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1970/03/13 第63回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第063回国会 予算委員会第五分科会 第3号
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1970/03/13 第63回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第063回国会 予算委員会第五分科会 第3号

#1
第063回国会 予算委員会第五分科会 第3号
昭和四十五年三月十三日(金曜日)
   午前十時三分開議
 出席分科員
   主査代理 渡辺 栄一君
      細田 吉藏君    松野 頼三君
      堀  昌雄君    坂井 弘一君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 井出一太郎君
 出席政府委員
        郵政大臣官房長 野田誠二郎君
        郵政大臣官房電
        気通信監理官  牧野 康夫君
        郵政省経理局長 溝呂木 繁君
 分科員外の出席者
        日本電信電話公
        社総裁     米澤  滋君
        日本電信電話公
        社経理局長   中山 公平君
    ―――――――――――――
分科員の異動
三月十三日
 辞任         補欠選任
  北山 愛郎君     堀  昌雄君
  今澄  勇君     西村 榮一君
同日
 辞任         補欠選任
  堀  昌雄君     北山 愛郎君
  西村 榮一君     今澄  勇君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和五十五年度一般会計予算中郵政省所管
 昭和四十五年度特別会計予算中郵政省所管
 昭和四十五年度政府関係機関予算中郵政省所管
     ――――◇―――――
#2
○渡辺(栄)主査代理 これより第五分科会を開会いたします。
 藤田第五分科会主査所用のため出席できませんので、その指名により私が主査代理を行ないます。
 昭和四十五年度一般会計予算及び昭和四十五年度特別会計予算中郵政省所管並びに昭和四十五年度政府関係機関予算中日本電信電話公社関係を議題といたします。
 質疑の通告がありますので、これを許します。堀昌雄君。
#3
○堀分科員 郵政大臣に、最初に少し公共放送の問題についてお伺いしておきたいと思います。
 私は、NHKというのが公共放送として果たしております役割りは、相当大きなものがあると思うのであります。御承知のように、いま国民は確定申告を三月十五日まで、日曜日でございますから十六日になりますが、全国民がいま各税務署でしておるわけでございますけれども、この間、実は税務署の視察にまいりまして感じましたことで特に申し上げたいのは、いま国民のうち非常に多数のものが給与所得を受けております。この給与所得を受けております納税者というのは、御承知のように、源泉徴収を各事業所で受けておりますから、一般的には確定申告の必要がないわけです。これは御承知のように 事業所で年末に年末調整という処置をして手続をとっておりますから、あらためて確定申告が必要でありません。確定申告が必要な給与所得者というものは、その他の所得がある者、あるいは病気をして医療費の控除が受けられる者、あるいは雑損控除が受けられるような者、それから特に寄付金をしたための寄付金控除を受けるとか、特別な場合に限って実は確定申告を受けることになっておるのですが、寄付金を多額になさるとか雑損のある方というのはきわめて例外でありますけれども、今日医療の問題の中で、比較的健康な方が払っておる医療費でかなり高額に達しておりますのは歯科の医療費、入れ歯を何本か入れますと、相当、五万円とか十万円とか多額の費用がかかるというのがいまの歯科医療の実態になっているわけです。
 いまの医療費控除の制度は、その所得の百分の五をこえましたものについては、三十万円まではその所得額から引くことに医療費控除としてなっておりますけれども、一般の源泉所得を受けておる者はあまりそのことに気がついていませんから、実は医療費控除の対象になるだけの医療費を支払っていても、確定申告をするという習慣がないものですから、控除を受けられるものを受けないでそのままになっているものが相当たくさんあるだろうということを、実はこの間、税務署の調査に参りました中で感じたわけです。
