くにさくロゴ
1970/03/05 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 決算委員会 第6号
姉妹サイト
 
1970/03/05 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 決算委員会 第6号

#1
第063回国会 決算委員会 第6号
昭和四十五年三月五日(木曜日)
   午前十時三十四分開議
 出席委員
  委員長 濱野 清吾君
   理事 小山 省二君 理事 高橋清一郎君
   理事 丹羽 久章君 理事 森下 元晴君
   理事 華山 親義君 理事 鳥居 一雄君
   理事 吉田 賢一君
      阿部 文男君    椎名悦三郎君
      塩崎  潤君    中村 弘海君
      綿貫 民輔君    日野 吉夫君
      西中  清君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 根本龍太郎君
 出席政府委員
        建設政務次官  田村 良平君
        建設大臣官房長 志村 清一君
        建設大臣官房会
        計課長     大塩洋一郎君
        建設省計画局長 川島  博君
        建設省都市局長 竹内 藤男君
        建設省河川局長 坂野 重信君
        建設省道路局長 蓑輪健二郎君
        建設省住宅局長 大津留 温君
 委員外の出席者
        通産産業省公益
        事業局業務課長 北山 昌寛君
        労働省労働基準
        局安全衛生部計
        画課長     保谷 六郎君
        建設省計画局宅
        地部長     朝日 邦夫君
        会計検査院事務
        総局第三局長  藤田  勇君
        会計検査院事務
        総局第五局長  石川 達郎君
        住宅金融公庫総
        裁       浅村  廉君
        住宅金融公庫理
        事       江ケ崎太郎君
        参  考  人
        (日本道路公団
        総裁)     富樫 凱一君
        参  考  人
        (日本道路公団
        理事)     小野  裕君
        参  考  人
        (日本道路公団
        理事)     高橋 末吉君
        決算委員会調査
        室長      池田 孝道君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月五日
 辞任         補欠選任
  田中 武夫君     赤松  勇君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和四十二年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十二年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十二年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十二年度政府関係機関決算書
 昭和四十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和四十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (建設省所管、住宅金融公庫)
     ――――◇―――――
#2
○濱野委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十二年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は建設省所管及び住宅金融公庫について審査を行ないます。
 まず、根本建設大臣より概要説明を求めます。根本建設大臣。
#3
○根本国務大臣 建設省所管の昭和四十二年度歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 歳入につきましては、一般会計の収納済み歳入額は五十億七千三百七十五万円余となっており、道路整備特別会計の収納済み歳入額は四千三百七十三億八千七百九十六万円余、治水特別会計の治水勘定の収納済み歳入額は一千三百二十一億九千三百九十二万円余、同特別会計の特定多目的ダム建設工事勘定の収納済み歳入額は二百十六億七千四百二十六万円余、また、都市開発資金融通特別会計の収納済み歳入額は三十八億五千八百八十五万円余となっております。
 次に、歳出でありますが、一般会計の支出済み歳出額は六千四百二十五億六百七十六万円余、道路整備特別会計の支出済み歳出額は四千三百五十一億八百六十九万円余、治水特別会計の治水勘定の支出済み歳出額は一千二百九十八億五千九百十六万円余、同特別会計の特定多目的ダム建設工事勘定の支出済み歳出額は二百四億四千百九十六万円余、都市開発資金融通特別会計の支出済み歳出額は三十六億三千五百七万円余であります。
 これらの各会計の支出済み歳出額は、治水関係事業、災害復旧関係事業、道路整備事業、都市計画事業、住宅対策事業、官庁営繕及び都市開発資金貸し付け事業等を実施するために支出したものであります。
 まず、治水事業につきましては、昭和四十年度を初年度とする第二次治水事業五カ年計画の第三年度の事業として、河川、ダム、砂防の各事業を施行いたしました。その結果、河川事業につきましては、直轄河川改修事業として、百二十一河川の改修工事を実施し、このうち一河川を完成し、また、補助事業におきましては、中小河川改修事業等千三十四河川の改修工事を施行し、このうち五十二河川を完成いたしております。
 ダム建設事業につきましては、直轄事業として、二十一ダムについて建設工事及び実施計画調査を実施し、このうち一ダムを完成しました。また、補助事業として四十四ダムについて建設工事及び実施計画調査を実施し、このうち三ダムを完成いたしました。
 砂防事業につきましては、直轄事業として二十七河川について百九十四カ所の砂防工事を実施し、うち七十七カ所を完成し、また、補助事業として三千六十八カ所の堰堤工、流路工等を実施し、うち千五百三十三カ所を完成いたしました。
 このほか、海岸事業につきましては、直轄事業として十海岸を実施し、うち一海岸を完成し、また、補助事業として百八十四カ所を実施し、うち三十一カ所を完成いたしました。
 次に、災害復旧関係の事業につきましては、河川等災害復旧事業として、直轄関係では、四十年発生災害は完了し、四十一年発生災害は九六%、四十二年発生災害につきましては、予備費を使用して、全体の四七%、四十三年発生災害のうち、えびの地震災害等につきましては、予備費を使用して、当該災害の三五%の復旧を完了いたしました。
 また、地方公共団体の施行する災害復旧事業につきましては、三十九年災は完了し、四十年災は八八%、四十一年災は七一%、四十二年発生災害につきましては補正予算及び予備費を使用して、全体の三一%の復旧事業を完了いたしております。
 次に、道路整備事業について御説明申し上げます。
 昭和四十二年度は、第五次道路整備五カ年計画に基づき、初年度の事業として一般国道等の改良及び舗装等を実施いたしました。その結果、改良において三千五百四十キロメートル、舗装において五千七百六十七キロメートルを完成し、五カ年計画に対し、改良は二〇%舗装では一七%の進捗状況となっております。また、五カ年計画の一環として、一般国道の直轄維持管理を行なっておりますが、昭和四十二年度は延長一万九十四キロメートルの指定区間について、その維持修繕を実施いたしました。
 以上のほか、有料道路事業を実施している日本道路公団、首都高速道路公団及び阪神高速道路公団に対し、それぞれ国の出資を行ないました。
 次に、都市計画事業について御説明申し上げます。
 国営公園の整備は、北の丸公園については全体計画の八六%を完了し、都市公園の整備については九百三十一カ所、下水道関係としては、六百四十五カ所の公共下水道等の施設整備を実施いたしました。
 次に、住宅対策事業について御説明申し上げます。
 公営住宅の建設といたしましては、八万二千八十八戸の建設を実施いたしました。また、不良住宅地区改良事業としては、改良住宅四千九百五十一戸の建設を行なうとともに、不良住宅地区の整備を実施いたしました。
 以上のほか、建設省所管の公的資金による住宅として、住宅金融公庫及び日本住宅公団関係で二十六万百三十戸の住宅を建設いたしております。
 次に、官庁営繕について御説明申し上げます。
 建設省に計上された営繕事業予算及び他省庁所管に計上された営繕事業予算の支出委任等により、通商産業本省庁舎工事外五百二十五件の工事を施工いたしました。
 次に、都市開発資金貸し付け事業について御説明申し上げます。
 昭和四十二年度の事業としては、五地区の工場移転あと地買い取り等の資金の貸し付けを行ないました。
 以上が昭和四十二年度における建設省所管の決算の概要であります。
 次に、昭和四十二年度決算検査に関する建設省所管の概要について御説明申し上げます。
 所管事業を遂行するための予算の執行にあたっては、常に厳正な執行をはかるため内部監査等により万全を期してまいったのでありますが、決算検査におきまして指摘を受けましたことは、まことに遺憾であります。
 これら指摘を受けました事項に対する措置として一直轄工事の施行にあたり処置当を得ないもの、または施行が不良なるものにつきましては、関係者に対し厳重に注意いたしましたが、今後は、工事の積算には特に配慮し、工事の施行にあたってはさらに監督及び検査の強化につとめ、適正な予算の執行をはかってまいりたいと考えております。
 次に、地方公共団体が施行する国庫補助事業で工事の施行が不良なるため工事の効果を達成していないもの、または設計に対し工事の出来高が不足しているものについては、手直しを命じて事業の所期の目的を達するよう措置いたしました。
 なお、今後は、さらに事業の執行方法について検討し、指導を強化するとともに、その責任体制を確立せしめることとし、このような事態の発生を未然に防止するよう指導を徹底する所存であります。
 また、災害復旧事業費の査定につきましては、被害の実情を十分に把握し、さらに厳格な査定に万全を期するよう努力いたしたいと考えております。
 以上が昭和四十二年度における建設省所管の決算の概要及び決算検査報告に関する建設省所管事項の概要でありますが、何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#4
○濱野委員長 次に、会計検査院当局より検査の概要説明を求めます。藤田会計検査院第三局長。
#5
○藤田会計検査院説明員 昭和四十二年度建設省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項が二十九件、今後の予算執行等にあたり留意を要すると認めましたものが一件でございます。
 不当事項として掲げましたものについて説明いたします。
 二二七号は、築堤の直轄工事において盛り土量を重複して設計していたり、山土代の積算が適切を欠いていたなど処置当を得ないと認められるものでございます。
 二二八号は、護岸の直轄工事においてコンクリート工事の施行が不良であったため、その強度が設計に比べて低下していると認められるものでございます。
 二二九号から二五四号までの二十六件は、公共事業の施行にあたり、工事の施行が不良であったり、または工事の出来高が不足しているなど、国庫補助金等の経理が当を得ないと認められるものでございます。
 二五五号は、昭和四十二年発生災害復旧工事費の査定を了したものに対し、早期に検査を行ないましたところ、査定工事費の設計及び積算が過大となっており、これを修正減額させましたものでございます。
 次に、今後の予算の執行等にあたり留意を要すると認めましたものについて説明いたします。
 その内容は、歩道のアスファルトコンクリート舗装工事におきまして、歩道の舗装は車道に比べ簡易な構造となっていて、その転圧は車道と同等に行なうことは困難であるのに、工事施行の状況を見ると、舗装の仕様を車道と同じにしていたり、仕様を示してないものがあったり、また材料の積算について車道と同様にしていたりして、適切とは認めがたい状況でありましたので、実情に即した仕様を定め積算を行なって、適切な施行管理及び経済的な工事の施行をはかるよう配慮の要があると認められるものでございます。
 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
    ―――――――――――――
#6
○濱野委員長 次に、住宅金融公庫当局より資金計画事業計画等について説明を求めます。浅村住宅金融公庫総裁。
#7
○浅村説明員 住宅金融公庫の昭和四十二年度の業務の計画と実績につきまして、御説明申し上げます。
 住宅金融公庫は、創立後二十年目を迎えましたが、この問、住宅資金貸し付け業務の種別、数量ともに増加してまいり、順調に事業の伸展を見ておりますことは、ひとえに国会の諸先生方の御指導、御支援のたまものでございまして、この機会に厚くお礼を申し上げます。
 昭和四十二年度の貸し付け計画は、当初、住宅等資金貸し付け一千四百六十四億八千万円、宅地造成等資金貸し付け三百一億五千三百万円、合計一千七百六十六億三千三百万円でありましたが、その後、資金需要の変動に伴い、計画を住宅等資金貸し付け一千五百二十四億五千三百万円、宅地造成等資金貸し付け二百四十一億八千万円に改定して、合計一千七百六十六億三千三百万円といたしたのでございます。
 この計画に対する貸し付け実行予定額は、昭和四十二年度貸し付け契約にかかわる分一千五十九億八千八万円と前年度までの貸し付け契約にかかわる分五百八十四億五千八百三万円を合わせた計一千六百四十四億三千八百十一万円を貸し付け実行する予定でありましたが、財政施策に基づく貸し付け金の繰り延べ措置により百十四億円を翌年度に繰り越すこととなったため、一千五百三十億三千八百十一万円に改められたのでございます。この原資は、資金運用部資金の借り入れ金一千百五十三億円、簡易生命保険及び郵便年金積み立て金の借り入れ金百十億円、宅地債券発行による収入二十三億二千五百万円のほか、貸し付け回収金等から二百四十四億一千三百十一万円をもってこれに充てることといたしたのでございます。
 この貸し付け計画によりまして、貸し付け契約を締結いたした額は、住宅等資金貸し付け一千五百二十四億一千八百二十八万円余、宅地造成等資金貸し付け二百十九億八千九十万円、合計一千七百四十三億九千九百十八万円余、戸数等にいたしまして、住宅十九万九千戸、宅地の取得一千四百五十一万平方メートル、造成七百八十二万平方メートルとなったのでございます。また、貸し付け実行額は、前年度までの貸し付け契約にかかわる分を含めまして、住宅等資金貸し付け一千二百七十三億六千二百七万円余、宅地造成等資金貸し付け百七十四億六千二百十四万円、合計一千四百四十八億二千四百二十一万円余となったのでございます。この貸し付け実行額は、前年度に比べますと、五十四億一千九十九万円余、率にいたしまして三・九%増となっております。また、年度問に回収いたしました額は五百二十二億七千四十六万円余でありまして、前年度に比べますと、六十六億八千三百四十八万円余、率にいたしまして四・七%増となったのでございます。
 この結果、年度末貸し付け残高は、六千五百二十九億八百九十四万円余となりまして、前年度末に比較いたしますと九百二十五億五千二百九十三万円余の増加となったのでございます。
 貸し付け金の延滞状況につきましては、昭和四十二年度末におきまして、弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は七億四千二百二十七万円余でありまして、このうち一年以上延滞のものは五億二千百八十五万円余でございました。
 次に、住宅融資保険業務につきましては、昭和四十二年度におきまして金融機関との問に保険関係が成立する保険価額を八十五億円と予定し、この額の百分の九十に相当する七十六億五千万円を保険金額といたしましたが、保険関係が成立いたしましたものは六十三億二千九百四十四万円余、でございました。なお、昭和四十二年度におきましては、従来百分の八十であったてん補率を百分の九十に引き上げますとともに、一日につき百万分の三十であった保険料率を百万分の二十六に引き下げたのでございます。
 収入支出につきまして申し上げますと、収入済み額は、収入予算額三百八十七億六千三百九十八万円に対し、三百七十二億八千七十二万円余となりました。支出済み額は、支出予算額三百八十九億八百六十五万円余に対し三百七十億六千百十八万円余となり、収入が二億一千九百五十三万円余多かったのでございます。
 また、損益計算の結果につきましては、貸し付け業務では、利益三百八十八億七千五百四十二万円余、損失三百八十八億七千五百四十二万円余で、利益損失同額となり、利益金は生じませんので、国庫納付金はございませんでした。また、住宅融資保険業務では、利益一億二千九百六十九万円余、損失七千四百三十五万円余で、差し引き利益金五千五百三十四万円余を生じましたので、これを積み立て金として積み立てたのでございます。
 以上をもちまして、昭和四十二年度の業務概況の御説明を終わらせていただきます。
 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#8
○濱野委員長 これにて説明聴取を終わります。
    ―――――――――――――
#9
○濱野委員長 これより質疑に入ります。
 なお、本日は参考人として日本道路公団総裁富樫凱一君、理事小野裕君及び理事高橋末吉君の方々の御出席を願っております。
 参考人からの意見聴取は、委員の質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承願います。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。丹羽久章君。
#10
○丹羽(久)委員 委員長の許しを得ましたので、建設省に、きょうの議題になっておる面と少し変わっておりますけれども、一般論についてお尋ねいたしたいと思うのです。
 まず最初に蓑輪道路局長にお尋ねをいたしたいと思いますが、国の直轄による街路灯の料金の取り扱い、支払っていらっしゃるこの問題について、少しお尋ねいたしたいと思います。
 国が直轄する道路の街路灯の料金は、昭和四十二年度に、道路整備特別会計の道路事業費の直轄道路維持修繕費より支払われておりますね。その額を、私が調査いたしました点で簡単に述べると、昭和三十八年は道路の延長が五千八キロに対して街路灯の料金は六千八百五十万円、これを道路維持費のパーセントにかえますと二・九%、約三%程度だった。これが年々、あなた方の道路の整備と延長の増大で、街路灯の料金支収い額もだんだん多くなってきたのです。四十二年の道路延長はたいへん伸びまして、一万八十七キロという道路になってきたように私は調査しましたが、その支払う料金が四億七千三十万円という金が出ておるわけなんです。これを割合からいきますと、たいへんな伸びで、九%になってきたわけです。四十三年度はどうかというと、また伸びまして、道路は一万七百五キロという伸びになってきておる。街路灯の料金は今度は六億四百六十万円払っている。これがパーセントにしますと一〇・一%ということになるわけです。
 現在、交通戦争といわれているときに、道路交通の安全施設、歩道橋だとかガードレールだとかいうものには、皆さん方ずいぶん認識が高まってきて、そういう面に対しての増設は非常に多くなってきました。ところが、道路上の街路灯については、先ほど述べたように、だんだん延長せられてくると多額な金を払わなければならないけれども、これから先を考えてみると、非常に大きなウエートを占めるようになってくるわけなんです。この料金は、少なくとも公共のため、しかも、私に言わせれば、大へん大口に使用しておるにもかかわらず、電力会社への支払いは、工場の大口で使っておる人のような業務用の電力の料金でなくて、一般需要者用の電灯料金として支払われておる。ただし、いろいろと話し合いがせられて、苦労せられたあげくに、私に言わせると、たったということばを使っていいと思うのですが、一割引きの程度になっておる。御苦労のほどはわかりますけれども、一割程度の割引になっておる。もしこの電灯料金が大口の業務料金のように払えるように話し合いがっき、あるいは夜間用としての割引をしてくれるなら、一キロワット十一円に対して六円という電力会社の規定からいって、六円で済むことになる。そうすると非常に安いわけで、倍の電力が使えるということになるけれども、これは四十一年に交通関係の閣僚協議会で相当問題になって、いろいろ建設大臣から通産大臣に対して話し合いがせられたそうでありますが、その後一割値引きになったということであるが、私は一割の値引きでは納得できません。今後半額ぐらいでいけるという線を見出さなればならない。そうすると、明るくなって、しかも大きな役割りを果たすと思うけれども、これから道路がどんどん延びていく上において、現在ですらもうすでに七億から払っておると、将来は何十億という金を払わなければならぬが、道路局長、どうお考えになっておるか、今後どのように進めていかれるのか、この点をひとつお尋ねいたしたい。
#11
○蓑輪政府委員 道路の照明のための電力につきましては、ただいま先生から述べられたとおりの数字でございます。
 御承知のように、これから交通安全施設を整備していく、また、車がふえるに伴いまして道路の照明をふやしていくという必要が非常に多くなろうかと思います。いまの概算で全国的にいいますと、四十四年度でも約二十七億から三十億くらいの照明の電灯料を払っておるのではないかというふうに考えられます。この点は、今後照明の増大を考えますと、維持費に占める率が非常に多くなりまして、いま先生のおっしゃいましたように、これは何らかの方法でもっと下げてほしいということで、さらに通産省その他にお願いをしてまいるつもりでございます。
#12
