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1970/02/23 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第6号
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1970/02/23 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第6号

#1
第065回国会 地方行政委員会 第6号
昭和四十六年二月二十三日(火曜日)
    午前十一時三十六分開議
 出席委員
   委員長 菅  太郎君
   理事 小澤 太郎君 理事 塩川正十郎君
   理事 砂田 重民君 理事 古屋  亨君
   理事 山口 鶴男君 理事 小濱 新次君
   理事 吉田 之久君
      亀山 孝一君    高鳥  修君
      中村 弘海君    中山 正暉君
      永山 忠則君    安田 貴六君
      豊  永光君    綿貫 民輔君
      下平 正一君    華山 親義君
      山本弥之助君    桑名 義治君
      和田 一郎君    門司  亮君
      林  百郎君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 秋田 大助君
 出席政府委員
        自治省財政局長 長野 士郎君
        自治省税務局長 鎌田 要人君
 委員外の出席者
        議     員 山口 鶴男君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
二月二十日
 地方税法の一部を改正する法律案(華山親義君
 外五名提出、衆法第四号)
同月二十二日
 風俗営業等取締法にモーテルの規制移管に関す
 る請願(安倍晋太郎君紹介)(第八八六号)
 同(小金義照君紹介)(第一〇三五号)
 同外一件(古井喜實君紹介)(第一〇三六号)
 ドライブイン等において酒類の販売を禁止する
 法律の制定に関する請願外一件(菅波茂君紹介)
 (第八八七号)
 同外一件(谷垣專一君紹介)(第八八八号)
 同(河野洋平君紹介)(第一〇三七号)
 同(森喜朗君紹介)(第一〇三八号)
 木材引取税の撤廃に関する請願外十三件(竹下
 登君紹介)(第八八九号)
 特別区の区長公選制度実現に関する請願(松本
 善明君紹介)(第一〇三四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
二月二十日
 広域市町村圏整備事業に対する財源措置に関す
 る陳情書(宇和島市中央町二の五の一字和島地
 区市町村議長会長谷松豊繁)(第五号)
 消防防災体制の拡充強化に関する陳情書(新潟
 県知事亘四郎)(第六号)
 電気ガス税全廃に関する陳情書(東京都台東区
 竜泉二の一八の六金杉地区電力協会長吉田豊)
 (第七号)
 電気ガス税の税率引下げ反対に関する陳情書
 (宇都宮市塙田町三五七栃木県町村会長渡辺匠
 治)(第八号)
 同(栃木県上都賀郡足尾町長鈴木一外一名)(第
 六五号)
 風俗営業等取締法によるモーテルの規制等に関
 する陳情書(十都道府県議会議長会議代表福岡
 県議会議長三苫欽英外九名)(第四九号)
 同(福岡県議会議長三苫欽英外三名)(第一一一
 号)
 地方税法の改正に関する陳情書(福島県双葉郡
 大熊町議会議長鈴木一雄)(第六二号)
 市民税の減税に関する陳情書(福知山市議会議
 長足立幸次郎)(第六三号)
 市街化区域内の農地に対する固定資産税に関す
 る陳情書外三件(香川県議会議長大江竹一外三
 名)(第六六号)
 市町村の消防財源確保等に関する陳情書(松山
 市築山町一の三五愛媛県消防協会長宇都宮孝
 平)(第六七号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 四一号)
 地方税法の一部を改正する法律案(華山親義君
 外五名提出、衆法第四号)
 地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第四七号)
 自動車重量譲与税法案(内閣提出第四二号)
 地方財政に関する件(昭和四十六年度地方財政
 計画)
     ――――◇―――――
#2
○菅委員長 これより会議を開きます。
 地方財政に関する件について調査を進めます。
 昭和四十六年度地方財政計画について説明を求めます。秋田自治大臣。
#3
○秋田国務大臣 昭和四十六年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 昭和四十六年度におきましては、最近の経済情勢の推移及び地方財政の現状にかんがみ、国と同一の基調により、行政経費の効率化と重点化に徹し、適切な行財政運営を行なう必要があります。
 地方財政については、かねてからその健全化と行政水準の向上をはかるため、各般の措置を講じてきたのでありますが、昭和四十六年度におきましては、以上のような基本的な考え方のもとに、地方財源の確保に配慮しつつ住民負担の軽減合理化を推進するとともに、長期的、計画的に地方の行政水準の一そうの向上をはかり、あわせて地方公営企業の健全化をさらに促進することを目途として所要の措置を講ずることといたしたのであります。
 次に、昭和四十六年度の地方財政計画の策定方針及びその特徴について申し上げます。
 第一は、地方税負担の現状にかんがみ、個人の住民税、個人の事業税などについてその軽減合理化をはかることでありまして、減税額は初年度八百四億円となる見込みであります。
 第二は、地域社会の著しい変貌に対処し、それぞれの地域の特性に応じて住みよい環境づくりを推進することであります。このため、国庫補助負担金の拡充をはかるとともに、地方交付税の算定の合理化、地方債の拡充等を通じて財政措置を充実することといたしております。
 まず、人口急増地域については、校地取得を要する義務教育施設の整備について国庫補助制度を創設するほか、その実施が急務とされている各種の公共施設の整備について財政措置を強化することといたしました。
 一方過疎地域については、過疎及び辺地対策事業債の増額等により、これらの地域における生活関連施設等の整備を進めるとともに、僻地医療の確保、集落整備の推進等総合的な過疎対策の推進をはかることといたしました。
 また、公害防止対策の積極的な推進をはかるため、公害防止対策事業に対する財政措置を強化するとともに、監視測定体制の整備をはかることといたしました。
 このほか、社会福祉、教育振興対策の推進、消費者行政の充実、広域市町村圏の振興などについて必要な措置を講ずることといたしております。
 第三は、各種の長期計画の改定に即応しつつ、地方財政の長期的見地から、社会資本の計画的な整備を推進することであります。
 このため、自動車重量譲与税の創設により市町村の道路目的財源を拡充するとともに、住民の日常生活に直結する道路、下水道、清掃施設、住宅等の各種の公共施設を整備するために必要な財政措置を講ずることといたしました。
 また、交通安全対策、防災救急体制の整備、公共用地先行取得対策などについても積極的に推進することといたしております。
 第四は、地方公営企業の経営の基盤を強化してその健全化をはかることであります。このため、公営企業金融公庫にかかる政府保証債のワクの拡大等により貸し付け資金を増額するとともに貸し付け条件を改善するほか、公営企業会計に対する一般会計の負担の合理化をさらに進めることといたしております。
 第五は、財政運営の効率化を推進するとともに、財政秩序を確立することであります。このため、定員管理の合理化を推進し、既定経費の節減をはかるとともに国庫補助負担事業にかかる地方団体の超過負担及び住民の税外負担を解消するための措置を講ずることといたしました。
 なお、そのほか、年度途中における事情の変化に対処するため、あらかじめ財源を留保することといたしております。
 以上の方針のもとに、昭和四十六年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は九兆七千百七十二億円となり、前年度に対し一兆五千九百三十九億円、一九・六%の増加となっております。
 以上が昭和四十六年度の地方財政計画の概要であります。
#4
○菅委員長 次に、補足説明を求めます。長野財政局長。
#5
○長野政府委員 ただいま大臣が御説明申し上げました点を補足して説明さしていただきますと、地方財政計画の第一、規模でございますが、これは先ほどお話がございましたように、九兆七千百七十二億円でございます。前年度に比しまして一兆五千九百三十九億円増加をしております。増加率は一九・六%でございます。
 来年度の地方財政計画におきましては、地方財政計画の規模と決算の規模との乖離を是正するというような意味も含めまして、新たに貸し付け金なり国の委託事務にかかる経費を算入いたしまして、規模の是正を行ないました。その額は二千七百二億円でございます。
 「説明」によって順次御説明申し上げますが、その次には歳入の関係でございます。歳入につきましては、お手元に資料がございましたら、六ページをごらんいただきたいと思いますが、まず地方税の収入見込み額は、道府県税二兆二千三百九十五億円、市町村税一兆八千百五十五億円、合わせて四兆五百五十億円でございます。道府県税につきましては三千三百九十一億円、市町村税は三千四百十一億円、合わせて六千八百二億円の増加をいたしております。
 減税及びこれに伴う減収等は、そこの欄に、六、七ページに出ておりますが、合計いたしまして八百四億円の減収ということに相なっております。
 それから八ページに移りまして、次に地方譲与税でございますが、地方譲与税の収入見込み額は千三百四十八億円でございます。なお、本年度におきまして創設されます地方道路目的財源を拡充するための自動車重量譲与税百一億円も、この中に含まれておるわけでございます。前年度に比しまして二百五十一億円の増加と相なっております。
 次に、九ページに移りまして、地方交付税でございますが、地方交付税は次のような算定基礎によりまして、総額は二兆四百六十四億円となっております。前年度に比しまして三千五百三十九億円、二〇・九%の増加でございます。すなわち、第四表に出ておりますように、国税三税に対しますところの三二%、二兆三百六十億五千万円、これに対しまして、さらに四十六年度の特例措置の例の三百十億円の残りの十億円を足します。それから四十四年度の精算分百七十三億七千三百万円を加算いたします。それを一般会計から繰り入れますが、特別会計の段階におきまして、四十三年度の返還金八十億円を差し引きいたしますので、その差し引きいたしました結果、二兆四百六十四億二千三百万円ということに相なるわけでございます。
 それからその次のページに入りまして、国庫支出金でございます。国庫支出金の総額は二兆三千九百三十五億円でございまして、前年度に比しまして一二千六百四十億円、一七・九%の増加でございます。この中で一のおもなものは、義務教育職員給与費負担金の増、あるいは生活保護、児童保護、老人保護等の保護基準の単価の引き上げによる増、それから二番目の公共事業費の補助負担金に見えておりますように、治山治水、道路等の公共事業関係の地方負担金の増加、これなどがおもなものであるということが申し上げられるかと思います。
 その次に、地方債でございますが、一般会計分の地方債の発行予定額は四千四百七十一億円でございまして、前年度に比しまして八百三十九億円、二三・一%の増加をいたしております。増加の大きなものは、第六表にありますところの二番目の公営住宅建設事業千百二十億円、義務教育施設整備事業七百七十六億円、辺地及び過疎対策事業の増加等がおもなものであります。そのほかに同和対策の関係費等もございます。新たに一般会計債の欄の中に、五番目に産業廃棄物の処理事業というものが二十億円計上されておりますが、これは公害関係の産業廃棄物の処理事業の関係として新たに追加をいたし、創設をいたした費目でございます。なお、義務教育関係の事業債の中には用地取得の二百一億――前年度八十億円でございましたが、二百一億に増加をいたしております。
 その次に、使用料、手数料等でございます。これは数年の実績を見まして計上をいたしておるわけでございます。
 さらに十四ページに入りまして、今度は歳出の増加のおもなものが第八表として掲げられております。増減内容はここに掲げておるとおりでございますが、総額で一兆五千九百三十九億円、右の下の欄を見ていただきますと、地方費で一兆二千三百五十二億円の増加と相なっております。
 増加の中でおもな経費について申し上げますと、第一の給与費の関係では、人事院勧告に伴う給与費の改定の増、平年度化分でございますが、これが三千二百四十五億円、昇給等による増加五百五十九億円、特別職の給与改定の関係、人員増――人員増と申しますのは、制度改正に伴う事業の増加等を考慮いたしまして、交通巡視員でございますとか、公害対策の関係の職員あるいは高等学校の教員の増加等に伴う人員増でございます。それからそのほかに給与改善に必要な経費百九十一億円を見込んでおりますが、これは年度中途に予想される給与改善に必要な経費を、大体前年度と同じような形で見込むということにいたしたものでございます。
 その次に、一般行政経費の関係につきまして、一六ページをごらん願いますと、そこの下に出ておりますが、一般行政経費二兆一千百四十三億円、前年度に比しまして三千四百六十三億円の増加ということになっておりますが、この中で国庫補助負担金等を伴いますものは、ここに書いてありますように、九千七百五十億円であります。前年度に比しまして千五百六十七億円、一九・二%の増加となっております。
 国庫負担金を伴わないもの、これは一九ページに書いてありますが、これは一般行政経費は一兆一千三百九十三億円、前年度に比しまして千八百九十六億円の増加でございます。
 なお、本年度におきましては、この中には土地開発基金に要する経費として七百五十億円、それから監視測定体制の整備等公害対策関係経費として百億円、私学の経常費助成に要する経費として九十億円等をそれぞれ計上いたしております。
 なお、この関係の経費の中には給与改定あるいは現年度発生災害等年度途中における追加財政需要に備えまして約八百億円をここにも一応計上いたしております。
 それからその次に参りまして、維持補修費。次の二〇ページでございますが、維持補修費等も、大体前年度に比して二百二十七億円増加を見込んで計上をいたしておりますが、ただ、この中には節約も相当見込んでおるのでございます。
 投資的経費の総額は、ここに書いてありますように、三兆六千六百十三億円、前年度に比しまして六千二百十億円、二〇・四%の増加でございます。直轄事業の負担金は国の直轄事業に見合って計上いたしておるものでございます。
 それから公共事業、失業対策事業については、それぞれ歳入に見合って計上いたしております。これらの内訳は、それぞれ次のページから詳細に表をもってお示しをいたしております。
 それからその次に、二三ページに入りまして、地方の単独事業でございます。一般事業費と書いてございます。投資的経費のうちで一般事業費の総額は七千二百七十二億円であります。前年度に比して千三百七億円、二一・九%の増加でございます。この中には普通建設事業費、災害復旧事業費等が含まれておるわけでございます。
 さらに特別事業費といたしまして、国庫補助負担金を伴わない経費のうちで、地方の公共施設の整備充実を計画的に長期的に推進いたしますための事業費の総額といたしまして九千六十二億円を計上いたしております。これは前年度に比しまして千六百七十三億円の増加、二二・六%の増加でございます。
 この中にはいわゆる長期計画事業費として、道路整備、治山治水等の事業の単独事業が五千九百四十億円入っておりまして、前年に比しまして五百九十億円の増加と相なっております。その次には、過密過疎等対策事業につきましては、人口急増対策、過疎対策及び交通安全対策のための事業費二千五百六億円、前年度に比しまして六百七十五億円の増加と相なっております。それからその次に、広域市町村圏振興整備事業費といたしまして、四十四年度に設定いたしました五十五圏域、四十五年度の七十二圏域、百二十八圏域の振興整備のために六百十六億円計上いたしております。前年度に比しまして四百八億円の増加ということにいたしております。
 以上で単独事業の総額が一兆六千三百三十四億円、対前年度の伸び率は二二・三%でございます。この関係のところは四ページをごらんいただくとわかるわけでございます。四ページの中に一般事業費と特別事業費、両方そこの四、五というところ、投資的経費の中に計上されております合計でございます。昨年度の伸び率が三〇・八%でございますので、伸び率としては多少低目に相なっておるのでございます。
 それから公営企業の繰り出し金につきましては、収益勘定に対する繰り出し金は六百七十九億円、前年度に比しまして百五十四億円、二九・三%の増加計上でございます。
 それからその次のページに参りまして、資本勘定の出資金は、前年に比較をいたしまして百億円、一二・二%の増額計上でございます。繰り出し金の中で従来と同じような考え方で計上いたしておりますけれども、本年度は病院事業等につきましては、医師の研究費でありますとか、高度の医療機械購入費等の負担の経費を新たに計上をいたしました。
 なお、このほかに超過負担の解消といたしまして、四十六年度におきましても、これまでの基本方針にのっとりまして、百九十億円の超過負担の解消を財政計画として計上をいたしております。
 以上でございます。
     ――――◇―――――
#6
○菅委員長 内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。秋田自治大臣。
    ―――――――――――――
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
  〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#7
○秋田国務大臣 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、その提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。
 明年度の地方税制の改正にあたりましては、地方税負担と地方財政の現状にかんがみまして、一、個人の住民税、個人の事業税等について負担の軽減合理化をはかること、二、市街化区域内の農地に対して課する固定資産税及び都市計画税について税負担の激変緩和の措置を講じつつ課税の適正化をはかるため所要の措置を講ずること、三、狩猟免許税、入猟税及び入湯税の税率の引き上げを行なうことの三点を中心といたしております。
 以下、順を追って地方税制の改正の概要について御説明申し上げます。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。道府県民税及び市町村民税につきましては、住民負担の軽減をはかるため、課税最低限の引き上げを行なうこととし、昨年の所得税法の改正に伴う給与所得控除の引き上げのほか、基礎控除額を一万円、配偶者控除及び扶養控除の額をそれぞれ二万円引き上げることといたしました。また、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額についても、一万円ずつ引き上げるとともに、医療費控除の控除限度額を百万円に引き上げるほか、生命保険料控除の控除限度額を二万七千五百円に引き上げることといたしたのであります。なお、障害者、未成年者、老年者及び寡婦についての非課税の範囲を、年所得三十五万円まで拡大することとしております。
 その二つは、事業税についてであります。事業税につきましては、個人事業者の負担の軽減合理化をはかるため、事業主控除を四万円引き上げて三十六万円にすることといたしました。
 その三は、不動産取得税についてであります。不動産取得税につきましては、公共の用に供する道路の付属物の取得等について非課税とするほか、都市計画において定められた立体式の路外駐車場の用に供する家屋を取得した場合等における不動産取得税について、課税標準の特例を設ける等負担の軽減合理化をはかることといたしました。
 その四は、娯楽施設利用税であります。娯楽施設利用税につきましては、ゴルフ場所在市町村の財政需要等を考慮して、ゴルフ場所在市町村に対して交付する娯楽施設利用税交付金の交付率を六分の一から三分の一に引き上げることといたしました。
 その五は、料理飲食等消費税についてであります。料理飲食等消費税につきましては、大衆負担の軽減をはかるため、旅館における宿泊及びこれに伴う飲食の免税点を千八百円に、基礎控除額を千円に引き上げ、また、飲食店等における飲食の免税点を九百円に引き上げることといたしました。
 また、オリンピック冬季大会の開催に伴う特例措置として、昭和四十七年一月一日から同年三月三十一日までの間における外客の宿泊及びこれに伴う飲食に対しては、料理飲食等消費税を課さないことといたしました。
 その六は、狩猟免許税及び入猟税についてであります。狩猟免許税及び入猟税につきましては、負担の合理化をはかるとともに、鳥獣保護及び狩猟行政の充実を期するため、その税率をそれぞれ三倍程度引き上げることといたしました。
 その七は、固定資産税についてであります。固定資産税につきましては、都市計画法に規定する市街化区域内の農地に対して課する固定資産税について、農地と近傍宅地との課税の均衡を考慮し、税負担の激変を緩和するための調整措置を講じつつ課税の適正化をはかることといたしました。
 すなわち、市街化区域農地については、状況が類似する宅地の価格に比準ずる価格によって評価を行なうこととし、各年度分の固定資産税の額は、市街化区域農地を、当該農地にかかる評価額が、一、当該市町村の市街化区域内の宅地の平均価格以上または五万円以上である農地(A農地)、二、当該宅地の平均価格の二分の一以上平均価格未満である農地(B農地)、三、当該宅地の平均価格の二分の一未満または一万円未満である農地(C農地)の三グループに区分し、A農地にあっては昭和四十六年度、B農地にあっては昭和四十七年度まで、C農地にあっては昭和五十年度までそれぞれ従来の税額を据え置くこととし、それ以後の年度の税額は、当該市街化区域農地について状況が類似する宅地と同様の負担調整措置を適用して算定した額に、市街化区域農地の区分に応じて、一定の軽減率を乗じて算定した額とすることといたしました。
 なお、賦課期日の翌日以後その年の末日までの間に市街化区域農地が市街化区域農地以外の農地となった場合には、当該年度分の税額を減額することとし、また、小作地であるB農地及びC農地については、固定資産税と都市計画税の合算額が小作料をこえる場合にはそのこえる額を限度として、一定期間、徴収を猶予することができることといたしております。
 次に、特定の汚水または廃液の処理施設その他の公害防止施設等を非課税とするほか、都市計画において定められた立体式の路外駐車場等について課税標準の算定上の特例を設け、また、ばい煙の処理施設等公害防止施設にかかる課税標準の特例の率を改める等負担の軽減合理化をはかるとともに、石炭鉱業合理化事業団の貸し付け用近代化機械設備等に対する固定資産税の課税標準の特例措置の期限を延長することといたしました。
 その八は、都市計画税についてであります。都市計画税につきましては、市街化区域内の農地に対して課する都市計画税について固定資産税と同様の措置を講ずることといたしました。また、都市計画税の課税区域について、都市計画税は原則として市街化区域内において課税することができることとし、特別の事情がある場合においては、市街化調整区域においても条例で定める区域内において課税することができることといたしました。
 その九は、電気ガス税についてであります。電気ガス税につきましては、電気にかかる免税点を七百円に、ガスにかかる免税点を千四百円にそれぞれ引き上げて負担の軽減をはかることといたしました。また、生石灰等の製造に直接使用する電気に対しては、電気ガス税を課さないこととする等の措置を講ずることといたしました。
 その十は、入湯税についてであります。入湯税につきましては、その使途に消防施設等の整備に要する費用を加えるとともに、標準税率を二十円引き上げて四十円にすることといたしました。
 その十一は、国民健康保険税についてであります。国民健康保険税につきましては、負担の適正化をはかるため、課税限度額を三万円引き上げて八万円にすることといたしました。
 このほか、地方税制の合理化をはかるための規定の整備等所要の規定の整備を行なっております。
 以上の改正により、昭和四十六年度においては、個人の住民税におきまして七百四十三億円、個人の事業税におきまして三十七億円、料理飲食等消費税におきまして四十七億円、電気ガス税その他におきまして二十五億円、合計八百五十二億円、平年度九百六十八億円の減税を行なうことになりますが、一方、狩猟免許税及び入猟税について二十億円、入湯税について二十億円その他国の租税特別措置の改正に伴い八億円、合計四十八億円の増収が見込まれますので、差し引き八百四億円、平年度八百六十九億円の減収となります。
 以上が、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその大要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  〔委員長退席、古屋委員長代理着席〕
#8
○古屋委員長代理 次に、補足説明を聴取します。鎌田税務局長。
#9
○鎌田政府委員 提案理由の補足説明を申し上げます。ただいまお配りいたしてございます資料の三番目の青い紙のはさんでございます、ページが通しのページを打ってございませんので、大ざっぱに申しまして全体のまん中から少しあとになろうかと思います。「地方税法の一部を改正する法律案新旧対照表」というのがございます。順次この新旧対照表によりまして補足説明をいたしたいと存じますが、上段が改正案でございまして、下段が現行法でございます。線を引きましたところが改正部分でございます。
 まず一ページから二ページにかけまして、月次並びに十五条の三の改正規定は、これは規定の整備でございます。
 三ページ、第二十三条八号の改正規定「扶養親族」というところで傍線が引いてございます。これは老人福祉法の規定によりまして、いわゆる養護受託者に委託された老人の方に対しまして、受託者の扶養親族にしようとするものであります。
 次の二十四条の五の三号のところの「三十五万円」というところに傍線を引いてございます。これは先ほど提案理由で申し上げました障害者等の非課税限度額ですか、三十二万円を三十五万円に引き上げようとするものであります。
 次の四ページに参りまして第三十四条でございます。まず第三十四条の二号でございますが、これは医療費控除の引き上げに関する規定でございます。最高限度額を百万円まで引き上げようとするものでございます。また足切りを十万円または百分の五のいずれか低い額にしようとするものであります。
 それから五号でございますが、これは生命保険料控除限度額を二万五千円を二万七千五百円に引き上げようとするものでございます。
 六号から九号まで、これは障害者、特別障害者それから老年者、寡婦、勤労学生のそれぞれ控除額を一万円ずつ引き上げようとするものでございます。
 十号、十百万それから二項でございますが、これはそれぞれ配偶者控除を二万円、扶養控除を二万円それから基礎控除を一万円引き上げようとするものでございます。
 三項の規定は、配偶者のいない場合の第一人目の扶養親族の控除額を二万円引き上げようとするものでございます。
 次に、三十七条は技術的な改正でございます。
 三十七条の三、四十五条、これも租税特別措置法の改正に伴いまする条文の整備でございます。
 七十二条の十四もそれに類するものでございますけれども、今般、租税特別措置法におきまして、従来の石油開発投資損失準備金制度を資源開発投資損失準備金制度に拡充、改正することに伴いまする規定の整備でございます。海外発生所得分については事業税を課税しない。逆に内国発生分については課税をするという特例を続けようとするものでございます。
 次の八ページにまいりまして、七十二条の十八は、事業税でございますが、個人事業税の事業主控除を四万円引き上げまして三十六万円にしようとするものでございます。
 それから七十三条の四、これは不動産取得税の非課税の規定でございまして、九ページの二項のところでございますが、「公共の用に供する道路の用に供するために」。これまで土地の取得につきまして非課税にいたしておったわけでございますが、それにあわせまして料金徴収所等道路付属物の家屋等を非課税に加えようとするものでございます。
 それから次の十ページでございますが、十ページの七十三条の五は、土地改良区等が開拓財産としての道路等を国から譲与を受ける、これに対して不動産取得税を課税しないというものでございます。
 次の七十三条の十四、十一項の規定でございますが、これも先ほど提案理由に御説明ございました路外駐車場で、いわゆる立体駐車場でございますが、これの地上部分――これまで地下部分は課税標準の特例を二分の一設けておったわけでございますが、地上部分の家屋につきましても、課税標準の特例を設けようとするものでございます。
 次の七十三条の二十七の六の規定、一一ページの最初でございますが、これは昨年の農地法の改正に伴い、農地保有合理化促進事業を行なう営利を目的としない法人が農地等を取得する、こういうものに対する不動産取得税につきまして、そこに掲げてございますような要件を充足するものにつきまして、納税義務を免除しようとするものでございます。
 次の第百十二条の二の規定は、ゴルフ場所在の市町村に対する娯楽施設利用税の交付金の率を六分の一から三分の一に上げるという内容でございます。
 その次の百十四条の三、それから一二ページに参りまして百十四条の四、百十四条の五、これは料理飲食税に関します軽減措置でございまして、百十四条の三が旅館に対する基礎控除額の引き上げ、八百円を千円でございます。それから百十四条の四が飲食店、喫茶店等に対しまする飲食の免税点、これを現行の八百円を九百円に。それから二項はチケット制でございますが、チケット制の飲食については四百円を四百五十円に。それから第百十四条の五は、旅館の宿泊及びこれに伴う飲食に対する免税点を千六百円から千八百円に引き上げようとするものでございます。
 百二十九条の三項の規定は、技術的な改正でございます。
 それから百五十一条四項の規定でございますが、これも徴収の技術的な規定でございますが、自動車税の証紙徴収によります納付方法といたしまして、そこに書いてございます証紙代金収納計器というものを用いまする納付方法を認めようとするものでございます。
 次の二百三十七条の狩猟免許税の税率は、これは現行の税率を三倍程度に引き上げようとするものでございます。
 次に、一四ページから一八ページにかかりますが、二百九十二条から三百十四条の八までの規定は、府県民税について御説明申し上げましたところと全く同趣旨の改正規定でございます。省略させていただきます。
 それから一八ページに参りまして三百二十一条の五の規定でございますが、これは特別徴収。個人の市町村民税につきまして、一月一日から四月末日までの間にやめた場合におきまして、本人の申し出によりまして、この未納付の住民税額を最後の給与また退職手当から特別徴収することができる道を開こうとするものでございます。
 次の三条の規定は、それに伴います規定の整備でございます。
 次が二一ページに参りまして第三百四十八条の規定でございます。これは固定資産税の非課税の範囲に関する規定でございます。二の六というところに傍線が引いてございますが、これは条文を動かしただけでございます。二の七と申しますのが、いわゆる立体交差化施設についてでございまして、これはこれまで課税標準の特例で軽減をしておったわけでございますが、交通安全対策の見地から全面的に非課税にしようとするものでございます。それから六の二、次のページに参りまして六の四、六の六、これは公害防止の見地から水質汚濁あるいは大気汚染防止あるいは廃棄物の処理、こういった施設に対しまして固定資産税を非課税にしようとするものでございます。
 次の三百四十九条の三の規定は、二二ページから二四ページまでは規定の整備でございまして、二五ページの二十一項がいわゆる立体駐車場の地上部分の家屋と償却資金につきまして課税標準の特例を設けようとするものであります。二十二項はばい煙あるいは騒音防止、砂利採取に伴う災害防止の施設に対しまする課税標準を現行の二分の一から三分の一に引き上げようとするものでございます。
 次が四百八十九条でございますが、これは電気ガス税の非課税の範囲に関する規定でございます。まず一項で生石灰を非課税にする。二項におきましては、三年間非課税にします品目の中にエチレン・プロピレン・ターポリマーゴム、それと合成グリセリンを加えます。逆に、その下のほうの欄でございますが、重過燐酸石灰と酢酸を非課税品目から削除しようとするものでございます。
 四百九十条の二は、電気ガス税の免税点の引き上げ、先ほど提案理由で御説明申し上げましたことを内容とするものであります。
 六百九十九条の十三は、自動車取得税につきまして、自動車税と同様に証紙代金収納計器による納付の方法を認めようとするものでございます。
 七百条の五十二は、入猟税の税率の引き上げでございまして、狩猟免許税と同様三倍程度に引き上げようとするものであります。
 七百一条、七百一条の二は、入湯税につきまして、同じく先ほど提案理由で御説明申し上げました内容を条文化したものでございます。
 次の七百二条でございますが、これは都市計画税につきまして、都市計画税を市街化区域内に所在する土地、家屋に原則として課税する、逆に市街化調整区域におきましては、大規模の開発が行なわれる等特別の事情がある場合を除きましては課税をしない、こういう改正を加えようとするものでございます。
 次の二九ページ、国民健康保険税の課税規定は、課税限度額現行五万円を八万円に引き上げようとするものでございます。
 次に、本法附則の改正部分でございます。二九ページから三一ページにかけまして四条から五条の条文でございますが、いろいろと書いてございますけれども、要するに、所得税におきまする配当課税あるいは配当控除率の引き上げというか、配当控除率の引き下げと申すべきだろうと思いますが、に伴いまする住民税の対応する改正でございます。
 三二ページに参りまして、不動産取得税の課税標準の特例でございます。まず十一条の六項の入り会い林野の関係は、現行の課税標準の特例期間を二年延長しようとするものでございます。
 三三ページの七項、八項は新設でございまして、一つは、日本自動車ターミナル株式会社が直接その本来の事業の用に供する家屋を取得した場合の不動産取得税の課税標準の特例に関する規定でございます。次の八項は、農地開発機械公団が造成いたしましたところの、いわゆる共同利用模範牧場の用に供しまする畜舎でございますとか、あるいは飼料貯蔵施設等につきまして、同じく期限を切って課税標準の特例を設けようとするものでございます。
 次の十四条の固定資産税の非課税でございますが、これも辺地等において農林漁業団体等が設置した発電施設等に対しましては、現在非課税措置が行なわれているわけでございますが、これをさらに二年半余り延長しようとするものでございます。
 次の三四ページの十五条の改正規定でございます。まず十五条の一項は、日本自動車ターミナル株式会社の家屋及び償却資産に対しまする固定資産税の期限を延長しますと同時に、新たに荷揚げ場の家屋を課税標準の特例の対象に加えようとするものでございます。
 三項、四項は、公害防止の見地から、脱硫装置あるいは廃油処理施設、これに対しまする課税標準の特例率をまた引き上げようとするものでございます。
 三六ページに参りまして六項は、石炭鉱業合理化事業団の取得した近代化機械設備等につきましての課税標準の特例期限を延長しようとするものでございます。
 それから三七ページに参りまして十一項というのがございます。これは電子計算機につきまして、そこに掲げられております期間内に取得したものにつきましては、三年度間三分の一まけて三分の二にするという課税標準の特例を設けようとするものであります。
 次の第十九条の二から五一ページの三十条までが市街化区域内の農地に対します固定資産税、都市計画税の特例規定に関する部分でございます。
 まず第十九条の二でございますが、これは市街化区域農地に対する固定資産税の課税標準となります価格は、状況が類似する宅地の固定資産税の課税標準とされる価格に比準ずる価格によるのだという原則をうたったものでございます。
 三八ページの二項の規定でございますが、非常にややこしい条文になっておりますが、要するに、市街化区域農地以外のものが新たに市街化区域農地になる、あるいは市街化区域農地であったものが市街化区域農地以外の農地になる、こういう場合等におきましては、据え置き年度でございましても、その評価がえができるということを明らかにした規定でございます。
 次の三ページの十九条の三は、先ほど提案理由でも申し上げましたように、ABCのグループに分ける。いわゆるA農地と申しますのが一でございます。B農地と申しますのが二でございます。C農地と申しますのが三でございます。それぞれに、固定資産税の負担につきましては、市街化の進みぐあいに応じながら負担の調整措置を講ずる、こういう規定でございます。
 それから四十一ページの二項の規定は、市街化区域の変更が行なわれまして、新たに市街化区域農地に加えられたという場合、いわゆる途中乗車と申しておりますが、これにつきましては四十七年度にあったものとみなして課税をするという規定でございます。
 三項、四項も、同様技術的な改正規定でございますので、時間の関係で省略をさせていただきたいと存じます。
 それから四四ページの第二十二条の規定でございますが、これは同じく市街化区域農地に対しまする評価のしかたに関する特例の規定でございます。
 それから四七ページに参りまして、第二十五条というのがございます。これは市街化区域内にございます。農地に対する都市計画税に固定資産税と同様の措置を講じようとするものでございます。
 それから次に、四八ページから四九ページに参りますが、いずれも技術的な規定でございますので、説明を省略いたします。
 五〇ページでございますが、二十九条の二、二十九条の三は、賦課期日後に市街化区域農地が市街化区域農地以外の農地となった場合は、市街化区域農地として徴収をした固定資産税については減額をして還付するという規定でございます。
 それから二十九条の四の規定は、いわゆるB農地及びC農地につきまして、固定資産税及び都市計画税額の合算額が小作料の額をこえる場合には、そのこえる部分について、納税義務者の申請に基づきまして一定期間徴収猶予をしようとするものであります。
 それから次の五一ページ、二十九条の五の規定は、市街化区域農地のうちで、特にいわゆるC農地でありますけれども、市街化に相当長期の期間を要する、しかも市街化調整区域に編入することが不適当な特別の事情がある場合には、自治大臣が市町村長に対しまして必要な減免の措置を講ずるよう適切な助言をすることができるという規定でございます。
 あと五二ページに参りまして、三十一条の四項と申しますのは、無水フタル酸の製造業に対します電気ガス税の非課税期限を一年延長しようとするものでございます。
 五三ページは、オリンピック冬季大会開催年におきます外客に対する料理飲食等消費税の特例規定でございます。
 あと技術的な規定の整備等でございますので、説明を省略いたします。
 以上で補足説明を終わります。
#10
○古屋委員長代理 以上で補足説明は終わりました。
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#11
○古屋委員長代理 華山親義君外五名提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案を議題として、提出者から提案理由の説明を聴取いたします。山口鶴男君。
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 地方税法の一部を改正する法律案(華山親義君
 外五名提出)
  〔本号末尾に掲載〕
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#12
○山口(鶴)議員 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、提案者を代表して、その提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。
 地方税源とりわけ市町村の税源の充実強化ということは、シャウプ税制以来の課題でありますが、残念ながら今日においては、この問題の解決どころか逆の方向にあるといっても過言ではありません。
 すなわち、市町村税について見ますと、市町村歳入中に占める税収入の割合は、昭和二十六年度の四六%から四十三年度には三五・四%に低下している状況にあります。これは主として、市町村税制が税収入の安定に重点が置かれたため、今日の都市化現象に伴う動態的な財政需要に対応し得ないという税体制の仕組みに起因するものであります。
 日本社会党は、国、都道府県、市町村を通ずる税制のあり方について根本的に再検討を加え、早急に結論を出すべきであると主張し続けてきているのでありますが、この際、憲法に保障する地方自治と住民福祉を守る立場から、基礎的地方団体である市町村の税源の充実をはかるとともに、大衆負担の軽減を行うため、当面、社会経済の現状に照らし、特に緊急と認められる事項について所要の改正を行なうこととしたのであります。
 以下順を追って地方税制の改正の概要について御説明申し上げます。
 第一は、道府県民税及び市長村民税についてであります。
 その一は個人についてでありまして、まず、住民税の課税最低限につきましては、今回の政府案では約十一万九千円引き上げられておりますが、所得税における課税最低限との差は依然として相当大きいのであります。かりに住民税と所得税とではその性格上の相違もあり、課税最低限については必ずしも一致すべきものでないという論があるにしても、できる限り両税の格差を縮減するよう、具体的な計画のもとにその引き上げをはかる必要があると思うのであります。
 したがいまして、昭和四十六年度以降二年間にわたって住民税の課税最低限を引き上げるため、昭和四十六年度において、基礎控除の額を二万円、配偶者控除、扶養控除の額をそれぞれ三万円引き上げることとしております。なお、四十七年度及び四十八年度においてもそれぞれ二万円、三万円引き上げることを予定いたしておりまして、その結果、四十八年度における課税最低限は約百三十万円となる見込みであります。
 また、障害者控除、老齢者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額については現行の八万円を十一万円に引き上げることといたしております。
 このほか、障害者、未成年者、老年者及び寡婦についての非課税の範囲を、年所得三十七万円まで拡大することといたしております。
 さらに、中小企業者の負担の軽減合理化をはかるため、白色申告者の専従者控除額を現行の十五万円から三十万円に引き上げることといたしました。
 次に、現行の都道府県民税所得割の税率は、課税所得百五十万円以下二%、百五十万円以上四%という二段階の比例税率的制度となっておりますが、定額所得者との負担の均衡をはかる見地から、税率を五段階に区分する超過累進税率制に改めることといたしております。
 その二は、法人についてであります。
 最近における企業の発展は、都市特に大都市における公共施設の充実に負う面が少なくないのみならず、公害その他の問題について、都市に多大の負担を及ぼしている実情にあるため、その負担をある程度企業に求めることは当然であると考えるのでありまして、住民税の法人税割を、道府県民税にあっては現行の五・六%を八%に、市町村民税にあっては現行の九・一%を一五%といたしております。
 第二は、事業税についてであります。
 事業税は本来二重課税的な性格を持つものであり、特に零細な個人事業者についてはその負担の過重に苦しいものがあるのであります。したがいまして、将来、個人事業税は撤廃の方向で検討を加える必要があるのでありますが、当面、所得税を納付するに至らない者に対する個人事業税の解消をはかるため、事業主控除を現行三十二万円から五十五万円に引き上げることといたしております。
 また、中小事業者の負担の軽減合理化をはかるため、白色申告者の専従者控除額を現行の十五万円から三十万円に引き上げることといたしました。
 第三は、料理飲食等消費税についてであります。
 都市または観光地等における市町村の行政負担は年々急増を示している反面、観光関係地の財政収入は、市町村一に対し、府県二、国四という実情にかんがみ、その財源に充てるため、この際府県税である本税を市町村税とすることにいたしております。
 なお、料理飲食等消費税の市町村移譲につきましては、課税事務を考慮して昭和四十七年度より適用することといたしております。
 第四は、都市計画税についてであります。
 都市計画税の課税客体は土地及び家屋となっておりますが、都市計画事業に伴う受益の度合いは、償却資産についても土地及び家屋と同様でありますので、都市計画税の課税客体に償却資産を加えることといたしております。
 なお、都市計画税の賦課期日は一月一日となっておりますので、この改正規定は昭和四十七年度分より適用することといたしております。
 以上の改正により、昭和四十六年度においては、個人住民税におきましては差し引き千百三十九億円、個人事業税におきまして二百十一億円の減税となりますが、一方、法人税割の改正に伴い、二千四百五十八億円の増収が見込まれますので、差し引き一千百七億円の増収となります。
 以上が地方税法等の一部を改正する法律案の提案及びその大要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
#13
○古屋委員長代理 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案及び自動車重量譲与税法案の両案を議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。秋田自治大臣。
#14
○秋田国務大臣 ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
 昭和四十六年度の地方交付税については、長期的見地から社会資本の計画的な整備を促進するとともに、最近の地域社会の著しい変貌に対処し、それぞれの地域の特性に応じて住みよい生活環境の整備をはかるため、地方交付税の算定方法を改正する必要があるのであります。
 これがこの法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、市町村道、下水道、清掃施設等住民の生活に直結する各種の公共施設の計画的な整備を促進するとともに、公害対策・交通安全対策及び消防救急対策に要する経費を充実するため、関係費目の単位費用の改定を行なうことといたしております。
 次に、人口急増地域における財政需要の増加に対して、義務教育施設、都市計画事業等の整備に要する経費を充実するほか、引き続き市町村分について土地開発基金費の算入措置を講ずることといたしております。
 また、過疎地域における行政水準の維持向上のため、人口急減補正等により、後進市町村の財政基盤の強化をはかるとともに、広域市町村圏内における生活関連道路の整備を引き続き促進するための措置を講じてまいりたい所存であります。
 その他、地方交付税の算定方法の簡素合理化につとめるとともに、所要の規定の整備を行なうことといたしております。
 以上が、地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました自動車重量譲与税法案について、その提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、近年におけるわが国経済の目ざましい発展に伴って、自動車保有台数の増加はまことに著しいものがありますが、一方これに関連して、国道、地方道を通ずる道路の建設、改良をはじめその他社会資本の充実に対する要請も一段と強まっているのであります。
 このため、今般、道路その他社会資本の一そうの充実強化をはかるための財源として、新たに国税として自動車重量税が創設されることとなったのでありますが、この際、市町村道路の現状にかんがみ、市町村の道路目的財源の充実をはかるため、この自動車重量税の収入額の四分の一に相当する額を、自動車重量譲与税として市町村に譲与することといたしたいのであります。
 これが自動車重量譲与税制度を設けようとする趣旨であります。
 以下、この法律案の内容を簡単に御説明申し上げます。
 第一は、自動車重量譲与税の額でありますが、すでに御説明いたしましたように、自動車重量税の収入額の四分の一に相当する額とし、これを全額市町村に譲与するものといたしております。昭和四十六年度は、昭和四十六年十二月一日から自動車重量税を課税することとされておりますので、譲与する額は、百億円程度となりますが、平年度におきましては、三百億円程度となる見込みであります。
 第二は、譲与の基準でありますが、自動車重量譲与税は、市町村の区域内にある市町村道の延長及び面積に案分して譲与するものといたしております。なお、この道路の延長及び面積につきましては、道路の種別等によって、補正することができるものといたしております。
 第三は、譲与時期及び譲与時期ごとの譲与額でありますが、まず、譲与時期につきましては、地方交付税の交付時期との調整をはかりまして、地方道路譲与税、石油ガス譲与税及び自動車取得税交付金と同様に、八月、十二月及び三月とし、また譲与時期ごとの譲与額につきましては、八月にあっては四月から六月までの間に収納した自動車重量税の収入額、十二月にあっては七月から十月までの間に収納した同税の収入額、三月にあっては十一月から一月までの間に収納した同税の収入額と二月及び三月における同税の収入見込み額の合算額のそれぞれ四分の一に相当する額を、都道府県を通じて譲与することといたしております。
 第四は、自動車重量譲与税の使途でありますが、その全額を道路に関する費用に充てなければならないものといたしております。
 以上が、自動車重量譲与税法案の提案の理由及びその大要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#15
○古屋委員長代理 以上で各案に対する提案理由の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#16
○古屋委員長代理 次に、先ほど提案理由の説明を聴取いたしました内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案及び華山親義君外五名提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案の両案について質疑を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。中山正暉君。
#17
○中山(正)委員 私は、自由民主党委員を代表いたしまして、ただいま提案になっております地方税法の一部を改正する法律案につきまして、いささか質問を試みてみたい、かように思う次第でございますが、時間の関係もございますし、そしてまた自民党の代表ということでございますので、ごく簡潔に一般的に御質問をまず申し上げてみたいと思います。
 終戦後四分の一世紀を過ぎまして、いろいろと世の中にはたいへんな変革を来たし、公害問題、それから十年前には百五十万台しかなかった自動車が千五百万台、激しい社会変革が行なわれておるわけでございますが、アメリカさんからいただいたという民主主義にいろいろとひずみが出てきておるようです。大体日本の体質に合ってまいったような部分もあるわけでございます。しかし、最近地方制度問題に関しましてもいろいろと議論が沸騰しておりますが、中でも地方行政委員の私どもといたしまして非常に気になる問題がございます。
 それは、地方税制について抜本的に改正を行なうべきであるという意見が非常に盛んなわけでございますが、その際に、独立税制度を廃止して地方税を国税の付加税にしたらどうか、そうすべきであるという、地方自治制度を尊重する立場、民主主義の根幹をなす地方制度というものを尊重する立場から申しますと、まことにこれと相反すると申しますか、民主主義に挑戦するようなきわめて危険な意見があるわけでございます。それが閣僚の口からも聞かれるようになっておるわけでございますが、政府、特に自治大臣とされまして、今後の地方税制の基本的な問題のあり方といいますか、その方針をまずお伺い申し上げたい、かように思います。
#18
○秋田国務大臣 ただいまの点につきましては、先般も本会議場で、社会党の方でございますか、質問がございました。住民税を所得税の付加税制度にしたらどうかというような御意見についての御質問に関連してでございましたが、私どもといたしましては、地方自治確立のたてまえから、住民税と独立税の体系を整えることの必要性を痛感いたしております。これが主要な地方税制の基幹をなす税目につきまして、所得税の、国税の付加税であるということでは、やはり独立税制の体系が破壊されまして、地方自治というたてまえからはどうもおもしろくないと考えられます。徴税の簡素化のためにはいろいろの点を考慮さるべきことは当然でございますけれども、付加税というようなことによらないで、別途の方法を講ずべきであろう。また現にいろいろ所得税申告等に関連して便宜の方法も講ぜられておるわけであります。これらの点につきましても、私は、単なる徴税上の便宜から簡便に過ぎて地方の自治というものの根幹をゆるがすようなことがあってはならない、こういうふうに考えております。
  〔古屋委員長代理退席、委員長着席〕
この点につきましては、ひとつ大蔵当局とも十分お打ち合わせもし、政府としてまとまった意見をぜひ確立をしていきたいと考えております。
#19
○中山(正)委員 そういう民主主義の基本をなす非常に重要な問題でございますので、閣内でもひとつ自治大臣から強力に御発言を願いたいと思うのでございます。
 しかし、日本のこの地方制度の中におきまして不交付団体が府県でもわずか四府県ぐらいしかなくなっております。あとはみんな交付団体に成り下がっているわけです。特に大都市において財源難というものが非常に顕著でございます。昨年三月の本委員会において地方税法の改正案が審議をされました際に附帯決議がついております。「最近における社会経済情勢の著しい変化に対応するため、早急に国、地方団体を通ずる税制のあり方について根本的な再検討を行なうとともに、都市とくに大都市並びにその周辺都市における財政需要の増嵩の状況にかんがみ、引き続きその税源の充実につとめること。」という附帯決議がついておるわけでございますが、国、地方団体を通ずる税制のあり方といいますか、根本的な再検討ということが必要だと思うのですが、現在の税制の基礎になっておりますシャウプ税制、この最大の特徴は、シャウプ勧告におきまして「地方税総額を千五百億円から千九百億円に増税すること。地方団体は自らの税収入を増加しなければ任意的寄附金に甚だしく依存するかまたは中央政府に余りにも依存する結果となるであろう。特に地方財政支出が四千二百五十億円に増大した場合にはますますそうである。われわれは、この四百億円の増税は専ら市町村税の増税であるべきことを勧告する。地方自治の発達上、強化を必要とするのは都道府県よりもむしろ市町村であるからである。」ということが、このシャウプ勧告の中でいわれておるわけでございます。地方自治を確立する前提条件としての財政自治の確立、これがないそでは振れぬというもので、幾ら地方制度を尊重すると言いましても、財政自治の確立ということが特に基礎的な問題である。そしてまた基礎的な自治団体である市町村を重視して市町村税を大幅に増強したという点であったのが、このシャウプ勧告の結果であったわけでございます。
 しかしながら、シャウプは敗戦直後の混乱した状態にあるわが国の経済を前提として立てたために、伸長性よりも安定性といいますか、普遍性を重視した現行の市町村税体系を構成したわけでございます。あのころ考えてみましても、いまのように自動車がふえるとは思いませんし、そしてまた消費経済もこれほど盛んになるとは思っておりませんでしたから、市町村のほうに固定資産税とか、そういう安定的な見通しのあるものをつけた。それがかえって最近では逆になっておるようであります。現行の市町村税体系の中で、当然のことですが、三十年代以降のわが国の経済的な飛躍、高度成長、そういう現在の繁栄を予想したものでなかったということ。そういうような意味から、私はこのシャウプの基礎的自治団体である市町村を重視するという理念、これを現時点に生かさなければいけないと思うわけです。市町村税制がおおむね昭和二十五年当時のままということにはならず、現在の社会情勢に応じた税制に改めらるべきである、こう思うのです。
 現に昭和二十四年に道府県税の一・二倍であった市町村税が、改正後の昭和二十五年には一・七倍に増強されたのでありますが、それから二十年を経過した現在、昭和四十四年度の決算では市町村税は道府県税のわずか七九%に落ちております。ちなみに道府県税が一兆七千二百七十六億、市町村税が一兆三千六百二十六億で、その地位の低下を非常に来たしております。しかもこの低下傾向は年々激しくなるばかりでございます。国税、地方税を合算した総税額中に占める市町村税の割合は、昭和三十年度に一七・八%であったのが、四十三年度には一四・八%に低下をいたしております。その結果、全国市町村の三千二百八十団体、そのうちで三千二百二十団体が財源調整措置としての交付税の交付団体に成り下がった。特に税源豊かな指定都市六市がすべて交付団体、その交付額も年々増加していくという事情でございます。ゆゆしき事態に直面しておると思うのですが、シャウプの理念に全く相反した状態になっておる。
 この原因は、私が指摘しましたように、シャウプ税制改正の際に、市町村税の安定性と普遍性が重視され、住民税と固定資産税を二本の柱として構成されたことにありまして、その後におけるわが国経済の驚異的成長の中で相対的に著しく伸び悩んだことが原因であると思うのです。昭和四十四年度の決算におきましても、国、府県には伸長性の高い所得、収益関係の税が六割以上ある、市町村にはこれが旧制程度しかありません。これに対して伸長性の乏しい財産保有関係の税では、国、府県は一割以下であるのに対して、市町村は実に四割以上となっておる。
 そこで、基礎的自治団体である市町村の財政基盤の強化、このようなことは国税、地方税の構成を改善する、すなわち国と地方間の財源の再配分ということをいよいよ考える必要が出てきておるんじゃないか。市町村税についての所得、収益関係の税目など伸長性に富んでいる税目の構成比を大幅に高める必要があるのではないかと考えられるわけでございます。
 そういう意味で、最近における人口、それから産業の都市への集中、そういうものに伴なった都市の財政需要は著しく増大をしてきておるので、これに対して都市税源の充実、強化をどうはかるべきであるか、ひとつ都市財源に対して大臣のこれからの見通しといいますか、どういう計画でいくべきであるというふうに思われますでしょうか。また、シャウプ税制、今日から見まして、その当時の趣旨を生かすには一体どうあるべきかということを、御答弁がいただけたらと思います。
#20
○秋田国務大臣 確かにお説のような傾向、状況になっております。シャウプ勧告後の状況に応じまして、ことに大都市の再開発、これに関連いたしまして、いろいろ増高いたしております財政需要に応じまして、都市の税源、財源の充実強化につとめなければならないということは当然のことであって、政府といたしましても、そのことを考えておるわけでございます。
 そこで、昭和四十三年、御承知のとおり、自動車取得税を創設したり、また四十四年度においては地方道路譲与税の譲与基準を改めて財源の傾斜配分を行ない、四十五年度においても法人税負担の引き上げに伴う道府県民税法人税割の増収分を全額市町村に移譲する等の改正をしたところでございますが、今後は、やはり所得税でも、ことに法人税関係あるいは譲与税関係等につきまして、ひとつ都市税源を強化するという点を考慮してまいりたい。ことに昭和四十六年度自動車重量譲与税を創設して、その配分を通じて都市財源の充実を目ざしておりますが、この点まだ不十分でございますので、こういう点を通じまして、今後、都市ことに大都市の財源、税源の充実強化をはかってまいりたいと考えております。
#21
○中山(正)委員 大都市の税源確保のために、政府も、最近、自動車取得税の創設、それから道路目的財源の充実、それから市町村民税の法人税割の増強などの処置は講じられたわけでございます。
 これだけでは不十分でございまして、たとえば、自分のことになってまことに恐縮なんですが、大阪市会議員に当選いたしましたのがちょうど三十八年のことでございましたが、そのときに市庁舎の設計をもうすでに終わっておりました。ところが、緊急を要する公共投資に非常に追われておりましたために、財源の不足のために、この市庁舎の建設も見送ったというようなことがございました。
 大都市におきましては、道路交通混雑、また公害の多発、それから大都市機能の渋滞、生活環境の悪化はますます深刻化しているのが実態でありまして、したがって、こうした過密現象に対処するために、今後一そう積極的な道路、公園――先日も、私の近くで、遊び場がないために、子供が三人淀川に遊びにいって墜死をしてしまいました。私もお見舞いに参ったのでございますが、何日間も死体があがらずに、周辺の人が非常な協力をなさって、ついに一人一人何週間か後に――かわいそうな、遊び場がないために、冷たい川の中で死んでしまった子供たち、その合同葬儀にも私出ましたわけでございますが、そのときに思いましたことは、これじゃいけない、何とかこういうかわいそうな子供たち、道路、自動車に追われて、大きな川の堤防まで上がって遊ばなければならぬ子供たち、そのことを非常に思いましたわけでございますが、そういう公園とか下水道、住宅、それから都市的な大きな問題でございますが、都市施設を整備する必要があるわけでございまして、六指定都市の緊急に必要な投資額だけでも昭和四十六年度から五年間に三兆二千億円を要するといわれております。
 にもかかわらず、このような財政需要の増高に積極的に取り組んでいる指定都市のすべてが、これに見合う税収を欠いている。そのために財源調整として地方交付税の交付団体となり、しかも大都市財政の地方交付税の依存度はますます強まっているという実情にある。
 交付基準額、昭和四十四年、六市で計三百六十七億です。昭和四十五年には六市で四百六十二億円になっております。反面、府県についていいますと、東京、大阪、愛知、神奈川の四大府県は財源超過団体でありまして、その超過額は年々増加をしている。大都市をかかえている府県が財源が超過して、その中心になっている大都市が疲弊をしているという、まことにいびつなかっこうになっているわけです。昭和四十四年、四都府県の合計が七百八十一億、昭和四十五年、四都府県で一千百三億、本来税源豊かな大都市がすべて交付団体であるというこの事実が、現行制度の不合理性を端的に示すものといいますか、私は、自民党、与党の大都市出身の議員として、どうしてもこの疑問には挑戦をしなければならない。全体の自民党の代表というには、いささかこの場面だけは私は与党の皆さま方に申しわけがないと思うのですが、あえてわれわれはこの問題に挑戦をすることが問題の解決といいますか、われわれの責務である、特に体制内で改革をしようと思っております私どもにとりましては、大きな問題であると思うわけでございます。
 そういうことで、ふだんよく言うことでございますが、生産者米価の問題には、非常に多数の議員が集まっていろいろと問題がありますが、消費者米価の問題になるとなおざりにされる。これではいけない、私は与党の中にあって絶えずそう思っております。都市の問題、この問題に取り組むのが、これからの七〇年代の――佐藤総理が、私ども当選しました最初の施政方針演説でもおっしゃった、七〇年代は内政の時代だ。その問題に適応するのが、この大都市と大府県の間の調整の必要があるということだと考えるわけでございます。ひとつこの問題について今後とも御努力をいただく、そういう御覚悟をこの場で御披瀝を願えたらと思います。
#22
○秋田国務大臣 確かに、大都市の中のいわゆるドーナツ化の現象、また大都市と周辺衛星都市との関連におきまして、いろいろすべき事業と税配分との関係等、この際問題がその方面に多々あることを承知いたしております。この点につきましては、ひとつ今後とも真剣に検討をいたしまして、合理的な解決をはかるべきものであるというふうに考えておりますので、自治省といたしましても、十分検討してみたいと思います。皆さんもまたいろいろ御指導、御鞭撻を願いたい、このように思います。
#23
○中山(正)委員 これはとっぴな話になるかもわかりませんし、この問題から少しずれると思うのですが、大阪のことに限って申しましても、府と市が非常にうまくいっていない。この間の読売新聞に麗々しく大阪府市の対立の問題が記事になっておりました。知事さんのほうは、内野と外野だとおっしゃる。中心になる大都市とまわりの衛星都市のことを、内野と外野だとおっしゃるのですが、私は、どう考えても、地方行政は、地方自治体制というものは、野球ではないと思うのです。野球にたとえて話をされるということが私には非常にいびつに聞こえるわけでございますが、そういう意味で、新しい都制をしくとか、自治省で、こういう片や交付団体、片や府県のほうは不交付団体、そういういびつな関係を是正するには、私は機構の改革をするよりしようがないのじゃないか、制度を改めるということよりしようがないのじゃないかと思うのです。
 突発的に御質問申し上げていけないのですが、大臣の個人的な御見解でもけっこうでございます、お聞かせが願えたらと思います。
#24
○秋田国務大臣 その辺にいろいろ問題があることを承知いたしております。確かに、事務配分なり機構上のいろいろ改善なり考えなければならない点もあろうかと存じます。これらの点は、ひとつ関係方面からいろいろ御意見を承りまして、将来合理的な解決に向かいまして努力をしてみたいと思っております。
#25
○中山(正)委員 この間も実は人口急増市町村対策のときに、百九十六の対象市の中で一市だけがはずされる、それが大阪市であったということでありますが、その原因は、大阪市は人口が減っておるということが原因なんです。あの七百五十万いる大阪府下の中で中心都市となる大阪市が人口が減っておるということは、大阪市というものが適正な規模ではないということだと私は思っておったわけです。地方行政部会で私は入れていただくことにお願いをしまして、行政区単位で見ていただく、東京都の特別区と同じように、行政区単位で見ていただくということにお願いしたわけでございますが、この人口急増市町村対策から人口が減っておるということではずされるということが、いびつさを物語る何よりの証拠だと私は実は思っておるわけでございますが、質問の順番を与えていただいたという特権を利用してあまり個人的な見解を披瀝してもかえって御迷惑だと思いますので、次の質問に移らしていただきたいと思います。
 今回の住民税問題でございますが、住民税の減税により、四年間引き続いて課税最低限を引き上げるための所得控除の改正が行なわれることになるわけでございますが、所得税につきましては、本年度には百十三万に引き上げられることとされております。それとの比較で住民税の課税最低限をもっと引き上げるべきではないか、また今回の課税最低限の引き上げにおいては、配偶者控除と扶養控除を二万円引き上げることといたしておりますわけで、これはまことにけっこうだと思いますが、配偶者控除については、さらに引き上げをはかり、基礎控除と同額にすべきではないかというふうに考えておりますが、この問題に関してはいかがお答えいただけますか。
#26
○秋田国務大臣 住民税の課税最低限はなるべく引き上げまして、所得税の課税最低限との差も縮める。結局これは理論的に同一でなければならぬという見地からではございませんけれども、しかしながら住民各位の課税負担を軽減するという見地からさらに引き上げをしたい。
 それにはただいまお話しの基礎控除と妻の控除との差額、これをさらに詰めていく方法によってこれを引き上げていくということは、当然今後考えてまいりたいと考えております。
#27
○中山(正)委員 それから次に、今回の住民税についての減税は、課税最低限の引き上げ幅も、夫婦と子供三人の給与所得者においては約十二万円となっておるようでございますが、その減収額も初年度で七百四十二億にのぼっておるということでございます。市町村財政に与える影響がかなり大きいと予想されるわけでございますが、特に過疎地域を中心として、減税によって納税義務者が相当減少するような市町村が昨年度においてもあると聞いておるわけでございますが、このような市町村をはじめとする地方団体に対する財源補てんをどうするか、どう考えているか、また課税最低限を今後とも相当大幅に引き上げるとすれば、財政力の貧弱な市町村においては納税義務者が極端に減少することとなるわけでございますが、住民税の負担分任の性格にかんがみまして、この点についてはどういうようにお考えになっておりますか。
#28
○秋田国務大臣 確かに住民税の納税者が減ってまいる。そうすると費用分任の点からどうかという点も十分考慮しなければならないと思います。こういう点も考慮しながら、さらに住民税の課税最低限を引き上げまして、そうして住民の負担の軽減に資してまいろうと思っておりますが、その辺は実情に即しまして十分考慮しながらやりたいと考えております。
#29
