上げたところでございます。しかし、いま中村委員の御質問に対する私のこの席における答弁としては、ただその二つの過去にあったことを引用させていただくということにとどめていただきたいと思います。
#57
○中村(重)委員 いまあなたがお答えになりました記者会見、四月二十四日付毎日新聞の切り抜きを持っているのですが、「谷村裕公正取引委員会委員長は、二十三日の定例記者会見で、通産省や石油開発業界が推し進めている持株会社構想について「国民経済の立場からみて、どうしても必要なものならば公取委としても特定の持株会社を認めることにやぶさかではない」と発言した」。これは「石油開発の持株会社 特例で認めてよい」という見出しになっていて、石油開発についての通産省の構想、公取委員長の表明、これはニュアンスがちょっと違うのです、いまのあなたのお答えとは。これは一般論じゃありません。具体的な、個別的な問題ということに対しての定例記者会見であなたはお答えになっておられるのだから、あなた、この記事で見る限り、具体的な問題として、石油開発について持ち株会社というものが国民経済的な立場からどうしても必要だということになれば、これは認めてよいのだ、こういうことを言っておるのですね。いまのお答えとはだいぶニュアンスが違うのですが、これは間違いですか。
#58
○谷村政府委員 私は、新聞記者の方がどうお書きになるか、また見出しをどうおつけになるかということにまでいろいろ言う権限がございませんので、いたし方がないことでございますが、私が申したことは、あくまでこれは一般論ですよ、原則論でありますよ、何もこの石油会社の問題として申し上げているのではありませんという前提を置いて申し上げたことでございます。
 それから第二に、こういう問題は、公正取引委員会がかりにいいと言いましても、あるいは考え方としていいと言ったとしましても、立法を必要とします。立法事項でございます。立法ということには、それなりの一つのいろいろな手続なり、また考え方のいわば一致と申しますか、そういうことがなければできない問題であるということは、当然のことでございます。
#59
○中村(重)委員 立法の問題は、お答えを聞かなくてもわかっているのですよ。ただ、公取委員長としてこの構想についてどうお考えになるかということをお尋ねしているのだから、その点だけをお答えをいただけばよろしいのであって、それから先の問題は、別個な問題、わかりきっていることであってということになるんですね。しかし、ニュアンスが違うのですけれども、いま新聞にどう書いておろうとも私の考え方はこうだとお答えになったわけだから、これを信用するほかないわけですね。あとでひとつまた、あなたに希望を申し上げなければならぬ点が出てまいりましょう。
 次に本田局長、固まってはいないとおっしゃったのだけれども、相当意欲的だということは、あなたの答弁の中からうかがわれるのです。石油開発に持ち株会社を設立した場合のメリットというものはいまのお答えだということになるんですがしかし、持ち株会社をつくらなくとも、この資金の確保であるとか、あるいは権利取得上有利であるとか、あるいは情報収集の一元化であるとか、技術者の確保、こういったようなもの等々、これは現在の石油開発公団であるとか、あるいは別の機関、資源開発の会社があるわけですから、そういったようなものによって可能であると私は考えているのですが、持ち株会社でなければならぬというようにお考えになりますか。
#60
○本田政府委員 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、今後の石油開発を進めるための企業の体制として、いまのままでは適当でなく、今後これが集約化が必要であるということでございまして、この集約化のために持ち株会社でなければならぬかどうかという問題については、むしろいろいろの考え方があろうと思いますので、御指摘のような、いまある事業投資会社とでもいいますか、石油資源開発があちこちに開発の事業を持っておりますが、こういう形で、やはりこれも一つの集約された姿勢であろうと思います。あるいは三井が三井石油開発ということで、三井グループの一つの窓口として各種の事業に参加していくという姿勢も持っておりますが、これも一つの集約化の姿勢だと思いますが、そういう意味で、持ち株会社でなければならないかどうかという点は、われわれとして判断としてきめておるわけではございません。
#61
○中村(重)委員 持ち株会社がかりに成立した場合、国内精製会社との関連というものが当然出てくる。そうなってくると、メジャーとの関連がまた出てくる。ここらあたりはある程度検討されたのですか。
#62
○本田政府委員 お答えいたします。
 現在の石油の開発が、石油精製企業が必ずしも参加せずにやっておるというところに問題があろうと思います。これは考え方としては、一貫体制をつくるべきであるという考え方でいろいろ御意見が出ておるところでございますが、いまの石油の開発では、石油精製との関連というものが十分ついておりません。それはいずれの体制についても同じでございまして、これは今後の問題として考えねばならないところでございますが、かりに持ち株会社をやったからといって、この際精製会社との関連を特に考えねばならないということではなくて、現在の体制がそういう問題を含んでおるということであると考えております。
#63
