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1970/05/07 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 文教委員会 第16号
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1970/05/07 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 文教委員会 第16号

#1
第065回国会 文教委員会 第16号
昭和四十六年五月七日(金曜日)
    午後零時二十六分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 河野 洋平君
   理事 久野 忠治君 理事 久保田円次君
   理事 櫻内 義雄君 理事 谷川 和穗君
   理事 山中 吾郎君 理事 正木 良明君
   理事 鈴木  一君
      有田 喜一君    稻葉  修君
      小沢 一郎君    塩崎  潤君
      高見 三郎君    床次 徳二君
      野中 英二君    松永  光君
      森  喜朗君    吉田  実君
      渡部 恒三君    川村 継義君
      木島喜兵衞君    三木 喜夫君
      有島 重武君    多田 時子君
      山原健二郎君    安里積千代君
 出席政府委員
        人事院総裁   佐藤 達夫君
        文部政務次官  西岡 武夫君
        文部大臣官房長 安嶋  彌君
        文部省初等中等
        教育局長    宮地  茂君
        労働省労働基準
        局長      岡部 實夫君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (中央労働基準
        審議会会長)  石井 照久君
        文教委員会調査
        室長      石田 幸男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 文教行政の基本施策に関する件(国立及び公立
 の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関す
 る特別措置に関する問題)
     ――――◇―――――
#2
○河野(洋)委員長代理 これより会議を開きます。
 国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置に関し、発言を求められておりますので、これを許しますが、まずこの際、参考人出席要求の件についておはかりいたします。
 同問題に関し、本日参考人として中央労働基準審議会会長石井照久君の出席を求め、意見を聴取することといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○河野(洋)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#4
○河野(洋)委員長代理 石井参考人には、御多用中のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 なお、参考人の御意見は委員からの質疑に対するお答えでお述べいただきたいと存じますので、さよう御了承願います。
 それでは順次発言を許します。木島喜兵衞君。
#5
○木島委員 石井先生、たいへんいろいろとどうも御迷惑をおかけします。
 中央労働基準審議会は、基準法の九十八条によって、労働者の憲法といわれる基準法の施行及び改正に関して審議をする審議会だと理解いたしておりますけれども、そういう立場では、この法律は施行及び読みかえによる自主的な改正をも含んでおると私は理解をするわけであります。そういう立場からするならば、これは当然審議会に諮問さるべき事柄であろう。もし諮問されないとするならば、審議会が法律に忠実に運営されないことになりますし、同時に、憲法といわれる基準法の施行、改正が審議会にかけられないでもって安易に行なわれては、これは労働者の労働条件がたいへんなことだと思うのです。そういう意味では、こういうことはおたくの審議会にかけられねばならないものだと私は理解いたしますけれども、石井会長の御見解を承りたいと思います。
#6
○石井参考人 ただいまの件でございますが、かつて他の法令を改正するという形でこのような問題が起こりましたときに、そういう意味から、形式的な意味で全然審議会にかからないという例がございまして、そういう場合にはやはり趣旨から見て妥当でないだろうというようなことを申したことがございました。
 今回の場合それはどうかということになりますと、形式的な法律論を申しますと、改正する法の基礎が違いますので所管も違うという形がございました。したがって、そういう意味では形式的な意味で諮問という形はとられなかったと思いますけれども、前の経験もございますので、審議をするに十分な機会に審議会の意見を聞くという手続は労働大臣がとられたわけでありまして、その点についての審議について遺憾があったとは思わないわけであります。形式的にこういう他の特別法によって改正する場合にどうするかという法律的な問題は残ると思いますけれども、われわれは、運用上の問題としては今回については十分いろんな経過も知り、また関係各省の方の御意見も聞きまして審議をいたすつもりであって、その点においては遺憾がないと思っております。
#7
○木島委員 こまかい法律論は別といたしまして、たとえば労働省が出す法律ではないかもしれない、文部省が出した法律であるかもしれないけれども、しかし、労働者の憲法であるという最低の基準を下回るもの、あるいは間接的であるけれども読みかえでもって労働基準法の改正を意味しているものであれば、形式的にそれは文部省であるから、所管が違うからということではなしに、やはり番人としての審議会の諮問にかけるべきであるという御見解があってしかるべきではないかと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
#8
○石井参考人 その点につきましては、諮問されたほうが形式的な意味でどのような形で取り計らったかは、いろいろ政府のお考えもあろうと思います、行政当局としては。しかし、われわれとしましては、やはり基準法の改正が実質的になされるものであるという以上、労働者の権利を守るという意味で実質的な審議の機会は持つべきであると信じ、それを持ったと考えております。
#9
○木島委員 時間に制限がありますからなんですけれども、九十八条は、ですから諮問に応ずるほか労働条件の基準に関して建議することができるという、その建議をなさったことはそういう観点であろうと思いますが、したがってその建議は――もちろんこれは人事院の意見の申し出があり、かつ法律ができる以前の建議でありますから、したがって、そういう建議をなさったということは、いわば実質的な諮問を受けられたのと同じお考えの立場に立って建議をなさり、その建議から発する建議の効力と申しましょうか、そういうものは、諮問を受けたと同じようなお考えだと理解してよろしゅうございますか。
#10
○石井参考人 申し上げるまでもなく、建議の場合は主体的にできるわけでございまして、いまお話しのように、実質的に基準審議会で十分考うべき問題であるという意味で審議もいたしました。その結果として実質的に審議をいたしましたので、お話しのとおり受け取っていただいていいと思います。
#11
○木島委員 そこで建議の第一項は、「労働基準法が他の法律によって安易にその適用が除外されるようなことは適当でないので、そのような場合においては、労働大臣は、本審議会の意向をきくよう努められたい。」とあります。これは、現に意見が聞かれておる段階でなしにお出しになったように、この文面から見られますね。これはこの法律の中でもって特に第一項をおうたいになったことは、一般論であろうが、一般論として安易に他の法律でもって労働条件の適用が除外されることは好ましくないから労働大臣は気をつけなさいよという意味なのか、それともこの法案をも含めておっしゃっていらっしゃると理解してよろしゅうございましょうか。
#12
○石井参考人 先ほど申し上げましたように、この法案については、われわれは実質的に審議ができたというふうに考えておりますので、直接その点について意見を述べてないと思いますが、やはり今後の問題を踏んまえまして、将来ともそういうことのないように、労働大臣に十分御配慮いただきたいということに焦点が置かれておるということは申し上げることができます。
