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1970/10/12 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第9号
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1970/10/12 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第9号

#1
第063回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第9号
昭和四十五年十月十二日(月曜日)
   午後一時三十三分開議
 出席委員
   委員長 吉田 重延君
   理事 大西 正男君 理事 奥野 誠亮君
   理事 鍛冶 良作君 理事 久野 忠治君
   理事 堀  昌雄君 理事 伏木 和雄君
   理事 門司  亮君
      白浜 仁吉君    松浦周太郎君
      西宮  弘君    二見 伸明君
      岡沢 完治君    青柳 盛雄君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 秋田 大助君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        職員局長    島 四男雄君
        警察庁刑事局捜
        査第二課長   小林  朴君
        自治省行政局選
        挙部長     中村 啓一君
        自治省行政局選
        挙部選挙課長  土屋 佳照君
        自治省行政局選
        挙部管理課長  柳沢 長治君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法改正に関する件
     ――――◇―――――
#2
○吉田委員長 これより会議を開きます。
 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。堀昌雄君。
#3
○堀委員 最初に警察庁にお伺いをいたします。
 前運輸省自動車局長でありました黒住氏が、運輸省の関係の部局に対してあいさつ状を出しております点について、警告第一号としての処置がとられておるということでありますが、これは単に警告だけの範囲で済ませるものかどうか、公職選挙法に該当する部分があると私は感じておるのでありますが、これらについての警察庁側の見解を承りたいと思います。
 あわせて、すでに厚生省を退職いたしておりますが、前厚生省児童家庭局長の渥美節夫氏が、やはり十月の一日に仙台市で開かれた宮城県と県身体障害者福祉協議会主催の大会で略歴のパンフ等を配っておる。いずれも高級公務員がその関連した範囲の中でこのような明らかに事前運動と目される選挙活動をしておることは、私は全く不当な行為であると考えますので、まず最初に警察庁からその二つの案件について、警察庁で承知をしておる範囲についてお答えをいただきたいと思います。
#4
○小林説明員 御説明申し上げます。
 最初の、黒住氏が事前運動のようなことをなさったのではないかというお話でございますけれども、これにつきましては、黒住氏が運輸省を退官されましたあいさつ状の中に若干立候補の意思等が記載をされておりまして、それが配られたという事案でございます。私のほうでは、目下事実を調査いたしまして、警告措置ということにいたしたわけでございます。
 それからもう一つ、宮城県で同じように厚生省をおやめになられた方の問題が新聞紙上に出たようでございますけれども、この問題につきましては、事実を現在調査中でございまして、一応私どもといたしましては、証拠に基づきまして適切な措置を、公正な措置をとりたい、かように考えております。
 この問題について、警告にとどめるのかどうかという点でございますけれども、現在の状況では事案が軽微でございますし、なおかつ私どもといたしましては、そういうようなことが蔓延しないような措置をとりあえずとりたい、かように考えております。
 以上でございます。
#5
○堀委員 いま、このあいさつ状が部分的であるというお話でありますけれども、このあいさつ状は、ここに新聞にもあいさつ状の中身がありますが、一体何枚印刷されたと警察庁は了解をしておりますか。
#6
○小林説明員 このあいさつ状につきましては、そういうような配布のしかた、それからそれの末端への配り方に若干問題がございます。
 それから、いま出ましたような状況で、枚数は数千枚というふうに私承知をいたしておりますけれども、そのものにつきましては配布を遠慮するというようなことでございましたので、さような措置はとってございます。
#7
○堀委員 これは事前運動の問題もありますけれども、公務員の地位利用に関係しておると私は思うのです。ただ文書をもって郵送をしておるというのならともかくも、これが問題になりましたのは、仙台の管区気象台の職員を通じて配布をされておるということで、明らかにこれは公務員の地位利用ではないかと思うのですが、その点については捜査をしておりますか。
#8
○小林説明員 その点もひっくるめて、私どもといたしましては、そのあいさつ状を回収するというような措置をとったわけでございます。
#9
○堀委員 いまの、ここの田中課長というのが配ったという事実はありますね。
#10
○小林説明員 事実はございます。
#11
○堀委員 これだけのはっきりした事実があって、これがいまの公職選挙法の地位利用に該当していないということなんでしょうか。これは、いま皆さんのほうは捜査を打ち切っておるのか、捜査中なのか、案件の処理は一体どうするつもりか、起訴するのかどうするのか、そこらのところの決定は一体どうなっておりますか。これは私どもは、どちらから見ても明らかな公務員の地位利用だ、こう思うのでありますが、どうですか。
#12
○小林説明員 そのような問題を全部ひっくるめまして、私どもとしては措置をしたわけでございますので、警告措置と申しますのは、そういうような事犯につきまして若干予防的な意味を含んで、将来そういうことが行なわれないようにというような措置のしかたでございます。
#13
○堀委員 そうすると、もしこれを告発をすれば、あなたのほうでは事案として処置をする、こういうことになりますか、この地位利用の問題についてだけは。そのあいさつ状との関係のほうはともかく、あいさつ状そのものの中身も明らかに立候補を表現することになっておるわけです。「幸いこのほど自由民主党から来年の参議院議員選挙にあたり公認候補(全国区)の決定を得ましたから、この上は不敏をも顧みず新たな決意をもって皆様の御期待に添うよう努力する覚悟でございます。つきましては、何卒倍旧の御支援と御指導とを賜わりますよう伏してお願い申し上げる次第でございます。」一体これだけのことが文書で正式に公務員の手を通じてその職員に配付をされていて、それでなおかっこれが地位利用にかからないというのなら、地位利用の法律というのは空文ではありませんか。警察庁はこれについては、告発があれば再度この案件を取り上げるのかどうか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
#14
○小林説明員 告訴、告発の事件につきましては、そういう法律手続によりまして捜査を遂げて検察庁に送付するというような仕組みになってございます。
#15
○堀委員 どうも私は、いまの警察庁が警告で済ましておるという点は公職選挙法が正当に守られていない、こういう判断をいたします。これについては、次回に警察庁長官並びに国家公安委員長の出席をひとつ求めたいと思いますので、委員長のほうで次回の委員会に善処をお願いいたしておきます。
 次に、人事院にお入りをいただいておりますので、人事院にお伺いをいたしますけれども、国家公務員法第百三条二項で、公務員が民間の企業におりるときには制限が設けられておると思います。これは一体なぜこういう制限が設けられておるのかについて、ちょっとお答えをいただきたいと思います。
#16
○島説明員 国家公務員法の百三条による営利企業への就職の制限に関する規定でございますが、この規定が設けられましたのは、公務員の在職中の地位、職権を利用いたしまして、特定の営利企業と情実関係を結び、それによってその当該営利企業に就職しようとすることを防止せんとするものであります。それによって職員の服務の公正をはかるということが、この規定の立法趣旨かと思います。
#17
○堀委員 いま人事院のほうからお答えがありました。ちょっと私、法律を読み上げておきたいと思います。「第百三条(私企業からの隔離)A職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」こういうふうに実は公務員法は定めておるわけであります。
 そこで自治大臣にお伺いをいたしたいのでありますが、いま人事院が御答弁になりましたように、民間の営利企業についても公務員としての地位を利用した形で問題を処理することは適当でないということが公務員法で明らかにされておるわけであります。そこで、そのようなことといま私が取り上げておりますこととは一体異質なのか同質なのか。その点についてまず大臣に、ものの考え方でございますけれども、お伺いをいたしたいと思うのであります。
#18
○秋田国務大臣 片一方は営利会社の職員あるいは役員、片一方は一種の公職選挙の議員、その点においては形式的には違いましょうけれども、その精神においてはほぼ同趣旨ではなかろうかと考えられます。
#19
○堀委員 私が、本日いまの公務員法を引き合いに出しておりますのは、実は選挙制度審議会としては、高級公務員の参議院全国区における立候補というものがあまりにも公正を欠いておるという過去の歴史の上にのっとりまして、高級公務員の立候補制限をしたらどうかという答申が何回か出されておるわけでございますが、政府はこれをすりかえて、地位利用という形だけの法律にしておるのが現在の仕組みでございます。今度も、新聞の伝えるところによりますと、いま私が申し上げました黒住前自動車局長、渥美前厚生省児童家庭局長、梶木前農林省建設部長、古賀前建設省建設技監、片山前林野庁長官、すでにこれだけの名前があがっておるわけでありますけれども、いずれも、これらは現実にはその地位を利用して選挙をするので、こういうふうな問題が起きておるというふうに私どもは承知をしておりますし、それをたまたま黒住氏の場合はやり方がまずかった、こういうことなのか何かわかりませんけれども、要するにやっておることは私は同じだと思うんですね。こういうあいさつ状にして配るか配らないか、いろいろとやり方は千差万別ありましょうけれども、少なくとも自分のおりました役所の全国的な機構を通じて、地位を利用して自分の当選を得せしめるためのいろいろな手段を講じておることには、私は間違いはないと思います。その点は、少なくとも私はいま申し上げたように、地位の利用などという範囲では防ぎ切れない問題であって、すでに公務員法でも二年間の就業禁止ということになっておるならば、少なくとも議員の場合、特に参議院全国区であります、その他はあまり有効ではありませんから、参議院全国区におけるこの取り扱いについては、当然やはり二年間の立候補制限ということが相当である、こういうふうに私は考えるのでありますけれども、大臣その点はいかがでございましょうか。
