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1970/03/10 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 決算委員会 第7号
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1970/03/10 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 決算委員会 第7号

#1
第063回国会 決算委員会 第7号
昭和四十五年三月十日(火曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 濱野 清吾君
   理事 小山 省二君 理事 高橋清一郎君
   理事 丹羽 久章君 理事 森下 元晴君
   理事 華山 親義君 理事 鳥居 一雄君
   理事 吉田 賢一君
      阿部 文男君    椎名悦三郎君
      塩崎  潤君    中村 弘海君
      水野  清君    綿貫 民輔君
      日野 吉夫君    西中  清君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  宮澤 喜一君
 出席政府委員
        外務省経済局長 鶴見 清彦君
        通商産業政務次
        官      小宮山重四郎君
        通商産業政務次
        官       内田 芳郎君
        通商産業大臣官
        房長      高橋 淑郎君
        通商産業大臣官
        房会計課長   飯塚 史郎君
        通商産業省企業
        局長      両角 良彦君
        通商産業省繊維
        雑貨局長    三宅 幸夫君
        中小企業庁次長 外山  弘君
 委員外の出席者
        通商産業省通商
        局次長     楠岡  豪君
        会計検査院事務
        総局第四局長  増山 辰夫君
        会計検査院事務
        総局第五局長  石川 達郎君
        中小企業金融公
        庫総裁     佐久  洋君
        中小企業信用保
        険公庫総裁   長村 貞一君
        参  考  人
        (中小企業振興
        事業団理事長) 福井 慶三君
        参  考  人
        (中小企業振興
        事業団理事)  池中  弘君
        決算委員会調査
        室長      池田 孝道君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月六日
 辞任         補欠選任
  中山 利生君     奥田 敬和君
  赤松  勇君     西宮  弘君
同日
 辞任         補欠選任
  奥田 敬和君     中山 利生君
同月七日
 辞任         補欠選任
  西宮  弘君     田中 武夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十二年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十二年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十二年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十二年度政府関係機関決算書
 昭和四十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和四十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (通商産業省所管、中小企業金融公庫、中小企
 業信用保険公庫)
     ――――◇―――――
#2
○濱野委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十二年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、通商産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫について審査を行ないます。
 まず、通商産業政務次官より概要説明を求めます。内田通商産業政務次官。
#3
○内田(芳)政府委員 ただいま議題となっております昭和四十二年度通商産業省所管の経費の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計の歳出決算につきまして御説明いたします。
 昭和四十二年度歳出予算現額は八百二十二億六千六百六十三万余円でありまして、これを歳出予算額七百七十四億三千百九十二万余円と比較いたしますと、四十八億三千四百七十万余円の増加となっておりますが、これは総理府所管から移しかえを受けた額四億四千八百七十九万余円、前年度よりの繰り越し額四十三億八千五百九十一万余円による増加であります。
 歳出予算現額に対しまして、支出済み歳出額は七百三十七億六千二百四十九万余円でありまして、翌年度へ繰り越しました金額は六十六億二千六百三十六万余円、不用となりました金額は十八億七千七百七十七万余円となっております。
 四十二年度におけるこの経費の執行につきまして、そのおもな事項の大要を御説明いたします。
 第一に、貿易振興及び経済協力費であります。
 四十二年度の予算現額は百六十五億六百六十七万余円でありまして、その支出済み歳出額は百二十八億五千六百七十二万余円であります。
 そのおもな支出につきまして御説明いたしますと、まず、日本貿易振興会関係費でありますが、支出済み額は四十三億五千九百十三万余円でありまして、同振興会が行なった海外市場調査、海外宣伝、国際見本市への参加、貿易あっせん等の事業に対する補助と、発展途上国からの一次産品の輸入促進のための基金に充てるための出資でございます。
 次に、海外市場開拓事業費補助金でありますが、この経費は、積極的に輸出の増進をはかるため、貿易振興関係団体が行なう重機械技術相談事業、工作機械輸出振興事業等、海外市場の開拓事業に対する補助金でございまして、支出済み額は四億七千九百二十六万余円でございます。
 次に、日本輸出雑貨センターに対する補助金でありますが、四十二年度におきましては一億六千五百四十七万余円を支出いたし、前年度に引き続き雑貨輸出の振興をはかるための諸事業を行ないました。
 次に、アジア経済研究所関係費でありますが、支出済み額は六億二千二百二十六万余円でありまして、アジアを中心とする海外経済事情の調査研究事業に対する補助と、同研究所の土地取得のための資金に充てるための出資でございます。
 次に、万国博覧会開催備準費でございます。この経費は、昭和四十五年に日本万国博覧会を開催するため、日本万国博覧会協会が行なう会場の建設その他の準備のための補助金等でございまして、二十二億二千七百五十七万余円を支出いたしました。
 このほか、工業品検査所及び繊維製品検査所の運営費七億三千五百二十七万余円、輸出保険特別会計へ繰り入れ三十億円、海外経済協力費補助金六億一千百七十六万余円等の支出がございます。
 第二に、中小企業対策費でありますが、四十二年度の予算現額は二百三十六億六千二百六十万余円でありまして、その支出済み額は二百二十六億九千八百四十九万余円であります。そのおもな支出につきまして御説明いたします。
 まず、中小企業振興事業資金であります。この経費は中小企業構造の高度化を促進するため、指導、資金の貸し付け等の事業を行なう中小企業振興事業団に対する出資でございまして、その支出済み額は、高度化資金融通特別会計からの承継額を含め百十四億一千二百五十万円であります。
 次に、中小企業近代化促進費であります。その支出済み額は四十億八千百十六万余円でありまして、設備近代化補助金三十八億四千二百五十万余円、中小企業近代化促進診断費補助金等二億三千八百六十六万余円を支出しております。
 次に、小規模事業対策費であります。この経費により小規模事業者に対する経営指導を、商工会または商工会議所において約三百一万件行なっております。この支出済み額は二十四億七千四百八十四万余円であります。
 次に、小規模企業共済事業団事業運営費であります。その支出済み額は二億八千五十一万余円でありまして、同事業団に対する補助金及び出資金でございます。
 次に、中小企業指導事業費であります。その支出済み額は八億四千五百五十二万余円であり、診断及び技術指導事業等の一そうの強化をはかっております。
 次に、商工組合中央金庫出資金でございます。この経費は同金庫に対し、業務の円滑な運営に資するための資金として二十五億円出資したものでございまして、これにより同金庫の貸し付け金利の引き下げを行ないました。
 このほか、中小企業振興事業団運営費補助金三億七千二百九十九万余円、中小企業団体中央会補助金一億九千二百七十六万余円、中小企業経営管理者及び技術者研修事業費補助金九千三百五十六万余円等の支出がございます。
 第三に、技術振興関係費でございますが、四十二年度の予算現額は百二十三億三千八百四十五万余円でありまして、その支出済み額は百十八億一千二百五十万余円であります。そのおもな支出につきまして御説明いたします。
 まず、大型工業技術研究開発費でございます。この経費は、将来の技術開発の核心となり技術的波及効果の高い大規模な国産技術につきまして、学官民が一体となった研究開発体制を整備し、その開発を推進いたすもので、四十二年度において二十三億四千三百九十六万余円を支出いたしました。
 次に、鉱工業技術試験研究費補助金であります。その支出済み額は八億三千八百一万余円でありまして、わが国鉱工業技術の向上に寄与すると認められる民間企業等の試験研究を積極的に助成するため、九十九件に対し補助金を交付いたしました。
 このほか、通商産業省の試験研究機関の特別研究費として十六億三千六十四万余円、原子力関係費二億一千九百五十九万余円、試験研究設備及び施設を近代化するための整備費八億三千七十七万余円等の支出がございます。
 第四に、公共事業費であります。四十二年度の予算現額は九十二億八千九百十四万余円でありまして、その支出済み額は六十八億七百八十三万余円であります。
 そのおもな支出は、工業用水道事業費でありまして、継続事業三十二カ所、新規十カ所の工事と、水資源開発促進法によります指定水系のうち二カ所の建設工事を実施いたしました。
 第五は、石炭対策費であります。四十二年度の予算現額は五十二億一千三百二十六万余円でありましてその支出済み額は、五十一億六千四十万余円であります。
 そのおもな支出は、石炭対策特別会計への繰り入れに要した経費でございます。その他のものは、すべて前年度より繰り越されたものの支出でございます。
 以上をもちまして、通商産業省所管の一般会計歳出決算に関する説明を終わります。
 次に、当省所管の各特別会計の決算について御説明いたします。
 第一に、石炭対策特別会計でございます。
 この会計は、政府の石炭対策に関する経理を明確にするため、昭和四十二年五月に設置された大蔵省、通商産業省及び労働省の三省共管の特別会計でございまして、原重油関税収入等を財源として、石炭鉱業の合理化安定、これに関連する雇用の安定、産炭地域の振興、石炭鉱害の復旧等の諸施策を実施するためのものでございます。
 四十二年度収納済み歳入額は五百八十七億七千九百十七万余円、支出済み歳出額は五百四十億九千四百十二万余円であります。
 収納済み歳入額と支出済み歳出額との差額は四十六億八千五百五万余円でありまして、翌年度へ繰り越しました金額は十五億三千四百五十八万余円、剰余金は三十一億五千四十六万余円となっております。
 四十二年度におけるこの経費の執行につきまして、そのおもな支出の大要につきまして御説明いたします。
 まず、石炭鉱業合理化安定対策費でございます。この経費は、石炭鉱業合理化事業団が行なう炭鉱の整備事業に対する補助及び近代化資金の貸し付け等のための出資並びに石炭鉱業の生産体制の改善、経理の改善、保安の確保、石炭需要の確保等の施策を実施したものでありまして、四百九億四千八十九万余円を支出いたしました。
 次に、炭鉱離職者援護対策費であります。この経費は、炭鉱離職者のための緊急就労対策事業及び職業訓練等の施策を実施したものでありまして、四十億四千九百三十五万余円を支出いたしました。
 次に、産炭地域振興対策費であります。この経費は、産炭地域において、鉱工業等の振興に必要な業務を行なう産炭地域振興事業団に対する出資と産炭地域小水系の開発事業等の施策を実施したものでありまして、二十九億三千百三十一万余円を支出いたしました。
 次に、鉱害対策費でありますが、これは、鉱害復旧を促進するための鉱害復旧事業団に対する補助及び鉱害基金が行なう鉱害賠償資金等の貸し付けのための出資等に要した経費でありまして、六十一億七千二百五十六万余円を支出いたしております。
 第二に、アルコール専売事業特別会計でございます。
 四十二年度収納済み歳入額は七十一億八千二十六万余円であります。支出済み歳出額は六十億八千二百二十一万余円であります。
 この会計の損益計算上の利益は十四億三千七百六十三万余円となっておりますが、期末資産の増加相当額二億九千二百二十八万余円を控除した残額十一億四千五百三十四万余円は、一般会計に納付することといたしました。
 また、四十一年度から繰り越しいたしました未納付金二十五億八千二百五十万余円のうち十億五百六十七万余円は四十二年度において納付し、十五億七千六百八十二万余円はさらに四十三年度以降に繰り越すことといたしました。
 第三に、輸出保険特別会計でございます。
 四十二年度収納済み歳入額は二百八十九億三千百五十万余円、支出済み歳出額は百五十九億一千六百四十七万余円であります。四十二年度における保険引き受け件数は四十七万九千件、その保険金額は一兆六千八百十三億四千六百万円でありまして、前年度に対し三千六百三十九億九千四百万円の増加となっております。
 第四に、機械類賦払信用保険特別会計でございます。
 四十二年度収納済み歳入額は十一億二千二百五十万余円、支出済み歳出額は三億七千七百七十六万余円であります。保険引き受け件数は一万一千件、保険金額は百六十億三千万円でございます。
 第五に、中小企業高度化資金融通特別会計でございます。
 四十二年度収納済み歳入額は二十八億一千三百二十二万余円であります。この会計は昭和四十二年八月十六日に廃止されまして、その際、この会計に属しておりました権利及び義務を、同日付で設立されました中小企業振興事業団に引き継いだものでありまして、支出済み歳出額がなかったのは、同事業団の設立を前提として都道府県から本特別会計への貸し付け金の貸し付け申請がなかったことによるものであります。
 以上をもちまして、通商産業省所管の特別会計歳入歳出決算に関する御説明を終わります。
 最後に、四十二年度通商産業省所管の決算につきまして、会計検査院より不当事項として指摘を受けたものがございますことは、まことに遺憾に存じております。
 今回、不当事項として指摘を受けましたものは、中小企業設備近代化補助金を財源とする道府県の貸し付け金の運営当を得ないもの二件でございます。
 この指摘事項につきましては、直ちに返還を命じまして、県の特別会計に収納済みであります。今後この種事例の発生を未然に防止するため、より一そうの指導監督を行ない、かかる事例の絶滅に努力いたす所存でございます。
 以上をもちまして、通商産業省所管の一般会計及び特別会計の決算に関する御説明を終わります。
 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#4
○濱野委員長 次に、会計検査院当局より検査の概要説明を求めます。増山会計検査院第四局長。
#5
○増山会計検査院説明員 昭和四十二年度通商産業省の決算につきまして、検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。
 検査報告に不当事項として掲記いたしましたものは二一七号及び二一八号の二件でございます。
 これは、中小企業者の設備の近代化に資するための貸し付け金の財源として国が交付した中小企業設備近代化補助金に関するもので、貸し付け対象設備を申請額より低額で設置しているのに申請どおりに貸し付けており、補助の目的に沿わない結果となっていると認められるものでございます。
 以上、簡単でございますが説明を終わります。
    ―――――――――――――
#6
○濱野委員長 次に、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫、両当局より資金計画、事業計画等について説明を求めます。佐久中小企業金融公庫総裁。
#7
○佐久説明員 昭和四十二年度におきます中小企業金融公庫の業務の概要について御説明申し上げます。
 昭和四十二年度のわが国経済は、国際収支の悪化に対処した景気調整措置の影響が年度終盤にあらわれましたものの、全般的には前年に引き続き根強い拡大基調を持続し、企業活動も高水準に推移いたしました。
 かかる一般経済の動きを反映して、中小企業の景況は総じて好調に推移しましたが、金融引き締め効果の浸透は大企業よりも早く、四十三年一月以降受注、生産、売り上げはやや減少傾向を示し、金融面においても、一部に借り入れ難や資金繰り悪化があらわれ始めました。
 しかしながら、中小企業の設備投資は、年度前半の景気の拡大基調を反映した生産能力拡充のための投資や深刻な求人難に対処した省力投資を中心にほぼ前年度並みの高水準を持続し、当公庫に対する資金需要も、設備資金を中心に旺盛なものとなりました。
 当公庫は、昭和四十二年度の当初貸し付け資金を二千三百五十七億円と定められましたが、その後、年末、年度末の中小企業金融対策として三百七十億円の貸し付け資金の追加が認められましたので、これにより、前年度実績に比較して一九・三%増の二千七百六十七億一千八百一万円の貸し付けと、ほかに中小企業投資育成株式会社に対する十二億五千万円の貸し付け及び設備貸与機関に対する八億五千九百万円の貸し付けをいたしました。このうち、設備資金は二千七百六十七億一千八百一万円の七八・四%に当たる二千百六十九億三千六百九十七万円余、運転資金は二丁六%に当たる五百九十七億八千百三万円余であります。また、直接貸し付けは二千七百六十七億一千八百一万円の三五・五%に相当する九百八十二億三千九百七十万円で四千八百三十件、代理貸し付けは六四・五%に当たる千七百八十四億七千八百三十一万円で三万九千五百七十四件となっております。
 年度末総貸し付け残高は五千三百億四千百三十八万円余で前年度末に比べ九百三十四億一千八百三十万円余、二一・四%の増加となっております。
 昭和四十二年度の融資にあたりましては、わが国経済の全面的国際化及び労働力不足の本格化等に対処するため、中小企業設備の近代化及び中小企業構造の高度化を強力に促進することとし、特に輸出産業、特定機械工業及び中小企業近代化促進法指定業種の設備の近代化、合理化並びに産業公害防止施設及び産業安全衛生施設の整備について配慮するとともに、後進地域、産炭地域等地域経済の振興開発にも留意することとしてまいりました。
 なお、昭和四十二年度におきましては、中小企業者の便益に一そう資するため、青森、盛岡、水戸、高知、宮崎の各出張所を支店に昇格させ、また徳島、佐賀、鳥取に新たに出張所を開設いたしました。
 次に、日本開発銀行から当公庫が承継しました復金承継債権等につきましては、回収促進に努力いたしました結果、昭和四十二年度におきましては、九百三十六万円余の回収と百四十万円余の償却を行ない、年度末残高は四千八百二十万円余となりまして、当初承継しました百十九億八千八十三万円余の九九・六%の整理をいたしたことになります。
 最後に、損益計算について申し上げますと、昭和四十二年度におきましては、十三億七千六百七十四万円余の償却前利益をあげましたが、固定資産減価償却繰り入れ額五千五百四十六万円余を差し引きました残額十三億二千百二十八万円余は大蔵大臣が定めた滞り貸し償却引き当て金への繰り入れ額及び積み立て額の限度内でありましたので、その全額を滞り貸し償却引き当て金に繰り入れました結果、利益金はなく、国庫納付はいたしませんでした。
 以上、簡単でありますが、中小企業金融公庫の昭和四十二年度の業務の概要の御説明を申し上げました。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
#8
○濱野委員長 次に、長村中小企業信用保険公庫総裁。
#9
○長村説明員 中小企業信用保険公庫の昭和四十二年度の業務の概況について御説明申し上げます。
 御承知のとおり、昭和四十二年度におきましては、わが国経済は年央からの景気調整策が講ぜられたものの、全体としては前年度に引き続き好調裏に推移いたしたのでございます。しかしながら、中小企業を取り巻く環境は依然としてきびしく、企業倒産も中小企業を中心として高水準で推移をいたしたのでございます。
 かような情勢から、信用補完制度におきましても中小企業金融の一そうの円滑化をはかるために、その改善強化策が講ぜられた次第でございます。
 すなわち、昭和四十二年七月におきまして、昭和四十年十二月に制定されました中小企業信用保険臨時措置法に基づくいわゆる無担保保険制度及び連鎖倒産防止のための保険制度が恒久化され、同時に、第一種保険の廃止、第二種保険を普通保険に改称し、あわせて付保限度の引き上げ等が行なわれるとともに、信用保証協会の保証活動を円滑にするための原資といたしまして、国の一般会計から融資基金として九十五億円の出資が行なわれ、本制度の一そうの推進がはかられた次第でございます。
 まず、保険事業におきましては、公庫が全国五十一の信用保証協会との間に締結いたしました保険契約に基づく保険引き受けの実績は、件数で八十三万八千件余、金額で八千八百七十五億七千九百二万円余となっております。これを、前年度引き受け実績と比較いたしますと、金額で千八百八十億三千六百九十五万円余、比率では二六%の増加となっております。
 なお、保険金の支払いは九十五億二千四百三十七万円余となりまして、これを前年度の支払い実績六十六億四千万円余に比較いたしますと、金額で二十八億七千六百五十七万円余、比率では四三%の増加となっております。
 一方、融資事業におきましては、昭和四十二年度において、国の一般会計から新たに出資されました九十五億円と既貸し付けにかかる回収金二百十二億四千五百万円との合計三百七億四千五百万円をもって、長期貸し付け二百八十四億三千六百万円、短期貸し付け二十二億一千万円、合計三百六億四千六百万円の貸し付けを行ないました。これを前年度実績に比較いたしますと二八%の増加となっております。この結果、昭和四十二年度末における貸し付け残高は四百二十五億八千七百万円となりました。
 次に、収支及び損益の概況について申し上げます。
 まず、収支状況について見ますと、収入済み額は六十二億二千六百八万円余であり、支出済み額は百億九千百三十三万円余でありまして、差し引き三十八億六千五百二十五万円余の支出超過となっております。
 損益計算につきましては、さらに支払い備金等の整理を行ないました結果、総利益は七十四億九千六百六万円余、総損失は百十八億五千二百七十六万円余となりまして、差し引き四十三億五千六百七十万円余の損失を生じた次第でございます。
 以上、簡単ではございますが、昭和四十二年度の公庫業務の概況につきまして御説明申し上げた次第でございます。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
#10
○濱野委員長 これにて説明聴取を終わります。
    ―――――――――――――
#11
○濱野委員長 これより質疑に入ります。
 本日は参考人として、中小企業振興事業団より理事長福井慶三君、理事池中弘君の御出席を願っております。
 参考人からの意見聴取は、委員の質疑により行ないたいと存じますので、さよう御了承願います。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。小山省二君。
#12
○小山(省)委員 昭和四十二年度の通産省関係の決算を拝見いたしまして、二、三この機会にお尋ねをしておきたいと思うのであります。
 いま決算書を見まして、私、通産省の考え方や方針について若干疑問を持たざるを得ないわけでございます。それは、御承知のとおり、わが国経済の成長と技術革新の進展によりまして、最近は目ざましい大衆消費時代が出現しつつあるわけでございますが、かかる事態を考えますと、私は、どうしても価格、品質、性能等を充実したものとして消費者の生活の向上に寄与させなければならない、言うならば消費者保護の必要性というものが今日ほど大きな課題になっておるときはないと思うのであります。言うならば、時代の要請と申しても私は過言でないと思う。したがって、このような時代の要請にこたえて、一昨年消費者保護基本法が制定されました。国及び地方公共団体は、一体となって、消費者保護に関する総合的な施策を行なうところの責任を負ったわけでございますが、通産省の予算を調べてみますると、四十二年度におきます消費者保護に関する予算は一億一千五百万円ということになっておるわけであります。この一億消費者全体を保護するための各種施策が一億一千五百万円で、はたして十分な消費者保護対策が講ぜられるかというようなことになると、私、若干疑問を持つわけであります。そこで、二、三お尋ねを申し上げたいという考えになったわけであります。
 通産省所管の仕事と申しますれば、生産、流通面、そうして消費面、この三つの部門、生産部門、流通部門、そして消費関係、こうしたものを総合的に所管する役所の任務ということを考えますると、どうも通産省の考え方が生産に偏重しておる。従来考えられた通産省の仕事の中では、そうした生産者、企業者を優先する行政姿勢というものが、別に非難されるほどの問題はなかったわけでありますが、最近のような大型消費者時代を迎えるということになると、やはり通産行政の姿勢の中にも、おのずと時代の変化に応じた考え方が出てこなければならぬ。そういうことから立法措置が講ぜられたにかかわらず、その予算規模は一億足らずの少額でありまして、四十二年度の各種事業の金額と対比した場合に、これで消費者保護がほんとうに貫かれておるか、ある意味において万全が期せられておるかどうか、こういう面を考えますると、やはり通産行政の姿勢に関する問題として、この機会に公害の防止とか、消費者物価対策とか、そうした一連の消費者利益の保護増進に関して、具体的に通産当局がどのような対策を講ぜられておられるか、その点をひとつお伺いしておきたい。
#13
○小宮山政府委員 いま小山先生のおっしゃるとおり、四十二年度は一億一千五百万円ということで、消費者保護対策費が全体の予算から見れば非常に少ない。その後、経済規模の拡大発展に伴いまして、国民生活の質的充実を求める声が非常に多くなってまいりました。通産省といたしましても、消費者利益の保護増進をはかるということは、通産行政の中での最も大きな柱の一つでございます。四十三年、四十四年、四十五年においては漸次その予算額もふえてまいりまして、四十四年では約三億三百万円という大きな柱を立てました。四十五年はいま審議中でございますけれども、昨年から比べて二七%アップの予算額を要求いたしております。
 また、先般通産省が発表いたしました通商産業政策の基本方向においても、消費者行政を積極的に推進する、それから、通産省では従来から消費者保護行政としては、消費生活の安全性確保、一般消費財の計量、品質表示、規格の適正化の推進、それから消費者保護のための監視体制の強化、四番目に苦情処理体制及び消費者教育等の施策を行なっておるのでございますが、先生のおっしゃるとおり、今後とも消費者利益の保護増進のための諸施策の浸透と消費者情報提供の二つの点に配慮しつつ、豊かな国民生活充実のために、各種の消費者保護政策の拡充強化をいたしたいと考えております。
#14
○小山(省)委員 いま小宮山政務次官から、最近においては通産当局も消費者保護のためにたいへん力を入れて、各種の施策を講ぜられておるというように御答弁いただいて、私もおおむねそういう方向に向かいつつあるということは承知をいたしておるわけでありますが、しかしながら、その内容を検討してみますると、必ずしもその考え方のように万全が期せられておらない。たとえば、消費生活センター等を見ましても、いまだ全国各都道府県に一カ所の生活センターすら設立されておらない。言うならば、ようやく最近二十カ所程度の生活センターが設立をされたにすぎないわけであります。少なくとも、私は、都道府県に一カ所程度の生活センターは積極的に指導をし、また、国が助成等をすることによってそういう施設が設立されることは、可能なことだろうと思っておるわけであります。
 たとえば、従来から非常によく活躍をしておられると私ども承知しておった消費者協会というものがございます。これは財団法人で設立されて、政府でも年々補助金を出しておるわけでありますが、これを調べてみますると、補助金は、昭和四十二年度は二千六十三万二千円、そして四十三年度やはり二千六十三万円、四十四年度には物価、人件費その他からいって多少は向上しているのだろうと思って見てみると、やはり同じように二千六十三万円――消費者の代表機関と自負しておるでしょうし、われわれも認めておるこうした積極的な消費者の利益のために活躍しておる協会に対する補助の一例をとってみましても、それに対して積極的な助成をして消費者の利益を守るというような体制は、そういう面から見るとなかなか見当たりにくいのであります。私ども、消費者の利益が正しく守られるということは、国民生活の上から考えても非常に重要な課題だろうというふうに考えておるわけでありますが、現実にはなかなかそのような形が出ておらないというところに、いろいろ問題が起こっておるわけであります。
 私は、公害関係のほうで実はお尋ねしたいと思っておりましたが、例の米ぬか油の被害者、これは、消費者としてその油を買ったということで大きな被害を受けているわけですね。しかし、いまなおこれに対する補償というものが確定しない。新聞紙上等で報ぜられるところによりますと、被害者は非常に困窮をしておる。しかし、その企業に対して通産当局がどのような対策を積極的に講じておるか。私は、消費者の利益を守ろうとするならば、その企業が耐えられない負担であるならば、国においても何らかのこれに対する被害の補償等考えてみる必要があるのではないか。善良な消費者の被害というものを、われわれはどう受けとめていくかというような課題があるわけでありますが、そういう消費者の利益というものが、今日はいろいろな面で守られておらない。しかし、最近、品質表示でありますとか、その他各種の施策は徐々には講ぜられておるような傾向は、私どもは非常にけっこうな傾向であろうと思うのですが、しかし、通産省が、輸出関係その他中小企業対策、いろいろな施策の中で、それらの施策に投ぜられておる予算規模から見て、ようやく四十四年度、今年度で三億三百万円というところにきておる状況でありまして、この程度の予算規模で一億消費者の利益が守られる、そういう各種の対策が可能であるかどうかということになると、これは私は、消費者利益がこの程度の予算規模、施策において、そう守られるとは考えられない金額だ。したがって、もう少しこの消費者の利益を守る各種対策というものが早急にひとつ、ほかの予算と比較して遜色のない予算規模に引き上げられるように、その予算規模というものは、各種の対策がもっと強化されるということを意味するわけでありますが、そういう方向に全力をあげてひとつ御努力を願いたいというふうに考えておるわけであります。
 ことに、宮澤通産大臣は、そういう方面については企画庁長官時代から非常にいろいろ高邁なお考え方も述べられておるわけであります。ぜひひとつ大臣にも、大臣の日ごろの考え方を在職中にひとつはっきりと打ち出して、消費者大衆をできるだけ守っていくという考え方を、通産行政の中の大きな柱として打ち出してほしいというふうに考えます。御所見をひとつ……。
#15
○小宮山政府委員 いま小山先生からの御指摘の消費者保護また消費者に対する行政については、たいへん貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。われわれとしても、ここでチクロとか自動車公害その他相当の問題が出ております。消費者保護、また消費者教育というものは、今後鋭意研究努力し、通産行政の大きな柱でございます。それについては、消費者に対して通産行政が持つ責任を大いに自覚しておりますので、大臣もそのような趣旨のことを言っておられますので、その趣旨に沿うて大いに努力したいと思います。
 それから、米ぬか油については企業局長のほうからお答えいたします。
#16
○両角政府委員 ただいま御指摘をいただきました都道府県の生活センターでございますが、これはお話しのとおり消費者行政を推進してまいります上で最も大事な仕事の一つと考えておりまして、私どもといたしましては、従来これら都道府県の生活センターの設置計画に対しまして、十八カ所設置の補助金を出してまいってきておりますが、なお今後とも、これを全国的に設置網を完備いたしまするために、予算面の拡充を通じまして努力を続けたいと思っております。
 それから、消費者協会についての御指摘がございましたが、私どもも予算面におきましてなお一そうの充実をはかるつもりでございますが、同時に、協会自体は自己収入も、漸次各方面の御理解をいただきましてふえてまいる傾向にございまして、政府の補助と自己の事業活動とあわせまして、事業の充実に一そうつとめたいと考えます。
 なお、米ぬか油につきましての御指摘は、これは消費者行政が物資別の所管になっておりますので、他省のほうで善処いたしておると存じます。
#17
○小山(省)委員 通産御当局の御努力に対しては、私も常日ごろ深い敬意を払っておるわけでありますが、先般、苦情処理の関係でありますが、消費生活改善監視員というのを七百名任命されて、消費者にかわる監視員としての使命を遂行しつつあるわけでございますが、この活動状況ですね。将来監視員といいますか、苦情処理委員というか、そういうあれをどの程度まで充実させるお考えを持っておるか。これは私は、消費者の利益を擁護するといっても、消費者自体なかなか専門的な知識がありませんから、問題をいちいち受けておっても、それを表面化するだけの余力がないというか、知識がないというか、そういう状況でございますので、どうしてもこの改善監視員というのは、ある意味においては多少専門的な知識を持っておる人が多数任命をされるということ、それによって消費者の利益というものが守られることになるので、非常にけっこうな施策であるというふうに考えております。全国で七百名でございますから、必ずしも私はこの程度の人員では万全を期するというわけにもいかぬと思うのですが、将来大幅な増員を計画されておられるか、また、そうした実績、活動状況ですが、その係の人を通してどんな苦情が持ち込まれておるか、それらの実態について、いまこの機会に、簡単でけっこうでございますからお聞かせを願っておきたいと思います。
#18
○両角政府委員 消費生活改善監視員、通称モニターと称しておりますが、これは、ただいまお話をいただきましたように、全国で現在七百名配置をいたしております。これらの方々はたいへん消費生活の改善につきましての意欲を燃やしていただいておりまして、今日まで各消費者の方々からの苦情の伝達、あるいは店頭におきまする不適切な表示の商品の監視、あるいは一般の消費者の方々の意向を的確に把握をしていただきまして、これを私どもの窓口に連絡をしていただくというような面で、たいへん活発な活躍をしていただいておるわけであります。私どもとしましても、これらの方々が現在のような条件のもとでさらに充実をした活動をしていただくように、その待遇面におきまして、また人員の面におきまして、またその他の連絡体制等におきまして、一そうの改善につとめたいと考えております。
 現実の活動状況は、年間約一千件の苦情を処理していただいております。また、当方の依頼にこたえていただきまして、それぞれのモニターの方々は、年に十回程度消費者側からのアンケート調査というものを行なっていただいております。
 かようなモニターの方々の活動と相まちまして、業界あるいは政府、公共団体サイド、あるいは消費者一般の方々の代表というような方々を交えました消費者のための懇談会というものも地方単位で行ないまして、この懇談会におきまして、これら消費生活改善監視員の方々の建設的な御意見を承りまして、これを行政に反映させるようにつとめておる次第であります。
#19
○小山(省)委員 将来増員するお考えはあるのですか。
#20
○両角政府委員 将来につきましては、ただいま申し上げましたとおり一そうその待遇の改善をはかり、また連絡体制を強化いたしますし、さらに人員の増加も考えてまいりまして、改善の実をあげたいと考えております。
#21
○小山(省)委員 そうした体制がだんだん国民の中に浸透してまいりますると、私は大きな成果があがってくるものだというふうに考えておりますが、同時に、業界でも最近自主的にいろいろ苦情処理体制といいますか、そういうものを整備しつつあるやに聞いておるわけでございます。これらに対して、通産省は、その企業者のそうした自主的な苦情処理体制というものに対してどのような御指導をなさっておりますか。
#22
○両角政府委員 ただいまお話をいただきました苦情の処理の体制でございますが、これら消費者行政に関連します苦情処理という面につきましては、全国的なネットワークを整備をいたしたいと考えまして、本省並びに出先の通産局、それから、ただいまの消費生活監視員というものを一つの窓口として考え、さらに、これに対しまして各地方庁並びに生活センター及び消費者協会の地方組織といったもの等を協力のメンバーといたしまして、これらを合わせての全国的な苦情処理のネットワーク、網の目をつくっておる次第でございます。
 また、このようなネットワークに対応いたしまして、業界のほうにおきましても、各業界団体において苦情処理を受け付ける窓口を設置することを求めておりまして、現在すでに七十の業界団体がその窓口を設置いたしました。したがいまして、消費者側の苦情、それを受け取る窓口、それを処理する業界の窓口というものが、三つの段階でそれぞれ有機的につながりを持ちまして、苦情の処理体制を運営いたしておることになっております。
#23
○小山(省)委員 私は先ほど予算関係に触れましたが、必ずしも予算額が大きくなったから、それによって問題の解決がはかられるというものではなくして、むしろ業界が自主的にそういう問題に取り組む積極的な意欲が出なければ、問題の解決ははかられないわけであります。したがって、そういう意欲が業界の中に起こってくるような指導方針というか指導体制、そういうものを通産当局においてひとつ十分御考慮の上、将来とも消費者の利益が十分に守られるような、そういう体制に向かってひとつ積極的な御努力を特に強く要望して、質問を終わりたいと思います。
 それから振興事業団につきましては、もう私があらためてその趣旨等を申し上げる必要はないわけでありますが、私は振興事業団の設立の趣旨から考えて、今日の振興事業団のとっておられる実情というものは、むしろ逆行な形を歩んでおる、言うならば、高度化資金融通特別会計の時代におきましては、無利子な資金が出されておったわけであります。それが振興事業団の設立とともに、その資金量、事業量を飛躍的に拡大するという関係から、従来堅持しておった無利子の融資という制度が改まって、そして金利がきわめて低額であるとはいいますが、そうした融資方法に改まったわけであります。それは、その調達する債券発行とか、そういうようなことが理由となっておるわけでありますが、しかし、その後の状況を見ますと、当初二分二厘であったものがさらに引き上げの方向に向かって二分三厘、無利子であったものが二分二厘の金利がつくようになり、さらにそれが引き上げの方向に向かいつつあるという傾向、これは商工委員会の附帯決議にも明らかになっておりますように、「事業団への政府出資の増額、財政投融資資金の大幅導入等により、中小企業者に対する貸付比率の引上げ及び貸付金利の引下げ等を図るよう、今後積極的に努力すること。」、こういうふうに所管の商工委員会でも附帯決議をつけておるわけであります。ところが、現実の問題としては順次金利が引き上げられる、そういう方向に向かいつつあるわけでありまして、資金量等の関係、特に私は、大蔵省の方針が事業団をしてやむを得ずそういう方向に向かわせつつあるのではないかというふうに考えておるわけですが、このことについて理事長は、今後金利の引き上げというものは絶対ないのか、あるいは金利を引き下げるための積極的な努力を払っておられるのか、払っておるとすればどういうふうな方法を講ぜられておるか、そういう基本的な方針といいますか、考え方について、せっかくの機会ですから、理事長から御所見を承っておきたい。
#24
○福井参考人 小山先生の御指摘でございますが、われわれ事業団としましても、金利は安いほどいいんであって、無利子であればなおけっこうですが、いろいろ事業の拡大によって最近そういうことになってきております。これは行政所管の問題でございまして、事業団はそういう中小企業の高度化事業につきまして、その実行機関でございますので、これは中小企業庁からひとつそういう点については御答弁願ったらと、こう存じます。
#25
○外山政府委員 先ほど先生御指摘のように、高度化資金特別会計時代は五〇%が無利子でございました。事業団が発足いたしましてから融資比率は六五%になりましたが、金利が二分三厘、それから四十四年度からは、御指摘のように二分七厘というふうに上がったわけでございます。昭和四十四年度のときの一般高度化関係の借り入れ希望という点が、前年度の四十三年度に比しまして非常に高まりまして、私どものところに参りますだけでも二倍程度に達しておりまして、このような中小企業者の非常に高まった高度化意欲といったものを幅広く実現させたいということ、それにはどうしても事業団資金の大幅な拡充が必要でございまして、しかしながら、この資金需要に応ずるための一般会計から出資という点についてはどうしても限界がございましたので、財政投融資のほうを増加しようということで、その資金量を充足せざるを得なかったわけでございます。このため事業団の貸し付け資金のコストに変化が生じまして、金利が若干上がったわけでございますが、引き上げ幅を極力小幅にとどめようということで留意したつもりでございます。先ほど御指摘のように、中小企業の金利負担をできるだけ軽くするということが望ましいことはもちろんでございます。したがいまして、商工委員会の決議の趣旨も尊重いたしまして、今後とも金利は引き上げない方向で対処してまいりたい、こういう覚悟でおるところでございます。
#26
○小山(省)委員 中小企業庁の施策の中で最も重点を置いているのが構造改善事業で、その仕事の責任を負っておるのが事業団で、したがって今日、日本経済の高度な繁栄が得られた陰に中小企業者の果たした役割り等を私は考えますると、中小企業の構造を改善するというこの大事業に取り組んで、またその重要性を考えて、私は無利子な特別な融資が行なわれたものと思います。当時確かに、その貸し付けの比率というものは所要資金の、事業費の五〇%、それを比率を六五%に引き上げる、また、資金面においても飛躍的な拡大をはかりたいという趣旨から、資金調達の基本についてそのような変化が起こったことは、われわれも必ずしも了解できないわけではありませんが、むしろ無利子のまま五〇%の融資が六五%になって、それによって起こる資金量の増額程度は、国が配慮できない、そんな大きな膨大な金額ではないわけです。現在出されておる金額そのものをごらんいただいても、農林省が今度離作料として計上した予算の規模と比べてごらんなさい、何分の幾つじゃないか。それが、日本全体の中小企業の構造を改善するという基本的な大問題に直面しておる、その重要な施策費に、五〇%から六五%に融資率が引き上がる、また所要資金が少しよけい要るというようなことから、せっかく設けられた無利子の融資制度というものが、非常に低いとはいいましても二分二厘、それがいつの間にか二分七厘に引き上げられ、将来引き上げられないという保障がないのですから、私は、大蔵省の考え方としては、さらに引き上げられる可能性というものは十分考えられると思うのです。そういう意味から考えると、やはり中小企業庁としては、もう少しこういう問題について大蔵省側の考え方に対して中小企業政策の重要性というものを力説されて、これらの制度を堅持する、もう少し確固たる信念の上に立った対策というものをお持ちいただきませんと、将来とも私は、この制度というものがだんだん条件的には悪くなる可能性というものを心配するわけです。したがって、商工委員会の附帯決議でもその点を心配して、そのような事業団法ができると同時に、特に政府においては貸し付け金利の引き下げ、そうしてその融資比率を引き上げるというようなことを商工委員会としてもちゃんと決議をしておるわけです。その委員会の決議と逆行するような方向に向かっておるということは、私は、これはなかなかゆるがせにできない重要な問題だろうと思うのです。国会の考え方、決議というものがそういう形において踏みにじられるということになりますれば、私は、これは単なる中小企業対策というような問題ではないと思うのです。国会の権威から考えても、やはりこの考え方というものは是正させなければならぬ。したがって、関係当局の御苦心というものは、私も理解できないわけじゃない、困難性もよく承知しておりますが、この考え方はぜひひとつ通産当局、特に中小企業庁としては貫いてもらいたい。そうして、将来その融資比率の拡大も、現在の六五%から七〇%に引き上げることも必要でしょう。私は、可能ならば金利も、もとの二分二厘に引き下げるというような積極的な姿勢を打ち出してもらいたい。そして一日も早く中小企業の構造改善という大きな仕事がスムーズに進行するように、関係当局一団となって御努力を賜わりたいと思うのです。せっかく政務次官おいでですから、ひとつ御所見を承っておきたいと思います。
#27
○小宮山政府委員 いま小山先生のおっしゃいます問題については、われわれもぜひ委員会の意を体して、今後このようなことで中小企業育成に対して努力いたしたいと考えております。何とぞ先生にもぜひ御支援いただいて、この実現方をはかりたいと思います。
#28
○小山(省)委員 事業団が貸し付けております中で、繊維の構造改善事業のための融資額は、御承知のとおり、総事業費の六〇%が事業団で、都道府県が一〇%を出して、合計七〇%に対して、金利は、これは二分六厘となっておるわけです。その事業団が出しております融資額のうちの二〇%が、市中銀行もしくは公債による借り入れ金でまかなわれておるわけであります。したがって、この貸し付けの委託を商工中金に依頼しておるわけでありまして、その二〇%の借り入れを事業団が行ないますために、現在の二分六厘という金利が出ておるわけであります。そういうふうに原価計算から出るわけです。そうなりますと、委託した委託手数料というものが、結局、現在金利の二八%を商工中金に手数料として払う、こういうことになりますと、四十三年度約七千五百万という金額が逆ざやになるわけです。それだけ事業団として他の方面から融通しなければならぬことになるわけですが、その七千五百万という逆ざやのために他の事業に影響がなければいいのですが、そのために他の事業にいろいろな影響があるようなことがあってはならないと私ども考えるわけです。したがって、このような逆ざやを生ずる融資制度については、むしろそういう外部からの資金の導入等に対しては金利の面を補給する、利子補給をするとか別途な対策を講じて、少なくともその事業団自体の中でそうした大きな赤字を生じないように考えてやる必要性があるんではないかというふうに私ども考えておりますが、これは企業庁のほうではどういうお考えですか。
#29
○外山政府委員 ただいまの点、御指摘のとおり、繊維関係の助成金利は資金コストに対しまして逆ざやになっております。しかしながら、現実には融資の運用益によりましてカバーしておりますので、他の融資事業を圧迫するような事態には至っていないというのが現状でございます。しかし、これが続くということによりまして、御指摘のように、問題が起こるということはどうしても避けなければいけない。逆ざやを解消する方策につきましては、たとえば、現在のような市中借り入れという方法も、財投の方向で応援するという方向を含めまして十分考えていかなければいけない、こういうふうに考えております。
#30
○小山(省)委員 企業庁のほうとしては、この金利を引き下げるために、利子補給という問題はお考えの中には全然ないわけですか。その点、ひとつ承っておきたい。
#31
○外山政府委員 毎年予算要求の際に、少なくとも逆ざやを解消する方向で、預金部資金の引き受けによる方策という点で市中借り入れよりもずっと有利になるわけでございますから、そういった点の改善策を常に要求はしております。しかし、いま御指摘のような具体案を提案したことはまだございませんが、よく検討してみたいと思います。
#32
○小山(省)委員 まだ少しお尋ねしたい面もありますが、時間が来たようでございますので、以上で私の質問を打ち切りたいと思います。
#33
○濱野委員長 華山親義君。
#34
○華山委員 質問に入る前に、委員長にちょっとお願いしておきたいのでございますけれども、決算委員会の説明書ですが、各省の法令等におきましては提案の説明から時間があって審議するのですが、ここでは説明があってその直後から審議が始まるということになりますので、実はこれを勉強するひまがないのでございます。これは理事会の問題かもしれませんけれども、これからはできるだけ早く回していただけますと、それを見てまいって議論ができると思いますので、御考慮をお願いしたいと思います。
#35
○濱野委員長 承知しました。
#36
○華山委員 それでちょっと伺いますが、あるいは係の方がおいでにならなくておわかりにならないとすれば、また別の機会に伺いますが、アルコール専売事業特別会計の中の説明でございますけれども、未納付金のことで、その繰り越された未納付金の納付が、何かこれだけではわからない。四十一年度から繰り越しました未納付金二十五億八千二百五十万余円、これは一体どういうことでこういうことになっているのか。そのうちで十億五百六十七万余円は四十二年度において納付する、十五億七千六百八十二万余円はさらに四十三年度以降に繰り越す、こうなっておるので、常に未納付金が多くて借金の形のようになっておるのですが、これは一体どういう原因によってこういうことが起きたのでございましょうか、おわかりにならなければまたあとで別なときに伺います。
#37
○飯塚政府委員 アルコール事業特別会計の問題につきましては、本日詳細をきわめるわけにまいりませんので、後刻資料をもって御説明したいと思います。
#38
○華山委員 ではそういうふうにお願いいたします。
 次に、私は少し長い間決算のことをやっておりましたので、数年前までは、しばしば中小企業近代化資金が非常な不用額を出していたということを指摘してまいったのでありますが、最近これが中小企業振興事業団のほうに移りましてからなくなりまして、たいへんいいことだと思っておりますが、この中小企業振興事業団のほうに移ってから不用額があまり出なくなったということは、ほんとうに出なくなったのか、あるいは、経理のしかたが変わったので出ない形になったのか、どっちなんでございますか。
#39
○外山政府委員 御指摘のとおり、高度化資金特別会計時代は、たしか三十九年、四十年と、かなり使い残しがあったと思います。それから四十二年以降事業団にかわったのでございますが、それと全く同様ではございませんが、使い残しといいますか、要するに、その年度に予定をしておりました資金交付が年度末になって若干翌年度に繰り越されるというケースはございます。しかし、特別会計時代の不用額という概念ではございませんで、翌年度にそのまままた繰り越されるという数字はございます。
#40
○華山委員 前の特別会計の事業費と今度かわりました事業団の事業費は、あとの事業団の事業費のほうがずっと多くなっているかと思いますが、どうでございますか。
#41
○外山政府委員 それは特別会計時代に比べますと、事業団になりましてからずっと額もふえておりますし、特に四十四年度は前年度の七八%増の事業費を見込むというふうに、先ほど申し上げましたように、中小企業の高度化意欲が非常に高まったというふうなこともございまして、当初スタートいたしました構造改善の事例が非常にふえております。
#42
○華山委員 これは事業団に移ってからそのように仕事も伸びてきた。中小企業界の資金の増大を望む声も非常に耳に入るのでございますけれども、前に特別会計でやっておったときとどういう点が違って、中小企業者がこういうふうに要望を強めてまいったのでございますか、ちょっとお伺いいたしたい。
#43
○外山政府委員 何よりも指摘できることは、中小企業者の高度化意欲が、三十六、七、八年ごろに比べまして四十二、三年ごろになって非常に高まってきたということ、これは客観情勢がきびしさを加えてきたということ、この点が一ついえると思います。それからもう一つ申せますことは、先ほどのような貸し付け利率の引き上げというふうな点はございましたけれども、逆にそのほかの点で、たとえば償還期間が十年であったものが十五年に延びたということ、あるいは同時に、特別会計時代は標準単価制度というふうなものがございまして、運用にあたりまして、一定の大きさと申しますか、一定の価格と申しますか、そういった点の規制を加えながら融資を運用していくという点がございます。したがいまして、中小企業者の実情から見て、そういった点をチェックしない事業団のやり方のほうが実情に合っているということも、華山先生御指摘の背景にあるというふうにいえるのではないかと思います。
#44
○華山委員 調べればわかることでございますけれども、明年度予算ではこの事業団の事業費というものは何%ぐらいでしょうか。
#45
○外山政府委員 総事業費におきまして、前年度の三〇%増ということでやっております。
#46
○華山委員 それで足りないんじゃございませんか、需要、要望から見ますと。
#47
○外山政府委員 前年度に大体各府県から高度化事情の詳細な説明を聞きまして、それを背景にいたしまして、中小企業対策費の中でできるだけの増額をはかったということでございますが、現在私どもの承知しております限りでは、大体需要に充足できるのではないだろうか、こういうふうに考えております。昨年、四十四年度が非常に高かったわけでございますが、その高かったのに対しまして、今度の伸び率では大体四十五年度の需要をまかない得るのではないだろうか、こういうふうに考えております。
#48
○華山委員 それから、私、名前を忘れましたけれども、中小企業に投資をする事業団がありますね。あれはどんなふうな成績ですか。
#49
○外山政府委員 中小企業投資育成会社というのがございます。これは、数年前に投資育成会社法という特別法によりまして、東京、大阪、名古屋、三カ所に設立されております。この数年間の実績を見ましても、投資対象会社が年一年とふえまして、数字がちょっと手元にございませんが、現在までに約三百有余の会社に投資をすでに完了しております。それから今後も引き続き投資対象をふやしていくということで考えております。現在までのところ、投資会社の出資あるいは貸し付けにつきましても、できるだけの手当てをいたしまして、できるだけ融資対象がふえるように私どもも努力をしているところでございます。
#50
○華山委員 間違いとは申しませんが、融資というのでなくて、この会社は増資等を引き受けるという会社じゃないのですか。
#51
○外山政府委員 私が申し違えたかもしれませんが、投資育成会社は増資を引き受けるわけでございます。
#52
○華山委員 これはしかたないのかもしれませんけれども、通産省は中小企業対策を一生懸命やっておられると思うのですが、そのあらわれかもしれませんが、何か非常にこま切れのようなものがたくさんあって、一貫した大きな柱がないような気がするのですが、これは何か大きく柱をまとめられないものか。小さなデパート――デパートだといいんだけれども、いなかの小間物屋みたいにたくさん並んでおりまして、われわれ見ましても、一体成績があがっているのかどうなのかというふうな気もいたしますが、対象が中小企業でございますから、非常に形態が違ったものが多うございますし、やむを得ないことかもしれませんけれども、できるだけまとまった一つのところでやられたほうがいいんじゃないかと思うのですよ。たとえば、ほかのほうだって、株式を引き受ける部門とか、金融をする部門とか、そういうふうなものは金融機関なり銀行なりでやっているんですから、あまりたくさんいろいろなものをつくって、私、実際は知りませんけれども、官僚の天下りの場所をつくったなんていわれないように、ひとつまとめる方向でやってもらいたい。これからはそういう方向でひとつお願いしたいと思います。
 それから、御承知かどうか伺いたいのですが、国民金融公庫の融資についての信用保証、そういう制度はやろうと思えばやれないことはないと思いますけれども、あまり実行されてないようですけれども、その点にお気づきになったことございませんか。
#53
○外山政府委員 御質問の趣旨がよくわかりませんが、信用保証制度というのはございます。信用保証を受けた人が、国民金融公庫からその信用保証のもとに融資を受ける場合もございます。
#54
○華山委員 場合が少ないのですね。それで、私もっと国民金融公庫というものの規模を拡大して、国民金融公庫がもっと働いてもらいたい。国民金融公庫の融資について信用保証が行なわれるということ、この二つの機関の連携がもっと強くあっていいんじゃないか、こんなふうに考えます。そういたしませんと、なかなか零細企業に金が回ってまいりません。信用保証をしたからといって零細企業に銀行が金を貸しませんから、そういう意味でも、私は、従来の取引がどうのこうのということとは無関係に、零細企業に金を貸す国民金融公庫がふえるならば、それに信用保証協会ですか、あれをつけてやる、こういうふうなことはひとつ今後御検討願いたいと思います。何か御返事ありますか。
