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1970/03/19 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 社会労働委員会 第13号
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1970/03/19 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 社会労働委員会 第13号

#1
第065回国会 社会労働委員会 第13号
昭和四十六年三月十九日(金曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 倉成  正君
   理事 伊東 正義君 理事 増岡 博之君
   理事 田邊  誠君 理事 大橋 敏雄君
   理事 田畑 金光君
      有馬 元治君    大石 武一君
      梶山 静六君    唐沢俊二郎君
      小金 義照君    田川 誠一君
      田中 正巳君    中島源太郎君
      早川  崇君    松山千惠子君
      箕輪  登君    山下 徳夫君
      渡部 恒三君    後藤 俊男君
      山本 政弘君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 内田 常雄君
 出席政府委員
        厚生省援護局長 中村 一成君
 委員外の出席者
        外務省アメリカ
        局外務参事官  橘  正忠君
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第四四号)
     ――――◇―――――
#2
○倉成委員長 これより会議を開きます。
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。厚生大臣内田常雄君。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#3
○内田国務大臣 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由を御説明申し上げます。
  〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕
 戦傷病者、戦没者遺族、未帰還者留守家族及び戦傷病者の妻等、戦争犠牲者に対しましては、年金の支給をはじめ各般にわたる援護の措置が講ぜられてきたところでありますが、今回これらの支給範囲の拡大、支給金額の引き上げなどを行なうことにより援護措置の改善をはかることとし、関係の法律を改正しようとするものであります。
 以下この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正であります。
 改正の第一点は、障害年金及び先順位遺族にかかる遺族年金等を恩給法に準じて増額を行なうことといたしております。
 改正の第二点は、準軍属にかかる障害年金等の額の改善でありまして、被徴用者等については、現行の軍人軍属にかかる額の八〇%相当額を九〇%相当額に、その他の準軍属については、現行の七〇%相当額を八〇%相当額にそれぞれ引き上げることといたしております。
 改正の第三点は、軍人軍属の事変地、戦地におけるいわゆるみなし公務傷病にかかる障害年金の支給対象の拡大でありまして、現行の特別項症から第三款症までとされている支給対象を第五款症までに拡大することといたしております。
 改正の第四点は、昭和十六年十二月八日以後本邦等における勤務に関連した傷病により第五款症以上の障害者となった軍人軍属等またはその者の遺族に、公務傷病による障害年金、遺族年金等の額の七五%相当額の障害年金、遺族年金等を新たに支給することといたしております。
 改正の第五点は、日華事変中に本邦等における勤務に関連した傷病により死亡した軍人等の遺族に、公務傷病にかかる遺族年金の額の七五%相当額の遺族年金を新たに支給することといたしております。
 以上のほか、軍人恩給復活の際に六十歳未満であってこれまで公務扶助料の扶養加給の対象となったことのない軍人の父母等に対し後順位の遺族年金を支給し、また昭和二十年九月二日以後、海外で軍人軍属たる特別の事情に関連して死亡した者の遺族に対しても遺族年金等を支給することといたしております。第二は、未帰還者留守家族等援護法の一部改正でありまして、留守家族手当の月額を、遺族年金の増額に準じて引き上げることといたしております。
 第三は、戦傷病者特別援護法の一部改正でありまして、昭和十六年十二月八日以後、本邦等における勤務に関連した傷病により第五款症以上の障害者となった軍人軍属等に新たに療養の給付等を行なうこととするほか、長期入院患者に支給する療養手当の月額を増額することといたしております。
 第四は、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正でありまして、昭和四十五年の戦傷病者戦没者遺族等援護法の改正により遺族年金または遺族給与金を受けることとなった戦没者の妻に、新たに特別給付金を支給することといたしております。
 第五は、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正でありまして、第五款症にかかる障害年金を受けている戦傷病者の妻等に、新たに特別給付金を支給することといたしております。
 第六は、戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部改正でありまして、昭和四十五年の戦傷病者戦没者遺族等援護法の改正により遺族年金または遺族給与金を受けることとなった戦没者の父母または祖父母に、新たに特別給付金を支給することといたしております。以上がこの法律案を提出する理由でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#4
○増岡委員長代理 次に、質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本政弘君。
#5
○山本(政)委員 戦傷病者戦没者遺族援護法に関連をして、阿波丸の事件についてお伺いをいたしたいと思うのです。
 この件につきましては、私が昭和四十一年にたしか質問をしたと思いますが、もう一ぺん繰り返して質問してみたいと思うのです。
 御承知だと思いますけれども、阿波丸というのは、昭和二十年の四月一日に台湾海峡でアメリカの潜水艦によって撃沈をされた。この件に関しましては、その後に昭和二十年七月五日、阿波丸事件についてアメリカ政府は阿波丸撃沈の責任を認めておる。そして、賠償に関しては戦争の終了後に討議する用意がある、こう言って、戦後における問題の交渉というのは、昭和二十年十一月九日に総司令部にあっせんを依頼しておる。そして二十一年五月二十八日に武内終戦連絡事務局長が総理府に口頭で督促をしておる。そして二十一年十二月十四日に再度文書で督促をしている。引き続き交渉中であった。これは一体問題はどこにあったかといえば、言うまでもなく、賠償金の決定であったと思うのです。そのときの日本側の要求というのは、乗船二千三名の人命に対する損害賠償一億九千六百十一万五千円、第二には生存者の家族に対する手当四カ月分、第三は載貨に対する賠償三千三十七万円、四番目は阿波丸の四カ月の予想利益八十万円、以上合計二億二千七百二十六万六千六百円というものを日本政府の選択によって金または金に免換し得る外貨で支払うということ、そして最後に阿波丸の代船をということが問題であったと思うのです。ところが、これはその後に衆議院において敗戦後の国内事情というもの、混乱、復旧についてアメリカ側が非常な誠意を示したということで、その感謝の意を日本政府としては披瀝をするということで、外交的な手段として阿波丸事件賠償請求権を放棄する、こういうことになった。そして一人当たり見舞い金を七万円支給された。その後衆参の外務委員会等で幾たびか質問があったけれども、そのままに過ごされてきているというのが実態だと思うのであります。先ほど申し上げました二十四年四月七日の阿波丸事件に基づく日本国の請求権放棄に関する衆議院の決議というのは、再度繰り返しますけれども、二十五年八月一日施行の阿波丸事件に関する法律ということで、死者一人当たり七万円、二人の場合十二万円、三人の場合十五万円、船主たる日本郵船に対しましては千七百八十四万三千円を支給したということになっております。
 そこで、私がお伺いしたいのは、外務省の方おられますか。この七万円という金額の算定基準を一体どこに置かれたのか、それをまずお伺いをしたいと思います。
#6
○橘説明員 阿波丸事件の死亡者の遺族に対する見舞い金は法律によってきめられましたわけでございますが、その基礎となりました算定方法は次のようなものであったと了解しております。
 死亡をされた方を一応年齢別に四つの段階に分け、それぞれの年間の所得額を算出いたしました。それから生計費をその分から控除いたしまして、それに残った余命年数というものを乗ずるという方式を基礎にいたしまして、いわゆるホフマン方式の計算法を基礎にして算定いたしました。それから、各四つのカテゴリーの人数に相当する人数をかけまして、それを死亡者の総数で割って得た数字、それは一応二万円前後の数字が出ております。これを当時における所得に対する一応の賠償金額とみなし、それから年五分の複利計算による利子を加算いたしまして、これを支払い時における将来の所得に対する賠償金額といたしました。それの上に精神上の慰謝料として十五割相当金額を加算いたしました。なお、身の回り品、所持品の相当額とみなされる金額を加算しまして、その結果、単身者の場合の遺族は見舞い金七万円という数字が出たと承知しております。
 なお、一つの家族に属する者二名が死亡した場合には、ただいま申し上げました七万円に、二人目の所得の賠償金額、それから精神上の慰謝料あるいは身の回り品、所持品の相当額というものを加算いたしまして、二人の場合には合わせて十二万円という算数を出しております。それからなお、同一家族に属する者三名以上が死亡した場合には十五万円という数字になっております。
#7
○山本(政)委員 援護法で、私の数字が違ったら御訂正願いたいのですけれども、遺族年金は先順位というのですか、一人の場合について十五万七千円でしたかね、もっとふえておりますか。それから遺族一時金が軍属の場合は十万円、弔慰金が軍属の場合は五万円、準軍属の場合は遺族給与金が十万九千円、遺族一時金が七万円、弔慰金が三万円ですね。その点私の数字が間違っておるかどうか確かめたいのです。
#8
○中村(一)政府委員 遺族年金は先生おっしゃいましたとおり十五万七千円。それから給付金あるいは弔慰金でございますが、戦没者の妻の場合が二十万円、父母の場合が十万円、それから特別弔慰金が三万円、それから戦傷病者の妻に対しまして特別給付金が十万円でございます。
#9
○山本(政)委員 外務省にお伺いいたしますけれども、軍人とか準軍属というその当時の身分上の問題がありますね。これは一つの例であります。阿波丸に乗っておった民間の人がなくなったわけです。遺族年金は軍属の場合十五万七千円というのがもらえるわけです。ところが、この人たちは七万円ぽっきりで打ち切られちゃってずっとそのままに過ごされているわけです。七万円の見舞い金ということで打ち捨てられているわけです。外務省の立場としてお伺いしたいのですけれども、そういう年金で、軍属の場合には十五万七千円、遺族給与金で十万九千円をもらっている場合にもかかわらず、片方は、本人の過失でもないのです。アメリカの潜水艦によって撃沈をせられた。しかもその遠因は日本政府にある。これは史実によってほぼ明らかにされている。もし載貨として積むべからざるものを積まざりせばということがあるのですよ、少なくとも私の読んだものの中には。疑えばそこまでいけるわけです。いわばそういう問題を引き起こしたのは日本政府だともいえるわけです。にもかかわらず、その人たちは七万円ということで打ち切られておる。外務省の見解でありますけれども、均衡を失してはいないだろうかというのが私の第一の疑問だけれども、そのことに対してお答えを願いたい。
#10
○橘説明員 人命の損失というものはいかなる見舞い金、賠償金を払っても十分ということはないと存じますが、本件についてはその当時、あるいは先生御指摘の機会その他たびたび申し上げておりましたとおり、おそらく当時の国家財政の許す範囲内でできる限り手厚くかつ公正妥当な見舞い金を支払うということとして法律に基づいて措置がとられたことでございます。
 なお、この点間違っておりましたら御訂正願いたいのでございますけれども、軍人軍属の場合でございましたらば、別に軍人軍属の他の法規による給与はこれの別に受けているものと了解しております。
