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1970/04/28 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 農林水産委員会 第22号
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1970/04/28 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 農林水産委員会 第22号

#1
第065回国会 農林水産委員会 第22号
昭和四十六年四月二十八日(水曜日)
    午後三時四十二分開議
 出席委員
   委員長 草野一郎平君
   理事 安倍晋太郎君 理事 小沢 辰男君
   理事 仮谷 忠男君 理事 丹羽 兵助君
  理事 三ツ林弥太郎君 理事 千葉 七郎君
   理事 斎藤  実君
      江藤 隆美君    熊谷 義雄君
      瀬戸山三男君    中尾 栄一君
      別川悠紀夫君    山崎平八郎君
      田中 恒利君    芳賀  貢君
      長谷部七郎君    美濃 政市君
      瀬野栄次郎君    鶴岡  洋君
      合沢  栄君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 倉石 忠雄君
 委員外の出席者
        農林水産委員会
        調査室長   松任谷健太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件(米価問題)
     ――――◇―――――
#2
○草野委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 この際、倉石農林大臣より、昨二十七日の委員会における二見委員の質疑に対する答弁に関連し、発言を求められておりますので、これを許します。倉石農林大臣。
#3
○倉石国務大臣 昨日の私の答弁の趣旨は、行政担当の責任者としてみずからを戒める意味で申し上げたのでありますが、答弁中、━━━━ということばにつきましては、誤解を与え、穏当を欠くと思われまするので、これを取り消させていただきます。
#4
○草野委員長 引き続き農林水産業の振興に関する件について、質疑の申し出がありますので、これを許します。合沢栄君。
#5
○合沢委員 私は昨日の本会議でも、民社党を代表して本年産の生産者米価についての質問をしたわけでございますが、総理からの答弁がございましたが、なお重ねて農林大臣に本年産米価について質問をいたします。大臣も米価審議会が開かれておって、時間が少ないようでございますので、問題は端的に質問しますので、ひとつ要領のよい御答弁を願いたいと思います。
 まず第一に、本年産米価の政府の米価審議会に対する諮問の内容でございますが、その中で本年産米価は据え置くということを前提としての試算がなされておるわけでございます。一昨年、昨年、本年と毎年政府の試算の内容は変ってまいっておるわけなんですが、政府の自由自在な、毎年算式を変更するというようなことであるならば、この米価の算定というのはほんとうに意味をなさないのではないか。一体そんなような算定にどのような意味があるのかということが第一点でございます。同時に、このようなつじつま合わせの算定というか、試算に対して農林大臣はみずから矛盾を考えていないのかどうかという点をまず御質問いたします。
#6
○倉石国務大臣 昨日の委員会でも私どものほうからお答えをいたしたことでありますが、算式につきましてはいろいろ御意見のあるところだと存じますが、本年の米価審議会に諮問をいたしました算式につきましては、昨日も申し上げましたように、私どもといたしましては米の需給関係というものを勘案いたし、もう一つは生産調整というものをぜひ御協力を願うために、予算編成の際にも政府の方針を決定いたしましたように、生産者米価の水準は据え置きたい、こういう考えでございまして、そういう趣旨から算式を考えたわけであります。もちろん、昨年の米価決定にあたりましても、米審の総意ではございませんでしたけれども、多数の方々から、これからはいままで使っておった算定方式を使うことについては十分再検討しなければならないという御注意もありましたので、それらに即しまして今回の算式を考え出した、こういうことであります。
#7
