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1970/06/11 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第6号
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1970/06/11 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第6号

#1
第063回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第6号
昭和四十五年六月十一日(木曜日)
   午後一時三十七分開議
 出席委員
   委員長 吉田 重延君
   理事 大西 正男君 理事 鍛冶 良作君
   理事 福田  一君 理事 堀  昌雄君
   理事 伏木 和雄君
      海部 俊樹君    進藤 一馬君
      田中伊三次君    田中 六助君
      西宮  弘君    二見 伸明君
      岡沢 完治君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 秋田 大助君
 委員外の出席者
        総理府統計局長 岡部 秀一君
        自治政務次官  大石 八治君
        自治省行政局長 宮澤  弘君
        自治省行政局選
        挙部長     中村 啓一君
        自治省行政局選
        挙部選挙課長  土屋 佳照君
        自治省行政局選
        挙部管理課長  柳沢 長治君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十一日
 辞任         補欠選任
  赤澤 正道君     海部 俊樹君
  小島 徹三君     田中 六助君
  丹羽喬四郎君     進藤 一馬君
同日
 辞任         補欠選任
  海部 俊樹君     赤澤 正道君
  進藤 一馬君     丹羽喬四郎君
  田中 六助君     小島 徹三君
    ―――――――――――――
五月十三日
 一、公職選挙法改正に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法改正に関する件
     ――――◇―――――
#2
○吉田委員長 これより会議を開きます。
 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
#3
○堀委員 先般、第六次選挙制度審議会が総理大臣に答申を行なわれたのでありますけれども、本日は、まず前段で、この第六次選挙制度審議会の答申と、それに関連して選挙制度審議会のあり方の問題について、少し自治大臣にお尋ねをいたしたいと思うのであります。
 そこで、答申の問題につきましてはすでに皆さんも御承知だと思いますけれども、ちょっと答申文をまず最初に読み上げておきたいと思います。
  参議院議員の選挙
 制度その他選挙制度一般の改善に関し、別紙のとおり答申する。
  昭和四十五年五月十九日
      選挙制度審議会会長 高橋 雄豺
  内閣総理大臣 佐藤 榮作殿
    参議院議員の選挙制度その他選挙制度一般の改善に関する件
 本審議会は、二院制のもとにおいて果すべき参議院の機能を一層高めるため、参議院議員の選挙制度の改善策を審議するとともに、選挙の公正を確保するための選挙制度一般の改善策について審議を行なった。
 一 参議院の選挙制度については、参議院が公選制をとる限り、その政党化は避けられないところであるので、むしろ政党化を前提として参議院本来の機能を発揮することができるような選挙制度を検討すべきであるというのが大方の委員の意見であつた。
 このような観点から、全国区、地方区を併存する選挙区制のもとにおいて、全国区については、名簿式の比例代表制を採用すべきであるという意見が多く述べられたが、具体的内容についてまで十分審議をつくすに至らなかつた。
 二 地方区の定数の配分については、参議院議員の選挙制度を根本的に改革する際に併せて行なうべきであるとの意見も述べられたが、採決の結果、この際暫定的に総定数を増加しないで人口と定数との不均衡を是正すべきであり、大阪府、神奈川県、東京都にそれぞれ二名を増員し、栃木県、群馬県、岡山県についてそれぞれ二名を減員すべきであるということに決定をみた。
 三 本審議会においては、選挙制度一般の改善についても審議を行なつたが、具体的な結論を得るには至らなかつた。なお、選挙の公正と適正な管理執行を図るため選挙管理委員会及び中央における選挙管理機構を拡充強化すべきであるという意見が強く述べられた。
 参議院議員の選挙制度の改善について審議した第一委員会の審議の概要および選挙制度一般の改善について審議した第二委員会の審議の概要は、別紙の委員長報告のとおりであるので参考のため添付する。というのが全文であります。
 そこで、御承知のように選挙制度審議会設置法が規定をいたしております、審議会の答申は、政府はこれを尊重しなければならない、こうなっておるわけでありますが、この取り扱いについては政府は今日どのように考えておられるか、最初にお答えを願いたいと思います。
#4
○秋田国務大臣 もちろんその答申の趣旨を政府といたしましては尊重をいたしまして、よくさらに検討の上なるべく早い機会に国会に立法化して提出をいたしたい、こう考えております。
#5
○堀委員 いまの御答弁によりますと、前段のほうは答申になっておりませんから、全国区比例代表制、名簿式比例代表制がいいというのが多数の意見であったということでありますが、事の内容についてはまだ審議までに至っていない。ですからこれは具体的な答申とは考えられませんけれども、後段のほうはきわめて具体的な答申でありますから、その具体的な答申が出たものについては、いまの御答弁によれば検討をしてすみやかに法案として提出される、こういうことでありますが、そのすみやかにということは次に開かれる国会、それは臨時国会であるか通常国会であるかは別としても、国会が開かれない限りは法案の提出はできませんから、最も近い時期に開かれる国会に提出をされるということに理解をしてよろしいでしょうか。
#6
○秋田国務大臣 できるだけそういたしたいと考えておりますが、いろいろ今後事情によりまして、次の国会に間に合うかどうかという場合は必ずしもはっきりしない場合もあろうと思いますが、しかしそれにしても必ず次の選挙には相当前広く余裕を持って間に合うように、その機会は少なくとものがさないようにいたしたい、こう考えております。
#7
○堀委員 そうすると、来年に施行を予定されておる参議院の改選に間に合うだけの時間の余裕を見た時点で提案をするというように了解をしてよろしゅうございましょうか。
#8
○秋田国務大臣 さよう御了解願いましてけっこうでございます。そのつもりで作業をいたしたいと考えております。
#9
○堀委員 実はこの選挙制度審議会の中でいろいろな定数に関する論議がございました。実は現行定数を減らすことは、これまでの衆議院の定数是正の場合にも見送られたという先例がありますので、このことはなかなか困難な問題があるのではないか、こういう判断に立っておりましたから、私も審議会の特別委員の一名でありましたけれども、できるだけ減員を避けて最少の幅の増員ということで処理をするのが適当ではないか、こういう意見に立っておったわけでありますけれども、政府与党であります自民党の方は、要するに沖縄を除いた形では、ここに採決によってきまった、こう書いてありますが、その採決は自由民主党の皆さんは定数を動かさないというほうの採決に実は参加をされたわけであります。そのことはどういうことかといえば、定数を一名ふやし一名減らすんだということを、現在の政府与党である自由民主党は選挙制度審議会で出席委員全員が採決でその方向に投票されておる、こういうことになっておるわけでありますね。当然そうなりますと、これは政府と与党との関係はどうなるのかわかりませんが、私どもは過去の衆議院の定数是正のときに、御承知のように兵庫県第五区の定数は一名減らすべきであるということになっておりましたけれども、実はそれを減らさない処置が政府案ではとられたわけであります。ここらの経緯については、いまの政府と与党との関係を含めて自治大臣は、これはこまかいことを伺うわけでありませんが、ものの考え方としてやはり現在の答申を尊重するたてまえからすれば増員、減員、こうなっていますね。しかし、過去の衆議院における実例は増員にとどまった、こういう例がある。この二つの問題を踏まえて、自治大臣は大体どちらの方向を政府としてとったほうがいいとお考えになるか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
#10
○秋田国務大臣 政府といたしましては当然答申の趣旨を尊重すべきであります。その趣旨に沿うて立法化の作業を進めるべきものと、政府としては考えております。
#11
○堀委員 この三県減員三県増員という問題につきましては、これは非常に微妙な問題があるように私どもは考えているのであります。と申しますのは、実は減らすことになります栃木県、群馬県、岡山県というのは、昭和二十一年四月二十六日の人口調査によりますと、定数一人当たりの人口が栃木県三十七万五千九百五人でありまして、これが昭和四十年の国勢調査によっても三十八万二百九十三人、ふえているわけですね。少しでありますけれどもこの県もふえている。群馬県も三十八万一千百五十九人が四十万一千五百十七人とやはり一人当たり定数に対する人口はここもふえております。岡山県も三十八万四千六百五十五人が四十一万一千二百八十四名ということで、そのふえ方は比率にしますと栃木県が一・二%、群馬県が五・一%、岡山県が六・九%、いずれもこれらの減員の対象になったところも人口は実はふえておる。こういう事実があるのですね。これがこの昭和二十一年当時の定数一人当たりの人口より減っておるというような場合は私どももこの地域における減員の問題というのはやや理解できるわけでありますが、人口がふえて減っていない、ふえ方が小さかったというだけの問題でありまして、ふえ方の問題については全国の人口が当時と比べまして二九・七%実は日本の人口は昭和二十一年から四十年まで増加をしているわけであります。この二九%増加をした中で、非常に大きく増加をしておるところとあまり増加をしなかったところがある。大きく増加したところは非常にバランスがくずれておるからこれは何らかの修正が必要であるということは私どもよくわかるのですが、ふえ方が少なかったからおまえのところは減らすのだということは、どうもちょっと私どもは、いまの定数問題としてはその県の住民の納得が得にくい問題点ではないだろうか、こう考えております。ここだけはこういう意見があることを一つ申し添えて、政府として、いまお答えがありましたように次の通常選挙に間に合うように、ひとつこの定数問題については処置をされることを要望いたしておきます。