○丹羽(久)委員 いま局長の話を聞いていると、努力もしておっていただけるようでありますけれども、きょう出席していただくことになっております通産省の北山公益事業局業務課長、いらっしゃいますか。――あなたのほうはどうです。いま道路局長も、将来は数十億払わなければならぬということで心配しておるようでありますが、あなたのほうは電力会社の関係として折衝の窓口になっておるし、電力会社は、現状においては相当大きな利益をあげておるようでありますが、こういうような公共性を持つものに対して、もう少し積極的にあなたのほうは道路局のほうの意向を取り入れて話すべきであると思うが、あなたのほうはいままで電力会社とどのような折衝せられたか、少し御答弁を願いたい。
#13
○北山説明員 お答えいたします。
 電気料金につきましては、御案内のように、事業法によりまして、適正な原価に適正な利潤を加えて、さらに両者間の負担の公平を期すようにというような規定がございまして、そういう原則に基づきまして料金が定められておるわけでございます。
 御指摘の街路灯につきましては、確かにお話のように一般電灯の一〇%引きということで現在料金が定められておるわけでございますけれども、これはお話しのように、契約の相手方が地方公共団体とかというふうな方と包括的な契約になっておりますので、集金その他の業務費用が一般の電灯に比較いたしまして少なくて済むというようなことから一割引きになっておるわけでございます。いま申し上げましたように、料金制度につきましては、特定の需要に対しましていろいろな要請から特殊な料金を設けるということはできないような仕組みになっておりますので、われわれとしましては、現在の原価主義あるいは負担の公平の原則というものに基づきまして料金を定めていくということになっておるわけでございます。しかしながら、確かにお話しのように、街路灯につきましては、公共性ということもございますし、いろいろ問題もあるかと思います。今後とも、この原価の動向につきましては十分その実態を把握いたしまして、検討を加えていきたいというふうに考えております。
#14
○丹羽(久)委員 業務課長さん、前段では、どうもむずかしいから、そういう規則になっているので一〇%だけ値引きさせました。あとになっては、十分考慮していきたいと思いますという。一体どちらなんですか。前段と後段との調和が一つもとれていませんよ。そういうような料金は、どこにも、割り引いて徴収することはできない、電力会社としてはそういうような規則はありませんというなら、それはわかりますけれども、ちゃんと業務用というのと夜間というのに、調整すれば割引はできます。大口に需要していただく方に対しては料金を安くしておりますということがちゃんと実例は出ておる。大きな工場は一キロワット六円で払っているじゃないですか。そうして、しかも国道の街路灯にそのくらいな話ができ得ないという理屈はないはずだ。通産省は誠意がないというよりほかに考えられない。業務課長の責任だとは思わぬけれども、そんなことがどうしてできぬのです。そんなことを言うなら、責任者である局長なり大臣なりの出席を私は求めますよ。おかしいじゃないか。もしそういうようなことであるならば、大蔵省が負担してもいいんだ、そんな金をどうしても電力会社がよこせというなら。どうなんです。あなたは、前段においては、むずかしい、あとにおいては、よくこれを交渉してみたいと思うとかなんとか言っておったのではだめだ。基本的な姿勢を示して答弁しなさい。
#15
○北山説明員 私の説明が舌足らずであったために十分真意をお伝えすることができませんで、どうも失礼いたしました。
 私、前段で申しましたのは、電気料金の仕組みとしましては、そういうことになっているということを申し上げたのでございます。いま御指摘の街路灯につきましても、今後ともやはりこの法律で定めれた原則の範囲内におきまして、いろいろ街路灯の原価の動向というものを十分実態を把握する、また、需要家の方からもいろいろそういうふうな使い方についての御意見を伺いながら、料金の適用について検討してまいりたいということを申し上げたのであります。どうも失礼いたしました。
#16
○濱野委員長 丹羽君、大臣を呼びましょうか。
#17
○丹羽(久)委員 きょうはいいです。
#18
○濱野委員長 それでは、通産省のときにまた論議することとしてください。
#19
○丹羽(久)委員 通産省のときに論議します。業務課長をあまりいじめてもいけませんから、この程度にしておきますけれども、業務課長、ひとつ帰られたらそのような話はやるべきである。そして、閣僚会議で建設大臣からの申し入れもあって、一〇%でいいなんということは私どもは納得できない。特に電力会社がそういう大口に対して割り引きをしていないというのなら私どもは考えを新たにしなければならぬけれども、そうではない、割り引きをしているんだから、そこら辺に持っていくのは当然だと私は思っている。一〇%では意味をなさない。どうかその点をひとつ十分あなたは考慮せられて、上司と相談をしてもらい、そして電力会社との折衝を続けて、この次までには答えの出るように考えてもらう。またこの次に決算委員会で通産省の審議に入るときにもこの問題を取り上げるかもしれませんということを頭に置いていただきたいと思う。
 そこで、もう一ぺん道路局長にお尋ねいたしたいと思うが、道路局長、四十四年の六月二十二日の朝日新聞に、「国道の照明費節約せよ」という通達を建設省が出したとして、「人命軽視のゼニ惜しみ」という記事が出ておるが、あなたは読んだことありますか。
#20
○蓑輪政府委員 いろいろ照明につきましては、これは必要なところと、消してもいいようなところもあるのではないかということで、そういうような合理化をしろというような趣旨で通達を出しました。実は、これについては、まず第二阪神の問題でございまして、第二阪神は、普通のところでは、もう高速道路ができまして横断ができないようにしております。一応分離帯のさくがあるようなところ、これは人の横断もできませんので、そういうところについては、深夜、ことに十二時以降歩行者のための照明というものは必要でないのじゃないかということで、そういうような節約をさしたこともございます。
 しかし、いろいろと考えてみますと、こういうようなところに該当する場所は非常に少ないわけでございまして、やはり普通の平面の横断、歩行者の横断の個所の多いところについては、夜消すということは非常に危険なことでございますので、そういうような、私たちが出しましたことと、単に電力料を節約するということじゃなくて、よく周辺の道路の状況、歩行者の状況を考えて、慎重にやってもらうように話しておる次第でございます。
#21
○丹羽(久)委員 建設大臣が御出席になりましたので、大臣に少しお尋ねいたしたいと思いますが、あなたがいらっしゃるまでに蓑輪道路局長にもお尋ねいたしましたし、通産省の公益事業局の業務課長にもお尋ねいたしたのでありますが、簡単に申し上げますと、国道、すなわち道路の直轄による街路灯の料金の問題なんです。街路灯の料金というのは、公共性を帯びておりますから、少なくとも電力会社のきめられた最低、すなわち一番割り引きしてくれた料金でかんべんしてくれという考え方を持つのが当然だと私どもは思っていた。ところが、現在支払われている料金というものは、一般用の家庭で使っているのから一〇%引いてくれた金額を払っているんです。
 そこで、電力会社はどうなっているかというと、大口に使うところの電力に対しては一般の大体半分ぐらいで済んでいるんですよ。そういうような制度がありながらも、この国道に対する街路灯の料金というものに対しては一〇%ぐらいより引いてくれない。一〇%にしてくれたのも、あなたの前の建設大臣が、街路灯というものは、道路を照明する上において公共性を持っておるから何とかせよということを、通産大臣へ閣僚会議で申し入れをせられて、通産大臣が電力会社のほうと折衝せられて一〇%下がったということなんです。私どもはこれではまだ納得できない。もっと安くしてもいいじゃないか。
 なぜそういうことを要求するかといえば、国道におけるところの街路灯が、最初はわずか一億以下の金であった。それが年々ふえてきまして、現在もう七億、八億にもなっている。これはこのまま道路が整備せられていきまして街路灯がふえてくると、何十億という金を払わなければならない。そういう意味からいっても、これはやっぱりもっと強い態度で電力会社に臨むべきだということを私は主張しているのですが、大臣、どうお考えになりますか。
#22
○根本国務大臣 御指摘のとおりだと思います。御承知のように、本年度から十兆三千五百億の道路整備特別会計がふえるわけでございまして、しかも、今度の五道、七道が全部有料でやられると、相当ハイスピードの道路が出てくるわけでございます。そういう状況から見ますれば、安全運転という立場からも、できるだけ高速自動車道国道は照明をりっぱにしていかなければならぬと思います。それに伴いまして相当の電力料金が出てくるのでございますし、いま丹羽議員の御指摘のように、これは公共の最たるものございますから、十分にこの点は通産大臣にも申し入れましてて御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。(発言する者あり)
#23
○丹羽(久)委員 うしろのほうの席からいろいろの御意見でありましたが、一応成規の手続によって質問しておるのは私でありますから、私の話を聞いていただき、答弁していただくことは私にひとつ御答弁をいただきたいということを大臣に申し上げておきます。
 そこで、大臣にもう一言申し上げたいと思いますが、これは大臣が就任せられる前の大臣のときに、大臣と話し合いをせられて局長がそのような指示をせられたか、あるいは国道課長が指示をせられたか知りませんが、非常に金がかかるので節約するという意味でもありましょうが、国道の照明費を節約せよという指令が出ているのです。
 それは新聞にこう取り上げられている。いま蓑輪局長に、この新聞を読まれましたかといって私は質問をしたのですが、四十四年の六月二十二日、すなわち、いまから八カ月ほど前なのですが、国道の照明費を節約せよ――そうすると、新聞はどう書いておるかというと、「人命軽視のゼニ惜しみ」という批判をしている。そして、これに対して各界各層の意見が出ておりますが、一つを取り上げますと、「こんな事をすれば事故は必ずふえる」、これは目と道路交通の研究で有名な名古屋大学の環境医学研究所の鈴村助教授がこういうことを言っている。この鈴村教室の調査によりますと、これは私は全面的に支持するという考えではありませんけれども、一応調査研究所の権威者が言っておることです。が、国、県、市道の半年間の死亡事故あるいはひき逃げ重傷を調査したところ、建設省が示したその明るさというのは全く遺憾である、そういう暗がりが原因だというものがひき逃げにも非常に多い、交通事故にも非常に多い、交通事故の死亡事故に対するには、やはり国道なんかは明るくする必要がある。こういう結論を出しているわけなんですね。
 大臣はずいぶん外国へ行っていらっしゃるだろうと思うので御調査にもなったと思いますが、外国では道路を明るくして、しかもヘッドライトをつけずして走りなさい、ヘッドライトをつけると処罰するというところさえあるくらい明るくなっておるのです。そういう点からいくと、日本はずいぶんおくれておるといわざるを得ないと私は思うのです。
    〔委員長退席、小山(省)委員長代理着席〕
そういうことから、国道一課がこのときに言っておることは、残念ながら予算の関係もあるし、節約をしていかなければなりません、この節約をすることがいいとは思っていないけれども、 いろいろの関係でそういうふうになったという話があるわけです。だから、いろいろガードレールだとかあるいは歩道橋だとかいうような交通安全対策に対して、それはもう非常に国民の認識も高まってきた。そしてあちらこちらで予算がふえてきて、施設もずいぶん多くなってきたんです。ところが、街路灯だけがこのように変則的に低下していくということになってまいりますと、たいへんなことだと私は思っております。だから、いま大臣のことばによってすべては終わったようでありますが、一そうの決意を固めていただいて、通産大臣と折衝していただいて、電力会社にも強硬な態度をとっていただいて、そして公共性の強い、最も大切な街路灯というようなものに対しては、大いに割引をしてくれることが当然だと思いますから、ぜひこの交渉をしていただいて、そして万全を期していただき、明るいりっぱな道路にしていただきたいと思います。
 大臣、もう一度決意を聞かしていただきたい。
#24
○根本国務大臣 御指摘のとおりでございまして、従来は道路をつくるということだけに重点を置かれたかの観なきにしもあらずでございます。しかしながら、最近における交通公害、これはたいへんな問題でございまして、そのために、政府といたしましても、重点的にこの交通対策をやっておるわけであります。その一環としては、また、いま御指摘のような意味合いからしても、おくれておる道路における安全措置ということは、さらに一段と重点的にやってまいりたいと思っています。御趣旨に沿いまして、実現するように努力するつもりでございます。
#25
○丹羽(久)委員 与えられた時間が――大臣を中心にして皆さんが質問せられるようでありますので、私はこれで一応質問を打ち切りますが、実力大臣の根本建設大臣がぜひ通産大臣と折衝せられまして、私どもの念願とする明るい国道になってもらうために努力をしていただきますことをくれぐれもお願いいたしまして、私は一応質問を打ち切ることにいたします。ありがとうございました。
#26
○小山(省)委員長代理 華山親義君。
#27
○華山委員 きょう大臣お見えになるというのを私、存じておりませんでしたから、あまり準備をいたしてまいりませんでしたが、十分か十五分だということでございますので、概念的なことで失礼でございますが、お伺いいたしたいと思います。
 と申しますことは、私は、農業の問題について、私の衆議院の期間も短いのでございますけれども、六年も前から、大規模農業に移行していくということは当然しなければいけない、しかし、その前提として、兼業農家対策というものを考えていってもらいたい、兼業の農家が、その兼業のほうが主たる仕事になるということによって、農業は次第に農家から離れて、そして共同耕作なり、何かそういう方向に向かっていくのじゃないか、その私の意見につきまして、各大臣は必ずしも同じ意見ではありませんでした。しかし、いまでも私はそう信じておりますが、最近総合農政なるものを見ておりますと、私のものの考え方が次第に具体化しつつあるように思うわけであります。私は、その点で私の主張は間違っていなかったとも思うのでございますが、それにつきまして、私は、建設大臣、建設省はこの問題に無関係ではないと思うのです。とにかく兼業農家対策ということになれば、現在の農業地帯というものについて、工場が分散されなければいけない、そこで兼業を行ないつつ農業が移行する、こういうものの考え方を前から私は言っていたわけでございますけれども、そのためには、この工場分散のためには、建設省はやはり道路の問題について関心を持たなければいけないと思うのです。
 私は、何も地域的なことから、東北地方には道路が少ないとか不公平だとか、そういうことを言っておるわけじゃありません。現在農政がそういうふうに転換しつつありますので、ひとつその見地から工場の分散しやすいような条件をつくるために、また、そこに通う農家の通勤の道路として、市町村道なり県道なり、そういう点について総合農政の関連において大臣はひとつ考えていただきたい。ここにおいでになっている方は、松澤さんでも椎名さんでも、それから建設大臣でも、みんなそういう地域の方でございますが、ひとつ、何も地域の問題を言っておるわけじありませんが、大臣の御所見を承りたい。
#28
○根本国務大臣 御指摘のとおりだと私は思っています。私も、実はごく最近まで党の政調を担当しておりまして、この農業の転換期にあたって、これは従来の観念的な農業政策ではいけない、現実に即したことでいかなければ、日本のように耕地面積の少ない、規模拡大といっても非常に限界のあるところで、それだけで農業問題は解決できない、現実の問題として兼業農家がどんどんふえていく、これに対して何らかの措置を講じなければ農村問題は解決できない。こういう観点からいたしまして、私も、農・工一体のプロジェクトを各地に設ける、これでなければ日本の農業問題は解決できないし、一面におきましては、日本の中小の生産工業は成り立たなくなるであろう、そういう観点から、御指摘の方針について私ども全く賛成でございます。
 それについて、建設省の持つ役割りは非常に大きいのでございまするので、私は、建設大臣に就任するとともに、関係の農林省、通産省、経済企画庁にもそういう点を申し入れるとともに大蔵省にもそれをよく理解してもらうために、大蔵大臣にも話をしまして、建設省の本年度の予算執行にあたりましては、特に格段の注意を払ってやるつもりでございます。
 具体的に申し上げますれば、従来の道路計画は、ややもすれば、国道とか、あるいは地方道路等においても、五ヵ年計画を非常に画一的にやりましたために、そうした社会情勢並びに経済の変化に伴う機動的な配分がなかなかされていないうらみがあるようでございます。
 そこで、総合農政実施のために必要なところ、端的に言いますれば、営農団地が確立したところ、あるいは農村に工場団地とか住宅団地等ができるというプロジェクトが明らかになりますれば、たとえそれは市町村道であろうとも、それについて公共事業で道路ができるような措置を講ずる、こういう決意をいたしております。また、市町村道でありましても、必要とあらばそれを県道に昇格せしめて、それに対して高率補助をやるというような方法等、機動的な措置を講じてそうした情勢に対応するつもりでございまするので、華山議員の御指摘の点については全く同感でございまして、そういう方針で今後進めたいと思っております。
#29
○華山委員 それにつきまして、私、前に各地区のブロックごとに人口割り、また面積割りにどれだけの公共事業、道路等の投資が行なわれているかということを試算をしてもらったことがあります。それによりますと、やはり東北地方、そういう方面は割合が低いのです。これは数字の上に明らかであります。北海道よりも低い数字が出てまいります。しかし、いままでは農業地帯としてきたのでございますから、農業地帯におけるところの交通というものと工業地帯における交通というものとは、これはまた違った点がありますから、私はそれでやむを得ないのかとも思いましたけれども、今後はひとつ、どうしても工業地帯に移行しながら兼業農家を進めつつ農業というものが大きくなっていかなければいけない、こういう立場から、いまお話もありましたけれども、大きな関心を持っていただきたいと思うわけであります。
 それで、ここで申し上げますが、兼業農家の一番悪い形態として行なれておるのが御承知の出かせぎであります。今後農業が次第に過渡的に変わってまいりますと、出かせぎ者がますます多くなってくるんじゃないか、そして現在、御承知のとおりこれは建設省等でも関心を持っていただきたいのでございますけれども、東京都におきましても、いろいろな都市建設におきましても、労働力の土台をなしているのは出かせぎ者だ。災害のあるごとに出てくるところの不幸な人たちというものは出かせぎ者――そういう実態をひとつよく把握して、出かせぎというものについて、建設省といたしましても適切な方途を考えていただきたいと思うのであります。
 それにつきまして、私はこれは一がいに直らないとは思いますけれども、一番悪い制度は、土建業におけるところの業界の非近代性だと思うのです。
    〔小山(省)委員長代理退席、委員長着席〕
下請下請、そして最終的には人入れ業のような下請になっている、そういうような状態である。その点、私は五、六年この方申しまして、下請に未払いや不払いが起きた場合には、元請に対しましていろいろな国の事業の入札には参加させない等の方法をとるようになりましたし、いろいろな点で改善の面がありますけれども、私は何としてもこれを進めていただきたい。御当地のことでもありますからおわかりと思いますけれども、これからますます出かせぎが多くなってくる。皮肉なものの言い方をすると、そういうふうな産業地帯における建設のために、農業から人を出かせぎ者としてとるために、農業政策ができているのじゃないかなどというものの考え方も出てくるわけです。出かせぎ者の非常に多い秋田県の御出身の大臣でもありますし、これにつきまして、土建業界をさらに督励されて、出かせぎ者の保護のために一段の御努力を願いたいと思う。御所見を承っておきたい。
#30
○根本国務大臣 御指摘のような事例がたくさんあるようでありまして、われわれも非常に心を痛めておるのでございます。私の出身県も出かせぎにおいては最も多いとこでございまして、そういう観点のほかに、現在の土建業は、全くこれはわずかの金を出して届け出できれば、それでそのまま営業ができる、こういう状況では、これは人命、財産の保護の立場からしても非常に適当でないということで、実は、建設業法を制定いたしまして、やはり近代化をなし得る制度をつくってやらなければどうしてもいかないということで、先般の国会でも出しましたが、これが時間切れになりました。本国会ではぜひこれは実現したい。それに伴いまして、今度は下請に対するいろいろの制度上の責任を明定して、それによっていまのような事態をなくしたい、こう考えているのでございます。
 実は、私が十二年前建設大臣のときに、建設業界の非常な非近代化――当時は御承知のように金融上も非常に困っておったのです。そのために、ちまたの高利貸しから金を借りて事業をやるとか、あるいは一般銀行も相手にしない。なかなかそういうようなことでは改善ができないというので、当時金融が非常に梗塞しておったにもかかわらず前渡金制度を設けたわけであります。その上に保険制度を設けまして、ようやくこれらが近代化してきたのでありますが、最近は、むしろ逆に官庁並びに民間の事業が非常に多くなったために、この膨大な建築事業に対応し得るだけの近代化の伴わないものが、許可制度でないために乱立して、そして過当競争の結果利潤が少なくなる、そうすると、ピンはねをして下請だけにやらせる者も出てくる、そうなってくると、労働条件が悪い環境下で、そうしたことになれない農家の労働力を相当無理して集めておる、その結果、いろいろの災害も起こりますし、さらに事業そのものも近代化できないということもありますので、御指摘の点は十分に労働省とも連絡しまして――本来の職業安定所を通じてきたのは、それほどあまり悪いものはないようでありますが、このごろはもぐりの人間集めが非常に弊害がありますので、でき得るだけ労働省と連絡の上、また各市町村の出かせぎ対策とも連携をとりながら、そういうことのないように努力してまいりたいと思っておる次第であります。
