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1970/09/07 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 科学技術振興対策特別委員会 第14号
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1970/09/07 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 科学技術振興対策特別委員会 第14号

#1
第063回国会 科学技術振興対策特別委員会 第14号
昭和四十五年九月七日(月曜日)
   午前十時三十二分開議
 出席委員
   委員長 北側 義一君
   理事 木野 晴夫君 理事 佐々木義武君
   理事 菅波  茂君 理事 前田 正男君
   理事 近江巳記夫君
     稻村左近四郎君    佐藤 文生君
      塩谷 一夫君    葉梨 信行君
      橋口  隆君    堀田 政孝君
      石川 次夫君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      西田 信一君
 委員外の出席者
        内閣官房内閣審
        議官      植松 守雄君
        宇宙開発委員会
        委員      山縣 昌夫君
        科学技術庁研究
        調整局長    石川 晃夫君
        外務省アジア局
        北東アジア課長 伊達 宗起君
        外務省条約局外
        務参事官    山崎 敏夫君
        厚生省環境衛生
        局食品化学課長 小島 康平君
        農林省農政局参
        事官      岡安  誠君
        参  考  人
        (宇宙開発事業
        団理事長)   島  秀雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月四日
 辞任       補欠選任
  寺前  巌君   山原健二郎君
同月二十一日
 辞任       補欠選任
  三木喜夫君    中谷 鉄也君
九月七日
 辞任       補欠選任
  梶山 静六君   葉梨 信行君
  谷川 和穗君   塩谷 一夫君
  松永  光君   佐藤 文生君
  森  喜朗君   堀田 政孝君
  綿貫 民輔君  稻村左近四郎君
同日
 辞任       補欠選任
 稻村左近四郎君   綿貫 民輔君
  佐藤 文生君   松永  光君
  塩谷 一夫君   谷川 和穗君
  葉梨 信行君   梶山 静六君
  堀田 政孝君   森  喜朗君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 科学技術振興対策に関する件(宇宙開発、海洋
 開発及び環境科学技術に関する問題等)
     ――――◇―――――
#2
○北側委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。
 本日は、宇宙開発に関する問題調査のため、宇宙開発事業団理事長島秀雄君に参考人として御出席を願っております。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。石川次夫君。
#3
○石川委員 私は、きょうは海洋開発関係と宇宙開発関係について質問したいのでありますが、準備が多分に不十分でありまして、どうかひとつお教えいただくという意味での、足らざるところがあれば丁寧な御回答、御答弁を願いたいと思います。
 まず海洋開発でありますけれども、海洋開発については再三、私もこの委員会を通じて質問申し上げておりますが、その本質的な問題ではなくて、当面する問題について、たいへんいろいろ国際的な紛争を引き起こすかもしらぬという問題が次々に起こっておるようでありますので、その点についての対策をどうするかという問題にしぼって質問申し上げたいと思います。しかしながら、実はけさの新聞を見ますと、尖閣列島の問題についていろいろ問題が出ておる。こういう問題については実は外務大臣から責任のある答弁がほしかったわけでありますけれども、急なことで外務大臣に御出席を願えなかったことは非常に残念であります。
 そこで伺いたいのでありますけれども、日本は大陸だな条約には現在参加をいたしておりません。それと領海十三海里あるいはまた六海里あるいは三海里というような場合に、日本の場合には三海里説をとっておるわけでありますけれども、実はその間、国連のほうでいろんな海底開発の委員会を通じまして六海里プラス浅海区域六海里イコール十二海里という説に日本が同調したことがある点において、日本は三海里説を固執するという意味での根拠が薄らいだという懸念が多分に強くなってまいったわけでありますけれども、その領海の問題並びに大陸だな条約に加入をしていないという問題について、ぜひひとつ外務省の統一ある見解を念のために伺っておきたいと思うのであります。
#4
○山崎説明員 外務省の条約局参事官の山崎でございます。御質問の趣旨は、ちょっといま途中で参りましたのであれでございますが、一つは日本が三海里説を現在も主張しておる理由と、それから大陸だな条約に入っていない理由の二つでございますか、もう一回御質問願いたいと思います。
#5
○石川委員 そのとおりでございます。
#6
○山崎説明員 第一の領海の問題に関しましては、外務大臣がさきの国会においても言明されましたように、わが国といたしましては現在三海里説をとっております。しかしながら、わが国といたしましてもこの三海里説に固執するものではございませんで、国際的な合意ができるならば、領海を十二海里に拡張するということについてもこれに同調するあるいはこれを受け入れる用意があるのであります。しかしながらこれはあくまで国際的な合意ができる限りにおいてでありまして、一方的な領海の拡張の主張というものは認められない、これは国際法によって認められないという立場をとっておるわけでございます。
 なおわが国といたしましては、その領海を十二海里に拡張する場合に、さらにその外側に漁業上その他特別の権利を要求するということは認めるべきではないという立場で、最もすっきりした形で十二海里に関する国際的合意ができるならばこれを受け入れる用意がある、これが現在の政府がとっておる立場でございます。
 第二に大陸だなの問題に関しましては、御承知のとおり大陸だなに関しては、その大陸だなを探索し、かつ開発する主権的権利が各沿岸国に認められておるのであります。これは大陸だな条約に入ると入らないとにかかわらず認められている権利であるとわれわれは解釈しております。これはいわば国際慣習法として確立しておると言えると思います。ただ、その大陸だなの資源が何であるかという問題に関しまして、単なる鉱物資源のみならず生物資源も含む、ことにそこに定着しております生物資源も含むという定義が大陸だな条約にあるのでありますが、この点に関しましては、わが国はカニの漁業その他の関連からこの点は認めておらないのでありまして、この点の定義に関しましてわが国は異議がありますために大陸だな条約に入っておりません。しかしながら先ほども申し上げましたように、かりにこの条約に入っておらなくても、鉱物資源に関する限りはわが国は主権的権利をすでに行使しており、また持っておるのでありまして、入らないことによって何ら不利益はないと了解しております。
 以上お答え申し上げます。
#7
○石川委員 大陸だなの問題と領海何海里説かという問題についてはいずれ機会をあらためてじっくり討議をしたいと考えておりますけれども、当面する問題として、韓国のほうから出ておるいわゆる鉱区の設定の問題、それから尖閣列島の問題でありますけれども、尖閣列島は御承知のように大陸だなの条約の問題におきましても、実効的な、あるいは観念的な先占またはいかなる明示の宣言にも依存しないということが明確にされておると思うのであります。そういうことを無視して、相次いで、尖閣列島には何か国府の国旗が、しかも政府機関が行って立てたというようなことになっておるわけでありますけれども、御承知のように、これは私が言うまでもなく日本の領土であるということは歴史的にも明確になっておる。尖閣列島というものは琉球諸島の地理的境界を定めた米民政府布告二十七号によっても明らかになっておって、沖縄における民政府自体がこれをはっきり琉球ということにして、施政権返還のときにはこれを含めて返還するということになっておったとわれわれは確認しておるわけでありますが、その点の外務省の見解はいかがですか。
#8
○山崎説明員 仰せのとおりでございまして、尖閣列島は米民政府の布告二十七号によりまして琉球の一部と認めて、米国の施政権が現在及んでおるわけでありまして、これは沖縄返還とともに当然わが国に返ってくるものであります。この点についてはわがほうもアメリカ側にさらに最近確認いたしまして、その点は間違いないといっております。したがいまして、わが国が歴史的に見ても、またそういういろいろな戦後の事実から見ましても、わが国の領土であるということについては一点の疑いもないとわれわれは承知いたしております。
 ただ他方、尖閣諸島周辺の大陸だなをめぐる問題に関しましては、これは大陸だな条約その他国際慣例によりましても、関係国間の話し合いによってその境界は画定することになっておりますので、この点についてはわれわれは前々から中華民国政府に対しまして話し合いをしたいということを申し入れておる次第でございます。
#9
○石川委員 紛争の場合には、両国間の話し合いで領海をきめるということになっておるし、それがきまらない場合には、両方足して二で割るといいますか、両国の間に線を引くということになっておる。尖閣列島は無人島でありますだけにいろいろ国際法上の解釈のむずかしい面があろうかと思うのでありますけれども、最近新聞の報ずるところによりますと、国府の外交部長が立法院の秘密会で、尖閣列島の五つの島を国府に帰属するとはっきり言っておるという報道がなされておるわけであります。それから台湾の水産試験所所属の船が尖閣列島に青天白日旗を立てた。これは公の船であります、民間の船でないわけであります。これはたいへん重要な問題ではないかと思うのであります。それから台湾の有力紙記者四人と国府の水兵の一行が同島を訪れて探検記を新聞に掲載をしたというような相次いだニュースというのは、尖閣列島があたかも台湾政府に所属しておるかのごとき印象を強く与えるのでありますけれども、この点はどうお考えになりますか。
#10
○山崎説明員 最初に、国府の外交部長が向こうの監察院でありますか、そこの秘密会において、尖閣列島が台湾に帰属するというふうな言明をしたというふうに伝えられておりますが、この点につきましては、何ぶんにも向こうの秘密会でありまして、われわれは真偽のほどは承知しておりません。ただそういう報道があったことにもかんがみまして、われわれは国民政府にその真偽いかんということを照会しておるわけであります。
 さらに、尖閣諸島に向こうの公船が行って旗を立てたという報道に関しましては、いろいろな報道がありまして、まだ真偽のほどは十分わかりません。これは向こうの新聞記者が台湾政府の水産試験所所属の公船に乗っていって、その船とともに中華民国政府の旗を立てたということのようではございますが、この点に関しましても、われわれはその点に関する真偽のほどを目下照会中でございます。また、もしそれが事実であるとすれば、そういう公船がそれに関与しておるということも含めましてはなはだ遺憾であるということをわれわれとしては申し入れて、現在台湾政府に照会中でございます。
#11
○石川委員 たいへん遺憾であるというふうなおお答えがあったわけですが、竹島のときの交渉の経過などを見ましても、これはいまのような単なる遺憾であるという程度のことでは交渉は円満にいかないのじゃないかと思うのです。これは明らかに日本に帰属をする尖閣列島であることは、歴史上も、それからアメリカの民政府も、沖縄の政府もはっきり認めておるわけですね。こういう事実があったかどうかということを確認しなければならぬとは思うのでありますけれども、単なる遺憾であるという程度で済ませる問題ではないのじゃないか。これは単なる民間の漁船が行って立てたという問題とは問題が違うのです。政府の船が行って青天白日旗を立てたということになれば、無断で人の国に割り込んできて自分の領土であるということを宣言したにひとしいことで、それが政府の意図としてそうなったということに理解をされてもやむを得ないのではないか。こういうことについてはただ単に遺憾であるという程度のことでは交渉は円滑にいかぬし、また竹島の二の舞いを踏むというようなことにならなければ幸いだと思うのは、私だけではないし、これは国民感情だと思うのです。特にこの付近に非常に豊富な石油の海底資源があるということが予見されるという発表がされておる段階においては、なおさらこの関係については竹島以上の非常に関心を持たざるを得ないという点について、外務省としてはよほど腰を据えた交渉をしなければならぬということが一つと、それからアメリカ政府は一体これに対してどういう考え方を持っておるか、この点もひとつお聞かせを願いたいと思います。
#12
○山崎説明員 台湾の新聞記者が台湾政府の公船に便乗して行ったことは事実のようであります。これも確かめておる点でございますけれども、その公船が中華民国政府の指示を受けてそういう行為をなしたかどうかという点は明らかではございません。そこで現在その点について照会中でございます。この点はわれわれとしても、いま申し上げましたように遺憾であり、政府としても善処してもらいたいということは強く申し入れたわけでございますが、まず事実を確かめてからまたさらにはっきりした行動をとることになるかと思います。
 それからアメリカ側につきましては、先ほどからも申し上げましたように、尖閣列島は現在米国の施政権下にあることは明らかであるということをいっておるのでありまして、したがいまして、今回のこの事件に関しましても、わがほうとしてもさっそくアメリカ側に連絡いたしまして、この点について施政権者として善処してもらいたいということを伝えておるわけでございます。そしてアメリカ側もさっそく現地へ連絡してしかるべく措置をとるということをいっておるのでございます。ただ具体的にどういうふうにやっておりますか、まだけさ現在のところではわれわれは承知しておりません。
#13
○石川委員 まあそれ以上のことをいまここで追及しても明確な回答は出てこないと思うのでありますけれども、これは事きわめて重大な問題だと思うのです。実はことしアメリカのウッズホールという研究所へ行きました。特に名前は秘しておきますけれども、この責任者が、尖閣列島にはきわめて有望な油田資源がある、ガルフがこれに手をつけようとしておる、日本はこれを黙って見ておるのかというような、逆にアメリカの有識者から私は激励を受けてまいっております。アメリカ人でさえ尖閣列島に関する海底資源というものについては日本が早く手をつけろということを言っておるときに、ガルフが台湾政府と適当に了解をつけてこれに着手をしようなんということは言語道断ではないかと思うのです。ただし、こういう問題はただ単に国民感情にはやって感情的になるべき問題ではないと思うので、ねばり強く交渉しなければならぬとは思うのでありますけれども、断じてこのような一方的なやり方は許さないというき然たる態度だけは堅持してもらわなければならぬ、こう思うのですが、その点についてどう思いますか。
#14
○山崎説明員 仰せのとおりでございまして、われわれは、まず第一点の尖閣諸島の領有権に関しましてはまさに議論の余地のないところである、明らかにわれわれの領土でありまして、この点については全く議論の余地がないと存じております。
 ただ、両国間の大陸だなの限界を画定する問題に関しましては、国際法の原則に従って話し合いによって解決すべきであるということで、これはあくまで理性的に、冷静にお互いに話し合うべきである、われわれは両国の間に存在する友好関係から見ても、これはあくまで冷静にやるべきであるということを向こう側にも伝えまして、向こうもその点は上のほうはかなりわかっておるように思いますけれども、まだ正式に話し合いに入る段階に至っていないのが現状でございます。
#15
○石川委員 科学技術庁長官に伺いたいのでありますけれども、私が先ほど申しましたように、アメリカの有識者ですら尖閣列島付近の海底資源がきわめて有望である、これは日本の東海大学の海洋調査船もあそこに行って、きわめて有望であるということを再確認をしておるということになっておる。しかも、日本の海底資源といいますか、日本の石油資源というものはきわめて乏しいことは言うまでもないわけであって、この豊富な資源を何とか日本の国益のために活用しなければならぬと思うのはこれはだれしも当然だと思うのであります。そういう点で、尖閣列島に所属する石油資源の開発を含めての海洋開発の問題について、相当遠い将来の展望の上に立って、この大陸だなというものに対する漁業資源というものは大陸だなに定着したものであるかどうかという疑問の点は残りはするけれども、大陸だな条約というものに対して日本がやはり加入をするということのほうが、まず尖閣列島なんかの問題の交渉にいたしましても、そういうしっかりした見通しの立った腹をきめない限りは、私はきわめて弱腰のものになるんじゃないかという感じがするわけです。もちろんこの尖閣列島の場合は無人島でもあるし、それから琉球列島と台湾との間には非常に深い海溝があるというふうなことで、いろいろむずかしい問題もあるし、台湾政府としても言い分はあるだろうとは思うのです。言い分はあるだろうとは思うのでありますけれども、一方的に鉱区の申請をしたガルフに対し、これを認めるというようなやり方は、われわれとしては国民感情だけではなくして、どう考えても合点がいかない、筋の通らない話だというふうに考えられるので、これは国務大臣として、閣議において強硬にこの点については言うべきことは言うということで、き然たる態度をここで持ってもらいたいということと、大陸だなの問題についてもこういう問題がこれから頻発するということも含めてき然たる態度でもって、認めるべきものは認めるという前向きの姿勢でひとつ対処していってもらわなければならぬのじゃないかと思うのです。
 たとえば、日本海の大陸だな鉱物の広範な石油試掘申請というものが出ておるわけです。これはシェルです。ガルフではなくて、シェル石油と三菱グループの合弁会社になっておりまして、西日本石油開発会社というのが、鳥取の沖から五島列島にかけて六万一千キロ、こういう申請が出ておりますが、これは許可してありますか、どうなんでしょう。どなたかおわかりになる方はありませんか。
#16
○伊達説明員 お答えいたします。
 実は外務省の担当ではございませんが、これは鉱業法に基づく通産省の領分でございまして、私がお答えするのも何かと思いますが、常日ごろ日本海における大陸だな、韓国との大陸だなの問題を取り扱っております関係上、若干聞き知っておりますので、御質問の点だけに限りますれば私から情報としてお答えできるのではないかと思います。
 つまり、いろいろ鉱区の日本側の商社といいますか、開発の会社から申請が出ておりますが、まだ許可になっていないように私どもは聞いております。以上でございます。
#17
○石川委員 私もそのように理解をしているのですが、これも大陸だなの問題で、しかも三カ年の探鉱費用六十億円のうち、三分の二はシェルが負担するのですね。大陸だなというものをこれから日本は非常に大事にしていかなければならぬというときに、三分の二も外国の資本にまかせた形で日本の大陸だなをかってに試掘をさせるというふうなことはもちろん日本の許可を得なければやらないことでありましょうけれども、相当慎重に対処してもらわなければならぬ問題で、これは通産省とも十分にひとつ意見を交換をしてもらいたいと思うのです。
 こういうふうなものでも、大陸だなに関してはこれからどんどん急速度に開発が進んでいく。石油なんかもいまのところは一六%でありますが、あと二十年もたてば五、六〇%は海底から採掘をすることになるであろうというふうな見通しもたっておるわけです。そういう点で大陸だなについても、それからあるいは領海の問題についてもよほど――漁業資源の問題もあります。そういう点で非常にむずかしい問題はあるかもしらぬが、これから十年、二十年先を見越してどういう態度が一番賢明かという態度を科学技術庁長官としても腹をきめて、前向きの姿勢で積極的にこれに取り組んでいくという態度がぜひ必要になってくるのではないか。そうでなければ、いろいろな国際紛争の問題についてもあいまいなままで、そのときそのときで大陸だなにも加入しない、三海里説を固執するというふうな態度だけでうやむやに交渉を進めていくわけにはいかないのではないかという点では、やはり中核的な立場として科学技術庁長官も一つの見識を持ってもらいたい、こう思うのです。この点についての御見解を伺いたいと思うのです。
#18
○西田国務大臣 海洋開発という立場から領海問題、また大陸だな問題について見解を求められたわけでございますが、まだ政府部内の最終的な見解が固まっておらないわけでございまするけれども、何と申しましても、海洋国である日本といたしましては、この周辺の海洋開発ということが今後もきわめて重要度を加えてくるであろうということは間違いないことでございます。そういう立場から申しまして、鉱物資源あるいは水産資源という立場から考えまするときに、私も実は目の前で、三海里の外にはあるのではありましょうが、外国の船が目の前に来て、目の前で堂々と漁業をしておる状況をしばしば私は直接見ておりますが、非常に残念な気持ちがいたしておるのでございます。したがいまして領海の問題、ことに大陸だなの問題等につきまして、しっかりした結論を出すべき時期が来ておる、こういうふうに私も、これは個人的な見解で恐縮でありますが、考えております。
 そういう意味から申しまして、このように次々と問題が発生をいたしておりまして、ことに尖閣列島等につきましては総理府がすでに海底の実施調査をやって、その結論も、結論と申しますか報告書にも、きわめて石油あるいは天然ガスの可能性が高いということが報告されておりまするし、またお話しのように、東海大学の調査船等も参りまして同様の観測結果が出ておるわけでございます。こういうようなところにただいま問題になっておりまするような問題が起きておるということを考えましても、資源の乏しいわが国といたしましても、将来の資源開発という立場から、大体私個人といたしましては、いまお尋ねになりましたような方向で結論を早く出すべきものである、こういうふうな考えを持っております。政府部内の考えをまとめまする場合にも、私はそういう立場から検討を進めてまいりたい、かように考えております。
#19
○石川委員 話が変わるのでありますが、海洋開発というのはこれから相当積極的に取り組まなければならぬ日本の最大プロジェクトになってくるのではないか、こう予想されるのでありますが、これは宇宙開発あるいは原子力開発以上に非常に多岐にまたがるわけであります。それからいろいろな学者がそれぞれの専門分野において、我田引水というわけじゃないでしょうけれども、いろいろなことをやりたがっている。その方向づけというものはやはり科学技術庁が中心になって、私の個人の見解でいえば、海洋漁業資源というものをいかにして増殖するかという問題と、それから海底資源をどうやって採掘をして開発していくかという問題、この二つにしぼって、あとは付属的に潜水医学とかいろいろな問題があるけれども、この二つにしぼった形で技術センターをつくるという構想は私は非常にいいと思うのです。そういう点も今度は予算の要望をされると思うのでありますけれども、非常に立ちおくれている現状でありますので、これをぜひとも実現をしてもらわなければならない。そして非常にばらばらな技術行政というものを一元化して、何かものの中心的な役割りを果たしていくということと、それからいま言ったように政治的なことがたくさんあります。公害の問題があるでありましょう。それからまた国際関係の問題もいろいろあるでしょう。そういう問題も含めて十年先、二十年先を見越して、それに対応してどういう積極的な取り組みをするかというような政治的な姿勢というものも政府としてしっかりきめておかなければならぬと思う。いまのようにいろいろな利害関係が錯綜してばらばらな態度であったのでは、もう対外的な姿勢としてもしっかりした交渉はできないのではないかという懸念がありますので、その点をぜひ強く要望したい。
 あと一つつけ加えるならば、台湾政府と私は申し上げましたけれども、中共との関係が相当出てくるのではないか。中国としてはこれは国内問題であるというふうに考えるわけであります。その点の外交交渉もまた非常にむずかしい問題があるだろうということが予想されますが、とにかくここで日本は、海洋開発の場合においてはあくまでも平和に徹するんだという姿勢がはっきりしないと、これまた国際的な交渉において非常な紛議の的になるのではないかという懸念がきわめて濃厚であります。そういう点についてどうお考えになっておりますか。平和利用宣言というふうな宣言を一方的に出すとか、あるいはまたこの基本法をつくるということも一つの方法であろうと思うのであります。そういう点の御見解をひとつ伺いたいと思うのであります。
#20
○西田国務大臣 科学技術庁はもとよりでありますが、海洋開発につきましては、各省かなり広範囲にそれぞれ分担をしてやっております。実際に海洋開発を進めております実態をごらんいただきましてもわかりまするように、わが国の海洋開発はあくまで平和利用と申しますか、そういう面に徹することがこの内容からも十分御推察が願えると思うのですが、海洋開発をさらに推進してまいりまするためにいろいろな政策を展開していかなければならぬと思います。私どもとりあえずやりたいと思っておりますることは、現在海洋開発技術審議会というものがございますけれども、これを発展的に解細いたしまして、海洋開発全体をただいまいろいろ御指摘になりましたような方向で検討するための審議会にひとつ発展的に改組していきたい。そしてここで海洋開発全体に対する政策の充実その他を強力に進めてまいりたい、こういった考え方で取り組んでまいりたいと考えております。
#21
○石川委員 海洋開発について申し上げたいことがたくさんあるのでありますが、私の持ち時間を使い果たしてしまいましたので、宇宙開発の問題に移りたいと思うのでありますが、きょうは宇宙開発委員会並びに事業団のほうからおいでになっておりますので、時間がございませんので非常に要約して質問をしたいと思います。
 一つは、新聞の社説にも出ておりますように、Qロケットの開発は中止をする、それからNロケットもこれまでの固体燃料から液体燃料中心に切りかえる、極力米国からの先進技術導入に努力をする、それから電離層観測衛星の打ち上げを四十七年という予定であったものがこれは五十年度に延期をするというふうな、画期的なというかドラスティックというか、非常な変更が行なわれたわけであります。この間のいきさつは一応わかっておりますけれども、この委員会の席で一応明確にしていただきたいと思うのです。
#22
○石川説明員 いままでの経緯並びにこの考え方について、簡単に御説明申し上げておきます。
 宇宙開発委員会におきまして昨年の十月一日に四十四年度の宇宙開発計画を作成したわけでございます。その計画によりますと、ただいま御指摘ございました、Qロケットを開発してそれから次にNロケットを開発し、そうして電離層衛星を四十七年に打ち上げるという内容のものが、この四十四年度の開発計画の中に入っていたわけでございます。なお、同じ昨年十月宇宙開発事業団が発足いたしまして、宇宙開発事業団におきましてはこの開発計画につきまして技術的な面におきまして検討を開始したわけでございます。この結果、いろいろ検討すべき事項が出てまいりまして、それはこの五月ごろから作業を開始いたしました四十五年度の宇宙開発計画の中に盛られてきたわけでございます。
 衛星計画につきましては、当然ロケットの開発と関連性がございますのでロケットの開発ということが当面その主体になると思いますが、そのロケット開発の構想といたしまして現在事業団から出てきております考え方が、ただいま御指摘のような考え方でございます。
 宇宙開発委員会におきましてはことしの五月から作業を始めまして、そうして現在四十五年度の宇宙開発計画を決定すべく作業中でございます。中に部会が二つございまして、計画部会と技術部会、二つ置いてございます。技術部会の中には三つの分科会を設置しておりますが、そのうち第一分科会はロケット打ち上げ結果の評価等を行なう分科会でございますが、残りの第二、第三分科会は、それぞれロケット関係の開発の問題、それから人工衛星の開発の問題、この問題を取り扱う分科会でございます。この部会並びに分科会で検討を現在進めておりますが、これがようやく最近骨子がまとまってまいりまして、近くその骨組みができ上がりましてこの委員会に正式にはかって御決定を願いたいということで進んでおります。
 その中のロケットの関係といたしまして、従来開発を進めておりましたQロケットにつきましていろいろ検討いたしました結果、現在のQロケットを開発する中におきましてもいろいろ技術的な問題点が出てきております。その点を解決しながら進めてまいりますと、当初計画の予定よりもおくれてくるということが判明いたしたわけでございます。なお、そのQロケットができ上がりましたあとで開発する予定にしておりましたNロケットでございますが、このNロケットも当初は固体ロケットということも考えておりましたが、いろいろ事業団のほうで技術的に検討をしてもらいました結果、Nロケットを固体で開発するということにつきましてもさらに技術的に非常にむずかしい問題があるということも判明いたしました。このようにいたしますと、Qロケットをつくり、さらにその後固体のブースターを用いますNロケットを使います場合には、相当大幅にその完成時期がおくれるということも考えられるわけでございます。
 一方、このNロケットというものを、固体をブースターとしたロケットがいいのかあるいは液体をブースターとしたロケットがいいのか、この点についても検討を進めてもらったわけでございます。その結果、現在まで考えてまいりました固体燃料を使ったNロケットを用いますと、この現在のNロケットが完成したあとさらにまた新しくこの固体燃料を用いた大型のロケットを開発しなければならないということが判明いたしました。と同時に、この液体燃料をブースターといたしますロケットを開発いたしまして、これをさらに強力にするために改良を行ないながら進めていくという、このほうが将来の大型の衛生を打ち上げるためにはかえって方法的にはあるいは時間的、経費的に見ても有利ではないかというような検討が出てまいりましたので、そのようなことで事業団のほうから計画が出てまいったわけでございます。したがいまして、従来このQロケットで電離層衛星を、目方にいたしまして約八十五キロの電離層観測衛星でございますが、これを千キロの高さの円軌道に回すというような計画が四十四年度計画されておりましたが、この電離層衛星もNロケットによって打ち上げるほうが有利ではないかというような考え方も出てまいりました。従来のQロケットによりましても打ち上げが可能でございますが、液体燃料を用いましたNロケットを開発するということによって、さらに強力なロケットが得られるといたしますと、このNロケットによって電離層衛星を上げるというほうが、さらに衛星の打ち上げについての確実性が出てまいるわけでございます。したがいまして、現在行なっておりますQロケットの開発を一応中止いたしまして、そしてQロケットの上段につける予定でございましたQケットの三段、四段を液体燃料を用いたブースターの上につけることによりまして新しいNロケットというものを構成したい、こういうふうな計画でございます。したがいまして、Qロケットにつきましては三段、四段はそのまま開発を進めてまいります。一段、二段はこれを液体燃料というような方式に変えまして、そして一、二段を液体燃料を用いたブースターとして将来のNロケットの形にしていきたい、こういう考え方でございます。電離層衛星につきましても、そのようなことから、当初予定しておりました四十七年度からNロケットの完成時まで約三年ほどおくれるというような考え方でございます。
#23
