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1947/11/25 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第28号
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1947/11/25 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第28号

#1
第001回国会 厚生委員会 第28号
  付託事件
○食肉統制價格撤廃た関する陳情(第
 二号)
○兒童の福祉増進に関する法令制定の
 陳情(第七号)
○都市官公廳職員の生活安定に関する
 陳情(第三十八号)
○戰死、戰災遺家族並びに傷病者の更
 生に関する陳情(第五十号)
○國民健康保險組合制度を改革するこ
 とに関する陳情(第六十六号)
○國民健康保險金に対する國庫補助金
 の増額等に関する陳情(第九十八
 号)
○青少年禁酒法案(小杉イ子君発議)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第五十八号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第七十一号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第七十二号)
○國民健康保險組合の振作促進に関す
 る請願(第百五十五号)
○國民健康保險制度の更生に関する請
 願(第八十二号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第八十七号)
○最低生活の保証に関する陳情(第二
 百十八号)
○戰死者遺族の更生対策に関する請願
 (第百十六号)
○生活協同組合法の制定に関する請願
 (第百四十三号)
○青少年禁酒法制定に関する請願(第
 百四十六号)
○青少年禁酒法制定に関する請願(第
 百五十一号)
○住宅営團経営の住宅を國営とするこ
 とに関する請願(第百六十九号)
○東京帝國大学演習林拂下げに関する
 請願(第百七十二号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第百七十九号)
○生活協同組合法の制定に関する陳情
 (第二百七十五号)
○傷痍者更生援護に関する請願(第百
 九十九号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第二百一号)
○拂下げミシンに関する請願(第二百
 十号)
○社会保險制度の一元化に関する陳情
 (第三百三号)
○生活保護法による生活保護費を全額
 國庫負担とすることに関する陳情
 (第三百五十五号)
○傷痍者保護に関する請願(第二百八
 十五号)
○結核医療施設を市営に復元すること
 に関する陳情(第三百五十九号)
○教員勤務地手当増額等に関する陳情
 (第三百六十四号)
○炭鉱労務者福利厚生施設拡充に関す
 る陳情(第三百七十号)
○生活協同組合法案に関する陳情(第
 三百八十三号)
○結核医療施設を市営に復元すること
 に関する陳情(第三百九十四号)
○生活協同組合法制定反対に関する陳
 情(第三百九十五号)
○優生保護法案(衆議院送付)
○乳肉衛生行政を農林省に一元化する
 ことに関する請願(第二百九十九号
○産兒制限に関する陳情(第四百三
 号)
○産兒調節に関する請願(第三百五十
 号)
○職業補導特別施設の整備強化に関す
 る請願(第三百六十一号)
○生活保護法の普及と同法の一部改正
 に関する請願(第三百六十三号)
○丸山トンネル爆発による被害者救助
 に関する陳情(第四百四十三号)
○國民健康保險組合制度を改革するこ
 とに関する陳情(第四百四十六号)
○國立療養所高山莊の完備並びに運営
 に関する陳情(第四百六十六号)
○生活協同組合法制定反対に関する陳
 情(第四百七十四号)
○生活協同組合法制定反対に関する陳
 情(第五百十二号)
○星塚敬愛園入園患者生活擁護に関す
 る陳情(第五百十八号)
○鍼灸医法制定に関する陳情(第四百
 三十三号)
○遊休公共建造物の即時開放等に関す
 る請願(第四百三十八号)
○國立遺傳学研究所設立に関する請願
 (第四百四十三号)
○治療師の開業試驗等に関する陳情
 (第五百三十一号)
○赤十字の標章及び名称等の使用の制
 限に関する法律案(内閣送付)
○盲人の鍼灸術を存続することに関す
 る請願(第四百七十号)
○住宅建設に関する陳情(第五百四十
 七号)
○生活協同組合法制定反対に関する陳
 情(第五百五十五号)
○同和事業達成五ヶ年計画実施に関す
 る陳情(第五百五十八号)
○健康保險法及び厚生年金保險法の一
 部を改正する法律案(内閣送付)
○鍼灸師法制定に関する請願(第四百
 八十五号)
○鍼灸師法制定に関する請願(第五百
 三号)
○鍼灸師法制定に関する請願(第五百
 十二号)
○生活協同組合法の制定に関する請
 願(第五百二十六号)
○國立病院及び國立療養所改善に関す
 る請願(第五百三十三号)
○國民医療法の一部を改正する法律
 案(内閣送付)
○毒物劇物営業取締法案(内閣送付)
―――――――――――――――――
昭和二十二年十一月二十五日(火曜
日)
   午前十時四十四分開会
        ―――――
  本日の会議に付した事件
○赤十字の標章及び名称等の使用の制
 限に関する法律案
○健康保險法及び厚生年金保險法の一
 部を改正する法律案
○國民医療法の一部を改正する法律案
○毒物劇物営業取締法案
○小委員長報告(医療制度)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(塚本重藏君) それではこれより委員会を開会いたします。先ず赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律案、健康保險法及び厚生年金保險法の一部を改正する法律案、國民医療の一部を改正する法律案、毒物劇物営業取締法案、以上四案を一括して議題に供します。先ず政府の説明を求めます。
#3
○政府委員(金光義邦君) お許しを得まして提案理由の御説明をお申上げます。只今議題なりました赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律案について提案理由を御説明申上げます。赤十字の標章及び名称等の保護に関しましては、明治四十一年條約第一号戰地軍隊における傷者及び病者の状態改善に関する條約、並に昭和十年條約第一号戰地軍隊における傷者及び病者の状態改善に関する千九百二十九年七月二十七日ジュネーブ條約によつて各條約國は國内法に基いてこれが保護の手段を講すべきことを締約しているのであります。我が國におきましてはこれに基きまして、明治四十二年法律第二十五号旧商標法、大正十年法律第九十九号新商標法をもつて、赤十字の記章及び名称等にこれを商標として登録しないことを規定し、且又大正二年勅令第十六号赤十字の記章名称等使用者処罰の件を以てこれが濫用を禁止し、これが保護の万全を期して参つたのであります。然るに新憲法の施行に伴いまして、昭和二十二年法律第七十二号日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律によつて、前記勅令は昭和二十二年十二月三十一日限り効力を失うことと相成つたのであります。よつてここに代るべき保護法律の制定を必要とするに至つたので、ここに赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律案を提出いたす次第であります。
