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1970/04/01 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 物価問題等に関する特別委員会 第8号
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1970/04/01 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 物価問題等に関する特別委員会 第8号

#1
第063回国会 物価問題等に関する特別委員会 第8号
昭和四十五年四月一日(水曜日)
   午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 松平 忠久君
   理事 青木 正久君 理事 砂田 重民君
   理事 登坂重次郎君 理事 武部  文君
   理事 渡部 通子君 理事 和田 耕作君
      上村千一郎君    山下 元利君
      戸叶 里子君    畑   和君
      有島 重武君    栗山 礼行君
      松本 善明君
 出席政府委員
        経済企画政務次
        官       山口シヅエ君
        経済企画庁国民
        生活局長    矢野 智雄君
 委員外の出席者
        厚生省環境衛生
        局食品衛生課長 鴛淵  茂君
        農林省蚕糸園芸
        局野菜花き課長 小原  聰君
        通商産業省企業
        局次長     長橋  尚君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国民生活センター法案(内閣提出第六八号)
     ――――◇―――――
#2
○松平委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出の国民生活センター法案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。砂田重民君。
#3
○砂田委員 きょうは経済企画庁の山口政務次官にお出ましをいただきましたので、少し御質問を申し上げたいと思います。
 明治百年と申しますけれども、農業国家から近代的な工業国家に生まれかわっていきたい、そういう国全体の経営といいますか、長年の間そういう国の経営方針と申しますか、そういう動きでわが国はやってきたわけでありますけれども、それだけに産業を振興しなければならない。したがって、産業保護的な政治、政策、行政でこの百年間はまさにやってきたと思う。それはそれなりの成果を、りっぱに日本国はあげてきている。しかし、もうそれだけで事の済む社会では、わが国の社会はなくなってまいりました。経済企画庁の政務次官にこんなことを申し上げるのは、もう釈迦に説法でございますので、しつこいことは申しませんが、やはり国民生活をより高度に、また、その質も向上させていかなければならない。産業保護的な政治、行政ばかりでやってきておりましたけれども、やはり消費者の立場で、行政も政治もまた消費者を守る、そういう政策が取り上げられてまいりました。四十三年の五十八国会では、当委員会で各党が集まりまして、消費者保護基本法の成立を見ましたのも、こういうところにその考えがあったわけでございます。
 そこで、消費者保護基本法を私どもが立案をいたしますそのときから、われわれが期待をいたしておりました国民生活センターというものが、いよいよ政府のほうで法案をお出しになって、こういう一つのりっぱなものを設置なさろうとしておられます。私たちは大歓迎の気持ちで一ぱいでございますけれども、そこで政務次官に、まずもって国民生活行政についての政府の基本的なお考えを、たいへん抽象的な御質問を申し上げますけれども、一言それをお聞かせいただきたいと思います。
#4
○山口(シ)政府委員 お答えをさせていただきます。
 国民生活の安定をはかり、国民の福祉を向上させることは、政治の眼目でございますし、政府の最も重要な任務でもございますことと存じます。
 近年における消費生活の向上は、経済成長の成果であることは言うまでもございませんけれども、これに伴いまして、物価の上昇、住宅難、交通事故、公害など、国民生活の向上を阻害するような諸問題が生じていることも、否定できないところでございます。したがって、政府といたしましては、国民生活優先の立場に立ちまして、真に豊かな国民生活を実現するための各般の施策をより一そう強力に推進していく所存でございます。
#5
○砂田委員 国民生活センターを設置なさる土地ももうおきまりになっているようでございますが、これは国民生活局長に伺いますけれども、このセンターの建物等のこまかい設計はできてなくても、一応の構想はお持ちじゃないかと思うのですが、一体どういう大きさの建物を建てられて、どういう窓口を設けられるか、少し具体的にその構想を伺っておきたいのです。
#6
○矢野政府委員 まず建物でありますが、場所は、この法案にも書いてございますように、高輪でございます。
 建物の規模は、まだ完全に詰めておりませんが、これも一ぺんにできるわけではありませんで、逐次やっていきたいと思っております。私どもの大体の腹づもりといたしましては、三年計画ぐらいで一応の体制を整備したい。そのときの規模も、これもまた全く私どもの考え方ですが、大体これも、やろういたします仕事の内容から考えまして、やはり延べ千数百坪、二千坪近いぐらいのものが要るのじゃないかと思っております。しかし、それは先ほど申しましたように、一ぺんにつくるわけではありませんで、三年計画ぐらいを予定しております。この点は、これから毎年度逐次、その三年間に財政当局とも打ち合わせしてやっていかなければなりませんので、こういう構想で、ただ、とりあえず四十五年度といたしましては、大体五、六百坪ぐらいのものをつくる予定にしております。逐次三年計画で御指摘のような構想に近づけていこうということで考えております。
 それから、仕事の内容でありますが、これはこの法律にも書いてございますように――まあこの目的で、「国民生活の安定及び向上に寄与するため、総合的見地から、国民生活に関する情報の提供及び調査研究を行なうこと」とありますが、ごく要点を具体的に申しますと、何といいましても国民との対話の場をつくる。そのためにいろいろ必要な知識、情報を提供する。その提供のしかたとしましては、大きく分けて三つを考えておりまして、一つは、一般の国民に、いわば不特定多数の国民に対して、たとえばパンフレットであるとか、あるいはテレビ、ラジオ、展示会、講習会を開くとか、こういった手段を通じまして、国民生活の改善に必要ないろいろの知識とか情報を提供していく。それから第二は、その窓口へ苦情とか問い合わせに来られたいわば特定の人、その人に問い合わせ、苦情がある内容についてお答えしていく。ここでのお答えを通じて、あるいは国民の持っておられる不満を緩和、解消するということもありますし、また、そういう機会をとらえて必要な知識、情報も提供していく。これが第二点で、それから第三点は、国民生活センターで考えておりますような仕事と類似する仕事をやっております機関、ことに地方の生活センター、四十六年度にはほぼ全都道府県出そろう予定でありますが、そうした地方庁の生活センター、それからこういうことと類似のことをやっておられます消費者団体等がありますが、そういうところが活発に活動できるように、そこに対してやや専門的なとらの巻と申しますか、そういう情報を提供していく。あるいは苦情処理の事例集であるとか、こういったものを提供していく。こういう三つの方法を通じまして、情報なり知識を流していくということで、あとはそれに関連いたしまして、そういうことをするためには、調査研究を一方でしなければならない。あるいは必要な資料を収集しなければならない。こういうことは、それに伴ってやっていかなければならないということになるか、こういうように考えております。
#7
○砂田委員 そうすると、三年たたなければオープンしない、あるいは、四十五年度で五百坪くらいのものは完成させられるので、そこでとりあえず手をつけられる仕事から始めていくということですか。
#8
○矢野政府委員 この法案を通したいただきましたならば、現在の予定では、十月一日に発足したいと思っております。ですから、法案が通りますれば、その後若干の準備をいたしまして、十月一日からとりあえずオープンいたします。ただ、オープンいたしましても、建物のほうはまだできませんので、その間はどこか適当なところを借りるということを考えております。そこで一応店開きをする。
 それと、人員も、三カ年計画でいろいろ拡充してまいる予定であります。四十五年度におきましては、現在国民生活研究所に三十六名の職員がおりますが、それと、あとプラス二十名を増員する予定であります。しかし、これももちろん、できたらすぐ採るというわけにもいかないと思います。実際にこれを活発に運営していくのにふさわしいような人を集めなければなりません。こうした人を集めていく。
 それからまた、先ほど申しましたような仕事をいたします上には、まず何といいましても、いろいろ必要な情報、資料を収集しなければならない、その収集するということ。あるいは、たとえば先ほど申し上げました苦情、問い合わせがいろいろきまして、それに答えるといいましても、これはセンター自身も収集すると同時に、ほかにも、そういう個々のことにつきましてはいろんな機関がありますから、そことのネットワークをつくっていかなければならない。こういう問題はどこへ連絡したらいいか、そういう体制もつくっていく。こういう順序というか、そういうことからまず取りかかります。一応オープンはいたしながら、そういう仕事を蓄積していく。まあ、なるべく、できればオープンするその日から活発に動かしたいと思っておりますが、おのずから若干そういう段取りが要ると思いますから、オープンしながら逐次整備していく、こういう考えでございます。
#9
○砂田委員 オープンしながら逐次整備していく方向に私は賛成です。
 そこで、提案理由の説明を拝見いたしますと、「技術革新の進展に伴って、危険な商品が目立つなど」云々ということで、消費生活というか、家庭生活というか、そういうことも述べておられますけれども、住宅や生活環境の社会資本の整備の問題、それから交通事故、公害、そこまで提案理由の説明で御説明があったわけですけれども、法案の中に書いてあります「国民生活に関する情報の提供」、その「国民生活に関する」という具体的な仕事の内容と申しますか、センターで対話をなさる、その対話をなさる対象をいま三つに分けて御説明をいただきましたので、対話をするその対象はわかりましたけれども、対話をなさるその内容が非常に広範囲に及んでいるようです。家庭生活、消費生活に直接関係のある事柄だけに限らず、公害、交通事故の問題、そういったところまで考えておられるのかどうなのか。
#10
○矢野政府委員 いまお話がありましたように、商品、サービスを購入するといいますか、最初は消費生活、それが一番中心になるかと思いますが、決してそこに範囲を限定しているわけではありませんで、いま先生からお話がありました生活環境の問題、公害、交通事故の問題、こうしたこと、さらには教育とか社会保障とか、いわば公共サービスと申しますか、こういうことに関する問題、あるいは場合によりますと、公共サービスの一つになるかと思いますが、税金に関するようなことも出てくるかと思います。そういうことを含め、つまり日常のいろいろな生活に関連するものを、ともかく一応対象にするつもりでおります。
 と申しますのは、たとえば苦情を受け付けるとかいいましても、あることだけに限定するのだということになりますと、問い合わせ、苦情をしに来られた方が、この問題はあっちだとかこっちだとかいたしますと、おそらくわけがわからなくなってしまうだろうと思います。この生活センターの一つのねらいは、もうすでに苦情、問い合わせを処理する機関がたくさんありますが、そういうもののいわば総合的案内所として考えていきたい、これが生活センターの一つのねらいでもあります。ですから、なるべく範囲を限定しないように、なるべく広くしたいと思っております。ただ、それにしましても、おのずから限度はあるかと思います。はたしてそれで結婚相談までするのかということになりますと、そこまではなかなかいかないと思いますが、日常生活に関するものをなるべく範囲を広げていきたい。しかし、もちろんそれも、先ほど申しましたように、十月一日に開いてすぐ全部が処理できるかというと、若干不安がありますが、そこは逐次拡充して、こういう問題を広く取り上げられるように、構想としてはそういうことを考えております。
#11
○砂田委員 消費生活に直接関連のある問題として、消費物資、家庭生活物資、そういった試験検査施設も自分で持たれますか。
#12
○矢野政府委員 この法律の目的にあります情報、知識を提供していくのにあたりまして、おそらく商品の検査が必要な場合が起こることは当然予想されます。あるものを、これは危険であるかどうか、それを鑑別するとか、あるいはどの商品はどういう特徴があるのかということを調べるようないわゆる規格テストとか、こういうことの必要性も起こってくると思います。しかし、生活センターをテストの専門機関にするつもりはございません。テストの機関としましては、工業試験所とかあるいは繊維研究所とか、国でも幾つかの検査機関を持っておりますから、そういう検査機関を活用していきたいと思っております。したがいまして、必要に応じてそういう検査機関に委託をして調べていただく、こういうことは活発にやっていきたいと思いますが、原則といたしましては、そういう検査機関を活用してやっていきたいというように思います。しかし、もちろん、ごく簡単な検査ですと、一々委託することはどうかという問題もあるいは起こってくるかと思います。これは将来の問題ですが、そういう場合には、簡単なものぐらいは多少のテスト施設を持つという必要性も、あるいは起こってこないとも限りませんが、これは今後の発展の状況をにらみ合わせていきたいと思っております。しかし、いずれにしましても、原則としてはほかの専門のテスト機関を活用していきたい、こういうふうに思っております。
#13
○砂田委員 ちょっとまた話がもとへ戻るのですけれども、三年計画というのは、どうしてそんなに長くかけなければならないのか。せいぜい二年あればできるんじゃないか。ことしから一部オープンされるということはまことにけっこうですけれども、スタートのことし、初めから三年計画というのは、ちょっと私にはふに落ちない。同じような考えを持っている人からいまメモが回ってきましたが、せめて来年で完成できるんじゃないですか。これはもう金の問題だけでしょうか。
#14
○矢野政府委員 私ども、これはなるべく早くやっていきたいと思っておりますが、もちろん、この法律にもありますように、全額国庫の負担です。建物につきまして、あるいは土地は現物出資ですが、この出資及びあとの運営費も全額交付金で、国庫の負担ですから、もちろん限られた財政の中ですから、金の問題ももちろんあります。しかし、それより以上に大きな問題は――センターの活動といいますのは、もちろん土地、建物、いろいろな施設も重要ですけれども、それ以上に、何といっても人が一番重要だと思います。このセンターの活動が活発に行なわれるかどうかの大半は、もちろん経済企画庁もいろいろ応援もしなければなりませんが、しかし、何といってもセンターを運営していく人、この目的なり構想にふさわしいようなその人を得るということが、一番重要なことだと思います。
 これも、なるべく早く人を集められれば、もちろんそれにこしたことはないのですが、御承知のように、以前と違いましてだいぶ人手も窮屈な状況ですし、しかも、これにふさわしい人を集めようとしますと、たとえ金がありましても、金で集まるものではありませんので、やはりここはあまりあわてて人を集めて、一応看板だけできる、ていさいだけ整ったといっても、もしこれが最初の構想と違うようなところにいっちゃったり、イメージがどうもおかしいということになりましたら、これは取り返しがつきませんので、ここは慎重に――できれば早いほうがいいのですが、あわてるよりも、まあ三年ぐらいのところで、じっくり腰を据えて基礎をつくっていきたい。しかし、もちろん三年たたないと何にもしないわけじゃありませんので、十月一日からオープンしながら、また活動を活発にする目安がつけばまたいい人間も集まりますから、そういう段階を踏んでいきたいと思っております。
#15
○砂田委員 これから三年ということですから、消費者保護基本法を提案、成立させたわれわれとしてみれば、もうすでに三年待っているわけですね。四十三年に基本法をつくるときからわれわれは期待をしていたので、メモを回してきたこの前の政務次官にも責任があるだろうと思うんだけれども、もうすでに三年待たされている。確かにおっしゃるように、人が一番問題だろうと思うのです。政府も衆知をしぼって、りっぱなものをできるだけ早い機会にひとつ完成さしていただきたい。
 それから、国民生活研究所を吸収されるわけですけれども、国民生活研究所というところでいろいろないい仕事をしてきてくださっておりますけれども、いままで国民生活研究所の行なってきたおもな実績と申しますか、業務といいますか、それをひとつお話しいただきたい。
#16
○矢野政府委員 国民生活研究所は、御承知のように国民生活に関します調査研究を主体にいたしておりまして、設立以来いろいろな調査研究をやってきております。ここには大きく分けまして二つございます。一つは研究所自身の自主的な研究と、それから、国あるいは地方公共団体等から委託を受けてやる仕事とございます。委託を受ける仕事にはいろいろな種類のものがございますが、中心は自主研究であります。
 自主研究としていままでやってきましたものをかいつまんで申しますと、国民生活の構造変化、もちろん消費支出の内容も変わっておりますし、そのほかの消費生活の構造が変わっている。その状態を調べていく、フォローしていくとか、あるいは住宅及び生活環境の整備についての調査とか、あるいは地域生活の調査も、いままでやったものがございます。あるいはまた国民生活の国際比較、特に生活水準を国際的に比較するという仕事とか、あるいはまた国民の生活意識あるいは生活行動についてのいわゆるアンケート調査、ごく最近もそういう調査ができまして発表いたしましたが、こうしたことが――そのほか一つ一つのテーマを申し上げますと非常に長くなりますが、大体ただいま申し上げましたようなことでございます。
#17