○石川委員 これはその御説明だけではきわめて不十分だと思うのですけれども、結局はユーザー側の意向がだいぶ変化をしてきたということに伴って、それに対応する施策としてこういうふうに変更を余儀なくされたというふうにわれわれは理解をしているわけです。一つは電電公社の通信衛生とか気象庁の気象衛星、運輸省の航行衛星、いずれも一連の計画が最近になってどうやら固まってきておりますけれども、それによると、三百キログラムということになると、従来のQロケット、Nロケットではきわめて不十分であるというような事情変更というものが出てきたのではないか、それに対応するということでこうなってきたのだろうと思うのです。私は非常にドラスティックというか全面的な改定まで出てきたというようなことについては、宇宙開発委員会がよく思い切ってそこまで変更したということをほめるべきなのか、あるいはまた非常に見通しがなくて、こういうふうにネコの目の変わるように、できた計画がすぐさま変わるということがはたしていいのかいう二つの見方が出てくると私は思うのです。宇宙開発委員会はできたばかりでありますから、意向というものを集約することはなかなか困難であったでしょうし、また各方面での要求というものがあまり固まっておらなかったということについて、対応する施策というものをなかなか固めにくかったというような事情もわれわれはわからぬことはないわけなんですけれども、しかしはたしてこのようなことで――いまはこの計画ですけれども、同じようにあと二、三年して事情変更があるというと、また変更を余儀なくされるというようなことになります。実を言うと、この宇宙開発は膨大な費用がかかります。国民の中の意見としては、国威宣揚でロケットを上げるなんというようなことを考える人は現在だれもおりません。月に着陸した現在においては、たかが衛星ぐらい上げたって国威宣揚にはなりっこないのです。そういうことに対する期待とか夢というものは国民の中にはなくなってきておる。現実的に宇宙開発によってどういう利益というものがもたらされるのであろうか、国民の生活にどういうふうな利便を与えるものであろうかというふうな、きわめて実質的な見方で宇宙開発を認めていくのには、あまりにも膨大な費用がかかり過ぎるのではないかというような批判もないではないわけなんです。そうすると、この膨大な費用をかけるのに、このようにしょっちゅう改定をされるというような心細いことでは困るという国民側の批判も強く出てくるという危険性がきわめて強いと思わなければならない。そうなると、私はこの宇宙開発委員会の弱体を責めるというよりも、ほんとうにこれから国民の要望に沿って、国民の期待にこたえるような計画を立てるためには、これは原子力の場合とはだいぶ違うと思うのです。原子力の場合は、大体何をつくるかという目標が立っておりますから、それに伴ってPPBS的な非常にこまかい手法というものがとられて、何月何日までには何をやるかというところまでぴちっと計画が立てられておる、なかなか原子力と同じようなわけにいかぬと思います。非常に用途が多岐多様にまたがっておりますから、いかぬと思いますけれども、しかしそれも含めて、そういうふうな将来を見越してこの計画をいまからきちっとPPBS的な要素でもって立て得るような体制をつくらなければ、また改定が行なわれるのではないか、こういう不安を国民ひとしく持たざるを得ないのではないかと思うのです。したがって、今度の改定については、科学技術庁はおそらく予算を獲得するという点で非常に急いで発表をされたと思うのでありますけれども、納得のいくような説明が宇宙開発事業団及び宇宙開発委員会のほうから解明をされないと、どうも国民は不安を隠し切れないと思うのです。ばく大な予算を使って、こんなに年じゅう計画が変わるということでは困る、そんな予算はやめろということになりかねない、こういう点についての十分な説明がひとつほしいと思うのでありますが、その用意がございますか。
#24
○山縣説明員 ただいま石川先生からいろいろお話がございましたが、おほめを受けたのか、しかられたのか、両方だろうと思いますが、いずれにいたしましても、お話のとおりに、今回、委員会の中の部会においていろいろ議論をしております。その案というものは、お話のとおり、まことに従来とは思い切って変わったものだと思います。
 御承知のように、この宇宙開発ということ自体が、少なくとも日本においては非常に新しい分野でございますが、毎年宇宙開発計画を改定するという前提で昨年の計画を策定したわけでございます。当然、われわれといたしましては、本年度におきましてこの見直しをするということは任務であるわけでございますが、いろいろこの種環境、条件と申しますか、周囲の条件が変わってまいりまして、それはたくさんございますけれども、一番おもなものを申し上げますと、いまお話がございましたように、人工衛星、これを利用する側の計画、特に大型衛星の計画、これが昨年はわれわれが開発計画を立てます場合にはそういうお話はなかったわけでございますが、今回の見直しにあたりまして、利用機関からいろいろ、たとえば気象衛星であるとか通信衛星であるとか、大型の実用衛星の御要求が出てまいりました。
 それから第二には、やはり何と申しましても、この二月に東京大学の衛星「おおすみ」が軌道に乗ったということでございまして、引き続き科学衛星第一号をこの夏打ち上げる、先般天候が悪くて延期になっておりますが、九月になりましてから打ち上げると思います。いずれにいたしましても、ラムダ、引き続きましてミュー、このロケットの信頼性、それによって軌道の制御にはいろいろ問題がございますけれども、衛星を打ち上げ得るということが実証されたということが第二の問題だと思います。
 それから第三の問題といたしましては、昨年七月末に日米間でもって技術協定ができました。いろいろ事務的の措置が必要でございましたので、実際アメリカ側から日本が必要とする技術が日本に入ることがきまりましたのは四月以降でございますが、その間の折衝によりまして、いわゆるソー・デルタまでの技術というものは日本に具体的に入ってくるという見通しがついたということが、過去の一年間における一つの情勢の変化だと思います。
 それから次には、ポストアポロ計画、これにつきまして参加を要請されている。ペイン長官がこの三月に――すでにもうおやめになりましたけれども、前長官であるペインさんが来られまして、ぜひ日本も参画してほしいという、こういう要請がございました。
 それからもう一つは、事業団が昨年十月一日に発足いたしました。事業団におかれまして既定の計画につきましていろいろ御検討になった。その間いろいろな問題が出てまいりまして、特に信頼性というようなことについて、やはりもう少し十分検討しなきゃならぬのじゃないかというようなお話しになりまして、その結果既定計画に対する実施、これが事業団から伺いますと約一年近くもずれてきておる、こういったようないろいろな事情がございまして、委員会といたしましてはこれらを踏まえまして見直さなきゃならぬ。で、これらを考えてみますと、特にユーザーのほうからの要請、これが昨年なかったわけですが、今度出てまいりましたのを拝見いたしますと、やはりここで思い切った計画を改定いたしませんと、昭和五十年代の初めにおいて気象衛星を上げるとか通信衛星を上げるとか、そういった御要望に沿うことができないということが、何と申しましてもいまお話がございましたように、一番大きな問題でございます。これに対応するために、従来の計画でございますというと、QからNをやり、そこへ今度新しく固体燃料を使いましたブースターを考えまして、そこで次の大型実用衛星を打ち上げるという段階になりまして、相当な年月が必要である。そういたしますと、いま申し上げましたいろいろな情勢の変化を勘案いたしまして、ここで思い切って液体燃料、Qに液体燃料を使ったほうが実用衛星を打ち上げるという目的のためには決しておくれない、むしろ早くなるという見通しになりましたので、いろいろ従来の計画を変えるということに各方面難点はあるのでございますけれども、委員会といたしましてもいま部会で御検討になっている方向につきまして、こまかいことは別といたしまして、そういう方向でわれわれ考えています。
 いままで申し上げましたことを踏まえまして、私どもといたしましては、今回の見直し、これが委員会決定になりますれば、今後こまかい点についてはまた変わることがあると思います。またその利用機関のほうからいろいろまた別な御注文もあるかとは思いますけれども、今度の計画の変更に対しましては、私ども十分、いま申し上げましたような周囲条件を踏まえてやる改定をいたしましたが、実際問題といたしまして、今後なかなか困難はございましょうけれども、計画どおりできるんじゃないかと思います。
 なお、いまお話がございましたように、三年おくれるというお話がございますが、これはやはり石川先生からもお話がございましたように、大きな金が必要でございますので、各年度におきましてきわめて巨額な費用を必要とするということになりますと、いろいろ実際問題としてはそういう予算なり何なりの成立がむずかしゅうございますので、ある程度やはり常識的に考えました予算というものをわれわれ頭に置きまして、それで三年おくれという線で検討しておりますが、これは極端なことを申し上げますれば、ある年度においては十分お金をくださるということになりますと、その計画が、三年おくれが二年おくれで済むというようなことも考えられますが、一応現実の問題としてはわれわれはやはり計画を立てなきゃならぬ、そういったことで、ただいま申し上げたような結果になり、いろいろまだ委員会としては決定いたしておりませんけれども、十分検討して最終的にきめたいと思っております。
#25
○石川委員 委員会としてははっきりきまっておらぬということなんだけれども、来年度の予算の要求としては科学技術庁は大体の方針をきめちゃっているというようなことのギャップをどう埋めるかという問題が一つあると思うのですね。やはり委員会として将来を見越してこうせざるを得ないんだという説明が十分なされた上で、今度は科学技術庁が予算を要求するというんなら話はわかるのでありますけれども、きわめて私は予算要求としては弱い根拠を持つことになりはせぬかという懸念があるわけです。その点で来年度の予算の決定が、まだまだ先になるとは思うのでありますけれども、そうたくさんの日にちが残されておるわけではないのでありまして、その説明が国民に対して十分なされるということで、それで国民がこれを支持するという上に立ってこの予算要求というものはなされるということでないと、これは非常に予算の獲得それ自体も容易ではなかろうし、国民の納得し切るということについても非常に問題が起きるという点で大いにこれはひとつ奮起してもらいたいと思うのです。
 それと、しろうと考えでたいへん恐縮なんでありますけれども、固体ではだめだけれども、誘導を容易ならしめるためには液体でなければならぬというようなことがいまにしてわかったということは、どう考えても納得がいかぬという考え方がわれわれしろうとにはあるのです。
 それからあと一つは、各ユーザーのほうの要求がそれぞれ百キロくらいのものであったものが、三百キロくらいのものに大幅に変更になったということに伴って、この計画を変更しなければならぬというのでありますけれども、実を言うと、そういうふうな見通しそれ自体も、開発委員会それ自体が権威があって十分に将来を把握できるという見通しを持つだけのものであるならば、これはもうとっくに開発委員会それ自体がそういう見通しを持って積極的に、ユーザーの要求ということではなしに、把握をしていくべき性質のものではなかろうか、またそういうふうな性格を持った権威のあるこの委員会になっていかなければいけないのではないかと思うのです。そういう点をまず要望として申し上げておきます。
 それとあと一つは、ソー・デルタの問題でありますけれども、これはIRBMを発射したソーを改造してソー・デルタというものになって、これは液体燃料を主としたものになるわけでありますけれども、これで大体目的が達せられるかというと、どうもソー・デルタだけでは何か三百キロというふうなものを打ち上げるのはまだまだ不十分だという感じがするわけですね。そのソー・デルタ自体も昭和四十四年の七月三十一日にできた日米協定によってまずだいじょうぶだろうということなんですが、外務省の方に伺いたいのでありますが、このソー・デルタの導入ということについての現在の交渉の経緯、見通し、この点について伺いたいと思います。
#26
○石川説明員 技術導入の問題につきましては科学技術庁が中心になって行なっておりますので、科学技術庁のほうからお答えしたいと思います。
 ただいま検討されております今後Nロケットに使うべきブースターにつきましては、宇宙開発事業団のほうでその技術的内容について検討を進めているわけでございますが、当初日米協定におきましてソー・デルタクラスまでの技術は日本に出せるというようなことであの協定がまとまっているわけでございます。で、そのときに考えましたソー・デルタというのは、やはり実用衛星を打ち上げるためのロケットとしていわゆる相当適切なロケットであるという考え方からソー・デルタということで話を進めたわけでございます。
 このソー・デルタにつきましても、アメリカ側自体におきましてもソー・デルタロケットを逐年改良いたしまして、徐々にそのペイロードの大きさを大きくしております。したがいまして、今後このようなソー・デルタクラスのロケットをわが国で技術導入するといたしまして、大体どのあたりのものを導入すればいいか、こういう問題は現在宇宙開発事業団のほうで検討中でございます。したがいまして、そのロケットの種類等につきましてはまだしばらく日にちが要るのではなかろうかと思います。技術導入の面につきましては、そのようなことで、決して固定したロケットについて昨年七月の協定ができているわけではございませんので、その内容が逐次きまり次第個々の件についてアメリカ側と折衝しながら技術導入をするということで、現在そういうようなたてまえで技術導入を行なっているわけでございます。したがいまして、事業団から出てまいりました内容につきまして、政府側がアメリカ政府と交渉するという形で進んでおります。
#27
○石川委員 話を聞いていると、何だか先行きは暗中模索で、予算要求をするといってもこれじゃとてもじゃないが獲得できる見通しがないんじゃないですか。こういうふうなあいまいなことでは、私はとても大規模な金を使ってしょっちゅう改善をされるというふうな不安のあるような宇宙衛星に対して指示を与えられないのではないかという不安は、だれしもきょう列席された方、お持ちになっていると思うのです。この点は、この宇宙開発委員会あるいは事業団というものの権威というものを私は疑いたいと思いますけれども、よほどしっかりした先行きの見通しを立ててソー・デルタならソー・テルタでいいんだ――ソー・デルタだけではこれは三百キロは上がらぬわけですね。これは補助ブースターというものをつけなければ、とてもソー・デルタだけではだめなわけです。その点についての技術的な解明はまだ十分なされておらない。それからさらに、放送衛星ということになれば一トンだとこういわれておるわけでありますね。そうなれば、ソー・デルタでは、これはとても間に合わないということになると思うのです。それを一体どうするのだということについてもおそらく暗中模索なんだろうと思うのです。いまのところはソー・デルタだけだというのでありますが、今度科学技術関係でアメリカに行って、ペイン長官なんかに会ったときには、コマーシャルベースでもって技術は幾らでも放出しますというふうな確約を得ているわけでありますけれども、そうなれば、四十四年七月三十一日の日米協定以上に発展する可能性もある。そうなれば、タイタン3Cというものも当然考えられてくるのではないかということについて、一体どうしたらいいのだという姿勢が科学技術庁自体も、あるいはまたその基本をなしております事業団のほうでも、あるいはまた開発委員会のほうでもさっぱり見通しがついておらないのじゃないかというような印象を与えるのでありますが、その点ははっきりソー・デルタだけでよろしい、あと放送衛星までやるのだと私はなかなか言い切れないだろうと思うのです。そこまでの見通しを実際立てておられるのか、それとも立てておられないのだったら、いつまでにはっきり立てようとするのか。結論的にいって、何かシステム化が全然なされておらないという感じがするのです。将来の見通しだって、それにどう対応するかという姿勢がさっぱりはっきりしておらぬというような印象をいまの答弁から受けるのです。来年度の予算獲得であわせて何か飛びついて思いつきのようなことを言っておるという印象しか受けられないというのは、これは非常に残念だと思うのですが、その点いかがですか。
