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1970/03/19 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 内閣委員会 第9号
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1970/03/19 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 内閣委員会 第9号

#1
第065回国会 内閣委員会 第9号
昭和四十六年三月十九日(金曜日)
    午前十時九分開議
 出席委員
   委員長 天野 公義君
   理事 伊能繁次郎君 理事 熊谷 義雄君
   理事 佐藤 文生君 理事 坂村 吉正君
   理事 塩谷 一夫君 理事 大出  俊君
   理事 伊藤惣助丸君
      阿部 文男君    伊藤宗一郎君
      加藤 陽三君    辻  寛一君
      中山 利生君    堀田 政孝君
      山口 敏夫君    上原 康助君
      鬼木 勝利君    鈴切 康雄君
      受田 新吉君    東中 光雄君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 根本龍太郎君
 出席政府委員
        警察庁刑事局長 高松 敬治君
        建設大臣官房長 大津留 温君
        建設省計画局宅
        地部長     朝日 邦夫君
        建設省住宅局長 多治見高雄君
 委員外の出席者
        建設省道路局次
        長       吉田 泰夫君
        建設省住宅局日
        本住宅公団首席
        監理官     白川 英留君
        内閣委員会調査
        室長      茨木 純一君
    ―――――――――――――
三月十六日
 労働省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第九二号)
同月十七日
 許可、認可等の整理に関する法律案(内閣提出
 第九四号)
同月十八日
 連合国占領軍等の行為等による被害者等に対す
 る給付金の支給に関する法律の一部を改正する
 法律案(多田省吾君外一名提出、参法第一六号)
 (予)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第二三号)
     ――――◇―――――
#2
○天野委員長 これより会議を開きます。
 建設省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
#3
○大出委員 下水道に関する設置法の改正が出ておりますが、これは実はいろいろな問題があるが、公害とからんで私どもの側でも極力金をかけてくれということを強調したいきさつもございますので、その結果の御努力をいただいているという点を感謝しているのですが、ただ、この間西宮さんが質問しておりますように、どうも少し地方自治体に酷ではないかという気が私もするわけでございます。この点まず念を押すようでありますけれども、冒頭に大臣の御見解をいただいて、あと、昨年の通常国会におきまして、住宅公団の問題で幾つか大臣に、氷山の一角ですけれどもと念を押して御見解をいただいたわけでありますが、その後、公団側からも御説明いただきましたりいろいろといたしまして途中になっている問題もありますが、実はどうも住宅公団なるものが、この際全部洗い直して、大なたをふるって、むしろ蛮勇をふるって根本的にものの考え方を変える、組織機構を含めて、人の配置を含めて思い切って変えなければならぬ時期に来ている、さらに資金面もそうである、と思いますので、実は本来ならば行政管理庁その他を入れてやろうと思っておりましたが、そういう場面があとからございますので、実はこの国会で三、四回公団問題を取り上げたいと思っておりますので、きょうはそういう意味で根本大臣だけでお聞きをいただきたいと思っているわけであります。その点をきょうは二つに分けまして承っておきたいのであります。
 そこで、最初の下水関係の問題でありますけれども、どうも少し自治体における専担事業が多くなり過ぎやせぬかという気がするのであります。時間を節約する意味でもう少し触れておきますが、第三次五カ年計画、約二兆六千億でありますが、補助事業は政府六割ということでございますから、四割は各自治体の専担事業になる、こういうことでありまして、幾つか例をあげますと、富士市の場合に、終末処理だけで百二十億円ばかり金をかけております。また四日市あたりの例からいきましてもたいへんな金を使っているわけでございまして、実際には自治体がほかの仕事が何もできないということになってしまう。こういう状態が実は方々にあります。そこらのところを大づかみに、今回はどうもこういうことにしたのだがこの次はということであれば、それなりの御答弁をいただきたいのであります。というのは、一兆六千億円という見込み方でございまして、五カ年計画である限りは一兆六千億円なんですけれども、もっといろいろなものを引っぱってきますと、どうも一割足らずぐらいにしか当たってないような気もする面もあります。こまかい数字を申し上げる時間もないようでありますから、そこらのところを踏まえて、一体将来に向かって大臣はどういうふうにこれをお考えなのか、再三質問が出ておりますけれども、重ねてひとつ承っておきたい。
#4
○根本国務大臣 御指摘のとおり、実際的にはかなり地方自治体の負担が重くなっていることは事実でございます。そこで実は昨年、私が就任間もなく、下水道を大きくやらなければならない都道府県知事、それからおもだった市長、町長を集めて、相当突っ込んで協議をいたしました。そのときにあたりまして、本来ならば自治体のほうからすれば、まず補助対象率も大きくしてほしい、それから補助率も大きくしてほしい、そうして事業量をふやせ、こう言いたいところであるが、現実の問題はなかなかそう急にはいかないだろう。そこでせめて、まず事業量を飛躍的に拡大してもらわないと、もう地方行政がやっていけない。そこで最優先的にやってもらいたいのは事業量を拡大すること、そのためには地方自治体で相当努力して消化するから特別ワクの地方債をまずよこしてくれ、そうすれば東京なり、それから大阪なりあるいは愛知あたりは相当まずやる、各指定都市ともそれをやるのだ、こういうことでした。そこで実は、この新しい五カ年計画を策定するにあたりまして、私はまず第一に、閣議の席上において、経済企画庁長官並びに大蔵大臣に条件をつけたのです。新しい社会発展計画の中期の見通しとして五十五兆円の公共投資をやる、その中に占める下水道の配分は二兆三千億、こう出ておるのです。そこで全体の五十五兆円ということできめた以上、私はあえてこれをひっくり返そうとはいわない。しかしながら下水道事業については、これは過小ですよ、したがってこれは運営に際してはかなり弾力的に考えてもらわなければだめですよということを念を押して、総理もその点を了承した上で実は五十五兆円の総ワクをきめるときにくぎ打ちをしておいたわけです。ところで五十五兆円のうち二兆三千億を新しい五カ年計画に当てはめてみると二兆一千億になる。とてもこれではいかぬというわけで、五十五兆円のうちの一兆円、これがいわば調整質的にとっておいたものです。それをくずして五千億を下水道によこせという案を立てて、これで予算折衝に入ったわけであります。最初は大蔵省もそれに抵抗しましたけれども、最終的には福田大蔵大臣もこれを了とし、それで二兆六千億という案をつくり、そのうちの一千億が調整費、予備費、こういうことにしたわけです。そういう関係で実は政府関係当局もみんな、私のほうのみならず関係各省庁とも、現在の都市化の著しい進展の状況、その中における公害の深刻な問題、その公害の問題の一つの大きな分野が水の問題であるということで、これはおそらくいままで戦後初めてと思いまするが、要求したものをそのまま原案どおり認めさした、こういうことでございまして、その意味においては、これは国会の超党派の下水に対する強い要望をまともに財政当局も受けて立ったということで、その点は評価しております。しかし、御指摘のように、地方財政から見るとなかなかこれはたいへんでございます。そこで、私も戦略上、こういうことを国会で言っていいかどうかわからぬけれども、まず私は総ワクを取る。その次には補助対象率を若干でも高めていく。そうしてから後、今度は補助率に持っていこう、こういう考えで臨んできたわけです。衆議院の建設委員会でも、大体私の考えを各党も御理解なさいまして、下水道法を通過せしめるにあたりましてかなりきびしい付帯条件がつけられました。その中には明確に、いま大出さんから御指摘になった点が出されまして、将来補助対象率と補助率を上げろとある。これは普通でしたならば拒否します。政府側としてそういう明確な、抽象的なことならいいけれども、それを出したのを受けて立って、政府もそれに対して努力するというふうな、異例の附帯決議を了承したというようなことでございますので、これこそ私は、政府はもとよりのこと、国会の各派とも協調の上この問題を解決していくべきだと考えておる次第でございます。
#5
○大出委員 時間が貴重でございますから、本来ならもう少し私のほうも、いま御指摘になりました地方行政あるいはまた建設委員会の皆さんとも打ち合わせまして、細谷治嘉君などの意見も強くありまして、いずれにせよ公害予算の中で三千億くらい考えていますけれども、そのうちの半分以上が下水道に入っているわけでありまして、だから二兆六千億の第三次五カ年計画の中の一兆六千億くらいが公害関係、こういう分け方になると思うのです。それにしても初年度一割というばかげた話はないじゃないか、しかもこの補助事業との比率が六対四になっておる、これでは自治体が少しかわいそうじゃないかということも含めて出ておりますが、念のため、ことにこの設置法に賛成するにあたって念を押しておこうじゃないかということでございます。だから中身は詳しくございますが、念を押す程度にとどめさせていただきたいと思うのであります。
 そこで二番目の問題の住宅公団に関する問題でありますが、この住宅公団というのは法律的にはいつごろできたのでございますか。
#6
○多治見政府委員 昭和三十年設立でございます。
#7
○大出委員 鳩山さんの内閣のときにできたわけですから、その意味では十六年目になるのだろうと思うのです。
 そこでこの間に、何か近ごろは用地買収にしろものを建てるにせよ汚職というのがきまってついてくる、どこにもかしこにもすべてある、ただ警察にごやっかいをかけるのがその中の幾つかというパーセンテージで出てくる、あたりまえなんだ、またやっているのかということになっている。そこで私は、実はそれでは困るので念のために承りたいのですが、この十五年間で、いろいろな公団の仕事に対して、学識経験者あるいは学者を含めまして、まさに群盲象をなでるがごとくいろいろな批判がある。功罪相半ばするというよりも、むしろ罪のほうが多いという方のほうが多い。それが正鵠を得ているかいないかは別として、それでほっておける筋合いではない。そこでまず大づかみに聞きたいのでありますが、用地買収なりあるいは建物なりをめぐりまして、警察その他の摘発等によって新聞記事なり大きな事件になった、あるいは国会で取り上げられて問題になった、これは一体件数にして何件くらいございますか。
#8
○多治見政府委員 お答えいたします。
 具体的に申し上げますと、昭和三十年設立以来、用地の取得にからみまして収賄等の事件が七件。先ほどお話しございましたように、確かにこういった不祥事はわれわれとしても非常に遺憾に存じます。また従来公団当局も、この点については非常に神経を使うといいますか、慎重に対処しておる、またこういった不祥事が起きないように大いに努力しておるつもりでございまして、三十年以来七件という数字は、必ずしも公団の処置が完全に適正であったというふうなことにはなりませんけれども、非常に努力しているという点だけはお認めいただきたいというふうに考えております。
#9
○大出委員 三十年以来七件だから努力しているのだという言い方は、これはどうも私は――その七件というものについて年次別に資料にしていただきたいのです。その事後処理をどうされたかということを明らかにしていただきたい。その七件の中に入っていないのもおそらくありますので、それはまたこの次の機会に継続して、その資料をいただいてこまかく申し上げたいのでありますが、そのいまの七件の中には、埼玉県の草加署に摘発されておる市原開発事務所の庶務課長さん、それから関東支所の計画部の土地第二課企画管理係長さん、この件は入っておりますか。
#10
○多治見政府委員 前段の御質問の資料は整えて御提出申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、用地買収にからんでの事件は七件ございました。そのほかの刑事事件その他は含んでおりません。お話しの草加のものも含めて七件でございます。いまお示しの分は全部入っております。
#11
○大出委員 用地だけだとおっしゃるのですが、ほかのほうは何件くらいあるのですか。
#12
○多治見政府委員 他のそういった事件の資料は手元にございませんので、正確にお答えできませんけれども、用地買収の問題にからんではいまお答えしたわけでありますが、そのほかの刑事事件でいろいろこまかい点もあったと思いますので、そういった点も、もし御要求があれば資料として御提出いたしたいと思います。
#13
○大出委員 私ここに持っております資料にたくさんございまして、いま用地買収だけお話しになりまして、ほかのことはわからぬとおっしゃるのですが、わからぬほどあるのかもしれませんが、それでもたいへん御努力をなさっているんだ、こう胸を張っておられる感じですが、どうも用地買収だけで七件もあったら、そのほかまだあったらあまりどうもいばれた筋合いではないと思うが、そこのところはそのほかのものも資料にしていただきたい。これは私のほうの手元の資料と合わせまして、その資料をいただいて少しこまかく申し上げたいのであります。
 それから、警察関係の方にこの際承っておきたいのでありますが、草加署で取り上げておりますいま私が指摘をいたしました公団汚職といわれるもの、これは捜査中ということになりますと、お話しいただくのが限界があると思いますが、少なくとも新聞等にも取り上げておりますので、その辺のところを、国会でございますから言っていただけないはずはなかろうという気持ちで実はお出かけをいただいたのでありますので、事件の概要を御説明をいただきたいのであります。
#14
○高松政府委員 現在、住宅公団の関東支所の職員による贈収賄事件ということでやっておりますのが、収賄者で三名、贈賄者で四名を逮捕して取り調べをしております。
 収賄者側は、日本住宅公団の関東支所土木部土地第二課主事の米沢和孝、これが三月八日に逮捕、それから引き続きまして、当時のやはり同じ土地第二課の係長の林淳二、それから土地第二課の管理係長の林輝明、これを三月十日に逮捕しております。
 それから贈賄者側といたしまして、堀川産業の取締役の水口茂、それから堀川産業の総務部長の松沢修、これを三月八日にそれぞれ逮捕しております。それから昭和不動産の嘱託の久保正之、それから同じく昭和不動産の遠藤孝和、この二名を三月十三日に逮捕したわけでございます。
 事犯の概要は、いままで送致した事実について申し上げますと、米沢和孝につきましては、堀川産業のほうの関係者から買収取得価額の教示方の請託を受けて、これを了承してそれを教えたりしております。その報酬として現金八万円を収賄した。それから林淳二は、やはり堀川産業の水口茂から百万円の小切手を一枚収賄した。林輝明は、十一月下旬ごろ松沢修から現金五十万円を収賄した。それから昭和不動産関係につきましては、米沢和孝だけでございますが、これが四十三年七月に、昭和不動産の関係者から、やはり同じような趣旨で現金四十万円を収賄したというのが、現在までの送致事実であります。なお、余罪その他は目下取り調べ中でございます。
#15
○大出委員 ところで、これを見ますと、接待マージャンなるやつをやっておりまして、これは一回百万円単位だというのですね。マージャンをやって、そのあと百万円ずつ。だから、これは見出しもふるっていますけれども、「ワイロ一回百万円」こういうようなわけですね。百万円単位でマージャンを何回かやっていますね。連日マージャンをやりながら四、五万円の金が動いておる。水口、松沢らが勝っても負けてもみんな支払っておるのですね。こっちのほうを見ますと、毎日、毎日マージャンをやっているのです。ずいぶん回数がありますが、勝っても負けてもそのたびに払うのはいまの贈賄者側である。いただくほうはいただきっぱなしですな。そのほかに、マージャン一ぺんやって百万円ずついただいているのですね。そこらのところをもう少し――たいへんいま新聞にない詳しいところをお話しいただきましたが、だいぶこまかい事実がありますから、そこらはどうなんですか。
#16
○高松政府委員 三月十日から十三日にそれぞれ逮捕いたしまして、現在勾留して取り調べをしております。余罪と申しますか、いま申し上げた送致事実以外の事実も若干あることも事実でございますけれども、これは両方の証拠を固めてまた追送致という形になってまいりますので、私のほうとしては、ほかの余罪がもう少し、いま申し上げたより拡大してまいるであろうということは考えられますけれども、具体的な中身につきましては、ちょっと捜査中のことでもございますので、ひとつ発言は差し控えさしていただきたい、かように思います。
#17
○大出委員 私はここに、何のだれ兵衛と何のだれ兵衛がマージャンをやったという中に――いま余罪とおっしゃいましたが、まだあるようにお話しになって、幾つか出ておりますがといまおっしゃいましたが、実はとんでもない人がこのマージャンに入っているのですね。そうすると、マージャンをやるところには出ているのだけれども、何でもなかったというわけではないのだろうと私は思うのです。そのマージャンの結果――マージャンというのは一卓四人でやるのですからね、もっとも二人打ちだ、三人打ちだというのはありますけれども。ポンとかチーとか言っているうちに、うしろのほうから金が来てひざの下に入っていたなんというので、一回百万円、どうもこれはうまくでき過ぎているのですがね。そこで、いまここから先を申し上げるのはまだ捜査の途中にあるから困るとおっしゃるので、私もそれはこういう問題ですから協力します。何もかもぶちまけてものを申し上げることは差し控えます。この次に申し上げます。
 そこで、大臣にここで承っておきたいのでありますが、こういうばかげたことが平気で行なわれているということになると、しかもあとから申し上げるが、ほかのほうでこの種の事件があったあと、この人を取り巻くいろいろな方々から、むしろ気の毒だと言って同情されているなどという記事が出ている。つまり、出先で土地買収に当たっている公団の職員というのは非常に苦しいのだ。相手が農業をやっておられる方だというと、夜、夜中に出かけて行って、畑仕事が終わったあとですわり込んで口説かなければならぬ。たまたま夜が明ける。しかし土地を持っている方々の中には、大ボスもあり小ボスもあり、地方議員もある。そうするとそこらは、いろいろ筋を追っていって幾らかそこへ持って行かなければ口を聞いてくれない。子分の土地所有者はうんと言わない。しかし、ここへ幾らか持っていって、幾らかやって、まあひとつあすこへ話をしてもらいたいと言って筋を追って頼むについて、公団は金を袋に入れて持たしてやっておるわけじゃないですから、同行した不動産業者が金を差し上げて、次の地主に話をつけてもらって、やっとそれで話をして翌朝になる。みなくたびれて、金を持ってついている不動産業者の方々と一緒に帰るということになると、ことにくたびれて頭を下げっぱなしに下げたあげくの果てですから、ちょっとコーヒーを飲みに入る、それからつい酒になり、屋台の酒が料理屋になるというかっこうで、しまいには招待マージャンまでいってしまう。こういうケースなんですね。そうすると、これはここだけでやっておるのかというと、いずこも同じ秋の夕暮れなんですね、至るところで。それじゃ一体住宅公団というのは何をやっているのかということになる。そこらのところをまず大臣――実はたくさんあるのです。三百件くらい聞きたいことがあるのですが、まず大臣、ひとつその辺から少しずつ御見解を伺いたいと思いますが、この辺どうお考えでございますか。
#18
○根本国務大臣 現在住宅政策の最大の難関が用地取得の困難性にあることは事実でございます。しかし、それだからといって、土地を入手するために不正な手段をもってやるということは許されることではないと思います。今度の事件は、いかなるものかよくわかりませんけれども、十三年前私が建設大臣のときには、今日ほどの用地取得がなかったのでございまして、いろいろむずかしい点はあったけれども、しんぼう強くやるということと、当時はまだ地方の自治体は、住宅公団が出てくることがその地方の振興になるということで、むしろ団地を誘致するぐらいの傾向があった。そのときにはこういうことがまだなかったのです。ところが、最近はそうではなくて、地方自治体が、団地ができると関連事業が多くなるということと、それから民間のデベロッパーがどんどんと進出してくる、それとの競争の間において入手難になったことは事実だと思います。しかし私は、そのためにこういうふうな運動費を――その事務所、事務所でいわゆる接待費的なものを出さなければならぬからというような意味でこういうことが起きたとは思いません。やはり本質的には、その収賄事件に関係した人間の何らかのゆるみというか欠陥、そこに原因があると私は思います。今後十分に、いままでも厳重に示達してきたところでありますが、特に今後注意させたいと思います。
 私は現在、用地取得については思い切った措置を講じなければならないと思っておりまして、首都圏を中心として、現在は相当大きい土地の造成を考えなければいかぬと思います。関東地区でも十何カ所、それを、むしろいままで残っておるところをなぜ開発しかったか。まず水の問題、道路、いろいろありましょうが、それから交通機関、特に鉄道等、これができないために民間のデベロッパーではやれない、そういうところにむしろ思い切って政府が、運輸省、建設省各局が協力して、そして大きな団地構成を政治的な配慮でやる、そうしてそれを大幅に開発していくことをやらなければ、土地の入手が困難であるのみならず、土地を値上げする。そういうような手法をもってやるときには、いまのような問題が起こらない。それをまあ、なかなか手放したくない農家を、金とコネで、そうして十ヘクタールかあるいは五十ヘクタールというようなものをまとめようとするところにそういう問題があると思いますので、そればかりではできないけれども、土地入手に対する手段、方法についてはもっと十分検討して、そういう事態が起こらないようなことをさらに検討さしてまいりたいと思っておる次第でございます。
#19
○大出委員 じゃあ大臣、時間のようでございますから、一つだけ指摘して、あと大臣お帰りになってからにいたしますけれども、いま大臣のお話を聞いていますと、大臣実情をあまり御存じないようですね。いまの状況というのはそんなことになっていないのです。一つは、土地というのはほとんど持ち込みなんですよ。計画して、この辺にひとつつくろうとか何とかじゃなくて、不動産業者の皆さんや何かが、この土地があるのでこれを買ってくれといって住宅公団へ持ち込むという持ち込み買収がほとんどですよ。これもあとで数字をいただきたいのですけれども、団地の数というのは、三十年以来さっき申し上げたこれだけあるわけですね。この十五年間に公団がつくった団地が七百三十三団地。建設総戸数が五十一万戸をちょっとこえています。入っているいわゆる団地居住者百七十万人、これもそれをこえています。岡山県一県の人口に匹敵するくらい入っているわけですね。もちろんそうかといって、日本の住宅建設総量の五%ないし六%くらいしかないのですから、それだって微々たるものですけれども、この七百三十三団地のほとんどは持ち込みです。計画的にこの辺にどういう用地を住宅公団あるいは建設省が買ってつくる、そうじゃない。ほとんど持ち込んできている土地です。早い話が飛びついて買うということですね。しかも、これは契約方式を変えましたね。総代理人方式から個別契約方式にお変えになった。何がきっかけでお変えになったのですか。あとからこまかく承りたいのであります。
 そこで、いま問題になっているのは、個別契約方式に切りかえたあとの問題。デラックスな公団の建物から出かけていって草深い農家を――さっき申し上げた出張所的なところから、毎晩畑仕事の終わった諸君のところへ出かけていって苦労している職員ですね。その人の性格によるとおっしゃるけれども、人間なんていうのはそんなに強いものじゃないですよ。大臣時間がないですから、この時点では詳しく申しません、あとからこまかく申し上げます。したがって、そこの認識をまず変えていただかないと、住宅公団問題というのは全くどこからも手のつけようがないことになってしまう。したがって、まずそこらあたりをこれから申し上げたいのでありますけれども、時間がないようですので御退席いただいてけっこうでございますが、いま私が申し上げました持ち込み方式中心であることと、それから総代理人一人なら一人をきめておる方式から個別契約の方式に切りかえましたね。何が契機でそういうふうになさったのですか。
#20
○多治見政府委員 特に具体的な契機ということはないようでございますが、関係地主との直接交渉による個別契約方式にするということで変えたようでございます。やはり直接の持ち主であります地主と直接契約するのが一番常識的であり、当然であるということから、そういう方向で持っていきたいということで、逐次そういう方向に切りかえていくということであるというふうに考えております。
#21
○大出委員 警察庁の方おいでになりますか。もう一つ承りたいのですが、昭和四十五年つまり昨年の七月二日なんですけれども、千葉県の県警捜査二課と船橋の警察署、ここが日本住宅公団東京支所を用地買収にからむ贈収賄容疑ということで家宅捜索をおやりになりましたね。これは公団東京支所土地課の高木福雄という係長さん、この方が逮捕された。このときの用地買収の実際的な仕事を代行していたのは旭不動産という会社です。石塚昌男さんという社長さん。ここが宅建法にいう法定手数料の二倍近い一億五千五百七十五万円を不当に取得して、宅地建物取引業法違反、こういうことで逮捕されたわけですな。この事件を御存じでございますか。
#22
○高松政府委員 こまかい内容はちょっとあれですが、御指摘のように昨年の七月二日に検挙した事件が千葉にございます。二十六万円の収賄ということで関係者が処罰されております。
#23
○大出委員 こまかく御存じないようでありますから、これは私のほうで少し申し上げたいのでありますが、この中身というのは――なぜ一体仲介手数料の不正が出てくるかというと、公団側は仲介手数料は一銭も払っていないんですね。これは業者に頼んだ覚えはないと言う。不動産業者は何かというと、地主の代理人なんだ、公団は地主を相手にしているのだ、だから手数料を払わないのだというのが、調べてみると皆さんの旧来の国会答弁です。ところが、片一方は不動産業者ですからね、手数料を取らなければやっていけないんです。だから不動産業者の方はたくさんの地主さんと話をして、千葉でいえば、これは旭不動産、ここが地主さんを取りつけて代理人の形をとって公団と話をする。手数料だから向こうから取りなさい。普通なら持ち込みの土地を買うにあたって、これは向こうから取りなさいということでは話がつかぬ。公団のやり方というのは、一銭も払いませんから向こうから取りなさい、この方式ですね。
 具体的な例をあげますと、吉野喜一さんという五十八歳になる船橋高根町に住んでいる地主さんが、山林を約六千二百二十八平米持っておられる。これを五千二百十万六千三百七十六円で売却する契約を結んだ。ところが支払われた代金が四千五百二十一万五千二百八十円、契約金額はさっき申しましたように五千二百十万六千三百七十六円、そして受け取った金は四千五百二十一万五千二百八十円、つまり六百八十九万一千九十六円、これがつまり旭不動産の手数料、諸経費、こういうことで差し引かれて本人に渡されておるわけですね。だから契約した売却単価でいきますと、平米当たり八千四百七十円、ところが手取りは七千二百六十円しかない、こういう計算なんですね。これがみんなそうなんですから、地主さんのほうから警察に、どうも契約高からいって手取りはこれしかない、こんなふざけた話はないじゃないですか、何か不正があるのではないかといって船橋警察署に持ち込んだ、これがこの問題の出発点ですね。皆さんのほうは妙なことに、時あたかも住宅公団設立以来満十五周年記念、五十万戸目の入居者が千葉市の幸町団地にできたというので、林総裁から記念品を受けるなどというたいへんなお祭りを住宅公団はやっていたときなんですね。ある人の言っていることがここに書いてありますが、警察が調べているけれども、警察のほうに手が打ってあるから、だから業者だけでとまるだろうということで軽く考えていた。ところが、さっき私が申し上げましたように、高木福雄さんという係長さんが逮捕された。これで非常に周章ろうばいをした。当時の新聞もありますけれども、こういう事情ですね。つまり契約の方式、総代理人方式、こういう問題があって、皆さん国会なんかで答えておりますけれども、これはまずいというので個別契約方式に切りかえた。たいした理由はございませんがと言うが、たいした理由はありますよ。あなた方はちゃんと答えているじゃないですか。一体建設省の皆さんは住宅公団というものをどこまで御存じなんですか。
#24
○多治見政府委員 先ほど大臣がお答えいたしましたように、確かに用地の取得は住宅公団の事業の執行にあたっての一番大きな難点でございます。それで、設立当初から種々条件が変わってきておりまして、当初は確かに職員も整備しておりませんので、持ち込みによる土地を買うということを主体にしておりました。またその持ち込みも非常に数が多かったわけでございまして、いまから考えると夢みたいな話ですけれども、公団はその中から一番いいところを逐次買っていけばいいというような条件に置かれておったわけでございます。その後、用地事情、経済条件等変わりまして、公団自身も積極的に土地を入手しなければいかぬ。またその入手にあたりまして地方公共団体の意見、発言等いろいろ条件がございまして、公団としてはそれに応じまして、お話のように確かに持ち込みの土地を買うということをやっておりますが、理想を申し上げますと、公団の職員なり組織なりをもっと整備いたしまして、公団があらゆる土地を全部自分で調査して、その中から一番いい土地を買うということができれば、これは私どもも理想的だと思いますけれども、そういった職員、組織の整備がなかなかできませんので、一応持ち込みという形の土地についても買わざるを得ない、これが実態でございます。
 そういった理想と現実の姿の違いはございますけれども、その持ち込みの土地を買う場合に、先ほどお話がございましたように、従来はその土地について公団が選定権を持って、この価格で売りたいということで代理権を持った人が持ち込んだ場合に、では土地の条件その他を検討して買おうということで買っておればよかったわけでございますが、その後の事情の変化で、地主の総括的な代理権を持った人が持ち込んでくる場合に、総括代理人という形で来るわけでございますので、公団としてもそれについて、不動産業者であれば一定の手数料も払う必要があるであろうということで、四十四年から手数料を払うということに変えたそうでございます。そういったことで、一般的な用地事情の変化なり団地を建てる場合の公共団体の態度の変化なりといった事情の変化から、公団としてもそういった方向で用地買収の方式を逐次検討して改善を加えているというふうにわれわれは考えているわけでございます。
#25
○大出委員 ですから、いま大臣がおいでにならぬときに申し上げたのだけれども、宅建業法に基づく手数料がある。これは法律上あるのに、公団はすべて持ち込みを買っているにもかかわらずいままで一銭も払ったことはない。そこで公団側の言い分というのは何かというと――いいですよ、いま話しますよ。もう一ぺん言うから御心配なく。つまり、国会などで答えている公団側の言い分を議事録によって見ると、公団は不動産業者は一切相手にしておりません、この一点ばりですね、林総裁も。ところが、相手は至るところ全部業者ですよ。大きいところになると何百人も地主がいるのですから、いつの場合だって業者です。ところが、現にやっているじゃないかと言うと、業者は地主の代理だから、これはいわば地主なんです、したがって一銭も手数料は払ってもおりません、こういうわけなんですね。ずいぶんつらの皮が厚いといえばあれだけれども、馬耳東風から、馬の耳に念仏から、カエルの顔に小便から、調べてみると全く話にならぬ答弁です。よくぬけぬけとそんなことを言えたものだと思うぐらいなんですね。
 そこでやっていることは、いま一例をあげたのだけれども、公団創立五十周年記念だといって大騒ぎして喜んでいる最中に、日にちは昭和四十五年七月、いま警察の皆さんに承ったらそういう事件がありましたと言う。昭和四十五年七月二日に千葉県警の捜査二課と船橋警察署が、用地買収にからむ贈収賄容疑で日本住宅公団東京支所を家宅捜索をした。公団を家宅捜索した。そして公団東京支所の土地課の高木福雄さんという係長、三十四歳の方、この人を逮捕した。そして業者のほうは、旭不動産の石塚昌男さんという社長さん、この人が法定手数料の二倍近い一億五千五百七十五万円を不当に取得したということで宅地建物取引業法違反容疑で逮捕された。大騒ぎになっちゃったんですね。去年の七月です。
 これは一体どういうことかというと、いまもちょっと触れましたが、船橋市の高根町に土地を持っていた吉野喜一さんという地主さん、この方が約六千二百二十八平米の山林を五千二百十万六千三百七十六円で売却する契約を結んだ。ところがもらった代金は五千万どころじゃない。四千五百二十一万五千二百八十円しかくれない。契約高から見て六百八十九万一千九十六円足りない。これだけの五千万単位の土地で何と六百八十九万足りない。それでこの地主さんがほかの地主さんに相談して――とにかくみんなそうなんですよ。それで大騒ぎになって、これには何かあるんじゃないかといって船橋警察に飛び込んだのですね。それで宅建業法違反で業者だけが逮捕されるということになったのだけれども、警察その他にはしかるべく手を打ってあるとのんきにかまえていた公団が、自分のところの係長が一緒に持っていかれてしまった。先ほど申し上げたように、その価格差が何で出るかということで業者を調べていたら、公団は一銭も手数料を払わない。業者を相手じゃない、地主の代理人なんだから地主を相手にしているんです、こう言っている。だから業者は取るところがないから地主から取る。それが取るにもことを欠いて宅建業法の法定手数量の二倍以上も取っていた。不当利得を一億幾らも取っていた。さあ、これを調べていたら係長さんの一件が出てきちゃった。こういう事件なんですね。
 これらのことが契機になって、これは各委員会で、あまり専門的な追及とはいえませんけれども、議事録を読んでみると、それなりに事件が新聞に出たりすれば追及があるということで皆さん答えている。あの答弁を読んでみると、ここにたくさん入っていますが、皆さんもどこまで住宅公団なるものを御承知で答えておられるか、どうも疑問に思う。まさに住宅公団という大きな組織を群盲象をなでるがごとく頭だのしっぽだのをさわっている感じがする。だがしかし、このことを契機に皆さんのほうは総代理人方式の契約のしかたから個別契約方式に変えていった。
 個別契約方式というのはどういうことかというと、さっきの埼玉県の例でいえば、公団の職員の方が市原の開発事務所なるところに勤務をして、それは公団のりっぱな建物から開発事務所に持っていかれれば、それだけでどうもあまりいい気持ちはしない。草深いところだし薄ぎたない建物ですから。さてそこから今度、農業をやっている皆さんのお宅へ夜出かけていって、畑の終わったあとの皆さんを口説く。ところが村というのは、選挙をやったって部落選挙の名がつくとおりおのおの筋々がある。親分がうんと言わなければこっちの地主もうんと言わない。だから何とかかんとか親分を口説こうとすれば、朝から晩まで手をついて、それこそ一晩手をついてお願いをして、つけ届けば幾らか握りであげて、そして次の子分のほうに話をしてもらう。それを毎日やっていくわけですよ。夜、夜中までかかって毎日やって、夜が明けてしまうこともある。しかもこれは公団の職員ではできない。なぜできないかというと、公団なんというのは、その親方に百万なら百万持って行ってぽんと預けて、それじゃおれが口きいてやろう、十人の地主をおれがまとめてやるという、その百万なら百万の金を握らして預ける金がまず公団にはない。ついて行った宅建業者が払う。しかも公団のその職員の方といまの接待マージャンもそうですよ。みんな負けたって勝ったって、接待マージャンというのは業者が払うのですから。ここらで使った経費も、全部これは不動産業者のほうの諸経費に入っている。そういうかっこうで、これは夜が明けた、さあお互いくたびれて帰ってきて、お茶でも飲もうから始まってだんだんエスカレートしていって、お酒の好きな人なら、居酒屋の飲み屋から始まって、キャバレーから料理屋まで行ってしまうわけですね。これは全部経費なんです。それはみんな業者のつけですよ。これは全部業者の諸経費です。こういうかっこうで、それは本人だって夜、夜中に百姓さん相手に頭ばかり下げていれば、大ボス、小ボスを相手に一生懸命頭ばかり下げていればいやになってしまう。いかに思想堅固だってくたびれもするしいやにもなる、ぐちもこぼしたくなる、つい酒も飲みたくなる。思想堅固だから、おれは公務員だからというので業者の誘惑を断わっていても、何回となく年じゅう一緒に歩いているのですから、
 エスカレートしないほうがおかしい。最初は割り勘、割り勘からだんだん向こうのつけになっていく。そこまで行ってしまうと、一ぱい飲んじゃうということで、これは深入りをしてしまえば最後までつき合ってしまうということになるわけです。そういうかっこうで、警察の方は、ただいま捜査中だというのでそこから先おっしゃらないけれども、マージャンに出ていた人の名前はわかっている。この次の機会に資料をいただいてから申しますけれども、そういう意味で私は、きょうは大臣がどういうふうにお考えになっているかをまず承ろうと思って、本番の前座をいまやっているつもりなんです。だから大臣がさっきお答えになった実情とは違う。この現実をほうっておけば、では一体それらの諸経費というかっこうで出てくる不当利得はどこがかぶるかといえば、結果的に入居者がかぶるのです、地主がかぶるのですよ。国の事業として公団をこしらえてやっている限りはそういうことを放任はできない。そこを私ははっきりしておいていただきたい。抜本的に考え方を変えなければならぬ第一の点です。用地買収にからんでここを一体どういうふうにすればいいのかという点です。これは大臣にお考えがあれば具体的に承りたいのです。いま私が申し上げたのが現実なんです。それを一体どうすれば公団の職員の立場、さて建った公団の家賃が高くなるのは、ほかにも原因がありますが、そっちにかぶっていく入居者さんの立場、中間業者にもうけられる地主さんたちの立場、そこらも含めて一体どうすればいいかということ、しかも土地はほとんどが持ち込みです。計画的に国がこの辺に買収計画を立ててやろう、そんなことをやってはいないのです。そこで私は念のために出しておいていただきたいのでありますが、さっき申し上げたように、七百三十三団地、これは建てるのに三年から四年かかるのがざらにある。大阪の光明池みたいな例の問題などは先々どうなっちゃうかわからぬ。いま大臣は必ずしも持ち込みというお答えはなさらなかった。これだけ建てた団地の中で一体何年ごろから持ち込みが多くなったかという問題もある。したがって、持ち込み、そしてあなた方は相手にしないとおっしゃるけれども、実際にはそこはみんな不動産業者なんだから、そういうかっこうで買っている土地が七百三十三団地のうちでどのくらいあるのか、そこらのところを実は私は資料にしていただきたい。ここに千葉県の例がありますが、千葉県の例でいくと船橋市の周辺わずか何キロというところにたくさん団地がぽつんぽつんとできてきた。名前を申し上げますと八千代台という団地。これは百八十戸であります。三十二年二月、京成八千代台駅から徒歩八分。大久保という団地、二百二十四一戸、これは三十二年三月、習志野市の本大久保というのですか。それから前原という団地、千四百二十八戸、これは三十五年の十月、船橋市の前原です。高根台という団地、四千六百五十戸、たいへん大きなものでありますが、これが三十六年十一月。習志野台という団地、千八百二十戸、四十二年の一月。袖ヶ浦、これもいろいろ問題があったところです。これが二千九百十六戸、四十二年七月。若松二丁目という団地、これも実は汚職が渦巻いた団地、おまけに公害団地です。若松二丁目という団地のいきさつの資料がたくさんありますけれども、これが千五百四十戸、四十四年六月、船橋市若松町二丁目。これは京成センター、競馬場前。金杉町、これが四十五年の秋、千五百三十七戸。四十六年、本年までの予定が、飯山満というのか何か知りませんけれども、三千五百戸、こういうふうにわずかこの三十二年から四十六年までの間に、きわめてわずかな地域にぽつんぽつんとみなできてきている。これは全部ほとんど持ち込みですよ。これはあなた方が公団の実情を詳しく御存じないから見当はずれな答え方をなさるのだけれども、資料があってものを言っているわけです。したがいましていま申し上げたこの十の中で、幾つもこの中で事件が起こっている。こういうことをほっておくわけにはいかぬですよ、ここまでくると。いま私が申し上げた用地取得の方法、それにまつわる公団の職員のあり方、金銭的なしわが家賃にはね返ってみたりあるいは土地の所有者にはね返ったりしてきて、不動産業者がどんどんもうけていく、利権が重なり合う、政治家が介入する、こういうことについて、大臣一体どういうふうにお考えになっているのか、基本的なものの考え方をまず承りたい。
#26
○根本国務大臣 いまいろいろ御指摘になりましたが、実は率直にいって私はそういうようなことをやっているとは思わなかった。したがいましてまず事務当局に、従来の土地の取得、そのために起こるいろいろの疑惑、あるいはまたそのために起こる不当なる利益を何人かに与えているかどうか、これを十分に検討して、その上そうしたものを防ぎつつ、しかもできるだけ低廉にしてまとまった土地が入手できる方法を公団の首脳部と住宅局をして検討させます。それに基づいてでなければ、私しろうとだから、いまどうこうということはかえって不適当だと思いまして、これは住宅局のみならず、建設省は昨年来――ややともすればいままでの官庁というものは各縦割りの行政ばかりやって、住宅局は住宅だけ、河川は河川、道路は道路という、これではいけない。そこで建設行政については建設省としてのまとまった一つのチームワークで、ある意味における参謀部的なもので、各局にまたがる一つのプロジェクトチームをつくってものごとを本格的に検討して、しかる後その結論に基づいて各局が動くようにするような実は機構をつくらせました。したがいまして、この問題はまことに重要な問題でございまするので、次官、審議官を中心として、用地取得の問題についてさっそく専門的にこれを検討させることにいたして、それに基づいて従来の欠点、改善すべき点、どうしたならば新しい手法でそうしたことが是正することができるか、さっそく検討したいと思います。
#27
○大出委員 いま私の申し上げた中で若松二丁目の団地、この団地の家賃が二DK型、これは昨年の七月の数字でございますが、一万五千百円から一万八千円、三DK型が一万六千七百円から一万七千四百円、これは他の団地に比べてみて非常に高い。なぜ高いというふうにお思いでありますか。なぜこんなに高いのですか。
#28
○多治見政府委員 この家賃が特別に高いというふうな点で、いままで検討したことがございませんので、すぐにはお答えできませんが、やはり立地条件がいいということが一つの家賃に影響しているように考えられます。非常に交通の便がいいし、立地条件としていいところにありますので、したがって地価も高く、家賃にそれが若干ほかの団地に比較して響いているということであろうと思います。
#29
○大出委員 そんなことを言ってはだめですよ。知らないで聞いているのじゃないのですよ。いいかげんなこと言いなさんな。習志野のさっき申し上げた袖ケ浦のほうは、二DKが八千六百円から一万八百円、ずいぶん違うでしょう、同じ二DKで。若松二丁目は一万五千百円です。三Kが袖ケ浦のほうは一万一千九百円から一万二千五百円、これもずいぶん違うでしょう。袖ケ浦が三DKが一万二千九百円から一万三千八百円。何が一体こう高くつくか。一番大きな原因というのは地価ですよ。風光明媚じゃないですよ。ここの土地が高くなった理由がここにあるのです。業者は、これは有名な政商といわれて、ある意味で悪名高い朝日土地興業の丹沢善利さん、当時朝日土地興業がこの船橋の六十万平米の埋め立て権を独占をしたんですね。そして自分で埋め立てた土地の一部、二十万平米を千葉県から一万一千八百五十円でまず買い取った。そしてその年の八月四日に千葉県開発公社、これは理事長は友納武人、千葉県知事ですよ。自分が埋め立て権を取って埋め立てた六十万平米の土地を、これを自分が、つまり埋め立てた会社が二十万平米を千葉県から坪一万一千八百五十円で買ったのです。買っておいて何をやったかといえば、逆に千葉県の開発公社に売ったのです。こんなばかな話がありますか。理事長は友納さんですよ、千葉県知事。そのときは一万一千八百五十円で買い取った。それを坪二万円で売ったのです。それから四日しか過ぎていない四十一年八月八日ですが、日本住宅公団は、この土地を千葉県開発公社から二万五千円で今度は買ったのです。たった四日間で土地が一ぺんに五千円はね上がるというばかな話がありますか。しかも、朝日興業が自分で千葉県から埋め立て権を無償でもらっているのです。埋め立てて、そして今度は千葉県から自分で埋め立てたところを二十万平米買って、買った価格は一万一千八百五十円、それをその年の八月四日――一月に自分で埋め立てた土地を買っておいて、その年の八月、七カ月しかたってない。一万一千八百五十円で買ったものを、千葉県の開発公社、これは千葉県知事が理事長、ここに二万円で売った。それから四日たって、四十一年の八月八日、今度は日本住宅公団が千葉県の開発公社から、二万円で買ったものを今度は二万五千円で買ったのですよ。四日しかたってない。だから通算すると、これは土地が二割五分上がってしまっている。この千葉県と千葉県の開発公社、もう一つの業者は朝日土地興業、これが埋め立て権を独占をして――政治的に千葉県からもらったかもしれぬけれども、そして自分で埋め立てたところを千葉県から一万一千幾らで買っておいて、それを今度は七カ月たたぬのに開発公社に今度は二万円で売って、四日たったら日本住宅公団に売った。買う公団も公団だ。それで二割五分も土地がはね上がれば、家賃が高くなるのはあたりまえでしょう。そんなことで入居者は一体どうなるんです。私はうそを言っているのじゃない、内閣委員会の席上でこれを言っているのだから。何も知らぬで見当違いの答弁したら困るですよ。
#30
○多治見政府委員 いまお話しの若松町の土地の問題でございますが、参議院の内閣委員会でも同様の御趣旨の御質問が前にあったようであります。そのときの公団のお話によりますと、公団といたしましては、公団が買収いたしますまでの経緯その他についてはよくわかりませんが、不動産鑑定の評価を権威のある三者に依頼して、その鑑定評価に基づきまして、その評価の範囲内で、将来の立地条件その他も勘案して妥当な地価であるということで買ったようでございます。
#31
○大出委員 質問した人も答えた人も知っておるけれども、ものごとというのは質問する人と答える人にそれぞれニュアンスの違いがあるのです。四日間で不動産鑑定のしかたが違いますか。違うはずないじゃないか、五千円上がっておるのも。そうでしょう。事は公の機関ですよ、開発公社というのは。いまあなたはそういうお答えになるのなら、そのときの鑑定資料をこの次までに全部出してください。私は、この次行政管理庁長官に質問するときに、公団の機構の大きな問題がありますので、そのときにあわせて質問したいので、いまの点は、そこまでお答えになるのなら出してください。四日間でなぜこれだけ違うのですか。四日やそこらで鑑定できませんよ。
#32
○多治見政府委員 鑑定の資料を資料として提出いたします。
#33
○大出委員 大臣、先ほど検討させるとおっしゃいましたが、私が申し上げた日にちは、うそを言っておるのではないですよ。いいですか。それは価額をどう評価するかということはおのおの理論づけをしなければならぬでしょう。だから、その点は私はとやかく言わぬから、資料を出していただければ、私は納得できればそれでいい。いいけれども、常識でお考えになればわかるのですよ。同じ土地を、自分の埋め立てた土地を千葉県から一万一千八百円ばかりで買っておいて、八月になって今度二万円で同じ買った先の開発公社、しかも千葉県知事が理事長でしょう。そこにわずか半年かそこらで、一万一千円台で買った土地を二万円で売った。それから四日たって――四日間でいかに鑑定しろといったってそんなものできやしません。それも四日間でまた五千円上がって公団へ二万五千円で売る。こんなばかな話がありますか。これは公の機関じゃありませんか。そうでしょう。そういうことを平気でやらしておく住宅公団なんてないほうがいい。私は、ここで全く住宅公団なんてつぶさなければならぬ、ろくなことしなければ。それこそでたらめなやり方ばかりやっておる。いいですか。あなたこの売買した事実を否定できないでしょう。あなた方だって、建設省においでになるのでしょう、土地の評価というのはいかなるものかぐらい御存じでしょう。私もそれは全くのしろうとじゃない。私は、社会党の市長をかかえている横浜におるのですからね。年百年じゅういろいろな土地の問題も出てくる、いろいろなことにずいぶん立ち会ってきておりますから、知らぬわけじゃない。開発公社もつくりましたよ、横浜には。そうでしょう。こんなばかなことが大手を振ってまかり通る、そんなふざけた答弁はないですよ。大臣何か御意見はありませんか。
#34
○根本国務大臣 先ほど申し上げましたように、私ははなはだ不敏にして、政策のことは一生懸命やっておりますが、そういう実務のことは、いま初めて聞いて、私も非常にこれは考え直さなければならぬ、しかし、しろうとの私がいまどうこうするということはかえってなかなか危険です。そこで、先ほど申し上げましたように、住宅局のみならず、次官、審議官を中心として、公団の今日までの土地の取得の方法について、過去においてどういうところに問題点があったか、これを改善するにはどうしたほうがいいかということを、ひとつ期限を切って検討させたいと考えております。それに基づいて、改善すべき点が多分にあると思いますから、それは、私は、合理的だと思う点を指示して、これは公団をしてそういうふうに改善させるようにしたい、こう思っております。
#35
○大出委員 住宅局長さん、参議院のほうへおいでください、けっこうですから。私は、どうせこれは山ほどありまして、これでやめる気はないのです。あなたはさっき参議院の内閣委員会でとおっしゃったけれども、私もそれをよく読んでおりまして、あれじゃ困るので質問をする気になったのですから、たいていのことは知っておりますから、あとから質問します。
 じゃ大臣いいですか。政策通であって――私はいつかもつい口がすべって出て御無礼を申し上げましたが、私は実は二十四、五年に官公労の事務局長をやっておった時代に根本大臣をよく知っている。いま十三年前の建設大臣の話をされましたが、その時代も知っている。だから根本さんが大臣をおやりになっている、しかも建設大臣をおやりになっていて、私がしろうとでと言われたんじゃ、これはどなたが大臣をおやりになったって、これ以上、しろうとじゃなくて何と言えばいいのですか、そういう大臣は。ずぶのしろうとということばはありますが、これはずぶのまた先のしろうとだ。そういう根本さんが大臣をやっておられて、私がしろうとだと言うについては、私はもうそれは何とも言いようがないですな。
#36
○根本国務大臣 これはことばの使い方が……。私が建設大臣としてしろうとだと言っていることじゃない。土地の入手、それからいままでの公団のそうした、あなたが御指摘なさったことについて、いま直ちに判断するだけのあれがない。したがって私がここで思いつきを言っても、これはかえってある意味において誠実性がないことだ。だから、これは事務的な手続に非常に関係があることと思います、したがって私は、住宅局長のみならず、建設省の審議官、次官等を中心として、公団の土地取得についていままでの実績を調べた上、どこに弱点があるか、どこに一般国民から見て疑惑と思われるような手法上の欠点があるか、これを改善するにはどうすべきかということを検討さして、しかる後それについて私が政治的判断をして改善をしたい、こう言っていることでございまして、その意味において土地の入手問題については私はよくわからない、その意味でしろうとだ、こう言ったことでありまして、その点はどうぞひとつ……。
#37
○大出委員 根本さん建設大臣をやっておられてしろうとだと言われたのでは、ほかの方はそれこそ大臣といえぬことになってしまいますからね。これはまことに困るので、ひとつ御訂正いただいておきたいのであります。
 そこで警察の関係の方にもう一件だけ承って、あと御退席いただきたいと思うのでありますが、これは近いのです。四十五年の七月二十二日に、警視庁の捜査二課が日本民主党木崎茂男さん――民主党でございますから古いんでございます。いまの皆さんには関係ないのでありますが、これを詐欺容疑で逮捕しましたね。中身は木崎産業という会社があって、住宅公団を相手に取手の井野団地というところ、茨城県です。ここで二十万一千五百平米の土地を五億四千百六十八万円で公団が買収契約を結んだ。時期は昭和四十二年五月三十一日。このときに木崎さんという方が経営をする木崎産業、これが地主の、さっき申し上げました総代理人になったのですね。通常総代理人はいままで一人なんですよね、何百人地主があっても。で、この総代理人になりまして、前歴がものを言ったのだと思いますが、そこで買収資金のうち約千五百万円をピンはねした。それからもう一つ他に公団の買収予定地を一部先買いをしたということで、これはほかにも神奈川でも問題があったのです。神奈川に浜見平という団地がございまして、ここでも同じようなピンはねがございまして非常に大きな問題になったわけでありますけれども、こういう事件があって、これは警視庁は逮捕されているわけであります。したがって、さっき私昨年の七月の事件を申し上げまして、またいまこれは、やはり昨年の七月二十二日でありますが、これはもう捜査結果ははっきりしているのだと思うのでありますが、この辺のところはどんなふうになって、どういう決着がついたのでございますか。
#38
○高松政府委員 手元に贈収賄事件の資料だけしか持ってまいらなかったものでありますから、それ以外の問題についてはちょっといま記憶しておりません。もし必要があれば、後ほど調べて資料を差し上げたいと思います。
#39
○大出委員 この法律が上がる一番最後のときに、大臣に多少の時間をいただいてものを申し上げて決着をつけさせていただきたいのであります。したがって、そういう意味で私先ほど二つの刑事事件を申し上げましたが、あまりはっきりした御回答ではないので、できればその間に警察関係の皆さんからどういう結果になったかという点をお知らせいただきたいし、できれば資料もいただきたいのであります。その辺でひとつ、お忙しいところをお呼び立ていたしましたが、御退席いただいてけっこうです。ありがとうございました。
 そこで、これも大臣、やはり片や相手方は住宅公団でございまして、次から次に近年こういう問題ばかり山積してきたのでは、近い事件を申し上げたのですが、これだけで三つございますから、これではまことに困る。何とかしなければこれはえらいことになるというふうに思う。ところがもう一つここに、東京の日野の日本住宅公団の高幡団地、ここで鉄筋五階建の住宅の五階のベランダが割れて、放置するとベランダがそっくり落っこちるという事件が起こっている。私はある人に聞いてもらった、大騒ぎだったそうですよ。この団地はでき上がったばかりなんです。七十三棟、千七百八一尺去年の四月から十一月にかけて入居したばかりなんですね。それこそ落ちたら死人が出るというたいへんな騒ぎ。これは大事故になる寸前ですよ。これは住宅公団東京支所でとりあえず各階のベランダを二十四本ずつ、計九十六本の鉄パイプでささえた。冗談じゃないですよ、できたばかりの団地。こういうことが次々に起こってしまったのでは、まさに住宅公団なんというものは、全く新しい構想で出直していただかぬと、ここまでいいかげんなことばかりやっていたのでは、おさまりがつかぬ、こういうふうに思うわけであります。これは大臣ひとつ……。
 これは三月十六日に新聞が取り上げたので、私は関係の方々に聞いてみた。そうしたらたいへんな騒ぎなんですね。それこそ団地から出ていくと言う人まで出てきた。どこがいま割れるかわからぬという騒ぎですよ。九十六本のパイプを持っていって縛ったという、お粗末な話ですよ。去年の十一月ですよ、入居したのは。まだ三、四カ月しかたたない。全く何をやっているのかと言いたくなるのですがね。用地買収だの何だので、最近実は業者の方に聞いてみたら、五百円から千円の単位のところを住宅公団というのは、一生懸命値切るというのだ。よっぽど資金が苦しいのでしょう、倒産寸前じゃございませんか。調べてみたら、住宅公団というのは倒産寸前だ。借金の利息を返すのに毎日追いまくられている。だからこういうことができ上がる。三月十六日ですからお調べください、大臣。間違いないです。たいへんな事故が起こるところです。調べてみればわかりますよ。団地の女の方に聞いてごらんなさい。それこそ出たいと言う、そういうわけですよ。
#40
○白川説明員 これにつきましては、先生御指摘のようにそういう問題が起こりました。そこでさっそく住宅公団に調査を命じまして調べました結果、原因ははっきりいたしませんけれども、ベランダの底の鉄筋が位置が若干ずれ下がっておる、こういったことが一応判明したわけでございまして、これは配筋の段階では十分な検査をいたしましたけれども、コンクリートを打つ際に、作業員がその鉄筋を踏みまして、その結果鉄筋が若干下がっておる。鉄筋が下がりますと、鉄筋の張りの張力が低下いたしますので、その結果本来の耐力がなくなったのではないか、こういう推測をいたしております。そこで住宅公団といたしましては、居住者と相談いたしまして早急に補強の手続をとっております。工事といたしましては約二カ月かかりますので、若干入居者に御不便をかけるかと思いますが、一応二カ月ほどの工事をやりまして、十分もとどおり復元する、こういう見通しでございます。したがいまして、今後はそういうことのないように鉄筋の張り、それからコンクリートの打設につきましてはもう少し慎重にやるように十分注意をいたしております。
#41
○大出委員 これは大臣、私はいま現象形態を追っかけている形でものを言っているのですけれども、少し大臣に御認識をいただかなければならぬと思って、きょうは時間のむだのつもりでものを申し上げているのだけれども、このことについても大臣は御存じない。こうなると、私は監督責任というものを建設省はどう考えているのかという気がするのですよ。いまの御説明そのまま承っておきますけれども、あるべきことじゃないのだ、そんなことは。仕事をする人夫が、鉄筋の筋の配置の段階で調べて間違いないというので、ちょっと乗っかってずれたから、そんなことを言っちゃった日には、そこらみな何になっちゃうかわからぬじゃないですか。人が一人乗っかったらずれちゃった、そんな程度のものはコンクリートを打ったっていつ落ちちゃうかわからぬ。推測でございます――推測でございますがという手はないでしょう。そうでしょう。私は昨日、ちゃんとこういうところの団地のこういう事件ですから、納得いくようなお答えを願いたいということを、委員部にきわめて丁寧に、場所から何から全部申し上げてあるのですよ。にもかかわらず、いまのような御答弁ではどうも困るですね。やはり責任の所在は一体どこにあるのかということをはっきりしていただかぬと、これは人が死んだりしなかったからいいようなものの、いまお話しのとおり落っこっちゃうじゃないですか。たいへんなことになる。そうでしょう。あわててパイプを持っていって縛りつけた。調べてみると、人がこうやったって動くというのだ。できたばかりの団地でそんなばかなことがあるべきじゃないですよ。そうでしょう。何かがそこになければそんなことばかり起こりませんよ。そこを私は言いたいわけですよ。土地の価格だって、例の大阪の光明池事件がございましたね、御存じの。あれはピンポン方式なんですよ。こっちからこっちに売る。三日たったらこっちからこっちに売る。いわゆる大橋事件ですよ。売っているうちに一々マージン取ってくるわけですから、高くなって、最終的に住宅公団。買うほうも買うほうだが、中に入ってものを言う政治家も政治家だけれどもね。そうでしょう。それはあなた、水も何もない山のてっぺんのところに買っておいて、あれはどうなったのですか、最近は。あの光明池事件というやつはまだあのまま置いてあるのですか。何かつくったのですか。
#42
○白川説明員 私は所管でございませんけれども、大体用地買収が、若干中のところに買収できないものが残っておりましたけれども、最近の見通しでは、全部買収できる見込みがつきましたので、近く工事に取りかかる、こういう段階でございます。
#43
○大出委員 うそばかり言っちゃいかぬですよ。全部買収できちゃったら建てなければならぬ。あそこは建たぬのだ、水その他何にもないのだから。だから買収できないところを千五百平米ばかり残しておいた、皆さんのほうは。まだ買収が済んでおりませんから、済んでおりませんからで何年たつのですか、一体。あれだけ大騒ぎになって、わざわざ残しておかなければ、買収しちゃったら建てなければならぬことになっちゃうのですから、今度は皆さんが困っちゃうですよ。もう少し置いておかなければだめですよ。千五百平米くらいはまだ買収できませんと言っておかなければだめですよ。そういうことばかりやっておる。そこらのところもどこがどういうふうに買収が可能でどうなったのか、資料をくれませんか。買収しちゃったんでは建てなければいかぬが、建てたら入った人が気の毒だから、どうなったのか、そこらのところはひとつお知らせください。
 そこで具体的に承りたいのですが、住宅公団の資金というのは四十五年、四十六年は一体幾らでございますか。
#44
○白川説明員 四十五年度における住宅公団の資金は、総額で六千三百三十億円でございます。四十六年度は九千百五十九億円でございます。これは事業費でございます。
#45
○大出委員 元利返済総額は、借り入れ金その他一切を含めて四十五年、四十六年幾らになりますか。
#46
○白川説明員 四十五年度における償還元金が九百七億でございまして、利払いのほうは七百十三億でございます。
#47
○大出委員 いまのは何年度でございますか。
#48
○白川説明員 四十五年度の計画でございます。
#49
○大出委員 これは三分の一近いとは言いませんけれども、事業費が六千三百三十億でしょう、それで千六百二十億円の元利償還をしているわけですか。そうなりますな。四十六年度はどういうことになりますか。
#50
○白川説明員 四十六年度は予定でございますが、償還元金は千六十億、それから利払いのほうは九百三十億予定いたしております。
#51
○大出委員 九百三十億も払っちゃうのですか。これではまるっきり利息を払うのに一生懸命になっている勘定ですな。一年間で九百三十億の利息も払うのですか。これで二DKを建てておったら、九百三十億で何戸くらい建つか御存じですか。
#52
○白川説明員 一戸当たり三百万といたしまして三万戸でございます。
#53
○大出委員 あなた六百億だって二万戸建つんですよ。九百億だと三万戸だ。二DKのうちが三万戸建つのを毎年利息で払っちゃっている。こんな企業が世の中にありますか。一日一億で利息が三百六十億ですよ。三百六十億では足りない、九百三十億払うというんだから。一日二億払ったって七百二十億円ですよ。そうでしょう。へたすれば一日三億円になっちゃうじゃないですか。住宅公団が毎日毎日二億も利息を払っていたんではどういうことになるのですか。それで政府企業ですかね。入居者の立場になってごらんなさい。どこへ行っても最近家賃が高い高いと言ってこぼし抜いている。これで家賃が高くなければおかしいのです。大臣、この辺のところはどうお考えですかな。
#54
○根本国務大臣 御承知のように、住宅公団は一般経費でやらずに財投資金でこれをやっていく。そして、特に入居者の負担を少なくするために、年五分になるように利子補給をしておるのであります。これはあるいはあなた方と発想を異にするかもしれませんけれども、要するに現在では税金をもって建ててやるというところまでは踏み切っておりません。したがいまして、いまの年五分という利子は一般の通念として比較的安い資金ですが、その資金でできたものに入居していただく、こういう方針をとっておるわけでございます。したがいまして、事業量が多くなれば、なるほど利払いが多くなるということでございますが、そのために入居者に転嫁しているということにはならないと考えているのでございます。
 これには無利子の資金をふやして単価を下げるという方法と、利子補給をして単価を下げるという二つの手法があるけれども、一般会計から相当多額の無利子の金をつけるよりも、財政運用上はむしろ利子補給したほうが事業を拡大していくためには適当である、こういう財政判断の結果、現在は利子補給制度をとっておる、こういうことでございます。
#55
○大出委員 そういうお答えをなさるところを見ると、大臣、あなたあまり知らぬですな。それでは一つずつこまかく聞きましょう。
 公団の資金でございますけれども、昭和四十五年を境に利息のつかない金というのはなくなりましたね。つまり政府資金というのはただで借りられる金ですよ。めんどうくさいから私のほうからちょっと数字を言いましょう。昭和四十三年度が概算で百億です。四十四年度二百十六億円、四十五年度が四百十二億円。ここで打ち切ったのですね。その後ありませんな。そうでしょう。答えてくださいよ。
#56
○白川説明員 御指摘のとおり出資金は四十五年から――失礼いたしました。四十一年度から打ち切っております。
#57
○大出委員 少し歴史を申し上げておきますが、資本金が七十二億だったのが、四十五年度で七百八十二億円ですね。そうでしょう。そして職員数が旧来八百七十九人から始まったものがいま四千三百人、約五倍くらいになっていますね。
 そこで、一つずつ聞いたほうが早いのですけれども、政府の出資金というものはどんなものをさしますか。
#58
○白川説明員 昭和三十年度から四十年度までにわたりまして政府から住宅公団に出資いたしましたのは七百六十八億でございます。その後土地の現物出資が若干ございますので、全部足しますと七百八十四億になります。
#59
○大出委員 いま現物出資の話をなさるからあれですが、ほんとうにわずかじゃないですか。微々たるもんですよ。それでもお話しになるんですから、それもあとでひとつ資料をくれませんか。
 そこで、昭和四十年度に九十五億の出資金。出資金はこれが最後ですね。これでおしまい、間違いないですな。――次に政府借り入れ金、これはどうなっていますか。
#60
○白川説明員 四十四年度末における政府借り入れ金の残高は三千八百四十七億でございます。
#61
○大出委員 四十四年末で幾らですか、もう一ぺん言ってください。
#62
○白川説明員 四十四年度末の残高で三千八百四十七億強でございます。
#63
○大出委員 この政府借り入れ金はどういうものかというと、これも私のほうから言いますけれども、郵政省がいま窓口を持っております簡易生命保険及び郵便年金資金、大蔵省の管轄する資金運用部資金、郵便貯金特別会計の積み立て金、国庫余裕金というふうなものが入っていますね。そしてかつて利息は年に六分五厘と七分。そうですね。五年据え置きの三十年償還、この条件で資金を借りている。この利息も前は四分一厘ですよ。私も郵政省出身ですからよく知っている。いまはそうなっていない。六分五厘と七分と二つあります。これを借りている。大臣は五分とおっしゃるけれども、決して五分じゃない。これが政府借り入れ資金ですよ。それがいまの御説明によると四十四年度末で三千八百四十七億だとおっしゃる。
 それから民間借り入れ金、これはどうなっていますか。
#64
○白川説明員 民間借り入れ金につきましては、四十四年度末残高で三千九百二十三億強でございます。
#65
○大出委員 これは生命保険会社二十社、それから信託銀行七行、ここから借りていますな。間違いないですな。
#66
○白川説明員 はい。
#67
○大出委員 事業資金として住宅公団が借りるのは年利七分四厘と七分六厘、半年据え置きの七年返済、間違いないですか。
#68
○白川説明員 民間資金の借り入れにつきましては昨年度、条件が改定されまして三年据え置きの十年償還、それから金利は七分七厘と七分九厘、この二種類でございます。
#69
○大出委員 そうすると七分四厘と七分六厘が七分七厘と七分九厘に上がったのですな。大臣、五分どころじゃないじゃないですか。
#70
○根本国務大臣 いや、私が言ったのは、利子補給をして五分になるようにしておる、こういうことです。
#71
○大出委員 そうすると利子補給を差し引いてですな、大臣。だから金利は上がった。半年据え置きの返済期間七年を、三年と十年にした、こういうことですな。
 それから住宅債券、まあ政府保証債ですね。これはどうなっていますか。
#72
○白川説明員 住宅債券につきましては、四十四年度末の残高で千四百二十八億強でございます。
#73
○大出委員 この利息は年七分四厘ですが、これは変わりましたか。
#74
○白川説明員 ちょっと正確でございませんが、たぶん変わっていないと思います。
#75
○大出委員 それでは七分四厘です。
 そこで、いま大臣がおっしゃる利子補給金というのは、運用を含めましてどういうふうになっていますか。――時間がないから、私のほうで言いましょう。利子補給金は四十年から四十四年で約六十億出ています。それから四十五年は約二十億。ところがこの利子補給金の払い方は変わっている。精算払い方式じゃないですか。それを答えてください。
#76
○白川説明員 御指摘のとおり、精算払い方式に変わっております。その理由は、あらかじめ住宅公団の事業の進捗がなかなか予測できませんので、したがいまして精算払いということに切りかえたわけでございますが、公団の住宅経営上からは何ら支障がないように承知いたしております。
#77
○大出委員 そういうときには、たいへん苦労していますとおっしゃらなければだめですよ。きょうは大蔵省その他呼びませんでしたが、いまのところはたいへん苦労しておる点ですと言わなければいけませんよ。中身を言いますが、これはあなた方も四苦八苦している。なぜかというと、精算払い方式というのは御存じのとおり建築終了の時点をさしている。そうでしょう。それが精算払い方式です。そうすると、皆さんのものは一番短くたって二年、普通三年かかるのですね。そうすると、利子補給のタイミングというのは二年なり三年ずれなければ出ない。これだけ大きな金だから、タイミングが三年ずれてしまうためにあなた方は資金繰りに四苦八苦している。実は私もよく知っているのです、皆さんのところにも労働組合だってあるのだから、天下りの方々ばかりじゃないのだから。あなた方は非常に苦労している住宅公団をかかえている、その監理責任を持っておられる方々なんだから、やはり公団の側に立ってものを言ってくれないと……。あなた方は大蔵省に行ったって、ばたばたみんな削られて帰ってきて、こんなに冷たいものかと嘆いておられるのに、こういう席へ出てくると、全く支障がなくいたしておりますなんということを言っちゃだめですよ。大臣は五分というけれども、決して五分に回っていない。三年ずらしてごらんなさい。これだけの利子補給金がどうなるとお考えですか。それは数字に強い大臣のことだから一ぺんにわかると思うのです。五分で組んで三年ずれたらどうなりますか。そこにますますもって住宅公団を苦しくしている理由がある。しかも政府出資金なんというのは四十年で切っちゃった。そうしておいて利子補給というけれども、精算払い方式に切りかえちゃっている。そうすると、住宅公団は民間企業と同じようなことを考えなければやれないから、さっき申し上げたように、坪単価についても五百円でも千円でも値切ろうとする。これは業者が一様にそう言っていますよ。こんなにみみっちいものかと言っている。それでも仕事がほしいからやるのですから、とんでもない工事ミスが出てくる、こういうことになるでしょう。ここのところ、大臣どうお考えになりますか。
#78
○根本国務大臣 利子補給の精算払いの結果資金繰りが苦しくなることは理の当然だと思います。そういう点も十分に検討さして、今後十分に合理化するように財政当局と折衝さしたいと思います。
#79
○大出委員 公団の自己資金調達はどうなっていますか。
#80
○白川説明員 自己資金といたしましては、四十四年度末残高で約四百億でございます。
#81
○大出委員 これも大臣聞いておいていただきたいのですけれども、自己資金というのは住宅公団が自分の力でつくれなければならぬ資金なんですが、代金先取りで現物あと渡しという積み立ての分譲住宅の住宅債券だとか宅地債券の積み立て金などが充てられているのですよ。それからあき家家賃だとか集会所使用料とか団地サービスの出資金配当、ずいぶんみみっちいのですね。全事業資金に占める比率というのは一〇%強なんです。ところがこのために入居者というのは非常な不便を与えられている。わずかでも団地収入をふやさなければというので四苦八苦しているでしょう。だから分譲住宅なんかも、金を払って、一生涯の住み家というので住んだ人もたくさんいるのだけれども、それが住宅管理というかっこうで、あっちでもこっらでも――昨年私具体的な例を取り上げましたが、団地組合なんかできて、公団の出張所相手に大きなけんかになってしまうのはそこに理由があるわけです。だからそこまで考えなければならぬところにきている。いろいろな意味で、資金面からいっても住宅公団というのは私はピンチだと思うのです。
 問題はさっきの話の利息です。四十五年度の住宅公団資金の内訳三千五百四十六億円、これが事業費ですよ。さっきあなたは六千三百三十億と言いましたのは何かが入っていると思うのです。それもあとで数字を出していただきたいのですが、私の手元にありますのを見ると、昭和四十五年度の住宅公団の事業資金の内訳、これが三千五百四十六億円強、この事業費のうち政府資金が千四百六十四億円、民間借り入れ金が千六百二十億円、百五十六億円も民間借り入れ金のほうが多い。こっちのほうが利子が高いのです。ここまできている。そこで、昭和三十年公団設立以来四十五年度まで十五年間で、政府の借り入れ金、政府の出資金先ほど大臣がおっしゃった利子補給金、ひっくるめて政府の金庫から出た資金総額が五千三百二十一億円、これに対して住宅公団が民間から借金した金の額七千九百七十七億一千万円、何と二千六百五十六億円もよけい民間の金を使っている。だけれども三十九年までは、統計を見ると政府資金がどうやら民間とバランスをとっているような感じもする。しかし四十年から逆転をしてこうなってきたのです。非常に大きな開きがここに出てきている。私のほうの数字を申し上げますと――これも皆さんのとだいぶ数字が違うので、あとでお出しをいただきたいと思うのですが、これは四十五年度です。必要資金の事業費の合計三千百六十八億ばかり、その中の事業資金合計が二十八億四千九百六十六万――皆さんのほうの必要資金の内訳がそこにありますか。あったらそっちを先に言ってください。
#82
○白川説明員 事業資金の内訳といたしましては、まず住宅建設費四十五年度二千二百七十二億、それから住宅併存施設、これが百二十五億、団地施設十八億、次年度以降用地費十六億、次年度特殊基礎、これは前年並みでございます。関連公共施設三十九億、建設利息六十三億、以上合わせまして住宅建設部門が二千五百三十五億でございます。
 それから次に宅地開発事業といたしまして六百四億、それから研究学園都市二十八億、合わせまして六百三十三億でございます。
#83
○大出委員 四十六年にちょっと触れて申し上げておきたいのですが、四十六年度のいまの御説明に見合う総額でいいですが、あとから資料をいただきますからいいですけれども、どのくらいになっていますか、事業費は。
#84
○白川説明員 住宅建設が二千七百八十六億、住宅併存施設が百六十億、団地施設が二十一億、次年度以降用地費が五十一億、関連公共施設が七十二億、建設利息が八十億、合わせまして住宅建設部門が三千百七十四億でございます。宅地開発事業のほうは合計で申し上げまして九百十五億でございます。
#85
○大出委員 大臣、かくて四十五年度六千三百三十億と、こうおっしゃるのですが、四十六年度、九千百五十九億円と、こうおっしゃる、事業費が。先ほどの御説明、だいぶ違いがある。
#86
○白川説明員 間違えました。
#87
○大出委員 そうでしょう。どうもおかしなことをおっしゃると思った。たいへんな違いでございます。だからそこのところで、あなたのほうでもう一ぺん修正しておいていただかぬと、さっきお話しになった四十五年度六千三百三十億、四十六年度九千百五十九億円が事業費だ、こうおっしゃる。それで支払い元利が、四十五年度九百七億が元金、七百十三億が利子、それから四十六年度は予定ではあるけれども、千六十億円が元金償還、利子が九百三十億円。間違いないですか。違っているとこれは記録に残りますから訂正しておいてくださいよ。
#88
○白川説明員 先ほど申し上げました事業費につきましては、ちょっと数字の読み違いでございまして、ただいま申し上げました数字が正しいものでございます。
 それから償還金と利息につきましては、私の手持ちの資料では一応正確と考えております。
#89
○大出委員 私のところにある資料からいうと、三千五百四十六億五千二百万円。これが事業費の合計は四十五年度、三千百六十八億三千四百万円。資金繰り資金なんていうのがありますからね、さっき大臣に申し上げた資金繰り資金、つなぎですよ。これなどを入れると三千五百四十六億五千二百万円になる、四十五年度、事業費の総計は。だから違いがあれば御説明をいただきたいのですが、そうじゃないはずなんです。ここに数字がこまかくありますから。そして次のときまでにひとつ四十六年度まで含めまして表にしていただきたいのです。
 そこでさて、利息ですけれども、もう一ぺん言い直してみていただけませんか。元金、利息返済分。
#90
○白川説明員 四十六年度でございますか。
#91
○大出委員 四十五年、六年。
#92
○白川説明員 四十五年度、償還元金が九百七億、利払いが七百十三億でございます。それから四十六年度、これは見通しでございますが、償還元金が千六十億、それから利払いが九百三十億でございます。
#93
○大出委員 この四十五年度の予算内容からいきますと、借り入れ金の返済額は九百七億二千二百九十一万八千円、間違いないですな。そうでしょう、端数まで申し上げましたから。先ほどあなたのおっしゃるように七百十三億の利息を払う。四十六年度は元金返済が一千億をこえちゃう、利息は九百億をこえちゃう。こうなると大臣、先ほどああいうお答えをされたけれども、これは三万戸も二DKがぶつ立つような利息を何でこれだけ払わなければいけないのか。しかも民間資金の内訳を見ると日本生命百六十五億七千六百万、第一生命百二十一億一千三百万、住友生命からはじまって、三井信託、三菱信託、安田信託、共栄生命、明治生命、東洋信託銀行、これがほとんどですよ。出資者ですよ。そうすると大臣、ここでたいへんなことが起こるのは、これだけ金を民間が貸すと、生命保険それから信託銀行が貸すと、しかも民間資金が政府出資金と逆転をして、四十年を境にどんどん民間資金がふえちゃっている、こうなると、当然住宅公団に対する力関係というものは、各銀行の力というものは非常に強くなる。あたりまえです。そうお思いになりませんか大臣。
#94
○根本国務大臣 一般的にこれは民間事業であるならば、それだけ貸したほうが強くなりますけれども、政府事業については、私は民間におけるような政治的な、何といいますか金融のほうが何らか経営に影響を与えるようなことはない、こう思います。
#95
○大出委員 そこは大臣、しろうとにしておかなければいけませんよ、それはしろうとだからわからぬとおっしゃっておかぬと。具体的な例をあげましょうか、十も二十もある。ずいぶん住宅公団というものは、三菱不動産その他をはじめ親銀行をかかえておるたくさんの会社に、こんなにも金もうけさせるのかと思うくらい片っ端からもうけさしている。まるっきりこの諸君の言うとおりに動かされている。乗っかっているのは住宅公団という形だけ。リモートコントロールをやっているはずの建設省、ここも課長クラスから次々人が入って行って、自分の政策を持って行って、みんなうしろのほうにはこういう大きな資金の会社がついておって、やりたいだけ片っ端からやって帰ってくる。大臣、そう簡単に、住宅公団の人事というものは民間と違う、冗談じゃないですよ。これこそ天下りの典型です。少し名前を申し上げておきましょうか。いきなり課長に入れるとうるさいものだから、今度は横のほうに課長らしきものをこしらえて、それからワンクッションを置いて、少し置いたら課長にするというかっこうで、みんな入っちゃう。全くひどいものですよ。だからこれこそ、もう少し行管だの何だかがこの天下り人事の最たるものを何とかしなければならぬ。
 まず、てっぺんからいきますと、いま林さんはまだ総裁でございますか――そうですか。間違いないですな、この中身で。林敬三総裁、これは旧内務省、元防衛庁統合幕僚会議議長。副総裁吉岡英一さん、大蔵省元国税庁長官。南部哲也さん、もう一人の副総裁、建設省元関東地建局長。川口さんという方がいます、むずかしいお名前ですけれども、総務人事担当理事、建設省。中込達雄さんという方、経理担当理事、大蔵省。尚明さんという方、むずかしい字ですが、計画担当理事、建設省。宮地直邦さん、管理担当理事、警察庁。青木義雄さん、宅地企画担当理事、ここはたいへん権限を持っていますけれども、建設省。ちゃんと肝心なところは建設省で押えている。山下武宅地用地担当理事、これも建設省。楠瀬正太郎、宅地担当理事、首都圏整備委員会。秋元三郎、関東支所担当理事、これは郵政省。東貞三建築担当理事、島守一東京支所担当理事、青樹英次大阪支所担当理事、一番最後の三人だけが内部登用ですね。あとは、ずらっと並んでいる皆さんはすべて天下り、密切な関係を皆さんお持ちになっている。しかも、何とトップクラスが、機構を調べてみますと、百四十一人もいる。これはこまかく申し上げますと、全くひどい機構だと思いますけれども、いま申し上げたのは十四名になります。一番最後の部内のやつまで入れて十四名で、十一名は全部建設省を中心とする中央官庁の方々。そして部課長は、昨年九月末の時点における部課長さん八十一人おるのですね。このうち三十八人というのは、全部官庁から直接来た方ばかり。ここに表がございますが、とにかく、もうほとんど関係官庁から入られた方ばかり。計画部、建築部、経理部、総務部、人事部、宅地事業部、宅地用地部、宅地企画部、管理部、こういうふうにあるのですけれども、部長さんのうち六名は関係官庁から入ってきた部長さん。それから課長さんも大半が天下りの方々。こういうことになると、これは比較的若い人を入れてきて、少し仕事をさせて、また自分の省に連れ戻し、行ったり来たりする。住宅公団へ行って、相当いろいろなほうからくるのをそれなりにさばいてあげた人は、あんた方なかなかよくやってくれたといって、自分の省に連れていく。こうなると、これは幾らさっきのように民間事業と違うといっても、これはなお悪い。これでは住宅公団というものは何をやり出すかわからぬ。だから民間の不動産関係、三菱不動産だとかいう方々と一々みんな結びついて・住宅公団はわざわざその高いものを買ってやっている。しかも三菱その他の不動産屋が、土地の先買いをどんどんやっている。それをあとから公団が買う。これはますますもうかってしょうがないですな。ほんとうにやらずぶったくりみたいですね。こういう形になっていては、住宅公団というのは、もうここまでくると至るところで――それこそ鼓を鳴らして、ほんとうに建設省に攻め込まなければ、全く入居者その他はたまったものじゃないと思うのです、傾斜家賃制度だなんて。ここらは、住宅公団をつくって十五年間になった、こういう現実を踏まえて、大臣、ほんとうになまはんかな取り組みじゃいけませんよ。こうなっていたのでは、大きな金がやたら動いていく。公団の中にいる人にすれば、あそこは三菱がやったことだから、どのくらいもうかっているかみんな知っているのだから、それなら自分だって、こんなに苦労しているのだから、ちっとは、マージャン一ぺんやったら百万くらいもらったっていいだんべということになってしまう。どうですか大臣、ここのところは。
#96
○根本国務大臣 私は、いま大出さんが言われたことについて、必ずしもそうだと言い得ない点があると思います。それはまず何かというと、役人が入ってはけしからぬということを言いながら、しかも民間と密着している、こう言っている。これがもし民間のほうから理事その他を入れると、今度は全く民間とのぐるになっている、こう言われるのですね。私は、どこから入ったということは、そう大きなウエートを占めることとは思いません。
 それから、日本においてはすぐに天下り天下りということを言われますけれども、私は、いま定年大体五十四、五歳でやめた役人の人は、民間の事業あるいは政府事業についていかぬということの発想それ自身が問題だと思うのです。問題は、その人の能力と、適格であるかいなかということで私は判断すべきではなかろうか、こう思います。
 いま大出さんが出された提案の中に、住宅公団そのものの運営その他について大いに改善すべきだということ、これは私も感じます。しかしながら、官僚が天下ったために大きな不動産、民間金融と結びついているという論理にはちょっと抵抗を感じます。その論理はちょっとおかしいというような気がするのです。ただ、もし御指摘のように、民間の信託銀行その他から資金を調達したがゆえに、そちらのほうの金融機関からの支配が住宅公団に行なわれておるということがあるならば、それについては断固思い切った改善措置を講じてまいりたい、こう思います。
#97
○大出委員 埼玉県の箕田という団地を御存じですか。具体的に言いますが、答えてください。
#98
○白川説明員 ちょっと存じません。
#99
○大出委員 どうもあなたのほうであまり御存じない。それで住宅公団の監理をおやりになっているのですか。ちょっと存じませんどころじゃありません。何もわからぬじゃないか。それじゃ全く話にも何にもならぬじゃないか。議論がかみ合いやしない。がまんしてこっちからものを言っているんだ。これは大臣、主役は三井不動産ですよ。だから私は言う。三井不動産が三・三平米、坪五千円で買収した土地六十二万平米。この五千円で買収したものを七千八百円で住宅公団が買い取り契約をすぐ結んでいるのですね。事実をどうも御存じない方にまた私がここで解説したって始まらぬけれども、いま一つ例にあげましたが、ここから始まって、ここに十幾つありますよ。三井不動産、三菱不動産、みな、もう幾らもうかったかというのは、坪当たり五千円で先買いしたものをすぐあとで公団が買っているのですから、五千円のものを七千五百円で買えば坪当たり二千五百円ちゃんともうかってしまう。六十二万平米ですよ。そうなると、住宅公団がここの土地を買う、おおむねどころでそうなっておって、三井不動産なり三菱不動産がどんどんその土地を買う。こんなに土地を買収して何をするんだろう、その買収した六十万平米のとりあえず半分の三十万平米を、あとも買うでしょうけれども、ぽんと公団が買う。そうなると、公団というものはだしに使われて、直接公団がほんとうに買う気になって買えば五千円で買えるものを、何ですぐに――箕田団地の例ですけれども、向こうはわかっているんですよ。五千円で買ったものを何で七千八百円で買わなければならぬのです、三十万平米も。幾らもうかるか、一目瞭然じゃないですか。公団ができるたびに至るところ不動産屋だ。公団を食い荒らすもいいところで、そうなるとこれは三井生命にしたって、三菱関係の生命保険にしたって、信託銀行にしたって、それは金を貸しますよ。そうでしょう。そうなれば、じゃ、あの辺におれも買うからおまえ公団をつくれ、先に土地をぱっと買ったあとから公団がすぽんと買う。その間の利ざやは三菱なり三井にみんないってしまう。これじゃ幾ら金貸したって損はないですよ。これは、幾ら大臣言ったって、至るところそうなんだから。そうじゃないですか。三菱なんてひどいものですよ。そうなると、これは世間の目から見たらだれが考えたって、全く無関係にそういうことが片っ端から行なわれておると思いやしませんよ。だから私は危険なことになる、こう申し上げているのです。それは私の言い過ぎがあれば直しますよ。直しますが、私もいろいろ手をつけてみると片っ端そうなんだ。そうすれば、わざわざ不動産屋をもうけさしているわけですからほっぽっちゃおけないです。それを管理されたあなたが全く知らぬと言うから、いまこっちのほうから一生懸命教えているけれども、それは取ってつけたような答弁をしたってさっぱりさえぬですよ、知らぬ者が答弁するのだから。そうでしょう。それじゃ困るですよ。
#100
○根本国務大臣 いろいろと具体的にお話しですが、私はすなおに聞いているが、そこで、先ほど大出さんの話の中で、個々別々に地主から買うということはたいへんなめんどうで、そのために不動産屋がついて行って、今度はそこでもうけられる。今度は大手でやるとまたそれがもうけられる。そうすると、入手手段がどうしたらいいか、ちょっと私は迷うのですよ。私のほうでも住宅公団の意見を聞いておるばかりでなく、先ほど申し上げたプロジェクトチームで研究させますが、もしあなたのほうから、こういう手法ならばそういう不当なる中間搾取もなければ、それと同時にいわゆる入手に困難はない、こういう方法があるということだったらひとつ教えてください。私はそれが可能であるならば採用したいと思います。どうもいまのところでは、一般の個々の地主に折衝してやるのにはこういう難点があって、地方ボスとはちょっとできない、それを工作する資金は出せない、今度はいわゆる宅建業者をしてやらせればそこに利ざやが取られる、それはけしからぬということで方法がなかなかむずかしいのですね。私は、民間の業者が民間の事業としてやるには、若干の利ざやを取るのは企業としてやる限りある程度認めていいものと思います。ただ、直接に公団が土地を買い取るためにいわゆる工作資金を出すということは、これはもう会計検査院に不当なことだといわれるし、そこがむずかしいところだと思うのですよ。そういう点を国会の場というものは、客観的にいけないことはいけないというし、新しい手法が出てきたならば、これをどんどん行政の府が、単に法律ばかりでなく、行政手法についてもそういうものを勇敢に採用していくというところに議会政治の政府との関係があると私は思いますから、私はすなおにやろうと思いますから、ひとつもし御提示がございましたら教えてください。
#101
○大出委員 幾つも外国には例があります。英国の場合に、第二次大戦で例のビバリッジプランをこしらえて、明らかにして、チャーチルの当時の発想ですから、戦争が終わってアトリーがあとをやるようになった。政党政治ですから政党の主体はかわりましたね。かわりましたけれども、やはり国民に公約したプランですからやらなければならぬということで、戦後に国家予算のほぼ半分を使って、政府が先買い権を行使してどんどん土地を買っていった。買っていって、何年たてばこれは住宅になりますよということを国民に公示をして明らかにした。だから、町で売り出すのを買うのはよしなさい、政府が買って建てるから、それを使えといったわけですね。だからアトリー政権というのは十二年も続いたわけです。しかし、その発想というのはビバリッジですから、チャーチルが明らかにして頼んだ政策ですよ。踏襲したわけですね。これは一つの例で、宅建業法の改正だって出たり入ったり、また出たりしている感じがする。
 シンガポールなんというのは、PAPという政党ができましたね。私は三十九年、四十年、四十一年とリー・クアンユーに三回も会って話していますけれども、なんと大出君、私のところの国は人口わずか百八十万だけれども、一分間に三軒家が建つのですよ。いうならばこれはプレハブですよ。これも強力な政権が次々に土地を買っていった。そしてそこにどんどん住宅を建てていく。それは思い切った予算を国が行使をするからです。いまの土地問題というのは、そこまで思い切って国が金を使ってやっていくという姿勢をとらなければできやしませんよ。資金がないのだから、だから不動産屋さんに――これは裏がどうなっておるか知らぬ、どうなっておるか知らぬが、想像をたくましくしたくなる。どんどん土地を買わしておいて、あとから重い腰をあげて公団が買っていく。そうすると、その間に時間のズレが出てくる。単価は高くなる、資金繰りは苦しくなる、利子補給といったって精算払いに切りかえて二、三年ずれてしまう。にっちもさっちもいかない。四十六年から九百億の利子を払わなければならぬ。年間九百億も払うのなら、三万戸の二DKができるのです。そういうことを繰り返してもしようがないという気が私はするのです。だから、やっぱりそこまで思い切った政策を立てなければ、イタチごっこでこれは解決しない。だから戦後の住宅公団にしてもあるいはその前の公庫住宅にしても、ほんとうならばそういう考え方、発想があって十五年たってきたのなら、こういうことにならぬと思うのです。ところが、団地をつくっても与党の票にならぬかもしれぬ、だから住宅公団には政府はあまり金を出さない、こういうことなのかもしれぬと勘ぐりたくさえなる、これはあまりひどいから。だから時の政務次官が答えておることばも印象的なことを言っている。田村さんですか、建設政務次官をおやりになっていた。参議院で、議事録を読んでみればたいへん興味深い答弁をしていますよ。大蔵省との関係で、こんなばかな、ふざけた話があるかといって――政務次官お若いかどうか知らぬけれども、義憤を感じて、一体どこにしわが寄るのだ、こんなことあるべき姿でないということで、御自分で答えておる。私も同じような気になる。率直に申し上げると、政策通の大臣だからこういうことを私は言い始めたわけですよ。私が言っているのは根本さんだからですよ。やはり政党政治なんですから、政策に長い経験をお持ちの方でだれかが思い切ってものを考えるということをしなければ、これは実際不動産屋に利用される。住宅公団という名前があとを追っかけている、そのたびごとにたいへんな利権が渦巻き、片っ方がやたらもうかる。これではどうにもならぬという気がするんですね。そこらを考えていただきたいという気持ちで私は申し上げているのです、言い過ぎがあれば改めますが。
#102
○根本国務大臣 実は私も、その意味で党におるときから盛んに主張し、いまでもそれを追及しているのは、住宅用地については国会の同意を得て先買い権を認めたらどうかということです。これがなければできないのです。そうして公共用地のうら住宅政策に使うところの資金については、建設公債を出してもいいじゃないかということで、実は党内でも主張しているわけなんです。
 ところで、大出さんは非常にすなおにものを考えて勇敢に言ってくれるけれども、実は土地収用権すら社会党の方々は成田であのような騒ぎを起こしておるような状況でして、一般論は賛成だけれども、各論になるとまたえらい抵抗がある。だからこれは一つの提案ですが、ちょうど今度の国有農地払い下げについて、現在の法規によるといまのように何ぼで払い下げしなければならぬようなあれを、国会の与野党一緒になって立法したと同じく、住宅政策についての土地の先買い権、これこそ私も賛成だから国会でやって、そしてそれに対する資金手当は建設公債でやるべきだというくらいの私は気を持っておるのです。その意味で私も相当主張しているけれども、何しろ微力非才にしてこれができないんですけれども、私は、それをやらない限り、日本の土地問題は解決しないと思うのです。そこで、やむを得ず私は第二次の手段として、去年来、首都圏、それから近畿圏に命じまして、その圏内においていままだ手をつけていない、これは民間のデベロッパーは、幾ら金を持ったってやれない土地がまだ残っている。それをさがせ、そのさがしたところについて、政府は思い切ってやろうじゃないか。その提案をようやくいま具体的なスケジュールにのせた段階なんです。ところが、これはもう第二次、第三次の政策です、私から言わせるならば。これは条件が悪いから相当な金がかかる。まず通勤の軌道をつくってやらなければいけない、道路をつくってやらなければいけない、それから水資源をアロケーションでやらなければいけない。そうしているうちに、どんなことをしたって十五年かかりますよ、私から言わせれば。それでも将来に希望を持たせるからそれに取り組んでいるけれども、現在すぐにやることができるとすれば、住宅についての土地、それだけに限定しよう。住宅用地については先行取得権を政府に与える、それを住宅公団をしていま代行せしむる、こういうことになりますれば、ほとんど大部分の問題は片づくというふうな気がするんです。実はまだそこまで――あなたもざっくばらんに言うから、これは速記に残してもらってかまいませんが、実は二年前は、私も住宅公団の改編を要請した。建物を建てることよりも、まず宅地をつくることに専念すべきである、そうして住宅公団の上屋のほうは、むしろ地方自治体にまかしていいじゃないか、地方住宅公社にやらしていいじゃないかという提案を実はしたことがある。そうしたところが、非常に住宅公団が恐慌を来たし、それからまたいろいろの、それに必ずしも適当じゃないという意見が出てきて、私はまだ踏み切れなかったのですが、私は、やはりこの住宅問題がいま日本の最大の、一つの内政問題の政治問題化しているときに、何らかの手法をとりたい、こう考えておりまするので、私は、この問題については与野党を越えて、実行可能なりと思う提案であれば、喜んでそれを採用してまいりたいと思うのです。実は先ほど来、いろいろ具体的な問題で追及されまして、私の認識不足の点もあったし、知らない点もありましたが、それは先ほど何回も申し上げたように、プロジェクトチームでこれは検討さして、可能なる行政手法は本格的に取り組んで解決したい、こう思います。
#103
○大出委員 千葉の話も出ましたので、少し私も申し上げたいこともあるのですが、戦後民主主義というもののあり方とからみまして、私も、実は国対や何かでも、幾つかものを言ったことがあるんです。つまり発想が、もう少し庶民一般から見て、なるほどこれは当然だということになるとすれば、それなりにまた予算も使うんだということになるとすれば、解決のしかたもいろいろある。ところが、なかなかそうでなくて、いつもどうも庶民泣かせみたいなかっこうの手直しばかり出てくるものだから、どうしてもそこにひっかかるわけですよね、千葉の場合を例にとると。いま十五年かかるとおっしゃるが、やはり十年や十五年先は、民間企業だってみんな見ている。ここに昭和三十八年に設立した会社がある。昭和三十八年八月一日、資本金二十億円、これは赤坂に事務所を置きまして、これはちょうど新国際空港が話題になり始めたころですよね。これは皆さんよく知っている会社ですけれども、京葉土地開発株式会社ですね。京葉工業地帯といいますね。その京葉土地開発株式会社。何とこのときの社長さんは、代表取締役社長河合良成さん、小松製作所の社長さん、二十五万株。副社長が岡部三郎さん、東亜港湾の社長さんですね。取締役が河田重さん、日本鋼管の社長。さらに村山藤子さん、朝日ビールの社長、これが取締役。同じくみんな二十五万株。大映の永田雅一さん、この人も二十五万株。さらに三井不動産の社長さん、江戸さん、これはずいぶん活躍していますよ。三井不動産の江戸さんというのは、千葉なんか、友納さんとどういう関係があるのか知りませんが、たいへんなものだ、これは伊能先生もおいでになるけれども。それから取締役の佐野友二さん、不二サッシの社長さん、この人も二十五万株。この人はいろいろな方面で有名な国際興業の小佐野賢治さん、二十五万株。日本通運の社長さんの福島さん、これは二十五万株、あといろいろな事件でたいへんなことになりましたが。それから例の、さっき私が申し上げた、朝日土地興業の丹沢善利さん百二十四万株、これはたいへんずば抜けている。そうかと思うと京葉瓦斯の社長である菊池仁さん二十五万株。それから京成電鉄の社長さんの川崎千春さん、この人もあとたいへんなことをやりまして、中野郵便局と上野の駅前の下谷郵便局と、自分の土地を向こうで買っておいてとっかえっこするのに等積交換、等価交換には違いないけれどもあきれ返るようなことをやって、とうとう下谷郵便局の用地を取ったり――取ったというより、交換したのだから、買ったことになりますけれども。
 この会社をつくったのは三十八年の国際空港が話題になったときです。これは何をやったかというと、何にもやってないんですよ。中身は何にもやってないかのごとく見えるんだ。世を忍ぶ仮の仕事を幾つかやっているんですね、つり堀をつくったりプールをつくったり。ここのところ数年何もやってないけれども、一流財界人が十二人も集まって取締役におさまって、会社をつくって、そうしてつり堀とプール、これだけ。だから、年収なんてものはない。ところが何をやったかというと、土地をみんな買っておったんです。三十八年来ずっと手を打って。それは何かというと、当時は建設大臣が河野一郎さん。河野一郎さんが、いま問題になっている空港ですよ、空港を、千葉県の浦安海岸、ここにつくれと言っていた。ところがそのあと、霞ヶ浦の空港という問題が出ました。ヘドロ層が厚くてぐあいが悪いとか何かという理由がついて落選をした。今度は富里の問題が出てきた。これがまた半年足らずの間に、富里にきまったかに見えた。ぼくらはそう思っていた。ところがとたんに成田ということになった。ぼくらは、政治決定なりという気がしたのだけれども、そうであったかどうかは別として。ところが、これはお考えになればわかりますように、霞ヶ浦につくるにしても、富里につくるにしても、成田につくるにしても、取りつけ道路が当然必要になります。先へ行って三つに分かれる、どっちかに行くにしても、だれが考えたって、ここに抜けていく道路というものは一本だ、つくるとすれば。そうすると、その枢要の土地をみんな押えておけばもうかるに違いない。それでこの会社は、はじからずうっと土地を押えた。そこでもうかればこの会社の目的は達するんだ。三十八年からそうやっている、だから、この会社が買った土地は、私は、いまは時間がないので並べたってしょうがないけれども、たくさん買っている。建設省だって縁がなくはない、この買った土地の中に今度は高速道路をつくろうという計画を、皆さん方いろいろお持ちになって、そこから買うわけだから。そうでしょう。先買いをしておるわけですよ、全部。そうでしょう。そうなると今度は、その周辺だって地価は上がるに間違いない。こういう現実がある。私は、成田の問題だって、ほんとうは、あそこまで強引にやっちゃって、つまり政府の権力という形で、収用法をたてにとって押しまくる。友納さんが中に入ってちょっと休憩時間をつくったりされた。うらの、千葉県の社会党の委員長をやっておる木原実君がこの席で、われわれは農民の諸君に、裏切った、ちょうちんだといって袋だたきになっても、それでも説得をして、つまり戦後民主主義というものの筋を追わなければいかぬという立場で中に入りたいという気持ちが多分にあって、質問などもしていた。ところが、入る余地がないのですね。力で防ごうとする。あそこの土地というのはみんな知っているとおり貧農ばかりじゃないんだ。礫耕栽培その他を含む近代農業でたいへんもうかる、そういう土地なんです。だから相当な金を用意しなければどきはしませんよ。そういう利害関係の中でぶつかり合ってしまった。十年前ならあれにぼくらが出かけていって、砂川流にやったかもしれないが――私も阿豆佐味天神で大きな丸太が落ちてきて命がなくなる寸前でした。女房や子供の顔が目の先にちらちらした経験まである。とうとうあの滑走路の延長はできなかったでしょう。昔の社会党ならそこまで行ったかもしれぬ。だけれども、そこまで入り込んでしまえば、戦後民主主義というものを時の権力が否定しようという方向に進んでいるときに、向こう側に立ってやってしまったら、まさに議会政治も何もなくなってしまう。戦後民主主義というものはやはり守らなければならぬということで、そこまで方策はきめても、ついに出る場を失った現実があるわけです。ところが、その土地を買っている大きな資本が動いている。寝かしておけばみんな金利倒れです。ぼくらの耳に入るのは、早く片づけろ、早く片づけろ、そういう早く片づけろの中で、時の法律をたてにとって片づけようと強引にやる。これは私はあるべき姿ではないと思うのです。私も一坪地主ですけれども、私は自分で砂川でさんざっぱら苦労してきたから、農村の皆さんの気持らはわかる。だから私も判こをついた一人なんだけれども、あそこまで押しまくるというのではなしに、話し合いの場を求めて、超党派的に片づけようという話し合いがあってしかるべきだと思って話をしましたが、そこまで行かなかった。だから、そういう意味では、やはり土地の問題というのは――飛行場だって土地ですよ、問題は土地なんだ。だから、そういう意味で、もっと大きな視野で、英国の政府みたいなものの考え方でものごとを処理するという、先買い権方式というものは、皆さんがその気で、そういう視野でものを言ってくれるなら、それば私の党の中だって、いま土地問題について真剣にものを考えている人はたくさんいるんだから考えないはずはない。だから、過ぎたことをとやかく言ってもしょうがないけれども、その辺の政策をずっとおやりになってきた根本大臣のことですから、やはりお考えをいただいて、いまたまたま大臣の口から千葉問題が出たから多少申し上げておかないと立場上困るから申し上げただけですけれども、そういうふうにお考えをいただけないかという気がするわけです。
#104
○根本国務大臣 住宅の土地の問題については先買い権の検討は引き続き私のほうでやりたいと思っております。収用法の改正をもう一回やりたいと思って、いま事務当局を鞭撻しております。
 それから、住宅ではないのですけれども、もう一つの方法は、現在行政指導でやっているのは、道路をやる場合に、計画を先に出してしまうと、今度はだあっと上げられますから、それで地方自治体に先買いをさしてもらう。これは民間でありませんから、地方自治体が土地を先買いして、先買いしたならば、それについて予算をつけてやる。これが一番よろしいということでこれはやっています。
 実は住宅問題についても、地方自治体で公営住宅をやる場合に一番困るのは土地問題なんです。それで、土地が完全に入手できるという裏づけができたら配分してやる。そうでないと、配分しても、やらずに、そして責任を政府に転嫁されてしまう。結局できないのは政府、これではおかしいというので――そのことがいま二、三年ばかり東京等で行なわれまして、そして結局政府は大都市に住宅をつくらないつくらないと言っている。つくらないんじゃない。配分しても土地を手当てしてくれないということです。だから私は、やはりいまのところとしては抜本的じゃないけれども、まず地方自治体が土地を入手しなさい、そうしたならばそれに対して配分をしていこう、こういうことをやりたいと思います。
 もう一つは、これは北関東の問題をいまやっている。土地を売買しなければ使えないという考えを変えたらどうかということです。私は、農民に対しては土地を長期で貸して、そしてこれに対していまの団地形成もやり、都市計画もやるというところまでひとつ進んでいっていいのじゃないかと思いまして、これもいま三県の知事はその方針で進もうということでやっております。きょうはいい啓蒙的な御発言がありましたから、今後ともまともにこれは検討してやりたいと思います。
#105
○大出委員 私ばかりだいぶ長く質問をいたしましたが、私、実は他意あって申し上げているのではなくて、お互いにこれは非常に悩みが多いところでございます。公団自体の問題もそうでございますし、周辺に、おのおの選挙民の皆さんの中に公団にお住まいの方もいるわけですから、そういう意味でこれは捨てておけないという気がいたしましてね。それから次々に苦情ばかり来るのでは――前回の国会でも、実は公団運営の問題について、非常にこまかい問題にまで触れて申し上げたことがあるのですけれども、これなどもあとを絶っているわけではなく、次々と話が耳に入る。そしてもう一つは、公団の問題も一番基本になるべきところに大臣から御意見をいただきながら詰めてみる必要がある、こういう気持ちがあったものですから、そういう意味で取り上げたわけでございまして、ひとつせっかく御検討をいただきたいと思います。
#106
○天野委員長 受田新吉君。
#107
○受田委員 建設省設置法改正案に関連して、建設省の所管事項の基本的な問題点の幾つかの課題の解決のためにお尋ねをいたします。
 第一点は、土地の価格をどう抑止するかという問題、これは政府としても、すでに相当宅地を用意するための諸施策が講じられておるようでありますが、ここで端的にお尋ねしたい。まず、土地のうちで宅地という問題を取り上げてみますと、地価の高騰というものが依然として抑止されていない。この地価の上昇を食いとめるために、建設省としても大臣以下首脳部が相当苦労しておられると思うのですが、現実には庶民からほど遠い雲の上に土地があぐらをかいているという現状であります。勤労者がその生涯をかけた、三十年の場合に例をとると、勤務三十年の職員が、五百万円の退職金をもって土地を求め、家を求めようとしても、そのすべてをささげてもネコの額のようなわずかな土地とささやかな家が求められるにすぎない、というこの状況を解決するための諸施策を政府はどうとっているのか。基本的な問題としてお尋ねしたいのは、第二次住宅五カ年計画という、用地と住宅との関連から見てもなかなか味のありそうな発表もしておられるのでございますが、その中で土地の上昇をいかに防ぐかについて、政府の基本的な施策をごく端的にポイントだけ御答弁願いたい。
#108
○根本国務大臣 これはまず第一に、受田先生御指摘のように、他の国にはない現象です。こんなに宅地、工場用地が高いということは、これはこの前も申し上げましたが、一つは戦後の農地制度、農地改革の結果、農地というものは原則として宅地その他に転換しないという非常にかたい転換禁止があった。これがようやく先般のあれで一部緩和されたということと、それから新市街地法によりまして、今度は線引きいたしまして市街化区域に入ったところは無条件に農地を宅地化することができるということで、この法の排除をしたわけです。これが一つの点です。
 次は、税制上の問題が近郊土地を高くしたわけです。それは何ものに投資するよりも土地を持っていさえすれば上がってしまうのだ。そこで現実に住宅を建てるための意図ではなくして、もうけるために買い需要が殺到してこれをつり上げたということがあります。そのためには、農地なり山林なりでも宅地に転換すべきところのものについては、市街化区域においては、宅地並みの税制をかけるということで、土地に投資してももうからないということをやらなければだめだ。しかし、これは急にやるとまたたいへん大きな反動が出てきますので、段階的にやるということで若干緩和しています。
 それからもう一つが地価公示制度、これは非常になまぬるいようですけれども、今後政府が公共事業をやる場合において取得する土地の目標をはっきりさせて、それに基づいてやるということで、政府の投資によって地価の上昇をできるだけ防ぐということです。
 もう一つは、道路等公共事業をやる場合においては、各都道府県、自治体に先行取得させる。これによっていまの政府の財政に基づくところの地価の上昇をできるだけ押える。
 それからもう一つは、首都圏、近畿圏、中部圏等においては、十年間の土地需要は、どの程度まで宅地化のために必要であるか、これに対してどの程度の供給があり得るかということで長期見通しをはっきり国民に示そう、そうして昔のように土地を持っておればうんと得するということのイメージをこわしてやらなければならぬ。こういう点が具体的な措置としていま考えていることでございます。
 なお、いま大出さんとの論議の中で、これはまだ具体的なあれじゃないけれども、一つの発想として国会と政府に検討してもらいたいと思っているのは、宅地についての政府に対する先行取得、先買い権を収用法で認めてもらって、それでやるということでいけば、相当程度の思い切った地価抑制ができる、これは一つの研究課題として提案したいと思います。
#109
○受田委員 いま大臣から指摘されたとおり、宅地の取得が日本ほど困難な事情にある国はほかにないということを、私は海外の視察を通じてもよく存じております。土地の価格がばかに高いという原因がどこにあるかというと、山が多くて平地が少ない、つまり宅地や農地が非常に少なく、ヨーロッパの先進国と反対であるという日本の特殊事情が一つの原因であると思うが、同時に日本の政治の貧困も当然手伝っていると思うのです。道路との関係も後ほど指摘しなければならないのですが、せっかく大臣が中心になっておられる地価対策閣僚協議会というものがあって、そこなどでいまの市街化区域の農地の宅地並み評価に対する貴重な踏み切りもされておるのですけれども、一体地価の上界をどの時点でどの程度までやるというようなきわめて積極的な、具体的な案が立てられておるのですかどうですか。たとえば一年以内に地価の上昇はここまで押えるというような、庶民とともにある土地政策、宅地政策の上で政府自身がある目標を持って具体的に国民に安心感を与えるようなものを用意していただかなければ、かけ声だけでは国民は納得しないわけです。私、政府としてはたいへん誇り得る名案だと思ってやられたと思うのですが、例の土地成金にたいへん都合のいい譲渡所得税の扱い方などもそこで問題になると思うのです。あの考え方は土地成金に非常に甘いですよ。土地を提供するのにさそい水のように見えて実際は土地成金をほくそえましておる。いま日本の高額所得者の遺産相続などの具体的な例が相次いで出てくる中で、土地成金が非常に高い部位を占めておるというこの事実を見ても、土地成金に甘い政策が引き続きとられるようではわれわれにとって許されないことだと思うのでございます。一つの具体的な例ですが、土地成金に甘い例の譲渡所得税の扱いをどうされようとしておるのですか。これをちょっと。
#110
○根本国務大臣 これは私のほうは、たまたま私が地価対策閣僚協議会のメンバーであり、そうして地価問題が建設行政の非常に大きな基盤をなすために、実は私が相当積極的にこれを発言をしておるのです。従来は、自治省でも大蔵省でも、地価対策の観点からした税制はなかなか具体的に踏み切っておりませんでした。それからまた国会でも、率直に申しますと、一般論とするときには、地価を抑制しなければならぬと言いながら、現実に今度は農地の固定資産税の評価になると、国会でもそれに対しては急激に税金をかけてはならぬ。これはみんな選挙対策にからんでやられておりまして、常にそうした矛盾があったのです。しかし、これはいまあなたの御指摘になりましたように、宅地問題が解決しない限り、いかに高度成長だ、賃金が上がったといっても、現実には生活はよくならない。そこに人間生活がスポイルされていく。だから、これはもう蛮勇をふるってやらなければいかぬと思って、私は少し出しゃばりといわれるぐらい、実は関係閣僚のほうには働きかけまして、ようやくああいうふうな制度をやってみたものの、御指摘のように甘いといわれる批評は確かにあると思います。しかし、これは引き続いていまの譲渡税の問題のほかに、私は、やはり基本的には今度の市街化区域と調整区域をいま線引きして、だいぶ抵抗があるけれどもやらしておりますが、これができますれば、大体市街地面積が従来の二倍ちょっと上になるのですよ。それだけの土地は当然宅地化されるという前提になります。そうしますれば、いままでのように土地を持っておればうんと値上がりするというようなイメージはだいぶダウンされるし、それから今度民間のデベロッパーや何かが、市街化調整区域、いまの郊外の土地を買ってさえおれば高くなるという、これもなくなります。このほうが私はむしろ地価抑制のためにはなる。そうしておいて、今度は市街化区域の土地には、最終的には十年かかりますけれども、段階的に税金を高くします。そうすると、持っておるほうが決して得にならないということによって宅地化するということになりますから、五年くらいたてばかなりの緩和ができる。あなたから言わせれば、すぐに来年からどっとおろせということを言われるかもしれぬけれども、現在の法制上の持っておる権限を、行政指導ではいまだいぶスローダウンしつつあるところでありますけれども、少なくとも四、五年になりますと、現在の地価上昇はぐっと落ちてくる、そういうふうな考え方であります。
 そのうちに、先ほど申しましたように、これこそ与野党が合意できれば、私は、宅地の先行取得を政府に与えてもらうような立法をしてもらって、そしてそういう土地は、民間のデベロッパーでなくて、政府が先行取得できる、そのために必要があれば、私は土地入手のための交付公債のようなものを発行する権限も政府に持たしてもらう。そうなれば、これは一挙に解決できますけれども、そういうふうな手段がない限り、なかなかこれはむずかしい。しかしながら、まあできるだけ努力をしているという段階でございます。
#111
○受田委員 根本先生、あなたは農林大臣の経験者でもいらっしゃるし、農地の問題との関係等については最も敏腕をふるわれるお立場である。円熟練達の閣僚として敬意を払っておるわけなんです。私は、この地価抑制策の一つの案として、市街化区域の農地というものは、事実は時価がばかに高いのです。そのばかに高い時価を基準にして課税するというような思い切った措置をとられる、時価基準の課税方式、こんなのは、大臣、あなた自身が農政と建設行政の両方にタッチされるわけでございますから、あなたが在任しておられる間に、その時価による評価課税というものに英断をふるわれることを私は期待するのですがね。これは地価抑制の根本メスがふえる妙案だと思うんですがね。
#112
○根本国務大臣 そのつもりでやりましたけれども、私には権限がないのです。これは自治省なんです。自治省はそれでもだいぶ思い切って、今度はそのために固定資産税の評価については相当思い切った措置をとりました。しかし、いまあなたが言われたように、私が理想とするところまでまだやはりやっておりません。具体的に政府委員から説明させます。
#113
○朝日政府委員 ただいまのお尋ねの点は、固定資産税の課税の方法の改正でございます。これは、この国会に地方税法の改正として提案されておりますが、市街化区域内の農地につきまして宅地並みの評価をするという前提で評価がえをいたしまして、それを市街化の進展の度合い等も考慮して、三つのグループに分けまして、いわばごく既成市街地に近接したところ、これは早急に宅地並みの評価に追いつける、それから中間的なところ、それから周辺部におきまして漸次これを十カ年間にわたって追いつくというようなことで調整をする、こういう固定資産税の改正法案をただいま御審議をいただいておるわけであります。ただし、先生のおっしゃいますのは、その際の宅地の評価そのものが低いじゃないか、こういうことであろうかと思うのですが、これは固定資産税の評価の全体の問題でございますから、行く行くは宅地評価自身も検討されるべきだと思います。その点につきましては、およそ国が評価をするものについては統一すべきではないかというふうな意見もございます。これは地価公示との関係で将来の検討事項としておるわけでございます。
#114
○受田委員 大臣、地価対策閣僚協議会というのは、こういう問題に根本的解決のメスをふるおうとしておるわけでしょう。それで、いまの問題は、大臣も自治省との関係をいまここで例示されて説明になっておられたのですが、いまの立場は時価になっていないのです。時価を基準にするというのを私はいま提案をしておるので、いまの自治省の改正案なんというものは段階的ななまぬるい方式なんです。根本的メスをふるわなければ地価対策はならぬ。公団や公社の家賃の大幅引き上げなど英断をふるわれることの前に、こういうことをやらなければならないようになった問題の解決へ、根本的メスを入れるという勇気がちょっと欠けておるのではないか。閣僚同士の間でも、特に大臣御自身は、その点では最も深い農林省との関係をお持ちであるという意味で、また政治家としては非常に練達有能の士になっておられるという意味からしても、根本先生御自身が閣僚ににらみをきかして、土地対策はおれがやるんだ、こういう気魄をもって時価評価方式というもので思い切った措置、これに近い措置をおとりになる、これが基本的な解決策と思うのですが、私の考えに間違いがあるかどうか、御答弁願いたいと思います。
#115
○根本国務大臣 発想には全く私も同感なんです。実は昨年私が建設相を拝命いたしてから、まず第一に、私は経済企画庁長官ともこの点を相当時間をかけて話をしました。物価対策の最大のベースは何か、地価問題である。地価問題を解決する姿勢をとらずして、他の問題はもちろん必要であるけれども、基本的にはやってもだめじゃないか。ところが経済企画庁というものは、ややもすれば物価、物価と言っておるけれども、地価問題と取り組まないことはおかしい。これは宅地問題のみならず、日本のあらゆる工業生産品のコストの中に占める地価のウエートはたいへんなものだ、しかもこれが全部、土地を入手するために利子のかかっている金がたいへんな投資になっている。これは生産力になっていない。だからこれをやろうじゃないかということで、佐藤経済企画庁長官もそのとおりだということで、その次に問題を出したのはいまの税制の問題。そこで自治省とこの点を話し合いました。ところが、それはそのとおりだけれどもということで、はっきり申しまして最初は自治省自身がなかなかこれを踏み切ろうとしない。それに今度は農林省、これは御承知のように、みんな農地だと思っておるわけです。それで、この前の都市計画法を通過せしめるにあたって強い附帯決議がついておる。市街化区域に入った農地については決して高い税金かけてならないという附帯決議までついておるのです。そういう背景もありまして、農林省はいやとてもたいへんだ、いかぬ。それで私は、現在市街化区域に入っておる人たちは、農民ということにはなっておるけれども、ほんとうの農民じゃないのだ、これは地主なんだ、地主として評価しなければだめじゃないかということを申し上げ、その間にはずいぶん意見の対立もありましたけれども、それはやむを得ないということになって、ようやく今日に至っておるのでありまして、たいへん私を過大評価していただいて、私はとてもその任にたえないのですけれども、私はできるだけやったつもりです。それでも従来からすれば一歩進めたのでありますが、一挙に時価評価ということになると、おそらく革命的なやり方です。ちょうど農地改革、地主の諸君の意思いかんにかかわらず一片の法律でずばり取り上げて、これを農民にくれてやったのと同じくらいの革命的な税制措置です。それで、近郊農地の市街化区域に入った農民の代表が私のところに来まして、よく言うが、根本さん、あなたも農業関係はよくわかっておるだろう、このわれわれの祖先伝来の土地を、こう言い出したから、待ちなさい、祖先伝来の土地じゃない、祖先伝来の土地はもう二十数年前に農地改革で全部とられてしまった。諸君はそれから一反歩、あの当時でありますとわずか八百円か九百円で払い下げてもらった人じゃないか、祖先伝来ということばだけはやめたまえというくらい乱暴なことを言ってやったほどでありますけれども、これはいますぐに政府が時価評価をするということは理想ではある、土地対策としてはなるほどそうであるけれども、それは立法上たいへんなことでありまして、いまあなたの言うことを私が引き受けて、そうだやりましょうというほどの態勢にはちょっとないと思います。
#116
○受田委員 いま大臣も市街化区域の中の農業というものは地主だとおっしゃった。私自身も市街化区域内の農業というのはほんとうはやめたほうがいいと思う。その農業というのは、事実問題としてほんとうの農業じゃないのだという意味で、市街化区域の農地というものは住宅対策上の大きな対象として考えるということに力点を置かなければならぬと思うのです。そういうことで、市街化区域内の農地に高額の固定資産税を中心とする課税をすることで、金にゆとりがあるからといって値上がりを楽しみに買おうとしても、重税にあえいで手が出せぬ、こういうことになって、土地の供給と需要とのバランスがとりやすくなってくる。そしてもう一つは、法人が土地を取得する場にも、これは特別の措置をするべきものではなくして同様の措置をして、つまり不労所得に対する重税という方針で貫くべきだと思うのです。こういうことにすると――これは明らかに不労所得ですよ。不労所得に対して断固たる処置をしなければ、一生かかって公務員として働いて、あるいはサラリーマンとして働いて、三百万か五百万のほんとうになけなしの金を投げ出して家屋敷を求めようとする人々、これはほんとうに相すまぬ結果になるのでございますので、不労所得に対する重税というものは法人も含めて敢然とやるべきだと私は思うのです。そこまで大臣英断をふるって、農地改革によく似たものをやられたほうが私はいいと思います。これは日本独特の現象です。ヨーロッパなどではゆとりある土地、そこにりっぱな住まい、セカンドハウスまで用意して人生をエンジョイしておる。うらやましいですね。世界第三位の国民総生産の威力を持っておる国にしてはあまりにもあわれなりと言っていいのじゃないかと思うのですが、この奇現象を行政的に政治的に解決するかぎを根本龍太郎という先生がお持ちだと私は考えるのです。農地改革にふさわしい地価対策、土地問題の根本的解決によって、ヨーロッパの先進諸国家が持っているあの人生をエンジョイするゆとりある生活に近づけるための英断を、根本先生、「こんぽん」という字が書いてあるあなたが、根本的解決策を、竜が天にのぼるような意気込みでやってもらいたいのです。
#117
○根本国務大臣 たいへんな激励を受けましたけれども、私も、実はこれを主張しているのです。それで、法人がいわゆる工場をつくるとかいう名目で土地を手配して、実際は不況になった場合に、赤字になったときに、これを放出して、それで会社を経営するというのはけしからぬことだと思う。だから、個人についてと同様に法人に対して固定資産税をかけろということを要求しているのですよ。ところが大蔵省から税制調査会のほうに要求しても手が届かないのです。これはまことに私は残念だ。私は建設大臣、大蔵大臣兼任でないものだからどうにもならない。そこで私は、先ほどあなたが来られる前に、大出さんに盛んにしかられたり激励されたりしてやったのですけれども、私は、ここで税制もさることながら、住宅用地については政府が先行取得する権限を国会で与えてもらう。そしてそれについては交付公債を出して買ってしまう。そうしてからでないとだめなような気がする。私は、今国会で国有農地の払い下げであそこまで与野党一致したならば、その勢いをもってやってほしいということをほんとうは念願している。これなら国民も憲法違反だとは言わないし、それから与党はもちろん野党だって、それは乱暴だということは言わないような気がする。だから公害国会の次に、でき得ればこの次の臨時国会あたりでは、地価対策臨時国会を開いていいんじゃないかというくらい私は心では願っているのですよ。そうでもしないと個々の、何といいますか、部分的な合理性、斉合性だけ追っていてもできはせぬ、そういうくらい私は感じています。受田さんの言われる気持らはわかるのです。わかって、実は提案して一年ちょっとなりましたけれども、実は私の手に負えないのです。
#118
○受田委員 根本先生が根本的なメスを入れるのには手に負えないとさじを投げたという形のようです。これはやはり超党派の問題として、私は、いまの一番いい方法は、つまり時価評価による課税というやつを敢然と踏み切る、それが解決して、むしろそういうことで土地を買ったやつが投げ出して地価が暴落して、暴落したやつを交付公債で買うような時期が来ると思うのです。土地暴落時代、そのくらいの根本策を――大出先生、ひとつ野党で、これは非常に大事な問題で、もう大臣御自身が苦労しておられることよくわかったから、われわれ野党がむしろ政府のがんこなる、資本主義を擁護する者どもを駆逐する、たいへん失礼なことばでございますが、それはある程度そういう要素があるのです。それを駆除するには、われわれが駆除しなければならぬという意味で、超党派でこの問題に取っ組むような努力を、大出さんも全く意思一致しておりますから、根本先生もそういうみんなの協力を求めておられるし、与野党の議員さんも気持らが一つのようです。国民のために、庶民の幸せのために、根本的解決をひとつあなたが在任中に、その端緒をつかんでいくようにひとつさしてもらいたいと思います。この問題の質問はここで終わります。
 次に私は、道路問題をちょっと尋ねておきたいのですが、私自身昨年、外国の道路事情と交通問題をひっかけて調べて帰りまして、日本の道路の特色をしみじみと感じ、また非常に悲哀も感じてきたわけですが、二千年前にベスビアス火山の噴火で地中に埋まったポンペイの町は、十九世紀になって発掘された。そしてその町並みを見ると、二千年昔にもう石畳でりっぱな歩道と車道が区別できるようなゆとりある道路ができておる。ヨーロッパは馬車とかその他があったので、二千年前からそういう広い道路が発達したということが言えるのですが、それをもとにしてヨーロッパの道路が、今日ああして網の目豊かにして交通を助けておるということを、私たちは一応歴史的に理解できるのです。日本はその点、徳川時代の鎖国政策で、かごをかついで歩く程度の道路でがまんして、また橋をかけてはいけないということで、大井川もかごをかついで渡った。橋梁政策も全部やめてきたという鎖国時代の日本の道路政策というものが、あまりにも野蛮的で、非文化的であったために、明治以後も狭い国道が天下の国道と称せられたのが戦前の姿。自後マッカーサーによって占領された時代に、マッカーサー自身道路がないのに弱って、とにかく車道中心の道路を命じたという。人間の道路でなくて車の通る道路を命じたので、昭和三十年ごろから建設省が骨を折って急速に道路計画を進められたようですが、人の通る道路でなくて車の通るための道路、国道であった。歩道を併置してある国道だけでいった場合、最近二五、六%から三〇%、だんだん歩道が併置されているのがふえてきておると思うのですけれども、しかしそれにしても、まだ現時点では国道に歩道がつけられているのは三分の一程度しかないのではないかと思います。比率もちょっと現時点のを教えてもらいたいのですが、この人の通る道路を抜きにして、車のための、車さまさまでやってきた傾向がある。これは建設省は雄大な構想で、これにひとつ解決のメスを入れようという御発表をされておるようです。しかし、それは御発表だけであって、具体的にどうもはなはだ不安を抱かせるような要素が入っていると思うのですが、この歩道を国道に併置する、まあ完全にとはいわなくても、歩道は別のところへ、裏通りとか、いろいろ手もあると思うのですけれども、そういう方法もあると思いますけれども、完全に国道に歩道が併置されるような方式、つまり併置されなくて、間隔を置いて並べられたかっこうでもけっこうですが、そういう形をもって、いつの時点に人間が通る国道というものが認められる時期が考えられるか、御答弁願いたいのです。
#119
○根本国務大臣 まず私は、日本の道路政策の根本について申し上げます。
 御指摘のように、日本の歴史を調べてみて、道路政策らしい道路政策をやったのは、過去において二回あります。それは奈良朝がいわゆる国家体系をつくりまして、各地にいわば四道将軍を派遣して、それを押えるためにやった。あのときにしてはまあかなりの国道ですが、国家統治上のためにつくったことが一回です。それから織田信長と秀吉がようやく戦乱を押えて、軍事的な目的をもってあの当時かなりの道路、橋梁をつくっています。ところが御指摘のように、徳川になりますと、自分の徳川政権を維持するために逆行したのです。そのために譜代と親藩と交互にやって、そして江戸に進撃することを防ぐために、いままでのかごで通れる程度の道路にし、橋梁をなくしてしまった。これが明治維新まで続く。明治維新政府になって初めて国道政策なるものをつくったが、今度は日清、日露戦争で日本の防衛線が海外に行ってしまった。それと同時に、今度は鉄道という新しい機関ができたために、大量輸送機関で、道路へはあまり力を入れずに鉄道網を全国に張ったという形、そしてそれが終戦で終った。そこで私が十三年前建設大臣を命ぜられたときに、何に重点を入れるかというので、道路に重点を入れる。そこで道路特別会計を、大蔵省の非常な抵抗を受けながら、これは国会の皆さんの御賛同を得て設けておる。そうして、一級国道は知事にまかしておったら絶対にできない、選挙にからみまして投票の多いところだけにやるものだから、市街地はややできるけれども、県境は全然だめだったのです。私はあなたの選挙区もあのときに行ってきたのです。そうしたら山口県、あんなところは国道がひどいものでした。そのときに小澤君が知事をしていて、私を案内していった。全然ひどい林道みたいなところに着いたから、おれは農林大臣じゃないんだ、林道なんか見に来たんじゃないと言ったら、これが国道です。どこに原因があるかというと、あの当時は長州からえらい元老が出てきて、その元老があちこちに自分の土地を持っています。そうして国道をつくったり何かすると自分の田畑が減るということで、自分は東京に住んでいるものだからつくらせない。そうして牛馬が通るところの道が国道になっておるのです。これではいかぬということで、私はいまの道路特別会計を設けて、そうして一級国道については建設大臣みずから管理する、自分がつくる。府県知事にはまかせない。そのときに全国の知事から反撃を受けたけれども、これまた国会の皆さんの御協力を得てできた、こういう段階なんです。ところがいま御指摘の、進駐軍が来てから、これは軍事上の目的も若干あったし、それからいまのモータリゼーションとの関係で、道路がずっと全部、人間と馬から、いまでは馬はいなくなったけれども、車に占領されましたが、今度は道路構造令も変えまして、それから今度の新しい道路五カ年計画では、はっきりと歩道、それから自転車道路もできる。ただし、高速自動車道にはこれはつけません。これは人間が通ることができない、車専用です。それから一般国道では、できるだけ歩道と車道と分離し、安全確保をするということにしたいと思います。それから、市街地内においても、幅が車道と歩道とつけ得るところは必ずつけさせる。そして、もし歩道と二つ並列できないところは、もう車を通さぬというようなことでやるつもりでいま進めています。
 具体的なことは事務当局から説明いたさせます。
#120
○吉田説明員 歩道の設置は、交通安全対策の中でも最重点に実施しているわけでございますが、なおかつ進捗は十分でございませんが、今度の新道路整備五カ年計画、あるいはこれと関連をもちまして四十六年度から発足しようとする交通安全対策事業に関する五カ年計画等におきましても、さらに歩道と車道の分離を最重点といたしまして実施することといたしております。その結果、五カ年計画の終わりまする昭和五十年までには、現在交通が危険な道路が全国的に約七万キロ指定されておりますが、このうちで市街地部分にあります約二万八千キロのうちで、歩道設置可能な二万一千キロ、ある程度幅員のある道路につきましてはすべて歩道を設置するという計画にいたしております。
#121
○受田委員 根本大臣は山口県の道路の由来をいまお述べになっておられたが、大臣の御出身の東北から北海道のほうは、おおむね道路の中に歩道がついたのが比率が少ないのです。地方道においてはいわんやそういうのが少ない。西のほうはその点は充実してきつつある。東北、北海道が比重が低い。文化がおくれたような印象を与える県があるというので、いま次長が市街地区域、なるべくそういうものを中心ということで、それに力点を置かれるような話がございましたが、町筋だけに人間の通る道路があって、町を離れたところは、国道でまかない得ないのは地方道で人間の通る道を考えておるのですか、どうですか。いまの一〇〇%歩道を併置するという方針をどういうふうに持っておられるのか。
 それから自転車道、これは非常に味があると私は思いまして、自転車道整備法も議員提案で国会を通っているわけなんですが、これは最近サイクリング等の妙味があることで、世界の国々は自転車というものには非常に妙味を感じておるのです。文明国らしい国といえば自転車道が整備してあるといってもいい。オランダなどは三万キロもある。裏から裏まで自転車道がある。この実情を見るときに、日本にはせめて勤労者がさっそうと自転車に乗り、また学生がさっそうと自転車に乗って登校する姿などというものは――自転車道を整備して安全な道路を自転車で通えるように整備すべきだと思う。車の問題が一つ起こるので、車に力を入れるか自転車に力を入れるかという問題もある。道路と車は因果関係があるわけでございますが、交通機関としての自転車というもの、また一方では健康上の自転車という意味で、さっそうとビキニ姿で、夏などかわいい娘さんたちが日に焼けたはだもあらわに自転車に乗っていくのはまことにほほえましいですね。おお君、こう呼びたくなるほどすばらしい。そういうものが日本にはないのです。そういう健康的な自転車道というものを、国道の中に自転車道と歩道と一緒にやっているところも認められる。二メートル以上の幅員があるところはそういうようにするというようでございますが、せめて道路だけは車道、人道、できれば自転車道、ちょっとはずれても、裏を通ってもいいから、自転車道というものを大幅に急速にひとつ準備していただく、こういう形をもって文明国らしい道路政策を、これは文化の振興の拠点というべきものでございますので、動脈、大動脈から小動脈というようなものがすみずみに至るまで、そうした文明を助けるかっこうで敷かれていくべきだと思うのです。
 あわせて自転車道の整備計画、私がいま申し上げた西欧のあれですが、アメリカの国など、いま自転車天国をやっている。歩行者天国から自転車天国に転化している。この辺でも、そういう健康的な自転車天国の道路を一つくらい開いてもおもしろいのじゃないかと思うのですが、建設省が自転車道をおつくりになる、それができるまでに、一般の車道を自転車だけが通るというある時期を――これは他省との関係にもなりますけれども、そうしたうるわしき健康的な自転車道をあわせてどう検討しておるかも御答弁願いたい。
#122
○根本国務大臣 御指摘のとおりでございまして、それで、先年自動車道のほかに自転車道の議員立法のときに、私は積極的に賛成しまして、予算づけもしております。最近は特に京葉道路なんかにおいても、通学に自転車をぜひ使いたいということで、それもできるような措置もいたしておるわけでございまして、今後私は、交通手段であると同時に、いま受田さんも言われたように、健康上大いにこれをやるべきだと思うのです。日本人はすぐにムードに流されて、マイカーというとみんなマイカーになっちゃって、非常に健康に悪いのです。足腰が強いということが健康の最大でございますから、その意味において、北欧諸国はほとんど、オランダにしろベルギーにしろ、フィンランド、スウェーデン、これらの国に行くと、サイクリングが非常な健康の問題であり、しかも実生活における通勤の手段として、彼らはみなマイカーを持つ能力を持っているにもかかわらず持たないのです。そこに彼らの人生というか、価値観の一つの文化的な尺度があると思うのです。ところが、日本人は何でもかんでも自動車でなければいけない。そして、都市へ来ると一時間もストップするというのにわざわざマイカーで来る。この愚かさをなくさなければならぬということにもなりますが、私は今度道路五カ年計画をやる場合には、自転車道を全部につけるということはなかなかむずかしいようです。そこで、いま御指摘のある歩道と自転車道が併用できるような、それから地方道においてはできるだけ通学路と自転車道、これを兼ねたものを設置するように指導しておるわけでございますが、どの程度までいま具体的にいっているか、私も指示はしたものの、具体的なあれはわかりませんから、事務当局から説明させます。
#123
○吉田説明員 御質問にございました趣旨、まことにそのとおりでございまして、まず交通安全の見地から市街部、つまり人家がかなり連檐している部分という意味でございますが、そういうところから優先する計画にはいたしておりますが、地方部におきましても、かなり歩行者あるいは自転車通行者の多い地区もございますので、そういうところにおきましては、市街部のように一〇〇%とはまいりませんが、五カ年計画完了時に約三一%程度になるような歩道の設置計画を立てております。その場合に、大臣からも申し上げましたように、現道が両側密集しておりまして拡幅が困難だ、つまり現道に歩道が設置できないようなものにつきましては、裏通り等を活用いたしまして、これを歩行者の専用道路あるいは歩行者と自転車の専用道路、あるいは場合によりましては自転車の専用道路として、いわゆるミニバイパスとして裏通りを安全に通していく、こういうことも計画いたしております。
 なお、自転車道につきましては、大体歩行者も自転車もともに多い場合には、やはり自転車と歩行者も分離すべきかと思いますが、どちらかが少ない場合には共用してやっていただくということも可能ではないか、そういうような点も考えまして、昨年の議員立法による自転車道法などでも、自転車道の中に歩行者も通れるような考えを持った法案となっております。今回道路法の改正案を提出いたしておりますが、その中で、道路法という基本法の中にも、自転車道あるいは自転車歩行者道、あるいは歩行者専用道路という三種類の専用道路の規定を置き、また道路構造令という道路の構造を規定いたしておりまする政令の改正も先日行ないまして、こういった専用道路の企画なども規定したところでございます。
 さっき申しました交通安全の五カ年計画の中では、歩道及び自転車歩行者道合わせまして約一万一千キロメートルの延長のものをつくろうということで考えておりますが、これらによりまして、前に申しましたように、市街部の必要道路については一〇〇%、地方部につきましては約三割程度が歩道または自転車歩行者道ができるということでございます。
#124
○受田委員 いま次長が申された中に、地方道に歩道の設置されていない――地方道というのは歩道だけのような印象の地方道もあるのだから、地方道に歩道が付置されている比率というのは非常に少ない。大体まだ一〇%程度以下じゃないかと思うのですが、地方道に対する歩道設置計画については、地方に、どういうふうな建設省としての指示を与えておられるのですか。
#125
○吉田説明員 交通安全五カ年計画の中には、国道ばかりでなく地方道も含めまして、特に普通は市町村道への補助などはあまりいたしておらないのでございますが、交通安全対策事業、なかんずく小学校、幼稚園児童の通学路につきましては、市町村道につきましても補助対象にし、かつ市町村道につきましては補助率を三分の二にするなどして実施しておるわけでございまして、なおそのほかにも地方単独ででもお願いするというものもございますが、これも合わせまして、地方道につきましても歩道設置には力を入れておるところでございます。
#126
○受田委員 大臣、自転車道というのは健康上非常におもしろい問題がひとつある。地方道で通学道路になっているところを自転車道に切りかえて、歩く道と自転車道と、一般自動車が飛び込む危険のないかっこうでいく。そのためには、いま通学用として補助率三分の二ということを申された。もっと四分の三ぐらいにでも、自転車道の設置を企画する地方に対しては、つまり通学のためのというのは教育問題ですから、補助率をもっと高めるような必要もあると思うのですが、そうすると自転車道、通学路というものが非常に整備されてくると思うのです。こういう問題は教育を背景にするだけに、これに予算を多く取られても他省がうらやむようなことはないと思います。そういう意味の御努力をお願いしておきたい。
#127
○根本国務大臣 いまさっそく引き受けるほどにまでいかないと思いますけれども、その意味で大蔵当局、自治省、こういうところと折衝したいと思うのです。いまの交付税配付にあたって、単に道路のあれについてのみならず、通学路について、それから自転車道について、そういうものを設置するところには、地方財政需要の中に一つの大きなポイントとして示していいのじゃないかと思うのです。そうしますれば地方自治体もその気になってやりますし、私のほうと相提携してやる。これを地方道になるまで全部補助金でやるということはなかなかむずかしいから、これは自治省、大蔵省、私のほうと、それから文部省とも話し合いの上、この問題についてあなたの御提言のことを真剣に事務的に取り扱うということを申し上げます。
#128
○受田委員 大臣、非常に熱心に取り組む姿勢を見せていただいてうれしく思います。国の建設行政というものは、土建業の立場でやるという意味でなくて、そういう教育的な要素というようなものも、また人道的要素も含めた高度の建設行政でなければならない。かつて建設省に建設局設置計画があったのです。これは顧みて、私ここで建設局とは何かという質問をやり過ぎてその建設局が没になった、たいへん申しわけない記憶があるのですがね。これは大津留官房長など御経験しておられることなんですが、私は、建設省という役所は、ある意味では大衆サービスの官庁の要素を入れながらいく、そういう意味で、ここで最後に、時間が進んでおるのでポイントだけお答え願いたいのですが、都市の中に公園をつくる計画、これは建設省のお仕事ですね。こういうものが高度の文化性を持った――建設省としては公園関係で、大学の造園科を出た職員がそこへいって、建設省の造園と厚生省の国立公園の両方が造園科の出身者を取得して、そこで庶民のための公園をどうするかということをりっぱにやっておられる。これらはほんとうに美しい建設省の大衆サービスだと思う。そういう意味で、建設省の持っておられる行政部門の中で、大衆を喜ばせるようなことに力点を置いていただきたい。それで、例の公園行政というものに対しては、建設省は、公園を健康で文化的な庶民の公園という関係と道路に直結して、道路へ自動車をちょっと置いて、そこでいこいをするとかあるいはドライブインとかいう意味の、つまり交通者の休息というようなものも含めた政策というものを取り入れておるのかどうか。単なる都市の一般住民のための公園、そこへ行くためには、その公園による駐車場等も用意して、その公園へ車で通う人にもいこいの場を与える計画を持った公園であるのか。
#129
○根本国務大臣 なかなかそこまではいっておりません。第一欧米諸国は、いわば都市国家から発達しているから、都市が相当広大な公有地を持っています。これはパリにしろベルリンにしろどこでもそうです。ところが日本のほうでは、もうできるだけそうしたものをつぶしてしまって他のものに転用してしまった。そこで、いま都市公園というような小さなものでも、子供の遊び場、おとなが少しでも体操なり、ちょっとしたキャッチボールでもできるようなものすら十分じゃありません。これをいま一生懸命やっております。そこで、先ほどの問題と関連して、ぼくは国とそれから地方自治体に対する公共用地の先行取得権をやはり与えなければいけないと思うのです。そうしないと、幾ら都市改造をやれ、やれいこいの広場をつくれといったって、できはせぬ。ましていま道路のそばにいこいの駐車場ができるなんて、それは理想ではあるけれども、とてもいまなかなかできないので、これは今後とも都市再開発の問題と関連して検討してみたいと思います。
#130
○受田委員 時間が進んで本会議のベルが鳴ったようですが、地震に対する高層建築のこういうのが出ておる。これらに対する国民の不安は相当なものです。霞ケ関ビルが倒れたら、この辺、乗っている人だけじゃなくて、その下敷きになる人たちはどうなるかという事実、ロサンゼルスに学んだ高層建築のあり方等も私はお聞きしたがったのです。そうして、ヨーロッパではもう一人一戸の持ち家主義が完全にいっておる。公務員で住宅のない人は一人もおらぬ。日本は公務員住宅さえも十分でないというような問題を討議する時間についに恵まれませんでしたが、この点、建設省、私の意のあるところを十分くんで、ひとつりっぱな建設行政を実行してもらいたいという要望を付して、質問を終わります。
#131
○天野委員長 次回は、来たる二十三日火曜日午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後一時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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