 これが答申に関する問題でありますけれども、その次にもう一つの問題は、この参議院制度の中のきわめて重要な問題、重要度においてはこの定数の問題と劣らない重要度がありますのは、現在の参議院全国区の制度の問題だと思います。この全国区の制度については、ここで答申で述べられておりますように「名簿式の比例代表制を採用すべきであるという意見が多く述べられたが、具体的内容についてまで十分審議をつくすに至らなかつた。」これは時間的な制約であります。実は私は選挙制度審議会の総会で、ずっと第一次、第二次、第五次、第六次と四回の選挙制度審議会に特別委員として参加しておりますが、非常に残念なことは、任期が実は一年しかないわけであります。任期が一年でありますが、この選挙制度審議会は継続された審議会になっておりません。要するにそのつど新しい審議会という発想になっておるわけでありまして、そうすると、そのつど新しい審議会でありますから、人はかなりの方が継続されていますが、ある部分の方は委員の入れかえがあります。当然新しく委員になられた方の立場からすれば、制度的に新しい年度においてつくられた審議会ということになりますから、いろいろ経過的な問題は前にありましても、一ぺん全部復習をしなければならないという制約が常にここに加えられておるわけであります。一年間の任期で、前段でこの復習を時間をかけてやってまいりますと、とても参議院の全国区制度とか各種の選挙制度なり選挙の方法論については、非常に複雑多岐にわたるものが多くて、審議の経過が不十分である。どうしても最低二年を一単位とするのが必要ではないかということで、実は問題の提起をいたしまして、松野特別委員も賛成をされたのでありますが、残念ながらこの時期の中では、私ども議員立法でも処置をしたいと言っておりましたが、実現をいたさなかったというのが実情であります。
 そこで、いまのような問題を背景にして、まず前段として第七次選挙制度審議会はこの問題が懸案のまま残されておりますから、これは大体いつごろに、引き続き第七次選挙制度審議会を招集されるというのですか、設置されるというのですか、まずその点からお伺いしておきたい。
#12
○秋田国務大臣 第七次選挙制度審議会をいつ発足すべきかという問題の前に、何を審議すべきかということが当然あるべきでございまして、この点の検討によりましてその時期がきまってくると思いますけれども、全体といたしましては私としてはまだ省議でもきめ、あるいは政府首脳部とも相談いたしておりません。いろいろ懸案事項等もいまつかえてございますが、これらの処置を一応いたしまして、なるべく早くこの問題に取りかかりたい、第七次選挙制度審議会をきめていただきたい、こう考えております。
 なお、さきの問題につきましては答弁の御要求は必ずしもございませんでしたが、確かにいろいろアンバランスの中に人口が増加している。しかし相対的にアンバランスになったという問題につきましては、確かにお説のような問題点はあろうと存じます。したがいまして、答申の趣旨は尊重する、いろいろ関係方面の御意見もお聞きしまして、慎重に検討をして結論を出したい、こういう趣旨でございますので、申し添えておきます。
#13
○堀委員 第七次審議会は何を審議するかというのがまだ定まっていないとおっしゃるわけですが、実は第六次審議会も諮問があったわけではない。諮問はすでにずっと前に出たものを引き続きやっているだけですから、私は新たな諮問をするという角度に立てば、いま自治大臣がおっしゃったように、それは諮問内容について政府として十分お考えをいただいて、そうして審議会の招集という手続になろうかと思うのであります。しかし実は第六次も総理なり自治大臣が総会に出席をされて、政府なりの希望意見といいますか、それはお述べになりましたけれども、諮問そのものは第三次のときですかに出ましたものがそのままになっておるというのが実情であります。いまの御答弁ではありましたけれども、参議院制度の改革の審議に第六次が入って、実は時間切れで中途はんぱなところで終わっておるわけでありますね。さっき私が申し上げたように、全国区の制度というものは、今日選挙民の側からいたしましてきわめて問題のある選挙制度でありますから、これは当然すみやかに改善されることが望ましいし、審議会のほとんどの意見がこの名簿式比例代表がいいのではないかということだとこの答申にも述べられておりますが、私もさように理解をしておるわけでありますし、このことについては一部の政党を除いて政党側においても賛成が多いというふうに実は判断をしておるわけであります。とりあえずこれらの問題を含めてひとつ選挙制度審議会をできるだけすみやかに発足をさせて、この参議院全国区の制度も来年の通常選挙の次の通常選挙には間に合うようなことにお考えを願いたい。これは定数是正ではなくて制度の改正でありますから、かなり周知徹底のためにも時間を要する問題でありますし、特に日本では比例代表制を取り入れるということはこれが初めてのことになろうかと思いますので、そのためにも私はすみやかに第七次の審議会を発足させてもらいたいと思うのであります。
 その第七次の審議会を発足させるにあたって、ちょっと私、選挙制度審議会の今後のあり方について少し私なりの意見を述べさしてもらいたいと思います。
 それはまず、審議会は第一次から第六次までございましたが、審議会には皆さん非常に熱心に審議に参加をしていただいておりますけれども、私どもの受ける感じとしては、審議会でいろいろお骨折りになったことが必ずしも成果を生んでいないということでありますから、実は審議会の委員の皆さんと個々にお話をしておる中で、無力感といいますか、新しい熱意に燃えてやるという感じが当初のときに比べてたいへん薄れておるというふうに私は率直に感じておるわけであります。そのことを率直に私にお話しになる委員もあります。そういうことは、政治の非常に根本的な問題である選挙制度の審議会の委員の皆さんとしてそういう方に無理にお願いをしておるということについては問題があろうか、こういうふうに私は考えるわけであります。
 それからもう一つの問題は、実は特別委員の制度をこの際改めたらどうかというのが私の一つの提案でございます。審議会に出ておりまして感じますことは、本来あの委員会というのは学識経験者その他一般の委員が主たる委員の構成になっておりまして、特別委員というのは、要するに特別の政治の実際に携わっておる者、選挙を行なう者の立場から意見を述べるということのためにあるので、あの制度の中では特別委員というのはどちらかといえば二次的な委員であって、一次的には普通の委員の方が主である、こういう判断をしておるわけであります。ところが過去一年間の委員会でもそうでありましたけれども、ややもすると特別委員の発言のほうが多くて、そちらのほうが主になっているような形で、一般の委員の皆さんが従であるというような感じがしてならない場合がきわめて多いわけであります。このことは理由があるわけであります。それはなぜかといいますと、大体特別委員というのは国会議員がなっておるわけでありますが、これは口をもってなりわいとしておる諸君でありますから、まずものを言うことについてはたいへん自然に、幾らでもものが言えるという本来の性格を持っておる諸君であります。その上に利害関係が最も強いのがこの国会議員でありますから、その委員会の中で、利害関係が強くて、そしてものを言うことをもって業としておるということになれば、どうしても発言量がふえてくるというのはある程度やむを得ない現象だ。私はつとめて発言を控えておりまして、特に求められる場合、どうしても申しておかなければならない問題以外には実は発言をしないことにいたしておるのでありますけれども、なかなか実際はそういかないという感じがいたします。おそらく私は、一般の委員の方は、ああ特別委員が発言されたのでは、われわれの言うすき間はないなんという感じを持っておられるのではないかという感じも実はいたしておるわけです。
 そこで、私は、この際政府はひとつ勇断を持ってこの特別委員の制度を廃止したらどうか。選挙制度審議会は、少なくとも国会議員はもう入らないという形で、現在の一般の委員だけをもって構成をするという改正をしてみたらどうだろうか。要するに第三者をもってのみ構成された審議会ということのほうが国民一般の納得も得やすいのではないだろうか。ただし、問題はいろいろと実情に関係のあることでありますから、審議会としては、いろいろな審議をされた中間なり適当な時期に、各政党代表を委員会に呼ばれて、そうして政党代表の意見を聞かれるということの道を開いておけば、私は、現在のような仕組みでなくてもいいのじゃないか、こう考えるわけであります。それが一つです。
 二つ目は、あわせて、そういう選挙制度審議会を改正するということになれば、任期を先ほど申しましたように一年から二年に改める。
 三番目は、大体選挙制度というものを議論する場合には、国民とつながっていなければならないと私は思うのです。国民が選挙をするわけでありますから、国民とつながっていなければならない。国民とつながらせるためにはどうしたらいいのかと申しますと、国民の中の半数が実は婦人であります。私は、もう少し婦人の委員を数多く委嘱すべきではないかと思うのです。現在の委員会は、最初はもっと数が多かったのでありますが、だんだん減ってまいりました。この前の第六次選挙制度審議会では婦人の委員は一名になっておったように考えております。当初はたしか三名程度おいでになったように思いますが、これは三名でなくて五名でもいいから、やはり国民の半分が婦人であるという観点に立つならば、幅広く婦人の委員をお願いをして委嘱をするということが一つ重要ではないかと思います。
 もう一つは、若い人というのがここの中には実は委員としておられないわけであります。どちらかというと非常に年齢の高い方が多い。どうしても学識経験者の場合はそうなりがちでありますけれども、ここで、この問題は、もう少し若い方を委員に委嘱をするという必要はないのか。特に学識経験者の中の大学の先生方にお願いをする場合には、当然これまでは大学にお願いをするときは教授と、こういうことになっておりますね。私は、これは教授にとどまらず、助手、講師、助教授等、もっと年代の若い、そうしてそういう政治学その他の関係のある方の中から選ぶことが、やはり国民の年齢階層的な意見も選挙制度審議会に反映するために必要なのではないかと思います。
 その次は、ずっと最初からそうでありますが、産業界の代表者あるいは金融界の代表者というような、経営の側の、要するに会社の社長、銀行の頭取というような方は参加をしておられますが、今日まで、労働者の代表というものが実はここには一人も入っていない。現在国民の階層別に見ますと、経営者の側の方は入っているけれども、労働者といいますか勤労者といいますか、そういう働く者の側の代表が一名も入っていないということも、やや適切を欠くのではないだろうか、こういう感じがいたしますので、これらの点を十分ひとつ勘案をされて、選挙制度審議会法の改正を政府としては検討をされてはいかがだろうか。このことは、今日選挙制度審議会が、いろいろな面でやや停滞的な感じを受けておる現状から見て、ひとつ新しい発想に基づき――仕組みそのものはいいのでありますが、要するに新しい発想に基づき、さらに運営もやりやすい条件において、そして国民の信頼に値するような、国民の希望に合うような審議会を設けて、あるべき各種の選挙制度の審議を新たに行なうということは、私は、当面非常に重要な課題ではないだろうか、こう考えるわけでありますが、自治大臣はいかがでありましょうか。
