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1970/12/15 第64回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第064回国会 商工委員会 第5号
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1970/12/15 第64回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第064回国会 商工委員会 第5号

#1
第064回国会 商工委員会 第5号
昭和四十五年十二月十五日(火曜日)
    午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 八田 貞義君
   理事 鴨田 宗一君 理事 進藤 一馬君
   理事 橋口  隆君 理事 武藤 嘉文君
   理事 中村 重光君 理事 近江巳記夫君
   理事 塚本 三郎君
      石井  一君    遠藤 三郎君
      神田  博君    左藤  恵君
      始関 伊平君    前田 正男君
      増岡 博之君    山田 久就君
      辻原 弘市君    中井徳次郎君
      中谷 鉄也君    横山 利秋君
      相沢 武彦君    岡本 富夫君
      松尾 信人君    川端 文夫君
      吉田 泰造君    米原  昶君
 出席政府委員
        厚生大臣官房国
        立公園部長   中村 一成君
        農林省畜産局長 増田  久君
        通商産業政務次
        官      小宮山重四郎君
        通商産業省通商
        局長      原田  明君
        通商産業省重工
        業局長     赤澤 璋一君
        通商産業省繊維
        雑貨局長    楠岡  豪君
        通商産業省公益
        事業局長    長橋  尚君
 委員外の出席者
        経済企画庁総合
        計画局参事官  赤津  学君
        大蔵大臣官房審
        議官      平井 廸郎君
        水産庁調査研究
        部長      松下 友成君
        通商産業省通商
        局次長     佐々木 敏君
        商工委員会調査
        室長      椎野 幸雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月十一日
 辞任         補欠選任
  中谷 鉄也君     三宅 正一君
同日
 辞任         補欠選任
  三宅 正一君     中谷 鉄也君
同月十五日
 辞任         補欠選任
  石川 次夫君     辻原 弘市君
同日
 辞任         補欠選任
  辻原 弘市君     石川 次夫君
    ―――――――――――――
十二月十四日
 商工会経営指導員並びに補助員の身分保障に関
 する請願(井出一太郎君紹介)(第八四一号)
 同(小川平二君紹介)(第八四二号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第八四三号)
 同(小坂善太郎君紹介)(第八四四号)
 同(羽田孜君紹介)(第八四五号)
 同(原茂君紹介)(第八四六号)
 同(増田甲子七君紹介)(第九六三号)
 同(松平忠久君紹介)(第九六四号)
 チッソ株式会社水俣工場の新規事業の指導援助
 措置に関する請願(川村継義君紹介)(第九〇
 三号)
 米国における金属洋食器の輸入制限に関する請
 願(小沢辰男君紹介)(第一一八九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十二月十一日
 公共用水域の水質汚濁対策に関する陳情書外一
 件(十都道府県議会議長会代表北海道議会議長
 佐々木利雄外十名)(第三三六号)
 木曽川、矢作川及び豊川の水質基準設定に関す
 る陳情書(愛知県議会議長橋本繁蔵)(第三三
 七号)
 商工会経営指導員並びに補助員の待遇改善に関
 する陳情書(関東一都九県議会議長会常任幹事
 東京都議会議長春日井秀雄外九名)(第三三八
 号)
 中小企業対策に関する陳情書(大阪市東区内本
 町橋詰町五八の七大阪商工会議所会頭市川忍外
 三名)(第三三九号)
同月十四日
 鉱業対策の強化に関する陳情書外一件(東京都
 港区西麻布一の二の八金属鉱業政策推進会議会
 長原田与作外一名)(第三八四号)
 中小企業団体中央会に対する助成強化に関する
 陳情書(宇都宮市塙田町三四九栃木県中小企業
 団体中央会長高橋栄作)(第三八五号)
 小規模企業者の育成強化に関する陳情書(宇都
 宮市塙田町三四九栃木県商工会連合会長塚本武
 外一名)(第三八六号)
 万国博記念財団の設置に関する陳情書(大阪市
 東区内本町橋詰町五八の七大阪商工会議所会頭
 市川忍外五名)(第三九五号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 通商産業の基本施策に関する件
 公益事業に関する件
 通商に関する件
     ――――◇―――――
#2
○八田委員長 これより会議を開きます。
 通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件、通商に関する件、公益事業に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出があります。これを許します。辻原弘市君。
#3
○辻原委員 経済企画庁、それから通産省にお伺いをいたします。私の質問は一般的な事項ではなくて、原子力発電所の設置についての具体的な問題についてお伺いをいたします。
 和歌山県那智勝浦町の浦神地区、同じく和歌山県古座町の荒船地区に設置を予定されていると聞く関西電力による原子力発電所の規模、構想は、すでに経企庁並びに通産省は承知をしておられるだろうと思いますが、現在、把握をしておるそれらの状況についてお伺いをいたしておきたいと思います。
#4
○長橋政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の、浦神地区におきます関西電力によります原子力発電所の設置構想につきましては、通産省といたしましても、まだ具体的な計画を当事者からも聞いていない段階でございます。承知いたしておりますのは、勝浦町におきましては、昭和四十二年ごろ原子力発電所の誘致の動きが出まして、四十四年二月には町議会で誘致決議を行なったという程度のことを承知している段階でございます。そして今後、地元とのお話し合いも進んでいきます場合、その過程におきましては、本地区につきましてはまず国立公園内に存在いたしておりますために、自然公園審議会で建設の可否が審議され、そして、差しつかえない、こう判断されることが一つの大きな前提になるわけでございます。また、その上でこの原子力発電所設置ということに相なります場合には、その安全性につきまして原子力委員会の原子炉安全専門審査会などにおきまして安全性を確認することが、これまた前提になるわけでございます。ただいまのところそういう段階でございます。
#5
○辻原委員 いまお話しのような、この地区における原子力発電所の設置計画は、経済企画庁の所管をする今後の電力需要に対応するそれらの設置の予定内容に含まれておるのかどうか。これは、経企庁として検討の結果、ここが適当であろうというようなことで、すでに計画の中に織り込んでいるかどうか、この点を経企庁に聞いておきたい。
#6
○赤津説明員 経済企画庁の赤津参事官でございます。ただいまの御質問に対しましてお答えいたします。
 ただいま御質問の二つの発電所の件につきましては、私どもといたしましては、まだ計画の規模あるいは着工時期といったような具体的な内容については伺っておりません。
 こういう立地の問題につきましては、ただいま通産省の公益事業局長からもお話がございましたように、国立公園の中に発電所が立地されます場合には、関係法令その他に照らしまして十分な措置がとられまして、国立公園の景観の保護等すべての措置がとられることが条件でございますし、あるいは公害その他が懸念されます場合、たとえば農産物に対する被害が出るとか、あるいは漁業に関していろいろ影響が及ぶというような場合には、こういう問題に対しての慎重な対策が各関係省庁と十分に打ち合わせをされまして、こういった一切の問題について調整がはかられました上で電源開発調整審議会の議に付されまして、その上で基本計画に繰り込まれることになっております。したがいまして、ただいまのような計画が具体化いたしてまいりました場合には、十分にそういった点についての検討、調整が行なわれることが前提でございまして、電源開発調整審議会ではその上で基本計画に繰り込む、こういうことでございます。
#7
○辻原委員 いまの経企庁の御答弁はこう受け取ってよろしいな。手続関係は私も承知をいたしております。ただ私がお尋ねしたのは、今後の電力需要に対応する各種の電源の開発の計画の中に、現在、当地区については具体的に何ら検討されておらない、いわゆる全体的な計画の中には繰り込まれておらない、それが調査その他の結果から適地となった場合に初めて検討の素材になる、こういうふうに私はいまの答弁を聞いたのでありますが、それはそう受け取って間違いありませんか。計画には入っていない、こう受け取って差しつかえありませんか、経企庁の答弁は。
#8
○赤津説明員 お答え申し上げます。
 ただいま御説明申し上げましたように、電源開発の基本計画は、ただいま申し上げましたような調整がはかられました上で計画に繰り込まれるたてまえになっておりまして、現在のところ、この二つの地点は、いまだ具体的な規模その他計画内容が定まっておりませんので、基本計画の立地地点としてはまだ繰り込まれておりません。
#9
○辻原委員 私が経企庁にお尋ねをすると、こう指摘をして尋ねたゆえんは、それは電源開発について、通産省とあなたのところでは扱いの所管のなにが違うわけなんですね。通産省の場合には、実際、具体的な進捗状況を見てこれに許可を与えるセクションである。あなたのところは全体計画を立てるセクションである。したがって、経企庁が何ら具体的にこの構想はあがっておらないということは、言うならば、あなたのところが今後の計画を策定するについて、こういう地点をその全体の計画の中に繰り込んでいないということである。私の尋ねた点はそこでありまして、いまあなたがお答えになったことも、したがって経企庁としては、基本構想の中にはいまだこれは入っていない、こう私は受け取ったのでありますが、いま一度その点を確認しておきます。
#10
○赤津説明員 お答え申し上げます。
 電源開発促進法に基づきます基本計画の中では、各省との調整、各地元との関係が調整がつきました点につきまして、具体的な立地地点として電源調整審議会の審議を経て決定いたしております。したがいまして、この両地点につきましては、まだ電源開発調整審議会の議にのぼってくる段階になっておりませんので、まだ基本計画には繰り込まれておらないというのが現状でございます。
#11
○辻原委員 もう一点、経企庁にお尋ねをしておきます。
 促進法に基づく基本計画にいまだこれはのっておらない、その点は明らかになりました。そこで、先ほど通産省からも説明がありましたが、この地点は、一つは吉野熊野国立公園のどまん中である。もう一つは、これは歴史的にも古く、かつて捕鯨漁業が盛んであった当時に、この海域は捕鯨漁業の基地であったわけであります。現在においてもカツオ、マグロの遠洋漁業の基地であり、また、最近下火になったとは申せ、沿岸漁業につきましても、これは県内有数の地点である。いわゆる漁業にとっても有数の地点であり、観光にとってもきわめて全国的に天然の景勝を持つ立地条件の非常にいい地点である。そういう中に原子力発電所を設置するということについて、今後もし日程にのぼってきた場合には、あなたは一体どういう所見を持たれるか、経企庁にお尋ねをしておきたいと思う。あなたは一体、そういうような立地条件を持っている地点に原子力発電所を設置するということについての可否についてどう考えられるか、この点を経企庁にお尋ねをしておきたい。
#12
○赤津説明員 お答え申し上げます。
 電源の立地が具体化いたします場合、その地点が、国立公園あるいは国定公園の指定されている地域に立地が行なわれます場合には、自然公園法第十七条による規制がございまして、この法律に基づきまして、国立公園としての本来の使命がそこなわれないことが確認されました場合に、初めてここが電源の立地地点として適当だと判断されるわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘の地域につきましても、この関係法令に従いまして十分な検討が行なわれまして、適当であるというふうに判断されます場合にのみ電源開発調整審議会の候補地点として上がってくるわけでございます。それから、漁業関係につきましていろいろと問題が起こることが多うございます。こういう場合につきましても、その地点における発電所設立に基づく影響というものが検討をされまして、関係の方々の間で十分に納得のいく調整が行なわれまして、初めて電源立地地点として適当な地点として審議の対象になってくるわけでございます。したがいまして、電源開発調整審議会の地点としてこれが基本計画に繰り込まれます場合には、事前に十分な、ただいま申し上げましたような調整が行なわれました上で、初めて基本計画の中に繰り込まれていくわけでございます。
#13
○辻原委員 通産省にお伺いをいたしますが、いま経企庁の責任者から、私の尋ねました二つの点について明快なお答えがありました。一つは、この地点は吉野熊野国立公園のどまん中であり、自然公園法十七条による許可が必要である、許可せざる場合はこれは基本計画の日程には上がらない、これが一点。それからいま一つは、有数の有望な漁業基地である、したがって漁民その他漁業関係との調整がつかざれば、これまた基本計画にあげることはできない、この二つのお答えがありました。そのとおりであるかどうか、通産省からも承っておきたい。時間がないので、私も端的簡潔に聞いておりますから、まくらことばは要りませんから、ひとつ端的に結論だけお答え願いたい。
#14
○長橋政府委員 お答え申し上げます。
 まず第一点の国立公園との関係につきましては、国立公園の関係の審議会の審議が先行するというのは御指摘のとおりでございます。それから漁業の問題につきましても、本件、具体的な地点におきます電源立地の問題が、電源開発調整審議会に上程されます前には、その立地につきまして、地元、地方公共団体との間で十分お話し合いがついた上で上程する考え方を通産省といたしましてもとっているわけでございます。
#15
○辻原委員 それじゃ厚生省にお尋ねをいたしますが、すでに私の聞く範囲では、第一次、第二次のボーリング計画について許可申請が出ているやに聞き及んでおりますが、一体、国立公園の中でこの種のものが建設されるということで許可申請のあったのは、私は寡聞にして知らないわけでありますが、原子力発電に関してこれが初めてではないかと思うが、その点についてはどうですか。
#16
○中村(一)政府委員 お答えいたします。
 国立公園の区域内におきましては初めてのことでございます。
#17
