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1970/04/28 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 法務委員会 第18号
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1970/04/28 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 法務委員会 第18号

#1
第065回国会 法務委員会 第18号
昭和四十六年四月二十八日(水曜日)
    午前十時十七分開議
 出席委員
   委員長 高橋 英吉君
   理事 小島 徹三君 理事 田中伊三次君
   理事 羽田野忠文君 理事 福永 健司君
   理事 畑   和君 理事 沖本 泰幸君
   理事 岡沢 完治君
      石井  桂君    江藤 隆美君
      唐沢俊二郎君    中村 弘海君
      松本 十郎君    村上  勇君
      村田敬次郎君    山下 徳夫君
      豊  永光君    綿貫 民輔君
      黒田 寿男君    山田 太郎君
      青柳 盛雄君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 植木庚子郎君
 出席政府委員
        法務大臣官房長 安原 美穂君
        法務省民事局長 川島 一郎君
 委員外の出席者
        法務委員会調査
        室長      福山 忠義君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十八日
 辞任         補欠選任
  島村 一郎君     綿貫 民輔君
  千葉 三郎君     村田敬次郎君
  中尾 栄一君     豊  永光君
  中村 梅吉君     唐沢俊二郎君
  中村庸一郎君     江藤 隆美君
  永田 亮一君     山下 徳夫君
  山手 滿男君     中村 弘海君
同日
 辞任         補欠選任
  唐沢俊二郎君     中村 梅吉君
  中村 弘海君     山手 滿男君
  村田敬次郎君     千葉 三郎君
  山下 徳夫君     永田 亮一君
  豊  永光君     中尾 栄一君
  綿貫 民輔君     島村 一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 民法の一部を改正する法律案(内閣提出第八三
 号)
#2
○高橋委員長 これより会議を開きます。
 民法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。畑和君。
#3
○畑委員 のどをこわしているので高い声が出ないのですが、こういう低い声で失礼だが、そのうちなれてくるだろうから……。
 民法の一部を改正する法律案について質問いたします。まず最初に、今度根抵当について、いままで判例法上だけ認められておったものをちゃんと立法化して、そして判例であるから、したがって解釈もいろいろある、それを今度は明文できめるということになった。この必要は非常に認めるわけですが、ところで同じように判例法上認められておる制度で譲渡担保というのがありますね。あれはやはり判例法上いろいろ認められておるけれども、根抵当だけについて今度立法したんだけれども、譲渡担保等についてはやはり同じく立法する考えがあるのかどうか、その点ちょっと最初にお聞きしたいと思います。
#4
○川島(一)政府委員 お答えいたします。
 このたびは根抵当の立法化を提案いたしたわけでございますが、仰せのとおり、譲渡担保につきましても同じような問題があろうかと存じます。そういう意味で、私どもといたしましても、譲渡担保を立法する必要があるかどうかという点につきましては、これから十分検討してまいりたいと考えております。ただ根抵当の場合には、この規定がございませんと、現実にいろいろ民法の抵当権の規定との関連におきまして、適用上困難な問題が生じてまいります。これに対しまして、譲渡担保の場合には、もともと規定がございません。ただ所有権の譲渡によって担保するという制度でございますので、規定を設けるとした場合にはたしてどの程度の規定が必要であるかというような点がまだはっきりいたしませんので、これらの点につきましては、今後なお検討してまいりたいと考えておる次第でございます。
#5
○畑委員 この根抵当権というのは、金融関係その他でいろいろ利用され、経済活動において非常に利用される度合いが多いわけで、一つの新しい制度だと私は思うのですが、今度立法されたのは民法のうちの三百九十八条ノ二以下で、全部で二十二までにわたって枝葉になるんですね。このていさいの問題ですけれども、こうするくらいならば、そういった一つの領域でもあるから、根抵当に関する単独の立法ということがむしろよかったような気もするんだが、それを民法の一部改正で、こうして三百九十八条ノ二から二十二までというようなていさいにしたのはどういうわけか。やはりこういうふうにしたほうがよかったのか、単独法は考えなかったのか、その点承りたい。
#6
○川島(一)政府委員 立法のていさいにつきましては、民法の一部改正の形式をとるか、あるいは特別法の形式をとるかという御指摘のような問題がございまして、その点もいろいろと考えたわけでございます。ただ、このような一部改正の形式をとりましたのは、本来根抵当権という物権でございますが、これを規定するとした場合には、やはり民法の規定の中に置くのが本来の姿ではなかろうかということが第一点でございます。
 それから、民法の規定の位置といたしまして、根抵当の規定は、民法の物権編の第十章抵当権の中の第四節として規定したわけでございまして、根抵当も抵当権の一種として考えたわけでございます。したがって、民法の第十章抵当権の第一節総則という規定がございます。これは抵当権すべてに通ずる規定でございます。それから二節以下に「抵当権ノ効力」「抵当権ノ消滅」という規定が置かれておりますけれども、根抵当も抵当権の一種として構成いたしたので、これらの規定が原則として根抵当にも適用になる。そしてこの四節にはこれらの規定のいわば特則に当たる部分がここに集約されて規定しているという形になるので、ここに置いたほうが民法の全体の体系からいってもわかりやすいのではないか、このように考えた次第でございます。
#7
○畑委員 そうだとすると、「抵当権ノ消滅」というのは第三節ですね。第四節が根抵当になるのだから、これは逆になっていると思う。消滅や何かは全部に通ずる問題じゃないですか。それが消滅が先に行っちゃって、根抵当権が特則だからということかもしらぬけれども、第四節に行ったというのは、順序が少し逆のような気がする。その点はやはりそうでないとぐあいが悪かったのですか。
#8
○川島(一)政府委員 仰せのように、消滅の前に規定を置くということも考えられますが、第四節といたしましたのは、本来の抵当権と違ったものがここで初めて出てくる。したがって、これは一番最後に置くのが読みやすいのではないかということと、それから消滅の関係につきましても、根抵当の中に、根抵当の特殊性から違ったものが出てくるわけでございますので、そういった点を考慮いたしまして、特殊な、変わった形の抵当ということで、一番最後に規定をいたしたわけでございます。
#9
○畑委員 了解します。
 その次に、いままで判例だったものですから、包括根抵当について見解が幾つかあったと思います。包括根抵当無効論だとか、限定的有効論だとか、無制限有効論だとか、大別するといままで三つの見解があったと思う。本案をずっと見てみますと、大体そのうちの限定的有効論に基づいてつくられておるように思う。そこで、ここに行き着いた立案の過程ですが、それをちょっと示してください。
#10
