くにさくロゴ
1970/12/08 第64回国会 参議院 参議院会議録情報 第064回国会 文教委員会 第2号
姉妹サイト
 
1970/12/08 第64回国会 参議院

参議院会議録情報 第064回国会 文教委員会 第2号

#1
第064回国会 文教委員会 第2号
昭和四十五年十二月八日(火曜日)
   午前十時十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     多田 省吾君     柏原 ヤス君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         楠  正俊君
    理 事
                田村 賢作君
                永野 鎮雄君
                杉原 一雄君
                安永 英雄君
    委 員
                大松 博文君
                中村喜四郎君
                宮崎 正雄君
                秋山 長造君
                鈴木  力君
                田中寿美子君
                内田 善利君
                柏原 ヤス君
                萩原幽香子君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       文 部 大 臣  坂田 道太君
   政府委員
       文部大臣官房長  安嶋  彌君
       文部省初等中等
       教育局長     宮地  茂君
       文部省大学学術
       局長       村山 松雄君
       文部省体育局長  木田  宏君
       文部省管理局長  岩間英太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       原   徹君
       文部大臣官房審
       理官       西田亀久夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する件
 (学校公害に関する件)
 (人口急増地域における学校対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(楠正俊君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 去る十一月二十五日、多田省吾君が委員を辞任され、その補欠として柏原ヤス君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(楠正俊君) 教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。
 本件について、質疑のある方は、順次御発言願います。
#4
○杉原一雄君 二十四日から公害国会が開かれておるわけです。私たちも重大な関心を持って、かつまた、公害対策を要求してきた立場として、今次の国会を非常に重視しているわけでありますが、当委員会では法案関係等もありませんのですが、きょう、私、公害国会ということで国民から注目をされているこの公害の問題について、特に三点にしぼって質問をしたいと思います。
 第一点は、教育環境と公害の問題、第二点は、公害についての教育のあり方、第三点は、二点とやや共通いたしますが、公害対策として抜本的に教育制度そのものに対して変革をする必要はないか、計画等はないだろうか、こういう問題にしぼりながら質問を続けていきたいと思います。
 第一点の教育関係の実態の問題でありますが、先般の七月十日の文教委員会において、大体それまでの政府の調査の概略の数字等を実は伺ったわけでありますが、公害問題についてこのように全国的な世論もあり、かつまた、深刻の度合いを増し、いわんや公害国会というところまで国民の世論が起きてまいりました現段階でございますから、私、以前のことはいまさらあまり聞く必要はないと思いますが、少なくとも七月十日の文教委員会で報告された公害の実態報告以後の問題として、どのような環境破壊の問題、なかんずく学校教育環境の改悪の問題等についても、掌握しておいでになる資料等がありますならば、御提示いただきたいと思います。
#5
○政府委員(岩間英太郎君) 先般の七月十日の委員会におきまして先生からいろいろと御指摘、御注意をいただいたわけでございますが、その後におきまして、ただいままでに公害に対しまして私どもがとりましたものといたしましては、一つは調査がございますし、一つは予算の要求があるわけでございます。
 まず、予算の要求につきましては、先生の御指摘もございまして、これはもし公害が発生した場合には学校としてとり得る対策につきまして予算措置を完全に行なうということが第一点でございます。これにつきましては、本年度予算約二億三千万に対しまして、来年度の予算要求におきましては六億八千万の予算の要求をいたしております。現在の予算でも、公立文教施設の整備費につきましては約四百三十億の予算のワクがございまして、その中で公害につきましては最優先的に予算の割り振りをいたします。そういうわけで、一応二億三千万の予算措置をしておりますが、実態を見まして実情に即するように配分計画を別に定めるというふうなことをいたしておるわけでございます。来年度は、さらに慎重を期します意味におきまして、事業量にいたしましてはことしの約五割増しの事業量、それからいままで負担率が三分の一でございましたが、これを三分の二にするというふうな内容の予算要求でございまして、その金額が六億八千万というふうなことでございます。これが第一点でございます。
 それから第二点は、先般行ないました調査は、これは意識調査と申しますか、大体学校長等の主観的な判断によります調査でございまして、その裏づけをする必要があるわけでございます。たとえば騒音等によりまして非常にうるさいということでございましても、それが実際に教室のどの辺におきましてどれぐらいの何ホンぐらいのものであるか、これを客観的に把握する必要があるわけでございまして、その追跡調査をするという必要があるわけでございます。これは現在まだその過程にあるわけでございます。
 それからもう一つは、夏とそれから冬との間ではかなり影響が違うわけでございまして、そういう意味におきまして、どの時点をとらえてそういうものの実態を把握すればよろしいかというふうな疑問が残ったわけでございますので、これにつきましては九月に大体夏の調査を行ないまして、それからさらに来年の二月に冬の調査を行ないまして、両方の関連におきまして公害の実態をより正確に把握したいということで調査を進めているというふうな点がおもな点でございます。
#6
○杉原一雄君 予算の問題ですけれども、編成された時点と今日とは若干違うわけですが、とりわけきのう衆議院の産業公害対策特別委員会における山中発言がありましたね。これは局長のほうではどのように理解して今後どう対処するか、まだ本ぎまりにはなっておりませんけれども、そうした問題を文部省のいわゆる事業を進める過程においてかなり有利な発言を山中総務長官もやっておりますから、その辺は局長はどういうふうに理解していられるでしょうか、お伺いしたい。
#7
○政府委員(岩間英太郎君) 恐縮でございますが、まだ速記録等ができておりませんので、正確な把握はいたしておらないわけでございます。私どものほうでもこの問題につきましては関心は持っておりますけれども、新聞等で仄聞するところによりますと、これは実際に被害を与えた事業者の責任についての御答弁のように考えるわけでございます。もちろん、事業者が学校等に被害を与えました場合には、それについて責任があるということを明確にしたという点では非常に意義のあることではないかと思いますが、私どもは、そういう責任の問題とは別に、実際に学校におきまして被害が生じておる、それが教育上支障があるという場合には、私どもの立場としましては別にそれに対する対策を立てなければならない。たとえば、かりに責任がございましても、その責任の度合い等につきましては、これは最終的に訴訟になる場合も極端な場合には考えられるわけでございまして、私どもとしましては現実に起こっておる教育に対する被害というものをどういうふうにカバーをするか、一ぺん国がカバーしましたものにつきましても、もちろん求償権というものは残ると思います。そういう意味におきまして、先生御指摘のように、たいへん意義のある御答弁だというふうに考えております。
#8
○杉原一雄君 財政のからくりは十分わかりませんけれども、山中発言が事業費の事業負担の問題でして、とするならば、六億八千万の問題ですけれども、いわゆる負担が明確になれば、そこから回ってくるということになるわけでしょう。でありますから、六億八千万を減額してもらいたくはないと思いますが、算術計算をすれば、こちらのほうが、実施時期等もありますが、減額するという形になるわけですね。
#9
○政府委員(岩間英太郎君) これは問題を二段に考えたほうがよろしいんじゃないかというふうな感じがするわけでございます。事業主に責任があるということになりました場合でも、その程度等につきましては争いが起こる可能性があるわけでございます。そこで、争いが起こって裁判にかりになりました場合に、裁判の結果が出るまでこちらのほうで手をこまねいているということは、これは現実の教育の支障という面から申しますとたいへん重要な問題でございまして、私どもは、そういうことに関係なく、先にかりに一億なら一億というふうな金をかけてそれに対する対策を講ずる、そのあとでその金がどこから出てくるかという問題になりました場合に、たとえば企業主がそのうちのかりに全額なら全額を持つ、あるいは半額なら半額を持つということでございまして、文部省としましては、あくまでも現実に生じた教育上の障害というものを排除する、金をだれが持つかということはあとで考えるという意味で、私どもはとりあえずその被害というものを最小限度に食いとめるということが先決ではないかと考えるわけでございます。
#10
○杉原一雄君 私は、幸い公害対策特別委員会に今度入りまして、連合審査にも委員として発言の機会を予定されているわけですが、結局、いまの法律を追い詰めるというと、結果的に結論が出れば事業主が負担をする、文部省はどちらかといえば被害者だ、そういう観点に立って、皆さんのほうからも資料なり御協力をいただきながらあくまでも教育環境をよくする、そういうことで努力をしたいと思います。
 ただ、先ほどの局長の答弁の中で、意識調査から実態調査にいま入っているのだ、九月はすでにやった、二月はまたやるのだ、こういうことですね。そこで、これはいつごろ大体印刷になるような形の結論が出ますか、いまお聞きしておきたいと思います。
#11
○政府委員(岩間英太郎君) できる限り年度内の予算でございますので年度内に処理をしたいと考えておりますけれども、それは結果がまとまるのが年度内で、実際に印刷等によりまして先生方のごらんに供するのはそれよりも若干おくれるのじゃないか、つまり四月か五月ごろになるのじゃないかというふうな感じがしております。
#12
○杉原一雄君 学校環境といえば、設置責任者の問題がございますので、文部省の所管であるとかないとかいう議論も出てくると思いますが、いまかりに年度内にこうした具体的な数字が出ましても、去年の十月一日に出たような形のものが、やや具体的な裏づけとして、たとえば小学校のうち二三・七%が環境が非常に汚染されているとか、そういったようないわゆる数字がこう出てきて、あるいは小学校で、かりに不適当であると思われるのは五千六十五校、あるいは中学であれば二千六百二十一校だ、しかもその理由は何だ、それは通学途上の安全の問題とか、騒音、大気汚染、風紀なども加ってきておるようでありますが、そういったようなものが出てくるということに終わるのじゃないかという危惧をするわけです。ただ、私は、七月十日の委員会で警告めいた質問をしておるわけですが、もっともっと具体的ななまの問題、身ぶるいするような問題、市町村段階で手に負えないような問題、これはたくさんあるわけです。そういうのは、文部省も御多忙でしょうが、時と場合によってはおっ取り刀で現地調査をするといったようなことをその後なされておるだろうと私は信頼しておるわけです。それのようなことで、四日市の塩浜がどうとか、あるいは川崎の何とか小学校はどうとか、先般来私が指摘しておるように新潟の東山の下小学校はどうだといったようなことについて、実地調査をなさったような事実がございますればお聞かせいただき、しかも、ついでですから、そうした実態に即して問題点と解決の方法はこうあるべきだということがすぐわかってくるとか、私もわかっておりますけれども、明らかにしていただいて、それに即応して六億八千万という予算が組まれたのだろうと私は推定しますから、その辺のところのちょっと具体的な問題を――国民の中にもわれわれのような国会で審議する仲間の中でさえも知らないものがあるだろう。そういったことをひとつここで御披露いただければ、非常にひどいもの、そうでない一般的な問題は、これは程度の問題でございますから、それを局長段階で掌握されておりましたら、お聞かせいただきたいと思います。
#13
○政府委員(岩間英太郎君) 私どもも公害の問題につきましては非常に関心を持っておりますので、特に問題のある学校につきましては、私どもが実地に見せてもらうという意味で、調査を具体的にやったという例はございます。たとえば四日市でございますとか、あるいは兵庫県の学校でございますとかいうのは、これは私どもの係官が現地に行っておりますけれども、しかしながら、文部省としまして全部の学校について行くということは、数も多うございますし、これは無理でございます。したがいまして、行政の筋としましては、やはり都道府県に具体的な調査を着実にやっていただくということが本筋ではないかというふうに考えるわけでございます。私どもが見せていただきましたのは、これは公害の担当の者として実地にそういうものを見ておくという必要がある一種の勉強だという意味もあるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、筋としては、都道府県に着実な調査をしてもらうということが筋ではないかと考えております。
 なお、実地調査をいたしましたのは、新潟の東山の下でございますとか、兵庫の芦屋、それから千葉の浦安、四日市の塩浜というふうな学校につきましては具体的に見せていただいたわけでございます。
#14
○杉原一雄君 そこで、調査いたしましたということでなしに、だらだら長くやられてはたまりませんから、いまのお調べになったところなども、私らも問題だと、こう思っておりますし、また、私の意見などもたくさんあるわけでありますが、それは程度の問題であります。いま四つほどおあげになりました問題だけでも、たとえば山の下は発生源はこうなっておる、新潟市当局ではこのような努力をしてやっておる、そういったような原因とか対策等、なおかつ足らないものは何だ、このくらいに分けて御報告いただけないですかね。相当時間がかかりますか。
#15
○政府委員(岩間英太郎君) ちょっとこまかい資料を持ち合わせませんので、お時間をいただきまして資料にしてお届けするようにいたしたいと思います。
#16
○杉原一雄君 それはわかりますけれども、何ホンとかかんとかいうことになるとたいへんでしょうが、ただ、山の下でしたら、複合公害ですね。悪臭あり、それからごみですね。たいへんな大気汚染がされている。騒音の問題――集中的ですよ。そういうようなこと程度くらいここで簡単に掌握しておいていただいて、しかも現状ではどうなんだと――私の結論ははっきりしています。これは学校を移せということなんです。現状ではだめだ、こういう判断を実は持っているわけですが、実は山中総務長官がきのう言明したように、学校の移転をも含めてこれは事業負担法によって負担させるというきわめて明快な言明をしているわけですから、私は、問題を一歩解決する大きな手がかりを総務長官はきのう衆議院で言明して、実はほっとしているところです。でありますから、所管の皆さんのほうは、山中長官をバックアップするような形で政府部内をまとめて、すみやかに問題の処理に当たっていただきたいというふうに実は考えるわけですね。先般例にあげた千歳の小・中学校のごとき、これは基地公害です。これはまた別の形で議論しますが、学校とすれば、環境破壊、公害なんです。でありますから、その際問題になって先般提起したように、千歳の場合は、防衛施設庁で設計をして、りっぱな学校を建てた。冷暖房完備。冷暖房の経費は、まあ暖房はもともと北海道ですからあれですが、冷房等の施設につきましては、北海道などは冷房なんかあまり要らぬということですが、二重窓ですから冷房せざるを得ない。その費用に市長が非常に頭を痛めているという訴えを実は聞いておるわけです。ですから、そういう問題を私から言うだけではなくして、局長から、実はこういうところで困っているのだ、それでわれわれのほうでは少なくともというふうな見解をこの時点で表明をして、該当の学校やあるいは市当局などが安んじて年次計画を立てられるような体制を整えてやるのがあなた方の仕事じゃないかと思う。あるいは塩浜小学校、これはばいじんですね。四日市のSO2でしょう。そうしますと、おのずから市当局が防衛措置として二重窓をやっている。そうすると、二重窓の中で夏勉強する、これは容易なことじゃない。おとなでも耐え切れない。いわんや、子供はたいへんですね。ところが、そこへ空気を浄化する機械が入っている。これは山の下小学校にも入っています。というのは、三菱系統の石油精製所から入ってくるごみやSO2を防ぐために二重窓にして、そこに動いている電気の空気浄化装置は三菱系統から出ている。そこがなかなか商売としてはうまいことをやっているんですよ。そういった矛盾は文部大臣の責任ではないので、資本主義全体の大きな問題です。そういう問題を的確につかんでいただきたいと実は思います。後ほどということでございますが、後ほどというのはいつごろになりますか。局長、どうですか、私は十二日ごろに質問しますが、用意できませんか。