#20
○秋田国務大臣 かつてそれらの問題は論議されたところと承知をいたしております。しかし、全然公職選挙法の候補者として選挙に出られないということもまた問題になる、禁止されない。ただ、そのやり方が地位利用にわたらざる範囲においては、これは自由なる意思を許したのだと思います。ことに公の選挙によるわけでありますから、関係の会社等に行く場合とはやや違う点もあろうかと思います。しかし、厳重に地位利用にわたって運動をすることのないようにすべきことは当然のことでありまして、事案によりましてこれが法律違反になるかどうかは、警察あるいは検察当局の御判断にまかされると思います。しかしその運動が地位利用にならないように留意すべきではないか、これは厳重に互いに自粛自戒をさせなければならないと考えております。
#21
○堀委員 私が申し上げておるのは、権利制限になることでありますから、権利制限はできるだけ小さいほうがいいわけでありますが、少なくとも全部の国会議員の立候補を制限するわけではありません。これは参議院の立候補に限っております。それも永久に立候補できないわけではなくて、ただいまの国家公務員法の均衡を見ながら二年間、要するに職をやめて二年間は立候補を認めないということであれば、私は憲法上の問題からしても、これは就業に対する自由の問題は、片方で民間企業に対する天下りを禁止するのならば、同じ方法をもって、選挙に出ることも、前段でお答えになったように形式はともかくとして、その地位を利用してのあり方については私は大差はない、こう考えておりますので、少なくともこの地位利用については、参議院全国区は国家公務員法の均衡をとって、二年間は国家公務員であった者、特に中央の役職ですね、地方の職員等であれば、それが全国区に対して影響はありませんから、中央官庁における局長等の職務以上にある者がこれらに立候補する場合に制限することは、私はこれらの事例が今後また次々と起こってまいると思うのでありますが、きわめて重要な措置である、こう考えるわけであります。その意味でぜひひとつ政府においても検討を進められることを強く要望いたしますとともに、いま自治大臣がお答えになりました地位利用にわたることは厳に慎むべきであるということにもかかわらず、現在の警察庁のこれに対する態度は、私はきわめてなまぬるいと思うのであります。これらについては、次回の委員会で国家公安委員長及び自治大臣その他、いま私が要望申し上げましたような方に出ていただいて、もう少しこの点はきちっとした処理をしていただいて、もしかりに現状のままであるとしても、地位利用に対してはよりきびしい態度で臨むということでなければ、私は国民の大きな不信を招くもとになる、こう考えるのでありますが、その点について、警察当局の現行の取り扱いは私はややなまぬるいという感じがいたしているのでありますけれども、大臣はこの点についてどうお考えになるか、特にいま地位利用についてお触れになったので、この点についてお聞きしておきます。
#22
○秋田国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、企業の職員、役員と、あるいは公職選挙法上の議員になる場合とは多少本質的に違うものがあろうかと存じます。なお、ただいまおあげになりました事例において、警察当局等の態度をどう思うかということでございますが、私は事案の内容その他を存じませんので、したがってこの際、批評がましいことは避けさせていただきますが、一般論といたしまして、先ほども申しましたとおり、これは地位利用にわたることのないように厳にこれを戒むべきものと心得ております。
#23
○堀委員 その次に、同じ事前運動に関係いたしますからあれですけれども、きょうの新聞にも投書欄に出ておりますが、現在地方選挙を前にして地方選挙の事前運動が相当活発に行なわれておる、そうして自分は何も後援会に加入した覚えもないのに後援会の会員だという取り扱いを受けておるという投書が出ておるわけでありますけれども、事前運動というものは弊害がありますが、事前運動と選挙運動との関連というのは、言論、文書等の問題については、ある程度これをゆるめていきませんと非常に複雑な問題がある、そのかわり実質的なものはきびしく処置をするというのが私はたてまえじゃないかと思っておりますが、現在すでにあと半年に地方選挙も迫っております。参議院選挙も同様でありますけれども、これらの事前運動に対して、これは取り締まりのほうは警察庁でありますが、きょうは課長ですから無理でありましょうから、この次に長官なり公安委員長からお答えをいただきますが、自治大臣としては、現在行なわれておるこの事前運動についてはどういうふうに感じていらっしゃるか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。事前運動一般であります。
#24
○秋田国務大臣 文書活動に限定をされましての事前運動へのお尋ねでございますが、選挙活動はできないわけでございますから、これはもう厳に選挙運動に及ぶような実質そういう文書活動は事前に十分避けなければなりませんし、やれる範囲は政党活動としての事前運動の範囲にとどまるべきである、こう考えております。
#25
○堀委員 次に懸案となっております参議院の地方区の定数是正は、どうもその後一向に進捗をしておる様子を見受けられないのでありますが、いまの状態で、これまで大臣にここではっきり御答弁いただいておるように、次の通常選挙には間に合わせますというお話でありますけれども、通常選挙に間に合うのかどうかいささか疑問を生じておるような感じがしてならないのでありますが、まず最初に、参議院地方区の定数是正については、これまで大臣がお答えになっておるとおり、参議院通常選挙に間に合うような法律的措置をなさるのかなさらないのか、最初にお答えいただきたいと思います。
#26
○秋田国務大臣 間に合うような措置をいたすつもりであり、また間に合い得ると考えております。
#27
○堀委員 そうすると、それは臨時国会にお出しになるのか通常国会にお出しになるのか、どちらでございますか。
#28
○秋田国務大臣 通常国会の劈頭に出したい、こう考えております。
#29
○堀委員 お出しになるということは、定数是正は行なわれるということですね。
#30
○秋田国務大臣 さきにいただきました答申の趣旨に沿いまして出したい、こう考えております。
#31
○堀委員 それではその分はけっこうでありますが、最後に、そこまで手はずが整ってまいりましたのならば、第七次選挙制度審議会の発足についても、これはもう当然近い機会に発足すべきではないか。選挙の問題については、御承知のようにいろいろな問題が多数山積をいたしておりますし、私どもこの間長崎県、熊本県、大分県を国政調査に参りました際にも、いろいろと御要望が出て、相当だと考えるところも多数あるわけでありますから、それらを含めてすみやかに第七次選挙制度審議会を発足せしめるべきである、私はこう考えております。すでにいま大臣が通常国会の劈頭に出したいということでございますから、もうそのためにはあと十一月、十二月と二ヵ月で、大体これらについて、かつて大臣がお答えになりましたように、審議会の皆さんの答申の処置を済ませてからひとつ引き続きお願いをしたい、こういう問題についてはおおむね処理は進みつつある、こう考えておるのでありますが、その点についてのお考えはいかがでありましょうか。
#32
○秋田国務大臣 第七次の選挙制度審議会の発足につきましては、この前の当委員会で先月お答えいたしましたとおり、なるべく早く、できましたら今月中に、もし今月中に間に合わなくても来月上旬には発足できるようにいたしたいと、せっかくいろいろ準備をいたしております。
#33
○吉田委員長 西宮弘君。
#34
○西宮委員 私も、堀委員に引き続きまして、いわゆる事前運動の問題について若干お尋ねをしたいと思います。
 第一は、新聞に報道されました小林章さんの問題でありますが、小林章といえば、これは全く選挙違反の神さまとして天下に名をなした小林さんであります。この人が先般あいさつ状を出した。こういうことで、しかも警視庁がこれを取り調べをしておるということでありますが、その後の捜査の状況はどうなっておりますか。
#35
○小林説明員 御説明申し上げます。小林議員の事案と申しますのは、大体八月の二十五日ごろに残暑見舞いというようなことでお出しになりましたあいさつ状に選挙運動にわたるような文言が入っておりましたので、私どものほうといたしまして関係者の方に警告をするというような措置を講じております。
#36
○西宮委員 単に警告するというだけのもので済むのかどうか。このあいさつ状の中には、先般自民党の公認決定をいただきましたので、皆さまの御期待に沿うよう努力をいたします、こういうことばも入っておるわけですね。いわゆる残暑見舞いで、暑いからお大事にというような意味の残暑見舞いならば、文字どおり見舞いだと思うのだけれども、いまのことばのごときは、私は単に警告をもって済ませるという程度のものではないと思いますが、その点はどうですか。
#37
○小林説明員 お答えいたします。私どものほうといたしましては、一般の各事案を見まして、そういう事案が将来蔓延するとかいうようなことにならないような形で、前もって警告をして、そういう違反を防止する。違反があればすべてを検挙するというような形で現在までやっておりませんで、そういうものについて事案の軽重等を見まして、これは警告をする、これは検挙をするというようなふるい分けをいたしておるわけでございます。本件は、そういうような意味から申しまして、一応警告の措置ということにとどめたわけでございます。
#38
○西宮委員 それではお尋ねをしますが、この暑中見舞いはどういう相手にどのくらいの枚数発送されたか。
#39
○小林説明員 私ここにちょっと資料を持ってまいっておりませんけれども、あの当時の状況では、二通りのあいさつ状が出たように存じております。それで一方の警告措置をとったようなものにつきましては、はっきりした記憶はないのでございますけれども、千数百名というふうに現在私理解をいたしております。
#40
○西宮委員 二通あるというのだが、その二通合わせてどのくらいですか。
#41
○小林説明員 その一方の全く立候補あるいは参議院の選挙に関連した文章、文言の入っておらないものが、大体主としてたばこの小売り屋さんのところに配られたというふうに私理解をいたしております。
#42
○西宮委員 その枚数を聞いたわけですよ。
#43