#13
○木島委員 重ねて恐縮ですけれども、将来ともということは、この法律を含めて、この法律に関連してお出しになったのですから、この法律の場合もおたくの審議会の意見が反映されるようにという――本審議会の意見を聞くようにつとめられたいということは、この法律を含めてと理解してよろしゅうございましょうか。
#14
○石井参考人 審議会の意見を尊重するという意味においては含んでおると思います。ただ、手続的に先にかけたか、かけないかということについての直接の批判はしてないというふうにとっていただきたいと思います。
#15
○木島委員 形式的な手続上の問題を別といたしまして、内容的には労働基準法の適用除外であるから、だからそういうものは、このことも含めて審議会の意見を聞くようにというように理解してよろしゅうございましょうね。
#16
○石井参考人 はい。
#17
○木島委員 そうすると、審議会はこのことをも含めて第一項の建議をなさっていらっしゃるとするならば、「他の法律によって安易にその適用が除外されるようなことは適当でないので、」ということは、先ほど申したとおり、この法律は教職員に対する基準法の適用除外でありますから、したがって、安易にその適用が除外されることは適当でないというふうにこの法律に対してお考えであるという前提に立っていると理解してよろしゅうございますか。
#18
○石井参考人 今回の法案そのものが安易に除外したとも思いませんので、いろいろ人事院その他で検討された結果を政府が採用されたと思いますが、やはり除外される面もあるとすれば、その点は十分な歯どめが必要であると考えましたので、第二の項と関連して慎重な扱いを要求したものとおとりをいただきたいと思います。
#19
○木島委員 いまのお話でございますと、十分な人事院その他の意見があるのだから、そう安易ではないと思うけれども、しかし、なお法律以前の問題だから、法律ができたときに第二項の関連でもってということでありますから、そうすると、この問題に対する審議会はいまどんな態度と申しましょうか、立場と申しましょうか、審議会としてこの法律案は、先ほど言いますように適用除外あるいは実質的な基本法の改正ですから、この建議を出したから終わりということは、二項とからんであると思うのですが、そういう意味ではどういう立場に立っていらしゃいましょうか。
#20
○石井参考人 基準審議会といたしましては、御存じのようにたくさんの委員がおりまして、三者構成でありますので、それぞれの委員がどういうふうに考えているかということもございますし、多少そこに意見にはニュアンスがあると思いますが、あの建議は全会一致でまとまったものであります。したがって、全会一致でまとまるときの受け取り方というのは、それぞれニュアンスがあると思いますけれども、やはりああいう建議をいたしました以上、教職員の職務の特殊性から見まして、まず超過労働をなるべく命じないように、やらないようにするということ、しかし、それにもかかわらず仕事の性質上若干の仕事があるとすれば、ああいう特別な調整手当を出すことはまあ一つの考え方であるということは一応踏まえながら、そのことから労働基準法などが考えておりますところの労働者の保護に欠くることのないようにということの希望を出しましたので、われわれの出しました希望が、法案の面あるいは運営の面におきまして十分生かされるようにただいま静観中でございます。
#21
○木島委員 そうすると、いまおっしゃったことは、建議の第二項が実際に生かされるように静観中である。静観中であるということは、もしも静観を続けていらっしゃって、そしてこの法律案が施行されるというときに生かされているかどうかがこの法律の中に盛られているか、何らかの根拠がなければ、審議会としても生かされているという断定の上に立っての静観というものは許されなくなってくると思うのです。審議会の使命から見て、その辺はどういうふうな立場でいらっしゃいましようか。
#22
○石井参考人 その点につきましては、今度の法案を拝見いたしますと、御存じのように七条に規定がございまして、ここに大体われわれの建議していることが実現されようとしているのだろうと見ているわけでありまして、もちろん正面切って建議の第二項そのままの形が文章で出ているとは思いません。しかし、いろいろ他の関係法令を調べてみますと、正規の勤務時間をこえて勤務させる場合には、国家公務員法とか地方公務員法に基づく人事院規則で教育職員の健康と福祉を害することのないようにということは書いておりますが、それ以上にこの七条では「勤務の実情について充分な配慮がされなければならない。」と書いておるのでございまして、この勤務の実情につきましては、われわれは建議で関係教職員の意見を聞くようにいっておる。それが法律技術的な意味でそのままずばり法案には出ておりませんが、われわれの建議を踏んまえておられると見ることのできるような表現もありますので、その表現についての理解とかあるいは運用の中にわれわれの建議が生かされるかどうかを見るということでございます。
#23
○木島委員 第二項は、この法律で審議会としては一番希望される具体的な事項だと思うのですね。この中で、特に「命じうる職務の内容及びその限度について関係労働者の意向が反映されるよう適切な措置」とありますね。こんなことを先生に言うのはなんですけれども、いわば時間外勤務でありますから、一般的にいえば、元来ならば三六協定を結ぶべきだ。三六協定を結ぶということは、いわば禁止的な時間外をするのだから、その時間外を労働者が売るか売らないかということだから、労働者の同意が前提となるという意味だろうと私は理解いたします。一般的には、労使が協定しなければ超勤はできないわけですから。だから、そういう意味で三十六条の精神というものをここでもってうたわれたと思うのです。それはそう理解してよろしいわけですか。
#24
○石井参考人 教職調整額が与えられております点につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、教職員については超過勤務はなるべく命じない、また、しないほうが望ましいという基本的な考え方に立っておりますから、形の上では確かに超過勤務についての基準法の規定が残っておると思いますけれども、なるべくそれをさせないようにするというたてまえに立ってできておって、それでも公務の必要上何か仕事を命ずることがあるかもしれない、その場合についても歯どめが必要であろうということをいっておるわけでありまして、その歯どめについては、基準法そっくりというわけにいかないにしても、その精神に即して十分な歯どめをしてもらいたいということを申し上げておるとおとりいただきたいと思います。
#25
○木島委員 そう思うのです。元来、教職員には命じないことを原則にしたい、しかし、禁止的なんだけれども例外的にするならばというのですね。それは、私は労働基準法の精神そのものだと思うのです。だから、禁止的なことだけれども例外措置としてする場合には、労働者の同意が要るのが三十六条だと思うのです。そのことでなければ基準法を低下するわけです。教職員といえども憲法にいう勤労者ですから、二十七条が出てくる。基準法からいえばそれに該当するのでありますから、いまおっしゃったとおり、それは一般と同じことなんです。だからこそ労働者の同意が前提だから、この建議の第二項は、「労働者の意向が反映されるよう適切な措置」ということになったのだと私は思う。
 しからばその根拠は一体どこにあるかというと、私は見つけることができない。先生さっき健康と福祉とかおっしゃったけれども、そういう抽象的なことでもって憲法や基準法の精神というものが生かされるでしょうか。そういうことでもっていま大体生きていると思うということをおっしゃって、一方で先生静観していらっしゃいますけれども、そういうことであると、審議会の精神というものはこれで生きているだろうかと私は疑問に思うのです。そういう点では、この法律の中で、第二項が現在静観中といえども生きているとお考えになりますか。
#26
○石井参考人 ただいまの健康と福祉を害することがないようにというのは、他の場合にも国家公務員法その他にすでにある規定でありますが、それ以外に勤務の実情について十分配慮しろという規定は他にない規定であります。この他にない規定が入ったということは、関係教職員の意見を聞いて命じ得る職務の内容と限度について少なくとも基準をはっきりしておいてもらいたいということをいっておりますので、基準をはっきりすることができるならば、私は労働者のほうも十分に守られると考えております。だから問題は、その基準が文部省と人事院との話し合いできちっとしたものができるか、その場合に労働者の意向が正しく反映されるかどうかということにかかっておると思うのです。
