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1970/01/27 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 文教委員会 第1号
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1970/01/27 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 文教委員会 第1号

#1
第065回国会 文教委員会 第1号
本国会召集日(昭和四十五年十二月二十六日)(
土曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
の通りである。
   委員長 八木 徹雄君
   理事 久野 忠治君 理事 久保田円次君
   理事 河野 洋平君 理事 櫻内 義雄君
   理事 谷川 和穗君 理事 小林 信一君
   理事 正木 良明君 理事 鈴木  一君
      有田 喜一君    稻葉  修君
      小沢 一郎君    塩崎  潤君
      高見 三郎君    床次 徳二君
      野中 英二君    堀田 政孝君
      松永  光君    森  喜朗君
      吉田  実君    渡部 恒三君
      川村 継義君    木島喜兵衞君
      辻原 弘市君    原   茂君
      山中 吾郎君    有島 重武君
      多田 時子君    山原健二郎君
      安里積千代君
―――――――――――――――――――――
昭和四十六年一月二十七日(水曜日)
    午後零時四十五分開議
 出席委員
   委員長 八木 徹雄君
   理事 久保田円次君 理事 河野 洋平君
   理事 櫻内 義雄君 理事 谷川 和穗君
   理事 小林 信一君 理事 山中 吾郎君
   理事 正木 良明君 理事 鈴木  一君
      稻葉  修君    小沢 一郎君
      野中 英二君    堀田 政孝君
      松永  光君    渡部 恒三君
      木島喜兵衞君    有島 重武君
      山原健二郎君    安里積千代君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 坂田 道太君
 出席政府委員
        文部政務次官  西岡 武夫君
        文部大臣官房長 安嶋  彌君
        文部大臣官房会
        計課長     須田 八郎君
        文部省管理局長 岩間英太郎君
 委員外の出席者
        文教委員会調査
        室長      田中  彰君
    ―――――――――――――
委員の異動
昭和四十五年十二月二十六日
 辞任         補欠選任
  辻原 弘市君     楯 兼次郎君
  原   茂君     三木 喜夫君
昭和四十六年一月二十七日
 辞任         補欠選任
  小沢 一郎君     江崎 真澄君
同日
 理事小林信一君同日理事辞任につき、その補欠
 として山中吾郎君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 文教行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○八木委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事辞任の件についておはかりいたします。
 理事小林信一君より理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○八木委員長 御異議なしと認めます。よって、辞任を許可することに決しました。
 次に、理事補欠選任の件についておはかりいたします。
 小林信一君が理事を辞任されました結果、理事が一名欠員になりましたので、これよりその補欠選任を行ないたいと存じますが、先例により委員長において指名するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○八木委員長 御異議なしと認めます。それでは、山中吾郎君を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