○砂田委員 国民生活局長のお話をずっと伺ってきて、私が一つ心配いたしますことは、政務次官、経済企画庁設置法をこの法案の中で一部改正をしておられるわけです。そこで、国民生活センターの目的が明確になっているわけですから、情報を国民に提供なさるその仕事は、まさに経済企画庁の設置法の範囲の中であろうと思う。ただ、国民、都民、市民に提供をなさる情報の内容というものは、各省の関係、所管するものが非常に多いわけですね。私が考えてみただけでも、ずいぶんたくさんのものがある。たとえば薬事法、食品衛生法、家庭用品品質表示法、JAS、JIS、電気用品取締法、公取の景表法等々、こういった他省の所管する法律、他省の所管をしておられる仕事の関係の情報を、今度は経済企画庁が監督なさるこの国民生活センターが情報提供をなさるわけなんです。そこで、よほど各省との間の理解がちゃんとしておりませんと、何か企画庁だけが独走してしまって、提供する情報の内容が豊かなものになってくるかどうか、たいへん心もとないものが実はあるわけです。従来から企画庁が所管してやってこられた消費者保護行政が、決して企画庁の思うとおりにいってないという事実を私どもも知っておりますし、そういうように、役所は役所で御努力を願っているのでありましょうけれども、各省の消費者行政担当の課が必ずしもその役所の中で、決してそう力の強い課にまだ育ってきていない。消費者保護行政を拡充していかなければいけないのだ、基本法という法律もできたのだ、そういう認識はあるとしても、頭で理解できても、まだ行動として定着できていない、そういう時期でございますから、それだけに経済企画庁が監督をなさるこのセンターの活動、その提供される情報内容が各省にわたる。したがって、私が政務次官に伺っておきたいと思いますことは、この法案を提出されるにあたって、各省とどういう理解を深めるための御努力をしてこられたのか、また、各省のそういう十分の理解というものを取りつけておられるのか、伺っておきたいと思います。
#18
○山口(シ)政府委員 私の就任後のいきさつはやや存じておりますけれども、この法案がここまで煮詰まるまでの経過はあまりよく存じておりませんが、おそらくこの法案を成立させようとする私どもの役所の考えからいたしますと、それまでの折衝はしているのではないかと思いますし、それからまた、この法律が成立しましたあとの私ども官庁の監督その他の努力も、これまた先生の御希望にこたえるべくしていかなければならないと存じておりますが、私のいろいろと勉強しました上では、世界的にも、この国民生活センターのような施設の内容の充実したものは数少ないそうでございまして、これはわが国といたしましても、試験的にも、一つの機関としてこれから大いに充実させていかなければならないのではないか、これは私の考え方でございますが、そういう意味で、特に先生の地域では、地方団体の皆さま方が消費生活センターには御尽力くださっておりまして、一つのサンプルケースのような存在であることもよく聞いております。今後いろいろと御指導をいただきながら、御希望に沿うようにしていかなければならないと、これは私なりの答えでございますけれども、考えております。
 あと足りない点は、局長のほうからお答えさせます。
#19
○矢野政府委員 この法案を国会へ御提出いたしまして御審議をいただくにあたりましては、先生も御承知のように閣議決定をいたしております。当然これは、各省と合意に達したところで閣議決定いたしたわけであります。
 もちろん、この生活の問題あるいは消費者保護の問題にいたしましても、経済企画庁が総合的な見地からそれを調整していく、あるいは政策の立案、総合調整の任務を持っておりますが、これは経済企画庁だけでできることではありません。ほとんど各省に仕事がまたがっております。関係の深いところをあげてみましても、少なくとも十五、六の省庁にまたがっております。この生活の問題は企画庁で考えていればいいんだ、ほかは別だということでできるものではありませんし、非常に広範な仕事でありますから、各省がみんな、そういう面で協力していただかないと、もちろんできません。各省もそういう観点から、漸次、どの省においてもそういう方向に向いてきております。個々のいろいろな仕事は、必ずどこかの省に属するものになります。どこの省にも属さないものというのは、おそらく少ない、ほとんど例外的なものだと思います。ですから、その点はもちろん各省が、いろいろな知識、情報の提供の仕事もやっておられます。大いに拡充していかなければならぬと思います。ただこの生活センターの仕事は、そういうものを、この法律の第一条の目的にも書いてございますが、総合的な見地からやっていく。といいますのは、もちろん総合的というのは、個別を離れた総合はありませんから、個々のものが内容になっておりますが、しかし、ある一つの何か目的のためにやるということですと、これは各省がいろいろやっておられますが、そういうものを含めまして総合的に提供していく。どういう知識がどこだということは、国民はよく知らないと思います。ですから、個々にいわば窓口を設けていくということでやっていきたいと思っております。
 そういう仕事を達成いたしますためには、もちろんこの法律が通り、生活センターが発足しましたあとも、こういう連携は非常に重要でありますので、そうした観点からも、この法律でも、十五条にセンターに運営協議会を置くということになっております。この運営協議会は三十人の人員で構成いたしますが、その中には、おそらく十五、六の省庁を代表する方もここに入っていただく。それと同時に、さらにもっと――これは法律にはございませんけれども、この運営協議会をもとにして、もっとその下部機構といいますか、現実の連絡体制もとるような、いわばネットワークをつくって推進していきたい、かように考えております。
#20
○砂田委員 いまの点、たいへん重要なことでございますし、国民生活センターの目的は総合的であろうし、また、そうあってしかるべきだと思いますけれども、さっきも、知識提供の対象を三つに分けて御説明になりましたけれども、センターへ何かの目的で情報を提供してもらおうと思って行く人は、総合的に行くわけじゃなく、何か一つの目的を持って行かれるわけです。ですから、よほど各省との連絡というか、各省の理解を深めておかなければならないと思います。企画庁の特段のひとつ御努力をお願いしておきたいと思うのです。
 私は、もう一つだけ伺っておきたいと思いますことは、通産、厚生両省からもおいでをいただきましたけれども、各府県がそれぞれ設置をしてきました府県段階の生活センターというものが、だいぶ数がふえてきました。おそらくことしで三十幾つかになって、来年は全府県に置かれるのじゃないかと思います。そこで、各府県の生活センターと政府の間のいろいろな連絡の協議会、勉強会のようなものも御努力を願っておると思うのですけれども、経済企画庁と厚生省、農林省に私伺っておきたいと思いますことは、各府県の生活センターが商品の試験設備を持っています。消費者の依頼を受けて検査をやって、そこでたとえば、厚生省に伺いますけれども、食品衛生法に違反する、たとえば、許されていない添加物が含まれている食品が府県の生活センターで発見された、あるいは食品衛生法に定められた表示の内容と実際の食品の内容が違う、そういうものが発見された場合、この事実を府県の生活センターは、その生活センターの中なり、あるいは生活センターの発行しているパンフレット、そういったものでこれを公表することは差しつかえありませんか。
 それから、あわせて通産省に伺いますが、これもひとつ具体的な例をあげましょう。家庭用品品質表示法違反、家庭用品品質表示法で定められた表示をしていない商品、あるいはまた表示と品質が異なる商品が府県の生活センターで発見された場合、この生活センターは、自分の責任でならば、生活センターとしてこれを公表してもよろしいか、厚生省と通産省から、この点を明確にしておいていただきたいと思います。
#21
○鴛淵説明員 ただいまの公表の点でございますが、生活センターの責任において公表することは差しつかえないと考えております。ただし、ただいま御指摘のございました食品衛生法に基づく食品の検査につきましては、御存じのように各都道府県の衛生主管部局が所管いたしておりまして、特に試験検査につきましては、地方衛生研究所で行ないました試験結果に基づいて、衛生主管部局が行政措置の判断を行なうたてまえとなっております。したがいまして、食品の検査に関しては、一元的に地方衛生研究所で行なうのが妥当だと考えております。
 また、ただいまおっしゃいました表示違反等につきましては、食品衛生監視員、これは衛生部ないし保健所に配置されておりますが、食品衛生監視員が確認をした上で行政措置をするというようにいたしたらよろしいかと思っております。
#22
○砂田委員 確認しておきますけれども、府県の生活センターが自分で持っている試験検査設備で、消費者から依頼を受けてその食品の検査をした、そして食品衛生法に違反する答えが出た。食品衛生法で定めるところの行政処分をするのならば、府県の関係の衛生研究所といいますか、その衛生研究所であらためて検査をする。あるいは表示の違反であるならば、保健所等にいる食品衛生監視員のところへでも持っていって、その判定に基づいて行政的な処分はする。食品衛生法に定められた行政処分をするときには、そういう手続を踏むのが法のたてまえからも妥当である。しかし、その府県の生活センターがそれを公表することを自分の責任で――自分の責任でということは、たとえばあとから、その食品のメーカーから裁判その他のような問題を起こされる、それでも責任を持って対処できるのだという自信があるときには、それを公表することについては、法律は別にこれをとめてはおりませんね。そういうことですね。
#23
○鴛淵説明員 いまのおっしゃるとおりでございます。
#24
○長橋説明員 お答え申し上げます。
 御指摘の家庭用品品質表示法に関しましては、同法の第四条におきまして、不適正な表示を行なった者に対しましては、通産大臣が必要な指示をまず行ないまして、それに従わない者に対して、その旨を公表することができるというふうな規定がございます。しかして、この法律の施行事務の一部、県内に所在するその販売業者に関しますこの規定の適用事務は、都道府県知事に委任されておるわけでございます。通産省といたしましては、この家庭用品品質表示法の規定に従いまして、同法の運用を統一的に行なうように措置をしておりまして、家庭用品品質表示法に関係する都道府県のたとえば生活センターといったようなところのテスト結果につきましては、あらかじめ通産省本省のほうに連絡をしてもらいまして取り扱いを決する、かような指導をいたしておる次第でございます。
 このような、いわば国の委任事務に関連するテスト結果というふうなもの以外の面につきましての、固有のセンターの事務に関しましては、センターの責任と判断において、テスト結果の取り扱いが決定される筋合いと考えております。
#25
○砂田委員 これももう一ぺん、企業局の次長に私確認をしておきますけれども、きょうは家庭用品品質表示法だけを例にあげておるわけですが、家庭用品品質表示法のたてまえからいけば、府県の生活センターが、たとえば衣類なら衣類の検査をやってみた。家庭用品品質表示法に明らかに違反している、そう思ったときに、法に定められているように通産大臣に公表してもらう、あるいは府県知事に委譲されておるところによって、府県知事にそれを公表をしてもらうという手続をとるのがたてまえではないか。ただ、生活センター自身の責任で、生活センターでこれを公表することは別に違反とは言わない、そういうふうに理解していいですか。
#26
○長橋説明員 具体的な法律として家庭用品品質表示法の御指摘がございました。この法律に関連する都道府県ないしその付属機関のテスト結果につきましては、あらかじめ統一的な法の運用というふうな意味合いにおきまして、本省のほうに御連絡をとっていただいた上で措置をいたします。そして、それ以外のものにつきましては、御指摘がございましたように、センターの責任と判断の問題、かようなことでございます。
#27
○砂田委員 もう一ぺん伺っておきますけれども、法律できまっているように、通産大臣に措置をしてもらおうと思えば、通産大臣に措置を求めてくるのが妥当である。しかし、その生活センターの判断によって、生活センターの責任で公表することは、これは別に阻止しない。指導としては、あげていらっしゃいということを言っている。そのほうが無難だからという意味ですね、そういうことでございますね。
#28
○長橋説明員 ただいま先生から御指摘のございましたとおりに、私どもといたしましても了解いたしております。
#29
○砂田委員 経済企画庁もひとつ重大な関心を持っていただきたいと思うのです。各府県に生活センターがどんどんできてまいりまして、来年はもう全府県にできる。それぞれ熱心に、いろんな消費者がそういう場で活動をしておられる。また府県の担当官も、非常に熱心にこの仕事と取り組んでおられる。そこで、二つの心配が私はあるわけです。
 いま通産省、厚生省からそれぞれ御答弁をいただきましたようなことで、これは経済企画庁も、各府県の消費者行政担当官との連絡会議のようなことをして指導しておられると思います。年に二回ぐらいやっておられると思うのですが、私が二つ心配いたしますのは、あまり生活センターの活動に強い手かせ足かせをはめてしまうと萎縮してしまうということが一つの心配。それから、先ほどから私と厚生、通産それぞれの方とお話しをしております中で使われておる、生活センターの責任においてとか、生活センターの判断においてとか、その公表することは、別に法律でこれは禁じてはいないという御答弁がそれぞれあったわけです。ただ、それを公表される場合に、よほどの確信と準備を持って公表なさらないと、一つ間違えるととんだことになる。どういう商品を検査なさったのか、検査をした当該商品をあとへ残さないで公表されると、メーカーのほうから、それに対して何かの法的な反論が行なわれた場合それに対処できないということになります。一つそういう失敗をすると、全国の都道府県の生活センターがこれまた萎縮してしまう。ですから、各府県の消費者行政担当官も、こういう意味合いで十分御指導をいただきたい。年に二回ぐらい連絡会議を持っておられることでございますから――この二つの心配は、それぞれちょっと矛盾するようですけれども、よほどうまく府県の生活センターが配慮をしながら動いてくれませんと、とんでもないことになってしまいますし、そうかといって、これを萎縮させてしまうようなことは絶対いけない。よほどうまいリードをしていただかなければならない問題だと思うのです。
 この問題は、いずれ当委員会で消費者保護基本法のアフターケアを、各省の方においでいただいていたしますから、そのときにまたあらためて、いろいろな法律との関連を伺ってみたいと思いますけれども、ひとつ政務次官からでも、いまの点お考えがございましたらお答えをいただきます。
#30
○山口(シ)政府委員 先生の御趣旨のとおりだと存じます。そういう意味で、よく注意をいたします上にも注意をいたしまして、御希望のように実現をさせていただきたいと存じております。御意見をいただきまして、たいへんありがとうございました。
#31
○砂田委員 終わります。
#32
○松平委員長 武部文君。
#33
○武部委員 私は最初に、生活センターの性格と申しますか目的と申しますか、こういう点で若干ちまたに誤解があるように思うのです。と申しますのは、これは私、きのう汽車の中で、たまたま週刊誌を読んでおりました。ところが、――これは「週刊新潮」の一番新しいやつでした。これはちょっと表現が上品ではないのでぐあいが悪いのですが、「物価に「へ」の役にも立たず、国民生活センターの存在価値」と、こういう記事が載っていたのです。私はきょうのことがあるものですから、非常に関心を持っていたからずっと読んでおったのですよ。そうしたら、そこの課長の、あなたの談話が載ったりいろいろありますよ。そうして、これから出るであろう例の物価安定政策会議の提言ですね、この内容にも触れてあるのです。物価問題とこの国民生活センターというものとの関連ですね。このものについて、あなたのほうからお出しをいただいた法案の要綱なり、あるいは大臣の説明なり法案の補足説明なりというものと、この雑誌の内容は、はっきりいうとかみ合わないのです。ところが、二月二日、総理が首相官邸で行なった記者会見の内容というのが載っておるのですがね。この中に、特に国民生活センターに触れておるのです。そうして「こんど経済企画庁が国民生活センターを設けた。この面で物価を指導していくのが大切だ。」こういう記者会見をやっておるのですよ。だから、総理自身が、国民生活センターというものを物価問題の一つの非常に大事な問題として取り上げて、いままでやらなかった佐藤内閣が、物価問題に非常に力を入れて、生活センターをつくって物価問題を指導していく、こういう記者会見をやっておりますね。これに大体似ておるようなことを、この「新潮」の記事はいっておるのです。ですから、これを読んでみると、提言がこれからされるであろう野菜の問題とか、豚肉の問題とか酒の価格とかいうものや、タクシーの免許やいろいろなものに触れて、「経済企画庁は、もっと強力な行政指導力を持ち得ないのなら、「物価のお目付役」などという看板ははずすべきである。」というようなことで、これを結んでおるようです。
 これはおもしろおかしく書いておる記事のようですが、総理自身が、国民生活センターというものは物価問題だというふうに考えておるとするならば、あなた方がお出しになったこの提案理由の説明とか補足説明とかいうものと、非常に食い違ってくるように思うのです。ただ言えることは、あとでちょっと触れますが、このセンターというものに非常に大きな魅力を持つのは、苦情処理あるいは情報の問題ですね。国民としてはいま物価が一番大問題なんですから、それについての苦情なりそうした問題があなた方のほうに来るだろうし、情報も的確に知らしてもらいたいだろう。そういう面で、いま私が言ったようなことについて、経済企画庁はどういうふうにお考えか、その点を最初にお伺いしたい。
#34
○矢野政府委員 国民生活センターは、物価の安定そのものを目的にはしておりませんで、この法律にありますように、「国民生活に関する情報の提供及び調査研究」ということになっております。しかし、このことは、一方で物価の安定に役立つことであるというように考えております。