○小林説明員 枚数はちょっと私ここで記憶がございませんので申し上げられませんけれども、大体そういうのが全国のたばこの小売り店に出たというふうに私理解をいたしておるわけでございます。
#44
○西宮委員 その枚数については、関係者の小林章さんの側から出しておる答えでも五千六百通ということが発表されておる。しかもこれは全く公表された数字で、実際はこれに何倍するのじゃないかと新聞等も報道しているわけですね。さっきのお話だと、おそらくそういうことを何も調べてないのじゃないですか。
 それでは、さっき私がお話ししたもう一点、どこに配られたか、特に小売り屋さんでない部分はだれを対象にして配られたか。
#45
○小林説明員 たばこの小売り屋さんを対象にしていない部分につきましては、一応選挙等におきまして特別な関係のある向きのように聞いております。
#46
○西宮委員 私はほとんど何も調べてないのじゃないかと思う。これは新聞に報ぜられただけでも、たとえば全然関係のない人に配られて、もらったほうがびっくりしているという。そういう時候のあいさつをもらうような間柄では全くないということで、もらったほうがびっくりしている、そういう記事まで出ているわけですけれども、それに対しておそらくあて先もわからない、どのくらい出たのかもわからない、こういうことでは警察当局としてはほとんど何も調べておらぬというのが実態だと思う。その点はどうですか。徹底的にその問題を調べたのですか。
#47
○小林説明員 警告をするのにつきましては事情を聞いておりますけれども、私ここに資料を持っておりませんので、ちょっとお答えをできかねておるわけでございます。
#48
○西宮委員 冒頭に申し上げたように、小林章さんといえば泣く子も黙るほどの選挙違反の神さまですよ。だからそういう問題が出たらば、もう少し警視庁でも警察庁でも徹底して調べるようにしないと、また同じ問題が起こるのじゃないか。この前などは、私は仙台の出身ですけれども、私のほうだけでもたいへんな犠牲者が出たわけですよ。大事ないままでの仕事を棒に振ってしまって、役所をやめなければならぬという人が続出をしたわけですよ。たしかあのときのあれでは、逮捕されただけでも全体で二百名に近かったと思う。そういう事故を起こした人が、私の個人的な感じを言うならば、この人がまたぬくぬくと今度の選挙に出てくるということが私には実は心外千万な気がするのだけれども、しかしこれは御本人の自由でしょうから、あえて私どもがどうこう言う筋合いでないかもしれない。しかしそれを政党として公認をされる、そこにも実は政党として反省すべきものがかなりあるのじゃないか。しかし、このことを警察庁のあなたに聞いてもしかたがない。そういうところにいつまでたっても選挙がよくならない根本がある。こういう人を政党が公認する、公認された人は公認されましたというので、たくさんの人にあいさつ状を送る、こういうことでは全く遺憾にたえないと思うのですがどうですか。この点をさらにもっと糾明する、そういう意思があるかどうかということをお尋ねして、この小林さんの問題は終わりにしたいと思います。
#49
○小林説明員 先ほどからも申し上げておりますように、この問題につきましては、十分に関係者を呼んで調べた結果がございますので、私どもといたしましてはそういう形で意見というものを一応おさめたいというふうに考えておるわけでございます。もしそういうようなことで、どこに何枚配られたかということであれば、また資料を提供してもよろしゅうございます。
#50
○西宮委員 それではぜひその資料を出してもらいたい。さらに堀委員からも、次には警察庁長官その他の出席要請があるようですから、そのときに私はまた重ねて警察当局に態度をお聞きしたいと思います。
 次の二件は、次の二件と申しますのは黒住氏の問題と渥美氏の問題でありますが、これは二つとも実は私の選挙区であります仙台を舞台にして行なわれた事件であります。したがって私どもとしては特別な関心を持っておるわけですが、ただいま堀委員から質問をされましたので、私はあまりこまかいことを申し上げませんけれども、この渥美氏は例の写真入りでビラをまいた。写真入り、あるいはその中には自分の顔写真が載っている、あるいは経歴が載っている、あるいは政見とも見らるべきスローガンが載っている。これはだれがどう考えても事前運動であることは間違いない。そういうものが配られているわけですが、これに対しては先ほど堀委員の質問以外のことをお尋ねすれば、自治大臣にお尋ねをしたいと思いますが、これは県が共催をしてこの会合を持っておるわけです。身障者の大会でありますが、千五百人ほど集まっておる。これは県が共催団体であります。共催団体と申しますのは、県と宮城県身障者福祉協議会という団体であります。この身障者福祉協議会なるものは、県から補助を受けておる団体であります。こういうのに対して自治省としてはどういう指導方針をもって臨まれるか、この問題に対してどういう措置をとられたか。
#51
○秋田国務大臣 この種の会合に、事案を私よく存じませんが、そういうおそれがあることを持ち込むということは当然避けるべきことでございまして、自治省としては今後そういうことのされないように指導をいたしたいと思います。
#52
○西宮委員 警察当局にお尋ねをいたしますが、これはいわゆる地位利用にはなりませんか。要するに県ともう一つの団体で共催をした会合なんです。そこでこういう文書を配布をしておるということは明らかに地位利用だと思いますが、その点はどうですか。
#53
○小林説明員 この問題は、もしそれが違反の文書であれば、配った人によりまして地位利用の問題があるいは出てこようかと思うわけでございますけれども、現在私どものほうに報告をもらっておる状況では、配った人は民間の人のように聞いております。
#54
○西宮委員 配った人というか、袋に詰めて配ったわけです。県と身障者の福祉協議会、そこでつくった出席者に配る封筒の中に同封して配った。それと全然別個に、たとえば会場の入り口で関係のない人が配ったとかなんとかいう筋合いではない。要するに県はあくまでも主催者の一人なんです。そういう際に、その袋の中に一緒に入れて配ったということは当然地位利用になると私は思うのですが、どうですか。
#55
○小林説明員 私どものほうといたしましては、実行行為者が犯罪者であるかどうかということでやるわけでございますので、この場合、県の福祉協会というものも主催の片方になっておるわけでございますので、そちらの側からということであれば全然身分関係がない、かように理解するわけでございます。
#56
○西宮委員 それでは、その前段の違反の文書であるかどうかということに対する見解はどうですか。
#57
○小林説明員 この文書が直ちに違反かどうか、またその事実が事前運動に該当するのかどうかにつきましては、現在調査中でございます。
#58
○西宮委員 調査中であるということであれば、私は調査の結果を待って答弁をしてもらいたい、これもこの次まで保留をいたします。
 なお、渥美節夫なる人は厚生省の広報誌を利用してPRをした、こういうことで、この問題もかつて新聞等で大きく報道されております。その人がまた宮城県でこういうものを配っておる。しかもそのときには御本人も出ているわけです。御本人もその会場に出て、講師として演説をしておるわけです。だからおそらく御本人だってその封筒をもらっただろうし、そこで配られておることを本人もおそらく承知をしていると思います。これでは渥美節夫さんなる人もへたをすると選挙違反の神さまの小林章さんに次ぐぐらいになるおそれがあると思う。厚生省が、しかも国費を使って買い上げてその雑誌を配っておる。その中に事前運動と十分目さるべき記事が広告として載っているわけなんです。しかし広告料は取っていない。あるいはそういう書物の広告などはかつて出したことがないという雑誌なんです。そういうものを利用して出しておる。しかもそれが公費で買い上げられて厚生省関係の役人に配られておる。こういうことはまことに重大だと思う。私は、この問題については、厚生省の関係者にこの次の機会に来てもらって、厚生省の態度を聞きたい。ただ、選挙の公正を担当しております自治大臣にお尋ねしてこの問題も終わりにしたいと思いますけれども、こういうことが相次いで行なわれるということについては、あえて厚生省といわず、ないしは先ほどの運輸省といわず、内閣全体でこの問題について十分な対策を講ずることが当然必要だ。さらにこれを突き詰めていけば、さっき堀委員の言われましたような、高級公務員は一定期間立候補できないというような制度を制度化するということも当然に考えられなければならぬ問題だと思うのです。それは法制化の問題だけれども、法制化の前に、私は内閣の態度、姿勢というようなものが当然究明されなければならぬ、反省されなければならぬと考えるわけですが、自治大臣はこの問題についてどうお考えになりますか。
#59
○秋田国務大臣 内閣に一義的に責任があるかどうかにつきましては、私はやや問題があろうかと存じますけれども、いやしくも公務員ないし高級公務員がその地位を利用して選挙の公正を害するような行為あるいは事前運動等をすることがないように、これは十分注意をしてまいらなければならぬと考えております。
#60
○西宮委員 警察のほうも調査中であったり、きわめて不十分であったり、満足する答弁が得られませんので、この次は、先ほど堀委員が要求をいたしましたように、ぜひ警察庁の責任者に出てもらいたいと思います。さらに厚生省等からも出てもらいまして、直接返事をいただきたいと思います。
 きょうはこれで終わります。
#61
○吉田委員長 二見伸明君。
#62
○二見委員 最初に、過去の委員会で何回か取り上げられましたビラの頒布の規制の問題について、きょうははっきりした自治省側としての方針を伺いたいと思うのです。
 いままでの何回かの委員会でもって、政府としては今度の通常国会にビラを規制するという内容の改正案を出すという方向だけはわれわれわかりましたけれども、具体的にどういう面で規制をしていくのか。私いろいろ考えまして、一応四通りの方法があるのじゃないだろうかと思うのです。一つはビラの頒布の数の制限、それから今度は頒布方法の制限ですね。たとえば政談演説会場及び街頭演説をやっている場所に限るとか、そういう頒布の方法に関する制限。あるいは、たとえば頒布をする人に腕章なり何なりを与えて、その人だけが頒布できるようにするというような方法も考えられるし、あるいは頒布をすることには全然規制はしないけれども、ビラの記載内容について制限するということも考えられる。一体自治省としては、あるいはこれ以外にも規制の方法がございましたらば明らかにしていただきたいと思いますけれども、どれをおとりになるのか。一つまたは二つ、あるいは全部おとりになるのか、そこら辺を明らかにしていただきたいと思います。
#63