#17
○政府委員(岩間英太郎君) この次の十二日に御質問いただくようでございましたら、その前にお届けします。
#18
○杉原一雄君 ここでは質問しません。別の機会にします。
 それで、その他文部省ではいろいろ資料をお集めになっているでしょうが、全国小・中学校公害対策研究会というのがあるわけです。どこにあるか知りませんが、そこらあたりでは、「碧い空を子どもらに」と、こういう本を出している。ここには、SO2がどうだ、カドミが何PPMだということは問題にしていない。子供の訴えを書いている、なまの訴えを。これこそデータだと私は思います。でありますから、文部省は、こうした問題を処理する場合に、こうした子供の訴えを、これは何といいますか、三島じゃないけれども、美学的な印象的な文学的な表現なんかと片づけられると何をか言わんやでありますが、私は子供の声に真実があると思う。そうしたことで、こうしたものなどもほんとうは生き生きとしたデータだろうと思います。これは、提起したのは、新しいものではない。基地の子供が訴えている現状把握をするデータだと思います。そういう意味で、これは青森の中学校三年の子供が訴えているわけですが、いろいろ言っているわけですけれども、「第二の問題」――「が、一方が良くなったと思ったのですが、まだ問題はあるのです。それは、一般市民に対する影響です。
 夏場の蒸し暑い時など「ガゥオーン、ギィーン――これは飛行機の擬音でしょうけれども――などとやられたんでは、「うるさい」と、どなりたい心境になります。そのためにも、米軍が三沢市から、いや、日本領土から、早く撤退して、基地が、なくなれば良いと思いますが、それは、ほんの一部の人の意見で、大部分は「そんな事されたらこまる」と言うのです。それというのも、市民の職業の半分以上は、基地で働いているのです。ですから、もし基地がなくなれば、失業者がどんどんふえ、第二の問題になるでしょう。だから、これは、わが市にとって、どうにもならない問題といってよいでしょう。」と、こう言っているわけですね。これは子供そのものが被害者である。学校環境の問題とはおのずから違いますが、われわれの教育対象である子供の被害者としての切々たる訴えだと思います。ここには一つの現代社会の矛盾が浮き彫りされているわけですね。たとえば、また、東京のある中学校三年生の鈴木という女の生徒が、「朝礼や、体育の時間中に、先生の話していることがよくききとれなかったり、マラソンをしていると、いきがつづかなかったりして、私達をなやませている。でも今では、なれたというか、へいきになってきました。でも、やっぱり、勉強するには、空気がよくて、青空の見えるような、ところで、気持よくやりたいと思います。そうすればきっと、成績もよくなると思います。――これは悲痛な訴えだと思います。――朝から夜まで飛行機や、自動車の音でなやまされられたら、とうてい、まいってしまいます。」と。また、同じ中学校三年の子供ですが、「深呼吸は小さく」――「われら羽田地区のことについて、考えてみよう。羽田は春から夏にかけて、夏風の吹く季節になると、スモッグはひどくなる。僕のいっている学校などでは、南風が吹くと、となりの工場のえんとつの煙で、東側の体育館が見えなくなる時もある。そんな日でも、校庭で体操をしなければならない。整理体操で大きく深呼吸をしなさいといわれても、それはむりだ。この羽田では、深呼吸は小さく小さくすることになっている。」と、これがわれわれが未来を託する少年の姿でありましょうか。だれがこのような状態に子供を置いているのか、責任はきわめて大きい。ですから、局長がさっき指摘した四つかの小・中学校の例とははずれております。でありますから、基地の三沢に私も行ってまいりましたが、朝鮮戦争が終わったあとの三沢基地は灯の消えたようなものであった。これが戦時中の加算でたくさん月給をもらってアメリカの兵隊がドンチャン騒ぎをしておったけれども、戦争が終わると株がどさっと落ちるのです。三沢の町は灯の消えたような現象になっている。こういう基地の現象は私は十分に腹に据えているわけですから、公害の問題として考えた場合、子供のこうした訴えは真実を持っているし、このような訴えにこたえるわれわれ政治家としても、行政府としても、責任はきわめて重大だと思います。こうしたくらいのとらえ方は皆さんはしておられるでしょうが、ちょっと都合が悪いから御発表にならないのだろうと推察するわけです。私の推察の域を越えて、行政当局は、やはりこうした面についての八方手を尽くして問題を明らかにしていただき、電子計算機でそろばんをするというような形ではなしに、もっともっと生き生きして行政に対処していただきたいということであります。
 もう一つは、富山県の片隅で起こっている問題であります。どういう問題が起こっているかといいますと、富山市のすぐ郊外にある、婦人の婦、まん中の中と書いて、これは「ふちゅうまち」と読みますが、ここで先般公明党の小平さんが質問をされた公害の場でございましたが、アカカスとか米の実体を持って公害特別委員会で質問されたことを私は忘れることができませんが、その節小平さんからは指摘されなかったけれども、別の形の問題がいま起こってきております。
 それは小・中学生を検診した結果によると、九・六%が斑状歯の疑いがある。つまり肥料をつくっている関係上弗素が空中に流れていて、それを吸う小・中学生は――これは医学的なことはわかりませんけれども、赤ちゃんとか幼児期とか、まだ乳歯の段階の子供には直接影響はないが、それがそろそろ永久歯になろうという段階、ですから小学生段階から中学生段階、こうした子供たちを調べたところが、歯に斑点がついているのが九・六%。また逆におもしろい数字が出てくるわけですが、そのような子供たちを調べますと、今度は逆に虫歯がない。なかなかいい面もあるようでありますね、虫歯がない。弗素だからそうした形で虫歯を除去する力も実は非常に持っているということですが、ただこの九・六%の斑状歯の子供たちが現状では苦痛を訴えたりする問題ではなくて、ただ美しいか醜いかという問題、美醜の問題。しかしながらこれはやがて体内にじん臓とか肝臓とか、いろいろなところに障害を与える結果を実は生むので、これは非常に警戒信号だ。そういう意味で、いまはそうした学校の周辺の工場からたれ流しになって吹き流しているわけですから、そういう状況の中からこうした子供に対する健康の問題が実は出ております。ですから四日市ぜんそく、いろいろありますが、私はこれは新しい問題の提起だと思っております。これはきわめて最近です。十一月二十五日の地方紙がこれを明らかにしたくらいでございますから、非常に新しい問題なんであります。でありますから、公害という問題はもうこれで対策が終わったというものじゃなくて、これは公害審査をする過程の中でも議論されているわけですが、日々新しい要素をもって公害というものは出てまいりますから、現状把握は容易じゃございませんし、また対策にしましても、後ほど質問いたしますが、現代の技術、科学水準その他において非常に困難をきわめるのじゃないか。だからいまの段階で質問申し上げ、意見も申し上げて、失礼でございますが、やはり教育環境が破壊されている、公害によって。そしてそのことが未来の主人公である子供の健康を大きく阻害している。また学習効果もあがらない、こういう実態がありますので、そういう意味で、いま質問をしながら意見を述べ、予算編成の最後の詰めに入っておる段階でございましょうから、文部大臣も全力を傾けて六億八千万をがんばるんじゃなくて、できれば山中長官の発言とひっかけて、もっともっと費用を投入して環境をよくする努力を続けていただきたいということを最後に言いたかったので、数項目質問申し上げたわけであります。何かそれについて大臣のお答えいただければ、ここで一言大臣のほうから。
#19
○国務大臣(坂田道太君) 公害から子供たちを守るということ、そして教育環境をよくしていく最大の努力を払えという御意見に対しましては、私もそのように考えております。私といたしまして、できるだけの努力をいたしたいというふうに考えております。
#20
○杉原一雄君 それでは、公害についての教育、いわゆる学習の問題になります。
 いよいよ指導要領が改訂されて実施の段階に入っているわけですが、よりやっかいなことを申しますけれども、指導要領というものについての考え方や評価は別として、文部省が指導要領というものに対して徐々に大きな力を持たせておいでだろうと思うのですが、ただ、私ここで明らかにしていきたいというのは中身の問題です。特に、公害ということにしぼって今日まで指導要領はどういう取り組み方をして、実施されようとしている新しい指導要領の中でこのような点で公害の問題で力点を置いているんだということを、経過をたどって初めから皆さんやっていないと思うんですよ。正直に言ってそのようなことをやっていなかったというなら、やっていなかったでけっこうですから、正直のところ、歴史的段階を経て、しかも今日の時点ではどのような努力をしているかということをここで明確にしていただきたいと実は思うわけです。特にこのことはいまさらとはという感じもしますが、幸いにして、この間の四日、五日の連合審査の中で文部大臣が出席されてこのことについてのある種の言明なり答弁をしておるわけだし、これは事務当局でもそれに対応する整理をなさっているだろうと思いますが、その点をお伺いしたいと思います。
#21
○政府委員(宮地茂君) お尋ねの点でございますが、御承知のように、小学校、中学校、高等学校の学習指導要領は、昭和二十二年に作成されましてから、自来、昭和二十六年、さらに三十三年、高等学校は三十五年でございますが、引き続いて、小学校は四十三年、中学校は四十四年、高等学校は四十五年と今日まで三回の改訂を行なっておりますが、公害につきましては、率直に申し上げまして、いま申しました二十二年の改訂、二十六年の改訂、いずれにも特に示しておりません。また、これに基づきまして編集された教科書におきましても、公害につきましては記述されておりません。ところで、現行の教育課程、学習指導要領は昭和三十三年度に改訂されたものでございますが、十二、三年前の当時におきましては、公害問題につきましての意識があまり今日ほど強くなかった時期でもございましたので、特に公害についての明確な記述はございません。しかし、たとえば中学校の場合でございますれば、社会科におきまして、経済の発展に伴って発生するさまざまな都市問題の一つとして、公害の問題を関連して指導することができるようになっておりますし、また保健体育におきましても、健康の保持と生活環境の保全という観点から公害防止の問題を関連して指導できるようになっておるというようなことで、全く配慮されてないということではございませんで、ある程度の指導はされておるように考えられます。さらに、この学習指導要領に基づきまして編集された、現在子供が使っております社会科、保健体育等の教科書におきましても、公害につきましてはほとんどすべての教科書が触れてはおりますものの、その内容を見ますと、公害の現状とその防止の必要について概括的に述べておるという程度で、今日の考えから申しますと決して十分なものではございません。
 このような観点から、今回の学習指導要領の改訂に当たりましては、公害問題の重要性にかんがみまして、小学校、中学校、高等学校におきましてそれぞれ主として社会科及び保健体育の指導内容として明確に規定し、小学校では、主として産業による公害などから生活環境を守ることの重要性について記述いたしておりますし、中学校では、国民生活の向上をはかるためには、公害の防除などをはかって経済の発展と国民福祉の増大とが結びつくようにすることの必要性や、健康の保持のために公害の防除を行なって生活環境を保全することの必要性などにつきまして記述しております。さらに高等学校では、公害の防除のためには人間尊重、国民福祉の立場に立った企業や行政の努力、さらに国民の協力の大切なことなどについて指導することにいたしております。
 また、教科書につきましても、当然新しい学習指導要領に従って編集されることとなっておりますが、来年四月から使用されます小学校の新しい教科書におきましては、すでにこれらについて相当記述されでおります。
 まあ概括的でございますが、一応そういう経過でございますが、それにいたしましても、たとえば学習指導要領、今回の小学校の――これは前の衆議院の連合審査会でも文部大臣に御質問があったところでございますが、たとえば、まあ企業というものが公害を発する主たる原因でございますが、それをあまりやかましく言うと工場がつぶれてしまうという一カ所を指摘されまして御質問のあったところでございますが、一応あれはあれなりに終わりのほうまで読んでいただきますと筋は通っておるとは存じますけれども、人命尊重といった、健康優先というような観点から、しいて申し上げますれば誤解を生じられる方も絶無ではないというようなものも率直に申しましてございます。言いわけではございせんが、これは一応経過を申しますと、今回の来年四月から使います小学校の教科書は、文部省が教科書の改訂等をしていただきます場合、今回は学習指導要領の改訂と関連しての改訂でございます。で、昭和四十年に文部大臣から学習指導要領の改訂を文部省にございます教育課程審議会に諮問いたしまして、その審議会の御答申をいただきましたのが四十二年の十月でございました。それに引き続きまして学習指導要領をつくり、告示しましたのが四十三年。四十四年に教科書の検定、それから四十五年に採択、四十六年四月から現場で使用というふうに、学習指導要領の改訂から教科書の現実に使用されます間、今回の場合でも三年五カ月もかかっております。こういうような経緯で、非常に社会の変化といったような点から、一部には、筋は通っておると申しますものの、多少もう少しというような感じがある個所のあるのはおおえないことだと存じます。
 多少御質問になかったことまでつけ加えたかもしれませんが、一応経過を御説明いたしました。
#22
○杉原一雄君 局長から言われると、質問のないところが問題なんですが、それを最後のところでひとつ詰めようかと思っておったところをちょこちょことおっしゃったんですが、これはあとで小笠原委員も非常に文句があるようですが、私どもどう読んでみても局長のおっしゃるような理解はできません。立場が違いますね。今度の公害国会の中でも、お互いに野党の立場と政府側と対立しますね。それはお互いによって立つ観点が違うからですよ。こちら側と政府の側とでは、局長側は政府側にお立ちになっている。そういうことで筋論議の筋になるということになるように思います。どう読んでも――この前の私、憲法論議、自衛隊論議を宮地さんとやったと同じような、すれ違いといいますか、ちょっと思いますね。
 あなたは、十二月六日の新聞ですが、公害教科書の問題で談話を発表されましたが、それに間違いございませんか。念を押しておきます。そうしないと、また新聞社の記者のかってだということでは困りますから、お読みになったでしょう。新聞に公表されておりますから。
#23
○政府委員(宮地茂君) 日曜か月曜日、ある新聞だったと思いますが――私、別に談話を発表した覚えはございませんが、大臣と連合審査会での質疑――土井委員でございましたか、そんな御質疑がございまして、大臣は御答弁されましたが、それから後、土曜日の夜だったと思いますが、ある新聞社から電話で連絡がございまして、きょうのあの問題につきましてどうですかとおっしゃいましたので、私が申しましたのは、御質問者は一行ばかりのところをお読みになられたと、確かにその点はそのとおりに書いてあります。しかし、教科書をここに持ってきておりますが、それからあとのほうに、質問者が読まれましたのは、「公害はふせがなければならないが、工場がつぶれてはこまる。」こういうふうに書いてあるのはよろしくないと思うということについての御質問で、大臣の見解をただされまして、ここの個所でございますが、確かにそのように書いてございますが、その次に、このように公害がわが国に広がったのは、計画のない都市、いわゆる都市計画が十分でなかったことにも大きな原因がありますと、したがって、今後はニュータウン建設とかいろんな各地で計画があるが、そのようなことにならないようなくふうがされておりますと、さらに、公害をなくして産業を一そう発展させることはそのようにいろいろむずかしいことですが、国民全体の努力でぜひとも解決しなければならない問題です。というふうに結んでございますので、「公害はふせがなければならないが、工場がつぶれてはこまる。」のだということを、あたかもそれを是認してそのとおりであるというような姿勢では、この本は書かれてないというような意味のことを私申したわけでございます。あとの趣旨はそういうことを申しました。それにつきましてある新聞に記事が載っておったことは承知いたしております。
#24
○杉原一雄君 ある新聞というのは――ある新聞ということにしておきましょう。名前わかっているのですが、ほんとうの意地の悪いことですけれども、あなたの言うことが載っているのは、「この論争は私自身、連合審査会に出ていて聞いたが、大変に意地の悪い質問だ。」私の同僚土井たか子君が質問しておったのです。土井たか子君おこっているだろうと思います。私、きょう会うておりませんけれども、「大変に意地の悪い質問だ。確かに読みあげたとおりのことが書いてあるが、そのあとに日本では」云々と、いま御説明にあったようなことをここでも書いてあるわけです。公害であってもがまんしろというようなことは、この教科書は書いていないのだと、こうおっしゃるわけですね。ただ、そこで、いま土井たか子君が指摘した「「公害はふせがなければならないが、工場がつぶれてはこまる。」というようなことを考えると、」と書いてある。「考えると、そのとりしまりを、」これは政府になっている。「じゅうぶんに行なうことが、なかなかできません。」これは正直ですよ、きわめて。「なかなかできません。」実際われわれは手をやいているわけです。政府当局もお困りでしょう。このところですね。やはり教科書は将来を展望しているわけですから、克服していくようにしなければいけない。でありますから、いま私が読みあげたところは、局長はそんなことを言ったつもりはないということで否定されるのかどうか、意地悪いということですが、私も意地の悪いことを質問しますが、その辺もう一ぺんお答えを願いたい。
#25
○政府委員(宮地茂君) 当時大臣は――この教科書は六、七種類ございますが、大臣はその教科書を持っておられませんで、質問者は持っておられて、その個所を一行お読みになられた。答弁するほうとしましては、書物を持ってない、そういう質問なので、大臣自身、自分はその教科書を見てないがと答えられたのを私聞いておりましたが、そういうようなことで十分、この教科書を持っておれば、一行読まれても全体のことがわかるのですが、そういう意味で新聞社のほうが、言うなれば、質問者が全体を読めばわかることを、一行ぐらい読んだんでは十分答えるほうもわからなかったという意味ですかということでございましたので、まあそういうことでしょう、では意地が悪い質問ですか、まあそういうことでしょう、というふうには申しました。
#26
○杉原一雄君 実は教科書の問題はあと回しにするつもりでおりましたが、非常に先ばしって御答弁いただいたので、つっかかってしまったんですけれども、ついででございますから、私はいま問題になっておる教科書の中からもう一つ問題を出します。
 それは、ここに局長もお持ちですから、ページ数を読んでください。文部大臣のような答弁はできない。私は意地の悪い質問をしませんので、なまの質問をしますから。一〇〇ページですね、いまの。
#27
○政府委員(宮地茂君) この本ですか。
#28
○杉原一雄君 いまあなたが説明された本です。それは新聞社、みんな知っているから言ってもいいですか。
#29
○政府委員(宮地茂君) どうぞ。
#30
○杉原一雄君 学校図書です。学図の小学の社会五の下一〇〇ページ、ここで、もちろん九九ページからのつながりでありますが、富山県のイタイイタイ病のことを書いてあるわけです。私、四社ほどの教科書を見たけれども、本県のイタイイタイ病をとらえているのはこれだけだと思うのです。そこでとらえ方の問題ですから一〇〇ページへまいりまして、「この病気の原因も、長い間わかりませんでしたが」これは客観的です。「婦中町のある医師が、」これは御承知のように萩野博士、「二十年もかかって調べ、それは、神通川の上流にある鉱山が」これは三井神岡鉱山です。「鉱山が川にすてたカドミウムという鉱物のためだということがわかりました。」全面肯定のことばです。私はこれはいいと思うのですよ。この肯定した記述は正しいと思う。ただ、いま私があえてこのことを取り上げた理由は、文部大臣にここを訂正してくれということではありません。これは残してください、ぜひとも。なぜか、先月の二十一日に、富山の地方裁判所で裁判があった。で、被害者の方、長い間裁判をやってこられたわけですけれども、そのとき初めてもういよいよきょうは勝利の凱歌があがるというので、ぼくにもぜひとも立ち会ってくれという、運動をしてくれている人たちからの要望がございまして、私は終日傍聴したのであります。そのときに、裁判長から――問題は何かというと、鑑定人の鑑定申請の問題であります。鑑定申請の問題で、裁判長は従来のいろいろな証人尋問その他で二年半かかっていますからね。そういうことで、きわめて明瞭に私たちも客観的な判断のできる資料は整えました。いまさら被告――それは三井金属――被告がおっしゃるように、鑑定の申請は必要ありません。だから却下する。そこで、傍聴する者もみんな万歳を叫ばざるを得なかったのであります。その後被告の弁護団が五分の休憩をとって帰り、やがて戻ってまいりましていよいよまた開廷されました。彼らは何を言ったか、彼らはこういうことを言うわけです。岡村裁判長外裁判官は、全部これを忌避いたします。これは訴訟上そういう権利が被告、原告ともにあるわけですから、原告の側もかつて忌避したことがあるんです、岡村裁判長に対しては。それは現地調査のときに非常に手心を加えたので、ぼくらは憤慨して忌避したこともありますが、それは一応了とされましたが、今度は被告がこれを忌避しておる。こういうもとでこの問題で私たちはいま非常に頭を痛めているわけです。もうわれわれ常識人にすれば、因果関係なんてわかり切ってしまっておる。それを向こうは――私のほうの弁護士は残念ながら富山の弁護士ですから、東京から来たえらい方はなかなかうまいことを言ってごまかしますが、うちの県の人はごまかせない、正直なことを言います。地球はいろいろな地殻によってできている。そこには鉄鉱石もあれば金鉱石もあれば、鉛もあり銅もある、いわんやカドミウムもある。だからこういうことが起こる。だから三井鉱山でないということなんで、そういう論理を堂々と言い、そのときの言いぐさとして、自民党も腐敗堕落しておる、いわんや社会党も腐敗堕落しておる。何ということですか。それは弁護人だから弁護士というわけにはいかない、三井金属の代表者の発言としてぼくらはとらえる、代理人ですから。そういう弁護をやってきた最終的な結論として裁判長を忌避した。私はわざわざ、この間の連合審査の問題ともからんでおりましたので、四日の日、ひまをもらって富山へ帰りまして、弁護を担当しておる事務局へ行って相談してきました。それで近藤弁護士が言うように、これはたいへんなことになる、富山の地方裁判所長が却下して、それを忌避しておる。これはまた高裁へいき、それが最高裁にいって、もう裁判をだれがするかということをきめるだけでも相当の月日がかかる。いわんや年末年始には休暇もあり、それからまた犯罪も年末にはふく、そうしてくる関係もあってたいへんおくれるので困りました、と言っておられるわけです。しかもその中で、その裁判はもうすでに二年半たったと申しますが、二年半というのは第一審を始めてからであります。しかし現在は原告は去年の二月二十日後第五次訴訟を含めて驚くなかれ患者が七十六、死んだ人の遺族が四百十一、要観察者十九名、合計五百六名の原告であり、訴訟総額は七億一千三百九十五万円である。こういうマンモス訴訟がいま行なわれているわけですが、これがいま申し上げた十一月二十一日の被告の鑑定申請を却下したのに対して、会社はそういうことをやったわけです。でありますから、その教科書は、先に局長が弁明したように、いわゆる公害問題を騒ぐと会社がつぶれるというところは、これは間違いないけれども、しかし根本的には都市計画その他でこれをカバーしているんだ。それは弁護として成り立つかもしれません。だが同時にいまこう言っておられる、一〇〇ページにあるようなそういうことは、三井金属とは書いてありません、抽象的にして、だから萩野博士も萩野博士とは書いてないわけです。しかし断定を下しておりますよ、それは。しかし現実はそうでない、いま申し上げたように。その辺の矛盾といいますか、現実の進行について、文部省は法務省でございませんから十分の掌握はできていないと思いますが、局長はともかく、高い地位で政治を考えておる文部大臣が、こうした状況を十分御承知であるかどうか、これは皆さんのお力を借りようと思いませんけれども、その辺はどうですか。
#31
○国務大臣(坂田道太君) いまお話を承りますと、この記述というのは断定に過ぎておるということも言えるかと思うのですけれども、しかしこういう非常に現実的な問題、まだ裁判にかかってわかってない、最終的な結論が出ていない問題、この前小笠原さんから指摘をされたような、公害は終わったんだという、ところが事実は終わってないというような記述、そういうことをわれわれは一生懸命に真実を追求して、そして調査官といたしましても一生懸命にやっているつもりでしょうけれども、やはりそれには間違いも人間のやることでございますからあり得るわけでございます。あり得るわけでございますが、やはりそういう場合に、どうやって教育上支障のないようにするか。最小限度に間違いがないように教育をしなきゃならぬかということが、まあ行政当局に課せられた責任であるというふうに私は思うんです。したがいまして、やはり教科書というものは教材の一番大事なもので、誤字、誤植、あるいは真実というもののきめがたい問題等については、非常に慎重に当たらなきゃならぬことは言うまでもございませんけれども、しかし、神ならぬ人間のやることでございますから、御指摘になるような間違いも起こるわけでございます。その場合にこそ、私は行政当局あるいは現場で、この教科書に基づいて教える先生が、やはりある程度の良識あるいは自分の考えで判断して教えていただくならば、それをカバーできるのではないか。で、われわれのほうではっきりこの点は間違いである、あるいは不適当であるというようなことがわかった場合は、その行政の筋で一応それを現場にわからせるような努力をする。その上において現場では、先生方がまた良識的な判断でもって処置をされるということでこれをカバーしたらどうだろうかというようなことが私の率直な気持ちなんでございます。これ以外に何か方法がございましたら、むしろ先生方から私に教えていただくというふうな気持ちでございます。
#32
○杉原一雄君 一言だけこの教科書問題で締めくくりますが、いま申し上げたようなところは、文部大臣は連合審査会において、検討してみるという程度でしたか、それともまた検討の結果によってはこれを黒墨を塗るというような意思を表明されたというように、ぼくは簡単な報告しか見ておりませんから、文部大臣、再答弁してください。
#33
○国務大臣(坂田道太君) 私は、実を申しますと、速記録ができておりませんので、よくわかりませんが、しかし私が申しましたのは、まだこの本というものを、あの当時とっさでございましたから、読んでなかったわけでございます。で、いつも私申し上げますけれども、そこのところだけ読めばそのように言える、しかしあとさきをこう見れば脈絡がちゃんとついている場合もあるものですから、実は私は見ていない、こういうことを申し上げた。それからまず見た上でこれが適当でないというならば、何らかの措置ということばを私は使ったんじゃないかと思います。そしてもう一つは、検定制度、指導要領の改訂がああいうふうになりましたし、それから指導要領が改訂しましてから教科書になりますまでの時間が、三年半くらいもかかるわけでございますから、その間一体子供たちはどうなるのかという問題が、実は私の頭の中に出てまいりましたから、これは何か指導要領改訂は早い機会にやらなきゃならぬことも出てくるかもしれぬが、その間の行政的な措置か何かはないものか。それはひとつ検討して、最小限度に真実が真実で伝わるようにしなければいけないんだなということを申し上げたわけでございます。でございますから、私どもといたしましてはここのところを少しいまの時点で考えますと、ちょっとやはり十分な記述じゃないんじゃないかというふうに、私は率直に申し上げます。ベターな書き方があるんじゃないかというふうに思うわけです。この点についてはいま検討しております。何か客観的事情の変更に伴い、従来の記述が誤りとなったわけではないが、情勢の進展に即応して内容を改新するというのが、こういう何というか、正誤表の訂正というような何かやり方があるのだそうです。私こまかいことはわかりません。だからそれでもしゃれるとするならば、やってみたいというふうに考えております。最終的にきまりましたら、またこの委員会に御報告を申し上げたいと思います。
#34
○杉原一雄君 もう一つですね。局長のほうに、先ほど改訂等のことについてかなり長いことばを申し上げて失礼しましたが、簡単に、一〇〇ページのところはこのまま残してくださいね。残しますね。いま申したような形で文部大臣、措置をやるかやらないか。やらないでしょう。これを聞きたいのです。
#35
○国務大臣(坂田道太君) この辺がいわば論理から言いますと、真実が、真実であるというか、その真実というのが社会的な何といいますか、裁判になっておるわけでしょう。だからその点をどう判断するかという問題が一つありますね。これはこの辺を見のがしたのがいいのか。あるいはやはりいま最終的にきまってないから、これを誤りとして正誤表につけ加えるのかどうなのか。この辺はもう少し私、判断の時間を与えていただきたいというふうに思います。
#36
○杉原一雄君 先ほど質問の過程で申したように、望むらくはこれを残してください。そうして、残したあとで文部大臣先頭に立てて地元の被害者を連れて三井金属鉱業に行こう。文部大臣の権威をかりてひとつやろう、これは非常にはっきり書いてあるのですから。まあ冗談ですよ。いまけつが重いから、それはそれで終わりますが、先ほど局長のほうから、学習指導要領の改訂の歴史的な経過をお話しされたと思います。過去は過去でやられたのだと思いますが、今度改訂の場合特にしぼって高等学校の学習指導要領についてもう少しいま公害に該当するところをぼくは文部省のほうへ連絡した、調査会に言えばよかったものを文部省のほうに頼んだものだから、文部省がサボっておるのだと思うのですが、そこのところだけピックアップして出ておりません。
 特に公害問題を指導要領の中でどう扱っておるか。やはり一言一句が非常に大事なんですから、公害基本法において悪臭、地盤沈下と書いて、あと何も書いてないからそれが公害だと書いてあるわけだが、私は、悪臭、地盤沈下等と、「等」の一字を入れてもらいたいと思う。「等」の一字を入れるか入れないかということによって公害に対する態度がきまる。公害というのは地盤沈下が公害だ、そういうものじゃない。新しい時代には新しい科学がある。新しい科学と新しい工場生産等によれば新しい公害が必ず発生する。そのつど字句を加えていくようなことをしておってよいのかどうか。タイミングが合わないというように思うくらいで、「等」の一字をつけるかっけないかは立法作業の上で重要な問題だと思う。そういうようなものも高等学校指導要領のところにつきましては、私はここに指導要領を手に持たないで議論をしておってもやはり発展しないのじゃないかと思います。たくさんのところじゃありませんね。政治経済のところ、公害のところをどう取り扱うか。私、指導要領の権威をあまり高く買いたくないのですが、特に私その点を吟味したいと思いますから示してください。
#37
○政府委員(宮地茂君) 高等学校学習指導要領は出ておりますので、先生がおっしゃいます個所はリコピーしてあとでさっそくお届けいたします。
#38
○杉原一雄君 だからきのう連絡においでになった方に特に御注文申し上げておいたわけなんですよ。私だけここで議論してもから回りで他の委員が納得しないのじゃ困りますし、全体の委員の人たちにわかるようにその部分だけほしいと言っておいたのですが、そうしないと私の議論がこれから進みません。ほんとうに困るわけなんですよ。
#39
○政府委員(宮地茂君) この場でお聞きするのでございますが、簡単でございますから、便宜上それでは読ましていただきます。
 それで学習指導要領の中の高等学校社会科の政治、経済のところの国民「生活の向上と福祉の実現」という中に「公害と国民生活」というのがございまして、「公害の特質について認識させるとともに、公害の防除には、人間尊重、自然的条件への配慮および国民福祉の立場に立った企業や行政の努力、科学技術の成果の利用ならびに国民の協力などが大切なことを理解させる。」、こうありまして、さらに地理のところでは「都市化現象」という、これは説明がございますが、その中で扱いたいと思っておりますし、保健体育では「生活と健康」というところがございますし、さらに「国民の健康」というところでも扱いますが、たとえば「国民保健の現状」及び「公衆衛生活動と保健・医療制度」について理解させ、国民の健康の保持、増進に積極的に協力することが必要であることを知らさせる。小項目といたしまして「環境衛生活動」、こういったようなものが高等学校のところにございます。学習指導要領はそれだけでございますが、御承知のように、これに基づきまして、まだ出しておりませんが、指導書というものを文部省のほうで作成いたします。その場合に、いま先生がおっしゃいます等々といったようなことで例示されましたが、いま私が読み上げましたところは非常に簡単に記述されておりますので、それをふえんする指導書におきまして、十分意の尽くせるように書きたいと思っております。さらに、これは先ほど来御質問のありましたところでもございますが、指導要領なり、教科書がいまのように相当年月を要しますので、社会情勢の変化に即応できないといったようなギャップを埋めるために、さらに指導書で意を尽くせないものは、各教科科目についての指導資料、昔手引書と称しておったたぐいでございますが、指導資料によって、なお一そうその点をふえんしていきたい。したがいまして、先ほど文部大臣からこの教科書の点の扱いもございましたが、それはそれとして検討するとしまして、さらに指導資料等においても、十分そういう点は意の尽くしていないところ等は意を尽くしたいと思っております。さらに、公害基本法の趣旨でいままで指導要領、指導書は書かれておりますが、基本法の改正は今国会でなされておるわけでございます。したがって公害基本法の改正後には、それで国の意思がきまるわけですから、それまでは、正直に言いまして、指導要領も指導書もこれまでのものには今回の改正分までは書いてございません。したがって、法律が施行になりますれば、その点も十分教育に反映させる必要がございますから、指導資料等におきましても、はっきりその点は明示していきたい。さらに指導部課長等の会議とか、教育長の会議とか、あるいは教師の研修会といったような機会をとらえましても、今後いままでの問題の修正ももちろんですが、今回の基本法の改正の趣旨は十分そういう形で徹底していきたい、こういうふうに考えております。
#40
○杉原一雄君 実は局長のあとのところ非常に大事だと思います。ひとつまたこうした態勢をおとり願うことだけを冒頭に要望いたします。