 そのとき、その話をいろいろして周知徹底の話をしたときに、いま一番国民がそういう問題を理解しやすいのは、やはりテレビでそういうことが知らされることが、一番国民としてはよく理解するのではないだろうかということに意見が一致したわけでありますけれども、これは急にそういう問題が出ても困りますし、ことしの間に合いませんけれども、番組としてそういうものを取り扱うという場合も必要でありましょうが、適時ひとつ、時間の余ったようなところでいろいろなスポットが出てきます、NHKでも。そういうときに、給与所得の皆さん、医療費控除が、あなたの所得の百分の五を上回る方は、お医者さんで領収証をもらって確定申告をすると税金が安くなりますよというような周知徹底を、少し公共放送を利用してやってみたらどうか。国税庁の話によりますと、あそこの役所もそういう国民に周知徹底するための費用が乏しいので、とても自前の費用でそういう宣伝をするところまでいかない、こう言っているのですが、私は、NHKのような公共放送がそういうことを適切にやることによって、国民の納税に対する意識なり、適正な税の節約ができるならば非常に有効なことではないか、こう考えますので、これについてひとつ大臣のお考えを承り、大臣も御賛成ならば、これからのNHKのそういう公共放送の中で、そのような国民が知ることによって有利になる税制上の問題、そういう問題について、ひとつNHKが大いに役割りを果たすということの御指導をいただきたい、こう思うのでありますが、その点はいかがでございましょう。
#4
○井出国務大臣 結論から申し上げますと、非常に賛成でございます。おっしゃるように、税法上の国民が当然受けるべき恩恵といっちゃなんですが、そういう問題を周知徹底せしめて、公平の原則からいいましても、きちんと税法にあるものを権利を行使しないでいるというのはばかな話でございますから、これは私も御趣旨のあるところを役所でも相談をいたし、NHKに伝達すべきものありとすればさような計らいをいたしたいと思います。
#5
○堀分科員 いまの件はそういうことで、ぜひひとつよろしくお願いをしておきたいと思います。
 その次は、きょうの本題でありますけれども、御承知のように、これから情報化の問題というのが新しい段階に入ってくるわけでありますけれども、きょうは時間がございませんから最も基本的なところだけ少し大臣に伺って確認をしてまいりたい、こう考えておるわけです。
 まず、情報化問題については、第一点として、情報なりその処理なり提供なり、いろいろな問題は、やはり国民生活に役立つように利用されるということを優先させるべきだと私は思うのであります。同時に、その国民生活に役立てることというのは、とりもなおさず経済諸活動に役立つことになるわけでありますが、その経済諸活動も、わが国の憲法が定めるように、それは平和的利用に向かって開発をされるべきものだ、こういうふうに私は考えるわけです。
 と申しますのは、アメリカでは、御承知のようにこれがペンタゴンの各種のものに重要なプロジェクトを求めて開発をされてきたという経緯があります、これはアポロ計画も含めてでありますけれども。それが、日本の場合にはそういうことではなくて、国民生活に役に立つ公共的プロジェクトを開発しながらこれを発展させていく、そのことは、とりもなおさず平和的な利用ということが中心的な眼目にならなければならないし、同時に、それは国民的利益に沿うものになるべきである、こう考えるわけでありますけれども、大臣のこれについてのお考えはいかがでございましょうか。
#6
○井出国務大臣 まさに情報化時代といわれますとおり、日進月歩、非常な勢いでその面の技術が進んできておるわけであります。したがいまして、お説のような線で、日本の国民的利益と申しますか、特に平和的にこれを活用される、こういう御趣旨でございまして、それを本意として進めることは当然であろうと考えております。
#7
○堀分科員 その次に、情報提供なり情報収集なり、いろんな問題が出てくるわけでありますが、これが一部特権的なものとか独占的なものによってもっぱら利用されるというようなことではなくて、やはり広く国民に平等に情報が公開されるといいますか、こういう本来の情報のあり方、要するに、特定のものが特定の利益を得るために行なうことに比重がかかるのではなくて、企業その他の場合にはある程度やむを得ない問題がありますけれども、本筋としては、この情報の問題というのは、やはり広く国民に平等に機会が与えられるような処理のしかた、提供のしかたというものが重要だと思うのでありますし、そういったことをやっていくためにも、その運営についても、広く国民のためになるといいますか、われわれのことばでいうと、民主的運営といいますか、そういう運営をすること、これも非常に重要な問題だ、こう考えるのでありますけれども、その点についての大臣のお考えを承りたいと思います。