 次に同法案の内容につきまして簡單に御説明申上げます。同法案は第一條に赤十字の標章及び名称等の濫用を禁止して、これが保護を図り、國際條約の履行に忠実なることを表明することといたしたのであります。次に第二條において日本赤十字社に対し赤十字の標章及び名称等の使用を認め又第三條においては、日本赤十字社に対して傷者、又は病者の無料看護に専ら充てられる救護所の場所の指示するために赤十字の標章を使用せんとする者に対する許可の権限を與えたのであります。第四條において、赤十字の標章及び名称等の濫用者に対する罰則を規定し、これが違反者に対し六ヶ月以下の禁錮又は千円以下の罰金に示することを定めたのであります。最後に附則において施行期日を昭和二十三年一月一日と定めたのであります。何卒宜しく御審議をお願いいたします。
 次に本委員会の議題となりました健康保險法及び厚生年金保險法の一部を改正する法律案について提案理由を御説明申上げます。
 健康保險法及び厚生年金保險法におきましては、被保險者及び保險給付を受ける者に対する各申出又は届出の義務並びに健康保險法の被保險者及び保險給付を受ける者に対する罰則の規定は、各施行規則に規定せられていたのでありますが、この規定は憲法及び行政官廰法の規定に違反するものであり、同法施行と共に失效すべきものを、先に制定実施せられました「日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律」の規定によつて、本年十二月末日まではその効力を有することとなつたのでありますが、來年一月一日以降におきましては、その規定が失効いたしまするために、今回その根概を規定いたしますると共に、裁判所法施行に伴う所要の改正を図ろうとする次第であります。何卒御審議の上、速やかに可決せられんことを御希望申上げます。
 次に國民医療法中一部改正法律案について、その提案の理由を御説明申上げます。
 國民医療法に基く現行の省令である國民医療法施行規則、保健婦規則、助産婦規則及び看護婦規則中には、罰則規定及びその他の規定で昭和二十二年法律第七十二号(日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律)第一條の規定によつて、本年末日限りその効力を失うものがありますので、これらの規定事項につぎ、國民医療法中に規定するが、又は國民医療法中に委任規定を設けることによつて、常該規定の効力を存続させる必要があるのであります。これがこの法律案を提出するに至つた理由であります。
 以下この法律案の内容を簡單に申述べますと、國民医療法施行規則、保健婦規則 出産婦規則及び看護婦規則は、何れも國民医療法に基く省令でありますが、右省令中の罰則の規定を、國民医療法中に採り入れるとともに、國民医療法中の命令委任の根概規定を整備する等、必要な改正を施すことといたしております。何卒愼重御審議の上可決せられるよう希望いたします。
 次に毒物劇物営業取締法案につきまして提案の理由を御説明申上げます。
 毒物及び劇物のように、人間の生命に重大な影響を與える物品につきましては、その取扱いに対し、厳重な取締を要することは申すまでもありませんが、終戦以來の社会情勢の混乱に乗じて、これが惡用される事例も間々あり、社会不安を惹起し、公共の福祉に重大な脅威を與える事例が必ずしも少しといたさんことは、周知の通りでありまして、この取締につきましては、寸刻の間隙も許されない状態であります。而して現在の毒物及び劇物に関する営業の取締法規である毒物劇物営業取締規則は、昭和二十二年法律第二十二号日本國憲法実施の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律第一條により、昭和二十三年一月一日以降当然失効いたすことになりますので、これに代る法律を制定し、毒物及び劇物の営業に関する取締につき、遺憾のないようにしたいと存ずる次第であります。何卒御審議の上、速やかに可決せられるよう切望いたします。
#4
○委員長(塚本重藏君) 赤十字の標章等に関する法律案につきまして、内容の御説明を伺います。
#5
○説明員(水野六郎君) 簡單に御説明を申上げたいと思います。
 第一條「白地赤十字の標章若しくは赤十名若しくはジュネーブ十赤の名称又はこれらに類似する記章若しくは名称は、みだりにこれを用いてはならないジュネーブ條約の原則を海戰に應用する條約第五條に定める標識又はこれに類似する標識は、みだりにこれを船舶に用いてはならない。」とございますが、この白地に赤十字の標章と申しますのは、これは先程御説明もありましたように、國際條約によりまして、白地に赤十字という標章が決められておるのであります。「若しくは赤十字若しくはジュネーブ十字の名称」と申しまするのも、赤十字の名称と同様であります。「これらに類似する記章若しくは名称」ただこれに類似する記章と申しますれば、例えて申しますれば、白地に赤十字の記章でございまして、黄色の地に赤の十字をつけるというのが、類似の記章であります。「若しくは名称」例えて申しまするならば、赤十字株式会社というような名称をつけます場合には、これに該当いたすのでありまして、かような名称は「みだりに用いてはならない。」ということに相成つております。「みだりに」と申しまするのは、法令によらないで勝手にという意味合でございまして、元來でございまするならば、用いてはならない場合をこの法律に列挙いたしますることが通則に相成つておるのでありまするが、いろいろな場合が予想されまして、これに列挙することが困難であるのであります。又最近赤十字條約に関しまする改正の問題が問題になつておりまして、さようなことも考え併せまして「みだりに」という文字を用いておるわけでありまして、從前の勅令におきましては「擅ニ」という文字を使つておるのであります。さような意味合で「みだりに」という非常に抽象的な言葉を使つておるわけでございます。「ジュネーブ」條約の原則を海戰に應用する條約第五條に定める「標識」と申しまするのは、これはお手許にも資料を差上げてあるのでございまするが、軍用の病院船につきましては、船腹――船の側を白く塗りまして、それに緑の線を一メートル半つけることに相成つておるのでありまするが、軍用船以外の赤十字の病院船でありまするとか、その他の病院船につきましては、これは船腹を白く塗りまして、一メートル半の赤字の横筋を施すことに相成つておるのであります。これはお手許に差上げております「ジュネーブ」條約の原則を「海戰に應用する條約」第五條に定めておりまして、そういう標識をつけることに決められておるのでありまするが、この標識をみだりにこれを船腹に用いてはならない趣旨を第一條の二項に規定をいたした次第であります。
