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1970/12/09 第64回国会 参議院 参議院会議録情報 第064回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号
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1970/12/09 第64回国会 参議院

参議院会議録情報 第064回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号

#1
第064回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号
昭和四十五年十二月九日(水曜日)
   午前十時三十八分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鈴木 一弘君
    理 事
                平島 敏夫君
                久保  等君
                矢追 秀彦君
    委 員
                木内 四郎君
                永野 鎮雄君
                鍋島 直紹君
                矢野  登君
                藤田  進君
                片山 武夫君
   国務大臣
       国 務 大 臣  西田 信一君
   政府委員
       科学技術政務次
       官        藤本 孝雄君
       科学技術庁長官
       官房長      矢島 嗣郎君
       科学技術庁研究
       調整局長     石川 晃夫君
       科学技術庁原子
       力局長      梅澤 邦臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       科学技術庁計画
       局長       楢林 愛朗君
   参考人
       宇宙開発事業団
       副理事長     松浦 陽恵君
       東京大学宇宙航
       空研究所・東京
       大学教授     玉木 章夫君
       宇宙開発委員会
       専門員      山内 正男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (宇宙開発に関する件)
 (環境科学技術等に関する件)
 (原子力開発に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木一弘君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 本日、科学技術振興対策樹立に関する調査のため、宇宙開発事業団副理事長松浦陽恵君、東京大学宇宙航空研究所・東京大学教授玉木章夫君及び宇宙開発委員会専門員山内正男君の三君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認めます。
 なお、手続等につきましては、これを委員長に一御任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(鈴木一弘君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ、宇宙開発に関しまして本委員会に御出席をくださいまして、ありがとうございました。それぞれのお立場から、忌憚のない御意見をお願いいたしたいと思います。
 なお、参考人からの御意見の聴取は質疑応答の形式で行ないますので、さよう御了承をお願いしたいと思います。
 本調査について質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○久保等君 便宜上、すわってお尋ねをいたしますが、どうぞ参考人の方、おすわりのまま御説明なり、あるいはまたお答えをいただきたいと思います。
 きのうも新聞に載っておりましたが、かねて東大の宇宙航空研究所なり、あるいはまた宇宙開発委員会のほうで実験をやっておられましたロケットの打ち上げの問題に対しまして、宇宙開発委員会の技術部会の専門分科会のほうで一応報告をまとめられて、一昨日報告が委員会のほうに出されたということが伝えられております。かねがね、本年九月行なわれましたミュー4S型のロケット打ち上げ、あるいはまたJCRの4号機打ち上げ等につきまして、いずれも所期の成果が得られない、いわば失敗に終わった問題がございます。その後、いろいろこのことについて鋭意分科会で検討を加えられてまいったようでございますが、その結果について御報告がなされたわけですが、そのことについて、一応、まだ十分に検討を開発委員会のほうで加えるという形に、もちろんなっておらないと思うのでございますが、長い間の懸案でございますし、そういったことについての報告を受けられた宇宙開発委員会の立場から、概略御説明を願いたいと思うんです。
#7
○政府委員(石川晃夫君) 宇宙開発委員会といたしましては、この宇宙開発委員会の中に二つの部会を設けているわけでございます。一つは計画部会、もう一つは技術部会。この二つの部会を設けているわけでございますが、この技術部会の中に、第一、第二、第三の三つの分科会を設けております。この第一分科会におきましては、従来から、一年に二回でございますが、一、二月期並びに八、九月期に打ち上げますロケットの打ち上げの結果について、いろいろその内容を検討するという分科会でございます。それから第二分科会は、ロケットの開発についての技術的な分科会でございます。第三分科会は、衛星の技術についての分科会でございます。ただいま先生から御質問がございましたのは、この第一分科会において行なわれました作業の内容でございますが、これは、発足いたしましたのが昨年でございまして、昨年の八、九月期の実験につきまして第一回の分科会を開催いたしました。その後、本年の一、二月期におきます打ち上げにつきまして第二回目の報告がなされまして、今回、四十五年の八、九月期に打ち上げられました実験につきましての分科会の報告が第三回目としてなされたわけでございます。この第三回目の分科会につきましては、ことしの十月九日からこの検討を開始いたしまして、一昨日の十二月七日にこの分科会の結論が出たわけでございます。これが新聞紙上に報道されたわけでございますが、その分科会の報告は、本日の午後この宇宙開発委員会に提出されまして、宇宙開発委員会において採択するという、こういうようなことで進んでおるわけでございます。内容につきましては、御出席の山内専門員がこの内容について詳細に検討するということでございます。
#8
○久保等君 参考人の山内さん、特に時間の関係で十分にお伺いする時間もないようですが、いま石川研究調整局長の御答弁の点で、山内さんの立場で、ここで御説明願える範囲内で、ひとつ御説明願いたいと思うんです。
#9
○参考人(山内正男君) お答えいたします。
 ただいまの御質問で失敗に終わったというM4S1号機、それからJCRの4号機、それにつきましてのふぐあいの点の検討をいたしました。まず、M4S1号機についてでございますけれども、これは第四段の――これは四段の固体ロケットで人工衛星を打ち上げるというものでございましたけれども、その第四段の点火がうまくまいりませんでした。したがいまして、衛星を軌道に乗せることができなかったわけでございます。しかし、それの原因は一体何であろうかということを検討いたしました結果は、姿勢制御を行なっております過酸化水素エンジンのうちでロールエンジンのうちの一つ、それについております一つの電磁弁が故障いたしまして、閉じなければならない電磁弁が、その一つだけが開放のままになっておった。そのために、衛星にスピンを与えますそのスピンの回転数が所定の値よりもだいぶ高くなってしまったわけでございます。したがいまして、遠心力が非常に大きくかかってきた。そういうために、姿勢制御部、それから第四段の切り離し、第四段の点火と、そういうような、以後行なうべき動作というものが全部順調に行なわれなくなってしまった。そういうようなことで、この直接的な原因というものは、電磁弁の故障であろうというように、検討の結果、判断をいたしたわけでございます。
 それから、もう一つのJCRのほうの問題でございますけれども、このほうは、大体JCRのロケットで飛しょう試験を行ないます理由、目的と申しますか、これは、ガスジェットによってロケットのロールの制御を行なうということを目的として飛しょう試験を行なうというものでございます。それで、これは二段ロケットにおきまして打ち上げを行ない、一段ロケットのほうは順調に飛しょういたしましたのですけれども、一段と二段を分離する、そこに爆発ボルトというものが使用されております。この爆発ボルトは四本使ってありますけれども、それの一部分が作動しなかった模様でございまして、したがって、一段と二段との分離が行なわれなかった。したがって、そのあと第二段目に点火されましても、非常に異常な燃焼をいたしまして、したがって、所定の高度にも達しないで、そのまま海の中に落下をした。そういうのが原因でございます。したがって、JCRのほうにつきましては、爆発ボルトのふぐあいというのが直接的な原因でございます。
#10
○久保等君 そうしますと、このいずれもうまくいかなかったという原因は、前者の場合には電磁弁の故障、後者の場合には爆発ボルトのふぐあいといった、その部品そのものの原因によって、うまくいかなかったという結論なんでしょうか。
#11
○参考人(山内正男君) お答えいたします。
 部品そのもののふぐあいによって、二つともうまくいかなかったと考えます。
#12
○久保等君 そうしますと、この二者とも、部品はアメリカからの輸入品ということになっておるようですが、その部品そのものも、製品として部品が完成した段階で故障があったと、故障と言いますか、完全じゃなかったというふうに理解されるんでしょうか。扱い方が適当でなかった関係で、その部品そのものが十分な機能を発揮できなかったというのか。そのぐあいが悪くなったという過程そのものが一体いつの段階で、たとえば、製品そのものをつくる設計の過程の中で、設計そのものに問題があったのか、製品としてつくってしまった後における製品そのものの機械部分に問題があったのか、要するに、製造過程においてあったのか、あるいはまた、その後の扱い方の過程において問題ができたのか、あるいは操作している過程において、きわめて短期間のうちに部品そのものに故障ができてきたのか、どういう過程で生まれてきた故障なんでしょうか。
#13
○参考人(山内正男君) お答えいたします。
 ただいまの御質問にお答えするのは、実はたいへんにむずかしいことではないかと考えます。と申しますのは、両方とも輸入部品でありまして、もちろん、その受け入れの際のいろいろの検査というものは行なわれたとは思いますけれども、製造過程において欠陥があったのかどうか、そういうものは、購入の際のチェックで当然わかるはずてあろうかと考えます。それからまた、それでは取り扱いのふぐあいによって起こったのかどうかという問題でございますけれども、その点は、いずれのものも、すでに消費されたあとの姿であり、それを回収してチェックするというわけにもまいらないのでございます。したがいまして、その弁がどういうふうになっていたのかということを直接的に調べるわけにはまいらないという性格を持っおります。したがいまして、そういうものに対して、大体ロケットに使いますいろいろの部品というようなものについては、信頼性がどうであろうかという点について事前の慎重なチェックが必要であろうかと考えるのであります。
#14
○久保等君 その事前のチェックがどの程度両者について行なわれたのか。多少専門的な質問になってまいりますが、どこのところで、どういった程度のチェックをやられたのか、購入検査と申しますか、日本の国内においての検査……どういうチェックをやられたのでしょうか。関係の方でけっこうですが。
#15
○参考人(玉木章夫君) それでは、問題になりました電磁弁について、多少詳しくなりますけれども、御説明いたしたいと思います。
 私どものロケットの姿勢制御に使っております電磁弁というのは、大きく分けて二種類ございます。これは、姿勢制御のエンジンの推力の大きい小さいで過酸化水素の重量が変わるものですから、二種類ございます。一つは、今回のM4Sで申しますと、上下左右の制御をやるエンジン、これは推力が二・三キログラム、それから問題になりましたロール、すなわち回転の制御をやりますものは推力が三・二キログラムと、やや大きいのであります。そのために、ロールのほうだけがやや大きい。大きいと申しましても、直径にして三割から四割方大きい程度の、ごくわずかの差でございますけれども、そういうものを使っております。
 先ほど、事前にどういう試験をやったかという御質問でございますが、まず、実績から申しまして、小さいほうの弁は、これまでカッパー10型、ラムダ4S型、ラムダ4T型、それからミューとしましては、昨年八月にミューの3Dという三段目がダミーの実験をやっております。このときにも使いまして、試験を含めますと、合計約七十個現在まで使っておりますが、一回も故障しておりません。それから、問題になりました重量のやや大きいほう、これは実機使用の経験としては、この八、九月にK10C3号機、M4S1号機の二回でございます。総数としては、したがって、全体で十個ぐらいのところでございます。ただし、これは、もちろん、これを実際に飛ばす前といいますか、つくってから発射に至るまでに何回も試験がございます。これは公式なものとして約十回でございます。どういうのがあるかと申しますと、まず、エンジン一本一本所定の推力が出るかどうかということを、これはかなり長期間調整を必要といたしますので、その間ずっと使用いたします。それから、組み立てまして、全部一緒にした状態での試験というのをやります。ここまでは会社のほうでやるわけでございます。それから今度は私どものほうで所定の――これは、いままでのロケットの経験から、衝撃、振動、加速度等、どれだけのものに耐えなければならないという規定がつくってございます。それだけの環境を与えた後に試験をする。そういうことをやります。それから姿勢制御は、電気部分と、つまりジャイロとか、それに付随してエレクトロニクスと組んで作動すべきものでありますから、姿勢制御のシミュレーターというのがありまして、実際に、姿勢がジャイロの軸と変わっているときに、どういうふうに修正して、そのジャイロの軸と一致きせるかというシミュレーターの試験をやります。それからまた、四段のところまで全部組んだ状態で総合試験というのがありまして、三段目のロケットがスピンしている状態からスピンをとめて、それから姿勢制御をやって、またスピンをかけて四段目を切り離すという総合的な試験をやります。それからあとは、エンジンにつきまして実際にまた作動試験を何回かやりまして、発射の直前にエンジンが働くかどうかのチェックをやりまして、発射するわけでございます。合計十回くらい試験をやっております。そういう所定の試験というようなものについては一回も故障いたしませんでした。
 それから、弁が二種類あると申しましたが、小さなほうは、すでにわが国においても相当な実績がございます。同じ会社のほとんど同じ型式の弁ということで、同じ種類の試験をやって問題がなかったということで、同じように信頼性があると考えておりましたんですけれども、こういう開放のままというようなことが起こったわけでございます。
#16
○久保等君 事業団のほうにお伺いします。
#17
○参考人(松浦陽恵君) 故障の主原因と考えられます爆発ボルトの件でございますが、一段と二段とをつないでおります爆発ボルトは四本あります。この四本が、ボルトの中に入っております爆薬の破裂でボルトを切るという仕組みになっております。これにつきましては、JCR3号機以降は、この前の1号、2号よりも形が大きくなっております。3号機から新しい大きさのものになっておるわけでございますが、これにつきましては、事前に三回の爆発試験を地上でやりまして、これは無難に終えております。ただ、その中で少しこまかくなりますけれども、ボルトを差し込みますところの穴のところに少し空隙を置くわけでございます。この空隙の置き方が大きいか小さいかによりまして、うまく切れるか切れないかというような境目が出てまいります。しかし、3号機以降に使いましたものは、十分爆発ボルトが作動すれば、着実に一段と二段が切り離されるというような空隙のものにつくりまして、この点については製作上全然誤りがございません。
 それから、ボルトを買い込みます場合の受け入れ検査でございますが、これは、全数、電流を通しまして、導通試験というのを行ないます。そうして、所定の抵抗値があるかどうか、その抵抗値からあまり大きなばらつきがございますと、これはやはり規格に合わないものでございますが、いままでに使いましたものは全数規格値に十分入っております。それからこれを実際にロケットに装着いたしまして現地で打ち上げ作業をやります場合には、やはり同じような電気抵抗のチェックをいたします。しかし、実際に使用するボルト自体を切ってみるということは事前にできないわけでございます。そのほかの問題につきましては、全部打ち上げ直前にもチェックができるようになっております。こういう種類のものでございますが、いままで4号機の失敗がありましたために、さらに、従来からやっておりました試験を、またさらに拡張いたしまして、電気系統、それから爆発ボルトに至るまでいろいろな環境条件を与えまして試験をいたしました結果、そういうところには異状がございません。それから同時に、買い込みました爆発ボルトの予備品がございますが、これは四個とも試験をいたしました結果、爆発をいたしております。したがって、信頼性は非常に高いボルトとは思いますけれども、中に一部不備のものがあった可能性というものはあるのじゃないかと考えます。
#18
○久保等君 いまのお話なんですが、JCRの場合には、そうすると、爆発ボルトそのものにやはり問題があったんじゃないだろうかというような御推測ですか。
#19
○参考人(松浦陽恵君) 念のために、その回りの系統を、たとえば衝撃を与えるとか、あるいは振動を与えるとか、いろいろ非常に過酷な条件、それからボルトに荷重をかけるというような条件をつくりまして追試験をやりました結果は、全然異状がないということでございますので、非常にまれなケースじゃないか、そういうふうに考えておるわけであります。
#20
○久保等君 そうしますと、その爆発ボルトの周辺といいますか――爆発ボルトそのものには故障があったとは思われないけれども、その内容といいますか、われわれきわめてしろうと的な表現ですけれども、いま言われた差し込む間隙の問題にしても適当な間隙を置いたという実験をおやりになって、それもうまくいったというお話なんですが、しかし、やはりそういった爆発ボルト周辺あたりに異常振動なり何なりが加わって故障が出たんじゃないかというような推測、どのあたりのところに今後のなお実験を要する問題があると御判断になっておりますか。
#21
○参考人(松浦陽恵君) いま御質問の件でございますけれども、周辺の問題につきましては、4号機で失敗いたしましたその整備と全く同じ整備をやりまして、さらに追試験をした結果でございますが、異状が全然認められません。
 それからもう一つは、したがって、この辺のところには特別根本的に設計を変更するという理由はないわけであります。しかしながら、改善対策にちょっと入らしていただきますと、現地での整備が、やはりかなりの部分でございまして、これは人がやるものでございますので、もちろん十分チェックをいたしまして、最終的に打ち上げ前にさらに電気的な系統その他のチェックをするようにしておるのは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、やはり、なるべくこれは工場で整備をしたものを、現地ではただ組みつけるだけというふうに、作業のやり方を改善する、さらに確実にするということを一つ考えております。
 それからもう一つは、ボルト一本一本を、これは信頼性も、いままでに発表されておりますものは九九・九%の信頼性があると、こういうふうに言われておるものでございますが、さらにこれを一本一本実際に使いますものを、中をあけて検査をするわけにはまいりませんので、それにかわるべき方法をいま研究しつつあります。ほぼこの方法が使えるのじゃないか。まだ今日、その方法を確実にこうだということを発表できる段階じゃないのがちょっと残念でございますけれども、一本一本確認できるという方策をとるようにいたしております。これは技術的に確立できると大体見当をつけております。5号機以降には、そういうような検査をやりまして――実際に使いますものを作動きすわけにいきませんけれども、そういう検査によりまして信頼性を確認するということをいたしたいと考えております。
#22
○久保等君 ニューロケットの問題について、先ほどもちょっとお話があったのですが、アメリカからの輸入品で実際使ってみたんですが、この途中、もちろん会社等での試験その他が行なわれるんだろうと思うのですが、会社での検査等には、当然、東京大学あたりからも会社に出向いて立ち会いもし、共同で試験等をおやりになるのでしょうが、輸入検査はどの程度のことをおやりになるのですか。
#23
○参考人(玉木章夫君) 会社で行なわれますいろいろな試験につきましては、仰せのとおり、私どものほうから立ち会いに参りまして、その結果を見てまいります。
 それから、電磁弁そのものは一つの小さなユニットになっておりまして、通普はこれは分解しないで、そのまま使うものでございます。この点は、メーカーを通じて輸入、買ったものでございますが、そのときに、こちらでどういう使用条件で使うのだということを示しまして、向こうもそれならだいじょうぶだということで買っております。もちろん、会社でも、振動、衝撃、加速度の試験等は私どもの基準に準じまして試験をやった上で実際のエンジンをつくっているわけであります。
 少し、その後行ないましたことを、この際追加させていただきたいと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、大きな型の弁は私どもは小さい型と同じように信頼性があると考えておりましたのですが、どういう原因で故障が起こったかということを、その後詳細に調べております。まだ全部終わったということではございませんけれども、ある程度の私どもとしての見解は出ておりますので、これは第一分科会のほうへも御報告してございます。それを概略御説明したいと思います。
 電磁弁というのは、管の中にピストンがございまして、それが電磁石の力で動く。そうして、管のまん中に小さな穴がございますが、その弁の頭がその穴をふさいでいるわけですが、電磁弁に電流を流しますと、そのピストン――弁棒といっておりますが、ピストンが動いて穴があいて過酸化水素が通る。姿勢制御の最後に電流を全部切ったときに――バネの力でこれは押しているわけですが、そのバネが押していて、穴が締まるはずのものが締まらなかったということでございます。ですから、故障の原因というものがバネの損傷であるか、あるいは、弁の頭の穴をふさぐところにパッキングがございますが、それが故障したのではないか。それから、何か異物の粒子がはさまって動かなくなったのではないか。もう一つは、ピストンが筒の中を非常に、ほとんどすれすれなわけでありますが、ちょっと傾いて、ひっかかったのではないか。こういったことを考えまして、そういうことが出てくるような、出やすいような形の試験をいろいろやってみたわけです。
 まず、電磁弁の耐久作動試験というのをやりました。それは水と窒素を使いまして、二十五気圧の窒素で水を押し流しますと、一秒間に四回、合計二万回作動します。実際には一秒に三回くらいで使っておりますが、少し酷な条件で作動して、タンクの水がなくなりますときに途中で試験を切らなければなりません。この問題になりましたロールエンジンで、約九千回目でございますが、タンクの水がなくなって、窒素のガスが弁のところに流れる状態で一度ひっかかりました。あいたままになりました。そのあいたままになった状態を調べようとして弁をはずそうとしたときに、なおってしまった。こういうことが一回ございました。二万回の試験のその途中の九千回目のところで、水から窒素のガスに流れが変わったところで開放になったということがございます。これは、流体が水から窒素に移り変わりますと、かかる力が急に変わりますので、それが誘因になって弁棒が傾いて、ちょっとひっかかったのじゃないかというふうに考えております。それからまた、別に、非常に長い、同じく毎秒四回で、それは水道の水を使いまして、六十二万回作動試験をやってみた。いわゆる摩耗試験でございます。それをやりましたところ、作動には異状は全然ございませんでしたが、分解してみますと、そのピストンと外の筒とのところに若干局部的に当たりがあるところが見られるようでありまして、そういうことで弁棒が傾いて筒にひっかかったのではないだろうかというのが、現在の考えている原因でございます。
 それで、いま故障について、まあ完全な形ではございませんが、再現できたことをお話しいたしましたが、小さいほうの弁、いままでずっと使っておりましたこちらのほうは、同じ試験に対しまして全然問題がございません。よく検討してみますと、中の構造の上で、小さいほうがひっかかりが多少起こりにくいようになっているように見受けられます。そういうことで、今後は大きなほうは使うのをやめて、小さいほうが、とにかくわれわれとしても七十回の使用実績がございますし、問題がないのではないかというふうに考えております。
 このほか、微粒子を入れて試験をするとか、あるいは振動、衝撃を加えて試験をするとかいうのも、まだ全部終わっておりませんが、いままでやりましたところ、異状は全然出ておりません。この微粒子は、フィルターが弁のところにございまして、それのきき目がちゃんとありまして、こまかい粒が弁のところに混入するようなおそれはないと考えておるような次第でございます。それからバネは非常にじょうぶなバネでございまして、しかもステンレススチールでできておりまして、過酸化水素に侵されるおそれはない。そういうわけで、原因は、弁棒が外の筒にひっかかったというようなことではないかというふうに考えております。特に4Sの場合、はたしてこうであったかどうかということは、それは断言できませんけれども、そういう可能性は強いのではないかと考えております。
#24
○久保等君 そのロケット打ち上げで、うまくいかなかったわけなんですが、いろいろそれと同じものについて検査をやったり試験をやられて推定をやられた。一部はほとんど的確に判断がつくのだろうと思うのですが、できれば、打ち上げて海に落ちたロケットを回収してその結果を調べれば、さらに的確にわかるのじゃないかという気もするのですけれども、この打ち上げて落ちたロケットそのものを回収するということは全然考えてもいないし、また、そんなことは不可能なんですか、どうなんでしょうか。両方からお答え願いたいと思いますが。
#25
○参考人(松浦陽恵君) 私のほうの一つの例を申し上げますと、LSCのロケットでございますが、1号機の場合に、第一段の燃焼が途中で不調になりまして、ロケットが破れました。しかし、第二段には幸いに点火をいたしまして、第二段の液体ロケットの性能をテストするという目的は達したわけでございますが、この場合に、第一段のものは比較的手近なところへ落ちまして、ちょっとした潜水で引き揚げられる、こういうことでございますが、したがって、これは原因探求に非常に役に立ちます。
 それから、2号機でございますけれども、これは不幸にして、新しくつくりました安全装置が実は安全過ぎまして、一段と二段の分離ができませんでした。これは比較的近くの水面に落ちたのでございますけれども、水深が大体百三十メーターございます。これを引き揚げて、原因を探求する有力な資料にしたい、こう考えまして、海上保安庁その他の専門の方々に御相談したわけでございますが、まずその水深ならば不可能だということで、これはあきらめざるを得ないということでございます。
#26
○久保等君 続いて松浦さんにお尋ねしたいのですが、今回の場合は水深どのくらいのところに落ちているのですか。
#27
○参考人(松浦陽恵君) 今回の場合は、水深は、ちょっとよく勘定しておりませんけれども、大体十二キロメートルばかり離れたところでございまして、最初の引き揚げ不可能と申し上げましたのはLSCの2号機の例でございますが、これはたしか九キロメートルぐらい海岸から先のところ、JCRはそれよりも遠くに落ちておりますので、したがって、これは技術的にきわめて不可能だということでございます。
#28
○久保等君 ミューのほうは、玉木さん、いかがでございましょうか。
#29
○参考人(玉木章夫君) ミューの場合は、たいへん遠方になりますし、ここだというふうに場所をはっきりさせることは、実際にかなりむつかしいのではないかと思います。
 それから、私どもの経験から申しますと、いま松浦参考人から、海底から拾い上げて、それが事故究明の参考になったというお話でございましたけれども、実際には、海面に落ちるときに非常な衝撃を受けまして、ほとんどこわれてしまいます。そのために、非常に特殊な場合には、それで何かがわかることがございますけれども、こわれた部分が、落下した衝撃でこわれたのか、それとも、その前にこわれたかというようなことは、ほとんどわからないのが普通でございます。それで、特に、非常に遠方で、これを拾い上げるというのは船がたくさん要りますし、非常に費用のかかることで、不可能に近いことでございます。それから、今回のような事故のものにつきましては、これを拾い上げてみても、それで何かはっきりするというようなことはないのじゃないかと思っております。
#30
○久保等君 こういった事故に対して、いろいろ、いま言った試験をやられて、その原因を確かめられて今回の御報告という形までこぎつけたのだろうと思うのですけれども、なお、まあ引き続き試験なり検査をやって、さらに正確に突き詰めていかなければならぬ点も残されておるのじゃないかと思うのですけれども、さらに今後究明をすべき点について相当な時間を要するものなんですか、それとも、ほぼそういった試験その他の調査は完了せられたという御判断なんでしょうか。技術的に見て、その事故原因について、どの程度究明せられたことになるのでしょうか。
#31
○参考人(玉木章夫君) 先ほど御報告いたしましたように、大型の電磁弁につきましては、とにかく一回故障が再現できたということがございます。これは、水から窒素に流体が入れかわったときに起こった。そうしますと、実際のロケットの中で、過酸化水素の中に何か気泡のようなものが残っているようなことはないか。と申しますのは、過酸化水素をロケットの中のタンクに詰めますときに、まず空気を抜きまして過酸化水素を押し込むわけでありますけれども、そのときにどこかに空気が残っている、そういうものが弁のところを通るときに、それがいたずらをして締まらなくなったのではないかというようなことも、考えれば考えることができますので、このことがありまして、すぐに過酸化水素と気泡を交互に入れて作動させてみる試験をやりました。これは、ちょうど実験の都合で、小さいほうの弁でやりましたんですが、小さいほうの弁につきましては、これは何の異状も起きませんでした。それで、引き続いて、いま大きなほうの弁でそれをやることにしております。これは、気泡が入っても問題がないという場合と、それから気泡がちょっとでもあると問題があるということで、地上での操作に大いに差が出てまいります。もし気泡が少しでも入ったらいけないということでしたら、非常にその点に注意した過酸化水素の詰め方をやらなくてはならなくなるわけです。幸い、この小さいほうの弁につきましては、こういうかなり酷な試験をやりましたんですが、問題は起こらなかった。そういうことで、先ほども申しましたように、今後は小さい弁を使うという、それだけを使うということにしておりますので、そう大きな問題はないんじゃないか。それから、この大型の弁につきましての試験も今月じゅうには終わる予定にしておりますし、私どもとしては、十二月じゅうに全部の試験は終えたいと思っております。
 大体そんなことであります。
#32
○参考人(松浦陽恵君) 先ほども一部すでに申し上げましたわけでございますが、この一段と二段の分離部分につきましての、ありとあらゆる想定される環境試験をさらに追加して行なった結果は、その辺のところには技術的に異状がないということを申し上げたわけでございます。それで、あとに残ります問題は、現在見通しがつきつつあると申し上げましたボルトの一本一本の中身を十分外から調べる、これは分解できませんものでございますから。その技術をいま確立しようとしておりますが、これは間もなくできる予定でございます。5号機の打ち上げには、そういう検査をしたものを選びまして、そしてボルトを選定する、何個かある中から。そういうチェックをいたしまして、それで使用するということで、5号機に対します問題については、すなわちこれは来年の一月の末に打ち上げる予定にさしていただいておるわけでありますが、これにつきましては、その問題は十分解決ができるという見通しでございます。
#33
○矢追秀彦君 山内参考人に一言だけお伺いしたいのですが、いま久保委員のほうから、かなり質問が出ましたので、ダブったところも少しありますが……。
 輸入品でいままで事故を何回か起こしておりますが、たとえばラムダのタイマー等、そういう輸入品がたびたび事故を起こしておる。その具体例と、それから、それに対する委員会としての見解、また今後の対策、さらに今後の問題として、わが国の宇宙開発を促進するためのロケット打ち上げの信頼性を高めるためには、東大なり、あるいは事業団に対してどういうことが必要かと、そういう点をどういうようにお考えになっているか、その点だけをお伺いして、私、時間ですから、やめておきます。
#34
○参考人(山内正男君) いままでの事故におきまして、輸入品が特にぐあいが悪かったというような点は、たまたま今回両方に重なり合ったものであろうと考えますけれども、大体輸入品といいますと、どうしても外国において製造している過程、それからそれの設計の段階に立ち入り、それから製造の規格の問題に入りというようなことが必要となろうかと思います。それで、そういうことの事前の調査というものも、もちろん十分やらなければならないことだろうと思いますけれども、一方におきまして、外国製品必ずしもいいとは言われないと考えられるわけです。それで、国の中で製作いたします際には、そういうものについて、製造過程から、規格というような段階から、十分にチェックもできるので、ある意味においては信頼性を確保するのによりベターであるということも考えられなくはありませんので、そういう点についても今後は十分検討していくべきではなかろうかと考えます。
 それで、もう少し大きい目で見ますと、大体宇宙開発というような巨大なシステムを高い信頼性をもって開発を進めていかなければならない、そういうことから考えますと、信頼性に関する規格というものを早く確立していく必要がある。もちろん、いままで、東京大学も、それから宇宙開発事業団におかれても、それぞれの規格に応じて計画を進められ、チェックをしておられるわけですけれども、信頼性ということをよく考えた上の規格というものをもう少しはっきりと確立をしていく必要がある。それからもう一つは、そういう確立された規格が、具体的に規格に応じて信頼性の問題が十分に進められるように、それのチェック・アンド・レビューをする体制を早く強化していく必要がある。現在でも、もちろんそういうものは、ある程度のものはありますけれども、それをより早く強化していく必要があろうかというように考える次第です。
#35
○委員長(鈴木一弘君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#36
○委員長(鈴木一弘君) 速記を起こしてください。
#37
○久保等君 いまの問題について引き続いてお尋ねしたいと思うんですが、もちろん、まだ報告そのものも正式に宇宙開発委員会のほうに出された形には、まだなっておらないようでして、若干質問のしにくい点もあるわけでございますが、問題は、だから今後こういった報告を十分に生かしていかなければならぬと思うんです。したがって、宇宙開発委員会に十分に検討をしてもらって、その中からいろいろ具体的な措置を講じていかなければならぬと思うんですが、そのことについてのお尋ねは、どちらにしていいか、ちょっとわかりかねるのですが、山内さんも引き揚げられた関係で、科学技術庁のほうにお尋ねをしたいと思うんですが、結局、いままで立てられたロケット打ち上げの計画、先般、十月でしたか、衛星打ち上げに関する計画を大幅に改定をせられたわけなんですが、今後の打ち上げの計画に、今回の報告によってどういう影響があるか、あるいはまた、新聞で見る限りにおいても、何かロケット打ち上げの計画を、来年の一月、二月の打ち上げ時期に試験衛星のようなものを打ち上げる必要があるのじゃないかというふうにも伝えられておるんですが、そういったことによって、従来の一応の計画というものに変更を加えなければならぬということにもなってくるんじゃないかと思うんですが、これらの点について御説明を願いたいと思うんですが。
#38
○政府委員(石川晃夫君) お答えいたします。
 ロケット打ち上げ計画につきましては、このような分科会のいろいろな御意見を反映させながら計画を今後進めていくわけでございますが、今後の影響でございますが、このように従来からいろいろ問題にされておりながら、なかなか表面に出てこなかったような技術的な問題が表面に出てきたということで、かえって開発に対してはいい影響を与えるんではなかろうかと思われるわけでございます。確かに、今回指摘されましたようないろんな点につきまして、事業団におきましても、あるいは東京大学におきましても、信頼性の管理という面につきましては十分従来から検討を進めていたわけでございますが、やはりまだまだ甘いという結論が出てきたわけでございます。したがいまして、この分科会から出てきております報告の中におきましても、さらに一そう信頼性の確保という点については、企画をつくるとか、あるいは体制を強化するという点には十分配意するように意見が出されておりますので、この点は、今後開発を行ないます東京大学並びに宇宙開発事業団において、さらにこの体制なり企画、信頼性の確保という点について具体的なものが進められていくと思います。
 なお、一、二月期に打ち上げられます打ち上げ計画の中に試験衛星を打ち上げるというお話でございましたが、これは、四十五年度決定の宇宙開発計画を進めております段階におきまして、すでにこの実験が八、九月期に行なわれまして、失敗の結果がはっきりしてきたわけでございます。したがいまして、この計画の中にもそのような趣旨が盛られておりまして、そしてこの一、二月期に、従来の計画でいきますと、科学衛星の一号衛星のFの2型というものを上げる予定になっており、その間に試験衛星を入れるべきであるということで計画の中にも盛られておりますし、また、今回の分科会の意見におきましても、試験衛星を打ち上げるべきであるというような意見が出ておりまして、計画はそのような方向で進めていくことになると考えております。
#39
○久保等君 そうすると、予算的な面で特別にこの措置をしなければならぬという問題は、何も報告が出たからといって、特別ないわけですね。
#40
○参考人(玉木章夫君) 私どものほうといたしましては、いま石川研究調整局長から御説明がございましたように、最初の予定では、この次に科学衛星、フライトモデルの二号、F2というものをやる予定でございましたけれども、宇宙航空研究所といたしましては、F1、この間のF1で軌道に乗る前、つまり打ち上げ期の衛星のいろんなデータをとりましたけれども、軌道に乗ってからは何もとれなかったということで、軌道上における衛星の環境機能の試験を行なうための試験衛星、これは太陽電池を使いませんで、化学電池だけで寿命が一週間くらいというようなものを考えております。それで、衛星について一番問題になりますのは、温度環境というものと、それから姿勢でございます。姿勢は、スピンをかけて安定をとっておりますが、これは長期間のうちにだんだんに姿勢が変わると言われております。温度につきましては、いろいろな計算あるいは外国の実例から見ましても、二、三日で大体平常状態になるということで、一週間の寿命のもので十分使用ができる。それから姿勢のほうは、非常に長期間に変わるものでございまして、一週間の寿命のものでは、それだけでは姿勢のデータが全部とれませんので、光学的にこの姿勢を観測することを考えまして、衛星に鏡を張りまして――六枚張る予定でございますが、その反射を利用して姿勢を長期間にわたって観測する、こういうような方法をとる。したがって、費用としては、普通の衛星といいますか、太陽電池をつけたものほど大きなものになりませんので、私どもに与えられた予算の範囲でやらせていただけるものと思っております、
#41
○久保等君 開発事業団のほうは特別ございませんですね。
#42
○参考人(松浦陽恵君) 費用の点につきましては特別ございませんが、ただ、私たちのほうでは、いわゆる地上での試験設備でございます、これにつきましても予算の措置を講じておりますし、また、従来の予算によりましても、そういうものをまず最初に整備をすることが必要であるということを考えております。
 これは非常に卑近な問題でございますが、信頼性の管理につきましてでございますけれども、私たちのほうには、信頼性・安全管理部というのがございまして、信頼性の確保につきまして、具体的な手順でございます設計段階から製作段階、それから試験をする段階、それから実際にこれを使います運用のオペレーションの段階、こういった各段階におきましてそれぞれ必要な技術的な検討を加える、そうして必要な措置を講ずる、ということが手順として確立されるように、現在その作業を急いでおります。これを早く強力なものにいたしまして、その実効がすみずみまで、部品の一品一品までわたるようにしたい、そういうふうに現在努力いたしております。
#43
○久保等君 要するに、先ほど来からお話を承っておりましても、それぞれの部分についての管理体制というものについて、さらに具体的にいろいろ対策をお立てになる必要があるだろうということが、今回の報告でも中心になっておるようにいま承るわけです。試験のそれぞれの部門を担当しておやりになっておる方々は、それぞれの部門について完ぺきだという確信のもとに試験をやられるわけなんですが、しかし、結果はうまくいかないということになって現実に出ておるわけなんですが、したがって、全体的に、結局信頼性なり管理体制の完備ということについて、さらに一段と、あらゆる場合を想定しなければならぬと思うのです。部分部分については問題ないと思われても、これはきわめてデリケートな、高度な精密さを要するものだけに、そういった点について、それこそいままでの失敗を転じて、ぜひひとつ成功への足がかりにしていただかなければならぬと思うのですが、言われております管理体制の不十分だったという問題については、ぜひ具体的な問題について早急に解決をしていただくようにしていただく必要があるのじゃないかと実は思うわけなんです。報告書が正式にという段階ではありませんけれども、きょうは、国会の時間的な関係もありまして、実は早々とお尋ねしたような形になるわけなんですが、もうすでに国会でも、この問題について衆議院のほうでも中間報告等を伺って審議をせられたような経過もあるようでありますけれども、ぜひひとつ、相当な時間をかけて研究をせられ、調査をせられた結果が一昨日出された報告書になったのだと思うのですけれども、報告の中身について私も詳細に存じませんけれども、実効をあげるように、一そうの御努力をいただきたいと思います。
 私のこの問題に関する質問は、以上でもって終わります。ありがとうございました。
#44
○矢追秀彦君 あと二、三お伺いして終わりたいと思います。
 先ほど委員会のほうからお話のありました問題に対して先ほどからお話がありましたけれども、もう一度確認をしたいわけですが、チェック・アンド・レビューの体制、これについてどうお考えになっておるか、それから、こういう失敗をしたあとで評価をしていくというのは、やはりまずいのでありまして、お金のかかることですが、やはりシステム工学の手法という面からも好ましくない、そういう問題をどうされるか。それから、先ほど言われました輸入の製品の製造過程までチェックができるのかどうか。そのことははたして外国が許すかどうか。その点については、もし向こうがだめだと言った場合はどういう折衝をしていくのか。その点について、まず技術庁と、それから事業団、東大、おのおのの答えをいただきたい。
#45
○政府委員(石川晃夫君) ただいま御質問ございました、まずチェック・アンド・レビューの体制でございますが、これにつきましては、今回この分科会から出てまいりました報告の中に、その点について強く指摘されているわけでございまして、これは従来からの体制をさらに強化して行なわなければならない、そのために、事業団においても従来から信頼性管理部のようなものがございましたが、さらにそういうものを強化していく、それから東京大学におきましては、これは東京大学の研究所でございますので、必ずしも事業団と同様な体制をとるということは非常に困難だとは思いますが、しかしやはり信頼性の確保という点についてはやはり東京大学のほうも考えなければいけないというようなことがこの報告で述べられておるわけでございまして、これを早急に実現していただくよう、科学技術庁としても希望しておるわけでございます。
 それから失敗のあとで評価するということだけではいけないのではないかということでございますが、これは確かに御指摘のとおりでございまして、失敗する前に、やはり事前に予防措置を講ずるということが非常に重要なことでございます。この信頼性の確保ということは、そのような意味におきまして、予防措置的に、打ち上げの前にチェックするということが必要なことは十分わかっているわけでございますが、従来はなかなかそのような体制がとれなかったわけでございます。しかし、委員会におきましても、この点については、委員の先生方のいろいろなお話の中にも、さらに今後は、打ち上げる前にもいろいろ打ち上げる計画について検討すべきではないかという意見が強く出てきておりますので、この点につきましては、今後分科会におきましても、あるいはそのような体制をとり得る、あるいはとらなければならないかとも存じております。この点につきましては、今後委員会において検討されると存じます。
 なお、三番目の、輸入製品の製造過程におけるチェックが可能であるかどうか。この点につきましては、ちょっと科学技術庁のほうではわかりませんので、事業団なり、あるいは東京大学のほうでお答え願いたいと思っております。
#46
○参考人(松浦陽恵君) 最初の御質問のチェック・アンド・レビューの問題でございますが、これは先ほどもちょっと御説明申し上げた信頼性管理体制、これをとりまして、しかも、こまかい手順あたりをきめるということをいたしまして、設計段階からこれを行なっていくということで、いまの御指摘の問題、これは解決できる体制ができると思います。
 それから第二の問題でございますが、打ち上げ試験の前に、むしろあらゆる角度から検討を加えて、そして万遺漏なきを期するというようなことも一部必要かと私は考えておりますし、実は、現在宇宙開発に取り組んでおります技術者の層と申しますのは非常に限られておりますので、できるだけそういう問題につきましては広範囲の知識をお借りするということが必要ではないか。また、打ち上げ実験をやりましたあとの評価と申しますのは、これはもちろん委員会の問題ではございますけれども、われわれの立場といたしましては、やはり十分やっていただく。失敗をしたという問題だけではなくて、成功をしたと見えましても、その中にはいろいろ潜在的に失敗をし得る可能性のものがあったり、あるいはその結果どういうふうに活用するかというふうな問題につきましても、やはり評価をしていただくほうがよろしいのではないかと考えます。
 それから第三の問題で、輸入品についての技術的な中身の検討でございます。これは、実際には、技術導入ということができない以上は、購入品についてはなかなかむずかし問題があろうかと思います。こういうものにつきましては、私たちのほうでは、規格に合格したというその品物を証明する製造過程の工程管理あるいは品質管理、こういったものの資料、それから規格に合格したという試験の手順と結果、こういうものを十分チェックをする。で、これは、できればその会社に参りまして十分検討をするほうがよろしいかと思うのでありますが、必ずしもこまかい点まで十分それができる体制というものは、これはたいへんな体制になろうと思います。したがって、こういうものは、たとえば、そういう専門のチェックができる能力を持ったところに委託をするというようなことで一面カバーできるのじゃないか。それから、大きな問題につきましては、みずからその工場へ出向いて参りましてチェックをする必要があると思います。非常に幅広いいろいろなやり方につきまして現在検討を進めております。
#47
○参考人(玉木章夫君) 信頼性を上げるためのデザインレビューの体制を強化するということにつきまして、私どものほうで考えておりますことを御説明をいたしたいと思います。
 私どものロケットの研究開発は、研究所の中にいろいろな委員会の形でたくさんの研究者が参加してやっておりますが、ロケットそのものにつきましては、観測ロケット専門委員会というのがございまして、これは所内の研究者のほかに所外からも何人かの専門の方に参加していただいております。この観測ロケット専門委員会というものと、もう一つ研究部と別に観測部というのがございまして、これは、ロケットの試験、それから打ち上げ実験データの整理といったようなことをおもな仕事とするわけでございますが、観測部という、技術者の部門でございますが、これがございます。この二つ、つまり研究部の人間と観測部の人間が共同してやっているわけでございます。この観測ロケット専門委員会には、ロケットの計画設計班というものと、それから研究班というのがございます。このロケットに関連した研究、これはかなり実際的なものから非常に基礎的なところまでございますが、そういうものを全体として取り扱う所内の非常に大ぜいの所員が参加している研究班、この二つになっております。前々から、何か実際に実験をやって思わぬ故障が起こるとか失敗をするとかいうことがございますので、何か見落としがあってはいけないということは私どもも前々からずいぶん気をつけていることでございます。そのために、昨年の初めからシステム計画会議というものをこしらえまして、これは、この観測ロケット専門委員会のメンバー、それから観測部のメンバー、こういう関係者一同が集まりまして、実際にロケットの実験をやります数カ月前から、どこか見落としはないかということをさがす会でございます。直接設計に携わっている者必ずしも全部完ぺきというわけにはいかないので、何か見落としがある場合がございます。かえって直接やっていない人のほうがいいことに気がついてくれることもございますので、そういうことをやりまして、問題が出ますと、それの担当をきめまして、それを最後までフォローさせるというような形をとっております。実はこの方式はたいへん有効に働いていると私は思っておりますが、今回のM4Sでも、確かに軌道に乗せることは失敗いたしましたが、ロケットそのものの、下のほうの段の飛しょうとか、あるいはロケットにやらせる作動などは、昨年八月にやりましたM3Dの場合よりかなりよくなっている点がございまして、これはみんなが知恵をしぼった結果だと思いますが、こういう体制を強化するということを考えております。そして実際には、やはりわれわれがそこで気のついたことに対して、それが確実に実行されているかどうかということを最後まで見届けるには、やはり相当な人手が要りますので、観測部という、そういう技術者の部門、これをできるだけ強化して、そういうことを確実にやれるようにしていきたい、こういうふうに考えております。これが第一の信頼性向上のためのシステムに関する私どもの考え方でございます。
 それから輸入品の問題でございますが、今回の場合、先方、つまり電磁弁をつくりました会社のほうもたいへん真剣にこの問題を取り上げてくれているようであります。それで、こちらのいろいろな飛しょう条件、それから、どんなところでどういう事故が起こったということも向こうに言ってやりまして、向こうでも、そういうことに対して調査してもらいたいということで、照会をいたしましたのですが、これ、買いましてから二年以上たっているというのは、ちょっと特殊な事情でございまして、普通はもっと早く使ってしまうものらしいのですけれども、つまり、先方としては納めてから相当年数がたっているというようなことで、一ぺんそれを、いまあるものを送り返してほしいということで、こちらで使用しないでそのまま置いてあったもの、それから試験に使用したものと、両方送り返して、向こうでもそれについて検討してくれているようであります。こちらも、先ほど申しましたように、いろいろ試験をやりまして、近々こちらの見解もまとまると思いますので、その時点でそれを持ち寄って討議をしたいというふうに考えております。
 こういうことで、今後間違いのないようにやっていきたいというふうに考えております。
#48
○矢追秀彦君 最後に大臣にお伺いしたいのですが、四十四年度の外国技術導入年次報告によりますと、外国からの技術導入が非常に多くて、わが国の科学技術の輸出が輸入のわずか一二・五%、非常に少ないわけでありまして、まあ今回の事故のように、特にロケットはアメリカの技術に大幅に依存しておるわけです。こういうふうな現状であります。しかも、クロス・ライセンスが半分に減っておる。こういう報告が出ておるわけであります。したがいまして、この技術全般にわたって技術を輸出する、そういうふうなことにわが国としてはもっと力を入れなければならないのではないか。そういうことで、やはり一定の目標をきめて、そういう年次計画で達成するような研究投資の増額計画、こういうものを科学技術政策に盛り込む必要があるのではないか。その点についてどう考えられておられるか。さらに、宇宙開発あるいは海洋開発にしても、全部研究調整局でやられているわけですが、科学技術行政のあり方について、これは大きな事業でありますから、一省一局削減なんといわれるおりでありますけれども、海洋開発庁をつくるなり、あるいは宇宙開発庁というふうなものにまで、さらに大きくしていく、そういう科学技術行政の面での改革、これに対して大臣としてどのような考えをお持ちか、その二点についてお伺いしたいと思います。
#49
○国務大臣(西田信一君) 外国からの技術導入の四十四年度の実績は、ただいま矢追先生の申されましたとおり、輸入・輸出の割合が、輸出が非常に少ないのでございますが、若干改善の向きにありますけれども、問題にならないと思います。しからば一体日本の技術水準というのは非常に低いのか。確かに技術水準は諸外国に比べて高いとは誇れないと思いますが、しかしながら、技術水準はだんだん西欧諸国に追いついてきておるというふうに実は考えております。ことに、外国から入りますものにアメリカが非常に多いわけでありますけれども、アメリカに対しましては輸出は非常に少ない。これは特別な事情等もあると思いますが、しかし、御指摘のとおりでございまして、もっと日本の自主技術開発を進めまして、技術水準を高め、そうして少なくとも対等に技術の交流を行なうというようなことをやりませんと、だんだん技術の導入それ自体がむずかしくなってきております。お互いにやりとりするというような形にならないと問題にならないわけでございますから、そういう意味におきまして、私ども、自主開発力を高めるということにつきまして、ひとつ一そうの努力を払ってまいりたいと考えておるわけでございますが、こういうことに対しまして、現在、科学技術会議におきまして、あるべき七〇年代の科学技術の姿はどうあるべきかにつきまして検討を進めておるわけでございます。
 従来、この科学技術水準の向上ということにつきましては、とかく社会経済の要請にこたえるという面にやや重点が置かれておったような感がございますけれども、今日のような社会情勢下におきましては、もっと社会開発その他の面につきまして、公害防止その他の面につきましても目標を定めていかなければならぬというふうに考えております。また、大事なことは、いま先生申されましたように、目標をしっかり定めまして、その目標達成のための方策なり計画なりをはっきりしていくということにあると考えます。そういう意味におきまして、科学技術会議におきましても、このような考え方に基づきまして新しい科学技術政策というものの審議を進めておるわけでございます。遠からず、二、三月ごろには結論が出せると考えておりますが、そういう方向で将来の科学技術政策を定め、そうして技術導入におきますところのアンバランスもひとつ解消してまいりたいと考えております。
 それから、ただいま先生申されましたように、ナショナルプロジェクトでありますところの宇宙開発あるいは海洋開発、これらが非常に重要性を加えてまいっておることは、私どもも同様な認識に立っております。そこで、これに対する行政機構の問題でございますが、昨年も実は宇宙開発局の設置を要求いたしたのでございますけれども、諸般の状況からこれは実現を見なかったことは残念でございますが、一そうその必要性が加わってまいりましたので、ただいま、明年度予算として、機構の問題とあわせまして宇宙海洋局というものを設置したいということで要求いたしておる次第でございます。部局の新設というようなことは非常にむずかしい問題だと存じますけれども、ひとつ、私どもは単なるゼスチュアではなくて、どうしてもこういった機構をつくって、そうして行政機構の充実をはかっていかなければならないというようなつもりで、いま、これから行なわれる折衝に臨みたいと考えておりますので、諸先生にもひとつぜひとも御協力を賜わりますようにお願いを申し上げる次第でございます。
#50
○久保等君 私も、いまの長官の御答弁に多少関係があるのですが、特に今回の臨時国会が公害国会といわれる国会でありますことにかんがみまして、公害関係に関する科学技術庁の施策について若干お尋ねをしたいと思うのです。
 先般も、私、当委員会で明年度予算につきまして、公害関係で一体どういう施策を考えておられるかということでお尋ねをしたことがありますが、まだ、正式にといいますか、科学技術庁から大蔵省に予算要求をされる段階の時期であるので、必ずしも内容について十分にお伺いすることができなかったのですが、きょうは若干この前の質問ともダブるかもしれませんけれども、お尋ねしたいと思います。
 公害という問題の法案が十数件出ておりますが、予算の面で考えると、どうもあまり予算的な裏づけがない。まず、制度といいますか、法律をつくろうということで、今国会いろいろ議論をしておる段階ですが、やはり公害を防止するということになってきますと、どうしても技術開発、これに関連する技術開発という問題がきわめて重要な問題でありますし、公害防止に最も有効な方法は、やはり何らかの技術開発によってこれを防止していくということだと思いますが、そういう点では、いま大臣のほうからお話がありました機構の問題にいたしましても、明年度予算案の中で、先般伺った限りでは、何か、環境科学技術課といったようなものの設置をお考えになっておるようなお話を伺ったのですが、これは、科学技術庁でいま宇宙海洋局の新設ということを考えておられるようなお話がございましたが、それとあわせて、機構の面で、特に公害関係の問題に関する組織だと思うのですけれども、この計画はやはりお持ちなんでしょうね。
#51
○政府委員(矢島嗣郎君) いまのお話でございますが、現在、研究調整局は、宇宙とか海洋とかいう、そういう大きいプロジェクトの問題と、それから総合調整といいますか、そういう関係と、二つの違う性格の仕事をやっておるわけでございまして、先生の御指摘の環境科学関係は、しいて言えば総合調整の一環に入るわけでございます。そこで、先ほど大臣からもお話がございましたように、宇宙と海洋の関係は独立して宇宙海洋局をつくる、そして残った研究調整局の機能を充実する、その一環といたしまして、残った研究調整局に環境科学技術課というようなものを設けようと、こういうのが機構改革のおおよその構想でございます。
#52
○久保等君 いまの御答弁で、その関連性、組織の今後の増設なりあるいは改革についての関連性はわかりました。
 ところで、いま科学技術庁でお考えになっておる公害関連の予算の問題について若干具体的に一つ一つお尋ねしてまいりたいと思うのですが、環境科学技術推進会議というものをつくられて、今後これが技術開発の基本方針等をきめ、対処していきたいというような計画をお持ちのようですが、この環境科学技術推進会議といったようなものについての構想は具体的にどういうものを考えておられるのか、若干ひとつ御説明願いたいと思うのです。要するに、構成なんかをどういう構成にするお考えなのか、若干具体的にその構想をお聞かせ願いたいと思います。
#53
○政府委員(矢島嗣郎君) いま環境科学技術推進会議というのを考えておりまして、来年度予算にも所要の経費を要求しているわけでございますが、この環境科学というのは公害だけでは実はないのでございまして、自然災害も含むし、交通事故対策あるいは都市問題の解決、そういうような環境に関する全般をやるわけでございますが、やはり何と申しましても、公害関係はそのうちの重点になるわけでございます。そこで、こういう環境を中心とする科学技術の問題は、関係各省がそれぞれの分野でやっておるわけでございますが、見方によりましては、それの総合調整というものが十分行なわれていない。悪く言えば、ばらばらの点もなきにしもあらずということでございますので、こういうものを、関係各省をまとめまして、長期計画もつくって、その長期計画のもとにおいてこれを調整しつつ推進していくということが望ましいわけでございます。
 そこで、この環境科学技術推進会議というのは、関係各省の公害を中心とする担当の者と、それから各省にそれぞれの試験研究機関があるので、そういう試験研究機関の長と、それからさらに学識経験者も入れまして会議を行なう、こういうことになるわけで、その庶務を、科学技術庁の、さっき申しました研究調整局の環境科学課あたりでもってやっていこう、こういうことになるわけでございます。そういうことになりますというと、まあ公害関係の研究所というものは一本にまとめて、一元化したらいいじゃないかという話もございますけれども、これを物理的に一元化することはなかなかむずかしいし、必ずしもそれが得策とは考えられないわけでございますが、この環境科学技術推進会議の運用によりますというと、事実上一元的な運用ができるわけで、いわば姿なき公害研究所というようなこともいわれているわけですが、この姿なき公害研究所である環境科学技術推進会議によりまして、公害関係の技術開発の長期計画と、その総合的運用というものをやってまいりたい、こういうのがその構想でございます。
#54
○久保等君 これは、どういう法的根拠でつくるつもりでおられるのですか、たとえば、法律の規定による会議にしようとされるのか、単に科学技術庁の管轄といいますか、中にこういった各省の関係者の集まったものをつくる、そして、どこに対する諮問機関というか、科学技術庁長官のもとにこの推進会議をつくられることになるのか、そういった位置づけなり法的な根拠はどういうところに置こうとしておるのか、そのあたりの説明を願いたいと思う。
#55
○政府委員(矢島嗣郎君) 法的な根拠は、いまのところ何も考えておりません。それで、しいて申しますれば、科学技術庁設置法に基づきまして、科学技術庁長官は科学技術に関する総合調整をやる、その総合調整に基づいて、場合によっては各省に勧告もできるというような権限もございますので、しいて言えば、そういうのが根拠になるわけでございますが、端的に、この会議のために法律もしくは政令の根拠は置かないつもりでございます。
#56
○久保等君 ここで基本方針をきめること、各省で、もちろんその基本方針をできるだけ尊重して実施に移すようにというような会議の性格だろうとは思うのですけれども、もう少し、科学技術庁の長官との関係がどうなっていくのか、たとえば諮問機関みたいなものになるのか、単に関係者が集まって、悪く言えば小田原評定をやるような単なる推進会議というようなことでは、あまりたいして私は効果を期待することはできないと思うのですね。各省から関係者が大ぜい集まった会議であればあるほど、これのリーダーシップをどこがとって、ここで出された結論というものがどういう形に生かされていくのか、その責任の所在といったようなものも明確にしなければ、何か、大世帯で、関係者が各界から出ておる、各省庁から出ておるというかっこうは、なるほどいいかもしらぬけれども、今度は推進していくことになると、お互いに持ち帰って、それぞれひとつできるだけこの結論を尊重するような方向でやっていったらいいだろうという程度では、やはりたいして効果があがらないんじゃないかと思うのです。だから、そこらの考え方を、どういう考え方でこういうものをつくられようとするのか、私は一応の概括的な概念なり考え方というのは賛成なんですよ。賛成であればあるほど、効果をあげるようにしなけりゃならぬと思うのですね。だから、そこらのところをお尋ねしたいと思うのです。
#57
○政府委員(矢島嗣郎君) これは決して、単に集まって小田原評定をするだけのものではないんでございまして、実は、科学技術庁におきましては、毎年、科学技術に関する予算の見積もり方針調整ということをやっておるわけです。これは、関係各省の科学技術に関する予算を全部まとめまして、これを検討いたしまして、優先順位をつけて、そしてこれを整理いたしまして大蔵省のほうに出しておるわけでございます。そういう意味で、従来からそういう調整をやっておるわけでございます。さらに、大きな問題につきましては、関係各省に勧告もできるわけでございます。まあ、そういうように、勧告というようなことを法律に基づいてやることもありますけれども、事実上それに近い指導と助言というようなこともやっておるわけでございます。そこで、そういう予算の総合調整、見積もり方針調整あるいはそういう各省に対する助言、指導、こういうものをやるための場でございますね、場としてこれを活用していくわけでございますので、そういう意味において、十分行政的な裏づけのある会議だということができると思います。
#58
○久保等君 そうすると、何ですか、従来科学技術庁としての仕事の分野にある問題について、もう少しやりやすくする。それと、ここの名前にも書いてあるように、もちろん環境科学という面に限ってくるわけですが、限界はおのずから従来より以上にしぼられて、環境という問題にしぼってくるわけなんだけれども、実際の運用は、従来やっておられることを、もう少し、何というか、効率的に、能率的にやれるようなものとしてこの会議をつくられるということのように官房長の説明では聞こえるのですが、そういうふうに理解していいんですか。
#59
○国務大臣(西田信一君) いま官房長から大体申したような考え方でございますが、これは、もちろん、いま申しましたように、広い社会開発の関連の技術でありますとか、公害でありますとか、あるいはまあ交通災害防止の技術でありますとか、広く社会開発全体に関するものを扱うという趣旨でございます。
 そこで、しかし、その中で少ししぼって、まだそれを煮詰めたということではございませんけれども、一つの考え方といたしまして、たとえば、いま環境問題の中の公害の問題を一つかりにピックアップしてみますと、これに対するいろいろな法律がつくられる、規制をするということになっておりますが、ただ立法だけで、先生のおっしゃったように、公害が完全に除去されるというものではない。問題の本質は、やっぱり科学技術というものによって、これを防止し、防遏し、そして未然に防いでいくということにならなきゃならぬと思います。そういう意味からいたしまして、公害防止の技術等につきましても、いろいろ検討がなされておるようでございますが、たとえば国立の公害研究所をつくろうと、こういうような考え方もまだ検討中のようでございます。しかし、いま官房長が申しましたように、現在数多くある国立の研究所を、これを物理的に統合一本化するというようなことは、これは至難なことであると思います。また、先般全国の国立の研究所の所長を集めまして、ほとんど公害だけにしぼっていろいろ意見を述べさしてみましたが、各研究所におきまして、公害問題なんかにつきましても相当突っ込んだ研究をいたしておるようでございます。また、そういう方たちの意見にもあらわれておりますが、これを統合、一元化するということは実際問題としてなかなか困難である。それぞれの現在の研究機関を活用していくことが必要じゃないかということが大多数でございました。私もそのように考えるのであります。
 そこで、そういうことを有効に実施してまいりますために、現在見積もり調整等を通してやっておりますけれども、もう少しこれを強化していくことはどうだろうかというふうに考えるわけでございます。これも非常にむずかしい問題であるかもしれませんが、もし可能であるなら――可能であるならという前提で申しますが、公害なら公害に関する予算を科学技術庁が一元的に予算割りをして、そこで調整して、協議して、それを有効に配分してやるということも、可能であるならやってみたいという気持ちがございますが、そこまでいきますと、まだ未調整の問題がございますが、私の気持ちは、そういうことも念頭に置きながら、こういうような仕組みを考えてみたらどうだろうか、こう思うわけであります。
#60
○久保等君 環境科学ということでありますから、もちろん、公害もありましょうし、範囲が広くなるだろうと思いますが、しかし、いまお話にあったように、公害関係が中心になる環境科学技術だと私は思うのですが、この推進会議とタイアップして、先ほどちょっと伺ったように、研究調整局の中にいま言う課をつくろうということなんですが、これは要員の面では増員のようなことも含まれると思うわけですが、どうなんでしょうか、環境科学技術課というのは。
#61
○国務大臣(西田信一君) もちろん、それを含めまして、実は相当数の増員要求もいたしておるわけでありますが、御承知のとおり、むしろ国家公務員は定員削減という方向を向いておるわけであります。しかしながら、国の全体の定員の抑制の中におきましても、科学技術等に対しましては、これはむしろ所要の定員は充足していく、増員をしていくという方向をとるべきであるというように考えますし、実は行政管理庁に対しましても私自身からもそういうような趣旨を申し述べまして、来年の機構の問題とからめて、定員の増加につきましても実は要請を行なっておるようなわけでございます。
#62
○委員長(鈴木一弘君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#63
○委員長(鈴木一弘君) 起こしてください。
 参考人の方に申し上げます。
 本日は、参考人の方々には、御多忙中のところを御出席いただき、まことにありがとうございました。なお質疑は続行いたしますけれども、参考人の方々はお引き取りいただいてよろしいと思います。たいへんありがとうございました。
 それでは質疑を続けます。
#64
○久保等君 私は、いま長官の言われたように、もちろん、役所の機構を単にふくらませたり、あるいは人員をふやすようなことは慎まなければならないと思いますが、やはり必要な人員なり組織というのは、むしろ時代に即したような形でつくるということは当然やるべきだと思います。むしろ、今日ほど、明けても暮れても公害に悩まされたり、あるいは非常に重要な問題化しているときに、あるいはまた公害省でも設けたらどうか、こういう意見すら出ているし、また、われわれその考え方に賛成なんですが、そういう点からいたしますと、はたしてこの環境科学技術課というものの名前が実態に即しているかどうかは別問題として、少なくとも環境問題を扱うということでありますから、公害問題を重点的に取り上げる所管課だと思うのですが、そういうことであるならば、あまりこそくな要求という形ではなくて、オーソドックスに、私は堂々と掲げて、むしろ世論の強力な支援を受けるというような形で、あまりこそくな組織いじりと思われるような形で扱っていかないで、堂々と私はむしろ要求をしていくべきじゃないかと実は思うのです。要員もまた行管が、すぐこういう問題になってくると、千編一律に何割削減だとかなんとかいうやり方、これはまことに私は現実無視のやり方だと思うのですね。それで、こそくな方法で、結局、局はなくして、人員と名前だけは何らかの形を変えて一つ置いておく、一局削減だといえば、一局の数だけは少なくするが、中身はちっとも変わっていない、したがって、むしろ仕事は従来よりもやりにくくなるというような機構いじりだけは私はやめるべきだと思うのですが、そういう点で、科学技術庁の場合は、何といっても新しい時代に即応していくような意味で新しい役所ですから、従来どおりでいいんだということになると、進歩もなければ、発展もないような結果になってしまうと思うのです。そういう点で、いまの問題を一つの問題として、ぜひひとつ、今日の公害克服の一つの方法として、組織の面からも、きわめて私は順応性を持った立場で考えていくべきだと実は考えます。そういうことで、むしろ長官を鞭撻をしておきたいと実は思うのです。
 それから、それじゃ次に話を進めてお尋ねしたいと思うのですが、これもまあ環境といえば環境なんですが、大気汚染の問題を中心にしてやられる施設だと実は思うのですが、大型の大気環境実験施設を設置し、調査を始めようという、ほんの手始めとしての一つの予算項目が出ております。国立防災科学技術センターの中にそういったようなものをつくる計画をお持ちのようですが、これはどういう計画でこの施設の設置を進められる予定でしょうか。明年度だけで、もちろん、考えておられる施設が完成をするわけではないんでしょうが、何カ年計画でどの程度の総額を要する構想でこれをつくられようとしているのか、説明を願いたいと思うのです。
#65
○政府委員(石川晃夫君) いま先生御指摘の施設といたしましては、大型大気環境実験用施設というものでございます。これは実は、科学技術庁の中に国立防災科学技術センターというのがございまして、そのセンターにおきましては、いろいろな天然災害等におきます大規模な共用施設等を持っております。現在持っておりますのは、耐震実験装置、いわゆる地震に対する大型の実験装置それから、現在建設中でございますのが大型降雨の実験装置、こういうような大型のものをつくりまして、これを共用的に各研究機関で使っていただこうということで共用施設としてつくっておりますが、それと同じように、この大型の大気環境実験施設というものを現在計画しているわけでございます。明年度予算要求しておりますのは、この施設の調査費でございまして、この調査が終わりまして、あと三カ年くらいでこの施設をつくり上げたいということでございます。
 これは、ねらいといたしましては、公害にも非常に関係があるわけでございますが、大気がどういうふうな環境になっているかということを、いろいろな模型をつくって調べる装置でございます。つくり方によりましては、いわゆる関東平野というものの縮尺のものをつくりまして、そこにおいてどのような大気の循環が行なわれるか、あるいは都市におきましては、都市の模型図をつくりまして、その中においていろいろな排気ガスとか、そういうようなものがどのような循環過程になるか、こういうようなものを模型としてつくりまして、そうしてここで実験を行ないたいというものでございます。これは将来の公害防止にも相当役立つものと思っております。
#66
○久保等君 金額。予算総額。
#67
○政府委員(石川晃夫君) 経費といたしましては、これに必要な経費は大体十億くらいかかると試算されております。
#68
○久保等君 これは、関係省庁というと、どういうところになりますか。
#69
○政府委員(石川晃夫君) これはもう、大気汚染関係に関係する省庁はほとんどこのような施設を使うわけでございますが、気象庁、建設省、それから厚生省、通産省、運輸省、そのようなところでございます。
#70
○久保等君 これもまた要員の面ではどういうことになりますか。現在の防災科学技術センターの中でやりくりということですか。
#71
○政府委員(石川晃夫君) 従来、このような大型施設につきましては、施設ができ上がりましたときに増員要求をいたしまして、おおむねその増員につきましては現在まではつけられているわけでございます。
#72
○久保等君 念のために、ちょっと、さっき御説明があった耐震、降雨の関係なんかでは、どの程度の要員でおやりになっているのですか。おわかりになりますか。
#73
○政府委員(石川晃夫君) ただいま手元に資料がございませんので、後ほど調査いたしまして御報告申し上げます。
#74
○久保等君 ついでに、国立防災科学技術センター全体についても、また後ほど、じゃ、あわせて別途ひとつお知らせ願いたいと思います。
 もちろん、いま予算に掲げられております点では、設置についての調査をやられるということで、わずかに一千万円程度で、ほんの調査ですが、おそらく昭和四十七年度くらいから実際の設置に入っていかれるんだと思うのです。ぜひひとつ、大気汚染等の問題がやかましく言われておる時代ですし、こういったことについての研究を活発に今後進めてもらいたいと思うのですが、やはり、先ほどの御説明のように、三カ年もかかるのでしょうか、もう少し期間的に縮めてやるというようなわけにはいかないのですか。
#75
○政府委員(石川晃夫君) このような施設につきましては、やはり技術的な問題もございますので、それを解明しながら建設ということになりますので、われわれとしましては、やはり三年くらいが必要かと存じております。
#76
○久保等君 技術的に無理で、できないということになれば話は別ですが、とにかく喫緊の問題だと思いますし、ぜひひとつ強力に、能率的に進めるように御努力を願いたいと思います。
 それから、さらに次にまいりまして、これについての特別研究促進調整費が載っておりますが、これはもちろん、各省庁にわたる問題について、科学技術庁として、明年、まあ従来に比べれば相当大幅にふやしておりますが、この点については、前年度に比べて、約倍にもなりませんけれども、ほとんど倍近いものになっておりますが、明年度についてこういう大幅増額をしたことについてのお考え方を、多少なりとも具体的に御説明願えれば願いたいと思います。
#77
○政府委員(石川晃夫君) この具体的な内容につきましては、本年度に比べまして約七千万ほどふえるわけでございますが、これにつきましては、これから検討を進めるということでございますが、そのねらいといたしましては、やはり社会開発関連の技術というものに重点を置いているわけでございます。したがいまして、産業公害あるいは交通災害、あるいは自然災害、こういうものを対象に今後特調費を活用していきたいというふうに考えております。
#78
○久保等君 それから次に、いただいた資料によりますと、「長期的、生態学的調査研究の推進」ということで、現在あります資源調査所を使っていろいろ研究を進められるというようなことが計画されておるようですが、これはきわめてわずかな経費なんですけれども、非常に高邁な、と言うか、高度の研究もやられるようになっているのですけれども、これの中身はどういうことでしょうか。
#79
○説明員(楢林愛朗君) 大気の環境あるいは公害の問題に関連いたしまして、基礎的な調査も続ける必要があるという観点から、環境汚染の資源の循環過程サイクル、これらについては広域的考え方を入れて来年度から調査を進めるということで予算を要求しているわけでございます。わずかでございますが。
#80
○久保等君 まあ、公害に関連する問題として取り上げておられるその資源の循環過程というんですが、どういうふうなことを、たとえばおやりになるのか、また、そのやられることを科学技術庁として推し進めてまいろうとされるのか、もう少し具体的に、しろうとにわかるように御説明願えませんか。従来やっておられるようですが。
#81
○説明員(楢林愛朗君) 循環過程と申しましても、まず、循環に関するシステム分析が必要だと思いますので、経済社会と環境に及ぼすようなシステム過程、これを一つの課題に考えております。それから、先ほども申し上げました生態学的な影響は、これは実態的な調査も必要かと思いますので、これも、水質に関するもの、あるいは生態学的なものといたしましては魚水に関するもののケーススタディを基礎的に実施する、こういうように考えております。
#82
○久保等君 資源調査所というのは、科学技術庁の中にある研究所といいますか、調査研究所ですか。どういうことを従来資源調査所ではおやりになっているんですか。
#83
○説明員(楢林愛朗君) 資源調査所は科学技術庁の附属機関でございます。かつては資源局というものでしたが、現在は資源調査所になっております。いわゆる資源は、広い意味の、広義の調査をいたしまして、特にわが国の資源の利用についての重要事項という意味から、自然の資源、あるいは最近では、空気、あるいは水、こういう問題も大きな人間環境の資源であるという考え方から、資源調査会ともタイアップしまして、わが国の資源利用に関する一般的な方針に関する調査ということで現在調査活動をやっております。
#84
○久保等君 まあ、私不明にしてよく知りませんが、この調査所というのは、どの程度の組織になっていますか。要員その他。
#85
○説明員(楢林愛朗君) 本年度の定員は四十四名でございます。
#86
○久保等君 資源調査所で公害関係の問題についてもその循環過程の調査等もやろうというのですが、取り組む相手、対象は、きわめて無限に大きなもののようですが、さらに、いまそれぞれの専門家が分担をしてやられておると思うのですが、どうもこの予算の項目の名前からして、きわめて抽象的で、わかりにくい。いまの調査所にさらに付加して調査研究をやる、あるいはまた、一般関係各省庁でやる問題についても、総合調整みたいなことも含めておやりになるんだろうと思うのですけれども、何か、この公害関係といえば関係の仕事をやられるんでしょうけれども、金額の面で見てもまことに微々たるもので、一千二百万円に増額しても、前年度は三百万円程度……、まあ明年度一千二百万円ということで、どうも金の面からだけ判断するのはいかがかと思いますけれども、具体的にどういうことをおやりになるのか、はなはだどうも心細いような感じがいたすんですが、どうでしょうか。計画局長だけではなくて、大臣、ひとつ、われわれにはちょっとわかりにくいような「長期的、生態学的調査研究の推進」というような項目で予算があがっているようですが、中身はどういうことを研究せられ、調査せられるのか、もう少しそれこそ的をしぼって必要なものはやられる必要があろうし、何百万円かの金を増額して、名前だけは、こう、きわめてわれわれのわかりにくいような、「長期的、生態学的」なんていうようなむずかしい名前をつけておられるのですが、どんなふうにお考えになりますか。
#87
○政府委員(矢島嗣郎君) 実は、当庁にあります資源調査所というのは、その外に、また諮問機関として資源調査会というのがございまして、この資源調査会は科学技術庁ができる前からありまして、すでに十六、七年の歴史を有しておりまして、そこには何百人かの専門家が専門調査員になっておりまして、非常に充実したスタッフを持っているわけでございますが、この資源調査所並びに資源調査会の研究の特色というのは、各省に共通する問題でございますね、あるいは各省でいま気がつかないというような問題ですね、そういう問題を非常に早い時期に調査して、これをシステム的に分析して、問題点を指摘して、これを各省に取り上げなさいというふうに、つけを出しておるわけでございまして、たとえば、いま公害の話をいたしますと、いま脱硫がたいへんだというようなことで、通産省なんかもいろいろ一生懸命やっておりますが、ある程度軌道に乗っておるわけですが、こういう脱硫の問題も、すでに七、八年前に資源調査会で調査いたしまして、脱硫の必要性、脱硫の方法というものをすでに出しまして、これを通産省なら通産省に、つけを出しているわけでございます。そういうふうに、非常に早い時期に、各省の気がつかない前に、長期的に問題を専門的にやる、そういう点に非常に特色があるわけであります。この結果、何十という、そういう勧告を各省に出して、各省もすぐ取り上げるというわけにはいかないのでしょうけれども、結局、調べてみますと、二、三年後には取り上げておる。さっきの脱硫のようなふうに。そういうことをやっておるわけであります。
 いま公害に関連してのお話が出ておるのですが、来年は、非常にむずかしい名前で、あるいは十分御説明できなかったと思いますが、たとえば、最近では、産業廃棄物問題というのが、この二、三年来問題になっております。今度の臨時国会でも廃棄物に関する法律が出ているわけですが、この資源調査会が二年ぐらい前にりっぱなレポートを出して、関係各省にもやりなさい、こういうことを言っておるわけであります。それは、ここに今度の法律ができた契機になるだろうと思います。そういうような特異なことをやっているわけであります。毎年そういうような関係を、公害も含めてやっているわけであります。たまたま来年のテーマは、ちょっとむずかしい名前になっておるわけでございますが、そういうことをやっておる重要な機関だと私どもは思っておる次第であります。
#88
○久保等君 いまのようなことについて、実際問題として、いち早く何年か前にそれぞれのテーマについて検討をやられて、その結果について発表をせられたり、あるいはまた関係の方面にそういった報告を発表される。非常にけっこうなことだと思うのですが、対外的には、そういう研究成果を十分にアピール――といって、特別アピールする必要もないのだろうけれども、十分な、いい意味での宣伝というか、周知といいますか、そういったようなこともやっておられるのでしょうね。その専門家のところでは、もちろん、そういったレポートを手に入れようと思ったら入れられるだろうと思うのですが、一般国民が――一般国民といっても、全然しろうとではなんですけれども、できるだけ広範に民間等にも、そういった技術の成果ということについては発表する、そういった報告書等が簡単に手に入るような方法は何かやっておられるのですか。
#89
○政府委員(矢島嗣郎君) この調査所の報告あるいは資源調査会の勧告等は、そのつど詳細に新聞に発表しておるわけであります。案外これは新聞関係にも評価していただきまして、日本経済新聞とか、あるいは日刊工業新聞とかいうのは、これをほとんど全文掲げるようにしていただいております。それから、それ以外に、この報告書は私どものほうでたくさん印刷しておりまして、その必要な向きに配ることにしておりまして、その関係の方面で、よくこれをもらいに来るというようなことを、私、個人的にも何回も経験している次第でございます。
#90
○国務大臣(西田信一君) いま官房長からお答えいたしましたが、この資源調査会は、わりあい活発な活動をしておりまして、各省庁からも、非常に高く評価されているわけです。それからまた、民間でも、かなりこれを活用していただいております。たとえば、大阪でガス爆発がございましたが、ああいう問題につきましても、ちゃんと事前に、そういうようなことに対しまして、ガス管の配置なんかにつきましても、しっかりした報告を出しておりまして、それを実施されているところもあれば、実施されていないところもある、というようなことでございました。で、貴重なその研究なり調査の結果が出ておるのでありますから、これが各省でも十分活用されなければ困るということで、昨年、実は各省に訴えまして、重要な問題の調査の結果をずっと拾い上げまして、それに対してどういうふうに各省が実施をしたかということで、各省から詳細な報告を求めました。そういたしました結果も、なんでございましたら、それをごらんをいただきたいと思いますが、相当に各省庁もそれを活用しまして、そうしてその調査の結果というものは相当これが生かされておるということがわかっておりますし、われわれは、調査会の活動というものは相当に役立っており、将来も大いにしっかりした調査をやり、報告を行なう、あるいは場合によっては勧告を行なうというようなこともいたしてまいりたい、その手足となって――この調査会が上におりますが、調査所か活動しておるわけでございます。現状はそうなっておるということを一言申し上げました。
#91
○久保等君 時間がないものですから、結論だけをちょっとお尋ねしたいと思うのですが、そのほかいろいろ、特に最近問題になっております農薬関係に関する公害を起こさないという意味で新しい政策を開発しようというようなことも考えておられるようですし、まことにこれは必要な重要な問題だと思いますが、結論として、日本の従来の実績から見ますると、研究開発の面はまだ十分ではないという感じを深くするのです。先ほどもちょっとお話が出ておりましたけれども、研究投資という問題ですが、昭和四十一年には二・五%という目標をつくられたようにも聞いておるのですけれども、今日では、逆にこのパーセンテージが低下しておるという状態にもあるようです。一体、高度経済成長あるいは国民所得も、金額の面からいえば相当大きな伸びを示しておるのですけれども、そういった反面、研究投資の面から見るとどうかというと、いまちょっと申し上げたように、昭和四十一年度の二・五%が、今日では何か一・九%程度だということが言われておるのですが、こういう研究投資の問題についても、今日の日本の経済規模なり、それから国民所得の面なり、そういう見合いにおいて、計画的に少し強力に研究投資の面について力を入れていく必要があるのではないかという感じがするんです。いろいろ申し上げたいこともありますし、いろいろお尋ねしたいこともありますけれども、時間の関係で、私、このことだけについて結論的に長官のほうからお尋ねしたいと思うのですが、できれば、今後こういったことについて、もう少し長期的な計画をお立てになって、国民所得に対して何%程度はとにかく研究投資にぜひ振り向けようじゃないかというふうに計画を立てて、強力にやられないと、予算の面で前年度よりは何%ふえたといって若干ずつふえていく程度では、総合的な技術開発という面から見ると、非常に計画性がない。したがって、世界、特に欧州あたりと比べてみても、日本の研究開発、あるいはいま言った研究投資の面から見ても、相当な立ちおくれを示しておるということが言えるのではないかと私は思うのでありますが、科学技術庁の長官として非常に大きな問題だと私は思うんですが、その点についての御所見を最後に伺って、私の質問を終わりたいと思います。
#92
○国務大臣(西田信一君) 久保先生の仰せられますように、わが国の研究開発費が十分でないということは私ども同感でございます。したがいまして、いまお話もございました二・五%というのは、四十一年度にわが国が目標として掲げた数字だと思います。それに近づくように毎年々々努力をしておるが、まだそこまで到達しておらないことは事実でございます。しかし、国民所得に対します比率をずっと見ますと、四十年度は一・六%ぐらいでございますが、だんだん上がりまして、これが四十三年度までしか統計はありませんが、一・八二%になっております。だんだん目標に近づいておることは確かでございますが、しかし、目標に到達しておらないことも事実でございます。したがいまして、私どもは、研究開発、民間・政府を通しまして、もう少し充実をはかっていくということにつきましては、しっかりやらなきゃならぬと思いますし、近く、いま検討しております科学技術政策の中におきましても、そういうことにつきまして十分ひとつ、はっきりした考え方を打ち出してまいりたい、かように考えております。当面の問題といたしましては、明年度の予算等におきましても、ひとつ、極力努力をいたしまして、限られた、制約された予算の中におきましても、科学技術に対しますところの予算の確保につきましては全力をあげたい、かように考えております。
#93
○久保等君 もう答弁は要りませんけれども、私、科学技術庁の長官として、いま言ったような、やはりどこかで旗を振ったり、それから推進していくところがなければいかぬと思うのです。これは、もちろん、科学技術庁だけでやる問題ではないし、各省庁でやる問題ですし、また、政府より以上に、投資額からいけば、むしろ民間のほうが大きいというようなことにもなっているぐらいですから、民間の方面でもさらに従来より以上に――まあこれも、欧州あたりに比べると、実際の売り上げ高に比べると、むしろ数分の一だといわれるくらい、日本の、政府よりは多いといわれる民間でも、外国に比べれば、これまた投資率が低い、投資額が低いということになっているんですから、その点について、やっぱり科学技術庁で、一つの――先ほどちょっと目標だと言われたのですが、その目標からいまだにかなり開きがあるわけですが、目標を定めると同時に、単に目標ではなしに、実施するんだ、とにかく国民所得の、かりに二・五%なら二・五%、三%なら三%というように、やっぱり引き上げていく目標をつくる、しかも、それが単なる目標でなくて、実施をしていくのだというような強力な長期プランを立てられて、それでやはり私は、むしろ指導的に引っぱっていくというようなこともお考えをいただく必要があるんじゃないかと思うのですが、ぜひひとつ、そういうことについて、今後の問題として強く要望しておきたいと思います。答弁は要りません。時間がありませんから。
#94
○矢追秀彦君 時間がありませんので、簡単に質問をいたします。
 まず、ウラン鉱の問題ですが、現在、岐阜、山口で最近非常に純度の高いウラン鉱が発見されたということを聞きましたけれども、それについてどのように把握をされておりますか。さらに、ウラン鉱の埋蔵量に対する調査はどれぐらいの規模で進んでおるのか。その点についてひとつ。
#95
○政府委員(梅澤邦臣君) ウラン鉱につきましては、いままで十五年かかってやりました。その中の重点は人形峠でございました。しかし、人形峠は、現在埋蔵量としては、U3O8にしまして六千数百万トンというのが出ておりますが、実際的に品位は弱うございます。したがいまして、いま先生のおっしゃいましたような岐阜、山口等を調べております。岐阜は、大体私の聞いているところでは、人形峠と同じようなタイプでございますが、山口のほうへまいりますと、ペイン型といいますか、鉱床の形が違います。したがいまして、現在のところ、ある程度いいカウントのところはございますが、まだまだそれの中の埋蔵についての調査というものは進めていかなければいけない。これはまだしばらく研究要素が相当残ると思います。現在のところでは、まあ傾向といたしまして、日本の中では、すぐ企業に持ち込めるようなウラン鉱はちょっと求めきれないのではないか。したがって、数年前から、私たちのほうは、海外の探鉱ということで、動力炉・核燃料開発事業団が本年は一億円を使いまして海外市場の調査を進めております。なるべくいま重点的に海外にウラン鉱の山を獲得していくという体制を整えているところでございます。
#96
○矢追秀彦君 いまの答弁だと、いまのものが、たとえ期待どおりであったとしても、日本の原子力産業にはあまりプラスにならぬ、こう解釈していいわけですか。
#97
○政府委員(梅澤邦臣君) 日本の企業ですぐ使えるようなものが望めるというふうにはちょっとまだ――期待はいたしておりますが、いままでの経験からいきますと、そう簡単に言えないのではないかというのが現状でございます。
#98
○矢追秀彦君 次に、濃縮ウランの技術開発の問題でありますけれども、七日の日に、日本原子力産業会議から、四十四年度原子力産業実態調査報告書というのが出ておりますが、この中に、ウラン濃縮の技術獲得、大規模実験。パイロットプラント建設などの実用化に至るまでの技術開発をナショナルプロジェクトとして、そして官民一体で進めるべきだという意見書が政府に出た、こういうことになっておりますが、これについてどのように評価をされておるのか。特に、昭和五十年ごろには遠心分離法かガス拡散法のいずれかにしぼって。パイロットプラントを建設する必要がある――これに対して科学技術庁ではどういうふうにお考えになっているか、その点をお伺いいたします。
#99
○政府委員(梅澤邦臣君) 私たち原子力委員会におきましては、先般御説明いたしましたように、ウラン濃縮につきましては、四十七年度の終わりごろに、ガス拡散法と遠心分離法の二つを進めまして技術的に解明をいたしまして、そこで、できるならどちらか一つにして、それを五十年度くらいまでにその研究開発を進めるというのが現在の考え方でございます。今般の産業会議の考え方は、全体的に日本が濃縮ウランをいつごろ、どのくらいの量を、ばく大に使うかという逆の計算から今度の案ができているようでございます。それでまいりますと、ここに書いてありますように、五十年ころには三百億円くらいをかけてパイロットプラントをつくれる体制に持っていけというのでございます。それと、原子力委員会のいまの考え方とあわせますと、技術的解明がそのとおりにできますれば、確かに、どちらか一つが昭和五十年ころには解決つくという考え方は一緒でございます。ただ、いまのところ、そこまでわが国の自主技術ではほんとうに進めていけるかということで、最重点項目として私たちやっておりますが、これは技術の積み上げでございますので、その点についてはこれからの検討でございます。この原産から出ました要望書につきましては、私たちはちょうどこの間、大臣から言われまして、濃縮ウラン対策懇談会というのを原子力委員会に設けております。そこでこの話も聞きまして、今後における濃縮ウランに対する日本の考え方というものをそこで検討していただくということになっております。
#100
○矢追秀彦君 いま四十七年にどちらかをきめると言われますが、それはそれとして、国産化の問題については、この懇談会としては大体どれくらいまでに、ある程度の方向をきめるか。特に国産化の問題は平和利用等の関係で非常にむずかしい問題もありますし、どういう方向で行くかということは海外に及ぼす影響等も非常に大きいと思いますので、相当練りに練った結果出されないとまずいと思うわけですが、対策懇談会をつくられた以上は、やはりそれだけの計画なりはお持ちだと思いますが、大体どういうステップで行かれるか、段階でもきめてあれば、教えていただきたい。
#101
○政府委員(梅澤邦臣君) 実は、私たちのほうでつくりました懇談会、これ、なぜ懇談会にいたしましたかということは、実際的にこういうことで行くという案をつくっておりませんので、懇談会でフリートーキングで皆さん方の考え方を出す。したがいまして、懇談会のメンバーは、世論関係の方々、学識経験者、そういうところで非常に広くとっております。と申しますのは、先般からアメリカが技術をよその国に出す――これはガス拡散法でございます。そんなうわさが出ております。それから、われわれのほうは、先ほど申し上げましたガス拡散はもちろん、遠心分離法の研究を進めております。それで、ガス拡散のほうは非常に電力をよけい食うわけでございます。理想的に言えば、遠心分離法のほうが、自分で電力を起こして、その燃料をつくるために自分の電力を食うという量は、非常に少のうございます。したがいまして、技術的に言えば、遠心分離がいいのじゃないかという考え方がヨーロッパあるいは日本でもとられております。したがって、これから先、できるだけその技術開発を進めながら、海外の状況を判断して、日本ではどう持っていったらいいだろうかということを懇談会で十分検討してもらおうという立場でございまして、いまのところ、私たちが、こういう方法でやったらどうかということで案を出しているわけではございません。
#102
○矢追秀彦君 ということは、将来、濃縮ウラン対策懇談会を、発展的に、何らかの会議とか委員会とか、そういうところへ持っていかれるという計画はあるわけですか。
#103
○政府委員(梅澤邦臣君) 原子力委員会がほんとうに将来の方針を決定する場合には、もう一つその間に、原子力委員会に専門委員会というものを設ける立場が出てくると思います。実際的に私たちがいま懇談会を設けましたのは、原産のこの表にもございますように、昭和四十五年ごろになりますと、いまのテンポで発電所ができてまいりますと、この濃縮ウランの利用度といいますと、ちょうどアメリカの、いま三工場でございますが、その一工場分くらいを使う予定になります。したがいまして、そのくらい使うなら企業化できるのではないかという考え方もございます。そういう点も十分相談していただきたいと、こう思っております。
#104
○矢追秀彦君 それから、国連総会の第一委員会で、十一月三十日に、濃縮ウラン製造の新しい技術の開発に伴い、核兵器に転用されるのを防ぐ決議案というのを採決された。その中にある「濃縮ウラン製造の新しい技術については、それが軍事目的に利用されないための保障措置を考慮するよう国際原子力機関に要請する一方、同機関は次期総会でこれに関する報告を行うよう求めている。」、こういう新聞報道ですが、その「軍事目的に利用されないための保障措置を考慮する」という、こういうふうなことに対して、政府として、特にわが国は濃縮ウランの平和利用ということについては諸外国よりもリーダーシップを持って呼びかけなければならぬと、こういうふうに私は思いますので、その点について政府は今後国連に対してどう働きかけていかれるのか。長官、もしお答えがありましたらお願いしたいと思います。
#105
○政府委員(梅澤邦臣君) いま先生のおっしゃいました点のことがございました。ただ、いまのIAEAがそれを引き受けます場合に、IAEAは大体原子力全体のでき上がったものをどうするかということで、技術の面についてはIAEAで引き受ける面は問題でございます。したがって、いまの問題もIAEAが受けることを要請したわけでございますが、IAEAが受けました場合には、たとえばアメリカのガス拡散法の技術の内容の検討がIAEAでできるのかどうかというところが相当問題でございます。だから、その点にまだ相当時日がかかるのではないかと思います。しかし、そういうことは別といたしまして、先般から、たとえばアメリカの原子力産業会議というものがこの十一月十六日に開かれました。そのときに、ジョンソンというアメリカの原子力委員の一人が、自分の、私としては、という話をしております。そこで、多数国に対して、多数国と一緒にガス拡散法の工場をよその国につくるという場合については、その所有並びに管理は合同でやるけれども、安全保障上の措置というものはアメリカで十分とらなければいけない、というようなことを話しております。そういうところからいきますと、たとえ外に出すにしても、相当条件その他というものはたいへんな問題になるのではないか。そういうところの情報を十分われわれとりながら、海外との関係というものは検討していかなければならない。こう思っております。
#106
○矢追秀彦君 最後に、また遠心分離法とガス拡散法に戻りますけれども、高速増殖炉と開発との関連性なんですけれども、結局、濃縮ウランの国産化にも相当金がかかる、といって、一生懸命金をかけても……、もし高速増殖炉のほうがお金をかけて早く開発されればそれにこしたことはないわけですが、その辺のかね合いといいますか、めどというものが非常に大事になると思うのですが、高速増殖炉のほうは、はたしていつまでに、といっても無理だと思いますが、その辺の関係をどう考えられているのか、それをお伺いして終わりたいと思います。
#107
○政府委員(梅澤邦臣君) 非常にこれはかねあいがございまして、燃料対策として、やはり、濃縮ウランをなるべく使わないで、プルトニウムを、途中で出てきたものを使うという考え方から高速増殖炉は出たわけでございます。いま私たちが研究しておりますのは、昭和六十年代の初めに、高速増殖炉は実用化のところに持っていくという考え方を持っております。それから、その中間に、新型転換炉が昭和五十五年ころには入ってくる。そうしますと、新型転換炉のほうは天然ウランを使いますから、濃縮ウランを使わなくなります。しかし、それの入り方がどの辺までのパーセントで入るかということは非常にむずかしい計算になりますけれども、要するに、昭和五十五年ころにはどうしても濃縮ウランを使ってしまうという考え方、また、昭和六十年までは漸次濃縮ウランは減ってくる、その途中でできましたプルトニウムはその後の燃料になるというサイクルの考え方から考えまして、先ほど申し上げました昭和五十五年を一応マキシマムに使うとして計算しても、現在のアメリカの一工場分というのが濃縮ウランに出てくるわけでございます。そのほかに、今度原子力船の問題、あるいは多目的のガス炉、高温ガス炉という、こういう問題が出ますと、当然、初めは濃縮ウランを使うのだろうと思います、したがいまして、そういう需要の関係から、濃縮ウランそのものは、高速増殖炉の開発と同時に、やはり自主技術として進めていかなければならないだろうと思います。そのかね合いが、予算的なかね合いがむずかしゅうございますが、そこらのところはそういうふうな考え方になるのではなかろうかと私は思っております。
#108
○委員長(鈴木一弘君) 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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