#8
○井出国務大臣 いま言われます特権的なものあるいは独占的なもの、この内容が何をおさしになるか明らかでございませんけれども、それはそれとして、民主的に運営をされる、あるいは一般公開とでもいいますか、そのたてまえ論、その御趣旨はそのとおりに考えております。
#9
○堀分科員 私がちょっと抽象的な表現を申しましたので、大臣も御理解しにくかったと思うのでありますけれども、要するに、情報というものが、ある特定のサークルの中にだけため込まれて、特定のものにだけ有利に働くということでは、本来国民的な視野から見ますと、それは非常に差別されるといいますか、そこにある特権的なものと、その他の国民ということになるので、本来情報というものは、企業の秘密のようなものは別でありますけれども、一般的には国民に平等に開放されるべきだ、こういう考え方を申し上げただけでございます。
 そこで、それに関連して、特に最近の日本の経済状況というものは、各種の面で人間疎外という問題が非常に強くあらわれてきておるというのが現状ではないか、こう考えております。この人間疎外の方向を情報化がさらに促進をするようなことになるのでは、これまた情報化時代というものの本来のあるべき姿ではないのではないか、やはりそこでは人間尊重といいますか、人間を中心としてものを考えていくような情報の提供のあり方ということが、きわめて重要だと思います。それに関連をして、そこから出てまいります情報問題の中の一つの重要なポイントは、プライバシーの保護といいますか、ある意味では基本的な人権を守るといいますか、こういう問題が非常に確立をしておりませんと、いまの問題と非常にかけ離れた問題が起こってくる、こういうふうに考えておるわけですが、今後の情報化対策というものの中で、大臣はそういう国民のプライバシーの問題、広くいえば基本的人権の問題を守るという御決意があるかどうか、これは特に国の所管する情報化問題については郵政大臣が非常に中心的な役割りを果たされることになると思うので、その点についての御見解をひとつ承っておきたいと思います。
#10
○井出国務大臣 情報産業と申しましても、非常に新しい分野でございますし、日本においてこういった処理をどうするかという一つのプリンシプルみたいなものが、まだ必ずしも十分に確立をされていないという面があろうと思うのでございます。したがって、いまおっしゃる人間尊重並びにプライバシーの擁護という御説は、まさにそのとおりに拝聴をいたしております。
#11
○堀分科員 私はいま三つの問題を、特に今後の情報化を進めていく場合における基本的な柱だというふうに考えておりますし、それらについての検討もされておるところがあるわけでありますので、私もこれは全く賛成なものですから、きょう大臣のお答えも私と同様のお考えのようでありますから、ぜひこの線に沿って――これはちょっと抽象的原則論でございますけれども、きょうは時間がございませんから、また逓信委員会で個別の問題については承りますが、まずそういうことでひとつ情報化問題に対処をしていただきたいということを最初に要望いたします。
 次に、ちょっと電電公社の予算に関する問題についてお伺いをいたしますが、電電公社でお出しになっておる「昭和六十年の電電公社のビジョン」というのがございます。これを拝見いたしますと、昭和六十年度の総事業収入が昭和四十四年度の六倍になるようにひとつめどを置きたい、従業員一人当たりの事業収入が四十四年度の四倍になるようにしたい、企業の健全な成長発展を保証する資本報酬率を確保するようにしたい、建設投資も昭和四十四年度の大体六倍にしたい、こういうふうに実は目標が設定をされておるわけです。
 そこで、この中で総事業収入が四十四年度の六倍、しかし従業員一人当たりの事業収入は昭和四十四年度の四倍だ、こういうふうに書かれておることは、必然的に人間が増加をするということがこれの裏にあると思うのですね。これは私が単純に計算しますと、人間が五〇%ふえるということで片方は四倍、片方は六倍になる、こういうことだと思うのですが、これはそういうふうに理解していいですか、公社の方。
#12
○中山説明員 精密に私、計算をしたわけじゃございませんが、ほぼ先生のおっしゃるようなことに理解してよろしいかと思います。
#13
○堀分科員 ここで「企業の健全な成長発展を保証する資本報酬率を確保する。」と抽象的に書いてあるのですが、これは経営比率で見ると、皆さんのいう資本報酬率というのはどれに当たりますか。
#14
○中山説明員 いまの適正な報酬率を確保するというのは、たとえば英国の電信電話……。
#15
