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1970/12/03 第64回国会 参議院 参議院会議録情報 第064回国会 逓信委員会 第2号
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1970/12/03 第64回国会 参議院

参議院会議録情報 第064回国会 逓信委員会 第2号

#1
第064回国会 逓信委員会 第2号
昭和四十五年十二月三日(木曜日)
   午前十時十六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         近藤 信一君
    理 事
                長田 裕二君
                新谷寅三郎君
                松平 勇雄君
                永岡 光治君
    委 員
                植竹 春彦君
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                白井  勇君
                久保  等君
                森  勝治君
                塩出 啓典君
                村尾 重雄君
   国務大臣
       文 部 大 臣  坂田 道太君
       郵 政 大 臣  井出一太郎君
   政府委員
       郵政省電波監理
       局長       藤木  栄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       文部省社会教育
       局長       今村 武俊君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (放送大学に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(近藤信一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
  郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 本件に関し、質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○森勝治君 きょうは、先般の残りを引き続き質問をしたいと思うのであります。実は前との関連がありますので、CAテレビを先にやろうと思いましたが、何か文部省から放送大学を早く設置したいという趣旨でありましょう、早く質問をしてほしいというたっての御要求がありますので、私も質問の序列を変えまして、まず放送大学から質問を行ないたいと思うのであります。
 まず、文部大臣にお伺いをしてみたいのですが、文部省は先般総理府とタイアップいたしまして、放送大学についての世論調査を行なった模様でありますが、さらにまた、教育モニターにつきましてもアンケート調査を行なったやに聞いております。したがいまして、その調査をされました結果の概要についてひとつ御説明をいただきたい。
#4
○国務大臣(坂田道太君) ただいまの教育モニターに対するアンケート及び世論調査の概要につきまして、今村局長からまず御答弁を申し上げます。
#5
○説明員(今村武俊君) 総理府に依頼いたしまして、本年の七月、世論調査を実施いたしました。対象は、二十歳以上の国民で三千人を抽出してございます。その結果として、放送大学の知名度をまず闘ったわけでございますが、男女平均三九%が放送大学という名前を知っておるということでございます。男四七%、女三二%という数字になっております。放送大学を利用することの希望度が次に調査されておりますが、希望する者二六%でございます。そのうち、正規の学生として放送大学に入学を希望する者は五%であり、特定科目のみの履修を希望する者が二二%であり、放送を視聴するだけという者が六七%という数字になっております。次に、どういう学習の分野について放送大学の講義を聞きたいかという学習希望分野別の調査でございますが、男女やや重点を異にいたしまして、男のほうは経済、工学、法学というあたりに重点がございますし、女のほうでは家政、文学、教育などに力点がございます。
 なお、この三千人の調査ではまだ的確に放送大学に関するアンケートとしての価値を持たないのではないかという懸念もございますので、本年十月に、十六歳以上、一万人の国民を抽出して世論調査を行なったわけでございますが、目下それについては集計分析中でございます。なお、文部省の教育モニターの結果によりますと、三千人のサンプル調査の概要とほぼ同様の傾向を示しております。ただ、スクーリングについては、少しでも多くの場所で実施されることを希望するという意見が三千人の世論調査以上に目立っております。概要は以上のようなことでございます。
#6
○森勝治君 現在集計中のものはいつまとまるのですか。
#7
○説明員(今村武俊君) 十二月の中旬にはまとめるつもりでございます。
#8
○森勝治君 今後この種の問題について、再びそういう調査等をおやりになる意思があるのですか。もう世論はこれで固まった、方向づけになったということで、それ以上はやらぬと、その辺のところのかね合いはどうですか。
#9
○説明員(今村武俊君) 本年度の関係は一万人の調査で終わりでございますが、なお、放送大学についてはいろいろ検討する事項も多うございますので、来年度以降も調査を進めてまいりたいと、かように存じております。
#10
○森勝治君 いまのその後段でおっしゃられた放送大学については種々問題があるので、という送大学については種々問題があるので、ということは、慎重なかまえをすると、こうおっしゃることでしょう。何か派生的な問題がそこで生まれてきたのですか。
#11
○説明員(今村武俊君) 派生的とおっしゃる意味がよくわかりませんが、放送大学という大学は、かってない全く新しい制度の大学でございます。電波を通じて大学の授業が発射され、それを人々が視聴して正規の大学と同じ資格を持って卒業するという構想でございますが、いま申し上げたような学習分野別の問題にいたしましても、あるいは正規の学生として入学を希望する者、あるいは放送の視聴だけという国民の希望、学校教育及び社会教育の両面にわたっての希望もあるわけでございますし、今後のプログラムの組み方等については、相当国民の希望を調査し分析した上でやらなければならない面がございますので、なお、今後各種の調査を必要とすると存じます。
#12
○森勝治君 派生的な問題がないけれども、大学の意図する構想のそういう点からいたしましても、これから種々検討をしなければならぬ、私はそれはいわゆる慎重論というように拝聴をしたのですが、この点は私の思い過ごしですか。
#13
○国務大臣(坂田道太君) ただいま今村社会局長からお答えをいたしましたわけでございますが、何ぶんにもこの新しい試みでございますマスメディアを通じた大学教育と、そういうものがあり得るのかということが従来までの考えであったかと思うのでございますが、たまたまわが国においては、NHKあるいは12チャンネル等におきまして、高等学校の段階においてマスメディアを通じた教育ということもやっております。これには経験がございます。またイギリスにおきまして、ただいまオープンユニバーシティの構想がもう四、五年にもなりますか検討され、ようやく来年の一月の十日か十一日に開校されるという運びになっておるわけでございますが、私も先般イギリスに参りまして、オープンユニバーシティを視察をしてまいりまして関係者の意見等も聞いてまいりました。あるいはその技術面といいますか、放送をやりますBBCの会長にもお会いをして話を聞いてきたのでありますが、とにかく世界で初めての試みであるわけであります。私どもといたしましても、その本質的な意味から考えて、十分な調査研究、それから準備、条件整備、そういうものについては慎重にならざるを得ない、事柄の本質から慎重にならざるを得ない、かように考えておるわけでございます。しかし私は、昨年以来国会で申し述べておりまするように、慎重であるけれども大胆に、また勇気を持って取り組まなければならない課題である、こういうふうには申しておるわけであります。
#14
○森勝治君 ただいまの大臣の御答弁だと、慎重と蛮勇が雑居しているというおことばであります。それは模索の域を脱していない、こういう受け取り方をするわけですが、現時点ではそういう受け取り方でよろしいのですか。
#15
○国務大臣(坂田道太君) ただいま申し上げましたように、慎重であり、かつしかし、見通しがついたら大胆にやらなければならぬということは変わりません。しかし、模索ということばに値するかどうかということにつきましては、私はいささかことばと私の気持ちとは違うというふうに申し上げておきたいと思います。
#16
