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1970/12/17 第64回国会 参議院 参議院会議録情報 第064回国会 文教委員会 第4号
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1970/12/17 第64回国会 参議院

参議院会議録情報 第064回国会 文教委員会 第4号

#1
第064回国会 文教委員会 第4号
昭和四十五年十二月十七日(木曜日)
   午前十時十七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十六日
    辞任         補欠選任
     二木 謙吾君     津島 文治君
 十二月十七日
    辞任         補欠選任
     津島 文治君     二木 謙吾君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         楠  正俊君
    理 事
                田村 賢作君
                永野 鎮雄君
                杉原 一雄君
                安永 英雄君
    委 員
                大松 博文君
                内藤誉三郎君
                二木 謙吾君
                秋山 長造君
                田中寿美子君
                内田 善利君
                柏原 ヤス君
                萩原幽香子君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       文 部 大 臣  坂田 道太君
   政府委員
       人事院総裁    佐藤 達夫君
       人事院事務総局
       給与局長     尾崎 朝夷君
       文部大臣官房長  安嶋  彌君
       文部省初等中等
       教育局長     宮地  茂君
       文部省大学学術
       局長       村山 松雄君
       文部省管理局長  岩間英太郎君
       労働省労働基準
       局長       岡部 實夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       文部省社会教育
       局長       今村 武俊君
   参考人
       日本私学振興財
       団理事長     永澤 邦男君
       日本私学振興財
       団理事      西田  剛君
       日本私学振興財
       団理事      池中  弘君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (教職員の給与に関する件)
 (大学の授業料に関する件)
 (私立大学の補助金に関する件)
 (社会教育に関する件)
○「なぎなた」の高等学校保健体育科女子格技の
 必修教材採択に関する請願(第八号)(第三九
 号)(第四〇号)(第五二号)(第八七号)
 (第一六五号)(第一六六号)(第一七四号)
 (第二六七号)(第二六八号)(第三五四号)
 (第三六八号)(第三八六号)(第三九八号)
 (第四三九号)(第四八一号)(第四八五号)
 (第五〇八号)(第六一四号)
○養護教諭の全校必置等に関する請願(第二七
 号)(第二八号)(第八一号)(第八二号)
 (第四七〇号)(第四九九号)(第五四四号)
 (第六一五号)(第七四五号)
○私立学校の学費負担軽減等のための公費助成制
 度確立に関する請願(第五〇号)(第九〇号)
 (第九一号)(第九二号)(第九三号)(第三
 七七号)(第三七八号)(第四五二号)
○公立学校における警備員設置等に関する請願
 (第三一四号)(第三三三号)(第四〇八号)
○公民館建設に対する財政援助に関する請願(第
 三七〇号)
○昭和四十六年度用教科書の値上げに関する請願
 (第四四二号)
○山村へき地の医療保健対策強化のため医科大学
 の新設等に関する請願(第四四八号)
○教育予算増額に関する請願(第三七九号)(第
 四五三号)(第四五四号)
○幼児教育振興に関する請願(第六一六号)(第
 七四四号)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(楠正俊君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 十二月十六日、二木謙吾君が委員を辞任され、その補欠として津島文治君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(楠正俊君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 教育、文化及び学術に関する調査中、私立大学の補助金に関する件についての調査のため、本日の委員会に日本私学振興財団理事長永澤邦男君及び同財団役員を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認めます。
 なお、その手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(楠正俊君) 教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。
 本件について質疑のある方は、順次御発言願います。
#7
○安永英雄君 人事院総裁のほう、あとの会議があるそうでありますから、当初に人事院のほうに質問を申し上げます。
 昭和三十九年の八月に人事院が教員の超過勤務手当に関する報告を出されておりますが、その内容は次のようであります。「最近問題となっているものに、教員の超過勤務に関する問題がある。現行制度のもとに立つかぎり、成規の時間外勤務に対しては、これに応ずる超過勤務手当を支給する措置が講ぜられるべき」であるというふうに報告書の中にはっきりしたことばがあるわけです。さらに「他方、この問題は、教員の勤務時間についての現行制度が適当であるかどうかの根本にもつながる事柄であることに顧み、関係諸制度改正の要否については、この点をも考慮しつつ、さらに慎重に検討する必要がある」こういう報告書が正式に出されておるわけです。それから約六年間たったわけでありますが、この問題についてその後検討をされたわけでありましょうが、その前に私はこの報告書の前段について、いわゆる「現行制度のもと」という立場から質問をするわけでありますが、教育公務員特例法の教員に関する規定の適用または準用を受ける者、いわゆる地方公務員に属する教員、これが定められた時間を越えて勤務することを命ぜられたとき、定められた勤務時間を越えて勤務した全時間に対して超過勤務手当を支給すべきであるというふうに私は考えますが、基本的に現行制度のもとにおいて、そういった私の言ったことが正しいと思いますけれども、総裁としてはどうお考えになりますか。
#8
○政府委員(佐藤達夫君) いまお読みになりました昭和三十九年の私どもの報告書の中にあげてあります前段は、まさにそのことを言っているわけでありまして、要するに、成規の超過勤務命令が出されて、それによって超過勤務がなされた場合には、超過勤務手当を支給すべきであることは当然であるが、と書いてあるわけで、これは制度的にいって当然ということになります。
#9
○安永英雄君 そうしますと人事院は六年間、六年に限らないと思いますが、それ以前に検討に入っておったということを聞いておりますけれども、この教職員の勤務の実態を調べられて、命ぜられてしかも超過勤務手当が支払われていないという実態はおつかみになったことがありますか。
#10
○政府委員(佐藤達夫君) これは現実問題になりますというと成規の超過勤務命令が出て、それによって勤務がなされたのか、あるいはそれ以外の動機によってなされたのか、これは私どもは個々の事実を一々調べてはおりませんから、その点について人事院として的確な把握というようなものは、一言にして申し上げるわけにはいかん、申し上げ得るまた立場にもないというふうに考えております。
#11
○安永英雄君 私はそういったことばを聞こうとは思いませんでした。人事院としてその後の検討によって命令が出され、支払いがされていない、こういう実態を私は現に幾らでもつかんでおる。こういう実態は、個々の問題については調査はしていない、よく承知しないというのは納得いきませんが、たとえば、私が一件つかまえておったとするならば、それに支払いが行なわれておらなかったとするならば、これは違法行為だというふうに感ぜられますが、どうですか。
#12
○政府委員(佐藤達夫君) 申すまでもありませんけれども、私どもは一般職の国家公務員だけをお預かりいたしておる。すなわち国立学校の先生だけが私どもの所管ということになっております。御承知のように国立大学、その他付属小学校の場合については、あんまり超勤の手当問題というのは出ておらないわけです。また予算上の措置もある程度やってありまして、たとえば入学試験の答案審査とか、そういうことは私はある程度の手当をしているというせいもあると思いますけれども、少なくとも国立学校の関係ではあまり事実を聞きませんし、またわれわれが草の根をわけてそういうのを調べるだけの義理合いもなかろうということを先ほど申し上げた。地方のことは完全に所管外でございますから、これはわかりません。
#13
○安永英雄君 国家公務員の場合、あなたがおっしゃるように直接の管轄はそうかもしれません。それでも私は超勤手当が支払われていない実態をはっきり知っています。それから先ほど私が述べたように、いわゆる国家公務員と、これの準用を受ける者というものも合わせて質問をしたわけでありますから、これは人事院として、これはあとで申し上げますけれども、今後のこの超過勤務手当の問題についてのたとえば勧告を出されるといった場合に、地方公務員である各都道府県の教職員、こういった場合の状態というものも、これは自分の管轄でないとは私は言えないと思う。これは時間がありませんからあれですが、いまの長官のことばでは大きく影響する、地方公務員に対する影響力を持つ人事院総裁として私は不当ではないかと考えます。今後もやはり機会があればこういったところまで調査の手を伸ばしてもらいたい、これは要望をしておきます。
 そこでもう一点でありますが、二十四年に文部省が通達をこの超勤問題について出しておるわけでありますけれども、これは原則として命じないというようにこの通達を出しておるわけです。ところが、これは二十四年でありますから、それ以降実態として、超勤の実態はあるにかかわらず、この通達というのがあってこれが非常に乱用されておる向きがあるわけであります。実質は超勤の実態が出ておる、しかしこの定員、学校行事、教育計画の進行上明確になっておるというところがあるわけでありますけれども、この通達をたてにとって超勤手当を出さないという根拠にしておる、こういうことが非常に多い。この通達は私は違法なものではないか、こんなふうに思うわけでありますが、人事院総裁としてはどう思われますか。
#14
○政府委員(佐藤達夫君) これはたしか先生方の給与をきめます場合に、普通よりも何か二号俸アップで水準差をつけてきめられたというようないきさつにもあるいは関連しておることであろうと思います、そういう通達を出されたことは。しかしその通達自身は、要するに超過勤務命令を出すか出さぬかということは、これは管理者の権限でございますからして、出さないことにしようということにおきめになることは少しも違法というような問題にはならない、理屈は。そういうふうに考えます。
#15
○安永英雄君 時間がありませんから、ごく最近人事院は国あるいは議会に対して教職員の給与、特に超勤手当、超勤問題について勧告をする、こういうふうな報道がなされておるわけであります。そこでこれは非常に基本的な問題ですけれども、いままで人事院が公務員の給与についていわゆる給与改定、こういう時期に勧告をされたというのは、毎年努力をされておるわけでありますが、聞くところによりますと、この勧告の内容は超過勤務の問題とその他項目があるようでありますが、こういったこの勧告というのは、これはいままでにない異例なるとにかく勧告をなそうとされているやに聞いております。したがって、この勧告というのは法律のどこに準拠して勧告をされるのか、まずお聞きしたいと思うのです。
#16
○政府委員(佐藤達夫君) おっしゃるように、こういう種類のものについての勧告は、おそらくあまり例がないだろうと思いますけれども、法的の根拠は十分あるわけで、たとえば一般職の給与法の第二条にあります。
#17
○安永英雄君 これも新聞の報道するところでありますから正式にお聞きしたいと思うのでありますが、法律のどの個条というのは、これは私もある程度研究はしてみたのでありますけれども、まずお聞きしたいのは、勧告をしようとされる項目ですね、どういう種類のものをこの勧告の内容とされるのか、内容の深いところは私あとで聞きますから、どれとどれとどれに関してとにかく今度の勧告の中に盛り込もうとされておるのか、これをお聞きしたい。
#18
○政府委員(佐藤達夫君) 三十九年の報告書に先ほどのようなことをうたいましたあとで、それをめぐっていろいろと御質疑がございました。要するに、それは前段の「超過勤務手当」云々の点は「当然であるが」ということでございますが、その後段のほうについて、教員の勤務時間そのものの根本問題を取り上げておるということが一つの問題の焦点にされたわけです。
 私ども、当時からお答えしておりましたのは、大体、学校の先生方の勤務というものが普通の行政職と同じような超過勤務制度というものに一体なじむものかどうかというような根本の問題もございますので、それらの点も含めて検討いたしたいということをずっと従来申し上げてきたのです。
 それで、今度新聞などに報道されておりますのも、まんざらうそではないんで、私ども検討しております。そして、やはりそういう基本的な勤務の性格というものに着目しながらも、まあ人事院として勧告するならば、それらしい自信がある案をまとめようという心がまえで現在おるわけでございます。
#19
○安永英雄君 いまおっしゃった点、ちょっとわかりにくかったのですが、新聞の報道の点を多少触れられたのですが、報道するところによりますと、一般行政職との比較、教職員の専門性等を考慮して給与表の構造的な改善をはかる、こういった項目が一つ勧告の中にも出てくるやに聞いておる。それから、超勤手当にかわる手当を設置するというふうな、いわゆる超勤の問題について一つ。それと、教務主任等職員の給与制度の導入をはかっていこうという、こういうことも、今度勧告されるとするならば内容的に入ってくるというような報道があるのですが、明確にこの勧告の項目について、いまの話では超勤手当、超勤の問題だけをちょっと説明されたような気もするし、なにか他のほうも加わっているような気もして明確でなかったのでありますが、どのような項目についてこの異例な、いままでなかったこの給与改定以外の中間における勧告というものが出されるのか、お聞きしたいと思う。
#20
○政府委員(佐藤達夫君) 最近そういう記事が新聞に出るようになりましたのは、やはり、先生方の面、それから文部省の面というような各方面からひとつ人事院になんとかやってもらおうじゃないかという要望なり気運なりが相当高まってまいりまして、また、それぞれの関係の向き向きが多少は希望をもお含めになって新聞のほうにお流しになった情報というものも大部分なんで、それらがこん然一体となりましてりっぱな記事になっているというふうな見方ができると思います。私どもはまだ断を下すまでのところにいきません。率直に、いま申し上げましたように、各方面の御意見を常に聞きながら、そして適切な成案を得たい。ほんとうはいまごろはもうつくり上げておきたいというような気持ちも私個人は実は持っておったのですけれども、御承知のように、ことしの給与勧告、たいへん大幅で、まあ大盛りの内容で、そのあと始末がたいへんでございまして、現に国会でもだいぶいじめられておりますけれども、そのあとの人事院規則その他の手当てがこれは膨大なものになりますので、ついそのほうに手をとられまして、現在のところはちょっとこっちのほうの問題から離れておりますが、めでたく今回の給与法案が成立いたしますれば、またすぐこっちのほうに取りかかろうという意気込みでおります。
#21
○安永英雄君 そうすると、作業としていつごろ人事院として成案を得て、そして国会並びに政府のほうに勧告がなされるのですか、それをお聞きしたい。
#22
○政府委員(佐藤達夫君) 大体皆さんお待ちかねのようでございますから、その気運をよく体しまして、なまけないように一生懸命やろうという心組みでおります。
#23
○安永英雄君 年内にやりますか。
#24
○政府委員(佐藤達夫君) それははっきり申し上げて、それがまた違っておったりすると責任負わなければなりませんから、できるだけ急ぎますということにしておいていただきます。
#25
○安永英雄君 そうすると、文部省あるいは労働省、自治省、こういったところとの話は、今日まで協議等はされたのでありますか。
#26
○政府委員(佐藤達夫君) まだ私自身が直接接触するところまで行っておりません。おそらく給与局で関係の方面と連絡をとってきておると思いますけれども、私自身のことをはっきり言わせていただけば、文部省当局とそれから教員組合の皆さんというような面についてはいろいろ御要望を聞く機会を得ております。
#27
○永野鎮雄君 ただいま安永委員からの質問がございまして、総裁から御答弁があったのでございますが、どうもはっきりしておらないような点がございますので、関連をして人事院の御所見をはっきりと示していただきたいと思うわけでございますが、超勤手当の問題もいわば焦眉の急というか、年来政府もそれに対しては研究もし、議員の一部においても多年この問題について重大な関心を持って検討をしてきておるわけでございますが、いまだに解決を見ていないという段階でございます。
 で、人事院においてもその点について相当研究もされ、近く勧告においてそれも取り上げられるのではないかという段階でございますが、ここでただいま安永委員からそれに関しての質問もございましたので、はっきりと人事院自体の御所見というものを明確に示していただければけっこうだと思います。
 さらに、それと関連をいたしまして、教員の超過勤務手当ということにつきましても、教員の性格と申しますか、仕事の特殊性というような点も、従来からいろいろな観点から検討もされており、意見も出ておるのでありますが、まだ明確にかくあるべきであるというような案も出ておらないように思いますが、人事院の管轄であるかどうか、私もいささかその点どうかと思うのでございますが、教員の給与制度全体についても実は関連をすることではないかと思いますが、特に超勤手当の支給について、労働基準法の三十七条を直ちに適用してやるという制度がはたして妥当であるかどうか、これもそれとかみ合わせて、人事院総裁の御所見をこの際明確に承っておきたいと思うのであります。
 私は超勤手当というものは、やはり労働基準法の三十七条を適用して支給するということは、どうも妥当ではないという感じがいたすのであります。したがって教員に対する給与制度自体に全般に関係はいたしますけれども、そういう点について、人事院においていかに検討をされておられるか、この際明確にしていただくことができればそれもひとつお願いをいたしたいと思います。
#28
○政府委員(佐藤達夫君) 具体的の内容については、先ほど申しましたような段取りでございまして、これから大いにピッチをあげてとりかかるつもりでおりますけれども、ただ、先ほど安永委員から御指摘がありました昭和三十九年のあの報告書にあげました、要するに後段の部分に関連してこれは処理すべきことだという点ははっきり申し上げられるわけです。さらに先ほど触れましたように、その後段の部分は、学校の先生方の仕事というものは、超勤制度になじむかなじまぬかといえばなじまぬものじゃないかという点を一つの特性としてとらえてのことでございますから、やはりそういう点をいかにしてきれいに解決するかという方向に重点を置いて臨まなきゃならぬもんだという気持ちでおるわけでございます。
#29
○安永英雄君 時間がないそうでありますから、私はこれ以上質問しませんが、やはり現行の制度がなじまないという立場で人事院は方向を持っていらっしゃるというお気持ちがいまの答弁で私はわかるような気がするのです。この点については時間がありませんから、労働省、自治省、こういった点の打ち合わせ、意見、こういったことも十分に仕上げてもらわないと、二、三年前に文部省がこの問題について提案をした。ところが、労働者も全然知らなかった。自治省も知らなかった。こういうことでてんやわんやした時期があるわけでありますが、これはあとで文部省のほうにも要望しますけれども、人事院としても万端各方面の意見を十分聞いて慎重に進めるべきだと私は思います。多少いまの方向というのも、とにかくなじまないという判断は私自身はちょっと疑問に思う点もありますが、基本的に十分検討されて進めていただきたい。別に勧告を早めるのを待っているわけじゃありませんので、慎重に……。人事院総裁のほうはこれで終ります。
 続いて文部省のほうにお尋ねをいたしますが、いま総裁、現行制度のもとでは、これはもう明らかに支払うのが当然だと、こういうふうにおっしゃっているわけです。それが現在も依然としてこういった制度というものは確立されておらない、手当が渡っておらない、こういうことで各都道府県、各地裁の段階あるいは高裁の段階で法的に争いが行なわれておる。こういう現在の状態で、近いうちに最高裁のこの問題についての判決も迎えようかという時期なんです。私はその裁判の詳細については申し上げませんけれども、現行制度のもとで教職員、さっきちょっと国家公務員とこの地方公務員との関係をおっしゃっておったけれども、私いまから言うのは、これに準ずるものとしての教職員の立場を、主として都道府県における教職員の立場を申し上げますから、そういうつもりでお答え願いたいと思いますが、超勤を命ぜられて、そして明らかに超勤をやったというこの実績、こういう実態がつかまれたら、この超勤についての報酬、手当というものはどこが出すようになっていますか、法的に、あるいは実態的にも。その点文部省はどうお考えですか。
#30
○政府委員(宮地茂君) 過去におきまして、私どものほうで調査しました結果、小学校の先生でございますと、総じて二時間半程度、中学、高校では三時間余り、こういったような御報告も国会でも申しましたが、それはいわゆる超過勤務命令を命令権者が出したというものだけではございません。実態として超過勤務に当たるようなということで、法的には命令したかどうかといったような厳密な問題が残りますが、従来から調査したものはそういう意味でございます。ところで、超過勤務につきましては、これは観念論してもしようがございませんが、実態といたしましては、教師には時間外勤務になるようなことを命じないで勤務時間内で仕事をするように、それ以上命令はしないように、そうは言っても、そのような形になることがあれば、一週間四十四時間のワクの中で勤務時間の割りふりを平衡して処理するように、こういうふうに従来から指導してきたわけでございますが、お尋ねの、命令権者はだれかということでございますれば、学校の設置者である、小・中学校であれば市町村教育委員会であろうかと思います。
#31
○安永英雄君 この時間外手当について市町村が負担義務があるというふうにお答えになったんですか、どうですか、はっきり……。
#32
○政府委員(宮地茂君) 市町村教委が命令し、また市町村がその負担をすべきだと思います。それが、義務教育国庫負担法にはそういう規定はございません。
#33
○安永英雄君 もうこの点は時間がありませんから申し上げませんけれども、時間外勤務の内容というものはこれはまあ非常に多岐にわたっておりますから、私はここで、研究会に参加する、あるいはクラブ活動あるいは運動会、学芸会あるいは修学旅行それからPTA会議あるいは職員会議、これが延長していく。あるいは教材研究、採点、あるいはいわゆる自宅で仕事をする、こういった非常に多岐にわたった内容でありますが、これを全部文部省の見解を聞いていっても時間がありませんから、特に私はまず第一番にクラブ活動の問題について文部省の見解をお聞きしたいと思います。
