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1970/05/07 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 災害対策特別委員会 第6号
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1970/05/07 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 災害対策特別委員会 第6号

#1
第063回国会 災害対策特別委員会 第6号
昭和四十五年五月七日(木曜日)
    午前十時七分開議
 出席委員
   委員長 辻原 弘市君
   理事 稻葉  修君 理事 内海 英男君
   理事 細田 吉藏君 理事 斉藤 正男君
   理事 合沢  栄君
      小沢 一郎君    小沢 辰男君
      奥田 敬和君    高鳥  修君
      羽田  孜君    別川悠紀夫君
     三ツ林弥太郎君    村田敬次郎君
      吉田  実君    金丸 徳重君
      川村 継義君    新井 彬之君
      鈴切 康雄君    西中  清君
      林  百郎君
 出席政府委員
        総理府総務副長
        官       湊  徹郎君
        気象庁長官   吉武 素二君
 委員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房参事官    川上 幸郎君
        防衛庁防衛局運
        用課長     半田  博君
        防衛庁経理局工
        務官      伊崎  宏君
        通商産業省公益
        事業局水力課長 鈴木  篁君
        気象庁総務部人
        事課長     松平 忠一君
        気象庁予報部予
        報課主任予報官 大野 義輝君
        建設省河川局開
        発課長     黒田  晃君
        建設省河川局防
        災課長     生瀬 隆夫君
        自治大臣官房調
        査官      成田 一郎君
        参  考  人
        (電源開発株式
        会社理事)   堀田 善二君
    ―――――――――――――
五月一日
 新潟県の雪害対策に関する請願(小沢辰男君紹
 介)(第四五五二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
四月二十日
 低気圧による岩手県の災害対策に関する陳情書
 (岩手県知事千田正外一名)(第一四九号)
 低気圧による宮城県の水産被害対策に関する陳
 情書外一件(宮城県議会議長村松哲治外一名)
 (第一七八号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 閉会中審査に関する件
 災害対策に関する件(ダム等による災害に関す
 る問題)
 請 願
  一 岩手県の低気圧による災害対策に関する
    請願(鈴木善幸君紹介)(第九六五号)
  二 新潟県の雪害対策に関する請願(小沢辰
    男君紹介)(第四五五二号)
     ――――◇―――――
#2
○辻原委員長 これより会議を開きます。
 この際、請願の審査に入ります。
 本委員会に付託されました請願は二件であります。
 岩手県の低気圧による災害対策に関する請願及び新潟県の雪害対策に関する請願を議題といたします。
 両請願の取り扱い等につきまして、先ほどの理事会の協議のとおり、紹介議員の説明等を省略し、直ちにその採否を決することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○辻原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 おはかりいたします。
 岩手県の低気圧による災害対策に関する請願及び新潟県の雪害対策に関する請願は、その趣旨妥当と認め、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○辻原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○辻原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#6
○辻原委員長 なお、念のため御報告申し上げておきますが、本委員会に参考送付されております陳情書は、低気圧による岩手県の災害対策に関する陳情書及び低気圧による宮城県の水産被害対策に関する陳情書の二件であります。
     ――――◇―――――
#7
○辻原委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 ダム等による災害に関する問題について、本日、参考人として電源開発株式会社理事堀田善二君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○辻原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#9
○辻原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥田敬和君。
#10
○奥田委員 石川県の手取川水系に新しいダム建設の計画があるわけでございますけれども、ダム建設に伴って、自然発生的に関係住民が直接、間接に受ける被害、つまりダム公害に関連して二、三点、質問してみたいわけでございます。
 その前に、一般に水害という場合は、自然現象として大雨あるいは集中豪雨などによって発生した流水が、人間環境を破壊する現象をさす、そういうことで、水害は、ともすれば、自然現象であり、不可抗力であるという形で押し流されてきたきらいがあります。しかしながら、今日の河川は、御存じのように、上は大きなダムから、あるいは堤防、護岸など、もうつくられてない原始河川というのはほとんどないわけでありますから、そういう意味では、今日の河川の流水は、自然に流れておるというのではなくて、人工的に規制されて流れている、そういうことが言えるんじゃないかと思います。今日の河川は全体的に、そういう力で人工的に大きく変えられてきておる。したがって、河川流失というものを、いままでのような自然現象だけとして片づける段階ではないと思います。私たち、今日の科学技術をもって考えてみると、自然現象の大きな集中豪雨あるいは大雨等の制御ということは不可能でありましょうけれども、しかしながら、雨によって発生する流水というものを安全に流すということは、技術的にも可能であると思います。そういう基本的な、技術的な見解を、建設省の河川局防災課長もお見えのようですから、担当の方からちょっと御意見を承りたいと思います。
#11
○生瀬説明員 お答えいたします。
 ただいま先生のお話がございましたように、現在の河川につきましては、堤防とかあるいは治水ダムとか、そういうものによって、いまある程度規制されるわけでございますが、やはり天然現象というものは、――いわゆる異常天然現象といっておりますが、こういう豪雨とか台風とかそういうものが起きました場合に、こういうダムとか堤防とか等によりまして、現在の河川の流域を守っておるわけでございますが、こういう操作につきましては、雨の降り方とかあるいは台風の進路とかそういうものによりまして、その扱い方が全部変わるわけでございまして、天然現象と申しましても、これは非常に複雑なものでございまして、なかなかその解析がむずかしいわけでございます。われわれといたしましても、現在北上なんかでやっておりますようにコンピューター、そういうものを使いまして、現在解析をやっておるわけでございまして、そういうような方法によりまして、できるだけそういうダムの操作とかあるいは堤防、そういうものにつきまして一貫性を持って進みたいと思っておりますが、そういうダムの操作とかそういうものにつきましては、直接、私やっておりませんので、後ほど開発課長が参りますので、もし先生の御要望がございましたら、開発課長のほうからお答えすると思いますが、よろしくお願いいたします。
#12
