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1970/04/28 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 内閣委員会 第19号
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1970/04/28 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 内閣委員会 第19号

#1
第065回国会 内閣委員会 第19号
昭和四十六年四月二十八日(水曜日)
    午前十時十分開議
 出席委員
   委員長 天野 公義君
   理事 伊能繁次郎君 理事 熊谷 義雄君
   理事 佐藤 文生君 理事 坂村 吉正君
   理事 塩谷 一夫君 理事 大出  俊君
   理事 鈴切 康雄君
      阿部 文男君    加藤 陽三君
      鯨岡 兵輔君    辻  寛一君
      中山 利生君    堀田 政孝君
      山口 敏夫君    横路 孝弘君
      受田 新吉君    東中 光雄君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      山中 貞則君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 中曽根康弘君
 出席政府委員
        内閣総理大臣官
        房審議室長   青鹿 明司君
        総理府恩給局長 平川 幸藏君
        防衛庁参事官  高瀬 忠雄君
        防衛庁参事官  鶴崎  敏君
        防衛庁長官官房
        長       宍戸 基男君
        防衛庁防衛局長 久保 卓也君
        防衛庁人事教育
        局長      江藤 淳雄君
        防衛庁衛生局長 鈴木 一男君
        防衛庁経理局長 田代 一正君
        防衛庁装備局長 蒲谷 友芳君
        防衛施設庁長官 島田  豊君
        防衛施設庁総務
        部長      長坂  強君
        防衛施設庁総務
        部調停官    銅崎 富司君
        防衛施設庁施設
        部長      薄田  浩君
        防衛施設庁労務
        部長      安斉 正邦君
        外務省国際連合
        局長      西堀 正弘君
        厚生省援護局長 中村 一成君
        郵政省電波監理
        局長      藤木  栄君
        自治省行政局公
        務員部長    山本  明君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局給
        与課長     谷口  昇君
        厚生省援護局援
        護課長     柴  義康君
        内閣委員会調査
        室長      本田 敬信君
    ―――――――――――――
四月二十七日
 国家行政組織法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第一〇四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第一七号)
 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
 五三号)
     ――――◇―――――
#2
○天野委員長 これより会議を開きます。
 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。加藤陽三君。
#3
○加藤(陽)委員 防衛二法案の質問をするわけでありますが、きょうは主として、私がいままで各地でいろいろな方にお目にかかった際に承りました意見をもとにいたしまして、防衛の問題について国民の皆さん方がどういう点について問題意識を持っていらっしゃるか、そういう点について、私がこれは大事だと思う問題を取り上げて政府の見解を伺いたいと思います。いままで見ておりますと、当委員会における論議はどうも専門用語が多過ぎるように思うのです。やむを得ない場合もありましょうけれども、私もなるべく平易な、わかりやすいことばでお尋ねいたしますから、長官はじめ政府委員の方も、速記録を読めばわかる程度にできるだけやさしく御答弁願いたいと思うのであります。
 まず第一にお伺いいたしたいのは、自衛隊の現実の力であります。どの程度の実力を自衛隊は持っているかという問題でございます。先般本委員会において航空自衛隊のソ連軍艦の誤認行動の一件について質疑応答が取りかわされましたが、私聞いておりまして自衛隊の現実の力の一つの面を見せつけられたような気がするのであります。と申しますのは、ああいうふうな事態が起こるということは、訓練の問題もありましょう、トップの意思が末端まで徹底していない、また実際に任務を遂行する隊員に対して指揮官あるいは上級者の指示または注意というものが行き届いていないのではないかというふうな気がしてならないのであります。自衛隊の運営の面について長官はどういうふうにお考えになりますか。いまこれで十分やっていけるというふうなお考えでありますか。それをまずお伺いしたいと思います。
#4
○中曽根国務大臣 先般の誤認行動の事件はまことに遺憾な事件でございましたが、全般的に見まして、自衛官の使命感というものは逐次上昇していい方向へ向いつつあるように思います。しかし中央の考え方が末端にまで浸透するにはまだまだ足りないところがありまして、大体クラスで申し上げますと佐官のクラス、その辺から下のほう、特に曹並びに士のクラスに徹底する部面において透明度が落ちたりあるいは電波が弱くなったり、そういう可能性がまだ十分あるように思いまして、そういう点は今後ともわれわれが改革する必要があると思います。
 また一面において曹ないし士のクラスから上のほうに対する要望、希望というものがストレートにわれわれのところに来るかというと、必ずしもそうでもないところもあるように思いまして、その辺のクラスの考え、あるいは要望というものをできるだけストレートにわれわれの手中に入れて、それを常に考えていくということも非常に大事であるだろうと思います。逐次改善はされておりますが、やはり反省してみますれば、旧軍の時代にあったような、そういう屈折というものはまだ必ずしも完全に直っていない、そういうように反省いたします。
#5
○加藤(陽)委員 今度の事件につきましては、その後モスクワ放送で日本に対する非難を加えておりますことは長官も御承知のとおりであります。日ソの友好関係というものが事件の拡大を防いだということがいえるのでありまして、今後二度とこういうふうな問題を起こさないように御配慮を願いたいし、またそういうことをするということを先回長官もおっしゃいましたので、私も安心をしておるわけでございます。そうしまして、いまおっしゃいましたとおり、実際に行動に当たる隊員に対しましては疑いのない、間違いのないような、指令を徹底させることが一番大事だと思うのです。装備を何ぼつくりましても、そういう点が徹底しておりませんと実力というものが十分に発揮できないと思うのであります。いまの自衛隊において大事なことは、やはりそういうふうな指揮統率の能力といいますか、自衛隊の運営の面において一段と改善の努力をすることではないかと思うのでございます。第三次防衛力整備計画では、四十一年十一月二十九日の閣議決定で「日米安全保障体制を基調として、侵略に対する抑止力として有効な防衛力を整備」する、こう書いてあります。装備が整いましても、そういう自衛隊の運営面でまだまだ弱点がありますと、ほんとうに有効な防衛力になり得ないと思うのでありまして、この点を今後もっと努力願いたいと思います。
 四十六年度をもちまして第三次防衛力整備計画も終わるわけでございますし、そのために必要な定員の要求も出ておるわけでありますが、第三次防衛力整備計画は大体所期のように達成できた、あるいはできるというふうに長官はお考えでございますか。
#6
○中曽根国務大臣 四十六年度予算が御可決いただきましたように運用されて、これが達成できますれば、大体金額にいたしまして九七%程度の遂行率になるのではないかと思っております。
#7
○加藤(陽)委員 第三次防の決定をせられておりますことが、いま九七%とおっしゃいましたが、大体どの程度にできたかということについてお伺いしたいと思います。四十二年三月十四日の閣議決定に基づきますと、「海上防衛力の強化」といたしまして「艦対空誘導弾とう載艦、ヘリコプターとう載艦等の護衛艦一四隻および潜水艦五隻を含む艦艇五六隻約四万八〇〇〇トンを建造するほか、固定翼の対潜機六〇機、対潜ヘリコプター三三機等の航空機を整備する。」、こうなっておりますが、海上防衛力の強化の点についてはどういうふうにでき上がるのでしょうか。
#8
○久保政府委員 海上自衛隊につきましては、ヘリコプターとう載の護衛艦二隻を含めまして十三隻を建造いたしております。これは四十六年度末を目標にいたしまして、十四隻のうち、千四百五十トンのDE、護衛艦が一隻認められております。それから潜水艦の五隻はそのまま建造を認められております。艦艇で総数――これは目標では五十六隻四万八千トンということでありましたが、総トン数で四万八千トンはそのまま達成されましたけれども、魚雷艇のような小さなものが落ちておりますので四十二隻と数が減っておりますが、総トン数ではいまのように同じであります。それから国定翼の対潜機、それと対潜用のヘリコプター、これはそれぞれ目標どおり認められております。この結果、自衛艦といたしましては二百隻の十四万二千トンという目標に対しまして、やはり隻数は同じでトン数が十四万四千トンが達成の数字になっております。このトン数がふえておりますのは、敷設艦などの改修でトン数がふえましたり、上陸用舟艇を小型のものに変えてつくったり、それから減耗が若干延びたというようなことで、当初見込みよりは保有といたしましてはふえておるということであります。
 同じように航空機につきましても、目標の二百二十機が現実には二百四十機になっておりますが、これはS2Fが当初考えたよりも落ちる度合いが少なかったということで、保有のほうに若干の増加数が出ておるということであります。
#9
○加藤(陽)委員 海上自衛隊のほうはわかりました。
 次に航空自衛隊でありますが、地対空誘導弾ホークを装備する部隊及びナイキハーキュリーズを装備する部隊をそれぞれ二隊編成して、さらに各一隊の編成の準備をする、なおナイキハーキュリーズの誘導弾及びホークは国産するという閣議決定になっておりますが、その点はどうなっておりますか。
#10
○久保政府委員 航空自衛隊のナイキ及び陸上自衛隊のホークにつきましては、当初の計画どおりに四十六年度までで着手しつつあります。
#11
○加藤(陽)委員 ミサイルの国産はどうですか。
#12
○久保政府委員 ミサイルも国産いたしております。
#13
○加藤(陽)委員 全部国産ですか。あるいはある程度米国から原材料を輸入してやっておるのですか。
#14
○蒲谷政府委員 ナイキ、ホークにつきましては、ライセンス国産でございますので、輸入する部門も方針としてはございますが、現実に予定といたしまして、実は先週最初につくりました、国産のノックダウンでない独自の方式でつくりましたミサイルが、すべて試射に成功しております。現在開発中のミサイルにつきましては、これは国産という前提でやっております。
#15
○加藤(陽)委員 陸上につきまして、大型、中型のヘリコプター八十三機及び装甲輸送車約百六十両、輸送機十機の整備、戦車が二百八十両を更新をする、こうなっておりますが、この点はどうですか。
#16
○久保政府委員 陸上自衛隊の主要な装備につきましては、目標どおり四十六年度末までに達成の見込みであります。ただ自衛官の定数が予定よりは千人増員が認められなかったということだけであります。
#17
○加藤(陽)委員 現在陸、海、空を通じまして、主要な装備について計画数量に対する実際の保有数量というのは何%くらいになっていますか。戦車あるいは装甲車、艦艇、それから飛行機ですね、おもなものだけでよろしいです。
#18
○久保政府委員 航空機とそれから艦艇につきましては、先ほど申し上げましたように当初の目標に対しまして、これは航空自衛隊も含めてそうでありますが、減耗度が予想よりは低かったために若干ふえております。艦艇は先ほど申し上げました。それから海上自衛隊の航空機についても申し上げましたが、航空機については当初の目標が約八百八十機が約九百二十機になっておるところであります。
 問題は陸上自衛隊でありますが、陸上自衛隊につきましては、定数に対して主要装備品の充足度というものがそれぞれ異なっております。手持ちの資料を調べればおそらくわかると思いますが、たとえば戦車につきましては、千両の定数について七百両の充足度であるということで、定数に比べますと陸上自衛隊の主要装備の充足度というものは、大体二割程度低いようになっておると思います。
#19
○加藤(陽)委員 航空機や艦艇のほうはいいのですが、戦車がそういうふうに充足がおくれたというのはどういう理由ですか。
#20
○久保政府委員 一つには、大体の考え方としましては、たとえば戦車にとってみますと、寿命がほぼ十五年、これは耐用年数といいますか、性能的な面とそれから機械器具をその程度使えるということから十五年という見通しを立てます。そういたしますと、定数に対して十五年間で毎年装備するには何両調達すればよろしいかという数字が出てまいります。したがいまして、一ぺんに調達いたしてしまいますと、企業の生産能力のほうがあとで遊んでしまいますので、われわれとしましても平時、差し迫った脅威のない今日においては、十五年間なら十五年という間、同じテンポで生産することが望ましいということで一応の数字を出すわけでございますが、その範囲内において全体の予算規模の中で縮小されるということであります。したがって、考え方としましては、そういう生産規模と耐用年数を見合わせた数字でもってまいりたい。これは新防衛力整備計画の考え方でありますが、三次防以後もそういう構想でありましたが、総体の予算の中である程度押えられるという面もありますので、その見込み数量よりは若干下回った数字であります。そういうことでいくと、定数まではなかなか満たされない、もっと考えてみますと、これはわれわれずっと研究してみなければならないわけでありますが、定数一ぱい持つべきものであるのかどうか、若干は下回ってもよろしいのであるか、そういうような平時における自衛隊といいますか、装備のありようということも、これは別の面から考えて見なければならない新たな問題だと思いますけれども、いままでの考え方では、希望といたしましては定数一ぱい持ちたいということになっております。
#21
○加藤(陽)委員 その定数の問題は、私、いま言ったような生産の能力等を勘案してきめられるのだと思うのですけれども、新しい防衛力整備計画では、その点に十分配意されておるということならけっこうだと思うのですが、定数がありましても結局稼働率がどうかということがひっかかってくるわけですね。戦車、飛行機、艦艇等主要なるものについて稼働率をお示し願いたい。
#22
○久保政府委員 いろいろな種類がございますけれども、また若干高い低いもありますけれども、たとえば護衛艦DDクラスで申してみますと大体七〇%台、よろしい場合で八〇%というのが稼働率になっております。海上自衛隊の稼働率の目標としましては、ほぼ八〇%程度を目標にいたしております。それについて見ますると大体近い数字になっておるようであります。
 それから陸上自衛隊について、たとえば戦車を取り上げてみますると、三カ月間のほぼ使用可能な程度に稼働率が維持されているもの、これが大体七〇%、悪いときで七〇%から、よろしいときでほぼ八〇数%ということになっております。陸上自衛隊の場合も、大体の目標、これは正確なあるべき姿というものは必ずしもまだつくられておりませんけれども、ほぼ整備目標としましては八
○から八五%ということで、悪い時期を除きますと大体目標に達しておるようであります。
 それから航空機について、たとえばF104を例示してみますると、ユーティリティーアワー、というのは要するに一カ月間に飛行機が飛んでいる時間数でありますが、このユーティリティーアワーは、F104が導入されたころは御存じのように十数時間程度であったわけであります。これは日本もドイツも同じでありましたが、目標は大体月間ユーティリティーアワーを二十二ないし二十五時間程度と考えまして、これはF104についていえばほぼ世界的に認められた数値のようでありますが、この数字目標に対しましてユーティリティーアワーは、航空自衛隊の場合には現在二十二時間飛んでおります。その規模にいたしましていまの稼働率が七〇数%から八〇数%まであがっております。これは逐年あがっておりまして、いまのユーティリティーアワーを基礎にしまして、たとえば三十八年が稼働率が三九%、それから三十九、四十年が五〇%台、四十一年から四十三年が七割台、四十四年に至りますと八六%台ということで、ドイツの場合でも大体七〇%前後ということですから、F104の手に入った度合というものはたいへん向上されておるということであります。続いて申しますれば、ほぼ目標に近いか、目標を越えているというふうに申せるかと思います。
#23
○加藤(陽)委員 私もいま聞いておりまして、大体稼働率はその辺までいけばいいと思うのです。
 次にお伺いしたいのは、隊員の練度の問題であります。これも一々伺っておりましたらだいぶ時間がかかりますので、航空自衛隊の戦闘機のパイロットの練度及びレーダー整備の隊員の練度、海上自衛隊につきましては射撃の練度、陸上自衛隊につきましては兵器の種類の隊員の練度を、それぞれ上級、中級、下級の段階があるわけでありますが、その段階ごとに目標に対してどの程度達成できておるかということを御説明願いたいと思います。
#24
○久保政府委員 これは御質問の趣旨に沿うような資料は整備できると思いますけれども、私の手元にありませんので、ちょっと数値的に何とも申し上げられません。しかしいま概括的に申し上げれば、私が見ました数字でいいますと必ずしも所望の域にはまだ達しておらぬ。やはりまだ練成の過程であるということが申せるかと思います。数字的には別にまた御説明申し上げたいと思います。
#25
○加藤(陽)委員 これは大事な問題だと思うのですね。こういうことを御質問するということを申し上げておったのですが、戦闘機のパイロットについてはわかりませんか。
#26
○久保政府委員 ちょっとほかの御質問をされている間に資料を差し上げます。
#27
○加藤(陽)委員 それではいまの御答弁はあとでいただくことにいたしまして、次に三次防ですが、隊員の充足状況についてお尋ねしたいと思います。
 今度の法案で六百数十名の増員要求があるわけでございますが、提出をいただいた資料を読んで見ますと、いずれももっともな増員の要求なんです。しかし現実に陸、海、空の自衛隊は定員に対してどれくらい充足しておるかということをまずお聞きしたいと思います。
#28
○江藤政府委員 本年の三月末、すなわち四十五年度末でございますが、陸上におきましては八七%、海上におきましては九七%、航空自衛隊におきましては九九・三%になっております。
#29
○加藤(陽)委員 九七%、九六%ということになりますと、私もいま行政管理庁でいただいたのですが、大体ほかの行政機関の充足率と同じくらいですね。ただ陸上自衛隊が非常に悪いということは言えると思う。今度は海、空の自衛隊の増員ですから、あるいは増員、充足が可能ではないかというふうに思いました。
 次に隊員の健康管理の状態についてお伺いしたいと思います。
 いま新しい資料でどれくらい隊員が現在休務しておる、現在働いておられないかということを御説明願いたいと思います。
#30
○鈴木(一)政府委員 自衛隊総数の休務率は四十五年十二月末、千人当たり一〇・一人というふうな状況が出ております。
#31
○加藤(陽)委員 病気の種類はどういうものですか。
#32
○鈴木(一)政府委員 疾患別に見ますと、圧倒的に多いのは呼吸器疾患でございまして、次が消化器系統の疾患、いわゆるかぜ引きだとか腹をこわしたというのが圧倒的な数字を示しております。あとはずっと減っております。
#33
○加藤(陽)委員 呼吸器、消化器系統の病気が多いということでありますが、これは一般的な現象だと思うのであります。問題はやはり早期に治療する能力が自衛隊の中に十分ないんじゃないか。医官はいま定員はどれくらい充足しておりますか。また病気にかかりました隊員に対していま自衛隊では実際上どういうふうにやっておられますか。
#34
○鈴木(一)政府委員 現在自衛隊におきまする医官の充足状況でございますが、大体病院関係におきましては七〇%くらいの充足状況を得ておるわけでございますが、部隊のほうが非常に少のうございまして、大体二〇%程度というようなことでございまして、これに対しまして、特に部隊の医官が非常に少ないということで、民間の医者をお願いいたしまして、委託医師として充足いたしまして、大体救護をカバーしておるというふうな状況でございます。そういうふうなことで、患者が出た場合、部外に委託する場合もございますし、それから部外病院、あるいは地区の病院、それから部隊、そこの中で、まあいま申し上げたような大体の疾患でございますので、治療に当たっているというような状況に相なっております。
#35
○加藤(陽)委員 まあ一〇・一人という休務率は、私は相対的に見てそう多いほうではないと思います。ないと思いますけれども、これは長官にお願いしたいと思うのですが、自衛隊の隊員の父兄の身になってみますと、病気になったりしますと、やはり隊の管理が悪いからうちのむすこや弟が病気になったのじゃないかというふうなことを思いがちなものであります。やはり隊員の健康管理につきましては、防衛庁として責任をもって、一般の社会生活を送る者に比べて劣らないということをまず示す必要があると思うのですね。どうもやはりいまのところは医者も足りない、何も足りないということで、自衛隊では子供が病気になったときに十分に手当をしてくれておるだろうかというふうな不安と疑問を持っておる父兄が相当おられるように私は思います。この点もぜひ長官に御配慮を願いたいと思うのであります。
#36
○中曽根国務大臣 お説のとおりであると思います。医官の不足ということは非常に深刻な事態でありまして、それに対する対策は、根本的には新防衛力整備計画において専門の防衛医科大学をつくる構想を推進しておりますが、それに至るまでも、部外医師の委託であるとか、そのほかあらゆる手段を講じまして不安のないように努力していきたいと思います。
#37
○加藤(陽)委員 次に、弾薬、燃料の備蓄の問題についてお伺いしたいと思います。
 非常時の場合は別として、大体年間どれくらいの燃料を消費しておられまして、現在備蓄はどれくらい持っておられますか。弾薬についても同じ。年間どれくらい消耗して、どのくらい備蓄を持っていらっしゃいますか。
#38
○久保政府委員 陸上自衛隊について申し上げますと、年間の消費量はほぼ七千トンくらいになります。そして現在備蓄いたしておりますのが六万九千トン、これは四十五年度末であります。ただし弾種にたいへんふぞろいがありますので、同じ基準で整備されているというふうには申し上げられないと思います。
#39
○加藤(陽)委員 燃料は。
#40
○蒲谷政府委員 大体年間六十二、三万キロリットルを消費しまして、備蓄が大体三十二、三万トンであります。
#41
○加藤(陽)委員 よくわかりました。大体私はいま答弁を聞いておりまして、第三次防衛力整備計画も四十六年で終わるわけでありますが、形の上では大体その目的を達成しておるように思うのであります。問題は、やはり先ほど申し上げましたように、ソ連の軍艦に対する誤認行動事件にあらわれているように、指揮統率の訓練の面に一番問題があるように思うのでありまして、その点を先ほどもお願いいたしましたが、今後防衛庁当局といたしましては、もっともっと訓練を重ねていただきたいと思います。
 もう一つ聞きましょう。先般決算委員会で、ダッシュという兵器について、何か防衛庁が非常に不当な買いものをしたようなことが新聞に出ておりました。その後決算委員の皆さんが現場を視察されるということになったということが書いてありましたが、その結果はどういう判断を得たのでしょうか。
#42
○久保政府委員 ダッシュの視察に決算委員会の方々が行かれまして、東京湾で現実にダッシュを搭載をしておる艦艇に乗られて、そしてダッシュの発射訓練を行なったということでありますが、風速は忘れましたけれども相当に強い波風でありまして、委員の方の中には酔われた方もあった程度の悪い状況のもとにおいて、ダッシュは確実に発射され、そしてちょうどレーダーでそれを追跡することが可能でありますので、それをごらんになって、レーダーの上では訓練上発射しかつ命中したということで、たいへん成果があったというふうに私どもは聞いております。
#43
○加藤(陽)委員 実はそのダッシュにつきましては、私も関係した者の一人でありまして、決して不当な買い物をしたと私はいまでも思っていないのでございますが、何か防衛庁の態度が誤っていると思われまして、私は非常に心外なんです。いまのようなことを適当な機会にPRしていただくとありがたいと思います。
 次に、日米安保条約の関係の事柄について質問したいと思いますが、その前に軍縮問題に対する日本の態度についてお伺いしたいと思います。
 ジュネーブの国際連合の軍縮委員会に対して日本政府は代表部を出していらっしゃるわけでありますが、外務省は日本政府の代表部に対してどういうふうな指令を出しておられるのですか。外務省のほうからお答えいただきます。
#44
○西堀政府委員 先生御承知のように、ジュネーブの軍縮代表部は昨年設置をしていただきました。現在田中大使がわが代表として軍縮委員会に出席いたしております。で、外務大臣名をもって訓令を田中大使に対して発しておるわけでございますが、この訓令の基本ラインは、まず核軍縮問題について申し上げますならば、従来どおり、現段階において可能な軍縮措置を均衡をとりつつ地道に積み上げていくという基本的考えのもとに、すべての軍事大国の参加による核軍縮に最優先順位を置いているわけでございます。
 まず核実験禁止問題について申し上げますと、御承知のとおり、地下を除くあらゆる環境におきます実験がすでに禁止されております。わが国は残されたその地下における実験に関しましても、禁止の実現をはかるということに全力を傾けている次第でございます。このためには検証問題ということが最も重要でありますので、わが国の非常に進歩いたしました地震学的知識を十分活用いたしまして、この問題に今後とも貢献してまいりたいと考えております。
 次に、兵器用の核分裂性物質の生産停止問題ということを、これは特に日本が取り上げて、田中代表が提案しているわけでございますけれども、現存の核兵器の量をこれ以上ふやさないというために、兵器用核分裂性物質の生産の停止ということを強く訴えますとともに、さらに一歩進みまして、これら核分裂性物質をできるだけ多く平和利用に転用するということを日本の代表は呼びかけているわけでございます。これが、核軍縮に関する大体の考え方でございます。
 次に化学、生物兵器禁止問題について。これにつきましては、先生御承知のように、これまで生物兵器から先に禁止しようとするところの西側グループと、それから化学、生物兵器両方、これを同時に禁止しようとする東側グループという対立がございまして、このBC兵器問題の審議の進展をはばんでいたのでございますけれども、先般突然ソ連側がその態度を変更いたしまして、生物兵器及び毒素の禁止に限定いたしました、西側のいわばラインに近い新条約案を軍縮委員会に提出いたしました。これは去る三月三十日なんでございますけれども、このような、譲歩と申してよいかと存じますけれども、ソ連側の譲歩によりまして、米ソを含む東西諸国の意見が基本線において一致したということになるわけでございますので、今後この軍縮委員会におきますところの本件に関する審議は、これまでの膠着状態を脱して大幅な進展が見られるのではないかとわれわれとしては考えております。
 わが国といたしましては、一昨々年でございますが、朝海代表が提案いたしましたように、化学、生物兵器を双方ともに禁止すべきだというラインをとってきたわけでございますけれども、一方におきまして、こういった実現可能な生物兵器から先に禁止するといった方式、これは一応現実的なアプローチとしてわれわれとしても評価はいたしておるわけでございますけれども、しかし、その当初わが国が打ち出しましたところの化学、生物兵器の双方が禁止されるべきである、こういった最終目標に向かいまして、化学兵器の禁止に関しても同時に並行して審議を継続すべきであるといった従来の立場は、一応堅持していく方針でございます。
 一応、おもだった案件につきましてのわが国の軍縮代表に対する訓令のラインは、以上申し上げたとおりでございます。
#45
○加藤(陽)委員 いまお答えをいただきました代表部に対する日本政府の訓令の内容は、私はそれでよろしいと思うのです。ぜひそれが実現するようにしていただきたいのであります。
 もう一つ、一般的な軍縮ですね。ことに核兵器の軍縮ですか、これは昨年日本が核拡散防止条約に調印をしたときも、米ソ両国にまかしておいたのでは済まないというふうなことを政府は声明されたように思っております。もう少しこれを何とか推進をする方法はないものでしょうか。そういうお考えはありませんか。一般軍縮に対する考え方、核軍縮の推進に対する考え方、これをお聞きしたいと思います。
#46
○西堀政府委員 核兵器の縮小、それから撤廃ということは、軍縮交渉において最も重要かつ緊急に解決すべき問題であるということは、先生ただいまお述べになりましたとおりでございます。したがいまして、このためにわが国は、在ジュネーブの軍縮委員会のみならず、国連等の軍縮交渉の場におきまして、核兵器の縮小といった問題の解決に最も力点を置いている次第でございます。
 しかしながら、他方におきまして、現実の国際社会といったものが核兵器の存在をいわば前提とする抑止力の均衡によってかろうじて平和が保たれているといったことも、われわれとしてはこれは認めざるを得ない現実でございますので、核兵器の縮小、それから撤廃といったものの実現にあたりましては、このような抑止力の均衡を大きくくずすといったような事態は避けなければならないと私は考えております。
    〔委員長退席、塩谷委員長代理着席〕
したがいましてわが国は、核軍縮を行なうにあたりましては、この抑止力の規模というものの均衡、これを保ちつつ、漸次縮小すべきであるといった見地から、現実問題として可能な分野において一歩一歩実現をはかるように努力していきたいと考えております。
 したがいまして、ジュネーブ軍縮委員会におきましても、田中代表は、本件につきまして演説を行なう場合にも、わが国としてその核軍縮に対しわが国が置いている重要性にかんがみまして、必ずそれを冒頭に触れることにさしております。したがいまして、先般の田中代表の行ないました演説におきましても、日本といたしましては、米ソ両大国が行なっておりますところのSALT交渉、これに対するところの関心の度合いというものを非常に強調いたしまして、これも特に冒頭において触れさした次第でございます。
#47
○加藤(陽)委員 おっしゃるとおり、核軍縮の問題になりましても、米ソの均衡をくずすようなことがあっては、これはたいへんな問題だと思うわけでございます。
 そこで、いまウイーンで行なっております米ソの戦略核兵器の制限交渉ですね、これについてはアメリカ側のほうから日本は連絡を受けておるのですかどうですか、その点をお伺いします。
#48
○西堀政府委員 本件につきましては米国政府から随時ブリーフをわれわれ受けております。しかしながら、これはあくまで米ソ二国間におきまして極秘裏に行なわれておるものでございますから、交渉の非常に詳細な点にわたってまでは、これは明確に、われわれとして質問いたしましても最後のところまでは向こう側がすべて言っていただけるかどうか、われわれとしてはこれは確信を持っているわけではございません。いずれにいたしましても、これは公表できない内容でございます。
#49
○加藤(陽)委員 その点はよくわかるのでありますが、大体日本政府の見通しとしましてSALTの交渉は成立をする見通しがあるかどうかという点についてはいかがでしょうか。
#50
○西堀政府委員 この点につきましては、いろいろわれわれといたしましては米ソ等におきます新聞論評その他等をも勘案いたしまして、その行く末についていろいろ予測をしているわけでございますけれども、正直に申しまして、米ソともやはり一種の手詰まりと申しますか、そういった観点から、非常に誠意をもって本件の交渉には当たっているとわれわれとしては観測いたしております。もちろんそうではないというような論評もございますけれども、率直に申しまして、米ソともにひとつこの点は二大国として誠実な交渉をやっていこうじゃないかという雰囲気にあるようでございまして、したがいまして、SALTの交渉自体も非常に友好裏な交渉の経過をたどっているというようにわれわれといたしましては観測いたしております。
#51
○加藤(陽)委員 軍縮問題についてはその程度でけっこうでありますが、もう一つ外務省に伺いたいのであります。
 昭和四十三年の六月十七日に国際連合の安全保障理事会で、アメリカ、ソ連及びイギリスが、核兵器の不拡散条約に関連いたしまして宣言をいたしておりまして、これに基づいて四十三年の六月十九日に、非核兵器国の安全保障に関する安全保障理事会の決議というものが採択をされております。これについて私ちょっとわからぬものですからお伺いしたいのでありますが、米、ソ、英の宣言は、これは国際連合の常任理事国としての責任を感じておる、この場合の行動は、国際連合の安全保障理事会としての行動に従うのだということなんですか、あるいは国際連合の安全保障理事会の決議とは別に、それぞれの国が非核兵器国に対して核の保障をやるということなんでしょうか、どうなんでしょうか。
#52
○西堀政府委員 これは先生ただいま申されましたとおりに、拡散防止条約、これの調印の際に、米、英、ソ三国政府がそれぞれ別途に同文の宣言でございますけれども、「核兵器の使用を伴う侵略行為の犠牲又はそのような侵略の威嚇の対象となったものに対し、」この核拡散防止条約の締約国である非核兵器国に対して、たとえば日本に対しては、国連憲章に従い援助提供のため直ちに安全保障理事会の行動を求める意図があるといった宣言を米、英、ソ三国がそれぞれ別個に行なったわけでございます。そこでその翌日、さらにこれを裏づけるために安保理事会が同じような決議を採択した。こういうことになっておるわけでございます。
    〔塩谷委員長代理退席、委員長着席〕
したがいまして、この宣言並びに安保理事会の決議、いずれも米、英、ソがこういった事態の起こった場合には、安全保障理事会に対して所要の行動をとるといった宣言でございます。したがいまして、この宣言ないしは決議の内容と申しますか、それに従って行なわれるところの行動というものは、あくまで国際連合憲章のワク内で行なわれるものでございますので、その限りにおきましては、確かに拒否権その他の問題もございますので、それは非常に完ぺきなものであるということは申し上げられないと思うわけでございますけれども、しかしわれわれといたしましては、この宣言並びに安保理事会の決議というものの持つ政治的意義というものは高く評価しなければならないと存じます。したがいまして、この宣言ないしは安保理事会の決議によって米、英、ソ三カ国による核保障が完全に得られたかということになりますと、これはいま申し上げましたように、あくまで国連憲章の範囲内でございますので、その点はわれわれとして認めざるを得ない。したがいまして、わが国としてはそれじゃ一体どうするのかということになりますと、これは先生に申し上げるまでもなく、日米安保条約に基づくところの締約国の保障に依存せざるを得ないということになろうかと存じます。
#53
○加藤(陽)委員 この宣言の中にも、それから安保理事会の決議の中にも、特に国連憲章の五十一条の自衛権の規定が援用してあるんですよ。これは安保理事会の決議なしでもすぐに核交渉に乗り出すという意味かどうかという点、私わからないのですが、この点はどう考えたらいいんでしょう。
#54
○西堀政府委員 これはその決議の中に援用されておりますとおり、確かに五十一条、それに従ってということでございますので、したがって、これの決議ないしはその前に行なわれました米、英、ソ三国の宣言がなくても、しいて申しますならば、同じじゃないかというのはそのとおりでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、この宣言ないしは決議というものは、やはり政治的な意義ということにその存在の価値を見出さなければならない、こういう次第でございます。
#55
○加藤(陽)委員 これ以上は外務大臣でないとぐあいが悪いと思うのですが、日米安保条約と、この安保理事会における米、英、ソ三国の宣言を受け入れるかどうかということは、やはり日本の大きな政治問題として残ると思うのです。これは受けることで日本としてあらためて申し出なければいけないわけですね。どういう手続になるのですか。安保理事会に申し出るのですか、米、英、ソ三国に申し出るのですか。
#56
○西堀政府委員 宣言ないし決議の文章に関します限りは、そういった脅威を受けた非核締約国が、特にアクションのイニシアチブをとってやることを待たずに、そういった事態になった場合には、米、英、ソ三国とも安保理事会に対して適切な措置をとる、こういったことになっておりますので、もちろんそれを求めることもできましょうけれども、少なくとも宣言ないしは決議に関する限りは、イニシアチブはあくまで米、英、ソのほうでとる、こういうことになるわけです。
#57
○加藤(陽)委員 その点はよくわかりました。
 次に、これは中曽根長官にお伺いしたいのですが、いまも国連局長が仰せになりましたが、米ソの間で核兵器の制限交渉をやっておる。非常に誠実な態度でやっておるというふうなことで、見通しについては何にもおっしゃいませんでした。そうでしょう。ただこれがどういう結果にまとまりましても、米ソの間の戦略核兵器の均衡と申しますか、これは保たれるだろうと思うのです。これはニクソン大統領の外交白書でも、この間のレアード国防長官の国防報告でも、アメリカとしてはソ連に対する戦略核兵器の優位を保ちたいというのが非常に大きな問題になっているのです。そこで、問題は中共という国が新しく核兵器を持ってきている。MRBMはもう実用の段階に入っておる。IRBMは近く実用の段階に入ると思うのです。そうしますと、中共の核脅威に対してアメリカが確実に日本に対して核の安全保障を提供してくれるかということについて疑問を持つ向きもあるのです。と申しますのは、アメリカとしては世界的にソ連に対する戦略核兵器の優位を保ちたい、もし中共の日本に対する核の脅威のためにアメリカの戦略核兵器を使うということになりますと、戦略核兵器における対ソ優位というものがくずれるんじゃないか、これはアメリカの世界戦略上許しがたい、認めがたいことではないかというふうな疑問であります。政府は代々、いかなる種類の兵器も使って日本を防衛するんだということを言明してきておられますが、私は、SALTの交渉の進展の状況を見ておりまして若干不安を感ずる点があるわけでありますが、この点をはっきりと、それは中共の核兵器の進歩いかんにかかわらず、対ソの戦略核兵器の制限交渉がどうなっても、アメリカが日本に対して核の保障を与えることは確実であるというふうに言ってもらいたいのですが、どうでしょうか。
#58
○中曽根国務大臣 私は確実であると思います。それは、一つは佐藤・ジョンソン共同声明におきましてもその意味のことをいっておりますし、私がレアード国防長官と会談した際の正式の言明でもそういうことを言っております。それがまず一つの根拠であります。そういう政府要人の正式の言明というものはあくまで守らるべきものであると信じております。
 それから第二に、SALTの進行が中国との関係において不均衡を生じはしないかというおそれは、一般の国民もあるいはお感じになっているところであると思いますが、現在中国の核開発状況、それから運搬手段の発展状況等、米ソの間との力にはまだかなりの大きな開きがあるようです。それで米ソがSALTをやっているのは何のためにやっているかといえば、やはり世界平和維持のために無用な戦争やあるいは軍事費の膨張をやめようという趣旨からやっているのだろうと私は思います。つまり戦争を防止して平和を維持するということが主目的なのであって、単に核を減らすということが目的ではない、そういう意味からしますれば、世界平和を維持するために単に米ソの力だけを見てやるべきものではなくして、中国やフランスやイギリスや、あるいはそのほかの核製造、保有している国々の動向もやはり見ながら行なはなければ、世界平和全体の維持はできなくなるだろうと思うのです。おそらく両国とも目的は世界平和の維持にあるわけでありますから、自分たちだけの局面にとらわれるということはないと思いますし、もし両国がそういう方向に勇断をもって前進するならば、やはり国際的世論というものがその他の国々を引きずっていって、それに参加せよとか世界平和全体を考えよという大きな力も生まれてまいりまして、その米ソの協定に乗ずるというような余地は少なくなっていく、私はそういうような気がいたしておりまして、私たちはいまのような確信をもって今後も政策を進めていきたいと思っております。
#59
○加藤(陽)委員 たいへん明快な御答弁をいただきまして私も満足するのでありますが、ただレアード長官の国防報告にもいっておりますとおり、米ソの戦略核兵器の幅がだんだんと縮まってきておる。ことにSALTの交渉を見ておりますと、ソ連のSS9に対してアメリカはたいへんな脅威を感じておるようであります。もう数年たちますと、アメリカのほうの見解によると、ソ連の戦略核兵器がアメリカを凌駕するのではないか。これは国防省筋の話でありますから、予算を取るためのあれであるかもわかりません。そういうような懸念も、これは日本の国民として冷静にものを考えた場合、どうしてもだんだんと不安を感じてくるようになるんじゃないかと思います。いまの御答弁を聞きまして私は非常に安心をしたわけでございます。
 次に、これもいまの日米安保条約に関連する問題なんでありますが、昨年の十二月に一万二千人の米軍の撤退が発表されましたが、最近の報道によりますと、第七艦隊の佐世保への移駐がまた変わったように出ておりました。その後、十二月に日米安全保障協議委員会できめられた事項で変わった点がございますか。
#60
○鶴崎政府委員 昨年の十二月に日米安保協議委員会で米軍の日本からの撤退、移動、こういうことがきまったわけですが、その際きまった基本的な事項の中で、横須賀関係につきましては、昨年の安保協議委員会のときにはSRF、いわゆる艦船修理施設をことしの六月末までに日本側に返還するということができまっておったわけですが、これにつきましては来年の六月末まで延期するということに方針が変わったわけです。それからもう一つは、横須賀の第七艦隊のオクラホマシティー号並びに第七潜水隊群の支援部隊の一部、これが佐世保に移駐をするということがきまっておりましたけれども、これにつきましても当分の間は佐世保に行かない、こういう方針の変更がございました。
 この理由としましては、米軍としては当初予想されたよりも予算が確保できたというような事情、それから日本側としましても、こういう大幅な移動についての、特に人員整理等につきましての受け入れ態勢については、やはりある程度の期間が必要であるというような日米双方の事情から、こういった方針の一部変更がきまりましたので、ことしの三月末にこの変更のことについて日米間で合意が成立し発表した、こういういきさつになっております。
#61
○加藤(陽)委員 大体基本的には変わっていないようでありますが、そこで防衛白書ですか、「日本の防衛」の中には、日米の安全保障体制につきまして、核攻撃に対する抑止力、大規模の攻撃に対してはアメリカにたよるのだというふうなことが書いてある。きょう新聞に出ております新防衛力整備計画によりますと、基本構想のところに、「航空優勢、制海を確保しつつ、被害の局限、侵略の早期排除に努め」たとえ「自力による排除が完全には困難な場合においても、地域占領などの既成事実を作らせることなく所要期間を持ちこたえ、日米安保体制に基づく米国の支援および国連の平和回復機能の発揮などによる事態の収拾にまつ。」、こういうふうに書いてあります。大規模なものは米軍にたよるのだということと、一定期間持ちこたえて地域占領などの既成事実をつくらせない、そこまでは日本でやるのだ、そうして日米安全保障条約に基づく米国の支援を受けるのだというこの表現との間に考え方の違いが出てきたのですか。どうでしょう。
#62
○久保政府委員 思想的には同じであります。ただ、大規模な侵略について米国の支援を受けるということをもう少し具体的に分析をしてみたということであります。
 その実態を申してみますと、先ほどお読みになったところがあるいは不十分であるかもしれませんけれども、私どもが考えておりますのは、たとえば一個師団、二個師団が上陸をしてくる、あるいは数個師団が上陸してきましても、それを短期間に排除するということは、特に専守防衛の分野についてはわがほうの能力だけでやれる。しかし、たとえば数個師団以上の兵力が上陸をしてくる、あるいは非常に長期間にわたって相手方と対峙をしなければいけないということになると、わがほうの兵力では困難になる。そこで、こういった事態については米国の支援に、特に相当大幅な支援に依存せざるを得ないということは、結局いま申されたことであるし、かつ大規模な侵略について云々ということと符合するわけであります。つまり大規模な侵略についてということをそういうふうに少し分析をしてみた。したがいまして、数個師団以上のものであれば、ある程度、特に陸上兵力についてはこちらが対峙をして、その間相当持ちこたえている間に、外国というんですか、米国の支援なりあるいは国際世論による抑制ということを考えるということであります。したがって思想的には同じことだということになります。
#63
○加藤(陽)委員 その点がちょっと私了解しかねるんですがね。これはどういう侵略の事態を考えるかということによって違うと思うのです。日本に対して不幸なことですが侵略の事態が起こる場合、海空につきましては、これは大規模かどうかわかる。始めから米国の支援を受けなければいけない場合のほうがむしろ可能性があるんではないかというふうに思うんですがね。大体どういうふうな侵略の様相を考えておられますか。
#64
○久保政府委員 いま私の説明が不十分でありました。この文章にもう少し即して申し上げますと、直接侵略があった場合に海空については最初から米側の支援を得る。しかし専守防衛の分野、つまり、たとえば空についていえば、防空でありますとか、そういったようなこと、それから陸上兵力に対する攻撃のようなところ、こういうところは、当初はもっぱらわがほうで対処せざるを得ないんではないか。しかし一般的な、たとえば必要に応じて相手方の艦艇を攻撃するというか、あるいは場合によっては相手方の基地を攻撃するとか、そういった戦略的な攻撃力、こういうものは当初から米国に依存しなければならない。この文章でいいますと、第一の立案の趣旨ということで、専守防衛の分野をわがほうがやる、しかしながらそれ以外の分野については米国に依存する、こういうことの分け方であります。当初からそういった規模での兵力の侵攻があった場合に、わがほうの守るべき分野と、それから米国に依存すべき分野、これはおのずからある。ただ、特に陸上攻撃についてわれわれが考えておりますのは、数個師団というふうに限定された、しかも短期間の事態でありますから、それが数個師団以上に大規模になったとか、あるいは長期間に及んだということになりますと、現在の新防衛力整備計画の兵力では間に合わなくなる、そういう考え方であります。
#65
○加藤(陽)委員 いまの御説明でわかりましたし、私はいまのあなたの御説明に同感なんですよ。そうしますと、この発表は少し国民に誤解を与えやせぬかということをおそれます。これだけ申し上げておきます。
 その次に、米空軍が引き揚げたわけでありますが、有事の場合における米空軍の運用の問題について、少しお尋ねをしてみたいと思うわけであります。まず最初に、中曽根長官は安全保障問題研究会から出た昨年の十二月の末の「米軍基地問題の展望」をお読みになりましたか。この中で「基地の整理・縮小は、米軍の常時駐留のない状態を目標とする。」、こういう方針を打ち出しておるのでありますが、長官としてはこういうふうな状態を希望されますかどうか。その点からお伺いしたいと思います。
#66
○中曽根国務大臣 原則的にはそういう方向に行くだろうと思います。それで、ある程度それがいいと思いますけれども、アメリカの海軍につきまして、必ずしも常時いないということではなくして、たとえば、第七艦隊の基艦のオクラホマシティーが横須賀におるとか、あるいは海兵隊の一部がおるとか、あるいは海兵隊の航空隊が一部おるとか、そういうことはあり得てもいいと思います。しかし航空機、航空隊等につきましては、これは非常に移動性が可能でありますから、そういう意味においては必ずしも常時日本にいるということを常態としなくともいい事態が出てくるのではないか、そういうふうに思います。
#67
○加藤(陽)委員 長官の考え、私は別に意見がありますが、それはそれでいいんですが、そこで米軍の航空機が日本に必要な場合来た場合に、日常の整備機材というものがなくて作戦行動できますか。
#68
○久保政府委員 現在のところ、たとえば航空管制の分野につきましては、米軍が当面機材を残したまま引き揚げていくようでありますが、かりに航空管制の機材を持っていく場合には、われわれのほうでは予算措置をしてその補充をいたします。これは米軍の飛行機のみならずわが自衛隊の飛行機あるいは民間機も使うわけでありますから、当然そういった航空機材は残されるわけです。それから整備能力という分野が問題として残るわけでありますが、この点は米国の戦略輸送計画あるいは戦略輸送能力の増強ということで、C5Aなどの整備に伴って短期間に一ウイング、一個航空団を輸送するという訓練を再々やっているようであります。これはアメリカの国内レベルはもちろんのこと、国際間での訓練をやっているというようなことで、やはり単に戦闘機が飛んでくればいいというだけでなくて、そういった整備機材の部隊を含めまして展開能力はアメリカとしては考えておるし、そういうことで期待可能であろうと思います。
 それから要撃管制の分野につきましては、バッジがありますので、それとの連携が可能であるということで、私どもといたしましては、平時自衛隊として航空基地の機能を十分に維持しておれば、米軍の支援は可能であるということを考えております。
#69
○加藤(陽)委員 その点わかりましたが、バッジの中にアメリカの戦闘機のデータを組み込むことは簡単にできますか。
#70
○久保政府委員 従来からありました航空機については、それは考えられておりますけれども、新たな飛行機が出てきた場合に、たとえばいま考えられますのは、将来の問題でありますがF14とか15とか、そういったものが出てまいったり、あるいは別の形の艦隊航空機など出てまいりますと、これはできない。しかし艦隊につきましては、これは艦隊自身がそういった管制能力をある程度は持っておるはずでありますから、その点はよろしいと思いますが、空軍の飛行機については、新たなものが出てまいると、その点は相当長期間を要するということで、これは将来の研究課題であると思います。
#71
○加藤(陽)委員 これは中曽根長官お聞きのとおりでありまして、私はやはり米空軍が引き揚げて今度来援する場合、急に来たって急に働けるものじゃないんでありまして、その辺用意万端は平素から米軍との間に意思を通じておいてもらいたいと思います。
 空のほうはそれでいいといたしまして、陸のほうですがね。先年何ですか韓国にフォーカス・レチナですか、空輸作戦をやり、また今度フリーダム・ボールト空輸作戦をやりました。これは人員の輸送ですね。アメリカの一個師団が来援するといたしまして、どれくらいの資材、弾薬というものを運ぶことが必要でありますか。
#72
○久保政府委員 トン数につきましては別に私資料を持っておりましたが手元にありませんので、あとで探してみますけれども、航空機の例で申してみますと、C5Aを使ってアメリカから一個師団を極東に持ってくるという場合に、現在の計算では九日間という計算をいたしております。これはC5Aだけでありませんで、C131なども使いますけれども、ほぼ九日程度で一個師団を運ぶことが可能であろうという考え方をとっておるようであります。
#73
○加藤(陽)委員 ちょっとその点は私了解できないんですがね。C5Aにしましても搭載能力というものは百トンくらいのものでしょう。アメリカの持っておる戦車、これは三十数トンだと思いますね。戦車を運ぶとすればC5Aで一機で三台ぐらいしか運べませんよ。大砲とか装甲車とか、そういうものを飛行機で空輸できるでしょうか。
#74
○久保政府委員 この点は私どものほうの統合幕僚会議でも検討いたしまして、C5Aの稼動が一日半でありましたか、そういうことで何回往復が可能かということで計算をしまして、C5Aで積めないのはモホークという偵察機だけ、それ以外は全部積めるということでございますので、それと通常の普通科師団、歩兵師団でもって展開が可能であるという結論を一応出しております。
#75
○加藤(陽)委員 現在アメリカはC5Aを百数十機しか持っていないように私記憶しておるのですが、それで、おそらくアメリカの一個師団の所要資材といいますと、四万トンから五万トンであると思うのです。四万トン、五万トンのものをC5Aをフルに使っても九日間で持ってこれるということは私は理解できないのですが、どういう見当なんでしょうか。しろうとにわかるようにお願いしたい。
#76
○久保政府委員 これは掛け算をやってみないとわかりませんが、先生おっしゃいましたように、私もたしか四万トンくらいであったと思います。そこで、C5が四個スコードロンできるという前提で、これは七二会計年度であろうと思いますが、そういたしまして、人員はC131及びC140などを使います。C5Aは主として大きな貨物だけを積むわけで、その他のものについては他の貨物機で輸送すれば可能でありますが、そういう計算で九日間でできる。これが、C5Aができない場合におきましては軽装備の普通科師団が十四日かかって従来は輸送可能であったという数字にはなっております。
#77
○加藤(陽)委員 私も少し研究してみますが、どうも納得できません。結局、私の言いたいことは、いざという場合に米陸軍の来援を仰ぐといいましても、弾薬とか装備とか、そういうふうなものはあらかじめ地上に置いておかなければ動けないのではないかと思うのです。アメリカの国防省でファースト・デプロイメント・ロジスティックという構想があったということは御承知だと思います。一個師団なら一個師団の装備、機材というものを船に載せておいて、飛行機で運んだ兵隊と必要なところで合流させる、こういうふうなことが実現すれば別ですが、そうでないと、どうしても必要なポイントには装備、資材、弾薬等の貯備が要ると思うのです。常時駐留をやめるということになりますと、そういう点はどういうふうに考えたらいいかという疑問なんです。あなたのほうは技術的にできるとおっしゃるから、これ以上質問いたしません。
 米空軍が撤退するにつれまして、いままで米空軍が使っておりました周波数はどういうふうな状態になっておりますか。
#78
○藤木政府委員 お答えいたします。
 在日米軍が使用する電波につきましては、これは御存じのように、安保条約に基づく地位協定というもので使用が承認されるということでございます。ただし、その場合私どもとしましては使用の詳細というものは実は承知していないわけでございまして、一つ一つの機材の周波数の使用を認めるという状態でございませんので、撤退してもその電波はそのまま向こうに返っていくという状態ではないというふうに考えております。
#79
○加藤(陽)委員 おっしゃることは、米空軍がいままで持っておった周波数は米空軍が撤退してもそのまま残してあるというふうに了解していいのですか。
#80
○藤木政府委員 結局、米空軍が全部撤退するなら別でございますけれども、幾らかは残っているということでございますれば、必要な周波数は持っている、そういうふうに理解しております。
#81
○加藤(陽)委員 私が御質問しました意味は、アメリカ空軍の要撃部隊がいなくなって、将来また来た場合に電波の周波数はどういうふうになるのか。新しくきめるんだということになりますと、たいへんな混乱を起こすと思うのです。その辺がだいじょうぶかということでお尋ねしたわけですが、これはだいじょうぶというふうに了解していいですね。
#82
○藤木政府委員 だいじょうぶというふうに自信を持ってお答えはできないと思いますけれども、おそらく向こうで必要であれば、前もって周波数の使用について要求がある、そういうふうに考えております。
#83
○加藤(陽)委員 府中のCOCは、米空軍の実戦部隊の撤退後どういう形で残るのですか。なくなるのですか。
#84
○久保政府委員 府中にあります作戦指揮所、C
○Cは、米空軍の実動機は大部分撤退しておりますけれども、これは現在残っておりますし、後退の計画はございません。のみならずわれわれの観点からいたしますと、防空上はやはり米軍のCOCは将来も残ってもらうべきものであると観念いたしております。
#85
○加藤(陽)委員 それでは次に問題を変えまして、新防衛力整備計画についてお尋ねをいたします。
 これは前から非核専守防衛国家ということを政府はおっしゃっておるわけですが、専守防衛国家という考え方は、国連憲章の五十一条の自衛権及び砂川判決において最高裁判所が示した国際法上の自衛権、これを全部包括している観念か。という意味は、自衛権の範囲と専守防衛の範囲というものはぴったり一緒だと思っていいかどうかというお尋ねなんです。
#86
○久保政府委員 国際法上も自衛権は一応認められているということになっておりますが、そういう意味での自衛権が一体どういう範囲であるかということは必ずしも明確ではないと思います。ただし、先ほど御指摘になりました国連憲章の五十一条によりますと、個別的自衛権と集団的自衛権があります。日米安保体制の場合に、日本の立場では個別的自衛権であり、アメリカの場合は集団的自衛権であるというふうに説明をされております。したがって、日本については片務条約であるといわれますけれども、アメリカに対して支援するという形はとり得ないということに、憲法上のたてまえからなっておりますので、憲章でいう自衛権のうち集団的自衛権がないことは明白であります。そこで、それでは個別的自衛権の中で専守防衛との関連はどうであるかという問題が出てこようかと思います。ここで個別的自衛権の範囲というものは必ずしも明瞭でないというふうに申しましたが、私どもの印象といたしましては、専守防衛という用語が必ずしも国際的ではないかもしれません。あるいは国際法上のことばとしては観念されないかもしれません。しかしながら実体的に申しますと、自衛権の中でも、憲法の解釈が最小限度の範囲内においてというふうになっておりますように、一般でいう自衛権よりもさらに狭く、わが国土の周辺のみを守るという観念を非常に強く打ち出した思想ではなかろうか。それで自衛権の中でも必要最小限度というのと専守防衛というのとほぼイコールに考えてもよろしいのではないかという感じがいたします。
#87
○加藤(陽)委員 お考えはわかりましたが、専守防衛ということばから受ける印象が何か自衛権の解釈を狭めたというふうに感じるのは私一人ではないようです。ほかにもそういうふうに感じておられる方があるようですからお尋ねしたわけです。結局戦略的な攻撃力は持たないけれども戦術的な攻撃力は持つというふうに解釈していいですね。
#88
○久保政府委員 防衛力は、ある局面をとらえて見ると当然攻撃力になるわけであります。したがって、たとえば日本本土に上陸してくるであろう艦艇を攻撃するというのは戦術的な攻撃力になりますし、上陸した相手国の軍隊を攻撃してこれを国外に排除する、領土外に排除するということも当然戦術的攻撃力になります。あるいは攻撃してくる航空機について、これを要撃する、あるいはこれを撃ち落とすということも戦術的攻撃力になりますが、この分野については専守的防衛力の範囲内で当然わが方は持つし、また持っておるわけでございます。
#89
○加藤(陽)委員 予算委員会のほうで質疑応答があったように聞いておりますが、ナパーム弾というものはどういう性能の兵器ですか。
#90
○久保政府委員 ナパーム弾は航空機から低空で、ほぼ五十フィートの高度で発射をいたします。落としますと幅三十メートル長さ九十メートル、その間にあるものを焼却するということであります。この一つの能力としましては、ものを焼く能力、それから焼くに際しまして酸素がなくなりますので、人間がおれば、たとえばほら穴に逃げ込んでいる、タコつぼに逃げ込んでいるといった場合に、焼かれるだけでなくて窒息死する可能性があるというような二つの機能というものを持っております。
#91
○加藤(陽)委員 そこで政府はナパーム弾は使わないというふうな答弁をしていらっしゃるようですが、その兵器を使わずに防衛できればそれでいいと思うのです。ナパーム弾を使わないということに特にこだわる理由というのはどこにあるんでしょうか。防衛上も役に立つというふうに私もいま思うわけです、きょう聞いてみると。
#92
○久保政府委員 このナパーム弾について攻撃されましたのは、ベトナム戦線における悲惨さというものがいわれまして、それが化学兵器に類似したという印象があったからであろうと思います。そこで防衛技術的に申すならば、物を焼くわけでありますから、まず最初に人を対象にするわけでもなくて、物質の集積所を焼くあるいは破壊するという場合に、爆弾よりも効果的な場合が相当多かろうと思います。それから上陸してきた部隊がほら穴にこもっておるというような場合には、上空から爆弾を落としても攻撃はできません。そういう場合に、横からナパーム弾を発射して相手を撃滅するということが可能であります。したがいまして、この破壊能力の面について、爆弾の場合とそれぞれ機能は違いますけれども、効果というものは、特にナパーム弾のほうが悪くて、爆弾で相手を殺した場合に、そのほうがよろしいということにはなるまいと思うのですけれども、やはりベトナム戦線の問題がありますので、そういった状況において、使用の可否をきめる指揮官は総理大臣でありますので、そのときの情勢に応じてきめられるのではなかろうか。おそらく、総理大臣が自分は使わないと言われましたのも、今日の情勢で、ベトナム戦線などのイメージがあるときに、不必要にそれを使うのではないという御趣旨であったろうと思いますけれども、防衛技術的には使う可能性というものは留保され、その使うときどきの判断というものは総理がなされればよろしいのではなかろうか、そういうふうに思っております。
#93
○加藤(陽)委員 当然ですな。そういうふうでなければならないと私は思うのです。
 次に、予算委員会で同じような質問で、地上の電波妨害装置のXJ−ALQ−3、これを使わないんだというような御趣旨の答弁があったということでありますが、これはどういう性能の兵器ですか。なぜ使わないのですか。
#94
○蒲谷政府委員 ALQ−3という地上電波妨害装置でございますが、現在レーダーサイトがございまして、そのレーダーサイトは、当然日本に進撃する航空機は、そのサイトからのがれるためにそれを妨害する、当然ジャミングをするわけです。もしジャミングされれば効果がございませんので、そのジャミングに対してどういうような待避行動をとるか。いわゆるECMに対していかにECCMを勉強するかということが根本でございます。その地上レーダーサイトのECCMを勉強する、訓練するために、現在の日本のサイトにECMをかける器材を積みまして、それで訓練をしようということでございまして、いまのレーダーサイトにECMをかけるための訓練機がALQ−3でございます。
 ただいまの、一時に二カ所と申しますのは、現在のレーダーサイトは当然区域がダブっております。間があいておればその間に相手方が入ってくるわけであります。そうしますと、攻撃するほうは必ず二カ所のレーダーをつぶしてこなければ入れないということなので、当然二カ所に同時にECMをかけるだろう、そういう意味では、われわれのECMをかける訓練機というものも、二カ所にECMをかけるというような性能を持たしてある。これは四十一年から開発しまして四十五年に終わっております。いま先生の御指摘の、予算委員会でこれを使わないと言ったことはございません。現在一基C46に積みまして実用試験を終わっておりますが、今後二基ないし三基のそういう器材を整備しまして、いまのレーダーサイトの訓練を続けてまいりたいというふうに考えております。
#95
○加藤(陽)委員 よくわかりました。それでけっこうです。
 もう一つ、これは科学技術対策特別委員会でありましたか、アメリカの原子力潜水艦との共同演習はできないだろうというふうな発言があったように聞いておりますが、将来はだんだんと世界の潜水艦は原子力になっていくと思うのです。原子力の潜水艦を把握する訓練なくして、日本の海上防衛は近い将来成り立たないというような気がするのですが、これはどういうお考えですか。
#96
○久保政府委員 私のほうの課長が申しましたのは、アメリカの原子力潜水艦の所在はわからないようにするのがたてまえである。そこでああいうふうに問題になるような場合に、米側で強力に消極的になるのではなかろうかという懸念を表明したようでありますが、私は必ずしもそうは思いませんで、やはり米側の必要性もありましょうから、それはそれなりにわれわれも相当の考慮を払った上で米側との原子力潜水艦の共同演習は今後も可能な限り続けていくべきである、かように思っております。
#97
○加藤(陽)委員 けっこうです。ぜひそうしていただきたいと思います。
 次に、新防衛力整備計画の内容について少し伺いたいのですが、陸上の防衛力につきまして六万人の予備自衛官を設けるということになっておりますが、この六万人の予備自衛官はどういうふうな任務を与えて使うのか、どういうふうな訓練をするのか、またその階級構成はどういうふうになるのかという点について一応のお考えをお聞きしたいと思います。
#98
○久保政府委員 陸上自衛隊の予備自衛官六万人でありますが、この場合に警備部隊というものを約五万人で編成いたしたいと考えております。このうち約五万人の警備部隊は、四十一の部隊に分ける考え方であります。自余の約一万人は後方支援関係の部隊、たとえば衛生関係でありますとか、輸送あるいは補給処、その他駐とん地の業務、そういうようなものに充当されます。
 また階級につきましては、この警備部隊の長を一佐にするという関係で、一佐及び二佐以下、それぞれ幹部をも採用するという計画にいたしております。
#99
○加藤(陽)委員 そうすると今度は予備自衛官の中で一佐ができるわけですね。これは長官、昔軍事参議官というのがありましたね、そういうふうな将官クラスの予備自衛官を設けるというお考えはありませんか。
#100
○中曽根国務大臣 目下のところはありません。
#101
○加藤(陽)委員 次に防空についてお尋ねしたいと思います。
 現在日本の防空上大事な問題は、一つは低空から侵入してくる飛行機に対する防御だ、これは世界的な傾向ですね。もう一つは、空対地ミサイルに対していかに防衛するかということだろうと思います。今度の新防衛力整備計画によりますと、低域でレーダーの及ばないところに対してはAEW、早期空中警戒管制機ですか、そういうふうな飛行機を設けようとせられておるように思いますが、これは前回の当委員会における中曽根長官の答弁によると、大体新防衛力整備計画の五年じゅうくらいに開発して、第五次防の期間中に実用化されるだろうというような御答弁であったように私は記憶するわけであります。そうすると八、九年かかるわけです。この八、九年の間、そういうふうなレーダーのカバーしないところをほうっておいていいのか。十年先には変わるのではないかという気が私はしてならないのですが、どうして飛行機に搭載してカバーをしようとなさるのか。私はそれよりか船にレーダーを積んで海に浮かべることのほうがすぐにできる、すぐでもないですが早くできるし、経費的にも安いのではないかと思いますが、そういうふうに船でカバーすするというのと、飛行機に搭載するのとどちらがいいのですか。なぜ私のような考え方が採用できぬのでしょうか。
#102
○久保政府委員 おっしゃいましたことは、部内でも以前からもあり、またごく最近、AEW機の検討にあたっても御意見が出て、相当に突っ込んで勉強いたしてみました。
 そこで、この艦艇といいますか艦船について行なう場合の難点は、やはり海上におきまする耐波性という関係で、ある程度船が大きくならざるを得ないということになります。つまり船の安定性がありませんと精度がたいへん悪くなるということもあります。そこである程度船を大きくいたしますると、それだけ要員というものは相当要ります。そうしてAEWでカバーをする予定の海域について艦艇を並べますると、最初のラインだけではいけませんので、一線、二線と配備をしなければいけませんので、つまり日本海なら日本海の相当海域をカバーすることになりますと、艦艇で申して二、三十隻は十分に要る、しかもその二、三十隻要るという前提が、艦艇の場合ですと場所が低いわけですから、言うまでもなくカバレージ、到達距離が数十マイルというふうに非常に低くなってまいります。そういうことでの不経済さということが人的にいいましてもあるということ。それから艦艇でありますから、当然逃げ足がおそいということで、これは残存性が非常に低いという問題があります。さらにバイタルな問題、致命的な問題といたしましては、通信能力が限定をされるということであります。つまり一機、二機、数機くらいを見つけ、それの高度なり何なりの連絡をする場合に、数機であればよろしいのですが、数十機になると、ふくそうして、通信が使えなくなってしまうということがあります。そういうようなことで、いろいろの考え方はありますけれども、どうも艦船を使うことは好ましくない。場合によっては、たとえば一般の漁船などに、有事の場合にそういった兵器をある程度搭載をして、不十分ながらもそれを活用するということ、これは考えられないでもないのですけれども、防衛の第一線にそういった民間の人を使うことについての問題点があるというようなことで、どうもやはり人間の面からいいましても、残存性の面、通信連絡の面からいいましても、必ずしも有力でないということ、そういう面があります。それともう一つは、いまのAEWの場合には、航空機を声で、音声ではありますけれども、ある程度の誘導可能のように開発をしようとしております。ところが艦艇の場合に、その誘導能力を持たせるためには、これまた相当の機材を積み、大型にせざるを得ないというようなこともございます。それとまたAEWのもう一つの機能といたしまして、本土にありますレーダーサイトがやられました場合に、それの代替機能、これは移動警戒隊というものも準備はいたしておりまするけれども、さらにAEWでもってレーダーサイトのある程度の代替をすることが可能であるということで、そういういわばバックアップ機能をも果たし得る。ところが艦艇の場合にはそういうことができないということで、経費計算もやっておりましたが、総合的に見ました場合に、やはり航空機による早期警戒管制のほうが有利であるという結論が出たわけであります。
#103
○加藤(陽)委員 航空機にいたしましても、二十四時間哨戒しようということになりますと、相当の機数が要ると思うのです。大体何機くらいあればいいというお考えですか。
#104
○久保政府委員 これは航空機の性能によって違います。つまりいま二十四時間とおっしゃいましたように、ある程度の地点まで進出をいたしまして、それでその辺をパトロールをしながら警戒をするわけでありますが、そういうことでの飛行時間というものによって変わってまいりますけれども、一応たとえばC1ならC1という開発中の輸送機を前提にいたしますると、これは必要機数、数字上計算をした場合に、やはり数十機程度、二十機では足りませんし、四、五十機というような数字ではないくらいの感じのところに落ちつくのではないか。これは具体的に何十何機というふうにはまだ申せる段階ではございませんけれども、大体そんな感じのところでの必要数が出てまいります。ただ、いま申しましたのは、一応必要と申しますか、計算上はじき出してみるとそういう機数が出てくるので、具体的に自衛隊で装備するのはどの程度が適当であるかというのはおのずからまた別になってまいります。
#105
○加藤(陽)委員 これは見解の相違であります。まあそれはいいでしょう。
 その次に空対地ミサイルですね。最近空対地ミサイルが非常に発達しておるわけでありますが、現在一番長い射程の空対地、ミサイルはどのくらいの距離だと思われますか。
#106
○久保政府委員 アメリカのものは比較的短距離のものでありますが、ソ連は御承知のようにクルージングと申しますか、要するに無人機のようなものを使っておりますので、距離の長いものがございます。これは一番長いもので海マイルで約三百マイルというふうに見ております。
#107
○加藤(陽)委員 これに対する防衛措置は新防衛力整備計画の中に入っておるのですか、入っていないのですか。
#108
○久保政府委員 特にASMに対する措置というものではございませんで、一般に防空に関する措置の中に含められておりますが、ただ問題は、いま申されました長距離のASMよりも短距離のASMを搭載する、したがってまた精度のいいASMを搭載する母機、飛行機が低空で参った場合に、対処能力が非常に限定されるという意味においては、AEW機がまだ開発、整備されていない今日では、その点についての機能は四次防では欠けておるというふうに申せましょう。
#109
○加藤(陽)委員 そうしますと、わがほうのレーダーの射程といってはなんですが、有効範囲の外から攻撃をされる、あるいは有効範囲の中へ入っても、こっちの要撃が間に合わないというふうな場合が考えられるわけですね。これは日本の防衛上どう考えたらいいのでしょうか。
#110
○久保政府委員 ASM、いま申された、たとえば三百マイルのような長距離のものですと、レーダーで把握する前に母機は反転することは可能でありますから、母機をつかまえることはできません。ところが、その場合の長距離のASMは、現在のところでは小型の無人の戦闘機タイプというふうに御認識いただけばよろしいわけで、そうなりますと、また、現在の精度では亜音速、音速にまだ至らないということでありますから、これは通常の戦闘機よりもやや性能の低いものが飛んできたというふうに考えて、われわれのほうは対処は可能であります。したがって母機を撃墜することはできませんけれども、ASMに対して対処することは可能である、長距離の場合は。そういうふうにいえるだろうと思います。
#111
○加藤(陽)委員 これは非常にうれしい話なんですが、要するにレーダーでASMをキャッチできるのですね。それならそれでいいです。
 次に偵察能力、米空軍の実用部隊が撤退したわけでありますが、わがほうとして新しい防衛力整備計画の中で偵察能力はどの程度に考えておりますか。
#112
○久保政府委員 現在ありまするRF86というものが期間中にダウンいたしますので、RF4というファントムに切りかえてまいりたい。ただし機数は一個スコードロンずつでありますので、勢力は同じでありますが、足がある程度長くなりますから、航続時間が長い。それから形が大きいので機材も余分のものが積めるということで、言うならば、戦術的偵察能力は今日よりも上昇するであろうと思います。しかし戦略偵察能力的なこと、これはまあ相当長距離あるいは遠方まで出かけての偵察でありましょうが、そういうものについての手当ては考えておりません。しかしこの分野は、必要であれば米軍に依存するという考え方は従来と変わりません。
#113
○加藤(陽)委員 わかりました。米軍に依存する以外ないだろうと私も思っておるわけであります。
 その次に海上自衛隊のほうへいきたいのですが、この新防衛力整備計画ですか、対潜掃討部隊を新編すると書いてありますね。いままで対潜掃討部隊というのはないのですか。ここで考えている対潜掃討部隊はどういう部隊ですか。
#114
○久保政府委員 従来の考え方は、内航護衛群二個とそれから外航護衛群二個と、四個の護衛隊群を考えております。その中で近代化としてヘリコプター搭載艦でありますとか、あるいは対空ミサイルの搭載艦であるとか、そういうものを準備しつつあったわけでございますが、ここでわれわれが対潜掃討部隊というのは俗称HUK、ハンターキラー部隊ということで、言うならば機動的な部隊、そういうふうに御認識いただけると思うのです。
 そこで、そのHUKの場合には内航護衛及び外航護衛の護衛隊群と同じく、艦数は八隻から成りますが、その構成としましてはヘリコプター搭載艦、今度の場合には八千トンでヘリを六機載せるもの、それと対空ミサイル艦の護衛艦、これを組み合わせをしまして、それを八隻を考えております。ただし、新防衛力整備計画の中ではそのうちの半分くらいを整備するという考え方でございます。
#115
○加藤(陽)委員 その点もわかりましたが、ただヘリ空母、これは私は防衛庁のPRが少し足りないように思うのは、何かこれは攻撃的な兵器のように受け取っておる方が相当ありますね。そうじゃないんだ、対潜掃討用にどういうふうに使うのだということをもう少し国民にわかりやすく知らせることが必要じゃないかと私は思うのです。これは御注意まで……。
 その次にお伺いしたいのは人員の問題。やはり数千人の増員があるようでありますが、いままでのところなかなかこの増員の充足がむずかしいと思っておるのですが、省力化について新防衛力整備計画でどういうふうにお考えになっておるのですか。
#116
○久保政府委員 省力化につきましては部隊の統合あるいは機械化、そういうことでの一般的な省力と同時に、あわせましていろいろの、たとえば車両の整備でありますとか、そういう整備機能などについて部外に委託をしていくということを考えてまいりたいと思います。また、第一線の部隊におきまする各種の業務の中で機械化すれば人手が省ける、そういったものも逐次機械化してまいりたい。そういうことで相当金がかかるわけでありますが、例示をしてまいりますと、車両、航空機などの整備、これは部外へ委託をする。それから機械化の中では艦艇の機関の自動集中制御、これはいまの艦艇といいますのは一船の商船と違いまして相当人手を食うという構造になっておりまするけれども、そういったものの自動化ということ、反面まずい面もないではありませんけれども、できるならばできるだけ設計の上からそういったものも自動化を進めてまいりたい、あるいは電子計算機の利用というようなこと、こういった分野で相当数の省力化を考えているということでございます。
#117
○加藤(陽)委員 これは長官にお聞きしたいのですが、私、前から思っておるのですけれども、陸は別にしましても、海上自衛隊、航空自衛隊のような固定基地、移動しない基地の食事、こういうものは昔のように兵隊がやるものだということできめないで、部外に委託するということを考えてはどうですか。
#118
○中曽根国務大臣 省力化の一環として検討してみます。
#119
○加藤(陽)委員 いろいろ私自分なりに考えてみますとあると思うのですね。たとえば各幕及び統幕で調査もやっておられますね。調査もいろいろな調査があるわけですが、たとえば新聞や雑誌から必要な資料を得る、こういうものは陸、海、空の自衛隊でそれぞれ経験を持って退職していらっしゃる方が相当あるのですね。これはあとでお聞きしたいと思うのですが、こういう方の多くは関係の会社といいますか、会社の顧問のようなことで遊んでいらっしゃる方が多いのですね。そういう方は自分たちを使ってもらいたいという希望が大いにあるのです。新聞や雑誌を読んで必要なところにアンダーラインをして調査機関に出すということは考えてもらいたいと私は思うのです。
 もう一つは、防衛庁がいろいろな調達をします品物の検査ですね。検査をして受け取るわけですが、これも経験を積んだ方で、いま言ったように会社に行って顧問とか嘱託ということでぶらぶらしていらっしゃる方がたくさんいる。こういう方がいまの現職の方よりも経験においても知識においても豊富な方が多いのです。こういう方を使うということはできないものでしょうか。
#120
○中曽根国務大臣 情報や資料については使えるところがあるんじゃないかと思います。しかし検収その他はどうかと思います。またそうぶらぶらしている人も多いとも思いません。やはりみんな職務を持っていらっしゃる方が多いので、あまりこちらが頼むということもいかがかとも思われます。うっかりやると産軍コンプレックスなんていわれますから、その辺はよほど注意してやらないといかぬと思います。
#121
○加藤(陽)委員 まあそれでいいです。
 その次に、今度の法案について少し伺いたいと思うのです。
 自衛隊離職者就職審査委員会ですか、今度おつくりになるのですが、いままで自衛隊法で長官が承認をして就職された方の例がありますか。
#122
○江藤政府委員 具体的な資料がいま手元にございませんが、わずかながらございます。
#123
○加藤(陽)委員 具体的な資料がないのですか。どういう例なんでしょうね。やはり非常に審査を要するようなケースですか。
#124
○江藤政府委員 具体的には、たとえば局長が石油会社の副社長に行ったとかいう例もございます。この場合には、審査の上承認いたしまして許可いたしております。
 先ほどの件数でございますが、約七件ございます。主として比較的関係のある会社に就職して、しかもかなりの役職に就職しておる者でございまして、その他一般の者は、大部分が非常勤、顧問というかっこうになっておりますので、ほとんどは審査の対象になっておりません。
#125
○加藤(陽)委員 いま七件ほどあるということですが、長官どうですか、いまよくこの委員会でも産軍結合ということをいわれますけれども、現状においてそういうふうな徴候があると思われますか、どうですか。
#126
○中曽根国務大臣 その点はよく厳戒しておりまして、今後とも取り扱いについては慎重にやっていきたいと思っております。
#127
○加藤(陽)委員 今後停年退職者というものは、毎年大体どのくらい出ていきますか。
#128
○江藤政府委員 特に曹の停年延長によりまして一時停年退職者が減っておりましたけれども、三、四年後になりますと、曹の停年退職者が激増しまして、数年後におきましては約四千名以上の停年退職者が毎年発生するという状況になります。
#129
○加藤(陽)委員 それで、たとえば防衛大学を出まして一佐で停年で退職するという方は、退職金及び年金をどれくらいもらえますか。
#130
○江藤政府委員 現在の給与表によって概算いたしますと大体一千万程度の退職金です。防衛大学を二十二歳で出まして一佐、五十三歳ということになりますと、勤務年数が約三十一、二年になります。そうしますと退職金は約五十倍余りになりますので、その時点における俸給表を考えてみますと大体一佐で十七、八万くらいになりますので、九百万から一千万近くの退職金になろうと思います。それから年金につきましては、これは上限の制限がございますので、比較的多くはなりませんが、大体におきまして月十万くらいの年金になるのじゃないかというふうに思っております。
#131
○加藤(陽)委員 これは私が考えておったよりもだいぶいいので、これくらいなら食っていけるかもわからないと思うのですが、大多数の方は、いまの防大を出て五十三歳までつとめて一佐でやめたという例ですが、そうでない方も多いと思うんですね。また会社へ顧問や嘱託になっていらっしゃる方も、それは給与をもらっておられますけれども、まだもっと働きたい。ことに停年が五十や五十三というのがあるのですから、もっと働きたいという気持ちのほうが強いと私は思うのです。これは前から申し上げておるのですが、隊内の教育がそのまま国家の資格になるようなことをお考えになっておると思うけれども、具体的にどういうふうに進んでいるでしょうか。たとえば自衛隊の戦闘機のパイロットはそのまま民間のパイロットになれるとか、あるいは艦長を何年やったら船長の免状をもらえるとか、そういうふうな点はいまどうなっていますか。
#132
○高瀬政府委員 隊員は隊内におきましていろいろな訓練を受けますけれども、その訓練の成果が直ちに社会に通用する、いわゆる公資格その他におきまして役に立つようなことを考えております。防衛庁では、先生も御承知のように、三十八年度以降技能に関する公資格の対策を実施しております。これらの取得の態様をあげてみますと、いろんな態様がございますが、たとえば潜水士あるいは特殊無線技師というような者につきましては、自衛隊の課程を履修することによりまして資格がとれる、こういった類型が一つ。
    〔委員長退席、佐藤(文)委員長代理着席〕
それからもう一つは、技能試験あるいは実技試験等の一部が免除されるというようなことによりまして資格を得られる、たとえば自動車の運転、それから航空管制のそういう職種。それから課程を履修することによりまして受験資格を得られる、たとえば看護婦とかエックス線技師、調理士。それから部外委託あるいは部外講師招聘等によりまして、資格試験等を免除する、たとえば無線通信士、各種海技資格、こういうようないろいろな領域がございますけれども、こういうようなことによりまして自衛隊の中で得た知識、技能というものが社会で通用するというようなことにつきまして考慮いたしております。今後もこういったことにつきましてできるだけ公資格の範囲を拡大していきたいと考えております。
#133
○加藤(陽)委員 これはぜひ推進をしていただきたいと思います。これは私の責任をも含めて前から感じているんですが、いまの航空自衛隊の職種の分け方が米空軍の職種の分け方になっておる。いまでも変わっていないと思いますが、米空軍のような大きな世帯のやり方を四万から四万数千の小さな航空自衛隊に持ってきたわけですよ。やはり四万か四万五千の航空自衛隊については、それに応じたような職種の分け方が合理的なんじゃないだろうか。と同時に、これがいま私申し上げましたような国家資格を取得する面においても影響があるんですね。海上自衛隊の隊員、ことに曹の諸君はわりかた電気通信の免状とか何とかとりやすい。航空自衛隊はとりにくいんです。というのは、あまりにも専門化、分化し過ぎておるから、一般の試験を受けるときに勉強しなければならぬところが多いんですね。これはどうですか、職種を再検討して小さな世帯に合うようなもっと幅広い職種に考え直すということはお考えになりませんか。
#134
○久保政府委員 この職種の分け方は非常にむずかしい問題を従来はらんでおったと思いますが、いま御指摘の国家資格との関連については私ども、少なくとも私は考えておりませんでしたので、やはり陸、海、空を通じて問題がありますから、いまおっしゃったような点も考慮して一応局で検討してみたいと思います。
#135
○加藤(陽)委員 次に、士気の高揚に関連してひとつお伺いするのですが、いま幹部と曹との間で人事上の配慮が不公平だという話をときどき聞くのです。といいますのは、幹部の諸君は停年になる前には、停年のときに新しく就職をする土地へ勤務がえをしてもらえる。旅費をもらってそこへ帰れる。曹の諸君はそういうことがない。新しく職をさがすにしても何にしても非常に不便だということを聞くのですが、実際はどうなっていますか。
#136
○江藤政府委員 御指摘の点は、現在幹部も曹も全く同じ扱いをいたしております。ことに四十二年以降におきましては、曹の停年退職予定者で郷里に近いところに帰りたいという希望者につきましては、全員帰すという方向で進めております。そのような通達も四十二年にすでに出しておりますので、幹部と曹の区別は特にいたしておりません。
#137
○加藤(陽)委員 それはけっこうです。この前、昨年ですかお尋ねいたしましたが、いまの人事関係の規則が、幹部と曹、士に分かれておるのですね。私はやはり曹に権威を持たせる意味におきましても、幹部と曹と士と三つに分けて人事取り扱いをすべきではないかということで、外出の場合にしましても営外宿泊の場合にしましても、いろいろなことがありますけれども、そういう点はその後どういうふうに御検討いただきましたか。
#138
○江藤政府委員 御指摘のように、従来往々にして曹、士という概念でとらえてまいりましたけれども、曹と士というものは明らかに非常な差異がございます。その意味におきまして、曹の処遇改善策、またその士気を高揚するという意味におきまして、現在長官の指示によりまして、曹の処遇改善委員会というものを設けまして、各幕を通じ、あるいは私どものほうにおきまして、この新防衛力整備計画の過程におきまして、この曹の格段の処遇の改善をはかるように検討を進めております。
#139
○加藤(陽)委員 これも人事局長にお尋ねしたいのですが、新しく隊員が入って二年なら二年、三年なら三年の任期を終わるまでに中途でどういうふうに脱落をいたしますか。たとえば教育隊の課程で脱落するか、あるいは教育隊を終わって部隊へ配属になった段階で脱落するか、その辺の事情をお聞かせ願いたい。
#140
○江藤政府委員 四十二年から四十四年までの統計の平均をとってみますと、大体教育期間中、陸と空は三カ月でございますが、海が四・五カ月、この教育期間中に退職した者の数が、入隊者総数に対しまして約六%ございます。それから部隊に配置してから入隊後一年を経過するまでの間に退職した者の数が、全体の一二%でございます。非常に数字としては大きなものでございますけれども、最近の民間における労働移動の現状から見ますと、必ずしもこれは高いということではないのではなかろうかというふうに考えております。民間におきましては、大体において十八歳、十九歳ぐらいの年齢層の労働移動率は、大きな会社をとりましても三〇%近いものになっておりますので、決して少ない数字ではございませんけれども、最近の青年隊員の動向等から見ますと、この程度の離職率は必ずしも教育の欠陥であるというふうに一がいにはいえないのではないかというふうに考えております。
#141
○加藤(陽)委員 私は、教育隊を終わりまして職種の決定のときに、自分の希望する職種にやられないからといってやめる者が多いということを聞いておるのですが、そういうことはありますか。職種の決定は大体本人の意思を尊重してやっておられますか。
#142
○江藤政府委員 本人が希望する職種に行けないから退職するというのはもちろんございますけれども、退職率の大部分の者はそういうものではなくして、やはり自衛隊に入ってみて自分の考えと相当相違した社会であるということで退職する者の数が大部分であるというふうに承知いたしております。
 なお、できれば本人の希望職種を前提にしまして分類いたすのでございますけれども、すべての者が本人の希望どおりにいっておるとは必ずしも申せないという状況でございます。
#143
○加藤(陽)委員 次に、これは昨年の給与法の改正の審議のときに私お尋ねをしたのですが、昨年の給与法の改正の際に、これは長官ひとつお聞き取り願いたいと思うのですが、昨年の五月に遡及しましたので、食料費で返す金額が非常に多いのです。どれくらいあるか調べてもらいましたら、全体で七億五千万ありますね。これは返そうといったってやめておる人もおるわけです。私は扱いとして少しかわいそうなんじゃないかという気がするんですが、この前の御答弁では、遡及によって支給すべき分は食料品、かん詰めなどを買って加給してまかなうのだという話でした。それもやむを得ぬかと思いますけれども、できればもらう資格のある人にやれるような道を講じていただきたいと思うのですね。私はお金でやってやることが一番いいんじゃないかと思うのです。一カ月や二カ月の遡及でしたらたいしたことはありませんが、昨年のように十二月にきまって五月まで遡及するということになりますと、私は非常にかわいそうな気がしてならないのですが、これはどういうふうにお考えになりますか。
#144
○中曽根国務大臣 よく検討してみます。
#145
○加藤(陽)委員 これはことしも給与改定があるかわかりませんので、その際にはぜひ私が申し上げておるような線で隊員に還元できるように御考慮を願いたいと思うのであります。
 その次に民防のことについて長官にお伺いします。防衛白書にも書いておられますが、民防についてはどういうふうにお考えになっておられますか。
#146
○中曽根国務大臣 民防の必要性は、これはもとよりあることでございますけれども、いま客観情勢が緊迫していないというときに、いたずらに眠っている子を起こすようなことは慎んだほうがいい、そういう考えに立ちまして、自然の熟成を待つという態度で、自衛隊はみずからの仕事に専心取りかかって国民の期待に沿うように努力しよう、そういう態度でおります。
#147
○加藤(陽)委員 まあそれもいいでしょう。
 次に情報の問題ですが、今度は情報本部ですかを設けられるようなことが書いてありますが、どういう構想でどういう任務を持った本部をおつくりになるつもりですか。
#148
○久保政府委員 現在情報の分野は各幕僚監部、統合幕僚会議及び内局でそれぞれ分掌しております。それで若干ずつ所掌の範囲が違うわけでありますが、その中で考えてみますると、戦略的な情報というのが各分野に分かれているということは効果的な収集、整理、分析ができません。戦術的な情報でありますと陸上自衛隊あるいは海、空とそれぞれの分野に直接に必要なものをそれぞれが集める、また防衛担当、運用担当者がそういった運用に直接必要なものを持つということはしかるべきでありますが、しかし全般的な事柄を考える場合に、陸、海、空でそれぞれ分けていることは重複がありまするし欠けるところがある。また現実問題としては海、空の場合にはそういった人員もありませんので、あまり行なわれてはおりませんが、内局が行ない、統幕が行ない、また陸幕が行なうといったようなことでは重複と欠落があるということで、そういう意味で高い立場、広い立場での情報の収集を一本化する必要があるのではなかろうかということで、情報本部を設けて統合幕僚会議に付置するという形をとっております。たとえばレアード長官の国防白書あるいはドイツその他の外国の国防白書、NATOの戦略がどうであるかあるいは中共の核開発がどうであるか、その意義は何であるかといったような戦略的な大きな立場での分析は一本のところでやったほうがよろしい。しかしながらその場合に、その判断というものが軍事的な分野に偏重してはいけないということで、いまの考え方では情報本部の長をシビリアンにする。私服のものにし、かつまた統合幕僚会議に付置をするのではあるけれども、シビリアンを相当数中に入れて、言うなればシビリアンマインドでもって相当消化したそういう情報を分析した上で長官に対して責任を持つという形にしてはどうだろうか。形式上は統合幕僚会議議長が管理をするわけでありますから責任は議長にありまするけれども、情報全般の把握と判断あるいは評価というものは、その情報本部長にやらせて長官に対する責任をそこに持たせるということを考えたい。なお念のために、重要な情報の判断、評価につきましては、次官を長とするところの評価委員会というものに関係者を集めて、そこでさらに広い立場での評価を加えた上で長官に提出をするというような事柄を考えております。なお、人員は約百名程度であります。
#149
○加藤(陽)委員 わかりました。
 もう一つ伺いたいのは現在の研究開発体制ですが、私見ておりまして、いまのままでいいんだろうか。ことに新しい防衛力整備計画になりますと大きな研究開発が起こるわけでありますが、装備局と技術研究本部との関係は、これは長官、いまのままでいいと思われますか。というのは、作戦的な要求と技術的な要求とどこでマッチさせるかという問題なんですね。
#150
○中曽根国務大臣 装備局と技術研究本部との関係及びそのおのおのの内部については、ある程度改革をする必要はあると思っています。
 それで、まず技術研究本部につきましては、改革案を持ってきなさい。いままでのようにややもするとプロジェクトチームをつくって、ある目的研究に力を集中していくというような考え方が薄れておって、極端にいえばみんな好きな研究をしているというようなにおいが多少ありました。そういう点から重点研究あるいはそれに準ずる研究というものを指定して、そこに力を結集するという形をどううまくつくっていくか、そういう意味の改革をやらせるようにしております。
 それから装備局と各幕からの要求、それから実際技術開発をやるものの三者の連携、調整というものもまた非常に重要な問題でありまして、この点につきましても何らかの改革をやる必要があるように思っております。
#151
○加藤(陽)委員 これで質問を終わります。ありがとうございました。
     ――――◇―――――
#152
○佐藤(文)委員長代理 次に、恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、これを許します。大出俊君。
#153
○大出委員 総理府の所管にむずかしい名前の連絡機関が一つあるのでありますが、実は議事録を見直す時間がいまないので恐縮なんだけれども、公的年金についての連絡機関だと思うのですが、公的年金連絡会議とでも言ったような会議があるはずでございますが、ございますか。
#154
○平川政府委員 正式には公的年金制度調整連絡会議でございます。
#155
○大出委員 それは何年にできましたか。
#156
○平川政府委員 昭和四十二年六月でございます。
#157
○大出委員 それはどういう方々で構成されておるのですか。それで責任者はどういう方がおやりになり、かつ事務局はどこにあって、だれがやっておられるのですか。
#158
○平川政府委員 メンバーを申し上げますと、まず議長は内閣総理大臣官房審議室長でございます。他のメンバーは、総理府では人事局長と私、それから厚生省では保険局長、年金局長、援護局長、大蔵省は主計局長、専売公社監理官、文部省は管理局長、農林省は農政局長、運輸省は鉄道監督局長、郵政省が電気通信監理官、労働省が労働基準局長、自治省が行政局長、人事院が職員局長でありまして、事務の取り扱いは内閣審議室でやっております。
#159
○大出委員 事務の取り扱いの責任者はだれですか。それからこの連絡会議の、何といいますか、会議ですから、だれが最高責任者になるのかわかりませんが、これを所管する最高責任者はどなたですか。
#160
○平川政府委員 事務の責任者と申しますか実際上事務をやっておりますのは内閣審議室でありまして、したがいまして責任者は内閣審議室長になる、こういうことであります。
#161
○大出委員 さっぱり歯切れの悪い話なんですけれども、招集権者はだれですか。
#162
○平川政府委員 内閣審議室長であります。
#163
○大出委員 お名前は何とおっしゃいますか。
#164
○平川政府委員 青鹿です。
#165
○大出委員 恐縮なんですがメンバーを資料でいただきたいのです。私は、実はこの方々に質問書を出したいと思っておるものですから、その辺を明らかにして、機構と責任者、その他構成を、また構成員のお名前を含めまして資料をいただきたいのですが、よろしゅうございますか。
#166
○平川政府委員 内閣審議室を通じまして先生の手元に提出させます。そういう連絡をいたします。
#167
○大出委員 それで、四十二年の六月から今日まで何回くらいお開きになって、一体どういう議題を取り扱われたのか、詳細に御報告いただきたいのです。
#168
○平川政府委員 まず、開催の状況を具体的に申し上げますと、昭和四十二年七月二十五日に第一回の会議を開催したわけでありますが――ちょっとお断わり申し上げますが、私のほうは事務をやっておりません、メンバーの一員として御報告申し上げますので御了承いただきます。それ以後総会を六回。それから小委員会を設けております。小委員会につきましては、十数回会議を開いております。
 会議の内容につきましては、簡単に申し上げますと、まず各公的年金制度の目的、性格、制度の仕組み等につきまして検討するということ。それから各公的年金制度の給付について、公的年金としての共通部分があると考えられるので、それとそれぞれの制度、独自の特殊な部分とに区別いたしまして、こういうことを検討するということについての議論。それから第三点といたしましては、各公的年金制度に共通する課題といたしましては、三つほどございますが、まず年金につきましての調整、いわゆるスライド制の検討でございます。次は、年金額の算定方法、あるいは最低保障、年金の支払い条件、こういったものの検討。それから三番目には傷害、死亡事故に関する取り扱い、こういうことにつきまして基本的な検討をやろうということでございます。
 経過を申し上げますと、実はそういうことでまいったわけでありますが、こういうような検討のしかたがはたして適当であるかどうかということを反省いたしまして、実は最近におきまして、グループ別に分けて検討したほうが内容的にはより効果的ではないかということで、三つのグループに年金を分けたわけであります。その第一のグループといたしましては、まず公務員年金グループといたしまして国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、公共企業体共済組合、こういったものの公務員年金グループというグループ。それから次は民間の年金グループ、国年とか厚年あるいは船員保険、こういったもの。それからその他のグループといたしまして私学共済あるいは農林共済。こういった三つのグループに分けまして、それぞれの分野で検討していくということに実はなったわけであります。
#169
○大出委員 現在のところでかれこれ四年になるのですね。それで、公的年金との関係があるから制度化について非常に問題があるのですというお答えを、実はかれこれ四年間私どもいただいておるわけですよ。これは四年間で小委員会のほうは十数回、総会六回というお話なんでありますが、十数回を四で割ると、年に四回開いて十六回ですね。そうすると、どうもこれものんきな話でございまして、小委員会というのは、ものごとを機動的にやろうということで小委員会をおつくりになったのだろうと思いますが、制度化もされぬうちに御年配の方々が多いので、だんだん対象人員も減っていくという現状にある。ずいぶん私は、これは無責任きわまるという気がするわけでございまして、そこらのところを一これは主宰者と申しますか、事務的な責任者は審議室長だというのですけれども、それじゃ公的年金制度調整連絡会議の責任者はだれかと言ったら、これまたはっきりしない。これは一体だれに文句を言えばいいのか、それもわからぬじゃ困るわけでございまして、そこらのところの、だれが一体招集責任者で、だれがこの会議を主宰されるのか。先ほどの青鹿さんという方は事務的な責任者というさっきお話だったので、そうすると、一体そこらの制度的な責任の所在というのは何できまっておるのですか。ただ何となく集まってやっている会議ですか。
#170
○平川政府委員 先ほども私御答弁申し上げましたように、実は私、このメンバーの一人でありまして、この機構なり、この事務的な処理の問題については責任者でございませんから、有権的なお答えはできかねますけれども、私の考えでは、この会議の責任者は内閣審議室長であり、招集権限者は内閣審議室長であり、事務的な責任者も内閣審議室の長である内閣審議室長である、このように考えております。
#171
○大出委員 どうなんですかね、いまのお話なんだが、各省にまたがるものは所管は総理府になるということになっていますね、制度上は。そうすると、これは総理府総務長官が最高責任者じゃないかと私は思うのです。総理府総務長官でなければ、これだけの方々を、審議室長がおまえこっちへ来いといって呼び出せる筋合いのものじゃない。いまお話を聞いていると、なかなかたいへんな方々が一ぱい入っておる。そこらのところを――私はおそらく総理府の総務長官が責任者じゃないかと思うのですが、間違いですか。
#172
○平川政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、この問題につきまして私がいろいろお答えするのは問題があろうかと思いますけれども、私の推測といたしましては、一応これは総理府に設置はしておりますけれども、会議の責任者ということでお尋ねがありましたので、われわれといたしましては会議の責任者は、やはり行政的な責任者は審議室長である、このように考えたわけであります。
#173
○大出委員 総務長官が来るまでこれは待ちましょう。そうでないと、これはいまお聞きしてもわからぬですからね。つまりこれは四年になって十数回しか小委員会さえ開いていないで、総会は六回しか行なわれていない。しかもいままでの答弁は、ここで調整をしているのでということで、じんぜん日を暮らしてしまった、こういう結果ですね。これじゃやっぱり事済む筋合いじゃないんじゃないかというふうに思っているので、実は文書質問でも出そうかと思っているのです。そこで、恩給審議会の答申が出たのはいつですか。何年何月ですか。
#174
○平川政府委員 昭和四十三年の三月でございます。
#175
○大出委員 恩給制度の恩給審議会の答申が出まして、会長は新居さんでしたかな――新居さんでしたね。新居さんをこの席においでをいただいて私が質問を申し上げたら、恩給法二条ノ二に基づくいわゆる調整規定、その解釈を含めて御諮問をいただいた。ほんとうならば法律の提案者に解釈権がなければならぬ筋合いなんですが、その点は時の総務長官に私が質問したら、どう解釈するかを含めて審議会にお願いをした、こういうお話なんで、これもずいぶんふざけた話なんですけれども、これはやむを得ぬ。さてその審議会の答申は、解釈を含めて答申が出た筋合いに理屈からはなる。その点を質問いたしましたら、確かに御指摘のとおりである、そこでわがほうとしては年齢というのは所得ではないのだ、だからその意味では年齢別三本立ての仮定俸給表というたてまえは間違っている、すみやかにこれは一本化すべきである、そして一本化した上でこれまたすみやかに制度化すべきである、こういうふうに御答申を申し上げたということ。そこで私は、総務長官のおいでになる席上で、さて制度化すべきであるという答申なんで、政府は一体制度化する気があるのかないのか、どうなんだと言ったところが、新居さんがお立ちになって、少なくともわれわれに諮問をしたのは政府である、総理府である、したがって総務長官がそこまで含めて答申をと言われて解釈権までわれわれのほうでということなんだから、そこで出したわれわれの答申に従わない、つまり制度化をなさらぬということはよもやないと思います、制度化されるはずです、こういう実はお答えがあった。その上に立って時の総務長官に御質問申し上げたら、制度化をしたいと言う。じゃいつやるんだと言ったら、いまの年次でいけばおわかりのように、答申は四十三年ですから、四十二年に公的年金制度調整連絡会議ができておった。したがって、公的年金各般に関係があるから、そこで何とか論議を煮詰めてその上で制度化の方向へと、こういう実はお話が出てきた。以来今日まで何とかの一つ覚えみたいに質問するたびに同じことばが繰り返されてかれこれ足かけ四年になる。片や長年勤務されておやめになった方、われわれの先輩がおなくなりになる方々が次々と出てくる。この方々は早く制度化を制度化をと言いながらなくなっていっておるという現実。だからそうなると、これは捨てておけない時期に来ている、こういうことなんで、したがって私、公的年金制度調整連絡会議に重大な責任がある、こう思いますので、だれが一体責任者かという質問になったわけなんです。しかしまあその議論は、総理府傘下においでになっても一メンバーであるというふうに恩給局長はおっしゃいますから、それ以上とやかく言うのは無理だと思うのですが……。
 つまり公務員の恩給、軍人恩給を主宰される責任者である局長に承りたいのですが、事は恩給審議会の答申に端を発しまして、そして制度化をせよという形の答申の中身になって、したがって、いたしますということになって今日に及んでいるんですから、メンバーではあっても、つまり恩給の側からいえばあなたの責任。なぜ一体恩給局長はもっと精力的に主宰者に提言をして、回を重ねて開いて、そして早く制度化の方向に踏み切るべく法律の立案をするなり努力をするなりおやりにならないのか、これはまさにあなたの責任だと私は思っている。そこのところはどうなんですか。
#176
○平川政府委員 制度化の問題でございますけれども、確かに先生の御指摘のように恩給審議会の答申の中においては、この調整のやり方をできるだけ制度化することを希望するという意見が述べられております。私どもといたしましては実はいろいろ考え検討してまいったわけでございますが、まずとにかく恩給審議会の内容を実現するのが先であるということであります。その内容といいますのはいろいろございまして、先生がいま言われましたような制度化の問題もございます。しかしながら、まずベースアップの問題をやろうということであったわけでございまして、昭和四十四年に第一回の恩給審議会の内容の実現の予算措置が講じられたわけであります。それから昭和四十六年まで調整規定の運用のしかたといたしましては、先生つとに御承知のようなやり方で公務員給与と物価というものを二つの尺度といたしまして現在までやってきたわけでございまして、いわば行政的には一つのレールに乗った、このように考えておるわけであります。
 ただ問題は、行政的な制度として考えても一つの制度化――実質上の制度化とは言えるかと思いますけれども、先生の御指摘になりましたような、いわゆる法制的な制度化というのは別問題でございます。したがいまして、こういった問題につきましては公的年金制度調整連絡会議もございますし、実は調整規定につきまして全く同質の内容の規定が他の年金制度にもあるわけでございます。国家公務員共済あるいは地方共済においても全く同文の調整規定がございますので、そういったところもいろいろ調整しながら制度化を検討していくというのが政府の方針でございまして、そういうことを中心に論議してまいったつもりでございます。ただ、そのスピードが非常におそいではないかというような御意見、確かにわれわれも十分承知しておるわけでありますが、ことほど、その年金の沿革なり内容等におきましていろいろ問題が、これはもう先生御承知のようにあるわけでございまして、それをいかに調整していくかということは実は非常にむずかしい問題ではあります。これは御想像と思いますが、そういう条件のもとにおいて実はわれわれとしては制度化を検討してまいったのであります。私はこの連絡会議の一員ではありますけれども、そういうつもりで当たってまいった次第でございます。
#177
○大出委員 これはあなた、いま公務員給与、物価と、こう言うのですけれども、審議会の答申は物価が中心なんですね。四十四年十月の話をされるけれども、四四・八%という物価の格差が出てきた、公務員給与のほうを十分の六入れると五一・三になったわけですね、当時は。大蔵省は五一・三のほうは削っちゃって四四・八しか認めなかったでしょう、これは物価だけです。公務員給与は削ってちっとも入っていない。いま公務員給与、物価とおっしゃるけれども物価しか見なかった、そうでしょう。つまり制度化されておればこういうことはできないです、制度違反ですから。制度化というのは法律化ということですから。そうでしょう。だから法律化されていないから削った。もっとも四十四年の十月の時点というのは、私の知る限り大蔵省がほとんどいろいろなことをやっておったのですよ。恩給審議会といったって事務局に大蔵省の方々が一ぱい入っておった。どこかに大蔵省の方がおいでになるかもしれぬけれども……。だから私は恩給審議会の答申がだめだというのを、満日ケースを強引にここで三日間質問を続けて押し込んだら、大蔵省の皆さんが資料を新聞記者の皆さんに渡すものだから、私は新聞に袋だたきになった経験もある。それでもとうとう押し切りましたがね。佐藤総理まで、何でこんなことしたのかとおこったそうだけれども。つまりそれは制度化されていればそれだけの処置のしようがいろいろあるのだけれども、この四十四年十月という時期に初めて、私どもから見れば、恩給局が恩給審議会の答申もあったので、その筋を追った、つまり予算要求のしかたをおやりになった、これは私は最初ではないかと思っているのです。実は大蔵省の手を離れて恩給局独自の立場で立案をされて大蔵省とやりとりをおやりになった最初だろうと私は思っているのです。そうしてそれが四十五年になってどうやら地についてきた。だからいまおっしゃる意味の御努力は私も知らなくはない。知らなくはないんだけれども、そのあともまた、つまり積み残し二・二五を払われたりなんかしている。これは十月、十一月、十二月、三月間はその人々は損しているわけです、早い話が。積み残されなければ十、十一、十二と、十月実施なんですから二・二五よけいもらっているはずなんです。ところが予算がないから、まさに明確に予算がないからということで切られているわけです。だから一−三間というのは先食いだ、何とかしたいということが口約束であった。十二月の最終段階に私にも話があって、私も大蔵省の担当主計官とも話しましたが、そこで山中総務長官に、一月からは間違いなくやりますかという点を私から念を押した。やりますよと言い切られた。それを根拠にまた予算折衝をやって、積み残しの回復に努力をして、ベースが変わりましたから調整はしてありますけれども、二・〇七だと思いますけれどもやっと回復をして、一月から実施に踏み切れたというわけですけれども、そこまでの御努力を恩給局の方々が中心にみんなでやったけれども、しかし積み残して切られた。十、十一、十二というのはみごとに切りっぱなしなんですから、回復の措置はないのです。
 そうすると、それは何でそういうことになるかというと、つまり制度的な、法的な措置が、いわゆる制度化が行なわれていないというところに問題の焦点がある、こう申し上げざるを得ないのですね。明確に制度化されておれば、予算がございませんからといって切ることはできない。かつまた制度化されておれば、さかのぼることもできるということになる。だからそういう点からすると、先々片っ方で四次防で五兆八千億なんということを言うものだから、大蔵大臣は、そんなことはとんでもないと言っているけれども、しかし認めざるを得ないということになってくると、弱いところにしわが寄る。そうなると、またどうも積み残しのことが起こらぬとも限らない。だから私は、そういう意味ではどうしてもこの際制度化をすべき時期に来ていると申し上げたいのですよ。
 それには他との関係、これはいいかげんで私は切ってもらいたいのです。理由を申し上げますと、ここが私が質問したい中心なんだけれども、総理にもものを言ってみたいと思っているくらいなんだけれども、それはいまの恩給法適用のワク内ということを考えると、これは皆さんがよく御存じのとおりに、年寄り一代制ですね。扶助料をもらっている方々を含めていま現存される方々がいなくなられると、これはほとんどなくなるわけですね、共済年金に全部移行しているのですから。そうしますと、いまの恩給法、これは文官、武官を含めまして、ある意味では戦後処理でもある。年月はかかりますがこれでおしまいになる。そうすると、この方々に関する限りは、別な、つまり制度化という形にする、新しくこれからもらう人じゃないのですから。また共済との関係でいえば、つないでいるわけですね。つまり恩給法納金を払っている人は、恩給法で十七年で三割三分三厘という方々と、あとから共済、長期ができましたけれども、これは二十年で三割三分三厘ですけれども、共済移行をやってつないでいるわけで、純然たる共済組合員という方々は三十四年と三十七年からです、地方公務員を含めて。そうするとあとから出てくるわけですね。そうすると、私はどこかで線を引いて、特にいまの戦時中の方々については、一代制といってもいいような方々については、これは制度化してあげて、積み残しがどうなるかということを言ってお年寄りが一生懸命つえをついて出てきて走り回らないでもいいようにしてもらいたい。
 横浜に横浜市の交通局を退職された方々が集まっておられる退職協という団体がある。そこの会長さんの渡辺さんという人がついこの間おなくなりになっている。この前の方もからだを悪くしておやめになった。かわった会長さんがすぐまたおなくなりになる。またその関係の職員でもなくなった方が何人か出てきている。その会長さんは何をやったかというと、昭和三十八年から、ちょうど増子さんが恩給局長時代に、あの坂を市ケ谷から登られて、恩給局までとぼとぼみんなで出かけていって、増子さん相手に、十分か二十分と言ったが、つい先輩諸君の話にほだされて、とうとう三、四時間お話を聞いていただいたことがある。そのときの一番の眼目は何かというと、べースアップであり、かつ制度化だった。何とか早く制度化してくれ、スライド方式をとってくれということだった。それでやっとここまで来た。
 もう三本立て仮定俸給表が出たときに、あれは兵の十六号というところを基準に逆算したから、私は間違いだと申し上げたことがあるのだけれども、年齢は所得じゃないということを申し上げたのですけれども、審議会答申はまさに私が指摘したことと同じことをいって一本化しろ、そうなったわけですから、せっかく一本化されたのだから、もう制度化だろう。夢にまで見ていた方々。やめた方というものは楽しみはそこしかない。そうすると、もうこの辺でほんとうのところ踏み切って制度化してあげたいと思うのですね。そういう意味では共済関係のほうとの断絶が起こってもやむを得ぬという気がする、そこのところは。
 そういう意味で、私はきょう大蔵省の皆さんにもおいでいただいたのは、こちら側、本委員会は恩給局所管でありますから、こちらで満日、日満日のケースについても手直しをする、共済との関連が出てくる、そちらは大蔵委員会でやる、あるいは地方共済ならば地方行政でやる、いろいろ出てくる。そこらのところが何かどうも、先ほどお話がございました調整連絡会議ですか、ここのほうに、つまり問題が移る形で前に進まない、これでは困る。だからそこのところを共済の側から一体どういうふうに考えておられるのかという点、こちら側を制度化されたら、どういうところが困るのかという点ですね。つまり審議会答申の趣旨に従って制度化する、ないしはこの委員会が附帯決議をつけている、これはアメリカ、フランスの違いはありますけれども、つまり文武官の恩給の改革に関する法律のように、公務員給与を対象にするのか、あるいは退職公務員年金法的な、アメリカ式の物価スライド方式をとるのかという議論はありますが、制度化をした場合に、どういうところが具体的にお困りになるのか。相互扶助的な性格を持った共済組合だからというなら、どこが困るのかという点を、あとの人たちが持ち出しになるからというなら、それはどの程度のものになるのか、そこらの点を大蔵省の皆さんのほうから、共済関係を御所管になっている立場から、いまの文管、武管の恩給制度をこちら側が踏み切るように進めた場合に、担当で御相談して、どこが困るのか具体的に御指摘を願いたい。地方共済のほうもおいでになっていると思いますが、できればあわせて承りたい。私もそちらのほうも知らないわけではございませんので、御答弁いただければわかりますから、お願いしたいわけです。
#178
○谷口説明員 先生のただいまの御質問は、恩給審議会の答申が制度化された場合に、共済組合においてどういう問題点があるか、こういう御趣旨かと思います。
 実は私ども国家公務員共済組合は、先生からすでにただいま御指摘がありましたように、戦前の官吏であった人と、それから戦前の官吏でなかった人と、この二つのグループを大きく引き継いでおる制度でございます。したがいまして、恩給法の適用を受けておった、そういう方々が昭和三十四年の十月一日を境にいたしまして一応恩給法の適用除外になりまして、そのかわりに恩給公務員期間を持ちましたまま共済組合員になっておる、こういう一つのグループがございます。それからもう一つは、先ほど申しましたように、旧国家公務員共済組合法、さらにさかのぼりますと旧勅令あるいは旧共済、そういったものの流れをくみまして、同じような過程を経まして現在の共済組合員になっておるという二つのグループがございます。
 そこで、国家公務員共済組合法は、もちろん御承知と思いますけれども、恩給と異なりまして、ある部分、先ほど申しました沿革的な問題がありますから、当然恩給と関連を持ちますが、基本的には国家公務員及びその家族の生活の安定と福祉の向上ということ、それから公務の能率的運営という二つのことを法律の目的にうたいましてこの制度ができ上がっております。いわば社会保険の一つでございます。そういった性格で、必ずしも恩給と全く同じとは私ども考えておりません。しかしながら、沿革的には非常に似ておる制度である。特に、先ほど申しましたように三十四年十月一日に引き継いでおりますので、その以前に、いわば非常に極端な事例を申しますと、九月三十日に退職をされた人と十月一日に退職をされた人との間には、恩給法の適用があるからといって、恩給法の問題だけでひとつ処理をされ、同時に共済組合員であるからといって恩給法と全く違うとは言いませんけれども、かなりに違う取り扱いがなされるのは、少なくとも恩給公務員期間について申しますならば、これはバランスがくずれておる。そこで、これまた先生十分御案内のとおり、従来このように国会で審議をいただいて恩給法の改正が年々行なわれてまいっておりますが、これに関連をいたしまして、私ども国家公務員共済組合法について申しますと、やはり年々、恩給公務員期間の職員がおるということと関連をいたしまして、バランスのとれた改正をさしてきていただいております。こういうことから申しますと、非常に私どもは関連を持った二つの制度でございますので、率直に言いまして三十四年から今日まで十二年くらいでございますが、十二年といたしますと、共済組合法だけで受給資格を持つ人はまだ発生しておりません。おりませんので、当然のことながらこの恩給については重大な関心がある、こういう気持ちを持ってこの制度その他を運営をさしていただいております。
#179
○山本(明)政府委員 これも、私からお答えいたしますけれども、私から申し上げるよりも先生のほうがよく御存じだと思いますけれども、地方公務員の中におきましても恩給公務員の経歴を持っておる人がかなりおられます。したがって、その方とのバランスを考えますときに、われわれといたしましてはやはりできるだけ同じ歩調といいますか、同じかっこうで処理していただきたい、これがもうどのくらいになりますか、時間が経過しますれば、こちらだけの制度になるかもしれませんが、現在のところはやはり恩給公務員の経歴を持っている方がかなりの多数を占めておりますので、大蔵省と同じような考え方でおるのでございます。
#180
○大出委員 お忙しいところを長官御出席いただきましたので、長官に少し承りたいのですが、いま大体ここで話はしてしまったのですけれども、簡単に申し上げることができますからもう一ぺん要約して申し上げたいのでありますけれども、結論を先に申し上げると、この辺で実は山中総務長官が所管をされる恩給につきましては、文官、武官ございますけれども、恩給につきましては、早急に制度化に踏み切っていただきたい。これは私の主張なんです。
 その理由を申し上げますと、各官庁をおやめになった方々がそれなりにみんな退職をされた方々の団体等をつくっておいでになって、昭和三十八年ごろから相当精力的に動かれて、一つは恩給のベースアップ、仮定俸給表のベースアップですね。
 一つは制度化、その制度化の中身はスライド制、アメリカの退職公務員の恩給に関する法律などもありまして、これは物価スライドでございますが、フランスにも文武官の恩給の改革に関する法律がありますが、これは公務員給与中心でありますけれども、いずれにせよそういうスライド方式をとってもらいたいという強い運動が巻き起こりまして、それが恩給法の二条ノ二というのをこしらえて、いわゆる調整規定というものに発展をして、さてその調整規定を提案をされた総理府がかくのごとく解釈をするという解釈権をお持ちにならぬで、調整規定の解釈を含めて恩給審議会にゆだねてしまった、つまり諮問をしてしまった。その結果恩給審議会新居会長のもとに答申が出されましたのが昭和四十三年なんですが、三月でございましたか、そこでその審議会会長にこの席においでをいただいて私当時質問をいたしましたが、少なくとも政府が諮問をしたのだ。しかも、解釈規定も含めて諮問をされた。そこで当時は年齢別に三木立ての仮定俸給表になっておりましたが、年齢は所得ではない、ないから、年齢別三本立て、年によって差をつけるのは間違いだという解釈ですみやかにこの三本立て仮定俸給表というものを一本化すべきである、その上で制度化しろ、こういう答申の内容になっていたのでありまして、私の質問に審議会会長新居さんは、この席で、少なくとも政府が諮問をされたのだから、したがって出した答申なんだから、一本にされるでしょう、そうしてそのあと制度化に踏み切られるでしょう、それが筋ではないですか、求められて私どもは答申しているのですからと。時の総務長官はそういうことで努力をしたい、こういうことになった。その後足かけ四年にわたりまして私が毎年質問をいたしますが、質問をするたびに制度化については総理府が所管をされる公的年金制度調整連絡会議で相談をしておりますということだったわけであります。これは四十二年の六月にできておりますから、いま私御質問申し上げましたら、この四年間に総会が六回開かれて、小委員会が十数回とおっしゃる。そうすると、四年たっているわけでございますから、少なくともこの十数回というのは年四回開かれて四年でありますから四、四、十六回、十数回ですから、十六まであるのかどうかわかりませんが、そうなると三カ月に一ぺん小委員会を開いているという、どうもあまり感心したテンポじゃない、こういうことになる。裏を返してものをいえば、たいへんどうもめんどうだから、制度化なんてことを実はそう急ぐ必要はないというようなことになりかねない動きだということを言わざるを得ない。片やわれわれの先輩であるお年寄りの方々が唯一の楽しみで今日までベース改定、ベースアップ、さてスライド方式の制度化ということを言い続けてきた。当時、三十八年に中心になっておやりになったたくさんの方々のうち七、八割の方はこの世におられない。最近になって、どうもスライド制が制度化されないで残念だという話まで実は出てくる。そうすると、いま総理府所管のこの恩給という一つの制度は、言うならば議員立法が三十幾つもあるということを含めて考えてみると、戦後処理なんですね。この方々がおなくなりになってしまえば、これはなくなってしまうのです。それを年々なくなられる方もあり、かつみんなが希望してきたものを、実質的に何がしか計算方式はそっちの方向を向いているからということだけで、しかし、制度化されないためにずいぶん損をされている現実がある。それをそのまま放任をしてきた。これは将来数年にわたって、四年間で十数回しか開かれていない小委員会なら、これから先四、五年たったってまた十数回しか開かれない、総会も四年に六回しか開かれていないなら、これまた似たようなことになる。おそらく制度化というものはできないと思う。だから、そこで他のいろいろな関連をこの際そういう意味では切っていただいて、ひとついま特殊な立場にある軍人の方々を含めて総理府所管のもとにおけるこの恩給受給対象者、この方々に対してそういう意味では切るべきところは切って制度化に踏み切るべき時期ではないか、こう実は思っているわけなんです。
 そこで具体的に損した例を申し上げれば、これは長官も昨年私の質問にたいへん前向きでお答えいただいて、そのとおり実現をいただいたのですけれども、四十四年十月実施ということで法律案が立案された過程において、物価の上昇率が当時四四・八%だった。それから公務員賃金の上昇が五五・七%だった。だから四四・八と五五・七の差をとりまして、つまり物価をこえる公務員賃金の上昇、そのうちの生活向上分というような分け方をした、昇給制度がないですから、やめた方々は。そういう意味で十分の六という取り方をして五丁三という数字を出して、大蔵省から離れて恩給局独自の立案というもの、これは私は初めてだと思いますけれども、これを強力に大蔵省に御要求になった。ところが、五一・三の要求をしたのだけれども、そのうちの物価上昇分の四四・八しか大蔵省は認めなかった。公務員給与との差については切ってしまった。だからここも一つは制度化されていれば、こういうところはもう明確になって五一・三がそのまま通っていたのかもしれぬ。まことに残念だという気がするのです。
 さて、昨年の四十五年の十月実施を目標にした法律立案にあたって、同じ方式で皆さんのほうが大蔵省と折衝を始められた。このときにはつまり予算がないからということで十、十一、十二、三カ月分はかんべんしてくれというので二・二五を切られてしまった。そのかわり一月になったら、次年度予算の先食い方式か何かを考えて、恩給の支払い期日は四月でございましょうから、そういう意味で何とか一−三月の間はがまんしろ、これも口約束。そこでたいへんお年寄りの皆さんが大騒ぎになっておりましたから、山中総務長官に私御質問申し上げたところ、何とかしましょう、私もそのつもりでやりましょうということでこの席で御快諾をいただいた。そして昨年の予算折衝でずいぶん御苦労いただきましたが、結果的に通していただいた。したがって、ようやくここで積み残しといわれた切られた二・二五を回復することができた。たいへん皆さん喜んでおります。喜んでおりますが、それは一−三間であって、十、十一、十二の三カ月分二・二五を切られた分は回復はできない。制度化されておればさかのぼって実施ということが可能だろうと私は思いますけれども、そうでないからこれはできない。将来に向かって、制度化されておりませんから、法律措置がありませんから、したがってこの計算の方式は実効的にはあるいは実質的にはスライドなんだといわれてみても、しかし片一方たいへん金の要る政策が出てきた場合に、大蔵もまた金がないといえば積み残される可能性もあるし、あるいは公務員給与の上昇分だけ、また十分の六だけ切られる場合もある、前例がそうでございますから。だからこの際、やはりそのつどまさに命をすり減らして老いの一徹で一生懸命になって出てきて、やめた同僚のためにというので御苦労されている方々、この方々にそうそうたいへんな苦労をさせたくはない。そういう意味で私はやはり過去の経過を数年がまんしておりましたが、ここまで来たんだから、もうこのあたりで、つまり総理府が所管をされる共済年金に移行をされないで、残った方々についてはこれ以上ふえないのですから減っていくに違いないし、将来はなくなるわけでありますから、こちらの方々だけに限ってひとつこれは制度化してあげていただきたいという実は考え方を持っているのです。
 そこで、実はきょうはいま大蔵省の方にも、自治省の方にも御出席をいただいて、それなりに御意見を伺っておきたいと思って、旧令共済を含む共済関係の方々について、こちら側だけ制度化したらどういうところが困るのか、こう承ったわけです。つまり三十四年に国家公務員、特に三公社五現業中心に進めてきたのですけれども、これは私のところで立案をして、横川正市、永岡光治両参議院議員に議員立法で出してもらった。私の全逓本部の書記長時代でございますが、そうすると、大蔵省の給与課長の岸本さんが話をしたいというので、私がお伺いをして話したら、実はこういう文章をつくってみたというので見たら、全逓等の主張もこれありと明確に書いてある。そうして各省の人事主任官に全部渡して集まれ。そして永岡、横川両氏が参議院で提案をしている。当時国鉄と専売が共済年金に移行いたしまして、そのあとを電電公社が追っかけて共済年金に入っていった。五現業は残った。だから私のほうでやったのは、五現業を共済年金にという考え方だった。それでは事済まぬ、ほかの公務員、国家公務員を含めてやりたいということで、そのかわり法律案は取り下げてくれ、政府提案でやるからということになった。それでいろいろ紆余曲折があって二国会にまたがりましたが、大蔵省の岸本さんの音頭とりで三十四年十年一日から皆さんが共済年金に行ったわけですね。そこで問題は、どこが違うかといえば一つしかない。つまり恩給納付金を払ってこられた方々は十七年、三割三分三厘、共済長期は二十年で三割三分三厘、共済年金ということで新しく考え出されたものは二十年で四割ということで、そういう移行のしかたをした。だから百五十分の幾つという年額計算をすれば、一年比率が違うわけですね。つまり二十年で四割と十七年で三割三分三厘ですから、旧恩給法の納付金を払っていた時代の年限、新しくつないで共済年金になった年限、一年ごとに計算をして何年間かかけて、両方かけて足してその人の仮定俸給表をきめるということですよ。計算方式上はこれは明確なんです。どこにも間違いはない。何年間は旧恩給法でいっていたが、何年から何年のやめるときまでは共済年金のこっちの法律でいくのだということですから、計算上は明らかである。ということになると、これを割り切れないことはない。さらに地方公務員の場合であっても同様で、たしか三十七年ですか、これまた共済年金に移行された。同じ計算方式ですから、これまた明確にわかる。だから、いまこちらのほうだけを制度化したからといって、そちらのほうの影響というものはそれなりに計算のしようもあるし、わかる。負担のしかたというものは問題がありますが、これはやめたあと負担をするんだということになるからという意見はあるのですけれども、そんなことを言い出せば、これからやめる人の場合だって似たようなことが言えるので、これは大所高所からどう割り切るかということです。さて、そこで残るのは、さっきお話がございました一番最後の、幾つかお述べになっておりますけれども、私学共済だとか農林共済だとかあるいは国民年金だとか、あるいはそのほかの公的年金、船員だとか厚生年金だとかいろいろある。そちらのほうとの関係はどうかといえば、それはある意味の社会政策ですから、そういう意味の割り切り方はできるというふうに分けて考えてみて、年齢的なことも考えて――いま山中総務長官所管に基づく恩給対象者、受給者というものは、年齢的にいったら一番年を取っている人に間違いない。三十四年に移行したあとの方は共済年金なんですけれども、これは三十四年から今日までですから、十二年しかない。そうでしょう。そうすると、それ以前にやめた方なんですから、十何年違う。そうでしょう。そうすると、そちらの方々がこの世から先になくなっていくのは一列励行ですから、なくなって一人もいなくなってから制度化といってしてもらっても、三文の価値もない。だからそうあまり延ばされないで、そういう割り切り方をして、この恩給の審議をこの委員会でやるということをめぐっても、制度化はできませんか、できませんかという話が山のように来るのを、そう何年も若い私どもは防ぎきれませんよ、お年寄りの気持ちを。だからそういう意味であまり先のない方々にあまりのんきなことをおやりにならぬで、割り切った制度化の方向をだれかが一つの政治意識をもって進めるという気になっていただかなければ進みやしない。そういう意味で私は公的年金制度調整連絡会議のメンバーの方々に質問書でも公に文書で差し上げてみようかとさえ実は思い詰めているのです。それで先ほどそのメンバーの資料をいただきたいと申し上げたのです。こうやればできるのじゃないかという提案まで実はしたいのです、正直に言って。だからきょうは総務長官に、他のことはともあれ、この点はひとつ大きな政治問題ですから、なくなっていった方々の思いが残っているのだから、金がかかるわけじゃないのだから、ここまで計算方式を持ってきたんだから、これは山中さんの御努力で。つまりようやく積み残しを回復していただく措置、あと将来に向かってそういうものがなければ、これは制度化したって別にどこにも関係はない。ただ金がないからといって、片方高いほうの分が切られたり、また十月から十二月で切られたりというようなことが起きないという歯どめになるわけで、ですからそういう意味でこの際そこまで進めていただけないか、ポイントなものですから繰り返しましたが、これは総務長官からお答えいただきたいんです。
#181
○山中国務大臣 いままでの御議論のあらましはわかりました。そこで恩給そのものの問題ですが、これは調整規定を実際に予算上に実現させるために、昨年、ことし、実際上は昨年二回予算編成をやったわけですから、同じ思想でもって努力をした結果、二・二五の積み残し分の四月支払いによるあと始末はいたしました。さらに十月から実施される恒例のものは、四十四年の物価並びに公務員給与の一定計算方式による金額がそのまま実現をいたしましたので、これは昨年の予算編成の際において、事恩給に関する限りルール化というものがなされたと考えております。したがって、大蔵も今後はよほどの別な事情が生じない限りこの予算編成上のルール化、すなわち義務的な経費として国が支出をすべしという立場に立って、できれば来年度予算あたりは一次査定で――ことしそう思ったんですけれども、ちょっと行き違いがございまして、少しあとで調整をしなければならない点が出ましたけれども、大臣折衝は実はしないで済んだわけです。ですから、来年からはもう一次の内示でおおむね済み、恩給は済みというふうにしたいと思っております。
 そこで、その他の各種公的年金その他を含めたルール化という、いわゆる制度化しろという意見が強くなりまして、恩給は、実際上も実質的に調整規定の制度化が現実に予算の上でルールとして確立したじゃないか、それならば他の制度というものもそれにならえないはずはないという意見が逆に強くなってまいりました。これは私も、正面切って調整規定を、これは明らかにスライド制にしたものである、それが恩給の現在の実態であるとなかなか言えない点がございますから、いま御指摘のように、率直に言って、君がかわって、大蔵の担当官がかわって、それで予算の歳入状態が非常におかしくなっちゃってというようなときに、そのルールが制度化されていない限り守られる確約はあるかどうかという御疑問等がなお生ずることになるだろうと思います。しかし
 一方においては、恩給は大体すでに、アップ率の問題の議論は残したけれども、予算執行、予算編成上のルールは確立したらしい、それならば今度は引き続き他の年金のスライド制とつながらせなければならない、こういう意見が強くなりました。
 そこで、いまそのようなことを実行するとすればどのような取り上げ方ができるかということで、審議室長から説明があったと思いますが、あなたのほうの話でちょっとありましたが、たとえば私学とか農業団体職員共済とか、そういうものの範疇のもの、あるいは国民年金その他の範疇のもの、公務員共済的な範疇のもの、こういうようなものにいま分類をしまして、こういうものに対して恩給と同じような反映のさせ方をしていく場合においてはどのようなことが制度として可能であるかという検討にはいま具体的に入っております。入っておりますが、さてその実際上のスライド制というものの確立においては、それぞれのブロックに分けたグループごとの性格が著しく異なるものでありますから、現在のところは恩給制度というものが実質ルール化されたことを受けて御審議願っております。各種共済給付等においても、恩給法の改正に伴いという前置きをして全部右へならえをしているわけですから、これは実行するならやってやれないことはない、範囲はあるわけですね。ただやれる範囲だけでこれをやった場合には、また副次的な影響が起こってくる、そういうこともありまして、この意味では、少なくとも私になりまして相当良心的な、良心的と申しますか非常に前進的な姿勢と角度をもって取り組んでおるということは間違いないと思います。これが理論的に確立をされて、そしてこれが所要の規定をとってスライド制であるというものが確立されますならば、それはあと残るのはスライドの場合の計算の前提はどうなるべきか、あるいはその場合にどの年次をとるべきか、現在でも四十四年度の実績をとったことが四十六年度へ反映するわけですから、ちょっと一年ずれ込むじゃないかという議論も存在するくらいですから、そういう問題があとに残ると思います。
 そこで制度の問題と実質の内容の問題、この二つを検討しております。あるいは過去の開催回数その他の平均開催率等をお話しになりましたけれども、これはそういうことにこだわっておりませんで、やはりこういうものは議論というものをあまりいつまでももてあそんではならないことだし、実質もう恩給法改正に伴って、関連するものを全部法改正をして、その恩給法改正に伴うという議論については議論なく、その内容を当然これは予算措置として法律上スライドをするわけなんですね。そういうことならば、制度としてのスライド制というものはいかにして確立できるかということの足がかりはすでにあるということを思っておりますので、これは単にこの場を取りつくろう、あとはまただれかやるだろうということでなくて、やはりこういうものは恒久的な考え方と恒久的な制度というものが一致しなければなりませんので、どのような形ならば実現できるかという問題に取り組みたいと思う。もしそういう方向が明らかになれば、はっきり申し上げて、恩給はスライド制をすでに確立しておるということは私は言える時期に来ておるのではないかと思うのです。
#182
○大出委員 実は私も山中さんが総務長官でなければこんな議論はしたくはないのですけれども、言ったってしょうがないという気になってしまうのですけれども、実はたいへん御苦労をいただいていることを知っているものですから、私も私なりにずいぶん大蔵省とも陰ながら話をしてきておりますので、そういう意味で、この辺で問題提起をすべきであろうという意味で、実は開催回数の問題までさっき承ったのですけれども、たまたまいま一歩先に出てものを言ってしまわれて、私も実はこの席で制度化論議を少しさせていただいて、そのあとで四十年の十月という時点で取り扱われた二〇%アップというのは、歴史的に見て三十六年の給与ベースの二万円ベースを二万四千円にしたということですね。ですから、そのあと四十二年十月というのがあり、四十三年十月、四十四年十月と、こうあるのですけれども、いずれもこれはたいへんなずれがあるのですね。いまお話しのとおりなんですよ。したがいまして、四十六年の十月、今回のものをいえば、四十四年度の公務員給与の九・七%、物価の六・四%というのを基礎にしておられる。だから、その意味ではたいへんなあと追いになっているわけですね。これは大きな矛盾です。矛盾ですが、ものごと一ぺんに片がつかない。ですから、この辺で三本建て仮定俸給表年齢別のものを、私は岩倉さんに口をすっぱくして、これはやめたほうがいいと言ったのですけれども、兵の十六号を十二万円にしたものですから、逆算してそういうことになってしまった、年寄りのところに合わせなければかっこうつかないですから。ですから、こそくだと思うけれども、しかし年齢は給与ではないのだから改めたほうがいいと言っていたら、恩給審議会の勧告が私と同じ意見でたまたま出てきた。だからこれをまず一本にしてもらいたい。さあ、それができたら制度化だ。それで、いまその次の段階の制度化の話になっているわけですからね。制度化されたあとで、実はこの計算のしかたについていまおっしゃる問題提起をしたい、こう思ってきたのです。これは公務員給与だって同じことが言えるので、今度の完全実施と称するものが五月なんですから、四月調査、五月実施では筋が通らぬということになるから、ここから先は、四月実施がなぜできぬという話になるのです。あるいは住宅手当なんかも、箱をつくってもらわなければ話が前へ進まぬと思うから、ずいぶん佐藤総裁に私的には私、がたがた言いましたけれども、とにかく箱をつくってくれ、大蔵が何を言ったっていいじゃないかというところまで話を詰めて、そのかわり金額が少なくてこれで住宅手当か、住居手当かといわれたら、そういう手当もあるのだろうということでやればいいじゃないかというので、九千円の家賃を想定して、公務員宿舎が三千円だから、三千円引っぱった六千円の半分の三千円にしようということになったわけだから、あとは総裁、そのかわりかねやたいこで、そんな住居手当はないぞということで攻めるよと言ってあるけれども、これは長官、これから百年長官をおやりになるわけじゃない。これから総理をおやりになるかもわからぬけれども、総務長官、またおかわりになると、ものの考え方が変わってくる可能性が多分にあるので、責任継承の原則があるといっても、ころころ変るのが世の常でございまして、だから制度化のところまでは実はひとつ努力を願いたいという気持ちが私にはある。そこから先は、どなたがおやりになるにせよ、制度化という歯どめができれば――それはいまの予算要求のルールを確立したことはたいへんありがたい。しかもそれを最終的に積み残しまで含めて認めさせていただいたということは、これもありがたい。その上で制度化をすれば、あと出てくるのは、つまり計算のしかたなんですね。こんな気の毒なことはないじゃないかということにやはりなる。だからせめてそこまで持っていっていただきたいというのが、実は私の考え方なんですよ。そこまで知り抜いておられるいまの御答弁を承りましたから、そこまで御勉強ならばもう言うことがないのであって、そう違った意見ではないので、それは多少の関係がほかにあることを知らなくもない、なくもないけれども、いつまでもこの種のことを制度化、制度化と言うていて、調整連絡会議で何年かやっていますということでは、やっぱりこれは事が相済む筋合いのものじゃない。だから、そういう意味で、これはどこかで踏み切るものは踏み切らなければならぬという観点に立っていただきたい。その場合に、やむを得なければ、消えてなくなっていく制度なんだから、そういう意味では、そのことを一つの大きな理由に、こちら側だけでも制度化でき一ないか、踏み切りはできないかということを申し上げているわけなんですが、せっかく審議室長がお見えになっておられるようでございますから、いま長官がちょっと触れられましたが、幾つかに区分されて、厚生年金グループとかあるいは公務員共済、地方共済を含めたグループであるとか、あるいは民間の公的年金のグループとかお分けになったところの趣旨、それはいつごろまでに決着をつけるというおつもりか、大体のめど、それからいまの共通点は何か、特徴は何かという問題が前から提起されておったのでありますが、そこらを含めて最大公約数というふうにものを考えてみたら、どの辺で制度化ということに踏み切る可能性があるのかないのか。ないならないとおっしゃっていただけば、世の中の、おやめになった先輩の諸君に、どうも政府はやる気はないぞということを言わなければならぬのです。そうすると、九段の靖国神社にお出かけになった帰りに寄ってみようということで、皆さんのところに出かけてこられると思うので、そこらのところを含めて、ひとつお話しいただきたいんです。
#183
○青鹿政府委員 私、連絡会議の座長をつとめてまいりましたが、開催回数が少ないじゃないかと言われると申しわけないと思うのでございますが、開催回数は、先刻長官のほうから御答弁申し上げたと思いますが、総会六回、幹事会十回、そのほかに小委員会十一回開いております。これが公式の会議でございまして、そのほかに非公式に各省間の連絡はかなりひんぴんととってまいった
 わけでございます。
 それで、開催回数自身の問題よりも、この問題についての問題点を洗い出して、その結論がどういう方向に向かったら得られるかということを方向づけいたしませんと、いたずらに会議を開いても、実はこれ以上なかなか進捗しないじゃないかというような状況でございましたので、先般、今後の審議方式を少し改めようじゃないかということで、関係の委員にはかりまして、大体合意に達したということでございます。
 それで、問題の所在は、もう先生のほうが御専門でおわかりだと存じますが、簡単に項目的に取りまとめて、どういうような議論があったかということをまず申し上げたいと思います。
 一番初めは、改定の対象となる給付をいかに考えるかということでございまして、これはすでに各制度につきましても調整規定が入っておりますので、原則的に、物価水準に変動があったときには、現実に年金額の改定を行なうべきであるという点については、各委員とも共通の結論に達したわけでございます。この際、老齢給付だけでなしに、障害給付あるいは医療給付すべてについて調整を行なうべきであるという点については大体意見の一致を見たわけでございます。ただ問題は、具体的にどうするかということでございますが、この点になりますと、最大公約数が得られないということになってまいるわけでございますが、まず一つは、改定の対象となる部分を全部の給付にするか、あるいはその一定部分に限って考えるべきかということでございまして、これは一部の委員から、もう、こうした年金制度が生活保障的な機能を営むので、それに対応するような部分を共通な基準として、まずこれを取り上げてルールを確立していくべきではないかという御意見があったわけでございますが、これは、観念的にはとにかくといたしまして、具体的にそういう定額部分の抽出が可能であるかどうか。厚生年金でございますと定額部分がございますが、共済組合はないので、この中から、はたして定額部分を抽出することができるかどうかという現実論、あるいは制度論といたしまして、そういうような年金の部分を二つに分けることがいいかどうかというような意見が対立いたしまして、この点については結論が得られなかったというのが実情でございます。
 それから二番目には、どういう人を改定の対象にするかという点でございますが、これにつきましても、稼得活動から離れたような、一定年齢以上の人を対象にすべきではないかという一部の委員の意見と、それから、年齢によって差をつけることはおかしい、やはり全部共通な考え方で処置すべきであるという意見もございまして、これも実は結論が得られなかったわけでございます。
 それから三番目に、どういう指標で調整をすべきかという点でございますが、大体の意見といたしましては、消費者物価指数が一番適当であろうという点については大方の意見が一致したわけでございます。ただ、年金受給世帯の消費生活が、いまの消費者物価指数で完全に反映されるかどうか、もっと別個の、何と申しますか、年金指数的なものを考えていくべきではないかという意見もございましたけれども、大体の委員の意見といたしましては、消費者物価指数が一番頼みになる指標であるということは大体意見の一致を見たというふうに考えております。
 それから改定をいつ行なうかという点でございますが、これは御承知のとおり自動改定方式、半自動改定方式と政策改定方式とございます。これは、完全な自動改定方式をとれという意見はございませんで、いわゆる半自動改定方式がいいんではないかという意見が一部ございました。これは、一定の指標がある幅で変動した場合に改定を必ず行なうんだ、その改定の内容なり程度は、そのときの一般の情勢なり財源関係なりを考えた上で、政策的に判断しながらやるべきだという、半自動改定方式をやるべきだという意見が一部の委員から出ました。これに対しまして、年金額の改定というものはいろいろな意味があるけれども、ある意味では経済成長の成果を年金受給者にどう及ぼすかという政策的な配慮が相当加わるべき問題であろう、したがってそれぞれの制度の沿革なり特質なり、内容に応じて、そのつど政策的に判断するのが適当であるということで、政策改定方式をとるべきであるという意見が一部の委員からありました。半自動がよろしいか、政策改定方式がよろしいか、これについては結論が得られなかったということでございます。
 それから一番大切な問題であり、同時に現実的な問題として一番ウエートを持つ問題ではないかと思いますが、財源負担をどう考えたらよろしいかということでございます。これについては、やはり従来どおり三者負担の方式でいくべきだという意見と、それから、政策的に考える以上、相当国費で手厚い負担をすべきだという意見がございまして、これについても、いろいろ制度、財政方式が違うわけでございますから、必ずしも合意の結論に達し得なかったわけでございます。
 以上いろいろ申し上げましたように、相当の項目につきまして各委員の意見が違っておりまして、どうもこの連絡調整会議も、むしろそういった問題点をさらけ出して、各関係者の忌憚のない意見交換をして、できれば統一した結論に達したいと思いますが、実は私どうも、座長と申しましても、私がこうすべきだという結論を出すような立場にございませんので、むしろこういうような行き詰まった四囲の状況を打開するにはどうしたらいいかということの相談をいたしまして、どうもいままでのようにすべての制度に共通なものを求めていくんだという方式では、ちょっと局面の打開は困難であろうというように大方の委員の意見がなってまいったものですから、今後どういう方式でやるかということにつきましては、先ほど大臣からるる申し上げましたように、制度、沿革の類似したものに、グループ別に分けて、まずそこの段階でもって制度化の問題を検討した上でお互いに持ち寄って、その間に矛盾撞着することがないかどうか、あるいはそれは若干の相違が出ることはあると思いますけれども、少なくとも考え方の基本において乖離が生じないように配慮してまいりたいということで、先般グループ別にいたすことになったわけでございます。
 それでグループの内容は、一つは民間グループでございまして、厚年、国年、船員保険。それから公務員グループは国家公務員、地方公務員、公共企業体職員の各共済組合。それから若干その両者の中間的にあるものといたしまして私学、農林グループということでございます。それからなお労務災害補償につきましては、ある程度の法律上の定めもございますがルール化されておるからこれは対象にしまいということでもって、当初は調整会議の対象外にしておったのでございますが、最近そういう意味でいろいろな面からの検討が進んでまいりましたので、この機会に労務災害問題についても一つのグループとして検討してまいって相互の調整をはかりたいという意見がございましたので、申し上げれば四つのグループに分けて目下検討に取りかかったという段階でございます。
 それでいつごろまでに結論が出るかということでございますが、実は公務員グループもすでに二回ほど会議をやって、さらに煮詰めて検討を続けてもらうことにしておりますが、いましばらく制度ごとの、グループごとの問題点の検討を進めていただきませんとなかなか見通しを立てにくいのではないか。またそれぞれ各委員なり関係省ございまして、私からいつまでに結論を出させるということは立場上なかなか申し上げにくい問題でございますが、御趣旨の存するところはよくわかっておりますので、極力早期に、と言うとまたおしかりを受けるかと存じますけれども、早く結論を出せるように私ども事務的には努力させていただきたい、かように考えております。
#184
○大出委員 いまの御答弁をいただきましてよくわかりましたが、完全自動方式なり半自動方式なりという――アメリカの場合なんかでも、物価が中心ですけれども三%、連邦統計局の資料まで指定してあるわけですからね。だからそこらはいろ
 いろやり方があるんですけれども、いまの長官の御答弁になっておられる予算要求上のルール確立という点ですね。すでに一つの形ができているのです。だから、私は無理を言っているわけじゃないので、せっかく格段の御努力をいただいて形ができておるわけですから、そこらを基礎にしていただきたいという気がするのです。さっき申し上げたように公務員給与あるいは物価をどうするかという、国民の生活水準もありますが、これは附帯決議もついている。そこらのこともお考えをいただいてというふうに申し上げているんで、特段のワクを設けてものを言っているわけじゃない。何とかそこのところを早く制度化をすべきであろうということで、そういうところに中心を置いてものを言っているわけなんであります。
 さてそこで、先ほど申し上げましたように制度改正の過去の歴史的経過、この中で何も一ぺんに共済年金にいったわけじゃない。国鉄と専売がいち早く共済年金に踏み切った。おくれて電電公社が踏み切った。さて五現業グループがあとを追っていったわけですね。五現業の中でアルコール専売が特に数が少ない、おまけに高齢者の数が多いものですからいろいろ問題になった。そういう経過を経て、最終的にそれでは全部一緒にということとになって、国家公務員の場合は三十四年の十月一日からということでなったわけですね。おくれて三十七年の地方公務員の年金移行があったわけです。一ぺんにいったわけじゃない。だからこれは私が冒頭から申し上げているように、いま高齢者対策ということがやかましく言われている世の中になっているんですから、そうなると総理府恩給局の所管される対象者、受給者の方々に一番早く手をつけなければならぬ筋道になっているんじゃないのか。だからできるところからそういうふうに踏み切っていくべきじゃないのかということをさっき申し上げてみたわけでありますけれども、この席で時間がないのに事こまかに定額部分をどう考えるかということは、それはいろいろ考え方はありますけれども、申し上げる気もありませんが、そこらのところはある点までいけば総務長官に政治的判断を加えていただきませんとなかなかまとまりにくい点もあろう。そこらのところもひとつ御判断を願いたいという気がするのであります。
 それから先ほど形の問題が出ましたけれども、これはマイヤース勧告がかつて行なわれたときに、人事院がそれを受けて研究の成果を発表するということになっておりましたから――人事院に給与局の次長を置いたのはそのために置いたのですからね。そこで人事院が勧告した中身は無拠出年金制度だったのですね。つまり納付金なしで年度当初にこれこれ対象者がいるということを算定していきなり予算に組むという形の勧告だった。マイヤース勧告を受けて人事院がそういう勧告を出した、こういういきさつですから、本来ならば、いまのような政治情勢ならばあのときにそういってしまったかもしれない。ところが国会議員も入っている審議会等もありましたからなかなか前に進まなかったといういきさつがある。ですからここまでくれば、そういう歴史的経過にのっとってどうしてもこの辺で決着をつける時期だ、こう思うんです。ここのところはぜひそういうふうにお考えをいただきたいものだ。総務長官にはさっき御答弁をいただいておりますから私のほうの意見を申し上げるわけでありますが、そうすべきではないか、こう思います。
 それから時間がありませんので何ですが、さっきすでに出ましたようにあと追い的になっているのをいずれの機会かに考えなければならぬという点、これも実はもう少し時間をかけて論議をさせていただいて、次の段階にはその辺の検討にまで入りたいものだと思っているのですが、それと今度の改定の中身の理解のしかたなんですけれども、四十五年十月施行のときには、四十二年度の公務員給与の七・五%と物価の四・九%を基礎にされて、4.9+(7.5−4.9)×6/10=6.5 この六・五はアップ率になります。(7.5−4.9) これは公務員給与と物価との差をとったわけですね。そうして積み残し分の4.5÷2 つまり二・二五を積み残したわけですね。そうして6.5+(4.5÷2)=8.75 これが四十五年十月実施、こうなっているわけですね。
 これはさっき長官のお話しのように、予算措置その他の面でいろいろと御努力願って一−三間については二・二五の回復をした。ただしベースが変わっておりますから、その意味ではこの二・二五は、一〇八・七五分の一一一という計算をしますと二・〇七になるという形ですね。したがって102.07×108.4=110.64 つまり一〇・六四%という形のものになる。これは積み残し分を含めたアップ率です。こういう形で今回四十六年十月に実施しようというわけですね。つまりこれは四十四年度の公務員給与の九・七%と物価の六・四%が基礎になる。6.4+(9.7−6.4)×6/10=8.4 これがさっき申し上げた一〇八・四になっているというわけでありますが、こういう計算方式でいい、こういう理解でよろしゅうございますか。
#185
○平川政府委員 ただいま先生が言われました数字、間違いはございません。
#186
○大出委員 それが今回の恩給法改正ででき上がるアップ率であるということになりますね。
 そこで恩給審議会答申の、十項目ばかり残っておったのを今回は全部表へ出されたというわけですね。一つは昭和二十三年、これは文官等の恩給との不均衡是正というのですか、長期在職者に限るというのが一つございますね。千百四十円以下の者については二号俸、千百四十円をこえて千六百二十円以下のものについては一号俸、それぞれ是正する。そうしてこれが「昭和二十三年六月三十日までの退職者については、昭和二十二年六月三十日以前の退職者との給与の均衡を考慮して、必要な調整を加える」、ここの「必要な調整」というのは何をお考えですか。
#187
○平川政府委員 御指摘の文官の不均衡是正の問題でございますが、不均衡是正は昭和二十三年の七月を境といたしまして、その以前の退職者に対して行なうものでございます。過去四回施行してまいったわけでございますが、実は二十三年六月以前の退職者のうちでも、二十三年六月から二十二年七月までの間の退職者につきましてそのままの形でベースアップをしていきますと、二十三年七月以後の退職者よりもさらにオーバーするという、不均衡是正がさらに不均衡になるという結果が判明いたしましたので、二十三年七月以後の退職者につきましては、それ以前の、退職者の一号アップを認めて不均衡是正を行なう、こういうことでございます。
#188
○大出委員 あと九項目の中で、技術的なことですが少し問題になることがあるが、これは時間がないので、ここで少し政治的な面でもう少し長官に承っておきたいのであります。
 満州拓殖公社、満拓と言っているのですが、これは実は前回も私ここで取り上げて議事録にございますが、いろいろものを申し上げておるのでございますけれども、やれば切りがないではないかという御意見もなくはない。それからもう一つ、恩給法上のどこで是正するかという、つまり公務員であって今度は向こうへ行って公務員をおやりになった、公務員から公務員へという形でなくて、向こうで満拓につとめていた人、その部分の入れ方をその他の諸機関の中に入れた場合に、何か満拓の方で公務員から公務員へという方は一人かそこらしかないというので、それではうまくないということになる。つまり法律上は満州電電なり満鉄なりというところに入れなければならぬというのです。つまり一番基本になるのは、この会社をどういう性格の会社だと見るかということです。ここにやはり問題の焦点があると思うのですね。これをやったらほかに響くじゃないかという意見もあると思うのですが、響くのならほかのものを全部並べてみてあわせて検討してみていただきたい。どうしても入れかねるというのは一体どこに理由があるのかということは、あらためてもう一ぺん聞かしてもらいたい。
#189
○平川政府委員 実は先生御指摘のように、現在満州拓殖公社につきましては通算措置が講ぜられておりません。それを通算する場合の問題点といたしましては、まず満州拓殖公社の事業の内容あるいは職員の内容等について検討しなければならぬと思います。満州国政府あるいは満鉄、電電公社、こういったものにつきましては通算しておりますが、実は内地の恩給法におきまして通算を認められておるような公社等につきましては満州においても認めようという基本的な方針がございます。ところが満州拓殖公社につきましては問題が二つございまして、実は全く同種の北海道拓殖公社というのが内地にございますけれども、通算措置は講じられておりませんということ、それからもう一つは、実は同種と思われる会社が六十六ほどございまして、満州国の康徳六年に出たいわゆる監察令といいますか、日本でいう補助金を監察する法令のようなものだと思いますが、それに六十六の公社が並んでいるわけでありまして、満州拓殖公社につきましては満州国政府の監察を受けるという中に入っておるわけであります。この問題につきましては、約六十六の会社等につきましても、その内容あるいは職員の構成等もやはり検討しなければならぬということでございますし、少なくとも恩給審議会の答申におきまして、これ以上新たに他の公社を認めることは適当でないという意見も出ておりますので、現在の段階におきましてはこういう措置をとったわけでございますが、問題点といたしましては、いま私が申し上げましたように、二点が将来の問題としてもあり得るということでございます。
#190
○大出委員 この満日ケースなどの場合にも、これは審議会答申も認めていないのですよ。この席で、押し切ったか押し切られたかわかりませんが、ずいぶん苦労して片をつけたわけであります。だから私は恩給審議会の答申の中だって、私どもの筋からいえばうなずきにくいものがいろいろあるのですけれども、まあ尊重しようというたてまえだから、この十項目あるものをあえて反対という問題提起をしたくないと思うのです。私どもからすると賛成できないものもある。これは御存じだと思います。そこで満拓などの問題も、答申が残っている十項目をここで整理をされたわけですから、ここで片がつきますと十項目片がつくのですね。そうすると、これは一応審議会をおつくりになって懸案を諮問をされて、出てきたものの処理を全部した。その上に立ってものごとをもう一ぺん大所高所から見直してみるという場面がこれから先に出てくるわけですね。その場面で、これは一々申し上げると時間がないのですが、何度もお見えになると私が時間がないときばかりではないので、ここの事情も聞いてみた。そうすると、それなりに言われることにごもっともな点がなくはない。だからそういうことも含めて、いまのところはというお話ですが、これから先のところはというお話はこれからするわけです。そこで一ぺん満拓の問題を含めて六十幾つのものを資料をいただきたいと思うのです。いまの二つの問題点を含む類似会社が六十幾つかあるというのですけれども、私が知っているのは七つくらいしかないので、どういうところがあるのか、どのくらいの人員がいて現状はどうなのか、そこらの資料をいただいて、その上でこの点は研究させていただきたいと思うのです。というのは、恩給というのは、ある意味の戦後処理式のものがありまして、私が手をつけ始めたころまでにすでに三十幾つの議員立法がありまして、それを一々ひっくり返してみなければ、何がどうなっているのかさっぱりわからない妙なことになっているわけですよ。だからこの恩給というものは、初めての人が見たってさっぱりわからないことになってしまう。法律自体全くわからない。何かここに実効があるのかどうか疑問に思いながら見ておったのですが、何か実効がありますか。これは山中総務長官が、あまりこれはむずかし過ぎるじゃないかという話について、いやわしもそう思った、何かわかりやすくしなければいかぬじゃないかという意味でおつくりになったようでありますが、もらったのはさっきでありますから、実効があるのかないのか中身を見てないのでありますが、それはともかくとして、そういうことで一ぺん検討さしていただきたい。その点はぜひそれをひとつお願いしたい。
 それで、実は残念ながら時間がないので残しまして、恩給審議をする形の機関でどこかで残る部分について多少の時間をいただきたいということをつけ加えて、いまの数字その他を含めて満拓問題等について総務長官からでけっこうですが、一言お答えをいただいて終わりたいと思います。
#191
○山中国務大臣 恩給審議会の二十六項目の答申を三カ年にわたって、最終年度十項目答申に関する限りは一応終了をいたしたわけであります。しかしながら、ただいまの党の立場が違いますから、若干のニュアンスの違いはあると思いますが、これは党派を越えてまだ恩給問題について最終的に異論はないという段階に至っておりません。したがって、今日までいろいろの議論が、まず審議会答申の処理が先決であるということで残してきてある問題が確かにございますし、これらの問題はさらに今後検討をして、そして一応恩給審議会の公式な立場からの国民全体の最大公約数的な意見として出されましたもの、そういうものを処理し得た後、最大公約数たらずとも、それが真実である、あるいはその声に耳を傾けるべきであるという問題等については、国民の同意を得られる分野においてさらに検討してみたいと考えております。
 個々の問題についてはいま触れる時間もありません。
#192
○大出委員 わかりました。終わります。
#193
○佐藤(文)委員長代理 本会議散会後委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午後二時休憩
     ――――◇―――――
    午後三時三十二分開議
#194
○伊能委員長代理 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 委員長が所用のため出席できませんので、委員長の指名によりまして私が委員長の職務を行ないます。
 恩給法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。受田新吉君。
#195
○受田委員 これは毎年当委員会で繰り返し質問されているポイントでございますけれども、この恩給法の一部改正案で最も大事な問題点とされている恩給法二条の二の公務員給与その他との調整をどう扱うかという問題をまずお尋ね申し上げたいと思います。
 昨年も当委員会で引き続き附帯決議が付せられまして、その附帯決議の趣旨は、公務員の給与を基準として、退職者の恩給年金額がきめられるようにという国会の意思表明がされております。その附帯決議の扱いをどういうふうにされようとしているのか、政府のそれぞれの、大臣及び局長の御発言によって意思表明をしていただきたいと思います。
#196
○山中国務大臣 昨年の予算では遺憾ながら二・二五%の積み残しを財源上いたしました。したがって御要望というもの、国会の御意思というものが昨年度予算では完全に反映しきれなかったわけであります。逆に言うと、それだからこそ附帯決議もついたわけでありましょうが、ことしの予算につきましては、そのような現実を踏まえて二・二五については約束どおり一月実施の四月給付開始ということで措置いたしましたし、さらにことしは十月から、四十四年の公務員給与、物価等の反映をせしめましたベースアップを約束どおり実施いたしますので、昨年来申し述べてまいりましたスライド制ということを言うのは、まだ他にも制度的に確立すべき問題等に波及をいたし、あるいはそれらをセットして表現しなければなりませんので、表現は慎重にいたしたいと思いますが、恩給に関する限りは、物価、公務員給与に対して逐年予算の算定のルールというものでこれが確立をしたということが言えるのではないかと思います。その限りにおいてさきの国会の御意思を体して、その目的は今回の予算において達成せられておると確信いたします。
#197
○受田委員 当委員会の決議の趣旨は、公務員給与を基準とするということであったのですが、事務的な処理の段階で、恩給局長でけっこうですが、御答弁を願いたい。大臣はその決議の趣旨をりっぱに通しておるとおっしゃるのですけれども、物価と公務員給与とを兼ね合わせたいまの御答弁であります。当委員会の公務員給与を基準にするという附帯決議の趣旨を数字的に昭和四十四年度の公務員給与の上昇率九・七%のうちで八・四という扱いは一体どういう趣旨のものであるか。そうした公務員給与と物価との関係と当委員会の決議の趣旨との兼ね合わせを事務的に御答弁、願いたい。
#198
○平川政府委員 先生も御承知のように、現在の段階といたしましては、恩給審議会の答申を受けていかにこの内容を実現するかということであります。今年は三年目でありまして、実は昭和四十四年から全く同じ方針でいっておるわけであり、その内容につきましてはるる御説明申し上げる必要はないと思いますが、要するに恩給審議会の答申をそのまま実現している。すなわち、簡単に申し上げますと、調整のしかたといたしましては、ウエートではなくて順序といたしまして、まず物価を着目したわけであります。物価をまず不可欠の条件として、五%以上上昇しましたときにはそれを補てんする。なお補てんした後におきましても、国家公務員給与と物価との格差がある場合においては、その格差のある部分を補てんすべきであるという恩給審議会の答申であります。そのある部分と申し上げますのは、さらに説明を申し上げますと、国家公務員給与の中には、実はこれを分析いたしますと職務の責任とか内容に基づまますいわゆる職務給的部分と、生活改善部分と申しますか、経済成長に伴う成長部門がございます。少なくとも恩給公務員はかつては公務員ではありましたけれども、現在は公務員でないという点を着目いたしまして、恩給審議会といたしましては、国家公務員の給与を指標としては用いますけれども、そのままの形で指標として用いるのではなくして、いま申し上げました生活改善部分的な部分をかつての公務員である恩給受給者に対して反映さすべきである、こういう趣旨に従いまして実は改善をしてまいってきておるわけであります。
 御指摘の昨年の当委員会における趣旨等につきましても、ただいま現在までとっておりますこの改善措置がこれに矛盾あるいは背馳するというようには考えていないわけでありまして、今後こういった点につきましてはわれわれとしてもさらに鋭意検討してまいりたいと思いますけれども、この趣旨が基本的に附帯決議と矛盾、背馳しているというふうには考えていないわけであります。
#199
○受田委員 ちょっとそこがあいまいもこたるところがある。当委員会は恩給審議会の答申を尊重して政府が措置をするということについて一面において注文をつけてある。その答申の尊重という点において、特に現職の公務員の給与を基準とするような配慮をせよという国会の意思が別につけ加わったのです。つまり物価と公務員給与を適当に勘案するということでなくして、一歩前進して、公務員給与を基準にしてきめるようにせよというのが当委員会の趣旨で、恩給審議会の答申よりも、公務員給与を基準にする点において非常なウエートが公務員給与のほうに置かれているということを局長はおわかりいただけるかどうか。
#200
○山中国務大臣 これは附帯決議をおつけになりますときも、「国家公務員の給与を基準として、国民の生活水準、消費者物価その他を考慮の上その制度化を図ること。」という表現でございますから、明らかにニュアンスの、力点の違いはあると思います。しかしながら、それでもやはり国家公務員の給与そのものずばりを一〇〇%取り入れろという趣旨ではなかった。そのことについては質疑応答でおのずから現職にある者とそうでない者との違いは皆さん与野党ともにわかって議論をしたわけでございますから、したがって計算方式の問題で恩給というものは生活保障形式と全くジャンルを異にするものであるということを明確にいたしておりますが、一方においてはやはり生活保障に消費者物価というものは密接な関係があるとして、かつて公務員たる人々の恩給の受給の質の問題として無視できない大きな要素でありますから、いわゆる生活給的な考え方というもののウエートは大きいということで、計算方式がたまたまそういう計算方式に、審議会の申しましたような方向に計算方式を持っていっておりますが、しかしながら、国家公務員の給与を基準としておるということが基準としていないというほどの違いは私はないものと思います。だから、附帯決議についてこの一並びに二ともに――二はお手元にこういうものを差し上げてございますが、これは事務当局の非常な苦労の結果でございますけれども、ともに私は国会の意思に沿ったものと思っております。
#201
○受田委員 いささか詭弁に堕するきらいがあるわけです。公務員給与を基準にするということは、そのほうへ全部を一〇〇%というわけじゃないのです。しかし、九〇%なり八五%なりはそれに重点を置く、こういう趣旨である。政府の措置をされておる物価と公務員の給与は全く同じ比率で計算をしておられる、そこの説明がはなはだあいまいである。御答弁を願いたい。
#202
○平川政府委員 過去の例から推定で御説明申し上げますと、実は昭和四十四年、四十五年、四十六年を通じまして物価と公務員給与を一定の算式によって算出いたしましたアップ率をきめたわけでございますが、ただいま申し上げましたように、生活給的な部分につきましては物価と公務員給与の格差の六割はとっております。しかしながら、その結果を数字的に見ますと、昭和四十四年度におきましては公務員給与の結果としては九二%をとっていることになります。それから昭和四十六年におきましては国家公務員の給与のアップ率の八九%をとっておることになります。要するに三年平均いたしますと、ただいま先生が言われましたように、国家公務員給与の約九割というものをアップ率としてとっておる。したがって、実質的には先生の言われたような趣旨の方向で動いておるということでございます。
#203
○受田委員 生活改善部分、生活維持部分、職務給部分というような配分のしかたで実際に公務員の給与の中にはすでに、公務員給与そのものが民間給与などを基準にしてきめられるという国家公務員法の規定によって、その部分が入っておるのです。だから、私がいま申し上げておるのは、公務員給与の九割を取ったことになっておる、そして物価との関係はどうかということになってくる。物価との関係を説明してください。それを御答弁願って、そして公務員給与というものの中には物価が十分織り込まれた形できめられているという要素はどう考えておるかもあわせて御答弁願いたい。
#204
○平川政府委員 私は公務員給与の専門家でございませんので、あるいはあれかもしれませんが、公務員給与というのは民間給与あるいは生計費等を反映されましてきめられるはずでございます。そういうことで、実はわれわれといたしましては恩給審議会の答申の趣旨もこれあり、物価、四十六年度でいいますと六・四%でございます。六・四%に加えることの九・七%引く六・四%の六掛けという数字になります。これが八・四%になりますが、われわれといたしましては国家公務員の給与が、いま申し上げましたように民間給与あるいは生計費のはね返りの反映の結果であるということを考えますと、当然民間給与なりあるいは生計費のはね返りの中には物価の値上がりというのは理論的には含まれているはずである、別個のものではあり得ないというように私は考えます。そういうことで実は恩給審議会の答申もそういう線に沿った形で出ておるもの、このように考えるわけであります。
#205
○受田委員 いまの物価と公務員給与との置き場所を説明しておられる中に、いささか詭弁があると私は思うのでございますが、四十三年度の場合のあなた方の御説明を聞いておると、それは公務員給与の上昇率七・五%、物価上昇率四・九%というものを基礎にして計算されたのです。その比率を見ると物価上昇率にプラスして七・五%から四・九%を引いた六割をかけておる。その点で一割ほど比重を置かれておるわけですね。つまり一割、十分の六ですから、十分の五をかけないで十分の六としておるというところの比率の置き方がちょっと説明がほしい点が一つある。つまりほんとうに物価上昇率というものを四・九として、それから公務員給与の上昇率から物価の部分を引いたものへ〇・六かけるというものを、それをもっと高い基準に置いておいてしかるべきものだったと思うのです。十分の九くらいに置いておく。そういう計算のしかたは、一体十分の六というのは何をもとにしてやったのか。ちょっと過去へさかのぼることになるが、疑義が発生した点でございますので、十分の六とした基準を説明願いたい。
#206
○平川政府委員 六割をとった根拠でございますけれども、実は恩給審議会の答申を読みますと、六割とは書いてございませんが、ある部分と書いてあるわけです。そのある部分についての論議の中で、いろいろ論議されたわけでありますが、実はこれは理論的な根拠を持っております。われわれ先ほど申し上げました公務員給与の分析をしまして、職務給的部分と生活給的部分をいかにして分析するかという方法論の問題でございますが、われわれといたしましてはこういう方法論をとったわけであります。それは実は給与の中で下の役付でない給与の方とその方々が役付、たとえば四等級、三等級、二等級へ上がっていきますが、そういった上に昇格された方々とそのままの形でいわゆる頭打ちをするような状態になりますが、そういった者との格差というものが職務給的部分である。したがって、その残部が生活給的部分である。この問題につきましてはいろいろ御議論があるかと思いますけれども、われわれといたしましては最も適当な理論的な分析のしかたである、こう考えて出したわけであります。平たく申し上げますと、役付になった人と役付になっていない人との格差、それが一般的にはやはり職務給的な部分であり、残りが生活給的な改善部分である、こういうように大まかにマクロに断定しても大きな誤りはないであろう、こういうことで試算いたしまして、ほぼ六割という線が出てまいったわけであります。
#207
○受田委員 それは恩給局としてはもっと高い基準に置きたかったんじゃないですか。つまり基準をもっと高い点に置きたかった。次の四十四年の説明で、ちょっと過去へさかのぼって失礼でありますが、参考のためにお聞きしておきたいのですが、あなた方の説明で当時私が耳にしたことは、四十四年十月に公務員の給与の上昇率を三十六年十月から四十三年三月までの時点で五五・七%、物価が四四・八%という御説明であった。そのときにその計算方法は当時の説明では、44.8+(55.7−44.8)×6/10=51.3その五一・三%の上昇を要求したが、当時私は記憶があるが、そのときに四四・八%が実施になって、六・五%の積み残しができた。つまり、要求と実際とは違うんだ。恩給局は要求するとおりに政府が最終的になかなかきめないんだという説明があったような記憶を持つのです。そういう点において、恩給局自身はもっと高い基準でやりたいと思うが、最終的に予算折衝で値切られるという現実はないのか、お答え願いたいのです。
#208
○山中国務大臣 昨年度は、計算方式は別として、財源上二・二五%値切られたわけです。したがって、三カ月分御迷惑をかけたことは私もおわびをいたしました。そのかわり、一月実施を確約いたしました。そのとおり予算措置をいたしましたが、ことしのベース改定分の十月実施はそれらの積み残しも一切なくて、計算方式どおり、所要金額は全部予算上さしたるトラブルなく、私の念願とする受ける権利と支払う国家の義務という関係に立って予算措置がなされたと判断しております。
#209
○受田委員 ちょっとそこで大臣、その予算措置のことしの十月からという実施部分については法律的にはどういう根拠を用意しておるのか。行政措置で片づけるのか、法律的に片づけるのか、そして実際に積み残しがおくれることはないのか懸念されるので、実施面における御答弁を願いたいのです。
#210
○山中国務大臣 これは御承知のとおり、法律を出して権威あるものとして審議を願うわけでありますし、予算上は財源として――失格者が幾ら出るかというのはこれは若干の見通しの違いは出るかもしれません。それらの違いは別として、支給実務については完全な必要金額が計上してございますから、実際上受給する人が実質一カ月とか二カ月とか引っ込んだということはあり得ないわけでございます。
#211
○受田委員 そうしますと、ことしの四月からの支給という、それより先へ延ばす必要はない問題だと思うのですが、積み残しをできるだけ早く支給するというのがたてまえと思うのですが、その実施期は間違いなくいつになるんだという御答弁を願いたいのです。
#212
○山中国務大臣 積み残しの分は一月実施でありますから、支払いが四月から、ちょっと混淆したかもしれませんが、それを今回はきちんと整理をしまして、ルールができたと私は思っておりますが、十月から完全に実施をするということでございまして、財源上もそのとおり措置してございます。
#213
○受田委員 積み残し分は、そうすると四月に支払いをするんだということで間違いなく支払いできるのですか。
#214
○山中国務大臣 去年の分ですね。
#215
○受田委員 ええ、二・二五。手続もそのとおりされるようになりますか。間違いありませんか。
#216
○山中国務大臣 支払いの期日とおっしゃいますと四月に入っていますので、四月に支払いをするということは一月実施を四十六年度予算で払うということでありますから、まだ法律も通っておりませんし、したがって支払いそのものは若干おくれますけれども、完全に一月からの分が支給されるということであります。
#217
○受田委員 積み残しなどというのはできるだけ早く処理してしかるべきことだと思うのです。それはそういうことで大臣配慮していることはよくわかりますが、この三年間の年次計画による完成年度というのがいまの時点にあるわけなんだ。これを見て、このあたりで公務員給与を基準にするという原則的な考え方が三年の過程においては十分できなかった。しかし、次の段階からは公務員給与というものを基準にして、職務給など退職後は職務を持っておらぬのだからという点は、ほんにわずかどこかで色をつける程度のたてまえでいけば、恩給審議会の答申もある程度尊重したことにもなるし、そして当委員会の主張を大幅に取り入れたことにもなる。三カ年の現在までの過程において、これをかれこれいじくることはなかなか困難になったと思いますので、次の年度から公務員給与を基準にするという原則、物価というものはほんのちょっと色をつけていく程度にするということは、一応はっきり方針としておきめいただきたいと思うのです。長官もそういう意味の御出身者である、つまり公務員出身者である。そういう意味で同僚の諸君が退職後どういう立場に置かれるかなども考えて、在職中に有形、無形の国家への奉仕、そして私企業にも関与できないで、別に金もうけできない立場に置かれておる公務への奉仕者に対して、退職後もかつて校長であり、かつて局長であり、かつて署長であった者は、やはりそれなりの社会的に責任を負わざるを得ないわけで、もう退職した後は職務的要素は要らぬのだというかっこうでほうりっ放しにするわけにいかない。退職後もやはり社会的責任のある生活をする上では、在職中の延長という形でかつての職務をそのまま尊重するような責任を負っていらっしゃるのが退職公務員だと私は思うのです。そういう意味で私がいまお尋ねしておるので、退職後は職務給的要素の部分は欠けたから、それを入れるのはおかしいなどという理論は成り立たぬと私は思うのです。そうでございましょうね。そうでございますか。
#218
○山中国務大臣 考え方あるいはまたそういう角度というものは私も同感できます。要するに計算方式、結果としてはアップ率だと思います。この問題は今後もやはり議論が残ると思うのです。ただ政府としては審議会の答申を受けておりますから、国会の決議も両方勘案しつつ、やはり今後計算というものも考えなければならないと思いますけれども、要するに計算方式と、その結果得られたアップの率がどうなるのかという問題に帰結すると思うのです。これらの点は今後国会等においても議論をしながら、どのようなことが恒久化されるべきものであるか。ことに恩給の新規受給者がどんどんふえるわけでもありませんし、そういうルールというものの考え方の基本的な違いというものは一致しておかなければならぬと思います。その意味でただいま言われた公務員給与を基準としという考え方、この「基準とし」はそのままとりましても、いまの政府のいわゆる計算方式的な意味からいえば、やはりアップ率はほぼ似たようなものになると思うのです。だから問題は、方式とその結果得られた数値がどういうものになるかという、それがはたしてかつて国家、公共に奉仕した人々の老後に対して報いる国の道として正しいといえるのかいえないのか、ここに帰結していくだろうと私は思うのです。この点はルール化したといっても、その計算方式その他について議論の残る点は十分議論をしていく価値のある問題であり、またそれだけの私たちも責任があると思っておりますので、御意見は附帯決議とともに十分参考にさしていただきます。
#219
○受田委員 そこを特に長官、参考ということよりももうそれが筋としては通るのだといういまの初めの御答弁があった。私の意見に対して原則的な賛意をあなたは表せられた。つまり公務員給与を基準にすることに対して賛意を表しておられる。その扱い方、アップ率――それはそうなんですね、退職後何年かたつと著しくそこで現職者とバランスがくずれてくるのです。これはもう十年前の退職者と現時点の公務員の給与を比べてみられたらおわかりのとおり、その点退職後も、かつて自分はそうした国家への奉仕をりっぱになし遂げたという誇りを継続しているのが公務員であって、退職と同時に生活が乱れてでたらめな金もうけに走るというような人はそうざらにはない。まれにはあるかもしれませんが、しかし原則は原則として、退職時の俸給が退職後の基準になるという形は、これはあくまでも貫き通してあげなければならないという意味で、当委員会は公務員の給与を基準にしてとすかっとうたったわけでございます。十分そこを含んでおいていただきたい。
 それから審議会の答申ということですが、この審議会は大体各界の代表者が英知をすぐって結論を出されるのだけれども、その事務当局の恩給局が政府の意図を受けて資料を出してその審議会をリードする危険があることは、長官御存じのとおりである。つまり、なるべく政府に有利な答申を出させようとして、委員長以下の委員にもできるだけ政府の説明をこれつとめて、その答申が政府の意図と離れないようにこの会の運営をリードする。これは私も何回かそういう機関の中へ入って体験をしておりまするので、特に議員が入っていない場合と入っている場合は答申の中身が相当違っておることもおわかりのとおりです。そういうことですから、わずかな限られた委員が答申をした、それを金科玉条と考えるというわけにもいかぬ節がある。それはもっと大所高所から判断できる立場で、また政治的な判断も必要とするという意味で、国会の意思のほうが審議会の答申よりも私はウエートが置かれてしかるべきであると思うのです。これは比重をかれこれ論議することはむずかしいかもしれませんが、いかがでしょうか。
#220
○山中国務大臣 この審議会が大蔵省に置かれた審議会ならばあるいはそういう御心配が当たっているかもしれません。また、一般論としては政府の審議会が役所の隠れみのに使われて、最も民主的な手段を経た後に国民の声を代表するものとして答申があったからということで使われがちであることも否定しません。しかし、この恩給の審議会については、過去長い間議論されてまいりました戦後の議論の経緯を踏まえて、ここらでやはりきちんとした権威ある方針を示さなくてはいかぬということで恩給局の立場から設けました審議会でございますから、したがって、もしかりに恩給審議会において二十六項目の答申がなされていなかったと仮定するならば、既往二カ年の十六項目、そして今年度の十項目、これもかりに私が総務長官でありましても、大蔵省を説得し得たかどうか非常に疑問に思います。しかし、大蔵省も審議会の答申のあった項目についてはやはり議論はいたしましたものの、権威あるものとしてそれは実施に移すということで完全に二十六項目答申どおり踏み切りましたので、その意味においては大蔵にとってこの審議会は、財政当局からいえばにしきの御旗を総理府に与えるということに現実になっていると私は思いますので、その意味においてほかの審議会とは若干異なっているのではないか。ただ、この答申のあり方については若干ぼかした答申等がありますし、また表現のとりょうによっては積極的なものと消極的なものと両面の解釈の分かれるところもありますし、それをめぐって議論がなお終結していない問題等もあります。これらの問題は、先生のおっしゃった大所高所あるいは政治的立場から時代の移り変わりその他の問題も勘案しつつ対処していくべき問題は残っているし、それが皆無だとは私も思っておりませんので、その意味においてはさらに十分検討を加えてまいりたいと思います。
#221
○受田委員 この恩給審議会の答申をほとんど大半片づけておられる。三カ年計画にしてはできがいいくらい処理されております。その点大いにほめてあげたい。ただ一番ポイントは、そこの審議会が忠実に個々の問題にも誠意をつぎ込んでくれて答申された、懸案の解決の基礎を与えてくれたということについては、私自身も大いに敬意を払いたいのですけれども、またそれを政府が三年計画でりっぱに大半をこなしてくださったという点については敬意を払いたいのですが、一番基礎的な問題のここの恩給法の二条の二という条項に関連する部分について、審議会答申の順序として書いてある物価部分に終始頭が置かれておるという点がいささか気にかかるわけですが、いま長官がその点について、大所高所からの政治的判断も含めて国会の意思を十分尊重して、公務員給与を基準にするというこの趣旨を十分尊重するという意味に解釈ができる御答弁だと了解して、この部分についての質問は終わりといたしましょう。よろしゅうございますね。
 次に、今度の改正案の個々の問題について行き届いた手だてが順次相当量に及んでなされていることに一応私は敬意を払いたいのです。昭和二十三年六月三十日以前の退職者の給与の改善も一号ないし二号俸の是正措置がされておる。それからその直後にやめた者とのバランスを考慮される。なかなか芸のこまかくていいところがあるのです。それから夫に対する扶助料の給与条件の緩和など、人道政策から見てもまことにけっこうな規定もある。公職追放者に対する一時金の支給などという戦争犠牲の扱いも一応うなづける節がある。そういうふうな諸点については私は一応敬意を払いたいと思います。
 ここで一つ問題があるのは、戦争犯罪人として留置され、拘置され、取り調べを受けて結局無罪となった者の扱い。その扱いについては、今度の改正案の戦犯拘禁期間の通算制限の撤廃で一応救われる節がここにあるのです。あるけれども、問題は、無罪という判決を受けた者は、普通であれば刑事事件として処理された者の場合は、その刑事事件の取り調べを受けた期間中に対する刑事補償の問題等もあって、その処分を――つまり無罪というかっこうにされた場合に、何らかの形で無罪の判決を受けたことに対しての拘禁された期間における補償というものがされておるのです。ところが、この戦犯拘禁者というものが無罪の判決を受けたとしても、それに対する何らの償いもしていない。刑事補償の道もない。連合軍がやったことであるからやむを得ぬというあきらめを持っていらっしゃる人もあるだろうと思いますが、国家の責任で戦争が始められ、戦争が終わり、そうしてその結果長期にわたって戦犯として拘禁をせられ、非常な苦痛を受けて、しかも最後に無罪として放免されてきたというような立場の皆さんに、何らかの見舞い金とか一時的な国家の責任を果たす補償措置が要るのではないか。これは恩給法というよりもむしろ援護的な性格のものになると思いますが、法律論のたてまえでは恩給をもらう人に関連する問題でございます。国務大臣として山中先生のような愛情の豊かな大臣は、しかも限られた人数しかおらないのでございますから、無罪放免された人が、国家の責任で戦争を処理しなければならない段階で、個人としてそのために引き出されて苦痛をなめて、最後には無罪であったというような人に対して何らかの――今度の改正案の戦犯拘禁期間の通算制限の撤廃で救われたとしても、その間の苦痛を何らかのかっこうで補ってあげるという愛情ある措置が必要なのではないかと思うのです。見舞い金とか一時金というようなもので、御苦労さんでした、国家のためにあなたは戦争責任をお負いになって長い間御苦労かけて、無罪として許されたけれども、その間の御苦痛に対してはわずかだが国家として何とかしたいというような配慮が必要かどうか。これはちょっと私、事前に通告してなかったので、大臣として考慮される――いまちょうどこの改正案の問題点の七の戦犯拘禁期間に関連する問題として提案したのですが、これは大臣に突然お尋ねするので気持ちの上での御答弁でけっこうです。
#222
○山中国務大臣 私は気持ちの上でも理論的にもそういうことは議論されてしかるべき事柄であって、そのことが一回も議論されなかったということはむしろおかしい事柄の一つだろうと思います。ただ、長い拘禁の後、国内法によって最高裁で最終的に無罪判決を受けたために、当然国家の責任として、国家賠償として拘禁期間を一日当たり幾らで換算して得られた金額を支払うということになるわけですが、戦争犯罪というもののあり方についての評価は、戦勝国においても戦敗国においても、いまだに定まっていないものであり、そして戦争を始めたのは確かに日本の国家意思であります。しかしながら、戦争に負けたことによって、これも国家の責任でありますが、その後行なわれた裁判については戦勝国側においても意見が分かれたまま、たとえばインドのパール判事でございましたか、こういうことはおかしいということをもってその著書も出されたぐらいでありますし、現在はアメリカにおいてもカリー中尉事件等で、山下を処刑してモーランド指揮官でしたか、なぜこういうものを処刑しないのかという議論があるとおり、人間というものが闘争の本能によって国家単位でもって行なった結果に対してどのように処理することが正しいのか、個人と国家というものに対する概念はどうも定まってないと思います。
 ところで、いまの具体的な問題ですが、戦犯として拘禁をされて、結果有罪で死刑になったという人に対してはより気の毒なわけでありますから、現時点においてはその人たちについて、具体的に言うならば戦勝国すなわち戦争裁判に参加した国々に対して、死刑になったことに対する、人を殺したことに対する賠償と申しますか、そういう見舞い金を独立国家として要求しなければならぬ立場にあるのかもしれません。しかし、遺憾ながらこれは行なわれておりませんで、処罰されてなくなった方の遺族に対してはいま最大限の処理をしておるわけでございますが、そこで幸いにして、拘禁中は不幸でしたけれども、結果無罪になった人たちに対しては、無罪になったそのことはある意味では喜びでございましょうし、御家族も遺族にならないで済んだということで、いまの拘禁期間の通算ということが行なわれれば、生き残ることのできた人に対してのみこれ以上この時点において恩給法上何か措置をするということはちょっとできないと私は思うのですけれども、一時金とか見舞い金とか感謝金とかいうことの措置については、これはもっとより高度の国家的な意思の判断、判決というものをまとめなければならぬと思います。その場合において、処刑された人に対してなくなったことについての措置が何にもなされていないということを考えます場合に、処刑されなかった人の扱いをどうするか、これは議論としては一ぺんしておくべき問題ではあると私は思います。しかしながら、いまこの今回の改正に関連をして、これは通算をするということだけでありますけれども、しかしそれ以上に出るかどうかの問題は恩給法については完全に離れた議論でありますが、やはり国権の最高機関において一ぺん論議をかわしておくべき時期に来ておる、確かにそう思います。
#223
○受田委員 当委員会でその議論を展開するはしりをいまさしていただいたわけで、性格的に見れば大臣お説のように、処刑された人とされない人、生き延びて今日を迎えて、通算規定を適用される喜びで満足してほしいという見方もあるし、それから処刑されても、なお東条元総理にしても御家族に対する扶助料は差し上げてあるわけですから、処刑された、されないとを問わず処遇は国家がしてやる。ただ、戦傷病者戦没者遺族等援護法でも、重過失というものについて、重過失以外は救われることになるような規定が今度認められておるわけなんですが、戦地で重過失というようなのは、ほんとうは調査の粗漏で重過失にされたとか敵前逃亡にされたという問題がいま相次いで起こってくる段階でございますから、この問題は非常にデリケートな要素をはらんでおる。調査が厳密にできてない事情もある。
 それから満豪開拓青少年義勇隊が今度援護法の関係で救われることになって、ちょうど関連するのでお尋ねするのですが、昭和十六年の大東亜戦争勃発から昭和二十年八月九日にソ連が入ってくるまでの間のものについては、一応軍事上の関係ということで救う道を開いておる。いままではそれが許されてなかった。その点は一歩前進したと私は思うのです。これは山中先生、あなたも御存じのように茨城県に内原訓練所というのがあって、そこで訓練をして満州へ送り込んだ数万の部隊があるわけなんです。その数万の部隊が満州でどういうふうな働きをしたかが終戦当時のどさくさでわからぬままに消えていった悲壮な若人がおる。みんな青年ですが、そういう人々の功績が材料がつかめないために、こちらで証拠がなしというので処遇がされてない人がまだたくさん残っておる。そういうものを救うために、昭和十六年の大東亜戦争勃発からソ連が入ってくる二十年八月九日までの間における救済措置を今度の援護法で入れてもらえるのを見て、私この法案を読んで、この部分について一歩前進した政府の態度に敬意を払うわけですが、これでどのぐらい救われるかというときにも、資料の問題では私たいへんな調査上の困難が伴うと思うのです。こういうときにはできるだけゆるやかな解釈で、戻ってきた生存者の発言等も、それしかないというときにはそれを重点にして裁定を下されるようにするとか、とにかく調査の非常に困難なときはその人の言うことを善意に解釈するという立場をとってあげるように、つまりこうした戦争処理の問題については、裏をかいてごまかそうというような魂胆の人間は大体わかりますからね。それでない場合には、もう非常に年をとっていて、当時の事情を正直に告白し、また証人にしっかりした人が証言すれば、それでもう証拠物件が整うというようなかっこうで処理されてしかるべきだと思うのです。これは厚生省のほうの扱いに関係しますし、また大臣としてもそういうようなものは、これは恩給法上の問題で公務扶助料を支給するかどうかというときの調査資料等においても、最後の段階で、たとえばまた傷痍軍人が傷害を受けたときの事情などを十分説明する資料がないけれども、本人及びそばにいた人間が保証する、診断した医師がいなくてもそういう意味の条件が整っているときにはこれを認めてあげるとかいうような処理のしかたについて常に寛大にして、しかも事実に即すると認められるときには人的証言だけで認めていくというような形をこの段階においてもとっていただくべきと思うのです。積み残しといっては失礼ですが、まだ裁決をされない、保留されたままのものがどのくらいあるか。恩給法上の適用を受ける申請者及び援護法上の申請者の中で、目下未処理の書類がどのくらい残っておるのか。却下しないで目下検討しておる、そういうときに、書類として不備であっても、人的証言で救われるというのが相当ありはしないかと私は思うのですよ。こんなに時間がかかっている。書類にはおそらくそういう困難な、たとえば医師の診断などをつけるのに当時の医師がいなくなっているとかいうような事情のものが残っていると思うのですが、長期にわたるこの恩給法上の公務扶助料の扱い、あるいは傷病軍人の増加恩給、傷病年金の扱い、もしくはいまの援護法で満州開拓義勇隊のような、当時の事情を十分知っている人が非常に少なくなった、その段階でこういう法律改正を出されたという点においては、その扱い方をきわめて寛大になさろうという腹があると思うのですが、それぞれの立場で御答弁を願いたいと思います。
#224
○山中国務大臣 まず前提として私から申し上げますが、このように援護法なり恩給法なりでそれぞれ配慮すべき限界について、逐次必要な範囲を満たしてきております。ここにまいりますと、その範囲の中で自分が対象になるかならないかの問題がその個々の人にとってはこれはもう大問題なわけでありますから、私の方針としてはただいま仰せられたような方針をもって、なるべくこの人に、私の立場でいえば恩給を給付してあげる方法というものはどのような方法があるのかということで指導するようにいたしておりますし、恩給局にも一階に絶えずそういう御相談をしに来られる方のための窓口をつくって、そのための専任の方々も委嘱いたしております。したがって、私も書類の決裁等をいたしますときも、恩給の審査会、お医者さん方の審査をされる審査会というもので最終的にだめになったものについて、一々読んでおりましたが、一人ごとにおっしゃることは非常によくわかる。しかし、いかんせんこれは病状その他が専門的に見られてどうしても該当しない結果が出るんだということで、しろうとの私ではいかんともしがたい問題が大部分でございますし、もちろんほとんどと申し上げたほうがいいと思うのですが、たいへんつらい思いで決裁をいたしております。
 したがって、私も戦争生活四年半、大陸で送ってきたものでありますから、自分自身も傷痍軍人の一人でありますし、戦友や部下も靖国に行っておりますし、そういうことで一人でも多く救われるならばという気持ちを持って運用いたしております。ただこまかな問題については両局長からそれぞれの省の立場において答弁をいたさせます。
#225
○平川政府委員 ただいま御質問のありました中で、恩給に関する問題につきましてお答えいたしますと、実は公務扶助料を例にとって御説明になりましたが、御承知のように公務の認定につきましては、これは昭和二十八年以前の問題につきましては、すべて援護局におきまして公務であるかどうかを判定してまいりまして、それによって私どもについてくるわけであります。したがいまして、たとえば援護局におきましてどうしても認められないというようなものにつきましては、それなりの意見がついてくるわけであります。増加恩給等につきましても同じように、われわれのほうに来るものにつきましては、公務関係等につきましてもそういった援護局の添付資料がついてきておる。したがいまして、給付するものにつきましては問題がないわけでありますが、どうしても本人がやはり、給付せられないという援護局あるいは末端の世話課等の意見がありましても、どうしても一応恩給局の裁定を受けたいというものにつきましては、上がってくる場合があります。そういうものにつきましては、援護局の意見をそのままとるということではなくして、私どものほうでもいろいろそれなりの調査はいたします。そういう配慮はいたしておりますが、いずれにいたしましても基本的には公務の認定の問題につきましては援護局で認定いたしまして、それを通ったものが私どものほうへやってくる。それをわれわれのほうとしては恩給証書に書きかえて、給付すべきものは給付する、こういうような形になっておるわけであります。
#226
○中村(一)政府委員 援護局におきますところの仕事のやり方につきましては、ただいま先生が仰せられましたとおりの気持ちでやっております。特に援護局の関係でやっております軍属あるいは準軍属になりますと、おっしゃいますとおり軍人等と違いまして資料が不十分の場合が非常に多いわけであります。したがいまして、準軍属等の取り扱いにつきまして、非常に厳格な態度でまいりますと何ともならないというケースが非常にございます。しかしながら、援護法上におきまして軍属あるいは準軍属という制度を設けまして援護するゆえんは、そういう戦争犠牲者につきまして国として補償するという立場でございます。したがいまして、援護法の体系上、私どもといたしましては、書類等が不備である、ございませんという場合におきましても、そういうような関係者の証言等を重視いたしまして裁定することといたしております。たとえば先生が先ほどおっしゃいました開拓義勇団の方々につきまして、今度の改正で、十六年から二十年の間は公務として認められることになったわけでございますが、この場合も軍事に関してということばも、なかなか解釈によりましては、とり方によりまして、軍事に関するということがどこまでかということは、これはやかましくいいますと非常にまた範囲が狭くなってまいりますので、私どもは義勇隊の方々の生活というものが非常に軍隊の生活に似通っておったという点に着目いたしまして、その間におきますところの被害につきましてはできるだけ申請者に有利に取り扱う、こういうように地方に対しても指導いたしておる、こういうことでございます。
#227
○受田委員 援護局長さん、満州開拓義勇隊についてはいまお説のとおり軍事に関してと一応書いておかないと、性格的に国の責任を果たす処遇がむずかしいというお立場があろうと思います。したがって、満州でやっている場合はほとんど軍事に関係していますよ。事実いろいろな協力関係は、満州国政府に対し、また在満大使館に対し、日本の在外派遣者という立場で、全然軍事に関係しないで動いているはずはないわけなんです。そういう意味からいえば、あちらで勤務するそのことが、軍事に関してあちらへ出かけておるし、そしてすでに閣議決定に基づいて壮途を祝って出ていただいた若い青少年ですからね。その人たちは戻っても、いままだ五十に足らない人が大半であるという。指導者は別として、隊員はまだ四十代。その人たちが戻って報告する声を私も数々聞いておりますが、ほんとうに残酷な最期を遂げられた。むしろ少年であるがゆえに悲壮感が伴うような最期を遂げておられる人が多いわけですね。その人々に、遺族に対する処遇、また戻ってきた人に対する傷病の関係についても同様の措置をさるべきでありまして、その点、局長いま非常にいいことを言っていただきました。ひとつ広範囲に、満州で働いたそのことはすべてが国家への奉仕であったという点においては共通しておるというその意味で、扱いを地方でもっともっと行き届いてやってほしい。よろしゅうございますね。よろしいという回答をいただきたいのです。
#228
○中村(一)政府委員 ただいま先生も仰せのとおり、私どもとしては都道府県に対して指導をいたすつもりでございます。
#229
○受田委員 厚生省とか総理府とかいうのは非常に国民を喜ばす役所で、山中大臣もその点で非常に点数をかせがれた。あなたはお人柄もいいと同時に善政をしく国務大臣として名声をほしいままにされておるのは、おつとめになっている役所がよかったことが幸いしていることも、あなたは喜ばなければいかぬ。ほかのところというよりも、総理府というところがよかったです。人を喜ばす役所で人を得たということは、私は非常に国が幸いしたと思うのです。その意味で、非常に範囲が広いけれども、よくやっていただいて国が幸いしたと野党ながら喜んでおるわけですが、いまのような点について、どうかひとつ愛情ある措置、ただ判こを押すだけで冷酷な扱いにならぬような措置ということで、いま責任のあるお立場の方々から御答弁をいただきましたので、さよう了承させていただきます。
 そこで今度は、こまかい芸になるようですが、大臣でなくて事務当局でけっこうでございますから、お答え願いたい点は、今度の改正措置の中で、傷病恩給関係の規定が幾つか出てきておるわけです。これも三カ年計画で一応大半が救われるようになったと思いますが、その傷病恩給の関係で、職務関連の皆さんを救う道ができた。これは、恩給特例法で内地職務関連者を一応救ったけれども、傷病軍人だけは救っていなかった、それを今度は最後にお扱いになっているという点で、いささか慰めるところがあるのです。
 ただ、その扱い方を拝見しますと、特例傷病者に対して七割五分という、つまり二割五分の減額措置をその処遇でなさっておられる。ところが、恩給特例法の対象になる内地斃病死の皆さんに対しては、今度一割増額されて八割、それから準軍属、動員学徒の皆さまに対しては九割という扱い方がされているのでございますが、七・五割というのは一体何を基礎にされたのか。特にその中で、傷病年金をもらう人は二・五割の減額措置をされていることは御存じのとおりなのでありまして、この二・五割の減額措置をされたのがここでまた二・五割で、両方で二・五、二・五の減額措置をされるということになった。芸がこまかいことですけれども、恩給特例法の死亡者との間の相違点がどこから発生したのかをただしたい。
 そして同時に、昭和十六年十二月八日以後となっているのですが、戦傷病者の妻に対する給付金は支那事変までさかのぼっておる。こういうような支那事変にさかのぼった分と、それから大東亜戦争からの分とがまだ分けられておるのですが、もう戦争は支那事変からときめてかかっていいのではないかと思うのです。大東亜戦争に限るという形の措置は、援護法ができる当初はそれで一応やむを得なかったと思いますが、いまの時点では、支那事変にさかのぼって一向差しつかえない。つまり両方へまたがっているのがある。支那事変で発病して大東亜戦争で死亡するとかいう場合も起こってくる。御答弁を願いたいです。
#230
○平川政府委員 特例傷病恩給の問題につきましてお答え申し上げます。
 まず金額の問題でございますが、御承知のように、これは先ほど先生が御指摘になりましたように、特例扶助料に見合う生存者に対する特例傷病恩給でございますが、その金額につきましては、七割五分給付しておるのは――増加恩給、傷病年金というのは本来公務であります。これはいわば職務関連と申しますか、いわゆる職務との関連において広く広げたような措置の結果処遇する恩給でございますから、これらの人たちを遇する額といたしましては七割五分が適当であるということで、恩給審議会の答申をいただいております。したがいまして、そういう措置にしたわけでございます。ただそのうちで、減額措置につきまして言及されましたけれども、これはいわゆる傷病年金で、本来公務の場合におきましても、普通恩給を給される場合におきましては二割五分減額いたしまして七割五分にするということになっておりますから、この問題につきましては本来公務の額の七割五分でございまして、いわゆる普通恩給を給せられるからという意味ではございません。ただし、特例傷病恩給にまだの方が普通恩給を持っている場合は、当然また七割五分まで減額されるわけでございますが、いわゆる全体の額が七割五分になっておるということと普通恩給を併給されるから七割五分になることとは別問題でございます。
 それから大東亜戦争以後に限った問題でございますけれども、これは恩給審議会の答申にも出ておりますように、支那事変と大東亜戦争の戦争の内容、実態を比較いたしますと、たとえば召集基準が大東亜戦争になって低下したというようなこと、それから食糧事情も悪くなった、それから訓練の度合いも激しくなったというようなことで、おのずから支那事変当時と大東亜戦争以後におきましては、その内容において差がある。したがって、恩給審議会の答申におきましては、支那事変までさかのぼることは適当でないという特例扶助料につきましての意見が出ております。ただし、この以降は援護局の問題だとは思いますが、援護法では特例遺族年金におきましてはその残りの半分をカバーしているというようなことが実態でございます。
#231
○受田委員 いまの特例傷病の皆さんの扱いですけれども、普通恩給を請求する権利は認めてないんじゃないですか。
#232
○平川政府委員 ちょっと説明が漏れましたが、御承知のように増加恩給の場合は、増加恩給を請求するということはすなわち普通恩給を併給されるということでございます。ところが、先ほど申し上げましたように、特例傷病恩給は本来公務でございませんから、普通恩給を併給しない。ただし、その者が在職年が十二年以上ございますと、当然普通恩給を受ける権利がございますから、その場合におきましては普通恩給を給するわけでございますが、やはり本来公務の場合と同じように普通恩給を給される場合は、二割五分を減額いたしまして七割五分にするということでございます。その点につきましては、何ら本来公務の傷病年金と傷病特例恩給とは差がないということを申し上げたわけでございます。
#233
○受田委員 これはちょっとおかしいのですが、私これを見ると、特例の傷病恩給受給者、傷病者というものは、特例で定められている皆さんは本来公務と認めないということで、公傷の場合だったら普通は普通恩給、増加恩給というのがそれぞれ併給されているわけです。ところが、この際は普通恩給部分の請求権はないわけなんです。これは本来公務ということを認めてないのですが、公務と認めてしかるべきじゃないですか。それがはなはだ釈然としないのです。
#234
○平川政府委員 恩給法の本来の考えを申し上げますと、罹傷、罹病の原因となった事実と現象との間に、先生御承知のように相当因果関係を必要とするわけであります。これが恩給の本来の考え方でございます。
 したがいまして、実は昭和三十一年に特例扶助料というものができたわけでございますが、これは本来的な恩給の考え方からいきますと、いわば特例的なものと考えて差しつかえないと思います。したがいまして、このたび生存者に対しまして特例傷病恩給を給したわけでございますが、本来の増加恩給あるいは傷病年金と、すなわち受傷の原因となった事実と現在の事象との間に相当因果関係がない。単なる――単なると申しますか、いわゆる職務関連であるという場合につきましては、本来の増加恩給あるいは傷病年金と異質のものであると法律的には考えざるを得ない。しかも恩給審議会の答申におきましては、本来の増加恩給あるいは傷病恩給に準じてと書いてございます。普通恩給のことには言及しておりません。そういうことも考えまして、本来公務の場合におきましては、増加恩給に普通恩給が必ず併給されるわけでございますけれども、恩給審議会の答申を考え、かつ恩給本来の制度からも考えまして、普通恩給を併給するということは当然には出てこない、このように考えております。ただし、その方が年限を持っている場合におきましては当然給されるわけでございますが、その場合の措置におきましては、本来の傷病恩給の場合における減額措置と同じ措置を講ずる、こういうことでございます。
#235
○受田委員 ちょっと話が途中で傷病年金の項にのみ触れる問題が一つあるのですが、傷病年金受給者の二割五分の減額措置というのは公傷との関係でそういう措置がされたということです。つまりそのほうが上へいく危険がある。しかし、それは上へいってもいい。筋論としては二割五分の減額理由は成り立ちませんね。筋論をひとつ……。
#236
○平川政府委員 実は率直に申し上げますと、特例傷病恩給の場合、普通恩給が併給される場合に、それに二割五分減額しないと全く傷病年金に相当する部分だけは本来公務と同額になってしまうわけです。増加恩給が七割五分に減額された額になりまして、傷病年金だけは本来公務と同額になりますので、まことに給与上バランスがとれない、これは当然おわかりいただけると思います。そういう意味におきまして実は考えておるわけでございまして、普通恩給が併給される場合におきましては、さらにその七割五分になる、こういうことでございます。
#237
○受田委員 いまの局長の御答弁、私特例のほうに触れていないのです。つまり一般傷病年金受給者が二割五分減額措置をされていることは、公傷の増加恩給の立場のほうとのバランスでそうされた。しかし、筋論としては二割五分の減額措置をすべき筋のものではないと考えるがこれいかにということです。一般的な分のほうを先に、……。
#238
○平川政府委員 実はその問題につきましては、一昨年そういった問題につきましての恩給審議会の答申は、傷病恩給受給者に併給されておる普通恩給につきましては、一般的にはいわゆる実在職年に応じた普通恩給が給されるのが普通でございますけれども、傷病恩給受給者に対しましては、その方面で十二年分の恩給を給しているという措置が講ぜられているわけでございます。これが恩給審議会の答申の趣旨でございまして、七割五分の減額措置についての答えが、実は併給される普通恩給の実在職年に対する普通額を給するものではなくて、普通恩給最短年限、すなわち軍人の場合は十二年ですが、十二年までの恩給を給するという優遇措置をとりまして実は解決したわけでございます。そういうことで先生の趣旨はよくわかっておるわけでございますが、実はその処遇のしかたといたしまして、普通恩給の加算、減算率のほうで処遇したということが現実の問題でございます。
#239
○受田委員 それは筋論として通らない問題だと私は思うのです。つまり減額措置をすべきじゃない。傷病年金の基準からいって支給するものを、二割五分、増加恩給の支給者の場合を考えて減額しておるんだから、それがなければ減額しないはずですから、普通恩給を受けておる立場の、つまり長く勤務している傷病年金受給者の場合などはちょっとややこしい問題が起こるので、そういう意味で扱い方として筋としては通らない、私はそれを言っておる。それが今度ここへ来ますと、特例のほうへ入って、七割五分で傷病年金の該当者になる人はまた二割五分が引けるんじゃないですか。二割五分が二回重なって引けるんじゃないですか。
#240
○平川政府委員 先ほどから申し上げましたそのとおりでございますが、その場合に、たまたま、くどくなりますけれども、特例傷病恩給の場合に普通恩給を給される人につきましては、やはり加算、減算率を撤廃するという措置を同時に講じております。
#241
○受田委員 私、せっかくこうした善政をしかれた場合に一緒に配慮しておいていただきたいのは、同じような立場でおられる方々、私、決してこれが公務に基因してないとは見ません。つまり因果関係が、内地がもう当時戦争状況にあったのですから、内地も戦地もなかったのです。内地斃病死も内地職務関連も、これは戦場としては全く同じ条件でした。大東亜戦争の様相が、末期においては第一線も国内もみんな戦場ですよ。むしろ国内のほうが危険な地区があったのです。そういう意味ではこれを分離して考えるほうがおかしいのであって、その公務性においては同様に認めるが何割かを減額する、こういう行き方なら筋として通ると思うのです。つまり内地の職務関連という立場であるから二割五分減らすが、普通恩給は一応給していく、こういうかっこうで扱うべきじゃなかろうかというのが一つ。それから比率を恩給特例法の内地斃病死の皆さんに対しては八割支給、それから準軍属の動員学徒の皆さんには九割、それとなぜ違っておるかということが一つ起きるのです。同じように八割にしておけばよかった。〇・七五にされたのは、〇・八となぜ差をつけたか、基準を同じようにすべきじゃなかったかと思いますが、それは援護局……。
#242
○中村(一)政府委員 八割、九割の問題でございますが、私どもといたしましては、準軍属につきましては、できますならば準軍属の中におきますところの差別を設けたくないというような考え方でございます。ただ今回の改正におきまして、従来の八割、七割の差を九割、八割と今度一割ずつアップいたしまして、依然としてそこに一割の差がありますのは、政府の部内におきましていろいろ検討しております過程におきまして、援護法の中の準軍属の中におきまして、勤務の態様等におきまして、その性格等におきまして二つに分かれる、つまり国家総動員法に基づきますところの国家徴用による強い制約がある者と、それと比べてその程度においてそれほどに至らないという者と、大きく分けて二つのあれがあるという従来の型を依然として踏襲いたしまして、改善はいたしましたが、やはり九割と八割という差を設けざるを得なかったということでございますが、できるならば、私どもといたしましては、準軍属の間におきましては差をなくすべきじゃないかというふうに考えております。
#243
○受田委員 次の機会にはこの差はなくして十割支給にしていただけると私は確信しており、またそういう方向に世論もいっておるのですから、援護局も、準軍属の場合も差をなくして十割支給という方向へ前進させるという含みを持っておられることは間違いないかどうか、この点ちょっと局長さんにお聞きしておきます。
#244
○中村(一)政府委員 私が申し上げましたのは、準軍属は軍人、軍属に対しまして九割あるいは八割という差があるわけですが、いまここにおきまして、軍人、軍属と準軍属との間の差を完全になくするがいいかどうかにつきましては、いろいろまだ議論があろうかと思いますが、私どもは準軍属の中における二つのグループというものは解消すべきではなかろうか、こういうふうに考えておるところでございます。
#245
○受田委員 準軍属でいま九割と八割の差がある。一割の差がある。これは解消する。同時に、大東亜戦争のあの激しい段階で動員学徒など、あの可憐なる青春を犠牲にした皆さんは、戦死した立場においては召集された軍人と同じように、その遺族に対して十割支給のお手当てを差し上げて、援護法の遺族年金の額は軍人、軍属、準軍属の区別なく十割支給にしていただくべきだと私はいま提唱しておるわけです。それでその準軍属間の差別をまず第一段階でなくする。そういう意味からいったら傷痍軍人の皆さん、特例傷病者が七割五分というのはちょっとおかしいですね。
#246
○平川政府委員 ただいま援護局長から御説明のありましたのは、本来公務であるけれども身分の差による格差ということだと思います。私のほうは、先ほどからるる申し上げておりますように、恩給法のたてまえからして、職務関連というのは本来公務でない、そういう伝統的な考え方に立つものですから、しかもなおかつ恩給審議会の答申がそのように出ておりましたから、私どもとしては恩給審議会の内容は適当なものと考えて処置したわけでございます。
#247
○受田委員 恩給審議会が答申してから、一方ではどんどん前進するのです。前進する段階で答申を見るべきで、その意味においては、これは長官、お聞きになっていると、ものごとというのはなかなか手落ちのあることが大所高所からわかって、長官の脳裏に、なるほど、ここは改めなければならぬなということがぽつぽつわいてこられて、非常に長官御自身が勉強されて、大臣として裁断を下してもらうのに非常にいい問題が一つあるのです。つまり内地で召集を受けて、内地で軍務に服して病気になったのも、戦地で病気になったのも、大東亜戦争の末期の様相というのは内地、外地の区別はないと私は思うのです。
 そこで、内地で勤務した人が病気になったのは傷病軍人であることは間違いないので、恩給審議会もそれを認めてきておるわけですが、そうした場合に、恩給特例法で内地斃病死、職務関連の死亡者に対して八割支給がされておる――職務関連は七割五分ですか、七割五分になっているのですね。そこに一つ問題があるんだが、これは当然援護法と同じ比率で、職務関連を上げるべきだ。私はそれをちょっと勘違いしておったが、恩給法だけはそれがおくれておるのですね。
#248
○中村(一)政府委員 援護法の場合におきましては、勤務関連の場合は七割五分でございます。
#249
○受田委員 それで、いまの内地職務関連という性格は、恩給特例でうたわれている性格は、もう一度言いますが、戦争の末期の様相は外地も内地もないという意味において、準軍属の勤務と同等でしかるべきですね。私はこれは八割になっておると思って、そのほうの数字を見ることができなかったのだけれども、これは改正部分がないからどうかなと思ったが、まだ内地職務関連はそのまま残っておるわけですね。準軍属のほうは、援護法が前進して、そして恩給特例のほうは現状維持ですか。
#250
○中村(一)政府委員 ちょっと援護法のことにつきまして補足して御説明いたしますと、援護法の準軍属の場合は、公務でございますと、たとえば徴用学徒の場合におきましては軍人、軍属の九割の遺族年金がもらえるわけです。それが内地におきます勤務関連の場合におきましては、準軍属の方は九割掛ける〇・七五ということになるわけであります。
#251
○受田委員 その〇・七五という水準を変えなければいかぬと思うのです。もうそこへ来ておる。その時期が来ておるのですが、その分の改正がこのたび――私ちょっと錯覚して〇・八になっておると思っていたのですが、その改正は意図するところはなかったのでございましょうか。
#252
○平川政府委員 実は具体的な例を申し上げますとあれですけれども、戦地におきまして結核等にかかりました場合におきましては、恩給的にはこれは本来公務として扱っておるわけであります。ところが内地等におきまして召集されまして、兵営等におきまして結核になり、現在まで生存せられておる方につきましては全く措置がされていない。ただ遺族につきましては、昭和三十一年法律第百七十七号で処遇いたしたわけでございます。したがいまして、今回の措置は生存者――理論からいいますと生存者のほうがあるいはということかもしれませんが、まず遺族のほうが措置されまして、生存者が措置されていなかったという状態に着目いたしまして、恩給審議会は、これを早く措置すべきである、その額もやはり現行の額の七割五分でしかるべきであるという答申をいただいたわけでありまして、少なくとも恩給法的には若干時期のズレはありましたけれども、生存者と遺族とのバランスはとれておる、このように考えておりますが、額等の問題につきましては、これからの問題だとは思いますけれども、制度といたしましては、恩給法的にはバランスがとれている、このように考えておる次第であります。
#253
○受田委員 私、〇・七五の扱いが〇・八にしてあると思ったのです。ちょうど私が早合点しておったわけですが、これを〇・八にすべきだと思う。一般の八割は支給してしかるべきだ、それは。準軍属の場合、関連の分は〇・七五にしてあるのですが、その〇・七五というはんぱはやはり〇・八という末広がりのところに持っていくほうがよほどいい数字で、職務関連を七割五分に見たのはちょっとおかしいので、八割に見ても九割に見てもいいのです。そこに前進させる用意がないかと、私早合点しておっただけによけい七割五分にとまっておることに対して要望をしたくなるのでございますが、それを〇・〇五ふやすことは目下考えていないのか、そういう方向に持っていこうとしておるのか、これは大臣でないと御答弁できないかもしれませんが、筋論としてはそこに伸びさせるべきだ、前進を検討をしてもらえるかどうか、御答弁を。
#254
○山中国務大臣 これは全く平等だという場合は、ある意味において悪平等ということにも結果なることがあります。私たちみんなわれわれの世代の者は、それぞれ戦地あるいは内地と大戦末期においていろいろな苦労したことはよくわかりますけれども、わけてもやはり内地において終戦を迎えた者は非常に幸福だったという私たちは実感があります。しかしながら、局地的には全くじゅうたん爆撃その他で、これはもう職務に全く関係もなければ、軍にも関係ない、一般無辜の民の殺傷相次いだという事態があるわけでありますから、そういう心情はわかりますが、しかしどこか若干の差がつかなければならない。ただし〇・七五というものの計算の根拠は絶対に不動のものであるかということになりますと、そこの〇・〇五の開きというものが〇・〇三でなければならないか、あるいは〇・〇二でなければならないかという議論にもなりますし、一緒にすることと、さきの〇・〇五幅というものは少し異質の議論になります。私どものほうは、やはり援護局が今日まで踏んでまいりましたことと、それから恩給審議会の答申というものを一応尊重をして、いわゆる平等にするための若干の差をつけたということでございますから、その意味において悪平等ということにはならないように配慮をしなければならないが、心情としてはなるべく実態に応じたものが給付されるようにすべきであるという点において、考えていることは同じことであるかもしれません。
#255
○受田委員 私次の問題として恩給局長にお尋ねしておきたいことが一つあるのですが、恩給もしくは扶助料の最低額というものがどこへ置かれてしかるべきかということで、はじめ六万、三万という基準から、さらに引き上げが進められてきたわけですけれども、現時点においては最低受給者の額は少なくとも月一万、扶助料が一万、それから恩給額にいたしましたら一万五千程度まで増額してしかるべきものではないかと思いますが、最低受給額の置き場所をどこへ置いていくべきか。そろそろこれを引き上げることは、社会保障的性格を持つものであるから、恩給法のとるところでないという判断になりがちな問題をかかえてはおりますが、恩給法そのものもやはり生きるための恩給でございますので、最低額、生活保護法の適用を受ける一級地六十歳以上の夫婦がもらう基準は一体どのくらいであるかを勘案していただくならば、国家に奉仕した公務員の現時点における生活をささえるという立場からの最低保障額というものを、一度引き上げるという措置を考えるべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
#256
○平川政府委員 御承知のように、恩給年額は在職年と最終俸給とによって計算されるわけでございます。恩給受給者の内容を見ますと、種々雑多でございます。たとえば四十年も在職年のある方もございますが、兵のように約三年という最短期間の年限の方もございます。そういうことでそういった人たちを一括いたしまして、どういう年額が適当であるかというのははなはだ実はむずかしい問題であるように存じます。実はそういうことを含めまして、最低保障の問題が、先生指摘になりましたように、昭和四十四年に取り上げられたわけでございます。それは従来の最低保障額、これは実在職年で最短年限以上ある者についての最低保障でありますけれども、これを六万円から九万六千円に引き上げたわけでございます。したがいまして、現行制度といたしましては、実在職年を十二年以上持つ者につきましては九万六千円が最低保障である、こういうことがいえます。ところが、加算年のものにつきましても傷病者、老齢者、遺族等につきましては、これは最低保障という考え方が当たるかどうかわかりませんけれども、先ほど申し上げましたように加算減算率を撤廃いたしまして十二年までの恩給を給することになっております。
 なお、最低保障制度そのものにつきまして恩給審議会の答申がございまして、他の年金等とよく勘案いたしまして将来とも調整すべきであるという意見が出ております。その意見に応じまして、昭和四十四年にいま申し上げましたように六万円から九万円に引き上げたわけでありますけれども、これらの問題につきましては、他の年金の動向等をよく見ましてわれわれといたしましては考えていかなければならないと考えております。
#257
○伊能委員長代理 受田君に申し上げますが、五時から総務長官はやむを得ない用事があるので、お差しつかえなければ……。
#258
○受田委員 では、長官に対する質問を二、三集中させていただきましょう。速射砲で二、三発差し上げますから、一分ゲームの気持ちで御答弁を願いたいのです。
 それは傷痍軍人の方がなくなると増加非公死という扱いで、三号適用というかっこうで一般の公務、つまり公務で戦死した人の公務扶助料とは違った低い扶助料をもらうわけです。つまり普通扶助料と公務扶助料との間のところの扶助料が出るわけです。戦地でそのままなくなっておられたら公務で戦死とされ、公務で傷病の身となって祖国へ帰っていらっしゃった旧軍人さんで、からくも生命を取りとめて帰った皆さんが扶助料をもらって、普通扶助料に毛のはえたようなものをもらったかっこうでそれからあとの生活をささえるということは、その公務で傷病の身となった立場を考えると少し冷酷ではないか。少なくとも一番いいのは公務扶助料の額を支給するのが適当であり、または普通恩給と増加恩給部分を足したものの三分の一というかっこうからスタートする、こういう形をとるべきではないかと思うのです。特に症度の高い人の場合、私しばしば考えるのですが、重傷の身となった方の奥さん、その奥さんは御主人をささえるために他へ働きにも出られないで、介護のために生涯を犠牲にされた。そして今度御主人がなくなると、すっと増加恩給部分の、特に五十万以上の一項症以上の増加恩給部分をもらっておった方々のその部分をはずした待遇でそれからの人生を暗く過ごされるということは、これは忍びないものがある。
 私はその意味において、特項症、一項症というような重傷をかかえたそういう傷痍軍人のおかあさんがおられる。その人に奥さんがおらぬので、おかあさんがその傷痍軍人のめんどうをずっと見てくれたけれども、そういう重傷の傷痍軍人に対する給付金は妻にしか出さぬし、母にはない。こういう問題が一つあるのです。重傷になった場合には、特に傷痍の身となって生殖器の障害を受けた傷痍軍人の方は奥さんも来てくれぬ。そうすると、その人のおかあさんが生涯傷痍軍人のめんどうを見ていらっしゃるのを私は何人も知っている。重傷の傷病軍人のおかあさんが、妻がおらぬので重傷の子供をしんから御苦労してめんどうを見ているのを何人か知っておる。そういう方のための母に対する処置がないのです。妻に対する処置はあるが、母に対する処置がない。そういう場合には妻に対する処置が当然おかあさんにもあってしかるべきだと思うのですが、そういうものを含めて増加非公死のほうのなくなった方々の処遇を改善をする方法はどうか、基本的なことだけ答弁していただきたい。去年も議論したのですけれども、いまのようなおかあさんの特別の苦労ということはいま初めて申し上げたのです。そういう場合おかあさんに対して、戦傷病者の妻に対する給付金が、今度は五項症までの低い人は五万円、高い人は十万円というのがいただけるのですけれども、そういうものはおかあさんにも支給してしかるべきだ。つまり傷痍の身となった人の母を、御苦労をかける母を心からみんなでいたわって、愛情ある政治をやるには非常にいい問題だと思いますので、これに対する御答弁をいただきたいのです。
#259
○平川政府委員 先生の御指摘になりました点は、増加恩給の受給者が、増加恩給の例となっている疾病以外の疾病でなくなった場合におけるその額の問題であると考えます。御承知のように、増加恩給受給者がその疾病で死にました場合、公務扶助料を給されるわけでありますが、その疾病以外の原因で死亡いたしましたときには扶助料が、普通恩給が給されておりますから、先生がいま言われましたように、公務扶助料の七割五分の増加非公死が給されるわけであります。これは先ほどからたびたび申し上げていますように、いわゆる公務に直接基因したものでないという考え方によるわけでございまして、こういった考え方がいいかどうかいろいろ議論がございますけれども、恩給といたしましては一貫してこういう制度をとっておるわけでございます。ただ恩給本来の考え方といたしましては、現在も障害ある人につきましては、確かに障害の程度に応じた傷病恩給を給しますけれども、受給者があとの遺族に移りました場合においては、遺族の恩給として恩給は見るわけでございますから、従来看病等によりましていろいろ御苦労願ったことはわかるわけでございますけれども、いわゆる恩給本来の理論から申し上げまして、過去のいろいろの御苦労分を現在受給者である遺族の恩給額に含めて考慮するということは、たてまえ上なかなかむずかしかろう、このように考えている次第であります。
#260
○受田委員 大臣、私がいま例を引いたのですが、傷痍の身となって、たとえば生殖器の障害を受けて奥さんが来てくれない。この不幸はたいへんな不幸ですよ。そういう不幸の方がたくさんあるんです。これは援護局長の所管ということにもなるんだが、援護局長、いま大臣が行かれるというので、私、大臣におききしようと思って――これは大臣答弁されませんね。しからば、速射砲を別のほうへ移します。
#261
○中村(一)政府委員 先生の仰せのとおり、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給者はございますけれども、この場合は妻に対するものでございまして、母親に対するものはない。確かに先生のおっしゃいましたとおり、現実の問題としてはいろいろと問題があるようでございます。このことにつきましては十分研究をさしていただきたいと思います。
#262
○受田委員 それで、これが今度恩給法に関係するのです。つまり、いまの増加非公死、その場合にはたいてい重傷を負って帰られたけれども、最後には形のほうの傷害で、からだの四本の手足を三本までもいで帰られても、その手足のほうではなくなりませんよ。手足がないですから、どうしても内臓でなくなるということ、その重傷のからだをかかえて御苦労された奥さんなり母なりが、その後において普通扶助料でまかなおうということは、それから新しい職を求めることもできない、夫をかかえて生涯を犠牲にした奥さんにしても、おかあさんにしても、それはかわいそうですね。これに公務扶助料の支給をすべきではないかという問題を私提案しているのですが……。
#263
○平川政府委員 御質問の点につきましては、われわれも十分理解しているつもりでございます。しかしながら、この制度は実は戦前からある制度でございまして、あの全国一丸となってやったときでもこういう制度であったわけでございまして、この制度をそのまま受け継いでおるわけでございます。御心情はよくわかるわけでございますけれども、恩給制度といたしましては、恩給審議会の答申にも給付することが出ておりませんし、現在の段階といたしましては、恩給審議会のワクの範囲内で実施するということになっておりますから、この点は御了承を願いたいと思います。
#264
○受田委員 では大垣、あなたには一つだけお尋ねして終わります。
 私は、年とった方々が恩給を少額もらって、しかも例の老人福祉年金の併給も受けることができない。今度准尉以下の方々には、それが併給する額まで引き上げられておるようでございますけれども、そうした老齢者というのは非常に気の毒な立場に立ってくると思うのです。たとえば八十歳以上の両齢者に対しては、恩給をもらっている人の場合には特別の増加措置をとるとか、あるいは八十歳以上の奥さんで御主人をなくされた、そういう場合にはその御主人の二分の一という扶助料の額を三分の二に引き上げるとかいう特例措置を老齢者に対してとるということは、これは社会保障的な性格としてとるべきではないとお考えになるか、そういう加給措置というものは考え方としては成り立つと見られるか、これをもって大臣に対する質問を終わります。
#265
○山中国務大臣 私は考え方としては成り立つ、というよりもあり得ると思うのです。しかし恩給の理論上の問題として、そこまでいけるかどうかは、ただいま局長が申しましたように、これは相当研究を要しなければ結論を軽々に出せない問題であるというふうに判断をしております。
#266
○受田委員 それでは、大臣はけっこうです。
 あともう少しありますが、質問も簡単にしますから、答弁も要点だけ承りたい。
 援護局長さん、あなたに関係する問題に発展してくるのですけれども、戦傷病者の妻に対する給付金が今度五款症まで対象になってきたわけですけれども、戦傷病者がなくなった場合に、戦没者の妻に対する給付金は支給されているのですが、戦傷の身となった御主人をかばってきた奥様に対して、戦没者に対する給付金に準じた、これは二十万となっていますけれども、せめて十万程度の、つまり戦傷病者の死没者の妻に対する給付金というものが考えられてしかるべきではないか。つまり傷疾の身の御主人をかかえて苦労された、その御生人がなくなられた。戦死をされておられたら戦没者の妻の給付金があるわけですが、あとでなくなられたら何もないわけですから、考え方としてはそういう戦傷病者の死没者の妻に対する給付金を、戦没者の妻に対する給付金の二十万円の半額程度を支給する考え方があってしかるべきだと私は思うのです。
#267
○柴説明員 戦傷病者の妻に対しまするところの特別給付金が、三十八年の四月一日に戦没者の妻に対します特別給付金ができましたために、それとの均衡において、戦傷病者生存者の妻が同様な御苦労をしているという点に着目いたしまして支給されるようになったものでございますので、したがいまして、その戦傷病者がなくなりましたときに、またあらためて戦没者ということで給付金を出すということになりますと、二重払いというような感じになるのではないかというふうに考えられます。
#268
○受田委員 それは二重払いにならぬ、というのは、生存中の妻に対する手当です。今度は、死亡したら、その死亡者の妻に対する手当でございますから、生存と死後とを分離して考えればいいわけでして、死没した後の手当でございます。生存の手当は一度終わっておる。今度は死後の手当を出すのが二重払いというのは、どういう意味ですか。つまり、傷痍軍人としての御苦労をされた家族に、傷痍軍人の家族らしい延長がそこに残ってくるのです。傷痕の身となった家族をかかえた、再就職などが困難な奥さん、そのために御主人がなくなった後の生活をする技術なども覚えることができなかったというような場合の新しい給付金ですから、つまり、生存中の御苦労と死後に対する御苦労と分離して考えれば、二重払いにならぬと思うのですがね。
#269
○中村(一)政府委員 確かに先生のおっしゃいますことはよくわかります。したがいまして、先ほど私答弁いたしましたように、十分検討させていただきたいと思っております。
#270
○受田委員 それからもう一つ、戦傷病者特別援護法というあの法律は、せっかく無賃乗車の規定をしていらっしゃるのですが、これは厚生省で尽力していただかなければならぬ。金は大蔵省が出すからというのでなくて、厚生省で事務処理をされればいいわけなんですが、国鉄だって、あの割り当てを受けた枚数をみんな使っていただけば、結局政府が金を支払うわけですから、国鉄の収益になるわけです。したがって、もらい受けた割り当ての枚数をその奥さんに使ってもらったらいいじゃないかと思うのですね。奥さんと一緒に御旅行される、あるいは国立療養所へ入院している御主人を今度出るからというので迎えに行く。その迎えに行くときには奥さんが単独で行くわけですから、奥さんが単独で使ってもいいというわけで、それが傷痍軍人のために使われるというのであれば、介添えで行く、あるいは一人で迎えに行くときにそれを使うとかいうことで、せっかくもらった枚数を本人しか使えない、奥さんは使えないというこの悲しみをなくする方法はないか。私は去年もこの点を質問したのですが、御夫婦でそろって、傷痕の身となった人が連れ立って歩いておるなどというのはこれはうるわしい風景ですね。国家のためにからだを傷つけた方に御夫婦に国が無賃乗車証を差し上げて靖国に参るとか、慰安旅行に行くとか、あるいは療養所に迎えに行くとかいうことは、これは大事なことだと思うのですが、このあたりでそういうふうに使用規定を改正されて、厚生省として別に損をされるわけではないのですから、存分にこの割り当てだけは使って、夫婦むつまじくお使いいただくということにされてはいかがでしょうか。
#271
○中村(一)政府委員 症状によりましては奥さんが介護者として行かれる場合に無賃乗車できるわけです。それで、先生のおっしゃいましたことと同様でございますけれども、傷痍軍人の関係の方々からも、奥さんが一人で行かれるような場合もございますし、そういう場合に何とかならぬものだろうかというようなお話も承っております。私どもといたしましては、これは前々から実はそういうようなお話を承っておるわけでございまして、研究はいたしておるのでございますけれども、今後ともいま先生のお話の趣旨につきまして十分研究をさせていただきたいと思います。
#272
○受田委員 これは早急に答えを出してあげたらいいと思う問題だと思うのです。国鉄はもうかるのですからね、損するわけじゃないのです。
 それからもう一つ、これは去年もちょっと申し上げて依然として残された問題ですが、目症度の障害の方々が、結局手帳はもらっているけれども、処遇は受けておらぬ。手帳はもらったが処遇を受けておらぬというのも、これはちょっと問題があると思うのですが、傷痍の身となった目症度の方々に少額でもいい、年金を支給するのは、これは制度的に見て一度終わっている問題というので片づけるべきでなくして、傷痍の身を国がささやかだけれども年金でめんどうを見てあげましょうという、御本人の国家への奉仕に対する謝意としては、私は年金制度を創設して差しあげていいと思うんです。戦傷病者の手帳はもらっている、しかし何らの手当ももらってないのじゃ何のために手帳をもらったかの意味が成り立たないことにもなるわけでございます。一つだけこの問題が残っておるけれども、あとは私は今年非常によく処遇を改善されて、厚生省としては恩給局も含めて傷疾の身となった旧軍人の皆さんに対する愛情が非常に前進していると思うのですが、恩給審議会の答申の問題とはちょっとこれは変わってきますけれども、もう新しい人ができるわけじゃないんですからね、新規の参加者はないわけです。現在おられる方々の、しかもだんだんと老齢化していくその方々に対する国政の愛情ある一面を示していただくべきじゃないかと思います。
#273
○中村(一)政府委員 ただいま先生がお示しになったこと、その他未処理の問題もまだございますので、すみやかにそういう未処理の問題につきましては解決をいたしたい、こういうふうに考えております。
#274
○受田委員 非常に誠意ある御答弁でありますので、きょうはこれで質問を終わらせていただきますが、ちょっとだけ「陸奥」の問題その他で大臣の答弁の必要な面が一つありますので、次回に質問を少し残させていただいて、きょうは政府が非常に誠意ある答弁をしたことを感謝して質問を終わります。
#275
○伊能委員長代理 次回は、来たる五月六日木曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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