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1970/02/25 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 内閣委員会 第4号
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1970/02/25 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 内閣委員会 第4号

#1
第065回国会 内閣委員会 第4号
昭和四十六年二月二十五日(木曜日)
    午前十時十一分開議
 出席委員
   委員長 天野 公義君
   理事 伊能繁次郎君 理事 熊谷 義雄君
   理事 佐藤 文生君 理事 坂村 吉正君
   理事 伊藤惣助丸君 理事 和田 耕作君
      阿部 文男君    加藤 陽三君
      笠岡  喬君    中山 利生君
      葉梨 信行君    堀田 政孝君
      山口 敏夫君    上原 康助君
      佐々木更三君    東中 光雄君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 愛知 揆一君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      山中 貞則君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      西田 信一君
 出席政府委員
        内閣官房内閣審
        議室長     青鹿 明司君
        科学審議官   石倉 秀次君
        外務大臣官房長 佐藤 正二君
        外務省アジア局
        長       須之部量三君
        外務省欧亜局長 有田 圭輔君
        外務省条約局長 井川 克一君
 委員外の出席者
        防衛庁防衛局運
        用課長     福田 勝一君
        防衛庁防衛局調
        査課長     半田  博君
        防衛施設庁労務
        部労務調査官  相場 正敏君
        外務大臣官房文
        書課長     橘  敬一君
        外務大臣官房領
        事移住部長   遠藤 又男君
        外務省アメリカ
        局外務参事官  橘  正忠君
        文部大臣官房総
        務課長     犬丸  直君
        内閣委員会調査
        室長      茨木 純一君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十四日
 辞任         補欠選任
  阿部 文男君     江崎 真澄君
  山口 敏夫君     藤枝 泉介君
同日
 辞任         補欠選任
  江崎 真澄君     阿部 文男君
  藤枝 泉介君     山口 敏夫君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  横路 孝弘君     原   茂君
同日
 辞任         補欠選任
  原   茂君     横路 孝弘君
    ―――――――――――――
二月二十四日
 靖国神社の国家管理反対に関する請願(佐藤観
 樹君紹介)(第一一一八号)
 同(横路孝弘君紹介)(第一一一九号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第一一七七号)
 同(横路孝弘君紹介)(第一一七八号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第一二一四号)
 同(横路孝弘君紹介)(第一二一五号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第一二四三号)
 同(横路孝弘君紹介)(第一二四四号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第一三〇八号)
 同(土井たか子君紹介)(第一三〇九号)
 同(横路孝弘君紹介)(第一三一〇号)
 旧軍人に対する恩給改善等に関する請願外二件
 (倉成正君紹介)(第一一七四号)
 同外一件(吉田実君紹介)(第一一七五号)
 同(倉石忠雄君紹介)(第一二四一号)
 同(箕輪登君紹介)(第一二四二号)
 靖国神社国家護持の早期実現に関する請願外二
 件(長谷川峻君紹介)(第一一七六号)
 一世一元制の法制化に関する請願外二件(長谷
 川峻君紹介)(第一一七九号)
 兵庫県一宮町等の寒冷地手当引上げ等に関する
 請願(河本敏夫君紹介)(第一二一三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一八号)
 在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する
 法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇
 号)
     ――――◇―――――
#2
○天野委員長 これより会議を開きます。
 総理府設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤惣助丸君。
#3
○伊藤(惣)委員 総理府総務長官に質問いたしますが、二月十九日の閣議報告で「駐留軍関係離職者対策の大綱について」、こういう離職者の対策が発表になっておりますが、よく読んでいきますと、わからない点もたくさんございますし、また新たに、いままでにないことも含めてここに一つは載っているようでありますが、そういった点を中心として総務長官に質問したいと思います。
 まず第一に、政府は、中央駐留軍関係離職者等対策協議会の決定をもって、駐留軍関係従業員の大量整理に対処する基本方針として、対策大綱を定めたというふうに伺っております。この対策の中で特に重点を置いたのはどこなのか、まずその点から伺いたいと思います。
#4
○山中国務大臣 今回の大量解雇は、離職者が特定の地域に集中している、三沢とか横須賀とかですね。そういう特異な環境であること、今回の撤収の性質がまたそういうものでありますために、当然の現象としてそういう形があらわれてきたのでしょうが、さらに、時代の推移によって駐留軍の仕事をしておられました方々の平均年齢が非常に高くなっておる、そういうために、なかなか地域的な再雇用条件を満たさないこと、さらに年齢等のハンディによって再就職がいままでよりやや困難な環境に置かれておる、こういうことが特徴であると思いますので、これに対して、いままで職業訓練、再就職促進とか自営業育成とか、いろいろなことをやってまいりましたけれども、今回は多発地域における対策、そういうような問題をやはり考えなければなりませんので、返還される施設の利用というようなことなどにも意をいたさなければならないと考えまして、そういう考え方をいたしているわけであります。さらに、単に施設のみでなくして、その地域における、たとえば三沢あたりは地域開発の予定地でもあります。しかしながら、急には年次が間に合わない。しかし、ある意味の計画上の開発予定地であるというようなこと等がありますので、これらの開発の促進などはできないものであろうかというようなこと等が中心になって書かれておるわけであります。
 いろいろとこまかく御質問がありましょうから、あとでいままでやっていなかったことについて、今回どのようなことをやろうとしておるか等については、御質問に応じてお答えいたします。
#5
○伊藤(惣)委員 それでは、この離職者の再就業のための措置として、職業指導、職業紹介の充実をはかるということでありますが、特にこの中で、「離職が予定される者については、早期に再就職、自営、職業訓練受講に関する希望等を調査し、これを基礎に地域の実情にそった再就業に関する諸対策が展開できるようにする。」、こういうふうにあります。これは希望等を調査したというふうにも承っておりますが、もししたとすれば、どういう希望等が出ているのか、この点なんかも伺っておきたいと思います。
#6
○山中国務大臣 この問題は私の手元で、中央駐留軍関係離職者等対策協議会という形で扱っておりますが、実務と申しますか、実際上具体的な駐留軍離職者自体の問題を扱う立場には、主として防衛施設庁という立場がございますので、こまかな問題は、防衛施設庁を交えながら答弁をさせていただきたいと思います。
 いま御質問の問題は、大体毎回、私どものほうで駐留軍の離職者に対して適用をいたすために、前置きとして書いておるものでございまして、これに対しては、当然各人からの希望その他もとりながら、そうして適材適所の再就職が可能になるようにということを念頭に置いてやるわけでございます。その具体的なやり方等については、施設庁のほうから答弁させます。
#7
○相場説明員 現在私どものところでやっておりますことは、昨年の十二月二十一日に安保協議委員会で八千四百三十一名という将来解雇を予定される従業員の数が発表されておりますが、現在その内訳としまして、五千九百五十一名が実際に人員整理の通告という手続に入っております。そういった段階におきまして、私どもが実際の業務を遂行しておりますが、関係する都道府県におきましていろいろなアンケートをとっているわけでございます。たとえば三沢について申しますと、三沢は現在千三百二十名という解雇総数でございますけれども、三月末では約二十名内外ということになっております。そのアンケートにつきましては、たとえば就職を希望するか、あるいは希望地、それから希望する給与額、それから自営業を希望するか、あるいは職業訓練を希望するかというふうな分類によりまして、これを年齢別にとっております。非常に分析がこまかくなっておりますので、大体の数を申し上げたいと思います。
 配付枚数は二百五十枚でございまして、そのうち回収枚数が二百十七枚でございます。回収率が八六・八%というようなかっこうになっております。それで、その結果、勤続年数というものが大体十一年から二十一年の階層が圧倒的に多い。それから扶養家族を持っている人が非常に多い。それから就職希望者は、回収いたしました二百十七名のうちの百九十七名につきましては就職を希望しているという状況でございます。さらに、就職を希望する中で、訓練を希望する中で、訓練を受けたいという方々が百十一名おられます。そのほかに自営業を営みたい、これが二十一名。それから希望給与額というのがございまして、これは三万円以下から九万円以上というふうにアンケートをとっておりますけれども、非常に数字が散らばっておりますので、また御希望があれば別途お知らせしたいと思います。それから就職希望地につきましては、県外に出たいというのが五名、通勤可能地が二十名、あとはほとんど三沢で就職したいという結果が出ております。
 これは、一例を三沢について申し上げましたが、そのほか、またいま各県でやっておりますけれども、具体的に一定の方法に従って集計いたしております。
#8
○伊藤(惣)委員 そのアンケートはなかなか重要な問題だと私は思います。そのアンケートに対し施設庁としては、その意向を十分参酌して対策を練る、そう思うわけでありますけれども、しかし現実問題としまして、過去においても大量解雇があったときに、その就職率を見た場合、非常に率が低いわけで、その数字もわかりましたら簡単でけっこうですからあわせて教えていただきたいと思うのです。
#9
○相場説明員 おととしの十一月に、やはり二千三百名にわたります大量整理が行なわれまして、その追跡調査をやったわけでございますけれども、いま手元にその資料は持っておりませんが、大体五〇%くらい、こういうふうに承知いたしております。
#10
○伊藤(惣)委員 長官、いまお話を聞いたと思いますが、離職対策ということについては、アンケートをとったり、長官が非常に前向きでいろいろやっておりますけれども、いままでの実績といいますか、そういう面からいいますと、たとえ九〇%に近い人が再就職を希望しておったとしても、現実には半分程度しか就職していないという現状があるわけです。そこでこういったことについても、いままでにない新たな方策を考えなければならぬというふうに思うわけですが、その点について長官どう思いますか。
#11
○山中国務大臣 お手元に資料を持っておられるようですが、その「大綱について」という案ですね。その中に、いままでも大量解雇の際は、こういう会合を開きまして方針をきめていたわけでありますが、今回新たに、ただいまいわれましたような過去の実績並びに今回の特異性というものを考えまして、いろいろとことばの上でも実質でも新しいものを入れております。たとえば二枚目、一ページの裏ですが、(2)と書いてあります前段のおしまいのほうに「幅広い求人情報の提供等」ということばを今回新しく入れまして、これはことばだけでなく、こういうことをやろうというつもりであります。さらに大きな見出しの2の「職業訓練等の拡充」という文章の中の「必要により民間の職業訓練施設の借上げ、民間への職業訓練の委託等を行なう。」、これも新しい構想でございます。さらに次の3の「離職者の行なう事業の育成」「(2)官公庁等の管理のもとで行なわれる事業については、離職者による事業をうけいれるよう配意する。」、さらに「(4)離職者が適切な事業計画をたてて実施に移せるよう、関係機関は連絡を密にし、指導の強化に努める。」、次に「4その他の措置」の「(1)官公庁等における離職者の採用については、離職者の構成、希望等を勘案して官公庁ごとの採用可能数を策定し、」これも新しいものであります。次の(2)は、これは事柄が新しいのでありますが、俗に福祉センターと呼ばれております就職あっせんの機関に対しまして、いままで四団体を対象にしていたのでありますが、これを七団体、現在設置されております福祉センターといわれる就職あっせんの機関全部に対して国のほうで助成をしようということで、予算も七百万円から一千五百万円にふやしているわけであります。さらに、おしまいになりますが、(3)の「離職者の居住する従業員宿舎の管理については、離職者の再就職、生活安定をそこなうことのないよう、当分の間格別の配慮をする。」、これは公営の寄舎に入っておりますと六カ月までで、六カ月以降になりますと家賃を三倍取られるということになるわけでありますけれども、主として三沢でありますが、国設宿舎等に入っております離職者の人たちについては、最長三年まで、これを現在のままで使うことを認めよう。さらにその後六カ月の猶予期間を置こうということで、合計三年六カ月は国設の宿舎に入っておってよろしいというような配慮等が、今回の新しいものであるということを御理解願いたいと思います。
 それから、特徴の一つに申し上げました特定の地域という問題がありますので、ことに三沢等における問題、横須賀にも関係がありますが、「地域開発対策の検討と促進」のうち、「必要に応じ、公共事業等の促進、企業立地の条件整備等を行ない、雇用機会の増加を図る」ということで、公共事業そのものの繰り上げあるいは新規に公共事業を持っていくというようなことの可能性の検討というようなこと等についても、政府部内でそういう方向に関係各省庁を引っぱっていこう、こういうつもりのものでございます。
#12
○伊藤(惣)委員 私もこれを最初は通り一ぺんに読んだわけであります。いま長官が言いましたように、いままでにない前向きの姿勢があるわけであります。そこで、これについて聞いておったわけでありますけれども、なおさらに、いまおっしゃったことの中で「幅広い求人情報の提供」というのは具体的にどういうことをやるのかということがまず第一。
 それから、いま長官が問題とした今回新たに取り組むということについて、私も一々聞いていきたと思っておったわけですが、その次に、二番目の「必要により民間の職業訓練施設の借上げ」、これは具体的にどうなのか。
 それから「民間への職業訓練の委託等を行なう。」、これなんかもどういうことなのか、非常に不明でありますので、その点も具体的に伺いたいと思うわけです。
#13
○青鹿政府委員 事務的に御説明させていただきます。
 まず「幅広い求人情報の提供」でございますけれども、これは、従来の職業あっせんは、一対一の、求人者と求職者の間でもって行なうという形にしておりますが、今回はなるべくその情報をオープンにいたしまして、一般の離職者がどういう求人があるかわかるようにする、それから求人者のほうは、どういう資格のどういうような条件の方が離職されておるかがわかるようにオープンにいたしまして、なるべく幅広く求人と求職が適合するように考えてまいりたいという趣旨でございます。
 それから、二番目の「民間の職業訓練施設の借上げ」、それから「職業訓練の委託等」でございますが、これはいずれも労働省の所管でやってもらうことになっております。特に「民間への職業訓練の委託等」は、民間企業に入りまして訓練を受けておる間に、おのずからその事業者と訓練を受ける者の間の人的関係もできるであろう、職業訓練が同時に再就職の機会になり得るのではないかというような考えでございまして、これはまた、具体的に離職者の方々の御意向を承りました上で適当な企業を選択いたしまして、そこに委託するなり、またその職業訓練施設の借り上げ等を進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#14
○伊藤(惣)委員 3の「離職者の行なう事業の育成」のうちで(2)の「官公庁等の管理のもとで行なわれる事業については、離職者による事業をうけいれるよう配慮する。」、これも聞くところによりますと、具体的にいまいろいろ行なわれておるようでありますが、その点も……。
#15
○青鹿政府委員 これは抽象的な表現でおわかりにくいと思いますが、具体的に申し上げますと、たとえば住宅公団で住宅団地をつくります、その際に中心地域にショッピングセンターをつくらなければならぬというときは、当然民間の企業者がそこに入りまして店舗等を開設することになります。そういう場合には、やはりその地域によりまして、極力離職者の方に優先的に事業の開設を認めるというようなぐあいにしてまいりたいという趣旨でございます。ただこれは、実は離対協の幹事会で地元の県の意向を聞きまして、そういう御要望がございましたら、国としても当然そういう場合には優先的に配慮をしてまいりたいという方針はきめてございますが、そこで私ども、具体的にどういう事例が、いま問題になっております横須賀あるいは三沢等にあるか調べておるのでございますけれども、まだ具体的にこういう施設にはこういうような希望があるというようなところまでは問題が具体化いたしておりません。ただ原則として、そういうような施設が設置されまして、そこに離職者が入り得る余地があるならば、なるべく優先的に配慮してまいりたいという方針だけをここで確認したという次第でございます。
#16
○伊藤(惣)委員 次の「事業に要する資金については、政府関係金融機関等による融資の円滑化を促進する」ということ、「債務保証制度等の活用を図る。」、こういう離職者に対して一番問題になる点は、自分が自営をやる、しかしお金がない、またお金を借りるにしても、その保証人がいないとか担保がない。特に政府関係金融機関等についても条件が、企業性のないものについては、あるいはまたあったとしてもお金のない人に対しては、非常にきびしい条件がついているわけですね。そういう点なんかについてもどういうふうに考えておるのか。
#17
○青鹿政府委員 これは、政府中小企業関係の三機関ございますことは御承知のとおりでございまして、従来からも離職者の方の自営業の転換につきましては、十分配慮するようにという通牒は各省それぞれ出しておるわけでございます。ただ遺憾ながら出しっぱなしになっておりまして、その後アフターケアがあまりないという事実が、私ども検討の過程でわかりまして、それではいけないんじゃないかということで、これは大臣からも御指示があった点なんでございますが、やはり十分にアフターケアをして、その自営業者転換の御希望がどういうふうになっているか、そこまできめこまかく配慮をしていくべきじゃないかという御指示が大臣からございまして、それで、もちろん従来どおり中小三機関に対する協力要請の通牒を出すつもりでございますし、また意向調査等によりまして、または環衛公庫からの融資の対象もございましたならば、新たに環衛公庫等にも出したいと思っております。
 それから、単に通牒を出しただけじゃなしに、その後意向調査等をいたしまして、具体的にこういう業種にこういうふうにかわっていきたい、幾らの金が要るのでこういうところの金融機関に希望を出した、しかしそれがどうもうまくいかないというようなところまで、具体的に関係各省間でもってきめこまかに相談いたしまして、何がネックになっているか、それを解決する道が具体的にないかということを関係各省庁間で十分に協議してまいりたいということで、第(4)は、「離職者が適切な事業計画をたてて実施に移せるよう、関係機関は連絡を密にし、指導の強化に努める。」という抽象的な表現になっておりますけれども、中身はそこまできめこまかく離職対策を進めたいという考えを実はうたっておるのでございます。
#18
○伊藤(惣)委員 要するに政府関係機関の融資については、よく連絡をとった上、いままでの条件外であっても融資ができるようにバックアップしよう、こういうことですか。
#19
○青鹿政府委員 条件外という御趣旨がちょっとわかりませんが、やはりそこいらにかなり裁量の余地のある問題が多いと思います。融資条件その他はきまっておるものでございますから、変えるわけにはまいらぬと思うのでございますが、その裁量の中におきまして、極力手厚い配慮ができるようにというふうな方針で三機関等も指導してまいりたいという考えでおるわけでございます。
#20
○伊藤(惣)委員 次の「その他の措置」なんですけれども、「官公庁等における離職者の採用については」、こういうふうにはっきり明文化したのは今回が初めてですが、「離職者の構成、希望等を勘案して官公庁ごとの採用可能数を策定し、」というふうにありますが、実際問題としてどうやってやるのか。むしろいまどちらかというと、行政官庁はいろいろな中において定員の問題なんかもたいへんだと思います。どういうふうなかっこうで採用可能数というものを策定するのか、どうやってやっていくのかということですが、この点はどうです。
#21
○青鹿政府委員 確かに御指摘のとおり非常にむずかしい問題があるわけでございますが、官公庁というのは国の機関だけではございませんで、地方公共団体も含めております。それから政府関係機関等も含めて実は考えておるわけでございます。もちろん原則としては、政府の職員の増員も非常にむずかしいところでもございますが、ただ機関によりましては、たとえば郵政官署とか文部省等では相当の人員の需要もあるところもございます。特に地域的な問題でございますから、三沢なり横須賀なり、いまそういう地域を中心にいたしまして、その周辺の官庁でもってどれだけの増員計画があるのか、その際どういうような条件の方が必要であるか、希望をとりまして、これをまとめてまた具体的に就職あっせんをするというようなことを、関係省庁等とも相談いたしまして、できるだけここに適合させていきたいと考えております。私どもは、もちろん必ずしもこれだけでもって済むということではございませんので、いささかなりとも離職者対策に役に立ら得ればと思っているわけでございます。
#22
○伊藤(惣)委員 現段階では、それが精一ぱいの行き方、また対策だろうと私は思っておりますが、非常にその辺がむずかしい点なので、十分なる対策といいますか、それを講じて積極的にやっていただきたい、こう私は要望いたします。
 次の「離職者の再就業に関する関係団体」ですが、いままでは、対象としては四団体しか考えていなかったが、三団体加えて七団体にした。そしてそれぞれの福祉センターというものをつくるようなお話があったわけですが、これも具体的にひとつ伺いたいと思います。
 それからもう一つ、離職者の居住する従業員宿舎の問題ですが、特に三沢で問題になっているというお話です。私もその実態を聞いたわけでありますが、あの宿舎が将来どうなるのかということを、そこに住む人たちは一番心配しているわけです。たとえば出ることについて、どんなに優遇措置を受けたとしても再就職が非常にむずかしい。また家族のたくさんいる高齢者は、むしろ自分がどこまでも住んでいたいという考え方がその根底にあるわけです。ですから三年六カ月間猶予してもらうことはありがたいけれども、しかしあれを何とか国でなくて、市もしくは県に払い下げてもらえないだろうか。そうしたら県なり市を相手にして賃貸関係ですか、普通の住宅公団のような、県営住宅のような形の中でずっといたいというような考え方があるのです。それについてどういう考えなのか、その点もあわせて伺いたいと思います。
#23
○青鹿政府委員 関係団体の問題は私から答えさせていただきますが、これは駐留軍関係の従業者が自発的に、自主的におつくりになっている福祉センターあるいは駐労センター、いろいろの名前で呼ばれておりますが、全国に六カ所、中央の分も含めまして七カ所ありますことは御承知のとおりであります。これに対する助成の措置を、四十五年度、初めて予算上七百万とったわけでありますが、こういう大量解雇がございますので、これは職業あっせんをやることを労働大臣から許可を得て駐労センターもやることになっておりますので、十分連携をとりながら、国の措置、公共団体の措置、そういう自主的な団体の御措置と関連をつけながら、緊密にやってまいる必要があろうと考えております。その関係で、国の助成も従来四団体だけにしておりましたものを全国の七団体に出すということで、額も千五百万円増額するということでございまして、国それから地方公共団体、自主的な団体、三者手を携えて、十分緊密な連絡をとりながら対策の万全を期してまいりたい、かように考えております。
 それから、従業員の宿舎の問題につきましては、施設庁が大蔵省と連絡をとりましてその方針を進めてまいった問題でございますので、施設庁のほうからお聞きいただきたいと思います。
#24
○相場政府委員 現在三沢の従業員のうちの二〇%、大体三百五十五世帯、こういう方が五カ所のそれぞれの団地――ほぼ団地をなしておりまして、たとえばブロック建築によるもの、あるいは旧海軍の下士官の宿舎に相当する、一戸建てあるいは一戸二所帯、いろいろな形態で五カ所に分散して国設宿舎を建設して、その中に住んでおるわけでございます。先ほど大臣からも御答弁がありましたとおり、これは国家公務員宿舎法に準拠して運用されておるわけでございますから、まず現段階としては、六カ月は家賃でなくて賠償金という形で三倍取られる、それをやめることがまず第一の段階であろう。次の段階は、これはいま先生もおっしゃいましたような問題をどう処理するかという段階でございます。第二の段階につきましては、ただいまのところ青森県庁と協議しておる段階でございまして、まだ問題は煮詰まっておりませんけれども、積極的に取り運びたい、こういうふうに考えております。
#25
○伊藤(惣)委員 積極的に住民の意向、また従業員の意向を考えてその問題を解決したい、こういうことでございますか。
#26
○相場説明員 これは、もちろん国有財産でございますので、ただいまのところ私どもの行政財産になっておりますけれども、やはり国有財産の取り扱いを受けますので、大蔵省との協議もございます。私どもといたしましては、先生おっしゃいましたような方向で進んでいきたい、こういうふうに考えております。
#27
○伊藤(惣)委員 それから、返還施設等の活用の点なんですが、実は一昨年の十二月に日米安保協議会がありまして、以来五十数カ所の返還予定基地が発表になり、現在まで二十数カ所の基地が返還されてきているわけです。その中で一番私たちが問題にしておりますのは、地位協定の二条四項の(a)もしくは(b)といいまして、大体返還とはいっても自衛隊が中心になって管理する、また約八〇%近くは自衛隊に返還されている、自衛隊が使用しているという一つの事実があるわけです。それで私たちは、その事例について総点検もいたしましたし、その後再び点検をしたわけです。そしてあと地利用、その地方公共団体の意向などもアンケートをとったのでありますが、それによりますとほとんどが、自衛隊ではなく、むしろ公園であるとか住居であるとかいうあと地利用を希望しているわけです。しかし実際には、そういうような自衛隊中心、また自衛隊にほとんど使われているという現状であります。自衛隊の基地とい、えば、御存じのように全国に二千カ所以上もありまして、私は現在ですら多いと思っておりますのに、さらにそういった基地を使わせぬでもいいのではないかという考え方もあるのであります。このことについては、中曽根防衛庁長官も、返還にあたっては地域住民の声をまず第一に聞いて調整するということは言っておりますけれども、実際はそうではないという実態があるわけであります。したがって、返還または返還予定の米軍施設については、早期に転用方針を定めるということは出ておりますが、こういう方針を定めることについては、やはり離職者対策の問題もありますけれども、なお施設庁あるいはまたそういった地方公共団体との連絡を十分とった上で、住民の意思に沿うような方向でその転用方針を定めたり、または離職者対策を推進するようにするべきが大事ではないか、こう思うのですが、その点……。
#28
○山中国務大臣 所によって感触を異にいたしますが、たとえば横須賀等については、一体ドックを民間に払い下げるのか、民間に払い下げるとすれば、これは当然離職者の人々をそのまま雇用してもらうことを条件に置いて払い下げを認めるということになると思うのですが、一方また防衛庁としても、私も中曽根長官のほうへなるべく早く方針をきめてほしいということも言っておりますが、防衛庁は防衛庁として、やはり自分たちの艦船修理部というものを持っていたほうが経費の節減、あるいはまたそのドックに入っている期間の短縮等に役立つという一方の基本的な姿勢も持っておるようであります。しかしそれは、防衛庁が戦前のようにそういうものを持たなければやっていけないのかどうか、あるいは防衛庁が使うとしても、横須賀の――まあ番号をつけているわけではありませんが、小さいほうから大きなほうにだんだんいきますと、四番目、五番目の大きなドックなんというものは、防衛庁ではどれくらい年間使えるかという比率を聞いてみますと、これはどうもらよっと分不相応の設備を持って非常に非能率な、稼働率の悪い利用のしかたになるような結果が出ております。そこですみやかに、一、二、三というものは、もうフルに自衛隊が使うことが国策であるというならば、そこは自衛隊が使うということを前提にして、同時にそれに対する離職者にそのまま働いていただくような雇用形態を確立すれば、それはそれで解決するかもしれませんが、その場合でも四、五ドックについてはどうするか、これは防衛施設庁、大蔵省国有財産関係とよく相談をしていかなければいかぬと思いますが、そのようにまだきまっておりませんし、防衛庁としてもはっきりと決意を固めておるわけでもないようであります。ここらのところは、私は原則論としては、こういうものは民間に一括して払い下げて、そして解雇された方がそのまま従業員として、まあ週五日が週六日になるのはやむを得ないことでありましょうし、そこらのところはもちろんしんぼうするお気持ち――日本人社会の常識としての勤労形態でありますから、そこらのところでがまんをしてもらうことはできましょうから、スムーズにそういうものがいけるようにしたいと私は念願をしてこの協議会の取りまとめをやっておるわけでありますが、一義的には、肝心の防衛庁がどうするのかという問題を早くきめてもらいたいという気持ちであります。まあ三沢等についても、これは防衛庁自体の、あれをあとどうするかという問題だけでは実は解決しませんで、単に解雇された人々ばかりでない、三沢市そのものが、ちょうど沖繩でいえばコザみたいな関係、三沢基地によって今日の繁栄を得ておる地域でありますので、そのショックは非常に大きなものがあるわけであります。そこで、地域ぐるみの現在の開発計画を、一体青森県、それから企画官庁としての経済企画庁、さらに具体的にそれらの建設に関係のある実務官庁等が年次を繰り上げることは可能であるのか、あるいはまた年次を繰り上げしなくても、それにつながる公共投資等、事前にすぐに着工するような可能性がある分野はないのか、これらの問題も含めていま検討いたしておる次第であります。
#29
○伊藤(惣)委員 いま具体的に横須賀と三沢の問題が出ましたし、またそこが一番大量解雇になっているところでありますから、さらに伺いたいのです。
 いま長官は、横須賀の問題については民間に一括して払い下げてやったほうがいいのじゃないかという考え方がはっきりしたわけでありますけれども、防衛庁のほうではどういう考えなのか、また現在どういう段階まできておるのか。このことについては私はだいぶ前に質問したのですが、そのときには検討中だという話だったものですから、そんな答弁じゃなくて、もっと具体的なことを伺いたいと思うのです。
 さらに三沢の問題でも同じようなことが言、えるわけでありますけれども、この三沢の問題についても、離職者の再就業の機会を今度はいろいろな面で提案されたわけでございますけれども、この対策大綱に基づく施策の中で十分な成果をあげることができるかということですね。その点防衛庁いかがですか。
#30
○相場説明員 横須賀の問題につきましては、防衛庁は検討中でございまして、これは至急結論を出すというふうに私承知しております。いずれの形にしましても、労務者が一人でも多く採用されるように私どもは努力したい、こういうふうに考えるわけであります。
 また三沢につきましては、地域に対する定着性が非常に強い傾向にあるということ、それから高齢者が多い。そして子弟の関係では、子弟も三沢に就職させたいのだというふうな関係もございます。いろいろ地域開発とかの計画があるようでございますけれども、目下のところ、ただいま大臣がいろいろ大綱で御説明されましたように、公共事業の先行投資とかあるいはそういった面で、私ども県当局あるいは労働省当局と具体的な事実の問題について目下詰め合わせ中でございます。
#31
○伊藤(惣)委員 この横須賀の問題ですが、これは何か一説には、海上自衛隊がどうしても使わしてほしいという意向があるというふうにも聞いているのですが、その点はどうなんですか。
#32
○相場説明員 私、労務担当間もなくでございまして、間接的に聞いている段階でございますので、いずれその問題につきましては、上司に先生の御質問があったということを申しますが、私責任のあることはいまこの段階では出せませんので、御了承願いたいと思います。
#33
○伊藤(惣)委員 私は、このことを聞くということは通告してあるのですよ。それでは別の機会に防衛庁からその問題は聞くことにしましょう。いずれにしても、三沢の問題も地域開発をやるということでありますが、そのことは今回の大量整理という問題から見て全然間に合わないわけですね。これはどうするのですか。そして特に前向きで出ておりますが、「公共事業等の促進、企業立地の条件整備等を行ない」、こういうことだって相当の計画と、またそれを推進するためにはたいへんな予算措置も必要なわけです。ですからそこらのことを明確に伺っておきたいわけです。
#34
○山中国務大臣 これは御心配のとおり、いま開発計画は確かに地域としては存在しております。八戸あるいはむつ、小川原湖、そういうものがあるわけですけれども、これはいまのところ画餅なんですね。これから先の計画である。感触は違いますけれども、要するにいますぐその問題で大量解雇の人たちが助かるというものでないことだけは事実なんです。これについて、すみやかにこれを具体化していく作業はできないか、さらに地元のほうから公共事業計画の要望等が出ておりますので、こういうものは将来のそういう地域開発計画に関連づけつつ、なるべく要望に沿うことはできないかという立場から、私どものほうで建設省や農林省や防衛庁も含めて検討してもらいたいということでやっておるわけであります。さらに通産省等を通じまして、企業進出について、これは民間私企業のことでありますが、将来のそういう国土開発計画等の未来図の中で、なるべく日本の求人、雇用の多い大企業が必要でありますので、そういう企業に内々に実地に調査をしてもらいましたり、三沢の現状等を調べてもらったりして、通産省のパイプでもってできればそれらの企業が行けるように調査をしたいということで、三月中旬までには調査に行くことがいまほぼ決定したということでありますが、なるべくこれも急がないと、どうなるかという不安というものは毎日毎日の問題でありますから、そのつもりで――また、あまり大々的に何々会社というでかいのが調査に行ったというので期待を寄せたが、結果は私の会社ではどうも手に負えない、あるいは可能性がないという結果になってもまずいものでありますから、可能性の探求という形でいまお願いしておる次第でございます。一、二会社の名前もございますが、伏せておきます。
#35
○伊藤(惣)委員 そういったところを私は長官に期待するわけでありますが、今回の大量解雇に間に合うような処置を講じてほしいと思います。その点いかがですか。
#36
○山中国務大臣 間に合わしてあげなければいけないことでありますし、ことに三沢の場合は地域の大問題でございますから、これは知事さんも市長さんも市議会も、あるいは商工会議所も、目の色を変えた状態で心配しておられるわけでありますので、そういう地域全体の問題としても急がなければならぬ問題だという認識は持っております。
#37
○伊藤(惣)委員 そこで、総務長官は沖繩担当大臣でありますから伺っておきたいのですが、こういう方針を政府で決定したからには、こういう方向で琉球政府をバックアップするようにも思うのですが、その点はいかがですか。
#38
○山中国務大臣 沖繩においては、当然このような方針で琉球政府に対しても御相談申し上げていくつもりでありますし、また現在は、沖繩の全軍労と本土の全駐労との間で、こういう問題は一種の共通問題として、私御面会、御要請等いただくときも一緒に来られます。そういうことで全駐労、全軍労関係者も一体となって、本土、沖繩の別のないような手段をとることに努力しておりますが、沖繩の場合は、たびたび議論しておりますように、再就職環境というものが本土に比べて著しく悪いわけです。それにまた、勤労者の中に占める軍労務者のウエートというものが異常に高いということでございます。沖繩においても中高年齢層がふえつつある事態は変わりはありません。そういうことを考えますと、本土八千、沖繩三千という比率は、単なる三分の一ではなく、沖繩においては地域において異常な重みを持った数でございますので、これについては、単なる本土のこういう中央離対協の申し合わせ事項ばかりではなくて、沖繩においてはもっときめこまかな現実の問題としていろいろと取り組まなければならない問題が多いと考えておりますが、より手厚いということを言いますと、沖繩にできるならば本土にもせよということで――沖繩には四十六年度予算で退職金の平均五万を八万に上げた。先般コザにおいて不穏な空気もございましたし、沖繩の方々にせめて一月にさかのぼってということで、大蔵、総理に説得をいたしまして、まあスト回避ということはできませんでしたけれども、支給をいたしました。これがまた本土にはね返りまして、つい先日の閣議で、一月一日沖繩にやったのでありますが、同じように本土全駐労についても、ことしの予算から平均三万円アップ分を支払うということで、十二月二十一日の日米安保協議委員会の日ということになっておりますが、これは約九日ほどズレがございますけれども、沖繩では幸い一月一日からでありましても開きがございません。すなわち実人員と申しますか、その間解雇者が発生しておりませんので、幸いにしてそれで済んだわけでありますが、対策もやはり沖繩が先行するような離職者対策というものを、単に退職金の繰り上げ支給等にとどまらず、あらゆる面で努力をしていくつもりでございます。
#39
○伊藤(惣)委員 沖繩は、長官御存じのように、もう基地労務者が六月までに三千人ですか、解雇されるという一つのあれが出ております。さらに明年の返還に伴って、やはり大量に解雇されるだろうということが予想されておるわけですね。そこで、これは本土と違った意味で画一的な方針はいかぬと思うのです。またいかないと思うのですね。沖繩に対しては基本的な方針として、本土企業への吸収だとか、あるいはまた沖繩の産業振興のために離職者を回すとか、職業訓練するとかいうことがあるようですが、さらにこれは外務省の報道ですけれども、ブラジルとかアルゼンチンの国が、沖繩の米軍基地の離職者の移住希望者があれば積極的に受け入れるということもいわれておるようでありますが、その点について長官どう思うのか、そうしてもう少し具体的にわかれば、手を差し伸べていることでありますから、その内容についても伺いたいと思います。
#40
○山中国務大臣 南米から、沖繩全軍労の大量解雇の情報を耳にして、移住者で来るなら喜んで受け入れるという意向の表明がありましたこと、これについては、うれしいような困ったような気持ちを私は持っているのです。ということは、やはり海外に送り出してしまうという結果は、私にとっては失敗であるような気もするわけです。なるべく沖繩に、困難でありますけれども定着していただきながら、新生沖繩の中堅指導者、労働界の幹部になって引っぱっていく人たちであると私思いますし、惜しい人材を家族ぐるみ海外に送り出すことには忍びない思いがいたします。すでに三十数名ですか、呼びかけがなくても渡って行った人もおりまして、私としては少し胸の痛む思いもいたしております。これは単に外国のみならず、本土のほうの企業に就職をするということも、沖繩の全軍労の人たちのアンケート等から見ればほとんど希望者はありません。三沢よりももっときびしい定着性というものがあると私は見ていますので、どうしても沖繩県内に、新しい未来の沖繩に希望を持って自分たちの県づくりに参加できるような勤労者として残しておきたいものであるという切望をいたしておるわけであります。そのために、沖繩に進出いたします企業も、人手を多く使うような企業に対してなるべく優先的に、あるいは重点的に、私のほうでも本土業界に慫慂するというようなこと等を考えておるわけであります。きめ手となるべきものを多く持っておりませんけれども、沖繩政府ともなお緊密な連絡をとりながら、本土でとられておる各種の再就職あっせんとか、指導というものももちろんのこと、アメリカ軍にも要請をしまして――基地内の職業訓練経費について、ことしの予算から来年度予算へと新しく予算をつけておりますが、その趣旨をよく説明しまして、米軍の基地内で、ちょっと正規の訓練に乗りかえてもらって、そしてライセンスを出してほしい、そうすると、技術を身につけて、免許を持って、やむなく解雇された者も、沖繩の狭い求人市場の中においても、その技術がものをいって比較的転職が可能になる分野が多いわけでありますから、そういう意味で私のほうでも、外交ルートでもやっておりますが、ランパート高等弁務官あたりとも会いまして、そういう趣旨のことをよく相談をいたしておるわけであります。いずれにしても本土と比べて比重が非常に高い大問題として私としては日夜苦労しておるというところでございます。
#41
○伊藤(惣)委員 沖繩の基地従業員に対しても長官前向きに積極的に取り組んでいられる。そのことについては了とするものでありますけれども、どうか長官のおっしゃったことが間違いなく実施されるように、その点も指導監督していただきたい、そう思います。
 そこで、ひとつ問題提起なのですが、実は新しくいろいろな問題を今度のこの対策協議会で大綱としてまとめたわけでありますが、残念なことに、同じ戦争犠牲者の中にも、この基地の撤去によってやはり非常に影響を受けるハウスメードというのがいるわけですね。このメードさんのことについては、私は以前から防衛庁長官、そうしてまた施設庁長官にも何回となく問題提起し、その善処方を要望してきたわけです。そのメードさんといいますのは、将校の宿舎に必ず一人や二人おりまして、その方々が移動されますと、ちょうどその家につくと同じように、また次の人と直接雇用という関係でいるわけであります。そしてその人たちが二十数年間、まあハウスと同じように、主人はどんどんかわるわけですね。ですからどんなにかわっても給料は上がらぬわけです。それで引き継ぎか何かがございまして、だんだんと安い人またはいい人のみになってしまって自然淘汰されているわけでありますが、しかしこの数が実に多いわけです。たとえば今回の三沢の場合ですと、五百人程度やはりやめなくてはならぬのじゃないか。横須賀またグラントハイツあるいはまた方々にいるわけであります。これは沖繩も同じだと思うのです。この人たちの実態といいますのは、非常に見るにたえないといいますか、聞くにたえないことがたくさんあるわけであります。たとえば私の選挙区の区域にもグラントハイツがあります。その中に現在百五十人ほどのメードさんがいるのです。そのメードさんはもちろん練馬区なら練馬区というところに家を持っている人も一部おりますけれども、長くいる方はバラックのプレハブ住宅にいるわけです。住宅を見て回りましたが、悪い家でタコつぼみたいな部屋であります。その寮則にはこう書いてあるのです。もしこの寮に五日間働かないでいた場合には自動的に出るようにという表示がしてあるわけです。そしてその人たちは日給月給でありますから、一日働いて千円とか、あるいは一ドルとか二ドルとかいうことで働いているわけです。ですから実際には、まともに働いても月々二万くらいにしかならぬので、夜兵隊さんが遊びに行くその間子供さんをお守りする、そのお守りについて一時間幾らという小づかいをもらってやっと三万とか三万五千というような中で働いているわけです。しかも自分が新たにどこかに家を借りるにしても、そういう安い日給月給みたいなものしかもらっておりませんので、家を借りるに借りられない、しかもまた自分が病気になっても健康保険もない、こういう実態で非常に悲惨な生活をしているわけです。私もそういう人たちと会いましていろいろ聞きましたけれども、返還と同時に私はもう行くところがない、行きたくても行けないというところから、自分がつかえている主人は十何年つかえている、だからベトナムに行けばベトナムにもついていく、ハワイとかアメリカに帰るならばそれにもついていくというような、そういう投げやりな五十年配のおばさんの話さえ私は聞いているわけです。そこでこの問題については、以前からもイエローガリー、黄色い奴隷というぐあいに兵隊さんの間では言われているわけですよ。私はこのことを真剣に考えまして、実は雇用安定法というものを何とかつくろうと思って検討した。ところが法制局においては、日本にもまだ家内労働法というのはない、したがってそれは雇用安定法に盛り込むことは無理だといわれたわけであります。防衛庁はどうするのかというと、これは労働省の関係だという、労働省はそういう関係でわれわれとしても扱えない、防衛庁は政治的には責任あるけれども、直接の関係は労働省だと逃げている、これが実態のわけです。基地労務者の方には、不十分ではありますけれども特別支給金とか、こういういろいろなことがあります。それに比べましてハウスメードの人には退職金の一円ももらえない。しかも、中には少し器量がいいと、いろいろな破廉恥行為を受ける、それにも耐えてきた、そういう一つの現実があるわけであります。一々例を申しますと、たいへんなことがありますが、そういうことは差し控えますけれども、そういう人々こそ手を差し伸べてあたたかい対策を立てるべきじゃないか。政府がそういった方々にあたたかい手を差し伸べなければならぬじゃないか。これは直接雇用、直接雇用については米軍がかってに使ったんだから、米軍が責任を持つことであって関係ない、そうもしおっしゃるとするならば、それはたいへんなことであって、現在では職業安定所で扱っておりませんけれども、以前は保険組合の中にメードさんも一緒にしておったことがある。昭和二十六年ごろだと思います。さらにまた、そういった直接雇用のあっせんを職業安定所においてあっせんしたこともある、過去において。そういう一つのことがあるわけであります。そういった方々に対する対策について長官の答弁を伺いたいと思います。
#42
○山中国務大臣 これはおっしゃるとおり、私的雇用関係の中の、たとえばハウスメードという職業でありますから、現実には、いまあなたの言われたとおりの事情であることは否定できないと思うのです。ただ、法律的に言うならば、駐留軍関係離職者等臨時措置法というようなものの対象に入っていないことはお認めの上の発言でございますが、ではそういう法律の庇護下にない、かといって米軍がいることによってのみ発生した人たちの身分であり、あるいは待遇であり、境遇であるということでありましょうから、これはそれらの人たちの、外国までもついて行きたい、ほかに行きようがないというお気持ちを、まさか外国までついて行きなさいと言うわけにもいかない立場の人々でありますから、それらの人々がどのように転業できるのか、あるいはまた場合によっては若干の職業訓練等も必要なのか、これらの点についても、また保険の適用等についても、国民健康保険も適用しないということはないと思うのですけれども、いわゆる社会保険の問題だと思いますが、それらの点はもう少し私も実際を調べて、なるべくお役に立てるような善後策を講じてみたいと思います。
#43
○伊藤(惣)委員 施設庁に聞きたいのですが、前にも大体メードさんは日本本土では約五千人くらいじゃないかと聞きましたが、もし調査してわかっておれば、その数字を聞きたい。
 それからもう一つは、寮則で五日間も働かなければ――人間はもう何年、何十年のうちにはかなり病気もしますし、働けないときもありますよ。そのときに、寮に住むことができないという寮則は私はけしからぬと思うんですね。人間無視というか、たいへんな問題だと思うのですよ。事実グラントハイツにはその寮があって、その寮則があるのですから、そのことについて私は撤回すべきだと思うのです。この点はいかがですか。
#44
○相場説明員 メードさんの数でございますけれども、これは先生御承知のとおり、職安機構を通じまして把握できないという面が一つございます。したがいまして、一昨年の六月ごろだったと思いますけれども、一応各県に調べていただいた実績がございます。しかし、具体的な数を把握するということが非常に困難でございまして、ある県、たとえば東京都、神奈川県のごときは、こうして推定しなければ数字が出ないというような、一応の推定の数字は出ております。また、小さな施設のあるところは的確にメードさんの数が把握できるということで、大体四千四百くらいの数字までは、推定を入れまして把握した実績がございます。しかし、いま先生のおっしゃいましたように、非常に定着性がない、非常に流動性に富んでいる、それから必ず一軒一人ということでもなくて、一人が数軒かけ持ち、しかもそれを追跡しますと、それがどうなったかわからないというような実態がございます。あるいはアルバイトの方もあるというふうなことで、非常に数字の把握がむずかしゅうございます。それで、現在のところ、やはり四十四年六月に、そういった推定を入れた数でございますけれども、四千三、四百を前後しているのじゃないかと思いますが、今度の基地整理で、あるいは家族も引き揚げるということもございますので、非常に流動的だというふうに考えております。
 また、グラントハイツのただいま御指摘の点でございますけれども、これは一応基地内の施設に、基地管理権を持っておるところの米側が住まわしてやっているというのが一つの態様だと思うのであります。しかし、あまり目に余るようなそういった張り紙だとか、あるいは書いてあるものというようなことにつきましては、私ども労務管理の面で、これは先生御承知のように、メードさんは一応労務提供の範囲を越えている問題でございますけれども、一応関係があるということで、やはりそれぞれの労務担当が米側当局に対して一応の注意ということはしていきたいと思います。
#45
○伊藤(惣)委員 メードさんの掌握がむずかしいと言いますが、たとえ米軍基地にさくがなく、どこまでが境界で、どこまでが日本のものだかわからないというところであっても、その中に入って働くというからには、みんな免許証みたいなものがあるわけですよ。そして日本人の門番の人がいるわけですから、あそこにどこどこのだれがどういう名前で入っているか掌握すれば、正確にわかりますよ。それをやらないのは、うちには責任がないから、もしやるとすれば労働省関係だからという、そういうことから掌握がおくれているし、またあいまいなことしかやってこなかったのじゃないかと私は思う。私がもしあなたの立場でやろうと思えば、各基地に電話で、ハウスメードは何人いるのか、また入っている人は、目的もちゃんと書いてある、非常にこまかく書いてあるのですよ。簡単に掌握できます。私ならそうしますよ。そんなことはあしたにでもできます。なぜこんなことを言うかといいますと、もう何年も前から同じことを言っているのです。大臣は検討します、善処します、伊藤さんの話はよくわかりました、調査します。いまだにあいまいじゃありませんか。だから、こういうことについては、さらに新しく取り組みが進んだわけでありますから、総務長官にも実態を調べていただいて、前向きに善処していただきたい。私は、こういう人に一番先に手を差し伸べていくのがほんとうの政治じゃないか、こう思うわけです。その点総務長官、もう一回伺いたいと思うのですが、いかがですか。
#46
○山中国務大臣 私は、めったにあなたの言われる検討しますと言う大臣じゃないのですけれども、しかしこの問題は非常にむずかしい問題かと思いますから、私自身としても少し検討させてほしい点があります。そして、施設庁として、自分たちの提供労務ではないということ、これは役人としていたし方のない言い方だろうと思うのですけれども、しかしそれだけで済まないとすれば、どこかがそこに対して手を伸べていくとすれば、やはり防衛施設庁に若干の仕事をお願いしなければならぬ、実務をどうするかは別にして、そういうことは御指摘のとおりだろうと思いますから、前進するように努力してみます。
#47
○伊藤(惣)委員 最後に、この横須賀とか三沢、板付等において相当の人員整理が行なわれるわけですけれども、共通の問題は、従業員の人員整理が施設の返還と結び着いて、有効な離職対策を展開できることになっていない、これがいままでの議論でも明らかになってきたわけでありますけれども、それについては大臣が善処するということでありますが、私は、特にこの中央駐留軍関係離職者等対策協議会としては、この点についてもっともっと積極的な姿勢と対策を立てる必要がある、こういうふうに思うわけであります。その点を申し上げまして、終わりたいと思います。
#48
○山中国務大臣 これは先ほどもすでに御答弁した範囲でもあるかと思いますが、そういうような施設については、どうせ将来も使わないようなものであれば、それを有効に利用するように措置するとともに、たとえば三沢ならば、自衛隊が移駐して使用をするというような場合にも、なるべく多数の離職者の人々を現地雇用として、自衛隊の本来の仕事はできないかもしれませんが、そういうことに努力をしてもらうということに、防衛庁のほうへ要請をしておるところでありますし、いろいろ板付あたり、それぞれ場所において態様の違いがありますけれども、要するにそれらの施設が無為に放置されることのなきよう、あるいは使う場合においても、離職者のことを必ず考えて使用するというようなことに基本的な方向をもって進めていきたいと思います。
#49
○伊藤(惣)委員 終わります。
#50
○天野委員長 東中光雄君。
#51
○東中委員 国立公文書館のことについてお聞きしたいと思いますが、先日長官は、あくまで国民のためのものにしたいと、こう言われておるわけですが、公文書館の文書はすべて閲覧に供するというたてまえをとられるのかどうか、まずお聞きしたいと思います。
#52
○山中国務大臣 そのとおりでございまして、すべて一般に公開いたします。ただ、こういうこともあります。国立国会図書館図書利用規則第四条というのに「満二十歳以上の者は、図書を閲覧することができる。ただし、満二十歳未満の者であっても、館長が特に認めた場合は、この限りでない。」、こういうのがあるのです。国会図書館こそ、まさに大衆へオープンしてやるべき機関だと思うのですが、これは何でこんなことを書いてあるかというと、もう小中学校の修学旅行生にがやがや入ってこられても困るのじゃないかという意味でできておると、私も国会議員でありますから承知しておりますが、国立公文書館も、そういう意味では、公開はあくまでも原則である、しかし場合によっては、そういう年齢的な小中学生の修学旅行さんお断わりぐらいのことに事実なるようなことは、あるいは国立国会図書館にならうことはあるかもしれません。しかし原則は公開ということであります。
#53
○東中委員 それで、各省庁の秘密文書ですね。秘密文書の中に機密、極秘、秘、部外秘あるいは取り扱い注意なんというような文書があるようですけれども、こういう文書は入るのか入らないのか、そしてそれの閲覧はどうなるのか。その点どうでしょう。
#54
○山中国務大臣 いまの日本の官公庁の文書というものは、よほどの特殊なケースを除いては、私はそんな極秘はあり得ないと思うのです。各省設置法でも公務員は秘密を守るようなふうに一応は書いてありますが、さて、そのマル秘とか判こなんかの押してある書類を見て、こんなことが何で秘密なんだと思うような文書のほうが非常に多い。役所としてはそういうふうに知らせたがらない習性もあるのかもしれません。私などから見たら、秘密文書というものはごく限られたものであり、しかもこれは時期的なものである。たとえば総理府なんかで叙勲なんかの行為を一応作業をいたします。しかし、その場合に、初めからみんな公表してしまって、この人はだめであるとか、そういうことはできないし、そういうのは一時的には秘密、極秘、部外秘というようなこともあると思うのですけれども、あまりないと思うのですが、現実には厳然として、ただいまおっしゃったような書類の区分があることは事実です。これらは、それぞれの各省と話がつかなければ公文書館に移せませんので、そういうものの秘密を解除してもいい時期が来たら移してもらうというようなことにしたいと思いますが、さしあたり公文書館は、四十八年まで一ばいかかりまして、戦前の文書を集めることにまず熱中と申しますか、集中いたしますので、これらの問題は、基本方針としてはきめておかなければなりませんが、なるべく各省庁の、いわゆる保存して国民の供覧あるいは研究等に供すべきものとして価値あるものについては、なるべく一般官公庁に閉じ込めないでおくような姿勢でもって話し合いをしていきたいと考えております。
#55
○東中委員 いま長官も、見てみたら、まああまり秘密にせぬでもよさそうなものまで秘密の判を押してあるのがある、こう言われておるのですが、防衛庁来ていただいておると思うのですが、防衛庁で現在秘密文書の指定をされておるもの、それの秘密文書及び取り扱い注意ですね、その指定をされておるもののそれぞれの件数と部数を明らかにしていただきたい。
#56
○半田説明員 御承知のように、防衛庁の秘密には二つございまして、一つは防衛庁業務全般の秘密、これを通常庁秘と申しておりますが、これと、日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法に基づくところの防衛秘密というものと二種類がございます。二種類に分けて御説明申し上げます。
 まず庁秘、これは秘密保全に関する訓令というものが定められておりますが、これによるところの機密は約六万点ございます。極秘は約四万六千点、秘が約七十万点、計約八十万点であります。
 取り扱い注意につきましては、これは文書登記簿に載っておりませんので、その数は明らかでございません。
 防衛秘密のほうについて申し上げますと、極秘は二十四件、約百八十点でございます。秘は三千二百九十一件、約九万点でございます。
#57
○東中委員 外務省はどれくらいあるのですか。
#58
○橘(敬)説明員 外務省の場合ですと、非常に他の省庁と違いまして、在外公館が現在百四十四ございますが、電信が非常に多いものでございますから、したがいまして、秘密文書の数字も非常に多いものになるわけでございます。
 四十五年の例によりますと、こういう電信その他を全部含めまして約三十五万、そのうちの約四〇%以上が極秘、秘半々くらいになっております。現在文書課で戦後記録文書として保存してあります中で調べますと、秘密文書、いわゆる極秘、秘に当たりますものが約百五十万件でございます。そういう状況になっております。
#59
○東中委員 文部省のほうはどうですか。
#60
○犬丸説明員 文部省におきましては、秘密文書を三種類に分けてございます。極秘、それから秘、部外秘。極秘というのは国の安全に関係するようなものということになっておりますが、実際問題といたしまして、文部省関係のものではそういう極秘に当たるものはございません。昨年の例で見ますと、全体の文書件数が九万五千件ばかりございますが、その中で四百八十三件、その中で極秘はただいま申し上げましたようにございませんで、秘扱いのものが四百七十件、それからそのほか部外秘、これが十三件、そういう状態でございます。
#61
○東中委員 外務省のほうにお聞きしたいのですが、たとえば地位協定に基づく個々の施設、区域に関する協定があるわけですね。こういう協定の内容を国会でいろいろ要求をしても提出されたことがないのです。いままで委員会にも拒否されておる。これは、いわゆるいまいわれておる外務省の秘密文書の中へ入っておるのか入っていないのか、どういう根拠で国会へさえも出されないのか、その点をお聞きしたいと思います。
#62
○橘(敬)説明員 私、施設、区域に関します直接担当官でございませんので、はっきりわからないのでございますが、これが提出できないといたしますと、やはり極秘あるいは秘に該当しているものと考えられます。
#63
○東中委員 秘あるいは極秘に該当していると思うとおっしゃったんだけれども、それはどこでそういうことを指定するのですか。
#64
○橘(敬)説明員 それは前の事務次官等の会議の申し合わせ事項に従いまして、極秘と秘とあるわけでございますが、これを実際に決定いたしますのは、外務省本省におきましては、官房長、それから局部長、それから主管の課長、在外公館におきましては、在外公館長またはこの在外公館長の指定する者ということになっております。
#65
○東中委員 今度の審議で、国立公文書館関係資料というのを総理大臣官房総務課からもらっているのですが、これを見ますと、外務省の場合は、外務省記録及び記録文書保管、保存、廃棄規程というのがあることが載っておるのですけれども、私、この文書自体を要求したのですが、これは秘密だといってお見せにならないのですね。秘密かどうかをきめることを規定しているその文書までも秘密なんだ、こうなっているのですが、これはどういうことなんですか。
#66
○橘(敬)説明員 先ほど申し上げましたように、秘密文書の指定につきましては、昭和四十年四月十五日の事務次官等会議の申し合わせに基づいて、極秘、秘を、先ほど申し上げましたような官房長あるいは局部長、課長、在外公館におきましては在外公館長あるいはその指定する者が指定するようになっておりまして、この申し合わせ事項は、おそらく国会のほうにも出ておると思いますので、別段秘ではないと思います。
#67
○東中委員 何が秘密であって何が秘密でないのか、何が機密であって何が極秘であるのかということについての基準というものさえ外務省は明らかにしていないわけですね。これは管理規程に当然書いてあると思うのですけれども、その管理規程さえ秘密だといっておる。もう全くの秘密主義で一貫しておるわけです。秘密と秘密でないものとの区分をする基準ですね、それは一体何ですか。
#68
○橘(敬)説明員 この区分は、先ほども申し上げました事務次官等の会議の申し合わせ事項に従いまして、文書のうち秘密保全の必要が高く、その漏洩が国の安全利益に損害を与えるおそれのあるもの、これを極秘としております。で、極秘に次ぐ程度の秘密であって関係者以外に知られてはならないものを秘としております。さらに、この事務次官等会議の申し合わせ事項によりますと、極秘のうち特に秘密の程度の商いものを機密というふうにいっております。
#69
○東中委員 そうすると、国の安全利益に損害を与えるかどうかということの判断を一課長がやって、そしてそれできめれば秘密文書になる。そうすると、国会審議で要求をしても、今度は秘密ということになっている、文書に規定づけがされているから一切明らかにしない、こうなってきますね。そうすると、国会での審議にさえ、課長がきめただけでもう出せない。いわんや公文書館の文書保存なんということにおいておやということになると思うのですが、実際そういうことになりますね。その点どうでしょう。
#70
○橘(敬)説明員 私、いま実は秘密の指定のことだけ申し上げたのでございますが、この解除につきましても、やはりいま申し上げたような官房長、局部長以下の方がこれを解除することができることになっておりますから、そのときの諸般の情勢にかんがみまして、先ほど申し上げたような基準にいまや該当しなくなったという場合におきましては、これは解除ができるわけでございます。
 それから、なお文書の取り扱いにつきましては、もちろん先ほど山中総務長官もおっしゃいましたように、みだりに極秘や秘の判こを押して、全部これを秘密文書にするということをしてはならないということもわれわれの常識になっております。
#71
○東中委員 私たちが資料を要求すると、それは秘密になっておりますから、こういうことで出されない。ところが、その秘密になっているというのは、だれがきめたのだということになれば、あなたが先ほどの答弁で言われたように、局長あるいは官房長等がやる場合もあるだろうけれども、課長がやる場合もある。解除する権限はあっても、解除をしないかするかもその課長がきめてしまう。こういう形で、まさに官僚支配の政治になってしまう。
 これは外務省だけではございませんので、文部省にお聞きしておきたいのですが、たとえば教科書検定について、教科書検定基準の大綱が発表されておりますね。ところが、その大綱を実際に適用して、その具体的な内容になる教科書調査官の報告書がある。裁判でいま問題になっていますね。これの提出命令が裁判所から出ている。しかしこれは出しませんね。出さない根拠は一体何なんですか。
#72
○犬丸説明員 文部省の文書処理規程の中におきまして、先ほど申し上げましたように極秘、秘、部外秘という区別がなされております。文部省の場合には、極秘文書は実際上ほとんどございませんが、秘文書の場合におきましては、極秘に次ぐ程度の秘密であって、関係者以外には知らせてはならないものということで……。
#73
○東中委員 それはわかっておりますから、具体的な問題で答えてください。
#74
○犬丸説明員 その中にいまおっしゃいました教科書関係のものも入っております。これはやはり、認可あるいは認定にかかるものでございまして、関係者との競合関係等もございますので、そういう関係で秘密にいたしております。そういう関係で外部に対しては発表しない、そういう取り扱いをいたしております。
#75
○東中委員 教科書が現に申請がされて、その教科書が適格でないということで検定を拒否されておる。そういうことで、これは国民の教育について大きな問題ですね。そういう問題について文部省の当局者がどういう判断をし、どういうふうにしたかという報告書が現にあるのだから、それこそまさに公表して、そういう内容について討議をするということでこそ民主的な政治ということになるので、それが、調査官の報告書が、国の安全利益に損害を与える、あるいはそれに準ずるというふうな大だんびらで一役人がきめれば、それでもう国民の前に出てこない。国民のための資料を保存する、そして将来の教訓に生かしていくというのが、公文書館をつくっていく運営の基本的な方向だということを総務長官は言われておるわけですが、こういう問題ずいぶんたくさんあると思うのですが、そういう点についてどういうふうに公開――ほんとうに国民の権利義務に関係のあること、あるいは教育に関係のあることで、その資料を国が保管し、国民の閲覧に供してこそ意味があると思うのですが、こういった問題について、公文書館の保管文書の範囲についても、各省庁が秘密だ、部外秘だと言ったら、それでおしまいなんだ、各省庁といえども実際は国の安全利益というような大だんびらをふるって、結局は何か都合の悪いやつは出さない、批判を受けたら困るようなやつは出さないというようなことになってしまっておるのではないかというふうに思うのですが、そういう点で長官、公文書館の保管文書の今後の範囲、これは非常に大きな問題だと思うのです。どうお考えになっているかお伺いしたいと思います。
#76
○山中国務大臣 これは歳月がたてば当然秘密でなくなってしかるべきものが大部分だと思うのです。永久に秘密であるという書類はごくわずかであると私は思っております。でありますから、先ほどちょっと申し上げましたように、四十八年までに戦前の文書を全部集めたい。そのあとそれぞれ、一年こっきりではありませんが、敗戦後の記録から始まってずっと集めていくわけでありますから、大体四、五十年もたっている文書で秘密という文書は、よほどのことでないと少ないだろうと思うのです。あまりないと思うのです。たとえば戦争中は最高の秘密文書であったもので、戦争に負けたあと、これは秘密文書でなくなったことはあたりまえのことですから、そういう極端な例をとるまでもなく、現在はその役所の現時点における行政の都合で部外秘にせざるを得ない、したがって公文書館に移して公に閲覧することは行政上支障があると思っているものでも、十年後にはそういう支障がなくなるかもしれませんし、また事実総理府などの資料であっても、一応秘密扱いもいたしておりますが、大部分は賞勲関係。そうしますと、それもきまってしまったあとは、別段それが秘密の文書とは決して思われませんし、春の叙勲でどういう人が何人どういう位をもらった、どういう勲章をもらったということが記録されて残されて公開されていくということはちっとも秘密でありませんし、それに類するものが各省非常多いと思いますので、現実にあまり現時点で議論するようなものは、将来において公文書館が活動いたします際に収録が拒否されるという事態は少ないのではなかろうかと私は思っておりますが、そういう姿勢で各省の協力を求めていきたいと思っておるわけです。
#77
○東中委員 先ほど外務省が秘密にしているはずだと言われた地位協定に基づく個々の基地に関する協定、こういうのはもう十数年、地位協定ができてから、あるいはその前の行政協定の分もあるかもしれないが、ずっと秘密のままにされておる。たとえば防衛庁の場合でいいますと、行なわれた演習についての演習名、演習期間あるいはその演習地域、統括官あるいは参加部隊名、部隊の規模あるいは米軍の演習の協力の有無あるいは演習目的、演習の想定あるいは全体の概要、その成果、こういったようなもの、これはわれわれが聞いてもなかなか言わないのですけれども、防衛庁、その点こういう問題はやはり全部秘密指定をしているのですか。
#78
○半田説明員 演習の問題につきましては荒筋は公表いたしております。
#79
○東中委員 荒筋を公表されているのはいいのですが、私がいま申し上げたようなことについては秘密にされておるのか、あるいは公表していないだけだということなのか、そういうのは、たとえば公文書館へ保管のときは一体どうなるのか。要するに秘密文書でないけれども部外秘、取り扱い注意だというような形で外に出さない防衛月報というのがありますね。これを見ると非常にデリケートなことが書いてあるのです。「この月報は、部内における業務管理資料として作成されたもので、部外に対する広報等の目的を持つものではないので、内容について慎重な取り扱いを要す。この月報に記載された計数を公表する場合には長官官房総務課に事前に照会のこと。」、こう書いてある。これは秘密文書とはいっていない。広報文書でないから取り扱い慎重だ。こういうのが公文書、いわゆるわれわれが要求して出されない。それはどういう根拠でそういうようにされておるのですか。
#80
○半田説明員 ただいま御指摘の防衛月報につきましては、これはどこそこの部隊に、どんな装備が、どのくらい充足されておるとか、どこそこの部隊にどれくらいの人員が充足されておるとか、どこそこの部隊がどのような兵器を持っているとかいうようなことがかなり詳細に書かれてございますので、そういう意味で取り扱い注意ということにいたしております。
#81
○東中委員 取り扱い注意だから、それはもう出さないのですか。広報を目的としたものでないから出さない。広報を目的とした場合は、それは外へ広報するためにつくっているんだから出すのはあたりまえなんで、広報を目的としなくても、そういう資料は出さないのはなぜなのか、どういう根拠があるのかということを聞いておるわけです。
#82
○半田説明員 この中には一部、秘文書から引用しているようなものもございますし、そういうことで取り扱い注意にしておるということでございます。
#83
○東中委員 長官、もう時間がないようですので最後にお聞きしておきたいのですが、いま防衛庁も言っておりますように、防衛庁で九十万点、外務省で百五十万ですか、とにかく膨大なものがある。しかもいま言われている防衛月報なんかは、先ほど言われた点数の中に入らないほうの文書です。それはまたどこまでいくかわからない。全くそういう意味では、国民の権利義務に関係するもの、あるいは国のあり方について検討しなければいけない資料というふうなものは、国会へ出さないという点では、これは議会制民主主義に対する非常に重大な――きめるのは官僚の人がやっているのですから、官僚の立場でそれを規制している、そういう点で、これは非常に重大な問題だと思うのです。同時に公文書館等の実際上の運営という点でいっても、時間を経ればということはよく承知しておりますけれども、しかし、そういう秘密とか部外秘とかいうことをきめるのは、もう実際上は課長くらいのところでやってしまうのですから、それは事務上そうやっているんじゃなしに、課長はそういう権限を持ってやっているわけですから、これで規制されていくというのは、これは民主主義の基本的な問題として考えても、公文書館設置の趣旨からいっても、そういう秘密をなくしていく、主権在民、民主主義の原則という点からなくしていくという方向で、各省庁のそれぞれの課長あるいは課長に準ずる人、あるいは課長に準ずると指定した人というようなことできめていくような実態を変えていく方向をひとつぜひやられなければいかぬことだと思うのですが、その点をお聞きしておきたいと思うのですが、どうでしょう。
#84
○山中国務大臣 公文書館の権能として、各省庁の機密文書等を一方的に取り上げるというような権能を保有はいたしておりませんし、諸外国でもそういう例はないようです。ですから、私が先ほど申しておりますように、そういうものは一定の時間が経過すれば、それは秘密でなくなるもの、あるいはそういうものは秘密でなくてもいいではないかと思われるようなもの等については、なるべく提供してもらうように今後運営をしていくよう、運営の上において配慮したいと思いますが、外国でもやはり、一定の年限というものを念頭に置いて運営している例が多いようです。各国にも公文書館があるわけですけれども、五十年以上経過した文書であれば大部分は制限がないというのが十六カ国で、アメリカやイギリス、イタリア、そういうような国々が並んでおりますが、百年以上経過した文書には制限がないんだというのはスペイン、バチカン、ベルギー等三カ国です。これは長いほうのあれです。短いほうでは二十五年ないし三十五年経過した文書は大部分制限はなしにやっておるというのが六カ国で、アイスランドとか東ドイツとかハンガリーとか、そういうところです。学術研究者には制限なしという国が一つあります。それはアラブ連合ということになっておりますが、そういうようなことで、日本の場合もどういうふうにしたならばいいのか、これらは単に公文書館だけの、私だけの判断でも無理だと思いますので、これはやはり各省庁と十分相談をして、公文書館のわが国における今後のあり方について検討をしていきたいと思いますが、原則は、なるべくそういうような外に出ない文書を少なくするということにつとめたいと思います。
#85
○東中委員 公文書館のことはそうとしまして、国務大臣として、いま各省庁でやられている、防衛庁も先ほど言われたような非常にばく然とした形で、国民にあるいは国会議員に資料を拒否している、取り扱い注意というのはどこできめたか、どの程度きめたのかわからぬというふうな形でやっているということを、それをなくしていくという方向で、ひとつ国務大臣として、大臣自身先ほどおっしゃったように、やらぬでもいいようなものでもやっておるとおっしゃっておるわけですから、そういうものをなくしていくことで、ひとつこれはそういう意味では、民主主義の基本にかかわる問題だと私は思いますので、ひとつ見解をお聞きしたい、こう思うのです。
#86
○山中国務大臣 そういう御質問でありますと、総理府といっても総理ではありませんから、総理府に関する文書についてはそのように今後進めていきたい、また、そういうふうに実際やっております。
#87
○東中委員 いや、国務大臣として、いまの秘密行政のあり方について、これは次官会議の申し合わせできまったようなことを先ほどおっしゃっておりましたけれども、それはひとつ民主的な政治のあり方というものとして、国務大臣としてどうお考えになるか、それをお聞かせ願いたい。時間がありませんので……。
#88
○山中国務大臣 民主的であるとかないとかという問題のこれは前だと私は思うのです。たとえば、私沖繩に行って、伊江島の村長さんから、返還された滑走路を畑地かんがいしたい、飛行場の滑走路に降った水を集めて、ため池を掘って畑かんをやりたい、それの使用許可を願い出ているのだけれども、一向にどうも許可がおりないということを、現地で直接聞きましたので、すぐに高等弁務官や民政官に話をした。そして、すぐとんとん拍子で話が進んで、村長さんから感謝の電報がきた。そのあとに外務省から回ってきた文書には、どうやら許可になる模様であるというように、極秘という書類で回ってきた。私はもう、私が折衝して、そして村長さんから感謝の電報がきているのに、外務省等を通ったら極秘になるのかいなと思って、これは首をひねったこともあります。これはよその省のことでありますから、たまたま私のところに来たからそういうのであって、外務省のあり方を批判しているのではありません。これは一例でありますから、こういうようなことは私はつまらぬことのように思います。かといって、それを国務大臣として、私がよその省に私の考えを押しつけるということは、いまの立場ではできません。
#89
○東中委員 この問題は、私は、よその省に押しつけるとかなんとかということじゃなくて、とにかく判こを押しちゃって、役人さんのところでも全部隠してしまう、こういう姿勢が日本の民主政治という点からいうて非常によくない。天皇主権のときと基本的に変わっているのだということが貫かれていない。そういう点で、特にこれは政府全体として、こういう点を変えていく方向でぜひやられることを強く要請しておきたいわけであります。
 総務長官、もうけっこうであります。
#90
○山中国務大臣 要請として承っておきます。
#91
○東中委員 では、次に海洋開発について伺います。
 海洋開発は、軍事的に利用される可能性が非常に多い分野であります。平和的に利用できる技術というのは、そのまま軍事的に利用されるということで、現にいままで海洋科学技術審議会には防衛庁事務次官が委員として入っておられたわけですが、今後はもうこれは入られない。しかし、これは防衛庁事務次官が入らないのじゃなくて、官界からは全部入らない、こういうふうに言われておったわけですが、この海洋開発審議会は軍事的な面では一切協力しないということを、これは約束できるものなのかどうか、その点。
#92
○石倉政府委員 わが国の海洋開発を、今回拡大改組を考えております海洋開発審議会において御審議願います際に、この内容は先生も御承知のように、海洋の中に存在しますいろいろな資源の利用あるいは空間の利用というようなことが主体でございます。したがいまして、それらの点が中心の審議が進むものと考えております。また、わが国としましては、昨年の十二月に国連総会で、海底の平和利用につきましての法的宣言に賛成しておりますので、わが国の海洋開発は平和的部面での開発を進めてまいりたいと考えております。
#93
○東中委員 海洋開発審議会は、軍事的な面には一切協力しない、そして自主的に、民主的に、かつ公開の原則を貫いていく、これはそうすべきだと私は思うのですが、長官、いかがでしょうか。
#94
○西田国務大臣 海洋開発審議会は、ただいま御答弁を申し上げておりますように、あくまでも平和利用に徹してまいりたい、かように考えておりまするから、したがいまして、審議会をつくりますにあたりましても、当然のことといたしまして、民主的に人選し、民主的な運営をし、そしてまた、自主的に、かつまた、その成果等につきましてはこれを公開するということによりまして、いわゆるいま御心配になっておりますところの防衛のためにこの審議会が動くとか、あるいはまた協力する、そういうような姿勢はとらないつもりでおります。
#95
○東中委員 防衛事務次官が審議会委員に入ることはないということはお聞きしたのですが、いままで幹事会の中にやはり防衛庁から課長の方が入っておられたと思うのですが、今後審議会に幹事会のようなものが置かれるかどうか、置かれるんだったら防衛庁から入ることがあるのかないのか、その点はいかがでしょう。
#96
○石倉政府委員 海洋科学技術審議会の下に、各省の大体課長ベースでございますが、その幹事会がございます。この幹事会を、海洋科学技術審議会が今度海洋開発審議会に改組される段階でどのような形に持っていくかということにつきましては、まだ具体的な検討をしておりません。しかし、先ほど申しましたように、海洋開発審議会で御審議いただく海洋開発が、ただいま長官からも御答弁申し上げましたような性格に処して人選を進めてまいるということになりますので、いまのところでは、決して入らないということは申し上げられないかと思いますけれども、ぜひ入ってもらわなければ動かないという性格のものではないと私は考えます。
#97
○東中委員 自衛隊には海洋観測艦「あかし」がございます。東大海洋研の海洋観測船の白鳳丸と比べてみると、白鳳丸は三千二百二十五トン、「あかし」は千四百二十トン、大きさは東大海洋研のほうが倍ぐらいですけれども、予算を見たら、「あかし」は十一億、白鳳丸は十六億です。「あかし」が性能がいいわけですね。こういう状態になっているわけですが、防衛庁の方にお聞きしておきたいのですが、海洋観測艦「あかし」を自衛隊が持っておる目的は一体何でしょうか。
#98
○福田説明員 海洋観測艦「あかし」を海上自衛隊が保有しておる目的でございますが、主として対機雷作戦、対潜水艦作戦のために必要な資料を得ることを目的として保有いたしております。
#99
○東中委員 ソーナーを装備されておりますし、海底音波捜査器なんかも持っている。海底の地形等の調査というものもやっておられるわけですね。そうなると、海洋開発審議会でやられる内容と非常にダブってくる。あるいは水温とか塩分の量ということまで調査をしておられる。しかし、それはあくまでも対潜あるいは対機雷、軍事目的でやっておられる、こういうふうに聞いていいのかどうか。防衛庁どうですか。
#100
○福田説明員 そのとおりでございます。
#101
○東中委員 就航したのは一昨年十月ですか、今日まで調査された範囲はどうなんですか。
#102
○福田説明員 総航程三万二千三百マイルでございます。それから航海時間は二千六百時間になってございます。
#103
○東中委員 それから調査の範囲ですね、これから観測される観測計画を持っておられると思うのですが、その地域範囲はいかがですか。
#104
○福田説明員 主として日本列島の周辺部に大体限ってございます。
#105
○東中委員 四次防では、制海確保ということを概要で書いておられるわけですが、日本周辺の範囲の地域は、制海確保をいわれておる地域と観測される地域とは当然一緒になってくる性質のものだと思うのですが、海岸線から約百マイル、こういわれておりますが、そうですか。
#106
○福田説明員 ほぼ同様というふうに考えております。
#107
○東中委員 これは、観測である以上は面を追うていかれると思うのですが、どの面を追うてこられて、これからどの面を追うていこうとしておられるのか、大体何年計画で終わるのか、たとえば海流とか塩分とか海底とかいうものの調査ですね、その内容は明らかにできませんか。
#108
○福田説明員 海洋観測でございますけれども、私どものやっております海洋観測につきましては、これはたいへんデータが不足してございます。したがいまして、ここ当分の間、先ほど申し上げました海域につきまして相当期間続けていかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
#109
○東中委員 もう一つお聞きしておきたいのですが、先ほどお聞きしましたように、「あかし」は海底の地形を調査されておるわけですね。これは科学技術庁や海上保安庁ならよくわかるわけですけれども、なぜ自衛隊が海底の地形を調査されるのか。いかがです。
#110
○福田説明員 海底の地形は、やはり潜水艦の航行、そういったような面からどうしても必要であるというわけでございます。
 なお、海底の地形と同様に海底の地質も調査いたしております。これは、機雷が海底に沈んで、それが海底の土中に埋没することは可能性があるとかないとか、あるいは海底に沈んだ機雷がどのように浮遊するとか停止するかというようなことのために、どうしても土質の調査というようなことも必要になってくるわけでございます。
#111
○東中委員 「あかし」の海底観測可能深度というのは四千メートルだと聞いておりますが、ほかの日本の観測船は大体二千メートル程度であるというふうに聞いておるのですが、そうでございますか。どうでございましょう。
#112
○石倉政府委員 詳しくただいまわかりませんが、もし御必要でございましたら資料を後刻提出いたします。
#113
○東中委員 ではその資料をぜひひとつお願いします。
 と同時に、「あかし」の観測能力がほかの観測船と比べると非常に高い。しかも、それはいま防衛庁が言っているように、明らかに軍事作戦目的を持ってやっておるわけです。非常に性能が高い。そういう中で、いわゆる海洋開発審議会あるいは海洋開発そのものが自衛隊、防衛庁と結びついて、そして結局軍事的に利用されていくような方向をとる可能性というのを非常に心配するわけですが、その点、そういう性能の差はいろいろあるけれども、平和的利用をして、軍事的利用には協力しないという点をはっきり言えるかどうか、最後に長官にひとつ確認していただいて質問を終わりたいと思います。
#114
○西田国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたが、この審議会の人選等におきましても、各界から広く求めたいと存じまするけれども、その中に、いわゆる防衛に関係するそういう専門的な人を入れるというような気持ちは毛頭ございませんし、また、この審議会の仕事はきわめて多岐広範にわたっておりまするけれども、しかしながら、これはこの審議会自体がいわゆる研究をする、こういう性格のものではないのでございまして、基本的な、かつ総合的なことを審議検討いたしまして、そして各分野につきましては、それぞれの審議の結果を活用していただくというような考えでおるわけでございます。そういう意味におきまして、いま先生御心配になっておりますのは、防衛と結びついて何か関係が生ずるのではないかという御懸念のようでございますが、あくまでも先ほど申し上げましたように平和利用に限る、こういう基本的な考えを貫いてまいりまする以上、その懸念はないものと考えております。
#115
○東中委員 質問を終わります。
     ――――◇―――――
#116
○天野委員長 次に、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤惣助丸君。
#117
○伊藤(惣)委員 外務大臣に伺います。
 天皇陛下の外遊についてでありますが、五十年ぶりに陛下の御訪欧に大臣は随伴されるというふうに伺っておりますが、私はこの両陛下の外遊を心から喜ぶものでありますけれども、外遊の目的は、あくまで純然たる国際親善にあるのであって、これによって政治や外交をからませることはよろしくないと私は思うわけであります。この外遊の準備に当たる政府は、かりにも政治的にこれを利用することがあってはならないし、また国際情勢というのが一般に複雑な面を秘めている最近の状況からいっても、この外遊が国際的政治の渦中に巻き込まれることのないように、政府は慎重かつ万全に対策をとるべきだと思う。その点について、大臣の所信をまず伺いたいと思います。
#118
○愛知国務大臣 今回の両陛下のヨーロッパ三国に対する御訪問は、各国との伝統的友好関係にかんがみて、すでに元首として御来訪をいただいておるところへの御答礼と、それから、将来来日せられるであろうところのイギリスの女王陛下との相互交歓訪問、こういうことで今回御訪欧がきめられたわけでございます。これは、日本国憲法による象徴としての陛下のお立場における友好親善ということでおいでになるわけでございますから、いま伊藤委員の言われるような政治的な問題、あるいは政治的な何らかの工作というようなこととは全然筋の違ったことであり、さようなことで、この御訪問がりっぱな成果があがりますように、政府といたしましてもできるだけの準備に当たってまいりたい、かように存じております。
#119
○伊藤(惣)委員 私はきょうは、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に関連して、るる質問をいたしたいと思っております。
 まず最初に、在インドネシア大使館ほか九公館に勤務する職員に支給する住居手当の限度額を、最高二四%、最低八%の引き上げを行なう、あるいはまたミュンヘンに総領事館を設置し、カナダの在エドモントンの領事館及びニュージーランドの在オークランド領事館を総領事館に昇格する、こういう問題があるわけでありますが、特にその中で、インドシナの情勢というものを見てまいりますと、最近は非常に、情勢不穏といいますか政治不穏といいますか、そういう問題があるわけであります。このインドシナ情勢等にかんがみまして、戦争や動乱のようなものが、そういう緊急事態がもし発生した場合には、在留邦人保護のために在外公館としてはどうするのかということが一つ問題であると思うのです。その措置をどう考えておるのか、まず大臣に伺いたいと思います。
#120
○愛知国務大臣 まず第一に、インドシナ方面につきましては、御指摘のような状況でございますから、在外公館の公務員の身体安全ということに十分の配慮を常にしていかなければならぬことは当然でございますが、最も大切なことは在留邦人の問題であります。カンボジアにおいて、あるいは最近のラオスの状況にかんがみまして、政府としては、適確な状況を掌握し、そうして在留邦人の万一の場合に処する一切の準備といいますか、有事に備える体制は十分と思われるほどとっておるわけでございます。
 たとえば、直接仕事をする面におきまして必ずしも絶対的に必要と思われない家族とか、あるいは婦女子の人たちを近隣の安全なところにあらかじめ移転をしておいてもらう、それから各国の中におきましても比較的安全で、かつ交通、情報等が適確に掌握でき、あるいは利用できるところになるべく集結して住んでいてもらうというようなこと、それからさらには、商社ふるいは企業体等、これは前もっていろいろ相談を何べんも重ねておりますけれども、配置転換というようなこともその前提にあるわけでありますが、さらにまことに欲せざるところではありますけれども、万々一の場合に備えまして、緊急にそれらの地域から安全に避難し得るようなトランスポーテーションの問題等につきましても、なし得る限りの準備はただいまやっておるつもりでございます。
 なお、今後も十分情報等の交換に遺憾なきを期してまいりたいと思っております。
#121
○伊藤(惣)委員 私は、特に今回の法案が、在外公館あるいはまたそこに勤務する方々の処遇改善の問題でありますから、こういったものも頭に置いていま質問しているわけでありますが、緊急事態が発生した際、在留邦人の引き揚げを講じた例があるのかないのか、まず第一に伺いたい。
 さらにその際、引き揚げは外務省の命令によってきたのか、私は過去にあるように聞いておるわけでありますが、また勧告によるものなのか、その場合の帰国旅費はだれが負担するのか、その点について伺っておきたいと思います。
#122
○愛知国務大臣 これは事情を御承知と思いますが、なかなか微妙な問題でございまして、必ずしも法律をもって在留邦人に対して避難あるいは退去を命ずることはできません。さような法律はございません。
 それからその次に、実際は、これは在留邦人に対する保護の職責を持っております在外公館、領事館等におきましては、非常な責任のある問題でございますから、必要な場合に、たとえば退去を勧告する、これは御相談ずくでございまして、御相談の上に多少強い勧告という、そういうおすすめが入る場合がもちろんございますけれども、しかし、これはまた状況判断との関連もございますし、また、ただいまこうしたような地域において仕事をされておるような方あるいは報道に当たっておられるような方は、仕事の重要性にかんがみまして、ほんとうにこの仕事のためにはぎりぎりの危険もおかしてというような使命感に燃えられておる方々もたくさんおられるわけでございますから、そういう方々との間のことは、現地の日本人の生命の保護ということを重大な職責にしております在外交官憲といたしましては、そこは非常に仕事のむずかしいところでございます。いま申し上げましたように、したがって御相談ずくで、その御相談ずくということには東京における本社との御相談で会社の措置としてやっていただいている場合もございましょうし、また非常に危険が近接しておりますような場合には、個人個人との御相談、そして勧告というようなことで措置をいたすわけでございます。
#123
○伊藤(惣)委員 大臣の答弁わかるのですが、過去に例があったと思うのですね。どうしたのか、それをまずお聞きしたい。それから勧告した場合国が負担しておったのか、それとも本人が負担するのか、そういった点についても伺いたいのです。
#124
○愛知国務大臣 お答えいたしますが、いま申しましたように、制度として命令するということはないということ。それから御相談ずくの勧告ということはあり得るわけですが、勧告をした例もございません。しかし、そこがいま申しましたように、非常に微妙なところでございまして、あるいは芦われたほうの方から言えば、所在の大使あるいは総領事が、非常に危険ですからここは退去されたほうがよろしいですよというようなことを言われたと言われる方もございます。
 それから費用の問題でございますけれども、例は遺憾ながら相当あるわけです。たとえば、昭和四十年九月のインパ紛争のときなんかもその例の一つでございましょうが、たとえば、政府がチャーターした飛行機に外務省として約九百万円を負担したような事実はございます。
#125
○伊藤(惣)委員 在外邦人のうちに、生活に困っている多数の日本人がいるというふうに聞いておりますので、私は外務省がこれらの邦人に対してどのような措置をとるのかということを心配するわけですが、その点についてはいかがですか。
#126
○愛知国務大臣 実は、これはこまかく遠藤部長から御説明をいたさせたいと思いますけれども、問題は、いまのお尋ねは二つあるように思います。非常に生命に危険のあるような戦争状態に置かれる、この場合には、いままでの例や、あるいはいまそういうこともあり得ようかなと想定されておる事案につきましては、生活困窮者ということはあまりないと思うのですけれども、個人個人では、運搬といいますか、トランスポーテーションとかなんとか、とても一人の力ではどうにもならない。これはやはり公の力あるいは事実上の大使館その他の力を通じて、先ほど申しました飛行機のチャーターというようなことをやらなければならない。その経費などをとたんに御本人が負担するということはできないでしょうから、そういう意味で費用の問題はできると思いますが、そういう地点に大ぜいの日常の生活に困窮している日本人の方々がおるような事態ではないと考えますけれども、もちろんさような状況の場合におきましては、それぞれに困窮されておる在外邦人の救済の措置はいろいろな方法があるわけでございます。
#127
○伊藤(惣)委員 その際は十分な処置、対策を講じてほしいと思います。
 次に問題にしたいのは、在外公館職員の子弟と在外邦人子弟の教育の現状と対策について簡単に伺いたいのですが、たとえば学校教育の教員ですか、この派遣の状況だとか、また校舎の状況だとか教材の実情だとか、また教員の待遇、こういう点はどうなっているのか、現状を含めて伺いたいと思うのです。
#128
○遠藤説明員 海外におります日本人の教育の問題につきましては、最近日本人の海外への発展が非常に多くなってまいりまして、その必要性もまた増大しておるというのが実情でございます。現在、永住ということではなくて、長期滞在で海外に出ておる日本人の数が大体七万人ぐらいでございますが、その方々が海外に伴っております子女の数は大体八千人をこすと推定されます。そういう人たちのために、後顧の憂いなく活動できますために、その教育の必要が非常に大きくなっておるわけでございますが、特に発展途上国においては、教育設備も不完全であるために、どうしても政府の応援でもって学校をつくる必要があるわけでございます。
 それで、実情を申し上げますと、現在のところ、全世界二十三カ所に日本人学校ができております。それからあと四十六年、次年度の予算では、大体もう三つ増設することに内定しておるわけでございます。発展途上国以外でも、シドニーと、それから今度新しく認められましたデュッセルドルフというような先進国の例もございますが、大体において発展途上国に対して行なうのがたてまえでございます。
 それで、これにつきましては、先生を日本から派遣することと、それから現地で採用が可能ならば現地でもって先生を採用するということになるわけでございますが、現在のところでは、学校の先生全体で百四十三人、そのうち政府予算でめんどう見る、こっちから派遣するほうが百一名という予算になっておるわけでございます。
 それから先生の待遇でございますけれども、これは、実はいままでのところ、ほかの目的で海外に駐在する、たとえばコロンボプランのような国際機関から派遣されて行っておる日本からの専門家の方々に比べますと、少し待遇が悪かったわけでございます。大体において標準をとりますと、二五%だけこういう学校の先生方は給料が少ないということであったわけです。この点につきましては非常に努力いたしまして、四十六年度の予算におきましては従来の二五%アップということになりまして、ほかの国際機関から派遣される日本人職員と大体同じレベルまで上がることができるようになったわけでございます。今後とも学校の先生の待遇、給与面だけでなくていろいろな面で心配のないように、喜んで仕事のできるようにして、優秀な人たちが続々と海外に行って日本人の教育に当たるということが実現できますように努力をしていきたいと思っております。
#129
○伊藤(惣)委員 ただいまの説明では何か十分なような説明でありますけれども、実際私も行った方に聞き、また戻った方に聞いておりますのですが、必ずしも十分でないと思うのです。ですから、どうかその点は十分な対策を講じていただきたい、これを私は要望いたします。
 次に、在外勤務職員の手当の問題なんですが、この在外勤務職員の手当は、市外における特殊な勤務体系、地域的な格差、その給与額なんかについては、外務省のお手盛り的な印象を外部に与えているというふうにいわれているわけですね。私は、これを一般の国家公務員と同じように、さらに人事院勧告なり、あるいはまたほかの公正な第三者機関によって行なうことがより適切ではないかと思う。お手盛りではなくて、第三者機関等によって十分な処遇改善をすべきじゃないかと思うのですが、その点はいかがですか。
#130
○愛知国務大臣 これは私は、いわゆる何といいますか、立場が若干違うわけでありますから、お手盛りとかなんとかいうことにお答えをするのもいかがかと思いますけれども、外務省のいわゆる公務員諸君の立場を私がかわって申し上げますならば、お手盛りどころではなくて、私はむしろ第三者、特に人事院でこの在外勤務手当もきめていただくようにしていただきたい。そのほうが外交官諸君に結果においてお手盛り以上――お手盛りどころじゃない、お手盛り以上の好遇が与えられるであろう。
 それから、多くの国家公務員諸君の給与が、まあいろいろの条件その他はあるにしても、人事院で守られておって、そして人事院からの勧告に基づいて、政府がこのごろは全部これを無条件で受け入れて実施することになっておりますが、実は外交官諸君にとっては、在外勤務手当は基本給とは比べものにならない活動の条件なんでありますから、そういうものについてやはり一年一回いろいろの状況を公正な人事院のようなところが審査していただいて、そして責任をもって勧告を出していただく、これを大蔵省を含む政府が全部無条件、まるのみで実施していただければ、こんな私はありがたいことはない思います。ただいままでのところ、人事院におかれましても、なかなか世界的ないろいろの事情を一年一回責任をもって、国内で国家公務員の給与について勧告をするような、自信を持って勧告するだけの私は手だて、方法もなかったのではないかと想像されます。私は、昨年の国会のある委員会の席で、人事院総裁とたまたま同席をして、二人でこもごも御答弁申し上げましたが、総裁と大臣との間では完全な意思の一致を見ておるわけでございますから、早くただいま伊藤委員が仰せになりましたような線に、この外務公務員の在外給与についても、もっと合理的な、そして客観的なきめ方をしていただいて、そして外交官諸君にこういう点において後顧の憂いを少なくして大いに活躍していただきたいものである、かように考えている次第でございます。
#131
○伊能委員 ちょっと関連。
 いま大臣からたいへん建設的な御意見が出て、私ども内閣委員会としては、国家公務員の給与を審議する機関でありますが、外務省関係だけが外国に勤務するという理由でそれからはずされて、いま同僚議員からお手盛りではないかというような批判も若干触れられたようですが、この問題は、われわれしばしば外国へ行って外務省公務員の方々の御労苦よくわかるわけでございますから、そういう点についてはできるだけ私どもも御協力をしたい。
 実は、さいぜん同僚議員からお尋ねがあった日本人学校の問題、私、昨年イランへ行きましたときに、イランの前田大使並びに公使から、この問題のたいへん御苦労を聞きました。また東南アジアでもそういうお話を伺ったので、さいぜん政府委員から二五%アップという来年度の予算の話がありましたが、これは、わが党の政調で私特に発言をして、学校の先生方の給与をよくしなければいけない。日本人学校、単に学校だけでなく、その他の校舎の問題その他いろいろあります。こういう問題についても一そう外務当局におかれては、日本人学校の問題について十二分な配慮をひとつお願いしたい。われわれももちろん協力をいたしますが、たまたまいま政府委員から答弁がありましたが、われわれ、これから開発途上国等において向こうで活躍される日本人の一番苦労の種だ、かように思いますので、学校問題については、大臣、ひとつ何か部内ででも特殊な制度でも設けて、全体としてこれは心配のないようにひとつお考え願いたいということを希望としてぜひお願いいたしておきます。
#132
○愛知国務大臣 伊能委員から関連で御質問を兼ねて御意見を承りまして、まことに心強く存ずる次第でございます。
 先ほど来私の私見を申したわけでございますけれども、在外給与のあり方、今度の改定の問題等については、いまこのお願い申し上げているものは、現在としてこれでいくよりほかにないということでお願いしているわけでございますけれども、将来の問題としては、これは御本人たちからの提案というよりも、むしろ政治的な立場で、全体の給与体系ということからお取り上げをいただくことが、先ほども触れられましたように、あるいはお手盛りというような批評を排しながらいく姿でもあろうかと思いますので、よろしく今後ともお願い申し上げたいと思います。
 それから学校の問題については、ただいまも具体的にお話しがございましたが、しばしば具体的に御協力をいただいておりまして、たいへんありがたいのでありますが、やはりこれは制度の問題が基本でございますから、そういう問題の性格をはっきり認識しながら今後心配のないように建設的に取り上げてまいりたいと存じております。
#133
○伊藤(惣)委員 いま伊能委員から関連があったのですが、この在外勤務職員の子弟について、現在子供手当とか、教育手当なんかというのは出ていないようですね。私、具体的に提案するわけですけれども、このような在外勤務の特殊性にかんがみまして、その職員の子弟に対しての子供手当、教育手当、こういう制度を設けるべきではないかというふうに思うわけですが、その点いかがですか。
#134
○愛知国務大臣 この問題は、外務省としてはぜひ実現したいわけなんでありますけれども、いろいろこれに類するといいますか、同じようなカテゴリーの問題があるので、その中のどれから先に取り上げていくかということで、今回はこの在外職員の給与の制度の中で子女を同伴する場合に対する手当の設定ということは、ほんとうに残念でありますが、見送ったような経緯がございますので、これに対しまして、こちらに残して教育をするというような場合との関連などにつきましても考慮しなければならない点などとあわせて、今後の研究課題、できれば来年度からでも実現をしたい、こういうふうに考えておりますが、なお具体的には官房長から御説明をいたさせます。
#135
○佐藤(正二)政府委員 先生から非常に御同情のある御質問をいただきましたが、実はこの子女の問題につきまして私ども常に頭を痛めているわけでございますが、御承知のとおり、日本に残しておる子供と、それから連れて行っている子供と両方あるわけでございます。今回の予算に際しましては、向こうに連れて行っている子供に対する手当、その手当と申しますのも二つございまして、教育に関する手当、これはアメリカンスクールなんかに入れますと相当大きな金が要りますものでございますから、そういうふうなものに対する手当、それから住宅自体に対する手当、子供が多い場合住宅がどうしても大きくなるものでございますから、住宅手当に対する増率と申しますか、そういうふうなことを考えました。それからもう一つは、本国で教育をしておる子供を一年に一度ぐらい親元に呼び寄せるという費用を諸外国ではやっておるわけでございますが、これをぜひ官給でやっていただきたいということをお願いいたしまして、いろいろ要求いたしましたが、予算のワクの問題もございまして、今回は子女の呼び寄せの問題だけを考えてやるからあとはあとにしろ、こういう話で妥協いたしまして、子女の呼び寄せの問題だけを今度はいただいたというのが実情でございます。それだから子女手当の問題が要らないというわけではございませんで、今後もこういうものに対して努力いたしまして、後顧の憂いなく同僚の連中がやっていけるように努力いたしたいと思います。
#136
○伊藤(惣)委員 在外に勤務する外務省の方の処遇改善については一応終わりますけれども、国内の外務省のあり方についてちょっと申し上げたいのですけれども、私は外務省は非常に親切で丁寧な官庁だなと思っておったら、ある人から、外務省というのは非常に独善的な傾向が強くて冷たい官庁である、大蔵省とともに外務省は非常に冷たいところだ、不親切だという意見をしばしば耳にするのですよ。そこで、きょうはいい機会がありましたので大臣から――やはりそういう評判が出ることは非常に残念だと思うのです。私はそうは感じておりません。しかしそう言う人が多いのですね。ですからそういったことに対し、もう少し親しまれる外務省、言うならば国民に愛される外務省というふうになるべきじゃないか、こう思うのですが、大臣、いかがですか。
#137
○愛知国務大臣 そういう批評がありますことを私も非常に懸念しておりますし、また、なるほどそういう批判が起こるゆえんだなと思うことも実は率直に私も感得いたします。私どもは外から入ってしばらくだけおるわけですから、それだけに伊藤委員と同じような目で見ることも見やすいと思いますが、同時にそれだからといって、これを短期間で直していくということもまたむずかしいところでございますけれども、われわれとしては、そういう点大いに心してまいりたいと思っております。
#138
○伊藤(惣)委員 もう一つ率直に申し上げますが、外務省の中でいわゆるキャリアとノンキャリアという問題、しばしば質問なんかもあったと思いますけれども、いつも大臣の答弁では十分配慮するというようなことが言われているようでありますけれども、実際違うという事実があるわけです。たとえばキャリアと称する――称するといえば変なことばになりますが、こういう人たちは外務省の中では非常に優遇されている。外交官試験にパスしますとどんどん一つのコースへいくわけですね。しかし反面からいうと、試験にパスしなくても有能な人もたくさんいると思うのです。ところが事実は、キャリアといわれる人たちがどんどんよくなる反面ノンキャリアの方々はなかなか上級職にいけないわけです。私は、本人の努力、本人に有能な才能があるならば、どんどん上級職にもいけるようにすることが大事ではないか、こう思うのでありますが、その点いかがでしょうか。
 また、現在課長以上の中で総領事、大使でキャリアとノンキャリアの割合がもしわかれば教えていただきたい。
#139
○愛知国務大臣 これもよく言われることでありますが、なかなかむずかしい問題で、一口にいえば、資格を持っていようが持っていまいが、人材は大いに登用しなければならない、これはもう当然なことだと思うのですけれども、現実の問題として、さてそういうふうにうまくいくかということになりますと、これまた実際の人事の問題でございますから、また外交という大切な仕事をお預かりしている人たちのことですから、実際問題としてなかなかそうもいかない場合もある。私どもとしてはその間に立って、この二つの要請が満足できるようにやっているつもりでございますから、いわゆるノンキャリアの人たちでも最高の地位についている人もあり、それは比率からいえばりょうりょうたるものだ、すぐこうおしかりを受けるわけですけれども、とにかくいくところまではいける道は十分あけてあり、また実績もあるわけでございます。また、そういう方はもっと長く大使としても活躍してもらいたいと思って大いに期待していると、そういう方に限って、また当然でありますが、さらに外からスカウトされて非常に重要な地位につかれる、これまた日本全体から見ればたいへんけっこうなことだと思いますので、あえて外務省としては反対できない。要するに人材は決して埋もれるようなことはいたしません。それから、大いに御勉強くださればどういう地位でも提供ができます、こういう道とやり方を確立しておきたいものである、これがいわば私の考え方でございます。
#140
○伊藤(惣)委員 一般的にこういうことが問題提起されてから久しいわけであります。どうか愛知外務大臣は、大臣の中でもキャリアもありますし、さらに大臣としての任期も非常に長いわけでございますから、前向きに一つの事例をどんどんつくって、それをさらにあとに引き継ぐように積極的な対策といいますか、その点をコーチしてほしい、そういうことを要望申し上げておきます。
 さらに、いろいろ在外公館に関する情報やなんかの問題について質問したいと思いますが、いわゆる日本の軍国主義復活ということについていろいろ論評がいまありますね。たとえば中国、北朝鮮のみならず東南アジア諸国、またアメリカにおいてさえもそういったことが論じられております。たとえば昨年の十二月二十八日ですか、これは新聞報道でありますが、アメリカは日本の「軍国主義の復活は助長しない 米政府高官が見解」こういう見出しで、日本の軍国主義が復活するおそれはあるけれども、たいしたことはない、そういうふうに答えているわけです。それからもう一つは、ソ連のコスイギン首相がある新聞記者の質問に対して、日本の軍国主義復活についての批判は、単なる思いつきではなく、日本の生活の現実的過程を反映しているものである、日本の指導者が平和維持のための責任を正しく認識するよう期待している、こういうふうにまた新聞記者に対して回答しております。外務省はこういったような海外の論評に対してどのような反論のための情報宣伝活動をしているのか。それを詳細に伺いたいのです。また、在外公館は、そういったものに対して具体的にどういう方法で宣伝活動をしているのか。その点を伺っておきたいと思います。
#141
○愛知国務大臣 まず一つは、一昨日も、渡部一郎委員からだいぶ詳しくお尋ねと御激励を予算委員会で受けたんですけれども、広報宣伝につきましては、諸外国に対する日本のほんとうの姿というものを知らせるために、印刷物は種類もたくさんつくっているわけです。その種類は年間に二十数種類ということになりましょうか。それからことばが少なくとも十四、五ぐらいになりますですね。ところが、予算の関係その他からいってそれら全部合わせまして、刊行物が三百五十万部ぐらいある。渡部さんから、これはたとえば現在の政党あるいは企業、会社等の宣伝などのやり方からいったらもう問題にならないじゃないか。百分の
 一ぐらいじゃないか。まさにそのとおりなんですね、その点は。ですから、私から率直にお願いしたいのは、それぞれ二十種類なり三十種類のものをつくるのについては、ずいぶんくふうをし、民間の専門家の方々の非常な御協力をいただいて、中身には念を入れて、また翻訳にもずいぶん――十数カ国ですからほんとに骨の折れる仕事です。そしてきれいに印刷をする。しかし、それが国々のある一つのシリーズとなると、ほんとに部数はわずかだということは残念でありますから、もっとこれを大量にふやすように、ますますわれわれも努力いたしますから、ひとつ御協力をいただきたいと申したわけですが、そういうこと。それから映画のプリントというような種類のもの、要するにそういった紙とかあるいはフィルムとかによるやり方というのが、いま申しましたようにまことに乏しいが、それでも日本の予算の上からいえば相当の、ある程度のものである。それから四十六年度は、その中のあるもの等については四十五年度に比べて約三割も増しておる。とにかく努力は一生懸命しておる。それから口でやるほうでございますが、これは在外公館は特に公館長が、求められればもちろんでございますが、自分で、みずから開発しながらあらゆる機会において日本のありのままの姿、またそしてできるだけ質問にも懇切に詳細に答えて、日本の実情の紹介につとめるという種類のこと、これは外務省としてもちろんでありますが、御承知のように、日本からの海外に対する視察団その他ずいぶんこのごろは海外に旅行されておりますが、あらゆる機会をとらまえて日本の真の姿が積極的に伝わるように、あるいは消極的にはまずいことが伝わらないように、こういう面で大いに啓発宣伝をしたい。このほうにもずい分努力しているつもりでございます。
 それからその次のカテゴリーは、何といっても外国の方に日本の実情を知ってもらうことである。ことに報道関係などでは、従来はこういう御批評もあったのです。いわゆるえらい人だけを招待しておったじゃないか、もっと中堅のほんとうのライターですね、そういう方々、あるいはもっと若い人をお呼びするべきである。従来もそういう方面に配慮しておったつもりでありますが、こういったような世評にかんがみまして、こういう方々の招待外交、これをうんと積極的にやる。そうすると私自身の経験でもそうでございますけれども、オンザレコードになる会見などももちろん大事ではございましょうけれども、打ちとけて、必ずしもオンザレコードにならない話が相互にし合えるというようなこと、そしてこの日本の環境の中において日本の各方面の方々と意見を戦わすということは、若いジャーナリストの方たちにはありのままの姿を印象づけることに非常に有効である。そして帰られてからこういう方々がいろいろの機会に労せずして自然の姿を伝えていただけることに役立つのではないか。やはりこれに非常に努力を向けていくべきである。外国では、御承知のように日本の若手ジャーナリストをずいぶん先方へ招待してくださる。勉強もさせてくださる。こちらは、意気込みとしては、それに倍して、こちらからも向こうの方に来ていただくようにしたいというのが、私の心組みでございます。これは予算書等についていろいろこまかく御説明したいところでございますけれども、あまり時間をとりますから、きわめて大ざっぱな気持ちを申し上げただけでございますが、そんなふうな考え方でおるわけでございます。
#142
○伊藤(惣)委員 この情報宣伝ということはきわめて重要なことで、これは外交、軍事、経済各般にわたると思うのです。私はいまは、日本の正しい宣伝をさせる一つの方途を聞いたわけでありますが、今度は逆に情報を収集して、早く国民にその情報を伝えるという情報収集のほうでございますが、一つはカンボジア情勢等非常に不穏なんですね。そして全体ではインドシナ情勢というふうに考えておりますが、これに対して米軍のカンボジア、ラオス進攻、こういったことを諸外国は、新聞等から見ますとみんなどう評価しているかというと、あまりはっきりわからない問題もあります。そこで各地の在外公館からは、外国はこういう情報を送っておるというような情報が、外務省のほうにあると思うのです。また国際世論というのは、米軍のカンボジア、ラオス進攻を支持していないと私は思いますけれども、正確にはまだわからぬわけですね。そういう資料ですね。各国の論調をまとめて資料としてほしいのですが、その点いかがでしょうか。
#143
○愛知国務大臣 最近のラオス、カンボジア等、特にお話のとおりきわめて重要な状況でございますから、外務省ももちろん、常にも増して情報の収集につとめておるわけですが、海外の論調については、一般的に申しまして外務省情文局として随時公表もいたしておるわけでございますが、それよりも先に、日本の報道関係と情文局との間はきわめて密接な関係でございますから、それを通じて随時、ものによっては御承知のように外務省筋の見解として伝わることもあります。ものによりましては情文局談となることもあります。ものによりましては大臣談となることもございます。それはやはり大事をとっての、情報の確度その他によりましてそういう色合いをつけておりますけれども、私自身にいたしましても、ほとんど毎日何らかの形で記者の方々とは接触いたしておりますし、特に情報文化局としてはその接触に十分の注意を払っておるわけであります。
 同時に、これはおせじで言うわけでも何でもありませんけれども、今日における日本の海外に対する各社の情報活動というのは、もうほんとうに世界第一といって間違いないんじゃないかと私は思うのです。たとえばある国で報道管制をしたことであっても、日本の特派員の方々からこれが世界にキャリーされる。非常にそういうふうなところまで――まあ必ずしもいい場合だけでもないかもしれませんが、しかし、とにかく情報時代に処しての日本国全般のその面の活動というのは私はたいしたものじゃないかと思っております。
#144
○伊藤(惣)委員 私がどうしてそういうことをきょう聞くかといいますと、これからの質問にも関係があるのですが、やはり私たちは一般の新聞報道を見、そして国際情勢を判断しているわけでありますけれども、最近の内外の報道を見ますと、最近カンボジア作戦はあまり芳しくなく、しかもだいぶエスカレートしている。そしてまた中国も不穏な動きがある。そういった中で、事態の推移によってはアメリカは戦術核兵器を使うかもしれぬというようなことを報道で私は見ているわけです。この点について外務大臣は、きのうの外務委員会でも同僚の中川議員に対して、そういう事態は予想しない、起こり得ないというふうに答弁なさっているようでありますけれども、その点もう少し私は質問したいと思うのです。ということは、米軍の戦略、戦術というのは、私も防衛問題を担当しておりますからよくわかるのですが、政治的な配慮がありますけれども、しかし事態の推移によっては、もう戦術核兵器なんというのは、この段階までくれば使うんだという純軍事的な一つの理論があるわけですよ。たとえばエスカレートというものを分析して四十数段の階段に分けまして、そしてどんどんエスカレートする、この四十番目あるいは四十一、二番目くらいになると戦術核兵器を使うんだというような純軍事的な一つの理論があるわけであります。そこで私は、そういう情勢下にあって、そういうことが起こり得る可能性は全くないとはいえないと思うのですね。そこでひとつ大臣の見解を伺いたいわけですが、その点、まずどうでしょうか。
#145
○愛知国務大臣 私はそういうことは考えられないというのが、きのうも申し上げたとおりであります。その根拠は一体何をおまえは考えているか。これはまた根拠はいろいろ申し上げると長くなりますけれども、たとえばこの十七日にもニクソンが記者会見で、一切の核武器を使うということはばかげたことであり、それからそんな可能性は全くない、こういうふうに非常に断定的に言っておりますですね。そういうことも最も有力な根拠の一つにあげられましょうし、これがやっぱりアメリカとしての現に考えているラオスに対する姿勢、あるいはインドシナ全体に対する姿勢を端的にしかも明らかに表明しているものではないだろうか、こう想像してよろしいのではないでしょうか。これはまた大きな世界戦略ということから見ても、アメリカがいま核を使うというようなことは、私はそれこそニクソンさんのことばをそのまま使わしていただけば、ばかげておるごとだ、私はこう考えております。
#146
○伊藤(惣)委員 いまその問題私はきわめて重視するわけですけれども、ばかげている、そんなことは絶対あり得ない。裏を返せば、使ったらどうかという議論が出たことに対する否定であって、ですからそういう問題が起きなければそんなことは話題にならぬはずなんです。ベトナムの戦争もだんだんとエスカレートして、最後にはどうなんだといったら、最後はやはり核戦争だということが理論体系として出ているわけですね。ですから私はこの問題について、また純軍事理論的に考えますと、いまアメリカでは戦術核兵器というのはもうたくさんつくっているわけですよ。そしてまた核以上に悪質ないわゆるCB兵器、これもたくさんあるわけですね。しかもこの弾頭が、使わないというようなところであっても、一つはその生産が非常にもうたくさんあり過ぎてむしろ貯蔵に困っておる、予測しないところにCBR兵器は配置されているのだ、そういう一つの報道も私は見たことがあるわけであります。そうして現在の核兵器というのは非常に小型化されておりまして、たとえば日本の富士で戦車の演習なんかやりますが、一つは一〇五ミリりゅう弾砲ですか、それにも核装備可能な装置がちゃんとついているわけですね。したがいまして、軍事的に見ますと、全くその可能性はないとは言えないと思うのです。また使われては私は困ると思います。率直に言いまして。ですから、このインドシナ戦争で、もしかこういったことが、不測の事態が起きないとは断言できないという情勢になって、私は外務大臣が今度の紛争に対しては、アメリカのとった政策については一応支持しているように聞いておりますけれども、しかしこの戦争について核兵器なんかは使わないでほしいという申し入れぐらいする考えがあるかないか、確かにばかげた議論ではあるかもしれませんけれども、不測の事態を常に予測して政治行動を起こすのが、やはり一国の政治だろうと思うのです。その点どうでしょうか。
#147
○愛知国務大臣 御承知のように、特に最近のラオスの問題については、日本の政府としてははっきりした態度をとり、そしてその態度に基づいて英ソ両国をはじめ関係の国々にアピールをいたしております。そしてそのアピールをいたしましたことを米政府にも通告をしておるわけでございますから、日本政府としては、まず当面やるべきことは私はやった。いまその反響待ちでございまして、これからさらに各国が日本に対しても、さらにこういう有効な手段であるではないかと望まれれば、さらに有効なる手段をとることもありましょうが、ただいまのところは、日本の意図というものは、私は内外に明白にいたしたつもりでございます。
#148
○伊藤(惣)委員 この核兵器の使用の違法性というのは、調べますと一九六三年の十二月七日、東京地方裁判所の判決で、広島、長崎への原爆投下は国際法違反である、こういうことが確認されておりますね。ですからいまも言いましたように、核兵器を使用するということについては、たいへんな問題であり、そんなばかげたことはないとは思いますけれども、しかし、いまも申し上げましたように、純軍事理論とあるいはまた外交というものがいろいろとあるわけでありますから、私は、インドシナ情勢が終えんとするかしないか、それは決して予測できないと思うんです。その場合には、たいへんな一つの方向にいくのではないかということも危惧するわけであります。ですから現在の情勢のもとでは、大臣は、そのようなことは考えないというような態度ではありますけれども、もう少し深刻化し、さらにエスカレートするような状態においては、当然核兵器というものを使うべきではないということを申し入れる必要があるのではないかというふうに考えますが、その点いかがでしょう。
#149
○愛知国務大臣 これはもう核についてはもちろんのことですが、これ以上拡大するということになれば、その情勢は望ましくありませんけれども、どんどん拡大するというようなことになったらば、日本政府といたしましても、すでに現状においても国際的に手段をとっているわけでございますから、さらに状態が悪化するならば、さらに一段と積極的な方策と申しましょうか、措置をとりたい、とらなければならないと思います。
#150
○伊藤(惣)委員 積極的な措置をとる中にそのことも入っておりますか。
#151
○愛知国務大臣 もちろんそう考えます。
#152
○伊藤(惣)委員 これは、もしこんなことがあってはいけないことではありますけれども、やはり不測の事態として核兵器がもし使用された場合、これはやはり日米安保体制においてもいろいろな影響があると思う。もちろんインドシナ情勢は一変すると思いますけれども、こういう場合、日米安保条約は軍事同盟でもありますから、条約上同一視される。さらにまた、核兵器が使用されたことによって、わが国はますます関係のない国際紛争に巻き込まれるおそれが大きくなる、こういうふうに私は考えるわけでありますけれども、その点は大臣、どうですか。
#153
○愛知国務大臣 観念的な問題になりますけれども、インドシナ半島においてアメリカが、国連憲章五十一条などということでは全然なくて、積極的に核武装を使って、そこで積極的戦争を展開する、観念的にそういう場合がかりに考えられたとするならば、それと安保条約とは全然別個の問題だと私は思います。安保条約は、いつも申し上げますように、条約として性格が非常にはっきりしている。これを端的に言えば、日本の安全とそれを含む極東の安全に寄与するために、そしてこれが全部を包含する考え方というものは、国連憲章で認められる自衛ということに徹した考え方であり、また日本に対する脅威を未然に防止するという抑止理論とでもいうべき考え方に立っているものでございますから、いま申しましたように、米国が国連憲章五十一条とか、そのほかの自衛権というようなものとは関係なしに、積極的に核武装をインドシナ半島において使って、戦争が展開されたということになれば、それといまの自衛一点ばりの安保体制というものとは全然別ものでございます。かように私はこの点を考えます。
#154
○伊藤(惣)委員 そこをもう少し聞きたいのですが、要するにこれもやはり理論上の問題ですね。もしそういう核兵器が、たとえ小型であっても使われたら、これは国際的な非常に大きな問題になる、情勢が一変するであろう、こういわれているわけでありますが、どういうふうに情勢が一変し、そしてまたどういう事態が発生するのか、われわれは情報というものはあまり分析もしておりませんし、入ってもおりませんから、想像することはできないわけでありますけれども、しろうとなりの判断はするわけであります。大臣はそういった点について、もしそういった不測の事態が起きた場合には、どういうような情勢、しかもわが国はどういう立場になるのか、そういうことを考えたことがあれば伺っておきたいと思います。
#155
○愛知国務大臣 いま、私申しましたことは観念的な問題でありますが、観念的には私は正しいと思います。
 それから、いまのお尋ねは、これはそもそもが観念的で、実は現実的な問題ではないと私は思いますから、非常にアカデミックなお話になると思いますね。そうなりますと、たとえばいまの安保がどうだ、日本がどうだということと全然別の次元におけるアカデミックな論議として取り上げる場合には、その核が戦略核が使われたのか、戦術核が使われたのか、使われた時点はいかなる時点であるか、そのときの相手の状況はどうであったか、そういうふうないろいろの想定をよって、その事態に対する国際的な批判というものが私は起こり得るんだろうと思います。いずれにしても、事実問題として核は、いかなる種類の核でありましても、日本国民並びに日本政府の立場からいえば、最も好ましからざることである、こういうことだけは確かに言えるのではないかと思います。
#156
○伊藤(惣)委員 要するに、そういう事態を予測したくないわけでありますけれども、そのように、もしも不測の事態が発生したときにはたいへんなことになるということはだれでも考えていることだと思うのです。
 これは話かわりますけれども、最近アメリカで核攻撃の演習を誤ってやってしまって、全国民が非常に緊張におちいったことがあるわけです。それと同じように、不測の事態というのは必ずしも意図的ではなくても事故のこともあるでしょうし、あるいはまたいろいろな事態が予想されるわけですね。そういうことから大戦争また大紛争に発展する可能性があるわけであります。したがって、私はそういったことを事前にやはり歯どめとして考えることからも、核兵器は使わないのだ、またはエスカレートの頂点は熱核戦争であっても、それはベトナムにおいてはやってはならないし、そういう政策はとらないのだということを日米間で協議し、また一つの方向というものをまずもって明らかにしておくぐらいはしてもいいのではないか、こういうふうに思うわけでありますが、その点はいかがでしょう。
#157
○愛知国務大臣 この二十日にアメリカに起こった事件が誤報であったことは幸いであった、これはそのとおりであります。また誤報以上にそういう事態が起こり得るとは考えられませんけれども、かりにそれでは誤報でなくて正報であったらどうかというお尋ねですけれども、これは米国本土に対して核攻撃がかかったことであって、これは日米安保体制とは私はかかわりないと思うのです。というのは、日米安保体制は、日本及び日本を含む極東の安全に寄与するという目的がはっきりしております。そして、たとえば第五条においては日本本土が危険に瀕したとか、第六条はこうこうだとかいうことになっておりますから、それと米本土が核攻撃を受けたということとは別の体系に属する事柄である、こういうわけだと思います。
 それから、在日米軍は核は持っておらないのでございますから、核攻撃が米本土にかけられたなどというときに、核を持たざる軍隊などというものは、これは常識論になるかもしれませんけれども、弔う役に立たないものである。はるかかなたのところに、日本及び日本を含む極東の安全のために、そして危険を未然に防止するために駐留している米軍とのかかわり合いにおいて、米本土が核攻撃を受けたときにいかにあるべきかということは、全く別の問題で関係がないものだ、私はこう考えております。
#158
○伊藤(惣)委員 在日米軍というと日本にいる軍ということかもしれませんが、第五空軍というのは日本に基地があって、そして韓国や沖繩に基地があるわけですね。さらに第七艦隊の主力基地というのは横須賀か佐世保ということになっておりますね。これは軍事的に見ますと、攻撃というのは、必ずしも飛んできた兵器、飛行機、軍艦に向けてのみ攻撃することが一つの方法ではないわけですね。一番ああいう戦争で一つの攻撃目標になるのは補給基地ですよ。第七艦隊というのは世界で最強の艦隊である。しかしその主力基地、また極東における中枢の基地というのは日本にある、核は持たないとしても。第七艦隊を麻痺させるために、いま言った横須賀、佐世保の補給基地をたたけば、船はあってもどうにもならなくなる。さらに第五空軍という一つの情報の中枢の目が府中にある。それをたたけば命令が出なくなる。それくらいのことは戦略上考えられているわけですね。それは安保条約によって日本にそういった施設があるわけであります。したがって、安保条約と関係がないということはない、私はこう思うわけであります。ですから、私が一番心配いたしますのは、もし戦術核兵器が使われるような事態が発生した場合、その報復処置として、あるいはまた考えられないことでありますが、中国あたりが参戦した場合には、やはり第七艦隊をたたこうとするならば、その補給基地をねらうことは当然だと思うのですね。そうなりますと、戦時国際法という法律があって追跡権というのが認められている。日本は全然関係ないといっても、第七艦隊に安保条約で契約し、地位協定によって貸与している。攻撃されても文句が言えない。国際法的にはこういう一つの理論的な問題もあるわけであります。したがって私は、そういうことに対して、やはり何らかの処置、または前向きでアメリカに対しても、国際法違反だという日本の裁判で判決が出ている問題でありますから、申し入れるべきじゃないか、そう思います。その点についてどうでしょうか。
#159
○愛知国務大臣 この問題のお尋ねのあったときに、一番最初に私念を押しておいたのでありますけれども、アメリカが、たとえば国連憲章五十一条その他の条文も何ももう問題にせずに、そして核兵器をインドネシナ半島へ使ったというようなことになれば、これは観念的な問題ではございますけれども、全然これは日本とのかかわりのないことだと思います。というのは、日米安保条約というのは、さっきから何度でも申しておりますように、目的、性格が違うものであって、そして米軍がそのために日本に駐留する、その用に供するために施設、区域を提供しておりますが、それには日本として貸した条件があるわけです。ところで一方、インドシナというところでもって、いわばむちゃくちゃに核兵器を使って、むちゃくちゃな戦争をするというような場合には、こういう日米安保体制とは全然別な問題である。まずそこのところが大切なところではないかと思います。したがって、実質的に私は核兵器を使うなどという、ニクソン米大統領のばからしいことはやらないだろうと思います。
 また今度は政治的に、あるいは起こり得るであろうところの国際世論を敵にしてどういう結果が起こるかということを判断の対象に入れて、そういう立場から考えた場合に、いままで国連憲章などを中心にして、やはりこれを守っていくという立場をずっととってきたところのアメリカとしては、そういうことはやり得るはずがないのではなかろうか、こういうふうに考えますから、私は、基本的にさようなことはあり得ない、こう思います。
 そうして、それから先、こうだろう、ああだろうということになりますれば、これはいたずらにアカデミックなパネルディスカッションみたいになってしまいまして、率直に申しまして、実際の国民の安全性ということからいいますれば、ちょっとほど遠いことになってくるのではないかか、かように存ずる次第でございます。
#160
○伊藤(惣)委員 私も、いろいろ防衛論議を通してその議論を詰めていきますと、そこら辺がいつも心配で、もう少し政府が前向きで、あり得ないんだ、またはやってはならないんだ、こうすべきだという一つの方向を示唆する責任があるという観点から申しておりますし、もちろんそういう不測の事態があってはならないということは当然でありますけれども、しかし最近のカンボジア情勢、インドシナ戦争を見てみますと、情報というものを私は持たないから不安なのかわかりませんけれども、いろいろ危惧される点があるわけです。たとえばインドシナ戦場で爆撃を行なっておりますけれども、これはある人の推定でよくわかりませんけれども、その推定では、インドシナにおいてはもう六百万トン以上の爆弾が投下されているだろう、こういわれているわけですね。しかもあの狭い地域でこれだけの爆弾が投下されるということは、非常に想像に絶するわけです。ちょうどベトナムというのは南北合わせても日本とほぼ同じような広さがありますね。三十六万平方キロメートルくらいの面積があるわけですね。それが南北に分かれておりますけれども、それが拡大されまして、インドシナ全般にそういったことが行なわれるとすれば、たいへんな爆撃の量だということがいえるわけです。たとえば第二次大戦でベルリンに投下された爆弾は七万七千トンというふうにいわれておりますから、それに比べれば百倍近い爆弾が落ちておる、こういうふうにいえるわけであります。しかしこの爆弾で問題になることは、無差別爆撃ということですね。いわゆる米軍が常にやるじゅうたん爆撃です。これはヘーグの陸戦法規という戦争の法律がありますね。これによりますと、砲撃とか爆撃というのは軍事目標主義が確立されておって、それ以外は攻撃してはいけない、こういうことが出ているわけなんです。要するに無差別攻撃、爆撃はやってはならないというわけですよ。ところが、実際にはじゅうたん爆撃とか無差別爆撃というのが行なわれているように私は思うわけであります。このこと自体も国際法違反になるというように思うわけでありますけれども、こういったようなヘーグの陸戦法規にもないような無差別爆撃というものは停止すべきじゃないか、こう私は思うのですが、その点について大臣の見解を伺いたいと思います。
#161
○愛知国務大臣 一々の陸戦法規その他にどういうふうにかかわりを持つかということについては、条約局長からでも御答弁願いたいと思いますが、それだからこそ政府としては、せっかくここにりっぱにあるのだから、ジュネーブ協定の線に戻って、即時外国軍隊が撤退しなさい、国際監視団がリアクティベートですか、活動を再開して、その中へ割って入りなさい、そうでなかったら、もういつまでたったって、これは広がるばかりのけんのんさがありますというのが政府の態度でございまして、アカデミックな議論として、過去においておまえさんは何を悪いことをした、これは何々に該当する、一方こちらは、おまえもそうは言うものの相手が悪かったからといって、こちらがやった行動を正当化するわけにいかぬ。理屈をいろいろ言っているよりも、現実事態を引き分けなければ私はいけないのじゃないかと思います。そこで政府の立場としては、いろいろに御批評を受けてもおりますけれども、私どものかまえとしては、もう非難とかあるいは対決を激化してはいけない、とにかくあなた方みんなが六二年にはまとまったじゃないか、そしてラオスについてだけ言えば、ラオス政権は中立政権で、日本とも非常な友好関係にある、ソ連とも友好関係にあるが北越とか北朝鮮とかとも国交を結んでいるではないか、これの中立を守るということについては、われわれの間に、もうコンセンサスがあるはずではないか、そこを焦点にしていまやっておるわけでございます。
 なお、アメリカに限らず、どこの国にしろヘーグ陸戦法規の違反をやったり、あるいはそのほかの法規に違反することは、もうほんとうにこれは遺憾でありまして、国際的に糾弾されなければならない、政府としてはそういう立場にある。必要に応じてはそういう立場に立った姿勢、措置というものをやるべきである、こう考えております。
#162
○伊藤(惣)委員 前向きな答弁を伺ったのですが、確かに日本の使命は、アメリカと協力して戦争をあと押しするのではなくて、やはり間に入って平和的な解決を何とか見出して、その主役的な役割りを果たすことが一番大事な道である、私はそう思います。いまもそういう答弁を聞いたわけでありますが、さらに無差別爆撃についても前向きで、これも国際法違反のようなことはやってはいけないというふうに申し入れる考えがあるかどうか、具体的にその点も伺っておきたいと思います。
#163
○愛知国務大臣 いまの無差別爆撃ということは、いろいろの情報を政府としても得ておりますけれども、いわゆる国際法規あるいは慣例、その他にいうところの無差別爆撃が行なわれているのかどうかということは確認しておりませんものですから、この伝えられる事態について措置をとるということはまだ申し上げられませんけれども、先ほど申し上げましたように、そういう国際的な取りきめに違反するような措置が不当であることは当然である、そういうことが明白になる場合には、明白な態度を表明すべきである、こういうふうに政府は考えております。
#164
○伊藤(惣)委員 あまり時間がありませんから、聞きたいことはたくさんありますけれども、しぼっていきます。
 まず一つだけ伺いたいのですが、沖繩返還協定の作成にあたっては、前回の委員会において同僚委員の質問によりまして、大臣から非常に前向きの答弁がありました。その中で少し気になることを耳にしましたので、伺っておきますけれども、米軍から協定の前文に、極東の平和と安全をそこなわないようにということを盛り込みたいという要求があるとかないとか、こういうことを聞いたわけでありますが、その点は事実かどうか、伺いたいと思います。
#165
○愛知国務大臣 実はいまお尋ねのようなことは、われわれの折衝の上に出ておりません。
#166
○伊藤(惣)委員 この極東の平和と安全をそこなわないようというようなことばをもし前文に入れてくれと要求した場合、日本政府はどういうふうに扱いますか。
#167
○愛知国務大臣 実はこの案文は、まだほんとうに私のポケットに入っていないものですから、たいへん恐縮なお答えになるのですけれども、したがって条文のワーディングについて、こうだとかああだとかいうことはちょっと申し上げにくいのです。しかし卒然として極東の安全とかなんとかいうことになると、これはもうこの国会でも十年来毎日御論議をいただいておりますように、この安保条約の条文というものはもうここに書いてあるとおりのところが性格であり目標でございますし、日本の安全とそれから極東の安全に寄与するということが眼目でありますから、表現を変えればまた別の目的になってしまうおそれもございます。そういうところも日本における国会のいろいろの、過去十年以上にわたる御論議や世論の動向を踏まえてかからなければならないのが私どもの使命でございますから、かりにも何か変わったというような御疑惑を与えるようなことは私はするつもりはございません。つまり安保条約に関して言いますならば、本土と何らの変更なく適用されるのだということが眼目であって、そしてそのほかいまお述べになりましたようなことがついたりしますと、よけいなものになるおそれがあるのじゃないでしょうか。そういう気持ちでおります。
#168
○伊藤(惣)委員 そういうものがもし前文に書かれるようなことがあった場合には、そういうことはさせないという大臣の答弁でございますね。それを確認しておきます。
 それから沖繩の毒ガス移送の問題なんですが、その後どうなったか、経過をまず伺いたいと思います。
#169
○愛知国務大臣 これもしばしば申し上げておりますように、ちょっとことばが多くなって恐縮なんですけれども、私はかねがねこの問題については三つの要件があると考えております。何しろ引き取るところがなければ困るわけです。これが一つでございます。それから沖繩島からその引き取る場所へ持っていくことが一つでございます。この二つにつきましては、ずいぶん骨が折れましたけれども、ジョンストン島というところに決定をされて、しかも昨年十二月四日の最初の国防総省の態度がさらに緩和されて、というか、前進して、ただいまのところは夏にはジョンストン島は完成するそうでございます。したがいまして、一つの一番大きな条件は、まず整ったと申してもいい。
 それから船の関係でございますが、これも政府の受けておる心証といたしましては、真夏にはジョンストン島が完成し、一刻もすみやかに運んで収納するということは、アメリカ政府は確言して天下に表明している態度ですから、それに即応するように、一回の移送何千トンというふうな程度にすればすみやかに行なえる、こういう心証を得るに至りました。
 そこで、第三の要件で沖繩の方々に最も御協力と御理解をお願いしなければならぬことは、この一万三千トンを何とか安全にすみやかに運び出す場所まで持っていくことにしたいものであるということに、本土政府としてもほんとうに心からの熱願を持っているわけでございます。しかしながら政府といたしましては、ただいま六本、七本といわれておりますような島内の輸送経路につきまして、本土政府がこの道がよいでしょうと申し上げるのは僭越な話である、またそこまでの責任もとりきれないのじゃないか。これは率直なお話でございます。上原さんもお聞きいただいておりますけれども、これは率直な気持ちでございます。どうかひとつ、三つの要件のうち二つができ上がりましたから、ひとつ沖繩の方々で道をお選びいただき、そしてその建設等につきましては、及ばずながら私どももさらにねじりはち巻きで努力いたします。お手伝いいたします。そして先年来沖繩の方々に、ほんとうにことばには言いあらわせないような苦悩のある御経験を積ませましたこの問題を解決いたしたい、こういうふうに誠意を尽くして考えておるところでございます。
#170
○伊藤(惣)委員 いま大臣がおっしゃいました問題は移送の問題が出てくると思うのです。それで、いままでの報道によりますと、この夏までに沖繩から移送するには、いままでの第一次撤去と同一ルートであるならば夏までにできる、こういうふうにいわれたようでありますが、その点はどうなのか。もし新しいルートによる撤去であるならばそれはできない、七月は無理だ、無期限に近くかかるというようなことも聞いておるわけでありますが、それはどうでしょうか。
#171
○愛知国務大臣 これは私は、いま申し上げましたところで尽きていると思うのでありますが、持っていく場所と、それから沖繩島から運ぶ船の便等については、いま申し上げましたとおりの確証並びに心証を得ておりますから、道の問題が解決すれば、その解決した時点においてこれは解決する、こういうふうなことに相なると思います。
#172
○伊藤(惣)委員 そうしますと、なぜ新しいルートによる撤去は消極的かという理由の一つとして、昨年アメリカの上院でグラベル法というものが可決されました。そして毒ガス移送に関する支出が禁止されたわけですね。これがやはり大きな理由じゃないかということを考えるわけですが、その点はどういうふうに考えておられるか、またこの毒ガスを搬出する上において大事なことは、やはりあってはならない兵器を置いたのはアメリカでありますから、このことについてはアメリカが何らかの方法でお金を出して搬出に当たるのが当然だと私は思うわけです。その点についていかがでしょうか。
#173
○愛知国務大臣 その点全くおっしゃることごもっともです。あってはならないものを置いてあった、それを取り除くのは当然だ。そこで、そういう立場に立って政府といたしましても、先ほど申しましたように、これは経過をよく御承知のとおりでございます。現在でもおくれてほんとうに申しわけなかったと思うのですが、累次折衝の結果、先ほど申し上げましたようなことになりましたから、ひとつ運び出すことについて皆さんで御協力をいただいて、安全性を確認してすみやかに撤去をすればほんとうに晴れ晴れできるのではないか。これに対して本土政府といたしましてもできるだけの御協力をいたしたい。ただあれだけのむずかしい問題でございますから、押しつけがましくどんな道をこうやってやりなさいというようなことは、現在の政府といたしましては、そこまでは申し上げられません。どうかひとつ一つにおまとめいただいたならば、その線に対して何ともお手伝いをいたしたいと思っております。これが今日の政府の態度でございます。
#174
○伊藤(惣)委員 その点は十分住民の安全をはかり、そして、たとえば新ルートをつくって、そこから移送すべきであるという結論に達した場合には、その住民の意向を十分くんだ上で万全の対策を講じていただきたい、そのことを要望します。
 次に、これは十九日の報道なんですが、ミンク米下院議員ですかが、沖繩から毒ガス兵器をジョンストン島に移送することを禁止する法案を提出した、こういう報道を見たわけであります。そして同議員は、神経ガスは移送せずに沖繩で直ちに無毒化し破壊すべきだ、こう言っているようでありますが、その点については政府はどう考え、また私が言ったことが事実かどうか、その点も確認しておきたいと思います。
#175
○愛知国務大臣 ハワイ選出の議員の方からただいまお述べになったような案が出ましたことは、新聞の報道のとおりでございます。しかし私は、遺憾ながら専門的な知識はございませんから、現場でもって無毒化することができるのかできないのか、できるとすればどれだけの安全的な装置をやって、その経費がどれだけかかるのか、どれだけの月日がかかるのか、いさい承知いたしておりません。同時に、日本政府とアメリカ政府との話し合いは、先ほど申しましたように進んで一つの結論が出つつあるわけでございますから、私はもう迷わずにこの線を貫徹いたしたいと思うのでありまして、いまさらこういう案が出てきたからといって、これは私は率直に言って、沖繩県民、日本国民の望むような、即時で安全な撤去という趣旨から言いますと不適切だと思いますので、既定の線でアメリカとの間の線は実行することに全力を注ぐべきではないかと思います。
#176
○伊藤(惣)委員 通るか通らないか、それは経過を見なければわからないことでありますが、まずそういうことについて考えられることは、無毒化するということが住民の安全ということを考えた上で可能かどうかということですね。こういう毒ガスについて専門家の人がおりますか。いたらば聞きたいと思っておるのです。そして、もし無毒化、完全に無害にすることが可能であるならば、住民に何ら影響を与えずにそういうことができるならば、また移送という問題についても、これは対策が変わるんじゃないかと思うのですがね。できるかできないか、その可能性はどうでしょう。
#177
○橘(正)説明員 ただいまお尋ねの完全な無毒化ということにつきましては、私技術的な専門家でございませんのではっきりしたことは申し上げられませんが、一応可能であろうといわれております。ただ無毒化をするには、施設とか技術とかいろいろの措置を尽くさねばできないとも聞いております。
#178
○伊藤(惣)委員 この毒ガスについてはいろいろ種類がありまして、V、Gなんというのは、Vというのは神経ガス、これなどは全然無味無臭である。しかも一滴が皮膚にかかりますと全部直ちに死んでしまうというような強烈なガスであるというようなことを聞いておるわけです。したがいまして、完全な無毒化作業は困難ではないかと私は思うのです。もしそれを押し通してやるようなことになった場合には、これはたいへんなアジア人べつ視思想じゃないかと思うのです。ですから、私は、もしそういうような傾向、そんな動きがあったときには、前向きでそういうことのないように善処していただきたい、このことを要望申し上げ、また大臣から答弁を伺って、質問を終わりたいと思います。
#179
○愛知国務大臣 私は、もう先ほど申し上げておりますように、これは軽々に言うべき問題ではないと思うのです。毒ガスの無毒化が完全にできるかどうかというようなことは、とにかく実におそるべきものでございますから、ほんとうに専門家の十全の権威ある検討の結果でございませんと、貯蔵庫所在のままで無毒化がはたしてできるかどうかというようなことを、軽々に私は申し上げられない、そういう筋の問題だと思います。したがって、常識的に言えば、いままでもさんざん政府の態度に御不満ではございましたでしょうが、ここまできましたから、ひとつ道についての御決定をいただいて、そうして早急に移送ができるようにしていただくことが、現時点においてはこの問題のケリをつける最善の道ではないだろうか、こう思って、これからも努力を続けたいと思っております。
#180
○伊藤(惣)委員 終わります。
#181
○天野委員長 次回は、明二十六日午前十時三十分理事会、十一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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