○奥田委員 当面の最高責任者である湊副長官にひとつお伺いしますけれども、いま河川は、人工的にずいぶん変えられてきておる。しかし、まだ堤防、護岸などは、依然として災害待ちといいますか、まだ決して、防災体制は完ぺきなものになっておりません。いわば災害待ち体制ということばで形容できると思います。ところが、また一部では、上流では防災林を切ってしまったり、あるいは、山間部での林道あるいは観光道路の建設は進みますけれども、逆に予防、防災といいますか、そういう山腹の砂防関係における保全が十分行なわれてない。あるいは下流部においては、遊水地を埋め立てて宅地化する、あるいは水田化するといったような形で、私は、今日の災害現象というものをよく冷静に調べるときに、そこを人工河川による人工災害であるとすら、極端に表現できれば……と思うわけです。私は、ですから、いまも防災課長が言われましたけれども、異常出水あるいは予期しない天然現象という形は、いまやもう、そういう形はほんとうの言いわけにならないと思います。したがって、これからのそういう水害現象というものを、単に天災現象という表現でとどめるんじゃなくて、一つの原因追及には、人災として、人工災害として徹底的に追及していく姿勢がお願いしたいわけでございますけれども、この点に関して、副長官のお考えをお聞きしたいと思います。
#13
○湊政府委員 ただいまお話がございましたように、最近、一つは、災害と従来からいわれておったような現象、それに、いろいろな経済社会の発展に伴って人工的なものが加味され、通常公害現象といわれているようなもの、あるいはそれに関連して、これは明らかに一種の事故ではないかと思われるようなこと、いろいろございます。したがって、私どもといたしましても、従来の典型的な台風あるいは集中豪雨災害、こういうことのほかに、いわば都市災害、あるいはコンビナート災害、極端に言えば、過般の大阪におけるガスの爆発、こういうものもやはり一貫して扱っていく必要があるんじゃないかというふうな気がいたしております。単なる自然現象でさえも、先ほど建設省のほうからお答え申し上げましたように、非常に複雑であります。それに人工的なものがいろいろ加味されますから、確かにいままで以上に、原因の究明等について科学的な、実証的な探求というものが必要になると思います。しかし、それらを含めて、私どもとしましても、姿勢としては、ただいまおただしのような形で取り扱っていくのが当然であろうというふうに考えております。
#14
○奥田委員 私たちは、しろうと考えで、ダムというものは洪水調節に役立つんだというような形で考えておったわけですけれども、しかし、よくこれをしさいに、いろいろな各地域のダムを資料を取り寄せて調査いたしますと、上流からの土砂の堆積によって河床が上昇したために、ダムの上流地域においては水害の常襲区域という形で、洪水の脅威にさらされているというような現象も一、二聞きます。そしてまた、下流部においては、発電を主体にしたような利水ダムの場合には、そういう放流といいますか、放水などがどうしても発電主体に考えられるために、被害をかえって増大したというような――それもいま、いろいろな形で事実検討が行なわれているようでございますけれども、むしろダム建設によっていろいろな、下流もしくは上流地域に大きな被害が発生しているというような形を私たちは聞くと、私の選挙区である石川県に、いま非常に大規模な多目的ダムが建設されるという面において、何としても地域の上、下流の人たちに安心してそれを認めていただくような、そういう技術的な解明がほしいわけです。もちろん、経済の成長によって、エネルギー消費は年々ものすごい勢いで増大しておりますし、依然として、核エネルギーや火力エネルギーに続いて、水力というもののエネルギーとしての必要性は認めます。しかし、私は、やはりこの治水という問題と利水という問題点の調整ということは、非常に大切な政治課題であろうと思います。どちらかと言えば、火力がおもになっていわば電気をとるという、火主水従というような形のダムであってはいけないと私は思いますし、その意味におきまして、これは建設省でも電発の関係の――電源開発の堀田理事さんもお見えのようでございますけれども、本来の大切な治水の機能というものが、いわば発電をするための利水機能にのみ込まれてしまう、そういう形に対して非常に不安を感ずるわけです。利水重点主義といいますか、そういう形の中で、本来の国土保全あるいは治水というような大きな目標が失われていく形というものを、非常に懸念するわけなんでございますけれども、私はやはり発電ダムであってはいけないと思いますし、発電よりも人命なり上水、用水の確保、あるいはまた、治水面における沿岸住民の生命財産の確保というものに力点を置いた形であっていただきたいと思います。そういう意味において、当面のダム計画に当たっておられる電源開発、そして建設省のこういう開発関係を担当されておる担当官から、御意見をちょっとお伺いいたしたいと思います。
#15
○黒田説明員 お答えいたします。
 いま先生がおっしゃいましたように、治水と利水という問題につきまして、私ども、日ごろ非常に苦心をしているところでございますけれども、先生が御指摘になりましたように、昔の――昔といいますか、利水の問題が始まりました当初におきましては、利水単独のダムという目的のものが多かったわけでございます。戦後におきましては、いわゆる洪水調節、治水を目的といたしました、私どもは多目的ダムと呼んでおるダムが相当な数でございます。したがいまして、現状におきましては、十分そういう治水面の配慮、それから下流への防災の配慮というようなものを加味した、いわゆる多目的ダムというようなものがどんどんふえていっている。
 片一方、また利水のダムという単独のダムも、中にはございます。これにつきましては、やはり同じような観点から、そういうような防災面におきまして、利水の目的である一方、周辺に被害を与えないような、そういう配慮を河川管理上行政指導していく、そういうような考え方で現在行なっているわけでございまして、特に先生の五味島の問題につきましては、手取川の治水という問題が第一目的でございまして、そういう点の配慮につきましては、十分私たちも配慮してまいりたいと思っておるわけでございます。
#16
○堀田参考人 お答え申し上げます。
 手取川の調査につきましては、四十三年の秋に北陸電力株式会社と電源開発会社が、共同して開発の調査にかかったものでございまして、現在予備的な現地調査は、おおむね第一次のものを終わりまして、目下この結果によりまして、いろいろな面から技術的な検討を行なっておるわけでございます。
 災害対策等につきましては、この計画は、当初から治水関係あるいは上工水等を含んだ総合開発といたしまして、計画の検討を行なっておりますので、災害対策等につきましては、十分これを考慮し、また今後、電気サイドだけではございませんで、治水、上工水等の多目的の面からも、建設省あるいは通産省関係御当局からもいろいろ御指示をいただいて、計画の立案を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。よろしく御指導をお願いしたいと考えます。
#17
○奥田委員 いま黒田さんから、利水単独ダムですね、発電ダムは最近は非常に少ないんだ、これからのダムは、治水を主としたような多目的ダムの方向にあるということをお伺いして、安心したわけですけれども、あくまでも治水が主であり、発電が従であるというような態勢で建設省当局は当たっていただきたいのが、私たちの願いでございます。
 そこで、堀田さんにちょっとお伺いいたしたいわけでございますけれども、最近は水力利用の発電というものは、建設面のコストからいっても非常にコスト高になるというように聞いておるわけです。したがって、これからの水力利用の発電ダムは、今後多目的の形でいかない限りは採算ベースに乗らないというように聞いておりますけれども、たとえば火力、そして水力、原子力、これらのキロワット当たりの建設費というものは大体どれくらいになるか、また、できれば、もっとわかりやすく言えば、キロワットアワー当たりたとえば二円何十銭とか、水力は四円につくとか五円につくとか、あるいは原子力は二円何十銭だとかいうような数字があったら、ちょっと参考に教えていただきたいと思います。
#18
○堀田参考人 ただいま先生から御質問のございました件でございますが、数字的にかなり幅のあるものでもございますし、私、ここに全部が全部、こまかい資料を持ってきておりませんので、概略のお話だけを御報告させていただきたいと存じます。
