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1970/05/12 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 決算委員会 第16号
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1970/05/12 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 決算委員会 第16号

#1
第063回国会 決算委員会 第16号
昭和四十五年五月十二日(火曜日)
    午前十時四十一分開議
 出席委員
   委員長 濱野 清吾君
   理事 白浜 仁吉君 理事 高橋清一郎君
   理事 丹羽 久章君 理事 森下 元晴君
   理事 華山 親義君 理事 鳥居 一雄君
   理事 吉田 賢一君
      阿部 文男君    笠岡  喬君
      中村 弘海君    中山 利生君
      水野  清君    綿貫 民輔君
      田中 武夫君    日野 吉夫君
      西中  清君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  中川 一郎君
        大蔵大臣官房会
        計課長     阪上 行雄君
        大蔵大臣官房審
        議官      高木 文雄君
        大蔵省主計局次
        長       竹内 道雄君
        大蔵省理財局長 岩尾  一君
        中小企業庁次長 外山  弘君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局給
        与課長     谷口  昇君
        国税庁調査査察
        部長      宮内 通雄君
        会計検査院事務
        総局第一局長  中込 良吉君
        会計検査院事務
        総局第五局長  石川 達郎君
        日本専売公社総
        裁       北島 武雄君
        日本専売公社総
        務理事     黒田  実君
        日本専売公社総
        務理事     遠藤  胖君
        国民金融公庫総
        裁       澤田  悌君
        中小企業金融公
        庫総裁     佐久  洋君
        日本開発銀行総
        裁       石原 周夫君
        日本輸出入銀行
        総裁      石田  正君
        決算委員会調査
        室長      池田 孝道君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月八日
 辞任         補欠選任
  笠岡  喬君     古井 喜實君
  中山 利生君     稻葉  修君
  勝澤 芳雄君     山中 吾郎君
同日
 辞任         補欠選任
  稻葉  修君     中山 利生君
  古井 喜實君     笠岡  喬君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十三年度政府関係機関決算書
 昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
     ――――◇―――――
#2
○濱野委員長 これより会議を開きます。
 この際、開会中審査申し出に関する件についておはかりいたします。
 すなわち、決算の適正を期するため、
 一、 昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算
    昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算
    昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書
    昭和四十三年度政府関係機関決算書
 二、昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算書
 三、昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 四、歳入歳出の実況に関する件
 五、国有財産の増減及び現況に関する件
 六、政府関係機関の経理に関する件
 七、国が資本金を出資している法人の会計に関する件
 八、国または公社が直接または間接に補助金、奨励金、助成金等を交付しまたは貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計に関する件
以上、八件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、委員派遣承認申請に関する件についておはかりいたします。
 閉会中審査案件が本委員会に付託になり、調査のため現地に委員を派遣する必要が生じました際には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行なうこととし、その手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○濱野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#5
○濱野委員長 昭和四十三年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、大蔵省所管、日本専売公社、国民金融公庫及び日本開発銀行について審査を行ないます。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。丹羽久章君。
#6
○丹羽(久)委員 少し大蔵省に税金問題についてお尋ねいたしたいと思いますが、土地問題と土地税制ということから、建設省を中心にしていろいろ論議せられましたのは昨年の四月と記憶いたしますが、譲渡に対しての税制が改正せられまして、これは土地を持っている人が供給し、それをほしがっている人たちに安易に安い価格でわけてもらえるということを中心にした税制改正のように私どもは考えております。
    〔委員長退席、高橋(清)委員長代理着席〕
それにつきまして、この法律で土地の税金が相当安くなったという意味と解してこの土地が出回ったようでありますけれども、昨年の土地の出回り、さらに本年受け付けた申告、これをあわせて御報告いただきたいと思います。
#7
○高木(文)政府委員 本年の三月十五日に、確定申告で四十四年の申告があったわけでございますが、その状況を申し上げます。
 四十三年の譲渡所得の申告のあった方の数は五十九万八千人でございましたのに対しまして、四十四年分、つまりこの三月十五日に申告いただいた分は六十五万五千人でございます。したがいまして、譲渡者の数としては約一割ふえたという状況でございます。ちなみに、四十三年が四十二年に比べてどのくらいふえたかというと、四%でございましたので、前一年よりことし一年のほうが、譲渡者の数がふえておったということが、申告の人数の上であらわれてきております。
 それから、その申告の際に譲渡した譲渡所得の額、これを見ますと、四十三年が約五千億でございましたのに対しまして、四十四年度分は約一兆でございます。したがいまして、譲渡所得の総額は、ちょうど倍、二〇〇%になっております。この点も、四十二年対四十三年で見ますと一一二%でございましたら、したがって、譲渡者の数よりも譲渡所得金額のいわゆる伸びのほうが大きくなっております。
 そこで、これを両者の関連で一人当たりで見ますと、四十三年の譲渡所得は、一人平均にいたしまして百九十五万四千円でございましたものが、四十四年分では三百六十万九千円ということで、一人当たりでは一八五%というふうにふえております。
#8
○丹羽(久)委員 件数にいたしますと、あまり伸びはないけれども、金額にすると非常に伸びておるということは、税金が安くなったということで売買が相当せられたということに、結論的に申し上げるとなるというわけであります。
 そこで、この法律の趣旨というもの、それはこの土地の売買について沿っておるでしょうか。税法では一定せられておるでしょうけれども、その内容を検討してみますと、ほんとうにそういう土地を開放し、売った、売ったから、それに対する公共のいろいろの福祉に大きく貢献するというような法的精神というものはあらわれておるかどうか、この点について、ひとつお尋ねいたしたい。
#9
○高木(文)政府委員 昨年度、税制改正をしていただきまして、新しい制度を導入することになりました法律の趣旨は、総体的に供給がふえるようにしたいということであったことは、ただいま丹羽委員からの御質問の中にあったとおりでございます。その意味では、いわゆる譲渡所得者の数もふえており、また所得金額もふえておるということから申しますと、供給がふえるという趣旨は、ある程度達成されておるということができると思います。
 ただ、四十四年というのは、いわゆる経過年度でございまして、いままでの制度と新しい制度が両方選択適用になっておるときでございますから、そういう意味では、まだ完全にその制度の切りかえが終わっておりませんので、さらに、旧制度が働かなくなりますことしの一月一日以降、どういうふうにあらわれてくるかということを見ませんと、ほんとうのところ、制度がうまく動いているかどうかという最終的な判定は困難であろうと思います。
 それから第二に、譲渡がふえましたことは事実なんでございますが、このふえました譲渡は、主として、たとえば宅地の供給というようなことに役立ったかどうかということについては、その後、その譲渡された土地がどういうふうに使用されていくかということは、現在の段階ではまだ――一つには、ただ売られたというだけで、それがどういうふうに使われたかという段階まできておらないかと思われますので、その意味では、現在の段階でこの制度がうまく動いているかどうかということを判定するには、ややまだ時期がきていないのではないか、また、私どもといたしましても、いずれその点はよく見直してみなければならないと思っておりますが、それを判定するのに、また見直しをするのに、若干まだ時期が早いんじゃないかというふうに思っております。この申告にあらわれました姿で見ます限りは、まずまず所期の予想していたところに沿って動いておるんではないというふうに私どもは考えております。
#10
○丹羽(久)委員 この法律の趣旨は、私が先ほどから申し上げているように、地価上昇は土地供給が少ないためで、所得への課税を軽減すれば、地主は土地を売り渡すであろう、そうしたことによって供給がふえれば地価は下がる、こういう考え方であるということですね。
 そこで、今度の土地長者なんか調べてみますると、発表せられた範囲内においては、土地を売った人というのが今度の納税のランクの上位を占めておる。そこで一部新聞なんかに、こういうことを書いておるんですよ。果報は寝て待て、不公平な制度に庶民としては怒りの声が上がっておる、こういうことや、名義を変えただけで一億円もうかった、こういうことが書かれておる。これはもうあなた自身もそういう報道を読まれたろうと思うのですが、たとえば、個人が土地を持っていて、会社へ貸していた。そこで、自分がこの土地を販売するとするならば、いままでの制度でいくと、たいへんな税金を納めなければならないということで、会社に貸していた。それを、今度は税金が安くなったから、その名義を書き変えて、今度は会社に譲渡した、ただ単なるそれだけのことで、税金はたいへん助かったが、何ら社会に及ぼすところの貢献というものは何もない。もっと大きく言うなら、たとえばゴルフ場を私個人が持っていた、これを個人が持っていて、切り売りしたり何かすれば税金がかかるから、一応、いつの日にかという、果報は寝て待てで、じっとしていて、それをゴルフ会社に貸していた、けれども、こういう制度になったのだから、将来どういう形になるかわからないが、自分のものにしておいたほうがいいだろうということで名義の変更をした。例をあげると、こういうことになるわけです。何にも社会的な貢献もなければ何もない。税金をまけただけだということになれば、この法律の精神というものは生きてこないということになる。これに対して大蔵省はどういうお考えを持たれるのですか。そういう例はないとおっしゃるのか。もうすでにそういう例が生まれ出てきておる。この法律に対して何らかの考えをせねばならぬだろうというようなことをすでに感じていらっしゃるかどうか、どうでしょう。
#11
○高木(文)政府委員 本来、土地税制を再検討されました際には、主として大都市周辺を中心とする宅地の供給ということをねらいとして、何か税制上妨げになっている点がないかという角度から検討されたわけでございます。その意味で、所得税の原則でありますところの超過累進税率が、どうもやはり土地の供給を妨げる要因になっておるという反省から新しい土地税制がとられたわけでございます。
 その際、丹羽委員から御指摘がありましたように、昔から土地を会社、特に自分の関係している会社に貸してある、もうすでに貸して、今後ともその会社がその土地を使って、建物、事務所を持ったりしているんだから、いずれはそれを譲渡しなければならぬ、しかし、いま売ると非常に高くなるからというので、よう売らずにおったという方も、そういうケースの場合にも、今度の改正に関連して、売ると有利になるという事態が出てくる、それをどうするかというのは、この土地税制の切りかえのときにあらかじめ予測しておったと申しますか、そういう場合もあり得ると考えておったわけでございます。
 しかし、そういうケースも起こってまいりますけれども、そのようなケースの場合と、住宅用地といいますか、宅地供給の場合とを区分して、特別な場合だけに限定して分離課税方式をとるということは、技術的にたいへん困難でございます。同じ土地の譲渡について、片一方は従来どおりの超過累進課税をとり、特別な場合に限ってだけは分離課税をするということは、その境目をどうするかということで非常に混乱をいたしますので、今回、新聞等で批判を受けておりますような事態が出ることは十分予想しながら、なおかつ、それにもかかわらず、土地供給をふやすためには、多少の、一部の方にそういう意味でのはね返り利益が及ぶのもやむを得ないということで踏み切られたわけでございまして、制度を変えますと、どうしても若干付随的にそういう問題が起こりますが、そういう点については、大局的見地から、そういう弊害といいますか、そういうことが起こるのもやむを得ないという前提の上に、むしろプラスのほうが大きいだろうということで判断をされたわけでございまして、まさに御指摘のように、その点は非常に問題だとは思いますが、実は、制度を変えますときの最初から予測しておって踏み切った問題であるというふうに御理解いただきたいと思います。
#12
○丹羽(久)委員 これは、いまの御説明でいくと、大体そういうことは予想していたんだけれども、利益のほうが大きく、そして、やむを得ない点が少しはあるけれども、という判断のもとにこの法律をつくったんだとおっしゃる。それはよくわかるんですけれども、分離することは、私はそう困難ではないと思うのですよ、実際からいったら、公共のために、いわば、ここにうたわれておるように、大都市及びその周辺を中心とする土地の需給に対する不均衡、地価の高騰ということから考えて、それを売買することによってほんとうに買った方が新しい目的に進んでもらうというようなかっこうになればいいんですが、いまのような一例をあげたゴルフ場とか運動場だとかいうようなものにそのまま使われていくというようなことによる売買ということは、何らの利益にならない。計画性のない、大きな土地が売買せられて、そして同族から同族へ変わっていくというただ単なる脱税的な売買行為というものに対しては、どうして法律上制限ができないのですか。私はそんなにむずかしいものじゃないと思うのですよ。そういう点、もう少しお聞かせいただけませんか。
 それはなるほど件数からいって、そういうものは頭数からすれば少ないけれども、金額面からいけば相当大きい面になるし、坪数からいっても相当大きい坪数になると私は思うのです。それがほんとうにこのような動き方によって供給せられていったり、あるいはそれが利用せられるような方向へ進んでいくとするならば、土地のない人たちは非常に地価の値下がりということも影響してくるだろうし、たいへんそれによってしあわせを感ずると思うのですがね。どうでしょうか。
#13
○高木(文)政府委員 その点は、新しい制度に切りかえますときに、私どももたいへん悩んだといいますか、どう踏み切るべきか悩んだ問題でございますが、一例をあげさせていただきますと、ここに土地がありまして、その上に、あるところには建物が建っておる、あるところには建物が建ってない。その建物も、住宅である場合もあるし、事務所である場合もある。そうすると、たとえば事務所の場合だけは、あるいは工場の場合だけはこれはだめです。さら地ならいいです。宅地ならばどうですかということになりますと、宅地の場合でも、非常に広い敷地の片すみに家を建てておられるという場合に、庭といいますか、現に建物が建ってない部分を売るという場合はどうなりますかということで、いろいろ似たような、少しずつ違っているケースを並べてみて、ここまでは従来の累進でいく、ここからは分離でいくという境目をどこに引くかというようなことになりますと、そういう点で非常にむずかしい問題になるということが一つでございます。
 それから、たとえばゴルフ場の敷地を持っておる方がゴルフ場にその土地を売ったという場合に、それではそれが絶対に宅地開発的なものにプラスにならないかといいますと、実は、昔は郊外であったところにゴルフ場をつくったが、だんだんそれが市街地の中に、住宅地に囲まれてきたというので、現にゴルフ場が移転をするというようなことがあり得るわけでありますので、そのゴルフ場が、今度はまた一ぺん個人から法人にその土地が移りましたけれども、そのあとで、そのゴルフ場がその土地を売って別のところに移るということになって、もっと山の中に移っていくということになれば、それはやはり宅地供給にはプラスになる。そうすると、ゴルフ場会社に土地を個人が売った場合に、それが宅地供給にプラスになる場合と、ちっともプラスにならない場合とあり得る。プラスになったほうの会社については、そういうことになるんであれば、もともと持っておられた個人の方が、自分の場合は宅地供給に貢献したことになるんだから、やはり有利なほうを適用して・ほしいということになってきますと、なかなか境目がつきにくいということでございます。
 私どもとしては、やはりどちらかに全体を踏み切らざるを得ない、部分的に分離課税と累進課税にするということは、執行上も非常に困難であるというふうに判断をいたしました次第でございます。
#14