 と申しますのは、現在物価の上昇の要因というのは、御承知のようにいろいろ複雑であります。これに対する対策としては、もちろん、政府がやらなければならない部面が非常に多いことは事実であります。しかし、それと同時に、やはり民間の各方面においても、この物価政策の内容を御理解いただくとか、あるいは、むしろそれに自主的に協力していただくとかいう要素も、あわせて非常に大事な問題だと思います。ことに物価が安定する、あるいは特に個々の価格の安定という問題には、政府が全部直接介入しておるわけではありませんで、大半のものは自由な価格であります。ただ、ややもすれば自由な価格が、本来の意味で自由に行なわれにくいような仕組みが一方にあることも事実であります。その面で一つ重要なことは、やはり消費者のサイドからも自由な競争を促進していく、あるいはさらには、物価高の一つの背景になっております構造的なおくれ、こうしたものを近代化さしていく、この辺にも、消費者の側面的な援助が非常に重要かと思います。
 たとえば、消費者が商品の品質と価格を十分選択して買うとか、あるいは店をよく選択する。それにはやはり一方で、こういう生活センターあたりが商品に対する知識を十分提供していく。それによって、消費者が十分選択するような知識及びその行動のしかたを教えていくということも必要かと思います。また、単にその商品の末端における価格あるいはその機構だけを見るのでなくて、この商品はどういう生産、流通の仕組みでできているかということも、消費者によく教えていく。そうしますと、こういうところを改善していったらもっと物価の安定に役に立つのじゃないか。それには、たとえば店を選択するというようなことも必要でしょう。そうしたことがまた流通の近代化にも結びついていく。
 こういうことで、つまりこの国民生活に関する情報の提供といいますのも、もちろん国民の不安を解消していくということもありますが、一方では、そうした知識を提供していくことによって、どういう生活が合理的であるか。これは、個々の国民の生活が合理的であると同時に、物価及びそれをめぐるいろいろな機構、それを合理的なものにしていくということ、公正な競争が十分行なわれていくようにする、そういう面で消費者がどういうふうにしていったらいいか、こういう点も、生活センターのこの目的に照らしまして一つの役割りになるかというように思っております。
#35
○武部委員 そういう論争をしますと物価論争になってしまうんですよ。そういうことになってくると、とても三十分や一時間、二時間では論争できない。ただ、総理が言うように、物価を指導するということに国民生活センターの目的がある――それは、いま局長おっしゃるように、一部にはあるでしょう。しかし、現実問題としても、はっきり総理は、記者会見でそういうふうに述べておりますね。そうすると、生活センターができれば、その面を通じて物価問題は解決するのだというような空気があるから、こういう記事になってあらわれてくると思うのです。これは、あなた方から見れば当を得た書き方でないというふうに思えるでしょう。私もそう思います。このセンターの目的なりこの条文等をずっと見て、ちょっとこれは、言っておることと食い違っておるのです。ただ、国民から見れば、国民消費生活に関しての一番の苦情は何かといえば、これは物価高ですね。これは問題ないことなんです。間違いないことです。そういう面で、これから国民生活センターの果たす役割りというものは、われわれやあなた方が考えている以上に、あるいは国民、消費者の側から見れば相当大きな期待を持っておると思うのです。
 それから、これはまたあとで論争になると思っておったのですが、たとえば安定会議が提言をしたことに、厚生省はさっそく反対を表明していますね。これは業界紙がすっぱ抜いておるのですが、頭から反対。これはちゃんとここに書いてあるんですよ。このことも書いてある。そういう点から私は、物価安定政策会議がこれから提言することが、これからの国民生活センターにどういうふうな関係を持つだろうかということを、ちょっと関心を持っておるのです。
 それは別な問題にいたしまして、あした大臣もお見えになるようですから、できればその際に譲ることにして、そういうような見方を持っておるからこういう記事が出るのです。たまたまきょうは持ってこなかったけれども、ある社説に、それと同じようなことを書いていましたよ。国民生活センターができるというが、日本消費者協会というものがある。それに毛の生えたような、あれと同じようなものだという社説を、大きな新聞でしたが、書いていましたよ。私も、大体これと同じようなことを言っているなと、いま考えますと考えられますが、そういうふうな面が一部にあったということを、お互いに十分考えておかなければならぬ、こう思います。
 そこで、具体的な問題で私少しお聞きいたしますが、いままでの研究所は、国民生活の実情及び動向に関する基礎的、総合的な調査研究をするということが目的でつくられておるのですけれども、今度のこの条文を見ますと、基礎的ということが削られておりますね。基礎的ということがなくなってしまっておる。それはどういう理由で基礎的なことがなくなったか。この基礎的なことを全部やめてしまって、あなたのほうとしては、業務の内容というものは実用研究という点のみに重点を置かれて、基礎的ということを削られたのかどうか、その点はどうでしょう。
#36
○矢野政府委員 御指摘のように現在の国民生活研究所法では、「基礎的かつ総合的」となっておりますのが、今度お出ししております国民生活センター法案では総合的な調査研究――基礎的なということがなくなっておることは御指摘のとおりであります。これは特にそう基本的に大きく変わっているということではございませんで、ただ、基礎的と申しますと、何かアカデミックな調査研究という印象が非常に強くなりはしないか。もちろん国民生活に関する調査研究には、いわゆる基礎的あるいはアカデミックな研究もその背後では必要でありますが、ただ、あまりそっちのほうの印象が強くなりますと、何かすぐに役立たぬようなことをしてという印象を与えてはいけない。ですから、考え方としては、なるべくそういう印象を避けて、ここのセンターがやりますいろいろ情報の提供とか、こういうものになるべく役立っていくようにする。しかし、その役立つと申しますのも、非常に実用的なものもあるかと思いますが、もちろんものによっては、かなり基礎的な研究も背後で積み重ねなければならないものもあるかと思います。その点はいままでと決して――特に変わったことをやっておりますというより、やはり総合的な研究、この中には基礎的なものも入りますし、実用的なものも入りますが、印象として、やはりあまりアカデミックだという印象を与えることをおそれて取ったわけでございます。
#37
○武部委員 いまおっしゃるように、すぐに役立たない印象を与えるという点から、配慮といいましょうか、考慮されたという気持ちはわかりますが、現在この三十六名ですかの職員は、そのまま生活センターに吸収されるというように聞いておるわけです。いまの三十六名というのは、この「国民生活研究所案内」というものを見ますと、あなたが先ほどお述べになったように、ほとんどこれは基礎的な研究をずっとやっておる。それが目的で設立をされ、きょうまでずっとその業務をやってきた。その三十六名というのは、今日まで基礎的な学問をずっとやってきながら研究所につとめておった。それがことし二十人ふえて、最終的には百七十人幾らになるそうですが、それじゃ、基礎的な問題もあわせてやるが、表面的には、いまおっしゃったような当面すぐに役立つような、また、そういう印象を国民に与えるような仕事をするのだということにしたのだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
#38
○矢野政府委員 もちろんこの国民生活に関する研究は、先ほども申しましたように、ただ当面すぐ役立てばいいことだけをやっていれば済むということじゃありませんで、もちろんその背後には、基礎的ということばが適当かどうか別にしましても、十分その中の原理、原則も追求しなければならない面も相当あるかと思います。そういったことを全部含めて調査研究をしていくわけでありますが、従来国民生活研究所でやっておりました仕事は、先生御指摘のように相当基礎的なものもありますが、しかし、一方では生活行動、生活意識の調査というような性格のものもやっております。いままでやりました蓄積を今後も進めると同時に、またそれを今後も大いに活用して、このセンターの業務に役立っていくようにしていきたいというように考えております。
#39
○武部委員 先ほど砂田委員と皆さんとのやりとりを私聞いておって、センターの自主性というような話が出ておりました。あとでまたこのアンケートの点については、お尋ねをいたしますが、この業務の中に「国民生活の改善に関する情報を提供すること。」、この場合は、相手は不特定多数ということになりましょう。二番目が「国民生活に関する苦情、問合せ等に対して情報を提供すること。」、こういうことになっておりますね。これは相手があなた方に苦情なり問い合わせをしてくる、これに対して反対給付で情報を提供する、こういうことになりますね。それから三番目は、中央、地方の「行政庁、団体等の依頼に応じて国民生活に関する情報を提供すること。」、これは地方の団体等が相手だということになるわけです。
 そこで、先ほど、自主性ということや公開というようなことについて、いろいろ話がありました。少なくとも出てきたその苦情というものが、かくかくの品物についてはインチキじゃないか、有害ではないか、こういうような苦情なりあるいは問い合わせが皆さんのところにあったとする。あなたのほうは、そういうテスト機関は原則として持たないということをさっきおっしゃっておったが、私は持つべきだと思うのです。いま一応そういう予算も何も組んでありませんね。そうすると、繊維研究所とか工業試験所とか、あるいは国立衛生試験所とか、そういうところに皆さんのほうが、そうした苦情なり問い合わせ等についてまたさらに問い合わせをして、そうしてその答えを受けて、それを今度は苦情の人に知らせる。その場合メーカーの名前、それから商品の名前、そして、かくかくのものが入っておって、これは有害でインチキでうそつきだとか、そういうところをはっきりとあなたのほうは――これはさっきの砂田君の質問と関連をするのですが、きちんとして、あなた方は公開されるという原則でおやりになるわけですか。
#40
○矢野政府委員 いま先生御指摘のように、国民生活センターの自主的な運営、活動を尊重してまいりたいと思っております。法律もそういうたてまえでできております。かりにその苦情の中に、あるいは苦情が出ない場合もそうかと思いますが、現在法律で禁止している、たとえば添加物を使ったものがあったりあるいは不当な表示をしてある。そうしたことによって消費者に被害を与えるとか、あるいは消費者が惑うというようなことがあってはいけませんので、これは法律の目的にもありますが、国民生活に関する情報の提供のやはり重要な一部分になると思います。国民が十分安全であることを知らなければなりませんし、また、その表示が適切であるかどうかを知る権利も国民は持っておると思います。そうした知識を提供していかなければならないと思っております。ですから、そういう範囲においてセンターが判断して、これは国民に知らせなければならないと思えば、その責任において公表をすることは一向差しつかえないわけであります。ただ、その公表をするにあたりましては、もしその判断が間違っておりますと、先ほど砂田先生も御心配になっておりますように、もし法律の解釈をセンターが間違えてやったとか、あるいはもしテストした内容がどうもあまり適切でない方法でやったり、間違ったテストの結果に基づいたりしますと、かえって、もちろん業界もそうでしょうし、国民のほうも逆に惑うことになりますから、その面の法律の解釈、その検査の妥当性ということは、一方で十分慎重でなければならないと思います。その点に間違いない限りは、公表することはもちろん、これはやるべきことであるかと思います。
 ただ、これが適切に行なわれるかどうかは、もちろん役所のほうでも十分指導をしていく必要があると思います。また、そういうテスト機関、いろいろテスト機関がございますが、そうしたテスト機関の拡充というようなことも、われわれのほうで側面的整備をしてまいりたいというように思っております。
#41
○武部委員 私はこのことが一番、今度の問題で大事なことだと思うのです。なるほど、非常に抽象的に言われるけれども、たとえば判断が間違った場合には困る、そうかといって自主性を侵すということもいかぬ。そうすると、一体だれが最終的な判断を下すかというと、あなた方のおっしゃることを聞いておりますと、これは生活センターが判断を下す以外にはなさそうですね。ただ、この場合に、あるメーカーのこの品物はインチキで、おかしくて、ごまかしがあるじゃないかと言ってきた。それを、あなた方が独自ではできませんから、そういう機関にテストを依頼をする、それが返ってきた。これを公表していいか悪いかという判断は、このテストを依頼した依頼者じゃなくて、あなた方の国民生活センターだとおっしゃるでしょう。ここで判断をして公表すべきかどうかということをきめるのだ、こうおっしゃっているんですね。私はここが問題だと思うのですよ。本来苦情が、あるいは疑問が、問い合わせが生活センターに来たならば、センターにはその疑問に答えなければならない義務がありますね。そうすると、疑問に答えるために措置をするわけですから、国立衛生試験所なり工業試験所にこれを出す。その場合は、やはり国立のいわゆる権威のあるところにお出しになると思うのですよ、民間のそんなところに持っていくわけはないのですから。そうすると、そういう権威のあるところから、これはまさに食品添加物として間違ったものを使っておる、有害である、危険である、こういうことがはね返ってきたときには、それはもう国民生活センターがそれを左右するとかなんとかいう判断は別にして、当然、権威あるところからきたものであるとするならば、私は、即刻それを公表する、こういう立場をとらない限り――どうも、あそこから言ってきたけれども、これを公表したら――そんなことがあってはならぬことだけれども、メーカーから文句を言われて困ったことになる、というようなことがあってはいかぬと思うのですよ。
 なぜ私がこんなことを言うかといいますと、この間当委員会で電子レンジが問題になったのですね。電子レンジが問題になったところが、通産省はメーカーの名前を公表しないのですね。どこまでも公表せぬというのです。とうとう電子レンジはメーカーの名前を公表しないままに、この論争は終わってしまったのですけれども、あなた方が、たとえば電子レンジの欠陥、例の高周波を出すやつですね、これがあるじゃないか。六割はあるというのですから、そのものを工業試験所に持っていって、確かにこれは漏れるということになれば、生活センターはその名前を公表して、国民に、この電子レンジはかくかくの欠陥がある、こういうことを反射的に発表するということをやらなければ――あなたのほうで、それをやったら、あっちのほうから文句を言われるわ、こっちのほうもぐあいが悪いわという判断をしておったのでは、これは国民の苦情にこたえる道ではないと私は思うのですが、その点はどうでしょう。
#42
○矢野政府委員 その商品が表示に違反しているかどうか、これは、比較的その解釈は簡単かと思います。これは個々のケースによっては、その解釈があいまいな場合が出てくるかと思いますが、比較的簡単かと思います。しかし、その商品が法律に触れているか、あるいは危害がどうかという点については、かなり技術的な問題が入ってまいりますので、その点は、やはり権威ある試験所の判断にまたなければならないと思います。もし、その試験所の判断によってこれが有害である――有害の程度にもいろいろあるかと思います。そこは、そのときのいろいろな判断の問題かと思いますが、害があるとか、あるいは法律の条文に照らしても確かにこれは間違いであるということが、試験の結果わかれば、あと、センターがそれに基づいて公表するしないは、それはセンターの責任、独自の判断になっていくかと思います。
 私が申しましたのは、その解釈について指導するんじゃありませんで、どこのテスト機関かは別として、そのテストの結果が正しいかどうかについては十分慎重でなければならない。まあそういうことはないと思いますが、いいかげんなテストで、これはおかしいというようなことを発表しちゃってかえって混乱を起こさせてもマイナスになると思いますから、そのテストの結果が正しいかどうかというこの判断には慎重でなければならない。しかし、それも、テストして白か黒かはっきり出るものもあるかと思いますし、問題によっては、なかなかその解釈があいまいであり、また、そこまで技術的あるいは疫学的な詰めもまだ出ていないような問題も起こるかと思います。ですから、そういうことも含めて慎重でなければならないということでありまして、そこは、一般的にはなるべく私のほうも、指導すると申しますか、指導といっても、個々のケースといいますより、そういう十分な判断ができるように指導を要請していくということにも、なるべく力を入れてまいりたいと思います。
 このセンターの業務の中にも、「前各号に掲げる業務に附帯する業務」というのがあります。この中身は、これからいろいろ具体的なプランをつくっていかなければなりませんが、たとえば一つは、こういう仕事に従事する人、これは国民生活センターもそうですが、地方のセンターその他のところでこういう仕事に従事する人の研修ということも考えております。そうしたことで、そういう判断が適切にできるような指導を要請していくということが重要で、あくまでも技術的な問題ではっきりしているものであれば、それを受けて、あとはセンターが独自に判断して、公表するかどうかをきめるべき問題であるというふうに考えます。
#43
○武部委員 私は、いまのはたいへん大事なことだと思うのですがね。いまのお話を聞いておりますと、初めからテストについて疑問を持つような御発言なんですね。そういう気持ちはないかもしれませんが、テストの結果について初めから疑うような、はたしてそのテストの結果が妥当かどうかというようなことの選択はセンターがするんだということになりますと、われわれ全くのしろうとだが、工業試験所や何かの専門の方がいろいろやってきたものを、これがほんとうかうそかということはセンターの技術者でない人が選択をするのだ、公表していいものか悪いものかということの判断もするのだというようなことでは、これは私は問題だと思うのです。