 御承知のとおり、水力開発と申しましても、やはり大きなダムを持ちました、非常に調整能力の大きい発電、これはキロワット当たり十万円からあるいは十七、八万円というようなものもございまして、かなり幅のあるものでございます。最近開発されておりますポンプアップ式のもの等につきましては、キロワット当たりおよそ三万四、五千円から四万円程度かと存じます。そのように、ポンプアップ等においては、かなりキロワット当たりの建設費としては安いものもございます。したがいまして、水力建設と申しましても、その電気の質によりまして、かなりコストは違ってまいるかと存じます。また、火力等におきましても、私どもで担当いたしました石炭火力とかあるいは重油火力であるとかいうようなものの規模の大小等にもよりまして、大体キロワット三万数千円程度というようなものから五万円近いものというようなふうに、かなり幅があるかと存じます。原子力等につきましても、かなり規模によってキロワット当たりの建設費も違ってくるかと存じますが、大体六万円から八万円程度のものではなかろうかと存じます。
 そのように、アワー当たりにいたしましても、火力等の場合はずっと連続運転をいたしますので、アワー当たりは二円数十銭から三円程度までというようなふうに、これも大小により、かなり幅があるかと存じます。また、アワー当たりにつきましては、水力につきましては主としてピーク用に使いますので、大体最近開発されるものは四円から五円台というように、アワー当たりの単価としては、火力よりもかなり高いものになっております。ただ、性格として、ピーク用としては、どうしてもこれは電力の運用上なくてはならぬものと考えております。
 こまかい数字的なものにつきまして資料の持ち合わせがございませんので、概略のお話をさせていただきました。
#19
○奥田委員 そこで、ひとつ具体的にこの手取川のダム開発計画に入りたいと思いますけれども、これは当初治水と、上水、工業用水、いわば上工水の、そういう形の多目的ダムとして建設省が直轄でやるという形に聞いておったわけでありますけれども、現在、この予備調査の段階がどの程度まで進んでおるのか、あるいは実施計画にいつ入るのか、この点、もしお聞かせ願えたらお聞かせいただきたいと思います。
#20
○堀田参考人 お答え申し上げます。
 先ほど御報告いたしましたように、北陸電力さんと共同で調査に入りましたのが四十三年の秋でございまして、現在まで、おおむね予備的な現地調査を終わりまして、このデータに基づきまして種々技術的な内容検討を行なって、計画の立案を急いでおるわけでございますが、最経済的な、あるいは総合開発としての最適計画を求めるというような観点から、慎重に計画の検討を行なっておりますので、当初の私どもの目標といたしましては、計画の立案は四十四年度末を目標としておったのでございますが、治水、上工水等を含めまして、それぞれ関係御当局とも、これらの各目的と十分に調整するために若干の時間を要しておりますので、今後私どもといたしましては、できるだけ精力的に計画の取りまとめを急いでまいりたいと考えておる次第でございます。
#21
○奥田委員 まだ予備調査の段階のようですから、これ以上これは言いませんけれども、もしも発表ができる段階であれば、電発側で考えておるこの発電規模、そして、もちろん着工といいましても、これは電源開発調整審議会の審議をまたなければいけませんけれども、大体の予定というものができておると思うわけですが、それについてお聞かせ願えたら、ちょっとお願いします。
#22
○堀田参考人 お答えいたします。
 現在検討いたしております電気サイドの規模でございますが、おおよそ二十万キロないし三十万キロというような幅で最適計画をまとめるべく、現在技術的な検討をいたしておるわけでございます。
 なお、着工あるいは着工に入ります前の電源開発調整審議会への付議等につきましては、現在関係方面といろいろ技術的な検討をいたしておりますこの問題が片づかなければ、なかなか、いつと私、申し上げるほどの自信を持っておりませんので、今後早急に関係御当局と計画内容、立案の協議と、着工の時期等について協議を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
#23
○奥田委員 多目的なダムですから、電発ばかりじゃなくて、建設、通産、厚生あるいは農林、場合によっては水資源公団等の関係もあるわけでしょうから、それで大体わかりました。
 ただ、私は、これは堀田さんにお聞きするのは無理なのかもしれませんけれども、事業主体がどこになるのか、そしてダムの設置者は一体だれなんだ――まあ建設省だと私は推定しているわけですけれども、やはりこれによっていろいろな問題が発生すると思うのです。たびたび問題にもなっておりますように、河川法五十二条の問題がここで生まれてまいります。先ほど言った治水というものを重点に考えた場合に、やはり管理者がだれで、ダムの設置者が一体だれなんだ、それによって防災上必要な指示等が行なわれるということになるわけですけれども、たびたび問題になっていますように、放水をする。ところが雨が降らなかった場合に、その損失の補てんは国ないし公共団体がやっていかなければいかぬということで、そういう損をおそれて、端的に言うと、国や公共団体が、そういう意味で防災行政の不在という形で表現されておりますけれども、そういう形の問題が起きるのじゃないかということを懸念するわけです。したがって、事業主体は一体だれになるのだ、そういう点をちょっとお聞かせ願いたいと思
 います。
#24
○堀田参考人 お答え申し上げます。
 事業主体につきましては、計画が検討中のものでもございますし、もちろん、今後の関係当局との協議によりまして決定されることと考えますが、私ども電気サイドの事業といたしましては、先ほど申し上げましたように、非常に大規模の計画でもございますし、電力需給に対する影響も大きいわけでございますので、私どもは、私どもの希望といたしまして、電気サイドで実質的に工事を進め得るよう、事業主体としては電気サイドが担当することを希望いたしております。
 なお、地元の災害、あるいはそのような問題につきましては、われわれとしましては、十分関係方面とも調整をいたしまして、トラブルのないように進めることを念願いたしておりますので、特に付言いたしておきたいと存じます。
#25
○奥田委員 私は、たいへん堀田さんには申しわけないですけれども、そういう電気サイドだけでこれをやってほしくないのです。やはり建設省、そして特に地元の大きな過疎問題を含んでおる直接の担当者である石川県、そういう問題の協調体制においてやっていただきたいわけです。
 私は、天竜水系や只見水系で一部起こったようなダム災害の防止にも全力を尽くしていただきたいですし、ダム放水によるいろいろな形の被災地の争い、そういう形を未然に防止する、また、それに対して前向きな姿勢をとる意味においても、発電サイドによるそういう形というものについては、私は非常に疑念を持つわけです。特に白峰の桑島地区では、数百戸の水没家屋の補償問題もあります。と同時に、そういう水源地は、現在も過疎地域として、日常の生活不安に非常に脅かされている地域である。そういう意味において、特にこの水源地の過疎問題というか、水源地住民の生活を犠牲にする形でのダム建設には、絶対反対であります。
 したがって、今後発電サイドという形のみにとらわれないで、先ほど言いましたように、本来の多目的ダムとして、今日の水不足、そして急流河川である手取水系の治水対策という問題を、総合的に十分慎重に検討されて、着工期が多少おくれても、地元からいろいろな問題が起きないように全力投球をしていっていただきたいと思っております。
 特に、生瀬防災課長や黒田開発課長も、建設省からわざわざ見えておるようでございますから、この問題について、建設側の見解をちょっと伺いたいと思います。
#26
○黒田説明員 お答えいたします。
 先生が先ほどおっしゃってみえますように、ダムによる防災体制という問題でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、このダムにつきましては治水という大きな目的が入っておるわけでございます。したがいまして、先ほど堀田理事からお話がありましたように、今後、計画を取りまとめた上で事業主体という問題が出てまいるわけでございますが、いずれの事業主体になりましても、いわゆる河川管理者がそこに常駐して管理をするという体制には間違いないわけでございまして、そういうようなことのないよう、現在建設省が行なっておりますほかの多目的ダムと同様な形の管理体制ができ上がるわけでございまして、そういう点におきまして、発電単独の管理ということは、現実問題としてはあり得ないわけでございますので、その点、ひとつ御了承いただきたいと思います。
#27
○奥田委員 手取川の電源開発計画に伴う問題案件については、これくらいにいたします。
