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1970/07/10 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 決算委員会 第19号
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1970/07/10 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 決算委員会 第19号

#1
第063回国会 決算委員会 第19号
昭和四十五年七月十日(金曜日)
    午前十一時三分開議
 出席委員
   委員長 濱野 清吾君
   理事 小山 省二君 理事 丹羽 久章君
   理事 森下 元晴君 理事 華山 親義君
   理事 鳥居 一雄君 理事 吉田 賢一君
      中村 弘海君    中山 利生君
      水野  清君    大原  亨君
      勝澤 芳雄君    高田 富之君
      日野 吉夫君    山本 政弘君
      西中  清君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 内田 常雄君
 委員外の出席者
        厚生省医務局長 松尾 正雄君
        厚生省薬務局長 加藤 威二君
        厚生省保険局長 戸澤 政方君
        厚生省保険局医
        療課長     松浦十四郎君
        社会保険庁医療
        保険部長    穴山 徳夫君
        会計検査院事務
        総局第三局長  中村 祐三君
        決算委員会調査
        室長      池田 孝道君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月十日
 辞任         補欠選任
  勝澤 芳雄君     山本 政弘君
  勝間田清一君     高田 富之君
  田中 武夫君     大原  亨君
同日
 辞任         補欠選任
  大原  亨君     田中 武夫君
  高田 富之君     勝間田清一君
  山本 政弘君     勝澤 芳雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算
 昭和四十三年度特別会計歳入歳出決算
 昭和四十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和四十三年度政府関係機関決算書
 昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (厚生省所管)
     ――――◇―――――
#2
○濱野委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十三年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は厚生省所管について審議を行ないます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。丹羽久章君。
#3
○丹羽(久)委員 委員長の許しを得ましたので、厚生省の所管に対して私は少しお尋ねいたしたいと思いますが、厚生省所管のうちの政府管掌健康保険の問題についてお尋ねいたしたいと思います。厚生保険特別会計の財政収支、特に健康勘定の政府管掌の健康保険事業を中心としてこれからお尋ねをいたしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
 政府管掌の健康保険の累積赤字額が、決算を調べてみますると、四十三年が千百八十七億円と出ております。四十四年の見込みが千二百八十億円でありまして、さらに四十五年の末には千八百五十億円を突破するであろうといわれておりまするが、同じく厚生保険特別会計の日雇いのほうの保険勘定の経理を調べてみますると、これは四十三年度末に六百五十五億円、四十四年度に八百九十三億円、こういう累積赤字を生じております。日雇健康保険の事業については別の機会にお尋ねいたすということにいたしまして、きょうは特に政府管掌健康保険を中心としての数点をお尋ねいたしたいと思います。
 きょうは特に内田厚生大臣からの御答弁を聞きたいと思っておりますが、大臣は閣僚会議いろいろの関係で、おいでいただくのが十一時半ごろということになっておるようでありますので、その前に局長にお尋ねをいたしまして、局長からの御答弁、さらに、大臣においでいただいてから、大臣からこれに対する答弁をお願いいたしたいという考え方で最初にお尋ねをいたしていくわけであります。
 そこで、本年の七月の三日の某新聞の社説によりますと、こういうことが書かれております。中小企業の従業員、家族らを対象とした政府管掌健康保険の財政は悪化の一途をたどりつつある。社会保険庁の調べによると、三月の医療費は前年同月に比べて二五%増になっておる。医療料金は二月から八・七七%引き上げられたが、その影響を織り込んでも、医療費の伸びは一七あるいは八%にとどまるものと予想されていた。三月の実績がなぜこのような大幅な伸びを示したかという原因はいまのところ明らかではない。だが、この傾向が続けば、賃上げによる保険料収入の増大を見込んでも、赤字が急増することは避けられない見通しである。こういっておるのであります。こういうことが述べられておりますが、確かにことしの二月の医療料金の引き上げによって医療費が予想以上に急上昇して、このままの傾向が続けばこれはたいへんなことであると考えなければなりません。
 医療保険制度は、その保険の種類から見て、政府管掌健康保険、組合管掌健康保険あるいは国民健康保険、船員保険、日雇労働者健康保険等、いろいろなものがありますが、これらのおのおのについて、その会計の状態がどんなになっておるか、これをひとつお聞かせいただきたいと思いますし、さらに、黒字の健康保険、赤字のもの、過去五年と申し上げることは非常に長いかもしれませんけれども、三年ぐらいの間どうなっておるかということをまずひとつお尋ねをいたしたいと思っております。
 引き続いて申し上げたいと思いますことは、私は一向医者の診療のことはしろうとでありますのでわかりませんが、わが国の医療費がたいへんな勢いで伸びていることは確かだと思っております。一例を昭和四十二年度にとってみても、総医療費は一兆五千六百億円余にものぼっております。これは前年度から調べてみますると二千百億円余もふえておるということになるわけであります。四十二年度の「経済白書」による国民所得は三十四兆五千九百三十九億円ということになっておりますので、これから現在の金をパーセントにあらわしてみますと四・五%ということになるわけです。
 そこでお尋ねしたいのは、一体、わが国では国民所得に対してどのくらいの医療費を使っておるのか、過去三年でけっこうですが、そのパーセンテージをひとつお知らせいただきたいと思いますし、あるいは諸外国の事例がわかれば、代表的な二、三の国の状態についても数字をあげて御説明を願いたいと思うわけでございます。
 まず、以上二点についてお尋ねをいたしますので、どうかひとつ御答弁をお願いいたしたい。
#4
○穴山説明員 医療保険部長でございます。
 ここのところ二、三年の財政状況を説明せよという御質問でございますが、いま先生がお述べになりましたように、四十二年度におきましては、単年度の収支の赤が約五十八億でございまして、累積赤字が千九十九億でございます。それから四十三年度におきましては、単年度の赤字が約二十四億でございまして、累積赤字が千百八十七億でございます。それから四十四年度は、これはまだ決算が出ておりませんので途中の見込みでございますが、単年度の赤字が約十六億でございまして、累積赤字が千二百八十億と推定をいたしております。それから四十五年度におきましては、これは予算に計上した額でございますが、単年度の赤字の見込みが三百七十八億、それで累積赤字が千八百五十四億でございます。
#5
○丹羽(久)委員 三年前のやつはどうですか。
#6
○穴山説明員 四十一年度は、単年度の赤字が二百六十六億でございまして、累積赤字が九百七十八億でございます。
#7
○戸澤説明員 二番目の問題の、国民所得に対する総医療費の比率でございますが、わが国のその比率は、四十年度、四十一年度ともに四・五%、それから四十二年度、四十三年度が四・四%というふうになっておりまして、大体四・四、五%くらいのところに最近はなっております。
 外国の国民所得に対する総医療費は、医療費に対するとり方がまちまちでございますので、これを統計としてまとまったものは出ておりません。ただ、日本の国民所得に対する総医療費は、外国に比べてそれほど低い率ではないと思います。
#8
○丹羽(久)委員 いまの御答弁で、世界の国で、それじゃどこもこういうような統計は出ていないとおっしゃるのですか。私はどこの国の統計を聞かしてくれということは申し上げておりません。世界の国のうちのどこのかの国、アメリカにしたって、イギリスにしたって、フランスにしたってそれはいいのですから、あなたがどこの国でもそういう統計は全然出ていませんよとおっしゃるなら、それでいいのです。私はそういうことに記憶いたしておきます。もう一度事務当局によく聞いてみてください。
#9
○戸澤説明員 各国でそれぞれの統計はあるかもしれませんけれども、つかんでいるものがないということでございまして、イギリス等ですと、公衆衛生活動とか保険関係でいろいろなものを込みにしたような統計になっておるようでございますし、比較するようなものをつかんでおらないということでございます。
#10
○丹羽(久)委員 何か、私が追及して反駁するようですが、率直に申し上げますと、非常に医療費がかかる、薬代がかかるというようなことで赤字がだんだん大きくなってくるというようなことから考えて、やはり日本の国民というのは、薬が好きでお医者さんにかかるのが多過ぎるのかどうかということがたいへんな問題になってくると私は思うのです。そういう点から、まず第一点、外国との比較はどうかということ、健康管理の問題がどうなっておるかということの一端を聞いていくためにも、諸外国の例をあげて、日本は少し多いとか少ないとか、あるいはそうでないとかいうことを尋ねたいと思っていま聞いたわけなんですね。ところが、そういうデータが何もないというはずはないと思うけれども、あなたは今度官房長からなられたと思いますからまだおわかりにならない点があろうと思いますから、もう一度聞き合わせてくれませんか。そう急いで答弁していただこうと思っておりません。これはたいへんな問題ですから……。
#11
○濱野委員長 ないことはないでしょう。
#12
○戸澤説明員 各国のそれぞれの統計のとり方によって、出したものはないことはないようであります。ただいま手元に持っておりませんが、それと比較してみますと、おもな国々、西欧諸国におきますその比率は、日本の先ほど申し上げた数字と大体似たような数字というふうに出ておるようでございます。
#13
○丹羽(久)委員 諸外国のうちの先進国といわれる、文化国といわれるアメリカ、イギリス、フランスというような例をあげて申し上げましたが、そうすると、国民所得の大体四・五%くらいのものであるというふうに報告を聞いておられるということなんですか。あるいは、こういうような保険行政という問題について、医療費とか治療費という問題は諸外国はどうなっておるかというようなこと、これは少なくとも厚生省は――あなたはまだ新しい人にいたしましても、係の部長なりそういうような担当者はもっと克明な数字をあげて説明する必要があると思うが、どうですか。少なくとも赤字見込み額が二千億になろうとしておるというようなときに、何も資料はありません、ミックスしておるからなかなか区分することはできませんというような安易な考え方でいいでしょうか。私は、あえてこれに対して政府攻撃的な考えは持っていないけれども、国民の立場とするならば、そういうことを綿密に調べていただいてこそ、私は行政の府であり、そして政府の責任だと思っておる。もう一度よく打ち合わせて……。
#14
○戸澤説明員 イギリスとかスウェーデンとか、そういうそれぞれのおもな国の……(丹羽(久)委員「アメリカはどうだ」と呼ぶ)アメリカもあるかもしれませんが、出ないことはないようでございますので、御要望に応じ、後ほど資料でもってお出ししたいと思います。
#15
○丹羽(久)委員 これは非常に重大な問題ですが、これで時間をかけてもどうかと思うから、局長、ひとつ資料を整えてください。それがあなた方の仕事だと私は思うのです。少なくとも国会の場で、各国が保険制度がなければだが、保険制度がある国のデータがどうなっておるくらいのことは調べて、ここで説明していただくことは当然だと思います。これ以上申し上げませんが……。
 そこで、薬価代が赤字の大きな原因になっていることはしばしば耳にするのですけれども、厚生省は実際これをどう見ていらっしゃるか。医療費のうちに占める薬の割合というものは、これはどんなふうになっておるか、薬代と医療費、この関連性ですね。その割合をひとつ教えていただきたい、こう思います。
#16
○穴山説明員 政府管掌の関係につきましては、四十三年の五月の調査によりますと、総点数中に占める投薬、注射の材料費の割合が、全部で約四〇%、正確に申しますと三九・六%でございます。
#17
○丹羽(久)委員 私はそこで具体的な事例についてお尋ねをいたしたいと思いますが、ここで政府管掌の健康保険と組合健康保険と比較してみますと、保険料の収入の基礎となる平均標準報酬は政府管掌健康保険のほうが、給料が安いという関係で約三〇%くらい低いということになるわけなんです。したがって、保険料の収入も低くなるということは、これは当然だと思いますが、日雇健康保険については給付費の三五%、国民健康保険は約四〇%補助するということになっております。これは所得が少なく、負担能力が低いこと等によるものと思われるが、政府管掌健康保険については、四十一年度が百五十億、四十二年度以降は二百二十五億ずつ補助をしておるが、ほかの保険とのバランスから見て、この補助金額は妥当なものかどうかという見解をひとつ説明していただきたいと思います。
 ちょっとここで言い落としましたけれども、医療の支払いについては――支出というのか、給付というようなことばを使うか知りませんけれども、たとえば給付ということばを使ってみますと、組合健康保険のほうは一人当たりが二万四千二百二十九円払っておるということになるわけなんです。もらう金が比較的多くて払う金が二万四千二百二十九円、政府管掌のほうはもらう金が少なくて、今度出す金が多い。二万九千二百五十八円、こういう点から計算すると、約二〇%多い。こういうことはあまり深く考えるわけにはいきませんが、どういうわけでこういうふうになってくるんだろうということをひとつお尋ねいたしたい、こう思うわけです。
#18
○穴山説明員 確かに先生御指摘のように、政府管掌の健康保険の給付費と組合の給付費とはだいぶ差がございまして、この差がどういう点から出てくるんだろうかということでございますが、一つには、健康保険組合と申しますのは、御承知のように大企業が設立しております。政府管掌のほうは中小企業の集まりでございます。したがいまして、たとえば大企業が人を採用する場合には、健康診断その他で相当からだのいい人をまず第一に選ぶというようなことから、端的に申しますと、病気にかかる率が少ないというようなことがあるのではないか、それからまた、入りましてからも、大企業のほうが、やはり何と申しましても、中小企業よりも健康管理その他の点で行き届く面もございますので、そういうことからいたしまして、医療給付費というものは、政府管掌の健康保険に比べまして組合管掌の被保険者のほうが少ないということが言えるのではないかと考えます。