#31
○華山委員 建設省にひとつ……。建設業はいろいろな総合的なものでございますから、下請ということはやむを得ないと思うのです。建築にいたしましても、電気工事がありますし、室内の問題もございますし、そういう意味の下請は当然のことであってやむを得ないと思うのでございますけれども、同じ仕事を下請から下請に移すというふうなこと、いわゆる重層下請というものは、これは禁じていただきたいと思う。三段階、四段階に下請が起きるから、末端になりますとそういう弊害が起きてくるのではないか、そして元請の責任があいまいになるのではないか、そういうふうにも考えますので、重層下請ということは、私は何としてもこれをとめる、そういうふうにいってもらいたいと思う。
#32
○根本国務大臣 現行でもこの下請を二重、三重と段階をつけてやるということは実際上は許していないので、許可しなければならぬことになっておるのですが、実態がどうもそれに伴っていないということは、先ほど申し上げましたように、これが許可制度でないためになかなか実態が把握できないということである。と同時に、行政指導の点が非常に末端に行き届かない、そういう意味から、これは明確に許可制度にしなければいかぬ。許可制度にして、その上に下請する場合には、一定の条件を具備して、それに対して条件を的確にやっておるというものについて許可していこう、こういうふうに規制をしていきたいと思っておる次第でございます。
#33
○華山委員 職安の問題については、私たちも、そういうふうに出かせぎをする人には職安を通ずるようにということをよく言っております。
 それで、いまおっしゃいますけれども、二重、三重の下請に回すということは、これは大企業の事業所で行なわれているわけですから、大企業の大手の土建業者も、末端はだれが仕事をしているのか知らないというのが実態じゃないですか。大手のメーカーだけでも、下請というものは自分の支配のできる下請に限るという限度にしてもらいませんと、その下請がまた下請、それがまた下請となったのでは、その大手のものでも把握してないのですね。それが実態だと思いますので、そういう点は、ひとつ大手の事業体、そういうところからも督励して、孫、ひこまでは自分で把握ができないというような実態はやめるようにひとつ御指導を願いたいと思うわけであります。
 その他、出かせぎについていろいろなことがございますけれども、時間もございませんのでこの程度にしておきますが、私もずいぶん飯場等に行ってみましたけれども、ひどいものでございますし、飯場では暴力団的な親方もおりまして、そしてやっているわけです。その仕事の大もとは小さなものでありません。たとえば何々組、何々組という仕事なのです。あちらから出てくるときには、何々組ということでだいじょうぶだろうというので出ておるんですけれども、来てみると、その会社は何も関係はない。そういうふうな実態はやめていただかなければいけないのじゃないか。必ずしも一番もとの元請が弱体だからという実態では現在ございません。その点からひとつ研究をなすって、大手の業者にも御注意をいただいて、改めていただきたい。
 そのほか、二、三出かせぎ者について申し上げたいこともございますけれども、時間がありませんので、この程度にとどめたいと思います。
#34
○根本国務大臣 御指示に沿いまして、監督を十分にいたしまして、無責任なる下請工事によって国の予算がむだ使いにならないように、また、これに従業する人々の不利益にならないように、十分監督するようにいたしたいと思います。
#35
○華山委員 最後に申し上げておきますが、この状態でまいりますと、私は、土木業者におけるところの労働力というものは大きな支障をきたすのではないかと思う。私たちも、いろいろな下請の出かせぎに出ようという者にいろいろな話を聞かれたときには、土建業には行くな、工業のほうに行きなさいと言っている。いま工業のほうも人手が足りませんから、一生懸命に出かせぎ者を求めているわけです。パン屋さん等にいたしましても、現在では冬の問にパンをつくって春夏売れるのですから、そういう状態で、もう一般工業のほうに出かせぎ者が向いておるわけです。早く土建業界でもそういう面で近代化されませんと、出かせぎ者が来なくなる。そういう点を御注意申し上げておきたいと思いますので、そういう立場から、まず大企業から手始めに、出かせぎ者の問題に留意されるようにひとつ御指導願いたいと思います。
#36
○濱野委員長 鳥居君。
#37
○鳥居委員 まず、建設大臣にお伺いしたいと思いますが、地方自治体の財政をきわめて圧迫させておるものに超過負担があるわけであります。公営住宅あるいは下水道等の建設省所管の事業の中で、特に地方自治体に対する超過負担として地方財政の圧迫の原因となっており、これがきわめて大きなものがあります。それが地方自治体の泣きどころになっているというのが現状でありますけれども、一体いまどのくらいあるのか、実情についてお伺いしたいと思います。さらに、それに対する大臣の考え方、まずそれから伺いたいと思います。
#38
○根本国務大臣 政策等については私、やっておりますが、いま数字を私自身が承知しませんので、まず政府委員から答弁させまして、あとで私から申し上げます。
#39
○大塩政府委員 超過負担の問題につきましては、各事業によりまして実態が違っておりますので、あとで調べまして、資料としてお答えいたしたいと思います。
#40
○鳥居委員 大づかみでけっこうでありますけれども、現在の所管の中で大体どのくらいになるかこれをお願いしたい一と思うのですが、いかがでしょうか。いますぐには出せませんか。――それでは、公営住宅について五大都市を調べた資料がいまここにあります。これは某市の調査によるものでありますが、公営住宅等に関する超過負担が二十四億円にのぼるものがあるわけであります。これはそれぞれ事業によって相当な額にのぼっておるわけでありますが、数字はともかくとして、今後建設省として、どういう態度、どういう考え方で地方自治体に対して臨んでいくか、大臣から伺いたいと思います。
#41
○根本国務大臣 この超過負担という問題は、実は建設省のみならず、文部省その他いろいろ問題があるわけでございます。私も党におったときに、この問題をどうするかということをいろいろ検討してみたことがございまするが、その原因はなかなか一通りの原因ではございませんで、地方自治体としては、できるだけ事業量を増したいという要求と同時に、今度はできるだけ負担を軽くしてほしいという相矛盾した要求があるわけでございます。そういう関係と、それから、しからば適正な価格というものが画一的にきめられるかというと、これまた違うのです。たとえば、東京都のようなところで公営住宅に対する問題として提起されるのは、まず用地取得でございます。これが農村地区における公営住宅とは比較にならないほどの差がございます。したがいまして、政府が補助する場合に、どれを適正とするかについてはなかなか判定しかねるのでございまして、そこで、究極において、予算編成のときに、ある意味におきましてはかなり実情に合わない予算単価がつくられてしまう、こういうことのために、その結果が、実施いたしました地方自治体においては、これは非常な超過負担であるとの感じを持つことが多く出るというような事情であります。そういうことで、でき得るだけ――予算単価について、何ぼの補助をやるということがはたして適当なりやいなや、むしろ、大体これだけの住宅をつくるということに対して、予算で大体この程度の補助をするということが、あるいは実際に合っているかもしれませんが、現在の予算制度ではなかなかそうはいきません。やっぱり一応の予算単価をきめて、そうしてそれに対する補助、こういうことになるために、非常な矛盾と、いかにも圧迫しておるような感じを受けるのでございます。こういう点については、今後検討はいたしたいと思いますけれども、なかなかむずかしい問題だと思います。特に私は、そういう意味からいたしまして、大体住宅等につきましては、むしろ政府が大幅に宅地を早くつくることに重点を置いて、そして上屋のほうは地方自治体がやるというようなほうにでも、全部が全部じゃありませんけれども、大体そういう方針でいかないと、もう都会地ではなかなか進まないというようなことになってきている。東京都あたりでも、御承知のように、昨年度もそうですし、本年度も予定の住宅がつくられない、その最大の原因は用地取得ができなかった。それからもう一つは、御承知のように関連事業ですね。地方自治体、特に末端の市町村が協力してくれないために、用地はあったけれどもできないというような問題がありまするので、今後これらのことは相当綿密に実態を調査して、どうしたならばこれが打開できるかということを、建設省のみならず、関係の都県とも十分連絡して実態に合ったことをやらないと、予算をつければそれでいいというようなことではいかないということで、この点は相当意欲的な実態調査と同時に、お互いの意見交換をして、実情に即した行政指導をしなければならないと考えている次第でございます。
#42
○鳥居委員 言うまでもなく、地方自治体といいますと、住民へのサービスといいますか、国民生活に直接つながるサービスをいたしております。そうした観点からいって、現在の地方自治体の最大のネックになっておる、こう言っても間違いではないこうした問題が内在しているわけであります。やはりこれはゆゆしき問題であると思うわけであります。
 たとえば、いま公営住宅の問題が出ましたけれども、一種、二種を調べてみてもわかるとおり、大体平米当たりの単価があるわけでありますけれども、現在の単価では、どう考えても建つような金額じゃない。単価の問題一つ取り上げてみてもそれが言えるわけであります。私も、この問題に一つきましてはさらに突っ込んで検討してみたいと一思っておりますし、いま大臣のこまごました説明がありましたけれども、事業別に詳細な資料の提出をお願いしたいと思うのですが 委員長、いかがでしょうか。その資料をいただいて、ゆっくり検討させていただきたいと思いますが……。
#43
○濱野委員長 それに関係する資料がはっきりしないと出しにくいだろうが、出ますか。大体わかりますか、政府のほうで。
#44
○鳥居委員 建設省所管公営住宅あるいは道路、橋梁……。
#45
○根本国務大臣 政府委員をして説明させます。
#46
○大塩政府委員 建設省の各事業にわたります単価、それから実際の実情ということに関する資料というふうに理解いたしまして、そのような資料をできるだけ詳細につくりまして、提出いたします。
#47
○鳥居委員 次に、会計検査院のほうから提出されました検査報告の中で、道路公団についての指摘があります。――総裁は見えておりますか。
#48
○濱野委員長 見えております。
#49
○鳥居委員 この中で、特に道路建設に伴う土地買収が行なわれまして、そうして、その土地買収の済んだあとの登記がなされていない点があがっております。この道路は、道路公団が手がけました東名高速道路、中央高速道路、名神高速道路、京葉道路、小田原厚木道路、大阪天理道路、北九州道路等の東名ほか六道路についての資料でありますけれども、この調査によりますと、買収後第三者の名義になってしまっているもの、それからまた抵当権等が設定されてしまっているもの、こうしたものが七十五件もあることが指摘されております。私ども考えてみまして、民間の事業や何かを考えてみたときに、用地買収が済んで、代金が払われたあとの用地について人手に渡ってしまっている、こういうことはとても考えられないことでありますが、この点について、この不祥事をどう考えておられるか、総裁から伺いたいと思うのです。簡単にお願いします。
#50
○富樫参考人 昭和四十二年度で検査院から御指摘を受けた未登記案件、これは御指摘のように七千九百件という多数でございます。こういうものができましたのは、特に東名道路を非常に急いでつくり、また、東名道路の買収等は団体交渉でやっております。また、その道路が帯状であるというようなこと、そういうことのために手続がおくれまして、未登記分ができたものでございます。これは被買収者が早く金をもらって代替地をほしいというような要求もあり、こちらも工事を急いだというようなことでできたものがございまして、まことに遺憾に存じます。
 その後、特別な財産整理班を設まして、鋭意事務の進捗につとめまして、昭和四十五年の一月末でその九〇%の登記を終了いたしております。
 御指摘のございました抵当権が設定されましたり、あるいは二重売買になったこともございまして、これはただいま訴訟いたしまして争っておるわけでございますが、ただいまお話しの件数が私どもの調べとちょっと違うわけでございます。私どもの調べでは、ただいま裁判になっておりますものは、転売されたものが一件、新たに抵当権が設定されたものが二件でございます。これは訴訟係属中でございますが、それぞれ早く解決しますように鋭意折衝中でございます。
#51
○鳥居委員 大臣の時間がありませんので先にお伺いいたしますが、この道路公団の行ないました事業に関しまして、これは昭和三十二年から四十二年までの十年間の事業でありますけれども、この中で特に七千九百六十一件に及ぶような件数、これが登記未済になっていたということが明らかになっているわけであります。そうして、その事態を生じた理由というのが、土地買収にあたって事前の調査が不十分であったこと、また、登記に必要な書類の審査がはっきり確認できてない、それから不備なまま土地代金の支払いを行なった、こういう理由を指摘しております。確かにこのとおりだと思うわけであります。とても民間のそうした事業では考えられないことがこうして起こっているわけでありますが、特に土地をめぐる不明朗な疑惑、うわさ、これが渦巻いている昨今であります。こうした事業に対する、またこうした疑惑に対して、大臣の釈明を伺いたいと思うのです。
#52
○根本国務大臣 そういう事態があるということが明らかになりました以上、十分にその理由並びにそれに対する事後措置どういうふうにしてそれを解決するかということのほか、今後絶対そういうことのないように指導いたしたいと思います。
#53
○鳥居委員 こちらの資料によりますと、七千九百件のうち、およそ一割に相当するものが、現在まだこれがそのまま継続して登記されない状態にあるわけであります。この中には、はっきり刑事事件になるような、そうした内容のものもあるといわれておりますけれども、こうした問題きわめて根深い問題だと思うわけでありますが、その具体的な調査、あるいは積極的な姿勢でこの解決に当たる、こういうものがなければならないように思います。この点についていかがでしょうか。
#54
○根本国務大臣 そのように鞭撻して、そうした事件の事後措置について、万全を期したいと思っております。
#55
○鳥居委員 大臣に対する質問は以上であります。
 先ほどの資料、お願いいたします。
#56
○濱野委員長 吉田君。
#57
○吉田(賢)委員 根本建設大臣にいろいろと伺いたい問題があるのですけれども、時間の関係等もありますので、一、二重要と思われる点についてお伺いします。
 一つは、新しい七〇年代に入る高度成長下における国民の幾多の欲求のうち、特に住宅問題は非常に重要だと思います。あなたも新任のごあいさつで、土地、住宅につきまして特に力を入れていくということをお約束願っておるし、自民党の公約もあり、かねての政府の公約もありますので、相当推進されるものと思いますが、そこで、根本的にはまず土地対策がもとになると思いますので、国土建設についての根本的なお考え方をちょっと、最も重要と思われることを簡単にまず述べていただきたい。
#58
○根本国務大臣 終戦以来、日本の学界も法曹界もそれから一般も、土地に関する新憲法の解釈に少し私権の尊重が行き過ぎておったのじゃないかとすら私は考える節があるのでございます。したがいまして、戦後は、公共事業のために土地収用などということでありますと、たいへんな抵抗がございまして、これは国が一般国民のやる事業をすりかえる論理が出てきまして、国家権力と戦うというような問題にすりかえられまして、しかもそれには、いわゆる革新と称する諸君がそのあと押しをしている。電源開発あるいは河川改修、道路、それから土地取得等についていろいろの摩擦がございます。特に、今度は飛行場はもとよりのこと、都市再開発についてもそういう問題が行なわれてきまして、政府並びに地方自治団体が土地取得に非常に苦労したということが一つございます。
 それからもう一つは、特に宅地等につきましては、戦前でありますれば、大体官庁の中級の官吏が退職したり、あるいはまた、一般の中小企業でも若干の余裕が出てきますれば、貸し家を経営することによって財産保全と老後の生活の安定をはかるということが、実質上行なわれておったのでありまするが、特に戦時中から戦後のときにあたりましては、家主というものがいわば資産家であり、たな子はプロレタリアだというような観念論からして、貸し家を持つ者を保護するよりも入居者を保護したというような形から、ほとんどこれが民間資金でできなくなってきた。そこで、あげて政府並びに地方自治体が宅地から住宅までつくって提供しなければならないという状況に追い込まれ、政府並びに公共団体がこれをやろうという場合には、実施するまでは盛んに請願、陳情をやるけれども、一たん予算がきまって土地買収するというときには、ただいま申し上げたような抵抗があるという矛盾が繰り返されて、非常な後退をしてきた。
  一方において、今度は都市において、特に目抜きのところに銀行が経済採算性を越えたと思われるような高値でどんどん店舗をつくる。そうすると、今度はこれが写真相場になりまして、みんなこれが移転してしまって、経済合理性を越えた土地の値段が、都市といわず農村といわず、これが定着してしまった。こういうところに非常に大きな問題があると私は考えるのでございます。
 そこで、政府といたしましては、御承知のように、いろいろ抵抗がございましたけれども、土地収用法を若干強化して、そうして公共の利益のためには私権が相当制約されるということも、みんなの理解でこれを実行したい。それから、都市再開発法等いろいろの法律をつくりまして、その計画的な合理的な環境整備をはかるということもやってきました。ところがこれでもなかなかできませんから、今度は、われわれは大幅の宅地供給をこれからはからなければならないと思いまして、これは特に首都圏あるいは近畿圏、中部圏を中心としていま作業を進めつつあります。
 それからもう一つは、農民の方々が持っておるいわゆる農地、これがいままで農地法の保護のもとに、現実には農業経営をするよりもむしろ土地の値上がりを待ちつつ、なかなかこれを手放さない。これは、一面において固定資産税等、税制上の欠陥もあるようでございますので、そうしたものも関係省と連絡しつつ――土地を持っておることが何よりも財産保全、あるいはまた、ある意味における経済的な努力をせずして、社会の経済発展したもので財産が形成されるということの是非、こういうものをも検討しながら土地税制も考え直していき、一面におきましては、市街地調整区域の設定を今度はいたしておりまするが、これらを合理的に、総合的に運営することによって地価対策を、これは政府だけではできませんので、関係の自治体から、国民の理解のもとにこの土地問題対策をやっていかなければならぬという考えを持っておる次第でございます。
#59
○吉田(賢)委員 要するに、憲法第二十九条の私有財産権の保護の範囲、これと公共福祉との両者の関係をどういうふうに解釈し、調整するかということに重要な基本的な立場があるらしいのであります。
 そこで、しからばいままでの土地私有権に対して、私有権を少し尊重し過ぎた、公共の福祉を犠牲にしてまでこれを過重してきたようだ、こういうことが土地対策の一つのガンになっておるというような御説明とも承るのですが、そうであるとするならば、それは佐藤内閣のこの問題に対する姿勢、考え方としてわれわれは理解していいのかどうか。それからまた、法制局もあることでありましょうけれども、いずれにしましても、政治を行なう自民党、与党を代表して内閣を構成しておられるあなたのお立場、まずむしろ福祉を優先させ、そして調整さしていく、そういう考え方で土地対策、利用対策、地価対策等々を今後進めていく、これが政府の土地に対する基本的な一つの重要な姿勢、柱だ、こういうふうにわれわれは理解してもいいんでございますか。
#60
○根本国務大臣 公共が私権に優先するといえば少し行き過ぎになると思います。そこは憲法で保障されておる私権は尊重しながらも、公共の利益のためには、合理的な措置を講ずることによって、いままでややもすれば、実は政府関係の公共事業をやる場合にも土地収用法を適用することは極力控えてきたわけです。ということは、それによって、その問題以上の政治的なトラブルがいままでずいぶん起こる傾向がありましたので、その点が、ある意味においては、国民の側から見れば非常に歯がゆいと思われるほど、実は土地収用法の発動が行なわれていなかったと見られます。しかし、今後は合理的に、かつ、だれ人から見ましても、これは当然公共の福祉のためにやるべきだという観点に立つならば、収用法は適切にどしどし実施することによって、そういう問題を解決していくのがほんとうだろうと思います。
#61
○吉田(賢)委員 土地問題の重要な問題点でございますいま一つは、土地を利用する、開発する、いかに今後の日本の世代に適するようにこれを利用していくかという問題は、土地そのものにつきましてしっかりとしたデータが必要ではないか。また、事務当局でもいいんですけれども、資料のことですからあまりくどくどしちゃってもいかんのですが、一口に言いまして、政府は、日本の国土の総面積、それから国有、公有、私有の区分、利用可能な範囲ないしは埋め立て可能な海面といったようなその数字的なデータ、資料はお持ちですか。数字は追って委員会に出してください。
#62
○根本国務大臣 私自身、現在手元にありませんが、たぶんあると思いますから、できるだけ、建設省のみならず、地理院その他関係省庁と打ち合わせの上、御指示になりました資料をまとめるようにいたしたいと思います。
#63
○吉田(賢)委員 お願いいたします。