○合沢委員 据え置き米価をきめて、そうしてそれに合うような算式というのは全く意味をなさないのではないか。それが一昨年、昨年、本年と三年続いて据え置き米価をきめて、それに合うような算式になっておるわけなんです。一体そのような算式というようなものがどのような意味を持つのかということなんです。この点をもう一度お聞かせいただきたいと思うのであります。
#8
○倉石国務大臣 予算編成方針で米価の水準は据え置くということにいたした次第であることは申し上げたとおりでありますが、そこで、今回の算式につきましては、いま申し上げたとおりの考え方で出したわけでありますが、もちろん、政府は全体としての予算編成の方針は決定いたしておりますが、ただいま連日御審議を願っております米価審議会におきまして、それらのことについて御討議を願っておる最中でございます。したがって、結論はこの米審の御決定を待って、その答申を背景にした上で正規の米価決定をいたしたい、こういう所存でございます。
#9
○合沢委員 米価の決定はもちろん米審の答申を待って決定するというのは当然だと思うのですが、私は、据え置き米価を先にきめておいて、そうして、これに合うような算式というのは全くナンセンスだ。つじつまを合わせるための算式にすぎないのではないか。そういったものが一体どういった意義を持っておるのかということをお尋ねしておるわけであります。
#10
○倉石国務大臣 きのう私のほうの事務当局からその係数につきまして御説明を申し上げましたが、間もなくその事務当局も参りますから、詳細なことを御報告いたさせますが、たとえばいままで労働賃金のとり方等でも御存じのように、従来は五人以上の規模の全国平均の他産業の平均賃金を出しておりました都市賃金であります。今回は御存じのように、地方のそれぞれの地域の労働賃金の基準をとった。いわばそういうようなことで私どもの考えております米価の水準を据え置くという計算をいたしておるわけであります。こういうことでございます。
#11
○合沢委員 おそらく大臣みずからも、この算式については何らの意義も感じていなくて、むしろ矛盾を感じているだろうというように考えるわけでございますが、この点についてはこの辺でとめて、次の質問に移ります。
 次に私は、どのような算式であろうと、この物価が上がり、労賃が上がる中で、しかも昨年は政府の予定した生産調整に対して一四〇%も農家は生産調整に協力しておるわけなんですが、そういった協力しているところの農家に対して、本年も据え置く、しかも切なる農民の要望を全く無視する、そして米価を据え置こう、そういった気持ち、これははたして農林大臣として愛情あるところの米作農民に対する仕打ちであるかどうか、私はほんとうに残念に思うわけなんです。少なくとも私は、農林大臣はもう少し米作農家の窮状というものをよく知っていただいて、そしてあたたかい愛情のあるところの行政措置というか、特に米価の問題についてはぜひひとつ考慮してほしいと思うわけなんです。
 なお、米作農民の切なる要望だけじゃなくして、御承知のように、この三年の米価据え置きについては、野党あげてでございますが、与党の中にも、聞くところによると、農協のほうに対して、米価の値上げについての署名ですか、これが百数十名にのぼって署名されているというように聞いておるわけなんです。おそらく与野党あげて、過半数あげての生産者米価の要求の意思だろうというように考えるわけでございます。農民の切なる要望、また国会のそういった意思というものをどのように大臣は考えておられるか、その点をお聞きしたいと思います。
#12
○倉石国務大臣 きのうもお答えいたしたのでございますが、米づくりの農家の方、そういう一つの問題を取り上げて考えますときに、私どもといたしましても、たいへん心暗くなるいろいろな感情が込み上げてくるわけでございます。一方におきまして、もしこのまま生産が増強されていったらばどうなるかということも反面考えます。したがって生産調整はぜひやっていただかなければならないが、そこで価格政策によりまして生産を刺激するようなことになった場合には、全体としてどうなっていくであろうか。もしこれが多くの増産がされるということになりますと、農業政策の転換についても大きな障害が出てまいります。結局農家全体の方の利益にはならない。同時にまた国全体の経済の面から見ましても、これはたいへんなことになるのではないだろうか。そこで、米づくりの農家の方には、昨年は単年度でありましたが、今回の予算編成にあたりましては、御承知のように休耕は三年間、転作は五年間、しかも五年間続けて生産調整の計画を立てて、先行きの見込みを農家の方にも持っていただいて、そしてなるべく転作をしていただいて、その転作をしていただいた方々のお仕事が定着をするように昨年よりも多くの金額を奨励金として支出をいたして、その間にできるだけ定着をしていただく。そこで、そのためには、しばしば私がお答えいたしましたように、昨年度はそういうととの直接予算は八億何がしでありましたが、本年は四百二億円じかに計上をいたしており、それからまた転作、休耕等にも千七百億近い予算を計上いたしておりますほかに、小規模の土地改良であるとか、圃場整備、その他の事業に対しては、全面的に予算を拡大いたしておることは御承知のとおりでございます。したがって私どもは、地域、地域によってはたいへん事情が違うでありましょう。単作地帯などの方々には特別な御苦労がございますので、そういう方面には特段の配慮をしなければならないが、転作の可能な地域に向かっては転作のための助成をやってまいりたい。こういうことで、いまのような転換期でございますので、御苦労のほどは十分農政当局としてもお察ししますが、どうぞひとつその辺の事情を御了察の上に御協力を願いたいということを呼びかけておる、こういう次第であります。
#13
○合沢委員 米が余ってくると、困るのは米作農家なんです。そこで昨年の生産調整も生産調整のための奨励金があったからやったということもございましょうが、それだけでないと思う。やはり米作農家みずからが、あり余る米をつくったのではまずい、米が余ってくればお互いに少しでも減らして、そして需給に見合うようなことにしなければならぬという、農家にもその程度の認識はあるだろうと思う。また農村の指導者にもあるだろうと思う。しかし大臣はそういう点を、生産調整をやっているのだから、価格等を値上げして、そして刺激して生産調整をだめにしては悪いというような配慮が非常に動いているようですが、私は、そういった心配はむしろ少ないのじゃないか、この際、困っておる農家に愛情を示すということが政治に対する農家の信用というか、そういったものを増すゆえんでもあるし、決して米価を上げることが生産調整をこわすゆえんじゃないというように判断しておるわけなんです。そういった意味で、私は農家のあげての要望でもあるし、特に国会のおそらく過半数だと思う、そういった国会の意思というものを私はこの際米価に反映すべきだというように考えるわけなんです。国会のそういった意思というものに対してどのようにお考えになるか、もう一度その点をお聞かせ願いたいと思うのです。
#14
○倉石国務大臣 ただいま米審をやっていただいているわけでありますが、米審の委員の先生方の御意見を承っておりますと、ただいま合沢さん御指摘のような点について理論的に強調されていらっしゃる方もございますし、先ほど与党のお話もございましたが、いろいろな方にお目にかかりまして、私どもといたしましてもそういう御意思を十分尊重いたして態度を決定しなければならないと思っておりますが、米審の答申を十分尊重いたしまして対処してまいりたい。くれぐれも私ども申し上げますならば、米づくりの皆さま方のことを考えましたときにはできるだけのことをしなければならないという情熱においては、私どもも人後に落ちないつもりでやっておるわけでございます。
#15
○合沢委員 次に大臣にお伺いしたいのは、私は米価は都市の勤労者の賃金に匹敵するものだというように考えるわけでございますが、大臣はそのようにお考えになっておられますか。
#16
○倉石国務大臣 米価を決定いたしますにつきまして、御存じのようにずっと以前はパリティ方式を採用いたしておりました。ところが、だんだん生産が窮屈になりまして、これよりももっと生産を刺激しなければいかぬということになりまして、御存じのように生産費・所得補償方式を採用するようになりました。その過程におきまして、私どもといたしましては価格の面で生産を刺激する必要があると考えられたものでありましょう、たぶん。そして、その生産費の中の計算には、先ほど申し上げましたように、五人以上の、全国平均の都市労賃を家内労働費として採用することにいたしたことは御存じのとおりでございます。そこで今度は、需給の今日の状況にかんがみまして、そこで価格によって生産を刺激するようなことはいまの段階においては好ましくないということで、やはり労賃のとり方にいたしましても、都市労賃でなくて地方の労賃を採用するように相なった、こういうことでありますが、生産費並びに所得を考えるという点においては、思想は変わっておらないわけであります。
#17
○合沢委員 米価の問題は、米が食糧管理法によって政府に買ってもらうかまたは自主流通米で売る以外にないということでございますので、米価というものは都市勤労者の労賃に匹敵するものであって、しかもその労賃をきめるのは農林大臣だというふうに私は考えておるわけなんです。今日公共企業体でも、いずれもこの一般の賃金の上昇に見合うような賃金の決定をしておるわけですが、その際その賃金ではどうしても公共企業体が赤字になるという場合には、それぞれの公共企業体の料金を引き上げるといったようなことによって、この公共企業体の労働者の賃金のアップをやっておるわけなんです。米価も全く同じだ。これは国が米を管理しておるわけなんだから、そういった意味では公共企業体の労賃と変わるところはないというように判断しておるわけです。米作農家は米は政府で買ってもらう以外にはかってに売れないたてまえになっておるわけなんです。そういったことですが、一般の賃金はほんとうにどんどん上がっている。昨年も平均九千円も上がっているし、ことしも一万円以上のベースアップというようなことになっておるわけなんです。公共企業体も同じことなんです。そういった意味から、米価は米作農家にとっては賃金だ。その賃金が三年も据え置かれて、しかも本年は二割も生産調整せなければならないというようなことになっているわけなんです。しかも二割の生産調整というのが、今日の米作に相当するような作物がないという現状において、なおかつ米価を据え置くということは、これはもうひとり生産農民だけでないと思う、消費者だって気の毒だというような感じを持っているだろうと思うのです。そういったことからして、米作農民の労賃を決定する農林大臣として、ぜひそういった点を考慮して、さらにまた国会の過半数にひとしい者が与党を含めてこの米価の値上げに署名しているというような事実も考慮し、そういった国会の意思も考えて、本年度の米価の値上げについてひとつ積極的な御配慮を願いたいということを要望申し上げるわけでございます。
 なお、もう一つ申し上げたいのですが、これは昨年も一昨年も基本米価を据え置いて、そしてつかみ金をプラスアルファしておるということなんでございますが、このことは私はきわめて不合理であるというように考えておるのです。大臣もこの点については決してりっぱな措置と思ってないだろうと思うのですが、そういった従来の基本米価を上げずしてつかみ金でプラスアルファするというようなことについてどのように勘案しておるのか、そのことは正しいと思っておるのかどうか、その点ひとつお聞かせ願いたいと思います。
#18
○倉石国務大臣 つかみ金というお話でございましたが、あれは良質米奨励金というのでありまして、私ども米価決定をいたしますときに各方面の御意見も承りまして、やはり良質米を奨励いたすことが必要である、こういうことは一致した見解でございます。そこで、そういうことのためにいま申しました良質米奨励金というものを米作農家に差し上げた、こういうふうに理解いたしておるわけでありますが、政府はそういう考えであっても、御批判を賜わる方も多いこともよく承知いたしております。しかし私どもといたしましては、いまもよくいわれることでありますが、等級間格差を開けとか、あるいは銘柄格差を採用して、そして消費者の喜ぶようなものをなるべく多く産出させろとかいう御意見はごもっともなことだと思っておりまして、そういう傾向を助長することは必要だと思っておるわけであります。したがって、これからもただいまお話しのように、国会の中でも議員さんの方々の中にいろいろな御意見がございます、そういうことももちろん私どもはよく承る必要がありますし、米審の委員さんの中でもいろいろなりっぱな御意見がございますので、そういう方々の御意見を十分拝聴いたし、同時に米審で御決定になります御答申を尊重いたしまして態度をきめてまいりたい、このように考えておるわけであります。
#19
○合沢委員 どうせ米審の最終的な答申を得て、大臣は近々本年産米価の決定をされると思うのですが、どうかひとつ本年度は、まず基本米価をかさ上げするということに重点を置いて、そしてその上でプラスアルファを考えるというような、そういうことを中心にしての米価の値上げを実現されますように衷心からお願いしまして、私の質問はこれで終わります。
#20
○草野委員長 この際暫時休憩いたします。
   午後四時三十三分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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