○川島(一)政府委員 仰せのとおり、根抵当の立法にあたりまして、最も問題となりましたのは包括根抵当をどのように考えるかという問題でございます。この問題につきましては、御承知のとおり、戦後、包括根抵当有効論というのが出てまいりまして、それに関連していろいろな説があらわれてきたわけでございます。そこで、今回の立案にあたりましては、いろいろ経済界の意見でありますとか、金融界の意見でありますとか、学界の意見でありますとか、そういうものを聞きまして、これらを参考にいたしたわけでございますが、その意見をいろいろ聞きました結果によりますと、かなり包括根抵当を認めてほしいという意見もあったわけでございます。しかし、包括根抵当というのが正しく運用される限りにおいては、これは非常に便利な制度でございますけれども、ともするとこれが抵当権者にあまりにも有利に働き過ぎるという場合がございます。そのようなところから、概して根抵当権者側となる金融機関のほうでは、そうしてくれという意見が多かったわけでございますけれども、中立的な立場にある弁護士会とか、あるいはそのほか大きな銀行とか政府機関では、必ずしも全面的に認めることは問題がないとはいえないというようなことでございまして、そこで、実際の取引に必要な限度において、なるべく根抵当権を弾力性のあるものとすることは必要でありますけれども、その必要を越えて、より強い権利にするということは、根抵当権者に余分の利益を与える結果、その反面において債務者には不利益を与えるということにもなりますので、この案におきましては、先ほど仰せになりましたように、その中間をとりまして、取引によって債権の範囲を定めるということをたてまえにいたしたわけでございます。
 それから、それによってまかなえない部分、つまり三百九十八条ノ二の第三項の規定でございますが、回り手形に関しましてはまた特別の規定を置いて、必要がある場合には設定者と根抵当権者とが特別の合意をすることによって、これを根抵当権で担保できるようにした、こういうことでございます。
#11
○畑委員 わかりました。いまのいわゆる回り手形、三百九十八条ノ二の三項にございますね。これは、そういう意味で回り手形についてだけ合意があれば認めるということできめたということになっておりますが、これでやっても乱用の危険はないでしょうか。この程度ならいいだろう、これだけ合意があれば認めるということになったのだと思いますが、その辺どうですか。
    〔委員長退席、羽田野委員長代理着席〕
#12
○川島(一)政府委員 回り手形を担保すべき債権の範囲に含ませますと、たとえば債務者が信用状態を悪くした場合に、安くなった手形債権を買い集めて、そしてそれを根抵当権の担保の中に入れる。これによって債権者が利益を受ける反面、債務者とか後順位の根抵当権者に損害を与えるということが考えられる。そこでその点につきましては、次の条文でありますが、三百九十八条ノ三の第二項におきまして、債務者が特定の理由によって信用状態を悪くした場合には、その後に取得した手形債権については根抵当権で担保しないという規定を設けまして、そういう弊害が生ずることを防ぐことにいたしておるわけでございます。
#13
○畑委員 続いて三百九十八条ノ三、これは民法三百七十四条との関連で質問するのですが、三百七十四条には「抵当権者カ利息其他ノ定期金ヲ請求スル権利ヲ有スルトキハ其満期ト為りタル最後ノ二年分ニ付テノミ其抵当権ヲ行フコトヲ得但其以前ノ定期金ニ付テモ満期後特別ノ登記ヲ為シタルトキハ其登記ノ時ヨリ之ヲ行フコトヲ妨ケス」「前項ノ規定ハ抵当権者カ債務ノ不履行ニ因リテ生シタル損害ノ賠償ヲ請求スル権利ヲ有スル場合ニ於テ其最後ノ二年分ニ付テモ亦之ヲ適用ス但利息其他ノ定期金ト通シテ二年分ヲ超ユルコトヲ得ス」こうあるわけですが、この三百九十八条ノ三によりますと、極度額はとにかく債権極度額一本になるということになって、三百七十四条との関係上どうなのかということをお尋ねしたい。
#14
○川島(一)政府委員 三百九十八条ノ三第一項の規定と三百七十四条の規定との関係は、三百九十八条ノ三の規定が三百七十四条の規定の特則に当たりまして、したがって、根抵当につきましては三百七十四条の規定は適用がなく、三百九十八条ノ三の第一項の規定が適用される、こういう関係になるわけでございます。
    〔羽田野委員長代理退席、委員長着席〕
#15
○畑委員 そうすると、根抵当権者を普通の抵当権の場合よりも保護しているということになりますね。要するに極度額を高くしておけばその範囲内で利息は幾らでもいいわけだ。ところが、三百七十四条の普通の抵当権の場合は、二年間だけに限定されて満期になった、こういうことになりますから、その点で根抵当権者が極度額を相当高くきめておけば全部利息も入ってくるということになって、普通の抵当権よりもだいぶ保護されておるということは間違いないですね。
#16
○川島(一)政府委員 根抵当権で担保する債権の額がさらにその後二年分の利息損害金を加えましてなおかつ極度額に達しないという場合は、お説のようになるわけでございます。
#17
○畑委員 同じ三百九十八条ノ三になるわけですけれども、債権極度額というのは貸し付け極度額とは違うわけだと思います。さきの質問にもちょっと含まれておるのですけれども、将来の利息損害金のワクを見込んで設定することにもなるわけで、そうするとワクがあまりに過大になるというようなことになりはせぬかと思うのですが、貸し付けは幾ら、ところが利息は将来うんとになるだろうということを予想して、極度額をそれよりはるかにオーバーしたものにしておけば、利息は幾らあれしても全部それで担保されることになるわけだと思う。そういう点で少し過大になり過ぎはせぬかと思うのですが、どうですか。
#18
○川島(一)政府委員 そういう場合もあるいは考えられるかと思いますけれども、実際の取引におきましては、必要のないところまで高く極度額を定めるということはあまりいたしておりません。普通の抵当権の場合ですと、債権額によって登録税を取りますけれども、根抵当権の場合は極度額によって登録税を取るということもございまして、極度額をあまり多くすることはよけいの出費もかかるわけでございます。そういうことで現在でもこのような極度額の定め方が行なわれておるわけでございますけれども、実際に貸し付けをすることが予想される金額に幾ぶん利息の分を見て極度額を定めるという程度でございます。
#19
○畑委員 その次三百九十八条ノ六、元本確定の期日ですね。「其確定スベキ期日ヲ定メ又ハ之ヲ変更スルコトヲ得」という規定、さらに「第一項ノ期日ハ之ヲ定メ又ハ変更シタル日ヨリ五年内タルコトヲ要ス」「第一項ノ期日ノ変更ニ付キ其期日前ニ登記ヲ為サザルトキハ担保スベキ元本ハ其期日ニ於テ確定ス」こういう規定になっておるのですが、「五年内」と一応きめたのはどういうことで五年としたのか。五年ぐらいがいいだろうということできめたのだろうと思いますが、もし五年をこえた日をきめた場合、そのきめ方は全然無効になるのか、あるいは五年に短縮されるのか、五年とみなされるのか、その辺はどうですか。民法の二百七十八条や三百六十条、五百八十条との関連で聞きたい。
#20
○川島(一)政府委員 五年という期間をどういう見地からきめたかということをまずお話し申し上げたいと思いますが、根抵当権は、御承知のようにまだ貸し付けが行なわれる前に担保価値を債権者のほうで把握しておく、こういう制度でございます。したがって、いつまでも貸し付けが行なわれないで担保価値を長い間握っているということになりますとあまり好ましいことではありませんので、確定すべき期日はあまり長くないほうがいいであろうということからこのような制限を設けたわけであります。そして実際に限抵当権がどれくらい存続するかというのを実例について調べてみますと、根抵当権が登記所に設定登記されましてそれから消滅登記がされるまでの期間、これはまちまちでございますけれども、最も多いのが三年から五年の間でございます。そのようなことから、期日的に見て五年という期間であれば、実際の取引においてもそれほど支障を生ずることはなかろうと考えたことが一つであります。それから民法はほかにも、たとえば共有物分割制限でありますとか、そのほかいろいろ期間の制限を設けている規定がございますが、そういうものを見ましても五年というのが比較的多い、そこでそれにも合いますので五年ということにいたしたわけであります。