 このことを聞くゆえんのものは、先年、昭和二十八、九年の台風の際、北海道の風倒木で膨大な地域の倒木問題が起こったときに、一体どれほどの面積ですかと農林省に聞いた。ところがさっぱりわからぬ。いまだ北海道における国有林野の総面積の具体的な実績をつかんでいないのじゃないかとさえ疑ったのであります。伊能忠敬でも出てこないと、いま日本の国土ははっきりしないのかもわかりません。登記所に行ってもわからない。建設省もわからぬ。歩いたことがないからわからぬ。どこに一体正確な地図があるのかわからぬ。図書館をさがしてもわからぬ。結局、建設省とか国土何とかとか、だれやかれやといいながら、ほんとうはわかったようなわからぬようなことでございます。やはり前提といたしまして、こんな狭い国土だといわれるのですから、国土そのものの実態を数字的に、面積としてしっかり把握することが一切の前提にならなければ、合理的な、科学的な処方は生まれてこないと思います。これはぜひお願いしておきます。
 それからいま一つは、問題の一つはやはり国有、公有の土地問題であります。国有開放というのは、東北の農村などでは長年叫んできたところであります。もっとも国有地の有効利用、適切な開発ということは、いろいろと計画しなければなりません。こういう点についても、これは深く掘り下げていくとだいぶん展開しますのでいきませんけれども、これらにつきましても、やはり基本的な資料といたしまして相当御調査あって、可能な面、それから利用の方法、どのくらい事実あるのか。たとえば東京都内におきましても、あなた、御承知かどうか存じませんけれども、日比谷の公園、あれは所有者は国か都かまだわからぬはずです。大蔵省もはっきりしないのです。数年来決算委員会の懸案でございました。東京都内ですよ。一体だれの所有なんだ、面積はどうなっているのだ、どんな権限で利用しているのだということさえ、あなたの政府の足もとの問題さえまだはっきりしないのが実態なんであります。
 そういうことでございますので、土地問題の論議のときに、机上抽象論というものは解決の手にはなりません。前提といたしまして正確な資料を用意することが必要、こう考えます。
 そこで、展開していきまするが、結局、土地問題は、いまの社会的な需要、要請の面から見てみますと、地価に一応は帰するのじゃないか。地価問題というものが解決いたしましたら、土地問題は非常に明朗に、あらゆる面におきまして計画にそごを来たさぬと思うのです。しからば地価問題でありますが、これはまた、すでに統計なんか出ておるのでいいと思いますけれども、委員会へ出しておいてください。最近十年間、建設省が出している白書によりますと、三十年から四十三年の問に、都市中心にありましては十三倍になっております。その辺の少し詳細なところを、委員会へあとで資料として出していただきたい。
 そこで、地価高騰の趨勢がこのような情勢にある。一体何が原因であろうか。現象を追って中途はんぱな対策を立てておるのですが、ずばりと地価安定対策というものが出ないものかどうか。安定対策をずばっと出すことなくして憲法論、福祉論を論じてもだめ、幾多の政策論を並べてもだめ、土地問題は解決しません。公共事業、国民住宅、マイホームの問題解決しません。地価の安定対策というものは何か、これを具体的に政府として持っておらなければ、土地問題に対する一切の政策は進行しません。いかがでございますか。
#64
○根本国務大臣 一言で申し上げることはなかなかむずかしいものだと思いますが、一つは、現在の税制が相当の大きな原因をなしていると思われます。端的に申しますれば、固定資産税、これが実際の地価よりも非常に安く評価されて、それに税率が非常に低いということなりますれば、金で預金したり他のもので預金しておくよりも、土地を持って、農地の形態にして持っておるとか、あるいは山林の形において持っておるほうが有利であるから、そこに仮需要が相当ふえていくことは当然だと思います。現実に、土地をいますぐに住宅にしなくても、そのほうが財産保全で非常に有利であるということになりますれば、現実にその土地を使用しない人でも、財産保全のためにこれに需要がふえてくるということなりますれば、これは相当高くなっても持っていくことだろうと思います。
 それから、一方におきまして、やはり土地の再生産が非常に困難な場所、特に市街地等におきましては、それだけの高い値段を出しましてもペイするということになれば、これが高くなる。
 その意味において、端的に申しますれば、税制と大量供給、これが必要であり、また、公共事業が一面においては地価上昇を招いているということも相当あるようでございます。たとえば東名道路のようなものがずっとできますと、その周辺が非常に付加価値が増してまいります。そういうところでどんどんその付近が高くなっていく、ところが、投資した政府は、その投資したことによって効果がないわけです。そうして、むしろ政府がやればやるほど、今度は次の公共用地取得のときに、自分が開発したことによってその土地を高くしていく、こういうような点がございまするので、今後われわれの考えとして、いま各都道府県、地方自治体に土地開発基金制度を設けまして、先行取得の制度を大いに活用してやっていかなければならない。それからまた、道路等も、政府だけがやるということになるとなかなかむずかしい問題が出てきまするので、今度は民間資金を活用することによって、道路開発等も合理的に地方自治体を中心としてやってもらう。道路をつくると同時に、他の開発事業も地方自治体の企業体等でやらせることによって、相当程度その効果がその自治体に帰属することができるというような方法等も考えて、そういうふうなことをどんどんやっていきますれば、一般住民の方々の住宅なり、あるいはその他営業用の土地等もいまより多く供給できるのじゃないだろうか。そうした総合的なことをやっていかないと、この地価対策というものはなかなかむずかしいと思います。総合的な政策でやらなければならぬと考えております。
#65
○吉田(賢)委員 要するに、いま固定資産税を上げるとか、あるいは大量供給しようとか、先行取得の方法を講じるとか、あれこれと、あの手この手でやるほかはないということらしいのですけれども、これとても、たとえば固定資産税を上げる、それだけ上がるのだからというので売り値が高くなる、あるいは、先行投資もよろしいけれども、正当な予算用意もなくして先行投資してしまって、そして遊ばしておくというようなことがあって、また予算がうまくいかなかったのだからほかの方法に転換する、そういうこともあり得るのですから、よほどそこはいろいろな条件を整備していきませんと、先行投資ということになると、まるで公共的な先物買いの商売になってしまう危険もないではありません。要するに、いまおっしゃったことは、地価安定対策というものはずばっとないというふうにも受け取れるのです。あの手この手で少しばかりやっていくことによってできるだけ需要を緩和していく、これじゃないかと思うのです。ほんとう申しまして、いまのところ、地価安定のずばっとした対策はないとわれわれが見るのが政府のお考え方、こういうふうになるのがほんとうじゃないかと思うのですが、この辺は掛け値なしにひとつ言うておいてもらいたいのです。ほんとうはお手あげなんだけれども、あの手この手で相当やりましたならばそんな糸口ができるのだろうと思ってこれをやるのだ、そういうのが真相じゃないのですか、根本さん、いかがですか。
#66
○根本国務大臣 世の中の事象というものは、理論的に可能であっても現実に実行できないこともございます。と同じように、いろいろの願望があっても、複雑なる社会事象で、何でも解決するというようなことはなかなかむずかしいと思うのです。われわれとして、ただいま申し上げたことを総合的にやることによってこの問題を解決したいと思いまするが、あなたのほうから抜本的にこれぞという名案がございましたら、どうぞお示しいただきますれば――これで実効がほんとうにあがるということであるならばわれわれほんとうにありがたいと思いますから、それをお示しのほどをお願いいたします。
#67
○吉田(賢)委員 地価問題につきまして困難なことは、お互いに経験済みでございます。何年来悩んできておりまするのは、申すまでもなく、これは小さなあの手この手も大事ではありますけれども、一つは、いまおっしゃいました憲法問題につきましては、しゃんとした姿勢を打ち出しまして限界を明らかにして、最高裁あたりですっきり最終的に司法の審判も受けるというふうに法律的にも明確にして、憲法解釈を一定するということも大事ではないかと思われます。そして、あらゆる角度からこの不当利得につきましても、これはやはり良心的に社会に還元するということにつきましても相当大胆にいかねばなるまい。ただし、こういう問題につきましては、やはりおそらくはだんだん触れていきますと猛者連中の陳情が殺到されるのじゃないかと思いますので、こういう辺はタブーになっておるか存じませんけれども、いずれにいたしましても、これらの問題の一つの突破口を見つけなければいかぬのじゃないかと思われます。
 そもそも、一体地価というのは何かということをはっきりさせておかなければいかぬと思うのです。地価とは何ぞや、正当な地価、妥当な、相当な地価とは何ぞやということもはっきりしておりません。一体何が相当であるのか、何が妥当であるのか、何が高いのか低いのかということになっていきますると、それはどうして付加価値が増加するとか、経済的に利用価値がどうとか、近隣がどうとか、いろいろありますけれども、土地鑑定士あたりの鑑定の評価の結果、経緯を見てみましても、一体何をほんとうに最終的な大きなものさしとしておるのかということがわからぬこともございますので、やはり地価に対する考え方、これを大きく指導しまして、世論をまとめて合意点を見つけまして、私は専門的に設定する必要があるのではないであろうか。
 あるいは、もう一つは、国民的な立場から考えましても、世界で日本ほど土地に無限の執着を持っておる国民は少ないのじゃないか。ヨーロッパあたりに行きまして、こんなに土地に悩んでおる国はございません。われわれそのことも思いますので、狭い土地でありますが、ともかく、土地は重大な財産のような考え方から解放するというような、そういう人間のものに対する考え方、世界観、そういう面にもあるのじゃないだろうか。要するに、教育もありましょう、政治もありましょう、また、政治の姿勢も直さなければならぬこともあります。いろいろな面におきまして、いまおっしゃいましたことも大事でありますけれども、私は、あらゆる角度から総合いたしまして、相当な価格を設定して、そして多くの執着をなくして、公共にこれを提供してお互いの福祉の増進するような社会の建設に進んでいく、こういう辺から進めていかなければならぬのじゃないかと思います。
 終わりますが、最後に一点だけ尋ねておきたいのですけれども、いよいよ例の地価公示制度、去年の七月ですか、今度実施いたしました土地鑑定委員会ですか、七人、国会で承認したはずでありますが、国会承認を得た委員でもって構成したものできめる。これも何かの基準をきめるというので、これをもって最終解決のそれにはなっておらぬ、こう思うのですね。でありますので、いずれにいたしましても、この問題にほんとうに取り組む以上は、公共事業を進め、一世帯一住宅という理想でない公約を実現する見地から見ましても、やはり土地をどうして確保するかという問題これは根本的に大きな決意をもって組織的に取り組んでもらわなければならないと思います。その決意を明らかにしておいてもらって、きょうはやむを得ませんから、序の口として質問を終わらしていただきたいと思います。大臣の決意だけしっかりと明らかにしておいてください。
#68
○根本国務大臣 経済企画庁並びに農林省、それから自治省、通産省、建設省等で、土地並びに地価に関係する閣僚が相互に連絡をいたしまして、この地価問題、土地問題をひとつ全面的に再検討して協力しようじゃないかということを実は申し上げております。これは、先ほど吉田さんが言われましたように、日本におきまして、土地に対する所有感というものはよその国に見られない非常に強烈なものがございまして、しかも、欧米諸国では、御承知のように、シティから発達した国が多うございますから、たいていこのシティは相当大きな公有地を持っております。ロンドンでもあるいはパリでも、それからベルリンでも、あの過密のニューヨークでも、ワシントンでも膨大な公有地を持っている。そして、その公有地をうまく転換することによって、都市計画なりニュータウンを形成するとかいろいろなことがやれる。ところが、日本では公有地を持っておる自治体等でも、山村の山奥でなければ――入り会権等で持っておったものでも、ほとんど逆にこれをどんどんと払い下げてしまう。これも一つの行き方に問題があっただろうと思う。だから、私は、基本的には、だんだん地方自治体が、むしろ財政の余裕があるならば一なくても、また相当の地方債を出しても公有地を造成もしくは持っていって、これがいろいろの公共施設なり住宅政策等に役立てるような、この姿勢も必要であり、またこれに協力するということが、共同社会を構成する自治体においてはしかるべきだという国民世論、こういうものもつくっていかないと、なかなかこれはむずかしいと思います。その意味において、いろいろと御指導を得て、これを強力に推進してまいりたい、こう思っておる次第でございます。
#69
○濱野委員長 丹羽久章君。
#70
○丹羽(久)委員 道路公団の総裁に少しお尋ねいたしたいと思いますが、きょうは参考人としてたいへん御苦労さんでございます。あなたが長い間建設省の道路局にいらっしゃいまして、道路一筋に生きてこられましたことは私もよく存じておりますので、心からあなたの功績に対して私は敬意を表するのでありますが、まず第一点は、少し問題が小さいようでありますけれども、お尋ねいたしておきたいと思います。
 最近、東名高速道路の上郷高架橋梁のところで事故を起こしております。それから、同じ日に豊川橋のところで事故を起こしまして、なくなっておるのですけれども、これは総裁、御存じになっておりますか。
#71
○富樫参考人 ただいまお話しの事故については承知いたしております。ちょうどこの日はみぞれまじりの雨が降りまして、道路状況がたいへん悪くなりまして、公団では五十キロの速度に制限いたしておりました。同じ日に同じような事故が二回起こったわけでございます。それは、スリップした車に次の車が接触してしまった、あとの車に対して事故のあることを知らせようというので、あとの車のドライバーの方が出て合い図をされたようでございますが、豊川橋のほうはなくなられておりまして、よく事情がわかりませんが、おそらく後続車に知らせようということで、出てはねられた、あるいはそのガードレールから落ちたということのようでございます。それからもう一つ上郷のほうは、これは学生さんでありまして、同じような状況で、後続車に知らせようと思いまして、ちょうど橋の問の空間から落ちてけがをされたということでございます。この事故については、私も承知いたしております。
#72
○丹羽(久)委員 与えられた時間が非常にきびしいわずかな時間でありますので、聞くほうも率直に聞いていきますから、答えるほうも率直に答えてください。
 そこで、委員長にお願いいたしたいと思いますことは、質疑応答が少し多くなりますから、前のほうへひとつ出ておっていただくようにお願いできませんですか。
#73
○濱野委員長 答弁される方は前へ出てください。
#74
○丹羽(久)委員 この事故は、私の調べた範囲によりますと、善意に、後続車に対して事故があるから気をつけてくださいと言うために、みずから車からおりて信号する、そういうような状態になって、不幸にして墜落をしたということでありますが、いま総裁もそのようにお話しになっておる。しからば、そういう事故が同じような場面で同じように、一人は死に、一人は大きなけがをしたとするならば、それに対して今後どのような処置をとる考えか。あるいは、このような善意によってなくなった人、善意によってけがをした人に対して、道路公団としてはどのような敬意を表せられたか、また弔意を表せられたか、この点お尋ねいたしたい。
#75
○富樫参考人 ただいま前段の御質問につきましては、こういう穴があって落ちたわけでございますから、これをふさぐということを考えていかなければならぬと思います。
 それから、この両方の事故が夜間に起きておりますので、今後照明を追加していかなければならぬというように考えるわけでございまして、予算の関係もありますが、極力そういう方向に進めてまいりたいと思っております。ただいま東名の高架橋梁の沿線が約六十キロぐらいございます。このうち照明しておりますのが五・六キロ、それから上下線分離しておりますのが五・三キロでございますから、残りの四十八・七キロメートルについては、今後落下防止の網を張っていきたいと考えております。
 それから、こういう善意の方が事故にあわれてなくなり、また、けがをされたわけでございますが、これにつきましては、公団ではお見舞いをいたしておりません。これはまことに行き届かなかったことと存じます。今後、こういうことにつきましては、十分道徳的に考えるべきものを考えて、お見舞いすべきものはお見舞いするというようにやっていきたいと思っております。
#76
○丹羽(久)委員 私は、けがをした人には何の縁もゆかりもない、顔を見たこともないのです。なくなられた人とも何らの縁もゆかりもありません。しかし、マイカー族は、道路公団はあのような工事の施行方法で何か手が打てるはずだ、手が打てるところを手が抜いてあるから、夜のことであるので、しかも街路灯もついていないから、そういうような処置をとったことの善意が死を招き、大けがをしたんだということが一般の人々の声になっているんですよ。
 しかも、総裁に私がこういうことを尋ねるということは少し酷かもしれませんが、あなたの下に相当いろいろたくさんのそれぞれの部門があるはずですから、交通事故の実態というものは、善意にやったことは明らかになっておるにもかかわらず、しかも死亡した、それに弔意も表しない、見舞いもしない。それでいいですか。あなた、どうお考えになるか。いまでもおそくないけれども、これに対してどういうお考えを持っておられるか、率直にお答えをいただきたい。
#77
○富樫参考人 まことに配慮が足らなかったことでございまして、おわび申し上げます。いまからでもおそくないと存じますので、適切な処置をとりたいと思います
#78
○丹羽(久)委員 それで、この問題は一応私は質問を終わりますけれども、ぜひそうしてあげてください。マイカー族は、網を張ってもらうか――鉄板とかいうのは金がかかるだろうけれども、何らかの方法ができると言っておりますから、落ちないようにしてやってください。今後も続くだろう事故を防止する上においても、とうとい人命を守ることですから、ひとつ、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
 第二点の問題について少しお尋ねいたしたいと思いますが、会計検査院から指摘されております道路建設に伴う買収土地の所有権の移転登記の処理状況が悪いということがいわれておりますが、この問題については、名神、東名を通じまして道路公団が買収せられた土地はたいへんな土地だと思うのです。しかし未処理であり、未登記であり、買収後第三者によって売買せられたとか、第三者名義によって登記されておるとか、抵当権が設定されているものがいまだにあるんだとかというようなことを考えてまいりますと、どうも私は、何か処理する上において大きな欠陥があるように思うのですけれども、これは現在どのように進んでおるのか、ひとつもう少し詳しく話していただけませんか。
#79
○富樫参考人 現在まだ未登記のものが七百四十一件ございます。このうち、大きい数のものから申しますと、土地改良法によりまして、まだ登記が閉鎖されておりましてできないものが二百六十八件、それから相続の関係で未登記のものが百五十八件ございますが、これはなくなられた方があっても相続をせずそのままになっておるものがあります。それを調査しながら手続を進めておるわけでございますが、その件数が百五十八件でございます。その他ございまするが、いずれもそう大きな数ではございません。これは鋭意調査を進めておりまして、登記いたしたいと考えておりますが、ここ一、二年を要するものと考えております。
#80
○丹羽(久)委員 この「日本道路公団用地事務取扱規程」というのからいきますと、「当該登記を完了した後その残額を、それぞれ支払うものとする。」ただし書きとしては「支社長等が特別な事情があると認めた場合には、登記完了前であっても、土地等の引渡しを受けた後補償金の残額を支払うことができる」。支社長等が特別な事情があると認めたとき以外は、この前段のところの「当該登記を完了した後その残額を、」と、こういうことになっておると、登記が優先していなければならぬはずです、全額払うときには。この登記未了だとか、他に転売せられておるとかいうような事件は、一体全額払ってあるのか払ってないのですか、どうなんです。
#81
○富樫参考人 会計検査院に御指摘を受けた未登記の分は、全部金を払ったものでございます。四十三年度からは登記が済んでから残りの三分を払うということに改正いたしておりますが、その前の分につきましては、御指摘のような事態が起こって、全額を払ったものについて未登記が起こっておったわけでございます。
#82
○丹羽(久)委員 社会一般の人でさえ、土地を全部手に入れ、同時に全額を払うというのが社会通念、そういう行き方なんですよ、登記というものは。まして公団というのは、法律に基づいて、あらゆる角度から水も漏らさぬようにしっかりとした法律のもとに運用せられているのに、土地を買収する、全額を払った、登記ができないという理由は、少し私は納得ができない。どういう原因か。いまあなたはおっしゃるが、整理関係だとかなんとかいうものがまだ完了していないがために、いつでも完了でき次第解決できるというならそれでけっこうだと思うのですね。そうでないところの問題点の残っている人々に対しては、どういう意味でいまだ完了でき得ないのか、しかも、仮登記のままで土地を買って、その仮登記のままでいまだにほってあるというようなことだが、なぜ本登記にならないのか。こういうような点について、もう少し――もし総裁がおわかりにならなかったら、用地部長いらっしゃるかしりませんが、用地部長でもけっこうですから御答弁願いたい。
#83
