くにさくロゴ
1970/05/14 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第28号
姉妹サイト
 
1970/05/14 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第28号

#1
第065回国会 地方行政委員会 第28号
昭和四十六年五月十四日(金曜日)
    午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 菅  太郎君
   理事 塩川正十郎君 理事 砂田 重民君
   理事 古屋  亨君 理事 山口 鶴男君
   理事 小濱 新次君 理事 吉田 之久君
      岡崎 英城君    亀山 孝一君
      國場 幸昌君    高鳥  修君
      中村 弘海君    中山 正暉君
      永山 忠則君    野呂 恭一君
      村田敬次郎君    安田 貴六君
      山口 敏夫君    豊  永光君
      綿貫 民輔君    下平 正一君
      華山 親義君    山本弥之助君
      桑名 義治君    和田 一郎君
      門司  亮君    林  百郎君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 秋田 大助君
 出席政府委員
        自治省行政局長 宮澤  弘君
        自治省行政局公
        務員部長    山本  明君
 委員外の出席者
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十四日
 辞任         補欠選任
  野呂 恭一君     山口 敏夫君
  山本 幸一君     華山 親義君
同日
 辞任         補欠選任
  山口 敏夫君     野呂 恭一君
  華山 親義君     山本 幸一君
    ―――――――――――――
五月十三日
 特別区の自治権拡充に関する請願(小林政子君
 紹介)(第五四三九号)
 個人県民税の徴収取扱費に関する請願(林百郎
 君紹介)(第五四四〇号)
 道路交通法改正に関する請願(井岡大治君紹介)
 (第五五七一号)
 同(金丸徳重君紹介)(第五五七二号)
 同(斉藤正男君紹介)(第五五七三号)
 同(山口鶴男君紹介)(第五五七四号)
 ドライブイン等において酒類の販売を禁止する
 法律の制定に関する請願(坪川信三君紹介)(第
 五五八二号)
 自動車税の納税義務者に関する請願(神田博君
 紹介)(第五五八三号)
 同(安田貴六君紹介)(第五五八四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済
 組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一
 部を改正する法律案(内閣提出第七二号)
 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法
 律案(華山親義君外六名提出、衆法第二一号)
 地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一〇三号)
     ――――◇―――――
#2
○塩川委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長所用のため出席がおくれますので、委員長の指名によりまして、理事の私が委員長の職務を行ないます。
 内閣提出にかかる昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改正等に関する法律等の一部を改正する法律案及び華山親義君外六名提出にかかる地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本弥之助君。
#3
○山本(弥)委員 すでに他の委員から十分質問をいたしておりますので、重複する点もあり、また確認の意味をもちましてお尋ねいたしたいと思います。
 第一点は、市町村職員共済組合の短期給付の財源率の問題でありますが、これはすでに山口委員からも御質問申し上げたのでありますが、掛け金が一部の都市、ことに北海道、東北あるいは北陸、四国、九州というふうに、相当高率に相なっておるわけでありますが、自治省のほうで、何か高率になっております原因、理由といったようなものを御調査に相なっておるわけでありますか。
#4
○山本(明)政府委員 的確にそれぞれこまかい調査はいたしておりませんけれども、大体傾向としては、昨日も申し上げましたように、給与額それ自体が低いというところが、高くなっておる地方に大体入っておるということが一つでございます。それから東北とかそういうところは、自然条件が健康的な面から見てどうしても悪条件である、こういうところが高くなっておるのではないだろうかという概観をわれわれとしては持っておるわけであります。
#5
○山本(弥)委員 ただいまのお話の、こういう地域はいわば給与水準が低いというお話と、地理的な環境条件、こういうお話でありますが、私もその点はそうだろうと思います。
 もう一つ加えまして、最近私どもの岩手県の例をとりましても、御承知のとおり、こういう非常に生活水準の低い地域におきましては、健康ということが地域住民の生活の重要な問題でありますので、かつては国民健康保険の実施ということに熱を入れ、さらにはこれに伴う医療機関といいますか、直診制度というものを整備いたしまして、直診にかかる際は十割給付というようなことで、医療の確保の問題、健康管理の問題については全力を尽くしたわけなんです。それが皆保険の結果、逐次――開業医のほうからの問題もあったでしょうし、あるいは多少生活にゆとりのある方々がよりよい医療を求めて地域から出ていく、診療を受けにいくということもあろうかと思うのです。そういう関係で直診が後退する。直診の場合のみ十割給付ということは後退せざるを得なくなるという関係もあると思うのであります。そういうことで、直診の経費が国民健康保険と同じように赤字になってきたということで、私は医療の問題が、無医地区その他の関係で、病気の前の治療というものが、僻地の町村におきましては、他の中心都市に出ていかなければいけないということにも関係があると思うのです。それからいま公務員部長のお話になりました給与水準の問題ですね。これが低いというお話は、私はやはり重要な問題だと思うのです。これはほかの問題すべてにあてはまるわけです。そういうふうに医療の問題に力点を入れますとともに、国保で乳児医療の十割給付あるいは老人の十割給付に近いところに努力をするという配慮がどうしても国保なりあるいは地域の税負担にはね返ってくる。したがって、いつまでも固定資産税におきましても住民税におきましても、超過課税ということが長く続いておった。本年は大部分解消することになりましょうが、これは自治省の配慮によってそういうことになっておる。そうなりますと、短期給付の負担は、こういうところは高いということは、二重三重に非常に高い負担をしておるということが言えるわけですが、この点につきましては、すでに各委員から自治省が十分配慮することについての質問がなされておるわけでありますから、おそらく配慮が願えるものと思うのでありますが、部長さんとしてはどうでございますか。これは早急といいますか、来年度予算あたりで高いところは直ちに配慮する。たとえば九十をこえるようなところは直ちに補助金なり負担金によって配慮するというような御答弁があったように記憶しておるわけでございます。これは間違いなく来年度あたりにそういう配慮をなさるわけでございましょうか、この点をお聞きしたい。
#6
○山本(明)政府委員 昨日来お答えいたしておりますように、これは昨年から検討事項になっておりまして調査を進めてまいっております。したがいまして、大体めどがつきつつございます。ただ問題は、きのうもお答えいたしましたように、若干段階を設けることを考えておりますので、若干おくれるかもしれませんけれども、四十六年には実施いたしたい。基準を自治省令でお示しいたしたい。その場合に、財源措置は、四十七年、翌年度精算で特別交付税等によりまして、財政当局にお願いいたしまして財源措置をいたしたいということを考えておるわけでございます。
#7
○山本(弥)委員 関東は群馬県を例外といたしまして非常に標準に近いわけですね。そのほか大阪、関西のほうはちょっと高いようでありますが、いずれにいたしましても、こういった地域に比べまして先ほどいろいろな事情があると申し上げました事情によりまして、こういう点も早く私は配慮願いたいと思うのでありますが、四十六年できめられる基準、それをもう少し具体的にお聞かせ願いたいと思います。
#8
○山本(明)政府委員 これはセットしたものではございませんけれども、大体本人の掛け金のほうを中心にして私たちは考えたいと思っております。本人の負担を減らすという意味においてこれを中心に考えていきたいということで、大体四十六から五十くらいのところには八割補助をする、それから五十一以上のところは十割補助をする、こういうような段階を設ける、これは例でございますが、設けることによって、組合自身の企業努力をお願いすると同時に、片一方には、高くなりましたものについては十割の補助をするというのが適当ではないだろうかというので、若干四十六がいいか五十がいいか、その辺はもう少し実態を見て動かそうと思っておりますが、そういう気持ちを持っておるわけでございます。
#9