#19
○丹羽(久)委員 いまの説明を聞くと、組合健康保険のほうは、比較的組合に入るとき自体のからだが健康である、片一方のほうの政府管掌のほうはそうでないということで、一人当たりが多くなっているんだというような説明でありますが、そのうちの事柄の一つに、健康保険管理が片一方のほうが行き届いておるようにも思われる、片一方のほうは健康保険の管理が少しずさんだというようにとってもいいということなんですか、どうなんですか。政府管掌の健康保険のほうはその管理に手落ちなところがあるんだ、こう認められるんですか、どうなんですか。
#20
○穴山説明員 健康管理の問題につきまして、大企業のほうが、定期の健康診断とかあるいは衛生管理者と申しますか、そういったようなことが行き届いておりますので、これは比較の問題でございますけれども、中小企業よりも管理が行き届いているのではないだろうかということを申し上げました。もちろん、政府管掌のほうにつきましても、当然私どもとしてはその点に配慮しなければならないわけでございますが、十分それがまだ行き届いていないと申しますか、健康保険組合のようなものに比べまして、まだまだ十分ではないということを申し上げたわけでございます。
#21
○丹羽(久)委員 もう一度聞きますが、組合健康保険のほうは金がたくさん入ってくる、比較的給与ベースの関係がいいというようなことから入ってくる、そして一人当たり支払う金は比較的少ない。片一方のほうは、少なく入ってきてよけい払わなければならぬ。その原因というのは、そんな単純な考え方ではいけません。もっと研究した答え――政府自体がどう改めるべきか、どう持っていくと、この二〇%の差がうまくもともとのような線にこぎつけていけるか、それは、ただ片一方のほうは健康保険管理がわりにうまくいっておるが、片一方のほうはそういうわけにいきません、最初からどの人もこの人も入るからそういうことになるのでしょうといったような答弁は納得できません。もう少し御研究になった答えをひとつしてもらいたいと思うんですね。この場当たりの答弁でなくて真剣に、国民は二千億からの赤字――将来もっとたくさんの赤字をかかえなければならぬということは重大な問題です。どこかこのミスを直していかなければならぬ、是正していかなければならぬ、そういうのが基本である、そういう意味で私どもは聞いておるんです。何も、あなた方のやっていらっしゃることの悪いことばかりほじくり出して、そしていじめるために言っているのではありません。どうあるべきかということを互いが感じ合い、互いがそこで相談し合っていい結果を出そうということが本委員会の使命だと私は思うのですが、そういう意味で、もっと親切に聞かしてもらいたい。ただ数字の上で、これはこうですよということではいけない。ただ単なる考え方のばく然とした答えでは私は納得できません。一つ一つ具体的に、こうしたら私はいいと思うが、まだ人手が足りませんからこれはできません、管理の行き届かないのは私どもはまことに遺憾であるけれども、この点をこれから直していかないと、この二〇%というものは減ってくるわけにいきません、こう答えるべきです。どうですか。
#22
○穴山説明員 先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもも第一線の社会保険事務所を督励していろいろやらしているわけでございますが、対象となる事業所の数も多い、その他のことがございまして、おっしゃるように、ではいままでのやり方ではどうだということでございましたら、確かにいままでの点につきましては不十分であります。私どもも、そういった点につきましては大きな問題としてこれからも努力しなければいけませんし、方法その他について検討をしてまいりたいと思います。
#23
○丹羽(久)委員 ここであまり時間を費やしてもいけませんし、大臣に御出席していただいておりますので、私の質問を聞いていただき、そしてまた御答弁をいただきたいと思います。
 総点数中に占める投薬、注射の薬剤点数の割合は、調べてみますと年々増加しておるわけなんです。この間の薬価の引き下げ、診療報酬の引き上げを考慮すると、使用薬剤数量の増加率は相当なものと私は思うのです。これは薬価基準収載品目数の増加から見ても大体うなづけますが、医薬品の生産状況から見ると、抗生物質剤、中枢神経系用薬、ビタミン剤の増加が非常に多いようになっています。特にビタミン剤の三十九年までの増加というものはたいへんなものでありますが、三十六年と比較してみますと、総生産額が二千五十一億円増加しておる、そのうちの五百四十五億円をビタミン剤で占めておるわけなんです。社会労働委員会の会議録を調べてみますと、厚生省は三十九年にアリナミンなど、いわゆる活性ビタミンB1誘導体の大量療法を承認しておりますが、一つはこのようなことも原因になっておるのではないかと考えられるわけなんです。
 去る五月の十九日の当委員会におきまして、ビタミンB1誘導体等、大衆保健薬の効能試験の方法についていろいろ審議が行なわれましたが、六月二十七日の新聞にはこういうことが書いてあるのです。医薬品広告の自粛要望に関連して、ということでありますが、これは記者会見だと思いますが、大衆保健薬の有効性については、国民の疑惑を解くため、専門家を集めた委員会を設けて検討してみたらどうかというような薬務局長の考えが出ておったと思うのであります。特に、主成分が同じで健康保険にも大量に使われているようなものについては、私は再検討すべきではないかと思いますが、この点について、医務局長のお考え方はどうでしょう。
#24
○加藤説明員 本年の六月二十六日に、先生御指摘のとおり、私どものほうで、医薬品の広告自粛、特に大衆保健薬の広告について自粛するようにということを業界のほうに通達を出したわけでございます。先般来二回にわたります本委員会のいろいろな御討議あるいは御意見を伺いまして、私ども、とりあえず、まず大衆保健薬の広告の自粛が必要であるということでその措置をとったわけでございますが、同時にその場合に、肝心の大衆保健薬の効能についていろいろ議論があるが、その点はどうなのかということを新聞関係の方々から聞かれました。効能、効果について本委員会においても相当いろんな議論がなされ、国民の間に、一体それがきくのかどうかという疑惑の念が相当起こっておるわけでございまして、厚生省といたしましてもそういう問題を放置しておくわけにはまいりません。しかし、大衆保健薬の効能、効果の判定ということはなかなかむずかしい問題でございます。関係の専門の先生方にお集まりいただいて、形式は懇談会というような形式になるかどうかわかりませんが、早急にそういう懇談会をつくりまして、その場でこの問題を取り上げていただいて今後の処置を検討していただこう、こういう方針でございます。
#25
○丹羽(久)委員 大臣、いま局長言われましたが、大臣自身もそのようなお考えを持っていらっしゃいますか。どうでしょう。
#26
○内田国務大臣 薬については非常に問題が提起されておりますので、このままの状況で私どもはこれを放置していくことにはいくまいと考えます。いまも局長から話がございましたように、まず広告の問題でございますが、これは薬事法に若干の規定がございますが、限定された規定のようでございますので、私どもは行政指導方針として、法律の規定をさらに乗り越えたような指導をいたしておりますことは、局長からも申したとおりでございますし、また業界自身も、これは先般の国会でも私からもお答えを申し上げましたが、自主規制のような基準もつくっておりますが、まだまだ不完全また不満足なところがあると考えまして、先般もあらためて私どものほうから通達を出したようなことでございますので、この線に沿いまして十分自粛を求めてまいる所存でございます。
 また、現在承認された薬が何万かたまっておる、しかし、その中には実際に世上で用いられていない薬もございましょうし、また薬効等についてしばしば問題にされるような薬もあるはずでございます。
 ことに、一般の保健薬等につきましてはいろんな御批判もございますので、これをどうするかということにつきましては、委員会を設けて再審査あるいは承認の取り消しというようなことまでいくがいいか、あるいは他の方法によるがいいかということを、いまも局長から答弁がございましたように、関係の専門家に厚生大臣の顧問というようなことでお集まりいただきまして、その処理方法について一つの方向を出したい、かように私はまじめに考えております。
#27
○丹羽(久)委員 局長のお考え方も大臣のお考え方も、国民の健康のために、必要でない薬までも飲ましてみたり、あるいは誇大広告的なものに対しての考え方については、今後一そう考えを深くして進めたいというお話でありますので、非常にけっこうだと思うのですが、さて、それについてお話だけではいけませんので、そういうことでお集まりいただき、厚生大臣の諮問機関あるいは相談員として、いろいろの相談相手になっていく専門家を、どのようなかっこうで、いつごろそういう機構にのせてお進めになるお考えかということを、これは局長でなくて大臣のお考え方を聞かなければ事は進みませんが、大臣は、ただここでそういうように進んでいきたいんだ、局長も言っているし、私もそう思っているんだでは、これは事はなりませんので、時期、そしてどのような人、何名くらいが適当だと思うというような――六月のだいぶ前のときにそういうような御答弁でありましたし、新聞でもそういうことをいっておりますし、日にちもたってきたし、局長がそういうことを説明せられるときには、もうすでに大臣はお考えになっておることだろうと思いますから、ひとつ、おそれ入りますが、もう少し明らかにして、どの時点に大体そういうことをなし遂げていきたいというように御答弁いただきたいと思います。それは国民が非常に関心を持っておりますし、喜ぶことだと思いますから、ずばりと言っていただけませんか。
#28
○内田国務大臣 薬のことが世上非常に問題になってまいっておりますこと、先ほど来申し述べておりますとおりでございますし、正直に申しまして、私自身がしろうとでございまして、薬事法等の運営、あるいは、現在厚生大臣の諮問機関として法律上設置されております薬事審議会、これもいろいろなたくさんの部会やら専門の小委員会等がございまして、非常に複雑多岐な組織になっておりまして、ちょっと私もそれらの様子がわかりませんので、それらの問題――薬の問題全体を含めまして、もっと簡明率直に、少数のもののわかった専門家にお集まりをいただいて、ひとつ厚生大臣教育をしてもらおうじゃないかということを、実は私が言い出しているわけであります。でありますので、これはもう何十名の委員でなしに、せいぜい十名内外くらいのもののわかる専門家をお願いをいたすことで人選等も具体的に進めておりまするし、その設置の時期は、今月中か、おそくとも来月中には私は設置の運びをとりたいと考えております。
#29
○丹羽(久)委員 大臣、ありがとうございました。
 局長、それに助言する用意はできておりますか。いま大臣のおっしゃったように、今月中に発足したいというようなお考えですが、局長、あなた自身もそのような態勢ができておりますか、どうでしょうか。
#30
○加藤説明員 私どもも大臣の指示に基づきまして、早急にいま人選をいろいろ検討中でございます。ただいま大臣のお答え申し上げました線で早急に事を運んでまいりたいと思っております。
#31
○丹羽(久)委員 それではさらに進んでいきたいと思いますが、これはもうしばしば問題になっておりますので、耳にたこができるほどお聞きになっていることと思いますが、広告に関してひとつまた伺いたいと思います。
 広告のあり方については、大臣御存じのとおりに、四十三年の十二月二十三日に、内閣総理大臣は国民生活審議会に消費生活に関する情報の提供及び知識の普及のあり方を諮問しまして、これに対して、四十五年五月十四日、同審議会の消費者保護部会から広告に関する中間報告が出されたわけであります。広告の誇大的なものに対する、あるいは、何と申しますか、大げさな広告をするために国民に対して及ぼす影響というものが非常に大きいことは御存じのとおりだと私は思いますが、それについて、広告があまりにうまく書いてあるがために、商品の性格からして消費者がその品質を判定しがたいというようなものに対しては、広告の禁止を含めてくれというようなことが消費者保護部会から出ておりますけれども、このような意見に対しまして、いままでそういうような広告が出た場合にはどのような厚生省としての処置をとられてきたか、これをひとつお尋ねいたしたいと思います。
#32
○加藤説明員 広告につきましては、私どもも、先ほど申し上げましたように、六月二十六日に通達を出しましたけれども、それ以前にも、再々にわたりまして、誇大広告の自粛ということについては業界に指導をしてまいっておったわけでございます。必ずしもその実効があがってなかったということはまことに残念に思いますが、業界のほうでも広告については自粛要綱というものをつくりまして、自粛の方向に進みつつはありましたけれども、必ずしもその、実績があがってなかったということはまことに残念だと思います。しかし、最近におきましては、業界も、大衆保健薬につきまする世論の動向というものについては非常に深い関心といいますか、注意を払っております。これは法律では比較的制限が限られておりまして、あくまでも、業界の協力なくしてはできない問題でありますけれども、大衆保健薬に対する国民的な批判というものを業界も次第に認識しておりまして、今度の通達については、業界も、従来のような、ただ聞いておくというようなことではなくして、これについて協力してくるという態勢を示しておりまして、私どももそれについては期待をしておるわけであります。
 なお、個々の不当な広告については私ども絶えず注意をいたしておりまして、四十三年度でございましたか、大体千件くらいの注意を個々にはやっておるということでございます。
#33
○丹羽(久)委員 いま局長から聞きますと、いままで残念ながらその効果があがらなかったが、最近はお互いに注意をするようになってきた、こういう御答弁でありますが、都道府県における薬事監視員というのがありますね。これはいろいろと保健所の方々がやっておられるようでありますが、この制度と使命感というものはどんなふうでしょうか、少し説明していただきたいと思っております。
#34
○加藤説明員 都道府県には薬事監視員、定員として約二千名くらいおります。これは食品衛生等も兼務しておる者が相当あるわけでありますが、こういう薬事監視員が薬品の安全性の問題、それからたとえば広告等につきまして非常に行き過ぎがあるというようなことをチェックしている、それに基づいて広告の規制、あるいは製品の安全性の確保ということをやっておるわけであります。
#35
○丹羽(久)委員 非常にけっこうな薬事監視員というのが全国で二千七十五名、多いといえば多い、少ないといえば少ないでしょうが、この人たちが真に使命感を感じてくれておやりいただいておれば、いままでも相当効果はあがっておると思うのです。こういうような論議にならなくても効果はあがっておると思うのですが、こういう人々に対する財政援助というのはどんなふうになっておるのですか。有名無実的にこういう者を指名しただけであるのか、ほんとうにこの人たちに使命感を持たせてやってもらうという考え方で指導していらっしゃったのか、どうでしょう。私が保健所でそういうような薬事監視員に会って、何名かの人にいろいろな意見を聞いてまいったのでありますけれども、遺憾ながら厚生省の指導的立場というものが徹底していないという感ありと私は思いますが、その点に対する局長の御答弁をいただきたいと思います。