#55
○外山政府委員 国民金融公庫は、政府系三機関の一つといたしまして、小口といいますか、零細企業者に対する金融機関として非常に大きな役割りをになっておるわけでございますが、ことしの予算でもその貸し出し規模を一八%増ということで、財投の中ではかなりの大きな数字を占めております。
 ただいま、先生御指摘のように、そういったわけで、国民金融公庫の融資は、量としては順調にふえていると思います。ただ、小口融資に際して、もっと信用保証を活用しないといかぬのではないかという御指摘でございますが、私どもの知る限りでは、国金のほうで見ますと、むしろ小口融資ということで、保証がなくても無担保で国金はかなり小口融資に努力をしております。信用保証のほうを受けて、むしろ専門金融機関等に行っている人もかなり多いのではないだろうか、こういうふうに考えます。保証のほうも、御指摘のように非常に大事な制度でございますので、引き続き出資の拡大ということで、今年度も百十五億の出資を実現させたいと考えているわけでございます。
#56
○華山委員 私、地域的なことをお願いするわけでもございませんけれども、いま農業がああいう状態でございまして、私の県のように米産県といわれるところは、たいへんに農民の購買力が減るだろうと思うのです。また、金融機関も、市中金融機関は金融梗塞の状態がほかの地域よりも早くきているようです。そういうふうなことでもございますので、ひとつこの米作地帯、そういう面における中小企業は相当苦しむんじゃないかということも考えられますので、特にその点に注意を払って持っていっていただきたい、こういうふうに考えるわけでありまして、それをお願いしておきます。
    〔委員長退席、小山(省)委員長代理着席〕
 それから、事業団のほうにもお尋ねをしようと思ったんですが、先ほど御答弁もありましたので、中小企業を中心にして考えるのでありますけれども、中小企業庁では、中小企業は、私は見ておりますと東京はそうではないかもしれませんが、農業における兼業農家といわれますけれども、兼業中小企業が多いんじゃないでしょうか。そういう点についての考え方、何か施策をするとか、そういうことについてはあまり問題になったことございませんか。
#57
○外山政府委員 中小企業の業種別の事業者数とか従業員数とか、それから下請の数とか、そういう点では勉強しておりますけれども、その業種が兼業と申しますか、御指摘の点はおそらく農業との兼業だろうと思いますが、そういう数字は実はまだつかんでおりませんので、今後実は、総合農政の一環として中小企業の農村地帯への進出という問題もございます。それから農業のほうからの転換の問題もございます。そういう点も含めまして、今後勉強したいテーマの一つにはなっておるわけでございます。
#58
○華山委員 私の見受けるところでは、東京ではそういうことはないでしょうけれども、地方に帰りますと、だんなさんが県庁の職員で奥さんが自動車修理工場をやっている、人を使ってやるのですから、奥さんはたいしたこともないのでしょうけれども、だんなさんがうちへ帰ってから帳簿を見たり奥さんの相談を受けている、それから顔を出さなくちゃならないようなときには、銀行等にも県庁の往復のときに顔を出す、そういうようなことがずいぶんありますね。私こういうことをお聞きいたしますのは、やはり金融の面等についても、私は専業、もっぱら仕事をやっている人に重点を置いていいんじゃないかということなんです。それは、兼業零細中小企業者といいますか、それはやはり経営の面でも順調なんですね。ところが、これを専業にするところの中小企業者というものはなかなか苦しい。融資にあたりまして、兼業でやっている人と専業でやっている人とは、これを区別するということは実際上はできないとは思いますけれども、よほど気を使ってやっていただかないといけないと私は思っております。その点、これは実行のできないことかもしれませんが、ひとつ申し上げておきたい。
 それからもう一つ、中小企業について私が心配していることは、これはそのうち大蔵委員会で聞こうと思っておりますけれども、金融機関の競争、そういうものを大蔵省が出しておるわけです。それで、店舗の自由設置、それから預金の利子の競争、そういうふうなことが行なわれておる。しかも今日、地方の中小企業を対象とするところの金融機関は次第に都市銀行の系列に入っている。最近では、私はどういう意味か大蔵委員会で聞いてみようと思っておるのですけれども、地方の銀行ですね。地方の銀行ばかりでなくて、いろいろな小さな銀行まで東京に支店を出す、これを認めている。そうしますと、その銀行は、地方の小さな銀行の支店を整理して東京のほうをまかなっておるという実態、こういうふうなことから、銀行と銀行との間の競争によって中小企業が次第に、悪くいえばつぶれていくんじゃないか、大銀行に合併されていくんじゃないか。そして中小企業担当の金融公庫の分野が次第に狭くなり、資金は大企業、そういう方面、大企業といわなくともそういうふうな方向に流れるんじゃないか。競争競争といいましても、中小企業を対象とする銀行へ、たとえば百万円の金、これは小さ過ぎるかもしれませんが、百万円の金を百口貸すよりも、一億の金を一口に貸したほうがどんなに金がかからないかわからない。少なくとも系列下の銀行と大銀行と結びついてそういうふうなことが行なわれるのではないか、こういうことを私は心配しておるのでありますが、そういう傾向を、中小企業庁においでになりまして、お話を聞いたりまたいろいろ考えさせられたりしたことはございませんか。
#59
○外山政府委員 先生御指摘のように、金融機関に競争原理を導入するというふうなことで、店舗の設置とか、金利の問題、あるいは配当等につきまして競争原理を入れるというふうなことで、従来よりもだいぶ自由化の方向を指導しておることは事実でございます。私どもといたしましても、やはりそういう方向の中で中小企業金融の問題に影響のないような措置を考えていかなければならぬ、したがいまして、時期とか方法とかいう点については十分大蔵当局に注文をしてまいっておるつもりでございます。
 先ほど御指摘のように、資金コストの上から見ましても、小口の貸し付けというのは、同じ金額を幾口にも貸すのと一口に貸すのとではずいぶん違うわけでございまして、御指摘のように、金融機関のほうから見れば、どうしても小口の金融はきらうというかっこうが出てくる。これは中小企業にとっても一つの弱味でございますが、同時に、競争していくことによって、中小企業のいい企業はできるだけつかまえようという空気もまた銀行にはあるようでございます。
 私どもとしまして、先生御指摘のような事態をときどき耳にいたします。それから逆の問題も耳にいたします。事態の推移を十分見きわめまして、必要なことはどんどん財政当局に申し上げ、そして中小企業金融に影響のないようにできるだけ私どもも努力してまいりたい、こう考えておる次第であります。
#60
○華山委員 最後に一言だけ、いまの御返事がございましたので申し上げますけれども、選別融資というようなことが行なわれる。それはその地域における選別は、ある程度銀行のことでございますから、あってもしかるべきかと思いますけれども、東京に支店を出す、それから全国的に各地に支店を出す、こういう広い営業範囲内における地方の銀行、そういうものの選別の融資は地域的に片寄ると思う。山形の中小企業者はどれもこれも、どうもあまり金を貸すのにうまみのあるところじゃないし、東京の支店、東京の店舗に、中小企業に金を貸すほうがいいということになりますと、どうしても東京のほうに貸す、それが選別融資としての一つの形になってくるわけです。私はこのことを内心実はおそれておるのです。一ぺんにさっと出てくるものじゃありません。何年かの後にそういうふうなことが次第に広まってきて、おかしな例だけれども、結核患者のように地域が衰微していくんじゃないかということを私は心配しておるわけなんで、ひとつ十分にその点は中小企業庁の重大な任務として今後頭にとめておいていただきたい、このことを申し上げるわけであります。
 関税のことをお聞きするわけでございましたが、あとでまたお聞きいたしますから、きょうはたいへん失礼いたしました。
#61
○小山(省)委員長代理 参考人各位には、御多忙のところ本委員会審査に御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。
    ―――――――――――――
#62
○小山(省)委員長代理 吉田賢一君。
#63
○吉田(賢)委員 大臣が見えましたら締めくくりをお願いすることにして、事務的に二、三の点を見えるまでお尋ねしてみたいと思います。
 繊維の対米輸出規制の問題につきまして、昨年からだんだんアメリカよりの申し出もあって交渉が重ねられておるようでございますけれども、第一次的交渉は外務省ですか、通産省ですか。
#64
○鶴見政府委員 お答え申し上げます。
 この繊維問題につきましては、外務省、通産省一緒になりまして、緊密な協力のもとにアメリカ側との接触に当たっております。
#65
○吉田(賢)委員 アメリカから一次的に申し出のありましたのは、いつ、要旨、どのようなことで、どこへでありますか。
#66
○鶴見政府委員 この繊維問題の件につきましては、先生もう御存じのとおり、昨年の五月にスタンズ商務長官を長とする向こうの使節団と申しますか、団がやってまいりまして、そこで、日本側と外務大臣あるいは通産大臣等々との話がございました。それが日米接触の皮切りでございます。その後、七月に日米の間で第七回の閣僚会議が東京でございました。その際、またあわせて先方から強い要請がございました。それからその次の接触、第三番目の接触は、九月に繊維問題についての実情を調査するという調査団がわがほうからワシントンに参りました。その後引き続きいろいろと話がございましたけれども、正式な形では十一月の十七日から約一週間、ジュネーブにおきまして、いわゆる日米の間での繊維問題についての予備会談というのが開かれました。そして、正式に先方から、具体的な案の前に、昨年の十二月二日に先方から考え方を盛ったものを文書で出しておりますが、正式な具体的な案という形で出ましたのは、昨年の十二月の十九日でございます。これがワシントンで先方からわがほうの大使館に手交されました。
#67
○吉田(賢)委員 昨年の十二月に出しました最初の具体的案の内容ですね。詳しくは要りませんが、要旨はどのようなものですか。
#68
○鶴見政府委員 その要旨は、従来いわれておりますいわゆる包括的な規制の考え方でありまして、アメリカの繊維産業、毛及び化合繊――綿はありません。毛及び化合繊の繊維産業については、被害があるのでひとつ包括的に規制をしてもらいたい。要するに、全品目につきまして大きなワクをきめ、さらにグループ別にまたワクをきめていくというような考え方のようでございます。
#69
○吉田(賢)委員 その規制をしてもらいたいという理由は、何と明示しておりましたか。
#70
○鶴見政府委員 アメリカの繊維産業が、非常に輸入の増大によって、何といいますか、脅威を受けているということを主として理由としてあげておりますが、具体的な、たとえば被害というものを示していたわけではございません。
#71
○吉田(賢)委員 外務省の出先機関もしくはアメリカからスタンズ商務長官なども参りましてのだんだん話し合いがあった経緯もあり、したがいまして、アメリカのそのような具体的申し出がありまするのは、外務省的な見解、調査等によれば、大体何が理由なのです。何が理由で、言うならば、憶測すればドル防衛の一つのあらわれか、あるいはまた保護貿易政策に転換の一つのあらわれなのか、それとも国内的産業の保護か、それとも、伝えられるがごとき大統領選挙のさなかにおける一種の選挙公約のそういうような波及的な結末というような線でもあるのかどうか。要するに、単に事務折衝的な段階であるとはいえ、先方としては、一国の商務長官、総責任者でありまして、日本へ来た上での経過をたどっております。だから、そのような申し出等のある客観的背景については、やはりこれは相当つかんでおかなければ、国内的に通産省との間に話を調整しながら何らかの話を進めるとしましても、具体的なそういう根拠、関係、理由というものを相当つかんでおられたのじゃないか、この辺については、あなたのほうはどのようにお考えになっておりますか。
#72
○鶴見政府委員 この繊維問題、毛及び化合繊の問題でございますが、これにつきましては、日本にだけ特に要請したわけではございませんで、先生御存じのとおり、スタンズ商務長官は昨年四月にヨーロッパ諸国へ行きまして同じようなことを言っております。
    〔小山(省)委員長代理退席、委員長着席〕
さらに五月に参りましたときは、日本が最初でございますが、日本のあと、韓国、台湾、香港というふうに回っていっております。その背景には、おそらく毛及び化合繊につきまして輸入がどんどんふえてきているので、すぐに被害が出ているということでは必ずしもないとは思いますけれども、そういうことで、かなりアメリカの繊維産業に脅威を感じつつあるということが一つ大きな理由ではないかと思います。同時に、それを背景にいたしまして、アメリカの繊維業界、特に繊維団体というものが、アメリカの政府に対しまして強く圧力をかけてきたということも十分考えられると思っております。
 そのほか、特に日本との関係におきましては、他方で日本のいわゆる残存輸入制限というようなものがほかの国に比較しましてかなり多いという判定もございますので、そういう日本が、彼らの観点に立ちますれば、ガットに違反したようなものをやっているのだから、アメリカもこの繊維についてだけは必ずしもガットに従わないでもいいんじゃないかという感じも、向こうの国会議員の方々あるいは繊維業界等々にはあったかと思います。そういったものが重なり合いまして、かなり強い態度に出てこさせたのではないかというふうに考えております。
#73
○吉田(賢)委員 すでに日本からも調査団も行き、アメリカの在外公館もあるし、公館における専門家も駐在しておられるし、また、平素におけるアメリカの経済事情、産業の推移等々もかなり詳細なデータもあろうと思いますので、やはりそこは的確に、何が根拠であるか、何の理由によるか、どこがどうねらっておるのだろうかということは、これはやはりつかんでおかなければ、ほんとうにある種の国策遂行についての資料不完備ということになるんじゃないだろうか、こうも思うのですが、これはしろうとの一つの推測からくるあなたへの話ですけれども、その辺は実際に、あれであろうか、これであろうか、そういうものを総合してどうであろうかというような、半分は無策、半分は推定、半分は資料ありという、何かその辺のところでもう一つはっきりしないような感じを受けるのです。
#74
○鶴見政府委員 ただいま先生が御指摘になりましたようなアメリカの経済事情、それが背景になっているということも多分にあると存じます。それにつきましては、私どものほうでも現地の大使館には経済観測の専門家も出ておりますし、そういうものから逐次報告もきております。おそらく先生が御指摘になっておられる点は、日米両国の経済力の相対的な比重というものが少しずつ変わってきている、一昨年の場合、日本の対米輸出が十一億ドルばかり超過しておりますし、昨年をとりましても十四億ドルばかり超過しております。そういったことも一つの背景としてはあると思いますが、直接的にはやはり繊維業界の強い圧力ということだろうと思います。
#75
○吉田(賢)委員 大臣が見えましたから、私は大臣の質問に入って、華山さんとの約束もしておりますから適当に時間を切らなければなりませんので、大臣、ちょっと時間を約束しておりますので、私はあまりくどく言わぬつもりでおります。ひとつあなたも直蔵簡明に御答弁をお願いするので、どうぞよろしく……。
 例の日米間の繊維問題について、自主規制という問題が過般来だんだん両国間においてやりとりもされております。アメリカが一種の方式に基づく自主規制を日本に向かって要請してきたという根拠、理由というものは、通産省といたしましてはずばっと、一番重要なことは何か、どういうようにおつかみになっておるのですか。
#76
○宮澤国務大臣 私の理解いたしますところでは、アメリカの一部の地方において、どういう品物かはわかりませんが、生産が減ったか、あるいは、それに伴う収益が減ったかしたということがあって、それが多少雇用にもあるいは影響したかして、これは外国からの輸入の結果であるというふうに彼らがそれを考え、そうしてその輸入国の一つは日本である、こう考えて、わが国に対して規制をしてほしい。ただし、彼らの考えますことをそんたくいたしますと、一つの品物の規制をしても、それはすぐ他の品物に転化をした形でまた輸入されるであろうから、したがって、一つの品物にとどまらず、多くの品物について規制をしてほしい、こういうのではないかとそんたくをいたします。
#77
○吉田(賢)委員 最も大きな理由、根拠は、実は大統領選挙中に、伝えられるごとくニクソン大統領が、何か選挙民との間にしかるべき公約でもあったのではないだろうかということがもっぱら伝わっております。こういうことはやはりあり得ることでございまして、そこでそういう辺は、それは託伝である、そんなことはなかったという御判断なのか。もっとも、この点は若干外交交渉にも影響しても悪いから、あまり露骨なことは聞かぬでもよろしゅうございますけれども、かなりそういう政治的な背景があるのではないだろうか、この問題だけかなり執拗な印象を受けるのです。日本は、全体として繊維産業は目下構造改善のさなかであります。大小にかかわりませず、非常な意気込みで新しい構造改善対策がどんどん伸びてまいっておるときであります。また転廃業にしましても、織機の廃棄などもそれこそ大きな犠牲を払って、かなり画期的な国策として進めているまっさなかであります。そのときにかなり執拗にきておる。この情勢、空気というものは、向こうに調査団も行っておりますから、アメリカでは知り抜いていると思うのです。言いかえますならば、業界の圧力とか選挙中の公約とか、あるいは政治的な圧力とか、そういうものがからんできているということがおもになって、なかなか解決の糸口を見つけにくいというのがほんとうの立場ではないだろうか。私は現地を見ておりませんので、若干の情報を見聞きしたようなことの一つの総合判断にすぎないのですが、大臣としましては、外務大臣はさることながら、日本の繊維産業の現在と将来のために最も懸命に、そして国益あるいは産業界の意向、実情、特に実情につきましては、アメリカに十二分に認識をしてもらっておかなければならぬ幾多の問題があるのです。GNPが第二位になったということが少し過大に宣伝されておるのではないだろうか。万博のすばらしい世界的な構想が、日本が何か、とんでもない大きなものになっているというふうに考えられておるのではないだろうか。産業界、経済界におきまして幾多の断層があるということについて認識が不十分でないだろうかということさえ私は考えるのであります。その辺につきまして、率直なところを一体大臣はどういうふうに考えておられるのでしょうね。
#78
○宮澤国務大臣 そのよって来たるところはしばらくおくといたしまして、この問題は、アメリカ側においては、問題の本来のプロポーションをはるかに越えて、政治問題になってしまったように観察をしております。しかしながら、経済的には世界第一の国でありますアメリカ合衆国においても、なお地方的にそういう問題があるといたしますならば、わが国のように非常に急速に発展しつつある国においては、なおさらもっとむずかしい問題があるということは、もう当然先方にもわかってもらわなければならないことだと思います。
#79
○吉田(賢)委員 あなたのようなベテランだから釈迦に説法で失礼ですけれども、私は、アメリカ交渉というものは、経済、外交にかかわりませず、率直にノー、イエスを明確にすることが重要なことではないかと思うのです。私も弁護士のようなものをやっておりましたので、若干そんな経験がないではありませんが、ノーとも言わず、イエスとも言わず、腹芸でやっていくのが日本のくせですね。そんなことが多少でもあるならば、これはとんでもないことでございまして、私は、やはりこのところは、通産大臣といたしましては中途はんぱの及び腰というようなことではいかぬと思います。やはりこの大きな実態について明確な認識をしてもらわなければいかぬと思います。そうしないと、特恵関税の実施をめぐりましての問題等も将来関連してまいりましょう。あれも譲歩しようか、これもここまでいったのだから適当に抱いてやろうかというようなことでのんびりいっておりますと、いざインフレでもくるとか、あるいは経済が若干逆行してまいりますと、案外及ぶところが大きいだろうと思います。
 そんなこともございますので、よほどこの辺はしゃんとした姿勢を一貫すべく、理由は明確にして、先方説得ということに対して最善を尽くす、そして合理的に一切の資料を明らかにする、そういう姿勢を私は大臣にとってもらいたいと思うのです。その点については、アメリカとの外交折衝は重要な問題がたくさん山積しておりますから、なかなかむずかしい立場もあります。ありますけれども、この問題につきましては、やはり通産省が主導権を持つべきだろうと思うのです。閣僚間におきまして、不統一、不調整ということは、内閣として重大な亀裂を生じます。でありますから、閣僚間の統一とか調整とかいうものは、どこに主導権を持たすべきか、イニシアをどこが持つべきかということは、全体総合の観点からつかんでいかなければなりません。各省各省の立場、持ち場持ち場でばらばらになっていきますれば、重要政策はどんなことでも日本は実行できません。あなたは企画庁の長官といたしましても、すでに先年ずいぶんと御経験のところなんだ。だから、この問題につきましては、私自身しろうとですけれども、やはりこういう構造改善のさなか、進行の途中にありますので、相当な決意と、ほんとうに相手を説得するというような積極的姿勢がないといかぬと思うのです。場合によったら、首相の立場もあるだろうから、外交折衝の立場もあるだろうから、業界の説得でもしようかというので、ちょっとあっちを見たりこっちを見たりするようなことはとんでもないことでございますということを私は申し上げたいのでございます。去年の十一月の提案ということも聞いたり、一月あるいは最近また出たようでございますが、一次、二次のこういうアメリカの自主規制に対する提案を事務当局からちょっと伺ってみましても、やはり日本としましては相当解明をして、堂々と進んでいきますならば、逐次ある線まで到着いたしまして、そうして平和裏に説得して、日本の立場もアメリカの立場もお互いに立ち得るような道は、私は発見し得ると思います。だから、この問題につきましては、あなたは全力をあげて解決に最善の努力を尽くしてもらいたいと思うのですがね。
#80
○宮澤国務大臣 先般外務大臣が訓令をされまして、その結果、先方に送られることになります覚え書きにおきましては、私もその訓令の作業には参画いたしましたが、いわゆる包括規制ということはわれわれは受け入れることができない、ガットのルールに従って、被害、または被害のおそれがあれば、個別の規制については考慮する、これは業界の納得がある上で、という趣旨を申したわけでありますが、この覚え書きは、従来のアメリカ側の要請から申しますと、実は正面からわれわれの立場を述べたものでありまして、私としては、アメリカ側がこれをよく理解をして、両方が正面衝突をするというようなことにならないことを心からこいねがっておりますけれども、目下のところ、私どもとしては自分たちの立場をかなりはっきり述べたというのが、ただいまの段階でございます。
#81
○吉田(賢)委員 三月一日に帰ってまいりました吉野公使、これに、帰任いたしました際でしたかあとでしたか、訓令を出しております。これを共同作業なさったと考えるのですが、詳細なことは要りませんけれども、もう一ぺんおっしゃっていただけますならば、その訓令はどういう骨子になっておるのですか。
#82
○鶴見政府委員 ただいま宮澤大臣からお話がございましたように、先週の前半に吉野公使が帰ってまいりまして、そうしていろいろな作業も同時に一緒にやりましたが、時間的に最終的にはまとまるまでにはいきませんでしたので、先週の末に訓令いたしました。そして、まだ正式な公電は参っておりませんが、報道によりますと、ワシントン時間で月曜日、昨日先方のトレザイス次官補に対してそれを手渡したということになっております。
 その骨子につきましては、先ほど宮澤大臣が触れられましたごとく、向こう側が言っております一月二日の第二次提案、これは自主的な包括規制を要求しておるわけでありますが、これは理由がなくて、日本側が前々から受け入れられないということをはっきり申しております。
 第二点以下といたしましては、従来日本側が常々主張していたことでありまするが、先ほど宮澤大臣が触れられましたごとく、被害または被害のおそれがあるということが立証されるならば、日本側としては、業界の協力も得てそれの自主規制を検討するということにやぶさかではないという点が第一点でございました。したがいまして、これはあくまで選別的な個別的な規制にならざるを得ないということは当然でございます。そのほか、日本だけが輸出しているわけではございませんので、ある段階では当然主要な輸出国、この場合ですと、あと三国、いわゆる韓国、台湾、香港等もございますし、場合によってはイギリス、EECのイタリアというような国もあろうかと思いますが、そういう多国間の中での話し合いで解決されるべきであるというのが第二点であります。
 第三点は、これはやはりガットのワク内で考えられるべきであるということ、それからもう一つは、こういった自主規制をする場合には、これはあくまで暫定的でなければならない、これが骨子でございます。
#83
○吉田(賢)委員 アメリカが提案したと称せられる二十八品目被害内容と称するもの、これは日本流に申しまして、どのような具体的な被害が日本の輸出の形から見て把握し得るのだろうか、この点につきましては、どうもお互いの数字の計算の基礎というものが若干違うようでありますので、はっきりしないようにも思われるのですが、この点はいかがでございましょう。
#84
○三宅政府委員 一月の下旬に参りましたアメリカの統計資料は、統計にやや不備な点がございます。まだ統計をめぐる討議が行なわれておりませんので、いま御指摘のように、統計のカバレージあるいは品目分類の詳細について十分わかつておりません。したがいまして、われわれのほうは、討議に入るならばその辺から議論を始める必要があると思います。
#85
○吉田(賢)委員 いまの問題ですが、アメリカにいたしましても、昨年の五月商務長官まで日本に参りまして、だんだん折衝、交渉がありました。それを積み上げまして今日に至っておるような経緯もございますので、いまさらそういうことにつきまして日本から言われて、はっきりしない、品目の羅列だけで被害状況の実態をはっきりつかめないというようなことで、それでぐずぐずしているというのは、ちょっと理解がしにくいのでございますがね。こんなものは右から左に即日明らかにして、お互いに折衝の資料として用意されてしかるべきだと思うのです。どんな方法にいたしましても数字がつかめられるのですから、そんならば、被害がないけれども、あるようなことに装っておることも推測し得る。これは少し下品な推測でありますけれども、結局、つかみにくいというのが結論になるのだろうか、あるいはまた、なぜそんなにちゅうちょするのであろうか、日本が理解し得るような被害状況についての説明資料を大胆に直ちに提出するということは、もう当然のことだと思うのですがね。そんなことは普通の商業ベースなんかで考えてみましても、アメリカのようなああいう合理主義の国におきまして、資料をいつでもそこに用意されておるわですから、一々日本みたいに、あちこち走り回らなければ資料が集まらないという国とは違います。これはどういうことなんでしょうか。
#86
○三宅政府委員 昨年スタンズ長官来日以来、この問題につきましては、主として原理原則論を中心に議論がかわされてきたという経緯がございます。もっとも、先ほど経済局長の御説明もありましたとおり、昨年九月に調査団が参りましたが、そのときはアメリカの繊維産業全体の説明が中心でございました。われわれが現在主張しておりますような、個別の品目について、もしインジュリー、あるいはそのおそれがあればそれについて検討をやりたい、こういう論議まで至っておりませんわけでございます。したがいまして、アメリカがそういう品目について初めて資料を出してまいりましたのは、本年の一月でございます。その資料をめぐる疑問点の解明等につきましては、まだ接触が十分に行なわれていない、今回の吉野公使のメモランダムによりまして、そういった点についてさらに向こうの説明を聞きたい、あるいは資料の追加を求めたい、こういうことに相なっておるわけでございます。
#87
○吉田(賢)委員 アメリカの第一次並びに第二次提案から帰納いたしまして、日本の毛合繊などの輸出量に、直接数字を並べましたならば、どの程度の規制になるという数字がはじき出されるのですか。数字だけでよろしゅうございます。
#88
○三宅政府委員 第二次提案におきましては、一九六八年の七月から一九六九年の六月までをベースにとって、それをもって七〇年の輸出のワクとおおむね考えておるようでございます。毛合繊によりまして若干伸び率が違いますが、毛合繊合計いたしますと五%の輸出伸び率がカットされる、こういうことになると思います。
#89
○吉田(賢)委員 大臣に一点だけ伺いまして次に譲ることにいたしますが、いずれまた別な機会に少し詳細なことをなお伺ってみたいと思いますので、あらかじめひとつ御了承おき願っておきたいと思います。
 対米自主規制の今後の見通しにつきまして、いろんなニュースが飛んで、早期解決を迫られておるとか、あるいは、やがてアメリカの立法化までかってにどんどん進んでいくことになりやしないかとか、あるいは、日本自身も、他の関係もあって、適当に早く何とかおさめなくちゃいかぬだろうというような臆測もあり等々いたしますので、次の段階並びに今後への見通し、どこで何を手を打って、そして具体的にどういうふうに進行しようということが、政府といたしましての態度、基本姿勢、方針、こういうふうに理解すればいいのでございましょうか。
#90
○宮澤国務大臣 まずアメリカ側が包括規制というものの考え方を改める、これが第一の前提でなければならないと思います。もしアメリカが包括規制という考え方を改めないということでございますと、交渉は非常に困難な段階になってまいりまして、その先は私に見通せません。幸いにしてアメリカが、理に従って包括規制という考えは持たない、したがって個別の品目について、被害またはそのおそれを立証するための資料、あるいは説明をしてくるということになりましたならば、われわれはその資料なり説明について、はたしてどの品目について、どのような実害、被害あるいはおそれがあるかということをアメリカ側と討議をする用意がございます。そうしてその討議の結果、政府としてもっともだと考える品目がございましたら、関係の業界に対して、これについては、被害または被害のおそれがあると政府も考えるので、ひとつ自主規制の協力をしてもらいたい、ただし、おそらくは多くの品目が日本以外の国を主たる供給者とするものであると思いますので、それらの国とも一緒に相談の上、しかも、最終的にはガットとの関連において業界の自主規制を要請しよう、そういうのが私どもの考え方でございますが、そのためには、まずいまの段階において、アメリカ側が資料なしの包括規制というような立場を変えてもらわなければ交渉は先に進まない、こういうことでございます。
#91
○吉田(賢)委員 ちょっとその点につきまして、やや具体的に、そのような態度、方針の内容が明らかになっておりまするが、それならば、それは佐藤内閣といたしまして、閣僚間におきましても、外務大臣と通産大臣との間に一致した態度、方針、したがってこれは、この問題に関する限り日本の対米交渉の基本線、具体的なおよその線、こういうふうに理解してよいのでございましょうか。その点だけをひとつ明らかにしておいてもらいたいと思います。
#92
○宮澤国務大臣 ただいま私が申し上げましたのは、先般外務大臣が現地大使に送られた訓令の内容をことばをかえて御披露いたしましたので、両省間に考え方の違いはない、こう思います。
#93
○吉田(賢)委員 ちょっと経済局長、資料でよろしゅうございますが、アメリカが提案してまいりました二十八品目、それがありましたら、一部でよろしゅうございますから委員長の手元までお出し願っておきたいと思います。それだけ資料として御要求申し上げます。
 きょうはこの程度で、残余の質問を保留いたしまして終わりたいと思います。
#94
○濱野委員長 出せますか。
#95
○鶴見政府委員 これはアメリカ側から来た外交文書の中の一つでございますので、資料として正式に提出するということは、ちょっと御遠慮させていただきたいと存じますが、大部分につきましては新聞等にかなり報ぜられておりますので、そちらのほうでごらんいただければという感じでございます。その点御了承願いたいと思います。
#96
○濱野委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#97
○濱野委員長 速記を始めて。
 華山君
#98
○華山委員 私のくにのことでもありますので気にかかるのでございますけれども、米の減反ということは、われわれの地方にとっては重大な問題であります。昔でありましても、不作ということがあれば日本の経済界全般に影響があって、株価も下がったという時代もありましたけれども、いまはそういうことはございませんが、とにかく米の値段は上げない、一割は減らす。農業の収入が県としては二割減るわけであります。そういうことは、これは農家ばかりでなくて、あの地方の中小企業にも非常な影響があるわけでございます。特に大臣には、いま具体的にどういう方法があるかはまた別にお伺いすることとしてお聞きいたしませんが、意にとめておいていただきたいということであります。
 それから、減反問題について、農林大臣等も、農業の近代化あるいは構造改善は農林省だけではできないんだ、こういうことをしょっちゅう言っておるわけです。しからば、一体どこの大臣がこの農村問題というものを担当するのか。経済企画庁にでもやらすのか、さっぱりまだめどがついていない。それで私、前々から言っているのですけれども、工場が地方に分散されなければ農業の問題は解決しない。あの地方の人たちはいまも兼業農家ですけれども、兼業農家の兼業の部分が次第に多くなって、農業が端に押し込められてきて初めてそこに農業の構造改善ということも行なわれるのではないか、大規模経営もそこに出てくるのではないか、土地を手放すという意味ではありませんけれども、そう考えておるのでございますが、大臣、どうでしょう。工場を地方に分散するという具体的なうまい方策がいまあるものでしょうか。いままで長い間これをいわれながら少しも実行されておらない。京浜地区というようなところはだんだん人が足りないし、土地も足りなくなってきている。ですから、地方に工場が移るだろうなどといわれているのはもう長い間のことなんです。今後どうでしょう。そういううまい方策でもありましょうか、ひとつ伺っておきたいと思います。
#99
○宮澤国務大臣 昭和三十年ごろに第一回の全国総合開発計画がつくられましたときに、そのようなことをあの計画は前提にし、また腹の中に考えましていろいろ述べております。しかし、その後そういうことは現実にはほとんど起こりませんでした。それはおそらく世の中の動きがそういう要素をなかなか表面化させなかったのだと思います。しかし、第二回の総合開発計画が昨年でございますか、策定されましたいまの段階においては、都市の過密問題というものが相当はなはだしくなり、交通、労務、地価等々の事情から、企業としてはなるべく過密地帯を離れたいという内在的な要素を持っておると思うのでございます。
 ただ、それが十分に地方に行き得ないのには幾つか理由があると思いますが、一つは、やはり道路、交通の関係であったと私は思います。それからもう一つは、農地の転用がかなり厳重であった、この二つであろうと思います。したがって、華山委員の言われておりますことは、私は全面的にそのとおりだと思っておるのでありますが、やはり交通、鉄道、道路、通信網等の整備、それから工場の必要とするある程度良質な土地の転用について農地法の適用を若干緩和してもらう、このようなことが条件として成り立ちますと、企業の持つ内在的な要因から企業の地方分散が相当進むのではないか、そういうふうに考えております。
#100
○華山委員 たいへん悪いことかもしれませんが、私は東北地方を中心にしてものを考えがちですから、その点お許し願いたいと思うのでございますが、これからそういうふうな事情になっても、ああいう地方には集まる人は少ないかと私は思います。工場等は出ていくかと思います。しかし、いま国では――何もよその繁栄をかれこれ言うわけじゃありませんけれども、中国地方と四国との間に橋を三つかけようとしている。あの辺はどんどん発展するでしょう。それから高速道路にしても、鉄道にいたしましても、重点は、いま現実あちらのほうにいっているのですね。それで、日本はこう狭いようでもやはり広い。そういう実態において、日本の工業といいますか、そういうものは、やはり太平洋ベルト地帯に引きつけられるように多いのであって、おくればせながら東北地方等に道をつくってみても、鉄道をよくしてみても、そのときには、もっと別の地方のほうがよくなっているのだから、それではなかなかたいへんなんじゃないか。東京はこのような状態でございますけれども、名古屋の背後にはまだまだ工場の行く余地があると私は思う。住宅の余地でもまだまだあると思う。
 そういうふうなことで、私は、特に米作地帯が今日の状態になって、米作地帯に工場が分散するということは、自由主義経済のもとでは非常に困難な問題じゃないのかというふうに考えられますけれども、具体的にいかがでございましょうか。
#101
○宮澤国務大臣 これから工場が地方に立地をするかしないか、どの地方に立地をするかというふうに考えますときに、企業側で考えますことは、ただいま申し上げました交通、通信、港湾等のほかに、土地の問題、労働力の問題、それから水の問題、大体そんなことかと思いますが、新全国総合開発計画でも申しておりますように、実は瀬戸内海ベルト地帯というのが、もうかなりいろいろな面で問題の地域になってきておるのではないだろうか。
 したがって企業としては、少し大きな工業立地を考えますときには、ただいま御指摘のように、たまたま中部地方、名古屋の背後には水もございますので、これも一つの可能性のあるところでございましょうが、たとえば、東北の小川原湖であるとか、あるいは九州の南部であるとかという、いまから見ますとまだ辺地であるというようなところに、もうかなり目をつけ始めているのではないか、そういうふうに思います。
#102
○華山委員 もう時間もありませんが、簡単にお聞きいたします。
 行くであろうとおっしゃいますけれども、国としまして、またもっと狭い立場からになりましょうけれども、通産省として、そうゆうちょうにしている時代ではないものですから、具体的にはどういうことを――工場分散、特に東北等に対する工場分散の点について、具体的な施策をお持ちでしょうか、それをお聞きしたがったんです。
#103
○宮澤国務大臣 通産省という狭い立場にとらわれずに、国として考えますと、先ほど申しました交通、通信、港湾等々のネットワーク、それから低開発工業地帯に対する減免税であるとか、東北開発公庫の融資についての特利であるとか、そういったようなものを私どもはかなり進めてきたつもりでおります。
#104
○華山委員 どうもしかし話が合わないので……。自由主義経済のもとにおける政府でございますから、そう政府ががんばってみたって、企業の行かないのをかれこれ言って、行けというわけにもいかないと思いますから限度があると思いますけれども……。
 私は前から言っているんですけれども、ある工場についての東北地方の電力は安くしたらどうか。それは企業だから、電力を安くすることができなくても、全部の東北地方の電力を安くしょうというのではない。それで、その企業につきましては、現在あの電気会社の持っておるところの負債を低利な政府資金に切りかえることによって私は出てくると思う。そういうふうなことを私が何年も申し上げても取り組もうとなさらない。特利とおっしゃいますけれども、特利というものを、私もこれを宮澤さんが経済企画庁長官のときにおっしゃいましたから、たいへんに喜んでおったのでございますけれども、この特利なるものが――私の県のことを申して恐縮でございますが、山形県には一文もないのです。それは新開発地域、あそこに工場を置かなければ資格がないということなんですね。だけれども、仙台地区でも秋田地区でも八戸地区でも、一体どれだけよその地方から東北地方の人を引きつけているか。何にもないじゃありませんか。山形から仙台に就職した人は、一時間の道路の道でございますけれども、聞いたことがない。みな東京に出てくるのです。その点ひとつ、たいへん嘆きのようなことになりましたけれども、私はしばしば言っている。非常に無責任だと思うのですが、農林大臣は、農業構造改善、そういうふうなものは農林省だけではできませんということを何べんも言う。その点につきまして、なお私は機会があったならば、総理大臣、企画庁長官等にもお聞きしたいと思っておりますけれども、地方に工場が分散するためにはどうするのか、それを具体的にどうしたらできるのか、ひとつ御検討を心からお願いいたします。
#105
○宮澤国務大臣 農林大臣が、農村地帯の生活向上は農林大臣だけではできないと言われますことは、私はまことにもっともだと思います。しかし、そのことは実は前からわかっておったことでありまして、政府全体が協力をして地域格差をなくすということに努力しなければならないのでありまして、さしずめ、今回農林大臣が農地の転用について、ある程度の緩和措置をとられましたことは、これは私は非常に大きな意味合いがある、それによって、従来企業の進出をはばんでおりました大きな障害の一つが取り除かれる、こう考えます。いま言われましたことはごもっともでありますから、政府全体として熱心に、これは力を合わせてしなければならないことと思います。
#106
○華山委員 農地の転用のことをよく言われますが、山形に大工場が来るなら農地は転用されますよ。農地の転用転用というのは、大都会の近所のことでございましょう。工場が来ないから農地の転用が実現してない。これはもう高等学校の何とか体育大会というようなことになると、自分の土地を出してグランドをつくっている。農地の転用の困難は大都市の周辺なんであって、ああいう東北地方等に行きますと、そう痛切に感じませんですね。私は、東北には農地の転用がむずかしいから工場が行かないのだというふうなことはないと思います。やはりあの地方に行っても何ともならぬということだ。そして、現に山形地方に来る工場は一体何か。女の子を使う工場だけが来る。電気機器のメーカー、東京では人手がない、それで来るわけですね。そして、そこで女の子をたくさん集めて仕事をやる。おそらく山形県も女の子を集めることじゃ、もう相当飽和状態になっていると思うのです。そういうふうな状態、そして男は出かせぎに出る。これが兼業農家の現在の形ですよ。私は何か自分のくにのことに詳しいものですから、心配をするものですから、少し言い過ぎたかもしれませんけれども、ほんとうに困った実態じゃないのか。これから農業収入が減ずるということは農家だけの問題じゃないものですから、中小企業その他にも非常に影響が多いと思いますので申し上げたようなわけでございます。何か具体的なものをお答えがあるかと思いましたけれども、ございませんので、たいへん残念でございます。ひとつなお御研究を願いたい。
#107
○濱野委員長 丹羽君が大臣のいらっしゃるうちに、ひとつ前の委員会の関連がありますから。丹羽君。
#108
○丹羽(久)委員 ごく簡単に大臣にお尋ねいたしたいと思います。
 五日の日の決算委員会に建設大臣、各関係者の方々には申し上げましたのですが、国道の街路灯なんです。もうすでに大臣の耳には報告があったことだと思われます。この料金が一般家庭並みの一〇%だけの引き下げで料金を払っているのです。これは最近の状態を見ますと、年々たいへんな金額にふえていくのです。また、事故防止の上からも、やはり明るくするということが必要だろうというようなことで、建設省のほうでも明るくしたい、したいけれども料金がたいへんな金になる。この二、三年現在のような状態で道路がつくられていって明るくする。そして街路灯の現在料金で払っていきますと、何十億という金を払わなければならない。そこで、これをくふうしてみますと、一般家庭の電気料金の一〇%より引いてもらえないこれを、大口の料金にしますと、あるいは、特にそこで電力会社と話し合って、夜間だけに適用するということになりますと、五割引きになるのです。大口工場なんというのは、全部五割引きで適用を受けているのです。そうした面から考えてまいりますと、閣僚会議でもそういうのが問題になりまして、電力会社と折衝せよということになりまして、建設大臣からも通産大臣にちょうど二年ほど前にそういう問題を申し上げられた。あなたは当時経済企画庁の大臣だったので御存じだろうと思います。これを何とかそういう料金に持っていってもらいたいということを根本建設大臣にもお話し申し上げたのですが、大臣、どういうようにお考えいただけましょうか。どうでしょう。いますっときまるわけじゃないが、大いに意欲を燃やしてこの問題を解決していこうとお考えになっているのか。それは非常にむずかしい問題だとお考えになっているのか。
#109
○宮澤国務大臣 申し上げるまでもないことでございますが、一般に大口電力が安いということは、いろいろな事情からコスト上安くなるということが主たる原因のように聞いておりますが、いまの高速道路等の電力料金の問題は、たしか昨年家庭用電力より一割下げたということであったと思います。ごく最近でございますが、実は御意見もあってか、建設大臣からそういう問題の御提起があらためてございました。したがって、私としては、交通用の街路灯がコスト面で電力会社でどういうことになっておるのか、それを少し調べまして、そういう資料を見ました上で建設大臣にお答えをしよう、こう思っておるところでございます。
#110
○丹羽(久)委員 資料を調べていただいて、積極的にひとつ取り組んでいただけませんか。外国では、大臣たびたび行っていらっしゃるのでよく御存じだと思いますが、ヘッドライトをとぼすと処罰を受けるというほど明るくしているところが至るところにあります。日本では街路灯をそういうふうにけちるがためというのか、金の関係で節約するというのか、それで事故はふえておるという事実が、事故の統計からいきましても出ておるのですよ。これも一つ加味していただいて、どうしても電力会社との話し合いがつかないというのなら、やはり予算措置として、大蔵省との話し合いで金を十分に出してもらうというようなこともひとつ考えていただけませんでしょうか。これを一つお願いいたしておきたいと思います。
 第二点、非常に御迷惑なことでありますが、もう少し時間をいただいて聞きたいと思いますことは、私が日本国内の石油の生産量がどれだけかということと、もう一つは、海外から入ってくる石油の量というものとのこの比率を聞いたことがある。そのときの答弁は、変わっていないと思いますが、こういう答弁をしております。九十数%というものが海外から入っている、あとわずか何%というのが国内生産であるというようなことなんです。私はそのときに、平和で、日本に海外から油が入ってくるということが永遠に続くとするならば非常にけっこうである、海外で、もしも不幸な状態に陥ったときに、日本がみずからの国で掘る油というものは非常に少ないじゃないか、もし入らないというような不幸な場合を考えたときにどのような対策を持っておるかといって聞いたことがある。当時の大臣でありました菅野和太郎大臣は、遺憾ながら日本の油は十二、三日より持ちこたえることができない――あるいは十七、八日だったですか、そういうお答えだった。海外ではどうだと言ったら、海外では二月か三月くらいは持ちこたえられる。海外の国はそれたけの貯蔵を持っている。日本ではまん中をとって十五日と仮定しましても、あとは油がなくなったらどうするのだ、平和国家をたてまえとして日本が、経済に、そして産業に発展していこうと思うその重要なエネルギーは油じゃないか、たったの十五日やそこらの貯蔵量よりないというなら今後どういう考えをもっていかれるというのですか。そのときには、油を貯蔵するということには非常に困難な状態が伴っている、つとめてひとつ考えていきたいと思う、こういう話だったから、私はあまり深く追及して、どういう方針で、どうやるのだというようなことは言わなかったのです。
 大臣、これがもし現状もあまり変わっていないとするならば、これに対するお考え方というものはどういうようなお考えをもって今後対策をせられるか、この点をひとつお聞きしたいと思う。
#111
○宮澤国務大臣 いまの国内の生産は一%以下かと思いますので、したがって、御承知のように日本海等において探鉱等も新たに始めております。これは質のいい油がわが近海で実際採油ができるかどうかということで探鉱を始めておるわけでございます。
 それからまた、世界から油が来なくなったときという場合、ある一地方に動乱が起こりましたときに、その地方から来なければお手上げということでは困りますので、供給圏をあっちこっちになるべく分散しておくということも従来から努力しております。
 それらのほかに、御指摘のようにわが国の貯油設備を増強するということが当然必要になってくるわけでございまして、ここにございます資料によりますと、昭和四十二年の貯油設備、これは原油貯油量ではなくて設備でございますけれども、昭和四十二年に約四十五日分の設備があり、その中に二十四日分のストックがあったそうでございます。昭和四十四年末時点では五十八日程度の貯油設備の増強ができた。その中にストックされておりますものは三十六日分程度でございます。私どもとしましては、貯油設備を六十日分くらい、諸外国並みの二月分くらいにするのと、その中に現にございますストックがなるべくフルに貯油設備を利用できる程度にまで高める、こういうことに引き続き努力をしなければならない、かように考えております。
#112
○丹羽(久)委員 宮澤大臣のお話を聞きますと非常に心強い御答弁でございます。実質的にそんなうまくいっておるでしょうか。まだ大臣が御就任になる前に、いまから一年半くらい前、少し何か海外事情が、石油事情が悪いというような声があがったときには、すでにもう値上がり状態で、あるタンクでは油が足りませんといったようなことを言い出したですね。だから、私は大臣のことばを信用しますが、ほんとうにいま事態が起きてきたときに、船が日本に入ってこないというような状態になって、二月なり三月なりを持ちこたえられるだけの力があるでしょうか。これからそういう力をつくろうとおっしゃるのか。現在でも、もう心配なく三月くらいのものは持ちこたえる力があるとおっしゃるのか、価格の変動なくしていけるとおっしゃるのか。どうでしょう。これは非常にたいへんな問題ですから、聞かしておいてください。これだけ自動車に、あるいは工場にあらゆる油を使っておる人たちが、もしもの場合に非常に大きな動揺を来たすことなんですから、これから、きょうからでもひとつそれに対する対策を考えてみようというお考えになるのか、もうできているから心配はするなとおっしゃるのか。どうなんです。これはただ単なる答弁というのでなくて、私は真実を聞かしていただきたいと思います。国民も関心を持っていることですから、いまは足らないけれども、心配はするな、これからはそれをやるんだという決意を持っておられるか。どうでしょうか。
#113
○宮澤国務大臣 ただいま申し上げました数字、すなわち設備でいえば昭和四十二年に四十五日分、昨年末で五十八日分、明らかに設備は増強されておりますし、貯油量も二十四日から三十六日、これも御指摘の線に向かっての努力のあとは私は見られると思いますが、なお十分ではありません。諸外国の二月分というところになりますと、設備そのものもまだ足りませんし、いわんや貯油量はまだ三十六日分ですから、努力を急がなければなりません。そこで、この程度であったときに新たな供給がとまるということになれば、これはやはり私は価格に影響せざるを得ないだろうというふうに考えます。
 そこで、先ほど申しましたように、すべての供給源が一時にとまるということは、これはおそらく世界全部の戦争でもなければ避け得るのでありましょうから、なるべく供給源を多元化いたしますことと、わが国自身の探鉱についても努力をいたさなければならないと思いますが、何よりも、ただいま御指摘のこの貯油設備、それから貯油量の国内における増強をする必要がある、こう考えております。
#114
○丹羽(久)委員 この問題は、もう少し私の考えていることを率直に申し上げて、大臣の御意見を聞いて、そして煮詰めていきたいと思いますが、きょうは時間がありませんので、この問題はこれで打ち切らしていただきますけれども、私どもがかってそういうつらい、苦い経験をなめたということは、大臣はよく御存じのはずです。山を坊主にして、たきぎをたいて走ったことがある。現在では時代も変わって、あるいは電気自動車がある程度代用するかもしれない。しかし、何といっても油の現代の原動力というものは非常に大きな力を持っていることをお考えいただきまして、そういう事態になっても心配なくいけるという体制をひとつお考えいただきたい。
 第三点をごく簡単にお尋ねいたしたいと思いますが、最近、特に公害の問題がやかましくいわれております。この問題について、私は一点を指摘してお話を申し上げるのですが、公害問題にはたくさんありますけれども、自動車の排気ガス問題についてちょっとお尋ねいたしたいと思います。
 これは、ちょうど同じく菅野大臣のときだったと記憶いたしますけれども、たいへんな自動車から出てくる排気ガスに対しては、通産省は、自動車を売らせるとき、その構造の上において十分に排気ガスというものに対する検査はしてあるのかどうか、人畜に及ぼす影響、被害というものはあるのかないのか、そのデータは出ておるかと言ってぼくは質問いたしたことがあります。いま、少し記録をたどってみましたけれども、何月幾日ということがちょっと見当たりませんが、私の頭の中にはこれを聞いた覚えがありますから、必ずどこかに出ておると思います。そのときの御答弁には、御心配要りませんと答えているのです。通産省の役人が、どなたかが答えている。ちゃんと私のほうは試験もいたしております、それに対しては大きな関心を持っておりますから御心配要りませんと言うておる。ところが、最近は自動車の排気ガスということが非常に問題として取り上げられてきておる。これは自動車の数が、私が一年前あるいは二年前に質問をしたときの車よりも多くなったからこの問題がやかましく言われるのか、やっぱりそのときの調査、そして、それを車に取りつけて販売していることにいささかのミスがあったということか。この点、どうでしょうか。もし、そういうようなことが通り一ぺんの答弁とするなら、私はこれは許すべきことばでない、許すべきことでもないと思う。もっと責任を持った、通産省は物を売らせるときはきびしい態度を、そして、いろいろの点を考慮してもらわなければいけない。
 大臣、どうでしょう。いま都市では、排気ガス問題というのはいろいろと取りざたせられております。特に名古屋大学の先生なんかは研究いたしておりますけれども、人体に及ぼす影響がたいへん多いということをやかましく言っておりますが、この点はどうでしょう。
#115
○宮澤国務大臣 私は、きわめて深刻な問題だと思っております。就任いたしまして、通産行政の最も大きな一つの問題として人間云々ということを申しましたのも、実は排気ガス等々の公害の問題を、産業行政の面から最も大切な一つとして取り上げなければいけないということを自分が考えておったからでございます。心配をしなければならない時代だと思います。
#116
○丹羽(久)委員 私は、これ以上のことは申し上げませんけれども、一応私が二年ほど前にそういう質問をしたとき、そして答弁をしていただいた記録をたどってみても、やっぱり私の質問に対する答弁というのが通り一ぺんの答弁であったと私は考えてもいいと思うのです。それでは、大臣が御心配になっておっても、その部署についておられる局長、課長の方々が、ただ単なる答弁がそこで済めばいいというような考え方では困ると思うのです。まだ研究の段階である、私どもはいいと思ってこれを許可しておるが、今後ももっと研究して、さらに一そうこれに対する公害問題と取り組んでいきたいという答えだったらよろしかったが、心配ないということでしたから私は安心しておった。だから、私どもは、特にトヨタという会社――大きなメーカーとして、日本の有数のメーカーであります。ここから出るところの車はばく大な数なんです。そこの排気ガスということについても、心配しておったから、車の構造、それに対する改造は必要あるじゃないかというようなことを心配して私は聞いてみた。ただし、名前をあげて、トヨタがどうだとかこうだとかいうのではなくて、全体の日本の車を対象にして聞いてみたら、そういう、心配はありませんという答弁だったのです。いまになって、もし排気ガス問題が、あなたのほうの通産省でもこれを解決していかなければならぬという課題の一つになっている頭の痛い問題だとするならば、私、そのときの答弁というものに全く不信を抱かざるを得ないと思う。一応お調べいただきますように心からお願いいたしたい。大臣の御答弁をいただこうとは思いませんけれども、どうかひとつ、排気ガス問題にしっかりと取り組んでいただきますことをお願いいたします。
#117
○濱野委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後一時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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