○山本(弥)委員 それではあまり配慮しないことになりはしないでしょうか。五十以上は一〇〇%ということになりますと、相当努力によりまして五十は下げなければいかぬと私は思うのであります。五十以上は一〇〇%、四十六以上は八〇%ということでなく、もっと四十見当あるいは四十そこそこというようなところできめるべきじゃないかと思うのです、もし十割の補助金が出せない場合は。八割ということであれば四十くらいから配慮すべきじゃないかと思うのです。
 大臣に、こまかい問題ですけれども、先ほどからお聞きになっておりますとおり、こういった北海道、東北、四国、九州という方面は、医療機関の分布状態からいいましてもあるいは職員の給与水準からいいましても、非常に低いところで無理をしておるということが言えるわけですから、そういうところほど高率の掛け金をしなければならないということについては、ある程度まで私は配慮すべきではないか。いわゆる最高限度を押えまして、普通平均が四十一くらいのところになっておるわけでありますから、この平均をこえるようなところは十割の補助金を出さないまでもある程度配慮し、それ以上高くなりますと、さらに十割の配慮をするというふうなことくらいは私はなすっていいんじゃないか、かように考えられるのですが、こまかい問題でございますが、いわゆる僻地の職員の問題として重要な問題でございますので、大臣の御決意を承りたいと思います。
#10
○秋田国務大臣 さらによく検討いたし、できるだけ御趣旨に沿えるように、また御趣旨を尊重して検討を前向きにしてみたいと思います。
#11
○山本(弥)委員 この退職年金は恩給に準じてやっておられるわけであります。恩給のほうも逐次――逐次といいますか、相当物価を配慮しあるいは公務員の給与水準を配慮するという方式が定着してきておるようであります。大体本年の改定も昨年の改定に準じた改定、物価の上昇率あるいは一部公務員の給与水準を配慮するというやり方をとっておるわけであります。したがって、地方公務員につきましても恩給制度に準じておやりになっておりますので、むしろ総理府のほうにお聞きしなければならぬ問題かと思うのでありますが、去年と同じわけでありますが、消費者物価の上昇率にいたしましても、公務員の給与の上昇率にいたしましても、その直前の年度をとっておるわけじゃなくて、その前々年度との比較なんですね。これはある意味では将来スライド制に移行するということからいいましても、一応見当がつく限りにおきましては、本年度は四十四年度における上昇率ですが、四十五年度をとるというような配慮は考えられないものでございましょうか。
 それともう一点、公務員の給与の上昇との関連で、公務員給与の上昇率から物価の上昇率を差し引いてその六割を見ておるわけですね。これなども、六割をあるいは全額見るとか、もう少し率を高めるとかというふうに、少し給与の上昇にスライドさせるということも加味してもいいのじゃないか、そういう気もするわけでありますが、どういうふうにお考えになっておりましょうか。
#12
○山本(明)政府委員 恩給の年額の増額の考え方につきまして、これは私のほうが直接お答えすることは非常に困難でございますが、われわれの承っておりますところでは、先ほどおっしゃいましたように、四十四年の十月の水準の積み残し分を四十五年の十月の水準に引き直しましたものと、それから四十五年の十月給与改定というものを考えながらあわせて計算しておるということでございます。御質問のように、前の年度のやつを使ったらどうか、私もそのような御意見はごもっともだと思いますが、実際、概算要求しますときに、具体的に的確な数字が出ませんものですから、どうしても二年前になりますか、確定したものを使わざるを得ない、推計をすることは困難であるからということで、それが順次翌年度以降のものに是正をされていくのではないだろうかと考えております。
 それから六割というのも、六割がいいのか七割がいいのか、いろいろな問題があろうと思いますけれども、一応現段階におきましては、給与改定分と物価の上昇分との差といいますか率といいますか、その六割にしておるのでございまして、ちょっとこの辺のところは、なぜ六割にしたかということの具体的な説明を、私、しかねるわけでございます。そういうかっこうで恩給のほうはきめられておる、その率を私たちは恩給との均衡を考えまして使っておるというのが実情でございます。
#13
○山本(弥)委員 恩給に準ずるというたてまえをとっておりますとこういうことになることはやむを得ないと思います。公務員の年金についてスライド制の採用等を配慮しなければならない時期が、この法案の審議の過程におきましても山中長官あたりからもお話があり、皆さま方のほうも御努力を願っておるということを承ったわけでありますけれども、そういう場合には、この方式はどういうふうにお考えになっておりますか。大体こういう方式をおとりになるのか、あるいはただいま私が申し上げたように、四十五年度のベースアップの関係はもうすでに十月ごろにはわかっておるわけです。物価の上昇も大体見当はつくわけでございますね。あるいは六割に見るというようなことについても、これは検討中だと思いますけれども、こういう方法を踏襲されるわけでありますか、もう少し有利な方法をお考えになりつつあるわけなんですか。
#14
○山本(明)政府委員 技術的にできないものはこれはやむを得ませんけれども、はっきりと確定した数字が出ますならば、給与につきましてはなるべく近い時期におきます資料を使うべきだろうと私は考えております。
 それから六割につきましても、共済独自になりました場合に六割がいいのか七割がいいのか、その辺のところはもう少し実態をつかまえて検討をしてみたいということで、現在のところは鋭意検討を進めておる段階でございます。
#15
○山本(弥)委員 こういうことをいろいろ配慮いたしますと、ただいま年金給付の算定基礎というのは、退職前三カ年の給料の平均をとっておるわけなんですね。これなども、勧奨退職その他の関係も、そういうときに給与のアップをするというようなこともありましょう、あるいは退職金の算定を有利にするということもありましょうけれども、そういう場合に期待するのが、アップがあればそれが年金にいい影響を与えるということの期待なんですね。それが過去三年間ということであれば、スライド制をとるにいたしましても逐次現職の公務員とおくれてまいるということはやむを得ないわけですから、やむを得ないとしても、それだけ不利になるわけですから、退職時の給料というものを基準にいたしましてできるだけスライド制が退職者に有効に働く、そういう配慮をすべきだと思いますけれども、この点はどういうふうにお考えになりますか。
#16
○山本(明)政府委員 退職時の給料を基礎にすべきだという御意見も一部にはございますけれども、退職時に、先ほど先生のおっしゃいましたように、給与を上げる団体もございますし、その上げ幅にもかなりいろいろな問題もございますし、上げておらないところもありますし、その辺の均衡というのが非常にむずかしくなってきます。退職時に上げるところと上げないところとの均衡の問題、さらにはわれわれが一つ大きな問題と考えておりますのは、厚生年金が総報酬の平均になっております。こちらのほうが退職前三年、これとの均衡もございまして、現在でも厚生年金等に比べまして共済のほうが有利でございますが、さらにそれが有利になっていく。年金間のバランスという問題もございますし、さらには掛け金、財源率の計算の問題からしますと、退職時にすることによって掛け金の率が上がっていく可能性も出てくるんじゃないかということ等も考えまして、退職前三カ年間の給与の平均額というのが一応いまのところは定着した額ではないだろうか、定着した方法ではないだろうかという気がいたしております。
#17
○山本(弥)委員 この点はいろいろ他の給付との関連もあろうかと思いますけれども、やはりどこかの制度が先行する必要があるのじゃないか。そのことによりましていわゆる退職年金、社会保険といいますけれども、社会保障的な性格を持つ退職年金を有利に配慮してやる。特に老後の保障なども問題になっているときでもありますので、このことも必要ではないだろうか。ことに公務員給与の場合は民間給与ベース五%アップにスライドするという、むしろ公務員の場合は逆に民間にあと追いというかっこうになるわけでありますので、こういった問題については比較的有利に私は配慮すべきじゃないかということで御検討願いたいと思っております。
 次に、共済給付を受ける遺族の要件が今度は緩和せられまして、配偶者の場合は無条件で給付を受けられるということになったわけであります。その他の遺族につきましても、ちょっと聞き漏らしたわけでありますが、省令ですかあるいは政令ですかで有利な配慮をするというふうな御答弁があったように記憶しておるのでありますが、いわゆる配偶者以外の遺族に対する配慮についてお聞かせ願いたいと思います。
#18
○山本(明)政府委員 配偶者だけは今回は法律ではっきり何らの制限もなしに遺族にするようにしたわけでございます。その他の者につきましては、主として組合員の収入により生計を維持しておるという条件があるわけでございまして、それを政令で一応認定の基準をつくっております。その中で、現在のところ問題でございますのは、所得制限につきまして十七万七千円といういわゆる給与法上の扶養手当の対象となる被扶養者の制限、上限がございます。これを、十七万七千円ではきょう日いかにも非常に少ない感じがいたしますので、ちょうど所得税法上の扶養控除の対象の場合に上限が三十一万七千五百円というのがございます。そこまで上げれば――何か一つの基準がないと、それだけ簡単に四十万とか五十万といきませんものですから、所得税法上のこの数字を使いまして、上限を十七万七千円から三十一万七千五百円まで上げるということをひとつ考えております。