#11
○山本(政)委員 だから私は、先ほどから民間ということばを使ったのだけれども、国家財政でそのときに妥当だという金額であるならば、もはや戦後ではないということばは政府が使っているわけです。そしてそのことによって軍人軍属の年金というのは援護法の一部改正というものが行なわれて上がってきている。厚生省は上げようとする意図があるのだけれども、なぜ外務省は上げようという意図を持たないのか。
#12
○橘説明員 心情におきましては、当時の御遺族に対してたいへん深い心からの御同情を申し上げたいと思っております。ただ、何ぶん昭和二十五年の御存じの法律に基づいて遺族等に対して見舞い金が支給されて措置がとられておりまして、当時の政府としてできる限り手厚い措置をすでに講じたものと考えております。
#13
○山本(政)委員 それは話にならぬわけです。つまり、その当時としてはということだけれども、要するに戦後の処理として、厚生省というのはこういう意図があるわけです、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案。阿波丸事件の法律は外務省が提案なすったんでしょう。違いますか。
  〔増岡委員長代理退席、伊東委員長代理着席〕
#14
○橘説明員 二十五年の法律はそうでございます。
#15
○山本(政)委員 だから、外務省が提案をなすったのだったら、外務省みずから、つまりあなたのおっしゃる意見では、国家財政というものがいまや政府みずから高度成長です、こう言っているのだから、あなた方の意思でなぜお変えにならぬ。つまりほかのところでもそういう措置をやっているのだったら、外務省としても、阿波丸の遺族の人たちにもしてやろうとお考えにならないのかということなんですよ。なぜなれないのですか。ほかのほうはずっと援護をやっているわけです。被爆者もそういうふうに改正されている、年々と言っていいほど。外務省のみが二十五年以来何のアクションもとられようとしていないのですよ。これが疑問なんです。一体それはどういうわけですか、説明していただきたい。
 ついでに言わしてもらえば、その当時の補償ということになって、船舶については十分の補償をやっているわけですよ。船舶については見舞い金でないでしょう。つまり会社に対する見舞い金じゃないはずなんだ。名前は見舞い金だろうけれども、実質は賠償になっているでしょう。賠償と同じでしょう。船舶の見舞い金千七百八十四万三千円というのは船価に複利計算による五カ年間の利子を加算した額ですよ。しかもこの金額で不足だということで、不足は政府資金で有利な条件で融資しているのでしょう。とするなら、あなたのおっしゃるように、人間の命というものが大切だったら、船に対してそれだけのことをお考えになったら、何で人に対してそれ以上のこをお考えになれないのだ。史実によるなら、繰り返しますけれども、軍需物資を載せていっているのですよ、阿波丸は。あるいはそれが撃沈の誘因、あるいは遠因といったほうが正確かもしれません、それになっているかもわからぬということを政府は一体考えたことがあるのですか。
 もう一つは、国と国の間はそれで相殺したかもわからない。あなた方がおっしゃるように、国際法上はそれで片がついたかもわらないけれども、しかし受給権というのは阿波丸の遺族の人たちがお持ちになっているのじゃありませんか。それは国と阿波丸の遺族との関係になるのじゃありませんか。アメリカに対してはあなた方は相殺したかもわからぬ。伝え聞くところによれば、アメリカはその当時一万ドルの補償というものを考えておったということを私は伝え聞いているのです。一万ドルというのは、アメリカの兵士がなくなったときに、戦傷戦没したときに、その補償としてアメリカの政府が法律的に考えたものでしょう。それを断わったのだったら、断わった以上は、あなた方は遺族に対して債務を負っているはずじゃありませんか。まるまる一万ドルとは私は言いませんよ。しかし、それにしては七万円というのは、あなた方外務省としては非常にに不本意な額ではないのだろうかというのが私の疑念なんですよ。それをお聞かせ願いたいのです。
#16
○橘説明員 ただいま先生のお尋ねの点でありますが、まず最初に船の金額につきましては、これも御遺族に対する見舞い金の算定方式と原則的に同様の計算方法を用いて算出しております。いわゆる保険金額は年利五分の複利計算をいたしまして金額を出しておるという基本的に同じ算出方法をとっております。
 それから当時の遺族の方の個人の請求権といいますか、そういうものにつきましては、いわばその当時放棄されましたのは国家としての請求権でございますので、個人の持っておられる請求あるいは請求権というものは別でございます。
 それから、当時政府がとりました見舞い金の処置というものは、国会の御承認を得た法律によって処理した次第でございまして、当時の処置をもって阿波丸の遺族の方に対する措置としては一応でき得る限りのことをいたしたという立場でございます。
#17
○山本(政)委員 つまりそこなんですよ、問題は。国家の請求権はなるほど日本政府は放棄した、個人の請求権は別だとあなたはおっしゃったのでしょう。そうしたら、その個人の請求権の持っていきどころはどこになりますか。アメリカ政府じゃなくなってくるんだ。日本政府になってくるわけでしょう。日本政府になってきたときに、あなた方法律でつくったのだから、これはあなた方が国会でおきめになったことだから、とあなたはおっしゃりたいんだろうと思うのです。援護法も国できめたものです。しかし、毎年必要に応じて――物価にスライドせよとは申しませんけれども、しかし幾らかでもそういう条件をよくしようということで厚生省はやっておる。法律できめたからあとは一切どうでもいいんだということでは、私は為政者としてのとるべき態度じゃないだろうと思うのです。だから外務省としては、法律できめたけれどももう一ぺんこの法律というものを改正をして、そうして遺族の人たちにもう少し補償してやろうという気持ちになぜなれぬのだろうかというのです。外務省は法律論で言っておるのかもしれぬ。だけれども、それじゃあんまり冷た過ぎるのじゃないかというのが私の言い分です。被爆者でも戦傷病者戦没者の遺族でも、そういうふうに年々給付の改正でよくなってきておるのですよ。そうしたらあなた方は、何でそのことに対して、アクションをおとりにならないということが私の疑問なんです。外務省の担当官として、たいへん冷たい言い分でありますけれども、そういうことにかまっておられませんというのなら、私はそれでもいいのですよ。この点に対する外務省の姿勢というものがどんなものかということを、私はお聞きしたいのです。法律論争だったら要りませんよ、そんなものは。あなた方は、そういう意味では専門家でいらっしゃるかもしれぬ。しかし、問題はそんなものじゃないでしょう。どうですか、それは。
#18
○橘説明員 繰り返しになりましてたいへん恐縮でございますが、その昭和二十五年の法律に基づきましてでき得る限りの手厚い措置を講じましたので、この問題はあらためて取り上げるということはたいへんむずかしい立場にございます。
#19
○山本(政)委員 たいへん手厚くないのですよ。手厚かったら遺族の人たちが毎年毎年陳情や請願を繰り返すわけがないのですよ。遺族の人たちをA、B、C、Dに分けて、かりにそういうランクを――あなた方は何段階かにしたと言われている。何段階かに分けて補償をしている。補償を受けた側の人たちのいまの生活を何段階かに分けてみたら、自立して生活ができている人は一割しかおらぬわけです。あとの人たちは、何らか生活の不自由を感じている人たちなんですよ。そして、全部を含めて将来の生活の不安を感じている。しかし、これは捨象するとしても、いまの生活というのは、皆さんそんなに楽な生活をやっているわけじゃありませんよ。もちろん、補償によって一生楽に暮らせる、そういう補償をしなさいと私は言っているつもりはない。実態調査したことがありますか、二千数百名という人の。あなた方、おやりになろうと思えばやれるはずですよ。それが日本の外務官僚の最大の欠点ですよ、法律できめたから……。私は、きめた法律を改正をする意思ありやいなやと聞いているわけです。そして、あなた方がアクションをおとりになればやれることです。遺族の人たちがアンケートをとったところが、衆議院の三百五名の人たちは、気の毒だ、何とか改正しなければならぬという意思表示をされているのですよ。参議院は百七十名。おそらくここに来ておる人たちの何人かはされておるのですよ。そういう実態に対してあなた方はどう考えるか。意思があるかないか。ないならないでいいのですよ。その点はっきりしてください。
#20
○橘説明員 はなはだ繰り返しになりますけれども、当時の措置でできる限りのことをいたしましたので、これをもう一度検討するということは非常にむずかしい立場にございます。
#21
○山本(政)委員 二十六年四月に桜木町の国鉄の事件がありましたね。そのときに補償されたのは、最高百五十万円、平均五十五万円。あなた方がきめた翌年です。人間一人死んだときの計算が、片っ方のほうは一人平均五十五万円、片っ方は七万円。あなたが外務省のお役人だという立場を離れて、五十五万円というのは高いとお思いになりますか、それをひとつお聞かせください。
#22
○橘説明員 政府といたしましては、当時の法律に基づいてとった措置であり、それに基づいて算出した金額と承知しております。
#23
○山本(政)委員 だから、高いか安いかというのです。五十五万円というのは妥当であるか妥当でないかということを聞いておるのですよ。一年の期間でそれだけの差があることについてあなた方はどうお考えなのか、五十五万円が不当だとお思いになるのかどうか。
#24
○橘説明員 その妥当あるいはそうでないということになりますと、その法律自体の問題になると思いますので、何とも申し上げようがございません。
#25
○山本(政)委員 法律できまったら、金額に非常に差があっても、妥当か妥当でないかということは言えない、それは法律によることであるから、そういうことですか。もう一ぺん確認したいのです。
#26
○橘説明員 政府としては、法律にきめられましたところをそのまま実施したということだと存じます。
#27
○山本(政)委員 厚生大臣にひとつお聞きしたいのですが、お聞きのようなことです。つまり、厚生省のほうは、戦傷病者戦没者あるいは原爆の被爆者等に対して、毎年といっていいほどこういうふうに改正をされておる。外務省のほうは、法律一点ばりなんです。まさに私はたいへんりっぱだと思うのです、ある意味では。法律の番人として非常にりっぱだと思う。しかし、人間としてはりっぱじゃない。私に言わせたら、外務省にこういうことの所管をさしておることが大体間違いなんです。こういう援護の問題についてあるいは措置の問題について、私は、こういうことに対しては今後厚生省が当然所管をすべきじゃないのだろうか、むしろおそきに失したのじゃないかと思うのだけれども、大臣はどうお考えになるのか。
#28
○内田国務大臣 山本さんのお気持ち、私にもよくわかりますが、私どもがこうした関係で問題を処理しておりますのは、御承知のように、戦争に関連して一定の身分を持っておられた人々、具体的には軍人とかあるいは軍属、準軍属等、そういう身分関係に基づくいわば国家補償の措置としての対策をとっておるわけでございます。したがいまして、この阿波丸で撃沈死亡された方々の御遺族の方でも、死亡された方が一定の身分を持っておられる方々につきましては、公務扶助料なりあるいは遺族年金なり遺族給金というような、別口の身分に応ずる国家補償が行なわれておりまして、それにつきましては、いまお話がございましたように、諸般の国内的な意識の変化に伴いまして、あるいは国の財政事情等に伴いまして、それらの金額の改定なども行なわれておるわけでございまして、これも私は決して十分だとは思いませんけれども、そういう取り扱いができるわけでございますが、当時の阿波丸事件のことは私もよく記憶はございませんけれども、いまお話の件は、一定の身分を持っておらなかった数十人の方々、したがって、私どもが援護法等の関係でカバーし得ない方々の問題でありますので、これは厚生省の問題に持ち込まれますと、厚生省は別の見地で、社会福祉というような面でこれを論じなければならない、こういうことになりますので、いま厚生省でこの問題はなかなか正面から取り上げ得ないということを御理解いただきたいと思います。
  〔伊東委員長代理退席、増岡委員長代理着席〕
#29
○山本(政)委員 それでは原爆被爆者は特別な身分なんですか。
#30
○内田国務大臣 これは、毎年原爆被爆者に関する法律を改正するたびに、私が実は苦しい答弁をいたしておることは御承知のとおりであります。皆さま方のほうからは、戦争犠牲者、特に世界で初めての原子爆弾の犠牲者として身分関係においても特別の地位を持つものとみなして援護法的なものに直すべきだという御意向がありまして、私どもはその線を踏み切れませんので、実質的にはお説に従うような形でいろいろ便宜措置をとっている、これは私どもの白状でございます。御理解いただきたいと思います。