#36
○加藤説明員 薬事監視員の経費につきましては、これは交付税交付金でめんどうを見ているというかっこうになっております。この薬事監視員の職務に取り組みますところの姿勢と申しますか、そういう点について不十分な点があるという御指摘でございますが、確かにそういう事例はあると思うのでございます。問題は、やはりいま先生御指摘のように、本省の姿勢いかんであろうと思います。本省がこういう問題についてほんとうに真剣に取り組んでいくという態度を示すかどうかによって、第一線のこういう人たちの士気もそれによって左右されるということだろうと思います。そういう意味におきまして、私どもは、本省の姿勢ということについて、今後こういう第一線の監視員たちがほんとうに一生懸命になって働くような、そういう雰囲気を盛り上げるような態度で本省としても今後進んでいきたいというぐあいに考えております。
#37
○丹羽(久)委員 ただいま局長が、薬事監視員の使命感に対して、本省として指導的にもいささか手抜かりがあって、今後はこういうものに対しもっと厳格なお願いをし、そして薬事監視を十分にやってもらおうという姿勢に持っていこうというお考えのようでありますので、非常にけっこうだと思います。私どもも協力をしなければならぬと思っております。
 これについて、保健所が二千七十五名の監視員という陣容になっておりますが、専門的にはたったの二百九十八人よりないという私の調査なんですが、もしこの数字が間違っていないとするならば、こういうような第一線で監視していただく人人はもっと専門官をふやすべきだというように私は考えますけれども、局長のお考えはどうかという前に、いま申し上げたような順序になっておりますから、いままで眠っておったとは私は申し上げませんけれども、いささかその機能が十分に発揮でき得なかった。この監視員の陣容自体が二千七十五名のうちで専門官が二百九十八名よりないということについては、三百名足らずでは、このような大きな問題にほんとうに一線で取り組んでいく人たちとしては数が少ないと思いますけれども、大臣はどうお考えになりますか。
#38
○内田国務大臣 丹羽委員が仰せられるとおり、二千数十名という数は、多いともいえるし、少ないともいえると私は思います。薬ばかりでなしに、最後には、局長からのことばにもございました食品衛生の監視員など、これもやはり五千数百名のはずですが、これもやはり専任者は千人余りだったと思うわけでありまして、チクロの取り締まり等、しばしば国会でも取り上げて私どもも御叱正をいただく状況から見ましても、何か隔靴掻痒の感を私は持っております。それは本省の姿勢、それがこれらの監視員の姿勢に映るようにすること、これがまず第一でございますが、私は厚生大臣として、ほんとうの泣きどころは、皆さんも御承知のように、厚生省というものは自分の第一線の地方の部局を全く持っていないことでございます。これはたとえば銀行検査、証券会社の検査、金融検査等にしましても、ほんとうにたいへんなことでございますが、大蔵省にはそういう取り締まり機関もございますが、私どもは、第一線の人たちは全部都道府県知事またあるいは都道府県につながるいまの保健所、また保健所につながる監視員というようなことでございまして、私はいつも頭を下げつばなしでございますけれども、ほんとうに厚生省の職員として、おれの気持ちがわかったかと言い得ない面も実は――もちろん、私も国会議員でございますし、皆さんも国会議員でございますから……。ほんとうに行政官となっての厚生省の泣きどころでございまして、きょうも実は閣議でそのような問題が出ました際に、私から、地方機関をたくさん持っておる役所から厚生省に第一線の地方機関を分けてほしいというようなことをしゃあしゃあと実は述べたようなことでございますので、これもまたいろいろ地方自治体との関係がございまして、地方における第一線の行政というものを国が直轄するのがいいか悪いかということは、従来は悪いとされてきております。その国の第一線の行政機関事務はできるだけ地方公共団体の中に溶かし込むべきだ、こういうことになっております。幸か不幸か、厚生省は言うまでもなく、昔の内務省の衛生局を中心とした行政の流れでございますけれども、昔は都道府県知事が使いやすかった。衛生部長も手足のように使えたわけでございます。現在は地方自治体の長となりましたので、たいへんむずかしい問題がありまして、昔の内務省の時代のようにはまいりません。しかし、そういうことを言っていてもしようがありませんので、国の衛生行政あるいは国民の健康保持の行政というものは厚生大臣の責任である、こういうことで、私はもうどういう御批判でも買って出るというつもりで、その姿勢を正しながら国民に安心していただくような第一線行政をやっていただきたい、こういう気持ちでやっております。
 なお、結論といたしましては、薬品の指導員あるいは食品衛生の指導員などにつきましても、でき得る限り、国の助成、あるいは待遇そのものも改善の方策を講ずる努力をいたしまして、専任職員をふやしてまいるということも非常に必要だと考えますので、そういう努力もいたしたいと思います。
#39
○丹羽(久)委員 最も信頼する大臣がそう泣き言を並べられますと、お尋ねするのに私もいささか同情的になるような感じがします。一億の国民はだれをたよって生きるかということになれば、やはり金よりも何よりも健康が第一というのが国民の考えであろうと私は思うのです。全世界の人々が、この世に生まれて早く死にたいと考える者は一人もいないと思うのです。そういう意味におきまして、長生きがしたいという理念のもとにも、厚生省というものの立場、厚生大臣という方の使命というものは非常に重大だと私は思っております。やはりあなたに一線に立っていただいて、たとえどれだけの期間であろうとも、陣頭指揮していただかなければ日本国民の健康管理というものはでき得ない、そういう立場に立って私はいままでいろいろの面から質問をいたしてきたのです。
 そこで、いま申し上げましたように、薬事の問題にいたしましても、あるいは食品の問題にいたしましても厚生省所管でありますので、予算の上におきましても、人員の上におきましても十分国民が納得できるような体制をつくっていただく、そういうことに一そう御努力をしていただくのが大臣の使命だろうと私は思っております。ぜひひとつお願いいたしたいと思います。
 さて、最後になりますが、政府管掌の健康保険の収支がたいへんな赤字になりつつある。四十五年度はもう二千億近い赤字が報告せられておるのです。さらに、このままでいきますと、どれだけになるかわからない。どこかにこれのめどをつけていかなければならぬということになる。その間にはいろいろの問題がありますが、お医者さんと薬との考え方、そして、薬をたくさん飲み過ぎる場合、二重診療を受けるような場合、あるいはむだな薬を提供するような場合がいろいろな面から生まれ出てきておるのです。こういうようなことにつきまして、少しでも国民の税金の上においてむだのない使い方をしようとしていくならば、健康の上にもむだのない使い方をするということになれば国家の利益にもなりますから、両面あわせての結論として、この赤字を中心にして医療と薬代との問題、そしてお医者さんとの関連性、いろいろあわせて、厚生省はどのように政府管掌の保険そのものに対しての進め方をしていらっしゃるか、ひとつ最後の締めくくりとして大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#40
○内田国務大臣 丹羽先生御指摘の医療保険、なかんずく政府管掌の健康保険制度の中における赤字の増加の傾向につきましては、私どももこれに対して多大の関心を持つものであります。しかし、幸か不幸か、丹羽先生十分御承知のように、政府管掌の健康保険は、ひとり立ちの大きな企業のように組合健保をつくれない、いわば中小企業の従業員等を対象といたす保険制度でございます。したがって、ベースアップ等も、組合管掌健康保険の被保険者といいますか、加入者に見るがごとく、その引き上げ率も少ないというような問題もございますし、また、これは私は言うべきことじゃないと思いますけれども、何と申しましても、政府管掌の健康保険というのは親方日の丸の健康保険だと思います。もちろん、組合管掌の健康保険は自分たちでやっていくというようなそこの違いもございますが、国民の税金でこれに何百億円かの国庫負担を現在いたしておる、それでもなお足りないという状況に対処いたしましては、先ほど部長から御答弁申し上げましたように、これに対する経営の心がまえというものも国民の気持ちを体してやっていかなければならないという感を深くいたします。ことに、御指摘がございました薬の取り扱い等につきましても御指摘をいただくということは、これはもう私どものほうにいろいろ指導上、管理上の落ち度等もあるからでございましょうから、私どもといたしましては、やはり審査とかあるいは指導とかいうような面にもさらに十分の配慮をいたしますとともに、制度そのもののあり方につきましても、御承知の制度の抜本改正等につきまして関係審議会の御審議をいただいておりますので、その方面からのお知恵を拝借したり勧告をいただいたりしながら、これの処置につきましてはまともに取っ組んでいかなければならないものと考えますので、ぜひひとつこの上とも諸先生からもいろいろ御指導や御協力をいただきたいと存ずるものでございます。
#41
○丹羽(久)委員 私の持ち時間が終わるようでございますので、最後に申し上げたいと思いますことは、ただいま大臣がおっしゃって、私は大臣がそこまでそういうようにお考えいただき、そのような現実であるということを率直に言っていただいたことに対して非常に快く思いますことは、ほかの組合と違って、政府管掌のあり方は、やはり保険組合自体の考え方が親方日の丸というような考え方が多分にあるということでありますが、私もいささかその感を深く持つものであります。そういう意味から、毎年百億だ二百億だとは言っておりますけれども、それが積み重ねられてまいりまして、先ほどから言っておるように二千億になろうとしておる。千八百何十億、たいへんな金なんですね。
 だから、こういうようなことを考えてまいりますると、やはりここで姿勢を改めてもらう、機構のあり方に対しても再検討していただく、そうして、あなたのおっしゃるように専門委員を設けていただき、そうして大臣に対していろいろと意見を言ってもらい、耳を傾けていただいて、そうしてこれの姿勢をうまく正していくことに国民は大きな期待を持つわけなんです。先ほどから申しておりますように、いつの時期にそうした専門的な人たちをあなたの周辺に置いて御相談していただけるかといえば、その発足は大体今月中ぐらいにおきたいと思うというような御意見でありますから、どうかひとつ、まだ私としての質問、そして微に入り細にわたってお尋ねいたしたい点はたくさんありますけれども、時間の関係上これで終わりますが、いまお答えいただきました点については十分に配慮せられて、一日も早くそのような方向に進んでいただくように心からお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#42
○濱野委員長 高田富之君。
#43
○高田委員 時間がたいへん制約されておりますので、端的に大臣に対する質問を二、三申し上げますので、簡潔にお答えいただきたいと思います。
 まず第一点は、先般来当委員会で取り組みました大衆保健薬並びに医薬品に対する効果の問題でございます。この問題につきましては、すでに相当各方面から意見も出ておるところでありますし、また大臣御自身も、先ほどの御答弁を承りますと、かなり重要な問題として早急に取り上げるお考えがあるように承ったわけであります。非常に力強く思いますが、これは実は問題の重大性でございますが、当委員会ではっきり名前まで堂々と指摘されておるわけですね。たとえばアリナミンというようなことばが出ておる。その他たくさん出ております。これにしましても、東京都民の二世帯に一世帯は使っているんじゃないかといわれるほど、それほどさように使用量が多い。非常に使用量が多い。生産量もばく大に多い。こういうふうなものがあげられ、その他これに類する幾つかのものがあげられて、これが効果なしと確信を持って断定され、これに対して、納得できるような効果ありとする科学的な証拠が出されないままになっているということは、これはきわめて重大な問題であることは多言を要しません。私もしろうとです。しろうとであるからこそ、率直、大胆に疑問を提起するわけです。世の中にこんなばかなことがあっていいだろうか、こう思うわけです。財政上の保険の赤字の問題もありますが、中身を調べてみれば、世界に類例のない医薬品使用量、総医療費のうち医薬品の占める割合が飛び抜けて世界一、しかも保険財政の中で医薬品のために支払われるものが年々激増し、これまたパーセントにおいて世界一、ふえ方においても異常であります。その中身を見ると、アリナミン、ビタミン剤というのが筆頭に出てくる。こういうことを考えますときに、この薬にまつわる問題に徹底したメスをふるうことなしに、わが国の医薬品行政、保険財政、すべて解決はあり得ないということをしろうとながら痛感せざるを得ないのであります。
 私はこのことを総理にこの前、予算委員会の総括質問で申し上げましたところ、総理も実はびっくりされたのですね。これはたいへんだ、ぜひ調べるということをおっしゃったのは、総理もしろうとであるがゆえに率直に事の重大性をお感じになったものだと私は考えておった。しかるに自後一年間、何ら皆さんを納得させるに足る再検討が行なわれていないということで、一学者が質問状を提出した。質問状に対して返事がない。私はその質問状の内容をこの席から厚生省の係官に質問をいたしました。しろうとですから、むずかしい答弁をされると私のほうがわからなくなりますが、依然として疑問が残る。この間の公聴会でも、同じように名前まで堂々と出されての議論もあったわけであります。この赤字の問題にしましても、またそれを離れましても、この重大な薬品に対して投げ出されました疑問を早急に解く責任が厚生省にはある。しかも、もう一年もたっているのです、総理が約束されてから。これはぜひ早急に着手されましてやっていただきたい。しかも、その方法を科学的に納得できる方法となれば、先般の公聴会でも明らかになりましたとおり、ただいまのところ、いわゆる二重盲検法というものが最も進んだ科学的な客観性のある方法だということを否定される方は一人もなかったわけであります。ただ、やるについてはむずかしいとか、それにも問題があるとかいうことを提起された方はありますが、しかし、やろうと思えばやれないことはないのだということでございますから、これをまず中心に据えて、そうして何びとも納得できるような客観的な、科学性のある方法でとにかく再検討する。しかも、わが国は世界でも許可されておる薬品の種類が一番多い。十万以上だといわれているのですが、その十万以上のものを一つ一つ全部やれなどとはだれも言ってはいないのであります。当面、いま申しましたように、国民の相当多数の者が使用しておるそういうふうなもので問題になっているものから逐次手をつける。また、すでに世界的な、あらゆるところで学問的に決着のついたものが大手を振ってわが国では出ているという参考人の意見さえあるのですから、権威者を集めて検討すれば、試験するまでもなく禁止できるものが、おそらく三分の一か三分の二あるんだというようなことまで証言されておる。ですから、早急にこの問題は着手されて、これについての明快な、国民の納得のできる結論を早急にお出し願いたい。そのために権威ある機関が必要でしょう。あるいは法的にも、立法上のなにも必要かもしれませんが、早急にそれらの措置をおとりになるということについて、重ねて大臣の御決意を表明していただきたいと思うのです。
#44
○内田国務大臣 高田さんの御所論、先般も拝聴いたしておりました。このことにつきましては、私もこれを放置しておくつもりもございませんので、丹羽委員にお答えを申し上げましたように、今月中、おそくも来月中までには、ものわかりのいい、良識豊かな専門家少数を私どもの顧問にお願いをいたしまして、この問題をどういう角度から取り上げていくか、こういうことにつきまして、厚生省としての新しい着点に立った結論づけをいたしてまいる、こういう所存でございますので、重ねてここで申し上げる次第でございます。
#45
○高田委員 そこで、その際の人選でございます。私は特に申し上げておきたいのですが、今日までこういうふうな事態になりました原因の一つには、やはり監督官庁を中心とします薬務関係を担当する指導的立場に立つべき人の人事というものが、やはりある程度災いしているのじゃないかという疑問を持たざるを得ないのであります。
 これはある権威ある方から私ちょっと聞いたんですが、わが国では薬の開発が非常におくれている。日本で発明されて、日本で開発されて海外へたくさん輸出されている薬なんていうのは数えるほどしかない。非常に少ない。また薬の生産額ではアメリカに次いで世界第二位、輸出してないこと世界第一位なんですね。総生産量のたった三%でしょう。諸外国ではいずれも五割とか六割とか七割が輸出、少なくとも二割を輸出している。つまり、日本で開発して輸出する企業が少ないのは、世にもふしぎな話です。しかも、世界第二位の大化学産業を持っておりながら、世界に通用する薬というのは発明できない。その原因はどこにあるのか。
 ある医者に言わせますと、これも一つの意見じゃないかと思いますが、御参考になればお聞きいただきたいと思うのですが、わが国においては、薬学関係の方が薬品製造業においても主導権を握っておる。それから薬務行政の上でも薬学出身の方が主導権を握っておられる。しかし薬の発明は生物学であり、医学である。したがって、諸外国の企業体を見ると、諸外国の製薬企業の主導権を握っておるのは医学系統、生物学系統である。わが国はまさに逆である。さかさまである。化学であるところの薬学からは、生物の病気をなおすための薬を発見するアイデアというものは出てくるはずがないのだというのですね。私、非常におもしろい意見だと思うのです。諸外国の企業体や何かの実態をお調べの上、わが国の企業体が、製薬企業の実態がそういうものであって著しく違うということであれば、ここら辺にも相当大きな問題があると思う。
 それから、私は率直に申し上げますが、この間の当委員会において、政府の学者代表ということで出席なされました石舘薬事審議会会長さんが、この方もあとでお聞きしましたら、薬学関係で医学関係ではないのだそうでございますが、このお方のおっしゃっておりますことは「たとえば、薬というものの価値を判断するには、三つのファクターがあると常識的に考えられております。というのは、いわゆる心理的効果、これはプラシーボとしてあらわれる効果、薬本来の効果、それからもう一つは、医者に対する信頼の効果といようなものが合わさったものが、全体として臨床的に効果として出てくる。」こういう説明をされるんですね。心理的効果というもの、薬の効果の中の非常に大きい三分の二がそういうもの、まん中の一つが薬本来の効果なんだ、こういうばかばかしい説明をなさるので、私はしろうとでございますが、こういう方に薬の判定をされるのでは、科学性なしと言われてもやむを得ないじゃないかなということを率直に感じました。私ども一番心配しております大衆医薬品の問題につきましても、こういうことをおっしゃるんですね。「薬というものは、個人的な好み、自分のからだに合ったものを選択するという自由も残しておいていい。日本国民は昔から薬石に親しむという習慣がある、自分が選択して飲むといういい習慣もあるのじゃないか、」と言う。こういう方に、とうていわが国の、きくかきかないかわからない、これだけ世論のやかましい薬の厳正な科学的な洗い直しをやれと言うほうが無理ですよ。私は残念に思うのです。こういう方が、わが国の薬事行政の最高の顧問格の学者代表だというのでは、推して知るべしです。
 私は、厚生省の人事というものについて、もう相当根本的にお考え直しをいただかなければならないということを率直に感じます。これは着物や何かなら、茶の湯やいけ花ならいいですよ。日本人の好みでけっこうですよ。薬は人類の病気をなおすのでしょう。日本人の好みだとかなんとかいう、外国へ通用もしないものを宣伝広告でじゃんじゃん売り込まれるんでは国民はたまったものじゃないですよ。
 ですから、私はいまここで大臣に一つ申し上げたいことは、この人事の問題、いま大臣が、私はしろうとだから専門家を少数寄せて――けっこうなんですが、その際、いままでのありきたりのものであってはならないんですから、相当良心的で、きびしい現状に対する批判をじゃんじゃんやってくれるような方、そういう方を大臣がお選びになって十分意見をお聞きになるということがまず非常に大事だということを、特に私は老婆心ではございますが、申し上げておきたい。いかがでしょうか。
#46
○内田国務大臣 特定の方を名ざされての御意見もございましたので、私はそれにはお答えをいたし得ませんけれども、高田さんのお話は、ただいまここでよく承りました。
#47
○高田委員 それからもう一つ、だんだん時間がなくなるのですが、先ほど来もいろいろ問題になっております広告でございますが、医薬品を大衆に向かって直接広告宣伝をさしておるのは日本だけだというのが、この間も公述人の方々からそれぞれ御説明があった。多少はあるんでしょうけれども、こういうふうに大っぴらにじゃんじゃん宣伝をして、直接薬を大衆に宣伝して買わせるという仕組みですね。大衆は薬について知識がないのですから、どういう宣伝をされたって、その中身を分析して理解する力は大衆にはございません。ですから、専門家に対して、専門雑誌や専門新聞に対しての宣伝だけしか文明国では許してない。日本という国は世にもふしぎな国だということらしいですが、もしもそうだとすれば、これは重大なことだと思います。自粛自粛とおっしゃいますけれども、いろいろ御苦労はわかりますよ、人手が足りなくて一やるなとかおっしゃいますが、もともと厚生省がきくように判こを押して販売を許してしまっているんでしょう。どこからが誇大広告だとわかりませんよね。きくというのは厚生省が証明しているようなものですから、それをきくといって宣伝をして悪いというわけにいきませんね。ですから、広告の自粛だって自粛のしようがなかなかむずかしいと思うのです。俳優を使っちゃいけないとか、それは枝葉末節だと思うのです。私は、もしもきくんなら、幾ら宣伝したっていいというようなことになると思う。問題は、いまこれほど大きな疑問を投げかけられ、これを再検討しなければならぬというやさきには、とりあえず諸外国でやっておるように、大衆への薬品の直接広告というものは原則として禁止する、そうして、必要なものについては許可願いを出させて、許可できるものについて一定の制限をつけて許可をしていくというふうに、これは石舘さんでさえ、と言ってはどうか知りませんが、許可制度を考えておるという公述をされているんです。他の方々は、これは世界にもちょっと例がないんだということを言っておられるのです。ですから、またこの広告費の膨大なこと、わが国の企業は広告費を研究費の三倍くらい使っているんですよ。こんなのは世界にないですよ。これは広告宣伝費というものがおおむね輸出額の二倍に当たっている。そうして研究開発費の二倍ですよ。おおむね二倍。研究開発費が総販売額の三%、それに対して広告費は六%です。ところが、よその国では研究開発費は一四%、一〇%、一〇%というくらいに非常に高いわけです。要するに、わが国では広告宣伝なんてものはやらないで、こういうむだな経費を使わずに研究開発費に使わなければならない。その倍の研究開発費が必要だと思うのです。ですから、この広告については、この間国民生活審議会のほうからも、この当委員会で事務当局でつくられた資料にも出ておりますが、国民生活審議会の答申にも、大衆医薬品についての広告は禁止的な規制をやれというような、禁止というようなことばを使ってあります。はっきりと禁止せよというような意味のことがあるのです。諸外国でそうなっているというのですから、これはひとつ、規制規制で相当のエネルギーを費やしておられると思うのですが、もともと規制自体に相当無理があるのですから、野放しにして許してしまっているほうに責任があるのです。これは再検討する期間中、原則として禁止するというくらいの断固たる処置に出なければならないのです。そうすることによって、逆に企業のあり方を正常にしなければならぬと思うのです。わが国の製薬企業ほどこんな不正常な姿――世界第二番目だというような不正常な企業形態はない。広告問題が一つの問題です。
 それからいまの企業形態ですが、これは厚生省の管轄ですから御検討願って、企業の根本的な体質改善をおやりにならないと、外資の導入、外資の自由化の中でこれはとうてい太刀打ちできない。わが国の重要産業でありますから、これを何とか立て直しをしなければならない。重大なことが厚生省の仕事として現在当面の大きな課題になっていると思うのです。これはいま申し上げましたように、生産量だけは世界第二位で、開発費が主要な国と比べましてけたはずれに低い。スウェーデンが一四%、イギリスが一〇%、オランダが一〇%、ドイツが七%、フランスが七%、イタリアが六%、日本は三%、つまり研究開発ということには金を使わないで、広告費のほうにその倍も金を使っておる。外国のほうは広告費はほとんどゼロにひとしい。しかも、つくったものは、さっき言ったように半分くらい輸出されているのです。日本ではたった三%なんです。アリナミンのごときはほとんど輸出なんかされちゃいませんよ。大衆保健薬なんて、第一、名前が日本にしかないのです。病気でもない者に広告宣伝をしてどんどん薬を飲ませるという需要の開発をやったのは日本の製薬企業なんです。これは企業としたら大成功でしょう。しかしわれわれはたいへんな被害をこうむっているのです。こういう不正常な状態にある日本の製薬企業は、まともに外国企業との競争に太刀打ちできる道理はありません。ですから、これは早急に企業のあり方というものを変えて、まじめな薬をつくらせる、まじめな薬を開発させる、大衆宣伝はやめさせる、きかない薬は全部禁止する、そうして必要あれば企業の合同をやったり、研究開発等にもっと政府が本腰を入れて助成をするなりいたしまして、企業の本質を根本的に変えるために、これまた早急に権威ある委員会でも何でもおつくりになって、そうして早くいい案をおつくりになって、断固としてこれを実行に移すということをひとつお考えいただきたいと思うのです。
 以上、二点について御答弁願いたい。
#48
○内田国務大臣 御所論はまことに私も傾聴させていただきました。しかし、それを法的にどこまで規制できるかというところに問題はあろうと思います。御指摘の……(「外国ではやっている。」と呼ぶ者あり)外国は外国といたしまして、これは自由主義国もあれば共産主義国もあるわけでございまして……。御所論の点が大きな課題であることも承知をいたしておりますので、そういうことも含めまして、ものわかりのいい専門家の仕組みをつくっていただきました際に、検討の対象といたしまして、あらためて取り上げさせていただきたいと私も考えております。
#49
○高田委員 時間がありませんから、これで終わります。
#50
○濱野委員長 山本君。
#51
○山本(政)委員 時間が二十分だそうですから一問だけ。
 保険財政の、特に政管健保のほうで赤字の見込み数というのが問題になり始めた四十年ころからずっと今日まで、赤字というものに対する厚生省の見込み違いというものはかなり金額が大きい。しかし、それはともかくとして、その赤字の原因というのが実は薬剤と注射にある。受診率が漸増し、そして一件当たりの日数が漸減している、だから金額はあまり動かないということで、一日当たりの金額というものがふえてきておるということで、その理由の中にいま申し上げた薬剤と注射というものが入っている。しかも四十二年はそれが四二・二%になっているということで薬価基準の改正をいたしました。これは前々回が一〇・何%ですか、その次が五・四%、そして今回、たしか三%だと思うのですが、私がお伺いしたいのは、薬価基準の切り下げというのがはたして三%で妥当なのかどうなのか。前々回は一〇%をこえるもの、そして前回は五・四%ですか、だんだんと薬価基準の切り下げの切り下げ率というものが低下をしてきておるという事実があると思う。
 その点について、これは薬務局長ですか、私は少なくとも漸減をする必要はないんだと思うんだけれども、漸減をした理由というものがもしあればお聞かせを願いたい。
#52
○戸澤説明員 本年の七月一日に告示いたしました薬価基準の切り下げ率は、お話しのとおり約三%でございます。正直のところ、私どもももう少し高い切り下げを期待しておったわけでありますが、実態調査の精密な分析の結果、そういうものでもっておさまったわけでございまして、これについては事務的、恣意的な操作は加えておらないわけでございます。一応調査の結果がそんなふうになっておるわけでございます。
  〔委員長退席、丹羽(久)委員長代理着席〕
#53
○山本(政)委員 それじゃ私は事実の調査の結果について、疑問点をお伺いいたします。
 循環系ホルモン剤のカルナクリンというのがありますね。これは薬価基準がこの前のときはたしか十八円だったと思うんです。それがいま十四円七十銭であります。同じ薬品でカリクレインというのがあります。これは三十四円三十銭だったのが三十三円五十銭になった。
 そこでお伺いしたいんですけれども、私は何軒かお医者さんを尋ねてみました。大体二〇%くらいは常時添付をされておるそうです、おまけというのは。確かにこれはあるいは厚生省の御努力のおかげかもわかりません。だいぶ自粛されたようですけれども、薬品の添付というものは依然として残っておる。しかも薬価基準の調査前には五〇%くらいの添付のものがある、これが平常であります。そして薬品によっては二〇%くらいしかつかないものもある、こういうお話も実は聞いております。そうしますと、かりに二〇%添付しますと、いまのカルナクリンというのは十四円五十銭になるはずであります、薬価基準から引いていって。そうするとカリクレインという薬は三十三円五十銭、カルナクリンを使えば十八円で済む、それがかりに二〇%の添付をすれば十四円五十銭で済む、そうしたら、カルナクリンを使ってカリクレインというもので請求をした場合には一体どれだけになるだろう。十九円であります。三十三円五十銭の薬を請求して十九円、結局、かりに――かりにということばを私は使いますけれども、十九円結局差があるとしたら、もっと薬の価格というものを下げることができるはずであります。
 あなた方は実態調査をやったというけれども、それじゃ私はお伺いしたいけれども、八千種くらいの収載品目の中で、それが全部九〇%バルクラインでやられましたか。この一年の間にきちんとやられましたか。
#54
○松浦説明員 実際の手続といたしましては、全品目につきまして調査をいたします。そのうち、数が非常に少ないものもございますので、そのようなものにつきましては九〇%のバルクラインというのが引けないわけでございます。そこで、実際に数がたくさん出ておりますもの約千五百についてバルクラインを引きまして、さらにその残りのものにつきましては、薬効分類に従いまして、ある薬効のものは、そこで調査に出た引き下げ率というものを用いまして、その同率を残りのものにかけるということで薬価基準の価格を算出いたしております。