○森勝治君 そういたしますと、先ほどの大臣の御答弁だと、十分なる調査と研究と準備、これは何事にも肝要であります。それはごもっともだと思うのであります。そうなりますと、こうした調査と研究と準備というものは、すでにこの問題が対外的に発表されたときにいわゆる一つの目途があったはずですね。しばしば大臣その他のお話を新聞紙上その他で拝見をいたしますと、いま私がここで率直にお伺いしました慎重と蛮勇の雑居という点から考えますと、蛮勇ということばを私はとりましたが、どうも蛮勇などということばを使うところまでまだ到達していない。私は先ほど何か派生的な問題があるのかという質問につきまして、局長のほうはそれが解せないというお話でありますけれども、何かどうも夾雑物が入っているような気がしてならぬわけでありますね。なぜなれば、この問題については、すみやかに大学を設置して国民の期待にこたえたいという、いわゆる積極的な発言が、郵政、文部双方の関係者から従来しばしば発言されたというふうに私は理解を持つものであります。そういう発言の内容を素朴に私が受け取っておりました関係からいたしますならば、いまの局長の御発言は慎重の上にも慎重ということであります。石橋をたたいていつ渡るやら思案投げ首、思案投げ首ということばはちょっと――模索でさえ大臣はごきげんが悪いのですから、思案投げ首では意に反するとおっしゃるかもしれないが、そういう受け取り方ですね。従前よりも何か発言の、この問題の設置に関する発言の内容が弱まってきた、こんな気がしてならぬわけでありますが、これは私のげすの勘ぐりでしょうか。
#17
○国務大臣(坂田道太君) 私、去年からこの放送大学を何とかしたいというふうに考えてまいりまして、郵政御当局とも相談をし、かつ放送大学懇談会――基本的事項を検討いたしまする懇談会を設け、そして基本的な事項についての一応の答申といいますか、報告を得まして、それをもとといたしまして、今度は文部省にこの放送大学の準備調査会を設けまして、一定のスケジュールのもとにやってまいってきておるわけでございまして、私は、この種の問題から考えるとかなり積極的に進んでおるというふうに御了解いただきたいと思うんでございます。イギリスなんかに比べますると、かなりスピードは速いのじゃないかというふうに思っておるわけでございます。決して、そう目標を全然ないがままに模索をしている、そういう状態じゃないということだけは申し上げられると思います。
#18
○森勝治君 文部大臣の熱意は買いますよ。あなたの熱意は買いますけれども、いまの担当局長のお答えからいたしますと、非常に慎重の発言だと思うのでありますが、何となく後退した、実現という段階から後退したという印象がぬぐい切れない。なぜ私がこういうことを申し上げますかといいますと、かって政府は昭和四十七年の四月から発足させるというのが政府与党の公約であったはずでありますが、ところが、そういう公約というふうに承っておるのに、いまの担当局長のお話でも、なかなかその端緒にはついただけで、なかなか黎明が訪れない。失敬でありますが、黎明が訪れない。鶏もときをつく時期にきていない。しかも、準備調査会の報告書等を見ますと、大学の設立形態や放送の実施主体等についての結論もまだ出てない模様であります。そうなりますと、一体、いまお答えいただいた局長の慎重なことばと、そうした結論や具体的な作業の進んでないという、作業と申しましょうか、準備と申しましょうか、進んでないような気がしてならぬわけであります。ならば、当初の意気込みから比べてはるかに後退をした。いわゆる私が後退というのは、大学をつくるという趣旨、目的は何らごうまつも変更したわけではないでしょうけれども、当初のスタートの時期という問題からするならば、若干延びた。ですから、そういう面からいたしますと、このままでいくと、いつやら見通しがつかなくなったということであります。
 まあ大臣はイギリスの例等をお用いになりましたが、ここは日本でありますから、祖国日本のいま把握いたしております放送大学設置の現状について、私は質問しているわけですから、わが国の国情に照らしてのお答えのほうが、私の質問に最もお答えいただく端的な表現の内容でなかろうかと私は思うのでありまするので、私も素朴に質問いたしますから、そういう面でお答えいただきたいと思うのであります。
 そこで、四十七年に実施するという意気込みでありますから、当然もう少し具体的な、いわゆる掘り下げた内容というものが前面に押し出されているはずであります。たとえば政府与党が――何か大臣はよその段階では御発言なさったようでありますが、私どもは、政府与党が四十七年に開校するというこの公約を掲げたことは、まだ下げてないというふうに考えているわけであります。ところが、大臣のよその御発言等から見ますと、必ずしもそうでない、当初の意気込みから若干ずれたという印象をぬぐい切れません。
 そこで、ならば開校の時期はいつになるのか、さらにまた、設立の形態はどういう形をとるのか、放送の実施主体というものはどこにあるのか、そういう問題について、いわゆる構想を聞かしていただきたい。まあ先ほど、まだまだアンケート調査等も後日まだおやりの模様でありますから、コンクリートされたものではないかもしりません。しかし、やはり構想というものは当然おありでありますから、骨組み、いわゆる骨格というものの表現をされてよろしかろうと思いますが、その点についてひとつお答えお聞かせ願いたい。
#19
○説明員(今村武俊君) 放送大学につきましては、文部大臣の諮問機関として臨時に設置されました放送大学準備調査会が、今年の七月の二十四日「放送大学の設立について」という報告書を出していただいております。その報告書に放送大学の構想はほとんど書かれているわけでございますが、報告書におきましては、ただいまも御指摘がございましたように、放送大学の設立形態及び運営組織、これが一つと、それからもう一つは、放送の実施方法について、必ずしも明快な結論を出さないで、二様の考え方を出して、今後それらを文部省のほうで研究するようにという形になっております。それらの点について結論が出れば、放送大学の全体構想はほぼ明らかとなるわけでございます。
 設立形態につきましては、国立大学の方式と公的性格を持つ新しい形態の法人による方式の二つが考えられると、放送大学準備調査会は言っておりますが、この問題につきましては、その後検討の結果、放送大学の設置主体は、新たに法律で定める特殊な法人とするという考え方がほぼ固まっておりますが、その特殊な法人のあり方についてなお検討を進めておるところでございます。
 次に、放送の実施方法につきまして、放送の実施方法としては、放送局の免許を放送大学に与える方式と、放送事業体に与える方式があるということが準備調査会の述べておるところでございますが、このことについて、文部省といたしましては、都政省とも協議いたしまして論議を重ねておるところでございますが、まだこういう席で確定的に発表してよろしいような合意に至っていないという形でございます。
 その二つがきまりますと、ほぼ放送大学の構想は固まってまいるわけでございますが、なおそれに関連いたしまして、従前存しております通信制大学と放送大学の均衡をどういうぐあいに考えていくか、事情によっては通信大学の存否の問題にもかかわるということで、いろいろ問題も投げかけられておりますが、その辺の調整もまた必要になってくるという問題があるわけでございます。非常に大まかでございますが、放送大学準備調査会の構想を、もう先生御存じでございますから、以上の概括的な説明で、一応説明にかえさせていただきたいと存じます。
#20
○森勝治君 大臣からお答え願います。
#21
○国務大臣(坂田道太君) 一応、私どもといたしましては、四十七年度を目途とするという考えがあったことは、いま御指摘になりましたとおりでございますが、その後どうも四十七年度では無理だということで、やはり四十八年度以降ということにならざるを得ない。いままでの進みぐあいから考えて、この開校の時期については、御指摘のように、私どもも最初考えておりましたときよりもおそくなるということは言えるかと思います。しかし、それはやはり放送大学というものの本質、しかも、これを日本で初めてやるというからには、十分な準備調査、研究、それから見通しというものがあって、初めてやらなきゃならないということからきておるというふうに御了承願いたいと思います。
#22
○森勝治君 ただいま局長のお答えの中で、通信制大学と放送大学との関連という問題、いわゆるその問題がからんでくるのでという一つの問題を投げかけられておるような気がしますが、そもそもこの種のからみ合いというのは、放送大学というものを企図されたときにすでにあったわけですから、いまさらここでことあげされるようなしろものでなくて、当然、これは放送大学構想なるものを対外的に発表されたときに、解決済みの問題ではないかと、少なくとも文部内におきましては、解決済みのしろものだと私は理解するんだが、いまさらここでその問題を出されたのは、どういう意図に基づくのか、その点が私はどうも解せない、その点もう少し詳細にお聞かせ願いたい。
#23
○説明員(今村武俊君) 私自身が、七月放送大学準備調査会の意見が出る寸前に局長を拝命いたしましたので、個人的には放送大学の提唱をしたときに、そういう問題は一応整理されておってしかるべきものだと思いますけれども、そして、また放送大学準備調査会でも、ややその議論がなされたおもむきがございますけれども、現実にはこの調査会の意見が出てから通信制大学の担当者の人人が、先ほど申し上げたような問題をひっさげて、いろいろ具体的な問題があるということで、調整を要する問題が現にあることは私が述べたとおりでございます。
#24
○森勝治君 大臣にお伺いをしたいのですが、局長のお答えだと、国立もしくは別の組織、特殊法人ということばだと思うのでありますが、二つの方法があるということですね。具体的に設立の形態の問題については明言を避けておられるわけであります。大臣もまた四十八年以降ということで、設立時期、この点もぼかされておられるわけでありますが、この点をもう一度、設立の時期とその形態について、ひとつ、ここでもう少し詳しく私どもわかるようにお聞かせをいただきたい。
#25
○国務大臣(坂田道太君) 実は放送といいますか、あるいは大学開校の時期ということは、実はまだ見通しが立っていないわけでございますから、いつ幾日から始めるということは申し上げることができないんだと、そして、そのことも最初は試験放送その他を四十七年度から、場合によってはやり得るんじゃなかろうかというふうには考えておったんだけれども、しかし、それがちょっとむずかしいようになってきた。むしろ四十八年度以降ということに御了承いただきたいということで、その点に関しては、まあそれ以上は具体的には言えないわけでございます。それからもう一つは、放送大学の設置主体につきましては、ただいま局長から申し上げましたとおりに新しい形態の特殊法人とすることで検討しておる、放送の実施方法についてはまだNHKとの関係を中心に郵政省との間に最終的な合意に達していない。しかしかなり進んでおる、この協議は。進んでおるということはこの段階で申し上げられる。それ以上は実を申しますと、お答えできにくいことをひとつ御了承願いたいと思います。
#26
○森勝治君 国立か特殊法人か、その点もう少し明確にお答えいただきたいのですが、無理でしょうか。
#27
○国務大臣(坂田道太君) まあ私といたしましては、これ以上は申し上げられないので、最終的に合意に達しました場合には、その点がはっきりするわけでありますが、新しい形態の特殊法人とするということで検討しておるというところに少し重みがそっちにかかっているというふうに御了承願いたいと思います。
#28
○森勝治君 ですから、私は先ほど慎重と蛮勇が雑居しているのじゃないかというげすなことばで表現をし、これは私の考え方を若干入れて、そういう意味で申し上げたのです。先月の二十三日の参議院の文教委員会における発言よりもなおきょうの発言は後退されている、こんな気がしてならぬのであります。十月二十三日の参議院の文教委員会におきましては、四十八年から特殊法人として発足させたいと明快に述べておられるわけです。ところが、その形態についてはまださだかでない、これ以上明言を避けたいとおっしゃる。ならば、文教委員会ならば自分のホームグラウンドだから、守備範囲だから安心してしゃべれる、逓信委員会は井出さんの縄張りだからそれこそ慎重だ、こういうお答えなんでしょうか。先月よりも、まだ少ししかたっておりませんね。それなのに、そんなに変わっちゃうんですか、あなたらしくない。なぜもっとこういう問題を大胆率直にあなたの思われることをおっしゃらないのですか。私は失敬でありますが、あなたはいままでの数々の紛争等につきまして自分の所信を明快に赤誠を吐露されてきた真実一路の方とお見受けして質問を申し上げているのです。自分の委員会ではそういうことをおっしゃる。ここではそういうことでは、私は失敬でありますが、きようでございますかということで、あなたの意見を拝聴するわけにはまいりません。ですから、もう少し明快なお答えをいただかなければどうも若干ふに落ちませんね。だから私は夾雑物が入ったのかというふうな、失敬な話でありますが、げすの勘ぐりのような質問を申し上げているのです。大臣その点を明確にお答えいただきだたい。
#29
○国務大臣(坂田道太君) 私ちょっと速記録を見てみないとわからないのですが、私の気持ちは文教委員会における発言も、それからここにおける発言もそう変わっていない。こういうふうに思うわけでございますが、あるいは速記録にそういうふうにはっきりと四十八年度からやる、あるいは四十八年度にやりたいということならやはり同じ気持ちだと思うのであります。まだ私は四十八年度からやりたいということを捨てたわけじゃございませんから、その意味では最善の努力をしたい。まだ余地は残っておるわけなんで、四十八年度からはできないんだとは言い切れないわけでございます。そういうふうに御了承をいただきたいと思います。
#30
○森勝治君 ことばじりをつかまえるようで恐縮でありますが、あなたのおっしゃることはわからぬでもありまません。四十八年度からやりたい、したいということは希望的観測でありますからね、これは変更もあり得るでありましょう。しかし、そのときあなたは特殊法人としてしたいと、こうおっしゃっている。あなたのいまの発言は、国立と特殊のいずれをとるかと言われるならば、特殊のほうにやや重点がかかっているというふうに、そこをぼかされているわけですね。
#31
○国務大臣(坂田道太君) はい、わかりました。
#32
○森勝治君 その点が特殊法人で四十八年度からさせたいと、これならまだ参議院のあの文教委員会の発言とそう食い違っているというような指摘はいたしませんが、その点が私はふに落ちないから重ねてこういう発言をしているわけですから、その点明確にしていただきたい。
#33
○国務大臣(坂田道太君) その点は、私がことばが足りませんでした。特殊法人として、できれば四十八年度から出発させたいという気持ちには変わりはございません。最善の努力をいたしたいと思っております。
#34
○森勝治君 それでは国立と特殊法人とを比較検討されて、彼我のよさ、悪さというものを十分御勘考の上にそういう案を出されたんでありましょうが、それならば特殊法人としてのメリットというものはどういうものがあるか、この点ひとつお伺いします。
#35
○説明員(今村武俊君) 放送大学準備調査会の御意見の中に、たとえば一つの例でございますが、教授の任期制等を研究して、そして常に斬新な教授陣をそろえて放送大学の講義の内容を充実するという一つの考え方がなされておりますが、国立大学の方式をとるといたしますと、それは現実にできないことでございます。現在の教育公務員特例法の制約がございますので不可能でございますが、特殊法人にいたしますと新しい構想ができる。したがって、そのことが可能になるということもございます。
 また、放送大学が非常に開かれた大学であるためには特殊法人にして、その管理運営の機構を新たに構想することによって、開かれた大学としての目標が現実化、具体化することができるといったような長所もございます。そういうことをあれこれ検討いたしまして、特殊法人とする方向をほぼ確定いたしまして、現在では、その特殊法人の具体的なあり方の問題について検討を進めておるところでございます。
#36
○森勝治君 そこで、郵政大臣にお伺いをしたいのでありますが、郵政省は次期通常国会に放送大学の設置に伴う放送法の改正案を用意しているというふうに聞いておりますが、この場合、放送をだれに実施させるかということによって、その内容が異なってくることは当然でありますが、そうなりますと、すでに放送の実施主体についての方針を定めて準備をしておるものと、こう思われるわけでありますが、いま文部大臣並びに文部省の担当局長からの御発言の内容からいたしますと、郵政の考えている意図と若干ズレがあるような気がしてならぬわけでありますが、その辺の準備態勢というものはどうなっておられるんですか。郵政省としての準備はどうなっておられるんですか、その点をお伺いしたい。
#37
○国務大臣(井出一太郎君) 森さん御承知のとおり、放送大学の内容であるとか組織であるとか、こういう点は文部省が受け持っておられるところでございまして、それはまあ、ただいまの問答によってもだんだんと明らかになりましたように、たとえば特殊法人というようなことに煮詰まりつつあるようであります。私のほうは放送手段といいますか、技術といいますか、こういう面を受け持つのでございますから、文部省と常に話し合いを密にいたしまして、それを受けて立つという立場において、心用意はしておるのでございますが、当然まあ放送法に変化が生ずる、そういう際の受け入れ準備ということは事前にやっておかなければならぬことでございまして、この研究はいたしておりますものの、それほど確定的なものに相なっておるという段階ではございません。
 なお、詳しくは電波監理局長から申し上げます。
#38
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 放送法の改正と申しましても、やはり放送大学の主体というものがはっきりしないとできないわけでございまして、まあいずれ文部省のほうにおかれましては、放送大学設置法とか、そういった関係のものができると思います。それに対応いたしまして、放送法をどう変えていくかということになるわけでございまして、準備はいたしておりますが、いつ提出するとかという段階にはまだなっていないわけでございます。
#39
○森勝治君 そこで、郵政大臣としては、主体をどこに置かれたほうがよいとお考えですか。
#40
○国務大臣(井出一太郎君) これはまあいずれがリーダーシップをとるということではなく、大学であります以上は、文部省のほうで基本の方針が打ち出される、こういうことでございますが、私どものほうとしましても、やはり従来にない新しい大学がここに出現しようとする、こういう場合、その責任が明確でなければならないということから考えますならば、一つのそのための特殊な法人というものができますならば、まあそういう形のものが一番妥当ではないかという感じを持っております。
#41
○森勝治君 これはまた消極的な御発言で、あなたのお答えとも思えないおことばをいただきました。参議院の逓信委員会でありますから、慎重な御発言はもっともだと思うのでございますが、あなたはもうすでにこの問題については、しばしば明快な井出構想と申しましょうか、あなたの抱懐する所感というものを明快に発表されておるはずでございます。いまのは、きまればという――仮定をもってお答えいただきました。もう少し積極的な御発言をいただけないものですかね。たとえば失敬でありますが、あなたの発言の内容を引例して御質問して恐縮でありますが、九月十八日の三地方局長会議の席上におきまして、あなたはこうおっしゃっておられるわけです。「放送の実施主体については放送大学が放送の責任を持ち得る体制にすべきである。」このように明快におっしゃっておるわけです。つまり放送局の免許は放送大学に与えるべきだという考え方を明快にされておるにもかかわらず、この席上では、その点は若干ぼかしておられるわけです。もちろんこれは、文部、郵政両省にまたがる事柄でありますから、一方がどうの、一方がどうのということであってはならないと思うのです。相互の緊密な連携のもとにはじめてこの画期的な構想が具体化されるわけですからそれは当然であるでありましょうけれども、やはり所管の長として、部内ではこういうふうに明快にされておるわけですから、少なくとも、権威ある当委員会におきましても、あなたの明快な所信というものを表明されてしかるべきもの、私はこういう理解を持つのですが、大臣、その点はいかがですか。御意見を率直に聞かしていただきたい。
#42
○国務大臣(井出一太郎君) まあ、先ほどの私の発言といまの御指摘になりました三局長会議の発言と、あるいはニュアンスとしての受け取り方が、森さん異なった印象を持たれたと思いますが、その点は、さまほど変わったものではないと、こういうふうに御了承願います。
#43
○森勝治君 変わったものではないとおっしゃっても、きまれば、こうだとおっしゃっているわけです、あなたの答弁は。ところが、九月十八日の部内の発言では、自分はこれこれの体制にすべきだというふうに明快に発言をされているわけですから、この辺を明らかにしてほしいと私は申し上げているのですよ。あなたのこのことばが食い違っているというのではないのです。部内の会合では、明快にずばりと出されているから、この席上でもあなたの御意見を明快に表明すべきでないか、こう申し上げているわけです。きまれば――仮定ですね、きまればそうします、こういうふうに受け身の形の発表でなくして、もっと前向きのお答えをいただきたい、これが私の切なる願いであります。
#44
○国務大臣(井出一太郎君) まあ、先ほど来文部省の御答弁もお聞きのようでございまして、両省これは緊密な連絡を必要とする事柄であります。したがいまして、まだ、その間には若干解決を要するような問題もあろうと思いますので、まあ私は先ほどの表現をいたしたわけでありまするし、それからその三局長会議の場合も、やはり前提としては文部省とも十分に話し合った上でという前提がその背景にある、こういうことに御了承を願いたいと思います。
#45
○森勝治君 関連する二つの省にまたがる問題でありますから、それぞれの所管と考え方を交換することは、これは当然でありましょうね。それはもう聞かずともおのずから明快であります。しかし、両省の持ち寄りの考え方といたしましても、まずおのれのほうの考え方がさだかでない限りやはり事柄というものはまとまるものじゃないと私は思うのです。文部省さんがそうだったからということが、きまればのればに通ずるわけですから、郵政省は本件については受け身である。郵政の主体性というものは、放棄したとは言わないけれども、どうもその辺がげすなことばで言えば、文部省に押されがちではないかという誤解を生ずるような大臣の御答弁というふうに邪推をしますから――おそらくそうではないと私は思うのであります。大臣のあなたの人柄からいいまして、失敬でありますが、そういう人物評論めいたことを申し上げて恐縮でありますが、あなたは率直な方でありますから、自分の考え方を明快にもうすでに閣議等におきましても御開陳なさってあるはずだと思います。したがって、本席上におきましても、その点をこのように明快に九月十八日の部内の会合ではお出しになっておられるわけですから、ならばここでも御発表願いたい、こういうことで私はくどいようでありますが、申し上げているわけですから、この点、隔意のないひとつおことばをいただきたいと思います。
#46
○国務大臣(井出一太郎君) ここの発言と局長会議の発言と、そう私は変わったものではないと、こういうふうに考えておるのでございますが、いずれにもせよ、両省にまたがる問題でありまするから、その間隔意のない相談を十分遂げてそうして遂行をしていかなければならぬ、こういうことでありますから、私のほうの考え方は放送大学という主体性のある、これはまあ特殊な法人ということになるのでございましょうが、そういうものを実施をしていくということが適当である、おそらく文部省のほうにおかれても、これにはそう異論はなかろう、こういうふうに考えております。
#47
○森勝治君 そうしますと、従来は放送大学の問題につきましては、NHKの技術と経験というものを十分活用したい、こういうふうに大臣等もしばしばというまでにはいきませんけれども、幾たびか御発言をなさったように記憶をしているわけですが、いまのように大臣が消極的な御答弁ばかりに終始いたしておりますと、一体NHKを活用する方針などというものもしょっちゅう、こう風が変わるそれのごとく、郵政のNHK活用についても態度がめぐってしまうような気がしてならぬわけでありますが、この放送大学という命題を掲げたこの一大事業についてNHKというものをどう活用されるのか、その点お答えをいただきたい。
#48
○国務大臣(井出一太郎君) ちょっとその前段のほうをもう少しふえんをしておきたいと思いますが、放送大学という責任を持ち得る主体、こういうものが望ましいということは先ほど来申し上げているとおりであって、これに関する限りそれほどきょうは後退したとか、きょうは消極的だったとか、こういうのではございません。もちろん、その考え方の基礎の上に文部省という相手があるといいますか、大学の運営については一番主管のお立場がございますから、そちらと平仄を合わせてやるべき問題だと、こういうことに前段のほうは御了解をいただきたいと思います。
 そうしてNHKは、これはまあ長い伝統と技術を持っておりますから、これをかように活用していくか、これはもう重大な問題でございまして、これと放送大学をいかに結びつけるかというような点につきましても十分検討をし、NHKの持っておる真価というものを国益のために用いていくということはこれは当然でございます。
#49
○森勝治君 電波局長にお伺いしますが、いま大臣のお答えになる前に私が質問いたしました法案の改正ですね、放送法の改正等の問題が用意があるかという話だったのですが、当分改正の用意は、提案する意思はない、こういうお答えというふうに受け取ってよろしいのですか。
#50
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 そういうことではございませんで、文部省のほうとタイアップしてやらなきゃならないわけでございまして、放送法だけをどんどん変えるというわけにはいかないということでございますので、もちろん、文部省のほうの用意ができますれば、それと対応しまして、放送法のほうも改正するというわけでございます。
#51
○森勝治君 ですから、そうなれば、従来四十七年度からということで、郵政省は少なくとも作業を進めてきたわけでありましょう。そうですね、それははっきりしていますね。――ところが、実施の段階でCAの問題に逢着をして若干延期せざるを得なくなった。したがって、少なくとも来たる通常国会においてはこの改正法案が出せる見込みがない、そういうことでしょう。文部省と相談してと言わなくても、おのずからさだかじゃないですか、そういうことは。文部省はもうできませんと、文部大臣は、従来は先々月の二十三日の参議院の文教委員会では四十八年度からということばだったが、きょうの席上では四十八年度以降、四十八年度以降ということは四十九年度、五十年度というように延ばされることもありますということばなんですよ。四十八年度からというのは四十八年度目途ということでありますけれども、以降ということになりますと、できれば四十八年度、不可能なら四十九、五十と延びるということをきょうほのめかされているわけですよ。ならば、あなた方が作業を進めてまいりました四十七年度に大学を設置、発足させるというこの構想とはだいぶ隔たりがあるわけですから、当然これは来たるべき通常国会では、この放送大学設置に伴う放送法の改正案は提案ができないことは明らかじゃないですか、やるつもりですか。その辺はひとつ明快にしてください。
#52
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 私の申し上げましたのは、文部省におきまして当然その放送大学の法案ができるわけでございましょうから、それとタイアップいたしまして放送法も改正しなきゃならないというわけでございますので、文部省のほうで、次の国会に出すことができないということになれば、放送法のほうもしたがいまして出さない、そういうことになると思います。
#53
○森勝治君 文部省のほうでじゃないんですよ、いいですか。私は全般的な意味で申し上げて、いま具体的に放送法の、この放送大学についての放送法改正の用意があるかと、こう申し上げておったんですから、私が次に聞きたいと思うことは、また違った角度からいま問題を端的に出したのです。なぜならば、放送法の抜本的改正というものはしばしばもう当委員会でも指摘されているわけですから、御承知ですね。――そうでしょう。それをほおかむりして放送大学設置に伴うその部分だけ改正するような印象がぬぐい切れないから、一体かねてからしばしば指摘された放送法の抜本的改正というものは、この放送大学設置に伴う放送法改正のときに一緒におやりになる意思があるかどうかと、こういう広い意味で聞いておった。いきなりそこまでいくのは失敬でありますからいきませんでしたが、当然この放送大学設置に伴う放送法改正のときには、この放送法の抜本的改正にも手をつけなきゃおかしなものになりますから、そういう御用意はおありですか、こういう意味も含めて質問したわけなのです。ですから、いま具体的に指摘をいたしましたが、もう一度ひとつお答えをいただきたい。
#54
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 まあ、従来から懸案になっておりまする放送法、電波法の改正は、これはこの前の先生の御質問に対しまして大臣からもお答え申し上げたと思いますけれども、私どもとしてはまあ鋭意検討中でございます。ただ、この放送大学のほうとどういう関係になるかということでございますが、これは場合によりましては、放送大学のほうだけが先行してやらなきゃならないということも、まあ場合によってはあり得るかということも想定いたしまして、放送大学につきましての法案の改正ということもあわせて考えているというわけでございます。
#55
○森勝治君 放送大学設置に伴う放送法の改正の場合に、放送法の抜本的な改正もされるという意見を出されました。これはいただいておきますから、ひとつ末長く記憶をしていただきたい。
#56
○政府委員(藤木栄君) ちょっと、そういうふうには申し上げなかったつもりでございますけれども……。
#57
○森勝治君 いただいたんだから、速記録に残っておる。
#58
○政府委員(藤木栄君) この放送法、電波法の改正は、従来ともその抜本的な問題については検討を進めているわけでございまして、まあこれいつになるかということはまだはっきりいたさないわけでございますが、まあできるだけ早くやりたいということには変わりはないわけでございます。
 一方、その放送大学に関しまする放送法の改正という問題は、まあ一応私どものその仕事の整理ということからは、文部省のほうがもしどんどん進めるということになれば、それを切り離してもやらなきゃならない事態になるだろうということも考えまして、それはそれとして準備を進めておるという状態でございます。
  〔委員長退席、理事永岡光治君着席〕
#59
○森勝治君 どうもたたみかけると逃げ腰になる、その態度はいけませんね、それは。大いに考えてもらわなきゃなりません。まあ文部大臣も時間がおありだそうだからそういうことは別にして移りますが、電波局長ね、次期の通常国会にこの改正案を出すかどうかという問題の質問については言を左右にしてお答えにならぬのですが、できないでしょう、現に。できないでしょう。できなければできないとなぜ明確にお答えにならぬのですか。いまのように私がたたみかけて言質をとると、あわてて答弁の指名もしないのに立ち上がってかってにべらべらしゃべる。明快な答えを求めようとすると逃げる、いけませんよ、それは。これはひとつ今後直していただきたい。第一、来年度の予算要求幾らされているのですか、それをひとつお伺いしたいです。まあ先ほど開校を一年おくらせるということであります。何と申しましても、この問題は全国的な規模で行なうわけでありますから、相当な準備期間と経費が伴うことはこれは必然であります。したがって、これには予算措置というものが付随しなければ実効が上がらぬことは当然でありますから、さてしからば、予算措置はどうなっておるのか、その点郵政と文部両当局からそれぞれお答えをいただきたい。
#60
○説明員(今村武俊君) 放送大学の設立準備に伴います予算措置につきましては、まだ概算要求の計数を最終的に確定いたしておりません。近く郵政省とも協議の上、大蔵省に提出する手続をとるつもりでございます。
#61
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 郵政省としましても、いま文部省のほうからお答えありましたように、私どもとしましては、放送の施設の関係でございますので、そういったものにつきましては準備は進めておりますが、文部省とよく話し合いまして予算の要求をするということになると思います。
#62
○森勝治君 もっと具体的にお答えいただけませんか、すでにもう出されておるのですから。
#63
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 郵政省としましては、放送大学に関する予算というものは約八百万円でございましたか、これはいわゆる放送大学のためのチャンネルプランをつくるための調査費というものはすでに出しておりますが、先ほど申しました施設の関係は、これはいまのところまだ出していないという状態でございます。
#64
○森勝治君 そうなりますと、やはり放送大学設置に関する放送法一部改正案などというものはおぼつかないですね、通常国会では。そうでしょう。そんならいまうなずく前にあなた明快にお答えくだされば、こんなやぼな質問をしないで済んだものをですね。私は特に指摘をしたいんです。放送大学を開設すると言ったときには、国民の多くの皆さんがこれを待ち望み、拍手をもって迎えたはずであります。さて、具体的に実施しようという段階になりますと、なぜか知らぬが慎重論ばかりまかりこしてしまうような気がします。来年度、置局調査ということで八百万要求をしているというふうにいま承りましたが、四十五年度の三百万は、大学設置に伴う調査研究費でしたね。次官が外国へ行って、もうそれで三百万消えてなくなりましたね。次官がすべて使ったとは申し上げませんよ。とすれば、八百万もそういう程度で当面を糊塗されるとするならば、ちょっとあれじゃないですか、何か鳴りもの入りで宣伝して国民を喜ばしていながら、待てど暮らせど姿は見せないということになるんじゃないでしょうか。国民が期待をもって迎えているわけですから、もう少し積極的な姿勢があってしかるべきものと、私はこう思うのですが、どうでしょうか。いろいろ問題がある、問題があると言うが、きょうの文部と郵政の答弁を聞いておりますと、何か郵政省のほうは、失敬でありますが、文部省の結論待ち、こんな気がしてならぬ、そんな印象がぬぐい切れない。そういうことであってはならないと思うのです。両省がほんとうに意見を十分持ち寄って、よきものをやっぱりつくり上げていく積極的な姿勢が必要じゃないでしょうかね。そういうところは一かけらだにうかがい知るよしもない、残念ながら。非常にこの予算措置等についても消極的。したがって、これでは大臣が、従来は四十八年度からとおっしゃったのを、この席上で四十八年度以降、四十八年度以降というのは四十九年度、五十年度にも延びる可能性がありますという私の発言に文部大臣はうなずいておられた。その辺の空気を勘案いたしますと、きっぱりこれは熱意が――従来の発表直後の両省の熱意というものと、現時点の熱意というものがほど遠いような気がしてならぬわけであります。
  〔理事永岡光治君退席、委員長着席〕
したがって、このことについては、われわれがしばしば指摘したような気がするわけですが、何と申しましても、国民の期待にこたえるためには、積極的な姿勢を打ち出さぬ限りは、その期待にこたえるすべはないのじゃないでしょうか。そういう問題からいたしまして、一体両省ではどうお考えになっておられるのか、自分たちが積極的にやりたいというのか、大蔵省から予算を削られてしまってどうにもならぬとおっしゃるのか、失敬でありますが、その辺のところもう少し詳しく説明していただかないと、政府与党が発表した四十七年度からだんだん遠のいてしまうような気がしてなりません。もう一度ひとつお答えをいただきたい。
#65
○国務大臣(坂田道太君) 放送大学は、いままで申し上げましたように日本で初めての試みでもございますし、それから御承知のとおりに、昨年来既設の大学が紛争をいたしておりまして、それにも一つには既設の大学そのものの管理運営あるいは教育研究のやり方等についての改善、改革ということもあるわけでございます。また、そういう既設の大学の改善、改革をすることも大切でございますが、同時に今日の社会の要請にこたえる新しい大学をつくっていくということも当然考えられなければならないことでございまして、その意味におきまして、このマスメディアを媒体とする放送大学という構想もやはり新しい大学構想の中の一環として考えていくべきものであるというふうに思うわけでございます。たとえば、国立大学にしたほうがいいのか、あるいは特殊法人にしたほうがいいのかというような議論も、ただいま大学改革の検討を願っておりまする中教審においても中間報告に述べられておるわけでございますが、その中教審の最終の答申が来年の五月になって大体出てくる予定であるわけでございます。こういうような大事な制度改革というものと無関係にまた放送大学だけを進めていくというわけにもまいらぬわけでございまして、その意味合いにおきまして、やはり私たちとしては慎重にやらざるを得ない。しかし、それだからといって全然暗中模索、何らのスケジュールもないということではないんで、先ほどから申し上げますように郵政省御当局とも相談をしつつ今日までまいっておることを率直に申し上げておるわけでございます。予算要求等についても先生の御指摘のように、まだ何かやるのかやらぬのかわからぬような状況等についても、いまのまだ何も概算要求を出しておらないこの状況においては、ほんとうにそうお考えになるのも無理からぬことだなという感じさえしておるわけでございますが、しかし、これも早急に昭和四十六年度の予算編成の最終決定もしなければならないわけでございますから、いましばらく御猶予のほどをお願いを申し上げたいと思います。
#66
○国務大臣(井出一太郎君) いま文部大臣からお答えになりましたように、これは両々相まってやらなければならぬ仕事でございます。私のほうは電波の用意をする、さらに施設をどうするか、こういうことを受け持っておるわけでありまして、その意味においては、先ほどは置局に関する予算の要求ということを局長から申し上げましたが、施設に関する概算というものをただいま作成をしておるわけでございまして、これらを文部省と相はかりまして引き続いて要求をするというふうに考えておるわけであります。
#67
○森勝治君 いまの両大臣のお答えにありましたように、郵政が来年度予算要求を八百万、文部省もそんなところ、これでもなかなかおぼつかないわけですね、実施につきましては。そこで私はもう少し進めて具体的に聞いてみたいのでありますが、郵政省では放送大学放送施設調査会というものを、何か先々月あたりスタートさしたそうでありますが、そうして、そこで技術的な問題についての検討に取り組んでいる、こういうように聞いておりますが、放送網の建設についての構想は那辺にあるか、いわゆるどんな構想をお持ちか、このことをひとつお聞かせ願いたい。
#68
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 御指摘のございました放送大学放送施設調査会というものは九月に発足したわけでございますが、十月の末には報告書が出まして、全国的な放送大学の施設をどうするかということが報告があったわけでございます。これによりますと、七カ年で三期に分けて行なうという計画になっておりまして、第一期としましては、第一年度及び第二年度ということで東京に演奏所を建設し、さらに札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、松山、福岡及び北九州という九カ所にテレビとFMの送信所を建設いたしましてやっていこう、そしてこの場合のいわゆるカバレージと申しますか、放送区域というものは大体全国の四五%ということになるわけでございます。次に第二期といたしましては、第二年度から第四年度分までとしまして、二十五カ所の県庁所在地に送信所を建設しまして置局をするというわけでございまして、そうなりますと、第一期、第二期合わせまして、カバレージは約六〇%になる。それから第三期は、そのほかの第四年度から第七年度まででございますが、その小さなところになるわけで、大体二百二十六カ所にテレビの送信所と、FMにつきましては百九十の地区に送信所を建設いたします、全体で約八〇%ということになるわけでございます。そして経費としましては、約四百三十六億円というような報告が出ております。郵政省としましては、この報告をいただきましたので、これを参考にしまして文部省と協議しまして、具体的な置局をどうするかということを検討しておるわけでございますが、大体こういった方向でいいのではないか、大体この八〇%ぐらいまでは七カ年くらいで建設ができるだろうと、そういうことで検討を進めているという段階でございます。
#69
○森勝治君 一体建設費というものはどのくらいかかるのですか。
#70
○政府委員(藤木栄君) 先ほども申し上げたわけでございますが、この全体八〇%のカバレージには建設費だけでは約四百三十六億ということになっております。
#71
○森勝治君 八〇%、――パーセンテージで聞きますけれども、当初スタートのときに、これはいま言った四百三十六億ですか、概算四百四十億ですか、スタートのときにそれだけ必要だということですか、すべてですか。その点がどうもちょっと私聞き漏らしましたから。
#72
○政府委員(藤木栄君) 総計でございます。
#73
○森勝治君 そうすると、それは年次ごとに計画しますね、スタート時にはどのくらいかかりますか。
#74
○政府委員(藤木栄君) スタート時におきましては、その規模をどうするかということによりまして、いろいろ変わってくるわけでございますが、文部省と協議しまして、いまのところは第一年度といたしましては、東京、大阪、名古屋、広島、福岡、仙台、札幌といった七カ所に手をつける、テレビとFMに手をつけるということにしますと、それだけの建設には約六十一億ばかりかかりますが、第一年度には全部それだけ使わなくてもよろしいわけで、約九億ぐらいを計上しております。
#75
○森勝治君 第一年度九億ですか。
#76
○政府委員(藤木栄君) はい。
#77
○森勝治君 そうしますと、九億でその第一年度つくって、そのもたらす放送の範囲、包含する学生の数というのは、学生――まあ学生と言っていいでしょうね、大学ですから。どのくらいの構想なんですか。
#78
○説明員(今村武俊君) その九億の計数は、学生の数とは無関係にカバレージがどの程度かということを中心にして算定されたものでございます。学生数の正確な測定がむずかしいので、先ほど申し上げました三千人の調査及び一万人のサンプル調査をやりまして、将来の学生数を確認しようとしている段階でございます。
#79
○森勝治君 先ほどのお答えですと、サービスエリア八〇%を達成するのに四百三十六億、第一期から第三期までの間ということですね。ですから、第一年度に九億かかるということでしょう。そうすると、第一年度で九億かかるということは、そのときに放送大学がすでにもうスタートしたあとでしょう。ですから、そうしたら第一年度にもう開校するわけですから、当然その辺の想定、測定というものはなされなければならぬわけでしょう。いまのお話だと、そういうのはまだつまびらかでないというお話だったが、それがなければ、大学をしてどのくらいの電波を送るか、その範囲か何かを当然きめるわけですから、そういうものが何もなくて、だれが何人受講して何をやるかわからぬで九億の予算の測定というのは成り立たないでしょう。放送網はこの程度ですと、そうしてこれはどの地域に波及するでしょう、そこで大体どのくらいの受講する、勉学する学生がいるという、そういう想定、推定、推移というものの構想が発表なくして、ただ、九億かかります、かかります、それは大学つくりますと言ったって、それはお話にならぬじゃないですか。
#80
○説明員(今村武俊君) 放送大学が成立いたしますためには、テレビあるいはラジオの電波が全国にあまねく到達することがまず望ましいわけでございます。それから先ほどの電波監理局長の御説明では、第一期、第二期、第三期に分けて漸次そのカバレージを広げていきたいというお話でございます。これは放送大学の受講生の員数の確定いかんにかかわらず必要なことでございます。入学定員のほうは大学のキャンパスあるいは大学のスタッフの規模を確定するのに必要でございますので、二回ほどのサンプル調査によりまして確定的な入学の定員を固めたいと努力しておる段階でございます。
#81
○森勝治君 それではそういう額で聞きましょう。
 第一年度に九億円かかるわけですね。第一期で百五十五億ですからね、第二年度には百四十六億設施に投入すると、こういうことですね。
#82
○政府委員(藤木栄君) 先ほどの放送大学の施設調査会というところの計画では、この第一期に初め九カ所にテレビとFMを置くと、いま以下申し上げたようなことになっているわけでございますが、私どもこの放送大学放送施設調査会の報告を受けまして、これに基づきまして文部省と協議をいたしまして、建設計画としての第一年度は先ほど申し上げました九億程度でスタートする。そうして、第一年度と第二年度で先ほど申しました東京、大阪、名古屋、広島、福岡、仙台、札幌等の九カ所の建設を終わると、そういう計画でございます。したがいまして、第一年度からすぐに学生が入ると、電波を受けられるという状態ではないわけでございまして、大体第一年度、第二年度かかりまして、この九カ所の建設が終わって電波が出せる状態になると、そういうことでございます。
#83
○森勝治君 そういたしますと、第一期――第三期で四百三十六億のうち第一期、すなわち第一年度、第二年度で百五十五億ですね。いまのお話のように、第一期第一年度で九億ですから、第一期第二年度で百四十六億、それでは開校ができないですね、いまのお話だと。そうでしょう。そうすると、第三年目にならなければ開校できない。そうなりますと、たださえおくれたといわれて、いま四十八年度でかりに発足いたしましたとしても、放映するのは昭和五十年度にならなければ、実際上の大学としての実態を備えることができない。それまではいわゆる形骸である、形のみである、こういうことですね、いまの御説明だと。
#84
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 第一年度と第二年度の二カ年で東京、大阪以下九カ所の建設を終了するということになりますと、第三年度目から電波が出て、学校ができるというかっこうでございます。したがいまして、来年度、再来年度予算の要求をしまして、予算がつけば、四十八年度からスタートできる、こういう計算になるわけでございます。
#85
○森勝治君 来年度スタートすればですか。
#86
○政府委員(藤木栄君) 建設をスタートすればです。
#87
○森勝治君 すればといっても、郵政省が四十六年で八百万しか予算措置要求をしておらないで、なぜ来年度スタートできますか、ばかも休み休み言ってくださいよ、もら一ぺん訂正してください。そんならもっと予算措置したらいいじゃないですか。
#88
○政府委員(藤木栄君) ちょうど文部省のほうからも予算のお話が出ましたけれども、これは施設の面につきましては四十六年度追加で要求するということになれば、四十六年度からスタートできるというわけでございまして、もちろん現在のところは施設費は要求しておりませんが、調査費だけでございますけれども、施設費、それからまた文部省のほうの関係のものを含めて、あとでその追加で要求するということでございます。
#89
○森勝治君 それでは四十八年度大学開校ということは第一期の第二年度終了で、すなわち第二期の初年度に当たるということですね。
#90
○政府委員(藤木栄君) いま申しましたような計画でやれば、第一期が終了しますれば、九カ所から電波が出るというわけでございますから学校としてのスタートができる、かようなわけであります。
#91
○森勝治君 それならば、当然、文部省に聞きますが、大臣の四十八年度発足させるという構想でありますから、四十六年度には第一期第一年度の少なくとも九億の予算要求をするということですね。
#92
○国務大臣(坂田道太君) その四十八年度に発足できるかどうかということは、いま御指摘のとおりに、九億を四十六年度で予算を要求し、それを獲得するかどうかにまずかかっておるというふうに思います。したがいまして、この点についての最後の詰めをいまやっておるということなんでございます。
#93
○森勝治君 ですから、いまのお話だと第一期――第三期まで四百三十六億かかるわけですね。そのうち第一期は百五十五億かかるわけです。それで第一期の第一年度で九億かかるということですね。しかも、今度は大学がスタートするときは、電波を放映するのには、最小第一期の期間満二カ年間経過しなければだめだという説明であります。そうならば、四十八年度大学スタートという構想発表になっておるわけですから、少なくとも四十六年度に、この第一期第一年分の九億の予算措置要求をしなければ、四十八年度開校は不可能だと、私はこれを申し上げているのですよ。ですから、この九億の予算措置の要求をおやりになるのかどうか、これを聞いているのです。
#94
○国務大臣(坂田道太君) そこのところがいま一番問題でございまして、もうそこの、何といいますか、ことは先生よくおわかりなんで、それでそのことをいま郵政省と私たちとで最後の詰めを行ないたいということでございます。
#95
○森勝治君 聞けば聞くほどあとずさりといいますか、あとへ退かれる両省の態度でありますので、予算は大蔵省が握っているからやむを得ないかもしれませんけれども、当初の意気込みを両省とももう一度想起されて、ひとつ建設に最初にして最小限度の電波を放映するのが満二年間かからなければならないというこの時間的空間というものを推測しまして逆算しましても、当然四十八年度スタートするということになるならば、四十六年度に予算措置を講じてすみやかに工事にかからなければ四十八年度はおぼつかないということになります。これが四十八年度くらいに予算措置第一期とるようなことになれば五十年代にならなければ放映は開始できない。大学の形態を備えることもしたがっておくれるということになりますから、それであってはこれはもう時代が変わってしまいますから、ひとつそういうところは十分、専門家が粒ぞろいでありますから、ひとつ両省とも検討して、国民の期待にこたえてもらわなければならぬわけであります。
 そこで次に移りますが、この第一期計画の中の七大都市に施設をつくるという話でありますが、現在の教育の姿、いわゆる大学というものの姿を見ますと、ほとんど七大都市に偏在いたしておりますね。大学の数が三五%七大都市に偏在をし、学生の数で五八%を占めているわけでありますが、こうなれば一体、大都市にのみ教育の学府というものが偏在する関係上、高等教育を受けるためには地方の子弟というものは多大の不便を来たしておるというのが現状だと思うのであります。したがって、教育の機会均等、門戸開放、あるいはまた、社会的要請にこたえるという立場からいたしますならば、この種の放送大学の趣旨、目的からいいましても、教育施設の乏しい地方にこそ普及を優先きせるべきではないか、私はこう考えているわけですが、いまの構想発表は、大都市より、大学が充実している、蝟集している地域より、いわば近きより遠きに及ぼす、こういう施策をもってしているようでありますが、これはやはり逆にやられるのがよかろうかとも愚考するわけであります。ですから、その辺のかね合いをひとつお聞かせ願いたい。
#96
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 この電波で放送大学の番組を送るということになりますと、どうしてもその番組をつくるところは東京ということになるわけでございまして、それをマイクロでだんだん地方に送るというかっこうになる、これは物理的にそうならざるを得ないわけでございますから、どうしても、そういった都市から電波を順次送っていくということに物理的にならざるを得ないというわけでございます。もちろん、地方局にも初め建設をいたしまして、番組だけはたとえば最近のビデオテープと申しますか、そういったものを東京でつくって、それを郵便で送って、そのいなかのほうからスタートきせるという方法も理論的にはないことはないと思いますけれども、やはり現在のように同時にやはり放送大学の電波を出すということになってきますと、第一にやはり東京からマイクロで地方に送って、それからさらに中継局でだんだん電波を出していくということになるのではないかという状況でございます。
#97
○説明員(今村武俊君) 私どもといたしましても、教育の機会均等という見地から、先生のおっしゃるような御質問を郵政省に発してみたこともございますが、技術の上でできないんだそうでございまして、断念しておるところでございます。
#98
○森勝治君 そうすると私が申し上げた教育施設を、教育を受ける機会の乏しい山村僻地と申しましょうか、この都より遠く離れた遠隔地の諸君の向学心をかり立てるためにも、門戸開放というたてまえからいっても、高等教育を普及させるという面からいうても、やはりそういう面から、放送大学はあるべき姿はそういう辺地教育から始まるのがむしろ正しかろう、このことを文部省もお認め願えますね。
#99
○説明員(今村武俊君) 大学の分布の現状からいたしまして、考え方としては、そういう考え方を優先して実現したいものだと考えておりましたが、必ずしもそうはいかないということでございました。
#100
○森勝治君 その後段の、必ずしもそうはいかないというのは、郵政省側の主張の、いわゆる技術的な分野にわたるものだというふうに私は理解するわけです。
 それで、郵政省にお伺いするわけですが、技術的な分野にわたると言って文部省を説得した模様でありますけれども、どこに技術的な隘路があるのですか、やろうと思えばできるのじゃないでしょうか。大学のたくさんあるところへ電波の中心を持っていかなくても、あなた方の技術をもってすれば、教育の機会均等、門戸開放をいま文部省が念願している、われわれもそう考えているのですが、それと同じ国民的立場で遠隔の地に置くことができるのじゃないですか。何も大都市に偏在したところへ中心施設を持ってこなくてもできるはずです。これは不可能じゃないじゃないですか。だから、その辺はひとつ明らかにしていただきたいですね。
#101
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 たとえば関東地方ということを考えてみますと、現在、テレビの電波はどういうふうに関東の全域にわたって放送されているかということを考えてみますと、まずテレビの電波は東京の中央局から電波が出ます、それを地方に中継局がたくさんあります。関東地方だけでも相当な数があるわけでございますが。そういったところで東京の電波を受けまして、それをさらにそこから電波を出す、それからまたいなかのほうになりますと、その電波をまた受けまして、それからまた電波を出すというふうに、まあ親から子、また孫というふうに電波が中継されて、その辺地のところまでいくというわけでございます。したがいまして、物理的に辺地のところだけで初めから電波を出そうと思っても、そのもとになる親がなければ出せないというわけでございまして、そういった技術的な意味から、たとえば関東地方を例にあげましたけれども、ほかのほうもそういうことでございまして、いなかのほうから電波を出していくということは物理的にむずかしい、もちろん何と申しますか、中継局をまずつくりまして、その中継局に先ほど申しましたようなビデオテープを持ってきまして、そこから電波を出すということは物理的にはできるわけでございますが、それには非常な費用がかかるわけでございまして、あまり実用的ではないだろうというわけでございます。
#102
○森勝治君 私は、それは技術的には不可能でない、すなわち可能だと思うのです。あなたがいみじくも後段でおっしゃった経費の問題、この一語に尽きると私は思うのです。この点は金さえあればできるはずですから、ですから技術の問題じゃなくして、それは施設費の問題である、所要経費の問題である、こういうふうに理解してよろしいですね、そのことは。
#103
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 おっしゃるように、経費を幾らかけてもよろしいということであれば、そういうことは技術的にも可能ではございます。ただ、現実の問題としますと、たとえば先ほども申しましたような、関東地方の例から申しましても、現在中継所が、民放が三十局近く、NHKになりますともっと、七、八十局の中継所があるわけでございまして、そういったところに一々ビデオテープを持っていって放送するということはあまり現実的な問題にはならないのじゃないかと思います。
#104
○森勝治君 そのことはあとで、これは郵政省の所管に関することですから、あとでまた機会があってお伺いすることにします。なぜならば、大臣は何かもう時間お急ぎだそうでありますから、文部省に一点質問をして大臣にお帰りを願いたいと思うのであります。
 御承知のように、放送大学は教育の手段として放送媒体を利用するという全く新しい形態のものであるわけでありますが、したがって、国民に及ぼす影響力というものはきわめて大きいものがあると思うのです。したがって、政治権力というものから独立をさせ、大学の自治をより以上認めるとともに教育の中立性と学問の自由が確保されなければならないと私は考えております。ところが、先ほどのお話にもありましたように、特殊法人として教育公務員特例法からこれをはずし、さらに特殊法人として前例のない労働三法の適用を排除するごとき方向に向かっているというふうに伝え聞いておるわけでありますが、しからば政府は、放送大学に対しまして、学問の自由、教育の中立性の確保等についてはどんな考えで臨んでおられるのか、政府の、文部省の基本的な考え方を御説明願いたい。どうもこの辺が、いわゆる私が夾雑物が入ったのじゃないかといって邪推した一つの姿ではないかと思うのでありますので、その点ひとつ隔意のない御意見をお伺いしたい。
#105
○国務大臣(坂田道太君) 放送大学はあくまでも正規の大学として設立いたそうと実は考えておるわけでございます。したがいまして、憲法第二十三条の学問の自由の保障の規定、それから教育基本法第八条の政治的中立性の確保に関する規定の適用というものは当然これはかぶっていくわけでございまして、しかし、具体的に放送大学を設立していく段階におきまして、こういうことが十分に守られていくということにつきましては、御指摘のとおりに配慮をしていかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。
#106
○森勝治君 その、国立でなくて特殊法人にするならば、当然労働三法の適用ということが現行諸法規によって明らかなはずでありますが、これすらも除外する動きがあるのです。あながちこれは杞憂ならばけっこうでありますが、その辺の動き方をひとつ担当局長お聞かせを願いたい。
#107
○説明員(今村武俊君) 特殊法人として設立するということで検討を進めておるわけでございますが、特殊法人は、それぞれの法律によってきまりますので、特殊法人の一般的な通性はございますけれども、個々の特殊法人ごとにその特殊法人を設立する目的に照らして法律の内容は個別にきめられていくわけでございます。したがいまして、放送大学の設立にあたって、特殊法人を設置したいとする場合に、その特殊法人において、どのような内容の管理運営の形にするか、あるいはどのような職員の身分取り扱いにするかといったようなことについては、検討をする余地があるわけでございます。その検討の段階において、あるいは一部から出ましたような意見が先生のお耳に入りまして、そういう御理解に至ったのかとも思いますけれども、しかし、憲法の保障しますもろもろの国民の権利、その関係において、法律をつくっていかなければならないわけでございまして、十分検討に値する問題点だと思っております。
#108
○森勝治君 前半で、国立か特殊法人かにする中におきまして、教授等の問題について若干触れられましたわけでありますが、たとえば、教授の任期等に斬新性をもたらす、こういう御意見を出されました。なるほどそういう御意見もあるかとも思うのでありますが、この放送大学を設置するといたしまして、国立でなくて特殊法人とするならば、さらに特殊法人の特殊法人、極端な話がそういう特別扱いはしなくても、いまの現行法令からいたしますならば、国立または特殊法人ということになっているわけですから、国立でなければ、現行の特殊法人の範疇に入るだろうと思うのであります。したがって、いまの諸法規どおりの特殊法人というふうに素朴に理解するわけですが、それでよろしいですね。
#109
○説明員(今村武俊君) 特殊法人に関する法律は多々ございます。先生のおっしゃるように特殊法人でございますから、確かに一般性はございますけれども、全部が全部同じ性質のものではなくて、特殊法人設立の目的に照らしてやや条文ごとにこまかに点検をしてまいりますと、それぞれ少しずつ差異があるわけでございます。今回新しく特殊法人で設立するといたしますと、そういう一般性と特殊性を備えておる特殊法人ができるわけでございますから、いろいろ検討されておる。しかも、その場合において、いかに特殊であるからといって、全く自由自在に特殊にできるものではなくて、憲法の保障するそれぞれの権利等の保障に間違いのないようにくふうはしなければならない。そういう意味で、もろもろの問題が目下検討の段階にあるということを申し上げたいわけでございます。
#110
○森勝治君 特殊法人ということになりますならば、団結権、争議権が当然保障されるわけですね。ですから、今回この放送大学を想定するにあたり、当然これは労働三法のワク内の特殊法人というふうにわれわれは通俗的に理解をするわけです。ところが、この辺が何かもやもやとしたものがあるといううわきを聞いたものですから、私は懸念のあまり以上の質問をしたわけです。あえてこれは疑念なければけっこうでありますが、この辺は何と申しましても、御都合主義で、かりそめにもいままできまっておった諸法規、法令というものをどうも御都合主義でぱっぱと変える風潮がもしこれを契機として派生をするとするならば、著しくわが国の教育界のみならず、全般的に混乱を巻き起こすもとになるのではないかという懸念が私はあるわけです。私は、先ほどあなたがお話になったのは、いろいろ現行法令の中でおやりになるんだというふうに、一応私は理解をそういうふうにしたわけでありますが、一般論としては、そういう理解の受け取り方でよろしいんですね。
#111
○説明員(今村武俊君) 恐縮でございますが、先生の御理解のことをとやかく言うこともできませんけれども、私が申し上げたのは、先ほど申し上げたようなことでございます。ちょっと何と申し上げてよろしいかわかりません。
#112
○森勝治君 まあ法人にも各種あります。特殊法人にも各種ありますが、少なくとも大学の特性を生かすという立場からいたしますならば、国立大学か特殊法人か、大別すれば二者に分割できるだろうと思うのでありますね。そうすると、前者をとらないとすれば後者をとる。すなわち、特殊法人をとるとするならば、現段階で特殊法人を放送大学がその看板に掲げるとするならば、現行の法規典礼というものがその中に照らされなければならぬわけですから、それをちゃちゃっと取りかえるような愚はまさか繰り返すまいであろう、こういうこれも推測の話で、失敬であります。われわれも考えているとおっしゃるかもしれませんけれども、やはりその辺が風聞が盛んでありますから、私は心配して聞いておるわけです。ですからその点が、いま申し上げたように皆さんのお話だと、いまの大学の教育の段階におきましては、国立と特殊法人という段階である。前者はとらない、されば後者、すなわち特殊法人をとる。特殊法人をとるためには現行法令の諸規定に照らしたもので運営する、これは当然の帰結だろうと思うのであります。したがって、そういう通俗的な理解でよろしいか、こういうことで質問をしておるわけです。
#113
○説明員(今村武俊君) 特殊法人には特殊法人設立のそれぞれの目的がございます。そうして、先ほど一般性と特殊性があると申し上げました。その一般性を特殊法人設立の目的に照らして変えていくためには、変えていくだけの合理性がなければならない。その合理性というものは憲法の諸法規とも関連をいたしますし、十分慎重な検討を必要とする、かように考えております。
#114
○森勝治君 憲法に照らすというお話でありますから法規、諸規定に照らすということでありましょう。したがって、くどいようでございますが、教育の場合におきましては、国立と特殊法人と二分類されるわけでございます。したがって、国立をとらざるという段階におきましてはこの特殊法人をとる。そうなれば、この特殊法人を放送大学に当てはめた場合に、憲法に照らして、現下の諸法規、典礼というものを照らして運営する、こういう話が明確になったと思うのであります。
 もっと質問をしたいのでありますが、文部大臣、何かお急ぎだそうでありますので、この放送大学の問題についてはこれで終わります。どうもありがとうございました。
#115
○委員長(近藤信一君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#116
○委員長(近藤信一君) 速記をつけて。
 他に御発言もなければ、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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