 次に第二條でありまするが、「日本赤十字社は、白地赤十字の標章及び赤十字の名称を用いることができる。」と規定いたしましたのは、これはお手許に資料を差上げておりまするが、一番最初の表の「戰地軍隊ニ於ケル傷者及病者ノ状態改善ニ関スル千九百二十九年七月二十七日「ジュネーブ」條約」この眞中の方にございまするが、それの二十四條の第三項に「尚第十條ニ掲クル篤志救血協会ハ平時ニ於ケル博愛事業ノ爲特別標章ヲ國内法令ニ從ヒ使用スルコトヲ得ヘシ」とこういうふうに規定いたしておりまするので、これに基きまして、日本赤十字が、白地赤十字の標章及び名称を独占することを規定いたした次第でございます。
 次に第三條でございまするが「傷者又は病者の無料看護に専ら充てられる救護の場所を表示するために、白地赤十字の標章を用いようとする者は、日本赤十字社の許可を受けてこれを用いるこができる。」 この規定をいたしましたものは、やはり右の條約第二十四條の第四項に「特例トシテ且国ノ赤十字(赤新月又ハ赤ノ獅子及太陽)社ノ一ノ明白ナル許可ヲ受ケタルトキハ傷者又ハ病者ノ無料看護ニ専ヲ充テラルル救護所ノ場所ヲ指示スル爲平時ニ於テ本條約ノ標章ヲ使用スルコトヲ得ヘシ」、こういうふうに規定いたしておりまするので、この條約の規定に基きまして、第三條の規定をいたした次第でございます。これは從前は、陸軍省令によりまして、この規定が設けられておつたのでありまするが、今般はこの法律に明定いたした次第でございます。
 次に第四條でございまするが、「第一條の規定に違反した者は、これを六ヶ月以下の禁錮又は千円以下の罰金に処する。」ということに相成つておりまして、これは御説明申すまでもないと思います。
 次に附則でございますが、「この法律は、昭和二十二年一月一日から。これを施行する。」来年の一月一日から施行されることに相成つておりまして、これも御説明申上げるまでもないと思います。以上簡單に御説明申上げる次第であります。
#6
○委員長(塚本重藏君) 次に健康保険法と厚生年金保險法の一部を改正する法律案の内容の説明を聴取します。島田説明員の説明を許して宜しうございますか。
#7
○委員長(塚本重藏君) 島田説明員。
#8
○説明員(島田純一郎君) それでは健康保險法並に厚生年金保險法の一部を改正する法律案の内容につきまして、御説明を申上げます。この健康保險法並びに厚生年金保險法におきましては、從來、被保険者並びに保險給付を受ける者に対して、それぞれ申出域いは届出の義務を課してあつたのでございまするが、これはそれぞれ省令に規定してあるのでございまして、この規定が憲法並に行政官廰法に違反するものでございますけれども、この法律は、いわゆる日本國の憲法が施行の際に、現に効力を有する命令の規定というこの法律によりまして、本年末までは効力を有するのでございますけれども、來年の一月一日からはこれが失効することになりますので、これに関しまして、根拠の規定をそれぞれ健康保險法の八條の二、それから厚生年金保險法の九條の二のところ、それから健康保險給付を受けたる者に対しまして罰金の規定が設けてございましたけれども、これも施行規則の省令の方に規定してございまして、同様憲法並に行政官廰法に違反するものでございますけれども、本年一ぱいは、先程も申しました法律によりまして、効力を有するのが、來年からは効力を失うということにつきまして、この省令の規定を健康保險法の中に置きました。それからこれに伴いまして、行政裁判所が、行政裁判所法の失効に伴いましてなくなりますので、これに関連した規定をおいたのでございまして、以上が大体健康保險法並に厚生年金保險法の改正についての要点でございます。條文につきましては、極く簡單でございますので、説明を省略いたします。
#9
○委員長(塚本重藏君) 次に國民医療法の一部を改正する法律案の内容説明を簡單にお伺いすることにいたします。医務局次長久下勝次君に発言を許して宜しうございますか。
#10
○委員長(塚本重藏君) 久下勝次君。
#11
○説明員(久下勝次君) 私から國民医療法の一部を改正する法律案につきまして、御説明を申上げます。お手許にございまする法律案を御覧を頂きたいと思いますが、先ず國民医療法の中に、あちこちに勅令という言葉を使つてございます。最近新憲法施行に伴いまして、これがなくなりまして、政令という言葉に全部改めることにいたしました。同様に、地方長官という言葉を都道府縣知事に改めることにいたしたのであります。これは各條文を一々引きませんで、全般的にこういう改正を施したい、こういうのでございます。
 次は第四條の改正でございますが、國民医療法の第四條には、「医師又ハ歯科医師タラントスル者ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ主務大臣ノ免許ヲ受クルコトヲ要ス」こういうように現行法は相成つておるのでありますが、「勅令ノ定ムル所ニ依リ」ということを削除することにいたしたのでございます。これは後に出て参りますところに、一括して第七條の二というものを設けまして、規定をすることにいたした次第でございます。單に法律技術的に罰則規定を使います関係上、かような規定をいたしただけのことでございます。それから、同様に、第七條の二項の、医籍又は歯科医籍の登録事項については、命令を以て之を定むとありますのを、これを次のように、これを削りまして、「第七條ノ二」として、新しい條項を設けまして、「前四條二規定スルモノノ外医師免許、歯科医師免許、医籍及歯科医籍ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム」。こういうふうにいたしまして、先程申上げました、第四條中の、「勅令ノ定ムル所ニ依リ」という條項、それから第七條の第二項を削りましたものを包括して、「第七條ノ二」という新しい規定を設けたのであります。
 それから第十條ノ二という規定が新しく附け加わることになつておりますが、これは「医師死体又は妊娠四ヶ月以上ノ死産見ヲ検案シ異常アリト認ムルトキハ二十四時間以内ニ所轄警察署ニ届出ヅベシ」ということになつておりますが、これは現在は國民医療法施行規則の中にこの規定があるのであります。併しこの規定は法律事項でありまするので、法律の委任に基かずして、命令の中に規定しておくことを適当と認めませんので、特にこの條文を取り上げて、この改正の機会に、法律の中に特にこの條文を設けることにいたしたのであります。この規定の趣旨は、申上げるまでもなく、犯罪の虞れのあることが多うございますので、一應所轄警察署に届けてもらいまして、必要な捜査をし得る便宜を與えようとする考え方で、昔からある規定でございます。
 それから第二十一條第二項に、病院、診療所及び産院に関し、必要なる事項は命令を以て定めるというように、漠然とした法律の委任がございましたのを、「病院、診療所及産院ノ名称、開設、管理、構造設備其ノ他」というふうに、委任の内容を限定をいたそうというふうに改正をいたしたいというのでございます。
 同様に、第二十七條には、「本章ニ規定スルモノノ外保健婦、助産婦、及看護婦ニ関シ必要ナル事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム」と、かようになつておりまして、保健婦、助産婦、看護婦に関して、なんでも必要な事項は、命令を以て定めるというふうな、漠然とした書き方になつておりますので、これも新憲法の趣旨に則りまして、それぞれの者の免許、登録、試験、業務その他、というふうに、できるだけ具体的に、委任の内容をはつきり書くように改正したいというのであります。