 そこで、それでは当事者が五年より長い期間を定めた場合に、その定めが有効であるかどうかという点でございますが、これは原則としてこの法律の規定に違反する定めでございますから、無効であるというふうにいわざるを得ないと思います。ただ、具体的な場合によりましては、当事者の意思解釈として、五年内にするつもりであったが、期間を間違えて五年を超過する日をきめてしまったというような場合には、それは五年ぎりぎりの日を定めたものだというふうに救済的な解釈が行なわれる場合はあり得ると思います。しかし、原則として申し上げますならば、五年をこえて定めた場合には無効である、このように解釈されることと考えます。
#21
○畑委員 それはちょっとあれじゃないですか。五年こえた場合には無効になってしまうのですか。無効になってしまうというのはどういうことですか。期間の定めをしなかったということになるのですか。それはちょっとおかしいと思うんだ。そういう五年こえた場合には五年とみなす、そういう例もよくありますね。だから、これは五年にするという規定が必要なんじゃないか、いまの議論からすると。ただ救済する場合、そういうふうに五年というのを間違えたのだということの解釈で五年にする、そうすると非常にややこしい。だからそうじゃなくて、五年をこえた場合には五年とみなすということにでもしたらいいんじゃないか。この辺ちょっと混乱するのじゃないかと私は思うのだが、どうでしょうか。無効だと言うからそう言うのですが……。
#22
○川島(一)政府委員 たとえば民法の五百八十条に買い戻しの期間の規定がございます。これは「買戻ノ期間ハ十年ヲ超ユルコトヲ得ス若シ之ヨリ長キ期間ヲ定メタルトキハ之ヲ十年二短縮ス」こういう規定がございます。こういう場合には、十年をこえた期間を定めた場合には、それは十年になるのだということがはっきり言えるわけでございますが、こういう短縮するという規定が入っていない以上は、やはり解釈論としては、こえた場合にはこれは短縮されずに無効となるのだということになろうかと思います。ただ、何年何月までというふうに日をもって定めるわけでありますから、その日がたとえば五年内のつもりでもって計算を間違えて五年をこえる日を契約書に書いてしまった、こういう場合でございますれば、それは五年内の最終の日を書くつもりであったのだから表現の間違いであって効力はある、こういう場合も出てこようと思うわけであります。
#23
○畑委員 五年をこえた場合には無効になってしまう。そうした場合、そうすると実際問題としていつ確定するのですか。その確定の時期がなくてはいかぬわけだ。あらためてそれから進行するのですか。その辺、実際問題はそういうふうで救済されるとは思うけれども、そういうときに全然期間の定めをしなかったということになると、元本はいつになっても確定しないということになりはせぬですか。
#24
○川島(一)政府委員 その場合には、三百九十八条ノ十九に確定請求という制度がございます。根抵当権設定のときから三年を経過したときは――これは三年を経過した後であればいつでもいいということでありますが、その三年を経過したときは、根抵当権の設定者のほうから担保すべき元本の確定を請求することができる、一方的な意思表示によって元本の確定が生ずる、こういう請求権が認められております。これによって元本の確定が行なわれるということになるわけであります。
#25
○畑委員 それは抵当権設定者が、三年より多く五年なら五年ときめてあっても、三年経過したときには抵当権設定者のほうでそれを請求することができるんでしょう。確定を請求することができるということになっておるわけだけれども、それを抵当権者が請求しない場合にはやはり問題が残ると私は思う。しない場合にはやはり残るのじゃありませんか。どうですか、その点は。
#26
○川島(一)政府委員 元本確定の請求は抵当権者がするのじゃなくて、抵当権設定者のほうからするわけでございます。
#27
○畑委員 設定者がしない場合はどうなるかというのです。確定請求しない場合やはり問題が残ると思う、五年以上にきめたとき。
#28
○川島(一)政府委員 請求しなければ、これは別に何らかの元本の確定事由が生じた場合に確定するということになるわけでございます。たとえば次の三百九十八条の二十という規定がございます。この第一号は、取引の終了などによって今後債権が生じなくなった、こういう場合であります。そのほか二号以下にもいろいろな場合が規定してございますが、こういう事由が生じた場合にはそれによって当然に元本が確定する、こういうことになります。
#29
○畑委員 そうすると、そういうことがない場合にはずっと続くわけですね。それは私はどうも疑問が残るのだが、時間がかかるから議論してもしようがないけれども、その答弁にはちょっとわからぬところがある。五年以上にきめておいた場合、いま言ったような三百九十八条ノ二十の事由が出てきた場合は、そのときに確定するわけでしょうけれども、それがない場合には六年でも七年でも続きますね。続くわけだが、それはあなたの話からいって無効だというのだから、無効だとすれば続くはずはないのだね。その辺どうですか。
#30
○川島(一)政府委員 先ほどの三百九十八条ノ六の規定で、確定すべき期日を定めなかった場合につきましては、この場合には別にその期間が問題にならないわけでございますから、根抵当権は有効なままずっと続くわけでございます。この期間、期日を定めるかどうかは当事者の任意の措置にまかされておるわけでございます。
#31
○畑委員 そうですか。そうすると、きめなかった場合に当たるわけですね。そうすると、五年以上にきめたときにはきめなかったことになるわけだ。そうするとずっと続く、こういうわけで、いつになってもそのとき特別の、いま言った確定請求するとか、あるいはさっき言ったようないろいろな事由によって差し押えられるとか、そういう事由があって、そういう事由によって確定する場合を除くのほかは、ずっと確定せずにそのまま続く、こういうことになりますね。
#32
○川島(一)政府委員 そのとおりでございます。
#33
○畑委員 次に三百九十八条ノ七、元本の確定前における根抵当権の随伴性を否定して、各個の債権の移転に伴って根抵当権が移転することはなく、これらの債権は根抵当の被担保債権から離れることにしたその理由はどうなのか。従来は、抵当権の債権に対する随伴性によって、根抵当権の一部移転が生ずるものと解する説がむしろ多かったと思うが、その辺の関係はどうなのか。
#34
○川島(一)政府委員 その点につきましては、仰せのとおりいろいろな説がございまして、この法案で規定しておりますように、債権譲渡が行なわれれば、譲渡された債権は根抵当権に担保されなくなるという説のほかに、やはり根抵当権の一種の随伴性というものを認めて、譲り受け債権も根抵当権によって担保されるという説もございました。しかしながら、この点はいずれの説をとるかによって非常に法律関係が違ってまいりますので、この案を作成するにあたりましては、どちらの説をとるかということも十分検討いたしまして、この規定のような形にいたしたわけでございます。
 これは、根抵当権者から見ました場合には、根抵当権者が他人に譲渡した債権、それに根抵当権がついていくことは便利な場合もございます。しかしながら、同時にまた、その債権が今度はほかの者に取得されて、転々譲渡されるというような場合もございますので、根抵当権者としては、自分の根抵当権に担保される債権の割合がどうなっておるのかということがわからなくなってしまうこともあるわけでございまして、一利一害といえるのではないかと思います。ドイツ民法にもこの点につきましては規定がございまして、この場合には、譲渡された債権には根抵当権は及ばないということになっております。学者の説としても、そのほうが法律関係の簡明化のために望ましいのではないかという意見が多かったために、このような規定をいたしたわけでございます。
