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1970/03/11 第65回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第065回国会 本会議 第16号
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1970/03/11 第65回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第065回国会 本会議 第16号

#1
第065回国会 本会議 第16号
昭和四十六年三月十一日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十二号
  昭和四十六年三月十一日
   午後二時開議
 第一 地方税法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 第二 踏切道改良促進法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 第三 港湾整備緊急措置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 第四 入場税法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 第五 卸売市場法案(第六十三回国会、内閣提
  出)
 第六 在外公館に勤務する外務公務員の給与に
  関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
  出)
 第七 中小企業信用保険法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 地方税法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 日程第二 踏切道改良促進法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 日程第三 港湾整備緊急措置法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 日程第四 入場税法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 日程第五 卸売市場法案(第六十三回国会、内
  閣提出)
 日程第六 在外公館に勤務する外務公務員の給
  与に関する法律の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)
 日程第七 中小企業信用保険法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 農村地域工業導入促進法案(内閣提出)の趣旨説
  明及び質疑
   午後二時五分開議
#2
○議長(船田中君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 地方税法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
#3
○議長(船田中君) 日程第一、地方税法の一部を
 改正する法律案を議題といたします。
#4
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員長菅太郎君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔菅太郎君登壇〕
#5
○菅太郎君 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、住民負担の軽減及び合理化をはかるため、道府県民税及び市町村民税の所得控除の額並びに事業税の事業主控除の額の引き上げ、不動産取得税、固定資産税等の非課税範囲の拡大、料理飲食等消費税及び電気ガス税の免税点の引き上げ等を行なうほか、市街化区域内の農地に対して課する固定資産税及び都市計画税について、税負担の激変緩和の措置を講じつつ、課税の適正化をはかるため、所要の措置を講ずるとともに、狩猟免許税、入猟税及び入湯税の税率の引き上げ、その他地方税制の合理化をはかるため、所要の規定の整備を行なおうとするものであります。
 本案は、二月十九日本委員会に付託され、同二十三日秋田自治大臣より提案理由の説明を聴取した後、三月四日には参考人より意見を聴取するなど、本案はもとより、地方税制全般にわたって熱心に審査を行ない、三月五日質疑を終了いたしました。
 三月九日討論を行ないましたところ、自由民主党を代表して中山委員は本案に賛成、日本社会党を代表して山本委員、公明党を代表して小濱委員、民社党を代表して吉田委員、及び日本共産党を代表して林委員は、本案に対しそれぞれ反対の意見を述べられました。
 採決を行ないましたところ、本案は賛成多数をもって可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対しまして、国、地方を通ずる税源再配分の検討と、都市税源の充実、地方独立税源の充実確保、住民税課税最低限の引き上げ、及び市街化区域内の長期営農希望者に対する固定資産税等の課税の配慮等を内容とする附帯決議を付することに決しました。以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○議長(船田中君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立求めます。
    〔賛成者起立〕
#7
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 踏切道改良促進法の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 日程第三 港湾整備緊急措置法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
#8
○議長(船田中君) 日程第二、踏切道改良促進の一部を改正する法律案、日程第三、港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
#9
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。運輸委員長福井勇君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔福井勇君登壇〕
#10
○福井勇君 ただいま議題となりました二法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 まず、踏切道改良促進法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、踏切道における交通量の増加等の状況にかんがみ、交通事故の防止と交通の円滑化に寄与するため、本法により改良すべき踏切道として指定することができる期限を昭和四十六年度以降五カ年間延長しようとするものであります。
 本案は、一月三十日に本委員会に付託され、二月五日橋本運輸大臣から提案理由の説明を聴取し、二月十六日質疑に入り、翌十七日質疑を終了したのでありますが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 三月九日採決いたしました結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 次に、港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、現行港湾整備五カ年計画策定後において生じた港湾貨物取り扱い量の予想外の増大傾向、海上コンテナ輸送、フェリー輸送の新しい海上輸送方式の本格化並びに地域開発のための新規港湾の整備等の要請に対処するため、現行の昭和四十三年度を初年度とする港湾整備五カ年計画を、昭和四十六年度を初年度とするものに改定し、わが国港湾の整備をさらに促進しようとするものであります。
 本案は、二月九日本委員会に付託され、翌十日橋本運輸大臣から提案理由の説明を聴取し、二月二十三日質疑を行ない、同日質疑を終了いたしましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 三月九日採決いたしました結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(船田中君) これより採決に入ります。
 まず、日程第二につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第三につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#13
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告どおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第四 入場税法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
#14
○議長(船田中君) 日程第四、入場税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#15
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長毛利松平君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔毛利松平君登壇〕
#16
○毛利松平君 ただいま議題となりました入場税法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、最近における入場税負担の状況にかんがみ、競馬場、競輪場等を除く映画、演劇、音楽等の一般の興行場への入場について、その免税点を、現行の三十円から百円に引き上げるとともに、現在五十円の特別の免税点が設けられております学校の生徒等の団体入場について、その範囲に高等学校の生徒を加えた上、これをすべて非課税とし、あわせて、入場券制度の簡素化をはかるため、免税点以下の入場及び無料の入場について、入場券の交付義務を廃止しようとするものであります。
 本案につきましては、審査の結果、去る三月五日質疑を終了いたしましたが、同九日、広瀬秀吉君外三名より、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党の四党共同提案にかかる修正案が提出されました。
 修正案の要旨は、競馬場、競輪場等を除く一般の入場について、免税点を原案の百円から千円に引き上げるとともに、その税率を現行の一〇%から五%に引き下げようとするものであります。
 次いで、原案及び修正案の両案を一括して討論を行ないましたところ、自由民主党を代表して吉田実君より、原案に賛成、修正案に反対、日本社会党、公明党、民社党、日本共産党の四党を代表して竹本孫一君より、原案に反対、修正案に賛成の旨の意見がそれぞれ述べられました。
 続いて採決を行ないましたところ、修正案は少数をもって否決され、よって、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○議長(船田中君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#18
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第五 卸売市場法案(第六十三回国会、
  内閣提出)
#19
○議長(船田中君) 日程第五、卸売市場法案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#20
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。農林水産委員長草野一郎平君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔草野一郎平君登壇〕
#21
○草野一郎平君 ただいま議題となりました内閣提出、卸売市場法案について、農林水産委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 近年、都市化の進展、消費の高度化、産地の大型化、小売り業の近代化等、卸売市場をめぐる諸事情は急激に変化しつつあるのでありますが、本法案は、このような動向に対処して、全国の中央、地方にわたる卸売市場の整備を計画的に推進し、卸売市場の開設及び市場内における取引の規制等、健全な市場運営を確保して、生鮮食料品等の取引の適正化とその生産及び流通の円滑化をはかり、もって、国民生活の安定に資することを目的とするものであります。
 そのおもな内容について申し上げますと、
 第一点は、全国にわたる卸売市場の整備改善を長期に見通し、計画的に推進するため、農林大臣は、卸売市場整備基本方針及び中央卸売市場整備計画を定めるものとし、また、知事は、これらに即応して、都道府県卸売市場整備計画を定めることができるようにしようとするものであります。
 第二点は、中央卸売市場については、基本的には、現行の中央卸売市場法に基づく制度を引き継ぐこととし、広域的な市場行政をはかるため、その開設の設置等市場整備に必要な規定を設けるほか、卸売業者、仲卸業者、売買参加人に関する規定及び適正な価格形成と取引能率の向上、流通秩序を保持する見地からの諸規定等、市場運営につぎ所要の改正をいたすこととしております。
 第三点は、地方卸売市場については、一定規模以上の市場施設のものを地方卸売市場として、その開設及び卸売業者は、条例で定めるところにより知事の許可を受けなければならないものとし、その取引の規制等の内容については、中央卸売市場に準じ、各県の特性を生かし得るようにいたしているのであります。
 以上のほか、中央卸売市場の施設の整備については、その国庫補助等について定めることとしております。
 本案は、昭和四十五年四月三日第六十三回国会に提出され、同日本委員会に付託、五月七日に提案理由の説明を聴取したのでありますが、第六十四回国会に継続、十二月十五日参考人から意見を聴取し、引き続き今第六十五回国会に継続となっているものであります。
 今国会におきましては、去る二月二十五日から三月四日までの間四回にわたって質疑を行ない、三月四日質疑を終了し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党共同提案により、本案に対し、特別の場合においては、開設者等が卸売の業務を行なうことができること等数項目にわたる修正を加え、本案は多数をもって修正すべきものと議決した次第であります。
 なお、日本共産党から修正案が提出されましたが、これは否決されました。
 なおまた、本案に対し、すみやかに卸売市場整備基本方針を策定して、卸売市場の計画的な整備を実現する等を内容とする附帯決議が、全会一致をもって付されました。このことを申し添えます。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#22
○議長(船田中君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#23
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
#24
○加藤六月君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、日程第六とともに、内閣提出、総理府設置法の一部を改正する法律案を追加して両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#25
○議長(船田中君) 加藤六月君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 日程第六、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、総理府設置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
#27
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長天野公義君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔天野公義君登壇〕
#28
○天野公義君 ただいま議題となりました二法案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案の要旨は、
 第一に、法律の題名を在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律と改め、在外公館の名称及び位置を定める規定を加えること。
 第二に、ミュンヘンに総領事館を新設し、在エドモントン及び在オークランドの各領事館をそれぞれ総領事館に昇格させ、これらの公館につき在勤手当の額を設定すること。
 第三に、在インドネシア大使館ほか九公館につき住居手当の限度額を引き上げること。等であります。
 本案は、二月四日本委員会に付託、二月十六日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を行ない、三月十日質疑を終了、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、総理府設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案の要旨は、
 第一に、本府の附属機関として国立公文書館を設置すること。
 第二に、統計職員養成所を統計研修所に改めること。
 第三に、海洋科学技術審議会を海洋開発審議会に改めること。
であります。
 本案は、二月四日本委員会に付託、二月十六日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を行ない、本三月十一日質疑を終了、討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#29
○議長(船田中君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第七 中小企業信用保険法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
#31
○議長(船田中君) 日程第七、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#32
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。商工委員長八田貞義君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔八田貞義君登壇〕
#33
○八田貞義君 ただいま議題となりました中小企業信用保険法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、中小企業を取り巻く最近の諸情勢に対処して、中小企業者に対する事業資金の融通を一そう円滑にするため、中小企業信用保険について、公害防止保険の制度を創設するとともに、普通保険及び特別小口保険の付保限度額の引き上げ等をはかろうとするものであります。
 その内容の第一は、中小企業信用保険制度の一環として、新たに公害防止保険制度を創設し、中小企業信用保険公庫は、信用保証協会との間に、中小企業者の公害防止施設の設置、工場または事業場の公害防止のためにする移転等に必要な資金の金融機関からの借り入れ債務に対する信用保証協会の保証について、中小企業者一人当たりの保険価額の合計額二千万円、組合の場合は四千万円を限度とし、てん補率を百分の七十とする保険契約を締結することができるものとすること。
 第二は、普通保険の保険価額の限度額を現行一千五百万円から二千五百万円に、組合の場合は現行三千万円から五千万円に、また、特別小口保険の保険価額の限度額を現行五十万円から八十万円にそれぞれ引き上げること。
 第三は、中小企業信用保険制度の対象金融機関を政令で追加指定できるよう改めること。
であります。
 本案は、去る二月十五日当委員会に付託され、通商産業大臣より提案理由の説明を聴取し、自来、慎重に審議を重ね、三月十日質疑を終了し、引き続き採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党、四党共同提案による附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#34
○議長(船田中君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#35
○議長(船田中君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 農村地域工業導入促進法案(内閣提出)の趣旨
  説明
#36
○議長(船田中君) 内閣提出、農村地域工業導入促進法案について、趣旨の説明を求めます。農林大臣倉石忠雄君。
    〔国務大臣倉石忠雄君登壇〕
#37
○国務大臣(倉石忠雄君) 農村地域工業導入促進法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 最近におけるわが国経済の推移を見ますと、農業にあっては、米の生産過剰等農産物の需給が問題となっている中にあって、中高年齢層を多数かかえた就業構造の改善をはじめ農業構造の改善をはかるとともに、農業所得の確保をはかることが重要な課題となっております。他方、工業にあっては、大都市周辺における過密等による生産効率の低下と労働力確保難に対処し、新たな地域における立地基盤の確保が強く要請されております。さらに職種間、地域間の労働力需給の不均衡を是正することも大きな課題であります。
 これらの農業、工業及び雇用をめぐる諸情勢に適切に対処するためには、総合農政を強力に推進するとともに、産業基盤の育成対策、過密過対策、雇用対策等を積極的に講ずる必要がありますが、特に、農村地域への工業の導入を積極的かつ計画的に促進するとともに、農業従事者が円滑にその導入された工業に就業することを促進し、並びにこれらの措置と相まって農業構造の改善を促進する措置を一体的に講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の主要な内容について御説明いたします。
 第一は、農村地域への工業の導入、その工業への農業従事者の就業及び工業の導入と相まって促進すべき農業構造の改善を一体的に促進するための計画制度の創設であります。
 すなわち、国は農村地域工業導入基本方針を定めて農村地域への工業の導入に関する指針を示すこととし、これを受けて都道府県知事は、地域の実情に応じた農村地域工業導入基本計画を策定することとしております。さらに、この基本計画に即して、都道府県及び市町村は、工業導入地区の設定、導入すべき工業の業種、工場用地と農用地との利用の調整、労働力の需給の調整及び農業従事者の就業の円滑化、農業構造の改善並びに公害防止に関する事項等を内容とする農村地域工業導入実施計画を樹立することとしております。
 なお、これらの計画の樹立にあたっては、既存の農業振興地域整備計画、都市計画、工業開発に関する諸計画等と十分調整をはかることとしております。
 また、これらの計画の対象地域につきましては、農業振興地域及びその予定地域を中心とし、これ以外の振興山村及び過疎地域をも含めることとしております。
 第二は、農村地域工業導入実施計画で定める農村地域への工業の導入を促進するための金融及び税制上の所要の措置等についてであります。
 まず、工業の導入に伴う離農者等に対しましては、農地を工場用地に提供したことによって生じた譲渡所得についての所得税の軽減をはかるほか、その転職を円滑化するための職業紹介の充実、職業訓練の実施等につとめることとしております。また、立地企業に対しましては、事業用資産の買いかえの場合の課税の特例措置及び減価償却の特例措置を講ずるほか、立地企業に対し地方税の減免を行なった地方公共団体に対する地方交付税による補てん措置を講ずることとし、さらに、工業用施設の整備に必要な資金の確保の措置の一環として立地企業及び工場用地を造成する非営利法人に対し、農林中央金庫からの融資の道を開くこととしております。
 このほか、農村地域への工業の導入を促進するための所要の関連措置を講ずる旨の規定を設けております。
 以上が農村地域工業導入促進法案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 農村地域工業導入促進法案(内閣提出)の趣旨
  説明に対する質疑
#38
○議長(船田中君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。田中恒利君。
    〔田中恒利君登壇〕
#39
○田中恒利君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案された農村地域工業導入促進法案について、佐藤総理並びに関係国務大臣に若干の質問をいたします。
 昨年の暮れ、農林省は昭和四十四年度の農家経済調査を発表いたしたのでありますが、これによると、農業の所得は一戸当たり五十二万九千三百円、前年度に比べてわずかに二千三百円、〇・四%の増加にとどまっているのであります。この年の物価の上昇は六・四%でありますので、明らかに大幅な実質所得の低下であります。GNP世界第三位、経済成長率世界第一位を誇るわが国経済の中で、一千万人の就業人口を持ち、二千七百万人の農家人口をかかえる農業の所得が前年を下回るということは、どう考えても理解に苦しむところであります。
 これを裏づけするかのように、政府統計は、この数年来、米を除いてほとんどの農畜産物の自給率の低下、食糧の外国依存の増大、政府が農政の目標に掲げた自立農家数の減少を明らかにしているのであります。この上、生産者米価の連続据え置き、全生産量の二八・五%に及ぶ米の生産調整、食管制度の改悪、残存輸入制限の撤廃など、農業環境の悪化をまともに受けて、農民諸君の多くは、長期の出かせぎ、日かせぎ、主婦の内職など、好むと好まざるにかかわらず余儀なくされているのであります。そこから、農政に対する不信と農業に対する不安はいやが上にも充満し、もはや何人もこの事実を否定することはできないのであります。(拍手)総理は、この現実を御承知でありましょうか。
 かつて自民党政府がにしきの御旗として掲げた農業基本法が誕生してから、すでに十年の経過があります。十年一昔と言いますが、この歳月は農基法農政の成果を問うに決して短い期間とは言えません。この間、はたして農政が目ざした農業の所得と他産業の所得は、均衡したでありましょうか。食糧生産は、国民の需要にこたえる拡大成長を遂げたでありましょうか。農業で自立し得る農家は、量質ともに充実したでありましょうか。不幸にして、そのいずれもが日の目を見ていないことは明らかであります。佐藤総理は、このきびしい農業者の現実を、みずからの政治責任として受けとめられているのかどうか、あらためてお尋ねをいたし、これからの農政に対する所信と決意のほどを、まず何よりも明らかにしていただきたいのであります。(拍手)
 池田内閣から佐藤内閣に引き継がれた経済成長政策は、言うまでもなく大企業、独占中心の経済発展であり、そのかなめをなしたのは農村から排出される大量の安い労働力であります。この十年間に約五百万人の新規学卒者を中心とする農村の労働力が、主として工業に吸収されました。
 この結果、大都市はますます過密化し、農村には深刻な過疎化をもたらし、日本経済のひずみ是正が表面化したのであります。大都市は地価の値上がり、労働力と水の不足が深刻化し、工場立地の困難性は倍加されました。特に住民の健康と命をむしばむ公害問題の発生は、七〇年代最大の国民的課題となり、もはや企業がこれ以上都市に集中、存在しがたい事態をもたらしたのであります。
 このため、資本は、当然より安い土地と労働力と水を求めて工場の地方分散を目ざし、政府もまた、昭和三十七年以来、全国総合開発計画に基づく拠点開発構想を打ち出し、十五の新産都市づくり、六つの工業特別整備地域、三次にわたる低開発地域工業開発地域の指定に乗り出し、太平洋ベルト地帯に集中したわが国の産業配置を地方に分散させようとする動きを示し始めたのであります。この動きは、新全国総合開発計画の策定によって一段とその速度を強め、七〇年代の産業配置は、昨年秋の産業構造審議会の考え方にも示されるように、一つは、大規模工業基地の開発、二つは、農村地域工業化の二本立てで進められようといたしているのであります。つまり、資本と政策が一体となって、高い地価、労働力不足、公害からのがれる道を農村に求めようとするのが、農工一体化をうたい上げるねらいであることを指摘せざるを得ないのであります。(拍手)
 加えて、日本経済は最近国際収支の黒字基調、外貨蓄積の増大により、工業製品の輸出促進の見返りとして農産物の輸入増加が著しく目立ち、このことを理由に、食糧の自給度向上を放棄し、産業としての農業の育成を軽視した安易な工業立国論や食糧の外国依存論が台頭しているのであります。
 その中で進められる工業の農村進出は、兼業機会の増加などにより、短期的には農家の所得を拡大させる対策になり得ても、農業発展の契機とはなりがたく、むしろ無計画、無制限に農地を食いつぶし、総兼業化の方向を一段と早める可能性を感ぜざるを得ないのであります。それは長期的には農業を衰退させる方向であり、農政の放棄につながるおそれを特に指摘せざるを得ないのでありますが、佐藤総理の御所見をお尋ねいたします。ことに総理は、農村地域に工業を導入する意義を、いかなる視点からとらえられているのか。その及ぼす影響は何なのか。農業と工業の調和ある発展は、はたして可能なのかどうか。この際、これら施策の基本とする事項について、所信を明らかにしていただきたいのであります。
 次に私は、法案の内容をめぐる諸点についてお尋ねをいたします。
 その第一点は、農村社会にすでに定着している地場産業についてであります。
 これらの企業は、古くから幾多の変遷をたどりながら、地域経済と深い関連の中で形成されてきた経過があります。農業の生産に関係を持つ製糸工場、でん粉工場、果汁加工場などから織物、機械工業など、いずれも地域社会の発展に一定の役割りを果たしてきたものでありますが、本法はこれらの地場産業をどう位置づけようとしているのか、きわめて不明確であります。地場産業の大半は中小企業であり、したがって、いずれも税金と資金繰り、労働力確保に多くの問題をかかえて苦悩しているわけであります。一方、新しく農村地域に進出する企業に対しては、工場用地の造成、労働力の確保、資金、税制面でのまことに手厚い助成措置がとられるのでありますが、すでにある企業に対してはいかなる方途を講ぜられようとするのか。特に、進出企業と地場企業との間に賃金の水準、労働条件をめぐる競合関係の発生が予測されるわけでありますが、この際、農村地域の地場産業育成の方針にあわせて、これらの諸点について総理並びに通産大臣にお尋ねをいたします。
 第二は、計画の立案、事業の推進をめぐって、地域住民の意見をいかなる方法でくみ入れられるかの問題であります。
 従来、ともすれば、企業の進出に伴い住民との対立が表面化し、多くの紛争を引き起こしていることは御承知のとおりであります。その原因の大半は、一方的な上からの企業誘致が、住民の声を封殺し、その利害を無視して、企業本位の採算ベースで取り進められたところに根ざしていることは明らかであります。工場が導入されることによって発生する用地の買収、かえ地問題、就労する場合の条件、農業基盤整備と生活環境整備、公害対策、用水の配分問題などをめぐって、関係者はもとより、地域住民全体の意見をいかなる形で反映させるのか、本法においてはきわめて不明確でありますが、農林大臣からお答えをいただきたいのであります。
 第三は、農業振興整備計画との関係についてであります。
 本法の対象地域は、その多くが、昭和四十四年制定された農業振興地域の整備に関する法律に基づき指定された農業振興地域であります。本来これらの地域は、農業の領土宣言とさえいわれた農振法によって、農業生産の中心地であり、農地保全を期すために設定された地域であります。したがって、法制定以来、具体的な施策が何らなされないままに、今回新たにここに工業を導入するというのでありますから、朝令暮改農政のそしりを免れぬと思うのでありますが、農業振興と工業導入に矛盾する点はないか、その対策はいかなる方法を考えているのか、お尋ねをいたします。
 第四は、工業の進出に伴い最も懸念されることは、公害問題の発生であります。住民の健康はもとより、広く農作物等への影響を防止するため、特に重大な配慮が加えられねばならないと思うのでありますが、その対策はどうか。地価の高騰、水資源の配分など、農業生産の条件整備のためにとられるべき方策は何か、農林大臣にお尋ねをいたします。
 第五は、開発方式をめぐって拠点開発方式と市町村方式とが併用されることになっておるのでありますが、その相違点は何なのか。農工一体化をうたいながらも、前者は県と通産省サイド、後者は市町村と農林省サイドの予算化が見受けられますが、この二つの流れは何を根拠としているのか。さらに、進出される企業の規模はどの程度を限度とするのか、農林、通産大臣よりお答えをいただきたいのであります。
 第六は、工業導入促進センターの性格と機能はいかなるものか。この機関は単なる情報あっせんにとどまるのか、将来事業団的性格に発展する意図はないか。本年度予算では中央に一カ所設置される予定でありますが、将来は主要地域ごとに増設されるかどうか、お尋ねをいたします。
 第七は、雇用問題についてであります。
 企業の進出が意図する最大のねらいは、何といっても農村にある安い労働力の確保にあることは言うまでもありません。今日、農村の就業人口は、次第に老齢化と婦人化を強めていますが、これら中高年齢層と婦人労働に対する労働大臣の所見はどうか。職業訓練、賃金のあり方、労働条件について、いかなる方策を立てられているのか、この際、明らかにしてほしいのであります。
 以上、私は本法をめぐる若干の問題について御質問をいたしましたが、その意図する点は、工業の農業地域への進出によって、農業が著しく後退を余儀なくされるのではないかという問題の指摘であります。
 新産都市の優等生といわれる岡山県水島の臨海工業基地では、優良農地がつぶされ、地価の高騰、農地のスプロール化、農業生産の立地移動が開始され、農家のオール兼業化が進行しております。鹿児島県伊集院町に進出した松下電器の工場用地は、実は農業構造改善事業でつくられた畜産センターであり、畜産センターが奥山の条件の悪い地区へ移転させられているのであります。拠点団地方式の典型とも見られる茨城県鹿島の臨海工業地帯は、約三千三百ヘクタールの砂丘と山林を大工業団地に変えたものの、農民は貸しぶとん屋から飲食店、旅館業に変わり、農業団地の中でバー、ボーリングからサウナぶろまで並んできているのであります。まさに、工業化の波に押しやられる農業の断面が、鋭くここにあらわれているといわなければなりません。
 工場の地方分散を説き、農工一体化を叫んでも、しょせん資本の利潤追求を根底に置く限り、工業の進出は農業の座を大きくゆさぶることは明らかであります。政府の施策が、日本農業を守る立場を一そう明確に強めることなしには、農業の危機は一段と深刻化することを重ねて強調して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#40
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 田中君にお答えいたします。
 農業基本法が制定されてから、ちょうど十年たちますが、この間、基本法が日本農業に寄与した功績は、私は高く評価しております。特にその主要なねらいであった他産業との生産性及び所得格差の是正という面において、顕著な改善を見、農村の生活水準は飛躍的な向上を見たのであります。
 しかしながら、率直に言って、基本法の目ざした需要構造の変化に見合った農業生産、いわゆる農業の選択的拡大の面におきましては、残念ながら十分な成果はおさめ得なかった、かように思います。
 有史以来の日本農業の大きな転換であるだけに、容易に完全な成果をあげ得るものでもありませんが、いまや農産物の自由化という国際的要請を受けて、日本農業の体質改善、その近代化は緊急に迫られているのであります。公害問題や物価問題のように、新しい観点から取り組まなければならない問題も忘れることはできませんが、私は、需要の変化に即応した農業生産、これを適地適産の形において、かつ、より高い生産性のもとにこれを実現していくことが、今後の農政の基本的課題であると、かように考えます。
 また、経済の国際化の急速な進展に伴って価格政策による所得増大が許されなくなった今日、農業所得の増大は、経営規模の拡大と生産性の向上に求められなければなりません。その意味において、本日提案した農村地域工業導入促進法は、大いに寄与するものと期待するものであります。
 国土の狭小な、しかも経済成長の著しいわが国では、新全国総合開発計画でも示しているように、数十カ所の産業拠点を中核として、輸送・通信網の整備が進んだ場合には、農業振興地域といえども、いわゆる純農村としてとどまることはむしろ不合理ともいえるのであります。この法律が、単に工業立地の観点からでなく、農業の就業構造の改善と農業生産基盤の整備を通じて、農業構造の改善に資するものであることに御着目いただければ、この法律が農業振興地域の整備に関する法律の精神と矛盾するものではないことを十分御理解いただけるものと存じます。
 なお、地場産業につきましては、新たな企業進出によって大きな摩擦を起こさないよう十分注意いたしますし、また、他の地域からの工業導入ばかりでなく、地場産業そのものの振興につきましても、この法律による計画の対象とするように考えております。
 以上、私からお答えいたしました。その他の部分については、それぞれの大臣からお答えいたします。(拍手)
    〔国務大臣倉石忠雄君登壇〕
#41
○国務大臣(倉石忠雄君) 企業の進出に際しまして、地域住民の意思を尊重せよということでございますが、全くお説のとおりでございまして、農村地域への工業導入にあたりまして最もわれわれが留意すべきことは、地域住民の意思を十分尊重するということであります。このため、都道府県、それから市町村が実施計画を策定するにあたりましては、もちろん、その地域の農業団体等関係団体の代表者、学識経験者等をもって構成いたします協議会などの意見を十分に聞くように指導いたしますほか、工業導入地区の各集落ごとに懇談会を開催するなどいたしまして、地域住民の御意思を十分に反映できるような対策を講じてまいりたいと思っております。
 それから、工業進出が農業に及ぼす影響等についてお話がございました。農村地域への工業導入が及ぼす農業への影響につきましては、御指摘のような問題が起きないように、この法案による計画、制度の適切な運用によりまして対処する方針であります。
 特にお話のございました問題のうち、地価の高騰につきましては、近く国会に提出を予定いたしております土地改良法の改正による換地制度の活用、賃貸借による工場用地の確保等を、地域の実態に応じて指導することといたしました。
 また、兼業の問題につきましては、工業への就業を促進することによる兼業所得の安定的な確保につとめますとともに、今後とも農業に専念しようとする農業者の育成には、十分配慮してまいりたい。今後さらに農業構造の改善につとめたいことは申すまでもございません。
 なお、農業用水につきましては、必要とされるものは確保する方針のもとに、工業用水との調整をはかることといたしますほか、公害の防止につきましては、そのおそれがないように、あらかじめ実施計画において十分具体的な措置を定めるようにいたしたいと考えております。
 それから、実施計画につきましてお話がございましたが、御存じのように、都道府県または市町村が樹立する実施計画の相違点は、市町村の実施計画が、その周辺の農村地帯における農地保有の合理化がはかられると見込まれる地区について立てられるものでございますのに対しまして、都道府県の実施計画は、自然条件及び立地条件から見て、その地区を拠点として、その周辺の農村地域への工業の導入が促進されると認められる地区でありまして、一定の規模以上であるものについて立てられるわけであります。
 もう一つのお尋ねは、センターのことでございましたが、農村地域工業導入促進センターは財団法人とすることを考えております。その事業内容としては、農村地域への工業の導入を円滑に推進するため、工業の導入についての受け入れ側及び企業側双方の情報の収集及び伝達、調査、広報、指導等を行なうことといたしまして、中央に設置することといたしておりますが、その運営にあたりましては、地方公共団体をはじめ、農業団体その他の関係諸団体と緊密な連絡のもとに活動いたしますよう指導してまいりたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
#42
○国務大臣(宮澤喜一君) 地場産業を衰退さしてしまいましては、この法律の目的に反しますので、業種を選定いたしますときに、地場産業と競合が起こりませんような選定のいたし方をしたいと思います。
 それから、団地などを先行造成するわけでございますから、地場産業でいいものがあれば、むしろそれを選定して団地に入ってもらうというようなことも一つの考え方ではないか、そういうことも考えてまいりたいと思います。
 それから、都道府県の計画と市町村の計画の違いは、導入されました工業を拠点にして、あと、企業が育ちますような、一定規模以上の地区の計画を都道府県でやりたいと思っております。
 その場合の企業規模でございますけれども、コンビナートのようなものはちょっと考えにくいと思いますが、少なくとも下請がその下へずっと系列的に育つような程度の規模のものを考えたいと思っております。
 センターにつきましては、ただいま農林大臣からお答えがございましたから、省略いたします。(拍手)
    〔国務大臣野原正勝君登壇〕
#43
○国務大臣(野原正勝君) 御指摘のとおり、中高年齢の方や婦人が雇用される場合が非常に多いと思います。その特性や能力、希望等を十分に配慮したきめこまかな措置を講ずる必要がございます。このため、労働省としましては、導入企業の労働条件や職業の内容等を十分周知するほか、農業者転職相談員の活用などによりまして職業紹介を充実いたします。導入工業に従事する者の実態に即した職業訓練の実施につとめるものといたしまして、特に農業転職者の受講を容易にするために、簡易な訓練を活用いたします。労働環境整備のためのさまざまな福祉施設も考えるつもりでございます。
 以上のような措置を講ずることによって、円滑な就業をはかってまいりたい。
 また、中高年齢者や婦人が雇用される場合の賃金その他の労働条件につきましては、導入される業種及び地域の実態を考慮いたしまして、適切なものとなるように十分な配慮を加えてまいりたいと考えております。(拍手)
#44
○議長(船田中君) これにて質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#45
○議長(船田中君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時一分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        外 務 大 臣 愛知 揆一君
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
        農 林 大 臣 倉石 忠雄君
        通商産業大臣  宮澤 喜一君
       運 輸 大 臣 橋本登美三郎君
        労 働 大 臣 野原 正勝君
        自 治 大 臣 秋田 大助君
        国 務 大 臣 山中 貞則君
 出席政府委員
        通商産業省企業
        局参事官    増田  実君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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