#27
○木島委員 そうすると、人事院と文部省が協議なさるであろう、そのときにきちっとするであろう、したがっていまは何も根拠がない。協議するということしかないのですね。しかし、いま先生おっしゃったけれども、限度とか職務とかいうのは、われわれは審議しておってまだわかりません。そこまで行っていないということもあってわかりませんが、さっき先生は静観するとおっしゃった。静観中というのは、国会の審議がどうなっていくか、それも含めての静観だと思いますが、そういうものが出てこない。どうなっていくかわからない。とすると、労働条件が低下するかどうかということはむしろ審議会としてもっと内容を明確にして、低下しているかいないか、低下していればこうすべきだというようなことがなされるからこそ、静観ということばがあるのです。いま審議会の立場はそこにあるだろうと思うのですが、その辺はどうなんですか。
#28
○石井参考人 おっしゃるように、将来に残っている問題もあります。ですから、先ほども申し上げましたように、文章で何か書ければまた一つの歯どめがつくわけでありますけれども、私どもじっと見ておりまして、法文にただ書かれるだけでそれをほんとうに生かすつもりがなければ、私は生きないと思うのです。だから問題は、法文の表現が技術的な意味でもう少しどうにかなるかどうかということはしばらくおくとしまして、何らかの足がかりがあるので、あとは当事者及び政府の関係の方々の心がまえの問題だと思うのが大きいのでありまして、それを私どもの建議のような形で書いてみましても、それを生かすという腹がなければあまり効果をあげないことになる。それをどうにかして生かしていただくように、この法案の審議を通して理解され、また運用されるということが重要であろうと思いますし、それから先ほど申し上げましたように、審議会は全会一致でここまで持ってきたということも申し添えたいわけでありまして、いろいろの意見もある中で、最大公約数的なものがまとまったものだということを私はここで申し上げるほかはないと思います。
#29
○木島委員 さっきのいわゆる歯どめは、文部大臣が人事院と協議してきめるのですね。石井さんはこの関係をどうお考えになりますか。というのは、三六でいえば元来少なくとも労使が協定すべきことですね。文部大臣が中心で人事院に協議する。人事院はいわば中立機関ですね。だから人事院がきめるとなれば、労使の意見を聞いてそこで一つの結論を出すということがあるかもしれません。いま先生はこの法律によってとおっしゃいましたけれども、文部省という使用者が中立機関の人事院と協議する。人事院がきめるだけならば、これは両者の意見を聞いて、第三者的な立場できめていくこともあるいは可能かもしれません、ということを前提としておきめになるのを信頼していこうじゃないかということでは、労働基準法を忠実に守ろう、労働者を保護しようとする立場からすると、審議会とすればやや片手落ちではないかという気がするのですが、いかがでございましょうか。
#30
○石井参考人 先ほども申し上げましたように、教職員には超過勤務はなるべく命じないようにするという基本的な考え方をまずとっていただいて、それでも公務の必要上命ずることができるというのは他の場合にもございますが、その場合についての歯どめもこう考えてもらいたいといっておるわけでありまして、それ以外に、お話しのように基準法の三十六条の適用をするような場合があるかないか、あった場合はおそらく基準法でいくのかもしれませんけれども、そこまでは直接申してないわけであります。前の公務の必要に応じてやる場合にすら、こういう基準法の精神に従って十分な歯どめをしてもらいたい、こういうふうにいっておるつもりでありますから、お話しの点は、公務の必要に応じてそういう仕事を命ずることがいいか悪いかという問題にさかのぼるだろうと思います。
#31
○木島委員 もう時間が来てしまったそうですが、どうも済みません。おたくの建議を受けまして、その直後に、文部省の初等中等教育局長と労働省の労働基準局長が覚え書きをかわしておりますね。御存じですか。
#32
○石井参考人 はい。
#33
○木島委員 この中で一つだけ問題があると思うのは、「命じ得る職務については、やむを得ないものに限ること。」とあって、内容とか限度とか――覚え書きですから、このことに関する限りはおたくの建議と同じことのような、あるいはおたくの建議よりもっと低下しているわけですね。そうお思いになりませんか。
#34
○石井参考人 先ほど申しましたように建議はああいう形で書いておりますので、あの建議を通して法文ではっきり書いてもらいたいと言う方もあるし、そこまではむずかしいと考えた人もありますが、そういうことを踏んまえてああいうふうに書きましたので、絶対に法文に書かなければ建議の趣旨が生かされないものだというふうに一がいにも言い切れないものがあると思います。それを審議会としてまとめた、私としてはそういうふうに申し上げるほかない。
#35
○木島委員 少なくとも建議の第二項では、労働者の意向が反映されることが中心なんですね。ところが、それを受けた労働省の覚え書きは「関係教育職員の意向を反映すること等により勤務の実情について充分配慮すること。」、違いますね。三十六条の精神からいうと違うでしょう。そこで、これをごらんになっていらっしゃる審議会の会長とすれば、この覚え書きについて、このことについてどのようにお考えですかと聞いているのです。
#36
○石井参考人 その点につきましてはわれわれも質問をしたわけでありまして、われわれの趣旨と変わらないものと確信しております。ことばの表現はいろいろありますが、われわれの言っている趣旨を実現しようと努力しているというふうに聞いております。
#37
○木島委員 時間ですからやめます。ただ石井さん、私たいへん不満です。それでは労働者の憲法といわれる基準法を十分に――番人の審議会として私はなお不満でありますが、時間が来たと言われます。先生のお時間、たいへん御無理言ったようでありますから、私はこれでやめます。
#38
○河野(洋)委員長代理 有島重武君。
#39
○有島委員 石井会長に伺いたいことは、この建議をお出しになりましたまでのいろいろな経緯があると思うのです。それで、特にこの第二項に「関係労働者の意向が反映されるよう適切な措置がとられるよう努められたい。」とございますね。その適切な措置ということの中身について、さまざまな論議が出たのではないかと私は推察するのでございますが、その辺の経緯をお話しいただきたい。
#40
○石井参考人 その適切な措置ということにつきましては、先ほどもお話が出ましたように、労働基準法にそういう場合に規定がございます。三十六条の規定がございますが、そういうのを踏んまえた適切の措置をとってもらいたいというふうに話がきまったわけでございます。それでよろしゅうございますか。
#41
○有島委員 もう少し具体的に。
#42
○石井参考人 ですから、関係労働者の意見を聞く方法はあると思います。これは政府の関係者の方が十分お考えいただけるわけでありまして、基準法にはああいうふうに事業場の過半数を代表する組合がある場合はとかいろいろ書いてありますが、その趣旨を踏んまえてやってもらいたいということをいっておるわけです。
#43
○有島委員 それは原則論でございまして、そういうことはいままでも文部省側もよく承知していらっしゃるはずでございますし、それから教員側も承知していらっしゃるはずなんです。それがなかなかうまくいかない。そういうことでもってこれが問題になっているはずですね。先ほどの質問では、そういった経過も承知の上でもってやっておったのだというお話でございました。これは一体、ネコに鈴をつけに行けばいいのだ、だれがつけるのかというような話に似ているのじゃないかと思いますけれども、それでは具体的にどういうことが適切な措置になるのだろうか、そういったことについては全くお話がなかったのでしょうか。確かに適切な措置をしなければならぬ、一体どういうのが適切な措置になるだろうか、そういったことについてお話はなかったのですか。
#44
○石井参考人 その点につきましては、職務の内容と限度につきまして具体的に基準をきめなければならないと思いますから、その基準をきめる場合には関係労働者の意見を聞くようにしてもらいたいということをいっているわけでして、適切な措置はおのずからおわかりいただけるのじゃないかと思います。(「根拠は何もない」と呼ぶ者あり)根拠はないと言いますけれども、それが根拠を持つようにわれわれは要求したわけなんです。
  〔発言する者あり〕
#45
○河野(洋)委員長代理 御静粛に願います。
#46
○石井参考人 それを七条にある規定、こういう「勤務の実情について」というふうな規定で根拠になるかならないかは、ひとつ十分審議の中でお考えいただきたいと思うわけです。われわれは、その趣旨をここに不十分ながら表現したものというふうに説明を聞いておるわけです。
#47
○有島委員 私は、筋道としては確かにそのとおりであると思うのですね。思うのではなく、そう書いてあるのですから、それを再確認しているようなことでございまして、この中に特に大きな前進があるということではないと思うのですね。ただ、それがいままでなかなかうまくいかないという点について、何かもっと突っ込んだ、こうは言ってもなかなかたいへんであろうなというようなことが、審議の経過の中で出てきたのではないかと私は思うのですけれども、そういうことは全くないで、ただ筋道だけが論議として行なわれたのか。大体、こうした建議を出すまでには何回か審議会をなさったのだろうと思うのですけれども、そういった内容についてはお話がなかったのでしょうか、あったのでしょうか。
#48
○石井参考人 そういう結論に至るまでは、賛否両方いろいろの意見がございましたわけです。しかし、全会一致としてああいう形をまとめまして、教職員について勤務の性質を見た教職調整額が出たことは、このこと自体一歩前進であるというふうには評価しながらも、そのことから労働者に必要以上の超勤が課せられたりすることは困る。それの歯どめとしてわれわれは考えたわけでありまして、確かに、いまお話しのように、現実の問題としてなかなかむずかしいことはわかりますけれども、せっかく教職員についてこういうものができたことを契機といたしまして、われわれはその困難が超克されていくことをむしろ期待しておるくらいでございます。
#49
○有島委員 そういたしますと、いろいろ困難があるであろう、それを克服せられるように望みたい、そういった意向がここに込められている、そういうお話でございましたね。さっき賛否両論が出たとおっしゃいましたけれども、それをちょっと聞きたかったのです。反対論はこういうのが出ました、その論拠はこういうことであった、そういうようなこともお聞きしたかったわけです。
#50
○石井参考人 私としては、せっかく全会一致でまとまったのでありまして、あのような公労使三者構成の委員会で、これほどいろいろ御質問を受けるようなむずかしい問題が、全会一致でまとまるともなかなか考えていなかったわけであります。それだけに、全会一致にまとめ得ましただけに、途中の論議の過程を申し上げても適当でないと思うし、また申し上げる必要はないというふうに考えます。
#51
○有島委員 それでは、私は文部省に対して、いま本来は修正するなりあるいは譲っても附帯決議をするなりということがこれは当然であろうかと思うのですけれども、公明党の私としては、ここに社会党、民社党、共産党各委員の同意を得まして、附帯決議に相当すべきものとしていまこれから申し上げることを確認しておきたいと思うわけでございます。ですから、附帯決議に相当すべきものとしてお答えいただきたい。
 第一は、提出されましたこの法律の本来の目的は、教育界に人材を集め、教職者おのおのが十分に本務に専念して、国民の期待する教育効果を高めることを目的とすべきこと。
 第二番は、以上の目的に沿って、文部当局は抜本的な教職員給与体系の確立を約束すること。
 それから三番目、本法はこれに至るまでの当面、当分の措置であること。
 四番目、特にただいまお話しになっておりました昭和四十六年二月十二日付の中央労働基準審議会の建議書の第二項、「文部大臣が人事院と協議して超過勤務を命じうる場合を定めるときは、命じうる職務の内容及びその限度について関係労働者の意向が反映されるよう適切な措置がとられるよう努められたい。」この項目については、その趣旨を生かすように最善の努力をしていただきたい。
 以上四点をここに確認しておきたいと思います。
 なお、先般の文部大臣に対する質問におきまして、本法がこうした目的に対しまして給与改善の一環をなすものである。ところが、この目的とそれから本法との関係を突き詰めていくと、当面超勤問題をたな上げにすることが教員待遇改善への第一歩である、どうしてもこれは第一歩になるのだというような見解でございました。その見解は私は直ちに承服はできないわけで、これはまだ論議が残っているというふうに申し上げましたけれども、こうした点について今後文部当局としては、文部省と教員との間にわだかまる相互の不信感というものを早く克服されるよう、これを努力さるべきであると私は思います。
 以上申し上げますけれども、政務次官からお答えをいただきたい。
#52
○西岡政府委員 お答えいたします。坂田文部大臣が急性肺炎のために御入院中でございますので、私から御答弁を申し上げます。
 ただいま有島先生から御指摘のとおりこのたび御審議をお願いいたしました文部省提出の法案につきましては、私どもは、結論的には当面の措置であるというふうに考えているわけでございます。
 御承知のとおり、これまでも毎年行なわれます人事院の勧告に際しましては、教職員の給与の改善について文部省といたしましては人事院にその改善方の意見を毎年申し出てきているところでございますし、また、このたびの法案の根拠になりました人事院の意見の申し出につきましても、文部省としても、意見の申し出に至りますまでの経過の中でいろいろな教職員の待遇の改善等について意見を申し出ているところでございまして、今回の意見の申し出の中には盛られていない点も多々あったわけでございます。また、近く答申が予定されております中教審の答申におきましても、これは中間報告等ですでに明らかにされておりますように、教職員の待遇の改善、地位の向上ということが教育にとって最も大切な問題であるという観点から、その方向づけについての御答申があると私どもは予想しているわけでございまして、そういったことも踏まえまして、やはり教育界によりよき人材を招致する、その最大の根拠になります教職員の待遇の改善については、今後とも抜本的な改革を目ざして一歩一歩前進させていくという考え方で私どもは取り組んでいく決意でございます。
 なお、先生から四点目として御指摘のございました点につきましては、これまでも文部省といたしましては教職員団体、諸団体の意見は十分聞いてきているところでございまして、今後とも関係諸団体の意見を十分聞いて適切な措置をはかっていきたい、かように考えているところでございます。
#53
○有島委員 だいぶお答えが長かったのですけれども、では一項目から四項目までは確約できますね、一言で。
#54
○西岡政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘のことにつきましては、ただいまお答え申し上げましたような方向で努力いたす決意でございます。
#55
○有島委員 それでは終わります。
#56
○河野(洋)委員長代理 山原健二郎君。
#57
○山原委員 石井会長に約十分間お伺いをいたします。
 二月十二日に先生のほうから建議が出ておるわけであります。二月十六日に閣議決定で法律案として国会に提案されておるわけですね。この間、建議の中の第一項に示されておりますように、「審議会の意向をきくよう」ということは実行されておりますか。労働省のほう、聞きましたか。
#58
○石井参考人 いまちょっとはっきり聞こえなかったものですから、もう一ぺん、どういう意味ですか。
#59
○河野(洋)委員長代理 もう一度御質問願います。
#60
○山原委員 二月十二日に建議が出ていますね。二月十六日に閣議決定によって法案が国会に出ているわけです。そうしますと、その間に、建議の中に書かれております第一項の「労働大臣は、本審議会の意向をきくよう」というのがありますね。これを聞かれておりますか、この間に。
#61
○石井参考人 その意味では、もうその前に数回聞かれておるわけでありまして、その建議を出したものにつきましては、その建議の趣旨に従って労働大臣が善処されるという態勢になっていたわけでありまして、その間に聞かれるという形はないわけなんです。
#62
○山原委員 ですがね、労働基準法が他の法律によって安易に適用が除外されるようなことは適当でないので、労働大臣はその場合にはということになっていますね。そうしますと、当然法律が十六日に出ておるわけですから、あなたのほうで建議されたときには、まだ出ていない段階でしょう。したがって、法律は、これは明らかに労働基準法の適用を除外しているわけですから、これについて意見を求めているのじゃないですか、意見を聞いてもらいたいということを言っているのじゃないですか。
#63
○石井参考人 そういう意味ではなくて、すでに労働大臣から事務局を通しまして、教特法については早い時期にいろいろ説明があり、あるいは人事院、文部省からも話を聞きまして審議会は審議をしておるわけでありまして、それを踏んまえて法案が出るについてこういう点を考慮してもらわないと困ると答えたわけでありまして、その答えに基づいて、その間でもう一ぺん審議会にはかるというふうには委員会は考えておりませんでした。
#64
○山原委員 それはちょっとおかしいですよ。第一項を正確に読んでみますと、失礼ですが、あなたも労働法については専門家でございますから、「労働基準法が他の法律によって安易にその適用が除外されるようなことは適当でないので、そのような場合においては、労働大臣は、本審議会の意向をきくよう努められたい。」明らかに法案成立にあたって審議会の意向を聞いてもらいたいということを二月の十二日に出されておるわけですよ。だから、政府側として法案を出すためには、その間において、十六日にあわてて出すということでなくして、労働大臣からあなたのほうに対して、こういう法律を出そうと思うがどうかということがなされなくてはならぬでしょう。それに対してまたあなた方は、安易に適用除外されたら困るという意見が出るはずなんだと私は思いますが、そういう手続が踏まれているかどうかということを私は言っているわけです。
#65
○石井参考人 そういうふうには実は考えていないわけでありまして、その前に数回、法案の内容そのものは具体的に条文になっておりませんけれども、基本的な方向その他についてはいろいろ聞きながら審議をしてきたわけでありまして、そういう審議の材料を踏んまえて労働大臣に法案を出す場合についての意見を言ったわけでありまして、そこでまた審議会を開くというふうなことは考えてもいませんし、やりませんでしたということを申し上げるほかはありません。一般的な問題と具体的な問題があると思いますね、この場合に。
#66
○山原委員 たとえば審議会の審議の経過を見ますと、「今後においては」ということばを入れるか入れぬかで審議しておりますね。そういうことを考えますと、当然「今後においては」ということを入れることは、この法案について少なくとも審議会が了承を与えるような印象を与えてはいけないということで、これは消されているわけです。私はそういうふうに審議の過程を聞いているわけです。そうすると、当然法律が成立される段階においては、あなた方の意向というものが聞かれるということを審議会は予想しておったと思うのですけれども、時間の関係でそれ以上申し上げることができませんが、その辺もう一度伺っておきたい。
#67
○石井参考人 審議会といたしましては、労働大臣が国会に法案が出ることについて賛成するといいますか同意される、その間の期間において、もう一ぺん審議を求めるというふうに委員は考えていなかったものと申し上げます。その点について現にその後の審議会においても、その間になぜ聞かなかったという意見とか希望は出なかったということを申し上げておきます。
#68
○山原委員 それでは建議の第二項について、「関係労働者の意向が反映されるよう適切な措置がとられるよう努められたい。」これは、まさに労基法三十六条の精神を生かそうと努力された点だと思うのです。その点は当然のことだと思うのですが、これが今回出ております教特法の中に生かされておるかという問題です。先ほどは生かされておるというふうなお答えではありましたけれども、ではお伺いしますが、この教特法、現に審議をされております法律について会長は満足しておられるのですか。
#69
○石井参考人 私が満足しているかという御質問でございますが、もちろん審議会の会長として満足しているかという意味にとりますが、審議会といたしましては、先ほども申し上げましたように、労働者の意見を反映するようにしなければならないというところにまとめていきます段階においていろいろの意見があったわけでありまして、それを踏んまえてあのような形でまとまったものでありますから、審議会をまとめたものとしては不十分だけれども、趣旨が生かされていないとまでは思っておりません。
 会長個人としての意見は、申し上げる必要もないと思いますし、場でもないと思いますので差し控えます。
#70
○山原委員 おそらく第七条の文部大臣と人事院の協議あるいは福祉と健康に害を及ぼさぬというようなところで生かされておるというふうにお考えになっておるかもしれませんが、少なくとも関係労働団体と協議をするということは、法律の中には審議会の意向に反して私は書かれていないと思うのです。その点では審議会としては、建議の趣旨からいうならば、これは明らかに不満足な法律案になっておるのではないかと思うのですが、その点いかがですか。
#71
○石井参考人 先ほども申し上げましたように、不満であると思っている人もあるし、やむを得ないと思っている人もあるわけでありまして、そこまで、正直申し上げまして全会一致としてまとめた場合に、必ずしも、法文にはっきり書かなければ絶対いかないというところまで私はまとめておりませんということを申し上げます。
#72
○山原委員 それで、時間がありませんから会長にちょっと伺っておきたいのですが、一九七〇年四月二十七日から五月八日までパリで行なわれました例の教師の地位に関する勧告の実施についてのILOとユネスコ合同専門家会議、この中には、これは最終報告になっておりますけれども、実に数カ所にわたって、日本政府の見解とそしてたとえば労働団体でありますところの日本教職員組合との意見が、国際的に食い違っておる部分が数多く出てくるわけです。こういう状態の中で、はたして真に審議会が希望されているような教育者の地位あるいは労働条件についての十分な協議、話し合いができるというふうな判断を、今日の日本の情勢の中でされておるのでしょうか。
#73
○石井参考人 そういう行政の問題になりますと、しろうとで私がとやかく申し上げるべきではないと思いますが、しかし、ともかく教職員についてこういう教職調整額が出て一つ前進をし、その関係を近代化しようという努力が出てきておる中でございますから、いままでどうであったということにかかわりなく、ひとつぜひこの困難を乗り越えていただきたいものとそれを念願してやまないのでありまして、われわれ審議会としては、先ほどもそれを非常な関心を持って見詰めておりますと申し上げたのはそこでございます。
#74
○山原委員 会長の言われるその関心ですね、その関心を、たとえば政府側に対して意向を反映するような御用意はあるわけですか。
#75
○石井参考人 初めからおわかりのように、今度の問題は、人事院の意見と申しますかそういうものを基礎として出てまいっておりまして、われわれは他の独立機関である人事院の考え方について直接とやかく申し上げる地位にもないし、またそれは適当と思いませんで、ただ労働基準審議会として、労働者の地位を守ることとして自分の職場でできることをやっただけのことでありまして、それ以上に現段階において、いまおっしゃったようなことをなし得るものとは考えておりません。
#76
○山原委員 最後に一つだけ。今度出ておりますこのいわゆる教特法と労働基準法に違いがあるのです。重大な違いがあるのです。これは審議会長が審議会の意向によって建議を出されておりますけれども、どこが違うか、私一つだけ申し上げます。行政上の問題とかあるいは人事院に関係する問題とかいうことではお答えが困難だと思いますから。
 労働基準法は三十六条、ことに三十七条においては罰則規定があるわけです。事業主側がこの三十七条の規定に違反すれば、懲役または罰金という措置があるわけです。こういう歯どめがついておる。これは労働基準法が、あの戦前の日本の労働者というものが全く非人間的な取り扱いを受けた中で、長い苦闘の中で戦後つくり出した労働基準法というもの、だからその中には厳然として事業主側に対する懲罰規定があるわけです。ところが、今度の教特法には全くそのことはないでしょう。このように変質をしているわけですね。だから、会長は先ほどから労基法の精神は生かされておるような話に私伺ったわけでありますけれども、ほんとうに労働者を守るというこの観点からいうならば、今度出ております教特法というものは、労働基準法の三十六条、三十七条と全く異質のものとして出てきておると私は考えるのでありますが、その点について労働基準法の番人であります会長の意見を伺っておきたいのです。