 そこで、あなたのほうがおまとめになった「消費者苦情について」、これを私拝見しました。新聞にはだいぶん出ておりまして、いろいろ書いておりますが、大体いわれておるところはこれを要約しておるようですが、この中で苦情が一番多かったのは、食料品と答えた者が回答者の九三%を占めておるというふうに、あなたのほうではおまとめになっているようですね。ということは、食料品に対する苦情が非常に多いということなんです。これはもう、高い安いということもさることながら、内容についても相当あるようですね。これは三ページにありますよ。三ページの下のほうに「「食料品」と答えた者が最も多く回答者の九三%」と書いてある。あと、ざっと私も見たのですけれども、そういう点で、消費者の苦情なり問い合わせについて、あなた方センターからテスト機関――これは国立のテスト機関だと思うのですが、そういうものに御依頼をされて、それがはね返ってきたならば、それを適切に、一日も早くそうした人に知らせる。まん中のほうで、持ってきたものを、これは知らしたほうがいい、これはちょっと隠しておけ――隠しておけと言うとことばが悪いけれども、そういうことをされるとするならば、これは問題なんですよ。その点はどうでしょうかね。これは一番大事な点ですから聞かしてください。
#44
○矢野政府委員 私が先ほど申しましたことにあるいは誤解があったかと思いますが、そういう権威のあるテスト機関でちゃんと判断が出れば、これはもう問題ないと思います。ただ、その権威あるテスト機関でも、いまの技術的な段階、疫学的な段階で、まだそこで判断が必ずしも十分出ない場合のことを申し上げたので、ちゃんと権威あるテスト機関でこうだというのが出れば、それは問題ないと思います。それは十分そのまま、生活センターでその内容をもって公表していくということは一向差しつかえないと思います。
#45
○武部委員 わかりました。その場合は、メーカーなり商品の名前を発表いたしますね。
#46
○矢野政府委員 その内容がたとえば法律違反であるという場合には、それを公表して、消費者に迷惑をかけないようにしなければならないと思います。ただ、法律には違反しないけれども、ちょっと疑いがある、法律には違反しないけれども、どうも国民に害があるのじゃなかろうか、この場合が非常に問題になると思います。
 御承知のように、経済の発展、技術の進歩によっていろいろな新しい商品が出てまいります。非常に便利なものができてきておりますが、しかし、反面において危険性もふえてきております。この便益と危険性のかね合いというのは非常にむずかしい問題だと思います。ちょっとでも危険があれば全部禁止するのだといいますと、これは一見非常に受け入れやすいような考え方なんですが、しかし、現実の問題としますと、便益と危険のかね合いというのは、個々のケースになりますといろいろな問題が出てくると思います。先生がいま吸っておられますたばこも、ガンがどうだとか、いろいろ研究もされておりますが、それではたばこを吸うのを禁止するのかというと、まだちょっとそこまでいきにくいと思います。自動車でも、現在、個々の交通事故は偶発的なものかと思いますが、ともかく全国で一日五十人交通事故で死んでおります。非常に危険なものであります。それでは、自動車はすぐここで禁止するのかといいましても、なかなかちょっとそこまで踏み切りにくいような事情にあります。これは便益との関係で、そのときの判断は非常にむずかしいものがあると思います。しかし、便益だけを追い回さずに、安全性ということをより重視するという方向にだんだん持っていく必要があるかと思います。これが原則的な考え方ですが、やはり個々のケースによって、この点はいろいろ考えていかなければならぬ問題が出てくると思います。しかし、法律に反する、法律でしっかり明示したものに違反しているということがあれば、これは公表に何らためらう必要はないんじゃないかというふうに考えております。
#47
○武部委員 あなた、頭がいいから、たばこと自動車でうまいこと逃げられましたけれども、私は食料品やそんなことを言っておるのに、自動車に一ぺんに飛んでしまったんだが、そういうケースの問題になってくると、これから起こる問題ですから、確かにむずかしい。たいへん重要な問題を含んでおるが、そういうようなことにはつとめて国民の苦情に沿うような、そういう国民生活センターであってほしいのですよ。それを私は希望するから、いろんな圧力があっても、消費者サイドに立って国民生活センターを設けられたというそういう趣旨に沿って、できるだけ親切丁寧に苦情なりそういうものにこたえていただかなければならぬ、そういうセンターにぜひなってほしいということがねらいであります。ですから、これから起きる問題は、おそらくセンターができればたくさんの問題が持ち込まれるでしょう。それについてあなた方がどういう態度をおとりになるか、これはこれから見なければわからぬわけですが、そういう精神でぜひやっていただきたいということであります。時間がだいぶたちましたから、あと二、三点お伺いいたします。
 この「消費者苦情について」という消費生活モニターのアンケートというのは、私は非常に興味のある調査だと思うのです。これを見ますと、「苦情処理の窓口へ持っていった」というものが、二つに分けてありますが、四%しかありませんね。そういう苦情処理の機関に持っていったものが四%しかない。あとはもうあきらめてしまったり、直接商店に出向いていったというものもあるようですけれども、そういう点から考えると、いまの、地方に置かれているところのセンターというものも、案外その効果をあげていないんじゃないだろうか。それなりに一生懸命努力はしておられるでしょうし、たとえば東京でできたとか、それから神戸にあるセンターあたりは、これは非常に好評ですよ。たいへんな人が利用しておる。ところが一般的に、モニターから上がってくるのを見ると四%。これは宣伝も足りぬのでしょう。何か苦情をそこへ持っていけばどういうような回答が出るんだというような、PRの面が非常に欠けておるということが原因のようにも思えますが、いずれにしても、苦情がたくさんあって、困っているにかかわらず、そういう窓口機関というものが利用されていないのが現実の姿なんですから、せっかく生活センターができても、それを活用しないということになればこれは何にもならぬことなんで、そういう意味では、当初はできるだけそれに力を入れて、金を使っても、センターというものの存在を国民にPRする。そして、それが地方センターと非常に密接な関係を持って、地方のセンターを通じて中央のセンターにこれが行ってはね返ってくるんだというような点の宣伝といいましょうか、PRというものを相当力を入れてやらなければ――こういうような数字がそう急激にふえるということは考えられないのですけれども、そういう点についてはどういうふうにお考えでしょう。
#48
○矢野政府委員 おっしゃるように、現在こういうセンター、地方にありますセンター、そのほか消費者団体もいろいろ苦情の受け付けをしておりますが、必ずしも十分に利用されていないような状況であります。これには、一つは、苦情を持っていっても――よく新聞等に出ますが、たらい回しにされちゃうとか、これはここじゃないんだ、あそこだとか言われてわけがわからなくなってしまうとか、あるいは持っていっても十分な回答が得られなかったとか、あるいはここにもありますように、敷居が高くてどうも入りにくいというような、いろいろそういった事情があるかと思います。むしろ、それであるからこそ、この国民生活センターをつくった構想というのも、なるべく総合的な窓口にしていきたい。その背後に、先ほども申しましたように、各地方庁あるいは各省と連携し、ネットワークをつくって、なるべくそこで活発に処理していく。また、気楽に来ていただいて、そこで処理していく、そういうものをつくっていく。そこのねらいから国民生活センターをつくることにもしたわけであります。各地方地方だけでありますと、なかなか処理しにくい。まだそれだけの蓄積もないと思いますし、あるいは、どうしてもその力が限られますから、これの中核体――形式上は中核体じゃありませんが、実質的には中核体になって確実に連携をとっていく。そして活発に処理ができれば、また皆さんにも信頼していただけるようになると思いますし、そうなればまた、処理も活発になっていく。こういういい意味の循環をつくり上げていきたいと思っております。
 大いにこれはPRもしていきたいと思いますが、何といいましてもPRだけでもいけませんで、うんと活発に処理し、ここへ皆さんが喜んで来る、そういう実をあげていくということが非常に重要なことだと思っております。そういう方向にぜひ持っていきたいというように考えております。
#49
○武部委員 それから、次は役員の問題ですが、これは「理事五人以内」を置くということになっておりますね。ほかのこういう研究センターというようなものを見ますと、たとえばアジア研究所あたりは理事が二名です。それで、これは当初から五人にされるのか。「五人以内」になっているから、おそらく五人ということをお考えになっているでしょうが、それは三十六名をことし二十名ふやして五十六名、来年五十一名ふやして百七名、一番最後の三年目に百六十一名になる。そうすると、役員がちょっと多過ぎるのではないかというような意見があります。五人以内となっているのですが、あなた方としては最初はどういうふうな構想ですか、それが一つ。
 それから、同じ役員の章の中に「運営協議会を置く。」ということになっておりますね。この運営協議会は「業務の運営に関する重要事項について、会長の諮問に応じて審議し、又は会長に意見を述べる」。国民生活研究所は、これにかわるべきものとして評議員会というのがあったようですが、この評議員会の名簿を見てびっくりしたのですけれども、何と社長が、ここに何人ありますか、五、六十人、もっとありますね。全部社長です。それから、あとは県知事が三十人ほど、それから事務次官とかなんとかおられますが、何人おられるか、ちょっと数を数えてみなければわからないほどおられるわけです。それでどういう評議員会をやったのか知りませんが、これはたいへんな数なんです。これを三十人にしたということは、この数から見ると前進したと思いますね。この運営協議会というものが、センター業務の運営に関して会長の諮問に応ずるわけですが、大体この構成と申しますか、運営協議会はどういう人をもって充てようとしておるのか、その点はどうでしょう。
#50
○矢野政府委員 理事の定数につきましてはここで五人以内となっておりますが、現在の予定といたしましては、四十五年度では四名、これは予算的に四名分になっております。それで、いまの予定では、これは今後生活センターの発足後の活動状況とにらみ合わせてまいりますが、必要になりましたら、四十六年度でもう一人あるいはふやすことになるかと思いますが、この点は、今後のセンターの活動状況によると思います。
 それで、この理事の数が多過ぎやせぬかというお話ですが、ほかの特殊法人につきましていろいろのケースがあります。この生活センターで予定しております職員の数よりずっと少ない職員でも、もっと理事の数の多いところもありますし、あるいは逆のところもございます。これはその仕事の内容によっていくと思います。生活センターの場合には、この業務の内容にもありますように、たとえば苦情処理をしていくとか、あるいは一般的な情報提供をしていくとか、あるいはこの調査研究であるとか、あるいは情報を収集し、それを管理していく。あるいはデータバンクのようなものになりますか、そうしたものとか、それぞれいろいろ違った種類のものをかかえておりますので、そのそれぞれを統括していくのに五名程度の理事は必要でないかというように考えております。それに、御承知のようにこれは関係するところも非常に多いものでして、この点からもなるべくネットワークをつくり、各方面と協力のもとに運営していくというそういう観点からも、まあこの程度の理事の数は最低必要ではないかというふうに考えてこうしたわけであります。
 それから、運営協議会でありますが、いまお話しの生活研究所の評議員、これは生活研究所の場合には、私はそのときのくわしいことは知りませんが、民間からの出資を仰いでおります。その関係で、この評議員が、社長が何名と申されましたか、そういう関係で非常に多くなっているのじゃなかろうかと思います。しかし、今度の生活センターは全部政府出資でありまして、民間からは一文も出資は仰ぎませんから、そういう性格のものは必要ないわけであります。
 今度の運営協議会は、ここにも書いてございますように、「学識経験を有する者並びに関係行政機関の職員及び地方公共団体の長」ということになっておりますが、先ほどもちょっと申しましたように、関係する省庁が非常に多い。少なくとも十五くらいになるかと思いますが、そういうところの職員、それから、地方の生活センターの事実上の中核体となっていく必要もありますので、地方公共団体の長、しかし、これは四十六都道府県全部というわけにまいりませんから、その代表的な方をあるいは入れるということになるのではないかと思います。それから、学識経験を有する者の中には、やはり消費者団体との連携が非常に重要になりますので、こうした人たちがかなり多く予定されざるを得ないというように思います。もちろんその反面で、また産業界も一緒にこういう問題を考えていただくということで、一般産業界あるいは労働界というところの人も入っていただくことになるかと思いますが、やはり学識経験者という場合には、このセンターの性格からいきまして、消費者代表と申しますか、消費者団体、そういうところに関連の深い方に相当多くお願いしなければならないということになるかと思います。
#51
○武部委員 説明、わかりましたが、いまの運営協議会ですが、これは、前の評議員会とは内容が異なるようですから、けっこうなことだと思うのですが、いまお聞きしておりますと、十五省庁の代表が入らなければならないし、センターの代表も入れるだろう、消費者代表もかなり入れるだろうというが、入らないですよ、三十しかないのですから。そのうちの半分は省庁が入ってきて、あとセンターが入ってきて、あと地方といったら、何人も入ってこれない。ほんのわずかしかない。私どもの希望としては――消費者団体というのは、非常に選び方がむずかしいということはよくわかるのです、いろいろな利害が対立したところもありますから。しかし、そうはいっても、やはりこういう国民生活センターなんですから、消費者の代表というものは、相当数を入れるように配慮してもらわなければならぬ。十五省庁とおっしゃったが、三十のうち半分ぐらいは必要でしょう、公取とか、農林省とか入るから。しかし、あそこも入れた、どこも入れなければ、科学技術庁や法務省も入れなければならないとか、そんなことはないんで、そういう点は十分配慮して、消費者代表が入るような方法で運営をやっていただきたいという希望を持っております。
 時間が来ましたから終わりますが、いずれにしても、きょういろいろ聞いてみますと、これから発足するわけでして、仕事もどの程度くるか、どんな内容のものがくるかという点も、まことにいまのところ予測もつきかねるのですが、私どもから見て、皆さんがおとりになったアンケートを一つとって見ても、このセンターに対する期待というものは相当大きいものがある。また、われわれが今日まで保護基本法をやってきたアフターケアの面からいって、これは非常に重要な内容を含んでおるわけです。それだけ注文もたくさんあるわけですが、先ほども申し上げたように、消費者が苦情なりあるいは申し出をした場合に、それが即刻正しくはね返ってくるというものでなければ、そこに手が入ったり、操作されたりするようなことであってはならぬ。そのために企画庁が物価のお目付役として、あるいは消費者保護の立場から、官庁としての任務を果たしていただかなければならぬのです。きょう、あなた方のテストの問題について、砂田君のほうから質問がありました。ところが、テストの専門機関を設ける気持ちはないとおっしゃった。確かに発足当時はそういうこともあるでしょう。しかし、本来国がやるべきものとするならば、少なくともテスト機関というものを並立をして、簡単なものは即刻センターでテストができて、すぐそれがはね返っていく。あそこへ持っていく、ここへ持っていくというような時間的なロスをやめて、即刻センターでできるような――たとえば神戸あたりは現実にやっておりますね。それから灘の生協あたりは、自分のところにちゃんと設けてやっていますよ。そういう程度のものであってはいけませんが、少なくともある程度のテスト機関というものは、将来センターが持っていく。そういうものに金をつぎ込むくらいなことは、私は必要だと思うのです。ぜひそういうことをやっていただきたい。
 それから、私どもが論議をした中で一番問題だったのは、公開の原則です。あなた方が御承知になったテスト結果を、どのようにこれを公表するかということが、私どもとしては一番議論になったのです。いまお聞きして、大体のことはわかりました。大体のことはわかりましたから、その精神でぜひやっていただきたい。公表できるものはどんどん公表をする。法律に違反したものはあくまでも公表をするという立場はとっていただかなければなりません。
 最後に、政務次官にお願いをしたいのですが、先ほど聞いておりますと、高輪に建物をお建てになる、相当大きなものだということも聞いておるのです。そうなってくると、職員の数は最終的には百五十六名ですか、その程度になるそうですが、運営については、ぜひ天下りというようなことのないように――天下りとか横すべりとかいうことがよくありますから、そういうことのないように、専門的な人が役員になられて、ほんとうに消費者保護の立場から生活センターを運営していただかなければならぬ。そういう意味で私は理事の数のことも言ったのですが、、評議員会や理事の名など見て、いろいろこの人たちの経歴を聞きましたが、これが横すべりしたり、天下りしたりするようなことでは国民の期待にそぐわないと思うので、十分人選についても、運営についても配慮をしていただきたい。このことを最後にお願いしたいと思います。
#52
○山口(シ)政府委員 たいへん貴重な御意見をたくさんいただいて、まことにありがたかったと存じております。また、先生の御意見の中に幾つか、たいへん国民生活センターの精神としなければならない点が出てきております。それはこの国民センターの趣旨の中に盛り込まれておるとは存じますけれども、より以上、私たちはその面の実現をはからなければならないと存じます。と同時に、この国民生活センターは、自主的な運営ということも精神の一つに相なっております。そのために、中で働く人々も、よりよき人を選考しなければならないということも、局長の発言の中にあったことと存じますので、先生の御意見は貴重と存じます。と同時に、こちらもその面に極力努力いたしたいと申し上げて、結論にさせていただきたいと思います。たいへんありがとうございました。
#53
○武部委員 私は、これで終わります。
#54
○松平委員長 渡部通子君。
#55
○渡部(通)委員 このセンターの法案の趣旨については、私どもたいへんけっこうだと存じておりますが、その内容が、いまもたくさんの質問にございましたように、消費者にとって気になること、あるいはたいへん期待をいたしておる事項、こういった点からほんとうに役立つものにしていただきたい、こういう気持ちがたいへん強いわけでございます。私も基本的なものについて、疑問を二、三伺いたいと思っておりましたが、ほとんど武部先生や砂田先生の御発言になりましたものについて、簡単にまたお伺いをしたいと思います。