 先ほどからくどいようでございますけれども、あくまでも治水が主である、そして発電が従であるという水主火従の原則を踏まえて、しかも、水源地附近の過疎地における住民、そういう面の補償対策、あるいは集落の再編成という問題についても、石川県当局のほうと万全の協調体制において、不満のない形で解決していっていただきたいことを付言いたしておきます。
 次に、防衛庁の災害出動に関連して、一点だけお伺いいたしたいと思います。
 本年度においては、防災関係の予算の中で、防衛庁の費目として災害応急対策費一千七百万円が計上されておるわけですけれども、新聞などで、いろいろな緊急災害に出動しておる皆さん方の実績等を見て、この予算で、緊急出動していて一体どれくらい足しになるのかと思うのです。四十二、四十三あるいは四十四年度におけるこの緊急出動に対して、一体どれくらいの経費がかかったのか、そのいままでの実績がわかったらお聞かせ願いたいと思います。
#28
○半田説明員 お答えいたします。
 四十二年度におきましては三億二千万円、四十三年度におきましては約一億六千万円、四十四年度におきましては約一億七千万円でございます。これは人件費、糧食費、車両・航空機・艦船の修理費、油購入費等を全部含めたものでございます。
#29
○奥田委員 こういう緊急災害に対する皆さんの活動は、災害地住民からたいへん感謝をされておるわけでございますけれども、緊急災害派遣だけではなくて、普通の形でのいわば民生協力といいますか、貧弱な、財源の乏しい市町村に、たとえば奥地の僻地道路を建設してやるとか、そういういろいろな形での出動もあるわけです。それの実態はどうなのか。そのことと、自衛隊が出動するときの基準ですね、公共性とか、あるいは訓練目的とか、いろいろな問題でけじめがあると思うわけですけれども、その点についてちょっとお答え願いたいと思います。
#30
○伊崎説明員 お答えいたします。
 私のほうで部外工事を実施いたします法律は、自衛隊法第百条、防衛庁設置法第五条第十九号、自衛隊法施行令第百二十一条から第百二十六条でございまして、この内容は、第百条では、「長官は、自衛隊の訓練の目的に適合する場合には、国、地方公共団体その他政令で定めるものの土木工事、通信工事その他政令で定める事業の施行の委託を受け、及びこれを実施することができる」。こういう法律に基づきまして、防衛庁設置法施行令で内容的に具体化しておるのが現状でございます。
 先ほど先生から御質問のありました道路工事等でございますが、申し入れ者、地方のたとえば市町村長が、防衛庁に実施の委託を申請いたしまして、それに基づきまして、防衛庁のほうで実施している現状でございます。
#31
○奥田委員 災害等における緊急出動、そしてまた貧弱な市町村に対して、そういう僻地の道路とか子供の教育施設、運動場施設等の改善に協力することは、たいへん好ましいと思います。しかし、最近、特にこの防衛庁関係で工事が大型化している傾向も見られるように聞いております。私はやはり、端的に言えば――自衛隊法百条あるいは防衛庁設置法その他政令によって出動基準を定めてあるということですが、だんだんこれが民間関係からの要望が強くなる。そうして、いろいろな形からのそういう協力が要請されるという形の点において、特にけじめをつけていただきたいと思います。緊急出動、災害出動等以外については、やはり皆さんは日の丸の施設である。そうして、非常に高度な形での機械化装備をしておる。そういう形の中から――一般業界においては、非常に苦しい中で当面しておる現在の建設業界の点を考えるときに、災害協力という面がだんだんワクをはずれていって、一般の建設工事関係に介入していくという姿勢は、やはり一線を画しておいていただきたいと思います。
 この面についてはこれくらいでやめますけれども、最近の工事が大型化しておる、協力要請の内容においてその規模が大きくなっているということを聞いておりますけれども、その点について、最後に一言お答え願いたいと思います。
#32
○伊崎説明員 お答えいたします。
 私のほうで部外工事で実施しております内容でございますが、道路工事と、先生のおっしゃいました学校の整地工事が大部分でございまして、道路工事につきましては、山間僻地のところが非常に多くて、民間の業者で施工しにくいような場所だとか、そういうのが一番多くございます。
 それで、私のほうで実施いたしておりますものはブルドーザー等を使います工事で、道路でも概成だけをいたしまして、そのあとの仕上げの工事、たとえば舗装の工事とか擁壁の工事、こういう仕事は全部民間業者でやっておる次第でございます。それと、大体申し入れ者が防衛庁に申請いたします際に、地元の建設業協会の同意を得まして私のほうに申し出るのが通常でございますので、そういうトラブルはないのではないかと思っております。
#33
○奥田委員 けっこうです。そういう形のトラブルを未然に防ぐ上においても、今後協力要請、出動要請があった場合でも、関係市町村並びに業界等と連絡を密にして、そういう形の中でみんなから歓迎される、みんなから感謝されるというような形での出動をやっていただきたいということをお願いして、私の質問を終わりといたします。
#34
○辻原委員長 斉藤正男君。
#35
○斉藤(正)委員 奥田委員から質問がございましたけれども、さらに深める意味で、まず防衛庁関係に伺うわけでありますけれども、昭和四十五年度の防災関係予算過日の委員会に提案をされたわけでありますが、先ほど奥田委員からもお話がありましたけれども、一千七百万円が計上されております。ところが、四十四年、四十三年、ずっと前を見ますと、全然これが出てきていないわけでございまして、四十五年度に突如として出てきたわけであります。
 これは、いまの説明でも明らかなように、年々災害出動をされて、罹災者はもちろん、自衛隊がもし国民から歓迎されるとすれば、ただ一つの仕事だというように私どもは考えてもおって、罹災者は感謝をしておるし、われわれもまた力強く思っていたわけですけれども、これは総理府のほうに責任があるんじゃないかと思うのですけれども、なぜ一体、四十四年までこうした防災関係予算に出てきていなかったものが、四十五年度に突如として一千七百万出てきたのか、その辺の意図が私にはわからないわけであります。承りますと、災害関係出動のために四十三年度で一億六千万、四十四年度でも一億七千万というように、この予算をはるかにオーバーしてお使いになっておるし、実質的な出動をされておるわけでありますけれども、なぜ一体、突如として四十五年度に頭を出してきたのか。これはまず総理府のほうに聞かなければならぬと思うのですけれども、どういうことなのか、副長官、おわかりでございましょうか。
#36
○湊政府委員 ただいまのお話でございますが、従来から自衛隊の皆さんには、災害のつど、応急対策等に非常な御協力をちょうだいしてきたのでありますが、御承知のように自衛隊のたてまえ上、通常ほとんどの経費は、訓練演習費ないし油の購入費というふうな自衛隊経費から出しておったわけでございまして、千七百万という数字は、実は一種の災害用に使う消耗費ないし糧食費、この程度が一千七百万の内容であります。したがって、四十四年も実は同額程度の予算はあったのでありますが、そういうものを一切がっさい、やはり予算としてお示ししたほうがしかるべきであろうというので、ことし突如として表に出たような形でありますが、実質的には前々からあったわけであります。
#37
○斉藤(正)委員 副長官のお答えで了承をいたしますけれども、やはり災害対策として自衛隊が今日まで果たしてきた役割りというものを考えましたときに、当然――従来もあったことでございますので、この点は突如として出てきたわけではないということでありますけれども、一応私どもが資料としてちょうだいした中に、四十四年まではなかったのが、四十五年から出てきたということになりますと、なぜだろうという疑問を持つのは当然だと私は思うわけでございますが、説明を聞いて了承をいたしました。
 さらに防衛庁に伺いたいわけでありますけれども、防衛庁にはレーダーがあるはずであります。このレーダーは、差しつかえない範囲で答弁をいただきたいと思うわけでありますけれども、幾つ、どこに設置をされておって、その果している役割りは何であるかということをまず伺いたい。
#38
○半田説明員 お答えいたします。
 自衛隊のレーダーは、現在全国に二十四カ所ございます。このレーダーサイトは、防空目標の監視及び識別並びに要撃管制のための警戒管制を行なうことを目的といたしておりまして、常日ごろ気象観測というようなものは実施をいたしておりませんが、しかしながら、このレーダーによりましても機能的にはある程度気象観測を行なうことが可能でございまするので、台風接近時その他特殊な気象状態の場合には、このレーダーサイトは警戒管制とあわせて台風等の観測も行なって、これを各自衛隊の基地並びに気象庁のほうに通報するということをいたしておる次第でございます。
#39
○斉藤(正)委員 二十四カ所のレーダーサイトが監視、識別その他の仕事をやっておって、非常の場合にのみ気象観測にも使われるということでございますが、常日ごろの、たとえば海上気象あるいは航空気象等について、それぞれ防衛庁としても気象の現状というのは必要でありましょうし、また予測も立てなければならぬというように思うわけでありますけれども、そういう点については、防衛庁の気象対策というものはどういう形で行なわれるのでありましょうか。
#40
○半田説明員 自衛隊が行なっております気象観測、ちょっと詳しくなりますが、御説明申し上げたいと思います。
 一つは、地上観測というのがございまして、これは陸上、海上、航空各自衛隊の航空基地において実施いたしております。陸上自衛隊につきましては、午前七時から二十一時まで十四時間体制、それから海・空自衛隊につきましては、二十四時間体制でこの気象観測を実施をいたしております。観測をいたしております観測要素は、風向、風速、気温、気圧、湿度、雲高、雲量、天気現象、雨量等でございます。観測要員は四人でございまして、これが三交代で勤務をいたしておりまして、一人は予備でございますが、この四人で観測をいたしております。観測資料は、得られました資料につきましては毎正時、つまり一時、二時、三時、四時、こういうことで、各基地ごとに気象テレタイプによりまして、各航空基地並びに気象庁のほうにこれを通報いたしております。気象庁は、こういう特殊気象情報をもとにいたしまして全般的な気象予報をする、こういう仕組みになっております。この定時観測のほかに、気象が急変いたしましたような場合には、特別観測をそのつど実施をいたしております。以上が地上観測でございます。
 それから、次に高層観測というものがございまして、これは海上自衛隊の徳島基地、及び航空自衛隊につきましては、三沢、浜松両基地において実施をいたしております。これは一日二回、九時と二十一時に実施をいたしておりますが、これは約一万五千メートルの高さにラジオゾンデを気球で上げまして――各高度における気象状態を送信するラジオゾンデという器械がございますが、これから送られてくるデータを受信機で受信いたして、気象情報を収集しておるということでございます。この観測資料は、これもテレタイプによりまして各基地及び気象庁に通報されております。この観測要員は十三人でございます。
 それから第三に、気象レーダーによる観測がございます。先ほど申し上げましたのは航空管制用のレーダーでございましたので、性能はちょっと違いますが、このほうが気象レーダーとしての性能はよろしゅうございます。これは航空自衛隊で七基地に持っております。小松、美保、千歳、百里、築城、芦屋及び新田原でございます。ここに気象レーダーを設置しておりまして、このうち小松と美保は中距離レーダー、大体三百キロメートルくらいまで届きます。他の五基地は短距離レーダー、これは観測範囲は約百五十キロメートルでございます。
 いま申し上げましたのは航空自衛隊関係でございますが、海上自衛隊におきましては、大湊基地において短距離レーダーを設置いたしております。ここで観測をいたしておりますのは、台風、低気圧、前線、雷雲等を主として観測をいたしております。これは二十四時間運用体制でございますが、通常定時観測は六時から十七時まで毎正時、定時観測を実施いたしております。このほか飛行運用を行なう場合、それから天気が急変したというような場合に、この気象レーダーの届く範囲で観測を実施いたしておるということでございまして、観測要員は、中距離レーダーにつきましては六人、短距離レーダーにつきましても同じく六人でございます。これから得られました資料は、やはり先ほど申し上げましたと同じように、テレタイプを用いまして各航空基地並びに気象庁に通報いたしておるということでございます。
#41
○斉藤(正)委員 いま詳細にわたって自衛隊のレーダー網について、特に気象観測について伺ったわけでありますけれども、それぞれの観測基地から気象庁に対する通報も行なわれているということを伺ったわけでありますけれども、逆に、自衛隊は気象庁から観測資料をとっているのかどうなのか、その点いかがでありましょうか。
#42
○半田説明員 気象庁からは、私のほうから提供をいたしました資料その他総合的にまとめました資料を、全部ちょうだいをいたしております。
#43
○斉藤(正)委員 そこで、最近自衛隊の各基地と気象庁の観測施設等々との関連において、かなり有機的な連絡提携が行なわれておるというように私は考えているわけでありますけれども、防衛庁のこの面の責任者として、気象庁の観測資料といったようなものを総合してちょうだいし、その資料は各観測基地から送っておられるということでございますけれども、一体その精密度において、その正確さにおいていかがでございましょうか。最近の天気予報は当たらないということで、だいぶいろいろにいわれているわけでありますけれども、気象庁自体のいろいろ複雑な気象についての観測の盲点についてはよくわかっていると思いますけれども、防衛庁として考えて、一体気象庁の観測と、みずからおやりになっている自衛隊の観測と、科学的な器械を使い、科学的な法則に従ってやるのだから違いはないというようにお考えでございましょうか。いかがですか。
#44
○半田説明員 気象観測は、国際的に定められた基準によりましてこれを実施いたしております。したがいまして、大体気象庁の判断とそう大きく異なるということはございません。
#45
○斉藤(正)委員 またもそういうお答えだろうと思ったわけでありますけれども、先ほどからお話のありましたような観測網について――いままで説明があっわけでありますけれども、自衛隊としては、もうこの辺で気象観測の施設としては足りているというようにお思いになるのか、防衛庁の任務そのものから、またさらに拡充強化をしなければならぬとお考えになっているのか、その辺はいかがでございますか。
#46
○半田説明員 現在レーダーその他は相当整備されておるわけでございますが、気象観測用の航空機というものが、まだわが国にはないわけでございます。これは米軍の情報に依存しておる面が非常に多いわけでございますが、そういった面で、これは防衛庁が持つべきか気象庁が持つべきか、筋としては気象庁のほうがお持ちになって、こちらのほうが御協力申し上げるというのが筋じゃないかと思いますけれども、そういうふうな点についても検討する必要があるのではないかというふうに考えております。
#47
○斉藤(正)委員 高層気象につきましては、ゾンデ二回と、それから、パイロットによる観測二回をやっておるというように聞いておりますけれども、航空気象について、三沢と浜松についてはゾンデを二回やるだけであって、パイロットによる航空気象の観測というのはやっておりませんか。
#48
○半田説明員 先ほど申し落としましたが、一日二回ずつやっております。
#49
○斉藤(正)委員 いまあなたから、航空気象あるいは高層気象の観測に飛行機が必要であって、本来的には気象庁が持つべきであるかもしれないというお話がありましたけれども、自衛隊の飛行機による、いわゆるパイロットによる高層気象の観測というのは、現状でも二回やっておられるということで、それが観測のための飛行であるのか、あるいは訓練のための飛行中に観測をやられるのか、その辺が不明でありますけれども、いまの飛行機でも高層気象の観測というのは現実やられておるし、できるというように思うのですが、その点はいかがでございましょうか。
#50
○半田説明員 先ほど私説明が不十分でございましたが、航空機による観測ではございませんで、気球による観測でございます。そういうことでございます。
 それから、先ほど私申し上げました飛行機は、主として台風観測を予想した趣旨で申し上げたのでございます。
#51
○斉藤(正)委員 そうしますと、私はパイロットによって二回、三沢、浜松では高層気象の観測をやっているというように聞いておったわけですけれども、私の記憶は誤りであって、それはそうでないという確認でよろしいか。
#52
○半田説明員 これはパイロットではなくて、パイロットバルーンと申します。そういうことでございます。
#53
○斉藤(正)委員 以上で、防衛庁関係の気象に関係してのお尋ねは終わります。
 続いて、先ほど奥田さんからもお尋ねがありましたけれども、ダム災害に対しましてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。
 過日の私の質問で、ダム災害に対し――電力会社が見舞いと称して金を支出したケースが、天竜水系で前後三回、二場所、それから、吉野川水系で四国電力が一回というようなお話がございました。私は、その見舞いという内容がきわめてばく然としておって、多分に補償的な意味を持っておるのではないかというように解釈をいたしておるわけであります。