○丹羽(久)委員 高木審議官の、この法律が出されるときの審議にあずかった一人として、これは絶対的なものであるとか、最高のものであるとかいうお考えでなかったという意見は、私はよくわかるのです。しかし、現在こういうふうに運用せられてみますと、思ったより効果がないということですよ。あなたがどうおっしゃっても実質的には思ったより効果がない、このままで進んでいくと。いろいろな考え方でうまくやっていこうという、ほんとうに土地値上がりを抑制するためのこの法律というものは、大きな効果がないと私は断言してもいいと思うのです。
 最近の土地の値上がりから考えていきましても、たとえば一割だといっても、ほんとうにこれを一割で手放すことが得か、上がるのを待っておったほうが得か――この次には一割五分という税金になりますね。一割五分出すと、五分多く出さなければなりません。それで、一割で売ったほうが得か、さらに五分出しても、もう少し待っておったほうが得かというと、値上がりのほうが三割も四割も上がっていくのですから、そのくらいの率なら持っておったほうが得だということになって、比較的出てこないことになるのです。そして、この法律を運用していく人はどういう人かというと、あまり公共の利益にならない人たちがこの法律を運用して、どんどん土地の売り買いをする、こういう形になる。
 だから、いま、でかしたばかりの法律を私があまりにも断定的な批判をするということはどうかと思うけれども、何とかこれは累進税と分離加算との振り分けを、技術的にはむずかしいとおっしゃるけれども、何か私はできそうだと思うんですな。そしてまた、このままずっと継続していくということになってきたら、あなた方がお考えいただいておるような線に合わないのじゃないかしら、こういう心配も持ちます。
 だから、もう少しこれを時期を見て研究していただいて、手直しをしていただくことが必要でないかしらと思うのですが、もういまからこういう批判をせられておるのです。これはだれが言ったことかわかりません。あなたの庁内の人でも、これはあまり大きな効果はあがりませんよというような表現をしておる。国税局のこういうことを扱っておる人自体がこういうことを言っておるということ自体から考えてみても、また一般的から考えてみても、果報は寝て待てだ、ばかな話はないというようなことを言っておる。その事実としては、土地というものは決して下がっていない。だんだん上がる一方なんですから、今後の考え方として、まだ出たばかりで見通しも何もないとおっしゃれば別ですけれども、最初から少しこれは無理な点もあると思った、だから今後は手直ししなければならぬというときが来るとお考えになるのかどうか、どうでしょうか、その点。
#15
○高木(文)政府委員 御存じのように、昨年と本年と来年は一〇%で、それから四十七年から一五%というふうに、税率をだんだん上げていくということによって、早く売ったほうが税負担が少なくて済むという仕組みにしたわけでございますけれども、土地の価格の上昇の割合が二年間で五%以上上がってまいりますと、まさにおっしゃるように、せっかく税率を上げていきましても、やはり早く売ったほうが損だったじゃないかということになるわけでございまして、その意味で、今回の土地税制の変更が供給の増加にどの程度役立ったかということは、立案しました当時と今日と、また若干事情も違っておりまして、はたしてこれでうまくいくかどうかということについては、必ず一〇〇%うまくいくと思いますというふうに申し上げられる一〇〇%の自信は、私どもないわけでございます。ただ、しかしながら先ほど申し上げました数字から見ましても、一件当たりの譲渡所得の額が非常にふえておるということは、累進でいきますと、どうしても一ぺんに売ると損だということで、毎年小刻みにして売っていったほうが得だということになります。
 そうしますと、たとえば、大規模の土地開発をやろうという場合には、供給者のほう、土地を持っておる人は、土地を売るのには、一ぺんに売っちゃったら累進課税でひどく取られることになるから区切って売りましょうということになります。それでは、たとえば宅地における計画的な宅地造成ができないということがあったわけでございますが、少なくともそういう点に関しては、今度の場合はかなり効果が出てくるのではないかと思います。
 そこで問題は、土地の問題につきまして、いわば鶏と卵のような関係になっておりまして、土地税制は、あくまで補完的といいますか、そういう関係にございまして、所得税の課税だけで土地問題を全面的に解決をしようということは、事実上困難でございます。たとえば保有課税――一例をあげますと、固定資産税の評価とかそういう問題に相互にからんでいかなければなりませんし、あるいは、その他の土地政策と関連していかなければならぬと思います。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、むしろ関係各方面にお願いをして、税制だけでひとり歩きをするといっても無理でございますので、ほかの政策の運用よろしきを得て、土地問題が少しでも解決の方向に向かうように期待をしておるわけでございまして、私どもといたしましては、それを期待しながら、なおこの税制がどういうふうに受けとめられるか、もう少し様子を見てみたいというふうに考えております。
#16
○丹羽(久)委員 審議官の将来を心配していただいている点、よくわかりますので、これ以上の質問を申し上げようとは思いませんが、どうかひとつ、もうすでにあなた方は相当御研究していただいて、これがいいだろうと思った、思ったけれども、少し片手落ちな面もあるよ。しかし、片一方を生かして、少々の無理があってもやむを得ないだろうということでこの法律はつくられたんだということは、これは最初におっしゃったことばのうちに含まれておると思うのです。これからの運用ということが、善意にお互いがこの運用をしてくれることが国民全体の望みであり、この法案をつくったあなた方もそれが望みであろうと思うのです、これをうまく利用してもらっては困りますから。そういうような場合には、これからの動き方によって大きい問題になってくれば、法律改正を考えてもらうということも必要じゃないかしらんと思いますから、ひとつ十分研究してくれませんか。それをひとつお願いいたしておきたいと思います。
 その次に、相続税のことについてちょっとお尋ねいたしたいと思うのですが、どなたか来ていらっしゃいますか。
#17
○高木(文)政府委員 私がお答えいたします。
#18
○丹羽(久)委員 相続税法の四十一条にある物納について、ちょっとお尋ねいたします。
 四十二年と四十三年でどのくらいその物納をせられたのですか。件数と金額をちょっと教えていただきたいと思います。
#19
○高木(文)政府委員 恐縮でございますが、ちょっといま資料を手持ちしておりませんので、すぐ調べてお答えいたします。
#20
○丹羽(久)委員 私のほうの調査室で調べた数字でちょっと申し上げておきましょう。
 これは申請をする制度になっておるのですか――物納をいたしますからよろしくお願いいたしますという申請制度になっておりますか。どうですか、審議官。
#21
○高木(文)政府委員 相続税の課税を受けられました方が金銭納付ができないという場合に、物納でさせてほしいという申請を納税者のほうからしていただくことになっております。
#22
○丹羽(久)委員 そういたしますと、四十二年に九百四十二人の人が一応申請しておられる、四十三年は八百四十七人ですか。そのうち許可になったのが、四十二年は五百五十四人、四十三年は六百人許可になっておりますね。そういうことになっておるのですが、金額にすると、四十二年の金額はあなたのほうでは幾らになっておりますか。
#23
○高木(文)政府委員 恐縮でございますが、いますぐ取り調べますので、電話で聞き合わせましてお答えいたします。
#24
○丹羽(久)委員 それでは数字はあとで聞くといたしまして、基本的な問題に触れて聞いてみたいと思います。
 土地を物納したり家屋を物納いたしますね。そのときの算定はどのような分類的な算定をせられるのですか、それをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#25
○高木(文)政府委員 物納の場合には、まず相続税の対象になりました財産の内容を見まして、そこで金銭納付が非常に困難である、要するに、相続税はかけられることになったけれども、土地とか建物しかないという場合には、その物納が許可になるということになります。その場合の評価額は、相続税の計算のときに幾らに評価したかというその評価額と同じ価額で評価をして、たとえば、ある土地なら土地が相続税の計算上一千万円でございましたならば、それを物納していただくときにも、その同じものを一千万円と評価をして受け取る、こういうかっこうになっております。
#26
○丹羽(久)委員 所管が違うかもしれませんが、最初の評価といいますか、評価するときはどうやって評価するのですか。
#27
○高木(文)政府委員 ちょっと私、詳しくは申し上げかねますが、たとえば土地でございますと、二つ基準がございまして、路線価価額といいまして、全国の主要地にポイントをきめまして、ここは幾らと評価をするということを前もってきめておきます。そうしてそれを、税務署に台帳がございまして、この土地は幾らかといって税務署に聞いていただけば、相続税評価額のほうでは、幾らにしますということがあらかじめきまっております。ただし、もちろんポイントの数が全国、日本中の土地を網羅してあるわけではございませんから、そこで市街地でございますと、たとえば、あるかど地ならかど地について幾らと評価をしているけれども、実際に相続があったのはそのかど地の裏だということで、何割かを引いて評価をしてみる場合もございますが、一応基準的なものは出ているわけであります。
 それから、都市部でなくて農村部でございますと、賃貸価額、固定資産税の評価額を基準にして一定倍率をかけて出すというような方法がございます。
 それから、建物につきまして、建築価額とそれから耐用年数との関係で、経過年数を見て評価をいたします。
 非常にむずかしいのは、その他の株とか、あるいはいろいろな貴石類や何かについては、いろいろむずかしい評価基準がございますが、全体といたしましては、国税庁長官通達で細目の評価基準がきめてございまして、税理士さんでありますとかそういう専門家であれば、大体こういう評価になるかなというのがわかるように大体通達が出ておるわけでございます。
 なお、いま建物評価を、ちょっと言い方が不正確でございましたが、建物評価は、私はいま建設費と耐用年数との関係と申し上げましたけれども、それは間違いでありまして、固定資産税評価額によっておるそうでございます。
#28
○丹羽(久)委員 この税務署の相続税評価というのを基準にして物納せよという問題になりますが、税務署の評価額というものは、そう別に影響はしないのですね。いよいよ相続税のときに評価せられてくると相当影響すると思いますが、私のところは時価よりもたいへん評価額が安いとか高いとか――高い人はそれでいいでしょうが、安いというようなことで、税務署はこれが評価額であるということでこれを物納するという問題になりまして、そこで相いれないトラブル的な言い争いというものが発生したようなことはありますか。あるいは、その時点において物納したい、しかしこれだけなら受け取ってあげる、そうでなければだめだというようなことから、裁判ざたというのはおかしいけれども、非常にその間のむずかしさというようなことで問題が全国に起きておるでしょうか、どうでしょうか。
#29
○高木(文)政府委員 過去においては、実は相続税を課税されます場合の評価額と物納の場合に若干評価基準が違っていたことがございまして、そのときはいろいろトラブルがございましたが、現在ではそれが、先ほどお答えいたしましたように、相続税の計算の基礎となる評価額と物納の評価額とが同じになりましたものですから、たとえば課税の時点では、納税者の方々のほうからいえば、実は税務署の言うほどの価値はないということで、もう少し低く見てくれという主張があったことはございますけれども、一たんそれで評価額がきまりますと、今度はそれで物納するというのであれば、それは前の評価額、税額計算のときの評価額と同じになるのだということでございまして、ですから、その段階での紛争というのは、最近ではほとんど起こっておりません。
 特に問題は、実は相続税評価額というのは、市価よりもだいぶ安いわけでございます。と申しますのは、なぜかと申しますと、かりに常識的に見れば、百万円の土地があるとしましても、相続税のときにそれを百万円に評価するということは、それをいま直ちに売ることを強制はできないわけでございますから、その意味で、相続税の評価額は、いわゆる市価よりは相当低目にきまっておるわけでございます。
 そこで、そういう角度から申しますと、その評価したものを物納されますと、低く評価されておる関係上、むしろ損だ。むしろそれを売って、金銭で納めたほうが得だという関係にありますので、よほど特殊な場合でない限りは、土地については、最近は物納ということは、納税者のほうの損得からいって現実にはあまり行なわれないという現状になっております。
#30
○丹羽(久)委員 たとえば、市価で一坪百万円するというところがある、相続税の評価では六十万円より出ていない、けれども、市価で百万円しているけれどもなかなか買ってくれない、六十万円で納めるとたいへんな損だというような場合に、相続税物納は猶予期間というものをくれますか。たとえば、私が市価の百万円で何とか売りたいといたしますと、一、二年猶予していただけば必ず売ります、六十万円の物納で取られては私は損ですというような場合の優遇策というものはお考えになっておりますか。
#31
○高木(文)政府委員 この相続財産の中で不動産の占める部分が二分の一以上である場合には、十年までいわゆる延納ということができるということになっております。
#32
○丹羽(久)委員 それでは次にお尋ねいたしたいと思いますが、こういう土地、建物のうち、土地は私のものである、建物はほかの人が建てた、そこにまたかわった人が入っておる、こういうケースがありますね。これはどこでもあるケースです。そういうものを今度物納にするという場合には、どのような評価をせられるでしょうか。
#33
○高木(文)政府委員 ただいまの場合は、要するに借地権を設定して、いわば底土だけ持っておられるという場合だと思うのですが、その場合には、たとえば百万円の土地でありましても、それがさら地でなくて建物が建っておる場合には、借地権割合といいますか、そういうものを見まして、借地権の権利が七割なり八割なりある地区であれば、その百万円の二割なら二割というものを底土の値段として見て、そうして相続税を評価いたします。相続税をそういうかっこうで、たとえば二割、二十万円なら二十万円ということで評価をいたしますれば、それを物納で国庫がその納付を受けるときにはやはり二十万円で評価をするというかっこうになっております。
#34
○丹羽(久)委員 では、数字でちょっとお教えいただきたいと思いますが、一坪百万円の土地――一坪百万円とあなたのほうが査定せられた土地、本人と全然違った人が土地を借用して建物を建てた、そしてまたそこの建物をかわった人が借りて入っておるというこの三つの段階の場合には、受け取る価格、納める価格というのは幾らに評価して受け取ってもらえるか、こういうことなんです。
#35
○高木(文)政府委員 それは地域によりまして、たとえば市街地でございますと、借地権者の地位が慣行上非常に強くなっておりますし、それから農村部といいますか、そういうところでは借地権の割合が、民間取引の慣行上低くなっておりますので、一がいには申し上げられませんのですが、たとえば東京なり大阪なりという市街地でございますと、底土割合というものは大体二割から三割、いまここに評価基準を持っておりませんので、正確にはわかりませんが、二割から三割くらい見ておりますから、その底土割合が三割であるという地域であれば、丹羽委員がおっしゃいました百万円の土地についてのただいまの設例についての評価額は、市場価格でなく、相続税の評価額として、さら地でなければ、借地権割合が七割地区について見ますと三十万円、八割地区について見ますと二十万円というふうに評価されるということになるわけでございます。
#36
○丹羽(久)委員 いまの説明を聞いても、物納というのは、さら地でない限りは、たいへんな赤字覚悟で納めるようなかっこうになるのです。百万円の土地だと思っておっても、受け取っていただくときには二十万円か三十万円見当ということで、ずいぶん泣き泣き納める人があるようですが、そのようにお考えにならぬですか。
 それから、もう一つ、これを処分する場合には、物納せられた金額で処分せられるのか、それに何かプラスアルファして処分せられるのか、どうでしょうか。
#37
○高木(文)政府委員 ただいまの場合の、非常にお気の毒であるかどうかということなんですけれども、さら地の場合と違って、現に建物が建っておるということになりますと、これはやはり二十万円なら二十万円の価値しかないということを前提にしているわけでございます。なるほど、おっしゃるように、かりに二十万円と評価しても、そう自由に売れないのだから困るじゃないかということはございましょうけれども、しかし、一般的な市場取引としては、さら地ほど売買の自由がないにいたしましても、やはり経済価値がないわけではございませんので、二十万円と評価できるものであれば、それはやはり相続税の財産価額の中に算入しないわけにはまいらないと思うのでございますけれども、その点は、いま丹羽委員のおっしゃる点と私どもの考えと必ずしも一致しないわけでございますが、評価としては、やはり建物があるからといってそれをゼロに見るというわけにはいきませんので、ただ、何割と見るかというそこの見方に問題があるのではないかというふうに思われるわけでございます。
 それから、今度それを売るときにどうするかということにつきましては、これは税務署のほうは――物納がありますと、財務局のほうの国有財産になりますので、私どものほうは国有財産として財務局のほうに引き継ぐ形になります。したがいまして、財務局ではどういうふうに処分しておられるか、その点はちょっと実は私どもの守備範囲外でございますのでお答えいたしかねます。
#38
○丹羽(久)委員 財務局、来ていませんか――それではよくわかりました。あなたと少し意見が違うというのは、さら地でない、建物が建って、さらに、その建物を建てた人が入っていなくて借家人が入っておるという、こういう三つの形になったときの評価で、納めさせる金額というのは三分の一なんですよ。評価せられたその土地が十五万円と考えても、五万円程度より受け取ってくれない。さら地の場合、坪十五万円のところだと、家が建っておって人が入っておると五万円より取ってくれない。だから、先ほどの話で五〇%以上物納するときには十カ年の延納を認めるということですが、そうでなくて、たとえば三〇%だけの物納の場合には、やはり期限内に納めなければならないということになるのでしょう。物納が少ない場合には期限内に納めなければならないということになるのでしょう。
#39
○高木(文)政府委員 相続税評価額の全体の中における土地とか建物とかいうその物の割合が二分の一にならない場合は、十年でなくて五年間の延納ということになっております。即納でなければならぬということはないので、五年間は延納が認められます。土地や建物が五割以上占めますと、それが特例で十年になるという関係になっておりますので、いまお話しの事例のように、物が五割未満だからといって直ちに即納ということにはなりません。
 それからもう一点、ちょっと補足させていただきますが、ちょっと問題がございますのは、先ほどの先生のおっしゃった例は、土地を持っておって第三者がその上へ建物を建てて、そしてそこへまたほかの人が入っているという例をおっしゃいましたが、若干むしろ問題があるかと思いますのは、土地を持っている人と建物を持っている人が同じ人だ、その建物に、たとえば一番極端な場合には、不法侵入者とかなんとかがそこへ入っちゃっているという場合について、ちょっと現在トラブルがございます。
 それはどういうことかといいますと、土地の上に自分が建物を持っておられるという場合には、いわゆる借地権という概念が発生しませんものですから、底土価格で評価する。たとえば二割なり三割で評価するということでなしに、さら地と同じようなことで評価をすることになっております。ところが、実際には第三者が入ってしまっている、そして、のいてもらえないというような事態の場合に、これは非常に問題が起こっていることは事実でございます。その点については、現在相続税の評価についていろいろ困っておるわけでございますが、一般的に、土地を借りる場合の借りた人と土地所有者との間の権利関係と、家を貸した場合の家を持っている人と家に入った人との権利関係が、若干法律的にもあるいは慣行的にもまだ違っておりまして、いわゆる住んでいる人の権利はそれほど強く認められない慣行になっておりますので、その建物にだれかが入っておっても、それは借地権割合みたような関係で、低く評価するということが行なわれておりませんので、そこへ人が入った場合には、確かに、先生がおっしゃるように、その納税者としては非常に困ることが起こるという事例が起こり得るという関係にあることは事実でございます。
#40
○丹羽(久)委員 大体よくわかったのですが、審議官、こういうことですよ。新しい土地は私の所有地である、そこで、ぜひこの土地を借りて建築がしたいということで建築をさせた、それはちゃんと法的に手続もしてその土地に建物を建てることは認めてあげた。その人が、私はその建物を建てるについては、私が入るものではありません、この土地を借りて建物を建てて、そして家のない人に入ってもらいますということで、建てた人と入る人は、きちっと法的手続をとって入ってもらってある。ところが、たまたま本人がなくなって、その土地を持っている人が物納しなければならぬ状態になってきた、こういうとき、税務署へ行って話しますと、まず第一に、これはあなたの土地であることは確認し、物納することには同意しますよ。しかし、建物が建っておりますね、入っておる人も別な人ですね。そうすると、土地は十五万円の価値があることは認めますが、入っておる人にも、これは分けてくれといえば、安く分けなければならぬし、あるいは、建てた人に対しても権利がありますよということで、その土地の算定する金額というのは一坪五万円より認められませんと言う。大体これが物納基準になるのだという説明を聞いているのですが、この点、どうですか。三等分の一つということなんですね。
#41
○高木(文)政府委員 私ども承知しておりますところでは、いまの事例でありますと、五万円でしか、物納の際にこれをいただけないという場合であれば、相続税を評価するときにもやはり五万円であったはずでありまして、五万円以上の価額で評価しておいて、物納のときは五万円だということは、税務署は言わないはずでございます。評価額で十五万円であればやはり十五万円で、評価額を十五万円として、そして、たとえば百坪で千五百万円だということで、それに相続税の税率をかけて相続税がきまっておれば、物納のときにやはり十五万円ということで評価をして物納していただいておりますし、評価額のほうが五万円であれば物納のときも五万円、そこは違いはないはずでございます。
#42
○丹羽(久)委員 審議官、もう少しこの問題は深く聞きたいと思いますが、時間がありませんので、きょうはこれで御無礼いたします。
#43
○高木(文)政府委員 先ほどのお答えできませんでした数字を申し上げさせていただきますが、物納のほうは、四十二年度が五百五十四件の三十三億円でございます。四十三年度が六百件の三十五億円でございます。これが物納許可の額でございます。
 それから、これは御参考までに申しますが、延納のほう、つまり五年なり十年なりでよろしいという延納のほうは、四十二年度が約二万二千件で三百十二億、四十三年度は同じく二万二千件で四百十五億ということで、延納のほうがはるかに多く利用されております。
#44
○丹羽(久)委員 ありがとうございました。それじゃまたこの次にお尋ねすることにいたします。
#45
○高橋(清)委員長代理 華山親義君。
#46
○華山委員 会計検査院の「国の決算と検査」という小さなものが出ておりますが、歳入の面でございますけれども、不納欠損額、四十二年に三億、四十三年に二億、小額のものでございますけれども、この不納欠損額を責任をもって決定をされるのはだれですか。
#47
○竹内(道)政府委員 歳入につきましては、各省各庁の長がその所管する歳入につきまして責任を負っておるわけでございますけれども、会計法の規定によりまして、その徴収事務を職員に委任できるということになっておりますので、通常は歳入徴収官にその徴収事務が委任されておるということで、会計経理上の責任者ということになりますと、それは歳入徴収官、国税の場合には、御承知のように国税収納命令官ということであろうかと思います。
#48
○華山委員 不納欠損額の中身につきましても一、二お聞きしたいこともございますけれども、時間もありませんのでやめますが、不納欠損額につきまして、会計検査院は、具体的に一々の場合につきまして、これが不納欠損額になったことについての認定はしていらっしゃいますか。
#49
○中込会計検査院説明員 不納欠損額につきましては、一般会計、特別会計につきましては、国の債権の管理等に関する法律、それから国税収納金整理資金につきましては国税徴収法、これに規定がございまして、検査の際に、この規定に合致するかどうか、そういうことは確認しております。
#50
○華山委員 不納欠損額が二億とか収納未済収入額が九億とか、その額は、全体の会計からいたしますれば少ないわけでありますけれども、一般会計の歳入歳出決算に入る前に、国税収納金整理資金を一ぺん通って入るわけです。それで、国税収納整理資金で見ますと、これにつきまして、会計検査院の報告で私が興味のあると思うことは、「同資金の段階における収納未済をみると、所得税七百四十五億円、法人税五百七十六億円をおもなものとして計一千九百二億円もある」、会計検査院が「もある」ということは、これは非常に感慨を込めて、たいへん多いものだという意味だろうと私、思う。それで、そのほかに「四十二年度以前の分で四十三年度にまだ収納にいたらないものが所得税二百六十八億円、法人税二百九億円など計五百九十七億円ある。」こういうふうなことばでいわれておるわけでありますけれども、この数字から見ますと、当然入っておるべきはずの金額がその年に入っておらない。一年たってもなおかつ過年度分までも入っておらないというふうな税がこれだけあるわけです。私は苛斂誅求を決して言うわけじゃございませんけれども、源泉所得税のように、必ず月給から税金が引かれる人にしてみれば、まことに心外にたえないように思うわけでありますけれども、この間の事情につきまして、ひとつ御説明を願いたい。
#51
○宮内説明員 ただいま御指摘のように、四十三年度の収納未済額、国税関係千九百三億ございますが、この未済額のうちには、各税法によります延納額が千二百九十二億含まれております。なおそのほかに、いわゆる徴収法の停止、これはわずかでございますが、一億、そういったものを含んでおりますので、その差し引き、残りがいわゆる実質的な滞納処分の対象になる金額でございまして、御指摘のような不納欠損、これは四十三年度につきましては三十四億あります。所得税につきましてはわずか十一億、こういったことでございます。
#52
○華山委員 これは数字上のことをお聞きしたわけじゃございませんでしたけれども、こういうふうなものがあるということは、法令上から出てくる問題であって、という意味でございますか。法令上猶予しているところのものとか、そういうものがあるからこれだけの金額が出てくる、こういう御答弁だったのでございますか。
#53
○宮内説明員 御指摘のように、特に所得税関係で申しますと、不納欠損に至りますまでには、滞納処分の執行停止、そういった段階を経てまいります。これには、御承知のように、滞納処分をいたそうと思いましても財産がない、滞納処分のきっかけがない場合もございますが、特に所得税の場合には、滞納処分を強行いたしますと、生活が著しく窮迫におちいる、こういった事態のものもございまして、そういった関係で停止をいたしまして、そういったことが三年経過いたしますと不納欠損、そういったことになりますので、こういった数字が少ないのは、私どもといたしましても望むところでございますが、現状では十億程度年々残っておる、こういうことでございます。
#54
○華山委員 それはそれといたしまして、収納未済です。私が主としてお聞きしたのは、ことばが悪かったかもしれないけれども、収納未済のことをお聞きしておるのです。それが所得税で七百四十五億円、法人税で五百七十六億円など、会計検査院流にいえば千九百二億円もあるわけです。そのほかに、なお過年度分としまして、所得税二百六十八億円、法人税二百九億円など、合計五百九十七億円あるわけです。
 これにつきまして、私は重ねて言いますけれども、苛斂誅求のことを言っているわけじゃありませんが、あまりに金額が多いので、実はびっくりしているわけですよ。源泉所得等については、当然これはそのまま取られるわけですからね。一体どういうわけでこういうふうに多くなるのかということを、概念的にはなりましょうけれども、お聞きしているわけなんです。
#55
○宮内説明員 最初に御答弁いたしましたように、千九百三億のうちには、延納に関するものが約千二百九十億含まれております。御指摘の所得税の関係六百八十億、数字をおあげでございますが、このうちには四百二十九億の延納分が含まれております。
 これは御承知のように、確定申告によりまして納付すべき税額がきまりますと、その二分の一以上期限内に納めますと、金繰り等の関係で納付ができない、こういった場合に五月三十一日まで延納を認めるわけでございます。そういったものが六百八十億のうちには四百二十九億、約四百三十億が含まれておる、こういったことで数字がふくらんでおるということでございます。
#56
○華山委員 この過年度分につきましてもそんなものはございますか。
#57
○宮内説明員 過年度分につきましてもほぼ同じような傾向です。
#58
○華山委員 そういたしますと、ここに掲げてあるところの金額は、これは滞納残高を示したものではないということが言えると思いますけれども、
    〔高橋(清)委員長代理退席、委員長着席〕
このいわゆる滞納残高というものは、ほんとうに何も考えないで徴税するならば取れる金でございますか。
#59
○宮内説明員 所得税で申しますと六百八十億でございますが、このうちの延納分それから停止分を除きました残りは、実質的に滞納処分を執行する対象になってまいります。
#60
○華山委員 そのいまおっしゃったところの滞納額というものが、年度末におきまして、四十三年に八百七十八億ありますね。大体、計を見ますと、八百億から九百億に近いような金でございますが、その中で所得税が四百五十六億、中で源泉が七百三十六億、それから申告が三百八十二億、こうなっておりますね。この所得税の中の源泉について七百三十六億というものがあるということは、私にはわからない。納税義務者はきちんと納めているはずだ。どういうわけでこういうものが所得税の源泉につきまして起こるのでしょう。
#61
○宮内説明員 四十三年度末現在で見てまいりますと、私どもの把握いたしております数字によりますと、徴収未済額は本年度分で六十六億でございます。源泉関係が非常に少ない……。
#62
○華山委員 七十三億でした。間違えました。
#63
○宮内説明員 ほぼ同じでございます。
#64
○華山委員 額は別にいたしましても、七十三億というのは、どうしてこんなに起きるのですか。源泉で月給から取られているはずなんです。なぜこういうものが起きるか。
#65
○宮内説明員 やはりいろいろ事情がございまして、源泉徴収すべきものをしなかったといったようなケースもございますし、また、徴収いたしましても、事業の金繰り等に追われまして、心ならずもこういった滞納といったことになるものが、やはり若干でございますが、あろうかと思います。そういったことで御指摘のような数字に累積しておる、こういったことでございます。
#66
○華山委員 私は、これは意味がわからぬのですね。
 それで、昭和四十三年末に源泉所得税の滞納が七十三億ありますけれども、この中で、一年たってもまだ納めなかった、過年度になった分は幾らになりますか。
#67
○宮内説明員 四十三年度末で、源泉関係過年度分、四十四億でございます。
#68
○華山委員 人の金を取っておいて払わないというのをどうしてあなたのほうで強制的に取らないのか。
#69
○宮内説明員 四十四億は、先ほど申しましたように、いろいろ事情がございまして、源泉徴収すべきものを徴収していないというようなケースもございますし、金繰りのために追われておる、こういったものにつきましては当然しかるべき措置はとりますが、御指摘のように、滞納が幾らあるか、こういう御質問でありますから、それにつきましての現状を申し上げたわけであります。
#70
○華山委員 私の言うことに答えてないのだ。なぜそういうものを取らないかということなんです。幾らあるかということを聞いているのじゃない。幾らあったといまお聞きしましたら、おっしゃいましたけれども、そういうふうなものは一年たっても納めていない。サラリーマンは納めているのでしょう、原則として。その人はよその金を使っているわけでしょう。取らなかったということは、これは手続上の間違いがあるかもしれませんけれども、それを納めないというふうなことはおかしいじゃないですか。
#71
○高木(文)政府委員 所管外でございますけれども、同じ税のことでございますからちょっと御説明さしていただきます。
 源泉でどういう場合に滞納になるかと申しますと、一つは、本来サラリーマンから源泉徴収義務者が徴収すべきであった額がございます。それを徴収しないでおった。それはあとで税務署の監査で、これは徴収すべきものですよと、こういわれた。税法上からいえば当然徴収すべきものであるとすれば、もう一ぺんその当該サラリーマンから取り上げなければいけないわけでございますが、その人が、たとえばすでに退職しているというような場合には事実上取れないということで、源泉徴収義務者が最終的に負担しなければならないような場合がございます。そういう場合に、しばしばなかなか納められないという事態が起こるのが一つでございます。
 それで、これはいま正確に数字を手元に持っておりませんのであれでございますが、金額的に大きいのは――実は源泉徴収をしたのにそれが滞納になるというのは、お説のとおり、まことにおかしいことなんでございますが、どういう人が滞納するかというと、要するに、経営がうまくいってなくて、いわば資金繰りとかなんとか、全体が火の車だというようなところが滞納するわけでございまして、それは当然国税徴収法によって、差し押えその他の保全の処分もいたしますけれども、やはりそういう場合には、ついつい倒産してしまったというふうな事例がたいへん多いわけでございます。そうしますと、国税と他の債権者とがそれぞれ優先劣後の関係で、どっちが先になるかということが、また徴収法上きまっておりますけれども、しかし、いずれにしても、残った財産を多数の債権者が分け合うということになりますから、国として百の債権を持っておりましても、百が百だけ全部保全されるとは限らないわけでございまして、そういう意味で、倒産してしまって、こっちが百の債権を持っておるけれども、他の債権者と全部合わせて向こうの財産をオーバーした債権があるという場合は、その債権者が分けることになりますから、それで百のうち三十なら三十を収納して、もうこれ以上どうしても取れないという場合には、いわゆる不納欠損として最終的には処理をするというわけでございます。源泉徴収の滞納がありますのは、特に最終的に取れなくなりますのは、主として、いま申しましたような企業が倒れるというような場合が圧倒的に多いと思うわけでございます。
 そこで、それまでの手続につきましては、たとえ小額な金額でありましても、まさにいま御指摘のように、原則としてはサラリーマンがすでに経営者に納めているわけでございまして、預けてある形になっておりますから、これは金額の大小にかかわらず、徹底的に、徴収法に定められた法律の手続の範囲内においてではございますけれども、徴収することにいたしております。
#72
○華山委員 先ほど私、数字の単位を一つ間違えましたけれども、源泉につきましては七十三億円、申告所得税につきましては三百八十二億円が滞納になっております。三百八十二億円の滞納でございますけれども、この中で一年を経過してしまった額は幾らになっておりますか。
#73
○高木(文)政府委員 華山委員のいまおっしゃいました三百何億というのは、ちょっと手元の数字と合わないのでございますが、何年度の数字でございますか。
#74
○華山委員 四十三年度末でございます。
#75
○宮内説明員 まことにおくれましたが、申告所得税の関係の四十三年度末現在滞納額は、約九百億円となっております。
#76
○華山委員 九百億円ですか。
#77
○宮内説明員 九百四億でございます。若干時間をいただきまして、すぐ検討いたしたいと思います。
#78
○高木(文)政府委員 たいへん失礼しました。先生のおっしゃいます四十三年度の年度末三百八十二億という数字は、申告所得税についての当該四十三年度分についての滞納と、それまでの滞納の合計額でございます。それをちょっとほかの数字で見間違えましたので、先生のおっしゃるとおりでございます。
#79
○華山委員 九百億というのは、間違いですね。
#80
○高木(文)政府委員 九百億というのは、収納未済額を含んでおりまして、滞納額ではありません。
#81
○華山委員 そうすると、この月報に出ておるのは、これは一カ年経過した分もみな残高ですから、全部含んでいるわけですね。
#82
○高木(文)政府委員 そのとおりでございます。
#83
○華山委員 そこで、とにかくその三百八十二億で一カ年を経過してしまった。四十三年度末までですから、四十二年度以前に発生したものは幾らありますか。
#84
○高木(文)政府委員 三百八十二億のうちで約百三十億ございます。
#85
○華山委員 申告所得税というものはいろいろなものがございますし、非常に徴収にも困難なものでございますから、源泉所得等とかに比べまして非常に多いということもわかるわけでありますが、ただ私、ふしぎに思うことは、世の中は一般に景気がよくなってきているわけですね。所得も潤沢になってきているわけですね。ところが、源泉所得につきましては、昭和三十八年と四十三年を比べましても、昭和三十八年には六十六億程度それから昭和四十三年度は七十三億程度で、二割程度の増加にすぎない。ところが、申告所得につきましては、昭和三十八年が二百四十五億、それから四十三年が三百八十二億というふうに、五割以上の増加を示しているわけです。法人税につきましても、これはむしろ滞納が減っておる、物品税につきましても滞納は減っておる。なぜこのような金回りのいいときに申告所得税だけが滞納額がふえているのか。その点、どういうふうに把握していらっしゃいますか。
#86
○高木(文)政府委員 所得税につきましては、最近課税額そのものの伸びが非常に大きいわけでございます。四十二年度では、申告所得税で三千二百六十六億円になっておりますが、四十一年度の申告所得税の課税額は二千五百六十六億円でございまして、約二割以上の伸びになっております。四十年から四十一年にいきますときには、四十年が二千二百十四億円でございますから、一割ちょっとの伸びになっております。課税額の総額が大きくなりますと、どうしても滞納のほうもよほど努力をいたしませんと、ふえてまいるという傾向になるわけであります。御指摘のように、四十二年度で滞納が非常にふえた理由は、そのベースになる課税額自体の伸びが大きかったからだというふうに考えます。
#87
○華山委員 法人税はほとんど滞納残高には変わりがないわけですから、いまのお話を聞きますと、所得税の中で、申告所得につきましては税金が多くなって、法人については税金を多く払わなかった。これは税制の関係かどうかわかりませんけれども、そういうことになっております。よくいう大法人、大企業等につきましては税が寛大であって、個人的な中小企業等における申告につきましては税が苛酷であるというふうなことは、あなたのいまのおことばの中から出てきませんか。
#88
○高木(文)政府委員 現実に法人税の場合と所得税の場合と比べました場合に、法人税の納税者はほとんど固定しておりまして、毎年申告をし、納付をしております。したがって、日ごろ事業をしておられるときから絶えず税金のことを頭に置いて考えておられるわけでありますが、所得税の場合には、たとえば譲渡所得であるとか一時所得であるとかいう税額がかなりの額になってまいります。そこで営業等で継続的に毎年納付をしておられる方については、法人とかなり事情が似たようなことになっておるわけでありますけれども、その他事業であるとか、その他所得であるとかいうものになりますと、必ずしも税のことについて日ごろから十分知っていて計算の中に入れているということではございませんので、この伸びが同じように二割なら二割という状態になる場合でも、私どもの経験では、どうしても所得税のほうが滞納におちいりやすい、いわば納税資金について日ごろからの御準備が、法人に比べると個人のほうができてない場合が多いためではないかと思います。いまの滞納の状況が、法人の場合と個人の場合と比べまして、法人のほうが滞納が比較的少なくて、個人のほうの滞納が急激にふえたということは、何か税の制度の上で差異があるのではないかという御指摘でございますけれども、私どもとしては、むしろそういった納税者のほうの税についての、日ごろ毎年納められる方とそうでない方との差によるものではないかということが大きな理由ではないかと思います。
 詳細に制度の上で申しますれば、所得税のほうは、累進課税になっておりますので、所得が倍ふえましても税額は倍以上ふえてくる、法人のほうは、比例税率になっておりますから、去年より事業が倍伸びたという場合でも、大体税は倍でいいということで、見当がつきやすいわけでございます。個人の場合は所得が倍に伸びたら税額は倍以上伸びますから、大体このくらい納めればいいのじゃないかと思っておられる腹づもりがどうも合わない場合がよくありまして、どうしても滞納になる率が、法人よりも個人のほうが多いように思うわけでございます。
#89
○宮内説明員 ちょっと補足させていただきたいと思います。
 大勢的にはただいま高木審議官が答弁いたしましたとおりでありますが、法人税の収納状況を見てまいりますと、その六〇%を占めますものが資本金一億以上の大法人でございまして、その収納率が非常にいいわけでございます。そういったことが、収納未済、滞納、不納欠損、すべての点において法人税の収納がよくなっている大きな理由であろうかと思います。
#90
○華山委員 いま一つ数字を引きますけれども、昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書が出ております。これと滞納額というものと収納未済額というものとは一致いたしませんけれども、これによって見ましても、徴収決定済額に対しまして、一々数字を言うのはやめますが、源泉所得税につきましての収納未済額は〇・五%、申告所得税の徴収決定額に対する収納未済額は一二・五%、それから法人税のことにつきましては、徴収決定額に対する収納未済額が三・五%、これから見ましても、源泉所得税というものが、源泉所得を納めている人が、税の面において国にいかに忠実であるかということなんです。
 私は、この意味におきまして、源泉所得税者というものにつきましては、もっともっとめんどうを見てしかるべきものじゃないか。税制の基礎控除の面、そういう面から見ましても、とにかく、ほかに比べまして格段に低い率を示しておるわけです。そのうちに、いかなる事情があろうとも、親が死のうとも、病人が出ようとも、年度末に調整するということは別にいたしましても、もう自分の月給袋からは引かれているわけですね。ことしは親の不幸があったから、どうだから、ひとつ来月に回してくださいというふうなことはできない。ところが、よそではできて、そして収納未済額が大きい。こういうふうなことになるわけです。
 私は、いろいろな問題がありますけれども、そういう面につきまして、源泉所得税のあり方につきまして再検討をひとつお願いしたいような気持ちで一ぱいなわけであります。法人所得税が三・五%ですね。それから相続税が二一・一%、これは制度上、いろいろな延納等を認めていらっしゃるわけでしょうからいいと思っておりますが、中に揮発油税及び地方道路税の受け入れ金についてのこの収納未済額が多いというのは、これはどういうわけでしょうか。
#91
○高木(文)政府委員 ただいま御指摘の国税収納金整理資金の収納未済額については、先ほど宮内部長がお答え申し上げましたけれども、これは延納を含んでいるわけでございます。滞納にならない延納を含んでいるわけでございます。
 そこで、現行延納制度は、税額の二分の一を納期までに納めていただきますれば、三カ月先まで延納できるということになっております。ところが、源泉所得税の場合は、すでにいわゆるサラリーマンから経営者が受け取っておるわけでありますから、それを納めてもらわなければいけないことになっておりますので、延納制度がないわけであります。したがって、ここにあがっております収納未済額の中に占める――数字が手元にございませんで申しわけございませんが、収納未済額に占める延納の額がたいへん違っておりますので、そういう意味で、所得税と法人税の場合は収納未済額が非常に高く出る。揮発油税も同様でございまして、これは揮発油税につきましても、消費者に転嫁するのが本来のたてまえでございますから、消費者がガソリンを買って、そしてそれをメーカーのほうに送ってくるという時間がかかる関係がございますので、本来消費者が負担すべき税であって、課税は蔵出し課税、移出課税でございますから、そこで揮発油税についても延納が認められているものでございますから、それで揮発油税と申告所得税と法人税については収納未済額が大きく出ているわけでございます。
 なお、特に法人税、揮発油税につきましては毎月決算期が回ってまいりますから、したがって、納期も一年中やや平均的に回ってくるわけでありますが、申告所得税は三月十五日というのが年一回でございますから、そこで半分納めて半分延納しますと、非常に大きな額が、年度末の姿では収納未済額に大きく出てくるという関係にあるわけでございます。
 ところで、いまいろいろなこと等の関連上、サラリーマンに対する税制がほかの者に比べて重いのではないかということの御指摘がございましたが、私どもも、その点につきましてはいろいろな意見を税制調査会その他で大いに議論していただいて、そして本年度の税制改正にそれを織り込ませていただいたわけでございますが、本年度の税制改正におきまして、内容は三つございますけれども、そのうちの一つとして、サラリーマンに対するいわゆる給与所得控除の定率部分の引き上げを相当やっております。基礎控除、配偶者控除、扶養控除等につきましては、サラリーマンに限らず、すべての所得税の納税者に一様に減税になるわけでございますけれども、また税率の緩和につきましても、どの所得税の納税者につきましても一様に減税になるわけでございますけれども、給与所得控除額をふやしました場合には、それによって利益を受けるのはサラリーマンでございます。まさに華山委員御指摘のように、もう少し給与所得者について配慮すべきだという一般の御意見に従って、給与所得控除を上げることによって、サラリーマンについての課税の緩和と申しますか、それにはかなり本年度の改正では努力をした――本年度と申しますのは四十五年度でございますけれども、かなりウエートを置いたつもりでございます。なお、今後も、この問題は他の所得者とのバランスを考慮しながら十分考えていかなければならない問題であるというふうに考えております。
#92
○華山委員 基礎控除も重要な問題ではありますけれども、いままで申し上げた統計等から見て私感じますことは、やはり源泉徴収につきましても、個人個人の特別の事情のあった場合の延納、そういうようなことについても考慮されていい問題じゃないか、そういうふうにも思われますので、ひとつ、その点につきましてあまり論ぜられたこともないようでございますので、御検討を願いたいと思うわけであります。
#93
○高木(文)政府委員 まさに、サラリーマンで、たとえば病人が出たとか、そういう場合に、現行源泉徴収制度では特別な配慮をすることは考えられておりません。サラリーマン自身が雇い主に納めるものについての特例措置はないわけでございます。ただ、私どもとしては、その問題は別途企業内部の問題として、企業内部における貸し付け金とかあるいは共済金であるとか、そういう方法でいまのところは処理をしていただいているものと思っておるわけでございまして、それでまかない切れない部分があるということになりますれば、あるいは御指摘のような問題が起こってこようかと思いますけれども、現在の段階では、やはりその部分は企業内部の貸し付け金なり共済金なり、その他の諸制度の運用でやっていただけないものだろうかというふうに考えているわけでございます。
#94
○華山委員 それで、滞納の問題につきましていろいろなことがあるわけでございますが、この長年の間の滞納というものは、私は、脱税によって起こった、その脱税があって、その後の追徴に応ずることができなかったというふうなものが多いんじゃないかという気持ちもするわけであります。
 それで私、ここで伺いますけれども、これは国民が関心を持っている問題でありますから、この脱税の問題のあった個々の問題について、一体どういうふうになっているのか、このことにつきましてひとつ伺っておきたい。
 個々に申し上げます。田中彰治氏の問題森脇文庫、森脇個人の問題、興亜建設の問題、これはあったかどうか、私ちょっとわかりませんが、あったような気持ちがいたしますが、吹原産業の問題、共和製糖の菅貞人さんの問題それから、最近におきましては日通、日大、勅使河原氏の問題、これにつきまして幾ら課税されたのか、その整理され、現在残っておる整理残は幾らあるのか、それから、この整理残に対しまして保全はどうなっているのか、今後の見通しがどうなっているのか。一つ一つについて、ずいぶん長い間のことでもございますので、お聞きしておきたい。
#95
○宮内説明員 ただいま脱税事件に関する滞納関係、これがどうなっておるか、こういう御質問でございますが、その前に一言お断わりいたしておきたいと思うのであります。
 私ども税務局員は、一般公務員よりもそのうちの非常にきつい守秘義務を負っておりまして、そういう意味では、一般的な個別の内容につきましては、国税庁といたしましてこれを申し上げることは従来から控えております。ただ、御指摘のように、脱税事件に関しましては、当時の新聞等にも喧伝されましたので、その限度でひとつ御容赦をお願いしたいと思います。
 まず、一般的に脱税の事件が起きますと、いわゆる国税局の中に査察部がございまして、ここで十分国犯法上の調査をいたします。そこで調査をいたしまして、所要の告発その他の手続をとるわけでございますが、この課税あるいは税の徴収という観点につきましては、税務署長がその査察の資料を受け継ぎまして、独自の調査をいたしました上、徴収決定をする、そして本人脱税関係でございますので、いわゆる納期限の指定を、たとえば繰り上げ請求といった形で出しまして、できるだけそういった収納が無にならないように、そういった配慮をいたしておるわけでありますし、これが不幸、滞納になりましたような場合は、専門家を当てまして、早期にこれが納まるような措置をいたしております。
 そこで御指摘の関係になりますが、先ほど申し上げしまたような限度で概括的に申しますと、まず、一番の田中事件でございますが、これにつきましては、所要の告発をいたしました上、約三億八千万の徴収決定をいたしまして、現在滞納が二億二千万ございます。
 それから、御指摘の順序どおりにはまいりませんが、共和製糖事件に関しましてはほとんど問題なく、滞納がございませんが、その一部であります農林開発につきましては、延滞税関係の滞納がございます。
 吹原産業事件の御指摘がございましたが、これにつきましては、欠損でございまして、法人税の課税の関係はございませんので、そういう意味で滞納の問題はございません。
 日通事件につきましては、すでに脱税事件としてではなく、通常の課税調査を行ないまして、これにつきましては滞納がございません。
#96
○華山委員 個人のやつもないですね、重役等について……。
#97
○宮内説明員 個人等についてはあとで申し上げます。
 それから日大関係、これにつきましても滞納はございません。
 森脇事件のいわゆる株式会社森脇文庫、これにつきましては、東京地検の捜査のあと、所要の課税決定をいたしまして、徴収決定額五十八億余りでございますが、このうち二十五億が滞納になっております。
 日通関係につきまして個人の御指摘がございましたが、これにつきましては、すでに告発を終え、起訴いたしております田村倫之輔、この関係につきましては約二千九百万の滞納が残っております。
 御指摘の点、以上のとおりでございます。
#98
○華山委員 何だか少しものを言いたくないようなことを言っているような気がして、わからないのですがね。新聞にも出たことですから……。おっしゃる方の口の問題かもしれませんけれども、何だかよくわからないのですが……。
 ちょっと聞きますが、田中彰治氏につきましては幾らに決定したのですか。
#99
○宮内説明員 これにつきましては、昭和三十八年から四十年の所得につきまして、約三億八千万円の税額でございます。
#100
○華山委員 そのうち、いままで納まったものは。
#101
○宮内説明員 一億六千万。
#102
○華山委員 残りの二億二千万円はどういうふうに保全していらっしゃいますか。
#103
○宮内説明員 それにつきましては……。
#104
○華山委員 それにつきましては言えない……。
#105
○高木(文)政府委員 私は主税局の担当でございますので権限外でございますけれども、実は承知しておりますから申し上げますけれども、不動産の差し押えで保全をいたしております。
#106
○華山委員 それから、また重ねて申し上げますけれども、森脇文庫はいかがに決定になって幾ら納まったか。
#107
○宮内説明員 森脇文庫につきましては五十八億三千万、これは延滞税を含めてでございます。これにつきまして、すでに三十二億九千万収納等の整理を終えまして、差し引き約二十五億三千万の残がございます。
#108
○華山委員 この保全はできておりますか。不動産を押えてあるのですか。
#109
○宮内説明員 もちろん、これにつきましては十分保全の措置をとっております。ただ問題は、財産等に関しまして、第三者等の間に訴訟が別途ございますが、これにつきましても問題はないかと思います。
#110
○華山委員 森脇個人もあったわけですね。
#111
○宮内説明員 これにつきましてはきわめてわずかでございまして、申し上げるほどのことはございません。
#112
○華山委員 興亜建設はどうなっておりますか。
#113
○宮内説明員 興亜建設につきましては、九億九千万の徴収決定をいたしまして、現在全額が滞納になっておるわけでございます。
#114
○華山委員 全額滞納ですか。
#115
○宮内説明員 これにつきましては、実は課税につきまして不服の申し立てがございまして、そういった意味で徴収の事務が進まない、こういったわけでございます。
#116
○華山委員 日通につきましては、会社じゃなかったけれども、何か個人的にはあったと思いますが、これはどのくらいになっておりますか。
#117
○宮内説明員 それが、先ほど申しました田村倫之輔の関係でございまして、これにつきましては、現在二千九百万の滞納が残っておる。これにつきましても、課税につきまして不服の申し立てが出ております。
#118
○華山委員 不服の申し立てがあるからまだ納まってないわけですか。
#119
○宮内説明員 そうでございます。
#120
○華山委員 それから、日大のほうについてはどうなったのですか。
#121
○宮内説明員 日大につきましては、当時新聞に出ておりましたとおりで、約十億円の追徴税を要するところ、大学のほうで自主的にこれを全額納付いたしましたので、滞納という点では問題ございません。
#122
○華山委員 これは源泉所得ですね。
#123
○宮内説明員 そうです。
#124
○華山委員 それから最近のことで、何か勅使河原蒼風会ですか、主体はわかりませんけれども、これはどのくらいの決定をなすったのですか。
#125
○宮内説明員 御指摘の案件につきましては、ただいま調査中でございまして、まだ申し上げる段階ではございません。
#126
○華山委員 新聞に出たじゃないですか。
#127
○宮内説明員 これは査察に着手をした、そういった報道があったかと思います。
#128
○華山委員 金額が出ておりましたよ。
#129
○宮内説明員 私どものほうでは一切発表しておりません。
#130
○華山委員 新聞記者がかってに書いたんだ、そういうことになりますか。
#131
○高木(文)政府委員 査察の場合には、着手をいたしますと、実は新聞社のほうから、どうなっておるかといって御質問がございます。そこで、これに対しましては、着手直後で、つまり犯罪といいますか、査察も、一種の犯罪でございますので、犯罪の捜査段階でございますから、公式には全く何も言えない――調べが終わらなければ言えないということになっているわけでございますが、いろいろなところから、想像といいますか推定をしてお書きになる、金額が入らないと記事にならないということで、そういうことになっておるのでございます。
#132
○濱野委員長 華山君に申し上げますが、きょうは大蔵省の担当責任者が何かの都合でおいでにならないので、明確を欠くんだということですから、あらかじめ了承の上で質疑してください。
#133
○華山委員 吹原事件があったのですが、それは吹原個人ですか、吹原事件関係の会社ですか。これは滞納ではないとおっしゃいましたね。
#134
○宮内説明員 吹原産業事件は、新聞によりますと、事件としては吹原産業株式会社の問題であったかと思います。これにつきましては、以後欠損法人でございまして、これにつきましては、課税がございません。そういった意味で、滞納は問題にならないと思います。
#135
○華山委員 共和製糖のことで、菅貞人という人がいろいろ脱税とかなんとか相当言われましたが、これもないのですか。
#136
○宮内説明員 共和製糖事件といたしましては、先ほど申し上げたとおりでございまして、菅貞人個人につきましては、御本人の申告所得の関係で八千七百万、約九千万の徴収決定をいたしておりますが、これにつきましては滞納額はございません。
#137
○華山委員 みんな納めてある……。
#138
○宮内説明員 そうでございます。
#139
○華山委員 共和製糖自体は脱税はなかったですね。
#140
○宮内説明員 先ほど申し上げたとおりでございます。
#141
○華山委員 吹原産業は、この個人にもこの会社にもないのですね。
#142
○宮内説明員 吹原御本人につきましては、会社からの給与の関係だけでございまして、特に問題はございません。
#143
○華山委員 給与の源泉所得を納めてないというわけですか。
#144
○宮内説明員 給与所得だけでございますので、問題はないかと思います。
#145
○華山委員 会社のほうはどうなっておりますか。
#146
○宮内説明員 会社のほうは、先ほど申しましたように赤字会社でございます。
#147
○華山委員 長くなりましたので、大体これで終わりますが……。
#148
○濱野委員長 華山君、担当責任者がきょうおいでにならないので代行しているらしいから、後日また、ゆっくりこまかく聞く必要があったら、そのときにしてください。
#149
○華山委員 私は開発銀行にお聞きしようかと思っておったのですが、時間がありませんので、それでは、きわめて簡単にお伺いいたします。
#150
○濱野委員長 何か査察部長が間違っておるそうですから……。
#151
○宮内説明員 ちょっと補充をいたしておきたいと思います。
 吹原産業につきましては、源泉所得の徴収の関係を言及されましたが、これにつきましても滞納はございません。一言ちょっと……。
#152
○華山委員 それで、開発銀行のほうからお答えくださっても、大蔵省のほうからお答えくださっても、しかるべくお答え願いたいのでございますけれども、ことしの三月十七日に、予算委員会の第四分科会で、土地の開発に対することにつきまして、私はきわめて小さな部分でございますけれどもお聞きしたことがございます。
 それは「長期の低利融資、たとえば開発銀行の融資というものが兵器産業にはあり得ますかどうか。」こういうふうにお伺いしたところが、赤澤さんが――赤澤さんは通商産業省の重工業局長さんでいらっしゃいますけれども、この政府委員がお答えになりますには、「御承知かと思いますが、武器産業に対しましては、昭和十九年度から経済援助資金特別会計、普通にはMSA資金、こう申しておりますが、これから融資ができるという道が開かれております。ところが、この特別会計が会計制度簡素化の趣旨によりまして昭和四十三年度以降は産業投資特別会計に統合されております。そういったことから、日本開発銀行の一般融資ワクから、いままでMSA特別会計へ出しておりました資金が出されているという仕組みになっております。したがいまして、今後この武器産業に対しまして日本開発銀行から全く融資をしないということにはならないと思っております。」こういう答弁をしていらっしゃるわけですが、私にはよくわからないですね。これがMSAの関係と開発銀行の関係、それからMSAには一つの融資の目的がついておるわけでございますが、この関係をひとつ大蔵省でもお答え願いたい。
#153
○岩尾政府委員 兵器産業に対する財政資金の供与の問題でございますが、いまお読みいただきましたように、従来は経済援助資金という会計を、アメリカとの協定によりまして、余剰農産物の買い上げ資金の二割というものは贈与するということになっておりまして、大体金目といたしましては一千万ドル、三十六億限度でこれをもらいまして、そして、それをアメリカとの合意に基づいて、基本的な運営方針につきましては閣議等で決定をいたした上で運営をするということを三十年以来やっておるわけでございます。
 ところが、いまお話しになりましたように、四十二年に、いま申しましたもらう金というのは、最初もらっただけであとはもらわないわけですから、したがって、これを特別会計で運営したって意味がないではないかということになりまして、お話しになりましたように産投へ引き継いだわけでございます。その間、いま申しました合意に基づいて兵器産業に貸し出しております額が、大体六十四億円ぐらいに回ったかと記憶いたしております。なお、日本航空機製造に、別途その運用の範囲内で四十億円の出資もいたしております。
 そういう結果の上で、四十二年に産投に引き継いだわけでございますが、その引き継ぎました際には、経済援助資金特別会計におきましては五億四千八百万円の貸し付け残高というものと、四十億円の出資というものと、現金が六千百万円ほどございました、これを引き継いだわけでございます。引き継ぎましたあとは、開銀のほうで――それまでは、いま申しましたような援助資金を通じまして開発銀行に貸し付け、そして開発銀行はまたそれを別勘定で兵器産業に貸し付け、またその返済をするということを繰り返しておったわけでございますけれども、四十三年度からはその別経理も一切やめまして、いま申しました五億四千八百万円の返済を開銀のほうから産投にいたしていただくというだけになりまして、四十三年度からは、四十三年度は一億円、四十四年が二億円という一まあ兵器産業というのは非常に概念規定がむずかしゅうございますけれども、それに類するようなたとえばプロペラとかあるいは主翼だとか、そういうような航空産業のようなもの、あるいは電子機器産業というようなものに一般ワクの中で貸すということをやっております。それ以外は、財政資金のほうで兵器産業に対して手を打っておるということはございません。そういう状況でございます。
#154
○華山委員 そういたしますと、もうお金がなくなったからこの特別会計はやめて、ということになるわけですが、開発銀行では、いままで貸した金の償還といいますか、そういう仕事はやっていらっしゃるわけでございますね。
#155
○石原説明員 お答えいたします。
 先ほど理財局長のお答えにございましたように、合計六十三億三千七百万円の金を経済援助資金特別会計からいただきまして貸し付けをいたしております。返済がございまして、引き継ぎ現在のときには五億四千八百万円、四十四年度末におきましては四億七千四百万円というのが現在の貸し付け額でございます。
#156
○華山委員 そうしますと伺いますが、この援助資金というものは、性格がそういうものだったのか。しかし、予算の説明書等によれば、これを特別会計にしておくだけの価値もなくなったから、これはもう財投に吸収した、こういうふうなことでございますけれども、武器等に融資をするというその性格は、これは金額のワクにとらわれずに開発銀行に移されたわけですか。
#157
○岩尾政府委員 私らはさように解しておらないわけでございます。
 援助資金は、先ほど申しましたように、工業の助成、経済力の強化ということが目的で協定ができまして、実際上にこれを配分いたしますときには、アメリカと日本との合意に基づいてやってくれということが条件で三十六億円を限度とした金がもらえる、贈与されるということになったわけでございます。その限りにおきましては、その金の運用については、アメリカと日本との合意の上で正しい方向に金を配分していこうということをやったわけでございます。ところが、いま申しましたように、最初金をもらって、あとはもう全然金は入ってこないわけですから、そういう状況になれば、これは持っておく意味もないではないかということで産投会計のほうへ引き継いだわけでございまして、それ以後、兵器産業に対してどういうような態度で臨むかということは、政府は一切きめてもおりませんし、表明もいたしておりません。
 それで、先ほど申しましたように、したがいまして、開発銀行といたしましては、この関係の金は、先ほど先生のおっしゃったように、開銀から貸しておって、なお返ってこないものがあれば、これは当然取り立てなければいけませんけれども、新しく貸すということはいたさない。そして、先ほど申しましたように、特別ワクでなくて一般のワクの中で、しかもそれも新しい技術、新しい設備等の開発のための新技術のプロジェクトというものに対して貸すんだという考え方で、一般資金の中で一億円、二億円というものを貸してまいっておる、これからもそういう方向でいきたい、こういうふうに考えております。
#158
○華山委員 くどいようですけれども、私が心配いたしますのは、そのMSAの性格というものはそのまま開発銀行に移ってしまったんだ、したがって、開発銀行は一般ワクの中で融資をしてもいいのだ、融資することもあり得るんだというふうに答弁が見えますので私はお聞きしたわけでございますけれども、いまのお話では、そういうことはあまり考えられないというふうに解釈していいわけでございますか。
#159
○岩尾政府委員 その通産省のほうの御答弁は、私の読んだ限りでは間違いであると思います。私の申したのが正しいのでございまして、開銀がMSAのそういったような考え方を継承しておるということはございません。
#160
○華山委員 もう一点だけ伺いますけれども、あのアメリカからの見返り資金というのですか、エロア、ガリオアのあれは返すことになっておりますね。返す額もきまっておるわけです。それで、あのガリオア、エロア資金というものは、開銀が、いま資本金等に入っているわけですけれども、あれを運営した範囲内において、それによって運用利益の中から返すんだ、こういうふうに私は考えておりましたけれども、それでよろしゅうございますか。
#161
○岩尾政府委員 ガリオア、エロアの返済につきましては、三十七年でございますか、協定をいたします際にいろいろ議論がございまして、これを債務と観ずるのか、あるいは贈与と観念するのか、この辺の議論もございますし、債務と観念した場合に、どれだけを債務と観念するのか、あるいは、これを債務と観念して返すとすれば、どういうやり方で返していくのかということが、いろいろな議論がされたわけでございます。
 大体その議論の結果、現在政府が持っております考え方は、ガリオア、エロアにつきましては、二千八十五億円というものを債務と考えます。これは利子を入れてでございます。そういうものを債務と観念いたしまして、これはいま申されましたように、開銀に対しますそういう資金からの出資もございますが、その後、二十八年から三十七年までの間にいろいろ運用いたしております。したがって運用益も出ております。したがって、ちょうど三十七年に考えました段階では、全体のそういう運用益まで入れた金は四千億円くらいになっておったわけです。したがって、当然これを返しただけで返せるわけでございますけれども、日本政府としての考え方としては、せっかくそういうことで積み立てたものでもあるから、その元本は残しておきまして、なお今後十五年間に開銀等で運用されて出てまいります利益金でもって返済をしていこう、開銀は政府から出資を受け、さらに資金運用部から安い金利の金を借りて、一般の産業の開発あるいは経済の復興のための長期資金の供与をやっておるわけでございますから、そういった利回りと資金コストの間で運用益が生じてまいります。これが一種の開銀納付金という形になるわけでございます。その開銀納付金と、従前開銀に対しましてガリオア、エロアから貸し付けておりました貸し付け金、この両方を返していくことによって元本には手をつけないで返せるという計算をそのときにいたしまして、現在それを実行中でございます。
 念のために申し上げますと、二千八十五億円の債務のうち四十四年度末で千百八十五億円返しておりますので、あと九百億円が残っておる、こういう状況でございます。
#162
○華山委員 それじゃ、この資金につきましては、特別会計のような、特別資金のようなワクで考えていられて、その運用資金によって元本と利子の支払いをやっておる、それで間に合っておる、こういうことでございますか。
#163
○岩尾政府委員 したがいまして、その際には、開銀納付金あるいは開銀への貸し付け金の返済等によって十分まかなえるという計算をいたして計画を立てたわけでございますが、実行上も、いま申しましたように、二千八十五億円のうち千百八十五億円というものはもう返してしまっているわけでございますから、なおその状況で、開銀納付金につきましては、毎年毎年われわれが協定いたしました額よりも多額の納付金が入った年もございますし、そういうものを差し引きますと、今後におきましても、元本は残しておいて、運用益をもって返済していくということは可能であろう、こういうように考えます。
#164
○華山委員 くどいようですけれども、なお念のためにお聞きしたいのですが、しかし、開銀の納付金の中にはこのガリオア、エロアのほかにあるわけでしょう。それを全部含めてなんですか、この分に関しての運用益なんでございますか。
#165
○岩尾政府委員 開銀の納付金は、ちょうど三十七年のときに約百三十億円ございました。それを案分いたしまして、開銀の出資の中で、ガリオア、エロアに関連するものが大体八七・七三%という計算ができましたので、概念上でございますけれども、百三十億円に八七・七三%をかけましたその分だけがほんとうの開銀の返済金ということで、八七・七三%をかけたものが実際には返す金である、そういうふうに観念いたしておったわけでございます。
#166
○濱野委員長 西中清君。
#167
○西中委員 最初に大蔵省のほうにお伺いします。
 この前の委員会で同僚議員から問題になりました、また官公労でも問題になっておりますが、国家公務員共済組合連合会の理事でありました栗田氏の問題について、前回大蔵大臣にも質問いたしておりますので、事実であれば非常に問題だ、善処するというお話でございましたので、経過と、その後の調査の結果をまず最初にお聞かせを願います。
#168
○谷口説明員 先般の衆議院決算委員会におきまして、鳥居先生から御指摘のありました栗田元連合会常務の事件に関しまして、その後事実を調べました。
 まず、事実関係といたしまして最初に御説明を申し上げます。
 まず、裁判関係でございますが、これは愛甲原――神奈川県でございますが、愛甲原の分譲地を当時連合会でやっておりましたが、この分譲地に関連をいたしまして、収賄容疑で四十一年の三月二十二日東京地裁に起訴をされております。第一審は、昭和四十三年四月八日でございます。懲役八カ月、執行猶予三年、追徴金十万円という形になっております。第二審は、東京高裁昭和四十四年六月十六日、これは控訴棄却、直ちに上告し、現在最高裁に係属中でございます。
 次に、身分、給与関係でございますが、栗田元常務は、常務時代、常務理事といたしまして給与月額十五万円をもらっておりました。先ほどの起訴事実とも関連をいたしまして、四十一年五月二十八日依願免になっております。そういたしまして、昭和四十一年六月一日、これは嘱託という形で発令を受けております。嘱託手当は月額十二万円、こういう形になっております。昭和四十五年三月十七日嘱託を解かれて現在に至っている。こういう状況でございます。
#169
○西中委員 そういたしますと、四十一年に刑事事件を起こして、一審、二審とも有罪、四十四年六月には最高裁に上告している、この間、四十一年五月に刑事事件で起訴されたために退職し、翌月非常勤の嘱託、こういう形ですね。そして月額十二万円の手当を受けておる。
 ここで問題は、刑事事件で起訴された場合に、役員については何か規定はないのか。職員の場合には、国家公務員法において、当然これはそれぞれ手当がきまっておる、ところが役員の場合はその点がはっきりしておらない、こういうことであろうと思います。
 ここで、刑事事件で起訴されて退職した者を、まず第一に、なぜ嘱託にしたのか、どうしてこの手当をきめたのか、この点を聞かしていただきたいと思います。
#170
○谷口説明員 お答えをいたします。
 御質問がいろいろございましたけれども、大体こういうことで理解をさせていただいてお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、事件を起こした者に対しまして、一般職員には減額規定があるけれども、役員には当該規定がない理由、これはどうだということ、それから、栗田元常務が愛甲原事件に関連して退職をしたけれども、嘱託として再採用したのはなぜか、こういう理由、それからその次に、役員の当時の給与関係、これがどうなっているか、こういうことだと思いますが、そういう順序に従いましてお答えさせていただきます。
 御承知のとおりに、公務員の場合、刑事休職の場合は百分の六十以内でございますけれども、一般職員につきましては、一年未満の場合は三分の二、一年後になりますと三分の一という形になりまして、国家公務員共済組合連合会の就業規則にこのような規定が公務員に準じてございますけれども、役員につきましては、職員と異なりまして、このような規定はございません。
 それは、それじゃどういうことか、こういうことでございますけれども、本来、役員というのは、その事務を責任的に遂行しているものでございます。したがいまして、このような事件が起きた場合は、役員はみずから出所進退を決するということが筋かと思います。したがいまして、そういう考え方から、このように、役員について休職、あるいは、そういうことに伴う減額規定がない、このように考えております。同様にといいますか、この種の事件についても、本人は事件後辞職をしております。
 ただ、先ほど事実関係で申し述べましたように、本人はその後再採用といいますか、嘱託という形で再採用いたしております。これは実は、先ほど事実関係を申し述べました際に申し述べましたが、一審、二審、確かに判決が下っております。現在上告中でございますが、再採用した時点では、少なくとも当時まだ事件について未解決であった、少なくとも有罪を信じていなかったということも含めましてこの再採用をしたということでございますが、ただ、先ほど申しましたように、本人はかなり長い間連合会につとめておったわけです。そこで、実務に精通し、経験も豊富ということも考えまして、これを活用するということで、特に嘱託として採用したものだと聞いております。
#171
○西中委員 いまの問題ですけれども、要するに、裁判の判決が出ない場合はどういうことがあったってかまわないという意味ですか。
#172
○谷口説明員 刑事事件が事実起こっておりますけれども、まだ裁判が確定をいたしておりませんので、先ほど公務員の場合あるいは一般職員のことについて申しましたけれども、この場合には、罷免という形ではなくて刑事休職という形にしてそのままにしております。本件の場合には、先ほど申し上げましたように、まず辞職という形で処理をいたしております。先ほど申しましたように、実務に精通しておるということもありまして、この人を再採用して活用しょうということで当時の理事長は考えたようでございます。
#173
○西中委員 この問題ですが、職員の場合は直ちにこういう処分が行なわれる、ところが、役員の場合はそういうふうにならない。法的なこの規定の精神というものは、これは当然問題だからこういうふうになる。ところが、役員の場合はなぜほっておいて嘱託という形にしたのか。その辺がはっきりしなければだめじゃないですか。説明にはならない。
#174
○中川政府委員 この問題につきましては、前回大臣もお答えいたしておりますとおり、決して好ましい問題でないというよりは、遺憾しごくな扱いであったかと存じます。そういう事件を起こして、判決がない場合は何をしてもいいのかという御指摘でございますが、先ほど説明いたしましたように、理事という重要な職をやめておるということはかなりきびしい措置である。月給についても十五万円から十二万円ということになると、二割方は実質的減俸というかっこうになっておる、しかも、身分的には嘱託という、理事とは相当変わった処分が実質的にはなされておる。この辺はひとつお認めをいただきたいと存じますけれども、いずれにしても、一審、二審有罪になった者がこういった形でやったということは、御指摘のとおり好ましいことではございませんので、これらについては今後十分検討してまいりたい、こういうふうに存ずるわけでございます。
#175
○西中委員 もう一度お尋ねしますが、いつまでつとめておりましたか。
#176
○中川政府委員 ことしの三月十七日まで嘱託としておりました。
#177
○西中委員 いまのお話によりますと、かなりのきつい処分であるというお話ですけれども、一審も二審も有罪で、なおかつつとめておるということですよ。これはどういう考えなんですか。
#178
○中川政府委員 その点は、御指摘のとおり、少なくとも二審が出た段階においてやめさせるべきであったと反省をいたしておるわけでございます。
#179
○西中委員 ということは、これは大蔵省としては非常にまずかった、こういうことですね。特に、四十一年当時のこの組合の連合会の理事長はだれであるか、それから、その後の理事長はだれなのか、この点についてはっきりしていただきたいと思います。
#180
○中川政府委員 事件を起こしました当時は今井一男という理事長でございました。昭和三十三年から事件のありました四十一年を経て四十二年九月一日までつとめております。四十二年九月一日からは、この間やめました中尾博之が四十五年五月一日まで理事長にあったわけでございます。
#181
○西中委員 いまおあげになった皆さん方のもとの職業といいますか、これは大蔵省の方じゃないですか。その役職を……。
#182
○中川政府委員 御指摘のとおり、今井一男は大蔵省の給与局長をしておりましたし、中尾博之理事長は理財局長でございました。
#183
○西中委員 こういう問題を起こして、その処分について非常に甘い。しかも、その当時の理事長を聞いてみますと、いまお話があったとおりに大蔵省の皆さんです。こういう事件があったとしても、やはり同じ仲間だ、そうした点で、同情なり、ないしは処分に対して非常に甘い裁量が行なわれた、こういうように私たちは感ぜざるを得ない。こういうことでは、こうした問題について幾ら綱紀粛正といってもだめじゃないか、おそらくそうしたところで甘い処分が行なわれておるのじゃないか、このように思いますが、どうでしょう。
#184
○中川政府委員 その点は御指摘の点が当たろうかと存じますが、先ほど答弁がありましたように、栗田その者がかなり経験が豊かであったというところから活用しようという面も、これは言いのがれになるかと存じますが、あったようでありますが、いずれにしても、大蔵省出身であった者を大蔵省がまた監督の立場にあるわけですから、そういったような御指摘のないように、今後はひとつ厳重にやらしたいと、大蔵省としても反省いたしておるところであります。
#185
○西中委員 これはほんとうにどう考えてもおかしなことであって、一般社会では通用しないことです。十五万円の月給を十二万円、たいへんな減俸だというような話ですけれども、われわれ庶民から考えれば、こんなものはたいへんなものですよ。処分どころの話じゃない。これは優遇じゃないですか。
 そこで、これを嘱託として採用して手当を支給するという根拠は、何かあるのかどうか。この点、どういう規定で十二万円出したのか。
#186
○谷口説明員 嘱託手当という形で出ております。
#187
○西中委員 十二万円ときめたのは、一体だれなんですか。どこできめたのか。
#188
○中川政府委員 これは理事会の議を経て、理事長が決定するというかっこうになろうかと存じます。
#189
○西中委員 理事会という話ですが、私が聞いておるのは、理事会ではない。
#190
○中川政府委員 失礼いたしました。理事長の専決事項だそうで、理事長が決定いたしたものであります。
#191
○西中委員 そのように理事会でもきまっておらぬ、理事長の専決でこれをきめた。こういうように、こうした問題に関して大蔵省並びに連合会のやり方は非常にあいまいで、私たちは十分納得できない。
 先ほど政務次官からも、これはまずかったというお話もありましたから深くは追及いたしませんが、ここで政務次官にお願いしたいのは、職員の場合には厳重な規定がある、しかしながら役員の場合には規定がない。先ほどなぜか、これについては基本的な姿勢というものは説明がなかった。まずこの一点と、今後これをつくるか、つくらないか、この点について回答を願いたいと思います。
#192
○中川政府委員 先ほど給与課長が申し上げましたように、職員についてはそれぞれ規定がございますが、理事諸君については、自主的な判断に基づいて進退を決するという期待的なことから規定がないようでありますが、この点は、やはり今回の問題を契機として、ひとつ検討してみなければならないというふうに思っております。今回の場合も、自主的には退職をした、それが嘱託という形でもぐっておったというところに問題があるわけでありますので、これは例外的なこととは思いますが、率直に反省をいたしまして、どちらにしても、二度とこういうようなことのないように厳重にして、御指摘にこたえたい、こういうように存じます。
#193
○西中委員 それでは、いまの政務次官のお話のとおり、ぜひきちっとこういう点については今後問題が起こらないように、また、国民が納得できるような規定なり、そうしたものをきちっとつくっていただく、このようにお願いをしたいと思います。大蔵省に関してはそれだけで終わります。
 次は、専売公社のほうにお願いしたいわけです。
 たばこの問題でございますが、専売公社は現在いろいろな問題をかかえておられると思います。たばこの需要というものは、現在世界的な規模で変化しておりますし、さらには有害説とか、また自由化とか、そうした問題が多々あるわけでございます。
 そこで、公社としては、こうした事態にどう対処しておるのか。また、私どもは消費者として、たばこを通じてたいへんな税金を納めております。その点、どのような納得できる経営をしておるのかどうか、また今後の方針はどうなのか。こういう点について、まず最初に概略的に伺っておきたいと思います。
#194
○遠藤説明員 お答えをいたします。
 ただいま御指摘がございましたように、専売事業、国内では健康問題等もございます。それから、国外では全体としての自由化というような問題等、内外にいろいろな問題をかかえておるわけでございます。したがいまして、公社といたしましても、そういった環境の中で極力企業体質の強化をはかるというふうに考えております。そのために、先年来、長期計画等も立てまして、体質改善のための各種の措置を講じておるわけでございます。
 一方、何にいたしましても、専売事業が立っていくためには、公社の製品が売れてもらわなきゃ困る、したがいまして、販売促進という面につきましても、極力消費者の意向等も十分しんしゃくをいたしながら需要にこたえていく、かように考えて、せっかく努力をいたしております。
#195
○西中委員 時間があまりないようなので簡潔に御回答いただきたいのですが、きょうは外国の葉たばこの輸入についてお伺いしたい。私たちが吸っておる日本のたばこの中にたくさん外国の葉たばこが入っておる、それだけに、その実態を国民の前に明らかにしていただきたい、これがきょうの質問の基本的な考えです。
 最初に、外国の葉たばこはどの程度輸入されておるのか、その点をまずお示しいただきたい。
#196
○遠藤説明員 外国の葉たばこの購入につきましては、四十四年度で申しますと、数量で三千八百六十万キロ程度を見込みまして、実績は若干それより不足しておりますが、さような数字になっております。
#197
○西中委員 輸入についてのシステムというか、経路について、アメリカの例をあげて説明をしてください。
#198
○遠藤説明員 アメリカの場合には、公社のほうの体制といたしまして、南部にありますが、ラーレイに事務所を置きまして、そこでいろいろ購買に際しましての基礎になる作柄なり、全体の市場の状況といったものを調査をいたしながら、本社でだんだん状況が判明いたしてまいりますと、米国の中に数社ございますサプライヤーからそのサプライヤーの在日代理店を通じてオファーを受けまして、そのオファーが私どもの要求いたします品質なり価格なりで適当というときには、本社で意思決定いたしまして代理店から購入する、大ざっぱに申しまして大体そういうことであります。
#199
○西中委員 そういたしますと、サプライヤーが買って、それは商社が日本に持ってくるわけですか。それが一つと、それからサプライヤーというのはだれがきめるのか、商社はだれがきめるのか、その点について。
#200
○遠藤説明員 お答えをいたします。
 米国の国内の業者でありますサプライヤーが米国の葉たばこ市場でなま葉を買いまして、それを在日代理店を通じて公社に売るという形になっております。そういたしまして、そのいわゆるサプライヤーというものが相当数アメリカ国内にございますけれども、いろいろ葉たばこの品質なり種類なりというものでサプライヤーにえてふえてもございますから、私どもはそういうような状況を見ながら、基本的には、サプライヤーの提供いたします見本で供給業者をきめるわけでございます。もっとも、葉たばこは年々安定的な供給を受けませんと、それによりまして専売公社が製造いたしますいわゆるシガレットのそれぞれの銘柄の葉組みというものが、そう毎年変えられない性質であります。したがいまして、その原料になる葉たばこにつきまして、なるべく安定的な供給を受けたいということで、公社のほうの注文、要求というものを比較的よく知悉しておるものと大体毎年取引をいたしております。その取引をしておりますサプライヤーが現状では大体十五社ほどございます。
#201
○西中委員 サプライヤーが買い付けをする、それに対して一応見本を出すという話ですけれども、金額的にいいますと、全世界で数百億という相当な金になるわけです。それだけの買い付けをするのに、公社としては全然タッチをしないということですか。
#202
○遠藤説明員 主として米葉ということでございましたので先ほど概略申し上げたわけでございますが、米葉以外の地域もある、アメリカにつきましては、先ほど申し上げましたラーレイに専売公社の出張事務所を置きまして、そこで常時そういったたばこ市場の状況を調査いたしております。それから、いわゆるオリエント葉につきましては、アテネにやはり同様な在外事務所を置いております。そのほかの、たとえばインドとかタイとか、比較的大きい産地でございますけれども出張所を置いていないといったようなところにつきましては、一カ月なり二カ月の長期出張をいたして購買をするというようなことで、いまの契約を締結いたします専売公社が意思決定をするその基本の材料は、もちろんいわゆるサプライヤーなりあるいはそのエージェントなりから本社もいろいろ情報をとりますけれども、同時に、ただそれに依存しているだけではなくて、公社自身の手におきましても、ただいま申し上げましたような機構、人員を通じまして調査をいたしておる次第でございます。
#203
○西中委員 たいへんな税金を使ってといいますか、お金を使って買い付けをするわけですから、公社から当然大ぜい出ておられるのではないか、こう思うわけでございますが、いまも御説明がありましたけれども、アメリカとギリシャに支店がある、これは何名ずつおられるか。それから、出張して一カ月なり二カ月なり調査をしておるというお話でございますが、たとえば四十四年度の場合、どれだけの人間が出られて、何カ月間、どういう方面に行かれたか、はっきりしてください。
#204
○遠藤説明員 ただいまお尋ねのラーレイの事務所には所長以下四名を派遣をいたしております。それからアテネの事務所には所長以下三名を派遣いたしております。そのほか、先ほど申し上げました在外事務所を置いておりませんような地域等のために、四十四年度で十名、購買のために出張いたしております。
#205
○西中委員 アメリカに所長さんを入れて四名ということですが、検査員、専門家はこの中で何人おるのか、それからギリシャの三名のうち検査員は何名おるのか、それからまた、十名の出張ということでございますが、予算から見まして、そう長期にわたって調査をしたということは考えられませんけれども、その点はどうでしょうか。
#206
○遠藤説明員 在外事務所におります検査員というお尋ねでございますけれども、正確な意味では、在外事務所では受け入れのための検査というものをいたさないのでございますが、技術者が何人かおるわけでございます。
#207
○西中委員 何人ですか。
#208
○遠藤説明員 ラーレイで申しますと、三名が技術者でございます。アテネでは二名技術者がおります。したがいまして、そういう葉たばこ生産関係の技術者でございますので、そういうものが現実の指導等には当たっておるわけでございます。
#209
○西中委員 そうしますと、三名、四名の支店の方は非常に広い範囲を受け持っておられる、事実の上においては。これはおそらく十分な掌握ができるはずがない。日本の検査員なり技術員なりの数から考えて、とてもじゃないが、アメリカの葉を一々検査をしたり、また品質をどうこうというようにして、その上で買い付けるなんということは不可能です。
 いまのお話のとおりですと、またお聞きしたくなるわけですけれども、かりに品質のほうに全部いってしまうとした場合に、今度は買い付け面で、価格の問題について、だれが一体それをやるのか、その点、はっきりしてください。
#210
○遠藤説明員 ちょっと私の御説明がことばが足りなかったかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、サプライヤーというのは、米国で申しますと、市場で農民の出しますなま葉を購入いたしまして、それを再乾仕上げ等をして、それを原料葉たばことしての完製品に仕上げて売りにくるわけでございます。したがいまして、そういうものはいわゆる耕作指導を直接するわけではございませんので、基礎的な状況等は、そのサプライヤーからの情報なり、あるいは持ってくる見本なりというようなものでいわば購入指導に当たるわけであります。したがいまして、その辺は品質、価格と使い分けを必ずしもいたしませんで、いま申し上げました四名、三名のうちには、たとえばラーレイでは三名の技術員と申しましたが、一名は事務の方もおります。そういうような者が品質、価格面の検討もいたすわけであります。同時に、サプライヤーから在日代理店を通じて本社に入ってまいります各種の情報というものもございます。したがいまして、現実に公社の職員が直接購入をする形でございませんから、現状では大体大過なく処理できておる、かように考えておる次第でございます。
#211
○西中委員 先ほどの説明で公社の者がやっておるということだったから私は聞いた。いまの説明ですと、人数的にいったって、これは事実上不可能だ。品質検査も、購入価格についての具体的な折衝ももちろんできない、これは事実だろうと思う。ですから、おそらくこれはサプライヤーに一切をまかされておる、このように私は解釈をしておるわけです。そこで、品質並びに価格また数量について、要するに、外国のサプライヤーなり、その代理店である日本の商社なりの情報というものが主体になってこの買い付けが行なわれておる、このように解釈できると思うのですが、どうでしょうか。
#212
○遠藤説明員 おことばを返すようでございますが、どちらが主体というのは、やや実務面の状況に必ずしもそぐわないんではないか、私ども、大量のものでございますが、大体、世界じゅうどこのメーカーも葉たばこの取引は見本取引が通常の状態でございます。それから、自然の作物でございますので、いろいろむずかしい面もございますが、同時に、そういう見本の取引を通じまして、かなり的確に現実に買うもの総体を把握することができると思います。したがいまして、そういうサプライヤーなりその在日代理店の持ってまいります情報、あるいは現地で公社の職員が集めます情報、そういうようなものを本社で適度にチェックをいたしながらやってまいっておるのが現状でございます。
#213
○西中委員 本社でチェックするという話ですけれども、事実の上では人数が少な過ぎる、それから一歩引いて話をしても、サプライヤーの意見も相当入っておる、商社の意見もおそらく入っているだろう。要するに、数百億円の買い付けについて、公社が、まず日本の中に入ってくるまで、輸入されるまではほとんどタッチしてないことは事実だろう、このように私は思います。かりにまたそういう点でちゃんと調整しているんだとおっしゃるのでしたら、このおたくのほうからいただいた資料ですけれども、四十年以来四十四年までの実績を見ますと、買い付け量は非常にばらばら、多い年もあれば非常に少ない年もある、そしてトン当たりの値段も非常に違っておる、こういうことがここに出ておるわけですけれども、どういうお考えでこういう−日本のたばこの消費量はほとんど変わっておらぬ、ややふえる、年によっては減っておる、しかしながら大勢的には動かない。こういう中において、たとえば四十年でたくさん買った、四十一年は下がった、四十二年はもう一つ下がった、こういう買い付け方法が行なわれておる。また値段の上では、四十三年度は、黄色葉で申し上げますと、トン当たり八十一万円くらい、ところが四十四年になりますと九十一万円と、十万円上がっておる。こういう非常なばらつきがある。こういう点はどういうことになっておるのか、一ぺん説明をしていただきたいと思います。
#214
○遠藤説明員 先生御指摘のとおり、数量面、この五年ほどは全体につきましてかなり浮動がございます。ございますけれども、四十四年度はちょっと特殊な事情でありましてふえたわけでございますが、全体としては、私ども外国葉の用途が国内葉で代替できにくいものを買っておるということでございますので、全体としての輸入量というものはふえていく傾向にあると思いますけれども、過去数年につきましては、なるべく国内葉をよけい使って外葉の輸入は押えたいという気持ちもございます。
 ただ、この一両年、消費の形態も国内消費の動向も、いろいろ健康問題等もございまして、喫味の軽いたばこというものに非常に需要が移行しておりますので、そういうことになりますと、勢い外葉の輸入をふやさないと、将来の原料価格に支障を来たすというような面がこの一両年かなり出てきておる、そういうこともございまして、四十四年度が、ただいま御指摘のございましたように、数量、価格面においてかなり上がりましたのは、従来米国で買っておりましたのはいわゆる香喫味料というものでございます。新製品の関係もございまして、昨年は、四十二年以前は買っておりませんでした中葉とか土葉というような系統のものを購入するように、購入方針が少し変わりました。その関係でそういうものの歩どまりの関係もございまして価格面がかなり上がった、あるいは数量面もふえた、こういったような状況にあるわけでございます。
#215
○西中委員 そうすると、四十年のときは四十四年度と同じぐらい買っておりますが、それはどういうわけですか。
#216
○遠藤説明員 四十年は、その以前に、御案内かと思いますけれども、「ハイライト」の非常な品不足の時期がございました。三十年代のおしまいでございます。その時点で「ハイライト」の公社内におきますシェアも実数量も非常に伸びた関係がございまして四十年度は非常にふえた、以後、漸次調整をしてやや減少傾向に転じた、それが、先ほど申し上げましたように四十三年からまた増勢に転じたという状況でございます。
#217
○西中委員 時間がないので私のほうから言いますが、普通たばこは栽培をして二年ぐらいが一番いい、こういうように聞いておりますが、いま、足らないからたくさん入れた、こういうお話ですけれども、私はある倉庫で調べました結果によりますと、四十年の葉がいまごろ残っておるというのはどういうわけですか。何ぼ残っているかわかっていますか。
#218
○遠藤説明員 ちょっとただいまその関係の資料を持ち合わせておりませんので、後刻また御報告いたします。
#219
○西中委員 非常に残念なことですが、四十年度そして四十一年度の葉の在庫があるようでございます。そうしますと、お米ではないけれども、たばこにおいても、古古米ではない、古古葉があるということがはっきりしておるわけです。また、購入量と予算並びに予定数量、輸入の数量、これを照合しましても、毎年たくさんな差があります。四十年度は五十二億円よけい買っている、四十一年度は八十四億円少ないです。四十二年度は二十三億円少ないというように、毎年たいへんな差があります。これは数量においても同じことが言える。要するに、公社として外国のたばこを買うについて、海外に対してはサプライヤーや商社に全部まかせっきりなんです。だからこういうように、予算においても、ひどいところでは、金額において、葉巻きのパイプ用原料が、四十年でトン当たり八十二万円が四十二年では二百万円になっている。こういう理解に苦しむ数字が出てくる。こういう点に私は問題があるのではないか、このように考えているわけですけれども、どうでしょうか。
#220
○遠藤説明員 お答え申し上げます。
 ただいまの御指摘の点でございますが、先ほどちょっと申し落としたのでございますが、基本的に、国内葉でも――国内葉はちょっと違いますが、外葉を買います場合に、それぞれ産地の作柄なりあるいは収量のいい悪いというものがございます。そして産地は、ある意味で世界じゅうに広がっているわけでございますので、産地によりまして、かなりその年年で異同がございます。私どもといたしましては、一定の需要があるわけでございますので、なるべく安定的に買いたいわけでございますが、ただいま申し上げましたように、天候等で作柄にいろいろ異同があるという場合には、先ほど先生も御指摘になりましたように、二年間寝かせるというのが原則であるという事情もございますので、多少、年によりましてよけい買ったり、作柄のいいときには、望むものがたくさんあるときには少し強目にたくさん買っておく、ぐあいの悪いときには購入を手控えるといったようなことは、基本的な心がまえとして持っておるわけでございます。その関係で、予算と実績とのかなり大きな乖離というようなものも生じてきておる状況でございます。
#221
○西中委員 いま数量の問題だけを大体お話があったようですけれども、金額に合わしても相当な開きがある。また、現実に予定されたものが買えてないとか、よけい買っているとか、いろいろとそういう問題があるわけです。また、金額についても、先ほど例をあげましたけれども、アメリカの葉たばこの相場というものは、現在政府でも買い上げて、生産過剰ぎみでほとんど値動きがない、こういうデータがここにもありますけれども、そういう点で、少なくとも日本で葉を買う場合と外国で買う場合のその姿勢が全然違うんじゃないか、これを私は申し上げておるわけです。それ以上は申しませんけれども、品質についても、当然これはサプライヤーと商社を信用しなければならぬ、こういう現状だろうと思います。
 それから今度は、輸入してきて日本の港に着くわけです。ここからどのような検査をしておるか、これを説明をしていただきたいと思います。
#222
○遠藤説明員 日本の港に着きましてからの公社の受け入れ検査の方法についてのお尋ねでございますが、受け入れ検査といたしましては、数量の検査と品質面の検査、二本立てでやっております。
 数量の検査につきましては、陸揚げの際に、たる数のチェックをいたします。それからいわゆるたるの外観検査と申しておりますが、たとえば、外から水がしみ込んでいないかとかといったようなことが外観でもわかりますので、全数につきまして、たるの外観検査を行なっております。
 それから品質検査につきましては、開たるをいたしまして、葉たばこのそのものの外観、それから品質、喫味、水分といった四項目について検査をいたしております。この品質検査につきましては、もちろんロットもかなりまとまっておりますので、いわゆる日本工業規格の抜き取り検査で検査を実施しておる次第でございます。
 なお、外観、品質、喫味といったものの品質検査は、これは国内の場合も同様でございますけれども、現状では機械的な検査というのは能率も悪うございますし、できない、したがいまして、官能検査ということで、触覚、視覚等で検査をいたす、ただ、水分につきましては、かなり価格面等への影響も重要な要素でございますので、公社の指示いたしました指示水分かという点を、水分検査器も併用いたしまして検査をいたしておる次第でございます。
#223
○西中委員 それで、当然これは商社から公社のほうへ移る、その際に検査をして引き受けをされる。この検査をやっておる場所と検査官の人数をちょっと教えていただきたい。品質ですよ。
#224
○遠藤説明員 お答え申し上げます。
 輸入港は横浜と神戸ということになっております。それぞれの倉庫の中で――横浜につきましては、公社の東京地方局の技術検査員が二名参りまして検査をいたしておるわけであります。
#225
○西中委員 いまこの質問をする前に――検査員は何名で日本の葉を買っておりますか、全国で。
#226
○遠藤説明員 国内葉の場合も、やはり一つの葉たばこを二名が検査をいたしまして、その鑑定の結果が一致したときに等級がつく……。
#227
○西中委員 全国で何名かということです。
#228
○黒田説明員 国内で葉っぱを買います場合の鑑定に従事しておる職員が、全国で九百人弱あります。これが大体二人一組で買い付けに従事しておるわけでございまして、それぞれ独立の立場で等級をつけるわけでございます。それが一致をしました場合に初めて等級がきまるわけでございます。
#229
○西中委員 日本では九州百名。それで、量にして、ちょっとわかりませんが、半分なり三分の一というのが輸入でしょうけれども、それを横浜と神戸を入れて二人ずっとして四名、こういう非常に少人数の検査員である。やはり外国においてはサプライヤーと商社を信用して、そのままストレートに入ってくる。日本の検査は二名だけ、これが港の現況ですね。これではたして十分な検査ができるのかどうか、これは非常な問題だろうと思います。この点、どうですか。
#230
○遠藤説明員 先ほど二名と申し上げましたのは、一回の検査の際に二名でやります。それは国内と同様でございますということを申し上げましたので、ややことばが足らなかったと思いますが、輸入葉たばこにつきまして検査に従事いたしております者は、東京地区で十名、大阪地区で六名配置をいたしております。
#231
○西中委員 それは数量とか、全部合わせてでしょう。品質の検査は二名だということを聞いておりますよ。どうですか。
#232
○遠藤説明員 いま申し上げました技術者は、品質検査のための技術者でございます。それが交代で一回の検査に二名ずつ従事するということでございます。
#233
○西中委員 現実において港に入ったときに二名しかいないことは事実でしょう。その点ははっきりしてください。
 それで、たった二人で輸入をされてくる葉たばこを検査する。現実の問題としては、十一月から一月ごろの三カ月間で三百億以上の葉たばこ、たる数にして、おそらく四百四十キロという平均でいったとしても七万だる、これを検査する。一たるが約四万枚という葉があって、二人でこれだけの検査ができるのかどうか。もちろんこれは抜き取り検査ということでしょうけれども、日本の葉を買うときに、千名近い人間がおって、これを厳密に検査をして買い入れる、ところが、この外国の葉たばこについては、二人がかかってやっているだけだ。一日最高どれくらいたるが入って二人でやるのか、その点、はっきりしてください。
#234
○遠藤説明員 お答え申し上げます。
 一ロットは、非常に大きい場合には数百たるということがございますけれども、ただいま申し上げましたように、検査は抜き取り検査でございますので、現在は一回に二名ということで処理をいたしておるわけでございます。
 ただ、この際ちょっと申し上げたいと思いますけれども、国内の葉をいわゆる鑑定をいたしまして、収納といっておりますが、収納いたします際の鑑定と受け入れ検査の際の検査とはかなり性質が違うと存じております。片方は、それで等級、価格がいわばきまるわけでございます。片方の輸入葉のほうは、契約上は数量、価格等がすでにきまっておるものを、その契約どおりのものが届いておるかというチェックでございますので、これは検査の性質が九百人と十数名というのとはちょっと比較ができにくい性質のものだ、かように存じております。
#235
○西中委員 いまの説明で理解できる分もございますけれども、実際問題として、公社の人はだれも見ないでずっと入ってきておる。港でも二人で、多い日には三千たる以上入ってくるわけです。ロットで検査をするというけれども、どの程度やっているかということを考えていけば、これはごく大ざっぱに、ちょっと抜いてやるだけだ、これが現実じゃないですか。どうですか。
#236
○遠藤説明員 先ほどもちょっと申し上げましたように、抜き取り検査の数量等は日本工業規格で定めております基準にのっとってやっておりますので、抜き取り検査としては、ある程度統計的に信頼のできる数値を扱っておる、私、専門家でございませんけれども、そういうふうに理解いたしておる次第でございます。
#237
○西中委員 じゃお聞きしますが、ある倉庫で最高三千七百たる一日に入っている。これを二人で検査できますか。一たる四万枚ですよ。
#238
○黒田説明員 先ほどの収納の場合を込めまして、私からちょっと御説明させていただきます。
 国内の葉たばこの収納をいたします場合には、全国に約百九十の支局、出張所がございまして、それを単位にいたしまして、耕作者の方のつくりました葉たばこを全部買い上げているわけでございます。この場合は約十人くらいで収納の組をつくりまして、毎日収納所に耕作者の方にたばこを持ってきていただいて、それを二人の鑑定官が鑑定して買っているわけです。反別の多い出張所、支局でございますと、二組そういうものをつくって収納している、こういうことで、大体九月から翌年の二月、三月までかかりまして、大体九百人近い鑑定人が従事して収納しているわけです。
 これは、先ほど遠藤総務理事のほうから答えましたように、公社のつくりました標本に基準をとりまして全部等級をつけて買い上げるわけでございます。それから、輸入した場合は、たるに詰まったかっこうで来るわけでございまして、一たる大体一千ポンドでございますから、四百五十キロが標準になっております。こういうたるで来るわけでございます。これを大体倉庫で検査いたします場合に、ロットが大きい場合には、大体一割くらいのものをサンプルとしてとりまして、それを二人の検査員が検査する、そして検査しました場合に非常に悪いものが見つかりましたら、たるにずっと連続番号が打ってございますので、その付近のものをもう少しあけてみてチェックする、こういうようなこともやっておるわけでございますので、ロットが非常に大きい場合には一日ではとうてい検査はできない、数日間かかってやる、かようなことになると思います。
#239
○西中委員 いまお話ししましたように、私は輸入の問題を言っておるわけです。
 そこで、大体お聞きしますと、幾ら多くても一週間以内には終わる、すなわち、二人で検査をするにしては非常に多過ぎるということが言えるわけですね。もちろん抽出をして検査をするにしても、やはりこれは密度の多い――いままで公社としては全然目に触れないで入ってきておるといってもいいわけですから、相当きちっとした検査をやるのが当然ではないか、そういうような私の考え方になるわけです。そういうことをおっしゃると私は言いたくなるけれども、現実にいま倉庫に入っておるたるの中で、ひび割れして、すき間があいているたるがある。穴があいてベニアでぽっと押えてあるやつもあるんです。検査検査というけれども、どの程度真剣にやっておるのか、また保管についても、どこまできちっとやっておるのか、こういうことが問題になってくる。おそらく私は、こういうことを考えていけば、やっぱり公社として責任のある買い付け、品種も数量も、また予算に合わしての買い付け、さらにはまた保存、こうした点が非常に甘くなっていることを痛感しないわけにはいかない。こういう点で私どもは、より一そうの公社としての取り組みを喚起したいわけなんです。
 だからこそ、こういう一これは国会通信で、真偽のほどは私はまだ調べておりませんけれども、あなたもお読みになったでしょう。総裁、どうでしょうか。こういう点も話に出てくる。商社と公社とは仲がいいんじゃないか、こういうような話も出てくるんじゃないか、このように私は思うわけですけれども、その点、どうでしょうか。
#240
○北島説明員 私も、まだ具体的にはよく存じませんけれども、公社へ参りまして、外国葉の輸入検査について、いままで公社内で問題になったことはないようでございます。調べによりますと、輸入葉につきましては、東京でも十人、大阪でも六人、全国で屈指の腕ききだそうであります。それはもちろん日本の国内葉とは違いまして、入ってくる日もちゃんときまっているわけであります。それも毎日入っているわけのものでもございませんで、日本の葉と違いまして、秋から翌年の春にかけて毎日のように収納するのとはやはり違うわけでございます。そういうことでございますので、私は、輸入検査についての問題は、いままでないんじゃないかと存じます。
 ただし、何と申しましても、金額的には二百億円をこえる大きな金額でございます。やはり今後もふえる傾向にはございますので、そういった点については、今後十分に注意はいたしましてまいりたいと存じます。
#241
○西中委員 問題がないとおっしゃいますけれども、それじゃお聞きしますけれども、いままで検査をされて問題が出た例があるかないか、それをはっきりしてください。
#242
○遠藤説明員 こういう取引でございますので、検査の結果、いえばクレームをつけるというものは、数は比較的少のうございますけれども、過去においても例はあるわけでございます。ただ、総裁が問題がなかったと言われました点は、おそらく全体として何かぐあいの悪いことという意味で、問題を聞いておられない、かように言われたのではないか、かように思っております。
#243
○西中委員 なかったのですか、あったのですか。
#244
○遠藤説明員 検査の結果、たとえば量目が足りないとか品質が不適当だということでクレームをつけまして減価受け入れをするとか、あるいは量目を減らしただけ取引量を契約量から減らす、そういう処置をしたものは、過去数年間に数件ございます。しかし、毎年毎年非常に多数の件数が発生しているというような状況はないと思います。
#245
○西中委員 数件あるということは、やはり向こうを信用して買っておるけれども問題はあるということです。だからこそ私は、先ほどから一度にたくさん入る場合もあるんだけれども、少なくとも、現在では国内に来てから初めて公社としてやるわけですから、もう少しこれは考えなきゃならぬのじゃないか、こう言っておるわけです。この点、どうですか。
#246
○北島説明員 私が先ほど問題ないと申しましたのは、検査の体制の問題がない。その事例としまして、六三年に、たしか米葉の受け入れにつきまして、あとで代替品を出させた例もあるようでございます。品質が違うので、値引きして納入させた例もあるわけでございます。そういう意味で、検査は現在適正にやっておる、こういう意味で問題ないと申し上げたわけでございます。
#247
○西中委員 そうじゃないのですよ、私が言っているのは。信用して入れても、少なくとも何件かはあるわけです。それをわずかな人数で、わずかなサンプルをもって検査して済ませておるということ、これはやはり検査されないほうが、数量とすれば圧倒的多数なんですから、実際問題としてどれだけできるかということになってきたら――あくまでもあなたが言い張るのだったら、私ははっきり問題にしますよ。少なくとも私たちが現地を見て、また、実際大きなたるを検査するということについてはたいへんな仕事なんですから、体制的に問題ないという総裁のあくまでも意見ならば、私は問題にしたいと思う。これは私たちが実際に吸わされておる。先ほども言ったように、たるが割れておったら保管が非常に悪い面もあるわけです。一回行っただけでそれが見えるんだから。そういう状態でありながら体制的に問題がない、そのようにあくまでもおっしゃいますか。
#248
○濱野委員長 総裁、議事が長くなって困るから、質問者が何を一体質問しているかということをよく御承知願って、簡潔に、正直にお話しなさい。
#249
○北島説明員 これは大きな金額にのぼる問題でございますので、今後についても十分注意いたします。
 ただ、ああいうたるの検査などにつきましては、どういう場合におきましても、全部については検査することはできないのではないか、やはり抜き取り検査とか、そういうことでございます。そういった点につきましては、それぞれ、ものに応じて検査方法も従来からもあろうかと存じますが、しかし、いやしくもそういったような御批判を招くようなことがあるとたいへん残念でございますので、こういった点は、今後十分注意いたします。
#250
○西中委員 それから、サプライヤーが一体幾らで買ったかということは、公社として全部わかっているのですか。
#251
○遠藤説明員 サプライヤーの購入価格というものは公社も承知をしております。
#252
○西中委員 そうしますと、とかくのうわさがあるわけですから、この際、公社のためにも、商社の名前、サプライヤーの名前、そして、幾らで買って、公社は幾らで引き取っておるのか、これをはっきりしてください。
#253
○濱野委員長 いま数字出ますか。
#254
○遠藤説明員 全部の名前は……。
#255
○濱野委員長 それじゃ文書をもって……。
#256
○西中委員 それでは、委員長に資料要求いたします。
 時間が非常に切迫しておりますので、まだお聞きしたい問題が数点ございますけれども、この次の機会にやらしていただきたいと思います。
#257
○濱野委員長 吉田賢一君。
#258
○吉田(賢)委員 まず、専売公社総裁に伺いますが、最近の物価上昇、特に消費者物価の上昇が、国民生活並びに公社、公団の事業あるいはその他の財政に与えておる影響は相当重大だと思うのです。
    〔委員長退席、森下(元)委員長代理着席〕
 そこで私はあなたに伺いたいのは、専売公社といたしまして、企業経営について一段と物価上昇は影響しておるんじゃないかと思うんです。これによりまして、塩専売事業あるいは、たばこの専売益金にも大きな影響を来たしておるのではないか、こう思うのです。したがって、専売公社の収納益金というものは相当赤字累増となるおそれがあるんじゃないか、その辺の内容をきょうはよく聞かしおいてもらいます。また、こういうことを起点といたしまして、次の質問に移りたいと思います。一応御説明を願います。時間の関係がありますから、要点だけをできるだけ簡潔にお願いいたします。
#259
○北島説明員 物価騰貴の影響が専売公社の経営にも影響しておることはもちろんでございまして、結果的に申しますと、益金率でございますが、これは三十五年度以降、若干年々下がってまいりました。三十五年度六六・七%の益金率、これが四十年度には六〇・八%までに下がっておりまして、四十一年度六〇・三%、四十二年度が五九・八%となっております。これが四十三年度に定価改定がございましたので六三・〇%、こういうふうに上がっております。この益金率の低下は、もちろん物価騰貴の影響が非常に大きな要素となっております。もちろんその反面、公社は設備の合理化等につとめ、それから歩どまりの向上につとめ、極力この原価高を吸収するようにはいたしておりますが、そういったことでいま参っております。
#260
○吉田(賢)委員 塩専売事業の四十四年度の赤字はどのくらいになりますか。
#261
○北島説明員 予算では三十五億程度の赤字と見込んでおりましたが、おそらく仮の決算では三十五億をちょっと割るのではないかと思います。
#262
○吉田(賢)委員 塩専売事業は毎年赤字を出しているということ、したがいまして、当委員会におきましても、例の公社、公団の整理統合のその一対象にあがりました。すみやかにこれは処理すべきだということは、これは数年来何回も繰り返しておるのでありますが、いまだこれが適当な処理がされておらぬ。塩業審議会ですか、相当審議して、この秋結論を出すというように聞いておるのですが、見通し、そういうことによって従業者などどういうように処理するのか、この二点をはっきりこの機会にお伺いしておきたい。
#263
○北島説明員 塩事業につきましては、ただいま赤字であることはもちろんでございますが、その赤字を消すという問題だけではなくて、もっと大きな見地から、現在の塩田製塩というものを大規模なものに整理、転換するというような問題がございまして、昨年塩業審議会の中間報告が出たわけでございます。ただいま多少塩業審議会の審議がおくれておりますが、塩業審議会もこれから御審議を進め、結論を出していただきたい、こう考えております。
#264
○吉田(賢)委員 審議会もさることながら、やはりあなたが責任者として背負って専売事業をやっておいでになるのだから、相当意見があってしかるべきじゃないか。審議会におまかせで、どちらでもどうにでもなれというのでは、あまりにも自主性がない。最も深い体験者であるし、利弊一切をわきまえている総裁、あなたがこういう委員会においてもっと率直に見通しをお述べになる必要があろうと思うのです。これは懸案であります。公社、公団の整理の一環として、ぜひすみやかに処理していただくように、あなたのお考えを伺っておきたいと思います。
#265
○北島説明員 昨年の小委員会の報告を簡単に要約いたしますと、塩田をやめて、大規模な塩業に転換をする、そのために離職を余儀なくされる人人には、財政支出をしても混乱を起こさないように処置する必要がある、第三点は、三年ないし五年以内に専売事業を廃止するように持っていくべきだ、その間に、生産設備並びに流通方面についての整備を促進せよということでございます。私もそういう方向にいくようにやはりやるべきだと考えております。
#266
○吉田(賢)委員 北海道の地下資源の整理の際に、事前にも言っておったのですが、やはり職員の処理の不手ぎわが若干災いしておったようです。これは愛知用水公団の際にも、このときも私、参りましたが、猛烈に反対をしておられたのを見受けたわけです。いろいろなこれを聞いてみますと、前途が心配だというのが一般の職員の心理状態らしいのです。この辺は、事前に適当な道を見つけて、若い人生を持つ離職者たちもあるのだろうから、そういう人には次の人生計画を積極的に立てられるような道を早く開いてやる、そうすれば内部的に阻害因というのはなくなっていくわけであります。内部、外部の阻害因というのがあるからこの種の問題が停滞しておるようにも私は考えるものですから、その点は、特に総裁の責任で、相当明確なものを積極的に打ち出していただきたいと思います。これもはっきり伺っておきたい。
#267
○北島説明員 まことにごもっともでございます。もし将来、専売公社が廃止ということにでもきまりましたならば、それに対する十分な処置を講じなければならないと思います。もちろんその際、職員に対しては不安を与えないように、その措置は十分講ずるようにいたしたいと考えております。
#268
○吉田(賢)委員 専売公社、よろしゅうございます。お帰りください。
 大蔵当局に伺いたいのですが、佐藤総理もまた福田大蔵大臣も佐藤企画庁長官も、物価対策は、現在の最大の内政問題とさえこれはうたっておられるわけだが、一こう解決しない。解決の見通し立たず。たくさんの施策は並べられているけれども、実効はない。企画庁長官のことばを借りて言うならば、作文に終わっておりますというのが、現段階における物価対策の実情でございます。
 そこで、この物価上昇というものが、国の、もしくは地方の財政に与えている影響は相当重大であるということをわれわれは無視するわけにはまいらぬ。その点について、きょうは大臣が出られませんし、また次官もどこかへ行ってしまったので、適当にひとつ御答弁願いたいと思うのですが、大蔵省の意見を伺いたいのです。
 第一点は、公共事業の投資率が相当大きなことは、これは申すまでもございません。公共事業の投資に与える影響、たとえば、これは資材につきましても、また建設費労賃にいたしましても、もし土地を取得するということであるならば、これは地価の問題、これもまた重大な問題であります。こういうようなことのために、結局、これは事業量を縮小するか、事業期間を延ばすか、何か全体の計画に手を入れなければならぬという事態になるのじゃないだろうか、こういうふうに考えるのでありますが、公共事業の投資に物価上昇が与える影響という点はどういうふうに把握しておられるか。もうしばらくすると四十六年の予算の作成に入っていかなければならぬのであります。この点はいかがでございましょうか。
#269
○竹内(道)政府委員 毎年公共事業の予算を組む場合におきまして、ある程度の物価上昇率、たとえば、お話しの地方財政の文教施設でございますと、あるいは木造、鉄筋というようなことに分けて、物価上昇率を見ながら予算を計上しておるのが現状でございますので、御指摘のように、物価が非常に高騰して、予算の積算基礎が政府の考えておりますような物価上昇率をさらに越えて物価が上がるというようなことになりますと、そこはいろいろ吸収努力するにいたしましても、やはり事業量に響いてくるという問題が起きてくるかと存じます。また、長期の計画といたしまして、最近新経済社会発展計画というようなものができまして、そのときの公共事業の全体の規模というものを一応想定しておるわけでございますが、その中でも、公共事業につきまして、一定のデフレーターを用いまして、それで事業量の計算をしておるわけでございます。そこら辺も、物価の上昇が予想したものよりも大きくなるということになりますと、その場合には逆に、あるいは税収その他がよけい上がってくるというような問題もあろうかとは存じますけれども、公共事業の全体の計画についても、やはりもう一度見直してみなくちゃならないというようなことが起きてくるかと存じます。
#270
○吉田(賢)委員 見直すこともさることながら、私が申したいのは、政府の見ておった上昇率よりもはるかに上回る、また、企画庁長官が国会演説で述べたことは、四%で押えていきたいと言っておりますが、これはナンセンスだということになってまいりますので、見通しよりもはるかに上回るということになれば、大体この辺は相当腹をくくって予算編成に対処いたしませんと、どこかでまた、自然増収で入ってくるからそれを振り向けるというような安易な考え、もしくは事業量を減らせばいいじゃないかという安易な考え、あるいはまた、事業期間を延ばすとかいうようなことで一計画に狂いが生ずるということになると、これはたいへんなことであります。
 だから、物価上昇というものを正確に見通し、その前提に立ちまして、予算の編成に対する基本方針をきめていかねばなるまい。適当な水増しをしておくというようなことでは、これは相済みませんし、また次から次へと問題が起こってまいりますし、十二月になってすったもんだで問題が起こるということになってもたいへんでございますから、いまの段階におきまして、この点につきましては、大蔵省としましてもしっかりと腹をきめておかなければならぬと思うのであります。この点につきましては、首脳部で大体の方向でもきまっておるのでしょうか、もしくはまだ煮詰まっていないけれども、検討は十分やるという課題になっておるのであろうか、財政審議会等において審議しておるのであろうか、この辺はどうでしょうか。次長、あなたはどういうふうにとっておられるのか。
#271
○竹内(道)政府委員 物価対策の問題、大きく分けて総需要の問題と、もう一つは構造政策の問題になるかと存ずるのでありますけれども、御承知のように、四十五年度の予算につきましては、警戒中立型の予算を組むという前提で、総需要抑制の方針で編成に臨んだわけでございます。なお、公債を減額する、あるいは法人税を一部増徴するというようなことも、やはり総需要の抑制に役立っておると思っておるわけでございますが、一方、構造政策と申しますか、そちらのほうの面につきましては、ことに最近の物価上昇の原因というものが、生産部門あるいは個人のサービスというようなところに物価上昇の大きな原因がございますので、そこら辺に特に意を用いておるわけでございますが、将来とも、そういう方向についてはさらに十分検討していかなくてはいけない。物価政策を最重要の問題と考えておるわけでございます。
#272
○吉田(賢)委員 私は物価政策、安定対策いかんということを聞いているのじゃないのです。安定対策は、対策としては物懇にしても閣僚協にしても、ずいぶんたくさん並んであるけれども、物価は安定せず、だんだん上がっていく一方で、政府の見当をつけておったものもはるかにオーバーしていくという現状であります。これを前提にして、さて財政に影響する問題をどう処理すべきであるか、それに対しまして、別の角度から安定対策をこういうふうにとるんだ、これは別個の問題であります。安定対策、原因論を私は言っているのじゃないのです。結果論を申し上げておる。財政に与える影響、当然与える影響、これに対しましてどういうふうな施策をもって臨まなければいかぬか。依然として総花でやるのなら、これはたいへんな膨張になってしまいます。警戒していかなければいかぬということでありましょうけれども、いずれにしましても、公共事業それ自体に与えるだろう影響、与えつつある影響を、この際相当厳密な調査及び検討の上に立ちまして方策をきめていきませんと、また波及的にごまかしもできますよ。押えようとすれば、そこに物議をかもします。いろいろな意味におきまして、計画が計画どおりにならぬと思うのです。だから、そこまではっきりしなければ――大蔵省の腹をちゃんときめてもらわなければいかぬと思うのです。
 そこで私が聞いたのは、しからば、大蔵省首脳部においてそういう問題につきまして、やがて八月から予算作成に入っていかなければいかぬから、まぎわに迫ってまいりますから、首脳部でこういう点について協議しておるのかどうか、あるいは、財政審議会等においても協議するかどうか、その対策についてどう扱かっていくか。物価安定対策をどうかということをいま伺っておるのじゃない。これは論じませんから、それだけちょっと言っておいてもらいたいと思うのです。もし答弁しにくいなら、また別の機会に大臣に言ってもらわなければしょうがないが……。
#273
○竹内(道)政府委員 財政制度審議会の議題につきましては、特にこの間新聞等でも発表いたしましたけれども、本件につきましては、特に本年度の審議対象ということには現在なっておりませんでございます。
 ただ、物価対策の問題、もちろん政府としての最重要問題でありますから、四十六年度の予算編成過程を通じまして、さらに具体的な対策を当然練っていかなければならない問題であろうというふうに考えております。
    〔森下(元)委員長代理退席、委員長着席〕
#274
○吉田(賢)委員 そこでまた別の角度ですが、地方財政への影響もこれまた深刻であります。第一、地方財政は基準単価というものと実質単価と違うというので、長い間超過負担で悩まされつつあるわけです。ところが、また物価が上がってきた。ここに私は、地方財政の、たとえば保育所の措置費の補助金、あるいはその他統計調査の委託費、あるいは職業訓練の補助金、あるいは警察施設の整備の補助金等々、五つの超過負担の状況を調べて持っておるのでございますが、これでも四十三年だけで超過負担が二百二十九億円にのぼっておるわけなんであります。ある程度解消しております。ある程度解消しておりまするけれども、こういうようになるのです。地方に参りましたら、中央でそろばんをはじくというだけじゃなしに、物価上がりというものはあらゆる面から影響してきます。保育所にしましても、職員の保母だとか雇い人であるとかいう人件費に影響してきます。いまの賃金上昇のそれから見ても当然であります。その他の物件費、運営費等々、いろいろなものに影響するのです。これは保育所の事業であります。そんなこともございますので、地方財政に与えておる影響は、物価上昇というものはこれまた相当深刻重大と思うのですが、この点はどうでしょう。ずばっと答弁しにくいかもわかりませんが、どうでしょうか。
#275
○竹内(道)政府委員 地方財政につきましても、物価の上昇が国の公共事業に与える影響と同様な影響というものが、地方財政の行なういろいろな事業についても当然あろうかと思います。また、超過負担の解消問題でございまするけれども、これにつきましては、御承知のように、この数年来超過負担の解消を計画的にやっておるというのが現状でございますけれども、まだ調査時以後さらに物価が騰貴しておるということに伴いまして、なお新たな超過負担が発生しておるというような現状も、ものによってはあるかと思うのでございます。かような問題につきましては、今後さらにまた検討しまして、その解消をはかっていきたいというふうに考えております。
#276
○吉田(賢)委員 それから、さらに今度は次年度の物価対策費、これはまた重大な影響がありますね。たとえば四十三年、四年、五年の物価対策関連予算を私がいまここに持っておりまするが、四十四年一つとってみてみましても、たとえば低生産性部門の生産向上の対策、これは農林漁業対策にもなり、あるいは中小企業対策にもなっておるようでございます。この低生産性部門だけでも、四十四年度には三千百九十八億円というのが計上されております。四十五年度におきましては三千七百九十九億円、こういうものが計上されておるのであります。これが低生産性部門における生産向上対策費であります。さらにまた、物価対策費といたしまして流通対策があります。これまた重要であります。流通対策費は、四十四年が四十一億円、四十五年が七十五億円。労働力の流動化促進の問題があります。これまた四十四年が百九十億円、四十五年が二百十億円。競争条件の整理、これは公取等の関連の経費であります。これがあり、生活必需物資の安定供給があり、家賃、地価の安定があり、あるいはまた、その他交通施設、これは国鉄なりあるいはその他地方鉄道の補助助成などもこれに入るわけであります。
 こういうふうに計算いたしてみますると、四十四年の一般会計だけで七千四百九十億円にのぼるようであります。特別会計を合計いたしますると七千九百五十億円にのぼります。また、四十五年におきましては、物価対策関連予算は、一般会計、特別会計だけで総額九千百五十億円であります。農林漁業対策費におきましても、もちろんこのうちには金融も若干入っております。しかしながら、農村振興費であるとか、あるいは畜産振興費であるとか、園芸振興費であるとか、基盤整備、あるいは中小企業にいたしましても、いろいろなものが含まれておるのであります。こういうようなものが、この対策費自体が今度はまた相当ふくれ上がる可能性があります。なぜならば、それは賃金も上がった、物価も上がった、その他の資材も上がった、経費が上がった等々ありまするので、予算を執行しようとするならば、去年のそれでは足りない、そういうことになってくるのでありまするから、物価が追い上げてくるという問題は、物価対策の予算にぐっと大きな圧力を加えてくる、こういうことになるのではないか、こういうように考えます。そうしますると、これまたえらいことだと思うのですね。これは一体どうしたものかということになるわけです。
 したがって、この物価対策の関連の予算、一般会計、特別会計合わせまして約一兆円近いものが出ておりまするが、これが来年度におきまして相当重大な影響を受けて進んでいくということになる。こういう点につきまして、これは大蔵省としまして、相当はっきりした態度をきめておかなければいかぬことだと思いますがね。
#277
○竹内(道)政府委員 ただいま御指摘がありました物価対策関連予算でございますけれども、この中には、直接物価の抑制をやるための経費と申しますものも多少ございますけれども、たとえば農業基盤整備費でございますとか、つまり、他の目的がございまして、それと関連してやはり物価対策に役立つというふうなものも計上いたしまして、合わせて九千億が物価対策費であるというふうに申し上げておるわけでございまして、四十六年度の予算編成にあたりましては、物価に対する政策全体とも関連いたしまして、お話しのような予算につきましても十分検討していかなければならないと思っております。
#278
○濱野委員長 速記をとめて。
    〔速記中止〕
#279
○濱野委員長 速記を始めて。
#280
○濱野委員長 この際、おはかりいたします。
 閉会中審査案件が本委員会に付託になりましたならば、昭和四十三年度決算外二件中、農林省所管及び厚生省所管の審査のため、参考人として関係者の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#281
○濱野委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 なお、参考人出頭の日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#282
○濱野委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後二時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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