#55
○山本(政)委員 だから、いま局長の御答弁になったのと課長の御答弁になったのとでは違うでしょう。八千の収載品目について全部バルクラインを実証的にやってきたかというと、やってないんですよ。しかし、それはともかくとして、いま申し上げたように、かりに――私は十九円ということを申し上げませんけれども、しかし、十八円というカルナクリンというものが二〇%添付すれば、これが十四円五十銭になるという事実というものは私は存在すると思うのです。それならば、添付をするだけされるのだったらば、なぜ薬価というものを下げることができないか。つまり、あなた方の考えている中には、添付も一切あり得ないという考えのもとに薬価基準というものをやっておるわけです。その点について、三%というものがなおかつあなた方は妥当と考えるかどうかということをお伺いしたいと思います。
#56
○戸澤説明員 調査の内容は、ただいま医療課長が御説明したようなことでございまして、薬価基準をきめる、改定をやるについてその実態調査に基づいてやっておるわけでございますが、その実態調査にあらわれない面、つまり御指摘のような添付の問題あるいは一括割引の問題、そういったようなことがあると思いますが、これはいわゆる薬価そのものの実勢価格をきめる薬価調査の面からは出てこないわけでございます。
 それで、一応薬価基準の改定は、薬価調査にあらわれた結果に基づいてやっているわけでございますけれども、実際問題として、そういう添付とか割引とかいうことがあることもいなめないことでございますし、この面はこの面として、行政指導、行政措置のほうから強力に是正していかなければならない問題であろうと存じます。したがって、そういう行政の改善措置と実態調査と相まって初めて適正な薬価基準がきめられるということになろうかと思いますけれども、私どもも今後適正な薬価基準をきめるために、そういう薬務行政の面からする行政指導も強力に進めてもらいまして、相まってやっていきたいと思うわけであります。
#57
○山本(政)委員 私が申し上げたいのはこういうことなんです。つまり、あなた方は行政指導として添付をやめなさいという行政指導はやっているだろう、添付をするのならば、むしろ薬価を下げなさいという指導はやったかどうかということですよ。そういうことをおやりになっておるかどうか。つまり、行政指導として、添付はいかぬ、おまけをするのはいかぬという行政指導はなさったのでしょう。しかし、もし添付をするくらいなら薬価を下げなさいという、そういうことはいなめない事実だということを局長がおっしゃるのだったら、それは努力をすればつかめたはずだと思う。あなた方が努力してやらないから、これだけ赤字が問題になって、そして、あなた方の試算した数字では――私はその数字が二千億近くになるかどうかということについては疑問を持っておりますけれども、しかし、それだけおっしゃるのなら、なぜそれだけの努力をなさらないのですか。問題はそこにあると思うのです。
 もう一度申し上げましょう。これもある薬であります。ラゾチーム、レフトーゼ、それからこれは収載されておりませんけれども、これと同種の薬品であるのにノイチームというのがあります。これは四十一円七十銭、二〇%添付すれば二十七円八十銭ですよ。私は、実勢価格それから薬価基準というもの、実際の購入というもの――実勢価格と薬価基準というものとの間のことが問題になって、薬価基準だけの問題を取り上げてみても十三円九十銭という差がある。そうすると、それだけのものが安くなるはずだと思うのだけれども、これもならない。あなた方が下げておるのはたいした下げ方ではありません。そういうものをずっと一応――これはもちろん添付されてない薬もあるでしょう。しかし、添付されておる薬というものがあるとするのだったらば、それも私はかなりあると予測しておるのですけれども、そういうものを要するに改正のときにお考えになるのだったらば、薬価はもっと下がるはずだと思う。
 そこでお伺いしたいのは、九〇%バルクラインというのは、これは少なくとも四十三年ですか、四十三年の中央社会保険医療協議会の問題になっている薬価基準価格の決定の際、九〇%バルクラインの問題は引き続き検討すると、こう言っているのです。検討するというよりか、いま私が申し上げたことからいえば、検討する前に、厚生省のほうで自主的にそういうお考え、立場に立って作業を進めてしかるべきだと、こう私は思うのだけれども、その点についていかがですか。
#58
○戸澤説明員 お話のとおり、九〇バルク問題につきましては、いろいろ批判やら御意見もあるわけでございまして、中医協におきましてこの薬価基準の問題の一番焦点の一つとして、中医協において自主的に検討をしていただくということになっております。この薬価基準の扱いにつきましては、中医協の御意見を待って行政当局としてまた検討をするということになっておりますので、中医協の今後の御審議を期待しているところでございます。
#59
○山本(政)委員 それでは、中医協待ちで、厚生当局としては自主的には何もできないということですか。
#60
○戸澤説明員 健康保険法等によりまして、診療報酬の適正化、それから薬価基準の扱いにつきましては、基本的に中医協の議を経るということになっておりますので、もちろん行政当局としましてもいろいろな検討はいたしておりますけれども、最終的な扱いにつきましては、中医協の御意見を待って、受けて出すということになっておるわけでございます。
#61
○山本(政)委員 それではもう一回話をもとに戻しましょう。カリクレイン三十三円五十銭、カルナクリン、同じ内容の物質を含んでいる薬剤として十七円四十銭、薬効も同じであります。そうすると、その間の差額というものは十六円十銭ですね。これは新しい改定による収載した値段ですけれども、そうすると、三十三円五十銭というものが片方では使われ、片方では十七円四十銭というものが使われる。三十三円五十銭と十七円四十銭、差は十六円十銭ですよ。カリクレインから見たら約半分の値段ですわね。要するに、使い方によれば五割近い――みんなそうだとは申しません。しかし、お医者さんの使い方によれば十六円十銭、半分近い差額があるということです。それでもあなた方はおかしいとお思いになりませんか。何か不合理があるとお思いになりませんか。それが第一点。
 第二点は、ではなぜそれだけの差額というものがつくのか、この理由をひとつ聞かせていただきたい。
#62
○戸澤説明員 具体的なその事例につきましてはいまつまびらかにいたしませんが、もしお話のとおりとすれば、その原因は、先生御指摘のように、添付等の問題から来る結果であろうと思います。
 それで、先ほども申し上げましたとおり、添付の問題につきましては、薬務局のほうから厳重な行政取り締まりをやっておるわけでございまして、そういうことはもちろん中医協などの審議と別に幾らでもやれることでございますので、そういう面の行政指導を今後も強力に進めて、適正な価格につとめていく努力はしなければならないと思います。
#63
○山本(政)委員 局長のお答えは全く的をはずれたお答えになっているのですよ。三十三円五十銭のカリクレインの値段というのは、これはバイエルの薬であります。そして特許料というものが入っておるということです。抽出法が違うということですね。これが同じように売られているわけです。それでそれだけの差があるわけです。つまり特許料の問題がここにあると思います。しかし、いずれにしても、三十三円五十銭という値段とそれから十七円四十銭という値段を比べてみると、片一方のほうにおいて私は独占価格があるのじゃないかという気もするのですよ。独占価格ということばは、あるいはことばとして妥当でないかもわからぬけれども、ともかくもある意味では不当利得を得ているのではないか、こういう感じがするわけです。決して添付の差じゃないのです。しかし、カリクレインが発売されてから今日までかなりな年月がたっているということになれば、私はこれももっとダウンさせられる余地はあると思うのですね。だけれども、そのことについてはあなた方はほったらかしていらっしゃるのですよ。そして、両者の間の十六円十銭というほぼ半分近い価格というのを平然としてあなた方は薬価基準の中に収載されている。そういう矛盾というものを一体どうなされるのか。もしこれが――これだけではございません。ほかのものについてもそういう価格差というものがあるだろうし、そして添付というものがいまや販売側と購入側との間で常識化されているとすれば、もっとダウンされる余地があるだろう。それは審議会の結論を待たないでもバルクラインを下げられると私は思うのです。大臣にそのお答えをひとつ聞かしていただきたいと思うのです。
#64
○内田国務大臣 せっかくのお尋ねでございますが、正直なところ、いまお尋ねの点については私、よくわかりません。わかりませんが、私どもは、薬についての製造の合理化とかあるいは研究費の償却とか、いろいろなことがあるのでございますので、いろいろ抵抗がありましても、やはり合理的な薬価基準の改正というものは進めていくべきだということで今回やったわけでございます。詳しいことにつきましては、専門家の松浦医療課長にお尋ねいただきたいと思います。
#65
○山本(政)委員 私の申し上げたのは、三%という薬価基準のダウンの額というのは、はたして妥当な額なのかどうか、もっとあなた方が努力すればそれ以上に下げられるだろう。三%でなしに、かつて一〇・二%、そしてその次は五・六%もダウンしているわけです。薬価基準を下げているわけですよ。私はそれが要するに医者の潜在技術料といわれているのがおかしいと言っているわけです。技術料というのは技術料として別に評価すべきですよ。しかし、薬に対しては少なくともそれだけのことをおやりにならなければ、薬価基準というものは納得するパーセンテージでは下がってこないということを申し上げているのです。もう一ぺんその点について検討する余地があるかどうか、あるいは自主的に御判断をなされるという勇気がおありになるかどうか、そのことを大臣にお答えいただきたい。
#66
○内田国務大臣 私が当局から説明を受けておりますところを申し上げますと、腰だめで今度の薬価基準は三%下げるがいいというようなことで、値下げのほうを総括的にきめまして、それに個々の薬品を押し込んだというものではございませんので、バルクラインの問題はございましょうが、バルクラインを引き上げる薬につきましては、バルクラインを引く、引く必要がない薬につきましては、その割合を準用する等の便法はやったでございましょうけれども、個々の薬についての引き下げを集積いたしました結果が三%になった、こう私は聞いております。しかも、過去の薬価基準の引き下げ率より今回の引き下げ率のほうが少ないということを私も気がつきましたが、これはいま言うように、積み上げ計算の結果そうなったことでございますが、俗なことばで言うと、だんだん薬価基準もしぼれるものはしぼる。しぼると言うと、ことばは悪うございますが、合理的に直せるものは直してきた。したがって、その幅も過去のように八%も一〇%も引き下げる余地がなくなってきているということもあるのではないかとも私考えております。
#67
○山本(政)委員 時間だそうでございますから、最後に、私が申し上げた添付というものが、ある薬剤についてはかなり多数でございます。そういうものについてやはりもう一般化しているというようなことも承っております。そういう中で、これは八千種の中で一体どれくらいかといったら、おそらく二百や三百じゃないでしょう。もっとたくさんの数だと思うのですね。そういう中で、いま申し上げたような添付のこともお考えになって、将来薬価基準のことについては、そういうことも勘案をしながら、そして、同時に行政指導をしながら、調査をしながら進めていっていただきたいと思うのですけれども、その点についての最後の大臣のお答えをお願いいたしたいと思います。
#68
○内田国務大臣 そのとおりであるといたしますならば、筋の通ったお話だと思いますので、なお今後の課題として、お話のことを十分検討さしてまいります。
#69
○山本(政)委員 どうもありがとうございました。
#70
○丹羽(久)委員長代理 大原亨君。
#71
○大原委員 時間がないですから、ひとつ簡潔に御答弁願います。
 いままで大臣に何回もずっと質問してきましたけれども、やはり十月ごろにまた大臣かわるんじゃないですか。佐藤内閣の四選にあなたは賛成ですか、反対ですか。
#72
○内田国務大臣 私は、実は厚生大臣といたしまして御承知のとおりしろうとではございますが、いま国民生活の問題が前面に出てきておる時期でございますので、むしろ私は厚生省への国会からの派出婦のつもりで、したがって厚生省の過去の行き方にとらわれないことでひとつ指導方針を出そうということで、実はいささか奮闘いたしておるつもりでございます。しかし、十月にかわるかもしれませんが、かわってけっこうでございまして、私は代義士をやめませんので、皆さま方の中にまた戻りまして、そして国民の保健衛生なり社会福祉の行政の推進に協力をいたしてまいるつもりでございますので、かわる、かわらぬということは全く念頭にございませんし、意に介しておりません。
#73
○大原委員 四選のことについては答弁がなかった。
 赤字が政府管掌については千八百五十億円、日雇健保も一千億円近くあるそうですね。四十五年度の見込みですが、千八百五十億円の赤字解消、これのためには健康保険法の改正を来年やるのですか。つまり保険料を上げるのですか。
#74
○内田国務大臣 これはこのまま放置できませんが、私の気持ちといたしまして、正直に申し上げますと、単純な改正ということではなしに、社会保障制度審議会なり社会保険審議会からお知恵を拝借いたしまして、将来にわたる医療保険制度全体を通ずる抜本改正の一環と申しますか、それに取りかかる方途の一翼として改正をしたい、こういうことをいまのところでは私は考えております。
#75
○大原委員 それでは、いままで予算委員会その他で議論してきましたが、だいぶん時間も詰まったわけですが、抜本改正については来年度から手をつけるのですか。
#76
○内田国務大臣 法律の規定がございまして、抜本改正に手をつけますためには、いま申しました審議会の御答申がなければ、政府単独では提案ができないことになっていると私は理解をいたしております。そこで抜本改正の前段、さしあたり抜本改正への取りかかりの方途につきまして、ぜひひとつ来年度の予算に間に合うような御答申を両審議会からいただきたい、こういうことで、先般も私自身審議会にまかり出まして、ただいま私がここで述べましたようなことを申し述べたり、お願いをいたしてまいっておるわけでございます。
#77
○大原委員 抜本改正についての第一着手の答申案がいつごろまでにできれば来年に間い合いますか。つまり、いつごろまで答申がまとまることを期待をし、要請をし、あるいは見込んでおられるのか。いかがですか。
#78
○内田国務大臣 相なるべくは八月中に何らかの形の御答申をいただければと考えております。
#79
○大原委員 やはり国民の負担や制度全体に関係が深いわけですから、両審議会の意見を無視してはできぬわけですね。できぬわけですが、無視したことはたびたびあるのです。あるいは政府与党はそういうことはやったわけです。抜本改正についてどういう方針で臨むかということが一つあると思います。政府はどういう方針で臨むのか。やってください、やってくださいということでは全然できやしないのですね。