 その次に、それではいまここであわてて抜粋をいただきましたが、局長お読みになったとおりですが、問題はその指導要領のぼくらでいう前文にあたりますが、要領の中では「目標」として表示されているところにこういうくだりがあります。それはお手元にあると思いますが、「目標」の「(3)」でございますが、「産業・経済の急激な変化発展および日本経済の国際化など時代の進展を背景として、日本経済の特質と問題点とを総合的に理解させるとともに、労働関係の改善や社会福祉の増進などを通して、」ここから問題です、「国民経済と国民福祉を調和的に発展させる必要性を認識させ、経済の発展とその民主化に貢献しようとする態度を養う。」ここがいま公害立法で私たちは環境保全基本法という対案を出しているわけです。政府は一歩蛮勇をふるって、前の公害基本法の中から経済発展の調和の条項をはずしたわけです。そういう点は私政府の勇断をやや認めるわけですが、しかしもう一歩進めて、いまこの指導要領に出ているような経済の発展と調和の問題、ここのところは指導要領に載っているでしょう。ぼくは抜粋しているんですから、間違っていると困りますから、ちょっとどこかと申しますと、「目標」のところですね、「(3)」のところ、ありますか。
#41
○政府委員(宮地茂君) 先生のお読みいただいておるのは、おそらく学習指導要領の中間発表いたしましたときの、いわばまだ原案の過程のだと思います。いま私が持っておりますのは、これもあとお届けいたしますが、学習指導要領、四十五年十月に文部省が大臣名で告示いたしましたものは、そこが直っております。いま先生がお読みになられました、そこからが大事だとおっしゃった「労働関係の改善や社会福祉の増進などを通して、」その次でございますが、「経済と」云々ということばはやめております。それでちょっとそれを見ながら私読みますから見ていただきたいのですが、「社会福祉の増進などを通して、国民福祉の向上を図ることの必要性を認識させ、」ということで、いま「経済」云々とおっしゃった部分は削除しております。で、そのように原案の過程から、中間発表から告示まで数カ月あるわけでございますが、これは基本法の改正といったような動きもございまして、先生がお読みになられたのは公害基本法の現行の趣旨のように書いてあると思います。今回のは今度の基本法の改正案の趣旨のようにこれができております。これは弁解がましゅうございますが、一カ月ばかり前に、十月にいたしました。そういうことでくどうございますが、先ほど来申しておりますように、世の中が非常に進んでまいりますと、そのテンポが早いために、数カ月前のが若干表現がずれておるということで、できる限り、私ども特に悪意はございませんが、できる限りアップツーデートな表現でいける――そういう間に合わなければ、いくような形では進んでおりますので、その点は御了承いただきたいと思います。
#42
○杉原一雄君 なるほど私の手元にあるのは案となっております。だから局長のいまおっしゃったのがほんとうでしょうね。ただ前後を通じて教科書の問題なり、指導要領の問題なり、いろいろお話ししている間に、誤解なり意思の疎通を欠いた点も明らかになってきたと思いますが、その点は私は私なりに勉強させていただいたと思いますが、ただ一致したことはこういうことがあると思いますよ。それは公害問題というのは非常に激しくゆれ動いているということ、だからきょうは私の問題であるが、あすは文部大臣の地域の社会の問題になるかもしれない。この辺のところがあるし、同時にまたそれに即応して政治的動態もかなりゆれ動く。なかんずく、とりわけ今度の国会のように十四の法案、もう一つは出るか出ないかわからぬわけでありますが、大体出ないわけでしょう、悪臭の防止。そういうことで膨大な法案をかかえて審議しているわけで、このことも総理大臣の言を待つまでもなく画期的なことだと思います。そういうわけでこの法体系で当分進められるとすれば、やはり教育環境をよくするという当局の目標も大体明らかになり、また子供の健康を守ることに若干の前進にもなるだろう。もう一つは、未来のことを教える子供にとって現実を正しく把握するという面においてやはり教育の中身の問題が出てくると思います。でありますから、五月時点で出された学習指導要領の案が十月の時点ではもうすでに改めねばならぬというわずか五カ月の間に変化が激しく起こっているわけです。そうするといまここに西崎高等学校教育課長が教育委員会報の月報の十一月号に所信を述べておいでになりますが、これにも胸を張って公害問題のことをおっしゃっておる、けっこうです。だが私が言いたいのは、激しい変化が起こる、そうすると現場の教師はいかなる立場で、どのようなカリキュラムを組み、指導案を立てて指導するかという問題になってきます。文部省といえども神さまでないですから、いま申し上げたように、五月の案が十月の案に変わるわけです。それで現場へ落としていく、四月からやろうという段階においてはもっと変わっているかもしれません。そうしますと私の結論的な言い方をしますと、これほど人命に大きく影響するような重大な公害を、これほどなまなましい社会科の素材を見過して通るわけにはいかない。しかしそれは地域によって非常に差がある。そういうことになりますと、やはりその地域環境に育っている子供たち、そうしてまたその環境下にあって教育をしようとする教師、私は教育の営みはたいへんだと思います。そこで指導要領の権威もさることながら、やはりその時代の流れに即応しながら学校の教師が自主的に、教育権というと文部大臣がそれは違うと、こうおっしゃるから言わないけれども、自主的に編成をするようなやはり幅と創造性を私保障していくことが必要じゃないかというふうに思いますが、いかがでしょう。
#43
○国務大臣(坂田道太君) そこのところになりますとちょっと私と考えが違うのでございますが、人間が善意をもって公害問題と取り組んで、そうしてりっぱな、間違いのないいい本をつくろうとこうやっておっても、なおかつ間違いが出てくるわけです。そうしますといわゆる先生のおっしゃる教育権の名のもとに自分は主観的には一生懸命真実であり、これ以外の教育はないと思っておりましても、客観的に見ました場合にははずれておるものがないとは言えないし、その場合が非常に多いんじゃないかというふうに思うのです。ですからやはり一応の指導要領というもの、あるいは教科書というものがあって、その上においてたとえばこういうふうな間違いが、明らかに間違いがあった、しかし時間的に訂正ができないというような場合には、やはり一般的な良識、あるいは英国でいうコモンセンスというような形で先生が自主的にこれをその地域に即した教育をやっていかれるということが望ましいのではないか、こういうふうに私は思うのでございます。教科書が教材の非常に大切なものであるということは申すまでもないことでございますけれども、この教科書そのものをただ教え込むということが先生の使命じゃないのであって、この有力なる教科書という教材をもととして、あるいは地域社会に応じた、あるいは自分の一つの考え、創意くふう、教育のやり方を経験等をくふうされて、そうして子供たちに教えていくということが先生の先生たるゆえんじゃなかろうかと思うのでございますが、先生のおっしゃる教育の主体性というものはあくまでも教科書があっても発揮できるのだ、また発揮できるような先生になってもらわなければならない。そのためには自己研修、あるいは教育委員会の研修であろうと文部省の研修であろうと、やはりあれはもう官制研修であるからいけないのだというようなことを言わないで、大いに進んで勉強をされるという、こういう気持ちが出てきてもらいたいと思っておるのでございます。
#44
○杉原一雄君 よくお聞きする坂田論法ですが、どうも食い違いますね、そこは。しかしそれは詰めてみたって一致する点がございません。これは局長どうですかね、名前も申しますが、大阪書籍というところから出ているこれも五年下の社会科ですよ。この中で――これはある教科書批判をした人に言わせると、最も整った公害を扱った教科書であろうと言っておりますが、私は本屋からお金をもらっておりませんので、とにかくそういう批評があるということにしてください。ところがこの教科書の中には、子供は社会科の授業を学ぶ
 一つの調査研究、そういうことの印象づけを提起をしております。たとえば「工場のそばには、人がすまないようにしたらどうだろう。」カッコ書きにしてある。「工場のそばには、人がすまないようにしたらどうだろう。」こういう提起をしておるわけです。こういう提起に対して教師はどう答えるか、たいへんなことであろう。私の周辺にある工場は、わしの工場は昔からここにあるので、住宅団地は、お前たちあとから来たんじゃないか、あとから来たやつはでかいことを言うな、くさいにおいが出ているががまんしろ、こういう工場長もおります。ですから工場をそっちへ寄せつけない、ある工場をどっかへ動かすということは、これは政治、経済の分野では重大なことなんです。だがしかし、子供のすなおな直観力では、何らかの方法がないだろうか、こういう問題提起をはっきりしております。私はいいと思います、この問題提起は。
 それから八七ページに、「わたしの市にある公害は、どれとどれだろう。」デパートじゃないけれども、「どれとどれだろう。」たくさんありますからね。「ほかの都市よりひどいほうか、少ないほうだろうか。」これがやはり教師は、かりに教科書によらずに教育する教師であろうと、教科書によって教育する教師であろうと、いずれにしてもここのところはやらざるを得ぬところです。やるとすればこれをどういう形で調査するかということになると、調査の結果の処理をどうするかということであり、やはり社会科教師としてはかなり創造性に富んだみずからのカリキュラムを編成し、みずからの学習指導要領案でやらなければならない、私はこの提起はいいと思います。そういうことになりますと、いま大臣の訓示のような形では、ちょっと現場の教師はとりつきにくい、仕事をやりにくいのです。抽象的だからどっちにもとれますが、私はやはり先ほど何べんも繰り返すように、公害問題は激しくゆれ動いていくわけですよ。それに対する対策も動いているわけでしょう。今日国会をやって証明しているじゃありませんか。公害罪で法務大臣がだいぶ胸を張って言ったけれども、このごろだんだん頭が下がり出したのはあたりまえのことですよ。それくらい変化が激しいんです。国民の世論も起きているのです。だから教育する者は、特に社会科の教師は、なまなましい問題と体当たりするというのは教育者として当然のことである、私も社会科の教師なんです、ほんとうは。アメリカが参りましていままでの修身をやめて、地理も歴史も垣根を取って社会科に一本化したときに戸惑いをしました。しかし教育をしていく中で、これはいいなと思ったんだけれども、昭和二十八年ごろに、いまなくなった重松という時事通信の記者が、たいへんだぞたいへんだぞといってぼくらのところにかけ込んできました。文部省は社会科の三本立てを考えているぞというので、私たちあわてて海後宗臣さんを先頭に立てて、社会科三本立て反対という運動を起こしたという経験を持っております。非常に残念だと思いました。いまそのとおり進められているわけです。でありますから、社会科自体の大きな変動があるわけです。ただ、いまここで教師がそういう意味で時代に即応し、社会の要求にこたえ、子供のなまなましい問題提起を目をつむり、ほおかぶりをして通るわけにいかないと思うのですよ。だからここで教育権は国民にありと、自主編成権はわれわれにあるんだということをぼくはきょうここでやるつもりはありません。その辺のところは、そういうことでこうなるんだという理解のある態度を示してもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#45
○政府委員(宮地茂君) 先ほど大臣も答えられましたが、私ども、学習指導要領というのは、先ほどお読みいたしましたように、高等学校で公害のところは四、五行で、十分それでは意を尽くさぬ点もございますけれども、まあそういうようなことで教科書はできております。学習指導要領は文部省におきまして、先生がおっしゃいます国民の権利とか、主権者である国民の権利でつくられた法律に基づいて学習指導要領は文部大臣がつくり、さらに、その公害についての個所はお手元へ資料差し上げましたことぐらいしか書いておりません。で、それに基づきまして教師はいろいろ創意くふうをこらして教育をされるんで、授業時間に教師の教案までつくってやるようなことは学習指導要領には書いてないわけです。したがって、学習指導要領に基づいて教師が授業をするときの教案をおつくりになるのは教師の任務だと思います。だからといってそれが、教育権は教師にあるんだとかなんとかいうこととは全然結びつかない話ではないか。したがって、学習指導要領に基づいて、さらに先ほど大臣も言われましたが、ことばをかえて申しますれば、日進月歩の世の中で、特に時事的な問題といったようなものを、これは学習指導要領はもとより、教科書自身にもそこまで教科書が時事的事象を扱ったりしておる場合には、時勢に即さないようなこともございます。そういうことを踏まえて教師が教案をつくっていくのには相当な創意くふうの幅があると思いますので、そこにはだから、教師がカリキュラムの自主編成権があるんだとかいったようなことに結びつかない、教師の創意くふうというものが大幅にあるというふうに考えますので、先生がおっしゃっておられることを、事象としては私どももそのとおりだと思うんですが、そのことは、教師に教育権があるんだとか、国民から委託されて教師は教育しておるんだといったような、基本的な問題にさかのぼる問題ではないじゃないかというふうに考えます。
#46
○杉原一雄君 それではね、教育と公害のいま第二項をやってるわけですから、二項のところのこれはおそらく最後になると思いますが、実はね、九月の中旬に富山で、公害教育の問題で問題を起こしたんですよ。これはまあ私のことばで言うよりも、ローカル紙のことばを利用したほうが客観性を持ってると思いますので、ローカル紙のことばを引用いたしますが、大見出しはこうあります。「県教委「公害教育」に圧力」と。――これだけ言うたらわかりますか、何か報告が上がっておりませんか、ちょっと聞きたいんですが、いかがでしょう。九月の中旬とまで指示してますからおわかりでしょう。何か報告は上がってませんか。
#47
○政府委員(宮地茂君) 私は聞いておりませんが、いま課長も御質問のようなことを聞いてないそうでございます。
#48
○杉原一雄君 それなら、少しずるくどいような言い方をしますが、おわかりになっていないようですから。
 名前を差し控えますが、ある市の二百五十名の中学校です。ここで社会科担当教師が道徳の授業で、「生命の尊重」と題して公害問題を取り上げた。この現場教師に対し、視察に訪れた指導主事から、道徳教育に公害を取り上げるのは好ましくないと、再三にわたって注意された事実がある。しかも校長を呼んで、まあこれは研究授業でございますから、授業のあったあとで三人の指導主事が口をそろえて「〃生命の尊重〃をテーマにしても、病気や交通事故など、もっと身近な素材があるはずだ。公害問題は好ましくない」こういうクレームをつけた。翌日電話で校長を呼び出し「こんごの授業はどう展開させるつもりか。」公害の単元は一時間で終わりませんから。「どう展開させるつもりか。技術的にも〃道徳〃のねらいを達成していないうらみがある」こういう注意をされた事件がございます。これはかなり大きな問題になっておるわけです、全県的には。だから、富山県にも教育をよくする県民会議もありますし、おかあさんの会もありますし、あるいは労働団体もありますから、各民主的諸団体は県教委に対してものすごい抗議をしている。最終的には県教委の最高責任者から、どうも申しわけございませんでした、以後注意をいたします、取り扱ったそれぞれの係官にも厳重注意をしておきます、こういうことでこの問題は一応落着しているわけです。だから、私は現象的にはこれで結末がついたと思います。だが結末がつかないのは、あなた方が公害教育についてはかなり指導要領の面で積極面を出したと言っているけれども、現場の教師がこういう問題にもっと自信と創意を持って取り組める体制になっていないということなんです。時たまたまこの中学校の教師がこういう扱いをした、そこへ持ってきてばんときたわけでしょう。こうなればぼくも教師でありますから、一年に月給何円上がるかそろばんしているものです。なかなか偉い人のごきげんをとらなくちゃならない、たいへんなことなんです。そういう中で命に関するぎりぎりの公害教育をやるということは、並みたいていじゃありませんよ。そういうところでもって、こういう形で上の偉い人から厳重注意をされたり、けしからぬと言われてみると、これをやるのはなかなかたいへんなことだと思うんだ。そういうようなこと全国的に上がっておりませんかね。私は県のことしか言わなかったけれども、ほかにありませんか。私は多く出てくるのは、私のこれは想像ですから知りませんよ。四日市とか、先ほど読んだ子供の文章からいえば三沢だとか、立川とか、いろいろ基地なり産業公害をかかえているところは、真剣に取り組む教師は必ず問題にぶつかる。そのような事実があるかないかをまずお聞きして、もしあるとすれば、今後そうした公害教育に対して、しやすいような資料を皆さんから提供していただいたり、また指導、助言していただいたりするようなことをぼくがここで望むことは乱暴でしょうかね、お答えをいただきたい。
#49