○秋田国務大臣 いま四通りの方法を御例示なされたわけでありますが、われわれも頒布する人をきめるというようなことはちょっと考えなかったのでございます。御例示の方法等も一応問題にいたしてみまして、しかし回数を制限しているとか、枚数を制限しているとか、いろいろな頒布の際の制限をいたしておりますが、それぞれいろいろ困難にしてまた複雑な問題を包含いたしております。いずれの方法によるべきか、その他の方法によるべきか、内容制限等を異にしてございまして、ひとつこういう機会に皆さまの御意見を十分お聞かせを願いまして、決定をいたしたいと思っております。いまこうするんだという確定的な、具体的な案を決定しておるわけではございません。
#64
○二見委員 選挙活動につきましては、ずっと自由化の方向でもって進んできているわけですね。これは大臣も御承知だと思います。それに対して、ビラの規制ということになりますと、これは自由化の方向とは逆行するのですね。ところが、九月四日の参議院の公選法の特別委員会では、わが党の多田省吾委員の質問で「選挙活動の自由化につきましては政府の選挙法改正は一本で通すつもりですか。」という質問に対して、大臣は「ただいまのところ、そのつもりで考えております。」と、要するに選挙の自由化という趣旨だけは残しておる、こういう方向でいくのだ、こういう御答弁に受け取れるわけです。選挙を自由化する、選挙は自由化の方向でいくべきだという基本姿勢から考えて、まずビラの頒布の数を制限するということはあり得るのかどうか、この点はいかがでしょうか。
#65
○秋田国務大臣 そこらはいろいろむずかしい問題があろうかと思います。一体、自由化というものを文字どおり考えますと、一切の制限は実行できないということになろうかと思います。しかしながら、実際問題といたしまして、やはり実情から、それではかえって公正な、そして静かな金のかからない選挙の趣旨にも反するではないかというような実際的な事象が出た場合に、それに応じまして、自由化の趣旨を曲げない範囲内において、公正にして静かな選挙の趣旨を貫くという点において、実際問題をどう適用していくかということになりますと、ここにむずかしいけれども、何らかの規律を立てるようにしたい、こういう問題です。
 そこで、お示しの枚数、回数等の制限がどうなるかということは、たいへんどうも疑問でございまして、それが自由化の方向に背馳するかマッチするかということ以外に、しからば枚数、回数は幾らが適当かということになりますと、これまた公正な基準を見出すのにはなはだむずかしいのじゃなかろうかと考えられまして、そういう点はとつおいつ考慮しておるところでございますが、一がいに自由化に背馳するとも言いかねる点もありましょうし、なかなかむずかしい問題だと考えております。
#66
○二見委員 そうすると、頒布数あるいは頒布回数を制限するということは実質的には無理だというふうにこちらでは理解してよろしいでしょうか。
#67
○秋田国務大臣 断定はできませんが、非常にむずかしい要素が多分にあるということは感ぜられます。
#68
○二見委員 それからビラの記載内容ですけれども、たとえば「〇〇党にあなたの支持を」というような、政治活動というよりもむしろ選挙活動にわたる分野についても、現在では認められているわけですね。具体的に「〇〇候補に一票を」ということは、これはできないけれども、「〇〇党にあなたの支持を」というような記載は許されておるということになっていますね。そこら辺、記載内容を制限をしようというお考えは、これはおありなんでしょうか。
#69
○秋田国務大臣 ただいまお話しのとおり、個人をさしての支持を希望するような問題は、これはできない、党を名ざすことは差しつかえない、その範囲のことはもう当然のことと思っております。したがって、内容の格別の制限ということは、常識上、他人を傷つけるということは、これはいけないと思いますが、その他におきましてこれをどうこうするということは、これはまた非常にむずかしいことで、いまの範囲で何も制限するということは、別段そういう点はないように思います。
#70
○二見委員 そうすると、頒布数の制限もなかなかむずかしい、それから記載内容の制限もこれはいまのままでいいのじゃないかという御答弁ですけれども、残されたのは頒布方法の制限ということになるわけですね。たとえば、いままでは政談演説会場で、たしか候補者の名前入りでよかったですね、改正前は。今度は政談演説会場だけでなく、街頭演説をやっておる場所であるとか特定の場所をきめて、そこで頒布することはいいけれども、それ以外はいけない、こういうような規制の方向になるのでしょうか。どうもいままでの御答弁を総合していくと、そういう規制をするとすれば、残されたのはそこきりしかないわけです。その辺、いかがでしょうか。
#71
○秋田国務大臣 ただいまも申し上げたとおり、これこれをこうするんだというようなきまった案をまだ考えておるわけではございませんが、いまいろいろやれること、やれないことの仕分けをされますと、いまこれだけしか残っていないじゃないか、これをやるのか、こういうような三段論法になるわけでございますが、そういう点をいろいろ考慮をいたしておる考えでございます。
#72
○二見委員 いずれにしても、これは四月の統一選には間に合わせるつもりで作業は進めておるわけですか。
#73
○秋田国務大臣 さようでございます。
#74
○二見委員 そうすると、やはり九月四日にうちの多田委員が、「あくまでも自由化をそこなわないようにしてアンバランスを是正するのだ、こういう現在お考えでございますか。」という質問に対して、大臣は「大体その考え方でございます。」アンバランスを是正する方向で考えていきたいのだ、こういう御答弁もあるわけです。このアンバランスが、大臣はどういうことをさしてアンバランスと言われたのか私はわかりませんけれども、たとえば知事あるいは市長選と地方議会の選挙がダブった場合、これは確認団体以外の政治活動はできないわけですね。そういう点についても、知事、市長選とダブった場合は、確認団体でなくても政治活動はできるのだというふうな改め方をなさるのか、あるいは確認団体の幅を広げて、そうして政治活動を自由にできるようにしようという方向でアンバランスの是正をされようとしておるのか、この点はいかがですか。
#75
○秋田国務大臣 ただいまおっしゃったとおり、知事選の候補者なりが確認団体のいろいろな政治活動の便を受けるということのない場合があるわけでございますが、それでは公平ではないではないかという説もございます。そういう点の欠点を補いたい、こういうふうに考えております。
#76
○二見委員 具体的にどういう欠点を補うかという、まだそこまでは成案はまとまっていないわけですね。
#77
○秋田国務大臣 技術的なお答えになりますから、事務当局にお答えをさせます。
#78
○中村説明員 二見先生からお話がありましたように、県会議員の選挙でありますとかという場合におきましては、ただいまのところは、政治活動に関しまして選挙の際は全く自由にまかされております。ところが、知事選挙につきましては、御案内のとおり確認団体制度がとられまして、確認団体の要件に合う政治団体でございませんと政治活動はできない仕組みになっております。そこで、知事選挙と県会議員選挙がダブりますと、知事選挙におきまして確認団体の資格を持った政治団体でないと、同じく行なわれる県会議員選挙の際に一切の政治活動ができないという仕組みでございます。これはそれなりに従来は経緯がございまして、一般的に政党が乗り出して選挙の際に活動をなさる選挙というのは、大体知事選挙なり市長選挙程度であって、県会議員、市会議員までは及ばないということで従来ございました。その後さらに政党の選挙におきます活動分野というものがだんだん強化されてきておるようでございまして、県会議員選挙等の場合におきましても、知事候補は持たない、したがって知事選挙の確認団体ではないけれども、県会議員選挙の所属候補を持っておって、県会議員選挙のために政治活動をやりたいという声が出ておることは事実であります。そういう意味合いで、私どもとしては、従来の経緯は経緯といたしながら、最近の状況ににらみ合わせまして、県会議員選挙等の際におきまして知事候補は持たないような政治団体につきましても、活動の余地ができるような道を検討すべきではないかと事務的には存じておる次第でございます。いずれ各党の御意向を十分拝聴いたして結論を出したいと思っております。
#79
○二見委員 私、アンバランスの是正のほうは大賛成なんですけれども、ビラの規制のほうは方法を間違えると選挙の自由化に水をさすのじゃないか、逆行するんじゃないかというおそれがございますので、その点は十分慎重に御検討を願いたいと思います。
 次に、これも何回か論議された選挙の年齢の引き下げの問題ですけれども、けさの新聞でございますが、「自治省は、秋田自治相の意向をうけ選挙権年齢を十八歳に引き下げる問題につき検討しているが、このほど、来年度から二、三年計画で、反復して有権者の意識調査を実施する。とりあえず来年は四月の統一地方選挙、七月の参院議員選挙のあとに全国的な調査を行なう。このため、近く学識経験者の意見を求めて意識調査の基準、方法を検討する」、こういうニュースが出ておりますが、そのとおりの方針で現在自治省は選挙年齢の問題について取り組んでいくということでよろしゅうございましょうか。
    〔委員長退席、久野委員長代理着席〕
#80
○秋田国務大臣 いま直ちに引き下げを実施するという方針を決定したわけではございません。最近、欧米の有力な二、三の国が十八歳に引き下げの方向を決定し、また実行した例がございますので、十分それらの点を調査検討をしてまいりたい、こう考えておりまして、事務的にただいまお読み上げになったような施策をとろうと考えておる次第でございます。
#81
○二見委員 その場合、選挙年齢引き下げ問題調査会というのか、あるいはそういったような諮問機関みたいなもの、あるいは調査機関みたいなものを設けて、この問題を調査されるわけですか。それとも現在の自治省の選挙課の中で、職員の手でもってやっていくのか、その点はいかがでしょうか。
#82
○中村説明員 選挙年齢の引き下げの是非の検討ということになりますと、大臣からお話しのございますように、多角的に日本の法律制度の全体、憲法との関連等々を検討して結論を出されるべき筋のものであろうかと存じております。
 私どもが事務的に調査をしたいというのは、そういう政策的に年齢要件をどうするというような点についての直接の取り組みと申しますよりは、若い人の政治に対する意識の推移というものを、やはりある程度期間をかけまして、しかもたとえば来年の地方選挙あるいは参議院選挙、その後また何年かの間に幾つかの選挙もあることかと思いますので、それらのつど青年の政治に対する見方というものの推移をじみちに把握をしてみたいというのが私どもの考え方でございます。したがいまして、毎回の選挙の際にやっております意識調査の幅を広げまして、青年の、若い人の意識をある程度体系的に、しかもある程度期間をかけてながめていくというようなことで対処いたしたいと思っておりまして、格別に大げさに審議会とか委員会というようなことでなしに、ほんとうにその道の専門の学者その他と御相談をしながら進めていくというような気持ちでおるわけであります。