#5
○八木委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。
 文教行政の基本施策に関する事項
 学校教育に関する事項
 社会教育に関する事項
 体育に関する事項
 学術研究及び宗教に関する事項
 国際文化交流に関する事項
 文化財保護に関する事項以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中、国政に関する調査を行ないたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○八木委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
     ――――◇―――――
#7
○八木委員長 文教行政の基本施策に関する件について調査を行ないます。
 文教行政の基本施策に関し文部大臣より発言を求められておりますので、これを許します。坂田文部大臣。
#8
○坂田国務大臣 第六十五回国会において、文教各般の問題を御審議いただくにあたり、所信の一端を申し述べます。
 今日、わが国は、幾多の苦難と試練を乗り越えて、著しい成長と発展を遂げ、国際的にもきわめて重要な地位を占めるに至っております。
 このことは、明治以来多年にわたり、国民の伝統的な教育に対する強い熱意にささえられつつ、教育の普及と充実のために努力を重ねてきた成果に負うところがすこぶる大きいと存じます。
 しかしながら、いまや社会は急速な発展と変貌を遂げつつあります。七〇年代を迎え、豊かな社会への展望が開けた一方では、経済的繁栄に伴う自然的文化的環境の破壊を抑止する必要が痛感され、現代文明の本質的なあり方への反省も生まれております。このような新しい時代への一大転換期とも申すべきときにあたり、わが国が世界の進運に伍し、未来を切り開きつつ、一そうの飛躍発展を遂げるためには、今日までの成果に安住することなく、教育の普及充実と刷新に一段と努力を傾注しなければなりません。そして、新しい時代の教育が目標とするところは、来たるべき社会に真の生きがいを見出し、豊かな人間性と創造的英知を備え、かつ広い国際的視野を持った人間の育成をはかることでなければなりません。また、わが国の伝統を踏まえつつ、世界から評価され、人類の歴史に輝きを添えるような高い学術・文化の基盤を築くことを目ざさなければならないと考えます。文教行政を預かる私といたしましては、このような時代の要請と国民の期待にこたえるため、最善の努力を尽くしてまいる所存であります。
 以下、当面する文教行政の諸問題について申し述べます。
 まず第一に、学校教育制度の根本的改革の検討についてであります。
 学校教育制度全般にわたる根本的改革の方途については、昭和四十二年七月以来中央教育審議会において広範な調査に基づく審議が進められており、昨年初等中等教育と高等教育とについてそれぞれ基本構想の中間報告がなされましたが、本年五月ごろには最終的結論が得られる予定であります。答申の基本的な方向として予想されるところは、国民の知的道徳的能力を涵養するとともに、健康な身体と健全な精神を備え、豊かな人間性と個性的にして広い視野を持った日本人を育成する教育制度の確立、またいわゆる生涯教育の立場から、広く国民一般に、高等教育を含む学校教育の機会を拡大するとともに、家庭教育、社会教育のあり方を改善することなどであります。このような答申の内容を実現するためには、慎重な準備研究と強力な行政上、財政上の措置が必要でありますが、文部省といたしましては、総合的長期的な教育改革の計画を策定し、国民各層の理解と協力を得つつ、答申の実現を積極的に推進していく考えであります。
 次に、初等中等教育の改善充実について申し述べます。
 教育内容の改善につきましては、新年度から新しい小学校学習指導要領を実施することといたしておりますが、さきの国会において制定、改正された公害関係法律の趣旨を考慮して、公害に関する教育をより一そう充実させるために、小学校学習指導要領及び中学校学習指導要領を一部修正いたしました。