#28
○山縣説明員 先ほど研究調整局長からお話がございましたように、大型のロケットの問題でございますが、いろいろ御要求がございまして、これはほとんど大部分静止衛星でございます。それでただいま昨年の計画によりますと、Nロケットで百キロの静止衛星を上げられる、そういたしますと、これは例の実験用通信衛星あるいは中容量の通信衛星、これはユーザーのほうでいろいろ御検討になると思いますが、中容量のものならばあるいは百キロで上がるかもしれません。しかしさらに大きな、たとえば気象衛星であるとか、あるいは通信衛星のもっと大きな容量になりますと、いまお話がございましたように、数百キロ――二百キロとか、三百キロとか、四百キロ、こういうものをお考えになっておるようでございます。さらに大きくなりますと、いまもお話がございましたように、地域集団向けの放送衛星、これになりますと、これも今後ユーザーが御検討になると思いますが、おそらく五百キロとか、六百キロ、こういうものになります。さらにいまお話がございました本式の放送衛星ということになりますと、五百キロから千キロ、一トンぐらいになる。一体これをどうやってまかなうかということでございますが、これは先ほどお話がございましたように、中容量ですから、数百キロのものでございますと、いまの新しい計画のNロケット、Nのブースター、これの性能向上あるいは補助ブースターをつけるということでおそらくできると思うのです。それから五、六百キロになりますと、今度はブースター自体をプラスターにするとか、いろいろな方法があると思うのですが、さらに大きくなりますと、これはやはり問題でございまして、一体Nロケットをブースターをたばねてできるかできないか、あるいはいまお話がございましたように、タイタンクラスのものを入れなければできないか、そういったことにつきましては、私どもといたしましては、ここ一年をかけまして、十分検討していきたいと思います。すなわちソー・デルタ以上の容量を持つロケットの技術導入につきまして日米で交渉するか、あるいはNロケットというものを使いまして、それをたばねてやっていくかというようなことにつきましては、委員会といたしましては、部会その他外部の方、特に事業団の御意見を伺ってきめたいと思います。
 大体私どもの今後の計画といたしましては、そういう計画でおります。直接のお答えにならないかもしれませんけれども、大体私どもの考え方は以上でございます。
#29
○石川委員 時間がだいぶたってしまいましたので、聞きたいことはたくさんあるのですが、このくらいにしておきますけれども、要は事業団と委員会というものが権威を持って、相当先行きの計画まで立てて、そうしてそれに対応してどうするかとというふうな納得のいく計画というものが説明されないと、何かその場その場で改定をするというような印象をぬぐい切れないのです。それと同時に、国民としては相当膨大な費用がかかる。私がいただいた資料でも五十三年度に百キログラムの静止衛生を打ち上げるだけで経費が総計二千億円もかかるということになっておるわけであります。これだけの費用をかけて一体それだけの必要があるのか。国威宣揚であれば、多少むだが出てもやむを得ないという国民の納得もおそらく得られると思いますが、ほんとうに国民の生活に利益があるかどうかというようなことになりますためのPRといいますか、宣伝といいますか、そういうものについてもきわめて不十分だと思うのです。
 いまのところは通信衛星、気象衛星というふうなものは、五十年代の前半でもって上げる、また放送衛星というものは六十年代だということになっておりますが、測地衛星、航行衛星というものは当然その間において考えられなければいけないでしょうが、私個人の好みになるかもしれませんけれども、動物たん白の大もとというものは、日本としてはどうしても漁業資源にたよらなければならぬということになれば、魚群探知機というふうな夢も、これは単なる夢としてではなく、やはり確立をしてもらいたいという希望が私は強い。これは日本独特のものだろうと思うのです。日本としては、特に魚群探知機というふうなものも構想として描いて、どの程度のものかという衛星の開発まで考えて、そうすれば国民の納得も得やすい面も多々出てくるわけです。そういうふうなものを含めて、資源探査衛星というふうなものが実はほしいと思いますけれども、これは地域衛星というふうなかっこうになって、日本だけの資源探査衛星というものはあり得ないのですから、これはそう簡単なものではないと思います。
 しかしながらそういうふうな全体的な将来の見通しというものを描いて、それに対する道筋というものをシステム化して考えて、それに対して国民の了解を得るところのPRが十分にされて、そうしてその上に立って、今度の改定というものがどうあるかという解明がなされるということでなければ、当面の予算獲得ですらなかなか容易なことではなかろうという感じがするのです。しかしながら宇宙開発はわれわれは必要だと思います。この技術は、とりもなおさず海洋開発にも転用できる技術を多分に持っておるわけでありますから、その意味でも私は必要だろうと思うのです。しかしながらいまのような体制では、われわれとしては、なかなかわれわれ自身が納得できない、国民はなおさら納得ができない。予算の獲得もこれではなかなか十分な論拠を持っておらない、こういう感じがしてならないので、たいへん酷な言い方をするようでありますが、奮起一番そういう点の体制を開発事業団としてもぜひ確立をしてもらいたいということを要望するとともに、最後に長官にお願いしたいと思いますが、宇宙開発それ自体も平和利用が前提であるということにならないと国民の理解と納得、協力も得ることは困難であるという感じがするわけです。ソー・デルタといっても、これはIRBMのブースターにすぐ転用できるという性格をもつものであろうと思いますので、あくまでも平和に徹するという意味での基本法というものを確立する、そして内外にこの点を、日本があくまでも平和利用に徹するのだという姿勢を徹底させる、そのことが国外に対する警戒を解くのと同時に、国民の協力を得られる絶対的な基礎的な条件である、こう考えるわけでありますが、その点の長官の所信を伺いたいと思います。
#30
○西田国務大臣 宇宙開発計画の見直しが、内容的に申しましてもきわめて思い切ったものでありますし、また、すでにできております開発計画を発足いたしましてからあまり時間がたたないのにこういった思い切った改定をするということに対して、いろいろな、むしろ激励的な意味での御質問をちょうだいしておりまして、私も全く同感に考えながら伺っておったわけです。
 そこでなぜこのような思い切った改定を行なうのか、そしてまた、それに対して十分な自信があるのかということになるわけでございますが、先ほど来山縣委員それから局長等から御答弁申し上げておりますように、ただ、いまの計画をそのままずるずると進めてまいりますことが、はたして大きな目で見まして国益につながるのかどうかというようなことをまず前提に置きまして、現在考えているような方向を検討しておるわけでございます。
 そこで、何と申しましても、いま石川委員から、宇宙開発そのものは十分国民の納得を得るように、また宇宙開発がいかに国益に沿うものであるかということの解明を徹底的にやらなければ、国民も納得しないし、予算も十分に確保することすらむずかしいであろうという御指摘でございますが、その点も全く同感でございます。
 そこで宇宙開発につきましては、現在考えられておるものだけでも相当な将来の用途が考えられておりますし、さらに加えまして、石川先生が述べられましたような魚群探知であるとかあるいは資源探査であるとかいうようなことまでも将来活用されるであろうと考えます。そういう立場から国の投ずる資金、つまり予算も金も長期的に見てむだにならないということ、そうしてまた計画が着実に進められるということ、さらにまた考えなければならぬことは、諸外国に比べましてたいへんおくれてしまっては意味がないのでありますから、やはりわれわれは、少しでも早くわが国が宇宙開発の目標を達するために早くこの打ち上げが実現できるよう、そういう立場から実は真剣な検討を加えてまいったわけでございます。
 そういう意味から申しまして、私どもがいま考えておりますことは、かえってこのままずるずると従来の計画にこだわっておりましては、長期的に見ましてむしろむだが多くて、そうして開発もおくれるというような危険もあり、そしてまた、現在つくられております計画そのものは、先ほども山縣先生申されましたが、必ずしも予算の面、つまり資金の面から見ましても十分な裏づけを持っておらないというような点から見まして、今度は少なくとも、いま申し上げましたような大きな観点に立ちまして、少しでも早くその目標を達成するように、むだがないように、そして今度はまたもというような狂いのない、つまり着実性のある宇宙開発をやっていこう、こういう考え方に立って検討しておるわけでございます。したがいまして、十分政府部内におきましても、また諸先生に対しましても、国民の皆さまに対しましても、十分な説明がつくものということで、実はいま連日精力的な努力をいたしておるわけでございます。その見通しを得ましてから、きっぱりしたものをつくりましてから予算の折衝にも取りかかってまいりたい、かように実は考えておるわけでございます。
 そこで、いま先生のおっしゃいました、宇宙開発はあくまで平和ということに徹しなければ問題である、こういうお話でございます。私どもも全く同感に考えております。したがいまして、国際的に見ましても、平和利用という立場から、液体燃料のロケットの開発等が取り進められるというような国際的な状況も十分考えておるわけでございまして、そういうことに徹しまして、非常に思い切ったことでございますが、この時期を失してはかえってどうも宇宙開発そのものがむだが多く、そしてまた成功率が低い、こういうふうな判断に立っておることをひとつぜひ御理解を賜わりたい。私どもも、先生のおっしゃいましたそういう考え方に徹しまして、ひとつ鋭意これを進めてまいりたいと考えておりますし、またこれがまとまりましたならば、これは政府部内、政府全体の問題として、ひとつ国全体の考え方として宇宙開発を進めていくという腹がまえをきめなければならぬ、こういうふうに実は考えておるわけでございます。
 たいへん激励を賜わりまして、私どもその御趣旨に沿うて全力を尽くしたいと考えております。
#31
○石川委員 それではこれで終わりますけれども、いままでの研究が、技術開発の場合はむだもあるし失敗もあるわけでありますから、全部むだということは言えませんが、何となくむだなことをやっておったというような、この改定に臨んでそういう印象を受けるわけです。そういう印象を与えることのないように、ばく大な費用がかかる今度の計画でありますから、そういう点は国民に納得の得られる、協力が得られるような構想と説明と見通しを持った計画を立ててもらいたいということと、平和利用に関してのはっきりした態度を示すための基本法というものはぜひ必要であるというふうに考えますので、その点だけをつけ加えまして質問を終わります。
#32
○北側委員長 近江巳記夫君。
#33
○近江委員 きょうは、時間の関係等もありますので、問題をしぼって御質問したいと思っております。
 まず、初めに海洋開発関係について御質問したいと思いますが、いま問題が起きております尖閣列島あるいは韓国とのそうした鉱区設定の問題、これにつきまして、私ども以前この委員会等におきましても、将来は当然紛争が起きてくるから、要するに資源がはっきりしてくればなおさら紛争が起きる可能性があるから、よくその点は外務省等も連携をとって、いまからそういうトラブルの起きないような手配をしていただきたい、このように何回もお願いをしてきたわけであります。しかし、いまこういうような問題が起きてまいりまして、国民のすべてがこの問題については心配をしておるわけであります。非常に残念であるわけでありますが、先ほど石川委員からもお話がございましたが、ウッズホールの研究所に参りましたときに、メモリー博士という人に会ったわけでありますが、そのときも、この尖閣列島付近、東シナ海等の海底資源、特に石油等の問題については非常に有望である、かなりの調査もやっておったわけであります。わが国の場合は、今年度予算で六十二海域に分けてまだ十海域、要するにそれも調査できるかどうかわからない、まだそういう一〇%にも満たないような大陸だなの調査である。そういう海洋開発全体のそうしたおくれというものが、そのうち何とかなるだろう、そういうような態度が今日の紛争を招いた一つの原因でもないか。それは先方の態度もあるわけでありますから、原因というものはふくそうしておるわけでありますけれども、海洋開発全体に対するそういう政府の甘さ、そういうものが非常に大きく影響しているのではないか、私はこのように思うわけです。
 そこで、尖閣列島等の問題につきまして、何といいましても科学技術庁が海洋開発の中心となって進めていらっしゃる官庁でもあるわけです。したがって、これはほんとうに自分のこととして今後対処していかなければならない、このように思うわけです。単なる外務省にだけまかしておく、そういうことがあってはならぬと思うのです。その点、先ほど石川委員からも発言があったわけでございますが、長官として今後これだけもめておるこの問題に対してどのように対処していかれるおつもりか、長官としての考え方をひとつ初めにお聞きしたいと思うのです。
#34
○西田国務大臣 先ほどもお答えいたしたわけでありますが、この尖閣列島がわが国の古来の領土であるということにつきましては一点の疑いもないわけであります。これは沖縄返還が実現されました暁に本格的な開発にとりかかるべく心組みをいたしておるわけでございますが、いま起きておりまする問題はやはり事外交に関する問題でございますので、私ども直接の問題ではございませんけれども、これはもう日本政府全体の責任におきまして解決せられるであろうことを期待しておりますし、また、先ほど大陸だなあるいは領海の問題につきましても私個人の見解を申し述べましたが、そういう結論を出すべき時期が近づいておると私も考えておりまするが、その中におきまして重要な資源を持っておる尖閣列島等につきましては、もちろんこれは科学技術庁だけでできるものではございませんけれども、鋭意その資源の活用をはかるということに努力したいと考えております。いま当面起きております問題につきましては政府全体として外交交渉を通して解決すべきものであろうと思います。
#35
○近江委員 特に関係あるのは科学技術庁あるいは通産省あるいは外務省というところでございますが、今後長官がさらにそうしたイニシアチブをとられて、そして解決への努力をしていく、こういうお考えはございますか。
#36
○西田国務大臣 努力したいと思います。
#37
○近江委員 そこで、海洋開発につきましても非常に多岐にわたっておりますので、いろんな問題があるわけですが、ひとつ私、アメリカの海洋開発を見まして非常に感心したことは、ことし、N
○AAというのは、これは直訳すればどうなるのか知りませんが、国立海洋大気監理庁、環境保全庁――EPAというのが設置されて、海洋のそうした汚染防止あるいは環境保全というものにアメリカは全力をあげてやっておるわけです。そして当然いまこれだけ公害問題が非常に盛んになってまいりまして、要するに人間としてのそういう生存条件まで脅かされるのではないか、自然破壊というものは非常に大きな問題になりつつあるわけであります。
 そこで、私はまず長官にお聞きしたいのですが、海というものは単なる海洋開発という面だけではなくして、人間の生存条件としての自然環境を保っていく上において非常に大きなキーになるのではないか、このように思っておるわけです。そういう意味で、海の保全ということについて長官はどのようにお考えでございますか。
#38
○西田国務大臣 最近やかましい公害の中で海洋汚染の問題も非常に大きな問題になっておることは御指摘のとおりでございます。これにつきましては政府としても着々いろいろな手を打っておるわけでございますが、いま具体的にお尋ねがございますから、私ども考えを具体的に申し上げたいと存じますが、まず汚染防止技術の開発、これがわれわれの任務であると存じますので、総合的な海洋科学技術開発をその立場において強力に進めてまいりたい、かように考えております。
 それから、また沿岸海域の海洋の汚染につきましては、総合調整の立場から汚染状況の測定あるいは監視、こういう各種の対策の基本となりますところの問題につきまして研究開発を強力に進めてまいりたい、かように考えております。
 それから、具体的な海洋汚染問題に対処するためにいろいろな調査を行なう必要がございますが、まず明年度は特調費をかなり思い切って支出いたしまして、沿岸海域の精密調査をやりたいと思いますが、まずとりあえず、これはいろいろ汚染の地域がございますから、一挙にやりたいわけでありますけれども、最もいま問題になっておりますところの豊後水道、これは瀬戸内海の汚染が問題になっておりますので、これに海上保安庁、水産庁、あるいは地質調査所、気象庁、これらの総合的な調査を行なうために特調費を支出いたしましてその精密調査を実施したい、こういったことを考えております。
#39
○近江委員 いま海をよごすということについて、たとえばタンカーがバラスト水をそこでほうったり、そういうふうな油濁の問題もありますし、あるいはヘドロ等を海洋に投棄するという問題もあるわけです。この前に通産大臣にお聞きしたときに、海洋をきれいにしていくということについて、ヘドロ等が投棄されておるけれども、あなたはどうお考えでございますかと聞いたところ、非常に恥ずかしいとおっしゃいましたが、科学技術庁長官はどうお考えですか、感想をひとつ聞かせてください。
#40
○西田国務大臣 やはり同じような感想を持っております。
#41
○近江委員 恥ずかしいわけですか。――通産大臣と同じ恥ずかしいということをおっしゃったわけです。しかしその恥ずかしいことが現実に行なわれようとしておるわけです。御承知のように田子の浦のあのヘドロ、あるいは私たちもこの間五日の日に大阪湾の汚染調査をやったわけです。そのとき大阪港の外へ大阪市が二カ所ヘドロの投棄場所をきめている。これはくみ上げられてくるヘドロなんか、それはまっ黒けです。タール以上のとろとろのくさい、くさいにおいで、それをそこへほうっているわけです。こういうことが全国各地で行なわれているわけです。魚なんかでも実験をしましたけれども、ハマチなんかでも三十分くらいで死んでしまうし、タイでも養殖のタイでかなりならされているそれであっても一時間二十分くらいでやはり死んでいる。魚も生息できないような状態になってきているわけです。特にこの田子の浦のヘドロ等の問題についてはいろいろな論議があったわけですが、ついには海洋投棄をする、外洋へほうるのだ、いよいよ二十日から行なうのだ、こういうことになってきている。いま長官が非常に恥ずかしいとおっしゃることを、そういうことが行なわれていることを平然と見ておられるかどうか、長官としては特にこの田子の浦の大量のヘドロの投棄についてはどう考えられますか。
#42
○石川説明員 ただいま海洋汚染の問題について御質問がございましたが、われわれ科学技術庁といたしまして、このような汚染があるということ自体がはなはだ遺憾なことだと存じております。これを何とか科学技術的に解決できないかというのがわれわれに課せられた課題ではなかろうかというふうに存じます。
 当面ヘドロの問題等が例にあがりましたが、このような海洋汚染というものが最近クローズアップされてまいりまして、その面におきましては、これに対する科学技術の対処というものがおくれていることは事実でございます。科学技術庁としましては、このような面につきましても早急に取り組みまして、各それぞれの研究所を督励し、またわれわれのほうでもそれに必要な経費等についても十分配分することによってその研究の成果があがるというような方法をとってでもとにかくこの問題を一日も早く解決していきたい、こういうふうに考えております。
#43
○近江委員 非常に抽象的なお話でございますが、きょうは公害対策本部からも来られておりますし、問題をしぼって、田子の浦等の大量のヘドロを外洋へほうるということについて一体どう考えていらっしゃるのか、その点をお聞きしたいと思います。
#44
○植松説明員 いまの田子の浦の問題について申し上げますが、御承知のように富士市は製紙の町といわれておりますように、市の誘致によりまして、また豊富な富士の地下水を利用いたしまして製紙工業が非常に発達いたしております。当地方には百五十くらいの工場が進出しておるという状況でございます。そのために田子の浦港に排出される工業用水が一日に二百万トンというような状況でございます。その場合に、これまでの状況を申し上げますと、その二百万トンの工業用水は相当のヘドロを含んでおるわけでございます。浮遊物質を含んでおるわけでございます。これにつきまして、実は昨年まで、正確にはことしの二月まで、県はそのへドロを駿河湾に投棄しておったわけでございます。当然のことながら、これに伴う漁業補償等の問題があったわけでございますけれども、一部の漁業協同組合に補償を払いまして、そういう措置をとっておったわけでございます。しかしだんだんその駿河湾にヘドロを捨てるというようなことが沿岸の漁業に及ぼす影響がきわめて甚大であるということで二月にそれを実は中止いたしたわけであります。そういたしますと、大体月に十万トンくらいのヘドロの堆積ということになりますので、自来、現在田子の浦港に大体八十万トンくらいのヘドロが堆積しておるというような状況になってきておるわけでございます。
 田子の浦港は、これは新産都市で開発した港でございまして、地域経済に非常に重要な意味を持っております。たとえばあそこに石油のストックヤードがございますが、そのストックヤードは静岡県の四割の石油をまかなっておるというような状況でございまして、港の機能の維持というのは地域の福祉のためにどうしても確保しなければならぬところでございます。この場合に最も問題になりますのは、八十万トン堆積したヘドロが何とか技術開発によって陸上処理ができないかという問題でございます。これにつきましては、現在関係の国の機関並びに県で必死になってその技術開発につとめておるところでございます。しかしながら、これにつきましては、初めての問題でございまして、技術的になかなかむずかしい、どうも早急の間には合いそうにないということでございます。もちろんその技術開発につきましては日夜努力いたしておるところでございますが、まだ完全な見通しがついておらないという状況でございます。そこで港の機能維持ということと、それから先ほど申しましたように、駿河湾に投棄するというような安易な方法ではいけませんので、水産庁にお願いいたしまして、全く緊急のやむを得ざる措置として、最も漁場に影響の少ないところに投棄をするという形で急場をしのがざるを得ないというようなことになったわけでございまして、このために黒潮の外に捨てるということでございます。そのために田子の浦港から三百数十キロ離れたところに捨てようということで、その投棄場所につきましては、水産庁のほうで責任をもってきめるというような話し合いになっておるわけでございます。いま先生申されましたように、運搬船をその三百数十キロの近海に出すわけでございますので、このためにも相当の回送費がかかります。これらにつきましてはすべて企業者の負担ということで、大蔵省はとりあえず七億の起債を県、市に認めまして、それは行く行くは企業の負担で償還していくというたてまえにいたしまして、この二十日からその運搬船が稼動するというような状況になっておるわけでございます。要するに、現在の港の機能を最小限度に維持しなければならないというような緊急の必要性、それで非常な犠牲を払いまして相当遠距離の地点に投棄をする。これはもちろんそういうことを続けていくわけじゃございませんので、陸上処理が本来何といっても本筋だと思います。その点につきましては、いま申しましたように緊急に技術開発を急いでおるというような段階でございます。
#45
○近江委員 この田子の浦の問題につきましては、大体岳南水路をつくったときに建設省は処理場もつくらぬとそれを流さしておる。またそれを平気な顔をして通産省が流しておる。あるいは運輸省は、そういうヘドロが充満してきているのを見ておった。いろいろしゅんせつもしておったと思いますけれども、要するに、みんなが承知しておったわけですよ。自治省だって、静岡県にどれだけの指導をしたか。関係各省全部同罪ですよ。政府は同罪、政府の責任です。それをもうどうしようもなくなったから、海洋にほうるのだ。アメリカのフロリダ沖ですか、この間神経ガスを投棄したときだって、どれだけ世界じゅうからたたかれたか。今回も日本がこれだけ問題になっているヘドロを海洋投棄すれば、国際的に大問題になりますよ。地元だって、特に漁業者を中心にものすごい反対が起きる。強硬な反対が起きても、これは政府として強行してほうるのですか。その方針には変わりないのですか。
#46
○植松説明員 いま御指摘にありましたような岳南排水路の終末処理場がまだできておらないという問題、これは行政的にこれまでの非常に手違いと申しますか、行政各官庁の間の全体の思想統一の点について大きな手落ちがあったことだと思います。いま問題になっておりますのは、何といいましても現在堆積しておるヘドロを処理しなければならないという問題と、発生源においてそのヘドロの排出そのものをできるだけ早急にこれを防止するという問題でございます。
 そこで、現在通産省の指導によりましてすでに大企業のほうはそのための防除施設の発注をいたしておるのでございますけれども、早急にその処理をする。そしてもうすでに年内には大企業の一部においては防除施設が稼動するという状況になるわけでございます。それに至らないものにつきましても、特別にスクリーンあるいは沈でん池等を各企業が設けまして、とにかく応急の体制をとる。そして来年の半ばには現在のヘドロの半分くらいには量をカットするというような緊急措置がとられようとしておるわけでございます。その辺につきましては行政指導等は完全に軌道に乗っておりまして、その計画が早急に実現するという段階になっておるわけでございます。いずれにいたしましても、発生源で処置するということが最も重要であるということは御指摘のとおりでございます。
 また岳南排水路の終末処理につきましても、各企業における前処理の施設とあわせましてどういう終末処理場をつくるかということについて検討いたしておりまして、これも当初はだいぶ期間がかかるような予定であったのでございますけれども、繰り上げしてでも施行するというような体制でございます。
#47
○近江委員 そういう地元あるいは国民の多くが、汚染から海洋を守らなければならぬ、環境保全しなければいけないということは、人間が生きるか死ぬかという問題にまでつながっているわけです。そういうことで強硬に反対してもこれを突破するわけですか。どうしてもこの方針を変えないわけですか。その点をさらにお聞きしたいと思います。
#48
○植松説明員 漁民との問題につきましては、まず現地で漁民と製紙業者との間の話し合いがございます。漁民は、先ほど申しました製紙業者の防除施設を繰り上げ施行するという問題と、それから減産措置、いわゆる操短を強く要求しております。その話し合いが早急に行なわれる段階でございますし、また水産庁のほうで漁民に対して、現在のやむを得ない事情を説明するということがなされておりまして、その辺の結果が出てくるだろうと思います。現在、ただ私考えますのに、先ほど申しました田子の浦港の機能の維持ということを考えます場合に、確かに過去においていろいろな経緯がございます。それぞれ手落ちがあったことは事実でございますけれども、この緊急の事態を排除をいたしまして、港の機能を維持するということのほうが地域の住民の福祉のために最小限度必要なことでございますので、そのためにはとりあえずの海洋投棄と――これはずっとそれを続けるというわけではございませんけれども、それは必要な措置ではないかというように考えておるわけでございます。
#49
○近江委員 そうすると、緊急処置として要するに投棄をせざるを得ない。私は、地元のそういう漁民の補償の問題と、要するに国際世論の問題だと思うのです。国内、国際です。国際的なそういう世論のそれを押し切って、緊急対策としては投棄せざるを得ないということを公害対策本部としては決定されておられるわけですか。
#50
○植松説明員 関係方面に対する説得の努力はできるだけつとめなければなりません。しかし現在の事態におきましては、緊急的な措置として海洋投棄においてピンチを脱するということはやむを得ないのではないかというように考えております。
#51
○近江委員 私もアメリカやフランスの海洋開発を見まして、特に、たとえばアメリカでは開発目標として、一、国家の海洋開発能力の向上、二、沿岸地域開発、三、海洋汚濁防止、四、海洋資源開発、五、海洋環境調査、六、開発技術及び作業能率の改善、フランスでは、一、沿岸の調査と合理的開発、二、海洋の汚濁防止、三、海洋と大気の相互作用、四、生物資源の開発、五、鉱物、化石燃料の開発等々、海洋の汚濁問題、環境の保全ということについては最大目標として上げているわけです。ところが海洋科学技術審議会から出たその答申案、さらに実行計画案を見ますと、ほんとうに科学技術という面だけでとらえて、こういうような環境保全とか海洋の汚濁なんというものは日本には全然計画がないわけです。大体こういうことを考えても、実際に公害防止本部なり、あるいはそれを解決していかなければならない科学技術庁の、技術を開発しますと言ったって最初の目玉というか、それが最初に出ていない。そういう根本の考え方自体がもうはっきり出ておるわけですよ。こういうことで海洋を、どうやって環境を保全していくか重大な問題だと思うのです。その点につきまして公害対策本部、そして局長、そして大臣にお答え願いたいと思うのです。簡潔にお願いします。
#52
○植松説明員 いまの御質問でございますが、海洋を汚染する大きな要素といたしましては、汚水と、それから最近ではことに産業廃棄物の問題があると思います。これらにつきまして対策本部といたしましては今度の国会までに総合的な対策を樹立したいというので、いま鋭意法案の改正を各省と協議しておるところでございます。
 その要点を申し上げますと、まず汚水につきましては、実は現在工場排水の規制の法律がございますけれども、これは四十七水域にしか適用されておらないのでございますが、これを全国津々浦浦のすべての公共用水に適用するということにいたしたい、いわゆるナショナルミニマムを設定したいということでございます。そういうことになりまして、実は田子の浦の場合もそういう指定水域に入っておらないのでございますが、今度はすべて網がかぶるという仕組みにいたしたい。そしてそれをそれぞれの地方団体に権限を移譲いたしまして、地方の知事さんの権限で具体的な規制をきめるということにいたしたいと思います。そういたすことによってすべて行政的な網がかぶるということにまずなるわけでございます。それから、そういたしますと、当然にそれに伴って企業の側で無責任にたれ流しはできないということになりますので、それぞれの企業が汚水処理施設を設けなければならないということになります。今度は問題になりますのは、いわば家庭の排水と申しますか、下水の問題でございます。そのために最も重要なことは下水道の整備でございまして、これは先生御案内のように建設省で野心的な第二次下水整備計画を立てておりまして、二兆六千億の事業費を今度五年間で施行しようというような計画でございます。この両々相まって、まず発生源における対策、現在一部において無秩序に行なわれておるところのいわゆるたれ流しというものを強力に規制するというのが第一でございます。
 それから、先ほどお話がございました石油タンカー等の廃油の処理の問題でございます。これにつきましてはバラスト水等をクリーニングするためのセンターがいまあちこちに設けられておりますが、その整備をはかっていくということで所要の予算要求をいたしております。
 それから問題のもう一つの大きな項目は、産業廃棄物でございます。これは現在清掃法によりまして、いわゆる汚物として、ごみとして処理することになっておるわけでございますけれども、猛烈な量でございますので、いまや現在の清掃法の体系ではパンク寸前の状態にあるということでございます。しかもその内容は、単純なるごみという観念では処理できないようなものでございます。そこでこれにつきましては、やはりまず第一に企業で前処理の責任を持たせるということでございます。そこでできるだけ企業で処理をして軽量化して、それをたとえばある中継基地に持ってくる。そこでまた所要な処理をいたします。最後に最終の終末処理施設、これは当然に広域的な処理になると思いますが、そこで最終的な処理施設を設けまして、それぞれの廃棄物の種類、性格に応じまして、これをたとえば回収するもの、再生するもの、それからそれを焼棄するもの、それからさらに土壌還元と申しますか、土地に埋めて処理するもの、それからやむを得ないものは海洋投棄ということになるのでございますけれども、それも内容に応じて無害にして海洋に捨てる。また有機物等で無害のものは魚のえさ等になるものもございますので、そういう廃棄物の種類に応じて適切な処理施設をつくっていく。そのためにはこれはその処理体系をシステム化しなければならないのでございまして、いま一番それが進んでおりますのは実は大阪でございまして、大阪がひとつ相当大規模な処理センターを早急に設置したいというような段階に参っております。そういうふうな方向で対処していきたいと思っております。
 あとは技術開発の問題でございまして、この技術開発が非常に重要であることは、御指摘のとおりだと思います。
#53
○石川説明員 科学技術庁におきましては、海洋開発審議会のほうで海洋汚染の問題が検討されたわけでございますが、この海洋科学技術審議会におきまして、昨年度の答申で見られますように、この海洋汚染というものは非常に重要な問題であるということは指摘されているわけでございます。ただその時点におきます海洋汚染というのが、その原因はおおむね陸側の汚水あるいは汚染源によって海洋がよごされるということでございますので、その陸側の解決をまず先にすべきである、あとは海洋開発を行なうにあたっての海洋開発自体の汚染というものがどのような形で発生されるか、このような問題、二つに分かれるわけでございまして、ただいま公害対策本部からございましたように、陸側から海洋を汚染するという問題につきましては、政治的な問題を含め、現在鋭意その解決に当たっていただいているわけでございます。海洋開発自体における汚染という問題につきまして、海洋開発審議会におきましても昨年度の答申に基づきまして早急に専門部会を設置すべきであるということで、現在その構想を固めまして、早急に発足するように手続中でございます。
#54
○近江委員 それで、このヘドロを外洋に投棄した場合どういう結果が出るかということは、政府で研究されたのですか、ほうるほうるっていいかげんなことをおっしゃっておられますけれども。これは厚生省も来ておられますし、厚生省、公害対策本部、科学技術庁、最も科学的にそういうような生物に与える影響とかいろいろなことは御存じのところばかりきょうは来ていただいておるわけですから、三省からお聞きしたいと思います。
#55
○植松説明員 私のほうは全体の方策の調整、方向づけをいたしておりまして、先ほど申しましたような方向で考えておるわけでございますけれども、その影響等につきましては特に水産庁が研究しておるところでございまして、私率直に申しましてまだ詳しい内容は聞いておりません。
#56
○小島説明員 先生のお尋ねでございますが、私、所管の者ではございませんが、そういった海洋に投棄したものが魚にどういうような影響があるかというような問題につきましては、実は御存じのように、魚によりましていろいろな有害物が蓄積されるというような問題も各地で起きておりますので、そういった点は当然に十分な検討が行なわれた上でとり行なわれるべきものではないかというふうに考えております。
#57
○石川説明員 科学技術庁の立場といたしましては、まず、そのような、たとえばヘドロのような汚染物が海洋に投棄された場合、どのような形態をとるかということの研究問題が残されていると思います。これはやはりわれわれのほうの手によりまして解決しなければならないわけでございますが、従来、海洋環境というものについてまだまだ十分な研究調査がなされていないわけでございます。その点につきまして、明年度の予算にも計上しておりますが、海の、たとえば汚染海域の潮流の問題あるいは潮汐の問題、あるいは風向、水温、こういうような問題を逐次解明いたしまして、そのようなものが投棄された場合にはどのような形態で流れていくか、あるいは、その海水の浄化力はどの程度が限度であるか、このような研究にも進めていきたいと存じております。
#58
○近江委員 いま、お聞きしましたけれども、それがどういう影響を与えているかということについての研究というものはほとんど行なわれておらない。わからないままにそれを投棄する。非常に無責任だと思うのです。そういう無責任なことをやって、もう世界じゅうから日本人は鼻つまみ者になりますよ。日本人はきたないものはみんな海にほうるんだ。そういう調査もせずしてほうるというようなことは、私は許せないと思うのです。アメリカなどは環境保全庁とか、庁を二つもつくってやっているわけです。いまから専門部会を設けてやりますと政府が言われたって、政府としての責任じゃないですか、これは。そんな専門部会ぐらいで解決しますか、こういう大きい問題が。今後、根本的にどういう対策をとっていかれますか、この問題について。アメリカのように環境保全庁とか、そういう大きな行政システム、そういうようなことをやっていく、そういうお考えはまとまっているんですか。その点についてお聞きしたいと思うのです。
#59
○植松説明員 公害関係は、御承知のように、各省にまたがった問題でございます。現在何よりも必要なことは、全体の機能を統一するということであろうかと思います。たとえば、先ほど下水道の話をいたしたわけでございますが、下水道は、もちろん単に公害防除施設というだけではございません。一般の国民の地域社会の福祉に関係する問題でございまして、これはやはり建設省の所管だろうと思います。そこで、公害という問題は、ただそのものだけを取り出しまして、たとえば公害庁をつくるというようなことで簡単に片はつかないと思います。やはりそれぞれの固有の行政と密着した部面がございますので、何よりも現在必要なことは、それぞれの官庁が持っておる公害行政の機能の統一ということではなかろうかということで、とりあえず内閣に公害対策本部というのを設けたのでございます。これは御承知のとおりでございます。そうして、その長は内閣総理大臣、副本部長が山中公害担当国務大臣ということになっておりまして、その内閣法に基づく総理大臣の各省大臣に対する指揮監督権というものを活用いたしまして、それで各省の公害行政を強力に統一するということでスタートしたわけでございます。まだ発足して間もないわけでございますけれども、これまでと比べますと、相当にその辺の各省の行政の足並みはそろってきておるというように考えておるわけでございます。機構の問題は、とりあえず、現在の本部を中心とする機構がどこまで有効に作用していくか、有効に公害問題に対処していくかということをやった上でということでございまして、ともかく、いま公害対策本部を頂点とする各省の機能をフルに動員して対処していきたいというのが現在の考え方でございます。
#60
○近江委員 こういう環境破壊は、ほんとうにいっかは、もうたいへんな事態を呼び起こすのじゃないかと私は思うのです。光化学スモッグの問題でも、あれだって、六千人以上の被害者が出たわけです。潜在被害者を入れたらもっと出ているわけです。一瞬の間にあれだけの犠牲者が出る。したがって、こういう環境を破壊していけば、もう大量のそういう犠牲者が私はいつの日か出てくると思う。そういう危険な状態にわれわれはさらされているわけです。政府も応急に対策本部をつくられたわけです。それが今後どれだけの働きをされるか、国民はみな見守っておるわけですが、公害対策本部の働き、さらに、今後科学技術的にそうした問題を一番研究し、開発しなければならないという点で科学技術庁に対するそういう期待というものは非常に大きいわけです。そこで、私がいまあげたこの一つの事例でございますけれども、この問題を解決していくために、科学技術庁長官としては今後どういう戦いをされていくのですか。
#61
○西田国務大臣 環境問題の中で海洋汚染の問題をお取り上げになったわけでございますが、河川、湖沼その他水質保全、いろいろこういう問題がございますが、どちらかといえば、率直に申しまして海洋汚染のほうはやや立ちおくれておるという感がいたします。そこで、いま政府も真剣にこの問題と取り組んでおるわけでございますが、いま御答弁申し上げましたように、海洋開発につきまして従来から一歩踏み出して、海洋開発審議会でもう少し広範な立場からひとつ海洋開発の問題と取り組んでいきたい。もちろんその中に、いま当面大きな問題になっておりまする海洋汚染の問題等も、これはまつ先に取り上げなければならぬ問題だというふうに考えております。
 また、国際的にも、これはいろいろ力を出し合わなければならぬわけでございます。そういう意味におきまして、日米間におきましても天然資源の開発の会議がございまして、その中で特に環境問題を重点的に取り上げて、この春にもその会議が行なわれたわけでございますが、ごく最近にも佐藤総理とニクソン大統領との間に書簡交換がございまして、そういう問題についてさらにひとつ突っ込んだ検討をやろう、こういうような機運というか話し合いもすでに進んでおることは御承知のとおりでございます。私どもは科学技術という立場におきまして、そういった国際的な場におきますところの環境保全、海洋汚染、こういう問題にも真剣に取り組んでいこう、こういう姿勢をとっておるわけでございます。
 また、予算等の面におきましても、十分これにこたえるような予算を確保いたしまして、そうしてこの調査あるいはまた対策を講じてまいりたい、こういう決意でございます。
#62
○近江委員 新聞にも「廃油ボール伊豆諸島襲う」と、大々的に報道されておるわけです。「黒潮横切り、プカリプカリ」「ノリも貝も台なし」そういうふうに、いままでほんとうに非常に澄み切っていた海がこういうような油とかいろいろな産業廃棄物でどんどん汚染されていっているわけです。特に私は油濁の問題でお聞きしたいのですが、要するにいまのは、港湾法とか港則法とかあるいは国際条約とか――国際条約のあれを見ても、条約ができるそれ以前の船は、たとえ二万トンの船でも、外洋であればほうってもかまわない。条約ができてからの船はほうってはいけない。あとは、港から五十海里だとか、いろいろ抜け穴がたくさんあるわけですよ。このままほうっておけば油濁の問題は解決しませんよ。ますます広がる一方です。ところが、国際新条約のそういうような批准ですか、やっておるのはまだ一カ国だと聞いておるわけです。日本はこれだけ、何十万トンというタンカーがどんどん油を運んでおりますし、国際的にも日本が一番疑惑の目で見られているわけです、どこかでほうっているだろうと。そういう点において、日本はこの新条約を、世界各国に呼びかけて一日も早く締結をすべきじゃないかと思うのです。この辺について、公害対策本部としてはどのようにお考えでございますか。
#63
○植松説明員 いまの問題は役所の事務配分から申しまして運輸省の所管でございます。われわれは各省にまたがる問題の調整ということが主たる任務でございますが、御指摘のような油濁、油による海洋汚染の問題は非常に重大な状態になっておるというので、運輸省も――私、その条約自体のいまの御質問については正確なお答えができません。運輸省の意向をよく知っておりませんけれども、油濁、現在の先ほど申しました各港々におけるバラスト水等のクリーニングセンター、それを充実する、そこでその規制をきちんと守らせるというために特別に法律の改正を考えておるということでございます。
#64
○近江委員 きょうは外務省からも来られておりますが、その新国際条約についていまどうなっておりますか。日本としては当然まつ先に世界じゅうに先がけてのろしをあげるべきだ、私はこう思うのです。外務省としてはどう考えておられますか。
#65
○山崎説明員 公海の問題に関しましては根本的には公海条約というのがございまして、これは公海の自由ということを規定しているわけでございますが、他面そういう海水汚濁その他についても考慮を払っておるわけでございます。それの条約の一部には、二十四条でございますが、油による海水の汚濁防止のためには各国は規則を作成しなければならぬということが書いてあるわけでございます。これに従いまして、一般的には、各国は海水を油によって汚濁しないように規則をつくる義務があるわけでございます。さらに一般的に申しましても、公海の自由というものは、何でもかんでもかってに使ってよろしいということではないのでありまして、他国の利益に対して合理的な考慮を払って行使されなければならぬということになっております。そういう一般原則があるわけでございますが、いま先生御指摘のように大型タンカーその他船舶の激増によりまして油の汚染が非常に問題となりまして、この点に関しては最近新しい条約が署名されたわけでございます。これはいまだ発効はいたしておりませんが、わが国といたしましても、これについてはやはり早急に検討して批准するかどうかを決定すべきではないかということで、実は外務省といたしましても運輸省に御検討を依頼しておりまして、実はできればこの条約については次の国会で御承認を得る方向でやるべきではないかということでいま運輸省と協議中でございます。
#66
○近江委員 科学技術庁長官としては、そういう環境保全の立場として――要するにいま外務省も非常に固まってきた感じがするわけですが、しかし実際にそれができてみなければ何ともいえないわけです。したがって、その点、政府の結束を固めていくかなめとして、長官としては今後働いていかれる覚悟があるかどうか、その点をお聞きしたいと思うのです。
#67
○西田国務大臣 きわめて重要な問題でございますので、これは国際的にもわが国が先導的なと申しますか、そういう方向で推進すべきものと考えますので、努力をいたします。
#68
○近江委員 それで、今度は宇宙の問題を聞きたいと思います。
 まず一番は、局長にお伺いしますから、時間の関係もありますので、簡潔にお願いしたいと思います。
 一つは、ロケットの計画変更に関連して、人工衛星のほうは計画を変えなくてよいのかどうか、変えるとすればどのように変えていくか、これが一点です。
 二点として、今回の計画変更によって従来の実用衛星打ち上げ計画が約三年おくれることになるわけですが、従来の計画をそのまま進めたらどうなるのか、その場合でもこのようにおくれるとすれば、その原因は一体何であるか、今度の計画はずるずるおくれるようなことはないか、この二点について、局長にお答え願いたいと思います。
#69
○石川説明員 お答えいたします。
 初めの人口衛星の打ち上げ計画でございますが、これは現在のロケット開発後新しく開発しようとしておりますNロケットというようなものの開発を進めてまいりますと、当然衛星計画もそれに伴って変わってくるわけでございます。と申しますのは、この打ち上げますロケット自体の能力というものが、従来から考えていたものとだいぶ変わってくるわけでございます。したがいまして、そのロケットに適応したような衛星計画が立てられるわけでございますが、この衛星につきましては、それぞれ郵政省、運輸省あるいは建設省等からこのような衛星を打ち上げたいという計画が委員会のほうに提出されております。その内容につきまして、これから宇宙開発委員会でその内容を検討いたしまして、そしてロケットとのからみ合わせにおいて衛星計画を立てるわけでございます。したがいまして、この衛星とロケットのすり合わせという問題につきましては、今後委員会において十分検討されるものと存じております。
 それから第二番目の御質問でございますが、従来の実用衛星は従来の計画を進めたらどうなっていくかという問題でございます。これは従来の計画は先生ももうすでに御承知だと思いますが、QロケットからNロケットへ移り、さらにその後衛星が大型になりますと、ポストNロケットというものも考えなければいけないということでございますが、それに使用いたします燃料といたしましては、固体燃料を主体としたロケットでございます。部分的には液体燃料も使うわけでございますが、ブースターとしては固体燃料を使おうという考え方で進めてきたわけでございます。今回の新しく提出されております計画によりますと、ブースターを液体燃料に切りかえるという考え方でございます。したがいまして従来の計画を進めてまいりました場合の検討を進めてみましたところ、やはりいろいろ従来のいわゆるQロケットを進めるにあたりましても、技術的にむずかしい問題が出てきております。これはやはり開発が進むに従いまして当然技術的なこまかい問題点がいろいろ出てくるわけでございますが、わが国といたしましてもそのような開発について従来経験もございませんので、やはり実際に進んでまいりますと、いろいろむずかしい問題点が出てきております。したがいましてそれを解決しながら進めてまいりますと、やはりQロケットでも三、四年開発がおくれるということは大体わかったわけでございます。したがいまして、現在、今度の新しい計画に移りますと、その点を十分解決しながら進めるということで新しい計画を考えておりますので、今度の新しい計画がまたずるずるおくれるということはないように十分配意して計画が立てられているわけでございます。
#70
○近江委員 この実用衛星のことを考えますと、科学技術庁は当初百キロぐらいを打ち上げればいいんだ、もう少し大きいのを考えておられたと思いますが、実際は関係各省、郵政省とか全部聞きましたら、少なくとも三百キロあるいは五百キロ、将来は一トンというようなこともあるわけです。大体こんな固体燃料でそんなものを打ち上げられるわけがない。それをいまごろになって液体にするんだということは計画がいかに見通しを誤っておったかということにほかならぬと思うのです。皆さんも苦労なさっていることは私もようわかります。わかるけれども、少なくともばく大な国民の血税をいままで使ってきた。価値のないことに金を使ったと言われたってしかたがない。その技術は当然生きてくると思いますけれども、もっと効率的に使うべきではなかったか。その点についてこの段階になってこういう計画変更ということについて、大臣としてはどのようにお考えでございますか。
#71
○西田国務大臣 諸般の情勢につきましてはすでにたびたび申し上げておりますから御理解を賜わっておると思うのでありますが、そこで先ほどから申し上げておりますように、従来のものが全くむだになってしまうということではこれは問題でございますけれども、私どもはそのように考えておらないのであります。そしてまたここで全く従来の計画が十分練れておらなかった、こう御指摘になれば、私はあえて弁解はいたしません。しかしながらここでいろいろな諸情勢から判断をいたしましてこうすることが最も将来のためになる、こういうふうな結論が出ますれば、ここで思い切って方向転換すべきであるというような心境でわれわれおるわけでございます。したがいましてこれからいろいろ検討の結果が出てくると存じますが、出てまいりましたならば、少なくともこれが再び、いま御質問にございましたような、またずるずると計画を変えるとか、あるいはまたそれがずるずると延びるというようなことのないように、政府部内におきましても十分そこら辺を詰めまして、その考え方と相まちまして計画も策定したい、こういった気持ちでおります。
#72
○近江委員 長官のお考えは私もよくわかるのです。それで要するにそのメリット、デメリットはいろいろございます。今後技術を生かしていく、生きてくることも私は知っておりますが、大局的に見て見通しが甘かったという率直なお考えを持っていらっしゃるかどうか、長官にお伺いしたいと思います。
#73
○西田国務大臣 見通しは甘かったといえばそういうことになるかもしれませんが、とにかく全く未知の世界と取り組んでおる、そういう立場から計画は毎年毎年見直しをするということになっておりまして、その見直しがあまり大幅であるからいろいろ御批判を受けておるのだと思いますけれども、事業団も発足いたしましてまだ一年たっておりません。また宇宙委員会もいろいろ権威者がそろっておるとはいいながら、あるいはその見通しが十分でなかった、こうおしかりを受けるかもしれませんけれども、それはそれなりに全力を尽くしてやってきたことでございますし、情勢の変化に応じて、しかも将来、今度は再びこういったような変更の繰り返しとかあるいはまたないようにというような配慮のもとに、むしろここでひとつ思い切って踏み切ることが将来のためである、こういう判断に立っておるわけでございまするから、おしかりの点は私も甘んじて受けなければなりませんが、未知の世界に取り組んでおる立場において、どうも言い分けのようになりますが、そういう面もございますので、また海外からの技術導入というようなことも計算の中に入っていたわけでございます。こういうことに対しましても、やはりいろいろな情勢判断から必ずしも従来の計画どおり進まない、こういうような見通しが明らかになってまいり、そしてまた将来に向ってこうすることが適当である、そのほうが時間的にも経費的にも、また技術的にもむだがないというような判断に立ちつつあるわけでございますので、その点をひとつ御了承を賜わりたいと存じます。
#74
○近江委員 局長にお伺いしますが、今回の計画では、Nロケットは大幅な技術導入を活用した場合においてはノックダウンもあり得るという意見もあるわけですが、これでは日本に技術は残らないのではないか、そういう心配もあるわけです。宇宙開発そのものの意義がなくなるおそれがあるのじゃないか、こういうような意見も非常に強いわけですが、これについてどう思われるか。
 もう一点は、ポストアポロ計画への参加の呼びかけがあるということを聞いておりますが、それと今回の計画変更と関係があるのかどうか、またポストアポロ計画に今後どのように対処していくか、簡潔にお答え願いたいと思います。
#75
○石川説明員 大幅の技術導入をした場合にはどういうふうになるかというような御質問でございますが、これは今回の宇宙開発計画の見直し、改定に際しまして関係省庁から出されてまいりました衛星計画というものを踏まえまして、これをなるべくすみやかに打ち上げる、さらに自主技術の開発能力を向上させるということについて検討を進めていくわけでございますが、わが国として従来から進めておりますやり方としましては、効率的に開発を進めるために、外国の技術を有効に導入しようということは考えていたわけでございます。したがいまして、昨年七月米国との間に宇宙開発に関する技術協力の交換公文を取りかわしたということでございますが、この新しい計画によりますNロケットの開発というものにおきましても、従来わが国はこのような液体ロケットについては技術的にも経験不足でございますし、また生産設備も早急に確保するということも非常に困難でございますので、こういうようなことも考えまして、そうしてライセンス生産を含んだノックダウンということも考えられるわけでございます。ただNロケットの二段、三段でございますが、これは従来から開発を進めておりますQロケットの三段、四段をそのまま続けて開発いたしますが、問題はその下の段、一段目だと思います。われわれとしましても、この点につきまして技術導入につきましては事業団と相談しながらやっているわけでございますが、やはり当初の事業団の目的のようにわが国に技術を残すというためには、たとえ技術導入をするにしてもどういう方法がいいか、あるいはどの段階までを技術導入すればいいか、この点が非常に重要なポイントとなると思いますので、その点につきまして今後事業団と十分相談いたしまして、わが国の技術が決して自主開発という目的からはずれないように十分注意をしながら進めていきたいと存じております。
 次にポストアポロの問題でございますが、ポストアポロ計画につきましては、ことしの三月ペイン長官が参りまして、いろいろポストアポロ計画の参加の呼びかけがあったわけでございますが、その際にペイン長官がいろいろ説明してまいりましたことは、やはりアメリカでもある程度今後計画を詰めていくというふうなことを言っていたわけでございます。その後アメリカからその担当者も来て説明を聞いておりますが、アメリカ自体においてもそのポストアポロ計画がやはり検討しながら変更になっていってるというのが実態でございます。わが国としましてもこのポストアポロ計画という計画を無視するわけにはまいりませんし、また世界の宇宙開発の動向としてやはりこのポストアポロ計画というものにつきまして協力していかなければならないのじゃないかというふうには考えておりますが、この面につきましては現在宇宙開発委員会においてポストアポロ計画について十分検討を進めようということで懇談会をつくって進めております。
 なお現在の宇宙開発の、いわゆるNロケットでございますが、このNロケットの開発の構想の中に、やはりこのポストアポロ計画との関連性ということを考えながら今回の計画も考えているわけでございます。したがいまして、このポストアポロ計画とわが国の計画というものが関連性をもって進められているというところに、今後このポストアポロ計画が明らかになった段階におきまして、またわれわれは具体的に考えを進めていきたいと存じております。
#76
○近江委員 この宇宙問題について山縣さんに、実用衛星の早期打ち上げを達成するために電離層観測衛星をMロケットによって打ち上げることは考えていないかどうか、これを一点お聞きしたいと思うのです。
 それから島事業団理事長に宇宙開発計画の見直し及び四十六年度の要求に関連していかなることを考えておられ、また政府に何を要望されるのか、御所見をお聞かせ願いたいと思います。
#77
○山縣説明員 電離層観測衛星をMロケットで打ち上げることを考えておるかどうかということでございますが、御承知のようにラムダで「おおすみ」が上がり、Mロケットでもって科学衛星が進んでまいりますが、いずれにいたしましてもここ数年は誘導制御をつけておりませんので、したがいまして計画いたしました軌道に正確に乗せるということはMロケットによっては相当無理であろうと思います。それで東京大学といたしましては、おそらくMロケットを今後改良いたしまして、さらに軌道に乗せますのに正確にするという努力はされると思いますが、電離層観測衛星を打ち上げますのが、いまのわれわれ検討しております計画によりますと昭和五十一年ということになります。そういたしますと、Mロケットが、現在のMロケットよりさらに高性能なものが開発中でございますが、その時点において、それができるかどうか非常に問題でございますので、むしろNロケットで打ち上げたほうがいいんではないか、こういう考え方でございます。
#78
○島参考人 私ども去年の十月に宇宙開発事業団をお引き受けいたしまして、それと同時に宇宙開発計画をお示しいただきましたものでございますから、その中にあります具体的な問題といたしましては、四十七年に電離層観測衛星を打ち上げる、それからまた次の次の年には実験用通信衛星を静止軌道に打ち上げるというようなことが書いてございますが、それを達成するのが私どもへのお言いつけだと思いまして、それをどういうふうに実現させていくかということを考えたわけでございますが、たいへんむずかしいということ。また私どもがお受けいたしましたときの現時点におきまして、初めの計画よりも相当おくれがある。そういうことを踏まえますと、とてもこれはたいへんでできないということから、一体どうすればこれが達成できるか。少なくともそのとおりにはできそうもないということがまずわかったのでございますが、それにいたしましても最小のおくれでそれを実現さす方法がないかということをいろいろ考えました。それはあらゆる方法でシステマチックに検討いたしました。それと同時に、私どもは一体何をするのがほんとうの私どもが承っておる目的であるかということを考えました。私どもはいろいろ目的がございます。できるだけ早く計画に示されております電離層観測衛星、実験用通信衛星というものを上げるということもございますが、それだけの時限的なものではございませんで、それから先にもだんだん各省庁が将来にわたりましてこういうものを上げたいというふうに考えておいでになりますということを、まあ俗なことばで申しますればマーケットリサーチ的に推察いたしまして、そういう方向にだんだん進んでいかなければいけないということが一つございます。また一方には、そういうことができるようなわが国の科学技術のレベル、工業のレベルに早く引き上げるということ、それがまた私どもが言いつかっている仕事だと思いまして、それを達成するということ。まあそういうふうなことを新しい周囲条件のもとでもう一ぺんよく考えてみて、こういう状態なんでございますから、ひとつお見直しをなさるということが宇宙開発計画の中にございますが、それをなさいますときに御考慮いただきたいというような考え方で、いろいろな案をつくってお出しいたしました。
 そしてその中にございますのが、去年の七月に結ばれました政府間協定によりますとソー・デルタのレベルまでの技術ならば日本に技術を供与することができるのだということが書いてございますが、そのレベルと申しますのは、これが大きさのレベルばかりではなくて、たとえばものの性質としてこれが日本に譲れるべきものであるかどうかというようなレベルということも含んでいるように思われます。そういうことも含みまして考えまして、いろいろ米国側の感触も探りました上で――むずかしいことを言うと大きさがかりにレベルといたしましても、これが外国に技術を譲り渡すとかいう点の、国が許すという点からいいまして、レベルにはずれているようなものもあるようでございますので、まず一等確かなのはそこに文言であらわれておりますソー・デルタそのものでございます。それを使ったらどんなことになるかということを踏まえまして案をつくりました。そしてまた、技術開発というものを全く自前だけでやりますと、これは開発でございますので、一発必中でございますともう開発というにはあたらないのでございまして、やはりやってみたけれどもぐあいが悪いとかいって、行ったり戻ったりすることもございますので、結局開発と申しますと一等都合のいいことばかり寄せ集めるわけにいきませんで、いままでの前例から申しましてこのくらいのやりそこないをすることもあるからとかいうこと、またそこに信頼度の高さもございますので、そういうので適当に組み上げていきますとどうしてもおそくなってしまう。そういうのを合わせていきまして、いまのソー・デルタのような、外国で一カ月に三基もこしらえて打ち上げておるというような、まあ一種の既成品でございます。そういう種類のものでございますと、もう回数を非常にたくさんやっておりますから、その限度におきましてはたいへん信頼度も上がっておりますので、つながっているという信頼度を招来することによってやるとどういうふうになるかというふうなこともシステマチックに勘定いたしまして組み上、げていきました。
 そういうことで案をこしらえまして、いままでどおりにやりますとこういうふうになります、いままでどおりのやり方を急いでやりますとこういうふうになります、また新しいいまのソーを入れるというようなことを踏まえてやりますとこういうことになりますということをごらんに入れましてお調べを願っておるわけでございますが、いまのところ、大体ソーを入れまして、それにいままで私どもお引き受けしたときにすでに相当開発の進んでおりましたQの三段、四段というものをその上にくっつけてやるというのがいいんじゃないか。それが一等早いし、またわれわれの勘定では比較的に安くあがるのではないかというようなこと。これは何といいましても国民の税金に由来するお金をいただいて、自前でどこかでもうけてきて使うというお金じゃございません、そういうお金でございますから一銭たりとも安くすべきだということを考えあわせまして、一等経済的であろうという計画でございますので、まあその方向をだんだんおとりいただくようになってまいりましたのを私どもたいへん喜んでおる次第であります。そして、いまはそういう方向で方針をおきめいただき、またその方向で予算を要求していただきますように私どもは懸命の努力をいたしまして、十分な御納得を各方面にいただけますように資料を整えたり何かしておる次第でございます。
#79
○近江委員 島理事長も、まあいままで新幹線をつくられ、私どももその点については非常に敬意も表しておりますし、大いなる期待をかけておるわけでありますが、お話を伺っておりましても、随所に遠慮しながらといいますか、非常に気を使いながら御発言もされておりますし、その点は、大胆ということが当てはまるかどうかわかりませんが、ひとつ積極的に今後進めていただきたい、このように思います。また長官におきましても、よく事業団をバックアップしていただきまして、強力な体制で、あまり迷いのないことで、迷いがあれば力も入らぬわけですから、明確な目標設定と力強い支援をやっていただきたい、これを要望しておきます。
 きょうは農林省、厚生省に来ていただいておりますが、あと一点だけお聞きしたいと思います。
 特に大阪等を中心としまして汚染キュウリの問題等が非常に問題になったわけです。国民の皆さん全部が心配しておりますし、その後野菜等について各地域についても調査をされたかどうか、まず厚生省にお聞きしたいと思います。
#80
○小島説明員 農薬の基準につきましては、昭和四十三年から私ども実際にその基準を定めまして、各県に取り締まりを指示しているところでございますが、昨年の実績を申し上げますと、県段階で行ないました検査は昨年度二千二百九十五検体を行なっております。私どもといたしましてはこれで十分だということではございませんで、県のほうに分析器の整備あるいは人員の増ということを常にお願いをいたしておりまして、さらに今年度におきましてはもっと大幅な調査をやっていただくようにお願いをしておる次第でございます。
 その検査の実績でございますが、たとえばリンゴ等につきましては四十五年の六月までに発見いたしました違反品は二検体、それからブドウ等につきましては五検体というふうに違反品はございますが、量的には比較的少ない状態でございます。しかしこういった違反品は非常に残念なことでございまして、私どもとしては基準を定めましたときに農林省のほうと御相談をいたしまして、農薬の適正な指導を行なっていただけば安全という立場で基準を設定しておりますので、こういったものにつきましてはいずれも農薬の不適正な使用指導が背後にあるということで、それらにつきまして追及を行ないまして、適正な農薬の指導をしていただくようにお願いをしております。
 今回のキウリにつきましては、実はキウリが非常に特別な性質を持っておりまして、どろの中から特別にアルドリンというものを吸い上げやすいということが最近になってわかりまして、そのために私どもとしては緊急に七月に特別にキウリに重点を置いて取り締まるようにという指示をいたしました。その結果、現在大阪市等で一部の違反品が発見されたわけでございますが、これらにつきましては、実はキウリのアルドリンにつきましては、私どもとしては農林省とも御相談の上で非常にきびしい基準をこしらえました。たとえば、アメリカ等におきましても、あるいはWHO、FAOのほうでも〇・一というようなものを案にしておるのを、私どもとしては〇・〇二をとったというように相当の安全率を見込んでおりまして、そのために今回発見されましたものにつきましては、これは違反品でございますので、当然厳重に追及そして今後違反のないようにつとめますが、現在の段階において私どもとしては危険があるというふうには考えておりません。相当な安全率をもって、ほかの国よりもきびしくやっているというような状況でございます。
#81
○近江委員 基準をそのように非常にきびしくなさっておった。ところが土壌にこれが残留しておってついにそういうような数値が出たということについては、要するにいろいろな原因は考えられると思いますが、きびしい基準であってもそのように残留をしていく。非常にきびしくやっておられることは私どももわかりますけれども、しかし残留した事実はこれはどうしようもないわけです。したがって、その基準等について考える必要があるんじゃないか、このように思いますが、いかがでございますか。
#82
○小島説明員 この問題につきましては、実は現在全国的な調査をやっておりまして、その調査結果を私どものほうで入手をいたしますことがまず第一と、それから大阪市で発見されました違反品につきましては、それを生産いたしました各県に対しましてどのような原因でこれが起きたかということについての追跡をいま依頼しております。その結果が出ましたら、私どもは農林省のほうと相談をいたしまして、これが非常に無理なものであるならば、やはり国民の安全ということを考えながら妥当な数字に改める必要があるというふうに考えております。
#83
○近江委員 それで、はっきりするまでこれを使わないという処置ですね、それは恒久的になるかどうかしりませんが、そういうことをお考えでございますか。
#84
○岡安説明員 いまお話しのとおり、このドリン系の農薬につきましては、御承知のとおり残留性その他につきましていろいろ問題がございます。そこで私どもといたしましては、厚生省のおきめいただきました基準に合致するように安全使用基準というものをつくりましてこれで指導いたしておるわけでございまして、現状におきましては少なくともその安全使用基準を厳格に守られるならば、人体その他につきましての影響はそれほど心配するものではなかろうというふうに考えております。
 なおいまお話ございましたとおり、今後さらに研究が進みますればこういう問題の薬品につきましての取り扱いというものを検討しなければいけないという段階もあろうと思いまして、代替するものにつきましての開発、これらの開発を進めていくならば、早急にかわるべき農薬の使用というものも可能であろう、かように考えております。
#85
○近江委員 厚生省で示された基準あるいは農林省で通達を出されておる使用基準、それを使って現実に残留しているわけです。したがって、こういうキウリとかそういうものをつくっている農家は非常に大きな被害を受けているわけです。犠牲者です。もちろんそれを食べる国民が一番の犠牲者ですが、それをつくっておる農家も、皆さん方がおっしゃった基準どおりやっているわけですから犠牲者です。そうしますと、当然廃棄処分とかいろいろなことになってくるのですが、それについての補償は農林省としてはどう考えていますか。
#86
○岡安説明員 お話しのとおりキウリそのものに対します使用等につきまして十分検討いたすということもございますけれども、さらに残留性という性格から申しまして前作に何がつくられたかというような問題もございます。したがってそういう面につきましては、農家等につきまして安全使用基準を十分に守るということによりまして経営等に制約を受けるということもございます。しかしお話しのとおり、現につくられましたキウリ等の廃棄という問題もございます。私どもはそういう具体的な経営の問題につきまして現地の意見を聞きまして、経営資金その他の必要がございますならば、そういうようなあっせん等につとめてまいりたい、かように考えております。
#87
○近江委員 あっせんとかそんな弱いことではこれはほんとうにたいへんなことになると思うのです。米を転換して野菜をつくれとかいっておって、そしてつくったとたんにこういう残留をした、捨てろ、農民は一体どういうふうにしたら浮かばれるのですか。これはそんな安易なことではだめですよ。真剣にこの救済方法を考えなければいけない。今後こういう総点検をしていけばまたいろいろと問題が出てくると私は思う。そうすると、使用しておる農薬等についても徹底的に洗い直しをしなければならぬ、そういう問題があると思う。農林省として補償の点を真剣に討議していますか。その点はどうですか。
#88
○岡安説明員 いま先生のお話でございますけれども、補償というような考え方でもってこの問題に対処できるかどうかというのは非常に困難な問題があるのではなかろうか。私どもはおっしゃるとおり米の転作その他によりまして野菜生産のウエートというものがだんだん高まってくるということも考えておりますので、先ほど申しましたとおり、農家がさらに今後経営が継続できるようにというような観点から対処する手段があるだろうと考えていま検討しているところでございます。
#89
○近江委員 具体的にどれだけの金を用意してあとどうするというような答えの聞かれないのは非常に残念ですけれども、これは一つ真剣に考えていただきたいと思うのです。
 そこで厚生省の小島課長さんにお聞きしますが、当然こうした点検を広げてさらに詳細に調査すると同時に、その農薬の使用等について厳重なチェックが必要じゃないかと私は思うのです。その総点検の用意があるわけですか。
#90
○小島説明員 先生御指摘のように、農薬の使用によりまして農薬が残留してくる、これは国民衛生上非常に重大な問題でありますので、私どもとしては極力この検査にあたります県の機構の強化にあたりまして、そして現在また職員につきましても国立衛生試験所等で特別研修を行なうというようなことで技術の向上をはかりまして、先生のおっしゃるように国民の安全のために、違反品のないようにつとめてまいりたいと考えております。現在問題の起きましたキウリにつきましては、これは私ども現在のところ相当確実ではないかと思われるのでございますが、キウリの栽培には基準どおり使っておりましても、それの前に栽培いたしました花とかあるいはたばことか、そういったものに相当多量に農薬が使われる可能性がある。こうなりますと、これは実は私どものほうでは食品を扱っておりますので、そういうものの対象外になりまして、こういったものまでもやはり農薬の使い方というものを考えていかなければいけないのじゃないかというような新しい事態も予想されるわけでございまして、こういった点は事態が明らかになり次第農林省のほうとも協議いたしまして、今後こういった問題が起きないようにつとめてまいりたいと考えております。
#91
○近江委員 新しい研究のそういう考え方を示唆されたわけでありますが、当然土壌に残留するということはわかっておるわけですよ。そうすれば、こういうものを使えば当然危険であるということになってくるわけです。したがって、使用禁止までもってくれば心配ないわけです。そしてそれにかわるべきものをまた考える。それをやっていかなければ国民も心配だし、またつくっておる農家だって気の毒ですよ。かわいそうですよ。真剣にこの点は考えていただきたいと思うのです。当然科学技術庁が調整のそうしたことすべてを網羅されておるわけですから、まあ、いま農林省、厚生省申し上げたわけですが、そうしたチェック、そして今後の使用禁止、あるいはそうした措置、あるいは農家に対する補償、こうした点についてもほんとうに先頭を切って、国民を守りまた零細な農家を守っていただきたいと思うのです。その点について長官としてはどうお考えでございますか。
#92
○西田国務大臣 毒性のある農薬の使用の問題も大事でございます、それらの問題についての検討も十分必要と存じますが、私どもの立場といたしましては、できる限り害のない農薬の創製、開発ということに取り組んでいくべきだと思います。そういう意味では、理化学研究所で従来も基礎的な研究に取り組んでまいっておりますが、ことし大型な試験設備ができ上がりますので、そこで明年度から特別研究といたしまして三カ年計画くらいで、具体的にカビの細胞壁構成阻害剤あるいは抗ウィルス剤、こういったものの新しい製造につきまして強力に開発を進めてまいりたい、こういったこともわれわれの責任であると考えております。
 また御指摘の点につきましては、科学技術の立場から十分検討さしていただきたいと思います。
#93
○近江委員 それでは時間がありませんので終わりますが、最後に農林省、特に補償の問題ですね、何らかの救済措置を、お帰りになって農林大臣とも――あるいはまた長官もお聞きになっていらっしゃるわけですから、閣議で出していただけますか。まず農林省に帰って、どういうように今後進めていかれるか、それが一点と、科学技術庁長官に、これはほんとうに国民全般の健康を守り、かつまた農家をそのように守っていくことについて、これはいま問題になっている米の転換の問題等もありますし、これは単なる農林省だけにまかしておける問題ではない。したがって、この問題は国会でこういうことが出た、それについてどうするかということを言うていただけるかどうか、この点をお聞きしたいと思います。
#94
○岡安説明員 この問題につきましては、さっそく現地につきましてどういうような使用方法が行なわれていたか、いわばこういうような事態が発生した原因をまず明らかにすると同時に、現地の方々の希望、要望等も加えまして、対策につきましては早急に検討させていただきたいと思います。
#95
○西田国務大臣 御趣旨の点につきましては、関係大臣とよく協議をいたしまして、前向きに対策を講じたいと思います。
#96
○近江委員 よろしくお願いします。
 小島さん、要するにこの基準等の問題、あるいは使用禁止にするとか、この辺の問題を、国民の生命と健康に重大な問題があるわけですから、ひとつきびしく今後やっていただきたい。この点最後に決意をお聞きして終わりたいと思います。
#97
○小島説明員 私ども厚生省といたしましては、当然に国民の健康を第一と考えて従来もやってきておりますし、今後とも先生のおっしゃられた趣旨を体しまして懸命に努力したいと考えております。
#98
○北側委員長 石川次夫君。
#99
○石川委員 いま農薬の問題が出ましたので、関連をいたしまして要望だけ申し上げておきます。
 それは、私も水銀農薬の問題でだいぶきびしくこの委員会その他の委員会を通じて要望したことがあるのでありますけれども、私が非常に驚いたのは、農林省関係で農薬の取り締まり法規、これは正確にいうとどういう法律かわかりませんが、第三条だったかに禁止をする条項が一つあります。その禁止をする条項というのは、農薬を正常な防衛道具をつけて正常に使用して、非常に被害があったときにこれを禁止する、こういう条項なんです。ところが実際問題として農民は正常な防衛道具をつけて正常に使用をしているかどうかということになりますと、そうはなっておらない。たとえば水銀なんかは全然かぶりっぱなしでもって、使用した農民の大体四割は被害者になっておるというような実態なんです。そういうことで取り締まり法規というのがまことにゆるやかで製薬会社本位にできているのじゃないかといううらみがあるわけです。この法律自体が問題だ。正常な防衛道具で正常に使ったときに、著しい被害があったときにこれを禁止するなんというこんなばかげた法律はないと思うのです。これの改廃をまず強く要望したい。これが第一点。
 それから、いまの厚生省でも農林省でもそうでありますけれども、急性的な現象の農薬の取り締まりの問題についてはいろいろと研究をしているようでありますが、慢性的なこれに対する影響についての研究はほとんどなされておりません。アメリカあたりでは二年とか三年の猶予期間をつけて慢性的な実験をした後に正式に許可をする、その前は一応の実験データに基づいて仮の免許をするというような手続をとっておるのでありますが、日本においては農薬会社に非常に寛大であって、初めから許可をしてしまう。農薬の慢性の影響というものは全然考慮されておらないというのが実態なんです。これもまた国民に対する健康管理上からいって非常に大きな抜け道である。製薬会社本位ではないか、農薬会社本位ではないかといわれても返すことばがないのじゃないか。これが第二です。
 第三は、国立衛生試験所でいろいろ研究をされておるようでありますが、とかくの批判が強い。はっきり申しまして、前厚生大臣、名前は特に申し上げませんけれども、全部薄給で、どうもいろいろな関係があるようだ、だからあまり強いことは言えないようだ、こうはっきり言っております。どうにも厚生大臣としては取り締まりようがないのだというこの声が、私は率直な実情ではないかと思うのです。したがって、いまどういう法規に照らしてとかあるいは国立衛生試験所の研究の結果によってとかということだけでは国民が納得しないような状態になっておる。こういうことを抜本的に対策を考えないと、ここで一応考慮しますとか対策を考えますということだけでは了解できがたい点がたくさんある。科学技術庁長官もそういう点についての勧告なり何なりできるわけですから、十分閣議あたりで発言をされたい。実はいまのところは公害というとヘドロ、それから大気あるいはまた河川の汚染ということになっておりますが、農薬と食品添加物の影響というものはそれ以上だと私は思っております。この問題が大きく取り上げられないということは非常にふしぎな現象であって、私はこれこそ最も大きな公害として取り上げなければならぬ時期が必ずくる、こう思いますので、その点について強く要望しておきます。
#100
○北側委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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