○堀分科員 この経営比率のどれに当たるかを答えてください。時間がございませんから……。
#16
○中山説明員 その点を申し上げようと思ったわけですが、ここにございます総資本利益率は、利益金を総資本で割ったものでございますけれども、この総資本というものを、技術的に資本報酬率を出す場合に、いろいろと一つの理論によりまして取り去るもの等を取って考えていかなくちゃならぬと考えておりまして、諸外国におきましても、あるいはフェアリターン、適正報酬率あるいは英国の資本報酬率、英国の電信電話事業の資本報酬率というものを、資本で見る場合にやはり具体的にきめておるわけでございまして、ここにありますものの中では、ちょっと的確に当たるものはないのではないだろうか。しかし、大体において、総資本利益率というものと同じくらいに考えていただいたらいいのではなかろうか、こういうふうに思います。
#17
○堀分科員 そうすると、そのあなた方の発展を保証する資本報酬率というのは、どのくらいを考えていますか。
#18
○中山説明員 いま申し上げましたように、概念的にいろいろ問題はございますが、やはり八%ないし八・五%、これは英国の電信電話事業が政府の方針としてそういうものを期待されておるというところから、妥当なものではなかろうかと思っております。
#19
○堀分科員 では、今年度ぐらいは幾らなのですか。これは、ここには総資本利益率と書いてあるから……。
#20
○中山説明員 四十五年度はたしか――私、いまちょっと数字を置き忘れてまいりましたけれども、総資本利益率は一%に満たない状況であったと思います。
#21
○堀分科員 そうすると、皆さんの考えておられる報酬率よりは、いま非常に悪いということですね。しかし、六十年までにはそれは八%まで高めるのだということが一つの考え方としてここにあらわされている。
 そこで、この問題の中でひとつお聞きしたいのは、六十年のビジョンは書いてあるのに、人間のこと、要するに職員のことをちっとも書いておらぬですね。職員はかくあるべしといろいろ書いてあるのですが、一体この時点に職員の給与は何倍くらいになるのだということは書いてないのですが、これは、昭和六十年の時点には、職員の給与というのはどのくらいになるのでしょうか。倍率でいいですよ、いまのマクロの倍率で。
#22
○中山説明員 六十年のビジョンにおきましては、的確に計数的に捕捉をいたしておりませんけれども、従来の伸び率からまいりますと、六十年をまたないで、昭和五十年ごろになると、いまの二倍近いものに計算上はなるのではなかろうか。ただ、これは国の経済の成長率とか、そういったことがありますので、実際にそうなるかどうかわかりませんけれども、従来の傾向から推してまいり、単純に算術的に計算してみると、そういう程度になると思います。
#23
○堀分科員 私、これを拝見してたいへん興味があったのですが、時間がありませんから、追って逓信委員会でまた少し論議をさせていただきますけれども、いまのように、目標として掲げてあるものが、総事業収入と、従来員一人当たりの事業収入と、資本報酬率と、建設投資と、こうなっているわけですね。ただ、ここで一つ興味があるのは、事業収入も六倍にするのだ、建設投資も六倍にするのだ、こういうふうになっているわけですけれども、ところが、最近のいろいろな資料を見てみると、短期的には必ずしもこういうふうに同じようにはなっていないのですね。
 特に、私は一つ疑問がありますのは、最近の建設投資の問題なんでありますけれども、確かに一般サービス工程ですか、これはいまの電話加入数の伸びにある程度アレンジしておりますけれども、基礎工程というのは、最近ずっとほぼ横ばいになっているのですね。今度二百十万個からの電話機をつけるが、なおかつかなりの積滞数が残る、今後はかなりピッチを上げて電話をつけていく、そういう長期的展望のときには、一般サービス工程というものも当然必要なのでしょうが、あわせてある程度基礎工程の投資をしていかないと、どこかでまたギャップが非常に出てくるのじゃないか。建設投資の伸び率の中身を比較してみると、年度によっては、逆に基礎工程が少し減っている年もあるし、最近はほぼ横ばいの状態であります。ただ一般サービス工程と建設投資だけが伸びている。これは、どこかにいくとドロップするところが出てくるのではないかという感じが私はしておるのですが、これが一つ。
 もう一つは、予算、決算で見てみると、未完成工事というもののウエートが二五%ぐらいあるのですね。ことしのものでたまたま、決算はわかりませんから、予算だけで計算をしてみると、約千七百億ぐらい実は未完成工事が出てくることになる。この未完成工事がこれだけできるということは、大体二五%ぐらいになるのですが、そうすると、年々これがふえていくということではこれまた問題があると、こういう気がするのですが、そのいまの基礎工程の関係と、それから未完成工事の関係ですね、ここのところをちょっとお答えをいただきたい。