 問題の一つは、いま議論しましたことに関連するのですが、つまり日本の医師や歯科医師や薬剤師に対する技術の評価が非常に低いということです。それから責任の分野が明確でないということです。それからもう一つは、日本と台湾と韓国だけですけれども、物と技術が、診療報酬の体系でも、あるいは医薬分業の面においても分離されていないのです。先進国では医者は診断から処方までなんです。その次に薬を調剤するのは薬剤師がやるわけです。責任を分割しておけば、患者の立場に立てば患者に対する責任が明確になるし、医者でいうならば、薬を売って売薬医療でもうける必要はないわけです。いまだったら、薬を売れば売るほどもうかるのです。世界的にはアメリカ、イギリスその他ヨーロッパはほとんど薬の広告については禁止しているのです。専門家だけ知っていればいいのですからね。ところが、日本ではアリナミンをくれ、ハイベストンをくれというようなことを患者が要求する、それに迎合する医者は人気がよい。一方ではもうかるわけです。リベートはあるし、添付はある、こういうことでしょう。
 ですから、その分担を明確にしながら責任分野を明確にするということは、資本主義国、社会主義国を問わずどの先進国でもやっているのです。そのことは斎藤厚生大臣や佐藤総理も前の国会以来抜本改正のときに議論して、これは自民党の方針もそういうことなんですが、これは五年以内にそういうことをやるということを言っているのです。
 たとえば抜本改正でこの一つの問題を取り上げる際に、いま議論しておる問題からいいましても関係が深いわけですが、どういう考え方で臨むのか、あるいはどういうスケジュール、どういう順序で臨むのか、こういうことについて、もう一カ年たったわけです。あと四カ年ですから、私は大臣としてはしかるべき識見があってよろしいと思うが、いかがですか。
#80
○内田国務大臣 大原委員からお話がありましたことは、今日各方面で議論になっておるように私も思います。それだけに私も関心を持っておりまして、医療の問題も、単に保険制度だけをいじることによって解決されるものとは私は決して思いません。本来の医療のあり方、これはいろいろいまの医薬分業の問題もございましょうし、あるいはまた僻地医療の問題もございましょうし、あるいは医者の養成とか看護婦の養成の問題もございましょうし、診療報酬の問題もございましょうし、そういうことは当然あわせて直すべきものは直されるべきだと考えております。
 そこで、私ども承っておりますところでは、ただいま私どもが保険制度の抜本改正にとりかかる手段について諮問いたしておりますところの社会保障制度審議会におきましても、保険制度の改正に先立つ、あるいはそれに関連する問題として、そのことを中心として審議会はすでに二十何回か審議をされてこられているようでございまして、私どももそういうことにつきましての社会保障制度審議会の建議なり、あるいは勧告なりというようなものも十分参考といたしまして取り組まなければならないと考えます。審議会の答申がなくとも、審議会の権限を侵さずやれることは、私ども行政府の責任としてもやらなければならないくらいに私は考えておりますので、この問題につきましては、大原さん御指摘の点すべてを対象といたしまして取り組んでまいるつもりでおります。
#81
○大原委員 これは厚生大臣や政府がやる気になっておらなければできぬわけですよ。やるプランがなければできぬわけです。そんな漫然と審議会にまかせっぱなしということはないです。ですから、従来から与党も抜本改正についていっておるし、その方針についてどういうふうに具体化するかについて、五年以内に医薬分業をやる、抜本改正をやるということなら、どういうやり方でやるのか、どういう考え方、見通しでやっていくか、こういうことを私は言っているのです。
#82
○内田国務大臣 私のことばが足りない点は専門家の局長等から答弁させますが、保険制度のよって立つ医療についてのいろいろな他のメディカルの制度の問題は多々ありますので、それを保険制度の改正と一挙にやることはむずかしいと私は思います。したがって、保険制度につきましても、まず差しあたり実施すべきことに足を踏み込み、その一環として保険法の改正にも取りかかりまするし、それから保険制度以外の問題につきましてもできるものからやっていく。ただ私、ほんとうに告白をいたしますと、大原先生のお取り上げになる問題につきましても、日本の社会生活とか、大げさに申しますと、これまでの歴史の中で定着をしてきている問題がございますので、それを一挙に合理的の線に乗せるということに、なかなかいろいろな問題や抵抗もございます。そういうことも頭に置きながらできるものからやっていきたいと考えます。
#83
○大原委員 できることをというが、抜本改正をどういう構想でやるのかというのは、私はいままで政府が言ったことについて言っているのですよ。
 時間が来ましたけれども、私はこれは大臣がいなくなっても、公明党の質問が済みましたら、またあと質問を続けるつもりですが、時間の関係でやめますが、薬事法を改正をして――一回許可したら野放しという、そんなでたらめなことは世界にないですよ。それから八千も薬価基準に登載しているような、そんなでたらめなところはないですよ。登載のしかたが問題だ。大体、普通の病院だったら、薬は百から二百ですよ。東大病院なんかでもってやって一千種くらいですよ。いかにでたらめかということがはっきりしているのですよ。
 ですから、もう一回総点検しなければいかぬです。外国の文献やその他いままでの研究の成果によってはっきりできるのですから、そういうことができるように薬事法を改正すべきである。当然じゃないですか。副作用、たとえばサリドマイドのときだってそうじゃないですか。自主規制という形で禁止にしておるけれども、睡眠薬の場合、あんなものは禁止すべきですよ。そういうことをきちっとすべきではないかと思うが、薬事法を改正する意思がないかどうか。
#84
○内田国務大臣 薬事法の問題もございますし、また大原委員の示唆されたような他の問題もありますが、私がここで、ずばり簡単に、おれはこういうことをしたいということを申しましても、先ほど申しましたような社会に定着している問題をひっくり返すためにはいろいろな順序や苦労もございますので、私がずばり言えない面もございますが、しかし、たとえば薬価基準の中に八千は多過ぎるというようなことにつきましては、これは私どもも始終洗い直しておりまして、今回も約一割、七百くらいでございましょうか、基準から落としました。少なくとも使われないものは薬価基準の中においては落としております。しかし、これも私どもだけの判断で落とすということだけですべてが解決する問題ではございませんので、学界方面の御意見も承りながら実は落としておるわけでございます。なるほどおっしゃるとおり、薬事法ができましてから承認した薬の累積というものは何万の数があるわけでございまして、その中には、すでに用いられていないような薬も多々あることと私は想像をいたします。その何万もある中で、薬価基準に登載している医家向きの薬というものが七、八千、こういうわけでありますし、この七、八千には毎年新しく加える。薬の開発や薬学の進歩、医学の進歩によって加えるべきもの、いままではそういうものについてはけちけちして登載しないでおったようなところがございますが、最近はそういうものをできるだけすみやかに薬価基準に載せると同時に、繰り返しますが、要らないものを落とすようなことをやっておりますので、たとえばそうでございますので、これは長くなるから申しませんが、御趣旨はよくわかりましたので、今後私も一そう勉強しながら努力をいたします。
#85
○大原委員 最後に一つ、いままでの薬務行政、薬の効力の議論を通じまして非常にはっきりしたことは、政府の答弁しているように、日本の総医療費は総人口に比較いたしましても国際水準なんです。問題は中身なんです。ほんとうに国民や患者のために役立っているかどうかということなんです。そのときに何を取り上げるかということが問題なんです、抜本改正で大切なのは。その場合に、単にいままで繰り返したように、保険料を上げたり患者負担をふやすことだけやるからああいうふうな問題になるわけです。問題は、四二%を占めておる薬について最小限度使用の法則、薬は毒なんだから、そういう原則によって、ほんとうに国民や患者の納得できる負担の体制をとれということなんだ。問題は、そのために何をやるかということなんですよ。
 ですから、そういう問題についてわれわれは議論しているわけだが、その中においてあなたのほうの姿勢なんか、石舘国立衛生試験所長、薬事審議会の会長をはじめ、全くけしからぬ。薬事審議会の構成も、会長以下、私はやり直す必要があると思う。これは当然だと思う。ですから、そういう点を十分考えながら、何からやるか、こういう点について私は非常にこの決算委員会は貴重な議論をしたと思う。単なる赤字対策じゃないわけです。ですから、総医療費を公平に分配して医師や歯科医師や薬剤師の技術料を評価をする、そして不必要な薬は絶対使わない、最小限度使用の法則でやる、薬は毒だから。そういうことでやるということについて、まずこの供給面について、医療機関の問題、僻地医療の問題、その他たくさんあるが、これはあとでやります。そういう問題はあるが、とにかくそこから手をつける。こういうことについて、大臣は少なくともかなり長く大臣のいすにすわっておられたんですから、相当的確な意見があってしかるべきだと思うし、なければできないことだと思う。
 私は言っておきますが、保険料を簡単に上げたり患者負担を簡単にふやすようなことをもって、あるいは単なるプール制などということで財政だけの問題についてやるということについては、これからは絶対に納得できませんよ、これだけの審議を経た以上は。その点、結論だけについていかがですか。
#86
○内田国務大臣 たびたび申しますように、保険制度だけでなしに、保険制度のよって立つ医療の各方面の問題につきましても私どもも検討を加えつつ、できるものからやっておるわけであります。これはいまの僻地医療の問題はありましたが……(大原委員「やっていない」と呼ぶ)やっていないというのですから、議論になって恐縮でありますが、僻地医療の問題なんか、私どものほうの重点施策の一つである。ただ、医者がいないというだけの問題でございますので、これらにつきましても当然並行して考えてまいります。
 薬の問題につきましても先ほどいろいろ御議論がございました。これらも私は専門家の意見を聞きながら、薬事法というものは漫然と変えなくていいというものではない。また、一ぺん承認された薬が十年たってもそのままあっていいというものではないということを私自身が考えまして、手をつけられるものから手をつける、こういうことをいたしつつ、保険制度の改正につきましても御協力を得たい、こういう趣旨でございますが、先生のお説もよくわかりましたが、どうぞひとつ厚生大臣の身にもなっていろいろ御協力を願いたいと思います。
#87
○丹羽(久)委員長代理 鳥居一雄君。
#88
○鳥居委員 まず、ただいまの答弁にもありましたけれども、社会保障制度審議会、それから社会保険審議会におきまして現在検討されておる段階でありますけれども、この中間答申が大体出るのが九月末ごろじゃないか、こういう大かたの見方であります。この点についてはいかがですか。大体、大臣の考えでは八月中だということでありますけれども、その大臣の見通しは間違いありませんか。そして、月に二回の審議状態でずっとやってきたわけですから、その辺、概算要求までできるようなそういう答申をぜひ間に合うように受けていただきたいと思いますが、その点いかがですか。
#89
○内田国務大臣 私の発言は政治的発言も含まれておりますので、保険局長からその点についてはお答えをあらためて申し上げます。(大原委員「厚生大臣はうそを言ったのか」と呼ぶ)私は政治家として、八月中にぜひひとつ御答申をいただきたいという態度を持しております。しかるに鳥居先生は、それは八月じゃない、九月の見通しだとおっしゃいますから、私はここで先生と議論をいたさない、こういうことでございます。
#90
○戸澤説明員 社会保険審議会は御諮問以来現在まで二十五回、社会保障制度審議会は十九回の会議を開いておりますが、これまでの審議は主として、ただいま問題になりましたが、社会保険に関するいろいろな諸制度の勉強とか検討をやっておられまして、いずれもこれから本格的な諮問の内容についての御審議をいただけるものと期待しております。
 それで、時期の見通しにつきましては大臣の申し上げたとおりでございまして、できたらば来年度の予算の概算要求に間に合うように、この中間的答申でもよろしいから出していただきたいというようなことを要請しておるわけでございまして、先日、七日にも大臣から制度審議会にあらためてそういう要請をしたわけでございまして、これを期待しているわけでございます。
#91
○鳥居委員 わかりました。
 大臣に伺いたいわけですが、抜本改正するにあたりましては、まず、制度にいたしましても診療報酬体系にしても、どうしたらよい医者、またよい医療機関が確保できて、そして国民の健康の増進に寄与できるか、こういう問題がまず一つ、次には、医療経済の観点から医療費のむだが排除できるか、これが二つ、もう一つは、皆保険である以上、よい医療、よい医療機関を全国民に普及しなければならない。へんぱな医療があってはならない、この三つの点であろうと思うわけでありますけれども、具体的に抜本改正の基本的な考え方、これを示していただきたいと思いますが、いかがですか。
#92
○戸澤説明員 抜本改正についての基本的な考え方として三つのことをお述べになりましたが、いずれも全く御意見のとおりでございまして、私どもが諮問しております医療保険の抜本改正の思想もいわゆる四原則というようなもので、負担の公平とか、給付の均衡とか、いろいろ申しておりますが、そういったこともいまお話しのような精神と全く通ずるものでございます。よい医師、医療機関従事者を得るというようなこと、それからむだのない医療を行なうということ、またへんぱのないよい医療を普及するということ、これが医療保障の基本精神であることは同感でございます。
 二兆円に及ぶ総医療費、これは相当なものであると思いますけれども、私は今日の医学、薬学の進歩からして、また国民所得に対する比率からして、二兆円というような医療費が必ずしも不当に高いとかいうことはないと思います。問題は、それがいかに最も経済効率的に使われておるかということ、別の面からいえば、必要な向きに必要な医療がむだなく普及されておるかということであろうと思います。そういうことからいえば、いまお話しの医師等の充実、それからへんぱのない医療、それから医療費がむだなく使われるというようなことがお話と全く一致するわけでございまして、おそらく審議会における答申も、いま先生の言われたような精神に基づいたお考えが示されるものと期待しております。
#93
○鳥居委員 医療費が年々増大しているわけでありますけれども、これを数字で見てみますと、昭和三十七年には五千四百六十二億円、それ以後年年約二〇%程度の伸び率で国民総医療費が伸びてきたわけであります。昭和四十四年には約二兆円と、いまお答えの中にもありましたとおり推定されるわけでありますけれども、この国民総医療費に占める薬剤費の割合がやはり問題であります。この昭和三十六年当時二五・一%であったものが、昭和四十三年にはすでに四二%という高い率を示しております。私、何も薬を使ってはいかぬという議論ではなく、また医学、薬学の進歩に伴う医療費の増加であるならば、これは納得できるわけでありますけれども、どうもそうばかりではない。
 欧米の先進諸国を見てみますと、医薬分業の行なわれております諸国の医療費に対する薬剤費の割合、これは西独で一七・一%、イギリスにおいては一一・四%、オランダで一六・四%というような低い割合であります。今日の日本では四二%という、そういうところでありますけれども、現在の診療報酬制度、また出来高払い方式というこの制度に欠陥があるんじゃないか、こう思いますが、いかがですか。
#94
○戸澤説明員 非常に大きい問題でございまして、中医協におきましても、この診療報酬の合理化、薬価基準の合理化という問題を自発的に建議して検討をしていただいているわけでございます。総医療費に占める薬剤費は、確かに諸外国に比してやや高いと思いますけれども、総医療費全体としては、いま申し上げましたとおり、必ずしも不当に高いというようなことは言えないと思います。したがいまして、結局、物と技術の分離とか、技術料の正当な評価とか、そういった問題と薬の問題はあわせ考えるべき問題であろうと思います。この抜本改正につきましても、そういった診療報酬のあり方、これは最も重要な問題でございますので、今後審議会あるいは中医協等の御意見も待ちつつ十分に検討してまいりたいと思います。
#95
○鳥居委員 要するに、診療報酬のあり方に問題があるということはいなめない事実であろうと思うわけです。二、三さらに欠陥があげられるわけですが、物と技術の分離がされてない現状、それからまた、このために技術が尊重されずに薬品の使用だけが増大している現状、また医療費の配分が適正に行なわれていないこのアンバランス、病院と診療所とのバランスのとれない様子、あるいは医療費間相互におけるアンバランス等、いろいろ問題があるわけであります。つまり診療報酬制度に問題があるということがはっきり言えるわけであります。そのほか数々の問題がありますが、患者の立場あるいは保険者の立場、それから医療担当者の立場、こうして見てみますと、給付の格差、医療の普及の不均衡なぐあい、それから薬剤を使えば使うほどもうかるというふうな現在の診療報酬請求のチェックの行ないがたい現状、こうしたところに数々の問題があるように思います。
 そこで、これはさておきまして、具体的に私のところにレセプトの写しがあります。レセプトというのは、医師が健康保険に入っている患者を診察して治療したあと、いつ、だれが、どういう病気で来院して、どんな治療をしたか、幾らかかったかというような治療明細を、これは支払い基金のほうに請求するようなものでありまして、そうした内容のものでありますけれども、薬剤が非常に多く使われております。それから注射もきわめて回数を多く、検査もきわめて多い。
 一例をあげるならば、これはある機関紙でありますけれども、何となく胃のぐあいが悪くて胸が痛んで、せきも出る、こういう状態で医者に参りました。そうしたところが、病名が四つついたというわけであります。胃炎、肝炎、肋間神経痛、気管支肺炎の疑い、こういう四つの病名がつきまして、そして注射が三回、検査も三回行なわれて、そうして請求がきたという事例であります。私どもは乱診、乱給をおそれるわけでありますけれども、これは端的にそれを物語る一例であると思うわけですが、この点につきましてどうですか。
#96
○戸澤説明員 支払い基金の審査の集計等見ましても、注射とか投薬が非常にふえておる、あるいは各種の検査がふえておるというような結果は見られますけれども、しかし一面、医学また薬学の進歩によって、きく薬もたくさんできておる。それからまた単純な病気であっても、いろいろの検査を丁寧にやることによって、病気の早期発見につとめるというようなことは、やはり医療機関としては考えなければならない問題だろうと思いますので、必ずしもそのレセプトに注射や投薬が多過ぎるからといって、すべてが乱診乱療であるというようなことは言えないと思います。しかし、そういった種類のものが医療費の増高に非常に大きな原因になっておるというようなことも事実でございますので、内容の適正化につきましては、医療機関にも協力を求めましてやってまいりたいと思っております。
  〔丹羽(久)委員長代理退席、委員長着席〕
#97
○鳥居委員 私は、こうしたレセプトの審査の目的、これがつけられた病名に対しまして、検査、診療等がその治療指針に反していないかどうかの審査を行なうだけでありまして、審査件数がきわめて膨大な現状から考えてみまして、ほとんどノーチェックの現状じゃないかと思うわけです。ここに全国のレセプトの数、検査に当たる審査官の数、これが厚生省の四十三年度支部別取り扱い件数調べ、これによりますと、たとえば東京都を取り上げてみますと、東京都における審査の件数は三千九百九十九万二千八百四十件、大体月五日ないし六日の検査でありますから、これを一日に直してみますと、六十六万六千五百四十七件を一日で審査しております。審査員の数は二百四十六人、そうして一人についてこれを割り出してみますと、何と一人が二千七百九件も審査しなければならないというのが現状であります。
 大臣にお伺いしたいと思います。先ほど大臣は、確かに出先機関をなかなかつかみがたい、人数も足りないというお話でありましたけれども、この請求のレセプトを検査する一人の人の能力が、一日に二千七百九枚ものチェックをいたすわけです。この現状は何とかしなければならないと思うのですが、この点につきましてはどんなものでしょうか。たとえば最少の県を取り上げてみますと、これはきわめて少ない山梨県の例でありますけれども、百二十六万五千四百三十三件の取り扱いをいたしております。これは四十三年度のものです。そうして一日平均を出してみますと、二万一千九十件、一人につき一日千百七十一枚のレセプトをチェックするわけです。これはもう超人的な能力がなければ全く不可能なことだろうと思います。この点についてどうですか。
#98
○戸澤説明員 お話のとおり、支払い基金の審査機構、人員は非常に不足しておりまして、全国で約二千六百四十名ほどおりますが、全国的な平均をとりましても、一人が一日二千枚ぐらいを審査しておるというような状況でございます。これは審査員も、ほとんどお医者さんですが、なかなか得られないというようなこともありまして苦慮しておるわけですが、そのためにいろいろな対策をやっておるわけでありまして、レセプトが参りますと、まず、審査員による専門的な審査の前に、事務職員によって事務的な瑕疵、形式的な瑕疵、これも相当ございます、計算違いとか記入違いとか。そういうようなものの下調べをいたします。それからあと、審査員による専門的な審査をお願いするというようなことをやっておるわけでありますけれども、現在、審査率、つまり請求件数に対して、審査の結果金額を削減したというような率は、政管健保について約一%、金額で百億ぐらいを審査の結果落としているわけでございます。しかし、お話のとおり、非常に不十分な審査員でやっておりますので、今後その機械化とか、あるいはまた審査員の充実、そういったことにも一そう努力してまいりたいと思っております。
#99
○鳥居委員 大臣、あと五分ほどお願いします。
 はからずも大阪で七月六日、新聞報道された事件が起こりました。これは大阪市の財団法人でありますある病院のカルテを偽造した。にせ患者を仕立てまして、そうして約一千万円の医療費の不正請求をしていたという事件が明るみに出たわけであります。
 この内容を見てみますと、水増し請求あるいは架空請求あるいは無診投薬というような不正請求であったわけであります。きわめてむずかしいこうした不正事件に対する摘発でありますけれども、現在のこの体制では、あまりにも体制が弱いのじゃないかと思う面があります。まあ、やはり弱体の様子でありますけれども、これは監査の実施数、これを見てみますと、昭和三十九年に百五十四件、昭和四十三年に九十六件と、かえって監査の件数が減っておる。そうして実際に監査に当たる人数でありますけれども、これもやはり全国で八十人、一県に平均してみますと二人足らずという人がこの監査に当たらなければならない。また、こうした一件で一千万円もの不正請求をするようなものがかりに頻発したとすれば、保険財政をますます赤字に追い込んでしまうことになる。こうした点につきましてもはっきりした厚生省の対策を考えていただきたい、こう思うわけですが、大臣、いかがですか。
#100
○内田国務大臣 私が時間がないために、鳥居さん、まことに申しわけございません。
 最初にお尋ねございました阪神中央病院でございますか、大阪の医療機関の不正事件につきましては、私ども大いにこれに関心を持ち、また処置も講ずる所存でございますが、すでに刑事事件になりまして、起訴されて裁判所に係属しておることも御承知のとおりであります。まことに不名誉な事件であると私は思います。それにつきましても、鳥居先生から御指摘がございましたレセプトの審査でありますとか、あるいは保険医療機関に対する指導、監査等の問題につきましては、これはだれでもがその職につけるわけではございませんで、どうしても専門家でなければその仕事にたえないわけでございますので、なかなか人の確保にも私ども苦労をいたしております。しかし、だからといってこれを放置していいものではございませんので、御趣旨をも十分私どもは心に刻みまして、審査指導、また必要な場合には、監査ということにつきましても十分万全を期してまいりたいと存じます。
 ただ、これは決して医療担当者の側に立ってものを申すわけではございませんが、こういう件数が、数が多ければ多いほどそれでいいという性質の事柄でもございません。円満のうちに十分医療担当機関の理解と認識も得ながらやってまいらなければならないものでございますので、その辺につきましても、私どもは配慮を一方にいたしつつ、また他面におきましては、お説のような国民の不信を除く努力をいたしてまいる所存でございます。
#101
○鳥居委員 以上で終わります。
#102
○濱野委員長 大原君。
#103
○大原委員 それでは、きょうぜひ聞いておきたい点が残っておりますから、ひとつ聞きたいと思うのですが、これは抜本改正のときに僻地医療をどうするかということが非常に大きな問題です。私も先般壱岐、対馬のほうへ行ってまいりましたが、五万も六万もたくさん人口がおるところで医者が非常に少ない。お医者さんに来てもらいたいというふうに各大学に言いますと、大体月給が手取り四十万と、こういうことですね。そういたしますと、税金を含めて五十万円以上の支出をするわけです。ですから、そういう問題についてそういう実情にあるわけですが、この僻地医療の問題をやらなければ、保険料を払うけれども医療の給付がない、こういうことになるわけですね。
 僻地医療については、本年度の対策はさることながら、来年度にかけてどういう考え方を持って、あるいは抜本改正の中でどういう考え方でやっているか、こういうことについてお答えいただきたい。
#104
○松尾説明員 ただいま御指摘のように、抜本問題を考えましても、今日の皆保険体制の中で、やはりいま御指摘のような僻地の医療という問題が確保できないということは非常に残念なポイントでございます。
 具体的にこの問題につきましては、僻地については、一つこれさえやればいいという対策がなかなか現実には得られない、こういう状況でございますので、やはりその実情に応じたいろいろな手を講ずる必要があるのではないか。したがって、従来は医師だけを確保するという対策が中心でございましたけれども、最近僻地の一般の交通事情、通信事情というものの改善に合わせまして、機動力を活用しながら医療を確保しようじゃないかという方向にいろいろ苦心いたしております。
 特にその中の具体的なものとしては、やはり親元病院というものを設定いたしまして、そこから医者が必要に応じてその診療所なりそういったところの診療に当たるようにするということが、一番具体策の強いものではなかろうかというふうに考えておりまして、来年度というお話がございますが、私どももそういう角度で、来年度はさらに従来の機動力活用のもとに、そういう親元病院自体をより整備をする、また魅力あらしめる、こういう方向に一つの重点を持っていきたいと思っております。
 なお、まだ完全に固まっておりませんけれども、そういう僻地に行かれるお医者さん方というものに対して、いまお話がございましたようないろいろな高い負担がございますけれども、そういったものについて、何らか助成をするような仕組みが考えられないかということをいま検討しておるような段階でございます。
#105
○大原委員 いまの親元病院の構想は、これは私は一歩前進をした構想だと思うわけです。しかし、やはりそれだけではだめだ。やはり国立病院や県立病院やあるいは大学病院等の公的医療機関が、たとえば各都道府県ごとの基幹病院となって、そうしてそれに対しては研究施設もいいし、あるいは医療の内容も充実しているというふうな、そういう制度をつくっていかなければならない。そうなると、いまの状況で言うならば開業医中心ですけれども、やはり家庭医の制度とかいうふうなもので、円熟した人がかなりの安定した処遇のもとに地域的な医療をやるということをやりながら、医療機関の機能分化についても考えていく、そういうこともあわせてやらなければ――これは抜本改正にかかわる供給側の問題ですが、そういう問題も考えてやらないと、いまのように重複した検診を受ける、あるいは重複した投資をしなければならない、そうして都会を中心に医療機関が密集する、こういうことを改革することはできない。
 もう一つは、さらに一歩進んでいうならば、医学教育、研究体制というものを改正しなければならない。私は武見医師会長の意見にはたくさん批判を持っているのだけれども、しかし、医師の養成と研究について改革しなければ抜本改正できぬという提言は、私は卓見だと思っている。だから、そういう観点で親元病院の構想をさらに進めて、そうして医療機関の機能分化、逐次分化をしていくという方針、そういう方針と、医療の教育や研究体制に対する抜本改正を進めていくことが必要ではないかと思うわけですね。私はそう思う。
 この点に対する所見を聞きたいということと、それから先般、あなたに聞くのは無理かどうか知らぬが、秋田自治大臣が、高知県で一日自治省のときに、医専構想を僻地医療構想でやって非常に大きな反響を呼んでいるわけです。みんながもみ消しているから、あと言っただけになりそうですが、きょう秋田自治大臣は近くにおるそうですが、地方行政委員会だから私は呼んでいませんが、しかしこれはいずれやりたいと思うが、秋田構想についてはどういう考え方を持っているか、この二つの点についてお聞きしたい。
#106
○松尾説明員 前段の親元病院をさらに拡大をすべきだ、特に国立病院等が率先してそういう機能を持つべきであるという御提案は、私どもは全く同感でございます。現実に国立病院や、そういう僻地を担当しているところはございますけれども、相当レベルも高いところから担当いたしまして、僻地におもむいておりますが、私どももやはりそれの整備をいたしながら、かつ、そういう体制を強めまして、僻地の医療をレベルの高い形でカバーするということをやはり進めるべきだ、同感に存じます。
 それからなお、基本的には研究の問題あるいは医学教育という問題がからみますことも、非常にむずかしい問題であろうかと存じますけれども、私も同じ気持ちでございます。こういった問題は、気長でありましてもやはり解決をされなければならぬというふうに思っております。
 なお、病院、医療機関の機能の分化ということも、医学の進展に従いまして、すでに実態的には相当分化しつつあるというふうに考えていいかと思いますが、特に、病院と診療所の外来関係の重複というような問題についても、これは逐次関係者が一致した体制を組みながら、次第に整備をしていかなければならぬ、こう思っています。
 それから、最後にお尋ねの医学高専の問題でございますけれども、これは、いわば私どもの一局の意見というような形で申し上げたいと思います。自治大臣が御提案になられましたことも、問題は、やはり僻地における医療というものに非常に困っておるということに対して強い問題提起をなされたということが一つではなかろうかと考えておるわけでございます。そういう意味におきましては、ただいま御指摘がありましたような僻地医療対策というものを充実するということがやはり先決であるというふうに考えております。ただ、医師というものを養成する方法といたしまして、中学を卒業して六年ということでは、おそらく現在の医学教育のレベルから見まして、また国際的に見ましても、これは相当問題があるのではなかろうかというふうに考えております。ただ私どもは、ただそういうものを否定するというだけの態度ではございませんで、その根底に、やはり僻地の医療を確保しなければならぬというお気持ちが強かったという点をむしろ重視いたしまして、努力をしたいと考えております。
#107
○大原委員 秋田さんの構想は、厚生省とは何も関係なしに、ぽんと言ったのですか。
#108
○松尾説明員 事前には何ら聞いておりませんでした。
#109
○大原委員 これはあなたと議論してもしかたがない。
 いまの答弁の中で、問題を一つだけ指摘してもそうですが、たとえば国立病院を基幹的な親元病院にして、そこから僻地に対して一定の期間だけ出張し、あるいは派遣する、そしてぐるぐる回すという、こういう制度をやろうとすると、いまでも国立病院や大学病院は、普通の開業医もそうだけれども、それ以上に薬をよけい出すのです。ビニールの袋に売るほどくれるんです。なぜかというと、特別会計で、独立採算でやっているからです。今度そういう僻地医療まで分担させようということになると、そういう独立会計についても、ついこの間やったやつをもう一ぺん変えなければならぬのですよ。大体、医療について独立会計でやるから、そして貧乏経営をやるものだから、かえって不合理な経営になって、そして正しい、国民のための医療ができぬということになる。
 もう一つは、私の個人の意見だけれども、医療にコンピューターを取り入れる、これについて厚生省は検討したことがあるのか。これはプライバシーの問題は若干あるけれども、ほんとうにいままで議論したようなことを防ごうと思うと、個人的な健康について電子計算機にいろんな診断やその他を覚え込ませておけば、これはむだが省けるわけです。ここの開業医にいく、ここの開業医にいく、やれ大学病院に飛んでいく、そういうことをしなくてもいいわけです。そういうことに非常にむだがある。そういうことと一緒に、医療金融公庫の機能の問題だけれども、重複投資をやって、減価償却をやらなければならぬから馬車馬の経営になっている。だから、コンピューターはかなり予算をかけてやっても、そういう点からいっても、あるいはいま公明党の前質問者が指摘されたようなそういう弊害を除去するという点からいっても、ほんとうに近代医学を組織的、科学的に取り入れる、そういうことを通じて――保険料を払う、患者負担、そういう面だけ皆保険で社会化されておるのだけれども、需要面について現在不合理が一ぱい累積をしておる。そういうことをやる場合には、そういう思い切った構想で、そしていろいろな先進国の最近の若干の経験があるわけですから、逐次これをやっていくというふうにするならば、私は、この問題については、医療について、需要面についても供給面についても公共性を持たせる、こういう一つのスタンダードができるのではないか、そういう目安ができるんじゃないか、こう思うけれども、そういうことを検討したことがあるかどうか、こういうことを最後に質問しておきます。
#110
○松尾説明員 医療の中にコンピューターを導入するということにつきましては、私どもいろいろな機会にいろいろ勉強もいたしております。特にいまおっしゃられましたのは、非常に広い地域全体を一つの中心に結びつけるような御提案だったと思います。そこまではまだまだ私どもの頭も飛躍いたしておりませんけれども、しかしながら今日のように、医療需要の中で、一つの病院の内部をとりましても、その医療の適正化をはかるという必要がございます。いわゆる医学的評価とでも申しますか、医学的決算とでも申しますか、そういったような形が病院の中でも大事である。そういうために、たとえば退院患者のケースを全部あとで振り返る、あるいは一つのオーダーを出しましたときに、それが的確に漏れなくぴしっといろんな関連分野で行なわれておるかどうかというチェックの問題、そういう医療のいわば内容を非常に高めるためにそういうコンピューターを使うべきではないかという点については、私ども部内でも議論をいたしております。
 それからそのほかにも多少そういう地域的な結びつき方といたしましては、最近開発されつつあるものといたしまして、たとえば心臓の疾患がありましたときに、過去のいろいろな研究のテーマを全部コンピューターに覚え込ませて、外部からこういう症例があった、いまこういう発作があったというときに、従来の非常にたくさんの積み重ねた研究の中から、こういう方法をやればこうではないかという答えがすぐその医者に返る。現に東京女子医大の榊原先生のところで研究され、現にコンピューターに入れております。これからそういうふうな医療の面でコンピューターが大いに活用されるだろうと思います。
 特に先生の御指摘のような問題は、私どもは一つの過程としましては、先ほどから御指摘のあった僻地の問題、こういうところの方々の健康診断を精密に行なっておきまして、それがかりに親元病院なら親元病院に記録されておりましたならば、何か変動がありましても、患者の従来の状態がわかって適正な措置がとれるのではないかということで、昨年来いろいろ検討を続けておりまして、まだ実現の段階まで私どもの手でいきませんが、研究は続けておる次第でございます。
#111
○大原委員 これはあなたと議論してもなんだけれども、たとえば地域的な開業医や家庭医を窓口にしてすべての患者を掌握する、そしてカルテをたとえば基幹病院に送っておけば、基幹病院ではその人についてちゃんと把握できるように、記憶できるようにしておく、それから地域についてもそうだ、こういう形にしてやっておけば、これはかなり合理的な問題解決になるんじゃないか。もう厚生省はあっちからこっちからふんだくられて、それで毎日のことに追われて何も知恵が出てこぬというのが現状だから、なかなかそういうことはできぬと思うけれども、しかし、思い切ってそういうことをやらないと、いまの現状というものは解決できない。それは地域的な問題を含めて、コンピューターを導入することは考えてみる必要があるんじゃないか、こういうふうに私は思います。
 それから広告の規制については、確かに今回の議論を通じて一歩前進しようという心がまえになりつつあると思うんですよ。いままで私どもは、四十二年、三年議論をしてきて、かなり一歩前進をしておると思うんだけれども、しかし、私は最近の広告の実情を見ると、必ずしも厚生省が言っておることが守られていないんじゃないか、こう思うけれども、この点はいかがですか。
 それからもう一つ、消費者基本法の議論のときに問題になりましたが、薬についてドリンクの問題なんかで議論になっておったけれども、製品をつくる日付がないのはおかしいですよ。一般の食料品についてはそうなんですよ。製造年月日がないというのはおかしいです。特に薬についての概念がめちゃめちゃになっている。たとえば赤マムシとかなんとか、いろいろ一ぱいあるわけだけれども、薬と清涼飲料水の境がないのだ。いまは毒でなければいいというんだから、許可になったものはやりっぱなしだから、類似したものは何でも許可するんだから、働きかけていけばいいわけだ。そしてコマーシャルに乗せて宣伝していけばいいわけだ。たとえば液体アンプルのかぜ薬のときに議論したけれども――私は剤型についても議論しようと思ったけれども時間がないが、液体についても中で変質してしまう、水を加えておくと。それに製造年月日がないというのはおかしいです、消費者の保護の立場からいって。
 この二点について、私はひとつ薬務局長の議事録へ残るはっきりした所見を聞かしてもらいたい。
#112
○加藤説明員 第一点の広告の問題でございますが、広告の問題につきましては、先生御指摘のように、私どもの指導がいままで完全に守られていなかったという事実は、これは確かに認めざるを得ないと思います。ただ、広告の問題につきましては、一つは、量の問題とそれから質の問題があると思います。その量の問題につきましては、私どもも医薬品の広告というものはあまり多くやるべきものではない、やはりほんとうにいい医薬品を製造するというのが一番いい宣伝方法なんであって、やたらに広告して売りまくるというのは、薬の性質からいっても好ましくない。したがって、広告費というものはなるべく節減して、むしろそういうものは研究費に回すようにという行政指導をしてまいったわけでございますが、売り上げ高の比率からいいますと、広告費は、昭和三十九年には一一%になりましたけれども、四十三年では約六%くらいに下がってきております。そういう意味で、量的な面ではある程度自粛がされております。
 問題は、内容の質の面でございますが、これも厚生省で適当に広告基準というものをつくりまして、広告については、こういう表現ならいい、こういう表現は困るという一つの基準をつくってやっております。業界のほうも、先ほど申し上げましたように、自粛の一つの基準をつくりまして自粛をやっておりますけれども、なかなかうまく守られてない、こういうことでございますが、今後は、先ほども御答弁申し上げましたように、やはり大衆保健薬をめぐる諸情勢というものについて業界も十分認識をし始めておりますので、この広告の適正化ということについては、さらに業界としても私どもに協力してくれるものというぐあいに期待しておるわけでございます。
 それから二点目の製造年月日の問題でございますが、医薬品になるべく製造年月日をつけよという御指摘でございますが、私どもも、この問題につきましては物価特別委員会等での御指摘もありましたし、有効期限というようなことでいろいろ業界とも接触をいたし、何か、少なくともこの薬が製造されてからどのくらいたっている、あるいは、いつまでなら有効なんだというものを書いたらどうだという指導を打ち出しておるわけでございます。しかし、その有効期限というものにつきましても、業界のそれぞれのレベルあるいはつくり方その他によりまして、なかなか同じ品物でありましても、あるメーカーならば二年はもつ、他のメーカーなら三年はもつというぐあいに、必ずしも一律にいかないということもございます。製造年月日ということも一つの方法でございます。そういう問題は、いずれにいたしましても、有効期限にするか、あるいは製造年月日にするか、何らかの方法で、要するにこの薬が安全に服用できる範囲であるかどうかということを明確にする必要があると思いますが、最終的な結論までにはいましばらくの時日をおかし願いたいというぐあいに考えるわけでございます。
#113
○大原委員 最後に一つ、広告ですが、たとえば、これは菓子とか電気器具とは違うのだ。俳優とかスポーツの選手なんかタレントを使って、薬について必要以上に効果があるような宣伝をする、しかもそれは、いま薬の効果についてずっと議論している、その実態の上でやっているわけですね。やればみんなが一緒にドリンクを飲むわけだ。そういうことはいけない。
 それから抽象的な印象的なものについても、私はあなたが指摘しておるとおりいけないと思う。禁止しなければいかぬ。四十過ぎたら元気がないとか、まるで脅迫じゃないか。いま交通や公害の問題が一ぱいあるわけだ。そういう不安とか心配ごととかいうのを全部薬の効果にくっつけてやっているというようなでたらめな国は、洋の東西を問わず世界じゅうどこにもない。
 それから、けしからぬと思いますのは、副作用がある問題だ。かぜ薬等についても、それを広告の中に載せない、これもおかしいと思う。副作用があるということははっきりわかっておる。外国ではそういうことはさせない。そういうあぶないものは一切店頭売りはさせない、こういうこと等について、単に広告を抽象的に規制するというのではなしに、私は具体的にぴしっとやってもらいたいと思う。そうしないと、患者が病院へ行ってから薬を要求するわけだ。そんな国はどこにありますか。それで医者は売るほど薬をくれるわけだ。帰って調べてみれば、これは半分も消化していない、こういうのがある。しかし、薬をたくさん出す病院や診療所は人気があるということがある。だから迎合するということになる。
 ですから、これは幾ら議論してもきりがないけれども、広告の問題は事、薬については全部そういう経験があるわけですから、私はこれはぴしっとやってもらいたい、せっかくここで議論してきたわけですから。これは良心的なメーカーの立場に立っても私はおかしいと思う。
 特許法の問題と薬価基準に登載する問題と、それから広告の問題こういう問題等は、私はやろうと思えばできることだと思う。そこで、広告の問題について、もう一回局長の答弁を求めて最後にします。
#114
○加藤説明員 広告の問題につきましては、確かに私どもの出した通達は抽象的でございます。その広告を見る人間に、その薬を飲まないと健康が保てないような不安感を持たせたり、あるいは、それをうんと飲めば飲むほど健康が増進するというような印象を与える、そういうような広告はいかぬという趣旨の通達を出したわけでございますが、しかし私どもといたしましては、それはあくまでも抽象的でございますので、今後の方針といたしましては、具体的に一社一社呼びまして、それであなたのところのこういう広告はぐあいが悪い、直してもらいたいということをやりたいと思っております。現にそういうことで一、二社始めております。(「効果の問題だ」と呼ぶ者あり)実施にあたりましては、具体的に話を進めてまいりたいというぐあいに考えております。
#115
○大原委員 いまここで発言があるように、薬とは何か、薬の効能とはどういうことなのか、どういうことで検証するのか、薬務行政をそれを中心に立て直すということが私はやはり基本的な問題だと思うわけです。しかし、いますぐでもできることについて、やるやると言いながら、いままで厚生省はやらなかった。あなたの局長のときにちゃんとやりなさい、ぴしっと。そうして基本的な問題をやはり抜本改正のときには取り上げて解決をする、こういうことが絶対に国民の立場に立ったら必要であるということです。
 とにかく、技術を尊重することと薬でもうけるということは矛盾するのです。そういう点をひとつ明確にしてもらいたい、こういうことを強く要望しておきまして、私の質問を終わります。
#116
○濱野委員長 この際、委員長から一言申し上げます。
 いわゆる薬は、人間の健康と生命に直接かかわりのあるものであるから、政府が薬として承認する場合は、より以上、安全と効能について慎重な態度をもってその処置に当たらなければならない。
 したがって、薬の安全、効能等の判定については、客観的にして科学的判断によらなければならない。諸外国、先進国等で二重盲検法を採用しているのも、こうした理由によるものと思量される。
 しかも、政管健保の赤字等の一端は、効果の疑わしい薬等の使用に基づくものともうかがわれる。
 よって、この際、すでに承認されている大衆保健薬等もあわせて、権威ある新しい機関を設け、すみやかに善処されんことを要望する。
 この際、大臣はいませんけれども、委員長がいま了解を得ておりますから、厚生省当局から発言を求めます。加藤厚生省薬務局長。
#117
○加藤説明員 御要望の線に沿いまして、全力をあげて努力いたしたいと思います。
#118
○濱野委員長 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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