○中村(重)委員 持ち株会社をつくるという場合、先ほどあなたは、石油開発について集約化をする必要がある、数企業というものを集めて、これを統括するものとしての持ち株会社が必要なんだということをお答えになった。それならば、現在の精製会社というものが当然構想されているということになるでしょう。そうすると、その精製会社にはメジャーの資本が入っているわけだから、そこらあたりの関係は当然関連として出てくるのではないか、こう私は思ったわけであります。ともあれ、それはまだ完全に固まっているわけじゃない。固めてもらっては困るわけですから、これ以上あまり突っ込みませんけれども。
 ところで、あなたのほうでこれの構想をお出しになった以上は、先ほど申し上げた石油開発公団とか、あるいは海外石油資源開発株式会社、ここらあたりとの関連というものは何か検討されたんじゃないかと思いますが、それはいかがですか。
#64
○本田政府委員 お答えいたします。
 御指摘の石油資源開発株式会社のほうは、現在は、商法上の法人として、開発の一企業として活動するという体制に相なっておる次第でございますが、石油開発公団のほうは、御指摘のように、日本の石油開発企業に対して、これを資金面、技術面で支援していく公団として、いろいろの面で各開発企業と関連する問題でございます。御指摘のように、ここで持ち株会社ができて、これが石油開発企業の統括をするということに相なりますと、その辺の問題が出てまいると思います。その点については検討を要する問題点だというふうに考えておる次第でございます。
#65
○中村(重)委員 あげ足とりみたいなことになるんだけれども、先ほどあなたは、現在の石油精製会社と持ち株会社というものは直接結びつくものではないという意味のお答えがあったように思いますけれども、であるとするならば、石油開発公団を強化拡充するとか、あるいはこれを改組する、そして国策会社をつくるということをまず構想すべきだと私は思うのです。それはいろいろと検討をなさらないで、つくってはいけないということになっている、独禁法上禁止されているところの持ち株会社構想なんというものをすぐ考える。何とかして独禁法を弱めていこう、風穴をさらに大きくあけていこう、そういうことはかり考えているような気がしてならない。いつもわれわれは、石油開発公団をもっと強化拡充しなさいということを言っている。そうするとこれは、民間だけで石油の資源開発はなかなか困難だから、国策会社というものをこの際まず構想してみるということが当然なことじゃありますまいか。あなたの考え方をお聞きいたしたい。
#66
○本田政府委員 一言先にお答えさせていただきますが、持ち株会社を支持したということよりは、むしろ石油開発企業の体制を強化する意味で集約化が必要である、その集約化の方向に沿う一つの考え方であるということを申し上げたわけでございまして、その点は御運解いただきたいと思います。
 それから、石油開発公団の問題につきましては、これを強化して国策会社としてみずから石油開発事業を担当させてはどうかという御指摘であろうと思いますが、われわれといたしましては、今後の石油開発体制をどう進めるかということを現在基本的に考えておる次第でございますが、一般的に強い意見として、やはり非常に広い範囲で、しかも各地で活動する必要があるということと、民間企業の活力というものも大いに活用すべきだという考え方が基本にございますが、御指摘のように、石油開発公団の強化というものがその場合でも必要でございますので、石油開発公団についての強化もあわせ考えてまいろう、こういうふうに考えておる次第でございます。
#67
○中村(重)委員 企業局長には、独禁法の第九条によって持ち株会社は禁止しているわけでしょう、この点についてはどうお考えになるのか。まずその点についてのお考え方をお聞かせください。
#68
○両角政府委員 石油の海外開発ということを強力に進めていきますためには、現在の石油開発公団を中心に海外開発体制を強化していく、これはどうしても必要なことであろうかと思います。その場合に、ただいま御指摘の持ち株会社形式をさらに新たにつけ加えていく必要があるかどうか、あるいはその実益があるかどうかという点については、私どもはまだ自信もなく、またそれなりの納得もできていない段階でございまして、全く一つの構想としての段階にとどまっておる問題でございます。したがいまして、今後、海外石油開発体制の一環として持ち株会社も必要があるかどうかというそもそもの最初から、私どもとしては、もしその構想が出されるなら、基本的な議論をしてまいる必要があろう。特に財政投融資の面で、私どもも、海外開発の点では鉱山局とも十分打ち合わせをしながら進めておる立場でございますので、さような観点から今後ともこの問題を検討してまいりたいと考えております。
#69
○中村(重)委員 本田局長がお答えになった民間資本の活用というようなものは、何も持ち株会社をつくらなくたってできることです。だから、独禁法上つくってはいけないということになっておるものをつくろうという構想の前に、私がいまいろいろ指摘いたしましたように、いろいろな方法がある。石油開発公団の拡充の問題国策会社の問題ありますよ。そういうものをやって、それでいけないのかどうか。やはりそれは石油の資源開発というものの壁に大きくぶつかっていくのかどうか。持ち株会社の構想を考える前に、そういうことをやってみて、どうしてもだめだという結論に到達したのですか。そこまでやっていないのでしょう。それをやっていないのに、持ち株会社をつくるなんてことをすぐ構想して、これの反応を見るような、そういうお考えということは、私は許せないと思うのですよ。大体、谷村委員長も先ほど、国民経済的に見てどうしても必要であればということを、一般論としてお答えになったのだけれども、独禁法の第九条というのは、国民経済の立場から、これは経験的にも学問的にも適当でないということで禁止されているのですよ。それが大きく基盤が変わったということは、何もないのじゃないですか。石油開発と持ち株会社というものが必然的に結びつくとは私は考えない。そういうことについて、公取委員長からも、通産省からも、ひとつそれぞれお考え方をもう一度伺ってみたいと思います。
#70
○谷村政府委員 いまおっしゃったとおり、別に私どもは好きこのんで、たとえば持ち株会社をつくることを認めてもいいと言っているわけではないので、もちろん、そういうことにならなければならないにこしたことはないと思っております。そしてその前提として、私もよくあちこちでそういう話を聞かれますから言うのですけれども、石油資源開発のためのいろいろな考え方があるときに、ほんとうにそれが絶対的に、どうしてもたとえば持ち株会社的なものをつくらなければうまくいかないということになるのかどうか、その辺の議論が実はよくわからないし、私自身も、必ずしもそれが必然的に結びついているとは思わないから、その辺、具体的な話にならなければわかりませんねというようなことを、いつも言っているわけでございまして、決して好きこのんで、そっちの方向に何とかしましょうと提案しているわけでも何でもございません。その点は、よく私どもの立場を中村委員はおわかりであろうかと思います
 それから基本的に、独占禁止法の第九条が考えております持ち株会社禁止ということについての前提条件が、一体変わっているかと言われれば、私は、経済の体制としては変わっていないと思いますし、むしろいよいよ、そういった意味での少数の資本をもって多数の企業を支配するような体制があってはならないという、そういう経済の実態になっておるというふうに思います。しかしながら、法律というものが現実に適用されるときには、やはりそれの持つ意味、内容、そういうことも、もし必要があれば具体的に考えていくという態度も必要であると思います。したがって、基本的な条件あるいは基盤というものは変わっていないし、独禁法としての考え方、あり方、独禁政策としての基本線、そういうものは変えていっては絶対にならないと思う点では、中村委員と意見は一つも変わるものではございません。
#71
○両角政府委員 企業局といたしましては、石油の開発体制の中に持ち株会社の形態を持ち込まなければならないという結論には、現在全く到達しておらない次第でございます。
#72
○中村(重)委員 いずれにしても、私が谷村委員長に強く希望したいことは、独禁法というのは経済憲法です。あなたのほうはそれの番人なんですよ。だから、あなたはあなたなりのカラーを出していかれる、いろいろな点を構想されるということはわかるのだけれども、何か独禁法というものを骨抜きにしようというような動きが相当強いということだけは十分お考えに置かれて、それで、かたくなにものを言うなとは私は言いませんけれども、まあ慎重に対処してもらいたいということです。
 いずれにしても、物の生産、販売をしない、それにタッチしないものが経済を支配していくというようなことになる持ち株会社というものは、これは経済の民主化を破壊することになる。公正な競争というものは資本主義のメカニズムだけれども、そういったようなものをこわしてしまうということになると私は思う。その点は十分ひとつ留意されて、いま通産省は、持ち株会社を構想したが固まっていないと言うが、それ以上固めるという方向ではなくて、ともかく石油資源の開発ということには全力を傾注していく。そして石油開発公団を強化する、国策会社も必要ならばやはりつくっていく、そういう中で民間資本というものを十分活用していくという道があるわけだから、そういうことに通産省としては情熱を燃やしてもらわなければ、つくっていけないものをつくるというようなことで、真の経済の民主化というものを破壊するそういう方向に進まないように、十分に留意していただきたいということを要望して、これで質問を終わります。
  〔進藤委員長代理退席、委員長着席〕
#73
○本田政府委員 一言お断わりを申し上げておきたいと思います。
 先ほど、持ち株会社構想が通産省の構想のごとく御発言があったわけでありますが、全く民間の構想でございまして、新聞等でわれわれは聞いて、一つの集約化の方向の考え方が出たというふうに理解しておるわけでございます。
#74
○中村(重)委員 あなたがまたそういうことを言うと、民間の構想だということになる。じゃなくて、あなたに質問したのだ。だから、これは民間の構想だということじゃなくて、両角局長も同じだけれども、持ち株会社構想というものは石油資源開発という方向でいろいろ検討しておるというお答えがあったでしょう。これは民間の構想であって、通産省はタッチしない、あずかり知らぬのだという、そんなことはないのじゃないですか。
#75
○本田政府委員 構想としては民間の構想でございまして、それについて聞いたところを御説明申し上げたわけでございまして、それについては独禁法の問題等もありますので、検討を要する問題でございますということを最初に申し上げたわけでございます。
#76
○中村(重)委員 それでは、民間の構想である、通産省は全くそういうことは考えていない、そのように理解してよろしゅうございますね。
#77
○本田政府委員 現在のところは、持ち株会社構想というものをわれわれが持って検討しておることはございません。民間の構想があるいはいずれ出て、相談を受けることがあろうというふうに考えてはおりますが、われわれの構想として考えておるわけではございません。
#78
○八田委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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