くにさくロゴ
1970/04/27 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 社会労働委員会 第18号
姉妹サイト
 
1970/04/27 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 社会労働委員会 第18号

#1
第065回国会 社会労働委員会 第18号
昭和四十六年四月二十七日(火曜日)
    午前十一時十六分開議
 出席委員
   委員長 倉成  正君
   理事 伊東 正義君 理事 小山 省二君
   理事 佐々木義武君 理事 増岡 博之君
   理事 粟山 ひで君 理事 田邊  誠君
   理事 大橋 敏雄君 理事 田畑 金光君
      有馬 元治君   小此木彦三郎君
      小沢 辰男君    梶山 静六君
      唐沢俊二郎君    小金 義照君
      斉藤滋与史君    田中 正巳君
      中島源太郎君    原 健三郎君
      松山千惠子君    向山 一人君
      山下 徳夫君    渡部 恒三君
      川俣健二郎君    小林  進君
      後藤 俊男君    島本 虎三君
      山本 政弘君    古寺  宏君
      古川 雅司君    渡部 通子君
      寒川 喜一君    西田 八郎君
      寺前  巖君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 野原 正勝君
 出席政府委員
        労働政務次官  大野  明君
        労働省労政局長 石黒 拓爾君
        労働省職業安定
        局長      住  榮作君
        労働省職業安定
        局失業対策部長 遠藤 政夫君
        労働省職業訓練
        局長      渡邊 健二君
 委員外の出席者
        自治省財政局交
        付税課長    横手  正君
        社会労働委員会
        調査室長    濱中雄太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十七日
 辞任         補欠選任
  藏内 修治君     小沢 辰男君
    ―――――――――――――
四月二十六日
 健康保険法等の一部を改正する法律案反対に関
 する請願外二十八件(瀬野栄次郎君紹介)(第
 四九九五号)
 同外二十三件(瀬野栄次郎君紹介)(第五〇六
 三号)
 失業対策事業存続に関する請願(浦井洋君紹
 介)(第四九九六号)
 同(田代文久君紹介)(第四九九七号)
 同(谷口善太郎君紹介)(第四九九八号)
 同(寺前巖君紹介)(第四九九九号)
 同(東中光雄君紹介)(第五〇〇〇号)
 同(松本善明君紹介)(第五〇〇一号)
 同(米原昶君紹介)(第五〇〇二号)
 同(浦井洋君紹介)(第五〇八五号)
 同(川俣健二郎君紹介)(第五〇八六号)
 同(田代文久君紹介)(第五〇八七号)
 同(田邊誠君紹介)(第五〇八八号)
 同(谷口善太郎君紹介)(第五〇八九号)
 同(津川武一君紹介)(第五〇九〇号)
 同(寺前巖君紹介)(第五〇九一号)
 同外二件(土井たか子君紹介)(第五〇九二
 号)
 同(土橋一吉君紹介)(第五〇九三号)
 同外一件(内藤良平君紹介)(第五〇九四号)
 同(楢崎弥之助君紹介)(第五〇九五号)・
 同(林百郎君紹介)(第五〇九六号)
 同(東中光雄君紹介)(第五〇九七号)
 同(不破哲三君紹介)(第五〇九八号)
 同(松沢俊昭君紹介)(第五〇九九号)
 同(松本善明君紹介)(第五一〇〇号)
 同(米原昶君紹介)(第五一〇一号)
 同(大橋敏雄君紹介)(第五一三〇号)
 同(川俣健二郎君紹介)(第五一三一号)
 同外二件(木原実君紹介)(第五一三二号)
 同(古寺宏君紹介)(第五一三三号)
 同(鈴切康雄君紹介)(第五一三四号)
 同(田邊誠君紹介)(第五一三五号)
 同(古川雅司君紹介)(第五一三六号)
 同(松沢俊昭君紹介)(第五一三七号)
 同(渡部通子君紹介)(第五一三八号)
 療術の開業制度復活に関する請願(大坪保雄君
 紹介)(第五〇〇四号)
 同(篠田弘作君紹介)(第五〇〇五号)
 同外一件(砂原格君紹介)(第五〇〇六号)
 同(田中龍夫君紹介)(第五〇〇七号)
 同外一件(稻葉修君紹介)(第五〇六六号)
 同(今澄勇君紹介)(第五〇六七号)
 同外一件(内海清君紹介)(第五〇六八号)
 同(大出俊君紹介)(第五〇六九号)
 同(川村継義君紹介)(第五〇七〇号)
 同(松沢俊昭君紹介)(第五〇七一号)
 同外一件(小山長規君紹介)(第五一四六号)
 同(渡海元三郎君紹介)(第五一四七号)
 同(原健三郎君紹介)(第五一四八号)
 同(坊秀男君紹介)(第五一四九号)
 医療事務管理土法の制定に関する請願外十六件
 (大坪保雄君紹介)(第五〇〇八号)
 同外十四件(山下元利君紹介)(第五〇〇九
 号)
 同外十八件(吉田実君紹介)(第五〇一〇号)
 同外二十九件(小沢辰男君紹介)(第五〇七六
 号)
 同外百件(神田博君紹介)(第五〇七七号)
 同外三十件(坂村吉正君紹介)(第五〇七八
 号)
 同(砂田重民君紹介)(第五〇七九号)
 同外三十四件(田村元君紹介)(第五〇八〇
 号)
 同外七件(高鳥修君紹介)(第五〇八一号)
 同外三十六件(加藤陽三君紹介)(第五一五〇
 号)
 同外七百四十八件(田中榮一君紹介)(第五一
 五一号)
 同外二十四件(坊秀男君紹介)(第五一五二
 号)
 同(森喜朗君紹介)(第五一五三号)
 戦争犯罪裁判関係者に見舞金支給に関する請願
 (小川半次君紹介)(第五〇五六号)
 せき髄損傷者に対する労働者災害補償保険の給
 付改善に関する請願(大出俊君紹介)(第五〇
 五七号)
 労働災害以外によるせき髄損傷者の援護に関す
 る請願(大出俊君紹介)(第五〇五八号)
 最低賃金制度の改善に関する請願(増田甲子七
 君紹介)(第五〇六一号)
 栄養士、管理栄養士の必置義務等に関する請願
 (藤本孝雄君紹介)(第五〇六二号)
 健康保険法等の一部を改正する法律案反対等に
 関する請願(田邊誠君紹介)(第五〇六四号)
 同外二件(内藤良平君紹介)(第五〇六五号)
 同(田代文久君紹介)(第五一四三号)
 同(寺前巖君紹介)(第五一四四号)
 同(東中光雄君紹介)(第五一四五号)
 通勤途上の交通災害に労働者災害補償保険法適
 用に関する請願(井岡大治君紹介)(第五〇七
 二号)
 同(内藤良平君紹介)(第五〇七三号)
 同(木原実君紹介)(第五一五七号)
 同(井岡大治君紹介)(第五一五八号)
 全国全産業一律最低賃金制の法制化に関する請
 願(井岡大治君紹介)(第五〇七四号)
 同(内藤良平君紹介)(第五〇七五号)
 同(井岡大治君紹介)(第五一五五号)
 同(木原実君紹介)(第五一五六号)
 高齢失業者等就労事業の実施に関する請願(青
 柳盛雄君紹介)(第五〇八二号)
 同(小林政子君紹介)(第五〇八三号)
 同(山原健二郎君紹介)(第五〇八四号)
 同(浦井洋君紹介)(第五一三九号)
 同(田邊誠君紹介)(第五一四〇号)
 同(谷口善太郎君紹介)(第五一四一号)
 同(林百郎君紹介)(第五一四二号)
 はり、きゅう、マッサージの健康保険取扱手続
 き簡素化等に関する請願(古内広雄君紹介)(
 第五一五四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法
 案(内閣提出第六六号)
 労働関係の基本施策に関する件(公共企業体等
 及び政府関係特殊法人における春季賃金引上げ
 要求に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○倉成委員長 これより会議を開きます。
 中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。山本政弘君。
#3
○山本(政)委員 政府の中高年齢者の雇用促進に関する特別措置法案の提案理由の説明の中に、二つの事柄が入っておると思うのです。一つは、中高年齢者や雇用機会の乏しい地域の失業者に対して、年々改善はしてきておるけれども、就職が必ずしも容易でないから、これに対して対策を講ずる、これが一つだと思うのです。もう一つは、今後中高年齢者の雇用促進に重点を置くけれども、従来のような失業対策事業に依存することのないように、その能力を民間雇用において有効に発揮する。この二つだ、こう思うのです。
 こういう二つの事柄が重点とされてこれが出されたと思うのですけれども、一体、言われるように、それでは一般的には労働力が不足だといわれているけれども、実際に労働力が不足を来たしているのかどうかというところに問題があるのじゃないか。つまり、いままで政府が雇用構造の改善について何にも手を打ってないじゃないか。むしろそのことによって労働力の不足というものが促進をされてきたのではないか、こういうふうに思うわけであります。たとえば学校の新規卒業者についていうならば、進学率が高まるというようなことがあって、新規学卒の労働者に対する企業の求人の倍率というものは非常に高くなっておる。あるいは四十五歳を境にして、求人倍率で見ると四十五歳以下が求人が多い。四十五歳以上は求職のほうが多い。特に五十歳をこえた求人に対する求職というのが倍率が非常に高くなって、四倍から五倍くらいになっているのではないか。同時にまた、事業所の構成比を見ましても、事務系の労働力に比して技能系の労働力というものがむしろ非常に不足をしているのではないか。そして一番技能労働力の不足に悩んでおるのが、建設業あるいは製造業あるいはサービス業。そしてその中で百人以下の事業所というものが一番労働力の不足に悩んでおる。そういうふうに見ると、非常に特徴的なことが出ておると思うのです。つまり、概括的な言い方になりますけれども、年齢的にいえば若い層が不足をしておる。それから産業的には建設業、製造業、サービス業というものが不足をしておる。そして企業別には中小企業が不足をしておる。したがって、労働力の需給関係は政府の言うように、高度経済成長によって労働力の不足基調になったのだという言い方というものは、私は非常に一面的ではないだろうか、こう思うわけであります。
 と申しますのは、昭和四十四年の一これは政府の統計であります――完全失業者が五十七万から五十八万。日雇い労働者が約二百万。出かせぎの農民が百五十万から百六十万。それから臨時工が約二百万。そして特殊な形態として炭鉱、駐留軍、パートタイマー、こういうものの総計が五十万から六十万ある。とすれば、労働力というのは一般的にいわれるように不足ではない。つまり、雇用構造の改善というものを政府が怠っていたがゆえにそういうものが出てきているのじゃないだろうか。だからいまの状況からいえば、労働力というのは不足をしているとも言うことができる、しかし同時に、過剰であるとも言うことができると思うのです。あなた方のいわれるように基調的に不足というのは、私は誤りだと思うのです。その点についてまず、一体どういうふうにお考えになっておるのか、これをお伺いしたいと思います。
#4
○住政府委員 現在における雇用の状況等につきまして非常に適切な御指摘があったわけでございますが、ただいまも御指摘がございましたように、私ども量的に全般的に、傾向として現在の雇用失業情勢を考えてみますと、たとえば労働市場、それを代表します職業安定所の窓口の状況を見ますと、求人求職のバランスというのは全体として求人超過になっておる。あるいはまた特に技能労働力等の状況を見ますと、これも労働省で毎年需給状況調査をやっておりますが、その中で技能労働力が年々百八十万人前後の不足が訴えられている。さらにまた、日銀等で行なっております短期経済予測の調査について見ましても、製造業の中小企業等におきまして労働力不足を訴え、人手が足りないということが企業経営の隘路になっておる、こういうように訴える企業も半数以上を占めておるというような状況になっておりますけれども、たとえば年齢的に見るならば、年齢が高くなるにつれまして求職が超過しておる。求人が足りない。あるいは地域別に見ましても、需要地であります関東とかあるいは中京、近畿、中国等におきましては求人超過でございますが、九州とか四国等におきましては求職超過、こういうことで地域的に見ても非常にアンバランスがある。しかもそういう地域においては年齢が高くなるにつれて需給関係が悪化をしておる、こういう状況であると思うのであります。さらに御指摘のような完全失業者の数字を見ますと、これは全体としての生産年齢人口の数がふえてまいっておりますので、失業率といたしましては大体一・一%ないし一・二%で推移をしておる。さらに臨時、日雇い等につきましても、全体の就業人口の中に占める割合というものが、かつての昭和三十年代とかあるいは四十年代の初めに比較いたしますと、逐次そのウエートを下げてきておるという点が指摘されると思うわけでございまして、そういう意味で私ども基調として労働力不足であるというように判断しておるのでございますが、その中におきまして、いま申し上げましたような諸点において労働力需給の不均衡、特に求職超過、こういう現象があるということを必ずしも否定しておるわけではございません。
 さらにまた質的に考えてみますと、先生も御指摘のように、わが国の就業構造等のおくれもありまして、就業者一人当たりの国民総生産というものが諸外国に比べて非常に劣っておる。そういう意味で、労働者の能力をさらに有効に発揮するならば、そういう面からも人手不足という問題を解消できる余地もあるというようなことで、就業構造の改善あるいは低生産性分野の近代化、こういうようなことか必要であるというように考えておる次第でございます。
#5
○山本(政)委員 職安局長、私の質問にお答えになっていないのです。つまり私は、雇用構造の改善がなかったのじゃないか。高度成長期間を通じて労働力が不足と言われながら、それに対してどういう対処、改善のしかたをしたのか。同時にいまウエートが下がっておる、日雇い労働者のウエートも全体に比較すれば下がっておる、こう言われるけれども、しかしそれの下がり方というのは、いまここにパーセンテージがあるようにそんなに下がってない。むしろ四十四年は四十三年に比べて上がっておるはずです。だから雇用構造改善をやるならば、あなた方が言っているようなそれほどの労働力不足というものはなかったのじゃないか。だから私は三点をあげたはずであります。特にいま不足が言われているのはその三点についてなんですから、それについて一体どんなことをおやりになったのか。そういうことに対する対策をとらないでただ不足だ不足だ、こう言われてもしようがないじゃないか。一体どういう対策をおとりになったかということを聞いているわけであります。もう一度答弁をお願いいたします。
#6
○住政府委員 全般的に雇用構造の改善対策といたしましては、産業政策等との関連を考えながら産業構造の改善あるいはそれに伴う就業構造改善対策、こういうものを政府全体として積極的にとっておるところでございますが、ただいま御指摘になりましたような、たとえば日雇い労働者の問題あるいは臨時労働者の問題、こういう層に対しましては、できるだけ常用雇用、安定した雇用、こういう観点から事業主に対する指導とか、あるいは安定所の職業紹介にあたりまして各種の援護制度を併用しながら、安定した雇用と申しますか、常用雇用への就職というものを積極的に進めてきておるわけでございます。さらに石炭とか駐留軍等につきましても、それぞれの法律に基づきまして、離職した方々の他の職場への再就職を積極的に進めてまいっておる、こういうようにいたしまして、労働省はもちろんでございますが、政府全体としても雇用構造の改善のための諸施策を進めてきておるわけでございます。
#7
○山本(政)委員 産業構造改善、就業構造改善あるいは職安を通しての完全就職、そういうようなことをおとりになっておる、こう言われる。それじゃお伺いいたします。四十三年の完全失業者は五十九万、四十四年の完全失業者は五十七万、四十五年の完全失業者五十九万、完全失業率からいえば丁二%。これが四十三年、四十四年が一・一%、そして四十五年は一・二%、変わってないじゃありませんか。完全失業率からいえば昭和四十年からほとんど変わってないんですよ。あなた方がおっしゃっているけれども、実際にはそういう雇用改善全般にわたっての対策をおとりになっていない一つの例証がここにある。「一般職業紹介状況」、これは四十五年のやつを見ますと、新規の求人数が五十二万一千三百七十九、新規求職申込件数が、少ないですよ、三十二万四千五百九十二あるけれども、就職件数は十五万八千しかないじゃありませんか。半分ですよ。こういう状態がずっと四十二年以降続いているわけです。そうすると職業紹介についてだって、職安を通してと、こうおっしゃるけれども、なされていないということがここに数字的に出ているじゃありませんか。もう一つ、「失業保険受給者実人員の推移」これだってそうであります。昭和四十二年が五十四万、端数は除きます、四十三年が五十二万、四十四年が五十万、五十万以上の失業保険受給者があって、その中であなた方の努力によってなされたというのが二万前後でありますよ。失業保険の受給状況あるいは完全失策者数の変化のないこと、そして一般職業紹介の例を見ても、ここにはあなた方が、つまりいままで労働力不足に対してきちんとした対策をおとりになったという例証はどこにも出てこないですよ。これだけのことをやったんだから、これだけの数字がちゃんと出てきたということがいえると思うのですよ、あなた方がほんとうにおとりになっているんだったら。そして若年労働力の不足、中小企業の労働力の不足ということは前からいわれていることです。ここ十年くらいいわれていることでしょう。それに対して数字というものは何も変化をしてないですよ。どこに雇用構造の改善に対する対策をおとりになっているのですか、もう一ぺん答弁してください。
#8
○住政府委員 いろいろ御指摘ございましたが、たとえば完全失業者の率につきまして、御指摘のようにそう大きな変化はございませんし、実数においても六十万前後、こういうことでここ数年来変化はございません。しかしながら、この内容を見ますときに、たとえば先生もこれは御承知のとおりでございますが、失業率ということで、高いのはたとえば十五歳から十九歳までの二%とか、あるいは数字としても大きいのは二十歳から二十四歳の十六万というように、完全失業者の内容も実はかなり変化してきておる。これはいろいろ原因があると思うのでございますが、最近の学卒者の離職率等を見てもわかりますように、若年労働者を中心としました転職希望者等もかなりふえてきておる。そういう意味で、私どもこの数字は一つは摩擦的な失業として考えておるわけでございまして、全体の生産年齢人口に対する、労働力人口に対する失業率といたしましては、わが国の場合は非常に低い。日本の場合においては、過去数年間変化がございませんが、諸外国に比較いたしますと非常に低い。ほんとうにこれが失業の状態をあらわすものかどうかという問題点もあるぐらいでございますが、それは別といたしまして、この数字の中身においてかなりの変化がある。そういう意味で、たとえばそういう若年労働者の転職希望等につきましては、一つには職業指導、職業紹介等によりまして、むだな離転職を避けさせる、こういうような措置を積極的に講じていくというような対策、あるいは職業紹介の面におきましても、御指摘のように数字としてはここ数年来必ずしも変化していないのでございますが、労働力不足の影響等も受けまして就職率もわずかながら向上してきておる、こういうように私ども考えておるわけでございます。
#9
○山本(政)委員 職安局長のその答弁は実はおかしいのです。たとえば、あなたのおっしゃるように十五歳から二十九歳までの人たちの転職が多いということは、それは合計すると三十万人ぐらいになると思いますが、その人たちは、本来必要とすべき企業、あなた方が一番必要としている企業からサービス業のほうに流動しているんでしょう。一番必要なところにはその人たちはおらぬわけです。一番必要なところから逃げていっているわけです。それに対する対策がなくて、それで五十九万つまり六十万前後の人たちの半分の労働人口は転職しているということはアンサーになりませんよ。流出というものをとめる対策をしないで、この人たちは転職をしてどこかの職業につくんだから、実際には完全失業となっているかどうかということも疑わしい、こういうことは労働力不足だということに対する答えにはならぬでしょう。いま一番労働力が不足している年齢はこの年齢なんですよ。そして一番必要としているところからどこかへ逃げていっている。それは主としてサービス業のほうに逃げていっていると思うのです。とするなら、その対策というものをやらないで、六十万の完全失業者の半分はどこかへ就職しているんですからといっても、いま一番必要としているところへ就職しているのではない。そうでしょう。ということは、あなた方の労働力対策が十分でないということをいっているんじゃありませんか。
#10
○住政府委員 こういう完全失業者は特に若年層において最近の傾向としてふえてきておるわけでございますが、一般的に転職者の産業間移動がどうなっておるかということでございますけれども、たとえば、これは労働省で雇用動向調査という調査をやっておるのでございますが、転職者が二次産業から二次産業に移るというのが、四十三年におきましては約五九%、それが四十四年におきましては五六・七%ということでございます。それから三次産業から三次産業にどれだけ移るかという数字につきましては、四十三年が二六・五%、四十四年が二六%、三次産業から三次産業に移るのが、四十三年が六六・五%、四十四年が六八%。二年間の数字でございますけれども、必ずしも転職者は二次産業から三次産業へ移るということではございませんで、大部分の者は二次産業内あるいは三次産業の内部において職場をかえておる、こういうことが言えると思うのでございます。
 いずれにいたしましても、ほんとうに必要とするところに労働力が流れているかどうか、これは非常に重要な問題でございまして、先ほども申し上げましたように、特に学卒者等に対しましては、就職前の職業指導とか、あるいは適性検査による本人の適性の発見によりまして、その能力に適合するような職場へのあっせんにつとめる。と同時に、就職後におきましても、そういう若年労働力の定着を向上させるためのアフターケアを、たとえば年少就職者相談員等を配置いたしまして積極的にやっておるわけでございますが、やはり一つは、最近の非常な労働力不足というものがこういう若年労働力の移動を誘発する要因になっておることも否定できませんので、そういう対策を従来やってきておりますが、さらに充実してやっていかなければならないというように考えておるわけでございます。
#11
○山本(政)委員 それはわかりました。そうすると、失業保険受給者の移動があまりないですね。五十万、五十二万、その辺で低迷をしておるのだけれども、これは一体どういうふうになっておるのですか。そして、どういうふうに対策を講じておるのですか。
#12
○住政府委員 失業保険受給者の受給実人員は、御指摘のようにそう数字の変動はございません。特に最近の景気鎮静化の影響等も受けまして、ややふえるような傾向も見られるのでございますが、しかし、全体として受給率ということで見ますならば、これは被保険者の数が毎年毎年ふえております。受給実人員が同一であれば、受給率というものが下がってきておる、これは申し上げるまでもないことでございますが、そういう意味で受給率が下がってきておる。それからさらに、受給月数でございますが、これも逐年低下しておる状況でございまして、そういう意味で、実数といたしましてはたいした変化はございませんけれども、受給率とかあるいは受給月数等において見ますならば、改善が進んでおるというように考えておるわけでございます。
#13
○山本(政)委員 人数でいえば減っていないけれども、率が減っておる、こうおっしゃっておるのだけれども、奇妙なことには、一般職業紹介の状況もおそらくそういうふうにお答えになるのじゃないかという気がするわけです。しかし、いずれにしても、求職者の数が三十二万、それから失業者が六十万前後、これだけでも有効に活用すれば、かなりなものが出てくると思うのですけれども、ともかく私が申し上げたいのは、労働力の不足を基調に据えて労働力政策を行なうということは、雇用の二重構造というものを切り捨てていくことになりはしないだろうか。つまり、そういうことをすれば、幾らたっても労働力政策というもの、労働力の不足というものについての抜本的な対策というものはできはしないのじゃないか、こういう感じがするのです。それから考えると、この特別措置法というものもあまりかわりばえのしないものになっておるのじゃないかという気がするわけです。その辺はどういうふうにお考えになっておりますか。
#14
○住政府委員 今後の情勢を考えてみますと、労働力の供給には、これは制約があると思います。特にその供給の伸び率というものが過去に比較いたしまして低下を続けるということも、そういう意味で明瞭に指摘できると思うのです。と同時に、一方需要のほうは、経済の成長率、これは経済社会発展計画で想定されておりますような一〇・六%というような率であるならば、雇用に対する需要というものが従来と同様高いものになる。そういうような関係から考えてみますと、全般的にはやはり労働力が不足するということがいえると思うのでありますが、同時に、先ほどもちょっと申し上げましたが、就業者一人当たりの国民総生産をとってみましても、必ずしも労働者の能力というものは完全に燃焼されておるかどうか、こういうことについては非常に疑問があるわけでございます。
 そういう意味で、質的にはたして労働力が不足なのかどうなのか。と申しますのは、そういう労働者の能力が完全に発揮されるような雇用構造になっておるか、あるいは就業構造になっておるか、これが非常に問題であろうかと思うのであります。私ども遺憾ながらその点につきましてなお不十分である、そういう意味で私どもは、なお労働力が不足ではない、こういう指摘ができると思うのでございます。それが規模別にもあるいは産業別にも、あるいは地域別にも出ておる。それで、そういうような点を解消していくために、労働者が全体としてその能力を最もうまく発揮できるような職場で働く、これが一番望ましい状態でありますけれども、日本の場合はかつての労働力過剰時代の影響等もありまして、やはりその労働力の需要というものが若年労働力に片寄る、あるいは技能労働力の養成も十分ないままに、技術革新だとか産業構造の高度化に伴う必要な労働力、こういうものが足りなくなっておる。そこで、そういうような面において労働者がほんとうに能力を発揮できるような体制、それに対する対策、こういうことを今後積極的に講じていかなければ、質的な意味での労働力不足問題に対処できない。そういう意味で、私どもは今回の法案におきまして、中高年齢者の労働力というものをどうしたらうまく発揮することができるか、こういう観点から、たとえば中高年齢者に適する職種の開発とか、あるいはそういう職種に対する雇用率の設定とか、あるいは従来の労働力過剰時代の雇用慣行をできるだけ廃するという意味で、事業主に対する各種の援助措置等をこの法案に盛り込みますと同時に、中高年齢失業者に対しましては手帳制度をつくり、そしてきめこまかな職業指導、職業紹介を行ないますことによって、ほんとうに能力が発揮できるような就職を促進していく、こういう考え方に立っておるわけでございます。
#15
○山本(政)委員 そうすると、これは労働省の毎月勤労統計の産業大分類別日雇労働者等雇用指数であります。これを見ますと、昭和四十年の不況時以降減少傾向を示していた日雇い臨時労働者が最近では大幅にふえてきており、こういう人たちは一般には景気に対する安全弁として使用されているのじゃないかという私は気がするんです。ここにもそういう意味のむだ一むだという言い方はおかしいけれども、つまり労働力不足を解消すべき労働力というものがここに潜在をしているではないか、こう思うのですが、この辺は一体どうあなた方はお考えになっているか。
#16
○住政府委員 この統計の見方でございますが、御指摘のように、日雇い労働者の数がふえてきております。私ども、この調査におきましては、いわゆる臨時なり日雇い、この中には、最近特に増加傾向を示しておりますパートタイマーの労働者が含まれておる、そういう意味でこの数字がふえておるのじゃないか、こういうように解釈しております。そこでパートタイマーについてでございますが、いろいろこれも調査がございますけれども、家庭責任等の関係から、労働者のほうでもパートタイムという雇用形態を選ぶ、あるいは事業主のほうでやはり労働力不足に対処するためにそういう労働力を積極的に使っていこう、こういうようなことからパートタイマーがふえておるわけであります。そのパートタイマーがこの数字の中に入っておる、こういうように考えておるわけでございます。
#17
○山本(政)委員 つまり、日雇い臨時労働者というのは一般的に低賃金だ、それから雇用調節が比較的安易だ、こういうことでそういう利用が進められてきていると思うのですけれども、それじゃ局長にお伺いしますが、パートタイマーで使っておるという産業というのは、この表のどこに当たりますか。
#18
○住政府委員 多いのは製造業あるいは卸小売りそういったところかと思います。
#19
○山本(政)委員 製造業、卸小売り業というのがパートタイマーが多いだろうということですが、昭和四十年を一〇〇とした場合の四十四年平均、建設業の一二二というのは、これはパートタイマーじゃないはずですからね。それから電気・ガス・水道業の一一一というのもパートタイマーではないはずです。卸小売り業というのは非常に高いけれども、しかしこれが全部がパートじゃないはずでしょう。その何%かパートであるはずなんです。全部がそうじゃない。とすると、ここにはやはりきわめて大きな、つまり潜在労働力というものがあるんではないか、こう思うのですが、あなたのおっしゃるようなことでそれは逃げられぬとぼくは思うのです。
#20
○住政府委員 先生御指摘のような要素もあると思うのでございますが、やはり最近パートタイマーの雇用形態の労働者が非常にふえておりますので、そういう意味でのウエートもかなりその中に入っておる。そういう意味で、先生御指摘のような点を否定するものではございませんけれども、パートタイマーのウエートが高まってきておるということであれば、その関係において、かつていわれておりましたような意味での不安定就業とか不完全就業が直ちに増加した、こういうようなことにはならないというように考えておるわけでございます。
#21
○山本(政)委員 不完全就業がふえているということを私は言いたいんじゃないので、つまりそういう潜在的な労働力についての対策というものが労働力対策として実際に行なわれておるかおらないかということが問題なんだ、こう言っておるわけです。つまりそういう中でやはり依然として、労働力不足だから中高年雇用促進法を提案するのだ、こういうわけですね。そうですね。
 それでは一つお伺いします。この前の委員会だったと思うのですけれども、島本委員から、中高年齢者とは一体何かと言ったときに大臣は、従来は三十五歳だ、しかしいまは妥当な線としては四十五歳から六十五歳だ、こうおっしゃった。職安局長はそれを受けて、中年とは四十五歳から五十五歳、高年とは五十五歳から六十五歳、こう言われた。ところが職安法四十七条の二の中高年者の雇用率の設定のところですが、それを受けて施行規則の三十二条の二のところで三十五歳とちゃんと書いていますね。それが何で四十五歳になったか。つまり、あなた方がこの法案をおつくりになる関係でただ恣意的に三十五歳を四十五歳にしていいものなのかどうか。つまり年齢別の常用労働者の職業紹介状況の推移の中で、男は五十一歳から求人よりか求職が多くなる。女性のほうは四十一歳から求人よりか求職のほうが多くなる。それでそこに線を引いて四十五歳をおつくりになったのでしょう。そうでしょう。ぼくに言わしたら、職業紹介状況のいかんによって、それだけであなた方は中高年の線をそこでお引きになるのか。一般的な常識からはずれて、中高年というのをそういうところでお引きになっているのかどうかという点です。そして、そういう引き方というものが正しいのかどうか。法案をつくる便宜上中高年というものをそんなところに線を引いていいのですか、それを答弁してください。
#22
○住政府委員 御指摘のように、現在の中高年失業者の就職促進の措置におきまして、中高年齢者とは三十五歳以上の者である、こういうことにいたしております。これは昭和三十八年の職業安定法、緊急失業対策法の一部改正の際におきましてその年齢をどうするかということについていろいろ議論があったわけでございますが、当時中央職業安定審議会等の意見も聞きました上で、大体求人求職のバランスがくずれる年齢を境にしてその措置の対象をきめたらいいだろう、こういうところから、当時において求人求職のバランスを失する年齢が三十五歳でございます。そういうことで、三十八年以降、三十五歳以上が中高年齢者ということで各種の対策の対象年齢になっておったわけでございます。
 そこで、今回はそのような観点から調べて見ますと、ただいま御指摘のございましたように、男では求人求職のバランスがくずれる、要するに求職者が多くなるという年齢は五十歳以上でございます。それから女子では四十五歳以上でございます。しかし男女差を設けるのもいかがかというように考えまして、男女いずれかの年齢層において求職が求人を上回る年齢として四十五歳というものを設定したわけでございます。
#23
○山本(政)委員 そうすると、そこに三つ問題がありますね。つまりそういうふうに求職と求人とのバランスがくずれる線がだんだんと労働力人口の老齢化に伴って五十五歳までずっといってしまえば、そこがまた中高年齢になりますね。そこでまた今度新しく引かなければならなくなりますよ、あなた方の議論から推していけば。しかもいまは五十歳から五十一歳までの間のところで要するにバランスがくずれるわけでしょう。老齢化をして五十五歳のところまでいくかもわかりませんね。そのときにまた中高年齢というふうに線をお引きになるわけですか。そういうことになると、つまり、労働力との需給関係によって労働力人口が老齢化をすると、それにずっと合わせて中高年齢の層というものの規定のしかたが変わっていって、老齢化したところに線が置かれるという矛盾が出てくることが一つ。もう一つは、三十八年とおっしゃったけれども、四十一年七月の雇用対策法の成立に伴う職安法の改正法律一三二号によって第三章の二の追加があったわけでしょう。そしてそのときに施行規則三十二条の二というもので三十五歳というものがきめられたわけですよ。そうするといま四十六年、五年間でそういう中高年齢というものの考え方が変わっていいかどうかという問題が、素朴な問題かもしれませんけれども出てきますよ。その辺は一体どうなんですか。
#24
○住政府委員 最初の点でございますが、今後の雇用情勢を考えまして、やはり年齢によって就職が困難である、こういう事態が変わらないとするならば、そういう就職の困難な方々に対してやはり一般の人と違った特別の対策あるいは援護措置、こういうものを積極的に講じていかなければならない。そういう場合に、それではその対象をどう考えるか、こういうことからその範囲なり年齢の下限を考えるべき問題であるというように考えております。したがいまして、そういう意味では必ずしも社会一般にいわれております中高年というものとは性質が違う。要するに就職を促進するという意味で特に一般と違った対策を講ずる層は何であるか。こういう観点から、こういう中高年齢者という概念をつくり出しておるわけでございます。そういう意味で五十五以上あるいは六十以上になった場合に、その際になおかつ中高年というかどうか、これは疑問である、これは必ずしも社会常識と一致しない、こういうことになれば、また別な法律の表現も出てくるかと思うわけでございます。
 それから第二点の雇用対策法との関係でございますが、最初に中高年齢の措置として三十八年にきめております。四十一年に雇用対策法ができまして、そのときもその年齢を踏襲しておるわけでございまして、その点はちょっと先ほどは不正確でございましたが、むしろ従来の考え方を踏襲しておる、こういうことに理解していただきたいと思います。
#25
○山本(政)委員 つまり、ある一定のところまでくれば、それはやはりあらためて考えざるを得ないということが一つお答えがありましたね。もう一つは、それ以上の年齢の人たちに対する特別の援護措置をやはり考えるべきだ、そういうことを答弁としておっしゃった。そうすると、特別な援護措置というのは一体どういうふうな構想をお持ちになっておるのか。いまその構想をお持ちでないなら、ないでいい。しかし、あらためて特別の援護措置をやるのだ、こう御答弁があったわけですから、これはぼくは重大だと思うのですね。
 つまり、労働力政策とそれに対する雇用対策としての政策の面が一つ出てくるだろうし、もう一つは社会保障的な面も出てくるだろうと思う。そういう意味で、特別の援護措置というものは本気になってお考えになっておると理解していいですね、あなたの答弁があったから。つまり、いままでのような失対ということと、これは関連すると思うのですよ。と申しますのは、失対のことに関して、法文の中で「当分の間」というようなことも承っておる。それとは別個に、特別の援護措置をお考えになるつもりがあるのかどうか。「当分の間」、それが問題だと思うのですね。その辺は一体どうなっておるか。これは大臣のほうがいいかもわからない。大臣のほうがいいので、大臣、答弁してください。
 これは大きな関係がありますよ。失対問題がいま問題になっているのですから、そして「当分の間」ということが問題になっているのだから。それに対して職安局長は、特別の援護措置を――法的かどうかは別として、特別な援護措置をお考えになっているというのだから、それはちゃんとはっきり答弁していただきたいと思うのです。
#26
○野原国務大臣 この中高年齢者の雇用の促進に関する特別措置というものは、まず手帳制度をもって手帳を交付いたして、長期にわたってその手帳保有者に対する援護措置を行なうということが一つでございます。これは通常半年ということになっておりますが、いろいろな事情でそれがかなり長い期間継続できる仕組みになっております。
 それからなお、そうした雇用率を設ける、いままではなかった制度でありますが、官庁には雇用率がございましたが、これは民間企業等にも雇用率を設定する、そしてできるだけそのほうにやらせる。その際には、中高年齢者を雇用した雇用者に対しまして特別の措置を講ずる。つまりそうした対策を講じていくという点、それらの点を合わせまして、これからできる限りひとつ民間企業へ就労させまして、それらの方々がいままで以上に所得の増大ができ、明るい生活を送ることができるということをねらいとしたものであります。失対事業というふうな姿からできるだけ抜け出して、一般の企業に御協力いただこうということを考えたわけでございます。
#27
○住政府委員 ちょっと、先ほど私の申し上げましたのは舌足らずの点がございましたので御説明申し上げておきたいと思いますが、要するに、年齢別の需給のアンバランスがある。若年労働力につきましては就職は一般の対策でやり得るけれども、年齢が高くなるにつれて就職が容易でない、こういう事態に対処いたしまして一般の求職者とは違った特別の対策を講ずる、こういう場合に、それじゃその年齢によってそういう差を設けるわけでございますからその年齢をどうするかということから、たとえば四十五歳以上、こういうことに考えておるわけでございますが、その特別対策の内容は、ただいま御審議をいただいております中高年齢者等の雇用促進に関する特別措置、それがその内容である。そういう特別措置を講ずる年齢というものを四十五歳以上、こういうことにした、こういうような考えで御説明を申し上げたわけでございます。
#28
○山本(政)委員 それはおかしいでしょう。だから初めに私は中高年齢者というものを一体どこに基準を置くのかと言ったら、求人と求職とのバランスがくずれるところに置きますというあなた方の答弁があったわけだ、だからそうなると、要するに労働力の年齢というものはだんだん高齢化をする傾向にあるという、これはデータから出ている、そうなった場合には、五十五歳をこえてもっと高齢になったときに、それをしも中高年齢者と言うのかと、こういう質問をしたはずです。そうしたらそれは社会的、常識的な通念からしてあらためて考え直さなければならぬし、それをこえる人については特別の援護措置をやるんだ、こういうお話だった、特別の援護措置をやるんだ、そうでしょう、そういうあなたの答弁であって、いまの答弁は、要するにそういう場合には年齢によって差を設ける、こういうおことばもお使いになったのですよ。それならば、あなたの答弁だったら、まさしくこれがそうなんだと、こう端的におっしゃればいいんだけれども、年齢によって特別の援護措置を設けると言うから、それならいま失対というものが問題になっていますよ、高齢者の問題がまさにいま問題になっている、そしていまの失対事業については当分の間と言っているけれども、聞くところによれば五年という話もある、そういうことを私はつけた上でお伺いしたときに、特別の援護措置を講ずるとこうおっしゃったのでしょう、議事録を見てくださいよ。そうすれば、このもののほかに、そういう高齢者に対してはあなた方は特別の措置というものをおつくりになるお考えがあるだろうと思うから、大臣にただしたわけでしょう。私の質問に対してあなたの答弁というものは、まさしくそれがこれでございますということではないはずですよ。話し合いをしてくださいよ、一ぺん。
#29
○住政府委員 どうも説明不十分であったと思うわけでございますが、一体年齢三十五が四十五になったというのはどういうわけであるか、それが求人求職のバランスが雇用情勢の改善によってだんだん年齢階層が上に上がっている場合、その場合でもなおかつ中高年齢層というのかどうなのか、こういうような御趣旨の質問に受け取ったものですから、三十五歳のきまった経緯、四十五歳のきまった経緯、今後の雇用失業情勢を考えてみますと、それがさらに上がっていくことも考えられるわけでございまして、そういう場合、かりに五十五とかあるいはもっと高い年齢になった場合に、はたしてちょっと社会常識とはかけ離れた中高年齢層ということばを使っていいかどうか、これは問題になると思いますけれども、私の説明といたしましては、現在のところ四十五歳以上のものを中高年齢者と規定いたしまして、それに対して一般の者と違った特別の措置を講ずる必要がある、その内容がただいま御審議いただいておりますこの法案の内容である、こういうように申し上げたのでございまして、非常に説明が足らなかった点があったかと思いますが、趣旨はそういうことでございます。
#30
○山本(政)委員 それでは確かめますよ。中高年というのは四十五歳から六十五歳までですね、そうですね、それは間違いないですね。
#31
○住政府委員 この法案で使い分けをいたしておりまして、第二条の定義のところに書いてございますが、「この法律において中高年齢者とは、労働省令で定める年齢以上の者をいう。」、こういうようになっております。それと第二項におきまして「この法律において中高年齢失業者等とは、労働省令で定める範囲の年齢の失業者その他就職が特に困難な労働省令で定める失業者をいう。」こういうことになっておりまして、中高年齢者という場合には年齢の条件はございません。それから中高年齢失業者という場合には、範囲でその層をきめるようにいたしております。いずれにいたしましても、一般的に雇用失業情勢その他の条件等をも考慮してその下限なりあるいは範囲を定める必要がある、こういう観点から労働省令で定めることとし、その労働省令で定める場合には中央職業安定審議会の意見を聞いた上でそれをきめていきたい。現在のところ下限は四十五歳であり、範囲とは四十五歳から六十五歳未満、こういうように考えております。
#32
○山本(政)委員 そうするといまの二条の二項ですか、「中高年齢失業者等とは、労働省令で定める範囲の年齢の失業者その他就職が特に困難な労働省令で定める失業者をいう。」というのがありますけれども、この提案理由の説明の中で「現在失業対策事業に就労している者につきましては、従来の経緯等にかんがみ、当分の間失業対策事業を継続実施して、これに就労させることとしております。」こう言っている。この「当分の間」というのは一体どういう意味ですか。巷間いろいろうわさをされることもあるから特にお伺いしたいのですが……。
#33
○住政府委員 「当分の間」につきましては、すでに御説明申し上げておりますように、実は雇用審議会の答申におきましてこの失業対策事業、「この事業に就労することによって維持されてきた程度の生活内容が、社会保障対策や高年令者の仕事に関する対策によって充足されるようになるまでの間、引続き就労できるようにすること。」――しなさい、こういう答申をいただいております。私どもこの答申の趣旨をくみまして、それを法律上の表現としてあらわしたのが「当分の間」でございまして、したがいましてこういう状態に達するかどうか、これはそのときの状況によって実質的に判断をすべきものであろうかと思っております。
#34
○山本(政)委員 では、その答申を尊重してということに理解をしていいですね。――それでは、もう一ぺん本筋に戻ります。しつこいようですけれどもちょっとお伺いしますけれども、いまの局長の答弁では四十五歳から六十五歳まで、そして二条の一項、二項の解釈がありましたけれども、それの措置がこの法案ですね。――そうしますと、いま労働の需給がゆるんできているということがいわれてますね。新規採用の中止や縮小がふえてきておる。私の資料でもそういうものが出ておる。これも労働省からいただいた資料ですけれども、「大口求人取消状況」というのがある。中学卒業生について八二・八%取り消し、高校卒業については六八・九%の取り消しがある。これは取り消しの事例で、ちゃんとあなたのほうからいただいた資料です。読みましょうか。「昭和四十六年三月新規中卒、高卒者に対する大口求人取消事例報告」であります。「報告の概要 この報告は、職業安定機関に申込まれた大口求人のうち、その一部又は全部について取消しのあったものを、昭和四十五年十二月十五日現在で取りまとめたものである。なお、大口求人とは中卒又は高卒について一事業所で五十人以上申込んだ求人をいう。」こういっております。そして「大口求人取消状況」は中卒が八二・八%、高卒が六八・九%。これが違うのだったら、何で違うかということを説明してください。これだけの求人取り消しがあるというのだったら、つまり私が申し上げたいことは、景気動向に左右されることが非常に大きいのじゃないか。そういう見通しというものを労働省がお持ちにならないで、そしてそれをやったらほんとうの労働力政策にならぬじゃないかということを申し上げたいから言っておるのですよ。
#35
○住政府委員 私ども、最近の景気の鎮静化の影響によりまして、電気機械とかあるいはその他の機械関係等におきまして求人の取り消しの事例があったということは聞いておりますが、いま全体としてつかんでおります求人取り消し人員は大体一万三千程度ではなかろうか、こういうように考えております。そういうようなことでございますので、全求人に対して八二%あるいは六〇何%の取り消しがあったものとは考えられません。実は求人取り消しを申し込んだ企業でなお求人を続けているところがございますが、その求人取り消しをした事業所のうちで、総数で、取り消した求人が八二%とか六八%とか、こういうことを資料として差し上げたのではないだろうか。それですから、全体の求人に対して八〇%とか六〇%ではなくて、当該取り消しのあった求人にかかる取り消し率、こういうようなことかと思います。
 それから第二点の問題でございますが、私ども御意見のとおりのことと考えておりまして、やはりそういった失業の状況とか求人求職の状況というものがいろいろな経済情勢等によって変化する、山もあれば谷もある、こういうように考えております。そういう意味で、先ほどもこの定義で申し上げましたが、これは雇用審議会でも指摘されておるのでございますが、原則としては四十五から六十五までで差しつかえないけれども、雇用失業情勢によって弾力的に対処するようにしておきなさい、こういう答申をいただいております。そういうこと等も考え合わせまして、年齢等につきましては法律で固定することをやめまして、労働省令できめる。そのきめる際には安定審議会等の意見を聞いてきめていく、こういうように考えておる次第でございます。
#36
○山本(政)委員 一時までだそうですから先へ進みたいと思いますが、私は中高年齢者について特別に雇用促進をやるということそのこと自体は誤りじゃないと思うのですよ。ただ、そのことを将来緊急失対制度をなくしていくということと関連をさせることは誤りだと思う。しかしどうもあなた方のお考えにはそういうものがあるのではないだろうか。雇用促進の措置という労働力の政策と、それから失対の保障制度というものは私は違うだろうと思うのです。そういう観点から見ますと、どうも労働省の政策というものが、労働力不足が続くから失対保障を雇用促進というものに代替をしていこう、こういう考えがあるのじゃないかという気がしてならないわけであります。両者が一体代替が可能かどうか、どうだろうか。私は不可能だと思う。部分的には可能だと思いますよ。しかし全部が全部そういうことが代替ができるかといったら、代替は不可能な部分があるはずなんです。そういうことに対する考え方というものが欠けておるということが一つ。それから失業状態の予測を立ててそして雇用計画を立てるのがほんとうだと思うのだけれども、そういうことからいえば、いまゆるんできた労働需給というものを見てみても、どうもそういうことがなされておらぬのじゃないだろうか、こういう気がするわけであります。そういう面が一つ。
 それと、景気動向に対する労働力対策と政策といいますか、そういうものがない反面に、先ほど局長が言ったけれども、たとえば新日鉄の八幡では二万三千人の労働者が八百万トンの生産をしているわけでしょう。ところが、君津では三千人の人が五百万トンの鉄を生産しておる。そういうような省力化がやはり進んできているわけですよ、一つは。そういう例を見てみても、同じようにいまが景気の屈折点だといわれている反面に、技術革新とかなんとかいうものがある。そういう配慮というものがいまの労働力政策の中には全然とられておらぬのじゃないか。これは四十年の不況のときにもとられてなかったと思うのです。炭鉱離職者のときにも、これはあわてて緊急の措置をやったのだろうと思うし、それから駐留軍の場合だって私はそうだと思うのです。その証拠にずっと毎年毎年法案改正、法案改正というふうになってきているわけですよ。要するに長期の見通しを立てた対策というものは何らなされていないということになれば、この特別措置法も目先の労働力の需給ということのみに目を向けたものじゃないだろうかというような気がしてならない。そういう点に対して一体どういうふうにお考えになっているのだろうか、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。
#37
○住政府委員 先ほども申し上げましたように、私ども今後の基調といたしまして、やはり労働力不足というものが進んでいく。ときには谷があるかと思うのでございますが、全体としての今後のわが国の経済の発展を考えていく場合に、雇用に対する需要水準というものが非常に高い。こういうことから、現在ある労働力というものを労働者がその能力を十分発揮できるような体制をつくる、これが望ましい姿であると思うのでございますが、その場合にやはり中高年齢者についても、特に現在の需給バランスの状況からいって、そこに援護措置を講じながらその能力と経験を生かして働いていただく、こういう対策が必要であるというように考えまして、今回御審議いただいておりますような特別措置法案を提案いたしておるわけでございまして、必ずしも先生のおっしゃるところと矛盾しているものではないと考えております。
#38
○山本(政)委員 私はこう思うのです。
  〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕
つまり中高年齢の失業者の雇用促進というものについて考えられるものは、三つあると思うのですよ。
 一つは、あなた方がおっしゃっているように、技能訓練をやるということ、第二は雇用促進の措置を行なう、第三は社会保障的な措置を行なうというのだけれども、一番目の技能訓練というものは、要するに年齢が高くてそういうことが一体可能なのかどうなのか、かりに可能としても、そういうことばがあるかどうかよく知りませんが、いわゆる単能工的な訓練しかやり得ないのではないかという感じがするわけです。そして同時に、かりにそれをやったにしても、労働条件というものがずっと低下をしていることも事実だろうし、そういうことに対する措置というものが考えられておるのかどうか、そういうものが非常に不十分じゃないか、こう思うわけです。同時に、そういうことを含めて現実の労働力政策としてとられておったものが、あなた方はどういうふうにお考えになるかしらないけれども、繰り返して申し上げるようだけれども、現実には適切な対策がとられておらぬ。たとえば中高年齢者の新規求職申し込み件数というものは百三十一万二千七百七十でしょう。ところが申請書の受付件数というのは一万二千九百八十七ですよ。働きたいということで申し込んだけれども、要するにその約百分の一しか申し込みは受け付けられなかった。そして申し込みを受け付けた人の中で、今度は就職をした人というのは、一万二千九百八十七が申請書の件数ですが、一万六百十三人しかおらぬ。こうなってくると、たいへん失礼な申し上げようかもしれぬけれども、これがいまの労働省の行政能力の限界じゃないか。要するに百三十万人の仕事をしたいという人に対して実際には〇・九一%しかそれに応じられておらぬ。つまり残りの九割何ぼという人は落ちこぼれているわけでしょう。そうすると、たいへん失礼な申し上げようだけれども、行政能力の限界というものがこの辺じゃないか。とすると、たとえこういうものをおつくりになったとしても、たいへん失礼な申し上げようだけれども、いまの労働省の行政能力からすれば五十歩百歩じゃないかという感じがするわけですよ。つまり中高年齢者の失業者に対する解決というものにはならぬのじゃないかという感じがするわけです。その点は一体どうなんでしょうか。
#39
○住政府委員 いろいろ数字をお示しいただいたのでございますが、私ども、現在の安定所に求職を申し込んでいる者、これは求職者数でございますが、その中には転職希望者も二、三割程度いるのではないかというようにも考えております。したがいまして、求職者のすべてが現在失業中の者で求職活動をしているということにもならないわけでございますが、いずれにいたしましても、全体といたしまして、たとえば四十四年度におきまして中高年齢者の月間有効求職の数が約二十七万人、これに対しまして紹介いたしましたのは五万人、就職した者が二方五千人強。就職率といたしましては、約四万九千に対して二万五千の人が就職をしておる、こういうようなことにもなっておりまして、今後行政努力を続けるならばさらにこの数字が高まっていく。特に求職者に対しては、この法案に書いてございますような援護措置を講じて、きめこまかな職業紹介、職業指導をやっていくならば実績があがるのではないだろうか。
 それからもう一つ需要の点について申し上げますと、今後の雇用需要、たとえば四十三年から五十年の七年間の就業者の純増分あるいはその七年間の死亡離職を加えた需要というものが八百八十万人というように推定されるのでありますが、これに対する新規労働力学卒供給の数は四百万人、充足割合は四五%程度、こういうように推定されております。この四五%という数字を見ますと、これは三十五年から四十年では六一%、四十年から四十三年におきましては五一%、こういうようにだんだん、新規学卒からの需要を埋める、こういうものが減ってまいります。したがいまして、今後労働力として期待できますのはたとえば中高年齢者の方々でございまして、私どもそういう意味で、努力をすれば中高年齢者の再就職というものが大いに効果があがる、こういうように確信をいたしております。
#40
○山本(政)委員 私はあと時間がありませんので申し上げたいのは、中高年齢者の失業者等の雇用促進措置については、百三十一万の仕事をしたいという人がおるにかかわらず、実際に職安で申請書を受け付けてくれた人は一万二千しかない、そういう行政努力は一体どういうものだろうかという疑問を出したわけであります。
 もう一つは、職業訓練の実績及び職業訓練修了者の就職状況を見ても、実際に就職をしておる人は七九・八%しかないわけです。地域的に見れば九州なんかは五七・七%しかないわけです。訓練を受けても行き場所がないというのが実態なんですよ。一体そういうことに対して労働省はどういう適切な手を打とうとしておるのか。私はその雇用促進措置にはいろいろな制約条件があるかもわからぬと思います。しかし、それ以上に、失業者ができたときにそれを保障する方法というものはあるはずだけれども、そうしてそれが失対であり、失業保険でないか、こう思うのだけれども、しかし失対についてはいろいろ問題があるようにあなた方は考えておられると思うのです。ただ問題は、それが戦後につくられた社会保障的なものであるとはいうものの、いままでの経過の中で、たくさんのものがそういう失対法に付着をしてきたと思うのです。そういうことを改善しようという気持ちがなくて、それを切り拾てていこうという、むしろそういう気持ちがあるのではないだろうか。失対制度というものは失業保険制度の一つであるという原則は原則としていいけれども、制度の不備を改善すべき点もあるのではないかという気がするのだが、そういうものについては関心がない、そういうところに実は問題があるのではないだろうか。それをやはり考えていってもらいたいと思うのです。
 最後の質問でございますけれども、いま申し上げたような事柄からいって、申し込みはあるけれども約一割しか申し込みを受け付けていないというような事柄、つまり行政能力がないというか、あるいは行政が非常に不親切であるという例がここにあるわけですよ。
 今井セツという人、六十歳。これは飯田橋職業安定所の問題であります。昭和四十四年九月四日に職安に出頭して、常用求職の申し込みをしたけれども、紹介がなかった。そしてこの人は四十四年の九月から十月ずっと仕事がなくて、たまたまあったにしても労働条件が折り合わないとかあるいは違っているというようなことで、仕事につけなかったわけです。ところが四十五年の二月十二日にこういうことがあります。ある折り箱の製造会社に組み立て工として、これは職安が紹介したわけです。紹介条件は、月収二万六千円、社会保険がある、勤務時間が朝の八時から夕方の五時まで、こういう条件で事業所に行って面接したら、四十七、八歳の人なら二万六千円出してもよいけれども、あなたは年とっているから二万三千円にいたしますということで、これは条件が違うということで帰ってきたわけです。職安は実はそういう紹介のしかたをしているわけですよ。先ほどからたびたび行政能力云々、親切でないと言うのだけれども、こういう例が出てきている。
 小池昇という人、この人も常用求職の申し込みを四十五年の二月二十五日にしたのです。そして何回か職安のほうから紹介があった。紹介があったけれども、条件が折り合わないで帰ってきている。そのあげくに、申請書を出したけれども職安のほうではこれを受け付けてくれない。これも飯田橋の職安です。この人の年は六十二歳。この人は申請書を何回も出しています。そして昭和四十五年の八月には、条件が違うので、基準監督署に訴えて事実を申告したところが、監督署では、事業所の責任によるものであるから解雇か休務か至急明確にしなさいという指示をした。その結果解雇になっておる。要するに条件が違うところへあなた方が紹介をしているわけですよ。だから私が、行政能力に限界があるのじゃないかというのは、そういうことを申し上げているわけです。
 ここにもう一つ、水村四郎さん、五十八歳、これは渋谷の職安であります。職安のほうで言った条件と現場に行った条件とが違う。違うわけがないはずだけれども、違ってくる。それは、仲に入って職業紹介をする安定所の人々の中に、いわば不親切であるというか誠実を欠いている面があるからこういうことになっていると私は思う。そして措置をしてもらいたいと言えば、措置については拒否をする、こういう問題が幾らも出てきているわけですよ。何でそういう中であなた方は、こういうものができればそういう人たちがちゃんと救済できると言えるのだろうか。たとえこういうものができたって、そういうことについて欠くるところがあるならば、十分な対策とは言いがたいだろうし、将来といえどもそういう人たちは失業、要するに職のないという心配に悩まされなければならないだろう。かたがた労働力というものは不足になってくる。私がいまあげたのは全部あなた方がおっしゃった中高年の人たちなんです。まさにここで適用しようとしている人たちでしょう。それですらこれだけたくさんの問題があるわけです。これは一々、あえて申し上げますけれども、何年か前に闘争したときの問題じゃありませんよ。最近できてきた事柄ばかり。全部この人たちに合って私が聞いた話です。そういうものがある中でこれをつくる。しかも失対のことについてとやこう疑念を抱かせるようなことがあるということになれば、私どもは、せっかくあなた方がこれがいいんだとおっしゃっても、なかなか信用できないということになってくる。いま申し上げた事柄についてはぜひ調べて、そこに資料があるなら話をしてもらいたいし、あとで調べた上での報告も聞かしてもらいたいと思う。
 最後に、能力再開発訓練というのがあるけれども、実際にこれは全部適用してやっておられるかどうか。つまり訓練科目が全部行なわれていますか。
#41
○渡邊(健)政府委員 中高年の就職促進措置の認定を受けた人のうち訓練を行なっておりますのは、年によって若干の違いはございますが、大体五四、五%でございまして、それらの人々につきましては、いま御指摘のように能力の再開発訓練を行なっているわけでございますが、それらにつきましては、その訓練を受ける人の希望によりまして、当該地域にございます訓練校のそれぞれの希望に応じた訓練科に入れているわけでございます。
#42
○山本(政)委員 お伺いしたいのは、電気機器科とか電子機器科とか、私が常識で考えれば技術的に非常に高度なものがある。それから機械製図科とか構造物製図科とかいうものがあるけれども、これはあなた方のおっしゃるように、実際には受けていないと思うのです。しかし、実際にそういう設備があるのですか、そういうちゃんとした訓練をするところの用意があるわけですか、それをお伺いしたいのです。
#43
○渡邊(健)政府委員 電子機器科等につきましても、訓練校にその施設はございます。しかし、それぞれの受講に必要な、たとえば非常に高いものにつきましては、高校卒程度の学力がなければ訓練を受けても効果がないというようなこともございまして、中高年の方でそういう科目を受ける方は非常に少ないし、また一名も受けておられない科もあるわけでございますが、施設としてはございます。
#44
○山本(政)委員 だから、中高年齢の人に対しては中高年齢の人に適合するようなものを、先ほど私は単能工的なものしかできないだろうと申し上げたが、それならそれをきちんと整理をして、つまり、こういうものでやってみたいというものがあっていいはずなんですよ。これは職安に来た人に対する不親切さと同じように、あなた方が、こういうぺらっと書いたもので施設を置いているだけの話じゃありませんか。中高年なら中高年の人たちにはこういうことをやりますというものがあっていいはずだけれども、まだそういうものをおつくりになっていないでしょう。ただこの紙一枚で――これは、少なくともぼくに言わせたら、十五歳から六十五歳までに適用するものですよ。そういう不親切さというものがあるから、こういうものだって信用できないし、それから、あなた方が、これで労働力の需給のバランスがちゃんととれるのだ、こうおっしゃっても、ぼくはなかなか信用ができないと言うのですよ。だからひとつ、こういうことをきちんとして、そして、法案だけでなくて――受け入れ体制というものをきちんとしないで、そういうものを整備をしないで、科目も整備しないで、やりますと言うたってだれもこれは信用できないと言うのですよ。安心してまかせられないということなんです。法案だけつくるのが能じゃないでしょう。法案をつくるなら、それに適応するような科目にし、施設の整備もしなければならぬはずなんです。そういうことに対して非常に欠けている。それをひとつきちんとしてもらいたい。
 時間がありませんので、ほかのこともお伺いしたいのですけれども、これで私の質問を終わります。
#45
○増岡委員長代理 次に、川俣健二郎君。
#46
○川俣委員 二十一日からの法案審議を伺っていますと、受け答えがかなりあったわけですが、ただ何となくこれを提案されたという、核心が――質問するほうは比較的核心に触れようとしておるのですが、答えるほうが、なかなかその真意がつかめないで私自身弱っているわけです。そこで、特にわが党の各先輩議員が質問したものとダブらないように、私に与えられた時間はわずか三十分でございますけれども、伺って、さらに私の態度をきめていきたいと思います。
 そこで、具体的な問題に入る前に、大臣に二つ、三つ伺いたいのでございますが、これは法案にとらわれないで、労働行政の担当大臣として世の中をばあっと上のほうから見た場合に、一つは、失対事業に働く労働者というのは、一体政府にとって役に立っておるというように考えておるのかどうかということでございます。
 なぜ私がこういう質問をするかというと、全国の各市町村の動きを見ますと、結局、失対の人方を使う自治体としては、重宝なのか、安いのか。これは組とか請負なんかに出したらかなりマージンも取られるだろうし、高いものにつくということからなのか、あるいは国から補助金が出るというメリットからなのか、失対事業をなくさないでほしいという決議が矢つぎばやに出てきた。これは意識的に決議したということよりも、政府のいまの動きが、だんだん失対というものを廃案の方向であるという察知の反対体制が出てきたと思います。たとえば、私の秋田県の場合は、失対を使っておる二十三自治体があるようですが、そのうち十六市町村というのが失対事業廃止反対という決議をした。これは別に、特に秋田県なんというのは革新勢力が強いのではなくて、御承知のように農村地帯で、まだ保守勢力が非常に根強いところである、そういうところがこういう失対事業を廃止しないでほしいという決議をしておるだけに、大臣はこれをどのように考えておるのか。
 さらに、私たち東北のほうにいると、この失対事業というのは非常に役立っていると考えているのですが、ただ中央で、特に日本の国の労働問題を全部一手に引き受けている大臣から見ると、東北はそうだが、九州はそうだが、大阪とか東京の失対に働く人方というのはどうも手に負えないというような考え方でもあるのかどうか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
 それから二つ目なんですが、先ほど申し上げましたように、自治体の勢力というのは、はっきり言えば、いまの政府をつくっておる与党自民党の勢力が非常に強いわけです。ところが、与党というのはそのためにあるわけだけれども、一体自民党の代議士諸公というのは、自民党という党としてこの法案に対してどういう態度で大臣に当たっておるのかどうか、その辺もお聞きしたいと思います。
 それから三つ目に、この前も話が出たのですけれども、いま労働大臣から見て、日本の国というのは、仕事をさがしておる世の中なのか人をさがしておる世の中なのか、求職難か求人難かという質問をしたと思う。その際に、いや、それは中卒なんかは金の卵で非常に大事なんだが、中高年になるとどうも歓迎されないようだというふうに、大臣はこの前、私の質問に答えた。私は違うと思う。資料に出ておるけれども、あながちそうではないと思うのです。そこで大臣に、一体いまの日本の国というのは、人が余って仕事をさがしておる世の中なのか、それとも人をさがしておる世の中なのか、そういう点をお聞かせ願って、あと具体的に入りたいと思います。
#47
○野原国務大臣 どうもなかなかむずかしい質問でございますが、率直にお答えいたします。
 失対事業は過去において非常に役立った点も多いと思います。特に、私も実は農村地帯東北でありますが、失対の方々は非常に安い給金でまじめに働いて、しかも町の清掃だとか、あまり人の喜ばないようなことも進んでやっていただく、最近では町の美化というか、花をつくったりなんかしてやっていただいておるというので、たいへん喜ばれる存在になっておるわけでございます。勤務時間などもわりあい長くやっておるし、失対といえば半分は遊びながらやっておるようなところもあるようですけれども、東北なんかではその点は非常にまじめにやっておるという点で、地方自治体などでは非常に喜ばれておるというふうに見ております。しかし、全体としては、非常に老齢化し、固定化されてきておるという点で、初期の効果はだんだんと薄らいできておることも事実であります。失対に入ったが最後、もう一生そこにいるんだ、ほかに行って働いても、相当の働くところがあるにもかかわらず、失対のほうが楽だというのも、安易に失対の空気になれちゃって、一向にみずから新しい産業社会の大きな発展に進んで協力をしておらないという、そういう意欲的な方方が少ないのではないか。この点はどうも少し遺憾でございます。
 何としてもわが国は労働力が不足しております。したがって、大きな目で見れば、むしろこの際は、労働力の不足の時代に入ったわけですから、そういつまでも失対という固定化された姿の中でやっておるのはあまり好ましくない。そういう方々にこれから進んで社会参加をお願いして、よりよい生活環境をつくっていく、あるいは所得もふやしていこうという意欲を持った方なら、かなりの人が失対に依存しなくてもいけるんではないか。そのためにはやはり、新しい職場でありますから、職業訓練なり再開発の仕事をお願いするというような点で、各個人個人にその気持ちがあれば、りっぱに一般の社会人として、よりよい職場にもついて生活ももっと安定してやっていけるような方法も可能だと思います。しかしこれは、すべての失対に働いておる方々に適用できませんので、やはり大多数の人が、いまの失対事業は、実は本人も喜んではいないと思うのでありますが、やはり大きな目で、失対の方々には急激な社会変化についていけない、またそういう状況ににわかに応ぜられないという方もあるわけでありますから、これは当分の間というか、社会保障制度や老人対策などが十分に講ぜられて、あるいはまた現在の失対の方々の生活の状態というものが何らかの形で考えられる段階までは、そう急にこれをなくすることはできないという点で、これは当分、相当の長期にわたってやはり継続されていくんではないか。よく失対を廃止するんだというようなことを盛んに新聞や雑誌なんかで書いておりますが、実はそれはとんでもない話でありまして、私どもは全然考えていない。それは五年くらいどうかという――野党の方は何かいうと、これはどうもおかしいと言う。しかし、そういうことは考えていないのですから、そういう政策はあくまでも――当分の間ということは、そういった政策が用意されて、ちゃんと不安のない状態ができるまでは、あくまでもこれは継続されていく、ただその人数はだんだん減っていくでしょう、当然一般の勤労者として失対から抜け出す人がかなりあると思います。あるいは自営業者としてやっていく人もあるから、数は減りましょうけれども、これはやはり相当長い間継続されるべきものである。しかもその方々は、現在平均年齢もかなり高いわけですから、そういうところから見まして、そう何十年もこれが続くということも考えられません。したがって、いままで失対事業に従事をされた方々は、老後何らかの保障が与えられるまではまず安心して、いまのお仕事にも御不満だろうけれども、やっていただく以外にない。その際でも、その方々はやはり何か希望を持って、誇りを持っていけるようなふうにしてあげたいものだ。これは、やはり公害問題などが非常にやかましくなってまいっておりますが、この社会は現在の失対の方々が果たすべき使命と役割りというものがあると思うのです。たとえば都市においては、まず道路の問題、道路の清掃だとか、あるいは道路の舗装の問題だとか、あるいは遊園地だとか、あるいは一々請負にしたり特定の工事にかけてやるということよりも、失対に従事の方々にある程度の機動力を持たせるとかあるいは仕事を計画的に行なうならば、少なくもそういった面では現在の失対の方々のお力をかりまして、もっと明るい豊かな町をつくる、新しい町づくりのためにも御協力いただけるのではないか。そういった面は、まことに失対の方々がおることが地域の住民のしあわせにつながるわけですから、そういう面でやっていただこうというふうに考えまして、これは多数の市民の方々のためにほんとうに感謝される、役立つような存在に何とかならぬものだろうか。そういうことを考えますと、この法案は、特に失対をなくするための法案ではなくて、一般的には中高年齢者の就職促進の対策、現在の失対の方々の中にも、そういった新しい分野において大いにやってみようという意欲があって、健康にも恵まれている、年はとったがまだやれるというふうな方々はそのほうに御参加を願うというようなことで、大きく言うならば、これからの中高年齢者の対策になるのではないか。その点を、やはり従来からあった失対事業というものとこれとの関係を、一方をやめて、一方をやっていくのだというふうな理解のしかたというものは、これは非常に困るわけであります。その点はむしろ私どももできるだけあたたかい気持ちで、理解のある態度でこれから考えていこうというわけで考えております。
#48
○川俣委員 その辺なんだと思います。結局大臣から、ことばじりをとらえるわけではないのだが、過去に非常に役立ったものということばもあったし、ただいつまでも安易な気持ちで、ことばをかえて言えばぬるま湯に入ったようなもので、上がるにも上がれない、だから手を差し伸べてあげるのだ、そして、非常にいい仕事につかしてあげるのだ、こういう意欲を刺激するのだということなんです。ところが、いまの失対に働く中高年齢者を見ますと、いま失対に働く十九万前後の方というのはいろいろあります。満州から引き揚げてきた人、兵隊から帰ってきて土地がない。特に満州からの引き揚げとか、兵隊から帰ってきて失対に働くなんというのは――いまの民法でいくと、長男が持っている田畑を兄弟でもって何等分かに等分していいのです。ところが等分しておるというのはあまりない。民法をたてにして兄貴と弟が争うというものはない。ぽんと判こを押している。ところが、土地がないものだから、満州から引き揚げてきて失対に入っておる。それから、例の炭鉱がつぶれてその周辺の失対、それからレッドパージというものもこの失対事業に入っている。ただ私は、やはり大臣、この法案にとらわれないで考えなければならないのは、過去には非常に役に立ったが、いつまでも安易な気持ちでずるずるべったりでこういうことを――やはり年になってしまったと思うのです。二十五年でしょう。やはり人間なんというのはあぶらが乗り切ったということがあるわけだ。こう言っちゃ悪いけれども、大臣だって能力があるし、きわめて識見もあるのだが、やはりタイミングがあって労働大臣におなりになったと思いますよ。総理大臣だってそうなんだ。だから、いま君たちは、ぬるま湯から上がれ、おれが上げてやるから、そうしてこういう訓練をしてこういう指導をしてやるからこういう仕事につきなさいよという気持ちはわかるにしても、いまもう五十五から六十五になってしまった者に、やめたところでほかの会社と違って退職金があるわけじゃないし、年金があるわけじゃない。賃金を見ても、総評傘下で平均が五万円以上、全日自労が二万五千円だ、半分なんです。そういう人たちが、そういう人方ですらといっちゃ悪いのだが、自治体のほうから見ると、そういう人方が非常に重宝だというか、これから失対を廃止しないでほしいという声は、これは何らかの意識にとらわれないでもう一ぺん考えてみる必要があるのじゃないかと思います。
 そこで、大臣にもう一つだけ伺いますけれども、昨年の十二月十四日に、大臣に対する個人的ないわゆる研究会の中間報告があった。それから大臣のほうから基本構想を出した。そして審議会に正式にかけた。そうして審議会から答申になった。その答申になったものと労働省の基本構想とはかなり違う。いまこの法案というのは基本構想をそのまま走っているわけですよ。審議会の答申というのはどこへいったかということになる。そこで私は、審議会がいい、基本構想がだめだというのではなくて、何のために審議会にかけたのであろうかと言いたい。政治家の一人として、国会議員の一人として、何のために時間とお金をかけて審議会に答申させたか。その場合に、大臣、伺いますが、審議会にかける場合だって、ぶわっとかけるわけじゃないだろう。これこれこういう考え方だから皆さんひとつ頼みます、審議してほしいというときに、基本構想というのは立てた、そのときに、労働省の考え方が審議会にあまり理解されなかったからああいう答申ができたのか。それとも、あまりにも話にならない答申が出たから、初め考えた基本構想どおりにいって審議会の答申というものを無視してかかろうとしたのか。その辺の真意が私らにはわからぬのですわ。これは大臣でも局長でもけっこうですから……。
#49
○野原国務大臣 審議会の答申を十分尊重してつくったつもりでございます。ただ問題は、非常に微妙な問題が、ちょっと審議会の御意見をそのまま採用しておりませんので、その点はいろいろ考え方もございますので、私どもは、たとえば附則でもって、臨時の問題などのことかと思いますが、これは予算措置を講じておいたが、やはり本来が臨時の賃金という形の支給がいいか悪いか非常に微妙な問題で、しかもこれが失対にあたかも当然なことのごとく悪平等が行なわれておったとか、やはりこの機会にある程度考え方を変えるべきではないかということで、予算では計上しておりますが、一応臨時の賃金という形では出さないというふうなことでこの法案は出ておりますが、その点は十分ひとつ御審議をいただいて、皆さま方の御意見を伺った上で善処したいというふうに考えているわけでございます。
#50
○川俣委員 いや、それ以外にも大事なことがあるのだ。だけれども、時間がございませんから……。いまの問題だってそうなんですよ。労働省の安定局長を中心にして考え方が少し観念的過ぎるというか、考え方は非常にりっぱだと思います。ぬるま湯にいつまでも入っているな、いい仕事につかせるからという考え方はわかるとしても、ただ年になってしまったということ、それからさらに今度は一時金、ボーナスを取り上げるという考え方を見てみなさいよ。盆暮れというような世の中全部ボーナスをもらう時期に、彼らだけがもらえないというような、なぜそういうことをするかということだ、私らから見れば。でもそのディスカッションをするとまた時間があれだから、そこで局長、伺いますと、この法案のタイトルというか、テーマなんですが、いろいろ考えられたことじゃないかと思います。「中高年齢者等」という「等」がついておる問題を、さっきの山本委員の質問で二条を取り上げていましたが、もう一ぺん言いますよ。中高年者というのは具体的に言うとこの場合四十五から六十五だ。これはわかりやすい。ところが、「等」とつけたのは、その年にならない者までも一部入っておるかもしらぬから、そういう者もこれの対象に入れるということだと思います。なぜそこまで考えたのか。そういうものも考えなければならぬのか。いわゆる四十五に至る前までの者も、やる気がない者というか、あるいは労働省から見ると非常に不都合な年齢層があるのかどうか、そういったところをちょっと意図をお知らせください。
#51
○住政府委員 先ほども御説明申し上げましたように、この法律の第二条で「「中高年齢失業者等」とは、労働省令で定める範囲の年齢の失業者その他就職が特に困難な労働省令で定める失業者」、こういうことになっております。それで「労働省令で定める範囲の年齢の失業者」と申しますは、四十五歳以上六十五歳未満というように考えておるわけであります。
 それから「その他就職が特に困難な労働省令で定める失業者」、これは年齢に関係ないわけでございます。これはたとえば身体障害者とか、あるいは刑余者、または社会的事情によって就職が著しく困難な者、これは現行制度でもそういうような考え方をとっておりますが、そういうような方々を就職が特に困難な失業者として労働省令で定めていきたい。
 で、先ほども申し上げましたように、そういう定めをする場合におきましては、当然中央職業安定審議会の御意見を伺った上で省令をきめていく、こういうことにいたしたいと考えております。
#52
○川俣委員 よくわかました。
 それで、この法案の概略を、アウトラインだけを、時間がないから、もう一ぺん私はこのように受けとめていますから、逆に私の受けとめ方が正しいかどうか。この法案というのは、いまの失対事業に働く者の中高年齢者というものを対象にするのが目的ではなくて、新しく入ってくるであろう、仕事を求めに来るであろう中高年者を第一義的に対象にしております、こういうふうに解していいのかどうか。
#53
○住政府委員 そのとおりでございます。
#54
○川俣委員 その場合に、いまの中高年者がぬるま湯から、手を差し伸べてそういう新しい訓練指導をやって、例の支度金まで差し上げて、そして正常な就業をさせるということもあわせて行なうのかどうか。
#55
○住政府委員 現在の失対事業の就労者の問題でございますが、これは先ほども御指摘ございましたように、平均年齢が非常に高くなっておりますけれども、なお民間あるいは公共事業等に就労し得る体力、能力を持っておられる方も相当多数おられます。そこで、先ほど大臣からも申し上げましたように、やはり失対事業本来の趣旨は、民間の雇用につくまでの間暫定的に就労させる制度である、これが失対事業の趣旨でございますから、私ども従来もそういう努力をしてきていたのでございますが、今後とも現在の失対事業就労者の中でそういった方々に対しましては、積極的にその自立なりあるいは再就職の促進に対する援助を講じていこう、これは従来もやっておりましたことでございますし、失対事業の運営という中で今後も対処していきたいと考えておるわけでございます。
#56
○川俣委員 その場合に、局長から見て、現在の失対事業に働く中高年者のうち、この法案の対象になって働きにくるであろうというのが何割ぐらい占めると思いますか。
#57
○住政府委員 私ども、現在の失対事業の就労者につきましては、この法案の対象ではない、ただ現在の失対事業の就労者の年齢構成等から考えてみますと、たとえば五十歳未満の方々が二割程度おられる。年齢、体力等から見て、その中で相当の方々が民間就職を御希望されるならばそういうチャンスもあるのではないだろうか。あるいは五十歳以上の方々でも、この際自営業等を開業したい、こういうような方々もおられるのではないだろうか、そういう方々に対しましては別途の行政措置といたしまして、たとえば雇用奨励制度を活用し、就職支度金等の貸し付け額の増額等をはかりながらそういう方々の援助をいたしてまいりたい。それはこの法案に盛られております措置とは別個の措置でございますが、そういう措置でやっていきたいというように考えております。
#58
○川俣委員 そういう行政措置でやる場合、現在失対事業に働く人方が、極端にいうとどんどんそちらのほうの行政指導の恩恵を受けるべく行くとします。そうしますと、失対事業に働く中高年層が極端にいうとだんだん減っていきます。そうしますと、失対事業は廃止の方向と解釈せざるを得ないんじゃないですか、どうでしょうか。
#59
○住政府委員 現在の緊急失業対策法におきましても、失業対策事業というのは多数の失業者の発生に対処して臨時的に就労の機会をつくってその生活の安定をはかる、これは緊急失業対策法の目的に書いてございます。
 そこで、先ほど大臣から申し上げましたように、現在の就労者の中でも、自立を希望する、あるいは民間雇用を希望する、こういう方々に援助をするのは、やはり緊急失業対策法のたてまえからいっても当然かと思います。そういうような努力も続けるつもりでございますが、その結果、ある事業主体において就労者の数が非常に小人数になる。その場合に、その事業主体として願っておる事業のやり方あるいは効果等を考えて、失業者が少数になった場合どうなるか、こういうようなことだと思うのでございますが、私どもはそういう場合もなおかつ就労者の方々が残っておられるならば、その方々の実情に即した事業というものをつくって吸収をはかっていくべきであろうと思いますし、さらに、そういうようなことが不可能な場合には、そういう就労者に対して適当なと申しますか、この雇用審議会の答申にございますように、現在まで維持されてきました生活程度と同様な程度の生活ができるような措置等をも講じて対策を講じていくべきものと考えております。
#60
○川俣委員 そういうようにとんとん拍子にいけばいいと思うんですがね。それでは、いまやっている町の失対事業に働きたいという新しい中高年者が来た場合は、失対事業につかせるのかどうか。
#61
○住政府委員 新しい中高年齢失業者につきましては、この法案の特別措置によりまして民間の再就職を促進していく、そのための措置をこの法案に規定しておるわけでございます。それによって対処をする。したがって失対事業への就労は考えておらない、こういうことにいたしております。
  〔増岡委員長代理退席、委員長着席〕
#62
○川俣委員 そうなんだよね。失対事業に働きたいという人がいるでしょう。仮定でもいいのですから、いる場合に、どうしてもその仕事にはつかせないという意味はどういう意味だというんですよ。労働の自由、労働権から見たってそうでしょう。それは労働省の指導でずっと訓練を受けてそして正式な仕事につけばいいんだけれども、失対事業に働くというのは、働かせる自治体のほうからも、非常に重宝というかよろしいという面もあるし、それから働くほうも、時間的な制約とか労働の意欲だけではなくて、何かの関係でパートタイムとかそういったようなことから失対事業で働きたいという労働者が中高年者で出てくると思うんだ、これから新しいのが。労働省としてそれをなぜ阻止しなければならないのか、そこをもう少し聞かしてほしい。
#63
○住政府委員 やはり現在、その労働力の状況から考えてみまして、私どもまず第一に失対事業に働きたいということ自体がこれはおかしいのでございまして、私どもは、まず第一に正常の雇用についていただく、失対事業というものではなくて民間の正常雇用に働いていただく、これを第一番目の目標として考えておるわけでございます。ところが、地域等におきましては、先ほど来問題になっておりますように、年齢が高くなるにつれて就職が困難だ、あるいは失業者が多数いるというようなところもございます。そういうところにおきましては、手帳の有効期間等の延長措置を講じていろいろ就職促進の措置をやっていくわけでございますが、なおその手帳の有効期間を過ぎても就職できないという場合には、特別に地域の開発就労事業、こういう制度も用意してございますので、そういう制度によって雇用の機会をつくり出す、働いていただく、こういう対策をとっておるわけでございます。
#64
○川俣委員 非常に残念ですが、一応時間が参りましたのでこれで終わります。
     ――――◇―――――
#65
○倉成委員長 次に、労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。後藤俊男君。
#66
○後藤委員 第一番に大臣にお尋ねします。
 公労協関係の有額回答の問題についてきょう閣議できまったのだと思うのですが、先ほどのテレビ、ラジオで、きょうあすにわたって有額回答をする、こういうふうな報道が、私は見ておりませんがあったそうです。きょう閣議でいま申し上げましたような問題についてどういうふうな御決定になったのか、どういうことがきめられたのか、この点につきましてお答えいただきたいと思います。
#67
○野原国務大臣 厳格に言いますと、閣議ではございませんで、閣議のあとの閣僚協議会でございます。これは国鉄を除く各公共企業体の当局からの申し出がありました賃金要求に対する回答について打ち合わせました結果、これを了承したという形でございます。回答につきましては、各当局はそれぞれできるだけ早く回答を行なうということ、額につきましては各企業体によってそれぞれみんな違っておりますので一律ではないということ、各公共企業体の経理の実情等を勘案しまして、できるだけ誠意を尽くして自主的に回答を行なうということでございますから、政府はそれぞれ公共企業体の当局が自分たちの自主回答という形で回答するように、回答の額につきましては、大体昨年度の回答額あるいはそれにきわめて近い回答ということに考えておるわけであります。
#68
○後藤委員 そうしますと、いま大臣が言われました回答の金額については、去年の金額にほぼ近い金額、しかも有額回答については公共企業体関係全部一律ではない、各企業体の情勢もあるのだから、こういう説明をされたわけですが、それでは公共企業体関係の各組合には一律に有額回答をされない、有額回答するかせぬかはその企業体にまかす、こういうふうに解釈していいわけですか。
#69
○石黒政府委員 各企業体から有額回答いたしたいという申し出があって、それを本日閣僚協議会で了承されたということでございます。ただ国鉄につきましては、今年も有額回答はいたしかねるということで、有額回答いたしたいという申し出がございませんでしたので、本日の関係閣僚協議会の了承からははずれております。
#70
○後藤委員 そうしますと、いまのお話ですと、国鉄だけは有額回答をさしてもらいたい、承認してもらいたい、こういう申し出がない。ほかの公労協関係は全部申し出があって、きょうあすに有額回答をする、こういうふうに解釈していいわけですか。
#71
○石黒政府委員 仰せのとおりでございます。
#72
○後藤委員 そこで、さらに大臣にお尋ねするわけですが、四月の二十三日でございますか、朝日新聞の記事を私読んだわけです。現在、大蔵省としても、国鉄なりさらに郵政、それから林野につきましては、来年度の財政状態をにらみ合わせということらしいのですけれども、財政的に赤字であるというところにつきましてはある程度格差を考える。その格差というのは金額的な格差なのか、実施期間の格差なのか、私にはわかりませんけれども、そういうふうな考え方が大蔵省あたりにはある。ところが、労働関係を預かる労働大臣としましては、そういう格差をつけるということは好ましくない、格差をつけない方向でやっていくのだ、こういうような新聞記事をたしか四月二十三日だったと思いますけれども私読んだわけであります。現在の話でありますと、国鉄だけは有額回答の申し出がないものですから、国鉄だけは有額回答はありませんけれども、ほかのところは全部きょうあすにわたって有額回答をする。ただし国鉄は有額回答しない。それが順次進んでいきますと、格差の問題がやはり問題になってくると思うのです。これは国鉄だけではなしに、郵政なり林野でございますか、こういう関係が問題になってくると思うのですが、やはり大臣があの新聞で発表されておるようなそういう方針で今次春闘の公労協に対して臨まれるかどうか、あのことをはっきり確認していいかどうか、格差の問題について。その点をお伺いいたしたいと思います。
#73
○野原国務大臣 私は、本来各企業によってあまり賃金に格差などがあるべきはずのものではないという考え方を持っております。したがって、おりに触れてそのとおり言っておるわけでありますが、企業の中には、年齢構成であるとか学歴であるとかいろいろなことから多少の格差はやむを得ない。そういう点は決して否定するわけじゃございません。画一的というわけではございませんが、しかし、そういったことは、大きな格差を生ずるようなことは好ましくないのではないだろうかということを現在考えております。そういった線で今度の公企体の賃金につきましてもでき得る限りそうした格差は好ましくないという点で格差はつけない、つけたくないということを主張し、そういった線でまとめたいと考えております。
#74
○後藤委員 いま大臣が言われました格差というのは、各企業ごとに平均年齢も違うでしょうし、さらに家族構成も違うでしょう。だから、賃金の高い安いは違うと思うのです。ところが、いま私が聞かんといたしておりますのは、その企業体が非常に赤字である、こういうゆえんをもっていわゆる格差をつける、そういうことに対して大臣の見解としてどうだ、こういうことを私はお尋ねしておるわけでございます。
 家族構成あるいは平均年齢とかいろいろ考えていきますと、それは二十何歳の平均のところもあれば四十何歳の平均のところもあります。勤続年数から考えまして金額の比較をするとそれが変わるということはあると思うのです。それも格差といえば格差といえぬこともないかもしれませんが、そういうことでなくして、赤字とかどうこうということを考えての格差ということは、労働大臣として考えておられないかどうか。あくまでもそういう企業の赤字というのは労働者の責任ではない、そういう立場に立って賃金というものはきめるべきである、こういうふうに確認していいかどうかという点、もう一ぺんお答えいただきたいと思います。
#75
○野原国務大臣 御指摘のとおりであります。全然考えないわけにいかないこともあると思いますけれども、本質的には経営の内容等で大きな格差が生ずべきものではなかろうというふうに考えております。
#76
○後藤委員 どうももう少しすっきりせぬのですが、大きな格差はつけるべきではないが、小さな格差ならいいように聞こえるわけなんですね。私の言うのは、企業が賃金をきめる場合に、おまえのところは赤字だから安いぞ、おまえのところは黒字だから賃金は高いんだぞ、こういうようなことをすべきではない。同じ公労協傘下の組合でありましたら、国鉄であろうと郵政であろうと林野であろうと、平均年齢、内容、家族構成、そういうものは別問題にしまして、赤字なるがゆえに格差をつける、あるいは実施時期を延ばすとか、そういうふうなことでなしに、堂々と賃金というものは正しくきめられていく、労働大臣といたしましては、責任をもってそういうふうにやっていくんだ、このことをはっきり私、確認したいわけでございますけれども、その点あいまいなことばを抜いてもらって、きちっとしたことだけ端的にお答えいただければ一番いいわけなんです。
#77
○石黒政府委員 格差ということばが――大きな格差はあるべきでないという抽象的な原則というものは、あまり異論がないかと思いますが、それじゃ何が格差かということはなかなかむずかしゅうございます。たとえば近年の仲裁裁定におきまして、額と率の併用というようなことをやっておりますと、アップ率においては変わりが出てくるというようなこともございまして、したがって格差が全然ないというふうにすることも、実際問題としてむずかしかろうと思うわけであります。そういう意味で大臣が申したもので、原則論といたしましては、先ほど大臣が申したとおりであります。けれども、具体的な賃上げの場合に、全然差がないようにできるかというと、そうもいかない点があるということを申し上げたわけであります。
#78
○後藤委員 いまいわれました気持ちはわからぬことはないのですが、具体的に例を申し上げますと、三公社五現業がある、この中には農林の公務員関係もあるわけですが、そこを平均で、たとえば今度一万円なら一万円で全部ずらっときめるとか、そういうことを言っておるわけではないので、構成とか、先ほど言われたいろいろな要素がございますから、公平に見たところである程度賃金の違いが出てくるのはこれはあたりまえなんです。だけれども、企業の赤字であるということを根拠にしてある程度の格差をつける、そういうことは一体おやりにならぬでしょうねということを私申し上げているわけなんです。そんなことは一切やりません、その御決意を大臣に答えていただければありがたいわけなんです。
#79
○野原国務大臣 企業が赤字であるないということで格差をつけるべきではないというのは、私の当初からの考えでございます。
#80
○後藤委員 それと関連しまして、いままで公労協の闘争についてはなかなか有額回答が出ぬ、自主団交で最終的にきめる、こういうところまでいくのは非常にむずかしい。毎年これはむずかしいことをやっておるわけですが、いま電通なり、さらに専売等におきましては、団体交渉が非常に進められておるというふうに私は聞いておるわけでございますけれども、ぜひひとつ今度のこの春闘の公労協関係の問題につきましても、早く有額回答を出してもらう。その有額回答につきましても、ことしは大体民間のほうが七千五百円から九千五百円ぐらいと出ているわけです。安いものを出してもらったってこれは問題になりませんので、やはり民間の関係も十分考えてやってもらわなければいかぬわけです。さらに団体交渉を煮詰めていただいて、自主的な団体交渉でこの春闘の問題を解決するというぐらいな決意と、いま言われましたところの赤字なるがゆえの問題というのは、そういう方向にいかないようにぜひひとつ強く――閣僚協議会でございますか、まだこれからもいろいろ基本権があろうかと思いますが、進めていただくようにお願いしたいと思うわけであります。
 それから、その次の問題は、政労協関係の問題です。これもやはり今日同じように春闘をやっておるわけですけれども、政労協関係が春闘に参加しましたのは三年か四年前だと思います。毎年毎年春闘を始めて、解決するのは公務員の人事院勧告が出てから。一年間戦いを続けておるわけです。しかも大臣御承知のように、おととしでございますか、木村官房副長官あるいは労働大臣が、この政労協関係の闘争につきましては、具体的に早く解決するようにやる、こういう約束もやはりされておるわけなんです。しかもこの委員会におきましても、その問題は再三再四私取り上げたわけでございます。ところが、理事者側のほうは、いまの公労協と一緒で、なかなか有額回答せぬわけです。せぬのではない、押えているわけです、政府のほうで。だから、現在理事者のほうでは、もうこんなことをやっておらずに、有額回答を出して、そこで自主的に団体交渉をやってきめるべきだ、これは五十二、三組合があると思いますけれども、そういう空気になっているところの理事者側もあるわけです。さらに、去年中央労働委員会の石井会長でございますか、こういう有額回答あるいは団体交渉の問題についても、内示がどうこうということでなかなかこれは出さぬわけでございますが、これは別に制度上の拘束というわけではないのですから、理事者側の腹一つでこれはやれると思うのです。ですから、政労協関係の問題についても、毎年毎年春から戦いをやって年末に解決する、その間にストライキを何回も何回もやってお互いに苦労する、こういうふうなことは、もう三年も四年もやってまいったコースで、芸のない話だと思うのです。ですから、ことしあたりは、去年、一昨年申し上げたとおり、政労協の問題についても有額回答を出してもらう、自主的に団体交渉をやってもらう、そして公労協なり一般民間の春闘と同じように解決する、そういうところまで強い行政指導をやっていただく必要があると思うし、三年も前から、そういうようにやりますという約束はもうできているわけです。約束だけできておりまして中身は全然前進しない、これが現実だと言っても間違いがないと思うのですが、この点いかがですか。
#81
○石黒政府委員 政労協の問題につきましては、たびたび先生から貴重な御意見をいただいておりますが、私どももまた同じようなことを申し上げて恐縮でございますけれども、政労協等は補助金、交付金等、政府の予算の支出によってまかなっている面が非常に多いわけでございます。それらについて、いかなる方法でもって、いかなる基準でもって、その補助金なり交付金なりを支出するのがよろしいかということを考えました場合に、国家公務員の給与に準ずるのがよろしかろうという公務員準拠方式というのがいままでとられてきたわけでございます。この方法を取りはずしました場合に、それではどういう方式がいいかということにつきまして、なかなかいい考えも出ない次第でありますので、少しずつでも進歩させようと努力はいたしているわけでございますけれども、はかばかしい進展が見られないことはまことに遺憾でございます。この点につきましては、今後とも何とか労使双方いろいろ御相談をいたしまして、政府部内でも相談をいたしまして、何とか進展の見られるように努力いたしたいものだと考えている次第でございます。
#82
○後藤委員 局長、何とか進展というようなことは、何べんもここの委員会で聞いたのです。それがなかなか具体的に進まない。何べんも何べんもここで同じことを繰り返すわけですが、何とかという具体的な方式があるのですか。予算の関係がどうこうということはありますが、政労協というのはやはり労働法適用の組合なんです。どっちかというと、公労協関係よりは一般の民間の組合と同じようなかっこうで解決するのがあたりまえだと思うのです。ところが、予算の関係がある、予算の関係があるというので、去年の年末から始めた春闘が、一年たって翌年の年末でなければ、いまの公務員関係の人事院勧告が出ぬことにはきまらぬ、そこで相場が出て初めて有額回答をする。これは二年も三年も同じことをやってきたでしょう。労働法適用の組合が、そんな芸のないことをやっておらずに、予算は予算として、民間の相場が出るのですから、公労協と同じように――公労協は、もうきょうあすにでも有額回答が出してもらえる、こういうところまで進んだら、政労協関係だってきょうあすくらいに有額回答を出せ、これくらいなことをなぜけさの閣僚協議会で話をしてもらえぬのですか。毎年毎年私は同じことを繰り返しておるのです。そうあってしかるべきだと思うのですが、公労協のことを言うと政労協のことをあなた方は忘れてしまう。政労協のことを言うと公労協のことを忘れてしまう。少なくとも公労協、政労協というのは大体形としてはそう変わらぬと思うのです。何とかということを局長言われましたが、具体的にどうやられますか。
#83
○石黒政府委員 政労協の問題につきましてないがしろにするつもりは毛頭ございませんが、実際問題として実は公労協のほうに忙殺されておったというのがいままでの実情ではございます。この問題を進展させるために具体的にどうしたらよろしいかという御質問でございますけれども、実はその具体的にどうしたらよろしいかといういい知恵がありましたならば、直ちにでもいたしたいと思っておるわけでございますけれども、いろいろ考えておりますけれどもなかなかいい知恵がまだ浮かばないというのが、たいへん申しわけございませんが、実情でございます。
#84
○後藤委員 それではそのいい知恵を私教えますけれども、さっそくあしたかあさってあたり閣僚協議会かなんか開いてもらって、政労協関係にもひとつ有額回答を出しなさい、そうして団体交渉をやって自主的にきめなさい、大体公労協とは同一歩調で進めなさい、それさえきめてもらえば簡単じゃないですか。それをあなた方やる気になるかならぬかの話だけだと思うのです。どうですか、局長。
#85
○石黒政府委員 公共企業体等は、一応自分たちのかせいだ金で自分たちの経費をまかなっていくというたてまえの中で、給与その他等は自主的にきめる権限があるわけでございます。政労協の団体につきましては、必ずしも自分たちがそういういわば独立採算ということは成り立たない団体が非常に多うございます。政府から金をもらわなければその団体の運営ができないというために、政府としてはいかなる基準で金を出したらば最も適切であるかということにつきましては、何かしかるべき客観的基準がなければぐあいが悪いのじゃないか、いままでのところ、それは公務員に準ずる人件費というのが適当であろうと考えてやってきたわけでございます。これにかわるべきしかるべき基準というものがございませんと、なかなか実際問題としていい方法というものは考えつかないということでございます。
#86
○後藤委員 そうしますと、あなたの言われることばを解釈すれば、ことしも同じように公務員の人事院勧告が出ないことには解決せぬ、こういうことに通ずるわけです。すると、おととし木村官房副長官なり時の労働大臣が、もう来年はこんなことをやらせずに、具体的に団体交渉で解決するようにひとつやりますと、三年も前に約束しておられるのですけれども、この約束はどういうことになるのですか。ただ口約束だけで実行は全然されておらぬ。毎年同じようなことをこれはやっておるわけなんです。しかもこの政労協関係は、先ほど言いましたように労働法適用の組合ですね。労働法適用の組合だったら、団体交渉で自分の賃金をきめる、ところがお金の問題がある、お金の問題があるのだったら、政府のほうとして指示をすればいいじゃないですか。こういうようにやりなさい、たとえば民間の相場というものは出ておるのですから、基準がない基準がないとあなた言われますけれども、大体基準は、相場は出てきておるのです。もうことしは、去年よりは、二百ぐらいの組合が一万円以上獲得しておるのです。去年以上に獲得しておるわけなんです。民間相場も大体七千五百円から九千五百円というのがいま出てきておるのです。基準はないことはない。それを基準にしようとなされないだけです。基準は基準として大体もう出てきておるのですが、それを政府のほうで押えておるものですから、理事者側のほうでは有額回答ができない。なぜ押えるかというと、お金の関係がある、お金の関係はどうするのだといえば、公務員の人事院勧告が出ないことにはということで、秋まで待つわけです。そんなことをせずに、民間の春闘の大体の基準というものが出てきておりますから、それらとにらみ合わせて、政府がその企業にいろいろ相談をして有額回答で進める、自主的に団体交渉で賃金をきめる、こういうようにやれば、労働法に従って別に何も障害もなければうまくいくと私は思うのです。これは大臣いかがですか。
#87
○野原国務大臣 非常にむずかしい問題でございますが、そういう方向で努力してみたいと思います。
#88
○後藤委員 それではもう本会議の時間も近づきましたので、ぜひひとつ、先ほどお話ししましたように、公労協関係の問題につきましては、きょうあすに有額回答が出る。国鉄につきましては、企業からの申し出がないので、こういう話も聞きましたけれども、赤字なるがゆえにどうこうというような格差は一切考えないということを、労働大臣としても責任をもってひとつ今後やっていただきたいと思いますし、それからさらに公労協関係の自主的団交も、有額回答が出ればこれは始まると思いますけれども、できればひとつ労使の間の団体交渉で最終的にきまる、こういうような方向へ御努力いただきたいと思います。
 それからさらに、政労協関係につきましては、いま大臣も言われましたように、私が先ほど言ったような方向で努力をする、こういうように言われましたので、これは遠からず有額回答を出してもらう、自主的団交できめてもらう、そういう方向へひとつまた政府のほうとしても考えてやっていただく。どんなことがあろうと年末まで持ち越す、公務員の人事院勧告が出るまで待つ、こんなことはことしは一切やらないように、今次春闘と同時に政労協問題も解決していく、そういうことでぜひお願いをいたしたいと思います。ありがとうございました。
#89
○倉成委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、休憩いたします。
   午後一時五十七分休憩
     ――――◇―――――
   午後四時七分開議
#90
○倉成委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案を議題とし、質疑を続けます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。古川雅司君。
#91
○古川(雅)委員 ただいま議題になっております中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案について、若干お伺いをしてまいりたいと思います。
 提案理由の説明並びに法案の逐条説明等を拝見してまいりまして、ひとつ非常に歯切れの悪いものを感ずるわけでありますが、今回のこの提案された法律案につきまして、どうも失対事業という形式による社会保障を、この際、いわゆる労働力政策と社会保障に分解をしようというふうに見られるわけでありますが、この辺のところについてひとつ詳しく御説明をいただきたいと思います。
#92
○住政府委員 労働力政策と社会保障政策を分離するんじゃないか、こういうお話でございますが、この法案作成のもとになりました失業対策問題の研究報告等にもございますように、やはり労働力政策というのは、あくまでも労働市場に対する適応性のある者、こういう方々に対して対策をとるべきである、こういう考え方で報告をいただいております。私ども、労働力政策としましては、あくまでも一般の労働市場において十分働き得るような層を対象にして、その方々がうまく円滑に安定した職業につける、こういうのが労働力政策の基本であり、また、そうすることによって、すべての人がその能力を発揮できるような全体としての完全雇用の体制に持っていくというのが雇用政策の目標であり、労働力政策の目標である。そういう意味で社会保障政策とは違うと考えておるのでございますが、考え方としてはそういう基本的な考え方に立ってこの法案をつくっておるわけでございます。
#93
○古川(雅)委員 この法律案の第一条には、この法の目的を定めておりまして、そのまま読むのもなんでございますが、「この法律は、中高年齢者等に係る雇用及び失業の状況にかんがみ、これらの者がその能力に適合した職業につくことを促進するための特別の措置を講ずることにより、その職業の安定を図ることを目的とする。」ということで、いわゆる中高年齢者等の就職が非常に困難な雇用失業の状況にかんがみ、この中高年齢者等がその能力に適合した職業につくことを促進するための特別措置を講ずる法であるというふうにうたっております。この中高年齢者等の雇用促進をはかるためには、従来の雇用率の設定あるいは雇用奨励金、そういうものをうたった法律があったわけでございます。雇用対策法でございますね、そういった従来の法があるにもかかわらず、今回こうして特別な措置を講ずるための法律を提案されたということには、何かしっくりしないものを感ずるわけでございます。特に、今回の提案が非常に早いテンポで提案に踏み切られた、ここに、これからいろいろお伺いしていくわけでございますが、疑惑を生ずる一つの原因があるのではないかと思いますが、旧来のこうした雇用対策法等の法と今回の特別措置法が目ざす意図と、そこにどういう関連があるか、この点御説明をいただきたいと思います。
#94
○住政府委員 雇用対策法は、雇用政策に関する基本的な事項を定めた法律として制定されております。国政全般の中におきまして、雇用政策の位置というものを雇用対策法で明瞭にする、そうして政府が全体として雇用政策を積極的に進めていくという体制をはっきりさせますとともに、いろいろな雇用に関する関連施策が総合的に実効を持つような体制をつくるのが雇用対策法の目的でございまして、それに基づきまして、たとえば職業紹介、職業指導につきましては職業安定法がございます。あるいは職業訓練、技能検定等につきましては職業訓練法がございます。
  〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕
そこで、そういう一般的な規定の中にございます、たとえば身体障害者とかあるいは駐留軍離職者とか、あるいは炭鉱離職者とか、こういう就職が特に困難な層につきましては、それぞれ身体障害者雇用促進法とか駐留軍離職者臨時措置法あるいは炭鉱離職者臨時措置法、こういう特別な規定、法律を制定いたしまして、それぞれその対象に即応して対策を立てていく、こういうような体系になっておるわけでございます。
 そこで、今後の雇用失業の情勢を見通して考えますときに、やはり一般的には労働力不足といわれておりますけれども、中高年齢層、年齢が高くなるにつれて就職が容易でない、こういうような状態が想像されるわけでございまして、そういう事態に際しまして、この法律の目的にも書いてございますように、中高年齢者が能力に適合した職業につく、つかせる、そのためには、従来こういう中高年齢層を対象とした法律の規定はございましたけれども、それらの法律の規定をこえて、さらに充実した措置を講ずる、そして、それが一本の法律として今後の施策を進めるにあたっての中心の柱にしていこう、こういう考え方でこの特別措置法案を提案いたしておるわけでございまして、そういう意味で法律の体系をすっきりさせ、雇用政策の方向をはっきりさせて、さらに対策を深めていこうという考え方に基づいておるのでございます。
#95
○古川(雅)委員 旧来の法におきましても、中高年齢者等の雇用の促進をはかってきた、今回この特別措置法によってさらにその内容を充実して雇用の促進を強化する、御説明としては非常にごりっぱでございますけれども、しかし、そうした旧来の法がはたして中高年齢者等の雇用の促進に関して有効であったかということを、これまで議論はございましたけれども、現在までの旧来の法の実効から見て、あまり効果を発していなかったという点から見て、今回の特別措置法の制定が何か非常にむなしいという感じを受けるわけであります。これまでの雇用対策法等の法律においてかなりの効果をあげていたということであれば、その上に特別措置法という立法措置によってそれをさらに一段と強化をするということがいえるわけでありますが、その点提案をされた意図としては理由が非常に薄弱ではないかというふうに感ずるのでございますが、その点はいかがでございますか。
#96
○住政府委員 従来、雇用対策法あるいは職業安定法に基づきまして、こういった中高年齢者に対する対策を進めていたわけでございます。その効果等につきましていろいろ御意見を伺いましたが、私ども必ずしも所期の効果を十分にあげたかどうかということはしばらくおくといたしまして、それなりの効果をあげてきたというように考えております。しかしながら、そういった過去数年間あるいは十年近い法律の運用の経験等も生かしまして、あるいは今後の雇用失業情勢の推移等をも見きわめまして、従来の対策を一そう深めていく、一そう強化していく、こういうような必要があるというように判断いたしまして、御提案しておりますような特別措置法案の審議をお願いしておるわけでございます。
#97
○古川(雅)委員 たとえば今回のこの法案の第七条には、雇用率の設定等について定めているわけでございます。これは雇用対策法の第二十条の規定により中高年齢者について選定した職種に応じ、中高年齢者の雇用率を設定することができるということでございます。これは御承知のとおり、雇用対策法の第六章「中高年齢者等の雇用の促進」という中の第十九条に「雇用率等」という項がございまして、雇用率についてこの法で定めているわけでございます。
 先ほどもちょっと申し上げましたとおり、この雇用対策法の実効がどれだけあったか、従来実効が認められたかということを踏まえて、その上で今回の法案の第七条ができてきたか、この関連をこの条文をひとつ例にして具体的に御説明をいただきたいと思います。雇用対策法の第十九条で十分効果を発揮し得ないものが、なぜ今回の法案の第七条によってさらにその上に効果をあげていこう、対策を促進していこうと言われるのか、その辺の御説明をいただきたいと思います。
#98
○住政府委員 雇用対策法の十九条の規定に基づきまして、雇用率の規定は、御承知のように、別に法律で定めるところにより、事業主に雇用されている労働者のうちに中高年齢者が一定率以上になるように必要な施策を講ずるものとする、この規定を受けまして、職業安定法に中高年齢者の雇用率を定めた規定を置いておるのでございますが、現在、中高年齢者の雇用を促進するためには政府並びに関係機関が率先して努力をすべきであるというような観点から、官公庁関係につきまして三十四の職種について雇用率を設けておるのでございますが、いろいろ職種に応じて雇用率が違っておりますけれども、達成率におきましては大体九〇%以上の実績をあげているのではなかろうか、私どもこういうように考えております。
 民間企業につきましては、この法律に基づきまして雇用率を設定することとしておるのでございますが、雇用率が設定された場合に、中高年齢者を積極的に雇い入れるよう事業主に対する周知徹底とか、あるいは雇い入れの要請をするわけでございますが、そのためにはこの法律案に基づきまして、たとえば求人受理につきまして、第五条に書いてございますように、求人の受理にあたっては、求人者に対して、年齢その他の求人の条件について指導するとか、あるいは雇い入れ、配置、作業の設備、環境等、中高年齢者の雇用に関する技術的事項について助言、援助を行なうとか、あるいは第八条におきまして、求人の申し込みの受理に関する特例といたしまして、事業主が中高年齢者でないことを条件とする雇用率の設定された職種にかかわる求人の申し込みをした場合には、求人の受理をしないことができる、こういうようないろいろな規定を置きまして、いままでの官公庁等における雇用率の達成の経験等を生かしながら、こういう条件を整備して、民間事業所につきましても、一定の職種につきまして雇用率を設定し、中高年齢者の雇用を大いに促進していこうというように考えてこの法案に必要な事項を盛り込んでおる次第でございます。
#99
○古川(雅)委員 その点につきましては後ほどまたお伺いすることにいたしまして、実はきょう自治省のほうからおいでをいただいておりますが、会議の御都合で早目に退席をされたいということでございますので、多少順序が不同になりますが、最初に自治省に関連をした問題からお伺いをしてまいりたいと思います。
 これはこの法案の第二十二条にかかわってまいりますが、いわゆる特定地域における開発就労事業の実施のことにつきましてお伺いをしてまいるのでございますが、この実施の期間、事業の内容ですね、雇用対策といった点でどういうお考えがおありか、その点からまずお伺いしたいと思います。
#100
○遠藤政府委員 この法律案の二十一条の規定に基づきまして、特定地域におきましては特定地域開発就労事業というものを実施する予定にいたしております。この内容は先般成立いたしました予算に盛られておりますが、本年度におきましては約五千人の就労ワクをもちまして実施いたすことにいたしております。その条件は、現在までに行なってまいりました炭鉱離職者を対象といたしました緊急就労対策事業、あるいはこの関連事業の離職者を対象といたしております産炭地域開発就労事業、こういったものとほぼ同じような内容のものでございまして、その補助率は、事業費の三分の二を国が補助をいたしまして、残りの三分の一を地方公共団体、都道府県、市町村が負担する、こういう内容になっております。
#101
○古川(雅)委員 概略御説明をいただいたわけでありますが、雇用審議会の答申には、「特定地域開発就労事業は、臨時的に施行されるものであるから、これに就労する者の生活の安定のため、事業の計画的施行の面において配慮する必要があること。同時に、事業就労者の安定した雇用への再就職についての配意を欠くことのないよう努めること。」というように答申をいたしております。この答申のごとく、臨時的なため、就労者の生活安定のため事業の計画的施行を配慮するとあるわけであります。この点を尊重する施策というのはどういうことでありますか。
#102
○遠藤政府委員 これは、先ほど来御説明申し上げておりますように、中高年齢層の失業者が求職手帳の発給を受けまして、就職あっせんあるいは職業訓練その他のいろいろな再就職をするための援護措置を受けまして、なおかつその求職手帳の期間内に再就職できなかった人たちにつきまして、安定した職業につくまでの期間、この特定地域開発就労事業に就労させることによってその生活の安定をはかりながら再就職につとめてまいりたい、こういうたてまえになっております。したがいまして、この特定地域開発就労事業に就労いたします就労者の労働条件というような面につきましては、現在緊急失対法によって行なわれております失業対策事業の場合よりは、いろいろな面で有利な措置がとられるように州なっております。したがいまして、生活の安定という点におきましても、現在の失対就労者の場合よりはかなり有利になっておりますし、その生活の保障といいますか、あるいは再就職のための措置という点につきましても、この就労をしながらその間に再就職のあっせんをはかっていくということによって十分その措置がとられる、こういうふうに考えておる次第であります。
#103
○古川(雅)委員 くどいようでありますが、「再就職についての配意を欠くことのないよう努めること。」ということについての「再就職への配意」とありますね。この点について従来よりもさらに充実をされて運用できる、施行できるという御説明でございますけれども、この点もう一回確認させていただきたいと思います。
#104
○遠藤政府委員 御指摘のように、この特定地域開発就労事業は再就職のための臨時的な就労というたてまえになっております。その事業が終わるごとに次の新しい事業を始めてその事業に就労させていく、こういうたてまえをとってはおりますが、この事業に就労すること自体が目的でございませんで、この事業に就労する人たちにつきましては、常時再就職のための指導、あっせんということによって、一人でも多く、一日も早く正常な雇用の場につける、通常の雇用に再就職をさせるような措置をとりながらこの事業の就労をはかっていく、こういうたてまえになっております。そういう意味で従来以上にこういう人たちの再就職のあっせんにつきましては特段の措置をとるようになっておりますので、御指摘のような方向で中高年齢失業者の人たちの再就職をはかってまいれる、こういうふうに確信いたしておる次第でございます。
#105
○古川(雅)委員 昭和四十六年度の失業対策事業関係の予算でございますが、この特定地域開発就労事業費として四十六年の十月から実施するものとしておりますが、その事業規模を五千人と算定をしておりますが、この基礎について御説明いただきたい。
#106
○遠藤政府委員 この事業規模五千人といたしました点につきましては、実はただいま御説明申し上げましたように、この事業に就労する人たちは、一応たてまえといたしましては、求職手帳の有効期間中に再就職できなかった人たちがこの就労事業に就労する、こういうたてまえになっております。したがいまして、四十六年度につきましては、この法律案が成立いたしますと十月一日から施行になります、こういう予定にいたしておりますので、その関係で求職手帳の有効期間が切れてなおかつ就職できないという人たちは、通常の考え方からまいりますと、四十六年度中はごくわずかの人たちしか出てまいらない、こういうふうに考えられます。とうてい五千人というような数には達しないかと思いますので、それだけを対象にいたして考えてみますと、五千という就労額は必要でないということになるわけでございます。ところが、この点につきましては、現在失業対策事業に就労いたしております十九万余の人たちがおりまして、こういう人たちにつきましても、新しいこめ法律案によります特定地域開発就労事業に、失対事業から離脱いたしまして、こういう新しい事業のほうに切りかわろうという希望者につきましては、それを受け入れるたてまえをとっておるわけであります。と申しますのは、現在の失対事業就労者の中にも、こういう新しい就労にたえる体力、能力を持ち、意欲を持った人たちがおるわけであります。そういう人たちも、できるだけそういう希望に応じて切りかえていく方法をとりたいということを考えておりまして、そういう人たちの希望数というものを一応私どものほうで予定いたしまして五千という就労額を予定いたしたわけでございます。
#107
○古川(雅)委員 特定地域開発就労事業につきまして、この実施をしてまいりますと、いわゆる地域のアンバランスの問題が起こってまいると思います。作業能力あるいは事業の性格等について、こうしたアンバランスの生ずるおそれは十分あると思うのでございますが、その点についてはどのようにお考えでございますか。
#108
○遠藤政府委員 特定地域開発就労事業の事業内容につきましては、もう先生御承知だと思いますが、道路の新設、改良、補修あるいは舗装あるいは工場団地、住宅団地の造成とか河川の改修事業、こういったものが大体その事業のおもな内容になっておりまして、必要な地域についてはこの事業を随時実施してまいる考え方をとっておりますので、地域的なアンバランスを生ずるというようなことはない、このように考えております。
#109
○古川(雅)委員 この点、雇用審議会の答申には、「事業の実施が地域の開発効果に重きをおくことによって、失業対策としての性格が軽視されないようにすること。また、事業の内容及び運営は、就労する者の大部分が中高年令者であることに留意し、これらの者にとって無理のないようにすること。」というふうにございます。したがいまして、地域のアンバランスというものが当然考えられて、失業対策の性格が軽視されないようにとあるわけでございまして、この点については十分な配慮が必要ではないかと思うのでございますが、この点いかがでございましょうか。
#110
○遠藤政府委員 この特定地域開発就労事業に就労いたしますのは、先ほど申し上げましたような資格要件を持った人たちになりますので、具体的に申し上げますと、四十五歳から六十五歳未満の人たちがこの就労者ということになるわけでございます。したがいまして、そういった就労資格を持った人たちがある一定の人数に達しました場合に、この事業を実施いたして就労させるということでございますので、その対象者の年齢構成なりそういったものに応じて事業種目を選定いたしまして事業実施をするということに相なるわけでございます。当然この雇用審議会の答申にございます地域の開発ということにだけ重点を置くのあまり、失業対策としての効果が減殺される、軽視されるということのないように、答申の趣旨を十分尊重いたしまして、今後の事業の実施計画ないしは実施につとめてまいりたい、このように考えております。
#111
○古川(雅)委員 特にこの答申では、「無理のないようにすること。」というふうにはっきり明記しているわけでございます。その点を受けて、その答申を尊重してどういうふうにそれをあらわしていくか、無理のないように運営していくということだけではどうも納得し得ないわけでございますけれども、具体的にどのように尊重して無理のないようにしていかれるのか、されていくのか、その点、お伺いしておきたいと思います。
#112
○遠藤政府委員 抽象的に申し上げましてはなはだ恐縮でございます。実例をもって御説明申し上げればあるいはおわかりいただけるかと思いますが、現在産炭地域で実施いたしております類似の開発就労事業がございますが、との場合には、先ほど申し上げましたような団地造成とか道路の新設あるいは舗装といったような仕事をおもな内容にいたしております。ここに就労しておる人たちの年齢構成を考えてみましても、大体四十歳、四十五、六歳から六十四、五歳くらいまでの人が大半でございます。したがいまして、その就労者の中にはかなり年齢の高い人もあるいは体力の劣った人も含まれております。同じ団地の造成あるいは道路の改良、舗装といった事業にいたしましても、それぞれの作業内容には重軽がございまして、かなり重作業に属する仕事もございますし、軽作業、雑役の仕事もございます。したがいまして、比較的体力のない年齢の高い人たちにつきましては、同じ事業種目の中で、同じ団地造成あるいは道路改良、舗装、そういった仕事の中で、比較的軽易な雑役に属する仕事に従事していただく、体力のある若い人たちについては重作業をやっていただくというようなことで、それぞれに応じて賃金も支払っております。賃金の例を見ますと大体千七、八百円というのが平均でありますが、重作業については二千二、三百円、軽作業が千四百円といったようなことになっております。それぞれの体力、年齢に応じた仕事をしていただくような体制になっておるのが実情でございます。
#113
○古川(雅)委員 就労事業費でございますけれども、補助率は三分の二ということでございます。残りの三分の一が地方公共団体の負担になるわけでございますけれども、この地方負担の財政措置でございますね。従来の石炭開就事業の地方負担の財政措置あるいは緊急就労事業の地方負担の財政措置にかんがみまして、今回はこの点自治省とどのような折衝がなされたか、まず労働省のほうからお伺いをしてまいりたいと思います。
#114
○遠藤政府委員 地方負担の問題につきましても、従来の緊急就労対策事業あるいは石炭開就事業の場合と同じような経緯をとっておりまして、地方負担分の三分の一の負担につきましては、地方起債なり地方交付税でこれを処理していただくように、自治省と現在話し合いを進めておる次第でございます。
#115
○古川(雅)委員 自治省のほうはいかがでございますか。現在話を進めておるということは、まだ話がついていないということであると思いますが……。
#116
○横手説明員 特定地域の開発就労事業の地方負担に対する財源措置につきましては、労働省からお話があればといいますよりも、事業実施に支障を生じないように私どももある程度考えてまいらざるを得ない、かように思っておりますが、地方団体の財政状況、こうしたものも勘案しながら、地方債の充当あるいは特別交付税の配分、こうした際に十分配慮してまいるよう検討してまいりたいと思います。
#117
○古川(雅)委員 局長に伺いますが、今後配慮していくというような自治省のお考えでございますし、まだ話し合いはついていないというふうに私受け取れるわけでありますけれども、その点はっきりしないままこの法案の提出をされた底には、何かはっきりした御確信のようなものがあったのじゃないかと思いますが、どうもその辺明瞭でないのでございますけれども、いまの段階ではっきりできませんか。
#118
○住政府委員 この開発就労事業でございますが、地方の負担が三分の一になるわけでございますけれども、私ども現在の失業対策事業等に比較いたしまして、単価も三千百円というように高いものを組んでおります。そういう意味で事業効果も工事を実施する地方公共団体等に帰属するものも多いわけでございます。しかも、先ほど来問題になっておりますか、もちろん失業対策としての機能を果たさせると同時に開発効果もねらっておる、こういう性格の事業でございます。そういう意味で三分の一の地方負担をお願いしようと考えておるわけでございますが、従来も失業対策という観点から産炭地開発就労事業なり、緊急就労対策事業につきましては、たとえば特別交付税とかあるいは起債等の御配慮を自治省からいただいておるわけでございます。私どもも、この事業の性質が、一つの大きな目的として失業対策という機能を果たすという観点から、緊急就労対策事業とかあるいは開発就労事業に対すると同様の配慮を自治省にお願いをしたい、こういうように思っておるわけでございます。この法案の通過等の関係もございますので、まだその点ぎりぎりのお話し合いはいたしておらないわけでございますが、そういうことになりますれば、自治省と相談いたしまして、従来のような取り扱いがしていただけますように万全の努力をするつもりでおります。
#119
○古川(雅)委員 労働省のほうとしては、四十六年から実施するという目安をつけて、失業対策事業関係予算の中に就労事業費をちゃんと組んでいるわけです。自治省のほうはこれから配慮すると言っておるわけです。どうもその点釈然としないわけでございますけれども、労働省の意向をくんで、どんなことがあってもこの点地方に対して不安のないように措置できるのか、御確約をいただけるのかどうか、自治省のほうからもう一度お答えをいただきたいと思います。
#120
○横手説明員 地方財政計画というのがございますが、その中にすでにこの事業の地方負担額を織り込んでおります。したがいまして、地方負担額の増額につきましては何らかの措置を当然講じてまいる必要があろうと思います。ただ具体的な措置、こうしたものにつきましては、今後労働省の方と協議してまいりたい、かように思っております。一番私ども心配いたしておりますのは、これは国庫補助事業でございますが、将来超過負担の問題が生じて地方団体が苦しむことのないように、そうした面気をつけながら労働省とも話し合いをしてまいりたい、こういう点があるわけでございます。いずれ法律が通過いたしました際には、具体的な措置もそれに応じて詰めてまいりたい、かように考えております。
#121
○古川(雅)委員 いまこの法案が提案をされているわけでございますので、労働省からその意向を受けて自治省のほうとしても、財政措置の内容については、少なくともあらあら検討は進んでいると思いますが、その点ここで内容について御説明をいただけますでしょうか。
#122
○横手説明員 今年度の地方負担額は約七億円でございます。七億円に対する措置につきまして、地方債の充当を幾らにするか、あるいは特別交付税等で幾らかというようなこまかい点については、まだ両省間の話も実はあまり進んでおりませんし、私どものほうの内部でも最終的な決定までには至っておりません。しかし、先ほど申し上げましたように、事業実施に支障を生じないよう、地方団体の財政状況、こうしたものも考えながら今後具体的な措置をきめてまいりたい、かように思っております。いずれにいたしましても、事業の実施に支障を来たさないように考えてまいりたい、かように思っております。
#123
○古川(雅)委員 局長に伺いますが、自治省のほうではあのようにおっしゃっているわけでございますけれども、どうも地方負担の財政措置について、この二十一条、特定地域におけるところの運営がはたして円滑に運ばれるかどうかという不安が残るわけでございますけれども、局長としての見通し、御見解はどのように持っていらっしゃるか、この運用を誤ることがないか、十分に運用できるかどうか、その点の見通しを伺っておきたいと思います。
#124
○住政府委員 先ほども申し上げましたように、同じような性質の事業、産炭地開発就労事業あるいは緊急就労対策事業、性格としては非常に似た制度がございます。その制度につきましては、御承知のように、たとえば交付税あるいは起債等によって事業を実施する地方公共団体の負担の軽減措置をとっております。この特定地域の開発就労事業につきましても、本質的にはやはり同じような性質のものでございますので、私どもといたしましては、緊急就労対策事業とかあるいは開発就労事業と同様な自治省の措置をとっていただけるように積極的に努力をし、そのようにいたしていきたいというように考えているわけでございます。
#125
○古川(雅)委員 この点につきまして、最後に大臣から、自治大臣との間ではどういうお話になっておるか、御説明をいただきたいと思います。
#126
○野原国務大臣 まだそこまでは進んでおりません。これは法律が通りまして実施段階になります前に自治大臣とも十分な連絡をとるつもりでおります。
#127
○古川(雅)委員 時間がございませんので、次にいきますけれども、法案の提案がなされている段階で、また非常に大事な地方負担の財政措置について、大臣相互で話し合いがついていないということについて非常に疑問を残します。
 次に移らせていただきますが、最初に戻らせていただきますけれども、雇用と失業の情勢についてでございますが、審議会の答申でございますけれども、先ほどから私一々審議会の答申を引用いたしますけれども、今回の政府のこの法案の提案につきましては、雇用審議会の答申を非常に無視しているきらいがあるという批判が非常に多うございました。先日来の議論もその点に集中していたわけでございます。そういう意味で私答申を引用しながらお伺いをしていくわけでございます。この雇用と失業の情勢についての審議会の答申はこのようにうたっております。「失業対策の基本は、職業指導・紹介、職業訓練等の措置によって、失業者が安定した雇用に再就職することを促進するとともに、失業者がこれらの措置の適用をうけ再就職するまでの間、生活に不安を感ずることのないよう方策を講ずることにおかれなければならない。」このようにはっきり答申を出しております。このいま私が読み上げました失業者が「再就職するまでの間、生活に不安を感ずることのないよう方策を講ずる」とありますけれども、この点私の持ち合わせております統計、これはこの間来数字が非常にたくさん出ておりますからお示しするまでもございません。中高年齢失業者が就職が非常に困難である。この点において生活に不安を感ずることのない方策とは何をもってその対策とするのか、何をもってこの答申を尊重したといえるのか、その点御答弁をいただきたいと思います。
#128
○住政府委員 失業者につきまして、たとえば雇用労働者であった者が職を失う、そういう方々につきましては失業保険の制度がございます。その他失業者の定義でございますが、いままで非労働力であった者が新しい職業につこうとして求職活動を起こす、こういう方々も失業者という定義に入れていいかとも思うわけでございますが、そういう場合に、たとえば年齢の比較的若い層、こういう方々につきましては、現在の雇用の情勢からいきまして、本人がその意思をお持ちになるならば容易に職業につける、こういうように考えておるわけです。ところが、それが年齢が高くなるにつれてなかなか就職が容易でないという状態が現在ございます。そこで、そういう方々に対しましては、この法律にございます求職手帳制度によりまして、その手帳を発行し、その手帳の有効期間中に手当を支給しながら、この答申にございますように、職業指導とか紹介とか職業訓練、こういう措置を講じて、その方々の再就職を促進していこう、こういうように考えておるわけでございまして、考え方におきまして答申の趣旨が十分生かされておる、こういうように考えておるわけでございます。
#129
○古川(雅)委員 この法案の提案理由の説明の冒頭に、「わが国の雇用失業情勢は、昭和三十年代後半以後引き続く経済の高度成長に伴い著しく改善され、近年においては労働力不足基調へと変わって」きた、以下経済情勢等分析して、この法案の提案の趣旨を述べていらっしゃるわけでございますが、少なくともこの雇用失業情勢につきまして、統計を見ますと、職業紹介、これは学卒を除く一般でございますけれども、失業保険、それから労働力人口、完全失業者といった点で見てまいりますと、まず最初に有効求職者の数で見れば、昭和四十三年、百十二万一千人から、以下四十四、四十五、四十六と大体横ばいでございますけれども、四十六年の一月に至って百二十六万五千人という数に達しております。さらに就職件数につきましては、昭和四十三年の十五万三千件、四十四、四十五年と大体横ばいで、四十五年十二月に至っては九万九千件、四十六年一月では十一万六千件、この求職倍率は四十三年で〇・九倍、以下四十四年で〇・八倍、四十五年六月で〇・七倍、昭和四十六年一月では〇、九倍。完全失業者につきましては、昭和四十三年が五十九万人、以下四十四年で五十七万、四十五年で五十万、四十六年の一月に至っては六十六万、四十六年の二月の推定が七十二万、こういう数字の経過を統計が示しているわけでございますが、この数字をもってしてはたして提案理由に述べていらっしゃるような分析とつじつまが合うのかどうか、この点御説明をいただきたいと思います。
#130
○住政府委員 安定所の窓口における求人求職の状況、ただいま先生御指摘のとおりでございますが、そういう状況を長期的に見ますと、たとえば昭和三十年度には一求職者当たりの求人〇・五倍というような、非常に大きな求職超過だった。ところが、三十四年ころからわが国の経済が高度成長期に入ると同時に求人が非常にふえまして、大体三十九年度において求人と求職がほぼ均衡しておる。それ以降、求職者の増加に比して求人の増加のほうが高いということで、現在のところ求人倍率は、四十五年平均をとってみますと全体として求職者一に対して一・六前後になっておると思います。そういう意味で、傾向的に見ますと、求人求職のバランスというものが非常に求人超過のほうに傾いてきておる。それは地域別あるいは年齢別にアンバランスがございますけれども、年齢別に見ましても、そういう傾向がだんだんと年齢の高い層に及んでいっておる。地域別に見ましても、その関係が、求人求職のバランスにおきまして求職超過の地域等もございますけれども、その状況も著しく緩和されてきておる。
 それから完全失業者の数字でございますが、これは大体六十万前後。最近、景気鎮静化の影響を受けまして、対前年の同月と比較いたしますと、四十五年後半におきまして、それまでむしろ減少ぎみであった実数が、実数としては後半からふえてきております。そういう意味で景気鎮静化の影響があろうかと思うのでございますが、これを失業率に直してみますと、大体一・一%から一・二%、こういうような状況でございまして、たとえば現在のアメリカの失業率が五・五%以上になっておる。あるいはヨーロッパ諸国においては三%内外、こういうような状況から考えてみますと、完全失業者の数だけでは失業情勢を判断する基準にはならないかとも思いますけれども、わが国の完全失業率というものは諸外国に比べて非常に低い水準を示しておる、こういうように考えておるわけでございまして、提案理由の説明の傾向は、全体として私ども正しいものというように考えておるわけでございます。
#131
○古川(雅)委員 ところが、特にこの法案の中核をなしている中高年齢者についての職業紹介の実態というものは非常にきびしいものがあるということ、これは先日来指摘をされてきているところでありますが、特に労働省としては、高齢者コーナーを設けてこれを専門の窓口としておるわけでございますけれども、求職者とそれに対する就職者の数、この中から算出されるいわゆる就職率といった点をごらんになれば、どうもいまの御答弁に納得がいかないということはお認めになると思うのでございますが、こちらから数字を示してもよろしゅうございますけれども、最近のこうした中高年齢者の失業者に対する職業紹介の実態がどうなっているか、就職率が何%くらいであるか、年齢別に統計をとっていらっしゃるようでございますけれども、その点を御説明いただきながら御見解を伺いたいと思います。ことに、人材銀行といわれるようなかなりの技術職、管理職というような技術を持ったそういう方々の就職率でさえ、四十三年度で二五・七%、四十四年で少し伸びましたけれども三四・一%というような非常に低い数字を示しているわけでございます。この点、どのようにお考えでございますか。
#132
○住政府委員 まず全体の中高年齢者の職業紹介状況でございますが、これは二つの数字がございまして、一つは、その月間において有効とされておる求人求職の数字と、それからその月において新しく就職した、あるいは求人があった、こういう数字と、二通りございますが、その当該月におきまして新しく求職した者の状況について見ますと、たとえば四十三年度におきまして六万一千八百八十五人、四十四年度は六万四千七百三十二人、四十五年度につきましては、四月から十二月、六万八千四百八十三人というように就職申し込み件数がふえてきております。これに対して安定所といたしまして紹介をするわけでございますが、大体四十四年度におきましては六万四千七百の求職申し込みに対して、四万九千七百の紹介をいたしております。そこで二万五千六百の方々が就職しております。四十五年の四月から十二月について見ますと、先ほど申し上げました六万八千四百の求職の申し込みに対しまして、紹介が五万一千、そこで就職が約二万五千五百、こういうことになっておりまして、大体就職率といたしまして三七、八%、こういうことになっております。
 それから、高齢者のために安定所で高齢者コーナー等を設けまして就職のあっせんをいたしておりますが、現在二十カ所の安定所でそういうコーナーを設けております。それでコーナーの状況について見ますと、求職申し込みの数は、四十五年の四月から十二月末まででございますが、一万六千三百人、就職が五千三百人、就職率は三二%、こういう状況でございます。また、人材銀行について同じ時期をとってみますと、求職の申し込みが約一万一千七百、就職が三千四百・就職率が約三〇%、こういうことでございます。
 いずれにいたしましても、私どもこの数字から見るならば、就職率というものは必ずしも高いというようには考えておりません。せいぜい四〇%足らず、三〇%から四〇%でございますが、この求職者の中には、先ほども申し上げたのでございますが、現在職業についておる、ところが、他にもっといい条件のところがあれば行きたいというような転職希望者等もかなりおられます。そういう方々でも、安定所に求職を申し込んでこられますならば職業紹介等をいたすわけでございますが、一部実態調査の結果から推計いたしますと、そういう転職希望者が求職者の中の二、三割はあるであろう、こういうような推計も出ておりますので、ほんとうに現に仕事がなくて安定所に求職に来られるという方々につきましての就職率というものは、この数字よりはもっと高いものになるというように考えております。
#133
○古川(雅)委員 中高年齢者、特に高齢者が職を求めてもなかなか職を得られない、就職率が低いということを私申し上げたわけでございますが、局長のほうとしての御答弁は、必ずしも高いとは言えないというような表現をしていらっしゃいますけれども、あえてなぜそれを低いとおっしゃらないのか。その辺の姿勢が私にはわからない。先ほどの数字をさらに分析していただくとわかりますけれども、年齢が高まるにつれて就職率は非常に低くなっていくわけです。非常に再就職がむずかしくなるわけです。その辺の事実の認識のしかた、年をとるほど就職しにくいのだ、非常に就職率が低いとはっきりお認めになったほうがいいんじゃないか。それを、必ずしも高いとは思えないというような、その姿勢が私はおかしいと思うのですが、いかがですか。
#134
○住政府委員 非常に表現が適当でなかったかと思うのでございますが、御指摘のとおり、年齢が高くなるにつれまして就職率が悪化していく、こういう事実は統計の示すところでございます。
#135
○古川(雅)委員 その点で、今回のこの法案によりましていわゆる緊急失対法の取り扱いをどうしていくかという問題になるわけでございますが、先ほど読み上げた、雇用失業情勢についての雇用審議会の答申の、失業者が再就職するまでの間、生活に不安を感ずることのないように方策を講ずること、この点についての方策には私たち全く納得できるものがない。非常な不安を残したままで、緊急失対法の取り扱いにいろいろお考えをいま示しているわけでございます。以下それを伺っていくわけでございますけれども、この点、答申無視と言っても過言ではないと思うのでございますが、いかがでございますか。
#136
○住政府委員 先ほども申し上げましたように、現状において中高年齢者の就職は容易でない、こういうことは事実でございます。しかしながら、全体として労働力の状況等を考えますときに、中高年齢の失業者に対しては、たとえば手帳制度に基づく手当を支給しながらの職業指導、職業紹介、職業訓練、こういうような措置を総合的にきめこまかく実施していくならば、私ども、現在の雇用失業情勢から見まして、そういう方々の再就職というものが困難でなくなる、そういうように考えております。そうして、そうするために、この法律でそういう失業者に対する特別措置を規定いたしますとともに、そういう中高年齢失業者を雇っていただく事業主に対する措置等についても、この法案で盛り込んでおるわけでございまして、そういう対策と両々相まって動かしていくならば、従来のように失業対策事業に就労することなく、民間の正常雇用に職業紹介をすることができる、こういうように考えておるわけでございます。そういう意味で、この法律案に基づく措置を行なうならばそういう対策がとれる、こういうように考えておるわけでございます。
#137
○古川(雅)委員 現在、緊急失対法によって措置されて働いている方々について、今回のこの法案による措置が、より生活が保障され、生活の向上につながるというものであれば、またそれが確約されて何ら不安がないというものであれば、これは問題はないわけでございますが、そこに私は非常な不安を感ずるし、政府のこれまでの中高年齢者の雇用促進に対する施策の経過を見てきても、安心してこの法案に賛成することはできない、そのように考えるわけでございます。
 これまで毎日議論はいたしてきましたけれども、一応項を追ってこれからお伺いをしてまいります。
 この法案の附則の第二条、いわゆる「緊急失業対策法の効力」についてまずお伺いをしてまいります。
 この第二条には「この法律の施行の際現に失業者であって、この法律の施行の日前二月間に十日以上失業対策事業に使用されたもの及び労働省令で定めるこれに準ずる失業者についてのみ、当分の間、その効力を有するものとする。」という規定がございます。緊急失対法に基づく失業者についてのみ当分の間その効力を有するものとするということでありますが、今後新たに発生すると考えられる失業者については現行法の適用は受けられないということであります。先ほど伺った雇用失業情勢の現状からして、今回のこの特別措置のみでは充足はきわめて困難である、これはもう一般世論の大勢です。ゆえに、わが国の失対制度の中で、最終的な受けざらといいますか、表現はどうかと思いますけれども、そのようにいわれております失対事業に就労させるべきであると思いますけれども、まずその点いかがでございましょう。
#138
○遠藤政府委員 現在の法律体制のもとにおきましては、先ほど来局長が御説明申し上げましたように、中高年失業者で安定所に求職の申し込みをしてまいりますと、中高年の就職促進の措置という制度の適用を受けることに相なります。それで、現在の制度のもとにおきましては、二カ月ないし六カ月間この中高年の就職促進措置を受けまして、その間に就職指導なり就職あっせんあるいは職業訓練、そういった措置を受けて、なおかつ正常雇用に再就職できない人たちが、今度は緊急失対法によります失業対策事業に就労するというたてまえに相なっております。
 現在までのこの中高年就職促進措置の状況をちょっと簡単に御説明いたしますと、たとえば昭和四十四年度の例をとりますと、四十四年度で中高年の就職促進措置の認定を受けた人たちは、一年間に一万二千名でございます。その中でいろいろな訓練なり職場適応訓練なり職業講習あるいは就職指導、こういった措置によりまして就職をした人が一万六百名になっております。残りの人たちが失対事業に就労しておる、こういう形に相なっております。
 今度の新しい中高年の雇用促進の特別措置法案、ただいま御提案いたしております法案は、従来の中高年就職促進措置を内容をさらに改善いたしまして、その就職あっせん援護措置を強化することによって、先ほど御指摘になりましたように、年齢が高くなると就職がむずかしくなる、こういった人たちの再就職をできるだけ促進するという措置をとるための法案でございます。そのためにはこういう人たちに対しまして求職手帳を発行いたしまして、最低六カ月、その人たちの年齢その他によりまして、あるいは就職の困難な地域によりましては最長二年までこの求職手帳の有効期間を延長いたしまして、その間にいろいろときめこまかな援護措置を講じて再就職をあっせんしていく。しかし、求職手帳の有効期間を延長いたしましても、あるいはいろいろな援護措置を講じましても、なおかつ就職できないという人も当然残り得ると考えられます。したがいまして、そういう人たちにつきましては、先ほど御説明申し上げました特定地域開発就労事業を起こすことによって、その事業に暫定的に就労していただいて、引き続き就職あっせんをはかっていく、こういうたてまえにしております。したがいまして、そういう人たちを、現在の緊急失対法によります失業対策事業には就労させないで、新しい特定地域開発就労事業のほうに就職させる、こういう立て方に切りかえることにいたしたわけでございます。
#139
○古川(雅)委員 御答弁では、その肩がわりとして特定地域開発就労事業に就職させるということでございますが、これは先ほどもお伺いしたとおり、仕事の内容量から見て、現在の開就労では失業者の生活保障はきわめて弱いという不安がございます。もう一つは、特定地域の開就労では、特定の地域であって全体的なものではないという点、そのようなことからしても、現在の失対事業に就労さしたほうが雇用の安定行政というその施策の一環によりなるんじゃないか、こういうように考えるわけでございますが、その点いかがお考えでございますか。
#140
○遠藤政府委員 現在の失業対策事業につきましてはいろいろ御批判を受けておりまして、それに就労しております人たちの状況を見ましても、そういう人たちの労働能力を維持し、かつ就職あっせんというその制度の方向についてはいかがかというような実態になってまいっております。したがいまして、失対事業については、内容その他について抜本的な改善をすべきである、こういう大方の御意見もございますので、現在の緊急失対法によります失業対策事業を改善いたしまして、もっと再就職あるいはその就労確保に役立ち得るような内容に切りかえたものが、今回御提案いたしております中高年の雇用促進特別措置法というわけでございます。
 これは先ほど先生から、失業対策としての効果がきわめて薄い、あるいは懸念される点があるという御指摘がございましたが、私どもといたしましては、この事業実施につきましては、雇用審議会の答申にございますように、地域の開発という点にももちろん目的を志向いたしておりますが、もう一つの大きな柱として、こういった中高年齢失業者の雇用対策、失業対策という点に十分留意しながらこの運営をはかってまいりたい、かように考えている次第でございます。
#141
○古川(雅)委員 これはことしの三月十八日の朝日新聞でございますが、失対事業についての特集をいたしております。その中でいろいろ述べているわけでございますけれども、特に「失対の仕事はほとんどが道路や公園の清掃、ドブさらい、道路舗装など。賃金は一日最高千三百九十六円、最低七百二十円で平均が千円。労働時間は拘束八時間、実労七時間半。」というような実態を述べております。その失対事業に対していろいろ御批判があるからということで、いま御答弁の中で現在の緊急失対法に対する考え方の一端を述べられたわけでございますが、どうもその点については、ごく一部の、問題のある、批判を受ける点だけをとらえて、それを全体に当てはめて、緊急失対法に対する態度をおきめになっているんじゃないか。ごく一部のことを全体に当てはめて議論するということは非常に間違いじゃないかと思うのでございますが、その点いかがでございますか。たとえばこの新聞に「労働省が去年夏東京の十の作業現場を抜打ち検査したところ実働時間は最長三時間、最低十五分だったと報告されている。同省は「惰眠をつくる失対天国」とさえ皮肉っている。」ということが出ておりますが、ごく一部の、きわめて限られたところで、夏のある日にたまたまそういうことがあったとしても、これをもって全体の失対事業の性格、内容を論じていらっしゃるようなその姿勢はどうも納得がいかないのでございますが、いかがでございますか。
#142
○遠藤政府委員 ただいま御指摘の新聞記事に出ております東京都下の昨年の調査の結果でございますが、その件につきましては、事実そのとおりでございますが、私どもは東京の十カ所の作業現場につきまして調査いたしましたその結果が、全国の十九万の人たちが就労しております失対事業の実情だというふうに考えておる、こういうことでは毛頭ございません。実は今回の法案を提案いたしますにつきまして、先ほど局長御説明申し上げましたように、昨年の九月から失対問題についての調査研究会を発足いたさせまして、この調査研究会の専門の七人の委員の方々に、失対事業の現状につきまして全国的に調査をお願いいたしたわけでございます。北は北海道から南は九州、鹿児島まで研究調査をお願いいたしたその結果によりますと、必ずしも先生いま御指摘になりましたようなことばかりではございませんで、各地域、各市町村によってそれぞれ実情は異なっておりますけれども、十九万の就労しております人たちの現場の実態は、まあ申し上げますと千差万別でございまして、都市地域、農村地域あるいは過疎地帯、そういうところでそれぞれ異なった様相は呈しておりますけれども、全体が一がいにいわれるような悪いというような状況ではございません。失対状況が非常に成果をあげておる、地方住民にも喜ばれておるというようなそういった現場もございます。そういった市町村もございます。その反面、一番悪い例でございますけれども、ただいま御指摘がありましたような東京都下の一部の例もございます。ただ、そういうことではございますけれども、全体として見ますると、失対事業の現状はもう先生御承知だと思いますけれども、昭和二十四年にとの法律が制定されまして、二十余年間実施されてまいっておりますが、その間にこの緊急失対法の目的、各条項に示されておりますたてまえと失対事業の現状とが非常に大きくかけ離れてまいっておりまして、失対事業に就労しております人たちはだんだん高齢化してまいりますと同時に、この失対事業があたかも就職の場であるかのような実情を呈してまいっております。失対に就労しております人たちの事業に就労しております平均期間、勤続と申しますとおかしゅうございますが、何年継続して就労しておるかという実情を調べてみますと、もうすでに十三年になっているというような実情でございまして、この失対法によります緊急失対事業の人が、再就職するまでの間のつなぎのための就労の場ということからもうすでに変化してまいりまして、それ自体が一定の就職の場であるかのような実情になってきた。しかもその内容が、ただいま申し上げましたようにいろいろな差はございますけれども、全般的にいいますと必ずしもみんなに喜ばれるような内容のものばかりではございませんで、むしろこういった就労している人たちの労働意欲をだんだん喪失させ、能力も減退させるような実情になってきております。したがいまして、今回の法案に御提案いたしておりますような、中高年齢者の失業者をできるだけ正常な雇用の場に再就職させるというたてまえからまいりますと、こういった現在のような失対事業に定着させることは、むしろそういう中高年齢層のためにとって好ましいことではないということでありますから、新しい制度に切りかえることにいたしましてこの法案を提案したということでございます。
#143
○古川(雅)委員 一部にはそういう批判を受けるような事例も見られるけれども、また反面、地方によっては地元の住民から感謝をされているような例もたくさんある、そういういい面を認めながら、なおかつ批判されている部分だけを大きく取り上げて制度を移行していこうという点から、いまの御答弁の中からも、いわゆる附則の第二条の「当分の間」ということが緊急失対事業のそのまま打ち切りに通ずるという世論が起こってくると思うのでございます。この点については、先日来いろいろ議論がございましたけれども、「当分の間」というのはどの程度の期間かという点については答弁を避けていらっしゃいます。そしてまた「当分の間」ということが緊急失対法の打ち切りを意図するものではないという御答弁もございました。その点もう一回明らかにしていただきたいと思います。
#144
○遠藤政府委員 この点につきましては、確かに先生御指摘のように、十九万の就労者の中から、失対打ち切りではないかという不安を投げかけてまいりました。私自身も関係労働組合あるいは就労者の人たちと再三再四会ってまいりまして、けして失対事業打ち切りを意図するものではないということを申し上げてまいりました。この点につきましては、大臣、局長からも先般来御答弁申し上げておりますように、私どもは「当分の間」と申しますのは、雇用審議会の答申で、現在失対事業に就労しておる人たちが再就職なりあるいは自営なりによって自立する可能性を持った人も相当ございますが、こういった可能性を持たない残余の人たちにつきましては、現在の失対事業に就労することによって維持されている現在の生活内容が、社会保障の充実なりあるいは老齢者対策といったようなことで十分そういう程度の対策が充実されるまでは、引き続きこの失対事業を今後継続して実施していくという考え方を取り入れて「当分の間」という表現をいたしたわけでございます。巷間伝えられますように、失対事業を「当分の間」ということで三年とか五年で打ち切ってしまうということは全く意図してないことを申し上げます。
#145
○古川(雅)委員 雇用審議会の答申をまた出しますけれども、社会保障制度の確立されるまでの間引き続き就労できるようにすべきである。そのように指摘しているわけで、いまの御答弁のとおりだと一応その答申を尊重しているかに見えるわけでございます。この点について責任ある御答弁をいただきたい。
#146
○野原国務大臣 これはもう失対部長が答弁いたしましたからその必要はないと思いますが、あくまでも失対を打ち切るわけではないのでありまして、社会保障制度や老齢者対策等が講ぜられて、現在と同じように、いや現在以上にその生活がやっていけるというような条件が整うまでは、現在の失対事業というものはそのまま継続するという考え方のもとに、この法案はでき上がっておるということで御了承いただきたいと思います。
#147
○古川(雅)委員 先日失対部長は、島本委員の質問に対しまして、この「当分の間」ということが失対事業を打ち切るものではないという答弁をされまして、もし失対事業を打ち切るとすれば、特別措置法のこの法案の付則の第二条のこの「当分の間」というものを法改正をして削らなければならない。法改正をしなければならない。でなければ打ち切りはできないんだというふうにお答えになっておりました。とするならば、このように打ち切りを策するものではないかというような不安を与えている「当分の間」というものを削ってもいま別に問題はないと思うのでございますけれども、その点についての御見解いかがでありますか、そういう先日の御答弁のような趣旨であるならば。
#148
○遠藤政府委員 「当分の間」というのがどういう考え方でここにこういう字句を挿入したかということにつきましては、ただいま御説明したとおりでございますが、法律上、法的に申し上げますと、「当分の間」という字がなくてもいいんじゃないかという御指摘でございます。あるいはそういう御意見もございますかと思いますが、私どもは現在の緊急失対法によります失業対策事業が今後現在の就労者によって引き続き行なわれる。これは先ほど来御説明いたしたとおりでございます。したがいまして、この法律案が成立いたしましたあとと前とでは、失対事業の性格がそういう意味で法律的に変わってまいります。と申しますのは、御説明するまでもないと思いますが、この法案が成立いたしまして本年度の十月一日以降になりますと、現在の緊急失対法は現在の就労者に限って適用される法律である、いわば経過的な性格を持ってまいります。そういう意味で「当分の間」という字句をここで法律上の用語として用いたわけでございます。実体的には何ら従来と変わるところはないというように考えております。
#149
○古川(雅)委員 くどいようでございますが、審議会の答申を受けるならば、社会保障制度の確立されるまでの間ということがございますね、この社会保障制度が確立されたときの状態を、どういう状態になったときに「当分の間」というものに達するのか、その点の御見解を具体的に、こういう事態が起こったときに、こういう事例が起こったときに「当分の間」に達して、そして現在緊急失対法の適用を受けている方々についてもその効力を失うということになるのか、その点お伺いしたいと思います。
#150
○遠藤政府委員 たいへんむずかしい御質問かと思いますが、この審議会の答申にございますように、現在の就労者が失対事業に就労することによって維持されてきた程度の生活内容が、社会保障対策や高年齢者の仕事に関する対策によって充足されるようになるまでの間、こういう表現がなされております。私どもは、先ほど申し上げておりますように、この答申の趣旨を十分尊重してこの法案を作成いたしたつもりでございます。したがいまして、ここに指摘されておりますような、社会保障対策ないしは老齢者対策が充足されるまでは当分の間ということで引き続き実施いたします所存でございます。したがいまして、充足されたかどうかということの判定は、先ほど御指摘ございましたように、法律改正をいたして緊急失対法を廃止しなければ、その限りにおいては失対事業は続くことになります。したがいまして、もし私どもが充足されたという判断をいたしました場合には、緊急失対法の廃止について雇用審議会に諮問をいたしまして、法案を作成して国会に提案するという手続を踏むことになりますので、その時点におきまして雇用審議会なり国会で御判断いただいて、充足されたかどうかという御判断をいただくことになるのではなかろうか、こういうように考えます。
#151
○古川(雅)委員 先ほど附則の第二条の条文を私読み上げましたけれども、この中で昭和四十六年十月一日以前に、「施行の日前二月間に十日以上失業対策事業に使用されたもの」というふうにございますね、この「労働省令で定めるこれに準ずる失業者についてのみ、」現行法の適用を受けると思いますけれども、この「省令で定める」という省令というのはどういうことでございましょう。
#152
○遠藤政府委員 この条項を端的に申し上げますと、十月一日現在において従来引き続いて失対に就労しておった人たちは、引き続き当分の間この事業に継続して就労できる、こういうことを意味しておるわけでございます。で、前二カ月に十日以上ということばでございますが、実は現在の緊急失対法のたてまえによりまして、現在の失対事業に二カ月間に十日以上、一カ月に六日以上働いていませんと、失対事業に就労する資格がなくなることになっております。したがいまして、現在の制度をそのまま法文化しただけのことでございまして、言いかえれば、先ほど申し上げましたように、現在就労している人たちは引き続きそのまま就労できる、こういうことをはっきりそのまま明確にしただけでございます。
 それで後段の、労働省令で定めるものと申しますのは、たとえば例をあげますと、病気をして就労できない状態の人、あるいは市町村会議員なんかで収入が多いために保留の措置をとられて、失対事業に現に就労はしていないけれども、言ってみますれば潜在的に就労の資格を持っている、こういう人たちに保留という制度を設けておりまして、そういうことで現在は働いていないという人たちがおります。そういう人たちが病気がなおればまたもとに戻って失対に就労する、あるいは収入が一定の基準以下に下回るような事態になればもとに戻る、こういう制度になっております。そういう人たちにつきましても、引き続き十月一日以降の法案成立後の失対に就労する資格をそのまま保留した形で維持しておる、こういう考え方でございます。
#153
○古川(雅)委員 確認をさしていただきますが、失対就労者が長期療養の場合この点はだいじょうぶなのかという点、それから、特に病気等の理由で十日以上ということでございますが、これが九日になった場合ですね、一日足りないというような場合はどうなるのか、その点確認さしていただきたいと思います。
#154
○遠藤政府委員 現在の失業対策事業の就労のしかたと全く変わった措置をとる考え方は持っておりません。現在どおりでございます。
#155
○古川(雅)委員 時間がございませんので、残念ながら先に行かしていただきますけれども、いま問題になっているのがいわゆる臨時の賃金の件でございます。夏季または年末に臨時に支給をされている賃金については支払わないと提案理由の説明の中で述べていらっしゃいます。この臨時の賃金につきましては、就労者の生活の安定に非常に資するところがありますし、また社会的な慣行、生活慣習から見ても、これは当然支払うべきであると思います。いろいろな形を変えて今後考えていきたいということでございますが、現に提案理由の説明の中ではっきりと、臨時の賃金については支払わないものとすると明記しております。この点明確に今後の進め方を御説明いただきたいと思います。
#156
○遠藤政府委員 この臨時の賃金につきましては、先ほど申し上げました現在の失対事業に対しますいろいろな各方面からの御批判のございますことももう先生御承知だと思いますが、その批判の中の一つがこの臨時の賃金の問題でございます。確かに、一般的には雇用労働者につきましては盆暮れ、夏、年末に臨時の賃金、ボーナスという形で手当が支給されておることは十分承知いたしておりますが、日雇い労働者につきましてはこういった盆暮れの手当、ボーナスという制度はほとんど行なわれておらないのが実情でございます。そもそもこの臨時の賃金は昭和二十七年に国会でいろいろと御意見がございまして、年末のもち代というような形で出発いたしましたのがこの臨時の賃金の起こりでございますが、その後だんだん額がふえてまいりまして、相当な額に現在達しております。この額もさることながら、現在の臨時の賃金の制度につきましては、一日働いた人も、月に二十日働いた人も、同じように全く同額の手当が支給されるという実情もございまして、失対就労者に対するいろいろな批判の一番大きな問題の一つになってまいっております。したがいまして、こういった臨時の賃金という制度そのものについての問題と、ないしはその支給方法、内容についての問題といろいろございますので、これを臨時の賃金という制度としてはこの際支給しない、廃止する。制度は廃止いたしますということにいたしておりますが、これも先般来申し上げてまいりましたように、この臨時の賃金相当額の原資は実は本年度の予算に計上いたしております。したがいまして、その原資をどういうふうにこういった人たちの生活に激変を与えないような形で、いわゆる雇用審議会の答申に盛られておりますように、どういう形でどういう内容のものを支給するかということにつきましては、現在いろいろと検討いたしております。最終的には、この法案が成立いたしました暁におきまして、失対事業賃金審議会の御意見を十分拝聴いたしますと同時に、就労者団体なり事業主体である都道府県、市町村の意見等も十分拝聴いたしまして、各方面から批判を受けないような形で、しかも就労者の生活に激変を与えないような内容のものにいたして支給いたしたい、かように考えている次第でございます。
#157
○古川(雅)委員 雇用審議会の答申からすると、いわゆる既得権を侵害するおそれを生じないかという点が一つ不安として残るわけでございますけれども、いま、現在の臨時の賃金の制度そのものについて一つの例をあけて、二十日働いた人も六日働いた人も同じ臨時の賃金を受けるのはおかしいというような御説明がございましたけれども、たとえばいまあげられた二十日なら二十日という、二十日間まるのまま働いた方については、少なくとも現在支給されている臨時の賃金の同額あるいはそれ以上の賃金を今後とも必ず支払うようにするというような方向は確認してもよろしゅうございますか。
#158
○遠藤政府委員 その内容なり支給方法をどういうふうにいたしますかにつきましては、ただいま申し上げましたように関係者の意見を十分聞いた上で賃金審議会で最終的に御意見を伺いたい、かように考えておりますが、私個人的に意見をここで申し上げるのはいかがかと思いますが、いまの先生の御意見のような形でできるだけ努力いたしてみたい、かように考えております。
#159
○古川(雅)委員 この点は非常に重大だと思いますので、労働大臣いかがでございますか。
#160
○野原国務大臣 臨時の賃金につきましては、まずことしの夏の分は従来と同じように支給するつもりでございます。ただ年末の分はどうして公平にやれるか、それはあらゆる方面の御意見を十分に聞きまして公正妥当な御意見でまとめたい。とにかくまじめに熱心に多く出た人にはできるだけ多く、一日くらいきり出ない人には少なく、これは当然でございましょう。そういうことを考えまして、公正妥当な支給方法はこれから十分に御意見を承った上できめてまいりたいということであります。
#161
○古川(雅)委員 局長に伺います。
  〔増岡委員長代理退席、委員長着席〕
 この臨時の賃金について、いわゆる既得権の侵害にならないような今後の支給の方法、その点については当局としても十分御検討いただけると思いますけれども、現在局長自身として特に具体的に、こういう方法でいけば妥当な方法として批判のない支給が考えられるという点をお持ちであるかどうか、その点をお伺いしておきたいと思います。
#162
○住政府委員 ただいま大臣が御説明されたとおりでございまして、それ以上の具体案は現在のところ持っておりません。
#163
○古川(雅)委員 大臣の御答弁に間違いないわけでございますね。
 次に生活保護世帯の控除は、年間収入がいま十七万円ということになっておりますけれども、これを引き上げるお考えはないかどうか。この所得制限について一点伺っておきたいと思います。
#164
○遠藤政府委員 生活保護の勤労控除でございますか。これは厚生省の所管でございますので、おそれ入りますが……。
#165
○古川(雅)委員 失対部長のあなたの考え方は……。考えておりませんか。
#166
○倉成委員長 古川委員に申し上げますが、厚生省の答弁者が来ておりませんので……。
#167
○古川(雅)委員 それでは臨時の賃金についてもう一つだけ伺っておきますが、いわゆる地方公共団体の単独措置による手当てについてです。これは今回の提案理由の説明に述べられているのと同じ趣旨でございますか。地方に対してどのように指導していかれるのか、お伺いしておきたいと思います。
#168
○遠藤政府委員 臨時の賃金につきましては、国が現在の失対事業の就労者について措置いたしておるわけでございますが、これに付随いたしまして、先生御指摘の都道府県、市町村の単独措置によってこれに付加して手当類似のものが支給されております。この点につきましても先ほど来申し上げておりますように、国の分と地方単独措置を合わせたものがいわゆる盆暮れの手当として支給されておりますが、地方単独措置がややもすれば各府県市町村によって非常に大きな格差が生じてまいっております。同時にこの額が年々累増してまいっております。それで、国の臨時の手当につきましては一応現在までは制度化されておりますが、地方単独措置につきましてはいろいろな名目で支給されておりまして、一部におきましては低所得階層に対する年末対策とか、あるいは貧困世帯に対する措置というような形で支給されておるのが実情でございます。ところが実態から申しますと、同じ市町村住民でありながら、生活保護世帯に対してはきわめて低額の措置しか行なわれていない。それよりも比較的生活程度の高い人たち、つまり失対就労者につきましては、生活保護を受けてないけれども失対である程度の収入がある、こういう人たちに対して、それよりはるかに高額のものがそういったいわゆる低所得階層に対する措置という形で支給されております。こういうことでいろいろな批判が行なわれておるというのが実情でございます。したがいまして雇用審議会の答申におきましても、この地方単独措置についても国の措置と同様に何らかの規制を加えて、適正妥当な方法で解決できるようにすべきであるという御意見が出されております。したがいまして私どもといたしましては、臨時の賃金という制度をなくしまして、先ほど大臣の御答弁にありましたように、最も公正妥当な形でこの内容なり支給方法を改善いたしますと同時に、地方の単独措置といわれます分につきましてもできるだけ同じような形で、同様な方針で是正するようにこれに対して指導してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#169
○古川(雅)委員 就職支度金のほうでございますが、これは今回、支度金十五万円、その支給の期間を七月−九月、十二月−二月というふうに定めておるわけでございます。これはどういうわけでありますか。就労者が適正な職につくために期限を定めるというのは、これはおかしいと思うのでありますが、あえてこういう期限をきめたのはどういう理由によるものか。
#170
○遠藤政府委員 就職支度金の支給につきましては、現在の失対就労者の中からも、できるだけ再就職をしたい、あるいは自営、自立をしたいという人たちがございます。これはたてまえ上当然でございますが、そう人たちにつきましては、そういった就職なり自立をできるだけ容易にするために就職支度金という制度を設けております。従来この就職支度金は五万円という額でございましたが、今回の法案によりまして新しい制度が発足するに際しまして、就職支度金の額を十五万円に増額いたしまして、現在の失対就労者の中で今後自立あるいは再就職をできるだけ促進するという意味におきましてこの増額の措置をはかったわけでございます。
 先ほど来お話ございますように、十九万人の人たちの実態を見てまいりますと、かなり高齢化しております。平均年齢もかなり高くなっております。失対に就労しておる期間も平均十三年というふうにきわめて長くなっておりまして、この際何らかのふん切りをつけて、こういう人たちができるだけ正常な雇用の場につけるようにというのが、就職支度金制度をこの際増額しようという措置をとりました私どもの目的でございますから、それを常時こういう形の就職支度金制度を存続させるということは、こういった人たちを再就職に踏み切らせるために必ずしも好ましい措置とは考えませんので、一定の期間を限って就職支度金の増額をはかってまいりたい、かように考えているわけでございます。
#171
○古川(雅)委員 適正な職につくために期限をきめるということそれ自体がおかしいというふうに申し上げたわけでございますが、その点どうもはっきりした御答弁になってないような気がいたします。この支給の期間以外のときの受給額は全くないのか、ゼロになってしまうのか、その点いかがでございますか。
#172
○遠藤政府委員 そのあとは従来の額の五万円ということで実施をいたします。
#173
○古川(雅)委員 どうもそういう点に、現在の緊急失対法による就労者をせき立てるようにしてこの失対法からいち早く切り離そうという意図がありありとあらわれているような気がするのでございます。そういう意味でこの期間を設けたのではございませんか。
#174
○遠藤政府委員 実は先生のお説と全く反対でございます。いまの就労者十九万の中で五十歳以下の人が約二〇%おります。それから年齢は別といたしまして、主として五十歳以下だと思いますが、失対事業で月間二十二日という就労を確保するたてまえになっておりますけれども、そのうちの相当部分あるいは大半を局間の職場なりあるいは公共事業で働いている人たちが全体の中で二四%近くおります。こういう人たちにつきましてはこの際何か一つのふん切りをつけさしてあげれば、あるいは民間のほうの企業の受け入れ体制を整えてあげれば、あるいは就労者の側に、その人その人に就労するためのいろいろな個人的事情と申しますか、いわゆる障害を持っておられる方もあると思いますが、そういうものを取り除いて差し上げられれば、この際思い切って再就職なり自営なり、自立に踏み切れる人たちがかなりまだ残っておられる。そういう人たちにつきましては、今回の法案成立を契機にいたしまして、できるだけそういった援護措置をとって再就職に踏み切っていただくという措置をとってまいりたい。就職の可能性を持った人たちにはそういう措置をとりまして、あと残った人たちはおそらく、こういうことを申し上げるのはいろいろ差しさわりがあると思いますか、もうほとんど正常な職につく可能性のきわめて薄い人たちがあとに残る一そういう人たちにつきましては、先ほど問題になっておりましたように当分の間ということでございますが、そういった社会保障なり老齢化対策が充実するまで引き続きいまのままの状態で失対事業に就労していただいてけっこうでございます、こういう趣旨でいわゆるスプリングボードとして一定の期間を区切って、そういった就職の可能性を持った人たちを対象にした施策をとっていきたい、こういうことでございます。
#175
○古川(雅)委員 そこまでの労働省としてのあたたかい思いやりがあるならば、この就職の支度金についてもいわゆる生活保護世帯の収入認定とすべきでないと――きょうは厚生省は呼んでおりませんけれども、当然そうした申し入れなり措置を厚生省との間で話し合ってきたと思いますが、その結果いかがでございますか。そこまでお考えになっているかどうか。
 さらに国が支給する十五万円という額が現在の諸物価の高騰から考えて、十五万というのじゃなくて、二十万なり二十五万、さらに現状にふさわしい、現在の経済情勢にふさわしい額とすべきではなかったかというふうに思うのでございますが、この二点についていかがですか。
#176
○遠藤政府委員 この就職支度金はその名前のとおり、就職のための支度に必要な経費でございます。支給されます就職支度金は、これは制度といたしましては貸し付け金になっております。就職するためにいろいろな経費が必要である。それに充てるための貸し付け金でございまして、これを生活費に充てなければ生活保護の収入認定の対象にならないということになっておりますが、もしこれが生活費に充てられるということになりますと、当然収入認定の一定の額をこえれば考慮の対象になるわけでございます。そういうことでございますので、私どもとしてはこの点につきましては従来ともいまの制度で支障なく運用ができている、かように考えております。
 額につきましては、先ほど申し上げましたように、就職支度金制度といたしましては従来一人当たり五万円ということで貸し付けをやってまいっております。これを今回のこの法案の成立を機にいたしまして、三倍の十五万円に引き上げたということは私どもといたしましてはもう精一ぱいの努力をいたしたつもりでございます。したがいまして、もう予算も成立いたしました現時点におきまして、これ以上の引き上げということにつきましてはなかなかむずかしいのではなかろうか、こういうふうに考えています。
#177
○古川(雅)委員 先ほどの生活保護世帯の収入認定の件でございますが、厚生省とはそのようなお話し合いになっているということでございますけれども、地方自治体のほうの福祉事務所とそれから県の失対事業部あるいは課でございますか、その間との話し合いはきちんとついているのかどうか、運用上支障はないかどうか、その点確認させていただきたいと思います。
#178
○遠藤政府委員 この生活保護との関係につきましては、私どもの考え方を通達いたしまして、地方それぞれの第一線機関におきましてもそごのないように十分示達いたしたつもりでございます。
#179
○古川(雅)委員 失対部長のほうは十五万円は国としてはもうぎりぎり一ぱいで最大限であるというようにおっしゃっております。現在の経済情勢から考えましてこれは決して十分な額ではないと思うのでありますが、これが二十万円であれ、二十五万円であれ、三十万円であれ、こうした就労者の方々が就職する支度金としては幾らあっても足りないわけでございまして、決してこれは望ましい額とは思われませんか、部長の御答弁では予算が通ってしまったからというようなことをおっしゃって開き直っていらっしゃいますけれども、大臣としては今後この点についてはいかがお考えでございますか。これで十分であるとお考えであるか、これはきわめて足りないけれども今後特別の措置をはかって増額をしていくというようなお考えはお持ちかどうか、この点確認をさせていただきたいと思います。
#180
○野原国務大臣 五万円だったのを十五万円に引き上げるのに非常に努力をいたしました。ようやくここまでいったのでありますが、いまこれを増額することはきわめて困難、不可能であろうと思います。
#181
○古川(雅)委員 いままでの基礎の五万円というものは非常に低過ぎたわけですね。三倍、三倍とおっしゃいますけれども、十五万そのもの自体が低過ぎると思うのでございますが、相対論じゃなくて絶対論の立場からもっと増額をして二十万円にでも三十万円にでもすべきである、そのために今後このように努力していくというようなお考えをお持ちではございませんか。
#182
○住政府委員 ただいま大臣が申し上げましたとおりでございまして、他の類似制度との関連その他から考えまして、この十五万円をさらに増額するということは非常に困難であろうかと考えております。
#183
○古川(雅)委員 この附則の第二条についていろいろお伺いしてきたわけでございますが、「当分の間」ということばがあり、さらにまた臨時の賃金について先行きにかなりの不安を残しております。そうしてまた就職支度金について政府のほうは十分であるとおっしゃり、私たち国民、また就労者の方々の立場から見れば非常に少額でございます。この点政府が期待していらっしゃる早期にこの緊急失対法による適用者を急激に少なくしていくという効果は、その点では十分にあげられないと思うのでございますが、安心して転職ができるように、再就職の準備ができるように十分な措置を考えるならば、この支度金についてはさらに相当の増額をすべきであるというように考えるわけでございます。その点非常に不十分であり、今回のこの法案の提案に対するかまえといいますか、腰そのものが非常にお弱いのではないか、たいへん皮肉になって申しわけございませんけれども、そのような感じがいたします。
 最後に、失対事業の運営についてでございますが、雇用審議会の答申のほうでは、「失業対策事業の運営については、就労者の実情に応じて改善を加え、作業の仕方についても社会の批判をうけないようにすること。」というふうに述べております。こういう点に特に意を用いなければならないわけでありますが、その点先ほども一度伺いましたけれども、具体的にどのような運営を今後はかっていくお考えであるか、その点をお聞きしたいと思います。
#184
○遠藤政府委員 現在の十九万の就労者の年齢構成を見ますと、先生御承知のとおり、かなり高齢化しております。加えて今回の法案によりまして再就職、自立の可能な人たち、そういう可能性を持った人たち、その人たちがいま期待しておりますように希望どおりに再就職なり自立をしようということになりますと、あとに残って引き続き失対事業に就労される人たちは、若い層が自立した残りの高齢者あるいは比較的体力、能力の弱い人たちというふうになってまいろうかと思います。したがいまして、従来もそういった年齢構成なり就労者の体力に応じた事業を実施するというたてまえをとってまいっておりますが、今年度につきましても、できるだけこういった高齢者につきましては、いわゆる三種事業と申しておりますが、比較的軽易な屋内作業、そういったものをこういった人たちを対象とした事業として実施するように努力してまいっております。今後ともさらにそういった就労者の実態に応じた、できるだけ住民に喜ばれるような事業種目を拡大してまいりまして、こういった就労者の就労に即した体制をとってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#185
○古川(雅)委員 経済の高度成長といい、それから労働力の不足が叫ばれるこういう時代の中で、中高年齢者の仕事と生活の不安が非常に増大をし、非常に深刻な社会問題になっているわけでございます。先般来ずっと述べてきたところでありますけれども、総理府の統計局が、これは一番新しい四月九日に発表したものでございますが、二月の労働力調査報告によって完全失業者が七十二万人に達しております。前月より六万人多いわけであります。そういった点を考えますと、完全失業者が七十万をこえたのは四十四年の三月以来のことでございますけれども、これは総理府としては不況の影響のあらわれだというふうに見ております。繰り返しその点も議論をされてきたところでありますけれども、このように見てまいりますと、今後ますます不況が深刻化をしていくということは十分予測されることであり、非常に憂慮されていることでありますけれども、それに伴って失業者が増大していくというような傾向の中で、今回こうして提案をされている中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法案が、はたしてどれだけ中高年齢者の就職を促進するに効果のあるものであるか、成果をあげることができるものであるかどうか非常に不安がありますし、その点かなりおぼつかないものがあるのではないかと思います。ことに現在緊急失対法によって就労しているいわゆる失対就労者の皆さんが、これまで細々とかろうじて生活を確保してきたその所得、収入も、今後はたして保障されるのかどうか、非常な不安を持っていま見詰めているわけであります。そうした失対就労者の方々の不安をよそに、ただ単に中高年齢者の雇用の促進に関して通り一ぺんの施策を講じてその不安をかわそうとしている点については、まだまだ納得がいかないわけでございまして、今後また時間を改めてその辺のところについて詳しくお伺いをしてまいりたいと思います。きょうは、お約束の時間でございますので、これで質問を終わらしていただきます。
#186
○倉成委員長 次回は、明二十八日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト