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1970/05/13 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第27号
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1970/05/13 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第27号

#1
第065回国会 地方行政委員会 第27号
昭和四十六年五月十三日(木曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 菅  太郎君
   理事 小澤 太郎君 理事 大西 正男君
   理事 塩川正十郎君 理事 古屋  亨君
   理事 山口 鶴男君 理事 小濱 新次君
   理事 吉田 之久君    亀山 孝一君
      高鳥  修君    中村 弘海君
      中山 正暉君    永山 忠則君
      野呂 恭一君    村田敬次郎君
      安田 貴六君    豊  永光君
      綿貫 民輔君    細谷 治嘉君
      山本弥之助君    桑名 義治君
      和田 一郎君    門司  亮君
      林  百郎君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 秋田 大助君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      山中 貞則君
 出席政府委員
        内閣総理大臣官
        房審議室長   青鹿 明司君
        総理府恩給局長 平川 幸藏君
        自治政務次官  大石 八治君
        自治省行政局長 宮澤  弘君
        自治省行政局公
        務員部長    山本  明君
        自治省財政局長 長野 士郎君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局給
        与課長     谷口  昇君
        自治省行政局公
        務員部福利課長 佐野 政一君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十三日
 辞任         補欠選任
  中井徳次郎君     細谷 治嘉君
同日
 辞任         補欠選任
  細谷 治嘉君     中井徳次郎君
    …………………………………
本日の会議に付した案件
 行政書士法の一部を改正する法律案起草の件
 後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負
 担割合の特例に関する法律の一部を改正する法
 律案起草の件
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済
 組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出第七二号)
 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法
 律案(華山親義君外六名提出、衆法第二一号)
     ――――◇―――――
#2
○菅委員長 これより会議を開きます。
 地方自治及び地方財政に関する件について調査を進めます。
 行政書士法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、理事会等において協議が行なわれておりましたが、その結果に基づき、小澤太郎君、山本弥之助君、小濱新次君及び吉田之久君から、円派共同をもって、お手元に配付いたしておりますとおり、行政書士法の一部を改正する法律案の草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの提案がなされております。
#3
○菅委員長 この際、その趣旨について説明を求めます。小澤太郎君。
#4
○小澤(太)委員 行政書士法の一部を改正する法律案の起草案の趣旨を御説明いたします。
 お手元にお配りしてあります案文につきましては、先般来、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党との間におきまして、それぞれ検討を続けておりましたところ、このほど意見の一致を見るに至りましたので、便宜私からその立案の趣旨及び内容の概要を御説明いたします。
 本案は、各党の合意による案でありますので、各位の御賛同を得て国会法第五十条の二の規定により本委員会提出の法律案とし、その成立を希望いたす次第であります。
 まず本案の全文でありますが、これはお手元に配付してあります印刷物によることとし、朗読を省略させていただきます。
 次に本案を立案した理由を述べますと、最近における行政事務の複雑化、高度化の傾向に伴い、官公署に提出する書類等の作成の任に当たる行政書士においても、ますますその能力の向上が要求されております。
 こうした事態に対処するため、今回行政書士法を改正し、登録事務の移譲、責務に関する規定の設置及び行政書士会等に対する法人格の付与等の措置を講ずることにより、行政書士の資質の向上をはかり、ひいては国民の便宜に資することを目的とするものであります。
 次にその内容について御説明申し上げます。
 その等一は、行政事務の簡素化の目的から従来都道府県知事が行なっていた行政書士名簿の登録は、今後行政書士会が行なうものとすることであります。
 その第二は、登録を受けながら実際業務を行なわない行政書士が多いことにかんがみ、行政書士会は、登録を受けた行政書士が引き続き二年以上業務を行なわないときは、その登録を抹消することができるものとすることであります。
 その第三は、数カ所に出張所を設けながら、みずから業務を行なわず各出張所に補助者を置いてその業務を行なわせている例が見受けられることから、これを禁止するため、出張所に関する規定を削除し、行政書士が設ける事務所は一カ所に限るものとすることであります。
 その第四は、新たに責務に関する規定を設け、行政書士は誠実にその業務を行なうとともに行政書士の信用または品位を害するような行為をしてはならないものとすることであります。
 その第五は、行政書士が受けることのできる報酬の額は、従来都道府県規則で定められておりましたが、行政書士会の自主性を尊重し、その会則で定めるものとし、報酬の額の基準は日本行政書士会連合会が、自治大臣の認可を得て会則で定めるものとすることであります。
 その第六は、行政書士会及び日本行政書士会連合会の組織を強化するため、法人とするものとし、その他会長、副会長及び登記等に関する規定を整備することであります。
 以上が本案の立案の趣旨及びその内容の概要であります。何とぞ全会一致御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#5
○菅委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
#6
○菅委員長 おはかりいたします。
 行政書士法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付の案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#7
○菅委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#8
○菅委員長 次に、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
 本件につきましては、理事会等において協議が行なわれておりましたが、その結果に基づき、小澤太郎君、山本弥之助君、小濱新次君及び吉田之久君から、四派共同をもって、お手元に配付いたしておりますとおり、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律の一部を改正する法律案の草案を成案とし、本委員会提出の法律案として決定すべしとの提案がなされております。
#9
○菅委員長 この際、その趣旨について説明を求めます。小澤太郎君。
#10
○小澤(太)委員 お手元にお配りしてあります案文につきましては、先般来、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党との間においてそれぞれ検討を続けておりましたところ、このほど意見の一致を見るに至りましたので、便宜私からその立案の趣旨及び内容の概要を御説明いたします。
 本案は、各党の合意による案でありますので、各位の御賛同を得て国会法第五十条の二の規定により本委員会提出の法律案とし、その成立を希望いたす次第であります。
 まず、本案の全文でありますが、これはお手元に配付してあります印刷物によることとし、朗読を省略させていただきます。
 次に、本案を立案した理由を述べますと、御承知のように、近年、特殊土壌に基因する災害が多発し、その態様も多様化しつつあります。本案は、このような現状に対処して、特殊土壌の地帯において頻発する急傾斜地の崩壊を防止するための対策事業を効果的に進めるために財政上の特別措置を講じようとするものであります。
 次に、その内容について御説明申し上げます。
 本案は、特殊土壌地帯において頻発する急傾斜地の崩壊を防止するための対策事業を効果的に進めるために急傾斜崩壊防止施設にかかる事業を開発指定事業とし、適用団体が実施する急傾斜地崩壊防止対策事業にかかる経費に対する国の負担割合を当該適用団体の財政力に応じ最高二五%を限度として引き上げることとするものであります。
 以上が本案の立案の趣旨及びその内容の概要であります。何とぞ全会一致御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#11
○菅委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 この際、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。秋田自治大臣。
#12
○秋田国務大臣 後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、一部の特殊土壌地帯における急傾斜地の崩壊防止事業の状況にかんがみ、政府といたしましてはやむを得ないものと考えるものでございます。
#13
○菅委員長 おはかりいたします。
 後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付の案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#14
○菅委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
#15
○菅委員長 なお、両法律案提出の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#17
○菅委員長 引き続き、内閣提出にかかる昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案及び華山親義君外六名提出にかかる地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の両案を一括議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口鶴男君。
#18
○山口(鶴)委員 最初に、大臣がおられますのでまずお尋ねをいたしたいと思うのですが、わが党が提出をいたし、過般私のほうから提案理由の説明を申し上げました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案、大臣もお聞きをいただいたわけでありますが、この法律案の内容は、大きく分けまして二点にわたっておるわけであります。このうちには大臣としても、ぜひとも実現をしたいと思って努力をしてきた、しかし大蔵省等ものわかりの悪い官庁もあるわけでございまして、なかなか自治省の言い分が通らない、よくぞ社会党さん提案をしてくれた、こう賛意を表する事項が多々あるのではないか、かように考えるわけでありまして、十二点の項目のうち、確かにこれは賛成であるという事項がございましたら、まずひとつお答えをいただきたいと思う次第でございます。
#19
○秋田国務大臣 御質問でございますが、事務当局からお答えをいたさせます。
#20
○山本(明)政府委員 お答えをいたします。
 社会党提案にかかる地方公務員等共済組合法等の一部改正案につきまして拝見をさせていただきましたが、この中にはかねがねわれわれが大蔵当局とも話をしておる問題等も入っておりますし、あるいは今回の法律改正を機会に、たとえば遺族の範囲の拡大というようなものは措置をいたしております。それから例の国庫負担の百分の二十、現在百分の十五でございますが、これはかねがね大蔵省とも協議し、また本年度もその要求をいたしましたけれども、これは国家公務員等の関連等もございまして、実現するに至らなかった問題等があるわけでございます。さらには掛け金の高くなっているものの一定のものに対します援助の措置、こういうものにつきましても、昨日お答えいたしましたように、われわれといたしましては具体的にその準備をしておる段階でございまして、御要求が法律案の中の十二項目ございますが、その中にはいま申しましたようなものにつきまして実現を見あるいは折衝をし、また長期給付の給付率が高くなること、これはけっこうなことでございますけれども、一面には財源率の問題等がございますので、直ちにこの実現は困難であろう、こういうものもあるわけでございます。それぞれ取捨選択をしながら措置をしていくべきではないだろうか、このように考えております。
#21
○山口(鶴)委員 公務員部長からお答えをいただいたのでありますが、確かに事務的にわたる面もないわけではありませんけれども、こまかい点は公務員部長からお答えをいただくこと、別に私ども異議は申しませんけれども、しかし、少なくとも大綱的な面は大臣も、せっかくわが党が修正案を出したわけでありますから、ひとつ御検討いただきまして、そうして、こまかな内容は別として、これは賛成である、これについては今回政府提出の中に入っておるという程度のお答えはぜひともやっていただきたかったと思うのであります。
 そこで、いまお答えがありましたから、いまのお答えに関連をしてお尋ねをしたいと思うのですが、まず第一は、この長期給付に対するところの公的負担ですね。百分の十五を百分の二十にしたいということは、かねがね自治省としても強い念願を持っていて、毎年毎年の予算要求では必ず自治省としてはこの百分の二十を要求しておられるわるわけなんです。いまなおまだ実現をしていないわけでありまして、まことに残念であります。
 そこで、大蔵省谷口給与課長がお見えになっているので、お伺いしたいのですが、そういう形で自治省としても毎年の予算要求で主張をしておる。しかも、厚生年金につきましては公的負担は百分の二十ですよね。何も公務員の長期給付について公的負担を百分の十五に押えなければならないという理由は全くない。だからこそ、自治省としても要求をしておりましょうし、あるいは公営企業等関係職員の共済組合を所管する各省庁におきましても同じような要求はやっておると思うのですね。率直に言えば、大蔵省だけ反対しておるというのが実情だと思うのですが、なぜそういう理屈の通らぬことをいつまでもがんばっておるのでしょうか、お答えをいただきたいと思うのです。
#22
○谷口説明員 先年も実は同じ質問が山口先生からあったと思いますが、私、その際にも御答弁申し上げたわけでございます。御案内のとおりに、現在長期給付は、国家公務員も含めまして共済組合の場合には一五%が国庫負担、残りの八五につきまして四二・五ずつ折半という状況になっております。実はこの問題につきましては、われわれのほうといたしましては、もちろん社会保険制度全体として考えなければいかぬということを考えておるわけでございますが、実はこの場合に一五%の問題をどういうふうにして将来考えていくべきかということは、ちょうど先生が先ほども、また去年も御指摘になりましたけれども、たとえば厚生年金が二〇%で、どうか、こういうことになろうかと思いますけれども、厚生年金の場合と共済組合の場合とでは、制度が全体を見ますと必ずしも同じではありません。ある共済組合では給付の基礎金額は最終時の俸給金額である、われわれのほうは退職前過去三年の平均であるし、厚年の場合には、その計算がいわば全生涯といいますか、全期間の俸給というふうに違っております。したがいまして、ある点だけがこうだというのではなくて、全体を考えるというふうに実は考えておるわけであります。
 そこで、厚生年金の二〇%の問題は、御案内のとおりに、われわれの場合は拠出時という形で金額が払い込まれておりますが、厚年の場合には、これが拠出時ではなくて給付時であるというような、いろいろな制度ができております。全体を総合いたしまして、私どもは一五%が全社会保険の中でもおかしくはない、このように考えておるわけでございます。
#23
○山口(鶴)委員 昨年と全く同じ御答弁でございまして、納得をいたしません。しないからこそ、ことしもまた、谷口さんにおいでをいただいて同じ質問をしておるわけなんです。
 大蔵省の言い分は去年と一歩も変わっていないということですが、青鹿さんは公的年金連絡会議で年金スライドの問題も御検討いただいておりますが、当然長期給付の財源の問題についても御検討いただいているはずだと思うのです。どうでしょうか。結局、関係する省庁いずれも長期給付については二〇%の公的負担をやってもらいたい。これはかねがね以前から主張をしているところであります。大蔵省だけがものわかりが悪いということでありますが、公的年金連絡会議としては、この長期給付の公的負担についてはどのようなお考えを持っておるわけでありますか。
#24
○青鹿政府委員 私、公的年金連絡会議の座長をつとめておりまして、御質問でございますが、連絡会議の趣旨が、御承知のとおり、いわゆる物価なり生活水準なりの変動に伴って年金額の改定をする際、どういうルールなり基準を基礎にして、共通な扱いができるかということを検討する場というのが趣旨でございます。したがって、一般的に長期給付の財源を十五が適当であるか、二十が適当であるかというような議論までは、実はこの会議の直接の検討の対象にはいたしておりません。
 ただいま御質問に関連いたします点を申し上げますならば、いまの年金額の改定を行なった際にその財源負担はいかにあるべきかという点につきましては、この連絡会議の場で当然議題になってくるわけでございます。それで後ほどあるいは御質問があろうかと思いますが、その点に限って申し上げますと、やはりこういうような改定というのは政策的に非常に重要な問題であるから、国庫負担を十分に考えるべきであるという説と、それから、従来どおり三者負担と申しますか、それぞれの制度の負担の原則に沿って改定財源を考えるべきではないかという両説がございまして、実は連絡会議といたしましては、統一的な結論を得られていないというのが実情でございます。
#25
○山口(鶴)委員 青鹿さんは、お聞きいたしますと、大蔵省の御出身のようでございまして、ひとつ谷口さんのほうを見てあまり考えぬで、やはり大蔵省以外の他省のほうをよく向いて、審議室長として御努力をいただくようにお願いをいたしておきます。
 そこで、大臣にお尋ねしたいのですが、これは長い間の懸案です。結局各省とも二〇%の公的負担をやってくれという主張をやっている。予算要求もやっている。こういう状況で、しかも大蔵省だけがうんと言わぬというわけなんですが、どうですか。秋田自治大臣はさきには法務大臣を兼任され、現在は文部大臣を兼任され、きわめて有能練達な大臣であります。ひとつ閣議におきましてもがんばっていただきまして、この公的負担を二〇%に引き上げるための努力くらいは何とかやっていただきたいと思うわけでありますが、大臣の御決意を承っておきたいと思います。
#26
○秋田国務大臣 まことに微力でございまして申しわけなく思っておりますが、この問題につきましては、各省間で何とか話し合いをつけまして実現に努力をしてまいりたいと考えております。
#27
○山口(鶴)委員 山中総務長官がお見えでありまして、時間の制約もありますから、山中総務長官に対しまして質問を行ないたいと思います。
 実は私どもただいまもお尋ねいたしておったわけでありますが、この公務員共済の問題は、じみな問題ではありますが、重要な課題だと思います。昨年も当委員会に山中総務長官においでをいただきまして、実は以前自治大臣をしておられました藤枝さん、藤枝さんは前にも総務長官をおやりになったことがおありになるわけでありますが、藤枝自治大臣が、年金スライドについては三年以内にめどをつけたい、こういう答弁をやられた。しかし、その後昨年がちょうど三年目だったわけでありますが、いまなおこれについてめどが立っていないことは残念である。したがって、いま公的年金調整連絡会議ですかが総理府に置かれております。従来とは違いまして、昨年は恩給につきましてある程度このスライドに近い形の一つの処理のしかたというものが確立をした。私どもからいいますと、公務員給与の本俸改定分をまるまる見ないで消費者物価の上昇、これは完全に見る、消費者物価の上昇率と公務員の本俸の上昇率の差、これの十分の六をさらに見る、こういう形でありまして、十分な形とは思いませんが、従来とは違って一つの制度的な方針というものが固まった。しかし、現実の姿を見ますと、退職後四年ぐらいは据え置くわけですね。五年目ぐらいになりますと、若干の手直しをするということでありまして、その点からきわめて不十分でもある。各種審議会等におきましては退職直後から物価ないし公務員賃金の上昇率を十分加味したスライド制度の確立をしてもらいたいということを一致していっているわけでございまして、この点ひとつ山中総務長官在任中に公的年金調整連絡会議を叱咤勉励いただきまして、この年金スライドについてすみやかにめどをつけていただきたいということを要請いたしまして、山中総務長官は、任期中にやれるかどうかわかりませんが、少なくとも恩給の予算をセットいたしました実績を踏まえて今後相当急テンポな作業で方向を打ち出すための努力をすることをお約束をいたします、というふうにお答えになっておるわけであります。それから一年たったわけでありますが、どのような状況まで作業が進み、また山中長官としてはいつごろまでにこれに対するめどをつけたいというお考えでありますか、お答えを賜わりたいと思います。
#28
○山中国務大臣 昨年お答えいたしましたあと、四十六年度予算編成もまた現実の問題として一過程を経たわけであります。
 そこで恩給については、一応私はルール化という表現を使っておるわけでありますけれども、実現できたものと考えておりますが、しかし、これについても公務員給与というものをとるならば、それは公務員給与について、ただいまの御指摘のように、全部見るべきだという意見もあるわけです。それについては、しかし、実際に現在公務員として国家、国民のために職務を行なうという現実の負担というものから解放されておるかつての公務員の皆さんでございますから、若干の差はあるべきだという見解の差はあります。一方また、公務員給与というものは、民間の給与の前提である物価その他が反映をしたものとして人事院勧告によってなされているのであるから、むしろ公務員給与そのものにスライドさせるというとり方で、物価その他は勘案ぐらいのところでいいじゃないかという御意見等もまだ残っているわけです。さらに、ことしであるならば、四十四年の実績ということでなくて、その年の前年、実行するときは前年になりますが、そのものをとるべきだという意見もありますが、これは予算要求の時期が八月であり、実際に人事院勧告の法律が通るのはもっとあとであるという現在の状態から見ますと、そのまますぐに予算要求の際にどれだけであるかという実績がなかなかつかめないという現実の問題がありますから、その点等の議論はなお残っておりますけれども、一応恩給制度に関する限りは、スライド制に近いルールの確立が見られていたということが、さらに四十六年度予算で明らかになったと思います。
 そこで、昨年以来の検討事項でありますが、公務員制度の連絡会議においてピッチをあげるように指示をいたしました。ところが幾ら議論をしてもやはり平行線である。議論が堂々めぐりをいたします。そこで、私どものほうで担当さしております内閣審議室長のほうで一案を考えまして、こういう議論をしていたのではとても結論が出せそうにない。そこで、いろいろなカテゴリーのものを分けまして、国民年金的なものあるいは公務員共済的なものあるいはまた共済でも特別な私学とか農林漁業団体職員とかいうようなケースのもの、さらに当初はあまり議論の対象にしておりませんでした労災、こういうものも一連のものとして議論をする場合にははずせないだろうということで、若干次元は違いますけれども、しいて言えば、三つのブロックでありますが、風鈴的に労災も一緒に議論するということで、四つの範疇に分類をして、その分類ごとに関係者が集まって議論をした結果を持ち寄って、そうして最終的な結論をどうするかについて判断を下そうという過程に入りましたので、いままでのじんぜん日をむなしゅうしておりました感じに比べますと、だいぶ現実味のある具体化した議論の中身にいま入りつつあるということでございます。
 このような状態から考えて、いつこれを決定できるかということになりますと、来年度予算の編成等とも関連をいたしますけれども、私としてはなるべく早く結論を出したいと思っておりますが、問題は制度自体の問題であり、場合によってはまた財源主管省等の別な角度からの議論が入ってきやすい問題でございますから、これを調整するというのには、やはりいまのような具体的な分類された議論の中に入っておりますけれども、あまりことし中にはというふうに明言できるような作業ぶりではない。いろいろ意見が違っておるので、それを調整するだけでも、ブロックごとにまとめるだけでもたいへんな仕事だということでありまして、いまその作業の最中であるということであります。
#29
○山口(鶴)委員 審議室長お見えでありますから、ただいまの長官の御答弁に関連してお尋ねをしたいと思うのですが、三つのブロックに分けるということは聞いております。公務員共済のグループが、いま共済のスライドをどうするかという場合に一番関係するブロックになるわけでありますが、そこの会合は大体四月か五月ごろ第一回の会合が開かれるのじゃないかという程度のお話を聞いておったわけでありますけれども、これはいつ開かれましたか。すでに何回か開かれましたか。その会合におきましてどの程度議論が進展をいたしておりますか、お答えいただきたいと思います。
#30
○青鹿政府委員 ただいまの今後の進め方につきましては、大臣の御答弁のとおりでございます。具体的に申し上げますと、一つの公務員グループ、これは国家公務員と地方公務員と公共企業体の職員というものが一つのグループになっております。それでスタートいたしまして、それぞれグループを主管する官庁をきめまして、そこが中心になって進めてもらうということでありまして、民間グループは当然厚生省でございますので厚生省でやる。それから公務員グループにつきましては大蔵省、自治が共同して全体の取りまとめに当たってもらうということになっております。すでに二回グループの会議が開かれておりますが、その内容につきましては、大蔵省が取りまとめに当たっておりますので、大蔵省のほうからお答えいただきたいと思います。