○政府委員(宮地茂君) 先生がいま御指摘になられましたことは、報告を聞いておりませんが、他に類似なような問題というものはそう聞いておりません。ただ、いま先生が御説明になられました点につきましては、いまお聞きしただけでありますと、道徳の中で扱いますことは、これはいうまでもなく生命をたっとび、健康を増進する、安全の保持につとめるとか、あるいは公共物を大切にしたり、公徳心を養って人に迷惑をかけないとか、いろいろなことがありますから、そこで当然公害のようなことが、生命をたっとび、健康増進に関連があれば取り上げて悪いことはないと思います。ただその限りにおいては。それであるのに、公害ということばを使っただけで道徳の中でどうだ、こうだというふうな指導主事がおったとするならば、これはまことに心外なことと思いますが、別にその指導主事――報告も受けておりませんし、指導主事を弁護するとかという立場では毛頭ございませんが、ただ学習指導要領の目標なり内容はそういうことが規定されておりますが、その場合に、公害を扱います場合のいわゆる教材の取り上げ方、その内容、こういったようなものが、それはそれぞれ教科科目があるんでそれは道徳の時間にそれほど時間をかけなくって社会科の中で系統的にやるべき問題であるとか、要するに取り扱い方にかかってくるんではないかと思います。先生のいまお話しになられました点では、どのようにその公害の問題を道徳の時間にその教師が取り上げ、取り扱ったのかということが詳細でございません。したがいまして、私のほうもさっそく県のほうに聞いて確かめてみたいと存じますが、なお一般的なお答えといたしましては、できる限り文部省といたしましては学習指導要領をつくり、指導書、指導資料程度をつくれば、それ以上は各県の教育委員会の指導、助言、教師の創意くふうということで、文部省が教師の教材をつくるところまであまりこまかく指導するのはどうかと思います。しかし、そうはいっても先生の御指摘のような点で、文部省として特にそういう点を指導する必要があるということでございますれば、先ほど来繰り返しますが、指導資料をこれからつくるものもずいぶんございますのでつくったり、あるいはいろんな指導主事の会議で注意をするなり、さらに文部省主催、県教委主催その他の研修会等でも十分誤解のないようにやっていきたいと思います。要は文部省なり教育委員会、指導主事、学校の先生方、これが相対する関係、極端に言えば敵対関係、不信感で教育するんじゃなくて、子供の教育、子供のしあわせという目標は一でございますから、関係者がみんな心を合わせてやっていくということに尽きるんだと思います。したがいまして、私どもも注意が足りませんが、そういう気持ちで行政施策を進めていきたいと思いますが、同時に先生方も役所等に対しての不信感をできる限り払拭していただいて、相携えて子供の教育のために進もうという気持ちをみんなが持つように努力していきたい。先生方にも、特に現場の先生方にも特にそういう点を期待したいと思います。
#50
○杉原一雄君 大体了解いたしましたが、いろいろにも解釈できる返事もあったわけです。ぜひともひとつ前向きで、現場の教師が激動するこうした問題に対処できるような授業の立案その他についても、若干の行き過ぎはあってもかえって、それをよくやったとまでは言わなくても、見守っていくだけの雅量をぼくは要求したい。とかく公害問題というのは加害者と被害者の問題がありますから、被害関係がついてまわりますから、どうしてもそうでないいわば加害者の側からすれば何言ってるんだということになる。とかく加害者になるのはPTAの会長が多いんです。そうでしょう。何々会社の社長といえば大体PTAの会長が多いでしょう。そういうことになりますから、これからの教育はやりにくくてしようがないですよ、公害問題は。でありますから、そこはあなたのところで指示、資料を出さなくてもやはりこういう社会の進歩に即応して自主的、創造的に教育が進められることをささえる、このくらいの雅量と展望を持って指導してもらいたいと思います。
 もう一つ、学園祭はほとんど終わったと思いますが、この秋の学園祭等では非常にたくさん子供たちがクラブ活動の中で公害の実態を調査し、それを学園祭の中で発表しているようなケースが非常に多いんですよ。私の県あたりでもそのデータが新聞に載って、逆に県あたりが啓発され激励されておりますよ、これまで。私ここに「公害デパート」という本を持ってますが――これは富山新聞社が書いた本ですが――公害デパート県といわれる県なんです。でありますから子供たちも無関心ではおりませんよ。非常に真剣です。そのことがいま学園祭等の中でも的確に出てまいりましたよ。県がひた隠しのように隠していた客観的データなんかも子供たちが摘発している、これは運動ではありません。子供のクラブ活動という、教育活動の一環、学習活動の一環としてそういうものが出ているのだということなんでありまして、その辺のところも十分目を配っていただいて、やはり未来を築く主人公でございますから、十二分のあたたかい配慮をもっていただきたいということを最後にお願いしておきます。
 第三点の、大きな第三点であります公害対策としていま一番手おくれになっておるのは、けさも私たち朝の勉強会で議論をしたのですが、やはりそれに対する技術、公害をなくする技術開発の問題――生産をいかに向上していかにもうけるかという技術は日本は世界を追い抜いているわけですが、公害をどうしてなくするかという技術開発の問題で非常におくれている。そういう点で、大学学術局長も担当でございますのでお触れになりましたから、その辺のところを、学術、大学の現在の実情等々勘案して、こういう方向で強化をしていきたい、そしてまた国民の要請にこたえていきたい――大臣、この間ちょっとそれに触れられたようですけれども、きょうはひとつ局長のほうから、こういうスケジュールを持っているのだ、現状はこうなんだというふうなことを、私の時間はまだあるようですが、できれば午前中で終わりたいと思いますから、皆さんに局長のほうからもひとつ的確にお答えをいただきたいと思います。
#51
○政府委員(村山松雄君) 公害は典型公害だけでも七つの分類があるようでありますし、いろいろな形で出てまいりますので、これに対処する対処のしかたもなかなか一つの教育研究機関で対処するというわけにはまいらないと思います。まずその公害の発生源としてはいろいろありますけれども、比較的多いのはやはり工学的な開発に伴う有害副産物というものが公害の発生源としては一番多うございます。そこで工学的な技術――ものをつくる技術があればこれはやはりものをつくることに関連いたしまして有害な副産物を出さないようにあわせて配慮する技術というものも開発できると考えます。そういうことをはばんでおりましたのは、従来まあ生産コスト節減というようなことから有害副産物の排除まで考えておらなかったという点に非常なネックがあったわけであります。これからはしたがいまして基本的にはまあ工学系の教育、研究全般にわたってものをつくると同時にその有害な副産物をつくらないということを考えながら技術の開発を進めていく、これは一つはその考え方、かまえの問題だと思います。さらにまた、そうは申しましても比較的その公害に関連の深い技術分野というのがありますし、またそれを防除することをかなり主要な目的としておる技術分野がございます。そこで、工学部の教育研究におきましては、全般的にそのような公害防止に配慮するとともに、公害ということに焦点を当てたところの学科でありますとか講座でありますとか研究といったものをできるだけ進めていくことが必要だと思います。関連の学科といたしましては、たとえば都市工学科でありますとかそれから衛生工学科でありますとか、そういうものがございますし、また講座としまして、いままで生産をやるところの化学などで同時にその安全工学といったものを講座としても設ける、少なくともその授業科目に設けるといったような傾向は現在すでに出ておりますし、そういうものは助長いたしたいと思います。それから工学部以外でもたとえば薬学部あたりは従来から衛生化学といったものは主要講座としてございますし、この工業生産の有害副産物に対する研究もやっておるわけでありますけれども、そういう点をさらに進める、それから薬学関係で特に薬の副作用というようなことも最近いわれておりますので、たとえば東京大学には薬害研究施設といったようなものをつくりまして、薬の副作用害といったものも考えるというようなことを漸次推進してまいっております。それから農学部、水産学部などでも農薬の化学あるいは食品の衛生学あるいは何と言いますか、農薬等が生物に及ぼす影響を防止する方面、それからたとえば農薬を一時になくすわけにはいきませんけれども、農薬の使用を比較的少なくしてそういう化学的な方法でない害虫防除たとえば天敵による害虫防除といったようなことも従来から言われておりましたけれどもなかなか進みませんでしたものを、たとえば九州大学にはそのような研究施設をつくって推進するというような試みをすでに始めております。そういう方面を一そう進めていくというような配慮が必要だと思います。それからまた現時点では発生した公害に対して、これを救済するという方面も非常に必要であります。そういう点では医学部の関連する講座というものに一そうそのような配慮をしてまいる。それから一般的な予防としては、衛生学とか公衆衛生学とか、そういう方面の教育研究を推進していくという配慮が必要だろうと思います。そういうぐあいに組織をつくりあるいは進めていくと同時に、それが活発に動くためには費用の問題があります。そこでまあ文部省としましては、従来から一般的な研究の援助としては科学研究費という制度がございます。これで最近の九年間をとりましても毎年数十件、五千万程度の科研費が公害関係の研究に充てられております。今日まで三十九年度以降累計しましただけでも二百五十四件、三億五千万ほどの公害関係の科学研究費が出ております。こういう研究費による援助といったものも今後さらに推進してまいりたいと思いますし、まあ一般的に採択する以外に、たとえば特定研究に公害関係のワクを設けて一そう計画的に推進するといったような施策を進めてまいりたいと思います。たいへんいろいろ並べましてお聞きとりにくかったかと思いますが、とにかく文部省といたしましては大学教育の関連分野において組織の拡充、それから研究活動の活発化ということを科学研究費による配慮とあわせて推進してまいりたい、かように考えております。
#52
○杉原一雄君 局長、そうすると来年度の予算の中でいまの配慮でどこに重点を、予算の面ではどこでそのめんどうを見たかということ、もしはっきりしておれば……。
#53
○政府委員(村山松雄君) 来年度に関連がありますものをかいつまんで申し上げますと、たとえば学科につきまして東大の工学部、そこに燃料工学科というのがありまして、それを反応工学科ということに改組をいたしまして、化学反応によって有害物を出すというようなことにも着目するような学科の改組を考えております。それから講座学科目といたしましては、たとえば横浜国立大学の工学部に公害基礎工学というような講座の要求をいたしております。それから広島大学の工学部に衛生工学、高知大学の農学部に農薬化学といったような講座要求をいたしております。
 それから若干間接的な影響になりますが、奈良の女子大学に食品衛生学といったような講座の要求をいたしております。
 それから研究施設といたしましては、先ほどちょっと申し上げました東大の薬害研究施設が、これはすでにありますが、そこに生体異物部門という部門の増設を考えております。
 それから研究所関係といたしましては、たとえば東北大学の選鉱製錬研究所というのがありますが、そこに選鉱化学という部門を増設いたしまして、鉱物の選鉱にあたって有害物質をできるだけ少なくするといったような研究にも若干焦点を当てた部門の増設を考えております。それから東大の海洋研究所に資源環境という部門を置きまして、海洋資源の環境の問題を取り上げようと考えております。それからやや特殊になりますが、京都大学の工学研究所に原子炉事故解析という部門を設けます。原子炉は開発すると同時に事故の防止ということを常に並行的に進める必要があります。そこで原子炉事故解析という部門の増設を考えております。それから特別組織といたしましては、東大の生産技術研究所で、都市における災害公害の防除に関する研究、これは人をふやすのでなくて、生産研の現在の陣容を用いまして、相当多額の予算を計上しまして、公害の防除、これは公害の全般じゃありません、都市災害、振動でありますとか地盤沈下でありますとか、そういう災害をもたらさないような都市建設の工法に中心的な焦点を当てるわけでありますけれども、そういう角度からの災害防止の研究を進めるというぐあいに考えております。
 以上、来年度概算要求の中の公害関係を若干かいつまんで申し上げましたけれども、これはそのものずばり、公害対策とは必ずしも言い得ない問題も含めておりますが、関連ということで関連するものを拾って申し上げた次第であります。
#54
○杉原一雄君 けさのある新聞で、社説の中でこういう一くだりがあるわけですね。「公害被害者は、戦後の技術革新、高度経済成長の犠牲者であるということである。往年の軍事大国が兵士のかばねの上をばく進したように、戦後の経済大国は公害という名の人柱の上をばく進している。とすれば、」云々と、これは被害者救済を訴えているわけですが、この社説の最後のところで、カッコで包みながら「腐敗した社会には、多くの法律がある」、こういうことを書いているわけですね。これは私も国会議員としてがっかりしたのですが、しかしこういう一面は確かにあるのです。だから問題は、公害が出たからいろいろな形で住民運動も起こっておりますし、ただその中で一日も早くこれを解決するような技術革新その他については生産技術の革新があって、いかにコストを下げるかということで、もうけることに焦点を合わしていくような技術革新でなく、技術革新も大事でしょうけれども、何としてもこういう事人命に対する危害を加えるようなことを排除するための努力をいま局長から相当具体的な例をあげられて、私もそれでよいとは思いませんけれども、皆さんの行政努力に敬意を表したいと思います。
 特に私はその実感を深めるのは、実は四日の日に日本鑛業三日市製錬所に実は行ってまいって、萩原所長とその後の対策の実態を聞いてまいったわけです。公害対策のところでは宮澤通産大臣との話し合いの中で、鉱業法の適用を八月二十七日から受けたわけでありますから、その後どういうふうにして工場の公害排除、なかんずくカドミの排除について努力しているかという詳細なデータとそれからスライドによって説明を受け、現場を実は見てまいりました。現場では説明によりますと九九%排除できる。四五%操短をしているのでありますが、十二月下旬で通産省の調査点検をいただいてから一〇〇%操業したいというようなことを言っておりましたが、私はそれを見ながら、結局なせばなるということですね。そういう企業の努力、いわゆる資本家のモラル、そうした問題について、やはり私たちはまだまだ不十分であるということを痛感し、結局またそこにくると最後にぶつかるのは、しからば技術はどうかということになりますから、これはやはり文部省の研究、技術開発、そうした研究所なり大学のあり方、こういう問題にも関連することになります。でありますから、局長からいま報告された方向は、私は、足りないものもあるかもしれません。専門でありませんからわかりませんけれども、私、先般、東京都の公害担当のある責任者からいろいろな話を聞いた中で、公害防止大学というものをつくれという意見もあるが、日本の今日の実情の中でそういうものをつくったって役に立たんでということをおっしゃったので、やや私は希望を失ったのであります。しかし、これは日本人の英知をもってすれば私は開拓できるだろうし、それを進める場合に、やはり足りないものは――最終的には銭この問題になるかもしれません。そういうような点等勘案しながら、文部省の今後の行政努力に大きく期待したい、こういうことで私の質問を最後にしたいと思います。
#55
○委員長(楠正俊君) 午前中の質疑はこの程度にとどめます。
 午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十七分開会
  〔理事田村賢作君委員長席に着く〕
#56
○理事(田村賢作君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。
 本件につきまして、質疑のある方は順次御発言を願います。
#57
○萩原幽香子君 午前中、杉原委員からいろいろ学校公害について御質問があったわけでございますけれども、私も環境悪化、環境破壊の問題について、二点から質問をいたしたいと存じます。
 まず第一点は、環境問題を長期的にとらえて、根本的に解決するための研究及び教育上の施策について伺いたいんです。第二点は、現在直面している学校環境の悪化、つまり学校公害の防止対策についてお伺いをいたしたいと存じます。しかし、先ほどからもお話がございましたように、非常にきびしい時間の制限がございますので、この二つを同時にきょうお聞きするということができませんから、問題を二回に分けまして、きょうは第二点のほうから具体的にお尋ねをしてまいりたいと存じます。
 先日、私は姫路市の船場小学校のある父兄から、自動車騒音のために勉強ができないという訴えを受けました。そこで、さっそく当該校の実情調査のために訪問をしたわけでございます。船場校は、学校のすぐ前が四車線の一方通行道路になっておりまして、近くに信号がございます。私は朝九時半から昼まで各教室を回って授業参観をいたしましたが、これはたいへんな状態でございました。あまりのやかましさに私も頭が妙になって、だんだんいらいらしてまいったのでございます。私がこう申し上げただけでは、この中で毎日学習を続ける子供たちや先生方の苦しみが御理解願えないと存じましたので、この日のお昼前の一時間の授業を録音してまいりました。で、お聞きをいただきたいと考えるわけでございますが、委員長いかがでございましょうか。
#58
○理事(田村賢作君) けっこうです。
#59
○萩原幽香子君 では、お聞きをいただきます。
  〔録音聴取〕
 こういう状態でございます。この録音は決して特別の教室を選んだものでもございませんし、もちろん特別の日を選んだわけでもございません。たまたま私が訪問をいたしました日の午前をとったわけでございまして、その日は窓を締め切ってあり、録音のこの機械も先生の机の上に置いてあったわけですから、ほぼ教室の中央という一番普通の状態で録音をしたものでございます。この録音中しばらく静かになりましたときに、先生の声と子供の声が聞こえましたのは、信号のために車がとまったときの状態でございました。こうした状態の中で毎日授業を続けているわけでございます。子供たちの話を聞いてみますと、先生のことばが聞こえなくて大切なことを聞きのがしたり、考えようと思ってもやかましくて考えられない、だんだん腹が立ってくるというような話が出ておったわけでございます。またある子供は「作文のときに、せっかくええことを思いついて、ああと思ったとき、大きな音がガァーツとして、その音がぼくのええ考えを一緒に持っていってしもたんや、」こういう訴えもしておったわけでございます。先生たちは毎時間精一ぱい声を張りあげて、声をつぶし、疲れてまことにひどい状態で家に帰る、こういうことを聞いたわけでございました。
