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1970/03/03 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 農林水産委員会 第6号
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1970/03/03 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 農林水産委員会 第6号

#1
第065回国会 農林水産委員会 第6号
昭和四十六年三月三日(水曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 草野一郎平君
   理事 安倍晋太郎君 理事 小沢 辰男君
   理事 仮谷 忠男君 理事 丹羽 兵助君
  理事 三ツ林弥太郎君 理事 千葉 七郎君
   理事 斎藤  実君 理事 小平  忠君
      江藤 隆美君    鹿野 彦吉君
      熊谷 義雄君    小山 長規君
      齋藤 邦吉君    坂村 吉正君
      瀬戸山三男君    高見 三郎君
      中尾 栄一君    別川悠紀夫君
      森下 元晴君    山崎平八郎君
      渡辺  肇君    角屋堅次郎君
      田中 恒利君    芳賀  貢君
      松沢 俊昭君    美濃 政市君
      瀬野栄次郎君    鶴岡  洋君
      二見 伸明君    合沢  栄君
      小宮 武喜君    津川 武一君
 出席政府委員
        農林政務次官  渡辺美智雄君
        農林省農林経済
        局長      小暮 光美君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
       事務局経済部長 三代川敏三郎君
        農林大臣官房参
        事官      大場 敏彦君
        農林水産委員会
        調査室長   松任谷健太郎君
    ―――――――――――――
三月二日
 BHC等有機塩素系農薬の全面禁止に関する請
 願(阿部未喜男君紹介)(第一三四四号)
 同(小林進君紹介)(第一三四五号)
 同(阿部未喜男君紹介)(第一四一三号)
 同(木原実君紹介)(第一四一四号)
 同(小林進君紹介)(第一四一五号)
 同(坂元親男君紹介)(第一四一六号)
 同(武部文君紹介)(第一四一七号)
 同(阿部未喜男君紹介)(第一四八五号)
 同(大原亨君紹介)(第一四八六号)
 同外五件(戸叶里子君紹介)(第一四八七号)
 同(安宅常彦君紹介)(第一五三〇号)
 同(武部文君紹介)(第一五三一号)
 中国産食肉輸入禁止解除に関する請願(安井吉
 典君紹介)(第一四一二号)
 観光漁業及び磯根漁場の開発に関する請願(木
 原実君紹介)(第一四三五号)
 米の生産調整対策に関する請願(小沢辰男君紹
 介)(第一四八四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 卸売市場法案(内閣提出、第六十三回国会閣法
 第一〇六号)
     ――――◇―――――
#2
○草野委員長 これより会議を開きます。
 卸売市場法案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。角屋堅次郎君。
#3
○角屋委員 それでは、本委員会で議題になっております卸売市場法案の問題につきまして若干御質問を申し上げて、基本的な問題についてはいずれ大臣御出席の際にお伺いをいたしたいと存じます。
 御承知のとおり、本法案は継続審議の案件でありまして、本来ならば、流通機構の大宗をなしておる非常な重要法案でありますところの卸売市場法案は、機会さえあれば速急に処理しておいてしかるべき法案だったわけですが、諸般の情勢上今日までおくれておるわけであります。しかし、考えてみますと、最近の生鮮食料品その他の問題を契機にいたしまして、いわゆる卸売市場のあり方という問題が非常に世論の喚起も呼び、また国会議員といたしましても政府といたしましても、真剣に取り組まなければならぬという情勢の中で、この問題を処理するということは、場合によっては意義深いことだとも考えられるわけであります。本委員会におきましても、すでに数日来同僚の各委員によりまして、熱心な論議が与野党を通じて展開されてまいりました。私はそれらの問題にも当然触れてまいりまするけれども、基本的な問題から具体的な問題へと逐次質問を続けたいと思います。政務次官は、特に御答弁を要請したときには答弁いただいてけっこうでありますけれども、法案の内容の問題については政府委員でけっこうでございますから、政府委員の御答弁も要点をひとつ要領よくお答えを願いたい、こういうように考えております。むずかしい話は抜きにいたしまして、さっそく内容に入ってまいりたいと思います。
 御承知のとおり、今回の卸売市場法案は、いうまでもなく、大正十二年に中央卸売市場法が制定されましてから、約五十年近い歴史的経過を経まして、中央地方を通じての市場のあり方に対して、政府が持たれておりました審議会の答申等を得て、この際抜本的な改正をいたしたいという趣旨から、御提案になっておるわけであります。そういう御提案の中で、特にこれからは中央卸売市場、地方卸売市場を含めまして総合的な卸売市場の整備をはかっていきたいということから、新しく第四条におきまして、農林大臣が「卸売市場整備基本方針」というものをきめることに相なるわけでありまして、それを受けまして第五条では、農林大臣は「中央卸売市場整備計画」というものを立てることになるわけであります。この「中央卸売市場整備計画」については、旧法の中でも第七条ノ二で同じような趣旨のことが考えられてまいった経緯はございますけれども、第四条の「卸売市場整備基本方針」を受けて、「中央卸売市場整備計画」を農林大臣がきめる。さらにまた、第六条におきましては、都道府県知事が「都道府県卸売市場整備計画」というものを定めることができるように相なっておりまして、いわゆる国、県等を通じまして、これから総合的な卸売市場の整備をはかる。そのことを通じて、流通の大宗をなすこの卸売市場の画期的な飛躍をはかってまいりたい、こういう前提に立っておるものと判断をいたします。
 そこで、まず農林大臣が新しくこれからきめてまいることになっております第四条の「卸売市場整備基本方針」の問題から若干お伺いをいたしたいと思うのであります。これは「農林大臣は、政令で定めるところにより、卸売市場の整備を図るための基本方針を定めなければならない。」ということになっておりまして、政令の予定されておる中身といたしましては、おおむね十年ごとに農林大臣が定める目標年度までの期限についての基本方針の考え方を明らかにする、こういうふうになっておるわけでありますから、いわば中央卸売市場、さらに都道府県卸売市場の整備計画と相まって、十カ年計画とも称すべき考え方の前提に立っておると判断をされます。そこで、「卸売市場整備基本方針」においては、第四条第二項のところで、五項目にわたりまして内容が書いてあるわけであります。それで、過般来の委員会の議論を通じまして、いわゆる第一号、第二号、第三号、第四号の次に、「その他卸売市場の整備に関する重要事項」ということが第五号にございますけれども、第一、第二、第三、第四に続いて――きょうも築地、神田の市場の見学に早朝来参ったわけでありますけれども、たとえば築地の場合でも約一万七千に近い従業員が働いておられるというふうな実態の報告等もありましたが、やはり第四号の次にこういった市場で働く人々の労働福祉問題、さらには食品衛生等のいろいろな諸問題等もございまして、そういった食品衛生あるいは労働福祉問題というのを五号で「その他」で片づけるのでなしに、特にやはりこれからの新しい展望に立った場合には明記すべきではないかというふうなこと等についても、私どもとしては考えておる内容の問題でございます。これは特に政府委員等からの答弁は要りません。そういうことがやはりこれからの長期展望に立った卸売市場の運営の場合に重要な項目として明記をし、基本方針をその明記に基づいて明らかにしていくということが必要であるというふうに考えております。
 そこで、第四条第二項の第一の問題から若干お伺いしたいわけでありますが、「生鮮食料品等の需要及び供給に関する長期見通しに即した卸売市場の適正な配置の目標」こういうことが第二項第一号に書かれておりますけれども、これはおそらく農林省が昭和四十三年十一月二十二日に公表をいたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」というものを大宗としながら、「生鮮食料品等の需要及び供給に関する長期見通し」というものの基礎にしたいという考え方だと判断をするのでありますが、その辺のところは具体的にはどう考えておられるか、まずお伺いしたいと思います。
#4
○小暮政府委員 御指摘のとおり、農業基本法に基づきまして、需要と生産の長期見通しをいたしております。これをもちろん念頭に置きますが、さらに、ほかに野菜の生産出荷安定のための制度等に基づきまして、さらに重要野菜について具体的にいろいろ調査いたしておるようなものもございます。それらのものも十分勘案いたしたいというふうに考えております。
#5
○角屋委員 そこで、昭和四十三年十一月二十二日公表の「農産物の需要と生産の長期見通し」というもので、たとえば野菜のところをひとつ見てまいりますと、これはいわば非常に荒い見通しでありまして、五十二年の野菜の作付面積は四十一年より約一割五分増加して七十一万ヘクタール程度、生産量は約三割増加して千七百四十五万トン程度になると見通される。また、五十二年度における総需要量は千七百十八万トンないし千七百五十三万トン程度、生産量は千七百四十五万トン程度となり、需給はほぼ均衡するものと見込まれるというふうな判断を長期見通しではしておるわけでありますが、最近の米の生産調整等と関連をする今後の野菜の見通しは、こういう情勢の変化に関連をして一体どうなるかというふうな問題等も新しい要因でありましょうし、あるいは野菜生産出荷安定法に基づくところのこれからの具体的プランというものとの関連でどうなるかということが当然出てまいるわけだと思います。
 果実につきましても、五十二年を見通すと、栽培面積は四十一年の約三割増の五十五万ヘクタール、これは果実的野菜を除いて四十七万ヘクタールということがカッコに書いてありますが、その程度で、生産量は四十一年の約七割増の九百七十三万トン、カッコいたしまして果実的野菜を除いて八百四万トン、こういう程度になると見通される、こういうふうに判断をしておりまして、五十二年度における総需要量は千七十九万トンないし千百六十九万トン程度、生産量は九百七十三万トン程度となり、自給率はほぼ現状程度となることが見通されるというふうなことで、いわゆる長期見通しの中では野菜、果実あるいは肉その他についても、それぞれ荒い形の十年の展望が書かれておるわけでありますけれども、具体的に最近の生鮮食料品等の市場を通ずる価格の変動というふうな問題を考えてみましても、やはり生産、需給のバランスの問題を、年度ばかりじゃなしに時期的にも真剣に対処していかなければならぬ。あるいは先ほど申しました米の生産調整、あるいは自由化の進展と関連する国内生産の動向というふうなものを、総合的にきめこまかく判断をしてまいりませんと、いわゆる生産体制あるいは需給の均衡という問題が見通しを誤るということに相なろうかと思うのであります。したがってそういう点について、具体的に本年はどうだ、あるいは来年についてどう考えるかという点に関する農林省の作業のしかた、あるいは判断のしかたというのは、具体的にはどうしていかれるのかという点についても答弁願いたいと思います。
#6
○小暮政府委員 卸売市場の中央地方を通じての計画的な整備との関連で、野菜の長期の需要と生産の見通しを持たなければならない点は御指摘のとおりでございまして、これにつきましては年間一人当たりの消費量の動向といったようなものを念頭に置きながら、都市の人口の集積状況等を勘案して具体的に検討してまいる考えでございます。そのほかに、野菜の価格の安定という観点からは、野菜生産出荷の安定のための諸制度との関連で、主要な野菜についてできるだけひんぱんに、今後五カ年間の見通しを品目ごとに検討するというたてまえになっておりまして、これは野菜のことでございますから、どこの地域でことし幾ら要るか、あるいは何月に幾ら要るかというところまでをしさいに政府の見通しとして出すことは適当でないというように考えますが、ただ一回限りつくれば当分それでよろしいという性格のものでもないという事情がございますので、市場における入荷の実績あるいは流通関係の専門家の意見等を十分徴しながら、今後五カ年間にどの程度需要がふえるだろうか、入荷期待量がふえるだろうかということを主要野菜について常時検討し直す、こういう形をあわせて考えております。
#7
○角屋委員 私がなぜ、この第四条第二項第一号の「生鮮食料品等の需要及び供給に関する長期見通しに即した即売市場の適正な配置の目標」で、そのことに特に触れるかといいますと、数年来、農林省の毎月なりあるいは冬季なりの野菜の見通しというものはきわめて当たらないということで不評判である。そういうことであってはいかぬし、また、これからの野菜の短期見通しを立てられておることについても、これが当たるかどうかということがいわれておる。もちろん天候その他の問題もありましょうけれども、農林省はできてから何十年とたっておるわけですし、それぞれ陣容を持っておるわけだから、やはりそういうものを的確に把握するにはどういう創意とくふうが必要か、あるいはそういうものの組織的な整備というものはどういうふうに考えたらいいか、機械化その他の問題も含めてくふうしながら、大体実態に近いような判断ができるということが必要だと思うのですよ。そういう点では、いままでのように短期的にもあるいは年度的にも農林省の見通しに対する信頼性が必ずしも高くないということであってはいけないのじゃないか。また、そのことが、卸売市場を通じての流通の場合の価格の波動に大きな影響を持ってくるということであってもいけなかろうと私は思うのでありまして、これらの点は、従来の考え方の単なる延長ではなくて、長期、年度、短期、そういう問題については、緻密な、もっと創意くふうの上に立った見通しというものを持っていかれることが必要であるということを特に指摘しておきたいと思うのであります。
 基本方針の中で、引き続き二号、三号、四号と三項目書かれておるわけでありますが、特に、「近代的な卸売市場の立地並びに施設の種類、規模、配置及び構造に関する基本的指標」、これは新設のものも、また従来のものも新しく改造していくという問題も含んでおると思いますけれども、こういうものを基本方針の中で特に明示したいというのはどういう考え方でありますか。
#8
○小暮政府委員 本日、御視察いただきましたところでも明らかなように、現在の市場内の労働力事情等を見てまいりますと、在来の仕組みでは市場の機能が麻痺するおそれがあるという問題がございます。そこで、できるだけ施設を省力的な方向に持ってまいる必要があるだろうということが一つございます。
 それから、先ほど来御指摘のような需要の見通し、これは短期の需給調整の問題のほかに、それぞれの都市の消費人口の動向、一人当たりの消費の動向というものから予想される入荷量があるのでございますが、その入荷量に見合った施設の規模――一気に理想的なところまでいかないにしても、目標としては、望ましい施設の規模というものを明示する必要がございます。
 それから、最近の市場におきましては、何と申しましても、売り場面積のほかに駐車スペースといったような問題がきわめて基本的な問題になってまいっております。それらのものについての考え方の基礎、こういったようなものを、第二号に基づいて基本的な目標を明示したいというように考えております。
#9
○角屋委員 引き続きまして「卸売市場における取引及び物品の積卸し、荷さばき、保管等の合理化に関する基本的な事項」、これはあとの整備計画がこれを受けるわけですけれども、ここではどの程度のことをあらわしたいのですか。
#10
○小暮政府委員 ただいま申しましたことと思想的にはつながるわけでございますが、大口の荷物をできるだけ合理的にさばきたいということから、荷役施設あるいは貯蔵施設等のあり方について基本的な事項を明示したいというふうに考えております。
#11
○角屋委員 次の第四号のところに「卸売の業務」、カッコしてその解釈が書いてありますけれども、「卸売の業務を行なう者の経営規模の拡大、経営管理の合理化等経営の近代化の目標」ということが書いてありますが、本法でいう「卸売の業務」というのは、その姿をしぼってまいりますと卸売業者ということにつながる。したがって、「卸売の業務を行なう者」という中には、新しく名称が変わって、仲卸業者あるいは買参人というものは、この立法の解釈からいうと必ずしも入らないという前提だろうと思うのでありますが、基本方針の中では「卸売の業務を行なう者」つまり卸売業者の「経営規模の拡大、経営管理の合理化等経営の近代化の目標」ということがあって、やはり仲卸業者あるいは買参人等を含めれば含められるかもわかりませんけれども、そういう者を含まない形で市場内のいわゆる卸売業者、仲卸業者、買参人というものが構成員としては考えられるのに、この法律上の解釈では、基本方針の中で、その他の者を除いて、卸売業者について特にしぼって書いておるように判断をされる。本来、流通機構というのは流れ作業でございますから、流れ作業にタッチする根幹的な組織体というものについては、基本方針の中においても、単に卸売業者ばかりでなしに、仲卸業者あるいは買参人等も含む、そういった者の経営規模の拡大なり経営管理の合理化等経営の近代化の目標を明らかにして、そして非常に古くからの伝統や因習やいろいろなものを持っておる姿を近代化していくということが総合的に必要ではないか、こう思うのでありますけれども、そういう意味からいけば、私の解釈では「卸売の業務を行なう者」というのは卸売業者であろう。こういうふうに見ますと、なぜ、それだけの者に触れて、他の仲卸業者なり買参人を含む、つまり市場に参加をしておる、卸売の市場として十分関連をしておるそういう者についての総合的な近代化を考えようとしないのかという点を、ひとつ起案者の側として政府委員から答弁を願いたい。
#12
○小暮政府委員 御指摘のとおり、市場内での取引の近代化、合理化をはかりますためには、卸売業者だけでなしに、仲卸業あるいは売買参加者等のあり方についてもこれを合理化する方向を明示すべきであるというように考えます。ただ法律としてこれを定めます場合に、御承知のように卸売りの業務につきましては、第十五条で農林大臣が直接許可する形を定めてございますが、仲卸業につきましては、法体系としては、これを置くことができるという形で、法律上必置という形にはいたしてございません。そのほかに、これの認可等は開設者がやるという形に相なっております。そこで法律の体系としては、第四条で特記するのは、卸売りの業務を行なう者の経営規模の拡大等についての目標といたしてございますが、趣旨といたしましては、仲卸あるいは買参のあり方についても当然改善をはかる考えでございます。
#13
○角屋委員 いま局長から御答弁がございましたが、卸売市場整備基本方針として農林大臣が総合的なものをきめようというときに、たとえば仲卸業者は開設人がこれを認めていくのだとか、あるいは買参人はどうだということでなしに、中央卸売市場あるいは地方卸売市場を通じての卸売市場における近代化をはかるということを国が基本方針を明示する場合には――しかし具体的問題としても、仲卸業者というものがカットされておる市場というものも若干ありますけれども、大体大半のところはあるわけであって、そういうことは、私は必ずしも説明にはならないというふうに思うのです。単に卸売業者だけの近代化を言えばいいというものじゃなく、これは相関連をしておるという点で、私はやはり第四号のところではそういうものを含めた卸売市場整備基本方針に基づく考え方を示すべきである、こういうふうに考えるわけであります。そして「その他卸売市場の整備に関する重要事項」であと一切がっさいつばめてありますけれども、私は、最近食品公害問題その他が出てまいります、あるいは市場の衛生条件、環境整備等の問題もございましょう、そういう面で、食品衛生とかあるいは労働福祉とかいうふうな問題については第四号の次にそれを明示して、そして次に六として「その他卸売市場の整備に関する重要事項」ということにやはり整えるべきであろうというふうに考えております。
 いずれにしても第四条の第一項、第二項に関連した政府委員に対する質問は以上の程度にいたしたいと思いますが、この第四条の「卸売市場整備基本方針」については、これは第三項で書いてありますように、「農林大臣は、卸売市場整備基本方針を定めようとするときは、卸売市場審議会の意見をきかなければならない。」、そして第四項では、この内容について「遅滞なく、これを公表しなければならない。」ということに相なっておるわけであります。
 ところが、これはあとで私は質問するのでありますが、ここで関連をして先に質問しておいてもけっこうだと思いますので申し上げたいのでありますが、第六条の「都道府県卸売市場整備計画」というところでは、第二項のところに四号まで内容がありまして、そして第三項のところで指定都市との協議の問題があり、第四項のところで「都道府県知事は、都道府県卸売市場整備計画を定めたときは、遅滞なく、これを農林大臣に提出するとともに、その内容を公表しなければならない。と書いてありますが、この場合、後ほどの条項で出てまいりますいわゆる中央に設けられる卸売市場審議会に対比をした形で、都道府県には都道府県卸売市場審議会というものを置くことができるようになっておるわけですね。したがって、地方自治体の自主性といいますか、そういうことから、立法体系としては置かなければならないという形を必ずしも国の法律ではとりませんけれども、趣旨としては、置くことができるといっても、これは置かなければならぬという解釈の方向でやはり措置されることが多いと思う。そうだとしますと、第六条のところの「都道府県卸売市場整備計画」という場合は、当然多くの場合設けられるであろう都道府県卸売市場審議会というものの意見を聞かなければならないということが前提になると思うのでありますが、これらの点について政府委員から御答弁を願います。
#14
○小暮政府委員 実際にこの仕事をやってまいります場合には、私どもも関係の都道府県がそれぞれ七十一条に基づいて審議会を設けて、十分衆知を集めてやってもらうというふうになることと期待しております。ただ、御指摘の中にもございましたように、これは地方自治体がやることについてでございますので、立法としては「審議会を置くことができる。」という七十一条の規定になっております。したがいまして、六条のほうでこれについて特段法律上触れるということをいたしていないわけでございます。
#15
○角屋委員 法律上触れてないけれども、設けられる場合は当然その意見を聞いてやるということは間違いないわけですね。本来ならば私はそういう趣旨のことはここへ書いておいていいと思うのですね、法文上のあらわし方をどうあらわすかは別として。だから書き方からすれば、都道府県卸売市場審議会が設けられる場合においてはその意見を聞かなければならない、というふうにして、法文上やはり農林大臣の場合の卸売市場整備基本方針、さらに中央卸売市場整備計画の場合も意見を聞くとともに、関係地方団体に協議しなければならぬとなっておりますが、いずれもそういうことを意見を聞いてやるということになっておるわけですね。たてまえは私の質問と答弁とはそう変わらぬと思うのですけれども、法文上やはりそういう問題をもう少し明記する必要があるのではないか、こういうふうに私自身としては判断をしておるわけでございます。
 そこで第五条の中央卸売市場整備計画に関連した問題でありますが、この第五条の中央卸売市場整備計画の点は旧法の第七条ノ二と特に変わる点が新しくございましょうか。大体従来の旧法の第七条ノニの内容と、内容としてはそう変わってないのでございますか、その辺の実体的な問題について御答弁を願いたいと思います。
#16
○小暮政府委員 整備計画の考え方は旧法と特に異なった点はございませんが、実際これをつくります際にまず基本方針を明示をいたしまして、それを受けてこの整備計画をつくるという点、それからあとは結果的にでございますけれども、この整備計画が当然都道府県の卸売市場整備計画立案の際にも参考にされるという点が実体的に従来と異なると思います。
#17
○角屋委員 そこで第六条の「都道府県卸売市場整備計画」について若干お尋ねしたいのは、農林大臣が中央卸売市場整備計画をつくる、それで「都道府県知事は、政令で定めるところにより、当該都道府県における卸売市場の整備を図るための計画を定めることができる。」こういうふうになっておりますが、この都道府県卸売市場整備計画の中にはいわゆるその都道府県内の中央卸売市場、これは既設のもの、あるいはこれから新設されるであろうことで計画のプランに載っておるもの、こういうものも含めて都道府県卸売市場整備計画としてあらわすのか、あるいは都道府県の地方卸売市場、これを主体として都道府県卸売市場整備計画というものは考えるのか。この辺、この計画の中身にはいずれも含んでこの計画を考えておるのか。あるいは地方卸売市場というものに土台を置いてこの計画を立てる構想なのか。その辺のところを明確にしておいてもらいたい。
#18
○小暮政府委員 都道府県知事は中央卸売市場の整備の問題だけでなしに、中央卸売市場と地方卸売市場との区域内での配置と申しますかその立地上の組み合わせ等に十分配意しなければならないという考え方でございます。したがいまして都道府県知事がつくります都道府県卸売市場整備計画の中には、国が定めます中央卸売市場についての整備計画、この中で掲げられております中央卸売市場の計画は当該県にかかわるものを当然含む。それを組み込んで県内全体としての中央市場、地方市場を配置する、こういう形を考えておるわけでございます。
#19
○角屋委員 そこで中央卸売市場の関係の問題について、「第三章 中央卸売市場」という中身との関連において若干触れていきたいと思う。
 そこの第七条で「開設区域」というのがございまして、これは従来の考えられておった中央卸売市場の区域よりももっと広い意味に判断をして考えていきたいということで、今度の第七条の「開設区域」の点は新しくそういう考え方が加わっておると思うのでありますが、具体的にその点を若干御説明を願いたい。
#20
○小暮政府委員 区域を指定して、その中のその区域を対象として中央卸売市場をつくるという考え方は従来と同じでございまして、その意味では開設区域というものの考え方が特に変わったわけではございませんけれども、最近の流通の実態等から考えまして、この区域の指定はできるだけ広域的な流通の安定をはかるという角度から指定いたしたいというように考えております。
#21
○角屋委員 そこで第八条では、開設の認可問題の中で結局「地方公共団体は、農林大臣の認可を受けて、開設区域において中央卸売市場を開設することができる。」ということになっておりまして、第八条の第一号のところで「都道府県又は政令で定める数以上の人口を有する市で、」と、これは従来の政令の十五万人ということの考え方を、ここで新しくおおむね二十万人というふうに改める、この場合の二十万人というのは、二十万人を境にして、この下のほうは弾力的にどの辺のところまでを運営上考えておるわけですか。
#22
○小暮政府委員 通常そういう形でものを画します場合に、一割程度のアローアンスはあるというふうに考えております。
#23
○角屋委員 そこで人口十五万以上の都市、日本の場合、昭和四十五年三月三十一日現在の住民基本台帳で見てまいりますと、同僚の委員の質問のときにも若干出ておりましたが、現在私の手元の資料では市の数が五百六十四、そのうちで人口十五万以上というのが百七、二十万以上というのは七十四というふうに見られるわけですが、そこで県庁の所在地に中央卸売市場をつくるとかつくらぬとか、いろいろな審議の経過もありましたし、また現実に人口十五万以上で考えれば百ちょっと、あるいは二十万以上を考えても七十四、現実の中央卸売市場は二十八都市で五十八あるというふうな現状で、いわゆる基本方針に基づく中央卸売市場整備計画、十年をめどにしてこれからの展望いかんということになります場合に、具体的にはこれから本法が通過をいたしました場合に、どういう段取りで農林省としてはやっていかれるのか、こういう点をひとつお答えを願いたいと思う。
#24
○小暮政府委員 現在すでに中央市場開設の問題を何らかの形で検討しております。その検討の程度はずいぶん差異はございますが、しております。都市ですでに二十七、八都市ございます。それから、現に開設されております都市の数と同じくらいの都市が、いろいろな角度でいま検討をされておるわけでございます。私どもといたしましては、これらのものについて具体的な指導を引き続き行ないますと同時に、新法が施行されましたら中央卸売市場審議会にはかりまして、現に検討中のものに必ずしも局限することなしに、国全体の状況をながめて整備計画を定めたいというふうに考えております。
#25
○角屋委員 すでに中央卸売市場を開設しておる都市が二十八都市五十八卸売市場、それから当面新規の開設都市として構想されておるのが二十七都市ありまして、その中には開設をすでに決定をした都市が青森、福島、宇都宮、甲府、富山、岐阜、徳島、松山、宇部というふうな九都市と、それから開設を予定しておる都市が大体当面十二都市ということで、具体化しつつある都市として静岡、清水、これは一部準組合ということでしょうが、和歌山、大阪、福井、長崎、検討中の都市として釧路、函館、八一尺山形、大分、宮崎、開設の意向があると見られる都市として六都市、秋田外五都市というふうなことで、いま言った中には入ってはおりませんけれども、予算委員会あるいは本委員会でも若干の議論が出ました東京都におきます場合の大井市場の問題、あるいは横浜の場合は磯子の横浜南部市場の問題、こういう問題がこれからの当面の検討対象として出ておるかと思うのですが、これは十年を展望したときの農林省の考え方として、中央卸売市場の新設あるいは改造、移転等も含めて、おおむね中央卸売市場はどれくらいの数のものになるだろうというふうに見ておるわけですか。いま私の手元の資料では既設が二十八都市ある、新規の開設の予定を含めて二十七都市が対象になっておるということですけれども、全体としていわゆる基本方針に基づく中央卸売市場整備計画という中で構想される旧来のも一の、新設のものも含めておおむねどの程度であろうというふうに考えておられますか。
#26
○小暮政府委員 これまでの中央卸売市場の整備の実績等から考えますと、現に検討の俎上にのぼっております新規開設二十七都市につきまして具体的な整備を完了するには、過去の例でございますれば相当の長年月を要するのではないかというふうに思います。ただ私どもといたしましては、新法の施行を機会に、この際関係者と一致協力いたしまして、今回の十カ年計画で、既存の都市を含めて少なくとも五十都市程度について市場の整備が行なわれます程度のところまで仕事を進めてまいりたいというふうに念願いたしております。
#27
○角屋委員 これは中央が命令してやるというそういう性格のものではございませんから、やはり地方公共団体あるいは地域の関係者というものの積み上げの上に立って、総合的な中央市場としての新設あるいは改造等をやらなければならぬということでございますけれども、少なくとも基本方針を明示し、中央卸売市場整備計画をこれから立てていくということになりますと、相当具体性を持った計画を明示しなければならぬだろうというふうに私どもは判断をいたします。
 そこで今度は、都道府県の卸売市場整備計画の中で重要な柱であります地方卸売市場の問題でありますけれども、これも整備計画の問題であります。
 御承知のように、地方の卸売市場というのはいままでは法律あるいは条例その他でやっておる形でございまして、今度新しく中央卸売市場、地方卸売市場を含めた統一的な卸売市場法ということになるわけでありますが、したがってそういう中で都道府県卸売市場整備計画というものも考えていく。この場合に、今後既設の地方卸売市場というものが総合で百七十九、青果物市場で千六百十二、水産物市場で千七百七十三、食肉市場で十四、これは消費地、産地市場を含めてでありますけれども、そうすると消費地市場としては二千二百八十八、産地市場というのは千二百九十、こういうふうに仕分けされますが、産地市場というのは御承知のように漁業協同組合あるいは同連合会等が考えるいわゆる産地の市場、その水産物市場というのが千百七十七で、千二百九十の大半を占めているという実態でありますから、これはそういう実態を踏まえた上に立って判断をしなければならぬ。したがって地方卸売市場の整備の焦点ということになりますと、当然消費地市場の二千二百八十八の問題が中心的課題になるかと思います。この点は各都道府県のこれから立てる整備計画、いままででも行政的な指導をやってまいりましたが、そういうもので判断をされる消費地市場のこれからの整備後の市場数というものは大体どれくらいに考えておられるかという点についてお答えを願いたいと思います。
#28
○小暮政府委員 地方市場の問題は多年の懸案として今回国が直接関係都道府県と一緒に指導する段階までこぎつけたわけでございまして、全国にどれだけ所在するかということを正確に把握するのが、これまで精一ぱいであったということを率直に申し上げたいと思います。しかし、これまで関係の都道府県といろいろ議論をいたしました経過、並びに現在私どもが当面地方市場の整備のためにどの程度の規模のものを考えようというふうに考えておりますこと等を勘案いたしますと、数としてはむしろ現在の数の三分の一程度に最終的には整理される。しかしながら売り場面積なりそこでの処理能力という点から見ますと、現状よりもかなり上回る形のものに整備することが望ましいのではないかというふうに考えております。
#29
○角屋委員 それで中央卸売市場あるいは地方卸売市場の開設の場合、いま申しましたように三分の一程度に統合していく、具体的にどういう進め方をするかは別として、そういう場合においてはやはり既設の市場の新らしい市場への統合問題、あるいは新設問題等も出てまいろうかと思いまするけれども、そういう特に卸売市場を開設するという場合に、業者の収容の基本方針というものはどういうふうに従来からやってきておるのか。今後整備計画に基づいて推進をしていく場合には、中央卸売市場の場合も地方卸売市場の場合も、そういう問題が基本方針として明らかにされてこなければならぬだろう。これは従来もやってきた経験がございましょうけれども、これから中央地方を通じていわゆる経済圏等に基づいて市場を総合的に整備をするということに伴います業者の収容方針等についてどういう方針でいかれるか。この点は若干項目的に明らかにしてもらいたい。
#30
○小暮政府委員 生鮮食料品の卸売りの業務あるいはこれに類似の業務を現に継続して実施いたしております業者が、それぞれの地域にあるわけでございます。名称とか規模等は区々でありましても、この仕事に多年の経験を持っておると判断されるわけでございます。したがいまして、市場整備の場合の一番基本的な考え方といたしましては、指定いたしました区域の中で現に卸売りの業務をやっておる者、これを十分話し合いのもとに整理統合いたしまして、できるだけ管理体制の確立を望ましい規模のものにいたしながら市場内に収容するというのが、市場を整備いたします場合の基本的な姿勢でございます。
#31
○角屋委員 時間の関係もありますから、さらに深く触れてお尋ねすることは省略をいたしますけれども、やはり既設の卸売業者にいたしましても仲卸業者にいたしましても、これが既得権を侵害されるというのではなしに、関係業者の理解と協力の上に立って、新しい卸売市場の整備計画の線に沿った推進が円滑にいくように十分な配慮と体制を持たなければならぬだろう、こういうふうに考えます。この点、今後の運営についてはぜひそういうことで明確な考え方をもって対処してもらいたい、こういうふうに考えております。
 そこで、以上第四条、第五条、第六条に関連をいたします基本方針、整備計画という問題で若干質問を申し上げてまいりましたが、私はやはり流通機構の整備というものが経済全体の中では非常に立ちおくれもあるし、これから積極的に推進をしなければならぬ。これは生鮮食料品等の卸売市場を中心とした流通機構ばかりでなしに、全体的にそういう点には立ちおくれがある。特に本法について見ます場合には、おおむね十年を目途としたいわゆる農林大臣のきめる基本方針に基づく中央卸売市場整備計画あるいは都道府県知事のきめる都道府県卸売市場整備計画というものでやっていきます場合に、従来道路であるとかあるいは住宅であるとかあるいは港湾であるとか、あるいは漁港であるとかあるいは土地改良であるとかいろいろな問題について、やはり基本方針に基づき整備計面を立てるという場合においては、それに基づくところの予算的な総合計画というものが当然考えられなければならぬというふうに思うわけであります。したがってこれは今後この計画が一、二年のうちにもつと明確になるに従って、おそらく一、二年のうちには卸売市場整備五カ年計画とかあるいは十カ年計画とかいうことに基づく予算的な構想というものも当然打ら出されてしかるべき時代的要請もあるし、またそういうことを考えてまいらなければならぬというふうに思います。これは農林大臣が参りましたときに、今後の問題としてお伺いをいたしておきたい一つの重要な点であります。
 そこで、今度は十条の中央卸売市場の「認可の基準」、それからあとのほうになりますけれども、第五十七条の地方卸売市場の「許可の基準」、これは地方のほうは許可の基準でありますが、これは新設の場合あるいは統合の場合、いろいろな場合の点でありますけれども、第十条の中央卸売市場の「認可の基準」の場合は、第一号のところでは、「当該申請に係る中央卸売市場の開設が中央卸売市場整備計画に適合するものであること。」さらに第二号といたしまして、「当該申請に係る中央卸売市場がその開設区域における生鮮食料品等の卸売の中核的拠点として適切な場所に開設され、かつ、相当の規模の施設を有するものであること。」というのが十条の「認可の基準」の重要な項目になっております。それと対比をいたしまして、地方卸売市場「認可の基準」といたしまして該当の五十七条を見てまいりますと、五十七条の第一項のところでは六項目いろいろなことがあげてありまして、そうして五十七条の第二項のところにこういうことが書いてあるわけですね。「都道府県知事は、第五十五条の許可の申請があった場合において、その申請者が第六十五条第二項第二号若しくは第三号の規定による許可の取消しを受け、その取消しの日から起算して二年を経過しない者であるとき、」ここまでは問題ないといたしましても、その次のところですね。「その申請に係る地方卸売市場の位置が都道府県卸売市場整備計画に照らし配置の適正を欠くと認めるとき、又はその申請に係る地方卸売市場の位置若しくは施設の種類、規模、配置若しくは構造が地方卸売市場における業務の円滑な運営を確保するうえで不適当であると認めるときは、同条の許可をしないことができる。」私はやはりこれから基本方針に基づいて中央卸売市場の整備計画を立てる、あるいは都道府県知事は地方の卸売市場の整備計画を立てる、そういうことに基づいて中央地方を通じての卸売市場の整備をはかるという展望に立つ場合、中央の場合にはちゃんと第十条の点ではやはりそれに即した形でこの認可が行なわれるように相なっておる。ところが地方卸売市場におきましては、いまも申しましたように「地方卸売市場の位置が都道府県卸売市場整備計画に照らし配置の適正を欠くと認めるとき、」もう普通ならばこれはアウトということですね。「又はその申請に係る地方卸売市場の位置若しくは施設の種類、規模、配置若しくは構造が地方卸売市場における業務の円滑な運営を確保するうえで不適当であると認めるときは、」これも普通ならばアウトです。そのアウトの問題について「同条の許可をしないことができる。」こういうゆるい形になっておるのは、これは問題点であるというふうに思わざるを得ない。一体そういう点は、第五十七条のところのこういう本来ならばアウトになるべきものを「許可をしないことができる。」というゆるい形に取り扱うというのは、どういう考えに基づいてこうなっているのか。本来はもう少しはっきりした考え方を法文上は明記すべきであるというふうに考えるのだが、その辺のところについてお答え願いたい。
#32
○小暮政府委員 中央市場の場合と地方市場の場合を対比してのお尋ねでございます。基本的に異なります点は、中央卸売市場の場合にはこれを開設するものが地方公共団体である。しかも発端において計画をつくります際に、国は当該地方公共団体に協議するという形でございます。したがいまして、国と地方公共団体それぞれ全く公的な立場のものが事前に相談しながら次第に市場の整備を進めていく、こういう形でございまして、これにつきましてはそれぞれ農林大臣の行ないますことにつきまして法文上きわめて明快にものごとを書いておるわけでございます。それから地方市場の場合には、民営の卸売市場が現にたくさんあるわけでございます。その民営のものをできるだけ望ましい姿のものに強化しながら、具体的には先ほど申しましたように整備統合しながら望ましい配置をつくっていこう、こういうことでございまして、しかもそれを直接監督をいたしますものは地方公共団体である。そこで国が法律をつくります段階で、これを地方自治体の長がいま申しましたような点を十分配慮して指導できるように、その指導の根拠をここに定めたということでございます。
#33
○角屋委員 私はやはりいかに説明をされても、この第五十七条の第二項のこの法律の書き方、これは新しく中央卸売市場、地方卸売市場を含めた統一的な立法として卸売市場法案を提出してきておるその提案にあたっての許可なり、あるいは中央は認可ですが、認可の基準というものはやはりこれからの展望に立った基本方針と整備計画に基づいたものでなければならぬだろう。だとするならば、いま言った五十七条の第二項の「同条の許可をしないことができる。」というゆるい形で、先ほども消費市場のこれからの整備方針については約三分の一程度にしていきたいという前提に立っておられるお話でございましたが、そういうものも含めて考えてまいりますと、その辺のところはやはり基本的に問題になるというふうに思わざるを得ないわけです。これは本来アウトになるのだけれども、しかしまあ民営その他の問題も含んでくるからという答弁で、少しゆるやかにしておるということでは説得力を欠くだろうというふうに私は思います。ここでこういう点について論争しようと思いませんけれども、やはり中央地方を通じての基本方針から、整備計画に基づいてやろうという前段のかまえから見て許可の基準があることからいうと、本来考え方としてはアウトになるべきものが「許可をしないことができる。」程度で立法上済ますということは、基本的に問題になるということをこの時点では指摘する程度にとどめたいと思います。
 そこで前段に若干返りまするけれども、この際、私が、卸売市場整備基本方針のほうに、第四条で特に食品衛生問題あるいは労働福祉問題を明記すべきだという点を申し上げましたが、そのことに関連をいたしまして、働いておられる労働問題について実態をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
 最初に、この中央の卸売市場あるいは地方の卸売市場で今後入ってくると考えられるそういう市場関係の賃金の実態は、どういうふうに判断をしておられますか。
#34
○小暮政府委員 数字を調べまして、後ほど御審議の経過で御報告します。
#35
○角屋委員 それでは次に労働条件問題に関連をして、通常、地方卸売市場の場合の開場は五時というたてまえが多いわけですね。これを六時とか七時とか、時間的な勤務条件を正したらどうだという意見も、もちろん地域の実態によって出てきておるわけです。早朝から開場に備えて勤務しなければならぬ、そういう場合の通勤問題あるいは宿泊所問題いろいろな問題が関連をして、特に新設の市場の場合においては、市場とタイアップをしてやはり公的な宿舎施設をもよりのところに整備をしていくということが、当然今後は考えられてしかるべきだろうというふうに思いまするけれども、そういった労働条件問題について今後どういう指導のしかたでいかれるか。
#36
○小暮政府委員 卸売市場整備基本方針を定めます場合に、「その他卸売市場の整備に関する重項事項」の中に、衛生問題と並べて、労働福祉の施設の整備についての基本的な事項を盛り込みたいというふうに考えております。で、市場の労働状況が、仕事の性質上他の労働とかなり違うという実態がございますことに着目いたしまして、職員の厚生施設として、たとえば浴場とかあるいは宿泊施設とか、こういったようなものはほかの場合以上にその必要性が高いというふうに考えております。
#37
○角屋委員 経済局長はどうも実態を十分必ずしも把握した御答弁のようにも思いませんけれども、私特に希望しておきたいのは、これから農林省が中央地方を通じての卸売市場を総合的に指導される場合は、そこで働いておられる従業員の労働環境あるいは交通、住宅、いろいろなものが具体的にどうなっておるか、あるいはそれをどういうふうに改善をしていくか、実態に基づいたそういう面まで意を用いたやり方をやらぬと、現実に農林省が資料でも出しておりますように、若年労働力の定着率が非常に悪い。その他せっかく基幹労働力を確保しようと思っても非常に困難な条件である。これは賃金の問題もありましょう、あるいは労働条件の問題もありましょう。あるいは交通事情、住宅その他の問題もございましょう。住宅の問題になれば建設省とタイアップをしてやはりそういったものの整備をはかってまいるというふうなことについての指導ですね。これは地方の場合は開設者その他の問題もありましょうけれども、そういう指導で地方公共団体とタイアップしながら、快適な条件のもとで永続的に勤務できる条件を整備するという点は重要な項目として考えてもらわなければならぬ、こういうふうに思っております。これは若干のデータ等もありまするけれども、さらに触れることについては省略をいたしたいと思います。
#38
○小暮政府委員 先ほど答弁漏れの点を申し上げます。
 従業員一人当たりの人件費の比較という形で申し上げますと、昭和四十四年度の数字でございますが、全産業を一〇〇といたしまして、青果の卸売業の従業員が八五、水産の卸売人の従業員が八二という年間一人当たりの人件費の数字がございます。
#39
○角屋委員 午前の段階で公正取引委員会からおいでになっている話のところは済ましたいと思いますので、その点に若干入っていきたいと思います。
 御承知の新しい法律では、二十九条のところに「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適用除外」という条文がございます。それと関連をいたしまして、公取のほうにお伺いをしたいのでありますが、今日まで卸売市場関係で公取が特に独禁法との関係でタッチした問題、これは私、公取のほうから、昭和四十一年(判)第五号として石川県の公取がタッチした問題に対する審判開始決定書の内容をいただいておりますけれども、この問題も含めて、独禁法関係で特に公取が取り上げられた問題というものがありましたならば、まずその点からお伺いしたいと思います。
#40
○三代川説明員 お答え申し上げます。
 金沢の問題以降、卸売市場につきまして同様の問題で審査を行ないました事例は、中央卸売市場の関係では高松のケースが一件あるだけでございます。
#41
○角屋委員 そこで引き続き石川の場合あるいは高松の場合――時間の関係もありますから石川の場合、特に公取がこの問題を取り上げるということにいたした理由とその今日の経過について、若干御説明を願いたいと思います。
#42
○三代川説明員 最初に金沢の卸売市場の審判事件につきまして御説明申し上げます。
 本件は、金沢市が中央卸売市場を設置します際に、金沢市が同市場の卸売人を、青果物、水産物につきましてそれぞれ一人とすることをきめましたため、従来同市内におきまして卸売市場を営んでおりました旧卸売業者らが、青果物それから水産物につきましてそれぞれ一社に統合いたしまして入場しますために、新しく卸売会社、これは青果につきましては丸果石川中央青果株式会社、水産物につきましては石川中央魚市株式会社、この二つでございますが、それぞれ一社ずつ設立いたしまして、そしてこれに営業の全部を譲渡したものでございます。この事実につきまして、金沢市におきます青果物あるいは水産物の卸売分野におきます競争を実質的に制限することになりまして、私的独占禁止法第十六条において準用します同法十五条一項一号の規定に違反するものといたしまして、右両社に対しまして審判開始決定を行ないました。そして審判開始決定後、現在までの経過を申し上げます。
 青果のほうにつきましては、四十一年三月三十日に設立されたものでございまして、そして同日、公正取引委員会に対しまして、青果物卸売業者八社から営業譲り受けの届け出書が提出されました。そして同年六月二十七日に、同社に対して審判の開始決定をいたしました。八月十三日に担当審判官を指定いたしまして、自後審判官をして審判手続を行なわせました。そして八月二十日に第一回審判、十月十三日に第二回審判、そして十一月二十四日には、続いて申します魚市のほうのケースと両方につきまして、石川県金沢市から審判手続に参加の申し出がございました。
  〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕
十一月二十六日に青果と水産と両方の事件を併合いたしまして審理することにしまして、その併合の第一回審判を開きました。そして十二月六日には、さきに申し出がありました金沢の参加についての申し出を承認いたしました。この間、結審が四十三年十月二十九日にございました。その間に被審人会社の代表者及び参考人計五十名を審訊いたしました。また、金沢市に出かけまして出張審判も二度行なっております。
 それから、石川の中央魚市株式会社のほうにつきましての経緯でございますが、六月一日に会社が設立されまして、これにつきまして営業譲り受け届け出書が提出されました。そして、八月八日に同社に対しまして審判開始決定が行なわれ、九月十三日に担当審判官を指定して、自後審判官に審判手続を行なわせました。十月十三日に第一回審判を行ないました。その後は、先ほど申し上げましたように、両事件を併合して審判を継続してまいりました。
 大体以上が、金沢のケースにつきましての取り上げました経緯とその後の状況でございます。
#43
○角屋委員 私は、特に金沢の問題を内容的にさらに触れるということでなしに、いま公取のほうからもお話しのように、これは旧来、青果の場合でいいますと、十二社あったものを一社に、一社といいますかいわゆる卸売業者としては一つということで、昭和四十一年六月二十四日に青果部の卸売人の数を一人とする旨を業務規程第十六条できめておるわけですが、そういうことも含めた農林大臣の認可を得た。ところが結局、その点についてはいろいろな経過があって、公取としては最終の形として、「前記第一の三の事実によれば、被審人は、石川青果ほか七社の営業を譲り受けることにより、金沢市における青果物の卸売分野における競争を実質的に制限することとなり、これは、私的独占禁止法第十六条において準用する同法第十五条第一項第一号の規定に違反するものである。」というような経過を踏んでおるわけですし、また水産のときには、旧十社を農林大臣のほうでは、先ほど言った四十一年六月二十四日、水産部の卸売人の数を一人とする旨を規定した業務規程第十六条を含む開設についての農林大臣の開設認可ということがなされた以降にこの問題が出まして、結局これについても「私的独占禁止法第十六条において準用する同法第十五条第一項第一号の規定に違反するものである。」という法の適用の問題が審判開始決定書として出されるという問題が、今後のいわゆる整備計画に基づく新しい市場への卸売業者の統合問題、あるいはそうでなくても、いわゆる卸売業者としての単数説あるいは少数複数説という基本論もありますけれども、そういう問題と関連をして、今後中央地方の卸売市場の整備で予想されるこれからの卸売人の数のあり方、独禁法との関係というものについて農林省としては、どういう基本的な考え方に基づいて卸売業者の単数問題あるいは少数複数問題に行政府として指導していこうといわれるのか。御承知のように、歴史的に振り返ってみますと、大正十二年以前の問屋問題は別として、大正十二年に中央卸売市場ができて以降ほぼ単数で来た。しかし戦後進駐軍が入るに従って、これは単数はだめだ、競争原理を入れろということで少数複数のほうに切りかわった。最近では農林省としては、学者の意見にもそういう単数説が多いわけでありますけれども、単数指導ということを相当部分についてやりたい。そこへ公取が中に入っていわゆる金沢の審査問題が出てくる、あるいは高松の問題が出てくるという経過の中に、これからの整備計画の推進過程で単数、複数問題、本来の卸売市場としての基本原理、あるいは独禁法との関係の運用というものの中で、どういうさばき方を行政府としてはなされていこうとするのか、その辺を明らかにしてもらいたい。
#44
○小暮政府委員 農林省といたしましては、かつて昭和三十二年以降、単数制のほうがよろしいということで、かなりの期間指導した事実はございます。なぜこのような考え方になったかと申しますと、当時、昭和三十二年九月でございますが、神田市場でマル東の倒産事件という問題がございました。卸売市場における群小の卸売業者の過当競争が生産者等に不測の損害を与えるというきわめて具体的な事例が、マル東倒産という形で当時ございました。これらをめぐってのいろいろな問題の分析、また長年にわたる市場行政の実際上の経験というものからかんがみまして、三十五年の三月に、臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会というものの検討を経まして、監督を厳重にし、公共的な性格が失われないように、公共的監督のもとに置かれた単一の主体であることが望ましいということを当時考えたわけです。
 この線に沿って指導しておりましたが、その後新市場の開設が次第に中小の都市に及んでくる、特に取り扱い規模が過小でございますと、このことがいろいろな面で問題を起こすというような実態が中小都市の場合には特にはっきりしてまいります。そこで、この問題が特に具体的な問題点として前面に出てまいったわけです。しかし公正取引委員会のほうからは、一定の取引分野における競争の実質的制限を回避するという趣旨から、いろいろ御注意がございました。
 そこで、私どもといたしましては、四十四年にもう一度中央卸売市場審議会にこの問題を十分検討していただきまして、四十四年十二月に中央卸売市場審議会の答申をいただいておりますが、その中では卸売市場制度のあり方の中で卸売人の定数として、「拠点的大規模市場については少数複数制を、市場間競争が予想される市場および複数経営が困難と予想される比較的小規模市場については単数制をとるなど、幅のある現実的な運営を行なうことが必要となろう。」というのが四十四年十二月の中央卸売市場審議会の答申でございます。この答申の趣旨に沿って対処するという考え方でございます。ただ独禁法上の問題は、何と申しましても公正取引委員会が権限を持って御判断になる問題でございます。私どもといたしましては、具体的に問題を生ずるおそれのある案件につきましては、公正取引委員会に事前にできるだけ御相談いたしまして、事前の調整によって法の円滑な運用をはかりたいというふうに考えております。
#45
○角屋委員 いまの金沢の問題と関連して特に独禁法の問題を取り上げましたのは、これから整備統合等と関連をして独禁法第十五条、第十六条との問題が当然出てくる。審議会の答申の考え方というものは、私は原則的にはよかろうというふうに判断をいたします。
 いまも局長から答弁がありましたように、農林省は単数、その後に独禁法で公取の問題になる、それで市場の開設なりいろいろな問題が遷延されるという出だしのそういうことが起こったのでは、やはり生産者にも消費者にもマイナス面の影響を与えるということがあってはいかぬと思いますので、局長からの御答弁にもありましたように、公取と事前協議を必要とする重要問題については、やはり十分事前協議等もやりながらおぜん立てをして、そうして独禁法から見ても、あるいは卸売市場の運営の公正なあり方から見ても望ましいという形でスムーズに旅立ちができるということについて特に配慮することが、これからのケースとしては多かろうというふうに判断をいたしますので、これは要請として述べておきたいと思います。
 ちょうど区切りでありますので、また午後引き続きということにいたします。
#46
○三ツ林委員長代理 午後一時に再開することとし、これにて休憩いたします。
   午後零時七分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時十五分開議
#47
○草野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前の会議に引き続き質疑を続行いたします。角屋堅次郎君。
#48
○角屋委員 午前に引き続いて質疑を続行いたしたいと思います。
 午前中は、主として卸売市場整備基本方針あるいは中央卸売市場整備計画、都道府県卸売市場整備計画に関連をいたしました今後の構想というふうな問題について御質疑を申し上げました。そこで午後は、政府委員のほうも条文に従って逐次順序よくいったほうがわかりやすいと思いますので、そういうたてまえで御質問を申し上げたいと思います。
 そこで、卸売りの単数あるいは少数複数の問題に入りましたが、第十五条では、ご承知のように「卸売業務の許可」ということが明記されております。この問題と関連をしてお伺いをいたしたい
 のでありますが、この第十五条の第一項、第二項に基づいて、農林大臣の許可を受けて卸売りの業務を行なう者がきまるわけでありますが、そこで問題は、市場運営の過程で卸売りの業務を行なう者が業務停止になったり、あるいはその他のいろいろな事故によって、卸売業務自身が運営できないという臨時の事態がきたときにどうするかという問題が、当然に予想されるわけであります。あるいは卸売業者の運営が必ずしも適切でないというふうなことでそういう事態が起こる場合もあろうかと思いますが、そういう点については、本法との関連で農林省としてはどういうふうに考えておられるか、その点をまずお伺いしたいと思います。
#49
○小暮政府委員 市場内に卸売業者が複数でおります場合には、そういう場合にも健全に運営のできますほうの卸売業者をして業務を続行させるということができますけれども、そうでない場合に、卸売業者が業務を停止せざるを得ないという形がございました場合、開設者がみずから業務を代行するということが考えられます。
#50
○角屋委員 いま局長の御答弁にありましたように、開設者みずからが業務を代行するという事態が当然予想されるわけであります。現に東京都中央卸売市場業務規程の第二十七条では、「卸売人に事故あるときの処置」として、全文は読みませんけれども、そういう資格を失ったとき、あるいは業務を停止されたとき、または売買を差しとめられたとき、こういうようなことで卸売人に事故があった場合においては、これは複数以上の場合は他の卸売人を指定して卸売りを行なわせるという道ももちろんございますが、または知事においてこれを販売することができるというふうに、開設者みずから卸売りの業務をやることができることを二十七条でうたっているわけであります。したがって、いわゆる法文上の問題とすれば、第十五条の第二項の次に、第三項として、そういう卸売業務を営む者が、先ほど申したような関係において事故を生じた、卸売業務に支障がくるという場合には、開設者みずから卸売りの業務を行なうことができるという趣旨のことをやはりはっきりしておく必要がある、こういうふうに考えるわけでありまして、ここは卸売業務の問題のところで現にそういうことが起こり得るわけでありますので、われわれとしてはそういう点をはっきりする必要があるというふうに考えておりますが、これらの問題については、むしろ今後法文上の取り扱いを他の修正その他の問題と関連して検討すべき問題でありますけれども、政府の側としてはどういうふうにこの問題を解釈しておられるか、重ねてお伺いしておきたいと思います。
#51
○小暮政府委員 生鮮食料品の卸売りは規格性、貯蔵性の乏しい、多様な商品を、全国的に分布している産地から集荷して販売するという業務でございますから、高度に専門的な知識と商業的な経験を必要とするものだろうというふうに考えております。したがいまして、地方公共団体が卸売業務を営むということをたてまえとして考える必要はないだろうというふうに思っております。ただ、卸売市場法では別に、地方公共団体が臨時応急の場合に、みずから開設者として、市場内の業務の運行が停止しないように適切な処置をとることを何ら妨げる規定はございません。また、これまでの旧法のもとにおきましても、業務規程その他でそういう場合の措置についてはそれぞれ規定させておりますので、必要な場合には開設者がみずから業務を続行する、あるいは他の卸売業者をして臨時に業務を代行させるという措置が十分とり得るというふうに考えております。
#52
○角屋委員 政府のほうとしては、運営で現実にいままでだって臨時の場合にはやってきた、これからもそういう方向でいきたいということでありますが、立法上の問題としては、私はやはり第十五条の関連の中で、臨時に開設者みずから卸売業務をやらざるを得ない事態があって、卸売業務を行なうということをはっきり書くことが必要ではないか、こういうふうに考えております。
 そこで、いままでの質問の過程におきまして、たとえば第十七条の卸売業者の純資産基準額の問題、あるいはまた例の保証金の問題等々については、これを実態に即して上げてまいりたいという考えが述べられてまいりましたが、現実には、時間的な問題としていつごろまでにそういう新しい改定をやろうとしておられるのか、その点だけをお伺いしておきたいと思います。
#53
○小暮政府委員 できるだけ急ぎたいと思いますが、本法が施行されてから六カ月以内に諸般の改定を終わりたいというふうに考えております。
#54
○角屋委員 第二十三条まで飛びますけれども、例の「兼業業務等の届出」の問題でありますが、兼業業務等の届出の問題を許可という形にさらに規制を厳格にするかどうかという問題は、十分検討の対象になる問題でありますが、この兼業業務あるいは子会社の問題に関連をして、いままで卸売業務を営む者の若干特徴的な倒産の事例等について、政府委員のほうから御答弁を願いたいと思います。
#55
○小暮政府委員 ごく最近の事例で申し上げますと、関西のほうでノリの取引が一時混乱いたしまして、かなり知名度のあるノリの問屋が倒産したことがございます。これに関連いたしまして、乾物を主として扱っておりました業者で中央卸売市場内の卸売りの業務を営んでおる者が経営困難に陥った事例がございます。
#56
○角屋委員 まあ最近までの特徴的な例といたしましては、京都市場の青果物の卸売人である丸京青果、これが冷蔵庫の無計画な建設あるいは子会社に対する融資のこげつき、あるいは経営全体の放漫経営というふうな事情によって、結局四十三年十月二十四日に廃業の事態に追い込まれたという事例だとか、あるいは東京江東市場のつけもの部の卸売人の関係で東西食品KK、これが子会社の倒産による貸し付け金のこげつきあるいは放漫経営というふうなことで四十四年十一月十一日に廃業の事態に追い込まれた。先ほどお話しのように、つい最近では神戸本場の乾物の卸売人あるいは神戸本場の卸売人で同じく扇港株式会社、この場合には社長さんが自殺するという不幸な事態にまでいった問題でありますが、これはいずれも四十五年の十月、十一月にかけて起こっておる問題であります。こういう卸売市場のいわばかなめになる卸売業者が健全な運営をやっていくというためには、兼業問題あるいは子会社問題という点を、単に届け出という範疇の段階でいいのかどうか。元来公的な性格を持つ卸売市場のかなめになるそういう卸売業者というものが、これは生産の荷を出すほうに対しましても、あるいは仲卸業者、売買参加者等売り手の側に対しましても、いわばかなめの位置におると私は思うのでありまして、そういう点で兼業、子会社というふうな問題については、適当な指導監督、場合によっては検査ということも行なわれるような形を、公的性格を持つ卸売市場のかなめの位置にある卸売業者であるだけに、考えていいのではないかという判断をいたしておるわけでありますが、それらの点について再度お考えをお聞きいたしたいと思います。
#57
○小暮政府委員 兼業あるいは子会社の経営という問題につきましては、御指摘のような本来業務との関連につきましていろいろ問題がある事例がございます。したがいまして、これを届け出で把握するかあるいは許可制ということにいたしたらよろしいかということは、かねてから議論のあったところでございます。ただ、実際にこれまで卸売業者が兼業を届け出てまいっております業種、現実の兼業業種をずっとながめてみましても、たとえば水産の卸売業を営む者が、あわせて製氷業をやるとか、あるいは船舶による輸送をやるとか、個々の兼業の業態そのものを役所が見まして、氷をつくるのは適当でない、あるいは持っております船で海運業を営むのは適当でない――適当であるかないか、こういう兼業の業種そのものについて適否を判定するということはなかなか困難でございます。むしろこの規制の趣旨は、本来業務である卸売業務が的確に行なわれているかどうかということを、市場法に基づいて指導監督するということが本来の趣旨でございまして、その本来業務の指導監督を間違いなくやるためには、兼業あるいは子会社について常時内容を承知し得るという体制に置く必要があるんじゃないか、それによって、必要があれば本業に対して農林省が直接指導する、こういうことで十分目的を達するのではないか、かような考え方で私どもといたしましては兼業業務を届出制にしたいというふうに考えておるわけでございます。
#58
○角屋委員 そこは具体的な法律上の修正をやるかどうか、あるいは単に許可あるいは届け出という二者択一でどちらかを採用するという問題以外に、やはり卸売市場の卸売業者のいわゆる公共性という意味から補強する考え方をとるかどうかという問題は、今後の話し合いの中でさらに別の舞台で話を進めたいと思います。
 そこで、前々から本委員会でわが党の田中さんや美濃さん以下、公明、民社の方々からも実に緻密な議論のありましたいわゆる手数料であるとか、あるいはまた出荷奨励金であるとか、あるいは完納奨励金であるとか、あるいはせり、相対取引、あるいは転送、いろんな問題が真剣に議論されてまいりました。これら一つ一つをとってもう一回私自身が議論をするということにいたしますると、大体二時間くらいは少なくともやらなければならぬということになろうかと思います。相当議論が尽くされてまいっておる問題でありますので、時間の関係上、多くの点については、これに触れることは差し控えたいと思いますけれども、手数料の問題に関しては、これは出荷奨励金等と関連をして、そういう出荷奨励金を生産地のほうに一定の比率に基づいておろすのならば、それをあらかじめ差し引いて、とにかくこの手数料をさらに引き下げてはどうか。これは形式的な引き下げということにある意味ではなろうか思いますが、引き下げてはどうかというふうな議論が当然出てまいるわけであります。
 反面、卸売業務を営む者の健全運営ということが市場全体の中で重要な地位を占めておる。さらに、配当その他の問題についても議論されてまいりましたけれども、そういう卸売業者の内部留保、あるいはそこで働いておる多くの従業員の労働条件、賃金その他、そういう方面にそういうものが積極的に向けられるという方向になるならば、これは別の意味において一歩前進した形を持ってくるわけでありまして、単に手数料の引き下げをやるかどうか、総合的に、手数料によって運営をしておる卸売業者の現在及び将来を展望し、また関係の従業員等の問題も含めた大局的な立場から、どう交通整理をしたらいいのかということに私は最終的にはなろうかと思うのでありますけれども、この点で配当その他の問題についてもいままで質疑がありましたけれども、大体青果物の場合に、配当率が全国平均で一一・九、あるいは六大都市平均が一二・三、中都市平均が一一・〇、まあ二割をこすというのはレアケースでありますけれども、水産物の場合、全国平均が一二・〇、六大都市平均が一二・一、中都市平均が一一・七、こういう関係が出ておりますが、いたずらに配当の高きが好ましいのではなくて、内部留保の問題もありましょうけれども、むしろ可能な限り手数料の引き下げということは、今後とも積極的に進めなければなりませんが、反面、従業員の労働条件や賃金問題の改善等を含めた積極的な姿勢が必要であろうというふうに思いまするけれども、これらの点について今後どういうふうに対処されようとしておるのか、さらにあらためてお伺いをしておきたいと思います。
#59
○小暮政府委員 卸売手数料につきましては、長い市場行政の経験からこれを定率で指導いたしますことが、市場内における過当競争等の弊害を除去する意味で適当であるという判断で、定率でこれを指導しておるわけでございますが、そのことは逆にいえば、企業の努力と申しますか、企業の業態によって、ある企業にとってはややゆるく、ある企業にとってはややきついということが起こり得る仕組みでございます。そこで、一方では産地からの出荷の姿をできるだけ流通の近代化にかなうような形に直すということに、この問題を適切に活用したらどうかということが考えられまして、かつて荷主交付金という俗称で一般化しておりました産地に対する歩戻しを、一定の指導、一定の基準のもとに、積極的な意味を持たせまして、出荷奨励金ということに観念を改めまして、大型化し規格化した産地の出荷に対して歩戻しを行なう、こういうことを考えております。このことは、出荷の奨励になると同時に、能率的な出荷に対しては実質的に卸売手数料を下げるという効果があるのじゃないか。また他面、市場は生鮮食料品について、荷物を分けたり、値ぎめをしたりという仕事のほかに、決済をするという非常に大事な仕事がございます。遠隔地から参りました荷物をできるだけ迅速にさばきまして、間違いなく決済をするということが卸売業の最も基本となる仕事でございます。これを多数の仲買いあるいは売買参加者から的確に代金を回収するために、完納奨励金という仕組みを別途考えまして、これにつきましても能率よく代金が回収される者にこれを交付するという、こういうことを考えております。これらの点は、今後も指導としては続けたいというふうに考えております。
 そこで、全体として卸売業務の実態を把握いたしまして、現在の卸売手数料、それから現在認めております出荷奨励金の出し方、あるいは完納奨励金の出し方、相互の関連を十分見きわめながら、実質的に生産者の負担が低くなるような方向にできます場合には積極的にその指導をいたしたい。かつて昭和四十三年にもそのような指導をいたしたことがございます。これらの点は今後十分気をつけてまいりたいと思います。
 ただ、全体として卸売業務をできるだけ安定した形で健全に行なわせますことが、生産者にとっても消費者にとっても基本的には有利であるという判断に立っておりますので、卸売業者の経理の内容につきましては、私どもとしては常時監視を怠らないつもりでございます。配当の問題につきましておおむね一割前後ということでございますれば、それ自身として決して過大でも過小でもないのじゃないかというように考えますが、業者によってはかなりの余裕を持っておるものもあるはずでございます。先ほどの数字が平均でございますから、もう少し余裕のあるものもあるはずでございます。ただ全体として卸売業者のおい立らが、どちらかと申しますと個人業種がだんだん発展してきたというのが偽りのない実情でございまして、現在りっぱな会社組織になっておりますものが多くなりましたが、全体としてどちらかというと資本金が少ないような形に思います。取り扱い高が非常にふえてまいったのに比較して、やや同族会社的な性格が発生の段階にあったものでございますから、資本金が寡少であるというようなものも見受けられます。したがいまして、きわめて健全な経理が確保できますような場合には、扱っております取り扱い高との関連等も十分勘案し、できますれば必要なときに増資というような形で経営を健全化するということも一方では考えなければならないと思います。
 それから、労働力の問題につきましては、御指摘のとおり、早朝あるいは深夜にきわめて肉体的に過酷な労働をいたす仕事が多いわけでございます。これに対する賃金の支払い、その他厚生施設の面まで含めて十分の手当てをいたしませんと必要な労働力が確保できないということになると思います。現実に、毎年監査いたしております卸売業者の内容を見ますと、確かに手数料収入は絶対額としてふえておりますけれども、労務費の支出がこれまた急激にふえておるという実情にございます。当然必要な処遇は勤労に対して支払うべきであると考えます。そのほかに、全体として市場の省力化の面からの合理化を進める必要があるというように考えておる次第でございます。
#60
○角屋委員 三十四条の「せり売又は入札の原則」の問題は、ずいぶん本委員会でも議論された問題でありまして、さらに触れることについては私は簡単にいたしたいと思います。要は、当初中央卸売市場ができます前には、問屋制度のもとでいわば相対といいますか、悪いことばでそで下なんということを言っておりました。それは別として、そういうものから卸売市場ができて以降、せり原則ということでやってまいりましたが、最近の流通経済のボリューム、あるいはいろいろな面から見て、せりを原則としながらも相対の導入ということを実態に即してやらなければならぬという事態に私はきておると思うのであります。問題は、せりにはせりの特色があり、また相対には相対の特色がありまして、利害得失それぞれあることは御承知のとおりでありますが、何といってもせりは公開で行なわれるというところにある。しかし、しからばといって安定的であるかということになりますると、そういうことは必ずしも十分には期待できない。反面、相対という問題については、安定的要素は加わるにいたしましても、公開という点から見て問題の生じやすい要因というのがあるのかないのかという点についての処理を正しく行なっていかなければならぬという問題がございましょう。問題は、きょう市場を視察したときにも同僚の先生各位からも出ておりましたように、数秒間の昔からやっておりますせりの態様というものについで、機械化その他を含めて、今日はコンピューター時代でありますから、もっとそういう点の創意くふうが必要であろう。また、そういう面の近代化をはかっていかなければならぬ。あるいはまた、そういう点で、生鮮食料品流通改善対策要綱ということで昭和三十八年の七月九日閣議決定で問題提起のされた共同せりというような問題についても、東京はじめ各市場ともに、それぞれの実態に応じた共同のせりに一歩前進する姿を見せておるようでありますが、複数以上の卸売人の市場におきます公正な価格形成という意味から見て、近代機械や諸施設の整備とともに、そういう運営の問題についてもさらにくふうしていく必要があるだろう。同時に、一方相対取引の問題については、伝票の取り扱いからいろいろなものを含めて、やはりきちっとした処理の方法を裏づけとしてやらなければならぬじゃないか、こういうふうに思うわけでありますが、今後の相対かせりかという問題については、今度の提案からいえば、三十四条でせりあるいは入札を原則としながら三十四条の一号、二号におけるこういう事態のものについて、農林省令で定めたものに基づき業務規程でさらにこれを裏づけして処理するということになっておるわけでありまして、私はここで多くを求めようとは思いませんけれども、せりのこれからの近代化といいますか、運営のそういう面の創意くふうといいますか、さらに相対取引の問題については、今後の実態に即しながら、しかもこれが公開と同じようなたてまえにおける公正な運営ができる処理という問題についての今後の指導について、この際あらためてお伺いしておきたいと思います。
#61
○小暮政府委員 せりと相対の長所短所にりきましては、すでにこれまでの御審議を通じて詳細申し上げておりますので繰り返して申し上げませんけれども、何と申しましても市場をこれまで持ってまいりました一番基本的な原則でございます公開の原則、それから不平等な取り扱いをしないという原則との関連を、相対取引の場合には最も慎重に配慮する必要があるというふうに考えております。せりは、別途短所がございますが、いまの公開的でありかつ不平等の取り扱いをしないという点がせりの本質でございます。その長所が相対で生かされるならば、相対にもさまざまな積極的な面があるというふうに考えます。そこで、新法が施行されまして、特定の場合に相対取引をはっきり認めるというふうにいたします場合には、必ずその取引の結果を開設者を通じて明らかにするということを必要な条件にいたしたいというふうに考えております。
 それから、せりがなお生鮮食料品の価格形成には主流をなすわけでございます。これにつきましては、一つにはせり人の資質の向上を積極的にはかり、かつ登録制度によってせり人に一定の規制を加えるというようなことをいたします反面、せりを何とか機械化できないだろうかということを考えております。本日御視察をいただきました市場では、これは過密都市の古い市場の例でございますので、固定式の機械せりというようなものを御視察いただくことができなかったわけでございますが、たとえば大阪の東部分場におきましては、ダンボールに入った規格化されたくだもの、このようなものにつきましては場内にそれぞれ山を分けて上場いたしておりますけれども、その中のサンプルを逐次部屋の中に持ってまいりまして、室内で押しボタンによって機械化されたせりを行なう。結果は直らに全員の目の前で電光表示板にあらわれる。同時にコンピューターに記録されるということが現に行なわれております。今後も施設整備の段階でできるだけこういった近代的な施設を導入するように努力してまいりたいというふうに考えております。
#62
○角屋委員 三十六条の「差別的取扱いの禁止等」ということで卸売業者が「不当に差別的な取扱いをしてはならない。」という趣旨の中に、生協とかあるいはスーパーとか大型小売業者の売買参加の拡大という趣旨がここではっきり出されておるわけでありますが、問題はこういう売買参加者というものの参加が拡大をされてまいるわけでありますけれども、反面、上場単位ということが一つやはり問題になるわけであります。現実に資料によって野菜、果実あるいは鮮魚等の東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸等の上場単位の現状を見てみますと、東京、横浜の場合の上場単価というのは、相対的には非常に小さい数字でありまして、西のほうの名古屋、京都、大阪、神戸のほうが上場単位として大きいという実態にございます。たとえば野菜の場合でも、東京の場合には三ないし十個、横浜の場合には五個、ジャガイモの場合でも、東京の場合には五ないし十個、横浜の場合には五個というのに対しまして、名古屋で例をとれば、タマネギ、ジャガイモともに五十個である、あるいは京都では三十個である、大阪、神戸でも五十個であるというふうに、それぞれ東京、横浜と名古屋以西のところでは上場準位に差がございます。これは果樹の場合あるいは鮮魚の場合を見てまいりましても、そういう傾向は他においても同じような傾向を示しております。これは東京の場合は、一つは買参人というのが、いわゆる小売りをやる者も参加できる現状でございますから、相当数の買参人が入っておる。だとすれば、上場単位の相当大きいものではなかなかこなしにくい問題等も出てくるという実態等もあろうかと思いますが、やはり無条件委託に基づいて、売りどめなしでその日のうちに処理をするというたてまえ、あるいは最近の規格、品質、いろいろなものの統一性が向上してきておるというふうな実態からいきますれば、上場単位の問題については、方向としてはやはり引き上げるという方向で指導をすべきものだろうというふうに思うわけでありますけれども、これらの問題は、市場の実態にもよりましょうけれども、今後どういう考え方でこの問題に対処されるのか、お答えを願いたいと思います。
#63
○小暮政府委員 基本的には、市場における省力化という問題もございますし、それから価格の安定という観点から考えましても、上場荷口を大型化する方向に持ってまいりたいというふうに考えております。ただ、御指摘の中にもございましたように、市場の中で卸と仲卸と売買参加者、この三者がそれぞれ所を得まして相互に協力し、場合によっては、相互に牽制しながら公正妥当な取引を行なっていくということが市場の近代化のために必要であるというふうに考えられますので、市場施設させ確保できれば、できるだけ売買参加者を多くする方向に指導してまいるべきであろうというふうに考えております。
 そこで、売買参加をできるだけ認めるということと、工場荷口をできるだけ大型化するということが、場合によっては必ずしも一致しない面があるわけでございます。先ほど御指摘ございました、東では比較的上場単位が小さくて西では比較的大きいというのも、実はその実態として、東京は特に青果物につきましては非常に多数の売買参加者を認めるという形で長年やってまいっております。京都あたりでは、逆に仲買いが全責任を負うということで、売買参加はむしろ認めないというような形で市場が発達してきたという、それぞれの地域の沿革もございまして、仲買い主導型の場合には荷口が比較的大きい、小売り主導型の場合には荷口が小さいというようなことが、いま申しました点を如実に示しているわけでございます。
 ただ、冒頭申しましたように、全体としてとにかく省力化をはかり、また価格の安定をはかるという面からは、あまりこまごまとした荷口でやるよりは、生産が規格化され大型化されるのに見合って上場数量も大口化することが望ましいと思いますので、むしろこの問題は、どちらかといえば、売買参加者自身も、できるだけある程度の買い付け規模になるようにというような方向に努力しながら両者の調和をはかってまいるのが方向ではないか。しかし、それぞれの市場の実情を急に遊離するということでなしに、実情を見きわめながら逐次いまの基本的な方向に指導してまいりたいというふうに考えております。
#64
○角屋委員 三十七条の卸売りの相手方の制限問題、これは内容的には転送の適正化の問題を含んでいるわけでありますが、これは最近のマスコミ等でも、転送問題というのが批判の要素も含めて大きく出されてきておるわけであります。これは取り扱いを誤るとやはり市場の公正な価格形成を乱す要因にもなるわけでございまして、今日までの審議の経過の中では、いわゆる地方における卸売市場のせりが十分に進まない現時点においては、やはりある程度こういうものをプラスして考えざるを得ないという実態は、私は率直に言ってあろうかと思いますけれども、転送問題については、あくまでも厳正な制限された形で考えていくことが認識の前提だろうというふうに思います。そういうことの上に立って運営を誤らないように、つまりせりを原則にするという場合において、市場内に来る生鮮食料品等の数量というものに、転送がゆるやかな形でこれが放漫になりますというと、価格形成に大きな影響を持ってくるというふうなことにも相なろうかと思うのでありまして、これはぜひ運営の問題として、今後積極的に地方の卸売市場の整備をはかりながら、総合的なそれぞれの市場に対する出荷が適量に行なわれる方面の体制になるように努力を願わなければならぬ。そうでないと、手数料問題あるいは転送による輸送費その他を含めて、消費者サイドから見て二重の負担を負わなければならぬという実態にも追い込まれるわけでありまして、現実においては、転送を全くネグレクトするということはこれは不可能なことでありますけれども、たてまえとしては、きわめてシビアな条件においてこの問題を処理するということで、ぜひ運営の問題としてはやってもらいたいと思います。
 それから三十九条の市場外物品の販売の拡大等の問題についても触れたい点はありますけれども、いままでにもう議論を相当された点でありますし、また、四十二条の受託契約の約款等の問題、あるいは四十三条は、先ほど触れた点に関連して「せり人の登録」、これについては、せりの中立性あるいはせり機関の設定というふうな議論等もございましたが、これはカットいたしたいと思います。
 四十四条の「仲卸業者の業務の規制」の問題でも、ずいぶん議論のあった点であります。いわば仲卸業者の買い入れ範囲の拡大をどう考えるか、これは流通市場におけるコスト軽減というものをやはり筋道の通った形でどう市場の中に導入するかということとも関連をする問題でありまして、これらについてもわれわれとしてある程度意見がございますけれども、後ほどに若干質疑したい問題もありますので、この点はその程度にいたしたいと思います。
 それから四十六条関係あるいは四十七条関係では「入荷数量等の公表」あるいは「市況等に関する報告」というふうなものが出ておるわけでありますし、第四節の「監督」で、四十八条の「報告及び検査」という点では、農林大臣並びに開設者のこの面に関するいわば役割りが出ておるのでありますが、私はこういう入荷数量等の公表あるいは市況等に関する報告と関連をして、いわば卸売市場を含む流通全体の問題として少しくお伺いをしておきたいのであります。
 申し上げるまでもなく、中央、地方を通じての卸売市場、特に中央卸売市場の全体的な流通量におけるシェアというものは大体四、五割というふうに見てよかろうかと思いますけれども、同時に、それに地方が入ってまいるわけでありますが、いずれにしても、これから食生活というふうなものを基本にして考えます場合に、それは一つは国内生産の生鮮食料品等によってまかなわれる。一つは緊急輸入の場合もありますけれども、輸入等によってまかなわれる。市場がなだらかな流れの中で正常に運営をされていくという前提に立ちます場合には、特に農林大臣は、この卸売市場については中心的な権限と指導監督の役割りを果たすわけでありますから、農林省としては、国内生産あるいは輸入品の流通の流れの全体的な状態については、絶えず実態を十分に把握する、市場の円滑化が推進されるように積極的に努力するというたてまえでありますけれども、需給のアンバラというふうな問題とも関連をして、最近生鮮食料品等も出ましたけれども、市場内における価格が非常に上昇する、消費者は非常に迷惑するというふうな実態等が出てまいります。輸入のタマネギはどこへ行ったかわからぬというふうな、マスコミのキャンペーンとなって実際にはそういう点は必ずしも行くえが明確でないことが当然含まれてくる。そこでこれは、いずれ大臣に基本的にはお伺いをしていきたいと思うのでありますけれども、農林大臣は生鮮食料品等の国内生産あるいは輸入品の流通の状況について絶えず的確に情勢を把握するとともに、緊急必要なる場合においては、出荷あるいは輸入品を卸売市場を通じての流通という面について所要の勧告なり指示なり命令なりができるということによって、市場を通じての円滑な運営、あるいは全体的には生産者、消費者を含む安定的な流通の確立という点が可能なような問題等を卸売市場法の中では考えていく必要がある。立法上その点をどの範囲に明記できるかという問題はございますけれども、われわれが好むと好まざるとにかかわらず、これからの農村の生鮮食料品等の生産がどうなるかという点については楽観祝することのできない事情もございましょう。また、都市から生産がどんどん遠隔化していくという問題もございましょう。同時に、開放経済というふうな理由のもとに自由化がこれからある程度進展をしていく情勢も判断をしなければならぬというふうに見てまいりますと、単に卸売市場という小さなセクションではなくて、生鮮食料品の流通全般という高い次元から、こういう本法の中で国内生産あるいは輸入等を含む必要緊急の場合においてはそういう流通についての農林大臣のチェックというものがやはり求められなければならないのではないか、それは今日の事態においても要請された点でありますし、それはやはり将来ともに必要な問題であろうというふうに基本的に思うのであります。これらの問題は、むしろ局長からというわけにいきませんけれども、農林省としては、今日までの段階では、そういう点については十分な手が打たれていなかったと私率直に思いますけれども、そういう点について農林省のいわゆる事務ベースとしてはどう考えておられるか、お答えを願っておきたいと思います。
#65
○小暮政府委員 生鮮食料品の流通の合理化と申しますか、あるいは価格の安定という角度から、農林大臣が生産、流通、消費のあらゆる段階に所管大臣としての責任がある、これは申し上げるまでもないことだと思います。それぞれの段階ごとに適切な施策を組み合わせてまいる必要があるであろうというふうに考えております。特に御指摘の問題との関連で申し上げますと、農林省としては、かねて統計調査部の機構をできるだけ活用いたしまして、かつて穀物あるいはイモ類等の生産統計に主力を注いでおりましたものを、生鮮食料品の出荷統計と申しますか、むしろそういうものにできるだけ力を注ぐように方針を改めまして、逐次その面での業務の改善を行なっておることは御承知のとおりでございます。これは今後もできるだけこの仕事を拡充いたしまして、有用な統計を関係者に迅速に還元するというくふうを含めてできるだけ活用してまいりたいというふうに考えております。
 また生産行政の面で、何と申しましても生産者団体による出荷の調整と申しますか、供給者側からの出荷の調整という力を農林行政の中でできるだけ強めてまいりたい。これは生鮮食料品を生産して供給する責任が農林省並びに生産者にはあるという角度から、かねてその面についての努力を強めてまいっておるわけでございます。今後も、何と申しましても、需給の安定、価格の安定の一番の基本はどうもそこではないかというふうに考えております。
 流通の個々の段階で具体的な物資の屯積、あるいは放出、売り渡しというようなことにつきまして、農林大臣が直接指示しあるいは命令するというようなことは、商取引の実際の姿と必ずしも適合しない面がございまして、そのような形でものごとを引っぱっていくよりは、やはり何と申しましても供給の安定という角度から、需給の根本において農業政策を生かしていくということが根本ではないか。それと情報活動の強化、こういう点を通じて生鮮食料品の価格の安定をはかってまいりたい、かように考えております。
#66
○角屋委員 それは事務ベースの答弁でありますから、私はその点でさらに深く触れませんけれども、野菜生産出荷安定法では、農林省はその価格安定のためのささやかなことをやっておるというたてまえもございますから、そういうことでそのことは可能であるというたてまえをとられるかもわかりませんけれども、御承知の五十九条では、「農林大臣又は野菜指定産地の区域を管轄する都道府県知事は、野菜指定産地の区域内で生産される当該指定野菜の指定消費地域に対する出荷の安定を図るため必要があるときは、当該野菜指定産地の区域内で生産される当該指定野菜を指定消費地域に出荷する者に対し、その合理的かつ計画的な出荷に関し必要な勧告をすることができる。」というふうなことをうたってあるわけでございます。これは農林省としてはささやかなてこ入れをしておるということもあって、それをやっておるといってそういう言いわけをするかもしれませんけれども、しかし大局的な観点から、生鮮食料品等日常の国民生活に重要な関連のある問題については、国内生産が土台になりましょうけれども、輸入品等の問題も、特に必要のある場合には農林大臣の全体的な流通に対するチェックができるということは必要である。また、そういうことを当卸売市場法を考えるにあたって、立法上どこまで裏づけるかという範囲の問題でありましょうけれども、考え方の基本としてはそれはきちっと明示すべきものであろうというふうに考えております。
 次に、時間の関係で終わりに近づきたいと思うのでありますが、七十二条の助成関係の問題、これはやはりこれからの中央、地方を通じての市場整備ということで重要な問題でありますから、そこで農林省も今度は相当な努力をされて、いわゆる補助率についても一歩前進した形をとろうというふうにされておることは、私はそれなりに評価いたしたいと思いますけれども、たとえば補助率の場合でも、新市場の場合の基幹整備については従来の三分の一から十分の四、あるいは、関連施設についてはそのままでありますけれども、従来なかった付属施設について四分の一の補助を新設する。ところが、この付属施設というのは管理事務所、建物、加工設備というふうにごく限定をされておるわけでありまして、たとえば付属商品売り場というものまで入ってくるかということになってくると、これは今度の補助の対象にはありましたけれどもそういうものが入ってこないとか、内容的には今後さらに努力をしなければならぬ問題がございましょう。それから既設市場についても基幹設備の従来の五分の一を三分の一に引き上げる、あるいは関連施設についても五分の一を四分の一に引き上げる、さらに付属施設については五分の一を新設するというふうな点は一歩前進だと思うのでありまするけれども、さらに公設の地方卸売市場の関係につきましても、一般市場の三分の一以内、定額四千万円、あるいは特定市場の三分の一以内、定額六千万円というのが、昨年から新設をされた問題でありますけれども、そういうことで一般市場、特定市場の補助率等について前進をさせるというふうなこと、あるいはまた、融資の問題につきましても、融資ワクは四十五年の六十七億に対しまして四十六年度は七十億ということで、もう少しこの点は前進させたらどうかというふうにも考えます。融資率の問題について、地方卸売市場資金というのが、従来の事業費の六〇%以内を今度事業費の七〇%まで前進させるというふうな点がございまするけれども、卸売人の施設資金というのは事業費の五〇%以内というのはそのままでありますし、仲買人の施設資金が事業費の五〇%以内という融資の問題についてもそのまま、現実にそういうふうなことで資金の所要量という点から見てこのままでいいのか。いまの六〇%を七〇%に上昇させたように、卸売人の施設資金あるいは仲買人の施設資金についてもさらに前進させる必要があるだろうというふうに思いますし、利率の問題についても、地方卸売市場資金が七・五%、特利が六・五%、卸売人施設資金が八・二%、特利が七・七%、仲買人施設資金の年利が八・二%、特利が七・七%というふうな形になっておりますが、市場の公共性から見て、もう少しこの利率等についても引き下げるというふうな点が考えられていいのじゃないかというふうにも見てまいりますると、必ずしも十分というふうにはまいらないと思います。それらの問題について、現状あるいはこれから将来に向けての考え方について少しくお伺いしておきたいと思います。
#67
○小暮政府委員 市場施設の整備が生鮮食料品の価格安定のためにきわめて緊急な課題であるという観点から、助成のあり方についても、できるだけ前向きに考えていきたいというのが基本的な姿勢でございます。御指摘の付属施設等の助成率、新市場で四分の一、既設市場で五分の一、もう少し何とかならないかという御指摘でございますが、これまで基幹施設、関連施設にしか助成がなかったということでございまして、今後付属施設にも助成を及ぼすということでございまして、なおその実効をよく見まして引き続き検討を続けたいというふうに考えております。また、全体の助成のあり方としては、公共団体が開設いたします地方卸売市場、これはかなり巨額の経費を必要とするものでございます。できるだけ全体としての総補助額が上がるようにくふうしてまいりたいというように考えております。
 それから、地方市場の場合には、個人の営業あるいは私企業の営業という形で開設しておりますものが多数ございまして、その土地、建物等は個人の資産あるいは私企業の資産でございます。これらについて直接補助をするという考え方は現在とっておりません。ただ、地方市場の中で地域の中心となるようなものについて、地方公共団体が地方市場を開設するという場合がございます。こういうものにつきましては中央卸売市場に対する助成に準じて国が直接補助する道を開いておるわけでございます。私企業に対しましては、公庫融資を中心に対応するわけですが、融資率の引き上げあるいは貸し出しワクの引き上げにつきまして、それぞれ昨年並びに本年若干の引き上げを措置いたしておるわけでございまして、これらの点につきましても、その改善が実際に市場の整備にどのように役立つか、これを十分見きわめまして、なお将来検討いたしたいというふうに考えております。
#68
○角屋委員 この点に関連をして、最近整備した市場の事業費の実績等を見てまいりますと、たとえば室蘭の場合は建設費、用地費を含んで十四億七千五百万円、盛岡の場合は七億三百万円、船橋の場合は三十六億九百万円、あるいは神戸の東部の場合は三十六億八千三百万円、尼崎の場合十五億四千四百万円、こういうように大体十億台から三十数億台まで、最近整備した市場の事業費というものはかかっておる。今後整備すべき市場の開設の決定した都市の事業費の見込み額を見てまいりますと、岐阜の場合三十六億七千一百万円、青森が二十二億七千二百万円、福島が十一億八千六百万円、甲府が十六億五千六百万円、富山が十七億八千七百万円、徳島が十六億七千百万円、大体二けたの二、三十億という事業費がかかる、相当な経費だというふうに思います。さらに、多い市場というふうな――これから検討していく問題については、おそらく三百億になるかあるいは四百億、五百億になるか、これは三けたの数字になるだろうというふうにも思われますし、大阪のほうで新しく考えております市場についても、これは三げたの数字になるだろうというふうに思われますが、そういうこれからの市場整備の場合には、巨大都市における拠点市場ということになると、三けたの億程度にまで場合によってはなる。そうでない場合でも、大体二、三十億中央卸売市場の事業費がかかってくるところが多い。公設の地方卸売市場の整備の事業費と最近の状況を見ますと、これは北見、木更津「あるいは飯塚、岩見沢、飯田、岩国、苫小牧、大館、水戸、柏、こういう幾つかの事例が四十三年、四十四年、四十五年、四十六年にかけての――これは苫小牧、大館、水戸、柏が四十五年から四十六年にかかる事業でありますけれども、これを見てまいりますと、大体二、三億から多いもので大体六億から七億ぐらい、こういうことで、地方市場それから中央市場の普通のもの、大型のものということになりますと、私が当初言っておりましたように、これからの中央卸売市場、都道府県卸売市場の整備計画の実施過程では相当な資金を必要とする。これは国でどれだけ見る、あるいは地方自治体がどれだけ見るというアロケートは別といたしまして卸売市場整備のため相当な経費がかさむ。きょう東京の築地市場に行ったところが、都の一般会計である程度出しておるというお話が出ておりましたが、要するに卸売市場の地方自治体の一般会計からの持ち出し分というようなものを考えてまいりますと、これは本来もうけ仕事でやる性格のものではございませんからして、そうだとすれば、こういう市場整備に対するところの助成問題、あるいは市場に参加する卸売業者あるいは仲卸業者等の近代化のための助成、融資という問題については、積極的にさらに努力してまいらなければならぬじゃないか、こう思いまするし、同時に七十二条の助成の関係の項目で言うならば、そういう内容の問題と同時に、第二項の「国及び都道府県は、中央卸売市場整備計画又は都道府県卸売市場整備計画の達成のために必要な助言、指導、資金の融通のあっせんその他の援助を行なうように努めるものとする。」という中には、やはり積極的に利子補給というふうなことも含めた方途についていまから前進さした体制をとる必要がある、こういうふうにも考えておるわけであります。これはむしろ大臣との問題が基本でありましょうけれども、一応御答弁を願っておきたいと思います。
#69
○小暮政府委員 これからの中央卸売市場の整備が巨額の資金を必要とすることはもう御指摘のとおりでございます。これまで旧法のもとで整備八カ年計画というものをもって逐次やってまいりました経過では、三十八年から四十五年まで――四十五年は若干見込みになりますけれども、八年間で五百九十億というのが中央卸売市場整備のために投入された投資額でございます。おそらく今度の十カ年計画というのはとてもこういうものではおさまらないだろう。先ほど御指摘の大井のような問題一つを取り上げてみましても、これはまだまだ全く素案の段階と申しますか、検討の段階ですから、公式の場で数字を申し上げるべきではないと思いますけれども、とにかく相当巨額の資金を投入しなければ新しい理想的なものはできないのじゃないかというふうに見ております。そこで、これらの助成のあり方について、今後、整備基本方針あるいは整備計画作成の過程でさらに財政当局とも積極的な議論をしてみたいというふうに考えております。
 ただ、全体として市場の整備の問題で私ども特に念頭に置かなければならないと思っておりますのは、土地を用意し施設をつくるという仕事、これはいま申しましたように資金の面でたいへんな問題でございますけれども、とのたいへんな問題が実は市場づくりにとっては必ずしもそのすべてではない。考えようによりましては、そこへどのような形でどのような商業機能を位置づけるかということが、むしろこれからの新しい大きな市場をつくる場合の最大のもう一つの問題点ではないか。その面についての努力と、それから長期の資金の見通し、両々相まって市場の整備計画を具体的なものにいたしたいというふうに念願いたしております。
#70
○角屋委員 時間の関係もありますので、大臣に対する質問を保留いたしまして、この程度で終わらせていただきます。
#71
○草野委員長 鶴岡洋君。
#72
○鶴岡委員 卸売市場法案に対して何点か質問いたします。いままで何人かの方が質問され論議されてきましたので、重複する点が多々あると思いますけれども、了承していただいて御答弁願います。
 政務次官がおられないので、局長にお聞きしますが、最近の物価の異常な高騰も野菜の高値が一つの大きな原因ではないか、こういうようにいわれているわけです。農林省の行なった追跡調査によると、農家は生産費に満たない安値に悩んでおりますし、反対に消費者のほうは、物価の高騰、野菜の高値に音を上げている、われわれには考えられないような不可解な現実があるわけです。ここで疑問となってくるのは、当然中間マージン、流通機構の複雑さ、こういうことになるわけですが、私は必要かつ十分な流通段階は否定するものではありません。また、現在のような社会機構、それから生活様式の変化等を考えれば、それもわからないことはありませんが、適正を欠き、かつ幾重にも重なる機構はやはり問題であるし、排除しなければならない、こういうように思うわけです。たとえば集荷機関、卸売会社、仲買人のなれ合い、談合による価格操作などのほか、地方産地から東京の市場へ送られたものが、そとからまた地方の卸売市場へuターンされるケース、さらに市場の卸売会社が地方にある子会社へ転送、また荷主と卸売会社と仲買人が、資本的、人事的に深いつながりがあるような場合、全部がそうではありませんけれども、このようなケースも考えられるし、またそういううわさも聞いております。そこで、適正を欠いた価格形成、流通の機構の阻害などが生じてくる結果になるわけですが、結局はそれが消費者に物価の高騰としてはね返ってくるのです。そこで政府は、この流通機構、特に卸売市場の運営につき本格的な監視制度を実施して、適正な取引と価格形成をなすよう格段の配慮をすべきだ、私はこのように思うわけですけれども、流通機構の合理化、時代に即した近代化に抜本的な施策を実施する考えがあるかどうか、御答弁願いたいと思います。
#73
○小暮政府委員 御指摘のような趣旨から中央却売市場の開設を地方公共団体が農林大臣の指導のもとに行ない、その中央卸売市場内における卸売業につきましても、農林大臣が直接これを監督する。また、その他の取引につきましても、それぞれ国あるいは関係の地方自治体が責任をもってこれを指導する、こういう体制を整備いたしたいというふうに考えております。
#74
○鶴岡委員 いま申しましたとおり、野菜の価格形成でありますが、追跡調査の結果によると、大根、キャベツ、白菜等主要十一品目、この平均では、小売価格に対して生産者の手取りが五一%、出荷経費が二二%、卸売手数料が五・九%、小売りマージンが三〇・一%、全体から見ると中間経費が約半分程度になっておるわけです。ここから産地直接販売、バイパスを通してのスーパーでの販売というような新しい方式がいま話題となっておるわけです。いわゆる太い短いパイプをつくっていこう、こういうのが昨年の政府の重要ないわゆる物価安定政策の施策であったと思いますけれども、いわゆる産地直売の具体的に意図するところはこうであって、方向はどうしていこうとするか、また育成面においてはどのような考えでいるのか、こういう点についてお聞きしたいと思います。
#75
○小暮政府委員 市場を経由しない流通のあり方としていわゆる産地直売ということがしばしば議論されます。また一部でいろいろ具体的に実施をされているようでございます。私ども地方農政局の組織を利用しまして、かつて各地におけるいわゆる産地直結取引の実例を調査いたしたことがございます。これをよく見てみますと、三つの問題点がそこにあるようでございます。
 何と申しましても生産はきわめて多種多様でございまして、消費のほうも多種多様のものを当用買いということできわめてひんぱんに、一週間に七回も八回も買いものに来るという形でございますので、生鮮食料品の流通には何と申しましても品ぞろえということが非常に大事な問題になっております。
  〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕
それからもう一つは、売り手と買い手が納得する形での値段を何らかのかっこうできめなければならぬという値ぎめの問題がございます。それから最後に、代金決済の問題がございます。
 この品ぞろえ値ぎめと代金決済、この三つの点から見ますと、いわゆる産地直結型の売り方の場合に、品目数が一ないし二という品目数で直売をやりましたものが、実例の過半数を占めるようでございまして、幾つかの品目を組み合わせて行なったというのはきわめて少ないということが第一点でございます。それから、値ぎめの問題につきまして、これはやはり何らかの形で卸売市場で形成された価格というものを片っ方に見まして、あれよりも何円安くしよう、あるいはあれよりも幾ら高く支払おうといった形がきわめて多いようでございます。それから、代金の決済につきましては、これは直売でございますから即金というような場合が多いようでございますが、こういうことで品ぞろえ、それから値ぎめという点にかなりの問題点がございます。それから、特にこれは三百六十五日継続反復して消費者の需要に応じるという形にはなりませんで、きわめて単発的になるというのが具体的な例のようでございます。
 これらのものが、それぞれ生産者あるいは消費者の努力でさまざまなくふうが行なわれております点を、私どもとしては今後も常時観察いたしまして、それがうまく動くようにする条件としてはどのようなものを考えたらいいかというようなことは研究を続けたいというように思いますが、基本的には、やはり何らかの形での品ぞろえ、値ぎめ、代金決済、この機能を営む分野が必要であるということは、基本的に認めるべきではないかというふうに見ております。
#76
○鶴岡委員 そうすると、いま品ぞろえとか、値ぎめ、代金決済の面で、これがいまネックになっている、こういうことなんで、方向としてはこれを推進していくのかいかないのか。
#77
○小暮政府委員 いま申しました基本的な点についてまだ解明されておりませんので、これを直接推進するというふうには考えておりません。
#78
○鶴岡委員 これに関連して公設市場についてでありますが、昭和四十二年度から農林省が物価対策の一つとして採用した公設小売市場は、四十五年度の実績を見ても、計画した十二市場のうち実現したのは七つである、このように私聞いておりますが、全国十二市場、国庫補助金一億二千万円を計上したのに、現在いま言ったように七つになっているわけです。あと東京が二つですか、千葉と札幌、大阪守口の五市場は年度内の具体化は無理だ、このように考えるのですが、この計画がなぜ進まなかったのか、この理由をお聞かせ願いたいと思います。
#79
○小暮政府委員 公設小売市場の設置につきましては、鋭意努力いたしておりますが、過密都市における用地確保の困難、それから周辺の小売業との調整といったような問題になかなか時間がかかるために、必ずしも意図するような結果を見られなかっそというふうに考えております。
#80
○鶴岡委員 そうすると、四十五年度の公設市場の計画についてはどうですか。
#81
○小暮政府委員 四十五年度は、先ほど御指摘ございましたように、予算額一億二千万で十二市場を予定いたしましたけれども、現在のところ七市場について年度内に実績があがるというふうに見
 ております。
#82
○鶴岡委員 卸売市場の果たす役割りというのは、いわゆる零細多数の生産者による生産物を集荷、荷受けして、それを仲買い、小売業者を通じて、先ほどから話のあった多数多岐にわたる消費者に供給されるのでありますが、そこに需要と供給のいわゆるバランスのとれた、しかも妥当な価格水準を設定しなければならない。そこで現在荷受業者、卸売業者等の段階にあっては、これは全体から見れば数は少ないわけですが、低温貯蔵施設、また冷凍倉庫等が現在は完備しつつあるわけです。しかし、小売業者、それから消費者の段階に至っては、それがほとんどないといっても現在の状態では過言ではないと思うのです。もちろん、外国の生活様式から比べれば、社会構造から見ても違う点はたくさんありますけれども、いわゆる野菜等生鮮食料品が流れる段階において、その中間を切った卸売業者、その上と下の段階に分けた場合に、小売業者、消費者に対するいわゆる生鮮食料品の価格安定策としてどういう具体的な対策を持っておられるか、この点をお伺いします。
#83
○小暮政府委員 先ほど申し上げたような公設小売市場の予算の問題点もございますので、新年度、四十六年度には、予算上の考え方をかなり改めまして、従来どおり地方公共団体が開設いたします公設小売市場についての助成はもちろん継続いたしますけれども、従来人口七十万以上の都市というのを助成の対象としておりましたのを改めまして、人口二十万以上の都市で流通改善の意欲をどんどん出していただくものには積極的にこれを助成しようということに改める。しかもその補助の考え方の中に、冷凍食品コーナーというものを公設小売市場の中に特設するというようなことを補助対象として考えております。そのほかに、先ほど申しました公設小売市場がなかなか思うように開設されないという問題点の一つに申し上げました、周辺の既存の小売業との調整という問題との関連で、小売業者自身が一カ所に集まって近代的な総合小売市場をつくろうという形で既存の業者が発意いたしますものも助長しよう。何か市長さんなり町長さんなりが言い出して、既存の小売業以外のものをそこに新たにつくるというようなふうに受け取られますと反発があるわけでございますから、むしろ既存の小売業者が集まってひとつ一カ所で消費者のために公正な競争をする、そういう意味での総合食料品小売市場をつくろうではないか、そういうふうに話がまとまりますれば、そういう民営のものにも助成できるというふうに補助の体系を改める。したがいまして、従来どおりの公設のものは冷凍食品コーナーを加えて補助の額を引き上げ、個所数はやはり十二カ所でございますが、そのほかに十カ所ほど民間の発意によるものを補助対象として認めよう、そういうことを考えております。そのほかに小売業近代化資金というのが国民金融公庫の中にございまして、この国民金融公庫の小売業の近代化資金の中では、たとえば冷凍ショーケースあるいは小売りの冷蔵庫といったようなものを導入いたします場合には、国民金融公庫がこれを貸せるというような仕組みがございまして、この小売業近代化資金も約三百三十億というワクを設定いたしております。
#84
○鶴岡委員 そこまではわかりましたけれども、一般の家庭において――外国の場合は一週間分買ってきてそれを貯蔵しておくとかするわけですけれども、日本の場合はそこまでまだいってないわけです。もちろん市場の形成もありますし、そういう生活様式になっておる、こういうことも考えられますけれども、その消費者対策として政府はどのような考えを持っているのか。ただこのままでほっておいていいのか。先ほど言いましたように一週間に二十種類も三十種類もの野菜を買う主婦もいる。平均するとそのくらいになるという数字も出ておりますけれども、そういうことを考えてどういうふうに対策をとっていくのか。このままでいいのかどうか。やはり消費者対策も私は必要じゃないか、このように思うわけです。この点どうでしょうか。
#85
○小暮政府委員 生鮮食料品を弔う少し保存のきく形で流通させることができないかというのは、生鮮食料品の流通改善の一つの課題であるというふうに私どもも考えております。これはまあ消費者の側からいろいろ御協力いただく面もございましょううが、その前にまず行政としては、そういった冷凍食品をできるだけ品質の間違いのない、しかもこれを利用する際に利用のしかたがよくわかるような形での冷凍食品というものを普及する必要があるんじゃないか。これは実は、冷凍してございますからというと、いかにも新鮮なものがそのまま凍結されておるというふうに思いがちでございますけれども、まことに残念でございますが、場合によってはなまでは売れないものをあわてて凍結して保存するというようなことも決してないわけではございません。そこで関係者に集まってもらいまして、社団法人日本冷凍食品協会というものを四十四年の七月からつくっておりまして、この公益法人に関係の企業並びに技術者の参集をいただきまして、冷凍食品について特にその品質、規格、またこれの調理のしかた、戻し方といったような問題について、きわめて具体的な調査研究を行ないつつ、その角度から冷凍食品の望ましい形での普及に資するようにというような仕事も手がけております。
#86
○鶴岡委員 そこで、いま話のあったように新しい加工形態の食品として冷凍食品がこの二、三年だいぶ急速に普及しているわけです。これら冷凍食品は、一般の食生活ではまだなじみが薄いわけですが、生鮮食料品価格のいわゆ乱高下、高くなったり安くなったり、これをセーブしていく上において一つの大きな歯どめ役としてこれは注目されているわけです。政府の統計は、農林食品関係では世界一を誇っているにもかかわらず、この中に冷凍食品の項目がないわけです。すなわち、生産量、生産品目、製造メーカー別の数字、特に価格など、これまで普及されておりながら知ることができないというのは、これは一体どういうわけなのか、この点いかがでしょうか。
#87
○小暮政府委員 水産物等におきましては、むしろ冷凍の形態で途中まで流通するのが品近では全体の流通量の半分程度になっておりまして、鮮魚という形で統計上あらわれておりますものの中にたくさんの冷凍ものが実は入っておるような実情でございます。そのほかに途中まで加工調理された形での冷凍食品、これはここ数年の間に急激に種々雑多なものが出始めておるわけでございまして、これらの問題につきましては、今後事態の進展におくれないように、これに対する統計並びに実態の把握につとめてまいりたいというふうに考えております。
#88
○鶴岡委員 次は、卸売市場整備基本方針の中に、第四条の二項の最後に「その他卸売市場の整備に関する重要事項」というのがありますが、この重要事項というものはどういうものを考えているのか、具体的にお知らせ願いたいと思います。
#89
○小暮政府委員 たとえば食品衛生上の問題、あるいは先ほど来御指摘のございました労務福祉対策といったような問題、それぞれ市場を維持いたしますために基礎的に必要な重要事項を考えておるわけでございます。
#90
○鶴岡委員 いまから新設される卸売市場については、特にいままで以上にこういう重要事項を取り上げて考えているのか、それとも、規模としていままで程度でいいのか、その辺はいかがでしょうか。
#91
○小暮政府委員 中央卸売市場自身が周辺の住民等に対してさまざまな問題を発生しやすい要素を持っております。衛生面その他につきましては、今後の全体の国内での水準の上昇に見合って、いまより以上にその施設を整備するということを考えております。
#92
○鶴岡委員 「卸売市場の整備改善を長期の見通しに立って計算的に推進する」とありますけれども、どうせつくるならきらんとした計画を立ててしっかりしたものをつくるべきだと私は思うのです。現在地方卸売市場は約三千カ所あるわけですが、十カ年程度でその目標を立てているとも聞いております。東京、大阪のように過密化したところの整備、また反対に、一方地方卸売市場の無秩序に分散した零細でしかも老朽したところは、それぞれ早急に統合し、合併し、または大型化して施設の近代化をはからなければならないと思うわけですが、先ほどから話があったように、また食生活においても昔とはだいぶ変わってきておるわけです。最近は都会と地方も平準化しているわけです。これらの卸売市場の整備について、十年間というお話がありますけれども、総予算はどのように組んでいられるのか、大体でけっこうですからお話し願いたい。
#93
○小暮政府委員 卸売市場の整備計画につきましては、この法律の施行を見ましてからできるだけ早い機会に、関係の地方公共団体の意見も十分聞いてこれを策定したいというふうに考えておりますので、現段階で公の席で申し上げるような資金の見通しはございません。
#94
○鶴岡委員 四十六年度は卸売市場施設整備費は三十二億八千二百万が認められておりますが、この中央卸売市場整備費は三十億四千二百万、地方卸売市場は二億四千万、特に中央卸売市場は新市場に対する補助率の引き上げであることなど考えて、この三十二億余の整備費でどれだけまで改善が見通されるかどうか、この点いかがでしょうか。
#95
○小暮政府委員 補助額は御承知のようにそれぞれの市場ごとに単年度で市場を建設し終わるわけでございませんで、何年間かに分けて実施いたしております。そのうちの当該年度分という形で話のついたものから実は計上しておるというのが今日までの実情でございます。したがいまして、予算上約三十億ということで出ております背景にございます市場の整備計画、それはそれぞれの前年次の計画を合計いたしますと、これよりもはるかに大きい金額になるわけでございます。先ほど申しましたように、現在旧法のもとで現にやっております整備八カ年計画、これが八カ年間で約六百億に近い規模に相なっております。
#96
○鶴岡委員 飛び飛びになって恐縮ですが、助成の件ですが、先ほどもお話のあったように前向きにやっていかれる、こういうお話でした。国の補助を十分の四からもっと引き上げるべきだ、私はこのように思うわけです。なぜならば「建物、機械設備等の重要な施設の改良、造成又は取得に要する費用」となっているが、土地購入費は含まれていない。今後、施設の改良、造成にあたっては、土地高騰のおりから、土地の取得がネックになるのではないか、このように思うわけです。市街から遠く離れた山里に行くというわけにもいかないでしょうし、市街からあまり離れていないところにつくられるようになるわけですが、土地の高騰が激しい現在、土地の購入費を考慮しての話でありますけれども、この補助率を将来においてもっと引き上げるつもりはないか、この点いかがでしょうか。
#97
○小暮政府委員 今回御審議をお願いしております法律で、従来最高三分の一となっておりました補助率を十分の四以内ということに改定することを実はお願いしておるわけでございます。この法律の施行を待ちまして、新しい補助体系で事業を実施してまいる考えでございます。なお、その遂行の段階で実情をよく見きわめまして助成の問題については引き続き検討をいたしたいと思いますが、現在十分の四以内という新しい補助率を一日も早く実施に移させていただきたいというふうに考えております。
 それから土地の問題につきましては、これまでもしばしばお尋ねがございましたが、何と申しましても生鮮食料品のための卸売市場の建設は、国の非常に大切な仕事であると同時に、地域住民のためのきわめて直接的な仕事でございまして、用地の取得につきましては、これを開設する地方公共団体が、起債の制度等を活用してこれを用意し、その上に建設いたします施設につきまして、施設の性質に応じ、国がそれぞれしかるべき補助率でこれを助成する、こういう補助体系を現在考えておるわけでございます。
#98
○鶴岡委員 次は中央卸売市場の適正配置についてであります。
 農産物の需給の見通しを考慮に入れてやる、このように考えられるわけですが、いわゆる流通圏のとらえ方、それから経済圏、交通、道路、そういう点を考えると、適正配置ということは非常にむずかしいんじゃないか、このようにも思うわけです。都道府県が開設する場合、おおむね人口二十万以上の都市とすることを考えておられるようですが、この点は心配されるかどうかわかりませんが、農業地図によって野菜生産圏とか米作主産地圏等が先々においてはこれは明確化されてくると思うのです。市場配置についてはこれらと関係なしにやっていくのか、それとも多少は考慮に入れて、人口ばかりでなくて、集荷、輸送距離、生鮮食料品の種類等を考慮に入れて適正配置を考えていくのか、この点はいかがでしょう。
#99
○小暮政府委員 整備基本方針の中で輸送手段あるいは都市計画、そういったものとの関連は十分配慮するように基準を示す考えでございます。
 それから、需要と生産の長期見通しあるいは農業生産の地域分担といったような、農林省がやっております長期の見通し作業あるいはガイドポスト、こういうものとの関連について申し上げますと、市場の配置は申し上げるまでもないことでございますが、消費の姿に見合ってこれを配置するということであろうかと考えます。したがいまして、長期見通しにおける一人当たりの野菜の消費の見込みというものがございます。これと今後予想される消費人口のあり方というものから、当該地域に供給を期待される生鮮食料品の総量がある程度予測されるわけでございます。売り場面積その他、これを適切にこなすために必要な施設の規模といったようなものがその面から割り出されるわけでございます。
 なお、その場合にも、最近の消費の実態から考えまして、大正十二年当時に予定いたしましたような、それぞれの地方自治体がさい然と孤立しておる、消費地と消費地の間に生産地があるというような形でございませんで、たとえば大阪府から京都府にかけてたくさんの市がじゅずつなぎに並んでおりますが、これらの地帯が消費地であると同時に生産地であるというような一姿もございます。また、東京の周辺では、東京、神奈川、埼玉、千葉というものがほとんど一体となって経済活動が行なわれておるというような実態もございます。できるだけ広域的な流通の姿を頭に置いて市場の建設ができますように、特にそれに関連した規定の整備もこの法案の中に織り込んでおるわけでございます。
#100
○鶴岡委員 これも問題になっていることですが、二十三条の「兼業業務等の届出」の件です。二十三条は「卸売業者は、中央卸売市場における卸売の業務及びこれに附帯する業務以外の業務を営もうとするときは、」と、こういうようになっておりますが、この「卸売の業務及びこれに附帯する業務」というのはどういう業務なのか。それともう一つは、「卸売の業務及びこれに附帯する業務以外の業務」というのはどういうものなのか、これを具体的にあげていただきたいと思います。
#101
○小暮政府委員 卸売業務に附帯する業務としては、たとえば卸売りしますものから出てまいります残と申しますか、たとえば家畜の卸の場合に内臓を処理するといったような形がございます。そのほかに卸売業に付随いたしまして情報活動を試みる、産地に情報を流すといったようなこともございます。
#102
○鶴岡委員 「以外の業務」はどういう業務ですか。私の言ったのは、「卸売の業務及びこれに附帯する業務、」それがいま局長の言われた業務ですね。「以外の業務」というのはどういうのを具体的に言ったらさすのかということです。
#103
○小暮政府委員 ちょっとお尋ねの趣旨がつかめなくてたいへん申しわけないのですが、「以外の業務」というのは、まさに「以外」でございまして、それは特にこの法文上はどういうものというふうに特定いたしておるわけでございません。
#104
○鶴岡委員 そうすると、この「以外の業務」というのは、この中から要らないということですか。「卸売の業務及びこれに附帯する業務以外の業務」というのは、どういう業務かと私は聞いているわけです。さっき局長の言ったのは、運送だとか、それから情報、関連施設だとか、そういうことを言ったわけですけれども、それ以外の業務というのは、具体的に言ったらどういうのがあげられるかと聞いているわけです。
#105
○小暮政府委員 これまでも兼業業務の届け出を受けておりますその実態を見ますと、たとえば製氷業、それから運送業、あるいはこまかいことですが、卵とか鳥肉の卸をやっておって、あわせて卵焼きを余業につくっておるというような仕事とか、たくさんのものが届け出されております。
#106
○鶴岡委員 そうすると、それは多少関係があるわけですけれども、全然関係のない業務は「以外の業務」とは言わないわけですね。
#107
○小暮政府委員 これは「卸売の業務及びこれに附帯する業務以外の業務」ということでございますから、別に「以外の業務」というものの業種の限定はございません。
#108
○鶴岡委員 いずれにしても、卸売業者の兼業による事故を防ぐことを考える場合、届け出制を考える場合には、たとえば会社がつぶれてしまってからでないと手が打てない。過去において当委員会でも何回もこの問題については禁止すべきである、許可制にすべきであるというような強い意見も出されたことがありましたが、今回の制定にあたってもここまでは改善されてないわけです。あくまでも届け出ということになっていますが、その理由はどういうわけですか。
#109
○小暮政府委員 卸売業務が適正に行なわれ、卸売業としての経営が安定することが、出荷者あるいは関連の仲買いあるいは買参と、取引に関係いたします者のために必要であるということで卸売業務を農林省が厳重に監督するたてまえになっておるわけでございます。その角度から、本業でございます卸売業務に兼業のほうから何らかの悪い影響がきてはいけないというふうに考えるわけでございまして、本業である卸売業務を監督する以上は、兼業についてもこれを把握しておく必要があるだろう、こういう趣旨で兼業についての届け出を法律上の規定にいたしておるわけでございます。
 なお、どのようなものなら兼業してよろしいかということについて個々に審査するということになりますと、いま申しました趣旨が、本業である卸売業を間違いなくやっておるかどうかということを確認する必要というその行政上の必要性から、兼業の種類についてきわめて具体的に一線を画するという判断はなかなかできなかろうと思います。あまり極端な、たとえば風俗営業のようなものをやることが適当であるかどうか、これはわりあいに常識の範囲であまり適当ではないだろうということが言えるかと思いますけれども、たとえば魚の卸をやっておって、かたがた船を使っての運送業務をやっておる、あるいは先ほど出ましたように、製氷業をやっておる、そういうものについてよろしいかよろしくないかというのは、魚の卸が氷をつくっておるのだからいいということも言い切れないと思います。もしその製氷業の営業の形が粗雑であって、そちらのほうでとんでもないことが起こって、本業のほうに債務が肩がわってくるということがあれば、魚の卸売業務をやっておるものが氷をつくっておる、これは常識的には理解しやすい兼業であっても、それが本業に悪影響を及ぼさないという保障はない。どこまでも本来業務を監督するという角度からこの問題をながめておるわけでございます。
#110
○鶴岡委員 もとへ戻りますけれども、この二十三条の二項には、子会社というような例になりますが、そうすると、極端にいえば、いまいろいろお話がありましたけれども、風俗営業だとかパチンコ屋だとか料理屋だとか、こういうのは入らないと理解していいですか。
#111
○小暮政府委員 繰り返しになって恐縮ですが、法文上業種を指定しておりませんから、入る入らないという議論にはなりません。ただ、これまで届け出を受けております兼業の中に、ただいま御指摘のような業種はございません。
#112
○鶴岡委員 昭和三十六年の中央卸売市場法の一部改正における附帯決議に、兼業による事故防止について検査の強化等が述べられております。これは御存じのとおりですが、その後事故は皆無であったかどうか。あれば事故件数は何件くらいあったのか、その点を明らかにしてもらいたいと思います。
#113
○小暮政府委員 兼業による大きな事故というのはございません。
#114
○鶴岡委員 そうすると皆無だということになるわけですか。
#115
○小暮政府委員 さようでございます。
#116
○鶴岡委員 卸売会社が、たとえば破産した場合、販売代金が支払われるという保障は何もないわけです。しかも兼業という外部企業に対する出資行為などによって、常にその危険性が潜在していると思われるわけです。このような場合、生産者団体では、国が開設者に弁済させるよう要請しておりますが、この点はどうでしょうか。
#117
○小暮政府委員 かつて東京でマル東という卸売会社が倒産したために非常な問題を生じたことがございますが、その苦い経験に徴しまして、その後卸売業に対する指導監督を強化いたしております。そのような事故が起こらないように実際上措置いたしておるわけでございます。かりに不幸にしてそのようなことが起こりました場合、これを開設者が補てんするというわけにはまいらないと思います。
#118
○鶴岡委員 これに対して農林省は卸売会社、仲買業者の大型化、企業化、強化をはかり対処すれば、不安はなくなると思っておられるのかどうか、この点はどうでしょうか。
#119
○小暮政府委員 卸売業の業務内容を常時指導監督することによって不安をなからしめるようにいたしたいというように考えております。
#120
○鶴岡委員 次はせり売り、入札の原則についてであります。卸売りにおいてせり売りまたは入札が原則となっておりますが、せり売りによる価格の安定が行なわれにくいという意見も中にはあります。物価安定会議の答申にも相対取引が強調されておりますけれども、この点、今後の方向はどうでしょう。
#121
○小暮政府委員 規格性、貯蔵性に乏しい生鮮食料品につきまして、売り手、買い手双方が納得する価格をきわめて短時間の間に決定いたしまして、しかも荷物を間違いなく分けるという仕組みといたしましては、やはりせりが一番適当な方法であるというふうに考えております。しかしながら、せりにもまた避けがたい幾つかの短所があるわけでございます。そこで、せりの長所、短所を十分見きわめまして、取り扱います物品の性格が次第に貯蔵性、規格性を持つようになってまいっております状況から見て、一部に相対取引を導入する必要があるのじゃないかというふうに考え、相対取引を行ない得る物品並びに場合をそれぞれ開設者が指定し得るように措置いたしたいというふうに考えております。
#122
○鶴岡委員 経済原則からいけば、少しでも品物を安く消費者にということになれば、卸売業者によるマージンを削って、いわゆる短い経路で、しかも流通段階を一段階抜いていけばこれはなおけっこうなことだと思うのです。そういうことで、輸入品等を含めて、原価の索っているもの、冷凍製品、規格品等は全面的に相対にし、輸入業者から直ちに小売りにということは考えられるかどうか。この点いかがでしょうか。
#123
○小暮政府委員 物の値段でございますから、コストがわかっておれば必ずそのコストの近辺で売れるというふうにも言えないわけでございまして、やはりそこに何らかの形での価格の形成ということが行なわれるわけでございます。しかも待ったなしの生鮮食料品についての取引でございますから、やはりせりが中心になるということは今後も変わらないだろうと思います。
#124
○鶴岡委員 それでは、先ほど言われました特定物品は、これは省令できめることになっておりますけれども、どのようなものがこの特定物品に考えられるか、また、それをきめようとしているのか、できれば並べて御説明願いたいと思います。
#125
○小暮政府委員 生鮮食料品の中でも、次第に貯蔵性、規格性の多いものがふえてまいっておるわけでございます。これらの貯蔵性、規格性の高まって、おりますものの中で、供給事情が比較的安定しているもの、こういうものにつきまして相対を認める方向で考えておるわけでございます。
#126
○鶴岡委員 具体的に言ったら、どういうのがきめられますか。
#127
○小暮政府委員 たとえばびん、かん詰めあるいはつけものの一部、それから水産練り製品あるいは塩蔵あるいは冷蔵の水産物、それから規格化されたミカン、リンゴといったようなものが考えられると思います。
#128
○鶴岡委員 消費者物価の値上がりが最近特に著しく、中でも生鮮食料品は問題になっておるわけですけれども、本案によれば、第一に卸売機能について、まだこの種の機関の位置づけは低く、せりを主体とする中央卸売市場を整備することが先決のように思われます。これに対して物価安定政策会議の提言によると、野菜が不安定なのは実力を持った中央卸売市場の荷受会社がせり方式による荷さばきに走り過ぎている。ここでせりによる価格決定機能は大事ではありますけれども、卸売機能のほうが時代的にはもっと大切ではないか、このようにも思うわけです。そこで、両者の機能を分離して、前者は公的機関にゆだね、そして後者を本命とすべきであると思いますが、この点いかがでしょうか。
#129
○小暮政府委員 野菜の価格安定対策について物価安定政策会議の提言がございます。これにはせり取引をめぐる問題点をるる指摘いたしておりまして、流通機構の中でだれかが生鮮食料品についての需給調整機能をになうべきではないかもそういうことができないということを非常にいろいろな角度から模索いたしておる文章でございます。しかしながら、具体的な「流通機構改革のための当面の対策」というところでは、お読みになるとわかりますように、現在御審議を願っております卸売市場法の中でうたわれておりますような事柄が全部列挙いたしてございまして、その中で「現在国会で継続審議中の「卸売市場法案」は、一定の範囲内で、卸売人については買付による集荷、相対取引、市場外物品の卸売り、転送等を、また仲買人についてはその所属する卸売市場の卸売人以外の者からの買入れを認めるとともに、せり人の登録制、買参人の承認制等について規定している。そこで、同法案が成立し、施行する際には、この提案の趣旨に沿ってできる限り弾力的にその運用を行なうべきである。」という指摘をいたしておるわけでありまして、本提言の趣旨が現在この法案でうたわれておりますものと全く変わらないというふうに考えております。
#130
○鶴岡委員 次に転送の件ですが、転送という字の意義はどういう意義を持っているのか。
#131
○小暮政府委員 これは、きわめて常識的にいいます場合と、市場で業務規程等で市場内の取引を規制するためにいいます場合とでやや違いますので、やや厳密に現在市場の中で規制の対象となっておりますものの考え方で申しますと、一度当該市場に上場されると申しますか、市場内に荷受けされて、それから市場の外へ出ていくというものを狭い意味での転送というように考えております。そのほかに、その市場の構内には物理的に入りましたけれども、何らか別の事情で、そこを中継ぎ店としてまた別のところへ出ていくというものにつきましては、狭い意味での転送とはいっておりません。ただ常識的にいう場合にはそれも転送というふうに申しております。
#132
○鶴岡議員 そうすると、転送しなければならない意味はどういう意味ですか。いまは転送の字の意義、定義ですけれども、転送をしなければならない意味はどういうところにあるのか。
#133
○小暮政府委員 転送は、たとえば卸売人が当該物資を地方市場のほうにあらかじめ供給することを、日ごろ地方市場との間に商談ができておりまして、継続反復してこちらの市場から地方市場に送りつけるということでやっております場合がございます。そのほかに、当該市場の需給状況を見て、荷が少し余るということで、これをほかの市場に回すというようなケースもございます。しかし、いずれにしても、転送が起こります基本的な理由は、地方市場のほうが十分の信用あるいは施設を持っておりませんために、出荷者のほうでできるだけ安全な市場に出したいということで整備された市場に荷が集中してくる。しかし、需要は地方にもあるというようなそういう経済の実態が、転送が起こる実質的な理由であるというように考えております。
#134
○鶴岡委員 いまのお話からすると、転送しなければならないという意味は、需給調整をはかる、これが大部分であるように理解できるわけですね。そのほかの意味で転送されるということはないわけですか。
#135
○小暮政府委員 いま申しましたような形で転送されるものについて、あらかじめ開設者の承認を受けて行なうたてまえになっております。
#136
○鶴岡委員 昭和四十三年の農林水産委員会において附帯決議がありました。その中で「中央卸売市場の卸売業者の転送については種々の弊害が生じている現状にかんがみ、これを除去するため、公正且つ、厳格なルールを確立し、これを遵守せしめること。」と決議がなされております。いまのお話ですと、需給調整からおもに転送している、このように理解したわけですけれども、この時点において「種々の弊害が生じている現状にかんがみ」と、このようになっているわけですが、その弊害というのは、それじゃ需給調整だけで弊害が起きるのか。また、この決議がなされておりますけれども、どのようにこれに対処してきたのか、この点はいかがでしょう。
#137
○小暮政府委員 かりに個々の業者にとっては、自分と日ごろ取引関係のある地方市場からの注文というようなことで転送することに必然性を感じるといたしましても、多数の業者が集まってその市場て価格形成をいたしております場合に、ある特定物品についてあまりにも多くものが市場外に、再び搬出されるというようなことになりますと、せっかくその市場で価格形成をしようという場合にも、かえって値がつり上がってしまうという事情がございます。そこで、市場を開設してそこへ荷物を集めます以上は、やはりその地域の需要にこたえるというのが市場本来の目的であるという立場から、かりに転送を認めるにいたしましても、それぞれの商品ごとに転送を認める数量のワクといったようなものを申し合わせるようにいたしております。なお、そのほかにもいろいろございますが、具体的には先ほど御指摘の附帯決議の御趣旨を体しまして、昭和四十三年の五月八日に、特に例外的取引方法の処理方針というものについて開設者会議を開きまして、国から直接指示いたしております。
#138
○鶴岡委員 この転送ですが、いろいろ例外はあるわけですけれども、実際に新聞を見てみると、これも局長ごらんになったと思いますが、二月二十三日の朝日新聞ですが、転送について非常に疑問を持つような転送が行なわれている、このように思うわけです。「まかり通る深夜の転送」これはルポですからそんなに間違いは書いてないんじゃないか、私はこの新聞をそのように信頼するわけですけれども、「東京の大型青果市場に着いた野菜のうち、かなりの量が、セリにかけられないで、真夜中のうちに卸売会社の子会社や仲買人の得意先に運ばれていく。」、「深夜の転送」の実態を、神田青果市場で見た。「需給安定と公正な価格形成のため、青果物の先取り、転送先は都下の市場にかぎる」という都の指導など、どこ吹く風の光景だった。」こういう記事でございますけれども、特に中に「都には中央卸売市場の「青果物先取り転送要領」という規則があり、転送先は都下の市場だけ、と決められている。そのほか、朝の早い給食、病院、船舶の需要にかぎって先取りが認められている。」、しかし「東京都神田市場事務所は、はじめ、「違法先取りはない」といっていたが、」、「神田の場合、セリ参加権を持つ部外の関係者にも先取り転送を黙認している」と歯切れの悪い返事」をしている、このような記事が載っているわけですが、この点について、どうお考えでしょうか。
#139
○小暮政府委員 あの記事が出ました面後に、私どものほうから東京都の市場の業務部長からの報告を徴しております。先ほど転送というのはどういうことかというお尋ねに対しまして、市場で取引を規制いたします場合に、いわば市場用語として転送という、狭い意味の転送がございます、そのほかにきわめて常識的な意味での転送がございます、ということを申し上げましたが、その部分にかなりかかわる点がございます。たとえば卸売人が一度荷受けしてしまったものを、開設者の承認なしにこれを場外に出してしまうということになれば、先ほど申しました転送の規制に従わなかったということになるわけでございますが、そのほかに売買参加者としての承認を受けておる者がございます。これは沿革的には東京の区内の小売業者が売買参加者になっておったわけでございますけれども、現在の実際の経済事情から見て、隣県の部外の者も一部売買参加者ということであらかじめ承認されております。これらの者が売買参加者としての資格で先取りを認められているケースでございます。非常に時間の早いところで必要とするようなものについて、これは先取りして運び出すというようなことが認められております。それから、しかし先取りを認める品目が、これまでやや品目の追加を実情に即してもっと随時やっておくべきではなかったか。その点について、最近の経済の実態から見て、当然先取りを承認してもいいだろうと思われる品目について、そこまでの事務整理が行なわれてなかったというようなものがあるようでございます。これらの点については即刻要領を改定することを検討するようにということを指示いたしてございます。
#140
○鶴岡委員 これは「青果物先取り転送要領」というのがありますけれども、この「承認」のところで、「先取りまたは転送をしようとする卸売人は、この要領に定めるところにより、東京都知事の承認をうけなければならない。」それで先取りの数量、品目等ここに書かれてありますが、そうするとそのとおりにいまやっている、こういうように確信をもって言えますね。
#141
○小暮政府委員 この要領に従って業務を指導しておるというふうに見ております。
#142
○鶴岡委員 転送の転送量ですけれども、東京都内卸売市場青果物転送量はいま調べておりますか。四十三年までは私ここに資料をもらっておりますけれども、四十四年、四十五年は調べてありますか。
#143
○小暮政府委員 統計調査部で、地方市場の側から他の市場から荷受けした数量という形で把握するように統計調査が設計されております。すでに印刷に付して公刊いたしておりますものが四十三年ということでございます。四十四年については部内資料としてはできておるはずでございます。
#144
○鶴岡委員 それはあとでいただけますね。
#145
○小暮政府委員 印刷ができておりますればお届けいたします。
#146
○鶴岡委員 七一年の農業年鑑の数字によると、四十四年に転送された野菜は三十八万トンで、前年比一一%の増加となっております。転送は荷引き能力の低い零細市場の品ぞろえのためには必要とは思いますが、輸送費の増大、それから流通の減耗の増加など不合理な面が多く、改善の必要性が十分考えられるわけですが、年々増大する転送に対して、卸売法の中で一部認められているが、転送に対する農林省の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
#147
○小暮政府委員 しばしば申し上げておりますように、地方市場の整備がいまだ不十分な現状におきまして、転送をあまりきびしく取り締まりますとか、えって需給の実勢に合わないということが起こると思いますので、当面、転送を開設者の十分な指導監督のもとに置きながら適正な規模でこれを認めるという方向で考えております。しかしながら、長期的な方向といたしましては、地方市場を十分に整備いたしまして、生産者が中央市場の荷受けだけを選択するということでなしに、安心して地方市場の業者にも荷を発送できるような、そういう流通の環境をつくることに極力努力いたしたいというように考えております。
#148
○鶴岡委員 市場の整備問題でありますが、昭和三十一年の中央卸売市場法の一部改正のときに、独禁法の適用除外の規定が設けられ、一市場一卸売業者という行政措置を採用しましたが、農林省としてはこの方針はいまも変わっていないのかどうなのか。
#149
○小暮政府委員 市場内の卸売業者の数の問題につきましては、かつて一市場一卸を適当とするという指導をやった事実はございます。しかし、その後公正取引委員会の御意見もあり、また農林省といたしましては、中央卸売市場審議会の意見を十分徴するということを経まして、現在拠点的な大型市場については少数の複数、それから比較的他の市場との関連の競争条件が十分確保できると思われるような小型の中央卸売市場につきましては単数を適当とする、こういう考え方で対処いたしておる次第でございます。
#150
○鶴岡委員 そうすると、単数と少数複数制と両方をかみ合わせる、こういうことですか。
#151
○小暮政府委員 少数複数制と単数制を場合によってそれぞれ使い分けるわけでございますが、単数制を考えます場合には、新たに市場を開設して業者の収容の方針を定めます前に、公正取引委員会と十分事前の意見の調整をいたすことにいたしております。
#152
○鶴岡委員 いまのお話ですと、単数よりも少数複数のほうがいいような感じを受けるわけですけれども、現在一つの都市が全国で十四カ所、札幌、新潟、金沢、千葉、船橋、大阪東部、こういうと、てろ十四カ所あるわけですけれども、少数複数にしてもまた単数にしてもやはり長所欠点はあると思いますが、いまの十四カ所については、このままでいいかどうか。また、これを調査して、そして少数複数にしなければならないか、この点は調査するかどうか、どうでしょうか。
#153
○小暮政府委員 現在単数で卸売業務を行なっておる市場につきましても、日ごろ業務の実態を調査いたしておりますが、特に問題を生じていないというふうに判断いたしております。
#154
○鶴岡委員 複数も単数もあり得る、こういうことですが、公正取引委員会の独禁法に触れるという考え方から、個々の卸売市場に対して少数複数制の採用が望ましい、こういう話があった場合には、農林省サイドとしては、その個々の市場に対してどういう行政指導をしていくのか、この点いかがでしょう。
#155
○小暮政府委員 公正取引委員会が独禁法に基づいて具体的に単数とか複数とかおっしゃっているわけではなくて、市場を新たに開設いたします場合の業者収容について公正な競争条件が確保されているかどうか、そういう角度から公正取引委員会がいろいろ意見を申される、こういうことでございます。
#156
○鶴岡委員 先ほど弊害が現在のところは起こっていない、こういうお話でしたけれども、一つの例として千葉の船橋中央卸売市場でありますが、意見として、いわゆる独占企業のきらいが非常に強い。その証拠には、品物が常に少なく、またその品物も他市場に比べ高価のために、あすこはまだ開設二年足らずでありますけれども、小売業者が開設当時は約五百の登録があったわけですが、現在は実質二百に減っている。これは船橋の近いところに江東、神田等がありますので、その影響もあると思われますが、やはり今後中央市場の増設にあたって、このような例になると増設した意義はなくなってしまうし、また近くにある中央卸売市場を飛び越えて遠い市場に出かけるということは、転送ではありませんけれども、輸送費、経費の面でロスが出てくる。このようなケースに対してはどういうふうに指導していくのか。また、こうなった原因として、先ほど言いましたように、業者の独占経営によって入荷調整が行なわれているのではないか、このようにも思われるのですが、この点についていかがでしょうか。
#157
○小暮政府委員 船橋の市場につきましては、東京にきわめて隣接しております市場でございますので、東京都内の卸売市場と相互に競争し合うという形で独占の弊害はないということで、単一の卸を考えておるわけでございます。まだ創業日が浅いせいもございますが、何と申しましても東京市場に荷が吸引されるという現実の姿がございまして、それとの間で船橋市場に円滑に生鮮食料品が集まりますような方向に逐次持ってまいりたいと考えております。幸いにして入荷量も最近逐次増加いたしております。
#158
○鶴岡委員 この三十六条の二項には「正当な理由がなければ、その引受けを拒んではならない。」、このような条文がありますが、いま船橋の例をあげたように、常に量が少ないということについてはこれに抵触するのではないかとも思われるのですけれども、この点のかみ合いはどうでしょうか。
#159
○小暮政府委員 正当な事由がなければ受託を拒否しないというのが中央卸売市場の卸業務の基本でございまして、この点は厳正に守らしておるつもりでございます。
 なお、船橋市場に対する集まり方が残念ながらまだ十分でないという御指摘に対しましては、先ほどもお答えしましたように、卸売人が荷受けを拒否しているのではなくて、現在全体の需給状況のもとで、東京に荷が集まり過ぎるということのために船橋市場がその十分の機能をまだ発揮し切っていないというふうに見ております。
#160
○鶴岡委員 もう一点お聞きしますが、これは確認ですけれども、農林省のほうとしては、この市場の開設にあたって市場間競争が望ましいのか、それとも市場における少数複数制が望ましいのか、どちらに重きを置くのか、どうでしょうか。
#161
○小暮政府委員 市場の立地という問題もございますから、画一的に申し上げるわけにはいかないと思いますが、考え方の一つの基準は、やはり卸売業務が適正に行なわれるためには、ある程度の営業の規模が必要だろう、あまり零細な卸売業者がわずかの消費人口を大ぜいで分けるということになりますと、そこにいろいろな無理が出てくる。東京、大阪のように巨大な消費人口をかかえておりますところの卸売業であれば、御承知のように各分場にそれぞれ数社あるという形でございますが、だんだん市場が整備されまして人口十万以上あるいは二十万以上というようなところに逐次市場ができてまいります場合に、そこにあまり多数の荷受業者が存在するということは、卸売業の経営を危うくするという問題がございますので、そういう角度から一つ判断する点がございます。ところが、そのことが逆に市場における競争条件を阻害するということがあってはいけませんので、先ほど来申し上げておりますように、近隣の市場との相関関係等も十分見まして、単一の卸であっても十分競争条件が存在するというふうに認められます場合に、しかもそれが単一であることがほぼ適当な営業規模に見合うというふうに判断されます場合に単一の卸を認める、こういう考え方でございます。
#162
○鶴岡委員 たくさんありますが、次は五十一条です。第五十一条には「農林大臣は、中央卸売市場の業務の適正かつ健全な運営を確保するため必要があると認めるときは、開設者に対し、中央卸売市場の施設の改善、業務規程の変更その他の必要な改善措置をとるべき旨を勧告することができる。」これが一項です。二項には、最後のほうですが、「当該卸売業者の業務又は会計に関し必要な改善措置をとるべき旨を命ずることができる。」三項も同じように「改善措置をとるべき旨を命ずることができる。」このようにうたわれておりますが、この場合勧告するとか命ずるとかありますが、もし勧告しても命じても、その勧告、命令に従わなかった場合どうするのか。
 その他の問題については七十八条に「次の各号の一に該当する者は、一年以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」こういうふうにして五十五条、五十八条等――八十二条まで罰金の規定がありますけれども、この五十一条についてはただ勧告する、命ずるということだけで、もしそれに従わなかった場合にはどうするということは明確でないのですけれども、この点はいかがでしょうか。
#163
○小暮政府委員 農林大臣が開設者に対していろいろ申し上げるという段階は、これは国と地方公共団体とございまして、もともと市場の開設についてもあらかじめ相談してやっておるわけです。ことに新法になりますれば、国が定めた基本方針あるいは整備計画に即して計画を立てたものとしてやってまいるわけでございますから、この勧告は当然受け入れられるというふうに私ども考えております。
 なお、開設者が中央卸売市場における仲卸の業務につきまして必要な改善措置をとるべき旨を命令するという問題につきましては、これは開設者がやることでございますので、これは開設者にそうした権限を認めておりますが、これをあとづけて国が直接措置するという規定は、この法律の中にはございません。
#164
○鶴岡委員 それでは最後にします。
 この法案については、今国会の予算委員会等において、佐藤総理また倉石農林大臣が、盛んに、野菜価格安定のため卸売市場法案を国会に提出している、早く通過させて野菜価格安定につとめたい、このような趣旨のことを何回か言っておられます。物価対策に多大の貢献するかのように発言しておりますけれども、物価安定には、この法案の成立によってどの程度寄与するのか、また、そういうふうにできるのか、この効果をどう判断しているか、最後にお聞きしたいと思います。
#165
○小暮政府委員 先ほど来、転送その他の問題に関連しての具体的な御意見の御提示がございましたけれども、ああいった問題一つ取り上げましても、今度の法律が施行されまして、国と都道府県知事との協力のもとに、全国に望ましい形での卸売市場の配置というものが逐次実現してまいますれば、生鮮食料品の流通における各種のむたというものが排除される直接の契機になるというふうに考えております。
#166
○鶴岡委員 終わります。
#167
○三ツ林委員長代理 合沢栄君。
#168
○合沢委員 卸売市場法について質問いたしますが、だいぶ質問者がございましたので、私の質問も重複するところがだいぶあるかと思うのでございますが、ひとつ御答弁願いたいと思うわけでございます。
 第一ですが、大正十二年ですかに制定された従来の中央卸売市場法にかわるべく新しい法案が制定準備されるということは、ほんとうに好ましいことでございまして、私、むしろおそきに失しておるというふうに考えるわけでございます。しかし、この卸売市場がはたして物価の安定というか、そういった面に何ほどの効果を及ぼすものであろうかというふうに考えるわけでございます。特に、近年、消費者物価が七%を上回っておるというようなことから、物価問題が非常にやかましい、特に生鮮食料品については物価値上がりがはなはだしいということで、今国会でも非常に問題になっておるわけです。
 そこで、こういった問題については、本会議でも、また予算委員会等においても、総理並びに農林大臣は、特にこの卸売市場法の早期の制定ということを切り札のごとく言っておるかの感がするわけなんです。先ほども御質問がございましたが、はたして、この法律の制定によって何ほど効果的な物価の安定ができるものだろうか。確かに必要ではあるが、これでは物価の急速なる安定ということは望めないというように考えるわけなんです。これらと並行するいろいろな施策が最も大事じゃなかろうかと思うのです。そういう点について、この効果と同時に、これだけでは不満足だということは承知しておるだろうと思うのです。そこで、これらと並行して、具体的にどのような生鮮食料品等の物価安定対策をとろうとしておるのか、まずこの点についてお聞きしたいと思うのです。
#169
○小暮政府委員 卸売市場法の改正によって、中央、地方を通ずる卸売市場の配置に関するビジョンが明らかになり、市場の整備が進みますれば、そのこと自身、十分生鮮食料品の流通の改善に資すると確信いたしておりますが、御指摘のとおり、生鮮食料品の価格の安定のためには、市場機構の改善だけでは目的は達せられません。その点につきましては、御指摘のとおりと思います。農林省全体といたしまして、たとえば野菜の生産、出荷の安定についての諸事業、あるいは都市の段階で、小売業の近代化に関する諸事業、また、あわせて流通に関する各種の情報活動の強化といったような、各般の施策を総合的に実施してまいりますことによって、市場の整備と並んで、生鮮食料品の安定に資したいというふうに考えております。
#170
○合沢委員 小売業の近代化のお話が出ましたが、具体的に本年度、そういった小売業の近代化についての何らかの施策があればもう少し詳細に伺いたいと思うのです。
#171
○小暮政府委員 生鮮食料品の小売業の近代化のために、四十六年度には、地方公共団体が総合食料品小売センター、これは八百屋さんあるいは魚屋さん、肉屋さん、そういうものをそれぞれ複数に一つの店舗の中に収容いたしまして、消費者は一カ所で幾つかの店を相互に比較できる、しかも、一カ所でかなりの必需物資がまとめて買える、そういうような形のものを建設することを助成するつもりでございます。これらの総合食料品小売センターには、最近の生鮮食料品の流通の状況から考えまして、冷凍食品のコーナーを設けるようなこともあわせて指導したいというふうに考えております。
 また、これらの仕事は、実はこれが設置されます地域の既存の小売業との間にさまざまの調整を必要とするという問題点がございます。そこで、地方公共団体が開設いたします総合食料品小売センターのほかに、すでに小売業を営んでおる方々が相集まって、いま申しましたような趣旨にかなうような総合食料品小売センターをつくる。やはり八百屋さん、魚屋さん、肉屋さん、それぞれ複数で一つの構内に入ってやるということを既存の小売業者が発意するという場合にも、これまで地方公共団体がやる仕事以外にあまり直接助成ということは考えなかったわけでございますが、本件の特殊性にかんがみ、そういう民意に基づくものにつきましても、計画を十分拝見さしていただいて、国が直接助成できる道を開きたいということを四十六年度から新たに要求いたしております。
#172
○合沢委員 ただいまのは、昨年度の公設小売市場を廃止して、そうしていま言ったような総合的な食料品小売センターをつくろうということでございますが、これだけ物価問題がやかましいときに、予算を見ると、わずかに二億六百万円ということなんで、はたしてこの程度のことで、私は小売商等の近代化の促進に何ほどの効果があるだろうかというように考えるわけなんです。そういった意味では、まだまだ十分ではないというように考えるわけです。
 それから問題は、私は生鮮食料品については、先ほどからも御指摘があっておりますが、むしろこの生鮮食料品の問題は、消費者においては非常に高いという指摘を受けている。一方、生産者においては引き合わないというような価格になっている。生産者の取引価格と消費者との価格があまりにも開き過ぎるというところに問題があろうかと思うのです。そこで、その間の経費、むだというものをいかにして省いていくかという総合的な施策というものがなくてはならぬだろうと思うのです。けさほども築地なり神田市場に行って皆さん感じたことは、まず産地から出されるところの生鮮食料品等について、非常な包装というか、そういった面が余分なというか、むだな経費が使われているというような感じもするわけなんです。こういう点はやはり生産者の手取りが少ないということになろうかと思う。特に産地では、人不足になっているわけです。人不足のときにあれだけの包装をして荷づくりをするということについては、多くの人件費もかかるわけでございますし、もう少しそういった面での産地の指導も必要じゃなかろうかと思うし、さらにまた市場から小売りに至る間の問題をもう少し総合的に改善するような大胆な措置を打てないものだろうかどうか。いまお話しのような、ただ二億六百万程度のことでもって小売りの近代化を促進するというようなことは、ほんとうに言いわけにすぎないような感じがするわけです。そういう点、さらに突っ込んだ生鮮食料品の価格の問題についての検討を瀬いたいというように思うわけでございます。これについての御意見をまずお聞きしたいと思います。
#173
○小暮政府委員 先ほど総合食料品小売りセンターの考え方を申し上げました。それの金額が少ないじゃないかというような御指摘をいまいただいているわけでありますが、私どももあの程度の規模で十分であると、全く思っておりません。ただ、これまで既存の小売り業との調整に意外に手間どりまして、四十五年度において、先ほども他の委員から御指摘ございましたように、計上いたしました予算を使い切れないといったような現実の問題がございます。私どもといたしましては十分関係者と話し合いながら手法をさらにくふういたしまして、これを新年度において実施し、実績をあげました上でさらに飛躍的に予算の増強をはかりたいというふうに考えております。なお、小売り業の近代化につきましてはそのほかに、国民金融公庫に生鮮食料品の小売り業近代化のための融資ワクが三百億以上計上いたしてございます。
 なお、生鮮食料品の荷姿の問題についての御指摘でございますが、過度の包装はもちろん生産者の手取りという面からはマイナスであることはもう御指摘のとおりでありまして、この点は生産の担当の部局のほうでも規格の簡素化というような問題をいま真剣に検討しておるところでございます。ただ市場あるいは輸送段階での省力化と申しますか、そういう問題あるいはせりその他の取引の近代化、合理化、こういう角度からまいりますと、品物ができるだけ規格化され、大量取引にかなうような形になることを期待するという要素がもう一つございます。この両者をそれぞれの生鮮食料品の実態に即してうまく推進していくべきではないかというように考えておる次第でございます。
#174
○合沢委員 昨年の十月でしたか物価安定政策会議が提言しておるようですが、その提言の中には野菜等の生鮮食料品については卸売市場を通じた一元的なシステムというものを改めて、もっと多元的な流通システムを確立したらどうかという提言もあったように思うのですが、このような提言についてどのようにお考えですか。
#175
○小暮政府委員 先ほど申しましたように、この物価安定政策会議の提言は、流通機構改革のための当面の対策というよりは、現在御審議をいただいております卸売市場法の趣旨と全く同一のことをうたっておるわけでございますけれども、これと並行いたしまして、今後検討すべき各種の問題についていろいろ御提言があるわけでございます。われわれといたしましても、たとえば生産者と流通業者があらかじめ予約して、その予約に基づいて、いよいよできましたときにこれを相対で買い取って供給するといったようなことが、生鮮食料品の分野でできないものかどうか。しかしこれには、過去においてさまざまな試みをして実はうまくいかなかったという歴史があるわけでございますから、どのような契約条件あるいはどのような値ぎめのしかたというものをくふういたしますればいわゆる予約相対、いま申しましたような形が実現できるかといったような問題について、それぞれ具体的にきわめて慎重な研究をする必要があるだろうというふうに考えております。
#176
○合沢委員 たとえばその一つとして、全販連等がやっているような生鮮食料品の集配センター等については、これを助長するような考え方があるかどうかお聞したいと思います。
#177
○小暮政府委員 戸田橋の集配センターにつきましては、その実験的趣旨を農林省としては認めまして、これに助成をいたしたわけでございます。現在全販連においてこれが運営に鋭意つとめておる段階でございます。これは中に立ち入りますと、全販連自身もまさざまな苦労をいたしております。しかし、将来のためにそれぞれ具体的に問題点をこなそうという姿勢で実験が継続中でございまして、私どもといたしましては、こういう新しい仕事については十分その実効を見きわめながら次の段階を考えたいというように見ております。
#178
○合沢委員 生鮮食料品の価格の安定のためにはいろいろな要素があろうと思うのですが、その中の一つに需給の調整機能というか、そういったものが非常に大事じゃないかというように考えられるわけです。そこで需給調整機能といったようなものについて、今度の新しい法律の中で卸売人の機能、そういう需給調整機能をどのように考えているか、今後需給調整機能をだれにやらせるのか、その辺のひとつ考え方を聞かしてほしいと思うのです。
#179
○小暮政府委員 生鮮食料品について需給調整機能をだれが果たすのかというのは実は大問題でございまして、この物価安定政策会議の提言もその点をめぐって非常にたくさんのページ数をさいておるわけですが、いずれもまだ問題の提起にとどまっておるわけです。卸売市場の仕組みを考えます場合に卸、仲買い、あるいは売買参加者、それぞれあるわけでございますが、そのいずれのものにもっぱら需給調整の機能を負わせるか、こういう角度でものを考えるわけにはまいらぬだろうと思います。やはりそれぞれの段階がそれぞれの本来の機能を十分に果たしながら、相互に補完しあって市場全体として需給調整に参加するということが卸売市場の本態ではなかろうかというように考えております。ただ具体的には、従来卸売業者が無条件委託によるせりを本則とし、それ以外の仕事はなるべくやらないようにというたてまえでまいりましたような点について、取り扱います商品の性格が変わるにつれて、やはりこれを買い取りによって卸売業者がものを確保して、これを安定価格で供給をするといったような取引のあり方を市場内に導入しようというようなことを考えております点は、いま御指摘のような点に対応するというその一つのあらわれでございます。
#180
○合沢委員 需給調整機能については非常にむずかしいと思うのですが、たとえば温州ミカン等については、日園連が御承知のような形で各県を通じて需給調整をやっておるわけですが、必ずしも十分とはいえないが、相当成果をあげておると思うのです。そういった形でその他の野菜、くだもの等についても農業団体等によるところの需給調整機能というものを法律によって何らかつけてやるというようなことは考えられないかどうか。
#181
○小暮政府委員 もともと委託によるせりを原則とする市場法のたてまえと申しますかこの考え方は、思想的には需給の調整は出荷者の力に第一義的には依存する。
  〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕
別な表現でいえば、需要に見合った供給の確保というところに需給調整の本来的な機能がある、こういう考え方に基づくものであるというふうに考えております。
#182
○合沢委員 何か私の質問の答弁になっていないように思うのです。もう一度お答え願いたいのですが、私は需給調整機能というのを、たとえばミカン等については、日園連等が中心になって各産地の県連と相談をして、そうして時期別の出荷数量なり地域別の出荷数量をきめて、そして需給の調整をはかっているというようなことがあるわけなんです。これと同じようなことを野菜なら野菜について、また大産地等と連絡をとりながら出荷調整機能を果たしていく。出荷調整、需給調整の機能というものをむしろ農業団体、生産者団体のほうに付与するというような法的な措置は考えられないかどうかということをお聞きしておるわけなんです。
#183
○小暮政府委員 需給調整の機能と申しましても、具体的には一つ一つ商取引に相なるわけでございます。したがいまして、出荷者の組織を強化して、これが十分の力となり得るように指導いたしますことが生鮮食料品の場合に肝要であるというふうに考えますが、法令に基づいて何か出荷を指図したりとめたりする権能を農業団体に与えるということは、立法論としては適当でないというふうに考えております。
#184
○合沢委員 それからお聞きしたいんですが、私は、特に最近問題になっておる野菜ですが、野菜の生産の状態というのはも従来はきわめて多くの農家が、しかも小規模で野菜の生産が行なわれておったというように考えるわけですが、近年はそれがだんだん、農家も野菜をつくらないような傾向になっているのじゃないか。そして次第に規模が大型化してきているのじゃなかろうかというように考えるわけですが、そういった趨勢等について調査したものがあれば御説明していただきたいと思います。
#185
○小暮政府委員 園芸局からお答えがあるかと思いますが、市場の側から見ましても、指定産地の創設の趣旨はその点にあったわけでございますが、都市近郊の産地、これが次第に都市化の影響によって出荷の力が弱まってまいります。むしろ中距離あるいはものによっては遠距離に専門的な産地が出てまいるという形が、明らかに看取されております。
#186
○大場説明員 産地の大型化の問題でございますが、統計的にただいま縦横そろった数字はございませんが、御承知のとおり指定産地という制度、数年前から出発させておりまして、それに基づきましてしっかりした産地づくり、規模の大きい、またその中を構成する農家群といたしましても、片手間の野菜づくりではなくて専門的な形での野菜づくりというものに、農家群によって構成されております指定産地の指定をいたしまして、それを育成している段階でございます。たとえて申し上げますれば、指定産地の指定要件といたしましては、作付面積、これはいろいろ野菜のものによって違いますが、葉茎菜類で申し上げれば、五十ヘクタール以上、こういったようになっておりますし、これは最低条件でございます。それから現実にどういうぐあいに野菜生産地がなっておりますかと申し上げますと、おおむね指定一産地当たりの平均面積で申し上げますと百十七ヘクタールといったものか現状でございまして、町村の広がりで申し上げますと、大体三町村、そういったものにまたがっているような大規模な産地づくりが次第に形成されてきて、いる、こういった状況でございます。
#187
○合沢委員 はっきりした数字はなかなかないようでございますが、いずれにしましても近年農家までも野菜を買うというような形になって、つくる人は減り、そして生産者の規模は大きくなってきているだろうと思うのです。ところが問題はやはり、ほんとうに野菜に全力を打ち込む、野菜に生活をかけるというようなところまでは、なかなかいき得ないでおるのが現状じゃなかろうかと思う。数町歩という野菜がある、そういった規模の大きい農家を育成していくということはきわめて大事と思うのですが、それができ得ない。特に野菜が非常に価格の変動が激しいというようなことからして、野菜の大規模な専門農家ができ得ないということが、私はやはり野菜の価格を不安定にしている要素になりはしないだろうかと思う。従来野菜は、少し値がいいと翌年うんとつくる、安いとすぐやめるというような傾向にあったので、やはり安くても高くても安定するというようなことによって、野菜の専門農家ができていくというような方向での野菜の生産体制ができないと、野菜の問題の解決はできないのではなかろうかと思う。
 そこで私は最も効果的なというか、いまの施策で最も効果的な施策は、いまとられているところの野菜の生産出荷安定基金というのは、きわめて効果的な方法であろうかと思う。ただあの中で見てみますと、問題点は、ことしも昨年とほとんど変わらないような程度の予算しか盛られていないわけですが、前年度六億九千六百万、この年度が七億三千四百万、前年に比べてわずかに三千八百万しかふえない。これだけ野菜の問題が論議されているときに、この程度の増額ではこれは少な過ぎるのではなかろうか。しかし私はあの資金は非常に効果的だというように考えておるわけです。ただあの中で、もちろん問題はありますが、たとえば基準単価が安い。そこで暴落した場合にはそれの何%しか払えないといったようなことがございますので、そうした場合には現在の農家の規模においてはとうてい引き合わないというようなことになろうかと思う。それではやはり安定的なというか、規模を拡大して野菜の生産に打ち込むということもなかなかむずかしいと思う。そこでやはり野菜の生産を、安定的な生産を進めていくためには、この基金をもっと増額して、さらに、今度は指定種類もふやしたようでございますが、そういったふやすだけでなくして基準単価というものをもっと引き上げてやる、そして不作の場合でも引き合う、何とかそれで飯が食えるというような単価まで引き上げていかねばいかぬじゃないか。そういうような方法でなくては、先ほど言った野菜の指定産地も順調にいかないんじゃないか。数年前に指定産地を指定して奨励しておるようでございますが、なかなか軌道に乗らないというのが現状であるというように私見ておるわけなんです。そういった意味で、ぜひひとつこの野菜の生産出荷安定基金の増加するようなことについて、さらに基準単価を引き上げるというような問題等について今後考えていただきたい、この点についての考え方を聞きたいと思うわけでございます。
#188
○渡辺政府委員 ことしの安定基金への支出が少ないということでございますが、去年は御承知のとおり野菜が高値で、ほとんど支出されるような該当者がなかった。そのために現在三十七億円ほど安定基金を持っております。廃棄処分制度等も去年こしらえたわけでございますが、幸いに予算だけ余ってしまう。全然該当するものがないというような状態でありますから、私は四十六年度においては、かりにそういう問題が起きても金に困ることはないだろう、支払いに困るというようなことはないだろうというように思っております。
 なお、今後水田の転用等によってさらにどんどん野菜をふやしていくという、ようなときに、農家の価格安定対策が現在では不十分であるという御指摘でございますが、はたして暴落するほどつくられるのかどうかということも少し様子を見なければわからぬということであります。御承知のとおり、いまはかりに平均百円というような値段が続いておるものが六十円に値下がりをしたというときには、七十五円と六十円の差額十五円の八掛けという十二円をくれるという制度でありますが、これを十五円にしろとかあるいはどうとかいう問題はあろうかと存じます。価格安定の問題は大切なことでございますから、よく研究をして、農家の方が安心できるようにさらに研究をしていきたい、かように思います。
#189
○合沢委員 生産調整等にからんで、やはり農家では野菜をやろうかという意欲はあるのですが、何ぶん基準単価が安い、また従来みたいに少しつくれば下がるのじゃなかろうかというような不安があって、なかなか規模の拡大ができないというのが現状だと思うのです。まあ従来のあの程度の基準単価ならば、私はこの程度の基金の増勢でも余るのではないかと思う。十分だと思うのです。やはりこの基準単価を上げないと農家は合わないと思うのです。基準単価を引き上げることによってできるのではないか。もちろんこれは、必要な面積、数量等はきめるわけなんで、すべてが該当するのじゃないのだから、そういった指定産地等について資金を出すものについての基準単価でございますので、やはりそういうところについては基準単価を引き上げてやるということによって、産地の体制ができるだろうと思うのです。生産調整とも関連があるし、基準単価の引き上げ、同時に資金の増勢ということが野菜の生産体制を安定していくという上において最も重要な施策だというふうに私は考えられますので、将来ひとつぜひ御検討願いたいと思うのであります。
 それからもう一つ、同じように野菜の安定についてですが、肉、特に豚肉等については、豚の肉がずっとふえると値が下がる、そうすると事業団でもってこれを買い取るというふうなことをやっておるわけなんです。野菜については生鮮食料品でございますのでなかなか困難だろうと思うのですが、野菜の中でも根菜類等についてはある程度可能じゃないかと思う。特にサトイモとかバレイショとかニンジンとかゴボウだとかいったような根菜類等については、そういった事業団的なものをつくって、あるいは野菜の生産出荷安定資金等がそれを担当して、一定の価格で買い取って持っていく、そうして葉菜類等が値上がりするとか、とにかく野菜が非常に値上がりするという場合には、これを放出するというふうなことは考えられないかどうか。野菜の価格安定対策としての根菜類の貯蔵の問題、そういう点についてひとつ考えられないかどうか、御見解を聞きたいと思うわけでございます。
#190
○渡辺政府委員 実はいろいろ考えてみたのですが、結局結論は、考えられないということになったわけであります。と申しますのは、御承知のとおり野菜の場合は非常に種類がたくさんあります。大根だけやるという、大根の原価計算で菜っぱもあるいはジャガイモもというわけにはいかないので、もしそういうことをやるとすれば、指定野菜なら指定野菜全種目について原価計算をやらなければならぬ、その次は天候等によって非常な影響を受けやすい、その次は貯蔵性が非常に少ないというようなことで、とてもこれは事務的にもできないし、やってみてもあまり効果がないということですから、所得補償といいますか、牛乳のような考え方、こういうことについては、現在大豆とかなたねだけでも精一ぱいだというところへ、野菜を十種類も十五種類毛持ち込むということはとうていできない。一種類やれば結局ほかのものもほかのものもということになってきますから、これは先ほど合沢先生おっしゃったように、指定団地等の指定価格安定資金、これをやっぱり強化するということではなかろうか、こういうように思います。したがって、現在で決して十分であるというふうにはわれわれは考えておりませんので、価格安定資金の充実ということについては前向きでこれは検討をしてまいりたい、かように思っております。
#191
○合沢委員 卸売市場内におけるところの荷受け、卸ですが、これの単数、複数の話がさっきございました。一時、やはり過当競争を防止していくという面からも、また生鮮食料品の価格安定といったような面からも、市場におけるところの荷受けは単一が望ましいといったようなことで相当推進した過程があると私は思うのです。それらが独禁法との関係で行き悩んで、先ほど御答弁のようなことになったのではなかろうかというように考えるわけなんです。私は、やはり過当競争を防止し、そして需給の調整というか価格の安定という面からも、同一市場内におけるところの荷受けは単一が望ましいというように考えられるわけですが、この点についてもう一度御見解を聞きたい。独禁法との関係なしに、ほんとにどれが望ましいかという点についての御意見を聞かせていただきたい。
#192
○小暮政府委員 どうも単複論というのは古くからずいぶんといろんな議論の記録が残っておりますけれども、今日の姿に照らして考えますと、その市場の置かれた立地、それからその市場が期待されている集荷量と申しますか、市場の地域内の消費人口の大きさ、そういったようなものに即して、具体的に過当競争を排除しながら、しかし公正な競争の条件がある、こういうものを求める以外ないのじゃないか、単数でよろしい、あるいは複数でよろしいというふうに画一的に言い切るわけにはまいらないのじゃないかというふうに考えております。
#193
○合沢委員 その際農業団体と生産者代表が卸売人になることについての積極的な考えがあるかどうか、お聞かせ願いたいと思うのです。
#194
○小暮政府委員 現に本日御視察いただきました中の神田市場には、生産者団体がつくっております4という卸売業を認めております。しかし、全体として考えますと、やはり生産、流通、さらにそれの最末端、それぞれ機能を分担して相互に補完し合うというのが経済の実態であろうというふうに考えております。
#195
○合沢委員 次に手数料の問題でございますが、全国一律に野菜は八・五%あるいはくだもの七%といったようなことで手数料率がきまっておるわけでございます。そしてまた、その手数料率の中から仲買人組合等にも戻しが来ている、産地の奨励金等もいろんな幅で返しているということでございますが、この全国一律の手数料率、さらに一度取ったものを仲買に返すのはどういった意味で返すのか、さらにまた産地の奨励金の問題等、問題があろうと思うのですが、これはこのまま正しいとお認めになっておりますかどうか、お聞かせ願いたいと思うのです。
#196
○小暮政府委員 仲買いに返すというとちょっと趣旨が不分明になると思うのですが、その市場の機能、これはほかの機会にも申し上げましたけれども、品ぞろえそれから値ぎめ、代金決済、これが私は三大機能ではないかと思いますが、卸売市場の発展の経過の中で、零細多数な小売業者、あるいは仲買いもかつては零細であったのですが、最近できるだけ大型化しようといって指導しておりますが、なおかつ相当な数があるわけです。ああいうたくさんのものにこれだけ種々雑多な商品を朝の短時間に渡していかにしてその代金を間違いなく回収するか、これは産地に対してそれぞれ定められた日、三日以内とか四日以内に送金するという約束になっておりますから、そういうことをやりますためにどのように代金回収事務を組織化するか、各市場みんなさまざまな苦心をしてまいったわけでございます。これは卸売手数料の中から完納奨励金という考え方で、代金を間違いなく定められた期間内に的確に回収してくる者に対して若干の歩戻しをする、こういう考え方でございます。
 それから出荷奨励金のほうは、もうすでに繰り返すことをやめますが、産地の大型化あるいは出荷の規格化、こういうものを推奨する意味で大型化、規格化された荷主に対してこれを交付するという考え方でございます。
#197
○合沢委員 その仲買人等に返す金額がはたして妥当かどうかというような問題もあろうかと私は思うのです。仲買人に完納金で返す金額、率がはたしてそれでいいのかどうか、そういった問題も含めて問題があろうし、またこういった金を返さなくても何日以内、規定以内に完納しない者については売買参加を停止するというような措置によって完納させる方法もあろうかと思うのです。そういったことで、一度手数料を産地のほうから取っておいて、それをそういった措置もせずに返すということについては、私は問題があろうと思うのです。こういう点についてはさらに検討願いたいというように考えるわけです。
 それからいま一つ、産地の戻しの問題についても、趣旨はわかるのでございますが、やはり弊害も伴っていると思うのです。それはやはり大きく入るほど量によって戻す率も違う、金額も違うということでございますので、無理をしてそこに計画的に出荷する、その結果暴落するとか、あるいはまた、あるところで暴落すればある面においては暴騰する、要するに価格の不安定が起こるという、そういった要素も奨励金の中には含んでいるというように考えるのです。
 そういう点について両方とも私は問題があろうかと思うのです。さらにまた、全国一律という点についても問題があろうかと思うのです。これはこのままでは決して妥当なものではないと私は思うのです。将来この点については検討を願いたいというように思うわけでございます。そういった私の見解についての御意見をお聞かせ願いたいと思うのです。
#198
○小暮政府委員 先ほどの説明の中で、何か手数料の中から完納奨励金を仲買いに返すといったような趣旨の話に実はやむを得ずなったわけですが、これは返すという観念がおかしいので、卸売人の収入源は手数料しかございませんから、あの手数料の中からいったというふうに観念できないことはないというだけのことでございまして、どこまでもあれだけの多数のものを大ぜいの人に渡してその代金を的確に回収するための一つのやり方として、完納奨励金ということが考えられておる。ただそれがたとえば仲買いなり小売りを卸として掌握するための過当競争の手段になっては困る。そういうことからこれをきわめて厳格に監督するということでその支払い方をいわば規制しておる、このように御理解いただきたいと思います。
 それから産地の出荷奨励金の問題につきましても、これは卸売業の業務の実態、それから産地の姿の移り変わりというものを常時見ながら、最も妥当な形でこれを行なわせるのが必要でございますので、これについての常時検討を続けるという姿勢は私も当然であろうかと思います。
#199
○合沢委員 それから法案の三十九条ですが、この中には「市場外にある物品の卸売の禁止」の条項があるわけなんです。これは投機的な取引をしてはいかぬという意味だと思うのです。これは確かに現状では必要もあろうかと思うのですが、たか将来の問題として、この市場に入ってくる生鮮食料品は際限なくというか、今後どんどんふえていくということでございますし、市場の機能化等も進むと思うのでございますが、しかし将来大型化されて産地の商品が規格化され、銘柄もはっきりしてきまったようなものについては、出荷と同時に着く日もきまるわけでありますので、着いたら物を一々市場の中に運び込んでまた運び出していくというようなことなしに売買できるというようなことも奨来考えていいんじゃないかというように考えるわけです。そういう点について今日これは無理だと思うが、将来の問題としてこの点について私は必要があるような気がするわけです。この点についての御見解をお聞かせ願いたいと思うわけです。
#200
○小暮政府委員 三十九条の運営にあたりましては、御指摘のように今後たとえばくだもののように次第に規格化が進んでまいり、共同選果というようなことで品質がそろって銘柄が確定するというようなことが進展いたしますれば、この三十九条の規定を活用いたしまして、場外の一定の場所に置きましたものを場内で見本を見ることによって相対で売買する、こういうようなことも十分考えられるというふうに思っております。
 なおついででございますが、この規定のカッコの中で、農林省令で定める特別の事情がある場合に「当該開設区域の周辺の地域における一定の場所を指定したときは、」と申しておりますのは、そういった場合におそらく現在の大都市の事情からいきますと、その大都市の行政区画にあまりこだわりますと実際上適当でない場合があろうが、川の向こう側になりますと、たとえば川崎市になったり埼玉県になる。しかしそういうところにストックポイントを設けて、十分東京都内の卸売市場で具体的な取引を指図することができるはずでございますから、そういう今後の流通の姿を頭に置いてこの規定を整備したということでございます。
#201
○合沢委員 それからこの三十四条のただし書きにある相対取引ですが、これと三十八条の買い付加け販売、これはどちらもただし書きでございます。買い付け販売の場合もやはり相対販売に違いはないのじゃないかと思うのですが、この二つの点について相違点等を少し御説明願いたいと思います。
#202
○小暮政府委員 三十四条は市場に参りましてからの売り方の問題について規定いたしております。それからもう一つのほうの規定は、実は産地からの荷物の受け取り方の問題でございます。産地から荷物を預かりますときに、これを委託で預かるか、ある価格で買い取ってしまうかということで、それぞれ場合が異なるわけでございます。
#203
○合沢委員 従来相対取引といったようなことでいろいろ問題があった経過もあるわけでございますし、特に買い付け販売といったようなことについて、きわめて投機的というか、危険が伴うわけなんです。そういった面については厳重に規制しているようであります。やはり危険を伴うと思うのです。よほど運営については注意する必要があると思うのですが、特にその他二十三条等にも、「卸売の業務及びこれに附帯する業務以外の業務」といったようなこともございますが、やはり丸京青果とか、あるいは東京の三榮青果といったような例もあるように、卸売人の倒産というようなこともあるわけなんで、この際この新しい法律の制定と同時に、そういった場合に備えての弁済制度というか、開設者が弁済するというような、産地に対する代金の清算が倒産等によってできないというような場合のないような、そういった弁済制度等についてのことはどうなのか、御意見をお聞かせ願いたいと思うのです。
#204
○小暮政府委員 卸売業務は、その取引が公正でなければならない、価格形成についてガラス張りでなければならないというような、いろいろな法的な規制をしておりますけれども、その行為自身はどこまでも商行為であります。したがいまして、これも倒産などの不測の事態が起こらないように、卸売市場法を活用して適切な指導、監督、場合によれば営業の取り消しといったようなことを迅速に行なうことによって、未前に事故の発生を防止するということが必要であろうと考えます。かりに不幸にして倒産のような状態を起こさざるを得ないような場合にも、開設者が私的な債務を肩がわりするという性格のものではないというふうに考えております。
#205
○合沢委員 それから今度の法律によって中央、地方とも市場は相当近代的に整備されるだろうと思うのです。しかし、市場の近代的な装備、配置はできても、やはり関連するものは輸送だと思うのです。特に東京都の場合、年末等は、汐留駅のごときはもうどうにもならないというようなことのようでございます。そこで、そういった関連するところの輸送、貨物駅、こういったものについては、この法律等とも関連して、国鉄、運輸省等とも話し合いは行なわれていると思うのですが、どのようなことでそういった問題について話し合いをしているか、特にこの前の年末等も私は汐留に見に行きましたが、たいへんなことでございました。夜、日通あたりは人がないものだからアルバイトを雇ってやっている。しかも農家が子供のように大事にして出した荷物を、足で踏みながら飛び回っているというような状態でございますし、荷いたみも出ているというようなことでございます。そういうようなことから関連して大事なことは、輸送、特に貨物駅の問題等も大きな問題じゃないかと思う。こういう点についての従来の話し合い等があれば、お聞かせ願いたい。
#206
○小暮政府委員 今回の法案で市場整備についての基本的な方針を定めることをうたっておりますけれども、この場合に当然いまのような問題につきましても、新しい市場が具備すべきいろいろ物的な施設の形について基準を示すことになると思います。そうした基準の作成にあたりましては、当然建設省あるいは運輸省といったような役所とも十分打ち合わせるということで、この法案を立案いたします段階でそういう話をいたしております。
 なお、具体的な例といたしましては、現在東京で周辺地帯に市場を増設しようということで、板橋市場、あるいは世田谷等にも建設いたしております。板橋は、いわゆる流通業務市街地の整備に関する法律、これは建設省が主管ですが、関係各省が共管という形でやっている法律でございます。その流通業務市街地の整備に関する法律に基づいて、板橋に流通業務市街地をつくるという計画が現在進行中でございまして、私どものほうの東京の過密対策ということで、あの方角につくります市場は、その板橋の流通業務市街地の計画の中に形としては組み込まれている。こちらは中央市場整備八カ年計画ということであそこに場所を求めております。あれは市場法に基づく計画でございますけれども、その地域は流通業務市街地の整備に関する法律で、板橋にそういうものをつくるという計画と合わせてある、こういうことで、それぞれこの問題につきましては、情報を持ち寄って、できるだけ望ましい姿のものをつくりたい、そういうふうに考えております。
#207
○合沢委員 現在市場で、公営市場というか、市とか町とかが荷受けをやっている、そういった例もあるわけでありますが、やはり今回この新しい法律の制定があっても、そういった公共団体が市場の荷受け人によることができるというようなことが、この法律の中で可能かどうか、お聞かせ願いたいと思います。
#208
○小暮政府委員 別に公共団体がそういう業務を行なうことを禁止する規定を特に立てておるわけでございませんので、法令的に決して不可能ではないと思います。ただ、考え方といたしましては、生鮮食料品につきまして、全国的な規模でこれを集荷いたしまして、これを適確に分荷するという仕事は、高度に商業的な経験を必要とするものでありまして、公務員がやるに適した仕事であるというふうには考えておりません。
#209
○合沢委員 いまのは、別に規制していないからできるというように受け取ってよろしゅうございますか。
#210
○小暮政府委員 法律論としては、決してそれを否定しておりません。
#211
○合沢委員 それから、これは先ほども質問がありましたが、卸売業者は、中央卸売市場における卸売りの業務及びこれに附帯する業務以外の業務を営もうとするときは、農林大臣の許可を受けなければならないものとするというように修正すべきじゃないか。これは法律の二十三条です。ただ届け出になっているのですが、届け出ではなくて、むしろ大臣の認可制にすべきではないかというように考えるわけですが、単なる届け出でいいかどうか、むしろこれは大臣の許可を受けなければならぬというように変更すべきだと考えるのですが、どうですか。
#212
○小暮政府委員 卸売業務そのものが農林大臣の直接的な監督下にございます。農林大臣としては、卸売業務が適正に行なわれておるかどうか、その財務内容はいかがであるかということについて、責任をもって指導するたてまえになっております。したがいまして、その指導監督のために、兼業についてこれの届け出を求めるという趣旨でございまして、兼業の種類についてよろしいかどうか、あるいは兼業を始めることについてよろしいかどうかということを必ずしも判定しようとするわけではございません。兼業がきわめて円滑にいっておりますれば、別にそれを拒否するいわれはないのでございますが、かりに当初望ましいと思った兼業でございましても、その部分に何らかの不測の事態が起これば本業が危うくなる、こういうことでありますから、兼業の業種を農林大臣が選別してこれを許可する許可しないという形で考えますよりは、兼業の内容を常時承知し得る体制に置いて本業のほうを直接指導、監督するということが法の趣旨ではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
#213
○合沢委員 卸売業者は私はきわめて公益性の高い仕事だと思うのです。そういったものが、附帯する業務以外の業種となると、どういった業務でもできるわけです。届け出さえすればできるということなんですね。だから非常に投機性の高いようなそういった業務を営む場合でも、届け出さえすればいいということなんです。それは私はきわめて危険じゃなかろうか。業種によって、公益性の高いこういった業種なんだから、それが投機的な業種を営むというような場合は禁止すべきだと思う。禁止できなくしてもう問題が起こったというような場合には、非常に大きな損害を多くの方に与えるわけなんでございまして、当然こういった公益性の高い業種については、附帯する業務以外の業種については禁止すべきである。したがって許可制にすべきだというように考えるのですが、先ほどの答弁ではどうも不安な感じがしてならないので、きわめて無責任な感じもするわけなんです。そういった意味で附帯する業務以外については許可制にする、ぜひそういうふうにしてほしいというように考えるものでございますが、もう一度……。
#214
○小暮政府委員 これまで届け出を受けております兼業の業種を見ましても、たとえば倉庫業あるいは製氷業、運送業といったような、卸売業務と比較的密接な兼業の業態が大部分でございまして、不適当であると思われるような兼業は見受けられないのでございますが、そのことよりは、先ほど申しましたように卸売市場法によって御売業者を指導、監督するのはどこまでも本業を直接指導、監督できるあらゆる手段が法律の中にもうたっておるわけでありまして、立ち入りの検査もできますし、もちろん業務を報告させることは当然でありますが、最後はその業務そのものについて直接改善命令が出せる、こういう非常に強力な権限が本業に対してございますから、その規定を活用して卸売業に対しては十分指導ができるというふうに考えております。
#215
○合沢委員 いまのと同じようなことが次の二十三条二項の場合にもあるわけなんです。二十三条一の二項については他の法人に対する支配関係の関係でございますが、これも当然単なる届け出、報告でなくして、許可を取り消すことができるような、そういったことにすべきでなかろうかというように考えるのですが、この点について承っておきたい。
#216
○小暮政府委員 子会社につきましては法人格を異にするわけでございますので、従来は特段の規定がございませんでしたけれども、今回特に兼業と同様にこれを届け出制にするということでございまして、これによって先ほどから申し上げておりますような本来業務である卸売業務の指導、監督に資するというふうに考えております。
#217
○合沢委員 私はいまの二十三条の一項、二項とも修正すべきだというように主張するわけでございます。
 それから次が、二十六条の保証金の関係でございます。保証金については具体的にどのように考えておられるのか、お聞かせ願いたいと思うのです。
#218
○小暮政府委員 卸売業者が開設者に預託します保証金は市場施設の使用料、出荷者に対する仕切り金の支払いを担保するものでございまして、したがって、その額は市場使用料及び総取り扱い高等を基準として定めるべきものと考えます。ただ現在農林省令で定めております三十万円ないし六百万円というのは昭和三十二年当時のものでございまして、その後の卸売業の実態から見て低きに失するというように見ておりますので、今回の法改正を機会にできるだけ早い機会に検討してこれを改定いたしたいというように考えております。
#219
○合沢委員 政令で定めるということでございますが、その政令のきめ方なんですが、いまみたいにきめてしまえばずっと、また政令を変えなければいけないのか、そういった政令の定め方をするのか、それとも経済の変動とかいろんなそういった情勢の変化に応じてきめられるというような政令の内容にするのか、その辺のところをお聞かせ願いたいと思うのです。
#220
○小暮政府委員 政令ではなくて、農林省令で定めることに相なると思います。今後経済の変動の状況をよく見ながら、随時適切に改定してまいりたいと考えます。
#221
○合沢委員 いまの答弁は、経済情勢の変動等に応じて省令を一々変えなくても、変動に応じて機動的に変え得るというような御答弁ですか。
#222
○小暮政府委員 それは基準でございますから、そのつど省令で定めるつもりでございます。
#223
○合沢委員 以上で質問を終わります。
#224
○草野委員長 津川君。
#225
○津川委員 私たちは卸売市場について、次の四つの大きな原則と主張を持っております。
 その一つは、卸売市場は消費者及び生産者である農漁業の中小企業者を保護する立場から運営さるべきであること。二つには、市場は民主的に自主的に運営管理されねばならないということです。そのためにそうした自主的、民主的運営管理に逆行する国の監督権限の強化は改め、そうした権限を地方自治体もしくは開設者に移行すべきだと思っております。三つには、市場における公正な取引実現のために、卸売人に対してきびしい規制を行なうべきだと考えております。四つには、市場の民主的運営のために各種審議会、協議会には消費者それから卸売り、仲卸、小売り、市場労働組合などの代表者を含む市場関係者、三つには生産者、この三者を加えた、そういう形にすべきだと思っております。
 こうした立場から以下若干の質問をしてみます。まず第一に卸のことでございますが、築地の中央青果株式会社の資本に対する利益率、株に対する配当はどうなっておりますか。
#226
○小暮政府委員 現在個々の会社の経理内容については資料を持ち合わせておりません。
#227
○津川委員 持っていなければ、私のほうから話してみます。資本二億四千万に対して、四十五年六月一日から四十五年十二月三十一日までの半期の利益八千四百五十四万、利益率三五・二%、株に対する配当率一割五分、こういう状況になっておりますが、野菜が高いと皆さん言っているときに、卸という公的な性格を持つ人がこういう形の運営でいいのかどうか。もうけることは私も賛成ですが、こういう形でいいのかどうか。農林省の意見を聞かしていただきます。
#228
○小暮政府委員 中央卸売市場の卸売人の財務の内容につきましては、全体としての趨勢を申し上げますと……(津川委員「それは聞いてありますから、この例はどうかということなんです」と呼ぶ)青果卸売人につきましては、四十四年で税引き後の純利益は〇・六六%ということに相なっております。ただいま御指摘のような点は、これは資本金が二億、年間どれだけの取り扱い高がございますか、それはただいまわかりませんが、先ほども、午前中にも他の委員の御指摘に答えましたように、卸売会社の資本、必ずしも取り扱い高に対して十分つり合いがとれているかどうかという問題もございまして、やや資本が寡少ではなかろうかと見ております。
#229
○津川委員 この会社の貸借対照表、損益計算書によりますと、子会社持ち株として二億五千百二十八万何がし計上しておりますが、この子会社はどんなものでございますか。
#230
○小暮政府委員 東京中央青果株式会社のことをおっしゃっているのかと思いますが、東京中央青果株式会社の子会社といたしましては、千葉県の松戸にございます千葉県食品流通センターといったようなものを子会社として持っております。
#231
○津川委員 あまりはっきり答えないので、私のほうから申し上げてもよろしいかと思いますが、東京中央鳥卵株式会社、東京丸果貿易株式会社、埼玉県中央青果株式会社、千葉県中央青果株式会社その他となっております。そして、この会社は、半期の委託販売が七百七十九億円、この中から表面に出した買い付けが五十四億円、そしてこれはここから転送が始まっているわけです。東京都内の中における転送ならよろしいが、埼玉中央青果会社というのは上尾にありまして、開設者と卸を兼ねております。千葉の中央青果というのは松戸にありまして、開設者と卸を兼ねておる会社でございます。ここの埼玉の中央青果が四十六億円、千葉が五十四億円。これで東京都内に転送し、この二つの会社に転送しているわけです。こういう形になって、七百幾らというものを持っておるわけです。こういう形態が卸としていいかどうかということ。今度皆さんが提案されておるところでは、せり、入札、これを原則とするといっているが、こういう形の子会社を持つから、転送、先取り、いろいろなものがいくと思うのです。政務次官ひとつ……。
#232
○小暮政府委員 先ほど来申し上げておりますように、地方の卸売市場が十分に整備されますれば、生産者は当然整備された地方の卸売市場に直接荷を送るということになるわけであります。そのような姿をできるだけ早くつくりたいというのが卸売市場法の一つの考え方でございまして、現状のもとで、それらが整備されておりません段階で、中央卸売市場の荷受会社が一部整備されておりません地域に子会社を持ちまして、その地域における流通の一端をになうということは、現実としては一つの姿であろうかと考えております。
#233
○渡辺政府委員 ただいま局長の答弁のとおりでありますが、かりに地方の小さな市場があって、そこへ荷物が集まらないということでは、地方の人も困るわけです。やはり東京中心で、東京へばかり大きなのがどかんと来てしまう。地方に大きな卸売市場があればそこに集まるのでしょうけれども、現実には東京近郊のところは東京に集まってしまう。そういうことのために、やはり地方にも分けてやらなければならぬというようなことで、市場から市場に転送されるということは、別に悪いことではなかろろと私は思います。
#234
○津川委員 いま中央卸売市場は東京、関東でいうと船橋、千葉、青梅、川崎、横浜にございます。そこで上尾、これが四十六億円、千葉が五十四億円、名古屋に三つの中央青果がありますが、五十五億円、三十七億円、二十八億円です。とすれば、これはこういう形でやるから消費者が犠牲になって、私は、ものが上げられていくと思うのです。そこでこの二つの、千葉の松戸と上尾の市場を中央市場としてはっきり独立させて、消費者の立場に立つべきだと思うのですが、御見解はどうでございますか。
#235
○小暮政府委員 今後新しい法律が施行になりましてから、千葉県知事あるいは埼玉県知事と十分相談いたしまして、千葉県、埼玉県内における卸売市場の整備計画をつくる段階がやがて参るわけでございまして、それぞれの地域の今後の消費のあり方等を十分検討いたしまして、結論を出したいというふうに考えております。
#236
○津川委員 次に、築地の魚、水産関係の市場でございますけれども、大都魚類がどのくらい資本金に対して利益をあげ、株主にどれくらいの配当をして、中央魚類がどのくらいの利益率をあげて、どのくらいの株の配当をしておるか。答えていただきます。
#237
○小暮政府委員 先ほども申し上げましたように、個別の企業の経理関係書類をただいま持ってきておりません。
#238
○津川委員 それじゃ私のほうから指摘してみます。
 東都水産が十億、利益率が二三・八%、株の配当は一割二分、大都魚類は五億、利益率が四一・〇%、株の配当が一割五分、中央魚類が五億二千万、利益率が七七%、株の配当は一割六分、築地魚市場が三億円、利益率が二六・七%、株の配当が一割三分、これでいうと日本でかなりいい利益率になっているわけであります。これに対して、労働者の待遇が日本の平均の八一・二%、こういうことなんです。こういうことに対して政務次官の見解をひとつ聞かしていただきます。
#239
○渡辺政府委員 実はそういう具体的な案件については、農林省からもかねて津川先生のところに行って、どういうような御質問をなさいますか、質問を教えていただけばなるべく懇切丁寧に親切に詳しくお答えをいたしたい、こう思って再三伺っておるわけでありますが、突然ここで具体的な問題を出されましても、私どものほうでは資料を準備しておりませんものですから、なかなかお答えできないということで、たいへん申しわけない、こう思います。
#240
○津川委員 これはあなたのほうからもらった書類なんです。これもあなたのほうから届けてくれた書類なんです、みんな。それで卸に対して質問するといっているんです。
 そこで、こういう形で市場で働く労働者の待遇改善について、こういう卸の人たちと一度話してみる気がありませんか。
#241
○渡辺政府委員 いま非常に人手不足でありますから、労働者の待遇が悪いということだと、それはもう従業員のほうからやめられてしまう。こういうようなことなので、私ども農林省としては直接、あなたのところはどうも月給が安そうだ、だからやめられるかもしらぬから月給上げてやれというようなことまでは、申すわけにはまいりません。
#242
○津川委員 それから、この四つの卸と監督官庁である農林省の関係がどうなっておるか、農林省の職員でこの中におりている人がありませんかどうか、教えてくださいませんか。
#243
○小暮政府委員 ただいま資料を取り寄せましたところ、築地魚市場株式会社の常任監査役に、関東農政局に在籍したことのある職員が現在おります。
#244
○津川委員 その職員の関東農政局在職中の役職は何でございましたか。
#245
○小暮政府委員 退職時の役職名は関東農政局経済課長となっております。
#246
○津川委員 こういう形で市場の指導監督が十分できると思うか、これをひとつ政務次官に答えていただきます。
#247
○小暮政府委員 もう少し実情を調べてみなければ断定的なことは申し上げないほうがよろしいと思いますが、関東農政局の経済課長、四十年六月一日に退職いたしておりますが、卸売市場に対する指導監督の業務は直接にも間接にもいたしておらなかったと思います。
#248
○津川委員 大都魚類と大洋漁業という株式会社の資本関係、役員関係がどうなっておるか、教えていただきたいのです。これもおたくのほうから教わってあるのですが……。
#249
○小暮政府委員 大都魚類における大手水産会社の出荷の割合は一七%というふうに相なっております。
#250
○津川委員 質問を早めるために私から申し上げます。
 資本金五億円のうち千代田が一億五千百万、大洋漁業が一億、林兼が五千百万、こういうふうな株所有になっておりまして、この千代田というのは大洋漁業の不動産、そういう仕事をしておるところです。それから林兼というのは大洋漁業のやはり子会社で船をつくっておるところです。これらを合わせると、大洋漁業関係の資本が九四・一%、社長の林という人は林兼から出ております。専務の山田という人も林兼、常務の長谷川、取締役の麻生、箕島、岡部、みなこれは大洋漁業から出ております。こういう形で出ているために、大都で買い付けがどのくらい出ておるかというのです。昭和四十五年四月から十二月の二百四億円の受託売り上げに対して買い付けが二百五十九億ということになります。つまり大洋漁業の生産したものを大都魚類が買い付けして市場でさばいている。相対売りする、市場外で売り払っておる、こういうことで市場が、取引が不公平になるし、ものが高くなるし、流通すべきときに流通してこない。
 そこで今度の法案を見るまでもなく、法案では三十四条に「卸売業者は、中央卸売市場において行なう卸売については、せり売又は入札の方法によらなければならない。」こういうふうにきわめてはっきり規定しているのであります。買い付けに対してもただし書きで制限しておる。どうしてこうなったかといいますと、資本構成がこういう状態だからだと思うのでございます。これをやはり本来の法律どおりのせり、入札を基本にするように、原則どおりにここはやはりやるべきだと思うのですが、その指導、決意、こういう卸の認可、これに対する政務次官の見解を伺わしていただきます。
#251
○渡辺政府委員 市場法の示すとおり、せり売りは原則であります。それはやはり原則でやるべきだと思います。
#252
○津川委員 こうして大都があげている利益率が四一%、中央魚類は七七%、こうなると、私は消費者の立場から考えても、手数料は、こういう実情にあれば考え直して指導しなければならないと思うのでございます。手数料に対する配慮をすること、ここの市場で働く労働者の厚生施設や賃金、そういう待遇改善の二つに回すべきだと思うのですが、いかがでございますか。
#253
○小暮政府委員 先ほど来御指摘の中で、利益率が七〇%というようなお話でございますが、どのような計算でいま利益率をおっしゃっているのか、ちょっと聞き取れませんけれども、私どものほうの調査では、四十四年の水産の卸売人の税引き後の利益率、純利益は〇・三七%ということに相なっております。もちろんこれは平均でございますから、個々の企業においてはこれと異なるものがあろうかと考えます。それから、水産物の場合に比較的買い付けが多い、これは事実でございます。これは御承知のように、たとえば北洋等で一定の時期にとれまして、それ以外年間とれないといったような、たとえば塩蔵のサケのようなものがございます。こういうものにつきましては、何らかの形で買い持ちするということでございませんと、消費者の需要にこたえられないというようなことがございますので、水産物には青果物とちょっと異なった取引の必要性があるというような事実はございます。ただ、これらの買い付けを行ないました場合に、この買い付けにかかわるマージン率と申しますか、これは全体として見ました場合に三%強でございまして、卸売手数料よりも下回っておるというのが現在の実情でございます。
#254
○津川委員 局長、やはり虚心たんかいにものを見ましょうや。あなたたちがわれわれにこの席で配った資料によると、東京都の中央卸売市場の水産物の買い付けば、四十年で三五・九%、四十一年四〇・九%、四十二年四五・〇%、四十三年四九・〇%、四十四年五二・六%です。これでも三十四条が生きるというのか、法律の全文に対してもう少し考えてみてほしいのです。もう一つは、しっかりとものを見てほしい。あなたたちが配ったやつには、前期差し引き純利益大都十三億円、これを私に配っているのですよ。だから虚心たんかいにものを見て指導を正しくしようじゃありませんか。
#255
○小暮政府委員 話が行き違ってはいけませんので、もう一ぺん申し上げますと、せりでやるか相対で売るかという前に荷物を調達しなければいかぬわけですから、その荷物を調達するときの荷物の受け方に、委託で受けるか、買い取りで受けるかという問題がございまして、水産については買い取りで受けるものの数量が次第にふえておるということを私も先ほど申し上げたわけでございまして、これは市場に入ってまいります水産物の中で、いわゆる冷凍品の比率が急激にふえておるということとうらはらの現象でございます。
#256
○津川委員 主文よりも特例の場合のほうが主力を占めてもいいというのか。現実にあなたたちが指導している最中にこういうふうにふえてきたのに対して、やはりせりを中心にするという政務次官なりの考え方に徹してみませんか。私はここで論争はいたしません。そこで、こういう結果を生むことになりますので、卸売人の性格、資本というもの、これは慎重に考えてみませんか。一つの公社にするなどという立場が考えられるが、徹底的に法どおりにせり、入札というものを厳重に守らしていって、世間の常識の範囲内の買い付けなり転送なり相対売りなり、そのいずれかでもよろしいが、こういう決意が必要だと思うのですが、政務次官どうでございますか。
#257
○渡辺政府委員 卸売市場は、それは卸売人は、調達の場合は委託が原則、売りの場合はせりが原則です。しかしながら、先ほど再々言っておるように、品物の性質その他によっては買い付けあるいは場外売り、いろいろあるわけです。築地のいまの会社のいろいろな話がございましたが、内容についても私よく存じておりませんから、ひとつ徹底的に調べてみたい。そうしてあなたのおっしゃるようなことがあるかないか、私もひとつ真剣に調べてみるつもりです。
#258
○津川委員 そこで、法で規定されている審議会や協議会の構成ですが、これもだいぶ問題になったようですが、社会保障関係では、中立と払うほうと受け取るほう、こういう三者になっておるから問題が起きるのですが、私は、市場の健全な運営のためには、やはり消費者の側からも、はっきりと消費者の人が納得のいく消費者の代表を加える。そうすると、この間議論になった、包装なんか要らないという意見や、次官が言ったとおり、リンゴをみがかなくてもいいという意見、こういう形になりはせぬかと思うのです。こういう消費者の代表を入れたほうがいい。その次には、何としても市場を運営していくのだから、卸、仲卸、小売り、市場で働く労働者の労働組合の代表、これを入れるべきだ。そうしてもう一つは生産者を入れて、生産者は農民、漁民、もう一つは加工して市場に出す中小企業の方もありますが、こういう三者でやって、私はいささかも政府が心配しておるような社会保険審議会みたいなことは、あれは私もよく覚えておりますが、ああいうことはないと思いますが、いかがでございますか。
#259
○渡辺政府委員 市場は生産者も必要だし、それから仲介業者も必要だし、小売りや消費者、こういう方も必要なんですから、それぞれの実情に詳しく、非常に理解のある人をやはり配置をする必要があるだろう。生産者代表、消費者代表あるいは業界代表というような形で入れますと、なかなか立場にこだわり過ぎて全体の問題について調和がとれないといいますか、一般普遍的な話のまとまりということにおいてまとまりづらいという点もあろうかと思いますので、各界の代表という形ではなくして、そういうことに非常に理解を持っておられる方を十分考えて、学識経験者として入れるつもりであります。
#260
○津川委員 次官のことばは、これは繰り返して論議しませんが、きょうも市場に行ってみれば、築地のあの市場に出入りする人が一日に一万七千人。あのあぶないところでやっておる人たら、こういう人たちの意見を代表するような構成にいまなっていますか。この点が私不安なんです。いまの東京都だと十人というのを、こういう形でもっとふやしたほうがいい。二十人くらい入れたほうがいいと思うのですが、市場で働く人たちの意見が反映されるような形になっているか。それから、ふやしたほうがいいのじゃないかという、この二つに対して……。
#261
○渡辺政府委員 現在は法律に基づいた、そういう協議会というような制度がございませんから、現在は入っておりません。しかし先ほど言ったように、それは市場の経営あるいはそういうような労務の問題等についても認識のある、理解のある学識経験者というものは、これはやはり学識経験者として、何々代表というのではなくして、そういうことの事情に詳しい人は、それはやはり入れていくことがいいだろう、こう思います。
#262
○津川委員 そこで、市場で働く人たちのことですが、先ほどは基本方針の中で、その他の重要事項の中として盛るというふうに出ていますが、あのとおり、見られればおわかりでしょうが、けがをするのです。けがしても治療してくれる人がいまないのです。これはあるかと聞けば、局長があると言う。そうすると私は、九時からしか出ていないと、これは省きますが、実際は九時からしか出ていないのです。そこでけがした人たちは自分でやっている。こういう体制に対して、具体的な指導態度をひとつ伺わしていただきます。
#263
○小暮政府委員 労務管理の問題はきわめて大切な問題であるというように考えますので、市場に対する指導監督の一つの重要な部門として、今後十分注目していきたいと考えております。
#264
○津川委員 もう一つ。きょうも行ってみてわかりますとおり、私たちは長ぐつで国民の口に入っていくあのマグロの冷凍のものだとかいろいろなものの間を行っているわけです。したがって市場全体としての衛生管理は、普通の工場、事業所における衛生管理では私は不十分だと思うのです。こういう点で特別な衛生管理体制が必要かと思うのです。通り一ぺんの、ほかの事業所におけるのでなく、特別な衛生管理を考えてみたほうがよいと思うのですが、いかがでございます。
#265
○小暮政府委員 市場には厚生省のほうの担当者も常駐いたしております。十分所管の役所と相談して、適切な方向に指導いたしたいと思います。
#266
○津川委員 そうなればまた問答を繰り返さなければならないのですが、衛生管理で何人おります。衛生管理委員会、そういう施設のものが私は必要だと思うのです。これは答えは要りません。
 時間もきましたので、最後に、先ほどの埼玉の上尾、それから千葉の市場、これは開設者も卸も私立ですよ。こういう点でかなり地方市場を整備して、国民の要求にこたえるべきだと私は思うのです。人口二十万以上となればかなり多くつくらなければならぬけれども、先ほどからの議論ですと、地方市場を三分の一に減らすとか、こういうことが聞こえてくるので心配になったわけです。そこでこの法律全体を貫く農林大臣の指導、監督、認可権限がとても強くて、地域住民の要請にこたえられない部分がかなり出てまいるかと思うのです。そこで市場開設の、地域とそれから規模の一つの基準があるならば、その基準は地方自治体の責任者もしくはそれらの協議した関係者に明示しておいて、開設や認可やいろいろな権限を移して、そして地域住民の要求にこたえて市場をたくさんふやすべきだ、こう私たちは考えているのですが、いかがでございます。
#267
○渡辺政府委員 権限の問題でありますが、中央卸売市場は全国各地から品物が入ってきます。築地にしてもそうであって、東京都だけから品物がきているわけではない。したがってそういうような開設その他の問題については、やはり全国的な視野で農林大臣が監督をすることがいいのでなかろうか、私はこう思います。それから地方の都道府県知事に対する権限は、すでに法律に書いてあるとおり、運営その他についてやはり監督の権限を与えておるのでありますから、両方で監督するということでバランスがとれているだろう、こう思います。
#268
○津川委員 これで最後にしますが、例の公正取引委員、私的独禁の問題で、いま神戸、札幌、福岡、北九州、全国の百万以上の大都市でここは一社です。私たち実際にリンゴを出荷する仲買人や農業協同組合から意見を聞いてみました。神戸はたいへん困るそうです。値引きをしないそうです。送っていってもなかなかよくない。そこでいいところは名古屋、三社です。これがどっちも取り扱い高五十五億、三十七億、二十八億、非常によろしい、こういう形でありますので、この独禁法に抵触するのじゃないか、この二十九条の適用除外をうたったところは考えなければならないのじゃないか、私はこういうふうに思うわけです。二社あるところでもいい。京都は、京都青果というのは百二十四億円の扱い、もう一つは三十七億。ここでは京都青果が荷物を買い付けにいくのです。そしてもう一つのほうをたたいてつぶしていくという情勢があって、ここでも荷が非常に扱いにくい、こういう形なんです。神田でも同じなんです。これは東一が四百九十六億、八一%、4の全販連が八十七億の一八%、一元が二十七億の五%で、ここでやはり日本の市場の青果の基本的な主流をなして、支配的な東一における値段が全国の値段になるというときに、ここで独占体制があるわけです。この点は考えていただかなければならぬのじゃないか。これは意見を聞かしていただきたい。
 時間がないので、もう一つ。第一条です。国民に対して安心して生鮮食料品を届けようとすれば、生産者も納得いかなければならぬ、消費者も納得いかなければならぬ、その仲介をなす人も納得いかなければならぬ、こう考えるわけです。この目的を見ますと、主として流通機構のことに中心が置かれてありますので、一条の中にもう一つ生産者である農民、漁民、中小企業者、消費者、そういうものの利益を守るという精神を表現をしたほうが、後々いろいろな仕事をするに、国民の納得がいくんじめ、ないかと思うのです。もっとも第一条は、「もって国民生活の安定に資する」ということを書いてありますが、これだとなかなか迫力がなくなりますので、具体的な形で盛ったほうがよろしいんじゃないか。
 時間が来ましたので、質問を重ねましたけれども、独禁法の関係とこの一条の関係を答えていただきます。
#269
○渡辺政府委員 市場開設にあたって卸売人を何人にするかということについては、再々局長からもこの委員会で答弁をしておるように、少数、複数――しかしながら市場間の競争がある。すぐ都市が並んでおって市場がつながっておるというような場合においては、市場間同士の競争がありますから、そこで卸売人が単数であっても、自分のわがままなことができるというわけにはまいりません。ですからそういうような場合には単数でもいいだろうという、こういうことであります。
 それから、法第一条においてその目的に消費者、中小企業者の育成ということもうたうべきじゃないか、農民も育成するということをうたうべきじゃないかという御質問でありますが、この法案第一条においては、究極の目的といたしまして生産及び流通の円滑化をはかる、このことによって国民生活の安定つまり消費者の利益を保護するということをいっておるわけであります。ですから、広い意味で中小企業者も農民も消費者も国民生活の安定ということで入っておりますから、私はお説は十分に取り入れられておるもの、かように解釈をしておる次第でございます。
#270
○津川委員 終わります。
#271
○草野委員長 次回は明四日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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