#35
○畑委員 続いて、今度は三百九十八条ノ九、相続の関係ですね。一項と二項と三項と四項とありますが、そのうちの一項の場合、すなわち根抵当権設定者と根抵当権者の相続人との合意によってきめた相続人、何人かのうちの相続人、それが取得するものに限られるというふうに解されるわけだが、根抵当権設定者がこれに介入してくるということは相続の法理から見ると妥当ではないんじゃないか。当然相続というのは死ねば相続開始されるので、相手方の設定者のほうの合意が要る、合意によってきめた相続人、こういうことになるとその設定者の意思が入ってくる。こういうことになるわけだが、これは相続の法理からするとちょっと違いやせぬか。この辺はどういうことでこういう規定をされたか。
#36
○川島(一)政府委員 三百九十八条ノ九は、根抵当取引の当事者の一方が死亡した場合の規定でございます。この場合には相続が行なわれるわけでございますけれども、被相続人と相続人とではこれはもちろん別の人格者でございまして、根抵当取引というのは取引の相手方の個性を非常に重視する、信頼関係を基本とする取引でございます。したがって、根抵当権設定者はそのような当事者のために担保を提供しているものでございますから、取引の当事者がだれになるかということは非常に重要な関心があるわけでございまして、相続の場合にだれの債権を担保するかということは、今後の問題としては根抵当権設定者もその決定に関与させる必要があるというところからこういう規定を設けたわけでございます。もちろん死亡いたした被相続人の当時に生じておりました債権につきましては、これは当然担保されるわけでありますけれども、事は相続開始後の取引によって生ずる債権を担保するかどうかという問題でありますので、その点につきましては、根抵当権設定者も重要な関係者の一人として、どういう相続人が承継するかということについて合意の当事者になる、このように考えたわけでございます。
#37
○畑委員 さっきのは根抵当権者の相続ですが、今度は第二項の債務者の相続について、相続人が債務者すなわち被相続人と同一程度の信用を持つものだと評価をされるだけの実質を客観的に見て備えているとした場合、根抵当関係は当然存続し得ると思われるんだけれども、その場合、根抵当権者が合意に応じない場合には一体どうなるのかということをお聞きしたい。
#38
○川島(一)政府委員 合意が成立いたしません場合には、最後の第四項の規定でございますが、合意が成立しなければ、これは相続の開始後六カ月以内という制限がございまして、その期間内に合意をして登記をいたしませんときには、相続開始のときにおいて根抵当権の元本が確定する、そういうことになるわけであります。
#39
○畑委員 次に三百九十八条ノ十、合併の場合、これは原則として新しい法人が引き継ぐというのが当然だということで、相続の場合と違うような規定になっておると思います。相続の場合は、そのままかどうか、人ですから、法人ではないから、結局相続人の意思いかんにかかることが多いということで、相続人が数名ある場合、だれがその取引関係を承継するかということも、具体的には遺産分割等の協議を経ないとはっきりしない場合等もあるというようなことでこういう違いがあると思うのですね。前の相続の場合と合併の場合との違い、そういうことで合併の場合は違ってきているのか、その点……。
#40
○川島(一)政府委員 仰せのような点もございます。それから合併の場合には、これはもう当然、営業なり取引というものは新しい合併後の法人に引き継がれるということが当然の前提になっておりますので、何もしなければそのまま根抵当取引も承継される。したがって、根抵当権もそのまま存続さしてよかろうというのが、この規定をつくった考え方の骨子になっているわけでございます。
#41
○畑委員 次に三百九十八条ノ十一、転抵当ですね。根抵当権について転抵当権を設定した場合、担保すべき元本の確定前においては、債務者は転抵当権者の承諾を得ないでも債権者に自由に弁済することができ、その弁済をもって当然に転抵当権者に対抗し得るとしてあるわけですが、その結果、根抵当権について転抵当権を設定しても、実質的に転抵当権者がその根抵当権によってどれだけ優先弁済を受け得るかということは、根抵当権の担保する元本が確定してみないとわからないという結果になり、場合によってはゼロになってしまう可能性もあって、転抵当権を設定した意味がその結果なかったことになる場合もあるのではないか。転抵当権者の地位がそういう意味ではきわめて不安定になっておるということになると思いますが、その点はどうか。
#42
○川島(一)政府委員 いま仰せになりました点は、そのとおりでございます。要するに、三百九十八条ノ十一は、根抵当権を転抵当とした場合には、当然のことだと思いますけれども、転抵当権者というものは元本が確定した場合にその確定元本について存する抵当権の担保価値を転抵当権として把握する、こういう形になるわけでございますので、転抵当権者としては、そういうことは当然初めから承知の上で設定しなければならない、このように考えておるわけでございます。
#43
○畑委員 次に三百九十八条ノ十二、根抵当権の譲渡ですね。これは分割というのがありますが、根抵当権の分割は譲渡の方法として認められ、譲渡と関係なく分割されることはあり得ないように見えるけれども、こういう場合、甲、乙が共有している一個の根抵当権を分割して、甲の単有と乙の単有にするというようなこと、これはこの分割譲渡に含まれるのかどうか、その点をひとつ……。
#44
○川島(一)政府委員 仰せのような場合には、やはりいわば共有の持ち分を譲渡するという形になりますけれども、分割譲渡の場合の譲渡というものに該当するであろうと考えます。
#45
○畑委員 その次に三百九十八条ノ十二、根抵当権の処分、これは極度額で示されるワクが被担保債権から切り離して処分されるものと解される。すなわち、この存続における付従性を否定することになると解されるが、このように本法案のような根抵当権は、非常に独立性の強い、普通の抵当権とは次元の異なる抵当権になるように思われるがどうか、その点はいかがでしょう。
#46
○川島(一)政府委員 もともと根抵当の場合には、付従性といったものがあるかどうかということが問題になるわけでありまして、かりに付従性があるという考えをとりましても、その付従性というものはきわめて程度の低いものであると思われます。したがいまして、根抵当権の譲渡でありますとか一部譲渡というような場合には、その付従性のことはあまり問題にならない。ちょうど付従性がそこでなくなって、また別の人との関係が生ずるという程度のものとお考えいただければよろしいのではないかと思います。
#47
○畑委員 次に三百九十八条ノ十六、共同根抵当ですね。これは普通の抵当権の共同抵当、三百九十二条、三百九十三条の規定が、根抵当権の設定の登記と同時に、数個の不動産の上の根抵当権がすべて同一の債権を担保するという特別の登記をした場合に限って適用される、こうしてありますが、この理由はどうなのか。普通の場合には、そういった特別登記は必ずしも必要ないというふうになっておると思うのですが、この場合はそういった特別の登記をしなきゃいかぬということになっていますね、この点はどうですか。
#48
○川島(一)政府委員 根抵当権の場合に、三百九十二条及び三百九十三条のいわゆる共同抵当に関する規定がそのまま適用されるかどうかという点につきましては、現在すでにいろいろな解釈が分かれておるところでございます。そこで、その立案をいたします場合には、この点につきましてもいろいろな意見があったわけでございますが、結局、取引の実情にかんがみまして、根抵当の場合には、普通の抵当の場合のように常に厳密な共同関係というものを考えることはかえって不便である。しかし、これを常に共同関係がないものとして扱うことも問題の場合が出てまいる。たとえば建物とその敷地とを担保にとったというような場合におきましては、むしろこれは一個の根抵当権と同じように取り扱ったほうが実態にも合うということになりますので、そういう共同関係を特に認める必要のある場合には、何かそのことを登記の上で明らかにしておく必要があるというようなことから、このような規定を設けて、こういう特別な登記をすることにいたしたわけでございます。
#49
○畑委員 次に三百九十八条ノ十九、さっき話が出ました例の確定請求権ですが、それが生ずる時期を設定の時から三年を経過したときということになっていますが、その場合、もし三年以内でも事情変更があったというような場合には確定請求をすることができるのかどうか、それは一切できないのかどうか。この確定請求権は一体形成権なのかどうか。それから根抵当権が数人の共有に属する場合、この請求は一体全員に対してなすことを必要とするのか。この三つの点についてお聞きしたい。
#50
○川島(一)政府委員 まず三年を経過する前に確定請求ができるかどうかという点でございますが、この規定によりますと、三年を経過することが確定請求の要件となっておりますので、三年を経過いたしません場合にはこの規定の要件を欠きますので、確定請求はできないということになるわけであります。しかしながら、たとえば次に三百九十八条ノ二十という規定がございまして、いろいろな確定事由が規定されております。これに該当するような場合には、当然これらの規定によって確定するということになるわけでございます。
 それから、共有のような場合でございますが、その場合にはこの請求はやはり全員に対してする必要があるというふうに思います。
#51
○畑委員 形成権ですね。
#52
○川島(一)政府委員 形成権でございます。
#53
○畑委員 次にさっき話に出ました三百九十八条ノ二十、根抵当権の担保すべき元本は次の事由によって確定すとなっておりますが、この場合、当事者の特約によって本各号の場合でも確定しないときめることができるのかどうか、そういう特約はできるのかどうか。
 それから、このうちの第四号によると、抵当不動産を第三者が差し押えをした場合、根抵当権者がその事実を知ったときから二週間で確定するものとなっておりますけれども、その趣旨はどうなのか。根抵当権者はどうしてこの事実を知り得るかという点がちょっとわからない。
#54
○川島(一)政府委員 この事由に該当しても元本の確定を生じないという特約の効力でございますが、この規定は強行規定であり、これに反する特約は無効であるというふうに考えております。
 それから、この第四号の確定事由に関連いたしまして、根抵当権者が第三者の競売あるいは差し押えのあったことをどういうふうにして知るかという点でございますが、この法案の附則の十二条、十三条で民事訴訟法並びに競売法の改正を行なっております。その中で、裁判所が競売開始決定をいたしましたときには、そのことを利害関係人に通知するということにいたしておりまして、この利害関係人の中には当然根抵当権者も含まれるわけでありますので、それによってそのことを知り得るということになるわけでございます。
#55
○畑委員 次に三百九十八条ノ二十一、極度額の減額請求権を認めた理由及びその効果、この減額請求による極度額減額の効果は、その登記がなくても第三者に対抗できる趣旨と解してよろしいかどうか。
#56
○川島(一)政府委員 この減額請求を認めた趣旨でございますが、たとえば根抵当権の極度額が百万円ある。しかしながら、確定した元本の債権額は五十万円しかないという場合には、五十万円の残りの五十万円の担保価値というものがそこで遊んでしまうことになるわけであります。したがって、設定者としてはこれをほかに利用したいという場合も出てまいります。ところが、債権者のほうではいつまでもこれをほっておきますと、だんだん利息がふえてきて、それが五年分でも十年分でも根抵当権によって担保されるというところから、いつまでも極度額を減らしてくれないという場合が考えられるわけでございます。そのようなことになりますといささか不公平でございますので、設定者の利益を保護いたしますために、設定者としては現在五十万円の債権があるならば、それからあと二年分の利息損害金を加えた額、それがかりに六十万円となるといたしますと、その六十万円に極度額を減らせ、こういう請求を認めることによって、設定者の利益を保護しようとしたわけでございます。
 それから、この減額請求によって極度額の減額が生じた場合に、これを登記をしなければ第三者に対抗できないかどうかという点でございますが、これは解釈の分かれるところであろうかと思います。ただ原則論で申しますならば、これも一種の根抵当権の内容の変更でございます。物権の通則によりますと、物権変動は登記をしなければ第三者に対抗できないということになっておりますが、この場合も同じようなことになるのではなかろうかと考えるわけでございます。
#57
○畑委員 そうすると、これはやはり登記をしなければ対抗できない、こういうことになりますね。そういう解釈ですね。
 それからもう一つ、最後に三百九十八条ノ二十二、これは消滅請求の規定でございますが、三百七十八条の滌除権との関連性について説明してもらいたい。消滅請求権者はそれぞれの権利について対抗要件を備える必要があるということは当然だと思うけれども、仮登記でもよろしいかどうかということです。
 また、本条に関連しまして、滌除制度については、いま最も重要な利用者である賃借人は滌除権を持たないということになっていますね。現実には抵当不動産の買い主が抵当権を比較的安い価格で消滅させるための道具として利用されておる傾向がある。したがって、これは廃止すべきだというような意見が強いようだけれども、改正の方針があるかどうか、それに関連して聞きたい。
#58
○川島(一)政府委員 三百九十八条ノ二十二の消滅請求の規定と、現行の民法で規定しております滌除制度との関係だと思いますが、似たような面はあるわけでございます。しかしながら、滌除の場合には、滌除の請求をすることができる者が、その後不動産を取得した者に限られておるというような意味では狭くなっております。それからまた方法などにつきましても、滌除の場合には、一定の金額を定めて、これで抵当権を滌除してほしいという通知をしたりいたしまして、これとはだいぶ別の制度であるというふうに考えております。ただ、いずれも一定の金額を払いまして、そして抵当権を消滅させるという意味では同じような機能を果たすわけでございまして、いずれも現実の利用権を持っておる者を保護するという制度でございます。
 この三百九十八条ノ二十二の規定は、要するに抵当不動産の所有者の場合を考えますと、百万円なら百万円の担保価値を提供しているわけでありまして、それが根抵当権によって担保すべき債権がその額よりも多いという場合に、現在の制度では、百万円以上の額を払わないと根抵当権を解放をしてもらえないという不合理があるわけでございまして、その不合理を是正しようというのがこの規定の大きなねらいであるわけでございます。それと同時に、滌除と同じような意味合いから地上権者、永小作権者などにも同じような権利を認めたわけでございますけれども、賃借権を加えましたのは、この場合に同じように評価していいと考えたからでございまして、この点は民法の制定当時、つまり源除の規定ができました当時、賃借権についての考え方が現在と違っておったからではなかろうかという感じも、一面においてはするわけでございます。
 それから民法の滌除の制度、これにつきましていろいろ批判があることはお説のとおりでございます。ただわれわれといたしまして、この根抵当立法に直接関係はございませんけれども、滌除制度がどのような役割りを果たしているかということを、金融機関にも多少当たって調査してみたわけでございます。その結果によりますと、学者が本に書いておりますような弊害というものは実際にはあらわれていない。のみならず、ほかの制度との関連において、どうも滌除がないとうまくやっていけないというような場合もございますので、この扱いにつきましては今後とも慎重に検討してまいりたいと思っておるわけでございます。
#59
○畑委員 以上で終わります。
#60
○高橋委員長 沖本泰幸君。
#61
○沖本委員 私も、畑先生に続きまして、民法の一部を改正する法律案について御質問いたします。時間が短いので、できるだけまとめてお伺いいたしますから、お答えのほうもまとめてお願いしたいと思います。いろいろお話が出ましたので飛び飛びになるとは思いますけれども、よろしくお願いいたします。
 根抵当を主として利用しておられる金融機関はどういうところがあるかという点と、根抵当は現在経済取引において非常に重要な機能を営んでおるわけであるから、この法律改正ということになったわけですけれども、それだけにこの法律は関係者にとって重大な影響を及ぼすと思われるわけであります。そういうところからこの立案にあたって、どういうふうな関係団体の御意見なりいろいろな点を求めて立案なされたか、その点についてお伺いしたいと思います。
#62
○川島(一)政府委員 どういう金融機関が根抵当権を多く利用しているかという点でございますが、これは一般的に申しますと短期の信用、つまり運転資金の貸し付けということになろうかと思いますが、これを主として扱っている金融機関、たとえば都市銀行でありますとか相互銀行、信用組合、こういったものが比較的多く根抵当を利用いたしております。これに対しまして長期の信用、たとえば設備資金の貸し付けなどを行なっております長期信用銀行などは比較的根抵当の利用が少ないようでございます。それから政府関係の金融機関、たとえば住宅金融公庫でありますとか国民金融公庫でありますとか、そういうところは普通抵当が利用できる限りは普通抵当でまかなっておるという実情でございます。
 それから第二の、この立案にあたりまして意見を聞いた団体でございますが、これは主として金融機関の団体、たとえば銀行の関係の連合会でありますとか、信用組合の連合会でありますとか、そういったところと、それから実業関係といたしましては、全国の商工会議所、それから事業の種類によりまして事業会社が団体を組織しております、そういった団体にも意見を求めております。さらに法律関係では弁護士会、各大学の法学部、こういったところが意見を聞いたおもな団体でございます。
#63
○沖本委員 根抵当を法制化してこの関係の法律を明確化するということはけっこうなんですが、これによって根抵当権者の権利がかえってますます強くなってしまう、そういうことになると困ると思うのですけれども、この法律はそういうような点について十分な配慮はされておるわけでありますか。
#64
○川島(一)政府委員 根抵当は非常に便利な制度で、たくさん使われております。したがって、この立法にあたりましては相当仰せのような点にも注意をいたしたつもりでございます。
 具体的に申し上げますと、先ほど畑先生の質問にもございましたように、包括根抵当を認めるかどうかという問題がございまして、これにつきましては、これをそのまま現在言われておるような形で認めますと、根抵当権者の力が強くなり過ぎる。したがって、債務者や抵当権設定者が不利益をこうむるおそれがあるということで、これをかなり限定した形で規定しておるということがそのあらわれの一つであると思います。
 それから、根抵当権者が抵当権の目的となっているものの担保価値をいつまでも握って離さないという弊害が考えられますので、これらの点につきましては三百九十八条ノ十九で、元本確定の請求を認めるとか、あるいは二十一で、極度額の減額請求を認めるというような手当てを講じたわけでございます。そういった点において、かなり抵当権者の力が強くなり過ぎないような配慮をしておるということがいえると思います。
#65
○沖本委員 いまのお答えに関してですけれども、最高裁の判例では、包括根抵当も有効であるというような判例が非常に多い、こういうふうに聞いておりますけれども、その点についての具体的な御配慮はどういう点にあるでしょうか。
#66
○川島(一)政府委員 包括根抵当が有効であるかどうかについての最高裁判所の判例は、まだ現在出ておりません。高等裁判所の判例には、若干、有効だとした判例もあるようでございます。しかし、その判例の中身を見ますと、問題となっている事案は単純にすべての債権を担保する、いわゆる純粋包括根抵当の形のものではなくして、手形の割引その他によって生じた一切の債権を担保する、こういった趣旨のものが問題となっておるわけであります。これに対しまして、高等裁判所の有効と認めた理由は、その他一切の債権といっても、それは合理的な範囲に当然限定して解釈できるものである、取引に全然関係のない債権まで担保する趣旨とは考えられないといったような理由をつけて有効だといっているわけでございまして、全く無条件に包括根抵当を有効と認めたわけではないもののように読めるわけであります。
 そういうわけで、今度の立案にあたりましても、これらの判決も参考にいたしまして、それにあまりかけ離れない形での案というものを考えたわけでございます。
#67
○沖本委員 三百九十八条ノ十によりますと、合併の場合には、根抵当関係はそのままで合併後の法人に引き継がれるというようなことになっております。相続の場合には、三百九十八条ノ九によると、関係当事者の合意がなければ引き継がれないことになっております。そのように合併と相続の場合とで取り扱いが異なっておるということは、どういうように解釈したらいいのでしょうか。
#68
○川島(一)政府委員 仰せのとおり、相続の場合には、特別の合意がないと相続のときに元本が確定してしまう。それに対して合併の場合は、ほうっておけばそのまま根抵当権が確定しないで存続するということになっております。この違いは、何よりも合併の場合には営業や取引というものが当然合併後の法人に引き継がれるべきものである。これに反して相続の場合には、被相続人の商売を相続人が当然受け継いでやっていくとは限らない、こういった違いがあるわけでございます。それに加えまして、相続の場合には、被相続人と相続人では人も違いますし、信頼関係にも影響があるというような点、それから御承知のように最近の相続では共同相続というものが多くなりまして、この場合には営業を相続人が引き継ぐ場合におきましても、その相続人のうちだれが引き継ぐかというような問題が出てまいりますので、そういった合併と相続との違いを考えまして、根抵当権の取り扱いにつきましても差別を設けたわけでございます。
#69
○沖本委員 さっき畑先生の御質問にもあったのですが、三百九十八条ノ十九に、確定請求は設定後三年になったという点についての御説明があったのですが、法務省の参考資料の四五ページに出ておる最高裁の一月三十一日の判決によると、根抵当権設定後著しい事情の変更があったときは、わずか一カ月半しかたってないときでも、設定者は一方的に根抵当権を解約予告することができる、こういうふうな判例があるわけですが、この判例の理論はこの法律によって否定されるということになるわけですか。
#70
○川島(一)政府委員 結論から申し上げますと、判例の理論は否定されないというふうに考えております。
 なるほど、おっしゃるように三百九十八条ノ十九におきましては、三年を経過しなければ元本確定の請求はできないということになっております。しかしながら、三百九十八条ノ二十で、根抵当権の確定事由が別に規定されておりまして、たとえば第一号におきましては、「担保スベキ債権ノ範囲ノ変更、取引ノ終了其他ノ事由ニ因リ担保スベキ元本ノ生ゼザルコトト為リタルトキ」こういうような事柄が生じた場合には根抵当権の元本が確定するということになっておるわけであります。
 ところで、お示しの判例は、要するに物上保証人が将来の求償権の行使に支障を来たすという特別な事情が生じたために、根抵当権設定後わずか一月半にして根抵当権設定契約を解約したというその解約を認めた事例でございますが、この根抵当権設定契約の解約というのは、いわば物上保証契約の解約に当たるわけでありまして、このような場合には、その解約が有効であるといたしますと、当然その後においては担保すべき元本というものは生じないことになりますから、この法律案におきましては三百九十八条ノ二十の第一項第一号の規定によって、元本の確定が生ずる、こういうことになるわけでございます。したがって、この法案ができました後も、判例の趣旨はそのまま維持されるというふうに考えております。
#71
○沖本委員 最後にもう一つ。これは法学セミナーの中の都立大の清水教授のお書きになったものの中にあるのですが、回り手形なんですが、ここに書いてある点をお読みしてみます。「ひとくちに「回り手形」といわれるものです。簡単に述べてみますと、約束手形をBがCに振り出したという場合に、CからDに、DからEへというように裏書きされていき、たまたまそれがA銀行によって取得されたとします。そうするとその手形に基づいてA銀行は、振出人であるBに対して、手形上の債権を持つことになります。この手形上の債権を、よそから回ってきたという意味で回り手形債権といいますが、これが根抵当によって担保されるかどうかということが問題です。第2項の限定からすると、Bとの間の取引から直接生じたものではないので、はずれそうに思われます。全銀協はこの手形債権だけははずすわけにはいかないという強力な主張をしまして、結局、第3項はこれを入れることにしています。これに対し、そもそも包括根抵当に批判的な日弁連はやはり、強硬にはずすことを主張しています。今後も、この点は一つの争点になる」というようなことをお書きになっています。この点に対しての御意見はどうですか。
#72
○川島(一)政府委員 回り手形の点につきましては、まずこの法案は、三百九十八条ノ二の第三項におきまして、根抵当権の設定者と根抵当権者との特約によって、回り手形を根抵当権の担保すべき債権とすることができるということにしておるわけであります。このような規定を置くかどうかにつきましては、立案の過程でいろいろ問題がございましたし、日弁連のほうで、こういう規定を置くと予想外の債権が根抵当権によって担保されることになるから好ましくないということを言われた時代もあったわけであります。しかしながら、この点はいろいろ検討されたわけでありますが、現在の銀行あたりの実際の必要という点からいたしますと、どうしてもこうした回り手形を根抵当で担保されるようにしてもらわなければ困る、もしこれを除外するとすれば、銀行としては何か別の担保をとることを考えなければならないという事情のようでありましたので、それではこれもとるべきであろうということになってこういう規定を設けたわけであります。
 ただ、日弁連が反対いたしましたのは、予想外の債権が入ってくるという点と、それからこういう債権を含めた場合に、それが後順位者であるとか債務者、設定者に非常に不利益に働く場合が出てくるのではないかというこの二点であったわけであります。この予想外の債権が入ってくるという点につきましては、この規定によりまして特に回り手形を債権の範囲に含めるという特約をさせることにいたしまして、その点は十分承知の上で根抵当権が設定されるということになるわけでございます。また、予想外の事態が生じた場合につきましては、別に三百九十八条ノ三の第二項に手当てをいたしておりますので、日弁連が反対の理由として懸念しておりました点は、この法案においてはかなり解消しているというふうに考えておるわけでございます。
#73
○沖本委員 ありがとうございました。
#74
○高橋委員長 青柳盛雄君。
#75
○青柳委員 今度根抵当の制度を法制化するにあたりまして、いわゆる弁済の範囲をきめたわけでありますが、それは極度額を債権額にきめる、元本という従来の慣行はやめるというふうにもとれるのですけれども、これは禁止するという趣旨なんでしょうか。そういうものを根抵当として効力を認めないという趣旨なんでしょうか。元本極度額をきめたような、いままでいわれてきたような意味のいわゆる根抵当です。今度何か法文で、根抵当というのはここできめたものだけということにきめたようでありますけれども、それ以外のものはもう幾ら任意できめておっても認めない、そういう排他的な効力を持たせようとするのかどうかということです。
#76
○川島(一)政府委員 優先弁済権の範囲は、これは担保権の効力として一番重要な点でございます。したがいまして、この点につきましては法律できちっときめておく必要があるというところから規定を設けておるわけでございまして、従来この点につきましては、元本極度額という定め方と債権極度額という定め方、二通りございましたが、この法案におきましては債権極度額の定め方を採用いたしましたので、元本極度額は今後認めないということにいたしておるわけでございます。
#77
○青柳委員 そうはっきり政府の解釈があれば、それはこの審議の中で記録されますから役に立つと思いますけれども、どうも学者などが論議しているところを聞きますと、債権極度額というのは強行規定のつもりであろう、それはそうだろうけれども、必ずしも強行法規なのかどうかはっきりしないみたいな疑問を提起しております。従来元本極度額というのがずっと認められてきておって、判例の上で認められてきたわけだけれども、これからはそういうものをきめても認められないということに理解してよろしいわけですね。
#78
○川島(一)政府委員 さようでございます。
#79
○青柳委員 それから次に、だいぶ古いことなんですけれども、「法務省民事局参事官室試案」というものを四十三年四月八日に各団体へ送って意見を求められた。それが今度の法律案参考資料として提供されているわけであります。それを見ますと、「政府関係金融機関の意見」というのが終わりのほうに出ておりますけれども、日本開発銀行、それから中小企業金融公庫、商工組合中央金庫、それから北海道東北開発公庫もそのようでありますけれども、いずれも普通抵当を扱っておる金融機関のようでありますが、ちょっと疑問点を出しておられるのですね。それが共通しておると思うのですけれども、包括根抵当という性格を今度は付与してあるので、「物件の交換価値を不当に拘束」するということばをすべて共通に使っているのですよ。「所有不動産の担保価値を過度に拘束される懸念」とか。それはどういう結果になるのだと言ったら、結局は経営基盤の弱体な企業、まあ中小企業なんかにあっては資金調達の道をふさがれる事態が予想される、だからいまの経済的な力関係でいうと、債権極度額というものが元本を貸し付けるという保証とは何らのつながりがないので、債権者の与信ワクの範囲を示すようなものであるから、金融機関側の一方的事情によって極度額を相当下回る範囲での利用にとどまっているような状況だからそういうことが懸念されるというわけなんですが、物件の担保価値を不当に拘束するというのは、一体この人たちが懸念するのはどういうことなんでしょうか。
#80
○川島(一)政府委員 たとえば百万円の極度額の根抵当権を設定いたします。そして、実際には貸し出しは十万円しか行なわないという場合を考えますと、九十万円の担保価値というものが根抵当権者に握られておるわけでございますが、実際には利用されてない物件の所有者としては、その九十万円の担保価値をほかの金融機関に与えて、そしてほかの金融機関から融資を受けたいという場合におきましても、根抵当権者によってその担保価値を握られておるためにそれができないといったようなことをさすものと考えております。
#81
○青柳委員 私もそういう趣旨であろうと想像しておったのですが、そういうおそれがある。そして、結局は債務者あるいは抵当権設定者の側に余力があるにもかかわらず、他の金融の道を講ずるためにその物件を担保に供する道がふさがれるとか妨げられるというおそれがあるというのは共通の懸念なんですが、それはどうしてそういうことが起こってくるのですか。
#82
○川島(一)政府委員 立案にあたりましては、その点もいろいろ心配はいたしたわけでございますが、現在すでに根抵当というのが相当利用されております。その実情を調べてみますと、そのような形で不当に担保価値が握られておるという例はそれほど見当たらないようでございます。これにはいろいろな理由があることと思いますが、金融機関というのは正規の銀行とか信用組合等の機関でありますと、それほど不合理なことはしないということと、それから実際に貸し出しを行なう額よりもはるかに多くの額の極度額で根抵当権を設定いたしますと、よけいに費用がかかるといったような面もございますので、そういった関係から、実際には不当に担保価値を拘束されるというような例はあまり現在でも起こっていないように思われるわけでございます。
#83
○青柳委員 いろいろの実績から見て、そういう懸念は杞憂であるということであるならば、別に手当てをする必要はないのですけれども、たとえば北海道東北開発公庫の回答によりますと、「根抵当権(特に包括根抵当権)の極度額については、一定の基準もしくは規範的な制約を設けることによって、当事者の間で社会通念上妥当とされる極度額の設定が確保されるよう配慮すること。」こういう抽象的な要望が入っております。具体的に何をやれということもあまり見当たらないのですけれども、これについては、配慮するといっても法制的に何か歯どめのようなものを、基準のようなものを設けておかないと、何の役にも立たないわけですが、そのようなものをしなくても、いまの実績を見ればだいじょうぶなんだからこのままでよろしいんだということになるのでしょうか。どうも中小企業のことを心配する者からすれば、せっかくこんな民法の大改正をやる、根抵当権の法律をつくるにあたって、中小企業の心配するようなことをほっておいていいのかどうかということが懸念されるからお尋ねするわけです。
#84
○川島(一)政府委員 お尋ねの点につきましては、立案にあたりましても相当考慮いたしまして、この法案でもその点に関する特別な措置を講じておるわけでございます。この法案の中にはそういったいろいろな場合に対する配慮があるわけでございますが、その一つといたしまして三百九十八条ノ十九という規定がございます。これは根抵当権設定者が、根抵当権設定の時から三年を経過したときには、担保すべき元本の確定を請求することができる。先ほどの例で申し上げますと、極度額百万円の根抵当権を設定して十万円しか貸し出しを行なっていない、そういう状態が三年継続いたしました場合には、根抵当権設定者は、そこでこの規定によって元本の確定を請求することができるわけであります。そうしますと、そこでその根抵当権によって担保される債権は十万円ということにきまってしまうわけであります。ただ十万円ということになりますが、利息がまだありますので、極度額は当然には十万円は下らない、依然として百万円のままである。そこで今度は三百九十八条ノ二十一の規定によりまして、根抵当権の極度額の減額の請求ができるわけであります。この請求をいたしますと、十万円プラス今後の二年分の利息、その範囲に極度額が減額されるということになるわけでありまして、かりに二万円利息がつくといたしますと、極度額は百万円から十二万円に下がってしまう、こういうことになるわけであります。こういう形で設定者の保護をはかっておるわけであります。
#85
○青柳委員 いまのような手当てがしてある。わかりましたが、この確定請求あるいは減額請求、これはおそらく形成権を意味するものだと思いますが、手続的には確定請求をしあるいは減額請求をすると、それが非常に簡単に所期の目的を達することができるものかどうか。相手方のあることですから、こちらで形成権だからといって、内容証明をぶつけた、それだけですぐ自動的に確定しあるいは請求する。理論的にはそうかもしれませんけれども、手続的には登記のことも問題になるでしょうから、そういうのはどういうふうなことになるのか。これは専門家が研究すればすぐにわかることかもしれませんが、ついでにお尋ねしておきたいのです。
#86
○川島(一)政府委員 これは仰せのとおり形成権でございますから、単に相手方に請求権を行使するということを通知すればそれで効果が生ずるわけでございます。実際には後日の証拠のために、内容証明郵便で通知するというようなことになろうかと思いますが、手続的にはそれだけで足りるということになっております。
#87
○青柳委員 しかし、登記を消すとか変更するためには相手方の協力がなければならぬ。だから極度額が百万円が三十万円に減った二十万円に減ったといっても、自動的に登記が変わるわけではありませんから、そのためには相手方の協力を求めなければならぬ。相手方がだだをこねている場合には裁判に訴えなければならぬということも予想されるわけでしょう。その点はいかがですか。
#88
○川島(一)政府委員 その点は仰せのとおりでございます。登記というものは、登記の正確を期するために当事者双方の共同申請をたてまえとしておりますので、これは根抵当権の消滅した場合も同様でございますけれども、登記をする以上は厳格な手続によらざるを得ない、こういうことでございます。
#89
○青柳委員 そういう実務的なこともありますので、もう、一ぺんこの極度額ができてしまいますとなかなか簡単には戻らない。いわゆる消えることは消えるのだけれども、次の金融に役立てるという手続的な面では支障を来たすということもあるということだけは言えると思うのです。
 最後に一点だけお尋ねいたしますけれども、この根抵当権の全部譲渡あるいは順位の変更といいますか、そういうものが被担保債権とは関係なしに独自的に行なわれるようなことが予想されるのですけれども、これは確定前ならばそういうことがあり得るというような規定のようですけれども、担保権が裏づけのものがなくてそれ自体何か一つの価値のあるものとして処分の対象になるというような弊害が起こりませんでしょうか、今度の制度の中から。
#90
○川島(一)政府委員 この法律案では、根抵当権の内容を明確にするというたてまえから、かなり詳しい規定を設けております。たとえば根抵当権を譲渡するという場合には設定者の承諾が必要であるというように、設定者の立場はかなり考慮はいたしておるわけでございます。いろいろな場合がございますので、個々の場合につきましてはそれぞれ手当てのしかたが違うわけでございますけれども、いま申し上げましたように、処分の内容に応じまして設定者、後順位者の立場というものを考えたわけでございます。
#91
○青柳委員 大体終わりますけれども、設定者の同意が必要なんだから別にそうたいした弊害もないように見えますけれども、言ってみると、番をとっておいて、その番が一つの価値になる。早いところ貸し付けも何もしないで、根抵当権だけ設定しておいて、ほしいのにまた譲ってやろうというようなことになりますと、やっぱりこれを防止することも考えておかなければいけないのじゃないかということを懸念して質問したわけです。
 終わります。
#92
○高橋委員長 これにて本法律案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#93
○高橋委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 本法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#94
○高橋委員長 起立総員。よって、本法律案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#96
○高橋委員長 次回は来たる五月七日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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