#83
○二見委員 十八歳に引き下げるという問題、民法との関係あるいは少年法との関係がいろいろ論議されましたけれども、自治省としては、民法で満二十歳、これを成年としておりますけれども、民法のほうの年齢が引き下げられなければ選挙権のほうも引き下げることはできないというお考えなんでしょうか。それとも民法とは切り離して十八歳に引き下げることもでき得る、こういうお考えなんでしょうか。
#84
○秋田国務大臣 この点は参議院の委員会でちょっと論ぜられまして、法制局等の見解も伺ったことがございます。法理論的にはこれは別であり得ると思われます。しかしながら、どうもすなおではない。これは二つ変わったものがあっては、立法の理論上はともかくといたしまして、実際上の見地からもいろいろ問題があるのではなかろうか。その点さらに検討を要すると考えております。
#85
○二見委員 やはり民法との関連が非常に強いわけですね。先ほどの選挙部長のお話ですと、これから若い世代を調査していくというお話でございます。確かにそうしていかなければ、この引き下げの問題もスムーズにいかないと思います。自治省がそういうふうに若い人たち、若い世代の意識調査をしょう、そういう姿勢になったということは、これは結局は、すぐに年齢を引き下げるということではないけれども、そう長い将来じゃなくて、比較的近い将来にそういう事態があり得る、世界の趨勢は。また意識調査の面から、若い十八歳あるいは十九歳の青年たちの政治意識が非常に強くなってくれば、強いということが調査の結果判明してくれば、これはもう選挙年齢を引き下げるというふうに決断するのだ、こういうふうに理解してよろしいのでしょうか。
#86
○秋田国務大臣 近い将来にそうなるのだということを予想した意図はございません。しかしながら、そういう考え方にも十分理解を持ちながらこの問題を検討したい、こう考えております。
#87
○二見委員 もう一点。先ほど堀委員から御質問のありました第七次選挙制度審議会の問題についてですけれども、先ほどの御答弁ですと、十月の末あるいは十一月の初めに発足させたいという御答弁でございましたけれども、聞くところによりますと、会長人事でだいぶもめておるという話を聞いておりまして、高橋雄豺さんが、今度引き受けたくない、なぜならば、いままでずいぶん答申はしたけれども、政府のほうはあまりやってくれない、という気持ちがあるのかどうか知りませんけれども、何か高橋さんのほうがあまり会長を引き受けたくないという話を聞いておりますが、会長の人事のほうは、大体大臣としての腹案はきまっておるわけですか。また相手にすでに交渉して、大体この人であるなら引き受けるというめどはついておるのですか。
#88
○秋田国務大臣 会長人事にはまだ触れておりません。したがいまして、どうなりますか、この点はわかりませんが、しかしながら私どもといたしましては、今月中ないしは来月早々にも発足したい、またできる、こう考えております。
#89
○二見委員 今月の末には自民党では総裁選挙がございまして、うわさによると、そのあと内閣改造があるのじゃないか。これは自民党のことでございますから、われわれ野党のほうは関知しないところでございますけれども、第七次は内閣改造前にやれる公算のほうが強いでしょうか、それとも改造後のほうが強いのでしょうか。
#90
○秋田国務大臣 まだ会長さんの人事については、ただいま申しましたとおり触れておりませんので、何とも申し上げかねますけれども、できるだけ今月中にやりたい。もしできませんでも、その間継続性がございますので、一つの方針のもとにできる、こう考えております。
#91
○二見委員 何を諮問するかということでありますが、衆議院の定数是正だとか、二、三候補があがっておるようでございますけれども、大臣としては、衆議院の定数是正の件、そのほか何か具体的にこれとこれだけは諮問して検討してもらいたいというものが、たとえば小選挙区制の問題とか参議院の全国区の問題だとか、そういう問題についても今度の審議会では十分審議してもらおうというおつもりはあるわけですか。
#92
○秋田国務大臣 前回第六次の審議会のいろいろ審議の内容等によりまして、参議院の全国区の問題も一つの問題でございましょうし、また前回の衆議院の選挙以来、定数のアンバランス、これの是正の問題は大きな問題でありますから、この辺を中心に、金のかからない公正な選挙の方法というものをひとついろいろ考えていただいたらどうだろう、こういうふうに考えておりますが、何をということはまだきめておりません。
#93
○二見委員 最後に、政治資金規正法の問題ですけれども、九月四日には大臣は「直ちに次の国会に出すかどうかにつきましては、いまだ結論を得ておりはしないところでございまして」、次の国会に出すかどうかはっきりしていないという御答弁でございました。政治資金規正法は佐藤総理大臣も出す出すと絶えず言っているわけですね。今度の臨時国会は別としても、通常国会には政府としては政治資金規正法の改正案を出すのかどうか。その内容まではお尋ねしませんけれども、いかなる内容であれ、政府としては政治資金規正法の改正案を出すのか、その点はいかがでしょうか。
#94
○秋田国務大臣 この点もしばしばお答えを申し上げておりますとおり、過去三回の苦い経験がございますので、その辺慎重に考慮いたし、長過ぎるじゃないかという御批判も当然ございますが、いろいろ問題がございますので、いましばらく検討の期間をお許し願いたいと存じます。
#95
○二見委員 長過ぎるじゃないかと大臣自分でお断わりになっているように、私は確かに長過ぎると思いますし、三年間も検討されたらもう問題点もあらかた出そろっておると思います。しかも前回たしか四十二年でしたか、あのとき出された改正案のどこに問題点があるのか。あれでは甘過ぎるという問題ならば、うんときびしくすればいい。しかしあれ以上甘くしろということですと、何のための改正案かわからなくなりますので、あと具体的に政府としてはどの点がはっきりすれば改正案が出せるのですか。何と何と何がひっかかっているのか、その点はいかがでしょうか。
#96
○秋田国務大臣 何と何がひっかかっておるかと申しますと、具体的にこれこれと申し上げるものもございますけれども、しかし全体的にやはりいろいろな点が相関的に関連をいたしております。ただいま今日御質問を受けておりますいろいろな問題点なんかもやはり関連がございますので、そういう点を十分考慮の上決定をいたしたい、こう考えております。
#97
○二見委員 以上で終わります。
#98
○久野委員長代理 門司亮君。
#99
○門司委員 私はごく簡単に二つばかり聞いておきたいと思います。
 いろいろ事前運動や何かの問題があることはもう御承知のとおりでありますが、選挙が公明でなければならないことは当然であります。ところが、現行の法律にはいろいろ違反関係がずっとたくさん書いてある。いま日本の政治が、政治というよりもむしろ選挙が非常に悪くなっているという最大の原因は、国民自体に対して選挙法の内容その他が周知徹底されていないのではないかと私には考えられる。その中でも選挙違反と目されるようなものが案外周知徹底しておらない。たとえば、先ほどから出ておるようなことが選挙違反だといってぴったりきめつけられて、そして選挙違反をするような議員はそもそも政治をまっすぐにするはずはないから、そういう者には投票しないというところまで国民の政治に対するあるいは選挙に対する意識を高める必要があると思うのです。ところが、先ほどからの答弁を聞いていれば、この辺まではよかろうというようなことで、結局警告にとどめられる。警告というのはそれまでは是認したことになります。それから先をおやりになると縛りますぞということになるかもしれません。そうすれば結局警告を受けるまではやったほうが得だということになる。もう少し選挙法自体の中にある選挙の精神を生かす必要がありはしないか。それには何ら啓蒙運動がされておらない。選挙管理委員会が選挙になれば何かパレードみたいなことをやって、公明選挙公明選挙と言う。公明選挙なんて言わなくたって公明選挙でなければならぬはずだ。こんなものは常識だし、基本的な要件です。選挙を公明にしなければならぬということはどこにあるかといえば、やはりそうした選挙運動に対する違反行為というものが徹底されておらない。これをどうにかして、選挙管理委員会を通ずるなりあるいは警察を通じて、国民に周知徹底させる必要がありはしないか。たとえば事前運動について、こういうこと、こういうことは選挙を冒涜するものであるということを政府みずからがこれを発表していくということ、これを国民の意思にまつとか、良識にまつとかいうようなことをいったって、なかなかできるものではない。同時にそのことは、選挙を行なう者から考えれば、当選第一主義であるから、結局多少の違反があっても、あるいはそう考えてもあえてこれを犯していくということになって、この悪循環が今日選挙を非常に悪くしている最大の原因だと思います。だから自治省としてはどうなんです、あるいはまた警察関係としてもどうなんです。むしろ選挙に対する啓蒙運動というなまぬるいことではなくて、これこれこういうことは違反行為なんだというようなことを国民の前に明確にする必要が私はあると思う。選挙になってそんなことをやっていると、あるいは選挙妨害というようなことがあるかもしれない。しかし、選挙がないときに幾ら宣伝したって選挙妨害にも何にもならない。私は行き過ぎにもならないと思う。自治省に何かこういう強いお考えがありますか。その点を警察側の取り締まるほうと、啓蒙運動をされる自治省側の意見とをこの際聞いておきたいと思います。
#100
○秋田国務大臣 お説はごもっともでございまして、選挙自体が一つの政治教育であるということも言われるとおりです。常日ごろから正しい選挙運動の観念、方法等をPRしていくべきだろうと思います。かつまた同時に、法規をもってその徹底を期するということもあるいは一方法かもしれません。それらの点につきましてもやはり考慮をされるべき点があろうかと思います。私といたしましては、欧米先進国の実態、あるいはどういうふうに今日に至ったか、選挙法の調査に関連いたしまして毎回人を出す場合に、こういう点もよく注意してもらい、見てもらいたいということを言っておるほどでございます。また選挙部を選挙庁に、いわゆる二段飛びの機構改革をお願いいたしまして予算概算要求をいたしておるのもこれらを考えてのことでございますが、日常活動につきましては、まことにまだ不十分で意に満たないところがございまして、せいぜい気をつけてまいりたいと思いますが、ひとついろいろいい方法がありましたならば、お教えを願いたいと存じます。
#101
○小林説明員 警察といたしましては、犯罪の検挙あるいは警告を通じまして、選挙の公正に行なわれることを担保いたしておるわけでございますので、今後ともそのような犯罪が発生しないように予防的な措置を十分にとりたいというふうに考えております。来月は全国の捜査課長会議もございますので、その席でもよく検討いたしまして、公正な選挙運動というものが行なわれるように、私のほうといたしましても検討いたしたい、かように考えております。