#14
○秋田国務大臣 たいへんいろいろ御意見をお聞かせ願いまして参考になりましたが、選挙制度審議会の委員の方々が無力感を持つということはたいへん遺憾なことでありまして、そうあってはならないものであります。一時そういう感じもあったというお話でございまして、これは堀先生の直接の御体験による御発言と思いますから、これは今後われわれは、この委員会の運営ないしは答申の尊重度等とも関係があることでありまして、大いに心してまいりたいと思いますが、私の経験するところによりますれば、少なくとも、いまおっしゃいました無力感なるものは、最近はやや修正されつつある傾向もまたあるのでもなかろうかと思いますが、とにかく一部でも無力感を感ぜさせるようなことがあってはならない、大いに注意をしてまいりたいと思います。
 そこで、委員会の構成につきまして、委員会法の改正を検討したらどうかということでございますが、直ちにいまここで改正を検討するということは決定的に御答弁いたしかねますが、御意見を大いに参考といたして、今後考えてみたいと思っております。
 第一に、特別委員は廃止したらどうだ、これは、どちらかというと二次的な意義を持つものでなかろうかという御意見でございます。何をもって二次的と申しますか、いろいろ人によって考え方もあろうと思います。しかし、いわゆる特別委員は選挙を実際に体験をされております。やはりこれらの方々の意見は、公職選挙法の改正等を考える場合には、貴重な意見であろうと思います。したがいまして、いま直ちにこれを廃止すべきだとかあるいは何らかの意味において――二次的なということはそれはおのおの考え方によって御自由でございますけれども、むしろないほうがいいという考え方に私個人としてはいま立ちかけております。
 それから、委員の任期の問題でございます。先ほどもるる御説明がございまして、継続的に審議会が順を追うてつくられては発足していくわけだが、おのおのの審議会はそれ自体自主性を持って一応説明等また新たになさっておる。時間の問題もあるし、一年という時期では短過ぎるのではなかろうかという御意見であります。確かに傾聴に値する御議論であると私も思います。しかし、同時に、やり方によりましては一年必ずしも短しといたさないのでありまして、これが審議をむしろ促進をする場合もある。また、理屈から申しますれば、確かにその審議会は、会を新たにするたびに審議はまた新たになる性格を当然持つものではございまするけれども、事実上はやはりある程度十分参考になり、その上に議論が積み重ねられていく実際上の効果もあるのでございまして、この点は、もう少し考えさせていただきたいと思いますが、皆さま方の御意見が大多数それに賛成であるということならば、この点の改正を十分考慮してもいいのではなかろうか。皆さんの御意見を広く承りたいとこの点は考えている次第でございます。
 それから婦人層の意見をもう少し取り入れる意味において、その数をふやしたらどうかという御意見につきましては、十分考慮に値する問題があろうかと思います。これらも皆さんの御意見をさらにお聞かせ願えればしあわせかと思います。その他、少し老化しているじゃないか、あるいは大学の教授といわず、講師、助教授等若い方々を入れたらどうだろう、労働界の方々を入れたらどうだろうかという御意見でございますが、これはいろいろの委員等の選定の際にいつも問題になる発想でありますけれども、要は適任者を得るということでございまして、この点につきましては、真の適任者を得るという点に重点を置いて審議会の委員の選定に十分留意すべきものと思いますが、御意見は大いに参考として承った次第でございます。
 したがいまして、ただいま御示唆に富むいろいろの発言内容につきましては、十分これを参考として今後考えてまいりたいと思いますが、皆さまの御意見等をさらに十分伺うことによりまして、それぞれ必要な処置を講じたいと思います。一般的に申しまして、最初申し上げましたとおり、審議会法の改正の検討にすぐ着手するということはいま直ちに申しかねる次第でございますので、その点御了承願いたいと思います。
#15
○堀委員 事務当局に聞きますが、特別委員の出席回数というのは、あなたのほうで何か資料でちゃんととっておりますか。
#16
○土屋説明員 いまの資料は手元にちょっと持ってきておりませんが、資料はございます。
#17
○堀委員 実は私は、過去の審議会はみなそうでございますが、何らかの委員なり、そういうものを引き受けましたならば、引き受けた以上責任がございますので、出席をすることをもってたてまえといたしております。万やむを得ない以外は各委員会ほとんど全部出席しておりますが、実は非常に出席の悪い方もあるわけです。その出席の悪いということが何に影響するかと申しますと、出席をされないでおいてときどき来て話が蒸し返されるわけです。そのことは出席しております者にとっては実はたいへん大きな負担になるわけです。貴重な時間でありますから、それがしばしば繰り返されるということは私は審議会の審議のあり方にとってマイナスであるというふうに思います。
 それで、先ほど大臣も申されたように、事は選挙という具体的なことに関係がありますから、私ども直接選挙を行ない、いたしております者の意見を聞いていただくことは必要だと思うのです。ですから、私も前段で申し上げたように、ある時期を限って政党の代表の出席を求めて、委員の皆さんからいろいろと意見をお聞きいただくということは今後とも必要だと思うのでありますけれども、いまのように常時委員として出ておるということなら、これはずっと出席していただいておればまだしもでありますが、出席をしないでおしまいのころにちょっと出席して、そこですでにいろいろ議論の済んだことを一々問題提起をされますと、これは私は、審議会にまじめに出ていらっしゃる委員の立場からすると一体どういうことなんだろうかという気持ちをされると思います。私ば審議会の席上でしばしばそのことを申しておるわけです。ちゃんと出席してください、そうしないとあとでたいへん皆さん困りますと言っておりますけれども、実は出席をされない方がかなり多いというのが現実でございます。そこらも含め、私は国民の側からしても、やはり自分たちに関係のあることを関係者が一緒になってつくるというのはどうもおかしいのじゃないかという気持ちが国民の中に十分あると思うのです。ですから私は、特別委員の制度を廃止し、そのかわりにいまの特別委員の人数程度は一般の委員の中から増員をされてもいいだろう、それはいま申し上げたような婦人であるとか、あるいは若い方であるとか、勤労者の代表であるとか、そういう者をそこへ補充をしていただくことによって、より新鮮で強化された審議会になるのではないだろうか。ただ、そういう審議会にしたら、この審議会の答申はさらにひとつ尊重をするということにお願いをしたい。そのことを国民は非常に願っておるのではないだろうか、こう私は考えますので、ひとつそういう点を皆さんのほうで十分検討をしていただいて、願わくば、私が問題提起をしておりますような方向で、新しい角度での審議会の発足を期待したいということが、私が過去四期にわたって審議会の委員として出席をしてまいりました者の立場から特に政府に要望をしたいということであります。
 以上で選挙制度審議会の関係の問題を終わりまして、次は、実は地方議員の定数に関する問題をちょっとここで論議をいたしたいと思います。
 最初に、総理府統計局長にちょっとお伺いをいたしますが、昭和四十五年度に実施を予定されておる国勢調査でありますけれども、現在はたしかすでにコンピューター等も導入をされておると思いますので、今次の国勢調査の結果についてはこれまでとは違ってかなりすみやかにある程度の、特に単に人口というような最も簡単な基礎的資料についてはすみやかな措置ができるものだろうというふうに私は考えております。すでに予算等もついておるわけでありますから、四十五年度に行なわれる国勢調査について、総理府のほうではどういうふうに考え、そういう人口統計は大体どういう時期にまとまるのか、お答えいただきたいと思います。
#18
○岡部説明員 四十五年の十月一日に人口調査をいたしますが、その結果、人口概数でございますが、四十五年の十二月に速報をいたす予定をいたしております。それから四十六年の五月までに確定人口、これは例の官報に告示をするやつですが、これを計算する予定をいたしております。そのほか、四十六年の十月まで一%抽出集計をいたします。四十七年の九月までに基本集計、まあこれが中心をなす統計でございますが、基本集計をいたす予定をいたしております。同じく四十七年の九月までに就業地、通学地の集計をいたします。四十八年の十一月に約二〇%の抽出集計をいたす予定にいたしております。四十八年の十二月に人口移動の詳細な集計をいたす予定にいたしております。
#19
○堀委員 過去の例で、この人口速報と確定人口の誤差というのは大体どのくらいございましょうか。
#20
○岡部説明員 四十年の国勢調査の実際の状況を申し上げますと、概数人口と確定数との差は、市町村数で申し上げまして、全く間違いなくそのまま合致したのが八〇%でございます。それから十人まで差があったというのを見ますと、九九%までは十人まででございます。
#21
○堀委員 自治大臣、実は来年の四月に予定をされております地方自治体の統一地方選挙が行なわれることになっておるわけでありますが、現在の法規その他によりますれば、正しい人口が出れば当然新しい人口に基づいて定数の変更が行なわれるというのが現在のルールだろう、こう了解をしておりますが、大臣その点は前段でまずいかがでございましょうか。
#22
○秋田国務大臣 ルールはそうであろうと思います。
#23
○堀委員 そういたしますと、いま総理府統計局長の御答弁をいただきますと、十月一日に実施をされる今度の国勢調査は十二月までに速報ですか概数の人口がすでに出される。それの誤差は、いま伺いますと市町村単位で誤差十人までということで九九%ということは、選挙のような問題の場合にはほぼこの概数で十分だというふうに私は判断ができるわけでございます。選挙というのは人口の大体の概数があれば当然それをもとにしてできることで、十人違ったために人数が動くというようなこまかいものになっていない、かように考えるわけでありますから、十二月までに新しい人口統計が、それもいまお話を伺ったところではきわめて精度の高い速報が出るということであるならば、当然これをもとにして全国都道府県の選挙区定数を変更することのほうがやはり現状に見合ったものではないか、こう私は考えますけれども、自治大臣はその点はいかがでございましょうか。
#24
○秋田国務大臣 一応堀先生のような考え方もあると思います。しかし同時に現行法の趣旨は確定人口、官報に告示されたる確定した人口数によって数を争う選挙でございますので、すべてそういうところに正確に即したものによるべしというところに現行法の趣旨があるのではなかろうかと感じられます。したがいまして、それによるべしという有力なる議論もまたここにあるわけでありまして、また有力に主張をされるわけであろうと存じております。ここいらの点につきましてただいま考慮をいたしておるところでございますが、私といたしましてはやはり数を正確に争うものといたしましては、概数というようなものによってもよろしいんだというプリンシプルはどうであろうかと考えておる次第でございます。
#25
○堀委員 事務当局のほうでいまの法律なり政令なりをちょっと読んでもらいたいのです。いまの数に関する点……。
#26
○宮澤説明員 ただいまの都道府県議会議員の定数の問題でございますが、先ほど堀委員のお話にもごくわずかな数はそう影響がないのではないか、こういう御趣旨のようでございましたが、御承知のように都道府県議会の議員の定数につきましては地方自治法に規定がございます。読めというお話でございますので、ちょっと読んでみますと、地方自治法の第九十条でございますが、「都道府県の議会の議員の定数は、人口七十万未満の都道府県にあっては四十人とし、人口七十万以上百万未満の都道府県にあっては人口五万、人口百万以上の都道府県にあっては人口七万を加えるごとに各々議員一人を増し、百二十人を以て定限とする。」これが原則でございます。したがいまして、たとえば人口七十万以上百万未満の府県でございますと、五万刻みでふえてまいります。この場合に一人、二人のところであるいは一人ふえるかふえないかということが起こる可能性が予測されるわけでございます。
#27
○堀委員 過去に、そういうような十人程度でそれが動いたという例があるでしょうか。
#28
○宮澤説明員 ちょっといま手元に資料を持っておりませんので、そういうことがあったかなかったか、ちょっといまここではお答えいたしかねます。
#29
○堀委員 いまの話は、単位が実は万なんです。なるほどそれは確かに以上ということになれば何万一人というのでも、もちろんそれは定員一人をふやすということになるかもしれませんけれども、私はやはり法律が期待しておりますことはそういうことを期待しているのではないと思うのです。万という単位ならば、万の単位に何らかの関係があるというふうに考えるべきではないのか。そのことは、要するに今度小さな条例等で定めることになると思いますが、法律自身で、選挙法の中で書いてあるのは、要するにある定員の半分以下になれば、それはどこかにくっつけろということがすでに書かれているわけで、かなりそういう点では大きな単位で問題を考えることに大体選挙法というのはなっていると私は思うのです。ですからいまの発想からそれが万単位であるということは、十人内外のものをもって万単位の定数を動かすということになっているのかどうか、そこらにちょっと私疑問がありますので、次回の委員会までに、過去におけるそういう定数の関係についてその誤差がどうなっておったのか、資料として一ぺん御提出をいただきたいと思います。この問題はそういうような定数の今後の取り扱いの問題に関連がありますから、確かに実体論としていうならば、いま私が申し上げたようなことで十二月の概数で十分だと思います。ところが非常に誤差の大きいものなら別でありますけれども、完全に市町村単位で一致しておるものが八〇%、誤差十人というのを入れれば九九%ということは統計としては非常に正確なものだと私は思います。
 それから、これは四十年もすでにコンピューターが使用されておったのでしょうか、ちょっと総理府のほうに伺います。
#30
○岡部説明員 三十五年の国勢調査から使用いたしております。
#31
○堀委員 もしコンピューターが使用されておるとすれば、実際上の誤差というのは調査段階での何らかのものの判断の問題ではないのだろうか。計数上もとになっておりますデータが正確であるならば、集計は二カ月あれば当然かなり正確なものが出るので、いまの概数と確定の誤差が何によるかが私ちょっとわからないのですが、ここは国勢調査を議論する場ではありませんし、時間もありませんから省略をいたしますけれども、私はどうも政治的な措置で十分なのではないかという感じがしておるのでそのことを申し上げておきます。
 もう一つ私ちょっと、これはこの問題を調べながら気がついた点が一つあるのでありますが、地方議員といいますか、議員の中で非常に特異的な性格を持っておるのが県会議員の区制といいますか、ここに非常に興味のある問題を私、感じておるわけであります。それは何かといいますと、大体町村市会議員でありますか、町村市会議員というものは同一の地域から同一の条件で選出された議員でありますから、議員の性格はきわめて等質だと思います。たとえばある市、三十万の市でたとえば四十人という市会議員が選挙をされたとすれば、その市会議員というのは全域一つの選挙区になっておりますから、条件は一つ同じ条件の中から出てきた、こういうふうに見られると思います。政令都市になれば今度は区になりますけれども、その一定の区の中で区議会というのがあるわけですから、これもいまのと全然同じような感じがするわけです。ところが、県会議員の場合には、ちょっと資料をいただいて調べてみますと、昭和二十二年に一人区が百五十四、二人区が二百五十五、三人区が百六十一、四人区百二十一、五人区七十六、六人区三十九、七人区十六、八人区九、九人区四、十人区三、十一人区一、大体スタートしてから一人の選挙区から十一名までの選挙区が一緒にできているという仕組みになっておるわけですね。そうして、そういう選挙区から出てきた者が扱いますいろいろな案件は県全体の案件を本来扱うわけですね。ですからそういう意味では県全体の議案を扱うというようなことのために、ごく小さな地域を限ってそこから代表を出すということは、これは一体どういうことなのだろうか。これは制度ができておるものですから、いまはどうしようもありませんが、これを見て非常にそういう点ではおもしろいというか、理論的にはやや問題があるような選挙区制ができているわけですね。
 これが人口が増加をしてきまして、現在四十三年では、定数が昭和二十二年当時二千四百九十人でありましたものが二千七百三十四人に実はふえてまいりました。その県会議員の定数がふえましたのは二百四十四人ふえたわけです。全体として二百四十四人ふえたのですけれども、そのふえ方がまたきわめて興味の深いふえ方をしているのは、この一人区は百五十四から四百五十四というのが三百ふえているわけです。ですから定数がふえるよりも一名区のほうが五十六名もたくさんふえた。その次、二名区は数としては二百五十五から三百四十四でありますから、選挙区の数としては八十九でありますか、ふえて、そうして定数として三百七十八ふえている、こういうことになっております。要するに一名区と二名区のところが非常にふえてきまして、それで三名区から七名区までのところは今度は減ってきたわけです。まん中が減った。そうして、今度は八名区以上のところに非常に数の多いものがどんどんふえてきている。十三名、十四名、十五名、十六名、十七名、十八名という非常に大選挙区のほうへどんどんシフトしてきて、大体これをずっと見ておりますと、まん中が薄くなって、両サイドに乖離をしていくという傾向が非常に顕著になりつつある。そのことは本来的にも非常に大選挙区から出ている議員の質なりいろいろな問題と、小さな選挙区から出てきておる人たちとは、条件その他で議員として必ずしも等質にならない条件というものがここにあるのじゃないか。選挙制度という角度から見るならば、これはやはり中選挙区なら中選挙区、大選挙区なら大選挙区、小選挙区なら小選挙区、何らか選挙制度としてのルールというものが基本にあっていいのじゃないかということを、実はこれを調べながら感じたわけであります。この上に今度は三万都市というのができてくると、ますますこれが分割をされて、いまの小さいほうにかなりのものがまたシフトをするということになるのじゃないだろうか。ここらは一つ、選挙制度の問題というのは、国の衆議院、参議院も問題がありますが、県会議員の制度というのは、これはやはり選挙制度審議会に一応諮問をして、どこかで一ぺんもう少し県会議員制度というものの選挙制度の側面から見たあるべき姿というものが検討される余地のあるものではないだろうか、こういう感じが実はこれらの資料を見ながら感じられておるわけであります。
 そこで、これもさっきの審議会に関係がありますが、何らかの形でこの問題は一応再検討を要する段階にきておるのではないだろうか、こういう感じがいたします、が、大臣はこれについてどうお考えになっておるか、承っておきたいと思います。
#32
○秋田国務大臣 この問題も一応理論的にいきますと、堀先生おっしゃるような論が立つとも思うのであります。しからばこれをどういうふうに修正したらいいのだろうかという、実際上の点を考えますとなかなかむずかしい点があります。過去においてもだいぶ前に、私十分存じませんが、何かそういう点が問題になったことがあるようでございます。選挙制度審議会というような制度が当時あったかどうか知りませんが、いろいろ議論になって、郡、市というような、これまた実態は非常に移動しているわけで、そこに問題があるわけですが、この社会的、歴史的概念が都道府県県会議員の選挙単位ということになっておって、これが非常に便利でもあるし、またそれに一つの意義もあってやってきたのですが、それによらないでそれを修正したら一体どういう公正なものがあるかと申しますと、この点は抽象的に考えますと検討すべき問題点ということに十分立論がなりますが、さて現実にどういうふうにそれじゃやったらいいかということになりますと、これは議論百出でなかなかむずかしい。ついに帰一するところがないという過去の経験があるようでございます。したがいまして、いまのところわれわれといたしましては、片方に十数名というような議員を出す選挙区もありますが、選挙の運用の実際上はどんな不都合があるというわけでもないので、いま申し上げましたような点を考慮いたしまして、いま直ちにこれを検討して直そうということにはちょっと踏み切りかねるところがございますが、なお十分検討はしてみたいと思っております。しかし、理論と離れて実際上かえって不都合を生ずる面もなきにしもあらずという点もあるということをひとつ考えてもみたいと思っております。
#33
○堀委員 実は私がいま申し上げておるのは、根本的に直すということはむずかしいのですが、ともかく片方に十八もあり、片方が一名というのはおかしいわけですから、これはたとえば中選挙区的な考えに立つというのならば、たとえば何名から何名までくらいの幅にする。多少弾力があっていいわけですが、そうすると大きいところは市の中である程度地域を分けて少しやる、小さいところは少し一緒にしてやっておけば人口の変動その他がだんだんカバーできるわけです。こまかく分ければ分けるほど人口変動は動くわけです。ですから、ある程度の幅にくくっていったほうが人口変動も少ないし、同時にある幅から出ておられる方は視野を広く持って県政の中で参加されるのじゃないだろうか。ごく小さなところから出ている方と非常に広いところとやはりいろいろな点があるのじゃないかというのが私の感じでありますので、幾らにしろという議論をしているわけじゃないのですが、こういう人口動態でますます細分化をされるほうとますます巨大化されるほうとができてくるということがわかりながらほっておくということがはたしてどうなんだろうかということになると、やはり理論的な面もありますけれども、実際的な面でもある範囲の広がり、郡が二つと市が一つというような形にでもなっておれば、そこで新しい市ができても、このワクの中では市ができようがどうしようがもうこの定数でいきましょうということのほうが、いろいろな問題が安定をしていいのじゃないか。新しい市ができるたびに選挙区制がこうなって、そしてある一つの郡のまん中に市ができると今度は飛び地になるとか、いろいろ複雑なことが起こる条件は、ある広がりにしてあればこんな問題なくなってしまうわけですから、そういうことのほうが行政上も合理的なんじゃないだろうかというのが実は私の提案であります。で、いま分析をしてみた結果が公職法に乖離をする、まん中がどんどん減るという一つの側面もありますので、そこらについては一ぺん、とらわれざる立場からいろいろな角度を含めて検討をしてみることが一つの県議会構成上の合理的な基礎になり得るのではないかという感じが私はいたしましたので、問題を提起したわけであります。これらを含めて一ぺん省内でも十分検討してみていただきたいということを要望しておきまして、私の質問を終わります。
#34
○吉田委員長 伏木和雄君。
#35
○伏木委員 私も大臣に、第六次選挙制度審議会の答申、それを受けての政府の態度、それから来年度行なわれるところの地方統一選挙について若干お伺いしたいと思います。いま堀委員から御質問がありましたので、極力重複は避けたいと思います。
 ただいまもお話の中にございましたように、選挙制度審議会が政府に対して非常な不信感を持っておったというような点もございました。これについては、第五次審議会のいわゆる政治資金規正法の答申、これを受けた政府の態度、これに大きな批判があったわけでございます。これにつきましては、第六次審議会発足のときに、第五次の答申についての政府の態度はまことに遺憾であるという前自治大臣からの釈明もあり、それを踏まえた上で今回の答申は十分尊重いたします、こういう総理からもあいさつがあったわけでございます。せっかく今回議論を重ねて答申が出たわけでございます。答申の第一項、第二項、一項につきましては抽象的な問題でございますが、第二項は採決まで行ないまして、具体的に明確に答申が出てきたわけでございます。しかもこの審議会の設置にあたっては、次期参議院選挙に必ず間に合わせるために今回の審議会を設置する、こういう委員会においての大臣からの御答弁もあったわけでございます。重ねてお伺いいたしますが、今回の答申をそのまま尊重ということは、必ず次の参議院通常選挙に間に合わせるために政府から提案されるか、この点を重ねて確認をしておきたいと思います。
#36
○秋田国務大臣 ただいま堀委員にお答え申し上げましたとおり、尊重し、いろいろさらに検討をいたしました上で来年の参議院の選挙に間に合うように出したい。ただ、いまのおことばの中にそのままということばがちょっとありました。文字どおりそのままになるかどうかはわからない、これは保証の限りではありませんが、その趣旨を尊重し、かつ関係方面の御意見等を十分しんしゃく、検討をいたしまして間に合うように立法化いたしたい、そうして御提案申し上げたい、こう考えております。
#37
○伏木委員 そこで事務当局にお伺いしたいと思いますが、来年の七月行なわれる通常選挙、これに間に合うとすれば、いつまでに国会を法案が通過しなければならないか。事務手続の上から必然的にタイムリミットは事務当局とすればおありになると思いますが、いつまでに国会を通過すれば来年の選挙に間に合うか。事務当局から伺いたい。
#38
○宮澤説明員 ただいまの御質問は、今回の答申に関連をした御質問でございますが、あの答申そのままといたしましても、定数の移動が非常に多いというわけでもございません。したがいまして、まず数カ月ございますれば間に合うだろう、こういうふうに思っております。
#39
○伏木委員 数カ月と言われましても、国会には会期がございますから、事務当局として常識的なタイムリミットは七月以前何カ月ぐらいあれば準備ができるのか。
#40
○宮澤説明員 まず、半年くらいあれば準備ができると思います。
#41
○伏木委員 半年と申しますと、七月選挙となると一月ということになりますが、普通通常国会が十二月に召集されたといたしましても、一月は常識的に休会という形になると思います。しかも衆参あわせてこれを審議するということになりますと、二月に入ってからこれを審議したのではちょっとおくれるんじゃないか。ということになりますと、常識的にいえば、秋にかりに臨時国会でもあれば、その辺で詰めておかなければこれは間に合わないということになってくると思います。先ほど、次の国会もしくは通常国会、こういうお話がございましたが、大臣は積極的にこれを立法化しようという御決意があるならば、次の臨時国会には間に合わせていかなければならない、私、このように考えるわけでございますが、この点大臣、どのようなお考えでございますか。
#42
○秋田国務大臣 大体の常識として率直なところ、伏木先生がおっしゃるところが妥当な線であろう、こう考えております。
#43
○伏木委員 そうすると、政府のほうは臨時国会に間に合うように努力する、こう受けとめてよろしゅうございましょうか。
#44
○秋田国務大臣 これも先ほど堀先生にお答え申し上げましたとおり、なるべく、臨時国会がいつ開かれますかにもよりますけれども、間に会うように努力すべきものと心得ておりますが、もし万が一それがどうしてもいけない場合には通常国会になりましょうが、それにはそれなりに十分事前に各党の御意見等を検討し、そしゃくしておくという措置等を講ずることによりまして、何とか実際上の不都合のないように処置をいたしたいということは、十分考慮をいたしておるところでございます。
#45
○伏木委員 そうしますと、臨時国会もしくは次の通常国会冒頭にこれを提案していただく、このように理解しておきたいと思いますが、この点よろしゅうございますね。
#46
○秋田国務大臣 ただいまも申し上げましたとおり、できるだけそのように処置をいたしたいと考えております。
#47
○伏木委員 立法化されるということでございますが、あわせて内容について若干お伺いしておきたいと思います。
 先ほどもお話ございましたように、前回衆議院の定数是正におきまして、兵庫第五区の問題が出ておりました。今回の答申は定数減になるところも答申の中へ出てきております。
 聞くところによりますと、何か自由民主党の選挙制度調査会の中では、今回の答申は非常に不満である、なかなかこれは立法化できないというような風聞が私どものほうへ伝わってきております。これは政治資金規正法でも見られましたように、答申を十分尊重する、政府はこういう態度でございました。しかし、とうとうこれが実現できなかったということは、自由民主党を説得することができずに、ついにこれが流れてしまった、こういう経過もございました。この選挙の問題につきましては、政党として党利という立場でいろいろ議論もあると思いますが、そうした干渉には関係なく、政府のほうはこの答申を、前回の第五次の二の舞いを踏まないように、それだけの御決意をされた上で、定員の増減の減のほうで行なわずに、増員だけやる、もしくはこれを全然考慮に入れずに、例の政治資金規正法のごとくこれを流してしまうか、こんな点につきまして、大臣自身が相当政党からの干渉に対して固い決意がないと、この問題はできないのではないかと思いますが、最近政府と与党との間で、この問題につきまして何か折衝があったならばお伺いしておきたいと思います。
#48
○秋田国務大臣 その点についての折衝があったとか、したがって、内容等聞いておりません。しこうして、自治省といたしましては、先ほど来申し上げておりますとおり、答申の趣旨を尊重いたす、同時に関係方面の御意見も十分参酌をいたしまして処置をいたしたい、こう考えております。
#49
○伏木委員 答申の件につきましては、大臣非常な御決意のようでございますから、この点はこの程度といたしまして、統一選挙について若干お伺いしておきますが、先ほどもこの点で議論がございました。十二月には概数人口が出る。それの誤差が非常に少ないものであるという点で、総理府統計局からもお話がございました。しかし、法律を踏まえた上で、十名でも一名増員できるかできないかということになると、したがって確定が出ないとなかなか困難だというような御意見もあったようでございます。この統一選挙につきまして、私は、一つには確かに国調による基本的な数字ということも大事でございますが、これは住民台帳法が従来なかったわけでございますが、現在は住民台帳法というものもできておりますし、その住民台帳法を踏まえた上で、有権者の数も確定されておりますから、従来とは考え方を異にして、一つの意見として、住民台帳法に基づく人口によって議員の定数を定めたらどうか、こういうような議論も私しばしば耳にしております。この住民台帳法に基づく人口によって議員の定数をきめていくという点について、大臣何かお考えでございましたら、御意見を承っておきたいと思います。
#50
○宮澤説明員 住民基本台帳の人口でございますが、まだ制度が発足をして間もないこともございまして、国勢調査の人口などと照合をしてみますと、かなりそごがございます。
 それから御承知でもあろうかと思いますが、その問題は別にいたしましても、議会の議員の定数につきましては、地方自治法で、官報で公示をされました国勢調査またはこれに準ずる全国的な人口調査の結果による人口、こういうふうな規定がございますので、おそらくその趣旨は、やはり全国一斉に人口調査をいたします、それの結果による、こういう趣旨であるわけでございまして、基本台帳はそごがございますのは、やはり公共団体ごとの出入りが多少ダブっているという面もそごになっておる原因であろうと思います。現在のところは、基本台帳に基づく人口をもって都道府県の議会の議員の定数を定めていくということは、私どもとしては適当ではない、こういうふうに考えております。
#51
○伏木委員 その点は了解いたしますが、昭和四十年以降の人口移動というものは、都市の人口の集中ということもございまして、非常に移動が激しいわけでございます。ここでかりに十二月の概数によって条例の改正ができないということになりますと、地方としてはさらに四年後昭和四十九年の選挙にならないと、今回の国調が生きてこないという結果になってくると思います。この九年間、四十年から四十九年の都市に対するますます人口集中ということを考え合わせますと、かなりの誤差が出てきてしまうのではないか、こういう感じがいたしますが、中間においてここでやっておかなければ、はなはだしいところは、年間一つの市で十万からの人口の増加がある。この五年間で約五十万の人口がふえたという大都市すらあるわけでございます。したがって、これが四年後ということになりますと、百万近い増加が出てきてしまう。そのときになりますと、四十九年までにそこの住民の議会に対する発言権といいますかが非常に薄い結果になってくるのではないか。したがって、今回何としてでも、この十二月の概数というものを何か政令でワクをつけるなりして、若干の――五万単位ということであれば、先ほど誤差十人以下をとってみても九九%というような確率の高いものですから、若干のひずみをつけて、政令なりでこのワクを押えて、そうして十二月の概数で一人、二人の議員の増加ということをワクをつけた上で何かできる方法はないか、こういう考えを持っているわけでございますが、この点政令で何かワクをつけて、そうして十二月の概数人口というものをもとにして条例改正を地方に行なわせるという点は大臣お考えいただけないか、こう思うわけですが……。
#52
○秋田国務大臣 この点も先ほど堀先生にお答え申し上げたところでございますが、概数でやるべしという御議論もあるわけでございます。しかし、やはり何人から何人以上になれば定員がなりますというときに、概数と確定数との誤差は非常に少ないということが統計的にいわれておるわけでございますが、そのボーダーラインにおける一人という数が問題であろうと思います。そういう点を考慮いたしますと、それはないかもしれないしあるかもしれない。したがって、統一的に行なわれる国調の確定数をもってするというところに、現行法のこの法律の運営は、数を争う選挙でありますから、定数等の定めにつきましても、その技術的な形式的な要件にぴっちり合わせるということが必要なのではなかろうかということを、いまだ個人的でございますが、考慮してみますと、簡単に概数でいいじゃないかということにはちょっと踏み切りかねるのではなかろうかという点を検討いたしているわけでございます。
 先ほども申し上げましたとおり、ごく抽象的に、理論的に考えますれば、概数でもいいじゃないかということもありますが、あとでもって考えてみて、あああれのときには概数であったが、一票の誤差がちょうどそのときにあって、それが定員を上下するボーダーラインの数であったというときのことを考慮いたしますと、二十年に一ぺん不都合が生ずるわけでございますが、概数論というものはどうだろうかと考えざるを得ない私の現在の心境でございます。
#53
○伏木委員 私が申し上げている意味は、たとえば人口が五十万増加になった、それで、二十万ふえるのに対して一名の増員、かりに法律がこうなっているとすれば、その最初一名分は考慮に入れずに、五十万の増員に対してそのうち四十万まではこれを二名ふやすということにしていけば、四年間これを待たずに、ある程度今回の国勢調査が反映されていくのではないか。あるいは小さい都市ですと、五万単位一名増員ということになっておれば、十五万ふえたところであればその誤差が出てくる。増減が出てくる一名のワクは残すとしても、当然ふやせるところの、五万単位として、十五万の増員ならば十万まではそう誤差がないはずでございますから、そうすればこの二名の増員というものはこの四年間有効に使われていくのではないか、こういう議論も成り立ってくると思います。これをわずかな誤差の分を配慮したために、当然増員できる議員を四年間待たなければならない。この不都合を直していかなければならない、私はこう考えるわけであります。そうしたリミットをもって増員することは政令等において定められないか、こういう考えでございます。
#54
○秋田国務大臣 御意思はわかりました。しかし、非常にこまかな規定、それが合理的であるという先生のお考えだと思いますが、どうでございましょう。そこにもやはり妙な不確定要素を残すような感じもいたしますので、さらに検討はいたしておりますけれども、いまのところまだきめておりません。どうももっとはっきり割り切ったほうがこういうものはいいんじゃなかろうかというようにも考えておるわけでございます。
 先生の説はよくわかりました。検討はいたしますが、なかなか問題になる点であろうかと思います。
#55
○伏木委員 私は、この四十年以降の人口の移動というものは、非常に都市に対して集中し、激しい問題もございますので、これを四年間さらに延ばすという点にちょっと疑問がある、こういう立場で大臣のお考えを承ったわけでございますが、前向きに何らかの便法が出せれば、当局において十分検討していただきたい、こういう点を要望いたして、私の質問を終わります。
#56
○吉田委員長 岡沢完治君。
#57
○岡沢委員 私は最初に、棄権の問題につきまして若干質問させていただきたいと思います。
 昨年暮れに行なわれました第三十二回の総選挙で、御承知のとおり二千万以上の棄権がございました。投票率は六八・五一%というわけでございますから、十人のうちの三人以上が棄権をしておるということであります。ここで初歩的な議論をする気持ちはありませんけれども、国民の最大の権利であり、義務であるといわれている参政権、その棄権の率が三〇%をこえるという問題はやはり等閑に付せられない問題点を含んでおるのではないかと感ずるわけです。この棄権の原因をどういうふうに分析しておられるか、事務当局でもけっこうでございますが、大臣からお答えいただければなおけっこうであります。そのお尋ねを最初にいたします。
#58
○宮澤説明員 なかなかむずかしい問題でございますが、やはり基本的には国民全般の政治意識の問題であろうと思います。さらに前回の選挙のときには、これは一般にもいわれておりましたけれども、あまり全国民的な関心を持つ政治上の争点というものがなかったのではないか、こういう議論もあったように私は承知をいたしております。基本的にはやはり国民の政治意識の問題でございます。これにつきましては、私どもといたしましてやはり常時啓発等を通じて政治意識の喚起ということをさらに進める必要があろうと思っております。
 なお、つけ加えて申し上げますならば、選挙の管理上の問題といたしまして、たとえば不在者投票の制度でございますとか、あるいは投票所をもう少し多く設置する問題とか、そういうような問題につきましてもPRなりあるいはそれに伴う改善策につきまして、私どもとしてもなお検討すべき問題があるように思っております。
#59
○岡沢委員 自治省でお調べになりました数字が発表されておりますけれども、一般的に二十歳から二十四歳までの男子で都会の有権者が棄権率が非常に高いという数字が出ておるようであります。また男女を比較して、女性の場合若年者が投票率がよく、高年齢になるほど投票率が低い。男子の場合はその逆というような数字も一般的に見られるようでありますが、この男子の都会の有権者がどうして棄権率が高いのか、特に特徴として男子の二十三歳の都会の有権者が最も投票に行かないという数字が出ておるわけでございますが、その辺の原因はどこにあるのか。都会の投票率と郡部の投票率との格差も含めて御答弁いただきたいと思います。
#60
○宮澤説明員 先ほども御答弁を申し上げましたけれども、やはり全般的には国民の政治に対する関心の問題だろうと思いますけれども、同時に、これも当時いわれておりましたが、特に若年層につきましては、何と申しますか、昭和元禄ともいわれておりますけれども、やはりレジャーでございますとか、そういう方面に対する関心が非常に強過ぎて、政治そのものを自分たちの問題として考える環境と申しますか、雰囲気というものが、特に都市部におきましては非常に足りない、こういうところに原因があったのではないかというふうに考えております。
#61
○岡沢委員 いまの行政局長の答弁を間違っておるとは言いませんが、われわれ政治の立場からいたしまして、あるいは選挙の事務を管理する立場からいたしまして、それではなぜ国民の政治意識が低いのかということを検討してみる必要があるのではないかと思います。国民の権利として最も重要な選挙権がこうおろそかにされる理由は何か。一つは政治不信があると思います。それでぜひ自治大臣にお尋ねをいたしたいわけでございますが、政治不信の一つの大きな理由は、やはり政治資金規正法の取り扱い、あるいは選挙の腐敗、堕落があろうと思います。政治資金規正法を来国会にお出しになる御意思があるかどうか、この点でこの棄権率の高い点とも結びつけてお尋ねいたします。
#62
○秋田国務大臣 棄権率の問題でございますが、二十三歳が高いといういま先生のお話、そうすると満二十歳になった方々はわりあいにいいということにもなる。そして中だるみがあって、それからまたいいのだという大体統計数字が示しておるというふうに私も聞いております。詳細に言いますと、ここいらいろいろ問題があろうかと思うのですが、ただいま行政局長からお答え申し上げましたとおり、全般的に政治不信につながる、こういうことは一般論としていえるかと思います。しかし若い人が全部政治不信で、それがために棄権が多いのだと、詳細に論じたときには、そこになおこまかな検討を要するということをこの数字は示しておると思うのであります。
 そこでこれと関連いたしまして、政治資金規正法の問題でございます。過去三回でございますか、国会に提案をして、いずれも廃案になったという点につきまして、政府といたしましては深い省察を加え、検討をいたしておるわけでございまして、いま来国会にすぐ出すかということでございますが、必ず来国会に出すつもりであるということは申し上げかねますけれども、いろいろ政治資金の規制につきましては問題点があるわけでございまして、政党本位の金のかからない選挙というものの前提条件の確立と関連して、いろいろ考慮すべきものがあろうかと存じておりますので、せっかくその点検討いたしておる過程でございます。
#63
○岡沢委員 先ほど申しましたように、都会といなかの投票率を比較いたしました場合に、都会の棄権率が高い。正確な数字を持っておりませんけれども、大体にいわゆる定数のアンバランス、一人の定数に対する有権者数のきわめて多いのが都会であります。やはりこの衆議院議員の定数と人口のアンバランスと棄権率との関係というのは、私は無視できないと思うのです。私の選挙区を例にあげて恐縮でございますけれども、有権者は百三十六万で定員は四名でございます。一人当たりの有権者数は全国で一番高い選挙区でございますが、それだけに棄権率も非常に多いわけでございます。これは選挙期間中の宣伝カーの来る回数も少なくなりますし、候補者数の少なかった例も一つの理由と思いますけれども、やはり選挙の啓蒙という点からいたしましても関心率からいたしましても、やはりここにも定数の不均衡が棄権率にもなってあらわれ、政治の不信と申しますか、あるいは無関心とも結びついてくるということを見ることができるかと思うわけでございます。一般に言われておりますことばに――私は棄権というのはやはり政治に対する一つの軽べつあるいは無関心が大きな作用だと思いますが、政治を軽べつする者は軽べつに値する政治しか持てない。やはり国民の政治意識が高まらなければいい政治、いい政治家、いい政党は生まれないということを考えました場合、先ほど行政局長がお答えになった政治意識の低いということは、私は政治上の課題として最大の課題であろう、やはり国民の政治意識が高まることによっていい政治家が生まれ、いい政党が生まれる、そうしていい政治が行なわれるということを考えました場合、この棄権が二千万をこえるという悲しい現実は無視できない問題ではないか。
 これと関連いたしまして教育基本法の第八条には政治教育という事項がございます。第一項に「良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなければならない。」という規定があるわけでございます。この八条の精神を生かして、選挙を担当なさる立場として、たとえば文部省と連絡をとって、正しい政治教育についての義務教育の過程における努力というか、義務づけ、そういう点についてどういう努力をしておられるか、また今後どういう努力をされようとしておるか、実績があればお答えいただきたい。実績がなかった場合は、こういう方法を考えているという点でもけっこうですから御意見を聞かしていただきたいと思います。
#64
○宮澤説明員 おっしゃいますように、これは公民教育の一環として考えるべき要素が非常に強いわけでございます。私どもは常時、私どもの役所自身あるいは公明選挙連盟なりあるいは全推協というようなものを通じまして文部省の社会教育の方面と連絡をいたしておりますし、それから総選挙等が行なわれる際には特にこの辺提携を密にしてPR活動をいたしております。しかしまだこれで十分であるというわけのものでは私どもないと思います。今後も、おっしゃいますように、御趣旨に従いまして文部省方面とも十分連絡をとってやっていきたいと思っております。
#65
○岡沢委員 私は、単に社会教育だけではなしに、学校教育の、特に後期中等教育、義務教育の最終段階では正しい意味での政治教育を充実することが日本の政治をよくする大きな、また必要な過程だと考えますので、ぜひいまの局長の答弁を具体化していただいて、教科書の中身等も含め、あるいはそれの教育に当たる教育組合等との連絡を密にされて、偏向な政治教育はもちろん間違いでありますけれども、正しい政治教育について積極的な取り組みを願いたいと思います。
 次に、選挙権を十八歳へ引き上げる問題について、そういう御意向があるかどうかをお尋ねいたしておきます。御承知のとおりイギリスでは、すでに二十一歳から十八歳に引き上げる修正案が通って、現にその線でただいまも選挙が行なわれております。アメリカにおきましても、政府は議会に修正案を提出し、上院は通過しましたと、こう聞いておりますが、それが成立したかどうかについて私はつまびらかにしませんが、日本の場合も――昨日も法務委員会で少年法の改正が議題になりました。少年法の適用年齢を二十歳から十八、九歳に引き下げるという方向で法務大臣は検討したいという御答弁もございました。日本の場合も満二十歳を待たずして――四分の一くらいは大学に行きますから、その人たちを除いて、大多数の方は就職をし、所得税も納めているわけであります。また十八歳に引き上げることによってヤングパワーを政治の社会に組み入れるという利点もあろうかと思います。結婚適齢期は御承知のとおり民法上男子は十八歳、女子は十六歳でもあります。現実に満二十歳を待たずして社会的な、あるいは政治的な能力を持ち、実際に役割りを果たしている方々が非常に多いということも、これは特に戦後の著しい経済成長、肉体的な成長も含めまして特色だろうと思います。国全体の若返りというメリットもあろうかと思います。この辺で、いわゆる義務的な所得税の義務については満二十歳を待たずして国としては若人に責任を果たさせておるわけでありますが、一方で国民の重要な権利である選挙権につきましても、必ずしも満二十歳に固定して考える必要はないという時期にきているのではないかと思うわけでございますけれども、この点についての所管大臣としての自治大臣の御見解、これは大きな問題でございますから、いますぐどうという問題ではございませんが、たとえば、選挙制度審議会に諮問されるというような御意向があるかどうか。あるいは前向きにイギリス、アメリカの例を参考として、日本としても考える時期にきておるとお考えになるかどうか、お尋ねいたします。
#66
○秋田国務大臣 英国におきましては、二十一歳を十八歳に引き上げたと申しますか、引き上げたと申しますか変更されたわけでございまして、同時にこれは選挙権の年齢決定、成年年齢そのものを変更したわけでありまして、しかも数年の検討の結果、議論の末の結論のように伺っております。いまここにわが国においても、その点は問題になっておるわけでございますが、この問題はさらに選挙権に関する年齢の問題ばかりでなく、法律全般にわたっておるものであり、法律全般にわたるいろいろの配慮検討の上に決定をさるべきものであろうと思いますので、今後慎重に検討をさるべき問題である。いますぐこれを選挙制度審議会等に諮問しようとは考えておりませんが、十分ひとつ検討をすべき問題であると考えております。
#67
○岡沢委員 次にお尋ねしたい問題は、すでに堀委員、伏木委員も御質問になった点でありますけれども、ことしの国勢調査の結果と、来春の統一地方選挙の議会定数の問題でございます。先ほど来、大臣の答弁を聞いておりますと、人口一人の価値というのは、非常に大きく見られております。ところが、たとえば衆議院の定数の問題、参議院の定数の問題となりますと、一票の価値が三倍になったり、三分の一になったり、きわめて何といいますかその点についての選挙権の価値については、ほおかぶりをしておられるわけであります。国勢調査は、申すまでもなしに五年に一回しか行なわれません。もし大臣が答弁の御趣旨から感じられるように、四十年の国勢調査の数字で、定数そのまま来春の統一選挙をやりたいとおっしゃる御答弁の論理は、どう考えても何か政治的な配慮があるとしか思えない。そんなに一人の価値、一票の価値というものを大事にされるならば、あまりにも不均衡な定数是正について、なぜもっと積極的な態度をお示しにならないか。どうもつじつまがあわない。論理のための論理であるという気がいたします。ちゅうちょうすることは避けますけれども、堀委員の質問に対して明らかになりましたように、速報集計と確定数との差というのはほんとうに考えられないぐらい少ないわけでありまして、それほど日本の統計の正確さを喜ぶべきだと思いますが、十人以下の誤差、九九%防げるということになりましたら、これから四十六年から四年間の五十年までのこの変化の激しい十年間を、四十年の統計数字によって定数をやるということは、私はあまりにも時代即応性の少ないいわば保守的な態度、何かほかに意図があるとしか考えられないわけであります。合理的な解釈からいたしまして、十二月にすでに発表し得る速報集計に従って定数是正をするというのは、私は当然だと思いますけれども、重ねて大臣の見解を聞きます。
#68
○秋田国務大臣 この問題は、政治的に考慮をすべき問題ではなくて、技術的に私は考えて、その考慮に基づいておるわけであります。定数是正につきまして、決してこれを等閑視したり、決してこれを軽視をいたしたり、その問題を軽く見ておるわけではございませんけれども、しかし同時に選挙におきましては、一票によって当落がきまるわけでございまして、確定数によるあるブロック単位に定数を定めておるこの定数というものも、ブロックというこの数字の限定も、その意味においてはやはり尊重されなければならない。しかも、それが公平な基盤の上に立たなければならないわけでありまして、したがって、確定数というものが尊重されている現行法のやはり法の精神に照らしてみて、これらの問題を技術的に考慮しなければならないのではなかろうかということを申し上げておる次第でありまして、政治的に配慮をしておるというつもりはございません。同時に定数の問題につきましては衆参両選挙を通じましてこれはまたいろいろの観点から考慮されるべき問題があるのでございまして、そういう点を踏まえて配慮をいたしておるのでございまして、先ほども申し上げましたとおり決してこれを等閑視しあるいは軽視するつもりはないのでございます。
#69
○岡沢委員 技術的、事務的な面での御意見だということであれば、なおさら十二月に大体正確と見ていい速報集計が出るわけでありまして、統一選挙は四月ということであれば、私は技術的には可能だと思うし、少なくとも事務的というか数字的に言いました場合に、四年前、五年前の四十年の国勢調査の統計ということよりも今秋十月一日を期して実施される国勢調査のほうが数字的に実態に近いものであることは明らかであります。そういうことから言いましたならば、私は数字的に事務的にこそこの新しい国勢調査に基づいた定数に是正されるのが当然だという意見を付してこの問題に対する質問を終わりたいと思いますが、問題の衆議院の定数の問題、参議院の地方区の定数の問題について、私どもの立場からもお尋ねしたいと思います。
 衆議院の定数是正につきましては、ことしの三月十八日の当委員会におきまして、堀委員の質問に対して衆議院の定数是正もぜひ検討したいという自治大臣の御答弁がございました。人口、定数の不均衡につきましては、あるいはその弊害につきましてはここで強調することを避けたいと思いますけれども、先ほど申しました私の選挙区大阪三区は十二万一千票で落選しておられます。これは共産党の候補者でございます。千葉二区では三万一千余票で当選せられておるのでございます。あまりにも差があり過ぎる。また私の選挙区の隣は大阪二区でございますけれども、有権者百三万で定員五名、私の選挙区は先ほど申しましたように定員四名、百三十六万の有権者で定員は四名、隣同士の選挙区でも逆転をしております。千葉の一区と二区につきましてはたびたび指摘されたとおりであります。先ほど来大臣のおっしゃるように一人の人口一票の価値がそれほど重要視されるならば、やはりこの最も大切な代議制度の基本になる定数と人口のアンバランスは当然是正されてしかるべきでございますし、公職選挙法別表の規定からいたしましても、むしろ「法律施行の日から五年ごとに、直近に行われた国勢調査の結果によって、更正するのを例とする。」というこの規定からいたしましても、ことにまたことしは十月一日に国勢調査が行なわれるということを考えましても、定数是正は法律上の要請でもあるし、あるいはまた棄権防止とも関連いたしますし、政治不信とも関連いたしますし、いろいろな意味から、理論的にもあるいは国民の政治意識からいたしましても、是正こそ必要不可欠な緊急課題だと指摘いたしましても間違いないと思うわけでございますが、最初に衆議院の定数是正について、選挙の直前にこういう問題を議論しても結局実現性が乏しいということを考えました場合に、選挙が終わりました直後のこの時期にこの問題を論議する必要と時期的な価値があろうと思うわけでありますが、重ねて自治大臣の衆議院定数是正についての今後の方針についての御意見を聞きたいと思います。
#70
○秋田国務大臣 定数是正の問題はいろいろの要素を加味して考慮さるべき問題と思いますが、しかしながら衆議院の選挙区の定数の現状はアンバランスもはなはだしい、何らかの意味において、これはまた御審議を願わなければなりませんが、修正をさるべきものはされなければならないと考えておりましたし、いまもその考えは変わっておりません。
 なお、先ほどの問題に返りまして恐縮でございますが、先生その点はその後御追及がないわけでありますが、来年の統一地方選挙の定数の問題に対しましては、技術的と申しました意味が、おことばを返すようでまことに恐縮でございますが、先生と私と違っておるようでありまして、技術的と申しましたのは、要するに、その前に確定の数と、概数によるべきかというところが、これはやはりちゃんときめなければいけないのでして、その上で確定数を得るに技術的な問題を考慮せざるを得ない、私は確定数によるべきだという意見を重く見て、その上に立っての技術的調整というふうな意味において技術的ということを使っておることをひとつお含みおき願いたいと思います。
 繰り返しますが、衆議院の現状の定数のアンバランスにつきましては、これは何らかの改善を加えなければいけないと思っておるわけであります。
#71
○岡沢委員 重ねて、改正が必要でないとはおそらく大臣の立場から言えないと思います。
 実際にそれを実現するとすれば――まあわれわれの任期は四年でございますが、通常の例からいたしますと、三年で解散が行なわれるということを前提とした場合、いまから事務的にあるいは時間的に、改正が次の衆議院の選挙に間に合うような方向で、大臣としては選挙制度審議会への諮問その他を考えておられるかどうかということを重ねてお尋ねいたします。
#72
○秋田国務大臣 先生お説のとおり私も考えております。
#73
○岡沢委員 ここで先ほど来他の二人の委員の方々からも最も質問の重点に置かれました、また第六次選挙制度審議会の答申もございました参議院の地方区の定数是正についてお尋ねいたします。
 最初に事務当局でけっこうでございますけれども、この答申の一つのみそと申しますか、問題点は、総定数を増加しないで人口と定数の不均衡を是正する、ここに私は大きな問題点と申しますか、抜け穴と申しますか、実際に実現不可能を見越した――不可能ということばはちょっと語弊がございますが、国会勢力その他から見て、あるいは国会議員の心理その他から見て非常にむずかしい、いわばわざわざワクをはめた感じがするわけでございますが、総定数、この答申にいう大阪、神奈川、東京に二名ずつ増加した場合、六名を増加することによってどれほどのデメリットがあるのか、なぜあえて総定数を増加しないという答申が出たのか、これは委員に聞いてくれとおっしゃればそれまででございますけれども、この選挙制度審議会にも自治省の選挙部関係の皆さんも御関与なさっておられるわけでございますが、総定数を増加しないということでどういうメリットがあるのか、増加することによってどういうデメリットがあるのか、その辺の問題点をお尋ねいたします。
#74
○宮澤説明員 まさにただいま御質問のように審議会の委員の方々の御意向によってこうきまったわけでございますので、私ども委員会を拝聴いたしておりまして感じました点は、一つは、やはり参議院の制度全般につきましてなお審議検討すべきものがある、全国区の制度につきましては、先ほども御議論がございましたように、比例代表制というような御意見も出たわけでございます。参議院の選挙制度全般、全国区あるいは地方区、その定数をどういうふうに割り当てていくかというような根本的な問題についてなお結論が出ていない現在においては、とりあえずやはり問題を暫定的に考える場合には定数をふやさないで考えるべきではないか、こういうお考えが多かったように私どもは拝聴いたしていたわけでございます。
 それから同時に、何人かの方々の御意見といたしましては、やはり国民の側からすれば国会議員の定数というようなものはふやすべきではないのじゃないか、少数精鋭の方々が能率的な審議をしていただくのが国民が期待していることではないか、こういうような御意見も何人かの方から御発表があったように記憶をいたしているわけでございます。
#75
○岡沢委員 そうすると、いわゆる地方区の場合、百五十名という定数はそれほど決定的な意味があるとは考えられない、沖縄の国政参加に関連して二名が増員になることは明らかであります。この参議院全体二百五十名のワクをきめられて以後の日本の人口増その他を考えました場合、いままでの人口と定数のアンバランスによる不合理あるいは国民の不信と申しますか是正要求ということと見合って、定数のワクをどうしても増加してはいけないという意見は、きわめて頭のいいといわれる行政局長の御答弁からも、必ずしもそのワクをふやしたらいかぬという、合理的な定数の不均衡是正を打ち破るほどの大きなデメリットがあるという感じは私は受け取れないわけでございますが、自治大臣どういうふうにお感じになりますか。この定数増加を、そんなにこだわって増加をしてはいけないという理由があるとお考えになりますか。
#76
○秋田国務大臣 これは審議会でおきめになった総意でございますから、私といたしましては尊重するべき立場であるのでございます。
 そこで、かりに下げなければいけない理由はどこにあるかと考えますれば、ただいま行政局長から申し上げたとおりだと思いますが、これは私の意見ではない、おそらくそういうことを考えられた意見の中にこういう意見があるのじゃないか、私の想像で申し上げる意味においてお聞き取りを願いたいのでありますが、要するに人口比例である程度定数は上げていくべきだという意見もございましょう。しかし両院制になっておりますから、これは考える方によっていろいろな考え方がある。ウエートを衆議院に置いて、衆議院のほうはその考え方をある程度持って、それから参議院のほうは必ずしもそういかなくてもいいじゃなかろうか。それからほかの国の例からも考えてみょう、アメリカの上院の数、人口比等から見て、日本の参議院の定数をこれ以上ふやしていってどうだろうか。人口の趨勢はどうなりますか、私最近研究しておりませんが、一億をこして一億数千万とふえていくのだと思います。それから、今後の趨勢はわかりませんが、ある程度の傾向としては、それからまた下がっていくということもいわれております。この山がどういう形になるか、コンピューター等に最近どういう結果になっておるか知りませんが、そうすると、理論的にいうと、ふえている間どんどん定数をふやして、減ったらまた下げていけということにもなろうかと思います。こういう点、あるいはそんな費用はわずかだということになるかもしれませんが、やはり税金、国の負担等も考慮すべきであるというようなことから、少なくとも参議院におきまして現状の定数をいじらないでいくほうが望ましい、こういうようなお考えが多数であったのじゃなかろうか、これは私の推測、想像でございますが、そういう点も考えられる。御参考までに申し上げておきます。
#77
○岡沢委員 まあ大臣としては意見をお述べになりにくい問題かもしれません。他の人の意見ということでお逃げになったわけでございますけれども、衆議院の場合も三十九年の改正で若干の人数をふやした例もございます。一挙に倍にするというような大きな増員であればわれわれも問題にしたいと思いますけれども、あまりにも不均衡な定数のアンバランスを実際上是正する、そのために実現不可能になるような現状のワクをはめるということについては、私はそれほど合理的な理由がないような感じがいたしました。非常に党利党略的なにおいを、これは先ほど堀委員が御指摘になりましたが、選挙制度審議会における特別委員の御発言等と結びつけて考えました場合、感ぜざるを得ないわけでございます。ぜひ国民の納得するような見識のある御配慮のもとに、この定数是正に対する国民の正しい声が反映されるような法改正を望みたいと思うわけでございます。それにつきましても、結局は国民としても、質のいい議員なら喜んでふやしたほうがいい。いまの議員に対する政治的な不信、質的な不信もやはりあろうかと思います。
 それに関連いたしまして、参議院の全国区制につきまして、今度の答申におきましても「参議院本来の機能を発揮することができるような選挙制度を検討すべきである」という前提に立たれて、名簿式比例代表制を採用すべきであるという意見が多数意見であったということが出ているわけでございます。私の聞き間違いでなければ、先ほど社会党を代表されたと思いますが、堀委員も大体これに賛成的な御意見でございました。私の党もきのう選挙関係の特別委員会を持ちまして、参議院の全国区制につきましては名簿式比例代表制を、中身の具体的な問題は別といたしまして、大勢としてその方向で改正することが参議院議員の質をよくする――ここは衆議院でございますから、参議院の方々の質の問題を論議することは問題があろうかと思いますが、率直にいって現在参議院議員の方々の体質が現在の参議院全国区制と不可分の関係にあることを考えました場合に、参議院が設けられた本来の機能を発揮するにふさわしい人材を多数参議院に送り込んでいただくような立場から考えても、たとえば現在の選挙制度の弊害等を考えましたら、党としても比例代表制を採用することに賛成というふうな大体の方向をきめておるわけでございます。私の党は数が少なくて、野党第三党で大きな影響力は持ちませんけれども、選挙制度審議会の大勢がそういう意見であり、先ほどの野党第一党の御意見もそうである、われわれもそうであるということになりますと、この問題はそう大きな抵抗なしに、まあもちろんいろいろ問題点はございます、特に名簿式比例代表制になりますと、それぞれ党内で大問題を起こすことは十分考えられますけれども、しかし少々の摩擦をおそれては、あるいは議論のための議論を繰り返しておったのでは、制度の改正なんてもちろんできるものではありません。ぜひこの辺につきまして答申の趣旨も生かして、大臣としても、これは来年の参議院選挙に間に合うというものではありませんけれども、ぜひ前向きに検討さるべき時期にきていると思うわけでございますが、参議院全国区に名簿式比例代表制を採用することについての大臣の見解を聞きます。
#78
○秋田国務大臣 先ほどの参議院の地方区の定数是正につきましてプラス、マイナスの是非論につきましては、答申は答申、また関係方面としての当委員会における先生の御意見は御意見として、ぜひこれらもしんしゃくをいたし、検討を加えて妥当な線を出してみたい、こう考えている次第でありまして、先生の御意見は大いに参考といたすところでございます。
 さて、全国区に至ってはどうすべきかという点につきましては、大方の意見であったという報告的な答申でございまして、完全なる結論にはなっていないわけであります。したがいましてこの点につきましては、まだいろいろ議論ももちろんあるところでございますし、検討を要すべき問題でございますので、第七次選挙制度審議会の発足等をお願いしまして、ここらで十分御検討を願いたい。私といたしましては、十分検討に値すべき問題でありまして、皆さんの御意見もよく伺った上で大勢の決するところによって決定いたしたいと思いますが、これを十分議論されるような場をつくる、すなわち選挙制度審議会の御討議にこの問題はぜひ付すべき問題である。しこうして、これが発足は決して遅延は許されない、なるべく早くしてほしい、こういうふうに考えております。
#79
○岡沢委員 これで終わりますけれども、別にいまの御意見に反対ではさらさらございませんが、選挙制度というのは政党にとっても、また議員個人にとっても非常に関心の深い、利害がからむ問題であるだけに、議論が分かれるのは当然でありますが、幸か不幸かこの参議院全国区制について名簿式比例代表制を採用するということについては大勢のようでありますから、私は政治家の決断として、見識として、ぜひ大臣がこの問題の前向きな解決に一歩を踏み出される御勇気を期待して、質問を終わりたいと思います。
#80
○吉田委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後三時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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