#77
○石井参考人 非常に異質なものとして基準法の精神が無視されていってしまうというふうなものを、われわれ三者構成の委員会が認めるはずはない。その意味においては、今後の運用も含めまして、きちっといくならば十分労働者の利益は守れるものと確信をいたしておるということだけを申し上げます。
#78
○山原委員 時間が参りましたので、会長に対する質疑はこれで終わらせていただきます。
#79
○河野(洋)委員長代理 石井参考人についての質疑はこれにて終了いたします。
 石井参考人には、たいへん御多忙中ありがとうございました。御退席をいただいてけっこうでございます。
 それでは山原君。
#80
○山原委員 労働省にお伺いいたしますが、いまの質問に関連をしまして、労働省は労働基準審議会の意向というものを、建議の趣旨というものをこの法案の中で生かしたというふうにお考えになっておりますか。
#81
○岡部(實)政府委員 先ほど会長のお話にもございましたように、私ども、労働大臣あての建議をいただきまして、あの趣旨を生かすべく文部当局といろいろと相談いたしまして、先ほど会長も触れました第七条の、具体的には法文上は第七条にこのことをつけ加える、このほうが現実に的確に運営をされるならば建議の趣旨が十分生かされるものと、こういうふうに考えた次第でございますす。
#82
○山原委員 いま教育労働者、先生方が非常に心配しておられる点は、これはもちろんでありますが、いわゆる無定量の超過勤務というものが押しつけられるということ、また押しつけられかねない法案になっておるという点についての心配があるのはこれは当然のことですが、現在の、先ほど私が申し上げました国際的にも公開されておりますところの日本の教育労働団体と文部省との関係からしますならば、今日、そういう無定量の超過勤務というものを抑制する歯どめが法案のどこにあるかということを伺っておきたいのです。
#83
○岡部(實)政府委員 法案の中では、超過勤務を命じ得る範囲につきまして、文部省と人事院とが十分その基準について協議をされる。ここでまず一つ歯どめができる。またそれを協議される過程におきまして、勤務の実情に対する十分なる配慮が行なわれる。こういうことで、その運営の中で適切な歯どめが行なわれるものと考えておるわけでございます。
#84
○山原委員 そうすると、労働省のほうとしては、その間において文部省並びに人事院が関係労働者の意向を聞くというそういう段階において、双方における話し合いあるいは交渉というものが当然行なわれるべきものだというふうに理解をしておるわけですか。
#85
○岡部(實)政府委員 先般来の御審議の過程におきまして、人事院総裁もおられますが、人事院が、人事院の立場から勧告を出された趣旨にのっとりまして歯どめについても十分な配慮をされると思われますし、そういう御答弁もございましたし、文部当局のほうも、建議の趣旨を十分尊重するという御答弁もあったわけでございます。責任のある方々からの公式な審議を通じの御発言でございますので、十分それが現実に生かされるものと考えておる次第でございます。
#86
○山原委員 政務次官にお伺いしますが、大臣のかわりに出ておられるわけですから、いまの答弁ですが、文部省としてはそういう話し合いをする用意というものを十分に配慮されているわけですか。
#87
○西岡政府委員 お答えいたします。
 先ほどお答え申し上げましたとおり、これまでも関係諸団体、また教育関係者等の意見も十分聞いてまいったところでございますし、今後とも、ただいま基準局長から答弁がございましたような方向で、文部省としても当然考えていく考えでございます。
#88
○山原委員 公式に団体交渉をやられるというわけですね。
#89
○西岡政府委員 お答えいたします。
 文部省といたしましては、関係諸団体あるいは教育関係者の意見を十分聞いていくという考えでございます。
#90
○山原委員 いままでの経過から申しまして、たとえば文部省と日本教職員組合という、大多数の教育者を組織しておる団体というものと話し合うことは、これは当然国際的にも認められていることですけれども、しかし、それが必ずしもスムーズにいってない面もあると思うのです。そういう点は、この法案を契機にして改善をされるというお考えを持っておるのかどうかですね。いまのお答えでありますと、当然その辺についても改善をしていきたいというのが、これは審議会会長の御意見でもあろうと思いますし、また労働省の考えでもあろうと思います。また政務次官のお答えもそういうふうに私は受け取ったわけですが、そういう点で理解をしてよろしいですか。
#91
○西岡政府委員 お答えいたします。
 文部省といたしましては、少なくとも全国の教職員の大多数の方々を組織している教職員団体と今日までのようないわば不正常な形での関係というのは、わが国の教育にとって好ましいものではないという考え方に立っておりますので、今後、これはいろいろな諸情勢がございますけれども、これを乗り越えて当然努力をしていかなければいけない問題である、かように考えております。
#92
○山原委員 次に、人事院総裁のほうにお伺いしたいんですが、一つは、教員にとりまして、いわゆる超勤制度というものはなじまないという見解をしばしば発表されておるわけです。文部省からもこの意見を聞いたのでありますが、このなじまないというのはどこから来ておるのですか。私は、昭和四十六年四月二十日の人事院給与局調査の、欧米四カ国、米、英、独、仏ですか、超過勤務手当についての調査、そこから基礎が出ておるのではないかと思うのですが、これについて、なじまないというのは、簡単に申しましてどこから来ておるのですか。
#93
○佐藤(達)政府委員 簡単に申しますと、これは、さきに申しましたとおりに、昭和三十九年のわれわれの報告書の中で問題をうたっておる。そのときからその点についての問題意識を持って、ずっと今日まで来たということです。そして、慎重にあらゆる面から検討いたしました結果、教員の方々の勤務というものは、普通の行政官庁の役人どもとは違って時間計測にはなじまないということから出発して、超勤手当制度はなじまないというふうに考えたわけです。いま外国の例をおあげになりました。これも私どものほうで調べた外国の例でございますが、その後、最近になって外国の例を調べましたところ、はからずも私どもの考え方と同じ行き方をとっておるということで、裏づけになっておるということを申し上げたわけでございます。
#94
○山原委員 あなたのほうの調査によりますと、そういうなじまないという資料の出てくる調査が出ておるわけですが、実はここに、昭和四十年十一月に作成されました参議院文教委員会調査室の調査があるわけです。これはごらんになっていますか。参議院文教委員会の調査室資料です。
#95
○佐藤(達)政府委員 見ておりません。
#96
○山原委員 この参議院文教委員会の調査室の調査、「教員の勤務時間に関する調査資料」、この末尾を読んでみますと、あなたのほうの資料と違うのです。たとえばフランス、チェコスロバキア、アラブ連合、ルクセンブルク、この四カ国は超過勤務手当を出しておる。さらに、ここにありますILO、ユネスコ合同専門家会議、これによりますと、トルコ、ブルガリア、フィンランド、イラク、イスラエル、フィリピン、ソ連及び社会主義諸国も超過勤務手当が出ておる。こういう結果が出ております。そうすると、あなた方の調べましたところの米、英、仏、ドイツ、この四カ国の調査という、いわゆるなじまないということばが出てきたこの資料に対して、私はきわめて疑問を持っているのです。どうしてこういう調査をされなかったのですか。こういう精密な調査がどうしてできなかったのですか。あなた方の調査だけでこういうなじまないということばが出てくることにつきましては、このなじまないということばが非常に今度の法案について重要なモーメントになっておりますので、その点についてどういうふうに理解されておるか、承っておきたいのです。
#97
○佐藤(達)政府委員 まず第一点は、私どもは一流の国々だけを調べました。二流、三流の国については、遺憾ながら調べておらないということが第一点。
 それから第二点としてはい国によりましては授業時間というものを基礎にして、そしてちょうどわが国でいえば多学年担当の手当というのがございますね。そういう意味で授業時間そのものに相当するものを、ふだんの受け持ちのほかにプラスアルファした場合にその分の手当を支給するという制度は、これはあると思います。しかし、それはわが国でいえば、いわば多学年学級の分担の受け持ちの手当に似たようなものでございます。そういう性格のものとして扱われておると思います。これは、しかし少ない例なんです。大体私の調べたところでは、超過勤務手当がないと申し上げてよろしいと思います。
#98
○山原委員 いま大きな国か何か偉大な国かわかりませんが、あなたのほうでアメリカ、イギリス、フランス、ドイツをそういうふうにお考えになっているかもしれないけれども、フランスの場合もあるのですね。参議院の文教委員会調査室が誤りであれば、これは何をかいわんやでありますけれども、少なくとも出ておるのです。しかもチェコスロバキア、アラブ連合、ルクセンブルク、トルコ、ブルガリアと私は名前をあげましたけれども、さらにフィンランド、ソ連及び社会主義諸国、これはあなたに言わせると立ちおくれた国ということになるかもしれませんが、必ずしもそういう判断は適切なことばではないと思いますので、それを追及することはおきますけれども、しかし、ただ問題になる点は、では、あなた方が参考とされようとしている米、英、仏の場合はどうでしょうか。この場合は労働三権が確立されているのですよ。わが国の場合と違うわけですね。たとえば長時間労働によるところの権利の侵害というものは、かなり抑制されておりますし、乱用できない。しかもスト権、団交権もあるのです。わが国の教育公務員の場合の、たとえば団交権、スト権というものにつきましては大きな制約を受けておるという場合と、この米、英、仏の教育労働者の置かれておる条件というものは全く違うわけですね。この違うところのものを持ってきて、そしてなじまないというふうな判定を下すということは、これは少なくとも人事院としては片手落ちな判定であるというふうに私は思います。
 だから、人事院みずからが出しておりますところの、人事院給与局の「欧米四カ国の教員の労働基本権の状況」というのをあなた方が出しておりますが、それを見ると、イギリスの場合は団交権、スト権を持っている。さらにバーナム委員会のごときは、教員の給与に対しては地方雇用機関代表二十五名、教職員組合の代表が二十六名、これによって構成されて教育労働者の給与というものが保全をされ、確立をされている。そういうものと比較をして、何でなじまないなどということばがかってに出てくるのか。しかもドイツの場合だって、団交権、団結権はあります。スト権については、私はこれはよくわかりませんけれども、フランスの場合は団結権、団交権、スト権を持っております。そういうものと比較をして非常に狭められた、権利の抑制を受けている労働者であって、あなた方が調べた四カ国には超過勤務手当はないという、そこのところだけを見て、なじまないという判定を下すところに私は問題があると思うのです。それについて見解を承っておきたいのですが、同時に、人事院がほんとうに教員というものの地位の向上あるいは給与の改善をするのならば、少なくともイギリスが持っているところのバーナム委員会くらいのものを構想として持たれたほうがいいのではないかと思うのですが、労使双方の集まったそういう給与、生活改善の問題について話し合うような機関をつくるというような構想を持っておられますか。
#99
○佐藤(達)政府委員 つらつら考えてみますと、先ほど一流国、二流国と申し上げましたのは、これは国際問題としてたいへんな重大問題になる可能性がありますので撤回します。私どもが調べているのは、一流国のうちのある国に限ったというように訂正させていただきます。
 それから外国の教員の関係の調べは、外国に本人が行って調べてきた者がここにおりますから、詳しいことは申し上げさせますけれども、しかし、大体私どもの調べたところでは、たとえば労働基準法のようなものは、外国では公務員については一般的に適用はない、三六協定のようなものも、すでにそういう法制自体がないということは私どももつかんでいるところでございます。ただ、一般の団交権、労働基本権の問題になりますと、これはすべての公務員にわたっての根本問題でありますから、これはまた次元の高い角度から、今後いかにすべきかという御議論が出るべきであろうと思いますけれども、当面の今日の体制におきましては、国家公務員についてはわれわれ人事院が厳然としてここに存在している。団交権あるいは罷業権の代行機能、代償機関、これは国会の皆さまから常にそう言われてわれわれは激励されておりますから、私どももそのつもりでいるわけでございます。
 たとえば給与勧告にいたしましても、私どもは、それらの機能の一つとして努力をして今日にまいってきている。法文の上では、たとえば給与勧告なりが――これが明瞭に私企業の場合であれば団交事項なんです。勧告についての公務員法をごらんになればおわかりのように、関係労働者の意向を聞けというようなことも外国のほうにはございません。これは今度のあれについても同じであります。条文の上にはありませんけれども、私どは公務員の保護機関である、または団交権の代償機関であるという意識に燃えて、常に関係組合の方々と緊密に接触をとりながら、たとえば給与勧告のごときは毎年申し上げている。
 また、住居手当などというのも、まだ早過ぎるという批判もありましたけれども、私どもは、やはり各組合関係の強い要望にこたえて住居手当を実現させたというような意気込みでやっておりますから、今度の問題についても、先ほど来労働省のお話だとか石井会長のお話だとか、しきりにそちらのほうをお責めになりますが、石井会長あるいは労働基準審議会、労働省というのは、われわれ人事院からいえばこれは有力な応援団には違いありませんが、選手はわれわれ自身であると思っております。したがいまして、私がここでその決意を申し上げることが一番適切である。われわれは、人事院の従来築いてまいりました信頼と信用にかけてこの法案が適正に運用されるように望みます。その決意を持っております。その点は御信頼いただきたいと思います。
#100
○山原委員 決意のほどはわかります。ただ私は、あなたのなじまないということばを撤回してもらいたいと思うんですよ。だから、いま私は時間の関係でなじまないということばだけ……。しかもこれは非常に重要なことばになっているわけです。
 たとえば、もう一つの観点から申しますと、先生方はいままで長い間超過勤務をされてきている。それに対する支払いが行なわれていない。だから耐えられなくなって、各地で訴訟まで起こしているんですね。訴訟を起こしてどちらが勝ちましたか。全部先生方のほうが勝訴しているんですよ。しかもその勝訴の実例も、京都、大阪、静岡、東京というふうに勝訴されている。その裁判の中でも、たとえば東京地裁の裁判によりますと、なじまないものではないという判例も出ているわけですね。そういうことから考えましたならば、あなたの言われておる、あなた方がいままで主張してきたところのなじまないということばは撤回をしていただきたい、私はこう思うのです。
 さらに、いま英、米、独、仏の例が出ましたけれども、この英、米、独、仏を含めまして世界の教員の地位に関するILO、ユネスコの勧告はどうなっていますか。八十九項には、勤務時間については教員団体との協議ということが国際的な常識になっているわけです。当然このことがこの法案の中にうたわれるということが、これが国際的にも認められる政府機関も入り、一流国だというところの米、英、仏、独まで入ったこの国際機関においてはっきりしておるという点を考えますときに、決意はわかりますけれども、ではなぜ、その決意を持っているならばこれに生かすという努力、そうして実際に働く教育者の立場を守るという姿勢をとられなかったのか、そのことを伺っておきたい。
#101
○佐藤(達)政府委員 私どもは、その勤務を総体的につかんでなじまないと申し上げておるのでありまして、これはいろいろな仕事にばらす意味では、たとえば職員会議をこれから一時間やろうではないかと言えば一時間という時間計測、これはなじむ面もあることはある。たとえばいま御指摘になった裁判所の判決は、たとえば調布の事件があります。これらの事件を見ますと、いまおことばにありましたように訴訟に勝った。勝ったのは、たとえば職員会議というようなもので勝った。職員会議というのは時間計測になじむものである。全体がなじまないとは言い切れない。たとえば職員会議などのごときは、なじむものもあるという意味で判決には出ている。そして職員会議の分として超過勤務の支払いの判決が出ておる。しかし、これはひるがえって見ますと、大体いままでこの超勤訴訟でおかちとりになった金額というものは幾らお取りになっておるか、われわれはそこまで調べておる。
 ある例を申しますと、四月から十月までの間の超過勤務としておかちとりになったその額を調べてみますと、お一人当たり何と百何十円というものです。大体をならしてパーセンテージにしてみますと、〇・四%にならない、〇・三幾つ%。最近修学旅行の分が超過勤務と見られる判決がございますから、それらを入れて〇・四%ですね、超勤手当としておかちとりになったもの。今度の場合われわれが提出を申し上げている調整額四%、これは実質六%。そのほかに、たとえば退職手当で平均二十五万円いままでよりふえる。これらに比べてみれば、いまの訴訟でおかちとりになった、訴訟による額なんというものは、これはほんとうにもう涙ぐましい額にすぎない。もっと大きく見れば、先ほど申しましたように時間計測にはなじまない。本来なじまないということから来て、超過勤務の手当にもなじまない。なじむものの片りんをつかまえればそれはないことはありませんけれども、それは決して学校の先生方のお得にはなりません。この一括の優遇措置のほうがよほどお得になります。われわれは確信を持っておりますから、それを大きな声でここで申し上げるわけであります。
#102
○山原委員 総裁そういうふうに言われますけれども、教育は地方分権の精神があるわけですね。だから今度皆さん方は、国立の学校で適用するものを、いわゆる公立学校に適用するというお考えを持っておると思うのですけれども、たとえば現在日本全国で、二十三県の人事委員会が超過勤務手当を払えということを言っております。さらに静岡、東京には超過勤務手当の条例があるのです。佐賀県にもあるわけですが、そういう地方治自、教育の地方分権の立場からいうならば、これは重大な問題なんです。時間がないわけですけれども、そういうことを私は申し上げたかったわけです。
 さらに超勤の問題、いまお話しになりましたけれども、私は今度の四%の問題も出してみたいと思うのですが、昭和四十六年度一般会計予算を見ますと、たとえば本省の、科学技術庁あるいは文部省、労働省、ちょうど私が関係している、いまお見えになっておる――科学技術庁はおられませんけれども、超過勤務はどのくらいになっていると思います。予算の中で一〇%をこしていますよ。教員の場合四%でしょう。国家公務員の労働者の一般会計の算出をしていきますと、一〇%をこしておるところがあるのですね。そういう状態で四%に押えてくるという、ここなんかも実際は、今度の審議の過程でこの重要な法律についての慎重な審議が十分尽くされなかったために、これらの問題についての計算の基礎というものが、はたして正しいのかどうかということなんかも残念ながら出ていないわけでありますが、要するにこれらの問題を含めて私は人事院総裁に申し上げたいのですけれども、実際に現在の教育というものを発展さすという立場で現在の給与状態でいいのか、これを抜本的に改善していくというそういう気持ちを、ここでこそ決意を表明される必要があると思うのですが、その決意について一言伺っておきたいと思います。やりますか。
#103
○佐藤(達)政府委員 先生方の待遇をいやが上にも向上させていきたいということは、この席でも申し上げたとおりであります。その方面については強い関心とまた努力をいたしてまいりたい所存でおります。従来の実績においても、若干ではございますけれども、少しでもよかれかしということで努力を重ねていることは、これはお認めいただけると思います。今後ともさらに努力をいたしたい。
#104
○山原委員 ちょっと時間が過ぎましたが、あと二、三分いただきたいのです。
 文部省に最後に伺いたいのですが、これは政務次官または宮地さんから。この教員の勤務時間ですね、これは文部省の出しておる資料によりましても、超過勤務というものはやはりやっているわけですね。それから全国中学校長会の調査によりましても、たとえば週五十五時間の勤務というものが出ておるわけです。これで四%というものでは、実際に先生方はかなり損をしておるという計算が出てくるわけです。計算申し上げたいのですが省略をいたしますけれど、さらに実際に先生方が創意性を持って、自主性を持って活動するためには、改善しなければならない部門というものがたくさんあると思うのですがね。算定できないものについては調整額で改善をしていく、算定できる超過勤務に対しては当然超過勤務手当を払っていく。
 また、そのほかにたとえば事務職員の充実というような問題もあると思うのです。いま国立の場合を公立に適用するということになっておりますけれども、たとえば事務職員の場合で、国立の小学校で事務職員が三・六人に対しまして公立の場合は実に小学校で〇・五四人と、こうなっている。中学校の場合は国立の事務職員が三・一人、公立の場合は〇・九四人、高等学校の場合、国立が八・一人、公立の場合が四.二人というように、条件というものが全然違うわけですね。これだけの事務職員というものを配置してもらえば、これは先生方、かなり自分たちの超過勤務というものを縮小することができるわけです。そういうものが考えられないで、国立のものをいきなり公立に適用するという考えもおかしいと思うわけです。この点について伺っておきたい。
 最後に、いま裁判が行なわれておりまして、いよいよ最高裁の判決も出ようとしておる。最高裁の判決がなぜこんなにおくれておるのか私はわかりませんけれども、少なくとも昨年度じゅうに最高裁の判決が超過勤務手当について出るということは、これは全くみな公然といわれておったことでありますけれども、おそらく最高裁判所が、これは憶測をするわけですが、この法律ができるまでこの判定を出さないというような態度もあるんじゃないかということを私は危惧しておるわけでありますけれども、もし裁判で国側が敗訴しました場合、いままで各地の裁判所では先生方が勝訴しておるわけですから、いままで国家公務員制度あるいは地方公務員制度、あるいは労働基準法ができたのは昭和二十二年を境にしておりますが、これ以後の先生方の超過勤務というものに対して全面的に国が支払いをする考え方を持っておるかという、この二つの点を伺っておきたいのです。
#105
○宮地政府委員 一番目の御質問でございますが、私ども昭和四十一年に教員の負ったオーバーワークについて調査をいたしました。それは、いわゆる超過勤務というものは命令されてするというものでございますが、先生方に、自分が勤務時間以外にどの程度働いておると思うかということを自主的に記入していただきました。その結果、内容を見ますといろいろございまして、たとえば勤務時間中に社会教育の仕事にお出かけになっておられる、戻られてまたいろいろあすの教案の勉強をなさるといったようなことで、本来の命令を出す超過勤務と、先生方に記入していただいた調査内容とでは相当の開きがございます。そういうこともございますが、一応私どもの調べたものをすなおに超過勤務のような計算をいたしますと、四%前後でございます。今回はそれが実質六%に当たる調整額が支給されますので、超過勤務そのものではございませんが、そういう超勤の問題処理ということも含めまして、教員の処遇改善をしようとします今回の調整額の実質六%で十分カバーし得るというふうに考えております。
 それから、事務職員のことでございますが、先生いまおあげになられました資料はどの資料をお取りになられましたかよくわかりませんが、若干、先生がおっしゃいました数字は私どもの数字と違います。国立は三・何名とおっしゃいましたが、大体国立は二・五名でございます。しかし、それにいたしましても御指摘のように、公立と国立を比べますと、公立は事務職員の配置率が非常に悪うございます。この点は率直に認めます。そういうことで、私どもといたしましては、教員定数を充実いたします場合に、事務職員を含めまして現在第三次の五年計画で教職員の充実をはかっておりますが、そこで昭和四十八年度までには一校につきまして〇・七人という比率になります。今後この点につきましては、少なくとも一校には事務職員をぜひ一人は置くということを目標にいたしまして努力をしたいと思います。
 それから超勤についての判決でございますが、いままでの訴訟、まだ最高裁の判決が出ておりません。高裁に上がっておるものが二件、その他は地裁でございます。ただ、仮定の問題で――まだ最高裁で私どもこれが敗訴になるというふうには考えておりませんので、仮定の問題につきましてはちょっとぐあいが悪うございますが、一般論といたしまして、最高裁の判決がありますれば、それに従って払うべき金は払っていくというのが民主主義国家のルールであろうと思っております。
#106
○河野(洋)委員長代理 山原委員の質疑はこれにて終了いたしました。
 この際、暫時休憩いたします。
   午後一時五十四分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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