 たとえば四十年災に対して、電源開発株式会社は天竜市に五百万、四十三年災に対して、電源開発株式会社は天竜市に五百万、佐久間町に五百万、別に新豊根分ということで一千万。さらに四国電力は、穴内川に対して見舞いを出しております。いわゆる見舞い金というのは義援金的な性格を持っているとすれば、地元その他の大手が三十万出した、五十万出したというときに、電力会社もおつき合いをするという程度は、これは見舞いということばに該当すると思いますし、義援金の募集に応じたということになると思いますけれども、五百万円というような金はどうも見舞い金ではなかろう、補償的な意味も多分に持っているのじゃないか。補償するという以上、うちにも落ち度があったということをみずから認めたことになる。しかし、それは口が腐っても言えないので、五百万出そうが一千万出そうが、多額の見舞い金ということで片づけている、こういうふうに私は解釈せざるを得ないわけであります。
 通産省の担当官に伺います。ほかに例はないということでありますけれども、通産省が行政指導として、これは見舞い金を出しなさい、あるいは、出すべきではないというような指導は非常にむずかしいと思いますが、この辺の基準――ずいぶん、あちらこちらにダム災害が発生をいたしておりますけれども、一体どういう基準が妥当なのか。そしてまた、こういうことは行政指導としてやるべきことなのか、やるべきことでないのか、常識的に当事者が判断をすべきことだというふうにお考えになっているのか。過日のお答えでその点がやや不明瞭でありますので、ダム災害に対する電力会社の見舞いという解釈を、明確にお願いをいたしたいと思うわけであります。
#54
○鈴木説明員 お答えいたします。
 ただいま先生のお話の見舞い金につきましては、お話しのとおり、天竜川並びに四国の穴内において支払った例がございます。これは電力会社といたしまして、地元にダムを設置しているということで、地元の一員として、地域住民のそういう、かつて例のないような大きな罹災に対する救助として、また、地元との協調、友好を保っていきたいというふうな考え方から、応分の見舞い金というようなものを出しているのではないかと思います。それで、電源開発会社が出したのもそういうことであろうかと思いますけれども、その際に、地元が受けた被害の大きさ、あるいは地元の市町村長なり県知事のそういう要請がありまして、そういうことを判断の基準として見舞い金を出しているのではないかと思います。
 このように、見舞い金につきましては、電力会社が地元の一員として、そういう地元の災害に対する自主的な援助の一部というふうに思われます。したがって、その支出あるいは金額の多寡につきましては電力会社の判断にまかせるということで、われわれが行政の範囲内でタッチするような性格のものではないというふうに考えております。
#55
○斉藤(正)委員 電源開発株式会社の堀田さんがお見えでございますので伺いたいわけでありますけれども、電源開発株式会社は、四十年災に対しては天竜市へ、四十三年災に対しては天竜市並びに佐久間町へ、それぞれ見舞い金を多額にお支払いになっております。見舞い金とすれば、私は多額だと思う。しかし、ほとんど同じ規模の同じ程度の災害が発生した四十四年災に対しましては、この種のことはやっておられない。一体、知事が見舞い金を出せと言えばお出しになるのか。知事が、出さなくてもよろしい、あるいは黙っていれば、お支払いにならないのか。知事のさじかげん一つにあるというふうに私は考えざるを得ないわけでありますけれども、その辺の解釈は、電源としてはどういうようにお考えでございましょうか、伺いたいと思います。
#56
○堀田参考人 お答え申し上げます。
 ただいま先生からのお話にございましたように、四十年の二十四号台風、この際には一千万円のお見舞い金を支出いたしております。これは天竜市へでございます。四十三年の十号台風につきましては、天竜市に五百万円、佐久間町に五百万円というお見舞い金を支出いたしております。四十四年の七号台風につきましては、天竜市、佐久間町、豊根村、水窪町、春野町、こういうようなところに各十万円のお見舞い金を出しております。
 ただいま先生のお話にございましたように、四十年、四十三年に出して、四十四年には出ていないというような事実はございますが、お見舞い金の支出につきましては、地域社会の一員としまして、その地域で事業を営んでおります私どもといたしまして、災害被害の程度なりそのようなものを勘案いたしまして、あくまで自主的な判断に基づいてお見舞いをいたしておる次第でございまして、特にむずかしいことを、理論的な裏づけ等を考えておるわけではございませんので、その点、御了承をいただきたいと存じます。
#57
○斉藤(正)委員 私が申し上げましたように、五万、十万というお金は、これは地域社会の一員として常識的なお見舞いということは、わかるわけなんです。ところが、五百万円、一千万円となると、これは単なる見舞い金ではない。地域社会の一員として心からお見舞い申し上げますという程度のものではなくて、かなり補償的な意味を含んでいはしないのかというように考えた点が一占。
 もう一つは、四十年災にしても四十三年災にしても、中に入った知事がかなり強く、見舞い金の支出を要請されたと思うのです。ところが、四十四年災につきましては関係四市町村へ十万円ずつということで、五百万とか一千万とかいう数字にはほど遠いわけでありますけれども、地域社会の一員として、四十四年災というのは、四十年災や四十三年災と比較して出す必要のない災害であったというようにお考えになったのかどうなのか、その辺が疑問でありますので、もう一度お答え願いたいと思います。
 もう一つは、九電力をはじめ関係方面から、そのようなものを出しては困る、ダムをつくれば災害が起きるのはあたりまえだ、もし電源開発株式会社が、あるいは四国電力がそういうことをやると、ほかの電力会社にも累を及ぼす、やめてくれというような、有形無形の圧力があったと私は思うのであります。この場であなた、あったとは言えませんでしょうが、なかったとは断言できないと私は思うのですけれども、その二点について、いかがでございましょうか。
#58
○堀田参考人 お答え申し上げます。
 四十三年の場合は、その地域におきます静岡銀行さんとかあるいは金原財団さんとか、そのような他の企業におきましても、百万円程度のお見舞いが出ておる例もございますし、私どもとしては、そのつどそのつど、被害の状況等を勘案して支出を決定しておるものでございます。
 もちろん、先生がただいまおっしゃいましたような圧力とか、あるいは業界内のバランスとかいうようなことからとやかくというようなことは一切ございませんで、私どもの電源開発会社の自主的な判断に基づいて出しておりますので、その点、御了承をいただきたいと存じます。
#59
○斉藤(正)委員 押し問答になりますので、次に、今回ようやく地元の内諾を得て船明ダムの予備調査に入られるということで、けっこうなことだと思うわけでありますが、過日、地元天竜市から電源開発株式会社に対して、船明ダム建設にあたって数カ条にわたる要望書が提出をされ、電源開発株式会社もまた、四月八日付で回答をされております。
 この回答を拝見いたしますと、「ダムに起因して」云々ということばが随所に出ているわけであります。たとえば要望書の二番目に「護岸工事の完全実施に関する事項」という要求がありますけれども、これに対する会社の回答の中に、「測量調査の結果、買収線境界付近で地形等から判断しダムに起因して護岸等防災措置が必要と思われる個所」云々、あるいは三つ目の「調整池背水終端附近の堆砂防止に関する事項」の中で、これまた「万一、ダムに起因して」云々、あるいは五番目の「関係河川の防災、護岸工事の完全実施に関する事項」において、これまた「測量調査の結果、現地の状況、地形等から判断し、ダムに起因して護岸等防災措置」云々、また六番目にも、「ダムに起因して関係地域に」云々というようなことで、随所に出ているわけであります。この「ダムに起因して」ということばがきわめて不明確でありまして、解釈いかんによっては、これがまた争いのもとになるというように思うわけでありますが、数カ所出ているこの「ダムに起因して」ということばの解釈、文字の解釈、ダムが原因だという判断はだれがやるのでありましょうか。施工者である電源開発株式会社がやるのか、あるいは河川管理者である建設省がやるのか、どうもこの辺明らかでないわけでありますけれども、ダムが原因だという判断はだれがやるようになるのか、お答えをいただきたいと思います。
#60
○堀田参考人 お答え申し上げます。
 ただいま先生からの御指摘のように、私どものほうからの回答の内容に「ダムに起因して」ということばがございますが、これにつきましては、護岸その他の河川の防災措置、あるいは道路の整備などにつきまして十分調査を行ないまして、その資料を基礎にして、河川の場合には河川管理者、道路の場合には当該道路の管理者と協議を行なってまいりますので、それに従いまして、ダムに起因するかいなかの結論は、当然具体的に出るものと私ども考えております。また、私ども、誠意をもって協議をいたす所存でございます。
 なおまた、背水の終端付近におきまして堆砂が万一生じた場合でございますが、これにつきましても、当該地区に本年から三カ所の測点を設けまして、ダムの完成前及び完成後の河状につきまして、逐年調査、記録することとなっております。したがいまして、万一堆砂が発生する場合には、従来以上にその状況、原因等は正確に把握できるものと考えておりますし、河川管理者と十分な協議を行なっていく所存でございますので、御了解をいただきたいと存じます。
#61
○斉藤(正)委員 ぜひそのようにやっていただくべきだというように考えております。
 二番目に、要望書の四項の「道路基盤の整備に関する事項」のうちで二つの要求がございまして、「なお、大川地区等地盤軟弱地帯については、完全な地すべり防止を実施すること。」という要望がありますけれども、回答では、「測量調査の結果、湛水、放水等ダムに起因して付替、嵩上げ等道路整備が必要と思われる個所については、それぞれの道路管理者と協議の上決定するものでありますが、協議に際しましては御要望の趣旨を充分尊重致します。」ということで、要望書の前段の回答は示されておりますけれども、「大川地区等地盤軟弱地帯については、完全な地すべり防止を実施すること。」ということの回答は、的確にされておりません。したがって、四番目の後段の要望については、どうも不十分な回答だというように思うわけでありますけれども、この「測量調査の結果」云々という中に、大川地区等地盤軟弱地帯についての地すべり防止についても含まれているというように解釈してよろしいか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
#62
○堀田参考人 御指摘にお答え申し上げます。
 ただいま御指摘のございました、要望書の第四にございます大川地区等地すべり地帯でございますが、この点につきましては、船明ダムの湛水区域内でございまして、実はまだ十分の調査を行なっておりませんので、詳細はわかりませんが、湛水によりまして万一地すべり等を誘発するような懸念がございますような場合には、十分に措置をしなければなりませんが、回答書に、道路管理者との「協議に際しましては御要望の趣旨を充分尊重致します。」と答えておりますが、御指摘の点はこの中に含めまして考えております。したがいまして、地元の天竜市にもこの旨は説明いたしてございます。
#63
○斉藤(正)委員 全国でも数の少ないローラーゲートで、しかも河川の流れを変え、地盤の強いところへおつくりになるということで、たいへん注目をされているダムでありますけれども、この船明ダムがこの設計に基づきでき上がった場合、従来とは違ったダムの景観でもありますし、ダム操作等につきましても、十分な配慮をすれば災害は発生しないというように考えられておるようであります。私どももまた、これを期待するものであります。したがって、この船明ダムが完成の暁には、たとえば秋葉とか佐久間が起こしたと思われるような上流の河床の上昇、あるいは下流の河床の沈下、あるいは洪水時の災害といったようなものが発生をしないというように解釈してよろしいか。船明ダムについてはほかのダムとは違う。したがって、これができ上がっても災害はないというように解釈してよろしいか。
#64
○堀田参考人 ただいまの御質問に対してお答えを申し上げます。
 私ども、船明ダムにつきましては、十分な技術的な検討も行なっております。洪水時におきまして、ダムが基因いたしまして災害を生ずるというようなことは、われわれとしては絶対ないと考えております。ダムをつくることによりまして従来以上の洪水が生ずることはないということは、設計ないしこれに従ったダム操作を当然考えておりますので、私どもとしては、このダムの築造によりまして従来以上の洪水被害が出るというようなことは考えておりません。
#65
○斉藤(正)委員 船明ダムの説明書によると、「かんがい用水は、天竜川下流浜名および磐田地区の既成田の各用水の改良ならびに畑作地帯の新規開発に対して最大毎秒四万五千九立方メートル」「上水道用水は、地区内関係市町村に対し新らたに最大毎秒千五百五立方メートル」「工業用水は地区内関係市町村の工業地帯に対し、新らたに最大毎秒三千二百九十五立方メートル」「発電計画は船明ダムの水を利用して、最大出力三万二千キロワット」というように書かれております。もしこのとおりとすれば、私は、この工事が農林省、静岡県、電源開発株式会社の共同事業であるという点はわかるのでありますけれども、佐久間の三十五万キロ、あるいは新豊根の百二十五万キロといったような発電量に対し、わずかに三万二千キロワットしか発電しない。電源開発株式会社が工事の主体者であり、しかも管理者として永久に責任を負わなければならないということは、電源開発株式会社に対して過酷な要求ではないか。国なり県なりが電源に負担を負わせて逃げているというようにも、先ほどの奥田さんの質問にもありましたけれども、考えられる節があるわけでありますけれども、一体電源開発株式会社は、わずか三万二千キロの発電をするのにこれだけの金を出し――金も負担率がきまっておって、その三分の二を電源開発株式会社がお持ちになるようでありますけれども、それまで責任を負って、この船明ダムを電源開発株式会社がやらなければならない理由というのは一体どこにあるのか。私は当然多目的ダムとして、建設省なり農林省なりあるいは静岡県なりがもっと表に出るべきだというように思うのですけれども、率直に言って、電源として押しつけられたという感じはありませんか。いかがでございましょう。
#66
○堀田参考人 お答えを申し上げます。
 私ども、ただいま先生のお話にございましたが、船明ダム――御承知のとおり非常に最下流地点でございまして、砂利層等もかなり深いところでございまして、ここのダム設置につきましては、非常に技術的に高度のものを要する地点でございます。私ども、過去天竜におきましては、御承知のとおり佐久間以来各地点の開発を行なってまいりました。また技術的にも、そういうところにおける施工法につきまして十分な研究調査をやってまいりました。したがいまして、この地点の開発に、技術的にも、私どもとしては担当することに誇りを持っておるわけでございまして、三万二千キロと出力は小そうございますが、さような点もございまして、私どもとしては、今後施工にあたりまして細心の注意を払いまして、施工に当たりたいと考えておるような次第でございます。御了承いただきたいと存じます。
#67
○斉藤(正)委員 だいぶ歯切れの悪い答弁ですけれども、わずか三万二千キロを起こすだけなんですよ。それを五十七億一千七百万の総工費のうち、おたくは六二・三%を持たせられ、残りをそのほかが持つわけであります。しかも管理、運営、今後の最悪の事態の補償、あるいはそれらの解決といったようなものを、あげて電源開発株式会社がかぶらなければならぬということを考えましたときに、少し電源が勇み足ではないか、もう少し下がったほうがよかったのではないか。下がりたい気持ちは十分あったけれども、農林省や県が、何でも電源にやれということで、あるいは建設省も一枚加わっているかもしれませんけれども、やらせられたというようなことではなかったのかどうか。もちろん、おたくがダム開発、ダム建設について最高のスタッフを持っておられるし、多くの歴史を持っておられるということはわかっていますよ。しかし、それだけでおたくがこれだけの金を持ち、これだけの責任を負わされてやらなければならないダムであったかどうかという本質的な問題になってみると、どうも少し電源開発の荷が重過ぎはしないか、こういうように思うのですけれども、もう一度お答えください。
#68
○堀田参考人 お答え申し上げます。
 私、先ほど、ダム管理責任というような点につきまして、ちょっとお答えを怠りましたが、ダムの管理につきましては、御指摘のように、最下流地点でもございますし、これは非常にむずかしい管理が必要かとも存じます。また、将来上流の佐久間、秋葉を含めまして、洪水時のダム管理というようなことにつきまして、私ども、十分建設省の河川管理者としての御指導をいただきたいと存じておりますし、また、この船明地点のダム管理につきましては、将来私ども電発がしょい込んでいくという御指摘のようなことではなく、建設省に御管理いただくとか、あるいはその御指導をいただくというようなことでやってまいりたいと考えておりますので、その点、御了承をいただきたいと思います。
#69
○斉藤(正)委員 私は、別に電源の肩を持つわけでも何でもありませんけれども、経費の持ち方あるいは施工主体といったようなものについてすら、若干の疑問を持っておるわけでありまして、完成後の管理、運営につきましては、これは従前と違って、やはり総合的な管理、運営がなされなければ、電源開発としては過重な負担を背負うというように考えておりますので、申し上げたわけであります。
 建設省の担当官もおられますけれども、これが完成後の管理、運営について、いま参考人の答弁もあったわけでありますけれども、どのようにお考えになっていられるか、伺いたい。
#70
○黒田説明員 お答えいたします。
 先生が御心配になられるように、この船明ダムの地点というものは、あの平野一帯ののど首を押えておるわけでございまして、河川管理上非常に重要なものになってくるわけでございます。そういうような観点から、私どもも、あのダムに何らかのいわゆる河川管理上の洪水施設の機能というものを乗せられないかというようなことで、種々検討してまいったわけでございますが、いかんせん、非常に小さい、低いダムでございまして、そういう機能を十分持たせることは非常にむずかしいという判断になりまして、現在のような治水の入っていない、いわゆる多目的ダムというような形にならざるを得なかったわけでございます。現在電源開発のほうでいろいろな調査をなされておられますけれども、そういうような工作物の設置の許可、いわゆる河川法に基づく許認可というような問題につきましては、現在下協議中でございます。
 今後管理をどうするかという問題につきましては、私どもといたしましては、そういう重要な地点でございますので、管理についても行政上十分なタッチをしていくというつもりでございます。そのほか、いろいろ実際に行政上の指導、それから実際に管理をする、この両方があろうと思いますけれども、現在の段階におきましては、建設省みずからが管理するというようなことは、ちょっとむずかしいのではないだろうか。したがいまして、そういうような十分な防災あるいは河川管理上の行政指導を十分やっていきたい、そういうように考えているわけでございます。
#71
○斉藤(正)委員 大体わかりました。
 最後に通産省に伺いたいわけでありますけれども、昨年の北陸災害の際、河川法五十二条の適用について、当時の通産大臣大平さんは、八月十九日富山で、予備放流を十分しなければ水害の防止にはならない、予備放流をやったことにより発電に支障があった場合には、国が補償するという制度も含めて、法律なり制度なりの改正と確立をしなければならないという意味の前向きの発言をしたことは、これは事実だと思うわけでございます。そこで、予備放流をした場合の電力会社の損害を補償する制度がなければ、これはむやみやたらに、五十二条の適用に建設省も踏み切るわけにいかぬし、また電力会社も、ためた水を流してしまうわけにもいかぬというように考えてあたりまえだと思うわけであります。また、梅雨前線みたいなものが停滞し、ことしも、おそらく残念なことに水害が全くないとは言えないと思うわけでありますけれども、この五十二条の適用にあたって、しからば、いまの制度で国が補償するという場合には、どういう手続をとり、どういう制度があるのか、通産省から承りたいと思うわけであります。
#72
○鈴木説明員 お答えいたします。
 河川法五十二条による指示は、現在その河川で洪水か水害が発生しているとか、あるいは発生するおそれが非常に大きいと認められるようなときに、そういう災害を軽減するために緊急の必要があるときに発動されるものだと思われます。したがいまして、その指示に際しまして、そのダム水系にかかわるおもな河川の出水状況、あるいは自後の出水量の調査予測をいたしまして、河川管理者が技術的な検討を十分いたしまして、適切な指示を行なうというふうに考えられるわけでございますけれども、こういう総合的に判断されて発動される指示というものは、非常に適切なものであるから、そういう水位が回復しないというような心配がないとわれわれ考えておるわけでございますけれども、しかし、万が一その指示の中身で、内容がもし瑕疵があった場合、その瑕疵によって、そういう水位の回復ができなくて損害が起きたというふうな場合には、国家賠償法による法的な救済手段があるというふうに、私ども考えております。
#73
○斉藤(正)委員 湊副長官に最後にお尋ねをいたしたいと思うわけでございますけれども、副長官も発電県の御出身でございますが、ダム災害は、ダム公害だといわれて差しつかえないと私は思っております。しかし、ダム操作その他によって未然に防げる水害も発生をする、あるいは、ダム操作の誤りによってダム災害が発生したというようなことも、間々あり得ると思うわけであります。
 そこで、河川法の一条の目的からいきましても、あるいは五十二条の制度からいきましても、やはり最悪の場合には国家賠償法による補償にも応ずるという政府の態度も、これまた明らかにしなければならぬと思うわけであります。私はそのようなことがあってはならないと思いますけれども、河川法の中に五十二条の一項が設けられているにもかかわらず、いまだかつてこれが適用されたことがない。いわゆる死文だということになりますれば、これはないほうがいいわけでありますけれども、いやしくも五十二条が設けられている以上、その場合の国家賠償法の適用というようなことも考えていただかなければならぬというように思うわけでありますが、この点に対して副長官、いかがお考えでございましょうか。
#74
○湊政府委員 ただいまの問題は、いままでの委員会においても再々取り上げられ、事実、発生したダムに関連するいままでの災害のつど問題になった点でありますが、私自身も、最近――まあただいまダム公害というお話がございましたが、いろんな公害に類する――過般の大阪のガス爆発等もそうでありますが、あの種の災害が最近非常に多くなってきておる実態にかんがみ、この五十二条――これは私、しかと当時の河川法改正の事情を承知いたしておりませんが、お聞きをしますと、この原案のほうは、指示ということじゃなくて、勧告ということになっておった。それが国会審議の過程で指示ということに修正されたというふうな経緯も、お聞きをいたしております。それに関連して、当然、もし指示ということになりますれば、関連した賠償措置等について、いまから考えれば、規定してしかるべきものであろうと、私個人は考えております。
 そういうふうな点から、この条文の検討だけでなしに、実態に即して――なるほど、五十二条そのものずばりは発動になった実例はございませんけれども、行政指導で事実上発動と同じような効果を持たせる指導が行なわれた、こういう実例は、私も幾つか聞いております。そこら辺のいままでの実態、それから法令の解釈等を含めて、私どもとしても検討していきたいというふうに考えております。
#75
○斉藤(正)委員 終わります。
     ――――◇―――――
#76
○辻原委員長 この際、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。
 先ほどの理事会におきまして協議いたしましたとおり、災害対策に関する件について、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じます。これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○辻原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 次に、閉会中の委員派遣に関する件についておはかりいたします。
 閉会中審査案件が付託になり、その審査のため委員派遣の必要が生じました場合には、議長に対し委員派遣承認申請をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○辻原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、派遣委員の氏名、員数、派遣地、期間その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○辻原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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