#102
○門司委員 この前の委員会でも、私は、日本の選挙法を外国の選挙法と比較して一番悪い点は、罰則が多過ぎるという点なんです。この罰則を全部削って刑法にゆだねたらどうかということをお話をしたのでありますが、私がなぜそういうことを言いますかというと、たとえば、英国の選挙あるいはドイツの選挙、これは選挙法にもよりますが、しかし、国民の心がまえというものが、大体英国の国民の心がまえというものを聞いてみると、選挙のときに選挙違反をやるような人には投票いたしませんというのが、彼らの常識であります。少なくとも、選挙運動、事前運動その他で、これは怪しいと見たような運動をする人にはもう最初から投票しませんというのが英国人の常識である。ここまで国民の選挙に対する公正な意識を高揚する必要がありはしないか。その点が、ほとんど宣伝されておらぬ。私は、日本の今日の選挙法自体ということではなくて、大体、選挙運動をひっくるめて考えてみますと、そういうところに問題がある。だから、この方法をどうするかということを聞いているのであって、国民全体が選挙に対して公正であり、選挙違反をするような人には投票しないというなら、候補者も何を好きこのんで選挙違反をやるかということで、選挙違反がなくなるはずであります。平ったく言うと、こんなことを言うとおしかりを受けるかもしれないけれども、まごまごしていると、選挙違反をよけいやったほうが当選しているかもしれません。選挙費用なんか加算してごらんなさい。金をよけい使った人が当選する、選挙違反をたくさんやったほうが当選する、こういう結論が出るでしょう。民主主義の社会は選挙が政治の基本になるべきである。にもかかわらず、こういう悲しむべき現象が日本に起こっているというところに、私はもう少し自治省も考えてもらいたいと思う。そして、ただ法律だけどんなにいじくってみたところで、それで公正な選挙が行なわれるかというと、痛いところには手を触れないのであります。だから、私はむしろこの際、自治省の考え方にしても、警察の取り締まりの関係にしても、ただ取り締まって罰則だけをきつくしていいものじゃございません。そんなことを幾らやったって、直るものじゃない。一つの当選する目的というものがあるから、そのことのために手段を選ばないということが出てくる。ところが、選挙民のほうで、そういう人には投票しないというと、だれも選挙違反を好きこのんでやる人も金をよけい使うばか者もいなくなる。その啓蒙が一体どこでされているかということです。私は、いまからでも、自治省なり取り締まり当局が、そういうものの考えの上に立って、そうして選挙というものについてのひとつ理解を国民全体がするような方法が講じられないかということです。選管が、さっき申し上げましたように、いろいろ選挙のときにはパレードなんかやって、公明選挙をやろうと言う。選挙なんというものは公明選挙でなくてどうするのですか。公明でない選挙を宣伝するわけにいかぬでしょう。だから、めんどうでしょうけれども、大臣、もう少しそういうものについて、どうお考えになっているのか。国民の政治意識というか、選挙に対する心がまえの啓蒙をどうするのかということ、どう考えても、いまの選挙法を通じてそこが見当たらない。それから同時に、そういう問題についてのいまの選挙管理委員会の陣容。各都道府県、市町村に行ってごらんなさい。選挙管理委員会があるんだかないんだか、わけがわからぬ。事務当局なんかないのが大多数ですよ。だから、日常、そういう啓蒙運動をしようたって、何もないのですよ。県庁に選挙管理委員会があったところで、県の地方課の課長さんが大体主任くらいで、選挙になればそこらからかり集めて、事務だけはおやりになる。しかし、日常の活動などを日ごろじっくりやるところが何もない。いわんや町村へ行ってごらんなさい。そういうものはちっともありはしない。せいぜい常時何とか選挙管理委員会の管理のもとにやらなければならないのは大都市である。非常に選挙の有権者の出入りの多いところ、事務的処理をしなければならぬことがたくさんあるというところには置かないわけにいかないから、多少の職員がいるようであります。私は、こういう点、もう少し選挙管理委員会の仕事、選挙管理委員会自体の使命というものを重要視する必要がありはしないか。選挙管理委員会がただ選挙のときの事務処理だけやっておっては、選挙はいつまでたってもよくならない。これが日常のそういう選挙啓蒙活動あるいはPR活動のできるような処置をとることが当然必要だと考えておりますが、この点についてどうなっておるか。ことしは幾らか予算をよけい要求したというお話が大臣からさっきありましたが、どの程度までこれを充実されるつもりですか。
#103
○秋田国務大臣 たいへん民主主義の健全な発展に基本的な重要性のある選挙につきまして、徹底的に考察を願っていろいろ御教示にあずかっておるわけでありまして、私もまた平素その点を一番心配もし、またどうしたらいいかということを考えておるわけでありまして、英国の民衆が今日のように政治意識が向上されましたのも、私の乏しい政治学上の知識でございますが、初めからそうであったとは聞いておりません。約一世紀前には英国の選挙界も相当腐敗をしておったということを聞いております。しかし、それがここ一世紀以来先生御指摘のような状態に改まってまいったわけであります。何によってそう改まったのだろうかということを私としましては問題にいたしまして、一体何があれだろうか、即効薬的な特効薬的な方法はなかったのかもしれませんが、何にしてもやはりいろいろの原因が重なりあって、今日の英国の選挙民の意識向上になったのは相違ないのでございますから、その点を他山の石として研究をいたしたいと平素考え、先ほども申し上げましたとおり、海外に視察に役人を派した場合も、その点を特に考えてもらいたいということを申しておったわけであります。しかし、いまのところ、まだこうであるという的確な原因を英国などについても探り当ててきてはおりません。そういう報告には残念ながら接しないのであります。要するに、教育一般、学校教育も社会教育もこの点にひとつ的を同一にした処置がとられるべきではなかろうか。また政治全体の姿勢として常にその方向を示唆する行動をとるべきではなかろうかと考えております。そこで、その一つとして、いまの選挙部を選挙庁にいたし、かつ各地方の審議会あるいは委員会等も全部これが目的に向かいましていろいろ施策を講ずる必要があるのではなかろうかということを考えておるわけでありまして、的確に予算措置等これを施行していくというのには不十分かもしれませんけれども、概算要求におきまして、PR等この点にいろいろ配慮をした要求をいたさせることにいたしたわけでございまして、必要がありますれば、その内容については数字的に事務当局から御説明いたさせたいと思っております。
#104
○門司委員 私は別に事務当局からこまかい説明を聞かなくてもいいのでありますが、大体私がほんとうに遺憾に考えておるのは、政府の選挙に対する姿勢であります。御承知のように、行政機構の改革をするといって自治省で一番先にやり玉に上げられたのが選挙局です。局だって部だって違わないといえば違わないわけですけれども、今日の官僚政治の中で局を一つ設けるということと、局を部に格下げするということとは――大体自民党内閣というものは、その点からいえばまるっきり、選挙を何と考えておるか。私もイギリスが二百年かかってやっておることも知っておる。しかし長い間かかって出てきたイギリスのいろいろなものをまねしようとしたところで、日本の政治はもうそういう時代ではないのでありまして、二世紀以前のイギリスのいろいろな政治、一世紀以前のイギリスのいろいろな社会組織というものからずっと発展してきた歴史の過程なんというものを、いまからまねておってどうなりますか。それじゃ日本の政治はいまから百年たたなければほんとうの政治が行なわれないということになってどうにもならぬ。私は少なくともむずかしい仕事ではないと思う。一つは国民の政治意識と、これの根底をなす選挙意識というものを公正に導こうとするには、少なくとも政府が十分な手当てをして、そうして日常のPR活動というものを強固にやっていくということでなければならないのであります。だから自治省の選挙局なんというのは、いまの日本の立場から見れば、最も重大なものは選挙であります。したがって、その選挙をつかさどるところが、自治省の一つの部局のようなものでなくて、できればこれを、選挙省というわけにいかぬかもしれませんけれども、少なくとも総理府の外局ぐらいの、長官ぐらいの制度をとって、やはり国全体に号令のできるように、少なくとも次官会議に出席できるように権威あるものにしない限りは、私は日本の選挙制度というものはよくならないと思う。どこまでいっても選挙が何かさしみのつまみたいな形で片隅に置かれておる。そうして政治が悪くなる悪くなると言ったって、これは悪くなるようにできている。そういうことをいまここで大臣に聞こうとは思いません。
 それから、もう一つだけ聞いておきたいと思いますことは、公職選挙法の中に限られておるのは、これは法律で定められた国会議員の選挙あるいは都道府県知事の選挙その他でございます。しかし、そのほかの公職のものについて選挙をしなければならないというものがございますか。まず、その他の公職といって差しつかえのないものが多少ありはしないかと思うのですが、たとえば教育委員会のようなもの、これも一つの公職であります。しかしこれは選挙であったものがいま任命になっている。私は、これは憲法解釈上一体どうすればいいかということでいまだに迷っているのであります。憲法の九十三条は明らかに議員の選挙その他委員と、こう書いてあります。委員という文字がちゃんと憲法に入っているのです。ところが日本の今日の公職選挙法の中を見てみると、委員制度というものについて一番大きいのは教育委員会の制度であります。したがって、これは憲法の趣旨に基づいて公職でやっておったものが、今日では任命制度に変わっておるということ。明らかにこれは憲法に抵触すると考えたほうが差しつかえないと思う。ところが実際はそうなっておる。このほかに大体公職と考えられる委員の選挙というのはどのくらいありますか。あるいは農業委員会の問題もございましょうし、いろいろ地方では問題があろうかと思います。こういう公職と考えられるものの選挙が公職選挙法の適用を受けない。ここでは買収をやろうと供応をやろうと何をやろうと自由だということになると、選挙自体というものについての混乱がおのずから生じてまいります。だから私は、この辺は憲法との関係がありますので、もう少し明確にする必要がありはしないか、こう考えておるのでありますが、大臣としてはどうお考えになりますか。
#105
○中村説明員 門司先生のお話はあるいはたいへん高遠なることにわたっておるのかと思いますが、技術的な面で申し上げますと、私どもが当面をして非常に困っておりますのは、お話のありましたように農業委員会の委員でありますとか海区漁業調整委員といったような選挙につきましては、大体それぞれの法律においてでありますが、公職選挙法とほぼ同様のルールと、ほぼ同様の罰則で担保されて行なわれておるわけであります。実質的には、たいへんそれぞれのローカルな面でありますが、事実的な勢力のありますたとえば農業協同組合の役員というようなものになりますと、それらがないとかいうような面で、確かに全体として問題のあることは御指摘のとおりかと思っております。
#106
○門司委員 どうもその程度ではぐあいが悪い。さっきいったように、たとえば憲法に明らかにやはり委員という文字が入っているのですね。そうすると国の政治の中で委員会制度のものがあるわけなのです。それは公になった、さっき言ったような教育委員会制度を三十年にいまのような制度にしたいということにはかなり国会でも問題があって、議論になったわけであります。しかし、私はやはり選挙の法のたてまえと、それから憲法の九十三条からくるたてまえというものは実際は生かすべきだと思うのです。これが生かされないでおるところに日本の政治というものはだんだん選挙が後退してきておるという、こういう選挙の後退の姿がいろいろなところに出てきておるということ。まあこんなことを言うと大臣は非常におこられるし、あるいはみんなからいじめられるかもしれませんが、たとえば自民党の総裁選挙にしても、これは即総理大臣ということがいわれておる。厳密に言えばそうじゃないといえばそうじゃないのです。政党の総裁であって、総理大臣じゃないのだ、総理大臣は国会で互選するのだから、それとは何も関係がないのだといえばそれで済む。しかし実際は、私は必ずしもそうじゃないのじゃないかという気がして、最近では何とか総理大臣は国民投票にできないかというような議論がときどき新聞に書かれておりますが、これはいまの憲法のたてまえからいえば、国民投票に移すわけにはなかなかいかぬでしょう。いかぬでしょうが、そういうところに選挙というもののいろいろな矛盾といいますかすっきりしないところがある。
 それらのことを基本的に考えてまいりますと、選挙はできるだけというよりも、むしろはっきり公正に行なうというたてまえを、日常の国民の活動の中に、先ほど大臣もちょっとお触れになりましたけれども、あるいは社会教育の問題だとか教育の問題等についてそういうことを入れていく。たとえば学校の子供に対して、こういうことは違反だぞと先生が教えれば、その子供がうちのおとうさんに、おとうさんのやっていることは違反じゃないかと言った例があるわけであります。子供に教えられたという例が実際ないわけじゃありません。そういうことが選挙法を議論する場合の根底の問題として忘れられておって、そして選挙の技術面だけが議論されておる。選挙の技術面をどんなに議論いたしましても、根底が、それを育てていくだけの地盤ができていなければ、どんなに技術だけをやってみたところで、それでは選挙はなかなか公正に行なえないと思う。したがって、そのことのためには、一方、選挙をやる側のほうの問題を十分違反の起こらないように公正に行なわれるように処理することも非常に大事なことでありますが、一方、投票する側の人の啓蒙というものもやはり非常に大事なことであります。このことがいまの選挙法の中に忘れられていはしないかと思う。また実際の運動としてあまりそういうことをやっていないのじゃないか。
 したがって、端的に、もうこれだけでやめますけれども、次の予算要求の中では、各市町村においても選挙管理委員会に、常時それに携わる職員を置くことのできるようなところまでいっているかどうかということであります。これができていなければ、選挙管理委員会はどこまでいっても臨時のものであって、かかしであって、選挙の粛正あるいは選挙の公正などは望みがたいということである。その辺をひとつ、まだ予算がきまっていないときだから、なかなか話はしにくいかもしれないが、自治省の心がまえだけを聞いておきたいと思います。
#107
○秋田国務大臣 詳細は事務当局から必要によりまして御希望があれば答弁させますが、いま概算要求では、地方の選挙管理委員会も全部常設にするというところまで徹底してはまだ考えてございません。しかしながら、先生いま御指摘のような考え方で、まあ選挙部を局を飛び起して選挙庁という要求をしたわけでありまして、今後は交付税等の措置等も十分考慮いたしまして、先生のその趣旨を徹底さすように取り計られたい、検討いたしたいと考えておりますが、先生の御趣旨はまことに賛成でございまして、今後正しい選挙活動及び政治活動の思想普及に努力をしてまいりたいと思う次第でございます。
#108
○門司委員 これで終わります。
#109
○久野委員長代理 青柳盛雄君。
#110
○青柳委員 私は、去る五月六日の公職選挙に関するこの特別委員会で、六十一国会で一部改正になりました政党の選挙における活動、特に従来制限を受けておりました文書の発行、ビラの発行についての緩和規定ができましたのを、ことしの四月の京都府知事選挙の経験から、あれはもう一ぺん考え直す必要があるんじゃないかということが、いち早く政府と自民党の幹部の間で話し合われて、それが新聞に四月の二十九日ごろ報道になりました。それについて大臣も何か御相談にあずかっておられるのかどうかということを御質問申し上げたところが、大臣はそれには参加しておられない。しかしあまり目に余る行き過ぎは是正する必要があるんじゃないかということは、大臣としても考えておられるというような、そういう趣旨の御答弁がございました。その後の新聞の報道や、あるいは衆参両院の公職選挙に関する特別委員会での御答弁などを承っておりますというと、大臣もその後、自民党あるいは政府の、いま申し上げたような方向について大体同調されるようなお立場で、この問題を研究し、煮詰めていくというようなことがうかがえるわけでございます。そして、最近の九月二十九日の読売新聞などの報道によりますというと、自治省といたしましては今月の十五日ごろをめどに公職選挙法のこの部分の改正の大筋の方向を打ち出す。もちろんこれに対する国民の反応も見なければ煮詰まらないわけでございましょうし、また各政党の、と申しましても野党側の動きなどもにらみながら、これを具体化していくというような趣旨の報道もございます。十五日といえば、もうあと数日で来るわけでございますが、具体的にどんなような再改正おやりになろうとお考えでいらっしゃいますか、その点をお尋ねいたします。
#111
○秋田国務大臣 在来しばしば申し上げておりますとおり、京都府知事選の経験に徴して、文書あるいは選挙に入る事前のいろいろ活動において行き過ぎがありはしないか、金のかからない公正な静かな選挙という趣旨にどうもどうかと思われる点がありはしないか、過ぎたるはなお及ばざるがごとしというとおり、自由であるべきでありますけれども、何かそれが行き過ぎのような形がありはしないかというような反省が世間一般にも行なわれ、衆議院でございましたか、参議院の公職選挙委員会でございましたか、野党側からも一部その点に関する御発言がいろいろございまして、私といたしましても、自由化の原則を損しない程度において、公正な金のかからない選挙運動のためには、ある程度の規制のための措置が必要ではないかということを考えるに至ったわけでございます。そしていろいろ検討をいたしております。先ほど堀先生からもお話のありましたとおり、文書の問題、それにはビラの問題もありますし機関紙の問題もございます。シンボルマークの問題もありますし、あるいは先ほどもちょっと事前のことに触れましたが、自動車の使用台数あるいは事務所の個所数、いろいろ世間には問題点が指摘をされてありますので、そういう点について考慮いたしておるわけでございます。十五日をめどにということを私は考えておるわけではありませんが、とにかく次の国会にこれが何らかの規制に関する措置を盛った改正案を出したい、こう考えまして、せっかくいろいろ準備をし、努力をいたしておりまして、この席上等におけるいろいろ諸先生のお考え方、言説等も十分参考にしてまいりたいと考えておる次第であります。
#112
○青柳委員 事前運動につきましては、先ほどからもいろいろ御論議がございまして、非常にいろいろの地位を利用されてあらかじめ大いに名前を売っておく、政策というよりも要するに候補者個人の名前を広めておくというようなことにつきましては、目に余るものがあるから、これは何とか規制しなければいけないということはわかりますけれども、しかし選挙運動期間中の政党の活動が何らかの規制を受ける、これはどうも民主主義に反するのではないか。これは私、前にも申し上げましたけれども、政党の政治活動というものが議会制民主主義の裏づけになっているということは常識でございまして、政党が日常的にいろいろの政治活動をやり政策宣伝をやる、これは当然のことでございますけれども、何ぶんにも選挙というのは、国民全体が内閣を含めて政治のあり方について回答を与えるという、非常に政治的な意識の高まった時期でございます。そしてほんとうの意味のある選挙を国民がやるためには、選挙期間中は、それ以外のとき以上に政策宣伝というものは重視され、保障されなければならないと思うわけでございますけれども、その選挙期間中の機関紙の発行あるいはビラの発行あるいは宣伝車、会場演説などというものを極端に規制するということになりますと、候補者は何か政党とは切り離された形で、個人として活動しなければならないような結果にならざるを得ないわけであります。したがって、政党の従前もやっている機関紙活動というようなものを規制するという規定がいまもございますけれども、これをさらに何か規制をいたそうというような考えがおありになるのかどうか。
 それから、もう一つ問題になりますのは、せっかく自由化された選挙期間中のビラ配布です。これはもちろん、そのビラの内容も、ただいたずらに候補者個人の宣伝ということであってはならないのでありますけれども、もっぱらその選挙で争われている争点について各政党が考えている方針なり政策なりを周知徹底させるという活動、これまで規制を受けるということが合理的であるかどうかについてお考えを明らかにしていただきたいと思うのでありますが、機関紙の配布方法については、すでに公職選挙法の百四十八条といったような規定があって、通常の方法で頒布しなければならないというようなきわめて厳格な規定もありますし、それから、機関紙というものは一定期間定期的に出されているものでなければならないというようなこともありますし、そういう規定までさらに制限を強化しようというようなお考えがあるのかどうか、具体的な点についてお尋ねいたしたい。
#113
○秋田国務大臣 自由と申しますれば、何らの拘束をこれに加えないのが一番自由な望ましい状態かもしれません。しかし、現実の社会における自由と申しましても、やはり一定ののりが、法則があって、無軌道なものは許さるべきものではない。そういう自由は、名は自由でも、ほんとうの自由ではないのじゃなかろうかと私思うのでございます。自由にも軌道があり、のりがあるのではなかろうか、私はこう思うのでありますが、実際上になりますと、しからばそののりがどこにあるか、当然踏まえられておくべき軌条がどこにあるのかは非常に問題でございまして、議論の存するところでございましょうが、さて、現実の選挙時における政党の活動におきまして、過去の経験上どうも行き過ぎがあるのじゃなかろうか、したがって、自由の本旨を害さない範囲においてある程度の秩序維持のための措置が必要じゃないか、こういうふうに考えるに至ったわけでございます。