 これは私は決算委員会で一回文部省に問題提起をやったことがあります。熊本県のある中学校のクラブ活動の柔道の時間、これのたまたま担当の先生というのがPTAの会議に出席をしておった。その間に卒業生の高等学校の生徒が来て、そうしてそのクラブに入って生徒を乱取りをしておって投げた。まあその衝撃で半身不随になったということで父兄が市あるいは教育委員会あるいは担当の教師を相手どって国家賠償法によって訴えた。ところが、これには七月でしたか、熊本地裁の判決があってこの原告側が勝訴をした。要するに担当の教師も有罪になった。こういう事件があったときに、私はクラブ活動の問題について明確にする時期ではないかということを申し上げておったわけです。そこで、クラブ活動を振興していく、これは非常に教育的に価値があると、こういう主張をすると、文部省のほうはそうでございますと、まあ先生方とにかくいろいろ問題がありましょうけれども、効果のあるものであるし、期待もしていることだから一生懸命、そういう傷害事件とか事故のないようにひとつとめてもらいたいと、こうおっしゃる。ところが、反面ですね、超勤の問としてこのクラブ活動を取り上げてくると、いまもおっしゃったように、文部省としてはこの時間外の勤務はやらぬようにと、命令しないように、こう言っているので、そういう実態はあるはずがないという立場をすぐにとられるわけです。ここらあたりに現在のクラブ活動についてのこの任務、それから時間の範囲、こういったものについて混乱を起こしておると私は思います。そこで、この熊本の例あたりを見てみますと、五時十五分くらいに起こった事件でありまして、これはもう明らかに放課後の事件であります。やはり実態はあるわけであります。これについては超勤手当はもちろん支払われてはいない。超勤手当を支払うどころか逆に訴えられてそうして被告の立場に立って、いまから法廷闘争に立たなければならぬという、きわめて文部省のこのあいまいな態度によって起こってきておる問題だと私は思う。超勤手当を支払っておきさえずれば、これははっきりそこに責任のあれもついてくるかもしれない、もらってないからついていない、こういうふうな単純なものではないと思いますけれども、そういったところに非常に全国のこのクラブ活動に参加している先生方というのは非常に不安定な状態に置かれておって不安がっておる。そういうところで私はお聞きしたいのでありますが、まずこういったものについてはどうお考えになるかお聞きしたいと思いますが、いま申し上げたように熊本県としては、これは容易ならぬ事態が起きたし、熊本県自体も明確にしなければならぬということで、ごく最近熊本県教委はクラブ活動の運動部、これが本来学校教育の内容として、クラブ活動として取り扱ってきたけれども、いまから先は、これはもう新しい組織で運営される必要があるということで、いわゆる社会教育、社会体育という範疇に入れて、いまからいわゆる放課後教員の勤務時間におけるクラブ活動というものについては、一切社会教育の範疇に入れて実施していこうという通達を、現在県内に流しておるわけです。これも私は一つの踏み切り方だと思います。そして、内容を見てみますというと、漸次進めていきますけれども、最終的にはたとえば山田スイミングクラブ、こういったようなところに持っていきたい、こう言っておるわけであります。私はこの前も申し上げたように、学校の運動場で将来のオリンピック選手を養成するのが先生の任務じゃないわけです。クラブ活動というのはそういうところに目的はない。しかし、あたかも現在のクラブ活動、特にスポーツ関係のクラブについてはそういった傾向が非常に強い。そこで、私は熊本県がそういった方向に踏み切ったということでありますから、超勤の問題に限りましては、これは勤務時間外はすべて社会教育で、学校の教育の範疇からはみ出るわけでありますから、熊本県ではこれはそれ以降は運動場を貸す、それを指導する教師というのが社会体育の部面から――これは明確に金額が出ておりませんけれども、それはもう学校教育とは全く切り離した形で、その先生のスポーツを指導してくださる社会教育の範疇に入るクラブである、手当を別に出していくということで、いわゆる学校業務に関する超勤手当の問題は一応切り離そうとする考え方が明確に出ておるわけです。こういった熊本県の方向について文部省としては、超勤の問題とからめてどういうふうにお考えになりますか。
#34
○政府委員(宮地茂君) いま先生のお話しの点でございますが、たまたま熊本県教育委員会のほうで、去る十一月二十七日に教育長から児童・生徒の体育、スポーツ活動についての通達が出ております。これはおっしゃいますように、中学校のクラブ活動の訴訟のありましたのが一つのきっかけになっておるようでございます。この通達を私も取り寄せましていろいろ検討いたしましたが、大筋におきましては、従来、先生も御指摘のように、確かにクラブ活動というものが取り扱いがあいまいであったと思います。したがいまして、クラブ活動の指導を学校としてはっきり何教諭が何運動部の指導者であるということで、はっきり職務分掌等でしておるところもありますし、そうでないところもある。また本来正規の勤務時間が一応五時に終わるとしますれば、五時以降までだらだらやっていくのがはたして教育的に――まあ教育的な意味はありましょうけれども、五時以後までどうしてもやらなければならないほどの必要性があるか、この点につきましては従来必ずしもはっきりいたしておりません。指導は、先生としましては教育愛に基づきまして、少なくても五時が来たらぴたっとやめることじゃなくして、子供のスポーツをもう少しやらそうといったような、これは超勤とか何とかいうことを離れて、教師の子供に対する愛情から出ていっておる場合もありますし、まあその辺があいまいなものですから、結果的には超勤とか何とかいう問題の派生することを全然念頭に置いていない、まあそういうようなこと。さらに当該学校としましても、正規の授業時間としての取り扱いなのか、そうでないのか、この辺も取り扱いがあいまいでございまして、そういう関係から、私どもとしましても、熊本事件はそういうことについてはっきりすべき一つの経緯でもあろうと思いまして、率直に文部省の指導としてもその点あいまいであったことを認めまして、今回幸い学習指導要領等の改訂もいたしまして、クラブ活動等についても重視するようにというようなことにしましたのを契機に、いま鋭意検討もいたしております。したがいまして、この熊本の通達は、趣旨におきまして私どもも特にどうということは考えておりませんが、まあおおむねこういう線ではっきりしていかれることも一つの方法であろうというふうに思っておりますが、ただここまでは学校教育活動で、あとは社会教育活動だと、したがって学校のクラブ活動というものは、先生、指導者がいろいろ訴訟なんかにもなってびくびくもするから、今後は、例にあげられたような山田スイミングクラブとかいったような、もうすべてそういう社会教育団体におまかせしようというような、そういった気持ちではないかと思いますが、そのように熊本県が言われたということをいま先生がおっしゃいましたが、かりにもしそうであるとすれば、それは多少考え方としては消極的ではないか。教師の責任云々と言われるのがいやなので、そっちに方向転換していくということは、これは必ずしも私ども賛成できないと思いますが、いずれにしましても、現実問題として従来からの慣例もあり、多少法的な問題が起こる場合にはあいまいであったという点は率直に私どもも感じておりますし、その点についてはっきりしたいという意図が熊本県の一番の真意であるということでありますれば、私どももその点についてはほぼ同感に感じております。
#35
○安永英雄君 まあ今後この問題については文部省としてクラブ活動のあり方について明確な態度を出そうというように検討されておるということでありますけれども、後段局長のほうからおっしゃった点は、ますますやはり何とはなしにこの教師の犠牲といいますか、あなたは教育愛とおっしゃる。この教育愛に乗っかって、そうして何とはなしにけじめのつかない方向をやはりたどるのじゃないかという印象を私は持ったわけです。これは一熊本の問題じゃありません。全国の問題。私の問題にしておるのは、勤務時間が終わった以降の問題として私は取り上げておるわけです。クラブ活動全体を私は否定するものでもないし、私はクラブ活動は大きな魅力があるし、特に小学校から中学校に生徒が入学したときの一番魅力はクラブ活動と言われているのであります。中学校の非常に大きな教育の中核をなしている。それに対して教師が教育愛に燃えてやっていると、これは私はもう推賞する立場をとっているわけです。問題は、五時以降の勤務時間外における問題を明確にしなければならない時期がきたのではないかということを私は申し上げておるわけです。そういった点で熊本がとった措置については私は消極過ぎると、山田スイミングクラブみたいな方向に持っていくのは消極過ぎる。というのは、私は局長の頭の中にはクラブ活動全体の問題が入っていたのじゃないかと思うのです。放課後、いわゆる教師にとっては勤務時間外、これについては熊本の方向が一番正しいのじゃないかというふうに私は考えるわけですが、その点はどうですか。
#36
○政府委員(宮地茂君) まあ例を出しましてまことに恐縮でございますが、あまりいい例でないかもしれませんが、クラブ活動で、たとえばサッカーならサッカーをやっておる、あるいは野球部なら野球をやっておりまして、ちょうど正規の勤務時間五時に校内でクラブ活動で紅白試合をやっておって、五回なり六回にある打者が打とうとしておる瞬間に、五時がきたのでそれまでというような、まことにこれはへ理屈みたいで恐縮ですが、そういったようなことは、私は教育的でないと思うのです。したがいまして、おおむねその勤務時間内に終わるようにということはできましても、さらばといってやはりこういうクラブ活動というものは、正規の授業時間でも、鐘が鳴ってすぐ先生がおやめになればいいのですが、区切りまで、五分十分延ばされる先生もある。これは原則としては、鐘が鳴ればすぐ先生が授業を打ち上げればいいのですが、さらばといって五分十分延びるということは、これはその場において、法律上の問題は別として、教育上の問題として、鐘が鳴りました、やめましたというのでは、それが原則ではあるけれども、例外は絶対に認めないということもおかしい。さらばといいましてそこをはっきりせよ、実は超過勤務手当と結びつくのもおかしいというようなことから、先ほど来の話を横に持っていって恐縮ですが、非常にそれこそが、教師、教育というものの他の労働、勤務と違った点でございますので、そういうことでいわゆる勤務時間外のことをはっきりして、三十分延びたからすぐ手当だとかということでなく、これははっきりしたいという意味で、処理できない、あいまいというよりも、本来そういうもの、があるということから、私ども超過勤務手当につきましても何時間というんじゃなくて、そういったような意味もあろうから、特別手当とか、調整額とか、各先生に平均して入れるといったような措置がよいのではないかという考えが出てくるのも、そういう意味でございます。ですから、はっきりしたくないという意味じゃございませんが、本来そういう点がありますので、クラブ活動につきましてもそういうことの例外を念頭において今後明らかにしていきたい。そのためには実質的には教師の勤務時間外の手当をどうするかという問題と現実の問題としては不離一体でございますので、そういうことを含めていま検討しているわけでございます。また人事院にも御要望申し上げておるところでございます。
#37
○安永英雄君 自分でも理屈とおっしゃるから、別に私も申しません。教師がそういった五分十分で、野球のバットを振り上げたときが五時だったという小さなことを私は言っているわけじゃない。いわゆる教育行政に携わる皆さん方の立場から言えば、そういったものについての報ゆる道を、本人は教育愛に燃えているために、時間がきているけれども、途中のバッターにもう一振り、二振りしてもよろしい、私も一緒に指導するという、そういうことはあったにしても、そういった教育愛に燃えておるというのが、宮地さん、やるのが、私は教育行政の意味じゃないかと思います。そのためにはやはり五時以降というのを行政的に考えていったならば、決して五時のところでバットを振るような状態はこない。私は制度のほうを先に確立すべきだ。実態という名で、教師の教育愛といったものを計算に入れた行政ではいかんのじゃないか。したがって、やはりたとえば五時以降出た場合には、本人は一生懸命に指導しておる、教育愛に燃えておるかもしれないけれども、行政に携わる者としては、それに超勤を考えてやる、こういった制度をはっきり検討して出していただきたいというのが私の希望なんです。
 私は各地方におけるクラブ活動についての裁判の状況等もずいぶん研究してみましたが、文部省は次のような立場を指導しているということが明らかになりました。この点は事実かどうか、項目を一応申し上げてみたいと思います。
 そこで指導に当たる教員の勤務条件の観点から、教員には原則として超過勤務命令はしないたてまえであり、かりに予算措置がなされた、超過勤務命令が出されたとしても、労働者に一日八時間以上の勤務を命ぜられるのは労働基準法三十三条、同三十六条の場合に限っておる。二番目には、生徒の身体的な条件から心身の発達段階が平均並みの生徒として常時クラブ活動のため五時以降まで拘束されるとすれば教科の修得に著しく支障を来たす。また労働基準法には十五歳未満の児童の労働を原則的に禁じておる趣旨によってみても閉校時以降の勤務、終了時以降のクラブ活動は妥当でない。それから学校教育法の観点から常時午後五時以降に及ぶクラブ活動は社会教育ないし社会体育の範疇に属するものとしてクラブ活動の勤務時間以降に及ぶことを禁止する強い指導が文部省から行なわれておる、これをたてにとって超勤手当は支払うべきでない、その義務はない、こういうふうに言っている点が一つ。したがって、そういう主張でありますから、教師がクラブ活動に参加する事実があっても先生の自主的参加によるものであり、正規の超勤手当ということではない。そうきちっとするなととめておるのに、先生がするのはこれは先生のかってなんだ、こういうようなことで超勤を支払うべきでない。またこれは鹿児島県の裁判所で出た問題でありますが、対外試合等に先生が引率をする、こういった場合の超勤、特に日曜あたりが非常に多いわけでありますが、こういった場合には、これは生徒が参加してかってに運動競技を競うというクラブ活動の本質をはずれたものである。したがって対外試合等の引率は主催者団体から教職員は個人として委託されておるのであるから超勤は出さない。要するにクラブ活動の延長として競技会が行なわれる、それについて引率をしておる、これは生徒がクラブ活動に行くことはこれはクラブ活動の範疇を出ておる。またそれを連れていく先生は何も学校のほうから命令したのではなくて、本人が何々、たとえば中体連なら中体連という主催者から来いと言われたから引率して行っておる。だからこれは学校として超勤手当を出す必要がない、こういうことをたてにとって、この超勤問題については、このクラブ活動に関する限りそういう論旨で大体文部省が指導しておるということは私はわかるんですけれども、文部省としてはいま申し上げたような点についてどう思いますか、本気で考えておるんですか。
#38
○政府委員(宮地茂君) ただいま何項目かにわたりまして先生からお話ございましたが、そのような整理をした形で通達とかその他指導した例は私承知いたしておりません。あるいはスポーツ団体等で、体育課長のほうの指導かと思いまして体育課長にいま聞きましたところ、体育課長も心当たりがないということでございますが、ただ先生がいまおっしゃいます点につきまして、私どもそれほど整然と何項目かで指導しておりませんが、一般的に私どもとしては、学校教育かあるいは社会教育か、学校が責任を持つべきかどうか、こういったようなことは従来から問題になりますので、要するに学校の教育課程と申しますか、学校が責任を持ち、学校が計画して当該対外試合なり、いろいろな催しに参加させる、指導教官もつけて学校として出すという場合におきましては、いわゆる学校の管理下における学校教育活動なんだから、そういう場合には学校の責任である。したがってそれが教師の方が正規の勤務時間以上ということであれば割り振りをするなり、しかるべく措置する必要があろうということで中体連かどっかでやるんで、そこから案内されておるから、そんなものはしかるべくといったような指導はいたしておりませんが、裏から考えますれば、学校として生徒を引率してそういう大会に参加させるということではなくって、学校としてはそうではないが、その教師なり生徒の自発的な考えで日曜日などは行くということであれば、学校としての責任ではないというようなことであろうと思います。なおそのような場合に、教師の教育愛に待つべきものであって、それに対して代償を求めるべきではないとかいったような考えは文部省にはございません。正規に働いた以上に働くという場合に、それはただで働いたらよいんだという考えは毛頭ございません。ただ、現実に予算も組んでないし、また正規の勤務時間以上に命令すべきでない。出張ったようなときには一週間のワク内でその出入りは調整すべきだということでございます。しかし、それにしても、現状においてはいろいろ問題があるではないかということで、ここ三年あまりの間、先生も御承知のようにこの問題について、ただで働けというんではなくって、しかも超勤手当ではなくって、教師の仕事にもっともふさわしいような形で教師に報いる方法はないかということで検討しておるのは、先生御承知のとおりであろうと思います。
#39
○安永英雄君 まあここ二、三年研究されてるという内容は承知いたしておりますが、私は基本的に現行法下におけるこういった明らかに認められる超勤については、私はやっぱり直ちにそれはそれとして実施をして、検討は検討だ、これは人事院としても認めて、はっきり総裁も言っておりました。現行法の現在におけるこのそういったクラブ活動その他、明白にあなたのおっしゃったような事実があるとするならば、私は、まずそれについての労働基準法を適用して、そうして正規のこの超勤手当を支給するその上に立ってさらに改善をしていくというんならば、私はいいと思うのです。それは長年ほっといて、そして問題がある、問題があるということで検討を引き延ばされておるというのは、私は聞こえないような気もするわけです。まあしかし、その問題は別として、次に、この修学旅行の引率、付き添いという問題について、私は文部省の見解をただしておきたいと思うわけです。そこでいつも問題になりますのは、労働基準法施行規則の二十二条、ここにただし書きがあるわけでありますが、これが私どもとしては、この修学旅行引率、付き添いという業務の内容になるというふうに思うわけです。
 そこで、一項目ずつ聞いていきたいと思いますが、文部省の指導あるいはその指導を受けての各県教育委員会の立場等をよく聞いてみますと、修学旅行というのは、いわゆる「事業場外で労働時間の全部又は一部を労働する場合」、非常に算定しにくいという場合を強調しておるわけです。だから修学旅行に先生がつれて行っているけれども、どんなことをしているのか、その仕事の内容が明確でないということで、この間の超勤手当は支給すべきでないという方針で臨んでおるような気がするわけです。私はそうではない、明確でないというふうに思うけれども、「但し、使用者が予め別段の指示をした場合」ということで、たとえば修学旅行の引率は、先生はだれだれ、そうして明確な、とにかくその間における計画、これを十分に練って、そしてほとんどその計画に間違いないようにこれを引率をし、その仕事を終えて帰ってきた場合には、これはただし書きのほうに明確に入るんだという立場をとっておるわけでありますが、あなたのほうはこの二十二条について、修学旅行との関係でどうお考えになりますか。
#40
○政府委員(宮地茂君) この労働基準法施行規則二十二条のただし書きの点でございますが、ただし書きの趣旨は、先生がお述べになられたように思いますが、しかしそれが修学旅行の場合には、このただし書きの規定に該当するという先生のお考えでございますけれども、御承知のようにそういう判決をした裁判所もございますし、そうでないということを判決した裁判所もございまして、いま高等裁判所に上告されているところでございます。したがいまして、教員が修学旅行に児童・生徒を引率していく職務そのものにつきましては、裁判所すら判断の分かれているところでございまするが、それはともかくといたしまして、そういうことでただし書きのような規定の趣旨は私どもも何ら異議を唱えるものではないので、しかし修学旅行がただし書きに該当するかどうかいろいろ議論がございますので、要は一週間四十四時間、一カ月の間に修学旅行に行った先生があくる日お休みになるといったようなことで、きめられたワク内での割り振りで処理するようにということで指導いたしておるのであります。したがいまして、やはり裁判所のはっきりした判断を待ちたいと思いますが、それにしてもはっきり割り切れない問題があるので、割り振りで措置する以外に方法がないだろうという考えで指導していることは、先生も御了承いただきたいと思うのであります。
#41
○安永英雄君 了承できないのです。これは裁判で争っていると言っても、ただし書きの趣旨というものについて、修学旅行の引率をしていくというのは二十二条のただし書きに該当するということを認めた以上は……、認めないんですか、そんなことはないでしょう。そうすると、初めから修学旅行というものはこれはもう超勤の対象にならないのだという立場をとっておられるわけですか。
#42
○政府委員(宮地茂君) 先生は、二十二条のただし書きに該当するのだから超過勤務手当を払えというお考えのように承りました。そこで、おまえのほうはどうだという御質問でございますから、そういう考えもありますし、そういう判決をした裁判所もあるけれども、そうでないという判決を出した裁判所もあり係争中でございますので、私どもとしましてはそれについての考え方は差し控えたい。しかしながら、実態におきましては一週間なり一カ月の教師の正規の勤務時間のワクの中で割り振りをして処理をするようにという指導をいたしてあります。こういうふうに申し上げたのであります。ですから先生が、二十二条ただし書きに該当しないとはっきり文部省は言うのかと、しかも二十二条でございますとか、ございませんとか言うことは、係争中でございます。いずれにも理屈はありましょうが、文部省としてはそういうこととは別に処理いたしておりますということを申し上げているわけであります。
#43
○安永英雄君 裁判の問題は、私はしごく明快に出したのですが、超勤問題については係争中だから、あとは文部省としては割り振りを考えている。時間の割り振りを考えているということですが、それでは済まされない問題じゃないかと思うのです。やはり超勤という範疇に入るので超勤を出さなければならない。出さなければならないけれども、制度上、いまのお金の問題、そういった支給の問題等が検討中だからと言うならば私はうなずけるが、そうでなかったとするならば、それはいまもちょっと出ましたが、あなたと同じように裁判所等で、教育委員会あたりは言っておりますが、出発の前日あるいは帰ってきた翌日、それは参加した先生の勤務が休みということであるなら、これらの割り振りでいいじゃないか、こう言いますけれども、それでいわゆる超過勤務の問題として、これは相殺できる問題ですか。私はそうは思わない。私も引率したことはある。これはとにかく、むしろ教師というよりも、児童――こちらのほうのやはり疲労、こういったものなり、準備、こういったものがあるから、これは振りかえという形じゃなくて、それ以外の意味があって、生徒あるいは先生の旅行の準備ということで前日あるいは前日午後からとか、準備をするために、これは勤務ですよ。教師としてはその間にいろいろな準備もしなければならない。生徒の管理上の準備もある、自分の身のまわりはともかくとして。帰ってきてもそれについての何といいますか、整理、そういったものがあるわけです。これは旅行に行ったその期間の超勤を埋め合わせるという性格のものでは決して私はないと思うわけです。
 文部省としては、前の日に一日休ませる、帰ってきた日に一日休ませるのだから、これは超勤相殺されたのだという、こういう解釈を持っておられるわけですか。
#44
○政府委員(宮地茂君) これはきわめて形式的な問題と、また実質的に教師の教育に対する愛情と申しますか、そういうものがからんでおりますので、これは私の説明も不十分でございますが、一応形式的には超勤命令を出さなければ、また超勤命令を出したと同じ実態がなければ、教師が一生懸命幾らおやりになられても、これは超勤としての扱いにはなされないというのが、教師以外、一般公務員もそうであろうと思います。一般公務員だってわが家に仕事を持って帰る人だっております。その場合に、自分は超勤命令をされておらなければ、わが家へ持って帰って公務員がその仕事に非常に熱心にしても、これは超勤手当の対象とならないと同じ面が教師にもあろうと思います。
 したがいまして、先生がおっしゃいましたこと全部否定する意味じゃございませんが、せっかく教師が生徒を何百人も引率されて、心身ともに疲労されますので、あくる日休めといっても、それは疲労回復や整理やいろいろあるであろう。それを否定するものじゃございませんが、形としては勤務しないでよろしいということでございますから、一カ月なり一週間のワク内で超過勤務の割り振りをしたというふうに形の上では割り切れる問題ではなかろうかと思います。
 しかし、実際問題としては、先生も御指摘のように、そのように割り切るのはそれはよろしくない。あくる日休むのは、教師は非常に疲れているし、整理もあるからであって、別に割り振りすべきものではないといったような実質的な問題は残ってこようかと思います。
 したがいまして、そういうむずかしい点があるので、超過勤務何時間だから、何時間の手当というのではなくて、数年来いろいろ国会議員の先生方も御心配いただいて、政府とともどもに御検討いただいておる教師の超過勤務処理に対する問題ということがむずかしい問題として残ってきておることは私ども努力しなければならぬ点だと思うわけでございます。簡単に割り切れれば、何も三年も四年もこの問題をこれだけ検討して、先ほど先生が心配しておっしゃいましたような問題にならないと思うのです。簡単に割り切れないから、形式的だけで単なる法律論で割り切れないから、そういう面から教師の実態と形式論とうまくマッチするようなよい方法ということで私どもは検討しておるわけでございます。
 しかし、現行法においては、趣旨はそうであっても現行法はこうだから、現行法に基づいて超勤をしておるのは払えとおっしゃる点については、割り振りをいたしておりますと、そのように指導しておりますと、そう言っておるわけでございます。
#45
○安永英雄君 まあしかし、割り振りをしても、実態としては超勤、いわゆる勤務外の時間にはみ出して勤務をしているという実態もあることは、私も調べているし、あなたも調べているはずです。実態は出ているわけです。割り振りをしてもできない面もあるのですよ。幾らひねくっても時間はきまっているのですから、割り振りということで時間は解決しない、これは。
 で、私はわりあいきょうは明確なところを言っているわけなんです。私の言いたいところは、家に持っていって採点をしている、いわゆる二十四時間勤務だという解釈をしている、教師というものは。しかし、学校の中におけるクラブ活動とか修学旅行とか、こういうしごく明確なものについてははっきりしなければならん。あなた方が言うように法的にきちっと割り切るわけにはいかぬという面も一部あることはわかるのです。わかろけれども、少なくとも私が問題提起しているこういった問題については、しごく明確にはかれるし、しごく明確な事実として確認できる点なのです。この点を押しても、こういった点については現行法では当然こういうものは支払わるべきじゃないかということを私は言っているつもりなんです。
 したがって、もう少し伺いますが、いまの割り切るという問題でございますけれども、たとえばいろいろな各地方における裁判所あるいは教育委員会等の解釈を見ててみますと、乱暴な主張が述べられておるわけですが、超勤手当というものを出す必要はない、なぜなら、宿泊料あるいは運賃その他いろいろな実質的な金を先生に持たせていっておるから、この中に超勤手当は入っているのだ、こういう解釈を堂々と言っているところがあるのですね。超勤手当に該当するものは教師に持たせて旅行に行っているのだ。ひどいところになりますと、教師は一緒に行っても疲労や緊張は非常に低く、実質的には観光レクリエーションなんだ、こういう乱暴な発言をするところもある。これあたりどう思いますか。生徒を引率をしていく先生が引率の旅費、宿泊費その他をもらっておるから、これについてはもう超勤手当は入っているのだ、こういう考え方です。ひどいところになりますと、疲れはせぬ、生徒と先生は和気あいあい一緒に東京見物に来て、東京タワーなどにのぼって、先生と生徒と一緒に楽しむレクリエーションだ、こういう性格のものに超勤手当は出す必要はないのだという主張を法廷で堂々とやるところがあるのです。これまで私は、文部省の指導がいっているとは思いませんけれども、実際に生徒を引率したことがありますが、とにかく、雑踏する中に雑のうや水筒かついで、踏切のところでは必死になって生徒を守りながら渡している。先生というのは戦々恐々として、とにかく二日なり三日なり、修学旅行の期間は夜も眠れない。こういう実態を称してレクリエーションだと言う。私はこういうふうに言って超勤手当を支払う必要はないという理由にするのは不届きだと思うのです。文部省としてはその点についてはどうですか。
#46
○政府委員(宮地茂君) いま先生からおあげになられました例は、片や静岡市のほうが言っておることば、片や裁判所が言っておることばをお引きになられたと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、この問題はさらに高裁でも判決があり、最高裁にいっている問題でございます。逃げるわけではございませんが、当事者同士がいままさにその両論で係争中でございますので、直接の当事者でない私どもといたしましては、それなりに意見はございますけれども、差し控えさしていただきたいと思います。ただ、実質的な気持ちを申し上げさしていただければ、先生が子供たちを引率して修学旅行に行かれるのは、心身ともに非常にお疲れになるであろうという気持ちはいたしております。
#47
○安永英雄君 時間がありませんから、いわゆる超勤問題について最後にお聞きしたいのでありますが、先ほど人事院総裁のほうから、六年間の検討の結果年内になるのか年を越すのかこれが明確にならなかったわけでありますが、いずれにせよ、何と言いますか、煮詰めの段階に人事院としてはきておるということだけははっきりおっしゃったわけです。しかもその勧告をする内容が数項目あるような感じがしましたけれども、その中でやはり中心になるのは教職員の超勤の問題だというふうに聞いておりますが、この点文部省としてこの前の委員会でしたか、次官の放言か何か知りませんが、答弁全くわからなかったのですが、西岡個人とこう言ってみたり、個人の考えでないと言ってみたりしましたけれども、全く考え方としては一致するような感じがするわけですが、文部省としてはこれを受けて、そして検討もまたされるでしょうが、政府提案として次期国会に出すと、こういった考え方があるのかどうかお聞きしたい。正式に大臣からひとつ……。
#48
○国務大臣(坂田道太君) 先ほど人事院総裁からもお答えがございましたように、この教職員の超勤問題を中心とした何らかの勧告、人事院勧告を政府にもまた国会にも出されるというようなお話でございました。私どもももう少し教職員の勤務につきましてすっきりした形で処理できるようにしたいというのが私どもの考えでございまして、その意味から勧告が出されましたならば、それを見ました上で十分ひとつ検討し、そしていま申しましたすっきりした形にしたい。それを政府提案にするのかあるいはどういう形にするのかは別といたしまして、この勧告を十分に尊重して、そして懸案の問題を解決をしたいということだけははっきり申し上げておきたいと思います。
#49
○安永英雄君 労働省のほうにお尋ねをいたしますが、新聞その他で人事院の考え方、文部省の考え方、こういったものが報道されておるわけです。そしてまたこの前西岡次官に対する質問の中からも明らかにこの労働基準法の主として三十七条、この時間外勤務手当の問題について別に特例を設けて、そしてたとえば本俸にその分を入れてみるとか、あるいは特別手当という形にしてみるとか、こういうふうな動きが非常にあるわけです。私は勧告があればそういった内容だろうと思います。きょうは明確にお答えなかったのですが、こういった状態は労働省としてはどんなふうにお考えになるのか、労働省の法を守っていく、こういったいわゆる基準法、これはもう大原則なんですね。それをさっきいろいろ質問やってみますと、私は明確だと思っておっても不明確だと、こういうふうにして非常にけじめがつかないのだと、こういうことを理由に、たとえば特例法を設けてそこで別にやっていく。これは私はもう時間がありませんから意見を一応申し上げてみたいと思うのですが、現在の各企業、事業所、こういうあたりの給料の中の超勤という問題については、非常にきびしくやっているところと、あいまいにやっているところが非常に多いわけです。しかし、あくまでもこれをやらないと労働基準法違反ということで摘発をどんどん監督署はやっている。これは私はみごとだと思います。これで一応現在何と言いますか、道がまっすぐいっていると思いますけれども、特に中小企業あたりのところでは、賃金をやるときに何とはなしにこれは夜勤手当だ、これは超勤だ、何やかやもう一括しまして、そしてそれをあるとき払いで支払っていっている。その中で労働基準監督署は徹底的にそこのところを摘発して違法だということをやってくれているわけです。今度この公務員労働者の超勤の手当の問題がそういったことで別の特例によって行なわれるというふうなことになることについて、私は他の産業、企業に非常に大きな影響を与えてくると思う。労働者の数から言っても非常に大きいいわば基幹産業――産業ということばはおかしいけれども、その基幹産業である公務員の教職員の団体に対して労働基準法をまっ向から使わないで、特例特例でやっていくというふうなことは非常に与える影響が大きいと思うのですよ。したがって、いまの文部大臣がおっしゃったように、そういう方向で検討し、国会にも出したいということですが、こういった動きについて労働省としてはどうお考えになるかお聞かせ願いたい。
#50
○政府委員(岡部實夫君) ただいま御指摘の点でございますが、人事院総裁のさきの答弁も私聞いておりましたが、目下いろいろ御検討になっておられるようでございます。そこでこの問題につきましては先生御案内のように、長い間の懸案のようにも聞いておりますし、そこで具体的にどういう案が出てまいりますか、そのときは当然私のほうにも御相談があると思いますので、具体的な点につきましてはそのときにどういう勧告が出されるか、それにつきまして出たところで私ども検討してまいりたい。ただ一般論といたしまして労働基準法は使用者が雇用している労働者に対しまして超過勤務を命じて仕事をさした場合、これに対しては所定の手続を経て超過勤務をさせると同時に超過勤務に対しましては手当を法の定めるところによって支給していく、これは一般論として当然順守してもらわなければならないことであるというふうに考えております。
#51
○安永英雄君 最後に、文部省にお聞きしたいのですけれども、先ほど勧告を受けたら慎重に検討するということなんですが、もちろん関係各省についての打ち合わせ等も十分になさると思いますが、ぜひひとつやっていただきたい。特に労働者についてはそのための審議会があるわけですから、これについてはやっぱり十分検討をなさらないと、今後のただ単に教職員間における超勤の問題が解決するというだけの問題ではなくて、あまりにも影響が大きいと私は思いますので、この点十分にひとつ検討願いたいというふうに考えます。
 次に、大学の授業料の問題についてお聞きをしたいと思いますが、当初に国立大学の授業料の問題について、これはこの前この委員会でも大臣は個人的にも、あるいは文部省としてもこの値上げについては反対だという、しごく明快な態度をお示しになっていたのでございますが、問題はやはり政府段階の問題になってきますというと、公共料金の問題というふうなとらえ方にこの問題がなってきておるということも承知いたしておるわけであります。そこで新聞その他の報道なり、あるいはさきの予算委員会等でも政府の態度が報道されておりましたけれども、まだまだ私は非常にはっきりしないところがありますから、さらにお尋ねをいたしますけれども、大蔵省あたりが主張しておりましたこの一万二千円を三万六千円、いわゆる三倍ばかり上げるという、しかも私学との関係のつり合いもある、こういうことで上げようという動きがあって、それについて、閣議等でも上げないと、こういうふうなこともほのかに聞いておりますけれども、大臣の口から、これはもう明確に、ことしの予算これは上げないのだとおっしゃっていただきたい。
#52
○国務大臣(坂田道太君) 国立大学の授業料につきましては、政府といたしましては、四十六年度は値上げを見送るということにさきの物価対策閣僚協議会において決定をいたしました。
#53
○安永英雄君 これは一年という期限はついていますか。
#54
○国務大臣(坂田道太君) 別に一年とは限定してありません。
#55
○安永英雄君 それでは問題は、授業料、主として私は私学の関係になってくると思いますから、私学の問題についてお尋ねしますが、傾向として、政府のほうで国立大学の授業料を上げるという動きに藉口しながら私学の授業料を上げるという動きが、非常に機運が高まってきておったということを私は承知いたしております。そこで、いまちょうど大学では今度学生募集やりますから、そういった受験要項等について、授業料、納付金、こういったものを書いて示さないとぐあいが悪いものですから、もうすでにその前に学校の態度として、授業料をこれだけ上げるという上げた金額をあれしないと要項が出ない。しかも入学試験は迫っておる。こういうことで、急いで各大学とも授業料を上げるか上げないかという問題について非常に話が煮詰まっておるし、進めておる。こういうことで、現在私学で、ことし、昨年と比べて授業料を値上げするというふうに決定をしておる学校はどういうところがあるか、調査されていたらひとつお聞かせを願いたいと思います。
#56
○政府委員(岩間英太郎君) 私どものほうは、授業料につきましていままで発言をしてまいったことはないわけでございますが、私立学校のほうで授業料の決定をいたしましたあとにつきましていろいろ調査をいたしておるわけでございます。ただいま、ことしの分につきましてはいま調査中でございまして、はっきりした結論が出ますのは、例年、一月か二月、全部の私学の状況がそろいましてから、私どものほうでいろいろ資料をつくるというふうなことにいたしております。しかし、現在までに仄聞しているところでは、私学全体として、授業料の値上げをしようというところは、大体、いままでつかみましたところでは十校程度、それから入学金、施設拡充費その他といろいろかね合わせまして、ともかく何か学生に関する費用の値上げをしようというところが、まあ重複はございましょうけれども五十ぐらいあるように聞いておりますけれども、全体としましては、昨年も三%程度の値上げということでございますし、私どものいまの見通しでは、やはりことしも授業料の値上げを見送るところが大半じゃないかというふうな感じがいたしております。
#57
○安永英雄君 私学の値上げ、これはもう毎年質問をしまして、いまおっしゃるとおりなんです。私は、いま、上げているこの時期に文部省の指導が入らないと、上がったあとの統計を四月にとったって意味がないんです。これは私学の中に介入しないという遠慮かもしらぬけれども、私はいつも言うように、そういうところに遠慮すべきじゃないのであって、教育内容の問題についてはタッチをするけれども、そういったところには――やっぱり私は上げないように――それはあとで私は聞きますけれども、振興財団あたりをつくったのもその趣旨なんですよ。授業料は上げない、こういった立場でとにかく指導する。それはいままではむずかしかったと思うんですよ。国立大学も上げようという動きをしておる間は、なかなか私学に対して上げるなということは言いにくかったかもしれないけれども、いま、しごくはっきり大臣がおっしゃったように、もうことしは絶対に国立大学のほうは上げないんだという立場を受けて、早急に私は私学の授業料の値上げの問題については、少なくとも、どこがどういう値上げをしておるのか、どういう理由で、それでまた値上げをしようという決定、まだきまってないのはどこなんだ、それで、それについてはどういう指導をするんだということくらいは私は文部省のほうとしてやっても決して越権ではない。この点は私はやるべきだというふうに考えますが、この点はおっしゃるとおり、あとからのことになるとおそいんですが、指導される考え方はありますか。
#58
○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘のように、私学の助成が新しく始まりまして、これにつきましては、先国会でも申し上げましたとおり、教育内容等については関与するつもりはございませんが、授業料につきましても、これは私鉄とか、あるいはタクシーの料金とか、そういうものもございますが、実際問題としまして、私学の場合には授業料まではたして私どもが関与すべきかどうかという点につきましては、まだ私は非常に疑問がございます。そういう意味におきまして、国の助成もまだ始まったばかりでございますし、そういう点から考えましても、ここ当分、授業料について文部省が指導的な役割りをはたすということはまだ差し控えるほうがよろしいんじゃないか。それから新しい補助金につきましても、これはむしろ教育研究の質的な向上ということがねらいでございまして、授業料を押えるというふうな意図でやられているものじゃございませんので、そういう点から申しましても、もうしばらくこういう問題につきましては、慎重に検討したほうがよろしいんじゃないかというふうな感じを持っているわけでございます。
#59
○安永英雄君 私学財団の方、御出席いただきましてありがとうございます。
 この前の国会で、ずいぶんこの問題を審議をして生まれたのでありますが、まず、七月に発足をしまして、そして初の、とにかく運営を進められておるわけで、なかなか、前の振興会があったそのあとというわけにはいかないような仕事が生まれてきたと思いますけれども、この法律案を決定した私どもとして非常に関心を持っているのは、初年度のことしの人件費、あるいは教育研究費、これの補助金の配分ということに非常に関心を持つわけです。特にいま、発足した当初でありますから。そこで私の感じとしては、七月から発足をして、なるべく早く――もうこれは国の予算がきまり、しかも配分するのは――あの当時は、とにかく私学は非常に危機に瀕しておる、教育の仕事も低下しておる、一日も早くこれは補助金を送り込んで、それらの該当する学校に一日も早く渡さなきゃならぬ。そうしないと――やっぱりことしの入学金、納付金等を押えるという気持ちも私ども自身としてはあったわけなんですよ。いまおっしゃったように、文部省として、初年度だからということもありますけれども、しかし、私どもの、ここで決定をして、しかも提案をしての文部大臣のあのお気持ち等は、もう一日も早くいまの危機に瀕している私学というものに手を差し伸べなければならぬ。そして、七月から発足して――私どもの気持ちとして、やっぱり来年の入学者の納入金、授業料、こういったものにいい意味で影響を与えるためにこれは決定されたものだというふうに、私どもも張り切って決定をしたわけなんですけれども、これがその後どういうふうないきさつで、聞くところによると、非常に、いまやられているところは全額配分ではないと聞きますけれども、いままでの段取りについて、概略でもいいから、発足後初めてでありますから、七月以降、発足以降の業務、特にそういった配分の問題について、時間もありませんから簡単にひとつお話を願いたいと思います。
#60
○参考人(永澤邦男君) 財団のことについて御質問がありましたのでお答えいたします。私、初めてこういう席に呼び出されましてお答えをする機会を持ちましたのですが、学生との団交は多少やっておりますが、こういういかめしい席に初めて出まして、お答えが十分いくかどうかわかりませんが、お許し願いたいと思います。
 ただいま財団のお話がございましたが、私学が長年の要望でありました人件費を含んだ私立大学等に対する経常費の助成が本年度から実現いたしまして、そしてこの配分の衝に当たるのが一つの仕事でございますが、日本私学振興財団というものがつくられましたことにつきましては、文部大臣はじめ文部当局の方々、並びに国会の文教委員長はじめ委員の方々に対して、心からお礼を申し上げる次第でございます。私は財団の一員としてだけではなしに、私学の関係者の一人として皆さんの御理解と御協力に対しまして心からお礼を申し上げます。
 私、はしなくも初代の理事長の大役を仰せつかったのでありますが、私は全くの民間人であります。私が財団の運営の心がまえを申し上げることは、今後の財団の業務のしかた等についても御理解をいただけると思いますので、あえて時間を拝借いただきたいと思いますが、私は財団の運営に当たりましては、私学人の心を心として、財団を私学のサービス機関として、また私学経営の相談所としてやっていきたい、そういう心がまえで運営にあたり、今後もそうやってまいりたいということをまずもって申し上げておきたいと存じます。
 そこで、財団の発足以来の概況でございますが、これを申し上げますと、たいへん時間をいただくことになりますが、簡単に申し上げますと、七月一日に発足いたしまして、今日まで約半年近くになるわけでございますが、非常に順調に業務を進めておるということが申し上げられると存じます。財団の運営につきましては、常勤の役員会を定例といたしまして週二回ずつやっております。そのほかに臨時はそのつどやっておりますが、週二回の定例の役員会、それから理事会、運営審議会は毎月一回開催して、重要な問題につきましては理事会、運営審議会にはかって決定するという民主的な運営をいたしております。
 それから組織につきましては、四部十課制をとっております。それぞれの部を担当するために四人の常勤理事が置かれております。現在、発足以来職員の採用もいたしまして、いまコンサルタント一名を残して、ほぼ定員を充足しておる状態にこぎつけたわけであります。
 財団の発足に伴いまして、いろいろな規程をつくる必要がございますが、現在、組織につきましてはすでに案ができ上がりまして、現在文部省のほうに提出中でございます。それから役職員の給与関係の規程、文書処理規程等は、すでに制定済みであります。――失礼いたしました。訂正いたしますが、組織規程はすでにでき上がっております。業務方法書につきましては、すでに案ができて、ただいま文部省のほうに提出中であると訂正させていただきます。
 それから財団の仕事でございますが、これは御承知かと存じますが、従来、二十七年以来ありました私立学校振興会を吸収して、発展的に解消することによって財団ができたわけでございますので、この振興会から継承いたしました貸し付けの業務は、財団の一つの仕事になっておりますが、さらに、御承知のように今度の財団法によりまして、ただいま安永委員から御指摘のありましたとおり、私立大学等に対する経常費の助成業務が今度新たに加えられたわけであります。そのほかに、寄付の募集、管理、配分といったような仕事もございます。それからもう一つは、新たに加えられました仕事で今後財団の一つの大きな特色として考えていかなければならないのは、調査、相談の仕事でございます。私は、今後財団のあり方として、この仕事を十分に力を入れて発展させることによって、財団が私学と密着して仕事が公正に、かつ効率的にやっていけるようになるのじゃないかと、非常に重く考えている次第でございます。
 この業務の内容につきましてはまた時間の関係もありますので、この辺で省略させていただきますが、そこで、御指摘の補助金の問題でございますが、概略を申し上げますと、ただいま申し上げましたとおり、この仕事は財団に課せられた新しい仕事でございまして、この交付は文部省でおやりになるわけでありますので、交付要領、それから交付要綱というものが文部省から財団のほうに渡されるわけでありまして、私どもは、この文部省から交付されました補助金の配付に当たるわけであります。したがって、その配付につきましては、いかなる基準によって配付するのが目的に沿うかというような立場から、配付の基準というものをつくらなければなりません。ただ、この配付基準というものは、私どもにとりましてはまた初めての仕事でありますので、ずいぶん慎重に扱っているわけでございますが、しかし一方に、ただいま安永委員の御指摘のとおり、この今回の補助金はできるだけ早くもらいたいというのが私学全般の熱望であります。私も私学人として、ぜひ年内にこれを私学の手に、困っている私学の手に届けたいということを考えまして、職員諸君にはまことにお気の毒でありましたが、年内配付ということを至上命令としてやれということで、実は財団の職員諸君は日夜、夜もおそくまで、休日も返上して、この仕事に当たってまいったわけであります。しかしながら、この配分基準というものは新しいものでありますので、どなたでもやはり一応納得のいくような形のものにしなければならない。そうして、それを通してやはり補助金の効果を十分上げるようなくふうが必要であるというので、これらの原案の作成についてはずいぶんと苦労をいたして今日まで至っております。で、大体骨子はほぼ固まりまして、もちろんその間、文部当局とも十分な協議を進めてまいってきておりますが、骨子はほぼ固まってまいりましたので、九月、十月、十一月の運営審議会にもこれをおはかりして十分に意見を聞いてまいった次第であります。
 それから、その間この立案に要する基礎資料の収集、確定というような仕事にも全力を注ぎ、幸いにこのたびできました調査相談部の機能を利用いたしましてこれに当たってまいったわけでありますが、九月には各大学の方々にお集まりをいただきまして、全国の二カ所で八日間にわたりまして、三つの会議を開きまして、個々の大学から実情を直接聴取するということも行なったわけであります。十一月の末から十二月にかけまして、補助金事務の取り扱いにつきましての説明会を東京で開催いたしました。
 それから、まあ御承知と存じますが、去る十二月三日にこの一部の交付の内示をいたしたわけでございますが、とにかくもう年内余日もございませんので、大体ことしの末までに何とかこれをお届けいたしたいということですが、御承知のようにただいま郵便事情も非常に悪化しておりますので、財団としては全国を八ブロックに分けまして、財団から職員を各地区に派遣いたしまして、この申請書を受け取り、それと申請書を受理し、それと同時に決定額をお渡しするというようなサービスもいたしておる次第でありまして、まあ決して一部から申されるような第二の文部省的な存在でないということは、われわれのサービス精神を通しても御理解いただけるかと存じます。
#61
○安永英雄君 もう、ちょっと時間がないので……。
#62
○参考人(永澤邦男君) よろしゅうございますか。どうも不十分でまことに申しわけありません。
#63
○安永英雄君 質問の予告をしておったのを全部言われておりますので、たいへん詳細に説明いただきましてありがとうございました。時間もありませんから、私は要望という形で、あとまだ他の委員の方もおられますから、要望ですよ。
 一番気がかりなのが、やっぱりいまおっしゃったんですけれども、配分基準の問題です。これは私はいまお話しのようにかちんと固まったものでもないし、初年度のものですからね。私は今後改正をされていく弾力性のあるものではなかろうかと思います。そこで、この項目について私はあげませんけれども、私どもがやっぱりはっとしますのは、いまもいみじくもおっしゃったけれども、文部省と十分打ち合わせをしているということばがございましたね。私ども一番この法案をつくるときに心配したのは、文部省から金がくるので、財団その他私学が絶対何やらかにやらで押えられやせぬかという気持ちが、これは保守も革新も問わずみなあったわけです。大臣も議事録を見てみますというと、何回も何回もこの問題については、人事その他しさいな問題まで入ってタッチしようと思わないと繰り返されておったわけでありますが、この何と言いますか、配分の基準を見ますとぞっとするわけです。と申しますのも、これは結局文部省が出しておるような基準になっている。私は私学の性格からいってふさわしくないと思うんです。これはそのままそっくり文部省がいままで私学に対したり国立学校に対する締め上げ方と同じ内容なんですよ。私はこの点、中は申しません。しかし一つ申し上げておきますのは、この役員、職員の間の争いによって係争中のため、あるいは代表者が不明確なものとか、あるいは争議行為が行なわれておる、紛争が行なわれておる。そういうことを何とか、とにかく消そうというのが財団の趣旨なんですよ。大体調べてみますと、これは文部大臣も強調されたんですけれども、やはりいろいろなことがあるけれども、私学で一番問題は資金面、金の問題です。大いにつぎ込まなければいかぬとこうおっしゃっておるんですが、現にいま争議が行なわれておる。これの火消し役に私は財団が立つべきではない。あるいは学校の中でいろいろな問題、聞きたかったのは東邦大学あたりも問題なんですけれども、学校の中のいわゆる職員と理事者側の関係とがいろいろな紛争が行なわれておる。こういうところには貸さない、やらないぞとか、ストップをかけるとか、減額するとか、こういう項目がある。私はそうではなくて、時間がありませんから具体的に私の考え方は述べませんけれども、さっきおっしゃったように、私学の心を心として、そして私の言いたいところをずばりおっしゃったんですけれども、財団の一番大きな任務は、私学の経営に関して情報の収集、調査及び研究を行ない、並びに関係者の依頼に応じてその成果を提供するという、ほんとうに親身になった調査、中に入っての相談相手、こういった形の中からおのずからケース・バイ・ケースで補助の金額あたりもきめていくのが私は穏当ではないかと思う。あまりにも四角ばった文部省と十分打ち合わせをした結果の九つの基準が出ておるのは、これは財団の性格から言って穏当でない。こんなものを並べておいて、そうして金の配分のときに、その紛争とか何とかという問題がどれだけ影響しますか。これはやりきりなんです。返済能力が云々という問題になったら、いろいろな問題が出てくるかもしれませんけれども、やはりつぎ込んでやって、そしてそれが紛争の種も消していくし、そうして目的を達成するというふうなことで、私はこの点希望としまして、この基準の問題についてはなるべく文部省と打ち合わせをしないで、そして独自の立場でやはり本来の私学の心を心として、そうしてこの実際の具体的に当たってきめていくような、基準は要りますよ、私は基準はなければ何にもならぬと思います。行ったところだけ、わかったところだけやるという、そんなことはとてもできませんし、全部調べることはできませんけれども、長い間ですから、それの出発ですから、いま。私はそういう気持ちで運営してもらいたい。これだけを希望して終わりたいと思います。
#64
○参考人(永澤邦男君) ただいまの御趣旨よくわかります。また私も同感するところが少なくないのでございますが、まあやはり公正に配分するということが非常に大切なことでありますので、まああるいは文部省的だと言われるかもしれませんが、私どもはやはり教育研究条件の向上と、それから経営の安定ということをやはりその状態を客観的に把握することが公正を期するゆえんであるというような考えから、計数的にとらえ得るものを基準の重要な項目と考えるわけであります。
 それからそのほかに、やはりいま御指摘のありましたとおり、私どもは調査を通じまして、学校から具体的な事情をお伺いし、それによってさらに額を案分する道も残されておるわけです。ですから決して画一的にということでなしに、さらにそこに具体的な事情も考慮されてくるという仕組みになっておるので、まあまあ御趣旨にそうはずれていないのではないかと思うのであります。
 それから私どもあまり文部省と協議し過ぎるというような御指摘ですけれども、私どもは一番私学の実情を知っておりますから、それに立って文部省ともお話をしておるわけで、言いなりになっているわけではございませんから、どうぞ御心配くださいませんようにお願いいたします。
    ―――――――――――――
#65
○委員長(楠正俊君) 委員の異動について報告いたします。
 本日、津島文治君が委員を辞任され、その補欠として二木謙吾君が選任されました。
 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十三分開会
#66
○委員長(楠正俊君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。
 本件について質疑がある方は、順次御発言願います。
#67
○柏原ヤス君 日本私学振興財団の方々にはお忙しいところを参考人としておいでくださいまして、まことにありがとうございます。財団の方に直接お聞きしたいと思っておりましたのでおいでを願ったわけでございます。安永委員の質問が午前中にございまして、経過については伺いました。そこで私は直ちに問題に入りたいと思っております。持ち時間がきめられておりますので、なるべく時間を短くお答え願いたいと思います。
 まず、今回の補助金は、少ないながらも、私学は財政の苦しい今日大きな期待を持っておるわけでございますが、新聞等の報道によりますと、補助金交付の対象から除外されたり保留されたりした大学があるようでございます。で、保留された大学、対象から除外された大学は何校ございますでしょうか。また、その理由はどのようなものか、具体的にお答え願いたいと思います。
#68
○政府委員(岩間英太郎君) 財団からお答え願うのが筋でございますが、私ども承知いたしておりますのでお答え申し上げます。
 今回の補助金の配分の対象外となりましたものは約四十校ほどございます。その理由としましては、大部分が経営上の問題がある学校でございまして、たとえば私学振興会から借り入れ金をいたしておりますが、長期にわたって返さない、あるいは私学共済の掛け金を長期にわたって滞納をしておるというふうな学校でございまして、そういう学校に補助金を差し上げましても、はたして何に使っていただけるかという懸念が非常に強いわけでございまして、そういう学校が大部分でございます。しかし、中には、従来補助金の適正化法に違反をいたしまして国から不正に補助金を受け取ったというような学校も含まれております。これは言うまでもなく、国庫からの補助金を差し上げても、はたして有効に使っていただけるかどうかという問題があるわけでございます。それからさらに一部紛争校がございます。これは先ほど安永先生からもちょっとお話がございましたのですが、私どもが紛争していること自体がいいとか悪いとかという判断をしているわけではございませんで、そのために教育研究というものが実際上途絶している。実際に教育研究が行なわれないのに教育研究に対する補助金を差し上げるというのは筋が立たないわけでございまして、そういう学校につきましては、その紛争の期間中は補助の対象にしないということでございます。たとえば一カ月紛争が行なわれました場合には、それ相応の補助金の減額がある。それから長期にわたりまして紛争が行なわれまして、実際上年間を通じてほとんど教育研究が行なわれないというような場合には、これは補助金を差し上げるわけにはいかない、そういうようなことでございます。
#69
○柏原ヤス君 今回の配分では百三十二億のうち七〇%の四分の三、約七十億しか内示はしておりませんが、その理由はどのようなことなんでしょうか。財団にお聞きいたしたいと思います。
#70
○参考人(池中弘君) お答えいたします。今度の経常費補助金の配分でございますが、大きく分けまして、普通の教育研究活動をなさっている大学に対しましては七割の部分は平等で交付する。それから残りの三割の部分を調整部分に充てたわけでございます。それで十二月中に、今年中にどうしても私学のために補助金を出したいということでわれわれ努力してまいったわけでございますが、とても全部の調整分を含めた部分で配分の計算をするというには、いかにわれわれが努力いたしましても時間的にも間に合いませんので、今回の年末に交付する部分は、その七割の平等に交付する部分だけをとりあえず概算としてお渡ししようということでやったわけでございます。それで、その結果、約七割の部分は九十億くらいになるわけでございます。ところで四十五年度現在、第三・四半期が終わっておるところでございます。そこで九十億の四分の三、それを資金として本年の末、十二月に交付する、そうして四分の一の残りの部分は、また来年に交付する、こういう仕組みになっております。それからまたあらためて第二次の、その調整分を含めた分の交付決定なり、資金の交付はまた別にやるわけでございますが、とりあえず第一次分として九十億を決定し、その四分の三の約七十億を今度資金交付する、こういうことになっておるわけでございます。
#71
○柏原ヤス君 「補助金の配分について」という配布の書類によりますと、「残額については、各学校の実態に即して、配分基準に基づく所要の調整を行なったうえ、年度内に交付する予定である」とございます。この「実態に即して」とか、「所要の調整」というようなことばは一体どういうことを意味しておりましょうか。これをわかりやすく言うと、各学校の状況により補助金の配分に重みづけをする、そのために三〇%を残したと、こういうふうに考えてよろしいのでしょうか。
#72
○参考人(永澤邦男君) この配分基準というものはまことにむずかしいものでありますので、まあ私どもとしてはできるだけ――貴重な国民の金でございますから、これが公正にまた公平に渡るように、そして同時にまた教育内容の充実向上に資すると、そういう趣旨を生かすように配分基準というものを考えておるわけでございますが、この補助金の趣旨が御承知のとおり本来私立学校教育の内容の充実向上と、あわせて私立学校の経営の安定に資するという趣旨で出ておるものでございますので、この配分の基準につきましてもそれぞれの学校の教育条件の充実度というものにまずわれわれは目をつけたわけであります。で、この趣旨が教育内容の充実向上にある以上は、現在その学校の持っておるスタッフあるいは学生の数とか、あるいは学生定員に対して現在どのくらいの学生がおるか。中にはずいぶん定員の四倍も五倍もというようなところもございますし、また一方では定員に満たないような学校もある。そういう定員と学生の実員との関係ということも教育の条件として非常に重要視しなきゃならぬ。それから先生がどのくらいおるか、学生数に対して適当な数の先生がおられるかどうか、それから学生に対して校舎や校地がどのくらい、運動場といったものがどの程度整備されておるかというような教育条件ということに一番重点を置いて考えたわけです。
 それからもう一つは、やはり私立学校は御承知のように学生の納付金がその収入の大半を占めておりますものですが、この授業料を含んだ学生の納付金が、これが学生のために、学生の教育研究のためにどの程度還元されておるか。せっかくの学生の納めた金が法外な管理費やなんかの面に使われてしまっては、これは学校としての機能を十分果たしておると言えないわけですから、学生納付金が先生の給料やあるいは学生の指導費とか、教育費、研究費等にどれだけ配分されておるか、使われておるかというようなことも重要な着目点としてとらえておるわけです。
 それから、あとはこれは経営の安定に資するということでありますので、その学校の管理運営体制が整備しておるかどうか、それから事務の処理能力がどうであるか、そういうような点に目をつけたわけでありますが、しかし私どもとしてはこれが公正な配分を期さなければなりませんので、できるだけ私どもの恣意的な、主観的なものが入らないようなことを考えまして、それでただいま申し上げたような数字、計数的にとらえ得るような要件を取り上げて、それで学校の整備状態、教育研究の条件の整備状態、それから管理運営の状況等をとらえてこれらを勘案して交付金額を調整してきめる、そういったやり方を考えているわけであります。
#73
○柏原ヤス君 この残りの三〇%はそうした重みづけをして配分するとしましても、今回の七〇%の配分については、ここにございますように「専任教員の数に応じ、一律に配分することを原則とし、」とございますが、そのようにこの七〇%の配分は一律に配分すると、このように解釈してよろしいのでしょうか。
#74
○参考人(池中弘君) 御質問のとおりでございまして、原則としましては一律に配分いたします。ただし、今度は概算でございますから、多く概算で出し過ぎて、そうして最終的に来年の二月年度間の決定をする場合に多く出し過ぎたために取り消しをする、あるいは返還をしてもらうというような事態が起こっては、大学のほうに対しましてもまた財団としましても手数でございますので、そういう点を勘案しましてやはりかた目に出しております。したがって、通常の教育研究をなさっておる大学につきましては七割出しております。しかしこれでは出し過ぎになりはしないかというところは、それよりも少ない金額で第一次分の決定をしようという考えでございます。そこで原則としてということがついているわけでございます。
#75
○柏原ヤス君 私がここで心配になることは、あとでも触れますが、こういうことが私学の自主性をなくしていくということになると思います。これはあまりいい例ではありませんけれども、馬の前にニンジンを出して走ったら食べさしてやるぞと、こういうような――私学は補助金がほしいのが当然でございます。それを三割ぐらいを残しておいて、成績のよいもの、文部省、財団の言うことを聞いたら補助金はふやしてやるぞというように、この三〇%については受け取れるような気がいたします。このようなことをするから私学への介入ということが出てくるわけですが、このような配分はやめるべきだと思いますが、大臣はどうお感じになっていらっしゃいますか。
#76
○国務大臣(坂田道太君) 私は基本的なこと、基準等についてはとやかく――一応の基準等は示したわけでございますけれども、実際上の配分につきましてはやはり日本私学振興財団ができたわけでございますから、その自主性にまかせるということが望ましいと、こういうふうに思っておるわけでございます。
#77
○柏原ヤス君 それは私学振興財団にまかせるのが当然だと、そう思いますが、ここでお伺いしているのは、この三割を残したということに対して、大臣はどうお感じですかということをお伺いしているわけです。
#78
○国務大臣(坂田道太君) 私はやはりそれも一つの方法ではなかろうかというふうに考えるわけでございまして、そうでないと、せっかくこの何といいますか、教育研究の向上のためにという一つの目標があるわけでございまして、私学と申しましても非常にいい私学もあればそうでないものもある。そうしてやはりよくない私学はいい大学になってもらわなけりゃなならない、そういう気持ちがありますし、そういう目的がございますから、やはりそれは三〇%残すということも必要じゃないか。それからもう一つは、特に配分を早くしなきゃならぬという一つの要請もございます。しかし、その配分の基準等を、初めてのことでございますから、きめる場合には慎重を期さなければならない。先生方からとやかく言われないようにぴちんとしなければいけない。それにはやはり相当の時間がかかる。しかし、非常にほしいわけでございますから、そこで概算で七割ぐらい、まず年内にやっちまおうというようなことも、特にことしの場合は必要であったというふうに私は思うわけでございます。このほうが私学側に対する思いやりのある配分ではなかろうかと、かように考えております。
#79
○柏原ヤス君 大臣のお答えに対して、私はこれが思いやりであるというふうには感じられないのですね。やはり馬の前にニンジンをつきつけて、しっかり文部省や財団の言いなりになったところに多くやるぞというような感じがどうしても、ただいまの大臣のお答えでは、自分の心の中に打ち消されないような感じがいたします。
 次に、取り扱い要項に、補助金交付の対象からはずす項目として、九項目があげられておりますが、この各項目ごとに今回補助対象からはずされた大学は何校ずつあるか、これを項目にあわせてお示しいただきたいと思います。
#80
○参考人(池中弘君) 欠格条項ごとの学校数ということでございますが、今回内示を見送りました大学は四十校でございます。大部分は当私学振興財団または私立学校教職員共済組合に対する掛け金を長期に滞納している学校、それが大多数でございまして、その数は二十六でございます。で、残りの十四校でございますが、紛争の関係が四、それから補助金関係の資料を当財団に御提出お願いしておるわけでございますが、全然出していただけないというところが四校ございます。そのほかといたしまして、学校を処分することを計画されているものとか、そのほか学生の募集を停止されているものとか、あるいは教育研究条件がきわめて悪いといったもの、そういうようなものがございます。しかし、これで見ますように、大部分は財団に対する借り入れ金の長期滞納、あるいは私学共済に対する掛け金の長期滞納、それと紛争四と、そういうものがおもなものでございます。
#81
○柏原ヤス君 この九項目の中に「教職員の争議行為等により、教育・研究その他の学校運営が著しく阻害され、その期間が長期に及ぶ学部等」、それからもう一項目ケの欄に「施設の占拠又は封鎖、授業放棄その他の学生による正常でない行為により、教育及び研究に関する機能の全部を長期間休止している学部等」と、この二つの項目があげられておりますが、これは補助金交付の対象から除外されております。ここで「著しく阻害され、」とありますが、この「著しく」というのはどの程度であるか、これでは明瞭ではないと思います。で、この辺の基準ははっきり定めるべきであると思いますが、これらの実態調査は行なわれてなされるものなんでしょうか。
#82
○参考人(池中弘君) 正常な教育研究あるいは教育活動が著しく阻害されているかどうかということでございますが、その事実認定にあたりましては、まず事実を的確に把握することが必要だと思いますが、その上で補助金を交付することによってその効果が期待できるかどうかという判断の問題になってくるわけでございます。それでわれわれとしましては、その判定に慎重を期さなければならないという考え方でございまして、当私学振興財団に運営審議会がございます。それでこういう条項に当てはまるために交付の対象から除外するというようなものにつきましては、一件一件その運営審議会にはかりまして、そういう措置が妥当であるかどうかということを諮問し、その結果によりまして、慎重に処理しておるわけでございます。しかしその著しく阻害するということを、いかなる基準を設ければ公平であるかということでございますが、われわれとしましては、この補助金の額の算定に当たり、数字であらわせるものはなるべく係数を使うことによって各大学校間の公平を期したいと思っておりますが、事柄の性質上どうしても係数的な判断だけでは処理ができないというものもございます。まあこの場合もそうでございまして、何が著しく阻害するかどうかということのさらにこまかい基準をと言われましても、まあ検討はしてみたいと思いますが、現在のところまだつくってはおりません。運営審議会に事情をよく説明いたしまして、その上で慎重に処理を行なうという方針でございます。
#83
○柏原ヤス君 いまのお答えで審議会で慎重にはかっているということでございますが、私のお聞きしたいのは、その審議会にはかる前に実態調査が行なわれているかどうかという点でございますが、いかがです。
#84
○参考人(池中弘君) 実態調査はわれわれの能力の許す限り行なっておるつもりでございます。ただ時間の余裕、人員の余裕がございませんので、必ずしも万全であるとは言えないかもしれませんが、できるだけやっております。それで今回の場合、できるだけ大学のほうからおいで願って事情をお聞きする、一方われわわれのほうからも出向きまして実情を見せていただくというようなこともやっておるようなわけでございます。
#85
○柏原ヤス君 それでは調査の件についてもう少しお聞きいたしますが、この項目も九項目で、また対象になる学校は五百二十二の学校法人、これらについて調査をするということは非常にたいへんな仕事の量だと思うわけです。で、この項目の一つに「教育研究条件が極めて低く、補助効果が期待できない」と、こういうものははずされることになっておりますが、このように教育研究条件が極めて低いと、この低いという基準はどういうふうにしてきめているのか、これはやはり調査でなければできないと思います。この点基準はどういうふうにおきめになっているかという点をお聞きいたします。
#86
○参考人(池中弘君) 基準でございますが、先ほども申さし上げましたように計数的に把握できるものはなるべく計数で把握しております。たとえば学生の定員というものはきまっておりますが、その定員に対して学生数がどの程度いるか、五倍六倍というところもございますし、中には何分の一しかおられないというところもございます。あるいはまた専任教員の数に対して実際の学生の数がどの程度あるかということを見ましても、やはり一人の専任教員が受け持つ学生数というものはある程度限度がございますので、それを越えてはいないかどうかということも一つの項目として見ることにしております。また校舎、校地というものが実際にいる学生に対してどうであるか、あるいは設備とか図書というものが十分にそろっているかということで、まあそういう計数的に把握できるものはあくまで計数的に把握します。しかしそれ以上この補助金を交付することによって効果があがるかどうかという計数でははかれない部分につきましては、実際に調査に行くなり、あるいは大学当局からおいでを願って説明を聞くという方法をとっております。さらに最終的な決定は運営審議会にはかってきめる、まあ慎重な処理をしておるようなことでございます。
#87
○柏原ヤス君 大臣にお聞きしますすが、ただいまお答えがありましたように、学校の教育研究条件というものを学生の定員とか専任教員の数とか、あるいは校地・校舎また図書の数、そういうようなものだけで云々される面が非常に多いと思います。これだけで判断できると思っていらっしゃるか、しかもこれもほとんど現地に行ってないように思われますので、この提出書類だけでチェックする、あるいは大学から来た人から聞いてきめているというような決定のしかたはどうか、これを大臣にお伺いいたします。
#88
○国務大臣(坂田道太君) 日本私学振興財団ができましたのはことしでございます。でございますから、この運用というものは長い年月をかけまして努力をする、その過程においてやはりりっぱな公正な補助金の配分というものがなされるんじゃなかろうかと思います。私先般イギリスに参りまして、UGCがどうやって大学からも信頼をされ、また政府からも信頼をされ、あるいは国民の側からも信頼をされておるかということは、そういう長年のやはり努力と申しますか、積み上げがUGCをして定着させたものであるというふうに思うのでございます。御承知のとおりにUGCでは五年間に一回ですね、予算を一括して申請をするということになっておりますが、その五年間の間にこのUGCのビジター、訪問者というコンサルタントみたいなものでございますが、その委員会が必ず一回は訪問をするということになっておるわけです。でございますから、そういうような組織も実は御審議をわずらわしたときに、たしかわずか三名だったと思いますが、将来はこのビジターもコンサルタントももう少しふやしていかなきゃならぬと思いますが、そういうふうにして大学側の実態を大学当局だけじゃなく、あるいは学生その他事務職員等の話をよく聞く、そして言い分はちゃんと言い分として聞き、またこちらの言いたいことも言うというようなことで最終的な判断をしていくということで、一応計量的、計数的に整うものはそれによる、しかしそうでないものもたくさんあるわけでございますから、その点についてはいま先生がお述べになりましたようなことをやはり将来はやっていかなきゃならない。しかしながら、とにかくことしできたばかりで、そして目前に年内に配分をしたいという一方の要請もございまして、現在の陣容からするならば、まあ精一ぱいの努力をされたんじゃなかろうかと、こういうふうに思います。
 だからというて、これで十分である、完全無欠であるというふうにはあるいはならないかもしれませんが、しかし御当局は完全無欠なものに近い線までのぎりぎり努力をされたというふうには私は考えておるわけでございます。
#89
○柏原ヤス君 確かに将来は非常に金額もばく大になり、大きな力を発揮するものだけに慎重にやっていただきたいと思いますが、またそれだけ出発が大事じゃないか、最初にいろいろな疑惑を感ずるような、また公平を欠くようなことが行なわれていたのでは、将来一体どうなるのか、こういう点を心配してお聞きしたわけでございます。
 次に、財団にお聞きいたしますが、この人件費の助成に携わっております職員ですね、これは何人ぐらいおりますですか。
#90
○参考人(池中弘君) 財団には全員では百十二名の職員がおります。しかし、そのうち、この補助金の関係に従事しておる職員は直接は十五名でございます。そのほかに調査相談部がございまして、そこの職員は全面的にわがほうの調査に協力をしてもらっております。その人数は二十名でございます。よろしゅうございましょうか。
#91
○柏原ヤス君 その十五人という人数が直接携わっている、五百校以上もの大学に向かって、先ほど言われましたように九項目の内容にわたってこれをチェックするというのですから、非常な仕事量になると思われます。わが党の総点検の経験からいいましても、これは容易な仕事じゃないんじゃないか、またアメリカでもニクソンの教育教書の中では教育効果の調査に膨大な予算をとっている、こういうことから考えますと、非常に心配なわけです。財団が発足したのが四月で、大体五カ月足らずの間に、いまお聞きしましたように十五人の職員で行なったというのですから、正確な調査はとてもできないのではないかと、こう思います。聞くところによると、コンピューターも使われていない、こういう点で大臣はどうお思いになるでしょうか。
#92
○国務大臣(坂田道太君) こまかい問題は、いろいろこれはあるかと思いますけれども、しかし大づかみといたしまして、大局を誤るようなことはないというふうに私は思います。そしてこれから先、緻密にほんとうに目的の公正公平ということは、やはり時間をかけていかなければならない課題だというふうに思っております。
#93
○柏原ヤス君 今回の内示について、私学側は財団に対して異議を申し立てることができるような制度があるのか。この取り扱い要領にずっと目を通しますと、そのようなことは全然触れておりません。非常に文部省的と言おうか、お役人的と言おうか、天下り的と言おうか、ありがたく受け取れよというような感じになるわけでございますが、この点いかがでしょうか。
#94
○国務大臣(坂田道太君) 柏原先生も御承知だと思うのですけれども、この日本私学振興財団の中の運営審議会というのがございます。この運営審議会のメンバーというのはまあ私学の方々が大部分なのですね。その方々がそれに携わっておられるわけでございますから、先ほどからどなたも文部省的、文部省的だとおっしゃっておられますけれども、実を申しますと、いままでのその方々は文部省のやり方に対しては、ちょうど先生たちがおっしゃっておるようなことをおっしゃっていたわけなのです。そういう人たちのみずから私学のため、そしてまた理事長は私学人の心を心としてやろうと、こうしているわけでございまして、かなりいままでとは違った、私学側としてはいままで文部省に対して考えておったとは違うというふうな受け取り方をしておられるのではないかと私は思っておるし、そのことは非常にいいことだというふうに思っておるのでございますが、まあ理事長さんからも、もし何か……。
#95
○参考人(永澤邦男君) ただいま御指摘のあった調査能力の問題でございますが、確かに私どももまだ決して十分だとは思っておりません。先ほどお答えいたしましたような人数でございますので、それに発足早々でございますので、まあ十分とは、しかもきわめて短時間でございましたので、まあ私といたしますればよくやってくれたと、ほんとうに私学のためを思えばこそ職員諸君はよくここまでこぎつけたと言ってほめてやりたいような気持ちで一ぱいなのでございますが、しかし将来の問題といたしますと、柏原委員のお骨折りによりましてこういう方面の職員をもう少しふやしていただきまして、平素から十分な調査ができるように、またそのためには出張の旅費、調査費も相当に要するわけでございますから、そういう点につきましても今後御配慮を願いまして、もう少しそういう面の能力を強めれば、財団としても柏原委員の御期待に沿うように一そうできるのではないかと思っておりますが、現状では乏しい力ですけれども、これをフルに活用してやっておると、そこの点はひとつ御理解を願いたいと思います。
 それから、先ほど御指摘がありました補助金の七割はどうかというような、あとの三割は馬のニンジンのようなたとえのお話がありましたけれども、私がお答えしなかったので申しわけなかったのですが、私どもの今度の配分についての基本的な考え方を申し上げますと、御承知のように、この補助金には二つの目的がございます。繰り返すようでございますが、教育内容の充実向上ということと、もう一つはあわせて経営の安定に資するということでございます。現在の私学の実情を申しますと、私立学校はもうこの四、五年の間授業料を据え置いたままでおりまして、もうことしは全私学が授業料を上げなければならないぎりぎりのところに参っておるわけでございます。言いかえれば、私学の財政は窮乏のどん底にあると言っても差しつかえない。そこで私どももこの配分をどういうふうに配分したらいいかというところで、まあ七割辺まではこれを私学の経営の安定に幾ぶんでも役立つようにと思いまして、その七割程度はこれを平等に分ける。それであとの残りをまあいろいろな事情を勘案して調整に充てる。そういうような線を私どもは現状に即して一番まあまあ良識のあるやり方ではないか。財団のこの配分につきましては、財団法でも規定されておりますとおり、効率的な配分をしろということが法律でも申されておるわけであります。それから長年もう国としても総花はいかぬ、効率的な配分をせよということを絶えず申されているわけでありまして、われわれとしては、本来この程度では七割をパーで分けてあとの三割でメリットを加味するという程度では甘過ぎるのではないかという御批判もあるような次第でありますが、もっときびしいメリット主義に徹底せよという御要望も、強い御意見もあるのでございますけれども、まあ私どもは私学の実情を十分勘案して、この程度な三私学側も何とかなるし、また国のそういう効率的な配分をせよという要望にもこの辺の線でおこたえできるのじゃないかということで、七割と三割という線が出てまいったわけでございまして、決して私学をそういうほうに誘導するえさではございません、考え方としては。
 それからもう一つここで申し上げたいのは、私どもも今回の財団の配分は私立大学の内情、内部に関与するものだというような御批判もありますので、私どもは一切大学の自治にはこういう仕事を通しては関与しないということをはっきりうたってあるわけでございまして、そういう意味で配分の基準についても御批判があるかもしれませんが、ああいうふうに計数的な、どなたも納得のいくような基準を考え出したわけでありますが、しかし、まあ今後これをやってみまして、また各方面の御意見も伺い、将来、来年度にはさらによりいい基準を考えていきたいというふうに考えております。
#96
○柏原ヤス君 いままでに異議を申し出てきた大学が同校ぐらいありますか。この内容はどのような内容なのでしょうか。財団にお聞きいたしたいと思います。
#97
○参考人(池中弘君) 現在のところ異議を申し出てきたところはございません。今回出しましたのは平等に原則として七割出しているわけでございますからして、別に異議というものはいままでのところきておりませんです。
 それから、ちょっと補足させていただきますが、先ほど直接補助金の事務に従事するのは十五名、それから調査相談部で二十名の職員がございます。そのほか、財団ができる以前は私学振興会と言っておりましたときで約二十年の歴史を持っておりまして、融資の仕事をしているわけです。私立に対する融資の仕事で、それで融資部では学校の財政事情だとか私学の状況というものは相当詳しく知っておるわけでございます。そこで内部の融資部のほうからわれわれへ状況の連絡を受けまして、非常に仕事の参考にしておるようなわけでございますことをつけ加えさせていただきます。
#98
○柏原ヤス君 いままでいろいろお聞きいたしましたが、やはり財団の調査は不十分であると、公平を欠くということはあり得ると思うのですね。この調査が十分にできなければならないと感じますので、私大側が申し開きができるような場を与える、それぞれの言い分を文部省、財団に気がねしないで言えるような場所を設けるべきだ。そうして補助金の配分に公平を期すようにすべきであると思います。特に将来は経常費の二分の一までにするという方針であり、これはばく大な金額になりますので、特にそのように注意すべきと思います。で、この点大臣と理事長のお考えをもう一度確かめたいと思います。
#99
○国務大臣(坂田道太君) その点はお説のとおりでございまして、先ほどから理事長も申されておりますように、この日本私学振興財団というものは敵と味方ということではない。配分するものと配分を受けるものという関係ではございますけれども、そうではなくて、大学の何と言いますか、経営の安定というものについての相談を親心としてともにやってあげるのだという、そういうサービス機関なんだということを、理事長みずからそういう気持ちで当たっておられるわけでございますから、やはりそこはおのずと、日本私学振興財団というものが新たにできたというのは、われわれ文部省が直接やるのとは非常に違う。しかもその理事長さんが私学のことをすみずみまで、実はみずから慶応大学を経営して、骨身にこたえてわかっておられる方でございますから、同時に、ほかの私学の状況等についても明るい方でございますから、私はこの理事長さんを信用いたしまして、ひとつある程度とやかくを言わずに、しばらく時間の経過を待ちたいと、そうしてわれわれ文部省として果たすべきことは、いまの先生のお話のような人数の問題であるとか、あるいは今年度の予算要求に対して、やはり私学財団がおっしゃるような線を確保してあげるということが、私どもとしての責任じゃなかろうかと、配分のほうは、あげてひとつこちらにお願いをすると、こういう態度でまいりたいと思っておる次第でございます。
#100
○参考人(永澤邦男君) まあ私ども念には念を入れてやっているつもりでございます。まあいまのところは特に御異議を承っておりませんが、おそらく二月の最終決定になれば、あるいは各方面からいろいろ御異議も出てくるかと予想はしております。私ども何も閉鎖的な考えを持っておりませんので、その節は喜んで皆さんと話をして、また事務的に処理できるものは御要望に沿うようにも努力いたしたいと思っております。それから先ほど来申し上げましたように、運営審議会におきましても、私学の各団体の会長が委員になっていらっしゃいますので、そこでも十分に私学側のそういう意見なりを聞き、また意見を申される場が設けられておりますので、そういうところでもこれは処理できるかと思っておりますが、今後できるだけ、さっきも申し上げたようにサービスの精神で大臣の要望にもおこたえできるようにいたしたいと思っております。まあ私もあれですが、しばらくひとつどういうふうにやるかを見守っていただきたいと思っております。
#101
○柏原ヤス君 いまの理事長のお答えで、異議は十分聞くぞ、こういうふうにおっしゃったと、こういうふうに受け取っておいてよろしゅうございますね。
#102
○参考人(永澤邦男君) 御異議があれば十分承りますが、しかしその訂正については、やはり事務的に許される範囲においてはやりたいと思いますが、年度をこえて、あるいは事務的に処理できないような場合も起こるかと存じますが、その辺はひとつあらかじめお含みおき願いたいと思います。
#103
○柏原ヤス君 この九項目の「キ」に「設置後完成年度をこえていない学部」は対象から除外するとありますが、このような大学のほうが経費も多くかかる。すべて新たに設備、施設も整えなくてはならない、このような大学にこそ補助をすべきではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
#104
○政府委員(岩間英太郎君) これは予算要求の際に、すでに未完成校は補助の対象にしないということを私のほうで打ち出したわけでございますが、大学の設置の認可を受けます場合に、一応私どものほうでは完成年度までは少なくとも十分な資金を持ってやっていけるというような計画を求めまして、確かにそういうことであるということで設置の認可をいたしております。そういう意味から申しまして、一応その一人前になると申しますか、卒業生を出すという時点までは、少なくとも学校は、これから社会のために一人前にやっていけるかどうかということを見守った上で、やはり国民からの税金、貴重な税金でございますので、そういうことを見守りました上で補助金を出すということにいたしたわけでございます。
#105
○柏原ヤス君 減額調査のところを見ますと、「設置後完成年度をこえて経過した年数が3年未満の学部等については、経過年数の長短により補助金の額を減額調整する」とあります。また一方補助金取扱要領の中に、補助金の性格について「教育研究条件を整備してその教育の充実向上を図るとともに、あわせて学校法人の経営の安定に資するため、」と、このように補助金の性格が示されております。で、先ほどからサービスである、サービスであるという理事長のお話もございましたが、このような減額調整ということはちょっと納得できないのですが、なぜこのようにするのか、またその理由と、どのくらい減額するか、これを具体的にお答えいただきたいと思います。
#106
○政府委員(岩間英太郎君) 先ほど申し上げましたように、未完成校は補助の対象から除外するということになりますと、たとえば医学部でございますと六年補助を受けられない、それから高専でございますと五年受けられない。それから大学でございますと四年は受けられない。短大でございますと二年で受けられるということで、少し期間がうるさいような感じがするわけでありますが、私ども大学の設置認可をいたします場合に、一応五年ぐらいの計画をとりまして先行きを見通した上で認可するということにいたしております。そういう意味でやはり五年ぐらいは見守ったらどうか、中には十年ぐらい見守ったらいいという意見もありますが、一応その程度は年月を見守ってまいりまして、ただ社会的に重要な部分が確かにあるとして、たとえば理工系の部門でございますとか社会的要請の強いところ、そういうところにつきましては、これは一応完成年度に達したときにしっかりしておりまして、しかも将来見通しがある。しかも経費が非常にかかり、社会的な希望の非常に強いというところについては、これは特別な扱いをしてもよろしいのじゃないかというふうに思います。
#107
○参考人(永澤邦男君) いまの局長の意見を補足させていただきます。
 実はその問題につきましても、運営審議会におきましても御意見がありました、内部でも。むしろやはり完成の一定期間内は、五年ぐらいは助成をすべきじゃないという意見も出たくらいであります。私の考えを申しますと、私学の人間がこういうことを申すのはどうかと思いますが、やはり私は私学というのは国の助成を得ても、まずみずからの力でやる努力をしなければならない。それでなければ私学とは言えない。本来私立学校は、もともとは自分の力でつくるのが原則であると思います。戦争前はたくさんの大学はみんな自力でもって金を集めて、そうして卒業生や社会の協力を得てここに至ったわけであります。ところが、戦後の私立学校は設置の際には一定の自己資金を持つということが要求されておりますが、寄付に頼る。その寄付もほとんど集まっていないような状態で発足されております。私も財団に入りまして私学の実情をだんだん知るに及んで、これでは私立学校はいかぬという感じを強く持つようになったわけであります。そういう意味では私はやはり私立学校である以上は、自前でまず発足をして、そうしてそれをよくするために国側の助成が加わってさらによりよくしていく。OECDの報告にもありますように、私立大学の中から大きな峰がたくさん出てこなければならない、そこにいくための助成である。私はそういうふうに考える次第でありますので、私学の自主的な努力を刺激するという意味においても、完成後数年の間はやはり自己の努力をする期間を認めるのがかえって私学の将来のためにもいいんではないか。あまり依頼心ばかり強めるのはかえって私学の健全な成長には毒になるんじゃないか。まあ私の口からこういうことを申すのは異端かもしれませんけれども、私はそういう考えを持っておることをつけ加えさしていただきます。
#108
○柏原ヤス君 補助金がそのような方向に大きな効果を及ぼすことを私も願っております。で、今回のこの補助金は運用のしかたいかんによってはいろいろ大きな影響も及ぼすものである。国立大学に対しては大学立法で、私学に対しては補助金によって文部省の意図する方向に持っていこうとしているという、こういう感じはやはりありありと私は見えるわけでございますが、その点大臣はいかがでしょうか。
#109
○国務大臣(坂田道太君) もう毛頭そういうことを考えておりませんことを申し上げておきたいと思います。
#110
○柏原ヤス君 そこで、具体的にお聞きしますが、東邦大学の医学部の改革の行き過ぎということで補助金が停止となったと聞いておりますが、これは私学への介入ではないか、こう思います。東邦大学の場合、九項目のうちのどれに当たっておりますんでしょうか。
#111
○参考人(池中弘君) ただいま東邦大学のお話がございました。まあ、なるべくわれわれとしましては個々の大学についての発言は遠慮さしてもらいたいという基本でございますけれども、まあ新聞にも出ましたのでお答えいたしますけれども、東邦大学に対して補助金をストップしたとおっしゃいましたけれども、そういう事実はございません。現在は内示を十二月の三日にいたしました。それはほかの大学も同じでございます。それから交付計画をこれからやろうというところでございまして、われわれストップしたという事実はございませんので……。
#112
○柏原ヤス君 新聞によりますと、財団の理事である池中さん、そこにいらっしゃいますが、要領に明示していなくとも違法のおそれあるものは補助できない、こうおっしゃったと、それから振興課長は、私学である以上違法とは言えない。補助の欠格条件にも該当しない。が、国立大などの基準から見て好ましくないだろうと、こういうふうに言っているということが出ておりますが、この新聞報道は間違っておらないんでしょうね。新聞にちゃんと出ておるんですが……。
#113
○参考人(池中弘君) 私はそういうことを言った覚えはございません。新聞記者から電話でいろいろ尋ねられまして、私学の自治に介入するんじゃないかという御質問があって、まあいろいろ答えましたけれども、この九項目の適用除外のことでいろいろお話もありましたけれども、私はそういう返事をしたことはないのでございますけれども、新聞に出ているのでおやと思ったわけでございます。
#114
○柏原ヤス君 じゃあどのようにお答えになったんですか。
#115
○参考人(池中弘君) まあはっきりは電話で覚えておりませんけれども、何か東邦大学のことで聞きたいと言われましたので、見ず知らずの方から記者だと言って電話があったんでございますけれども、個々の大学のことについて発言は差し控えさしていただきますと申しまして、一般論としまして、私はまあ私学振興財団がこの大学の自治に介入するというようなことは考えておりませんと、それで向こうの新聞記者のほうでこの適用の除外のことについてお話がありましたので、その中で違法、法令に違背したというような質問がございましたので、法令に違背したとはどんな場合だというようなことで、法律とか政令とか省令に違背した場合は普通の場合であろうと思うし、それからまあ、ここでは原則が掲げてあるものだからして、大体適用除外、補助金を出してもその効果が認められないというような場合としてこういう事例があげられているんだということを申したわけでございますけれども、そこの新聞に出ているようなことは、私申しておりません。
#116
○柏原ヤス君 それではこの新聞の中に、さらにこの東邦大学の評議員会が開かれて、そこで言われたことは、あくまで大学の自治をたてに戦うということは、文部省との訴訟までに発展するおそれもある。経営の弱い私学にとっては危険が多過ぎるということで、主張は正しいのだが文部省にたてつくことは一私学としては非常に弱い立場だ。納得はできないが文部省に従って補助金をもらうという方向へいこうというような結論になったということでございますが、やはりこうした評議員会でそういう問題の取り上げをして、そして病院長がまた改選されるという状態になっているということは、私学への介入にほかならないと、こういうふうに思いまして、この点をお聞きするわけでございます。
#117
○政府委員(岩間英太郎君) この東邦大学の場合は、私どもきわめて遺憾な事例だと考えております。初めにこの補助金ができました際に私どもは私学の自主性というものをできるだけ尊重したい。それから私学のほうでは公共性という立場から、みずから姿勢を正すということをたびたび申し上げたわけでございます。
 ところがこの場合には自分でつくりました学則に違背して、それと違うことをやっておるわけでございますが、そういうことをやられますと、これは私学全般に非常に信用から申しますと遺憾なことだという感じがするわけでございます。たとえば金がないからできないとか、そういう問題ではなくて、中で自分できめましたルールにみずから違反するということでございますから、私どもが外から見ておりまして一体何をやっているんだろうこの大学は、というふうな感じが強いわけでございまして、そういうふうに自分できめたことを自分で守れないところに補助金を差し上げて、はたしてうまく使っていただけるかという心配をまあするわけでございます。でございますから、私どもとしましては補助金はやらないということよりは、むしろその大学として補助金を辞退していただきたいというくらいの感じがするわけでございます。
#118
○柏原ヤス君 この東邦大学の内部の問題は、補助金ストップ問題が起きるまでは別に問題ではなかった。この補助金の問題が起きたために内部の問題がこのように問題になり、また内部で動揺しておる。こういうことを考えますと、やはり担当者は権力を持っていらっしゃる方ですから、そういうような発言はお気をつけになったほうがいいんじゃないか。これでは私学に対する介入を意図した補助金になるんじゃないかと言われてもしかたがないんじゃないか。今後ですね、このようなことがないように、十分注意していただきたい。東邦大に関してもまた今後どのように対処していくつもりでありますか、お聞きしたいと思います。
#119
○政府委員(岩間英太郎君) 東邦大学は私どもとしましては、みずから自分でつくりました規則に従いまして、自分で姿勢を正すということを期待しているわけでございます。
#120
○柏原ヤス君 文部大臣にお聞きいたしますが、私学振興財団法の審議のときに、内田議員に対して御答弁がございました。その中で私学自身の教育内容あるいは人事というようなことまで介入するつもりは毛頭ございません。むしろ私学の自主性というものを尊重して、そうして私学のりっぱな教育研究というものが行なわれるように私は期待し、またそうなっていかなくてはならないというふうに思っておりますとお述べになっておりますが、今回東邦大学のような問題がやはり新聞にも取り上げられ事実問題になっているわけでございますが、やはりこれは明らかな人事への介入だと、こう言えると思うのです。大臣の答弁とは非常に矛盾すると思いますので、その点どのようにお考えなんでしょうか。大臣にお聞きいたします。
#121
○国務大臣(坂田道太君) 私学といえども一定の規則等があるわけでございます。またそういうことを前提として私学の存在というものがあるわけでございます。またわれわれは許可をしておるわけです。従来そういうようなことに対してあまりにもルーズであったというようなことがいろいろのまた先生方から指摘を受けるような困った私学もあるわけです。こういうことを見のがしておくということそのこと自身が、私はやはり問題なんだというように思うのです。ですから先生方も私学の間違っておることについては、私学人事に対する介入とか何とかということでなくて、やはりきびしく批判をしていただきたい、かように思います。それでないとほんとにわれわれが私学というものを守っていくことができなくなる。自分たちがきめた憲法を自分たちみずからが破っていく、そういうことは文部省として、私立大学として許可した手前許されるべきことではございませんよということは、決して私は私学に対する人事の介入ではないと思います。むしろそういうことに対して、私学に対する健全な私学の発展のために指導助言を与えるということこそ私どもに与えられた責任であるし義務である。それをやらないなら、むしろそのことこそ国民から文部大臣は責任を追及されてもしかたがないと、こういうふうに私は思うのでございますけれども、何か間違っておるならば御指摘をいただきたいと思います。
#122
○柏原ヤス君 この東邦大学の場合は新聞でわかったようなわけですが、このほかにも文部省あるいは財団で補助金を渡すことについて条件をつけた大学があるのではないか、またそのようなものがあるか、またその理由はどういう理由でなされているか、この点を一つお聞きいたします。
#123
○参考人(永澤邦男君) ただいま財団が内示をするときに条件をつけた大学があるかという御質問でございますけれども、一切ございません。東邦大学に対しましても条件をつけた覚えは毛頭ございません。私はむしろきょうは柏原さんなんかからおほめをいただけると思って、よくちゃんと内示をしたと、皆さんからほめていただけるかと思ったのですが、そういう点についていろいろ御質問をいただいてどうも戸惑っておるわけでございますが、条件は東邦大学にもつけてございません。もし新聞にそういうことがあればそれは記者がかってに、あるいは内部の方がそういうような表現をなさったのかもしれませんが、私どもは先ほども申しますとおり、もう当初から財団は私学に何か介入する国の出先のようなふうに皆さんから誤解を受けておりますだけに、私は今回のこの助成につきましても、理事の諸君には特にこの点を厳重に言っております。いやしくも大学の人事に介入することは許さないということをですね。そこで先ほど問題になりました調査、相談についても私は非常に苦労いたしております。これが単なる事情の聴取であるか、あるいは一たびこれがわだちを越えれば大学への介入になるおそれがございます。またそうすれば皆さんからまたおしかりを受けるようになる。一体、調査、相談の限界はどこにあるか。ですから私どもはできれば現在ではそういう事実を、あるいはお気づきになっていない場合もありますから、そういう事実を御指摘してあとは大学の自主的な努力にお待ちする。今度の東邦の場合におきましても確かに事実は承りました。われわれのほうからこうせよということは一切申し上げておりません。その点ははっきり私から申し上げておきます。
#124
○柏原ヤス君 この助成金が今後大いに私大の発展のために役立つ、こういう点は私も強く思っておりますし、また応援もして差し上げたい、こういうふうに思います。ただ先ほどからいろいろお聞きしたのは、この文部省の私大に対する助成が疑念や不信を私学関係や国民に起こさないようにと思えばこそ申し上げたわけでございます。
 そこで文部大臣は前回の私学振興財団法の審議のときにもUGCにならって補助して統制せずということをしばしばおっしゃっています。非常にこれは大事なことであり、今後この線でいっていただきたい。しかも私が思いますのは、この補助金の金額を国民の間に発表するべきじゃないか、発表する考えが大臣におありであるかどうか、この点を一点お聞きし、大学の自主的な責任を尊重して配分を行なうようにすべきであるということを重ねて主張いたしまして、質問を終わりたいと思います。
#125
○政府委員(岩間英太郎君) まず私は補助金の公表だけについて申し上げたいと思いますが、補助金で公表しているものもないことはございません。たとえば科学研究費の補助金などは、これは専門誌などに載せておりまして発表しておりますけれども、これはむしろ補助金を受けられる方にとりましては名誉と申しますか、そういうすぐれた研究をしておられるということを発表するわけでございますからよろしいのじゃないかと思いますけれども、これは統計法でもはっきりしておりますように、個人とか法人とかにつきましては、やはりプライバシーと申しますか、そういうものを守らなければいけないというようなことがございまして、たとえば指定統計では全体的な数字あるいは分析いたしました数字は発表いたしておりますけれども、個々の大学についてどういう事情になっておるかというようなことは、これは発表しないのがたてまえになっております。国から利益を受けるわけでございますから、そういうものにつきましては発表してもいいじゃないかというあれもございますけれども、たとえば生活保護法やなんかの場合でございますと、そういう個人の氏名を発表するということは、これはやはり問題であろうと思います。やはり個人あるいは法人につきましてプライバシーというものをある程度は尊重しなければならない。たとえば某大学につきまして幾らの補助金がいった、単なる数字だけは御満足いただければよろしいわけですけれども、それをどういう根拠でやったか、またどういう事情でやったかということになりますと、だんだん実際に法人のプライバシーというようなものに入っていかざるを得ないような状態も起こるのではないか。この点につきましては私学側で、個々の私学側が御発表になる、あるいは全体として発表するのはけっこうだということになりました場合はこれは別でございますけれども、まあ一般的にはいまのところ個々の大学については差し控えるというようなことでよろしいのではないかというふうに考えております。
#126
○国務大臣(坂田道太君) 私立大学の自主性を守っていくということは私の持論でございます。また日本私学振興財団法のここで審議をわずらわしたときにも申し上げました。内田さんにも申し上げたことはいまも変わりませんし、これからも変わりませんことを申し上げておきたいと思います。
#127
○萩原幽香子君 きょう私は四十分の時間をいただいておりますので、社会教育局の予算の一部についてお尋ねをいたしたいと存じます。
 六十一国会の予算委員会で社会教育関係予算で私が質問いたしました際に、文部大臣に二つの点からお答えをいただいているわけでございます。その第一点は、昨年七月社会教育審議会に対して
 「急激な社会構造の変化に対処する社会教育のあり方」ということでただいま諮問をしている、その答申を踏まえて今後の政策を考える、第二点は、答申が出なくても必要があるならば予算を計上して、その方向の予算をつけられるようにする、こういう二つの御答弁でございました。その答申案の中間発表が九月二十二日に出されたわけでございますが、おそらく大臣はその答申案の内容に沿って来年度の予算要求をしてくださったことと私は信ずるわけでございます。特に御配慮をいただきました点についてお伺いをいたしたいと存じます。
#128
○国務大臣(坂田道太君) 社会教育審議会は、「急激な社会構造の変化に対処する社会教育のあり方」につきまして、二年有余にわたり審議を行ない、一応の結論を得ましたので、去る九月二十二日、広く関係者等の意見を聞くため、答申案を中間発表いたしましたことは、ただいま御指摘のとおりでございます。
 この答申案は、これまでの社会教育の実績と問題点を踏まえながら、今後の社会教育のあり方を生涯教育の観点に留意しながら、総合的、体系的に明らかにしたもので、今後の社会教育の振興にとってまことに意義深いことでございます。
 今後、本答申案に各方面から積極的な意見が寄せられ、それに基づき社会教育審議会においてさらに検討が加えられ、七〇年代の「社会教育の基本的な指針」たるにふさわしい答申が作成されることを期待しております。なお、社会教育審議会から正式の答申があった上は、答申の趣旨を尊重し、社会教育の振興に積極的に取り組む所存でございます。
 来年度の予算におきましては、まだ本答申が出ておりませんけれども、私といたしましては、まず第一には、社会教育の地方における一番のセンターとなる公民館の拡充整備、あるいは質的な転換と申しますか、いままで定額補助の百万円あるいは五百万円ということが主でございました公民館、これは時代の要請にこたえられないようになっておることは御案内のとおりでございまして、これに対しまして中型、大型に重点をおいて画期的な予算を組みたいということで、ただいま十六億を要求をしておるわけでございます。
 それからもう一つは、こういう社会教育の地方におけるセンターであり場でありまする公民館を拡充いたしますが、その中核はまた何と申しましても人でございます。したがいまして、社会教育主事がほんとうに新しい社会の要請、つまり私が申し上げました生涯教育等をも頭に置いて、そうして社会教育を普及していくためには、人材を得なきゃなりません。そうしてまた、広い知識あるいは専門的な知識というものが必要でございます。したがいまして、来年度の予算におきましては、国立社会教育研修所の改築を、これは三億六千万円要求いたしまして、ぜひともひとつこれを確保いたしたい。そうしてよき社会教育の担当者をこの研修所から出して、そうして社会教育に対処してまいりたいと、かように考えております。その他いろいろ申し上げたいこともございますけれども、基本はそういう考え方でございます。
#129
○萩原幽香子君 大臣がやはり六十一国会で私に対して御答弁いただきましたことを何とか忠実に守っていこうという御努力をしていただきましたことにつきましては、私は十分理解をさせていただきました。しかしその額につきましてはまた後ほど私の意見を申し上げさせていただきたいと存じます。きょう大蔵省にも私はお願いをしておったのですけれども、大蔵省いかがでございますか。きのう質問をお取り下さった方に私は大蔵省の方に出ていただくことをお願いしておったのですが……。
#130
○委員長(楠正俊君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#131
○委員長(楠正俊君) じゃ速記起こして。
#132
○萩原幽香子君 三月二十九日の予算委員会で私は大蔵大臣にもまた同じ質問をいたしました。それに対して大蔵大臣は二つのお答えをやはりしておられるわけでございます。その一つは、学校教育だけではどうなるものでもない。家庭、学校、社会が一体となって初めて完全な教育が行なわれる。政府がほんとうに総力をあげて取り組む問題は教育だというように、教育の重要性と、その教育の車の両輪としての社会教育の大切なことを力説されたわけでございます。
 二つ目は、社会教育は地方財政に期待する面もあるが、政府としても今後助成のために鋭意努力すると、社会教育予算の少ないことをお認めになった上で今後の努力を約束をしてくださったわけでございます。私はこのお答えに非常に感謝をいたしまして来年度を楽しんで待ちますと申し上げたわけでございます。この御答弁が本年度の社会教育予算にどうあらわされてくるかということについて私は非常な期待を持っている、これが一つお尋ねをしたい問題であったわけでございます。
 それでは社会教育局長さんにお伺いをいたしますけれども、本年度の社会教育予算は幾らでございますか。
#133
○説明員(今村武俊君) 昭和四十五年度の社会教育局関係予算は四十二億三千万円でございます。
#134
○萩原幽香子君 そうしますと、本年度の社会教育予算は文部省予算の何%になっているわけでございますですか。
#135
○説明員(今村武俊君) 本年度の社会教育局関係予算は、文部省予算八千九百七十二億六千万円、これは一般会計、特別会計の純計でございますが、その〇・五%弱、二百分の一でございます。
#136
○萩原幽香子君 文部大臣お尋ねいたしますけれども、ほんとうに車の両輪ということになるといたしますと、この文部省予算の中の〇・五%というこの数字は、一体どういうふうにお考えでございましょうか。
#137
○国務大臣(坂田道太君) これはもう率直に申し上げまして、不十分であるというふうに思います。
#138
○萩原幽香子君 率直に認めますということでございますけれども、非常に大事だ大事だとおっしゃりながら予算がつけられない、こういうところに社会教育はほんとうに大事に思っていてはいただけではいない、いわゆる社会教育は軽視されている、こういう感じが非常に強いわけでございます。これをそれじゃかりにGNPに換算してみたら、この社会教育の四十二億何がしというのはGNPの一体何%に当たっているわけでございましょうか。
#139
○説明員(今村武俊君) 恐縮でございますが、まだ計算しておりませんので答えられません。
#140
○萩原幽香子君 GNP世界第二位でございますそうですから、どうぞひとつ局長さん、あまり遠慮なさいませんで、GNPのこれこれじゃないか、けしからぬぞというふうにおっしゃっていただきたい。私は一生懸命局長さんのおしり押しをいたしますから、どうぞがんばっていただきたいと存じます。
 それでは、大蔵省がいらっしゃいませんのでしかたがございませんが、国からの補助というものは地方財政負担の何%に当たっているわけでございましょうか。
#141
○説明員(今村武俊君) 社会教育の関係は、大方の経費が都道府県及び市町村の負担となっております。それで地方教育費の調査によりますと、国が負担しておる社会教育行政費の経費は約五%でございます。ただここでお断わりを申し上げておかなければならないのは、いま先生が御指摘なすっております経費は社会教育の行政に要する経費でございます。都道府県、市町村が負担しておるのも社会教育の行政に要する経費でございます。社会教育に関する経費と申しますと、たとえば企業の内部における職員の研修の経費だとか、あるいはボーイスカウト、ガールスカウトなどのような社会教育関係団体の中における経費だとか、学校にたとえていえば私立学校に相当する経費が相当あるわけでございますが、それらが非常に計数的に把握しにくいので的確に調査してない、そのためにその社会教育に関する経費が非常に少ないように指摘され、ときには私どももそう申しますけれども、よく考えてみますと、社会教育行政に要する経費と社会教育に要する経費は分けて議論しなければいけないと思います。しかし、それにいたしましても、文部省の社会教育局の社会教育行政に要する経費が全体の中の二百分の一では少な過ぎると思いますので、努力をしなければならないと存じております。
#142
○萩原幽香子君 私はどう考えてみましても、この地方財政にあまりにも寄りかかってしまった形の社会教育と、こういうことが言えようかと思うわけでございますね。これは行政に分けても実際の活動費に分けてみても、そういうことは言えようかと思います。本年度の予算を見ますと、先ほども文部大臣がおっしゃいましたように、公民館の整備を非常に最重点としてお取り上げになっておられますようで、これはまことに私はけっこうなことだと考えるわけでございます。それにいたしましても、これまでの公民館の施設費補助金は建築費に比べてあまりにも低額過ぎるということが言えるのではないかと思います。たとえば兵庫県の教育委員会の資料によりましても、六千万の建築費を要する公民館に対しまして三百万の補助金が出ている。そういたしますと、約二十分の一ということになるわけでございますね。しかも四十四年度では補助金の申請が私のほうでも十館ございました。四十五年度では十三館になり、四十六年度では二十六館と、まことに急増をしているわけでございます。こういう傾向はひとり兵庫県だけではなくて、全国的な傾向ではないかと考えるわけでございます。
 そこで、昭和四十三年から四十五年までの三カ年間の補助単価それから補助館数並びに総工事費についてお尋ねをいたしたいと存じます。
#143
○説明員(今村武俊君) 公民館の補助金の関係で、昭和四十三年度から四十五年度までの補助館数、総工事費、一館当たりの補助単価に関する御質問でございますが、補助館数は四十三年の百三十九館が四十四年は百四十四館、四十五年度は百九十館と少しずつ伸びております。これに対応いたしまして、その補助館数の総工事費は四十三年度が三十四億円、四十四年度が四十六億円、四十五年度が七十七億円と、非常に顕著なる伸びを示しております。これに対しまして国庫補助金の伸びが少ないので、一館当たりの補助単価は毎年毎年減少いたしておりまして、四十三年度が二百八十万円、四十四年度が二百四十四万円、四十五年度が二百十一万円と逓減をいたしております。
#144
○萩原幽香子君 これは物価と全く反比例でございますね。どうもこれはおかしな現象じゃないかしらと私は思うのでございますが、いかがでございましょうか。だんだんと館数が多くなったから、その補助単価が減ったということなんでございますかもしれませんけれども、物価ということと考えあわせてみますと、これではどうにもならない、こういうことになるんではないかと思います。で、先ほど四億から十六億という要求をしていただきました大臣にはお礼申し上げたいんですけれども、さっきのような現状でございますので、この四十六年度の十六億の予算で大体補助を申請しております館数の何%ぐらいの要望にこたえられるとお考えでございましょうか。
#145
○説明員(今村武俊君) 補助を要望しておる館数が四百十一ございました。その約六割、二百四十六館を積算の基礎といたしております。六割というのは、事務屋としての長年の感覚からすると少な過ぎるのでございますけれども、いかんせん結論が四倍にもなりますので、非常に苦労したところでございます。
#146
○萩原幽香子君 それでは年々二百四十四万、二百十一万と減っておりますが、それはどういうところで押えての六〇%ですか。
#147
○説明員(今村武俊君) 今年の七月に、来年度どのくらいの補助申請が出るかということを報告を取るわけでございます。そうしますと、来年の話でございますから、少しまあ地方側の希望も入った館数が出ます。地方側でそれぞれ議会の議決を経て四十六年度に出てくる館数は大体それよりも減るというのが過去の経験の法則でございますので、しかしその経験の法則によりましても六割というのは非常に低目に見ておるわけでございます。普通はまあ七割強ぐらいに出てくるのを六割に押えて計数を要求いたしました。
#148
○萩原幽香子君 では、その一館に対する補助の単価、それはどれぐらいになりますか。
#149
○説明員(今村武俊君) 予算要求どおりでございますと、一館当たり六百四十万円という単価になります。
#150
○萩原幽香子君 そうしますと、この補助率を大体、総工事費の五分の一ぐらいまでに引き上げて計算いたしますと、大体どのような程度になるでございましょうか。
#151
○説明員(今村武俊君) まあいかんせんあまりにも少ないものですから、何分の一というような計算がまだできない段階でございまして、せいぜいまあ五百万円とか六百万円とかいうところまで引き上げたいということで、定率の議論をする以前の状態であると思います。
  〔委員長退席、理事田村賢作君着席〕
#152
○萩原幽香子君 大臣、ただいま社会教育局長さんの御答弁をお聞きいただきまして、その十六億というお金がいかにささやかな要求であるかということは御理解をいただけたと思うわけでございますね。これはもう大臣よくおわかりいただけると思うわけでございますが、大蔵省がおいででしたら、今後社会教育費というものを増額することについての御決意のほどを私は承りたいと考えて、きょうは楽しんでまいったわけでございますが、いらっしゃいませんのでしかたがないと思います。
 そこで、今度、社会教育局長さんに補助金の使い方について承りたいと考えるわけでございます。地方の社会教育活動費の補助金は非常に細分化されております。申請手続などが非常に煩瑣だと考えるわけでございます。さなきだに人手不足の社会教育課にとりましてこの事務の煩瑣ということは非常に大きな負担になっていると、こういうこと、私もかつて社会教育に関係しておりました人間としまして、この事務の煩瑣は活動の上に非常に支障を来たすということを考えるわけでございます。また自主的に重点的に使うということができない仕組みもあるかのように考えるわけでございますけれども、この補助金の配分についての状況を承りたいと存じます。
#153
○説明員(今村武俊君) 社会教育に関する地方公共団体に対する活動費補助金の分配についてでございますが、ただいま先生の仰せられるとおりの実情がございます。私どもとしましては地方社会活動費補助金の合理化、簡素化については、昭和四十二年度から地方公共団体の自主性において重点的に事業の選択申請をすることができるように、そして補助事業の効率的な執行ができるようにということで、補助事業の統合、メニュー化を進めてまいりまして、補助対象経費の範囲を拡大し、補助事業相互の間の経費の流用を可能にするようにし、補助金交付事務の簡素化をはかってまいりました。まいりましたけれどもまだ十分目的を遂げておりません。と申しますのは、この辺がいまから努力しなければならない点でございますけれども、局に各課がございますと、各課ごとに担当の課長が一生懸命になって予算折衝もいたしますので、課と課の壁を取り除くというようなこともなかなかむずかしいことでございますし、それには懸命の努力をいたしております。あるいは地方における社会教育課の中で、たとえば青年の係、成人の係、婦人の係などというのがございまして、壁を取り払うのもきらうといったような感じもございますので、なかなかむずかしいところでございますが、大局的に考えればまさに先生のおっしゃるとおりにしなければいけないのでございます。新参の局長ではございますが、来年度初めて予算の執行配分の事務をやりますので、仰せの趣旨に沿って懸命にやりたいと存じております。
#154
○萩原幽香子君 どうぞひとつよろしくお願いいたしたいです。私はこういうことを申し上げますのはね、たとえば、兵庫県の場合を申し上げますと、本年度は幼児家庭教育と申しますか、こういう方法を茶の間教育に重点を置いたわけでございます。そこで、サンテレビというローカル局の非常な御協力を得まして、そして千三百万の制作費をもって七月から十二月までの幼児教育でございますが、「赤いほっぺ――幼児のしあわせのために――」というテーマでいろいろ放送をしていただいたわけでございますが、七月から十二月までの六カ月間週二回放送していただきました。そしてそれを茶の間で見ていただいた方々に対してアンケート方式あるいはグループ活動など、こういう方法によりましてさらにその教育を進めてきたわけでございます。これがテキストでございますけれども、見ておりましてもほんとうに楽しくなるような、こっちもついでに舌を出したくなるような、こういうかわいいもので、ほんとうにきちっとしたものがつくられております。これは実はサンテレビからは非常な協力を得まして――千三百万という制作費はほんとうにもう端額のものでありますね。こういうことでやっていただいておるわけでございますね。また、いわゆる身体障害者の教育の一環といたしまして、盲人教育としまして三十台のカナタイプを求めまして、カナタイプの指導をいたしておりますが、この二つはいずれも非常に地域住民から喜ばれておりますものでございます。時間がございませんので、そのカナタイプの問題にいたしましても詳しくは内容が申されませんのですけれども、その受講をいたしました盲人の感想文の一部だけ御紹介をして、どれほど喜ばれているかということの御理解をいただきたいと考えるわけでございます。これはずっとあるわけでございますが、一部でございます。
 マタ カナタイプワ ワタクシノ サイダイノ
 カンシンジ デアリ、 イマ コノ カンソー
 ブンヲ コーシテ ウテルヨーニ ナッタ コ
 トコソ サイコーノ ヨロコビデ ゴザイ マ
 ス。マズイ ブンデ アレ ワタクシ ジシ
 ンノ テデ ワタクシノ ココロヲ ミナサ
 マニ オツタエ デキルト ユー コトワ イ
 ママデニワ カンジラレナカッタ ヨロコバシ
 イ コトガラ デス。コノ カナタイプノ
 シドーニ アタッテ クダサイマシタ タカ
 イ サマ、 フルエ サマ、ヲ ハジメ ナン
 ニンカノ カタノ セイジツナ オオシエデ
 ヤット ココマデ マスター デキタノデス。
 コンカイノ ヨーナ セイジツナ ゴシドー
 ニ ハゲマサレテ コソ ココマデ ウテル
 ニーヨ ナッタノ ダト シンジ マス。
 こういうことをずっと書いて、最後に、
 「ヒョーゴ ケン」 トユー メグマレタ ト
 コロニ スマワセテ イタダキナガラ タ チ
 ホーニワ コーシタ オンケイニ ヨクシ エ
 ナイ モージンガ オーイ コトヲ オモイ
 メグラセマス。ワタクシ ガ チホーカラ
 デテ キテイルセイデショー、 ゼンコクノ
 ワタクシタチノ ドーホーガ オナジヨーニ
 メグマレル ヒノ ハヤカラン コトヲ イノ
 ルヨーナ キモチ デス。コノ カイニ タ
 ズサワラレタ カンケイシャノ ヒトリ ビト
 リ マデニ アツイ カンシャヲ ノベタイ
 キモチデ イッパイデ ゴザイ マス。
 こういうことがタイプ文に打たれております。これは三十二名の学級生でなされておるわけでございます。人数からいえばわずかなものであるかもしれませんけれども、この盲人の喜びというものは私は見のがしてはならない社会教育の大きな面ではないだろうかというふうに考えるわけでございます。こうしたような地域住民の要望にこたえたものを重点的にやれるような措置がとれないものだろうか、こういうことを考えましたために、いま局長さんにお尋ねをしたようなわけでございます。私も社会教育に籍を置きまして、各課があるということはよく存じ上げておりますし、その課に属する先生方のお一人お一人がどのように自分の所属の課を発展させようかと御努力いただいておりますことも十分わかるわけでございますけれども、先ほどの幼児教育の茶の間の問題を取り上げてみますと、これは婦人学級、幼児教育学級、家庭学級、そういうところが一環になっておやりいただけてもよろしいのではないかと、こういうことも考えるわけでございます。どうぞそうしたもっとおおらかな気持ちの上に立って社会教育は進展をはかっていただかなければ、少ない予算というものを各課ごとに細分化していたのではほんとうの仕事にはならないのではないか。こういうふうに私は考えるわけでございます。まあ以上私は社会教育の予算関係の一部について質問をしたわけでございますけれども、ほんとうは先ほどの社会教育審議会の答申案の中間発表の急激な社会構造の変化に対処する社会教育を進めるのには、たびたび申しますけれども、あまりにも予算が貧弱過ぎる。これではたして学校並みにこの社会教育というものが進められるだろうかというふうに私はいつもいつも考えておるものの一人でございます。きょう大蔵省がおいでになりましたら、この盲人のカナタイプの感想文も聞いていただいたりあるいはこういうふうにテレビ局の方が非常に御協力をくださって幼児教育を進めたいと考えていただいておりますこういうテレビ局に対しましても、まだまだ国としてはやらなければならないことがたくさんあるのではないか。こういうことを御理解いただこうと私はほんとうは楽しんでおったわけでございます。残念でございますけれどもいたし方がございません。
 そこで、ここでちょっとお尋ねをしておきたいと思いますのは、この概算要求の何%、たとえばいま公民館では十六億の概算要求でございます。これ十六億が全部いただけるんでしょうか。これがいただけたとしましても、先ほど申しましたようにまことにささやかなことになるわけです。ところがこれまで概算要求をお出しいただいた中で何%くらいが削られたんでしょうか、このことをちょっと私は伺っておきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。過去三カ年の実態でけっこうでございます。
#155
○説明員(今村武俊君) 社会教育局だけの概算要求について査定があった割合を過去三カ年について申しますと、四十三年度が五六%、四十四年度が五九%、四十五年度が五八%という実績になっております。
#156
○萩原幽香子君 これは削られたほうでございますか、いただけたほうでございますか。
#157
○説明員(今村武俊君) 歩どまりのほうでございます。残ったほうであります。
#158
○萩原幽香子君 わかりました。そうしますと十六億というのでも私はどうにもならない状態だと思いますのに、これが四十五年度では五八%というのだったら一体どういうことになるんでございましょうね。
 局長さんそうしたらその五八%ということになったらえらいこと減るんじゃございませんでしょうか、いかがでございましょう。
#159
○説明員(今村武俊君) ただいまのパーセンテージは局全体の予算について概算要求と査定された結果、トータルで比べたわけでございます。来年度は公民館は社会教育研修所の問題と同じように人の問題と施設の問題ということで、最大の力点を置いた、文部大臣も特別な決意を持って予算を要求していただいておりますので、この平均率でおさまるとはとうてい思いません。
  〔理事田村賢作君退席、委員長着席〕
平均率以上のパーセンテージに落ちつくことは明らかであると信じております。ただ、十六億全部もらいたいと思いますが、これも経験上要求しただけの予算がもらえたことはまだないわけでございまして、まあ何ぼか査定があるということで考えなきゃならぬと思います。
#160
○萩原幽香子君 だからこそ私は大蔵大臣にここへ出てきていただきたいんでございますよ。大蔵大臣に対して私は、もうほんとうにそれほど社会教育が大事だとおっしゃってくださるんだったら、私は来年の査定を楽しんで楽しんでお待ちしますと、こう申し上げたんです。ですから大蔵大臣がここにいらっしゃったら、おそらくいやもう公民館は一〇〇%査定しますよと、こういう御答弁がいただけるんじゃないかと私は期待をしたわけでございます。で、局長さんお願いしておきますけれども、これまでが五六%、五九%、五八%と、大体五〇%台に押えられたということについては、これは非常に私は残念なことだと考えるわけでございます。まあ大臣もにこにことしていらしておりますわけでございますから、大臣こんなところで押えてもらったんではどうしようもないと、こういうことをどうぞひとつお考えをいただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。
 まあ時間がきたようでございますから、どうぞ今回の概算要求は一銭たりとも削ってはならない、こういう状態をどうぞひとつお願いをしたいと思うわけでございますけれども、あらためて、最後に大臣の御決意のほどを承って、質問を終わりたいと存じます。
#161
○国務大臣(坂田道太君) まあ今度の社会教育の予算につきましては、いままでにない異常な決意を持ちまして局長とともにがんばっておるところでございます。どうせこれ予算が終わりましたら明らかになることでございますから、あまり大きいことを申し上げましても何でございますけれども、かなりなところまではいまいっているんじゃないか、あと一押しだということでございまして、きょう大蔵省の人が来たり、あるいは大蔵大臣が来られたら非常に幸いだったと思います。しかし私としましては、大蔵省がここへ来られようが来られまいが、私としての決意を果たすために最善の努力をいたす覚悟でございます。
#162
○萩原幽香子君 大臣、いま最大の決意と、こう承って私も非常にうれしいんですけれども、まあ大臣のお見通しでことしは何%ぐらいには押えられるということをひとつちょっとお聞かせをいただきたいと思うのであります。
#163
○国務大臣(坂田道太君) その点だけは私も自信は……。
#164
○萩原幽香子君 すみません。大臣、今度査定されましたときに私があまりがっかりするようなことになりませんように、どうぞひとつよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
#165
○小笠原貞子君 それでは私も、午前に引き続きまして私学への経常費補助費について質問させていただきたいと思います。
 本年当委員会での私学財団法の審議の際にも、そしてまた本日午前中からの文相の御答弁の中身を見ましても、非常に私学の自主性を尊重する、私学の円滑な教育研究条件を改善して、当面は国立大との格差是正を行なうので、これは明治以来のものだと、非常にもう自画自賛されて自信を持っていらっしゃるわけなんですが、午前中から聞いておりましても、そういう御決意のほどとはまたちょっと非常に問題が残されているのではないか。私は今度の第一次の内示を見て、具体的に出てきた問題で、その問題点を非常に考えさせられたわけなんです。
 それで、まず最初にお伺いしたいんですけれども、「昭和四十五年度私立大学等経常費補助金取扱要領」とございますね。この最初の3のところでございますけれども、まあ先ほども聞かれましたか、九項ございます中の工の項に「法令に違背し、」ということばが書かれているわけでございます。これ全体に非常に大ざっぱな問題で、運用いかんによっては非常に危険な運用にもなりかねない。そこで、エ項でいう「法令に違背し、」という、その「法令」というのは具体的にどういう法律、法令をさしていらっしゃるのか、具体的にその法令をお聞かせいただきたいと思います。
#166
○政府委員(岩間英太郎君) 法令と申しましても非常にたくさんあるわけでございますが、これは一応文部省関係の法令、それから特に補助金の適正化法でございまして、私どもとしましてはできるだけ厳密に解するというほうが適切ではないかというふうに考えております。しかし、たとえば補助金を不正に受けました場合、これは新しく補助金を差し上げましても、実際にその使途がどういうぐあいになるかということが安心いかないわけでございまして、そういうふうな特に補助金適正化法違反につきましては、これは厳重に監視すべきだというふうに考えるわけでございます。
#167
○小笠原貞子君 さっぱり具体的にお出しにならないのですが、その法令には当然大学設置基準というようなものも入ってくるはずになると思うのですけれども、そういうふうに大学設置基準というものから、この法令に違反したものという目で見ますと、現在の私立大学の場合には、ほとんどそれには違反せざるを得ないような条件しか残っていないというような現状でございますね、現状で見ますと。そうしますと、この私大のエ項はどういうふうに運用されていくのかというところが非常に心配になるわけなんです。具体的にその辺はどういうふうに運用されていかれようとしておられますか。
#168
○政府委員(岩間英太郎君) 御指摘のとおりでございまして、現在の私学の状況を見ますと、これは新しく認可したものは一応の基準に達したものを認可するということになっておりますが、従来からのものもございまして、たとえば都内で非常に校地が少ないというふうな場合ももちろんあろうかと思います。そういう点につきましては、これは逐次その充足をはかりまして、教育効果を高めるという点で、このたびの補助金は、そういう教育条件の整備ということにできるだけ使っていただきたいということを考えておるわけでございますから、それに反したから直ちに補助金をやめるというのはむしろ筋が多少違うわけでございます。私どもが申しておりますのは、とにかく補助金をやれないというところは、補助金を差し上げてもその効果が期待できない、そういう観点からものを考えるべきであろうというふうに考えております。
#169
○小笠原貞子君 いま伺いますと、非常にむずかしいわけですね、その法令に違反したというような場合。計数の場合ですと数字で出てくるから非常にものは簡単に済みますけれども。
 そこで財団のほうにお伺いしたいのですけれども、こういう非常に大ざっぱな要領で、そして基準をつくっていかなければならないということで、ずいぶん御苦労されたと思うのですけれども、それだからこそ、そこに非常に恣意的な問題というものが入れないといっても入るおそれが十分あるわけですね。善意であっても、非常にこれが大ざっぱであるというところから、基準というものをこの法令に適しているかどうかというところまで非常にきめにくいというようなことで、いまの点お伺いいたしましても、やはりそこに非常に恣意的なものが含まれざるを得ないような、そういう大ざっぱなものになっているということで、財団としてはこういう問題をどういうふうに具体的にお考えになって今度の配分ということをなすったかお伺いしたいと思います。
#170
○参考人(池中弘君) 今回十二月に配分いたしますのは概算払いで平等に分けるものでございます。これは原則でございますので、そんなに大きな問題はないわけでございますけれども、来年の二月に本年分の精算額をきめる場合には、おっしゃるとおり非常にむずかしい問題があるわけでございます。それでこの取り扱い要領を見ますと3にこう書いてあるわけですから、いかにもこういうものをわれわれが探して目を光らせて落そうというような感じをお受けになるかもしれませんけれども、実際の運営といたしましては、非常にレアケースとして取り扱っておるわけでございます。学校法人として四十と申しますけれども、そのうち二十六学校は一年以上私学振興財団からの借り入れ金とか、私学共済の掛け金を滞納しておるもの、それは今度は暫定でございますので、いわば機械的に見送りました。そうしますというと、残りのものというのは、紛争関係が四校、あとは非常にわずかなものでございます。件数的にもわずかでございます。それで、これにあてはまるかどうかという場合には、やはりわれわれ内部的にも先ほど申しましたように融資部の関係で二十数年蓄積がございますので、どこの学校がどうだということは財団なりに把握しております。問題が起きましたら、調査相談部が出ていくなり来ていただいて話を聞くというようなことでございます。そんなに大きな件数を対象にするわけではございませんから、計数的に把握できない分は、十分な調査をし、それを一件一件運営審議会にかけているわけでございます。一般の基準は運営審議会できめていただきますし、また、その計数的な計算した額を調整するような場合は聞きますし、それから特にここみたように補助金の対象にしないということは重大な問題でございますので、一件一件運営審議会にかけて委員の方の御意見を伺い、慎重にやっていきたい、こういうことなんでございます。
#171
○小笠原貞子君 いろいろ御苦労なさって調査なさっておるということはわかるのですけれども、内示なさいます場合に、おたくの大学にはこうこうこういう点が問題だ、だからあなたの大学ではこうこうこういうふうに改めてほしいというような、そういう内容というものを大学にお伝えになるのか。それとも、全然それなしに、いきなり第一次でこの間出した査定という金額だけでお出しになるのですか。内容をお知らせになるのですか。
#172
○参考人(池中弘君) 今回十二月に出しましたものは概算払いでございます。それから各大学原則として平等に出したものでございますので、金額だけで内示をいたしました。それから今度の二月に最終的にやる部分も、金額で内示をしようと思っております。ただ、説明会のときに御質問があるわけでございますが、各大学から、うちの大学はどこが悪いのですか、どこがいいのですか、教えていただけますかという御質問がございますが、それには大体こういう点を気をつけられたがいいでしょう、あるいはこういう点はけっこうだと思いますというふうに、個々の大学について質問に応じ、御相談に応じたいと思っております。
#173
○小笠原貞子君 それでは留保された大学についても、おたくの大学はこういう点がちょっと問題で今年度は留保するということは大学側に伝わっていると、こう解釈してよろしゅうございますか。
#174
○参考人(池中弘君) 伝わっておるはずでございます。
#175
○小笠原貞子君 それでは具体的にお伺いしたいのですけれども、芝浦工大というのはこの九つのどれに当たるのでしょうか。
#176
○参考人(池中弘君) 芝浦工大にはこの間内示をいたしましたので、適用除外にいたしませんでした。
#177
○小笠原貞子君 内示をされたわけですね。
 先ほど伺っていますと、東邦大学の場合ですね、留保という形に新聞なんかでも大きく騒がれていますし、芝浦工大もそうなんですけれども、芝浦工大と東邦大学というのは大きく出ているわけなんですよ、これだと。先ほどの御答弁ですと全くそういうことはないと。芝浦工大にも東邦大学にも今年度分として内示をされているわけですか、何ぼ出すということを。
#178
○参考人(池中弘君) 内示いたしました。新聞社の場合は、私の面識の全然ない方が電話で個別の問題についてお尋ねがありましたけれども、私責任者といたしまして、自分の所管の事項でありましても、個々の大学の内容についてどうだこうだということは言えないということで、ただ一般論を話しただけでございます。それから週刊新潮は記者がまいりました。しかしその場合も、個々の大学について私から話すということはいたしかねますということでお帰りを願ったわけです。そこでおそらく記者がほうぼうを聞いて回られて記事を書かれたのだろうと思いますが、私ここでお話することを信用していただきたいと思います。
#179
○小笠原貞子君 それでは、この十二月九日付の毎日で「私学補助、実態は〃介入〃東邦大に助成金停止」なんていうのは全く事実無根である、毎日新聞社のこの記事が事実無根であるということになりますね。それからこの週刊新潮ですか、ここにもいろいろ書かれているのも、いまの御答弁ではこれは事実無根である、この両方の学校にも一応の第一次分としての内示は行なわれた、こういうことに解釈してよろしゅうございますね。それからそれと引き続きまして、それでは芝浦工大、それから東邦大学にどれぐらいの額を今度内示されたわけでございますか。
#180
○参考人(池中弘君) 額を幾らにということは、個々の大学のことでございますので御遠慮さしていただきたいと思います。
#181
○小笠原貞子君 それ言ってはいけないという何か法的根拠あるのですか。
#182
○参考人(池中弘君) 法的根拠と言えば、われわれは国家公務員に準じて秘密を守る義務というものがありますけれども、それを私言おうとは思いませんけれども、個々の大学で、先ほども局長からも御答弁がありましたように、プライバシーに属することであり、いろいろ御迷惑かかってはいけないと思いますので、もしかして大学のほうで言ってもらってもけっこうだという了承を得ておられましたら、私別に言っても差しつかえございませんけれども、そういうことは話してございませんので遠慮さしていただきたいと存じます。
#183
○小笠原貞子君 それではたいへんくどいようでございますが、芝浦工大にも東邦大学にも年末までには、その金額は言えないけれども、これだけのお金を補助金として出すということになっておるということでございますね。
#184
○参考人(池中弘君) 私が申しましたのは内示したということだけでございます。もちろん内示というものは事実行為でありまして、法律効用はこれから出す交付決定によって定まるわけでございます。それで内示を出すということは、十二月にわれわれは補助金をお出しするわけですけれども、学校としては一日も早くどの程度のものがくるかということを知りたいだろうとお考えになるでしょうし、また申請書を出していただくという関係もございまして、事実上便宜のために早くお知らせしたものでございます。その後の情勢によりまして内示したものの中でも決定を見合わすというものも中にはございますし、またその内示は留保したけれどもその後の様子を見たところまあこれならばだいじょうぶだと思われるのは決定をするところもございますので、必ず両方とも年内に交付決定をし、資金を交付しますというお約束はいたしかねます。
#185
○小笠原貞子君 やっといま問題出てきたわけですよね。内示は出したけれども留保にするかしないかということはきまってないと、こういうわけでしょう。だからたとえば東邦大なら東邦大の、いま問題になっておりますから言いますけれども、内示はしたけれどもそれは年内にお金を出しますという内示ではなくて、おたくのほうにはいろいろ問題があるというので留保の内示をお出しになったと、こういうことですか。
#186
○参考人(池中弘君) 財団といたしましては留保の内示だとかそうでない内示だとかいうことは考えておりません。条件つき内示もいたしておりません。ただ一般論としまして内示をしたと、それはもちろん資金を交付することを前提にした事実行為でございますけれども、例外がございまして、中には内示はしましたけれども交付決定の段階でそれを見送るという場合もございますし、中には内示はその当時の状況ではどうも適当でないという考え方で見送りましたけれども、その後の情勢の変化によって交付決定はするという場合も例外的にございますという意味でございます。
#187
○小笠原貞子君 時間がないのでごく具体的に伺いたいわけなんですよ。だから内示はしたと、確かに内示はされたわけです。内示はされたけれども、その東邦大学についての内示の内容ですね。年度内に一応出すという内示であったのか、いやいろいろこれはちょっと考えなきゃならないから、これは今度の第一次配分の対象にはならないという内示だったのか、出すような内示だったのか、出さないという内容だったのか、そこなんですよ、私の聞きたいのは。それによってこれが事実であるか事実でないかということになるわけでしょう。だから一般論ではなくて、東邦大学の場合にはその内示の中身はお金を出すという内示なのか。留保するのだよという内示なのか。そこのところをひとつはっきりさしてください。
#188
○参考人(池中弘君) それでは東邦大学に限りましてお答えをいたします。それで内示をしたときに別に文書で条件をつけてはおりません。ただ東邦大学は問題のある大学であるということはわれわれも承知しておりました。それで問題は教授でない方が医学部長をなさっておられる、あるいは病院長をなさっておられるということで、学則などと異なった運営がなされている。しかもそのポストは大学の理事になり得るポストで、現にそういうポストであるということでございますので、やはりこれは相当重要な問題であると考えたわけでございます。それで実態をお聞きしたわけでございますけれども、それは学則などと実際の運営とを一致させるべくいま努力中であって、近日中にそれは完了するというような状況でございました。そこでその学校当局の行き方に期待し信頼いたしまして内示をしたわけでございます。それでその決定をどうするかという問題だろうと思いますが、すぐに近日中にその結論も出るようでございますので、実情をよく確認した上でいかにするか決定していきたいと考えております。
#189
○小笠原貞子君 だから結局保留したということになるのじゃないですか、それなら。内示といまおっしゃったけれども、事実上は人事の問題でいろいろ問題があるし、まあ早急に何とか解決つくだろう、だから今度は見送ったということでしょう。お出しになるということではないでしょう。そこだけ聞いているのですよ、さっきから何度も。そこのところを一言でいいのですよ。だから見送ったわけでしょう、この間のところは。
#190
○参考人(池中弘君) この間のところは見送ったのではなくて、内示をいたしました。交付決定はまだこれからする段階でございます。ですから、それで私のほうでどうこうというわけではなくて、大学当局のほうで、この学校の基本法である学則と実態をとを合わせるとおっしゃるから、それではということで出したわけでございます。それでまた実態に合わせる努力がなされているわけでございますから、その結果を確認した上でいかがするかということをきめたい、こう言っているわけです。
#191
○小笠原貞子君 ほかの大学には、全然問題のないところには金額も大体これくらいという内示の中身でお出しになったわけでございますか。そうですね。ほかの大学には金額どのくらいという内容の内示だった。ところが東邦大学の場合にはいまおっしゃったようないろいろな問題があるから金額も出さないと、これは最終決定ではないけれども、内示はしたけれども、結局ほかの大学には何ぼくらいということをお出しになったのか。東邦大学には出していらっしゃらないわけでしょう、そこのところ。だから内示したしないではなくて、内示の結果、ここの補助金というものはいましばらく見送ろう、こういうことに結果的にはなったのでしょう。いくらおっしゃってもそういうことになるでしょう。つまりそこのところを……。
#192
○参考人(池中弘君) いや、東邦大学にも金額を示して内示いたしました。ほかの大学と全く同様でございます。
#193
○小笠原貞子君 いや、そこのところがはっきりしてないわけなんですよ。そちらとこちらとの調査の結果が違うわけなんです。そこで文部大臣、先ほど自分がきめたものを自分で踏みにじっているようなところはけしからぬ、こういうことをおっしゃったのですけれども、具体的にそれはどういうことなんですか。
#194
○国務大臣(坂田道太君) 管理局長から学則に違背しているということを言いましたから、学則に違背しておるとするならば、これはやはり問題だというととを私は申し上げたわけです。
#195
○小笠原貞子君 その学則に違反しているというのは、具体的にどういうことなんですか。
#196
○政府委員(岩間英太郎君) 学則に違反しておると申しますのは、学部長は専任の教授をもって充てるときめておきながら、それをやってない、それから私どもの関係では、理事になる者は学部長それから病院長、これが理事になるということに寄付行為上なっておりまして、そうして代行がなっておる。しかも、七月になっておるのに、届け出がいまになって、この場合新聞発表されましてからやっと届け出たというふうないろいろな問題がございます。これは厳密に違法であるかどうかという問題は別にいたしまして、不適当であることは間違いございません。
#197
○小笠原貞子君 私のほうでも東邦のほうから調べたわけですけれども、昨年の十二月に教授会は、予算とか教学に関することは教員会で行なう、それから福利厚生については医学部協議会が行なうということを二つの条件として解散しておりますね。御存じだと思うのです。それから本年の七月に寄付行為を改正をしております。本年の七月でございます。そうして医学部長、病院長の公選規定というものはまだないわけですね。目下つくりつつあるという作成の段階ですが、とりあえず理事会を発足させるために、公選規定ができるまで暫定的ないまの機関として代行を教員会議、それから教員会議で選出することを協議会と教員会の間できめられたことなんですね。そうしてこの八月末に現在の代行を選出しました。そうしてその代行選出された方々は学長や理事長が正式に承認しているわけですね。そうして九月五日付で発令になって、現在まで至っているわけなんですよ。こういうふうに考えますと、いろいろおっしゃったけれども、そこに大学側がみずから改革しよう、よりよいものにしよう、自分たちで手続を踏んで正式なルートできめてきた、そうして暫定措置であるけれども、いま代行制をしいててる、それについては理事長も、それから学長も、正式に承認して現在まで至っていた、そうしてこの補助金の問題が出るまでは、これは何も問題にならなかったわけなんですよね。ところが、この補助金問題を契機といたしまして、それはけしからぬじゃないかというような問題が起こってきた。つまり具体的に事実を追っていけば、幾ら人事には介入いたしません、私学の自主性を守りますとおっしゃっても、具体的にこういうふうに大学自身が改革をしてきている段階において、それは寄付行為を変えたり、前のことと変えたら、それはけしからぬというのは、これは具体的にまさに介入そのものではないでしょうか、どうなんですか。
#198
○政府委員(岩間英太郎君) それは人事に対する介入ではございません。具体的な人事につきましては、文部省は介入する意思はございません。実際の学校の運営の仕組み、それから学校の経営の仕組み、そういうものについては、これは私ども法律の規定もございますし、非常に関心を持っております。そういうものがあいまいな形でやられるということは、これはいけないことだと思います。
#199
○小笠原貞子君 直接そこが問題なんですね。この私学振興財団というものが非常に第三者的であるけれども、先ほど来言われた非常に誤解をされて非常に不本意だと、そちらもおっしゃるんですけれども、私のほうでもそこのところが非常に危険なところだと、事実見てきている中を、だから、いま岩間管理局長、人事については直接介入してない、確かにそうでしょう。文部省それはけしからぬとおっしゃらなかったでしょう。しかし、実際補助金をもらう段階において、そういうところがちょっと問題だということになってくれば、リモコンですね、文部省うしろでちゃんと人事介入できるようになってきているところが、そこがいまなお心配しているところなんで、私はここのところを指摘したいわけなんですよ。事実そうでしょう。直接は介入してないけれども、補助金もらうためには、そういう人事ではちょっとこれは問題があるといって延ばされちゃったりなんかすると、政府でも、しかもこれがこういうふうに大きな問題になったというところに、みずから原因をつくっていらっしゃる、そこが問題だと思うのですよ。だから具体的にはやはり介入を自分の手ではされないけれども、財団を通して具体的に私学の人事というものもかえなければこれはもらえないんじゃないだろうかというふうに学校側が考えざるを得ないように追い詰めていっているところが、ここが危険な状態だと、私はそう思うんです。いかがです。
#200
○政府委員(岩間英太郎君) 私どもが人事に介入しなくても、学校のほうでちゃんとやっていただければそういう必要はないと思います。たとえば学部長をしておられる助教授の方、りっぱな方だというふうに承っておりますけれども、そういうりっぱな方でしたら教授にされればいいわけです。別に問題はないわけです。それからもし助教授の方を当てたいと思えば学則をお変えになればいいわけです。私どものほうで別に学則を認可するとかというふうな介入をするような仕組みにはなっておりません。届け出るだけでいいわけです。ですから、そういう点をはっきりされなければいけないんじゃないか。むしろ自分のほうでおきめになっているわけですから、自分のほうでおきめになったことははっきりしてもらわなければ困る、そういうことでございます。
#201
○小笠原貞子君 私のほうで調べますと、財団としてはいままで調査をなさるのに苦労なさったと思うのですけれども、財団として正式に連絡があったのは十一月二十七日ですね、東邦大学にね。その前に全然財団として正式に連絡もなかったわけなんですね。しかし、その二十七日正式に連絡がある前に、十一月の十四日には私大連盟から、十一月十六日と二十四日には文部省大学学術局研究助成課から第一次内示は保留との連絡があったというわけなんですね。そうして十一月二十七日の口頭による財団からの連絡では、文部省の研究助成がだめだからだめなんだと、異常人事が改められない限りだめなんだという内容が伝えられたと、こういうふうに私どもが調査したところでは事実関係がなっているわけですよ。その辺はどうなんですか。
#202
○参考人(池中弘君) 十二月三日に内示を出しております。それで、その前に大学から来ていただきまして事情は聴取いたしました。それから内部にもいろいろな御意見がございますので、内部的によく検討をした結果、十二月三日に普通の大学と同様に内示をしましたので、いろいろなところからいろいろな情報が入ったようでございますけれども、事実は十二月三日内示をいたしております。金額も示しております。
#203
○小笠原貞子君 ここのところが非常に事実関係で誤解を招くところなんですね。だからそういう意味においても財団のほうで、今度の内示についてはこうこうこうだということをほんとうに明らかに公開されるということが必要になってくると、私はこう考えるわけなんですよ。それで、いまのお話ですと、ちゃんと財団で正式にやったということなんですけれども、それでは文部大臣にお伺いしたいのですけれども、先ほど言ったように、もう正式に財団から学校に連絡しない前に文部省の大学学術局研究助成課から東邦大学にそういうような連絡が行ったということはちょっと行き過ぎだと思うのですね。これは正式に財団との関係になってくるわけなんですけれども、その前に文部省が学校に直接いろいろ情報を入れたり、ここのところがあれなんだということになると、いつも私が言う文部省の介入なんだと。そういうことはなかったんですか。あったんですか。
#204
○政府委員(村山松雄君) ただいまのお尋ねの点は、おそらく私どものほうの私立大学研究設備補助金のことが私学財団の一般私学助成金と混同されたのではないかと思います。私どものほうで法律に基づきまして私立大学に対しまして研究設備の補助金を出しております。これにも東邦大学は申請されておりまして、この分は現在まだ内示をいたしておりません。そこでこれはわがほうから通知をしたのじゃなくて、東邦大学のほうがもうそろそろ内示があるころだろうということで照会においでになったようでございます。それに対して、東邦大学は現時点では内示がむずかしいということを申し上げたことがあるようであります。それと財団の助成金とがおそらく混同されたのではないかと思います。
#205
○小笠原貞子君 まあ混同されたかどうか、私その場で録音とってきたわけじゃございませんからわかりませんよ。しかし私のほうで調べますと、大学側は十一月二十四日の夜、その学術研究助成課の専門員の原現吉さんという方が、渋谷の、これは名前はわかっておりますが、ある料亭で大学側の招待に応じている。その席上まあその話が出るわけですね、その保留ということについて。で、その保留の意見は、助教授や助手が学部長や病院長になったりと、先ほど言われているような人事が問題なんだ、だから人事を変えればいいんだよと、そこで伝えられていると。もしこれがほんとうなら――私はほんとうと思いたくないけれども、もしこれがほんとうなら非常に大事な重要な問題になってくるわけです。まさに先ほどから言ってるように、私学の自主性をそこなう行為であるし、しかも公務員たる者が自己の立場を利用して招待を受けて、そして真意はこうだということを口から出すということは、まさにこれは文部省の明らかに行政介入だ。だからこういうようなことが行なわれていいか。まさか行なわれているとはおっしゃらないだろうけれども、こういう事実があることを私のほうはつかんでいるわけです。このような発言はすべきではない。こういうような行為もあるべきではない。非常に重要な問題だ。こういうことであるから非常に疑惑をまいているのだということを申し上げたいわけなんです。その辺のところをどうお考えになりますか。
#206
○政府委員(村山松雄君) 前にも申し上げたように、大学局で扱っております私立大学の研究設備の補助金も、これは仕組みが別でありますけれども、まあ内示が出る段階になっておりましたので、おそらく東邦大学のほうは学長代行並びに学部長代行らの方々がお尋ねに見えたものだと思います。で、たまたま以前から知り合いであったというようなことで、まあ仕事が、仕事と申しますか、必要な照会が済んだあとで帰りに一緒に食事をしたということがあったようでありますけれども、その点につきましては、これは研究設備の補助金の様子を聞くことと食事ということは、これは別の問題だと思っております。
#207
○小笠原貞子君 その辺のところけじめをつけていただきたいのです。時期が時期でございいます。そしてこの問題について非常に大学は聞きたいというような時期に、そういう公務員の方が料亭に招かれて、これは食事は別だ、こんなふうに割り切れるものではないのです。こういうふうに癒着しているところが問題なんだ。それはこれから大いに慎んでいただきたい。こんなことがあってはいけないと思うのです。食事を一緒にしましょうと言っても、いままでが公務の話だったらそこで打ち切って、また今度にということで、それをなさるべきですよ。それがないと、まさにそういうところで大学側に介入してしまうと見られてしまうのです。見られてしまうのじゃなくて実際やっていらっしゃると私は思うのです。で、ここでその一人の人が問題なんじゃなくて、こういうような事実が出てきたり、それからいろいろこういうふうに取り上げられるということは、やはり財団から、あなたの学校にはこうこうこうなんだというような内容というものが明らかにされてない。先ほど、されている、とおっしゃいましたね。ところが、私今度芝浦工大のほうを調べてみたのです。そうしたら芝浦工大のほうは内示がなかった理由として、この前の授業料値上げを白紙撤回をやっちゃって、取ったものまでまた返しちゃった、これはけしからんというようなことが言われたというようなこともうわさになっているわけなんです。それからまた、財団から補助をもらうためには、先ほどもおっしゃいました計数的な問題も一緒に、大学が効果的に教育研究の実をあげるためには管理体制をきちっとしなければならない、確かにそうでしょう。しかし、そのために芝浦工大では、必要な人員をふやすのをやめて部課長制という管理体制を強化するという、いわゆる先取りでごきげんをとって何ぼか補助金をもらいたいと、こういうことが出てくるわけなんですよ。だからその辺のところがそちらの真意はこうだとおっしゃられても、事実は大学側としてはこれをしなければもらえないのじゃないか、こういうふうにしなければという先取りで、実際には文部省の期待するようなそういう大学になっていかざるを得ないという、そこのところが非常に客観的に公正だということを示すことができないわけなんですね。だから客観的に公正に適正に補助金が使われるためには、やはり先ほどおっしゃったように、財団側から学校側にはっきりとその内容というものもお話をして、そして一般に知らせなくてもいいです、それはいろいろ問題があるでしょうから。しかし少なくとも大学の理事者側、大学側にははっきりと内容を公開する、こういうことが必要だ。先ほどもそれはしているとこうおっしゃっていたので、その辺をはっきりと確認してよろしいですね。
#208
○参考人(池中弘君) 今回の概算払いはたびたび申し上げますように一律でございますので、特定の場合以外に内容についてどうこうということはしておりません。ただ問題のあるところ、これは特に今回対象にしなくて繰り延べましたところについてはよく話してございます。
#209
○小笠原貞子君 文部大臣どうですか。こういうふうにいろいろと週刊誌には出るわ、新聞には出るわ、私のほうで調べても非常に食い違いが出てくる。ここのところが私は非常に大事なところだと思うのですよね。だからもういまの段階ではこうなんだということを財団から大学側にはっきりそこのところはわかるように公開すべきだ。そうすることによって大学自身もああそうか、こういう点が指摘されたらこれはどうなんだと、自主的にまたそれを解決するという努力もできてくる、前進してくると思うのですね。そういう立場に立って大臣として、財団から大学側にきちっと内容を公開するということについては御賛成をいただけると思うのですけれどもいかがでございましょうか。
#210
○国務大臣(坂田道太君) 財団と大学との間は常に信頼関係、そして大学の経営の安定あるいは教育研究の向上ということについていろいろ両方から話し合うということがやはり非常に必要だと思いますので、私から申し上げませんでも、きょういろいろ各委員から御質問がございましたから、おそらくこの私学振興財団で自主的にお考えいただけることだと私は思うのでございますす。
 それから一般的に何か自分の大学のあるべき姿といいますか、あるいは自分たちできめた規則もちゃんとやっておらないというようなことについて、これはむしろ何もものを言っちゃいかぬ、財団も言っちゃいかぬ、文部省も言ってはいかぬと、こういうようなことは私はいかがかというふうに思うのですよ。むしろこういうことは率直に、早くこういうふうにされたらどうですかというようなことぐらいはわれわれに言わせていただくことが、むしろ私学の健全な発達のためにいいことであって、そのことは何も私学に対して私が介入するとか何とかという問題とは別じゃないか。この辺のところは共産党の方々といえども、何といいますか同じような基盤に立ってこの私学に対しないと、そうしないと、一面においてはやれ拓大どうでございます、日大どうでございますとやられるわけですが、しかし十分に責任の持てないことまでも私だけに責任を問われましても、それはなかなかそうはいかないわけでありまして、それならば私がある程度指導、助言ができるということをお許しいただければ、ある程度その責任を私は果たすことができる。それもやっちゃいかぬ。ある面においてはそこを追及される。一体私はどうしていいかわからない。こういうことになりかねない。この辺のところは私は冗談じゃなくてほんとうに真剣にお考えいただきたいと思うのでございまして、やはり規則できめてあることはそれはやはり大学側もちゃんとやらなきゃいかぬということは私もちゃんと認めますけれども、そこで文部大臣はどうですか、私学財団はどうですかと言うならば、なるほどといって私もわかるわけでございます。おっしゃいましたことは私もわからぬ男でもございませんつもりでございますから、十分御意見を承りまして、国会の問題はこれまたどうかは、少なくとも意思が、どういう理由でどうなんだということだけは財団から向こうにおっしゃっていただいて、向こうがそれに応ずるか応じないか別にいたしましても、伝わるというようなことはおそらく賢明な理事長さんのおられる私学財団でございますから私は信頼をいたしたいと思います。
#211
○小笠原貞子君 すみません、時間の御通知いただいたんですけれども、この間も大臣、最後の時間切れでぱっとおっしゃるわけですよね、私の質問何の、共産党のと、こういうぐあいに。そうなられると私もやっぱり、売られたことばこっちも返さなきゃならぬということになるわけですよ。ですから私はきょうはほんとうにおとなしくしていようと思ったのにまたおっしゃったわけなんで、いわゆる拓大問題だ何だと、こうなるとまた言わなくちゃならないわけなんだけれども、ちょっと一言その問題について私は弁明させていただきたいと思うんです。私の考え方を言いたいと思うんですよ。私はやっていいときにはやるべきだと、やるかやらないかは何によってきまるか。それは文部省としては憲法と教育基本法の精神に沿ってやらなければならないところはやってほしいと言ったんですよ。だから拓大のときにやってほしいと言ったのは、白昼堂々と日本刀やドスを学内で持って歩いている、学生集会での発言も自由にできない、それのみか安生君が殺されたその前に、二年前におんなじ拓忍会がなぐり殺しているんですよ。私はこういうようなことがそのまんまに置かれては困るから、だからこれは取り締まるべきだと言ったんですよね。これは取り締まってほしい、これ当然でしょう。これ取り締まれと言ったんですよ。今度こっちの補助金の問題に関しては、直接ではないけれどもそうならざるを得ないように追い詰められて、さっきこっちでおっしゃったニンジンですよね。そういうことになると結果的には介入になると、そういうようなことはしてはいけないから、だからこれも憲法、教育基本法、そして私学法の精神、財団の立法されたときの、大臣おっしゃった精神に従って、いやしくも自主性をそこなうと見られるようなそういうことはしていただきたくない。私のほうは首尾一貫しているんですよ。そちらのほうが混乱していらっしゃる。それで、時間もうないですけれどもね、あとで言われると私は困るんですよ、この次まで延長になってしまいますから。そこで、そこのところはきょうのところとめておきますよ。大臣それまた言うんだったら私にもう一回発言する時間を保留してもらわなかったら、大臣またこの機会を利用して何言うかわからない。私は黙っていられないですよ。だから私は、大臣が先ほど拓大おっしゃったから、だからそれについて私の考え方を答えたので、ここでこの問題はとめていただきたいのです。そしてこの次またやりましょうよ、ゆっくりね。それで――すみません、ほんとうに困っちゃうんだな、大臣長いことよけいなことおっしゃるから……。
 そこで、授業料の問題なんですけれどもね、授業料の問題がいま非常に私学の場合出てきている。特に専修大ですね、専修大が授業料の突破口になっていると――これで終わりますから、委員長すみません――専修大が授業料値上げの突破口になっていると、こういうことになりますと、せっかく私学財団法ができてわれわれの血税で国が助成して、そして授業料の面でも国・公・私立との格差を少なくしようというふうに、こういう時期にまた私学が、先ほど伺いますと十校あると岩間さんおっしゃいましたね、私学が値上げ申請されている。あとほかのでたくさんあると言われた。もしよかったらその十校、よかったらじゃない、ちゃんと十校、どういうところが値上げ申請やっているか。私のほうでは専修大というのを見ているわけですけれども、この専修大の値上げに対してですね、私は値上げすべきじゃないと、国立もいま値上げしない――大臣のこれは衆議院での御答弁でも、私立大学の授業料値上げについての質問に対して、大臣こうおっしゃっているわけですよね。再々の国庫補助の拡大される方向で補助を行なうならばおそらく授業料の引き上げをしないで済むのではないかと考えます――ここで財団から補助金が出ると、そうすると私学での授業料の値上げは好ましくないしこの時期にはしなくても済むと私は思うわけなんですね。その辺について大臣は、との私学の授業料の値上げというのが一応大きな問題になっているので、この時期において、財団からの補助金を出されるというこの段階において、なおかつ私学が授業料値上げをするということについてどうお考えになるか。この前の御答弁では、これはしなくても済むというふうな御答弁になっているようにこれで読んだのですけれども、それ大臣お答えいただきたいし、岩間さんのほうには、値上げ申請してきている私立大学の十校というものを教えていただきたいわけなんですね。それから財団のほうには、値上げを申請しようとしている専修大学、これにも問題あるのですけれども、どれくらいの補助金の内示というものが、補助金が出せるというふうに、どれくらいの額が出されると予定されているのか、できたらお伺いしたいと思うわけなんで、お三方から一言ずつ――大臣、ほかのことを言ったらまた答弁立たなきゃなりませんから……。
#212
○委員長(楠正俊君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#213
○委員長(楠正俊君) 速記を起こして。
#214
○国務大臣(坂田道太君) 私立大学の授業料の値上げは、一般的にいいましてぜひとも値上げをしてはもらいたくないというふうに思っっております。また各大学においてもそういうふうに御努力になるものだというふうに期待いたしております。
#215
○委員長(楠正俊君) 簡略にお願いいたします。
#216
○参考人(永澤邦男君) 私立大学の授業料値上げで、本年度はすでに私立大学が一番財政の困窮のときです。ですから、もちろんその財政事情は各大学によって多少の困窮度は違いまするが、したがって非常に困窮度の高いところは授業料の値上げも考えざるを得ない情勢であります。それから財団の助成、幸いに助成をいただくようになりましたけれども、本年程度のものではやはりそれをカバーできない。で、やはり授業料の値上げをせざるを得ないのが一般の趨勢かと思うのでありますけれども、現在私立大学側はようやくことしから助成が出るので、国の好意に対していま値上げをすることは国の好意に反することでもあるからできるだけ自重しようというかまえになっております。で、明年度の予算ではことしの倍くらいを計上してくださったので、その査定の状況を私立大学は見守っておるというのが情勢でございます。
#217
○小笠原貞子君 私が質問したのは、専修大にどれくらいの予定があるかということを伺っているのですよ。
#218
○参考人(永澤邦男君) 一般的には……。
#219
○小笠原貞子君 だから、一般的で返ってくるから時間とっちゃうんですよ。
#220
○参考人(永澤邦男君) 一般的には値上げをせざるを得ない、値上げするのもやむを得ない情勢だと思います。
#221
○小笠原貞子君 質問に答えてくださっていないですね。専修大学にどれくらいの額だと私は質問しているわけです。
#222
○政府委員(岩間英太郎君) ここに授業料値上げ決定いたしました報告が十二月十一日現在で学生課のほうにまいっておりますが、その中には、たいへん恐縮でございますが、専修大学のほうは入っておりません。まだ報告がないわけでございます。授業料は私のほうで認可をするわけではございませんので、報告というのは自主的にやるという程度でございます。それからなお授業料はちょっとまちまちでございまして、たとえば立正大学は六万円から八万円というような引き上げでございますが、御承知のとおりいまの授業料の平均が八万二千円でございます。それから立命館あたりも値上げをするというような話を聞いておりますが、あそこの授業料は非常に低うございまして、現在四万円でございましたか、そういうふうにまちまちでございますので、一がいにいい、悪いということは言えないのじゃないかというふうに考えます。
#223
○委員長(楠正俊君) 他に御発言がなければ、本件についての本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#224
○委員長(楠正俊君) これより第八号「なぎなた」の高等学校保健体育科女子格技の必修教材採択に関する請願外四十六件を議題といたします。
 便宜、速記を中止して審査いたします。
 〔速記中止〕
#225
○委員長(楠正俊君) 速記を起こして。
 それでは、ただいま審査いたしましたとおり、
 第二七号養護教諭の全校必置等に関する請願外八件
 第三一四号 公立学校における警備員設置等に関する外請願二件
 第三七〇号 公民館建設に対する財政援助に関する請願
 第三七九号 教育予算増額に関する請願外二件
 第四四八号 山村へき地の医療保健対策強化のため医科大学の新設等に関する請願
 第六一六号 幼児教育振興に関する請願外一件
 以上十九件の請願は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定いたし、
 第八号「なぎなた」の高等学校保健体育科女子格技の必修教材採択に関する請願外十八件
 第五〇号私立学校の学費負担軽減等のための公費助成制度確立に関する請願外七件
 第四四二号 昭和四十六年度用教科書の値上げに関する請願
 以上二十八件の請願につきましては、留保と決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#226
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#227
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#228
○委員長(楠正俊君) 継続調査要求についておはかりいたします。
 教育、文化及び学術に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#229
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認めます。
 なお、要求書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#230
○委員長(楠正俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 別に御発言がなければ本日は、これにて散会いたします。午後四時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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