○辻原委員 そこで、先ほども経企、通産両省から、これは自然公園法に基づく審議会の議を経て、厚生省が許可をせざれば基本計画の日程に上げることはないとおっしゃっているのでありますが、あなたの厚生省の責任はまさに重大であると私は考える。なぜかならば、最近、今回の国会でも公害問題についての各種の議論が行なわれて、世論がこれだけ高まっている。しかもわが国における自然保護というものが最近ないがしろにされておる。特に国立公園というような、全国的な有数な景勝を指定してそれの保護の任に当たっている厚生省が、もしかりそめにも軽々にそういう国立公園の地点の中に設置を許可するようなことがあったならば、これは一つの突破口を開くわけなんで、私はおそらく、これは世論も、自然保護という場合における国民も、注視をしていると思うのであります。したがって、あなた方の今後のこれに対する態度というものが、いわばポイントを握っているわけだ。そこで一体、私がいま申し上げたような観点を失わずこの問題の処理に当たられる決意があるかどうか、この点を承っておきたい。
#18
○中村(一)政府委員 自然公園審議会では、去る十月の十三日にこの案件を提出いたしまして御審議をお願いしたのでございますが、審議会といたしましても、ただいま先生のお話のとおり、自然保護の立場から慎重審議すべきであるということで、非常に慎重な態度で御審議を賜わっておる次第でございまして、もとより私ども厚生省といたしましては、審議会の御審議を尊重いたしましてこれに当たりたい、こう考えておる次第であります。
#19
○辻原委員 そこで、もう一つ、二つ見解を聞いておきたいのでありますが、巷間、この原子力発電というものをそういう地点に設置をしても観光と両立をするではないか、こういった議論を吐く人がおるわけでありますが、私はそうは考えない。少なくとも天然の景勝の中で、特に全国的にあるいは世界的に観光客が訪れる、こういう地点の中にいまだ解決されない数々の問題を持っておる原子力発電所を設置するということは、決してこれは観光にプラスするものではないと私は考えておる。国立公園を所管するあなたは一体どうお考えになっておられるか。この点も参考に承っておきたいと思います。
#20
○中村(一)政府委員 私どもが自然公園法を施行するにあたりまして、この十七条関係の許可を扱いますにつきましては、別に観光ということは全然関係ないわけでございますので、純粋に、法律に定められた自然の景観の保護と比べてどうであるかという点が基礎になるわけでございますから、別に観光問題というのは関係ございません。
#21
○辻原委員 それじゃ角度を変えましょう。
 そういうものをつくることが自然景観をそこなうと考えるか、差しつかえないとお考えになるか。
#22
○中村(一)政府委員 その点は、専門家のお集まりでございます審議会の十分な御審議によって、私どもはそれに従ってやるわけでございます。私個人といたしましては、現場は承知いたしておりませんし、また現在のところ調査をしたいという許可の申請でございますので、まだ具体的なでき上がった構想そのものが見当つきませんので、何とも申しかねるところでございます。
#23
○辻原委員 それは私はまことに無責任なことを聞くものだと思っておるのです。この許可申請が提出されたのはかなり以前であるし、すでに審議会にかかっておる。所管部長がその現地も知らず、またその調査をいま自分でもやろうとしないというような態度は――私は、前段あなたが申された、いわゆる自然保護という立場を守るこれは唯一の役所ではないかと思うのですね。そういう役所の長が、全然そういうことに対して、実際を把握しないでこのことの処理をやろうといったようなことは、いささか無責任に過ぎると思うのです。あげて審議会がやればいい、いかにもこれは役所流の考え方で、それはちと私には受け取りがたいと思うのです。もっと積極的に、自然公園を保護するという立場をあなた自身が踏んまえないと、私は一角をくずされると言っておるのです。もう一度御答弁を願いたいと思います。
#24
○中村(一)政府委員 もとより、あらゆるケースにつきまして、私自身といたしましても現場を視察するということは望ましいことでございますが、現在の段階におきましては、仕事の都合上まだ現場を見るところまでいっておりません。
#25
○辻原委員 調査をやる用意はあなたにはないのですか。だれが一体これを調査するのですか。
#26
○中村(一)政府委員 これは私だけでございませんで、ほかに私のほうの担当の職員あるいは現地の管理員等がおりまして、それぞれ調査をいたしておるわけであります。
#27
○辻原委員 まことに私は、あなたの態度というものは無責任だと思う。確かにそれは担当の職員がおられるでしょう。いろいろおられるでしょうけれども、あなたは国立公園を所管する部長なんだ。責任者なんだ。いままで行けなかったということについては、それはいろいろな事情もあるでしょう。しかし、ぜひ現地を見て自分の最終的な判断もしてみたい、と言われるのが私は当然じゃないかと思うのですが、それをそう言わないで、担当の職員もおり、いろんな人たちがおるから、その人たちにまかすといったようなことは、これは私はちょっと、この問題について積極的にあなたが取り組んでおるとは考えられない。もう一度答弁を願います。
#28
○中村(一)政府委員 私も、もとより職責上現地を見て、そうして検討をいたしたいということは希望いたしているところでございます。
#29
○辻原委員 ぜひやっていただきたいと思います。ここであなたから、あなたのその希望をぜひ実現したいとお答えを願っておきたいと思います。
#30
○中村(一)政府委員 御指摘のとおり、私といたしましても、現地を見る等、この問題につきましては十分努力をいたしたいと思っております。
#31
○辻原委員 審議会の経過はいまどういうところにありますか。この点も一ぺん聞いておきたい。
#32
○中村(一)政府委員 先ほどもお話ししましたとおり、去る十月十九日でございますかに審議会にこの問題を提案いたしました。自然公園審議会の中の管理部会という部会がございまして、そこにおきまして御審議が始まっておるというところでございまして、その後今日まで管理部会が開かれておりませんので、いまのところ、十月十九日に一回行なわれたという状況でございます。
#33
○辻原委員 十月十九日に開かれて、この問題の扱いの結論というのはおおよそこれからどの程度かかるか、そういうことの見通しについておわかりならば、お聞かせ願っておきたい。
#34
○中村(一)政府委員 先ほども申しましたとおり、実は国立公園としては初めてのケースなものでございますから、したがいまして、審議会の委員の皆さん方の審議を拝聴いたしておりますと、これは非常に慎重に議論すべきであるといったような御意見でございますので、ちょっといまのところ、いつごろに結論が出るかということにつきましては見当がつきかねるのでございます。
#35
○辻原委員 私は最後に厚生省や審議会に希望いたしておきたいのでありますが、いまも部長も言われたように、これはわが国におけるテストケースである。自然保護を優先させるのか、あるいはそういった諸施設を優先させるのか、重大な岐路に立つ問題であって、慎重の上にも慎重にかまえてもらいたいし、特に私はこの地点を郷土に持つ一人でありますが、歴史的にも古く、しかも景勝、景観の地としてわれわれ郷土人はこれを誇りに思っておる。そういう中にこうしたものをわざわざ押し込んできて設置するということについては、私ども郷土人の感情としては許されないものがある。したがって、この地点への設置ないしはボーリングについては、自然保護という立場を堅持して許可せざるように、私は希望いたしておきたいと思います。
 それから第二の問題で、漁業、水産の問題について、関係者との合意、調整がつけば基本計画が日程にのぼってくるであろうというお答えがあったわけでありますが、その調整というのは、一体どういう内容を意味するのか。たとえば、いろいろ聞くところによりますれば、原子力の放射性物質による大気汚染あるいは土壌汚染、海水汚染等の問題と冷却水による温度上昇、こういった問題で漁業関係には大きな影響を与えると私は聞いておる。したがって、農林省、水産庁としては、その現地の漁業関係者との話というのは、それらのいわゆる漁業権を持つ水域の買い取り等についての話を意味するのかどうか、この点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#36
○松下説明員 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の点につきましては、具体的な計画がまだ検討中でございますので、その計画を待ってさらに慎重検討してまいりたいというふうに考えております。
#37
○辻原委員 そこで水産庁に。いま私が指摘をいたしました冷却水による温度の上昇、これは私はたくさん資料を持っておりますが、たとえば東大の内田博士等の説によりますと、一キロないし十キロ未満程度の海域については温度上昇の影響があるであろうという説も、私は公式に聞いております。したがって、そういうことになりますと、海流の変化あるいは魚族の生息状況等に変化のあることは当然であって、そういった立場から漁業に影響があると私は思うのでありますが、水産庁は、この冷却水の影響というものは漁業に悪影響を及ぼすとお考えなのか、決してそうではありませんと考えられておるのか、この点もひとつ明快にお答えを願いたいと思います。修飾語は要りません。
#38
○松下説明員 お答え申し上げます。
 ただいま原子力発電所の温排水の漁業に与える影響についてでございますが、私どもといたしましては、特に問題になることはないというふうに考えております。しかし、今後に対する措置といたしまして、水産研究所におきまして、影響の範囲を科学的に把握するために、排水の拡散分布、その機構につきます研究を行なっておりますし、またその温排水の養殖業その他への積極的な利用の方法につきましても、現在研究を進めておる状態でございます。
#39
○辻原委員 そうするとあなたは、安全審査会の会長の内田さんがそう言われた見解を否定されるのでありますか。漁業に全然影響がないということは、あなたは自信を持って言い切れますか。いまあなたは影響はないとおっしゃった。これは重大な発言なんです。私は、きょうは時間がないからはしょってやっておりますが、いろいろなデータ、いろいろなものを持っておるのですよ。ずぶのしろうとじゃない。全然影響がないと言いましたね。間違いありませんか。責任を持ちますか。
#40
○松下説明員 お答え申し上げます。
 影響がないと申し上げましたのは、最初にお断わり申し上げましたように、現在では具体的な計画が立っておりません。その点につきまして、現時点では全然問題になっておらないということでございます。
#41
○辻原委員 おかしいじゃありませんか。これは和歌山県でも海流調査を県が積極的にやりました。さらにそのことを今日水産庁の水産研究所に依頼いたしておるはずであります。その結論がまだ出てない。出したのですか。現時点では影響がないということは、海流調査あるいは魚族の生息状況の調査、そういうことをやって結論を出したのですか。これは重大な問題ですよ。私はここに県議会の知事その他の正式な報告書を持っておる。その中には、依頼しておるが結論はまだ出ない。どうなんですか。
#42
○松下説明員 御指摘のとおり、調査研究結果の結論はまだ出ておりません。しかし現在の時点で見ますと、特別に大きな問題はないだろうというふうに判断しておるわけでございます。
#43
○辻原委員 それもおかしいじゃありませんか。現在調査中のものを、早々とあなたがたいしたことはないだろうと言うのは、これは科学者を冒涜するものじゃありませんか。調査を冒涜するものじゃありませんか。それは一体どうなんですか。
#44
○松下説明員 原子力発電所の温排水の影響につきましては、ぽかの地点におきます発電所の影響その他もいろいろ考慮しておりまして、そういった点を勘案いたしまして、いまのところ大きな問題は出ないだろうということを申し上げたわけでございます。
#45
○辻原委員 時間がありませんから、これで押し問答するわけにいきませんけれども、そういうことならば海流調査の必要はないわけでございます。一般的にないだろうというようなことでやるのならば、これは、漁業のほうにも、公害のほうにも何にもならない。だから徹底的に調査をして、その結果に基づいてお答えがあるべきなんです。過程においてそういうことを言うのははなはだ迷惑なんです。私は、水産庁の先走った態度というものはまことに遺憾にたえない。きょうは時間がありませんから押し問答はいたしません。しかし、明らかにこの地域におけるところの海流調査は調査中なんでありましょう。それはどうなんでありますか。結論は出ていないでしょうが。どうですか。
#46
○松下説明員 御指摘のとおり、現地におきます調査の結果はまだ出ておりませんけれども……(辻原委員「出ていない先にものを言うのは、一体どういうことなんだ、それは。そういうばかなことがあるか。」と呼ぶ)私どもといたしましては、調査結果を待ちましてなお慎重に対処する必要があると思っておりますが、ただ現地の具体的な計画が、冒頭に申し上げましたように、まだ固まっておらない段階でございます。どの程度の影響が具体的に出てまいりますか、その点は今後なお調査研究する必要があるというふうに考えております。
#47
○辻原委員 前段の答弁といま言ったことと違うじゃないですか、あなたは。なぜそう言わないのだ。だから、調査中であって、どういう影響が出るか、それは微細であろうと甚大であろうと、調査結果を待って述べることなんです。しかし、その調査中であることについては、あなたは、たいしたことはないだろうなんという答弁は、これは無責任ですよ。そういうことは言うべきじゃありません。もう一度正確を期して答弁しなさい。どうですか。
#48
○松下説明員 御指摘のとおり、現地につきましては十分調査をいたしまして、その結果につきまして検討いたしたいと思っております。
#49
○辻原委員 もう一つお尋ねをしておきたいのでありますが、いずれにもせよ、この地点にそういう構造物をつくって漁業者に対する不安を与えるということになると、これはなかなか容易な問題ではありません。ましてやこの地点は、特にこの海域を主として使っておる太地町というのは、昔から鯨の基地であります。しかも今日大敷きをやっておる漁業としては、和歌山県でも有数の地点であります。したがって、なかなかこれは漁業者の納得、説得ということは、私は得られないと思う。そうした場合に、その漁業権について話し合いの最終というものは、結局その漁業権を買い取ってしまうという方法によるか、ないしは、つど漁業に影響を与えた場合に漁業の補償にるいて話し合いをやるというか、私は二つに一つしかないと思う。しかし、従来いろいろなこうした海域における問題等を調べてみますると、大体は漁業権を買い取っているように聞いておる。したがってこの場合も、当然漁業権の買い取りという問題に発展をするだろうと思いますが、そういう方向で水産庁は今後考えられるのかどうか、この辺を承りたいと思います。
#50
○松下説明員 漁業権の問題につきましては、これは具体的な計画が固まりまして、先ほども申しましたように、調査結果その他を十分勘案いたしまして考えたいというふうに考えております。
#51
○辻原委員 それでは、通産省にもう一ぺんその点を聞きましょう。
#52
○長橋政府委員 発電所の臨海部への立地に伴います漁業権の問題につきましては、御指摘のように、土地造成、埋め立てないし港湾建設というふうなことが相伴います場合には、地方公共団体が異議のある漁業権者と話し合いをいたしまして、買い取り補償をいたしているケースもございますし、また、そういった場合以外に、現実に御指摘の温排水によりまして漁業に影響があるということがはっきりいたしました場合には、設置者である電力会社自身が補償を行なうというふうなケースもございます。御指摘の地点につきまして現実に被害がある、かように立証されました場合の方法につきましては、いずれかに相なるかと思いますが、これはまだ現地の状況に即しての問題でございまして、どちらになるということは未確定な状況と判断いたしております。
#53
○辻原委員 私の時間がございませんので、最後にいまの問題を含めて、これはどちらからお答えを願ったらよろしいかわかりませんが、いまの漁業権の問題、それから自然公園としての、国立公園としての関心、恩恵にあずかっている地域は、必ずしも当該設置される公共団体だけではありません。この地点で申しますと、設置を予定している那智勝浦町、それからいま一つの地点である荒船地区を含む古座町、それから漁業の関係については、むしろ太地町が深い関係が出てまいるでありましょう。さらにまた観光、いま言った自然公園というようなことからいきますならば、この付近町村がやはり重大な関心を持っておるわけであります。だから私は、この問題の扱いについて、ただ単に設置する当該町村とのみの話では、これは問題が非常に大きいと思うのであります。したがって、これらの問題の話し合いということは、設置する場所といなとにかかわらず、やはり関係を持つ市町村と十分な話し合いを遂げるということが最も必要ではないか、こう思うのでありますが、最近の広域行政のたてまえから見ましても、当然そうあるべきだと私は考えているのです。それを現行法律や、あるいは行政区域ということでぶった切って、ここへつくるんだからここの町とだけで話し合いをすればいいんだという、そういう単純な考えをもし国が持っているとすれば、これはとんでもない誤りだと思いますので、そういう点についての扱い、そういう点についての方法論、お考えがあればこの機会に承っておきたいと思います。
#54
○長橋政府委員 御指摘のような問題、まさにあるわけでございまして、本件のような場合には、その関係市町村の上に立ちます和歌山県当局と、通産省の立場といたしましても、必要に応じて十分に協議をいたしてまいりたい、かように考えております。
#55
○辻原委員 私の言いましたのは、和歌山県だけじゃなくて、そういうような当該町村を含む関連のある町村、公共団体との話し合いということを意味しておるのであります。
#56
○小宮山政府委員 お答えいたします。
 もちろん先生のおっしゃるとおり、いま自然公園法の問題の中でまず認可されることが一番重要でございますこと、また、会社側が設立するような場合には、和歌山県はもちろん、その周辺の市町村にも了解を得る必要があるかと思います。
#57
○辻原委員 それじゃ、時間がございませんので、残念でありますが、また別の機会をかりまして、少し具体的に議論をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#58
○八田委員長 横山利秋君。
#59
○横山委員 時間の関係で、そのものずばりの御質問をいたしますが、十一月十九日、本委員会におきまして私は特恵関税について質問をいたしました。その焦点としましたのは中国の問題であります。宮澤通産大臣は、これに対しましてこういう意見を言いました。
  〔委員長退席、進藤委員長代理着席〕
「特恵関税は、原則として発展途上国、いわば発展段階のおそい国に対して先方の希望によって与えるものでありますが、大陸中国自身が、みずからそのような国として考えておるのか、そういう希望を持っておるのかということについて、今日私ども何らのインディケーションを持っていないわけでございます。ただ事実問題といたしましては、わが国の考えております特恵のスキームは、生糸でありますとか絹織物でありますとかいうものは、別の事情もあって完全例外にいたしておりますし、また従来、たとえばケネディラウンドによるところの関税譲許等も、事実問題として中国も均てんしてきたというような場合もございますので、かりに先方から特恵の供与を受けたいというような意思表示がございませんでも――今日までのところないと思いますが、事実上、問題はかなりの程度に解決ができるのではないだろうか、そういうふうな考え方をいたしております。」、つまり私の質問に対しまして、中国についての特恵関税について、きわめて前向きな態度を示したのであります。これに対しまして、十二月七日のサソケイ新聞をここで引用いたしますと、大蔵省の方針としては「中国に対しては1中国は発展途上国かどうか疑問がある2中国は国連貿易開発会議に加盟していない3中国に特恵を供与すると、ほかの発展途上国から、「輸出競争で中国にかなわない」という不満が出るなどの理由で特恵は供与しない方針を固めた。中国への特恵供与については宮澤通産相が国会で前向きに検討すると語り大蔵省の方針と食い違っているため、今後論議を呼ぼう。」という解説がついておるわけであります。この事実、つまり国会で大臣が答弁されたことについては、これは事実は当然でありますが、大蔵省が中国に特恵供与をしないということを固めた、きめたということは事実でありますか。まず大蔵省側から伺います。
#60
○平井説明員 お答え申し上げます。
 新聞報道は必ずしも正確でございませんので、その御説明をかねて答弁さしていただきますが、大蔵省が考え方をきめたと申し上げますのではございませんので、現在のわが国の特恵スキームというものがどのような前提でつくられているかということを見ますと、先ほど先生の御引用になりましたように、現在の特恵スキームは国連貿易開発会議のメンバーの中で挙手原則に基づいて開発途上国に対して適用するというのが基本的な考え方としてつくられております。したがいまして、そういう意味で中共は対象国として予定されていないということでございます。ただし、この問題につきましては、いろいろ政治的な問題もございましょうし、最終的な政府の態度というものが確定しているということではございません。
#61
○横山委員 通産省に伺いますが、きょうは大臣がいらっしゃらないのでありますが、大臣のお答えになったことについては、もちろん通産省は責任をもってなさると考えてよろしゅうございますね。
#62
○原田政府委員 中共に特恵をやれる態勢にあるかどうかということは、先般大臣がおっしゃいました趣旨も体しまして、現在、各省間で技術的な問題その他を詰めている最中でございます。現在の段階、まだ決定しておらないことは、ただいま大蔵省の担当官から御説明のあったとおりでありますが、私ども、いまの段階では、均てんということばの意味でございますが、ケネディラウンドの関税引き下げを均てんをしたというのと同じような意味において、技術的にこれを他の国、つまり当然国連貿易開発会議の原則から適用になるであろうと思われます国以外の国に均てんできるかどうかという点についてかなり困難がある。この困難をいかにして解決できるであろうかという点を現在検討している段階でございます。
#63
○横山委員 大蔵省に伺いますが、まだきまってはいないとこう言いながら、法理論を若干展開していらっしゃるのでありますけれども、少なくとも通産大臣が言っておりますように、問題はかなりの程度に解決できるのではないだろうかということは、私も推測ではありますが、特恵関税と中国問題については、淡々として、これは努力をいたします、またかなりそうなるという確信をもってここでお答えになったのでありますが、大蔵省はむしろ、法理論的にも、また政治的にも、うしろ向きの感じをどうも免れがたいと思うのでありますが、その点はいかがですか。
#64
○平井説明員 私どもが申し上げましたのは、大蔵省の現在考えているスキームということではございませんので、各省が共同いたしましてつくり上げましたスキームは、先ほど申し上げましたように、国連貿易開発会議の加盟国であって、それについて挙手原則に従って開発途上国に適用する、こういうことになっているわけでございまして、そういう意味におきましては、現在スキームの考え方は、政府としての一応の考え方を示しているものであるというように考えておりまして、特に大蔵省がそういうものであるというわけではないわけでございます。
 なお、均てん措置というものを、特恵適用そのものではなくして、特恵の適用とは別に異なった措置によってこれを実施するという問題でございますれば、それは別の問題として検討しなければならないことではあろうと思います。ただし、その場合におきましても、先ほど通産省からお答えがございましたように、技術的に非常にむずかしい問題があるということも事実でございます。
#65
○横山委員 均てん措置ということと、法律上特恵関税を適用する国、中国としての二つの問題があると思うのであります。ずばりと言えば、私は中国も特恵関税を適用する国にしろ、それが一番問題がはっきりする。均てん措置というのは、いま言われたように、法律上実は非常にむずかしい点があるということになってまいりますと、通産大臣が言われたようなことがだんだん大蔵省に引っぱられて後退してしまう、あるかないかわからなくなってしまうということを、たいへんおそれるわけでありますが、通産省の御意見はどうですか。
#66
○原田政府委員 現在、国連貿易開発会議の場所で供与が決定されました一般特恵というスキームは、いままでの既存特恵、逆特恵などと離れて、先進国が発展途上国にその経済発展のために供与を約束をしたスキームでございます。その場合の原則が、自己選択の原則または挙手原則、手をあげるというような意味での挙手原則というようなことでいわれることに決定を見たわけでございます。また、その範囲が、国連貿易開発会議に属する発展途上国に供与をするというような形できまってしまっておるというような現実もございます。御指摘の中国につきましては、この自己選択ないし挙手というシステムにいかにマッチできるような仕組みができるであろうか、あるいはまた国連貿易開発会議のメンバーでないといったような点について、これをいかに解決をすべきかというような問題がわれわれに残されているわけでございまして、これらの点を解決しようということで進んでいるわけでございまして、私どもは決して、うしろ向き、あるいは特に前向きということではなく、貿易はいずれの国とも拡大をしたいという従来の方針に従って進んでいるつもりでございます。
#67
○横山委員 政務次官に御意見を伺いますが、この中国の特恵の問題は、いまや、単に特恵を供与する発展途上国としての中国と見るか見ないかということよりも、先般、私が申し上げましたように、いまや中国問題は世界の重大な問題となっている。この政治的視野を離れて、法理論や技術的な議論ではとても議論をしてはならぬ問題であると思っています。予算委員会やあるいは本会議でもずいぶん中国問題は議論されました。いまここに中国に特恵適用をしないということになりますれば、今日の中国対日本、この関係がさらに悪化するであろうことは、もう火を見るよりも明らかなことであります。いまや中国問題は、一九七〇年代における最も重要な日本の外交姿勢の問題となっておる。こういうときに、特恵の問題がなければまだいいけれども、特恵が来年四月から適用されるにおいて中国がはずされるということになるならば、外交問題としてさらに中国問題は悪化する。また経済問題、中国との貿易上においても、大きな犠牲を国内産業においても強いることになる。
 しかもこの特恵問題は、私がずばり言えば、結局は、中国をはずしたならば、中国との競合国になっております台湾と南朝鮮に大きな利益をもたらす。中国には大きな損害をもたらす。それは単に中国ばかりでなくて、中国と貿易をしている国内の産業、中小企業に大きな被害をもたらす、こういうことでありますから、政治的判断抜きにして特恵問題は議論ができない。この間、大臣に私が申し上げたのもそういう意味であります。だから法理論やあるいは技術的問題以上に、高い政治的判断で中国の特恵問題は取り組まなければならないのだ、こういうように申し上げ、大臣もおそらくそういう趣旨として御理解をなさって、そして前向きに問題はかなりの程度に解決ができるのではないだろうかと考えておる――ということは、自分のなべにもう用意をされておって、努力するとかなんとかいうことを言ってないのですよ。私は努力するなんということを言ってないのです。かなりの程度に解決ができる、こういうふうにさらっと言いのけているわけです。いまの大蔵省や通産省の局長クラスの話と違った、政治的な高い次元において御答弁を願いたい。
#68
○小宮山政府委員 確かに、横山先生のおっしゃるような意見もございますことは、われわれ存じ上げておりますし、また法理論的な問題で、やはり申し出た国に特恵を供与するという原則もございます。その問題については、大臣の発言がありますので、今後、慎重に検討してこの問題を解決さしていただきたい。
#69
○横山委員 慎重とはおかしいですよ。私の言うことがおわかりになるならば、積極的にと言うならばわかりますが、慎重というのは法律用語、常識用語、政治用語で、いうならば、うしろ向きということに通ずるのですから、もしも私の解釈が間違っているならば言い直していただきたい。
#70
○小宮山政府委員 慎重というのは、非常に政治的配慮その他も入らなければいけないという意味で、前向きでもございます。
#71
○横山委員 それでは政務次官、何か御用事がございましたら、どうぞ……。
 あわせてケネディラウンドの関税についてお伺いしますが、生糸について大臣も言及しておりますが、「わが国の考えております特恵のスキームは、生糸でありますとか絹織物でありますとかいうものは、別の事情もあって完全例外にいたしておりますし、」というようなことを言っています。「また従来、たとえばケネディラウンドによるところの関税譲許等も、事実問題として中国も均てんしてきた」ということになっておるのでありますが、来年四月から生糸についてたいへん変わってくる。それで、いま私の調査したところによりますと、生糸は日本の最近の総消費量は約四十万俵、国内の養蚕が三十四、五万俵、その差は六万俵。昨年まで、中国が二万俵、韓国が二万俵、本年に入りまして韓国が三万俵ということになっていると聞いておるわけであります。政府は国産保護の立場から、中国は安いからKRの税率を適用しない、そして韓国から輸入をする、最近こういうふうになっておるようでありまして、すでに本年の推測は三万俵に達しておるといわれる。この点については、やはり実情と、大臣のお話や、あるいは大蔵委員会で中川政府委員が言った前向きとも違っておるような気がするわけでありますが、この点はどうお考えでありますか。
#72
○平井説明員 ケネディラウンドの中共均てんの問題に関連しての御質問と存じますので、そういう観点からお答えいたしたいと思いますが、御承知のように、ケネディラウンドに基づきます関税の引き下げにつきましては、わが国の産業保護上支障のないものについてはできるだけ均てん措置をとるという原則のもとに政府は進んでまいりまして、四十三年からの四十五年度の改正におきまして、三百九十三品目の格差を解消いたしました。ただ、その過程におきましていろいろ検討いたしました結果、国内産業保護上どうしても困難があると思われます二十六品目について、現在まで格差の残った形があるわけでございます。四十六年度の関税改正につきましても、基本的には同様な方針をとりまして、新たに四十四年に中共から輸入実績の生じました二十七品目の中で、従来の品目との関連もあって格差解消の困難な三品目を除きまして、二十四品目を新規に追加いたすことといたしております。さらに、先ほど申し上げました二十六品目の中で、その後の国内の生産情勢の変化等によりまして、格差の解消の可能となりました七品目につきましては、これに追加して解消をはかるということにいたしております。このように、政府の姿勢といたしましても、国内生産の保護上支障のない限りは、中央均てん措置を促進するという体制で進んでまいったわけでございます。
 ただ、ただいま御指摘の生糸につきましては、国内の生産価格と中共産品との生産価格の格差というものは、増大の傾向こそあれ、従来に比して格差が縮まるというような形になかなかなっておりません。もちろん正確な比較はむずかしいわけでございますが、大勢としてはそういう体制が続いておりますので、いろいろ関係省とも協議いたしましたけれども、残念ながら格差の解消は今年も困難であるという事態に達しておるわけであります。
#73
○横山委員 どういうことなんでしょうかね。つまり結果として、韓国からの生糸は高いからいい、中国から入ってくるのは安いから国内産業保護上困る、こういう意味ですか、簡単にしぼって覆いますと。
#74
○平井説明員 お答えいたします。
 中共からの生糸、たとえば二十一中について例をとりますと、国内産品との間の格差が二四、五%に達するであろうというような状況でございまして、韓国産品と国内産品との間にも若干の格差はございますけれども、このような非常に大きな格差にはなっておらぬわけでございます。したがいまして、このような中共産品に関税上の均てん措置をとりました場合に、国内の生糸生産者に対して相当に影響を与えるであろうということは予想されるわけでございまして、そのような観点から、残念ながら今年度も格差解消をはかり得なかったということでございます。
#75
○横山委員 いまのお話は、私が要約したように、韓国のは高いから買ってもいい、中国のは安いから買えないのだ、こういう理論のようですね。私は、それが国内産業オンリーという立場から考えるならば、これはまあある程度はわかる。けれども、これを消費者が聞いた場合には、おかしな話だなということを考えることは当然なことでありますね。ただ単純に、高いから韓国のを買うのだよ、安いから中国のは買わないのだよということが、世間にそのまますなおに通る話であるかどうかということに疑問を生ずるのが一つであります。
 それからもう一つは、私の調査したところによりますと、韓国のは価格の波動が非常に大きいように思います。一九六六年五千百三十五円、一九六七年五千九百六十二円、一九六八年六千五百二円、一九六九年五千六百三十五円。中国のは同じ年次でいきますと、四千七百七円、五千六十六円、五千五百八十一円、五千三百八十六円と、まずまず安定をしているように思います。これはたしか政府が発表した数字ですよ。なぜ韓国がこんなに波動が起こるのだろうか。それは韓国自身が貿易政策をやっておって、そして操作をしておる。中国の場合には、そういう一貫した一つの方針があるということでありますから、韓国のが高いから韓国のを買うというのも、高ければ高いほど、韓国をもうけさせればもうけさせるほどいいという理屈になってしまう。しかもこの数字は、たしか政府が発表した数字だと記憶しておるのでありますが、この数字の使い方にも私は問題があると思っておるわけであります。そういう点からいって、これは少し考え直すべきことじゃなかろうか。この間の政府の答弁を見ますと、中国側は将来日本における養蚕に大きな対抗力を持って脅威である、というような発言が中に見られました。しかし韓国はいま大増産をしておるわけですね。そういう理論ならば、むしろ韓国のほうが大きな脅威となるのではないか、こういうことも言い得られるのであります。どちらから考えましても、この問題については、大臣も中川政府委員も、前向きにという答弁をしておるにかかわらず、事実問題として政府側の措置にきわめて不可解な――私はあえて言いますけれども、不可解な感じを免れがたい、国民、庶民を説得する理由が非常に乏しい、こういうように思うのでありますが、もう一ぺんひとつ意見を聞かしてもらいたい。
#76
○平井説明員 お答え申し上げます。
 韓国等における生産事情等、あるいは中共の生産事情等につきましては、先生のほうが特によく御承知でございますので、蛇足を加えることはないと思いますが、何と申しましても、生産総量等から申しますれば中共のほうが圧倒的に多いわけでございまして、そういう意味におきまして、かりにそういう均てん措置をとりました場合に、影響を及ぼすところの大きさというのは相当のものが考えられないわけではございません。ただ、その輸入量をどうするかという問題につきましては、私ども直接の所管ではございませんので、お答えはむずかしいわけでございますが、ただ生糸につきまして、先ほどの通産大臣答弁にございますのは、生糸、絹織物については、わが国の特恵スキームにおきまして、特恵自体からも除外いたしておるわけでございます。このことは、現在、韓国等から入っておりますものにつきまして、さらに特恵によりまして、関税率をゼロにするとか、あるいは五〇%カットにするということになりますれば、価格的にわが国の生糸生産者がますます対抗できなくなるわけでございます。そういう意味で、むしろ韓国等についても特恵適用から除外するという考え方をとっておるわけでございますから、そういう意味におきましては、考え方としては、むしろこの問題に関する限りは、前向きに韓国等について適用しているのではないということを御了解いただきたいと思います。
#77
○横山委員 日本の生産は政府が強力な政策を展開しておるにかかわらず、増産は期待すべくもないし、それから消費量は年々歳々のぼっていくし、こういうような状況のもとで、韓国と中国との問題について、片一方を年間二万俵を三万俵にふやし、片一方は税率格差のままほっておくというようなことについては、あなたは御答弁なかったけれども、単に国内産業保護ということだけでは、私は首肯し切れないものがあると思います。
 きょうは大臣も御出席になっておりませんから、この問題について政府側の御答弁は私は納得できませんけれども、しかし、まあ押し問答をあなた方としておってもしかたがございません。機会をあらためて、通産大臣なり農林大臣なりに、高い次元からひとつ判断を迫ることにいたしまして、私の質問を終わることにいたします。
#78
○進藤委員長代理 午後二時三十分から委員会を再開することとし、この際休憩いたします。
  午後零時十分休憩
     ――――◇―――――
  午後二時三十三分開議
#79
○八田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。近江巳記夫君。
#80
○近江委員 本日は限られた時間でもございまするし、日中問題の中でも貿易面についてきょうはお聞きしたいと思っております。
  〔委員長退席、橋口委員長代理着席〕
御承知のように、国連におきますアルバニヤ案をめぐりまして、世界各国のそうした動きを見ましても、中国をめぐる動きというものは非常に目ざましいものがあるわけでございます。この間からの各議員の質問等に対する総理のお答え等を見ましても、対中国政策というのはなかなかがんとして動かない、こうした感じを持っておるわけでございますが、私は、一番前向きに取っかかりやすい問題はやはり貿易面ではないか、このように思うわけです。世界各国のそうした動きを見るにつけましても、わが国としてもここらで姿勢の転換をする必要があるのじゃないか、このように思うわけでございます。
 そこで、最近の国際情勢をめぐるそうした動きを勘案いたしまして、今後の日中貿易の展望でございますが、まず概括的にお考えをお聞きしたいと思います。局長ないし政務次官にお願いしたいと思います。
#81
○佐々木説明員 ただいまの御質問の、日中貿易に対する展望という大きな御質問でございますが、申し上げるまでもなく、わが国といたしましては、貿易振興の見地から、いかなる国に対しましても貿易を大いに振興するという立場を従来からとっておるわけであります。特に中共につきましては、地理的にも非常に近く、また歴史的にも非常に長い密接な関係にございます。さらにまた、将来の輸出市場という観点からいたしましても、将来性も非常に大きな市場でございます。したがいまして、政府といたしましては、今後とも日中貿易の拡大につきましては、イデオロギーとかそういったことにとらわれず大いに拡大をはかって、前向きに貿易の拡大をはかってまいりたい、かように考えております。
#82
○近江委員 今後前向きに考えていきたい、これはもう、いつの質問のときにも政府がお答えになる答弁であると思います。
 そこで私は、特にこの覚書貿易についてまず初めにお聞きしたいと思うのですが、この日中をつなぐ唯一のパイプとして細々とつながっておる、この関係者の皆さんの御努力は確かにたいへんだったと思いますが、いよいよことしも年末になってまいりました。もう来年になれば、すぐにまた交渉が始まってくるわけでございます。しかしながら、この覚書貿易の状態を見ますと、非常に横ばいないし下降ぎみである。こういう状態を見まして、何としてもやはりこの覚書貿易のこうした線をさらに拡大をしていかなければいけないのではないか、このように思うわけであります。いろいろと政府も苦慮されておることと思うわけでございますが、これが横ばいないし下降ぎみであるというそのネックはどこにあるか。まずこの点からお聞きしたいと思います。
#83
○佐々木説明員 ただいま先生の御指摘のとおり、覚書貿易につきましては、日中貿易の一つの大きな柱といたしまして、従来から、この推進協力につきましては、政府として極力努力してまいったのでありますが、ただいま御質問にございましたように、覚書貿易が最近比重が非常に低下してきた、その原因いかんという御質問でございますけれども、私どもまず第一に、覚書貿易はいわゆる窓口一本化による計画的な取引でありまして、したがって事実上品目が限定されざるを得ないということが一つの理由かと思います。またもう一つは、覚書貿易の性格上からいたしまして、当初から相当大規模な取引といいますか、たとえば輸入につきましては、専売品であります塩とか、あるいは輸出につきましては鉄鋼とか化学肥料とか、大口の取引のものに限定されておるというような性格がございます。もう一つ第三番目は、覚書貿易につきましては、やはり輸出入の総合バランスを考えるというような制約もあろうかと存じます。それに対しまして、いわゆる友好貿易につきましては、比較的新規製品の取引も可能でありまして、その面から友好貿易の貿易量は比較的新規開拓が可能である、かような関係から、覚書貿易の相対的な比重が現在残念ながら低下いたしております。
#84
○近江委員 総額の点からいけばいま若干上がっておるということは、政府としては御説明のたびに言われるわけでございます。この覚書貿易自体が非常に横ばいないし下降ぎみである、こういうネックについていまお話しになったわけでございますが、ここで私も、今度は内容に入って一、二点お聞きしたいと思うのですが、一つは輸銀の使用につきまして、従来までケース・バイ・ケースということがいつも言われたわけです。ところが、実際ケース・パイ・ケースというそのケースになるのは一つもないわけです。それから、最近、そういう申し込みすらもう全然ない、皆無の状態であるということを聞いております。したがって、業界も国民の皆さん全部も、要するに政府はケース・バイ・ケースなんて言っているけれども、それはうそだ、そんなものは申し込んだってだめなんだ。私ははっきりとした姿が出ておると思うのです。この点、政府としてケース・バイ・ケースということをおっしゃっておりますけれども、そういうことばだけで、実際上内容は何にもないわけです。こういう態度をいつまで続けるかということなんです。いま情勢というのはこのように変わってきているわけでございますから、それについてはどう思われますか。
#85
○小宮山政府委員 先生から、政府はケース・バイ・ケースだという前からのお答え――私も当委員会で、輸銀の使用については原則的には認めるのだ、しかし、ケース・バイ・ケースでものを考えるというお答えをしたと思います。輸銀の使用については、従来から、具体的な問題が起こったときにその事情を勘案をしてきめるべきだろうということが政府の見解でございますので、そのとおりにやらせていただきたいと思います。
#86
○近江委員 相も変わらぬ御答弁と思います。しかし、ほんとうに真剣に今後も日中貿易の拡大を望まれる以上は――西欧諸国はすでにそうした体制をとっているわけです。そういう点において、わが国としても、そういうことばだけではなくして、実際に取り組む姿勢がなきゃいけないのじゃないか、私はこのように思います。まあ、きょうは大臣も来ておられませんし、政務次官もお答えになったわけでありますから、最高の政務次官がお答えになったわけですから、この問題についてはこれでおきますけれども、政府部内としてもよく検討していただきたいと思うのです。
 それから、ココム規制緩和につきまして、政府としても前向きにやっていきたいということを前に答弁されたわけですが、この問題についてはその後どのような進展があったわけですか。
#87
○佐々木説明員 ただいまのココムの問題でありますが、政府といたしましては、申し上げるまでもなく、共産圏貿易の拡大のためには大いに努力する必要があるのでありまして、そのため従来から、ココムの規制の緩和につきまして逐次実施をいたしております。今後とも、いろいろな製品の技術等の進歩に伴いまして、規制の緩和につきましてはさらに一そうの努力が可能であろうかと考えておるわけであります。
#88
○近江委員 非常に抽象的にお答えになったわけでございますが、じゃ具体的に、その後追加としてはこういうことを検討しておるということがあれば、ここで御答弁願いたいと思うのです。
#89
○佐々木説明員 若干こまかくなりますけれども、具体的に申し上げますと、三十四年四月以降、ほぼ毎年一回もしくは二回、数品目ずつココムの品目を緩和いたしております。最近におきましては、昨年の十一月に改正いたしまして、照射線量計、酸化ベリリウム磁器電子管等々、三十品目を緩和いたしました。なおそのほかに、磁性材料、ガラス繊維等十品目につきまして一部の緩和を実施した次第でございます。
#90
○近江委員 それは私も聞いておるのですが、この新しい展開の時期を迎えて、今後こういう項目について追加をしてみたい――ここで明言できないにしても、やはり部内でいろいろ検討なさっておると思うのです。その概要についてお聞きしたいと思うのです。
#91
○佐々木説明員 現在、具体的に申し上げられる品目はございませんけれども、現在検討中でありまして、おそらく来年中にはなお数品目が可能であろうかと思います。
#92
○近江委員 最後まで隠しておられると私は思いませんけれども、もう一歩、こういう辺のところを考えておるということは言えないですか。どうですか。
#93
○佐々木説明員 ただいま慎重検討中でありまして、まだ具体的には申し上げられる段階でございません。
#94
○近江委員 これ以上言うと、言ってもなかなか答えがむずかしいと思いますし、次にいきたいと思います。
 日中貿易を見ますと、日中間における輸出入量のそういうギャップというものが非常に目立つわけですが、どうしても今後これを拡大していこうと思うならば、当然、輸入というものについて今後拡大をしていかなければいけない。それについてなぜこのような大きなギャップがあるか、またそのネックは一体何であるか、また将来拡大を考えていくのにこういう項目を考えておる、そうした点についてお聞きしたいと思います。
#95
○佐々木説明員 御指摘のように、日中間の貿易につきましては非常な輸出入のギャップがございます。その理由といたしましては、一つには、中共からの輸入物資が主として農産物あるいは鉄産物でございます関係から、一つには価格が非常に割り高で、いわゆる商業採算ベースに乗らない。たとえば大豆とか雑豆でございますが、そういったものが一つの理由であります。それと第二の理由といたしましては、中共の現在の政治経済の状況からいたしまして、特定商品について輸出余力が非常に乏しい、たとえば鉄鉱石、石炭あるいはトウモロコシ等々でございます。それと第三番目といたしましては、わが国の事情から輸入を必要としなくなった、たとえば米でありますが、そういった以上のような理由から、最近特に出超といいますか、輸出入のアンバランスが大きくなっている次第であります。しかし、今後におきましては、文化大革命の終息とか、あるいはいろいろな政治経済上の緊張緩和等の情勢の好転もございますから、今後、以上申し上げた幾つかの特殊事情は次第に緩和される、かように考えておる次第でございます。
#96
○近江委員 今後そうした輸入品目についても拡大が期待できるというようなお話でございます。具体的にお聞きしたいと思うのですが、わが国の場合非常にこの食肉というものが不足をしておるわけです。農林省もその点については非常に力を入れていらっしゃる。確かに国内の飼育が三百万頭近くまでなってきたということも私も聞いておりますが、しかし絶対量が不足しておる。そうなってまいりますと、当然この中国においては、そうした食肉というものが非常に豊富にあるわけでありますし、非常に近いというようなこともあります。従来まで口蹄疫等の問題があってストップになっておった、こういうことはわかるわけですが、しかし、いままで第一次、第二次、第三次田中調査団の報告を見ましても、そういう口蹄疫の心配はもうほとんどないというような報告にもなっておる。それにもかかわらず、政府としてはこういう食肉の輸入等についてもなかなか踏み切らない。一体その原因というのは何であるか、まずお聞きしたいと思うのです。
#97
○増田政府委員 わが国の食肉の需給事情から考えまして、将来にわたってかなりの量を海外に依存せざるを得ない、かように考えているわけでございます。そういう意味で、貿易の輸入先をできるだけ前広にするということにつきましては、政策としてもそういう方向で検討すべきものであるというふうに考えているわけでございまして、そういう一環として中国の問題が考えられたわけでございます。しかしながら、先生すでに御承知のとおり、中国は口蹄疫その他の汚染した地域であるということに、いまだ国際的にそういうほうで認められているわけでございます。
 それで、先生御指摘のとおり、第一次から第三次までの調査団が派遣されたわけでございますけれども、必ずしも、中国が口蹄疫その他の悪性伝染病について汚染されていないという確証というものが得られなかったというのが実態でございます。御承知のとおり、わが国は超高密度社会でございますし、口蹄疫の処女地帯でございますので、そういうものが一たび入ってまいりますれば、一般の公害同様、日本の畜産は壊滅的な打撃を受ける可能性というものがあるわけでございますので、農林省といたしましては、この問題には慎重の上にも慎重を期している、こういう考え方でいるわけでございます。
#98
○近江委員 この田中調査団の報告を見ましても、こういう報告もしているわけですよ。「口蹄疫は一九六二年の発生を最後として現在もう発生がないものと判断をすべきであろう。屠場における衛生管理と品質管理は中国独特ともいうべきもので、まず理想的に行なわれている」。これは農林省からいただいた資料でございますから、あなたも全部御承知のとおりでございますが、そうした報告等を見ましたときに、権威を持っている農林省としても、これだけの調査団を三次にわたって派遣されている。それがやはりこういう明確な報告書も出しておるわけです。それにもかかわらず、まあその辺が非常に心配である。だれだって、私も国民の一人として、そういう口蹄疫が入ってくればこれは心配でもありますし、慎重の上にも慎重を期してもらわなければならぬわけでありますが、しかしながら、調査団の報告でも、もう心配がないという、こうした明言までしておるわけですよ。にもかかわらず農林省が一歩も進まないという状態は、一体どういうことであるかということなんです。悪く言えば、それを口実としてこれはもうやらないのだ。いつまでもそれを一点の疑問、そういう心配、不安というものを残して、それをたてにして、理由にしてやる気がないのだ、だからいつまでもそれを言っているのだ、悪く言えばそういう意味にもとられるわけであります。
 そこで、それだけ心配であるなら、なぜ第四次、第五次、あるいは形を変えたそうした調査団のようなもの、そうしたものを繰り出さないか。もっとそこらのところは煮詰めていかなければ――少なくとも向こうでは権威ある調査もやってきているわけですよ。いつまでもそういう膠着状態でいいかどうかという問題なのです。それについてはどのようにお考えでございますか。
#99
○増田政府委員 先生御承知のとおり、田中報告につきましては、日本の獣医学会において慎重に検討いたしました結果、五つの疑問点がある、そういうことについて中国側の情報を得たい、こういうことで、自来今日まで問題の解決を見ない形になってきているわけでございます。御承知のとおり、この五つの問題が科学的に検討されますれば、当然そこにある決断というものが出てくるわけでございますが、そういう報告が十分得られていない。したがって、現在、国際獣医事務局というものがパリにございますが、そこで出します年報におきましても、中国につきましては、現在の段階では口蹄疫の汚染地域であるという判断をしているわけでございますので、日本だけがそういう判断をしているわけではないわけでございます。しかしながら、この問題を解決していくために、さらに第四次、第五次の調査団を出すべきではないかという御指摘があったわけでございます。はたして、いま直ちに第四次、第五次の調査団を出し、またそれを受け入れるだけの体制なり客観情勢があるかどうかということになりますと、いろいろ問題があろうかと思いますけれども、問題を解決するために、技術者間の技術交流あるいは話し合い、そういうものを通じてわれわれのお互いの理解を通じ合って、その積み重ねの上にこの問題を重ねていく、そういう努力をしていくべきではないか、そういうことをいま検討をいたしているわけでございます。
#100
○近江委員 従来よりも一歩前進した答弁であったと私は思います。今後そうした技術的な交流等を通じて、その調査団にかわるべきそうしたことを検討していくというお答えでございました。それは早急に実施されるわけですか。
#101
○増田政府委員 昨年度もある団体を通じまして、中国にそういう呼びかけをいたしたわけでございますが、残念ながら実現を見なかったという事実がございます。そういう事実は、いろいろ向こう側にも事情がおありだと思います。まあ、そういったところを解きほぐしながら、両方で今後根気よく続けていく問題ではなかろうかと思っております。
#102
○近江委員 それから、いま特恵関税の問題が非常に大きな問題としてまた浮かび上がってきておるわけでございまして、この発展途上国には特恵関税を適用するということになっておるわけでございますが、この対中国貿易については、従来までの答弁ですと、弾力的に考えるとか、そういうような答弁があったわけでありますが、この特恵関税について、日中間においてはどのようにお考えでございますか。
#103
○佐々木説明員 特恵関税につきましては、先生御承知のように、発展途上国のうちでそれを受けたいというような申し出のあった国に対しまして、原則としてその特恵を与えるというような原則になっております。したがいまして、わが国といたしましては、受益国の範囲をどうするかということにつきましては、今後なお諸般の状況を見まして慎重に検討をしております段階でございます。したがいまして、最終的に現在まだ受益国の範囲につきましてはきまっておりません。今後の国際的な動向を見て決定をしたい、かように考えております。
#104
○近江委員 申し入れがあって初めて考えるんだ、こういうお話でございますが、やはり中国の考え方というものは、従来の考えからしますと、はたして申し込んでくるかどうかということは、これは疑問になるわけです。そういうような状態を見ておって、ただ申し込みがないからこれはだめなんだというような考え方であれば、私は一歩も前進しないと思うのですが、この点、たとえ申し込みがないにしたって、このことについては真剣に考えていくのかどうか、その点を重ねてひとつお聞きしたいと思います。
#105
○小宮山政府委員 申し出があるということが原則でございます。で、申し出があるかないかということは、これは先のことでございますからわかりませんけれども、わが国としては、最終的に決定するということは、いろいろな情勢また国際的な動向を検討した上で、慎重にその態度をきめたいということでございます。
#106
○近江委員 非常に抽象的な御答弁でございますが、しかし、この問題はきわめて、今後の日中貿易におけるかなめじゃないかと私は思うのです。この点ほんとうに真剣に政府としては検討していただきたい、私はこのように思うのです。
 いま政務次官がお答えになったあとでございますけれども、局長に重ねて政府部内の、もう少しこまかい点に至るまで、お考えをひとつお聞きしたいと思います。
#107
○佐々木説明員 ただいま次官から申し上げましたとおり、私ども事務当局といたしまして、関係各省とも十二分に協議いたしまして慎重にその結論を出してまいりたいと、かように考えます。
#108
○近江委員 周四原則というものが非常にきびしい条件でありまして、そうした点で、企業も非常に大きな動揺を来たしておるわけでありますが、しかし、今後の国際情勢のそうした推移を見まして、ますます日中貿易のウエートというものは高くなってくる。そうした点、政府の対中国政策というものはまだ定まっておらないという点が一番私はいろんな点に影響を与えておるんじゃないか、したがって、根本的にこの中国政策というものを政府は確立すべきであるし、また、この商工委員会としても、特に強く望みたいのは、この貿易についてはっきり原則的なものを確立をすべきじゃないか、そうでなければ、あやふやな五里霧中の中をいろいろと手さぐりをしながら進んでおる、そういう感がするわけであります。
 そこで、年末でいよいよ日中覚書貿易が切れるわけでありますけれども、いよいよ来年度交渉に入るわけでありますが、それについて、政府としてはどういう腹がまえで来年度交渉に臨むか、その基本的な考えをまずお聞きしたい、このように思います。
#109
○佐々木説明員 ただいまの先生の御質問、二つあるかと思いますが、周四原則に対しましては、日中貿易が従来から民間ベースを主体にして行なわれておる関係から、政府といたしましては、周四原則に対しましては、民間の企業とか、あるいはその関係業界の自主的な判断にまかせるべきであろうと考えておるわけであります。特に干渉等はいたす必要はないと存ずる次第であります。
 それともう一点の覚書貿易の来年の問題でありますけれども、政府といたしましては、従来から、互恵平等あるいは相互の立場を尊重するというような原則のもとに、日中貿易の発展を期待しておる次第であります。特に覚書貿易につきましては、従来からの経緯にかんがみまして、日中間に存在する貴重な接触の機会でございますから、今後とも、この継続につきましては、できるだけの支援と協力を与える方針でございます。
#110
○近江委員 時間もありませんから終わりますが、西欧諸国も、対中国につきましては非常に積極的なアプローチをしておるわけです。アメリカだって、米系資本の海外にあるところを通じて、積極的なそういう貿易政策をとってきております。日本だけが、前向きでやりたいとはおっしゃりながら、依然として従来の線と変わっておらない。こういうことであれば、人口七億数千万のこれだけの巨大な市場について、大きく西欧諸国に差をつけられるのではないか。いまはなるほど日本はある程度抜いておるかもしれないけれども、この差をつけられるのはもう時間の問題ではないか、このように心配をしております。そういう点で、この中国問題については、根本的に政府の取り組む姿勢は世界じゅうで一番日本がおくれているのではないか、このことを一番心配しておるわけです。こういう点、今後真剣にこの中国問題については取り組んでいただきたいと思うのです。特に一九七〇年代の最大課題は何といっても中国問題であります。特にこの貿易を担当なさっておる通産省あるいは農林省、関係各省においては、特に真剣に今後の前進すべきそうした対策というものを立てていかなければいけない、このことを強く思うわけであります。その点につきまして、今後政府としても、いかようにこの日中貿易について取り組んでいかれるか、最後に政務次官に締めくくりの答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#111
○小宮山政府委員 中共とは、日本は歴史的、経済的にも非常に長い関係がございます。最近のカナダの中共承認、イタリアの中共承認というような、また国連での中共の地位というような問題、たいへん大きく関心を呼んでいるところでございますけれども、佐藤総理も、一九七〇年代の後半にはというような話もございます。私自身、これは一九七〇年代の大きな課題であると思うし、これは過去のいきさつを捨てて前向きに検討し、前進すべきであろうと考えております。
#112
○橋口委員長代理 松尾信人君。
#113
○松尾(信)委員 決算委員会でも取り上げられた問題でありますけれども、YS11、この点につきまして、きょうは事務当局としてのお答え、また今後のいろいろの構想につきましては政務次官の答えを聞きたい、このように思っている次第であります。これは簡単でけっこうでありますけれども、このYS11というものの開発決定というものの簡単なる経緯、それをお伺いいたします。
#114
○小宮山政府委員 松尾先生の御質問の前に、日本航空機製造の今回起こしました問題については、通産省当局としましてたいへん遺憾に存じておりますので、この点前もっておわび申しておきますけれども、あとの点については担当局長より御説明させます。
#115
○赤澤政府委員 わが国の航空機工業は、御承知かと思いまするが、七年間、製造等が禁止をされておりましたが、昭和二十七年になりまして、米軍機の特需修理というものを契機に再開をされたのでございます。その後、防衛庁機のライセンス生産ということで漸次国産化のほうに向かってきつつあったわけであります。当時、昭和三十年、三十一年ごろでございまするが、その当時の考え方といたしましては、日本の航空機工業は、特に戦前におきましては、ほかの先進国にも匹敵するような非常に高い技術レベルを持ち、また同時に、訓練された技術者あるいは工員等を持っておったわけであります。一方におきまして、こういったような、戦前において相当な技術レベルを持った航空機工業がある、それが防衛庁の飛行機だけに専念をするということでは適当ではないのではないか。特に、航空機工業の持っておりますところの、非常に精密、高度でかつ総合的な機械工業という特性を生かして、かつ今後膨大な需要が予想される民間機というものにこそ取り組むべきではあるまいか。こういうような事柄から、わが国においても、海外の諸国に匹敵するような優秀な民間航空機をつくり出して、国内の需要はもとより海外へもとれを輸出していくということによって、一方では国内の機械工業全体のレベルを高め、また一方では、そういった航空需要に応じて輸入しなければならぬ航空機というものを国産機でまかなう、こういうふうなことを考えるべきではあるまいかという政策的な判断のもとに、YS11というものの構想が生まれてきたわけでございます。
#116
○松尾(信)委員 次に、そのようないきさつということで事業が開始されるわけでありますけれども、いままでにどのくらいの金を入れてきたか、毎年の収支というものはどのような状態であったかということを簡略にお答え願います。
#117
○赤澤政府委員 航空機工業振興法に基づきまして、日本航空機製造株式会社というものが設立をされたわけでございますが、この日本航空機製造株式会社につきましては、そのうちの資本金の過半数であります四十二億円を政府が出資をいたしております。残りの出資は民間の出資でございます。その点が第一点。それから第二点といたしましては、日本航空機製造株式会社に対しまして、過去におきまして十億円の補助金を支出をいたしております。それからさらに第三点といたしまして、これは量産をいたすわけでございますが、この量産をいたしますにつきまして、政府がその金融につきまして保証をいたしております。いわゆる借り入れに対する政府保証であります。この三点が、従来までYS11につきまして政府の行ないました財政的な措置でございます。
#118
○松尾(信)委員 支出のほうはわかりましたが、今度は収支ですね。収支の点はいまお答えがありませんでしたので、その点をお願いします。
#119
○赤澤政府委員 収支につきましては、本年の三月末決算の段階におきまして、赤字といたしまして約七十六億円余を計上いたしております。今後、これが百八十機計画で現在進行いたしておりますが、現在、私どもが日本航空機製造から説明を聞いておるところによりますと、最終的にはなおこの赤字はさらに増加をするのではないかと予想されております。
#120
○松尾(信)委員 現在、累計七十六億余の赤字で、四十七年で最終になるわけでありますけれども、百億をこえるだろうということであります。このように量産体制に入った、それまでお金のかかることはよくわかります。しかし、もう相当量産に入りまして相当販売実績をあげておるわけでありますが、やはりそのような売り上げであんまり利益がないのか。量産体制に入り、現実に販売も相当進んでおりながら、このように赤字というものが毎年毎年繰り返されておる。また最終段階におきましても、そのいまの赤字というものがさらに増加していくというような見通しをいま言われたわけでありますけれども、そのようなことは一体どこにおもな原因があるのか、こういうことでありますが、いかがですか。
#121
○赤澤政府委員 私ども、日本航空機製造を監督しておる立場でございますが、基本的には、YS11と申しましても、途中の段階で実は改造いたしております。先ほど私が申し上げました十億円の政府の補助、これは改造のために必要な引き当てとして支出されたように私は記憶いたしておりますが、航空機と申しますのは、ある一定の限度まで以上製造いたしますとそのコストが下がってまいります。前の型のYS11につきまして、ちょうどコストが下がりかけたときに、また新しいA型という、これはいま売れておるYS11でありますが、それの開発をして、そこからまた新しくスタートしたというようなことも一つあったかと思います。
 もう一つ考えられますことは、資本金が当初五十五億円でスタートいたしましたが、この資本金につきましては、全額これを開発に充当いたしまして、いよいよ量産、販売を行なうという時期には、資本金としての販売資金というものが全く手元になかったというふうな状態でございます。したがいまして、こういったような、販売、営業活動に必要な資金と申しますものは、民間の航空機関係の各メーカーからの借り入れ、これは手形の融通等でございますが、そういったこと。さらには政府保証を受けて民間の金融機関から借り入れるというようなことであるわけでございます。こういったような、八%をこしますような比較的高金利を一方で払いながら、かつ内外の航空機需要からいたしまして、非常に熾烈な競争にさらされております。そういったことから、輸出につきましては六%、十年というような非常にシビアな条件で海外諸国の飛行機と太刀打ちをいたしますのみならず、その後引き続き起こりましたところのいわゆる人件費、材料費等の値上がりに対しまして、一方販売価格のほうは、いま申し上げましたような非常にシビアな海外との競争上、上げることができない、こういったような、いわゆる原価の差並びに金利の負担が、冒頭に申し上げましたような実態とも重なり合いまして、赤字が累積したものと承知をいたしております。
#122
○松尾(信)委員 そうしますと、他方、要するに製造による売り上げですね。それに対するいろいろの販売の経費等もございますけれども、売り上げ高八百二十九億、その売り上げ原価七百四十六億でありまして、非常にその差が少ないわけですね。過去のこの三十七年度から四十四年度までの累計でございますけれども。そのようにいたしまして、営業の利益というものがわずかに五千二百九十七万しかございません。他方、営業外の損益におきましては、八十六億の赤字であります。なお特別損益におきましては、これは、先ほどおっしゃいました十億の繰り入れ等を受けておりますので、若干ふえております。けれども、いずれにいたしましても、売り上げ高に対する売り上げ原価というものがほとんどすれすれであって、利益のマージンというものはない、こういうことをいま局長も答えられたわけでありますが、その点につきましては引き続き質問いたすことにしまして、次に移ってまいります。
 この赤字の原因というものは、やはりお互いよく反省してまいりませんと、今後まだあと二年間も続いていく事業であります。いろいろ対策というものも、そういう面からがっちりと立てていかなければ相ならぬと思いますし、次に言う政府の監督指導の問題に触れてまいるわけであります。
 話は変わりますけれども、この日航製とアメリカのシャーロット社とが独占販売代理店契約を結んでおるわけでありますけれども、その代理店契約の要点、一番大事なところ、そしていままで手数料としてどのくらい払ったか。また、ほかの現金以外のものもございます。そういう点を一言おっしゃってもらえばいいと思います。それからこのシ社との代理店契約というものをいつ解消したかという三点についてお答え願います。
#123
○赤澤政府委員 お答え申し上げます。
 日本航空機製造とアメリカのシャーロット社との間の契約の要点から申し上げますが、第一点は、南北アメリカ、スペインの地域におきまして、日本航空機製造はシ社に対しまして、YS11、その部品につきまして独占販売権を与えるということであります。と同時に、シャーロット社はYS11程度の新品の飛行機につきましては取り扱わないという契約が第一点であります。
 それから第二点は、こういったような販売代理契約につきましては、契約書の調印とともに発効いたしまして、そしてアメリカの連邦航空局の型式証明が発行された日から加算して一カ年間効力を有するということになっております。
 なお、これには、あと契約更改の条項がついております。それから日本航空機製造は、先ほど申し上げました地域で、販売または同地域内で使用のために販売されたいわゆるリースでございますが、こういったすべてのYS11につきましてシャーロット社に手数料を払うということになっております。以上の点が大体おもな要点であろうかと思います。
 次に、この契約を解除いたしましたわけでございますが、この解除は昭和四十四年の三月に解除いたしました。そうして四月に至りまして、この解除の際支払いました金額が五十万ドルの現金と、それからその際、日本航空機製造がYS11を販売するに際しまして下取りをいたしました中古の飛行機三十三機というものを引き渡す契約でございます。なお、これにさかのぼりまして、昭和四十二年に五万ドル、同じく四十二年中に十万ドル、計十五万ドルの支払いをいたしております。したがいまして、シャーロットと契約期間中、日本航空機製造が支払いました金額は、現金六十五万ドル並びに三十三機の中古航空機相当分、合計いたしまして、邦価にいたしまして十億三千五百八十七万五千円ということになるわけでございます。
#124
○松尾(信)委員 この代理店シャーロットでありますけれども、この働きですね。そのような独占販売の契約を結んでおりながら、どのような働きをしてきたか、販売実績等についてお伺いいたします。
#125
○赤澤政府委員 私どもが日本航空機製造から聴取いたしました事情によりますと、シャーロット社は、日本航空機製造と契約をいたしました販売代理契約と申しますか、これをいたしました後におきまして、日本航空機製造が行ないました北アメリカ及び中南米におきますデモフライトに積極的な支援を行なっております。パイロットをシャーロット社から出すとか、あるいは現地におきます各種の関係官庁、あるいは航空エアラインとの折衝等の事業につきまして、シャーロットの全面的な応援のもとにデモフライトが行なわれたということを承知をいたしております。それからさらに、シャーロット社が従来から関係のございました各種のアメリカにおきますエアラインに、YS11の売り込み、紹介等を行なったというふうに承知をいたしております。
 ただ従来、この契約を結びます際、日本航空機製造が期待をしておりましたような――シャーロット社自身が需要者であるエアラインと売買契約を取りつけまして、日本航空機製造としては飛行機だけ引き渡せばいいというような当初のつもりであったようでありますが、そういった形でのシャーロット社の売買といいますか、販売というものは、結局、解約するまで一機もなかったというのが実情でございます。
#126
○松尾(信)委員 そのような、独占販売の大きな権利のある契約をとっておるその相手が、実はあまり力がなかったということですね。決算委員会でもその点はつかれておりました。私も、そういう面につきましては、販売について非常にあせり過ぎと申しますか、そういうことが一点と、いま少し相手を選ぶのが慎重でなくてはいけなかったのじゃないか。また、その後の動きでも、このシ社の動きというものはたいしたことはないということは見破っておられるわけでありますから、早くそういうことはけりをつけるべきであったろうという感じは、いまだに抜けません。決算委員会でも言われたとおりでありまして、この点については、四十四年にこの契約を解消しておられますから、あえていまは問いませんけれども、私は非常に遺憾の意を表します。
 次の問題に、一応その点は留保しながら入りますけれども、先ほど局長が言われました航空機工業振興法の関係でございます。この二十条、これは「事業計画」であります。また二十二条は「社債及び借入金」で、資金の調達の面でございますが、このような規定というものが厳然とありまして、そして事業計画というものは毎年度出されていて、主としてあなたのほうでそういうものは審査して、終局的には大臣がそれを認定していくというような段階を経ておるわけでありますから、もう過去三十四年からずっと事業が始まってきて、量産にも入った、販売もいよいよ実績をあげてきた、そういうときの毎年度、毎年度の事業計画、それからそのときの毎年度の資金計画、この法の二十条、二十二条関係等について十分に行政指導というものはなさるべきじゃなかったか、私はここをきょうは重点的にお尋ねしていきたい。いままでは経緯であります。
  〔橋口委員長代理退席、進藤委員長代理着席〕
 あなたのほうで、この振興法に基づく行政指導というものをもう少しきちっとしておられたならば、この日航製のあり方というものも、現状のようじゃなくて、すっきりとしたものになっておったのではなかろうかと思う面が非常に強いわけです。この振興法二十条、事業計画に対する政府の行政指導の面、そこで最終的な認可をしておるわけです。それから二十二条、要するに金融、社債及び借り入れ金の問題ですね。これについても営業年度ごとに出てくるわけであります。そういうものの行政指導の面について現実にどうしていらっしゃるのか、どうしてこういう毎年毎年の分がこのような現状になってきたのかということについてお尋ねしたいと思います。
#127
○赤澤政府委員 最初にお触れになりましたシャーロット社との契約の関係につきましては、これは日本航空機製造の営業販売活動の一環ではございますが、このこと自体、私ども、監督指導の面におきまして十分でなかったという点につきましては、先生の御指摘のとおりでございまして、この点はまことに私ども申しわけないと思っております。
 それから第二の点でございますが、ただいま御指摘になりました航空機工業振興法第二十条並びに二十二条におきます通産大臣の認可でございます。この点につきましては、従来の経緯を一言申し上げておきたいと思います。
 それは、昭和四十一年当時でございますが、当時はYS11の計画は全体で百二十機ということでございました。当時すでに、百二十機の計画において全体の収支がどうなるかという見通しを、私ども日本航空機製造からの資料も受けまして検討いたしました。その結果、やはりこのままで推移するならば相当程度の赤字を免れないのではあるまいかということから、四十二年におきまして、御承知かと思いますが、航空機工業振興法の一部を改正をいたしまして、一方では増資を行なうと同時に、先ほど御説明いたしました十億円の補助金を三カ年にわたって支出をするということで、当時の情勢といたしましては、百二十機をもっていまのような措置をすれば大体収支は償うであろう、こういう前提があったように承知をいたしております。その後、事態が経過をいたしましたが、事態の経過とともに百二十機計画が、これは需要の面からの引き合いの増加もございまして、さらに四十三年におきましては、百五十機計画ということにふくれ上がってまいりました。その際の各種の見通し作業等もあるようでございますが、私の承知いたしておりますところでは、百五十機をもって大体これがとんとんになる、こういう計画であったように承知をいたしております。この点につきましては事業の見通しでございますが、一方におきましては、人件費あるいは材料費等の値上がり、同時に量産が進行するにつれて、御承知のように、もしその他の要素が一定であるとすればコストは下がってくるべきものでございます。そういう一つの一定のカーブのようなものがございますので、そういったような本来下がっていくべき傾向、それから人件費、材料費の値上がり、こういったものを両方見合いながら、かつ販売努力によって販売価格等も若干引き上げが可能ではあるまいかというようなことを前提といたしましては、四十三年当時におきましては、百五十機をもって収支が相償うという計画があったように記憶をいたしております。その後、四十四年、昨年でございますが、昨年になりまして、さらに需要の増大と、また収支の面からいたしまして、この百五十機計画が百八十機計画ということに変更になっております。こういうふうに、過去四十一年から今日までの間、百二十機計画、百五十機計画、さらには百八十機計画、こういったような長期の計画のもとに、一応、日本航空機製造が提出をいたしました長期計画をにらみ合わせながら、毎年の資金計画あるいは事業計画等の審査をしておるわけでございます。
 そういった審査をいたすにあたりまして、当然当該年度の計画内容なり、あるいは所要の資金等が出てまいりますが、これらはもちろん、そういった年度が始まります前に大蔵省と予算折衝がありまして、その予算の段階で、先ほど申し上げましたような、あるいは場合によりましては大幅な要求をしたこともございますし、また毎年度の所要量産資金につきましては、四十四年度分までは、政府の保証をいたしますものは全体所要資金の八割、民間がこういったことに協力いたしましてこの量産資金をまかなっておるものが二割、本年度におきましてはこの比率が七対三ということで、まず、あらかじめ所要資金につきましては予算が、予算あるいは財投計画できめられてまいります。そのきめられましたものを前提に、一応、日本航空機製造が先ほどの長期計画ともにらみ合わせながら、事業計画、資金計画等を提出してまいるわけでございます。実際問題といたしましては、こういった計画を、四月段階で私ども審査をいたしましてきめるわけでございますが、こういったようないろいろな計画、特に長期計画の前提にはいろいろ不確定な要素もございますし、また実際問題として一年を通じて各種の販売、購買活動をしておりますので、往々にしてこういった諸計画が期待どおりには実現をしてまいらない、こういうことがございます。こういったことにつきましては、私どもは常に、計画どおりいくように、これまで日本航空機製造にももう少し収益をあげるように、あるいは経費を切り詰めるように指導しておりますが、何ぶん営業そのものの活動でございますので、そこまで立ち入って通産省が詳細にこれを、たとえば四半期ごとにチェックするというようなことはいたしていないのが実情でございます。
 そういったような経緯を経まして、先ほども御説明いたしましたように、本年の三月末の決算におきましては、累計いたしまして七十六億円余の赤字を計上するに至っておる、こういうような状態でございます。
#128
○松尾(信)委員 百二十機から百五十機になり、やがて百八十機になっていったわけでありますけれども、そのように計画をふやしてその赤字を解消していこうという期待にかかわらず、現実にはふやしていくに従って赤字もふえていく――ふえていっております。また今後、二カ年間の計画、予想を立ててみましても、現在の七十六億円というものがさらに百億以上になる。これはもう先ほどのお答えで明らかでありますけれども、そういう長期の見通しというものは、ふやしていったから取り戻せるということじゃなかったのだ。百八十にしまして――私はここまでは、いままで着手していろいろ工事も進んでおりますから、途中で打ち切ったらそれはまた大きな赤字のもとになりますから、これは完成されると思いますけれども、そのような長期計画がありながら、少しでもカバーしていこうということでありながら、結果というものは予測されておるではないかということであります。その点は非常にあなたもつらい立場と思いますけれども、一言自分の考えというものを述べられたらどうでしょう。
#129
○赤澤政府委員 ただいま御指摘ございましたように、昨年の段階におきましては、日本航空機製造の私どもに提出しておりました長期計画の上からは、百五十を百八十にいたしまして、そして各種の努力をすることによって何とかとんとんになる。途中、経過年度では赤字が出ても、百八十機全部最終の販売をいたしますと、十カ年の年賦でございますから、五十七年に全部が完了する、資金が返ってくる。その段階におきましては、まず努力をすれば収支が償うのではないかというような計画が出ておりました。こういった点につきまして、私どもも、審査の過程におきましてまことに不備でございまして、十分な審査ができていなかったという点は、この際おわびを申し上げたいと思っております。
 なお、こういったようなことにもかんがみまして、私ども日常の日本航空機製造の全般の活動、今後の事態等にかんがみまして、この経営状態のままで今後推移していくということは、私どもまことに懸念が多いわけであります。
 したがいまして、十分私ども考えてみまして、これはこの際、航空機工業審議会の中に日本航空機製造の経営改善の委員会を設置をしていただきまして、金融関係、あるいはこういったような経営とか財務とか、そういった専門的中立的な方を委嘱をいたしまして、この際、日本航空機製造の全般的な営業活動、今後の持っていき方等につきまして、十分念を入れて御審査を願い、かつ今後の改善対策について何らかの御答申をいただくようにしたい、こう考えておりまして、実は明後日、航空機工業審議会の専門の委員会を開きまして、こういったことの設置並びに今後の取り進め方についてお願いしたいと考えておるところでございます。
 そういったような方途も講じながら、先ほどお話もございましたように、いまもうすでに、百八十機分につきましては部品、エンジン等の発注もいたしておりますので、すぐこれを打ち切るというわけにはいきません。そういったこともございますので、こういった機関を通じながら、私どももこれに一体となりまして、今後の経営改善につとめてまいりたい所存でございます。
#130
○松尾(信)委員 私の考えておったことをいま答えられたわけでありますけれども、この日航製の体質というものを相当改善していかなければ相ならぬだろうと思います。明後日のそのような審議会ですか、そういうところで、当商工委員会におけるいろいろな質疑の模様、また決算委員会における質疑の実情、そういうことをよく言われまして――あと四十七年までこれを続けていくわけでしょう。またその後の問題もありますから、ここではきちっとやるべきであるということは、私の意見としましてもはっきり申し上げておきます。
 それから、この最終段階における赤字でございますけれども、百八十機で一応打ち切り、四十七年度に終わる、そこに赤字が残るわけであります。そのようなものの処理、この事業計画終了後における持ち越しの赤字の処理等は、どのように考えていらっしゃるか。
#131
○赤澤政府委員 この点につきましては、二つの点から御説明をいたして御理解をいただきたいと思います。
 一つは、先生も御承知かと思いますが、YS11に次ぎますジェットの旅客機の国産化をはかる計画が、すでに三年前から調査を始めまして、現在なお進行中でございます。こういったものを、現行の日本航空機製造の機構のままで行ないますか、どういたしますか、こういった点については、私どもなお慎重に検討いたしたいと考えておるという問題が別途一つございます。
 これと全く切り離しまして、いまのYS11勘定と申しますか、その面だけについて申し上げますと、従来までも、日本航空機の製造の赤字処理につきましては、実はいろいろな意見が航空機工業審議会でも述べられております。こういったこともございまして、私どもは、少なくとも資本金七十八億円をこえる赤字につきましては、政府が半数をこえる五五%でございますか、資本金を持った会社とはいえ、株式会社でございますから、この点、一般の会社と同様、何らかの当面措置をいたさなければなるまい、こういう考え方を持ちまして、この点につきましては、来年度予算といたしまして私どもは五億円の要求をいたしております。これは当面早急の問題として要求しているわけでございます。
 なお、今後の全体の赤字処理につきましては、先ほど御説明を申し上げましたような経営改善委員会、こういったところで基本的に、向こうの日本航空機製造全体の経営改善策を打ち出していただき、赤字をどこまで縮小、解消できるかといった点等もかね合わせながら進めてまいらなければならぬわけでございますが、最終的には昭和四十七年で売り切りまして、資金の回収は五十七年になってまいっております。その時点におきまして――おそらく四十七年過ぎまして収支の額がほぼ概定をいたします段階で、私どもとしてはその処理をいかにするか。あるいは先ほども申し上げましたが、今後の航空機の新たな開発との関連をどういうふうに考えていくか、こういった両面からこの問題は慎重に処理をしたい、こう考えておるところでございます。
#132
○松尾(信)委員 次の問題もいま言われたわけでありますけれども、政府のほうがいままでずいぶんめんどうも見てきた。どうしようもないものについては見てやるようなお答えでありますが、それには、皆さまの行政努力と、今後の二カ年間におけるいろいろの施策、また日航製自体の体質の改善、そういうものの実績というものがきちっとなりませんといけない。いま局長が言われたような考えが日航製なんかに通じておりますれば、親方日の丸でいつも安易な気持ち一いままではそういう面もあったのじゃないか。これは非常に反省を要すべき点でありますが、どうしようもないものはどうせ政府が持ってくれるんだ、というようなことなんですね。これはやはり大きな効果もあったわけです。YS11をここまでやってきた、次のまた開発につながっていくわけですから、私はメリットは認めます。認めますけれども、やはりその間における自主努力といいますか――またこれは、政府のほうもどこか安易な行政指導というものがあったということを感ずるのですよ。これは今後の問題がありますから、特にここは念を入れて私は質問をしておるわけです。よく反省されまして、そしてこれ以上もう赤字をふやさない、その実績というものを少なくとも四十七年までには政府としてあげるべきである、こう思いますけれども、この点、次官どうですか。
#133
○小宮山政府委員 日本航空機製造がこのような赤字をつくった。私、考うるに、経営の不在であろう。親方日の丸でまかせ切りで、あるいは悪く見れば、日本の航空機製造というような大義名分の陰に隠れて、何か経営不在になったのではないか、そういうような感じを持つわけでございます。通産省といたしましても、今後そういうことのないように、厳重指導をしていく覚悟でございます。
#134
○松尾(信)委員 その点はいまおっしゃったとおり、しっかりやっていただきたいと思います。
 最後になるわけでございますけれども、やはりいままでのことをよく反省していきませんと、次にYXの関係開発になるわけです。もう二年も三年も前からある程度の金は入れて、やってきておるわけでありますから、今度は新しい機種の開発、その主体者はだれか、そういう点をよく考えておきませんと、妙なものになる。いま次官がおっしゃったような、そういうものをずるずると持ってきて、また大きな――今度は何倍、何十倍という予算を伴うものだと思います。また、かりに政府が出資等をすれば、大きな予算というものが毎年毎年このYS11のとおり組まれてくると思います。そういうことが防げるような構想といいますか、開発主体といいますか、それには、かりに日航製を引き継ぐとすれば、これは私はいかぬと思う。先ほどお話しのとおり、そこは体質改善というものがなされて、がっちりとした、これだったらだれでもまかしてだいじょうぶだというものができませんと、うかうかと次のYX等に進むべきではなかろう。むしろ損の小さいいまのうちに、相当これは考えたほうがいいのじゃないか。ずるずるといかれるような、そういうことはよく反省すべきであろう、こう思います。
 それで、これで話はとどめますけれども、いままでのYS11のことで勉強されたわけでありますから、大きな授業料も要ったわけでありますから、次にまた新たな、それに何倍、何十倍とするものが控えておるときでありますから、ひとつ、この法に基づく政府の指導、また主体者のその日航製というものの体質改善、これは徹底的にこの際やっていくことが、私は反省のたった一つの証拠である、こう思います。その点は、次の構想の点をしっかりやっていこうということを、もう一回政務次官にお答え願いたい。
#135
○小宮山政府委員 YXから今度は新しい機種に入るわけでございますが、これも先生のおっしゃいますように、たいへんな資金が要りますし、研究開発とか新機種開発ということと経営というものは別問題であろう。経営に対しては厳正な気持ちで、今後こういう事故が起きないように、またいままでの事故を取り戻すような気持ちでやっていただきたい。そういう趣旨が日本航空機製造の中に徹底するように、通産省としては行政指導をしていきたいと考えます。
#136
○松尾(信)委員 以上でYS11の問題は終わります。
 次は繊維関係に移りますが、きょうは日米のそのような大きな問題から離れまして、やはりこの繊維問題で非常に中小企業、機屋さん等が、それぞれ大きな影響を受けております。でありますから、そういう業者に対する対策という面を中心にいろいろ質問していきたい、こう思います。
 最初に、中小企業近代化促進法、近促法でありますが、この指定業種の中に繊維関係が入っておりますけれども、この近促法に基づく貸し付け等というものは、概略どのくらいかということをお尋ねいたします。数字がなければあとでもいい。
#137
○楠岡政府委員 数字に関しましては、ただいま持ち合わせがございませんので、後ほど御報告したいと思います。
#138
○松尾(信)委員 じゃそれをあとで出してください。
 次は、中小企業振興事業団の融資でございますけれども、これの四十五年の融資ワク、その実施の状況、これと四十六年の見込み、これをお尋ねします。
#139
○楠岡政府委員 中小企業振興事業団の融資でございますが、四十五年度におきましては、二百九十億の事業規模の予定でございます。それから四十六年度におきましては、三百九十億の事業規模で予算を要求しております。
#140
○松尾(信)委員 この制度は四十二年度から始まっておるわけでありますけれども、構造改善というレベルアップの全体的ないままでの効果はどうですか。
#141
○楠岡政府委員 構造改善の中心は織布でございますが、織布につきましては、総額千二百八十八億の事業規模を予定しておりまして、四十五年度までに五三%を使用する見込みでございます。
#142
○松尾(信)委員 では次に移りますけれども、同じく構造改善の事業協会がありますね。これが債務を保証しておりますけれども、先ほど申しました事業団の融資とこの事業協会の債務保証というもの、両々相まって、この構造改善というものをささえてきておると思うのでありますが、制度改正以来どのような構造改善の実があがったか、これは数字ではなかなか言えないと思いますけれども、大体、全体の構造改善のどういうものがあがっているとか、大まかでいいです。
#143
○楠岡政府委員 ただいまの保証でございますが、保証につきましては、先生御承知のとおり、織布のビルド、つまり新鋭織機の導入でございますが、ビルドの関係と、それから取引の改善関係につきまして、一般の金融、あるいは中小企業振興事業団からの金融の補完的な措置をとっておるわけでございます。いままでに通産省が承認しました計画は、合わせますと綿・スフ関係では計画にしまして十八億、それから絹・人繊関係につきましては約二十七億でございます。
#144
○松尾(信)委員 抽象的でよくわかりませんでしたけれども、これは前提として聞いておるわけでありますので、まあいいでしょう。
 最近、この中小企業、機屋さんの不況、私たちも福井、石川その他に参りまして、いろいろ調査して、よくその結果はわかっておりますけれども、このようなこの繊維問題、またその前からの金融問題、それに引き続いての日米繊維問題、そういうことから非常に中小機屋等の不況が顕著でございますけれども、あなたのほうで、どのようなところで非常にそのような不況があらわれておるという実態というものは、どのくらい掌握しておられますか。たとえば福井、石川ですね。
#145
○楠岡政府委員 織布業、特に福井、石川の関連いたします絹・人繊織物関係でございますが、一般的に申しまして、本年の二月ごろから、北陸の産地を中心といたしまして不況感が強まってまいりました。そして、これは商社あるいは原糸メーカーからの委託生産でございますが、それの発注が手控えられましたことによりまして、織り工賃が引き下げられました。また、いわゆる賃織りでございますが、賃織りの量も減少してまいったというような事態が生じております。
 一例を申しますと、福井におきましてはナイロンのタフタという織物でございます。これが一匹の工賃が、昨年のいまごろでございます十月−十二月におきましては千百円でございましたのが、ただいま七百円程度まで下がっております。それからまた石川におきましても、これは昨年の年初になりますが、千円程度の同じくナイロン・タフタの工賃がただいま七百円程度ということで、各地におきまして工賃の引き下げが行なわれております。それからまた、賃織りにつきましても、本年の一−三月と来年の一−三月とを比べて予想してみますと、二、三割程度の減になるのではないかと存じております。それからその他、現金支払いの比率、あるいは手形のサイト等も悪化している状況でございます。かような事情につきましては、私ども関係の各県一それから御承知の織物関係につきましては特に産地の組合がいろいろございますので、さようなところと常時接触がございますので、さようなところを通じまして、いろいろ状況を承知しておる次第でございます。
#146
○松尾(信)委員 実態調査の問題ですけれども、各県等を通じていろいろお調べになるのか。また、主管省であるあなたのほうで、やはりこれは心配だ、何とかしなくちゃいけないということで実態を調査されるのか。
 いまお話しになりましたけれども、ナイロン・タフタの例をあげられました工賃ですけれども、これは私のほうは、実態調査した結果は相当いまのお話とは違います。これは千五百円だったものがいま五百円になっております。もう三分の一です。大体、工賃の低下というものは、三分の一というのが現状ではないか。これは調べた結果の私のほうの資料に基づくものでございます。それから、どのくらい発注量が減っておるかということについて、現実にその資料ありますか。
#147
○楠岡政府委員 ただいまの先生の御指摘の五百円という数字は、あるいは整経賃が入っていないのかとも思われますが、一方、私、申し落としましたけれども、たとえば分繊デシンという織物につきましては、一匹当たり昨年の十月−十二月が千六百円いたしておりましたのが、ただいまでは五百円という状況で、率から申しましても三分の一以下というのがございます。
 それから、どうやって調査しておるかというお話でございますが、先ほど県、組合と申しましたが、県を通じて調べるということではございませんで、県は県で常時接触もございますし、それから私どもまた直接に組合との接触もございます。それから担当官が現地を見るということもございますが、県、組合というのは並列的ということでお考えいただきたいと思います。
#148
○松尾(信)委員 実態というものをやはり自分が掌握しませんと、現実感といいますか、ほんとうに現地がこのように困っておるからどうしていかなくちゃいけないという切実感というのがなくなるのですよ。そういう点におきまして、今後ともに、いま言われたとおりに、ひとつ直接そういう事情は掌握する、掌握した以上はぐずぐずしない、さっそく立ち上がっていけるような手を打っていく。このことで、いま私はそういうことを前提にして聞いておるわけであります。でありますから、手形サイトの問題、これはおかしいと思うのですよ。工賃でございますから現金で支払うべきが当然でありまして、これをやがて六十日にしてみたり、現実にはそれが百二十日、百五十日と、現在そのようなことがやられておるわけですよ。これはほんとうにいけない。一番つらいところに最後のしわ寄せみたいなことをする。せめて工賃を上げなさいとかなんとかさえ、それはなかなか言いにくいでしょう。けれどもその工賃を払うという段階くらいはどうとかなりませんか。
#149
○楠岡政府委員 ただいまの取引条件の悪化につきましては、先生おっしゃるとおりでございまして、中小企業にとりましては非常に大きな問題でございます。
  〔進藤委員長代理退席、委員長着席〕
その点につきましては、私どもとしましては、去る五月でございますが、原糸メーカーあるいは商社等に対しまして、適正な発注を確保するように、また決済条件の適正化等について十分配慮するようにという通達を出してございます。ただこれも通達でございますから、必ずしも一〇〇%効果があるというわけではございませんけれども、非常に関係のある業者に対しまして、適当な措置をとるように要請した次第でございます。それからまた、組合に対しましても、かような事態におきましては、相互扶助的な機関としての組合活動に負うところは非常に多うございますので、組合自体も、この際金融、あるいはさらにこまかく申しますと、たとえば操短資金のめんどうを見るというようなケースもございますけれども、さような組合員の困窮を救うための金融等につきまして、活動を一そう活発化しますようにいろいろ指導をいたしておる次第でございます。
#150
○松尾(信)委員 通達とか、いろいろそういうものではもう何にも役に立ちません。公取と一緒にその支払い条件についてやるとか、何か速急に実行しなければできないということですよ。これはひとつよく速急に検討されまして、そしてその答えを現地のほうへ出すようにやってください。これは私もここで重ねて要望しておきます。
 それから、次に問題を移しますけれども、この打撃を受けておるそのような方々、中小企業の機屋さん等でありますけれども、その救済措置をいまから先どうするか。これはどのように考えておられますか。
#151
○楠岡政府委員 救済措置といたしまして、一つはいわばうしろ向きでございますけれども、かような事態になってまいりますと、転廃業を余儀なくされる方々、これは本意ではございませんけれども転廃業を余儀なくされる方がふえてまいります。さような方々のために、本年度におきましては、当初二千万円を予定しておりました転廃業者からの織機買い上げのための補助金でありますが、これを予算流用によりまして六千万円にふやしまして、いささかでもそういう方々の困窮を救いたいという措置をとった次第でございます。
 それから、なお年末の金融でございますが、これは特に繊維対策ということではございませんけれども、中小企業金融三機関におきまして、年末金融のために当初計画に比しまして約千六百億円のワクの拡大を行なっております。これの活用につきまして、関係金融機関あるいは中小企業庁にお願いしまして、繊維関係に十分な御配慮をいただくようにいたしておる次第でございます。
#152
○松尾(信)委員 いま転廃業の話が出ましたけれども、織機の買い上げですね。これは二千万円ですね。それを六千万にふやした、こういうことで、それは実績もありますね。そのような面でございますけれども、織機の買い上げ、買い取りと申しますか、それは相手はだれですか。対象ですね。
#153
○楠岡政府委員 買い上げを受けます相手は、一般のいわば機屋さんでございます。
#154
○松尾(信)委員 そうしますと、構造改善に参加している事業者じゃなくて、参加していない一般の機屋さん、このように理解していいわけですか。
#155
○楠岡政府委員 この買い上げは、国が半分補助金を出しまして、あとの半分は業界、つまり転廃業しなかった方々の負担によることにいたしております。したがいまして、私ども、この転廃業は産地の構造改善事業の一環としております。したがいまして、機屋さんの範囲は、構造改善の事業に参加する組合員が多いと思いますが、現地の事情によりまして、組合が組合員以外の転廃の場合に織機を買い上げるということもあり得るかとも思います。
#156
○松尾(信)委員 そうしますと、参加している者、これは組合内における買い上げもある。参加していなければ、個々のその事業主からの買い上げ。どちらが多いかという問題が一つと、いまおっしゃいましたけれども、その地域の組合員ですね。その地域、地域にこのような組合がつくられておりますけれども、その組合員となっておる機業者の数と、そうじゃなくて、この構造改善事業に参加していない機屋さんの数ですね。これは数からいえばどちらが多いのでしょうか。
#157
○楠岡政府委員 一般に機屋全体の数から申しますと、インサイダーがほとんどでございます。組合に加入しております者の数が圧倒的に多うございます。
#158
○松尾(信)委員 圧倒的に多いとしますと、組合内部における買い上げの処理と申しますか、これは比較的順調にいけると思います。問題は、今度は比較的順調にいかない個人の人々、その買い上げというものは順調に行なわれてきましたかどうか。
#159
○楠岡政府委員 いまの個人という御質問でございますが……。
#160
○松尾(信)委員 参加していない人。
#161
○楠岡政府委員 非参加者の場合でございますが、ただいま申しましたように、非参加者からも買い上げを行なっております。この場合、いわば半額を負担しますのはその産地の業界、こういうことになるわけでございます。
#162
○松尾(信)委員 参加している人々は、要するに組合に全責任があるわけですから、お金を借りて払うのも――機械は、その組合員の人に貸して、それを使わせて、レンタルみたいにして取っていくわけですから、その中の個々の問題は全責任は組合にあるわけですよ。そこはある程度私は順調にいくんじゃなかろうか、こう思います。ただ、そういうささえのないといいますか、構造改善事業に参加していない、そういうところに一つの大きな影響がいまきております。そういう人々が転廃業、また買い上げということになってきました場合、それをうまくやっていくかどうか。スムーズに買い上げてやる、こういう配慮がいまあると思いますけれども、それを一言聞きたいということであります。
 それから、いま転廃業というお話が出ましたけれども、いろいろまた廃業については特別の配慮がこれこそ必要である、こう思います。転業でありますけれども、転業といえば、輸出向けから国内向けというのが大体じゃなかろうかと思います。そういうことになりますと、いま国内向けのそういう中小企業、機屋さん等でやっと需給のバランスがとれておりまして、そうして工賃等も一応いま安定している状態でありますが、それが繊維の問題でだんだんかぶってきます。おまけに輸出のほうが、それ廃業だとか転業等で、国内市場のほうへそれが回れ右してまいりますと、相当国内の需給バランスというものがくずれていくのではないか。そうすると、日米繊維問題というものが、ひいては日本の国内向けの内需の原糸の生産、加工、国内向けの販売、そこにもろに大きな影響が来るわけです。それで、簡単に転業という問題もやるべきじゃない。どうとかして基本的なやはりきちっとしたものをつくっておきませんと、大きな問題が次に控えておる、こう私は思いますけれども、どうでしょう。
#163
○楠岡政府委員 いまの転廃業者からの織機を買い入れる仕組みでございますが、これは先生御指摘のように、たとえば福井には絹人繊織物構造改善組合というのがございまして、その組合は組合員の設備の改善というのが一つの仕事でございますし、それからもう一つ、組合員の持っております余剰織機の処理という問題。これも先生御承知と思いますけれども、新しい織機を一台入れますと、大ざっぱに申しますと一台半なり一・六台なりの織機をつぶす。いわゆるスクラップ・アンド・ビルドということでございまして、過剰の処理をいたしております。そのほかに、組合員でありまして、もう業界の外へ出たい、つまり織紡をやめて外へ出たいというそういう業者の方、これは、個人でありましても、会社でありましても同じでございますけれども、組合のほうから資金を半分、組合の補助金を半分、それで織機を買い上げているのが実態でございます。
 それから、組合の実態を申しますと、大体、新鋭の織機を入れまして新しく合理化をはかった方々からは、いまのところ転廃という問題は出ないようでございます。
 それから、先生の後段におっしゃいました、たとえば輸出ができなくなりましたために、輸出をやっておられる方が内地に製品の売れ先を転換するという場合におきましては、私どもやはりここで考えております、いわゆる転業者からの織機の買い上げというものの対象にはならないわけでございます。しかし、その問題は非常に大きな問題でございまして、織布におきましてももちろんそうでございますが、たとえば、縫製業者などにおきましては、対米輸出をやっておられる業者の方々は、大体、規模から申しましても内地の方々よりも大きく、それから技術もすぐれているというようなケースもございます。そういう輸出専業者の方が内地に転出してまいりますと、これは非常な混乱を予想されるわけでございまして、今後、対米輸出の影響等考えます場合に、単に輸出が減ったというだけではございませんで、こういうような点も、私どもとしては十分考えて対策を考えていきたい、こういうように考えております。
#164
○松尾(信)委員 転業の問題については、いま言われたことが大体そうであろうと私も思います。これは重大な要素、問題をはらんでおりますから、慎重に方針というものをきちっと立てておく必要がある。廃業についてはどうされますか。
#165
○楠岡政府委員 いま転廃業と私ども申しておりますが、実際から申しますと、転業、廃業同じように考えております。と申しますのは、転業というのは、たとえば織物をやっておりまして、織物をやっていたのが極端に申しますと、それがボーリング屋をやるというのも転業と考えております。廃業は、まあいわばおよそ実業から手を引くといったようなケースを考えておった次第でございまして、事、繊維産業ということから考えますと、繊維産業から外へ出られるという意味におきましては、私ども同様に取り扱っておる次第でございます。
#166
○松尾(信)委員 いずれにしましても、転業に対しても大いに速急に手を打ってやる、廃業についてはなおそのめんどうを見る、こういうことでしょう、簡単にいえば。どうですか。
#167
○楠岡政府委員 転廃業いずれにつきましてもめんどうを見る、こういうことでございます。
#168
○松尾(信)委員 そのめんどうの見方でありますけれども、要するに借り入れ金、これは債務保証も含めましてけっこうでありますけれども、その支払いの繰り延べの問題があります。償還というものは、現実にはたくさんの金額にはいまなっておりませんけれども、しかし、もう何億という金をことしも払っていかなくちゃいけません。来年もそれがまた倍ぐらいふえてまいります。そのような支払い資金の繰り延べの問題。それから、返還期限というものはいま十カ年と定めておりますけれども、それを繰り延べる。また一応ストップということも考えていかなくちゃいかない。これは大臣も大いに考えてまいりますと言っておりますけれども具体的にはどうです、この問題について。
#169
○楠岡政府委員 構造改善の設備資金につきましては、二年据え置き、十年払いというきわめて有利な条件でございます。それから貸し出し条件も、先生御承知のように、非常に有利な条件でございまして、これは将来の問題は別でございますけれども、いまこの時点におきまして、構造改善資金をさらに繰り延べるとか、あるいは毎年の支払いを猶予するとか、そういうような事態は、いま現在のところは、まだそこまで事態はいってないのではないかというふうに考えております。
#170
○松尾(信)委員 もう時間も経過いたしましたので結論を急ぎますけれども、いずれにいたしましても非常にそういう方々が困っております。そしてつらい思いでいま苦労しております。赤字操業であります。速急にこれは打つべき手を打ってあげませんと相ならぬ。特に来年の三月は、こういう方々の倒産というものが著しくなっていくであろうということは予見されます。また、そのように覚悟している業者も現地には一ぱいおるわけでありますから、先ほど言われた年末金融の問題、そういう一千六百億とかのワクをふやす。それを、そういう方々に現実にどのくらい持っていったらいいか、それをちゃんとワクをつくり、そして速急にそれを出していかなくちゃ、ワク、ワクではもう待っておれぬわけですから、現実にそういうものを支給する。福井は幾らだ、石川はどうだ、また愛知とか四国のほうはどうだというくらいに、きちっとしたものをつくられまして、そしてそれを、何も金融機関にまかしたからいいのだということではなくて、やはりそれを現実にながめて、出るまであなたのほうでめんどう見てがんばるということが必要だと思います。
 以上申し上げましたことで尽きるわけでありますけれども、いま最後に私が言いましたことについて、最後に政務次官の今後対処する決心といいますか、促進していこう、さっそくこれは手を打つ、こういう面についてのお答えをひとつしてもらいたいと思います。
#171
○小宮山政府委員 いま先生のお話しのとおり、中小の繊維業者がたいへん苦しんでいることもわかっております。通産省といたしましても、今後の対策として、生産組合あるいは都道府県と密接な連絡をとりながら適切な処置をとりたいと思っておりますし、また年末金融については、いま政府三機関から千五百九十億出ておりますので、これを円滑に利用するような形に持っていきたい。また来年の三月の問題もございますし、約六千億近い金がこの下期で流用されますので、こういう資金その他を使って、不況にあえぐ中小企業をぜひ救っていきたいという考え方で、今後も鋭意努力していきたいと思っております。
#172
○松尾(信)委員 以上で終わります。
#173
○八田委員長 次回は、明十六日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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