#24
○中山説明員 まず最初に、基礎工程とサービス工程との関係でございますが、御指摘のように、この構成比を見ましても、四十五年度予算と四十四年度予算を比べましても、四十四年度が基礎工程五七・五%、それに対しまして四十五年度は五一・七%、かなり大きな落差が出てきておるわけでございまして、これにつきましては、私どもも、本来こういう姿は望ましいことではない、事業の永続的な発展のためには、基礎工程とサービス工程がバランスをとっていくべきものであるというふうに念願をしておるわけでございますけれども、たまたま近年、大都市周辺におきまして需要の急増が出てまいりまして、この需要に応ずるということが、国民の皆さんからの御要望でございますので、その際に、基礎工程を充実してからということになりますと、何ぶんにも大きな投資を必要とする。それはいいとしても、長い期間を要するということでございますので、緊急に応ずるためには、工事をくふういたしましてトレーラー交換機、可搬型の交換機を使う、あるいはいまお話のございました未完成施設でも、応急に使えるものは使って生かしていくというようなことを、四十五年度予算には強力に盛り込みましておる関係で、大体二百十万の一般加入電話の増設の中で、三十五万くらいはこういったことでやっていきたい。しかし、これを永続するわけにはいきませんので、後日基礎工程のテンポを補てんをしていただく、こういう考え方でやっております。
 そこで、次に未完成工事の問題でございますけれども、御承知のように、この電信電話の設備と申しますのは、大体着工いたしましてから早くて二年、局舎からずっとやってまいりますと三年くらいかかっておるのが普通でございまして、これを継続工程で初年度二〇%、次の年三〇%、次の年五〇%、そういうふうにやってまいります関係で、未完成がどうしても出てまいるということでございますが、近時、局の建設、自動改式等もわりあいいなかのほうに移ってまいっておりますから、局規模が小さくなってまいっております関係で、工期も短くなってまいるということになりますと、いまのような未完成を少なくしてまいるということが可能になってまいるのではないかと考えております。
#25
○堀分科員 最後に総裁に。実は私、この資料をずっと調べながら感じたわけでありますけれども、昭和六十年というのはこれから十六年先なんですね。公社の資料で見ると、昭和二十八年から四十三年までで十六年です。これからの成長のスピードがどうなるか、これはわかりませんけれども……。そこで、従業員一人当たりの賃金と売り上げ高、これを割ってみますと、昭和二十八年には、売り上げ高の三一・七%という賃金が実は払われておったわけです。ところが、四十三年になりますと、一人当たり二六・四%に下がってきているわけです。結局、一人当たりの売り上げが非常にふえているということは、言うなれば生産性が非常に上がっている。その生産性が上がっているわりに、労働分配率がどんどん下がる傾向にあるということだと――私がさっきちょっと問題提起をした、昭和六十年に五〇%の人間をふやすということは、いま二十五、六万人いるのですから、十二万人余りの人間をふやすということになりますが、非常に高度の技術を要する職員を、いま金の卵といわれる新卒者の中から、それも質のいい者を選んで十二万人ということは、年平均八千人くらいずつ入れていかなければ、実はあなた方の考えは成り立たないということになるわけですね。そうして見ると、いまこういうふうに下がってきた分配率は、どこかで横ばいにしながら、場合によってはやや少し上に上がるようにでもしなければ、皆さんが六十年に書いたビジョン、事業収益六倍――この次、逓信委員会で、この資本報酬率八%は一体どうしたら達成できるかということを、今後の第五次七カ年計画を含めての改定長期計画との中で議論をしていきたいと思うのですが、これは今後の電電公社にとって最も重要な問題である。今後、国の事業であれ、民間事業であれ、その事業が発展するかどうかは人間できまる、こう私は見ているわけです。いい人間を集めるかどうかということは、賃金に関係をしてくると考えるのです。ことしの問題ではなくて、長期的展望に立つ電電公社としては、この賃金問題を長期的にどう考えられるかを総裁に伺って、きょうはこれで終わります。
#26
○米澤説明員 お答えいたします。
 昭和六十年の電電公社のビジョンというのをつくりました趣旨をちょっと簡単に申し上げますと、電電公社の中に現在職員が二十七万おりますけれども、若い人を非常に多数かかえておりまして、それらの若い人に毎日の仕事をいろいろやっていただいておるのでありますが、将来そういう人に対して一体どんな展望があるかという見通しを与えることは、結局この若い人たちに希望と夢とを与えるということで、つくっておるわけであります。実はこれは三年前に一ぺんつくったのがあるのでありますが、それを見ておりますと、最近の進歩が激しいので、それを改定いたしまして――これは電電公社の経営委員会できめたとか、そういうかたいものではないのでありまして、経営調査室の試案ということでつくったわけであります、したがって、私たちは、このビジョンに対しましてただいまいろいろ御質問、御意見もございましたが、内外からのいろいろな建設的な意見を受けまして、これを絶えず修正、改定して夢を持っていきたいというのがねらいであります。
 それからもう一つ、ただいま御質問のありました点につきましては、実は経営調査室長がおりませんけれども、経営調査室でいろいろ検討して出ておる数字でございまして、経理局長がいま答えた数字がそのまま経営調査室で考えた数字と合っているかどうか、私実は疑問にしております。ビジョンであって、こまかい数字につきましては、私自身もそう深く掘り下げておりませんので、きょうは数字の説明は保留させていただきたいと思います。
#27
○堀分科員 私が言うのは、数字の説明ではなくて、要するに、一人当たりの売り上げ高が上がってきておるけれども、この売り上げ高に対する賃金の比率はどんどん下がってきておる。しかし、いまのような下がり方を続けていれば、私に言わせると、電電公社はこれから十六年先に六倍の事業収益だとか、そんなことは考えられなくなってしまうということです。幾ら機械を整備しても、これを動かす人間がいなければいけない。その人間は、この資料から逆算すると、五〇%ふえることになる。総事業収入が六倍になるときに、一人当たりの事業収入は四倍にしかならぬということは、裏返せば、人員が一五〇%になるから四倍にしかならぬということをこの資料は書いておるわけです。そうすると、いま二十七万ですか、十三万五千人はこれから十六年間にふやしていかなければならぬという一つのめどが書いてある。人間をそれだけふやしていくについては、私が言うように、労働分配率を下げっぱなしのようなことでは、それはできませんよ。少なくとも横ばいにするか少し上向きにして、いい職員をとることが、そういうあなたのビジョンにつながるのであって、幾らここにりっぱなビジョンを書いてお説教してみても、素材のよくない職員を集めておいたのでは、そんなものは絵にかいたもちなんで、まず肝心なのは、そのビジョンを達成するためには、要するに労働分配率を横ばいにするかやや高目にするようにして、いい職員を集めることが、電電公社の発展のもとになるのではないか。それをビジョンが大事なんじゃないかということを私は伺っておるので、数のことを聞いておるわけではありません。
#28
○米澤説明員 ただいま御指摘がありましたように、専門家といいますか、非常にいい職員を多数集めるということは、非常に大事なことであります。したがって、給与問題等もいろいろ考えなければならぬと思うのでありますが、このビジョンの中でそれがどんなふうになっておるか、実は私もつまびらかにしておりませんので、申し上げかねるわけであります。一般的なお考えは十分理解いたしております。
#29
○堀分科員 もう一言だけ。いま私は何もビジョンの中に書いてあるというのではない。過去の例で見ると、昭和二十八年から四十三年までは分配率がずっと下がってきている。しかし、こんなことを続けていたらうまくいかないだろうということを言っているので、中には何も数は書いてない。数は六倍と四倍が書いてあるだけなんです。その六倍と四倍をてこにしながら、いまの問題は、そういう良質の人間を得るということ、そのためには、いい給与を払わなければ良質の人間は来ませんよ。これからの企業の競争というのは、電電公社は独占だから競争はないかもしれないけれども、やはりその点は人間で勝負することになるんだということを私は申し上げただけです。それだけを確認していただければ、これで終わります。
#30
○米澤説明員 その一般的な考え方につきましては、十分賛成いたしております。
#31
○堀分科員 終わります。
#32
○渡辺(栄)主査代理 堀君の質疑は終了いたしました。
 次回は、来たる十六日午前十時より開会し、運輸省所管について審査を行ないます。
 本日は、これにて散会いたします。
    午前十時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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