○中山(正)委員 時間の関係で急がなければならないわけでございますが、昭和四十五年度の所得税の改正では、税率の緩和がはかられております。そのような所得税の改正に関連をしまして、住民税についても税率の緩和をはかる考えがあるかどうか。住民税の税率のあり方についてどのような考え方をお持ちになっておられるものか。御答弁を願いたいと思います。
#30
○秋田国務大臣 住民税の税率のあり方につきましては、三十九年の税制調査会の答申に述べられているように、累進度を緩和すべきであるという意見があります。また他面、先ほど社会党その他から御提案のありましたように、ある程度累進税率を適用すべきであるという御意見もあるのでありますが、われわれといたしましては、所得税と住民税との税の性格の差から考えまして、そうそう累進度を高める必要はないので、いまのところは、それよりもまだ課税最低限の引き上げによるところの住民税の負担軽減をはかるべきではなかろうかという点に重点を置いて考えておるのでありまして、税率の点につきましては、現行の程度でよかろうというふうなことを考えておるわけでございます。
#31
○中山(正)委員 住民税については標準税率制度がとられているわけでございますが、市町村によっては超過課税を行なっております。税負担にかなりの差異があるわけでございますが、このために固定化した超過課税を解消するように指導していらっしゃることは承知しております。しかし、この際標準税率制度を廃止すべきであるという意見があります。これについてどうお考えになるか。なお、超過課税の解消の状況はどうなっておるか。またその解消についてどのような措置が講じられているのであるかということを御答弁願いたいと思います。
#32
○秋田国務大臣 いろいろ数字上の問題も関連しますので、事務当局からお答えいたします。
#33
○鎌田政府委員 お答え申し上げます。
 標準税率の制度でございますが、これは御案内のとおり、地方税法という法律の考え方あるいは基本的なあり方、あるいは地方税制のあり方という問題とも関連してまいると思います。これまでのわが国政の考え方といたしましては、府県なり市町村なりが条例で定める税制が直接住民に対して働く税制だ、したがいまして地方税法はいわばそれの基本法といいますかワク組みを定める法律だ、こういう形で法律と条例というものを位置づけてまいったわけでございます。そういう考え方からいたしますと、地方税の税率というのは、本来すべて標準税率であることが望ましいのではないかと思います。地方団体がそれぞれの地域におきます産業構造あるいは住民の所得の状況あるいは財政状況というものを見ながら税率を上下できる。こういう意味での標準税率の定めのほうが地方自治の本旨に合致すると思います。したがいまして、標準税率を廃止するということは私ども考えておらないわけでございます。
 ただ、同一程度の所得者であるなら、そう申しましても、かなり負担の格差というものが生じてまいる。これは今日の世の中では世間の納得が得られがたいところでございますので、この超過課税というものがいわば固定化しないように、慢性化しないように考えたい。そういう意味合いにおきまして、現在の住民税におきましても、四十六年度から三年計画で特別交付税によります税収の激変緩和の措置を講じながら措置をしてまいっておるところでございまして、四十五年度におきましては八百三十市町村七十五億の超過負担の解消が行なわれております。また、四十六年度でございますが、四十六年度の見込みといたしましては、四十五年度で超過課税を行なっておりまする五百七十七団体が百四十三団体程度になるのではないか、四百三十団体がこの超過課税を解消する、こういうことを期待いたしておるところでございます。
#34
○中山(正)委員 次に、個人の事業税についてでございますが、今回の地方税制の改正によりまして、事業主控除を四万円引き上げ、三十六万円とすることになったわけでございます。前回の改正に引き続きまして、大幅な負担軽減がはかられているのでありますが、所得税の控除欠格者に対しては事業税は課税すべきではないという意見もあるわけでございます。今後における個人の事業税負担のあり方について、政府の御方針を御説明がいただきたい。
#35
○秋田国務大臣 事業税の性格上から、地方団体内において一定の仕事をしておる、道路その他いろいろ施設を利用せられておる、それに対するやはり応分の負担をすべきであるというようなところから考えられておりますので、所得税上の欠格者だから事業税を免除したらどうだというようなことにはならないとわれわれ考えておるわけでございますけれども、しかしながら、零細な事業者の負担というものを軽減することは、当然われわれとして考えなければなりませんので、今後といえどもひとつ事業主控除等の方法を通じまして、零細な事業者の事業税の負担軽減には十分努力をいたしてまいりたいと考えております。
#36
○中山(正)委員 零細業者の救済のために、今後ともひとつ御努力を願うことに大いに御期待を申し上げたいと思うわけでございます。
 法人の事業税についてですが、税制調査会の長期答申におきまして、その課税標準に事業の規模そして活動量をあらわす基準として付加価値要素を導入することが適当であるとされているわけです。事業税の性格から、将来そのような方向に進むべきであると考えるわけでございますが、一方、間接税のあり方に関連して、EEC方式による付加価値税創設の議論があるのですが、これについては政府はどういうふうにお考えになっておりますか。
#37
○鎌田政府委員 お答え申し上げます。
 御案内のとおり、付加価値税には、いわゆる事業課税方式と、それからいまEECで行なっておりまするいわゆる間接税形態としての消費課税の純化された税としての、売り上げ税の純化された税としての課税方式と、両方あるわけでございます。
 事業課税方式の付加価値税は、御案内のとおり、地方税法におきまして昭和二十五年に制度化されたわけでございますけれども、遺憾ながら反対が多くて、昭和二十九年に実施されないままこの廃止を見たという経緯がございます。事業課税といたしましては、私どもは付加価値方式の事業課税というものが一番すぐれておる、事業活動というものを最も正確に反映するという意味においてすぐれておるという意味合いにおきまして、この事業税に付加価値方式というものを導入する、あるいは事業税そのものを付加価値税にかえてまいるということは、いわゆるEEC方式の付加値税方式との調整をはかりながら、その実現には前向きで取り組みたいというのが、私ども事務当局の考え方でございます。
#38
○中山(正)委員 わかりました。
 次に、市街化区域内の農地に対する固定資産税についてですが、周辺の宅地との間の税負担の不均衡が非常に著しい。
 また、私の近くの例になるわけでございますが、新大阪駅というのは、たんぼのまん中にこつ然として計画を決定されて、そのためにいま坪二百万、三百万というような土地があるわけでございますが、いまだに野菜を名目的に植えて、うまくやっておる人がいる。値上がりを待っておる人がいたわけでございます。
 今度それに対する政府の方針というものが打ち出されて、最近こうして来年度その方針が打ち出されたわけでございます。地価対策の見地からも、均衡化を促進する処置を講ずべきであるという考え方があるのですが、このような考え方から、今回の政府原案による市街地の農地に対する税制上の処置では不十分ではないか、こういう意見があるのです。これに対してどういうふうにお考えでございますか。
#39
○秋田国務大臣 不十分である、もっとドラスティックにやれというお考えもあろうかと存じますが、しかし、またある意味においては、これは非常にドラスティックで反対だという御意見もあるわけであります。政府といたしましては、いろいろの御要求を勘案いたしまして、今日の物価あるいは土地政策等々の観点からもいろいろ考慮いたしまして、市街化区域内における農地の置かれました状況を三段階に分かち、各段階に応じまして激変緩和の措置をとりながら、無理のないように、ある年月をかけまして近傍の宅地との課税の負担の公平を期する、また物価政策の一つの基本にもなる土地価格政策にも資するという苦心の作でございまして、ほぼ妥当のところではなかろうかと考えておる次第でございます。
#40
○中山(正)委員 市街化区域内の農地の固定資産税につきましては、周辺宅地との間に著しい負担の不均衡があるようなことでは困りますので、課税の適正化をはかっていくべきである。当然の処置であると思うのですが、この場合に、現に農地であり、かつまた将来とも農業を継続していきたい、どうしても百姓をしていきたいのだ、農業をしていきたいのだという意思のある方も確かにおられるわけです。そういう意思のある者の所有する農地に対して、どのような処置が講ぜられるのか。また農地の売却を希望したりあるいは賃貸アパートの建設を希望する農家に対しては十分な処置を講ずべきであると思うわけでございますが、政府の施策をお伺いしておきたいと思います。
#41
○鎌田政府委員 お答え申し上げます。
 今度の改正におきましては、私どもが制度化にあたりまして一番苦心をいたしましたのが、まさにお尋ねの点でございまして、市街化の進みぐあいに応じて、都市施設の進みぐあいに応じて、整備の進みぐあいに応じて、税負担を求めてまいる。そういう意味でA、B、Cの三グループに分けたわけでございます。
 この市街化区域内におきまして農業を引き続き継続したい、また農業以外に所得を得る手段としてはない、こういう方々が多いと思われますのは、やはりC農地だと思うわけでございます。C農地におきましては、そういった考え方から五十一年度から税負担を求めて、それまでは現行の負担を据え置く。その間に都市計画法の規定に基づきますところの線引きの見直しということがございます。線引きの見直しをいたしまして、どうしても市街化の見通しというものが得られないという場合におきましては、市街化調整区域に編入がえをされる。またそれができない場合には、減免の適切な助言を自治大臣がする、こういうことを先ほど申し上げたところでございます。
 また、現在の制度の中におきまして、十ヘクタール以上の団地として長期間農業を繰続されるという意思があれば、その区域というものは建設当局のほうで市街化調整区域に編入をする。水玉模様になるわけでございますが、そういうことも考えてまいりたい。あるいはまたいわゆる施設緑地、公園緑地等の形で、自分の農地というものを施設緑地に指定してもらいたい、そういうことでございますと、その上に対します建築制限というものは受けますが、その間は従来の租税負担というものを維持してまいりたい。そのほか、農地を一部宅地にいたしましてアパートにする、こういう場合におきましては、住宅金融公庫の融資の道も去年から開かれておるわけであります。新たに系統資金、農協資金を借ります場合には、利子補給の道も開かれたわけでございます。さらにまた、他に土地を求める場合の交換あるいは農地を買い上げてもらう、市町村に対して優先的に買い上げてもらう、こういった面につきましても、資金の手当てその他におきまして十分の配慮を加えてまいりたいというふうに存じておる次第でございます。
 なお、先ほど住民税の超過課税の解消につきまして答弁申し上げたわけでございますが、その中で四十六年度までと申し上げるべきところを、四十六年度からと申し上げましたのは間違いでございますので、四十六年度までということで御訂正をお願いいたしたいと思います。
#42
○中山(正)委員 市街化区域内の農地について、状況が類似する宅地の価格に比準ずる価格によって評価するということになっておるわけですが、これは具体的にはどのような方法によって評価をするものでございましょうか。
#43
○鎌田政府委員 お答え申し上げます。
