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1970/05/15 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 科学技術振興対策特別委員会宇宙開発の基本問題に関する小委員会 第1号
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1970/05/15 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 科学技術振興対策特別委員会宇宙開発の基本問題に関する小委員会 第1号

#1
第063回国会 科学技術振興対策特別委員会宇宙開発の基本問題に関する小委員会 第1号
本小委員会は昭和四十五年四月十五日(水曜日)
委員会において、設置することに決した。
四月十五日
 本小委員は委員会において、次の通り選任され
 た。
      加藤 陽三君    木野 晴夫君
      佐々木義武君    菅波  茂君
      田川 誠一君    橋口  隆君
      前田 正男君    井上 普方君
      石川 次夫君    三木 喜夫君
      近江巳記夫君    北側 義一君
      吉田 之久君
四月十五日
 前田正男君が委員会において、小委員長に選任
 された。
―――――――――――――――――――――
昭和四十五年五月十五日(金曜日)
    午前十時二十二分開議
 出席小委員
   小委員長 前田 正男君
      加藤 陽三君    佐々木義武君
      田川 誠一君    井上 普方君
      石川 次夫君    三木 喜夫君
      近江巳記夫君    北側 義一君
 小委員外の出席者
        科学技術振興対
        策特別委員   寺前  巖君
        宇宙開発委員会
        委員      山縣 昌夫君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  柏木 輝彦君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  牧野 康夫君
        郵政省電波監理
        局長      藤木  栄君
        日本電信電話公
        社総務理事   黒川 広二君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 宇宙開発の基本問題に関する件
     ――――◇―――――
#2
○前田小委員長 これより宇宙開発の基本問題に関する小委員会を開会いたします。
 宇宙開発の基本問題に関する件について調査を進めます。
 まず、わが国の宇宙開発の概況について、山縣宇宙開発委員より説明を聴取することといたします。山縣宇宙開発委員。
#3
○山縣説明員 開発という仕事でございますが、この手順といたしましては、まず開発計画を立てるということ、第二は、その開発計画に従いまして実施をするということ、第三は、その実施をいたしました結果と申しますか実績、それを検討いたしまして十分評価をしていく。宇宙開発というような大きな事業、また長く続きます事業につきましては、その評価の結果をまた計画にフィードバックして、結局はエンドレスにそれはぐるぐる回っていくのだろうと思います。
 そういった考え方で私どもものを考えておるわけでございますが、第一の計画を立てるということは、これは委員会の直接の所掌だと思います。それから第二の実施をするという面でございますが、これは現時点におきましては、科学衛星につきましては東京大学が担当しておられますし、それから実用衛星につきましては宇宙開発事業団がやっておられます。その他いろいろこまかい開発、研究につきましては、それぞれの研究機関あるいは開発機関がやっておられるわけでございます。むろんこの委員会といたしましては、各実施機関が実施をされるのにされやすいようにいろいろお手伝いをするという面で委員会も関係を持っておるわけでございますが、実施の直接の担当は、ただいま申し上げました事業団なり東大なりその他がおやりになっている。第三の評価の問題は、これは委員会の仕事だと思います。私どもといたしましては、その評価の仕事をやっておるわけでございます。
 そこで、現実の問題になりまして、御承知のように、昨年の十月の一日に宇宙開発計画を委員会は策定いたしました。最初の計画といたしましては、一昨年の八月に委員会がスタートしたのでございますが、御承知のように、八月一ぱいで概算要求を大蔵省に出さなければならぬという仕事にすぐ直面いたしまして、それに時間、精力をかけた。それが一段落いたしまして、たしか十一月だったと思いますけれども、三つの部会をつくりまして、この開発計画に取り組んだわけでございます。最初は四十四年の三月を目途といたしましてこの開発計画をつくるということでございましたが、いろいろの事情、特に日米の協力関係の決定が最初のころは年度内、おそくとも四月――昨年の四月でございますが、四月には成立するだろう、こう思っておりましたところが、延び延びになりまして七月末になったわけでございます。したがいまして、お手元に差し上げてございます宇宙開発計画が十月一日に決定する、かれこれ最初の計画よりは半年ほどおくれた、こういうことでございます。
 この内容につきましては、すでにお手元に差し上げてございます計画につきましては御説明申し上げたのだと思いますが、要するに、ごく簡単に申し上げますと、この計画は、わが国の宇宙開発約十年を展望いたしまして、四十四年から大体五年見当のこの期間におきます人工衛星及びその打ち上げ用ロケットその他の施設、追跡、こういったものにつきまして基本的な計画を立てたわけでございます。
 この特徴といたしましては、いわゆるころがし計画ということになっております。毎年それを見直そう、何ぶんにもわが国の宇宙開発はいわゆる初期の段階にございますので、きっちりきめましても開発の段階におきましていろいろこれを訂正しなければならぬ。それから内外の情勢がまたいろいろ変わってまいりますので、毎年これを見直そう、こういうことになっております。それからどういう衛星をこの五年ないし六年間に打ち上げる、あるいはこの打ち上げ用のロケットはどういうものであるかということはお手元に差し上げてございます表にしてございます。
 それからもう一つ、この席で数年前からいろいろ問題になっておりました開発体制の問題がございますが、要するに、この衛星なり衛星打ち上げ用のロケットを事業団が一元的に行なうという原則を立てております。ただし、この東京大学でもって進められております科学衛星の打ち上げ用ロケットのいわゆるMロケット、ミューロケット、これにつきましては、このロケットが信頼性が十分得られるまでは引き続いて東大でやるということ、それから科学衛星につきましては、この宇宙科学研究に密接な関連がございますので、原則として今後も東京大学で開発を進めていかれる、こういうことになっております。あるいは将来この点につきまして、また再検討すべき時期が来るかもしれませんが、一応そうなっております。
 こういう開発計画を十月一日につくりまして、これの線に沿って東京大学並びに同じく十月一日に発足いたしました事業団が実施に当たられておるわけでございます。
 一方、先ほど申し上げました評価の問題でございますが、御承知のように、昨年八月−九月期の打ち上げで東京大学のラムダ4S四号機、これが事故を起こしまして軌道に乗りませんで、当然この問題につきましては、われわれは十分評価をしなければならぬということで、十月の八日に、委員会で新しく技術部会、その第一分科会においてこの評価をするということになりまして、十二月九日に第一分科会の報告が出ました。これは、御承知のように一番問題がございましたのは、三段ロケットを切り離した後に、三段ロケットがその前にございます姿勢制御に追突しまして、それで姿勢制御ができなくなりまして軌道に乗らなかった。これにつきまして、第一分科会におきましては十分議論しまして、いわゆる逆推進、レトロモーターをつけるということに決定いたしました。その陸上試験を十分やりまして、この二月にラムダ4S五号機を打ち上げまして軌道に乗った、こういうわけでございます。
 なお、二月十一日に軌道に乗りましたが、問題は、大きな問題としては二つございまして、最初ねらっておりました軌道とは非常にはずれた軌道に乗ったということ、一つは、軌道に乗りました四段目と申しますか、四段目が電池が三十時間有効に働いて、三十時間は電波を出す、こういう計画でございましたのが、十時間で信号が途絶えてしまった、この二つの事故がございました。これに関しましては、先ほど申し上げました第一分科会で目下検討中でございまして、おそらく来週の月曜日に結論が出、来週の水曜日、二十日でございますが、二十日の委員会に報告があると思っております。そういうような評価をやり、またやりつつある、こういうわけでございます。
 さて、四十四年度決定の開発計画の見直しでございますが、毎年見直しをいたしまして、最も新しい開発計画を常にわれわれは持っていたい、こういうわけでございまして、この四月一日に新しい宇宙開発計画の策定に関する基本方針を委員会で決定いたしました。要するに、昨年の計画をその後の内外の情勢あるいは開発の進展状況に応じまして見直すということが必要でございます。したがいまして、計画部会、それから技術部会の二つの部会で、この問題を十分こなしていただきまして、いまの目標といたしましては、七月末までには新しい昭和四十五年度版とでも申す宇宙開発計画を策定したい、こう思っております。
 そこで、今回改定を必要とするおもな項目でございますが、まだこれは確定いたしておりませんが、昨日も、ただいま申し上げました計画部会それから技術部会の合同の会合を持ちまして、いろいろ御検討を願いました。大きく分けまして人工衛星関係、ロケット関係、国際協力の進め方、それから研究機関及び開発機関の位置づけとそれらの関係、こういう四つの項目でございまして、人工衛星につきましては先ほど触れました表にもございますように、科学衛星に関しましては、先ほど申し上げました昨年の夏の東大の実験におきまして、ラムダ4S四号が軌道に乗らなかった、そういうことを踏まえまして、この四十四年度版の計画では科学衛星の第一号、これはミューロケットによるものでございますが、それを四十四年度に打ち上げるという計画であったわけでございますが、それを一年と申しますか、四十四年度には打ち上げないということを決定いたしました。したがいまして今度四十五年度版には当然、科学衛星の一号をおそらく四十五年度に打ち上げるということに訂正されることになると思います。したがいまして、お手元に差し上げてございます表の科学衛星に関する打ち上げ年度が第一号は四十五年になりまして、あとこれはどうなりますか、目下検討中でございますが、大体において一年ぐらいずつおくれてくるんじゃないかという気がいたしております。
 それからもう一つの人工衛星関係では、四十四年度版の宇宙開発計画では、気象衛星とか航行衛星、測地衛星、こういったものには触れてはおりますけれども、具体的の計画はまだ取り入れてございませんで、これらの計画を今回の四十五年度決定の開発計画にどう繰り入れていくかということが一つの問題と思います。
 それから次に例の資源探査衛星、アメリカその他で非常に研究しておりますが、これをどう考えるかということも今回の検討の一つの項目となっております。
 それからこの表にございます、基礎実験衛星というのが一号から四号までございますが、この四つの実験衛星を最も有効に使うということで、当然これは再検討しなければならぬと思っております。それが一つの衛星に関する問題でございます。
 それから次のロケット関係では、御承知のようにMロケットはすでに第一号はできております。第二号もできようとしております。したがいまして、さしあたりこのMロケットにつきましては大きな問題はないと思います。ただ完成年度は、少しおくれるということがあり得るかもしれませんけれども、さしあたりのところはこれを大きく変える必要はない。それからQロケットにつきましては、これは事業団が昨年の十月一日に発足されて以来、非常に検討されておりまして、ちょうどここに事業団の方もお見えになっておりますからお聞き願いたいと思いますが、予算関係におきましてもQロケットにつきましては概算要求に対しましてある程度の削減はございますが、そう大きな削減はないと思います。したがいまして、Qロケットについては、私まだ私見でございますけれども、そう問題はないんじゃないかという気がしております。と申しますのは、この四十五年度版にQロケットを大幅にいろいろ変えていく必要は出てこないだろうと思います。
 次のNロケットにつきましては、これはいろいろ問題がございまして、Qロケットの開発の結果を踏まえて開発するということになっておりまして、お手元に差し上げてございますロケットの一覧表等にいろいろな数字も出ておりますが、これは必ずしも確定したものでございませんで、今回の見直しの対象といたしましていろいろな問題が出てまいると思います。たとえばここに、静止衛星の場合にペイロードが百キロとなっておりますけれども、一体百キロというものでよろしいのかどうか、これを実験用静止通信衛星としてお使いになる側がどう考えておられるかというようなことも当然考えて今回の見直しをしたいと思います。
 それからもう一つ、ここにNロケットにつきましては四段ロケットということになっておりますが、この四段ロケットということはQを踏まえてNという従来の思想で四段ロケットということに一応昨年の開発計画ではなっておりますが、これもはたして四段ロケットがいいのかどうかというようなことも十分部会におきまして御検討願いたいと思っております。
 それから国際協力の進め方につきましての問題は、いろいろございますが、一番大きな問題は、やはり先般NASAのペイン長官が欧州を回り、カナダ、豪州、日本にも参ったわけでございまして、いわゆるポストアポロ計画を説明されまして、ポストアポロ計画に各国が参加してほしいという呼びかけがあったわけでございます。これにつきましてはまだ内容がはっきりいたしません。三月の十三日にNASAで会合がございまして、日本からも参りまして話を聞きました。また引き続きまして第二回がこの八月か九月にあるはずでございますが、このポストアポロ計画、特に例のスペースステーションと、スペースステーションと地球の間を往復するスペースシャトルが一番大きな問題だと思いますが、そういったものの具体的なことがだんだんわかってまいりませんと、われわれの開発計画にどういう影響が出てくるか、またこれに日本は参加するのか参加しないのか、参加するといたしましても一体参加体制がどういう体制であるか、たとえばインテルサットというような一つの組織をつくってその中でやるのか、NASAが主体になってヨーロッパなり日本なりカナダなりがそれに参加していくのか、そういう参加体制というものがまだはっきりしておりません。むしろアメリカは、各国からそういう提案を出してもらって、それを参酌して何か案をつくりたい、こういうことを言っておるわけであります。この問題は四十五年度の開発計画にまだ直接出てくる段階ではないと思いますけれども、おそらくこういうことが一九七七年ごろ、さらにもっと大きくなりますと八〇年ごろにはりっぱなステーションができるのじゃないかと思いますが、そういうことを踏まえてものを考えなければならぬということは、当然四十五年度の計画の決定にあたっては私ども考えなければならぬことと思っております。
 なお、ポストアポロ計画の主体でございます、いわゆるスペースステーション、スペースシャトルの問題につきましては、ただいま申し上げましたように必ずしもはっきりしておりませんが、いろいろな資料、情報がNASAからも参りますので、それを受けまして、委員会のベースではなしに、いわゆる懇談会というものを専門家の間でつくっていただきまして、目下検討中でございます。
 それからもう一つ国際協力の問題では、いわゆるトラッキングの問題がございまして、実用衛星、電離層衛星を打ち上げる時代になりますと、一体トラッキングをどうするか、外国のトラッキングのネットを使わしてもらうのか、あるいは必要なところには日本でステーションを持つのかといったようなことも十分考えて、必要ならばこの問題に対して積極的な国際協力が必要であろうと思っております。
 それから第三番目の研究機関及び研究開発の位置づけとそれらの関係、これは原子力の場合と違いまして宇宙開発は各省庁の研究所その他でもっていろいろ研究なり何なりをやっておられる、その後に委員会ができまして、さてこの委員会のほうからながめてみますと、各研究機関でおやりになっておることが横の連絡がはたして十分であるかどうか、相当疑問な点がございます。この四十五年度版の計画をつくるにあたりましては十分それらを検討いたしまして、各研究機関の受け持ちはどういうものであるか、範囲はどうするか、また横の連絡をどうするかというようなことも考えまして基本計画をつくってまいりたいと思います。
 ただいま申し上げましたようないろいろな検討項目がございますので、これらを計画部会、技術部会で十分御検討願いまして、私どもも一緒にその部会に入りましてすでにスタートしておりますので、これらを踏まえまして、一応の目標といたしましては先ほど申し上げました七月末までに本年度版の計画を策定したいということであります。
 いままでの委員会としての宇宙開発計画並びに評価に関するいきさつのごくあらましを申し上げた次第でございます。
#4
○前田小委員長 これにて説明の聴取は終わりました。
 本日は、このほかに郵政省から藤木電波監理局長及び電電公社から黒川総務理事、その他関係省も出席しておられますけれども、一応質疑は後日に譲ることといたしまして、本日は、これにて散会いたします。
   午前十時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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