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1970/12/08 第64回国会 参議院 参議院会議録情報 第064回国会 内閣委員会 第2号
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1970/12/08 第64回国会 参議院

参議院会議録情報 第064回国会 内閣委員会 第2号

#1
第064回国会 内閣委員会 第2号
昭和四十五年十二月八日(火曜日)
   午前十時七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月二日
    辞任         補欠選任
     岩間 正男君     野坂 参三君
 十二月四日
    辞任         補欠選任
     野坂 参三君     岩間 正男君
 十二月八日
    辞任         補欠選任
     山本茂一郎君     上田  稔君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         西村 尚治君
    理 事
                石原幹市郎君
                八田 一朗君
                足鹿  覺君
                上田  哲君
    委 員
                上田  稔君
                佐藤  隆君
                玉置 猛夫君
                長屋  茂君
                安田 隆明君
                山本茂一郎君
                鶴園 哲夫君
                矢山 有作君
                中尾 辰義君
                峯山 昭範君
                片山 武夫君
                岩間 正男君
   衆議院議員
       内閣委員長代理  塩谷 一夫君
   国務大臣
       外 務 大 臣  愛知 揆一君
       国 務 大 臣  山中 貞則君
   政府委員
       人事院総裁    佐藤 達夫君
       人事院事務総局
       任用局長     岡田 勝二君
       人事院事務総局
       職員局長     島 四男雄君
       総理府総務副長
       官        湊  徹郎君
       総理府人事局長  栗山 廉平君
       防衛施設庁長官  島田  豊君
       外務大臣官房長  佐藤 正二君
       外務省経済協力
       局長       沢木 正男君
       外務省国際連合
       局長       西堀 正弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
   説明員
       林野庁職員部長  齋藤 誠三君
       労働省労働基準
       局安全衛生部労
       働衛生課長    山本 秀夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の
 処遇等に関する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(西村尚治君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案、国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案、両案を一括議題といたします。
 趣旨説明を聴取いたします。山中総理府総務長官。
#3
○国務大臣(山中貞則君) ただいま議題となりました国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
 近年わが国の国際的地位の向上に伴い、国際機関、外国政府の機関等に技術協力等のため派遣される職員の数が増大しておりますが、現行制度ではこれらの機関に派遣された職員の身分、処遇等に関する取り扱いが必ずしも統一的に行なわれにくいため、種々の不均衡を生じております。
 かかる現状にかんがみ、本年三月五日付をもって人事院から国家公務員法第二十三条の規定に基づき、国会及び内閣に対して、派遣職員の利益を保護し、安んじて派遣先の業務に従事することができるように、一般職の職員の国際機関、外国政府の機関等への派遣について新たに制度を設け、派遣職員の処遇の適正をはかる必要がある旨の意見の申し出がありましたので、この申し出に基づき、国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案を作成し、ここに提案をいたした次第であります。
 次に、この法律案の内容の概略を御説明申し上げますと、その要点は、第一に、各省各庁の長は、条約その他の国際約束に基づきまたは国際機関等の派遣要請に応じて国際機関等の業務に従事させるために、部内の職員を派遣することができることにしたこと、第二に、派遣職員は、派遣期間中、職員としての身分を保有するが職務に従事しないものとし、派遣が終了したときは、直ちに職務に復帰することにしたこと、第三に、派遣職員には、派遣期間中、俸給その他の給与の百分の百以内を支給することができるようにしたこと、第四に、派遣職員が派遣先の機関の業務に関し災害を受けたときは、公務上の災害を受けたものとみなして国家公務員災害補償法による療養補償、障害補償、遺族補償等を行ない、国家公務員共済組合法による廃疾年金、遺族年金を支給する等のことができるようにしたこと、第五に、退職手当の算定については、派遣期間を職員としての在職期間としてそのまま通算することにしたこと、第六に、特に必要があると認められるときは、派遣職員に往復に要する旅費を支給することができることにしたこと、第七に、派遣職員が職務に復帰したときには、任用、給与等の処遇について他の職員との均衡を失することのないように、適切な配慮が加えられなければならないものとしたことであります。
 以上のほか、この法律は公布の日から三十日を経過した日から施行することとしておりますが、施行に伴う経過措置として、第一に、現に国際機関等の業務に従事している休職中の職員は、この法律の施行の日に派遣職員となるものとすること、第二に、この法律の施行の日前に、休職等で国際機関等の業務に従事していた期間を有する職員の退職手当の算定については、当該期間を在職期間として通算する等の措置を講ずることにいたしております。
 なお、この際付言いたしますと、沖縄の復帰が昭和四十七年に予定されておりますが、復帰するまでの間、琉球政府との間に人事交流の計画が定められ、これに基づいて一般職の職員が同政府に派遣されることになれば、この場合にもこの法律を適用することを予定いたしております。
    ―――――――――――――
 次に、国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
 本年二月二十八日付をもって人事院から国家公務員法第二十三条の規定に基づき、国会及び内閣に対して、国家公務員災害補償制度の改善を行なう必要がある旨の意見の申し出がありましたので、この申し出に基づき、国家公務員災害補償法等の一部を改正するとともに、あわせて公務上の傷病により休職にされた職員の退職手当の改善をはかるため、この法律案を作成し、ここに提案をいたした次第であります。
 次に、この法律案の内容の概略を御説明申し上げますと、その要点は、第一に、障害補償年金について、障害等級第一級の年金額を現行の給与日額の二百四十日分から二百八十日分に引き上げる等、障害等級の第一級から第七級までの年金額を約一六・五%引き上げることにしたこと、第二に、遺族補償年金について、遺族三人の標準的な遺家族に対する年金額を現行の給与年額の百分の四十に相当する額から百分の五十に相当する額に引き上げる等、遺族数の異なる遺家族についての年金額を平均して約一〇%引き上げることにしたこと、第三に、現行では遺族補償年金の受給権者が希望する場合には、死亡職員の給与日額の四百日分に相当する額を一時金として前払いする制度が五年間、すなわち昭和四十六年六月三十日までの暫定措置として定められておりますが、実情にかんがみ、この暫定措置をさらに五年間延長することにしたこと、第四に、前国会に提案いたしました内容にさらに追加して、公務上の傷病により休職にされた職員の退職手当については、現行では、一般の休職の場合と同様、当該休職期間の二分の一の期間を在職期間から除算する取り扱いがなされておりますが、この除算を行なわないことにしたことであります。
 以上のほか、所要の規定を整備することといたしております。
 なお、この法律案は、公布の日から施行することといたしておりますが、国家公務員災害補償法に関する改正部分については、労働者災害補償保険法にあわせて、昭和四十五年十一月一日から適用することといたしております。
 以上、この法律案について簡単に御説明申し上げましたが、何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 なお、私、衆議院の産業公害対策特別委員会の連日審査がございますので、副長官を残しておきますので、その他事務当局に答弁その他をお許しいただけるようお願いいたします。
#4
○委員長(西村尚治君) 続いて、国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案は、衆議院において修正議決されておりますので、その修正部分について説明を聴取いたします。衆議院内閣委員長代理塩谷一夫君。
#5
○衆議院議員(塩谷一夫君) ただいま議題となりました国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案に対する衆議院の修正について、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府原案は、国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等について統一的な制度を定めようとするものでありまするが、国会職員についても、一般職の職員と同様の措置を講ずることが適当であると考えまして、その附則において国会職員法の一部改正を行ない、所要の規定を設けることといたした次第であります。
 以上が本案修正の趣旨であります。
#6
○委員長(西村尚治君) それでは御質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○足鹿覺君 ちょっと議事進行について。この際、委員長並びに委員各位、また政府当局に対しまして要請したいことがございます。それは要求資料の取り扱いについてでありますが、ただいまお手元に配付いたしております私の調べたところによります要求資料の当委員会に提出されたものと、しからざるものとについて、ごらんをいただいておわかりいただきますように、大体提出されたものが半分、今日に至るまで提出されないものが約半分、こういうことになっております。このマルのついておりますものはすでに提出をされておりますが、マルのついておらない「過去三年間の行政監察結果の内問題となる点について」、これは峯山委員から行政管理庁。「二、三年前からの古米の処理状況について」、中尾委員、これは食糧庁。「航空需要の空港別、路線別の見通しについて」、これは私。「六大都市におけるタクシーの増車割当てについて」、峯山委員。「各種公的年金の引き上げ率について」、これは私。それから「航空総隊発の領空侵犯に関する達について」、以下六項目にわたる自衛隊関係の要求資料が提出されております。これは岩間委員。それから「自衛隊講演会における講師の発言内容について」、これは矢山委員の提案であります。
 というように、これらはすでに個人には配付されておるかもしれませんが、当委員会には正式に配付になっておりません。で、今後この実績から見まして、委員長に御配慮いただきたいと思いますことは、各委員の当委員会での要求資料は、個人的なものとして取り扱うことなく、委員会要求資料として取り扱うよう、委員長においてお取り扱いを御決定いただきたい。特に委員からその旨の要求はなくとも、そのような取り扱い方に今後していただく。同時に、未提出の資料は、当臨時国会中にでき得る限りすみやかに提出してもらいたい。こういうことでございますが、委員長におかせられては、さようなお取り扱いを今後していただけますかどうか、この際、同僚議員の御了解を得ますとともに、よろしくお願いをいたしたいと思います。御所見をお願いいたします。
#8
○委員長(西村尚治君) わかりました。御趣旨に沿うように十分善処してまいりたいと思います。
#9
○足鹿覺君 なお、この際、防衛庁、防衛施設庁当局に申し上げておきますが、本年十月十二日、私が「防衛庁および防衛施設庁の沖縄調査結果について」、「防衛施設庁沖縄準備事務所の設置目的、規模等について」、「第二次空港」――これはよろしいんですが、この二つの防衛庁関係の要求資料につきまして、去る十一月十七日付私に対して資料の御提示がございました。しかし、沖縄返還の間近に迫った今日、私がこれを要求いたしました意味は、沖縄県民が待望しておる返還施設の具体的な内容、つまり種目、面積、その他沖縄県民が今後経済的にも社会生活の上においても、あるいは防衛庁がそのまま引き継ぐにいたしましても、その具体的な内訳を知りたい、こういう趣旨でございます。しかるに、聞くところによると、政府当局においては三百ページにわたる資料の――内部においては取りまとめたものがあると聞いておりますし、また、それを集約したものについても四十ページ以上のものがあると伝え聞いておるにもかかわりませず、このような抽象的でかつ具体性に乏しいものが提示されたことは、はなはだ不満である。よって今後かかる抽象的なことについてお取り扱いになりますならば、私どもとしてもこれに対処する用意があることを申し上げておきます。
 なお、御参考までに申し上げますが、少なくとも新聞紙に発表される各種の主要内容とおぼしきものを見ますると、当委員会に出されるものとの間には相当距離のあるものも見受けられるのであります。これは休会中等はやむを得ない場合もあると存じますが、少なくとも国会開会中においては、当委員会を通じ、つまり国会を通じて国民の前に明らかにされることが私は正しい取り扱い方だと存じまするので、自今そういうお取り扱いをしていただきたい。
 これについては本日は答弁は求めません。しかと申し上げて、防衛庁並びに関係当局の反省と今後の措置を御検討おき願っておきます。それについての質疑は本日はいたしませんが、今後のあなた方の、政府当局のこれに対する態度いかんによっては、日を改めて質問その他適当な方法でもって御所見を承ることにすることといたします。
 委員長、でき得る限りじゃなしに、そういうことの取り扱いにするということを言ってもらわにゃ困ります。
#10
○委員長(西村尚治君) そういうふうにいたします。
#11
○鶴園哲夫君 初めの、国際機関等に派遣される公務員の処遇改善の法律案、これ、どうっていうことないのですけれども、どういうわけでこういう長いこと不合理な問題がそのままになっておったのかという点について若干疑問があるのですけれども、どういうことでこういう不合理な問題がこういうふうに長いことほっておかれたのかというのが第一の疑問なんです。
 それともう一つは、ここでこういう改正をして処遇を改善されるわけなんですが、その間に非常に不利をこうむった人たちがおられますね。五年、六年、七年にわたって不利な取り扱いをいままで受けているわけですね。そういう人たちに対してはどういう措置をされるのか。ある程度の経過措置が要るのじゃないかという気が非常にするんですけれども、何か非常に不利な取り扱いを受けた人もおられるようですし、せっかくこういう法律ができるなら、何か前の人たちに対する措置が必要じゃないかという気がするわけですがね。その二つをまず人事院にお伺いをしまして、それから政府に対しましては、まあ、内閣調査室の資料と、それから人事院の資料等を見ますというと、国連の本部ですね、国連の本部に分担金に応じて割り当ての人員が出ていますね。それに対して著しく充足されてない。まあ、たいへんなGNPが世界第二位だとおっしゃるのだけれども、おそろしく充足されていない。三〇%か四〇%程度の充足じゃないでしょうかね。非常にたいへんその充足率が悪いということ、それで、それは国連の本部だけではなくて、それ以外のいろいろな国際機関あるいは国連、その他のILOにしましても、FAOにしましても、そういうふうな国際機関に対するこれまた分担金に応じて人員の割り当てがあるわけですね。これもまた非常に充足率が悪い。全体としましてこれは非常に充足率が悪い。それはどういうところに理由があるのか。政府は口を開きますと国連中心、国連中心とおっしゃるけれども、こういう割り当ての数字からいいますと、これはもうおそろしくそういう事態じゃないという気がするもんですから、その点を政府にお伺いをいたしたいと思います。
#12
○政府委員(湊徹郎君) ただいま国連その他、国際機関の分担金ないし出資金等に応じて当然それぞれの国際機関本部の職員等として日本から派遣ないしその事務に従事しているその職員の充当率が非常に低いではないか、実際にそのとおりでございます。で、ただここ数年、相当充足率は上がっておるわけでございますし、たとえて申せば、国連本部は大体まあおおむね五十人くらいの割り当て数になるのでありますが、現に三十六名ということでございますし、国際電気通信連合と世界気象機関、これは一〇〇%、ILO等は大体五〇%、こういうことで逐年上がっておるわけであります。
 で、今回のこの法律を、政府として人事院の勧告を受けて即刻提案いたしました理由、いろいろな処遇上のネックからなかなか休職という措置でもって従事するということになって、取り扱い上非常に不利になる、こういう弱点をひとつ除去することによって、国際的な地位も高まった今後の要請にこたえようというのが、この法律を提案した大きな事情でございますし、一般的になぜ充足率が低いかという点については、これは人によってはさまざま見解はございましょうが、語学力あるいはいろいろな国際的な接触の度合いが従来日本人全体が少なかった等、いろいろの事情が考えられると思いますが、今後その種の国際機関に対しては、この法律の制定とも相まって、これから大いに促進したいというふうに考えておる次第でございます。
#13
○政府委員(佐藤達夫君) 御指摘のおそ過ぎるんじゃないかという趣旨の御指摘だったと思いますが、おそ過ぎるという言い方もこれは成り立つと思います。決して早過ぎるとは思いませんけれども、私ども率直に申し上げますと、もう六、七年前から問題意識を持ってこれを検討を続けておったのでありますが、御承知のように、いま湊副長官のことばにもありましたように、国際的地位の向上というものが近ごろ特に飛躍的に高まってまいりまして、国際機関への割り当ての人数もふえており、向こうへ行く人もふえてくるというようなことから、いよいよこれは実現させなければいけないというようなことで、いわばムードづくりに努力するとともに資料の実態調査をやっております。先年、イタリーでありましたか、どこかヨーロッパでこちらから行った人が向こうで公務災害を受けて、そしてこちらの公務災害補償の適用を受けないというようなことが新聞にちらっと出ておりました。これはいよいよ機が熟したということで、今回の意見書の提出ということに踏み切ったわけであります。
#14
○鶴園哲夫君 副長官は、さっきの割り当てに対する充足率で一〇〇%のところをおあげになった。電気通信連合は五名割り当てについて五名だから一〇〇%というお話ですが、ゼロ%というところもありますし、全体としてははなはだしく落ちるわけですね。それで御承知のように、資料によりますと、国連はじめ国際機関の人員の増加というのは毎年非常なスピードで増加しておる。日本は五年間に五%漸増するといいますけれども、国連、国際機関その他についてはわがほうは年率五%、八%、七%と八%くらいの割合でふえていくと、これからまた非常にふえる状況ですけれども、さらに日本の国連に対する負担金も、来年ですか、急激に大きくなるらしいですね。フランスやイギリスと肩を並べる大きな負担率になるようですが、そうしますと、ますます割り当て人数というのは大きくなってくるということになると思うのですね。ですが、なかなかいままでの経緯からいいますと、たいへんむずかしいんじゃないかと思うのです。そこでいま処遇改善の法案が出まして、これは一体どの程度の効果があるものかという点を政府としてはどう考えておられるのか、それをまずお尋ねしたいのです。
#15
○政府委員(湊徹郎君) 先ほど申し上げましたように、なかなか日本人が国際機関等に出にくかったという点については、いろいろな障害があったわけでありますが、少なくともこのことによって、処遇上の大きな障害が取り除かれるということによって大いに前進する効果を私どもとしては期待しておる次第でございます。
#16
○鶴園哲夫君 あんまりそんなに期待はできないのじゃないかと思うのですが、それ以外にこれからどういう方策をとろうというふうにお考えになっておられるのか、またおとりになっていらっしゃるのか、それをお伺いします。
#17
○政府委員(湊徹郎君) 私がお答えするのが適当かどうかわかりませんが、とりあえず身分上の障害を取り除いた上で、先ほど申しましたように語学の点、この点、学校教育等を通じてかなり最近は語学力もついてまいっておりますし、それを政府、特にこれは外務省が主なると思いますが、政府としてもやはり国際機関に対する積極的なかまえというものを強化していく、そういうことによってこれから前進させる以外にないのじゃなかろうかというふうに思っております。
#18
○鶴園哲夫君 そうですね、総理府のほうで御答弁になるのは適当でないのかもしれませんですけれども、しかし政府全体としての人事の関係を取り扱っておられるわけだから、やはり総理府のほうでそういう面についての配慮がなければならぬのじゃないかと思うのですけれどもね。私は、いまおっしゃった外国語の問題、これも確かにあると思いますね。そういう問題についてはどういうようなふうにやっていかれるのか。日本人は御承知のように外国語をこれくらい習う民族はないといわれるくらい外国語をやらされておるわけですが、実際は国連あるいは国際機関に行きますというと、それも役に立っていないという実情にもあるようですね。で実際その一つの理由は、いま副長官のおっしゃったように外国語の問題もある。あるいは公務員としての性格が一つ大きなものがあるのじゃないか。日本の公務員の場合は、御承知のように行政一般についての訓練を受けておりますが、ところが国連等、やはり国際機関で要求する場合は専門家としてのそういう行政官が要求される。そういう人員が要求される。ですから、そういう意味では公務員としての性格が日本の場合と諸外国の場合とでは非常な差があるのじゃないかという点もありますし、それ以外にもいろいろあると思うのですよ。そういうものについての具体的解決策をとっていかなければ非常に足りない。これからますます足りなくなるだろう。充足率が低くなるだろうということに対しては、対応策がないということになるのじゃないでしょうか。私は、外務省は外務省なりにそれ相応の努力をしておられるのじゃないかという気はするわけですよ。ですが、そういう問題についてどこか、こういう法案を所管する総理府等が、全体としての配慮があり、あるいはプッシュがなければならぬのじゃないかという気もするものですからお伺いしておるのですが、もしそういうことを御承知なら、ここでひとつ説明をしておいていただきたいと思うのです。
#19
○政府委員(湊徹郎君) 私も非常に不勉強でして、ただいまのお尋ねの点について十分な知識持ち合わしておりませんが、いままで特に私、農業のほう、いろいろ東南アジアの技術協力等でタッチした経緯等から申しますと、確かにいろいろな各省、特に農業の場合は農林省でございますが、ずいぶん派遣はされて行っております。行っておりますが、帰ってこられた職員が、現地において蓄積したいろいろなものをまとめてそれを今後に生かしていこうというふうな努力、これはほとんど率直に言ってなかったようでございます。それぞれ担当、担当に応じてばらばらに行く、また帰ってきてからの処遇というのは、明らかに従来からずっと継続してつとめておられた人との間に遺憾ながら格差がつく、あるいは休職になって戻ったが、欠員、ポストがないので自分のもとおったところに戻れぬというような幾つかの例等も聞いておりますので、そこら辺を解消することが、やはり突破口としては一番先決問題ではなかろうかというふうな感じで、今度の法律につきましても、人事院の勧告を受けて即刻御提案申し上げた次第でございます。
 さらに、ただいまの点は、貿易も伸びる、あるいは経済協力、技術協力、接触面もふえてまいっておりますので、さらに外務省等と相談しながら、ただいまおっしゃるように、総理府というのはやっぱり全体を締めくくって、そういう政策をプッシュする役目であると心得ておりますので、従来以上にもっと努力を傾けたいというふうに思っております。
#20
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもの仕事の範囲から申しますというと限界がございますけれども、この機会にちょっと宣伝をさしていただきますというと、現在の公務員に対してそういう国際的な感覚、視野を持たせるというための努力の一環といたしまして、御承知のように、四年前から毎年各省から全体で二十四名を選抜いたしまして、そして二年間海外に留学をさせております。海外研修員制度と言っておりますが、これがもうことしですでに四回過ぎまして、五回目を送り出そうという時期になっておりますが、百何十人という人がもうすでに行って帰ってきておる。これはもちろん国際機関用のためというだけではございませんけれども、この方面の一つの視角を養うためにも大きな意味を持っているんじゃないかということを申し上げて、今後もひとつ大いにお力添えを願いたいと、お願いがてら申し上げておきます。
#21
○鶴園哲夫君 せっかくこういう法律ができて、処遇の面についてはまあある意味で統一されてきた。一般的にいえば非常に不利な取り扱いを受けておった者がそうでなくて済む。いいところに統一された処遇が行なわれる。しかし、それだけではいま非常に充足率が低い、これからも非常に心配される、そういう問題についての解決にはなかなかならぬのじゃないか、私はそういうふうに思っております。いま副長官がお話しになりましたように、まあ各省それぞれ国際機関に、あるいは外国政府に人を派遣しておるわけですけれども、確かにいまおっしゃるように、何かただやっちまったというだけの話になっておりまして、帰ってきても、その成果がどうであって、どういうふうにそういう人を活用するかという点についてもあまり考慮が払われていないようです。帰ってくるというと、何かもう取り残されてしまったような感じになりますし、これはまあ全体としてそういう状況にあるんじゃないかと思いますね。そうしますと、これから国連中心主義だとか国際化時代だとかいうようなことを盛んにおっしゃるわけですけれども、何かこれは各省だけにまかすことなく、各省全体を調整しながら、そしてそういうことにならないようなプッシュの方法を考えていただかないと、この法律によって処遇だけは、何か非常に不利な取り扱いを受けていた者がそういう取り扱いは受けなくなるけれども、それじゃあ積極的な面があるかといいますと、どうも私はこの処遇だけの問題では積極的な面はそんなにないのじゃないか。人事の取り扱いの問題にいたしましても、帰ってきたあとの処遇の問題にいたしましても、もう少し積極的に総理府のほうでプッシュをし、調整をする必要があるということを私は常日ごろ思っているものなんですけれども、そういう意味でもう一ぺん要望いたしまして、副長官の所見を伺っておきたいと思います。
#22
○政府委員(湊徹郎君) 先ほど申し上げましたように、私自身も実はいままでの体験を通じて痛切に感じております。そこでまあ鶴園先生も御存じかと思いますが、六年ほど前であったと思います。東南アジアをずっと回ってきた結果、これはやっぱり農林省に一つの足がかりというか、プールというか、熱帯農業研究所というふうなものを設けて、そうしていままで数百名現地に行っている人たちの過去の蓄積をそこに集めて、そうして今後の対策を講じ、同時に人を国際機関あるいは外国政府に国内から職員を派遣する場合の一つの窓口を担当願うような機構が必要である、こういうようなことを提案した一人でございまして、各省についても同じようなことが私も言えると思いますので、ただいまの御趣旨に沿うて大いに努力をしたいと思います。
#23
○鶴園哲夫君 次に国家公務員災害補償法につきましてお伺いをいたしたいのですが、国家公務員災害補償法は、よくいわれますように、無過失の賠償責任主義をとっている。ですから一般の損害賠償と違った面がある。たとえば休業補償をとりますと、百分の六十休業補償をする。公務によって休業しなければならないという場合に、百分の六十の休業補償をする。どういうわけで完全に補償ができないのかという点が非常に大きな疑問なわけなんです。で、いまの国家公務員災害補償法のたてまえからいいまして、私がいま言ったような完全補償ができないものかどうか、あるいはそういう問題についてどういうふうな考えを持っていらっしゃるかという点をまずお伺いをいたします。
#24
○政府委員(佐藤達夫君) 私からお答え申し上げます。
 いつも申し上げますのですけれども、この問題は、ほかの社会保険制度、社会保障制度との関連がありますものですから、そういう関係でバランスを考えながらやっておるということになるわけでありますけれども、ただこの運用の面におきましては、公務災害による関係では、例の休業援護金制度というようなものによりまして、平均給与額の百分の十ないし百分の二十というようなものが支給されておるわけなんです。その辺のところをあわせ考えながら、まずまずというような気持ちでおるわけです。
#25
○鶴園哲夫君 いま総裁は、バランスのほうをおっしゃったのですが、労災法ですね、これは私ども見ていますと、最低限の補償だという感じがする場合が非常に多いのですね。企業によりましてはその上に相当積み重ねて、かさ上げしている。それで国家公務員災害補償法の場合は、最高規定になっちまっている。それに積み上げるというようなことはほんとうの例外を除きましてはない。ですからバランス論からおっしゃいますと、どうも私はいまの総裁のお考えはふさわしくないように思う。だれが見ましても、民間の場合は最低の基準になっている。国家公務員の場合は最高の基準、最高限度です。ですからバランス論からいいましても、どうももっとこの問題を人事院として検討なさる必要性があるのではないかというふうに思うわけです。で、いま総裁のおっしゃいましたように、百分の六十でプラス、それに福祉施設中で百分の二十プラス、百分の八十という形になっておりますけれども、公務によって休業したという場合に百分の八十補償する――どうも私納得がいかない。やっぱり完全補償をするという、そういう方向で検討をする必要があるのではないか、こう思うのですけれども、もう一ぺん総裁のお考えを伺っておきたい。
#26
○政府委員(佐藤達夫君) ごもっともであります。ただ公務災害補償法でも、労災の関係ではバランスをとれというような規定もございまして、そうその独創的、独善的なことはできませんけれども、まさにいまおっしゃるように、あちらは最低基準を団交等によってその上積みというものが幾らでもできる体制になっております。そこはやはりぬかりなくわがほうでも考えながら、そうして適当なる処置と思われることはやっておる。たとえば今回も出ておりますが、この間出た千日分などは、実は向こうよりも先走ってやったわけです。今度労災のほうが追いかけてこれに歩調を合わしてきたというような面もありまして、いまおっしゃったような気持ちは私ども十分考えながら対処はしておる。なお今後もそういう気持ちで臨んでいきたいという気持ちを持っております。
#27
○鶴園哲夫君 いま休業補償の例をとったんですけれども、この休業補償で、たとえば係長なら係長、課長なら課長が公務によって休業したという場合には、どの法律を適用されるんですか。国家公務員災害補償法でやられるんですか。
#28
○政府委員(島四男雄君) 通常の場合でございますと、定員内職員の場合には、通常まあ休職処分という処分がございますので、公務災害によって休職になった場合には一〇〇%給与が支給される、これは給与法に規定されております。で、問題はやめたあと、つまり給与を受けることができなくなったという場合に、初めてこの休業補償という補償法に規定されている条文が働くわけでございまして、したがって、まず最初は、休職処分の前に、まず病気休暇という制度がございます。病気休暇の制度の次に休職の制度がございまして、そのあとで初めてこの休業補償の制度がかぶってくる、こういうふうになっております。
#29
○鶴園哲夫君 そうしますと、課長とか係長とかいう人が公務によって休業するという場合には、まず大部分の場合は国家公務員災害補償法は適用しない。給与法によって処理する。もしそれがたいへん長引くということで休職が切れるというふうになった場合に、初めて国家公務員災害補償法が発動される、こういうことですか。
#30
○政府委員(島四男雄君) 災害を受けた場合に必要な療養という問題がございます。したがって療養補償につい七は補償法の規定が全面的にかぶってまいります。
#31
○鶴園哲夫君 公務によって休業したと、療養補償は要らぬけれども、休業したという場合に、これは災害補償法ではなく給与法によって処理する。ですから百分の百、つまり休んでも給与を引かれることはない。人事院規則の幾つですか、人事院規則によると、診断書を出せばそれで給与を差し引かれることはない。それじゃそのことと、いま国家公務員災害補償法で百分の六十を補償するということとの関係はどうなるんですか。
#32
○政府委員(島四男雄君) この補償法の規定、国家公務員災害補償法第十二条にその休業補償の規定がございまして、その中で給与を受けないときに初めて休業補償を受けるという規定になっております。したがって給与を受けている状態においてはこの休業補償の規定は働かないわけでございます。ただいまの休職給の場合は、その意味においては休職処分を受けた場合にはまだこの第十二条の規定が働かないということで、いまの関係は一応御理解いただけるんではないか、こういうふうに思っております。
#33
○鶴園哲夫君 私はこうも思っているんですけれども、普通にいう公務員、戦前は官吏、官吏の後高が公務員になったわけですね。その官吏の時代は天皇の使用人であったんですからね、天皇の官吏であったんですから、そういう意味では一般の労働者、働く者よりもはるかにいい、いろいろの意味における処遇を受けておった。戦後もその伝統がある程度引き継がれた。ところが国家公務員災害補償法というのはそうではない。言うならば労働者全体の問題として出てきておる。それを国家公務員法に持ち込んできたというんですが、ですから従来からあった、官吏の時代にあった公務員に対する優遇施策をそのままいろいろの形で引き継がれた。それといまの労働者一般としての災害補償法というものの間にズレがあるのではないか、私はそう思う。ですから端的に言いまして、それでは同じ国家公務員であるけれども、人事院は国家公務員を二つに分けておる。同じ公務員であるけれども、これが定員外の職員の問題の場合は、この災害補償法によってこれが発動されてくる、給与法とかそういう問題の発動はしないということになるわけですね。そこら辺に矛盾をお感じにならないのか、あるいはどういうふうにそのところをつなげていらっしゃるのか。そういう割れ目がこれはいろいろの面で出ていると思うけれども、何といいますか、断続といいますか、あるいは差別待遇というか、そういうものは至るところに出ていると思うんですが、そういう問題については、災害補償としては、災害補償法から見た場合にどういうふうに考えられるかという点です。ちょっとばく然とした質問ですが、お伺いしたい。
#34
○政府委員(島四男雄君) 確かに定員内職員と定員外職員の場合において受ける補償の額といいますか、制度的に若干差があるのではないかという御指摘でございますが、ただ定員内職員の場合ですと、一応休職処分という処分になり得るわけでございますが、いわゆる非常勤職員にそういう休職処分と復職を前提としないような処分はなじまないというところからくる差異はございますが、その災害補償制度という観点から見ますれば、定員内であろうと定員外であろうと別に差はないわけでございます。ただ鶴園委員の御指摘のそういう公務によって受けた災害については完全賠償すべきではないかという御議論かと思いますが、一般の損害賠償でございますと、故意、過失が証明された場合に全損害に対して賠償を払ういわゆる完全賠償主義というものが働くわけでございますが、この災害補償制度というのは、公務によって受けた災害に対しまして国が迅速に所定の補償を行ない、あわせて必要な福祉施設を行なうという、いわば社会保障制度の一環として行なうべき制度でございますので、一〇〇%補償という考え方ではなく、必要なものに対して必要な補償を行なうというのがこの制度のたてまえでございます。したがって一〇〇%補償しなければこの災害補償制度の理念を貫けないという御議論は、私どもは必ずしもそう思っておりません。ただ、全般的な問題といたしまして、そういう公務によって受けた災害者に対して十分な補償をするというお考えについては、私ども全く否定するものではございませんので、現在の補償の給付内容が不完全――必ずしも十分であるとは思っておりませんので、逐次改善していきたい、このように考えております。
#35
○鶴園哲夫君 私は係長とか、そういう定員内の職員の場合には国家公務員災害補償法が発動される前にそれ以外の法律が発動しております。ですから、その意味では大部分の場合は完全補償されていると思うんですけれども、しかし端的にすぐこの国家公務員災害補償法を適用される人たちは、これは完全補償されていない。百分の六十、あるいはプラスしまして若干の補償をされている。それから補償そのものに対する考え方が、この数年の間に非常に変わってきているということを考えなきゃならぬのじゃないかと思うんです。これは十年前、十五年前――これができましたのは二十六年ですから、昭和二十六年ごろから言いますと、いま局長がおっしゃったような補償の考え方に十分なり得ると思う。しかし、この数年来の補償についての考え方、つまり人間の価値についての考え方というものは非常に変わってきているわけです。ですから、たとえば自動車の交通事故にいたしましても、まあ五、六年前だったら百万、いまですと百万なんて笑われちゃう、とんでもない話、五百万という時代になっておりますね。人間の価値というものについての考え方が非常に変わってきているわけですから、そういう意味で国家公務員災害補償法においても、私はこれからやはり根本的に考えていく必要があるというふうに思っているわけです、二つの意味においてですね。一つは、従来いわれておった官吏、それの国家公務員というものと、それ以外の国家公務員というものの差も考えなきゃならないし、それからもう一つは、いま言ったようなそういう補償についての考え方が非常に変わってきているという点等から考えますれば、これはぜひ一〇〇%完全補償という方向へ努力をしていただきたいというふうに私は考えております。その点についてもう一ぺん総裁の所見を承っておきたいと思います。
#36
○政府委員(佐藤達夫君) どうも鶴園委員のおっしゃるところには二つの面があると思います。一つの面は、この問題よりももうちょっと奥のほうの問題を念頭に置かれながらの御質問だと思います。たとえば昔の官吏に当たるものと、そうでない非常勤の人との区別の問題というようなことは、私の言う一つの奥のほうの問題に関連してのお尋ねだろうと思います。その奥のほうの問題は、これ自体おそらくまた機会を得て御論議になると思いますけれども、ただ単純な形で言いますと、たとえば日雇いの人とそうでない人という関係にこれを置きかえてみれば、いまの労働基準法の関係にしたところで、休業補償をもらうのは、賃金をもらわない人に対する補償をやるというたてまえになっております。要するに日雇いの人はもうすでに翌日から賃金がもらえないのでこの六〇%の補償の適用を受ける、そういう面に問題を根本的に置きかえれば、これは一向不合理ではないということが言えると思います。もう一つの面として、大体この補償というもの自体がもう少し手厚くならぬものかという気持ち――これはもうよくわかります。これは局長のお答えしたとおりなんで、私どもとしても、できるだけ手厚い方向へ持っていきたい、そういう気持ちでおるということでございます。
#37
○鶴園哲夫君 いまの休業補償につきまして、給与の百分の六十を補償して、さらにその上に福祉施設の中から百分の二十を上積みすると、それで百分の八十と、しかし定員外の常勤職員、常勤労務者――常労といいますか、これはそうなっていないのじゃないか。百分の六十プラス福祉施設の分は百分の十になっておるんじゃないですか、これはどういうわけですか。法律は百分の六十、それにプラスする福祉施設の場合のものが、一方は百分の二十で一方は百分の十。この百分の二十、百分の六十、そうして百分の八十というものは、実際は定員内の職員にはまず発動されない、直ちに発動される定員の外におる国家公務員については百分の六十プラス百分の十、こういうことになっておるのはどういうわけですか。これを少なくとも百分の十なんてしないで、百分の二十に福祉施設の場合からのかさ上げをしたらどうかと私は思うんです。
#38
○政府委員(島四男雄君) ただいま御指摘のように、その間に差等を設けております。常勤職員については百分の二十、それから常勤的非常勤は百分の十、それからいわゆるその他の非常勤は別に法律のまま百分の六十、ただし常勤労務者は、これは常勤職員の中に入れておりますので百分の二十として扱っております。
 それから、なぜそのような差を設けたのかという御指摘でございますが、確かに考え方としては均一でよろしいのではないかという考え方もあろうと思いますが、公務に対する貢献度と申しますか、その辺の点を若干考慮いたしましてそのような差を設けたわけでございます。これは将来なお検討を続けてまいりたいと、かように考えます。
#39
○鶴園哲夫君 この補償法に、法律によって百分の六十になっておるけれども、それにかさ上げする福祉施設からの分が百分の二十、百分の十、百分のゼロという三段階に分けておるわけです。私はこれは分ける必要はないと思うんです。ですから、これはぜひすみやかに検討してもらいたい。
 もう一つお伺いしますけれども、その百分の六十掛ける場合の給与ですね、一日分の給与に対して百分の六十を掛ける、その給与の算定ですね。それがまたたいへん差があるんじゃないですか、定員内の職員と定員外の国家公務員では。定員内の職員ですと、これは全部入りますね。調整手当から隔遠地手当から、今度新しくできた住宅手当まで入れて給与が算定されるんじゃないですか。ところが定員外の国家公務員は一切そういうものは入らないんじゃないですか。その算定基準、日給の算定基準ですね、それにもう一つ大きな差があるんじゃないか。これは非常に大きな差があるんじゃないか。私はそういうふうに記憶しておるのです。定員内の国家公務員と定員外の国家公務員の日給の算定について御説明をいただきたいと思います。
#40
○政府委員(島四男雄君) この補償法のすべての給与の算定の基礎となるものは、これは平均給与額でございます。平均給与額の内容につきましては、まず補償法の第四条に、平均給与額とはどういうものかということが明文にございます。それから、それを受けまして人事院規則で、さらに詳細な規定が設けられておるわけでございますが、まず一般の定員内職員の場合について申しますと、その災害の発生した日の属する月の前月から起算して過去九十日に受けた――過去三カ月間ですね、さかのぼって三カ月間に受けた俸給、それから俸給の特別調整額、初任給調整手当、扶養手当、調整手当、通勤手当、特殊勤務手当、隔遠地手当、超過勤務手当、休日給、夜勤手当及び宿日直手当、こういうものがすべて計算されまして、これを九十で割ったのがいわゆる平均給与額となるわけでございます。ところが一方、非常勤職員についてはどうかと申しますると、これは人事院規則一六−〇、第七条に規定されておりますが、実施機関が人事院の承認を得て定めた金額ということになっております。で、各省がそれぞれ人事院の承認を得てその額を定めておるわけでございますが、たとえば一例を申しますると、大蔵省の非常勤職員の平均給与額、これは人事院の承認を得て現在実施しておる、その規定を見ますると、その過去平均給与額の計算基礎としては、基本賃金の日額に標準稼働日数二十三を乗じ、これを二十で除した金額、こういうふうになっております。――失礼しました。なお大蔵省の場合は、基本賃金のほかに通勤手当、超勤手当、夜勤手当、休日給、寒冷地手当、そういうものも一応入っております。そこでいまお話しのように若干差があるではないかというのは、まさにその御指摘のとおりでございまして、そういった手当の中身が、若干この平均給与額の基礎となる手当の問題については確かに差がございます。
#41
○鶴園哲夫君 それでは、いま大蔵省の例をおとりになったんですが、定員外の国家国務員の日給の算定のしかたというのはですね、実施機関が人事院の承認を得てやるという、その承認を得る場合に、定員内の国家公務員と類似したような取り扱いをしてもらうといいんですけれども、実際はそうじゃない例が非常に多いんじゃないか。つまり基本給だけです。基本給だけで計算しちまう。実際それ以外にいろんな手当が出てるんだけれども、そういうものは算定に入れない。基本給だけでばっさりと出す。定員内の公務員については、先ほど局長がおっしゃったように、まず考えられる手当というのは全部入る。期末・勤勉手当だけが入らないといっていいほどですね。それ以外の手当というものは全部入って計算される、こういうことになっておるのです。そうしますとですね、大体給与額の適用そのものが、法律では百分の六十になっておるが、ところがそれに上積みする分が、定員内の国家公務員の場合は百分の二十、それ以外については二つの段階に分かれて、百分の十、百分のゼロの場合、そういう差がついている。さらにその基礎である日給の計算のしかたが、定員内の国家公務員の場合と定員外の国家公務員の場合によっては顕著な差がある。二重の差別を受けるわけです。ですから何かこういう問題について、せっかく災害補償法という法律があってやられるんだけれども、何かますますこれによってこういう差を設けられますと、あまりにもひどいじゃないかという私は気がしておるわけです。これをすみやかに差を縮めるように努力をしてもらいたいと思うんですよ。一つは、プラスする分ですね、厚生施設のほうからプラスする分。それから、その日給の計算のしかた、これがところによって非常に差がある。基本給だけではじいておるところが、これはもう圧倒的だと思うんです。そういう是正をしないと、これは非常に大きな差をかもし出しているというように思うんですが、そういう点についてのお考えをひとつ伺いたい。
#42
○政府委員(島四男雄君) 非常勤職員の平均給与額のきめ方については、先ほど申しましたように、人事院の承認を得て行なっているわけでございます。省庁によって若干その扱いが違っております。やはり非常勤職員の給与にしてもそうでございますが、やはり定員内職員との均衡を考慮して各省が予算の範囲内で定めている、そういう御趣旨でそのような差があるのではないかというふうに思いますが、たとえば林野庁の例をとりますと、この平均給与額の算定の基礎になります俸給その他の手当は、これは常勤職員と全く同じ規定になっております。今後そういうふうに人員院の承認を得る際に、私ども当然指導する立場にあるわけでございますので、御趣旨に沿うような運用を今後していきたいというふうに考えております。
#43
○鶴園哲夫君 林野庁の例が出ましたですけれども、いまのやはり年間雇用されている常勤、常用作業員というのと、十カ月雇用される定期作業員というのとおりました場合に、定期のほうは基本賃金だけになっていやしないのか。
#44
○政府委員(島四男雄君) ただいまの林野庁の例でございますけれども、私のいま手元に持っております資料に基づきますと、その点はさっき御説明した内容のものが定められておりますが、なおその点もう少し、ちょっと不勉強でございますので、勉強さしていただきたいと思います。
#45
○鶴園哲夫君 私もちょっと林野の話が出たものですから、ちょっと伺ってみょうがなという気になっただけの話でございまして、私の申し上げたいと思っております点は、率が百分の六十に、福祉施設のほうから百分の二十加わる。一方においては百分の十しか加わらぬ人もいる。百分のゼロしか加わらぬ人もいる。その点についての差別について、できるだけそういうことのないような努力をすみやかにしていただきたい。私はおかしいと思うのです、これは。百分の六十は一定していて、上積みするところは三つの段階に分けて差異をつける。二十と十とゼロというふうに三つに分ける。さらに、なおもう一つ言いたいのは、今度は、その日給のはじき方について、これは大切だと思うのですが、それがまたどうも差がついている、私はそう思っているわけです。ですから人事院もその承認をされる場合に、そういうことのないようにこれは算定の場合はしてもらいたいと思います。
 もう一つ、率の問題については、これはぜひ改めていただきたいというのが私の意見なんです。前から申し上げました完全補償との関係と、人間尊重の趣旨を踏まえて私は申し上げておる。その点についての政府の、総裁はどういうふうにお考えになっておりますか。すみやかにこれを是正をする方向で努力をしてもらいたいと思います。
#46
○政府委員(佐藤達夫君) 考え方の出発点が鶴園委員とちょっと逆になると思いますが、ためしに逆のほうからまいりますと、とにかく生涯の職として、キャリアー・サービスとして公務員の地位を選び、その地位にある人と、一応非常勤として、原則はその日その日ということで雇用されておる人とは、やはりそこに根本的な扱いの違いがあっていいのじゃないかということから言いますと、いまの率にしたところで、もうそういう人たちは全部ひっくるめてゼロというのが正しいということになるでしょうけれども、しかし、それはまた実態から言いますと、ゼロに徹するということも、これもまた不適当であろうということで、十とか、中途はんぱな数字が出てくるわけです。これは一つの妥協だろうと思います。その妥協をどこまで推し進めていくかということになると思います。しかし、事柄としては、あくまでもそれは制度の本質から言えば妥協であるというふうに理詰めで考えますと言わなきゃならぬ。しかし、そういう見地に立って、それでもその妥協の線を甘い方向へ持っていこうというのが私の気持ちであります。
 それから、先ほどの給与の額の計算の場合も、各省いかにもばらばらになっているということは、まあわれわれ統一的の立場にある者としては、これはそのままこれを放置していいものかどうかを考えますと、そうはいかぬだろう。やはりできるだけ不公平のないように、不均衡のないように持っていくべきだろうという心がまえで臨むべきだと、このことに尽きると思います。
#47
○鶴園哲夫君 総裁のおっしゃった前のほうの考え方ですね、これは私はどうも理解ができないですね。それは国家公務員としまして定員内の国家公務員として入った。入ってすぐ休業補償を受けるということになった。それは五カ月でやめるかもしらぬですよ。この国家公務員はわからぬ、いま転職自由な時代ですから、昔みたいにそれこそ五十五までつとめるというわけにいかない、すぐやめるかもしれない。ところが、同じ国家公務員で、これは定員内にはなってないけれども、十年、二十年働いている人もいる。十カ月働く人もいる。その公務を遂行中に休業補償を受ける事態になったという場合については、これは同じような処遇をしてもらわなければ困る。総裁は何か一日ガラスふきするような人を考えていらっしゃるかもしれない。私はそれを含めて言いますと、もっと私の言いたいのは、十カ月もつとめている、その十カ月公務を遂行する過程の中で休業という事態があったと、公務災害が生じたという場合には、これはやはりこの法律によって正しくやはり百分の八十なら百分の八十補償してもらいたいと私は思うのです。完全補償ではないです。どうも私そこのところが、そこまで国家公務員災害補償法を公務員の分類によって差をつけるというやり方について、そこまで差をつけられるということについてはどうも理解がつかないですね。どうです。
#48
○政府委員(佐藤達夫君) 理屈としてはとにかく非常勤という特殊のカテゴリーの人が公務員法上認められておって、それに該当する人というのは、それ以外の人とは全然違う性格のものということで制度が出発しておりますから、先ほど私の申しましたような点から、はなはだ冷たいような理詰めの議論にならざるを得ないと思うのです。現実はどうかという問題が今度はその次にくる問題だと、非常勤という名において、本来定員の中に入れて、完全な常勤職員として扱うべき人がいるかいないかの問題、そっちの問題につながってくる問題じゃないか。そういう含みを持ちながら私はお答えしているわけです。
#49
○鶴園哲夫君 私もそういう含みで申し上げているわけで、実際はもう定員内と同じようなことなんだけれども、いろいろな事情があって、定員外の国家公務員として十年、二十年つとめている、毎日毎日つとめている、あるいは十カ月つとめて、来年はまた十カ月つとめるというようなことを繰り返しているという場合の国家公務員を考えますと、どうもこういう差をつけられるということは、これは理解がしにくい、できない、私はできないのです。ですから、その点について総裁、あなた解決する方向に、できるだけそういう差のないように努力をしていただきたいと私は思っているのです。
 その点についての御答弁をいただいて、それ以外にもう一つお尋ねをいたしますが、さっき局長がおっしゃいましたように、その休業補償の例をとりますと、その日給の単価のはじき方、これは非常に重要なわけです、それに率をかけるわけですから。それが公務災害が起こった三十日――一ヵ月前でしたかね、九十日か三カ月か、その平均というわけでしょう。それはずっと休業内は固定するわけですか。たとえば三月に公務災害が起きた、それではじいた。五月には給与が一五%なら一五%引き上がった。それにつれていろいろなものが引き上がりますね。そういうものは全然加味しないで、きまったもので最後まで単価は固定しておるんですか。実際、公務災害補償法の適用を受けておる連中は非常に不満がある。
#50
○政府委員(島四男雄君) ただいまの災害の発生した時点でとらえますと、その後のベースアップ等によって、数年たつとだいぶ低い金額になってしまうわけでございます。したがって、その辺を人事院規則は考慮いたしまして、現実に補償を行なうべき事由の生じた日を採用の日とみなして再計算するということになっておりますので、その点は、その後に何というか、昇給等がかりにございますれば、当然それを加味した金額というものがはじき出されるということで、その辺は不利のないような措置をこの規則によってカバーしております。
#51
○鶴園哲夫君 そうですが。それでは三月に公務災害を受けて、そうして休業なら休業に入ったという場合に、その基準単価というものは、五月なら五月にベースアップ等がありますと、それによって改定する。ベース改定をしますと、それ以外にもはね返りが非常に大きいですね。そういうものも計算して新しく基準をつくられるわけですか。
#52
○政府委員(島四男雄君) 先ほど申しました平均給与額の計算は、採用の日に災害を受けたということで計算しておりますが、この補償法の人事院規則の一六−〇によりますと、「補償を行うべき事由の生じた日を採用の日とみなして前項の規定によって計算して得た金額」云々ということを規定されておりますので、いま御指摘のとおりでございます。
#53
○鶴園哲夫君 そうですがね。私は、実際災害補償を受けておる連中の話を聞きますと、そういうことには聞いていないのですが、あるいは私の間違いかもしれません。――これは間違いないかな。ぼくはどうもそういうふうに聞いていないのですけれども、あるいはこれは私の聞き違いかもしれない。改定していないようなんですけれどもね。――いや、改定していただければけっこうです。それでいただいておきましょう。
#54
○政府委員(島四男雄君) ただいまの人事院規則の一六−〇、七条三項にその趣旨の規定がございます。
#55
○鶴園哲夫君 二月に公務災害を受けて休業になって、それで五月に復職をする、もとに戻る、また発病して同じ事由で公務災害を受けて、そうして五月から、六月からですか、休業に入ったというような場合には、三月のときの基準がずっと続いてやられるというのですけれどもね。変えますか、五月のベース改定ならベース改定で。いや、そうやっていただければけっこうなんです。そういうことで理解しておきますが、この問題はどうもそうやっていないように思うから伺ったんですけれども、そうやっていただければ問題はないのです。ぜひひとつそういうことでやっていただきたい。私はそのように伺っていないのですが、それではそれでけっこうです。
 先ほど私が申し上げました定員内の国家公務員と定員外の国家公務員に休業の場合に差をつけておる。それは福祉施設からプラスする分が差がついておる。その点についての是正をすみやかにお願いをしたいと思うのです。ものによっては百分の二十加えている場合もあるんですよ。個々の例を申し上げますと恐縮ですけれども、非常にこまかいから。百分の十となっているけれども、しかし、百分の二十を足している場合もある。そのところ、ちょっと明確でないですけれども、どういうわけかわからないですが、百分の二十のところもある、百分のゼロというところもある、おかしな話ですね、これは。だから、できるだけこれは近づけるように、法律は百分の六十になっているんだから。その分はみんな一緒なんだが、プラスする分を差をつけちゃっている。これは総裁、一般の公務員の場合は少ないけれども、林野庁の場合はたいへん多いです、これが。山の仕事なものですから、ものすごく多いです、これ。まあ負傷するという、公務によって負傷するという場合も、これは圧倒的に林野庁と郵便局です。犬にかまれた、自転車でけがした、何せ郵便局のほうが人間が多いですから。山のほうは、何せ山で木を切っている、そういう公務員ですから、国家公務員ですから。ほんとうに多いわけですよ。だから適用される者について非常に深刻なんです。一般の公務員は少ないですから、公務上犬にかまれたなんて――公務上犬にかまれたということはないでしょうけれども。自転車でけがをする、これは少ないですが、仕事上、こういう郵便局とか、山の仕事、非常に多いわけです。なかなか深刻なんです、この問題は。ですから、いま私が申し上げたような福祉施設からのプラスの分について差を設けないように努力してもらいたいと私は思う。私がさっき言ったように基準も単価も違うんですよ。単価も差をつけているんですからね。今度はまた率にも差をつけてやるというのですが、そんなに差をつける必要はないと思うんですが。この際、その率をすみやかに是正するように努力してもらいたいと思う。
#56
○政府委員(佐藤達夫君) 基本的な考え方は先ほど申し上げたとおりで、これは十分御理解いただけると思いますが、その基本的な考え方に立ちながら、私の言う、いわゆる妥協といいますか、その線をできるだけ温情ある方向へ持っていくという御要望については十分傾聴いたします。
#57
○鶴園哲夫君 温情というのは気に食わないですけどね、まあ国家公務員災害補償法ですから、これは。いま休業補償を例にとって話をしたわけですが、百分の六十プラス定員内の国家公務員の場合は百分の二十ですが、共済組合法によりますところの、私の病気で休業したという場合は百分の八十、こうなっているわけですね。これはどうも私理解できないんですけれどもね。この点については、総裁は、この本委員会で検討するというふうに御発言があったですけれども、調査室の資料ですと、四十三年の四月の十六日の本委員会ですがね、一方は公務で休業になったという場合に百分の六十だ、一方、私の病気で休業した場合百分の八十だと、こういう話は、どうも法律が違うから別だというお話は通用しない。個々の適用される人間は同じですからね、公務で休業した場合百分の六十で、私のけがで休業した場合百分の八十だ、これは検討されることになっているが、いかような、検討をされて結論になっているのかお伺いをしたい。
#58
○政府委員(佐藤達夫君) 確かに検討するということを申し上げたはずであります。その検討の結果は必ずしも色よい方向にいかなかったというふうに覚えておりますけれども、局長からさらにお答えをいたさせます。
#59
○政府委員(島四男雄君) 共済組合との関係でございますが、共済組合の場合は百分の八十出ているんではないか。休業補償が百分の六十というのはいかにも少ないというお話でございますが、ただ、共済組合の場合は、俸給月額が計算の基礎になっておりますので、これを平均給与額に直しますと七〇%弱ということで、その点はまあ七〇%にいたしましても、休業補償に比べれば一〇%こえているではないかという問題はございます。ございますが、そういうことも勘案して、私のほうは休業援護金についてこれをカバーするということを実は考えたわけでございます。
#60
○鶴園哲夫君 これは総裁、そういうような検討されるということになっておったわけだから、総裁もそういう発言になっておりますから、総裁からお伺いしたいと思うのです。何しろだいぶ前の話ですからね、これ。三年ぐらい前の話ですから。まあしかし、ややもしますと国家公務員災害補償法というのは、一般の公務員に適用されないわけですよね。私が先ほど申し上げたように、九〇%あるいは九五%というのは林野庁と郵政省なんですね。ですから、あるいは全体として関心は薄いかもしれませんが、要するに、いま私が申し上げた点は、やはりどうも実際適用を受ける連中から言いますと、これはどうも解せないという気持ちなんですよ。これはぜひ考えていただきたいんですがね。よろしゅうございますか。また続いて検討ということになるかもしれませんがね。
#61
○政府委員(佐藤達夫君) 先回りして申し上げれば、やはり続いて検討ということになりますけれども、この間申し上げたあと、確かに検討をしたときの一応のわれわれの結論は、先ほど来申し上げましたように、やはり他の社会保障等との関連の問題が一つと、それからいま局長の答えました組合のほうですか、組合のほうで七〇%弱ぐらいのところまではいっている。それにプラスして今度の援護金、福祉施設としての援護金ということを考えれば、まあまあというところではあるまいかというのが率直な結論でございます。しかし、それでもう打ち切ったわけじゃありませんから、先ほど申し上げましたように、なお執拗に検討を続けてまいりたい、こういう心がまえでおります。
#62
○鶴園哲夫君 先ほど以来たびたび出ております福祉施設ですか、これは一体どういう計画のものなのかですね、そしてその中にはどういうものがあるのか。そしてこれは労災の中に出ております、労災のやつは保健施設ですか、労災の保健施設というものとの違いですね、そういうものについて承りたいと思いますがね。
#63
○政府委員(島四男雄君) 福祉施設の概念でございますが、これは災害補償法第二十二条に出ておりますのがその内容でございますが、ごく平易に申し上げますれば、公務上の災害を受けた者に対する福祉ということがこの内容でございます。で、この施設ということばからくる感じといたしましては、何か具体的な設備のように受け取られますが、私どもはそういった方向を、災害を受けた者の福祉に必要な施策及び設備というふうに幅広く考えております。で、設備といいますれば、たとえば病院であるとか、それからリハビリテーションに関する施設等が入ろうと思います。内容としましては、この二十二条に一号から五号まで書いてございますが、たとえば、いま申しましたほかに補装具に関する施設であるとか、けがの処置に関する施設というようなものがその内容でございます。なお、その条文の第五号に、「その他必要と認める施設」という条文を幅広く私どもは読みまして、先ほど来問題になっておりました休業援護金あるいは奨学援護金というような制度を、この条文を受けまして私どもつくっている次第でございます。なお、労災に保険施設ということばがございますが、労災保険に言う保険施設も私どもの言う福祉施設も内容的には全く同じであるというふうに理解しております。ただ、労災の場合には、この設備につきましては、設備、この福祉施設に関する設備の設置並びに運営は、労働福祉事業団が行なっております。わがほうでは既存の設備を利用して行なっている、それだけの差がございます。
#64
○鶴園哲夫君 この福祉施設というのは公務災害補償法の場合に重要な役割りを果たすわけですけれども、これは公務員全体の平等な福祉施設になるようになっていますか。これは病院の話がありましたですけれども、これは平等には、とても国家公務員全体に均等にその病院というものが福祉施設としてその効力を発揮するということにはならないのではないか。私よくわからないから伺っておりますが、全体として国家公務員に公平平等にその福祉施設が効力を持っているのかどうか。つまり、災害を受けた場合、公務災害を受けた場合に同じような役割りを果たしているのかどうかという点についてお伺いしたい。
#65
○政府委員(島四男雄君) ただいまのお話は、結局そういう災害を受けた者について、こういった福祉施設がどのように利用活用されているか、その間に職員によって実施機関が差別を設けているかどうかというお話の問題かと思いますが、これは全く実施機関が行なっているところでございまして、私ども、少なくともこの制度のたてまえとしては、常勤職員であろうと非常勤職員であろうと、福祉施設の利用について差別が制度的には全くないということは申し上げられると思います。現実にどのようにそれを行なっているかということについては、必ずしも詳細には存じておりません。
#66
○鶴園哲夫君 遺族補償についてお尋ねをしたいのですけれども、これは遺族補償の場合に、――遺族補償だけではないのですけれども、まあ国家公務員災害補償法が、日給を算定をしてそれに何日か、千日とか、四百日とか、三百日とか、そういう日数をかけるという形をとっておりますけれども、そのために公務員が公務において死亡したという場合に、まあ二十ぐらいの人が死亡すると、それとまあ五十ぐらいの人たちが死亡するという場合を取りますと、これはどうしても給与の高い低いによって非常な差が出てくるわけです。若い者ほど小さな額になってしまう。年輩の者ほどこれは大きくなるといういまの状況なのですけれども、これはいまの賠償なり補償というものから言いますと逆になっておる。いま交通事故が起きたという場合になりますと、若い者ほど高い補償、ホフマン方式といいまして、そういう形になっているわけですね。ですから、いまの国家公務員災害補償法は、そういう意味ではアンバランスになっているということ、逆になっているといいますか、そういう形になっているのだが、どういうふうに考えていらっしゃるのか。まあ昭和二十六年にできたいまの国家公務員災害補償法の基本的な考え方というものを変える必要が出てきているように思うのです、この四、五年の状況というのは。その点が一つです。
 それからもう一つは、金額があまりにも小さい。二十か二十四、五、あるいは三十前で公務によって死亡するとしますと、大体百万ぐらい、百四、五十万ということで、そうすると、これはあまりにも少ないということになる。完全補償でないとしましても、これはあまりにも小さい。そういう二つにつきまして、考え方をひとつ伺っておきたい。
#67
○政府委員(島四男雄君) 遺族補償の場合に、弱年者が死亡した場合と年配者が死亡した場合とでは、当然平均給与額に差がございますので、給与の高い者ほどその遺族補償の金額が高くなる、こういう制度に現在なっているわけでございますが、これはやはり補償法全体を貫く理念といたしましては、稼得能力の喪失に対する補てんということからくる当然の帰結ではないか。したがって、まさに死亡した者が受けていた給与の差によって遺族補償の金額に差が出るのは、これはやむを得ないことではなかろうかと、こういうふうに考えております。
 それからもう一つの後段の問題でございますが、現在の遺族補償年金にしても一時金にしても、あまりに少ないではないかという御議論は、これはまことにごもっともな御意見かと思います。そういう意味におきましても、私どもでは、今回遺族補償年金を一〇%程度ふやすことをこの法案の中に盛り込んでありますが、そういう意味で逐次改善していきたい。それからまた遺族補償一時金についても、千日分というのはあまりにも少ないではないかということは、当然私どもでも考えていないわけではございません。特に民間の場合においては、若干そういう場合の上積みがあるやに聞いておりますが、はたしてそういう民間の実態がどういうことになっておりますか。少なくとも国家公務員の場合は、すべて法定主義でございますので、そういう上積みが、根拠のない上積みというものはできません。で、民間の場合におきましては、基準法なり労災保険法によって一応最低基準が定められており、したがって、団体協約等によってその間上積みすることは一応可能でございます。もしそれが著しく国家公務員に比べて、そういうものが非常に高いという趨勢が出ますれば、当然私どもとしても何らかの措置をしなければいかぬということで、今後そういう問題について民間の動向等につきましても詳細に調査を続けてまいりたいと、このように考えております。
#68
○鶴園哲夫君 いま局長の答弁いただきました前段の、つまり若い者が死亡した場合、その補償が小さくて年配の者が多いというのはやむを得ないというお考えなんですけれども、しかしあまりに小さい、若い者がですね。ですから、何か最低保障みたいなものが必要になるのではないか。そういうふうに私は思うのです。この場合もこれまた算定の基準がたいへんウエートが大きいわけなんです。というのは、日給をはじくわけですからね、日給のはじき方が、またみみっちいはじき方をされると、これは欠けるわけなんですからね、ですから、どうしても私は最低保障みたいなものを置く必要があるのではないか。確かに二十二歳で死んだら、それは交通災害で死ねばたいへんな補償が出るのだけれども、公務によって死んだ場合はこれはまことにこまかいのだということでは、私はやはり世上の一般の風潮からいって理解ができないと思うのですね。ですから、最低保障というようなものをおつくりになったらどうかと思うのです。あまり小さいのはこれはちょっとどうもまずいですね。この点についてはどうお考えになりますか。
#69
○政府委員(島四男雄君) お話の向きは十分私ども尊重してまいらなければならぬと思います。現在の遺族補償、一時金の問題にして考えてみた場合に、千日分といいましても、たとえば八等級二号俸で計算いたしますと、平均給与額が約七百円そこそこでございます。したがって、千日分といたしますと七十万円前後ということになるわけでございまして非常に少ないではないか。まことにごもっともな御指摘かと思います。この点は十分検討してまいりたいと思っております。
#70
○鶴園哲夫君 総裁、いま局長から御答弁がありましたが、これはあたりまえな話ですね。若い人が死にますと、いま言うように八十万円か七十万円ぐらいでしょう。定員外の国家公務員であります場合はまだ小さいですね。交通災害で死んだ場合は御承知のとおりなんですが、いま公務で死んだという場合に七十万や六十万では非常に困るので、そこでぜひ、いま申し上げましたように、最低保障額というのをきめていただく。何かそういうようなことでもしていただかないと、これはどうもおかしな状態だと思うのですね。総裁からもぜひひとつ答弁をいただいておきたいと思うのです。
#71
○政府委員(佐藤達夫君) すべて少しでもよくすることについては、私どもかねがね基本的に考えているところでもございますし、いまお示しの点も、伺っておれば、これは確かに一つの御議論であろうというふうに同感いたします。したがいまして、たびたび申します他の制度とのバランス問題はありますけれども、それらもあわせ考えながら、そっちの方向へ努力をしていきたいという気持ちを持っております。
#72
○鶴園哲夫君 国家公務員災害補償法は警察官なりあるいは自衛官等にも適用されるわけです。ここでは自衛官の問題は別にいたしまして、警察官あるいは海上保安官、そういう人たちにも適用されるわけなんですが、よく新聞にも出ますが、警察官に対して三百万、五百万の、公務で死亡した場合そういう報償金みたいなものが出ていますね。私ども新聞等で見るわけですが、警察官なりあるいは海上保安官等に対しまして、公務によって死亡した場合にそういう特殊な報償金のようなものが――ことばは私正確に記憶しておりませんですが、とにかくそういう金の支出が行なわれる。その実情と根拠、行なわれております根拠ですね、そういうものについてひとつ御説明をいただきたいと思うのです。
#73
○政府委員(湊徹郎君) 特に非常に危険度が高い、しかもその危害や災害をこうむることがある程度あらかじめ予測されるにもかかわらず、職務の上からそれを顧みることなしに遂行する。その結果あるいは死亡されたり不具廃疾等になった。こういうふうな場合にはもちろん公務災害補償が行なわれるわけでありますが、特定のただいま申されましたような関係各省庁において、報償制度の一環として賞じゅつ金、こういうものを支給することが現在行なわれております。詳細は人事局長から申し上げたいと思います。
#74
○政府委員(栗山廉平君) 私から内容を申し上げます。ただいま副長官からお話がございましたように、警察庁、消防庁の職員といったような特殊業務に従事する公務員が、危害を加えられまたは災害をこうむることをあらかじめ予測できるにもかかわらず、その危険を顧みることなく職務を行なったというために死亡したり不具廃疾になったという場合に、大臣の訓令、あるいは警察でございますと国家公安委員会の規則といったようなことを根拠としまして、報償費のうちから賞じゅつ金という名前で支給されるものが、ただいまお話がございましたような賞じゅつ金の制度でございます。
 具体的に申し上げますと、警察の関係で、ただいま申し上げましたように、国家公安委員会の規則ということで賞じゅつ金という名前で、これは二種類ございまして、死んだ方には殉職賞じゅつ金、それから不具廃疾になられた方には不具廃疾者賞じゅつ金という名前で支給をされております。
 それから消防庁におきましては、告示ということで消防表彰規程を根拠といたしまして、警察の表彰規則と同じような内容でいたしております。
 さらに法務省におきまして、法務省職員賞じゅつ規程、これは法務省の訓令でごさいます――がございます。
 それからなお海上保安庁におきまして、これは海上保安庁の達ということで、長官の達でございますが、海上保安庁職員賞じゅつ規程という規程に基づきまして、同じような内容のものが出されておるわけでございます。
 それから、防衛庁のこともちょっとついでに申し上げておきますと、防衛庁につきましては賞じゅつ金に関する訓令という大臣訓令が出ておりまして、やはり死亡者、それから不具廃疾という二種類に分けた賞じゅつ金が出ております。それからさらに防衛庁の特徴といたしまして、ジェット機に乗りまして死亡した場合、ジェット機の訓練等で死亡した場合に限りまして、もう一つ特別な訓令が出ております。特別弔慰金に関する訓令、これは防衛庁の大臣訓令でございますが、これによりまして、ジェット機に乗って死亡した場合に特別弔慰金を出すという別途の訓令がもう一本あるわけでございます。
 さらに、これは各省庁の関係でございますが、特別ほう賞という名前でございますが、閣議決定によりまして、警察官等に対する特別ほう賞実施要領というものが昭和三十六年にきめられております。この内容を簡単に申し上げますと、「警察官等」となっておりますが、内容は警察官、海上保安官、麻薬取締官、その他武器を携帯する司法警察職員等が職務上殉職したという場合に、殉職または著しい身体障害が残ることが明らかな場合という場合でございまして、殉職あるいはその身体障害の二段階に分けまして、それぞれ功労の程度に応じまして総理大臣から特別ほう賞を差し上げるという制度がさらにもう一つあるわけでございまして、それは件数がごく少のうございまして、年にしまして平均三件くらいの、これは平均でございますが、従来相なっております。
 一わたり御説明申し上げておきます。
#75
○鶴園哲夫君 もう少し内容をお伺いしたいのですけれども、いま警察庁の場合の話がありましたのですが、警察庁はいま七千七百人くらいの国家公務員がいるわけですね、全体として――いや、それはよろしゅうございます。これは数字を見ればすぐわかりますから。
#76
○政府委員(栗山廉平君) 巡査ですから、地方公務員がわりに多うございます。
#77
○鶴園哲夫君 警察庁の場合には地方公務員は入らない、国家公務員だけですね。
#78
○政府委員(栗山廉平君) 先ほど私が御説明申し上げました警察表彰規則、つまり国家公安委員会の規則でございますが、これの対象となりますものは国家公務員の関係とそれから地方公務員の警察官、両方含めて規定してございます。
#79
○鶴園哲夫君 国家公安委員会にいる国家公務員、いわゆる警察官ですね、その運用状況ですが、一年にどの程度あるものか、この四、五年の状況ですね、人数だけでいいです、どの程度一年にあるものか、いわゆる国家公務員としての警察官ですね。
#80
○政府委員(栗山廉平君) 恐縮でございますが、ただいまちょっと資料を持ってまいりませんで、あとで調べまして御報告申し上げたいと存じます。
#81
○鶴園哲夫君 こういう国家公務員災害補償法のほかにこういうようなものができているということは、これはどういう意味なのか、その点をひとつ聞かしていただきたい。
#82
○政府委員(栗山廉平君) 災害が起きました場合に、災害補償法のほかにこういう規定を設けておるのはどういうわけかという御質問でございますが、先ほどから御説明申し上げましたように、公務のうちで特に危害が加えられる、あるいは災害をこうむるということが予測できるというような公務、しかるに、職務上それが予測できるにもかかわらず、これを顧みることなく職務を遂行したという場合に、一般の公務災害よりも何らかやはりもてなしてあげる必要があるのではないかというところから出ておるものと考えるわけでございますが、ただし、その内容が非常にまだはっきりわれわれとして割り切ることがなかなかむずかしゅうございまして、先ほどからちょっと申し上げておりますように、表向きは表彰の一環といったようなかっこうでいたされておるわけでございますが、しかし、その内容を拝見いたしますと必ずしもその職務に殉じた、あるいは不具廃失になったと、公務遂行上なった、非常な危険をおかしながらなったという、それの表彰だけではどうも割り切れないというふうに思われることでございまして、やはり補償的な気持ちも加わっておるのではないかということが強く感じられるわけでございます。そこで、この点につきましては、いまもっと突っ込んで解明をする必要があるのではなかろうかということで、災害補償の特別調査研究会というものを人事院が設けられまして御研究を願っておるところでございます。
#83
○鶴園哲夫君 これは人事院総裁、いま局長から説明があったんですが、国家公務員災害補償法をすべての国家公務員に適用する、しかしその上にもう一つそれに類するようなものが、表彰というような意味をかねまして行なわれている。で、公務遂行で死亡したものについては同じなんだが、しかし、先ほど説明がありましたように、何かそういう危険を予測されるということになりますと、これがどうもはっきりしない面があるわけですけれども、いずれにしても説明としては、危険を予測する、そういうことで死亡した、あるいはここでは死亡の場合をとりますけれども、死亡したということに対しまして上乗せが行なわれるということは、これは国家公務員災害補償法では不十分だ、はなはだしく不十分だということからきているのではないかと私は考えるわけなんです。その辺はどういうふうに考えていらっしゃいますか。もしそうであるとしますと、これは私が先ほど以来申し上げておりますように、二十二歳の国家公務員が公務によって死亡したという場合に、八十万というような問題についても同じようなことが言えるわけです。ですから、どういうふうに考えていらっしゃるのか。また、先ほど御説明がありましたように、特別調査会というようなものの中でどういうような検討をされていらっしゃるのか、それについてお尋ねをいたしたいと思います。
#84
○政府委員(佐藤達夫君) 比較的従来御論議のなかったところを非常に指摘されたわけなんで、大いに敬意を表しますが、これはいま栗山人事局長がるる申し上げたところによってもおわかりのように、なかなかせんじ詰めていくと、これはむずかしい問題であるということになります。たとえば表彰ということになれば、これはまあいわゆる勲章から褒章、褒章条例なんかには、やっぱり危険を顧みず何とかというのがございます。そっちのほうのいわゆる栄典系統の問題ではないかという筋が一つございます。それからもう一つ表彰の筋としては、国家公務員法には、これは勤務成績優秀ということにはなっておりますけれども、りっぱな公務員ということに対する表彰というものは条文がちゃんとあって、これは内閣総理大臣の所管ということになっている。これは公務災害補償法とは別系統の問題としてそれができているという面がございます。しかし、また顧みれば、いま鶴園委員のいみじくも指摘されたような、やはり公務災害の面にもこれはかかわりがないことではないのじゃないかという点にわれわれもつとに着目いたしまして、われわれといたしましては、いまお話に出ました福祉施設の中の一環としてやっぱり研究に値いすることであろうというわけで、各方面の専門家にも集まっていただいて、鋭意検討を続けておりますけれども、いま言ったように、事柄自体が非常にむずかしい問題でありますだけに、早急な結論はまだ得がたい段階である。しかし、熱心に研究を進めているというのが率直な御報告であるわけです。
#85
○鶴園哲夫君 ここの調査室で調べていただいたものによりますと、警察庁で、ですからここは国家公務員たる警察官だと思うのですがあるいはそれと同じような人たちだと思うんですが、それを見ますと、遺族補償年金を受けている人は一人ですね、これは。非常に少ないのですがね。ですから、いまのほう賞みたいなもので、警察官が死亡して、四十四年なら四十四年、四十三年なら四十三年、ここ二、三年の間どの程度の人が受けておられるのか。それに対して、林野庁でいいますと百二十四名という者が受けるわけですね。何か危険がどうだこうだとおっしゃるけれども、受けておられますか。実際は少ないのじゃないんですか。一人、二人ということですね、警察官で見た場合。つまり七千七百名でいった場合は。
#86
○政府委員(栗山廉平君) 先ほど資料のことで持ち合わせがなくて申しわけございませんでしたが、ただいま昭和四十四年度の資料がちょっと手に入りましたのでその状況を御報告申し上げます。先ほど申し上げましたように、国の警察官と都道府県の警察官両方の関係に先ほどの関係があるわけでございますが、公務災害の発生状況、これは認定されたものでございますが、ちょっと昭和四十四年度中の点を申し上げますと、国の警察官、これは非常に少のうございまして六十一件、これは死亡はございません。傷病だけでございます。それから都道府県の警察官、これは非常に多うございまして、死亡が三十八件、それから傷病が一万四千七百二十二件という件数に相なっております。で、このうちで国の賞じゆつ金、先ほど申し上げました賞じゆつ金が出された者は殉職六名でございます。それから先ほど申し上げました閣議決定による特別ほう賞が支給されたという者は殉職の一名ということに相なっております。つまり、国家公安委員会規則に基づくいわゆる警察の賞じゆつ金が殉職の六名、それから閣議決定による内閣から出ます特別ほう賞金、これが殉職の一名、こういうような数字に相なっております。
#87
○鶴園哲夫君 まあいろいろお尋ねをしたいことがあるんですが、私もこの数字を見まして林野庁の死亡というのは非常に多いのだなとびっくりしましたですね。いま警察官のお話を聞きますと警察庁関係、つまり国家公務員の警察官で七名、それにまあ地方の、都道府県の警察官でいえば三十八名、四十五名ですね。年間四十五名、それだけの公務による死亡がある。ところが林野庁の場合はこれは四十名ぐらいは毎年死亡があるわけですね。まあ公務による負傷というようなことになりますと、いまの一万どころの騒ぎじゃないですね。たいへんな公務による負傷を受けているわけですね。だから危険だ、危険を顧みずという話なんだが、林野庁の木を切る連中、これはやっぱり危険を顧みずということになるんですね、これだけの死亡が出ますと。人員からいいますと七、八万ぐらいのもの、山の労働者の場合、国家公務員の場合は。ですから、どうもこれはやっぱり山の労働者もほう賞を出さなければいけませんね、この際に。たいへん危険ですよ、これ。七、八万おって、それで年間四十名ぐらいの死亡者が出ている。警察官の場合は十七、八万ですかな、警察官は。それで年間にやはり四十名ぐらいの死亡が出るということになりますと、これはどうも林野庁のほうがたいへんな職場だということになりますな。警察官よりもたいへんな職場だということになるんですね。これは総裁、やっぱりほう賞金のようなものを考えなければいけませんね。これは笑いごとじゃないですよ。ほんとうですよ、これ。
  〔委員長退席、理事八田一郎君着席〕
 まあそれは一応あれしますが、どうも私は自衛官並びに警察官、海上保安庁その他厚生省、法務省等におって武器を持って公務を遂行している、そういう人たちに対しては死亡あるいは不具になった場合、先ほどのような特殊なほう賞というものが行なわれている。ですが、それ以外の一般の公務員というものはそういうものは一切ないんだということですね。それじゃ、危険であるかどうかという観点からいえば、いま私が一例を申し上げたんですけれども、警察庁の関係と山の国家公務員の場合とどうかというと、どうも死亡の状況、負傷の状況から見れば、はるかに何倍と山の国家公務員のほうが危険だと事実が示している。負傷の場合においても死亡の場合においてもしかりというふうに言えます。何かちょっと変な感じがするのですけれども、総裁は変な感じがしませんか。これはやはり国家公務員災害補償法というのが基本的にやっぱり検討されなければならぬのじゃないでしょうか。どうもほう賞という形で先ほどの話の警察官、あるいは海上保安官というものの死亡の場合、あるいは負傷した場合に、そういうような形で処理されるというのもおかしな話だと思うのですね。ですから、やはりこれは災害補償なら災害補償の中で統一をして処理をされるという必要があると思いますし、それから危険その他の度合いからいえば・もっと一般の、たとえば特に山の公務員の場合は一番大きいですね、山の場合についても特殊な考え方を持つ必要がある。林野庁は、御承知のように、山の慰霊碑を持っています。毎年三十人、四十人死にます。毎年たいへんな人が負傷するわけですが、慰霊碑をつくってあります。高尾山にある慰霊碑ですね。慰霊碑を持っている役所というものはあまりないのじゃないかと思うのですけれども、林野庁はそこに毎年死亡された三十人、四十人という人たちの霊を祭っておるわけです。そういう特殊な職場であると思うのです。そういうものに対してはどうお考えなのかということも、これは総裁に聞きたくなりますね。あちこち広がりますが、総裁のひとつ考え方なりを伺いたいと思います。
#88
○政府委員(佐藤達夫君) 実は個人的なことを申しますと、私はまあ別な縁故から国有林の作業に非常に通じておるつもりなんです。そういう意味で公務災害の審査請求なども深い理解を持って審査をしているつもりでありますけれども、そういう意味ではお話はよくわかります。ただ、いまの林野の作業につきましてもすべてがすべてということには私はならないと思いますけれども、しかし、警察官の場合、自衛官の場合と相匹敵するという場面も私はあると思います。したがいまして、そういう面から率直に、林野をえこひいきするという立場でなく、一律に一つの視野から見て拾うべきものは拾うということで、先ほど申しましたように、わがほうの受け持ちからいえば、福祉施設のほうから入っていくほか道がありませんから、せめて福祉施設のほうの問題からそういう点を解明していくべきではないかということで鋭意検討を続けている、そういうことでございます。
#89
○鶴園哲夫君 これは総裁、私はよく承知してないのですけれども、いまの特別調査会というのは、いつごろからお始めになっていらっしゃるのですか。
#90
○政府委員(島四男雄君) これは四十二年の十二月二十日に、この研究会の会長の今井一男さんから人事院総裁あてに答申が出されております。したがって、現在までの間、約三年間が経過しております。
#91
○鶴園哲夫君 非常に大きな問題ですが、人事院としては少しこれちょっとマンマンデですね。ちょっとのんびりしてますね。
  〔理事八田一朗君退席、委員長着席〕
という感じを受けますが、ただ、総裁のいまおっしゃいましたように、私も総裁のお話全く同感であります。確かに公務員の中にあっては、山の公務員というのは、全部が全部じゃございませんですけれども、特に危険な、したがって、結果としましても、これは警察官よりも率でいきますとはるかに死亡率が高いということにもなるわけですね。負傷率も非常に高いということになるわけですから、そういう意味で、全体としてそういうやはり職場というものは、警察官に限らず、国家公務員の中にあって、先手を打つといいますか、あるいは注目をしていただいて、そして福祉施設という関係の中でふさわしい処理をしていただくように要望いたしておきたいと思います。
 それから衆議院の附帯決議の中にも出ておりましたですけれども、通勤途上の公務災害ですね、これが非常に多くなっておりまして、これはまあ交通戦争の世の中ですから、一般の公務員も通勤途上における公務災害――死亡とか負傷というのが非常に多くなっているわけですけれども、それを公務と見るかどうかという点について、いまの見方でいきますと、私の聞いている限りでは、どうもまれのようなふうな受け取り方をしているわけなんです。まあしかし、これからますますこういうことはいまのままではふえていく実情でありますし、通勤途上における公務災害、どういうふうに考えていらっしゃるのか、その点についてお尋ねいたします。
#92
○政府委員(佐藤達夫君) これも先刻来の他の制度とのバランスということから申しますると、非常に消極的な形で今日まで運用がされておるということは事実でありますけれども、私どもの立場としては、少しでもこれ前進の形でいくべきだ、ILOの条約あたりにもそういうことがあったと思います。それに近づけるという意味もありまして、従来の一般の労災関係の扱いよりも実は一歩を進めておるというのが実情でございます。ただし、これがいまお話しのような現在の実情、交通事情でございますからして、さらにこのことを前進させる必要があるかどうかという問題もわれわれとしては十分心がけて検討しておるという段階でございます。現在のところではとにかく一歩は進めておるということでございます。
#93
○鶴園哲夫君 この公務災害として出ている件数というのはどういう状況になっているのですか。そしてその件数についての処理の状況を簡単にお尋ねをいたしておきます。
#94
○政府委員(島四男雄君) 基本的な考え方を申し上げますと、いま総裁がお答えしたことに尽きるわけでございますが、現在通勤途上の災害につきましては、官の拘束が非常に強い場合に公務災害として扱っておるということでございます。それから公務の特殊性を考慮いたしまして、通勤を要しない日または時間に特段の命令によって通勤をしいられる場合というような特別の事情のもとにおける通勤、これもまあ一応取り上げていこうということでございまして、労災の通勤災害の取り扱いに比べますと、国の場合は若干幅広く取り扱っているというのが現状でございます。で、現にこの通勤災害につきましては最近幾つか例がございまして、たとえば夜十時過ぎまで居残りした後における災害、あるいは特に早朝に出勤を命ぜられた場合の災害、あるいは普通、まあ帰りの、自宅へ帰る途中に特に用務があって立ち寄って、それから自分のうちへ帰ったという場合の途中に起こった事故等を取り上げた例が幾つかございます。件数はちょっと手持ちにございませんが、事例としてはいま申し上げたような事例が幾つかあるということを申し上げておきます。
#95
○鶴園哲夫君 総裁のお話にありましたですけれども、公務員一般が受け取っている感じとしては、通勤途上における公務員自身は公務災害と思っても、なかなか実際は非常に否定的な面が多いですね、例外的にしか公務災害にならない。一般公務員の場合はほとんどならないと言っていいのじゃないかと思いますね。そういう意味で、総裁もおっしゃるように、非常に消極的だというふうに受け取れるわけですけれども、何かこれ、やはり消極的じゃなくて正常な形といいますか、もう少し積極的にこの問題については検討される必要があると私は思うのですけれども、いまの検討の状況の中では非常に例外的にしか認められないということになりますと、官庁で使っている特殊な車に乗っているかどうかというようなことになってみたり――そんな車に乗る人はもうほんとうにいないのですからね、そういうものは。そうしますと、もう公務災害にならないという形になっちゃうのですね。ですから、積極的に通勤途上における公務災害についてすみやかに検討していただきたいと思うのですけれども、総裁いかがですか。
#96
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほどの消極的ということばを、いかにも人事院が消極的であるかのごとくに翻訳されて御発言になったのですが、そうじゃないのです。私が消極的と申し上げますのは、一般の労災関係の適用が消極的であるにもかかわらずということで力を入れているのでございますから、したがって、一歩、二歩前進したかまえで、いま局長のお答えしたような場面については進んだ形をとっておると、しかし、これも筋の立つ限りはさらに広げていくということがILOの条約の趣旨にも合うことだし、そう遠慮する必要もなかろうという気持ちで前向きに――前向きというよりも前進のかまえでわれわれは臨んでいるというふうに御了解願いたいと思います。
#97
○鶴園哲夫君 どうもあとのほうを私ちょっと聞かなかったもんですから誤解をして恐縮でございます。
 次にお尋ねしますのは、これまた非常に多くなっているのですけれども、最近マイカーが多くなりましたですね。車を使って、あるいはちょっと前ですと、単車を使って役所に出てくる。公務の遂行を役所の車で行けばいいのですが、そうもいきませんで、ない場合が多いわけですから、結局、まあ急ぐ関係があったりしまして、自分の車で公務のために行動する、あるいは単車に乗る。その場合に交通災害が一体公務災害かどうかといった問題が非常に広がっているわけですから、これからまた多くなるかと思うのですがね、そういう点についてのいまの検討状況といいますか、お考えを伺っておきたいと思います。
#98
○政府委員(島四男雄君) お話しのような事例が最近非常に多くなっていることは事実でございます。まあ考え方として申し上げますと、かりに官用車でなくてもマイカーで役所の仕事を行なう、あるいはバイク等を使用して公務を行なうという場合も、必ずしも特段の命令がなくても通常の、特に恣意的にそれを使うということでない限りは、一応公務上の扱いにしてもよろしいのではないかというのが私どもの考え方でございます。ただ、現実に私のほうへそういう事例があまり参っておりませんので、具体的な判断をお示ししておりませんが、私のほうの考え方としてはそういうことでございます。
#99
○鶴園哲夫君 これはそういう事件としては相当多いんじゃないかと思いますがね。特に地方公務員の場合が多いだろうと思います。ですが、次にお尋ねをいたしますのは、これは十月十六日の毎日新聞に出ましたですね。国立病院の外科のお医者さんが死亡されて、そしてこれは公務による死亡だということで。ところが厚生省はそれを認めなかった。人事院にまた出したところが、人事院もこれを認めなかった。裁判になって東京地裁がこれは公務によるところの死亡という判決を出したというのが載っていましたですね。ちょっとばかり妙な話だと思うのですけれども、厚生省ですよ、これは。厚生省が、いかぬ。それから肝心の人事院が、またいかぬ。そして裁判所がこれは公務だと、こう言ったというのですね。私はこの事件で思いますのは、判定ですね、これは公務であるかどうかという判定に非常に問題があるのではないかと思っているのですよ。あれが公務災害かなあというのが公務災害にけろっとなってみたり、総裁、頭ひねっておられるけれども、そうかといって、これは公務災害だと思うけれども、なかなか公務災害としてお認めいただけなかったり、そういうのはいろいろあるのですよ。総裁は字づらで見ておられるから、それはないかもしれない。われわれいろいろ聞きますと、あるわけですよ。あれが公務災害になるんだからなあと、よく笑い話になるわけです。ですから、これは裁定のしかたがいろいろ問題があるのじゃないかと思います。裁定じゃなくて、出すほうも問題ありますね。これ申請をするほうもいろいろあるんじゃないかと思うんだけれども、しかし、いま厚生省が否定をし、人事院が否定をして裁判がこれを認めたという場合の経緯はどうなっているんですか。人事院はこれを受けとめられるわけですか。結果はどうなっておるんでしょう。
#100
○政府委員(島四男雄君) ただいま御指摘の京都病院のお医者さんの受けた災害についての事例でございますが、これについては特に控訴いたしませんので、地裁の判決は当然確定したことになるわけでございます。
#101
○鶴園哲夫君 あと、だいぶ時間が過ぎましたですから、私は認定の場合のやり方といいますか、これにひとつぜひくふうをしていただきたいように思うのですけれどもね。まあ時間の関係ありますから、これはそのくらいにしまして、補償法の十七条にありますスライドという問題ですね。これについてはどういうふうに考えていらっしゃるのか。補償法の十七条に規定してありますスライドの問題についてはどういうふうに考えていらっしゃるかですね、これをお尋ねいたします。
#102
○政府委員(佐藤達夫君) さっきの認定のあり方のお話から、しつこいようになりますけれども、われわれとしては認定をやります場合には、不服の審査請求が来ますと、私たち自身がそれにタッチいたしまして、慎重に資料その他によって――資料ができますにも、職員局あるいは公平局から現地に行きまして、京都の場合もそうです。現地についてあらゆる報告、調査をした上で、そうして最後に私どものところに参りまして人事院会議でこれをきめるわけです。私どもとしても、少しでも理由が立つものは助けろという気持ちでやっておるわけでございます。したがいまして、先ほどちょっとおことばにありましたように、こんなものまでがというようなことがちょっと出ましたけれども、こんなものまでがということをあまりおっしゃいますと、われわれもこれはちょっと引き締めなければならぬということになるので、それはあまりおっしゃらないで、もう少しよく理解のある審査をしろという方向のおことばとしてわれわれはまあ了解しておきますけれども、この京都の場合も、われわれ自身が十分調査、審査をしました上で正しいという判定をしたわけなんです。私自身はこの判定が粗漏であった、間違いであったとは思いません。しかし、第三者の裁判所がまた別の角度からこれをお認めになったのでしょうから、これに対しては異議は言わない。
 それから、スライド制の問題については、これは数年来かなりお話が出てきておるところで、われわれも非常に気にしながら研究を進めておるということでございます。たびたび申しましたように、他の制度との関係等がやはり当面の考慮の対象にもなりますので、そういうこともあわせ考えながら検討を目下進めておるということで御了承願います。
#103
○鶴園哲夫君 まあ先ほども私が申し上げました、あるいは一面を拡大しまして誤解をしている面もあるのだろうと思いますね。実際まあそういう話がちょこちょこあるわけですけれども、しかし、それはその一面を非常に強調してまあ笑い話みたいになって誤解をしている面があるのだろうと思いますね。その点は私も不穏当な発言だったと思っております。
 それから、いまありましたこの十七条によるスライド制の問題について、実際まあ恩給のようなものがスライドの形で相当程度取り入れつつありますですね。ある程度取り入れつつあります。ですから、この災害補償の場合の年金等についても、やはりすみやかにそういう検討を進められてスライド制のようなものが入ってくるように、ぜひひとつそういうことになりますように強く要望いたしまして終わりたいと思います。
#104
○委員長(西村尚治君) 両案に対する午前中の審査はこの程度にいたします。
 午後二時まで休憩いたします。
   午後零時三十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時八分開会
#105
○委員長(西村尚治君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案及び国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案、両案を一括議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#106
○足鹿覺君 私は一つの問題にしぼってお尋ねをいたします。すなわち国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案につきまして、これに関連する林業労働者の白ろう病対策についてであります。これは予防は労働省、治療は民間は労働省、国有林では人事院と、こういうことになっておりまして、どなたからでもよろしいですから、順次所管は所管として御発言をお願いいたします。
 まず第一に、国有林におきましては予防対策として振動機械の使用時間の規制を二時間交代と、こういうことで不十分ながら実施になっております。しかし職業転換の場合であるとか、あるいはそのための資金の補償といったようなことについても若干進展を見ておるようでありますけれども、白ろう病が問題になりましてから十年近くになろうとしておりますのに、治療対策、生活補償はきわめて不十分であると私は思うのでありますが、この点について、先ほど申し上げました各省の所管事項の対策について伺いたい。
#107
○説明員(齋藤誠三君) お答えいたします。
 白ろう病にかかりました作業員の補償につきましては、第一に休業補償でございますが、災害補償法の定めるところによりまして六〇%の補償に加えるに生活援護金としまして、通例一〇%でございますが、白ろう病に限りまして一〇%を加えて百分の八十の休業補償をいたしております。また職種がえを行なった場合の賃金の低下に対する補償につきましては、過去一カ年の実収賃金と、職種がえしました場合の低下した賃金との差額、またはでき高の場合におきましては百分の八十五と、低下した賃金との差額を補償するということで労働組合とも協約を締結しておるわけでございます。
    ―――――――――――――
#108
○委員長(西村尚治君) 委員の異動についてお知らせいたします。
 本日、山本茂一郎君が辞任され、上田稔君が選任されました。
    ―――――――――――――
#109
○政府委員(島四男雄君) 白ろう病につきましては、人事院としてもかねてより非常に関心をもって当たってきたわけでございますが、昭和四十一年七月十一日に、いわゆるチェーンソーを使用する林業労働者が白ろう病にかかった場合には一応職業病とするという回答を林野庁長官に出しまして、それ以来、その後昭和四十三年三月にはさらにその範囲を拡大しまして、チェーンソーのみならず、ブッシュクリーナー取り扱い者についても、チェーンソー取り扱い者と同様に、白ろう病患者については職業病にするという取り扱いをしております。ただ現在問題になっておりますのは、その他集材機の運転者等に起こった白ろう病には職業病にするかどうかということにつきましては、なお検討中でございます。
 ただ私どもこの補償法を実施する立場で一番頭を痛めております問題は、白ろう病についての医学的な治療法といいますか、それが必ずしも十分確立していない。それからさらに、一たん白ろう病にかかった患者がいつの時点でなおったと認定できるのか、いわゆる治癒認定基準が確立されていない。したがって障害補償の対象にもいまだなっておらないわけでございまして、そういうような治療の方法なり治癒認定基準が一日も早く確立されることを私どもは期待しているわけでございます。そういう問題につきましては、関係省庁とも十分連絡をとりつつ今日までまいっておる次第でございますが、なお前向きでこの問題には取っ組んでいきたい、このように考えております。
#110
○説明員(山本秀夫君) 私は労働省でこの白ろう病予防に従事しておりますが、労災補償の面は、補償課長の担当であります。そこで補償のほうは、すでに労働省では発足当初から、労働基準法の施行規則第三十五条十一号というものに振動による神経炎等は補償するということになっておりますから、それに基づきまして補償をいたしております。ことしの九月に療養中の人員の数を調べましたら八十七名でございます。
#111
○足鹿覺君 御三人の方々から御答弁になったわけでありますが、治療対策なり生活補償ということについてはきわめて不十分であるということはお認めになりますか。したがって何らかの対策を今後前向きで講ぜられようとしておりますかどうか、その点について御発言がなかったようでありますから……。
#112
○説明員(齋藤誠三君) 職種がえした場合の賃金の補償につきましては、振動障害に関する協定を締結しておりまして、二カ年間この種の賃金を補償するということになっております。現時点におきましては二カ年で打ち切った場合におきましての一時金の処理につきまして、労働組合とまだ合意に達しておりませんが、賃金補償につきまして新たな協約の申し出があれば、われわれとしても誠意をもって検討したいと考えております。
 それから治療対策につきましては、先ほど人事院のほうからお答えがございましたが、われわれとしても、まあ各方面に現在研究を委託しておるわけでございまして、その点いまだに治療法が確立していない点はたいへん遺憾に存じております。
#113
○足鹿覺君 治療対策。
#114
○政府委員(島四男雄君) 白ろう病患者に対する補償の問題でございますが、人事院としてもこの白ろう病患者に対する補償という点、特に注目いたしまして、先ほど来お話もございましたように、休業補償に関しまして現在百分の六十ということになっておりますが、白ろう病患者については特に二割増しということで、現在百分の八十林野庁のほうで支給しておるという実情になっております。ただこれをさらに白ろう病患者だけについてもっと一〇〇%に近づけるという措置が可能かどうかという問題が確かにございますが、ただ現在この休業補償そのものの率を引き上げるという問題は、労災なり他の社会保険制度との均衡という問題がございますので、なかなかそう簡単にはまいらないわけでございますので、休業援護金制度については、白ろう病患者について特別に二〇%増しにしておるという点で、私どもはできるだけのその問題について考慮を払っておるということが申し上げ得られるかと思います。
#115
○足鹿覺君 承りましたが、私はただいまの御答弁では満足するわけにはまいりませんが、いまの御答弁で十分だとお考えになっておりますか。今後前向きでさらに前進をされる必要があるとお認めになりますか。たとえばいろいろな対策があるわけですが、治療対策としても温泉治療が一番効果があるということが通説になっております。これには相当長期療養を要する、こういったやはり特殊な治療も必要になってくる、いまの御答弁では少々手当を増額しておるからと、こういった通り一ぺんの御答弁としか受け取れません。非常に遺憾であります。この人道上の問題ともいうべき問題ともっと取り組んでほしいと私は思いますが、現在でよろしい、こういうお考えですか、それとも一歩を進めてさらに完ぺきを期する、こういうことですか。その点はいかがですか。
#116
○説明員(齋藤誠三君) 私どもとしましても、現時点で治療法等がまだ未確立でございますので、十分と私は思っておりません。さらに鋭意研究を進めまして完ぺきを期したいと思います。また温泉療法等につきましてもいろいろ現在研究中でございますが、来年の一月から八名の患者につきまして福島の労災病院で温泉療法を実施するということで現在打ち合わせ中でございます。
#117
○政府委員(島四男雄君) これは災害補償全般について言える問題でございますが、この補償給付が多ければ多いほどいいということは言うまでもないことでございます。特にこの白ろう病患者についてはたいへんお気の毒である、必ずしも現在の給付が十分であるというふうには私どもは考えておりません。その意味においては今後ますます改善に努力したいということを考えております。
 それから、ただいま療養補償の手段として温泉療法の問題を御指摘になりましたけれども、おことばではございますが、温泉療法が白ろう病治療対策として必要欠くべからざるものであるということが通説であるというおことばがございましたけれども、これについては医学界の間にいろいろ意見がございまして、私ども必ずしも通説であるというふうには考えておらないわけでございます。ただ、もう少し医学が進歩いたしまして、それが温泉療法が白ろう病にきくということが立証されれば、療養の中にそういうものを取り入れるということについてはやぶさかではございませんが、そういう意味でまあ医学界の結論が一日も早く出ることを私どもは期待しているわけでございます。
#118
○足鹿覺君 これは前の国会でのやりとりの中から厚生省の見解を見ますと、温泉療法が現在最も適したものであると聞いており、患者の苦痛をやわらげるため厚生省の温泉療養施設が役立つのならば利用してまいりたい、そういうような意味の御答弁があったわけです。現段階においてはないとするならば、次善の策として、まず病気になった人をなおしてやる。なおった人を今度はどうするか、二年で生活補償は打ち切りということですが、それではやれないではありませんか。なおらない、就労の機会がない、こういう状態はほうってはおけないと思う。ですから、何でも万全はけっこうでありますけれども、現段階においてとり得る次善の策というものは早急におとりになる必要があるのではないでしょうか。そういうことを私はやはり次々と手を打っていく、こういうことを促したいのです。どうですか。
#119
○説明員(齋藤誠三君) 先ほどもお答えいたしましたように、われわれとしてもできるだけの努力はしておるわけでございまして、温泉療法等につきましても、いろいろ医学界でまだはっきりした結論は出ておらないわけでありますが、われわれのほうとしましても非常に関心を持ちまして、来年早々から福島でそういう療養の研究といいますか、そういうことをやろうとしておるわけでございます。そういう意味で賃金補償等につきましても、いろいろ問題が出てまいりますれば、誠意をもって検討し、また労働組合とも十分協議してまいるつもりでございます。
#120
○足鹿覺君 私は、温泉療法で治療の結果なおるとは聞いておりません。厚生省の御意見としても、患者の苦痛をやわらげるため云々ということになっておるということは先ほど申し上げたとおりなんです。まずこの苦しみあえいでおる人々のためにそういうことを全面的におやりになったらいかがですか、それがあたたかい政治というものじゃないでしょうか。審議会の結論が出るまで、いつまでも待つお考えでしょうか。
#121
○政府委員(島四男雄君) 私のほうは実施機関に対して一応指導するというか、そういう立場にあるわけでございますが、もちろんそういう患者の苦痛を少しでもやわらげるためのあらゆる手段を講ずるということは、これは言うまでもないことでございまして、実施機関においてそのような御配慮されることは一向差しつかえないのでございます。ただ私のほうとしての立場としては、やはり医学的というか、何かやはりある施策を講ずるためには、確固たる根拠がなければなかなか明確な指導ができないという点もございますので、そういう意味で先ほど申し上げたわけでございますが、これは事実上そういうことについて実施機関がおやりになるということであれば、私どもは何ら反対するものではございません。
#122
○足鹿覺君 こればかりにこだわっておると先に進めませんから、先に進みますが、政府は白ろう病の治療を完全に行なうような各省にまたがる総合施策を講じていくということがやはり根本的には必要である。それは審議会の議を待たなければやれないのですか、どうですかということであります。一例をとりますと、予防対策として機械の規格基準の使用規制等を規定するということが、なってしまったものに対する以上に、また同等以上に必要だろうと思うのです。この点についてお考えはありませんか。
#123
○説明員(齋藤誠三君) 現在時間規制の対象としている機械は、チェンソー・刈り払い機等でございますが、われわれといたしましても、白ろう病の発生を、減少といいますか、少なくするためには、無振動機械の開発がきわめて有効であろうと考えておりまして、現在国有林野事業におきましても、五百台程度の無振動機械を入れまして、実験的に無振動機械による白ろう病の予防対策としての検討をいたしておるわけでございます。また、林業試験場等におきましても、無振動機械の開発等について現在研究をいたし、また機械メーカーのほうにおきましても、そういった種類の開発研究を現在やっていただいておるわけであります。
#124
○足鹿覺君 労働省に伺いますが、いまお聞きのとおりなのですね。お聞きのとおりですが、あなたのところの対策を見まするのに、いろいろと御検討にはなっておるようでありますけれども、昭和四十四年二月二十八日、労働基準局長が都道府県の労働基準局長あてに「チェンソー使用に伴う振動障害の予防について」という一片の通達しか出ていない。労働省に局所振動障害予防対策委員会を設けて検討するのだと、こういうことに尽きておるのですが、これでよろしいのですか。いわゆる国有林等においてば、いままで私とのやりとりでお聞きになって若干前進しておる。しかし、公有林であるとか民有林で働いておる労働者に対しては時間規制等の措置も何ら講ぜられておらない。放置せられたままである。また、国有林で働いておる労働者よりももっとふだんの待遇も悪いし、また白ろう病対策に欠くるところ大きな格差があるということは、たれも認めることではありませんか。しかるに、このような通達一本で、そしてあなたから進んで私の質問に答えようとなさらないのはどういうわけですか。これ以外に積極的にこの問題とどう取り組もうとしておられるのか。どう対処されようとしておられるのか。いま無振動機械の開発等についても、林野庁は検討しておる、研究機関等を通じて検討しておるということでございますが、そのほうの関係は――民有林、公有林についてはあなたのほうの所管になるわけですから、あなたのほうとしてはどういうふうになさっておりますか。
#125
○説明員(山本秀夫君) 御指摘の通達の中身といたしまして、さまざま書いてございます。その中に、チェーンソーの選定はこのように、あるいは整備はこのように、あるいは作業の労働時間は二時間以内というようなことで実は盛っでございます。で、それを労働基準法に基づきまして、基準局長が各局の民間林の実情を考慮いたしまして、適切な指導を徹底するようにということが通達に盛り込んでございます。そのほかに実は私どものほうに労働衛生研究所というのがございまして、そこでは振動の専門家が実はおります。で、機械の無振動化の研究は直接的には私どもとしてやっておりませんが、実は検定ということを考慮いたしまして、検定の基準をいかにしたらよろしいかというようなことについて、実は基礎的に研究をしておるわけでございます。
#126
○足鹿覺君 これは社会労働委員会でも問題になり、私も予算委員会で問題にしましたが、特に社会労働委員会においてば、振動の基準を出せというので私どもの同僚の吉田議員があなた方に迫った。努力して基準なり無振動の機械をつくります、こう御発言になった経緯もある。このとき自民党の人が、人間の健康や生命に確実に危害を加えるというデータがないから機械使用の禁止ができないというが、確実に無害であるというデータがそろって初めて許可すべきだという声すら上がっておるじゃありませんか。これは党派性の問題ではないです。したがって、振動の基準も明らかにならない。無振動の機械もいつ開発できるかわからない。こういうことであるならば、これは明らかに使用禁止すべきだ、そういう措置をとらざるを得なのじゃないですか。次から次と白ろう病が出てくることは必至であります。あなたはいまこの二月二十八日の通達を説明されましたが、これは私も読んでおります。「操作時間を一日二時間以内に規制するとともに、作業の過程にチェンソーを操作しない作業を組み入れ、」云々と、こういう通達が出ておるだけであって、これが守られておるという確証をあなた方は握っておられますか。ここであなた方の通達どおりの、林野庁並みの少なくとも作業がやられておるという確証がありますか。あったら教えてください。
#127
○説明員(山本秀夫君) 十月の末と思いますが、実はその順守の状況につきまして調査をするように各局に指示をしまして、その結果がぼつぼつ集まってきておるという段階でございます。
#128
○足鹿覺君 よくわかりません。
#129
○説明員(山本秀夫君) 十月の末に、各局でこの通達の順守状況の調査をするようにいたしまして、その結果をいま集めておる段階でございます。
#130
○足鹿覺君 去年の二月二十八日ですよ。去年の二月二十八日に出した通達の、全国で八十名や百名足らずの白ろう病患者の分布なり、民有林や公有林の実態がつかめないほど基準局というものはそんなに手続がむずかしいのですか。言いたくないけれども、そんな答弁は――私はきょうは鶴園君の補完質問ですから、簡単に簡単にと思っておるのですが、本格的に聞くということになりますと許せませんよ、そういうことでは。そんなばかなことがありますか。
#131
○説明員(山本秀夫君) 通達は実はことしの二月に出しました。そうして半年後にどうかということで調べておるわけでございます。
#132
○足鹿覺君 四十四年二月二十八日じゃないですか。
#133
○説明員(山本秀夫君) 四十五年でございます。
#134
○足鹿覺君 私の資料によると、基発第一三四号、昭和四十四年二月二十八日、労働省労働基準局長となっておりますが、こっちが間違いですか。それではその通達の写しをあとで持ってきて見せてくれませんか、間違いなら。
#135
○説明員(山本秀夫君) はい。
#136
○足鹿覺君 間違いにいたしましても、二月からもう年末ですから、何万人の人間を調べるならば別ですが、わずか百名内外の、あるいは拡大してみても知れた数を捕捉することは、これはわずかな時間でできるのじゃないですか。やっていない証拠じゃないですか。
#137
○説明員(山本秀夫君) 全国に約十五万人ほどおると思われますこの林業関係の方々のこの問題につきまして、実は七月の末に通達を出しまして、全員のアンケートをとっております。それが次第に集まってきておりますが、まだ実は一万人程度しか回収されておりません。そこでことしじゅうにはぜひ回収を終えたいと思いまして、そのような措置をしております。
#138
○足鹿覺君 少なくともあなた方の指導方針はどうしようというのですか。国有林の白ろう病対策の水準にまで近づけて、それを完全実施せしめると、こういうことが確約できますか。私は、前段で申し上げたように、現在とられている国有林の林業労働者に対してもまだ不十分だという前提で言っているのですが、少なくとも公有林、民有林で働いている林業労働者諸君は、その国有林並みにはとても行っておりません。それはもう大体常識でわかったことなんです。ですから、あなた方は少なくとも国有林のとっておられる白ろう病対策の水準にまで近づけると、いつごろを目途にして近づけるのだと、こういうあなたは確信をもって御答弁にならなければ答弁になりませんよ。そんな遅々としたことで、ああそうですかというわけにはまいりませんね。あなたが所をかえて私の席へすわって、私がそういう答弁したら、あなたはどうしますか、そんなことであなた満足するはずはない。これは別に政策に大きな変換を迫るとか、あるいはその他政策の大きな修正をするとかいう、そういうものではありません。限られた人員に対して、少なくとも人道的に見てやらなければならない最小限度のことなんです。そういう立場から私は申し上げておるんでして、もう少し前向きの御答弁をお願いします。
#139
○説明員(山本秀夫君) 白ろう症状がありまして、まあ先ほど申し上げましたような労災認定ということがありますが、それに合致したものは当然に業務上の疾病として補償され、たとえば福島労災病院とか各地の労災病院で診療が十分受けられる、こういうことに実はなっております。いまの患者のことにつきましては、そのように理解しております。九十数名の患者さんがおりますが、その方々につきましては、考えられる限りの治療をしていただくということになっております。温泉治療も、主治医が必要だと認めれば認めることにいたしております。
#140
○足鹿覺君 なお、通達には第一次、第二次の健康診断をやるという通達の内容であります。健康診断の結果は、あなた方は集約していますか。
#141
○説明員(山本秀夫君) 民有林労働者の健康診断の結果を実は把握するために、本年の予算をもちまして、林業災害防止協会に委託をいたしまして、その検診が漸次この秋に行なわれております。一部判明しつつあります。
#142
○足鹿覺君 林業災害防止協会というのは、これは政府機関ですか何ですか。
#143
○説明員(山本秀夫君) 労災補償保険のほうから支出をいたしまして、労働災害防止団体等に関する法律というのがございますが、それで設立をされている団体でございます。
#144
○足鹿覺君 これは林野庁は国有林だけを管理しておるわけではないのですから、わが国の八〇%近い国土の森林資源の保護、造成にあたっておられるわけなんでして、したがって、いまのような状態が続きますならば、最低の、しかも季節的な労働者で、労働基準法の適用もなかなかむずかしい、失業保険の適用もだんだん狭まってくる、白ろう病になっても国有林並みの取り扱いもなかなか受けがたい、こういう悪条件の山積した中で、あなた方が国有林だけにとらわれておるならともかくも、日本国土の山林資源に対する全体の責任を林野庁が負うとするならば、こういう状態が続けば、林業労務者はおそらく枯渇して、山あれども人なし、こういうことにならざるを得ないと思う。そういう状態になって、はたして今後の林業行政が円滑に推進できるとお考えになりますか。まことに私は労働省、林野庁、それから人事院と分かれておるこの白ろう病対策にあらわれる、何といいますか、ばらばら行政を遺憾に思いますが、いま言ったような対策から、あなた方は国有林だけを管理しておる林野庁じゃないでしょう。国有林管理庁なら別ですが、林野庁というものは全国、民有林、公有林の率のほうが多いのですよ。そういう多い角度からいって、いまの労働省の御答弁で御満足になりますか。もっとあなた方は推進される使命をお持ちになっていることと私は思いますが、このような手ぬるい通達で甘んじておられるわけでもありますまいが、全般の林野行政のお立場からどうお考えになりますか。
#145
○説明員(齋藤誠三君) ただいま先生の御指摘のとおり、民間林業労働力も次第に減少してまいりますし、また、人道的な立場からも白ろう病の逓減、防止につきましては、国有林と同様な形で努力すべきものと考えております。国有林につきましても、現時点でしばしば申し上げましたように、満足であるとは思っておりませんし、林野行政といたしましては、森林組合等を通じてのこの種災害の防止等にもいろいろな面で努力をいたしておりまして、また県庁等に対しても指導を徹底しているつもりでございますけれども、まだ明らかな成果があがるまでに至っておらないわけでございます。今後十分に真剣に取り組んでまいりたいと存じます。
#146
○足鹿覺君 抽象的な御答弁では満足できませんが、時間もありませんし、しつこくは申し上げませんが、無振動機械の開発の見通しはどうなんですか。いつになったらできるのですか。この前、私が一年ほど前に質問をし、そして参考人を呼んで参議院の農林水産委員会でこの問題を追及したのです。参考人まで呼んでやったのです。しかし、それからもうすでに相当過ぎております。一向にらちがあかない。これでは百年河清を待ったぐいではありませんか。もう少しお役所仕事とはいうものの、事の重大性にかんがみて促進をされる必要があろうと思いますが、いつになったらその無振動機械の開発ができるのですか、見通しいかん。もうその民間の委託研究とかなんとかいうようなまどろっこしいことはやめて、総力をあげるべきではないですか。少し手ぬるいです。いつになったら無振動機械が開発できますか。できないという、またそれが研究を進めてできるという確認、確証もない。振動基準もなかなかない。そういうことになれば、この機械を残念ながらこれは禁止する以外ない、そうでしょう。それとも、公有林や民有林は、この通達ではなくして、立法措置に訴えて、こういう人道上の、わずか三十歳前後の者が人間としてのいわゆる機能を喪失してしまう、そういうおそるべき病気を誘発する機械をこのまま続けることはできません。十年待ってもらちがあかない。それではたとえ少数の林業労働者といえども、この人々によって日本の森林産業は守られているのではありませんか。この人々の労に報いることもできないような行政があっていいでしょうか。いつ無振動機械の開発をやりますか。しかと御答弁願いたい。いつですか、見通しいかん。
#147
○説明員(齋藤誠三君) 無振動機械につきましては、先ほど申し上げましたように、国有林野においては本年度すでに四百八十台入っておりますが、まだ全般的に無振動機械、電動チェーンソーで全部の作業を行なうまでに至っておりません。いろいろ現在試験研究あるいは実験的な意味をかねましてやっておりますが、来年度以降、逐次非常に効果があるとなれば全般的に採用するような考え方でございます。
#148
○足鹿覺君 無振動機械の開発の見通しを聞いてるんですよ。で、どうしてそんな遅々として進まないのですか。予算がないのですか。原因は何です。予算は何ぼつぎ込んでおるのですか、今日まで。じゃ、それを伺いましょう。あまり抽象的な答弁で逃げられると、私も質問打ち切りたいんですが、追及せざるを得ない。金がないんですか。
#149
○説明員(齋藤誠三君) 無振動機械につきましては、林業試験場等においてその改良について研究いたしておりますが、予算はちょっとお答えの資料を持ち合わしておりませんが、私が先ほど申し上げましたのは、すでに無振動機械としては実用化の段階にあるわけでございまして、その分が現在国有林では四百八十台のホーレストマイティという機械等でございますが、それを導入いたしまして、白ろう病の予防あるいは根絶をやっておるということでございます。それでその成績いかんによりましては、無振動機械を逐次全面的に入れていくという考えであるということを申し上げたわけでございます。
#150
○足鹿覺君 その無振動機械というのは四百八十台すでにできておるというのですか。さっきは開発中だと言ったが、それは試作をして、そして実験をしておると、ではメーカーはどこで、どういう分布をしてるんですか。国有林で実験をしておるのですか、無振動機械はまだ開発中だと言われたが。
#151
○説明員(齋藤誠三君) 現在四百八十台すでに国有林で山に入っておりまして、現在実験中でございます。製作メーカーはほぼ数社ございまして、チェーンソーの製作メーカーの若干であるということでございます。後ほど会社名等は御連絡いたしたいと思います。
#152
○足鹿覺君 もう一問だけ、労働省に。
 いまお聞きのとおり、あなたのところで研究、研究と言っておる段階で、林野庁はすでに四百八十台実験の段階に入っておる、御存じですか。なお研究を要するというのはどういうことですか。まだそれが完ぺきでない。実験の上であるからわからないが、振動基準というものはいかような、いわゆる何といいますか、基準でつくられるものですか。で、いま開発されたものについては、民有林、公有林等についての導入対策等については、あなた方は御配慮になっておらないのですか。国有林だけでおやりになっておるようないま口吻にとれましたが、あなた方に聞くと、まだ検討中だ、研究中だ、林野庁も最初はそう言っておった。いまは何か少し変わった御答弁になっておりますが、この通達後、そういう実験用の無振動に近い、ないしはチェーンソーよりも被害が少ないであろうということば、まあ大体想定がつきますが、そういうものに対する労働省の、いわゆる民有林、公有林に対する指導方針はどうなんですか。それを伺いまして、最後に人事院に、就労不能の労働者は、国のほうで何とかこれに対する、ごくわずかな人間になると思いますが、特別の措置を御検討になる必要があろうと思いますが、その点をあわせ御答弁を願います。
#153
○説明員(山本秀夫君) ホーレストマイティのお話は聞いております。振動が少ないという意味で聞いておりまして、その試験の結果を実は私ども知りたいと思っております。よければ私どもとしても推薦していきたい、こういうことにしていきたいと思っております。
#154
○足鹿覺君 では、まだ採用していないということですか。
#155
○説明員(山本秀夫君) はい、これからお尋ねしてまいりたいと思っております。
#156
○政府委員(島四男雄君) ただいまの御質問の趣旨をよく体しまして、前向きで検討してみたいと思います。
#157
○峯山昭範君 私、初めに派遣法について質問したいと思うのですが、先ほどから先輩の議員からいろいろ質問がありましたので、できるだけダブらないように質問したいと思います。
 そこで初めに今回の派遣法の、人事院がこの意見の申し出をされた理由は、先ほど説明がございましたけれども、私は初めに、この意見の申し出をされたということは、申し出の中にもありますように、派遣される職員の処遇のいわゆる適正をはかる必要があると認めというようにありますように、現実には現在国際機関に派遣されている職員が、いわゆる何といいますか、不利益をこうむっているのだろうと思いますが、そういう点が一つや二つじゃなくて相当出てきて、そうしてこの意見の申し出があったのだと思います。
 そこで人事院総裁に初めに、私も調査室の資料等によりまして、大体の話の内容についてはわかっておりますが、それはこういう点が問題であるという点を順次五つか六つ教えてもらいたいと思うのです。
#158
○政府委員(岡田勝二君) 従来、国際機関、外国政府等へ参ります場合にはいろいろな形でやっております。出張もあります。休職もございました。場合によりますと退職して行ったというケースもございます。したがいまして、形がばらばらでありますということからいたしまして、その処遇もまたばらばらであるという、こういったわけでございます。そういうばらばらということがひとつ職員にとっては非常に不安感を持たせる。自分は帰ったら一体どういうことになるのだろう、そのほか具体的な例で申しますと、休職して一たん行きました場合には、給与は百分の七十までしか出ません。日本から向こうへ参りますと、とにかく休職であれば、こちらの現職ではございませんので、日本国政府の公務をやっているわけじゃございませんので、向こうでの公務災害を受けましても、それはそれなりの向こうでは公務災害の扱いにしましても、日本国政府としての公務上の災害という扱いは受けないということになるわけでございます。それからまた退職手当につきましても、休職で参りますれば、休職一般の例といたしまして、二年行きまして、それは一年しか計算されない、半分の計算というふうなことで、そういう点が休職して行った場合に大きな物質的な不利な点であったわけでございます。
#159
○峯山昭範君 いま三点くらいにわたって申し出られた理由の説明がございましたけれども、そんなことはだいぶ前からわかっていたのじゃないかと思います。人事院としては、一体いつごろこういう点をキャッチされたのか。私はこの法案が成立するということについては、いわゆる国際公務員といわれる人たちは、身分の保障を完ぺきにするわけでありますから、それこそ一日千秋の思いで待っておられただろうと思うのです。しかしながら、そういう半面もっと早くやるべきじゃなかったかという議論もあるわけです。こういう点については、これ以外のいろんな問題にも問題がありますし、一体この申し入れをされるに踏み切った理由ですね。これもう少しはっきりしていただいたほうがいいんじゃないか、こういうふうに思っているのですが、いかがでしょうか。
#160
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほどちょっとその点に触れましたのでありますが、私どもの一応問題意識を持ってこれをとらえましたのは数年前のことでございますけれども、なかなかこれ各省にまたがってのことであり、また、各省めいめいいろいろな扱い方をしていらっしゃるというようなことで、まず現実の実態を把握することが第一でありますし、各省そのものの御理解も得なければならぬということで、じっくりと調査をやっておったわけでありますけれども、これも先ほど触れましたように、去年でありましたか、外国に行っておった派遣職員が公務上の災害にあった。こっちのほうの災害補償法の適用は受けないというようなことが新聞に相当大きく扱われることになりまして、一般の御関心もだんだん高まってきて、大体機運は熟したということでこれを意見書の形で提出申し上げたというのがほんとうの真相でございます。
#161
○峯山昭範君 大体わかりましたが、今回の申し入れの一番最後に沖縄の問題がしるされております。これにつきまして、人事院総裁とそれから総務長官にお聞きしたいのですが、この申し出がありますように、結局沖縄復帰を控えていわゆる琉球政府へ職員の派遣をどんどんやらなきゃならないというような事態が出てくるわけなんです。そのために今回の法の制定を急いだ、そういうふうな点も言われておりますが、この点と、それからもう一点は、実際問題としてこの琉球政府に対していわゆる人事交流の計画ですね、これは一体どういうぐあいになっているのか、現状とこれからの見通しについて長官のほうにお聞きします。
#162
○政府委員(湊徹郎君) ただいまお話がございました琉球政府との人事交流の問題でありますが、これは昨年の七月十六日に復帰準備施策を進める上で、できるものからいまのうちに一体化施策を講じておく必要があるということで、日米琉三政府の諮問委員会が現地に置かれておったわけでございます。その諮問委員会から数々の復帰準備の一体化施策の措置についての勧告が高等弁務官に対して行なわれてきたのでありますが、その一つとして、ただいま申し上げました勧告第三十五号ということで、できればお互いの政府間の人事交流を進めることによって円滑な復帰準備を促進すべきであろうというので勧告が出たわけであります。それに従って逐次、実はいままでももうすでに昨年あたりからやってまいったのでありますが、この法律がなかったために休職というふうな措置をとって現在まで進めてまいったわけであります。したがって今度の勧告が、意見の申し出があった機会に、琉球政府と日本の相互の人事交流についてもひとつ法律に載せてやっていきたいということで、現在沖縄対策庁においていろいろと具体案を進めております。現在のところ、もうすでに四名の職員がさっき申しましたように琉球政府に派遣されておりますし、今後さらに十名程度の職員が派遣される計画が現在進められております。特にその中でも琉球大学に、非常に向こうはお医者さんが少なうございますので、保健学部というものをいま設置しておりますが、その先生五名をとりあえず派遣することにいたしております。で、来年度については逐次琉球政府側と具体的な人に即して相談を進めておる、こういう現況でございます。
#163
○峯山昭範君 先ほど総務長官ですね、国際機関の日本人職員の定員の充足の問題でありますが、先ほどの答弁の中に、長官は充足率は年々上がってきている、こういうふうなお話でございましたけれども、実際にはこの充足率が上がるということと、またそれと反して割当人員も私は国連本部なんかは年々ふえているのじゃないかと実際思うのですが、実際問題、そこら辺の充足状況は一体どういうぐあいになっているのか。これを具体的に教えていただきたいと思います。いわゆる現在の国際機関の十幾つかあると思うのですが、二十近くあると思うのですが、それの、先ほどは一〇〇%充足された分だけ申しておられましたが、一〇〇%の分は二つありますが、これはいいとして、それ以外の分について割当のワクの増大ですね、すでに九月の国連の総会等で人数がふえているのじゃないかと思うのですが、そういうものを含めて、どういうぐあいになっておるか、現状を教えてもらいたいと思います。
#164
○政府委員(岡田勝二君) ただいまお話がございましたように、わが国が分担する分担金がふえていくにつれまして、それに応じまして、日本国に割り当てられる割当数、まあ正確には充足が望ましい数というのでございましょうが、その数もふえていっております。で、昨年の秋、四十年の九月とことしの十一月とを対比してみますと、国連職員自身が、これは本部以外にILOとかユネスコとか、いろいろな機関を含めまして、九千八百九十一が一万六百ぐらいに総数がふえております。それから日本に対する割当数の三百五十五人ないし三百八十六人という割当数が、ことしの十一月では四百九人ないし四百五十六人というふうにふえております。一方、現在員数のほうで見ますと、昨年の九月におきましては百四十五名が百九十一名というふうに四十六名、三四%増加しております。で、それらの数をパーセントで見ますと、充足率といたしましては、昨年の九月が三八ないし四一%の充足率であったものが、ことしの十一月におきましては四二ないし四七%というふうに、数%充足率は上がっておる、こういう現況でございます。
#165
○峯山昭範君 数%上がったとはいえ、まだまだの状態だと私は思うのです。実際問題として、日本としてはこういうふうな国際機関で日本人が活躍するということは望ましいことだと思うのです。しかし、先般も国連本部の募集担当官が来まして、日本人の派遣を強く要請した、こういうふうに聞いておるのですが、こういうぐあいに派遣する人数が少ないというのは、日本の国益の問題から考えてみても、国際機関で活躍する場が狭められるというようなことになると思うのですが、こういう点について政府は一体どういうぐあいに対処を考えていらっしゃるのか、この点をお伺いしたいと思います。
#166
○政府委員(西堀正弘君) 今回御審議願っておりますこの法律、これがまあいわばけさほどの御質疑の中でもございましたとおり、消極面の除去という意味において私非常に効果があるものと感じております。それから積極面につきましては、これは外務省といたしましてはできるだけ多くの邦人が各種の国際機関に出てもらいたいということは、これは申すまでもないことでございまして、たとえて申しますならば、各国際機関の長とか次長とか、そういった偉い連中がわが国に参ります場合に、外務大臣、または非常に大きなと申しますか、非常に高級な職員の場合におきましては、総理までもわずらわしまして、それぞれの事務総長ないしは次長がこれらの方々に表敬に参ります場合に、常にわが邦人の職員の充足率の少ないことを――これはそれまでの会談におきまして国際問題を論じたあとでございますので、はなはだ次元の低いことではありますけれども、わが国としては非常に重要度を置いている問題でございますが、という前置きのもとに、総理もそれから外務大臣も必ずこれを要望を表明しているということでございます。
 それから、たとえて申しますならば、国連の総会ではこういったことに関しますところの決議案、これは総会で申しますと第五委員会で行なわれることになるんでございますけれども、こういった問題、たとえば地理的な配分、こういうことをもっと考慮しろといったような決議案には、常にわが国は共同提案国になっているというようなこともやっております。
 それから、先生いまちょっとお触れになりましたけれども、国連人事部の高級任用官、これが日本に参りますけれども、大体われわれといたしましては、少なくも毎年一回招いて、日本人応募者に面接の機会をつくるというようなこともやっております。
 まあ積極面におきましては、そういったことを通じまして、できるだけ多くの邦人が国際機関、しかも、なるべく高級な国際機関となり得るようにわれわれとしては努力いたしておる次第でございます。
#167
○峯山昭範君 それじゃ外務省の方にもう一つ聞いておきたいんですが、国連本部でもこの日本人の割り当て人員がこういうぐあいにきまっているわけですね。そうすると、そのまあ約半分近くしか充足されていないわけですけれども、国連だけじゃなくそのほか相当いろいろあるわけですが、この不足の人数についてはそれぞれの国際機関では一体どういうぐあいに運用されているのか、この点はどうですか。
#168
○政府委員(西堀正弘君) 先生おっしゃいますとおり、確かに日本の充足率は、一〇〇%になっている国際機関は非常に少のうございます。むしろそちらのほうが例外的なんでございまして、大体の国際機関におきましては、日本の充足率は五〇%ないしはそれ以下になっておりますけれども、これはまあ日本が国際社会に入ったのが戦争ということのためにおくれたということが最も大きな原因をなしておったわけでございますけれども、ここ数年来その充足率は、先ほど他の政府委員から御説明申し上げましたように、増加いたす傾向にございます。それで、それではその充足率を満たさない分につきましてどうなっているのか。これは逆に日本のような国とは反対に、自分の国に割り当てられた以上の、いわば余分の、余剰の人員を提供している国がある。たとえて申しますならば、インドでありますとか、イギリスもたしかそうだったと思いますけれども、そういった国々が、いわば日本の分も食っていると、これが現状でございます。
#169
○峯山昭範君 先ほどその日本人応募者、いわゆる国際公務員にするためのいろんなことをやっていらっしゃるとは思うんですけれども、実際問題として、まあ最大の壁といいますか、それは一体どういう点が壁になっておりましょうか。また、充足することができない根底の理由ですね、これはどういう点でしょうか。
#170
○政府委員(西堀正弘君) まあ壁と申しますと、これはいま御審議願っている法案で消極面の障害は取り除かれることになるわけでございまして、この消極面の壁というものもいままでは相当大きな壁であったことはいなめない事実であると思います。
 それから、それ以外にわれわれ考えますに、まあ最初申しましたように、そもそも日本が国際社会に復帰することがおくれたという点が第一の理由でございますけれども、第二番目には、国際機関で有効に勤務し得るに十分な語学力を有する人員の絶対量が、国内でやはり不足している。これが二番目の大きな理由ではないかと思います。しかも、その国際機関における仕事ぶりというものは、これは文字どおり、上になりましても、陣頭指揮ということでございますので、その点も日本における各会社なり各官庁における勤務のしかたとだいぶ違う。こういった点もありまして、語学力という点がことさらに重視されるわけでございます。
 その次の理由といたしましては、これは特に最近の理由になるわけでございますけれども、いまの日本における経済界の活況または国際化の進展によりまして、国際機関で勤務ができる、そういったいわば人材、これが国内でも十分活躍の場が与えられるようになったということもありまして、一時に比べますというと、そういった才能を持っている人のいわば働き口が、国内でベテランが働き口があるというようなことから、これも一つの障害になっていることは、これは最近の現象でございます。
#171
○峯山昭範君 それでは人事院のほうにお伺いしたいと思うのですが、まあ先ほど、今回の意見の申し出の趣旨のところで御説明ございましたがですね、要するに、海外に日本の政府が派遣する――各省庁から出ると思うのですが、そういうような職員の人たちが、どうして出張とか休職とか退職とか、こういうふうなばらばらで出張しなければならないのかですね、ならなかったのか、その各省庁における特殊な事情があるとは思うのですけれども、ここら辺のところは一体どういう理由なんですか。
#172
○政府委員(岡田勝二君) 御指摘のように、先ほど私も申し上げましたように、出張とか休職、これがまあ大部分でございます。退職と申しますのは、休職期限が三年ということになりますれば、その三年たったときにどうするか。日本の政府に帰ってきてしまうか、もう少し向こうでおるかというせとぎわに立つわけでございますが、向こうに残るとすれば、日本政府を一応やめるということになって、退職とならざるを得ないわけでございます。これはそういう意味できわめて例外的ではございます。一般的には出張または休職ということでございます。現在行っております先が、まあ先ほどから国際機関に話をしぼって申し上げておりましたが、東南アジアとかアフリカといった開発途上国に技術援助で出て行っている者も相当おるわけでございます。ことにそういう面には農業関係あたりも相当多うございます。そういった行った先の仕事によりまして、期間の長短がいろいろございます。その辺からいたしまして、休職で行ったりあるいは出張で行ったりということもございますし、また職員を出す側といたしましても、定員の関係で、定員操作の上で窮屈であれば、やむを得ず休職にしておかざるを得ない。出張で出して長いこと実質上の欠員のまま置いておくわけにいかない、そういったようなことがお互いにからみ合いまして、いろいろな形で現在まであらわれてきておる、こういう状況でございます。
#173
○峯山昭範君 ということはですね、今回の法律を出すことによりまして、過去に不利益をこうむってきたこの職員の人たちは、今回の法律ですべてカバーされるわけですか。
#174
○政府委員(岡田勝二君) たとえば今度の派遣法によりまして指摘される不利といいますのは、先ほど申し上げましたように、休職で行けば退職手当が二分の一の計算にしかならないというふうなことがあったわけでございますが、現在休職で行っておる人が帰ってきた場合、あるいはすでに帰ってきておる人が一分の一の計算になるのは当然でございます。そういう意味で、行っておる当時、将来不利であると感じておったことは、今回その不利はなくなるわけでございますし、それから向こうへ休職で行っておりますと、休職のたてまえといたしましてその間の昇給・昇格はない、原則的にないということでございましたが、特例的な扱いで従来もその辺の不利を救済してまいっておりましたが、今度はその点を、派遣から帰ってきた場合の救済として明確化して、その辺にはっきりした安心感を与えるというふうなことで、そういった不安感、そういったものを解消することにいたしております。
#175
○峯山昭範君 ということは、そうすると、大体、ほとんどカバーされるわけですけれども、休職で海外に行って帰ってきて、すでに退職された方もいると思うのですが、そういう点はどこら辺まで遡及するのですか。
#176
○政府委員(栗山廉平君) すでに退職をしておられる方で前に国際機関等にいわゆる派遣になっておった方に今度のこの法律がどういうふうな影響を及ぼすかという御質問だと思います。
 この退職手当の計算につきましては、いろいろ、ここに、普通の勤務と同じように計算するように、今度書いてございますが、これは、あくまでもすでに退職をしてしまっていま職員でないお方にまで遡及するというのは、退職手当の原則としまして、いたしておりません、従来は。したがいまして、今度もその原則に従いまして、この法律が施行の際におられましてそれからおやめになるという方から適用するわけでございまして、すでにおやめになって職員ではおられないという方にまでは及ぼすことは、遡及をしてまで及ぼすということはいたさないようになっております。
#177
○峯山昭範君 ということは、この法律が去年通らなくてことし通って、不利益な処分を受ける人は、これはいないわけですか。
#178
○政府委員(岡田勝二君) この春の通常国会で残念ながら通りませんで、今度通していただきますと、約半年のいわば空白があるわけでございますが、この間に過去において派遣されておってこの半年ほどの期間におやめになった人の数というものは、まだ調べておりませんが、ありましてもほんのごくわずかなものだろうと思っております。
#179
○峯山昭範君 まあいずれにしても、この法律が通ったことによって、これからの人はよくなるかもしれませんけれども、適用されない人たちが不利益にならないように、そういう点もやはり考慮していただきたいと思います。
 それから、先ほど総裁が人事院の宣伝をすると言っておっしゃったあの海外研修制度というものも、これは、私は、先ほど聞いておりまして、要するに、日本人の方々を国際公務員として派遣する場合に、私は、その最大の壁は語学であるということと、それから、先ほどいろいろ話がありましたように、国際間のいろいろな問題を知らなすぎるとかいういろいろな問題が出てまいりました。そういう面をカバーするために、国内で研修をやる。国内だけではなくて、海外で研修をやっているのかと思っておりましたら、そうじゃなくて、何か海外に二年間派遣して、要するに、国際的感覚を高めると、そしていろいろな人文を、認識を高くしていくと、そういうふうな意味らしいのですが、いわゆるこの海外研修制度について、いままでの実効ですね、どういうぐあいに何人くらい行って、そうしてそういう人たちはどういうふうな仕事をやっていらっしゃるのか、こういう点についてお伺いしたいと思います。
#180
○政府委員(佐藤達夫君) いまの語学の関係から先に申し上げますというと、これは各省から選抜をいたします際に、一応語学の素養のある者ということでもちろんやられますけれども、それに至るまでの間で各省それぞれ語学の研修をおやりになっているところもありますし、かたがた、その候補者がきまりましたあとで、これまた出かける前に語学の研修を十分やってその上で出かけておるということでございます。それから、これは四回すでに行って、今度五回目を出すことになりますが、一回二十四人ということでやっておりますから、そして二年で帰ってまいりますから、大体百人ぐらいは戻ってきた。で、私どもが大いに配慮しておりますのは、いまちょうど御指摘になりましたように、帰ってきた人をそれらしく活用してもらわなければこれは何にもならぬということであります。その活用の方法としては、たまたまこの海外派遣の公務員の、国際機関等へ出かける公務員の一つの研修にもなるだろうということを申し上げましたけれども、そればかりではございませんので、やはりその外部で得てまいりました国際的感覚、国際的視野というものを、たとえば自分の職場においてもこれを発揮するような仕事に使ってもらいたいというようなことも含めまして、まだこれは始まったばかりでございますけれども、私どもとしてはどういう使い方をしておられるのかということは、十分監視――監視ということばは過ぎますけれども、十分関心を持ってこれを見ておるということでございます。
#181
○峯山昭範君 いまのこの問題を一歩進めまして、これだけ国際公務員が不足している中でありますので、できたら、たとえばソ連なんか国立アカデミーでこういうような国際機関に派遣する職員を特別に語学等いろいろな研修をやって派遣している、それで実際にいろいろな実効をあげているということを聞いておりますのですけれども、これに類するような機関を設けて、これからもやはり国際機関に派遣する職員の問題はこれからますます重要になってくると思うのです。そういうような見地からも、政府としてもまたは人事院としてもこういうふうな人材の養成ということは考えなければならないと思うのですが、こういう点、どうでしょうか。
#182
○政府委員(佐藤達夫君) いや全く御同感に存じます。政府においてもそういう御努力をしていただきたいと思いますし、私どもも公務員研修というのをかたわらやっておりまして、これは期間がわりあいに短いもんでありますから十分にいきませんけれども、これにもやはり語学の分野なども入れたらどうかということも考えております。それから財団法人で何とかいう、ほかにも半官半民と申しますか、多少公の性格を持った語学の研修のセンターというようなものもありまして、私どもも実は私どもの職員をそこに行かしておるもんですから覚えておるわけでありますが、茅誠司さんですか、理事長になって大いに熱心にやっておるものもございます。そういうようなものもみな相まって、お示しのような、また私自身の念願するような方向に持っていきたいと考えております。
#183
○峯山昭範君 外務省のほうにもう一つお伺いしておきたいのですが、海外技術協力事業団ですか、が東南アジアの開発途上国に相当技術協力のためですか人員を派遣しているということを聞いておりますのですが、その実情は現在どういうぐあいになっているのか、またその処遇等はその他の諸外国と比較していいのか悪いのかですね、そういう点どうなっているか。また、現在その開発途上国からどういうふうな要請があるのか、たとえばもっとふやしてもらいたいとか、そういうようないろいろな要望等があると思うのですが、そこら辺の事情はどういうふうになっておりますでしょうか。
#184
○政府委員(沢木正男君) 技術協力事業団を通じまして派遣されました専門家の数は、四十二年の四月一日から四十四年の十一月三十日までで合計千百三十一名でございます。で、予算の規模から申しますと、専門家派遣のための予算の規模は、現在約五百名でございます。で、派遣の態様から申しますと、海外に経営しております技術協力センターに勤務する場合、それから東南アジア漁業開発センターのような半ば公的な機関に勤務する場合、あるいは相手国の政府の中に入りましてこれに対してアドバイザーというような資格で行く場合というふうにいろいろ分かれます。それから、あるいはプロジェクトの調査をして向こうに報告したままで帰ってくるというような短期のものも含んでおるわけです。で、その中で、これは民間から行っておる人、官吏、それから地方公務員――国家公務員と地方公務員との両方がございますが、この法律が通れば、派遣元に対しての取り扱いがこの法律にのって変わってくるということでございます。
 それで、一般に現在予算の中で考えております五百名程度の専門家派遣をさらにふやせないかということでございますが、待遇は、国際的な水準から見まして、日本の場合、まだまだ低うございます。それで昨年度も衆参両院の大蔵委員会で技術協力関係の法律が通りました際に附帯決議がつきまして、専門家の待遇を改善するようにという趣旨の附帯決議をいただいておりますので、現在の予算折衝におきましてもそういう点を中心にして交渉しておる段階でございます。
#185
○峯山昭範君 もう一点お伺いしておきたいのでありますが、人事院だと思うんですが、この法律で「国際協力等の目的で、」と、こうあるわけですが、この「国際協力等の目的」というのは具体的にどういうふうなことなのか、この点をお伺いしておきたいのと、「国際協力等」の「等」というところに含まれると思うんですが、国際協力以外の目的で派遣される場合もあるのかですね。または「国際協力等」の「等」というのはどういうふうなことになるのか、これを具体的に、できたら例をあげて説明していただきたいと思います。
 それから、これは総務長官がおればお伺いしておきたかったのですが、先国会で山中長官がこの派遣法に関連いたしまして、特に教育職の公務員についてもこの派遣法を適用することについては文部省と相談をして考えてみるというぐあいな答弁をされておりますが、これについてはどういうぐあいになっているのか、どういうぐあいに進んでいるのかですね。それからもう一点、地方公務員に対してはこの法律はどういうぐあいにされるのかですね、この二点をお伺いして、この派遣法に対する質問は終わっておきたいと思います。
#186
○政府委員(佐藤達夫君) 「国際協力等」は、これを裏から申し上げますというと、まず、たとえば日本政府の必要とする調査のために出ていくというようなものは除かれるということで、やはり国際関係の協力を主眼とするものという意味でございます。「等」は、いまの沖縄の関係が必ずしも国際的ということばになじむかどうか疑問がありますので、「等」ということばで沖縄の関係を含ましておる。簡単に申し上げますれば、そういうことであります。
#187
○政府委員(湊徹郎君) 私の聞いております範囲では、たとえば国立学校の先生等が参ります場合は出張という形で行っておるようでありますし、さらに各地に最近日本人が大ぜい出ておりますので、それらの外地にございます日本人学校の先生等の派遣について文部省のほうでもいろいろ検討しておるように伺っております。まだ結論は聞いておりません。
#188
○政府委員(栗山廉平君) 先生から地方公務員のお話がちょっと出たかと存じますが、地方公務員につきましては、これはこの法案にはっきり書いてございますように、これはこの法案は一般職の国家公務員の問題だけでございまして、地方公務員には全然触れておらないわけでございます。したがいまして、地方公務員につきましては、これはもしそういう必要があるとするならば、それと同じような内容を盛り込もうとするならば、別途の措置が必要だということに相なるわけでございます。
#189
○岩間正男君 それでは、国際機関等に派遣の一般職公務員の処遇法案、これに賛成したいと思っているわけですが、その立場から一つだけ明らかにしておきたいことがあるわけです。それは自衛隊の海外派兵との関係の問題です。
 まず外務大臣にお聞きしたいのは、自衛隊の海外派兵についての従来政府がとってきた見解、これを述べていただきたいと思います。
#190
○国務大臣(愛知揆一君) 海外派兵ということは、常識的に申しましても、政府としてはそういうことを全然考えておりませんことは御承知のとおりでございます。
#191
○岩間正男君 派兵と派遣というふうに分けておりましたけれども、武力行使を伴う目的を持った国際機関への派遣ということはこれは憲法違反だと、これははっきり否定しておるわけですね。しかし、武力行使を伴わない単なる国際機関への派遣、これは憲法違反でないという解釈をとってこられたと思うわけです。ただ、その場合には自衛隊法を改正しなければならぬ、こういう見解だったと思いますが、違いございませんか。
#192
○国務大臣(愛知揆一君) そういうことでございます。
#193
○岩間正男君 それからもう一つは、外務省の一般公務員としてシビリアンが監視団なんかに参加する、こういう場合も差しつかえない、こういう見解をとっておられるわけですね。
#194
○国務大臣(愛知揆一君) これは現実の政策としてそういうことをやるかどうかということは別問題として、という前提においてそのとおりです。
#195
○岩間正男君 そうすれば、お聞きしたいのですが、外務公務員になれる場合、この場合防衛庁のシビリアンの場合だけに限定されるのですか、それとも、これは自衛官でもこういうことができるのかどうか、この点はどうでしょう。
#196
○国務大臣(愛知揆一君) 外務省へ防衛庁から出向しておられる人たちは、外務公務員としての身分を有しておるわけです。そして、在外公館におきましても外務公務員として働いております。
#197
○岩間正男君 いや、その前身です。前身が制服でもかまわないのか、それともシビリアンだけに限定されるのか。これはどういうことになりましょうか。
#198
○国務大臣(愛知揆一君) これは制服であった人が大部分のようです。
#199
○岩間正男君 そこのところ一つ問題になるわけですね。そうしますと、在外武官のことについてお聞きしたいのですが、在外武官の場合は、これは外務公務員ということになっておるわけですか。
#200
○国務大臣(愛知揆一君) そのとおりです。
#201
○岩間正男君 しかし前身は制服だった、こういうことなのですね。こういう問題で、実は当委員会でもわれわれが質問したのですけれども、中曽根防衛庁長官はこういうことを言っておるのですね。この前自主情報の問題が問題になりました。「よど」号事件のときです。「「よど」号事件で、日本は自主的な立場で情報を持ってない、アメリカの情報にほとんどこれを託しておる、こういうことではぐあいが悪い、どうしても自主防衛ということをたてまえにするなら自主情報の立場をとらなくちゃならない」、「そんならどういう具体的な措置を考えておられますか」、こういうふうに私は質問しました。そういう中で在外武官をふやしたいと、こういうことを言ったのです。現実にこれはふやされておると思います。「よど」号事件の前後にこれはふやされておると思います。これはお聞きしますが、どうですか、在外武官はふえているでしょう。
#202
○国務大臣(愛知揆一君) 駐在しておる国の、あるいはそこから周辺の政治、軍事情勢に関する情報を入手し、これを分析したいということが防衛庁からの出向者の主たる任務として与えられているものであります。現在十二カ国で、合計十七名のいわゆる防衛駐在官が配置されております。
#203
○岩間正男君 それでふやされたと思いますね。これはソビエトですか、その他二、三ふやされた。そういう発表があったわけですね。これはその数どうでしょう。今年になってからふやしたのですか。
#204
○政府委員(佐藤正二君) これは御承知のとおり、予算できめましてと申しますよりも、防衛庁から御要求がございまして、私のほうで査定をいたします。また大蔵省で査定いたしまして、行管のほうとも御相談してきめるわけでございますが、四十五年度の増員といたしましては一名であります。
#205
○岩間正男君 どこですか。
#206
○政府委員(佐藤正二君) ビルマです。
#207
○岩間正男君 この問題は、私、この法案を審議する背景としてはやはり問題を持っているというふうに思うのです。情報――いまのような情勢を分析しているということでありますが、この情報はやはり防衛につながる問題ですね。しかも、それが前身が自衛官だ。その自衛官が身分は外務公務員ということになります。しかし、これをふやして情報を強化するのだ、そういうものに使われていくというところが一つやはり問題を持っているというふうに思うわけです。情報採取なら差しつかえないのだと言ってしまえばそれまででありますけれども、こういう形で防衛庁長官はあのとき答弁をしているわけですから、私はいまこの法案を審議するにあたってそういうことを思い起こしているわけです。
 それから、こういう中で、どうなんですか、外務省は、これは今年の春あたりの新聞の情報でありますが、国連軍への派兵を可能にするための措置として自衛隊法や公務員法の改正、それから国連協力法案の作成など、法律的な問題の研究に入っている、こういうことが伝えられているわけですが、その後これはどうなっておりましょうか。
#208
○国務大臣(愛知揆一君) そういう研究もやったことは事実のようでありますけれども、これは外務省としての、少なくとも私からの指示、あるいは私がそういう政策を考えているからの研究ではございません。
#209
○岩間正男君 私は三月三十一日に予算委員会で質問しています。ちょうど「よど」号事件が発生したとき、これについて、国連の国際平和維持機構に参加するため、あのときは日本が常任理事国になるという願望を持っていたときですから、そのためには単にそういうことを主張しただけで義務を果たさなければ話にならぬ。そこで、国際平和維持機構に協力する、そういう体制をとるのだ。そうなれば当然これは海外派遣あるいは海外派兵という問題がこれにつきまとってくるのではないかという質問を私はしました。これは外相も御存じだろうと思うのです。そのとき中曽根防衛庁長官はこう言っている。「外務省の方針に従って検討を加えております。私は、将来改正して国際協力の実をあげるようにしたら適当であると思っております」、こういう答弁をしているわけです。これはだいぶ問題になった。つまり自衛隊法の改正の問題ですが、この改正をする考えを持っている、こういうことを言っておる。その目的は何かというと、これは海外派遣とつながりがあるわけです。そういうふうに考えてくれば、外務省と自衛隊との間では話し合いがこれは相当進んだ、しかも、外務省の方針に従ってそういうことをやった、こういうことを言っているのですが、先ほどの外相の御答弁とは少し食い違いがあると思いますが、いかがですか。
#210
○国務大臣(愛知揆一君) 一番前段の御質問で、国連の常任理事国になりたいという願望は現に持っておりますし、御承知のように、第二十五総会でもこれが国連憲章改正の問題として第六小委員会で取り上げられていることも事実でございます。しかし、そのときに私が力説しておりますのは、いま岩間さんも常識だとおっしゃったけれども、私はいままではそういうことが常識、つまり、そういう立場になれば海外派兵というようなことを前提にして考えるのがあるいは列国の常識であったかもしれない。しかし、日本が平和国家として立っていっているこの姿あるいは考え方というものを、安保常任理事会の中でも反映するということにむしろ私は大きな意義を見出したいということを主張しておるのでございますから、私は現在、それとの関連で自衛隊法の改正を外務省のほうから積極的にお願いしたいという気持ちは持っておりません。
#211
○岩間正男君 そうすると、必要からそういうことを検討する、そういうことはあったと、しかし、現実的な問題として自衛隊の海外派兵のためにそういう研究はしていない、こういう御答弁だと思うのですが、それとも関連して、国際監視団への参加の問題ですね。ことにニクソン提案が二月ごろありました。これとの関連で、これは外相の発言があるわけですけれども、そういう派遣でなければ組織的な派遣は考えていない、こう言われているわけですが、組織的でなくて、個別とか、そういうようなことはこれは考えておられるわけですか。
#212
○国務大臣(愛知揆一君) 私はたとえばジャカルタのカンボジアに関する国際会議でも発言しておりますが、国際監視団というようなものの必要性は大いに認める、しかし、日本の協力し得るのは、たとえば資金的あるいは機材的、そういう協力であるということは明確にいたしております。
 それから第二段におきましても、現行法令の範囲内では考え得ることもございましょうが、それ以上にその目的のために私のほうからお願いして自衛隊法改正ということは考えておりません。
#213
○岩間正男君 そういう監視団用のもの、そういうものが機材ということになりますと、機材の操作とか、そういう形で軍事的性格を持つ可能性があるのじゃないですか。それはどうです。
#214
○国務大臣(愛知揆一君) まず第一に、現にある国際監視団と称せられておるのは働いていないものが大部分ですが、それにしても、それぞれの規約その他等において組織がきめられておって、日本が現に入っておるところは全然ございません。
#215
○岩間正男君 次に伺いますが、四月二十八日ですから、六十三国会ですね。内閣委員会であなたは次のような答弁をされておると思うんですね。国連監視団への参加の問題について法制上、制度上は可能である。しかし、国際機関といってもいろいろなものがあり、政府は自衛官もそのまま監視団に派遣する考えはない、こういうことを答弁されているわけですが、これはそのとおりですね。こういう意味の、このことばどおりじゃありませんけれども、そういうことは確認していいですね。
#216
○国務大臣(愛知揆一君) 考え方としてはそうでございます。
#217
○岩間正男君 そうしますと、私はやはり問題になるのは法制上、制度上可能だということですね。これは認めておられる。そうすると、いまあなたの見解としてこれに参加させる考えはないという、そういういま政治的判断をされておるというふうに見られるわけです。しかし、これは愛知さんがいつまで外務大臣をやっておられるかわからないですが、外相の見解を越えて法制上、制度上可能だということが、一たん有事の場合にこれが生きてくる可能性があるというふうに思うわけです。私はこの問題をやはり明確にしておくことがどうしてもこの法案との関連で必要だ。賛成をするにしてもこの点の歯どめは明確にしておかなきゃならぬというふうに考えているわけですね。そうしますと、これは一外務大臣の発言の域を越えてはっきり一つの歯どめというふうなものがなきゃならぬというふうに思うのですが、この点はどうお考えになりますか。
#218
○国務大臣(愛知揆一君) それは私は国際監視団というものは、いまも引用されたように、いろいろの規約や組織があるわけですね。しかし、それには現実に日本は入ってもおりませんし、仮定の問題として将来新たにこうこういうものができた場合、それに現行法令で入り得るかどうかということを考えればいいのであって、現在のところは具体的にそういう問題には当面いたしておりませんから、そういうふうに御理解いただきたいと思います。
#219
○岩間正男君 われわれの立場としては、国際監視団という形の名前でこれは接触が始まる、それが突破口になる、そうしてその結果だんだんこれは自衛隊の派遣の方向につながることを心配しているわけですね。そういう点からいえば、最初のそういう突破口を許すかどうかという、それに対する明確な歯どめというものは必要だ。現実的に外相は政治判断としてはとにかく現在これに参加する考えはない、こう言っておられるけれども、法制上、制度上そういう可能性があるということは、先ほど申しましたように、これは一外務大臣の見解を越える客観性を持ったものである。これに対する歯どめというものはやはり明確にしておく必要があるのじゃないかと思いますが、これは外相のこういう言明を信用しないというような意味じゃありません。しかし、単に言明以上の、何かそういう方向については考えておられるのかどうか、これはいかがでしょうか。
#220
○国務大臣(愛知揆一君) それはただいま申しましたように、今後日本が参加して適当であるという判断を下し得るような国際監視団というようなものがどういう形でできるかということと相関関係を持っていると思うのです。それとの関連における判断の問題ではなかろうかと思います。
#221
○岩間正男君 そうすると、まあ国際監視団にはいまのところ参加する考えはないというのも、先にいっては条件次第では参加の場合があり得ると、こういうふうにこれは了解していいわけですか。
#222
○国務大臣(愛知揆一君) この国際監視団と一口に言われますけれども、それがあなたのおっしゃるように軍事活動に通ずるというふうに断定的に前提を置くことは私はむしろ間違いじゃないかと思うのです。
#223
○岩間正男君 いや、そうも言えますが、同時に、それは軍事に関係がないというふうに断定をすることもこれは誤りではないかと思うのです。そういう点から明確にしておくことが必要だというのが私のきょうの質問なんですね。ですから、この点はやはりもっとこれは検討して明らかにしておく必要があると思いますね。先のほうがあいまいだ。非常にそこのところがあいまいで、条件次第によってそれはあり得ると。ですから、外相の言明そのものもこれはこれが歯どめという感じにはなかなかなり得ないというふうに思うわけです。まあ現実の答えとしては、いまはそういうような答弁をされておりますから、それを信頼するわけですが、先にいって情勢の変化でこれは変わり得る、こういうことになるわけですから、この点についてはやはり明確にしておく必要があるというように考えたわけです。
 まあこの問題はこれだけにしまして、次にもう一つ、この国連以外の機関に参加の場合に、ASPACに参加しているのですけれどもね。これはどういう役割りをしているのですか。
#224
○国務大臣(愛知揆一君) ASPACというのは、御承知のとおりであえて説明を要しないかと思いますけれども、その名のとおり、アジアとパシフィックをとってASPACと言っておるので、アジア・太平洋沿岸諸国の隔意のない政治経済各般の状況のまあいわば懇談会ということで組織されているわけですから、これは同盟であるとかなんとか、そういうふうな組織体と解するのは私はいささか行き過ぎではないだろうか。その会議の性格は、まあ常識的にいえば懇談会というふうな性格のものだ、こういうふうに御理解いただければいいんじゃないかと思います。そういう意味で日本も喜んで参加いたしておるわけであります。
#225
○岩間正男君 何やつておるのですか、その中で。具体的にどんなことを。
#226
○国務大臣(愛知揆一君) これは御承知のとおりに年に一回各地持ち回りで会合をいたしておるのが大きな行事であります。そのつどそこで話し合われたようなおもな点についてはみんなでまとめてその結果を公表いたしておりますから、御必要であれば、それらの公表された文書をお届けいたして御検討いただきたいと思います。
#227
○岩間正男君 時間がありませんからこの論議はあとに回しますけれども、このASPACについては、これは性格についていろいろな大きな問題を持っているわけで、まあただいまのそういう説明だけでは納得いきませんけれども、時間の関係がありますからこれでやめておきます。内容をもっと、何をやっておるか、もう少し具体的に話せませんかな。ここにだれか来ていないですか。
#228
○国務大臣(愛知揆一君) それは幾らでもお話しいたしますけれども、時間があれですから、また別の機会にでも。
#229
○岩間正男君 時間を守ろう。いいです。
#230
○峯山昭範君 それでは、災害補償法につきまして二、三質問をしたいと思います。
 先ほどからいろいろ質問がございましたので、できるだけダブらないようにしたいと思うのですが、初めに職業病の問題について伺いたいのでありますが、衆議院の附帯決議でも、「職業病の発生防止に努力し、」という項目がありますのですが、この職業病についてお伺いしたいのですが、私は現実に職業病として認定されているものがこの表の中にもありますのですが、どういうふうないわゆる予防措置が講じられているのか、端的にいえば、そういうことなんですが、もっと説明しますと、要するに、こういうふうな職業病にかかるであろう人は一体どのくらいいるのかですね。ここら辺の掌握はどういうぐあいにされているのか。もっとわかりやすく言いますと、たとえばキーパンチャーですと、少なくともタイプをたたいていない人はかかる可能性はないわけです。また、そこら辺のところは何年くらいかかればどうなるのかとか、そこら辺のところ、こまかいチェックはどういうぐあいにされているのか。または、あまり範囲が広いですからしぼって申し上げますが、たとえば膀胱ガンなんというのがここに三十八番目にありますが、こういうような膀胱ガンになる可能性のあるいわゆる職業病として認定されているわけでありますが、これはすなわちベンゼン系の職業病となっております。いわゆるベンジジンですとか、ベータナフチルアミンとか、そういうようなものを使う職場にいる人たちは職業病になる可能性があるということになるわけですけれども、そういう人たちに対する処置といいますか健康診断といいますか、それはその職場に働いておったからすぐ職業病になるというのではなくて、必ず十年ないし二十年たってから発病するわけですね。そうしますと、そういう人たちに対する健康管理というものは、発病してからそれが職業病であると認定されたのではもうおそいわけです。したがって、その職業病と認定になる前に、当然私はその膀胱ガンなら膀胱ガンの病気に対する処置ですね、いわゆる毎年の健康診断も、たとえば先ほどのタイプライターの病気の人に何ぼ胸のレントゲン写真をとってもしようがないのです。当然、手なり何なりの診断をしないといけないわけですね。膀胱ガンの場合ですと、当然尿道の検査とかパパニコロー法とか、そういう特殊ないわゆる検査をしないといかぬでしょうね。そこら辺の管理等については一体どういうぐあいになっているのか、具体的にお尋ねしたいと思います。
#231
○政府委員(島四男雄君) 一般に職業病発生防止のためにどのような対策を行なっているかという問題についてまず御説明したいと思いますが、職員の健康、安全について人事院としてまず人事院規則一〇−四に詳細にいろいろのことが明記されておりますが、各省庁においてまずそういった健康管理、安全管理を実施しているわけでございます。特に有害、危険のおそれの多い十七種類の業務に従事する職員につきましては、一般定期健康診断のほかに特別な健康診断を行なっております。そういうところに従事する職員に対する健康安全教育の実施並びに作業環境の整備について指導する等の措置を行なっているわけでございます。
 職業病についてその発生状況をどのように把握しているかということでございますが、これは御承知のように、職業病につきまして人事院規則の別表にその従事する公務と対応する疾病が詳細に書いてございます。たとえば電信であるとかタイプ等を公務として従事する者が指にけいれんを起こしたという場合には、これはこの別表によって当然職業病に指定されるわけでございますので、これは各実施機関においてその実施を行なっている。したがいまして、職業病の発生状況について、特に私どもではその問題について報告を求めておりません。したがって、それが各実施機関において現実にどの程度職業病患者が出ているかということは明確に実はつかんでおりません。おりませんけれども、たとえば特に問題になります白ろう病のような場合には、それはその実施機関と――つまり白ろう病ということでございますので、林野庁と密接な連絡をとりましてその状況を詳細に把握しておりますが、職業病全般の問題としては必ずしも明確には把握しておらないということでございます。
 それから、ただいまこのベンゼンを取り扱う職員が退職後になって膀胱ガンが発病したという場合の取り扱いの問題がお話の中に出てまいりましたけれども、およそ職業病のみならず、あらゆる疾病が、かりに退職後に発病したという場合においても、その疾病が公務と相当因果関係があるということが認められる場合には、これは公務上になるわけでございます。で、一般にベンゼンを取り扱う業務に従事する者の膀胱ガンについては一応職業病という認定が下されるわけでございますが、ただ、それが離職後相当期間たちますると、たとえばそのやめた人が民間において同じような業務についた場合とそうでない場合と、これまた認定の上では若干影響があろうと思いますが、特に医学的に規定される場合等の反証が認められないという場合には一応公務上になる、このように考えております。
#232
○峯山昭範君 私は、この法律でこういうふうな表になっているのを見るとえらい簡単ですけれども、実際上はもっと運用の面、各省庁にまかせているものかもしれませんけれども、こういうように、職業病の問題についてはそれぞれ各省庁で、その病気になる可能性のある人、その職場についたがゆえにその病気になる可能性のある人というのは私は当然掌握をしておくべきだと思うのです。そうして、その職業病が発生してからというのじゃなくて、その発生する前に毎年の健康診断等についても当然その職業病に合った診断をすべきであると思うのです。そうでないと、その人が退職してから長期間たって職業病になるというような可能性もあるわけです、実際問題。現実にこういうような膀胱ガン等は二十年たって発病するということがあるわけです。現実に発表している学会の資料を見ましても、そこに勤務している期間というのは約一年間であっても、やはり二十年たって――短ければ短いほど今度ば長期の潜伏期間がある、逆にそういうのがあるわけですね。そういうふうになりますと、当然、そういうふうな途中での健康診断等もそれぞれの職場において健康管理の面から考えるべきだ、こういうぐあいに思っております。この点の答弁はあとでお願いしたいと思います。
 それからもう一点は、現在職業病として認定はしていないけれども、それぞれ人事院に対して職業病にしてほしいという要望が出ているものが幾らかあると思うのですが、それは一体現在どういうふうなものがあり今後どういうぐあいに対処していかれるつもりか、この点についてお伺いしたいと思います。
#233
○政府委員(島四男雄君) 現在私どもにまいっておりますそういう問題は、たとえば林業労働者における集材機運転手の白ろう病、これは先ほどもちょっと申し上げましたけれども、現在林業労働者のチェーンソーとかブッシュクリーナーを取り扱う者の白ろう病、つまりレイノー現象については職業病として扱っておりますが、集材機の運転手については現在まだ白ろう病としての認定をしておりませんが、そういう業務に従事する者の白ろう病についてはぜひやってもらいたいということでございます。
 それからもう一つ職業病として問題になっておりますのはキーパンチャー等の腱鞘炎、それから頸腕症候群、これらの病気についてはキーパンチャーであるとかタイピストであるとか、そういう方々のいま言ったような病気については当然職業病にすべきであるというような声が私のほうにまいっております。ただ、現実問題として、職業病としてはまだ認定しておりませんが、個々のケースとして、公務上として扱った例は幾つかございます。
#234
○峯山昭範君 それでは職業病の問題はもうその程度にしまして、災害補償法の今回の改正でありますが、この今回の改正にあたって、私は初めに総裁に聞いておきたいのですが、この災害補償法の基本理念といいますか、考え方についてお伺いしたいのですが、いずれにしましても、公務員の皆さんが、何といいますか、安心して働けるといいますか、そういうふうな後顧の憂いをなくさせるという、そういうような意味のものでなければならないと、こう思うのですが、そういうふうな不慮のいろいろな災難が一ばいあると思うのですね。そういうような災難についても、あとで私は公務災害であるかどうかの認定等の問題についてもまたお伺いしたいし、それからまた、先ほどちょっと出てまいりました安全対策の問題についてもお伺いしたいのですが、そういうことをいろいろお伺いする前に、今回の災害補償法の基本的な考え方、基本理念ということについて総裁にどういうぐあいに考えたらいいのか、お伺いしたいと思います。
#235
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもお答えすることは、大体いまのおことばの中に尽くされておると思います。後顧の憂いなく職務に精励してもらいたい、一言にしていえばそれに尽きるのじゃないかというふうに考えます。
#236
○峯山昭範君 まあそのとおりだと私も思っておりますのですが、実際問題ですね、私はこの災害補償法、この今回の法律が幾ら手厚く補償すると、そういうぐあいになっておりましても、実際問題、事故が起きたのでは何にもならない。結局、無事故でいけば一番いいわけですが、そういう点で考えてみますと、たとえば民間企業の場合は労働基準法とか、そういうふうなものによって具体的に職場の管理者なり、工場の責任者はその安全対策について相当きびしい規制が設けられているわけですね。人事院でも設けているということを、さっき人事院規則の一〇−四ですか、そういう話があったのですが、私ちょっとそれが見当たらないのですけれども、そういうこととからみ合わせて、たとえば労働基準法では、この労働基準法の四十二条に、「使用者は、機械、器具その他の設備、原料若しくは材料又はガス、蒸気、粉じん等による危害を防止するために、必要な措置を講じなければならない。」、また、その罰則規定もそのあとにありまして、これを怠るものは処罰される。現実に、「六箇月以下の懲役又は五千円以下の罰金」というふうに非常にきびしくなっているわけですね。それについて、逆に一方、国家公務員のほうは、国家公務員法の七十三条に、「内閣総理大臣及び関係庁の長は、職員の勤務能率の発揮及び増進のために、左の事項について計画を樹立し、これが実施に努力しなければならない。」、こういうぐあいになっております。それを見てみますと、研修とか保健、レクリエーションとか、安全保持及び厚生に関する事項をあげて、一応安全について、こういうぐあいに配慮しなければならないと、こういうようになっておりますけれども、実際問題としては何の罰則もないし、これをどういうぐあいに実際に実施しているかというと、たいしてその効果もないのじゃないか、そういうぐあいに思われるわけですね。民間のほうの規制から言うと、ずいぶんゆるやかなんですね。そこで、私は国家公務員法または災害補償法ですか、このいずれかに、こういうような災害を未然に防止するための具体的なその処置といいますか、そういうようなものを明確にもっとすべきじゃないか、そういうぐあいに思うのですが、人事院総裁の所見をお伺いしたいと思います。
#237
○政府委員(佐藤達夫君) いつもこの災害補償法の御審議の場合には、かねがね申し上げておったところでございますけれども、何よりも公務災害が起こらぬようにすることが一番の根本であるということを申し上げております。たとえば、さっきの白ろう病の問題なども数年前これが問題になりましたときには、チェーンソーそのものを無害なものにできないものかという方向から、林野庁の当局者にも強く要望したことがございますし、これは前回の附帯決議にもちゃんと入れて、第一段階に示されておるわけで、まことにわが意を得たものと考えております。これはわが意を得たりとばかりおったのではいけませんので、私どものほうとしては、やはりそのほうでは根本基準をつくるという責任を持って、ただいま七十三条をおあげになりましたように、これに基づく計画なり実施は、これは実は人事院の権限から、この間の改正で、はずされてしまいまして、総理大臣の系統のほうにいってしまいましたけれども、根本基準のほうは、われわれがまだお預かりしておりますものですから、労働基準法に当たるような、先ほど触れました健康及び安全規則というようなものを設けておりますし、その改善には常につとめておるというのが実際でございます。
#238
○峯山昭範君 それからこの災害補償法の二十二条ですか、福祉施設のことが書いてあるのですが、当然私は人事院及び各省庁で公務上の災害を受けた職員の福祉に関しまして必要な処置、施設をつくらなければならない、こういうようになっておりますが、つとめるというのですか、「施設をつくるように努めなければならない。」、そういうようになっているのですが、ここに全部で一から五まであるのですが、この福祉施設の現状ですね、これについて、現在、本年度どういうぐあいに予算が計上されているのか、この福祉施設に対して、どういうぐあいに経費がいま計上されているのか、ここら辺の状況はどういうようになっておりますでしょうか。
#239
○政府委員(島四男雄君) 昭和四十四年度における福祉施設の実施状況を御説明申し上げたいと思います。
 ただいま御指摘の災害補償法第二十二条にその内容が列記されてございますが、まず補装具といたしましては、補装具を支給された件数が二十五件、それから補装具の修理を要する件数として三件、合わせて二十八件ございます。それから外科後処置、これが一件、それから休養、リハビリテーション、これはゼロ、休業援護金三千四百八十七件、奨学援護金四十二件、金額で各項目別に詳細に申しますと非常に……。
#240
○峯山昭範君 概略でけっこうです。
#241
○政府委員(島四男雄君) 概略申しますと、補装具関係が約四十四万円でございます。それから外科後処置として四十五万四千円、休業援護費が一番金額的には多いのでございまして、約二千万円強となっております。それから奨学援護金が約百二十五万円、合計いたしますと二千二百二十万余というのが四十四年度における予算から見た実施状況でございます。
#242
○峯山昭範君 いまその施設の現状の予算等をお伺いしましたけれども、これで私は十分ではないと実際思うのです。今後こういうような福祉施設に対する予算の裏づけ等については十分配慮してやっていただきたい、こういうぐあいに思っております。
 次に、基本的な問題をお伺いするわけでありますけれども、国家公務員の災害補償法による補償制度の実施にあたって、先ほどもちょっと具体的に例が出ましたけれども、一番問題は、公務災害であるかどうかの認定の基準だとは私は思うのです。これはやはりいろいろと先ほどから具体的に病院の例が出ましたように、問題になると思うのですが、公務災害であるかどうかという基準はどういうぐあいになっているのかという点と、実際問題、公務と因果関係にあるすべてのいろいろな災害というのは、当然私はほんとうは公務上の災害と認定したほうがいいんじゃないか。そういうぐあいに運用したほうが、私は公務員のためにもなりますし、実際そうではないかと思う。現在、先ほど通勤途上の災害の問題が出てまいりました。これだけ交通機関が発達して、しかも自動車がこれだけふえて、そしてたいへんな状況にあるわけですから、当然私は認定ももっと合理的に、ただ単に法規の上だけでやるのじゃなくて、やはり人事院、相当人情味を持ってやっていらっしゃるようでありますけれども、そこら辺のところはもっと考えてしかるべきじゃないか。当然、人事院で病院のあれが却下されたものが裁判のほうで公務災害と認定されるということは、やはり人事院の裁定も相当きびしいものがあるなということを私は感ずるわけですけれども、そこら辺の、公務災害であるかどうかの認定の基準等についてどういうぐあいになっているのか、お伺いしたいと思います。
#243
○政府委員(島四男雄君) 公務であるかないかの認定の基準、これが一番大きな問題でございます。一口で言えば、その発生した災害が公務に基因し、公務と相当因果関係を持って起こったものかどうかということに尽きるわけでございます。ただ、現実問題として、具体的なケースの判断になりますると、私ども非常に迷うケースが多うございます。一般的に申しますと、災害といいましても負傷の場合もあれば疾病の場合もございます。負傷の場合は大体公務で起こったけがということで、わりあいに認定は簡単でございます。ところが、問題は疾病のほうの判断が非常にむずかしい。たとえば、ただいま御指摘になりました国立京都病院の例のように、非常に公務が多忙である。多忙であるけれども、その方がもともとある疾病を素因として持っておった。その公務がなかりせば発生しなかったものが、その公務によって、何というか、共同原因としてそういう事故が起こったという場合の判断、それを共同原因とみるかどうかというような問題は、現実問題として非常にいまむずかしい問題でございます。問題ではございますが、私どもの態度といたしましては、なるべくこれを広く救っていきたい。したがって、現在の医学の水準ではなかなか判断しがたい、首をかしげるようなケースもだいぶ現実問題としてございますが、まあ、できるならばボーダーライン・ケースについてはなるべく公務上とするという態度で臨んでおるわけでございます。
#244
○峯山昭範君 実際問題としまして、京都の北医師の問題にしましても、そのお医者さんが裁判をやるだけのいわゆる見識とお金があったからよかったものの、実際裁判をやらなければそのままになってしまうわけですね。非常にそういう点はいかぬと思うのです。実際問題として災害補償法を実施する場合、一つは各省庁で行なう災害の認定、また療養の方法とか補償金額の決定ですね、こういうふうなものに異議がある場合は、当然、人事院に対して審査の請求をするわけでありますけれども、人事院に審査を請求をして、人事院が却下したらこれはほんとうはたよるところがないわけです。裁判にたよるしかないわけです。そこで、少なくとも、私はここでお伺いしたいのは、実際問題として最近の状況をお伺いしたいのですが、各省庁の処分に不服で人事院に申し立てがきている件数というのが最近はどういうふうな実例になっているのか。その人事院の処分でさらに裁判に持ち込んでいる事件というのが現在あるのかどうか。そういうようなことを、最近こういうふうな問題についてどういうぐあいな実情になっているか、お伺いしたいと思います。
#245
○政府委員(島四男雄君) 過去五年間におきまして人事院に災害補償に関して申し立てました審査件数は七十八件でございます。そのうち、人事院の判定を不服として裁判所に訴え出た件数は二件でございます。二件のうち、一件は先ほど来お話の出ております国立京都病院事件で、他の一件はその請求者が取り下げております。過去五年間における現状はいまお話ししたような状況でございます。
#246
○峯山昭範君 私はこういうような場合に、各省庁のいわゆる判定に不服で人事院に申し込んでおるわけでありますので、人事院としましても、できるだけ関係者が満足するような結論が出るように努力すべきでしょうし、実際努力していらっしゃると思いますけれども、さらにそれが訴訟にまで発展するということはあまり思わしいことではないと思うのです、実際。そこで、この法案についてもう一点お伺いして私は質問を終わりたいと思うのですが、今回の法案の中で、第一級から七級までの年金の制度について改善をはかっておりますが、第八級から第十四級までの一時金の制度のところには手がつけられておりませんですが、これは一体どういうわけなんでしょうか。
#247
○政府委員(島四男雄君) 確かに今度この法案の中で改善をはかっておりますのは、傷害等級の一級から七級までのいわゆる年金部分の改善でございます。八級から十四級までについては、現在この御審議を願っている法案の中では手をつけていないというのは御指摘のとおりでございます。年金部分について一〇%引き上げるということであるならば、年金になっておりません七級、八級以下についても当然引き上げるべきであるというのも一つの御意見かと思いますが、ただ、現状におきまして、いわゆる八級以下につきましては国際水準から見ますと、日本の現在の給付内容はかなり高めになっております。そういう関係もございまして、現在この八級以下については手をつけなかったわけでございますが、ただ、将来の方向といたしましては、そういう面についても配慮を加えていかなければいかぬのじゃなかろうかと、かように思っております。
#248
○峯山昭範君 それじゃ、もうこれ一点だけお伺いして質問を終わりたいと思うのですが、今回の改正の中で、遺族補償年金の受給者に対する一時金の支給制度が今回さらに五年間延長の措置がとられておりますが、第一点は、現在までこの制度をどの程度の人が利用されているかという点と、それからこの制度は私たち考えるのに非常にいい制度だと実際思うのです。それで、これは暫定措置ではなくて、私たちは実際問題としては恒久的な制度にすべきだと思うのですが、そこら辺の所見をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
#249
○政府委員(島四男雄君) 遺族補償の前払い制度について、現在、職員が死亡した当時はいろいろ出費が多いであろうというところで、この四百日分という制度を考えたわけでございます。これをまあ五年間、これからまたさらに五年間延長するということでございますが、これをむしろ恒久的な制度にしたらどうかというお話ですが、ただ、この問題につきましては、こういういま補償法で考えているような制度がいいのか、あるいはまた別途何か融資制度というようなものを考える必要があるかどうかというようなことについて、いろいろ検討しておる段階でございます。したがって、結論が出次第、恒久制度にするか、あるいはまた他の制度によって遺族の救済をはかるか、いずれにしても現在行なわれておりますそういった遺族の救済制度について不利にするということは毛頭考えておりません。
 それから現在までこれによってどの程度の金額が支払われたかと申しますると、これは昭和四十一年度から実施している制度でございまするけれども、たとえば昭和四十一年度十件、金額にしますと五百七十九万六千四百円、それから四十二年が二十二件、約千四百万余り、それから昭和四十三年度が二十四件、約千六百万、昭和四十四年度が十二件、約九百五十万、このような状況になっております。
#250
○委員長(西村尚治君) 速記をとめて。
  〔午後四時三十二分速記中止〕
  〔午後四時五十四分速記開始〕
#251
○委員長(西村尚治君) 速記を起こして。
 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終了したものと認めます。
 これより両案を一括して討論に入ります。――別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認め、これより両案を一括して採決を行ないます。
 国際機関等に派遣される一般職の国家公務員の処遇等に関する法律案及び国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案、両案全部を問題に供します。両案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#252
○委員長(西村尚治君) 全会一致と認めます。よって、両案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#253
○足鹿覺君 ただいま可決されました国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案に対し、自民、社会、公明、民社、共産の五党共同提案にかかわる附帯決議案を提出いたします。
 まず案文を朗読いたします。
    国家公務員災害補償法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について速やかに善処すべきである。
 一、公務災害の予防および職業病の発生防止に努力し、公務災害の絶滅に努めること。
 一、いわゆる白ろう病対策を確立するとともに、その認定、治療、補償等について万全を期すること。
 一、国家公務員の障害補償、遺族補償、休業補償、葬祭補償等について、引き続きその支給率の改善に努めること。
 一、通勤途上の災害の取扱いについて、検討を加え、その改善を図ること。
 一、平均給与額の算定について、期末、勤勉手当の算入につき検討すること。
  右決議する。
 以上でありますが、決議案の趣旨は質疑によって明らかとなっておりますので、説明は省略させていただきます。
 以上でございます。
#254
○委員長(西村尚治君) 別に御発言もないようですから、足鹿君提出の附帯決議案の採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#255
○委員長(西村尚治君) 全会一致と認めます。よって、足鹿君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、山中総理府総務長官から発言を求められております。これを許します。山中総理府総務長官。
#256
○国務大臣(山中貞則君) ただいま決定されました附帯決議の内容には、衆議院の附帯決議にさらに加うるに項目並びに内容等について一そうの前進等を要望されておられますが、これについては、その趣旨を十分体しまして、人事院とともに十分検討していくつもりでございます。
#257
○委員長(西村尚治君) 両案の審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#258
○委員長(西村尚治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回は、明十二月九日午前十時三十分開会の予定でございます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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