 やはり一番疑問に思ったのは、消費テストについて触れられていないという、その一点でございました。矢野局長からはいろいろ御答弁がございましたが、経済企画庁として政務次官、どのようにお考えになっていらっしゃるのか、どうしておやりにならないのか、また、将来やる方向はお考えにならないのか、その点をお伺いしたいと思います。
#56
○山口(シ)政府委員 確かに先生の御意見は、貴重だろうとは存じておりますが、いまのところでは、各官庁に専門的にテストをする機関がございますので、それを通して、そして中央の国民生活センターでよりよくそれを整理いたしまして。消費者に流していきたいと考えております。
#57
○渡部(通)委員 将来についての御答弁はいただけなかったわけでございますが、テストの必要性をいまさら、私がここで申し上げるまでもございませんが、先ほど武部先生からもお話がありましたように、当然各機関に委託をなさる、消費者協会等にも委託をなさるようになると思いますけれども、そうしますと、この間の電子レンジ、それから古い話ですけれども、ジャムのときのような、たいへん不明朗な回答ではね返ってくると――私たちが聞くところによると、通産省との問題も何かと耳にするわけでございますが、こういう場合に、いままでも議論されましたけれども、どうか業者サイドでなくて、消費者サイドに立っての行政を行なったいただきたいし、そういう立場に立った生活センターであってほしい、これだけは強力にお願いすると同時に、また将来、テスト機関というものは当然持っていただきたい、こう思うわけでございます。この独立した権威のあるテスト機関のないセンターというものでは、やはりどこかへ流されてしまうような、そういう危惧を抱くものでございますし、また地方のセンターは、それぞれ簡素ながら持っているわけでございますから、そういったのを連携指導を行なっていく上にも、ぜひテスト機関を持ってほしい、要望になってしまいますけれども、お願いをいたします。
#58
○山口(シ)政府委員 確かにそれが私たちの理想でございまして、その目標には前進したいとは考えておりますが、御承知のように、この機関の内容を充実させますのには――先ほどちょっと私が漏らしましたように、各国にもいまだ充実したものがないというような状態でございますが、そういう意味で相当膨大な予算もかかりましょうし、いろいろな意味で、いまの時点では局長が申し上げた程度のことのお答えしかできませんが、行き届かない点は、局長のほうからまたお答え申し上げることにいたします。
#59
○矢野政府委員 ここの国民生活センターの目的にありますように、国民にいろいろ情報、知識を提供していく、その場合に、テストの結果に基づいてやっていかなければならないものが非常に多々あると思います。ですから、その点は、この目的を達成するために必要ないろいろな仕事をやりたいと思っております。
 ただ、テストそのものが決して目的じゃありませんので、この目的を達するためにどういうふうにしたら一番効果があがるか、もしどうしても生活センターで専門にテスト施設を持たなければできないということがはっきりしますれば、これもその目的を達成するためにやらなければならないかと思います。しかし、この目的を達するためにセンターがテスト機関を持つことは、決してセンターの目的ではありませんで、センターはいろいろな情報を集め、その情報の中では、一般的な情報もありますし、試験の結果、テストの結果、いろいろなものがありますが、そういうものを集めて、それを提供していくということでありますので、その場合に、いろいろ専門のテスト機関がありますから、それを活用していく。それが十分技術的にも信頼の置けるようなものになって――いまも、すでにそういうものがありますが、いろいろな商品もふえてまいりますから、もっとそれを拡充していくという必要が起こると思います。
 その場合に、ばらばらにあちこちつくるのがいいのか、なるべく既存のものを活用していくのがいいのか、ここにはいろいろ問題があるかと存じます。現在の考え方では、あちこちへつくるよりは、すでにある専門のテスト機関、これを活用していくことがやはり中心だと思います。ただ、あまり簡単なものを一々持っていっても、それが非常に煩雑なことになれば、ちょっとしたものぐらいは持つ必要が、あるいは起こるかと思いますが、これはあくまでも中心的な仕事でありませんので、やはり専門の機関を大いに活用していくということ、それが、このセンターの仕事を活発に処理していくためにも必要じゃないかと思っております。
#60
○有島委員 関連いたしまして……。
 センターがテスト機関を持つ、持たない、これはいま局長のおっしゃったとおりで、必ずしも本質的な問題じゃないと思います。
 それで、いま全国にいろいろなテスト機関があるが、さしあたって大体幾つくらいの、どういうテスト機関と関連をお持ちになる予定なのであるか。そのリストはできておりますでしょうか。
#61
○矢野政府委員 現在幾つくらい、どんなのがあるか、申しわけありませんが、私もまだ承知しておりません。それで現在、通産省の工業品検査所、厚生省の衛生試験所とかセンター的なものもありますが、そのほかにも、それぞれの商品によっていろいろな機関があると思います。この点は、今後生活センターが、この法律が通って発足するにあたりまして、あるいは発足する前の準備といたしましても、これはテスト機関だけに限りませんで、どういう問題はどこが一番効率的にやっているか、正確にやっているか、一番能率よくやっているか、公正妥当にやっているか、どこが一番力を持っているか、そういういろいろな情報を集めるのが、まず最初の仕事だと思います。こういうテストだったらどこがいいか、あるいはこういう問題だったらどこに問い合わせるのが一番いいか、こういうことを積み重ねていきたいと思います。これはセンターの発足前の準備から始めていかなければならぬというふうに思っております。
#62
○有島委員 ただいまの局長のお話で、どのくらいテスト機関があって、それがどういうものが得意であるのか、それは各大学にもみな試験所がございますし、そういうものを、センターが発足し始めてから情報を徴し出すのか。あるいは経済企画庁としても、もう現在までそういったことは、当然資料としてお集めになっておいでになるのではないかと思いますが、そういった資料の御提出をいただけるでしょうか。
#63
○矢野政府委員 ある程度のは承知しておりますが、まだ全部はわかっておりませんので、これは後ほど御提出いたします。
 それから、その前に申された点、先ほど私も申し上げましたが、センターがすべて発足してから――発足しなければできないこともありますが、この法律が通りましたら、準備期間もありますから、その段階で経済企画庁としても、センターが発足したら、なるべく早く仕事ができるだけの準備はあらかじめしたいと思っております。
#64
○渡部(通)委員 委員長に、この資料の提出をお願いしたいと思います。
#65
○松平委員長 わかりました。
#66
○渡部(通)委員 次に、予算の件についてちょっと伺いたいと思います。
 センターの費用はかなり必要だと思いますが、ほとんど交付金ということでございますが、交付金という性格、内容、金額等について御説明いただきたいと思います。
#67
○矢野政府委員 四十五年度の予算におきましては、この国民生活センター法が通りますと十月一日を予定しておりますので、半年度分は、現在の国民生活研究所の予算になっております。それで、あとセンターの予算といたしましては、一つは出資金、これは建物の一部分になりますが、これが二億円、これは、もうこの法律に書いてございますが、それと土地の現物出資、これは後ほど評価委員が評価いたしますが、これが現物出資になります。それから運営の費用といたしましては、半年度分ですが、八千万円予定しております。しかし、これは先ほども申しましたように、年度の途中から発足するということ、それから発足しましても、人員も少なく、その日からというわけにはまいりませんので、漸次拡充してまいります。
 それから、四十五年度で全部ができ上がるものではございませんので、この費用は漸次拡大してまいります。もちろん、建物に対する出資もあとで追加していく。ここの法律の条文でも追加出資ができることになっておりますが、してまいります。それから、運営費は、先ほども申しましたように全額交付金でありますが、この交付金の金額も漸次拡大してまいります。これはどのくらいになりますか、活動の状況、人員の拡充にもよりますが、われわれの大ざっぱな腹づもりでは、一通りの形ができました場合には、おそらく年間の運営費も七、八億円くらいになるのではなかろうかと思っておりますが、今後発展のぐあいによって必要な経費は、よく財政当局とも打ち合わせて確保してまいりたいというふうに思っております。
#68
○渡部(通)委員 今度民間の出資をやめましたですね。それを特に国民生活研究所との相違において御説明願いたいことと、それから、交付金という性格上、法文の中にそれに関する規定を入れたほうがよろしいんではないかという意見は、いかがですか。
#69
○矢野政府委員 民間からの出資を仰がない、この点が現在の国民生活研究所と違うことは、御指摘のとおりでございます。国民生活研究所の場合には、調査研究が主体でありますので、民間から出資を受けたから調査研究がどうだというようなことも、比較的起こることが少ないかと思いますが、今度の生活センターは、先ほどから申し上げておりますような目的を持っておりますので、一般の消費者を中心にして、一般の国民からのイメージになるべく合わす、そのためには――実際に民間から資金を受けたからすぐどうだということには、かりに受けましても、そういうことにはならないように思うのですが、しかし、そういうイメージからいきましても、どうも不適当であると思いますので、これを全部政府の出資で、公正な立場でやっていくという考え方に基づいております。
 それから、交付金につきましては、ここに明記はしておりませんが、最近の立法例では、交付金でやるものにつきまして明記しないのが通常であります。明記しないからといって、この基礎が薄弱だということにはなりません。これは年々予算で確保してまいりますので明記しない、その通例にのっとっただけのことであります。
#70
○渡部(通)委員 実際の利用面については、先ほども武部先生から御指摘はございましたが、この消費者の利用率は四%ということで、それに対して、企画庁としても各都道府県に対して、一般消費者に強くPRするよう呼びかける方針――これは読売新聞の記事でございますけれども、そのPR不足というものを、私たちも各都道府県のいままでの消費者センター――現に神戸市などが一番先駆といわれておりますけれども、私も神戸に暮らした経験からしても、そのPR不足というものは非常に感じてまいりました。その窓口を周知させる方法として、具体的にどういうお考えをお持ちでございますか。その出張所をつくって窓口をふやす意思とか、あるいは一定のモデル地域を一定期間つくって、そこで一つのモデルをつくり上げてみるというようなこともおもしろい方法だと私は存じますけれども、そういった点で、具体的なPRの窓口を周知させるという方法をお持ちでしたら、局長と、それから政務次官にもぜひ、これは女性にもたいへん関心のある問題としてお願いをしたいと思います。
#71
○山口(シ)政府委員 私の考えですと、今回国民生活センターの法律が通るというと、これがやはり全国民の皆さま方に強力なPRになるのではないかと思います。これがきっかけで、各地方自治体の協力によって逐次設置されつつありますところの消費生活センターもPRされていくのではないかと思いますが、この国民生活センターの法律の内容をごらんになっていただきますと、その啓発――いわゆる業務の部門で、どういう形で国民の皆さま方に啓発していくかという点について、ちょっとお答えを申し上げておきます。
 まずテレビ、ラジオ、これらを三十分あるいは十五分ぐらい、対談、座談会、またはテーマをつくって一つの劇にしてもよろしいと思いますが、こういうもので、特に消費者の――対象として主婦の奥さま方ですね、主婦に見ていただけるような時間を選んでやってみたいと考えております。そうして、その対談、座談会には消費者の方々にも加わっていただき、そうして自覚を持っていただきたい、こんなようなことも考えております。
 それからテレホン相談、即座に、電話一本で苦情もおっしゃっていただきたいし、またお答えもできるような準備もしていきたいと思っております。
 その他いろいろと業務上のPRの問題を考えておりますけれども、現在、県の場合でございますが、パンフレット、テレビ、ラジオ、これももちろん実行しておりますけれども、地方事務所に出店をこしらえて、そこで受け付けておるような体制のところもございます。これは埼玉県で行なわれております。それから、特に婦人団体との連携を密にいたしまして、PRにつとめております。それから兵庫県では、これは初めて聞きましたけれども、中央の機関に、婦人団体の方をバスに乗せて啓発に連れてきて、いわゆる社会教育みたいなものだろうと存じますが、やっておりますケースもございます。
 まあいろいろと展示会もいたしておりますし、出版物も出しておりますことでございましょうし、活動は非常に活発にやっているようでございますが、おそらくまだ徹底しない点もあるのでございましょうから、こういう点をよりよく拡大をしていくことが必要であろうと考えております。
#72
○渡部(通)委員 いま現状のお話を伺いました。国会を通ったということが一つのPRになる――これは主婦にとってはあまりPRにはならないように私は思いますもので、ひとつテレビとかテレホン相談とか、いまおっしゃったようなPRを進めていただきたいし、どうか窓口がもう少し親しめるような、そういう窓口自身の行政の取り扱い等についても、これ自身が一つの大きな口コミのPRになると思いますので、いずれ――それこそ苦情を持み込みたいようなお方たちにとっては、非常に活字には縁遠いお方が多いわけでして、また、テレビもないというような立場の人もたくさんおりますもので、どうか窓口の事務が一つのPRになって伝わっていくような、そういうふうな行政指導をむしろ強化をしていただきたい、私はこれをお願いするわけです。
#73
○山口(シ)政府委員 先生の御意見、そのとおりだと思います。それで、たとえてみますと、いま先生のお持ちの週刊誌の切り抜きでございますか、そういうものも、国民生活センターに対する一つの意見として盛り上がってきて――これは誤った報道もされているでしょうが、一応報道の中に大衆の関心が集まってくるということがPRの原則でございまして、こういうものが幾らか役に立っていくと思います。ただし、間違った報道はいけないので、これから私たちの努力で訂正もしていかなければならないと考えております。
 それから、ただいま非常に活字に縁遠い主婦の方々の御意見が出ておりましたが、それは私もそう考えておりますので、今回この国民生活センターの業務の中には、できるだけ目で、耳で啓発されていく方向に、そして――一々投書をしたり、あるいはどこの窓口に持っていったらいいか、どこのお役所に相談に行ったらいいかわからない方が、実際に多いのです。そこで、国民生活センターに持っていけばすべてが受け入れられるという考え方でおります。精神はそういうことでございます。と同時に、曜日をきめまして、子供さんの問題、たとえてみれば教育の問題から法律的な問題、借地、借家の問題もお受けできるように、そこに嘱託を置いて、中央の国民生活センター等から地方の皆さま方が縁遠いという印象を遠のけますためにも、そういうような考え方をもって前進していきたいと考えておりますので、どうぞよろしく御協力をお願いいたします。
#74
○有島委員 関連。ただいまの苦情の受け入れ場所でありますが、国民から直接センターに来る場合もたくさんあるでしょうけれども、いま政務次官からお話があった、どこへ持っていったらいいかわからないということとうらはらに、どこへ持っていっても、そこからちゃんとセンターにつないでくださるということが大切じゃないか。たとえばアイロンの問題も、保健所というようなところに持っていっても、そこからすぐにセンターにつないでくれるように、そういうことが大切なんじゃないか。極端なことを言うと、交番に持っていってもちゃんとつないでくれる。そういうような国民に対する直接のPRと同時に、国民と接触のある各場所には全部そこに行き渡るように、そういう措置が大事じゃないか、このように思います。
#75
○山口(シ)政府委員 先生の御意見のとおりだと思いますけれども、交番に持っていったものを中央の国民生活センターに、あるいは地方の消費者生活センターにというようなことは、技術的になかなか繁雑になってきますし、むずかしいところですけれども、国民全体に、地方自治体には消費生活センターがあります、あるいは中央には国民生活センターがあります、これは常に綿密なるいわゆるネットワークの中に運営されておりまして、御便宜をはからいますというPRが大切で、どこへ持っていっても、それが直接中央の国民生活センターにパイプがつながっていて流れてくるということは、技術的にはとてもできないことでございます。それは逆に繁雑になってまいります。でございますから、私どもの考え方はそういう考え方でおります。そこで、警察に持っていったらいいか、これはどこへ持っていったらいいかというものは、みな消費生活センターあるいは国民生活センターにお持ちくださいという方向で行きたいと存じております。
 ありがとうございました。
#76
○渡部(通)委員 時間がありませんのでもう一点。
 各省庁との類似業務あるいは地方の都道府県等のセンターの業務との関係性についてでございますが、行政上で相違点やあるいはトラブル等が万一出たような場合にどういう処置をおとりになるか、そういった法的拘束力はないと思うのですが、その点はどうなりましょうか。
#77
○矢野政府委員 各省あるいは各地方でも、もちろん類似の業務をやっておりますので、この点は、なるべく各省、各地方にこういう仕事をやっていっていただきたいと思います。
 たびたび申しておりますように、国民の側からは、どの問題がどこなのか、なかなかわからない場合も多いですから、その点は総合的案内所と申しますか、そこへ来て――そこで地方のセンターなりを通ずる場合が非常に多いと思いますが、来ていただければ、そこで一応回答をしていく。その場合に、その場でじかに回答できるものと、おそらくできないものもあるかと思います。どんな問題が持ち込まれるかわかりませんが、しかし、この点もだんだん蓄積していきますと、苦情、問い合わせも、大半は類似のものが前にあったということが多いかと思いますから、これが蓄積し、活発に動いていきますと、そこだけで処理できるものがだんだん多くなっていくと思います。しかし、それにしても、そこだけでできない場合も起こりますから、そういう点は類似の仕事、あるいは専門的にやっておるところへ、原則としてはセンターのほうでそれぞれ問い合わせて回答する。しかし、問題の性質によっては、それでは不十分な場合もあります。あるいは法律的にいって、それでは不適切な場合もあります。たとえば行政苦情の場合にはある期限があります。その期限を越しますと苦情として成立しなくなりますから、生活センターで適当にやっていたとしますと、期限が切れてしまう場合があります。そういう場合には、ちゃんと正規の窓口に行かなければなりませんから、そういった点は、これはこういう性質のものだからどこへ行きなさい――その場合にも、方針として、どこどこへ行きなさいということだけではなくて、なるべくこちらからその機関に連絡をして、だれそれのところに行きなさい、行けばちゃんと通じてあるからというところまで、できればやっていきたいと思っております。
 いずれにしましても、こういういろいろな類似の機関とのネットワーク、連携、どういう問題をどこと連携していったらいいか。これは先ほどもちょっと申し上げましたが、センターが発足してから、あるいはする前の準備期間でも、なるべくそういうデータも持っておりまして、問い合わせがいろいろ込んできましたら、これをどこへ持っていったらいいか、そういう下準備、下調査及びそことの連携をとっていく、こういう手はずを十分整えて、協力しながらやっていくということにしたいと思います。
#78
○渡部(通)委員 いまの御答弁でわかりましたけれども、しかし、現実問題としては、経済企画庁というところが自主的にかなり大きな実力をお持ちいただかないと、その辺はうまくいかないと思いますので、どうかその点は、各省庁間とのトラブル等に対しては、あくまでも消費者サイドで経済企画庁としての本領を発揮していただきたい。
 最後に一点要望は、先ほど問題になりました物価対策の上にぜひ貢献をしていただきたい。安定という意味においてはできるという局長のお答えが先ほどございましたもので、私たちの望むのはやはりそこに一番集約されると思いますので、物価安定の上にセンターの活動がたいへん有効である、ぜひこういう方向を目ざしていただきたい。
 これで終わらせていただきます。
#79
○松平委員長 和田耕作君。
#80
○和田(耕)委員 先ほど答弁を拝聴しておりますと、このセンターは税金の相談まであるのですか。
#81
○矢野政府委員 何が出てくるかわからないものでして、たとえばそういったことも来るかと思います。しかし、おそらく税金の場合には、いろいろ技術的な問題もあるかと思いますから――この場合にも、ある程度のところはこのセンターで答えることもできるかとも思いますが、しかし、大半は、どこへ行きなさい。その場合には、先ほど申しましたように、こういう相談が来たからと、センターのほうからも専門のところに連絡をして、ただ行きなさいということだけでなくて、連携をとるというようなことは考えていきたいと思います。
 ただ、先ほどちょっと、業務の対象は何かという御質問もありまして、お答えいたしましたが、実際その範囲は、必ずしもそう明確でありません。結婚相談まではどうだろうかというようなことでございます。
#82
○和田(耕)委員 それは非常にけっこうなことだと思ってお聞きをしたのですけれども、お金を借りたい、そのお金をどこで借りたらいいかということもずいぶんあると思いますが、こういうことも相談に応じますか。
#83
○矢野政府委員 これは、こういう性質の金であればいま借りられる方法があるのかどうか、あるいは、借りられる方法があるとすればどういう条件が必要であるか、あるいは、どこへ行ったらいいかというようなことは、ここで扱うと思います。
#84
○和田(耕)委員 そうなりますと、政治家の生活相談の非常なライバルみたいになったりすることもあると思いますけれども、たいへんけっこうだと思います。ただ、私はいろいろな質疑を通じて感じますことは、このセンターの仕事が、地方各府県にもあるし、他のいろいろな機関もあるし、そういう機関に対して情報を提供するということが中心になるのか、あるいは直接窓口で雑多な問題を受け付けて、それを処理することが中心になるのか、どのようなお見込みですか。
#85
○矢野政府委員 現在の法案の業務のところで、先ほど申しましたように、情報の提供に三つの種類がある。不特定多数の国民に対して、一般的にテレビ、ラジオ等を通じて情報を提供する。それから二番目に、その窓口へ来た特定の個人の苦情、問い合わせに対して情報を提供する。三番目が、まさに地方のセンターなりにこちらが情報を提供するということでありますが、もちろんこの国民生活センターにも、直接、苦情の問い合わせを気楽にしていただけるようなものにしていきたいと思っております。
 しかし、何といいましても東京にありまして、全国からここへおいでになるということは事実上たいへんでしょうし、もちろん手紙や電話もくるかと思いますけれども、それでも限られると思います。ですから、中心はやはり、いま先生がおっしゃいましたもう一つのほう、つまり地方の生活センターの事実上の中核体になっていくというほうが、実際には中心になるのじゃなかろうかと思っております。また、そのほうが効率的じゃないかと思います。何といいましても生活の問題は、なるべくその地方、地方の国民に密着したところが窓口にならなければ、ただそれぞればらばらですと、なかなか活発に処理もできないということもありますから、それを中央と結びつけてまいりますと、いろいろな情報もそれだけ集積がもっと大きく広くなりますし、将来の構想としては、電子計算機でもつけてオンラインに結びつけていきますと、地方の窓口に来たものがすぐ中央を通じてはね返っていく、こういったような仕事が、おそらく現実問題としては一番重要な仕事になるのじゃないかと思っております。
#86
○和田(耕)委員 そういう質問をしましたのは、先ほど局長から、人の配置と申しますか、どういう人を職員に選ぶかということが、このセンターの成否をきめる非常に重要なかぎだというお話があった。そのために慎重に、三カ年計画をもってこれを完成していくのだというお話だったのですけれども、そのことと関連して、つまり毎日毎日の窓口業務を中心にやるのだという場合と、地方のそういう同種の機関に対する指導、あるいは情報提供のサービス、あるいは統一化というようなことをやるのかによって、職員の配置というものは非常に変わってきますね。そういう問題もあるので、そういう問題についてはあらかじめ見当をつけておかれないと、職員の選任という問題は非常に大事な問題であると思うが、それが間違ってくるという感じがするわけですけれども、それで、いまの最後に御答弁になったような、どっちかといえば全国的な相談が正しく統一されるような方向を重視していきたい、というふうに了解していいですか。
#87
○矢野政府委員 もちろん、この法律にあります業務内容すべて重要なものでありますので、それぞれのルートを通じて、それぞれの内容を十分充実していきたいと思いますが、現実問題としては、このセンターの職員といいましても限界がありますし、そこで全国のものを全部その窓口で受け付けるということは、また、来られる方のほうからいってもなかなかそうはいかない面も多いと思いますから、現実の問題としては地方の生活センター――これはたびたび申しますが、機構上は別に下部機構ではございませんが、事実上は、そこの中核体としての活動が、実際の運営上の一番重要な問題になっていくんじゃないかというふうに考えております。
#88
○和田(耕)委員 そこで、現在国民生活研究所ですが、これの発展的な解消をはかっていくということで、三十六名を今年じゅうに二十名ふやすという、これは大体予定はそうですか。
 それから、その三年間の人員拡充の予定ができておりましたら……。
#89
○矢野政府委員 現在国会に提出しております予算案では、本年度じゅうに二十名増員していくということになっております。
 それで、あと三年計画と申しますが、もちろん三年計画が固定しておるものじゃございません。なるべく早く拡充していくつもりであり、またその目安がつけば、あるいは二年でやっていくということも考えられますが、何にしてもすぐ一ぺんにはまいりませんので、とりあえずの最終的な形としましては、四十六年百七名、四十七年度で百六十一名にするという考え方でおります。しかし、これはもちろん、発足してからのあとの活動状況によって、できればそれを短縮していくことも考えられるわけであります。
#90
○和田(耕)委員 それで、この職員の採用ですけれども、この仕事はすぐ何名採るというわけにいかぬ。かなり業務の内容を知っている人で、そしてそれを処理できる人となりますと、二十名あるいは五十名といっても、これに適当な人を選ぶということは非常に困難だという感じがするのですが、たとえばセンターの中の構成ですけれども、この人員の配置はどのようにする御計画ですか。
#91
○矢野政府委員 まだこれはほんの素案でありますが、この業務の内容にも照らしまして、現在の予定では幾つかの部をつくりまして、たとえば一つは総務部、これは全般的にいろいろ会計とかそういったことをやるわけでありますが、そのほかに、苦情を処理していく苦情業務をやる部とか、あるいは一般的に情報を提供していくためのいわば生活情報部と申しますか、テレビ、ラジオを通じていろいろPRしていく、知識を提供していく、そういう仕事をやる部とか、それから、現在の国民生活研究所でやっております、またこの法案の目的にもあります調査研究をやる部とか、それから、これも業務の内容にございますが、国民生活に関するいろいろな情報を収集し、いわゆるデータバンクのようなものをつくってみたいと思っておりますが、そうしたことをやる、かりに申せば情報管理部――いまのところ一つの案ですが、五つばかりの部をつくっていく。そこでの人員は、これもまだ、いまからきめるわけにもまいりませんが、大体この仕事の内容に応じて、そこへ人を張りつけていきたいというように思っております。
#92
○和田(耕)委員 いま申し上げたとおり、こういう総務部みたいな仕事は――あるいは研究所の仕事も現に要員がおると思いますけれども、生活情報、苦情等の問題を即時にきめていくということになると、これが中心の仕事になっていく。この人を獲得していくことが今後非常に重要だということになると、先ほど申し上げたように、ただ新卒を採って、あるいは二カ月、三カ月の訓練でこれを充てるというわけにもいかない仕事なわけだし、と同時に、各省との関係がありますね。砂田君が先ほどお話しになったような問題、これは実際運営の問題としては非常に重要な問題になる。そういうことで、各省の現にこういう問題に当たってきたわりあい年配の役人さんをこういうところに回してくる、これは天下りでも何でもないのですが、そういう計画がありますかどうですか。
#93
○矢野政府委員 先生御指摘のように、実際にこのセンターの仕事にふさわしい人を集めるというのは、この法律が通りましてからあとの最大の課題だと思っております。このセンターが活動し、活発に発展していくためには、いろいろな問題があるかと思いますが、一番中心は何といっても人だと思います。ですから、なるべくふさわしい人間を集めていきたいと思っております。
 その場合の選考の範囲と申しますか、どこから集めてくるか、これは決していま限定しておりません。もちろん、ある程度は、新しく学校を出る人を育てていくということも必要ですが、それだけではとてもすぐ仕事はできませんので、こういうことをある程度いままでやってこられた方々から、なるべくすぐれた人をここへ集めたいと思っております。その場合にどこから集めるか、決して限定いたしておりませんで、もちろん、いまお話しのように、各省あるいは地方自治体の人にも適切な人があるかと思いますが、そういう人たちも、もしかなうならばここの職員になっていただく。あるいはまた、これも私の私案のようなものですが、もしそこへ行きっぱなしということがむずかしければ、出向という形もあるいは考えられるのじゃないかと思います。いずれにしましても、なるべくここが活発に動く基礎になる人を、いろいろな方法で、いろいろな方面から集めていきたいと思っております。
#94
○和田(耕)委員 この前の臨時行政調査会ですか、あの答申の中にあるように、現在の行政の状態から見て開店休業のような、とてもひまな仕事が方々にある。忙しい部面もある。その忙しい部面の中にやはり消費者行政の問題が重要な一つのポイントになっている、ということが一つあるわけですけれども、そういう問題も、この生活センターの職員を採用する場合、あるいは理事を採用する場合に、ある程度考慮に入っているかどうかという点ですね。
#95
○矢野政府委員 まだ現在のところ、法律の御審議をいただいておる段階でございますので、具体的にどこから、ましてやだれをということは、まだ全然考えておりませんが、しかし、先ほど申しましたように、実際に集めるのは非常な困難性があると思いますから、先生おっしゃるような方法も、人員を採用していきます非常に有益な一つの観点だと思いますので、参考にさせていただきたいと思います。
#96
○和田(耕)委員 先ほど砂田君あるいは武部君からの質問にありましたような重要な問題があるわけですね。企画庁が監督をする。このセンターに自主性を持たす。もう一つ、各省との連携の問題がある。特に試験機関等の問題からすれば、それをフルに活用するというわけですから、非常に連携の問題がある。この問題をうまく調整できないと、このセンターの業務の成否が問われてくるというようなことになるわけであって、おっしゃるように、各省のそれに関係する人が、調整委員会ですか運営委員会ですか、そういう委員会のメンバーになってくるということはありますけれども、実際扱う職員の中に各省と連絡のできる人がいないと、迅速な処理はなかなかできないという問題がある。しかし、これを悪く言いますと、各省のほとんど要らなくなったような人をこういうところへ集めてくるということも、現にそういう危険性もかなり強くあるわけですね。こういう問題を処理する。しかし、評判が悪いからといって、実際の仕事のできない者を、あるいはしろうとみたいな者をここに配置して、人数はできましたといって済まされる問題じゃないのです。ことによっては、評判が悪くてもそういうことをやらなければならぬ問題がある。こういうふうな非常にむずかしい問題が、このセンターを始めるについての計画としてあるわけですね。そういう問題について、特に職員、人員の配置の問題を今後どういうふうにお考えになっておられるのかということを、重ねてお伺いします。
#97
○矢野政府委員 御指摘のようにこの生活センターは、国民生活に関する非常に広い範囲のものを扱うことになりますので、関係各省あるいは地方庁とかあるいは消費者団体とか、そのほか横の連絡を非常に密にしていかなければなりません。そのために運営協議会も設け、あるいは事実上の運営としましては、さらにその下部的な連絡機関も設けていきたいと思っておりますが、しかし、それと同時に職員につきましても、あくまでこのセンターの仕事が当初の目的を達成できるようなそういう人を選ぶ、あるいは配置をする、これも重要な問題だと思います。
 いずれにしましてもこの点は、あくまでも私どもの人選は、実際にこの生活センターがこれからやっていくことではありますが、おそらくその考え方としましては、このセンターの運営に役立つ、あるいはセンターの運営を活発にやっていくという観点で極力選んでいきたいと思います。その場合には、あるいは関係各省そのほかの、先ほど御指摘になりましたようなそういう方々からできれば来ていただくということも必要かと思います。しかし、その場合にも、ただ、ある省同士の割り振りか何かで機械的にということではありませんで、あくまでもこのセンターの仕事にふさわしい、いわば人物本位と申しますか、そういう観点で選んでいく。これがセンターの今後の発展の上に非常に重要なことだというように思います。
#98
○和田(耕)委員 その職員の問題は、これはこのセンターがはっきり自主性を持たなければならないし、各省との連絡もとれなければならない、矛盾した要素を一つ持っておるわけです。そして、これは東京にあるわけですが、東京都民の人がいろいろなこまかい問題をセンターに持っていくと、東京都よりはうちのほうがもっと確かだからこっちへいらっしゃいというような宣伝をするということになると、地方機関との競合関係も出てくる。特に東京都知事が美濃部で、美濃部に対して政府が反対しているということになると、そういう妙な競争意識を持つようなことになっても困るという、非常にめんどうな問題が運営の中には入ってくる。いまの職員の問題でも、私はこれは現実に起こってくるのではないかと思うのですよ。役人を入れると、これは役人のうば捨て山だとかいうあれが出てくる。現にそういうふうな危険のある人事が行なわれる。といって、そういうことをおそれるばかりに、あまりよく知らない、しかも民間だ民間だということで、民間から呼んだということになると、またとんでもないひもがついていたりなにかすることも出てくるので、この人事の問題は非常に慎重に、ひとつこれこそ自主性を持って、腹をきめての運営をおやりにならないと、せっかくの相当の国費を使ってのセンターだし――いろんな評判からいっても、何かこれは、先ほどの消費者センターのようなものになるんじゃないかというような、こんなものを政府がやっておりますというような見せかけのものになるんじゃないかという印象は、いまのところ強いですね。そういうようなことにならないように、ひとつぜひとも注意してやっていただきたいという感じがするんです。
 それから、もう一つの問題は、物価の問題をここでどのように扱うかということですけれども、品物のいい悪いを見分けることによって、間接に物価等の問題と連絡があるということはよくわかりますけれども、たとえば、いま問題になっております野菜の問題、これはさっそくいろんなあれがくると思いますけれども、野菜の問題について政府のいろんな答弁からすると、現在の物価の値上げの主犯人は野菜だという主張をなさる。それに対してどうもというようないろんな意見、苦情も出てくる。こういうようなときに、これは政府の間のいろんな問題も出てきますね。たとえば経済企画庁の見解なり、あるいは農林省の見解なり通産省の見解なり、いろんな意見が出てくると思うのですけれども、こういう物価指導の面あるいは物価に対する正しい情報を与えるという面で、生活センターは、品質がいい悪いという品質の内容と並んで、物価の問題を相当強く取り扱う御意思があるかどうかということです。
#99
○矢野政府委員 先ほど御説明いたしまして、いままた、先生からもそれを御引用をいただきましたが、品質の見分け方あるいは商店の選び方、こういったことが一つの、やはり物価を安定させていくために重要なものだというように思います。しかし、それと同時に、いま御指摘のように野菜の価格についての情報、たとえば野菜が非常に高いわけですが、しかし、その中には、商品によりまして高い安い、いろいろあると思います。全部いま大体高いのですが、しかし、ものによりましてはそれほど上がっていないものもあるとか、なるべくそういうものをこの際は選んだほうがいいというような情報も、あるいはあろうかと思います。あるいは、いまは高いけれども、産地の生育状況はいま大体どういう状態である、もうしばらくすれば下がっていく。それまで待っていられないものもありますが、ものによっては、いまもうちょっと買い控えて待ったほうがいい、こういう見通しになりますと、これはなかなかむずかしいのですが、しかし、ある程度は、産地の生育状況とかいろいろこういうことがわかるものもありますから、そういった情報を提供していくということも、やはり間接的に物価の安定の役割りを果たすかと思います。
#100
○和田(耕)委員 それでは、そういう重要な物価の動きについての情報の提供ということも、このセンターの重要な役割りになる、こう理解していいわけですね。
#101
○矢野政府委員 物価の安定そのものがこのセンターの目的ではございませんが、何といいましても、この物価高のときに国民としてどう生活を処理していったらいいかという問題に対する情報の提供というのは、もちろん、このセンターの一つの大きな仕事になるかと思います。それが間接に物価の安定にも役立っていくということかと思います。
#102
○和田(耕)委員 そこで、それと関連しての御質問ですけれども、いまの野菜の値段の問題ですね。政府は、企画庁長官も総理大臣も、どなたも、野菜が主犯である、だから、お天気によるので何ともしようがないのだ――そこまで言わないけれども、そういうような趣旨のことを言っておる。しかし、この問題は、農林省の方は、それと違った見解じゃないようだけれども、若干、その問題についての説明のしかたも、少し野菜を敵に回し過ぎるというような御見解もある。これはごもっともな御見解でもあると思うのですけれども、こういう問題について、たとえばこの生活センターはどういうふうにこれを、つまりこれは農林省のほうが正しいのだ、あるいは経済企画庁のほうがちょっと問題があるのだというような御判定をなさることも、正しい情報ですから――、各省によっていろいろな情報がある。その情報に対して、ここで、いや、このほうがどうも正しいらしいというような判定をなされるかどうか。
#103
○矢野政府委員 いまの、たとえば野菜が物価問題の中心であるかないか、この点につきましては、御承知のように、現実には野菜が非常に上がっておりますし、特にことしの二月の消費者物価の全国の指数が八・五%という非常な上がり方をいたしました。そこで、この八・五%という物価上昇が、何かもう物価上昇の基調であるというような見方も一部にはあるようです。しかし、そういう点につきましては、必ずしもそうではないのだ。といいますのは、この八・五%の中には、季節商品が前年同期に比べて四割上がっている。季節商品といいますのは野菜と生鮮魚介、それからくだものですが、特にそのうち野菜が約七割、前年同期に比べて上がっている。七割野菜が上がるというのは、いかに何でもこれは異常だといいますか、あるいは一時的なものだということは、これは間違いないと思います。昨年の二月は、その前年に比べまして四割近く下がっておりました。昨年は暖冬で非常に安かった。ことしはそれを分母にしているということと、もう一つ、五十年ぶりの異常乾燥ということがつけ加わって、ダブルパンチで、七割も野菜が前年に比べて上がってしまった。ですから、野菜の価格の基調じゃありませんで、過去五、六年平均いたしますと、やはり前よりは野菜の通常な上がり方というのは少し落ちついてきております。大体年平均四、五%くらいであります。ただ、そのフラクチュエーションが依然としてあまり直らないのです。したがいまして、この八・五%が何かいまの物価の基調、趨勢がそういうものになってきたと見たら、これは誤解になる。しかし、もちろんいまの問題は、野菜だけが出っぱったわけではなくて、それを除きましても、ここ一、二カ月、従来のピッチよりちょっと早くなっている面が気になるところであります。
 そういう問題もありますから、けさ九時から、急遽物価対策閣僚協議会を開きまして、たとえば野菜の問題にしても、農林大臣からも、これは何とかこれから処理していくという発言もありましたし、また、これもきょうの閣僚協議会での言いっぱなしでなくて、きょう了解事項を幾つかここできめてあります。たとえば「当面の経済政策の運営に当っては、引締め基調を堅持する。」とか、また「民間においても価格・賃金の決定に当っては、物価安定の見地から国民経済全体との斉合性に十分配慮するよう、その協力を求める。」とか、また第三点としましては、「輸入の弾力的活用、公共料金の抑制等の対策を強化するほか、従来の物価対策に検討を加え、関係省庁において経済企画庁と協議のうえ、さらに実効性のある具体的施策を速やかに策定し、その実施をはかる。」――これは決して作文に終わらせずに、大体今月じゅうに一回ないし二回さらに閣僚協議会を開きまして、そこで具体策を次々きめていくという手はずにしております。
 ちょっと話が飛んだかと思いますが、政府はいまこういう対策をとろうとしているとか、こういうことも情報提供の有力なものだと思います。あるいは八・五%が基調であるというような見方がもし一般にありましたら、決してそうではないんだということ、しかし全部が全部一時的なものでもないという、この辺の正しい情報ということも国民に知らせていって、無用に何か値上げムードが起こらないように、しかし、一方ではこういう点に問題があるので、こうしたところはもちろん政府としての対策と同時に、消費者としてはどう対処していったらいいかという情報も提供していく、これも重要なことだと思います。
#104
○和田(耕)委員 私はちょっといま質問しておりますのは、このセンターのいろいろな判断が、たとえば経済企画庁の判断があるわけですね。物価の値上がりについての原因だとか、これについて今後どういうふうになるか、どういうふうにしなければならぬかという判断がある。監督官庁だからといって経済企画庁の見解に従っていくようなものであるのか、あるいはもっと自主性を持って、経済企画庁がどう言っても自分はこう思うのだというような、そういう自主性を持ち得るところなのかどうかということなんです。
#105
○矢野政府委員 経済企画庁は、このセンターについて総括的な監督の責任は持ちますが、この目的を達成するための一切の仕事、運営は、このセンターの自主的な活動になります。ですから、いまの物価の問題、そのほかの問題にしても、もし関係省庁で見方が違うという場合に、別に企画庁の見方をここへ押しつけていくというような性質のものじゃありません。形式的にいえば、このセンターの会長あるいはそれを補佐する理事長が、最終的な判断はやっていくべきものだというふうに考えます。
#106
○和田(耕)委員 いま野菜の問題を例に取り上げておるのですけれども、野菜が異常な値上がりをするから最近の異常な物価値上がりがあるんだという御説明がある。もしそうだと、これはいま今年の問題ではなくて、もう六、七年の前からの――これは年によってあれはありますけれども、そういうことがある。そうなると、農林省は何もやってなかった。それに対する、そういうふうな野菜の、商品として当然その対策を立てなければならないはずの農林省が、いつまでたってもお天気まかせで、何にもやっていなかったということになるわけで――なるわけというよりも、そういう響きが出てくるわけですね。そういう問題について、農林省の方の、何にもやっていないじゃないかということに対しての御意見はないですか。
#107
○小原説明員 お答え申し上げます。
 野菜の価格の安定をはかるためには、需要と見合った安定的な供給の増大を確保することが何より基本である。年によりまして天候の変動がございますけれども、作付面積につきましては、需要に見合って安定的に拡大をしていくということを目的といたしまして、私ども野菜行政を進めておるわけでございますが、四十一年に野菜の生産出荷安定法ができまして、これに基づきまして、大消費地向けに野菜を供給する集団産地を育成強化して、野菜の計画生産、計画出荷を進めるよう指導してまいっております。
 それからまた、暴落の翌年暴騰というようなことのないように、暴落時において、その翌年の作付へ悪影響を及ぼさないように、野菜生産出荷安定資金協会が行なっております価格補てん事業につきまして、国といたしまして助成をいたしておるわけでございます。
 それで、先ほど国民生活局長からもお話がございましたが、野菜は、三十五年から四十年ごろにかけまして異常な値上がりを続けてまいったわけでございます。消費者物価指数で申しましても、消費者物価の総合指数が三五・一%の上昇であるのに対しまして、野菜は九八・八%、二倍近い上昇になったわけでございますが、集団産地を育成するという指定産地の制度が発足をいたしましたのは三十八年度でございますが、四十年度以降の野菜の価格上昇を見ますと、年によって変動がございますが、四十四年の暦年の年平均指数で申しますと、消費者総合指数が二一・六%の上昇に対しまして、野菜は九・五%の上昇にとどまっております。これに対しまして――いま申し上げておりますのは、東京都の指数で見たものでございます。これを年度の指数に直しますと、先ほど国民生活局長のお話もございましたが、昨年の一月――三月は、暖冬異変のために野菜が異常に安値になった時期でございますが、ことしは何と申しましても何十年ぶりの干ばつ、五十日、あるいは大阪のほうでは六十日以上雨がないというようなこともございましたし、この三月も非常にまた、四十年ぶりくらいの寒さというようなことで、春野菜の成育がおくれているということもあるわけでございます。そういう関係で非常に供給が減った。その供給が減った面につきましては、やむを得ない面があるわけでございますが、私ども、できるだけ出荷を促進するよう指導してまいっておるわけでございます。
 それにいたしましても、昨年が異常に安値であったというのに比べまして、またことしが異常に高値であるということで、たいへんな値上がりになっておるわけでございますが、それは何と申しましても、野菜は短期的変動というものは免れない。今後四月以降になりますと、春野菜の出回り期を迎えまして、生産、供給も増加してまいるというふうに私どもの調査でも予想いたしておりまして、野菜価格も今後逐次値下がりに向こうというふうに考えておるわけでございますが、そういう短期的変動はある程度やむを得ない面もございますけれども、長期的に見ますと、三十五年から三十八年ごろにかけましてのような急上昇というのは、四十年以降だいぶスローダウンしてきておるのではないか、長期的には、私どもが進めております野菜行政が若干の効果があったというふうに、私どもは考えておる次第でございます。
  〔委員長退席、武部委員長代理着席〕
#108
○和田(耕)委員 いまの農林省の説明、これはあした、長官が見えたときにもう一ぺん御質問したいと思っておりますけれども、いままでの政府の印象が、たとえば来年の物価を四・八にとどめたい、しかし、異常な野菜の値上がりというようなことがなければというような口調があったり、つまり野菜という何ともならないものがあるのだというような、政府の物価に対する対策のカムフラージュのような印象を私たち自身も持っているわけです。いろいろな報道機関なんかでも、そういう印象を持つような発言が多かったと思うのです。しかし、いまの説明によりますと、四十年から四十四年の五年間に野菜は九・六%。九・六%というと、年間二%足らずの値上がりしかしていない。一般の総合が二一%ですから、五%の値上がりをしているというような問題等から考えてみると、野菜というものが、消費者物価の少し長期に見た――長期の問題が大事な問題です。長期に見た値上がりということについて野菜が果たしておる役割りというものは、私どもが持っておる、あるいは持たされておるような印象とは少し違ったものでなければならないということも出てくるわけですね。こういうふうな問題を、生活センターとしては物価に対する正しい情報として、そのときの政策的なものとは違ったものを与えるような、そういう自主的な一つの運営というものが望ましいわけですね。確かに今年度の物価の異常な値上がりについては、野菜が上がったということは事実ですけれども、野菜はうんと暴落するときがある。暴落するときに対しては、ほとんどのものが強調されてはいない。私、いまこの数字を拝聴して驚いているのですけれども、野菜は、この四年間の平均から見て、ほとんど上がっていない。しかし、われわれの印象としては、野菜が一番の主犯だというような印象、お天気だからしようがないというような、そこで論争が切れてしまうというような、物価の情報についてのそう正しいとは思われないようなことが行なわれておるとすれば、これは問題な点だと思うのです。そういう点を生活センターとしては、物価問題についての情報センターとして、正しい情報を与えてもらうように配慮をいただきたい。単に商品の品質だけではなくて、物価の問題についても、直接こういう情報を与えるような努力をしてもらいたい、こういうように思うわけです。
#109
○矢野政府委員 最近の物価高の大きな要因が野菜だと申しておりますのは、たとえば、先ほど申しましたように、二月の消費者物価指数が八・五上がったとか、あるいは四十四年度の消費者物価指数、年度平均で前年度に対して六%余り上がりそうだ、そういうことについては、野菜の一時的な変動が大きく影響している面があるということでありまして、基調にある消費者物価の上昇、四十年代に入りましてからは年約五%ですが、三十年代の後半は六%余りでした。しかし、それは少しピッチが落ちております。落ちているおもな原因は食料、中でも野菜とかくだもの――魚はあまりピッチが落ちていないのですが、その二つがだいぶ落ちております。先ほど私が申しましたように、三十年代後半に比べますと、野菜の平均した上昇率は、先ほど私四、五%と申しましたが、あるいは一年のズレで二、三%くらい、若干違うかと思いますが、いずれにしても落ちてきております。平均に比べても、野菜はそう高いわけではないわけであります。それから、サービス料金が、三十年代の後半は八%くらい上がっておりましたが、四十年代に入りましてからは六%くらいになっております。ですから、そういうことで全体は少し落ちている。野菜、くだもの、あるいはそのほかの食料品とかサービス料金等がありますが、しかし、もちろん、それだからといって、全部が野菜の責任ではありませんで、五%上がっているということは、これは野菜だの何だのの問題でありませんで、もっと全般的な問題になります。
  〔武部委員長代理退席、委員長着席〕
あくまでも野菜というものは、八・五%とかなんとかいうのには大きく響いているということであります。もちろん生活センターとしては、そういう情報も流す必要は十分あろうかと思います。
#110
○和田(耕)委員 一般の人も、これができれば物価に対する一つの正しい目安もできてくるというような印象を持っている。武部君の説明によると、総理大臣もそういうようなことを言っているということです。もう一ぺん聞かれたら、総理大臣も、品質の問題が大事だから物価と関係あるなんということを言うかもしれないけれども、それは一般の人にはわからぬことであって、こういう物価の問題も、生活センターとしては非常に注意していることなんだ、そういう正しい情報も直接に出そうと思うんだということを、ひとつぜひとも心がけていただきたいと思います。
 以上で終わります。
#111
○松平委員長 松本善明君。
#112
○松本(善)委員 国民生活センター法案について、大臣に聞く以外のものを少し基礎的に聞いておきたいと思います。
 この国民生活センターの前身といわれる国民生活研究所法が第四十国会で論議された。そのときの提案理由説明では、「国民生活に関する基礎的かつ総合的な調査研究を行なうとともに、その成果を普及することによって、国民生活の安定と向上に寄与すること」というふうになっております。また「国民生活の実情や今後の動向に関して基礎的かつ総合的な調査研究を行なうことが研究所の中心業務」であるというふうにいっておる。ところが、今回の生活センター法案というのは、基礎的、総合的研究ということばがなくなって、おもな業務としては、国民生活の情報の提供や苦情、問い合わせに対する情報提供となっており、調査研究というのは付随的なものになっておるようです。
 この国民生活センター法案での提案理由の説明がこういうふうに変化した理由、生活研究所では中心的業務であった基礎的、総合的な研究をなぜ除外していくのか、この理由を説明してもらいたいと思います。
#113
○山口(シ)政府委員 ごく簡単にお答えさせていただきます。
 先生も御承知のとおりでございますが、国民生活の著しい向上に対応いたしまして、真に豊かな国民生活を実現させていきますためには、ただ国民生活が当面する諸問題の実態の把握にとどまることのないように、国と企業と国民とが一致協力いたしまして、国民生活の原則に基づく多くの問題の解決につとめていくことが非常に重大な要素だと考えておりますので、そのためには、国と企業と国民などの間において、国民生活に関する情報や意見の交流を一そう進めてまいりますように、国民の直面いたしておりますところの生活上のいろいろな問題を中心に、国民との対話の場を打ち立てていきたいということを考えているものでございます。
 このような考え方にこたえますために、いままで国民生活に関するアカデミックな調査研究を行ってまいりましたところの国民生活研究所を発展解消をさせまして、新たに構想をここに生み出して、国民生活の安定及び向上に役立つところの情報の提供などを行なうための国民生活センターを設立するということに相なったわけでございます。
 私のお答えの中で不十分な点は、局長がお答え申し上げたいと存じます。
#114
○矢野政府委員 国民生活研究所法を国会に提出しました当時一番問題になっておりましたのは――よく消費革命とかいろいろいわれておりますが、それまでとだいぶ状況が変わっきている。それがどういう実態に基づくものか、まずその実態を把握していかなければならないということが問題の中心でありましたので、まずそういう実態についての調査研究。その場合に、問題は、経済社会のいろいろの変化を背景にしたものであると当然予想されますので、基礎的かつ総合的なこういう調査研究をまずして実態を把握するというところにおそらくねらいがあったのだというように、当時の提案理由の説明等を見ましても考えております。
 しかし、その後、こうした調査研究あるいはそのほかのいろいろな研究もありますし、また、現実の経済社会のその後の発展状況に照らしてみますと、もう一歩前進する必要があるのじゃないか。つまり経済の発展あるいは技術の進歩、そういうことに応じて、もちろん生産もふえ、所得もふえてまいりましたが、従来、ともしますと生産なり所得がふえる、これが国民生活のうちの一番重要な要件だと考えられておりましたが、現在でも、これはもちろん重要な要件でありますが、しかし、それだけでもどうもだめだ。そういう状況のもとでいろいろな危険な商品が出てくる。あるいは公害、交通事故がふえる。あるいはいろいろな商品が次々出てくるので、国民の知識がなかなかそれに伴っていかない。そのために不平不満も起こってくる。こうした状況のもとで国民生活の安定向上をはかっていくためには、やはりここで政府の施策を国民生活優先の原則のもとでやっていくということは、もちろん一番重要でありますが、と同時に、こうした状況の変化に国民が十分適応し得るだけの知識や情報を提供していく、これが一つの重要なまた仕事になってくるのじゃないか。つまり、次官も言われますように、国民との対話の場をつくる、そうしたことが重要になってくるのではないか。ですから、当時の実態把握の段階から、今度はそれを踏まえて、もちろん、さらに調査研究は進めていかなければなりませんが、これもこの目的の一項目となっておりますが、と同時に、それをまたもとにして国民に知識、情報を提供していく、その段階まで進む、そういう情勢になっているんだというところが、今度国民生活研究所法を廃止し、この国民生活センター法にかえる考え方の背景であります。
#115
○松本(善)委員 この国民生活センターの法案については、週刊誌なんかでも、一体具体的に何をするんだ、さっぱりわからないということを書いているのを御存じかどうか知りませんがね、国民生活研究所の中でも、具体的に何をするんだという疑問が起こっているということを私は聞いております。あなたのいまの説明を聞いてみましても、私、抽象的で、議事録を読んでもなかなかわからないんじゃないかと思うのです。もう国民生活の実態というものは把握されたのか、それから、もういままで国民生活研究所でやった目的は果たしたのかどうか。一体いままでやってきた何が悪くて――いままでやってきたこういうことはもうやめにして、今度はこれからこういうことをしたいんだということをもう少し具体的に、なぜ変えなければならぬのかということを具体的に話をしてくれませんか。
#116
○矢野政府委員 生活研究所がやってまいりました仕事がもう終わったわけではありませんで、この仕事も今度の業務の中の重要な一環になっております。しかし、それと同時に、今度は調査研究だけでなくて、もう一歩進んで国民との対話の場をつくるということでありますが、その具体的内容は、もちろんこれから、生活センター法が通りましてからの準備段階及びできましてから、いろいろこの生活センターを運営していきますときに具体的に考えていくと思いますが、現在私どもが考えておりますことは、この業務の内容に照らして申しますと、たとえば新しい商品が次々と出てくる。従来でしたら、商品に対する知識は、親から聞き伝えたことで大体間に合う場合が多かった時代もありますが、現在は新しい商品がどんどん出てくる。そうしますと、それに対して十分その知識が追いついていけない。その使い方についてもそうですし、あるいは、どういう品物はどういう性格があるのかということもなかなかわからない。あるいは、どういう品物には、便利な反面、一方では危険性も伴うと思いますが、どういうところが危険なのか、こういうものはどういう使い方をしなければならないのかとか、あるいは商品を選ぶ場合にどういう観点で選ぶのか。効率のいいものは反面危険性も多い。その場合にどっちを選ぶのか。その家族の構成によってその考え方も違ってくると思いますが、そういう商品の知識を次々提供していくということも必要だと思います。あるいは商品を買う場合の品質と価格の選び方はどういうふうに見分けていったらいいのかとか、あるいは店をどういうふうに選択していったらいいのか、こういうことがまた流通機構の合理化にどういうふうに役立っていくのかというような、そういう知識も必要でしょうし、あるいはまた公害、交通事故も非常に多くなってきておりますが、たとえば公害問題が一般的に出てきておりますが、自分の身近な生活の周辺にもある。その場合にどう対処していったらいいのか、どこへこういう問題を持ち込んだらいいのか、こうしたこともあるかと思います。あるいは教育の問題にしましても、自分ではこういうふうな教育をこういう費用の範囲でやっていきたい、どういうふうに選んでいったらいいのかという問題もあるかと思います。こうしたことは、経済の発展、技術の進歩によって非常に複雑になってきておりますので、広範なそういう問題について、国民に十分その知識、情報を提供していかなければならない。
 その提供の手段としましては、この目的なり業務の内容は一般的に書いてございますが、たとえばパンフレットを一般の国民に提供するということもあります。しかし、なかなか字で書いたものはとっつきにくいということもありますから、なるべくテレビとかラジオとか、あるいは展示会とかそういうものを設けてそういう知識を提供していくとか、あるいは、先ほどもお答えいたしましたが――、いま申しましたのは、一般的に不特定多数の国民に提供していきますが、もう一つは、窓口へいろいろな問題をかかえてまいりますから、苦情、問い合わせが参りますから、その人たちにここで答えていってやるということ。それからさらに、この窓口といいましても、東京にあるものに全国から集まってくるということにもなかなか限界があるでしょう。したがいまして、地方の生活センター、ここと連携をとって、地方の生活センターにもそういう情報を流していく。あるいは苦情の問い合わせがあれば、刻々それを中央にはね返してもらってそれに答えていくとか、こういう幾つかのルートを通じて、具体的なそういう商品に対する知識とかあるいは生活環境についての問題、こういうことに対する情報、知識の提供、あるいはそういうことを通じてまたいろいろ問題を処理もしていく、こういう考え方でおります。
#117
○松本(善)委員 あまりよくわからないのですがね。こういうふうにお聞きいたしましょうか。国民生活についての苦情の最大のものというのは物価ですよ、どの人に聞いても。たとえばこの物価の問題について当然に、政府の施策について理論的であったり、あるいは感情的であったり、いろいろの批判がありますよ。しかし、それを国民生活センターが研究して、これは政府の施策が悪いんだと、政府の政策に対するきびしい批判というものが出てくるということはあるのですか。
#118
○矢野政府委員 国民の苦情、問い合わせがどういうものが出てくるか、これはちょっと予断ができないと思いますが、おそらくおっしゃるように、物価高を何とかしろという、こういう苦情もあるいは来るかと思います。その場合に、もちろんこのセンターとしては、一つはそういう物価あるいは具体的な商品名について、これは高いとかいうようなことも出てくるかと思いますが、そういう場合に現在の物価情勢がどういうものだとか、あるいは、先ほどもちょっと和田先生にお答えいたしましたが、野菜なら野菜が高い、この場合に、しかし現在どういうものが中でも安いか高いかとか、あるいはそれがこの先どうなっていくかという知識も必要でしょう。あるいは店の選び方ということも必要でしょう。しかし、それと同時に、苦情が参りましたら、それはまたセンターで解決できないような問題、あるいはそこで答えられないような問題もあるかと思います。その場合には、あるいは経済企画庁、あるいはそのほかの省に、こうした苦情が非常に多い、何とかしろ、国民の声はこういうところにあるんだということを役所のほうへ伝達する、こういう仕事も当然この中に入ってくると思います。
#119
○松本(善)委員 経済企画庁の国民生活局長が、物価についての苦情も来るかもしれませんという答弁を国会でしていると聞いたら、相当数の国民は、何をやっているのだろうと思いませんかね。そんなことは、苦情が来るまでもなく、わかっていることですよ。私が聞きたいのは、それについて研究した結果、結局政府の施策が悪いという批判の結論が出た、それを発表することができるのか、そういうことはこの仕事の中に入っておるのか、こういうことなんです。
#120
○矢野政府委員 いま私が、この生活センターの窓口に対する苦情があるいは来るかもしれないと申しましたのは、決して国民の物価高に対する苦情が少ないということを申したわけではありません。いろいろなアンケート調査によりましても、現在の国民の不安がどこにあるのか、あるいは政府に何をしてもらいたいと思っているか、物価問題が圧倒的に多いことはよく承知しております。ただ、生活センターにそういう苦情が来るかどうか。現に地方の例で見ましても、これはどこへ持っていくべきものであるかどうかというその関連もあるかと思いますが、地方のセンターあたりの例ですと、そういう苦情はわりあい来ている例が少ないということで、これは決して国民に苦情がないわけではないのであります。しかし、政府でやります場合には、ここだけが唯一の苦情が来る、苦情を判断する窓口ではありませんので、むしろ一般的なそういう調査も重視しなければなりません。
 それから第二の点ですが、国民の非常に関心の高い物価問題、その物価上昇の原因がどこにあるかということを生活センターで調査して発表するということは、もちろん、ここの自主的な活動を尊重しておりますので、これは自由であります。
#121
○松本(善)委員 私が聞いておるのは、その結果政府の施策を批判する結論が出た、それでそれを発表できるかというのです。
#122
○矢野政府委員 国民生活センターが調査し発表することにつきましては、別に経済企画庁としては何ら制約いたしません。
#123
○松本(善)委員 結局、政府のこういう点が悪い、こういう点が悪いというようなことを調査研究し――独占価格の問題でありますとか、公共料金の問題でありますとか、あるいはインフレ政策の問題でありますとか、そういうことについて基礎的に研究をして、それについて政府を批判する結果になる、これは一向に差しつかえないことだ、この内容そのものについては政府としては干渉しないのだ、こういうふうに考えていいのですか。
#124
○矢野政府委員 生活センターが研究して公表することについては、これはセンターの自主的な活動です。経済企画庁は一般的な監督の責任を持っておるわけで、一つ一つの内容についてどうこう言うことはしないつもりであります。ただ、物価の問題の場合にどこに原因があるか、もういろんな原因なり調査があります。生活センターもそういうことを、国民も重大な関心を持っておりますから、公表することは差しつかえありませんし、その結果を報告することも、一向に差しつかえありません。もちろん、それが正しいかどうかは、また別の判断も出てくるかと思います。
#125
○松本(善)委員 そうすると、結局経済企画庁としては、その研究内容については干渉しないということですね。そして、その研究についてですけれども、国民生活研究所でやっていたいわゆる基礎的、総合的な研究というものはそのまま維持される、こういうふうに考えていいですか。
#126
○矢野政府委員 現在研究所でやっております研究をここで急に、生活センターになったから――先ほども御質問がありましたが、基礎的がなくなったら基礎的はしないのかというと、決してそうではありません。ただ、先ほども、他の委員の方からの御質問でお答えしましたように、基礎的ということばがつきますと、どうもアカデミックな研究だけやっているという印象を与えてはいけないのでして、基礎的なものも実用的なものも含めまして、もう少し広くやっていくということで、今度の法案の目的あるいは条文の内容になっているわけでございます。
#127
○松本(善)委員 この国民生活研究所ができますときの国会の論議を見ますと、当時の中野正一調整局長は、研究自身は自由にやらせたい、国立にするよりは半官半民として、ある程度政府から独立性を持った研究所にしたほうがいいのではないか、こういうように言っておる。それから藤山経済企画庁長官も、国民生活研究所は基礎的な国民生活の研究をやるので、調査研究にまつところが大いにあるというふうに言っています。さらに、研究に一生を捧げてもいいというくらいの人が来ることが成果があがるのだということも、藤山経済企画庁長官が言っています。研究に一生を捧げるのだというような立場で国民生活について研究したいというふうにするのだということで期待をされて、研究所に採用された職員がいまいるわけです。その人たちの地位や研究というものは保障されるのですか。
#128
○矢野政府委員 現在生活研究所におります職員は、生活センターができますと、そちらへ移ることになる予定であります。ただ仕事の内容につきましては、もちろん今度の生活センターにも――先ほどから申しておりますように、またこの案に書いてありますように、国民生活に関する総合的な調査研究をやることが一つの目的になっております。したがいまして、そういう仕事も当然、生活センターの中の一部局になるわけであります。ですから、現在生活研究所におる人もまた、そうしたほうにも活用していくことになるわけであります。ただ、この点、だれをどこにというようなことになりますと、これはこの仕事にふさわしいところに――全部新しく一つの機構ができるわけでありますから、これはおそらく、生活センターを運営してまいります会長なり理事長をはじめとしたそこで、この業務の配置なりは考えていくことになると思います。その場合に、十分それぞれの仕事に向く人間をそれぞれの部署につけていく必要がありますから、そういう点は、私がどうこうということでなくて、これは新しい生活センターをやっていくその責任者が、人事の配置も含めて運営は考えていくことになるというように考えます。
#129
○松本(善)委員 所内のあるいは不規則発言であるかもしれませんけれども、研究者として入ったからといって、いつまでも研究させるというわけでもないというようなことが言われておるとかいう話を聞くのですけれども、そうなると、やはり本来、研究に一生捧げようという人が入ってきてほしいのだということで、この生活研究所をつくっておいた趣旨と違ってきはせぬだろうかと思いますが、そういうことはあるのですか。
#130
○矢野政府委員 この生活センターができましたときに、先ほども申しましたように、中に幾つかの機構ができます。その機構にどういう人――これはいまの生活研究所から移る人もありますし、新しく採っていく人もあります。それをどういうふうにそこへ配置していくか、これは何といいましても、先ほどから申しておりますように、個々の生活センターの仕事は人が中心でありますから、それぞれの人の、その職員になる人の意欲と能力と、それにふさわしい仕事に配置していくということになると思います。ですから、この場合にどういうふうに配置するかということは、その人間がどういうことを一番やりたいか、あるいはどういうことが能力としてふさわしいか、これは新しく生活センターが発足いたしますときに、そこの責任者が十分考えてやっていくものだというように思います。
#131
○松本(善)委員 一般的にいえば、責任者が考えることですよ。だけれども、研究者として入った人がこの機会に研究者としてなくなるということになれば、これはやはり相当重大な問題じゃないか、その性格自身が変わるのじゃないかという問題になるから、それで聞いているわけですよ。研究者の研究というものは保障されるのかということを聞いている。
#132
○矢野政府委員 その点、おそらく国民生活センターの責任者になる人は、そういう点も十分考慮して人員の配置等をしていくはずだというように思います。そうでなければ、生活センターはまた、うまく運営できないわけでありますから。
#133
○松本(善)委員 やることの内容なんですけれども、たとえば、先ほど来物価の問題を同僚委員もいろいろ聞いておりましたけれども、これはだれが見ても――もちろん、このほかの交通災害、公害、それぞれ重要な問題であります。住宅問題も重要でありますけれども、物価の問題についてこれは一体役に立つかどうかということは、これは国民が見る上で、国民生活センターというものをどう見るかという一つのメルクマールだと思う。ここで、たとえば商品の原価を調べる。これはいろいろいま、特に独占価格との関係で商品の原価が問題になる。私もかつてこの委員会で、鉄鋼の原価の問題を問題にいたしましたけれども、そういう原価を全部調べる。これは、どこがこのくらいもうかっておる、こういうような研究をして公表するなんということはできますか。
#134
○矢野政府委員 この生活センターの目的なり業務の内容に照らしてもしそれが必要であれば、たとえばこういう価格は非常に高いとか、どうもこれはもっと安くしてしかるべきじゃないかという苦情がいろいろ出てくるとか、あるいは国民生活の向上のためにもう少しこういう点を考えてみたらどうかということであれば、いろいろ調査研究していくのは、もちろんここでの業務の重要な仕事であります。ただ、原価を調べる――もちろんその場合、必要なら原価も調べるでしょう。ただ、その原価を調べるという場合に、一般的に公表されたもの、あるいはいろいろなルートで調べることは、もちろん調査研究の一環になっていくと思います。これは言うまでもないことですが、原価を調べるからその内容を出せという権限は、もちろんここにはございません。
#135
○松本(善)委員 民間でもこれを調査しているわけですから、強制的な権限を持たせるかどうかということになると、これは立法の問題が関係をしてくるということが起こるでしょう。だから、できない部分も起こるかもしれませんけれども、そういうことを計画して、そうしてできる範囲でやるということはできる。またやる意思も、もし必要ならある、こういうふうに伺っていいですか。
#136
○矢野政府委員 国民生活センター法の目的に違反しない限りは、あるいはその目的を達成する上に必要であれば、もちろん何を調査研究しようと、これは自由であります。
#137
○松本(善)委員 きょうはこの程度で終わります。
#138
○松平委員長 次回は明二日午前十時三十分より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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