 また、施設設備の整備については、従来より努力を重ねてまいりましたが、特に人口急増市町村における義務教育施設の整備については、事業量の大幅な拡充をはかるとともに、来年度より校地の取得を必要とする義務教育施設の整備事業に対し新たに国庫補助を行なうことといたしました。また、過疎地域等における学校統合、老朽校舎の改築並びに幼稚園及び特殊教育学校の整備、公害対策事業等についても事業量の拡大をはかるなど、格段の努力を傾注しております。
 教職員に適材を得るかいなか、その熱意と努力を期待できるかいなかは、教育の成果をあげる上に最も重要であり、そのためには、教職員の処遇の改善と資質の向上をはかる必要があります。こうした考えから、近く人事院勧告を得て、懸案であった超過勤務問題の解決を含め、教職員の給与をその専門的職務にふさわしいものへ近づけるための改善措置を講ずる所存であります。また、資質向上のため、教職員の海外派遣を拡大し、さらに筑波研究学園都市に長期宿泊研修施設を建設する準備に着手するなどの施策を進める考えであります。
 心身に障害を持つ子供たちのすべてが、適切な教育を受ける機会に恵まれ、その障害を克服して有為な日本国民として成長していくようにするため、特殊教育学校と同様に特殊学級への就学奨励措置を講ずるなど特殊教育の普及と充実に力を注ぐ考えでありますが、特に来年度は、特殊教育に関し主として実際的な研究を総合的に行ない、教職員の研修等をも行なう国立特殊教育総合研究所を横須賀市に建設し、十月から開所いたしたい所存であります。
 児童生徒の心身の健全な発達にとって重要な役割りを果たす学校給食については、今後一そうの普及につとめるとともに、食事内容の向上、施設設備の整備、物資の流通の合理化等についても、さらにその改善充実をはかる所存であります。また、不幸にして最近は学校の周辺に公害が発生しておりますが、大気汚染地域の児童生徒の健康の保持増進をはかるために、昭和四十六年度から新たに特別健康診断を実施し、適切な健康管理の徹底を期するとともに、恵まれた自然環境の中で、学校教育活動としての移動教室を開設し、積極的に児童生徒の健康の増進をはかり、また、少年自然の家を増設してこれらの活動の場を広げるよう計画いたしております。
 次に、大学制度の改革について申し述べます。
 前に述べましたように、中央教育審議会の最終答申が今年五月に予定されておりますので、この答申に基づき長期的な観点から大学制度の抜本的な改革に取り組むため、さらに学識経験者等の意見をも聞きながら、答申の具体化のための検討を行なうことといたしております。このような制度の抜本的な改革と並行いたしまして、現行制度のワク内で講じ得る改善措置については、積極的にその実現をはかってまいる所存であります。昨年八月末に大学設置基準の一部を改正し、大学における一般教育を大学の自主性のもとに弾力的に実施し得る方途を講じましたが、今後は、大学院及び学位制度のあり方、医学教育のあり方等について具体的な検討を進めたいと考えております。
 また、大学入学者の選抜方法につきましても、大学及び高等学校教育に対する影響の重大性にかんがみ、従来から漸進的な改善につとめてきたところでありますが、その一そうの改善をはかるための方策について、昨年十二月、大学入学者選抜方法の改善に関する会議から中間発表が行なわれ、同会議は、さらに各方面の意見をも参考にしつつ、本年九月を目標に成案を得ることとしておりますので、その実現については最大の努力を払いたいと存じます。
 一方、既存の大学の改革と並んで従来の制度にとらわれない新しい構想に基づく大学の創設を検討することは、大学改革を推進する上からきわめて有意義と考えます。この観点に立って、東京教育大学の移転を契機として筑波研究学園都市に新設される新大学の創設準備を引き続き推進するとともに、大学教育の拡大及び生涯教育の要請に対処するため、放送を主たる教育手段として大学教育を行なう放送大学についても、昭和四十八年度以降の発足を目途として、本年度から一部テレビ、ラジオによる実験放送を開始する等、その実施のための調査を進めることといたしております。
 なお、大学制度等の改革につきましては、多くの大学においても自主的に各種の改革案の検討が進められておりますが、大学制度の改革にあたっては、大学関係者の改革への努力が何よりも重要でありますので、その努力をも助長しつつ、また、相互の協力関係を通じて、改革を推し進めてまいる所存であります。
 次に、近年における学術研究の急速な進展と研究活動の増大に対処し、わが国の学術水準を高めて世界の学界に貢献するため、長期的展望に立って、学術研究の体制と条件の確立整備をはかり、効率的な振興方策を強力に推進していく必要があると考えます。このような学術の振興に関する基本的施策がいかにあるべきかについて、現在学術審議会において鋭意審議が進められておりますので、その結論に基づいて、逐次、具体的施策の実現に格別の努力を傾注してまいりたいと存じます。新年度は科学研究費の拡充、南極地域観測及び科学衛星打ち上げの継続などのほか、新たに国立大学の共同利用の研究所として高エネルギー物理学研究所を筑波研究学園都市に建設する予定であります。
 次に、私立学校の振興について申し述べます。
 学校教育において私立学校の果たしている役割りの重要性にかんがみ、昭和四十五年度初めて実現いたしました大学等に対する人件費を含めた経常費の補助をさらに拡充して、その教育研究の一そうの充実向上をはかることといたしております。
 次に、社会教育及び体育、スポーツの振興について申し述べます。
 まず、社会教育につきましては、国民の一人一人が急速な社会の変化に対処していくために、生涯教育の観点から、学校教育、家庭教育、社会教育のそれぞれの役割りを明らかにし、国民が生涯にわたり必要な社会教育を受けることができる環境の醸成につとめる必要があります。特に、昭和四十六年度においては、さきに中間発表された社会教育審議会の答申案の趣旨を尊重して、社会教育主事を中核とする社会教育指導者の養成研修を充実するために国立社会教育研修所の改築整備を行なうとともに、地域社会における社会教育の中心施設として公民館について画期的な整備充実をはかる考えであります。
 また、体育、スポーツについては、広く日常の市民生活における普及振興をはかるため、指導者の養成、施設の整備、地域におけるスポーツ組織の育成などの諸施策の推進に一そう努力してまいりたいと考えております。なお、明年二月開催される札幌オリンピック冬季大会については、競技施設の整備等その準備を着々と進めており、オリンピック東京大会に劣らぬ成功を期したいと考えております。
 次に、文化の振興についてであります。
 経済的繁栄の時代において、国民生活に精神的な潤いと豊かさをもたらすために、文化の振興をはかることはきわめて肝要であります。そのためには、わが国が世界に誇る幾多の貴重な文化的遺産を適切に保存し、その活用をはかるとともに、伝統を承継しつつ新時代に即した芸術文化の創造をはかり、さらに国民各層の芸術文化への参加と享有の機会を拡充する必要があります。
 このため、昭和四十六年度においては、特に、地方における文化の振興に重点を置き、文化会館等の助成の拡大、移動芸術祭の実施等芸術文化活動の促進をはかるとともに、文化財保護関係では、飛鳥、藤原宮跡の保存整備、史跡等の土地の買い上げ、環境整備等について積極的に努力してまいる考えであります。
 次に、教育、学術、文化の国際的交流についてでありますが、近年、わが国の目ざましい経済的発展と国際社会における著しい地位の向上につれて、ユネスコ等の国際機関を通じ、あるいは個々の諸外国との交渉により、教育、学術、文化の分野における国際協力を一段と推進することがきわめて重要となってまいりました。このため、特に国連大学については誘致をも考慮して、その創設に積極的に協力いたす考えであります。また、アジアの文化振興のための文化センターの設立育成、アジア並びに欧米諸国との人物交流などの事業を強力に推進してまいる所存であります。また、わが国民の国際的な活躍が拡大するに伴い、海外に勤務する邦人子女の教育の振興の必要が痛感されておりますので、この面での施策を充実強化いたしたいと存じます。
 最後に、沖繩の教育について一言申し述べたいと存じます。
 長い間の念願であった沖繩の本土復帰を明年度に控え、復帰準備に遺憾なきを期するため、沖繩に対する教育援助を充実し、本土との格差の解消につとめ、沖繩の復帰が円滑に行なわれるようつとめてまいりたいと考えております。
 以上、文教行政の当面する主要な問題について所信の一端を申し述べましたが、その他の諸問題につきましても、文教委員各位の御協力と御支援を得て、その解決に努力する所存であります。何とぞよろしくお願いいたします。
