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1970/12/09 第64回国会 参議院 参議院会議録情報 第064回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
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1970/12/09 第64回国会 参議院

参議院会議録情報 第064回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号

#1
第064回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
昭和四十五年十二月九日(水曜日)
   午前十時二十二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         井川 伊平君
    理 事
                高橋文五郎君
                林  虎雄君
                多田 省吾君
    委 員
                後藤 義隆君
                塩見 俊二君
                中山 太郎君
                平島 敏夫君
                松本 賢一君
                安永 英雄君
                横川 正市君
                中尾 辰義君
                向井 長年君
                岩間 正男君
   国務大臣
       自 治 大 臣  秋田 大助君
   政府委員
       自治政務次官   大石 八治君
       自治省行政局長  宮澤  弘君
       自治省行政局選
       挙部長      中村 啓一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       自治省行政局選
       挙部選挙課長   土屋 佳照君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法改正に関する調査
 (選挙制度に関する当面の諸問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(井川伊平君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#3
○委員長(井川伊平君) 速記をつけて。
 自治大臣の出席について連絡中でございますので、暫時休憩いたします。
   午前十時二十三分休憩
    ―――――――――――――
   午後二時二十分開会
#4
○委員長(井川伊平君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を再開いたします。
 選挙制度に関する当面の諸問題に関する件を議題といたします。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#5
○多田省吾君 私は、このたびの公職選挙法改正案が参議院に付託になる前に、大臣にお尋ねしたいことがありますので、お尋ねいたします。それは、本委員会におきまして、七月あるいは九月、十一月に行なわれた質疑の中の大臣の御答弁と今回の衆議院に付託されている公職選挙法改正案の内容についてやはり食い違いがあると、このように私たちは考えておりますので、その点をただしたい、こう思うわけでございます。といいますのは、七月九日の本委員会におきましても、大臣は岩間委員の質問に答えられて、「統一地方選挙と県会議員の選挙等につきまして、ある種の規制を加えるという風評があるやに聞いているというお話でございますが、われわれは、その点につきまして何らかの制限を加えなければならないだろうかというような考えは、いまのところ持っておりません。風評がございますれば、それは単なる風評でございまして、いまのところ、私としては従来の態度を基本的には変えておりません。」また中村選挙部長も、このようにダブる場合の救済方法につきましては、やはり自由化する方向でアンバランスを是正するのだ、こう答えられているわけでございます。ところが今回も、やはりいわゆる首長選挙と重なる県会議員選挙や、あるいは特別区会の選挙等におきまして、結局は救済したのだというような姿を一応とりながら、今回の改正案でも、所属候補者を三人以上有する団体は確認団体としてこれはダブった場合でも政治活動はできるのだ、こういうような姿をとりながら、一方においては、ビラを二種類に制限するとか、そのように制限しておるのです。だから特別区の場合も、都知事選挙と特別区が重なる場合は、当然都知事選挙に候補を出さない団体は政治活動は全然できないわけです。それは非常にアンバランスだということで、私たちは、特別区会は九二%政党化しているわけですから、制限するのじゃなくて、自由にする方向でアンバランス是正をしたほうがいいのじゃないか、この特別区も途中の案においてはちょっと入ったようでありますが、一方においては、特別区においてもビラの制限を二種類に制限するとか、そっちのほうも制限しておる。これは私たちは、制限するほうのアンバランス是正に入るのじゃないかと、こう思うのです。ですから、この法案を自治省でつくられる過程におきましても、たとえば特別区につきましても、都知事選挙と重なる場合に限っては、特別区も結局政治活動が確認団体はできるような救済方法、しかも都知事選挙と特別区の選挙が重ならない場合は特別区の選挙活動は前どおり自由である、そういう姿なら、これは自由化に即したところのアンバランス是正である、このように思うわけです。今回は特別区は入らなかったわけでございますけれども、そういうアンバランス是正に対しても、制限するほうのアンバランス是正でなくて、自由化するほうのアンバランス是正を考えられることはなかったのか。その考えられた結果の法案作成という過程はなかったのか。それをお尋ねしたいと思います。
#6
○国務大臣(秋田大助君) 私どもは、今回の公職選挙法の一部を改正する法律案で政党の政治活動の自由が基本的に阻害されたと考えておらないのであります。その精神はあくまでも貫かれておる。こういう意味におきまして、規制を加えておるというふうには考えておらないのでございまして、七月のときと、言明に反した法案を出したというふうには考えておらないのでございます。しこうして、特別区の場合、首長その他知事さんの選挙等が重なった場合の点につきましては、いろいろ十分考慮をいたしたわけであります。しかし、この分につきましては、政党的な活動の要素がほかの場合に比較して薄いので、知事選挙候補者を持っておらない場合の不利を救済する規定というものの必要性を認めないという結論になったわけでございまして、本来的にこの選挙法が政党の政治活動の自由を阻害しておる。選挙の際の政党の、的確に申せば、選挙運動の自由の原則を無視しておる、あるいはこれに反しておるというふうには考えておらないわけであります。
#7
○多田省吾君 それでは大臣、この前の話と全然違うと思うのです。私たちは、あくまでも首長選挙と県会選挙あるいは特別区の選挙が重なった場合に、首長選挙に候補を出さない場合は政治活動が全面的に規制されて全然できない姿でございますので、やはり首長選挙並みにできるようにすべきではないかということで、自由化する方向でアンバランス是正をすべきだ。もし県会選挙や特別区の選挙と首長選挙が分かれた場合でも、いままでどおり県会選挙や特別区の選挙は自由であるべきだ。そうすれば自由化の方向でアンバランス是正という姿になるわけですよ。それを私たちは主張したわけですが、今回は、一部都道府県会の選挙の場合、重なった場合は、所属候補が三人以上いる場合は首長選挙並みの政治活動はできるということですが、それならなぜ二人以上にしないかということです。
 それからもう一つは、特別区も、自治大臣は政治活動の必要は認めないというようなことをおっしゃっておりますけれども、都知事選挙と特別区の選挙がばらばらの場合は特別区は自由に政治活動ができるわけです。重なったから――重なるということ自体おかしいですよ、都知事選挙と特別区会の選挙。一般の都民の方々から重ねてくれという要望があったのか、一部選管の方の要望をいれて重ねた。都知事選挙と特別区会の選挙を重ねるということもおかしいのですが、そのためにもし都知事選挙の候補を出さない政党があるとすれば、そういう政党は特別区の選挙については政治活動が全然できないという姿じゃないですか。ですから特別区は九二%政党化されているんだし、県会並みの政党化が進んでいるわけですよ。ですから、やはり一緒に重なった場合だけ救済するような方法を考えたらどうか、この場合に限ってという条項を入れればいいわけです。そしてもし、都知事選挙と特別区会の選挙が行なわれた場合は、特別区会も市町村選挙並みにこれは自由化してよろしい、そういう考え方は全然なさらなかったのかということです、この法案をつくられる過程において。そのことをお尋ねをしているわけです。大臣は七月九日の本委員会におきましても、自由化の方向でアンバランスを是正するんだと確かにおっしゃっている。そういう考え方を途中でなさらなかったのか、このように聞いているわけです。これは明確な、具体的な質問なんですから、これは明確に答えていただきたい。
#8
○国務大臣(秋田大助君) 考慮の過程においていろいろ検討されました。また、いろいろ御意見も伺っておると聞いております。その結果、特別区及び市町村に関しまして政党的な動きももちろんないとは言えません。もちろんあります。ありますけれども、そこまでは考慮を及ぼさなくていいだろうという結論に到達をいたしまして、今回のような措置をとったわけでございまして、十分いろいろの点は検討をその過程においてはされたわけでございます。
#9
○多田省吾君 よくわかりませんけれども、これはまた法案が出てからまた質問したいと思いますけれども、それではなぜ自由化の方向にしたい、アンバランス是正ということに対して、所属候補を三人以上と規制して、二人以上でもよろしいのに三人以上になされたのか、その辺はお考えにならなかったのですか。
#10
○説明員(土屋佳照君) 確認団体のとり方はいろいろございますが、今回の三人以上というのは、衆議院の場合の二十五人、あるいは参議院の場合の十人といったものを標準にいたしまして、大体全体でどの程度いままで確認団体としておるかといった率、その他いろいろ勘案いたしまして、三人程度が適当であろうということで、各方面の御意見等を伺いながら決定をいたした次第でございます。
#11
○多田省吾君 いまの課長の答弁には絶対承服できない点がございますので、次の委員会でまた質問いたしますけれども、これは大臣が公約した自由化の方向でアンバランスを是正するという方向からは非常に食い違って、むしろ規制しながら、またビラなんかも規制する、また、確認団体も相当の規制をしながら、結局アンバランスの是正はわずかしか達せられなかったと、こういうふうに私たちは解釈しているわけです。これじゃ大臣の御答弁と違うじゃないかということで、参議院にまだ公選法改正案が付託になる前に一回これはどうしてもお尋ねしなければならないと思ってお尋ねしたわけです。これは次にまた質問します。
 次に、時間もあまりありませんので、明確にまた要領よくお答えいただきたいと思うんですが、この第七次選挙制度審議会は人選もきまったようですが、いつ発足なさるおつもりですか。
#12
○国務大臣(秋田大助君) 特別委員の人選があとごく少数と伺っておりますが、決定になっていない状況でございますので、それを待ちまして、なるべく早く国会開会中、いろいろ忙しい総理の御都合を伺い、最も早い時期で開催に運びたいと思っております。
#13
○多田省吾君 それでは国会開会中に総理の都合を聞いて発足したいというお考えですか。
#14
○国務大臣(秋田大助君) なるべくそういたしたいと思って、いま総理の時間の御都合を伺っておりますが、どうやら少しむずかしそうだと思っておりますが、あるいは国会済んでからになるかもしれません。
#15
○多田省吾君 第七次が発足しようというのに、まだ第五次選挙制度審議会の緊急に措置すべき事項として答申された政治資金規正法改正案が総理大臣や自治大臣の公約どおりまだ実現しておりません。私たちは前からこの点をお尋ねしていたのでありますが、来年の通常国会に総理大臣も自治大臣もはっきり出すとおっしゃっておりません。この前の本会議では、総理大臣は通常国会に出すとは言いませんけれども、やはり提出するということは、またこの実現する方向に向かいたいということは言っておるわけです。第七次選挙制度審議会の発足を前に自治大臣は、はっきりとここで通常国会には答申どおりの改正案を必ず出す、このようにここで御発言なさるべきです。それをしないで、第七次選挙制度審議会を発足させるということは国民に対する裏切りですよ。この点をここではっきりおっしゃっていただきたい。
#16
○国務大臣(秋田大助君) この問題は過去も申し上げましたが、三回提案をいたしまして、そのつど廃案になっておるわけであります。それにはやはりそれ相当の理由があろうかと考慮いたしておるところでございまして、いろいろ選挙制度の根本にわたり、衆参両院にわたり、国会の機能が十分発揮されるような公正にして金のかからない選挙制度というようなものの確立が非常に前提要件になるのではなかろうかというような点を考慮いたしまして、政治資金規正法のやはり通過できるような諸条件の整備というような点を考慮せざるを得ない、こういうことでせっかく検討をいたしておるのでございまして、はなはだ申しわけございませんが、必ず次の通常国会に出すということは明言いたしかねるわけでありますが、この点につきましては、多角的に総合的に十分検討をいたしておるところでございます。
#17
○多田省吾君 それじゃ総理大臣が四選以後、政治資金規正法は何とかというようなお話があったのですが、まあ、前からのことを見ると全然違いないじゃありませんか。結局、自治大臣もはっきりここで通常国会に提出するとは明言しかねる。それじゃ全然前向きとは言えません。これで第七次選挙制度審議会を発足できると思っておられるのですか。ほんとうにこれはおかしいと思うのです。
 次に、きのうも衆議院の委員会で何だか大臣が次の第七次選挙制度審議会で政党法も諮問したいというふうにおっしゃっておりますが、これははっきりあれですか、文書で諮問なさるのですか。それともこの前の六次におきましても一部論ぜられましたから、委員の中からそういう話が出ればやってもいいということなんですか。私たちは政党法というのは反対です。いま西ドイツは憲法があるからつくられておる。それも政党を助長するような方向でつくられておる。そのほかは韓国とアルゼンチンだけが政党法があるわけです。それでアメリカでもイギリスでも、そういう政党法というものはない。大体、政党法ができれば政党を制限するような方向に向かうというのがいまの近代国家の考え方です。それを政党法を諮問するつもりですと、非常におかしいと思う。そうして一番大事な、いま次にイギリスが実施し、西ドイツやアメリカで実施し、スエーデンも踏み切ろうとしている十八歳まで選挙権を与える、こういう問題を諮問すべきであるのにこれは諮問しない。私たちはこの二つの問題にからんでいますけれども、非常におかしいと思います。これはどうお考えですか。
#18
○国務大臣(秋田大助君) 第七次選挙制度審議会では、この金のかからない公正な選挙が行なわれるようなひとつ選挙について考えていただきたいということを申しておるわけであります。したがって、そういう選挙が行なわれるためには個人本位の選挙がやはり政党本位、政策本位の選挙にならなければならないのではなかろうかと考えられるわけであります。そういたしますと、その際に政党とはどういうことなのだろうということが当然問題になろうかと思います。第六次選挙制度審議会においてやはりその点が論ぜれたと伺っております。したがって、第七次選挙制度審議会においてもいよいよそういう方面が検討されるであろうということを予想いたしまして、その意味において政党の定義なり、あるいは場合によっては政党法ということまで話が進むかもしれません。そういう意味においてそういうことが論ぜれることは否定はいたしませんとわれわれは言っておる。論じていただくべしということになりますれば論じていただきたいと思う。これを政党法という形で論ずべしというふうには考えていないのでありまして、したがって、諮問事項としてそういうことを書くということは考えておりません。以上のような見解でございます。
 なお、選挙年齢引き下げの問題につきましては、従来からも当委員会で申し上げましたとおり、われわれといたしましては、この問題についてのいろいろ問題点を政府部内においてひとつ十分検討したい、その上でもって審議をお願いするかどうか決したい、こう考えておるわけでございます。
#19
○多田省吾君 すみません、もう一問だけ。これはきのうも参議院地方区の定数是正は来年の通常選挙にはちょっと否定的なような大臣の御答弁であったと思います。私たちは逆転現象につきましては、熊本県と岡山県の逆転現象につきましては、すでにことしの三月三十一日現在の住民台帳によっても逆転しているし、その傾向も強まるから、当然国勢調査によっても逆転現象が進むだろうということを私は九月の委員会で申し上げている。もうそれから三カ月もたっている。しかもその間何ら自治省のお考えが煮詰まっていなかった、これは非常に私たちは怠慢であると思うのです。
 それからもう一つは、昭和四十三年の八月五、六日の衆議院、参議院の本会議におきまして、衆議院は堀さん、参議院は私が質問したんですが、総理大臣ははっきりと参議院地方区の非常なアンバランスが生じておりますと、それで今回はそういう点も審議会の答申を得たい、こういうようにおっしゃって来年の通常選挙には間に合わしたいということを代々の自治大臣もはっきりとおっしゃている。そうして六次の答申が出たわけなんです。ところが、政治資金規正法もはっきり来年の通常国会には出すとは明言なさらないし、また、参議院地方区の定数是正もはっきりしないということでは、これは審議会は何のためにあるかということになります。ですから、私たちが前から言っておりますように、大臣が審議会の精神を尊重なさるというならば、一票違いで、いわゆる東京、大阪、神奈川の二人増だけ、これを一票違いで否決されたんですが、精神は生きていると思うのですね、暫定措置として最小限度の是正をするという精神は。そうだったら問題がないと思う。また、今回の国勢調査の概数においても、さらに宮城、岐阜二県ふやして、熊本、鹿児島を二県減らす。こういう五県二人ずつふやして、五県二人ずつ減らす、こういう案だって答申の精神には合致していると思う。ちょっと考えてもこの二つの方法があるじゃありませんか。こういったことを自治大臣のお考えで煮詰めて通常国会に私は出すべきだと思うのです。そしてその上で第七次選挙制度審議会に向かうべきだと思うのです。まあその意味でひとつ簡単明瞭に、どういうお考えでいるのか、まさかこれを全然なさらないで第七次に臨まれるようなお考えでしたらこれは大問題だと思うのです。それをはっきりお答え願いたい。
#20
○国務大臣(秋田大助君) 第六次の参議院の定数是正に関する答申の場合は、四十年の国調、今回四十五年の国勢調査の概数が出ました。その結果お説のとおり、岡山と熊本の逆転現象のみならず、それだけであれば比較的処置しやすいと考えておったわけでありますけれども、それに加えて鹿児島と宮城という県についても逆転現象が起こってまいりました。そうしますと、これはプラスだけとれということに答申の御趣旨を片づけられるのかどうか、この点は十分検討を要する問題であろうと思います。そうでないとも申し上げられかねますけれども、しかし、十分検討を要する問題であります。かつそれにさらに加わってまいります。そうしますと、まあ減らす分はそのままにしておいていいのか。またプラスマイナスだからマイナスの分はマイナスと、しからばそれをどこへプラスするか。それから四人、二人の境界線をどこの辺に引くかというようなやはり考慮を要するので、考慮を要する面が非常に多面的になります。そこで、答申の意思を尊重申し上げるに基本の方針はもちろん変わりございませんが、たいへんアンバランス現象が複雑になりましたので、その点をいかに処理すべきか、相当苦慮をいたしておるということを申し上げたのでございます。
#21
○岩間正男君 簡単明瞭にお答えいただきたいと思うのです。ただいまも多田議員からの質問にございましたが、参議院地方区の定数是正については、あなたは通常国会に必ず出すと、しばしばこれは言明されたのです。現にまあ七月九日の当委員会でも、まあ私の質問に対しまして「第六次選挙制度審議会で御答申を願いました案につきましては、しばしば申し上げておりますとおり、これを尊重して各方面の御意見を伺い、成案を得た上で、次の参議院選挙に間に合うように国会に提案をいたす所存でございまして、」と、そうしてさらに「通常国会の劈頭には出したい、」こういうことをはっきり答弁しておられるわけであります。そういうことになりますというと、まあいまとにかくこれは間に合わないのじゃないかということが伝えられておるのでありますが、もしそういうような言明が行なわれないということになったら、そういう一体政治責任というのはこれはどうなるのか。これは自民党内でも今度出すべきじゃないと、第七次審議会にかけるべきだというような意見もあるやに聞いておりますが、そういう政治的圧力に屈したとこう言われてもしかたがないと思うのでありますが、この点はいかがでありますか。
#22
○国務大臣(秋田大助君) 私は、今回行なわれました国調の概数による中間報告、それによるただいま問題になっておるような人口の従来と変わった逆転現象、こういうものがあろうとは実は考えておらなかったのであります。したがって、その既存の条件の変更のない限り、私のこの夏申し上げたことに変わりはないわけであります。しかしながら、いま御承知のような人口調査によるいろいろ結果があらわれてみますというと、あの答申の御趣旨の尊重ということは、具体的にいかにこれを表現したらいいであろうかという点にははなはだ苦慮せざるを得ないのは当然でございまして、そのことを、心境をききに申し上げたわけでございます。
#23
○岩間正男君 まあそういうことにはならぬと思うのです。ここにももう速記がありますからね。はっきりこれは次の通常選挙に間に合うように出しますと、こう答えられているのですから、これが、だめになったとすれば当然これは政治責任というものは出てくるわけです。結局は第七次審議会にこれをかけられるということになりますか、いかがですか、簡単に、もうかけるか、かけないか。
#24
○国務大臣(秋田大助君) いまその点はかけるともかけないとも考えておりません。自分でいろいろどうしたら答申の趣旨に沿うであろうかということを考慮しておるところでございます。
#25
○岩間正男君 そうすると、かけないという場合にはやっぱり何ですか、通常国会壁頭出すということですか、いかがですか。
#26
○国務大臣(秋田大助君) その点をいまいろいろ検討をしておる過程でございます。
#27
○岩間正男君 もう政党法と並んでこのようなものが審議会にかけられる、そういう方向にずっと動いていることはこれは間違いないじゃないですか。あなたは根本的にこれを検討するということを言われておったけれども、最近変わってきている。大体こういうふうになると審議会、審議会と言うんですね。都合のいいときは審議会、都合の悪いときにはかってにこれをやっていく、こういうかっこうにこれはなるんじゃないか。ですから第七次審議会にかければ当然通常国会に提案はこれは事実上不可能になります。そうして来年の参議院選挙には間に合わない。そういうことを見込んで審議会で長い時間をかける、こういうことになって実際はこれを見送るということになる可能性があると思うのですが、どうなんですか、いかがですか。
#28
○国務大臣(秋田大助君) 先ほど申し上げましたとおり、人口調査の結果、ああいうような逆転現象が起こるとは、神ならぬ身の知らなかったわけでございまして、したがって、現状においていろいろ苦慮、検討をしておる、こういうことでございます。
#29
○岩間正男君 そういうことを言われますが、第六次審議会の精神、趣旨に基づいて私はそれは技術的な訂正をすればできると思うのです。審議会にかけなくても政府の責任でこれは出せるんじゃないですか。現にどうですか、いま提案している公選法改悪法案をこれは審議会にかけたのですか。大体、参議院定数是正問題とそれから公職選挙法の問題では根本的に性格が違ってくる。一方は、参議院定数是正はその精神を尊重して技術的な訂正をやればできますよ。そうでしょう。岡山とそれから熊本を変えればいいんだし、それにさらに宮城と岐阜を加える、あるいは鹿児島、熊本から減らす、こういうようなことは精神を尊重するというたてまえから技術的な改正でできるわけです。ところが、一方のこの公選法の改悪法案というやつは、これは言うまでもなく、第五次審議会の選挙制度の自由化、そして当然これは選挙の根本に関する、本質に関する重大問題である。基本的な問題です。こういう問題を何ら審議会にかけないで政府の責任で独断的にこういうものを出してきておりながら、しかもこのような技術的な問題についてはこれは審議会にかけなければならぬ、こういうことになりますと、審議会というのは全く政府の党利党略というものを押し通すための手段にすぎないということになる。こんなことが許されると思いますか。こういうことは私は絶対に正しくない、こういうふうに考えるわけです。現に、何といいましても、二十三年間もこれは、選挙制度は定数是正というものはやられていないでしょう。そうしてこんなすごいアンバランスが起きているわけです。最近の新聞論調を見ましても、人口の多い県の定数が、人口の少ない県の定数より少ないというようなことは全くの矛盾だ。これは基本的に選挙の一番土台を決定する重大問題です。これに対して、これはほんとにやる気があれば当然私は、これは多田議員も言われましたけれども、佐藤総理のこれはもうはっきりしたあれがありますね。「参議院地方区の場合、確かに御指摘のような非常なアンバランスが生じております。これを適正に直すことは今日の急務ではないか、かように思います。」これは第五十九特別国会つまり一昨年の参議院選挙の直後に行なわれた衆議院における佐藤総理の言明ですよ。いまの急務だと言っている。この急務が一体二年半もおくれて、しかも来年参議院選挙を迎えようとするときにこれが行なわれない、こういうことは許されないと思う。私がお聞きしたいのは、いまの事の本来から言ったら当然私はこれは審議――公選法の改悪法案はかけるべきだ、時間をかけたっていいから。それからそうでない今度の定数是正法案はあなたの見識において、あなたの責任においてこれはちゃんとできる問題です。本末を転倒することは許されない。したがって、私は当然これはいまのような改悪法案は、公選法の改悪法案は慎重にやって撤回すべきだ。それから定数法は、これは当然参議院選挙に間に合うように出すべきだ、こういうふうに考えるわけですが、いかがでしょうか。
#30
○国務大臣(秋田大助君) 公選法の一部改正案、改悪案とおっしゃいますが、それはやはりお考えあってのことでございますけれども、われわれはやはりこれは改悪ではない。改悪かどうかと言えばこれは改善策である。政党の政治活動の自由の大原則にもとるものではない。現況をいろいろ見まして世論にも聞き、行き過ぎを是正するという意味において本旨を変えておるわけではないと確信をいたしておりますので、あえて審議会にかけるの要はないのではなかろうか、この点につきましては十分世論等も参酌をいたしましてそういう措置をとったわけでございます。
 一方、定員是正の問題は、これは慎重に考慮をすべき重要な問題でございます。したがって、急務と申されたことは当然だろうと思いますが、これを尊重して処置をする所存でございますが、何にいたしましても非常な数県にわたる人口の逆転現象が、序列の逆転現象が起こりましたので、簡単にこれは事務的に処置できるじゃないかという御所見ではございまするけれども、これは定員の是正ということは非常に御承知のとおり、また岩間先生のお説のとおり重要な選挙の基本に関する問題でございます。したがって、この人口の減少に即しまして、この変動期に即しましてやはり慎重な考慮を要することは当然でございます。そこで簡単にいかない。十分検討をし答申の趣旨が那辺にあるかという形におきましても十分なる考慮を要する。いまここらの点を配慮しつつある、こういうことを申し上げておるわけでございます。
#31
○委員長(井川伊平君) 岩間君、もう時間ですから……。
#32
○岩間正男君 もう一問で終わります。もう一問だけ。
#33
○委員長(井川伊平君) じゃ簡単に。
#34
○岩間正男君 あなたそういうことを言われておるけれども、事の本末というものはこれは明らかですよ。私は公選法の改悪法案についてはいずれ法案が回ってきてから徹底的にやるつもりであります。第五次審議会が多年の懸案である国民の世論に押されてそうして選挙の自由化の方向をとった。そういう原則を打ち出した問題で、非常にこれは根本原則に関する問題です。これについては半歩歩いただけで、一年そこそこで改正するのかという世論が行なわれていることは御承知のとおりだと思う。したがって、当然これはかけるのなら審議会にかけて慎重を期さなければならぬ。一方の問題は、当然国勢調査というものは予想されておったでしょう。何のために一体国勢調査があるのです。五年ごとに国勢調査をやって、それで人口のアンバランスというものが出てくるわけです。ところが二十三年にわたって一度もこれは改正されなかった。したがって、これが積もり積もってたいへんなこれは格差になってきているわけでしょう。神奈川のごときは北海道よりも人口が多いのに定数は半分です。宮城だってそうでしょう。こういう事態が起こっているのですから、これを是正するためにあの時点において、御承知のように、これは第六次審議会におきましてはとにかく三県を変える、そういうことでこれは栃木、群馬、岡山の三県を二人減らして東京、大阪、神奈川の三府県をふやすと、こういうことをきめたわけでしょう。したがって、その原則はきまっておるのだ。この原則に従えば今度の国勢調査の結果というものをこれに当てはめてやればこれは技術的にできる問題ですよ。
#35
○委員長(井川伊平君) 岩間君、簡単に願います、時間ですから。
#36
○岩間正男君 ところが、そういう問題は全然等閑に付して、これは大切だから審議会にかける、それで実際に間に合わない。新聞を見れば明らかになっている。そういう形で実はこの法案を党利党略的な扱いをするということは絶対に私はこれは了承できない問題だと思う。それについてあなたは、もういままでこれかけるために努力をするということを言われておったと思うのでありまするが、ここでもう急変したのですか。そしてこういう言明というものは、これは国会におけるこういうふうに動かすことのできない公約というのは全くほごですか。こんなことでどうして民主主義を守ることができるのです。私は、ほんとうに秋田自治大臣は、あなたのこの公約をあくまで実行してもらいたい。そうでなければ、責任をはっきり明確にすべきだと思うのでが、いかがですか。この点をお聞きしたい。
#37
○国務大臣(秋田大助君) 再び同じことを繰り返す形になりますけれども、公職選挙法の改正は、この自由な原則を侵していない。したがいまして、あえて選挙制度審議会にかける必要はないという結論でございます。片方の問題は、簡単に機械的にいくじゃないかというお考えでございますが、たとえば六名、六名のプラス、マイナスを考えておったところに、機械的に二名、二名をふやすとなりましても十名になります。その他、岐阜その他を考慮すれば十数名ということになります。やはりプラスあるいはマイナスと申しても、絶対数もやはり考慮のうちに入っているのではないかと思います。十数名がプラス、マイナスになるということは、これは慎重に考慮を要するのでございまして、簡単に機械的にはいかないのではなかろうか、こういう点について、いろいろ苦慮しておるということを申し上げたわけでございます。
#38
○委員長(井川伊平君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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