 それからもう一つは、従来は扶養の五〇%以上を本人が持つということになっておったわけでございます。それを今回は扶養の中心になるという考え方ができないか。三人おりますときに、長男が四〇%、次男が三〇%、三男が三〇%という場合は、従来でございますと、それは五〇%をこえてないからだめだ。しかし、それはおかしいではないか。実際はその長男が中心になっておるじゃないか。その方の遺族への扶養関係というのは認めてもいいじゃないか。これを扶養の中心となっておる者ということにして、そういう場合も救済すべきであろう、対象にすべきであろうということで、大体大蔵省とも話はいたしまして、そういうようなかっこうで措置をしていきたい、拡大をしていきたい、このように考えております。いずれ政令をもちましてこれを出したいと思っております。
#19
○山本(弥)委員 そういたしますと、中心になっておるということは、出し合っておるうちで最も多額のものを負担しておる者が組合員である場合は、その遺族の点については配慮する、こういうことになるわけですね。
 それから次に、遺族年金の場合に、配偶者が五〇%ということに現行ではなっておりますね。これは相当古い恩給時代から五〇%、こうなっておるようでありますが、今日核家族という時代になかなか子供にめんどうを見てもらえないというときに、老夫婦が残された。いまの年金で、在職中に相当高額でない限りは、老夫婦が年金で生活できるという時代ではないと私は思うのであります。そのときに御主人がなくなったという場合に、一人減ったから半額でもいいじゃないかという考え方は、昔の古い時代には確かにそのことは言える。半額になって年金をもらいあるいは子供のめんどうも受けながら十分老後の生活が保障されるということは言えると思うのでありますが、いまの時代は昔の時代とは相当変わってきているのではないかと思いますので、この五〇%というのはやはり率を高めるべきではないか。一人減ったから半額というわけにはまいらぬのではないかという感じがいたすわけであります。これらをある程度まで増額するというふうな話し合いはなされておりませんでしょうか、どうでしょうか。
#20
○山本(明)政府委員 先生のおっしゃいましたように、遺族年金の支給額が退職年金の半分だという問題につきましては、必ずしも十分であるとは言えないという感じもいたしますけれども、しからばそれをどの程度までの率にしたらいいか、七割がいいのか八割がいいのかということになりますと、これまた的確な数字もございません。もし五割を若干七割とか八割に上げることになりますと、当然に今度は財源率のほうにもはね返ってまいりますし、非常に多方面に影響があるわけでございまして、これは社会保障制度全般の問題としてやはり検討すべき問題ではあろうとは思っておりますけれども、直ちにこれを上げるという方向でただいまのところ話をしておるということはございません。かなり全般に影響する問題でございますので、慎重な配慮をすべきである、このように私は考えております。
#21
○山本(弥)委員 同じ遺族年金の問題でありますけれども、遺族年金を受ける該当者がないという場合に、多年掛け金もかけてそれを期待しながら、老後を期待しながら公務に精励したという場合に、そういう方の年金の該当者がないということで、いわばかけ捨てになるわけですね。これらを救済する意味で、ある程度まで生計の維持に関係がない場合でも、いわば当然生計の維持に関係のあった場合にはもらえるであろうという遺族に対して、私は年金がなくても、遺族一時金を支給するという制度は、これは配慮すべきではないか、かように考えるわけですが、この点はどういうふうにお考えですか。
#22
○山本(明)政府委員 なるほどかけ捨てになるという事例も私はあるとは思いますけれども、この共済制度が、組合員それから組合員の扶養関係にある家族の相互扶助の関係から成立しておるものでございまして、真に扶養関係にない者に、かけ捨てになるからといって、これをそういう関係の方に給付をするということは、社会保険制度の趣旨からどうであろうかという気もするわけでございます。その辺のところは、気持ちもよくわかりますけれども、全体として考えますときに、やはり何らかの意味で組合員あるいはその扶養関係にある者というものを取り上げて考えるべきものでありまして、検討は今後することにいたしまして、われわれとしては現段階としてはそこまで手を広げられない。また社会保険制度の本旨から照らしてどうであろうかという気がするわけであります。
#23
○山本(弥)委員 該当しないということは、いろいろな意味におきましていまの社会情勢の関連もありますので、私は一がいに該当しないからといって、それらに対する一時金としての配慮をしないということは、やはり故人との関連からいっても、ある程度までこういう問題も検討していい問題ではなかろうか。年金でないまでも、一時金として身近な遺族の方に、その後の問題については当然考えなければならぬ問題がいろいろ死後にも残されておるわけでありますので、それらの点も合わせて将来の検討事項として検討願いたい、かように考えております。
 なお、健保改正で当然配慮されると思うのでありますけれども、退職者についての短期給付の特例については、現在は療養給付の支給開始後五年間は療養の給付を受けることができる、こういうことになっておりますが、退職後に療養を必要とするという場合がよくあると思うのでありますが、この場合にある期間を限って、また退職者の勤務年限等も配慮しながら、退職後ある期間療養給付を受ける配慮をすべきである、かように考えますが、今回の健保の改正はそういうことでこちらのほうに当然はね返ってくるわけですね。
#24
○山本(明)政府委員 これも昨年から御意見がございまして、われわれといたしましても検討しておったところでございます。退職後二、三年あるいは五年くらいまでの間の人の罹病率が非常に多いということで、何とかできないだろうかという検討はいたしております。今回健保の改正によりまして、健保法との関連におきまして、向こうの附則で、ただいま申しました退職後の関係の方々の医療給付につきましては、改正案の中に入れてございますので、そちらのほうで措置を願おう。向こうで改正になりますれば、当然こちらの共済のほうで実施ができるという姿にいたしておるわけでございます。
#25
○山本(弥)委員 それから、すでにくどくお話も出た問題でありますが、専従者の問題ですね。これはおそらく私どもといたしましては強く要請をしなければならぬ問題の一つなのですが、山口委員が、いわゆる退職後役員というかっこうで組合に関係する以上は、長期給付はもとより、短期給付を受けられるような配慮をすべきではないかという質問もなすっているわけです。いろいろ身分上の関係もございましょうけれども、退職後であっても、やはり当該地方公共団体の職員と一体としての組合運営に専従しておるわけでありますので、短期給付についてはこれは十分配慮しても至当ではなかろうか、私はかように考えるわけであります。これらも、今回の改正には盛り込まれておりませんけれども、次の機会には十分配慮願いたいと思っておりますが、どういうお考えでございましょうか。
 なお、これに関連いたしまして、いろいろ共済の運営に関係のある審議会だとかあるいは地方公務員の共済組合の運営審議会というものの委員の問題であります。これは当然大臣が組合の組合員のうちから任命するというふうな制度になっておるわけです。しかし、組合員といいましても、やはり専従が組合の事情を一番よくわかっておるわけですね。ですから、そういうのをやはり任命すべきではないか、かように考えるわけであります。この二点につきましてお聞かせ願いたいと思います。
#26
○山本(明)政府委員 第一点の問題でございますが、これは沿革的に見ますと、公務員関係の短期給付というのが健保事業の前にございまして、そして健保制度というのが出てきたときに、健保事業の代行として、本来は健保の中でやるのだけれども、一応先にやっておる、その共済の短期給付制度があるから、これは代行として認めようというかっこうで今日まで続いておる。それで、公務員という特殊性に基づいてつくられて当初は発足をし、そういうかっこうで健保事業の代行として認められておるものでございます。したがって、現在のところは、公務員の身分を失った者、公務員以外の者にこの制度を適用しておるということはないわけでございまして、沿革からいきましても、私は、公務員という身分を失った場合にこの制度の中に残しておくことにつきましては、かなり疑問があるのではないかという気がいたします。そうして、もしやめられた方は、おそらく国保なり政府管掌健保のほうにそれぞれ行く。その場合に給付の差があるじゃないかという御意見があるいはあるかもしれませんけれども、現にそれは、それぞれの適用を受けておるところの職員につきましては、共済との間に差はあることは事実なんでございまして、そこまで実は現段階においては私は考えておらないのでございます。
 それから二番目の問題は、組合運営審議会なり、それから共済審議会でございますか、ここにおきまして、組合代表の方に出てもらっておるわけでございますが、これは職員を代表するものとして、職員のそういう給与等の改善をしようというので団体の代表という意味で、そういう仕事をしておられますから出てもらっておるのでありますが、私は、この人たちが専従、いわゆるプロ専といいますか、専従オンリーになったといって、これを継続するということについてはやはり問題があるのじゃないか。やはり組合員として出てきて、そこで組合員全体の問題を検討する。この方がやめられましても、組合自体のそれぞれの代表者がおられるわけでございますから、またおかわりになって出てくるということも私たちはやぶさかでない。要するに、組合というサイドで組合員を代表してこの問題のよりよい改善あるいは民主的な運営に努力をしよう、そういう趣旨で考えておるものでございますので、組合員の代表は今後やはり組合から出していく気持ちはわれわれは持っております。またそういうふうに現在運営してまいっておりますから、そこまではいまのところは広げる気持ちは持っておりません。
#27
○山本(弥)委員 いや、健保の改正によりまして、共済から、退職して五年間といいますか、何年間といいますか、退職後の療養の場合給付を受けられるという制度もあるわけなんですね。ましてやその場合には専従といえども当然該当すると思います。したがって、組合に関係の深い役員をしておる期間くらいは――退職後の療養給付を一定の期間を制限して受けられるという制度も現にあるわけなのです。役員をしておる期間はやはり短期給付を受けられるという制度があっても必ずしもおかしくはないのじゃないか。むしろ均衡を得ていいのじゃないかという感じがいたしますので、これはそういうふうに一がいに否定なさらぬで、十分検討願いたいと思います。私は十分均衡を得たものだ、かように考えています。
 それから委員の任命も、本来組合員のための委員なのですね。それが一番実情のわかったそういう組合が推薦をして組合のために委員を送ろうという場合に、それが役員であるから別に排除するという必要はないのであって、当然それはよく組合の意思を代表して発言する機会を持ち、また適切な運営に参加できる、むしろ適材であろうか、こう思いますので、これも労働組合に対する認識いかんにもよりましょうけれども、その点は十分組合というものと共済組合員というものは不即不離のものであるという基本的な考え方に立てば、私は理論だけで割り切るべき問題ではないと考えますので、この点も御配慮願いたいと思っております。
 最後に一点、いろいろな変則的な問題で退職一時金の選択制の期限が、男子は切れておりますが、女子の分はことしの五月三十一日まで延期になっているわけですね。これが期限が切れるわけでありまして、男子と違って女子の場合は、この点いろいろ利害関係を考えながら選択をするという場合が多いと思うのであります。これは今回の改正でどうしてこの点もう少し延ばすというような配慮はなさいませんでしたか。
#28
○山本(明)政府委員 選択の期限につきましては、おっしゃいますように、女子の方が非常に多い率を占めておりますので、今回五十一年まで延ばそうということに実はしたわけでございます。しかし、これはやはり通算年金の趣旨からいきますとおかしいのでございますけれども、男の方の受ける率は少のうございます。女の方はやはり早くやめて結婚するとかなんとかという問題等があろうかと思いますので、これは今回のこの法律の中にもうたいまして五十一年まで延ばすような措置をいたしたわけでございます。
#29
○山本(弥)委員 それではこれは五十一年までに五年間延ばすことに法令改正でなっているわけですね。それはこちらの不勉強でした。
 それでは質問を終わります。
#30
○塩川委員長代理 林百郎君。
#31
○林(百)委員 もう問題はほとんど出尽くしてしまっておりますので、だめ押しをするという程度で、同じ問題を時間の範囲内でお聞きしていきたいと思います。
 最初に、掛け金の問題ですけれども、地方公務員の共済組合の掛け金の長期の負担が本俸の四・四%から四・五%、つまり月額五万円の本俸だとしますと、二千二百円から二千五百円になる。これは組合員にとってはやはり非常に重い負担になっているという声が組合員から強いわけですね。組合員の要求としては、組合員の負担割合を三〇%以下くらいの負担割合にし、使用者が五〇%以上、国が二〇%以上、こういう負担割合を要求していることは御存じだと思いますけれども、この国の負担割合を上げるあるいは使用者の負担割合を上げる、そうして組合員の負担割合を下げていくというような方向への移行努力、考えはどうなっているのでしょうか。
#32
○山本(明)政府委員 現在の公費負担が百分の十五でございます。厚生年金が百分の二十でございます。当初は厚生年金も百分の十、こちらの共済のほうも百分の十でございます。同じレベルで出ておりますけれども、厚生年金のほうが負担が大きくなっておるという実態でございます。われわれといたしましては、できますだけこれを百分の二十にいたしたいという努力をいたしております。
  〔塩川委員長代理退席、委員長着席〕
ただ、組合の方々と違いますのは、その百分の二十のあとは折半にしよう。百分の二十にしますと、あと百分の四十、百分の四十、こういうふうに公費負担の残るところを使用者とそれから組合員で折半をしたいという考えを持っておりますので、ちょっとそこのところは関係者の御意見と違うところでございますが、いずれにいたしましても、百分の十五を百分の二十にしたい。そうしてできますだけ組合員の負担の軽減をはかっていきたいという努力は現在一生懸命やっておるところでございます。
#33
○林(百)委員 その百分の二十を一生懸命にやっておる。残りの八十を四十、四十にするという。
 それで、この年金制度に対する基本的な考え方を自治大臣にちょっとお尋ねしたいのですが、これは国家公務員にも通ずることですが、公務員の年金制度が社会保障制度なのかあるいは保険制度でやっていくのかということですね。このことは基本的な重要な問題だと思うのですけれども、その点についてはどうお考えになっているのか、あるいは百歩譲ってどちらにウエートを置いて考えるべきか、いまの政府の考え方はどうなんでしょう。
#34
○秋田国務大臣 社会保険という考え方でおります。
#35
○林(百)委員 社会保険でなくて社会保障と言えないのですか。どうして保険の上に社会をつけるのですか。社会をつけようとつけまいと、保険制度と社会保障制度というものは、これはいま言った負担割合の問題、そのほかのいろいろな問題に響いてくるところですから、社会保障制度的な方向へ努力をするとかあるいはその方向ヘウエートを置くように改善のめどをつけるとか、そういうことはおっしゃれないのでしょうか。
#36
○秋田国務大臣 まだそういうことを政府としては申し上げる段階になっておりません。従来から申しておる基本的な態度をまだ変えるような事態にはなっておらないわけであります。
#37
○林(百)委員 その保険制度的なものだということを考えていきますと、給付を引き上げるためには、さっき公務員部長も言われましたけれども、公務員部長は国の負担分を上げるように努力すると言いますけれども、一般的に保険制度的な制度として考えるならば、給付を引き上げろということになると、それのはね返りは掛け金へ来て、掛け金を上げろということになってくると思うのです。だから、やはり社会保障制度的な方向へ努力して、国の負担あるいは使用者側の負担を多くして、そして被使用者である公務員の負担を漸減していくという方向へ努力の目を向けるべきではないか、こういうように考えますけれども、大臣、どうでしょう。
#38
○秋田国務大臣 ただいま申し上げたようなことに立っておりますが、国の負担につきましては、ただいま公務員部長がおっしゃいましたとおり、百分の十五というものについて二十まで上げたい。この点は政府部内の意見の統一がまだ出ておりませんが、自治省といたしましては努力してぜひ実現をはかりたいと考えておるわけでございまして、その点を御了承を得たいと存じます。
#39
○林(百)委員 声が小さくてよくわからないのですけれども、時間の関係で次へ進みます。
 次に、スライド制の問題についても各委員から出ておりますね。ところが、このスライド制というのは、今日のように非常にインフレーションで物価が高くなっていく、生活必需品などは年に一割近くも上がっていく。それにつれて賃金のベースアップも民間でも行ないますし、公務員もやるというときに、退職年金が昭和四十四年度末月額に直して平均約三万円くらいだというように私のほうの計算ではなっておりますけれども、この程度では生活ははなはだ困難だと思いますので、スライド制については制度として確立し、法制化すように法規で明記するような方向に努力をしていかなければならないと思うわけです。しかもこのインフレーションによって物価が高騰するというのは、政府の高度経済成長政策というような国の政策に起因するものが決定的なものでありますから、スライド制にして国がその負担部分を増加していくという方向でこの問題を解決していくということですね。こういう方向をやはり制度として確立し保障することを、何か法制的にも明記していくという努力をすべきではないかというように思うわけです。これは一九六一年に世界の労働者がモスクワで集まったときの社会保障憲章の中にも、給付は必要に応じて十分であって、退職金は賃金、物価にスライドさせなければならないこと、憲章にそういうことが書いてあるわけです。それからわが国の立法の中にも、地方公務員法の厚生福利制度の四十三条には「直接扶養する者のその後における適当な生活の維持を図ることを目的とするものでなければならない。」こういうこともありますので、これを何か法制的に確立して保障していく、そういう方向の努力はどういうようにお考えになっていますか。
#40
○山本(明)政府委員 現在の地方公務員共済組合法の七十四条の二に、一応年金額の改定につきましては「国民の生活水準、地方公務員の給与、物価その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情を総合勘案して、すみやかに改定の措置を講ずるもの」ということが四十一年の法律改正で実は入ってまいったわけでございます。したがって、その趣旨を受けて、先ほど山本先生にお答えいたしましたような、恩給の改定の要因の中に物価あるいは公務員の給与の改定というものが要素として入ってきておるわけでございます。これは、しかし、そのまま物価なり給与が上がることに伴って自動的に上がってくるという制度ではない。欧米にございますような、そういう自動的に物価なり給与の改定によって動いていくというスライド制ではない。そこに問題があるわけでございます。われわれは現在公的年金制度調整連絡会議でこの問題を検討しておりますのはそのことでございます。昨日来から総理府でお答えしておりますように、公務員グループ、それから厚生年金その他の民間グループ、それから私学農林グループ、それからさらに災害関係、労災とか公務災害関係の四つのグループに分けて、特に公務員グループの場合には、民間グループのそういうスライドのやり方よりも、制度的にはわりと簡単にいけるのではないかというような気もするわけでございます。このグループでただいま検討をしておるわけでございます。そこである程度の方法が出てまいりますれば、それが自動的なスライド制になっていくのではないか。そのときにいま先生のおっしゃいましたようなことがその法律で保障されてくるのではないだろうかという気がするわけでございます。現在せっかくその検討をしておる段階でございます。
#41
○林(百)委員 わかりました。これは物価高の指数については政府自身も、毎年毎年施政方針演説の中でも総理自身もまた大蔵大臣も発表しておりますので、わかり切っておることですから、さらにそれを正確に調査した上で――物価が毎年毎年騰貴していくことは間違いないのだから、ただその指数をどうとるかということは問題です。しかも責任ある国会で担当大臣がその指数まで出しておるわけですから、そういう場合にはやはり自動的にスライドしていく、少なくとも政府が認めて国会で発表する物価高の指数くらいのものは自動的にスライドしていく、そういう方向にさらに一そう努力されたいと思うわけです。
 同じ問題で、退職時の賃金を年金給付の算定の基礎にするかどうかという問題が出てくるわけですね。これは本質的にも同じ問題だと思いますが、現行法では公共企業体職員等の共済組合と市町村職員共済組合では退職時の賃金になっておる、こういうように私のほうでは理解しております。これを年金給付の算定基礎、これは附帯決議にも毎年出ておるわけですけれども、退職時からさかのぼって三年間の平均俸給額にするということは、ことに近年のように毎年毎年物価がはなはだしく上がっていき、そのために民間も、公務員もそうでありますけれども、激しい賃上げの戦いがなされる。現にきょうは私鉄は二十四時間ストをやっておる。これは労働者が食えないためなんだから、毎年毎年物価が上がっていくわけなんですから、一定の賃金が上がっても物価が上がるために、実質的には賃金が上がったことにならないといわれるほど物価が上がっていくときなんだから、これは地方公務員の現行賃金体系のもとでは基準となる退職時の賃金を基礎にして年金給付の算定基礎にすべきである。これは先ほどのスライドと同じ性質の問題ですけれども、この点については他にももうそのことが実行されておる共済組合もあるわけですから、その点についてはどうお考えですか。
#42
○山本(明)政府委員 退職時をとっておりますのは、先生もおっしゃいましたように、公企体だけでございまして、市町村関係は、旧市町村共済ではそういう制度をとりましたが、現在の地方公務員の共済の中では退職前三カ年間の平均ということになっております。
 そこで、われわれがこの問題を取り上げますときに非常にむずかしい問題は、自治体によりましては退職時に五号とか六号とか昇給いたしましてやめていってもらっておる人もおります。あるいはそれをせずにそのまま、従来のままで退職をしてきておる人もおられます。したがって、退職時における給与ということになりますと非常にアンバランスになってまいります。しかも掛け金は、そういう退職時に三号とか四号とか高く上がるということを前提としておるんじゃなしに、従来の給与のままでいって退職するということでやっております。したがって、掛け金と給付を受ける額との間に個々人によって、あるいは自治体によってのアンバランスの問題が出てくるのではないか。あるところは高くなってまいる。三号、四号上げてやめてもらうところもございます。そういうアンバランスが出てまいりますと、この共済制度として非常に公平といいますか、それを欠くのではないか。と同時に、もし退職時になりますとかなりな財源も必要といたしますので、現在の掛け金では十分でなくなるということがございます。それから特に私たちは厚生年金との関係がいろいろの点で出てまいるわけでございます。厚生年金の場合には、御承知のように、全勤続期間中の給与の平均になっております。私のほうの年金のほうは三年平均でございます。これが共済と厚生年金との格差の出てくるところでございまして、地方公社等が現在厚生年金に入っておりますのを団体共済のほうに移りたいというのも、やはりそこにあるわけであります。あまりこちらと厚生年金との格差を大きくすることも年金全体として問題があるのではないか。
 こういう観点等々ございまして、われわれといたしましては一応退職前三年の給与の平均額というのが妥当な、一応定着した制度ではないであろうか、こういうふうに考えております。
#43
○林(百)委員 その点は私と見解が異なっておりますが、将来はやはりこういう高物価の時代、ことに物価が一年ごとに非常に激しく上がっていくわけなんです。したがって、賃金もそれにつれて、たとえば五けたとかのベースアップ要求とかいうようなことでストライキまでうたれるという時代なんですから、やはり技術的ないろいろの問題はそういうようにあると思いますし、他の制度との比較もあると思いますけれども、これは退職時の俸給を基準として年金の算定の基礎にするということが私は合理的だと思いますので、その点は将来ひとつ十分検討していただきたいと思います。
 その次に、年金の資格期間と年金の資格期間をこえる年金の加算率についてですけれども、現行制度は、言うまでもなく、年金資格期間が二十年で、それで給料年額の四〇%が支給されることになっておる。また加算率は、言うまでもなく、資格期間をこえて一年について一・五%ずつになっているわけです。しかも最高限度額は給料年額の七〇%で押えられ、最低保障額は本改正案でもたしか十五万になっていると思います。このような最低保障額は、月額にすれば一万二千五百円にすぎないわけですね。支給されている俸給でさえ満足な生活ができないのに、退職後の生活が月一万二千五百円ということでは、これはとても生活ができないことは明らかだと思うのですね。だから年金の資格期間、加算率、最低保障額等については、これは検討を要する問題をここに含んでおるのではないか。そうすると、あなたはすぐ積み立て金の問題だとか負担割合の問題だとかということになりますけれども、しかし、現実の問題として、おまえやめたから月一万二千五百円で生活しろといったって、できないわけなんですからね。定年制が問題になったとき、地方公務員の諸君が一番関心を持ったものはやはりこの年金制度だったわけですけれども、その一つの重要な問題が、この年金の資格期間をどうするか、加算率をどうするか、最低保障額をどうするかという問題だと思いますが、それについての見解をひとつ聞かせてもらいたいと思います。
#44
○山本(明)政府委員 まず年金の受給資格期間でございますけれども、大体現在の各年金制度は二十年でございます。船員保険が十五年でございます。それから鉱夫、炭鉱関係の方が十五年。いわゆる特殊な業態の方は、これは年金の期間が短くなっておりますけれども、一般的には大体二十年というのが現在の年金の受給資格になって、それで統一されておるわけであります。それとの関連、いわゆる現行の社会保険制度との関連という問題が一つございますので、この問題も、言われる意味は私はわかりますけれども、なかなかこれは私のほうの地方公務員の共済だけで措置のできる問題ではないというような気がいたします。当然それには、先生から先にくぎをさされましたけれども、やっぱり財源の問題もからまってくるというように考えております。
 それから加算率の問題につきましても、どうしてもわれわれの共済年金というのは厚生年金と常に関連を持って検討をしておりますので、現在でさえも厚生年金よりも共済のほうがいいのが、さらによくなっていく、公務員という特殊性があるだけに、その格差を広げていっていいのかどうかという問題も一面には実はあるわけでございます。これも直ちに上げるということは困難であろう、このように実は考えておるわけでございます。
 それから給付の最高限度の制限という問題、これもある一定のところで限度をとめざるを得ないというところから、こういうかっこうでとめているわけでございまして、これも財源との関係におきます調整になってくるわけであります。
 先ほど先生のおっしゃいました一万何がしというのは、おそらくこの共済年金の制度をまるまる受けて二十年ということになりますと、私はそんな低い数字じゃないと思うのでございます。おそらく現在は、従来それぞれございましたものを引き継ぎ引き継ぎしてきますので、この制度を二十年間経ますと、そういう低い人は私はおらないのじゃないか。現在のところは、これが三十七年に発足いたしておりますから、その前のいろいろなものをつないだり、あれこれつないでおりますからそういうかっこうになるのではないだろうか、このように思っておるのでございます。そういう低いのは、まるっきりこの共済制度に乗りますと、将来はなくなるのではないかという気がしているのでございます。
#45
○林(百)委員 時間がありませんので、具体的な数字の検討についてはもうやむを得ません、省きます。私のほうでは、最低保障額が十五万という規定がありますから、十五万とすれば、月額にすれば一万二千五百円になる、法規にそういう規定がある以上は、そういう事例があるから出ているのだ、こういうように思っていま数字を援用したわけです。
 それから遺族年金の支給範囲の拡大の問題ですね。それから支給額の引き上げも関連してくるわけですけれども、遺族年金のほうの最低保障額は、この改正案によりますと十一万五千二百円。これはもしあなたのほうで数字があったら出してもらってけっこうですが、私のほうの計算では十一万五千二百円、月一万にも満たないものであって、これはもう当然の権利者である配偶者、今度は配偶者は主として生計を維持している場合、を除かれたわけですけれども、この配偶者にしてもこの程度のものなんですね。したがって、こういうわずかな額になるわけであります。しかもそれでも子や孫、父母、祖父母等については、主として生計を維持している場合というのがまだついているわけです。ところが、六十三国会での当委員会の附帯決議にもありますように、「遺族給付を受ける遺族の範囲については、実情に即して、すみやかに是正措置を講ずること。」とありますから、子、孫、父母、祖父母については、遺産相続権者ですから、制限なしに当然一定の額を相続して給付すべきだと私としては思いますけれども、これらの子、孫、父母、祖父母に対しても、この主として生計を維持している場合というものを漸次排除していく、そうして生涯を公務員として働いた者の当然の権利を相続権者が相続できるような方向へ改善していということは考えられないでしょうか。
#46
○山本(明)政府委員 今回遺族の拡大を法律の中に、配偶者は所得制限をせず、それからその者につきましても政令で拡大をしていこうという趣旨は、本委員会で附帯決議がつきまして、できるだけ広げてあげたらどうだろうかという御趣旨に沿ったものでございます。ただ、所得制限を付します場合に、先ほど申し上げました何を基準にするかということになりますと、やはり給与法の扶養家族ではなくて、所得税法の関係で三十七万まで上げていこう、所得の制限もできるだけ高くしていこうという努力をする一方、扶養も何%という、主としてという場合、大体一般的には五〇%という問題になってまいりますけれども、そういう数字ではなくて、扶養の中心になっておるという考え方でできるだけ拡大をしていこうという趣旨をとったわけでございます。そこで「主として」ということを抜いてしまって、扶養家族関係があまりないのにそれを遺族と見ることにつきましてはいろいろな問題がございますので、現在のところ、最大の努力をいたしましてここまできたわけでございます。われわれもできますだけ遺族の範囲は拡大をしていきたいという方針は持っておりますので、今後とも努力をしていきたいと思っております。
#47
○林(百)委員 大臣にちょっとお尋ねしますが、年金に所得税を課するということですね。年金の長期給付は賃金のあと払いであるという考え方から、掛け金徴収時には所得税の対象としないけれども、年金の給付時には所得税を課している。
 本来この給付額は、老後の生活保障として、老齢者、遺族の生活給としての性格を持つものであって、課税の対象とするべきものでないように思うわけですけれども、これは課税の対象から除外する。社会保障的な性格も帯びているものでもありますししますので、そういうものに課税するというのはどうも矛盾していると思うわけなんです。給付を受ける場合にも課税の対象からこれをはずすという方向を将来考えるべきだと思いますが、その点についてはどう考えていますか、大臣と部長と両方にお聞きしたいと思います。
#48
○秋田国務大臣 確かに、年金によって老後の生活をささえていくのでありまして、退職年金が生活の大きな支柱になるということは御指摘のとおりであります。これに税金を課するのは酷ではないか、その素朴な考え方はよくわかります。私も個人的にそういう感じを抱くのでございますが、しかし、ある程度の収入のあるところ課税の対象になるという税務本来の関連からの点もあるし、全体とのバランスもあろうと存じます。今回の所得税の減税の結果、退職年金だけの収入の場合、夫婦の世帯で年収約七十八万円までは課税をしないという措置等も講じて、この点考慮をいたしておるのでございます。
 この問題は、本来税体系の中で詳しく検討さるべきものと思っております。
 この点については今後の検討等の課題であると思っておりますけれども、本来的には大蔵省方面の御意見等も十分聞いてもみたいと思うのですが、個人的には私も感じを同じゅういたしております。
#49
○林(百)委員 部長どうですか、いまの大臣の答弁は。
#50
○山本(明)政府委員 大臣のお答えのとおりであります。
#51
○林(百)委員 将来改善する方向へ努力をするのですか。たとえば大蔵省あたりと交渉して、社会保障的な性格を持っておるので、課税の対象からこれをはずす方向へ努力をしているか、あるいはするつもりなんですか、それともこれはもうそのままにずっと放置されているのですか。
#52
○秋田国務大臣 政府としてオーソライズされた形において検討云々という段階に立ち至っておりませんが、個人的には十分研究をしてみたいと考えております。
#53
○林(百)委員 これは大臣、社会保障的な性格を重視するならば、それに対して税金の対象にするということはおかしいので、税金は俸給のときにもう源泉課税として取られております。しかし、これは積み立て金だけは除いております。積み立て金を俸給を受けるときにはずしておきながら、今度は年金として受ける場合に税金の対象にするというのは制度としても一貫しておらない制度だと思いますので、この点は改善のために努力してもらいたい、こういうふうに思うわけです。
 あと二問、部長と大臣にお聞きしたいのですが、組合のほうからも積み立て金の運営について、これはもういろいろな問題が介在しているのですけれども、民主的に運営してもらいたいという声が強いわけですね。改善された努力の点もわれわれ認めますけれども、地方公務員共済年金の積み立て金は昭和四十三年度末で七千六百三十二億円にたしか達しておると思うのですが、この積み立て資金の運用は、配分基準法施行規程附則第四条で、現在は、一号資産として、地方公共団体等の起債源費分として使う。二号資産として、共済組合の不動産投資分として使う。これを両方合わせて五〇%。三号資産として、組合員への貸し付け源費分として五〇%、こういうようになっているようでありますが、積み立て金の性格からして、大部分が組合員の福祉に充当さるべきものだというふうに私たちは考えているわけです。社会保障憲章にも、この運用の問題については「社会保障の積立金は、社会保障の充実に優先的につかうこと、」こういう趣旨もありますので、積み立て金の運用については、組合員の自主性と利益に沿って効率的に運用されていかなければならない。そういう意味で、やはり組合員に対する貸し付け原資をもっと増加させてもいいではないかというように思うことが一つと、さらに、貸し付けを受けた場合に、現行は年五分七厘六毛の利息を払っているわけですね。自分の俸給から積み立てた年金を借りるのに利息を年に五分七厘六毛も払わなければならないということは、これはどうも矛盾していると思うのですけれども、この二つの点についてどういうようにお考えになっていますか。時間があれば、不動産投資分がどういうように運用されているか、ここにいろいろ問題もあることもわれわれ知っておりますけれども、時間がありませんのでその点は省きますけれども、もう少し貸し付け原資を増額してもいいではないかというのと、貸し付けについて利息を払うという制度自体についてどう考えておるか、この点をお聞きしておきたいと思う。
#54
○山本(明)政府委員 先ほどおっしゃいましたような基準がございますが、われわれとしては、現在組合員の方は住宅を非常に希望されておりまして、住宅に対する貸し付けが非常に希望されておりますので、その面は最大の努力をしておるわけでございます。ただ五〇%以上ということになりますと、一部にはこの共済組合の責任準備金のうち地方公共団体の負担が入っておりますので、これはやっぱり地方債の面で消化をしていくという方法をとっておりますから、これはあまり上げるということは現在の段階では困難でございます。しかし、住宅にはできるだけ出してもらいたいということで、これはもう少し検討さしていただきたいと思います。いまのところは、そういう地方負担がございますので、資金ワクもございますから、現行のまま進みますけれども、住宅の希望が強うございますので、検討はしていきたいと思っております。
 それから利息につきましては、長期から五分五厘で借りてまいります。したがって、長期自体が将来の年金の準備金でございますので、これのほうからあまり安い利息で借りることができない。五分五厘ということになりますれば、当然に貸し付けの利息が五分七厘六毛でございますか、その程度になってくる。これもできますだけ下げておるつもりでございます。経営の努力をしてできるだけ下げるということにいたしておりますので、現段階におきましては、これをさらに下げるということはちょっと困難ではなかろうか、かように考えております。
#55
○林(百)委員 将来やはり組合員の貸し付け原資分について検討をさらにしていただきたいと思います。それから貸し付け利率の点についても制度としてどうあるべきかということをさらに検討していただきたいと思います。
 最後に、時間が参りましたので、大臣にお尋ねします。これは私が当初から一貫してお聞きしていることですけれども、公務員の年金制度というのは、恩恵的な制度としての旧憲法時代、天皇制のころの恩給制度の継続ではなくて、どこまでもやはり社会保障的な性格を持つものである、ここにウエートを置くということをたてまえとしては貫くべきじゃないかというように私たちは考えているわけです。そういうことをやはり国が法律としてももう少し明確に規定し確立していかなければならないと考えます。要するに、恩恵的な恩給制度の継続というようなこういう考え方から、社会保障的なものへ新憲法下では性質を変えていくんだという点を法制的にも明確に確立する必要があるんではないか。これは世界労働者の社会保障憲章の中にもはっきり書いてあるわけですね。そしてまた積み立て金は社会保障の充実のために優先的に使用される、そういう点にもっと鋭意努力すべきである。要するに、社会保障的な制度だということをもっと法制的にも明確に確立し、ここにウエートを置くべきじゃないか。そうでないと、保険制度的なものだということになりますと、やはり給付を上げるためにはすぐ掛け金にはね返るといって、すべてが掛け金へはね返ってくるわけですね。そうすると、実際の年金制度、公務員の老後の保障、あるいは短期の場合の保障、不幸な事態の保障としての年金の制度がこわされることになります。そういう点についてもっと明確に社会保障的な制度であるということを法制的にも確立すべきだと思いますけれども、大臣のお考えをお聞きして、私の質問を終わります。
#56
○秋田国務大臣 先ほど先生との質疑応答の中にありました社会保障的な意味か社会保険的な意味かという点につきましての私の所論は、共済組合等の運営につきまして社会保険の観念を持っていかなければなるまいという点につきましては、変わっておらないのでありますが、しかし、旧憲法時代の恩恵というような考え方は持っておらないのであります。その意味におきまして、こういう点を修正いたしまして、組合員の老後なりあるいは短期給付の面においていろいろその福祉をはかっていく点において、合理的な制度及び利益の保全につきまして十分改善を加えてまいりたいと考えております。今後ともその努力は続けたいと存じております。
#57
○林(百)委員 終わります。
#58
○菅委員長 これにて内閣提出にかかる昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#59
○菅委員長 内閣提出にかかる昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対して、古屋亨君、山口鶴男君、小濱新次君及び吉田之久君から、四派共同をもって修正案が提山されております。
#60
○菅委員長 この際、提出者から趣旨の説明を求めます。古屋亨君。
#61
○古屋委員 ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、私は自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付してありますので、朗読は省略さしていただきます。
 まず提案理由について申し上げますと、現在、全国知事会、全国都道府県議会議長会等のいわゆる地方六団体等の職員につきましては、地方公務員の共済組合制度に準じた団体共済組合制度が適用されておりますが、地方住宅供給公社及び地方道路公社の職員につきましてもその職務の性格にかんがみましていわゆる地方六団体の職員と同様に取り扱うことといたしたのであります。
 次に改正案の内容について申し上げます。
 地方住宅供給公社及び地方道路公社の職員に団体共済組合制度を適用することとし、過去における当該公社の在職期間につきましては、これを団体共済組合員期間に通算することといたしております。
 また、これらの通算措置に伴い公社職員の厚生年金の被保険者であった期間にかかる厚生保険特別会計の積み立て金につきましては、政令で定めるところにより、二年以内に団体共済組合に移換することとしております。
 なお、本案は、昭和四十六年十一月一日から施行することといたしております。
 以上が修正案の提案理由とその内容であります。何とぞ皆さまの御賛同を得まして、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#62
○菅委員長 内閣提出にかかる昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採択いたします。
 まず、古屋亨君外三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#63
○菅委員長 起立総員。よって、古屋亨君外三名提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#64
○菅委員長 起立総員。よって、内閣提出にかかる昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#65
○菅委員長 中村弘海君、山口鶴男君、小濱新次君及び吉田之久君から、四派共同をもって、ただいま修正議決いたしました法律案に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。この際、本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を求めます。中村弘海君。
#66
○中村(弘)委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党を代表いたしまして、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対しまして附帯決議を付したいと思います。
 案文の朗読により趣旨説明にかえさせていただきます。
   昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、地方公務員共済制度の改善について、特に左の諸点に検討を加え、すみやかにその実現をはかるべきである。
 一、遺族年金の支給要件については、他の公的年金制度との均衡を考慮してその緩和措置を講ずること。
 二、年金制度施行前における市町村の吏員又は雇傭人であった期間で地方公務員共済制度の施行日に引き続いていないものについては、すみやかに職員期間として組合員期間に通算する措置を講ずること。
 三、退職年金等のスライド制については、退職公務員の生活の安定をはかるため、早急にその具体的な運用基準を定め、その実施措置を講ずること。
 四、地方議会議員の年金制度については、その健全化をはかるための措置を検討すること。
 五、在籍専従期間の満了に伴い公務員の身分を失なった場合、その者について諸共済制度との関連を考慮しつつ、医療給付の激変をさけるための措置を検討すること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆さん方の御賛同をお願いいたします。(拍手)
#67
○菅委員長 本動議を採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#68
○菅委員長 起立総員。よって、中村弘海君外三名提出のごとく附帯決議を付するに決しました。
 自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。秋田自治大臣。
#69
○秋田国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その実現に困難な点もございますが、御趣旨を尊重して善処してまいりたいと考えております。
     ――――◇―――――
#70
○菅委員長 次に、地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案はすでに質疑を終局いたしておりますので、これより討論を行ないます。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。山本弥之助君。
#71
○山本(弥)委員 私は、日本社会党を代表して、内閣提出の地方自治法の一部を改正する法律案に対し、反対の意を表します。
 今回の地方自治法の一部を改正する法律案は、自治省が昭和四十四年以降行政指導してまいりました広域市町村圏構想を強化して、連合という組織のもとに、市町村の共同処理する事務が連合を構成する市町村相互間で相違することがあっても、一部事務組合を結成することができる規定を設けることが中心となっております。
 今日、過密・過疎現象に悩まされている市町村は、住民自治のもとにその地域住民の要望にこたえて身近な生活環境の整備につとめ、市町村合併により広がったそれぞれの区域の実情に即した行政サービスを充実することに苦心を払っているのであります。このためには財源の確保を含めて、総合的、長期的市町村計画のもとに行政の推進をはかるべきであります。
 この市町村計画を実施するあたりまして、最近の社会経済情勢の変化に伴う住民の日常生活圏の広域化に対応するためにも、隣接市町村との計画の調整の必要もあるので、自主的に協力し合い、住民の意思とその便益の供与とに十分配慮しながら共同処理を慎重に進めるべきであります。
 かりに市町村がその必要に応じ自主的に選択し得る制度があることを否定しないとしても、政府の広域市町村圏を補助金その他の財政援助によりまして画一的にこれを推進していこうとする現状を見まするときに、それぞれ地域的特性を持つ三千有余の市町村を全国三百四、五十の連合のワク組みに組み入れてしまい、本来民主的運営によってのみ発展すべき市町村自治行政に逆行する危惧を感ずるのであります。
 しかも社会経済情勢はなお流動的であります。これに対応する市町村行政は常に住民との対話が必要であり、その行政事務の能率的運営のための共同処理組織も個別的、弾力的であることがよいと思うのでございます。したがって、連合組織に定型化してしまうことは適当でないと考えるものでございます。
 以上の理由により、本法案には賛成しがたいのであります。(拍手)
#72
○菅委員長 小濱新次君。
#73
○小濱委員 私は公明党を代表し、ただいま議題となっております地方自治法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行ないます。
 まず、連合の組織、機構についてであります。
 本法案によると、連合の議会の議員は管理者または理事を兼ねることができることとなっておりますが、このことは議決機関の議員と執行機関の管理者である理事を兼ねることになって、議会のおもな目的である監視及びチェックの役割りを果たすことはきわめて困難になっていることであります。
 また本制度によりますと、連合の議会の議決をもって参加団体の協議にかえることになっておりますが、このことは構成団体である議会無視し、連合の議会の議員に必要以上の権限を与える結果を招き、また実質的には市町村の形骸化にも通じ、民主主義の本来のあるべき姿から逸脱しようとしており、まことに遺憾のきわみであります。
 さらに、関係地方公共団体の議会における少数派の実質的な締め出しにつながることが十分考えられるのであります。これが反対理由の第一であります。
 次に、本法律は住民の意思が十分に反映されないことであります。この制度によると、連合の議会は参加自治体の代表者が連合の議会の議員になるのであり、そのため住民との距離はますます遠くなって、住民の意思が十分に反映しないと同時に、従来の一部事務組合制度に比べると、幾つもの仕事を限られた一部の代表者によって運営されることになり、運営の独裁化をも招き、その面からも住民の意思とかけ離れた行政が行なわれるおそれが考えられるのであります。これが反対理由の第二であります。
 次に、この制度は経済的なメリットと広域的な計画という点を主張しておりますが、この点は必ずしも連合によらなくとも、従来の一部事務組合、協議会制度でも十分に果たせるものと考えられるのであります。広域的な計画については、連合の制度をとるよりも、むしろ協議会の制度によるほうがはるかに理想的と考えられるのであります。また経済性の点については、一部の事業にのみ参加している自治体にとっては負担金等も従来より過酷になるおそれすら考えられ、弱小市町村にとっては問題の多い措置であると考えられるのであります。これが反対理由の第三であります。
 最後に、本法案を提出した政府の態度についてであります。これまで政府は、地方開発事業団とか地方行政連絡会議とか、さまざまな機構改革を打ち出してきたのでありますが、それらの制度の効果が十分に発揮されないばかりか、そのほとんどの制度は有名無実化されているのが実情であります。また地方にとっても、次から次へと自治の制度について改正が行なわれるならば、地方は混乱するばかりで、地方自治体の本来の使命である住民福祉の推進に障害を招く結果にもなりかねないのであります。制度、法律というは、本来国民の中にその必要性が高まって初めて法制化されてこそ本来の趣旨に沿うものであり、決して法律が優先すべきものではないと考えるのであります。
 地方自治の健全な育成のため、今後は十二分に地方の実態を把握した上での法、制度の改正を行なうべきことを強調して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#74
○菅委員長 吉田之久君。
#75
○吉田(之)委員 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方自治法の一部改正に対し、反対の意見を申し述べます。
 われわれはもとより地方公共団体が当面しております各種の共同処理方式による広域行政体制の推進の必要については認めるところでありますが、今回の法改正による連合方式は、その運用のいかんによっては将来自治体を破壊に導くおそれを多分に含んでおります。
 なぜなら、この連合は、その資格は特別地方公共団体という形になりますが、その運営はあまりにも弾力的であって、将来どのような異常なものに発展するかもしれない可能性をはらんでいるからであります。しかも、あらゆる類型に分類されなければならぬほど複雑多様なものとして成長する余地を持っており、その歯どめはほとんどないと言わなければなりません。したがって、近き将来、現行の地方自治体の民主的運営は形骸化され、本来の地方議会の権威と機能は希釈され、やがて住民の手の届かないところで重要な計画が独走する懸念が考えられます。他方、複雑化する地方行政の仕組みは、住民の理解や納得をいよいよ困難なものとさせ、結局、地方自治が住民から遊離するおそれが十分であります。
 したがって、当分の間現行法の指導で十分広域行政は進め得ると判断するわが党は、本改正に反対するとともに、今後のさらに慎重な検討に持ち越されることを強く付言いたしまして、意見といたします。(拍手)
#76
○菅委員長 林百郎君。
#77
○林(百)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております地方自治法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行ないます。
 第一に、本改正案によって政府が創設しようとする市町村のいわゆる連合は、市町村の自治権、住民の自治権をきわめて露骨にじゅうりんするものであるといって過言でないと思います。
 連合において共同処理する事務が関係市町村のすべてに共通する事務でなくても差しつかえないとすることによって、本来市町村が地域住民の意思を十分に反映して行なうべき住民の日常生活にかかわるすべての事務を、連合が自由に取捨して処理できることを可能といたします。これは政府の主張するように、連合が一部事務組合の単なる一類型などという、一部事務組合の手直し的なものではなく、市町村の上に立つ新たな行政機構であることを示すものであります。しかも、連合の共同処理する事務は、規約によって事前の授権をしておけば連合の議会の議決のみによって変更することができるとすることによって、従来、一部事務組合が共同処理する事務の決定、変更には、関係自治体の議会の議決と、それに基づく関係自治体の首長の協議を必要とするとしていた規定を無視し、関係市町村の議会及び住民の監視をあらかじめ封ずることを意図するものであります。また、連合を構成する一部の自治体のみの共同処理事務について、それらの自治体を代表する議員の議決権にウエートを置く特別議決の方法の規定は設けられてはおるとはいえ、関係市町村自体の自治権を侵すという性格には何ら本質的に変わりないものであります。かかる行政機構の創設には反対せざるを得ないのであります。
 第二に、連合は少数者による非民主的、中央集権的な行政を強力に行なう広域行政機構であることであります。
 本改正案では、連合の執行機関である理事あるいは管理者とその議決機関である連合の議会の議員との兼任が許されており、これは従来の一部事務組合について、行政実例によって、不適当であるとされていた執行機関と議決機関の混同をあえて規定するものであります。このことは、連合の非民主的性格をきわめて明瞭に示すものであり、連合の創設によって地方公務員の団結権、団体交渉権に制限を加えるとともに、このような行政機構が地域住民の意思を十分に尊重した行政を担当し得ないことは明らかであります。これが反対の第二の理由であります。
 第三に、連合は地方自治体を中央直結にさせる道を開く行政機構であることは明らかであります。
 連合の事務局長の設置及び規約に定める以外の多くの事項については事務局長に委任することを常例とするという規定は、事務局長の地位を天下り人事によって占めることによって、住民の意思よりも中央の顔色をうかがうという地方政治を行なわさせる危険を十分はらんでおるものであります。このことは今日の政府の行なってきた多くの実例からして容易に推察できることであります。このような制度にわれわれは賛成することができません。
 第四に、本改正案が憲法に規定する地方自治、住民自治の精神を侵すものであることであります。
 一部事務組合の一類型と称して創設されたこのいわゆる連合は、以上のように市町村の上に立つ新たな、強力な権限を持つ広域的な地方公共団体であるにかかわらず、連合の議会の議員及び執行機関は、一部事務組合の議員と同様、住民によって直接選挙されるものではありません。これは、憲法第九十二条の「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」同じく憲法第九十三条第二項「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。」という憲法の精神を明らかにじゅうりんすることになるものであります。
 第五に、以上のように市町村の上に立つ非民主的、中央集権的な行政機構の創設を、地方自治の本旨を侵してここに強行しようとする政府の真の意図は、大資本のためのいわゆる新全総に基づく国土再開発を推進するための広域行政機構を創設して、そのために桎梏となる市町村の自治そのもの、住民の自治そのものを破壊することによって、財界方面が強く要求しておる道州制への土台を築くことにもなります。
 以上のごとく、本改正案は地方自治のためにとうてい容認することのできないものであり、わが党は政府のかかる意図に反対します。
 一言付言しておきますが、わが党は、広域的な行政については、あくまでも住民参加のもとに関係自治体が民主的に協議して決定し、推進していくべきであることを主張いたします。また、一部事務組合については、組合議員の定数を増加して、会議の運営、組合管理の民主化をはかり、事業計画、予算、決算などを関係住民に公開をして運営すべきことを主張するものであります。
 以上をもって、本改正案に対するわが党の反対討論といたします。
#78
○菅委員長 これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#79
○菅委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#81
○菅委員長 次回は、来たる十九日、水曜日、午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。
   午後零時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト