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1970/03/02 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第9号
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1970/03/02 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第9号

#1
第065回国会 地方行政委員会 第9号
昭和四十六年三月二日(火曜日)
    午前十時十分開議
 出席委員
   委員長 菅  太郎君
   理事 小澤 太郎君 理事 大西 正男君
   理事 塩川正十郎君 理事 砂田 重民君
   理事 古屋  亨君 理事 山口 鶴男君
   理事 小濱 新次君 理事 吉田 之久君
      亀山 孝一君    國場 幸昌君
      高鳥  修君    中村 弘海君
      中山 正暉君    永山 忠則君
      豊  永光君    綿貫 民輔君
      下平 正一君    安井 吉典君
      山本弥之助君    小川新一郎君
      門司  亮君    林  百郎君
 出席政府委員
        自治政務次官  大石 八治君
        自治省税務局長 鎌田 要人君
 委員外の出席者
        大蔵省主税局税
        制第一課長   山内  宏君
        国税庁直税部審
        理課長     中村 平男君
        農林省農政局参
        事官      岡安  誠君
        建設省都市局参
        事官      石川 邦夫君
        自治省税務局固
        定資産税課長  山下  稔君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二日
 辞任         補欠選任
  土井たか子君     安井 吉典君
  華山 親義君     山本 幸一君
  和田 一郎君     小川新一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  安井 吉典君     土井たか子君
  小川新一郎君     和田 一郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 四一号)
 地方税法の一部を改正する法律案(華山親義君
 外五名提出、衆法第四号)
     ――――◇―――――
#2
○菅委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案及び華山親義君外五名提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安井吉典君。
#3
○安井委員 地方税法の改正法案のいろいろ政策的な問題もあるわけですが、あとで大臣がお見えだそうですから、そういったような問題は先に譲りまして、私も不勉強で中身がよくわからないのですが、いただきました資料をずっと見ての印象的な質問になろうかと思うのですが、もっと明らかにしていただきたいと思うような点につきまして、きょうは少しお尋ねをしてまいりたいと思います。
 個人事業の事業主控除の問題でありますが、今度の政府の税制改正の中で、国税並びに地方税を通ずる改正措置について中小企業者やあるいは農民等から、いわゆる個人企業的な事業について事業主報酬を認めてもらいたいという要請が今日までずっとございましたのに対して、地方税においては、事業税の事業主控除の引き上げをして三十六万円にされたということが一つありますし、それから租税特別措置法で青色事業主特別経費準備金を設けたということもあるようであります。しかし、これだけでは中小企業者やあるいは農業者等から強く要求されている問題に対する十分な答えにはなっていないように思います。
 そこで、事業税の場合でありますが、個人事業税で約三十七億円ぐらいの軽減だというふうに説明されておりますが、これによって納税人員は四十五年度は何人ぐらいで、四十六年度は何人ぐらいかという、その増減のぐあいはどうなっているかというふうなこと。それから課税見込み額は、四十五年度と四十六年度でどういうふうな変化をしているかということ、それからひとつお尋ねをしたいと思います。
#4
○鎌田政府委員 今般の事業税の改正によりまして、納税義務者の推移でございますが、四十五年度二百二万人事業税の納税義務者がおりました。それが現行法のままでございますれば約十万ふえまして二百十二万七千人になるべきところを、改正法によりまして二十万弱減じまして百八十八万人になる見込みでございます。二百二万七千人が百八十八万人になるわけでございますから、約十四万弱でございますかの減少に相なろうかと思います。
 それから税収でございますが、税収は個人事業税四十五年度の当初見込み四百七十七億に対しまして八十九億四千九百万増加いたしまして五百六十七億三千六百万、伸長率は一八・七%に相なっております。
#5
○安井委員 いまのお話によりますと、事業主控除がいままでにない上がり方のようには見えますけれども、三十六万円になったことで十四万人ぐらい納税者数が減るということでありますが、もう少し数が滅ってもいいのではないかというふうな気がいたします。
 それから、いま特に課税見込み額のほうは、せっかくこの引き上げによって三十七億円税金は軽減されるといいながら、実際は八十九億円増税になっているわけですね。つまり法律上は三十七億円減ったようなかっこうですが、実際上は八十九億円だけ税金がふえるということになっているわけです。もちろん改正がなければもっと増税になったのだからということになるのだろうと思いますけれども、事業税、特に個人事業税は、住民税との二重課税になるのだという、そういう不満が相変わらず強いわけです。もう少し、個人事業税を道府県民税の中に吸収するとかあるいは個人事業税はもうやめてほしいというふうな声が高い段階におきまして、何らかの検討があってもよいのではないかと思うのでありますが、その点どうでしょうか。
#6
○鎌田政府委員 事柄は事業税の本質と申しますか、根底に触れる問題のように存じます。住民税のほかに事業税を課税する根拠ということにつきましては、これはもう先生つとに御存じでございますから、釈迦に説法的のことは申すべきでないと思うわけでございますけれども、やはり現在の住民税のほかに、事業というものが府県のさまざまな行政上のサービスの恩恵を受けながら、その受益関係のもとにおいて事業を行なっておる。私ども昔いろいろな事業税の課税の根拠というものの説を聞いたり、勉強したことがございますが、結局、府県のサービスというのは事業の見えざるパートナーである、こういう説もあるくらいでございまして、そういう府県の与える行政サービスというものに対する負担という形で、事業税の課税の根拠が認められるということでございますれば、住民税のほかに事業税というものを課税するということは正当な根拠があるし、これを住民税と一緒にする、吸収するということにつきましては、税の性格が違うものを一緒にするということはいかがなものであろうか。
 ただ、そういう中におきまして個人事業税の負担の軽減ということにつきましては、昨年も御案内のとおり、四十五年度改正におきまして事業主控除を五万円引き上げ、ことしはまたさらに四万円引き上げる。大体ことしの改正後の納税者のべースでございますと、四十二年程度のベースというふうに存じます。特にこの所得税控除失格者につきましては昨年に比べまして九万人減っておるということでございますし、低所得者というものにつきましてはもちろんこれで十分とは考えておらないわけでございますけれども、引き続いて前向きの方向で善処してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#7
○安井委員 この問題はもう少しあとにいたしまして、もう一つの事業主報酬の控除に類するものとして、租税特別措置法第十八条の三の規定で、青色事業主特別経費準備金というふうな一種奇妙な制度が、この国会で通ればできることになるわけでありますが、まあこの制度について、きょうは大蔵省からもおいででございますから、ちょっと伺っておきたいわけでありますが、毎年の事業所得の五%相当額、最高十万円までを繰り入れができることとして、これを必要経費と認めて落としていく、こういうふうな考え方のようでありますが、ずいぶん問題があるように思うわけですね。とりわけこれをあとで取りくずしをするときには一時所得として課税するというふうなことでは、一体何のことやら意味がわからないような気がするわけであります。これは中小企業者の老後保障という意味なのか、それとも退職金というふうな意味合いなのですか、どうでしょうか。
#8
○山内説明員 御質問の点でございますが、われわれといたしましては、この制度の趣旨は主として二つあると考えております。そのうちの一つは、申すまでもなく、これによって青色申告を助長育成をしようという意味合いでございます。それから第二番目が、いま先生御指摘になりましたけれども、事業所得者、特に青色事業者にとってみまして、平生その事業を執行していくことのほかに、何と申しますか、通常のサラリーマンでありますと老後保障という意味合いのものがいろいろ制度としてございます。それに対しまして事業所得者の場合は、必ずしもそういう制度が完備しておらないのでございます。御承知のとおり、現在小規模企業共済という制度がございます。これにつきましては、共済に掛け金を払い込みする段階で税制上も全額控除するというふうな制度を認めておりますけれども、これは何しろその制度の本来の趣旨からして、外部へ拠出するというふうなことなのでありまして、したがいまして、中小企業にとってみれば、金融の面から考えて、掛け金を外部に拠出をするということは言うべくして行ないがたいというふうな事情もあろうかと思います。そういった事情を勘案いたしまして、同じような効果を内部留保によって持たせる方法がないものだろうかというふうなことを検討いたしました。その結果、こういう制度を考えた次第でございます。
#9
○安井委員 これはずいぶん苦心の策だとは思いますが、私はむしろいまのように老後保障のために内部留保を考えていくということよりも、退職金を積み立てていくのだというふうな考え方にすれば、その取りくずしのときに退職金扱いにすることによって課税を免れていく、軽減していく、こういうような道が開かれるのではないかと思うのですが、その点はどうですか。
#10
○山内説明員 これは先ほど御指摘の事業主報酬という考え方にも共通したお考え方であろうかと思うのでありますけれども、まず個人事業者の場合に退職金という観念が成り立ち得るであろうかどうかという問題でございます。そういうふうに考えるといたしますと、これは事業主である個人が自分自身に対して退職金を支払うというふうなことを構想いたしませんと、いまおっしゃったような考え方はとりがたい。そういうふうな形を、現在の法律的な常識あるいは社会経済的な通念から考えまして成り立ち得るものかどうか。その辺のところに大きな問題があるのではなかろうかと思っています。
#11
○安井委員 その辺の御心配は私は要らないのではないかと思うのですよ。というのは、中小企業者が自分に対して給与を払っているというフィクションは、いまの税制の中でも、たとえば事業税の事業主控除などもそういうような基礎の上に、私、成り立っているような気がするわけですね。だから、退職金を払うという、これもフィクションかもしれませんが、決して不可能ではないのではないかというふうな気がするわけです。
 それから退職という事実があり得ないといっても、やはり一定の年齢までいけば、むすこがかわりをするとか、つまり本人が事業主という地位からおりた段階を退職というふうに擬制することも、これはできるのじゃないかと思うのですよ。もう少し御検討の必要な点ではないかと思いますが、きょうは地方税の段階ですから、これ以上深く議論はいたしませんが、さらに御検討おきを願いたいわけです。
 そこで、いまもお話がありましたが、事業主報酬という制度を、所得税、住民税、それから事業税はある種のそういうふうな考え方の基礎があるようでありますけれども、もう少し事業主報酬の考え方を持ち込むという可能性はありませんか。そういう点についてのこれまでの御検討はどうなんでしょうか。そのひとつがいまのこの新しい制度にもなるのかもしれませんけれども、もう少しいままでの検討の内容やあるいは今後の展望等をお聞かせ願いたいわけです。
#12
○山内説明員 事業主報酬の点につきましては、先ほども少し触れました次第でございますが、これは昨年赤松議員から政府に対しまして質問主意書が提出されまして、これに対して政府が次のようにお答えいたしております。ちょっと読んでみますと、「個人に帰属するすべての所得を総合して課税するというのが所得税の建前であり、個人企業の事業所得は所せん事業主自身に帰属するものであるから、個人企業において事業主が自分に対して報酬を支払うと想定すること自体意味をなさないし、適当でない。」木で鼻をくくったようなあいさつで恐縮なんでございますけれども、本旨は先ほどから私が申し上げておりますとおり、同一人格でございますところの個人から個人に対して給与をしておるとみなして報酬を支払う、ないしは退職とみなして退職金を支払うというのは、どうも非常に現在の通念からしてやりずらい、困難と申しますよりも不適当であるというふうに考えられますので、そういった方向をとらずに、別の方向で何らかの形で中小企業、特に青色事業主の負担を軽減いたしたいというふうな方向で考えておるのが現状でございます。
#13
○安井委員 それじゃ、ちっとも前進していない。昔の考え方をそのままオウム返しに言われただけで、納得できないわけでありますが、その議論はまたさらにあとにすることにいたしまして、事業主控除、事業税のこれの考え方の基礎、それから特に三十六万円とされた基礎、それをちょっと伺いたいと思います。
#14
○鎌田政府委員 事業主控除の性格でございますが、これは一口に言い尽くせないものがあるように思います。事業税につきましては、御案内のとおり、かつては免税点制度であったわけでございますが、昭和二十七年度の税制改正におきまして基礎控除に変わり、三十七年度に事業主控除、こう変遷をたどってまいっておるわけでございます。
 そこで、いまの段階並びに過去の沿革、経緯というものを総合しまして、事業主控除の性格は何ぞやということになりますと、やはり低額と申しますか、中小企業と申しますか、そういうところの事業主に対する課税上の配慮と申しますか、そういうものを持った勤労性部分に対する配慮をそういう形で加えた基礎控除的なもの、こういう説明を私どもいたしておるわけでございます。
 なお、この三十二万円を三十六万円に引き上げました根拠は、民間給与の給与水準の上昇割合あるいは消費者物価の上昇割合、こういったものを総合勘案しながら、大体一二・五%程度に相なっておると思います。もっと詳しく根拠を説明申し上げますと、昭和四十五年度の青色事業専従者の平均給与額は三十一万二千円でございます。四十三年から四十四年に対する民間給与の上昇割合が一四・六%でございます。これを掛けますと三十五万八千円、それをまるくいたしまして三十六万円という根拠を与えておるわけであります。
#15
○安井委員 いまの御答弁で計算基礎は三十六万円が出た、その数字の基礎の御説明がありましたが、税収をまず数字を押えてからあとでそういう理屈がついたのか、理屈から数字がはじかれたのか、それはどっちかわかりませんが、一応御説明をいただきましたが、これじゃ額が十分でないということは先ほど御指摘申し上げたとおりです。
 それからもう一つ大事なことは、いまの税務局長の御答弁の中では、いわゆる中小企業者の事業主の純粋の勤労性部分を事業主控除というもので考えたというふうな御説明がありましたし、それからもう一つは、青色専従者の給与支払い実績を勘案したというふうなお話もありました。といいますと、事業税については少なくも事業主の報酬というストレートな考え方はないにしても、その事業主報酬を別な表現で、事業主控除という形で認めているという税法上の一つの仕組みがこの中にやはりあるような気がするわけです。だから、山内課長がさっきおっしゃったように、事業主の報酬はこれはもう考える余地がないのだということは、いささか現在の税法の実定法の中にある仕組みを完全に否定されるようなそういう印象を受けるわけです。きょうここで、来年は事業主報酬を認めますと、こういう御答弁を私は期待はしませんけれども、来年までの段階にさらにもっと内容についての前向きの御検討をひとつお願いをしておきたいと思います。
 ついでに、これも租税特別措置法に関連をして、続いて地方税にひっかかってくる問題でありますが、農業振興地域整備計画と租税特別措置との関係であります。農業振興地域の整備に関する法律による農業振興地域整備計画地域における租税特別措置法の適用では、三十七条の「特定の事業用資産の買換え場合の譲渡所得の課税の特例」という規定があります。いわゆる買いかえ特例でありますが、これは農業振興地域の予定地域でもこの買いかえ特例を適用する仕組みになっているようでありますが、同じく三十四条の三の規定、つまり「農業振興地域内の農地等を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除」、普通の場合は百万円、これを百五十万円とするわけでありますが、これは指定地域でなければ認めることはできない、こういうふうな仕組みになっていることで、いま下部でだいぶ混乱が起きているようです。こういうような問題をだいぶ持ち込まれておるわけでありますが、つまり、譲渡所得の特別控除についても、農業振興地域を予定されている地域についても適用されるというふうにはなりませんかという点であります。
 といいますのは、農業振興地域の指定がずいぶんおくれていて、せっかくの特例措置ができていましても、それが生きていないという現状があるようであります。ですから、この点につきましては、農林省のほうからもおいで願っておりますが、農業振興地域の指定はいまどんなふうに進んでいるか、それといまの問題とのからみについて、農林省のほうと、それから国税庁も中村審理課長ですか、おいで願っているわけでありますので、両方からひとつ御答弁いただければと思います。
#16
○岡安説明員 お答えいたします。
 いまお話しの国税並びに地方税で、農業振興地域の整備に関する法律関係の税の軽減は、まず法律の二十三条によりまして譲渡所得税の軽減と、それから登録免許税の軽減が規定されているわけでございます。それとの関連におきまして、地方税のほうにおきましても不動産取得税が規定されておりますが、この二十三条関係の税の軽減は、この規定にもございますとおり、農用地区域内の農地につきまして、それを譲渡した場合等の軽減措置でございます。これは農用地の整備に関する法律の規定によりましても、農用地区域内の農地というものは、これはもっぱら農用地等として利用すべき土地の区域ということになっておりまして、この区域内におきましては転用が一応制限をされている。農用以外の転用というものは認められないというたてまえになっておるのでございます。したがいまして、この農用地区域内の農地の移動というものは、農業経営の規模の拡大に資するという方向でなければ認められないという重大な制約があるわけでございまして、それとのからみ合いにおきまして税金の軽減が行なわれたというふうに私どもは考えておるのでございます。したがって、これは農用地区域というものの指定がなければ、この規定は働かないわけでございまして、予定地域の間は地域についての指定は正式にはございませんし、またその地域につきましての整備計画もできていないということでございます。これはやはりやむを得ないというふうに考えております。
 一方、その関係におきましてお話のありました農用資産の買いかえの特例でございますけれども、これは先ほども申し上げましたように、経営の規模の拡大との関連というよりは、むしろ土地政策の一環といたしまして、都市並びに近郊の過密の解消の対策、または農用関係につきましては、農業の適正配置という観点から、農業振興地域外から農業振興地域内へ移転をする。また農業振興地域内でも適地を求めまして移転をするという点につきまして特例措置が設けられているわけでございまして、これにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、必ずしも精緻な整備計画等が樹立される必要はないわけでございます。地域の指定があったところのみならず、予定地域につきましてもこの特例措置を認めるということにいたしておるのでございます。
 しかし、お話しのとおり、なるべく早く地域の指定をいたしまして整備計画が樹立されることが、先ほども申し上げましたとおり、振興法による二十三条の譲渡所得その他の特例を発動する点におきましても必要でございますので、私どもは現在地域の指定並びに計画の樹立の促進をいたしておりまして、現在大体地域の指定は、四十五年度までにおきまして約千地域が指定されるものというふうに考えております。私どもは全国大体三千くらいの地域がこの振興地域に指定されるものというふうに考えておりますので、四十六年度以降、さらに指定を促進いたしたいと思っております。
 予算上で申し上げますと、四十六年度におきましては、さらに八百地域程度の指定を予定しておりますので、四十六年度を終わりますと、半分以上の地域が農業振興地域に指定をされるというふうな予定にいたしておるのでございます。
#17
○山内説明員 ただいま農林省のほうから詳しく御説明がありましたので、重ねて申し上げることは避けさせていただきますが、以上のような政策的な農業政策の方向に、税制面においても援助するという意味合いでそういう特別措置を講じまして、一方は特別控除と買いかえ、一方は買いかえだけというふうに優遇の度合いを分けて考えている次第でございます。
#18
○安井委員 農業振興地域の指定が非常におくれているという理由はどこにあるわけですか。
#19
○岡安説明員 私ども非常におくれているとは実は考えていないのでございまして、この法律が施行になりました昭和四十四年以降は、私どもは大体五年間で全国の地域の指定を行ないたいというふうに考えておるのでございまして、急速に指定できない理由を申し上げれば、この指定に伴いまして、先ほど申し上げましたとおり、整備計画の樹立等をいたしますし、整備計画の中には農地の移動が相当制限をされますような農用地区域の指定ということも入りますので、慎重に、地域住民の意向等も勘案しながら、地域を指定し、計画を樹立するというような指導をいたしておりますので、大体五年間で逐次指定をするというような私どもの目標でございます。大体現在までのところ、ほぼ予定のようなスピードでもって指定をされているというふうに考えております。
#20
○安井委員 それは市町村の能力の問題ですか。農林省あるいは県の能力の関係ですか。
#21
○岡安説明員 これはもっぱら市町村の事務能力と合わして、その市町村が地域住民その他の意見を聞きながら、十分相談をして事務を進めるというふうな実態の問題になっているわけでございます。
#22
○安井委員 そうすると、市町村さえ準備が整えば、全部指定するわけですか、五年と言わずに。
#23
○岡安説明員 そういうような事態に相なりますれば、私どもも何も五年以内に指定してはならぬというふうに考えておりませんので、当然スピードは上げて措置をしてまいりたいというふうに考えます。
#24
○安井委員 現実の問題は、農村が並んでいて、県庁のほうから、はい、ことしはこことここの町、来年はそのあとというふうなことに計画的にさせられてしまって、それ以上は各市町村から申請が出てきてもとても処理し切れない。これはまた農林省からもそういうふうにいわれている。さっきあなたのお話があったでしょう、四十六年度千八百地域ですか、何か一定の予定を立てられて、予算的な措置もされて、それを下におろしている。だから、準備ができているところもやってはいけないというのかどうかわかりませんけれども、指定されたところだけが作業が進んで指定をされる。ところが、けさの新聞にも出てましたように、農地の移動というのが実に激しくなってきています。特に水田の作付制限というようなこともそれを手伝っているわけで、そういう動きの激しさの中で村が並んでいて、こちらの村は早目に指定をされたものですから、買いかえの譲渡所得税の特例で百五十万円こちらの農家は控除してくれる。隣の町で、これはもう同じように都市になりっこないわけです。全く専業農家でいくという情勢が二つ同じように並んでいるところで、一方で同じような状態が起きたら百万円しか控除してもらえない。百五十万控除で税金を払わなくていいが、百万控除のところは税金を払わなければいけない。こういったふうな事態がたくさん起きているようですね。そういうことが現実の問題として提起されているような気がするわけです。
 だから、それが私は、農林省なりあるいは県庁の事務能力なり予算の関係で個々の農家にそういうアンバランスを来たしているということになれば、これは問題ではないかと思うわけです。だから、そういう意味合いで、この段階では農業振興地域の指定を早めるか、どんどん促進をするか、それとも買いかえ特例に便宜措置が講ぜられているような、それに類する便宜措置が講ぜられないか。つまり、その振興地域の指定のほうか、税金の課税方式の変更か、そのどちらかで便宜がはかれないか、こういう点であります。
 もちろん百五十万、百万の特別控除の限度だけの問題で農業振興地域の指定を早めろとか早くしなくてもいいとかという議論はちょっとおかしいかと思いますけれども、あまりそれ以外に農業振興地域の指定によってのメリットというものはないのですね。実際問題として、そんなにないのですよ。あの法律を幾ら読んでも、現実にはなくて、だから実際の農村では、指定されたら百万の控除が百五十万になるのだというのを一つの大きなメリットに考えている。そんな現状もあるようです。ですから、この点については、もう少し何か考え方がないのかと思うのですが、どうでしょうか。
#25
○岡安説明員 先ほどちょっと申し上げました、四十六年度終了時におそらく千八百くらいの地域が指定されるだろうと申し上げましたのは、おっしゃったとおり、大体予算でもってきまっておる数字を申し上げたのでございまして、これは私どもは、予算の数字というものが、ある面におきまして非常に指定の促進をチェックしているとは考えていないわけでございまして、もし、もっと指定することが可能であるなら、私どもはもう少し予算の規模等を拡大して指定が増加されることについて異議はないわけでありますけれども、現実の問題は、地域の指定に伴いまして、先ほど申し上げましたとおり、整備計画の樹立がございます。整備計画の中には、農地の移動等が制約されますところの農用地区域の指定ということが内容に入ってまいります。そういたしますと、先ほど先生もおっしゃったとおり、農地の移動等につきまして相当転用が制限をされますので、転用の制限につきましては、地元の農民の中には非常に問題と思っているところがあるわけでございます。したがって、どこもかしこも地域が指定されて早急に整備計画ができるというような状態には必ずしもない。もう少しやはり市町村当局と農家が話し合いをしなければ、そう簡単には地域指定ができないし、計画の樹立もできないというところが具体的にあるわけでございます。私ども、そういうところも地方庁からの報告によりまして承知をいたしておりますので、大体私どもといたしましては、四十六年度終了時に千八百くらいの地域を指定するということが、これは単なる事務処理の能力ではなくて、現実にこの法を施行するためのテンポとしてほぼ妥当であろうというふうに考えております。
 なお、今後さらに話し合い等が進みまして、四十七年度以降非常にテンポを早めるというような機運になりますれば、私どもは当然予算措置等も大幅にふやしまして、五年を待たないで早く指定並びに計画の樹立が終了するよう、促進はいたしてまいりたい、かように考えております。
#26
○安井委員 いまのお話の中でも、振興地域の指定のための事務予算というものも限度があるんだということを伺えば伺うだけ、何かそのことによって農民に不利益を与えている、一部の農民に不利益を与えるというふうなことは、ちょっとおかしいんじゃないかと思うのですね。だから、この特例措置が租税特別措置法の中に置かれた段階では、そんなことはおそらく予想してなかったのじゃないかと私は思うのです。そういうような意味合いでも、農業振興地域の指定を早めるということと同時に、その中間段階の過渡段階にあるものに対する国税の課税事務の段階で方法はないのですか。
#27
○山内説明員 先ほどお話しの、事業主報酬と話が違いまして、この問題につきましては、理論上とうてい成り立ち得ないとか、どこからどこまでは理屈としていいけれども、どこから先は絶対にだめだというような話ではもともとないと存じます。しかしながら、租税上の特別措置といいますものは、これはあくまでも実態的な行政指導なり行政措置なりがございまして、それをできるだけ円滑に進めていくようにということでバックアップの措置として設けておるものでございます。先ほど来農林省のほうからお話がありますような現段階におきましては、なるべく早い機会に適当なところが振興地域の指定を受けるというような状態が促進される、そういうことを期待いたしたいとわれわれは考えておる次第でございます。
#28
○安井委員 それではいまの問題が起きている現状はなかなか解決できないし、ことによれば二年も三年も待たなければいけないということになるのではないかと私は思う。つまり不公平というものができている原因が全く本人の責任ならこれは別ですけれども、国の予算的な措置の中からそういうものができているということになりますと、これは私は問題ではないかと思います。きょうのところは押し問答だけしていてもしようがないようでありますけれども、農業振興地域の指定が進むといっても、四十五年度までまだ千地域くらいだというのですから、これはだれが考えたって、ことし二千地域も一ぺんに指定ができるというようなことにはならぬような気がします。そういうことになりますと、過渡的には一方で農業振興地域の指定を早めるという作業と同時に、それと並行して課税の便宜措置といいますか、農業委員会のあっせん、勧告とか市町村長の同じような措置とか、そういうようなものはちゃんとして、将来農業振興地域に予定されているところについてはそういうふうな便宜措置で方法を講じてあげる、こういうような少しくらいはあたたかな配慮があってもいいのではないかと私は思う。特に水田農家も百姓をやめようというくらい追い詰められている段階でありますから、この点については農林省と大蔵省の両当局でさらに問題を煮詰めていただきたい。そのことをきょうはお願いだけしておきます。
 次に、固定資産税についてでありますが、今度新しく固定資産の評価がえがなされたわけでありますが、それについての資料をお願いしておいたのをいま見せていただきましたが、ちょっとこれを御説明願えませんか。
#29
○山下説明員 第一表は、本年度評価がえを行ないました土地のうちの各地日別に旧評価額と新評価額、地積異動及び単位あたり評価額の上昇率をあらわした表でございます。たとえば、田の例で申し上げますと、一番右端の欄をごらんいただきたいのでございますが、評価がえの結果、上昇率は一・〇六倍でございまして、一行おきまして宅地の場合は二・三倍でございます。これが本年評価がえいたしました結果の評価額の上昇率でございます。
 なお、地積、評価額は、その表にあるとおりでございます。
 それから第二表は、今回提案申し上げております地方税法の改正によりまして、市街化区域の農地につきまして、周辺宅地と均衡のとれた評価をし、激変緩和の措置を講じながら税負担の適正な求め方を講じていきたいという考え方によりまして、かりにそのとおりやりました場合にどういうことになるかという数字でございまして、上欄の数字が地積の見込みであり、下の欄が評価額の上昇見込みの数字でございます。注にございますように、現在まだ市街化区域の予定地域の線引きが全部終了いたしておりませんで、約六五%にあたります市町村だけが線引きを完了いたしておりますので、そういう市町村について一応の見込みをとったものでございますので、今後かなり異動があるかもしれないと考えております。
 なお、注にございますように、大都市で京都市はまだ線引きが済んでおりませんので除いてございます。
 上のまず地積の表でございますが、例のA、B、Cの区分ごとにまた大都市、都市、町村の区分ごとに一応A農地、B農地、C農地がどのような割合で分布するであろうかというのを推定したものでございまして、上の表の一番下の合計欄でごらんいただきたいのでございますが、A農地は大体四・二%、B農地が一二%、C農地が八三・八%という程度に見込まれております。
 それから下の欄でございますが、これは評価がえの結果どの程度評価額が上昇するであろうかという見込みを出した表でございまして、下の表の一番右端をごらんいただきたいのでございますが、大都市、都市、町村を通じA、B、Cの各農地を通じまして五十倍弱、四十九倍程度の上昇率になるであろうという見込みでございます。
 なお、その上に、カッコしてございますのは、税負担の関係がございますので、一応三十八年度の評価額と比較した場合の上昇率でございまして、三十八年の農地としての評価額と比較いたしました場合には七十一倍という見込み数字が出ております。
 それから三枚目の紙でございますが、これは本年度評価がえを行ないました結果、宅地につきまして、全国で上昇率が最高または最低であった市町村をあらわしておるわけでございまして、市町村平均で宅地の上昇率が最も高かったものが山梨県の山中湖村でございまして、十三・四倍でございます。最低でございましたものは長崎県の崎戸町でございまして、〇・六九倍、約三割減少いたしております。
 以上でございます。
#30
○安井委員 この固定資産税の関係で、都市計画法によるいわゆる線引き作業の進み方が重要な関連を持ってくるように思うわけでありますが、建設省から石川都市局参事官においでいただいておりますが、現在の線引き状況、さらにまた今後の見通しを伺いたい。
#31
○石川説明員 市街化区域の設定を行なう市町村は全体で八百六あるわけでございますが、そのうち現在計画が決定いたしておりますのは五百二十六、六五%でございます。残余の市町村につきましては現在手続中でございますが、そのうち百二十五市町村につきましては、いま建設省に認可申請を出しましたり、あるいはそれが終わりまして具体的な縦覧をやっておるというふうなことでございます。そのほかにすでに公聴会という手続の済みましたものが五十二市町村ございます。したがいまして、全体として八七、八%はすでに手続に乗っておるわけでございます。そのほかの市町村につきましても、現在公聴会の準備などを急いでおります。見通しといたしましては、大体八月ごろまでには全部終了させたいという考えで、現在作業を進めておるわけでございます。
#32
○安井委員 では、一応計画予定市町村についてはことしの八月までに全国全部終了、こういうことですか。
#33
○石川説明員 ただいま八月ごろまでに終了させたいということで作業を進めております。ただ、これは公聴会等ございまして、住民とのいろいろな接触がございますので、その点相手方のある問題でございますが、われわれとしてはそのようなつもりで現在作業を進めております。
#34
○安井委員 自治省のほうでありますが、従来の評価方法とそれから去年行なわれた評価方法とで変わった点はあるのですか、同じですか。
#35
○山下説明員 四十五年に行ないました評価がえのときの評価方法は、従来と変わっておりません。
  〔委員長退席、古屋委員長代理着席〕
#36
○安井委員 田畑や宅地について前回の評価がえに設けられた課税の特例措置は、新評価の場合はどうなるわけですか。
#37
○山下説明員 昭和三十八年度の税額を限度とするという課税の方法については、当分の間継続するということになっております。
#38
○安井委員 今度の特例措置の中では、農地ということばが使われていますね。前は田畑ではだかったですか。ちょっと私も、古くなったので、記憶が十分ではないのですが、前も農地でしたか。
#39
○山下説明員 いわゆる三十八年度の税額を限度とするという、従来の措置に関しまして規定しております地方税法附則十九条の規定の場合には、農地という表現をいたしております。
#40
○安井委員 据え置き措置のもあれは農地でしたか。
#41
○山下説明員 ただいま申し上げましたのは、据え置き措置としての十九条の規定の表現でございます。そして十七条で農地の定義を置きまして、「農地」とは「田又は畑をいう。」というふうに定義してございます。
#42
○安井委員 では今回もこの農地というのは、いわゆる農業用地という意味ではなしに、田または畑というふうな限定ですね。
#43
○山下説明員 御指摘のとおりでございます。
#44
○安井委員 例の水田の生産調整ですか、それによる休耕の場合は別として、転作の場合は、五年間奨励金まで出して措置されるわけでありますが、固定資産税についても何らかの考慮が必要なのかどうか、そういう点はどうですか。
#45
○鎌田政府委員 固定資産税は、御案内のとおり、その土地の使用目的なりあるいは使用の実態、こういうものによりまして差をつけるというのではなくて、土地を所有しているという事実に着目をして課税をする。こういう税制の仕組みからいたしますと、転作奨励というものとあわせて固定資産税の課税標準の特例、こういうものを設ける必要はないと存じます。
#46
○安井委員 つまり、畑の場合は転作の場合にはそう問題ないわけですが、田というのは、水田としての利用からその評価がなされているということになると思いますが、そうなると、それが水田でなくなった場合においては収益も当然減りますね。そういう点についての配慮は要らないかどうかということです。
#47
○鎌田政府委員 かつての地租の時代でございますと、いわゆる収益還元方式というものでこの賃貸価格をきめておった、あるいは固定資産税の初期のころにおきましては、やはり収益還元方式でこの評価をするという時代があったわけでございますけれども、御案内のとおり、昭和三十六年に固定資産の評価基準の根本的な改定を行ないまして、その土地の評価につきましては、基本的に農地としての売買実例価格を基礎に置くということで、評価の基本的な仕組みを変えたわけでございます。したがいまして、現在の農地の評価につきましては、いわゆる収益還元という考え方をとっておりません。
 ただいま仰せになりました、この上にはえておるものの差によって固定資産の評価に差をつける、こういう仕組みには相なっておらないわけでございます。そういう評価の考え方からいたしますと、そういう配慮を加えるということはおかしいのではないかというふうに考えております。
#48
○安井委員 もちろん売買実例価格にしても、売買実例価格はやはりその土地の収益から計算されるわけなんで、収益のあがらない土地が――収益というのはごく広い意味でいうわけですけれども、有効な利用価値のない土地が値段が上がるわけないのですから、結局売買価格なるものは、その土地から、水田でお米がとれるのと、麦がとれるのと、それから大根がとれるのと、そういったような収益の状況を反映して売買価格というものはきまってくるでしょうし、あるいはそれが市街化区域で、売れば値段が上がるとか、つまり売買実例価格なるものは、主としてその土地からの果実といいますか、そういうようなものの見通しにおいてきまってくるわけですよ。現実にはいわゆる生産調整が始まってから農村の土地の値段というものはぐんと下がっておりますね。特に水田の値段は下がっているようです。地域によっても違うかもしれませんよ。都市近郊だとかそうじゃないところとか、いろいろあると思いますけれども、現実には下がっているというふうな実態を聞いております。これは統計的なはっきりした数字をつかまなければいけませんけれども、感覚的にはそんなような感じですね。
 ですから、一年間休んだというぐらいなことではそう変わりがないかもしれませんけれども、転作ということになると、もう永久に水田にはならないわけですね。そういうような際においては、私は何かもう少し検討が必要な気もするわけです。はっきりした統計的な数字をつかんでの私の言い方じゃありませんけれども、この点はさらにもっと御検討おきをいただきたいわけであります。
 それから、いまのこの統計の数字をいただいたうちで、A農地、B農地、C農地は、これに関連する宅地の平均価格ですか。宅地評価の平均価格と比べられてA、B、Cというふうな区分になるようでありますが、それはどういうことになっているのですかね。A、B、Cの、この市町村のそれぞれの宅地平均価格といいますか、その点はどうですか。
#49
○山下説明員 それぞれの市町村の市街化区域内の宅地の平均価格と比較してA、B、Cのランクづけをいたしますが、その場合の市街化区域の宅地平均価格と申しますのは、四十五年度に行ないました宅地価格というものがすでに評価額として確定いたしております。その数字に基づいております。
#50
○安井委員 その数字はわかりますか。
#51
○山下説明員 京都市を除きました場合の大都市の平均が七万八千九百五十四円でございます。それからこれは線引きの済んでおります五百二市町村について調査いたしたものでございますが、五百二市町村の中にございます都市の平均が二万二千九百六十八円でございます。それから五百二市町村中に含まれております町村の平均が九千六十円でございます。そこで大都市と五百二市町村全部の平均が三万六千五百四十円でございます。
#52
○安井委員 今度の固定資産税の改正措置については、前回問題になったときに比べればずいぶんこまかな配慮が行なわれていまして、私もあのとき問題を取り上げたほうなんですが、あのとき問題にしたような問題点は、大体カバーすることにたいへんな努力が払われていることは認められます。
 ただ、基本的には、さっきもちょっと議論いたしましたように、固定資産税に関する規定のいわゆる適正な価格なるものの内容については、まだ議論が私どもには残っているような気がするわけです。つまり売買実例価格というのは法律の上にあらわれていることばではなくて、法律の上にあらわれている価格は、適正な時価なんですから、その適正な時価とは何ぞやということになりますと、やはり収益還元方式だとか、そういうような主張も相変わらず消えているわけではないと思うわけですね。その面だけがやはりあとまで問題として残ると思います。固定資産税で地価の抑制をすべきだという議論もあるわけですね。そのためには土地保有税である固定資産税を引き上げて、土地を手放したくなるような状況をつくったらいいというのがその論拠です。
 しかし、私がいま申し上げましたように、固定資産税は、それを払うのは、そこから上がった収益で払うわけでありますから、農業が営まれるうちの課税はやはり農地としての課税が正しいのだ、こういう論拠を私はいまも捨てる気はありません。ただ、売買が行なわれるときは、いわゆる売買実例価格というものがそこであらわれてくるわけですから、市街化区域においてはおそらく宅地並みの売買が行なわれるというのは当然です。ですから、その場合に譲渡所得税をうんと取ればいいんだ、こういうふうに思うわけであります。あるいは土地増価税というふうな形で地価対策という側面には対応していくべきではないか、こう思うわけでありますが、その土地増価税、地価対策、そういう側面についての御検討はどうですか。
#53
○鎌田政府委員 土地増価税あるいは空閑地税、こういったものは、御案内のとおり、昔から私どもの役所でも検討いたしておりましたし、また政府税調等におきましても論議があったわけでございます。
 ただ、問題といたしましては、空閑地税にいたしましてもあるいは土地増価税にいたしましても、基本にございますものは、やはり国土全体にわたっての土地利用計画というものが的確なものが立てられる、それに従ってその用途規制と申しますか、というものが行なわれて、全体的に国土利用の合理的な計画が立てられておるということが前提でございませんと、何をもってこの増価税の対象とするか、あるいは空閑地税の対象とするかという、この課税客体あるいは課税標準の求め方につきましても混乱が起こりましょうし、あるいはへたに手をつけますと、逆に地価の値上がりのほうに拍車をかける、こういったようなこともございまして、これの創設につきましてはなお実視を見ておらない。そういったいわゆる税制以外の土地対策というものと相まちまして、いわば税制というものは補完的な役割りを果たすということが至当であろうと思うわけでございまして、そういった面で実現を見ておらないという状況でございます。
#54
○安井委員 地価対策は、もちろん税制オンリーで解決しようとすれば、やはり間違ってしまうと思いますよ。しかし、税制という手段も一つ大事な問題だということだけは、これはもう明らかです。そしてまた英国のように、全体的な土地利用計画ができていると、ロンドン郊外でも、ここは将来は公園になるのですとか、ここは道路になるのですとか、ここは住宅地になるのですとか、もうはっきり先行きの展望がきまっているわけですから、それほど地価の変動というものはなくて、不満ながらも一応納得しているというふうな現状があるようですね。それがない日本の場合には、相変わらず地価を突き上げる要素のほうが多くて、問題はずっと残っていっているということではないかと思います。ですが、そうは言いながらも、税制の問題についてもやはり今後とも十分検討すべき問題だということだけを指摘しておきたいわけであります。
 それから私ども従来から免税点の引き上げあるいは基礎控除の設定、特に基礎控除という意味は、住宅などを保有する場合において、最小限度これはもう税金をかけなくてもいいじゃないかというふうな考え方から出ているわけです。それらについてはその後の御検討はあるかないか、その点をひとつ伺っておきたいわけです。特に評価額がまた上がったわけですから、免税点の問題については当然検討すべき課題ではなかったかと思うのですが、どうですか。
#55
○鎌田政府委員 問題が二つあろうと思います。
 一つは、ただいま御指摘になりましたように、土地の評価は四十五年度で上がったわけでございますけれども、家屋や償却資産は評価額は上がっておらないわけであります。そういった意味合いにおきまして、この免税点の問題でございますが、問題になりますのは土地であろうと思うわけでございます。土地は、御案内のとおり、昭和四十一年度にこの免税点を二万四千円から八万円に大幅に引き上げたわけでございまして、その結果は、昭和四十五年度の実績によりますと、納税義務者の約三七%が免税点未満となっております。特に町村でございますと、この割合が四四%ということでございますし、この免税点に対応する税額でございますと、都市計画税を含めまして千二百八十円、こういう額になっておるものでございますから、免税点の本来の趣旨、いわゆる最小徴税費の原則ということから申しますと、四十五年度の評価額の引き上げの程度、しかもあのような負担調整措置も講じておるわけでございますので、しいて引き上げるという必要を認めないで、そのまま据え置いたわけでございます。
 それから固定資産税に基礎控除制度を入れたらどうであろうかということにつきましても、これも私ども内部で検討をいたしておるわけでございますが、その一つは基礎控除というものの考え方の問題でございます。これはあまり教科書風なことを申しますと、ほかにも例があるんではないかというふうなことになろうかと思いますが、やはり固定資産税のような税につきまして、基礎控除を設けるということになりますと、所得の非常に高い人についても低い者についても、一律にその恩典というものに浴する。かえって社会的な正義というものに反するのではなかろうか、あるいはまた技術的な問題点といたしまして、これはこの免税点にも通ずるわけでございますけれども、金額をとりましても面積をとりましても、結局いまのように地価というものが大都市、都市、町村によって違う、またその中でも違う。こういうことになりますと、その中のブレといいますか、横ブレというものが出てまいる。やはり基本としては零細な負担を排除する、こういう趣旨から免税点制度というものを、そういう前提に立ちながら引き上げていく、こういうことではなかろうかと存じます。
#56
○安井委員 免税点の問題はさらに検討願いたいし、私どもが基礎控除と言っているのは、むしろ大資産所有者のほうにはごく軽いものであっても、累進課税のような仕組みを同時につくっていかなければ、これは意味ないと思います。一律にしてしまうのではこれは意味ないと思います。そういうふうな主張を従来から持っているわけでありますが、まあ簡単な問題じゃないと思いますから、これはさらに御検討願っておきたいわけです。
 それから、C農地のうち市街化のおくれた地域の土地に対する減免措置について、自治大臣の市町村長に対する助言権といいますか、それをこの改正法の中に書いてあるわけでありますが、この助言は個々の市町村長に対してなされるわけなのですか、包括的な助言ということなんですか。その立法趣旨はどこにあるか、その点です。
#57
○鎌田政府委員 これは私とも立法の段階で――自慢話になるわけじゃございませんが、たいへん苦労をしてつくった条文でございまして、御案内のとおり、C農地でございますと、だんだんにお話がございますように、市街化、都市化というものが進まない、こういったところもあるわけでございますので、まず一つは五年後に見直しをする、それから例の水玉模様を抜く、あるいは施設緑地というもので配慮する。そういうことを考えまして、最後にただいまの以上三つにも当たらない、こういうものがあることをおそれまして、そういうものに対しましては自治大臣の減免の助言、これは制度上私はかなり特異な制度ではないかと思いますが、そういうものを考えたわけでございます。
 したがいまして、これにつきましては包括的な助言、個別的な助言というお尋ねがいまございましたが、私どもの気持ちといたしましては、その町村長が、いわゆるC農地がいよいよ滑走を始める段階におきまして、C農地の置かれておりまする客観諸条件というものを見まして、当面都市化の見通しが今後十年間はない、あるいはそのために市街化調整区域に編入しようとしても、それもむずかしい、こういうものにつきましては減免をしたいと思うがどうだろうかという形で、県知事を通して自治大臣のほうへおそらく事前に御相談が行く。そういう相談に基づいて私どものほうで判断をして、この減免の助言をする、こういう運用に相なろうかと思います。
#58
○安井委員 この減免は市町村条例にかかるわけでしょう。
#59
○鎌田政府委員 減免のしかたといたしましては、御案内のとおり、ある意味におきまして最も理想的な形と申しますものは、すべて条例で書き、あるいは一件ごとに議会の議決をとられるということが、私は一番望ましい姿ではないかと思うわけでございますが、現実の税の運用面におきましては、ある程度の客観的な妥当性のある場合には、機動性ということも必要でございますので、条例の定め方によるわけでございますが、その典型的な場合を列挙いたしまして、そのほか市町村長にいわゆるセービングクローズといたしまして譲っておるという形もとられると思います。
 したがいまして、条例の形で行なわれる場合、結局条例でいまの附則に書きましたようなことを書き込むということも技術的にかなり困難ではないかと思います。したがいまして、そういう場合におきましては、おそらくある程度条件をきめた上で市町村長にゆだねるということになるんではないか、そういうことを予想いたしておるわけでございます。
#60
○安井委員 市町村長はこういうふうな事例ができた場合には、条例を改めて、条例の中にこういう減免措置を規定することはできるわけでしょう。そしてそれをやらない場合に助言、こうなるわけですか。その点、法律の規定が、市町村長がみずからの権限において減免措置を講ずることができるというふうな規定になっていないで、「助言をすることができる。」とこう書いてあるものですから、何か助言がないと市町村長はやらないんじゃないか、助言待ちというふうな形になりはしないか、そういう点の心配があるから、ちょっと伺ったわけです。
#61
○鎌田政府委員 考え方の基本といたしましては、もちろん市町村税でございますから、市町村議会あるいは市町村長というものの自主的な判断にゆだねておるわけでございますけれども、特にそういう特殊な事情がある場合には自治大臣が市町村長に対して地方税法の六条でございましたか、こういう減免の規定の発動を慫慂するといいますか、そういう根拠の規定を置いた、こういうことでございます。したがいまして、ただいま先生お述べになられましたように、市町村長がみずからの判断によってあるいは議会の議決を経てそういう措置を講ぜられるということも当然の前提にいたしておるわけであります。
#62
○安井委員 それから、さっきの農地の問題ですが、田畑以外の採草放牧地というのが、市街化区域の中にあるかどうかわかりませんが、あるいは雑種地だとかそういうふうな形での存在もあるように思うのですが、それはどうなんですか、さっきの農地ということばを田及び畑というふうに限定しているとすれば。
#63
○鎌田政府委員 農地といたしましては、ただいま申しました田と畑でございます。そのほかにもちろん採草放牧地、雑種地等地目としてはあるわけでございます。ただ、先ほどから申しておりますのは、結局農地につきましては、現在の固定資産の評価基準のもとにおきましては、農地が例の農地法による厳重な転用規制のもとにあるということから、この固定資産税の課税標準となります評価額につきまして特殊な考慮を加えておる。それが市街化区域の農地については届け出をもって宅地に転用することができる、いわば潜在宅地と申しますか、そういうものの価値というものを非常に高めてまいったわけでございますので、そこに着目をしてこの評価のし直しをする。したがいまして、いま御指摘になりました放牧採草地とか雑種地でございますと、現在すでにいわゆる売買実例価格というものに完全に乗った評価の仕組みになっておる、こういうことでございます。
#64
○安井委員 都市計画税についてでございますが、七百二条に「特別の事情」というのがありましたね。これはどういう意味ですか。
#65
○鎌田政府委員 「特別の事情」と申しますのは、その前に今回の市街化区域の農地に対しまする固定資産税、都市計画税の保有課税の適正化をはかる、こういうことといわばうらはらをなすものといたしまして市街化区域内の土地家屋に対して都市計画税を課税する、こういう大前提を立てました。ただ、市街化調整区域内におきましても全然開発行為等が行なわれないわけではございませんで、御案内のとおり、二十ヘクタール以上の団地をつくる、こういった開発行為、あるいは市街化調整区域というものの中におきましても街路事業が行なわれる、あるいは下水道事業が行なわれる、こういったような特別な事情がある場合におきましては、都市計画税を例外的に課税することができる、その場合には、課税区域というものを市町村の議会の議決を経て条例で定める、こういう仕組みにしたわけでございます。
#66
○安井委員 ですから「開発区域内で同法に基づく都市計画事業が施行されることその他特別の事情」、こうあるものですから、法律はこの特別な事情についての限定はしないわけですね。それは市町村の条例にまかせる、こういうことですか。
#67
○鎌田政府委員 「その他特別の事情」というものにつきましては、ただいまお答え申し上げましたような事柄を内容といたしまして市町村に通達、指導をいたします。具体的には条例で定めるということになります。
#68
○安井委員 都市問題が激化して、都市の物理的な改造ということが非常に重要な問題になっているわけです。もちろん都市問題は物理的な側面だけでなしに、都市機能という問題も非常に大きな点でありますが、ここで都市計画税というふうに問題を考える場合に、主として物理的な側面ではないかと思いますが、それにしても都市財源が今日の状況に対して非常に不足しているということは明らかなわけです。
  〔古屋委員長代理退席、委員長着席〕
 現実に都市計画事業にかかっている経費のうち都市計画税は一体どれくらいの位置を占めているのだろうかという点……。
#69
○鎌田政府委員 年度によって違いますし、あるいはまた都市によって違うわけでございますが、大ざっぱに申しまして、都市計画事業費の中に占めます都市計画税の割合は二〇%前後というところでございます。
#70
○安井委員 都市計画税だけで都市の財源を全部まかなえというふうなことはなかなかむずかしいと思いますけれども、名前が都市計画税でありますので、何か都市計画全体の中の二〇%というのは、少し需要が大き過ぎるのか名前が勝ち過ぎるのか、ちょっとおかしいような気もするわけでありますが、現在の段階においての都市財源について、都市計画税の問題を含めてどういうふうな検討をされているか。これは財政当局のあれかもしれませんけれども、どうですか。
#71
○鎌田政府委員 御指摘のように、この都市財源、単に税だけではございませんで、交付税あるいは地方債、そのほかいわゆる税以外の受益者負担金、こういったもろもろの制度とからみ合って考えなければならないと思いますが、端的に申しまして、やはりこの都市税源というものを拡充してまいるということで最も基本的に考えなければなりませんのは、あるいはまた段階的に申しまして、私どもは、まず第一は、何と申しましても道路目的財源の充実だろうと思います。それから第二の問題といたしましては、やはり国、府県、市町村を通じて所得課税、特に法人課税というものをもう少し都市にウエートを高めるような形で税源の配分ができないか、こういったことを考えておるわけでございます。なお、地方制度調査会の先般の答申にございました、いわゆる大都市の区域内におきまする事務所、事業所等に対する課税、こういったものもこの答申の趣旨を尊重しながら具体化について検討してみたいというふうに考えております。
#72
○安井委員 建設省のほうで、この都市計画に必要な財源充実の問題についてどんな検討がされておりますか。
#73
○石川説明員 現在、われわれ十年間で市街化区域を整備するのにどれぐらいの事業量並びに事業費が必要であるかというふうなことにつきまして、いろいろ作業中でございますが、非常に大まかに言いまして、道路でございますとか下水道でございますとかあるいは河川、公園、こういったような基本的な都市施設に要する費用は、大体二十数兆円を必要とするであろうというふうに考えられております。現在年間に大体七、八千件の都市計画関係の事業が行なわれているわけでございますが、今後の見通しといたしまして、やはり年間に平均いたしまして二〇%以上の伸びが必要であろうというふうに考えておるわけでございます。
 財源といたしましては、道路財源でございますとかあるいは下水道におきます国費、地方債、それから先ほどお話のございました都市計画税と、総合的な面からこれを考えていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。具体的な問題についていろいろ試算はいたしておりますが、まだ結論は得ておりませんけれども、いずれにしても国費、地方費ともに充実していく必要があるだろうと考えております。
#74
○安井委員 いまお二人からお話がありましたように、都市財源は、現在の都市問題の激発している段階において、たいへんな額が必要になってくるのではないかと思うし、それに対応する税財源の充実ということが必要ではないかと思います。そこで、いま法人課税の充実のお話を税務局長から伺ったわけですが、私どもは、法人からもう少し自治体に対して税金を払ってもらってもいいのではないかというふうなことで、党の提案の中では、住民税のうち法人に対する税率の引き上げ等を提案しております。法人の税率を上げて税金がふえるのは、これはほとんど都市ですから、農村にあまりありません。そういうような意味で、都市財源の充実に貢献することができると思うのです。
 そこで、これも私ども従来から主張しておりますように、償却資産も都市計画税の対象に加えてはどうかということなのですが、この点についてはどうですか。
#75
○鎌田政府委員 これは都市計画税をつくるときに――つくると申しますか、昭和三十一年に復活をいたしたわけでございますが、そのときにやはり内部で議論をいたした問題でございます。その当時は、むしろ土地だけに都市計画税というものを限定すべきじゃないかという意見もかなり有力でございました。これは考え方の問題ということになるのかもしれませんが、いわゆる都市計画事業を行なうことによって利益を受けるのは、結局土地であって、その上物である家屋とか償却資産というものは、いわば間接的にこの利益を受けるということになるのではないかという議論がございました。ただ、土地と家屋は、これは何と申しましても、付加して一体をなすわけでございますので、土地、家屋というものを現在の制度におきましては都市計画税の対象にしておるわけでございます。
 それに償却資産を加えて絶対に悪いかという点につきましては、これはやはり議論の分かれるところだと思いますけれども、ただ、その場合に、たとえば鉄道車両、あるいは船舶などもそれに含まれると思いますが、いわゆる移動性の資産とか可動性の資産、こういうものが加わってまいりますと、ちょっと都市計画事業というものとの受益関係というものが特定しにくい。こういったようなこともございまして、償却資産まで含めるということについては、いまだに実は踏み切っておらないわけでございます。ただ、これは私どもは率直に申しまして、もっと議論を詰めて、対象として取り入れられるものであるならば、そういう方向で検討をすべきではないかと思っております。
#76
○安井委員 これは移動性の資産、たとえば国鉄のひかり号の評価を、これは公社財産でありますけれども、とにかく移動性のものを、船にしてもそういったようなものを大都市だけのものに固定するということにはあるいは問題があるかもしれませんけれども、そういうような特殊なものには限定を置いてもいいわけです。特に最近は公害の問題が非常に重大な課題になっております。工場がどんどんあることによって、公害を防除することも都市のフィジカルな計画を立てる上に大事な問題になってきています。都市によっては大きな緑地を、公害を防除するという上からも置く。都市の中に森林をわざわざ設けるんだというような計画を持っているところもあるのであります。だから、そういうことからすれば、償却資産を対象にするということは、法人税の税率を上げるよりも、もう少し抵抗なしにいくんじゃないかというふうな気もしますから、これはもう少し御検討を願いたいわけであります。
 それでは、あと国民健康保険税のことをちょっと伺って終わりたいと思いますが、今度の引き上げ措置でどれぐらい増収になるのか。それからこの課税限度額で課税される納税義務者数はどれぐらいになるのか。それから八万円という金額をはじき出された理由はどこにあるのか。それから現在保険料という形で徴収をしている市町村にあっては、別に限度額の法律的な規定はないわけで、五万円をこえた額で現実には規定されているわけですね。それがどんなような分布状況になっているのか。とりあえずその点をちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#77
○鎌田政府委員 まず、国民健康保険税の課税限度額の引き上げに伴いまする納税義務者数等の異動でございますが、御案内のとおり、現行は課税限度額は五万円でございます。この五万円によりましていわば頭打ちになっておりまする納税義務者の数が、端数まで申し上げますと、三十三万七千七百十二人、約三十四万人おります。その人たちが結局頭打ちになりますために、頭打ちにならない人たちにもう一ぺん割り返していくわけであります。下の低所得層の負担というものはそれだけ重くなっておるわけでございますが、その額が百四十四億七千九百万でございます。これを八万円に引き上げることによりましてどれだけのものが解消されるか。結局、いま三十三万七千七百十二人と申しましたのが、八万円になりますと、二十二万七千九百十一人が解消される数でございます。また、この百四十四億七千九百万と申しましたこの課税限度額をこえるものが五十二億九千四百万解消される額でございます。
 そこで、納税義務者の割合で申しますと、昭和四十五年度を基礎にとって申し上げますと、世帯数が七百七十九万世帯でございますので、現行のままでまいりますと四・三%のものが、納税義務者で頭を打っておりますものが一・四%まで下がってまいる。また税額におきましては、先ほど言いましたけれども、百四十四億七千九百万の中から五十二億九千四百万が解消されますので、全調定額に対しましては、一〇・七%のもので頭を打っているものが六・八%まで下がっている、こういうことに相なります。
 なお、税額の増減というお話がございましたが、これは御案内のとおり、結局課税総額をきめまして、それで賦課をしてまいる。その中で結局分配の問題でございますので、税額としてふえるというのではなくて、頭を打っているものが本来背負うべきものが下へいっておる、その移動でございます。税額の増減というものは、これは立てておりません。
 それから八万円の根拠でございますが、八万円の根拠につきましては、一つは、厚生省の資料を拝借いたしまして、所得階級別の一世帯当たりの療養諸費、保険者負担額というものをとってみたわけでございます。そうしますと、これは療養諸費で保険者すなわち市町村の負担する額の割合でございますが、これが所得が伸びてまいりますと、この療養諸費も上がってまいる。大体百二、三十万のところまでは所得が上昇しますと、この療養諸費の負担額も上がってまいる。大体それをこしますと、ほぼなだらかなカーブを描きまして、二百万をこすとほとんど一定である。大体そこに当たります療養諸費の負担額というのは八万円ぐらいの線になります。大体所得に応じてこの療養諸費が上がってまいりまして、ある段階からになりますと、所得の増減にかかわらず、この療養諸費というものが安定してまいる。いわば横ばいとなる。そこを受益の限界点と見まして、それで八万円という計算をいたしましたのと、それからもう一つは、健康保険の被保険者負担、それから事業主負担の最高額が現行でやはり八万七千円程度でございます。その辺のところをにらみ合わせまして、五万円を八万円に引き上げた、こういう根拠に相なっております。
#78
○安井委員 保険料は……。
#79
○鎌田政府委員 保険料は四百十万世帯であります。保険税が七百八十七万世帯であります。保険料にかかわります被保険者数が千百九十二万人、それから保険税の被保険者数が二千八百八十二万人。それから一世帯当たりの保険料額は一万二千五百二十九円、それから一世帯当たりの保険税額は一万四千七百五十二円、それから被保険者一人当たりの保険料額、保険税額は、保険料は四千三百二十円、それから保険税のほうは四千三十円。四十四年度の調べでございます。
#80
○安井委員 いや、私が伺っているのは、五万円という税では最高限度額があったが、料では最高限度額がなかったから、それはどんなふうになっているかということです。
#81
○鎌田政府委員 保険料につきましては、ちょっといまここに手持ちの資料がございませんが、趨勢といたしましては、先ほど保険税で申し上げました趨勢と同じのようでございます。なお、正確な数字を調べまして、御報告を申し上げたいと思います。
#82
○安井委員 これは、もう少しいまお話のあった資料を出していただければと思います。だいぶこまかな数字をあおげになりましたけれども、ちょっとメモもできかねておりますし、ひとついまのお話を資料としてお出しを願いたい。特に私が申し上げているのは、十万円くらいの最高限度額になっている保険料の場合もあるし、八万くらいのところもあるし、七万円のところも現実にあるのではないかと思うのです。そういうような実態も一つ知りたいわけです。
 それからもう一つ、最高限度額を引き上げたという段階において、低所得者層の保険料の減免措置をやはり同時に拡大するという措置をとらるべきではなかったか、こう思うのですが、これは、むしろ厚生省のほうかもしれませんが、どうですか。
#83
○鎌田政府委員 御指摘のとおり、低額所得者の減額の規定があるわけでございます。昨年一人当たり五万円を六万五千円に引き上げたわけでございますが、さらに御指摘のような点もございますので、諸種の事情を勘案いたしまして、政令で定額を引き上げることになっておりますので、政令の改正の段階におきまして、十分御趣旨の点を織り込みたいと存じております。
#84
○安井委員 まだ問題がありますけれども、だいぶ長くなりましたから、これで終わりたいと思いますけれども、なお、大臣がお見えになるのですか。
#85
○菅委員長 まだ目下手があきません。
#86
○安井委員 それでは、その段階でちょっと聞かせていただく問題があるかと思いますが、この際、これで一応保留させていただいて、終わります。
#87
○菅委員長 小濱新次君。
#88
○小濱委員 地方税法の一部を改正する法律案について御質問をしていきたいと思います。
 わが党の議員が前に質問をいたしました。また、いま安井議員も質問をされました。そうした内容については、つとめて重複をしないようにしていきたいと思っております。
 まず第一にお尋ねしていきたいことは、市街化区域内の農地の宅地並みの評価に対する固定資産税の課税の適正化についてでございますが、いろいろと過去にも衆参の委員会あるいはまた、そこでの発言と附帯決議、こういうものの内容を見ますると、非常に力強い発言がなされておりまして、私どもは、この適正化については、そのような形であらわれてくるもの、こう理解しておったわけでございますが、どうも最近は、いろいろと関係する方々が電報あるいは手紙あるいは陳情等で反対の意思を表明しておられるようであります。このことについては、自治省としてもよく御存じかと思いますが、こうしたことを踏まえて、どうも適正を欠いているのではないか。今回の課税分については、どうも問題が残りそうな気がしてならないわけですが、そういう点について、ひとつ自治省のお考えを聞かせていただきたいと思いますが、まず最初ですから、政務次官、せっかくおいでになっておられますので、政務次官からお答えをいただければと思います。
#89
○大石政府委員 いろいろの附帯決議もありますし、特に激変するといいますか、そういう点は気をつけなければいけないというような御期待もある。ただ、一部には、農業をやっている間は依然として農地並みの課税をすべきではないかという主張も、ただいま反対論者のほうからも出ていると思うのですが、ただ、調整区域ないしはその他の部分と今度の市街化区域というものの差別が実はあるわけであります。片っ方の場合はいわゆる都市化さるべき地帯として認定され、しかもその地域の中に入ったものはいつでも地目変換ができるといいますか、その他の用途に自由に売れるというものを持っているわけでありますから、これをその他の農地と全く同じようにするということは、今度は逆にそのことが不平等になると思いますので、その点は何らかの措置をしなければならぬと思って、こういうふうにしたわけです。
 そして第一点は、私ども全体的に今度の都市化区域に入りましたところを調べてみますと、建設省等が当初予定したよりはやや広目になってきている点もありますので、実は都市計画法で五年ごとに見直すという問題がありますから、いわゆる五年間をC農地、つまり平均価格の半分以下のところをC農地として、しかもこれが八〇%ぐらいになるわけですが、その点についてはいわゆる見直す時期の五年以降に初めて課税をし始める。その間においてもし市の財政なり事実上の問題として、市街化区域としてそういうふうな目的が果たせない地域というものは、調整区域にはずすということができる。そのときにはまだ新しい税金はかかっていないというふうにしたいというふうな考慮をいたしたわけでありますから、かなりの問題はこれで解決できるじゃないか。しかも私の予想では、五年後という事態で、いまそこに居住し、農業生活をしている人が、いまはいろいろなことを感じていますけれども、五年先の日本の変化あるいはその都市の変化の中でどういうものの考え方の変化が出てくるか、実は私は的確につかみ得ない。いまはなるほど、おれは死ぬまで農業を続けようと思っていらっしゃるかもしれませんが、いわゆる社会的な変化の中でその方もいろいろ変化が出てまいりますでしょうし、そういう意味で、ここ五年間といいますか、五十一年だと思いますが、税制上は現在のままという措置をまず第一にとるということで、かなりの問題は解決するのじゃないだろうか。その時点で市当局及びそこの耕作農民との間で問題を具体的に検討できるということにしたわけであります。なお、便宜的には十ヘクタール以上の飛び地の調整区域もつくり得る、ないしは施設緑地といいますか、そういうものも考えられるというふうなことをやったわけでありますから、かなり問題というものはこれで解決し得るのではないだろうかというふうに考えます。
#90
○小濱委員 おっしゃることはよく理解ができるつもりでおりますが、線引きをされた、片方が市街化区域である、そういうわけで、宅地並みの、あとで示しますが、相当高率な税金を納めている、片方の調整区域は、今度は農地並みの課税ということで非常に安い税率になっている。一面均衡なような面もありますけれども、片方は売買ができるとか、片方は売買ができないとか、あるいはまた将来計画についての調整区域の方々の不安、そういうこんとんといいますか、とにかく見通しがないということの問題があって、まあ今度のことも、どこまでどう線引きをすれば不平等をなくすことができるかということで、これは大きな問題であろうと思いますけれども、やはり帯に短したすきに長しで、何か今度の問題も長短があるように思えるわけです。そういうことから非常に問題が起こっている、こういうふうに私どもは理解をするわけです。
 ちょっといろいろデータを集めてみたのですが、その中で、横浜市内の市街化区域内農地の課税状況を少し示してみたいと思うのです。実は、A農地、三段階に分けられた一番高い農地の課税状況を見ますと、横浜の港北区篠原町というところは、たんぼはないということになっております。三十八年から四十五年度までの、畑のほうですと、固定資産税が三十八年から四十五年度までずっと一円になっています。都市計画税が〇・二ですから二十銭に据え置かれて、ずっと四十五年度まで来ている。ですから、ここでの平均は一円二十銭、こうなっております。これが農地の課税の内容になる。ところが、そのA農地の宅地を見ますと、固定資産税では三十八年で八円、四十四年で二十九円、四十五年では四十一円、こうなっている。都市計画税では三十八年の一円から四十四年の二十八円、四十五年では五十三円、こうなって、平均が九十四円になっている。田畑のほうでは一円二十銭、こうなっているのですね。したがって百倍近い差違がある。今度はこういう課税を農地ではされるわけです。
 もう一つ、B農地についてお話を申し上げますと、たんぼでは、やはり三十八年から四十五年度までは据え置かれて、二円でありました。都市計画税では〇・三ですから、三十銭で据え置かれてきた。平均が二円三十銭、こうなっている。畑ですと、固定資産税が同じく一円で据え置かれている。都市計画税は〇・一ですから十銭になって、計で一円十銭、こういう課税の率になっております。そこで、今度はB農地の宅地についてはどうかというと、三十八年で二十三円です。四十四年には七十四円とはね上がっておる。四十五年には百四十円、こうなっている。都市計画税も三十八年は三円、四十四年は三十六円、四十五年で五十八円で、平均の計では百六十二円という数字になっている。二円三十銭が百六十二円、こういう数字になっている。
 今度は、C農地ではどうかというと、たんぼではやはり一円の据え置きです。都市計画税は〇・二ですから、二十銭の据え置きです。計で一円二十銭。畑では同じく一円の据え置き、〇・一ですから十銭の据え置き。計で一円十銭、こうなっている。宅地になると、三十八年で三円です。四十四年で十一円、四十五年で十六円。それから都市計画税は〇・五。三十八年にはそうなっておりますが、四十四年ですと六円、それから四十五年では九円、平均して計で二十五円、こうなっておる。
 これは一部の資料を私は紹介したわけでありますが、こういう課税の状況になっている。百倍、それ以上の、こういう宅地並みということになると、農家では支払いをしなければならぬ。三・三平方メートル、一坪百円ということになると、反当たり年間三万円くらい払うことになります。一町歩持っていれば三十万円払うことになる。こういう率で今度は取られるようになっていくわけでしょう。
 ここで私は大きな問題がたくさん出ていると思うわけです。よく自治省では御存じかと思いますけれども、こういう問題があちこちに――内容がわかってきてびっくりして、そして訴えを起こしている農民があるわけです。こういうことについてひとつ、いろいろお考えがあるかと思いますが、聞かしておいてもらいたいと思います。
#91
○大石政府委員 実はその倍率が非常に高くなるということ自体は、私はそのとおりだと思います。しかし、都市計画で市街化区域というものを設定したことは、そこは市街地にいたします、計画的に調整区域をつくり、その中は市街地にするところなんだというのが、実はまず前提にあるわけだと思うのです。
 そしてもう一つは、今度の課税の方法の中には、人工的にこういうふうに島をつくって、ここを幾らにしようということじゃなくて、いわゆる評価の方式によって幾らになるということですから、A農地というのは、つまりその町その市の平均宅地以上のところにあるのがA農地でありますから、客観的に見れば、市街化計画の中で最も早く市街地になり得る客観性のあるというところがA農地になると思うのです、すでにそのところの平均の評価額より以上のところをA農地とするわけですから。それからB農地が、その半分といいますか、そこまでというのですから、その面積も、おわかりのとおり、かなり客観的に評価をして、近くその市街化区域になり得る場所というところであります。したがって、私どもは、そのところは、少なくも早くもう住宅なりその他が建てられる場所になり得るところだろうというふうに、ある意味では農業は継続しにくい場所という想定が、いわゆる客観評価の中から出てくるところだろうと思う。そこであとの残りの八〇%、つまり平均評価額の半分以下の場所、それが大体七〇%から八〇%あるわけです。そこの土地については五十一年からというふうにしまして、そこで初めてそこにかかっておる宅地並みの評価額の二割がかかるというふうにしようとしたわけです。
 ですから、先ほどもちょっと申し上げましたとおり、このところにおいて初めて全体的な客観情勢の中で現実に市街化区域とし得るところ、それでないところという見きわめができて、そしてそれがもし全くできない場所であるならば、その場所は調整区域に再編入するということをとろうとしているわけで、その倍率の問題は、お話しのとおりだと思います。しかし、その倍率の問題というのは、実はA、Bに分けまして、そのところ自体がすでにほとんど市街化される運命を持っているという場所だと私どもは考えておるわけであります。
#92
○小濱委員 政務次官にさらにお尋ねしていきたいと思います。
 いまお話しのように、四十三年に都市計画法がきまって、四十四年に線引きをされていって、まだ全部終わっておりませんけれども、四十三年の五月十日に、これは参議院の建設委員会農林水産委員会連合審査会の席上で、保利国務大臣がこういうふうにおっしゃっておられる。「市街化になったために、いままでの農地が固定資産税がうんと何倍にも上がるというようなことは断じてごいませんから、その点は御安心をいただきたい。」、こう言っておる。これを唯一のたよりにしておられる方がたくさんいられるわけですね。ところが、いまデータを示しましたように、百倍、百何十倍という、そういう地域が出てきたという問題が起こるわけですが、さらに同じく保利国務大臣は、「機械的に市街化区域になる、もうすぐ宅地扱いだということは、どうも少し無理じゃないか、私はそう思います。」機械的に線引きが終わったら、さっと宅地並みというようなことは、それは無理だ、そういうふうに考えておる、こういうふうにもおっしゃっておられます。さらには、鎌田税務局長の前の局長であろうと思いますが、こういうふうにおっしゃっておられます。「新しい都市計画法によりまして市街化区域が指定になりまして、そこで農地の転用許可がはずされたから、直ちに全部を宅地並みに評価をするということは考えておりません。これはどこまでも宅地化の進行状況と申しますか、都市施設なりあるいは道路なりというものがどのように進行していくかということと相関連して評価をすべきものであるというふうに考えております。」そこで中略で、「市街化区域になったから、すべてその中にある農地を宅地として評価するというようなことは、私どもは決して考えておりません。」、こういうふうにおっしゃっておられるわけです。こういうことが非常に農家の方々を安心させておったのではないかと思うわけでございます。非常に事情が詳しくないために、いままで、まあそのうちに何とかなるだろうというような安易な気持ちで今日を迎えたようでありますけれども、ここへきて内容がわかってきて非常にびっくりしているということがございます。
 こういうことについて、いろいろと頼みの綱にしている方々の気持ちに対して、これから今度のこの課税に対してどう対処をしていこうとされるのか、そういう点が非常に問題になってくると思うわけです。そういう点でひとつ政務次官、お答えいただきたいと思います。
#93
○大石政府委員 保利大臣及び松島局長がお答えをしておりますが、私は、全部が直ちに自動的に宅地並み評価になるものではない、こういうふうに言っていると思うのです。その宅地並みの評価というものは、宅地並みに評価をして税金をかけるということの意味に考えるわけであります。したがいまして、今度の場合はA、B、C三段階に分けて、八〇%くらいのものは五年間そのままだということが私はその趣旨にこたえているものだというふうに考えております。
 もう一つは、その都市計画法をつくり、あるいは審議のときにおける社会的な一つのものの考え方というものも実は変化がきていると思うのです。そのときのいわゆる都市計画区域内の土地に対する社会的観念、雰囲気というものと、それから五年近くたちました今日では、やはり社会的雰囲気も変わってきておりますし、政府の税調その他におきましても、この市街化区域内の問題につきましての課税の答申は、その変化が実はきているわけであります。そういう情勢に応じて、私どもはその点の審議のときの過程のことも考えまして、A、B、C三段階に分けてこの点をひとつやろうというふうに考えたわけです。前回等の委員会の御質問の中には、今度政府がやっているようなことは非常になまぬるいといいますか、直ちに市街化区域内のところはぴしっといわゆる評価をして税制をそこへおおうべきだという御議論もないわけではないわけであります。しかし、私どもは、いろいろな意味から、ここらの点が現在とり得る妥当な線ではないかという気持ちの上で立案をしたわけでございます。
#94
○菅委員長 小川新一郎君に関連質問を許します。
#95
○小川(新)委員 次官にお尋ねしますが、新都市計画法で市街化区域、調整区域が定まりますと、大体、農地の上には、御案内のとおり、東電の高圧線がずっと通っているのですね。調整区域に入りますと、これは家が建てられないから高圧線の下でもいいのですが、市街化区域に線引きされたところの高圧線の下へは家が建てられないのですが、それでも都市計画税とか固定資産税というのは宅地並みに取るのですか、A農地の場合は。
#96
○大石政府委員 その場合のことはちょっと私ども想定してはおりませんでしたが、具体的には、いま全体的な問題の中で、いわゆる今度の固定資産税の評価の除外という問題を考えるのに、四つに分類をしたわけであります。つまり、見直して調整区域に再編入してもいい考え方、それから十ヘクタール以上で計画地内の一つの集団をした農地として残してもいい区域、それからいわゆる計画施設で、計画緑地といいますか、そういうことに都市計画上指定しようとするところというふうに考えまして、大体これでいろいろの問題については解決し得るんではないかと思っておりますが、しかし、まだこの事態で、そういう想定ができるかどうか、どういうことがあり得るか、それが客観的に見て除外すべき土地であるかというふうなことの場合に、私どもは一種の救済といいますか、場合として、今度の自治大臣の助言という問題を残しておいたわけであります。あるいはお話しのところがどういうふうなところになりますか、もう少しそこらは技術的に検討をさしていただきたいと思います。
#97
○鎌田政府委員 高圧線下の宅地、御案内のとおり、非常に宅地としての評価は下がると思います。ただ、他の高圧線下にございまする宅地と同様の評価並びに課税というものは、市街化区域内においては建築の制限、いわゆる法制的な農地転用の制限というものはないわけでございますので、そこに着目をいたしまして課税をする。ただ、そういう利用上の制約というものにつきましては、評価なり課税の上に当然反映をされて評価も低く、したがって税額も低くなる、こういう形になると思います。
#98
○小川(新)委員 それは了解いたしました。
 そこで、次官、都市計画の用途地域の問題になってくるのですけれども、市街化区域内に緑化区域をどれくらい自治省としては面積をとるのか、建設省はどれくらいと言っているのか。それをまずはっきりしませんと、ただ税金面だけで締めていきますと、もうみんな緑化地域に指定されるよりも――緑化地域に指定されてしまいますと、宅地としての価値が出ないわけですね。当然そうなってきますと、確かに固定資産税のほうは安いけれども、それ以上のメリットは土地の売買のほうがあるわけです。大体、市街化区域内に緑化区域というものを自治省としてはどれくらいの計画をまずお持ちなのか、それと建設省との話し合いができているのか、そういった用途地域の利用区分というものはいつごろ判明するのか。これがはっきりしませんと、いまのままでいくと、べたべたの、要するに、いまたんぼがあったり畑があって空閑地があって、非常に健康的にも自然的にも確保されている土地が、いま言った土地利用区分がはっきりしないで、税金の固定資産税の面だけでA農地、B農地、C農地というような区分帯で割っていきますと、そういった面で心配が出てきますが、その土地利用規制区分というものは、いまの三点についていつごろになったらそういうことが判明するのか、そういうことは建設省との打ち合わせは済んでいるのか。
#99
○大石政府委員 それこそ都市計画のことでございまして、それは都市ごとにも違うことでもございましょうし、どのくらいのパーセンテージをどうしなければならぬということは、自治省としては簡単には関知しておらないわけであります。ただ、そういうふうになった場所についてこういうふうにやるという制度的な税制を立ててあるわけで、私は希望とすれば、早くいわゆる都市計画区域内の具体的な設計、土地利用計画をつくっていただくことが必要であろうというふうに考えております。
#100
○石川説明員 公園緑地の面積でございますが、大体現在の都市公園法等によりまして一人当たり六平米というものを最終の目標にいたしております。現在でございますが、これは都市によりましてたいへん差がございます。たとえば東京の二十三区でありますと、一平米にも満たないというふうな非常に低い率でございます。今後、新しい用途地域の編成がえ、指定がえを現在の新建築基準法に基づきましていまその作業中でございますが、それと都市計画の用途地域あるいは施設の整備計画とあわせて、そういう公園緑地につきましても大体五ないし六%くらいはそういう公園緑地をとりたいというふうに考えております。ただ、現実には、なかなか土地がないとかいうふうなことで、とりにくい実態がございますが、最終的な目標といたしましては、そういうことを考えております。
#101
○小川(新)委員 そうすると、土地利用規制というものは、これは私有財産制の制限なんですよ。新都市計画法というものは大きな意味でいえば憲法二十九条の私有財産制の制限になっておる。その私有財産制制限の中で、なおかつ土地利用で、市街化区域に入って、やれやれおれのところは宅地並みになるんだと思っていたら、今度はまた用途地域の指定で緑化区域に指定されたところは二重の私有財産制の制限というものを食うわけです。そういう人たちに対しては自治省としては――六平米といったっていま全国平均は二平米でしょう。その三倍もこの市街化区域内に土地を確保するだけの確信が、自治省としては建設省との話し合いの中で煮詰まっているのですか。そんなことあり得るのですか。
#102
○大石政府委員 六平米について自治省が自信があるかないかと言われても、私ちょっと御返事のできる立場ではないというふうに思っているわけです。これはそれぞれの市というものがどういうふうに計画を立てるか、それが住民との間にどういうふうに話をつけていくかということに私は関連があるというふうに思いますし、自治省が直ちにその税制上の問題で、公園、緑地をどれだけ持っていなければならぬかということ、税制をどういうふうにくっつけるかということについてはまだちょっとはっきりいたしません。
#103
○小川(新)委員 政務次官、これをやる目的は、土地対策の問題もあるし、国土総合開発の問題もあるのですよ。ただ税金をふんだくるのじゃないのですよ。そういうもっと大所高所に立った国民に説得のあるものがなかったら、ただ一部地方税法の改正の手直しだけで済む問題じゃないのですよ、この理念というものは。それは建設省でやることでおれのほうは知らぬ、税金の問題だけを論じていればいいんだといったって、ここに住んでいる人たちはいままで農地として納めた税金の何倍かの宅地並みの税金を国に取られる。それにはそれなりのビジョンなり姿勢というものが、その地域住民に納得してもらうように、市街化区域になった場合には公共投資が二十兆も三十兆も入って公園にもなりますよ、こうなりますよということで、取る側も自治省と建設省との連携ができてこそ、初めて国土の土地利用区分というものがはっきりし、その裏づけになって、財源に見合う調達をするところの固定資産税とか都市計画税というものをこれだけ値上げするのですよという説得力に変わってくると思うのです。それを、私のほうは公園なんて知らないんだ、これは知らないんだという。一応たてまえ論はそうかもしれませんが、もっと大きな国のサイドから言えば、これは建設省との打ち合わせの中にこういうふうに公園は確保します。そのためには住民もこういうふうに固定資産税の面では協力していただきます、こういうことが煮詰まっていないで、いまだに都市計画の線引きさえ八〇%か六五%くらいしかきまっていないのにこの法案を審議するのですから、私はこの前も分科会で言ったのですけれども、そういう問題をいま審議しなければならぬ。一歩も百歩もわれわれ譲っているわけです。本来だったら、新都市計画法の線引きが完全に終わった時点にこの法案が出てきて審議しなければならぬのですよ。時間的にまた物理的にそういう面では御協力しましょう、私のほうでは審議をしましょう。それを政務次官が、そこのところが煮詰まっていないなんて、建設省に全然聞いていないというようなことでは、ちょっと私、納得いかぬですな。どうですか、その点では。
#104
○石川説明員 公園の、先ほど一人当たり六平米と申し上げましたが、公園の計画決定、これは各市ごとに新しい都市計画法に基づきまして用途地域、市街化区域がきまりました際に、これから決定していくわけでございます。したがいまして、今後そういう作業が進められていくわけでございまして、そういう段階で、先ほどお話ございましたそういう地域に含まれる施設緑地としての農地の取り扱いというふうなものがきまってくることになるかと思います。自治省とは、もちろんそいう点では制度的な打ち合わせは十分いたしております。
#105
○小川(新)委員 これ以上言ってもあれですから、私は関連ですから、その点だけはっきり聞きましたので、また当該委員会でもう少し詰めていきたいと思います。ありがとうございました。
#106
○小濱委員 建設省おいでになっておられるようですから、お伺いしたいのですが、この線引きの問題について先ほどの資料で見ると、「大都市には京都市(市街化区域未決定)を含まない。」こういうふうになっておりますが、おくれている地域に
 ついての調査によりますと、京都とか香川、愛媛、群馬が入っております。こういうところがた
 いへんおくれているということですが、この農地の面積についてはここに出ておりますが、この内容でよろしいのかどうかということと。この中にまた「市街化区域農地の地積、評価額の状況(見込)」と書いてある。この見込みについて御説明いただきたいと思います。
#107
○山下説明員 いま御指摘になりました市街化区域の農地の地積の問題でございますが、ここに掲げてございます地積は、先ほど申し上げましたように、五百二市町村分だけでございますので、今後線引きが残っております市町村分を合わせてまいりますと、建設省の見込みでは市街化区域内の農地の総地積は三千平方キロ、三十万ヘクタールということに予定されておりますが、いまの数字がそうなっておりませんのは、いま申し上げましたように、大体六五%程度の線引き完了市町村分の中の五百二市町村だけでありますために、その数字の一致はいたしていないわけでございます。
 それから評価の見込みの点でございますが、これは提案申し上げております地方税法の改正が御審議を経て国会で成立いたしましたあと、各市町村が実際の評価に入って額を決定するわけでございますので、現在の段階では五百二市町村につきましておおむねの見込みをとって推計させたものでございます。
#108
○石川説明員 京都府は現在のところまだ市街化区域に設定されてないのは、ただいま自治省の資料のとおりでございます。これはいろいろな状況でおくれておりまして、現在進行中でございます。それからお尋ねの点は京都の農地でございますか。
#109
○小濱委員 「(市街化区域未決定)」と、こう書いてある。
#110
○石川説明員 それは、ただいま申し上げましたように、現在の段階ではまだ決定まで至っておりません。現在手続中ということをそこにあらわしたものでございます。
#111
○小濱委員 地域決定は、未決定というところと全然進んでない地域も関東にはだいぶあるようです。もうどこまで予定ということの知らせば受けたけれどもやはり未決定になっておって、その地域は不安でしかたがないという、そういう地域もだいぶあるわけですね。ですから、こういう点で、この見込みあるいはまた京都の例あるいはまた愛媛だとか香川だとか群馬、こういうところ、茨城なんかだいぶあるわけですから、こういうところの線引きの状態で、あなたは何十何%まではできた、これからなんだということで、見込みということでありましょうけれども、こういうことですと、今度は自治省の税収の総額がどういう見込みになってくるであろうか。いろいろ今度は見込みで操作を考えなければならないわけですね。きまらない。建設省のほうではもう線引きをすればいいんだということですけれども、引かれたほうはなかなかこれまたたいへんでありますから、そういう点で今度はいろいろとまた問題があとに残ってくるわけです。
 こういう姿で、現在こうやって法案審議をするわけですね。私どもはすっきりできない面があるわけです。もっと見通しがきちっとついて、そして将来計画の上に立ってこういう法案を出してくるということになれば、これが至当ではないか、こう思えるわけですけれども、そういう点、どうも進んでない面が多いので、私どもも一応不安を持っておるわけです。こういうことについての考え方は建設のほうではどういうふうにお考えになっておりますか。
#112
○石川説明員 先ほど安井先生にお答え申し上げましたとおり、市町村数で言いまして六五%につきましてはすでに決定いたしておるわけでございますし、その残余の市町村につきましても、現在鋭意努力中でございます。かなりの部分が手続に乗っておりますので、本年の八月くらいまでには全部完了させたいというふうな意気込みで現在作業をしておるわけでございます。したがいまして、この法律が適用されます四十七年の一月一日までには現在の八百分につきましては完了するというふうに考えております。
#113
○小濱委員 税務局長にお尋ねしたいのですが、そうすると、税収の総額ということと、それから現行法とこの新法との税収の総額の差ですね、こういうものがいまのような形で出てまいりますかどうか。
#114
○鎌田政府委員 御案内のとおり、この市街化区域の農地の保有課税の適正化、四十七年度からA農地について始まるわけでございます。先般もその御議論があったわけでございますが、四十七年一月一日賦課期日現在の土地につきまして評価をし、A、B、Cのグループ分けをする。A農地については負担調整税額というものをきめてまいる、こういうことがあるものでございますから、この国会におきましてこの法律案をお認めいただいて、それで準備段階に入りたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 なお、この線引きの関係でございますが、線引きの関係につきましては、ただいま建設省のほうでも鋭意各都道府県を督励しておられるようでございまして、八月一ぱいにはこの完成の域まで持っていきたい、こういうことをおっしゃっておられるわけでございますし、私どもといたしましても、その前提に立って先ほど申しました一月一日からの作業に取りかかってまいりたい。
 したがいまして、税収の見積もりは、これは四十七年度の税収ということに相なりますので、四十六年度の税収の見積もりの問題ではございません。念のため申し上げておきます。
#115
○小濱委員 そういう見通しも立たないようないまの時点で、私どもはこの法案審議をさせられているわけですね。そういうことで疑問を晴らしていきたいと思っているわけです。
 市街化区域に今度なりますが、この市街化区域における公共投資、この問題については自治省ではどういう考え方をお持ちになっていますか、おわかりになりますか。
#116
○石川説明員 御指摘のように、市街化区域が設定されますと、おおむね十年間にこの市街化区域を整備する必要があるわけでございます。われわれとしましては、道路でございますとか、公園でございますとか、下水道でございますとか、あるいは都市の排水をいたします都市河川、こういったもの、このほかにいろいろあるわけでございますが、こういう都市の基幹的な施設に対する投資を充実していく必要があるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、いまいろいろな形でどういう面から優先的にこういう投資をやっていくかというふうな点については、各県とも打ち合わせして検討中でございますが、大体において二十数兆円くらいの資金があれば、相当程度その目標が達成できるだろうというふうに考えておるわけでございまして、この資金の投資額については、現在の投資の動向等から申しまして、達成可能なものというふうに考えておるわけでございます。
#117
○小濱委員 私の規制された時間が来たようでございますから、一応質問をここで中止をさしていただいて、またあとの機会にこの続きをやらさしていただきたいことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#118
○菅委員長 午後の委員会におきまして小濱君の質問を続行することにいたします。
 本会議散会後再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
   午後零時四十六分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時五十分開議
#119
○菅委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小濱新次君。
#120
○小濱委員 引き続いて質問をさしていただきます。政務次官にお尋ねしたいのですが、先ほど政務次官は御答弁の中で、自治省で考えておったそれよりも建設省の今度の線引きのほうが相当広がったというようなお話をなさっておられました。そこで、今度の線引きについては、もちろん建設省がやられたわけでありましょうけれども、当然関係省庁として、これは大蔵も自治もそれから農林も、この四省がいろいろと御相談になってでき上がったものとわれわれは考えておったわけでございますが、そういう点では、もうどう考えても、四省がこの問題について全面的に賛成をしたとは受け取れないわけですが、どういう経過でこの線引きが行なわれたか、そこまでの四省の話し合いの賛成、反対等の経過について、おわかりならば、お話し願いたいと思います。
#121
○大石政府委員 この地方税法の一部改正、特に農地分の課税問題につきましては、これはいまお話しのとおり、農林、建設等と非常に密接な協議を続けまして、最終的に合意した案であると私は考えております。
#122
○石川説明員 線引きを行ないます際は、これは一つの都市圏ごとに行なうわけでございますが、まず農林省と建設省が協議する、あるいは厚生省の意見を聞く、通産省の意見を聞くというふうな手続が法律に定められておりまして、この手続を経て初めて市街化区域の決定、つまり線引きが行なわれるわけでございます。したがいまして、御指摘になりましたような反対とかいうふうな点はございません。もちろん、そこまでに至る段階で、たとえば農地をどういうふうに取り込むかというふうな段階で、県の農林部と施設局とか、あるいは農政局と県の間でいろいろ意見調整がございますが、最終的な段階に至りますまでのそういう問題を全部調整いたしまして、建設大臣が認可いたします場合には、農林大臣に協議するというふうな手続をとって、その都市圏の線引きを決定される、こういうふうになっておるわけでございます。
#123
○小濱委員 農林省の岡安参事官にお尋ねしたいのですが、農林省も今回のことについては、先ほども私触れましたけれども、いろいろと具体的な、複雑なといいますか、そういう問題を起こしておるわけですけれども、その点について農林省としては全面的に賛成されたのか、またどういう経過でこうなったのか、いきさつについておわかりならば、お示し願いたいと思います。
#124
○岡安説明員 市街化区域内の農地につきましては、固定資産税の課税に関しましては、先生先ほど来お話しございますとおり、いろいろ経緯があったわけでございます。私どもといたしましては、やはり市街化区域内の農地につきまして、均衡ある評価といいますか、現に存する農地とほかの宅地と均衡ある公平な評価をなされ、課税されるということを主に考えたわけでございまして、私どもといたしましては、市街化区域の線引きが行なわれた以上は、市街化区域以外の農地の評価とはおのずから違った評価が行なわれる、したがって違った課税が行なわれるということは、これはいたしかたないというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、市街化区域内の農地につきましても、市街化の進度といいますか、熟度といいますか、それはおのずから違うわけでございまして、それらについて配慮がなされるということを、私どもは希望いたしておりますが、今回の課税のあり方につきましては、A農地、B農地、C農地という制度が設けられるとともに、またそれぞれの負担といいますか、それにつきましても調整が行なわれるということになっておりますので、私どもは、今回の地方税法の改正によります市街化区域内の農地の課税対象というものは、やむを得ないものというふうに実は考えておるのでございます。
#125
○小濱委員 いろいろと四省の意見もあったようでございますが、どうしてもやらなければならない、今度の経済の発展と都市化からこういう問題が起こってきたわけですけれども、農林省としては、農民の生活の安定のためから、この問題についてどうしても賛成したとは受け取りがたいわけですね。そういうことから相当の強い意見があったように私は考えるわけです。そういう点から、これからの方策といいますか対策があるであろうと思ってお尋ねするわけですから、もう一度お答えいただきたいと思います。
#126
○岡安説明員 私どもは、基本的には市街化区域内の農業のあり方につきましては、この市街化区域というものが、ほぼ十年以内に市街化をはかるべき区域ということになっておりますので、その区域内におきましては、資本装備が高度化された集約的な一部の農業以外は生き残ることはできないものというふうに実は考えておるのでございます。
 したがって、農業施策といたしましては、市街化区域内につきましては、長期にわたり効用が存続するような土地基盤整備事業というようなものは原則としてそれを行なわない。たとえば防災事業とか災害復旧事業とかそういう種類の、効用が短期にとどまるようなそういう事業に限りましてそれを行なうというような方針を出しております。したがって、私どもは、市街化区域内の農業というものは、十年以内におきましては順次農業からほかのものに転換をしていくものというふうに考えておりまして、その過程におきまして、たとえば農業者がほかの職業に就職いたしたいというような場合には、労働省とも相談いたしまして、転職のあっせん、その他をいたしますと同時に、農業をぜひともやっていきたいという場合には、市街化区域以外のところに移転をするように、その移転のあっせん等につきましても、農業委員会が積極的にこれに当たるというような指導をいたしているわけでございます。
#127
○小濱委員 農林省にお伺いしたいのですが、たとえば神奈川県の場合に、全体の農地の中で市街化区域に入った農地は四〇数%あるわけです。そうすると、こういう農地を持っておられる農家が、これから農業を継続していこうという場合に、どうやってその生活が始まっていくのか。あるいはまた売るにしても、これは、またいろいろと税制の問題は考慮してもらっておりますけれども、一度に四〇%が――幾ら流入人口が非常に多い神奈川県としてでも、その処置が一年や二年ではできるとは考えられないわけですね。そうすると、その市街化区域の農地を持っておられる農家の人たちは、さて宅地並みになると、ほとんど畑地はA農地になってしまいます。そういうことから、税率のことを考えると不安でたまらない。といってこれを問題なく売りさばいていくためには、やはり不動産業者に依頼をしなくちゃならぬ。そういう点から、そのうちに何とかなるだろうという安易な考え方を持っているようだけれども、実はいま思案に余っているというような状態の人たちが多いわけでしょう。こういうことから、多く土地を持っている農家ほど悩みが大きいわけですよ。ですから、このA農地に対してもB農地に対しても納税期限が切られておりますけれども、農家として見通しはまつ暗だということで、非常に苦慮しておるわけです。まあ収入が多ければ問題はないわけでしょう。収入が少ない人は今度は土地を少しずつさばいて、そしてその税金、生活に充てていく。あるいはまた土地を売って借家をつくっていく、そのうちには今度は家も古くなるから修繕費も出てくる。そういうところから今度は税金も払っていくということで売り食い、こういう形でこうどんどん進んでいくわけですね。非常に問題が多いわけです。
 こういう農家の実情をよく御存じだと思いますが、農林省の立場としてこういう点の釈明がはっきりできていかなければ、農家はなかなか納得できなかろう、こう思うわけです。いかがでございましょう、ひとつお答えをいただきたいと思います。
#128
○岡安説明員 問題は二つあると思うのでございますが、A農地一般は、先ほど自治省からお話がありましたとおり、全国的には五%、B農地を入れましても合計一五%ということに伺っておりますが、神奈川県のようなところは、比較的そういう割合も多いかと思いますけれども、しかし、市街化区域に編入された区域につきましては、一ぺんに市街化はされないものも、ほぼ十年の年月のうちには市街化されるというふうに私ども考えているわけです。したがって、問題は、漸次市街化してくるのに対応いたしまして、税金の負担がどういうふうにふえていくか、その負担の調整は十分行なわれているかどうかという問題が一つであろうというふうに考えております。この点につきましては相当程度配慮されているものというふうに実は考えておるのでございます。
 もう一つは、例外的かもしれませんけれども、市街化区域の内部におきまして、十年以上の期間にわたりまして農業を継続いたしたいというようなことを希望する農家があるわけでございますが、これらの農家につきましては、その規模が相当程度まとまっているというような場合には、これを市街化調整区域にはずすというようなことも配慮されておるようでございます。私どもそれぞれの態様によりまして農家に過重な負担がかからないように処置してまいるというふうに実は考えておるわけでございます。
#129
○小濱委員 私は前に横浜に住んでおりました。現在藤沢に住まいを持っておりますが、平塚から小田原、あの周辺一帯、座間のほうも相模のほうもそうですが、四、五万という坪単価の地域はほとんどありません。これはそういうところから大きく悩みをかかえておる。さっそくその問題が起こってくる。そういうことから非常に対策がないということで強く訴えておるわけなんです。全然それ以下のところはないのかというと、そうではありませんが、津久井の山の中なんか行けばまだまだ一万、二万のところはありますが、こういう地域をかかえて非常に私どもも責任を感じているわけですが、農林省の方向づけをきちっと持っていただきませんと、こういう人たちはなかなか納得しにくかろうと思うわけです。
 きょうも実は、私、会っておりませんが数十人会館に来ているはずです。毎日のようにこういう団体が参っております。そして実情を訴えております。あなた方はそう言うけれども、草ぼうぼうの土地もあるじゃありませんかとある議員さんが言ったところが、いや、私どもの土地じゃありませんよ、あれは国の土地ですよ、草ぼうぼうのところは国有地なんだ、それ以外はがっちりと手入れをしておりますというようなこともあったりして、そういう問題から今度はいろいろとこの委員会の審議の過程、成り行きを注目しておるわけですね。
 どうかそういう立場から、責任ある農林省のことですから、何らかの見通しを与えてこの際やるべきであると私どもは考えておるわけです。何かもう少し具体的に内容をお示しできるような方策はございませんか。
#130
○岡安説明員 最初に御答弁申し上げたかと思っておりますが、農林省として、市街化区域内の農地を所有しておる農民に対しまして、今後農業をどのように継続したらよろしいかという方針を示せというような御質問だと思いますが、私どもは、市街化区域内におきましては、本来そういう土地におきましては農業というものは例外的にしか将来は存続し得ないというふうに考えざるを得ないわけであります。もちろん線引きにつきまして問題があれば別でございますけれども、やはり十年以内におきまして市街化がはからるべき土地という、そういう名目でもって線引きが行なわれたのでございますので、そういう地域内におきましては例外的にしか農業はなし得ないものというふうに考えております。
 したがって、私どもはそういうような変貌の過程におきまして十分農業者にいろいろ御迷惑がかからないように配慮していただくように関係各省にお願いする。農林省といたしましてもそれだけの努力はいたすということを、これはケース・バイ・ケースの問題になろうかと思いますが、この際お答えしておきたいと思います。
#131
○小濱委員 さらに岡安参事官に伺いたいのです。神奈川の例ばかり申し上げて恐縮なんですが、今度市街化区域になった四〇数%、この地域の農地がほとんど蔬菜というのですか、ホウレンソウだとか、ミツバだとか、こういうものがずっとつくられておったわけです。神奈川県の場合には、地元のこういういろいろな農産物を地元でさばいておった。住民が非常に安く手に入れておって喜んでおったわけですが、こういう農地が今度は市街化区域になってしまうということになると、将来農業はできなくなっていくわけですね。そうすると、今度は、私の選挙区は第三区ですが、約十里四方というのです。その広い区域からまた横浜なり川崎なりそういう大都市に運ぶわけです。そうすると、いろいろとこれが物価にはね返ってくることがあるわけですね。どうやってこの蔬菜を満たしていこうか、物価高にどういうふうな影響が出てくるだろうか、いろいろと見通しがまた暗くなってくる。こういうことも当然農林省としては考えの上に置いて今後の対策が練られたと思うのですが、そういう物価の問題についてはどういうふうにお考えになっておられますか。
#132
○岡安説明員 いまたとえば野菜の生産関係といたしまして、それが遠隔地に移動していく場合に、物価に影響はないかという仰せでありますが、私どもは、市街化区域内におきまして、今後野菜の生産を継続する場合におきましても、いろいろな問題が多過ぎる。たとえば周辺の市街化の状況と関連いたしまして、なおそこで野菜をつくる場合には、公害も含めましていろいろ問題があるかもしれませんし、また農業を継続する場合におきましても賃金その他の問題もございましょうし、やはり市街化区域内において野菜をつくることを継続することのほうがいろいろ問題が多過ぎるというふうに実は考えるのでございます。将来野菜の生産というものは市街化区域をはずれまして、もう少し遠隔の地におきまして集団的にこれを栽培しまして、あとは流通その他の合理化をはかりまして、価格の安定をはかるということが筋であろうというふうに思いまして、蚕糸園芸局等におきましてもそのような方法で現在指導をいたしておるのが現状でございます。
#133
○小濱委員 農協の指導方針なんかも――いろいろと考えに余って農家が相談に行くらしいです。農協あたりでは、これは一部の人でしょうけれども、簡単に、土地を売って金利で生活すればいいではないかというような、私どもとしてまことに理解しがたい、そういう指導があったということが私の記録にあるわけです。金利で生活をするにしても、こう物価高が年々続いてくるのじゃ、元金も食ってしまうだろうと思うわけです。こういう指導もあったということで、農業協同組合がそういう方針でいるとするならば、これもまた指導してもらわなくてはいけないと私どもは考えているわけです。こういう農協等の問題については、農林省ではどういうふうなお考えをお持ちになっておられますか、伺っておきたいと思います。
#134
○岡安説明員 都市化いたしました地域におきます農協活動といいますか、農協運動といいますか、これはなかなかむずかしい状況にありますことは御指摘のとおりでございまして、組合員である農民の数が非常に少なくなってまいりますので、農協本来といいますか、農協らしい農協としての業務がだんだん減ってまいりまして、いわば農協らしい農協の事業ではないと申すわけではございませんけれども、信用事業といいますか、貯金を受け入れまして、その貸し付けを行なうという業務が大部分を占めるというような農協が多くなってきておるわけでございます。もちろん、私どもは、そういうようなところにおきます農協のあり方というものにつきましては、もう少し全国的な模様をながめまして、農協自体でもってどう対処するかということは検討いたしたいと思っておりますけれども、いまお話しのように、農民が土地を売った場合に、その利子だけで生活をするというようなことをわれわれとか農業団体が推進をしている例は全くございませんで、むしろ私ども農業団体も、農民が農地を手放した場合に、今後どうやって生活の安定をはかっていくかということを考えて指導いたしております。
 その一つの方向といたしまして現在検討中のものが、いわば農住構想といわれているものでございまして、いわゆる一部の農地につきましてこれを住宅等に提供いたしまして、そこに賃貸住宅を建てて家賃収入をあげながら、また別のところで農業を継続する。そういうような方向で、ことに近郊の農業者が今後とも健全な生活を維持できるようなことを私ども現在団体と一緒になりまして研究をし、推進をしているというのが現状でございます。
#135
○小濱委員 お尋ねしたいのですが、私のほうには南京豆といいますか、落花生の特産地がございます。そこで半年以上かかって反当たりどのくらい収穫があるかというと、大体二万そこそこらしい。小麦をつくるとそれが一万少しくらい。もちろん人件費は引いておりません。肥料等は引いているようです。そういうところも、先ほど話しましたように、今度は宅地並みの税率になるとぐっと上がってしまうのですね。農家としては全然成り立たない。こういう地域をどうすればいいかということで、農家ではあきらめ切った、半分自暴自棄のようなことばが出てくるわけです。ところによっては大根なんかでも反当たり九十万円ぐらいあげたところもあるようです。神奈川県のデータ全部見ますと、もっといいところもあります。悪いところもある。先ほども話がありましたけれども、最近は田のほうが畑よりはぐっと平均の収穫が減っているようであります。こういう都心部に近い農地とそれから都心を離れた農地との格差が出てきているわけです。神奈川県としては年間二十万から三十五万人ぐらい人口がふえている。どんどんと宅地ができています。ですから、これから二年、三年たったらどうなるのかということですけれども、五年たったならばまたという条件がついておりますが、五年後の見通しが暗いので、不安におののいているという状態でしょうね。こういうこともよくお考えを願ってこれから大いに検討を加えていただきたいと思うわけです。
 いままでお話し申し上げたのは市街化区域のほうです。今度は調整区域内について少しお話をしていきたいと思うのですが、この調整区域内の不安、苦慮の状態は、もちろん情報は入っているかと思うのでありますが、どうでございましょう。そういう点についての扱いといいますか、これからの見通しについて御意見を聞かしていただきたいと思います。
#136
○岡安説明員 市街化調整区域は、今後当分の間、相当長い間市街化が抑制されるといいますか、市街化しないことを目的としていろいろな運用をされるという筋合いになるわけでございますので、農業といたしましては、いわば安心をいたしまして生産を継続し得るということでございますので、私どもも、先ほど申し上げましたように、今後農業への投資等につきましては、重点的にいろいろ施策が施されるものと考えておりますし、また農業者のほうにおきましても、今後の営農設計の樹立等にあたりましては、そういうことを配慮していただくというふうに実は考えております。
#137
○小濱委員 だいぶ御意見と直接調整区域にある農家の方々の御意見とは違いがあるように私いま伺いました。まだ予定地ということではっきりと引かれていない地域がだいぶあるわけです。これも同じく農林省に伺いたいと思うのですが、そういう地域で線引きのおくれているところ、予定線のみでまだ終わっていないところ、こういうところがだいぶあるわけです。こういうところの人は、どういうわけでそうなっているのかと伺うと、住民の意見をまず尊重しなければならぬ、意見を聞きたいといったこと、それから土地の売り買いにもいろいろと影響が出てまいります。それも考慮しなくてはならない。それから将来構想の見通しがないというのですね。まことに不安で不安でたまらない、はっきりしてもらいたいということで、農業に身が入らないと、こう言っているわけです。それはそうでしょうね。いままでそこまで線引きがされてきた。この次私のところはどうなるのだろうということ。家族に農家を継続さしていきたい、こう思っても、将来の見通しが立たないのだから、もう農業収入よりか外の収入のほうが多いいまの時代だから、どんどんとかせぎに行けというようなことで、農業以外の収入のほうに走ってしまっている子供さんが非常に多いわけです。こういうことから、もうどうしても不安でたまらないという調整区域の農家に対する農林省の考え方、これにもやはり方向づけが必要であろうと思うわけです。そういう点の意見を聞かしてもらいたいと思います。
#138
○岡安説明員 調整区域に現にいま入っている農家の方々の不安というものもいろいろあろうかと思いますが、一つには、このまま農業を相当長期にわたり継続することができるかどうか。というのは、物理的にはできましても、見通しはどうかということだろうと思います。
 これは二つございまして、現在御承知のとおり、農業生産物の大宗である米につきましては、生産調整を行なわなければならないというような現状にございますし、生産調整を行なった場合に、ほかに転作する作物につきまして、必ずしも技術的その他の点におきまして自信がないので、どうも見通しにつきまして暗くならざるを得ないというふうに考えております。それから、別の農家におきましては、後継者につきまして、自分は農業をこのまま継続していきたいけれども、優秀な後継者が出て行ってしまった、自分の子供も将来農業をしたくないというようなことを言っておるので、今後どうなるのであろうかというような不安がある農家があるわけでございます。
 農林省といたしましては、もちろん地域によりますけれども、やはり優秀な後継者を確保いたしまして、規模の大きい近代的な農業経営というものは存続してまいりたいというふうに考えておりますので、そういうような方向で、そういう意欲がある農家につきましては、それぞれ施策を講じまして、私どもは今後の農業の継続につきまして不安のないように措置をいたしておるつもりでございますけれども、さらにそういうような趣旨が徹底していない向き、またさらに今後とも制度等につきましても補完を要するものもございますので、そういうことも考えまして、私どもは、今後の農業が明るい見通しでもって農業経営ができるように努力をいたしたいと思っておるわけでございます。
#139
○小濱委員 不安のないように今後努力していきたいという御意見でありますけれども、たとえばそういう農地の一つの例としては、相続税なんか、これも農家としては大きな悩みの種で、どうやってわずかな農地を相続さしていこう、こういう大きな問題があります。それから、政府の今回の減反対策において、米をせっかくつくっても、政府の買い上げがどの程度にきめられるか、こういうことも当然起こってくるでしょう。そういう点で、身が入らない、そういうことになる。したがって、いまのような問題の中から出かせぎという問題が出てくるわけですから、非常に東京都を中心とした近郷農村では、ほとんどもう昼間は出かせぎに行っているようです。そこで、出かせぎに行かない人は家内労働を考えているようです。
 こういうことで、農家としては、最終段階としていつまで農業ができるのであろうか。五年たったらというそういう方向を明確に示されない限り、不安でたまらないであろう、こう思うわけです。こういう点での市街化調整区域の農家に対する農林省のかたい方向づけがやはり必要であろうと思うわけですが、もう一度お答えをいただきたいと思います。
#140
○岡安説明員 やはり農業につきましては、特に長期的な見通しといいますか、それが必要であることはおっしゃるとおりでございまして、また今回実施いたします生産調整の問題につきましても、先般の閣議におきまして、ほぼ五年間の見通しといいますか、それも明らかにいたしておるのでございまして、私どもは、今後五年にわたりましてこれだけの地域につきまして米の生産調整を行ない、またこれくらいの面積について米以外の農産物をつくる必要があるというような一応の見通しをつくりましたこととあわせまして、さらに地域別に地域分担といいますか、農業のあり方を示す目標もお示しをいたしたわけでございまして、これらの長期にわたる目標とそれから地域別の目標というものを組み合わせまして、今後農業が少なくとも五、六年の間におきましてはこういう方向をたどるべきであろうというような筋道を示したつもりでおります。私どもは、このような目標に従いまして、諸般の施策を集めまして、今後の農業のあり方に誤りのないように指導いたしたいというように思っておるわけでございます。
#141
○小濱委員 農家は都市開発で非常に押えつけられている、こういう状態ではないかと思うわけです。そういうことから、農家の生活の安定ということで、やはり農林省は責任をもって何らかの方向づけをはっきりと示してやるべきだと思うのです。今回のことについても、市街化区域と調整区域の問題を、ほんとうに聞いてみると、詳しく答えられる人は少ないようですね。農協まかせ、組合まかせ、組合の幹部だけが知っておるというような状態で、あとはよろしく、こうなっておるようですね。そういうわけで、私はいまのような御意見を伺ったわけですが、どうかひとつ責任あるそういう方向づけをこれからも努力をしていただきたい、こう思うわけです。
 次に、少し方向をかえまして、都市化の進展に伴い緑に恵まれた生活環境の整備が重要な課題となってきたわけでございます。生産緑地、山や農地を残そう――自治体の中には今度新しい年度に、県としてもほんとうに調査費をわずかしかとっておりません。こういう状態で、生産緑地の構想がいよいよ実現化に近づいてきたという、こういう感じを持つわけですが、こういう点でひとつ明らかにしていただきたいと思いますので、まず建設省に少しお尋ねをしていきたいと思います。
 神奈川県で予定しているこの生産緑地の一カ所の面積は、七から九平方メートル、こういう程度になっております。都市公園法の施行令第一条でいうところは、住民一人当たり六平方メートル、これが基準になっているようです。そこで公園緑地という都市計画法のワクの中でその生産緑地の設定は可能にするのかどうか、こういう点については建設省はどういうふうにお考えになっておるか、伺いたいと思います。
#142
○石川説明員 生産緑地ということばは、一応いまいろいろいわれておるわけでございますが、法律的にはわれわれのほうの考えておりますのは、都市計画公園、都市計画緑地として都市計画決定しましたところを、しばらく農地として置いておくというふうなことだろうと思います。今回の税法の改正でもそういうふうな表現がとられておるわけでございまして、そういう計画が決定されまして、さらに都市計画法五十五条によります建築禁止をかけるというふうなときに、今度の税法の係数是正というものが働いてくるわけでございます。
 ただいま御指摘のように、一人当たり大体六平米を目標としまして、今後公園緑地も整備してまいるわけでございますが、公園の中にもいろいろな種類がございます。たとえば児童公園でございますとか、近隣公園というふうな小公園がございます。児童公園は大体児童の遊びに行けるような距離になければならぬ。またその規模も大体〇・二五ヘクタールというふうな小規模のもの、こういうものが数多くそれぞれの各地区の中になければならぬ。また近隣公園でございますが、これはコミュニティーの人たちが主として利用する公園でございますので、一平方キロに一カ所、一カ所二ヘクタール。大体現在こういう規模で公園を設定しておるわけでございます。
 したがいましてそのほかの、たとえば地区公園でございますとか、中央公園でございますとかいうふうなものにつきましては、かなりまとまった規模のものが、その都市の性格に応じて地域的に方面別に配置されるというような形になろうかと思いますが、いまお話ございましたような農地を緑地として残す、しかも都市計画公園として計画決定いたしまして、さらに五十五条の建築制限をかけまして、税法の特例を生かしながら、そういう公園として決定していきますためには、そういう都市サイドからの要請と、それからそういう農民の側の御希望というふうなものがうまく合致しました際に、そういうものが生きてくるのではなかろうか、こういうふうに考えられます。
 それから計画決定をいたします際に、大規模なもの、通常十ヘクタール以上あるいは二十ヘクタールといったような規模のものでありますが、こういうものは都市の根幹的な施設として、幹線街路や何かと一緒に、いわば先行的にきまっていくものでございますが、先ほど申しましたような児童公園とか近隣公園というふうな小さなものは、そこの地区の土地利用の型がきまってきませんと、非常に動きやすいものでございますので、現在の実態といたしましても、そういうものにつきましては計画決定というものがずっとおくれまして、事業実施の際に行なわれるというような形になってくるわけでございます。
 以上申し上げましたような公園の性格でございますとか規模でございますとか、配置でございますとか、そういうものと農地としての利用というものとからみ合わせまして、今後の生産緑地というふうな構想をどういうふうにマッチさせていくのかということが、今後の検討課題というふうに思って、現在検討中でございます。
#143
○小濱委員 いまお話しになったように一人当たり六平方メートル、そういう設置基準になっておる。公園緑地の現状は、全国都市平均で住民一人当たり二・四平方メートル、こういうようになっているようであります。こういうことで今度の市街化区域がどんどん宅地化されていくことによって、また将来当然これは緑の問題が話題になってくるだろうと思うわけですね。そういう点でいまから対策を講じなければならぬ、こういうふうに考えるわけですが、その位置についても、農業生産の立場からそれぞれ適地があると思うわけですね。農業側の希望も、これも当然出てくるかと思うわけです。こういう希望する位置についてどういう認め方をするのか。この辺も、これは当然起こってくる問題として見解を聞いておきたいわけです。
#144
○石川説明員 先ほど申し上げましたように、公園は性格によりまして配置、規模が適正に確保されなければならぬということになるわけでございますが、たとえば一つの方面におきまして小さな児童公園が非常に無数に出てくるといったことは、われわれのほうからいいますと、ちょっと考えられない問題でございます。したがいまして、都市計画のほうのパターンと、それから農民のほうの緑地として存続しようというふうな意図がうまく合いますように、これは調整して持ってまいらなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
#145
○小濱委員 生産緑地の作目といいますか、住宅地の中にいろいろと悪臭の強い豚等を飼って、その悪臭を放っていくような、そういう地域が出てきてはたいへんであります。そういうことからも作目の問題を制限するかどうかということが当然起こってくるかと思うのですね。その作目の制限ということについては、どういうふうに考えておりますか。
#146
○石川説明員 都市計画として決定しました公園予定地といいますか、計画公園と申しますか、その中で農業を営みます際、そういうところでは周辺が次第に住宅が建ち、あるいは市街地化していくわけでありますけれども、当然そういう公害といいますか、そういう回りと調和した農業が営まれる必要があるかと思います。御指摘のような作目につきましても、たとえば花卉、園芸というふうな都市農業的なものが必要であろうことは当然かと思います。この辺につきましては、都市計画部局とそれから農業部局、これで十分調整をとつて、今後そういうものが設定されました際にうまく働くように持ってまいりたい、こういうふうに考えております。
#147
○小濱委員 今度は自治省にひとつ伺いたいのですが、都市環境がいろいろと悪化してまいりました。自治体の中には公園緑地用地を取得する十分な財源がない、こういうふうにわれわれは見ているわけですが、市街化区域にも農業の継続を強く希望する農家があるわけですね。生産緑地の形で緑を極力確保することがこれは必要だと思うのです。これは自治体の問題としてやはりこれを取り上げておかなければならない問題であろうと思うわけですが、この点については自治省としてはどういうお考えを持っておられましょうか。
#148
○鎌田政府委員 事は単に税だけではございませんで、地方行政、地方財政全般にわたる問題でございますので、はたして私から適切な答弁ができますかどうか、心もとないわけでございますが、まず先ほどからお話を伺っておりまして、いわゆる生産緑地構想、必ずしもはっきりしておらないわけでございますが、たとえばこの近くでございますと、横浜市。私、先般評価の問題で見てまいったのでありますけれども、横浜市あたりは非常に気を配っておられると申しますか、むしろ市街化した区域の中にかなり広く調整区域をとっておられます。普通で見ますと、当然市街化区域になりそうなところが、むしろ調整区域になっておるという形がございます。これはやはり市の方針といたしまして、できるだけ市街化区域の中にそういう意味での生産緑地というものを残そうという、一つの見識だろうと思います。あるいはまた先ほどから再々話が出ておりますように、都市施設という形で緑を残すということにつきまして、いわゆる用地の先行取得をするということも当然考えられるわけでございまして、そのためには自治省といたしまして、すでに県、大都市、都市につきまして土地開発基金を地方交付税の基準財政需要の算定においてかなり大幅に認めておるところでございますし、また土地の先行取得債、公共用地の先行取得ということにつきましても積極的に起債のワクの増大をはかっておるところでございまして、そういう施策を総合的に行なっていただくことによりまして、財源手当てということも行なわれるものというふうに考えておる次第でございます。
#149
○小濱委員 いま横浜の例を出されましたけれども、横浜も大都市とはいえ交付団体になっています。神奈川県でも不交付団体は幾つもございません。こういうことから、いまの問題についてもこれは大きく配慮を願わなくちゃならないかと思いますが、そういう点でのひとっこれからの対策をよろしく御検討いただきたい、こう思います。
 この問題については以上終わりますが、建設省に最後にひとつ伺っておきたいのですが、今回の法改正は個人の農地に対して相当な課税になるわけでありますが、こうした土地の大部分は不動産業者を通してまあ売買される、そういうことになりますね。先ほども話しているとおりだ。で、これらの不動産業者を規制する規制は全くないじゃないかと、こうわれわれは考えておるわけですが、個人だけ規制しても、一般庶民が安定的な土地獲得が得られるという保証がないわけであります。これらについてやはり何らかの対策を建設省としては持っておいてもらわなくちゃならなかろうと思うわけであります。こういう点についての考え方はいかがでございますか。
#150
○石川説明員 必ずしも不動産業者を通じなければ土地が売買できないということにはならないかと思います。さらに、先ほどお話しございましたように、土地を手放さないでそのまま農民が土地の利用の転換をはかっていくというふうなことも当然考えられるわけでございまして、ただいま今国会で御審議中の農住都市の賃貸利子補給の法律というふうなものもその目的で制定を願っているというふうに考えられるわけでございます。それから、もちろん不動産業者が入る場合も多いかと存じますが、そういうものに対しては、現在宅地建物取引業法というふうな法律に基づく規制がございまして、それによって規制してまいるというふうになっておるわけでございます。直接担当でございませんので、現在どういうふうな問題がありますか、どういう御心配があるか詳しくは存じませんが、一応そういうふうな分析になっておるわけでございます。
#151
○小濱委員 鎌田税務局長にお尋ねいたしますが、いまお話しのように、市街化区域内で農業を継続したいという希望農家に対しての課税の内容ですね。やはりこれも宅地化並みに取るのか。それから生産緑地として横浜でも相当数計画を持っておられるということでありますが、そういう生産緑地ですね、いわゆるその緑地確保のためにいろいろと確保をする、そういう地域に対する課税の内容。それから一人当たり六平方米ということですが、こういうものをまとめて何ヘクタールとか、こういうことで生産緑地化しようという計画もあるわけですが、こういう点の課税の内容はどういうふうになるか。最後に聞いておきたいと思います。
#152
○鎌田政府委員 この市街化区域内においてあくまでも農業を継続されよう、こういうことでございますと、まさにただいま先生が御指摘になりましたように、そういう方々が集まられまして十ヘクタール以上の団地を形成される、かつ相当長期にわたって継続して農業を行なわれる、こういうところでございますと、これは先ほども申しておりますように、農林、建設両省とも相談をいたしまして、そういうところはいわゆる水玉模様と申しておるわけでございますが、市街化区域の中でございましても、その地域だけは市街化調整区域に編入をする、こういうことを考えましたり、あるいはいわゆる施設緑地、都市計画法の手法によりまする施設緑地というものにこの緑を残すという形で、農地が――これはもちろん所在の状況、ある程度のまとまりがなければいけないわけでございますが、そういうことになりますると、いわゆる建築制限というものを他方で受けるわけでありますが、そういうものにつきましては従来どおりの農地の課税というものを据え置く、こういった私どもといたしましては考えられる最上のことを考えておるつもりでございます。
#153
○小濱委員 この点については終わります。
 ひとつ鎌田税務局長にお尋ねしたい。入湯税の問題。ところによって鉱泉、温泉が出ていない争ういう地域でも入湯税を取っているところがあるようであります。私は取れ取れというわけじゃありませんが、学生さんは非課税になっているようであります。ところによっては、率としては学生さんのほうが多いところもあるようであります。こういうことから、学生はおとな並みじゃなくてもいいから、今度の目的が目的だから、いわゆる消防力についても、環境衛生の立場からも、これは当然恩恵を受けるのだから、多少は取るべきであるという、いろいろそういう意見が入ってくるわけですね。私どもはその点については検討中であります。こういうことについての自治省の考え方はどんなものでしょうか。
#154
○鎌田政府委員 入湯税は、御案内のとおり、鉱泉浴場所在の市町村、こういうことになっておるわけでございますので、温泉所在市町村以外の市町村が入湯税を取るということは、これは法律上できないだろうと思います。
 それから、ただいま御指摘になりました学生の入湯行為に対しては入湯税を取っておらないところがあるというのは事実でございまして、これは実は私どものほうで条例準則というものを示して指導いたしておるわけでございますが、その中に十二歳未満のいわゆる子供さんの入湯行為というようなものはまけることが適当だ、こういう指導を実はいたしておるのでありまして、そういうのを背景といたしまして、たとえば私の経験をいたしましたところでは、熱海あたりではおとなと子供とで税金に差をつけておるようでございます。あるいはまた、全然取っておらないところもあるようでございます。この入湯税自身が、御案内のとおり、この入湯行為に担税力を見出して課税をする、こういうたてまえをとっておるものでございますから、いわゆる子供さんということになりますと、やはりそこのところで対象から落とすという市町村の税務執行の行き方というものにつきましては、私どもはそれがいけないとかという気持ちは持っておりません。それぞれの市町村の自主的判断に基づいてそういうふうにおきめになられることは少しも差しつかえないというふうに考えております。
 なお、今度の消防施設の充実のための税率引き上げ改正に関連をいたしまして子供さんからも取るべきではないかという点につきましても、これは市町村の自主的な判断にまかせてまいりたいというふうに考えております。
#155
○小濱委員 標準税額も今度は四十円になりますが、いままででも二十円のところを三十円取っておったところもあるようであります。こういうことですが、まだいま二十円、三十円くらいですから問題にならないわけですけれども、将来この低額から順次高くなっていった場合には、当然これが問題化するであろうとわれわれは考えるわけです。いまお話がありましたけれども、温泉地だって、鉱泉が多く噴出するところは、これはみんな旅館に回りますけれども、旅館によっては権利金の問題で細いところもありますし、間に合わないところもある。そういう点でないところもあるわけなんです。そういう地域に指定されて、入湯税を取られているところがある。こういうことでちょっと問題があるように聞きましたので、お尋ねしているわけです。
 したがって、この入湯税というものに何か問題があるようですね。お湯に入らないのに入湯税を取られた、こういう訴えもあるようです。ほんとうです。それは、ここにも山口先生おいでになりますが、山口先生の前で申しわけないけれども、山口先生はやりにくいだろうと思うから私がやっているわけですけれども、そういう点で将来の見通しとしては、これが順次上がっていくことが予想されて問題化するから、いまのうちにこれははっきりと対策を打ち出しておくべきだ、こういう声があるのです。私のほうの地元にはたいへん温泉場が多いので、私が変な発言をすると、とっちめられますけれども、そういうことで将来に問題を残さないように、ひとついまから配慮を願いたい、こういうことです。お答えいただきたいと思います。
#156
○鎌田政府委員 入湯税というのは、これは御案内のとおり、古い税でございまして、かつては法定普通税でございました。どのような行政目的に充ててもいいという税であったわけでございますが、入湯税には温泉所在市町村固有の住民のほかに、むしろ外来の住民のためにいろいろ行政施設を整えてまいらなければならないというところが多いものでございますから、たしか昭和三十三年であったかと思いますが、目的税にいたしました。温泉地のいわゆる環境改善、こういうことに充てるための目的税にいたしたわけでございます。
 いまその税額二十円あるいは四十円、これが将来大きくなるのではないかということでございますけれども、私どもの考え方といたしましては、そういう性格の税でございますし、あるいはまた国民総レジャー化と申しますか、かなり広い範囲の、国民平均一人一回は一泊旅行しておる、こういう統計結果も出ておるような状態でもございますので、あまりこの税額を将来ふやしてまいるということは考えておりません。ある程度広く薄く負担をしてもらって温泉所在市町村の環境、消防施設、こういったものに充ててまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#157
○小濱委員 これはまた私も検討中で確信がございませんけれども、この入湯税についてはお湯のない、そういう旅館、観光地がだいぶあるわけです。そうなんですよ。そういう地域に対して、やはりいまの目的税というものは大いに効果をあらわすわけですから、そういう点では入湯税というのではなくして、ほかの方法で平等に税を課するような、そういう方策を講ずるべきであるという、いわゆる観光税みたいなものにこれを変えなければならないのではないか、こういう意見がございました。そういう点で、どうか問題を見越しての御検討をいただきたいと思いますが、この点についての御意見をひとつ聞いておきたいと思います。
#158
○鎌田政府委員 非常にごもっともな御意見だと思います。最近は温泉地以外にも観光地があるわけでございますし、そういうところの特殊な財政事情というものも当然考えなければならないわけでございます。
 ただ、いま観光税という名前をお使いになられたわけでございますが、これを課税する場合に、どの時点でどういう行為というものをつかまえて課税をするかということは、非常に慎重な検討を要するところだろうと思います。また他方におきましては、たとえば旅館に泊るあるいは外で遊興行為を行なうということになりますと、すでに料飲税があるわけでございますし、どうせ消費行為ということに着目するわけでございましょうから、課税客体のつかまえ方、課税標準のとり方ということにつきまして、いろいろまだ詰めなければならない問題があるように思いますので、ひとつそれらの点を慎重に検討させていただきたいと存じます。
#159
○小濱委員 さらに問題を変えて、料理飲食等消費税の問題について伺っておきたいと思うのですが、この飲食税の徴収のしかたにいろいろと問題があるようですね。最近は非常に人手もございません。朝はどうしてもお客さんの帰られる時期が一緒になる。たいへん忙しいわけですが、そういうときにいまの飲食税の徴収方法、記入方法がずいぶん複雑でやりにくいようであります。こういう点で非常に問題になっているようでありますが、この形式の簡素化ということ、だれにでもできるような内容にしてもらいたい。一々ビールと酒と食事と違うのを、あっちからこっちからと、こうやって記入している帳場があってたいへんなんだそうですね。こういうことについて詳しいことはよく御存じであろうと思うわけですけれども、この点について御意見をひとつ聞いておきたいと思います。
#160
○鎌田政府委員 この点も実は私ども絶えず問題を提起されておりますし、絶えず取り組んでおる問題でございますが、実は単に公給領収証を簡単にするというだけの問題でないところにこの問題のむずかしさというものがある。と申しますのは、結局これは料理飲食等の消費行為というものに対する税金というものが、ある意味におきまして非常に精緻になり過ぎたといいますか、ちょっと不謹慎なことばになるのかもしれませんが、そういうことでございまして、早い話が、旅館に泊りますと、いわゆる宿泊及びこれに伴う飲食、これが一つのグループをなしまして基礎控除の適用がある。それに対して一〇%の税率がある。さらに、いわゆる間食といいますか、夜食といいますか、こういうものはそういうのでまた独立して、飲食行為に対する免税点の適用がある。昼めしを食べますと、その昼めしがまた別になる。あるいはいわゆる遊興行為というものを行ないますと、それがそれ自身として今度は独立の課税の対象になる。大ざっぱに申しまして四つ。それに奉仕料が一〇%以下でありますと、またそれに税金がかかるかからない。こういう問題がございまして、制度それ自身が一つはかなり精緻になっております。それに対応するような領収証ということになりますと、どうしても、御指摘になりましたように、かなり複雑かつ手間をとるような形のものになっております。結局、何回もの改正を加えられながら、現在の料飲税の仕組みというものがこういう形に相なっておるものでございますから、それを、たとえばもう旅館内における行為は全部一本で、一〇%なら一〇%にする、こういう場所課税ということに踏み切るという、ある意味におきましては、抜本的な改正というものを加えない限りは、技術的な簡素化には限界があるということで、非常に私ども苦しんでおるわけでございます。
 ただ、そういったことを申しておりましても、事態は改善されないわけでございますので、いまの制度のもとで、どこまで簡素化できるかということにつきましては、私どももすみやかに結論を出して実現に移してまいりたい、そういうふうに考えております。
#161
○小濱委員 人手不足で取りそこなうという、そういう間違いが起きるわけですね。そうするというと、あとで追徴金の問題は、当然、店の負担になってくる、こういう問題があるのですね。ですから、いまのような人手不足ということで、何とか簡素化をしてもらいたい、現地では非常にその声が強いわけです。
 それからもう一つ、女中さんのサービス料ですね。これに飲食税がついているようですね。この点についても、現地では非常に疑問を持っておられるようですが、こういう点についてひとつ局長からお答えいただきたいと思います。
#162
○鎌田政府委員 ただいまも申しましたけれども、奉仕料、一応何と申しますか、社会通念的なところで一〇%以下でございますれば、税金の対象にならない。それが一五%になり、あるいは二〇%になりますと、課税の対象になる。これは法律の規定に明文を設けて、そういう運用をいたしておるわけでございます。したがいまして、いまの一〇%をこえるような奉仕料、そういうところには課税の対象になる、こういうことでございます。
#163
○小濱委員 よくおわかりのように、いまの旅館、ホテルが幾らぐらいの価格になっているか、これはよく御存じのとおりであります。こういう点で、これはほとんどが税の対象になるわけです。それで、女中さんのサービス料にも飲食税が乗っかってくるということについて、私どもどうもそこのところ、なぜサービス料に飲食税を取られるのか。これは法の定めるところというけれども、そういう法律ならば、これは何とかまた対策を講じていかなきゃならなかろうと思うわけですが、もう一度お答えいただきたいと思います。
#164
○鎌田政府委員 御案内のとおり、料理飲食等消費税の課税客体になりますところの消費行為、それの対価というものになりますと、その消費行為について、直接、間接を問わず、あるいは名義のいかんを問わず、対価としてとらえられるものを課税標準としてとらえる、こういうことでございます。
 そこで、いま申しました奉仕料の問題というものが問題になってまいるわけでございますけれども、ただいま申しましたように、一応社会通念上考えられる一〇%というところまでは、一応課税の対象からはずして非課税にする、それをこえるというものにつきましては課税の対象にするということで、この辺のところは社会常識と申しますか、社会通念上に従って是認せられるところではないだろうかというふうに考えます。
#165
○小濱委員 たいへんどうも長時間、午前に引き続きましてありがとうございました。まだ質問の内容はだいぶ残っておりますが、またあとの機会に譲ることといたしまして、私の質問をこれで終わります。ありがとうございました。
#166
○菅委員長 山口鶴男君。
#167
○山口(鶴)委員 私の質問はあとに残すといたしまして、御協力申し上げる意味で資料要求をいたしたいと思うのです。
 まず第一は、宅地開発税の問題ですが、いただきました資料を拝見いたしますと、昭和四十五年度の税収見込みはゼロ、四十六年度の収入見込みが七千万円、こうなっております。四十四年度の地方税法改正で宅地開発税を創設したはずだと記憶いたしておりますが、現状どのように実施をされておりますか。すでに実施されております市町村はどのくらいあって、どのような状況であるか、ひとつ資料として委員会に御提出をいただきたいと思います。それが第一です。
 それから第二は、農地の固定資産税の扱いにつきまして、実はずいぶん議論が集中をいたしました。御答弁で拝聴しているわけでありますが、市街化区域に入った農地であっても、農業を引き続いて実施をしたいという希望の方々は当然あるわけでございまして、そうした場合に、次のような状況であるならば、宅地並みの課税はしないんだ、農地としての課税を実施をしていくんだ。御答弁ではいろいろ聞いておりますが、ひとつ整理をいたしまして、文章表現で委員会に御提示をいただきたいと思います。
 その場合、附則の二十九条の五で自治大臣の減免の勧告というのもございますが、これは一体どういうケースが考えられるのかということにつきましても、整理をいたしまして、文章表現できますならば、ひとついただきたいと存じます。
 それから、これに関連をいたしまして、調査室やそれから自治省のほうからいろいろ資料をいただきまして、実は御答弁の中で、これよりもA、B、C農地の合計はふえるだろう、結局八百幾つかの都市計画指定町村の場合は約三十万ヘクタールになるだろう。そのうちA農地が五%ですから一万五千ヘクタールだ。それからB農地が約三万ヘクタール、残りがC農地ということになると思うのですが、A農地、B農地等につきまして、都市的施設を逐次整備をしていくんだろうと思いますが、一体どの程度の投資が必要であって、そしておおよそ年次的にどの程度進行するであろうか、それに対して財源の措置はおおむねこうなっておるということが、資料として作成できまするならば、ひとついただきたい。そういう明確な財源裏づけなしに、直ちに宅地並みの課税ということでは、該当する人たちのお気持ちもいかがかという気持ちもありますものですから、ただいまの点はどの程度可能でありますか。建設省ともひとつ打ち合わせをいただきまして、資料として出していただけまするならば、お出しをいただきたい、このようにお願いを申し上げます。
 最後に、電気ガス税の問題でありますが、電気ガス税のような税金を現に課しておる国が一体どのような国があるのか。そしてまた、税率はおよそどのくらいであるのか。それから、あわせまして、非課税品目、ずいぶんたくさんあるわけでありますが、コストの中に占める電気料の割合が一番高いものはどういうものであって、一番低いものはどういうものがあるのかということにつきましても、資料としてお出しをいただければありがたいと思います。
 以上、資料の要求をいたしましたが、質問時間を節約する意味でお願いいたしましたので、よろしくお願いいたします。
#168
○鎌田政府委員 ただいま御要求のございました資料の中で、先生もむずかしいかもしれないかというありがたいお気持ちをいただいたわけですが、三番目のは、これはちょっと私のほうの所管でございませんで、建設省の資料ということになりますので、よく連絡をいたしまして、できるだけ御希望に沿うようなものを心がけたいと思いますが、私の感じでございますが、あるいはちょっと無理かもしれませんので、その点お許しをいただきたいと思います。
#169
○菅委員長 次回は、明後四日木曜日午前十時から委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。
   午後三時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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