 そこで、しからば現実の問題として、機関紙、その内容、その頒布の方法において何らかの規制を厳重にされるのではなかろうか、こういう点現実的にどう考えておるかというお尋ねになったわけであろうと思います。
 先ほどから二見先生にもお答えいたしましたとおり、ビラ等いろいろの場合を想定をいたして考えてみたのでございますが、機関紙につきまして従来からのいろいろの慣行、しかたを変えるということは、従来ということもいろいろ問題でございましょうけれども、正常の、普通の状態において許されたる機関紙の発行、配布等を制限をするという考えがあるかということになりますと、これをさらにきびしく規制していくということは実際上問題ではなかろうかと私は考えられます。したがってそういう点を十分注意しながら、しかしながら平素の状態を越えて――京都の場合等はそれがビラという名前で呼ばれ、あるいはパンフレットとして呼ばれたか存じませんが、いずれの名称たるとを問わず、平素の状況を越えて著しく極端なものは考慮すべきである、大体こういう考えのワクで規律をしてみたら、こう考えたわけであります。したがって、いままでにおける日常生活を、さらに選挙だからといってきびしく律していこうということはちょっと考えられない、また私自体としても考えておりません。そのことだけは現在の自治省の方針としてはっきり申し上げられます。要するに、平素のいろいろの文書活動をもさらにきびしくしていく、その内容もさらに選挙ごとにきびしくする、これはとらざるところである、こう考えております。
#114
○青柳委員 機関紙の問題につきましては、従来のものが選挙になったとたんに大きな規制を受けるということはちょっと考えられないという御趣旨だと思いますけれども、六十一国会で緩和されましたのは機関紙ではなくて、いわゆる選挙の期間中に発行するビラなどでございますが、これは地方議会の選挙にあたりましては、公職選挙法でも全然制限を加えていなかったものでございます。それを衆参両院並びに都道府県知事、特別の市長選などに適用するというところに六十一国会の改正があったわけで、御承知のとおりでございます。これはもちろん従来からいわれていた選挙運動の自由といいますか、表現の自由というものが非常に制限されておった、これは政党政治を保障する上においても、また選挙というものがほんとうに国民のものになるためにも必要だという世論並びに選挙制度、審議会の答申、そういうものを受けて行なわれたものだと思いますけれども、そのビラの発行について、これを全面的に禁止するような再改正、あるいは全面的には禁止しないけれども、その内容とかあるいは数量とかその他何らかの規制をするというようなことを、技術的な面ではいろいろと研究しておられるのではなかろうかと想像いたすのでありますけれども、この点はいかがでございましょうか。
#115
○秋田国務大臣 御想像のとおり、また先ほど二見先生にお答えいたしましたとおり、ビラ等につきましてはどうしたらいいだろうか、ビラ等を平素はあまりおまきになることはないわけで、選挙になると、自由になったというわけで、これが目立って無制限に散布されるということのいろいろ弊害と申しますか行き過ぎについての反省が起こっているわけでございますから、その点は考慮をいたしております。しかしながら、もう常識的に、法規的に当然すべからざる内容記載の点を除きまして、いろいろ内容を制限しようとか、回数、枚数等いかなる基準によるべきか、よることができるか、それが自由の原則とどういう関係になるだろうか、また配布の態様等につきまして、方法等につきましてどうなのか、その点は確かに考慮をいたしておるところであります。しこうして、それが自由の基本原則に反しない程度に、そうして行き過ぎのそしりを招かないようにするにはどうしたらいいだろうか、その点は最も苦労をいたしておるところでございます。
#116
○青柳委員 いまおっしゃられたような再改正につきましては、前回のこの委員会での参考人の中でも、それに賛成の御趣旨の御意見を述べた方もありますけれども、朝令暮改的なものではないかという消極的な反対の御意見を述べられた参考人もおありになります。私は、ただそれが朝令暮改だからという単純な理由ではなくて、やはり民主主義的な趨勢に逆行するものではないかという意味においてとうてい賛成はいたしかねるわけでありますけれども、さらに進んで、従来全然問題にならなかった地方議会の選挙あるいは市町村長の選挙などについても、衆参両院議員あるいは都道府県知事の選挙だけでなしに、規制を加えていこう、そういうような計画もあるやに一部報道されているわけでありますけれども、この点いかがでしょう。
#117
○秋田国務大臣 まあ都道府県会議員の選挙程度までは、やはり最近の傾向を考えますと、だんだんといま考えておるような規制を加えたほうがいいのじゃなかろうか、都道府県会議員選挙程度まではそういうことが考えられるのじゃなかろうかというふうに考えております。
#118
○青柳委員 これは非常に大問題だと思うのでございますけれども、この大問題を、何か、来年地方選挙が一せいに行なわれる、それから引き続いて参議院選挙が行なわれる、だから、通常国会では間に合わないから、この秋の臨時国会、これは当然開かれるべきものであると思います、しかも、そこでは公害問題あるいはわが党からも要求しております日米共同声明についてアメリカ側の国会での証言、そういう問題についての重要な案件があるわけでございますが、その臨時国会でただいまのような規制の再改正を自治省として内閣から提出される予定でございますか。
#119
○秋田国務大臣 臨時国会は、野党側から成規の御要求がありますので、これは開かざるを得ないと思います。その際に、重要な問題点についてはただいま御指摘のとおりでございますが、ただいま問題になっておる選挙法の改正につきましても、問題の重要性また時間的な関係を考えますと、なるべく早いほうがよろしいので、臨時国会に提案をいたしたい、できればそのように準備を進めてもらう、こう考えております。
#120
○青柳委員 また一部想像をたくましゅうする面では、政府提出の法案にしないで議員立法の形態をとる、与野党話し合いの上で、あまり議論のあるところは避けて、適当なところで妥協してと申しましょうか、議員立法形態をも考えておられるというようなこともちょっと耳にするのでございますけれども、この点はいかがでしょう。
#121
○秋田国務大臣 いまのところ、さようなことは考えておりません。政府の責任においてやりたいと考えております。
#122
○青柳委員 もう時間もございませんから、あまりくどくど申しませんけれども、繰り返すまでもなく、これは選挙の自由、国民的な選挙の問題についての非常に重大な制限でございまして、終戦直後の非常に自由になったのが漸次だんだんと窮屈になってきて、国民は選挙にはもうさわらないほうがいいというような、たとえばビラをもらってもそれが罰則になるのじゃなかろうか、あるいは機関紙を読んでも罰則になるのじゃなかろうかというような非常に窮屈な感じを持つようになるし、また取り締まり当局のほうでも、こまかな規制がございますと、それをいわゆる形式犯という名で呼ぶにしても、買収とか供応とかいうような悪質な実質犯よりも検挙しやすいといいますか、そういう点で非常に国民をおそれさせる、萎縮させるというような結果におちいらざるを得ないと思うのでありますが、そういうおそれのある再改正という問題について、もっともっと国民の世論――新聞報道などでも、これを全面的に支持するというような社説も見受けませんし、また一般報道でもこの自治省の動き、政府の動きというものをそのままけっこうだというふうには見ておられないように私どもは考えるわけです。ですから、これからそういうものを計画され、政府提案としてお出しになるにあたりましても、この点はよほど慎重にやらなければいけないことではないか。そしてもっともっと緊急な問題であるところの政治資金の規制の問題であるとか、あるいは参議院の定数是正の問題、これは来年の四月、五月ごろあるわけでございますが、それと衆議院の定数是正、いずれも公職選挙法の改正につきましては重要な案件がたくさんそろっておる際に、何か規制のほうだけを強化するというようなことはすべきではないというふうに私は考えますが、この点もう一ぺん大臣のお考えを承りたいと思います。
#123
○秋田国務大臣 政党のいろいろ政治活動、選挙の際の活動の自由に何らかの秩序を与えるとはいいながら、規制的措置を講じたいというのでございますから、それにつきましていろいろ議論の分かれるのも当然でございます。また内容的にもいろいろ複雑にして微妙な問題も含んでおることは当然でございます。それらの点を考えまして、私も軽々に与党の説に屈したわけでもございません。野党の一部からも、京都の選挙の一部をどう見るかということについて相当御意見もありまして、いろいろの点を考慮いたしましてこれが改正の必要を決意いたしておるわけで、先生の御意見は御意見として十分尊重しつつ、世論、国会の各政党の御意見、その他関係方面の御意見等も慎重に伺いまして検討の上、なるべく時期を失せず、出す以上これを出したい、こう考えておりますが、ともかく慎重な配慮をしてまいりたいと考えております。
#124
○青柳委員 終わります。
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#125
○久野委員長代理 この際、おはかりいたします。
 先般、長崎県、熊本県及び大分県に委員を派遣し、調査を行ないましたその報告書が委員長の手元に提出されております。これにつきましては、会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○久野委員長代理 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。
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    〔報告書は本号末尾に掲載〕
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#127
○久野委員長代理 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時四十一分散会
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ソース: 国立国会図書館
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