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1970/03/24 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 農林水産委員会 第13号
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1970/03/24 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 農林水産委員会 第13号

#1
第065回国会 農林水産委員会 第13号
昭和四十六年三月二十四日(水曜日)
    午前十時三十六分開議
 出席委員
   委員長 草野一郎平君
   理事 安倍晋太郎君 理事 小沢 辰男君
   理事 仮谷 忠男君 理事 丹羽 兵助君
  理事 三ツ林弥太郎君 理事 千葉 七郎君
   理事 斎藤  実君 理事 小平  忠君
      足立 篤郎君    鹿野 彦吉君
      熊谷 義雄君    小山 長規君
      齋藤 邦吉君    坂村 吉正君
      澁谷 直藏君    瀬戸山三男君
      高見 三郎君    中尾 栄一君
      別川悠紀夫君    森下 元晴君
      森田重次郎君    安田 貴六君
      山崎平八郎君    渡辺  肇君
      角屋堅次郎君    田中 恒利君
      芳賀  貢君    長谷部七郎君
      松沢 俊昭君    美濃 政市君
      瀬野栄次郎君    鶴岡  洋君
      合沢  栄君    小宮 武喜君
      津川 武一君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 倉石 忠雄君
 出席政府委員
        農林政務次官  渡辺美智雄君
        農林大臣官房長 太田 康二君
        林野庁長官   松本 守雄君
 委員外の出席者
        農林省農地局管
        理部農地課長  馬場 道夫君
        農林省農地局計
        画部長     櫻井 重平君
        林野庁林政部長 池田 正範君
        林野庁職員部労
        務課長     須藤 徹男君
        農林水産委員会
        調査室長   松任谷健太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十四日
 辞任         補欠選任
  江藤 隆美君     足立 篤郎君
  佐々木秀世君     安田 貴六君
同日
 辞任         補欠選任
  足立 篤郎君     江藤 隆美君
  安田 貴六君     佐々木秀世君
    ―――――――――――――
三月二十四日
 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第六九号)(参議院送付)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国が行なう民有林野の分収造林に関する特別措
 置法案(芳賀貢君外六名提出、第六十三回国会
 衆法第三四号)
 国有林野の活用に関する法律案(内閣提出、第
 六十三回国会閣法第八〇号)
     ――――◇―――――
#2
○草野委員長 これより会議を開きます。
 芳賀貢君外六名提出、国が行なう民有林野の分収造林に関する特別措置法案及び内閣提出、国有林野の活用に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。瀬野栄次郎君。
#3
○瀬野委員 国有林野の活用に関する法律案について、農林大臣並びに各関係当局に順次質問をいたします。
 法律制定の必要性とその効果についてまず最初にお尋ねをいたしますが、国有林野活用については、その基本方針は林業基本法第四条に規定され、政府は、これに基づいて農林事務次官通達、長官通達等をもって必要な措置を講じてこられたのであります。政府は、第五十五国会以来、国有林野の活用について国の方針を明らかにする等により、その適正かつ円滑な実施をはかることとして、本法律案の提案をいたしておられますが、まずこの法律の制定について、現行制度ではどのような点が農業構造改善なり林業構造改善のため支障となって法律を制定することになったのか、また法律を認めることになったのか、その点をお尋ねいたしたい。さらにその効果についてもあわせて最初にお伺いいたしたいのでございます。
#4
○倉石国務大臣 国有林野の活用につきましては、従来から農林業の構造改善のためにその積極的な実施をはかってまいったわけでございますが、近年におけるわが国の経済の目ざましい発展の中で、わが国の農林業はこれに十分に対応することができませんでした。農林業の構造改善、それから農山村地域の振興等をはかりますための施策を一そう強力に推進する必要があると考えられるわけであります。このような要請にこたえますために、林業基本法第四条の規定の趣旨に即しまして積極的に行なうべき国有林野の活用の内容を具体的に今回の法律案でお示しするとともに、その活用を行なうにあたりましての国の基本的態度を明らかにすること等によりまして、国有林野の活用の適正かつ円滑な実施をはかることといたした次第であります。
 さらにまた、この法案を成立させていただきました上におきましては、これの運用によりまして、時代の変転に伴ってこれを弾力的に活用することによりまして、全体の農林業の伸展に資するところが多いのではないかということを考えているわけでございます。
#5
○瀬野委員 農業構造改善及び林業構造改善、山村振興等の実施は、おおむねある時点を限って実施されておるのでございます。現在、農業構造改善については第二次、また近くは林業構造改善も第二次に入ってまいるわけでございますが、この法律案のねらいというものが時限法でなくて恒久立法として提案をしておられます。そういったことから、一部には、時限立法でいいではないか、こういうような議論もあるわけでございますが、その点を国民の前に明らかに、恒久立法としたことについての理由をお聞きいたしておきたいのであります。
#6
○松本(守)政府委員 この法律は、林業基本法第四条の規定の趣旨に即しまして、今後における国有林野の活用について、国の基本的な態度を示したものでございます。農林業の構造改善施策の推進の一環として、引き続き進めていくべきものと考えられますので、一応本法案を恒久法とすることにしたものでございます。
#7
○瀬野委員 そこで、恒久立法としたということでございますが、今後とも国有林野の活用が行なわれるとすれば、国有林野事業の経営基盤は、絶えずその安定性というものを失ってくるという懸念が持たれ、また、国有林野事業の健全な発展というものが期し得ないではないかという心配がなされるということでございますが、こういった意見に対して、当局はどのような御見解をお持ちであるか、重ねてお伺いをいたします。
#8
○倉石国務大臣 基本方針につきましては、つまり、国有林の経営、運営につきましての政府の基本方針というのは一貫してまいるわけでございますが、地域、地域によりましてそれぞれ事情は若干違いますが、この法案成立の後に、この活用をいたす地域におきましては、やはりその指導方針に従ってそれを運営してまいるように政府も指導いたすわけでありますし、またこれを受けて立つところの地域の市町村あるいはその他これを活用する人たちにとりましては、やはり政府のその方針と常に十分に連携を保ちながら、森林の持つ使命を十分に果たし得るような経営、運営がしてまいられるようにわれわれとしても行政的指導をいたしてまいることが必要ではないか。
 国の六八%以上を占める重要な森林行政というものにつきましては、どなたもその重要性をよく認識しておられるのでございまして、そういうことについて、特によけいなことをする必要はないかもしれませんけれども、私どもといたしましては、国全体の国土保全あるいは国民休養林、そういうようないろいろな使命を持っております林地でございますので、そういうことについて万遺漏なきように行政指導をやってまいりたい、このように考えております。
#9
○瀬野委員 国有林野事業が林業政策上果たすべき役割りについてでございますが、林業基本法の第四条にこれらのことについて明示されておることは御承知のとおりであります。一般的な林業政策の対象となる林業経営体として規定されながらも、一方では、林業政策の主体となるような重要な役割りを果たすことが規定されておるのでございます。要するに、今回の法案が提案されておりますが、林野庁としてまず、この活用法案を出す前に、国有林野自体どうするかという問題があるわけでございます。
 現在、国有林は事業法をつくっていないのでございまして、国有林野事業法というものを制定すべきじゃないかということがいろいろ論議されておりますが、この法案提出について、こういった事業法制定の問題等が当然考えられる。すなわち、まず足元を固めてそれからやるべきじゃないか、こういうような国民の批判が一部にあるわけでございますので、こういった点も本法案の審議の前に明らかにしていただきたい。農林大臣のほうからひとつ御答弁をいただきたいと思います。
#10
○倉石国務大臣 お話のございました事業法等につきましても、実はいろいろ農林省においても検討をいたしておるわけでございます。
 そこで、ただいま、国有林、民有林を含めてでございますが、わが国の林業というもの、これが持っております使命は、いろいろ重要な使命を持っておるわけでありますが、なかんずく、やはり今日林業経営というものが経済的にたいへんむずかしい状態になっておる。かたがたやはり公害の問題であるとか緑地保全であるとかという外部に対する重要な問題も出てきておりますので、林業経営というものにつきましては、国有林、民有林ともにそれぞれ難問が山積いたしておるわけでございます。そこで、いま申しました事業法につきまして私どももいままで研究を続けておるわけでありますが、このたびの法案を成立させていただきますような機会に、やはり両方が調整がとれてうまくまいりますように、私のほうにおいても、十分いまありました御趣旨のようなことも参考にいたしながら対処してまいる必要があるのではないか、こういうことを考えております。
#11
○瀬野委員 この法案の逐条に対する質問に入る前に、もう一点お伺いをしておきたいと思います。
 それは、過去に国有林野の活用に関して黒い霧事件というものがしばしば報道されております。こういったことにつきまして、五つの問題について順次お尋ねをしておきたいと思うのであります。
 と申しますのも、今後この活用法案が通過して、後ほど質問を続けてまいりますが、再びこのような国民に疑惑を招くような事件が起きるようなことでは相なりませんし、この機会に、かつていろいろと問題になりましたことを、その後の経過、処置等についても明らかにして本法案の内容に入っていきたい、かように思って質問を申し上げるわけでございます。
 まず最初に、指宿観光株式会社に対する開聞岳の国有林の貸し付けの問題が過去に起きております。内容については時間の関係もありますので省略いたしますが、この問題についてはその後どのような処置を講ぜられ、対策を立てられたか、概略の経過とその後の処置についてお伺いをいたしたいと思います。
#12
○松本(守)政府委員 指宿観光株式会社に対する開聞岳国有林の貸し付けについて先生の御指摘がございました。この内容は先生すでに御承知のことであろうと思いますが、その後とりました改善措置、本件は昭和三十八年に三回にわたって貸し付けたものでございます。そこに問題がありまして、昭和四十二年の四月、国有林野の管理処分の事務運営についてという通達によりまして、自後一件の貸し付け面積が五ヘクタールをこえないように処理をいたしました。さらに申し上げますと、同通達によって、同一事業区内において同一人に対して五ヘクタールをこえる面積を貸し付けてはならないこととした次第でございます。今後ともそういう案件につきましては厳正に対処してまいりたい、そのように考えております。
#13
○瀬野委員 さらに美禰株式会社に対する那須国有林野の交換問題があったわけでございます。これはすでに決算委員会でも取り上げられて問題になったのでありますけれども、国の渡し財産と受け財産、これらの問題にからんでの事件でございましたが、このことについてもその後どのように処置をされ、対処されたか、明らかにしていただきたい。
#14
○松本(守)政府委員 この問題につきましては、昭和三十九年と四十年に交換をいたしております。土地の交換でございますが、その問題点の一つは渡し財産、国有林から出しました森林の評価がどうも安かったのではないかというような疑惑がございました。またその相手が不動産業者、観光とか不動産業をやっておる者であったということが問題点に指摘をされておりましたが、その後とりました処置は、契約解除等の措置は行なわなかったのでございますが、その後交換事務につきましては昭和四十二年に厳正に通達を改めまして、交換についてはそういった不動産業者は絶対認めない、公用、公共用を優先するとか、特に交換を認める者は、国の財産を随意契約によって売り払いのできる者というきわめて限定をした形で処理をすることにいたしました。また、交換をしたあとのものがどのように使用されるかという点につきましても、毎年一回ずつ営林署の現場機関がチェックをする、あるいは台帳をつくって、その交換をした者に報告の義務を課するというようなことで、取り扱いについて厳正に遺憾のないように処置をした次第でございます。
#15
○瀬野委員 林野庁長官、ただいまの件ですが、交換についてはその後厳正な処置をしたというような御答弁ですけれども、交換についてははっきりとそのようにしたわけでございましょうか。今後の交換の取り扱いということについてあわせてはっきり御明示いただきたい、かように思います。
#16
○松本(守)政府委員 通達によって昭和四十二年改善をいたしました事項のおもなものを申し上げますと、まず貸し付けの関係でございますが、次のような基準を設けました。
 その一つは、貸し付けの対象地は保安林などの第一種林地、優良造林地、こういうものは貸し付け、使用を行なわない。それから用途につきましては、公用、公共用等のほか、農林業構造の改善、住民の生活環境の保全、住民の生業の維持等の用に供するものに限ることといたしました。それから規模につきましては、住宅用地等について建て坪面積の五倍以内の必要最小限度にとどめるということにいたしました。農用地につきましては、農用適地選定基準に適合するものであるということにいたしました。
 それから売り払いの関係でございますが、対象地については貸し付けの場合と同様でございますけれども、規模につきましても必要最小限度、貸し付けの場合と同様でございます。特に交換の関係については厳重に基準を設けました。国有林野を渡し財産として交換できる場合を限定したこと。たとえば相手方が地方公共団体であって、渡し財産を直接公用、公共用または公益事業の用に供するとき、例の二、日本国有鉄道が渡し財産を鉄道事業等に必要な施設の用に供するとき、例の三として電気事業者というものに対する場合、それから例の四として電発会社が使う場合ということ。それから次に交換にも用途指定の特約を付することにいたしました。
 評価の関係でございますが、評価事務の全般につきまして学識経験者に調査研究を依頼して検討を行なって、評価の方法論、基準をきめまして、また具体的な個所についての評価は第三者評価を依頼いたしまして、それを勘案して価格の決定をしておる。
 以上でございます。
#17
○瀬野委員 さらに屋島ドライブウエイ株式会社に対する屋島国有林の貸し付け問題があったわけでございます。これについての処置と対策を承りたいのであります。
#18
○松本(守)政府委員 これは高松市の屋島における事例でございます。その内容は貸し付けをした面積が四ヘクタール、その用途は当初は農耕地、地元農民の十数名でございますが、その中にこの観光会社が入っておったということでありまして、農耕地としてそういう私企業、観光会社に貸すことの点が問題となったのでございます。
 それで改善をいたしました措置としては、オリーブその他の植樹敷、観光事業用風致樹植栽敷としてその会社単独に貸し付けをいたしました。それは四十四年の四月でございますが、そういうことで、従来貸し付け地代が二万七千円でありましたものを改めまして、十八万四千円にいたしております。
 以上でございます。
#19
○瀬野委員 長官、ただいまの件ですが、林野庁は土地が耕作されて農地としてある場合には、農業者以外には貸し付けできないが、未墾地あるいは放置された状態のものを貸して、貸し与えるとともに、農耕用に使われることは違反でない、こういうふうな見解を持っておられるように、私、伺っておるわけですが、こういったケースの場合に、今後こういったもののいわゆる貸し付けについて将来ともこのような考えでいかれるのか。この点、このようなことでいいのか。本法案の審議にあたりまして、あとにも関連することでありますので、お伺いをしておきたいのであります。
#20
○松本(守)政府委員 このときには、その十数名の農民の中にこの会社がいたことに問題がありまして、今後はそういった観光事業会社に農業用の土地を貸し付けをするということはいたしておりませんし、そうしないたてまえになっております。
#21
○瀬野委員 さらに、農林開発興業株式会社に対する芦屋剣谷国有林の交換問題があったわけですが、御承知のようにこれは兵庫県で起きた問題でございます。内容は省略するとして、これに対する対処をどのようにされましたか。その経過について、また処置についてお伺いいたしたいのであります。
#22
○松本(守)政府委員 これにつきましては、昭和三十九年に交換の契約をいたしております。内容につきましては省略をさせていただきますが、とりました改善措置、もうすでに交換をしてしまってありますので、また当時用途指定もいたしておりませんので、契約を解除するという方法がなかったということもありまして、契約の解除の措置はとらなかったのでありますが、自今交換につきましては、先ほど申し上げました昭和四十二年の通達によってこういうことの絶対に起こらないように厳重に措置をするということでございます。
 なお、その場所が芦屋市でございます。神戸の裏山でございますが、その芦屋市の市長から保安林の再指定の申請が四十二年に出ておりますが、これは衆議院の公害対策委員会でも問題の提言がざいまして、その後林野庁として学識経験者の調査その他十分の検討をいたしましたが、並行いたしまして昭和四十四年には芦屋市長から大臣あて保安林の再指定を取り下げがございました。保安林の指定はしなくても水路その他工事をすることによって国土保全上支障がないという学者の結論、あるいは林野庁がとりましたそういった工事によって、芦屋市長はいま保安林の再指定の申請は取り下げております。
#23
○瀬野委員 もう一点お伺いして本題に入りますが、群馬県吾妻郡の嬬恋村、長野原町及び草津町所在の十三牧野農協の元国有林の転売についての事件があったのですが、これについてはどのような処置をされましたか、お伺いしたい。
#24
○松本(守)政府委員 これは昭和二十八年に林野整備によりまして嬬恋村長に売り払いをいたしております。面積は四十五ヘクタールですが、その後嬬恋村では林業経営用地として国から買い受けをした林野を指定された用途期間十年間を指定どおりに林業経営をいたしまして、経過したあとで村内の牧野農協にその一部を譲渡いたしております。その牧野農協は観光会社に別荘用地として処分をしたというのがこの経緯でございます。
 これは昨年の国会でも問題が指摘をされた経緯がございますが、その問題点は売り払い後十四年たって転売したものである。その十四年間に相当な社会情勢の変化があったということ、国有林から売り払いをいたしましたときの売り払いの特約では、十年間林業経営の用途としてりっぱな成績、経営を行なってきたということで、違反行為が認められなかったので、法律上はやむを得ないということになっております。
#25
○瀬野委員 この件については法律上はやむを得ないというのですが、昨年からことしにかけてもしばしば新聞にも報道されている事件がまだいろいろ問題を呼んでおります。この問題を深く追及しようとは思いませんが、こういったことが過去にいろいろ数多くあってまいったわけで、今回の活用法案の審議にあたっても、今後のことも思い合わせますときに、いろいろ懸念されます。そういったことから、一応お聞きをしたわけでございまして、ただいまから本法案八条ございますが、逐条的にいろいろと質問を順次してまいりたい、かように思うわけでございます。
 まず最初に、第三条の「国有林野の活用の推進」ということについてお尋ねをいたします。
 第三条には、「農林大臣は、国有林野の所在する地域における農林業の構造改善その他産業の振興又は住民の福祉の向上に資するため、国有林野の管理及び経営の事業の適切な運営の確保に必要な考慮を払いつつ、次の各号に掲げる国有林野の活用で当該各号に掲げる者を相手方とするもの(第一号に掲げる国有林野の活用にあっては、同号に掲げる者に売り払うことを目的とする所属替を含む。)を積極的に行なうものとする。」こういうのであります。この中で「適切な運営の確保に必要な考慮を払いつつ、」とこういうふうに書いてある。それと、「積極的に行なうものとする。」ということについての質問なんでございますが、まず「必要な考慮を払いつつ、」ということは、国有林野事業との調整を十分考慮すべきことを規定していると私は思うのでありますが、「払いつつ、」とは具体的にどういうことを意味するのか、はっきりひとつ明快に答弁をお願いしたい、こういうふうに思うわけであります。
#26
○松本(守)政府委員 国有林野の活用にあたりましては、その使命達成との調整をはかることが必要でございます。このために具体策といたしまして、次のような場合には原則として国有林野の活用は行なわないということにいたしております。
 そのおもなものは保安林、国立公園の特別地域等、法令によって国土の保全その他の理由で林業経営上の制限を受けているもの、それから利用期に達していない人工造林地など、それからもう一つは、部分林、共用林野等でこれらの利用者と活用についての調整ができないもの、困難なものあるいは苗畑とか国有林野事業の経営上どうしても必要なところ、こういうものは活用しないということにいたしておりますが、「積極的に」活用するという場合には、農林業構造改善の事業としてどうしてもその土地以外にかわるべきものがない、民有地にもない、国有地にそれがある、その場合に、先ほど申し上げましたように、国有林経営上支障のない場合には積極的にこれを活用していくんだ。当然活用いたします場合には、貸し付けの場合代金が入ります。また売り払いの場合はその土地の売り払い代が入りますから、そういう土地は林業経営の用地として一応マイナスにはなりますが、それにかわるものが金の形で国有林野事業特別会計に入ってまいる。それがまた別な場所で国有林経営上必要な土地の買い入れに使われるというようなことでありますから、こういうことをいたしましても国有林野事業には影響はまず考えられないというふうに考えております。
#27
○瀬野委員 長官の答弁で、「考慮を払いつつ、」とこう書いてありますけれども、なかなか意味が深いわけでございまして、ただいま答弁の内容を聞いておりますと、保安林とか特別地域、利用期に達していない人工造林地など、また調整が困難なもの、苗畑、国有林野上必要なもの、いろいろあげられましたが、こういった国有林が必要なものはまた民間としても必要であるということで、往々にして競合するという問題が起きてくるわけです。ところが、この第三条一項には、末尾に「積極的に行なうものとする。」こういうふうに特にうたってあるし、またしばしばこの法案あるいは大臣の所信表明の説明等を伺っても、積極的ということばが三カ所も出てまいります。こういったことから、この「払いつつ」ということが活用側からいわせますとネックになる、また不安となるわけであります。三条の一項の「積極的に行なう」ということと矛盾がある、私はこういうように思うのです。この点再度ひとつ長官から御説明をいただきたいのであります。
#28
○松本(守)政府委員 いま先生の御質問、確かに国有林野経営のために持っておりました林地を農林業構造改善等のために国有林経営から出すわけでありますから、そういう場合におきまして、全然支障がないということはあえて申し上げませんが、先ほど申し上げましたように、国有林野経営の適切な運営を確保しながら、同時に地元のそういった要請にこたえていく。若干の林業経営に支障がありましても、地元のそういう要請にこたえることが地元の経済発展、地元の住民の各種の経済的な社会的な不利を是正いたしまして、生活の向上につながるということは、すなわち国有林のためにも何かにつけてよろしいことになるわけでありますから、国有林の経営だけを考えてそういう地元の要請にこたえない、そういった孤立した超然とした考え方では、今後の時代に国有林の経営はやっていけない。地元のそういった経済的な社会的な動きと、国有林の経営というものは一体となってやっていくんだ。そういうことによって国有林経営も初めて万全の経営ができるというふうに考えております。
#29
○瀬野委員 第三条の中に六項目規定されておりますが、これらの問題は、第四条でうたってあるその中身であるわけでございますが、このことについて逐条的にひとつ質問をしてまいりますけれども、まず第一号の「農業構造の改善の計画的推進又は農業生産の選択的拡大の促進のための農用地(土地改良法第二条第一項に規定する農用地をいう。)の造成の事業で農林省令で定めるものの用に供することを目的とする国有林野の活用」ということがございます。この第三条一項一号の中の「農林省令で定めるもののの用に供することを目的とする国有林野の活用」ということはどういう意味を持っているか、これに対する御説明をいただきたいのであります。
#30
○松本(守)政府委員 第三条一項一号「農林省令で定めるもの」につきましては、国または県の助成を行なう農用地の造成の事業を規定する見込みでございます。
#31
○瀬野委員 そうしますと、これは次に書いてあります「農業を営む個人、」ということがございますが、いわゆる対象者ですね、これはどういう個人になりますか、この点明らかにしていただきたいと思います。
#32
○松本(守)政府委員 個人というのが活用の相手として出されておりますが、草地造成とか酪農用地のためには共同経営あるいは市町村営ということが考えられます。そういうことで、原則としてこれは個人にはやらないということで考えておりますが、開拓パイロットその他草地でない農地、こういうものはいまの農地法の精神からいいましても、究極的には自作農主義をとっておりますので、そういうものは一応国有林野財産から農地局の自作特別会計のほうへ所属がえをいたします。所属がえをしたあと個人のほうへ回っていくという仕組みになろうかと思いますが、そういう場合もあるんだ。しかし今後の活用の大部分は、個人にはあまりいかないのではないかというふうに考えております。
#33
○瀬野委員 今後は大部分個人にはいかないのではないかと思いますと、こういう最後の答弁だったのですが、なぜこういったことを聞くかというと、やはり先ほどから明らかにしてまいりました往々にして活用に不明朗なことが起きるということも懸念されますので、本法の審議にあたって特に念を押して逐条的に御見解を承っているわけでありますが、「農業を営む個人、」こういうふうにあります。いま長官からいろいろ説明承りましたが、これはその前にあるところの「農林省令で定めるものの用に供することを目的とする国有林野の活用」ということがもちろんかぶっておるわけであろうと思いますし、単なる個人ではない。何回かのチェックリストを経てきた個人である、こういうふうに私は解釈をしているのですけれども、この点もう一度明快にひとつお答えをいただきたい。これらの問題があとあとずっと問題になってまいりますので、はっきりと御説明いただきたいし、また何回かのチェックリストを通るとすればいかなるチェックを経るのか、この機会に明らかにしておいていただきたい、かように思います。
#34
○松本(守)政府委員 「農業を営む個人、」ということのチェックをどうするかということでございますが、その前に先ほど御答弁申し上げました「農林省令で定めるもの」これは国または県が助成を行なう農用地の造成の事業を規定する見込みということで申し上げましたが、その中には農業構造改善事業を国なり県なりの助成でもって行なっておりますそういう構造改善の結果、たとえば個人の樹園地造成というもの、そういう場合もございます。農業構造改善が個人個人の協業的な考え方で樹園地を造成しようという場合には、究極的にはその個人のほうへ所有権が移っていくというふうに考えておりまして、先ほど申し上げましたあまりないではないかというのは面積的にはそうたくさんは出ないと思うのでございますが、その主体になりますのは、どうしても草地造成、酪農用地というものが農業的な国有林活用の主役を占めるのではないかと思います。あわせて樹園地造成というものも地域によっては今後促進をされるという場合には、その個人というのが関係をしてくるわけでございます。
#35
○瀬野委員 そこで、いまの三条一項一号の末尾のほうで対象者がずっと書いてございます。「農業生産法人、農業協同組合、地方公共団体その他農林省令で定める者」こうありますね。この「その他農林省令で定める者」この場合の「定める者」とはどういうものが考えられるか、この点も明らかにしていただきます。
#36
○松本(守)政府委員 「その他農林省令で定める者」は農協連合会、土地改良区、農業生産法人でない農事組合法人、以上以外で構成、運営等につきまして農林大臣が定める基準に適合した規約を有しているもの、こういうものを考えております。
#37
○瀬野委員 そうしますと、農業構造改善事業の中に個人が構成人員として入ってくるということになるかと思うのですが、国が農業構造改善を行なう場合、たとえば国営パイロットあるいは草地改良という形で進めていかれる場合があるわけでございますが、林地を貸し付け、三年経過すると所属がえして農地として選択的拡大を進めることがその地域の農業構造改善ができるということで、農業構造改善事業を認定し進めていく上に構成する個人に貸し付ける、また所属がえする、そして売り払い、こういうふうなことになろうかと理解するわけでありますが、その農業構造改善事業の推進にあたっては、地域ごとに県とか国でチェックをするわけでございますので、個人が入る余地がない、こういうようにも理解するわけですけれども、この計画そのものは国が認定をして定める事業であるから、個人が自分の利益のために入る余地はない、こういうように理解していいものか。黒い霧の問題等がいろいろうわさされるわけでございますので、この点も念を押してお聞きするわけです。そういった問題が入る余地はない、こういうように理解していいのか、さらにお伺いをいたしておきます。
#38
○松本(守)政府委員 そのとおりに考えております。農業構造改善を通じまして草地にするとか農地にするとか、そういうものを開発するということは、それぞれの事業によって適切な指導、運営が行なわれるものというふうに考えております。
#39
○瀬野委員 それでは三条でもう一点。国有林野活用の相手方については、第三条一項一号の農業構造改善の場合には個人から市町村までを含めて大幅な活用を認めておるわけでございますが、同項第二号の林業の場合には、農業協同組合、農事組合法人までを対象としながら市町村をその対象としていないわけでございますけれども、この点についてもこの機会に明らかにその理由をひとつお示しいただきたい。
#40
○松本(守)政府委員 いま先生の御質問、第三条二号ということでございましたが、三号ではございませんか。
#41
○瀬野委員 三号でありますね。
#42
○松本(守)政府委員 三号につきましてお答えをいたします。
 林業構造の改善のための活用でございますが、いま林業構造改善事業をやっておりますが、これは市町村を相手にしておりません。個人の小規模経営である林業者の協業化、規模の拡大というものに中心を置きまして林業の構造改善をやっておるということでありまして、これは市町村を対象には考えておらないわけでございます。この法律のねらいが市町村の財政規模を強化するとかいうことではないのでございまして、かつての国有林野整備臨時措置法とか町村合併促進法とかいった法律とは趣旨が違いますので、一応市町村はこれに入れていない。むしろ市町村は市町村有林というのを持っておろうかと思いますが、そういう場合に、この活用法案の精神からして市町村も国と同じように林業者の向上のためにその市町村有林その他何らかの方法で協力をすべきではないかというふうに考えておりますので、一応この第三条一項三号では市町村を考えておりません。
#43
○瀬野委員 その点については一応了解いたします。
 三条の一項二号についてお尋ねいたしますが、二号においては「前号に掲げる事業の用に供することを目的として譲渡された土地で林業経営の用に供されていたものに代わるべき土地として林業経営の用に供することを目的とする国有林野の活用」としまして「当該譲渡をした者で農林省令で定めるもの」このように規定されております。この場合の農林省令で定めるものということについて、原則的にはこのことは部分林設定で活用させるということであろうと思うのですが、林業を経営している人がりっぱに経営していないといわゆる活用の適用をやらない、すなわちだれでもできるということではないということなのか、この場合社会的に保証がないといけない。要するに社会的に認められないと活用ができない。現在林業家としてその土地をりっぱに経営している、こういった場合になるのか、この点を明らかにしていただきたい、かように思います。
#44
○松本(守)政府委員 第三条一項二号でございますが、農林省令で定めるもの、このように考えております。この場合に次の要件のすべてを満たしているものを規定する見込みでございます。
 次の要件とは、一つ、当該譲渡にかかる農用地の造成の事業によって造成される農地をその人がもっぱら利用することとならないこと。でありますから、その人はその農用地造成の受益者ではないという場合でございます。
 その二つは、当該譲渡によりその者の林業経営に支障が生ずることと認められること。でありますから、その人が林業経営に実際に有効に使っておる、造林もしておるということでありまして、ほとんど利用してないという場合にはこの条項の趣旨には該当しないと思います。
 それから第三点、当該譲渡にかかる土地の所在する市町村またはその近接市町村内に所在する国有林野について活用を希望していること。その人がその近くの国有林で活用を希望しているというこの三つのすべてが満たされませんと、この第二号の代替活用の適用はならないことになります。
#45
○瀬野委員 そうしますと、たとえば山林原野とか薪炭林で放置している、あるいは草地でもっていわゆる放置したような状態に置いてあるような場合等はこれに該当しない、すなわち活用の対象にならない、こういうふうな理解でいいわけでございますか。
#46
○松本(守)政府委員 その人がその土地を、一応地目は山林でありましてもほとんど経営のための努力をしてない、手間もかけておらないというような場合には該当いたしません。
#47
○瀬野委員 そうしますと、このことは該当者としては林業経営に支障を来たす小規模経営者といいますか、要するに一定面積を構造改善その他でとられる、そのかわりに自分は隣接の国有林野を活用させていただきたい、こういう場合に小規模の経営者でなければそれがもらえない、こういうふうな理解でいいのか、この点も明らかにしていただきたいと思います。
#48
○松本(守)政府委員 そのとおりでございます。
 大規模林業者、これはその土地をいかに有効に使っておりましても、その土地が農業構造改善その他に使われる、そのために国有林をかわりにくれといいましてもこれを適用しないことで進めたいと思います。一応小規模林業経営者ということにいたしたいと思います。
#49
○瀬野委員 大規模面積所有者は該当しない、小規模を対象とする、こういうように御答弁がありましたが、それでは、小規模の該当者というのはこれはまたいろいろケース・バイ・ケースで違うかと思いますが、どのくらいを予定しておるか。また大規模面積所有者についての基準はどういうふうな方向を検討されておるか。その点は省令で定めるということになろうかと思うのですが、お考えを承っておきたい、こう思います。
#50
○松本(守)政府委員 大規模、小規模林業経営者の境目といいますか、その基準はどうかということでございますが、これは非常にむずかしい線引きといいますか、区分分けになると思います。一応小規模林業経営者は何ヘクタール以下、大規模林業経営者は何ヘクタール以上ということをきめた事例はございません。造林補助金は二百ヘクタール以上の者には補助をしないとか、いろいろそれぞれの補助事業につきまして大規模、小規模を規定しておる例はないではございませんが、この場合に何ヘクタール以下の者が該当するというととは非常にむずかしいのでございます。しかし考え方としまして、その農林家の家族労働が主体になりまして林業経営をしておるというような場合には、そういうことで一応概念づけをいたしまして運営をさせていただきたいと思います。
  〔委員長退席、小沢(辰)委員長代理着席〕
#51
○瀬野委員 この点が問題になってくると思うのですが、線引きがなかなかむずかしい。造林補助の場合は二百ヘクタール以下が該当するというようなことでいろいろ説明がございましたが、実際に家族労働等を考えて概念をきめる。それではどういうことでだれがそれをきめるのか。実際問題としてどういうふうなきめ方をするのか。この点ひとつさらに明らかにしていただきたいと思います。
#52
○松本(守)政府委員 これは通達でもって現地に指導をいたしたいと思います。
#53
○瀬野委員 通達で現地に指導したい、こういうことでございますが、一片の通達で指導するというようなことで事足りるものかどうか。おそらくこういったようなところで将来いろいろな問題が起きてくると私は思うのです。ある場所においては大規模面積所有者、これこれが活用の対象になった、こちらでは該当しなかったとか、小規模の面積の査定についても違ったというようなことになりますと、いわゆる公平、平等ということから考えましていろいろ問題が起きてくると思うのですが、その点何も心配は起きないものか。長官、その点はどうでしょうか。
#54
○松本(守)政府委員 いま林地の所有構造といいますか、そういうものを一九七〇年センサスによって見ましても、五ヘクタール以下の所有をしておる林家の数は全体の所有者のうちの九割近くを占めております。でありますので、大規模所有者は非常に少ないわけであります。この活用を進めていきます場合には、そういった低いほうの層の人の林業経営に支障が起きるという場合には、この代替活用の条項を適用いたしまして、なるべく支障にならないように、その近くに国有林があれば、国有林の経営上支障のない限り何とか御協力をして差し上げたい、このように考えております。
#55
○瀬野委員 そうすると、ケース・バイ・ケースで、問題が起きたときに諸般の条件を勘案してきめるというようなことになるのか、そのように理解していいのか、その点さらにひとつ明らかにしていただきたい。
#56
○松本(守)政府委員 非常にむずかしい御指摘でございます。全国、南は九州、北は北海道、林業経営の条件が違います。同じ一ヘクタールでも生産力が違うわけであります。非常にむずかしいのでありますが、いままで林業構造改善で部分林を設定をいたしております。その部分林の設定をしております経験、実績からいたしますと、活用前、林業構造改善で部分林設定前の構成員一人当たりが二・六一ヘクタールでありましたが、活用の結果――これは現行制度による活用という意味でございます、現行制度によってやっております林業構造改善事業の結果では、一人当たり〇・六八ヘクタールの規模の拡大ということになっております。国有林にも限度がございますので、各一戸当たりに対しまして何町歩も何十町歩も差し上げてやれるだけの面積がございません。でありますので、なるべく規模の小さい方に少しでも協力をして差し上げたいということで、その線を何ヘクタールに置くかということはいますぐにはなかなかきめられないわけでありますから、実行の過程を見まして、逐次そういった経験からしまして何ヘクタール以上はだめだとか、何ヘクタール以内の所有者に限ってこの活用を認めるとか、いずれそういう線は出てくるにしましても、いまここでそれをきめろということは非常にむずかしい問題でございます。
#57
○瀬野委員 いまいろいろ答弁いただきましたが、この法案が通過すれば、施行の日からこれを用いることになっておりますけれども、そういったことの検討がまだはっきり煮詰まっていないというふうな答弁のようでありますが、こういったことが問題だと私は思うわけです。やはり局長とか営林署長とか、いろいろな方たちがおそらく現場ではいろいろ判断をするということになってくると思うのですが、従来もこういったことが黒い霧を生んだりいろいろしております。ここでこれ以上詰めてみても、長官の御答弁を聞いていてもこれはただ平行線のような感じがしますので、どうかと思うのですが、こういったことについては、ある程度基準をはっきりするために省令等でこれをきちっときめるというようなことにはできないものか、その点くどいようですがさらにお伺いさせていただきたいと思います。
#58
○松本(守)政府委員 基準を省令できめられないかという御指摘でございます。日本も南から北まで、それから海抜、気候によりましても林業経営の基礎的な条件が違っております。九州あたりですと、杉の経営をいたしますのに保続経営といいますか、一応林業経営として成り立つ規模はどれくらいか、北海道あたりのエゾマツ、トドマツあたりを経営する場合、どれくらいの規模の場合にはどれくらいの収入が見込めるのか、一応そういうものがないではございませんが、それもその地域によりまして非常に差があるということで、林業基本法のときにも、林業基本法をつくります前の基本問題調査会あたりでいろいろ論議をしたことがございます。その論議の過程でも、何ヘクタールを家族経営林業といえるのかという論議をしたことがございますが、その際にもそれを何ヘクタールときめかねた経験もございます。いまここで何ヘクタールという基準を省令できめろと言われましてもなかなか問題がむずかしいので、これはなお続いてできるだけわかりやすい基準を出せるかどうか、検討はさせていただきたいと思います。
#59
○瀬野委員 先ほどからすぐにはきめられない、いまはむずかしい、また日本の長い伝統であるから地域についても差があるということを申されるのもよくわかりますけれども、こういったことがはっきりしなければ、せっかくの活用ができても、活用する側でも不安を感じ、その時点でいろいろと問題が起きる。そういったことがあとあとずっと質問を続けてまいる段階で出てくるわけですけれども、局長によって通達の解釈が違う、署長たちも見解が違う、署長がかわるたびにゆるめたり締めたりするという問題が起きて、申請が延びて結局中途で投げてしまうというようないろいろな問題が過去にもあったし、今回せっかく法案をつくってもそういったことがいろいろ問題になってくるのではないか、かように思って、この機会に明らかにしておきたいと思って質問しているわけですが、そうすると省令できめるというのはこの場合どんなことをきめられるのか。たとえばある農業構造改善地区がここにきまった。Aという人が五十町歩山を持っていて、十町歩だけはどうしても構造改善事業にほしい、そこでAという人が構造改善事業のためならば十町歩を差し上げる、しかし残りの四十町歩では林業経営または農業経営とにらみ合わしてなかなか生活の維持ができない、したがって隣接国有林野をまた十町歩活用させてくれ、こういうことも起きてくると思うのです。そういった場合に、小規模経営者が対象になるということでございますので、どの程度まではそれができるのかという一応の基準がないととには、この法案の活用については問題があると思うのです。そういった場合に、その辺のことも省令ではきめるわけにはいかないのか、その辺はどういうことになるのかお伺いをいたしたい。
#60
○池田説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。
 全体の規模は、その地域地域によりましてかなり規模も変わってまいりますので、いま長官から申し上げましたように、どのくらいの規模からどのくらいの規模に拡大することが適当かということは地域によって違うと思いますが、林業経営の場合には、先ほど申し上げましたように、五ヘクタール未満の林家というのが全体の九割を占めておりますが、しかし東北と関西では違いますので、したがって、その地域における平均的な農業経営規模あるいは林業経営規模というようなものを考えまして、それと著しく懸隔のあるような形で大規模に代替活用が行なわれる結果規模が拡大されるというようなことはやはり避くべきであろうかと考えております。
#61
○瀬野委員 そうすると、自作農創設なんかでは、内地では三ヘクタール、北海道では幾ら、また西日本の九州では幾ら、こういうようなきめ方があるわけです。林地と水田とではまた趣もずいぶん異なってくることもよくわかるのですけれども、そういうことにはならぬのか。ただいままで答弁をいただいておりますが、一片の通達ではたして適正が期せられるかどうか。第一条の目的にも、円滑な、しかも適正な運用をはかる、こういうように書いてあるのだけれども、そういったことと矛盾をすると思う。やはりこういったことをはっきりしないと、いろいろ反対が起きたりするんじゃないかと思うのです。くどいようですけれども、もう一度その点明らかにしていただきたいと思います。
#62
○池田説明員 ただいま先生の御指摘になりました御心配はごもっともであると思います。私どもも、全く野放しで、全部通達に譲るというふうには考えていませんで、通達に譲るべき基礎になる部分につきまして、考え方につきましては、これはどこで何町歩ということをかっきり数字で区切ることはむずかしいかと思いますが、常識外のことができない程度に、多少抽象的な表現になるかもしれませんが、省令でその基礎になるべき分野をきめる程度のことはいたしたいというふうに考えております。
#63
○瀬野委員 省令で、どのような方向できめるというようなことについてはきめるというような、わかったようなわからぬようなことでございますが、これ以上これをまたやっていたのでは、あと四時間ばかり質問がありますので、これはちょっと消化し切れませんから、次の問題に移りますけれども、これはまた大臣がおいでになったときにこういったことについてはいろいろただすことにして、留保しておきたいと思います。
 次に、三条一項の三号についてお尋ねをいたします。
 この中で、「林業構造の改善の計画的推進のための小規模林業経営の規模の拡大その他林業経営の近代化の事業で農林省令で定めるものの用に供することを目的とする国有林野の活用」とありまして、ここにも「林業を営む個人で農林省令で定めるもの」ということがあります。それ以下は、具体的な対象者がそれぞれ書いてありまして、農事組合法人あるいは「森林組合その他の小規模林業経営を行なう者が主たる構成員若しくは出資者となっている団体で農林省令で定めるもの」こういうようになっております。このことに関連してお尋ねをするわけでありますが、この「林業を営む個人で農林省令で定めるもの」これは、言うまでもなく林業構造改善は農林大臣が認可してやるので、一口でいえば林業構造改善の対象者ということがこの規定の中にうたわれているわけでございますけれども、まず最初に、「林業を営む個人で農林省令で定めるもの」これをひとつ明らかにお示しいただきたい。
#64
○池田説明員 ここで申します「林業を営む個人で農林省令で定めるもの」とございますのは、これは現在、林業構造改善事業の対象といたしましては森林組合あるいは小規模の林業経営者等が協業体をつくる場合等を考えておりまして、当面この個人につきましては対象としては考えておりません。
#65
○瀬野委員 ただいまの答弁で、省令では当面林業を営む個人は対象としてない、こういうふうに言われましたが、実際問題として個人は対象としていないのにここにうたった理由を明らかにしていただきたい。
#66
○池田説明員 この林業構造改善事業は、いわば経常の近代化の事業の対象として当面個人が林業経営の近代化の事業を行なうことを予定しておりません。したがいまして、ここでは当面対象にしないと申し上げたわけでございますが、しかし、それではなぜ当面必要でないものを規定したかという御質問でございますが、これは農業上の利用につきましては農業を営む個人に対して活用を認めております。したがって、これとの均衡もございますし、それから将来的に考えて、一定の条件を満たす個人が出てきた場合に、林業構造改善事業がこれを必要として対象に取り上げるということになりました場合の道を閉ざすことは困りますので、それらに備えて、その段階では省令をもってそれを定めるというふうに弾力的にいたしたわけでございます。
#67
○瀬野委員 それでは確認をしておきますが、農業構造改善事業に入っておるから均衡上これを入れたということですが、そのように理解していいですか。
#68
○池田説明員 均衡上の問題と、それから当面この林業構造改善事業の林業経営の近代化事業の対象として入っていないという現状、現在は入れておりませんけれども、将来の余力をこの省令の中で残した、したがって、そういう時期には入れることを考慮するということでございます。
#69
○瀬野委員 そうしますと、当面入っていない、しかし近代化事業の対象としてこれがなってないから入っていないというような答弁でございましたが、将来は、ということが答弁の中にありました。そうしますと、いまはこれが入ってないけれども、将来はこれが発動されるということが考えられるということが明らかになったわけだと思いますが、将来道を開くためにこういった「林業を営む個人で農林省令で定めるもの」ということを入れた、こういうふうに私はただいまの答弁を理解したわけです。そうしますと、現在は、当面予定してないということで理解できるとしても、その当面が一年なのか五年なのか十年なのか、これはまたことしのうちに来るのか、これがまた実にわからないわけでございます。そうしますと、こういったことが再び黒い霧事件の問題等になっていく可能性が起こる、こういうように考えられる。そこで、絶対にこれはやらない、発動しない、こういうことは言い切れないのか、また、これを発動するとすれば、将来といっても、また当面といってもいつごろを考えておられるのか、その点を重ねてお伺いしたいのです。
#70
○池田説明員 当面この林業を営む個人につきましての省令を定めようという具体的なことは何も考えておりません。
#71
○瀬野委員 質問の答弁に全然なっておりませんけれども、当面考えてないということですが、省令を変えるとこれが発動できる、こういうことになるのですか。
#72
○池田説明員 先ほど申し上げましたように、現在林業政策の上で林業構造改善事業の対象として林業を営む個人を事業の対象にとらえておりません。したがって、そういう対象事業に入っておりませんものを省令だけできめるという必要もありませんし、いわれもありませんので考えておりませんということを申し上げたわけでございます。
#73
○瀬野委員 そこで林野庁長官にお尋ねしますが、それではこれは「林業を営む個人」というものをとったらどうかということにも逆にいえるわけですね。修正をしてこれをとる。当面考えてない、ただいまの池田さんの答弁を聞いていると、私が声を大にすると簡単な答弁のようですけれども、それでは逆にとったらいいじゃないかという理屈にもなりかねないのですが、長官どうですか。そういう必要が起きたときにこれはまた考えるということにしたらどうかというふうな議論が成り立つわけです。そこまで言わざるを得なくなりますが、どうですか。
#74
○松本(守)政府委員 いま池田説明員からも説明がございましたが、これは第三条一項の第一号、農業活用の場合に個人的に規定がございます。農業活用の場合には個人的な道が開かれておるという均衡上もありまして、また将来はそういうこともあり得るということも考えまして、一応この規定はそのまま尊重さしていただきまして、運用の面で当面林業政策上は個人の助成をいたしておりますのは、造林補助金は個人の助成をいたしておりますが、林道にいたしましてもその他林業構造改善にいたしましても、協業という方向がここ当面の林業政策のバックボーンになっておりますので、そういう面で運用をさしていただきたいと思います。
#75
○瀬野委員 長官、いま答弁がありましたが、やはりこういったことが実際問題になるわけですね。それで私もちょっと心配なので質問してみたのですが、簡単な八条にわたる法案でありますけれども、こういったところがちょっとはっきりしてないように思うわけです。長官も、均衡上ここに入れておる、将来あり得るから尊重していきたい、運用の面でいろいろと対策を立てていきたい、こういうふうな答弁でございましたけれども、この問題については、この法案が通過するとやはり省令によっていろいろきめていくことになりますので、いつこれがどうなるかわからない。そうすると、個人の活用についても対象になっていくというようなことでいろいろとまた国民の疑惑を招くというようなことになりかねない。せっかく黒い霧の歯どめ策として、また一歩前進としてこの法案が出されておる、皆さん方も言っておられるわけですけれども、肝心なところがいろいろ問題点があるわけでございます。いずれにしてもこの活用法案についてこういったことがはっきりしないことには私は問題だと思うのですが、それでは当面、こういうことだけれども、いつごろまで当面というふうに理解できるのか、またここ五年なり十年なりは、こういったことは絶対にしないと断言できるのか、どういう事態が起きてきたならばこういったことを考えるというふうに想定しておられるのか、もう少し何とか御答弁いただかないことには私もこれは納得できない、こういうふうに思うわけです。その点ひとつえらいくどいようだけれども、あわせお示しいただきたい。
#76
○松本(守)政府委員 いま御指摘重ねていただきましたが、林野庁といたしまして林業構造改善事業をすでに実施をしております。またその他労働力問題、各種の対策を実施しておりますが、いずれも協業化の方向がここ当分の林政の方向であろうと思います。こういう規定は、「個人」という字句はございますが、当面は、これを個人に対して林業活用を考えておらない、協業的な活用で生かしていただくということで御了承をいただきたいと思います。
#77
○瀬野委員 長官といろいろ論議してまいりましたけれども、やはり何度お尋ねしても、当面はということで協業化に重点を置いて、当面はやっていかないというようなことの答弁でありますが、この点についてもいずれまた大臣への質問と留保してございますので、その節さらに大臣にお伺いすることにして、次の問題に入ってまいりたいと思います。これらの問題がこの法案の大きな問題になると思いますので、十分対処されて次の機会に御答弁をまたいただきたい、こういうふうに私は思います。
 今度は三条一項の四号の問題でございます。「国有林野の所在する地域の市町村の住民又は当該市町村内の一定の区域に住所を有する者が共同して行なう造林及び保育、家畜の放牧又は養畜の業務のための採草で農林省令で定めるものの用に供することを目的とする国有林野の活用」そうして「当該造林及び保育、家畜の放牧若しくは養畜の業務のための採草を行なう者若しくはこれらの者が主たる構成員若しくは出資者となっている団体で農林省令で定めるもの又は当該市町村」、こういうふうになっております。この中で、この四号は国有林野法の十八条の二号と五号の関係で部分林と採草のための供用林とを考えておるように私は理解するのでありますが、この際、この四号を規定した理由について一応御説明をいただきたいと思います。
#78
○松本(守)政府委員 この四号を規定いたしましたのは、国有林が明治の初めに発足をいたしまして、その後入り会い論争、いろいろなものがございました。そういうものに対応いたしまして国有林が地元と一つの契約によって部分林なり共用林野なりを設定をしてきた、地元の人たちの生活のために必要とする部分林あるいは放牧共用林野、薪炭共用林野というものを国有林と共用をしようというところに発足をしましたのが現在の制度でございまして、当然これはこの活用法案の制定を見る将来におきましても必要なことでございますので、そういった経緯をもって現行実施をされておりますものをここに織り込んだというのが趣旨でございます。
#79
○瀬野委員 先ほど読み上げました最後のほうの「当該造林及び保育、家畜の放牧若しくは養畜の業務のための採草を行なう者」とありますが、この「採草を行なう者」この場合も個人であるのか、個人でないのか、この点長官どういうふうに見解をお持ちであるか、お伺いしたい。
#80
○松本(守)政府委員 現行実施をされております共用林野、放牧採草共用林野、いずれもがこれは個人のものはございませんで、共同で利用していただいておるということでありますので、ここの法案で考えておりますのも、採草を行なう者でございまして、そういう表現がございますが、それもそういった協業体を考えさせていただくつもりでございます。
#81
○瀬野委員 そうしますと、個人でない者である。そうすると現在の国有林野法にこれがあるからこういうふうに載せた、こういうことでございますか。
#82
○松本(守)政府委員 現行制度でもあるし、将来も必要である。将来の国有林と地元の関係、地元に国有林を活用していただくという姿勢をこの法案で出しておるわけでありますから、当然これを組み込んだ次第でございます。
#83
○瀬野委員 三条一項の四号でもう一点聞いておきます。「当該造林及び保育」ということが書いてありますけれども、当該ということですけれども、これもあとでまたちょっと関係があるのであえて聞きますのですが、この当該ということは四号の中の二行目の「共同して行なう造林及び保育、」云々と、こういったことに当たるのか。当たるのだ、こう思っているのですけれども、その点ひとつ事務的な問題のようですけれども、お伺いしておきたいと思うのです。
#84
○池田説明員 当たると思っております。
#85
○瀬野委員 次に、三条の一項の五号の問題に入りたいと思います。
 五号では「国有林野の所在する地域の産業の振興又は住民の福祉の向上のために必要な事業で公用、公共用又は公益事業の用に供する施設に関するものの用に供することを目的とする国有林野の活用」 「当該事業を行なう者」こうなっておりますが、そこでこの「公用、公共用又は公益事業の用に供する施設に関するものの用に供することを目的とする国有林野の活用」とあります中で、「公用」とはどんなものを考えておられるか、ひとつはっきりここでお示しをいただきたい、かように思います。
#86
○池田説明員 公用とは、国または地方公共団体、都道府県でございますが、あるいは市町村が国または都道府県、市町村の事務あるいは事業あるいはその職員の住居というようなものの用に供する、そういうものが代表的な公用でございます。その用に供せられている例といたしましては、たとえば役所の庁舎とかあるいは公務員宿舎とか学校、公民館、公立病院といったようなものがあげられると思います。
#87
○瀬野委員 それでは「公共用」とはどういうことをさしますか。
#88
○池田説明員 公共用は国とか府県、市町村あるいは水害のための予防組合などが設置されております場合の、そういう組合あるいは土地改良区、その他の団体でございまして、それらが公共事業を主たる目的として設立された、そういうような組合が直接公共の用に使うという場合をさしておりまして、その用に供せられております例といたしましては、公園、道路、ダムといったようなものが代表的なものかと思います。
#89
○瀬野委員 それじゃもう一点。「公益事業」にはどういうものを考えているかお示しいただきたい。
#90
○池田説明員 公益事業は、これは必ずしもぎりぎりの限界を示すことは困難な場合もございますが、その事業の性格が一般的にいって公衆の日常生活に必要な役務とか物資とか、そういうふうなものを供給する場合をさしておりまして、代表的な事例といたしましては、鉄道、水道、電気事業といったようなものかと考えております。
#91
○瀬野委員 公用、公共用、公益事業用等について明らかにしてもらいましたが、この法案をずっと見てまいりまして、先ほどからたくさんの指摘をいたしまして、特に三条の中で二カ所、時間をかけていろいろと論議した問題点もありますが、私はこの三条の一項の五号の中の公共用の問題、すなわち公園、ダム、道路、こういったもの、土地改良等も含めてこういったものがあげられてまいりましたけれども、将来いろいろと不明朗な問題が起きる。俗に言う黒い霧が発生するというようなおそれがあるとすれば、こういったところにもかなり懸念が持たれるというふうに思うわけです。この公共用というのはダムの建設の場合などを考えますと、ダム建設に名をかりて大規模山林のいわゆる掘さく、ボーリング、あるいはダム、道路のつけかえ、道路だとか、こういったものが工事が行なわれることは当然でございますが、そういったことで大面積の山林を活用して、もちろんこの場合は建設省側になりますが、そういったところからいろいろと審議会を経て上がってきて、林政審議会等でも建設省からダムが必要だといって上がってきたんだからといって林政審議会でまたこれを審議する。建設省が通ったんだからということで、林政審議会もスムーズに通るというようなことで、案外安易に通っていく可能性がある。そうした形で、実際はダムその他の施設の用地に使わずに、残ったものをいろいろと別なものに使うという懸念が多分に持たれてくるわけです。現在もそういった懸念のところはあるわけです。そういったところの心配が行なわれてくるのですが、こういったことについてはどのようにチェックされるか、また長官はこれに対しては、絶対こういったことで今後問題を起こさないというふうに、ひとつ確固たる信念のもとに対処していかれるか、ひとつ決意をあわせてお伺いしたい。
#92
○松本(守)政府委員 ダムその他の場合の事例につきまして、先生から御指摘がありましたが、林野庁といたしまして、そういった事例が出ました場合には、その事業計画、事業の設計その他を出していただきまして審査もいたします。場合によっては、これは営林局に設置をしております国有林野管理審議会というものもございますし、そういうところの意見を聞く方法もございます。そういった計画以外の、目的以外のねらいでもって出してくるものは厳重にチェックをいたしまして、そういうことのないように努力をいたしたいと思います。
#93
○瀬野委員 まあ長官はそういうことのないようにチェックしていくとおっしゃいますけれども、長官も永久に長官の座におられるわけでもないわけですが、こういった問題についても、これはほんとうにこういったところに問題の可能性がありますから、将来こういったことが起きないためにも、私はあえてこういった問題を取り上げてこの席ではっきりとしておきたいと思って質問したわけでございますが、十分にひとつ国有林野管理審議会あるいは林野庁としての審査等もなさって今後対処していただきたい、かように思います。
 午前中の予定としてもう少し時間がございますので、三条一項の六号、これで三条関係は終わりますから、以下は午後に質問するとして、三条一項の六号についてお尋ねをいたします。
 一号から五号までは、要するに貸し付け、使用許可、売り払い、譲与建設省に対する所管がえ、こういったものについてのいろいろと規定でございましたが、それ以外のものがこの六号でいろいろと規定されております。その中で山村振興法というのがここでうたわれておりますけれども、まずこの六号の中で山村振興法できまった場合、地域できまったものについて活用させる、こういうことであろうと思うのですが、その点ひとつ最初に明らかにしていただきたいと思います。
#94
○松本(守)政府委員 そのとおりでございます。
#95
○瀬野委員 この山村振興法に基づいていろいろ考えられることは、託児所をつくるとかあるいは観光事業としてスキーのリフトなどをつくるというようなことも考えられるのか、これらが入るのか、お伺いします。
#96
○池田説明員 先ほど先生から御質問のございました山村振興計画に基づくものならばすべて入るのかというふうに私は聞きましたので、もしそうでなければ長官の申し上げた答弁のとおりでございますが、そうでありますと、山村振興計画に入りさえすればすべて無条件にこの対象になるというふうには考えておりません。むろん山村振興計画に入っております場合には、地域の振興への寄与というのは非常に深いわけでございますから、できる限りその活用を認める方向で考えてまいりますけれども、国有財産の管理処分を適正に確保していかなければならないという面もございますので、事業主体とかあるいは用途というものの適格性を十分に判断してきめていくということが基本でございます。それからいまの託児所の問題は、そういう形のものは当然その対象として入ってくることになろうかと思います。
#97
○瀬野委員 無条件では入らないということ、大体どのようなものが入らないように検討を進めておられるか、その点もひとつ明らかにしていただきたい。
#98
○池田説明員 山村振興計画に入ってまいりますものは、先ほど申し上げましたような大部分は、この地域への寄与という点から見て当然入るものが多かろうと思いますけれども、すべての地域、いま想定がちょっとできかねますが、交通あるいは通信施設とか産業基盤とかあるいは社会生活環境とかいういろいろな多岐に分かれた施設がございます。したがってたとえば公民館とか診療所とか村役場とか児童遊園地とかいったものは当然入ってくるわけでございますが、たとえば観光ホテルのごときがかりに建った場合、それが一体町営である場合に無条件でいいのかどうか、多少ボーダーラインで考えなければならないような問題も出てくるというふうに私ども考えておるのでございます。
#99
○瀬野委員 一応わかりましたが、それでは現在農村地域工業導入促進法案が提案されておりますが、これらの問題の該当するものはこれに含まれる、こういうふうに理解してよいのか。
#100
○池田説明員 いま慎重に検討中でございますが、できますればその地域に対する全体的な影響度、寄与度というようなものを考えながら前向きで検討してみたいというふうに考えております。
#101
○瀬野委員 いまの件について長官はどういうお考えでございますか。
#102
○松本(守)政府委員 その方向で、前向きで検討させていただきます。
#103
○瀬野委員 それでは、その中でこの対象者として「農事組合法人、農業協同組合、森林組合、地方公共団体その他農林省令で定める者」とここにまたあるわけですが、何しろ農林省令で定める者がたくさんあって、この場合の「農林省令で定める者」というのはいかなる者を考えておられるか。これまたこの機会にひとつ明らかに御答弁をいただいておきたいのであります。
#104
○池田説明員 ここで考えております「その他農林省令で定める者」というのは、土地改良区あるいは農業協同組合以外の農業生産法人あるいは中小企業協同組合、漁業協同組合といったようなものを頭に描いております。
#105
○瀬野委員 その点はわかりました。その三条二項に「当該国有林野の所在する地域の経済的又は社会的実情を考慮しかつ当該地域の住民の意向を尊重したものでなければならない。」と書いてありますが、この「住民の意見を尊重」というのはなかなか意味の深いことでありまして、住民の意向を尊重するということは、林野庁としてはどういう精神でこれを考えておられるか、まずこれから明らかにしていただきます。
#106
○池田説明員 申し上げますまでもなく、この国有林野は地元の住民と密接な相互関係がございます。またその活用は、その地元の住民の福祉の向上に役立つというものでなければならないということも申し上げるまでもないわけでございます。したがって活用にあたりましては、その活用に直接参加する希望者だけでなくて、地元の住民も大体その活用について異論がないのだというような賛意を得ることが必要であろうという、一種のコンセンサスを得ることが必要であろうというふうに考えております。したがって、その地元の住民の意向が十分に反映されるような方式をここではとろうとしたことでございますが、そうかといって、これで公聴会を開くといったような形式的なことをここでは考えておるわけではございませんで、住民の意向の聞き方といたしましては、市町村、農業協同組合等の事業計画の説明などを通じて聞き取ったり、あるいは直接事業の参加者からその意見を聞くといったことや、さらに県の知事とかあるいは市町村長の意見を聞くとか、幾つかの常識的な方法があろうと思われますので、そういう方法をとっていったらというふうに考えております。
#107
○瀬野委員 それではその具体的な手続はどういうふうな手続をするのか、明らかにしていただきたい。
#108
○池田説明員 ただいま申し上げましたように、たとえば地元の農業協同組合の総会、総代会その他の定期的な機会とか あるいは町村長に適宜事前に意見を聞くとか、知事に適宜意見を聞くとかいうようなことを現在は考えております。
#109
○瀬野委員 三条関係まで、これで質問を終わりまして、ちょうど十二時半で約束の時間になりましたので、第四条以降は午後質問をさしていただくことにしまして、午前の質問はこれで終わります。
#110
○小沢(辰)委員長代理 午後一時三十分より再開することとし、これにて休憩いたします。
   午後零時三十分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時四十四分開議
#111
○草野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前の会議に引き続き質疑を続行いたします。瀬野栄次郎君。
#112
○瀬野委員 国有林野の活用に関する法律案について午前中に引き続き質問をいたします。
 大臣が参議院の予算委員会の関係で午前中の最初と、また午後当初見えましたが、質問の途中で断片的にいろいろお伺いしてもなかなか質問の順序がございますものですから、いずれまとめて次の機会にでもお伺いすることにしますが、せっかくあと若干の時間おられるようでございますので、冒頭大臣に一点お伺いをいたしたいと思います。
 実は、午前中の質疑の中で三条一項の二号と三条一項の三号、これがかなり問題となりまして、いろいろ関係当局から答弁をいただきましたが、この問題をいきなり申しましても結論が出ないかと思いますので、いろいろ検討願うことにして、いずれ大臣からまた御答弁いただくということに午前中いたしたわけでございます。この点については、さらに政府としてもひとつ御検討いただいて、納得のいく御答弁を次の機会にお願いしたいと思います。
 そこで、午後の質問に入る前に、午前中いろいろ論議をしてまいりましたが、今回の活用法案が提案されてから数年を経過しております。その間たくさんの方が陳情に見えまして、活用法案についてのいろいろなお願いがなされたわけでございます。そこで実は、特に東北六県あるいは北海道など、その中でも青森県等で畦畔の付近まで国有林がきているということで、たいへん国有林の活用の強い要請があるわけです。どちらかといえば東北六県、北海道等が国有林のウエートを占めている率が多いわけでございます。また偏在している点も問題点があるわけでございます。これらは後ほど逐次質問をして詰めてまいりますけれども、午前中の質問の段階からいろいろ見てまいりまして、青森県はじめこれらの県の方たちが陳情しておられるのを聞いてまいりますと、いわゆる水田の近くまで国有林がきている、こういったものに対しての活用またはこういったことについて要望がとても強い。それでわれわれが聞いておりますと、今度の活用法案が通ればそういった水田の周辺あるいは軒先まできているような国有林野は希望をすれば希望の面積が払い下げられるような気持ちでおられるようにも聞けるようなお話がしばしばございました。
 そこで耕地庇陰林について、現行制度では経営計画編成段階で除地として林業経営対象外地にしておられるようでございますが、こういった問題につきまして、政府としては地上立木を撤去して耕地のじゃまにならぬように、また耕作のじゃまにならぬような手を打っておられる。すなわち枝打ちをするとかあるいは畦畔に差しかかって庇陰林としていろいろ水田耕作上問題がある、こういう場合は一定の幅を代採して裸地としてこれを処置するということで処置をしておられるようであります。今回の法案がかりに成立しましても、おそらく陳情に見える方たちが望んでおられるような軒先の国有林あるいは畦畔に庇陰林として影響のあるこういった山については、希望すればこれが活用できるまたは払い下げてもらえる、こういうようなことにはまいらぬように思うのでございますが、こういったことについてたいへんな要望、陳情またはこういったことを含めましていろいろと請願等もあっておりますので、大臣ひとつお答えをいただきたい、かように思います。
#113
○松本(守)政府委員 大臣の前に先に説明をさせていただきますが、それは水田、畑に接して国有林があるという場合に、その農耕に支障があるという場合には、必要な場合にはそれを庇陰林ですか、森林施業上は除地として取り扱って、林木を仕立てないか、その部分だけ希望によっては貸し付けをする、いずれかの方法によって、農耕に支障のないようにいたしております。
#114
○瀬野委員 そういったものに対して申請があれば、個人で貸し付けを受けることはできるのですか。
#115
○松本(守)政府委員 大体、国有林の中へはまり込んだ農耕地で、農耕上支障があるという場合には、その部分も含めて貸し付けをしておるのが例でございますが、現在そういう場合に、貸し付けをしてない場合には、あらためて貸し付けをするというのは可能であろうと思います。
#116
○瀬野委員 国有林野の中にある場合というふうに、いま限定されたような答弁でございましたが、さっきからるる申し上げましたように、東北等では、特に青森県等では、軒先あるいは水田の畦畔に国有林ができているということで、そういった希望が強いわけです。そういった場合も含めて、そのように貸し付けをする、こういうように明確に理解してよろしいですか。
#117
○松本(守)政府委員 国有林と民有地が接しておるところ、そこに水田がある。その国有林の木がじゃまになるという場合には、いま申し上げました施業除地といたしまして、材木を仕立てないやり方でいくか、希望があれば、その部分を貸し付けてもよろしいということで扱っております。
#118
○瀬野委員 この点はえらい平凡な質問のようでありますけれども、たいへん深刻な問題でありますので、極端な例を申しますと、東北の各農家の方たちは、こういった問題についていろいろと長年深刻に悩んできておられます。かりに全部が全部こういったものを要望されるということではございません。すでに庇陰林としていろいろ問題のあったところは、ある程度の幅を切ったりあるいは裸地としておくとか、あるいは除地として施業しないというようなことが行なわれておることも承知しておりますが、相当数があるわけです。かりにそれらの申請の申し出があれば、調査をして、直ちにいま言ったように貸し付けなりを行なう、こういうような処置をされるのか、そして貸し付けをして三年の経過を見て、またこれを譲渡するというようなことにもなるのか、この辺ひとつもう一度はっきりした御答弁をいただきたい。
#119
○松本(守)政府委員 そういう申請があれば、その案件につきまして、営林署、営林局で十分その要望に沿って検討させていきたい、このように存じます。ただ、その部分を売ってくれという場合もあろうかと思いますが、その場合にはその方向に沿って検討もする必要があろうと思いますが、いずれにしても、そういう部分は木を仕立てない、農耕もしないということでございますので、むしろ売り払うよりも貸し付けなり国有林で施業除地として何も育てない、仕立てないというふうにしたほうが農耕者のためにはなるのではないかと思います。
#120
○瀬野委員 ちょっと最後の御答弁が、除地としたほうが農耕者のためになるのではないか、こういう含みのある答弁でございますが、午前中、三条の一項の一号の中でいろいろ質問してまいった段階で、また蒸し返すことになるけれども、「農業を営む個人」、こういったことでいろいろ論議してまいったわけでございますけれども、この場合はいわゆる農業構造改善という一つの目的のもとに施業を進めていく、こういったときに当たるわけで、そういった場合には該当しないようにもさっき理解したのですが、それでは、そういった個人に対してもまた貸し付ける、こういうことになれば、小規模面積の者あるいは大面積所有者には該当しないということを三条でいろいろ論議してきましたが、そういうことで小規模面積の林業経営者に対して貸し付けをする、こういうことに理解してよろしいですか。その点また念を押しておきます。
#121
○松本(守)政府委員 活用法案の中には農業構造改善事業の用に供する場合というのがございますが、国有林を利用いたしまして農耕しておるという者の従来の貸し付け実績が全国で二千四百五十二ヘクタールございますが、それは別に構造改善事業ということでなくても、個々のケースに応じまして貸し付けをしておるということでございます。
#122
○瀬野委員 ただいまの答弁で若干漏れていますが、そういう場合はやはり小面積経営者、大規模の場合は入らないということになるのですか。その点答弁が漏れていますが、その点もあわせお伺いしたい。
#123
○松本(守)政府委員 農業用の活用の場合、貸し付けの場合につきましてあるいは貸し付けをしておるところの庇陰林、庇陰になって農耕ができない、生産が上がらないという場合につきまして、いま御答弁申し上げましたが、今後ともその方向で進めていくつもりでございます。いま先生、林業者のためにという御質問がございましたが、ちょっと聞き漏らしましたので、おそれ入りますが、もう一度お願いいたしたいと思います。
#124
○瀬野委員 兼業農家等がほとんど多いわけでございますので、林業と農業を一緒にやっている。そういった場合に、庇陰林になるのでそこをひとつ個人的に払い下げていただいて、水田に陰を及ぼすところは自分で伐採するなり、また若干は林木を残していろいろと林業経営をしていくとか、そういう要望があった場合に、その辺の若干の面積を貸し付けていただく、将来は譲渡してもらうというようなことが起きてくる、こういうことなんですけれども、そういう場合に、小面積の林業経営者ということでやるのか、大面積等も考えておられるのか。午前中論議したことでありますけれども、その点もう一回はっきりと御答弁いただきたい、こういうわけです。
#125
○松本(守)政府委員 それが要望されておりますものが林業的に使うんだという場合には第三条の一項の第三号になるわけで、原則として部分林で、しかもそれは個人活用しない、共同活用という原則でおりますが、その耕地に接しておる部分の耕作者が庇陰になるからそれを林業的に活用したいということは、おそらく実例として考えられないと思います。林業経営をしては耕作者にじゃまになるのでありますから、林木を仕立てないで、庇陰にならないようにという要望であろうと思うので、その場合に、国有林としては木を仕立てないという考え方と、それから必要によってはそれをお貸しをする。その耕作者がその土地を借りて耕作もしないと思うのですが、林業経営もしない。ただ庇陰を除くための措置でありますから、そういうことで十分要望に沿っていけるのではないか、このように考えております。
#126
○瀬野委員 それでは念を押しておきますが、農業者が、水田の畦畔等あるいは軒先に来ている国有林であって庇陰林となって困っているという場合には、それに必要な面積をいわゆる貸し付けるということと、それからかりに林業として経営するということになれば、部分林としてはこれは行なう場合があるが、そういった意味では貸し付けはしない、こういうふうに理解していいわけですか。
#127
○松本(守)政府委員 その隣接の農耕者が、国有林で林業経営をすると庇陰になるからそれは困る、自分で林業経営をするなら庇陰にならないのだということにはならないと思いますし、いずれにしても、その農耕に支障のないような貸し付けなり、それから国有林の立場からの措置というその両面で、いま運用で考えております。
#128
○瀬野委員 それでは四条の問題に入ってまいります。
 第四条「農林大臣は、前条第一項の規定による国有林野の活用につき、その推進のための方針、適地の選定方法その他当該活用の実施に関する基本的事項を定め、これを公表しなければならない。」このように規定されておりますが、「実施に関する基本的事項」と「公表」ということ、これらの義務づけについて、ひとつ明らかに御説明いただきたいと思います。
#129
○松本(守)政府委員 「基本的事項」の内容いかんということでございますが、国有林野の活用に関する「基本的事項」につきましては、その一つが活用の推進のための方針、それから活用適地の選定方法、その他の活用の実施に関する基本的事項、その三つに区分をいたしまして、第一の活用の推進のための方針においては、今後国有林野の活用にあたっての国の基本的な考え方、第三条第一項の各活用ごとの活用方式、売り払い代金の延納の方針等について記述をすることにいたしております。
 第二の活用適地の選定方法におきましては、活用の申し出の方法、活用適地の選定基準、活用決定のための調査、国有林野管理審議会等の意見聴取等を明らかにいたします。
 第三のその他の活用の実施に関する基本的事項においては、活用関係事務の迅速化、立木の処理等、活用の円滑な実施を確保するための事項と、用途指定及び買い戻しの特約等、活用の適正な実施を確保するための事項について明確にすることを考えております。
#130
○瀬野委員 「実施に関する基本的事項」と「公表」について明確に御答弁ありましたが、買い戻しの特約の中で使用目的が不履行となった場合等についてはどういうことになるのですか。
#131
○松本(守)政府委員 買い戻し権を発動する場合に具体的にはどうするかという御質問でございますが、買い戻し権は次の場合に行使することにいたしております。
 一、活用を受けた者が、その国有林野を指定された期日までに指定された用途に供さなかったとき。二、活用を受けた者が、その国有林野を一たん指定された用途に供した後、指定された期間内にその用途に供することをやめたとき、他用途に転用したときということでございます。ただし、そのような事態が、その土地が土地収用法によって収用されたこと等により生じた場合には、買い戻し権の行使はいたさないことにいたしております。
#132
○瀬野委員 ただいまの問題に関連して、国有林野活用の基本的事項の決定、公表についてでありますが、この公表について、従来活用の方針等が周知徹底を欠いて積極的に活用が進まなかったという例もあったわけでございます。これはどのような形で公表されて、下部機関への周知徹底がはかられるのか。また官報とか営林局署の掲示だけでは十分じゃないと私は思うのですが、こういったことについて具体的な措置をこの機会に明らかにしておいていただきたい。と申しますのは、国民に広く、ひとしく、正しく知らしめるということがやはり大事であり、知っている人は活用できるが、知らない人はできないというようなことがあってはならぬと思います。こういったことを踏まえてさらに明確にひとつ御答弁をいただきたい。
#133
○松本(守)政府委員 活用法の公布後、可及的すみやかに基本事項を決定いたしまして、広くこれを国民に公示いたします。あわせて各営林局署において縦覧に供するということでございますが、またこうしたところの周知徹底につきましては、細部にわたる実施運用通達を下部機関に対し行ないまして、また各営林局ごとにはブロック会議を開いて、こういう法が新しく制定をされたからということで周知徹底につとめたい、このように考えております。
#134
○瀬野委員 五条の問題に入りますが、「国有林野の活用の適正な実施」が第五条でいろいろと規定されております。この五条の二項の中に、「買戻しの期間を当該売払いの日から十年を経過する日までの期間とする買戻しの特約をつけなければならない。」となっております。これもあわせてお聞きしておきますが、「買戻しの特約をつけなければならない。」ということを具体的には実際にどういうふうに考えておられるのか、検討しておられるのか、この機会に具体的にひとつお示しいただきたいと思います。
#135
○松本(守)政府委員 用途指定につきましては、当該活用の態様によりましてそれぞれ異なります。一律にその内容を示しがたい場合もございますが、訴訟等の紛争が生じても明確にその把握ができるように、できる限り具体的に示すことにいたしております。用途に供する指定期日、これはいつからということ、財産引き渡しの口から二年をこえない範囲内において相手方の事業計画等から適当と認められる期日間にその用途に供しなさいという指定のしかた、また指定期間については、活用方式の区分に応じましてその指定期日から起算をして次の期間とすることをいま考えております。その一つは、売り払い、譲与及び交換の場合は十年、貸し付けの場合は貸し付け期間、なお代金につきまして延納が認められる場合は、延納期限が十年をこえるときは当該延納期限までの期間を指定期間として扱いたいと存じます。
#136
○瀬野委員 それでは、三項の中に土地収用法の規定があるのですけれども、この中で、「土地が収用された場合その他農林省令で定める場合を除く。」とありますが、この「農林省令で定める場合を除く。」ということは、いかなる場合を想定されますか。
#137
○松本(守)政府委員 お答えいたします。
 買い受け人の相続人が当該買い受け人が供するものとして指定された用途に供する場合、及び土地収用法等によってその土地が使用される場合等を規定する見込みでございます。
#138
○瀬野委員 なおその最後に、二号に「指定された用途に供された後指定された期間内にその用途が廃止されたとき。」ということが規定されておりますけれども、これはだれがどのようにして認定するのか、この辺もひとつ明らかに見解を承りたいと思います。
#139
○松本(守)政府委員 これは認定をいたしますのは営林局長でございますが、その方法として、そういった貸し付けなり売り払いなり、交換なりいたしましたものにつきまして台帳をつくりまして、一年に一ぺんはそれを営林署の職員がチェックをするとか、その相手方に対しましてその使用状況につきまして報告の義務を負わせる、そういったことを考えております。
#140
○瀬野委員 五条、六条にも関係あることでございますが、国有林野の活用について適正な実施ということで、従来国有林野の売り払いにあたりまして売り払い後の処置が適正に把握できないことなどから多くの問題が提起されてきていることは事実であります。この対策として、第六十一国会において特に修正が行なわれて、本法案に吸収規定されたわけでございますけれども、用途指定、買い戻しの特約の義務づけによって、従来起こっておったような多くの問題が完全に防止できると林野庁長官は考えておられるか、その点ひとつこの辺で御答弁を承っておきたい。いろいろ午前中から論議してきましたけれども、明確なる見解をひとつ述べていただきたいと思います。
#141
○松本(守)政府委員 昭和四十二年にただいま御答弁申し上げましたようなことにつきまして指導通達を出しております。これは四十二年でございまして、その以降はそういった不適正な事例は起こっておりませんが、なおこれをもって完全だということはなかなかできない場合もございますが、つとめてこういった通達の方針に沿いまして、より一そうそういう用途に供されないようなことがないように、防止するために営林局長を督励をいたしたいと思います。
#142
○瀬野委員 長官の答弁だと、要するに国有林野管理審議会ができる以前の問題であって、それ以後は問題が起きていない、こういうふうな理解でいいわけですか。
#143
○松本(守)政府委員 管理審議会は昭和三十九年にできておりますが、指導通達は四十二年にきわめて厳格にしております。その後そういう事例は起きておらないというふうに理解をいたしております。
#144
○瀬野委員 そこで今度は逆な面でありますけれども、このようになってまいりますと、反面、あまりきびしい条件を付して該当者の国有林野活用の意欲をそぐ、こういうふうなこともまた活用側からはいろいろ懸念されておる問題があるようですけれども、これらの点についてはどのような見解をお持ちであるか、あわせてお伺いをしておきます。
#145
○松本(守)政府委員 確かに、あまり手続その他を厳格にいたしますと、それを審査をいたしまして決定をするまでの日時がかかるというきらいはないわけではございませんが、そういった御要望に沿いましておくれないように迅速に処理をする。この迅速に処理をするということもいま基本的な事項でその方法を規定することにいたしております。
#146
○瀬野委員 迅速に処理する、その方法について基本的なことを考えておるとおっしゃいますが、それはどういうふうなことで示されるわけですか。その点もあわせてお伺いします。
#147
○松本(守)政府委員 迅速に扱うことを基本的事項の中できめるわけでありますが、手続、現地調査、農政局との連絡、県との連絡というものがいろいろございますが、そういうものをおくれないように、できるだけすみやかに取り運ぶということを、一種の訓示規定になるかもしれませんが、そういうことで規定をしながら、実際には運用の面でも十分注意をして指導をいたすつもりでございます。
#148
○瀬野委員 この点についてはまたあとで若干の論議をしますが、訓示規定になろうかと思うがということでございますけれども、これらがたいへん重大な問題になっておるわけです。
 順序として第六条についてお伺いをいたしますが、「国有林野の活用を受けた者の義務」として第六条に「第三条第一項の規定による国有林野の活用を受けた者は、当該活用の目的に従って、当該活用に係る土地の利用を適正に行なうとともに、その利用の増進に努めなければならない。」こういうふうに規定してありますが、その「利用の増進」ということについて、かりに病気だとか事故だとかいうことでせっかく活用したものがその目的がなかなか達成できないというような事例も起きてくると思うのです。むろんこの法案の精神からいえば、活用を受けた者は当然りっぱに林業経営、またそれらの使用目的に沿う事業をしていくということが義務づけられておるわけでございますが、そういった病気あるいは事故等、不慮の災害等にあった場合等にどうしてもそれが十分に管理ができないというようなことが起きてきた場合、この点の認定というようなことについてはどのようにお考えであるか、明らかにしていただきたい。
#149
○松本(守)政府委員 第六条は、それを利用することになる人のための義務規定でございます。国有財産という貴重なものを活用していただくことになるわけでありますから、当然活用の方針であります国土の高度利用の観点から、土地の生産性の向上等につとめていただく必要があることであります。その場合に、個人的な理由によってある期間内に活用に供されなかった、病気その他特別なやむを得ない事情がある場合には、そのケース・バイ・ケースによってそれを審査して認めるということにしております。
#150
○瀬野委員 ケース・バイ・ケースで認める、それは実際には営林署の署長等がその認定に当たると思うのですが、その点も明らかにしてください。
#151
○松本(守)政府委員 一応その取り扱いについては営林署の署長でございますが、最終的には営林局長の承認を得て営林署長が認めるということで取り扱いたいと思います。
#152
○瀬野委員 国有林野の活用を受けた者は、一応いま論議してまいりましたように義務を六条で課せられることになっておるわけでございますが、この活用が適正に行なわれるように政府はどのような施策を準備しておるのか。この点についても明らかに御見解を承りたいのであります。
#153
○松本(守)政府委員 国有林野のまま活用を行なう部分林とか貸付地、共用林野、そういう場合にはその契約条項で適切な利用を確保するために用途指定等の義務を課します。これに違反する場合には契約解除を行なう。それからまた、交換とか売り払い等の所有権が相手に移る場合、その場合にはその契約で活用用途に供すべき旨の用途指定を付します。それに違反をいたした場合には買い戻しができるよう買い戻しの特約をいたします。そのような適正な措置をとることにいたしております。
#154
○瀬野委員 適正な処置をとる、こういうことですけれども、これもやはり営林署長あたりがこういった問題については現地調査をした上で査定をする、こういうようなことになろうと思うのですけれども、活用側のほうからいえば、こういったことがやはり不安になってくるわけです。営林署長が交代をしたり、また署長いかんによってはきびしかったりゆるんだりするというようなこともございますので、この点はひとつよく指導をしていただくというふうに要望するわけでございます。
 次に、七条の問題に入りますが、七条は「延納の特約」が規定されておるわけです。この七条の中で、最後のほうに「確実な担保を徴し、利息を附し、二十五年以内の延納の特約をすることができる。」こういうことが規定されておりますが、「確実な担保を徴し、」とありますが、この担保についてはどの程度のものを考えておられるか。これまたひとつ明らかにしていただきたい。
#155
○松本(守)政府委員 本条によります延納の担保といたしましては、普通財産取扱規則、これは大蔵省の訓令でございますが、それに準じて考えまして、そのためには売り払いにかかる土地及び保証人による保証もよいこととしております。零細な農民が担保の関係だけで本条の利益を享受できないというような事態は生じないように考えております。
#156
○瀬野委員 そこで「利息を附し」と、こうありますが、この利息はどのくらいを想定しておられるか。もちろん大蔵省等ときめることになろうと思いますが、どういうお考えであるか。これもあわせて明らかにしていただきたい、かように思います。
#157
○松本(守)政府委員 たいへん恐縮ですが、いま聞き漏らしましたので、もう一度お願いをいたします。恐縮でございます。
#158
○瀬野委員 ただいまの第七条の最後のほうで、「利息を附し」ということで利息を取ることになっていることは御承知のとおりでありますが、この利子はどのくらいを考えておられるか。大蔵省等の折衝等もあろうか、こう思うので、現在いろいろ検討されておるかとも思いますが、一応お伺いしておきたい、かようなわけでございます。
#159
○松本(守)政府委員 延納の利率につきましては、国有財産法、国有財産特別措置法、その他の法令によりまして、延納した場合における延納利率を参考にいたしまして国有財産管理の適正を確保する、かつ、本条の趣旨に沿うよう現在検討中でございます。
#160
○瀬野委員 現在検討中ということですが、しばしば検討が出てくるわけですけれども、長官は大体どのくらいを見ておられますか。それも発表できませんか。
#161
○松本(守)政府委員 ほかの事例を見てみますと、農地法による売り渡し対価の延納、これは三十年以内でございますが、五分五厘になっております。それから農地等取得資金、未墾地取得資金、これは三分五厘、それから林地の取得資金は三分五厘、国有財産法によりまして第三十一条による延納、これは地方公共団体等で非営利の場合には六分五厘、その他の場合には七分五厘、また国有財産特別措置法第十一条による延納は、非営利が六分五厘、その他が七分五厘、そういう例がございますので、それらを勘案いたしまして大蔵省と協議をしながらきめてまいりたい、このように思います。
#162
○瀬野委員 今度の活用法案を見まして、従来国有林野の活用についてはかなり金額が張ってくるということから、しばしばかなり国民の批判を受けたような事例等もありまして、どうしても大面積の所有者に所有力があるために流れていくということにもなりかねない。今回二十五年の延納を認めたということについては、小面積所有者にしてもいわゆる山林が手に入るというようなことになるわけで、この点についてはかなりありがたいわけでございますが、利子が高いということになるとまたそこに問題が起きてくる。大蔵省との折衝を続けておられ、検討中であるということでありますけれども、林業の特殊性からいわゆる長期の経営ということでございますので、ひとつこの利子については十分安い利子に検討されるように要望いたす次第でございます。
 次に、第八条の問題についてひとつお伺いいたします。
 第八条には「収入の使途」ということがうたわれております。これは申すまでもなく、六十一国会で修正案が出されて挿入されておるわけでありますけれども、「第三条第一項の規定による国有林野の活用により行なう国有林野の交換、売払い、所管換又は所属替による収入は、予算で定めるところにより、次の各号に掲げる経費の財源に充てるものとする。」ということで四項目がうたわれております。
 まず一点は、このことにつきまして第二条において国有林野の「定義」というものがうたわれておりまして、この第二条の中には「法令の規定に基づき、国有林野を貸し付け、使用させ、交換し、売り払い、若しくは譲与し、国有林野の所管換若しくは所属替をし、又は国有林野につき部分林契約若しくは共用林野契約を締結することをいう。」ここには九つの項目があげられて、第二条に定義づけられておるわけでございますけれども、この中で私がお尋ねしたいことは、第八条から見ますと、要するに「交換、売払い、所管換又は所属替による収入」ということで四つがあげられております。そうしますと、結局貸し付けとか使用をさせた場合、あるいは、もしくは譲与または国有林野につき部分林契約もしくは共用林野契約を締結するという分については該当していないけれども、この辺の見解をまず承りたいと思います。
#163
○松本(守)政府委員 第二条に定義がございます。ここには先生おっしゃいますように、貸し付け、使用その他規定してございますが、第八条はそのうら交換、売払い、所管換、所属替それだけによる収入について規定をいたしております。第二条にあります貸し付けとか使用というものは、その土地そのものは国有林の、ままあるわけでございます。貸し付け料とか使用料とか、そういうものは入りますが、そういうものは一応この第八条の中には考えておりませんので、土地を手放して、その土地代金が国有林野に入る。それについて財源を縛りまして、その使い道を限定するというのが第八条でございます。
#164
○瀬野委員 長官の答弁で明らかになってまいりましたが、そこで第四号「前各号の買入れ又は交換により取得した森林原野に係る林道の開設その他林業生産基盤の整備に要する経費」ということが規定してありますが、この「第三条第一項の規定による収入」というものが「林道の開設その他林業生産基盤の整備に要する経費」にかなり使われると思われる。そうなると、国有林野の面積というものはかなり減少するんじゃなかろうか、かようにも思うわけでございますが、この点についてはどのような検討をされておるか、お伺いしたいのです。
#165
○松本(守)政府委員 国有林野を活用いたしまして入りました代金の使い道でございますが、これは保安林等、土地の買い入れに使うことが一つと、その買い入れた山の林道開発というものに使わせていただく。ほかの一般の保安林とかじゃなくて、従来国有林であったものの林道開発には使わない、新しく買い入れるための保安林、その林道というものに限定をして考えております。
#166
○瀬野委員 林野庁の守備範囲からまいりますと、今度の活用でかなりこれが進んでまいりますと、規模は三十万ヘクタールとかいろいろいわれていますが、やはり国有林野が偏在しておるというふうなことから、こういった収入の使途については西日本等保安林を買い上げて、そうして国土の保全に資していくというのが当然のことかと私、思うのでございますけれども、こういったことが書いてあるために、せっかく収入の使途が八条で明らかにされているにもかかわらず、林業生産基盤の整備とかあるいは林道開設、こういったものに多額を使うということになると、国有林のいわゆる面積というのがかなり減ってくる。もちろん、この場合にはある程度里山近いところであるから、高いお金で譲渡していく。買う場合にはどうしても奥地になりがちであるから、大面積で相当な安い価格で買えるというようなことも一応うなずけないでもありませんけれども、いろいろ懸念されるわけです。
 先ほど、最初に質問しましたこの売り払い、すなわち二条でいっております貸し付けの場合とか使用させる場合あるいは譲与または国有林野について部分林を契約もしくは共用林野を契約、こういったものの使用料とか手数料とかいうものも入っていないわけでございますので、かなり影響があるのではないか、こういうぐあいに思うわけです。それで、こういった林道とか林業生産基盤、保安林をおもにやるということでございますね。別の予算でこういったものは考えるべきじゃないか、こういうふうにも思うのですが、そういった点についてさらにひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#167
○松本(守)政府委員 国有林野の活用によって手放す面積と買い入れる面積がつり合いがとれなくて、手放す面積のほうが多くなるであろうという御心配であろうと思いますが、従来の実績を見ましても、林野整備で手放した面積よりも保安林買い上げで買い上げた面積が多くなっておりますし、またいまの国有林野事業特別会計法によりますと、一応保安林買い入れのために必要な場合には一般会計から入れる方法も規定をされております。現時点では、一般会計から入れたもので保安林を買い上げてはおりませんが、制度としてはそういうものが残されておるということで一般会計から入れて、国有保安林をふやしていくということにつきましては、今後の課題になると思います。
#168
○瀬野委員 質問に答えてないけれども、一応そこで次の問題に移る前にちょっと私、さっき七条で一点質問を落としておりましたので、追加してお聞きしておきます。
 第七条の中で二十五年の延納ということが規定してあったのですが、二十五年以内の延納特約ということでございますので、当然面積とか金額とかいろいろなことにおいて十五年、二十年もあり得るのじゃないか、こういうように思います。もちろん本人の希望等もあろうかと思いますが、この二十五年以内の延納の特約の考え方、また林野庁として検討されている点について、この点一点ひとつ追加してお伺いをしておきます。
#169
○松本(守)政府委員 延納代金の支払いにつきましては、売り払いにかかる土地などの金額が多いか少ないか、それから相手方の支払い能力等によりまして異なると思います。これらの区分などに応じまして、年限につきましては現在検討を行なっておりますが、原則として元利均等年賦払いということで二十五年以内、ある場合には十五年で償還をしてもらう、ある場合には二十五年ぎりぎりといろいろなものが出てまいりますが、一応その支払い能力と土地の大小、そういうものを勘案をいたしまして今後検討していくつもりでございます。
#170
○瀬野委員 くどいようですけれども、たとえば金額が五百万以内の場合とか五百万以上の場合とか、あるいは面積にすれば五ヘクタール以下の場合とか五ヘクタール以上の場合とかというようなことで具体的に示されるものですか。もう少し御検討されている内容を発表できればひとつお示しいただきたいと思います。
#171
○松本(守)政府委員 一応面積にも関係はいたしますが、金高の多寡によりましてある基準をつくって整理をしていくというようなことで検討を進めております。
#172
○瀬野委員 それでは引き続き八条に参りますが、先ほど質問しました中で、この収入のあった経費によって今後民有林を買い入れていくということですけれども、これはやはり相当長期的展望に立って買うのですか。ことし二十億なら二十億の収入があった、来年、再来年、二、三年以内には買っていくというふうにされるのか。いろいろ状況等もあると思いますが、どんなふうな検討をされておられますか。これもお伺いしておきます。
#173
○松本(守)政府委員 国有林活用法案によりまして活用する、売り払いをするというものが今後起こってくることになりますが、それの年次計画とかそういうものがございません。したがいまして民有林を新たにこの財源によって買い入れる年次計画もいま立てられないかっこうになっております。ただこの財源はこの売り払い代金をもって充当するということにいたしておりますが、そういうものはほかの経費に使われないように特別な経理をして整理をしなければいけない、このように考えております。
#174
○瀬野委員 本法第八条の規定は従来からありますところの国有林野整備臨時措置法及び保安林整備臨時措置法とどのような関係になるのか、この点もひとつ明らかにしていただきたいのであります。もちろん国有林野整備臨時措置法というものは若干ダブって運用する、結局活用の法というものは同じであるということから考えておられるものか、その関係についてひとつ明らかにしていただきたい。
#175
○松本(守)政府委員 国有林野整備臨時措置法、これはもうすでに使命を果たしまして失効しております。ただ、それで売り払いました代金の総額が約九十億円にあがっておりますが、その国有林野整備臨時措置法できめておりました使い道のためにその九十億円はどのように使われたかという御質問であろうと思います。それはいままでの国有林野整備臨時措置法あるいは保安林買い上げというものですでにその九十億円を使い果たしておるというふうに理解をいたしております。
#176
○瀬野委員 保安林整備臨時措置法のほうは。
#177
○松本(守)政府委員 それから民有林の保安林の買い入れは国土保全をはかる観点から推進してまいっておりますので、保安林整備計画の対象保安林についても本条第八条の対象になり得るもの、このように考えております。
#178
○瀬野委員 国有林野の偏在、分布の不合理ということは先ほどもちょっと私触れたわけでございますが、いろいろ問題になっております、現在の国有林野はその分布が地域的に著しく偏在している事実は御承知のとおりでございますが、国有林野の存在、実利から考えてみますと、真に国土保全に貢献するためには均衡的分布というものが必要であると考えるわけでございます。いま第八条でいろいろと売り払い等の収入によって買い付けるという問題等を論議してきたわけでございますが、現実にはその分布が非常に不均衡になっておりまして、森林面積に対する国有林野の面積比率というものが関西地方の四%に対して東北地方が四六%、北海道は五〇%となっております。これを県別に若干の例で見ますと、山口県が一%に対して青森県が六五%、福島県等が四四%、こういうような極端な偏在をいたしておるわけでございます。いわゆる後進地域ほど国有林野率は高いということになっておりますが、国土の保全の必要性が後進地域であるから高いということにはならないわけでございまして、現在の国有林野の偏在分布にはきわめて不合理があるということがいわれるわけでございます。そこで第八条の財源によってこれらを考慮して民有林の買い入れ、特に西日本がこういったものに該当する、こういうふうに私は考えているわけですが、民有林の買い入れ等を積極的にやるべきじゃないか、そして国土保全に資すべきである。こういったものに対して先ほどの第八条で規定されている収入なんかを当然積極的に投資していく、こういうことが望ましい、こういうふうに思うのです。それらのことについて、実はこれは農林大臣にもお伺いしたがったのですが、長官から一応説明を承って、大臣にはまたあらためて機会をとらえてお伺いすることにします。長官の御見解をひとつお伺いしたい。
#179
○松本(守)政府委員 この活用法案は国有林の再配置というものを意図しておるものではございません。が、国有林の多いところで活用して、その財源でもって買い入れるものは国土保全上必要な森林を買い入れるということを重点に考えます場合に、結果的に国有林の少ないほうになるであろう。従来の保安林買い入れ実績もそのようになっておりますし、そういう方向で国土の保安上特に重要なところに力を入れまして、その財源の有効な使い方を考えてまいりたい、このように思います。
#180
○瀬野委員 以上で第八条にわたりいろいろと質問してまいりましたが、あと若干本法に関連した問題でお尋ねをして見解を明らかにしておきたい、こう思います。
 国有林野活用にあたって従来から次のようなことがしばしば問題になっておる。そこまで法第一条の目的にも「その適正かつ円滑な実施の確保を図ることを目的とする。」こういうふうに規定しておるわけでございますので、それらを踏まえた上で順次ひとつ質問をしてまいりたいと思います。
 まず第一点は、貸し付け申請後決定までに数年の要請運動をして、その期間が長くかかる、貸し付け決定までが長過ぎるという苦情が多いわけでございます。私たちが聞いている例では三年もかかるという例がある。もちろん迅速に処理をするというふうにさっき申されておりますが、もちろん構造改善等をやる場合、計画を立てて実施に入るまでには、一、二年はかかる。それから活用となると若干二、三年かかる場合も予測はできますけれども、一般にこういった手続がきびしくてなかなか活用が順調にいかないということがいわれておる。本法の審議にあたってこの点についてもひとつあらためて長官から、どのような決意で臨まれるか、この点明らかにしていただきたい、かように思います。
#181
○松本(守)政府委員 活用にあたりましては第三条に規定されておりますように幾つかの場合がございます。その場合に林野庁で審査をする前に地方農政局あたりで、あるいは県あたりで審査をする期間が必要なものもございます。そういうものも含めまして今後なるべく迅速に、おくれないように地元の要望にこたえるような姿勢で努力をいたしたい、このように思います。
#182
○瀬野委員 迅速に努力をいたしたいということですが、この機会に、こういった要望が至るところで強いので、ひとつ十分そのように取りはからいいただきたいと思います。
 なお、次に契約が一年ごとに不利になってくる、または草地等の貸し付け料が地価の百分の四、すなわち四%では高過ぎるということがよくいわれるわけです。この地価の決定にも疑問があります。たとえば栃木県の那須町あたりでは、四十三年の実例で十アールあたり九百円も払っているという例がございまして、地価上昇とともにこれが高くなる。これではせっかくの活用がなかなか十分できない、こういうことにもなる。そういったことから契約が一年ごとに不利になるという問題やら、地価の決定についてはどのように考えておられるのか、ひとつ見解を承りたいのであります。
#183
○松本(守)政府委員 草地、農地も含めまして貸し付け料をきめる場合の考え方でございますが、まず貸し付けをいたします国有林野の地価の百分の四、これが原則でございます。ただし共同利用の草地の場合にはその半額百分の二でございます。さらにいまの一、二によって算定されました貸し付け料の額が標準小作料相当額を上回ります場合には標準小作料相当額にとどめるという考え方で処理をするつもりでございます。
#184
○瀬野委員 一応基準を示されましたが、やはり高速道路とか宅地造成とかいろいろ起きてきまして、地価が上がってくるとこれがだんだんに上がってくるというような傾向にありますので、ひとつ活用の面についてもこういった要望が強いのでございますから、十分慎重に対処をされるように重ねて強くお願いをする次第であります。
 次に、これもこういう機会にまとめて申し上げておきたいのですが、営林署の署長が、先ほどから申しますように、活用にあたって一方的に判断されて活用が左右される。署長が交代するたびにきびしくなったりあるいはゆるんだりする。その制限が相当違うということがあるわけです。署長によっては積極的に活用の方向を、相談がくるならば、言ったりPRしたりする署長もあれば、相手が言ってきてからしぶしぶそれに対処するというようなところもありまして、人間の関係でありますから同じようにはいかないにしても、この辺がなかなかうまくいかないということがしばしば聞かされてまいります。十分指導にも当たっておられると思いますが、これに対して長官はどのように今後対処されるか、考えておられるか、ひとつ十分な監督指導をしていただきたいと思うのですが、所信のほどを承っておきたいと思います。
#185
○松本(守)政府委員 従来営林署長の考え方によって国有林野活用の受けとめ方が違うというお話でございましたが、従来はそのようなことのないように指導してきたつもりでございますが、今後この活用法案を成立させていただきますと、そういう面につきましてもさらにそういった営林署長の個人的な考え方の差による活用のおくれというものが解消される一つのきっかけになろうと思いますし、今後ともそのようなことのないように厳重に監督をいたすつもりでございます。
#186
○瀬野委員 営林署は農地や草地としての生産量の高い林地の活用をなかなか認めない、こういう声もあるわけです。結局あまり場所のよくないところは認めるが、いいところはなかなか認めない、こういうようなことで従来未墾地等でその例がたくさんありますように、そういう傾向が従来からあったわけでございます。今回選定基準等を公表するということで、いろいろと新しい規定ができてはっきりしてまいってくるわけでございますけれども、こういう選定基準がはっきりしないと結局不適地をやはり活用として受ける。山なんかを見ますと遠くから見ればやはり林木が茂っておりまして尾根が一律に見えますと、どうしても山の起伏というか谷合いというものがわからない。それでそういったものをひっくるめて活用として受けた場合に、実際行ってみると相当土壌が不適だったり、あるいは林地が起伏が多いために活用にならないというようなことがあったりして、従来からこういった問題が放置されておる例もたくさんあるわけです。今後こういったことがないように十分注意していただくと思いますが、林野庁長官、この点について御見解を承りたいと思います。
#187
○松本(守)政府委員 活用の要望が出てまいります前に、最初に市町村なり県なりがその国有林の場所につきまして概略調査をしておるはずであります。その結果まず営林署に相談にくる、あるいはそれを営林局へ上げる、その間地方農政局との関連も出てまいります。当然営林署が悪いところを押しつけるというようなことでなしによく地元の要請を聞きまして、また県とか農政局の意向も聞きまして、ほんとうに地元の人のためになる農業構造改善のために必要とするならば、それを何とか活用に協力をして差し上げたい。ただそこに人工造林地がある場合が問題でございます。人工造林地をもう何年か置けばりっぱに収穫が得られる。木材のいま不足しております日本がその人工造林地をもう少し置けばいい材木が生産されるという場合には、おそらくどっちにすべきかという比較の問題が出てまいります。一応この活用法案の運用としましては優良な人工林をはずすという方向でございますが、その農業構造改善の活用のための区域の中の一部に人工造林がどうしても入るという場合にはそれをできるだけ活用の方向に向かって検討をするということで、そういった地元の要望とそごしないように営林局、営林署等も十分監督いたしまして、そのようなことのないようにつとめたいと存じます。
#188
○瀬野委員 幼齢木の補償が高過ぎるということでこれまた従来から問題になっておるのですが、この算定はどうしておられるのか。唯一の方式としてグラーゼル方式でやっておられると思うのですが、今後活用にあたってやはりせっかくの幼齢木の補償というものが高いのでは活用ができないということにもなるわけで、この点についてもひとつ御見解を伺いたいのであります。
#189
○松本(守)政府委員 幼齢木の補償、まず分けまして十年生以下と十一年生以上に考えておりますが、十年生未満の場合の幼齢木の補償は、いままでかかりました経費を現在時価、物価をスライドいたします、スライドしたものによって年六%の利率で後価計算をいたします。それによって算定しておる。それから十一年生以上の場合は先生おっしゃいましたようにグラーゼル方式というのがございますが、これはいまの十年生以下で算定されます費用価を一方にはとりまして、一方には伐期における収穫額、その二つの線をあるカーブで結んだ評価方式、これをグラーゼル方式といいますが、それによって算定をしておるのが、いままでの構造改善にしても電気事業のために使う場合に立木補償をしてもらうという場合にも使っておりますが、一応そういうことで適正な時価についてはひとつ出していただくということで考えております。ただ何でもかんでも高くとるんだという考え方は決して持っておりませんが、そういった適正に算定をされるところの時価だけはひとつ補償をしていただきたい、こういう考え方でございます。
#190
○瀬野委員 売り払いについてそれではもう一点お伺いしておきますが、三年活用の状況を見て実績があがれば売り払うということになっておりますが、第五号の公共用の場合等はストレートで売り払うという場合もあろうかと思います。また三条一項の一号等、本人が売り払ってくれと言ったときなんかは二十五年月賦で売り払うということになるのか、この点売り払いについて明らかにしていただきたい。もちろん農地として売り払いを受ける場合は、三年経過して農地局に所管がえをしてその上で譲渡を受けるというようなことになろうかと思うのですが、この点さらに明確にお願いをしたいと思います。
#191
○松本(守)政府委員 第三条一項第一号でございます。その点についての御質問ですが、二つの場合に分けて考えております。
 その一つは、それが共同利用の草地のための活用の場合には貸し付け方式を原則といたしております。それからその二のその他の場合、農地法による売り渡しでありますが、これは農地局に所属がえをいたしまして、土地を造成を完成したあとに農地局のほうから売り渡しをするという方式を原則にいたしております。場合によっては直接の売り払いの例もございますが、大部分は所属がえ売り渡し方式ということでやることになります。草地の場合には、先ほど申し上げましたように、共同利用の活用の場合には貸し付け方式を原則とするということでございます。
#192
○瀬野委員 この今回の活用にあたりまして、前回から今次国会に至るまでこの法案が継続審議になっておりましたけれども、時代が相当変わってまいりました。御承知のように米の生産調整という問題が起きてまいっております。言うまでもなく水田の減反によりまして今後水田を造林地にするとか、こういったことが推進されてまいっておるわけでございますけれども、こういったことと今回の活用法案、若干矛盾がある、こういうふうにもいわれておるわけですけれども、いわゆる米の生産調整による今後の状況と活用と、こういったことでどのように林野庁は見解を述べておられるのか、これらもひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#193
○松本(守)政府委員 水田の減反がいま進められております。そこで今後総合農政が展開されるに伴いまして畜産物とか果樹の需要、こういうものが強くなっていくであろう、そういう需要の強い農作物の生産を増強するための農用地の造成を強力に実施をしていく必要がある。これは総合農政の考え方でございますが、こういった事業の実施にあたりましては当然水田からの転換も見込むことといたしておりますが、なお地域によりましては相当の新規造成が必要になるものと思われます。そこで本法案は、これらの事業の実施に伴って国有林野の活用が必要となる場合には総合農政の方向に即しましてその適正円滑な実施をはかってまいるということにした次第でございます。
#194
○瀬野委員 以上で一応私、本日の質問を終わることにいたしますが、政務次官もおいででございませんし、農林大臣も先ほど中座されまして、大臣に対する質問あるいは政務次官に対する質問どちらかやりたいつもりでおりましたが、数多くはございませんけれども、いずれまたの機会にその点留保いたしまして、時間の約束も参りましたものですからきょうはこれだけにしまして、大臣に対する質問はこの次の機会にお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
#195
○草野委員長 小宮武喜君。
#196
○小宮委員 私は内閣から提案されております国有林野活用法案並びに林業全体について質問をいたしたいと思います。
 まず、わが国の林業は、木材の需要は増大しているにもかかわらず年々衰退を続け、四十四年度の国内需要は政府の無計画な外材輸入政策によって五〇%を割っているのが現状であります。このようにわが国の林業を衰退に追いやった最大の責任は政府にあるといっても過言ではありません。一方民有林の不振と相まって国有林経営も四十五年度から恒常的な赤字に転落するといわれており、この際政府は林業の再建をはかるとともに、国有林のあり方についても抜本的な改善が必要だと思います。
 そこでまず質問をしたいことは、この活用法案は昭和四十二年の第五十八回通常国会に提案されて以来、再三にわたって審議され、一部修正はなされているものの大筋は当初提案されたものとほぼ同じ内容のものと理解をいたしております。しかしこの間情勢は、先ほどからもいろいろ言われておりますように急激に変化しておりまして、この情勢変化に対応してこの法案自体も再検討を加えるべきではないかと考えるのでございますが、長官は情勢の変化はないというように判断されておるのか、ひとつその点についてまず質問をいたしたいと思います。
#197
○松本(守)政府委員 お答えをいたします。
 情勢の変化は確かにその後起こっておると思います。しかしながら今後総合農政が展開されるに伴って畜産物とか果樹等の需要の強いもの、こういうものの生産の増強の必要が叫ばれることになるわけであります。そのために農用地の造成も強力にしていく必要がある。それからこういう事業を実施するにあたりましては、当然水田からの転換も見込まなければいけませんが、地域によってはどうしても国有林でなければそのための土地が得られないというような場合もございます。本法案はこれらの事業の実施に伴って国有林野の活用が必要となります場合には総合農政の方向に即してそれが適正、円滑に実施されるよう企図しておるものでございまして、本法案の内容は現時点の総合農政の立場から見ましても、農業の諸情勢の変化から見ましても十分対処し得るもの、このように考えております。
#198
○小宮委員 その点については後ほどまた質問しますけれども、やはり二百五十万トンの生産調整をやりますと、それだけで大体約六十万ヘクタールの減反政策を行なわなければならぬという問題が出ておるわけですね。そうすると、その中で総合農政とも関連するわけですけれども、この活用法案そのものが当初検討され、提案されたときと比べればやはり情勢が変わっておる。したがって、活用法案そのものが全然無意味だとは思いませんけれども、やはりそういった意味で活用法案の内容について変化があってしかるべきだというふうに私は考えておりますけれども、その点についてはあとで質問します。
 この法案の第一のねらいの中には民有林経営の問題も含まれておるわけですが、今日民有林の経営自体が非常に不十分だという時点において、この国有林の活用を行なって民有林経営の補完をする必要があるのかどうかということをまず考えるわけです。ちなみに林業経営の実態をいろいろ見てみますと、たとえば一ヘクタールから五ヘクタールを保有する農林家の所得は、農業所得とその他の所得で大体九五%を占めておるわけであります。また林業所得は、その場合に四十四年度でわずか五%で、金額にして五、六万円です。それから五ヘクタールから二十ヘクタールになりますと林業所得は二十三万円、二十ヘクタールから五十ヘクタールになると四十万円、五十ヘクタールから百ヘクタールになると七十六万円、百ヘクタールから二百ヘクタールになると二百万円、こういうふうにいろいろ増加しておるわけでございます。したがって、民有林経営のあり方についても、今後どうするかということが大きな問題でございますが、国有林活用の前にまず民有林経営の拡充こそ先決ではないのかというように考えるわけでございます。この活用法案はどのような役割りを持っておるのか、この民有林経営に対する長官の基本姿勢についてまずひとつお伺いします。
#199
○松本(守)政府委員 民有林経営が非常にいまやりにくい情勢に立っておるということは確かにいえると思います。そこで政府としましては、民有林林業の振興のために各種の施策を打ち出しております。いま先生おっしゃいましたように、確かにいまの時点では農林家の所得というものの中に占める林業所得というものが、特に規模の零細なほうでは、それほどたいしたものを持っておりませんが、いま日本の民有林林業を見ますと、大体が幼齢人工造林をいま一生懸命進めております。その資源内容を見ますと、幼齢林が多いということで、いますぐ伐採には入っておらない状態にあるわけであります。これが数十年後伐期に達しますと、いまのような五ヘクタール以下、十ヘクタール以下で得られておる林業所得が数倍に上がるということが考えられまして、いま民有林というのはそういった体質改善、人工造林を進めておる非常に苦しい時期に当たっております。いま林業の種をまいておるのだというのが林業の現状であろうと思いますが、その成果をすぐあしたから出せるというものではないと思います。若干の年数がかかるわけであります。最近の調査によりますと、人工林の進んでおるところほど過疎の状態が少ない、人工林化のおくれておるところほど過疎の現象が強く出ておるということもいわれております。そういった山村地帯におきましては、林業の振興というものが今後いよいよ大事になってまいるわけであります。そこでそういった山村地帯で林業によって将来の設計を立てるという人がおります場合に、その林業のための土地がない。そこには国有林がある。その国有林を活用をしてくれといわれます場合には、国有林の経営上支障がない限り何とか地元に協力をしてあげるということが、これは地域振興のためにも、国有林経営のためにも、お互いの共存共栄ということをはかることによって国有林が安泰にりっぱに経営をしていけるゆえんであろうと思います。ひとり国有林だけが栄えて地元が栄えないということではうまくないわけでありますから、何とかこの面で民有林の林業のためにも協力をして差し上げるための活用法案、このように御了解をいただきたいと思います。
#200
○小宮委員 基本姿勢については大体私も理解しますけれども、やはり林業というものは、先ほど長官言われるように、一度造林すると三十年も四十年もかかるということで、その間をどうするかという問題もあり非常にむずかしい困難な問題だと思いますけれども、しかしそういった意味では、長官も姿勢だけははっきりとっておっても、実際に民有林をどう経営を充実させていくかという具体的な問題とほんとうに取り組んでもらわないと、われわれも長崎でいろいろな話を聞いておりますけれども、ここで言われる答弁のような基本姿勢の中で具体的にどうやっていくかということがやはり一番大事な問題でございます。その点についてはこのくらいにしまして、次に移りたいと思います。
 こういった危機に直面しておるところの林業の諸問題を解決するために、現在森林組合法がございますけれども、もっと強力な協同組合運動が必要ではないかというように考えるわけです。そのために業界からも林業協同組合法の制定の問題でこの数年来林野庁のほうにいろいろ要請がされておると思いますけれども、林業協同組合法を制定する意思があるのかないのか、まずこの点をお聞きします。
#201
○松本(守)政府委員 林業協同組合法の制定につきましての御質問でございますが、いま森林組合というものが、森林法の中で規定づけられております。それは昭和二十六年の森林法の大改正がございましたときに、一応協同組合精神を取り入れて改正をしたものでございます。戦争中、戦後、国家統制の一役をになっておった森林組合、それに協同組合の考え方を入れたのが現在の森林組合制度でございます。が、その後事態も変わっておりまして、いまの制度で日本林業のにない手として森林組合が活躍をしていただくのに十分であるかどうかという点にも今後検討をすべきものが生じておりますので、いま森林組合問題検討会というのをもって関係方面、それから学者の先生その他を入れまして検討中でございます。いずれ四十六年度内には何とかその方向を見出したいということで鋭意いま詰めております。
#202
○小宮委員 次は、先ほどの質問の中にもちょっとありましたけれども、この活用法案は、林業のほかに農業構造の改善事業にも活用をすることになっておりますが、先ほど言われたいまの減反政策の中で、六十万ヘクタールも大幅な減反をやらなければならぬという現状において、国有林野を活用しなければならないほど土地が不足とは申しませんが、いろいろな特殊事情がございますから不足する分もございましょうし、またそういうような放牧採草の土地がいろいろあると思いますから、抽象的にはわかりますけれども、具体的に、たとえば現在の日本の土地の総面積はこれだけある。その中で、総合農政の中で地域分担もできておるわけですから、そういう中でこれがこうなる、米がこうなるという、いわゆる作目別は別として、現在の実態の中でこれくらい土地が不足するんだ。たとえばいまいう畜産関係、酪農関係につきましてこれだけ不足するんだ。そういう資料がもしあったらそれを示してもらいたいと思います。説明員でけっこうです。長官はだいぶ疲れているようですからちょっとお休みなさい。
#203
○櫻井説明員 昨年十二月に公表されました「農業生産の地域指標の試案」によりますと、五十二年におきましては耕地面積はおおむね五百五十八万ヘクタール、延べ作付面積ではおおむね六百三十六万ヘクタールになります。それから草地、これは別でございますが、草地がおおむね五十一万ヘクタールが必要であるとされております。
 作目別に見ますと、今後需要の増大が見込まれます畜産物、それから果実、野菜等の園芸作物を中心といたします畑作物の生産の増強が必要であるとされておりまして、これらを作付面積で見ますと、耕地銅料作物は四十四年のおおむね六〇%増の九十八万ヘクタール、それから果実につきましてはおおむね一六%増の四十七万ヘクタール、野菜はおおむね一五%増の七十三万ヘクタール、豆類がおおむね五六%増の五十三万ヘクタールに増加される必要があるとされておるわけでございます。
 以上のような農業生産の見通し及び近年の都市の進展等を中心といたしまする耕地の壊廃の動向等を考慮した場合、今後需要の増大が見込まれます畜産物、園芸作物などを中心にいたしまして所要の農業生産を確保するためには、先生のおっしゃいます余剰水田の積極的な活用を合わせましてもなお相当量の耕地が新たに造成される必要があるというふうに考えておる次第でございます。
#204
○小宮委員 次は本題の国有林のほうに入りますが、国有林野事業の収支及び損益の状況を見てみますと、昭和四十年は収入が千七十一億、支出が千三十七億、収支差が三十四億。四十一年は収入が千百四十九億、支出が千五十六億、その差が九十三億。四十二年は収入が千三百八十三億、支出が千百四十億でその差が二百四十三億ということで、このころまでは大体黒字が出ておりますね。四十三年から収入が千四百九十七億に対して支出が千二百八十四億で収支差が二百十三億。四十四年は収入が千四百八十九億に対して支出が千四百七十五億で収支差が十四億。こういうふうに決算面を見ましてもだんだん利益が減っていっておりますね。そうしますと、四十五年以降この国有林経営は恒常的な赤字になるといわれているわけですが、具体的に、大体昭和五十年ぐらいを見通してどれくらいの赤字が出るのか。その収支及び損益の状況について、試算でけっこうですが、一番大きな問題でございますから、この点をひとつ詳しく御説明を願いたいと思います。
  〔委員長退席、小沢(辰)委員長代理着席〕
#205
○松本(守)政府委員 いま先生から御質問ございましたように最近、四十一、二、三ときわめて順調な決算を示してまいりましたが、四十四年に至りまして、まだ赤字にはなっておりませんが、急転悪化をいたしております。そして四十五年にいよいよ赤字転落、四十六年にはまず五十億の赤字が必至でございます。
 そこで、その後の昭和五十年ごろまでの展望いかんということでございますが、これは非常にむずかしい問題でございます。その前提になりますところの要因を幾つか置きまして計算をいたしませんと出てまいりません。その要因も国民総生産の伸び率からして木材需要の伸びがどうなるのか、またベースアップの割合がどういうふうに展開をされるのか、そしてそれがかりに一%違いましてもその赤字の数字に大きな差が出てまいります。そこで林野庁としては、計算をしたものがないではございませんが、まだ、そういったものを外部に対しまして、しかもこういう権威のある場所で公表を申し上げるということは極力遠慮をさせていただきたいと思うのでありますが、とにかく現状のままでは相当なものが出てくるということはいえるかと思います。
#206
○小宮委員 しかし林野庁長官、あなたも民間会社ならやはり社長ですよ。そういうようなことで、たとえば今後も組合側との賃上げ、いろいろあるわけですけれども、やはりそういった意味ではただ単に四十六年度の赤字がこうだというだけでは、なかなかやはり組合側も了解しないんじゃないですか。その意味で将来こういうふうな傾向をたどるんだ、そのために皆さんこういうふうにひとつしてくださいとか、いろいろな要望が出るはずだと思うのです。そういった意味で、こういうような委員会でそれが公表できないというようなこともわからぬでもありませんが、一応の傾向として、それは人件費がどのくらい上がるか、いろいろな問題があったにしても、傾向としてはやはりこのようなカーブを描いておるんだというようなことは一応はっきりここで言ってもらわぬと……。長官は組合側との団体交渉では言うけれども、少なくともこの委員会ではそれが言えぬということなんですか。
#207
○松本(守)政府委員 組合との間でもまだそういった具体的なものは話をいたしておりません。まあいま遠慮さしていただきたいと申し上げましたのは、まずそういった見通し、いろいろなものを立てまして、さてどうしたらいいんだ、その対策が必要であります。その対策につきましていま鋭意検討中でございまして、その対策もないまま、ただ将来赤字がこうなるという幾つかの仮定を置きまして出すことがはたしてよろしいのかどうか非常に疑問でありますが、せっかく先生そこまでおっしゃいますので、数字は具体的には申し上げられませんが、単年度で百数十億、これにも幅がございますが、あるいは数百億という幅でもってそういう赤字が出てくる、そういう状態でございますが、それもまずいまそれをどうしたらいいのか、どうすべきかという対策を鋭意検討中でございまして、当然そういうものを実施に移す場合には国会にもおはかりをする必要があろうと思います。また労使間の理解の上に立ってその対策を進めていかなければならないということもございますので、その際には組合に対しましてもその実態をお話ししまして、理解の上に立って協力をしてもらうという考え方でおります。
#208
○小宮委員 いまの話を聞いておると、まあ百数十億だとか数百億といろいろ言っておるけれども、少なくとも対策がないというのは、結局皆さん方は何もこの仕事をきょうから、今年度から始めたわけでもあるまいし、当然従来からこういった赤字が出るということを予想されておるならば、当然その対策は立てられておらなければならないはずなんです。だが長官がかわったからまた方針が変わるということであれば別ですけれども、しかし林野庁もいままで四十三年までは相当の黒字が出ているわけです。しかし四十四年度も赤字じゃない、黒字が出ている。こういうような傾向の中で、今後国有林事業をどうしたらいいのかということは当然考えておくべきことなんです。これは林野庁長官だけの問題じゃなくて、これは渡辺政務次官にひとつお聞きしましょう。やはりこの問題、ぼくらが一番心配するのは、こういった中でこの国有林活用法案が通った場合、国有林野というものは、これは活用法案という名前はいいけれども、ことばをかえれば切り売り法案なんです。そうでしょう。そういうような中で、対策がないからこういうふうな法案が出てくるわけです。だから赤字がどうも公表できぬというならそれでもけっこうですが、少なくとも赤字が今後累積されていく、単年度でもそれぐらい赤字が出るというなら、今後どうするかということがないと、まだいまでも対策は立てておらぬということはあまりにも怠慢じゃないですか。その点政務次官からひとつお聞きしましょう。
#209
○渡辺政府委員 これは重大な問題でありまして、累積赤字の問題等はいま長官が言ったように、年々のベースアップ等も毎年幾らになるということはわからないわけです。しかしながら私がざっと概算をしたところでは、六十年ごろまでに累積六千億円程度の赤字が出るのではなかろうか、これは推定でありますからわかりません。わかりませんが、しいて何か話をしろということになると、そういうようなことになるわけであります。そこで林野庁としても農林省といたしましても、決してこれをほうっておくというようなことは、これは絶対にできません。したがいまして、国有林野のあり方、林野庁のあり方というものも含めて、抜本的にひとつ再検討をする必要がある、かように考えております。
#210
○小宮委員 これは私の感じなんですが、どうも農林省の中で林野庁の占める比率、また林野庁に対するウエートというものは、歴代の大臣、政務次官にしても非常に軽視されてはおらぬか。林野庁というのが非常に軽く見られていないか。重点はやはり農業関係ばかり見ていって、林野庁関係は非常に軽視されておりはせぬかという印象をどうも私は持っておるわけです。そう言えば政務次官はいやそうじゃありませんと言うに違いありませんけれども、しかしわれわれが受ける印象はどうしても、林野庁というものはやはり、まま子扱いはひどいけれども、非常に冷や飯食っておるというような印象を受けるわけですけれども、その点どうですか、政務次官。
#211
○渡辺政府委員 最初からあなたのほうで答えが出ていますから、同じことを言う必要はないと思いますが、決してまま子扱いもいたしておりませんし、軽くも見ておりません。非常に重要に考えております。
#212
○小宮委員 それはいまここで論争しても水かけ論ですから、何か証拠をつかんでやることにしますから……。
 それから、現在国有林野の特別会計の剰余金は合計幾らなんですか。
#213
○松本(守)政府委員 経営内部で使うことができるのが約三百五十億でございます。それから特別積み立て金、これは林政協力その他に使うわけで、経営内部には使えない、それが百六十億ぐらいございます。これは昭和四十五年末の見込みでございます。
#214
○小宮委員 結局そうしたら今後赤字が出るというのは、その剰余金も一応食いつぶすでしょうから、まあタコの足を食うような状態ですね。タコの足経営ですね。しかしその赤字の原因を、きのうも質問の中であって、やれ人件費の高騰だとか木材価格の動向だとかいろいろ言っておりましたけれども、もう一回赤字の原因はどこにあるのか、この点をはっきり長官からひとつ説明してください。
#215
○松本(守)政府委員 赤字の原因をきのう以来御質問、御答弁申し上げてまいったのでありますが、要約して申し上げますと、まず木材価格の伸び悩みが収入を増加させないところの一つの大きな要因でございます。
 それから今度は支出が増加をする。支出がふえる要因は人件費のアップでございます。
 それからもう一つは、奥地開発がどんどん進んでまいります。戦前必ずしも十分でなかった造林投資、林道開発というものも今後進めていかなければなりません。そういった基本的な設備投資といいますか、そういうものが今後も必要である。
 以上しいて言えば三点、さらにあえてつけ加えさしていただきますと、自然保護とかその他の公益的な機能が国有林に対して強く注文づけられてきたという点でございます。
#216
○小宮委員 自然保護だとか公益的な、そのような問題についてはまたあとでやるとしまして、原因はまずそれで大体一応理解しますけれども、対策はどうなんですか。先ほど政務次官が言われたように、累積赤字が昭和五十年度まで見ると六千億にもなるという。赤字は出る、しかしそれを解消するような対策はどうするのかということについては、きのうからの質問を聞いておっても何ら解明をされておらぬ。これはある委員からも、国有林野会計は四Kの中に入ると言われておりましたが、そういった意味で具体的原因はわかったけれども、原因がわかれば対策はどうするのか。赤字の累積をただ手をこまねいて待っておるのか、具体的な積極的な対策をどうするのかということについて、ひとつ長官からお答え願いたいと思うのです。
#217
○渡辺政府委員 対策といっても一口にはなかなか申し上げられませんが、あえて一口に申し上げれば、いま言った原因の裏返しになるということです。たとえば収入の問題にいたしましても、いろいろな方法を講じて収入の増大をはかっていかなければならぬ。支出の問題については、人件費等のアップというものはある程度避けられません。避けられませんが、もっと効率のあがるような経営体というものも考えていく必要がありましょう。それからまた自然の保護とかいろいろな点で、当然いままではどんどん山の木を切って売れるというような地域も、国民的要請によって木を切ってはいかぬ、あるいはいままではそうあまり気にしなかったところでも、もっと土砂の流出を防がなければならぬというようなことで、時代が変わってよけいに金がかかってくるということになれば、これらはやはり国家の御援助もいただく必要があるのではないか。そういうようなことを含めて、この赤字の対策というものは林野庁としても真剣に取り組みつつあるところでございます。
#218
○小宮委員 なかなかむずかしい問題ですね。これは確かに裏返しをすれば一番いいのだけれども、むしろ今度はこういった奥地開発の林道がどうこうというような問題も――この活用法案は、結局、国有林を売った金で今度は奥地の民有林を買おうという法律ですから、そうすると、ますます林道が伸びて奥地に入っていくわけですから、これはまた先に質問しますけれども、言うべくしてなかなかむずかしい問題です。それは私もよくわかります。少なくともやはり経営者としての努力はやってもらわぬと、お役人ということでのんべんだらりとして親方日の丸ということであってもらっては困るわけですよ。これはまた先に質問します。
 先ほども木材の価格の問題、いろいろ出ましたけれども、林野庁の木材の需給表を見ますと、わが国の木材の需要量は、四十年が七千六百八十万立米、四十一年が八千二百四十七万立米、四十二年が九千七十七万立米、年々需要量はずっとふえているわけですね。そのうち国内用材についても、四十年の七千五十三万立米から四十四年は九千五百五十七万立米とずっと増加しているわけですが、一方供給量を見ますと、国産材が今度は四十三年からは減ってきておる、外材の輸入は逆にふえていくといういまのような状態でほんとうにいいのかどうか。結局国内産の木材の供給は減るから、その分だけ外材がどんどんふえてきておるというような実態があらわれているわけでございます。国産材がだんだん減ってきた、これは現在の状況では今後も減る見通しなんですか。現在すでに外材はどんどん入って、国内で用材の供給量の五一%を占めておる。国内産材は四九%しかないということになっておるわけですが、これがだんだんだんだん国内の供給量が減っていくということになれば、外材はいやがおうでもふえていくわけです。それによって木材価格も影響を受けてくるわけですが、そういったことで国内産の用材の供給量の今後の見通しはどうなりますか。
#219
○松本(守)政府委員 国産材の将来の供給の見通しということでございますが、最近数年間、四十三年では七・三%の減少、四十四年度では四%以上の減少を見ておるわけであります。四十五年、六年にもそれが増加するという要因はいまのところ見つけられておりません。なぜそういうふうに伸びないかということでございますが、その要因の第一の点は、資源構造と申しますか、森林内容がいま充実しておらない。言いかえれば幼齢林が多い。なお言いかえれば、大正から昭和の初めにかけまして造林をされたものが少なかった、あるいはそれ以前に造林されたものも戦争中あるいは戦後相当切られたということでございます。いわばいま造林につきましては日本林業の端境期ということがいわれるかもしれません。そういうことがここ当面は伸びない要因の第一位にあげられております。
 もう一つは、林道であるとかそういうものの開設が十分に行なわれておらない。奥地その他里山地帯でも林道の密度は外国に比べましてもきわめて低い状態にあります。そういった基本的な生産設備がまだ整っておらないということが第二位でございます。
 それからもう一つは、所有構造がきわめて零細ものが多いわけであります。こういう状態になりますと、そういった零細なものが個々ばらばらで林業生産をやりましてもなかなか効率があがらない。協業化を進めるゆえんでございますが、そういうものが現在までまだ十分に行なわれておらない。そういった情勢で、ここ当分は国産材の生産は伸び悩むであろう。昭和六十年ごろあるいはそれから先になりますと、相当明るい見通しがいまのところ持てるということが言えるかと思います。
#220
○小宮委員 いまの答弁からしても昨日の答弁を聞いても、昭和六十年から六十二年だったですか、明るい見通しがあるというような話だったわけですが、そういった意味では六十年ごろまでは国産材の供給量は結局ふえないというふうになるわけですね。そうでしょう。
 それと関係して、これは木材価格の問題ですけれども、木材価格の動向についても、やはり外材、輸入材が国内の木材価格の動向を左右しておるということははっきりしているわけです。そうすると現在でもわが国の用材供給量の過半数を外材が占めておるという需給事情の中で、価格も四十二年の一一・八%、四十三年の六・四%に比べて四十四年度は三・三%と上昇率が非常に鈍化してきたわけですね。そうすると木材価格の動向についても、やはり供給量が減るわけですから、そういった価格の動向が外材の輸入によって影響を受けるということであれば、外材がどんどん六十年か六十二年までふえていくということになって木材の価格も低迷するということになれば、先ほどの赤字の材料はそのまま依然として残っていくというふうに理解していいわけですか。
#221
○松本(守)政府委員 確かに木材価格は、昭和四十一、二年には相当なアップを示しましたが、特に四十四、五年と停滞をいたしております。国産材の中にはむしろ値下がりをしたものもあるわけであります。外材と、これは樹種によって違いますが、三割ぐらいは開いておるというものもございまして、国内の木材価格が将来上がるという点につきましても、いま積極的な要因は見当たりません。
#222
○小宮委員 次は、いよいよ来年度は沖繩の本土復帰を迎えまして、その復帰対策要綱が一次、二次、というふうに発表されておりますけれども、いずれ詳しい質問はまた十月ごろ沖繩国会が開かれると思いますから、その際に質問することとしまして、きょうはせっかくの機会ですから、ひとつ沖繩の林業問題について、若干質問したいと思います。
 まず、沖繩の林業の現状と、それから返還に伴う林業政策、どういうふうな林業政策をもってやるのか、この点について、ひとつこれは政務次官からお聞きしましょうか。
#223
○松本(守)政府委員 沖繩林業の現状について御説明いたします。
 沖繩の林野面積は、全琉球の面積の五六%が林野面積でございます。これを実数で申し上げますと、約十万ヘクタール、その中で官有林、これは国有林、県有林の意味でございますが、官有林が三一%、市町村有林が四五%、私有林が二四%となっております。私有林、市町村有林、そういうものは財政力の弱さから、いま森林内容がきわめて貧弱でございます。また所有規模も零細であるということでございます。
 なお、森林の蓄積、これは資源内容でございますが、一ヘクタール当たり五十四立方メートル、これは内地のそれに比べますと、内地のそれが八十立方メートルですから、だいぶ資源内容も貧弱でございます。それから、戦前には営林署がございまして、熊本営林局が管轄をいたしておりましたが、今回沖繩が復帰をするということにつきましては、林野庁としても、沖繩の国有林についていろいろ調査をいたしております。前の国有林をどうするかということもいま検討中でございますが、沖繩の復帰に伴い、国有林を沖繩の国有財産一般の取り扱いに関する検討の一環として検討をしなければいけない、このように思っております。
 また、今後の沖繩林業の拡充の方向としては、そのように森林内容が貧弱でございますので、まず造林をしていかなければならぬ、特に保安林のような重要森林については、強力な助成でもってその森林をつくっていくということ、また一番南のほうにあります西表島に、これはその島の大部分が国有林でございますが、そこには熱帯特有の原生林というものがございます。その自然の保護をどうするかということも、復帰後の一つの重要な課題でございます。
#224
○小宮委員 国有林は幾らですか。
#225
○松本(守)政府委員 十万ヘクタールのうちの三一%でございますから、これは約三万何千ヘクタールかでございます。
#226
○小宮委員 これは、返還後の沖繩の林業政策については一応別におくとして、やはり国有林野事業についても今後ばく大な資金を投下しなければいけないのじゃないかというふうに考えるわけですが、その際も国有林野特別会計でまかなうのか。そうだとすると、現在の特別会計はいよいよ赤字が増大するわけですから、沖繩の返還に伴う国有林野の問題についての財政措置、これをどういうようにするのか、いまの本土の国有林野特別会計でまかなうのかどうか、この点はひとつ次官から御答弁願います。
#227
○渡辺政府委員 これは内地と制度が違いまして、向こうは官有林というふうになっております。非常に内地並みに、たとえば特別地域を残していくとかあるいは水源涵養等についてたくさんの投資をするというようなことになると、相当ばく大な金がかかります。したがいまして、そのままそっくり現在のような特別会計だけで引き受けていくということにも非常に問題がございまして、これは目下鋭意検討をしておる最中であります。
#228
○小宮委員 林業という産業は、一次産業として宿命的に生産性が低い産業です。したがって、最も合理的な経営が要求されるわけです。したがって、そのためにはどうすればいいのかということになると、やはり労使が一体となって協力をすべきだというふうに考えるわけです。ところが、国有林の中にも、生産性向上反対、合理化反対というように言われる人たちもおるようでございますが、こういったことで、国有林経営が今後うまくいくのかどうか、その点についてまず質問します。
#229
○渡辺政府委員 全くそのとおりであります。御承知のとおり役所のやる事業というのはあまり効率があがらない。これはいろいろ考えてみると、結局よけい創意くふうをして働いて利益をあげても、利益を話し合いで林野庁と労働組合で山分けするというわけには実際はいかないのであります。したがって、そうなると、どうしても民間会社とは違ってくる。民間会社の場合だったら、利益があがればボーナスもよけい出そう給料もよけいあげようということで、何も規則にそう縛られるわけではありません。ところが、現在のような特別会計の中で事業をやっていくということになりますと、ほかの役所とのつり合いや何かいろいろございますから、そう林野庁だけで利益があがったからといってかってに分配するわけにいかない。こういうところにまた非常に問題点があります。
 それから、これは直接御質問にはありませんでしたが、よく例に出されるのは、国鉄が赤字で何で一体私鉄が黒字なんだ、配当もしているじゃないか、同じようなところを走って同じくらいの料金でというようなことがよく言われるのであります。これは私鉄の場合を見ると、運賃収入だけでは赤字だ。しかしながら、そこに鉄道を引っぱって、引っぱったついでに土地の買収もやって、宅地造成もやっておる。開発利益というものを鉄道を引くことによって相当受けておる。あるいは観光地に鉄道を引いてホテルも経営しておる、あるいは駅のところにデパートをつくって、自分が経営をしておるとか、相当な家賃を取っておるというようないろいろ関連事業というものをやっておるのであります。国有林野の場合におきましても、特別会計で国がやるということになりますと、おのずからこうすればもうかることはわかっておっても、なかなかこれは制度上できないという問題もあります。それから人間の異動等の問題についてもあります。いろいろ役所というような一つのカテゴリーの中に入れられておるために、事業としては非能率、不合理という面も多々ございますから、そういうようなものは労使の協調はもちろんのことでありますが、やはり事業としてやるからには、事業としてこういう経営能率があがるような形に一ぺん検討し直す必要があるのではなかろうか、かように思っております。
#230
○小宮委員 まあ言われることはよくわかりますけれども、私たちが見ると、ひとつ民間会社でいえば、経営者、社長こういった人たちの姿勢にも問題があるのではなかろうか、皆さん自身がやはり親方日の丸主義でおるのではなかろうか、ぬるま湯にひたっておるのではなかろうかということすら考えるわけです。そのことについてはとやかく申しませんけれども、それでは生産性の伸びは、昭和四十年以降今日まで、一人当たりの出産性はどうなっておるか、資料があったらひとつ教えてください。
#231
○松本(守)政府委員 国有林の主要事業の労働生産性の伸びを申し上げます。
 まず、素材生産一日一人当たりの生産量で申し上げますと、四十年には一・一四立方メートルが四十四年には一・四四立方メートル、一二六%になっております。それから造林事業は、地ごしらえ作業について見ますと、一人一日当たりの刈り払い面積が四十年〇・〇四ヘクタール、四十四年には〇・〇六三ヘクタール、一三六%。苗畑事業、種苗生産でございますが、四十年百四十七本、これは山出し苗木の生産量を一人一日当たりに引き直して計算をしてみたわけでありますが、百四十七本に対して四十四年度は百六十三本、一一一%。次は林道の修繕事業、これは修繕延長一人一日当たり四十年の十八メートルが四十四年には二十七メートルとなっておりまして、一五〇%の伸びになっております。
#232
○小宮委員 いまの点で大体生産性はあがっておるようですけれども、労使の協議制は大体確立されているわけですか。
#233
○松本(守)政府委員 経営の合理化を推進するにあたりまして影響を受ける職員の労働条件につきましては、公労法の定めるところによって労使間の団体交渉によって自主的に平和的に処理しておるところでございます。
  〔小沢(辰)委員長代理退席、三ツ林委員長代理着席〕
そのほか国有林野事業の経営に関する重要事項につきましては、昭和四十一年三月以来労使相互の意思疎通をはかり、理解を深めるために労働組合との間に労使の幹部からなる定期会談制を設けて実施しておりますが、そのほかに労使協議制というものを設ける考えはございません。いま先ほど申し上げました国有林の抜本改革につきましては、成案を得る段階で組合にも話をいたしまして、理解を深めながらその改革、改善に取り組んでいきたい、このように思っております。
#234
○小宮委員 この問題に関連してですが、これはストライキ宣言が昨日なされておりますね。三月二十六日、ストライキを堂々と戦い抜くことを宣言するということで、林政の民主化と国有林労働者の差別処遇、臨時雇用制度の抜本改善を求めて戦い続けていくということで、これは昨日ストライキ宣言が出ておるわけです。このことは御存じですか。
#235
○松本(守)政府委員 承知しております。
#236
○小宮委員 それでは、そういうように林野庁としても労使の協議制を確立してお互いに話し合って円満に解決しようという努力はなされておりながらも、こういった二十六日のスト宣言というのは、その宣言の趣旨からいっても、おそらくこの国有林野活用法案に関係した意図のもとにストライキ宣言がやられたのではなかろうかというように考えております。この中には賃上げ問題は入っておりませんから、そういった意味では、私が先ほどから言っておるように、やはりこういったことで、ほんとうに現在の国有林野会計の赤字が増大していく中で人件費はやはりこれは上げなければならぬ。これはいろいろな合理化の手を打ち生産性を向上させる手段を講ずる、このことでやはり労働者に協力を求めなければ、こういった国有林野会計というのは、いま政務次官も言われたようにおそらく累積赤字が六千億、こういうようになるわけです。これはもうやむを得ない現象じゃないだろうかというように考えます。そういった意味では、もっとやはり誠意を持ってお互いが話し合ってこういった問題を解決する、努力する、その姿勢についてこれは林野庁としても反省すべき点があるのではなかろうかというように考えます。これは今回のストライキ宣言だけではなくて、一昨年、昨年もたぶんあったと思いますが、毎年こういうようなストライキをやることによって、実際は生産性をあげようと思っても生産性があがらぬということでは、国有林野事業の将来を非常にわれわれは憂慮するわけです。そういった意味で林野庁長官、ひとつこういった問題に対処する基本的な姿勢、特にストによる損失日数が四十年以降どれくらいあるのか、その点もひとつあわせて御報告を求めます。
#237
○松本(守)政府委員 昨日宣言をされましたスト、これは活用法案にからめてのストということでは理解しておりません。その言っておりますのは、常用化の促進とそれから常勤性付与の問題、この二点をあげてスト宣言をいたしております。
 当局としては、これに対しまして、ストライキという違法な措置はこれは適当でないので思いとどまるように、やめるようにという強い姿勢で警告を発しております。また、そういったスト宣言のビラも張り出しておりますが、そういうものの撤去を要請をしております。また、場合によっては当局側でそれをはずして組合のほうに持っていってもらうということをいたしておりますが、つとめてそういうストに訴えることのないような措置を、当局限りのことで、いまそれをやらないようにやっております。
 それから、最近のストライキと損失日数というお話でございましたが、これは新しい例で申し上げますと、昭和四十五年十二月の拠点部分ストがございますが、これの参加人員が四千百六十六人でありまして、その延べが一万六千三百七十二時間となっております。それから大きいもので――まあ小さなものは省略をさしていただきますが、大きいもので四十一年四月二十六日の全面ストがございますが、その損失日数と申しますか、参加人員の延べ時間が三万二百時間になっております。
 以下、省略をさしていただきます。
#238
○小宮委員 こういった特に国家公務員の場合はストライキも禁じられておるので、そういった意味では、非常に当局としてもいろいろやはりこういったことを回避するために努力をしてもらわなければならぬわけですけれども、やはりこのストライキは正常なストではないわけですね。やはり違法ストですよね。そういった場合に、どのような姿勢で臨んできたのか、まずこれを一つ。それから先ほど長官は庁内のビラをはぐとか言ったけれども、むしろ私はそういった意味では長官は努力しておるとは思いますけれども、やはり長官以下そういう役職における幹部自身が、部長にしろ課長にしろ、そこの人たちがほんとうに姿勢をただしてもらいたいということを申し上げたいのです。これは林野庁だけの問題ではありません。官公労、お役所、官庁全部の人たちに私は通じると思うのです。そういったことで民間でやられたら、これはたいへんなことなんです。そういった意味でもっともっと姿勢をただしてもらいたい。それと同時に、いまの違法ストに対しての措置をどうするのか。それからまた二十六日にストライキをやるわけですから、そういった意味で、それまでに回避する努力を長官としてもやってもらいたいと思いますが、その点についての所見をひとつ承りたいと思います。
#239
○渡辺政府委員 いさいは長官からお答えをいたしますが、農林省としてはできる限りストは回避してもらうように誠意をもって話し合いをいたします。しかしながら、万一違法なストが行なわれれば厳重に処分をいたします。
#240
○松本(守)政府委員 スト回避のために、林野庁といたしましても全力をあげていま話し合い中でございます。常用化の問題にしましても、それから常勤性付与の問題にいたしましても、私以下、関係方面に直接乗り込んで折衝を続けておる状況でございます。何とかストを回避したいという努力を払っております。そこでストをやらないように警告を発しておるのでございます。もしこれがストに入りました場合にはどうするのか、き然とした態度をすべきではないかというお話でございましたが、従来もそのストの結果、それぞれ量定をいたしまして、処分をいたしております。今後ともそういった違法ストにつきましては厳重な処分、まずその処分をしなくて済むように、ストをしないようにというのが先決でございますが、もしかりにそういうものが起こりました場合には、やはり法令に従いまして処分をするという姿勢でございます。
#241
○小宮委員 この点についても、私は長崎でも聞いたわけですけれども、結局ストライキをしたことによって、たとえば販売業者とかいろいろな人たちが迷惑をこうむるという話も直接聞いておるのです。そればかりでなくて、その問題は別として、現在国有林が四十年度の事業実行方針として請負を漸次拡大するという方針から、結局いわゆる直営直用の拡大という方針を出されましたね。この直営直用の拡大という方針についてもいろいろな民間の民有林の経営者あたりから話は聞いておるわけですが、これについても国有林をかかえておるところの地元住民からは非常に非能率的だ、あるいは民間労働力を圧迫するということでいろいろ批判を聞いておるわけです。この問題についても、林野庁としては、下請、請負から全部直営直用というふうな方向を拡大して、吸収してきたわけでしょう。だからそういった意味では現在まで直営直用を拡大した人数はどれくらいあるのか。今後その方針をやはり堅持していくのかどうかということについて、これは長官でもけっこうですから、御答弁願います。
#242
○松本(守)政府委員 国有林労働者の直営直用の拡大のテンポはどうかというお話でございますが、それの数字にかわりまして、雇用の安定、まあ常用作業員をどのようにふやしたかということがその裏づけになると思いますので、その常用作業員をふやした経緯をお話しいたします。
 四十一年に常用作業員が一万七百九十二名おりましたものが、四十四年には一万三千八百三十四名、四十五年ではそれが一万六千名ぐらいにふえております。
#243
○小宮委員 いまの直営直用の方針を今後とも堅持するのかということについて、ひとつ政務次官からお答え願います。
#244
○渡辺政府委員 直営直用の問題は非常にむずかしい問題でございます。一般論から申しますと、いわゆるお役所仕事で事業をやる、ふやしていくということは、まあ能率があがらないというのがもう大体世間の人の認めておるところであります。したがいまして、さらに事業を拡大する上において、人間までふやして直営直用を拡大するというようなことはいたしません。現在の直営直用の問題についても、内容を一ぺん洗い直しをして再検討する時期にきておる、かように存じます。
#245
○小宮委員 この活用法案とその問題とは矛盾はしないですか。たとえば、活用法案は結局国有地を切り売りしていくわけでしょう。それと、この直営直用という方針とは矛盾しませんか。
#246
○渡辺政府委員 御承知のとおり、この国有林野の活用と申しましても、木がどんどん育っていくというようなところとか、あるいは保安林とか、水源涵養保安林とか、そういうようなところまで売り払う、あるいは貸し付けをするというようなことはいっておらないのであります。現在国有で持っておるところが必ずしも全部非常に有効に使われておるというわけではありません。雑木山もたくさんございます。そういうようなものも拡大造林をやっておりますけれども、しかしながら一挙にそういうものもできない。国有地として持っておることよりも、地域住民がこの法案に定めるような趣旨に基づいて、借りたりあるいは譲ってもらったり、いろいろな形で利用することのほうがむしろ国家全体とすれば非常に有意義である、国の資源を利用する上においてより効果的であるというようなものを活用させるのでありますから、直営直用の問題と直接ぶつかるということはありません。
#247
○小宮委員 それからこの国有林経営は、ただ木材を生産するというだけではなくて、森林の機能を有効活用するために、国土の保全だとか、片や自然保護だとか、及び森林レクリエーションなど、国民の要請にこたえて前向きに取り組むべきだというように考えているわけです。この点についてはもう政務次官も同感ですね。
#248
○渡辺政府委員 前向きに検討していくことはけっこうだと思います。
#249
○小宮委員 ところが最近、この国有林の原生林の伐採がいろいろなところで行なわれて、非常に国民の批判が起きているわけですね。結局、それは国有林会計が特別会計であるために、どうしても金目になるものは片っ端から切ってしまうというようなことで、無理な経営をしておるところに基因しておるのではないかと考えます。そこで、こういった公共的なものについてはもう特別会計から切り離して一般会計の財源を充当するとか、そういう何らかの対策を講じなければ、いまの特別会計の中で、先ほどから言われているように、こういった森林の機能を保護していく、これを活用するための負担というものはますますふえていくわけですから、そういった意味では、こういった公共的なものについては国有林会計の中でまかなうということでなくて、やはり一般財源を充当するということもこの際考えるべきだというように考えるわけですが、政務次官の所見をお伺いいたします。
#250
○渡辺政府委員 これは将来の林野庁のあり方をどうするかというような問題ともからんでおることでありますが、御指摘のように昔はすぐ里にも国有林がたくさんあった。だんだん切られていって奥山になっておるということで、経費も一方かかる、これも事実であります。しかしながら、奥山になっても全部切れるというわけじゃない。非常な観光地として、いろいろな公益的な保存を要するというように指定をされておる特別区域等もあります。伐採のしかたも、全伐すれば一番簡単だけれども、全伐がいろいろなそういうような要請でできないところもあります。むしろ当然切りたいと思っても、それは切っちゃ相ならぬというところもあります。これはいわゆる在来の、山の木を切ってそれで収益をあげて国家の財政に寄与しようという昔式の林野行政からすれば、相当内容が変わってきておることは確かであります。したがいまして、そういうようなものについては、公益的な機能を持つものについては一般会計でめんどうを見るのはあたりまえじゃないかというような、あなたのような御意見のあることも、私はこれはしごく当然とまでは申しませんが、そういう御意見が出るのもやむを得ないのでなかろうか。したがって、そういうようなことも含めて今後検討していかなければならぬ。だからといって、かりにですよ、一般会計でそういうものはある程度援助をするからといって、林野の経営というものをないがしろにしてもいいというわけではないし、経費の節減や経営の効率化というものは並行的に行なっていかなければならないものですから、一緒にしてそれは検討していきたい、こう思います。
#251
○小宮委員 次は農薬の問題でございますが、さきに農林省がBHCとかDDTなどの農薬の使用の禁止通達をしたわけですが、その場合に、森林とか果樹園の使用については除外されているわけですね。そういった意味で、私も帰っていろいろな森林関係者に聞いてみても、これを使うということになると、水源とかいろいろな地下水なんかが汚染されて、やはりそれはあぶないという声がかなり強いのですよ。それに対して、農政局が通達をしたBHCとかDDTの使用禁止を、林野庁としてはこれは使用しても差しつかえないというように判断されておられるのか。また、このことは、事前に果樹園とか森林を除いたということは、何か林野庁との間にもそういった話し合いがあって合意の上でやられたのかどうか、その点もあわせてひとつ御答弁を願いたいと思います。
#252
○渡辺政府委員 農薬のBHC、DDTの使用については、酪農地域とか、あるいは特に河川等があってそこからすぐに人家に影響するとか作物に影響するとか、そういうようなところは一切使用させないということであります。
#253
○小宮委員 先ほどまでいろいろ申し上げましたように、国有林経営のあり方が非常に問題になっておるときに、昨年の十月二十七日の政務次官会議で国有林野事業を公社化すべきであるという決定がされたように伺っておりますが、これは事実ですか。
#254
○渡辺政府委員 公社化をすると断定的に言ったのではありませんが、林野行政のあり方というものについては再検討すべきである。つまり、現在の林野庁は行政と経営と両方をやっておるわけであります。そこにおのずから公益的な機能の部分と経営的な機能の部分があるわけであります。こういうようなものをいままでのとおりでよいのか、それともこういうものは分離をしたほうがよいのか。経営のあり方等も、先ほど言ったように、企業としてやる場合に、生産性をうんとあげてもそこに働く労働者に直接賞与がよけいにいかないというような現在のほうがいいのか、それとも、生産性があがったらあがったなりに多少はよけいにもらい分がもらえるというような方向に直したほうがいいのか。ある地域の営林署でほとんど伐採等が終わっている、労務者がいる、別のところでは労務者が足らぬというようなときに、会社ならば当然異動というものがあるわけですが、現在の機構の上においては、事業がそうだからといって、直ちに人の配置がそれに対応するというようなわけにはなかなかまいりません。
  〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕
したがって、こういうものも企業的なものにもっと変えていくとすれば、さらに再検討を加える必要があるのではないかというようなことなど、一切を含めてこれはもっと合理的に時代に合ったものに再検討をすべきだという話し合いをしたことは事実であります。
#255
○小宮委員 その話し合いの事実は現在も続いているわけですか。私がこういう質問をしたからといって、私は何も公社化に賛成ということではございません。私はむしろ反対の立場から質問をしているわけですけれども、その話し合いは今後も続けられるわけですか。
#256
○渡辺政府委員 政務次官会議というのは、御承知のとおりそれ自体は法制上何らの権限を持っておりません。おりませんが、各省の政務次官が政治家としてあそこに集まりましていろいろ検討した結果、そういうものの再検討をすることが適当であろうということで、口頭で内閣に申し入れをしたということでありますから、それは別に違ったことを申し合わせたことでもありませんから、続いておるものと御理解願ってけっこうであります。
#257
○小宮委員 それから今度の国有林野の活用法案についても、これもいろいろ質問が出ておりましたけれども、私も一番心配するのは、安い価格で国有林野の払い下げを受けて、これをある時期を見て転売して一もうけしようというような、そういう不心得者があらわれるかもしれないということです。これは過去にも例があるわけですから、そういった意味で、その原因は現在の農地法の政令価格が一般時価に比べて非常に安いのではないかというところに問題がありはしないかというように考えるわけですが、現在の政令価格は昨年の農地法の一部改正の場合に改正されたと思っておりますけれども、現在の政令価格はどのようになっておりますか。
#258
○馬場説明員 お答え申し上げます。
 昨年十月に農地法が改正をされまして、改正前におきましては、御承知のようにたとえば農地におきましては統制小作料の十一倍であるとか、あるいは未墾地につきましても一定の方式で安い価格であったわけでございますが、十月一日に改正をされまして、農地につきましては農耕目的も時価という取引価格となっております。未墾地等につきましても、大体時価を基準にいたしまして買い入れ、売り渡しをしておる。所属がえの場合も同様の値段でやっておる次第でございます。
#259
○小宮委員 次は、林業労働者の労働条件についてお伺いします。
 林業労働者四十年の三十七万人から四十一年が三十四万人、四十四年は二十二万人と毎年四、五万の人が減少しておるわけでございます。反面、中学卒、高校卒の林業就職者は、文部省の学校基本調査でも明らかなとおり、四十年が千七百十七名、四十一年が千六百七名、四十二年が千二百四十七名、四十四年が千二百五十八名、全く微々たるもので、非常に減少をいたしておる次第でございます。したがって、その原因はいろいろいわれておりますけれども、林業労働が、季節性や事業単位が小規模であるために、どうしても臨時的、日雇い的性格が強く、そのために雇用が不安定で年間の所得も低いということが非常に大きな原因であると考えられますが、言いかえればこれはやはり賃金とか社会保障などの雇用条件が悪いために敬遠されておる、そのために労働力が確保できないというように考えるわけでございますが、ひとつこれも政務次官に御答弁願いましょうか。
#260
○渡辺政府委員 必要にして十分な労働力というものは確保していかなければならないと思います。いろいろと近代化、機械化というようなことも採用しておりますが、それにいたしましても、必要にして十分な労働力は確保していかなければならないので、それはいろいろとくふうをこらしていく必要はあります。
#261
○小宮委員 いろいろなくふうをこらしておるというが、具体的にどういうようなくふうをしておられるのかよくわかりませんけれども、林業労働者の中で特に民有林労働者に対する各種保険制度の適用を検討するために、四十四年に学識経験者によって林業労働者不就業期間対策協議会というものが設置されて、具体的な各種保険制度を検討するためのそういうような機関が現在設置されておるというように承っておるのですけれども、この対策協議会の検討経過とその結論がいつごろ出るのか、その点をひとつ御答弁を願いたいと思います。
#262
○松本(守)政府委員 いま先生のおっしゃいましたのは、一応事業対策としては完了いたしまして、成果をあげたのでございますが、そのかわりに四十五年度から民間森林労働力に対しまして、通年就労促進対策というものを打ち出しました。これは民有林の林業労働は継続性がない、ばらばらだというようなことから、その労働力を確保するための対策の一つとして、これを通年化の方向へ指導していこうというために、年間を通じまして百五十日以上働いた者、しかもそれは森林組合という労務班を通じて働いた者に対しまして助成金を出しておるということで、逐次その通年の度合いを高めまして、その結果、将来は失業保険の当然適用に持っていこう、当然適用に持っていくための基盤の準備をつくり上げるのだということでいま進めております。
#263
○小宮委員 この民有林労働者の災害保障制度はどうなっておりましょうか。
#264
○松本(守)政府委員 民有林労働者の災害保障制度でございますが、いま労災保険の適用されているものがございます。そのほかの社会保険といたしまして、医療保険とか国民年金保険とかいうものがございましてそれぞれ適用になっておりますが、ただ先ほど申し上げました失業保険だけが当然適用になっておらないわけであります。そういうことで、今後その適用のための準備と、それからその他の社会保険の拡充のためにいろいろ検討しておるところでございます。
#265
○小宮委員 その失業保険がないということは、そういった意味での労働力の確保の問題から大きな問題が残されているわけですけれども、特に民有林労働者の失業保険はいま現在検討されておられるのですか。もしおられるとすれば、こういった民有林に関係する人たちからやはり非常に強い要請があるわけです。そういった意味で、現在失業保険が適用されておらぬということですが、それを適用するように現在検討しておるのか。おるとすれば、いつごろそういった可能性が時期としては見通しがあるのか、その点あわせてひとつ長官から御答弁を願います。
#266
○松本(守)政府委員 いま検討はいたしておりますが、四十四年の十二月の失業保険法改正の国会で附帯決議ですか、附則かで規定をされております。それは林業労働につきましても当然適用になっておらないものについて、昭和五十一年の一月末までに何とか考えるようにという規定がつけられまして、現在では林業労働というものがあまりにも離職率が多いということで、失業保険の当然適用になっておりませんが、またそれを当然適用をしようにもしようの方法がないというのが実態であろうと思います。その当然適用に持っていくための基盤づくりと申しますか条件づくりといいますか、林業労働を年間を通じてなるべく離職の少ないような通年的な雇用の形に持っていくというのが先決問題であるということで、鋭意その方向でいま指導中でございます。そういう条件ができませんとなかなか当然適用に持っていけないということであろうと思いますが、最初に附帯決議か附則かということで申し上げましたが、附帯決議ではございませんで、附則に規定をされております。昭和五十一年の一月末までに考えるようなことが附則できめられております。
#267
○小宮委員 その問題は逆に因果関係が出てくるんじゃないですか。むしろそういった社会保険制度がないものだから離職率が多い。今度は離職率が多いものだから当然適用がなかなかむずかしい。これは因果関係で、森林労働者がやはり定着するためには、そういった各種保険をやはり早く整備するということが一番大事なんです。しかしそれにしても昭和五十一年ではおそいですね。もっと早く適用されるように、もう少し事務的なものを促進してもらいたいというように特に要請しておきたいと思います。これは附則でそういうようなことをきめられておっても、結局五十一年差では林業労働者の確保はできぬというようなことにもなってまいりますし、それはもちろん、労働条件の問題がありますから、いまから質問しますけれども、そういったやはり各種保険制度は早急に適用するように、ひとつ作業を進めてもらいたいということを希望しておきたいと思います。
 それから、国有林野事業には、これも昨日から質問が出ておりましたけれども、定員内職員のほかにもいろいろな常用職員とかまた定期職員ですか、こういうような人たちが、きのうも言われておったように、一万四千名とか二万五千名とかいろいろ雇用されておるわけですが、ひとつその性格について、たとえば常用作業員と定期作業員の性格についてまずお尋ねします。
#268
○松本(守)政府委員 常用作業員の性格でございますが、それは人事院規則によりますと、非常勤職員でございます。常勤職員にはなっておりません。非常勤職員として規定づけられております。それから、その雇用の基準は、労働協約によりまして、一に、十二カ月をこえて継続して勤務する必要があり、かつ、その見込みがあること。それから二に、事業運営上の必要による勤務地の変更に応じられること。それから三に、職務に必要な適格性を有すること。この三項が労働協約によってきめられております。それから、定期作業員につきましては、その一つに、毎年同一時季に六カ月以上継続して勤務することを例とする必要があり、かつ、その見込みがあること。それから二に、事業運営上の必要による勤務地の変更に応じられること。三に、職務に必要な適格性を有すること。これが常用、定期作業員の性格ということになろうかと思います。
#269
○小宮委員 これは定員内職員に比べて、この常用作業員だとか定期作業員の労働条件あるいは雇用条件はどう違うのか。結局、定員内職員と常用作業員、常用作業員と定期作業員のこういった労働条件の相違ですね、これをひとつ御説明願いたいと思います。
#270
○松本(守)政府委員 まず、賃金について申し上げますと、常用、定期作業員の平均賃金が、基準内外合計いたしまして、一人一日当たり二千七百円でございます。−失礼いたしました。いまのは間違いではございませんが、むしろ先先の御質問に対しましては、次のようなお答えがよろしいかと思います。それは、常用作業員の月額に引き直してみました。日額でなくて、月額に引き直して計算をいたしますと、四十四年の実績では、常用作業員が六万八千六百円ばかりになります。それから定期作業員が五万七千七百円ばかりになります。一方、定員内の技能職でございますが、これは八万五千五百円ぐらいになりまして、それぞれの間に差が見られるのが実態でございます。ただし、定員内の技能職は、手に一つの技能を持っておる。常用も技能は持っておりますが、機械を扱う面におきましては若干扱い方が少ない。定期にも若干の差があるわけで、そのままこれを比較するというのは適当ではないと思いますが、一応給与面の実績から月額に引き直してみますと、こういう差があるということでございます。
#271
○小宮委員 そうしたら、この常用作業員とか定期作業員は日給制ですか。
#272
○松本(守)政府委員 日給をたてまえとしておりますが、その中で、伐木造材に従事しております者の約七割ぐらいは出来高によって支払いをされております。
#273
○小宮委員 そうすると、その仕事の性格上、月給制にすることは非常に困難だ。結局、その仕事の測定をすることはむずかしいから、月給制には変えることはできぬということなんですか。月給制にしてもいいんじゃないですか。
#274
○松本(守)政府委員 林業労働の特徴といたしまして、特に伐木造材、これはその仕事の成果というものが定量的につかまえられるという特性を持っております。それからもう一つは、その現場が非常に広い地域にわたっております。一々監督者がそれを見ておるわけではございません。そういうことで、林業労働の場合には、そのでき上がった仕事を見まして、それによって賃金を払うということのほうが、能率の面におきましていろいろと都合がいいということで、いま出来高を基準にしてやっておりますのが多い実態になっております。
#275
○小宮委員 それは仕事が測定できぬから、出来高で見たほうが一番測定がしやすいという問題はあろうけれども、やはりそういった働く人たちを、結局、もう信用してもいいんじゃなかろうかというように考えるわけです。特に、この場合はどうですか、退職金はあるんですか。この定期作業員の場合は六カ月したら一時、身分はそのまま継続されて、仕事は六カ月か何かで――きのうの質問もあったんですけれども、そういった場合には、退職金制度というのは常用作業員だとか定期作業員にあるんですか。
#276
○松本(守)政府委員 退職金の制度がございます。
#277
○小宮委員 それで、この定期作業員の場合は、仕事の性格上、半年働いて、あとは失業保険なんかもあるわけですか。
#278
○松本(守)政府委員 定期作業員と常用作業員の扱い方が少し違っておりますので、詳細につきましては労務課長から答弁させていただきます。
#279
○須藤説明員 お答えいたします。
 常用作業員につきましては、国家公務員の退職手当法の第三条を適用いたしております。それから、定期作業員につきましても同じでございますが、つまり毎年反復雇用でございますので、そのやめたときに失業者の退職手当を支給いたしております。この失業者の退職手当は、失業保険に該当するものでございます。
#280
○小宮委員 それから、この常用作業員と定期作業員を月額に引き直した場合に、一万九百円ぐらい差がありますね。これは実際の仕事は何ら変わりはないわけでしょう。ただ身分的に、常用作業員と定期作業員というただ身分の差だけでこれだけの賃金格差がついているんですか。
#281
○須藤説明員 お答えいたします。
 先ほど長官がお答えいたしました月給制に引き直しました金額は、いわゆる基準内、基準外を合わしたものでございまして、ただいま先生から御指摘の一万何千円の違いは、基準外のほうで違っておるわけでございます。基準外と申しますと、たとえば年末手当であるとかあるいはそういう手当類が額が違っておるために差が出てまいります。
#282
○小宮委員 年末手当なんかは、そうしたら、定員内職員と比べた場合に、常用作業員、定期作業員はそれぞれ格差がつけられているのですか。
#283
○須藤説明員 年末手当につきましては常用作業員は定員内職員と同様でございますが、定期作業員は勤務期間に応じましてそれぞれ額がきまっております。
#284
○小宮委員 きのうも質問が出ましたけれども、常用作業員の平均勤続年数、それから定期作業員の平均勤続年数はどれくらいになりますか。
#285
○須藤説明員 お答えいたします。
 これは昭和四十五年十月現在員によるものでございますが、常用につきましては四月一日時点で計算されました勤続年数でございます。定期につきましては雇用期間の長短にかかわらず、雇用された年を一年としたものでございます。定期と申しますのは六カ月以上の雇用でございますから、その長短にかかわらず雇用された年を一年という計算でございますが、五年未満が、常用におきましては八千八百三人、六年から十年が二千百二十四人、十一年から十五年が千七百二十九人、十六年から二十年が二千三百六十一人、二十一年から二十五年が六百八十二人、二十六年以上三百八十一人、合計一万六千八十人、平均いたしますと七・三年でございます。それから定期につきましては同じような傾向をたどりますが、総員二万一千百四十人、平均いたしまして八年でございます。
#286
○小宮委員 そういった傾向はやはり不自然じゃないのか。たとえばこれを民間の企業に比べてみますと、本工が定員内職員で、常用作業員が臨時なら臨時、それから定期作業員が日雇いとか、そういった形になろうかというふうに区別されるわけですが、もう現在民間企業においても、大体二十六年以上とか、平均これは七・三年ですから十年以上とか、同じ勤続をしておるというなら、そういった意味ではこれは基幹要員としてみなすべきであって、特に労働力確保をするという労働力の確保の面から見ても、たとえばいまの定期作業員の方は常用作業員に切りかえるとか、また常用作業員は定員ではなくても常勤職員でおるわけでしょう。そういった中に繰り入れていくとか、そういうようなことを考えぬと、これは民間あたりでも、こういった臨時工の切りかえも日雇いも全部本工化してしまっておるような傾向にありますから、そういった意味ではこの林野庁の国有林野事業にだけこういうような、少なくとも勤続二十六年以上が三百何人もおるというのは、こういった不自然な姿はないと思うのですよ。この問題は定員という問題が一つあるから壁にぶつかっておるだろうけれども、しかしこういうような人たちに対しては、少なくともそういった問題は問題としても、やはり賃金格差を――私は、先ほど申し上げましたこともやはり、生産性を上げて、その上げた分に対しては見合う賃金も何らかの形で出さなければならぬ、先ほど言ったような国家公務員という立場から、実際は利益が出ても、働く人に還元できないというような点についても政務次官からお話がございましたが、しかし、やり方としては、たとえばいろいろな形があるかと思うのです。そういった意味からは少なくともこういった人たちは基幹要員化しておるわけですから、一挙にいかなくても徐々にそういう人たちは制度を変えていって、定期作業員は全員常用作業員にするとか、常用作業員はやはり常勤職員に上げるとか、それは資格条件とか、いろいろ基準はあるにしても、そういったことで現状のままで置くという事態に私はやはり不自然なものを感ずる。この定期作業員だとか常用作業員の身分の問題について、現状のままでいいというふうに考えておられるか、今後改善する意思があるのかどうか、ひとつこの点も、これは政務次官からお聞きしましょう。
#287
○渡辺政府委員 これは先ほどから申しておりますように、公務員制度との問題もあって、現在のままでは、気持ちではそう思ってもなかなかできない面もあります。したがって林野行政のあり方というものを再検討するときに、抜本的に一緒に検討すべきもの、かように考えております。しかし定期作業員やあるいは常用作業員等において、有給休暇その他手当等において非常に格差があるというようなものなどにおいては、それぞれの勤続年数等を考慮をして、できることならば何らかの措置は講じてやらなければならないのじゃないかということで、林野庁はいろいろと苦労をしておるわけであります。
#288
○小宮委員 それと同時に、国有林野事業に働く労働者の人たちと、一般民有林に働く労働者の人たちの労働条件、賃金の格差はどれくらいありますか。
#289
○須藤説明員 お答えいたします。
 賃金比較は規模別でありますとか、業種別でありますとか、年齢構成別それぞれ違っておりますので、単純比較は非常にむずかしいわけでございますけれども、ここに四十四年度の統計資料を持っておりますので、御報告いたしたいと思います。
 常用定期作業員の平均賃金、つまりこれは基準内外計の一人一日当たりの賃金でございますが、二千七百十七円、労働省の林業労働者職種別賃金調査によりますと、木材伐出業、これは一日平均現金給与額でございますが、二千三十九円、それから労働省の毎月勤労統計による製造業の百人以上五百人未満の事業場の賃金推定日額、これはほとんど月額でございますので、月額を二十四で除したものでございますが、二千四百二十一円、同様に五百人以上事業場の推定日額二千九百九十三円、こういう統計数字になっております。
#290
○小宮委員 それから国有林野に勤務する人たちは非常に僻地が多いわけですね、山の中ですから。長崎の場合も五島とか対馬とか、ほんとうに離島に勤務されている方々が多いのですが、特にそういうような人たちの話を聞くと、離島、僻地といっても物価はむしろ高いのです。離島の場合は特に物価は高くて、大体二割から二割五分、私も行ってよく承知しておりますけれども、そういった意味では物価が高いということと、特に雲仙なんかに行くと、温泉があるために、硫黄分のために冷蔵庫だとか洗濯機が二年くらいしたらみんなぼろぼろになってしまう、そういうようなことで、現在勤務地手当ですか、こういうようなものが賃金体系の中にもあるようですけれども、こういった僻地に勤務される方々のためにやはり何らかの配慮が必要ではないのかというように私しみじみ感ずるわけでございますが、現在の勤務地手当の中にはそういった問題配慮されておるのかどうか。もし配慮されておらないとすれば、今後の考え方として配慮する意思がありやなしや、その点ひとつ御答弁を願いたいと思います。
#291
○松本(守)政府委員 五島、対馬等離島の勤務に対する特別な手当についての御質問でございますが、職員の給与は、給与特例法に定める給与の根本原則にのっとって、労働組合との交渉によってきめられております。離島勤務職員の特別な手当といたしましては離島調整額を支給いたしております。若い人で二百円、年輩者で三千六百円くらいの月額でございますが、平均月額にして二千円くらいの手当を支給しておる。また奄美大島のハブに対する危険手当につきましては、給与特例法の定めるところによって民間の賃金事情等を調査いたしまして対処をしてまいりたい、このように思っております。
#292
○小宮委員 次に林業労働災害について質問いたします。
 この労働省の労働災害年報によりますと、林業労働災害は四十四年において八日以上の死傷者が一万七千百六十八名というふうになっております。そのうち死亡者が二百五十名、重軽傷者が一万六千九百十八名となっているわけですが、この災害の度数率を見てみますと、四十年が一五・九二、四十一年が一五・五〇、四十二年が一五・四四、四十三年が一六・五三、四十四年が一八・四八というふうに、四十三年、四十四年は度数率が高くなっております。これは災害件数が多いということを示しておるわけでございますから、そういった意味では、ひとつ長官の災害に対して取り組む姿勢をひとつお聞きしたい。長官、お願いします。
#293
○松本(守)政府委員 労働災害に対する基本姿勢ということでございますが、これは民有林を含めまして確かに災害の多い業種の中に林業が数えられております。そこで、労働災害防止計画によりまして、林業におきましては伐木造材、機械集材関係の作業の災害、振動障害による災害というようなものを重点災害の種類といたしまして指定をいたしました。また林野庁といたしましては労働省と緊密な連絡をとりまして、これら災害の防止のための安全衛生意識の高揚、事業場における安全管理組織、作業環境の整備改善、安全教育の徹底、こういうことをはかることについて事業主に対し指導監督を強化しております。
 なお、国有林に対してもそれぞれの対策を講じまして、そういった労働災害の防止、軽減というものを今後強力に進めていく、十分努力をするという姿勢でございます。
#294
○小宮委員 それでは、今後の災害を減らしていくという立場から度数率並びに強度率についてどういった目標を設定しておられるのかお聞きしたいと思います。そうしないと、やはり努力目標を掲げまして、来年は度数率はこれぐらいにする、強度率はこれぐらいにするというような目標を掲げまして努力をしないと、ただ単なる結果を見て、災害はこれだけあった、多かった少なかったということで喜んでみたり悲しんでみたりしたって、どうにもなりません。やはり目標をきめて、安全対策についての姿勢を強化していくということをやってもらうわけですが、これはどこでもやっているわけですから、そういった意味では、たとえば四十六年度の度数率と強度率はどこを目標にして安全対策をやっておるのか、お答え願いたいと思います。
#295
○松本(守)政府委員 民有林の労働災害につきましては労働省の所管でございまして、いまここに……(小宮委員(「国有林だけでいいです」と呼ぶ)国有林の強度率につきましては、四十一年に二・〇になっております。災害防止計画では、それを昭和四十七年に約半減をする、一・〇にまで持っていこうということで努力をいたしております。四十四年の実績は度数率が一・二二でございますから、もう一息でございます。
#296
○小宮委員 民有林関係の労働者については災害保障制度が確立されているわけですか。
#297
○松本(守)政府委員 民有林の労働者につきましても労災保険の適用によりましてその保障制度が一応確立されておるということでございます。
#298
○小宮委員 まだありますけれども、きょうは長官一人でだいぶ疲れたでしょうから、これで私の質問は終わって、次の機会にやりたいと思います。
 これで終わります。
#299
○草野委員長 次回は明二十五日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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