 そこで大臣にお尋ねをいたしますけれども、文部省では、こうした騒音が授業や成績に及ぼす影響につきまして研究をなさいましたことがございますでしょうか。もしされておりましたら、その状況をお示しいただきたいと存じます。
#60
○政府委員(岩間英太郎君) ただいま御指摘いただきましたことにつきましては、私どもも非常に大事なことだと考えておりまして、部内におきまして、事務次官裁定で調査会を設けまして、この点につきまして研究を進めているところでございます。いままでの調査によりますと、これは正確な調査をまだいたしておらないわけでございますが、とりあえず、これは意識調査あるいはアンケート調査と申したらよろしゅうございますか、子供の側から、あるいは先生の側から、どういう影響があるかというふうなことを調査をいたしました結果がございます。まあ騒音の場合にはいろんなほかの影響もございまして、なかなか騒音だけを取り出してやるということはむずかしいわけでございますが、いままでのところでは、騒音のレベルが一ホン増しますごとに先生の声の聞き取り明瞭度が一%ずつ低下するという一つの問題がございます。それからもう一つは、これは子供の心理的と申しますか、生理的と申しますか、そういうふうな影響がございまして、これもなかなか正確なものは出にくいわけでございますけれども、たとえば単純な書き取り、そういうものについてはあまり影響力がないということも言われておりますけれども、小学生よりもむしろ中学生、それから小学生でも高学年ほど影響が強いというふうな点がございます。もう少し具体的に申し上げますと、たとえば暗算とか、それから計算などにつきましてはかなり影響力が出ておりますけれども、文章体なんかになりますと少し影響が減っております。それから国語の場合でございますと、書き取りなどにはあまり影響はないわけでございますけれども、本を読んでいるときなどにつきましては、相当騒音に対する害というものを感ずるというふうなところでございます。
 まあ教育の場合につきましては、一つは騒音の心理的あるいは生理的な影響というものがございまして、これは一般の場合にももちろんあるわけでございますが、そのほかに教育につきましては、特に先生の声を聞くという非常に大事な部門がございまして、その点におきましては二重に被害を受けているということも言えるわけでございます。これはもう少し今後は純粋に実験室的に、客観的に調査をいたしませんと正確なところは出ないわけでございますけれども、まあ二重に影響を受けておる。しかも話を聞いたりあるいは考えたりする場合にかなり大きな影響があるということで、一般的なことは、ただいまのところではそこまでしかわかっていないということでございます。
#61
○萩原幽香子君 私の得ました資料によりますと、大体八五ホンの連続音の場合は、静かな状態と比較いたしまして、暗算では九〇%、理解力は八〇%、推理力は六〇%まで落ちるという結果が出ているわけでございます。ですから、先ほどおっしゃいました暗算とか計算とかいうものは、比較的被害が少ないということは確かにそのとおりのようでございます。しかし推理力ということになりますと六〇%まで落ちる、これは非常に問題ではないだろうかと思います。また一〇〇ホンが三十秒ごとに断続した場合でございますと、暗算では八〇%、理解力は七〇%というようなことになっているわけでございます。
 次に、言語聴取あるいは意志並びに情緒に対するもの、精神作業に関するものについての影響を見てみますと、五〇ホンまでは大した被害は認められないわけでございますけれども、これとて全く皆無というわけではございません。しかし五〇ホンを過ぎますと、その影響は急激に高まってまいります。五五ホンになりますというと、言語聴取についてはその被害率は実に六五%、意志、情緒に対するものでは六二%、精神作業に対するものでは三五%と、こういうことになっているわけでございます。こうした状態で一年も二年も続いたとすれば一体どうなるでございましょうか、私はまことに憂慮にたえない次第でございます。いま管理局長が実験室を置いて正確にそういう研究を進めるとおっしゃってくださいましたが、ぜひ早急にそういうことをおやりいただきますようにお願いを申し上げている次第でございます。船場小学校におきましては、父兄参観をするごとに父兄からこの騒音を何とかしてやってくれ、こういう訴えが続けられているということでございますけれども、親の立場になりますというと、全く当然の話だと考えるわけでございます。文部省では四十四年十月一日現在で、学校環境と学校特性に関する調査速報というものをお出しになりましたですね、その中で調査方法につきましては、悉皆で行ない、そのうち学校環境が教育上不適当と校長が判断した学校に対して調査を行なった、こういうことが書かれてあるわけでございますけれども、具体的な調査の対象となる基準、それから調査ルートを明らかにお示しを願いたいと思うわけでございます。
#62
○説明員(西田亀久夫君) ただいま御指摘の調査は、昨年の十月一日現在で文部省から全国の公立の小中学校全体にわたりましてこの調査を実施いたしました。調査の系統といたしましては、文部省から通常の例にならいまして都道府県の教育委員会、それから市町村の教育委員会を経まして管下の各学校に調査票が配付されるわけであります。したがいまして、第一次の学校特性等に関しましては、全小中学校が対象になったわけでございます。その第一段階の調査の際に、学校長がその環境において騒音その他の教育上重大な障害があるということを判断された学校がその第一次の調査を教育委員会に報告をされます。それに基づきまして、そこに問題のある学校に第二次のその被害の中身を具体的に報告をいたします調査票を別途配付いたしまして、これでその中身を詳しく調べるように調査をやったわけでございます。したがいまして、第二次の調査は第一次の調査で学校長の判断でそのような被害があると言われたものだけが対象になった、かような次第でございます。
#63
○萩原幽香子君 その調査の対象となる基準でございますね、そういうものについてはいかがでございましょうか。そのルートはいま御説明いただきましたように、都道府県、それから市町村、こういうふうに教育委員会を経て学校にきて、学校長の判断によってそれが返っていく、こういう形でございますね。ところで対象になる基準というものはどのようなお示しがあったわけでございましょうか。こういうことについてひとつというようなそういうのがあったわけだと思うのでございますが、それはいかがでございましょうか。
#64
○説明員(西田亀久夫君) ただいま申し上げましたように、第一次の調査は全部の学校が対象になりましたが、特に第二次のその環境上の問題につきましては、その第一次調査票の中で、教育上適切である、適切でない、普通であるというような学校長が御自分の判断でそこに指摘されたような問題があるかないかを自分でチェックをするというかっこうになっております。したがって、その場合に教育上適切である、あるいは普通であるという項目を指定されますと、第二次の被害の調査の対象にはならなかった、こういうことでございます。
#65
○萩原幽香子君 その適切であるとか適切でないとかいう、その表現は非常に何と申しますか、主観が入るものではないだろうかと考えるわけでございますけれども、そういうときに、やはりこれは何ホンというようなそういったようなものが入ってまいりますと、かなり適切なものが出てくるのではないかと思いますが、ただ適切か適切でないかというだけではやはり学校として校長さんの主観で、まあまあこれぐらいならしんぼうできるのじゃないかといったようなことで、第一次の調査からはずれるというようなこともあったのではないだろうかと存じますけれども、これは今後の問題として、調査をしていただきますときの基準のようなものをもう少し明確に打ち出す必要がありはしないだろうかというふうに考えるわけでございます。また昨年の調査では当該しなくても、その後の変化でことしは当該となるということもあるわけでございますけれども、こうした調査というものは随時やっていただきたいと思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
#66
○説明員(西田亀久夫君) 御指摘の点、当初の第一次の校長の指示によるものというのが、初めてのこの種の調査でございましたので、全部の学校にこまかい内容をあらかじめ聞くこともむずかしいものでございますから、第一段階としてふるいをいたしまして、第二次の調査ではそれがどういう騒音源であるか、そうして御指摘のように、どれくらいの騒音の大きさがあるかというようなことを詳しく調べるようにいたしたわけでございますが、今後技術的に検討すべきだと思っておりますが、なおこれを今後どのようにするかということについては、現在の段階ではどの程度の頻度で行なうかについてまだ確たる方針をきめておりませんが、御指摘の点につきまして十分検討いたしてみたいと思います。
#67
○萩原幽香子君 ぜひそれはお願いをいたしたいと思います。
 本調査報告の一三ページに、騒音について原因別に見た問題校の数が出ておりますね。そのうち自動車、路面電車による被害校が小中合わせまして千二百五校というふうになっておりますね。これは音響の頻度、それから強度はどの程度のものでございましょうか。その程度別に学校数をお示しいただきたいと存じます。
#68
○説明員(西田亀久夫君) ただいま申し上げましたように、第一次の調査で被害がありという学校を中心にいたしまして、とりあえず全体的な趨勢を見ますために速報を出したわけでございます。その被害校につきましては、ただいまのように第二次の詳しい調査票によりまして、その騒音源の種類、それからそれに対する生徒の影響、授業に対する影響、さらにその騒音の程度につきましては、その平均的な値がどうであるか、それからその上限値、下限値等についてかなり具体的な測定値を付した報告を求めております。たいへん申しわけないわけでありますが、第一次の速報をいたしましたあと、それらのこまかい被害の内容につきましては、現在集計作業が進行中でございまして、この被害校、御指摘の学校の内訳につきまして、その被害の程度を個別的にまだ御報告できないのをたいへん申しわけないと思います。
#69
○萩原幽香子君 これは非常に急を要する問題ではないかと思います。だから私はきょうはこういうものを持ってまいりまして、ほんとうに皆さんにお聞きをいただいたわけでございます。だから、ほんとうはこういう中で勉強している子供と先生ということを考えていただきますと、できるだけそういうものは早くやっていただくことが必要ではないだろうかと、まあこれは私たちの立場から言うことで、実際そういうたくさんの学校をやろうと思えば、そう早急にはいかないということになるかもしれませんが、これは一刻を争ってやっていただきたい問題だというふうに考えますので、この問題については、ほんとうは的確なお答えがいただけないことがまことに残念でございますけれども、ぜひ近い将来にこういうことが的確につかまえていただけますような、そういうものが出ました段階におきまして、私もぜひその学校等をいろいろと参観させていただきたいというふうに考えておるわけでございますので、よろしくお願いをいたしたいと存じます。
 午前中の杉原委員に対するお答えの中で、文部省は四十五年度予算で、学校公害防止対策費を二億三千万円組まれたと伺ったわけでございますけれども、このうちに騒音防止のためには幾ら組んでいただきましたでしょうか、お尋ねをいたしたいと存じます。
#70
○政府委員(岩間英太郎君) 四十五年度の予算のうちで、これは実際に実施いたしました件数でございますが、騒音が十四件、それから大気汚染が一件、それから旧軍施設等不適格なものが十四件、合計二十九件というふうな内訳になっております。
 それから防止工事が、騒音関係が十五件、それから大気汚染が十三件、合計二十八件になっておりまして、補助金の額は、騒音が約一億五千万、それから大気汚染が三千二百万、その他が一億二千万、金額にいたしますと、三億くらいになっておりまして、予算よりは多少ふくれておりますが、これはほかの経費から回しまして実際の要望に全部こたえるという方針でやったのでございます。
#71
○萩原幽香子君 一億五千万といいますと、ほんとうは非常に少ないわけでございますね。ですから、なかなかむずかしいことになると思いますけれども、騒音防止の工事にかかる予算の配分基準というものはどんなものでございましょうか。それをちょっとお尋ねいたしたいと存じます。
#72
○政府委員(岩間英太郎君) 文部省といたしましては、学校環境衛生基準というのを昭和三十九年につくっておりまして、その中では騒音関係は、窓を締めました場合に教室のまん中で五〇ホン以下が望ましい、それから窓をあけました場合は五五ホン以下が望ましい、どんなに大きくても六五ホンをこえないようにというふうな一応の基準がございます。そういう基準を参考にいたしまして、申請がございましたもののうちから騒音度の高いものを選ぶというのが方針でございますけれども、実際には申請のあったものは全部認めるというふうなことを基本にいたしまして、予算の配分をいたしております。
#73
○萩原幽香子君 千二百五校の中で十五校とか十六校とかということになりますと、非常に少ないパーセンテージになるわけなんでございますけれども、それはやはりホンを中心にしてお考えいただいたとすればこれはやむを得ないことであったかもしれませんが、四十四年度の調査に基づきまして、これら公害を防止するのに必要な費用はどれほどと推定されるのでございましょうか。本年度は六億八千万円と先ほど杉原委員に対するお答えがあったようでございますけれども、大体一躍三倍の予算を計上されたわけで、これはまことに私たちからいえばありがたいことなんですけれども、現在の学校公害の現状に照らしまして、この数字はどのような意味を持つものでございましょうか、承りたいと存じます。
#74
○政府委員(岩間英太郎君) 先ほどの調査につきましては、西田審議官からもお答えいたしましたとおり、これは意識調査でございまして、実際に客観的な測定に基づいて調査をしたということではないわけでございます。その追跡調査みたいなものはただいま実際行なっているわけでございまして、今度の予算要求にはこの数字がちょっと間に合わなかったというのが実態でございます。しかし、従来からの経験、実績等にかんがみまして、一応六億八千万程度のものを予算要求しておけば、具体的に出てまいりました要求はすべてカバーできるというふうな推測をいたしまして予算の要求をしたわけでございます。また実行上は、先ほども申し上げましたように、かなり弾力的な運用を――これは大蔵の御了解を得てやるわけでございますけれども、弾力的な運用が認められておりますので、公害の問題は最優先の問題として取り上げたいという態度は変わりないわけでございます。
#75
○萩原幽香子君 それではどうぞ、わざわざこういうふうに録音まで持ってきてその状態を聞いていただいたわけでございますから、船場校におきましての防音装置の予算はぜひお考えをいただきたい。六億八千万の中にお組み入れをいただきたいというふうにお願いを申し上げる次第でございます。四十二年――四十四年の学校公害の実態を見ますと、航空機によります騒音が二倍、自動車が三倍、列車その他が二倍半と、こういうふうに急増をしておるわけでございます。この傾向は今後ますます激しくなってくることでございましょうから、大臣もこの状態を十分御認識をいただきまして、今後の措置をお考えいただきたいと考えるわけでございます。
 いただいた時間が参りましたので、もうこれでやめさせていただきますけれども、騒音から解放をされまして、学業に専念できますよう被害校の子供と先生たちを代表いたしまして、大臣、私一生懸命いま言っているわけでございますから、どうぞひとつよく聞いていてくださいますように。被害校の子供と先生たちを代表して、私は大臣の最大の御努力をお願い申し上げまして、第一回分の質問を終わらせていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
#76
○小笠原貞子君 きょうは、いわゆる人口急増市町村における義務教育施設の現状というものが非常に差し迫った問題にもなっていますし、その中における義務教育の状態というものが非常に劣悪であるということから考えまして、私はその点についてこれからお伺いしたいと思います。
 もう御承知のとおり、先ほど発表されました文部省の公立学校建物の実態報告の速報を見ますと、社会急増地域といわれるいわゆる百九十六市町村の二千二百十七校の小中学校で、普通教室が不足しているという数が実に八千四百三十三という数が示されているわけです。この八千四百三十三という普通教室の不足分が一体どういうところでいま間に合わされているかというと、その約半数近くの三千四百五十七教室がいわゆる仮設校舎、プレハブ教室、こういうことになっているわけです。そのほか特別教室の転用とか、間仕切りとか、いろいろなやり方はありますけれども、一番プレハブ教室となっているところが問題だと思うわけです。わが党といたしましては、かねてから指摘していましたように、特に九月二日、保谷でプレハブ教室が火事になりましたというような問題がありまして、プレハブ教室というのは教育環境として全く適さないというだけではなくて、子供の命に対しても非常に危険だという状態がそのままに放置されているわけです。このままでいきますと、一そうこのプレハブによる教室というものがふえると予想されるわけなんでございます。こういう問題について文部大臣は現状というものを実際にごらんになったことがあるのか。それについて、こうした現状がどうしてここまで追い詰められてきたのか、原因というものは一体どこにあるかということについて要領よくお答えをいただきたいと思います。
#77
○国務大臣(坂田道太君) この前も、共産党の寺前さんから御質問がございましたので、私、お答えもいたしたわけでございますが、私も実際神奈川県の住宅団地を見ました。そしてプレハブの教室も見たわけでございますが、どうもやはり相当に神奈川県あたりではプレハブが多いようでございまして、決していい環境ではございません。一日も早く本建築にとりかからなければならないというふうに感じたわけでございますが、横浜市当局におきましても、しかしいろいろの計画がございますけれども、このプレハブが全然なくなってしまうという事態ではないということでございまして、これにつきましても本建築の費用をどういうふうにして見ていくか、あるいはまた土地に対する費用をどうやって見ていくかということについて、われわれ頭を悩ましているわけでございますが、来年度の予算におきましては、基準アップ、それから同時に用地費に対しましても補助金をというふうな要求をいたしているわけでございます。金額は局長からお答えいたさせます。
#78
○小笠原貞子君 それはいいです。
 いま大臣のお答えがありましたように、原因は二つ大きくあげられると思うんです。一つは、学校用地の取得費が現行では補助対象になっていないというのが大きな問題ですし、もう一つは単価差、数量差というのが非常に大きいことですね。それからまた学校校舎、用地もそうですけれども、先行取得ができないというようなところに非常に大きな問題が出てきているわけなんです。私も各地を見ましたが、きょうは特に浦和の問題を一つの例として、これから質問していきたいと思うんですけれども、午前中、文部省が指導要領ということについては非常に法的拘束力を持たしているというようなことで強調されている点なんですけれども、その指導要領に沿ってさえの授業もできかねるというような教育環境の劣悪さというものが出てきているわけです。たとえば浦和で工作の教室を見てまいりまして、いろいろ話を聞いた。あの指導要領に従って工作をやろうと思うと、隣の教室や下の教室がうるさくて教育の妨害になる、だから指導要領に沿った工作の授業もできないと、こういうような状態です。また家庭科教室を見ましたところが、蛇口が三つしかないわけです。施設も全然整っていない。だからそれも黒板に書いたり写真を持ってきたりしてのお料理の話になってしまっている。理科教室などを見ますと、これも水道が全然ない。準備室なんというのはもちろんありませんし、プレハブなものですから重いものは置けない。いろいろ実験するときに振動したらいけないから、その教室に何と書いてあるかというと、振動しては困るから静かに歩いてくださいと、こういうような張り紙がしてあるわけなんです。そうしますと、全く文部省の言われる指導要領に従った授業さえもできないわけなんです。ほんとうに次代をになう国民の教育です。義務教育の一番大事な場所でこういうような教育状態に置かれている。私はこの理科の問題を見て、非常に子供たちが、たとえば小学校に入って理科教室で実験できるということを非常に興味を持っていた子供たちが全然実験できない。リトマス試験紙をこうしますとこういう色になります、黒板に書いての教育だ、全く教育意欲がそがれてしまっているというような、おかあさんや子供たちからの訴えがあります。理科教育振興法第一条の目的とか国の任務なんというのを見てみますと、非常にいいことが書いてあるわけなんですわ。たとえば第一条の目的では、「この法律は、理科教育が文化的な国家の建設の基盤として特に重要な使命を有することにかんがみ、教育基本法及び学校教育法の精神にのっとり、理科教育を通じて、科学的な知識、技能及び能度を習得させるとともに、工夫創造の能力を養い、……理科教育の振興を図ることを目的とする。」とか、また「国の任務」としては、「理科教育に関する施設又は設備を整備し、及びその充実を図ること。」というのが理振法で「国の任務」と、こうなっているわけなんです。しかし、現実にはこの急増地帯の理科教育というのはこういうような状態なんです。これではほんとうに教育というものができるのか、これでいいのか。
 またもう一つの問題は、こういう急増地帯においてはこういうふうな黒板で書いたりというような、実験もできないようなそういう教育でも特例としてしようがないとお認めになるのか、その二点についてお伺いしたいと思います。
#79
○国務大臣(坂田道太君) これは義務教育でございますから、日本全国のいかなる市町村におきましても一定の水準の教育というものがなされなきゃならぬのは当然だと思いますし、特にいま御指摘の理科教育の設備等が足りないということは、われわれとしては責任上どうしてもこの法律に基づいてその設備を充実する責任が私にあるというふうに思います。ただそこに多少の時間的なズレはあるかと思いますけれども、目標を定めまして、われわれ充実のために努力しなきゃならぬ。この理科教育振興法は小笠原さんも御承知だと思いますが、これは政府立法でなくて、私どもも参加いたしました議員立法でこのようなりっぱな法律をつくったわけでございまして、そういう沿革も私承知をいたしておりますので、一日も早くそういう過密地帯における理科設備等が十分とはいかなくとも、ある一定の水準まではぜひとも充実しますようにつとめなければならぬと覚悟をいたしておる次第でございます。
#80
○小笠原貞子君 そういうわけでして、非常に急増地帯というのは地方自治体に負担がかかっているわけですね。そこで父母負担というのが実に驚くべきことになっているわけです。浦和の例で見ましても、PTA会費等PTAの協力費という形で取られているわけなんです。浦和市内の小中学校三十八校の後援会協力費というものの総計は四十五年度で四千四百三十八万九千円というふうに達しているわけです。このほかにどうしても納めなければならない注射代とか保健衛生費、視聴覚、図書、理科実験、学級運動具、校地整備、交通安全、交通保険、生徒手帳、クラブ、その他いろいろありますのが、これが小学校で四千九十三円、中学校で六千五百六十二円、こういうふうになっているわけなんですね。統計でこう表に出してみますと、公費で負担している分とそれから父母負担、それから協力費ですね、これがいま言ったようにまさに同じくらい出ているわけです。そうしますと、いまいわれている義務教育であるにもかかわらず、公費と同じくらいが父母負担または協力費というような形でみんなの家庭の中から出されている。それでも足りなくて、廃品回収だ何だということで労力奉仕もしているというような点から考えまして、これはいつもいわれる憲法第二十六条の義務教育は無償でするというたてまえからしても、この問題について、文部省としてほんとうに真剣にどういうふうに解決しようとされているのか、お答えをいただきたいと思います。
#81
○政府委員(岩間英太郎君) ただいまいろいろ御指摘いただきましたような悪い影響というものが、こういう人口急増地帯には出てきておるということは、これは事実であると思います。その原因でございますけれども、これは言うまでもなく、人口急増によりましてその市町村が非常に財政が困難になってきておる。しかも、新しく流入してまいります人口が非常に若年層でございまして、子供が非常に多いというふうな面もございます。そういうわけで特に校舎の建設ということに非常に多額の経費をとられる、あるいは生活環境の整備ということに非常に多額の金が必要であるというようなことで、結局しわ寄せが一般経常費に回ってきて、ただいま先生御指摘になりましたようないろいろな弊害が出てきておるということでございます。これにつきましては、総合的にそういう市町村に対しましては財政的な措置を講ずるということが必要なわけでございますが、文部省といたしましても、教育関係につきましてはできるだけ総合的な計画を立てまして、市町村がその計画に基づいて安心して事業ができる、しかも、そのしわ寄せがこういうふうな経済的なものにいかないようにするということを主眼にいたしまして、ただいま予算を要求中でございます。できるだけ総合的な財政措置が講ぜられることによりまして、こういう問題は解消するということを希望しております。
#82
○小笠原貞子君 あとで大蔵省のほうにも関係してきますんですけれども、そのひどさというのが実にひどいわけなんです。つまり、人口急増市町村における義務教育施設整備費等の状況という資料の中で出してみましても、小中学校にかかわる付帯建設事業費というものが一千百七十七億とちょっとかかっている。そのうちで用地費というものが三百六十四億七千四百万円というような大きな数になっております。そうして国庫補助として出されます分を抜きましても、結局地方への超過負担というのが非常な大きな額になって出てくるんです。ですから、学校一つつくりますと、つまり実施事業費ですね、この実施事業費の中で文部省が算定額としていらっしゃるのが非常にまた少ないわけなんでしょう。そのうちで国庫補助率というものが二分の一だの三分の一だのという少額だから、実際に学校、校舎が必要とする費用のどれくらいを国が出しているのかという数字をみますと、実に建物でみますと、実際にかかる費用の一六・九%しか出していない、こういう結果が出てきているわけです。これはおたくのほうの資料を見ましても、こういうようなことが非常に大きな問題になって、財政的な圧迫で、いまの教育が非常に劣悪な状態で破壊されてきておるということは十分お考えおき願いたい、こう思うわけなんです。たとえばそれが浦和の場合でも、小中学校を考えてみますと、どうしても年間に一校ないし二校建てなければならないと、保谷の問題で考えますと、年間毎年一校は要ると、こういうわけですね。福岡町においてもそういうような状態が出ている。横浜でも年間小中学校が十六ないし十八校必要になってくると、非常に学校が一年に一校ずつくらい建てていかなければ間に合わないという状態です。その一校建てるのが一体どうなんだといいますと、標準的な学校で考えてみますと、用地費というのが二十四学級で考えてみますと、この表で見ますと、今度用地費の単価というものが平米当たり一万六千円というふうに予算を出してくだすっているわけですけれども、いま一万六千円くらいというのはほとんどないわけです。そのおたくのほうで予算を出していらっしゃるだけでも、用地費というのが一万六千円でいきますと三億四千七百万円かかるわけですね。そのほかに建築費というようなものを加えますと、一つの学校をつくるのに、補助率を引きましても四億六千六百万円というお金がかかってまいります。そういう安い土地というのはほとんどいまございませんので、坪に直せば大体九万、十万というくらいの土地になりますと、実に七億七千万円というお金が必要になって出てくるわけです。そうしますと、小さい市町村の財政というもの、たとえば埼玉県の福岡町の予算はたしか八億と聞いたですよ。八億といったら、学校一つ建てちゃったら地方自治体何もできないと、こういうふうな状態になるわけですし、浦和の場合でも非常にそういうので困っていると、こういうふうな状態で、問題は非常に財政というものが地方財政を圧迫しているというような問題で自治体が非常にいま苦しんでいるわけです。その社会急増地域でその苦しみが一体どこにいくかといったら、下水道はできない、道路はできないと、ゴミ処理等々なんというものは全部あと回しに犠牲になってしまって、それでやっとやっていっても、この負担があまりに大きいということがいま私が言いたい問題なんです。このあまりにも考えられないような大きな負担が地方自治体にかかってくるというその原因は一体何なのかと、これをどういうふうに解決しなければならないのかというところがやはり問題だと思うわけなんです。
 で、先ほどからおっしゃいましたように、今年度の文部省、自治省がお出しになりました予算から見ますと、用地費の半分は補助をするようにと、いままで三分の一だった小学校に対して三分の二とか、二分の一だった中学校を三分の二とか、それから児童数を三年後を見越しての児童数で基準を立てるというように非常に前進的な面があるわけなんです。その意味で文部省を私はきょうは激励すると、こういうわけなんで、ここのところでしっかりがんばってほしいわけなんですね。こういう予算要求をお出しになっているわけなんですけれども、まず、この予算をお出しになった以上、大臣、これは四十六年度から実施できるんだと、やるんだという決意でもって取り組んでいただけるかどうか、その辺の決意と見通しをちょっと言ってくださいませんか。
#83
○国務大臣(坂田道太君) これは率直に申し上げまして非常にむずかしい困難な問題だと思います。しかしながら、私どもとしましては全力をあげて獲得をしなくちゃならぬというふうにいま決心をしているところでございます。昭和四十六年度予算要求につきましては、特に人口急増市町村の義務教育施設整備に関する経費ということで、たとえばいまお話になりました校地の取得につきまして二百十億円、それから校舎等につきましては三百七十六億円というような予算を考えておるわけでございますが、実際私といたしましては最大の努力を払う考えでございます。
#84
○小笠原貞子君 その最大の努力はしていただけると思うのですけれども、ここのところ最大の努力はしながら、予算のほうはいつもいいところまでいくのだけれども、そこのところでぱさっぱさっと削られてしまうわけですね。そうすると、よほど努力を、ほんとうにどの程度まで決意を持って大蔵省とやってくださるかというところがないと、やはり今度の佐藤内閣でも、ことしの内政の重要な問題は教育であると、こうおっしゃっているわけなんです。そういう教育の問題がこんなひどい劣悪な状態に置かれている。文部大臣としても、ほかのところは非常に高姿勢でぱっと決意をおっしゃるわけなんですが、どうもいまのは姿勢が低いのですが、そこのところをほんとうにどのくらい一からだは細いけれども、どのくらいやってくださるか。やはりそこをみな待っているわけです。もうほんとうにこれは地方自治体、父母の立場からすれば深刻な問題なんですよ。それはどの辺までやったけれども、まただめだったとかどうとかということで、毎年やられていくからプレハブがどんどんふえてしまうので、その辺もう一回覚悟のほどをどう覚悟していらっしゃるか、もう一度頼みます。
#85
○国務大臣(坂田道太君) 非常な御激励を受けたわけでございますが、私のほうも御激励にこたえるべく最大限の努力をしたいと思います。とにかく相手のあることでございますので、こちらの言うとおりというわけにもまいりませんと思いますが、しかし、やはり私たちとしましても十分資料を整え、そして説得力ある説明をいたしまして、この壁を突き破りたいというふうに考えております。それ以上努力の度合いを申し上げましてもどうにもなりませんので、どうせ予算折衝を終わりましたら、またこの委員会に来なければなりませんから、私としましては精一ぱいの努力をいたしたいと考えております。
#86
○小笠原貞子君 大臣としては一生懸命やろうとしていらっしゃることは、すなおに私も受け取りたいと思うわけなんですが、問題はばっさり削るほうの大蔵省のほうに今度移ってくるわけですが、大蔵省としてもまた教育の問題というものをほんとうに重視して考えていただきたいわけなんですよ。やはり次代の国民をつくるわけですからね。その辺のそろばん勘定で、こっちをやっちゃったからこっちが足りないからこれでなんということでやることは、いままでそれでずっときたから、さっき言ったような実に驚くべき校舎の劣悪な教育環境というものが放置されているわけです。文部省、自治省ともにいま言ったような今年度の補助基準というものを相当前進した面で上げているわけなんですね。ところが、新聞で見ますと、大蔵省は渋いですね。これは補助金の新設は見送りだと。こういうふうに大蔵省のほうはやはり全然教育には理解ないと私は考えざるを得ないわけなんですが、大蔵省としては、この文部省なんかが用地費の半分とか、それから三分の一を三分の二にするとかという最低限の教育を整える校舎用地を保障すべきなのに、なぜ反対されているのか、どこに問題があるのか。その大蔵省がいま一番問題なんです。おたくのほうの腹一つでこの教育問題がきまるんですから、その辺お答えをいただきたいと思います。
#87
○説明員(原徹君) 人口急増地域における小学校、中学校教育の問題につきましては、ただいま文部大臣のほうからお答えがありましたように、私どももその問題の重要性につきましては十分認識をしているつもりでございます。そこで四十六年度の予算につきましては、ただいまの段階はまだ検討中でございますので、結論を得る段階になっておりません。
 で、問題はどこかと申しますと、まず第一にはやはり財源の問題でございます。ただいまもお答えがありましたように、土地の補助をいたしますと、二百十億円の予算が要るわけでございますが、現在の財政事情から申しますと、その問題は相当な国の負担になるということは間違いございません。そういう点。それから人口急増市町村の財源問題というのは、これはもちろん国と地方団体との間の財源配分の問題が第一点、それから地方団体間におけるやはり財源配分問題がございます。したがいまして、これはやはり補助金ばかりでなく、交付税の問題起債の問題、そういうものを総合的に考えなければならない問題であろうかと存じます。
 いずれにいたしましても、問題の重要性は十分認識しておりますから、できるだけ妥当な結論が出るように努力したいと考えております。
#88
○小笠原貞子君 その財源がない、だからしようがないい、できるだけ妥当な結論を出したいということでは、ちょっと問題は解決つかないわけなんです。だからきょうはもうどうしても大蔵大臣に来てもらって、ここで坂田文部大臣とひとつ対決してもらいたいわけですよ。ほんとうに大蔵省が理解はしているっておっしゃっても、毎年の教育予算の伸び率というのは少ないですね。ほんとうにもうほかがぐうっと伸びて、いつも私ら言うと、またかと言われるけれども、防衛費なんてあれ削られたことないでしょう。いままで概算要求ですっといっちゃっているわけですよ。教育費とか社会保障費とか、こういうものの伸び率は実にひどいんですよ。それでこうやって質問しますと、よく重々承知しております、そして教育の問題も大事だといまおっしゃいましたけれども、結局それは口だけのことなんですよ。それを具体的に予算で裏づけなければそのことは実現しないわけでしょう。そうすると、先ほどから言いましたが、プレハブなんかに行ってみますと、私が浦和に行ったのは十一月の十七日なんです。その日は朝六度なんですよ。六度といいますと、冷蔵庫の普通の温度が四度か五度というところですから、ほんとうに寒いんですね。それで今度夏の状態聞いたら、普通教室よりもそれこそ三度か五度高いんだと。だからプレハブ教室にはもう一年生くらいしか入れられないわけですね。午後まで授業があるようなそういう高学年を入れちゃったら、うだっちゃうか冷えちゃうか、どっちかになっちゃうわけなんですね。そういうような状態に置かれているということですね。これを考えてみても、どうしてもこの急増市町村というものに対して用地費の二分の一なんていうのは当然だと思うんですよね。財源がないとおっしゃった、二百十億なんて。来年度の予算は一体どれくらい考えていらっしゃるんですか。それから見て二百十億というのは、教育という問題から考えて大きいんですか。その問題はどうお考えですか。
#89
○説明員(原徹君) 教育全般につきまして、それが非常に大事な問題である、次代をになう国民を養うことでございますから非常に重要であるということは私も全然同感でございます。ただ問題は、やはり限られた財源でまかなうわけでございますから、そうなりますと、やはり国の財政、地方の財政両方を考えた上で、人口急増市町村に多額の財源がいくというふうにしなければならないのではないかと思います。そういう意味で、私どもも問題の重要性は十分認識しておりますので、できるだけ妥当な結論になるように鋭意検討中でございます。
#90
○小笠原貞子君 まあ妥当な結論ということに結局なっちゃうんですけれどもね。そうしますと、用地費の二分の一というのは、いまの見通しでですよ、いまの見通しでこれはつけられそうですが、つけられそうもないですか。どの程度までの見通しありますか、いま。
#91
○説明員(原徹君) 私どもといたしましてもまだ結論に至っておりませんので、ただいまの段階ではちょっとお答え――御了承いただきたいと思いますが。
#92
○小笠原貞子君 それではただいまは見通しがつかないと。で、これは非常にたいへん困難だろうということになりますと、大蔵省はいまの不正常授業というもの、先ほどから言った理科実験もできない、黒板に書いてというような不正常な教育状態、そして子供たちを危険な状態に置いている。しかもこれがプレハブが改善されないでこのままむしろ激増していくというそういう見通しも出てくるわけですよ、これだけの文部省と自治省案というものが通らなければね。それでもいい、それでもしようがないんだと、そういうふうにお思いになってらっしゃるんですか。
#93
○説明員(原徹君) そういうふうに思いませんものですから、そういうことにならないようにできるだけ妥当な結論を得たいと、そういうふうに考えておるわけでございます。
#94
○小笠原貞子君 そういうふうに思わないものですからとおっしゃっても、それはやっぱりことばの上でしてね、実際もうどの辺までつけるというそういう決意のほどを私は伺いたいから、お忙しい中を来ていただいたわけなんです。あなたとしては担当の立場に立って、この要求は妥当なものだと、自治省案、文部省案、妥当なものだとお思いになりますでしょうか。
#95
○説明員(原徹君) 私どもも事柄の重要性を認識いたしましたので、私も横浜あたりに行きまして、プレハブの校舎の実情を見てまいりました。文部省にも調査を頼んで、全国百九十六の市町村の財政状態を調べてもらいました。あれで見ますると、人口急増市町村の中でも、これは百九十六ございますが、特にひどいと思われるところは東京周辺、大阪周辺、まあほかにも若干ございますが、そういうところにむしろ集中的にあらわれていると私はそう思います。ですから、その百九十六の市町村の中でもそれはそういう傾向があることはそのとおりでございますが、濃淡はずいぶん違う、そういうふうに思います。したがいまして、そういう認識を持ち、そしてまた地方の財政の財源といたしましては、これは従来なぜ土地について補助がないのか、これは一般論でございます。これは公共事業のように土地そのものを取得するものにつきましては、これは補助をやっておりますが、そのほかのものについて現在土地について補助がございません。従来実は公営住宅の土地というものにつきまして補助をやっておったときがございます。二、三年前にこれはやめました。なぜやめたかと申しますと、これは一つには単価のつけ方が非常にむずかしいという問題がございます。公営住宅につきましてはそのために非常に超過負担ということになったわけでございます。土地の値段は地方によっても違いますし、また同じ市町村でも場所によってうんと違うということから、その補助には非常になじみにくいということがございまして、実は公営住宅の土地をやめたわけでございます。現在では土地に対する補助というものがございません。で、地方団体の財政が困るというのは、かりにこれを起債でつけましても、もしちゃんとした起債がつくならばその段階ではその財政は困らないわけであります。ただ、それが累積をいたしまして、それがいわゆる元利償還、そういう形になって利息の支払いなり元本の支払いが地方財政の全体の中に占める割合が高くなって、そのためにほかのほうを圧迫するという段階になりますと、これは確かにほかのものが何にもできないということになります。まあその文部省の調査によりますと、そういう段階になっているところもございますが、先ほど申し上げましたように濃淡が非常にございまして、一がいにすべて百九十六の市町村がそうだというふうに私は見ておりません。そういうことでございますけれども、いまの東京周辺、大阪周辺その他のところでは、かなり相当な問題があるという認識はございます。したがって、その財源をどうするかということになりますと、やはりそれはいまの国の補助でいくのがいいのか、あるいは交付税で例の人口急増補正というのがございます。百九十六市町村の調査によりますと、これは四十四年度の金額で、全体で百十億ぐらいの金額のうち、人口急増補正で百九十六の市町村にまいった金額約八十億円でございます。これは非常に有効にきく制度でございます。そういうこともございますし、起債の問題もございますものですから、そういうことを含めて、それからやはり国と地方との財源配分という――その補助を従来やってなかったということの前提には国と地方との財源配分ということがやはり前提になっているわけでございます。したがって、数百億を要する財源の問題となりますれば、やはりその問題も考えなければいかぬ。地方団体の中の財源配分の問題も考えなければいかぬ。起債の問題も考えなければいかぬ。そういう点が非常にございますので、ただいま非常にそういうことを総合した上で妥当な結論になるようにしたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#96
○小笠原貞子君 いろいろとおっしゃいましたこと、私も新聞なんかで見ているわけですけれども、結論としては、もうやっぱり急増対策に対して、教育に対して非常に冷淡な態度でしかないと、私には結論としてはいろいろと言われたけれども受け取れる。こういう態度の大蔵省に対して文部大臣どうですか。いま大事なところなんですから。大蔵省はこういう答弁しているんですけれども、文部大臣どう思いますか。
#97
○国務大臣(坂田道太君) 大蔵省としては大蔵省としての言い分があろうかと思います。しかし、私としては私としての言い分もございますし、またいろんな大蔵省の言い分をどういうふうにして私としては了解し、あるいはまた説得するか、これから予算折衝に臨むわけでございます。最大限の努力をいたしたいと思っております。
#98
○小笠原貞子君 最後の大事な問題ですから、委員長どうぞ御配慮いただきたいと思います。私たちどうしてもここのところで文部省がんばっていただいて、大蔵省も福田大蔵大臣にとくときょうのことをお話しいただいて、ほんとに教育の問題を重視するという立場で文部省案、自治省案が実現するように努力していただきたいと思うのです。しかし、この文部省、自治省案がたとえ実施されても問題はまだ解決されていないわけなんです。それは学校校舎建設による超過負担の問題というのが残っているわけなんです。この超過負担の原因というのは、御承知のとおり単価差、数量差、対象差というものが出てくるわけなんで、この中の数量差の問題から質問していきたいと思うのです。
 浦和市の場合をまた例にとりますと、四十三年度負担が一億九百八万円に達しているわけです。そしてその五分の四が、また四十四年度で見ますと、六千百五十一万円のうちその半分近くが数量差によるものになってきているわけなんです。いわゆる実施事業費に対して、文部省算定額というのは非常に低いというところからたいへんな超過負担というものが出てきているわけです。だからその数量差が起きる原因というのは一体どこにこういう食い違いが出てきて地方財政を苦しめているのかというその基本的な要因となるものを調べてみますと、いわゆるいまの現行の校舎に対する補助基準ですね、この補助基準というのが問題になると思うんですよ。文部省の学校施設指導要領というのがありますね。指導要領というのが非常にお好きだから、この指導要領から私は申し上げるわけですけれども、この指導要領によれば、教育計画を効率よく実施する立場から校舎の適正面積案を掲げてあるわけですね。この指導要領というのを御存じだと思います。ここのところで、教育計画を効率よくする立場から校舎はこういう校舎であるべきだという適正面積がちゃんと案として出ているわけなんですよ。こういう適正面積、こういう校舎が適正面積だというのが文部省の指導要領で出ているわけですから、地方自治体もこれに従って建てるのが当然ですよね。指導要領どおりやったらいいんだから、はっきり言えば。おたくのほうのおっしゃりたいことで言えば。そうしますと、この適正であるという校舎適正面積の案というものが一方に書かれていまして、そして同じこの中のちょっと前のほうのページを見ますと、小学校校舎補助基準の算定基礎というのがまた出ているわけなんですよ。そうしますと、ここで大きな問題というのが出てくるわけなんです。つまり適正基準案というものが、基準面積というものが出ていると、これで算定基準というものが出されなければならないわけでしょう。文部大臣そういうわけでしょう。学校というものはこういう学校の校舎が適正なんだ、だからたとえば普通教室は幾つぐらいで何平方メートルということが出ておるわけですが、適正な学校校舎はこういうものだと出しておきながら、補助率の対象になるこっち側を見ますと、補助基準の算定基礎というものを見ますと、これより全然悪いのですよ。これ持っていらっしゃいますか、じゃ見てください。大臣も知っていてほしいのです、ここが大事なところなんですから。たとえば二十四学級を見ますと、適正面積案というのは四千三百七十八平米になっておるわけですよ、適正な二十四学級の教室の面積というものは。ところが基準対象になる算定基礎というものを見ますと、三千四百二十五なんです。そうすると、適正なのはこれだけだといいながら、補助の対象となる算定基礎というものは実に九百五十三平米減っておるのですね。こういうところから数量差というものがものすごくまたぐっと出てくるわけですよ。だからこれ全然おかしいとお思いになりませんか。適正な面積はこれだと、ところが補助するのはこっちだという、こういう非常に矛盾した表を出していらっしゃるのが学校施設指導要領という指導要領なんですよ。これ矛盾だとお思いになりませんか。
#99
○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘のように、私どもでつくっております学校施設指導要領というのがございまして、これは私どもの内部でいろいろ検討いたしまして、総合的な案をつくったものと、それから補助の基準というものがこれに載っておるわけでございます。私ども常に世の中が変わってまいりますわけでございますから、理想を持っていろいろと物事を考えるということが必要であろうということで、これはここまで持っていくように努力するという一つの努力目標として考えておるわけでございます。現実の問題といたしましては、技術的な面から申しますと、現在の算定基準でもちろん十分とは申しませんが、これでも学習指導要領に従いまして授業が支障なく行なえると考えております。しかしながら、以前にもこれより低い基準がございまして、ここまで引き上げてきたという実績もございます。私どもそういう意味で今後も努力を怠たらないで今後とも前進したいと考えております。
#100
○小笠原貞子君 そういうふうに御説明になりますけれども、じゃ、これは全くの絵にかいたもちですよ。これは努力目標なんだ、実際はこれにしか補助対象はないのだ、これでさえも超過負担というのがさっき言ったように、地方におっかぶさっておるわけですよ。そうすると、この文部省指導要領というものは地方自治体の超過負担を予想してつくられたものであるということが言えますね。結局たとえば実施事業費のうちのわずかしか補助になっていない。しかもこの中に適正面積案というものを書いておいて、こっちの算定基準ではこんなに少ないものを書いておいて、これが指導要領として出されておるということは、地方自治体から超過負担は当然出てくるということが予想されて作成されておると見られてもしようがないわけでしょう。もう最後だから、ひとつそこのところでお聞きしたいのですけれども、そういうことが超過負担を予想して作成されたものだと認めざるを得ないわけですよ、これで見ますと。そうすると、地方財政法第二条の二項、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならない。」という地方財政法の二条の二項に違反したものを指導要領として出しておると、地方財政法違反をやっていらっしゃるのじゃないかということについてどう考えていらっしゃるかということが一点と、それから先ほど言ったように、これだけでは解決がつかないから、補助基準を現実の教育の要請にこたえる基準にすべきだ、そのためには校舎の面積案を少なくとも補助基準算定、さっき言ったこっちの努力目標だと言われたところに算定の基礎を置かれなければならないと思うわけですから、そういうふうにここに算定の基礎を置いてもらいたいということと、単価差ですよ。実際文部省でひとつ学校をつくってみればいいと思うのです。おたくの予算でどんな学校ができちゃうのか、その単価差というものを実際に合った額にすべきだ。そこのところは文部省としては、全く非現実的なことで世の中が動くなんて思ったりしてはだめですよ。全く非現実的な値段でこんなものをやっていかれたら教育なんというものに文部省全く責任放棄だと思うのです。その点についても、最後ですから、担当のそちらさまと大臣さまと、どうかしっかり答えていただきたい。
#101
○政府委員(岩間英太郎君) 超過負担と言われておりますもののうちには、これは御案内と思いますが、現在補助率が三分の一でございますと、残りはまあ起債と二五%が交付税でやっております。交付税の財源措置の分をこれは自治体がみずから負担するという形になっておりますので、それも自治体負担という形であらわれておりますので、その分はやはり国の正当な財源措置でございますから、そういうふうに評価をいただきたいと思うわけでございます。しかし御指摘ございましたように単価とか構造比率とか、あるいはその基準とか、いろいろな問題がございまして、地方自治体に御迷惑をかけておりますことは事実ございまして、そういう点はこれは改めなければならないということでございます。特に単価につきましては、これは毎年一〇%程度の単価の引き上げを行なっておりまして、四十三年度の決算では、鉄筋はほぼ全国平均でございますけれども、これは実績単価と見合っております。まあそういう点から申しまして、若干その予算を編成する時期と実施する時期とのズレ等もございまして、まあ技術的な問題はございますが、この点につきましてはぜひ適正な単価に持っていきたいと、それからまた大蔵省のほうもこの点につきましては最大限の理解を示してくれるというふうに考えております。なお基準につきましては、施設については現在五ヵ年計画を立てまして少しずつ前進をするという形をとっておりまして、先ほど申し上げました私どもの考えておりますまあ理想的な基準につきましてもその際に実現をはかるということで、今後とも努力を重ねたいというふうに考えております。
#102
○国務大臣(坂田道太君) ただいま管理局長が申し上げましたとおりでございますが、私といたしましても、何と申しましても教育の充実というのは教育の環境というものを整備するということがわれわれ政府としての責任であるというふうに考えております。これは単に文部省だけじゃない、政府全体としてそういうふうに考えなければいかぬというふうに思っております。その意味合いにおきまして、私としましては積極的に大蔵省と折衝いたしまして、十分の成果をあげたいというふうに考えております。
#103
○小笠原貞子君 さっき言った点抜けているんですよ。つまりこれと違っているのは、結局地方の自治体の超過負担を予想してつくられたものではないか、矛盾したものではないかと、算定基礎というのが非常に低いということは。ということは、地方財政法二条二項を全く無視して、それに違反した矛盾点を持っているし、そういうことを地方に超過負担させる、させざるを得ないような内容でつくられているものだと認められるということについて。
#104
○国務大臣(坂田道太君) 少しそこが違うのじゃないかと思いますのは、こちらのほうとしてもやはり条件整備をよくしていこうという一つの理想案を内部の資料として考えているわけです。それにはやはり国の補助なりあるいは土地に対する補助なり、いろいろなことを一方において大蔵省に要求しているわけです。そちらのほうが片付いてくれば、先生のおっしゃるようなことにならないのじゃないか。ところが、こちらのほうが現実問題としてわれわれの努力不十分で実現しないものですから、いかにも先生の御指摘のような形になってきておるということなんです。気持ちと現実の……。
#105
○小笠原貞子君 これは違法です。
#106
○理事(田村賢作君) ほかに御発言なければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト