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1970/02/19 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 本会議 第9号
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1970/02/19 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 本会議 第9号

#1
第065回国会 本会議 第9号
昭和四十六年二月十九日(金曜日)
    ―――――――――――――
  昭和四十六年二月十九日
   午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 秋田自治大臣の昭和四十六年度地方財政計画に
  ついての発言及び地方税法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)及び地方交付税法の一部を
  改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質
  疑
   午後一時四分開議
#2
○副議長(荒舩清十郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 秋田自治大臣の昭和四十六年度地方財政計画
  についての発言並びに地方税法の一部を改
  正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法
  の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨
  説明
#3
○副議長(荒舩清十郎君) この際、昭和四十六年度地方財政計画についての自治大臣の発言を許し、あわせて、内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案、及び地方交付税法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣秋田大助君。
    〔国務大臣秋田大助君登壇〕
#4
○国務大臣(秋田大助君) 昭和四十六年度の地方財政計画の概要、並びに地方税法の一部を改正する法律案、及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 昭和四十六年度の地方財政につきましては、最近の経済情勢の推移及び地方財政の現状にかんがみ、国と同一の基調により行政経費の効率化と重点化に徹し、適切な行財政運営を行なう必要があります。
 昭和四十六年度の地方財政計画は、このような考え方を基本とし、次の方針に基づいて策定することといたしました。
 第一は、地方税負担の現状にかんがみ、個人の住民税、個人の事業税などについてその軽減合理化をはかることであります。
 第二は、地域社会の著しい変貌に対処し、それぞれの地域の特性に応じて住みよい環境づくりを進めるため、人口急増地域における義務教育施設その他の公共施設、過疎地域における生活関連施設等を整備するとともに、公害対策、交通安全対策、防災救急対策を積極的に推進するほか、広域市町村圏の振興などをはかることであります。
 第三は、各種の長期計画の改定にも即応しつつ、地方財政の長期的見地から社会資本の計画的な整備を推進するため、住民の日常生活に直結する地方道、下水道、清掃施設、住宅等の各種の公共施設を整備するとともに、公共用地先行取得対策を推進することであります。
 なお、市町村の道路財源を拡充するための自動車重量譲与税を創設することといたしております。
 第四は、地方公営企業の経営の基盤を強化して、その健全化をはかることであります。
 第五は、財政運営の効率化を推進するとともに、財政秩序を確立することであります。
 以上の方針のもとに、昭和四十六年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は、九兆七千百七十二億円となり、前年度に対し一兆五千九百三十九億円、一九・六%の増加となっております。
 次に、地方税法の一部を改正する法律案について、その趣旨と内容の概略を御説明いたします。
 明年度の地方税制の改正にあたりましては、住民負担及び地方財政の現状にかんがみまして、個人の住民税、個人の事業税等について負担の軽減合理化をはかり、市街化区域内の農地に対して課する固定資産税及び都市計画税について税負担の激変緩和の措置を講じつつ課税の適正化をはかるため所要の措置を講ずることとし、あわせて狩猟免許税、入猟税及び入湯税の税率の引き上げを行なうことを中心といたしております。
 以下、その概要について御説明申し上げます。
 まず、個人の住民税につきましては、住民負担の軽減をはかるため、課税最低限の引き上げを行なうこととし、基礎控除額を一万円、配偶者控除及び扶養控除の額をそれぞれ二万円引き上げることといたしました。
 次に、個人の事業税につきましては、個人事業者の負担の軽減をはかるため、事業主控除を三十六万円に引き上げることといたしました。
 また、料理飲食等消費税につきましては、旅館における免税点を千八百円に、基礎控除額を千円に引き上げるとともに、飲食店等における免税点を九百円に引き上げることといたしました。
 また、狩猟免許税及び入猟税につきましては、税負担の合理化等の見地から、その税率を三倍程度引き上げることといたしました。
 さらに、固定資産税及び都市計画税につきましては、市街化区域内の農地について、税負担の激変を緩和するための調整措置を講じつつ課税の適正化をはかるため、状況が類似する宅地の価格に比準ずる価格によって評価を行なうこととし、各年度分の税額は、市街化区域農地を、その評価額によって三つのグループに区分し、それぞれの区分に応じて一定期間従来の税額を据え置くこととし、それ以後の年度においては、市街化区域農地の区分に応じて一定の軽減率を乗じて税額を算定することといたしました。
 また、入湯税につきましては、その使途に消防施設の整備を加え、標準税率を二十円から四十円に引き上げることといたしました。
 このほか、電気ガス税の免税点の引き上げ、不動産取得税、固定資産税等の非課税範囲の拡大の措置を講ずる等所要の改正を行なうことといたしております。
 以上の改正によりまして、昭和四十六年度においては、合計八百五十二億円、平年度九百六十八億円の減税を行なうことになりますが、他方、四十八億円の増収が見込まれますので、差し引き八百四億円、平年度八百六十九億円の減収となります。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 昭和四十六年度の地方交付税の総額は二兆四百六十四億円、前年度当初に比して二〇・九%の伸びとなるのでありますが、その算定にあたっては、地方財政計画の策定方針とその内容に即応して、長期的見地から社会資本の計画的な整備を促進するとともに、最近の地域社会の著しい変貌に対処し、それぞれの地域の特性に応じて住みよい生活環境の整備をはかるため、地方団体の財政需要の増加に対応して、地方交付税の単位費用の改正を行なうほか、算定方法の簡素合理化その他所要の規定の整備を行なうことといたしております。
 以上が昭和四十六年度の地方財政計画の概要、並びに地方税法の一部を改正する法律案、及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
 昭和四十六年度地方財政計画についての発言
  並びに地方税法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)及び地方交付税法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する
  質疑
#5
○副議長(荒舩清十郎君) ただいまの地方財政計画についての発言及び二法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。山口鶴男君。
    〔山口鶴男君登壇〕
#6
○山口鶴男君 地方税法の一部を改正する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案、並びに昭和四十六年度地方財政計画に対し、日本社会党を代表し、若干の質問をいたします。
 まず第一は、国の予算と地方の予算、具体的には地方財政計画との関連についての問題であります。
 財政当局によれば、昭和四十六年度予算案は中立機動型予算といわれております。具体的には、予算総則におきまして、道路公団、高速道路公団、住宅公団、鉄道建設公団等に対しまして、政府保証債を景気の動向によって増額する道を開いております。五〇%以内の範囲内におきまして、増額発行する道を開いているわけであります。しかるに、地方財政におきましては、かかる措置は何らとられておりません。
 かつて、昭和四十年不況に際しまして、税の大幅減収を来たしましたが、国の予算におきましては、財界の強い要請等もこれあり、歳入補てん債、完全な赤字公債でありますが、二千五百九十億円を発行いたしました。また、公共事業の追加として一千億円を計上し、さらに、昭和四十一年度予算におきましては、国債七千三百億円の発行を行なったのであります。
 地方財政の場合は一体どうかと申しますと、昭和四十年、国税減収に伴うところの地方交付税の落ち込み五百十二億円、最終的にはこれが四百八十二億円になったわけでありますが、この額、並びに地方税の減収約四百億円に対しまして、財源補てん、地方債のワクの拡大等の措置をとるにとどまったのであります。また、昭和四十一年度の地方財政対策といたしまして、地方交付税率の二・五%の引き上げ、臨時特別交付金の交付、特別地方債の発行等の措置を行なったわけであります。
 地方自治体、地方財政は、国の予算、国の事務と異なりまして、景気の動向によって、景気調整、場合によっては事業の縮小等を行なうことはきわめて困難といわなければなりません。すなわち、地方の仕事は、住民、国民に直結をした仕事をするのであり、生活基盤の強化のための仕事を受け持っているわけであります。それだけに、かりに不況が到来したといたしまして、交付税収入が大幅に落ち込み、地方税、特に法人事業税の減収がございましても、事業の抑制はきわめて困難であるといわなければなりません。たとえば、建設途中の小学校の校舎の建築を半分でやめるなどということは、絶対にできないからであります。
 もし、かりに不況が昭和四十六年度到来した場合、政府は一体いかなる地方財政救済の措置をとるつもりでありますか。住民サービス、住民の生活基盤整備をおろそかにしないための措置を一体どのようにとるつもりでありますか。内閣総理大臣、大蔵大臣の所信を明確にお述べいただきたいと存じます。(拍手)
 第二は、昭和四十六年度の地方財政計画の規模についてであります。
 今回の地方財政計画は、歳入歳出におきまして九兆七千百七十二億円、国の一般会計が九兆四千百四十三億円でありますから、一見、これを上回っているかに見えるわけであります。しかし、これは本来、従来から中小企業への貸し付け金といたしまして地方が行なってまいりました経費を算入いたしました、いわゆる規模是正二千七百二億円を算入した結果でありまして、この額を差し引くならば、国の一般会計の規模とほとんど変わらないということになるわけであります。したがって、今回の地方財政計画は、決して大型の計画とはいえません。むしろ上げ底計画であり、佐藤総理のいう「七〇年代は内政の年」ということばは、内容を伴わない、きわめて空疎なものといわなければならないのであります。(拍手)
 佐藤総理、国民の負担する税金の七割は国税であります。地方税はわずか三割にすぎないのであります。しかるに、国庫補助金、交付税交付金等の操作によりまして、現実の支出は、国が三分の一、地方が三分の二を支出している状況であります。そこに大きなギャップがございます。
 小林前法務大臣が、自治体無視の発言を行ないました。たとえば、「私ども自民党が政府であれば、自民党の議員、自民党の市町村長が頼めばよい顔をするが、野党の勢力を拡張するためにわれわれがお手伝いをすることは絶対にない」、かような発言をいたしました。まさに、きわめて不当な発言といわなければなりません。
 佐藤総理、法務大臣の首をすげかえただけでは問題は解決しないのであります。国と地方との抜本的な財源配分を、勇断をもって実施することが必要であります。少なくとも、国税、地方税を五対五とする考えは総理にはないのか、そうでなければ、「七〇年代は内政の年」ということばは撤回されたらいかがでしょうか。この点、総理の見解を求めたいと思う次第であります。(拍手)
 特に、全国的な法人所得課税の配分は、国六六%、府県二九%、市町村五%という状況であります。
 大都市問題は、わが国のみならず、世界各国共通の現代的課題であります。大都市は都市施設の整備、公害対策、住宅整備、交通対策など、巨大な財政需要にあえいでおります。しかるに、法人所得課税の六%しか都市には与えられていないのであります。したがって、大都市の財政窮乏は、依然としてはなはだしいといわなければなりません。特定の都会における保守系候補に対して、四兆円ビジョンの財源をきわめて党派的な態度で約束するというようなこそくな方法では、大都市問題は絶対に解決されない。このことを主張いたしたいのであります。このようなこそくな方法でなしに、大都市財源充実のための税源配分を断行すべきであります。総理、大蔵大臣の所信を重ねて伺いたいと存じます。(拍手)
 第三は、地方財政が国の財政のしりぬぐいをさせられているという問題であります。
 ことしは、毎国会論議をされました貸し借りはやめました。しかし、異なった形で地方の負担を増加させているのであります。たとえば、児童手当であります。児童手当に対しては、一体これは社会保障とお考えか、社会保険とお考えか、御見解を承りたいと思います。
 もしかりに社会保障といたしまするならば、現在生活保護につきましては、その経費は国が八〇%、地方が県、市におきまして二〇%を負担をいたしております。しかるに、児童手当に対しましては、サラリーマングループ、事業者の負担が七〇%、国の負担が二〇%、地方の負担は県五%、市町村五%でございまして合計一〇%であります。また、農民グループに対しましては、国の負担が六分の四、地方の負担が六分の二であって、その内訳は、県が六分の一、市町村が六分の一であります。いずれも国と地方との負担の割合は二対一という状況であります。生活保護の、国と地方との負担の割合四対一に比べて、地方の負担がはなはだしく大きいといわなければならないのであります。
 また、社会保険なりというならば、たとえば国民年金のように、受益者と国とがその経費を負担すべきでありまして、この意味からいっても全く今回の措置は異例であり、本年度は確かに地方負担は十五億円でありますけれども、平年度におきましては総計八百九十三億円、うち国の負担が四百三十二億円、地方の負担は実に二百四十二億円に達するのでありまして、これが地方財政を大きく圧迫することは明白といわなければなりません。大蔵大臣は、なぜかかる地方の負担を強制したのか、これを是正する考えはないのか、お尋ねをいたしたいと存じます。(拍手)
 また、四十七年には、沖繩の返還が行なわれるでありましょう。この場合の財源措置の問題でありますけれども、昭和四十五年度補正予算に伴う地方交付税法の一部改正によりまして、特別交付税から三十億円を琉球政府、沖繩の市町村に交付することにいたしました。これを前例といたしまして、現行三二%の交付税交付金のワク内において、沖繩県並びに沖繩県内にあります市町村の財政需要をまかなうとすれば、これはきわめて重要な問題といわなければなりません。当然復帰に伴い、沖繩より国税三税収入が国庫に入ることは明らかです。しかし、沖繩の財政需要、現在の沖繩の置かれた状況、財源不足、こういうものを考えまするならば、国税三税の伸びよりも財政需要、財源不足が大きく上回ることは明らかといわなければなりません。したがって、沖繩返還に伴い、当然交付税率三二%は大幅に引き上げらるべきだと考えるわけでありますが、佐藤総理、福田大蔵大臣の見解を明確にお述べいただきたいと思います。(拍手)
 最後に、地方税、わけても住民税、固定資産税の問題についてお尋ねをいたします。
 今回の住民税を中心とする地方税の減税額は、七百四十三億円にすぎません。全くのミニ減税というべきであります。特に課税最低限は、所得税が百十三万円に対し、住民税は八十六万円でありまして、その上、道府県民税が、年所得百五十万円を境に二%、四%の比例税率をとっておりますから、まさに地方税は、住民税、道府県民税は、低所得者にきわめて重い、酷税の代表といわなければならないと存じます。イギリスにおきましては、「国税は涙ながらに払い、地方税は怒りを込めて払う」ということばがあるそうであります。まさに現在のわが国の地方税の状況は、国民が怒りを込めて払う、こういう状況ではありませんか。
 わが党は、地方税改正案を作成し、三カ年間に所得税、住民税の課税最低限を一致させることを原則といたしまして、本年度の住民税課税最低限を九十三万円に引き上げることを提案をいたしております。自治大臣、大蔵大臣の住民税軽減に対する態度、またわが党提出の地方税改正案に賛成か反対であるか、明確な御答弁を求めたいと存じます。
 また、固定資産税につきましては、昭和三十九年以来国会の論議の一つの焦点でございました。新都市計画法制定の際の附帯決議もあるわけであります。なぜ、今回附帯決議を無視し、都市的施設の整備なしに農地に対し宅地並みの課税を強行しようとするのでありますか。自治大臣並びに大蔵大臣の御見解を求めたいと思います。
 最後に、最近住民税の付加税化が検討されていると聞きます。昨年、福田大蔵大臣は、付加税化を検討したい、ただし地方自治の本旨を考えながら、と答弁をいたしております。地方自治の本旨の重要な柱は、自治体が課税権と徴税権を持つことであります。地方自治の本旨を尊重いたしまするならば、住民税の付加税化は絶対に行なうべきでありません。福田大蔵大臣と自治大臣の見解を求めたいと思います。
 わが党は、あくまでも地方自治の本旨を守り、地方財政の強化、地方自治の確立のために邁進する決意であることをここに表明し、質問を終わる次第であります。(拍手)
    〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#7
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 山口君にお答えいたします。
 お尋ねの順序ではございませんが、私のメモでお聞き取りをいただきたいと思います。
 国民生活に密着する事業は地方自治体の仕事であり、そのため地方財政の規模が大きく拡大することは当然であるという御意見には、私も異論はありません。地方財政計画が十四年ぶりに国の一般会計の規模を上回ることとなったのも、その一つのあらわれであります。
 しかしながら、山口君は、事業執行面における地方のウエートに対し、財源面でのウエートはその約半分にすぎないとして、これが非常に不均衡であるかの御意見でありましたが、これには若干異論を持つものであります。
 現在、国と地方の業務分担は、住民福祉の確保と能率的な行政効果をねらいとして、多年にわたって築き上げられてきたものであります。そして国は、直接的には国家的に重要な特定の事業に限定して事業を行なうというたてまえをとり、多くの事業は、国からの補助を受けて地方公共団体が実施しているものであります。このような仕組みはきわめて適切なものであり、地方公共団体が財源面で不当の差別を受けているということは当たらないものと私は考えます。現に、来年度の地方財政計画におきましても、一般財源の構成比は若干ながら増加し、歳入構造の健全化は一歩進められたとの評価を受けているものであります。今後とも適切な財源の配分については十分留意してまいります。
 次に、地方財政面で弾力性がないのはおかしいではないかとの御意見でありました。これが第一問でございましたが、これは国の財政と異なり、地方財政がその本質及び機能から見て、景気調整機能になじまないからであり、また、山口君がさきに指摘されたように、地方行政は地方住民生活に密着した行政が多いので、景気のいかんにかかわらず、計画的実施を必要とするからであります。
 また、不況になった場合の地方財政に対する手当てについてお尋ねでありましたが、機動型国家予算のもと、財政経済政策の適切な運用によって、そのような事態にならないようにつとめてまいります。
 次に、四十六年度予算編成において、本来、国が持つべき経費を地方財政に押しつけたのではないかとの御意見でありましたが、決してそのようなことはありません。児童手当にいたしましても、地域住民の福祉の向上に直接つながる問題でもありますので、地方公共団体にも応分の負担をしていただくこととしたものであります。次代の社会をになう児童の育成の場である家庭における生活の安定と児童の健全な育成、資質の向上を目的とした児童手当制度に対しては、関係者の十分な御理解と御協力をいただけるものと信じております。
 最後に、沖繩復帰に伴う財源手当てについてでありますが、種々の問題と関連がありますので、今日の段階で結論的なことは申し上げかねますが、少なくとも沖繩県の格差解消に支障を与えないこと、かつ本土の地方公共団体にも大きな犠牲を与えないこと、この二つの方向のもとに十分検討していくつもりでございます。
 以上、私からお答えいたしました。
 その他、税等につきましては、それぞれの担当大臣からお答えいたします。(拍手)
    〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
#8
○国務大臣(福田赳夫君) 山口さんにお答え申し上げます。
 地方財政にも景気調整、弾力機能を与えるべきじゃないかというお話でございますが、これはいま総理からもお答えがありましたように、本質的にはこの調整機能ということにはなじまない。しかし、全体として、国と地方が一体となって景気調整に当たらなければならぬ、これはもう大原則だと思います。そういうことを配慮いたしまして、地方財政においても、必要がありますれば、ワク外債を使用するというようなことで対処したらいかがだろうか、かように考えております。
 次は、国と地方の財源の再配分をすべき時期にきておるのじゃないか、こういうお話でございますが、これは、国と地方の間の再配分、そういう議論はちょっとどうも私は理解しかねる。地方財政は逐年改善をされております。普通財源、一般財源を見ましても、三十年のころは五二%しがなかった。その前は三割自治といわれた時代もあるのです。しかし、だんだんと改善されてまいりまして、四十五年におきましては、それが六四%六三・七%です。それから今度の財政計画におきましても六四・二%、非常な改善をしてきておるのです。国の財政は九兆四千百四十三億円です。しかし、交付税を地方に与えます。また、補助金を出しております。これで裸の国の財政というのは約半分になってしまうのです。地方財政は、固有の財源のほかにそれらを受け入れる。そして、国の財政をやや上回る規模の財政執行ができる。そういう実体を備えてきた今日におきまして、これを地方に有利にするために再配分するという考え方、これは私は理解できません。
 ただし、地方の間の再配分、県と市町村の間の再配分、これには私もいろいろ意見を持っておりますが、これは自治大臣に十分検討していただきたい、かように考えておるのであります。
 次は、沖繩復帰と交付税率の問題でありますが、そもそも交付税率、いま三二%になっておりまするけれども、これは軽々に変えべきものではない。これは自治大臣と私の間にも十分理解が届いております。しかし、沖繩復帰がこの率を変えるような重大な問題であるか。国においても交付税外において多額の援助をいたすわけでございます。そういう事態のもとにおきまして、交付税率をこれがために変えるんだということは私は妥当ではない、かように考えております。
 さらに、児童手当におきまして、地方の負担が重過ぎるんじゃないかというお話でございます。この児童手当はそもそもが地方から始まっておるのです。その地方で始められた施策を受けまして、国においてもやっておるわけでございますが、しかし、児童手当は基本的には国の施策であります。しかし、同時に地域社会のための施策でもあるんです。そういうことを考えまして、二対一というくらいな比率をもって、地方団体がその負担に応ずる、これは私は適切なことである、かように考えておる次第でございます。
 さらに、この数年間行なわれました地方からの借り上げ方式、これはだんだん清算をしようと考えております。四十六年−四十八年、この三カ年間において、これを解消する計画であります。
 それから、住民税について引き下げ論を展開されておるわけでありますが、私は、国民の声として住民税引き下げ論があることはよく承知しております。これは自治大臣とも相談をいたしまして、引き下げには、私も側面から努力をいたしたい、かように考えております。
 それから、付加税方式、これは反対だというお話でございますが、どうも国民から見ますと、国税から調べられる、地方税から調べられる、たまったものじゃないと思うのです。付加税ということになると、たいへん国民は助かる、さように考えるのです。それを付加税方式にすると自治の本旨にもとるんだというような考え方、これはどうも少し、あまりにも保守的にすぎるのではないか、そういうふうにも思うわけであります。
 最後に、交付税三税、これはいわゆる直入方式をとるべきじゃないかというお話でございますが、そもそも交付税というものは、これは地方財政がたくさんある、その財政間の調整のために国から交付するものである。そういうことから考えますと、直入方式、これは理論的にも実際的にも困難である、妥当でない。かように考えます。(拍手)
    〔国務大臣秋田大助君登壇〕
#9
○国務大臣(秋田大助君) 私へのお尋ねは三点であったと思います。
 第一点は、所得税と住民税との課税最低限の差を三カ年で直すが、その案にはどうだということであります。なるべく住民税の課税最低限を引き上げまして、負担の軽減に資するということは賛成でございますけれども、やはり地方財政に及ぼす影響等をよく考慮する必要がございますので、一般に三カ年間でこの差を縮めていくということは、少しドラスティックではないか。しかし、事情に応じまして課税最低限の引き上げに十分意を用いまして、住民税の負担軽減に資するということをわれわれは考えております。
 第二に、政府が今回提案をいたしました市街化区域内における農地の固定資産税課税の方策というものについての所見でございますが、今日農業政策あるいは土地政策、物価政策等の見地から見まして、激変緩和の措置を講じながら、私は妥当な措置ではなかろうかと思います。五年間に見返しをいたしまして、調整区域に戻していくという制度も講ぜられておりますので、この点、御了承を願いたいと思います。
 なお最後に、住民税の付加税方式をどう考えるかということであります。この点は、大蔵大臣といささか所見を異にいたしておりまして、地方自治という点からは、やはり地方団体の税というものの独立性、ことにその中心をなします住民税というものが確立をいたしておる必要があろうと思うのでありまして、これが付加税という形式では、地方自治を今後盛り立てていくという点におきましても、いささかどうかと考えられますので、この点は大蔵省と十分今後時間をかけて御相談をしてまいりたいと考えております。(拍手)
#10
○副議長(荒舩清十郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#11
○副議長(荒舩清十郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十二分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
        自 治 大 臣 秋田 大助君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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