    ―――――――――――――
#9
○八木委員長 次に、昭和四十六年度文部省予算の概要につきまして、説明を聴取いたします。西岡文部政務次官。
#10
○西岡政府委員 昭和四十六年度文部省所管の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、文部省所管の一般会計予算額は九千八百四十八億四千三百六十三万七千円、国立学校特別会計の予算額は三千四百十億六千九百十二万二千円でありまして、その純計は一兆四百十億三千四百五十六万七千円となっております。
 この純計額を昭和四十五年度予算額と比較いたしますと、およそ一千四百三十八億円の増額となり、その増加率は一六%となっております。
 以下、昭和四十六年度予算案において取り上げました主要な事項について御説明申し上げます。
 第一は、教育制度改革に関する基本施策の推進に関する経費であります。
 わが国の教育制度全般にわたる改革については、中央教育審議会において広く国民各層の意見を聴取しつつ審議が重ねられ、すでに昨秋までに、高等教育及び初等中等教育の改革についてそれぞれ基本構想が取りまとめられておりますが、引き続きこれらの基本構想の実現を推進するために必要な施策について検討が進められているところであり、本年五月ごろには最終答申が行なわれる予定になっております。
 そこで、この答申の趣旨を実現するために必要な行政上の諸準備や各方面との連絡協議を行なうとともに、これと並行して、筑波新大学及び放送大学等の新構想による高等教育機関の設立のための調査等の準備を進めることとし、これらに必要な諸経費を計上いたしました。
 第二は、初等中等教育の充実に関する経費であります。
 まず、義務教育諸学校の教職員定数の充実につきましては、引き続き年次計画による増員及び特殊学級の増設に伴う増員を行なうこととしたほか、近く人事院勧告を得て、数年来の懸案となっている教員の超過勤務問題の処理を含め、小中学校の教員給与の改善を行なうための経費四十億円余を計上いたしました。その他給与改定等の経費を含め、給与費にかかる義務教育費国庫負担金は総額五千七十五億円余であります。
 次に、理科教育の充実につきましては、本年度に引き続き、算数、数学特別設備の充実をはじめ、新たに理数科教育の現代化を推進するための研修用設備の補助に要する経費を計上する等、理科教育設備の改善充実につとめ、また産業教育の充実につきましては、施設設備を全般的に充実するほか、正看護婦の養成を行なうため、高等学校衛生看護科専攻科の施設設備に要する経費を新たに補助することといたしました。
 次に、高等学校の定時制教育及び通信教育の振興につきましては、定時制通信教育手当の支給率の引き上げを行なうとともに、施設設備に要する経費の増額をはかることといたしました。
 次に、特殊教育の振興につきましては、従来の施策を拡充するほか、新たに特殊学級の児童生徒について、就学援助の範囲を特殊教育諸学校に学ぶ場合と同様になるように拡大するとともに、現在建設中の国立特殊教育総合研究所(仮称)は昭和四十六年秋に開所することとし、研究活動を開始するに必要な研究員等の人件費を含む所要の経費を計上いたしました。
 次に、僻地教育の振興につきましては、引き続き教員宿舎、スクールバス・ボート、給水施設等の施設設備の充実につとめるとともに、遠距離通学費の単価を実態に即して増額するなど一段と僻地の教育環境等の改善をはかることとしたほか、新たに僻地巡回用歯科器具及び巡回指導車について補助を行なうこととする等の配慮をいたしました。
 次に、幼児教育の重要性にかんがみ、引き続き幼稚園の普及整備のために必要な施設設備に関する助成につとめるとともに、幼稚園の教育内容の改善や幼稚園整備充実計画に関する調査研究を進めることといたしました。
 次に、教科書無償給与につきましては、国、公、私立の義務教育諸学校の全児童生徒に対して全額国費によってこれを行なうことを堅持することとしました。なお、昭和四十六年度前期用教科書から定価の一五%増の改定を認め、これに要する経費を計上いたしました。
 次に、教職員の現職教育につきましては、引き続き従来からの研修の充実、特に海外派遣人員の増員をはかったほか、新たに書写実技の研修に必要な経費を計上する等、研修の機会と内容の充実に配慮いたしました。また、地方における研修を効果的に実施するため、都道府県教育研修センターに宿泊施設を付設する経費や教育困難な地域に教育研修センターを設置する経費を新たに補助することとしたほか、中央における長期宿泊研修施設として国立教育会館に分館を設置するための調査費を計上いたしました。
 次に、学校給食の普及充実につきましては、引き続き給食施設設備の充実、栄養職員の増員等全般的に施策の推進につとめるとともに、特に学校給食用物資の流通合理化をはかるため、給食物資低温流通化促進のための施設設備の補助を拡充したほか、新たに都道府県に学校給食総合センターを設置するための補助を行ない、その他学校給食用物資の流通改善対策に要する経費を計上いたしました。また、従来から実施してまいりました小麦粉の購入費の国庫補助は、食糧管理特別会計への繰り入れによらず、日本学校給食会を通じて行なうように改め、給食物資取り扱い体制の整備に資することといたしました。
 また、学校給食に関する米利用の問題については、来年度も実験を継続することといたしております。
 次に、公害対策につきましても配慮し、新たに健康増進特別事業費として大気汚染地区の小中学校の移動教室の開設に必要な経費について補助し、積極的な健康教育を推進するとともに、これらの地区の学校における児童生徒の疾病の早期発見及び予防のため特別健康診断を実施することといたしました。
 そのほか、公立文教施設整備費において公害防止工事費の増額をはかり、その他学校における公害防止工事に関する調査研究を一そう推進する等、児童生徒の健康の維持増進に遺憾なきを期し、社会教育における少年自然の家、野外活動施設の施策等とも相まって健康な児童生徒の育成をはかることといたしました。なお、児童生徒の交通安全対策についても、交通事故が増加している現状にかんがみ、引き続き所要の経費を計上し、配慮しているところであります。
 次に、公立文教施設の整備につきましては、本年度に対して二五%増の五百三十八億円余を計上いたしました。その内容としては、過密過疎対策、地方団体負担の軽減等を考慮して、事業量の拡充をはかるとともに、新規の特別措置として児童生徒急増市町村に対し、校地の取得を必要とする義務教育施設の整備事業に要する経費の補助を行なうこととし、昭和四十六年度においては、その初年度所要額として二十億円を計上いたしております。
 以上のほか、教育内容の改善、生徒指導の充実、同和教育の推進、教職員の研究活動の促進等、各般にわたる施策の拡充に必要な経費を計上いたしました。
 第三は、高等教育の整備充実と厚生補導の充実等に関する経費であります。
 国立学校特別会計予算につきましては、昭和四十五年度予算額と比較して三百五十七億円の増額を行ない、三千四百十一億円を計上いたしました。その歳入予定額は、一般会計からの受け入れ二千八百四十九億円、付属病院収入三百九十一億円、授業料及び入学検定料収入六十億円、学校財産処分収入二十九億円、雑収入四十六億円、前年度剰余金受け入れ三十六億円であり、歳出予定額は、国立学校運営費二千九百二十五億円、施設整備費四百八十六億円となっております。
 まず、国立大学の整備充実につきましては、新規の拡充措置は、原則として、さきに述べました中央教育審議会の答申をまって行なうこととし、昭和四十六年度においては、本年度に引き続き教育研究条件の質的充実をはかることに重点を置くとともに、大学院修士課程の新設、医療技術短期大学の新設、情報科学、情報処理教育に関する学科の新設、小学校教員養成課程の拡大、医学部の入学定員の増員等、社会的要請も勘案しつつ所要の措置を講ずることといたしました。
 次に、教官当たり積算校費、学生当たり積算校費等共通の基準的経費につきましては、大学の質的充実の基盤をなすものとして、その増額をはかっております。
 なお、医学部等学部設置の要望に対し、その配置等について調査研究をするため、所要の経費を計上いたしました。
 また、付属病院の整備につきましては、秋田大学医学部に付属病院を新設することとしたほか、診療科の増設等や看護業務要員の増員を行なうことといたしました。また、臨床研究医(医員)に加えて来年度からは、臨床研修医についても新たに非常勤職員として扱うこととし、かつ、それぞれの手当の単価を増額することといたしました。
 次に、国立高等専門学校の整備につきましては、国立電波高等学校の昇格による電波工業高等専門学校三校の新設を行なうこととし、また、既設校についても教官定員の増員を行なう等その充実をはかることといたしました。
 次に、学生の厚生補導につきましては、引き続き多角的、かつ、総合的な施策を推進することとし、課外活動施設等の施設設備の整備及び学生指導費の増額等に必要な経費を計上いたしました。
 次に、育英奨学事業の拡充につきましては、本年度に引き続き大学院奨学生の貸与月額の改定及び採用数の増加をはかるとともに、大学学部奨学生の特別貸与及び私立大学学部奨学生の一般貸与並びに高等専門学校の高学年の特別貸与について、それぞれ、貸与月額の改定を行なうことといたしました。なお、今後の高等教育機関のあり方に即応した育英奨学制度の改善について、引き続き調査研究を進めるための経費を計上いたしております。
 また、国立大学のほか、公立大学につきましても、教育研究設備、在外研究員の派遣等に要する経費の助成につとめることといたしております。
 以上、高等教育の整備充実について申し上げましたが、今後、社会の進展に即応した将来の大学のあり方について明確な方策を樹立し、これにあわせて大学の整備充実の計画を検討してまいる所存であります。
 第四は、学術の振興に関する経費であります。
 学術の振興につきましては、研究活動の増大とその組織の拡充、専門分野の細分化、大型研究施設の新設等の要請に対応して全般的に一そう多角的な施策を講ずることが必要となってきております。
 来年度予算におきましては、まず科学研究費補助金を本年度と同様二〇%増額し、総額八十六億円を計上いたしましたが、すぐれた基礎研究を進展させる経費として効果的な執行をいたす所存であります。
 また、既設の研究所の整備につきまして配慮するとともに、重要基礎研究の推進をはかるため、すでに本年度において建設準備に着手いたしました素粒子研究に関する施設を高エネルギー物理学研究所(仮称)として発足させることとし、十五億円余を計上いたしました。このほか、南極地域観測事業、科学衛星及びロケット観測事業等について、引き続き所要の経費を計上いたしております。
 なお、民族学研究博物館に関する調査及び国文学研究資料の施設整備の調査等を行なうこととし、それぞれ所要の経費を新たに計上いたしました。
 第五は、私学の振興に関する経費であります。
 まず、本年度初めて計上いたしました私立大学等の人件費を含む経常的経費の補助につきましては、本年度に対して五〇%増の百九十八億円余を計上いたしました。また、私立大学の新設理工系設備及び研究設備の助成につきましては、この経常費の補助とは別に所要の経費を計上いたしております。
 私立学校に対する貸し付け資金につきましては、政府出資金及び財政投融資資金からの借り入れ、並びに日本私学振興財団の自己調達資金を合わせて総額三百十億円を確保することといたしましたが、学校施設の公害対策事業を新たに貸し付けの対象とすることとしたほか、貸し付け条件の改善についても、所要の措置を講ずることといたしております。
 なお、私立学校教職員共済組合の事業につきましても、既裁定の年金額の改定を行なうこととする等の措置を講ずることといたしております。
 第六は、社会教育の振興に関する経費であります。
 社会教育の振興につきましては、まず、社会教育指導体制の整備を進めるため、引き続き社会教育主事等の養成、研修につとめるとともに、その中心となる国立社会教育研修所の改築を行なうことといたしました。
 次に、社会教育施設につきましては、公民館の整備を最重点としてその補助金の大幅な増額をはかり、本年度の約二倍半の十億七千万円を計上いたしますとともに、国立青年の家につきましては、既設の施設の充実につとめるほか、第十青年の家の新設を行なうこととし、その他、図書館、博物館の整備、少年自然の家や公立青年の家の整備を推進するため、引き続き所要の経費を計上いたしました。
 また、社会教育事業につきましては、社会教育の新課題の研究につとめるとともに、校庭開放事業の大幅な拡充をはかったほか、団体助成を一段と促進する等時代の要請に対応した社会教育事業の振興につとめることといたしております。
 第七は、体育、スポーツの普及振興に関する経費であります。
 体育、スポーツの普及振興につきましては、青少年をはじめ広く国民が日常生活の中で体育、スポーツを実践し、健康の増進と体力の向上をはかり得るよう強力な施策を推進する考えであります。
 このような観点から、来年度予算におきましても、水泳プール、国民体育館、柔剣道場、野外活動施設、学校体育施設開放のための付属施設の整備等体育、スポーツ施設の拡充整備に配慮するとともに、これらの施設が積極的に利用されるようスポーツ教室の開設、一般社会における体育、スポーツの指導者の養成等を行なうことといたしております。また、社会一般における体育、スポーツの普及振興に果たす体育、スポーツ団体の役割りの重要性にかんがみ、これらの団体がみずから積極的にスポーツ教室の開設や指導者の養成に取り組めるよう必要な経費を計上いたしました。
 また、来年度は札幌オリンピック冬季大会が開催される年度に当たりますので、諸準備に特に遺漏のないよう留意し、所要の経費を計上いたしております。
 第八は、芸術文化の振興と文化財保護の推進に関する経費であります。
 まず、芸術文化の振興につきましては、来年度は、従来の芸術祭のほか、移動芸術祭を新たに企画し、地方にすぐれた芸術鑑賞の機会を提供する等、地方芸術文化の振興に一そう意を注ぐとともに、国立の美術館、博物館についてもその整備充実をはかり、また、国立歴史民俗博物館の設置準備を進めるともに、新たに第二国立劇場の設置に関する調査及び優秀映画促進方策に関する調査も行なうこととし、これらに関する所要の経費を計上いたしました。
 次に、文化財保護事業につきましては、まず、飛鳥、藤原宮跡の保存整備に重点を置き、整備計画の策定、史跡等の土地の買い上げ、資料館の設置準備等に要する経費として約五億円を新たに計上いたしましたが、このほか、従来に引き続いて史跡の買い上げ、保存整備を推進し、また、国宝重要文化財等の買い上げ、保存修理及び防災施設についても、経費の増額をはかることといたしました。
 なお、無形文化財の保存、活用等につきましても必要な経費の増額をはかっております。
 第九は、教育、文化の国際協力の拡大に関する経費であります。
 教育、学術、文化の国際交流を促進するため、学者、芸術家等の交流を推進するとともに、日本語教育の海外普及につとめる等、文化の相互交流について配慮いたしております。
 また、特にアジア・アフリカ諸国については引き続き教育指導者の招致やわが国からの指導者の派遣等の経費を計上するとともに、より効果的な教育協力を推進するための方策を調査研究し、教育協力の促進をはかることといたしました。
 次に、外国人留学生教育につきましては、国費外国人留学生の給与費等の大幅な増額と採用数の増加をはかるとともに、新たに私費留学生の医療費についても補助し、また、本年度新設した日本語学校の整備充実を進める等、その拡充につとめることといたしております。
 次に、ユネスコ活動につきましては、国内ユネスコ活動を推進するほか、ユネスコを通じた国際協力、特にアジア諸国への援助のため農業教育と教育方法について巡回指導チームを派遣する事業を拡充するとともに、アジア諸国の文化の交流と振興のため、近く設立されるユネスコ・アジア文化センターの助成に必要な経費も計上いたし、もってアジア諸国の期待にこたえたいと考えております。
 また、さきに国連事務総長によって提唱された国連大学につきましては、ユネスコにおける調査研究事業に充てるための拠出金として五万ドル相当額の経費を計上したほか、ユネスコ及び国連の研究調査に関する委員会に専門家を派遣する経費も計上いたしております。これにより、今後国連大学の実現に積極的に協力するとともに、さらにわが国への招致の問題についても慎重に、かつ、前向きに検討いたす所存であります。
 このほか、文化功労者の年金額を改定することといたしました。
 なお、沖繩の教育に対する協力援助につきましては、復帰を前にして教育の本土との一体化を一そう推進するため、所要の経費を別途総理府予算として計上いたしております。
 以上、文部省所管予算案につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。
#11
○八木委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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