 以上が実質的の改正でございますが、あと第七十六條の改正がございます。これは國民医療法中の罰則の規定でございますが、以上申上げましたような点が変りましたのにつれまして、第七十六條の第一号の中に「第十條ノ二」という先程新しく加えました規定を設けて、これに必要な罰則の規定をし得るようにいたした次第であります。更に又先程申上げました「第七條ノ二」という規定がございます。「第七條ノ二」は、先程申上げましたように、四條と七條の二項とを改正をいたして、附け加わりましたので、この部分につきましては、法律技術的に罰則の規定を書き変える必要がございますので、この点をはつきりさせるために、第七十六條に、新らしく第一号をば設けまして、次に書いてありますように「第七條ノ二ノ規定ニ基キテ発スル命令ニ違反シタル者」というように、罰則の適用をはつきりさしたいという規定でございます、それから同様に、第七十六條の三号の中に、現在の規定には「第二十一條第二項ノ規定ニ基キテ発スル命令又ハ之ニ基キテ爲ス処分ニ違反シタル者」という規定がございますが、先程申上げましたように根拠規定が変りましたので、それに連れて罰則の規定を改めたいということでございます。やはり同様に保健婦、助産婦、看護婦に関する根拠規定が変りました関係上、第七十六條の第五号を改めまして、五号の次に第五号の二というものをここに新らしく附加えたのでございます。かように第七十六條の罰則が一号の二、三号の二、或いは五号の二というようなものを新しく附加えましたので、これを引用いたしておりまする第七十七條を改正をいたすことにいたしたのでございます。これが國民医療法の一部を改正する法律案の内容であります。
#12
○委員長(塚本重藏君) 引き続きまして、毒物、劇物営業取締法案を薬務課長の神谷秀夫さんに、説明を願いまして宜しうございますか。
#13
○委員長(塚本重藏君) それではどうぞ……。
#14
○説明員(神谷秀夫君) 私から簡単に毒物、劇物営業取締法案の内容を御説明申上げます。これは明治四十五年五月に公布せられまして、同年の七月一日から施行せられておりまする毒物劇物営業取締規則、これによりまして現在毒物、劇物営業の取締を行なつておるわけでございますが、今回本年一杯でこの命令の効力がなくなりますので、来年一月一日から同じように取締をやつて参ります必要上、この法案を提出いたした次第でございます。内容は從前の毒物、劇物営業取締規則と、多少の表現上の相違或いは多少挿入した点がございますが、殆んど同一でございます。專ら公衆の安寧、危害防止のために取締を行なうことが目的でございまして、ただここで一言お断り申上げて置きたいことは、いわゆる毒薬、劇薬、これは薬事法二十九條によつて毒薬、劇薬なるものが指定されまして、薬事法によつて取締を行なうわけでございまして、その以外の、ここで申しますのは医薬用以外の用に供する毒物、劇物を対象にいたしておるわけでございます。尚毒物、劇物と申しますのは、毒性、劇性のもので、毒性と申しますと、非常に少量でありましても人又は動物の生命に関しまする詰り致死せしめる性能を持つておるというものでございまして、劇物、劇性のものと申しますのは、致死はいたしませんが、人又は動物の身体に重大な障碍を及ぼすというものが対象になつておるのでございます。それで只今指定になつておりますものは、毒物においては八種類、劇物においては五十五種類でございます。大体以上の通りでございまして、尚御質問がございますれば、内容的に御説明申上げたいと思います。
#15
○山下義信君 簡単な質疑をさして頂きたいと思います。赤十字の標章に関しまする法律案につきまして一、二伺いたいと存じますが、第一は只今御説明にもありましたように、第一條の「類似」の範囲、或いは「みだりにこれを用いてはならない」というその「みだりに」という程度というものが、極めて抽象的でありまして、限界が不明なのであります。一、二の例はお示しになりました。地色が黄色で赤十字というような例示もあつたのであります。その類似の程度というものが、どの程度まで「類似」ということになされまするか。何かもう少しはつきりその限界の分るようにならんものであるか、伺いたいのであります。例えば商標或いは意匠登録というようなものを受けておりまするものの中にあるのは宜しいのでありましようか。どうでありましようか。尚商標、意匠登録というものは、今新憲法施行後生きておりますかどうか。ちよつと私不案内でございますが、分つておりましたらばお示しが願いたい。「類似」というものをできるだけ具体的に挙げて、一般によく了解させる必要があるのではないかと思いますので、その類似の程度というものを分るだけ一つお示しを願いたいと思います。
 それから赤十字社が第三條におきまして許可を與えるということでありますが、これは非常に重大でありまして、いわゆる民間の團体に行政権に一部を、この法律によつて委任するということになる。これは非常に重大であると私は考えておるのでありますが、この許可をいたしますることにつきまして、赤十字社におきましてはどういうふうにこの許可を取扱わせるお考えでありまするか。その許可の出願をいたしましたらば、赤十字社がどういうふうにこれを取扱いまするか、その取扱い振りを伺いたいと思います。例えば緊急止むを得ないような場合、即ちこの第三條にもありますが、「傷者又は病者の無料看護に專ら充てられる救護の場所」というと、例えば不時の災害が起きまして、そこで直ぐ赤十字の記章を立てて負傷者を収容しなければならんというような場合に、赤十字の許可を受けると申しましても、赤十字社のありまする所在地が遠隔である。今列車は傾覆した。何百人、何千人というような怪我人ができたというような場合に、そういうときには後からでも許すのか。一應許可を受けなければ赤十字の旗を立てられないのか。この許可を受けます手続の模様はどういうふうになつて行くのか。伺いたいと思います。
 第三点は、只今申上げましたように、日本赤十字社にこういう許可権を與える……。非常に重大でありまして、すでに先般災害救助法によりまして、赤十字社というものが非常に大きな役目を持つことになつておりまして、相当重大な行政権に類する行爲ができるように、同社に権限が付與されておる。且つ又この法律におきましては、明らかに行政権の一部が委任されるというようなことになりまするので、將来の日本赤十字社の在り方というものについて、或いは日本赤十字社法というがごとき法律によりまして、同社の存在、運営というようなものを、相当明朗且つ強力にするような、赤十字社に対しまする対策のお考えを当局は持つておいでになりまするかどうか。以上の三点を伺いたいと思います。
#16
○説明員(水野六郎君) お答えを申上げます。第一点の「類似」という文句が非常に曖昧であつて、その内容をもつとはつきりできないか。こういうお話でありますが、その点に関しましては立法の際に十分考慮をいたしたのでありまするが、いろいろな点が想像いたされまするので、これは個々のものを審議をいたしまして、そうして決定するよりいたし方がなかろう。こういう結論に相成りまして、「類似する記章若しくは名称」ということにいたしたのでありまして、從前の勅令にもこれは同様の文句が使用されておるのでありまして、大正二年三月の勅令第十六号におきましても、「擅ニ白地ニ赤十字ノ記章、赤十字若シクハ「ジユネーヴ」十字ノ名称又ハ之ト類似ノ記章若ハ名称」というのを使つております。この用例に從いました次第であります。
 それから第二点の、許可権というこの重大な行政権を赤十字社に任せることは如何かという御質疑でございまするが、この点に関しましては、先程も御説明を申上げましたように、昭和十年の三月七日に條約第一号を以ちまして制定されました「戰地軍隊ニ於ケル傷者及病者ノ状態改善ニ関スル千九百二十九年七月二十七日ノ「ジユネーヴ」條約一の第二十四條の第四項に、「特例トシテ且國ノ赤十字社ノ一ノ明白ナル許可ヲ得タルトキハ傷者又ハ病者ノ無料看護ニ專ラ充テラルル救護所ノ場所ヲ指示スル爲平時ニ於テ本條約ノ標章ヲ使用スルコトヲ得ヘシ」。この條約がございまして、赤十字社の許可ということもはつきりこの條文に明定をいたしておりまするのであります。この條約に従いまして赤十字の許可ということを規定をいたした次第でございます。
 この第三点の許可手続をどうするかという御質疑でございまするが、從前はこの赤十字社記章使用許可規定というものがございまして、これは陸海軍両大臣の許可を得まして、許可規定が制定されておつたのでありまして、手続を決めた規定でありまするが、今回におきましても、許可をいたしまする場合におきましては、こういうような許可規定を赤十字社に制定をせしめまして、私の役所の方と十分なる、緊密なる連絡をとりまして、この許可の遺漏なきを期したい。かように考えておるような次第であります。
 第四点の赤十字社の活動に関しまして、法律の制定の意思があるかどうかという御質疑があたつように思うのでありますが、その点に関しましては十分研究をいたしたいとかように考えておる次第であります。
#17
○山下義信君 只今御答弁がありましたが、第一條の「類似」という範囲のことですが、前にそういうふうな、前の勅令にそういう言葉が用いてあつたから、そのままここに用いて來たというのでは、これははつきりいたしません。それでこの第一條に違反いたしましたらば六ヶ月以下の禁錮、千円以下の罰金という処罰があります。でありまするから、どの程度が類似か。凡そその類似の種類を何かの表にでも出しまして國民に示しますか。どういうふうにしまするか。余り漠然としていて、例えば赤十字の赤いのが少し横に斜めになつておりました分は、類似にしますかしませんか。それから今のような黄色の地の赤十字は類似と仰しやつたが、今度は薄紫のような地でありまして赤字がはすかいになりましたらば、どうしますかというような限界が、どの程度まで類似で、どの程度の類似のものを使いますと処罰されまするか。凡そその辺が少し明瞭になりませんと、これは恐らくあらゆる意匠類、あらゆる容器に使いまするもの、いろいろの書物、繪でありますとか、及ぼす範囲が非常に廣いと私は思う。それでこそ取締もなさるのでございましよう。類似を禁止なさるのでありましようから、どの程度が類似か。先程申上げました商標域いは意匠登録を受けたものはどうしますか。それも全部この法律で改めてやり直しをさせますか。どういうふうになりますか。その点をもう少し明白に示して頂きたいと思います。
#18
○説明員(水野六郎君) 今のお説でございますが、これはお話の通り、この認定の問題は、なかなか困難な問題であることは、今お話の通りであるます。從いましてそういうように非常に多数類似のものが考えられまするので、これを如何なるものが類似かといいますことを具体的に決めますることは、実は非常に困難でありまして、從いまして個々のものが出て参りました場合に、それが類似なりや否やを認定いたしまするより方法がないのじやなかろうかというふうに考えられます。且つ又この類似という文句は、條約の中にも模倣類似という文字を使つておりまするので、実はかようにしつおきました次第でありますので、一つ御了承を願いたいと思います。
 それから今の商標法の関係でありまえが、これは先程も生きておるかどうかというま話でありましたが、これは現に施行をされて生きておるのでございまして、商標法の中に……これはお手許にも資料を差上げてあるのでありまするが、商標法の抜萃が出ておりますが、第二條に、「白地に赤十字ノ記章又ハ赤十字若シクハ「ジュネーヴ」十字ノ称号若シクハ文字ト同一又ハ類似ノモノ」は、これを登録せずということに相成つておりますので、御了承願いたいと思います。
#19
○山下義信君 わかりました。
#20
○委員長(塚本重藏君) 皆さんにお諮りしますが、今日は赤十字のことだけに止めて頂きますか。
#21
○委員長(塚本重藏君) それでは赤十字の問題だけに……
#22
○中平常太郎君 御質問申上げます。キリスト教の十字架というものは、極めて赤十字の十字と相類似しておるのでありすが、キリスト教の十字架は上が短かく下が長く、まあその点が違つておるように思うのでありますけれども、色はキリスト教の方の側のものといたしましては、主に黒でありますが、様々な会合などやいろいろな状態において、クリスマス・ツリーとかなんとかいう場合には、色彩の濃厚な物をいろいろ使うことがあるのでございまして、こういう場合にはこの類似というものの中へ入りはしないかということに対して御説明を願いたい。
 それからもう一つは災害のある場合に、その赤十字の記章というものは減多な所にないということになりますが、それは半紙に書いてもいいようなものでありますけれども、家庭におきまして赤十字の旗というようなものを拵えて持つておるということが違反かどうか。その点です。赤十字というものは赤十字社以社には使用しないにいたしましても、災害という問題は到る所に起き得るものでありますから、どの家庭におきましても、或いは赤十字の旗というものはあつても構わないように思うのでありますが、子供が持つても違反かどうか。その点でございます。その二つのことをお尋ねいたします。
#23
○説明員(水野六郎君) お答えいたします。キリスト教の十字の問題が問題になりましたが、あれは私共の見解によりますれば、これは類似のものでないと考えます。
 第二点の子供が赤十字の旗を持つておるような場合には、これは標章を用いる場合にのみ限定されておるのでありまして、子供が旗を持つておるような場合には、これは該当いたさないと思います。
#24
○藤森眞治君 第二條にお尋ねいたしまするが、赤十字社はこの標章及び名称を用いることができるというのは、赤十字社の所有物、或いは使用物件その他すべてに標章を用いていいという意味でございましようか。
 それから第三條で「傷者又は病者の無料看護に專ら充てる場所を表示する……」。現在の赤十字社の経営しておりまする病院を見ますと、殆んど赤十字の標識が附けてある。併し赤十字社病院というものは、決して今無料、或いはそれに類する救療は殆んどやつていないという現状であります。むしろ民間の普通の診療と大差ないような現状であります。而もこの標識を附けてあるということは、第三條に牴触することがごザいますか。その点をお尋ねいたします。
#25
○説明員(水野六郎君) お答え申上げます。第一点の御質問に対しましては、御見解の通りと考えます。
 第二点に関しましては、これは第三條の規定は、赤十字社が直接用いる規定でないのでありまして、別の機関がこれを用いる場合には三條の規定の適用があるわけでございます。さよう御了承願います。
#26
○藤森眞治君 それではもう一つ三條についてお伺いいたしますが、災害救助の折に、なんといたしましても災害発生時には、その災害附近の医師会、或いはその他の医療関係者が先ず出て参ります。併しその災害救助に当る折に先ず標識を附けるのは、一つの通念として赤十字を用いておるようであります。こういう場合に許合を得るということはできないのでありまするが、そういう際に行われるのはどういうふうな方法で行われるか。或いは又平素はどういうふうにして置いてこれに備えられるお積りがありまするか。伺いたいと思います。
#27
○説明員(水野六郎君) お答え申し上げます。只今の緊急事態に処する場合に、予め包括的に許可を得て置くことができるかどうかとういうふうな御質疑と考えまするが、これは今までの赤十字の許可いたしました実例によりますると、個々の場合に願い出をせしめまして、個々に審査をいたしまして、許可をいたしておるものでありますが、さような場合に、今御質疑のような場合におきましても、さようにできるような方法を赤十字とも連絡いたしまして研究をいたしたいと、かように考えております。
#28
○藤森眞治君 私の質問と少し今喰い違いがあつたように思いますが、災害が発生したときに医療関係者がすぐ災害救助に出かける折に、一つの通念として誰でもが赤十字を附ける。こういう場合これが違反になるかどうかという点を先ず先に伺つたわけであります。それを一つお願いいたします。
#29
○説明員(水野六郎君) 只今の御質疑でありますが、包括的に許可を得ずしてやりました場合におきましては、これは違反になるわめでございます。
#30
○藤森眞治君 そういたしますと、災害が発生した場合に赤十字の標識を附けて逸早く人に知らしめる。これは今申します通念として皆やりますことで、そのために災害の救助を早くするという目的に反するように思いますが、そういうふうに解釈していいものですか。
#31
○説明員(水野六郎君) お答え申し上げます。かかる非常事態に処する場合におきましては、事前に予め包括的に許可を得るという手続を経なければ違反になりまするので、実際問題には適宜の方法を講じまして、遺憾のないようにいたしたいと、かように考えます。
#32
○藤森眞治君 どうもちよつと分り兼ねるのですが、適宜の方法を講じてということですが、災害の発生というのは、これは予期のできないことで、予期のできない折に應急策として、殊に傷者に対する標識というものを作る便宜上作つて、效果的にやろうというわけで、そういうようなどこにできるかなにか分らないのに、予めそういうようななにをするというのは、どういうような方法でやろうというのでしようか。
#33
○説明員(水野六郎君) お答え申し上げます。お話しの通りでありまして、災害の時期、態様につきましては予想できませんが、併しながらそういう緊急止むを得ない医療救護を要しまするような場合におきましては、災害時におきましては急速に処理せねばならんというような場合におきましては、予め包括的に事前に許可するという方法があるかと思いますので、そういうような今申しましたような方法を予め事前に講じて置くというふうに考えたいと存じます。
#34
○井上なつゑ君 誠に恐入りますが、たびたび第一條のことをお伺いいたしまして申し訳ないのですが、第一條の白地の赤十字の標章でございますが、この赤十字の標章は規格があると私心得ておるのでございますが、寸法に規格があるように心得ておるのでございますが、なんと申しましようか、規格でもお定めになつて、それを統制なさるようなお積りでもございませんでしようか。太く引いても、どんなに大きく描いても、どんなに小さく描いても赤十字の標章に類似する……。確か長さがいくらで幅がいくらと赤十字の内規で決つておつたように思いますが、いかがでございましようか。その点を伺いたいのでございます。
#35
○説明員(水野六郎君) 只今の御質疑でありまするが、陸海軍が使いまする場合におきましては、これは從前戰時陸軍において使用する赤十字の臂章の制式及附著法という、これは陸軍省のパスが出ておりまして、戰時陸軍で使用する場合におきましてのみその規格が決められておつたわけであります。平時に使用いたします場合におきましては、規格は決めてなかつたわけでございます。
#36
○小林勝馬君 只今藤森委員からの質問に対しまして、説明員の答弁は最初の答弁と後の答弁は全然反対の答弁になつているようでございます。そうしまして、この災害救助を受ける緊急の場合に、左様な御答弁では私共納得いたし兼ねるのでございまして、もう少しはつきりした御答弁を願いたいと思います。尚、そういう緊急の場合は緊急の措置としてやるということでありますならば、一箇條何かあつて然るべきじやないかと思いますが、御答弁を得たいと思います。
#37
○説明員(水野六郎君) 私の答弁が、前後矛盾しているというような話がありまして、私の表現が惡かつたのだろうと存じますが、私の答弁は最初から申上げますように、今御趣旨のような緊急事態に処しまする場合には、機宜の方法を講じまして、緊急事態に應じ得るように予め措置を講じたい。こういう氣持で申上げたのでありまして、言葉が足りません場合は、私の表現が惡かつたのでございまして、その点はお詑びを申上げるのであります。今のような場合におきましては、赤十字社が許可いたします場合におきましては、包括的に、事前に條件を定めまして事前に許可するということもできると存じまするので、左様な方法を講じまして、緊急事態に処しまして遺憾なきようにいたしたい。かように考えているわけでございますので御了承を得たいと思います。
#38
○谷口弥三郎君 只今の御説明によつて大分はつきりいたしましたが、もう少し具体的におやりになるようにするお考えがないか。言い換えれば予めそういうふうな機会を考えて、包括的にやりたいという御意見でありますが、これはどうしても災害救助とかいうような方面から申しましても、又以前の災害救助法案の時にも、説明がありました時に、赤十字社は、各地方の團体と平素から緊密な連絡をとらなければならんということになつておるのでありますからして、例えば医師会のごときと、平素こういうような緊急事態の場合には、赤十字社の記章を持つてやつて行く。これは全部を救助して、できる限り早く目的を達したいというような目的で、地方の医師も皆やるのでありますからして、それは予めそういうことはお決めになるように、政府としては赤十字社の方を御指導になることが必要ではないか。そこをはつきりとしておかれた方がよくはないかと思います。
#39
○説明員(水野六郎君) 只今の御意見は非常に御尤もでございまして、これは、この法律が実施されます際におきましては、その点をはつきりいたしまして、非常災害に遺憾なきようにいたしたいと、かように考えます。
#40
○藤森眞治君 もう一つ伺いますが、日本赤十字社の許可を得てこの標識を使つて、災害救助に從つた場合に、この結果の責任は当然赤十字社が持つというわけでございますか。
#41
○説明員(水野六郎君) この場合におきましては、これは赤十字社が責任を持つということには相成らんと思います。赤十字社自体の行爲じやございませんので、その場合におきましては赤十字社の責任にはならんと考えます。
#42
○中平常太郎君 今水野君のお話は総括的にそういうことの應急措置がとれるようにしたいというお話でありましたが、その具体的のことを谷口氏から言われたのでありますが、私も具体的のことにつきましてこういうふうな場合が具体的であるかと思うのでありますが、この点は水野氏から御答弁を願いたいのでありますが、例えて見れば、医師会或いはそこの近所にある病院、そういう方面に看護婦が腕章を附けて一人でも出て來たというたら、それは一個の赤十字の仕事として出て來たという意味におきまして、直ちに赤十字の記章をその場所にかけて宜いというようなふうに、事前に各病院或いは各医師会には、これを便宜使い得るような処置を平素から総括的にとつておきたいという御希望でございますか。その点は如何でありますか。
#43
○説明員(水野六郎君) 只今中平委員が仰られました通りであります。
#44
○中平常太郎君 了承いたしました。
#45
○姫井伊介君 今の第三條の問題ですが、赤十字社の地方組織として市町村には分区といいますか、班とかいうものがございますね。その土地に起つた時には直ぐそれが発動して、事後処置をとれば宜いのじやないかと思います。その方によつて処理されれば別に問題はないのじやないかと思います。應急処置をとられてですね。当然責任を以てやつて、そうして赤十字の本社の方の事後承諾をとれば、全國的に大きな組織網を持つているのですから、直ぐそれを発動する。私はそういうふうに解釈します。
#46
○説明員(水野六郎君) 只今姫井委員のお話の通りでありまして、赤十字自体の活動をやる場合におきましては、これは勿論問題なく行くわけでありまして、その点におきましては分会なり分区の活動をいたします場合におきまして、赤十字の標識を使いますることにつきましては、これはお話の通りだと思います。今後赤十字の地方組織が完備いたして來るようになりますれば、その点につきましては災害救助の場合等におきましては、これは遺憾なく活動ができるようになるのだと思いますが、現下の実情から考えますと、まだ徹底いたしておりませんので、左様な場合に先程お話のありましたような医師会等の活動の分野が尚残つているのじやなかろうかと考える次第であります。
#47
○姫井伊介君 言葉が分りませんでしたが、そういう場合に、地方にいる人と市町村にあります分区とが話合つて、直ぐ應急処置をとつて赤十字のマーくを出さして、今度事後処置をとれば、予めどうこうというようなことは面倒じやないかと思ます。その了解をとるように、同じ市町村の中なんですから、すぐやれる。私はそれを言うのです。その運営をやつて行きますれば、どんな團体でも先ずそのマークが揚げられるのじやないかと、こういうことなのであります。
#48
○小林勝馬君 質問をちよつと本日はこれくらいで打切つて頂きまして、次にまだ藤森委員の方も控えております。私の方でも動議を提出したいひとがございますから……
#49
○委員長(塚本重藏君) 残余の質問を次回に延ばすということに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○委員長(塚本重藏君) では次回に延ばします。次に陳情第三百六十四号……
#51
○小林勝馬君 緊急動議を提出します。陳情、まだその他控えておるようでありまするが、速記のある時と思いまして、ちよつと緊急動議を提出したいと思ます。問題は、小川君の陳謝問題がそのままになつておりまして、この際解決を一日も早くして頂きたい。それにつきましては、草葉委員がその調査その他に当つておられますし、その御報告を先にやつて頂きたいと思ます。本日も小川委員の登院その他事務当局をして調べさしましたけれども、出席しておりませんから、登院しておりませんから、欠席止むを得ない状態でございますが、この際お諮りいたしたいと思います。
#52
○委員長(塚本重藏君) お諮りいたします。今小川委員から、小川友三君の問題解決の動議が出されておりますが、実は今月二十日、二十一日、二十二日、この三日間、小川君の問題解決の機会があつたのでありますが、いずれもその委員会を開きますときに、小川君の出席ができなくなつて、今日に及んでおる次第であります。この問題をいかに取計らいますか。小林君が動議を成立させますか。お諮りいたします。
#53
○草葉隆圓君 成立さして、一應不在でも、大体の委員会の意向をまとめて。委員長から本人に、若し委員会で決まつたことがあるなら、それをお傳えして頂いて、処置をして頂かないと、もう時日がないと思う。
#54
○委員長(塚本重藏君) 御賛成ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○委員長(塚本重藏君) ではこの問題をここに議題といたします。
#56
○草葉隆圓君 兒童福祉法案の審議中に、小川議員の発言の内容中、いろいろと適当でない発言があつたように拜承いたしたのであります。実は、私丁度そのときは他に要件がありまして、委員会には出席いたし兼ねておりましたが、そういう点につきまして、いろいろ憂慮をいたしまして、調査をいたしたのであります。実は第一回國会におきましての國会議員の言動並びに各点からの議事に対する心構えというのが、最も愼重を期しながら、且つ新憲法の下の國会の運営に当つて行かねばならん最も重大なときだと思います。且つ又いろいろな議事の運営なり、議員の行動というものは、今後の國会に及ぼすこと、且つ國民に影響することを考えます場合に、余程國会議員は愼重にその態度言動をいたすべきものでありまして、殊に参議院規則の第二百七條におきましては、すべて議員は議員の品位を重んじなければならないということを規定いたしておりまするのでありまして、そういう関係から、お互いにこの議員といたしましては、いろいろな意味におきまして、第一回國会の議事の運営については、殊に普通以上に愼重を期さねばならないと考えておるのであります。然るに小川君の先般の発言の中に、いろいろと國会議員の品位を保つ上において適当でない、不穏当であると思われるような発言がところどころに出ておるのであります。兒童福祉法案を審議いたします場合に、且つこれが実行になります際において、このままであるならば、大変な片手落である。更に牛乳と牧場とを加えようという趣旨の下から、或いは最も穏かでないと存じまするのは、赤ちやん数百万が、毎年餓死巌頭に四苦八苦してバタバタと倒れて行く。死亡率は世界的に最も恥ずべき、我々國会議員が最も恥ずべき最大の死亡率を作りつつあるのであります。こういうことがあります。誠に妥当でない言葉であつて、その後には、戰爭によつて青年を殺したあれ以上の残虐な何も知らないような幼兒を殺しておるので、これは一番残虐な行爲であります。それを國会議員が作つておるという。このような言葉を用いられて、その後におきまして、委員長その他各委員の方からいろいろとこの発言に対する取消、その他陳謝の御意見が出ましたことに対しまして、或いは山下議員なり、或いは三木議員なり、その他各議員から、取消その他の御意見が出ましたことに対しまして、小川君は取消を快く承知しておられまするが、私はただこの簡單な取消だけでは妥当ではないと思います。これは実は私最初に、第一回國会における議員の品位、言動というものは、殊に愼まねばならない。又参議院規則の二百七條にも品位を重んずることを申してあるのであることを特に申上げましたのは、單なるこの言葉の問題ではなく、参議院議員が國政を議するに当りましては、いろいろな点から、平素の言動、考え方という点につきましても、いわゆる國権の最高機関であり、唯一の立法府たる國会にふさわしい行動というものが要請されるのではないかと、そういう意味におきまして、今度の小川君の発言は、ただこの言葉だけではなく、この言葉が來るまでに來た一つの道程を考えられるのではないか。ただ純眞な人が、熱情のあまりばつと言うたことと、そうじやなしに、今までのいろいろな道程の中から、こういう言葉が出て來たのとは、大分おのずから違つて來るのではないか。この前私共厚生委員一行が、関西或いは廣島方面に旅行いたしました後にも、いろいろと噂を聞いたのでありまするが、それは我々は噂として取上げずにおつたのであります。又現実の問題といたしましては、或いは文書による質問の余りにも多量なことに脅威を來するというような現象、或いは電車、汽車中において、誠に一般國民が疑を持つようないわゆる政談演説を行なうということなりというような問題は、この発言の内容には関係はありませんが、この発言の内容の由つて來る一つの平素の行動というものが発言がこのようになつて來る一つの構成になつておるものである。それで私はこの小川君の発言に対しまして、委員長において不穏当であり、不適当であるという点はお取消しを願うことを御一任になつておるようでありますから、それはお取消し願うと同時に、小川友三君に対しまして、文書を以て二、三の問題を條件を附けて陳謝を委員長宛にされて、そうしてこの委員会で、今後の議員としての行動について、参議院規則第二百七條に示しておりますことをお誓い願うように、委員長からお取運びを願いたいと存じますのが、私の発言の趣旨であります。譬えてその二三を申しますと、例えば質問主意書の濫発なり、私はこれはむしろ参議院議員として相当考うべきものではないか。或いは電車、汽車等の車中における、常識的に考えて妥当でないと思われる政談演説なり、或いは参議院議員の動ともすると徴章等の濫用と申しますか、そのことなり、或いは無理に少数意見の開陳をして議事の進行に妥当でないと思われるような行動を取ることなりというような諸点につきましては、今後特に小川君の反省を促がして、品位ある参議院議員としての、お互いの國民の負托に副うことが、第一回國会の持つ大きな使命ではないかと存じまするから、そういう意味においてお取計らいを願いいたと存ずるのであります。
#57
○委員長(塚本重藏君) 速記を止めて。
#58
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて、只今草葉委員からの提議のこと、実はそういう速記をとらないで、この問題を進めようといたしましたが、小川君数日に亘つて出席がなく、遂に今日に至つたことは誠に遺憾であります。この取扱の処置についてお諮りいたします。
#59
○千田正君 只今草葉委員の動議に対しましては、小川委員の日頃の言論、若しくは行動に対しては、御同様考えるところでありまするけれども、当厚生常任委員会といたしましては、この常任委員会で当人がその言動に対して、特に陳謝の方法をとるということに対しての追究は当然やつてもよろしいと思いますけれども、日頃の言動その他に対することについては、議員全般の問題となりますので、厚生委員会と別個に切離しての行動をとつて貰いたい。この点を申上げます。
#60
○中平常太郎君 草葉委員の動議に対しまして、千田委員の御発言がありましたが、私もこの点に対しましては同感でありますが、但し千田委員は小川君の言動に対しましては、一々それは全体の議員の関係もあることであるから、ただこの厚生委員会における具体的な言動に対して十分反省を與えるだけに止めて置いて、その他のことは別個の問題となすべきであるというようなお話がございましたが、私はそれは大体において賛成いたします。併しながらそういう言動が出ますところの、その性格の上におきましては、私はどうしてもこの場合において、一言触れて、そうして根本的に小川君が本当に心の底から反省するところの資料にいたしたいと思うのでございます。であるが故に、内容におきましては、私はその場におきましてどうしてもその言動のできるその性質の問題に互つて、私はどうしてもこれは小川君に反省を求める必要があり、又それに到達しなければ今後の保証ができないと思うのでありますからして、私はこの議員の尊嚴ということに対して深く思いを及ぼして見まするというと、草葉委員の動議は極めて妥当であると存じますので、言葉の上におきまして相当反省を促す資料を以て迫りたいと思う積りでございます。でありまするが故に、草葉委員に賛成し、尚お別個の問題としてなさるという千田委員の氣持はよく分りますけれどもが、その場合におきましては、相当内容に触れて宜しいであろうと存じまして賛成する次第であります。
#61
○委員長(塚本重藏君) それでは草葉委員提出の動議は千田委員のお説の如く取り運ぶことに御異議ございませんか。
#62
○委員長(塚本重藏君) ではさように取計います。この機会に医療制度調査に関する小委員会の報告を求めます。
#63
○藤森眞治君 医療制度小委員会に付託されました陳情請願の結果を御報告いたします。請願第八十二号、それから陳情第六十六号、陳情第九十八号、陳情第百五十五号、陳情第三百三号、陳情第四百四十六号、これはいずれも國民健康保險の制度並びにその他の改善の請願、陳情でありますので、小委員会といたしましては、これを会議に付して内閣に送付すべきものと、こういう結果を得ましたので、御報告いたします。
 次に請願第五百三十二号、それから陳情第四百六十六号、陳情第五百十八号、これは國立病院並びに國立癌療養所の内容、或いは待遇改善に関することでありますので、これも至極く尤もな陳情、請願でありますので、会議に付して内閣に送付すべきものということに小委員会の意見は決まりました。
 それから請願第二百九十九号、陳情第三百五十九号、陳情第三百九十四号、陳情第五百三十一号、これはいずれも不採択ということにいたしました。以上の通りであります。御報告申上げます。
#64
○委員長(塚本重藏君) 只今藤森委員より御報告になりました医療制度調査に関する小委員会の陳情並びに請願に関します各案件の審査報告がありましたが、委員長報告通り決定することに御異議ありませんか。
#65
○委員長(塚本重藏君) ではさように決定いたします。本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           今泉 政喜君
           谷口弥三郎君
           宮城タマヨ君
   委員
           内村 清次君
           中平常太郎君
           三木 治朗君
           草葉 隆圓君
           中山 壽彦君
           木内キヤウ君
           小林 勝馬君
           藤森 眞治君
           井上なつゑ君
           小杉 イ子君
           服部 教一君
           姫井 伊介君
           山下 義信君
           米倉 龍也君
           千田  正君
  政府委員
   厚生政務次官  金光 義邦君
  説明員
   厚生事務官
   (社会局庶務課
   長)      水野 六郎君
   厚生事務官   島田純一郎君
   厚 生 技 官
   (医務局次長) 久下 勝次君
   厚 生 技 官
   (医務局藥務課
   長)      神谷 秀夫君
ソース: 国立国会図書館
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