#31
○山本(政)委員 それでは阿波丸というのは、日本の海難史上で最大の被害者です。これが第一点。第二点は、撃沈され得べからざる船がされたということで世界で希有なことであります。まさに原爆と同じように、ケースとしてはきわめてレアケースなんです。それが第一点です。
 第二点は、それじゃ防空法に対して一定の人々に補償されておる。これは身分的な補償をされてますか、その辺はどうなんです。
#32
○中村(一)政府委員 防空関係者の身分でございますが、援護法で、旧防空法によりますところの防空監視団員の方々につきましては、準軍属という取り扱いをいたしております。
#33
○山本(政)委員 準軍属というのは、いままでは軍属でなかったのが、つまりそういう意味では、社会労働委員会でいろんな議論を重ねた末に、その身分としてあなた方が取り扱うようになったわけです、国会でそういうふうにきまったから。それまでは一定の身分監視団員というのは防空法ではそうでなかったはずです。つまり拡大解釈していったわけです。それなら、なぜ阿波丸の人たちはそういうことができないのですか。しかも普通なら、これは五体満足に帰れる人たちですよ。つまり全く予想できないことが現実として起こったわけでしょう。広島の場合だってそうです。全く予想できないことが起こったとするなら、なぜ適用ができないのか。適用というか、なぜそういうことで厚生省がひとつおやりにならないか。私は、外務省はあてにならぬですから、そういう意味では非常に冷たい。唯一のよりどころは厚生省しかないわけですよ。内田厚生大臣の決断いかんにしか実際はないわけです。だからお伺いしているのです。
 それから前の分の答弁が一つ漏れておりますから、その点もあわせてひとつ……。
#34
○内田国務大臣 私は非常に、もともと政治家でいま行政府に来ているというわけでありますから、どうしてもそういう立場を捨て切れないものですから、案外正直なお答えをいたすことになります。いま山本さんが取り上げられている問題は、結局はやはり国民の意識の問題、これは政府をも国会をも含めて意識の問題ということを私は一つは告白せざるを得ない。いまの防空監視員たちが、もともと準軍属という範疇でなかったものが、前国会をも含めて国民意識として、それは準軍属であるとして処遇をすべきであるという、こういう時代とともに意識が盛り上がってきてそういうことになったということ、御指摘はそういう意味だろうと思います。絶対の線というものはあり得ないわけでありますので、こうした問題につきましても、これはせっかく昭和二十五年の法律ができまして、外務省が言われるように、法律の執行としてやっておられる問題ではありましょうけれども、また日本の国力の増進なりあるいは戦争に対する反省ということの国民の意識の変更というものは、絶対にあり得ないものではありませんので、私どもはこれらの意識についても注意をしてまいるということが一つ。それからもう一つは、防空監視員について、原爆被爆者についてはなぜ特別の措置をするかという御意見でございますが、とどのつまりは、どこかでこういう問題は線を引かなければならない。そうしないと、意味はいろいろ違いましても、かなり接近したような戦争犠牲者のケースもございますので、そういう方々をみな特別の身分あるいは特別の事態のもとにおける犠牲者としてどこまで処遇するかという関連も、正直に申しますとあるようでして、今日まできておるわけです。そこで、現状におきまして、厚生省はそれらの方々を放置しておけばいいということではないので、現在の扱い方としては、私どもはそれらの方々をも含めて、気の毒な方々に対して社会福祉の施策あるいは社会保障の対象として、でき得る限りのことをしていく、こういうお答えを現在においてはせざるを得ない。しかし山本さんが、この問題を取り上げられたことは、意識の喚起であり、いろいろな意味で、速記にも残るわけでございますから、今後反映するところがいろいろあろうかと思いますので、私は十分傾聴をいたすものでございます。
#35
○山本(政)委員 七万円というのを受けておるケースというのは、ほかにありますか。つまり戦災一般で……。
#36
○中村(一)政府委員 ただいまの阿波丸に関連して、こういうような趣旨の戦争によりますところの犠牲者の方で類似のケースといたしましては、昭和十九年に沖繩の疎開学童を内地に運びます途中で沈没しました対馬丸に乗り組んでおられた被害者の方々につきまして、昭和三十七年に見舞い金を差し上げておる。これは二万円でございますが、そういうケース、総理府の所管でございます。それから昭和四十二年度でございますが、長崎大学医学部の学生で原爆の被害を受けた方々につきまして七万円、これは文部省のほうで所管いたしましてお見舞いを差し上げたというケースがございます。それから昭和四十四年度には、先ほどの防空関係では、警防団員の方々につきまして、自治省の所管でございますが、七万円の見舞い金を差し上げた。これはなくなられた方でございます。それから翌四十五年度から、防空関係では、医療従事者の方々につきまして七万円の特別な手当金を支給するというのが厚生省の予算に計上されております。そういうものがございます。
#37
○山本(政)委員 これ全部、七万円という算定の基準というのは、外務省が阿波丸事件で七万円というものを出したからそれに右へならえしたわけでしょう。しかし、このホフマン方式というのは、あなた方がおっしゃるようにきわめて科学的だと思ったら実際は大間違いなんです。物価のこんな急激な上昇とかインフレとかいうことを考えたことがあるのですか。そんなことおそらく考えてないでしょう。あの当時、このままの状態で推移すればということでお考えになったかもわからない。先ほどあなた方が、年齢とか生活とか、それに加算をするとか、複利計算とか、いろいろなことをおっしゃいましたけれども、しかし一番基本のインフレなんということは頭に入ってないのですよ。そういうことで七万円でみんな――ぼくに言わしたら、外務省がそんなことをおきめになったものだからみんな右へならえしているわけですよ。そういう悪い前例をあなた方がおつくりになったのです。しかも変えようとなさらない。一定の身分があるから、その身分の人たちについては毎年かあるいは何年おきかに上積みされている。一定の身分のない者はそのまま泣き寝入りだという、そんなばかなことは私はないと思う。いいですか、日本の繁栄ということばのもとに二千数百名という人たちが犠牲になっているのですよ。その犠牲のもとに、あなた方のことばをかりれば、日本の繁栄がもたらされたと、こう言っているのだ。ちゃんと国会の議事録にあるでしょう。そしてその二千数百名は、当然受くべき受給権というものを、宙にぶら下がったまま何もできないで泣いているのですよ。法律できめたからというわけじゃないんだ。ここに在外財産問題審議会というのがこういっているのです。日本人の財産が消滅したのは日本政府の行為によるのではない、消滅した行為自体は、外国政府のやった行為だから、だから日本政府はその責任を免れる、こういっている。だけれども、阿波丸事件はアメリカ政府が賠償を支払うと言った。そして、すでに成立している賠償請求権というものを積極的に日本は放棄したのですよ。そうしたら日本政府の行為によるものではありませんか。外国政府の行為によるものではないのですよ。あなた方のおっしゃっていることは、論理的にも矛盾があるのですよ。もう一ぺん繰り返しますよ、在外資産の場合には、日本がやったのじゃないのだ、外国政府がやったことだから、日本政府というものには責任がありません、こういう言い方になっている。いろいろ議論の末の結論は、そうなっているのですよ。しかし、阿波丸については、外国政府がやったのだ、やったけれども、その責任については、やったことについて賠償請求権というのは成立しているわけですよ。しかし、それを放棄したのが日本政府であったら、日本政府の行為によることになるではありませんか。したがって、阿波丸の遺族に対する補償というものは、十分に日本政府がやらなければならぬ。しかも、七万円というものは、あなた方が幾ら科学的だと言っても、それは科学的じゃないのですよ。つまり、その当時から今日までの経済的な条件というものを考えたら、まことに微々たる金額でしかないということが言えるわけなんです。厚生大臣は認識の相違だ、こうおっしゃった。認識の相違というのだったら、衆議院三百五名というものが、なぜここで、(内田国務大臣「認識ではなく意識」と呼ぶ)意識の相違だったら、意識でもけっこうだ。なぜ三百五名というものが、阿波丸の補償については不当に低いということで、あなた方の言い分に賛成だということのアンケートを出したのかということですよ。参議院は百七名、おそらく聞いている人の中にも書いている人がおりますよ。ここにおらぬ人の中にも意識の中に上がってきているじゃありませんか。しかも、何万、何十万というのじゃないのです、二千名の人だ。それぞれの人が、その当時おそらく私は、大部分の人たちが国家総動員法という当時の至上の法律に基づいて出ていると思いますよ。何らかのことをあなた方は考えなければうそでしょう。それでも法律できまったのだからやむを得ないとあなた方はおっしゃるのか。あなた方がもしそういうことで発議をするならば、私があげた衆参のいまの数字から見れば、おそらくこれは通る可能性があるのですよ。端的に言えば、あなた方がそういうことをするのはやっかいだと思っているのかもしれない、日にちもたっていることだからめんどうくさい、そうお思いになっているとするのだったら、為政者として私は失格だとしか思えない。たとえば公害の問題だって、環境庁というものを設置することによって、公害をもう少し広く見て環境をよくしようということで環境庁ができるのでしょう。それで統合することになるわけだ。そうしたら、こういう戦争による犠牲者に対する今後の処遇あるいは措置ということに対しても、私は厚生省がもはや一括して考うべき段階にきていると思うのです。そのことについて一体どうお考えなのか。外務省と、それから厚生省の――外務省の局長がお見えになってないようですからたいへん不満なんですけれども、次官でもいいと言ったのだが、次官もどこかへ行っていらっしゃる。阿波丸はタブーだとあなた方はお考えになっているかもしれぬ。外務省にとっては、阿波丸ごときものはまことにささいなもので、法律でおきめになってしまったからというお考えかもしれぬけれども、遺族にとってはそんなものじゃないのですよ。もう一ぺん御答弁をお願いいたします。
#38
○内田国務大臣 山本さんのお気持ちは私はよくわかっております。これはいつまでも押し問答をいたすのもこの際いかがかと思いますので、私はまさに立ち上がりましたが、私は山本さんの気持ちがわかるので、認識を異にするということを申し上げているのではありません。
 この種の問題は、政府や国会をも含めて、国民意識の成熟とかあるいは発展とかいうものもございまして、そういうことのために、援護法なども、ある時期においてはもうこれで十分だと考えられておりましたようなことが、年々意識の向上や、また反省に関連していろいろ改善もされておる、こう私は考えます。したがって、阿波丸事件の犠牲者に対する措置というものも、昭和二十五年の段階では法律できめられましたが、これに対する意識というものが、今日の日本の置かれておる実情のもとにおいて、山本さんの言われるように、向上し成熟してくるということになりますれば、これはまた私は、二十五年に制定された法律についてもさらに反省ということがあり得ない問題ではないと、すなおに考えるわけでございますので、きょうの山本さんの御意見表明は私は有意義のものである、こう考えるものであります。
 しかし、いまきょうの段階において厚生省はどうかといいますと、厚生省のやっておりますことは、国家補償の考え方を基盤とする援護法、すなわち戦争関係において一定の身分を持っておられた方々に対する国家補償の処遇の件と、もう一つは一般の社会保障、社会福祉というようなことの充実に向けている、こういう二つに分かれますので、今日の段階においては、特別の身分関係になかった四十数名の阿波丸の犠牲者、つまり一定の身分を持っておられる方々は、先ほども述べたように、また御承知のように恩給法、援護法等で措置されておるわけでありますが、それらに対して、何もカバーされておらない四十数名の方々について、いま直ちにこれを援護法の対象に加えるということはむずかしいので、一般の社会保障、社会福祉をもって論ずる以外にない、こういうことを申し上げております。
  〔増岡委員長代理退席、委員長着席〕
しかしこれは、いろいろ考え方も発展し、また生々する問題でもありますし、また、もう一ぺん外務省の問題に触れますと、他の戦争犠牲者とは少し違う面がありまして、当時のアメリカとの約束で、それらの犠牲者個人が本来ならば請求権を持つべきものを、アメリカとの関係において国が特別の措置を講じたというような性格のものでもございましょうから、厚生省の考えはいま述べたとおりでありますが、それは外務省としてもまたそのような点につきまして、山本さんのせっかくの御発言を十分考慮に置かれていかれる面もあり得るかとは思いますが、厚生大臣としてはこれをもって私のお答えとさしていただいておきます。
#39
○山本(政)委員 多少前向きな御意見をお伺いいたしました。時間もないようですから……。
 ただ一つ、最後に、改正によってどれだけふえるかという具体的な数字はわかりませんけれども、私の推測でありますよ、だけれども改正によって、かりに、かつての中将の人たちは四十万円ぐらいおもらいになるのです。中佐ぐらいの人たちは二十七、八万か三十万円ぐらいおもらいになるわけだ。そして兵隊さんでも十三、四万ぐらいにはなっているだろう、こう思う。
#40
○内田国務大臣 十九万ぐらいになる。
#41
○山本(政)委員 阿波丸の年金ですね、阿波丸の人たちの年金は一時金ですよ、いまお話がありました、なるほど犠牲者が多いのは軍の要員かもわからぬ。南方開発に従事しておった人たちかもわかりません。だからその人たちは公務扶助料が支給されるだろうと、こうおっしゃっている。しかし、他の資格において、国からそういう救恤金を受けているからといって、不法行為に基づく賠償金を否定する理由にはならぬわけですよ。かりに、横浜の事件がありました。私は筋を申し上げた。その人たちが保険に入っているからといって、補償の金額というものが減らされるかといったら、そんなことはないんですよ。繰り返して申しますけれども、他の資格で、たとえば軍人だとか軍属だとか、そういうことから国の救恤金をもらっているからといって、不法行為をやったことに対して請求権はないということはいえないわけです。そうでしょう。あなたはうなずいておられるけれども、そうなんです。これは法律的にいってもそうなんです。あえて申しますけれども、法律の権化のような参事官のあなたにしても、私の申し上げることは否定できないと思うのです。私はそういうことから考えても、なるべく早く、ひとつそういうことに対して前向きな姿勢をとってもらいたい。待ちこがれているんですよ。個々人に会えば、つまりあの事件からずっと一人で子供を育て、母親を養っておる人がおるのです。その人たちは、年金をもらっているわけじゃありません。陸軍中将のように、陸軍中佐のように、あるいは海軍中将、海軍中佐のようにもらっているわけじゃないんです。自分たちで働いて、その日を生活しているわけですよ。大臣、ひとつほんとうに前向きで、できるだけ早く考えていただきたいと思うのです。
#42
○内田国務大臣 先ほど来、私はお答えをいたしておるとおりでございまして、山本さんの御発言、御意思は、こういうことに対する意識の盛り上げ、成熟に非常に大きな意味があるものとして私は受け取るものでございます。十分私もいろいろ考えてみたいと思います。
#43
○山本(政)委員 終わります。
#44
○倉成委員長 次に、後藤俊男君。
#45
○後藤委員 いま山本議員からいろいろと阿波丸事件について話があったわけですが、それに関連して先ほども説明がありました対馬丸の問題ですが、これは先ほど局長が簡単に御説明になったわけですが、その問題に入る前に、現在日本国民の中で、何らかの形で援護法の適用を受けておる人は一体どれくらいあるだろうか。さらに、戦争が終わって二十何年になりますので、老齢化してなくなっていかれる人もあろうと思うのです。ですから、援護法の適用を受けておる国民がふえるということは現在ないような気がするわけなんです。毎年毎年減っておるのではないかと思うのです。どれくらいな数で毎年援護法の適用を受けておる国民の数が減っていくかというような、二点について御説明いただきたいと思います。
#46
○中村(一)政府委員 正確な数字は後ほど申し上げますが、大体年間四、五千人ずつ減少しております。
#47
○後藤委員 それはほんとうですか。私が聞いたところでは、年間四万人くらい減っていくんじゃないかと……。けたが違うからもう一ぺんお尋ねするわけなんですが。それと、援護法の適用を受けておられる人数ですね、これがどれくらいであって、年々どれくらい減っていくのか、その点をお尋ねしておるわけなんです。
#48
○中村(一)政府委員 遺族年金の受給者の数は約十九万人でございますが、障害年金、障害一時金を受ける方が約四千人いらして、それで先ほど私が申し上げました四千人は、これは恩給、公務扶助料以外の、わがほうの、援護法関係の受給者の方が年々減っていくのが四、五千人ということでございます。
#49
○後藤委員 いま言われたのは、遺族年金ですね。その関係を言っておられると思いますが、私の言っておりますのは、援護法に基づいて特別給付金とか留守家族とか何とかで、いろいろたくさんありますね、援護法の適用を受けておる国民の数なんです。恩給のことは別に言っておらぬわけなんです、これはあなたのほうの担当じゃないと思いますから。それが年間どれくらい減っていくのか、これは項目別に言ってもらう必要がございませんから、たとえば百二十万なら百二十万、その中で年間四万なら四万減っていきますと、将来はどんどん減る傾向にございますと、そうなると一体いつごろになるとこれがなくなるんだというような話も出てくると思うのですがね、そういう傾向についてお尋ねしておるわけなんです。
#50
○中村(一)政府委員 援護法関係では、遺族年金あるいは障害年金のような年金の受給者の場合で、したがってこれは減っていくわけでございまして、ふえるケースはほとんどないわけでございます。一時金の方々につきましては、これはもう減少していくと申しますか、一時金の制度ができましたときにどっと出まして、あとはぐっと減りますので、したがいまして、それが概括的に年間どの程度になっていくかというのは、やはり一つ一つ項目別に申し上げませんと、あるいは正確にならないかと思います。
#51
○後藤委員 いま言われましたように、減っていくということについては間違いないと思うんですね。そこで、この援護法の問題につきまして、第六十三国会で附帯決議がついておるわけなんです。その一番最後には、「戦後二十数年経過した今日、なお残されている未処遇者について、早急に具体的な解決策を講ずること。」これはおそらく各党一致で附帯決議がついておると思うのです。これは局長も御承知だと思うのですが、それが先ほどからお尋ねしておりますように、現在の傾向としては毎年毎年減っていく傾向である。だけれども、この附帯決議の気持ちとしましては、まだまだ戦争の犠牲者に対しまして処遇のできておらぬ人がある。これらの人について具体的に解決策を講じてくれ、これが附帯決議の第六項目についておるわけなんです。そこで未処遇者、いわゆる処遇されておらない者とは一体だれだろうか、こういうことで厚生省としては十分検討されまして、中身の問題は別問題にしまして、今度の改正案ということで提案されておると思うのです。そういうことだと思うのです。
 それと私関連して言いたいことは、先ほど話に出ましたところの阿波丸の問題、それから先ほど局長が説明されましたところの沖繩の疎開船である対馬丸の問題これは学童が全部いかれておるわけなんですね。あるいは付き添いの人も全部死亡しておられるわけなんです。これはきょう私がここで初めて言うわけじゃなしに、三年、五年と長い間問題になっておると思うのです。おそらく遺族会のほうからこの問題は毎年毎年提起されておると私は記憶しておるわけであります。この対馬丸の学童遭難の問題につきまして、ことしぽっと新しく出た問題ではなしに、三年、五年と長い間問題になっておりますけれども、これらの問題を前向きに検討して具体的に解決策をつくってくれというのが、附帯決議の第六項目だと私は考えておるわけでございます。この点どういうふうにお考えになっておるのか、御説明いただきたいと思います。
#52
○中村(一)政府委員 ただいま御指摘のございました、未処遇者についての早急な解決につきましての御決議の御趣旨につきましては、私のほうといたしましては、今国会、ただいま提案いたしました改正法の中におきまして、五つの点につきまして、新しく遺族年金等を支給する範囲の拡大等を御提案いたしておるわけでございます。先生御指摘の、沖繩からの疎開船対馬丸の遭難学童及び付き添い者を準軍属として処遇をすべきではないかというようなことも、やはり未処遇者についての早急な解決の一つの大きな問題であろうかと私ども考えております。ただ、この対馬丸の遭難者に対しまして、これを準軍属として取り扱うという点につきましては、十分慎重に検討、議論はしておるのでございますが、私どもといたしましては、現在の援護法の体系からいたしまして、準軍属の範囲にするということについては困難であるというふうに、ただいまのところ考えておる次第でございます。
#53
○後藤委員 いま局長が言われたが、遺族会等の要求としては、当時の情勢を十分考えて、準軍属という扱いにしてもらいたいという強い要請が出ておると思うのです。ところが、その準軍属という扱いができないとするのならば、何らかの処遇の方法が私はあると思うのです。しかも阿波丸のほうは、いきさつは幾分違いますけれども、当時見舞い金として七万円出ておるわけなんです。この対馬丸については、あなたの先ほどの御説明にあったとおり、二万円ですね。まあ子供であるからという意味もあるのか何か、それはわかりませんけれども、さらに処遇が悪いわけなんです。二万円ということは、三分の一以下なんです。これを準軍属にできないとするのならば、別途何か処遇する方法をなぜ一体厚生省としてお考えにならぬのだろうか。しかもこれは三年、五年と長い間問題になっているわけなんです。いまあなたは、準軍属という扱いには非常に困難がある、こういう返答でございますけれども、それでは、準軍属の扱いができないのなら、一体これをどうするのだ、このまま放置しておくのか、あるいはほかの一時金であるとかなんとかで処遇を考えたい、こういうふうな気持ちでおられるのか、それを聞きたいわけなんです。
#54
○中村(一)政府委員 この方々につきましては、昭和三十七年二月十六日に、閣議決定をもちまして、二万円の見舞い金を支給するということになりまして、すでに総理府のほうでこれを所管して処理を済ましておるわけでございますので、見舞い金の性格のものを重ねて出すということにつきましては、なかなか困難ではなかろうかと考えております。おそらく関係者からの要望も、年金的な取り扱いはできないだろうかという御希望となって、準軍属の扱いはできないかというような御趣旨の御意見が出ておるかと私は思うのでございますが、確かに先生のおっしゃいますとおり、準軍属等の扱いでなければ、何かほかの方法はないかということにつきましては、もちろん十分研究をさせていただきたいと思いますが、現在のところは三十七年の二万円の見舞い金が支給されておるということから、一時金につきましてはなかなか困難性があろうと私ども考えておるのでございます。
#55
○後藤委員 大臣、どうでしょうか。先ほども阿波丸問題でだいぶ長時間おやりになっておりましたが、沖繩の疎開児童が昭和十九年になくなっておられるわけです。しかも、見舞い金わずか二万円で、それで終わり、こうなっておるわけなんです。さきの阿波丸のほうは七万円でしたが、これは二万円なんです。また、この間の原爆による学生の死亡者、この人らに対しましては七万円の見舞い金の支出というのが決定されたと思うのです。これは学徒動員ではなくて、普通に学校で勉強しておる人がなくなられた場合に七万円の見舞い金を出されておる。さらにまた、来年は沖繩復帰という非常に時期的にも考えなければいけない時期に、沖繩の疎開学童が対馬丸の遭難でなくなられて、これが昭和三十七年の閣議でわずか二万円で終わり。これらを何とか考えて、もう少し厚生省としてもあたたかい手を差し伸べてやる――いわばこれも戦争の犠牲者だと私は思うわけなんです。自分のむすこをなくしてしまって二万円政府からもらってそれで終わり。わが身に引き比べて考えてみてもあまりにひどいんじゃないかと思うのですが、いま局長のお話を聞きますと、目下検討中とかなんとか言っておられますけれども、これはことし新しく出た問題ではなしに、何回も言っておりますように、毎年毎年これは出ておる問題だと思うのです。阿波丸の問題にしても、三年前に私もこの委員会で質問をしました。その後何ら進展がないわけなんです。いかがですか、大臣。
#56
○内田国務大臣 私は後藤さんのお気持ちよくわかります。また後藤さんのそういう御意見は速記にも残るものであり、厳粛なる事実、厳粛なる御発言でありますので、私がその御発言を否定いたしたり、また論議をいたすつもりは毛頭ございません。しかし先ほど来他の委員の方の御発言についても申し述べましたように、いま厚生省の私どもがやっておりますことは、戦争に関連して特別の身分を持っておられた方々、軍人、軍属、準軍属等に対する国家補償的な処遇につきまして、戦傷病者戦没者遺族等援護法でありますとかあるいは戦傷病者特別援護法でありますとかあるいは留守家族等援護法とか、そういう特別な身分を持っておられた方に対する国家補償としての措置の改善、しかもそれに残された幾つかの措置の改善を毎年前進をさせておりますことは御承知のとおりでありますが、そういう身分的にカバーをされない戦争犠牲者の方々につきましては、いままでのところは、これらの方はやはり社会保障、社会福祉をもって論ずる以外にない、どこかで線を引かなければならないというところでやってきたわけでございますので、いまの対馬丸で疎開の途中撃沈をされた学童の方々、まことにお気の毒であり、残された親御さん、家族の方々の心中察するに余りあるものでありますが、いま申し述べましたように、厚生省のこういう問題に対する取り扱いを変更することに非常に問題があるわけでございます。さればこそこの問題がせっかくお取り上げになられても、この数年間に御期待のような成果を得られなかったわけだとは思いますが、しかし初めに戻りまして、国民の意識また政府、国家の意識というものも、今日の日本の現状からいたしまして固定的な不動のものではないので、これはやはり成熟したり発展をいたすものでございますので、援護法などの問題につきましても御承知のように、かつてはそれは不可能だと言われたものも、意識の高揚とともに援護法の範疇に取り上げられてきておることも、これもまた事実でございますので、私は後藤さんのお説を十分理解を持って承っておきまして、厚生省としてやるのがいいか、あるいはこういう問題は総理府として考えられない問題か、あるいは先ほどの長崎の原爆の被爆者である医学生等について文部省がやられたような措置、あるいは阿波丸の事件について外務省がやられた措置、他の省におきましてもそれらの職能に応じてとり得る措置もあるわけでございましょうが、厚生大臣としては後藤さんのお話を十分承っておきますけれども、なおひとつ、こうした問題に対する取り上げ方につきましては、総理府等に対しましてもぜひその意識の発展、盛り上げということにつきまして後藤さんの御努力も得たいと私は思うものでございます。
#57
○後藤委員 大臣の話を聞いておりますと、別にあえてどうこうというところも、反対するところもないのですが、あまり具体的に進むというような話でもないような気がするのでありますが、昭和三十七年の閣議で二万円の見舞い金がきまって、それが支給されておる、だからこういう国家補償に基づく問題については厚生省としては扱いにくい、けれどもそのまま放置しておくわけにはいかぬので、阿波丸問題等も含めまして、対馬丸の問題についても何らかひとつ早急に検討して解決の方向へ前進させたい、こういうふうな気持ち、こういうふうな返答であったと私は聞いておるわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
#58
○内田国務大臣 私は阿波丸の問題にいたしましても、対馬丸の問題にいたしましても、国民を代表される国会議員の方々の御発言として十分傾聴いたして、そしていろいろと考えてみると、こういうつもりでございますが、私がいまここで厚生大臣としてこの問題はこういう線をもって解決をする方向であるということは、いま直ちに申し上げ得ないことをまことに遺憾といたします。しかし、厚生大臣というものは人間大臣でございますので、こうした戦争の犠牲者であって、十分な処遇も受けられなかったことについて常に考えてまいることは私の職責であると思いますので、結論については私は申し上げ得る段階ではございませんけれども、十分胸にとめて、そして国民的意識の高揚と相まって進んでまいりたい、こういうことでございまして、その点は私としては、いまここで厚生大臣としてお答えするのにはその程度以上に進み得ない、こういうことも、これは後藤委員にも御理解をいただけることと思います。
#59
○後藤委員 国民の意識の高揚をはかってとこう言われますけれども、おそらく対馬丸で自分の子供をなくされた親としましては、あまりにも政府は水くさいじゃないか、こういうふうな気持ちをほとんど全部の人が持っておられるのではないかと私は思うわけでございます。ですからたとえばこれを準軍属扱いをして年金をつける、こういうふうな方向へ持っていったといたしましても、国民の総反撃を食うようなことは私はないと思うのですね。ですからここで大臣と押し問答しておりましてもこれは話が進まぬような気がしますが、ぜひひとつ局長も、先ほどから四件ないし五件の説明がありましたね、阿波丸と対馬丸とそれからその他と、これはあるわけなのです。それらの問題解決のためには、ぜひひとつ次の通常国会には何らかの形で具体策を検討していただく、これだけはぜひひとつお願いしたいわけなのであります。先ほど言いましたように、原爆の学生死亡者は見舞い金が七万円もらえます。これは文部省関係でありますけれども、とにかくそういう金額の点からいいましても非常に冷たいやり方であると思うのです。ですから、この対馬丸の問題については、ぜひ次の通常国会までぐらいには具体案を提案するような方向で御検討をいただく、その方向で大臣としてもひとつ御尽力をいただく、こういうことでこの問題は打ち切りたいと思うのですが、大臣いかがでしょうか。
#60
○内田国務大臣 先ほど来私は人間的な誠意をもってお答えをいたしておるつもりではございますが、次の国会に対案を出すというお約束までは、私はきょう現在申し得ないものもございますが、こういう問題につきましてだんだん国民意識も高揚をしてきている課題であると思いますので、私は次の国会まではもちろんのこと、直ちにこういう問題の検討をあらためてさせてみたいと思います。しかし結果がどう出るかということはぜひお預けをいただきたいと思います。
#61
○後藤委員 まあそれでわかったわけですが、冒頭お尋ねしましたように、援護法の適用関係の国民の数というのは年々減っていく方向にあるわけなんですね。これが増加の一途をたどっておるときにこういう諸問題を持ち込むということは非常にむずかしいと思いますけれども、予算的にいっても、まあそれは引き上げはありますけれども、やはり減っていくわけなんですね。そういうような情勢の中から、先ほどから出ておりますような問題も逐次取り上げていただいて、できるだけの措置をしていただく、そういう方向でぜひお願いをいたしたいと思います。
 それから、今度のこの援護法の問題でございますけれども、四十六年の一月分から五十一万六千円ですか、これは障害年金ですね。現在は五十万六千円。さらに十月から五十五万九千円と、こういう一月と十月に二つに区分されて引き上げが行なわれるということなんですが、こんなことをせずに、どうですか、一月から五十五万九千円に引き上げる、こういうようにしたら事務的にもしごく簡単だし、もらうほうもふえるから喜ぶ、厚生省としてもやっかいではなかろう、こういうふうに思うのですがね。どうして二つに区分してこういうかっこうになっておるのか、お尋ねいたします。
#62
○中村(一)政府委員 これは先生御承知のとおり、障害年金、障害一時金の増額は、従来から恩給法におきますところの傷病恩給の増額と対応してやってきておるものでございますから、今回もこのような措置になるわけでございます。
#63
○後藤委員 これはどういう率によってこういう引き上げになるのか、ひとつ具体的な御説明をいただきたいと思います。
#64
○中村(一)政府委員 これは、したがいまして、軍人軍属にかかる者につきまして、第一項症の場合を例に申し上げますと、五十万六千円につきまして一月からこれの一八%増という計算となっておりまして、そして十月からはその上げました五十一万六千円につきましてさらに八・四%を上げる、こういう計算になっております。
#65
○後藤委員 一八%増というのは、それはまた……
#66
○中村(一)政府委員 失礼いたしました。一月からの引き上げは二・一%でございます。
#67
○後藤委員 それで、このあなたのほうからもらった要綱の一では、これは障害年金の引き上げということが中心になっておるわけなんですね。その次の2の項ですけれども、十分の八を十分の九にする、十分の七を十分の八にする。これは中身としては非常にややこしい改正になっておるわけなんです。しかも準軍属が二つに分かれておるのじゃないかと思うのです。どうしてこういうふうな準軍属をさらにまた二つに分けまして、片方では十分の九だ、片方では十分の八だ、こういうふうな扱いをしなければいけないのか、問題はこの点なんです。私は、何もこんなことをせずに、準軍属は十分の九にすれば話は簡単なんです。しかも準軍属そのものの中身を考えてみましても、かえって十分の八を適用されるほうが、戦場でたまを運んだり、あるいは戦闘に参加された準軍属が非常に多いと思うのです。十分の九を適用されるほうは、たとえば工廠における徴用工員、こういう人が非常に多いと思うのですね。そういう意味から考えるとするならば、これは逆じゃないか。逆でないといたしましても、全部準軍属には十分の九を適用する、こうするのが妥当な扱いではないか、こういうように私は思うのですがね。いかがですか。
#68
○中村(一)政府委員 まず、二つに分けてありますのは、現行の遺族援護法におきまして、準軍属の年金につきまして二つに区分しておりますことは先生御承知のとおりでございまして、その区分のまま、そこはいじりませんで、今回の改正ではそれぞれ十分の一ずつ処遇の改善をはかっておるわけでございます。しからば準軍属をなぜ二つに分けておるのかという理由につきましては、これは準軍属につきましては援護法上いろいろな種類があるわけでございますけれども、この中で率が高い方々につきましては、これは援護法第二条第三項の第一号の方々、この方々は国家総動員法によりまして制度的、組織的に戦時業務に参加させられている。根拠が国家総動員法であります。それからその従事させられましたところの形態が、そういうふうに国との身分的なつながりが他のグループの方々よりも一そう密接であるという点におきまして区分がされておるわけであります。ただ、引き続き申し上げますと、私ども厚生省といたしましては、実はその区分を、遺族年金等におきまして差をつけたくない、同様に扱いたいという気持ちで私どもはおるわけでございまして、なるべくすみやかにこの差別がないようなふうに持っていきたいと、こういうふうに考えておるわけであります。
#69
○後藤委員 そうしますと、いま言われた十分の九と十分の八という差別扱いはなくする、全部を十分の九適用の方向へ持っていきたい、こう言われるのですが、この改正案がきまりましたら、いまあなたが言われたようにやれるのですか。ほとんどのものを十分の九を適用するようにするとあなたは言われるのですが、このままの改正案が通って、これからの扱いとして準軍属については十分の九を適用する、そういうことはできますか。
#70
○中村(一)政府委員 説明が不十分でございましたが、私どもといたしましては今回は、十分の七であるものを十分の八、十分の八であるものを十分の九というような改正を御提案申し上げておるわけでありますが、将来といたしましてはその区分をなくするようにいたしたい、こういうわけでございまして、したがいまして、この改正によりましてすぐできるというわけではございませんで、今後そういうふうにしたいというふうに私どもとしては希望を持っているということでございます。
#71
○後藤委員 そうしますと、先ほどあなたが説明されました、十分の九を適用されるほうは、国家総動員法によって動員されたいわゆる準軍属ですね。その他については十分の八を適用するのだ。ところが、中身のことについて私あまり詳細ではございませんけれども、総動員法に基づいて徴用を受けた準軍属につきましては、内地勤務が非常に多いと思うのです。たとえば呉の海軍工廠、横須賀の海軍工廠とか、そういうところの勤務が多いと思うのです。さらに十分の八を適用されるほうは、案外に戦闘に参加されておられる準軍属の人が多いわけなんです。そういう点から考えてくると、十分の九と十分の八に差をつけるということがはたして合理的であるかどうか、だれが考えてみてもこれは妥当な扱いであるというふうに思えるかどうかという点ですね。これは再考を要する問題じゃないかと私は思うわけでございますけれども、これはあなたの言われるように、総動員法によって身分がどうこうと言われますけれども、これは大体援護法すべて身分が関係しておるとは思いますけれども、準軍属の中をまた二つに分けて差別扱いをする。扱いの悪いほうがかえって戦場で戦闘に参加しておる人が多い。こういう点を考えるときには、これは私は不合理だと思うのです。今回のこの改正で十分の九と十分の八をなしにして、一律十分の九とこういうことに直したらどうですか。
#72
○中村(一)政府委員 十分の九と十分の八の区分につきましては、確かにこの方々のたとえば死亡されました当時の状況等からいたしまして、両方をその時点において比べました場合にいろいろ問題はあろうかと思われます。ただ制度といたしましては、この援護法の制度の中に取り入れてやります場合におきまして、やはり準軍属につきまして制度的に議論をいたしますと、大きくその二つの体系に分かれるというわけでございます。したがいまして、今回の改正といたしましては、現在の率を引き上げるという改正を御提案申し上げているわけでございます。ただ、それでいいのかということにつきましては、私どもといたしましてもそれはできるだけその処遇をよくするという点からいきまして、十分の八のグループの方々もこれを十分の九に上げることが私どもとしましては望ましいことだと考えておりまして、これはこれから先の私どもとしましての検討の課題としておるところでございます。
#73
○後藤委員 これはあなたも御承知のように、昭和三十四年の一月には軍人軍属と、二本立てでしたよね。そのときには十分の五だったわけです。それから四十一年の十月もやはり軍人軍属ということで七割、それから四十五年の十月に軍属を二本立てにして七割と八割にした。それを今度の改正によって八割と九割にする、こういう提案なんです。この問題についてはいろいろ問題があるからもう近い時期に検討したい、次にはひとつ前向きで考えたい、こういうふうにあなたが言われるのだったら、今度の改正案を提案しておるときに、次には何とかしますということではなしに、この改正点の中身を修正して、やはり昭和四十一年ころと同じように軍人軍属、軍属は一本でいく、十分の九でいく、そういうふうにすっきりすべきじゃないかと私は思うのです。あなた自身がやはり差別扱いにつきましては良心的にも少し疑問を持っておられると思うのですが、それだったらそれで十分の九に、準軍属は一本にしてしまう、こういうふうにこの改正案を修正すべきだと思うのです。いかがですか。
#74
○中村(一)政府委員 その点につきましては、先生御承知のとおりその改正案の基礎といたしまして、国の予算の積算の根拠がございますので、政府といたしまして、ただいま直ちにそのような修正をすることはできないわけでございます。私どもといたしましては、今後の問題としてこれを解決させていただきたい、こういうように考えておる次第でございます。
#75
○後藤委員 そうしますと、次の国会では十分の九一律ということで改正するということですか。
#76
○中村(一)政府委員 厚生省としては、そういう前向きの改正ができますように、政府部内といたしまして意見の統一をはかるように努力いたしたい、こういうように考えております。
#77
○後藤委員 十分の八と十分の九という差別的な準軍属に対する扱いというのはよろしくない、これはやはり一本にすべきである、こういう気持ちで政府部内の気持ちを統一して、できるだけ早くひとつそういう方向に持っていきたいと、こういうことですね。
#78
○中村(一)政府委員 先生のおっしゃるとおりでございます。
#79
○後藤委員 それから次には、戦没者の遺族相談員というのが今度増員されておりますね。増員はされておりますけれども、手当なんです。これも去年、おととしの援護法の審議のときに、当委員会において手当が五百円とはまことに少ないじゃないか、これは今後増額に努力するんだ、こういうふうなことも審議されたことを私記憶しておるわけですけれども、今度は予算的に見ますと五百三十二名が九百四十名になる。ところが相変わらず、さっきの話じゃございませんが、物価はどんどん上がるけれども手当は一向に上がらぬ、五百円そのまま据え置き、こういうことになっておるわけなんですが、これはなぜ一体引き上げが行なわれないのか、その理由の説明をしていただきたいと思います。
#80
○中村(一)政府委員 この遺族相談員あるいは戦傷病者の方々の相談員につきましては、私どもといたしましてはもとより手当の増額も希望いたしておるわけでございますけれども、現在の段階におきましては、やはり第一線の各都道府県からの希望に沿うためには、その増員をはかる点にどうしても第一順位を置かざるを得ないということで、したがいまして、手当の増額、増員いずれもはかれればよろしいのでございますけれども、その順位といたしましてどちらをとるかという場合におきましては、増員のほうに力を注ぎたいということで、今回は戦傷病者の相談員の方々につきましてその相談員の制度を新たに設けるという設置を認めてもらった次第でございます。
#81
○後藤委員 私が言うのは、増員はけっこうでございますけれども、五百円問題では何回もこの委員会で審議されておりますのに、相変わらず五百円。五百円が全然引き上げが行なわれておらないということは、これは問題じゃないですか。引き上げたらどうです、もう少し。
#82
○中村(一)政府委員 おっしゃいますとおり、この五百円の手当では不十分であろうということは、私ども十分心得ておるわけでございますが、昭和四十六年度の予算におきまして、その増額を実現することができなかったわけでございまして、今後その増額につきましては努力させていただきたいと思います。
#83
○後藤委員 相変わらず五百円ということでは、大臣もお聞きのように、非常に少ないと思うのです。人数においては何名ですか、約四百名余り増員しておりますけれども、五百円といえば、たばこ五個ですね、たばこ五つです。それで、おまえは相談員だからしっかりやれよと言って、月にたばこ五つもらってやるわけですが、この辺のところをもう少し厚生省としても考えてしかるべきだと私は思うのです。局長や大臣にここでとやかく言っておりましても、すぐふえるということもむずかしいと思いますけれども、ぜひひとつこの問題については再考していただきたいと思うのです。これは局長、いいですね。
 それからその次は、大臣おられるうちに一つだけ聞いておくのですが、これもいままでこの委員会でたびたび問題にしました入営、応召あるいは帰郷途中の死亡なんです。これは一歩前進しまして十万円ですか、これはさまっておるのじゃないかと思うのです。これは遺族年金の支給対象にする――厚生大臣も御承知だと思いますけれども、今日労働災害保険についても通勤途上が認められようとしておるわけなんです。さらに諸外国の情勢を見ましても、通勤途上における事故については労働災害保険の対象にする、こういうふうな傾向にあるわけなんです。ところが、この援護法の適用の対象にはこれはなっておらぬ。これは私はたいした数じゃないと思うのです。国家予算で一兆三千億から金があるのですから、これは非常にわずかな人だと思うのですが、これを一体なぜ援護法適用の、遺族年金を支給するという方向へ持っていかれないのか、いかがですか。
#84
○内田国務大臣 その問題は当委員会においてもたびたび私の耳に残っております。これは法律によりましての措置としては乗せてないわけでございますが、今回の予算措置をもちまして、問題になってまいりました内地除隊後の途中における死亡、あるいは応召、入営途上における死亡事故に対しましては、一時金を支給するという解決を当面とったわけでございますので、資格問題は別といたしまして、一歩前進をしたように思っております。
 また、一兆三千億の厚生省の予算というお話もあり、また先ほど来相談員の処遇の改善のお話もございまして、お説のとおりだと思いますが、一兆三千億も分析いたしてみますると、私はどうしてももう二倍ぐらい金がほしいところでございます。ことにここでも問題になっております社会福祉施設等に勤務する職員の方々の処遇改善というようなこと、これらの方々は二十万人ぐらいおられるわけでありますが、そういう方面の改善をまず第一義的に考えてまいってきておるわけでありますけれども、民主委員、児童委員、またいまの戦傷病者相談員、遺族相談員というような方、いわばボランティアのような形でお互いの相談相手になってやろう、またそういう方々も団体の役員の方々に御就任をいただいておるような事情もございまして、とても給与としては成り立たないような金額であること重々承知をいたしながら、バッジ代のようなものが出ておる、こういうようなことでございますので、これをかりに千円にふやしましてもとても足代にもならないということではございますが、そういう点も承っておきまして、いかにもバッジ代にいたしましても成り立たないような金でございますので、私もいろいろくふうしてまいりたい、その辺心得てやってまいりたいと思います。
#85
○倉成委員長 ちょっと、大臣は参議院のほうへ……。
#86
○後藤委員 いま大臣の話が途中で前の問題にあれしたものですから……。それで、気持ちとしてはわからぬことはないのです。いま参議院のほうへ行かれると思いますが、これはぜひひとつ、先ほど言いましたように、通勤途上というのが今日労災の対象にもならんとしておるときでもございますし、しかも、数としてもたいした数じゃないと思うのです。しかも、家を出発しまして、いよいよ戦争に行くというので送られて入営する途中、爆撃でやられた人があるわけなんです。また帰るときには帰るときで、やられた人もある。こういうことでありますから――もう大臣、行ってもらってけっこうですけれども、この問題につきましてはひとつこれからの問題として十分検討していただくということでお願いをしたいと思うのです。どうぞ。
#87
○内田国務大臣 私も簡単に申し述べましたが、すでに担当者から御説明を申し上げたかと思いますが、当面十万円の一時給付金というものを出すということになりましたのも、皆さん方からこの問題について大いに御激励をいただいた結果でございますので、さらにそれを制度的に成熟させていくということにつきましても、今後検討の課題にいたしてまいりたいと思います。
#88
○後藤委員 それで局長さん、どうですか、いまの問題は調査の結果全国的にどれくらい人数がおられるのですか。
#89
○中村(一)政府委員 私どもで推定したところによりますと、二百人くらいじゃないかと推定いたしております。
#90
○後藤委員 この二百人を援護法適用の遺族年金の対象にしたらどうですか。これは理屈の上ではいろいろむずかしいとは思いますけれども、やはり気持ちだと思うのですよ。入隊するその途中でやられた場合には、全然年金がもらえない。また除隊してから家へ帰る途中でやられた場合にも、これは全然もらえない。理屈の上からいえばそれは身分も変わると思いますけれども、一緒だと思うのです。そういう人が、いまあなたがおっしゃるように、全国的に二百名おいでになる。これが二万だ、二十万だというなら、これは問題でございますけれども、二百名くらいの人に対しましては遺族年金の適用、どうですか。遺族援護法を適用して、軍人の死亡という扱いをする。これは今度の改正の中にもあると思うのですが、敵前逃亡であるとか自殺、こういうのは改善されたのでしょう。この中でされるのじゃないですか。そこまで考えておられるのなら、除隊、入隊の途中における爆撃等による死亡については、これは適用するのがあたりまえじゃないですか。それをどういう、身分とかいろいろ説明されるであろうと思いますけれども、そんなことで除外をしてしまう、ただ見舞い金十万円で終わり、これではいかにもやり方として妥当じゃないし、均衡を欠くと思うのです。
#91
○中村(一)政府委員 なぜ援護法の中で取り扱わないかということにつきましては、ただいま先生のおっしゃいましたとおりの理由でございまして、つまりまだ軍隊に入っていない、まだ軍人じゃないということ、あるいは除隊の場合はもう軍人でないということ、そういう身分関係から、援護法に入れることはなかなか困難でございます。ただしかしながら、その方々が不慮の死にあわれましたのは、軍隊に入営しなくちゃならぬという強制されて旅行をしているということ、あるいは除隊の途中も、軍務を離れて帰るという特殊な事情にあることにかんがみまして、その方々につきまして何らかの措置をすべきじゃないかということで、今回十万円の予算措置ができたわけでございます。援護法によって入れるかどうかにつきましては、これはそういうことで論理的にはなかなかむずかしいわけでございます。しかしながら確かにそういうような特殊な事情にあるわけでございますので、今後とも私どもとしては研究をさせていただきたいと考えている次第でございます。
#92
○後藤委員 ぜひひとつこの問題も、今後の問題として御検討いただきたいと思います。
 それからさらに、この問題とは直接ではないですが、官衙勤務の軍人軍属の問題、これらの人が勤務に関連して病死をした、死亡した、こういう人に対しては一体どういう扱いになっておるか。
 これもここ一年や二年の間の問題じゃないのです。私だけでも三回くらい覚えがあるわけです、この官衙勤務の問題については。ですから、参謀部とかそういうところの兵隊で――偉い人なら、これは公務扶助料でございますか、それらがあると思いますけれども、それに達しないような若い人については、官衙勤務ということで何ら処遇されておらぬのですね。なぜ一体官衙勤務であると除外しなければいけないのか。いかがですか。
#93
○中村(一)政府委員 この点につきましても、御指摘のとおりずいぶん長い間問題となっているケースでございます。官衙勤務を除いておる理由は、これは結局他の官衙勤務をしている方々との均衡の問題ということに結論としてはなるのじゃないかと思いまして、これが陸海軍の官衙に勤務しておれば適用になり、あるいはそうじゃない、たとえば厚生省に勤務しておる者についてはその取り扱いがないという結果ともなろうと思いますので、その点に着目しましてそれをはずしているわけでございます。
 さらには、そういうことと、しからば官衙勤務とはいかなる勤務であるかということは、これは官衙勤務等が通勤をしておるということ、それでこれが、日常生活を拘束を受けておりますところの部隊等に勤務しておる場合とは勤務の態様が違っておるというところで分けられるのじゃないか、こう考えております。
#94
○後藤委員 この官衙勤務はほかの官庁につとめておる人との均衡上と言われますけれども、それはあなたのほうで適当に、都合のいいときには、ほかとの均衡、均衡と言われるわけなんです。たとえば冒頭に言いました対馬丸の問題、これは学童疎開で死亡されましたね。これに付き添っておられる学校の先生、がおそらくおられたと思うのですが、こういう人は公務員ですから公務員の立場において処遇がされておるわけなんです。同じように同じ船でなくなった学生さんは金二万円の見舞い金で終わり。それじゃ、これが均衡がとれていますか、そう言われるならば。官衙勤務をはずすということは、ほかの官庁と比較した場合に不均衡になるからはずすのだ。対馬丸にしても阿波丸にしても、そういうような身分のある人は身分なりの補償を受けているけれども、それ以外の人は補償を受けておらぬわけなんです。それならその均衡をとって、そこまで上げたらどうですか。たとえば学校の先生が公務員の扱いを受けて補償されるなら、それとの均衡を考えて、なくなられた学生さんに対する補償も考える。そういうことなら、話はわかるのですよ。そういう場合になってみると、あなたのほうでは、身分が、身分が、こう言われるわけなんです。それなら、この官衙勤務の軍人についてはどうなんだ。これはほかの官庁と比較すると均衡がとれぬから除外します、こういうことを言われるわけなんですね。それは理屈としても私は通らぬと思うのです。かってのいいときにはほかとの均衡を考える。またあなたのほうのかっての悪いときには、身分がどうこうで問題を処理される。そういうことをやられるものですから、問題があとへあとへと残っていくわけなんです。この官衙勤務の人が、あの大東亜戦争中におきましても、軍隊であるがために毎日毎日苦しい勤務に、たとえば二昼夜も三昼夜も寝ずに勤務しておられた軍人さんも私はあったと思う。それで病気になって、なくなった。何も補償はない。それが今日の扱いなんです。それはなぜかというと、官衙勤務だから除外してあります、なぜ官衙勤務を除外するのだ、ほかの官庁と比較して同じようにつとめておるのだから。こういう言い方なんですね。それは、局長の説明は筋は通りません。いかがですか。
#95
○中村(一)政府委員 先ほどの官衙勤務の場合につきまして補足いたしますと、営外者、つまり将校でございます、営外に居住している者だけは除かれているわけでございまして、兵は支給されているわけでございます。その点はちょっと補足さしていただきます。
 それからなお、均衡問題についてでございますが、対馬丸の場合におきましては、先ほど大臣もお答えをいたしておりましたが、結局、戦争によりますところの被害を受けられた方々の中で、その方のなくなられました、あるいは傷害を受けられましたときの身分によりまして待遇が違ってきているという点は、戦争の被害を受けた方々という立場からいえば確かに大きな不均衡になるかと思われるわけでございますが、ただ恩給法なりあるいは援護法の体系といたしましては、そういう一定の軍人軍属あるいは準軍属という身分を持っておるということ並びにその方々がどの地においてそういう被害を受けられたかということ、あるいはどういう理由で受けられたか等によりましていろいろな取り扱いをいたしておるわけでございますが、一方、戦争の被害を受けたという点から見た場合におきまして、そういうように対馬丸において見られるような形において非常におかしい、不合理だというような面が出てきますことは、これは制度としてやむを得ないのじゃなかろうか。それを補完する意味におきまして、あるいは見舞い金とかあるいは特別給付金というような形におけるところの処遇がなされておるのでございます。もちろんそれは十分ではありませんが、そういう点がある面をとらえまして出てくるわけであります。おっしゃいますとおり、官衙勤務とそうじゃない部隊勤務の場合におきまして、また同じ身分の者同士でありましてもまたおかしな点がある程度出てくるわけでありまして、制度上やむを得ない点もあろうかと思われる次第でございます。
#96
○後藤委員 先ほどあなたは訂正されましたね、兵は対象になっておると言われましたね、兵隊さんは。下士官以下ですか。
#97
○中村(一)政府委員 はい。
#98
○後藤委員 軍属はどうなんですか。
#99
○中村(一)政府委員 援護法の施行令、政令でございますが、この第四条の規定で「法第三十四条第二項第一号の規定により事変又は戦争に関する勤務から除かれる勤務は、もとの陸軍又は海軍部内の官衙又は特別機関における勤務」とありまして、カッコいたしまして「兵及び営内に居住すべき下士官の当該勤務を除く。」とございますので、兵とそれから営内に居住すべき下士官につきましてはこれは支給せられる、こういうことになります。
#100
○後藤委員 兵と下士官は除外するということですね。そうしますと、残るのは軍属ですね。さらに士官以上ですか。そうすると、除外されるのはどういう人ですか。
#101
○中村(一)政府委員 軍属と将校は、これは営外の居住者として除かれるわけでございます。したがって、除かれると申しますか、あるいは除かれないということになりますか、官衙勤務として除かれる、対象にならないのは軍属と将校でございます。したがって、兵とそれから営内に居住すべき下士官の場合は官衙勤務とはならない、つまり対象となる、こういうことであります。
#102
○後藤委員 そうすると、兵と下士官で営内居住でない人はどうなるのですか。
#103
○中村(一)政府委員 兵は営内に居住すべきものと制度としては解釈をいたしておるわけでございます。それから下士官の場合には、「営内に居住すべき下士官の当該勤務を除く。」となっておりますので、下士官の場合には営内勤務になっておる場合でございます。さらにこまかく申し上げますと、陸軍の場合でございますと曹長の二等級以上は営外というふうにいたしております。
#104
○後藤委員 そうしますと、営外居住以外はその法律が適用されて、除外されるということですね。営外居住をしておる人はその援護法の適用があるのだ。たとえば勤務に関連して病気で死んだ場合には援護法の適用があるのだ、そういうふうに解釈していいわけですか。
#105
○中村(一)政府委員 営内に居住している方、この方々につきましては、援護法の対象になる。営外に自宅あるいは宿舎がありまして、そこから通勤をしてこられるという形の方々には適用にならないわけでございます。
#106
○後藤委員 そこはそういう説明をされるだろうと思っておったのですが、たとえば大東亜戦争中なら――戦争以前、その後におきましても、戦争中が中心になろうと思いますけれども、官衙勤務といっても、営外居住の人が一週間、十日間自分の宿舎へ帰らない人があると思うのです。大東亜戦争中ですから。それを区別してそういうふうなややこしいことをせずに、官衙勤務の軍人軍属につきましては、勤務に関連して病気になり死亡した場合には援護法を適用するのだ。これはどれも大した数じゃないと思うのですね。ただ営外居住であるとか、その区別だって戦争のまつ最中になってくれば、営内居住の人も一カ月間営内居住をやっていない人があると思うのです。営外居住をやっておると思うのです。その辺のところが私は非常に不合理だと思うのです。こんなものは、当然、軍人軍属に対しては援護法を適用する、なくなられた人に対しては、こうはっきりすべきだと思うのですが、いかがですか。
#107
○中村(一)政府委員 現在までのところ、私たちといたしましては政令でそれを除いてありますのは、勤務の態様にかんがみましてそういう区分をいたしているわけであります。
  〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕
 ただ、その実態につきまして、軍人軍属の方々の傷病を受けられました実態によりましてその処遇については不均衡のないように、私どもとしては実態の上におきまして十分に検討をさしていただいておるわけでございますが、制度といたしまして、官衙勤務というものはやはり援護法上区分すべきではないか、こういうふうに私どもとしては現在としては考えているところでございます。
#108
○後藤委員 その実態に即してやるということは、どういうことですか。この当時営内居住であったけれども、一カ月間も営外でやったから、それで病気になって死んだ、それで援護法を適用する、これが実態ですが、そういうふうに実際の扱いは具体的に検討してそういう扱いをしておる、こうはっきり、あなたは言い切られるわけですか。
#109
○中村(一)政府委員 そういう趣旨ではございませんので、この方々の傷病を受けられましたところの原因が何であるかという点につきまして、これが特に援護法においてこの取り扱いを受けられるかどうかという点につきまして、具体的なケースについて私どもとして十分に深く調査させていただきたい、させていただいておる、こういう趣旨でございます。
#110
○後藤委員 そうしますと、先ほどあなたが読まれた法文というものは空文化しているわけですか。いまあなたが言われたのは、実態に即してやる、傷病が何であるか、原因を突きとめて、たとえば勤務に関係のある傷病である、こういうことになった場合には、曹長以上であろうと何であろうと、援護法を適用しているのだ、こういうあなたの言い方ですよ。そうなってまいりますと、先ほどあなたが読まれた法文は空文化しておるわけなんです。いかがですか。
#111
○中村(一)政府委員 こういう趣旨でございます。先生御承知のとおり、官衙勤務でございましても、その傷病が公務によるものであるという場合におきましてはそれは援護法の対象になるものでございまして、公務に関係がない場合が除かれるわけであります。したがいまして、そういう方々が先生のおっしゃいましたとおり、たとえば長い間非常な激務に従事せられて、そのために病気になられたというような場合におきまして、その病気の原因が公務によるものであるという場合におきましては、これは援護法の対象になるわけでありますから、したがって一つ一つのケースにつきまして、それが一体どういう原因でなったかということにつきまして、十分その当時の状況等を把握いたしまして、そして援護に欠けることのないようにいたしたい。また、そういうふうな考え方でいままでも仕事をしてきておるわけであります。
#112
○後藤委員 そうしますと、はっきり確認したいのは、いまあなたが言われました、軍人であろうと軍属であろうと階級がどうであろうと、官衙勤務、いわゆる軍隊の勤務によって病気になった、あるいはけがをした、こういう人については全部が援護法の適用になる、こういうあなたの説明ですが、間違いございませんか。
#113
○中村(一)政府委員 公務が原因でその傷病を受けられました場合におきましては、これは援護法の対象になるわけでございます。
#114
○後藤委員 いや、その公務というのは、勤務をしておって、その過酷な勤務のために病気になって死んだ、これは公務でしょう。どうですか。
#115
○中村(一)政府委員 具体的な場合におきましていろいろあろうかと思いますが、一般的にいいまして、おっしゃいましたような勤務の内容によりまして傷病を受けた場合には公務となるわけでございます。なお、公務ではないが、しかしその勤務の影響が考えられるというものにつきましては、これはいわゆる勤務関連傷病として取り扱われるわけでございます。
#116
○後藤委員 そうしますと、どうもあなたの説明がわからないようになってきたのですが、営内居住と営外居住と差別扱いをして、営外居住については援護法を適用するけれども、営内居住については援護法の適用をしない、こう先ほど言われましたね。しかも曹長の何等級以上は適用をしないのだ、こうあなたは説明をされました。その説明といま言われたこととどういう関連があるのですか。
#117
○中村(一)政府委員 先ほどからお答えいたしておりますとおり、官衙勤務の場合でも、公務によります場合は、これはたとえ官術勤務であろうと、部隊の勤務であろうと、第一線の勤務であろうと、これは変わりなく援護法の適用になるわけでございます。官衙勤務を除かれておりますのは、これは勤務に関連する傷病による場合、これが官衙勤務以外におきましては、勤務そのもの、公務そのものによらなくても関連する場合におきましてはこれは援護法の対象になるのでございますけれども、その点が対象にならない例を申し上げますと、たとえば肺結核の場合、戦時中に多かったわけでございますけれども、戦地等におきまして肺結核になった場合に、それが第一戦におけるところの勤務そのものならばもちろん公務でございますけれども、公務そのものではないにしても、しかしそれはどうも公務に関連がある、やはり非常に寒いところに勤務しておられたというようなことが原因で肺結核になったという場合には勤務関連で認められる。しかし陸軍本省につとめておられて肺結核になった場合、それがどうも関連があるんじゃなかろうかという場合でも、陸軍省という官衙におられた場合には勤務関連だけではだめだ。しかし、非常に激甚な公務のためについに肺結核になった、つまり公務によるのだという場合にはこれは対象になる。したがいまして、その官衙勤務は全部除かれるわけではございませんで、公務であれば問題なく認められる。しかし公務以外の関連勤務の場合に勤務関連の傷病は認められない、こういう趣旨でございます。
#118
○後藤委員 時間も参りましたので、もう少しすきっとせぬところがあるのですが、最終的に要約しますと、官衙勤務の軍人軍属は、階級にかかわらず公務による障害については援護法の適用が全部されております。これはいいですね。それからさらに、勤務に関連する病気ですが、これによって死亡した人、これらの人については、営外居住と営内居住に分けてある。営外居住については援護法の適用をいたします。営内居住は援護法の適用をいたしません。さらにその中でも、曹長の何等級以上は援護法の適用をいたしません。あなたの説明を要約すると私はそういうふうに聞いたのですけれども、それで間違いございませんか。ほかの説明はけっこうでございます。
#119
○中村(一)政府委員 最後のところだけちょっと訂正させていただきたいと思います。あるいは私の説明が悪かったのかもしれませんが、営内居住をしている者でありますね、これは援護法の対象とする。しかし、よそにおりまして通勤しておるという方々は、これは普通の官衙に勤務する人と同じような、つまり陸海軍以外のものと同じような状態であるから対象にならない。しかし営内に住んでおられる方については対象になる、こういうことでございます。
#120
○後藤委員 それで、そういう人に対して曹長以上には適用せぬとか、それはどういうわけですか。
#121
○中村(一)政府委員 曹長二等級と申しますのは、これは陸軍におきましては将校と同じ扱いをしておりまして、それで営外に居住するのを原則とする、つまり将校と同じようによそから通勤しておる、こういう取り扱いを陸軍ではいたしておりました。そういうふうに区分をして将校扱いにしておりました。
#122
○後藤委員 大体わかったのですが、いずれにしても、官衙勤務の人に対しましては、いろいろと御説明なさったけれども、十分間違いのないような方向で援護法の適用を考えていただく。先ほど実態に即してこの援護法の適用を考えていくのだ、こう言われましたけれども、そういう方向で官衙勤務の援護は軍人軍属に対してもひとつやっていただきたいというふうに思うのです。
 それからその次には老齢福祉年金との関係は一体どういうことになるのですか。十月から二千三百円に引き上げになるわけですけれども、この年金と援護法との関係ですね。
#123
○中村(一)政府委員 準士官以下の方々につきましてはこれは全額併給するということになっております。
#124
○後藤委員 そうすると、準士官というのは私の記憶では年間十六、七万だと思うのですが、国民年金のほうでは収入が三十五万までは併給するということに改正されたと思うのです。そうすると、これだけ十六、七万で制限をしてしまう。片方国民年金法では三十五万までは老齢福祉年金を併給するのだ、こういうふうに改正されておると思うのですが、どういうわけで片方は三十五万、片方は十六、七万で低く制限するのか、この点がわからぬのです。
#125
○中村(一)政府委員 これは年金局のほうがお答えするほうが正確にお答えができますが、私の理解しておりますところでは、準士官以下につきましては全然調整しないでまるまる差し上げる。そから準士官以上につきましては、いま先生がおっしゃいましたような一定限度の範囲内において調整を受けるというふうに私は理解いたしておりますが、もし間違っておりましたらまたお答えいたします。
#126
○後藤委員 これは年金局のほうの問題ですか。軍人恩給だから公務扶助料の関係になってくると思うのです。ただ私感ずるのは、先ほど出ましたように、あなたのほうにお尋ねするのは的違いかもわかりませんが、片方では三十五万の収入がありましても、改正されると二千三百円一緒にもらえる。片方は十六、七万で押えてしまう。そこが私はわからないというわけです。准尉というと今度引き上げになって十六、七万だと思うのです。どういうわけでここだけは十六、七万で押えるのか。片方は三十五万までもらえる。せっかく老齢福祉年金を二十万もらっている人はもらえないということになるわけなんです。その辺が不合理じゃないかということを言っておるわけなんですが、これは厚生省としても全く無関係であるとはいえぬと思うのです。
#127
○中村(一)政府委員 おそらく福祉年金の側といたしましては、福祉年金が拠出制の年金の補完的な立場においてなされる制度でございまして、そのために、この福祉年金の財源というものが全部一般会計の負担となっている。いわゆる拠出制じゃないわけでございまして、先生御承知のとおりでございます。そこで援護法等の場合におきまして、国の補償的な意味におきまして、そういうような年金の形におきますところのものが出ております場合におきましては、それと性格を同様のものとするものにつきまして、そこにおいて調整をせざるを得ないというのが、国民年金の制度の側といたしましてそういうような調整をする趣旨じゃないかと思うのでございますけれども、あるいは間違っているかもしれませんが、いずれ所管局のほうから何でしたら補足して説明いたします。
#128
○後藤委員 それは一ぺんほかのほうでお尋ねすることにします。
 それからその次は、戦没者の父母に対する特別給付金の支給法の関係ですね。これは現在十年間の債券でございますか、それが大体四十七年の四月には切れるんじゃないですか。そうなってまいりますと、あとはこれでもう終わりだということなのか、どういうことになるのか、この点をひとつお尋ねいたしたいと思いますし、それから戦没者の妻に対する特別給付金の問題です。これも大体昭和四十八年の五月に切れると思うのです。これは一体どういうことになるのか、今後さらに継続して何らか考えておられるのかどうか、この二つをお尋ねいたしたいと思います。
#129
○中村(一)政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、父母に対するあるいは妻に対しますところの特別給付金は、その性格が一時金でございます。したがいまして、おっしゃいますとおり、その時期によりまして消滅をする性格のものでございます。その方々に対しますところのこういうような給付金の今後をどうするかということにつきましては、私どもとしても検討をいたしておるところでございますが、現在までのところ、一方におきましては遺族年金という形において妻あるいは父母につきまして一定の条件のもとに年金が支給されているわけでございますので、今後特別給付金というものをさらに支給するかどうか、これはやはりすべて年金制度とのからみがございますので、したがいまして、この給付金を将来とも続けるということにつきましては、それが性格上一時金であるということと、それから遺族年金という年金制度がありますことから、なかなか困難ではないかと考えております。
#130
○後藤委員 先ほど言いましたように、四十八年の五月と、さらに四十七年の四月に切れる。そうなりますと、あとについては年金との関係があるから、もう何にも考えるわけにいかない、こういうことでございますか。
#131
○中村(一)政府委員 この二つの特別給付金の制度からいたしますとそういうことに相なろうかと思います。
#132
○後藤委員 これは続いて、遺族会のほうからもかなり強く問題として出ておると思うのですが、これが終わりましても、さらにひとつ考えていく、こういう方向で厚生省としても十分御検討いただくようにお願いいたしたいと思うわけです。
 その次には、昭和二十一年の二月一日から昭和二十七年の四月二十九日まで、この間に再婚されまして帰ってこられた人につきましては援護法の適用がある。ところが二十七年の五月一日になりますと、一日違いでももう援護法の適用がない。そういう扱いになっておるわけなんですね。これは改正というとおかしいが、期間を延長すべきであると思うのですが、いかがでしょう。ただ一日の違いでもらえるもらえないということになるわけですが、これはたとえば三年、五年と延長ということは無理だとするならば、半年なり一年なりさらに期間を延ばして援護法の適用をしていったらどうだ、こういうようなことも厚生省としては御検討なさっておると思いますが、いかがでしょうか。
#133
○中村(一)政府委員 確かに先生のおっしゃいますとおり、遺族の方におきましては、一日違いあるいは一月の違いにおきまして取り扱いに相違が出る点につきまして、非常に気の毒ではないかという意見がございます。私どももその点につきましては従来から十分検討いたしておるのでございますが、たまたま再婚した妻が再婚を解消した場合においての措置と申しますのは、これが実は特別な取り扱いでございまして、援護法特有の制度でございますが、戦後の混乱の時期におきまして、特別な実態、戦死された方々の未亡人の方々の特殊な状況というものを救うべきであるということでやった制度でございます。御承知のとおりでございますが、ただ、その線の切り方をいつにするかということで、援護法では御承知のとおり援護法施行の日までといたしておるわけでございます。では、今後これをどれだけ延長するか、あるいは延長すべきかどうかという点につきましては、私どもとしては、二十七年という時期が一つの区切りとしてはやむを得ないのではないだろうか。二十七年以降まで再婚をしておられるという方々につきましては、戦後数年の長きにわたってそういう状態にあるとすればもうやむを得ないのではあるまいか、二十七年の四月三十日の時点でいいのではなかろうかと私どもは現在考えておる次第でございます。
#134
○後藤委員 そうしますと、二十七年の四月三十日ですか、これ以上少しでも期間を延長して適用される人を救おう、こういう気持ちはないということですか。
#135
○中村(一)政府委員 結局、しからばどの程度延ばすかということになりまして、これを一年延ばすか二年延ばすか、いたしますことによりまして救われる方ももちろん出るわけでございますけれども、現在のところは、二十七年の四月三十日で切ることはやむを得ない、こういうふうに私どもは考えております。
#136
○後藤委員 いまの問題につきましても、あなたがおっしゃいましたように四月三十日に帰ってきておりますと援護法の適用になりますけれども、五月一日では援護法の適用がない。片方は年金が毎年毎年もらえるけれども、一日違いで片方は全然もらえない。どこで切るかということは問題があると思うのです。どこで切るかということよりかは、できるだけそういう人を少しでも救うという立場に立って、二十七年の四月三十日になっておるのを、たとえば二十八年にするとかいうようなことも厚生省としては検討に値する大事な問題ではないだろうかというふうにも私考えますので、この問題につきましてもぜひひとつ検討をしていただきますようお願いをいたしたいと思います。
 その他まだまだ問題はたくさんあるわけでございますけれども、もう時間が参りましたので私やめますけれども、先ほどからかなり数多くの問題を提起したような形になりました。大臣なり局長としても、今後の問題として十分ひとつ検討をしていきたい、こういうふうにも返答をなさっておられるわけでございますけれども、来年あたりの通常国会におきましては、ぜひいま提起いたしました問題を、全部が全部一〇〇%解決ということはむずかしいかもしれませんけれども、厚生省援護局といたしましても十分検討をしていただいて、少しでも前進する方向へ御努力をしていただく、このことを最後にお願い申し上げまして私の質問を終わります。
#137
○中村(一)政府委員 本日、先生から御指摘になりました問題は、すべて重要な問題でございまして、私ども厚生省といたしましては、今後十分検討させていただきたい、こういうふうに考えております。
#138
○増岡委員長代理 次回は来たる三月二十三日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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