 市街化区域農地は、先ほど申しましたように、状況の類似する宅地に比準して評価をするわけでございます。で、路線価方式のとられておりますところは、現在の路線価がそのまま用いられるわけでございますし、あるいは路線に隣接しておるあるいは土地区画整理事業が行なわれておる、そういうところでございますと、路線価の付設ができるわけでございます。あるいはそうでないところでございますと、状況類似する宅地というもののグループをいたしまして、その中で比準をして宅地の価格というものを出してまいる。これは先般私どもも二、三の市につきまして現実に調査をいたしてみましたが、かなりスムーズにできるのではないかというふうに考えております。
 そこで、造成費の問題でございますが、造成費につきましては、現行の制度のもとにおきましても、宅地の転用許可を受けますと、造成費引きで課税をするという道がすでに開かれておるわけでございます。大体市町村のやり方といたしましては、土砂の購入費あるいは整地費、それから特殊な場合に擁壁を必要とするというようなものでございますと、土どめの経費、こういったようなものも現在すでに宅地化いたしております、宅地化が予定されておりまする農地について用いておりますので、その方式をそのまま引き続いて用いられたらどうであろうかというふうに考えております。
#44
○中山(正)委員 ひとつ混乱のないような指導をお願いしたと思いますが、市街北区域内の農地に宅地並みに課税するとしたら、一体どのような税負担の増加となるのか、具体的にひとつ御参考までに承っておきたいと思います。
#45
○鎌田政府委員 お答え申し上げます。
 現在、御案内のとおり、線引きが全部終わっておるわけでありませんし、またその場合の評価につきましても、この法律が成立をいたしまして本格的に取りかかるわけでございますので、一つの傾向と申しますか、荒っぽい推定に相なろうかと思いますが、大ざっぱに申しまして、現在、A農地、B農地、C農地、それぞれございますが、農地としての坪当たりの税額と申しますと、大体一円五、六十銭見当でございます。高いところでございますと二円というところもあります。低いところでございますと一円に足りない、銭という現在のお金で使えないようなところもあるわけでございます。それが大体この負担調整措置によりまして課税が始まります初年度におきましては十倍程度、と申しますのは、結局一円五、六十銭程度のものが十七、八円のところになろうかと思います。それから大体最終段階におきまして、この近傍宅地から造成費を差し引きましたその土地に対しまして、税負担がまるまるかかってまいるという段階になりますと、現在一円五、六十銭のところが、若干これはA、B、Cによりまして格差がございますが、C農地でございますと八十円程度になろうかと思います。あるいはまたA農地でございますと、百七十円程度になろうかと思います。そういうことを現在の段階での推定の根拠にいたしておるところでございます。
#46
○中山(正)委員 都市計画税の課税区域についてですが、都市計画税は原則として市街化区域において課税することとされておりますが、都市計画事業の財源の充実をはかるために、都市計画税の税率を引き上げるべきではないかという意見があります。これに対してはどういうことをお考えでございましょうか。
#47
○鎌田政府委員 都市計画税の制限税率を引き上げるということにつきましては、私どもも、都市財源の充実という見地から、前向きで検討いたしたいと思っておるわけでございますが、何ぶんにも現在この都市計画税におきまして宅地についての負担の調整措置を講じておる段階でございますので、その中で逐年税負担が上がっていく、そこへまたさらに税率も上がる、こういう形で、いわば卑俗なことばで申しますと、ダブルパンチみたいな形になるものですから、この負担調整措置が一応安定いたしました段階で、制限税率の引き上げという問題を取り上げてみたいというふうに考えております。
#48
○中山(正)委員 ひとつ調整の役割りが果たせますように、よろしく御指導のほどをお願いをいたしたいと思います。
 次に、料理飲食等消費税についてですが、昭和四十四年の地方税制の改正で税率一本化、そしてまた免税点の引き上げによって大幅な減税が行なわれたところでありますが、今回さらに飲食の免税点並びに宿泊の基礎控除、そしてまた免税点を引き上げることといたしましたのはどういうふうな趣旨によるものなのか。そしてまた料理飲食等消費税の徴収に関連して、公給領収証の様式が非常に複雑であるという意見が非常に聞かれるわけでございます。この点について政府の御所信を承っておきたいと思います。
#49
○鎌田政府委員 お答え申し上げます。
 料理飲食等消費税の基礎控除、免税点の引き上げでございますが、これはお尋ねのとおり、基礎控除は昭和三十七年、免税点は四十四年にこの引き上げがなされたところでございます。
 今回、重ねてこの基礎控除なりあるいは免税点の引き上げを行なおうといたしまするゆえんのものは、一つは、やはり最近におきまする生活水準の向上というものに伴いまして、この飲食の態様というものがかなり多様化し、高級化してまいっております。また、人手不足等の事情を反映いたしまして、宿泊料金等におきまして、かなりの上昇というものが見られるわけでございます。かたがた、たとえば公務員あるいは民間企業等において支給される旅費等の基準も引き上げになっておる、このような事情を彼此勘案いたしまして、免税点、基礎控除の引き上げを行なったものでございます。
 なお、公給領収証の記載様式が非常に煩瑣であるという点がございます。私どもも、現行の制度の中でできるだけこの記載を簡素化したいということを考え、また、努力をいたしておるところでございますが、基本的に現在の税制の仕組みが非常に複雑になっておる。結局旅館に泊まりますというと、宿泊、飲食についてまず一つ税がかかる、それから途中におきます間食、昼食、こういうものにつきましてまたかかる、それから遊興行為というものに対してまたかかる。こういう形になっておるものでございますから、基本的にいまの制度の仕組みについての簡素化というものもあわせて考えてまいりませんと、基本的な公給領収証の簡素化にはならないと思います。ただ、繰り返して申し上げますけれども、現行の制度のもとでなお簡素化できるものは極力努力をいたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#50
○中山(正)委員 次に、電気ガス税の問題でございますが、これが生活必需品課税であるという見地及び消費者に対する物価対策の上から考えまして、税率の引き下げを考えるべきではないかという意見があるわけでございます。これについてはいかがお考えでございましょうか。
#51
○秋田国務大臣 電気ガス税は悪税であるという先生の御意見わかりました。これが税率引き下げは毎年御要望の強いところでございます。かつて毎年引き下げてまいりました。たばこ消費税という減収補てんの方法もあったためにこれを行なってまいったのでありますが、最近になりますと、もうその余地もございません。
 さて、これほんとうに悪税かどうかという点につきましていろいろ問題がございます。確かに生活必需物資に関連していることは事実であります。しかしながら、やはり電気ガスの消費という点に担税力を認めまして、そこへしたがってかけておるわけでございまして、単純に悪税ということは地方行財政担任責任者としてはどうかと思うのでございます。
 しかし、一般住民の税負担軽減に資するという意味で、できますれば税率を下げるにしくはないわけでございます。この税率を下げました場合に、一%でも百六十億という影響を及ぼすものでございますから、責任者としてもどうも軽々に行なえない。十分にいろいろ地方財政の状況等も勘案をしてまいりたいと考えまして、今回は一応考慮をいたしたのでございますが、税率の引き下げは見合わせたわけでございます。そのかわりに免税点の引き上げ、非課税品目の拡大等で国民生活上その他の処置を考慮いたしたわけでございまして、この電気ガス税の引き下げが物価に及ぼす影響率という点も私はそうたいしてないのじゃないかと考えておりますので、以上のような処置をとったのでございますが、将来減税をいたしまして減収になるものの補てんの適当な財源がありますれば、この点も十分考慮してみたいと思います。
#52
○中山(正)委員 時間の関係もございますので、最後に伺いたいのですが、木材引取税の廃止の要望が強いということを聞いております。これを廃止なさるお考えがあるかどうか。
 そしてまた近年温泉地において火災が非常に頻発しておりまして、多くの死傷者を出しているという状況があります。これらの地域における市町村の消防力を強化するために、入湯税の使途の範囲の拡大、それから標準税率の引き上げを考えているということでございます。具体的な考え方はどのようなものか。また市町村の消防力を全国的に強化するため、消防施設税のようなものを創設することについての考え方というものを伺っておきたいと思います。御答弁がいただけましたら、私の質問をこれにて終了いたしたいと思います。ひとつ御答弁をよろしくお願いいたします。
#53
○鎌田政府委員 木材引取税におきましては、結論的に申しますと、これは過疎市町村、特に山村のさなきだに乏しい市町村に残されましたわずかな、有力な独立財源でございますので、これを廃止することははなはだ困難であるというふうに私ども考えております。よく雑税整理ということばで、二十億とか三十億くらいの税金は廃止したらどうだ、こういう御意見があるわけでございますけれども、市町村の税の場合でございますと、たとえば長野県のある町でございますけれども、木材引取税だけで三千八百万の収入をあげておるところがございます。そういうところは、全体としては額は少ないかもしれないけれども、その町村にとってみますと、三千八百万円の税金が廃止されるかどうかということは死活の問題であろうと思うわけでございます。
 それから入湯税の問題でございますが、入湯税につきましては、現在の消防税源といたしまして、かつて損保会社の収入保険料に課税をする、あるいは家屋に対して課税をする、こういった意味での消防施設税あるいは消防税という目的税を付すべきだということで、私どももそれなりの努力をいたした経過があるわけでございますが、なかなか現実問題といたしまして一長一短ございまして、実現を見ない。そういうさなかにおきまして、特に温泉地所在市町村におきまする火災の惨害というものを見るにつけまして、入湯税の目的税としての機能をさらに拡充する、こういうことで、温泉所在市町村の消防財源のある程度の充実を見ますためには、今後やはり百億程度の税源というものはどうしても必要だ。そこで、現在の標準税率を倍に引き上げまして、これによりまして大体二十億程度の税源が得られるわけでございますから、重点的にこれをつぎ込んでまいりますと、五年程度で温泉所在の市町村の消防施設の整備がはかれる。国民総レジャー時代でございますので、温泉に行かれる国民の方々も安心して宿泊ができる、こういうことをねらいといたしておるわけでございます。
#54
○中山(正)委員 以上、広く浅く、与党でございますので、その意味も加味しまして、一般的な質問をいたしたわけでございますが、いずれにいたしましても、地方税法の適正な運用をおはかり願いまして、地方自治の強化とそしてまた住民のしあわせのために今後ともひとつ御努力を願うよう、質問を終わるにあたりまして、お願いを申し上げて、私の質問を結了いたしたいと思います。たいへんありがとうございました。
#55
○菅委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後一時三十九分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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