#31
○谷口説明員 ただいまの内閣審議室長のお話のように、国家公務員共済組合及び地方公務員共済組合、それから公企体共済組合、この三つでもって現在公務員グループを形成いたしております。その三つでそれぞれがどういうふうに座長をするか、いろいろな問題がありますけれども、便宜私どもが二回ばかり座長をいたしました。
 第一回目は三月三十一日、第二回目は四月の十九日というふうに二回にわたりまして会合を持っております。御案内のとおりに、われわれ公務員グループは公企体といい、地方公務員といい、それから国家公務員といい、それぞれ恩給関係の職員をかなりかかえております。したがいまして、御案内のとおり、毎年年金改定をいたします場合に、恩給関連ということで御審議を願っておりますが、その以後も、実はこの審議に当たりまして過般恩給の審議室長にも来ていただきまして、恩給と現職の国家公務員、そういうものについて一体どういうふうに考えるべきかという問題あるいは現在公務員共済組合の中で必ずしもその三つの共済組合は、先ほど申しましたように、制度が全部が全部同じであるということではございません、比較的国家公務員と地方公務員は似ておりますが、公企体は若干の差がある。そういうことを含めまして、まず制度の中身あるいは恩給とのからみ、こういうことを一、二回にわたりまして審議をいたしました。今後はその実績を踏まえまして逐次審議を進めていく、こういう状況でございます。
#32
○山口(鶴)委員 緒についたというところが実態ではないかと思うのですが、そこで、大臣にお尋ねしたいのですが、そういう形で事務的なレベルで作業を進めること、もちろんけっこうでありますが、大いに進めていただく必要がありますが、先ほど大臣から御発言がありましたように、制度自体の問題もある。それからまた財源を一体どうするかという問題もある。どうしても事務的レベルでは消化し切れない問題というのが当然出てくるわけです。したがいまして、公的年金連絡調整会議の事務レベルで作業を進めていただくことけっこうでありますが、同時に給与関係閣僚会議というようなものもあるわけでございまして、当然それと見合いまして、この公的年金関係担当の閣僚会議というような形で、ある程度政治レベル、大臣のレベルでまとめなければ答えは出てこぬだろうと思うのです。そういった形のものを構成いたしまして、そしてこの問題について決着をつけていくということが必要だと思うのですが、その点に関する大臣の御所見を承っておきたいと思います。
#33
○山中国務大臣 いま申し上げましたような事務当局の答弁も含めた作業を進めておりまして、ある程度参りました段階では、やはり政治レベルに上げませんと、とてもむずかしいと思うのです。大蔵省がたとえば公務員グループの座長をやる、これはたいへんふさわしい役所のように思いますが、お互い役人ですから、役人のためになるならという反面の真実もありましょうけれども、たてまえ上ははたして大蔵省が座長になって名座長が発揮できるグループの編成のしかたかどうか、これはなかなかめんどうな点があります。たとえば大蔵大臣が公務員共済について最もよきスライド制ならスライド制の理解者であるかどうかという問題になると、なかなか理解はしても現実にふところ勘定のほうを先にするという心配もあるわけです。そういうようなことでありますけれども、一応みんないま事務段階では、感情とか現状をまじえずに制度の問題の議論をしておりますから、これは信頼をしてそれぞれ作業さしたいと思います。そうしてその過程において、大体に議論をしてみて壁は何か、そうしてあと残った障壁は何であるかというようなものが煮詰まってまいりますから、そこらになりますと、もう事務段階でだれかが決定をしてそれに各省が従おうということはできないわけですから、私の手元に上げて、ただいまお話しになりましたような給与関係の閣僚会議等に持ち出す時期も来るだろうと思いますが、いまの段階では、私が持ち出して案をつくるについても、もう少し議論をさせませんと――その案をつくる以前の状態であるというところでございます。
#34
○山口(鶴)委員 ひとつ先ほどの御答弁とあわせて、事務レベルの推進を大いにはかっていただきまして、しかるべき機会が参りましたならば、関係閣僚会議等にこの問題についてすみやかな結論を出すようにひとつ山中総務長官の御努力を強く期待をいたしておきたいと思います。
 そこで、佐野さんがおられますから、公務員グループの座長ですが、谷口さんがやるのもいいですが、大蔵、自治ということなんですから、やはり半分以上は佐野さんのほうで座長をやって、大いに進めるというくらいの決意が必要だと思うのですが、いかがですか。
#35
○佐野説明員 この座長の問題につきましては、大蔵省それから私ども、それから運輸省と持ち回りしようということで当初話をしております。ただ先般は審議室長の便宜その他がありまして、大蔵省のほうにお願いしたわけであります。ですから、今後とも大蔵省ということでなしに、運輸省も含めまして交互に幹事役をつとめていく、こういうことにしています。
#36
○山口(鶴)委員 スライドの関係につきましては以上にいたしまして、次に山中総務長官にお尋ねしたい問題がございます。
 これは大臣が所管をされております公務員制度審議会との関連の問題であります。昭和四十三年十二月十三日に発効いたしました制度によりまして、三年以上引き続き職員団体の専従職員をつとめるということになりますと離籍をしなければならぬ、こういう事態になるわけであります。ところが、第二次公務員制度審議会、ここにおきまして争議権、団体交渉権、これらの問題を中心にいたしまして討論をずっとされたようであります。そしてさらに「なお、在籍専従制度については、新制度実施の時限切迫にかんがみ当審議会が、昭和四十一年六月答申の線に沿い、特に四十三年十二月九日とりあえず三項目にわたって原則的申し入れを行なったことを想起し、当審議会としては遺憾ながら結論を得るに至らなかったにもかかわらず、ここに重ねて、貴職におかれても可及的すみやかに同申し入れの線に沿い関係法規について格別の注意を払われるよう要望する。」という文書を昨年の十月十七日公務員制度審議会の前田会長から内閣総理大臣に対して提出をされておることは大臣も御案内だと思います。本年の十二月十三日が参りますと、さっき申し上げましたプロ専に移行しなければならぬという事態になるわけでございまして、この点につきましては職員団体にとって大きな問題だと思います。このこと自体も問題でありますが、同時に、現在国民皆保険、いまやすべての人たちが何らかの医療給付を受けるようなたてまえになっておるわけです。しかるにこのプロ専になったがゆえをもって職員でない、したがって共済組合の職員でもないということになりますと、短期給付の適用すら排除をされる。国民健康保険にでも移行しなければならぬということになるわけでございまして、この点は何といっても私は不合理ではないかと思うのです。公務員制度審議会の今後の見通しにつきましては、後段でまたお尋ねしたいと思うのでありますが、とりあえず私どもこのような不合理を解消するために、社会党案といたしまして、共済組合法の一部改正を実は国会に提案をいたしております。そうして、少なくとも昭和四十三年十二月十三日の時点におきまして、共済組合の組合員であり、なおかつ当時職員団体の専従役員であった者が、今度の制度によってかりに離籍をしなければならぬという事態に立ち至っても、長期並びに短期の組合員資格というものは継続したらどうかという、きわめてささやかな提案をいたしておる次第であります。このような点につきましては、さっき私が申し上げた第二次公制審の建議もこれあり、この問題について山中総務長官としてどのようなお考えを持っておられますか、まずお尋ねをいたしたいと思うのであります。
#37
○山中国務大臣 これは、第二次公務員制度審議会の答申の文章をいま読まれて、読みながらも実にまだるっこしい文章だとお思いになるだろうと思うのですね。だから、そのアクセントは「想起し、」ということにあるのでしょうね。要するに、平行線をずっとたどって、そして中立委員といわれておる人たちも、もういやだ、うんざりした、かんべんしてもらいたい、三次公務員制度なんというのはごめんだという意見も相当ありまして、三次を発足させたいという私の願いというものが少しおくれておりますが、まあ知事選挙等も済みましたので、これから人選に入りたい、第三次公務員制度審議会を出発させたいと思っております。そういう答申の中身のアクセント等も、よほど何回も繰り返して読みませんと、何を言っているのかわからぬというようなことしか文章にはならない構成の審議会でございますので、これはなかなか結論を出すのはむずかしい力関係がございます。もっとも使用者側において現職の公務員の管理職を入れておるのはけしからぬという意見は、これはもっともであると思いましたから、したがって、その点は三次においてはやめるということで、現職管理職というものは、あまりにも利害が極端過ぎますので、はずすことにいたしておりますが、要するに、早く出発させたいということであります。
 ただいまの御意見は、ささやかなと言われますが、しかし、それはやはり基本的な、三年間の経過期間であることしの十二月が過ぎた場合のことを言っておられるのであって、その身分を継続させようとされれば、それは専従になって身分を失ってもなお身分に伴う権利だけは持たせろということですから、やはりそれは同じことの議論になると思うのです。いわゆる原則論の一つであると私は思うのです、社会党提案のことの可否は別にして。そこで、その原則論の問題よりも、いまは十二月に期限が切れる問題をどうするかということの問題であります。これは紋切り型で言えば、約束事の三年の期限が来るのは三年前からわかっておることだから、それをいまになって、期限がもう来るから、というのはおかしいという言い方もできないことはありません。しかし、委員会で速記録づきで質問をされますと、そういう答弁の範疇を越えるのがはなはだむずかしゅうございますから、そこらのところはいつでも会見もいたしますし、相談もしたい、また関係者の諸君にも私はいつも会って意見を交換して、おおむねその実態等も把握しておりますので、今後さらに検討を重ねて――これは私一人の判断でもって決定することはできません。したがって、より高度な判断を求めるための私の腹も固めたいというふうに考えておるいま最中でございます。
#38
○山口(鶴)委員 山中総務長官、よく御案内のように、この公務員の労働基本権をどう扱うかということは、単にわが国の問題のみならず、世界各国の問題になっておるわけですね。これはかつての政府がチープガバメント、できるだけ政府はいろいろな分野に関与しないほうがいい。しかし、戦後の世界的な傾向として、いずれも福祉国家を標榜しておる。そうなりますと、経済の中に占める公経済の地位というものが非常に増大してまいりまして、したがって、職員も非常にふえ、そして民間の労働者と何ら差別ない職種の公務員関係労働者が非常にふえている、こういう現状であることは御案内のとおりです。そういう中で、ILOにおきましても、当然公務員の労働基本権をどう扱うかということが大きな課題になり、本年第一回のILOの公務員部会が開かれた、そうして決議もなされたことは、大臣も御案内のとおりと思うのです。そういった国際的な情勢の推移というものを十分ひとつ、公害その他におきまして非常に先見的な力を発揮されておられます大臣でありますから、そういった世界各国の公務員労働者の地位をどうするかということにつきましても、あるべき姿というものについてはいろいろとお考えをいただいておると私は思います。そういうことを一つの参考にしながら、それからさらに、ここに読み上げましたように、「想起し、……申し入れの線に沿い関係法規について格別の注意を払われるよう要望する。」、したがって、私がいま申し上げたのは、身分をずっとつなげるということになれば、それは一番いいわけでありますが、なかなかその点は問題もあろう。とするならば、国民皆保険の現代において、せめて職員の身分はかりになくなったとしても、共済組合の組合員、言うならば、短期給付、お医者にかかる場合の給付というものの継続、あるいは長短組合員の継続ぐらいは、関係法規について格別の注意を払うという第二次公制審の建議からいっても、決しておかしくはないのじゃないか、せめてそのくらいの配慮はなされてしかるべきではないだろうかというつもりで、社会党案の法律案を提案しているというのが実情であります。先ほどの御答弁では、意のあるところはわかるような気もいたすのでありますが、そういう点を含めて、いま一度お考えをひとつお述べをいただきたいと思います。
#39
○山中国務大臣 むしろ三年で期限を切るのはけしからぬ、延ばせという意見の質問をしてもらったほうがよほど答弁しやすいのですね。そういうソフトな質問をされると、なかなかハードな答弁ができにくいということにもなりますが、まあしかし、やはり権利というものは、身分についているものでありますから、その権利のみを認めた場合において、身分というものを問わないのだということについては、若干議論の存するところであります。これは賛成の立場、反対の立場は別にして、それらの点は、御意見のあるところは承りましたので、これは参考にさしていただきたいと思います。
#40
○山口(鶴)委員 大臣はけっこうです。
 どうでしょうか、ただいま山中総務長官に私がお尋ねをした問題ですね、山本公務員部長、社会党提案のものについてどうかと聞きましたら、その点は一切触れぬで、お答えにならなかったわけなんですが、いかがでしょうか。それは身分をつなげるという主張も当然ありましょう。しかし、その問題は、やはり当地方行政委員会で議論をしたって詰まる問題じゃないのですから、せめていま共済を論議しておる過程でありますから、共済組合員身分の継続、しかも全部を継続するというのではなくして、昭和四十三年十二月十三日現在の職員団体の専従役員をやっておった諸君についてのみ、離籍をされた場合に組合員資格を継続したらどうか。きわめてしぼりにしぼった、ほんとうにささやかな修正案だろうと思うのですけれども、そのくらいは、戦前から内務省として行政の中心にあった伝統あるわが自治省なんでありますから、その自治省ぐらいは、山中総務長官の答弁よりも一歩進んだぐらいの御見解を示してしかるべきではないか、こう思うのでありますが、いかがでしょうか。
#41
○山本(明)政府委員 大臣がお答えになったことに、私ごとき者がそれ以上に前進したお答えはできにくいのでありますが、基本的には、やはり現在、共済組合で健保性短期給付制度を採用いたしておりますのは、健保制度以前に、こういう問題を公務員関係で考えて、そして健康保険医療の代行ということで認められたという特殊性に着目しますときに、公務員でないものまでこの制度に乗せるかということにつきましては、この制度を沿革的に見ますときに私はむずかしい問題があるんではないだろうかという気がいたしますので、山中総務長官以上の御答弁はできませんので、その辺でかんべんしていただきたいと思います。
#42
○山口(鶴)委員 山中総務長官ないしは政治レベルで、ある程度方向が出れば、自治省の事務レベルでは反対はしないという程度の御趣旨だと思って承っておきたいと思います。
 それでは次の問題に入りたいと思いますが、この短期給付の財源率の著しく高いものについては、ある程度上限措置を設けることにいたしたいという御答弁でございました。これは野田自治大臣の時代から、交付税等で処置すれば当然自治省独自でできるんではないか、谷口さんここにおられますが、何も大蔵省のほうに最敬礼せぬでも十分自治省段階でできるはずではないかということで、ぜひやりたいという明確な御答弁もいただいてきた経過があるわけです。今回やや重い腰をやっと上げられたようでありますが、せめて山本さんも上限を千分の九十に押えたいというような御発言もされたことがあるやに承っておるわけです。九十二、九十三というようなけちなものではなしに、思い切って九十というくらいの上限を設けたらいかがでしょうか。それからその場合に当然財源手当てをしなければならぬわけですが、この財源手当ては特別交付でおやりになることだと思いますが、これは省令なら省令で上限を設ける、設けた場合いつから適用し、その財源はいつ付与するということになりますのか、その点もあわせてお答えをいただきたいと思います。
#43
○山本(明)政府委員 昨年のこの委員会におきましても、私、財源率の高いところ、大体千分の九十二、三ぐらいであろう、こういうお答えをしておいたわけでありますけれども、それ以上のところにつきましては、地方公共団体から組合に補助金を出して、そして公務員の組合員の負担を軽減していきたい、こういう気持ちは持って作業をしておるわけでございます。ただ、御承知のように、今度健康保険法の改正が一部出ておりますので、これとの関係を見ますと、健康保険法のほうで標準報酬の上下限の引き上げだとか、あるいは標準報酬の中にボーナスを入れるとか、そういうかなり私のほうにも影響のございます事項が入っておりますので、それを見なければ最終的な結論は出ないと思いますけれども、従来からわれわれが検討してまいりました段階におきましては、大体ただいまのところ掛け金率で千分の四十六ないし四十七、財源率よりも掛け金率のほうを考えていきたい、こういうことで四十六、七を考えておるわけでございます。その場合に、やはり企業努力といいますか、経営努力といいますか、それもございますので、たとえば四十六から五十までの間は八割見る、あるいは五十以上こえたものは十割見る、こういうような段階に応じた補助率を考えられないだろうかということも、いま検討しておる段階でございます。
 そしてこれは四十六年の決算を見なければわかりませんので、一応われわれといたしましては、四十六年度決算の状況を見ながら、補助金を地方公共団体から出してもらって、その財源措置は四十七年に――財源でございますから財政局のほうにもお願いいたしまして、いわゆる野田大臣がおっしゃいました特別交付税あたりで措置ができないだろうかということによって、掛け金の高いところの組合員の負担の経減をいたしたい、こういう気持ちをいま持って作業しておるところでございます。
#44
○山口(鶴)委員 わかりました。ただ、せっかくお考えいただいておるわけでありますから財源率でいけば千分の九十、掛け金率でいえば千分の四十五くらいをめどにいたしまして、できる限り組合負担の軽減のためにひとつ積極的な施策を講じていただくように強く要請をいたしておきたいと思います。
 それから、もう時間の関係もありますのであとははしょりまして幾つかお尋ねしたいと思うのですが、福祉財源の問題であります。職員の厚生費ですね。一人当たり千六百円を交付税で見ておるようでありますが、あまりにも少な過ぎるじゃないか。きのうの山本公務員部長の御答弁でも、地域社会の民間の給与云々というようなことを考慮して公務員賃金ということをよく言われるわけなんですが、そうなりますと、この厚生費についても民間との比較をやっていただかぬことにはこれは筋が通らぬ。厚生費につきましては民間が著しく高いということは、実情はもう山本さんも十分御認識だと思うのです。現在の民間の厚生費一人当たり年額どのくらいになっていますか。これはもう非常な額になっていると思うのです。千六百円に比較すればもう話にならぬと思うのです。これをもう少し引き上げろということは前々から当委員会でも議論の対象になっておりました。ことしの額は千六百円ということでありますけれども、これを明年におきましてはやはり思い切って引き上げる必要があるのじゃないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。
#45
○佐野説明員 民間の福利厚生費でございますが、いま先生の御質問は民間の事業所の法定外福利費と思いますので、法定外福利費について御説明申し上げますと、日経連の調査いたしました昭和四十四年度分の全産業の平均額は一人当たり月額六千十二円でございます。それから同じく製造業が一人当たり月額五千八百四十一円でございます。それから労働省の調査いたしましたものが四十三年度の製造業の一人当たり月額、これは二千八百十二円でございます。
#46
○山口(鶴)委員 これは月額ですからね、この六千十二円というのは。年額に直せば大体七万円ということになるでしょう。それに対して公務員の場合は千六百円というのは、これは月額じゃありませんからね、年額でしょう。ですから、これはもう全く話にならぬほど少ない。スズメの涙ほどだ、こう言っていいと思うのですね。これでは私は全く話にならぬ、思い切って改定をする必要があると思うのですが、どうですか。
#47
○佐野説明員 ただいまの千六百円は地方財政計画上計上されましたところの福利厚生費の年額でございまして、それで現在地方公共団体で実際に支出しておりますところの福利厚生費でございますが、都道府県の職員について見ますと、一般職員、これは昭和四十四年度一人当たり月額千八百一円。それから教育職員が同じく四十四年度で一人当たり月額六百七十円。教育職員は義務教育職員につきまして一部市町村で負担しているものもありますので、都道府県負担が六百七十円になっております。それから警察職員につきましては、昭和四十四年度で同じく一人当たり二千七百五十四円ということに相なっております。それから市町村について見ますと、これは指定都市について見ますと……。
#48
○山口(鶴)委員 いいです、けっこうです。
 職員の間にもいろいろアンバランスがあるようです。これは、政務次官がおられるから、ひとつお尋ねしたいと思うのですが、とにかく民間の福利厚生費が月額六千十二円というような状態に対して、地方公務員は、府県関係職員が千八百円、教職員が六百七十円、警察官の二千七百円、これは月額ですが、しかし、交付税で見ておるのは年額たった千六百円ということでは、いかにもいかがかと思うのです。したがいまして、これにつきましては、地方財政計画で見ます千六百円を思い切って引き上げるということぐらいは当然なされてしかるべきじゃないかと思うのですが、政務次官の御答弁をいただきたいと思います。
#49
○大石政府委員 民間と比べて低いということは事実であります。ただ、国家公務員との関係もありますので、この点の権衡という問題がありますが、引き上げるような検討を続けたいと思います。
#50
○山口(鶴)委員 次にお尋ねいたしたい点は、今度の共済組合法の改正によりまして、さきに国会で成立をいたしました財産形成法との関係で、法律の中に一部修正がございます。第四十条の二「組合等が行なう事業の特例」、ここにおきまして、「政令で定めるところにより、地方公務員又は団体職員の持家として分譲する住宅の建設及び分譲その他の事業を行なうことができる。」こういう規定が新たに入ったわけであります。この減税等の措置の問題等もあるわけでありますが、要するに、持ち家を奨励していくということでありまして、共済組合が住宅の建設、分譲という事業も今度はできる、こういうことになるのだと思います。
 そこで問題になりますのは、さきにこの国会で成立をいたしました勤労者財産形成促進法によりまして、日本勤労者住宅協会というものが設立をされまして、そして各県にも同じような組織ができているわけです。この勤住協が住宅の建設、分譲を大いにやっておりますが、それらの対象のほうを見ますと、公務員の方が六割から七割に達してておるという状況であるということも聞いておるわけであります。そういたしますと、今回、この法律によりまして共済組合がそういう事業もできる。その場合、せっかくできているこの日本勤労者住宅協会に対して委託をいたしまして仕事をするということを考えてもいいのじゃないかと私は思うのですが、それに対する御見解を承りたいことが第一。
 そうなってまいりますと、これに関連をいたしまして、共済組合がお金をいろいろ運用しているわけでありますが、その預託の場所の中に、この勤住協というのは労働金庫と一緒になって仕事をしているわけでありますから、当然共済組合の資金を労働金庫に預け入れる、したがって、金融機関として労働金庫を指定するということが当然なされなければなりません。との辺について一体どのようなお考えでありますか。できれば、この点につきましては十分前向きな形で御検討をいただきたいということを私考えておるわけであります。
 さきに衆議院で勤労者財産形成促進法に対する附帯決議がなされておるわけでありますが、それを見ますと、「取扱金融機関の選択については、勤労者の意に反することのないよう配慮すること。」という附帯決議が一つございます。「公務員等に関する本制度の適用にあたっては、その具体的細目についてさらに検討し、適切有効な措置を早急に確立すること。」というのもございます。公務員諸君は大部分職員団体を形成いたしておりまして、その職員団体は当然労働金庫の設立者にもなっているわけでございまして、公務員関係の職員団体とこの労働金庫との関係はきわめて密接であります。したがって、「勤労者の意に反することのないよう配慮する」ということになれば、当然労働金庫を考慮するということはしかるべきことだと思いますし、公務員に対する適用にあたっては有効な措置を講じていただきたいということは、当然勤住協に対して住宅の建設等委託をしてもらいたいという気持ちも含まれておると思うわけでございまして、この点に関しましてひとつお答えをいただきたいと思うわけであります。
#51
○山本(明)政府委員 お答えをいたします。
 先生の言われましたこと、よくわかりますけれども、一つ問題がございますのは、現在の労働金庫法上は、御承知のように、出資をして組合員とならなければ貸せないという一つのチェックがあるわけでございます。ところが、現在の労金の出資証券というものが、共済組合法の二十五条でございますか、この規定によりまして、いわゆる換金性が乏しいということのために、現在のところは、政令でこれらに出資をすることができないことになっておるわけでございます。そこに一つ問題があるわけでございまして、したがって、現在の段階におきましては政令を直す以外にないのじゃないかと思っております。がただ、その場合にも、あの法律から直ちに政令を書けるかどうかという問題も、先ほど言いました換金性が乏しいという問題から一つ出てくるのではないか。だから、逆に言うならば、労働金庫法の特例として、そういうものは組合員でなくても貸せるのだという項がありますれば、そこにまた一つうまい方法も出てくるのじゃないだろうかという気もするわけであります。いずれにいたしましても、この勤労者財産形成促進法が来年の一月一日から発足をいたしまして、実際に勤労形成の貯蓄がどのようにたまっていくであろうか、あるいは民間、あるいは他の共済がこれをどのように活用していくだろうかということ等も総合的に勘案いたしまして検討させていただきたい、このように考えております。
#52
○山口(鶴)委員 政令を何とか改めてその道を開いていただくということが一番うまいのじゃないかと思います。労働金庫法を改めるということも一つの方法であることはわかりますが、お互い同士責任のなすり合いをやっておったのでは、いつまでたっても解決をしないということになるわけでありますから、この点はいずれかの方法でこの道を開く、そうして勤住協に対して住宅の建設、分譲等についても委託ができるということを、ぜひとも前向きでひとつ御検討をいただきたい、強く要請をいたしておきたいと思います。
  〔委員長退席、古屋委員長代理着席〕
 最後に、雇用人それから十八年以前の官吏の方々の通算の問題でありますけれども、私どももいろいろ努力をいたしまして何とか国会において修正ということで実現をしたいものだと考えております。昨日、野呂委員も、この点沖繩の状況にも触れまして、いろいろ御質問をいただいておったわけでありますけれども、これにつきまして議員修正をやるかやらぬかということは、これは議会内の問題でありますから、今後話し合いをするといたしまして、少なくとも自治省としては、沖繩の祖国復帰以前にこの問題は解決しておかなければ筋が通らぬことだ、こう思うわけであります。その点に対する御見解を承りたいことと、あわせて谷口さんおられますが、すでに満日の雇用人通算が出ているわけですね。それ以前に、当然年金制度施行前における市町村の吏員及び雇用人であった者の期間で、地方公務員共済制度の施行日に引き続いていない者について組合員期間を通算するということは、平然私は、満日の雇用人通算以前に解決しているべき問題だと思うわけであります。しかるにこれが実現を見ていないということは非常に残念です。この点大蔵省としては一体どうお考えでありますのか、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。
#53
○山本(明)政府委員 お答えします。
 ただいま御質問のありました市町村の対象者が実は一万二千人という多数な数にのぼっておるわけであります。しかもこれらの方々の中には、地方公務員の年金制度がおくれておったということ、あるいは合併その他の事情の変更によりましてやめていかなければならなくなった。満鉄のように、戦争が終わったということでなしに、合併という一つのそういう特殊な事情の中からやめていかざるを得なかったという人もあるわけであります。自治省といたしましては、できるだけ早急にこれの通算をできるような措置をとりたいということで、ただいま関係各省と意見の調整をしているところであります。できますだけ最善の努力をしたいと思っております。
#54
○谷口説明員 私にお尋ねの件は満日の雇用人の問題で、具体的に言いますと、満鉄の雇用人の問題、こういうふうに考えまして、そこでそれを中心にお答えをさせていただきたいと思います。
 御案内のとおりに、共済組合法が国家公務員の場合三十四年の十月一日にできましたときに、私どもの当時の考え方といたしましては、そのときに引き続いているということを非常に中心的な考え方としております。その考え方は現在も続いておるわけでございますけれども、そこで、具体的にその満鉄のケースで申し上げますと、いままでの国会の審議を得ましたものの中で、たとえば抑留、留用の関係で、まだといいますか、三十四年の十月一日までに帰ってこない人の問題をどうするかとか、あるいは三十四年の九月三十日までに帰ってこられまして、そしてそのまま引き続いておるこの人たちの問題も、留用の期間をどうするか、あるいはそもそも満鉄の期間を全体的にどうするか、いろいろなケースがあろうかと思います。
 御案内のとおりに、実は今度の恩給法の改正に関連をいたしまして、国家公務員の場合――地方公務員も同じと思いますけれども、共済組合法では抑留または留用されておった期間、この期間については今度は通算するというふうに改正をお願いしています。問題はそういうものではなくて、たぶん先生の御質問の中心は、断続していない期間について具体的に満鉄の雇用期間をどうするか、こういう問題かと思いますが、これは私どもといたしましては、実は四十四年の国会の過程におきましてたしか議員修正があったと思いますけれども、国家公務員でいえば、施行法の七条一項六号の部分で、外国政府あるいは外国特殊法人から引き揚げます場合には、昭和二十年八月八日以後日本に来まして、そして引き続いてそのまま国家公務員になった場合には満鉄の期間を通算するというふうに改正をされた。そこで、その引き揚げ後引き続いている期間というものを一体どう考えるかという問題でございますけれども、その引き続いているということがあくまでも中心なんでございますが、ではあの終戦後の状態を顧みますと、引き揚げ後引き続いているとはどのくらいの期間が具体的に引き続く期間になるのか、いろいろと問題があろうかと思います。そこで、現在私ども、これは地方公務員も同じでございますけれども、取り扱っていますものは、実は、御案内のとおりに、外地官署から引き揚げました場合に、これは百二十日というものを標準にしております。引き揚げ後三十日間はその身分を保有し、その後九十日間は引き揚げ後引き続きの概念に入れる、合計百二十日、それを考慮いたしまして、現在は、引き揚げ後一年以内に勤務した者で、そのまま三十四年十月一日まで引き続き勤務した者については、満鉄の期間を見るという形をしておるわけです。
 問題は、それをさらにどうするかという問題かと思いますが、私ども、現在のところは、先ほど申しましたように、外地官署からの引き揚げの問題あるいは引き続いているという考えをどうするかということ等、非常に重大な問題でございますので、いま、関係の方からもいろいろ話を聞きながら慎重に検討しておる、こういう段階でございます。
#55
○山口(鶴)委員 満日の関係もいろんな形で解決しつつあるわけでありますから、それに対して地方公務員の私が指摘した問題がいつまでもじんぜん引き延ばされておるということであれば遺憾だと思いますので、これはひとつすみやかに解決をするように強く要請をしておきたいと思います。
 最後に、公務員の年金の給与の上限が十五万ということになっていますね。十一万を十五万に引き上げたわけでありますが、農業団体職員共済におきましては、従来十五万であったものを今度十八万五千に引き上げるということになるわけであります。私どもこの問題につきましては、結局最高限度が押えられているということによって、公務員が公社、公団に天下るというような国民の批判を受ける原因の一つにもなっている。自治省の場合でいえば、これも決算委員会で問題になりましたが、地方自治体の副知事とかいうようなところに大いに盛大に天下っておるようでありますが、そういう原因にもなる。したがって、そういった国民の批判を受けることを防ぐ一つの意味におきましても、このかつて十一万の上限を十五万に引き上げるということは必要ではないかということで推進をいたしてまいりました。今回農業団体職員共済が十八万五千に引き上げるということになるわけでありますから、これをいつまでも十五万にしておくというのはおかしいのじゃないか、かように思います。これにつきまして、これを引き上げるお気持ちはございますか。当然引き上げてしかるべきだと思うのですが、その点を承りまして、質問を終わっておきたいと思います。
#56
○山本(明)政府委員 今回の法律によりまして、先生のおっしゃいましたような問題がございまして、引き上げるようにいたしております。従来は厚生年金との関連におきまして上限を引き上げてまいりましたけれども、今回は引き上げるということにいたしております。
#57
○古屋委員長代理 和田一郎君。
#58
○和田(一)委員 数点にわたって質問いたします。
 まず最初、先ほどから激論がかわされておりました例の社会保障制度審議会の答申、これは昭和四十六年二月十五日の答申ですが、この中に、先ほど話が出ました公的年金制度調整連絡会議、この「公的年金制度調整連絡会議が未だ何等の結論を見ることなく今日に及んでいることは怠慢といわざるを得ない。」ものすごく辛らつなことばで社会保障制度審議会の答申が出ておりますけれども、公的年金制度調整連絡会議、これはどういう段階の会議なのか、またどういう性格があるのか、その点についてお答え願いたい。
#59
○山本(明)政府委員 公的年金制度調整連絡会議というのは、先ほど審議室長からもお答えがございましたように、結局年金のスライド制というものを当面調整をするということで始まり、またその問題を、先ほどお答えもございましたように、グループ分けにしてその調整をしておるわけであります。
 そこで、おっしゃいました恩給の改定に追随する方式を踏襲しておるということについては、一つの御意見だろうと思います。共済組合としては共済組合独自の方法を考えるべきではないかという御意見も、私は一つの御意見だと思いますが、実態的には、現在のところ、地方公務員の半数以上だと思いますけれども、旧恩給法の適用を受けておる、それからその準用を受けておる人、こういう方がおられますので、その部分と共済年金の部分との調整というのがありますから、これがまたあまりおかしなかっこうになってしまいますのも問題がある。しかしいずれ、これは十年か二十年になりますか、そういう方たちがおられなくなりますれば、当然共済組合発足当時の人たちがおるわけでございます。それは独自に考えるものがあろうということでその検討もいたしておりますけれども、現在のところは、そういうおしかりを受けておりますけれども、恩給の改定に準じまして共済組合の年金のほうも考えていく、こうせざるを得ない実情にあるわけでございます。御了承をいただきたいと思います。
#60
○和田(一)委員 内容はそれでいいと思いますが、連絡会議の性格ですね。早く言えば、閣議決定された審議会なのか、連絡協議会なのか、また了承だけにとどまっているのか、また単なる自発的な連絡協議会なのか、どうもこのような「怠慢といわざるを得ない。」というようなきついことまで出ているのですが、どの程度の性格を持っているのかということを私はお聞きしたのです。
#61
○山本(明)政府委員 これは次官会議の申し合わせによりまして、調整していこう、先ほど申しました各種の年金がございますから、この調整をしていこうということでございまして、ただ寄り合って意見を述べておるというだけではなくて、やはり一つのスライド制についての具体的な問題の解決をしよう、こういう性格の会議でございますから、ただ単に議論をしておるだけではなしに、早急に結論を出さざるを得ない。出して、それを年金のスライド制の中に政府として取り入れていく、こういう姿になるだろうと思っております。
#62
○和田(一)委員 政務次官にお聞きしますけれども、重大な問題をきめていくところの連絡協議会ですから、ただ次官クラスだけの話し合いじゃなくて、もう少し公的なものにすべきじゃないかと思うのですが、この点については自治省のお考えはどうですか、もう少し力を持たすべきじゃないですか。
#63
○大石政府委員 中身が非常に実務的なことだろうと思うのです。そういう意味で過去三十回くらいにわたってやったようでございますが、そのままではだめだというので、たしか四つくらいのグループ別に分けて、公務員の問題は公務員のグループでというふうにいま進んで、二回くらいそのグループ別の協議の中で始まったようでございますから、この点はいままでより進度が進むんではないだろうか。そういう上で、いまお話しのように、実務的な問題の整理の上で、もちろんこれは督促しなければならぬことだと思いますが、その上にある程度もう少し強い線できめていくというふうにしてもらわざるを得ない。ただ、そのグループ別になりました点の作業を進める点につきましては、私どももこれを督促していくようにしたいと思っております。
#64
○和田(一)委員 それでは次の質問に移りますが、地方公務員等共済組合法の中に、第十一章として「地方議会議員の年金制度」がありまして、その地方議会議員の共済会がそこで規定されております。私も過去にはこの中に入っておったわけなんですが、地方議員の現在の共済の実態ですね、相当深刻だという話がありますので、ひとつ説明をしていただきたいと思います。
#65
○山本(明)政府委員 地方議会議員の共済会には、御承知のように三つございまして、一つは都道府県の議会議員の共済会、もう一つは市の議会議員の共済会、それから町村の議会議員の共済会、この三つがございます。
 そこで、都道府県の議会の議員の共済会につきましては、四十五年度までは年度末の積み立て金が十一億六千万ほどあったわけでございますが、四十六年に改選になりまして議員さんの三分の一程度がおかわりになったということから、実は初めてここで二億程度の単年度赤字が出てまいります。自後ずっと四十七年、四十八年、四十九年、五十年にわたりまして一億から五億程度の単年度赤字になり、今後五十年の改選の時期にはさらに多くなっていきます。そして五十一年には積み立て金を取りくずしまして、なおかつ三億六千万の赤字になってまいるというのが都道府県の推計見込みでございます。それから市議会の議員共済会につきましては、これも同様に、四十五年に三十二億ほど年度末の積み立て金がございますが、四十六年には単年度で六億五千万ほどの赤字が出、以後五十年まで赤字がずっと続きまして、市のほうは五十年に積み立て金を食いつぶしまして十億七千万の赤字が出る、こういう状況でございます。それから町村の議会議員の共済会につきましても、四十六年に二十二億六千万の積み立て金がございますのが、四十六年には四億九千万ほどの単年度赤字になる。以後赤字がずっと続きまして、これも五十年についに積み立て金を食いつぶしまして、五十年には十億という赤字が出る、こういう状況でございます。
 このように四十六年以降収支状況が非常に悪くなってまいりまして、大体五十年から五十一年には積み立て金を食いつぶしてしまって、なおかつ赤字が出てくるという状況でございます。
#66
○和田(一)委員 それについて自治省としては何かお考えがございますか。
#67
○山本(明)政府委員 これにつきましては、現在の法律におきまして、共済組合法の百六十七条によりまして、「掛金を充てるほか、地方公共団体が負担する。」という条文がございまして、共済会の存続は保障しておりますから、赤字が出れば公費の負担をせざるを得ないという状況でございます。その場合に、その赤字の出た時点におきまして、資産も食いつぶしました段階において公費負担をするか、あるいはそれを長期的な計画の中で補てんをしていくかという問題が一つあろうと思います。同時に、一方、共済会自体も経営努力といいますか、自己努力をしてもらうことはできないだろうか、掛け金が百分の七でございますけれども、掛け金を若干上げる、あるいは給付の歯どめといいますか制限といいますか、そういう企業努力もしてもらう。両者が相まってこの共済会の存続を保障することはできないであろうかということで、現在検討しておるのが実情でございます。
#68
○和田(一)委員 それでは次に短期給付のことについてお聞きいたします。
 けさ資料をいただいたわけですが、去年の質問におきましても、短期給付については財源措置をするというようなお話がございましたし、先ほどからもいろいろ御質問がありましたけれども、現在の国民健康保険の場合は、全国的に標準保険料ですか、これを現在検討しておる、これも相当バランスがくずれておるわけでして、うんと安いところもあればものすごく取られるところもあるということで、大体いまごろにはもうその答申が出てくるであろうというような時期でございますけれども、そういうような点についてはどうなんでしょう、短期給付についてのお考えは。
#69
○山本(明)政府委員 先ほども山口先生にお答えいたしましたように、市町村職員共済におきましても掛け金が非常にばらついているわけでございます。そこで、掛け金率のかなり高いところには何らかの方法を用いまして、本人の負担を軽減すと、疾病の多発するような地域あるいは給与額自体がかなり低い地域等ございまして、特殊事情がございますから、なかなか簡単にこれを調整することはむずかしいのでございますが、われわれといたしましては、健保との関係におきましてある一定の、大体先ほど申しましたが、従来どおりの計算でまいりますと、千分の九十二、三、掛け金にいたしまして千分の四十六、七以上をこえますものにつきましては地方公共団体のほうから組合のほうに補助をして、そして本人の掛け金を高くしないようにする、負担を軽減するという措置を現在考えておるところでございます。これも先ほど申しましたように、健保法との関連が非常にございますので、最終的な数字の出し方はなかなか困難でございますけれども、現在はいままで申しましたような経緯で検討して、四十六年度からはこれを実施したいという腹は固めております。
 財源措置は四十七年になるかもしれませんけれども、少なくとも補助という仕組みは四十六年度から実施したいということで、自治省令でこれをきめたいということで、せっかく作業をしておるところでございます。
#70
○和田(一)委員 次に聞きたいのは、こまかいことかもわかりませんけれども、年金の受給者、これは退職された方ですけれども、たとえばその方が老齢福祉年金をもらえる立場の場合、この年金をもらっている場合はもらえないわけですね。この点については現在どうなっておりますか。
#71
○佐野説明員 いまの老齢年金と申しますのは国民年金のほうでございますか。――この点につきましては、国民年金では共済年金受給者について一部給付制限があるようでございます。
#72
○和田(一)委員 簡単な話ですけれども、一カ月二千二百円ですか、七十五歳以上の無拠出の人たちは。その場合はどうなっていますか。
#73
○佐野説明員 この点につきましては、給付の制限をしておるようでございます。制限をしておるのですよね。ですから、この点につきまして、私たち非常にちまたの声を聞くのです。あれは七十五歳以上だったと思いますけれども、一カ月二千三百円なんです。これからは老人対策というものが大きな問題になってくると思うのですけれども、七十五年間社会に貢献した老人が、ついこの間三百円値上がりしたそうですが、一カ月二千三百円。それがもらえない。いわゆる併給制限措置がある。これはどうなんでしょうか。これはひとつ政務次官または行政局長等の御答弁をいただきたいのです。こういうことは自治省として何らか働きかけられないものかということなんですよ。
#74
○宮澤政府委員 ただいまのお話を承りますと、なるほど実態といたしましてはごくわずかな額に制限を付するということにつきましては、私どももそこまではたしてやる必要があるのかという感じはいたします。ただ、これは和田委員御承知のように、単に地方公務員の共済組合の問題ではなくして、公的年金制度全般の問題でございます。私ども今後公的年金制度につきましていろいろ発言をする機会がございますときは、ただいまおっしゃいましたような同じ感じを持っておりますので、そういう気持ちで今後考えていくべきだと思っております。
#75
○大石政府委員 お話を聞いていて、非常にささいなことの制限があるものだなという感じがいたしましたので、よく研究させていただきます。
#76
○和田(一)委員 これは厚生省関係のもとでございますが、といっても同じ佐藤内閣なんですから、政務次官、この点については先ほど申しました公的年金制度の連絡会議ですか、こういった席上でひとつ思う存分に意見を言っていただきたいと思います。
 もう一つは退職年金に対する税金ですね、これはどうなっていますか。
#77
○佐野説明員 これには課税されております。
#78
○和田(一)委員 税制にはいろいろありますけれども、この点につきましても、日本の国のために懸命にがんばってこられたいわゆる老人対策になってくると思うのです。そういう点についてある程度の減免措置等の考え方はどうなんでしょうか。行政局長と政務次官にお伺いします。
#79
○宮澤政府委員 これも私は事情によると思うのでございますけれども、同じ恩給なり退職年金というものを受けます場合におきましても、本人なりその家計自身がほかの収入もあって比較的裕福な場合、あるいは年金だけで苦労をしておる場合というふうにあると思うのでございます。おそらく所得税法の適用の上におきましては、そういうものは一律に適用になっていると思うのでありますけれども、低所得水準の世帯あるいは老人の世帯というようなものにつきまして、所得税なりそういう意味の政策上、なお私は検討すべき余地はあるだろうと思うのであります。おそらく一律にはいかないと思うのでありますけれども、先ほどと同じような感じがいたすわけでございます。
#80
○大石政府委員 実は所得税法上の問題でありますし、収入とみなされるということでありますから、この部分だけがはずされるというふうには考えられませんが、もう少し検討さしていただきたいと思います。
#81
○和田(一)委員 いずれにしましてもこれは社会問題ですから、大いに検討してもらいたいと思います。またそういう席上でも私、発言させてもらいたいと思います。
 もう一つは、年金の最低保障額が退職年次に関係なく、いわゆる地方公務員等共済組合法第七十八条の二項及び第九十三条第二項の規定による額を適用されるように、これもみんなの大いなる希望なんですよ。この点についてはどうでしょう。つまり二十年ということに関係なく年金をもらえるようにという希望、これはどうなんでしょうか。
#82
○山本(明)政府委員 恩給制度では十七年という期限がございますし、それとの関連におきまして財源率の計算その他によりまして、一応二十年たった者には年金が渡せる、それ以外の者につきましては一時金という制度もあるわけでございますし、年金という制度になりますと、やはり一定の年限がなければ、一年つとめておった者、二十年つとめておった者あるいは十五年つとめておった者、それぞれ差があるわけでございますので、これを下げるということは現段階におきましてはなかなか困難なものであろうと私は思っておるわけであります。一応従来の恩給から考え、また、財源の計算等から考えまして、二十年というのは妥当な線ではないだろうか、これを下げるというような気持ちは持っておらないわけでございます。
#83
○和田(一)委員 もう一つは、先ほども話がありましたけれども、前国回の衆議院地方行政委員会の附帯決議にも出ておりますが、「退職年金等のスライド制については、早急に具体的な運用基準を定め、実施するよう措置すること。」これは附帯決議ですね。この点については検討しているのかどうかということ、また、そのスライドの基準はどういうふうに考えているのかということ、これをお答え願いたいと思います。
#84
○山本(明)政府委員 先ほども総理府の審議室長からお答えをいたしたと思いますけれども、公的な年金制度のスライド制をいま調整連絡会議で検討いたしておるわけでございます。われわれの公務員グループから申しますと、スライドのしかたあるいは率の問題、さらには、一番問題になりますのはやはり財源の問題でございます。三者負担がいいのか、先ほどおっしゃいましたように、政府でその分だけを見てもらうのか、財源の方法につきまして非常に隘路もあるわけでございます。それをただいまのところ、どのようなかっこうで制度化をし、おっしゃいましたような基準をどのようにきめればいいのかというのをただいま検討しておるわけでございます。先ほど山中長官もおっしゃいましたように、早急にこの問題の解決に努力をしておるというのが実情でございます。
#85
○和田(一)委員 時間がございませんのでこの程度で終わりますけれども、先ほど申し上げました老人対策に関する、そういったこともひとっこれから大いに検討していただきたいということをお願いしまして、質問を終わります。
#86
○古屋委員長代理 吉田之久君。
#87
○吉田(之)委員 先ほどから各委員からいろいろな質問が精密に展開されたのでございますが、したがって、多少ダブる点をお許しいただきたいと思います。
 まず、恩給の歴史のほうが非常に古いことは十分わかりますけれども、しかし、今日、ここまで定着してきた共済制度でございますから、いわゆる地方公務員の共済の年金の改定が、恩給が改定されるからそれにスラドするんだという、こういう姿勢がいつまでも続いていくということはたいへん自主性に乏しい、いわば現段階においては本末転倒のそしりを免れることはできないのではないかというふうな気がするわけなんですが、その点いかがでしょうか。
#88
○山本(明)政府委員 先ほどもお答えいたしておりますように、本来的には、やはり共済年金制度自体が独自にその年金の改定をするなり何なりすることが私は筋であろうと思います。先生のおっしゃいますことはよくわかるわけでありますが、実態的に見ますと、現在、地方公務員の中には、おそらく半数以上の者が恩給法の適用あるいは準用を受けておる者がおるわけであります。そうしますと、恩給と共済との関係におきまして、共済法施行前は恩給法の適用を受け、施行後は共済法の適用を受ける、私たちがそうでございますけれども、そういう者がおります中に、恩給と共済年金とがあまり均衡を失してしまうということも問題があるのではないだろうかということで、ただいまのところは、恩給の改定に準じた年金の改定をやっておるわけでございます。しかし、いずれは、いま先生のおっしゃいましたように、年金オンリーの、年金制度発足後のそれだけの職員になれば、当然に年金の改定につきましても独自の方法をとらざるを得ないのではないだろうか、このように考えておるわけでございます。そういうことを考えながら、年金自身は検討を進めていかなければならない。実態が両方にまたがる者がかなりおりまして、均衡という観点から見ましても、現時点では私はやむを得ないのではないだろうか、将来の問題としては、先生のおっしゃいましたことを十分検討をしていきたい、このように考えておる次第でございます。
#89
○吉田(之)委員 たいへん不幸なことですけれども、物価の上昇というのは今後こうした傾向で持続されるおそれが十分あると思います。だとするならば、絶えずこういう問題を年々繰り返していかなければならない。一体主客が転倒する時期ですね、いわゆる年金が主体となる時期は大体いつごろと見込まれますか。
#90
○山本(明)政府委員 ちょっとまだ推計をいたしておりませんけれども、まあ勘になるかもしれませんが、十年から十五年先にならなければそういう事態はこないのではないだろうか、このように考えております。
#91
○吉田(之)委員 それから、恩給審議会の答申の中に、消費者物価の上昇が五%以上の場合には、それに対応して調整していかなければならないというふうに答申されておりますが、五%以下の場合には、これは全然考慮する必要がないという判断と受け取れますけれども、その辺のお考え方はいかがですか。
#92
○山本(明)政府委員 一応恩給法のほうはそういう表現をいたしておりますが、公務員の共済のほうは、物価と公務員の給与改定というものが入ってまいっております。われわれの公務員の給与が上がっていく階梯においては、やはり年金のほうも考えなくちゃならないという問題がございますので、両方からこの問題は検討していかなくてはならないのではないか。それで、現在、ことしも恩給の改定の中には、物価の上昇とそれから公務員給与のスライドの部分と、こういうかっこうで入ってまいっておりますから、その両方を考えますときに、物価が五%以下でありましても、あるいは改定をせざるを得ないということになるのではないだろうか、このように考えております。
#93
○吉田(之)委員 ということは、念を押せば、これはそういうことになればけっこうなんですけれども、いま消費者物価の上昇が五%以下におさまったという場合でも、恩給は別としても、年金のほうは絶えず調整改定をしていかざるを得ないであろうというふうに受け取っていいわけですね。
 それから、いま一つは、ちょっと気になる文句として、「国家公務員の給与の上昇が国民の生活水準の伸びを上回るような特別の事情が生じた場合には、」恩給の場合はこの限りでないというふうに受け取れますが、そういう特別の事情が生じたような給与の大幅なベースアップというようなことは間々発生するでしょうか。
#94
○山本(明)政府委員 一般的にはそういう事態というのは起こり得ないのではないだろうかと考えておりますが、やはり物価の上昇と給与改定と、こういう二つのものを踏まえながら、恩給あるいは年金というものを考えていかざるを得ないということからの御趣旨ではないであろうか、このように私は考えておるところでございます。
#95
○吉田(之)委員 そうすると、この答申はよほど念のためにこういうことが書かれてあるというぐらいに受け取っていいと思いますね。
 それから、第二の点は、年金の改定事務が一部の共済組合では相当遅延しているところがあるように聞いておりますけれども、その実態はいかがでございますか。
#96
○佐野説明員 現在は、地方職員共済におきましては各支部ごと、それから公立学校、警察共済は本部、それから各市町村共済、都市共済はそれぞれの組合で年金額の改定をやっております。そうした関係で、個々の実情というものは私どもも十分把握しておりませんですが、ただ、計算事務においては、非常に複雑なために、おくれている支部なり組合が若干あるようでございます。
#97
○吉田(之)委員 あるいは市町村等において若干おくれている傾向があるのかもしれないと思うのです。しかし、言うまでもなく、年金受給者はその生活の相当部分を年金によって維持しているというふうに判断しなければなりませんので、こうした改定時において法律が施行されれば、できるだけすみやかに実施されなければならないと思います。そういう点で政府は一段と指導の任に当たっていただかなければならないのではないか。いずれやるんだから同じだというわけにはまいらないと思います。一そうの善処方をお願いしたいと思いますが、いかがでございますか。
#98
○山本(明)政府委員 おっしゃいましたように、一部には遅延をしておるものがあるようでございますが、これは本部のほう並びに私のほうから関係組合に出向きまして毎年監査をいたしております。その際にはきつく言ってまいっておりまして、そういう点から見つけ出しておるわけでございますが、今後とも努力をいたしたいと思っております。
#99
○吉田(之)委員 もしも事務的に人が足りなかったりあるいは非常に能力が劣ったりするような具体的な要因がありとするならば、この点は行政指導の中で十分に充足をしていく措置をしていただかなければならないというふうに思います。
 それから通算退職年金について、今度の改正では定額部分を厚生年金保険法の改正に準じて引き上げることになっておりますけれども、定額部分を引き上げたということは、引き上げない部分が残っているということになりますか。
#100
○山本(明)政府委員 通算退職年金の今回の額の引き上げは定額部分についての引き上げを行なっておりまして、報酬部分についてはそのままに据え置きになっておるわけでございます。したがいまして、これは通算退職年金制度自体がかなり不備な点がございまして、遺族にはその制度が及んでおらないとか、いま申しましたように、定額部分だけで報酬部分の引き上げが行なわれないとか、非常に問題点があろうかとわれわれは考えております。
#101
○吉田(之)委員 たいへん問題点でありますし、かつ不公平のそしりを売れない。特に受給者が死亡した場合には遺族には遺族年金の受給権が発生しないということは非常に根幹に触れる問題だと思います。したがって、今後この点の検討を大いに急いでもらわなければならないというふうに考えます。
 次に、在職中に死亡した組合員の遺族年金のうち、公務上の傷病を原因としないものの支給要件について厚生年金制度と比較してみると、厚生年金制度では被保険者期間六カ月以上で支給されることになっているのに、地方公務員共済組合では組合員期間十年となっている。この不均衡の点につきましては、きのう野呂委員からも御質問があり御答弁がありましたけれども、なぜ厚生年金の場合と完全に一緒にできないのか。片っ方が六カ月で片っ方は一年だと、何かその辺でたいへん気にしたような感じを持たざるを得ないのです。改正するとするならば、すっぱりと思い切って同じ期間にそろえていいのではないかというふうに思いますが、いかがですか。
#102
○山本(明)政府委員 おっしゃいました点は、厚年のほうが六カ月だからこちらのほうも六カ月に合わせたほうがいいだろうという御意見だろうと私は思います。しかし、厚年自体の仕組みが必ずしもわれわれの年金と同じではない。給付にいたしましても標準報酬にいたしましても違うものでございますから、これをそのまま持ち込むことは必ずしも妥当ではないと私は思っておるわけでございますけれども、ただ、私のほうの地方公務員共済制度の中に、きのう申しましたように、私傷病の廃疾の場合に一年以上という期間の資格がございますので、その条件に合わすのが一つの方法ではないだろうかということから、昨日試案として申し上げたのでございまして、これも関係の方面では、十年をいきなり一年におろすことにつきましては実は非常にむずかしい問題があるわけでございます。そこで厚年との権衡を考えながら、しかも地方共済の中でどの辺におろせば一応妥当性があるかということになれば、先ほど言いました私傷病の廃疾の場合と合わせまして一年というのが妥当ではないだろうか、こういうことできのうはお答えをしてみたわけでございます。
#103
○吉田(之)委員 十年を一ぺんに一年に下げたというのは相当な英断のように思えます。それならば、われわれしろうとから考えれば、片っ方六カ月ならあと半分だから六カ月にそろえたってそうおかしくはないだろう。いろいろないきさつがあることはわかりますけれども、この辺のところは何が絶対正しいかというふうな基準というものはそう明確には求められないのではないか。だとするならば、他の類似した制度とのバランスをとること、あるいは多少の問題はあってもその辺で歩調を整えることが、こうした制度をより一元化し、また国民に納得される道を開く一つの手だてになるのではないかというふうに考えますので、今後こういう改正がなされる場合には、多少の無理はあっても、そろえ得るものはできるだけそういうものにそろえていくというふうな姿勢をおとりになっていいのではないかというふうに思います。
 なお、地方公務員の共済組合の組合員であった者で第一線から引退した者に対しては、現在の職員の先輩であるという点で、社会的にも敬意を払う意味から共済組合の行なう福祉事業の対象者としても決しておかしくはない。特に民間の場合なんぞは大いにその点に意を使っているようでございます。それがつとめた会社に対する非常に好意的な印象を生涯持続する一つの大きな心情的要素にもなっているとわれわれは判断いたしておるのでございます。そうした点で今後一段の努力を払われてもいいのではないかというふうに考えますが、いかがでございますか。
#104
○山本(明)政府委員 おっしゃいましたように、先輩の各位の御努力に対しましてはわれわれも御協力を申し上げたいとは思っておるわけでございます。ただ、たとえば住宅貸し付けのようなものは、組合員の掛け金と地方公共団体の負担金というものによって共済が運営されておるたてまえからいきますと、これを直ちに貸し付けるというようなことはなかなか困難であろうと思いますが、たとえば現在のところ宿泊施設とか保養施設を各地に設けております。この御利用につきましては、私のほうはどうぞわれわれと同じように自由にお使いいただきたいということを申し上げまして、可能な限りおやめになった方々もそういう施設を利用できるような措置を講じておりますし、現にお使いをいただいておるわけでございます。若干PR不足の点はあろうかと思っておりますけれども、今後とも先生の御趣旨を体しましてそういう努力はいたしてみたいと思っております。
#105
○吉田(之)委員 われわれ民間の場合でもよく問題になるのですけれども、やはり退職した人たちは多少遠慮があります。だから、ウエルカムだということを十分に相手に伝えてやる。いまおっしゃいましたいわゆるPRと申しますか、そういう点に一段の配慮が払われても決して配慮し過ぎるということはないと考えます。
 それから、地方議員の年金制度の問題がたいへん問題になっております。行き詰まりはつとに察知できたはずであります。ただ、わが党でもけさいろいろ協議をしたのでございますけれども、大体この制度をつくる当初から問題があったのではないか。現在でも、物価上昇のおりとは申せ、村会議員さん等ではその俸給月額二万円前後の人たちもたくさんおられます。この程度の人たちに年金をつくるということ自身に少し問題があるのではないか。
 それからいま一つは、いま行き詰まってきたこの赤字を解消するために、掛け金をアップすることは大いにけっこうでございますけれども、しかし、なお足らない分を地方自治体からその収支に応じて補てんさせるということがいいのだろうが、そういうように甘えられていいんであろうかという点で非常に論議が残ると思います。もっと極端に言うならば、そういう補てんのしかたではなしに、いっそ上げるべき給与を上げて、そして掛け金をうんと上げて、そして形としてはみずから自立していくという体制が必要だと思うのです。この辺まだいろいろと修正の動きもあるようでございますけれども、それはそれとして、そうした考え方に対して政府はどうお考えになっておるか、そういう甘えた方法ででも解決すべきだとお考えになるのか。私どもはその道は好ましくないというふうに考えるのですが、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#106
○山本(明)政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、現行の制度上、掛け金をもって共済会を運営すると同時に、地方公共団体も負担をすることによって、――赤字が出てしまってどうにもならなくなって共済会が御破算になってしまうということになりますとこれは問題がございますので、掛け金を上げるほか地方公共団体が負担をするという規定をもちまして、現在この三つの共済会の存続を保障しておる規定が実はあるわけであります。といって、いま先生のおっしゃいましたように、まるきり甘えてしまってこれにおんぶをするということも問題があるわけであります。とするならば、掛け金を上げるなり給付をある程度制限するなりしてこの共済会の存続に努力をすることも必要であろう。それと片一方におきます負担の問題、この両者がかみ合いまして共済会が存続できる、こういうふうに考えているのであります。先生のおっしゃいましたように、報酬を上げたらどうだという問題になりますと、これは議員さんの報酬の問題、しかもそれを上げてその中からまた掛け金を上げればいいじゃないかというようなことになりますと、いろいろむずかしい問題になってまいりますので、われわれとしましては、現行の制度の中で可能の限りのものは考えられないかということで、現在検討しておるのが実情でございます。
#107
○吉田(之)委員 このあと門司委員から関連質問がありますので、私の質問はこれで終わります。
#108
○菅委員長 門司亮君から関連質問の申し出がありますので、これを許します。門司亮君。
#109
○門司委員 私が最初に聞いておきたいと思うのは、さっき吉田君から話しましたように、地方議員の共済関係の問題ですけれども、これはできるときにいろいろ問題のあったもので、あまり賛成しなかった法律を無理に通した。こうなることは最初からわかっておった。法律のできるときからわかっておった。したがって責任はどこに所在するかということは私はおのずからわかると思うのです。
 最初に聞いておきたいと思いますことは、地方の議員さんの報酬の実態をこの際明らかにしてもらいたいということであります。これはこの法律の通る前に資料を出してもらいたいということであります。
 私がそういうことを聞きますのは、この共済制度自身というものの根底にある雇用関係、これは御承知のように、日本の場合は大体終身雇用の体系をとっておりますので、したがって老後における一応の保障というようなことが考えられるわけであります。これが外国のように契約制度で、一年契約とか二年契約とかでやっておる場合にはこういう制度は要らないのです。こういう給与体系からくる、あるいは給与に対する概念からくる派生した一つの問題であることには間違いないわけであります。そこに基礎を置きますと、結局議員の身分というものが終身雇用に値するかどうかということ、そもそも出発の際に、生まれるときにそういうことがあまり考慮されないで生まれたものであって、その辺を政府のほうでは一体どうお考えになっておるかということです。だから、この法文自身をもう一度再検討する時期であろうかと私は思う。そうしてこの行き詰まりそうになった経過からいえば、何とか地方の自治体のほうで保障する道を開こうということで、この前の国会で一般財源から繰り入れてもよろしいというような法律に改正されたということであります。したがって、このままにしておけば何回やったって同じなんですね。行けば行くほど悪くなるのです。そうして一方においては、さっき言いましたように、地方の自治体が責任を持って雇用した雇用員とは違うのであって、全然形の違う人にやめられたあとまで地方の乏しい財源の中からこれに税金をつぎ込んでいくことがよろしいかどうかということですね。私は議員の身分というものについては、あくまでも地方の自治体が責任を負わなければならぬという雇用関係とは違うと思うのですね。そこにこの問題が一つあるのであって、したがって、法律ができたときは、御承知のように、別個のものとして考えておったが、だんだん苦しくなってきて現行の法の中に入れてしまって、そうして足りないものはそちらから出してもよろしいということになって、今後はこういう開きがますます出てくると私は思う。この問題は今回限りで片づく問題でもございませんし、将来ますますそういう変なものになってくるというようなことが私は考えられるのでありますが、一体どうお考えですか。こういう制度を存続しておいていいか悪いかということについて自治省の意見をはっきり聞いておきたいと私は思うが、その点について伺いたい。
#110
○山本(明)政府委員 私は先生の御意見、非常にごもっともと承ったのでございます。といいますのは、三十六年に互助会として発足をし、そして三十七年の共済法改正の機会に、先ほどから申しております百六十七条で掛け金を充てるほか地方公共団体が負担をするということで、従来の任意につくられておった互助会が制度として共済法の中に入ってきておるわけであります。その当時、先生も御関係があったそうでありますけれども、本来お互いに助け合う互助会としての発足であったものが、任意であったものが、こういう強制加入の制度に三十七年になってきた。そこで、その際に、先ほど申しましたように、地方公共団体が一定の負担をすることによってこの共済会の永久保障をしていこう、つぶれないようにこの保障をしていこうというかっこうでこの制度が入ってまいっておるわけであります。したがって、現在そういうかっこうで発足をし、今日まで来たものでございますので、これがつぶれてしまうといいますか、この制度の運営ができなくなってしまうということにつきましては、やはり考えてあげる必要があるのではないだろうかという気はしておるわけであります。だから、制度的な問題としては先生の御意見は一つの御意見として私は出てくると思いますが、現にそういうかっこうで発足をし、任意加入でありましたのが強制加入というようなかっこうでこういう制度になってきた現段階におきましては、またやむを得ないものがあるのではないだろうか。きわめてあいまいな答えになりまして恐縮でございますけれども、そういう気が実はしておるのでございます。
#111
○門司委員 私がそういうことを聞きましたのは、地方財政の非常に逼迫しておるときに、このあなた方のほうから出てきた書類や見てごらんなさい。どういうことになるかということである。五十五年の計算でいまから十年てば、結局積み立て額のマイナスというのがどういう数字になってあらわれてくるかということは、ここに書いてあるとおりだと私は思うのです。府県会のほうで二十九億九千二百万円ということ、それから市会議員の関係で百三十八億八千五百万円という数字でしょう。それから町村議会のほうで九十七億二千五百万円、こういう数字。そうしてマイナスはそれではどうかというと、マイナスの場合だけを見てみても、町村のほうで大体二十億、それから市会のほうは三十四億九千四百万円という数字、府県会のほうが七億七千六百万円、こういうばかばかしい数字でしょう。これは一体いまの地方税制のワクの中で何%に当たるのですか。そういう数字がありますか。いわゆる税金と、つぎ込まなければならないと考えられる数字の割合ですけれども、あったら、それをここでひとつ示しておいてもらいたい。これは私のほうで計算してもわかることなのだけれども。
#112
○山本(明)政府委員 先生のお手元に行っておりますのは、百分の七で現在の会員数に平均標準報酬をかけ、そしてそれに伴う支出で計算をしたものでございます。したがって、これに対してどのような措置をとるかということにつきましては、ただいま検討しておる段階でございまして、先生のおっしゃいました五十一年を見ますと、都道府県で三億六千万円でございます。それから、五十年がいいと思いますが、五十年が市が十億、それから町村が十億、府県はまだ三千万ありますから、結局二十億が五十年に要るというかっこうになろうかと思います、全部合わせまして。そしてそれから五十二年、五十三年、五十四年というのがここにございますように、五十五年で府県が二十九億、市が百三十八億、町村が九十七億、約二百三十億くらいになるのではなかろうか、こういう感じがするわけでございます。この結果を合わせますと……。
#113
○門司委員 この結果を合わせてごらんなさい、大体どのくらいになりますか。二百五十億余りに私はなると思うのですね。こういう数字が大体地方自治体に負担させてよろしいかどうかということなんですね。私は、こういう制度自身に、最初からおかしな法律であって、疑問があって、そのときの経緯をいまから私が話してみたところで、できた法律だから始まらぬけれども、そういう生まれるときには互助年金としての生まれ方をして、そうしてこれがこうなるであろうということは、その当時から予測されておったことである。そうしてそれがだんだん深みに入っていくというか、五十五年には大体この二百五十億ぐらいの赤字になるだろう。そうしてこれだけ補てんしなければならぬだろうという事態を、一体このまま放任しておいてよろしいかどうかということなんですね。さっき申し上げましたように、職員のほうは、これは終身職としての一応のめどで責任を持って市が雇い入れたものでありまして、これは制度上の一つの問題といえば制度上の問題だけれども、職員自身というのは制度上の問題というよりも、むしろ事務の、要するに行政執行の面の必要の問題であって、議員さんのほうはそれとはやや趣を異にしているのであって、一つの制度上の問題として議会制度というものを今日存続している限りは、議員さんがいることは当然でありまするが、しかし、これは何も市民が責任を持って雇い入れたというのではないということなんですね。それが同じようなところで処置されていく、しかも一般職の諸君については赤字の出ないように掛け金はずっと上げられてきておって、そうして何とかつじつまを合わせていくということ、しかもその中で自治体自身が負担する部分というのはおのずからきめられておる。これは私はそれでよろしいと思うのです。ところが、片方のほうは赤字がふえてくればくるほど財源もなく、こっちをふやしていくということになると、極端なことを言うと、これから何十年あるいは何百年か先になると、市の税金がみんなここに食われてしまうのではないか。実際ないとは限らないです。そうして最近――互助年金のできた当時は、まだ新しい議会になってからの年限が非常に浅かったから、給付を受けるほうの人が非常に少なかったからまだつじつまが合うという計算が一応できたかもしれない。しかし、最近はそちらのほうは受給資格を持つ人は無制限にふえていく。無制限というとおこるかもしれませんが、実際は無制限にふえていくわけです、制限することはできないのでありますから。そうして給与のほうは依然としてさっきのお話のようにどうもきめるわけにはいかない。これはもう任意でひとつきめてもらいたいということになると、これは実際上もつじつまが合わぬものが出てくる。最初からわかっておったものが、この辺でこれ以上持続することはしないで、何とかこれを考える道はないかということであります。ほかに見つからないからしかたがないから、こういうことでつじつまを合わせるということに私はなろうかと思いますけれども、したがって、将来の見通しをこの際聞いておきたいと思うのですけれども、どういう見通しといいますか、これは五十五年までの見通しですが、これはいつかつじつまの合うような時期が来るという見通しがありますか。永久にこれは赤字が続くのだ、永久に埋めていかなければならないのだ、こういうことになりますと、これは財政上たいへん問題になると思うのです、実際は。どうなんですか、一体見通しは。やむを得ずこういう法律があってこういうことになっているから、一応暫定措置としてこういうことをやるのだ、将来は将来のことだと言われればそれまでだと私は思うけれども、これは見通しはどうなんです。永久にこれを続けてごらんなさい。ずいぶん長いものになりますよ。そうして最近の議員の諸君の年齢というのは、人間の年齢が延びておりますから、だんだん延びてくるに間違いないのであって、昔のように早死にすれば資格を持った人が少なくなりますが、だんだん人間の寿命は延びている。若年停止の規定があっても受給年限というのは延びる、こういう感じがしないわけにはいかぬのであります。そうすると、ますます、考えれば考えるほど現実離れのした制度だと言わざるを得ないようになってくるのです。
 きょうは大臣おいでになっていないけれども、次官のほうでも何かお考えがあるなら、ひとつあまり遠慮しないで言っておいてもらいたい。私がこういうことを言ったから地方公務員の諸君は、あいつはとんでもないことを言っているというふうに感じているかもしれない。しかし、自治省のほうもはっきりものを言うと、どうも自治省は議員に対してあまりいい感じがしないという対外的の感情があるかもしれない。あるかもしれないけれども、財政自体を見ていくと、看過すべきものではないと私は思う。だから、その辺もひとつ考えて遠慮しないでものを言っておいていただきたいと思う。
#114
○山本(明)政府委員 おっしゃいましたように、この問題の一つの考え方として、先ほどからもお答えいたしておりますように、掛け金を上げる、さらには現在のところは退職時におきましての報酬を基礎にいたしまして年金額を計算しておりますけれども、たとえば一つの例でございますけれども、われわれ公務員のほうは三ヶ年平均をもって基礎といたしております。それでも給付の制限が歯どめになるであろう、そういうような条件を考えながら、共済会自体が経営の努力をするということが一つあるだろうと思います。そうして一方には、先ほど申しました地方公共団体の負担をどのようなかっこうですべきであろうかという問題を実は検討をしておる段階でございます。かなり消極的な私たちの態度でございますけれども、現にございます共済会を、先生のおっしゃいましたように、新たな方向で転換する問題につきましては、実のところまだその方法が見つからないというのが実情でございます。
#115
○門司委員 あまりはっきりした答弁でなくて、常に心細い答弁ですが、そうすると、いつまでもこれは持続するというお考えで検討はされていないということで、私はこのことはほんとうにしんからひとつ検討しておいていただきたいと思うのです、この制度だけは。だから、どこかで転換する必要があるなら、これを転換をしていくということは必要だ。たとえば退職の場合に、いまの制度では退職の年金を差し上げるということはなかなかむずかしいと思うし、現在は何とかやっているようでありますけれども、ほかの方法で労に報いるというようなことはできるのではないか。いわゆる終身雇用のたてまえから考えたこういう共済の方法とそうでないものとが一つになっているところに問題があるので、片っ方は何にも――はっきり言えば、これもまた地方の議員からおこられるかもしれませんが、十二年、三期やればそれでいいんだ、それでもう受給資格はできたのだから、あとはほかの職業に行ってもいいんだ。任意にやっておるいまの議員の制度ですから、私はここまで議員の皆さんに対して自治体が責任を負わなければならぬかということについては、河鹿も繰り返すようですけれども、疑問があるんですよ、実際は。こういうところからいろいろな問題が派生する可能性がありはしないかということは、一方において財政が足りない足りないと言いながら、こういう形で金が出てくる。五十五年には、全部計算すると大体二百六十五億ぐらいに見積もりはなるのですが、これは私はたいへんな持ち出しだと思うのですよ、実際は。だから、もう少し真剣に考えるというようなことにはなりませんか。私は何も既得権を全部奪ってしまえとは言わないけれども、きょうは時間もありませんし、この問題だけを長くやっていることもできませんが、せめてこれには何かの方法がありはしないかということですね。ごく簡単に、互助年金として生まれたものだから互助年金としての精神だけは残しておこうというようなことが、どこかに考えられないかということです。これは思いつきの案であって、私は必ずしもこれがいいとは言いませんけれども、だんだんスライドしてくる、しないわけにいかないと私は思うのですね。一般の公務員の共済組合の中に入っておりますので、これもスライドしないわけにはいかない。ところが、現実に言って、このお金というのは非常に少ないんだという、バランスがどうしても出てくる。そうなってまいりますと、その間の、受給されるようになったときには、掛け金だけはやはり受給の金額の中から差し引いていって、義務は義務として果たしてもらうというような形のものができれば、幾らか私は穴埋めができると思うのですよ。一般公務員の諸君と特別職のこれらの諸君との負担関係の差額はあってもいいんじゃないかと私は思うが、何とかこの赤字が減ることを考えないと、このまま続けていってごらんなさい、いまに、これから十年もたって二十年もたつと、まごまごすれば一千億なんて数字が出てこないとも限らぬですよ。そうなりますと、住民感情としてもあまりいい感情にはならぬと思う。そうすると、議会制度というものに対しての信頼感というものが薄くなってくるということが考えられる。
 だから、どうでしょう。これで私は質問をやめますけれども、真剣にひとつ考えてもらうというわけにいきませんか。さっき申し上げましたようなことも、私のいまの一つの思いつきだから、これがいいとは言いませんけれども、何らかの形で赤字を減らしていくということ、本人の負担をたくさんさせるということ、さかのぼってさせるというようなことはなかなかできやしませんけれども、どうですか、そういう話し合いにはなりませんか。
#116
○山本(明)政府委員 先生のおっしゃいましたように、掛け金で措置をする、掛け金の上昇という問題が一つございましょう。それからたとえばこの資料の都道府県議会議員共済会を見ていただきますと、標準報酬が十五万円で上限を切ってございます。実際には二十万、現在平均しますと十八万くらいいっておると思いますけれども、十五万円で上限を切っておる。これはやはり市町村についても上限を切っていくという方法が一つ。共済のほうは十五万でございます。実際は十八万程度でございますけれども、十五万で切っていく。今度はこういうような給付自体のほうの歯どめといいますか、制限といいますか、これも考えていく。それから掛け金を増徴していく。こういう問題等も考えながらこの問題は措置すべきであろうと、私もかように考えております。いま直ちにこれという名案は出ませんけれども、そういうような方向でこの問題の措置を考えていかなければならないのじゃないであろうか。共済会の方々にもその話は実はしておるわけであります。ここですぐの名案は出ませんけれども、さらに検討はさしていただこうと思っております。
#117
○門司委員 さっき申し上げました地方議員の給与の実態については、ひとつ表を出していただきたいということと、それからもう一つは、したがって、受給者の割合はどのくらいの数字が出ておるかということを、ひとつ資料として出していただきたいと思います。
 これで終わります。
#118
○古屋委員長代理 次回は、明十四日午前十時から理事会、十時半から委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。
   午後一時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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