○小野参考人 ただいま残っております件数が七百四十一件とただいま総裁からお答えいたしましたが、そのうちで、ほんとうに私どもとして申しわけのない、まことに不手ぎわなものが相当数あるわけでございます。買収後に抵当権が設定されたまことに不手ぎわなものでございますが、これにつきましては、相手方に対しまして抵当権抹消のしかるべき手続を請求しております。それから買収前から抵当権が入っておった、これを抹消できないでおるというのもございます。これにつきましては、各担当者が鋭意この解決に折衝しておるのでありますが、こういうのが約五十件ございます。そのほか、相続関係あるいは共有地の関係等で最終的な登記書類が整わないものもございますが、これは鋭意その資料集めをし、また旧地主の方といろいろと御相談をしておりますので、百数十件ございますが、これは遠からず解決できるものと考えております。
 なお、その点について不明瞭なものがあり、どうにもならないものがございますれば、たとえば権利者の一部が不明であるというような場合、そうした場合には、土地収用手続によりまして不明裁決をお願いするということもございます。
 その他いろいろございますが、土地改良法あるいは土地区画整理事業、こうした関係が約三百件ございまして、これは時期がくれば――登記簿の再開が行なわれれば完全に片づくようになっておるわけでございます。あと数百件でございますが、担当者がそれぞれ鋭意努力いたしておりますので、一両年中には解決できる――大部分は遠からずでございますが、長いもので一両年かかるか、このように考えております。
#84
○丹羽(久)委員 もう一度用地部長にお尋ねいたしますけれども、相続の問題で判がもらえない、あちらこちら飛んで歩いておるからまだまとまりがつかないというものについても、これは適当な処置ではないけれども、それはそれとして、また、組合関係で完了したのは解決ができますというのは、まず一応それは見送るとして、買う前に抵当権が入っておって、お金を渡して、そしていまだそれが抹消でき得ないというようなやり方というものは、原因はどこにあるか。
#85
○小野参考人 一口に申しますならば、事務担当者の仕事が不手ぎわであったということになろうかと思うのでございます。この点につきましては、いろいろと折衝の際に、そうした登記簿によりまして抵当権のついておることを承知しておる場合もございます。うっかりした場合もあろうかと思うのでございますが、承知しております場合には、その地主さんに対しまして事前にこれを抹消してもらうようにお願いをし、先方も引き受けてくださったので安心をしておったけれども、そうはいかなかったというようなことではないかと思うのでありまして、いずれにいたしましても、このようなことはまことに不手ぎわなことでございまして、今後はそういうようなことのないように十分注意をさせておる次第でございます。
#86
○丹羽(久)委員 それでは、このうちの問題で裁判ざたになっておるという件数はありますか。公団が裁判にかけた、あるいは、金を払っても相手がへ理屈をつけて裁判しておるというような、何にしても双方ともに裁判の爼上にのっておるというような問題の件数がありますか、どうです。
#87
○小野参考人 ただいま申し上げました数字は、これは御承知のように昭和四十二年度末におきまして残っておったものの処理でございますが、その後の土地買収についての問題もございまして、そういうものをひっくるめまして、現在公団が当事者になっておるこの関係の訴訟事件が十五件ございます。その十五件のうちで、たとえば、ただいま申し上げました買収後抵当権が設定されたというようなものに対しましては、これに対する措置の要求を訴訟でいたしております。十五件が全部このうちではございません。その後のケースもございます。ほかの道路のもございますが、現在十五件の訴訟を、こちらから提起したり、あるいは先方から受けたり、係属しております。
#88
○丹羽(久)委員 金を払って抵当権の抹消ができ得ないということで、不当であるということで公団がそれに対する裁判を起こされる理由はわかるのです。しかし、全額を払って、まだ向こうから何かの異議の申し立てをしておるというようなことがあるとするならば、その理由、十五件の裁判のうちで、向こうはどういうような理由を立てて裁判をやっているのです。それからあなたのほうは、その行為によって、十五件くらいなら、どういうような考えとして裁判をせられておるのか。それは刑事事件として裁判を起こされておるのか、民事事件として裁判を起こしておるのか、どうなんです。
#89
○小野参考人 あとのほうでございますが、私のほうから訴訟を起こしておりますものは民事事件でございます。また、受けておりますものももちろん民事関係でございますが、その内容としましては、ちょっといま手元に詳細の資料がございませんが、たとえば、先方から訴訟を受けておりますものは、値段に対する不服というようなものもございます。また、私のほうでも、収用委員会の裁決に対する不服というようなものもございます。それから大きい問題として、先ほどから御指摘をいただきました土地の名義が、買収後ほかの者に二重売買されたというようなものにつきまして、その名義移転の請求を出しておる例がございます。こまかい点につきましては全部ここに覚えておりませんが、そういうようなケースでございます。
#90
○丹羽(久)委員 今度は総裁に申し上げますけれども、これからの道路の整備、あなた方の道路公団にやっていただく仕事というものは、世界的に見て日本は少しおくれておりますから、たいへんな仕事をやっていただかなければなりません。それについて私どもが頭にすっと浮かぶだけでも、今後十兆円近い仕事が近年中に展開されていくと思うのです。ですから、こういう問題は、やはりけじめをきちっとつけていただかなければならない。こういう問題を土地収用法でやるとかどうとかというよりも金を正当に払っても、登記はそういうことで言を左右にしているとかなんとかといえば、端的に考えても刑事事件としてでも扱っていくべきであると私は考える。民事で、お役所的な考え方よりも、もう一歩前進した処理のしかたがあり得ると私は思うのです。
 そこで申し上げたいことは、あなたは長いこと建設省においでいただいて御苦労いただいて、さらに公団に来ていただいて、総裁として、日夜道路をいかによくしていくか、いかに早く手がけていくかという御苦労のほどは、あなたを中心にしての公団の皆さん方のそのお気持ちは十分にわかるのです。しかし、こういうような問題ができてきますと、公団の考え方というのは、親方日の丸的な考え方ではないかというように思う人がある。これは残念です。だから、御苦労のほどはよくわかりますから、こういう問題はつとめて早く処理をしていただきたい。四十二年のこの検査院の報告によりますと、まだたくさんの問題が残されておるように報告されておる。これ以上私はとやかくは言いませんけれども、全力をあげてこういう問題の解決方を願いたいと思いますが、どう考えておいでになりますか。
#91
○富樫参考人 ただいまお示しのとおりに考えております。今後こういう事態を絶対に起こさないように戒めてまいりたいと考えております。
#92
○丹羽(久)委員 それでは、いま裁判になっておる十五件か十八件あるか、これは別としまして、ひとつ書類で出してくれませんか、どういうふうになっておるかということを。
 それから会計検査院にちょっとお尋ねいたしたいと思いますが、会計検査院の指摘事項のところで、留意をせよということが書いてありますが、この留意という表現はどういうことなんです。これだけの問題で私どもは考えると、留意をせよというような表現が使ってあったと思いますが、会計検査院、ひとつ説明願いたい。
#93
○石川会計検査院説明員 決算検査報告にどのような内容をどういうていさいで記述するかということにつきましては、会計検査院法二十九条に明示してあるわけでございます。
 そこで、一般的なことは別といたしまして、注意事項に関連するものと考えられるものとしましては「検査の結果法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項の有無」、これがいわゆる不当事項というものでございます。それから検査院法三十四条、三十六条、これが改善の処置要求あるいは改善の意見表示、いわゆる改善意見と称するものでございます。これらのものにつきましては、二十九条におきまして必ず掲記しなければならない事項になっているわけでございますが、その他の事項につきましても、予算執行上配慮を要すべき事項がありますれば、これは当委員会の御審議に供する意味におきましても、できるだけそういうものを掲記する、そういう意図に基づきまして留意事項というものが掲記されているわけでございます。
 そこで、ただいま御指摘を受けました道路公団の留意事項でございますが、もともと、不当事項とわれわれが考えておりますものは、現実に幾ら幾らの金額というものが国損である、不経済であるという数字の上の確認をいたしたものが不当事項と称するものでございます。それから三十四条につきましても、これはやはり法文上、違法あるいは不当と認める事項につきまして改善処置を要求する、あるいは今後の会計経理の是正を促すという意味合いにおきまして記述するものでございます。三十六条は、広く行政制度等につきまして、将来に向かって改善の意見を表示しよう、こういうものでございますが、ただ、検査の実績を見まして、不当事項あるいは改善意見、改善事項にまで熟さないようなものも、できるだけ早い機会におきまして当局に御配慮を願いたい、こういう観点におきまして留意事項というものを掲記しているわけでございます。
 道路公団のただいまの問題につきましても、現実にこれこれという、幾ら幾らという国損というものは、実ははじき出せないわけでございますし、事務処理上の問題でございますが、将来におきまして、あるいは裁判に費用を要するとか、あるいは事業の執行がおくれるとかというような実損を考えまして、これを留意事項として掲記しているわけでございます。
#94
○丹羽(久)委員 法律の文章ばかり読んだってだめですよ。会計検査院というのは、だれにも遠慮しない公平な立場において、あなた方は国民の代表として会計検査をするんでしょう。だから、いまのところは損が出るか出ぬかわからぬが、とにかくそういうような留意ということばを使ったんだとおっしゃるが、留意ということばは、訳すると、通常のことばではどういうことばになるのですか。私は注意程度だと思うが、これだけのもので注意ではいかぬですよ。道路公団に対してもっとぴりっとくるようなことばがあるはずだが、どうです。あなたのほうの法的根拠に基づくと、それ以外のことばはないですか。これから損が出るやら得が出るやら、これから訴訟をすれば、どちらにしてもただでは済まないですよ。出廷していろいろ裁判をやれば、月給取っている人たちが行くんですから、それだけだってちゃんと費用かかるのですよ。これはあなたのほうがきちっと調べられた結果こういうものが出たんでしょう。出たんであったらば、その出たことに対して、留意ということばはどういうことばになるのですか。私は、こういう事実が出てきている以上は、もっと強いことばがあってもいいと思う。もう一度お尋ねしたい。
#95
○石川会計検査院説明員 留意事項の内容につきましては、どうして留意事項というものを検査報告に掲記するようになったかといういきさつにつきましては、先ほど申し述べましたとおりでございます。その留意事項の取り扱いにつきましては、あるいは、ただいま御指摘のように三十四条、三十六条と、まぎらわしいような点があろうかと思います。われわれもできるだけ法文の規定に従いまして、不当事項なり、あるいぼ三十四条、三十六条に従って意見を表明すべきでございますので、将来に向かってはこの取り扱いについてひとつ検討させていただきます。
#96
○丹羽(久)委員 そんなことは将来じゃない。現実にそういうことが出たときに、そのときの時点においてそのような考え方をして、将来それがうまく進んでいけばけっこうじゃないですか。それが会計検査院の役目ですよ。どうぞひとつそういうように解釈をしてもらいたいと私は思う。もし私の見解が違っておるとするならば、またあとで時間をかりてひとつよく聞いてみましょう。それじゃ、時間がありませんので、その次に進みます。
 道路公団のサービスエリアの食堂施設ですね、
 これに対して少しお尋ねいたしたいと思いますが、これは東名、名神、各所にあるのですけれども、これはどういうふうでこのようなのができ上ってきたかという経過を一応聞かしていただきたいということと、補足してちょっと申し上げますと、ここで食べる人は、比較的おいしくないのだ、それに全体というわけじゃないのですが、思ったより高いという声があるのですね。けれども、高い安いということはあとで話すことにいたしまして、このサービスエリアというのは、あの公団の敷地内にでき上がってその仕事をしておりますけれども、これはどういうものなんですか、少しお聞かせいただきたいと思います。
#97
○富樫参考人 高速道路にサービスエリアというものは不可欠でございます。自動車に対してサービスいたしておるわけでございますが、このサービスエリアに休憩所、給油所あるいは自動車修理所をつくっておりますが、名神のときと東名のときとやり方が違っております。名神のときは、公団が建設いたしまして、これを民間の業者に、指名競争で業者をきめて経営を委託しておるというやり方をとったわけでございますが、東名におきましては、道路施設協会に公団がサービスエリアの土地を占用することを許可いたしまして、施設協会が休憩所その他の建築をやりまして、その営業を民間に指名競争で出しておるわけでございます。東名になりまして道路施設協会を使ったといいますのは、このサービスエリアの建築もなかなか金がかかるものでございますから、道路公団の建設費を使うよりは、民間の資金も入れたいという趣旨で道路施設協会をつくってやらせたものでございます。
 これの経営については、またあとでお尋ねがあるということでございますので、以上のようにお答えいたします。
#98
○丹羽(久)委員 サービスエリアの施設をつくり上げる上において、道路公団と施設協会が金を出し合ってつくった、こういうことなんですが、一体、その施設協会と公団との出し合いの率はどんなふうなんですか。
#99
○富樫参考人 用地につきましては、公団がつくりまして、それを施設協会に占用させるわけでございます。占用されました土地に建てます建築物につきましては、施設協会が四割、経営する者が六割、これは協力費ということで出してもらいますが、若干でございますが利子をつけて、十年の間に返す、そういう出し方をして建築をしておるわけでございます。
#100
○丹羽(久)委員 この施設協会というのは、いつでき上ったのですか。そして、だれがここの理事長をやっていらっしゃるのですか。
#101
○富樫参考人 施設協会のできましたのは昭和四十年五月でございます。初め、門叶さんが理事長をしておられましたが、なくなられましたので、昨年末かわりまして、首都圏整備委員会の常任委員である師岡さんが理事長になっておられます。
#102
○丹羽(久)委員 そこで、物を売る商店のほうの経営者側が施設協会に出しているマージンというのか、家賃というのか、それはどうなんです。これは公団で御存じですか。
#103
○富樫参考人 協会が民間に競争入札で業者をきめまして事業をさせるわけでございますが、この競争が営業料率の競争ということでやるわけであります。希望者が多いものですから、そのうち適当な資力、信用のあるのを選びまして、それに競争してもらうわけでございますが、いままで営業料率二三%というのが一番高かったように思うわけでございます。この営業料率のきめ方は、最高と予定とをきめまして、予定営業料率以上であって、しかも最高料率以下であるというものを選定するわけであります。上位が数社出た場合には抽選できめるという方法をとっておるように聞いております。
#104
○丹羽(久)委員 私の調べた範囲では、営業料を二〇%から二三・五%取っているというのですね。御存じですか。これだけ取るというと、たいへんですよ。こんなに取らなければ施設協会はやっていけないでしょうか。公団というのは、ほんとうに国の意をもってでき上がったものであり、一体のものであるが、ここにおけるところの施設協会というものが設立せられて、そして必要であるサービスエリアに対して、その営業主から二〇%から二三・五%を取っておって、一体皆さんに喜ばれるようなものが、よかったなといって食べていただくような品物ができるでしょうか。私はサービスエリアのどの店にも何の関係もありませんから率直に聞くのですよ。肩を持つわけではありません。この利用者のために私は聞こうとしておるのですから……。総裁、どうお考えになります。これ、知っていらっしゃるですか。これだけの金を取らなければ、どうも施設協会が金をかけた償却もできていかない、どうしてもそのぐらいの金はもらわなければならぬということでそのような料率がきめられたのですか、どうですか。
#105
○富樫参考人 この営業料率は、先ほど一番高いのは二三%と申しましたが、先生の言われるとおり二三・五%ということになっておるのですが、これは、サービスエリアの中の営業が独占的であるということ、それから、利用者がほとんど固定した数字が予想せられるということで、企業努力を重ねれば決して高い金ではない。しかも地代、家賃はその中に入っておるわけでございますし、ほかのそういった種類の業種に比べて、この二〇%あるいは二三・五%というのは不当に高いものではない、このように考えておるわけでございます。
 で、それだけなければ施設協会がやっていけないかという問題でございますが、これは施設協会が実施いたします公益事業のほうに相当使うわけでございます。施設協会が無料の休憩所をつくりましたり、あるいはパンフレットを配ったり、あるいは清掃したり、あるいはサービスエリアの中の美化を実施いたしたりするために使うわけでございまして、これはそういう意味からいって、企業努力でやれる範囲であり、しかも希望者が非常に多いのですから、この程度の率はまあやむを得ぬ率ではなかろうか、かように考えております。
#106
○丹羽(久)委員 それは総裁の考え方、少し甘いですよ。前期の利益金と今期の利益金との利益の差というものは、たいへん大幅に上がっております。それはあなたのほうがよく御存じですから、話してみてください。――わからなければ、私から申し上げましょう。
 四十二年度の決算による当期の純利益金というのは、公益事業への寄付金をまぜて八千百八十一万五十三円、四十三年度は公益事業への寄付金が八千六百万円、当期の純利益金が二億二千三百三十八万四千百八十円、合計すると三億九百万――三億一千万円ですよ。前が八千万円、一年に二億円からの収入増になっている。まだこれからうんとのぼってくる。そういう二〇%から二三・五%も取らなければならぬという理由は――いまあなたは、ほかの公益関係のほうにも出すのだとおっしゃるが、これはあとから問題に触れていきたいと思いますけれども、二〇%も取らなくたって、あるいは二三・五%も取らなくたって、あすの京都の旅というのか、走ってきた人たちがマイカー族だ。景勝の地で一服をして慰安をするというのだったら、やはり安くしてやってもらいたいと私は思う。日に何万人かの人なんですよ、実際。そのデータも私は持っておりますが、海老名でどれだけ、足柄でどれだけというのも、私はきちっと書類を持っておりますが、日曜なんかは数万人ですよ。だから、どうです、これに対するお考え方は。こんなに一年に大きな利益差が出てきているのですから。どうお考えになるのですか。
#107
○富樫参考人 公益事業をどういうものをやるかという問題でございますが、先般できました道路情報センター、これにも道路施設協会から金を寄付しておるわけでございます。今後こういった事業がだんだんふえてまいりますし、このための金がますます必要になるのではないかというように考えるわけでございます。それから道路上におけるサービスも、道路公団の金でやるというようなものよりは、道路利用者に直接サービスするようなやり方をとったらどうか。そういうことを考えますと、いまそれだけの金はありますけれども、今後そういうものを公益事業にどんどん使っていったらどうかというように考えるわけでございます。
#108
○丹羽(久)委員 それでは、この問題、ひとつ十分に研究してみてください。どうも人聞きが悪いですよ。道路施設協会が二〇%から二三・五%、何にもやらずに売り上げから取って、そうして公益に回すのだというけれど、お客さんたちから高いとかまずいとかいう声があがっていなければそれでけっこうだが、比較的そういう声もありますので、そういうところに、総裁は別として、係員を派遣してみて少し勉強してみてください。そうして、そういうたくさんの人々に対して喜びの気持ちを与えてやるということは、国民の考えをよくすることであり、マイカー族に対しても、無謀運転の心、そうした考え方というものを捨てることにもなり、慰安になると思うのです。どうぞひとつよろしくお願いしたいと思います。
 そこで、設立当時、別団体であった財団法人の道路厚生会というのがありましたね。これは御存じだろうと思うのです。それから、真鶴、横浜の新道等で合計九カ所において経営していた売店の施設を、道路施設協会で寄付したのは御存じでしょう。その額は、算定するところによると一千四十五万一千余円になる。それは道路厚生会に対して、昭和四十一年に六百万円、昭和四十二年に六百万円、昭和四十二年に七百万円と、もうすでに合計一千九百万円の寄付がされておりますね。一千九百何万円というものを寄付を受けた。したがって、一千九百万円出したとすると、それはどういう理由なのですか。また、今後も出す考え方か。もうこれで打ち切った、利息をつけた計算でやったのですか。それはどうなのですか。
#109
○富樫参考人 お話しのとおり、道路厚生会は昭和三十五年にできました法人でございます。それが一般有料道路の売店などを経営いたしまして、それを公益事業に回しておったのでございますが、道路厚生会には共済部門と事業部門・収益部門と二つに分かれており、その中では全くの別計算であります。共済部門のほうは職員の共済に使うわけでございまして、職員から掛け金を取りまして、それをもとにして経営いたしております。それから収益部門のほうは、売店等を経営いたしまして、それの収益をあげまして、これを公益事業に使っておったわけでございます。
 その公益事業と申しますのは、通行者にパンフレットを渡す、あるいは案内地図を渡す、また有料道路の上でなくて廃道敷とか、あるいは他の道路に標識等をつけるというようなこと、それから、道路に対する啓蒙宣伝のための映画とか、そういうものをやっておったわけでございます。これが四十年に売店等が全部施設協会のほうに寄付されまして、一般有料道路に対する自動車旅行者に対するサービスというものができなくなってきたわけでございます。御承知のように、一般有料道路は北海道から九州までございます。この有料道路には営業者がおりまして、道路厚生会の会員がおるわけでございます。こういうものを利用いたしまして、パンフレットを配る、あるいは地図を配る、救急品を営業所に置いておく、こういうことをやっておった、その金の収入源がなくなったのでありまして、これを施設協会から寄付を受けて、そういった一般有料道路における公益事業に使う、こういう考えでおるわけでございます。
#110
○丹羽(久)委員 この問題は、総裁の説明では私は納得ができ得ないんですよ。そういうような経営面を引き継いできたからということだが、そこで、一応寄付を受けたときに打ち切られておって、そうしてそれの代償として、先ほど言った金額を四十一年、四十二年、四十三年に払った、その後のことは考えていないというのならわかるけれども、これからもまだそういうことがあるとするならば、少しこれは突き進んでいきたいと思いますが、時間がないのでこの問題は後日に譲ることにいたします。
 さて、もう一つお尋ねし、御忠告を申し上げたいと思いますが、サービスエリアで上り線と下り線で向き合って商売しているところがありますね。そこで同じ飲みもの、たとえばコカコーラは片方が六十円で片方が七十円、相向き合ってそういう価格で売っておる。どうです、ちょっとおかしいと思われませんか。それはだれが監督するんですか。こまかいことを言うようだが、マイカー族はそういうことにも細心の注意を払うんですよ。これは一つの例ですけれども、食べるものによって、中に入っている品物が違うといえばそれまでですが、たとえばハムサンドでも、二百五十円のもあれば三百五十円のもあるというようなことなんです。こっちで売っている同じものをすぐ隣で食べるとすると、そういう価格になっている。大体汽車弁なんていうのは、特別以外は、東京で買っても九州で買ってもあまり変わらないんですよ。そういうようなことに対しても、監督的な立場にある施設協会がやられるのか、あなたのほうでやられるのかは別といたしまして、そういう点にもひとつ留意をしてもらうことが必要だと私は思いますが、総裁、どうお考えになりますか。
#111
○富樫参考人 お尋ねの問題は、東名が開通いたしまして間もなくのころから、いろいろ御指摘、あるいはおしかりをいただいた問題でございます。公団は、この問題につきまして十分関心を持ちまして監督指導を続けてきたわけでございますが、どういうことをやったかと申しますと、施設協会の中に営業監査室を設けるのと、東京、静岡、各古屋、京都に支部を設けるというようなことで組織、人員を強化いたしております。また、営業者を集めまして、付帯業務協議会というものを開催いたしまして、監督改善に対する指示を行なっております。また、必要な人員の研修をやるとか、必要なつど巡回をいたしまして、品質の改善、あるいは衛生の面、あるいは価格の面を指導してきております。また、モニター制度を採用いたしまして、利用者の声を直接業務に反映させることにいたしております。こういう措置によりまして、だんだん営業者の実態も改善されてきたと考えておるわけでございますが、最近はあまりおしかりはこうむらないのでございます。
 しかし、お話しのように、向かい合ってコカコーラの値段が違うというようなことは、ただいま承知いたしたわけでございますが、まだ改善すべきものがたくさんあるなという感じがいたしたわけでございます。もう少し指導監督を徹底いたしまして、ほかより高いということのないように、サービスエリアの食べものはほか並みであるということにいたしていきたいと考えておる次第であります。
#112
○丹羽(久)委員 それはそれで、だれかひとつ覚えていてくださいよ。一つだけ例をあげましょう。コカコーラが足柄で森永が売っているのが六十円ですよ。海老名でフジランドが売っているのが七十円ですよ。海老名で西武が売っているのが八十円ですよ。同じようなところで、上り、下りで八十円、六十円という価格で同じコーラを売っている。御苦労のことはわかりますが、二、三日前現実に調べてきたばかりですから、こういうことはあまり芳しくない。さらにハムサンドでもそうなんですよ。名鉄の上郷で売っているのは百五十円、海老名では二百円です。これは品物が違うといえばそれまでですが、浜名湖で近鉄の売って
 いるのは三百円です。こういうようなまちまちの売り方というのは、やはり品物がなるほど大きい、おいしい、だからこれは高いんだと客がそのように考えればいいけれども、同じようなところで売られておって、国が経営しているんじゃないか、公団が経営しているんじゃないかというのが一般の観念なんですから、つとめてこういうことはうまく取り扱いをしていただきたいということを要望しておきましょう。
 そこで、この公団の施設協会の役員の方々ですが、理事長は諸岡さんですか。
#113
○富樫参考人 さようでございます。
#114
○丹羽(久)委員 それから副理事長が江田さん、常務理事が山田さん、そして同じく永野さん、この方々の前身をちょっと調べてみますと、道路公団におった方々がここへ入っていたり、財団法人の厚生会の理事だという方々で、給料もそう悪くないと私は思うのですよ。皆さん二十数万円もらっておる。二十万円もらっておる人のうちで、諸岡さんだけが無給ということになっている。非常勤は当然これはないと考えても、一応常識的にいいといたしましても、理事長の無給ということはどういう意味ですか。
#115
○富樫参考人 理事長の諸岡さんは首都圏整備委員会の委員でございます。公務員でございまして、兼ねて協会の理事長をやっていただいておりますので無給としたわけでございます。
#116
○丹羽(久)委員 それではあとの方は、前だとか元とかいうことは書いてありますが、それ以外に何かはかのほうにも就職していらっしゃいますか、この副理事長、常務理事、常勤の理事という方々。どうでしょうか。
#117
○富樫参考人 ほかの職務は兼ねてやっておられないように思っております。ただ、確認しておりませんので、その点ちょっと心配でございます。
#118
○丹羽(久)委員 まだ少し聞きたいことがありますが、きょうは総裁が丁寧に、親切に、真心をもりて御答弁いただきましたので、一応私はこれできようは終わろうと思いますが、最後にお願いいたしておきたいと思いますことは、第一に質問をいたしました事故死亡者、この問題の考え方を明らかにしていただきたい。そして、そういう事故を再び起こさないような処置をひとつとっていただきたい。第二点の未登記の土地、この土地問題の解決方に対しては、全力をあげて解決をしてもらいたい。第三点のいまのサービスエリアの問題については、もう少し皆さん方がそれぞれの実態を考えてもらいたい。そして二〇%と二三・五%というのは、はたして妥当であるかどうかということももう一度検討し直してもらいたい。このようなことを強く要望いたしまして、一応私の質問を終わることにいたしたいと思います。
#119
○濱野委員長 委員長から申し入れておきますが、十七件の未登記ですか、その訴訟になっておる事件の調書を委員会に出してください。ことに、その未登記によって転売されたというもの、この不正事件の詳細をお願いいたします。
 この際、午後二時三十分再開いたすこととし、暫時休憩いたします。
    午後一時三十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時四十二分開議
#120
○小山(省)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。委員長が所用のため、指定により私が委員長の職務を行ないます。
 質疑を続行いたします。華山親義君。
#121
○華山委員 昨年の四月一日のことですから、ちょうど一年近くもなるわけでございます。荒川放水路の新四ツ木橋で、リングビーム工法によるワクが、仮締め切り構が崩壊をいたしまして、出かせぎ者等むざんな犠牲者を出したわけであります。その当時は国会でも大きな問題になりまして、本会議等でもいろいろの質疑等も行なわれたようでございます。その当時は、直ちに学識経験者等をもって調査会をつくって、その事故の原因を調査する、この工法による工事は中止を命じたということでございましたが、その後、どういう経過になっておりますか。
#122
○蓑輪政府委員 ただいまお尋ねの、昨年の四月一日に国道六号の荒川のところにあります四ツ木橋のかけかえ工事、下部工事を施行いたします架設工事としてのリングビーム工法を使った締め切り工事、これが破壊いたしまして八名の犠牲者が出たことは、非常に遺憾なことと存じております。実はその後、すぐ建設省の土木研究所の所長を委員長にいたしまして、業界、学界の学識経験者で新四ツ木橋の事故調査委員会を設けまして、原因の究明に当たらしておったわけでございます。その中間報告を昨年の七月一日にいただきました。まだその当時、水の中のことが相当多いために、はっきりしたことはわかりません。実はその後、いろいろ地質の調査その他の調査をいたしまして、あの崩壊した締め切り工事を復活させるために、現在その外に二重締め切りの締め切りを行ないまして、三月の終わりぐらいには、崩壊いたしましたリングビームのありましたところを全部水を干しまして、さらに調査を進めたいというように考えております。それが終わりませんとはっきりした結論が出ないのでございます。
 大体いま予想される原因といたしましては、やはり普通われわれがああいうものを設計いたしますときに考えられます水圧、土圧の計算、こういうものが異常な力がかかった、それによるものであろう――いまのところ、まだ業者が施工に手を抜いたというために起こった証拠はございませんので、さらにこの調査を綿密に続けていきたい、ことしの五月か六月くらいに結論をつけてまいりたいというように考えております。
#123
○華山委員 その際には、建設省とは別に、労働安全の立場から労働省でも調査する、こういうことにお話がございましたが、その調査の経過はどんなふうになっておりましょうか。
#124
○保谷説明員 お答え申し上げます。
 昨年の四月一日に悲惨な事故が起こりまして、四月二日、直ちに東大の工学部の土木学科の奥村先生を団長とするチームをつくりまして、労働災害科学調査団という名前でございますが、現地の調査を含めまして、都合六回調査をやっております。近いうちにその結論を得る予定でございますが、先ほど建設省のほうからも話がございましたように、何ぶんにも非常にむずかしい問題があります。たとえば、建設現場が水没して、救出にあたって解体作業を行なっているとか、あるいは理論的に工学的に非常にむずかしい問題を含んでおりますので、そういう調査をずっと続けておりまして、それがまとまった段階で報告書をちょうだいするというふうなことになっております。
#125
○華山委員 報告書は大体いつごろできる御予定ですか。
#126
○保谷説明員 いまの私どもの事務当局の予定では、できれば三月中に開催したい、そこで報告書を作成していただくように働きかけをしたいというふうに考えております。
#127
○華山委員 建設省のお話を伺っておりますと、あの工法は安全なものなんだ、当時の状態あるいは施工の方法等に間違いがあったんじゃない、そういう点を調査しようという眼目なのか、あるいはこの工法が間違いなのかどうか、そういう点を調査しようとなさるのか、どちらが重点なのか。
#128
○蓑輪政府委員 この調査委員会でおもに調査しておりますのは、やはりこういう破壊に至りました原因を調査するということが主体になろうかと思います。その原因を調査することによって、こういうような新しい工法を今後どういうように補強して採用するかという問題、また、原因によって、これから予想される業者との契約変更もそれに関係してくるかと思います。まず原因を突きとめるということを第一の目的としております。
#129
○華山委員 その原因というのは、この工法自体に欠陥があるのか、あるいは、何らか外部的の条件に問題があったのか、あるいは工事そのものに誤りがあったのか、手抜かりがあったのか、そういう三点に考えられると思いますけれども、そのいずれをも対象になさるわけですか。
#130
○蓑輪政府委員 もちろん、いま先生おっしゃったことは全部対象になると思います。ただ、いま私たちがこの委員会でやっていただいておりますのは、まだはっきりした結論は出ませんが、この工法自身が、大きいもの、小さいものがございまして、いままで三百例ぐらいございます。それが全部悪いわけでもないし、今後どこをどういうことでこういう破壊が起こったか――いろいろ土圧を計算して強度計算してみますと、普通のいままでの計算ではそういう破壊になるような計算になっていない。ただ、破壊になった現実を見ますと、やはりその計算以上の大きな力がかかったことは事実でございまして、計算以上の大きな力がかかったことはどこから出てきているのか、その辺の原因もあわせて考えていかないと事故の原因がわからないではないかというように考えております。
#131
○華山委員 ことばじりをつかまえて恐縮でございますが、計算以上の圧力のかかったことは事実だとおっしゃいますけれども、その事実はもう認定されたのですか。
#132
○蓑輪政府委員 私たち、いろいろ水中の構造物、土中の構造物を計算する場合に、やはり水圧なり土圧の計算をいたします。これが一つの計算の方式がございまして、それによって計算すると、いまのこわれたリングビームは十分だいじょうぶであったはずだ、しかし、それがこわれた事実を見ますと、それ以上の力がかかったはずで、その力がいまの土圧の中で、ことに、いま考えられます原因としては、水中の河床が多少傾斜しておった、それに伴う変圧、また、あそこは荒川の下流で、普通の土じゃなくて、かなりやわらかい土でございます。そういうものの土圧の計算というのは、いままでの考えている式だけではだめなんではないかというところにいま一つの原因があろうかというように考えます。
#133
○華山委員 これは私、全くのしろうとですからわかりませんが、あの事故が起きたときに、すぐ飛んでまいりまして、いろいろなものを見ました。その際に、こわれてないところのものが隣にあったわけでありますが、そこも見せてもらったのですけれども、上から見ますと、鋼矢板がこういうふうにかみ合うのですね。これがかみ合っていないところがあるのですよ。上から見ますと、かみ合っておらない、それで、かみ合っていないんだが、おかしいんだがどういうものだ、こういうふうに現場の人に聞きましたところが、いや、それはかみ合っているんだけれども、打った際に頭のほうが欠けたんだ、こういうお話でした。そういうところが至るところにあるわけですよ。私はそのときに考えたことは、何か鉄というものに欠陥があるんじゃないだろうか、打ち込む際の圧力のために、あるところが欠けていたとか、あるいはひびが入ったとか、そういうふうなことがあるんじゃないのかと思いましたけれども、これは私、しろうとでございますからなんでございますが、そういうことはお考えになりませんか。実際私、見たところでございますけれども、至るところでかみ合っておりません。中までかみ合っておらないのは、これはたいへんなんだけれども、人の話では、打ち込むときに欠けたんだ、こういうことでございますから、そうすれば、この鋼矢板に何らかの欠陥があったんじゃないのかなとしろうと風に思ったのですが、そういうことはあまり問題になりませんか。
#134
○蓑輪政府委員 ただいまの御質問の点ですが、やはり矢板を打ちます場合に、下が非常に固い場合は、まっすぐ入らないと、矢板と矢板の継ぎ目にかなり力がかかってくる、そういうことは考えられないこともございませんが、現在あそこの倒壊いたしましたリングビームの矢板を水中の土の上の部分だけを切りまして、土木研究所に運んでいろいろ材料の試験をしております。特にその材質が悪かったというような証拠はいまのところはあがっておりません。
#135
○華山委員 そこで、あのときに中止命令をお出しになったので、この原因が究明されるまでは、あの工法に疑問を抱かれて、危険があってはいけないということで中止を命じた、こういうふうに私は理解したのでございますけれども、先ほどからのお話を聞くと、あそこの場所の固有の原因であって、この工法は間違いないんだというふうなことでございますが、なぜ中止を命じられたのか。
#136
○蓑輪政府委員 先ほど言いましたように、この工法は三百例くらいございまして、それが全部悪いという結果ではないわけです。ただ、ああいう一つの事故を考えますと、やはりこれについては、今後応用する場合に十分な配慮をもって応用しなければいかぬということはあろうかと思います。とりあえずああいう工法を全部中止さしたわけでございまして、いまのところも、特別にあれ以外の工法でできるようなものはリングビームを使わせないようにしております。と申しますのは、やはりある程度の水のないようなところでは十分かと思いますが、まだこの事故も解明されていない段階で再びこういうような事故が起こることは非常に困りますので、一応それ以外の締め切り工法を使うようにいたしておる次第でございます。
#137
○華山委員 それですから、くどいようでございますけれども、建設省はこの工法について一応の疑問を持っていらっしゃるわけでしょう。だからやめさしたのだ、そういうことだと私は思うのです。あの工法には間違いないんだ、たまたまあの土地の土の圧力とか、そういうことに問題があったんじゃないかということで研究していらっしゃるということであって、そうであるならば、その土圧等をあらかじめ見ればあの工法でもいいわけなんでございましょうけれども、そういう点がまだ明白でない。あの工法自体に間違いがあったんじゃないかというふうなことでおやめになったんだと私は思っておりました。
 それで、いままで三百幾つも例があった、間違いがあったことはないというふうにおっしゃいますが、青森県の県営事業で、この工法によって同じような事故が起きたということがいわれますが、これは何か私の間違いでしょうか。
#138
○蓑輪政府委員 先生のおっしゃいますように、青森のやはり河川の工事でそういう事故が起きたことは、私ども存じております。
#139
○華山委員 ですから、三百何例もいままでやったけれども、事故が起きなかったということは、私はおかしいと思うのですよ。青森県では、あのときたまたま昼の休みで労働者が外に出ておったものですから惨事は起きなかったけれども、私、実物を見たわけでありませんけれども、同じような形でくずれた、こういうふうにいわれているわけです。ですから、三百例の中になかった、なかったとあの当時から言われるけれども、おかしいなと私は思っておったわけなんです。
 そういうふうなことで、私はこの工法自体にまだまだ問題があると思うのでございますけれども、現在この工法はこれからの仕事には絶対お使いにならない、原因の究明されるまでは、そしてこれを完全なものにするための方法が確信がいくまではこの工法ではおやりにならない、こういうことでございますか。
#140
○蓑輪政府委員 実は、おことばですが、先ほど三百例の実例と申しましたが、その中に青森のもございまして、失敗した例がございます。その後、それを改良して、かなり補強はしてまいったわけでございます。それでも今度の四ツ木みたいなことになりました。それはリングビームといいますと、やはりまるく締め切るわけでございまして、その直径を広くすれば広くするほど、外の圧力が強くなります。直径が非常に小さいものについては、力もそうかからないし、安全性も、大きいものよりはいいと思います。その辺、基礎工事に使いますので、土の状況とか、それから施工についてどういうような補強をするか、その辺をはっきりきめてから、これでだいじょうぶだということになるまでは、一応この工法は使わせないようにしたいと思います。
#141
○華山委員 ただ、施工の始まったものはそのままでよろしいということに、この通知ではなっておりますね。それから、資材等を準備したものはそのままでよろしいと、こうなっておりますね。そして、それについては専門家の意見を聞いて安全なように補強方法を講じてやれと、こういうふうに書いておりますけれども、原因がわからないのに安全な方法は、私はできるわけがないと思うのでございますが、そういうことを、あまり確信のないような、まだほんとうにこの工法はだいじょうぶなんだという確信のないときに、もう着手したものはいままでどおりの工法でいいのだ――私はおかしいと思うのですがね。それは、建設省は手直しをしなければいけませんし、いろいろな部面で財政的の負担も増してくるでしょうし、いろいろなこともあると思いますよ。しかし、それだけのことであるならば、これは命を軽んじて金を重じた結果になる。どういうわけです。全然これは中止して新しく全部やり直すのだ、そういう方向にどうして出られなかったのでしょう。私は、あのときに中止するというから、ああ、もうみなやめて、この工法のできない前の、昔からの潜函の工法でやるのかと思っておりましたところが、通知を見ますと、そういうわけじゃないんですね。どういうわけでこういうような方法をおとりになったか。全然やり直すということをどうしておやりにならなかったのか。
#142
○蓑輪政府委員 あの当時、リングビームの基礎工の破壊がございまして、その当時、やはりほかで二、三やっておった例がございます。それを全部一時中止させまして――ただこれを中止しておきますと、それだけで非常に危険になりますので、それに対しては、この調査委員会の学識経験者のところに全部補強の方法を提出させまして、この委員会でこのくらい補強すればだいじょうぶだという確信のもとにそれを続けたわけでございまして、やはり相当学識経験者が検討して、これならだいじょうぶだという確信のもとにやらしたわけでございます。いま全般的に禁じておりますのは、やはり学識経験者のそういうような十分な補強の方法が講じられればもちろんいいのでございますが、全国各地でやるということになりますと、なかなか一つ一つについてそういうような手続も踏めませんので、そういう一般的にやる場合には、いまのところまだ、はっきりとした基準をつくってからにしたいということでございまして、その当時行なわれたものについては、十分人命尊重の立場から、これだけやればだいじょうぶだという補強工作をいたしまして、その後施工した次第でございます。
#143
○華山委員 私はよくわからないですね。補強工作するんだったら、初めからそういう工法について補強工作はやってやればいいじゃないですか。補強工作をやればできるものだったならば、大体事故の原因というのはわかっていたという前提のもとでなければいけないわけですね。どうも私はおかしいと思うのです。あぶない工法であるならば、私は直ちに中止すべきだと思う。
 それから、これは建設省関係では二、三カ所かもしれませんけれども、そのほかに農林省とか鉄道省、全国で五十幾つこの工法で施工中の場所があったと聞いておりますが、どうでございますか。
#144
○蓑輪政府委員 あの当時この工法でやられておったものが幾つあったか、いまちょっと私、記憶ございませんが、先ほど言いましたように、きわめて小さな、たとえば横断歩道橋の根入れに使ったようなものもございまして、ちょっと私、まだ数字をはっきり確認しておりません。
#145
○華山委員 それで、従来のものは、いまのようなことでたいへん不満でございますが、新しくするものについてはこの工法はおとりにならない、そういうことでございますね。もう一度念のために確かめておきます。
#146
○蓑輪政府委員 私たちの考えは、いまの調査委員会で結論を出し、かつ、土木研究所を中心として、どういうような補強の工作、それから、この工法でやる範囲がこのくらいのものならいいだろうという一つの適用基準をつくりますまでは、一般的の基礎工事としては認めないということにしております。
#147
○華山委員 労働省のほうではどうなんですか、過渡的にそういうふうなことでやりたいということは。いまもう始まったものについては、局長のおっしゃったような方向でやりたいということについては、御協議は受けましたか。
#148
○保谷説明員 四月五日に建設次官から関係機関に対して、未着手の工事は禁止するようにというふうな通知が出ておることは存じ上げておりますし、それからまた、労働省の労働基準局長名で関係団体について、現在やっているものは中止して安全性を総合的に検討しろ、その後について工事をそういうふうな一それは四月四日だったと思いますが、そういうことで申し入れを行なって、関係の私どもの地方の基準局にもその旨伝えてございます。そういう意味では、了知しているといっていいと思います。
#149
○華山委員 労働基準局の出先で、補強をいたしましてやったと、かりにいたしましても、これは安全なものだという確認ができますかね。
#150
○保谷説明員 地方の基準局長に出した通牒は、こういう申し入れをしているから、十分その点知っておいて指導監督をやってくれということでございます。
#151
○華山委員 騒ぎは騒ぎといたしまして、労働省につきましても建設省につきましても、事後の措置、すでにこういう工法で工事にかかったものに対する措置というものは、私は、十分に人命を尊重したものでないように思います。もう初めから、この工法は安全なものだ――また安全なものでなければこういう工法をおとりにならなかったと思いますけれども、安全なものだという前提のもとにおやりになって、たまたまあそこで起きたのがたまたまのことなんだ、三百件か五百件の中に一件くらい起きる偶然の事故によるものだというものの感じでおやりになったんじゃないかと思うのでございますが、私は、人命はそういうことであってはならないのじゃないか、そんなふうに思われてなりません。
 それで、それではこの工法というものを、新しいといいますか、別な工法に変えて実施したというものがございますか。要するに、契約の変更といいますか、手直しをした、そういうふうな実例がございますか。
#152
○蓑輪政府委員 これは、県の工事で二件ばかり、この工法で計画しておりますのを変更させました例はございます。
#153
○華山委員 国の直轄の工事ではそういう事例はないわけですか。幾つの場所でそういうことをやっておられたかわかりませんが、全部そういうことで設計変更等のことはなかった、こういうふうに考えてよろしいわけでございますね。
#154
○蓑輪政府委員 実は、この事故が起きましたのは四月一日でございますので、新年度以降の工事については、その後、設計はできておったかもしれませんが、全部これ以外の工法でやられてきたわけでございます。その四月一日までに工事が施行されておったものについては、先ほど言いましたように、工法の再検討、補強の方法を十分講じた上で継続させた次第でございます。
#155
○華山委員 補強工事につきましては、請負業者にやはり金がかかったと思いますが、それはどうしました。
#156
○蓑輪政府委員 実はこの工事そのものが本体の工事でございませんで、仮設工事でございます。ということは、私たちのほうが完成後に引き取るべきものじゃない仮設工事でございますので、一般にこういう事故の起きてない場合に、向こうが仮設工事としてこういう工法でやりたいというようなものに対して、私のほうが、これではあぶないからもっと補強しろというようなものに対しては、いままで契約の変更はしないのが通常でございます。
#157
○華山委員 あれは積算の基礎がわかるからとおっしゃるかもしれませんけれども、予定価格の積算をなさる場合には、この工法でおやりになりましたか。
#158
○蓑輪政府委員 この四ツ木の橋梁工事については、大体この方法で積算をしております。
#159
○華山委員 それですから現場は言うんですよ、この工法は建設省のほうでやる方法でやったんですと。われわれには責任がありません、こういうふうに現場の職員は言うわけですよ。要するに、この新しい工法は建設省の指示1まあ、ある人たちのことばによれば、それは何の工法によったっていいんでしょうけれども、建設省のほうで積算の見積もりに採用してやった方法なんであって、われわれは、それ以上のことをやれば金がかかるのだからこの工法でやったんであって、この方法を採用した建設省に責任があるんだ、こう言うわけです。しかし、私は非常に残念に思うのですね。なぜこれを、全面的にこの方法を改めなかったのか。私は、中止をしたというから、この工法でない工法に切りかえるものかと思っていた。ところが、お話を聞くというと、補強をしてこの工法をそのまま使っていった。私は金が惜しくて命を軽んじた結果だと思う。非常に残念に思うわけでありますが、この点だけひとつお聞きしておきますが、それで、建設省の結論はいつ出ますか。
#160
○蓑輪政府委員 先ほどの、この工法を業者に指示されたというようなことでございますが、実は、先ほど言いました仮設工事というのは、やはりこの辺が非常に業者と発注者の問でいつもトラブルになるものでございまして、仮設工事は本体そのものでございませんので、いかにこれを業者の技術でうまくやるかが、一つの建設業の仕事がうまくできるかできないかの問題になろうかと思います。私のほうとしては、業者が言ってきておりますリングビームについては、あの当時は、この程度で十分注意すれば、ということで承認したことはあります。うちのほうが指示したというものではないわけでございます。この辺が、これから業者と私のほうとのいろいろ契約の問題についての一つの争点になろうかと思います。まだこの辺は慎重に検討したいというふうに考えております。
 なお、この調査は、先ほど言いましたように、今月の終わりぐらいに、大体あそこのリングビームの破壊がありましたところ全部水を出しまして、からにいたしまして、それから、もう少し現地の地中の鋼矢板も掘り出しまして、それからもう一回材質的な検討、施工上ミスがなかったかの検討を詰めてみたいというふうに考えておりますので、やはり五月、六月ちょっと過ぎるんではないかというように想定しております。
#161
○華山委員 まあ枝葉の問題ですけれども、現状あのままになっているようでございますが、そうしますと、あれをすっかり撤去しまして、また新しくあのあとにつくるわけですか。穴を掘って、やはりああいうふうに矢板を打ち込んでやるということがまた新しく行なわれるわけですね。
#162
○蓑輪政府委員 実はあの長い橋の中の一つの橋脚の位置でございまして、あそこの橋脚だけを横に曲げることもできませんので、今度は一番確実な、施工上安全な二重締め切り工法をとりまして、中に相当強固な内張りをかいまして、そして水をかい出して原因を究明し、すでに基礎くいは打ってありますので、その上に新たな橋脚の躯体をコンクリートで打とうという計画になっております。
#163
○華山委員 私はお願いしたいのですが、そんなことはありませんとおっしゃるかもしれませんけれども、とにかく契約、設計変更等について、建設省と業者の間ですから、まあこの程度のことならがまんしておこうか、この次のこともあるんだからというふうなもの、そういう感じはお互いに持っていただきたくないと思う。そういう際には、やはりきちんと計算して、設計変更に伴うものはひとつ払っていただきたい、こういうことをお願いしておきたいと思うのです。建設省のいろいろな間違いが表面化することをおそれて、そして設計変更等についての金の出し方を渋った、それが請負業者の恩になってまたこれに補いをつけていく、こういうことのないようにひとつ御注意を願いたいし、今後、原因の明らかになるまではこの工法は中止していただきたい、完全に中止して新しい工法でやっていただきたい、このことを希望いたしまして、私の質問を終わります。
#164
○蓑輪政府委員 最初の点につきましては、私もそのとおりだと思います。やはりこの際、設計変更によって業者に支払うものは当然支払う、あとのことがあるからというようなことは絶対にとらないつもりでございます。
 なお、第二のこの工法につきましては、先ほど言いましたように、十分適応の範囲がはっきりし、どれだけの計算の方法で補強するか、この辺がきまらないうちは、建設省の関係の事業には採用しないというつもりでございます。
#165
○華山委員 建設省ばかりでなくて、各省に採用させないようにしてください。
#166
○蓑輪政府委員 これは、私たちのほうが採用しなければ、ほかのほうも採用しないと思いますが、ただ、ほかの省までこれはいかぬと言う権限もございませんので、その点は、やはりわれわれ技術者同士で連絡をとりながら、ほかの省でもそういう危険なものはさせないように、よく連絡をとりたいと思います。
#167
○華山委員 くどいようですけれども、前の希望は、次官から各次官あてに、善後措置について各省に通知しているのですから、今後は、建設省は原因を究明されるまでこの工法はとらないから、各省ともとらないようにしてもらいたいと、新しい年度が始まりまして、設計と、それからいろいろな請負契約の始まる時期ですから、御通知を願いたい。よろしいですか。
#168
○蓑輪政府委員 わかりました。そのようにいたします。
#169
○小山(省)委員長代理 鳥居一雄君。
#170
○鳥居委員 丹羽委員からも先ほど詳しい質疑がありましたけれども、私は午前中、大臣とそれから公団の総裁に答弁を求めましたが、引き続いて道路建設に伴う買収土地の所有権移転の問題についてお伺いしたいと思います。
 先ほどの答弁によりますと、現在訴訟中のものが十九件と伺いましたけれども、この十九件のうちの代表的な一つ、二つをここで説明していただけませんでしようか。いかがでしょうか。
#171
○小野参考人 ただいま道路公団が関係しております用地関係の訴訟は、十五件でございます。
 これを大きく分類いたしますと、裁決額を不服としたもの、それは収用委員会が裁決されました額でございますが、これに対して地主さんの側からの不服、公団側からの不服、合わせまして五件、それから、登記の移転を請求しているもの、これは公団側から登記の書きかえ、登記の移転を請求して訴訟しておりますものが二件でございます。それから、買収地と売却地の食い違いを主張したもの、これはこちら、公団が買ったという部分と、それから地主さんが売ったという部分の食い違いがあるということで先方から訴えられておるのが二件でございます。それから、あとは一件ずつでございますが、こまかくなりますが申し上げましょうか。
#172
○鳥居委員 けっこうでございます。
 七千九百六十一件、それは昭和四十二年度現在に登記が済んでいない分でありますが、現在のところ、この一割がまだ済んでいないことになっております。内容は、先ほど指摘いたしましたとおり、買収後に名義が第三者の名義に登記されてしまっておるということは、これは明らかに刑事事件にもつながっていく問題でもあり、また、民間ではとても考えられない、そういう内容のものであります。先ほどは、親方日の丸のそうしたものじゃないかという指摘もありましたけれども、この辺が明らかにされない限りにおいては、公団の買収に関する件の疑惑は晴れないように思うわけであります。そうして、この疑惑につながる問題であります、現在日本道路公団の監事でありますけれども、どなたが監事をおやりでありますか。
#173
○小野参考人 ただいま道路公団の監事をしておられるのは、佐藤欽一さんという方と吉田伸一さんというお方と、二人でございます。
#174
○鳥居委員 上村照昌さん、これは現在どういう立場にありますか。
#175
○小野参考人 上村さんは、ほかの公団の方でございます。
#176
○鳥居委員 それはどうも失礼しました。
 引き続きまして、話は変わりますけれども、河川局長、見えておりますか――海岸線の占用許可の問題でありますけれども、この取り扱いにつきまして、建設省は現在県知事に委任して事務の委託を行なっていることになっております。この場合に占用許可をする、そのことにかりに行き過ぎがあった場合、これはどんな措置をとっていくのか、また、どんな拘束があるのか、この点について伺いたいと思います。
#177
○坂野政府委員 お答えします。
 御指摘のとおり、海岸の保全に関する問題は知事に一切まかせております。私どものほうとしては、行政指導の面で、事務次官通達を海岸法の施行にあたりまして、昭和三十一年に出しております。それによって行政指導を行なって、大体各府県ともそれによってやっておるものとわれわれは了解しておりますが、それにもとるとかあるいは行き過ぎがあるというようなことでございましたら、実態をよく調査いたしまして、また県のほうの行政指導をいたしまして、是正すべきものがあれば是正するように行政指導をいたしたいと思います。
#178
○鳥居委員 最近話題になっていることでありますが、神奈川県に一色海岸というところがあります。先ごろは各紙で取り上げられまして、私もこれを手にしたわけでありますが、これは四十六年から海を有料にいたしまして、そうしてこの整備資金として、客から、たとえば百円なり百五十円なりを徴収いたしまして、海岸の各種施設の整備に充てたい、こういう計画が町当局から出てきたことが新聞に取り上げられております。これは各紙に載っかっておりますからすでに御存じだと思いますけれども、これは、一つは海岸を衛生的に、そうして広く皆さんの娯楽の用に供するように、こういう考えから始まっているようでありまして、町当局としては、その設備費の償却が済めばこの有料化をまた廃止したい、こういう考えであるようであります。
 しかし、考えてみますと、この海岸線そのものは占用許可が現在県から出ているわけでありますけれども、県がもし許可をするとなりますと、このときの許可をする基準、これが問題になってまいります。建設省の考えとしては、こうしたことに対してどういう態度で、どういう考えで臨んでいくか、基本的な考え方をまず伺いたいと思います。
#179
○坂野政府委員 御指摘の一色海岸でございますが、これは新聞紙上等で私どもも承知をいたしておりますが、具体的にまだ具体化していないようでございまして、いま構想の段階で、たまたま地元の町長さんが新聞記者か何かにお話しになったのが出たようでございますが、具体的な計画はございませんので、いま直ちに適当であるかどうかということは、ちょっと申し上げられないわけでございますが、占用の私どもの方針といたしましては、御承知のように、海岸法に基づく海岸保全区域に葉山海岸というものが指定されております。したがいまして、これは国有海浜地でございますので、公共用地であるというたてまえから、一般公衆の自由使用に公開されるのが当然の原則でございます。
 そこで、占用許可をする場合には、海岸の保全に支障があるかどうかということをまず見ます。その次は、公共用の財産である海岸の公共的な性格をそこなわないようにするというのが、二つの大きないわば二大原則でございまして、それに支障のない範囲内におきまして、たとえば葉山の場合に、海岸全線にわたって一つの町が独占するとかということになってくると、これは問題があると思いますが、部分的に自由使用を妨げない、しかも非常に衛生的だというようなことであれば、あるいはこの占用の条件等いろいろ勘案いたしまして、その時点において、差しつかえないものであれば許可できると思いますし、また、いろいろ条件等によって、是正させるべきことは、是正させるというような条件をつけて占用さすことができるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、この問題、まだ具体化しておりませんので、だんだん具体化してまいります段階で、県のほうとも十分連絡をとりまして、遺憾のないようにしていきたいと考えております。
#180
○鳥居委員 その場合の海岸線の占有許可の問題でありますが、県知事に対する法的な規制、これはどういうふうなぐあいになっておりますか。
#181
○坂野政府委員 先ほどお答えしましたように、これは海岸の占有、占用の許可等を含めた海岸の管理権というものは、海岸の管理者たる県知事にまかせておりますので、建設大臣は、海岸法の主管省としてのいわゆる行政指導だけに終わる権限でございます。
#182
○鳥居委員 先ごろは河川敷のゴルフ場の問題がかなり問題になりました。これの立ちのきをめぐりまして、かなりの立ちのき補償をしなければならないというのが現状であります。これを考えてみた場合に、いま一色海岸一つの問題でありますけれども、将来の問題として建設省として全くこの掌握ができない、あるいは現状把握ができないということは、やはり問題になってくるだろうと思うのです。現在、海岸線についてはどういうぐあいで掌握しておりますか。
#183
○坂野政府委員 海岸の場合は、先生御承知のように、河川の場合とは若干利用の度合いといいますか、そういう緊急性が劣るかと思います。河川の場合は都市内を流れている都市河川につきまして、利用問題等いろいろあるわけでございます。そういう面からいいますと、海岸の場合は比較的余地があるといいますか、敷地そのものが非常に広いということもございまして、どちらかというと、海岸の管理は従来知事、県のほうにほとんどまかせておるという状態でございます。
 しかし、だんだん海岸の利用といいますか、海浜地域における開発というものも進んでまいりましたし、それに従いまして、海岸の利用問題がかなりクローズアップされてまいりますので、今後はひとつ、いろいろな問題に応じて、私どもとしてはできるだけ行政的な指導というものを強化する方向で検討してまいりたいと考えております。
#184
○鳥居委員 そうしますと、建設省は目下のところ海岸の実態をつかんでいないということになりますか、どうですか、台張があるはずだけれども。
#185
○坂野政府委員 台帳がございますので、海岸の現況というものは掌握しているつもりでございます。
#186
○鳥居委員 私のほうで調べたところによりますと、ともかく県知事に委任しているということから始まりまして、台帳も県にはあるけれども、建設省のほうではあまりわかっていないんじゃないかというきらいがあります。これから始まりまして、この問題は計画がまだ具体化していないというお話でありますけれども、今後の問題としてやはり根は深い問題であると思いますし、また、各地でこうしたことが多発してきた場合に、それぞれ処理に困ってくる、そういうことになってくるだろうと思いますので、そうした点の掌握をしっかりやってもらいたいと思うわけであります。
 以上であります。
#187
○小山(省)委員長代理 吉田賢一君。
#188
○吉田(賢)委員 先に同僚委員から、四十二年度会計検査の結果に基づきます質問があったのでございますが、これは大事な問題を質問いたしておりまするので、私といたしまして一種のけじめをつけてほしいと思うております。
 そこで、検査院の石川局長に伺っておきたいのであります。この問題は、金を使う金額からいたしましても、たとえば七十五件については一億一千四百万円、その次の三百一件につきましては八億八千六百万円、こういうことになります。そこで、国の予算執行の上に形式的な実害がなかったということ、これはわかるのでありますけれども、しかし一十億前後の金が不動産取得の際に用いられて、そうして登記手続等が、所有権取得登記の関係が、普通の法律的な常識に反して少し間が抜けておったような欠点がありまするので、言うならば、これは裏を返しますと、予算の効率的使用をされていないということに通ずるものと思います。やはり検査院の機能といたしましては、予算の効率的な――当、不当ということ、違法、適法という問題のほかに、かねてわれわれが主張いたしておりまする予算の効率的な使用、このことが、今後展開さるべき検査院の大きな基本的な線になっていくべきと思います。幸い一つの例がいま示されましたので、これはやはり留意事項にあらずして一種の不当事項であるとか、あるいはここれを一つの典型といたしまして、今後予算の執行は一そう効率的に使用すべきであるということを、各方面によく知らしめるということに非常に効果があるのではないかと思います。ことに、これは道路公団といたしましても、大切な道路建設のための最大の団体でございまするので、これはやはり非常に好個な問題であろうと思います。
 したがいまして、今後のあり方といたしまして、検査の決定のお取り扱いといたしまして、私は院の御協議を願いまして、もっとしかるべきけじめをつけたある種の方法を御採用になるように、適当に御処理せられんことを強く御要請を申し上げておきます。いかがでありましょうか。
#189
○石川会計検査院説明員 会計検査院が、会計経理の適正を期してその是正をはかる、その目的のために、先ほども法文の条項を引用しましたような条項をつけるほかに、国会の御審議にも供する意味もありまして、現実に損害は起きておりませんけれども、今後予算の効率的な使用をはかる上からも留意すべきである、かような考えに立ちまして、留意事項という形態をもちまして検査報告に掲示をしてまいったわけでございます。
 予算の効率的な使用という点につきましても、いろいろとわれわれもまだ検討すべき問題があろうかと思いますが、先生のただいまの御趣旨はわれわれが日ごろ考えている点とも一致するわけでございますので、今後その方向について十分検討さしていただきたいと思います。
#190
○吉田(賢)委員 いまの問題は大切な問題でございますので、ひとつ積極的に前向きに検討されて、そうして具体的な成案を得て望まれることを強く御要請申しておきます。
 道路公団の富樫さん、ちょっとあなたに二一日だけ、いまの問題を伺っておきたいと思います。あなたのほうとしては規則を改め、そして完全に取得するのでないと、代金の残額を支払わないというようなことになさろうと努力され、これはすでに実施されておるようでありますけれども、ただしかし、規則を改めることは、われわれから言わせれば末の問題であります。大切な金を扱っておるのであるということ、やっておる事業は国にかわってしておるのであるということ、道路公団建設の由来、歴史、使命等にかんがみまして、血税を預かってこれを執行するのである、私は、この観点に立ってやってもらわなきゃいかぬと思います。もしこれが一般の企業界におけるできごとでございましたら、社長はたちまち株主総会でつるし上げですよ。いいかげんな雇われ社長なら追放ですよ。それほど企業界なんかにおいてはきびしいのでございます。
 したがいまして、あなたのほうではよって来たるところを深く追求いたしまして、その当の直接の責任者、あるいはその他の事例等をこの機会に総点検をして、今後絶滅を期すという態度をもって、峻厳な態度で臨まなければならぬ、こう思います。だらだらと訴訟なんかでやっていくというような、中途はんぱなことでは事足りません。私は、強くそういうふうに感じさせられるのであります。したがいまして、あなたも総裁の任にある間に、こういったことを今後ほんとうに絶滅を期して進んでいくということにぜひしてほしい、こう思っております。それを伺っておいてこれで終わりますが、いかがですか。
#191
○富樫参考人 当公団の用地問題につきまして、いろいろ御指摘、おしかりをいただいたわけでございますが、まことに申しわけございません。
 前にも申し上げましたように、四十三年度以降は改めまして、その直された線でやっておるわけでございますが、そのことがわかって以来、真剣にこれと取り組みまして、その後は、こういうことを起こさないという固い決意をして進めておるわけでございます。ただいまお示しのございました、そのお示しの線に従いまして、大きな決意をもって当たりたいと思っております。
#192
○小山(省)委員長代理 参考人各位には、お忙しいところを長時間にわたり審査に御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。
#193
○吉田(賢)委員 午前の質疑において、大臣から総論的な、基礎的な点を伺ったのでありますが、やや具体的に二、三伺いたいと思います。
 事務当局といたしましては、地価の高騰の原因は何にありやということを、ずばっと述べていただきたいと思います。
#194
○朝日説明員 最近、特に大都市地域におきます地価の高騰が著しいわけでありますが、基本的には、これはやはり人口、産業が大都市に集中いたしてまいりました結果、土地に対します需要が非常に急激にふえてきておる、反面、供給の側にいたしますると、いわば値上がり期待による売り惜しみだとか、あるいは、将来値上がりするという予測のもとに買い急ぐというようなことがありまして、そういう需要と供給の不均衡、これが基本的な原因だろうと思います。
#195
○吉田(賢)委員 需給関係の経済の原則からくるという以外に、この地価の高騰に目をつけて、かなり投機的な風潮が盛んであるということも一つ、いま一つは、悪らつなブローカーの暗躍によりまして、もうければよし、もうけ以外には何も考えないという、そういう営利のみで狂奔する人が横行するということが放置されることがあるのではないか。いま一つは売り惜しみ、要するに客観性のないつり上げ、値上げというものが、意外に高騰の原因になっておる、こういうことを深く認識するのがほんとうじゃないかと思うのですがね。経済の需給の原則というような単純な考え方というものは、これは土地に対する態度といたしまして、多くの土地政策を打ち立てる上におきましてきわめて不十分だ、こう私は思っておる。いかがですか。
#196
○朝日説明員 私、基本的なことを申し上げたわけでございますけれども、これに付随いたしまして、仰せのように地価が非常に上がるということで、投機の対象になるという売り買いが、さらに異常な地価の高騰を促進しておる、こういうふうに考えます。その点は先生のおっしゃるとおり、そういう要素も多分にあるかと存じます。
#197
○吉田(賢)委員 一生つとめて退職手当をもらって、せっかく家くらい建てて老後の第二の人生計画をしたいと思う給与生活者、サラリーマンというものは、夢はかなくも消え去るのであります。その原因の大きなものは地価の高騰なんです。
 したがいまして、やはり建設省といたしましては、単に建設行政の事務屋にあらず、この重大な社会の一種の悪のはんらんの傾向、被害の実態をつかまえて、これの対策を立てなければいかぬのではないかと思う。地価高騰というものが、一体社会的にどんな悪影響をもたらしておるかということは、これは公知の事実である。おそらくは建設省の下っぱの諸君は一様に感じておるのだろうと思う。エリートコースにはこんなことはわからぬかもしれぬけれども、そう思うのですね。
 ですから、このような社会的な深刻な影響を与えておるということを考えましたならば、その原因について、もっと高い視野、見地に立ちましてこれと取り組んでいくという姿勢をやはり反面においてとる、しかる上に、幾多の施策がそれぞれと生まれてくるだろう、可能な方法、あらゆる方法を見つけようということが大事ではないだろうかと思うのです、が、どうですか。
#198
○朝日説明員 仰せのとおり、単に事務的な問題ではございませんで、国民すべてがやはり地価の暴騰の結果、仰せのように住宅を建てるための土地も手に入らないというふうな影響を受けておるわけでございます。もちろん、いろいろな公共事業を実行いたします場合にも、やはり地価が高いために、せっかくの事業費が用地買収のために相当部分食われているという影響もございます。また、一般の経済活動の面でも、地価が高いことによっていろいろコストに影響するとか、その他いろいろな社会的な影響も多分にあるわけでございます。
 したがいまして、この対策は、単に一建設省だけで、その所管の範囲内だけでできることではございません。もちろん、建設省としても万全を尽くさなければなりませんし、いわば政府をあげまして各種の対策を総合的に打っていかなければならぬことであろうかと思っております。そういう意味で、私からお答えするのはいかがかと思いますけれども、政府もそういう姿勢で事に処しておるわけでございます。
#199
○吉田(賢)委員 土地の利用を伴う公共事業を行なう上におきまして、必要な予算の計画を立てなければならぬ。したがいまして、地価が予算に与えていく影響は次第に深刻になっておる。
 そこで、これはどなたでもいいのでありますが、たとえば道路にしても、街路にしても、あるいは公営住宅、公共住宅等にいたしましても、地価が食う経費の割合というものは最大、最高はどのくらいになるのだろうか、もしくは、地価が与える影響が予算の予定を狂わしてしまう、こういう面が多分にあると思うのです。たとえば、住宅五カ年計画におきまして、あるいは道路整備の五カ年計画、特に道路整備五カ年計画などは何べんも改定をしておる。おそらくは予算の関係じゃないかと見るのです。だから、長期計画的な政策をかりに設定いたしましても、計画を立てましても、実施計画を進めていこうという段階におきましては、地価のためにだんだんと狂ってきて、手直し、手直しということになり、だんだんと予算が膨張をしていく、こういうふうに考えるのです。土地の価格の変動のために長期計画というものはなかなか至難である、正味のところ、五カ年計画といいましても、五カ年計画がすっといくような例はなしということにもなるんじゃないだろうか。そこまで実はいわゆる長期計画なるものを私どもは疑うのであります言うならば、非常に不安定要素が多くあり、それは要するに地価高騰による、こういうふうに思うが、どうですか。
#200
○朝日説明員 手元の資料によりますと、建設省の所管の事業についてでございますけれども、所管事業の全平均で、事業費の中に占めます用地費及び補償費の割合でございますけれども、これは四十一年の場合でございますが、平均いたしまして二一%程度に相なっております。なおその中でも、たとえて申しますと、都市計画事業等は四〇%近い割合を占めておる、特に大都市地域での事業が、もちろん当然のことでございますけれども、高地価の影響を受けておるということが言えるかと思います。
#201
○吉田(賢)委員 住宅の計画でついでに聞いておきますが、たとえば四十一年から五年までの計画ですね。これにおきまして、四十四年度の実績なんかどのくらいになっておるだろうか。おそらく予定より相当下回っておるのではないだろうか、こういうふうに思うのですが、来年から新しい計画がまた進むようですね。たとえばいまの四十四年だけでもいいですから、例をあげてもらいたい。計画をしたけれども、ずっとこれだけしかできなかった、こういうふうになっておるのではないか、こう考えるのです。建設省があげている数字を見ましても、公的資金の住宅と民間の建設と合わせますと六百七十万戸といっておりまするが、しかし、なかなか実績としてはあがっておらぬのがほんとうではないだろうか、こうも見るのですが、簡単に言えますか。ちょっと簡単でよろしゅうございます。
#202
○朝日説明員 ただいまの住宅建設五カ年計画におきまして、私どもの宅地部が関与しておりますのは、今度の五カ年計画は六百七十万戸の建設計画になっておるわけでございます。そのうちで、既成市街地、それから農村等の非市街地内の宅地を除きまして、いわゆる新市街地におきます所要宅地、これにつきまして住宅建設計画に合わせて、法令に基づくものではございませんけれども、計画を立てておるわけでございます。それが、ただいまの五カ年計画では約五万三千ヘクタール必要であるということでその計画を立てておるわけでございますが、四十四年度の実績見込みを含めまして四万一千ヘクタール程度は供給に回っておる、回り得るというふうに考えておりますので、残されました一年で、この新市街地に関します限りは五万三千ヘクタールはほぼ計画どおり供給できるのじゃなかろうか、かように考えております。
#203
○吉田(賢)委員 特に公的資金によるような場合、もしくは、直接に政府が相当指導性のあるようなとき、そういうときには、国もしくは公有地などを開発するような余地はないものか。道路関係などともあわせまして交通等も十分に検討いたしまして、そういう面も相当開発していくべきじゃないか、こう思うのですが、その辺はいかでございましょう。そうしたら、それは地価に影響されることはほとんどなしに済むかもわかりません。この点は水面の埋め立て問題にも共通する問題でありますが、これはどうですか。
#204
○朝日説明員 仰せのとおり、私どももいま残された問題で、しかも緊急に対策を講じなければならぬのは、やはり良好な宅地を大量に供給できるようにするということであると考えます。そのためには、いろいろ税制の問題あるいは用地取得の方法の問題等もございますが、なお道路、鉄道、水、こういった宅地として欠くことのできない施設の建設と申しますか、計画が同時に調整をとられながら進めていかなければならないと考えております。その点は当面の一番の問題かと考えます。
#205
○吉田(賢)委員 道路建設の上におきまして、地価関係をちょっと一、二点伺っておきたいのでありますが、たとえば四十二年から始まりましたが、第四次計画――第五次計画ですか、第四次は中途で改定いたしましたが、第五次計画でありますか、これが本年度終わるのであります。六兆六千億円というような膨大な総経費を掲げておったようでありますが、これなんかも改定を要するということになりましたのは、やはり地価関係からきた予算上の改定がおもなものになったのではないだろうか。あるいはまたその他の模様がえもあるかと思いますけれども、ここらにおきまして、どの地域においてどれだけの投資をして、地価はどのくらいであって、したがってこれに対する投資の効果はどの程度につかめるかということを、当初の計画のときにやはり相当な見通しと自信と客観性のある数字をデータといたしまして、これを前提にして立てていくということをやりましたならば、必ずしも私は、何回も改定いたしまして、次から次へ予算が膨大化していくというふうにならずに済むのではないだろうかとさえ考えるのです。結局これは当初の査定調査が十分に行なわれなかったのではないであろうか。もっとも、最近の世相の複雑な面でございますから、ごね屋がごねて引き上げていく、これに引っぱられていくと、ついにその辺の状況も変わる、したがって地価変更、したがって伴うのは予算の増額というようなこともなきにしもあらずです。こんな複雑な世相ですからその点もわかりますけれども、いずれにいたしましても、長期計画というものには、できるだけその辺、やはり一たん定めた政策と、そして決定を見ました予算、このつながりというもの、費用効果は、厳重に検討をあらかじめつけて、そして、この一年間は失敗であった、何が失敗の原因か、第二年目も失敗であったが、何がそうさせたか、三年目は成功した、これは一〇〇%効率があがった。何とかその辺は費用と効果の測定は厳格にやっていくということにしなければ、長期計画はいたずらに変更、改定等によって予算が膨大化していく、結局これは血税の浪費につながっていくことは申し上げるまでもないのでありますから、私は、ことに建設省の建設費のうち道路計画、道路整備というものは、そういう意味において非常に重要なものだと考えておるのですが、この辺についてよほど検討を要するものがあると思っております。私は、よほどこれから改定をしてもらわなければならぬ、検討してもらわなければならぬ面があるのではないか、こう思うのですが、道路局長……。
#206
○蓑輪政府委員 いまの御質問の、地価が非常に上がるために、道路としてもやはり道路事業の買収の単価が上がってくる、これは事実でございます。ただ、私たちのいまの道路整備五カ年計画の経過を見ますと、昭和二十九年から第一次五カ年計画をつくりまして逐次道路の整備をはかって推進してまいったのでございますが、その問で大体三年ぐらいで五カ年計画を改定を行なっております。また四十五年、ことしも新たな五カ年計画を改定しようということを考えております。やはり、いま先生のおっしゃった地価の高騰そのものが道路整備計画の改定の大きな理由ではないように私たち考えております。やはり当初考えておりましたわれわれの五カ年計画が、車が予想以上に伸びるという問題、また、今度五カ年計画を考えますと、新都市計画法が成立して、市街化する区域の新しい道路政策を織り込まなければならぬ、また、昨年全国の新総合開発計画が出まして、それにのっとった多少の修正もしなければならぬということもございます。また道路については、一番問題になりますのは、いまの道路整備の事業が、大部分がガソリン税みたいな特定財源に依存しております。今後の道路の需要からいいますと、なかなかその財源だけで一般の公共道路をつくることも困難だ、そこに民間資金も入れて新しい有料道路の制度をつくりたいというようないろいろなものが重なりまして、こういうような道路の五カ年計画の改定になったわけでございます。その中で、やはり先ほど先生の御指摘になりました土地の価格の高騰、これは確かに私たち何らかの新しい考えを出さなければいけないのじゃないか。たとえば東京周辺で新しい住宅団地をつくるような場合、これの交通機関をどうするか、また団地の中の道路はどうあるべきか。やはりその辺もあわせてやっていかなければならぬということもございまして、この問題は、私、道路をやっておりますと、単に道路だけの問題じゃなくて住宅の問題、住宅については水の問題があります。やはりそういう総合的政策の中で、その道路網をどうするかを取り上げていかなければならない、そういうように道路の五カ年計画の内容もほかの事業と非常に関係しておるので、新しい計画の新しい考え方のもとに、新しい社会情勢のもとに、この計画を拡大して推進してまいりたいというように考えております。
#207
○吉田(賢)委員 蓑輪さんは道路問題の権威者ですね。よくわかります。地価のみにあらず、他の要因が変更を要請してくるということもよくわかります。それならば根本的に、たとえば都市周辺、都市的な面、都市に近いところが地価がずっと高騰しておることは統計で明らかにしておるところであります。大きな幹線、もしくは道路局が直接手をつけるというような道路につきましては、特に私は、少し都市から離れた土地を選定するという一つの基本的な土地の選び方、ここに一つの問題があるのではないであろうかと考えるのであります。いたずらに都市のまん中をぶち抜こうというような思想がまだありはしないであろうか。したがって、交通はいたずらに麻痺してしまうことになるのじゃないであろうか。したがって、都市の中心とか都市とかにあらずして、しからざるところに大きな道路を持っていくという一つの基本線、この問題が大事じゃないだろうか、こういうわけであります。
 いま一つは、太い幹道をつくることによって道路は完成しないのでありますから、やはり横のこれをつなぐべき地方道との調整をどうすべきかということについては、これはやはり建設省と地方公共団体との間に、綿密に具体的な実情を調査いたしまして、そして最初の設定に織り込むべきではないであろうか。こういうことによって、私は、いまの交通車両の増大していく実情から考えまして、よほどそこに合理的に緩和する道が展開されていくのでないか、こう思うのであります。だから、そういう面についても幾多まだ未熟な面があるのではないか、こう思います。
 もう一つは、あなたのほうだけじゃない、これは都市計画局においても、あるいは一切の宅地その他の計画においても同様ですが、前提になる土地に対する調査がどうも十分できておらぬ面があるのではないであろうか。だから、やたらに調査に時間を食って、やたらに時間を食っておるからごね屋が介在する、そういうことになるのではないかと思うのです。したがいまして、これはやはり前提になる土地をしっかりと調査し上げてしまうということが、あなたのところだけじゃなしに、建設省全体の問題です。建設省だけでなしに、ほかの省との関連もありますので、土地の調査を前提といたしまして、もっと正確な資料に基づいて予算を組んで都市計画を立てる、公共政策を立てる、どう実行するかという計画もするというふうにする。その辺を一種のシステム化するということが欠けておるのじゃないだろうか。だから、ここにおきましては、最近のコンピューター時代に入っておりますので、あなたのほうは、これはPPBSを導入すべき一つの好個の場を持っておいでになる、こう思うのでありますが、かなり建設省はコンピューター活用について研究しておられると思うのですが、こういうように、予算という面から考えましても、非常に有効な手を打っていかねばならぬ時代に入っておると思うのですが、これについてあなたは道路の権威者だから聞いておくのですが、政務次官もおられますから、あわせまして、それで一つの結びにしておきますけれども、何かその辺につきまして、しっかりとした態度を、これは大臣にちゃんとしておくべきだったのですけれども、伺っておきます。その辺はいかがなものですか。政務次官、どうぞひとつその辺よろしく、そのあと局長にも……。
#208
○田村政府委員 お答えします。
 御意見、全くわれわれも同感でございます。御案内のように、最近の民間産業のエネルギーはたいへんな勢いで発達しております。むしろ行政がおくれておるようなかっこうになっております。御指示いただきました点につきましては、建設省としても万全の措置をとるように今後御指導いただき、建設省としての責任を果たしていきたいと考えております。
#209
○蓑輪政府委員 ただいま先生のおっしゃいましたとおりでございまして、私たちいままで考えてみますと、二十九年の第一次の道路計画のときには、戦後の非常に荒廃した道路について、まず国道を整備するということがうたい文句だったわけでございます。その後国道もよくなりまして、今度は都市の周辺をどうするか、都市の中をどうするか、全国の国道をいかにしたら有効に使えるか、こういう問題こういうことがございまして、幹線自動車道の七千六百キロの法律ができたのも、やはり全国の国道を有効に使う、都市間の距離を時間的に非常に短くするということがねらいだったと思います。そういうことで、いまの東京、関東の周辺を見ますと、新しく都市計画によりまして市街化するべきところと、そのほかの用途に使うところ、これをはっきりし、その中で幹線がどうあるべきか、その支線はどうあるべきか、この辺は、いま先生のおっしゃいましたPPBSも使います、コンピューターも使いまして、おのおのの地域が十分活用できるような道路網をつくっていかなければならないと思います。
 そういう意味で、先ほど言いましたように、道路は単に道路だけじゃなくて、ほかの社会資本の政策とあわせて、今後それにバランスがとれ、マッチするような新しい道路の整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
#210
○小山(省)委員長代理 これにて本日の質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#211
○小山(省)委員長代理 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
 昭和四十二年度決算外二件中、通商産業省所管審査のため、中小企業振興事業団より、本委員会に参考人として関係者の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#212
○小山(省)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 なお、参考人出頭の日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#213
○小山(省)委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後四時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト